JP2024077225A - 走査装置、走査方法およびプログラム - Google Patents

走査装置、走査方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ピントの合った光学情報を短時間で取得することを目的とする。【解決手段】本発明の走査装置は、複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するため一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系と、観察光学系がアレイプレート101に対して第1の方向に相対移動するとともに光学情報を取得する主走査と、観察光学系がアレイプレート101に対して光学情報を取得せずに第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査部と、一次光の光軸方向における観察光学系のアレイプレート101に対する相対位置の調整を行う調整部と、を有する。調整部は、走査部が副走査の期間にある場合に前記調整を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、走査装置、走査方法およびプログラムに関する。
基板上にタンパク質やペプチド等のペプチド結合を有した生体物質を多数固定したタンパク質アレイプレートあるいはペプチドアレイプレートが知られている。これを用いると基板上に固定された多数の生体物質に対する相互作用を一度に行うことができる。このようなアレイプレートは、生体由来の液状検体、例えば血液、細胞抽出液、唾液、組織間液等と多数のタンパク質あるいはペプチドとの相互作用を網羅的に解析するのに有効である。このような解析により、検体の特性を測定することができる。
基板上のタンパク質あるいはペプチドの固定部位をスポットという。検体との相互作用を受けたスポットを観測する方法として、例えば、蛍光プローブによってスポットを標識することで、どのスポットが相互作用を受けたかを識別する方法が知られている。蛍光プローブによって標識されたアレイプレートを観察する装置としてマイクロアレイスキャナが知られている。
特許文献1には、照射光学系、蛍光検出光学系、2次元走査系を有するマイクロアレイスキャナが開示されている。照射光学系は、アレイプレートにレーザ光を集光して照射する機能を有する。蛍光検出光学系は、蛍光プローブによって標識されたスポットからの蛍光の光量を検出する機能を有する。2次元走査系は、アレイプレートあるいは光学系を2次元走査することで、アレイプレート上のスポットの蛍光画像を取得する機能を有する。また、蛍光検出光学系としては共焦点光学系を用いている。
特許文献2には、蛍光画像を取得する際の高さ方向の位置調整を簡素化する走査型光学装置が開示されている。
米国特許第7911670号明細書 特許第5281756号公報
アレイプレートはガラスの厚みや傾きに個体差があるため、ピントが合う深さが浅い共焦点光学系においては、アレイプレート全面でピントが合った蛍光画像を得るのが難しいという問題がある。
特許文献1では、アレイプレート全面でピントの合った蛍光画像を得るために、2次元走査と同時に、フォーカスセンサを用いた自動焦点調整を行っている。しかしながら、アレイプレートあるいは光学系を高速に2次元走査しながら、精度よく自動焦点調整を行うには、高性能なフォーカスセンサや低振動なアクチュエータ等からなる高速フィードバック制御が必要となり、装置が複雑になってしまう。
特許文献2では、アレイプレート全面でピントの合う蛍光画像を得るためには集光位置と設定パラメータを変更しながら、二次元走査を複数回で繰り返す必要があり、蛍光測定時間が長くなってしまう。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、ピントの合った光学情報を短時間で取得することを目的とする。
本発明は、一方の面に複数のスポットを有するアレイプレートに対して観察光学系を走査する走査装置であって、前記複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するため前記一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して第1の方向に相対移動するとともに前記光学情報を取得する主走査と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して前記光学情報を取得せずに前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査部と、前記一次光の光軸方向における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置の調整を行う調整部と、を有し、前記調整部は、前記走査部が前記副走査の期間にある場合に前記調整を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ピントの合った光学情報を短時間で取得することができる。
第1の実施形態の検体測定装置の構成を示す概略図である。 アレイプレートの構成を示す図である。 第1の実施形態のコントローラの内部構成を示す図である。 第1の実施形態の撮影処理の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態の撮影処理における副走査の位置関係を示す図である。 第1の実施形態の撮影処理における高さ走査の位置関係を示す図である。 第1の実施形態の高さ情報を取得する動作を示すフローチャートである。 高さ情報の取得動作における高さ走査の位置関係を示す図である。 第2の実施形態の撮影処理における副走査の位置関係を示す図である。 第2の実施形態の撮影処理の動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態のコントローラの内部構成を示す図である。 ピストンクランク機構の動作を説明する図である。 第3の実施形態の座標算出回路の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の検体測定装置100の構成を示す概略図である。
検体測定装置100は、対象物を走査する走査装置として機能する。検体測定装置100は、アレイプレート101の一方の面に位置する対象物としての検体を測定対象とする。アレイプレート101は、スライドガラス上の各スポットで多数の生体物質が固定化されており、蛍光標識されている。
光源102は、波長670nm付近の光を発する半導体レーザである。
共焦点光学系103は、光源102からの励起光をアレイプレート101まで導くとともに、アレイプレート101のスポットからの蛍光およびアレイプレート101表面(上面)からの反射光を光センサ105まで導く。共焦点光学系103は、ピンホール、フィルタ、ダイクロイックミラー、1/4波長板、偏向ビームスプリッタ、レンズから構成される。共焦点光学系103を用いることにより、アレイプレート101のスライドガラス自身による蛍光成分の影響を低減して、スポット由来による蛍光成分の測定での信号対雑音比を高めることができる。
投光部104は、励起光をアレイプレート101上のスポットに照射させる。投光部104は、励起光をアレイプレート101の方向に向けるためのプリズム、励起光をアレイプレート101上のスポットに集光させるためのレンズから構成される。本実施形態では、投光部104は、アレイプレート101の下方に配置され、励起光を上方に向かって照射させる。また、投光部104は、一次光としての励起光を対象物に照射して、二次光としての蛍光を採光する構成である。投光部104は、観察光学系の一例に対応する。
