JP2024082511A - サイドウォール用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱性と耐オゾン性を維持しつつ、優れた硬度、引裂強さ、及び外観性を得ることができる、サイドウォール用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を15~45質量部と、天然ゴムを30~85質量部含有するゴム成分100質量部に対して、シリカを5~50質量部と、カーボンブラックを20~65質量部と、アミン系老化防止剤とを含有し、上記水添共重合体以外のゴム成分に対する上記アミン系老化防止剤の含有割合が、0.5~2.5質量%である、サイドウォール用ゴム組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、サイドウォール用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年、タイヤの低燃費化に対する要求はますます高まっており、接地面を構成するキャップトレッドの低燃費化だけではその要求に応えることが難しくなっており、サイドウォールの発熱性や操縦安定性(硬度)を改善することによる低燃費化も重要となっている。
サイドウォールにおいては、溝底でクラックが発生した場合に亀裂が成長しないことが重要であり、耐カット性(引裂強さ)が強く求められる。また、大気中の酸素やオゾンなどの影響により劣化することで、サイドウォールに亀裂が生じることがある。耐オゾン性を改善するために、アミン系老化防止剤を配合することがあるが、タイヤの加硫ゴム表面に析出し、ブルーミングが生じたり、タイヤ表面を変色させたりして外観性を損なうという問題があった。
特許文献1には、水添スチレンブタジエン共重合体と所定の比表面積を有するカーボンブラックとシリカとを配合したゴム組成物を用いて作製することで、ゴム破壊強度、低燃費性、及び操縦安定性が改善された空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、引裂強さについて改善の余地があった。
特許文献2には、化学的老化防止剤の含有量を、水添共重合体を80~100質量%含有するゴム成分に対して、0.1質量部未満とすることで、耐オゾン性と外観性とを両立できるサイドウォール用ゴム組成物が記載されているが、耐カット性について改善の余地があった。
特許第6627511号公報 特許第6845679号公報 特開平11-349732号公報 特許第4402566号公報 特許第5592160号公報
本発明は、以上の点に鑑み、発熱性と耐オゾン性を維持しつつ、優れた硬度、引裂強さ、及び外観性を得ることができるサイドウォール用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
なお、特許文献3~5には、転がり抵抗性や、操縦安定性、耐カット性を改善できるゴム組成物が記載されているが、いずれも水添共重合体を含有するものではない。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] 芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を15~45質量部と、天然ゴムを30~85質量部含有するゴム成分100質量部に対して、シリカを5~50質量部と、カーボンブラックを20~65質量部と、アミン系老化防止剤とを含有し、上記水添共重合体以外のゴム成分に対する上記アミン系老化防止剤の含有割合が、0.5~2.5質量%である、サイドウォール用ゴム組成物。
[2] 上記水添共重合体が末端に官能基を有する、[1]に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
[3] [1]又は[2]に記載のゴム組成物をサイドウォールに用いて作製された、空気入りタイヤ。
本発明のサイドウォール用ゴム組成物によれば、発熱性と耐オゾン性を維持しつつ、優れた硬度、引裂強さ、及び外観性を有する空気入りタイヤを得ることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るサイドウォール用ゴム組成物は、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を15~45質量部と、天然ゴムを30~85質量部含有するゴム成分100質量部に対して、シリカを5~50質量部と、カーボンブラックを20~65質量部と、アミン系老化防止剤とを含有し、水添共重合体以外のゴム成分に対するアミン系老化防止剤の含有割合が、0.5~2.5質量%であるものとする。
本実施形態に係るゴム組成物において用いられるゴム成分は、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むものである。ここで、本明細書において、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量とは、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてTHFを用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとし、市販の標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で算出した値とする。また、水素添加率は、H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算した値とする。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を構成する芳香族ビニルとしては、特に限定されないが、例えばスチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を構成する共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体は、特に限定されないが、スチレン及び1,3-ブタジエンの共重合体(スチレンブタジエン共重合体)であることが好ましい。従って、水添共重合体としては、水添スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。また、水添共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
