JP2024083114A - 半導体基板およびその製造方法 - Google Patents

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孝介 三島
龍生 多田
一真 武内
克明 正木
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Abstract

Figure 2024083114000001
【課題】半導体デバイスの製造効率を高める。
【解決手段】半導体基板は、ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板と、前記第1シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有し、前記第1凸体の外周面に接する括れ部を有する第1窒化物半導体部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、半導体基板およびその製造方法に関する。
従来、GaN(窒化ガリウム)基板上に窒化物半導体の積層構造を形成した後、上記GaN基板および積層構造を劈開して分割することにより半導体素子を形成する手法が知られている。
特許文献1には、複数の劈開誘発部材を配列させたラインに沿った所定方向に、GaN基板および積層構造の劈開を誘発させることにより、劈開の歩留りを向上させる技術が開示されている。
国際公開第2006/041134号
半導体デバイスの製造効率を高める。
本開示の一態様における半導体基板は、ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板と、前記第1シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有し、前記第1凸体の外周面に接する括れ部を有する第1窒化物半導体部と、を備えている。
本開示の一態様における半導体基板の製造方法は、ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板を準備する工程と、前記第1シード領域上から前記第1選択成長領域上に成長した、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有する第1窒化物半導体部が前記第1凸体の外周面に接し、前記第1窒化物半導体部に前記外周面に接する括れ部が形成された後に前記第1窒化物半導体部の成長を止める工程と、を含む。
半導体デバイスの製造効率を高めることができる。
本開示の一実施形態における半導体基板の構成を概略的に示す平面図である。 図1に示すII-II線の矢視断面図である。 図1に示すIII-III線の矢視断面図である。 図2の部分拡大図であって、第1窒化物半導体部にクラックが生じる前の、応力集中部を有する状態の半導体基板を示す図である。 別の一実施形態における半導体基板の構成を概略的に示す平面図である。 第1凸体の周辺を拡大して示す平面図であって、第1凸体の形状の一例を示す図である。 本開示の一実施形態における半導体基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本開示の一実施形態における半導体基板の製造装置の一例を示すブロック図である。 実施例1における半導体基板の構成を概略的に示す平面図である。 図9に示すX-X線の矢視断面図である。 テンプレート基板の構成例を示す断面図である。 実施例1における半導体基板の第1凸体について示す拡大断面図である。 実施例1における半導体基板の第1凸体について示す拡大平面図である。 実施例1における半導体基板に含まれるテンプレート基板の製造方法を概略的に示す断面図である。 実施例1における半導体基板に含まれる窒化物半導体部の横方向成長の一例を示す断面図である。 実施例1における半導体デバイスの製造方法を示す平面図である。 実施例1における半導体デバイスの製造方法を示す断面図である。 実施例1で得られる半導体デバイスの構成を示す斜視図である。 実施例1で得られる半導体デバイスの別構成を示す斜視図である。 実施例2における半導体基板およびそれを用いた半導体デバイスの製造方法を示す平面図である 実施例2で得られる半導体デバイスの構成を示す斜視図である。 実施例2における半導体デバイスの構造例を示す斜視図である。 実施例3における、半導体基板に含まれるテンプレート基板の製造方法を示す断面図である。 実施例4における半導体基板の、クラックが形成された第1窒化物半導体部の応力状態について説明するための図である。 実施例4における半導体基板の、クラックが形成されていない第1窒化物半導体部の応力状態について説明するための図である。 図25における符号2502で示す図の応力測定結果について、カラーバーのスケールを変更して示す画像である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、以下の記載は本開示の趣旨をよりよく理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本開示を限定するものではない。本出願における各図面に記載した構成の形状および寸法(長さ、幅等)は、実際の形状および寸法を必ずしも反映させたものではなく、図面の明瞭化および簡略化のために適宜変更している。
〔半導体基板〕
図1は、本開示の一実施形態における半導体基板の構成を概略的に示す断面図である。図2は、本開示の一実施形態における半導体基板の構成を概略的に示す平面図である。図1では、図2に示すI-I線の矢視断面図を示している。図3は、図2に示すIII-III線の矢視断面図である。本開示における図2等のように、図示の平明化のために、平面図においても各部材にハッチングを付している場合がある。このことは以下に説明する他の図面においても同じである。
図1~図3に示すように、本開示の一実施形態における半導体基板10は、テンプレート基板7および第1窒化物半導体部8Fを備えている。テンプレート基板7は、ベース基板BSを含み、第1方向(X方向)に並ぶ第1シード領域4Fおよび第1選択成長領域6Fを有する。テンプレート基板7は、第1選択成長領域6Fに第1凸体21Pが設けられている。第1窒化物半導体部8Fは、テンプレート基板7における第1シード領域4F上および第1選択成長領域6F上に位置しており、上記第1方向と直交する第2方向(Y方向)に伸びる長手形状を有する。第1窒化物半導体部8Fは、第1凸体21Pの外周面21Sに接する括れ部CPを有する。第1窒化物半導体部8Fは、窒化物半導体層(例えば、窒化物半導体結晶)であってよい。
テンプレート基板7は、ベース基板BS上に選択成長部(堆積抑制部)20を有しており、この選択成長部20によって第1窒化物半導体部8Fを選択的に成長させることができる。選択成長部20は、第1薄部21T、第1凸体21Pおよび開口部Kを含む。
第1薄部21Tは、窒化物半導体が堆積し難い材質により形成されており、第1窒化物半導体部8Fを横方向成長させる選択成長用マスクの機能を有する。また、第1凸体21Pは、ベース基板BSまたは第1薄部21Tから上方に突出した凸形状を有しており、第1凸体21Pの厚さ(高さ)は、第1窒化物半導体部8Fの厚さよりも大きくてよい。第1凸体21Pは、窒化物半導体が堆積し難い材質により形成されている。
開口部Kは、上記第2方向(Y方向)に伸びる長手形状を有していてよい。ベース基板BSの上面における、開口部Kと重なる部分が第1シード領域4Fとなっていてよい。ベース基板BSの上面における第1シード領域4F以外の部分の少なくとも一部の上方に、第1薄部21Tおよび第1凸体21Pが位置していてよい。
第1窒化物半導体部8Fは、第1シード領域4Fを起点にして、第1薄部21T上を横方向成長する。そして、第1窒化物半導体部8Fは、第1凸体21Pの外周面21Sに触れる位置まで横方向成長すると、その後は、第1凸体21Pの外周面21Sに沿って成長する。これにより、第1窒化物半導体部8Fの少なくとも一部に括れ部CPが形成されてよい。
第1凸体21Pは、第1窒化物半導体部8Fに括れ部CPを形成できる構造等を有していればよく、第1凸体21Pの具体的な構造は特に限定されない。例えば、第1凸体21Pは、中核となる核部および当該核部を覆う表層部を有していてよく、当該表層部が第1薄部21Tと連続して(一体に)設けられていてよい。上記核部は、ベース基板BS上に形成可能であればよく、また、上記表層部によって覆われることによって第1凸体21Pを形成可能な材質であればよい。上記核部の具体的な材質は限定されない。或いは、第1薄部21T上に第1凸体21Pが別体に設けられていてもよい。
第1凸体21Pにおける外周面21Sは、括れ部CPと接する第1端面EFを含む。第1窒化物半導体部8Fの括れ部CPは、第1端面EFの形状に沿うような形状であってよい。第1窒化物半導体部8Fは、第1方向(X方向)に伸びて括れ部CPに至るクラックCを含んでいてよい。