光センサ105は、光を電気信号に変換する。光センサ105は、光電子増倍管、フォトダイオード等を用いることができる。光センサ105は、アレイプレート101上のスポットからの蛍光とアレイプレート101表面からの反射光を分離して取得できる。光センサ105は、光学情報を取得する検出部の一例に対応する。
ピストンクランク機構106は、投光部104のレンズの光軸あるいは励起光の光軸に対して直交する平面に沿って投光部104を移動させる。具体的に、ピストンクランク機構106は、投光部104をアレイプレート101の短手方向に往復運動させる。投光部104が往復運動することにより光源102からの励起光がアレイプレート101の短手方向に走査される。なお、アレイプレート101の短手方向を主走査方向と呼び、ピストンクランク機構106による往復走査を主走査と呼ぶ。すなわち、主走査方向はアレイプレート101の短辺と平行な方向である。本実施形態では、主走査のストロークが略30mmである。なお、投光部104自体の動作方向は、図示しないガイドにより主走査方向に限定される。
パルスモータ107は、ピストンクランク機構106を高速回転させる。本実施形態では、パルスモータ107の回転速度が略1200rpmである。パルスモータ107は、駆動部の一例に対応する。
エンコーダ108は、投光部104の主走査方向の位置を測定する。エンコーダ108は、ピストンクランク機構106に設置され、投光部104の主走査方向の位置に応じてA相、B相、Z相からなる位相差パルス電圧を出力する。エンコーダ108は、測定部の一例に対応する。
リニアステージ109は、投光部104のレンズの光軸あるいは励起光の光軸に対して直交する平面に沿ってアレイプレート101を移動させる。具体的に、リニアステージ109は、アレイプレート101を水平面内で主走査と直交する方向に移動させる。リニアステージ109は、ボールねじ、原点センサ等から構成される。なお、水平面内で主走査と直交する方向の走査を副走査と呼ぶ。すなわち、副走査方向はアレイプレート101の長辺と平行な方向である。リニアステージ109上にはアレイプレート101を載置するための載置部を有する。使用者は事前にアレイプレート101を載置部上に載置する。
パルスモータ110は、リニアステージ109に接続される。パルスモータ110の回転運動は、リニアステージ109のボールねじにより直線運動に変換される。
なお、ピストンクランク機構106、パルスモータ107、リニアステージ109およびパルスモータ110は、走査部の一例に対応する。
モータドライバ111は、パルスモータ110を回転させるためのドライバ回路である。本実施形態では、モータドライバ111に信号を1パルス入力すると、パルスモータ110が0.72°回転し、アレイプレート101は副走査方向に2um移動する。
リニアステージ112は、投光部104のレンズの光軸方向あるいは励起光の光軸方向に沿った垂直方向にアレイプレート101を移動させる。リニアステージ112は、ボールねじ、原点センサ等から構成される。なお、垂直方向の走査を高さ走査と呼ぶ。
パルスモータ113は、リニアステージ112に接続される。パルスモータ113の回転運動は、リニアステージ112のボールねじにより直線運動に変換される。
リニアステージ112およびパルスモータ113は、調整部の一例に対応する。
モータドライバ114は、パルスモータ113を回転させるためのドライバ回路である。本実施形態では、モータドライバ114に信号を1パルス入力すると、パルスモータ113が0.72°回転し、アレイプレート101は垂直方向である上方に1um移動する。
モータドライバ115は、パルスモータ107を回転させるためのドライバ回路である。本実施形態では、モータドライバ115に信号を1パルス入力すると、パルスモータ107が0.72°回転し、投光部104が主走査方向に沿って移動する。
コントローラ116は、検体測定装置100全体を制御する。コントローラ116は、FPGA、CPU、メモリ等から構成されており、コンピュータとして機能する。コントローラ116は、光源102、モータドライバ111、モータドライバ114、モータドライバ115を制御することにより、アレイプレート101上で励起光を主走査、副走査、高さ走査する。また、コントローラ116は、走査と同時に、エンコーダ108で測定される投光部104の位置情報と、光センサ105からの出力信号に基づいて蛍光信号データ(二次元画像)を取得して内部のメモリに保存する。
コントローラ116は、後述するように、アレイプレート101の高さ情報や傾き情報を取得したり、副走査および高さ走査するときのモータドライバ111、114に出力する駆動パルス列を生成したりする。また、コントローラ116は、投光部104の位置情報に同期して、副走査、高さ走査のタイミングを制御したり、蛍光信号データを取得するタイミングを制御したりする。このような制御により、投光部104がアレイプレート101上の撮影領域の外にいるときにアレイプレート101の厚みおよび傾きが補正され、アレイプレート101全面にピントが合うように高さ走査を行うことができる。
ユーザインタフェース117は、使用者からの指示を受け付けたり、結果を表示したりするためのインタフェースである。ユーザインタフェース117は、キーボードやマウス、ディスプレイ等で構成される。
コントローラ116は、ユーザインタフェース117を介して、使用者からの撮影指示を受け付けたり、蛍光信号データに基づく画像データを使用者に提示したりすることができる。また、使用者は撮影時に、ユーザインタフェース117上のGUIを介して撮影領域、主走査方向および副走査方向の画素ピッチを指定することができる。
ピストンクランク機構106は、クランク118、コネクティングロッド119を有する。
クランク118は、パルスモータ107の回転軸およびコネクティングロッド119とそれぞれジョイントを介して接続される。クランク118の長さはrとする。
コネクティングロッド119は、クランク118および投光部104とそれぞれジョイントを介して接続される。コネクティングロッド119の長さはlとする。
図2(a)は、アレイプレート101を上方から見た図であり、図2(b)はアレイプレート101を側面から見た図である。
アレイプレート101は、短辺と長辺とを有する矩形状のスライドガラス201と上面に配列された多数のスポット202で構成される。各スポット202にはペプチド結合を含む生体物質が固定化されている。ここでは、一つのスポット202は1種類の生体物質が固定化されている。
本実施形態では、スポット202の直径は約100um、スポット間隔は200umである。また、アレイプレート101の短手方向(短辺)の長さは25mm、長手方向(長辺)の長さは75mmである。アレイプレート101の左上の点203を原点、短手方向の右向きをX軸の正方向、長手方向の下向きをY軸の正方向とする。XおよびY座標の単位をumとするとアレイプレート101の4隅の座標は(0,0)、(25000,0)、(0,75000)、(25000,75000)となる。
本実施形態では、ピストンクランク機構106のストロークは30mmであり、アレイプレート101の長さよりも5mm長い。すなわち、主走査では、アレイプレート101左右に2.5mm長い範囲が走査され、走査範囲のX座標は-2500から27500の間である。