上記水添共重合体は、例えば、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を合成し、水素添加処理を行うことで合成することができる。芳香族ビニル-共役ジエン共重合体の合成方法は、特に限定されないが、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法等を挙げることができ、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。なお、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体は市販のものを使用することも可能である。
水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20~150℃、0.1~10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施される。なお、水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表4~11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
水添共重合体の水素添加率(芳香族ビニル-共役ジエン共重合体の共役ジエン部に対して水素添加された割合)は80モル%以上であり、好ましくは90モル%以上である。
水添共重合体の重量平均分子量は、30万以上であれば特に限定されないが、30万~200万であることが好ましく、30万~100万であることがより好ましく、30万~60万であることがさらに好ましい。
水添共重合体は、末端に官能基を有するものであってもよく、このような官能基としては、例えば、アミノ基、炭素-窒素二重結合を有する基、窒素含有複素環基、ホスフィノ基、チオール基、ヒドロカルビルオキシシリル基、下記式(1)で表される基などが挙げられる。炭素-窒素二重結合を有する基としては、「-N=CR」(ただし、Rは水素原子又はヒドロカルビル基であり、Rはヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基は、炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基又は炭素数6~20のアリール基であることが好ましい。)などが挙げられる。窒素含有複素環基は、窒素含有複素環が有する水素原子を1個取り除いた基であり、例えば1-イミダゾリル基、4,5-ジヒドロ-1-イミダゾリル基、1-ピペリジノ基、1-ピペラジニル基、ピリジル基、モルホリノ基などが挙げられる。なお、これらの官能基は、重合体の片末端のみに導入されていてもよいし、両末端に導入されていてもよい。これらの官能基を有することにより、補強性充填剤との相互作用が得られやすい。
式(1)中、Rは水素原子又はヒドロカルビル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数1~20のヒドロカルビル基である。Rはヒドロカルビル基であり、好ましくは、炭素数1~20のヒドロカルビル基である。rはRの数を表し、0~2の整数である。Rはヒドロカルビレン基であり、好ましくは、炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。Xは窒素、リン及び硫黄からなる群より選ばれる1種以上の原子を有し、かつRと結合する原子が窒素、リン又は硫黄である官能基であり、このような官能基としては、例えば、アミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、チオール基、ホスフィノ基、炭素-窒素二重結合を有する基、窒素含有複素環基、ヒドロカルビルオキシシリル基などが挙げられ、アミノ基、ホスフィノ基及びチオール基は、3置換のヒドロカルビルシリル基等で保護されたものを含む。Xがアミノ基の場合、1級アミノ基、1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基(例えば、ヒドロカルビルシリル基)によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基(例えば、ヒドロカルビルシリル基)によって置換されてなる窒素含有基、又は3級アミノ基等であってもよい。式中、複数存在するR及びRは、各々同じであっても異なっていてもよい。「P」は、重合体鎖3に結合する結合手であることを示す。
ゴム成分100質量部中の上記水添共重合体の含有量は、15~45質量部であり、20~40質量部であることが好ましい。水添共重合体の含有量が上記範囲内である場合、発熱性を維持しつつ、優れた硬度が得られやすい。
ゴム成分100質量部中の上記天然ゴムの含有量は、30~85質量部であり、30~80質量部であることが好ましい。天然ゴムの含有量が上記範囲内である場合、優れた破断強度と引裂強さが得られやすい。そのメカニズムは定かではないが、引裂強さに優れる天然ゴムが連続相として形成されるためと推測される。
上記ゴム成分には、上記水添共重合体及び天然ゴム以外のジエン系ゴムが含まれていても良く、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられ、これらの中でもブタジエンゴムであることが好ましい。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。ブタジエンゴムを含有する場合、その含有量は20~50質量部であることが好ましく、水添共重合体の含有量は15~45質量部であることが好ましく、天然ゴムの含有量は30~65質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、補強性充填剤として、カーボンブラック及びシリカを含有する。カーボンブラックとシリカとを併用することで、フィラーの分散性が改善され、亀裂成長を止めるフィラーネットワークが均一に形成されることにより、優れた破断強度、及び引裂強さが得られやすい。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20~65質量部であり、20~50質量部であることが好ましい。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5~50質量部であり、5~40質量部であることが好ましい。