また、本実施形態の半導体基板10では、選択成長部20は、第1薄部21Tおよび第1凸体21Pのそれぞれに対応するように、開口部Kを挟んで第1方向(X方向)における反対側に位置する対設第1薄部21TAおよび対設第1凸体21PAを有していてよい。第1薄部21Tおよび第1凸体21Pにそれぞれ対応する対設第1薄部21TAおよび対設第1凸体21PAについて、繰り返して詳細に説明することは省略する。
第1窒化物半導体部8Fは、主材料(主成分)として窒化物半導体を含む。窒化物半導体は、例えば、AlxGayInzN(0≦x≦1;0≦y≦1;0≦z≦1;x+y+z=1)と表すことができ、具体例として、GaN系半導体、AlN(窒化アルミニウム)、InAlN(窒化インジウムアルミニウム)、InN(窒化インジウム)を挙げることができる。GaN系半導体とは、ガリウム原子(Ga)および窒素原子(N)を含む半導体であり、典型的な例として、GaN、AlGaN、AlGaInN、InGaNを挙げることができる。
第1窒化物半導体部8Fは、ドープ型(例えば、ドナーを含むn型)であってよく、ノンドープ型であってもよい。半導体基板とは、窒化物半導体を含む基板という意味であり、ベース基板BSが窒化物半導体以外の半導体(例えば、シリコン系半導体)または非半導体(例えば、絶縁体)を含んでいてもよい。
第1窒化物半導体部8Fは、第1シード領域4F(開口部Kにおいて露出したベース基板BSの上面)を起点として、ELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法によって形成することができる。第1窒化物半導体部8Fは、例えば、ベース基板BSとベース基板BS上のマスクパターン(後述)とを含むテンプレート基板7を用いてELO法によって形成されてもよい。第1窒化物半導体部8Fは、成長抑制領域(例えば、c軸方向の結晶成長を抑制する領域)と開口部Kに対応するシード領域とを有するテンプレート基板7を用いてELO法によって形成されてよい。第1シード領域4Fは、第1窒化物半導体部8Fの成長の起点となる領域であればよく、テンプレート基板7は、例えば、第1シード領域4Fを有するとともに、ベース基板BSの上面に第1選択成長領域6Fを有していてよく、この場合、第1薄部21Tを有していなくてもよい。
図1およびその他の図において、窒化物半導体の<11-20>方向をX方向、窒化物半導体の<1-100>方向をY方向、窒化物半導体の<0001>方向をZ方向(厚さ方向)とすることができる。上記第1方向は、第1窒化物半導体部8Fのm軸方向(<11-20>方向)であってよく、上記第2方向は、第1窒化物半導体部8Fのa軸方向(<1-100>方向)であってよい。Z方向(厚さ方向)は、第1窒化物半導体部8Fのc軸方向(<0001>方向)であってよい。本明細書における以下の説明でも同様にXYZ方向を規定し、図中にXYZ軸(矢印は方向の参照用)を適宜図示している。半導体基板10では、ベース基板BSから第1窒化物半導体部8Fへの向きを「上向き」とする。また、本明細書において、或る部材をZ方向から視ること、換言すれば略平板上の部材(例えば半導体基板10)における上面の法線方向と平行な視線で当該部材を視る(透視的な場合を含む)ことを「平面視」と呼ぶことがある。このことは、以下の説明においても同様であり、繰り返して説明することは省略する。
ELO法では、ベース基板BSまたはベース基板BSに含まれる主基板(ここでは図示省略)として、窒化物半導体とは異なる格子定数を有する異種基板を用いることができる。異種基板を含むテンプレート基板7を用いて、第1窒化物半導体部8Fを横方向成長させることができる。異種基板としては、例えば、単結晶のシリコン(Si)基板、サファイア(Al)基板、シリコンカーバイド(SiC、炭化シリコン)基板等を挙げることができる。
ここで、一般に、ELO法に用いられる成長用基板の材質と、当該成長用基板上にELO法により成長させた半導体層の材質とが互いに異なる場合、以下のような問題が生じ得る。すなわち、高温の温度条件下にて成長用基板上に半導体層を成膜して得られた半導体基板を室温に冷却すると、成長用基板と半導体層との熱膨張係数の相違に起因して上記半導体層に内部応力(圧縮応力または引張応力)が生じる。
例えば、サファイア基板上にELO法によりGaN層を成長させた半導体基板は、室温に冷却すると上方に向かって反りが発生した湾曲形状を有する。また、Si基板またはSiC基板上にELO法によりGaN層を成長させた半導体基板は、室温に冷却すると下方に向かって反りが発生した湾曲形状を有する。半導体基板が湾曲することにより、半導体層に不要なひび割れが発生したり後工程においてリソグラフィ工程を行うことが困難になったりする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、新たな知見を得た。この知見について、図4を参照して説明すれば以下のとおりである。
図4は、図2の部分拡大図であって、第1窒化物半導体部8FにクラックC(図2参照)が生じる前の状態を示す図である。図4では、第1窒化物半導体部8Fに生じる内部応力の応力方向を矢印にて模式的に示している。
ベース基板BSが例えばシリコン基板を含む場合、以下のことが言える。すなわち、高温条件下で第1窒化物半導体部8Fを形成した半導体基板10を室温に降温すると、第1窒化物半導体部8Fおよびベース基板BSは温度の低下に伴って収縮する。第1窒化物半導体部8Fは、ベース基板BSよりも収縮度合いが大きい。本実施形態における半導体基板10では、第1凸体21Pによって第1窒化物半導体部8Fに括れ部CPが形成されており、この場合、図4に示すように、括れ部CPの近傍に応力集中部SPが生じる。
第1凸体21Pにおける、平面視で第1方向の第1端面EF側の先端部を第1端部21Xと称する。応力集中部SPは、第1凸体21Pと第1窒化物半導体部8Fとが接している部分に位置していてよく、第1端部21Xの周辺部分に位置していてよい。第1窒化物半導体部8Fは、テンプレート基板7上において少なくとも一部が接合されて位置固定されている。そのため、窒化物半導体を含む第1窒化物半導体部8Fの収縮に応じて、シリコン基板を含むベース基板BSから第1窒化物半導体部8Fに対して引張応力が生じ得る。
上記のような圧縮応力および引張応力によって、括れ部CPにおける第1端部21Xの近傍においてクラックCが形成され易い。半導体基板10は、第1窒化物半導体部8FにクラックCを生じさせることによって、第1窒化物半導体部8Fに生じた内部応力を緩和させることができる。例えば、応力集中部SPに内部応力を強く発生させることによれば、成膜後に室温へ降温させた際に第1窒化物半導体部8FにクラックCが自発的に形成され、その結果、第1窒化物半導体部8Fの内部応力を緩和させることができる。
また、クラックCが自発的に形成されない程度に、応力集中部SPに内部応力を比較的弱く発生させることも可能であり、この場合、クラックCが形成されていない状態で半導体基板10を後工程に供することができる。そして、後工程における所望の時点(タイミング)にて外力を印加することによってクラックCを容易に形成することができ、その結果、第1窒化物半導体部8Fの内部応力を緩和させることができる。
成膜後の室温への降温時に応力集中部SPに発生する内部応力の強さは種々の方法により調整できる。例えば、第1窒化物半導体部8Fの厚さを薄くする、またはベース基板BSの厚さを厚くすることによれば、応力集中部SPに生じる内部応力を弱めることができる。また、第1凸体21Pの形状および括れ部CPの形状等によって、応力集中部SPに生じる内部応力の強さを調整できるとともに、クラックCが自発的に形成されるために要する内部応力の強さを変化させることができる。
第1端面EFのうち括れ部CPと接している部分を当接領域AR1と称する。平面視において、当接領域AR1の第1方向の長さL1は、第1端面EFの第1方向の長さL2の15%以上であってよく、これにより、括れ部CPは、応力集中部SPを効果的に形成し易い形状を有する。長さL1は、長さL2と同じ大きさであってもよく、第1窒化物半導体部8Fは、第1凸体21Pの第1端面EFと接する位置よりもさらにX方向に延びて形成されていてもよい。
第1凸体21Pの第1端面EFは、外周面21Sのうち、第1端部21Xを形成する面であって平面視において第1シード領域4F側を向いている(換言すれば平面視において面の法線が第1シード領域4Fを通る)面であってよい。第1凸体21Pについて説明することは、対設第1凸体21PAについても同じであってよく、繰り返して説明することは省略する。但し、第1凸体21Pおよび対設第1凸体21PAは、当接領域AR1の大きさ、すなわち長さL1が互いに異なっていてもよい。
本実施形態の半導体基板10によれば、第1凸体21Pを有することにより第1窒化物半導体部8Fに括れ部CPを形成できる。括れ部CPの近傍に位置する応力集中部SPにおいてクラックCが優先的に形成されることにより、第1窒化物半導体部8Fに意図しない不要な割れが生じる可能性を低減できるとともに、スリップラインが生じる可能性を低減できる。そして、第1窒化物半導体部8Fの内部応力を緩和させることにより、半導体基板10の反りを低減し易くできる。さらには、クラックCが自発形成されることによれば、半導体デバイスの製造工程を簡略化できる。また、クラックCが自発形成しないように半導体基板10を設計することもでき、この場合、後工程において、ブレーキング処理によってクラックCを形成して応力緩和させる工程を適宜行うことができる。上記のような各種の効果から、半導体基板10を用いることにより半導体デバイスの製造効率を高めることができる。