スライドガラス201には、スポット作成上の都合や、使用者が把持する都合により、スポット202が存在する領域と存在しない領域とがある。領域204は、スライドガラス201上のスポット202が存在する領域である。本実施形態では、領域204の4隅の座標は(2000,2000)、(23000,2000)、(2000,65000)、(23000,65000)である。副走査のY座標の範囲は使用者が指定可能とする。
図3は、第1の実施形態のコントローラ116の内部構成を示すブロック図である。
CPU301は、コントローラ116全体を制御するソフトウェア(プログラム)を実行する。CPU301は、マイクロプロセッサ、キャッシュメモリ等で構成される。CPU301は、制御部の一例に対応する。
バスインタフェース302は、CPU301と各種周辺回路をつなぐためのインタフェースである。
メモリ303は、使用者から入力される撮影条件や検体測定装置100のパラメータ、蛍光信号データを保存する。メモリ303は、DDR4-SDRAMやSSD等を用いることができる。メモリは、記憶部の一例に対応する。
メモリ制御回路304は、バスインタフェース302を介したメモリ303へのアクセスコマンドに基づいてメモリ303を制御する。
光源制御回路305は、CPU301が光源102を制御するための制御回路である。光源制御回路305は、インタフェース変換回路やDAコンバータ等から構成される。CPU301は、光源制御回路305を介して光源102のレーザ照射のオンオフおよび光量を制御することが可能である。
データ取得回路306は、CPU301からの指示に基づき光センサ105からの出力信号と、投光部104のアレイプレート101に対する相対位置とに基づいて蛍光信号データを取得して、メモリ303に連続的に保存する回路である。データ取得回路306は、バッファ回路、ADコンバータ、ADコンバータ制御回路、DMAコントローラ等から構成される。データ取得回路306は、画像取得部の一例に対応する。
モータ制御回路307は、CPU301からの指示に基づき、主走査モータであるパルスモータ107用のモータドライバ115への制御信号を生成する。モータ制御回路307は、CPU301からのパルスモータ107の回転速度、加速度、移動量、回転方向、回転開始タイミングの指示に応じて駆動パルス電圧を生成する。
モータ制御回路308は、CPU301からの指示に基づき、副走査モータであるパルスモータ110用のモータドライバ111への制御信号を生成する。モータ制御回路308は、CPU301からのパルスモータ110の回転速度、加速度、移動量、回転方向、回転開始タイミングの指示に応じて駆動パルス電圧を生成する。
モータ制御回路309は、CPU301からの指示に基づき、高さ走査モータであるパルスモータ113用のモータドライバ114への制御信号を生成する。モータ制御回路309は、CPU301からのパルスモータ113の回転速度、加速度、移動量、回転方向、回転開始タイミングの指示に応じて駆動パルス電圧を生成する。
座標算出回路310は、エンコーダ108からのA相とB相の2つの位相差パルス信号を計数し、投光部104の位置を算出する。本実施形態では、エンコーダ108の分解能を1umとする。座標算出回路310は、A相信号またはB相信号のレベルが変化し、かつA相信号のほうがB相信号よりも位相が進んでいるときに投光部104の座標を1um増加させる。また、座標算出回路310は、A相信号またはB相信号のレベルが変化し、かつB相信号のほうがA相信号よりも位相が進んでいるときに投光部104の座標を1um減少させる。
同期回路311は、座標算出回路310により算出された座標情報に基づいてデータ取得回路306、モータ制御回路308、モータ制御回路309へトリガ信号を生成する。ここで、データ取得回路306へのトリガ信号をデータ取得トリガ信号と呼び、モータ制御回路308へのトリガ信号を副走査トリガ信号と呼び、モータ制御回路309へのトリガ信号を高さ走査トリガ信号と呼ぶ。
データ取得回路306は、データ取得トリガ信号を受信すると、内部のADコンバータを制御して光センサ105の出力データを1つ取得し、内部のDMAコントローラを介してメモリ303に保存する。
モータ制御回路308は、副走査トリガ信号を受信すると、副走査方向の画素ピッチ分の移動量にあたる駆動パルス列をモータドライバ111へ出力する。副走査方向の画素ピッチは使用者により撮影開始時に指定され、メモリ303に保存されている。
モータ制御回路309は高さ走査トリガ信号を受信すると、高さ走査方向の移動量にあたる駆動パルス列をモータドライバ114へ出力する。高さ走査方向の移動量はCPU301により算出される。なお、算出方法については後述する。
通信回路312は、検体測定装置100を外部のネットワークに接続するための回路である。通信方法はEthernetの規格に沿った通信プロトコルを用いる。検体測定装置100を外部のPCやサーバに接続することにより、遠隔で撮影を制御したり、外部の大容量ストレージにデータを保存したりすることができる。
UI回路313は、検体測定装置100をユーザインタフェース117と接続するための回路である。UI回路313は、キーボードやマウスからの入力回路およびディスプレイを制御するための画像形成回路から構成される。
なお、コントローラ116を構成する周辺回路は、FPGAやASIC等の半導体チップ上に実装され、クロックに同期して動作する。本実施形態では、クロック周波数は100MHzである。
図4は、第1の実施形態の検体測定装置100による撮影処理の動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、コントローラ116のCPU301がプログラムを実行することにより実現する。
図5(a)、(b)、(c)は、撮影処理におけるアレイプレート101の副走査の位置関係を説明する図であり、アレイプレート101を上方から見た図である。
図6(a)、(b)は、撮影処理におけるアレイプレート101の高さ走査の位置関係を説明する図であり、アレイプレート101を側面(長辺側)から見た図である。縦軸のZ=0の位置が水平な基準面である。図6(a)と図6(b)では載置されたアレイプレートの厚みおよび傾きが異なる。
S401では、CPU301は、使用者からの撮影指示に応じて撮影条件を読み込む。使用者は予めユーザインタフェース117を介して撮影条件を入力している。CPU301は、取得した撮影条件をメモリ303に保存する。ここでは、撮影条件として、アレイプレート101上の撮影領域を示す点501(X1,Y1)、点502(X2,Y2)および主走査方向の画素ピッチXp、副走査方向の画素ピッチYp、主走査方向の回転速度Xsが入力されている。本実施形態では、X1=500、X2=22500、Y1=500、Y2=64500、Xp=10um、Yp=10um、Xs=1200rpmとする。メモリ303は、アレイプレート101が複数のスポット202を有する側の面(一方の面)に対して定められる撮影領域に関する情報を記憶する記憶部であると換言される。
CPU301は、同期回路311に撮影条件を設定する。ここで、アレイプレート101上の点501、点502を対角とする矩形の領域を撮影領域503と呼ぶ。また、CPU301は、主走査方向の画素数Nx=(X2-X1)/Xp、副走査方向の画素数Ny=(Y2-Y1)/Ypを算出しておく。本実施形態では、Nx=2200、Ny=6400である。