補強性充填剤の含有量は、特に限定されず、例えばゴム成分100質量部に対して、25~120質量部であることが好ましく、40~100質量部であることがより好ましく、40~80質量部であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤をさらに含有してもよい。シランカップリング剤を含有する場合、その含有量はシリカ含有量に対して2~20質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、アミン系老化防止剤を含有する。アミン系老化防止剤としては、例えば、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン(DNPD)、N-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン(77PD)、N-フェニル-N’-(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン(8PPD)、N-フェニル-N’-(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン(7PPD)などのp-フェニレンジアミン系老化防止剤; p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、スチレン化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤; N-フェニル-1-ナフチルアミン(PAN)、N-フェニル-2-ナフチルアミン(PBN)等のナフチルアミン系老化防止剤; 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ-キノリン(ETMDQ)、ジフェニルアミンとアセトンの反応物(ADPAL)等のアミン-ケトン系老化防止剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、アミン系老化防止剤としては、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、及び、ナフチルアミン系老化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の芳香族第2級アミン系老化防止剤が好ましい。より好ましくは、p-フェニレンジアミン系老化防止剤であり、更に好ましくは、N-アルキル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(但し、アルキルは炭素数3~8のアルキル基)である。
アミン系老化防止剤の含有割合は、水添共重合体以外のゴム成分に対して、0.5~2.5質量%であり、0.5~2.0質量%であることが好ましく、0.5~1.8質量%であることがより好ましい。アミン系老化防止剤の含有割合が上記範囲内である場合、耐カット性と、耐オゾン性及び外観性とを両立しやすい。
また、アミン系老化防止剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、特に限定されないが、0.1~3質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているプロセスオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その含有量はゴム成分100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。また、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.1~7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練して作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物は、サイドウォールに好適に用いられる。例えば、上記ゴム組成物をサイドウォールに対応した所定の断面形状に押出成形したり、あるいはまた、上記ゴム組成物からなるリボン状のゴムストリップをドラム上で螺旋状に巻回してサイドウォールに対応した断面形状に形成したりすることで、未加硫のサイドウォール部材が得られる。かかるサイドウォール部材は、インナーライナー、カーカス、ベルト、ビードコア、ビードフィラー及びトレッドなどのタイヤを構成する他のタイヤ部材とともに、常法に従って、タイヤ形状に組み立てられてグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)が得られる。そして、得られたグリーンタイヤを、常法に従い、例えば140~180℃で加硫成型することにより、上記サイドウォール部材からなるサイドウォールを備えた空気入りタイヤが得られる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類としては、特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤなどの各種のタイヤが挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈水添共重合体の合成例〉
窒素置換された耐熱反応容器に、シクロヘキサンを2.5L、テトラヒドロフランを50g、n-ブチルリチウムを0.12g、スチレンを100g、1,3-ブタジエンを400g入れ、反応温度50℃で重合を行った。重合が完了した後にN,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを1.7g加えて、1時間反応させた後、水素ガスを0.4MPa-ゲージの圧力で供給し、20分間撹拌し反応させた。次いで、溶液温度を90℃として水素ガスを反応容器に供給し、チタノセンジクロリド、ジエチルアルミニウムクロライド、n-ブチルリチウムを加えた。容器内の水素圧力を0.7MPaに保ち、目的の水素添加率となるまで反応させ、反応後に常圧に戻し、重合体溶液を得た。得られた溶液中へメタノールを添加することで、凝析、及び脱溶媒乾燥を行い、末端に下記式(2)で表される構造を有する水添共重合体を得た。なお、式(2)において「P」は重合体鎖に結合する結合手であることを示す。