なお、応力集中部SPに発生する内部応力およびクラックCの形成による応力緩和について、ラマン分光法を用いた応力測定によって評価できることを本発明者らは確認している(後述の実施例4を参照)。
半導体デバイスの具体例として、発光体(LEDチップ、半導体レーザチップ等)、発光体がサブマウントされた発光素子、発光素子がパッケージングされた発光モジュール等を挙げることができる。半導体デバイスとしては、発光系の半導体デバイスに限定されず、例えば、受光素子(Photo diode)であってもよい。半導体基板10を受光素子の製造に用いる場合も、発光系の半導体デバイスの製造に用いる場合と同様の効果を得ることができる。
〔別構成例〕
図5は、別の一実施形態における半導体基板10の構成を概略的に示す平面図である。図5における符号5001で示す図のように、半導体基板10は、第1凸体21Pを有する一方で対設第1凸体21PAを有していなくてもよく、この場合においても、第1窒化物半導体部8Fに括れ部CPを有することによりクラックCを形成し易くできる。
また、半導体基板10は、第1凸体21Pの外周面21Sに接する第2窒化物半導体部8Sを備えていてよい(後述の実施例を参照)。第2窒化物半導体部8Sは、第1選択成長領域6F上に位置していてよく、図示を省略する他のシード領域を起点に、第1薄部21T上を横方向成長して第1凸体21Pに接していてよい。
第1凸体21Pは、例えば、第1方向を長手方向とする形状であってよい。第1凸体21Pは、外周面21Sに第2窒化物半導体部8Sと接する第2端面ESを含んでいてよい。第1凸体21Pは、第1端面EFおよび第2端面ESの形状が対称であってよい。半導体基板10は、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sの両方に、第1凸体21Pに至るクラックCを有していてよい。
また、図5における符号5002で示す図のように、半導体基板10は、第1窒化物半導体部8Fに接する第1凸体21Pと、第2窒化物半導体部8Sに接する第2凸体22Pとを有していてもよい。この例では、第1凸体21Pは、第2窒化物半導体部8Sに接していなくてよい。第2凸体22Pは、第1凸体21Pと同じく、括れ部CPを有するように第2窒化物半導体部8Sの横方向成長を案内する形状の外周面22Sを有している。第2凸体22Pは、外周面22Sに、第2窒化物半導体部8Sの括れ部CPに接する第3端面ETを含んでいてよい。
第1凸体21Pおよび第2凸体22Pの大きさを比較的小さくすることにより、例えば、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sの成膜時における原料ガスの流れ(例えば流速)に対する影響を低減できる。また、第1凸体21Pと第2凸体22Pとの間に空隙を有することによっても、上記原料ガスの流れに対する影響を効果的に低減できる。そのため、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sの結晶成長の均一性を高め易くできる。
半導体基板10は、第1凸体21Pおよび第2凸体22Pが第1方向(X方向)に並んでいてもよく、図5における符号5002で示す図のように、第1凸体21Pおよび第2凸体22Pの第2方向(Y方向)における位置が互いに異なっていてもよい。これにより、上記原料ガスの流れに対する第1凸体21Pおよび第2凸体22Pの影響が低減し得る。その結果、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sの結晶成長の均一性を高めることができる。
〔凸体の形状例〕
本開示の一実施形態における半導体基板10の有する凸体の形状例について、図6を参照して説明すれば以下のとおりである。以下では第1凸体21Pを例示して説明するが、以下に説明することは半導体基板10が有する複数の凸体のそれぞれに適用され得る。また、半導体基板10が有する複数の凸体のそれぞれが互いに異なる形状を有していてもよい。
図6は、第1凸体21Pの周辺を拡大して示す平面図であり、第1凸体21Pの形状の一例を示している。図6では、図示の平明化のために、平面視における第1凸体21Pの形状を簡潔に記載している。但し、典型的には、第1凸体21Pは、XY平面に平行な断面で切断した場合の断面積が上面から下面(例えば第1薄部21Tとの接続面)にわたって拡大するような形状であり得る。換言すれば、第1凸体21Pの外周面22Sは厚さ方向において傾斜した形状で有り得る。このことは、後述の実施例において説明する、半導体基板10の製造方法を参照して容易に理解できる。第1凸体21Pとしては、応力集中部SPに関連する括れ部CPを生じさせるような外周面21Sの形状が重要であり得る。図6は、第1凸体21Pの形状の一例について説明するための模式図であって、平面視における第1凸体21Pの全体的な外観形状は、図6に示す例に限定されないことは勿論である。
図6における符号6001で示す図のように、一例の第1凸体21Pは、平面視において四角形状を有していてよい。また、図6における符号6002で示す図のように、一例の第1凸体21Pは、平面視において三角形状を有していてよい。第1凸体21Pは、平面視において5つ以上の角を有する多角形状を有していてもよい。第1凸体21Pは、角をなす2つの面によって第1端面EFが構成されていてよく、この場合、応力集中部SPに発生する内部応力を高め易くできる。
また、図6における符号6003で示す図のように、一例の第1凸体21Pは、平面視において楕円形状を有していてよい。第1凸体21Pは、平面視において円形状を有していてもよい。また、図6における符号6004で示す図のように、一例の第1凸体21Pは、平面視において砲弾形状を有していてもよい。図6における符号6005で示す図のように、一例の第1凸体21Pは、平面視において角丸三角形状を有していてよく、これに限定されず、角丸多角形状を有していてもよい。第1凸体21Pは、湾曲面によって第1端面EFが構成されていてよく、この場合、応力集中部SPに発生する内部応力を比較的低減し易くできる。
〔半導体基板の製造〕
図7は、本開示の一実施形態における半導体基板10の製造方法の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、半導体基板10の製造方法は、ベース基板BSを含み、第1方向に並ぶ第1シード領域4Fおよび第1選択成長領域6Fを有し、第1選択成長領域6Fに第1凸体21Pが設けられているテンプレート基板7を準備する工程(S10)を含む。そして、半導体基板10の製造方法は、第1シード領域4F上から第1選択成長領域6F上に成長した、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有する第1窒化物半導体部8Fが第1凸体21Pの外周面21Sに接し、第1窒化物半導体部8Fに外周面21Sに接する括れ部CPが形成された後に第1窒化物半導体部8Fの成長を止める工程(S20)を含む。括れ部CPに応力集中部SPが生じることから、応力集中部SPにおいてクラックCを形成し易くできる。このような半導体基板10を用いて半導体デバイスを製造することによれば、半導体デバイスの製造効率を高めることができる。
そして、一実施形態における半導体基板10の製造方法では、第1窒化物半導体部8Fの成長を止めた後、第1窒化物半導体部8Fに、前記第1方向に伸び、括れ部CPに至るクラックCが自然形成されてよい。括れ部CPに生じた応力集中部SPによってクラックCが自然形成されることによれば、クラックCを形成する工程を別途行うことが不要となる。
一実施形態における半導体基板10の製造方法では、第1窒化物半導体部8Fの成長を止めた後、第1窒化物半導体部8Fに外部応力を加えることにより、第1窒化物半導体部8Fに、前記第1方向に伸び、括れ部CPに至るクラックCを形成してよい。クラックCが自然形成しない程度に内部応力が集中した応力集中部SPを有する状態の半導体基板10とした後、適切な時点にて例えばブレーキング工程を行ってクラックCを生じさせることができる。一般に、ブレーキングによって、チッピングが発生したり発塵が発生したりする可能性がある。後工程における適切な時点にてブレーキング工程を行うことによれば、チッピングまたは発塵が発生した場合に、半導体基板10に及ぼす影響を限定的にすることができる。
図8は、本開示の一実施形態における半導体基板10の製造装置の一例を示すブロック図である。図8に示す半導体基板10の製造装置50は、上記S10の工程を行う装置A10と、上記S20の工程を行う装置A20と、装置A10および装置A20を制御する装置A50と、を備える。