S402では、CPU301は、アレイプレート101の高さ情報を取得するとともに高さ情報に基づいて傾き情報を取得する。CPU301は、取得部の一例に対応する。傾き情報は、アレイプレートに関する情報の一例に対応する。水平な基準面からアレイプレート101の表面、すなわちスポット202側の面までの高さを高さ情報と呼ぶ。また、水平な基準面に対するアレイプレート101の副走査方向の傾きを傾き情報と呼ぶ。ここでは、CPU301は、2つのY座標Y3、Y4に対する高さ情報Z3、Z4を測定によって取得する。本実施形態では、Y3=750、Y4=65000とする。
図6(a)のような傾きの場合にはZ4>Z3となり、図6(b)のような傾きの場合にはZ3<Z4となる。なお、高さ情報の取得方法については図7のフローチャートを用いて後述する。
傾き情報Kは以下の(式1)で算出される。
K=(Z4-Z3)/(Y4-Y3)・・・(式1)
S403では、CPU301は、撮影条件、高さ情報および傾き情報Kに応じて、副走査位置(各行)における基準面からの目標高さを算出する。ここで、任意の副走査位置の座標Yにおける目標高さZ(Y)は以下の(式2)で与えられる。
Z(Y)=K×(Y-Y3)+Z3・・・(式2)
図6(a)および図6(b)において、目標高さ601はアレイプレート101の表面のZ座標に相当する。
S404では、CPU301は、モータ制御回路307、308、309に指示し、アレイプレート101および投光部104を撮影開始位置に移動させる。
本実施形態では、撮影開始位置のX座標はピストンクランク機構106の走査範囲の端部であり、X座標値は-2500とする。撮影開始位置のY座標は撮影条件で指定されたY1とする。また、撮影開始位置のZ座標Z1は(式1)においてZ(Y1)で算出される。
S405では、CPU301は、投光部104を主走査方向に移動させる主走査を開始する(走査工程)。具体的には、CPU301は、モータ制御回路307に指示し、パルスモータ107を回転速度Xsで回転させる。パルスモータ107の回転によって、投光部104がX方向に往復運動を開始する。エンコーダ108および座標算出回路310により投光部104のX座標がクロックごとに算出され、同期回路311に出力される。
S406では、CPU301は、光源制御回路305に指示し、光源102の発光を開始させる。光源102の発光によって、投光部104を介してアレイプレート101へ光照射が開始される。
S407では、同期回路311は、投光部104が改行位置に到達したか否かを判定する。同期回路311は、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が撮影領域内から撮影領域外に移行したときに改行位置に到達したと判定する。現在の主走査方向が往路方向(X座標が増加する方向)の場合には、投光部104のX座標がX2を超えたところで改行位置に到達したと判定する。往路方向の走査は、図5(b)の軌跡504であらわされる。一方、同期回路311は、現在の主走査方向が復路方向(X座標が減少する方向)の場合には、投光部104のX座標がX1よりも小さくなったところで改行位置に到達したと判定する。復路方向の走査は、図5(b)の軌跡506であらわされる。主走査方向の初期値は往路方向であり、その後に改行位置に到達するたびに復路方向、往路方向を交互に繰り返す。
改行位置に到達した場合には、同期回路311は副走査トリガ信号および高さ走査トリガ信号を出力し、S416と、S417~S418とを並行して動作させる。改行位置に到達していない場合には、同期回路311は副走査トリガ信号および高さ走査トリガ信号を出力せずにS408に進む。
S408では、同期回路311は、投光部104がサンプリング位置に到達したか否かを判定する。サンプリング位置とは、アレイプレート101上で蛍光信号データを取得する点である。なお、サンプリング位置は、スポットとは異なる位置である場合について説明するが、スポットと同じ位置であってもよい。N番目のサンプリング位置のX座標P(N)は、以下の(式3)であらわされる。
P(N)=X1+Xp×(N+1/2) (N=0,1,…Nx-1)・・・(式3)
サンプリング位置は図5(b)の点508のような、軌跡上の複数の点であり、X方向のピッチがXp、Y方向のピッチはYpである。また、サンプリング位置の初期値はP(0)であり、同期回路311内部に保存されている。最初のサンプリング位置の判定においては、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が往路方向(X座標が増加する方向)でP(0)を通過した場合にサンプリング位置に到達したと判断する。2回目以降のサンプリング位置の判定においては、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が、後述するS410で更新されたサンプリング位置を通過したときにサンプリング位置に到達したと判定する。
サンプリング位置に到達した場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力し、S409に進む。まだサンプリング位置に到達していない場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力せずにS411に進む。
S409では、データ取得回路306は、サンプリング位置における光学情報を取得する。具体的には、データ取得回路306は、内部のADコンバータの変換開始信号を出力し、光センサ105からの出力電圧をAD変換する。AD変換された蛍光信号データはデータ取得回路306内部のDMAコントローラおよびメモリ制御回路304を経由してメモリ303に保存される。データ取得回路306は、Nx×Ny個のデータをメモリ303に保存した後には内部のデータ取得完了レジスタを1にし、Nx×Ny個のデータをメモリ303に保存していない場合には内部のデータ取得完了レジスタを0にする。S409の処理は、投光部104が主走査方向に往復運動を行っている間に行われ、副走査方向に移動している間では行われない。
S410では、同期回路311は、内部に保持するサンプリング位置を更新する。同期回路311は、現在の主走査方向が往路方向(X座標が増加する方向)の場合にはサンプリング位置P(N)をP(N+1)に更新し、現在の主走査方向が復路方向(X座標が減少する方向)に場合にはサンプリング位置P(N)をP(N-1)に更新する。
S411では、CPU301は、データ取得が終了しているか否かを判定する。CPU301はデータ取得回路306のデータ取得完了レジスタを読み出し、データ取得完了レジスタの値が1の場合にはデータ取得が終了したと判定してS412に進む。データ取得完了レジスタの値が0の場合にはデータ取得が終了していないと判定してS407に進む。
S412では、CPU301は、光源制御回路305に指示し、光源102の発光を停止させる。光源102の発光が停止することにより、投光部104を介したアレイプレート101へ光照射が停止される。
S413では、CPU301は、主走査を停止する。具体的には、CPU301は、モータ制御回路307に指示し、パルスモータ107の回転を停止させる。パルスモータ107の回転が停止することにより、投光部104のX方向の往復運動が停止する。
S414では、CPU301は、モータ制御回路307、308、309に指示し、アレイプレート101および投光部104を停止位置に移動させる。停止位置のX座標、Y座標およびZ座標は0である。停止位置への移動は、エンコーダ108のZ相パルス信号および、リニアステージ109内の原点センサ信号、リニアステージ112の原点センサ信号を用いて各軸を原点復帰させることで実施する。