得られた水添共重合体の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製「LC-10A」を用い、カラムとしてPolymer Laboratories社製「PLgel-MIXED-C」を、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてTHFを用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとして測定し、標準ポリスチレンによるポリスチレン換算で35万であった。結合スチレン量は20質量%であり、ブタジエン部の水素添加率は90モル%であった。なお、結合スチレン量はH-NMRを用いて、スチレン単位に基づくプロトンと、ブタジエン単位(水素添加部を含む)に基づくプロトンとのスペクトル強度比から求めた。
〈実施例及び比較例〉
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、加硫促進剤及び硫黄を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で、加硫促進剤及び硫黄を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・NR:RSS#3
・BR:旭化成(株)製「ジエン NF35R」
・水添共重合体:上記合成例に従い作製した水添共重合体、重量平均分子量=35万、水素添加率=90モル%
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シーストSO」
・シリカ:エボニック社製「Ultrasil VN3」
・シランカップリング剤:エボニック社製「Si69」、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン
・加硫促進剤1:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラ-D」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
得られた各ゴム組成物について、硬度、発熱性、引裂強さ、外観性、及び耐オゾン性を評価した。評価方法は次の通りである。
・硬度:厚さ20mmの試験片を作製し、160℃で30分間加硫しサンプルとした。JIS K6253に準拠してタイプAデュロメータを用いて、23℃での硬さを測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、操縦安定性に優れることを意味する。
・発熱性:160℃で30分間加硫した試験片について、東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度60℃で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど発熱性に優れることを意味する。なお、指数が105以下であれば発熱性を維持できたと評価した。
・引裂強さ:クレセント形の試験片を作製し、160℃で30分間加硫しサンプルとした。JIS K6252に準拠して引裂強さを測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、引裂強さが高いことを意味する。
・外観性:160℃で30分間加硫した厚さ2mmの試験片を屋外で日光に照射させ、照射前(屋外曝露0日)、40日後(屋外曝露40日)における試験片の表面を目視により観察して、次の5段階の基準で外観性を評価した。
5:表面が黒く、ほとんど変色なし
4:わずかに茶色または黄色に変色している
3:全体の半分未満が茶色または黄色に変色している
2:全体の半分以上が茶色または黄色に変色している
1:全体的に茶褐色または黄色に変色している
・耐オゾン性:160℃で30分間加硫した厚さ2mmの試験片を25%伸長した条件下でオゾンウェザーメーター装置中に設置し、オゾン濃度100pphm、温度50℃の環境下で24時間放置し、その後、クラックの発生状態を目視および10倍の拡大鏡により観察し、次の4段階の基準で耐オゾン性を評価した。
4:クラック発生なし
3:肉眼では確認できないが10倍の拡大鏡では確認できるクラックが発生している
2:1mm以下のクラックが発生している
1:1mmを超えるクラックが発生している
Figure 2024082511000003
結果は、表1に示す通りであり、実施例1~8は比較例1と比較し、発熱性と耐オゾン性を維持しつつ、優れた硬度、引裂強さ、及び外観性が得られた。
比較例2は、老化防止剤の含有量を減量した例であり、比較例1と比較し、耐オゾン性が劣っていた。
比較例3は、比較例2にシリカを配合し、補強性充填剤の含有量を増量した例であり、比較例2と比較し、発熱性が劣っていた。
比較例4は、天然ゴムと水添共重合体とを所定割合で配合し、アミン系老化防止剤を含有しない例であり、比較例1と比較し、耐オゾン性が劣っていた。
比較例5は、天然ゴムと水添共重合体とを所定割合で配合し、アミン系老化防止剤を上限値を超えて配合した例であり、比較例1と同様に、外観性が劣っていた。
比較例6,7は、天然ゴムの含有割合が所定範囲外であり、アミン系老化防止剤を含有しない例であり、比較例1と比較し、引裂強さが劣っていた。
本発明のサイドウォール用ゴム組成物は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤに用いることができる。

Claims (3)

  1. 芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を15~45質量部と、天然ゴムを30~85質量部含有するゴム成分100質量部に対して、
    シリカを5~50質量部と、
    カーボンブラックを20~65質量部と、
    アミン系老化防止剤とを含有し、
    前記水添共重合体以外のゴム成分に対する前記アミン系老化防止剤の含有割合が、0.5~2.5質量%である、サイドウォール用ゴム組成物。
  2. 前記水添共重合体が末端に官能基を有する、請求項1に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物をサイドウォールに用いて作製された、空気入りタイヤ。

JP2022196408A 2022-12-08 サイドウォール用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ Pending JP2024082511A (ja)

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