装置A10および装置A20はMOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)装置等の処理装置(成膜装置)を含んでいてよい。装置A50がプロセッサおよびメモリを含んでいてもよい。装置A50は、例えば、内蔵メモリ、通信可能な通信装置、またはアクセス可能なネットワーク上に格納されたプログラムを実行することで装置A10および装置A20を制御する構成でもよく、このプログラムおよびこのプログラムが格納された記録媒体等も本実施形態に含まれる。
〔実施例1〕
(全体構成)
図9は、実施例1における半導体基板10の構成を概略的に示す平面図である。図10は、図9に示すX-X線の矢視断面図である。
図9および図10に示すように、実施例1における半導体基板10は、テンプレート基板7、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sを備えている。テンプレート基板7は、ベース基板BSと、ベース基板BS上に位置するマスクパターン6とを有する。マスクパターン6は、第1シード領域4Fに対応する第1開口部K1と第1選択成長領域6Fに対応する第1マスク部5Fとを含む。また、テンプレート基板7は、ベース基板BS上に、上方に突出する形状を有する複数の突出核部(核部)CRを有する。第1凸体21Pは、突出核部CRと、突出核部CRの表面を覆う第1マスク部5Fとを有していてよい。突出核部CRおよびマスクパターン6は、前述の実施形態における選択成長部20に対応する。
テンプレート基板7は、第2シード領域4Sを有し、第1シード領域4Fおよび第2シード領域4Sの間に第1選択成長領域6Fが位置していてよい。第2窒化物半導体部8Sは、第2シード領域4S上および第1選択成長領域6F上に位置し、第1凸体21Pの外周面21Sに接していてよい。第1凸体21Pの外周面21Sが第1マスク部5Fの表面によって形成されていてよく、第1マスク部5Fの表面が第1選択成長領域6Fとなっていてよい。
テンプレート基板7は、第2凸体22Pが設けられた第2選択成長領域6Sを有し、第1選択成長領域6Fおよび第2選択成長領域6Sの間に第2シード領域4Sが位置していてよい。テンプレート基板7は、第1凸体21Pおよび第2凸体22Pが第1方向(X方向)に並んでいてよい。マスクパターン6は、第2シード領域4Sに対応する第2開口部K2と、第2選択成長領域6Sに対応する第2マスク部5Sとを含んでいてよい。第2凸体22Pは、突出核部CRと、突出核部CRの表面を覆う第2マスク部5Sとを有していてよい。第2凸体22Pの外周面22Sが第2マスク部5Sの表面によって形成されていてよく、第2マスク部5Sの表面が第2選択成長領域6Sとなっていてよい。
半導体基板10は、第1方向における第1凸体21Pおよび第2凸体22Pのピッチ(間隔)が、第1シード領域4Fおよび第2シード領域4Sのピッチと等しくなっていてよい。第1凸体21Pおよび第2凸体22Pのピッチとは、第2方向(Y方向)に直交する断面視における、第1凸体21Pの中心と第1凸体21Pの中心との距離であってよい。
テンプレート基板7には、第1凸体21Pおよび第2凸体22Pを含む凸体群PGが、前記第1方向に一定のピッチで並んで配置されていてよい。半導体基板10では、第1選択成長領域6Fに第3凸体23Pが設けられていてよく、第1凸体21Pおよび第3凸体23Pが、前記第2方向に並んで配置されていてよい。
以下では、第1および第2開口部K1・K2を含む、マスクパターン6の開口部の総称を開口部Kとし、第1および第2窒化物半導体部8F・8Sを含む、窒化物半導体部の総称を窒化物半導体部8とする。また、第1および第2シード領域4F・4Sを含む、シード領域の総称をシード領域Jとし、第1および第2マスク部5F・5Sを含む、マスク部の総称をマスク部5とする。マスクパターン6がマスク層であってよく、窒化物半導体部8が窒化物半導体層であってもよい。
(テンプレート基板)
テンプレート基板7におけるマスクパターン6は、ベース基板BSの上方において、複数の開口部Kおよびマスク部5を有している。開口部Kは、第1方向(X方向)を幅方向、第2方向(Y方向)を長手方向とする長手形状であってよい。マスク部5は、平面視において、第1方向(X方向)を幅方向、第2方向(Y方向)を長手方向とする長手形状であってよい。テンプレート基板7は、複数の突出核部CRの配置に対応して、複数の突出核部CRをマスク部5が覆うことにより形成される凸体群PGを有していてよい。
図11は、テンプレート基板7の構成例を示す断面図である。図11では、テンプレート基板7における開口部Kの周辺を示している。図11では図示を省略する突出核部CRは、テンプレート基板7の基本構成に関わらず、主基板1上、ベース基板BS上、またはマスク部5上に位置することができる。
図11に示すように、テンプレート基板7は、主基板1上に、シード部3およびマスクパターン6がこの順に形成された構成でもよいし、主基板1上に、複層の下地部4(バッファ部2およびシード部3を含む)およびマスクパターン6がこの順に形成された構成でもよい。シード部3が、平面視でマスクパターン6の開口部Kと重なるように局所的に(例えば、ストライプ状に)形成されていてもよい。シード部3が600℃以下の低温で形成された窒化物半導体を含んでいてもよい。こうすれば、シード部3の応力に起因する半導体基板10(テンプレート基板7および窒化物半導体部8)の反りを低減することができる。
シード部3は、窒化物半導体部8の成長起点であり、シード領域Jとして機能することができる。シード領域Jは、平面視において開口部Kと重なっていてよく、第2方向(Y方向)を長手方向とする形状であってよい。シード部3は、窒化物半導体部8と接合する。シード部3には、GaN系半導体、窒化アルミニウム(AlN)、炭化シリコン(SiC)、AlScN、グラフェン等を用いることができる。シード部3は、少なくともAlおよびNを含む材料により形成されていてもよい。シード部3の材料は、アルミニウムを含む窒化物半導体であってよい。シード部3に用いる炭化シリコンは、六方晶系の6H-SiC、4H-SiCであってよい。
例えば、主基板1にシリコン基板を用い、シード部3にGaN系半導体を用いた場合、両者(主基板とシード部)が溶融し合うため、例えば、AlN層およびSiC(炭化シリコン)層の少なくとも一方を含むバッファ部2を設けることで、溶融が低減される。シード部3と溶融し合わない主基板1を用いた場合には、バッファ部2を設けない構成も可能である。また、主基板1との反応性の小さいシード部3を用いる場合に、バッファ部2を設けない構成とすることも可能である。
バッファ部2には、例えば、Alを含むGaN系半導体、窒化アルミニウム(AlN)、および炭化シリコン(SiC)を用いることができる。バッファ部2に用いる炭化シリコンは、六方晶系(6H-SiC、4H-SiC)でも立方晶系(4C-SiC)でもよい。バッファ部2が歪緩和層を含んでいてもよい。歪緩和層としては、例えば、AlGaNの超格子構造、AlGaNのAl組成を段階的に変化させるグレーテッド構造等が挙げられる。歪緩和層を含む場合、ELO半導体層8の長手方向の応力が緩和され得る。
シード部3をスパッタ装置(PSD:pulse sputter deposition,PLD: pulse laser deposition、等)を用いて成膜することもできる。スパッタ装置を用いると、低温成膜および大面積成膜が可能である、コストダウンを図ることができる、等のメリットがある。図11に示すように、テンプレート基板7は、主基板1(例えば、SiCバルク結晶基板)上にマスクパターン6が形成された構成でもよい。
一例では、ベース基板BSは、シリコン基板または炭化シリコン基板を含み、窒化物半導体部8はGaN系半導体を含んでいてよい。ベース基板BSは、少なくとも主基板1を含んでいてよく、主基板1と、主基板1上に位置するシード部3とを含んでいてよい。
主基板1は、窒化物半導体でない材料を主成分とする基板であってよい。主基板1は、1000℃での熱膨張係数が窒化物半導体部8よりも小さくてよい。主基板1には、GaN系半導体と異なる格子定数を有する異種基板を用いることができる。異種基板としては、単結晶のシリコン(Si)基板、サファイア(Al)基板、シリコンカーバイド(SiC)基板等を挙げることができる。主基板1の面方位は、例えば、シリコン基板の(111)面、サファイア基板の(0001)面、SiC基板の6H-SiC(0001)面である。これらは例示であって、主基板1は、窒化物半導体部8をELO法で成長させることができる材質および面方位であればよい。主基板1に、SiC(バルク結晶)基板またはAlN(バルク結晶)基板を用いることもできる。「バルク結晶」とは、多結晶であることを意味する。
マスク部5は、窒化物半導体部8を横方向成長させる選択成長用マスクであってよい。マスク部5として、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、窒化チタン膜(TiN等)、シリコン窒化膜(SiNx)、シリコン酸窒化膜(SiON)、および高融点(例えば1000度以上)をもつ金属膜(例えば、プラチナ、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、タングステン、モリブデン等の膜)のいずれか1つを含む単層膜、またはこれらの少なくとも2つを含む積層膜を用いることができる。