S415では、CPU301は、メモリ303に保存されたNx×Ny個の蛍光信号データを読み出し、データ圧縮、フォーマット変換処理を行い、TIFF形式の蛍光画像ファイルを作成する。蛍光画像ファイルはメモリ303に保存され、UI回路313およびユーザインタフェース117を介して使用者に提示される。また、使用者からの指示により、通信回路312を介して外部のデータサーバに転送する。
S416では、CPU301は、アレイプレート101を副走査方向に移動させる副走査を行う(走査工程)。具体的には、CPU301は、モータ制御回路308に指示し、アレイプレート101を副走査方向にYpだけ移動させる。ここで、モータドライバ111へ電圧パルス信号を1パルス送った際のアレイプレート101の移動量をMyとすると、モータ制御回路308がモータドライバ111へ出力するパルス数はYp/Myとなる。本実施形態では、My=2umとする。副走査は図5(b)に示す軌跡505および軌跡507であらわされ、Y方向の移動距離はYpである。
図5(c)は、軌跡505、507を拡大した図である。軌跡505には、主走査方向のうち往路方向に沿った直線状の軌跡511と、半円状の軌跡512と、主走査方向のうち復路方向に沿った直線状の軌跡513とが含まれる。また、軌跡507には、主走査方向のうち復路方向に沿った直線状の軌跡514と、半円状の軌跡515と、主走査方向のうち往路方向に沿った直線状の軌跡513とが含まれる。このように、本実施形態の軌跡505、507にはそれぞれ少なくとも2以上の移動方向に対応する軌跡が含まれる。
モータ制御回路308は、CPU301からの指示に基づき、投光部104が主走査方向の撮影領域外にいる間に、副走査が完了するような速度でモータドライバ111にパルス信号を出力する。
S417では、CPU301は、高さ走査を行うためにメモリ303から副走査前後の目標高さを読み出す。具体的には、CPU301は、Z(Y+Yp)とZ(Y)とを読み出し、高さ走査の移動量を算出する。高さ走査の移動量は現在のY座標によって異なるが、移動後のZ方向の高さが、S416の副走査後のY座標における目標高さZ(Y+Yp)に最も近くなるように、出力パルス数およびパルスモータ113の回転方向を算出する。
具体的な算出方向について説明する。
ここでは、モータドライバ114へ電圧パルス信号を1パルス送った際のアレイプレート101の移動量をMzとする。本実施形態では、Mz=1umとする。
ある数xに最も近いMzの倍数をRoundMz(x)とし、ある数の絶対値をABS(x)、ある数の符号をSign(x)とする。目標高さに最も近いMzの倍数を目標パルス数と呼ぶ。目標パルス数は離散的な値を取り、図6(a)および図6(b)の高さ602に相当する。モータ制御回路309がモータドライバ114に出力するパルス数は以下の(式4)であらわされる。
Zp=ABS(RoundMz(Z(Y+Yp))-RoundMz(Z(Y)))
・・・(式4)
RoundMz(Z(Y))は、図6(a)および図6(b)の高さ602で示されるようにアレイプレート101の表面に近い離散的な値になる。
また、アレイプレートの高さ方向の移動方向Dirは以下の(式5)であらわされる。
Dir=Sign(RoundMz(Z(Y+Yp))-RoundMz(Z(Y)))
・・・(式5)
Dirが正の方向を垂直上方とし、投光部104とアレイプレート101の距離が離れる方向とする。アレイプレート101の傾きが図6(a)の場合にはDirの値が1となり、図6(b)の場合にはDirの値が-1となる。
S418では、CPU301は、ピントの合った光学情報を取得するためにアレイプレート101を垂直方向に沿って調整する高さ走査を行う(調整工程)。具体的には、CPU301は、モータ制御回路309に指示し、アレイプレート101をZp分だけ、移動方向Dirの方向に移動させる。Dirの値が正の場合にはアレイプレート101を上方に移動させ、Dirの値が負の場合にはアレイプレート101を下方に移動させる。S418の処理は、S407において投光部104が改行位置に到達したという、走査シーケンスに関する情報に基づいて行われる。すなわち、CPU301は走査シーケンスに関する情報に基づいて高さ走査を行うか否かを決定している。
モータ制御回路309がモータドライバ111へ出力するパルス数はZp/Mzとなる。モータ制御回路309は、CPU301からの指示に基づき、投光部104が主走査方向の撮影領域外にいる間に、高さ走査が完了するような速度でモータドライバ114にパルス信号を出力する。したがって、高さ走査は副走査の期間に行われる。すなわち、高さ走査と副走査とが並行して実行される。一方、高さ走査は主走査の期間には行われない。
S416の副走査およびS418の高さ走査が完了したらS419に進む。
S419では、同期回路311は、現在の主走査方向およびY座標を更新する。すなわち、同期回路311は、それまでの主走査方向が往路方向であった場合には、主走査方向を復路方向に更新し、改行位置をX1とする。一方、同期回路311は、それまでの主走査方向が復路方向であった場合には、主走査方向を往路方向に更新し、改行位置をX2とする。また、同期回路311は、現在のY座標をそれまでのY座標からYpだけインクリメントして、S411に進む。
図7は、アレイプレート101の高さ情報を取得する動作を示すフローチャートであり、上述したS402の処理の一部に相当する。なお、図7のフローチャートの処理では、図4のフローチャートの処理と異なり、副走査を行わずに等ピッチで高さ走査を行いながら反射光信号データを取得して解析し、アレイプレート101の表面の高さを算出する。
図8(a)および(b)は、高さ情報の取得動作におけるアレイプレート101の高さ走査の位置関係を説明する図であり、アレイプレート101を側面(短辺側)から見た図である。図8(c)は高さ走査中に光センサ105で取得した反射光の光量を、高さごとにプロットしたものであり、横軸が光量の大きさ、縦軸が取得した高さである。
S701では、CPU301は、高さ情報取得用のパラメータを同期回路311に設定する。パラメータとして、高さ情報の取得を行う位置のY座標Yh、主走査方向の画素ピッチXp、高さ走査方向の画素ピッチZp、XZ平面上の高さ走査範囲を示す点801(X5,Z5)、点802(X6,Z6)、主走査方向の回転速度Xsを設定する。
XZ平面上の点801、点802を対角とする矩形の領域803を高さ走査領域と呼ぶ。CPU301は、主走査方向の画素数Nx=(X6-X5)/Xp、高さ走査方向の画素数Nz=(Z6-Z5)/Zpを算出しておく。本実施形態では、X5=500、X6=22500、Z5=2000、Z6=6000、Xp=10[um]、Zp=10[um]、Xs=1200[rpm]とする。この場合には、Nx=2200、Nz=400となる。
S702では、CPU301は、モータ制御回路307、308、309に指示し、アレイプレート101および投光部104を高さ情報取得の開始位置に移動させる。
本実施形態では、高さ情報取得の開始位置のX座標はピストンクランク機構106の走査範囲の端部であり、X座標値は-2500とする。高さ情報取得の開始位置のY座標はパラメータで指定されたYhとする。また、高さ情報取得の開始位置のZ座標はパラメータで指定されたZ5とする。
S703では、CPU301は、主走査を開始する。この処理は、上述したS405と同様の処理である。
S704では、CPU301は、光源102の発光を開始することにより、光照射を開始する。この処理は、上述したS406と同様の処理である。