開口部Kは、幅方向が、例えば窒化物半導体結晶である窒化物半導体部8のa軸方向(<11-20>方向)であり、長手方向がm軸方向であってもよい。マスクパターン6では、複数の開口部Kが、窒化物半導体部8のa軸方向(X方向)に並んでいてもよい。開口部Kはテーパ形状(下方に向けて幅が狭くなる形状)でもよい。
図12は、実施例1における半導体基板10の第1凸体21Pについて示す拡大断面図である。図13は、実施例1における半導体基板10の第1凸体21Pについて示す拡大平面図である。ここでは第1凸体21Pを例示して説明するが、以下に説明することは、凸体群PGに含まれる他の凸体についても同じである。
図12および図13に示すように、第1凸体21Pは、突出核部CRと、突出核部CRの表面を覆う第1マスク部5Fとを有していてよく、この場合、第1マスク部5F(マスク部5)および第1凸体21Pの表面が同一材料で構成される。
第1凸体21Pは、第1方向(X方向)を長手方向とする形状であってよい。第1凸体21Pの外周面21Sは、第1窒化物半導体部8Fに接する第1端面EFと、第2窒化物半導体部8Sに接する第2端面ESとを含み、第1端面EFおよび第2端面ESの形状が対称であってよい。
第1凸体21Pは、第1方向における第1端面EF側の先端部である第1端部21Xと、第1方向における第2端面ES側の先端部である第2端部21Yとを有していてよい。第1端部21Xおよび第2端部21Yの表面は湾曲面であってよい。第1端面EFおよび第2端面ESは、湾曲面および平面を有していてよい。
第1窒化物半導体部8Fの括れ部CPと第2窒化物半導体部8Sの括れ部CPとは、互いに対称な形状でなくてもよい。括れ部CPは、様々な影響によって形状が変化し得る。第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sはそれぞれ、第1方向(X方向)に伸びて括れ部CPに至るクラックCを有していてよい。
突出核部CRは、第1凸体21Pを形成可能であればよく、具体的な材質は特に限定されない。第1凸体21Pは、窒化物半導体部8の成膜温度(例えば1200℃程度)における耐熱性が求められる。マスク部5および突出核部CRが後工程において除去し易い材質によって形成されている場合、窒化物半導体部8を形成した後の工程において、第1凸体21Pを除去し易くできる。突出核部CRは、TEOS(Si(OC)を原料に形成された二酸化ケイ素(SiO)膜(以下、「TEOS膜」と称する)であってよい。突出核部CRの表面を覆うマスク部5と突出核部CRとは互いに同種の材質を有していてもよく、互いに異なる材質を有していてもよい。例えばマスク部5がシリコン窒化膜を含み、突出核部CRがTEOS膜を含んでいてよい。また、マスク部5と突出核部CRとは互いに同種の材質でありながら互いに異なる原料により形成されていてよく、例えばマスク部5がスパッタ法により形成されたシリコン酸化膜等であり、突出核部CRがTEOS膜であってもよい。
第1凸体21Pは、酸化物および窒化物の少なくとも一方を含んでいてよい。第1凸体21PはTEOS膜を含んでいてよい。上記の例に限定されず、第1凸体21Pは、突出核部CRの少なくとも一部が露出していてもよく、この場合、窒化物半導体が堆積し難い材質により突出核部CRが形成されていてよい。また、突出核部CRがマスク部5に覆われておらず、突出核部CRが第1凸体21Pとなっていてもよい。この場合、突出核部CRは、窒化物半導体部8との固着等が生じ難い材料によって形成されていてよい。
第1凸体21Pにおける突出核部CRの厚さH2は、窒化物半導体部8の厚さH1よりも大きくてよい。ここで、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sの厚さが異なる場合、第1窒化物半導体部8Fおよび第2窒化物半導体部8Sのうち大きい方の厚さを窒化物半導体部8の厚さH1とする。また、第1凸体21Pの厚さH3は、窒化物半導体部8の厚さH1よりも大きくてよい。これにより、第1凸体21Pの上面に窒化物半導体部8が乗り上げるように成長する可能性を効果的に低減できる。そのため、括れ部CPを形成し易くできる。第1凸体21Pの厚さH3は、突出核部CRの厚さH2にマスク部5の厚さを加算した大きさで有り得る。
(窒化物半導体部)
窒化物半導体部8は、開口部Kによってベース基板BSが露出した部分(第1シード領域4F、第2シード領域4S)を起点として、ELO法によって形成することができる。ELO法には、有機金属気相成長、ハイドライド気相成長、分子線気相成長等の気相成長を適用することができる。
本実施例のELO法では、マスク部5上を互いに逆方向(a軸方向)に成長する結晶同士が会合する前に成長を止めることで、ストライプ状の複数の窒化物半導体部8を形成することができる。隣り合う窒化物半導体部8のギャップGの下方にはマスク部5が位置していてよい。
窒化物半導体部8(8F・8S)のうち、シード領域Jの上方に位置する部分は、貫通転位が多い転位継承部HDとなり、第1選択成長領域6Fの上方に位置する部分(マスク部5上のウイング部)は、転位継承部HDと比較して貫通転位密度が小さい低欠陥部SDとすることができる。転位継承部HDおよび低欠陥部SDについては後述する。
(テンプレート基板の製造)
図14は、実施例1における半導体基板10に含まれるテンプレート基板7の製造方法を概略的に示す断面図である。実施例1のテンプレート基板7の製造方法では、図14に示すように、先ずベース基板BSを準備する。次いで、ベース基板BS上に突出核部CRをパターン形成する。突出核部CRを形成する方法は特に限定されない。例えば、ベース基板BS上の全面にTEOSを原料とするSiO膜を形成した後、ドライエッチングによってSiO膜の一部を除去することにより突出核部CRを形成できる。或いは、ウェットエッチングによってSiO膜の一部を除去して突出核部CRを形成してもよい。
次いで、ベース基板BSおよび突出核部CR上に、例えば、スパッタ法を用いてマスク部5を形成する。レジストを塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いてレジストをパターニングし、フッ酸(HF)、バッファードフッ酸(BHF)等のウェットエッチャントによってマスク部5の一部を除去することによって、複数の開口部Kを形成する。これにより、凸体群PGおよびマスクパターン6を有するテンプレート基板7を形成できる。
(テンプレート基板の具体例)
主基板1および下地部4を有するベース基板BSを用いた。主基板1には、(111)面を有するシリコン基板を用い、下地部4のバッファ部2は、AlN層(例えば、30nm)とした。下地部4のシード部3は、第1層であるAl0.6Ga0.4N層(例えば、厚さ2.4μm)と、第2層であるGaN層(例えば、厚さ1.9μm)とがこの順に形成されたグレーデット層とした。
突出核部CRにはTEOS膜(例えば、厚さ10μm)を用いた。TEOS膜の第1方向(長手方向)における長さは、例えば21μmであり、第2方向(短手方向)における長さは、例えば8μmである。
マスクパターン6には、窒化シリコン膜(SiN)を用いた。窒化シリコン膜の厚みは例えば100nmである。窒化シリコン膜の成膜には、プラズマ化学気相成長(CVD)法を用いた。マスク部5の幅は例えば50μm、開口部Kの幅は例えば5μmである。
(窒化物半導体部の成膜)
図15は、実施例1における半導体基板10に含まれる窒化物半導体部8の横方向成長の一例を示す断面図である。図15に示すように、ELO法では、例えば前述のテンプレート基板7を用いて、まず、平面視において開口部Kと重なるシード領域Jにイニシャル成長層SLを形成する。その後、イニシャル成長層SLから窒化物半導体部8を横方向成長させることができる。イニシャル成長層SLは、窒化物半導体部8の横方向成長の起点である。ELO成膜条件を適宜制御することによって、窒化物半導体部8をZ方向(c軸方向)に成長させたり、X方向(a軸方向)に成長させたりする制御が可能である。
ここでは、ELO成膜条件を以下のように制御してよい。すなわち、イニシャル成長層SLのエッジが、マスク部5の上面に乗りあがる直前(マスク部5の側面上端に接している段階)、またはマスク部5の上面に乗り上がった直後のタイミングでイニシャル成長層SLの成膜を止める。換言すれば、上記タイミングで、ELO成膜条件を、c軸方向成膜条件からa軸方向成膜条件に切り替える。こうすれば、イニシャル成長層SLがマスク部5からわずかに突出している状態から横方向成膜を行なうため、窒化物半導体部8の厚み方向への成長に材料が消費され難くなり、窒化物半導体部8を高速で横方向成長させることができる。イニシャル成長層SLは、例えば、2.0μm以上3.0μm以下の厚さに形成すればよい。
実施例1では、窒化物半導体部8をn型GaN層とし、MOCVD装置を用いてテンプレート基板7上に、SiドープのGaN(窒化ガリウム)のELO成膜を行った。ELO成膜条件の一例として、基板温度:1120℃、成長圧力:50kPa、TMG(トリメチルガリウム):22sccm、NH:15slm、V/III=6000(III族原料の供給量に対する、V族原料の供給量の比)を採用することができる。
そして、マスク部5上において横方向成長する第1窒化物半導体部8Fが第1凸体21Pの外周面21Sに接し、第1窒化物半導体部8Fに外周面21Sに接する括れ部CPが形成された後に、第1窒化物半導体部8Fの成長を停止させた。
第1窒化物半導体部8Fは、開口部K上に位置する転位継承部HDと、マスク部5上に位置する低欠陥部SDとを有していてよい。低欠陥部SDは、転位継承部HDよりも、厚み方向(Z方向)に伸びた貫通転位の密度(貫通転位密度)が小さくてよい。窒化物半導体部8よりも上層に活性部(例えば、電子と正孔が結合する領域)を含む場合、、活性部を平面視で低欠陥部SDと重なる位置に設けることができる。
第1窒化物半導体部8Fでは、イニシャル成長層SLから横方向成長することにより、低欠陥部SD内部の非貫通転位を多くすることができる。そして、低欠陥部SD表面における貫通転位密度を低減することができる。また、低欠陥部SD内部における不純物濃度(例えば、シリコン、酸素)の分布を制御することができる。貫通転位は、窒化物半導体部8の表面(c面)または表面に平行な断面について、例えばCL(Cathode Luminescence)測定を行うことにより観察可能である。非貫通転位は、厚み方向に平行な面による断面においてCL測定される転位であり、主には基底面(c面)転位である。
低欠陥部SDは、貫通転位密度が転位継承部HDの1/5以下であってよい。低欠陥部SDは、貫通転位密度が5×10/cm以下であってもよい。
第1窒化物半導体部8Fは、例えば、括れ部CP以外の部分において、横幅が53μm、層厚が5μmであった。低欠陥部SDの幅(X方向のサイズ)は24μmであった。第1窒化物半導体部8Fのアスペクト比は、53μm/5μm=10.6となり、高いアスペクト比を有する。
第1窒化物半導体部8Fは、括れ部CPを有する。そのため、MOCVD装置を用いてELO成膜を行った後、室温に冷却すると、応力集中部SPの部分において、第1方向に伸びるクラックCが自発的に形成されてよい(図4参照)。
(デバイス構造の形成)
図16は、実施例1における半導体デバイスの製造方法を示す平面図である。図17は、実施例1における半導体デバイスの製造方法を示す断面図である。図16の末尾の図は、支持基板SKを透視した平面図を示している。
図16および図17に示すように、半導体基板10におけるマスク部5および突出核部CRをウェットエッチング等により除去する。そして、複数のトレンチTRを形成して窒化物半導体部8を複数のベース半導体部8Bに分割する。窒化物半導体部8に形成される複数のトレンチTRの少なくとも1つによって、ベース半導体部8Bとシード領域J(開口部Kから露出する部分)との結合部が除去されてもよい。この場合、島状とされた複数のベース半導体部8Bがテンプレート基板7上で離散しないように、複数のトレンチTRを形成した後にアンカー膜AFを形成してよい。
その後、各ベース半導体部8Bの上方に、活性部を含む化合物半導体部9を島状に形成することができる。そして、ベース半導体部8Bおよび化合物半導体部9を含む素子部(デバイス積層体)DSを形成することができる。
化合物半導体部9は、例えばMOCVD法で形成することができる。化合物半導体部9は、例えば、n-GaN層と、活性部であるMQW(Multi-Quantum Well)と、p-AlGaN層およびp-GaN層と、の積層構造であってよい。ベース半導体部8Bはベース半導体層であってよく、化合物半導体部9は化合物半導体層であってよい。
アンカー膜AFは、ベース半導体部8Bの側面およびマスク部5に接し、ベース半導体部8Bをテンプレート基板7に繋ぎ止める。アンカー膜AFとしては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸窒化シリコン膜、酸化アルミニウム-シリコン膜、酸窒化アルミニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化チタニウム膜、酸化タンタル膜などの誘電体膜等を用いることができる。
化合物半導体部9は、窒化物半導体(例えば、GaN系半導体)を含んでいてよい。アンカー膜AFに、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム-シリコン膜、酸窒化シリコン膜、もしくは窒化チタン膜等を用いることで、化合物半導体部9の窒化物半導体はアンカー膜AF上に成長しないため、化合物半導体部9を島状に形成することができる。素子部DSの転写時においては、アンカー膜AFの少なくとも一部がテンプレート基板7に残留してもよいし、素子部DSに付随してもよい。アンカー膜AFは、導電性の小さい材料を用いることにより、最終的に半導体デバイスに残留したとしても電気的リーク等を引き起こすおそれはない。
例えば、レジストマスクを用いて、トレンチTRをドライエッチングで形成し、アンカー膜AFを全面にスパッタやEB(Electron Beem Deposition)法で成膜し、その後にレジストマスクを除去することでアンカー膜AFの不要部分をリフトオフすることができる。
アノードである第1電極E1は、平面視で低欠陥部SDと重なり、かつ化合物半導体部9と接するように形成してもよい。ベース半導体部8Bの窒化物半導体がn型である場合、カソードである第2電極E2は、ベース半導体部8Bと接するように形成することができる。
第1電極E1(アノード)および第2電極E2(カソード)については、Al、Ag、Cr、Pd、Pt、Au、Ni、Ti、V、W、Cu、Zn、SnおよびInの少なくとも1つを含む、単層構造または複層構造であってもよく、合金層を含んでいてもよい。第1および第2電極E1・E2の少なくとも一方を、透光性導電膜(ITO(Indium Tin Oxide)等)と、光反射性金属膜(Ag、Al、Ti等)との積層構造とすることもできる。
支持基板SKに素子部DSを転写し、支持基板SKを分割することで、半導体デバイスを得ることができる。第2電極E2は、第2接合部A2を介して支持基板SKに接続されてよく、この場合、第1および第2電極E1・E2の高さが異なる場合においても、支持基板SKに素子部DSを転写し易くできる。
図18は、実施例1で得られる半導体デバイスの構成を示す斜視図である。半導体基板10を用いて、例えば図18に示す発光体(LEDチップ)21を得ることができる。ベース半導体部8B上に、化合物半導体部9として、n型部9N、活性部9K、およびp型部9Pをこの順に形成してもよい。n型部9Nをn-GaN層とし、発光部を含む活性部9Kを、InGaN層およびGaN層を含むMQW(Multi-Quantum Well)とし、p型部9Pを、p-AlGaN層およびp-GaN層の積層構造とすることで、素子部DSをLED(発光ダイオード)とすることができる。
(別構成例)
図19は、実施例1で得られる半導体デバイスの別構成を示す斜視図である。上述の図18に示す例では、トレンチTRを形成した後、ベース半導体部8Bの上方の少なくとも一部に位置する化合物半導体部9上に第1電極E1を形成し、ベース半導体部8B上に第2電極E2を形成し、第1および第2電極E1・E2は第2方向(Y方向)に並ぶように位置していた。これに限定されず、トレンチTRを形成した後、ベース半導体部8Bの上方に化合物半導体部9および第1電極E1を形成し、支持基板SKに素子部DSを転写してもよい。その後、ベース半導体部8Bの裏面に第2電極E2を形成することができる。これにより、例えば図19に示す発光体(LEDチップ)21を得ることができる。
また、実施例1では、マスクパターン6を除去した後、トレンチTRを形成しているが、これに限定されない。素子部DSを支持基板SKに転写することができればよく、マスクパターン6を除去するタイミングおよびトレンチTRを形成するタイミングは特に限定されない。また、マスクパターン6を除去することなく転写を行ってよいし、トレンチTRを形成することなく転写を行うこともできる。例えば、凸体群PGを除去する工程と合わせてトレンチTRを形成してもよい。
〔実施例2〕
図20は、実施例2における半導体基板10およびそれを用いた半導体デバイスの製造方法を示す平面図である。
実施例1では、窒化物半導体部8にクラックCが形成された半導体基板10を用いて半導体デバイスを製造していた。これに対して、実施例2では、テンプレート基板7上に窒化物半導体部8を形成した後、クラックCが発生する前に、窒化物半導体部8上に化合物半導体部9を形成する。
図20に示すように、例えば、MOCVD装置内で、窒化物半導体部8を成膜した後、冷却して温度を下げることなく、化合物半導体部9を成膜してもよい。或いは、括れ部CPの近傍における応力集中部SPに生じる内部応力を比較的弱くすることにより、窒化物半導体部8にクラックCが自発的に形成され難いようにしてもよい。
化合物半導体部9を形成した後、室温にまで冷却することにより、窒化物半導体部8にクラックCが発生してよく、この場合、窒化物半導体部8とともに化合物半導体部9にもクラックCが伝搬する。窒化物半導体部8および化合物半導体部9に外力を加えることによってクラックCが形成されてもよい。