S705では、同期回路311は、投光部104が改行位置に到達したか否かを判定する。同期回路311は、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が撮影領域内から撮影領域外に移行したときに改行位置に到達したと判定する。現在の主走査方向が往路方向(X座標が増加する方向)の場合には、投光部104のX座標がX6を超えたところで改行位置に到達したと判定する。往路方向の走査は、図8(b)の軌跡804であらわされる。一方、同期回路311は、現在の主走査方向が復路方向(X座標が減少する方向)の場合には、投光部104のX座標がX5よりも小さくなったところで改行位置に到達したと判定する。復路方向の走査は、図8(b)の軌跡806であらわされる。主走査方向の初期値は往路方向であり、その後に改行位置に到達するたびに復路方向、往路方向を交互に繰り返す。
改行位置に到達した場合、同期回路311は高さ走査トリガ信号を出力し、S714に進む。改行位置に到達していない場合には、同期回路311は高さ走査トリガ信号を出力せずにS706に進む。
S706では、同期回路311は、投光部104がサンプリング位置に到達したか否かを判定する。この処理は、上述したS408と同様の処理である。サンプリング位置は、図8(b)の点808のような、軌跡上の複数の点であり、X方向のピッチがXp、Z方向のピッチはZpである。サンプリング位置に到達した場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力し、S707に進む。まだサンプリング位置に到達していない場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力せずにS709に進む。
S707では、データ取得回路306は、サンプリング位置から反射光信号データを取得する。この処理は、上述したS409と同様の処理である。データ取得回路306は、Nx×Nz個のデータをメモリ303に保存した後には内部のデータ取得完了レジスタを1にし、Nx×Nz個のデータをメモリ303に保存していない場合には内部のデータ取得完了レジスタを0にする。
S708では、同期回路311は、内部に保持するサンプリング位置を更新する。この処理は、上述したS410と同様の処理である。
S709では、CPU301は、データ取得が終了しているか否かを判定する。この処理は、上述したS411と同様の処理である。データ取得が終了したと判定した場合にはS710に進む。データ取得が終了していないと判定した場合にはS705に進む。
S710では、CPU301は、光源102発光を停止させる。この処理は、上述したS412と同様の処理である。
S711では、CPU301は、主走査を停止する。この処理は、上述したS413と同様の処理である。
S712では、CPU301は、アレイプレート101および投光部104を停止位置に移動させる。この処理は、上述したS414と同様の処理である。
S713では、CPU301は、メモリ303に保存されたNx×Nz個の反射光信号データを読み出して解析し、アレイプレートの高さ情報を算出する。具体的には、同じ高さで取得したNx個のデータを加算平均し、高さごとの平均光量を求める。平均光量をZ座標ごとに並べるとアレイプレート101の表面と裏面にあたる2つのピークが存在する。図8(c)において、ピーク809はアレイプレート101の表面からの反射光によるピークを示し、ピーク810はアレイプレート101の裏面からの反射光によるピークを示している。2つのピークのうち、Z座標が大きいピーク809、すなわち表面に相当するピークを示すZ座標811が位置Yhにあたる高さ情報である。
S714では、CPU301は、モータ制御回路309に指示し、アレイプレート101を高さ走査方向にZpだけ移動させる。モータドライバ114へ電圧パルス信号を1パルス送った際のアレイプレート101の移動量をMzとすると、モータ制御回路309がモータドライバ114へ出力するパルス数はZp/Mzとなる。高さ走査は図8(b)に示す軌跡805および軌跡807であらわされ、Z方向の移動距離はZpである。
モータ制御回路309は、CPU301からの指示に基づき、投光部104が主走査方向の撮影領域外にいる間に、高さ走査が完了するような速度でモータドライバ114にパルス信号を出力する。
S715では、同期回路311は、現在の主走査方向およびZ座標を更新する。すなわち、同期回路311は、それまでの主走査方向が往路方向であった場合には、主走査方向を復路方向に更新し、改行位置をX5とする。一方、同期回路311は、それまでの主走査方向が復路方向であった場合には、主走査方向を往路方向に更新し、改行位置をX6とする。また、同期回路311は、現在のZ座標をそれまでのZ座標からZpだけインクリメントして、S709に進む。
上述したS402において、傾き情報を取得する際には、図7のフローチャートの処理をY座標Y3とY座標Y4でそれぞれ実施して、Y座標Y3に対する高さ情報Z3とY座標Y4に対する高さ情報Z4を求め、(式1)を用いて傾き情報Kを求める。このように傾き情報Kを求めることにより、S403において各副走査位置の目標高さを算出することができる。
以上、本実施形態の検体測定装置100では、副走査の期間にアレイプレート101を垂直方向に沿って調整する高さ走査を行う。したがって、ピントの合った光学情報を短時間で取得することができる。
また、本実施形態では、同期回路311を用いることにより、投光部104の位置と同期して、副走査、高さ走査を行う。投光部104が撮影領域外にいる間に副走査と高さ走査を行うことにより、撮影領域内ではアレイプレート101を動かす必要がない。したがって、アレイプレート101の駆動に伴う振動の影響を少なくすることができる。また、検体測定装置100は、高性能なフォーカスセンサや低振動なアクチュエータ等からなる高速サーボ制御系を備えていないために、簡便な構成でアレイプレート101全面でピントの合う蛍光画像を取得することができる。
また、本実施形態では、主走査用であるパルスモータ107が撮影中に一定速度で回転することで投光部104を移動し、投光部104が撮影領域外にあるときに副走査や高さ走査を行う。副走査や高さ走査の前に主走査用のパルスモータ107を一時停止させる必要がないため、投光部104を高速で往復走査を行うことができ、撮影時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、予め少なくとも2点で取得した高さ情報および傾き情報に基づいてアレイプレート101全体の厚みや傾きの個体差を補正しながら主走査と副走査との二次元走査を行う。したがって、三次元的にアレイプレート101を走査するのに比較して、短時間にアレイプレート101全面でピントの合う蛍光画像を取得することができる。
また、本実施形態では、目標高さに最も近い目標パルス数を、副走査位置ごと(行ごと)に算出する。そのために、高さ走査の量および方向が予め決められた値ではない場合、特に行ごとに移動量が異なる場合でも、目標高さに近い高さに合わせることができる。したがって、アレイプレート101の厚みや傾きおよびアレイプレート101の載置方法に個体差があり、予めアレイプレート101の高さや傾きの予測が難しい場合でも全面でピントの合う蛍光画像を取得することができる。