第1方向(X方向)に伸びるトレンチTRを形成することにより、凸体群PGを除去してもよい。実施例2では、マスクパターン6を除去することなく、ベース半導体部8Bの上方の少なくとも一部に位置する化合物半導体部9上に第1電極E1を形成し、ベース半導体部8B上に第2電極E2を形成する。第1および第2電極E1・E2は第1方向(X方向)に並ぶように位置している。そして、支持基板SKに素子部DSを選択的に転写してもよい。
図21は、実施例2で得られる半導体デバイスの構成を示す斜視図である。半導体基板10を用いて、例えば図21に示す発光体(LEDチップ)21を得ることができる。
図22は、実施例2における半導体デバイスの構造例を示す斜視図である。図22に示すように、支持基板SKに素子部DSが選択的に転写されてよく、選択転写によって2次元配置型の発光基板22が形成される。発光基板22は、例えば第1電極E1が第1接合部A1を介して第1パッド部P1に接続され、第2電極E2が第2接合部A2を介して第2パッド部P2に接続されてよい。第2接合部A2の厚さは第1接合部A1の厚さよりも大きく、第1接合部A1の厚さと第2接合部A2との厚さの差は、第2半導体部S2の厚さ以上である。これにより、第1および第2電極E1・E2と、同一平面に位置する第1および第2パッド部P1・P2との接続が可能となる。
実施例2では、例えば、以下のようにして支持基板SKを形成してよい。すなわち、基板本体部BSとして4インチSi基板を使用し、フォトリソグラフィ技術を利用して、ウエハプロセスにより第1パッド部P1および第2パッド部P2を形成する。複数の凹部HL(平面視で矩形)は、反応性イオンエッチング(RIE)等により、深さ100μmとして、マトリクス状に設けることができる。そして、第1接合部A1および第2接合部A2を形成する。第1パッド部P1および第2パッド部P2はそれぞれ、厚さ10nmのCr膜と厚さ25nmのPt膜と厚さ100nmのAu膜とが、基板本体部BS側からこの順に形成された多層膜であってよい。第1接合部A1および第2接合部A2はそれぞれ、厚さ3000nmのAuSn膜と厚さ100nmのAu膜とが、基板本体部BS側からこの順に形成されたAuSn接合層であってよい。第1接合部A1および第2接合部A2には、AuSn以外のはんだを使用することができる。
(別構成例)
素子部DSは、半導体レーザチップであってよく、この場合、クラックCによって形成された劈開面を共振器端面として用いることができる。活性部9Kに光共振器を含むように化合物半導体部9を形成することができる。光共振器は、例えば第2方向(Y方向)を共振器長方向とすることができる。
〔実施例3〕
図23は、実施例3における、半導体基板10に含まれるテンプレート基板7の製造方法を示す断面図である。図23に示すように、例えば、先ず、単結晶シリコン基板である主基板1を準備する。主基板1をエッチングして突出核部CRを形成することができ、この場合、主基板1と突出核部CRとは同じ材質により構成されていてよい。
次いで、例えば、マスクパターン6におけるマスク部5を主基板1上の全面に形成する。フォトリソグラフィにてレジストRZをパターニングするとともに、マスク部5に開口部Kを形成する。開口部Kを形成するために、マスク部5の一部を除去するとともに主基板1を掘り込んでもよい。或いは、主基板1を掘り込むことなく、マスク部5の一部のみを除去してもよい。
次いで、レジストRZを残したまま、スパッタ法等を用いて積層体4x(例えば、窒化アルミニウム層および窒化ガリウム層)を成膜する。ここで、レジストRZを残したまま、積層体4xを形成する場合、200度を超える高温成膜では、レジストが焼け付いてしまうため、低温で行うことが好ましい。そして、レジストRZを除去する(リフトオフすることで、開口部Kにのみ下地部4を残す)。これにより、テンプレート基板7を形成することができる。
このようにして製造されたテンプレート基板7を用いて、開口部Kに形成された下地部4上を起点としてELO法により窒化物半導体部8を成膜することにより、半導体基板10を製造することができる。
〔実施例4〕
前述の実施例1における半導体基板10を対象に、ラマン分光法を用いた応力測定により評価した結果について以下に説明する。以下では、テンプレート基板7における凸体群PGのX方向における先端部分に位置する端面を先端面EGと称する。
図24は、実施例4における半導体基板10の、クラックCが形成された第1窒化物半導体部8Fの応力状態について説明するための図である。図24における符号2401で示す図は、クラックCが形成された第1窒化物半導体部8Fの部分を拡大して示す顕微鏡画像であり、図24における符号2402で示す図は、符号2401で示す部分を対象にラマン分光法を用いて応力測定を行った結果を示す画像である。図24では、理解の平明化のために凸体群PGの先端面EGの一部を点線にて模式的に図示している。
図24に示すように、第1窒化物半導体部8Fは、比較的大きい引張応力を有しているが、クラックCの周辺部分において応力緩和部RPを有する。応力緩和部RPでは、クラックCからY方向に離れて位置する部分よりも、引張応力が緩和されていることがわかる。
図25は、実施例4における半導体基板10の、クラックCが形成されていない第1窒化物半導体部8Fの応力状態について説明するための図である。図25における符号2501で示す図は、クラックCが形成されていない第1窒化物半導体部8Fの部分を拡大して示す顕微鏡画像であり、図25における符号2502で示す図は、符号2501で示す部分を対象にラマン分光法を用いて応力測定を行った結果を示す画像である。図25では、図24と同じく、理解の平明化のために凸体群PGの先端面EGの一部を点線にて模式的に図示している。
図25に示すように、第1窒化物半導体部8Fは、クラックCが形成されていない状態において、全体的に比較的大きい引張応力を有していることがわかる。
図26は、図25における符号2502で示す図の応力測定結果について、カラーバーのスケールを変更して示す画像である。図26に示すように、第1窒化物半導体部8Fにおける先端面EG、換言すれば括れ部CPの近傍に応力集中部SPが生じていることがわかる。
(まとめ)
本開示の態様1における半導体基板は、ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板と、前記第1シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有し、前記第1凸体の外周面に接する括れ部を有する第1窒化物半導体部と、を備える。
本開示の態様2における半導体基板は、前記態様1において、前記第1窒化物半導体部は、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックを含む。
本開示の態様3における半導体基板は、前記態様1または2において、前記第1窒化物半導体部は、前記括れ部の近傍に応力集中部を有する。
本開示の態様4における半導体基板は、前記態様1から3のいずれか一態様において、前記外周面は、前記括れ部と接する第1端面を含み、前記括れ部は、前記第1端面の形状に沿うような形状である。
本開示の態様5における半導体基板は、前記態様4において、前記第1端面は、角をなす2つの面あるいは湾曲面で構成される。
本開示の態様6における半導体基板は、前記態様1から5のいずれか一態様において、前記第1凸体は、前記第1窒化物半導体部よりも厚い。
本開示の態様7における半導体基板は、前記態様1から6のいずれか一態様において、前記第1凸体は、前記第1方向を長手方向とする形状である。
本開示の態様8における半導体基板は、前記態様1から7のいずれか一態様において、前記第1シード領域は、前記第2方向を長手方向とし、前記第1方向は、前記第1窒化物半導体部の<11-20>方向である。
本開示の態様9における半導体基板は、前記態様1から8のいずれか一態様において、前記テンプレート基板は、ベース基板上に位置するマスクパターンを有し、前記マスクパターンは、前記第1シード領域に対応する開口部と、前記第1選択成長領域に対応するマスク部とを含む。
本開示の態様10における半導体基板は、前記態様9において、前記マスク部および前記第1凸体の表面が同一材料で構成されている。
本開示の態様11における半導体基板は、前記態様1から10のいずれか一態様において、前記ベース基板は、主基板と、前記主基板上に位置するシード部とを含む。
本開示の態様12における半導体基板は、前記態様11において、前記主基板は、窒化物半導体でない材料を主成分とする。
本開示の態様13における半導体基板は、前記態様12において、前記主基板は、1000℃での熱膨張係数が前記第1窒化物半導体部よりも小さい。
本開示の態様14における半導体基板は、前記態様11から13のいずれか一態様において、前記シード部の材料は、アルミニウムを含む窒化物半導体である。