また、本実施形態では、高さ情報を取得するときに主走査も行いNx個のデータを平均化することにより、アレイプレート101上に部分的に汚れや液体がついていた場合でも安定してピークを検出することができる。したがって、高さ走査位置ごとにアレイプレート101上の1点に対してピークを検出するよりも、取得する高さ情報の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、同期回路311を用いることにより、投光部 104の位置と同期して、蛍光信号データのサンプリングを行う。投光部104の位置と同期せずに、一定周期でデータのサンプリングや副走査を行う場合と比較して、アレイプレート101全面で等間隔のデータを取得することができ、撮影画像を取得するときの位置の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、撮影領域503が領域204全体をカバーしており、アレイプレート101上の全てのスポットを撮影する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、領域204の任意の一部を撮影領域503として使用者が設定することも可能である。この場合、使用者の関心があるスポットを含む一部分のみを走査することで、撮影時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、スライドガラス201の表面からの反射光のピークを用いて高さ情報を取得する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、アレイプレート101上の一部のスポットからの蛍光信号の輝度のピーク位置を用いて高さ情報を取得してもよい。この場合、高さ情報の取得のために一部のスポットに光を照射する必要があるが、光センサ105で反射光を取得しなくてよいため、光学系の部品点数を削減することができる。
なお、本実施形態では、光源102からの波長が1つの場合について説明したが、光源および光学系、光センサを波長ごとに複数備え、複数の波長の励起光をアレイプレート101に照射してもよい。複数の波長の励起光から発生した蛍光信号を比較することにより、スポット上の生体物質の性質をより詳しく分析することができる。
なお、本実施形態では、投光部104を主走査方向に移動させる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、アレイプレート101を主走査方向に移動させてもよく、投光部104およびアレイプレート101の両方を主走査方向に移動させてもよい。すなわち、投光部104とアレイプレート101との少なくとも何れか一方を主走査方向に相対移動させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、アレイプレート101を副走査方向に移動させる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、投光部104を副走査方向に移動させてもよく、投光部104およびアレイプレート101の両方を副走査方向に移動させてもよい。すなわち、投光部104とアレイプレート101との少なくとも何れか一方を副走査方向に相対移動させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、アレイプレート101を垂直方向に移動させる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、投光部104を垂直方向に移動させてもよく、投光部104およびアレイプレート101の両方を垂直方向に移動させてもよい。すなわち、投光部104とアレイプレート101との少なくとも何れか一方を垂直方向に相対移動させて投光部104とアレイプレート101との相対位置を調整する構成であってもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、投光部104の走査方法および蛍光信号データのサンプリング方法が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、主走査の往路方向と復路方向において光センサ105からの信号取得を行い、アレイプレート101両端の撮影領域外にいる間に副走査と高さ走査を行った。本実施形態では、主走査の往路方向で光センサ105からの信号取得を行い、主走査の復路方向にて副走査と高さ走査を行う。
なお、本実施形態の検体測定装置100の構成、アレイプレート101、コントローラ116の内部構成については、図1、図2、図3と同様であるために説明を省略する。
図9は、撮影処理におけるアレイプレート101の副走査の位置関係を説明する図である。図10は、本実施形態の検体測定装置100においてアレイプレート101の撮影処理の動作を示すフローチャートである。
S1001~S1006は、第1の実施形態のS401~S406の処理と同様である。
S1007では、同期回路311は、投光部104が改行位置に到達したか否かを判定する。同期回路311は、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が撮影領域内から撮影領域外に移行したときに改行位置に到達したと判定する。現在の主走査方向が往路方向(X座標が増加する方向)で、投光部104のX座標がX2を超えたところで改行位置に到達したと判定する。往路方向の走査は、図9の軌跡901であらわされる。一方、同期回路311は、現在の主走査方向が復路方向(X座標が減少する方向)の場合には、投光部104のX座標がX1よりも小さくなったところで改行位置に到達したと判定する。復路方向の走査は、図9の軌跡902であらわされる。主走査方向の初期値は往路方向であり、その後に改行位置に到達するたびに復路方向、往路方向を交互に繰り返す。
改行位置に到達した場合にはS1017に進む。改行位置に到達していない場合にはS1008に進む。
S1008では、同期回路311は、現在の主走査方向が往路方向であるか復路方向であるかを判定する。往路方向の場合にはS1009に進む。復路方向の場合にはS1012に進む。
S1009では、同期回路311は、投光部104がサンプリング位置に到達したか否かを判定する。サンプリング位置とは、アレイプレート101上で蛍光信号データを取得する点である。N番目のサンプリング位置のX座標P(N)は、上述した(式3)であらわされる。サンプリング位置は図9の点903のような、軌跡上の複数の点であり、X方向のピッチがXp、Y方向のピッチはYpであり、座標は第1の実施形態と同じである。また、サンプリング位置の初期値はP(0)であり、同期回路311内部に保存されている。最初のサンプリング位置の判定においては、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が往路方向(X座標が増加する方向)でP(0)を通過した場合にサンプリング位置に到達したと判定する。2回目以降のサンプリング位置の判定においては、座標算出回路310から出力される投光部104のX座標が、後述するS1011で更新されたサンプリング位置を往路方向に通過したときにサンプリング位置に到達したと判定する。
サンプリング位置に到達した場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力し、S1010に進む。まだサンプリング位置に到達していない場合には、同期回路311はデータ取得トリガ信号を出力せずにS1012に進む。
S1010は、第1の実施形態のS409の処理と同様である。
S1011では、同期回路311は、内部に保持するサンプリング位置を更新する。同期回路311は、現在の主走査方向が往路方向(X座標が増加する方向)であることからサンプリング位置P(N)をP(N+1)に更新する。ただし、N=Nx-1の場合には、P(N)をP(0)に更新する。