本開示の態様15における半導体基板は、前記態様1から14のいずれか一態様において、前記テンプレート基板は、第2シード領域を有し、前記第1シード領域および前記第2シード領域の間に前記第1選択成長領域が位置し、前記第2シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1凸体の外周面に接する第2窒化物半導体部を備える。
本開示の態様16における半導体基板は、前記態様15において、前記外周面は、第1窒化物半導体部に接する第1端面と、第2窒化物半導体部に接する第2端面とを含み、前記第1端面および前記第2端面の形状が対称である。
本開示の態様17における半導体基板は、前記態様15または16において、テンプレート基板は、第2凸体が設けられた第2選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域および前記第2選択成長領域の間に前記第2シード領域が位置しており、前記第1凸体および前記第2凸体が前記第1方向に並ぶ。
本開示の態様18における半導体基板は、前記態様17において、前記第1凸体および前記第2凸体のピッチが、前記第1シード領域および前記第2シード領域のピッチに等しい。
本開示の態様19における半導体基板は、前記態様17または18において、テンプレート基板には、前記第1凸体および前記第2凸体を含む凸体群が、前記第1方向に一定のピッチで並ぶ。
本開示の態様20における半導体基板は、前記態様17から19のいずれか一態様において、前記第1選択成長領域に第3凸体が設けられ、前記第1凸体および前記第3凸体が、前記第2方向に並ぶ。
本開示の態様21における半導体基板は、前記態様1から20のいずれか一態様において、前記第1凸体は、酸化物および窒化物の少なくとも一方を含む。
本開示の態様22における半導体基板は、前記態様21において、前記第1凸体はTEOS膜を含む。
本開示の態様23における半導体基板は、前記態様1から22のいずれか一態様において、前記ベース基板は、シリコン基板または炭化シリコン基板を含み、前記第1窒化物半導体部はGaN系半導体を含む。
本開示の一態様における半導体基板の製造方法は、ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板を準備する工程と、前記第1シード領域上から前記第1選択成長領域上に成長した、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有する第1窒化物半導体部が前記第1凸体の外周面に接し、前記第1窒化物半導体部に前記外周面に接する括れ部が形成された後に前記第1窒化物半導体部の成長を止める工程と、を含む。
本開示の態様25における半導体基板の製造方法は、前記態様24において、前記第1窒化物半導体部の成長を止めた後、前記第1窒化物半導体部に、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックが自然形成される。
本開示の態様26における半導体基板の製造方法は、前記態様24において、前記第1窒化物半導体部の成長を止めた後、前記第1窒化物半導体部に外部応力を加えることにより、前記第1窒化物半導体部に、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックを形成する。
〔附記事項〕
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
7 テンプレート基板
10 半導体基板
21P 第1凸体
4F 第1シード領域
6F 第1選択成長領域
8F 第1窒化物半導体部
BS ベース基板
CP 括れ部
K 開口部

Claims (27)

  1. ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板と、
    前記第1シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有し、前記第1凸体の外周面に接する括れ部を有する第1窒化物半導体部と、を備える半導体基板。
  2. 前記第1窒化物半導体部は、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックを含む、請求項1に記載の半導体基板。
  3. 前記第1窒化物半導体部は、前記括れ部の近傍に応力集中部を有する、請求項1に記載の半導体基板。
  4. 前記外周面は、前記括れ部と接する第1端面を含み、
    前記括れ部は、前記第1端面の形状に沿うような形状である、請求項1に記載の半導体基板。
  5. 前記第1端面は、角をなす2つの面あるいは湾曲面で構成される、請求項4に記載の半導体基板。
  6. 前記第1凸体は、前記第1窒化物半導体部よりも厚い、請求項1に記載の半導体基板。
  7. 前記第1凸体は、前記第1方向を長手方向とする形状である、請求項1に記載の半導体基板。
  8. 前記第1シード領域は、前記第2方向を長手方向とし、
    前記第1方向は、前記第1窒化物半導体部の<11-20>方向である、請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体基板。
  9. 前記テンプレート基板は、ベース基板上に位置するマスクパターンを有し、
    前記マスクパターンは、前記第1シード領域に対応する開口部と、前記第1選択成長領域に対応するマスク部とを含む、請求項1に記載の半導体基板。
  10. 前記マスク部および前記第1凸体の表面が同一材料で構成されている、請求項9に記載の半導体基板。
  11. 前記ベース基板は、主基板と、前記主基板上に位置するシード部とを含む、請求項1に記載の半導体基板。
  12. 前記主基板は、窒化物半導体でない材料を主成分とする、請求項11に記載の半導体基板。
  13. 前記主基板は、1000℃での熱膨張係数が前記第1窒化物半導体部よりも小さい、請求項12に記載の半導体基板。
  14. 前記シード部の材料は、アルミニウムを含む窒化物半導体である、請求項11に記載の半導体基板。
  15. 前記テンプレート基板は、第2シード領域を有し、
    前記第1シード領域および前記第2シード領域の間に前記第1選択成長領域が位置し、
    前記第2シード領域上および前記第1選択成長領域上に位置し、前記第1凸体の外周面に接する第2窒化物半導体部を備える、請求項1に記載の半導体基板。
  16. 前記外周面は、第1窒化物半導体部に接する第1端面と、第2窒化物半導体部に接する第2端面とを含み、前記第1端面および前記第2端面の形状が対称である、請求項15に記載の半導体基板。
  17. テンプレート基板は、第2凸体が設けられた第2選択成長領域を有し、
    前記第1選択成長領域および前記第2選択成長領域の間に前記第2シード領域が位置しており、
    前記第1凸体および前記第2凸体が前記第1方向に並ぶ、請求項15に記載の半導体基板。
  18. 前記第1凸体および前記第2凸体のピッチが、前記第1シード領域および前記第2シード領域のピッチに等しい、請求項17に記載の半導体基板。
  19. テンプレート基板には、前記第1凸体および前記第2凸体を含む凸体群が、前記第1方向に一定のピッチで並ぶ、請求項17に記載の半導体基板。
  20. 前記第1選択成長領域に第3凸体が設けられ、
    前記第1凸体および前記第3凸体が、前記第2方向に並ぶ、請求項17に記載の半導体基板。
  21. 前記第1凸体は、酸化物および窒化物の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の半導体基板。
  22. 前記第1凸体はTEOS膜を含む、請求項21に記載の半導体基板。
  23. 前記ベース基板は、シリコン基板または炭化シリコン基板を含み、
    前記第1窒化物半導体部はGaN系半導体を含む、請求項1に記載の半導体基板。
  24. ベース基板を含み、第1方向に並ぶ第1シード領域および第1選択成長領域を有し、前記第1選択成長領域に第1凸体が設けられているテンプレート基板を準備する工程と、
    前記第1シード領域上から前記第1選択成長領域上に成長した、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる長手形状を有する第1窒化物半導体部が前記第1凸体の外周面に接し、前記第1窒化物半導体部に前記外周面に接する括れ部が形成された後に前記第1窒化物半導体部の成長を止める工程と、を含む半導体基板の製造方法。
  25. 前記第1窒化物半導体部の成長を止めた後、前記第1窒化物半導体部に、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックが自然形成される、請求項24に記載の半導体基板の製造方法。
  26. 前記第1窒化物半導体部の成長を止めた後、前記第1窒化物半導体部に外部応力を加えることにより、前記第1窒化物半導体部に、前記第1方向に伸び、前記括れ部に至るクラックを形成する、請求項24に記載の半導体基板の製造方法。
  27. 請求項24に記載の各工程を行う、半導体基板の製造装置。
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