S1012~S1016は、第1の実施形態のS401~S406の処理と同様である。
S1017では、同期回路311は、現在の主走査方向が往路方向であるか復路方向であるかを判定する。往路方向の場合には、同期回路311は副走査トリガ信号および高さ走査トリガ信号を出力し、S1018と、S1019~S1020を並行して動作させる。復路方向の場合にはS1021に進む。
S1018では、CPU301は、復路方向への主走査と同時に副走査を行う。具体的には、CPU301は、モータ制御回路308に指示し、アレイプレート101を副走査方向にYpだけ移動させる。ここで、モータドライバ111へ電圧パルス信号を1パルス送った際のアレイプレート101の移動量をMyとすると、モータ制御回路308がモータドライバ111へ出力するパルス数はYp/Myとなる。本実施形態では、My=2umとする。
ここでの副走査は復路方向の主走査と同時に行わることにより、図9の軌跡902のようにX方向とY方向の何れに対しても交差する傾斜した略直線の軌跡となる。なお、Y方向の成分の移動距離はYpである。
モータ制御回路308は、CPU301からの指示に基づき、投光部104が主走査方向のうち復路方向に移動している間に、副走査が完了するような速度でモータドライバ111にパルス信号を出力する。
S1019は、第1の実施形態のS417の処理と同様である。
S1020では、ピントの合った光学情報を取得するために高さ走査を行う。具体的には、CPU301は、モータ制御回路309に指示し、アレイプレート101をZp分だけ、移動方向Dirの方向に移動させる。Dirの値が正の場合にはアレイプレート101を上方に移動させ、Dirの値が負の場合にはアレイプレート101を下方に移動させる。
モータ制御回路309がモータドライバ111へ出力するパルス数はZp/Mzとなる。モータ制御回路309は、CPU301からの指示に基づき、投光部104が主走査方向の復路方向に移動している間に、高さ走査が完了するような速度でモータドライバ114にパルス信号を出力する。したがって、高さ走査は副走査が実行されている間および復路方向への主走査が実行される間に行われる。すなわち、高さ走査と、副走査および復路方向への主走査とが並行して実行される。一方、高さ走査は、往路方向への主走査が実行されている間では行われない。
S1018の副走査およびS1020の高さ走査が完了したらS1021に進む。
S1021は、第1の実施形態のS419の処理と同様である。
以上、本実施形態の検体測定装置100では、主走査の往路方向でのみ蛍光信号データを取得し、主走査の復路方向では蛍光信号データを取得せずに副走査、高さ走査を行う。したがって、撮影に掛かる時間は2倍になるが、データを取得するときの主走査方向を一致させることができるために、往路と復路による投光部104の位置および角度誤差の影響を低減することができる。
また、本実施形態では、主走査の復路方向に掛かる時間を副走査および高さ走査に当てることができるために、副走査および高さ走査の速度を遅くすることができる。したがって、副走査および高さ走査による残留振動の影響を少なくすることができることから蛍光画像の画質を向上させることができる。
なお、本実施形態では、主走査の往路方向でのみ蛍光信号データを取得する場合について説明したが、主走査の復路方向でのみ蛍光信号データを取得し、主走査の往路方向では蛍光信号データを取得せずに副走査、高さ走査を行うようにしてもよい。この場合には、上述したS1008およびS1017の判定において往路方向と復路方向とを逆にすることにより実現することができる。
なお、本実施形態では、撮影処理の動作について説明したが、高さ情報の取得処理においても、同様に、往路方向または復路方向の何れか一方でのみサンプリングおよび高さ走査を行うことができる。この場合、撮影処理と同様、投光部104の位置および角度誤差の影響を低減できるとともに、高さ走査の残留振動の影響を少なくすることができ、取得する高さ情報の精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、投光部104の主走査方向の位置を測定するエンコーダ108を有していない点が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、座標算出回路310がエンコーダ108からの信号に基づいて投光部104の位置を算出した。本実施形態では、モータ制御回路307からのモータ駆動パルス信号に基づいて投光部104の位置を算出する。なお、本実施形態の検体測定装置100の構成、アレイプレート101については、図1、図2と同様であるために説明を省略する。
図11は、第3の実施形態のコントローラ1116の内部構成を示すブロック図である。コントローラ1116は、座標算出回路310を座標算出回路1310に置き換えた点およびエンコーダ108を有していない点以外は、第1の実施形態と同様の構成である。座標算出回路1310は、モータ制御回路307からの駆動パルス電圧に基づいて、投光部104の位置を算出する回路である。
図12は、ピストンクランク機構の動作を説明する図である。
ピストンクランク機構のうちクランク118の長さをr、コネクティングロッド119の長さをl、パルスモータ107の角度をθとすると、投光部104の位置xは以下の(式6)であらわされる。
θは1パルス当たりの回転角度に駆動パルスの数を掛けることで算出することができる。rとlは既知の値であるため、駆動パルスが入力されるたびに(式6)を用いて投光部104の座標を算出する。ただし、1パルス当たりの回転角度は0.72°刻みであるため、得られるxの値も離散的となる。そのため、座標算出回路1310は、角速度を用いて、パルス間の座標を補間して推定する。
図13は、座標算出回路による動作を示すフローチャートである。
S1301では、座標算出回路1310は、内部のパルスカウンタおよび時刻カウンタの値を0にする。
S1302では、座標算出回路1310は、モータ制御回路307からの駆動パルス信号の立ち上がりエッジが入力されたか否かを判定する。入力された場合にはS1303に進む。入力されていない場合にはS1311に進む。
S1303では、座標算出回路1310は、モータが1回転したか否かを判定する。例えば、1パルス当たりのパルスモータ107の回転角度θpが0.72°の場合、500パルスでモータが1回転する。したがって、パルスカウンタの現在値Cpが499の場合には1回転したと判定してS1310に進む。一方、パルスカウンタの現在値Cpが498以下の場合には1回転していないと判定してS1304に進む。
S1304では、座標算出回路1310は、パルスカウンタを1増加させる。
S1305では、座標算出回路1310は、時刻カウンタの値をクロック周期で割ることにより角速度wを算出する。時刻カウンタの値をCt、クロック周期をTとすると、角速度wはw=θp×T/Ctで算出される。ただし、時刻カウンタの値Ctが0の場合には、角速度wは0と算出する。
S1306では、座標算出回路1310は、時刻カウンタを0にする。
S1307では、座標算出回路1310は、角度θを算出する。ここで、パルスカウンタの値Cpとすると、角度θはθ=Cp×θp+w×Ct×Tで算出される。
S1308では、座標算出回路1310は、x座標を算出する。具体的には、算出された角度θを(式6)に代入することによりx座標が算出される。
S1309では、座標算出回路1310は、算出した座標を同期回路311に出力する。
S1310では、座標算出回路1310は、パルスカウンタを0にする。
S1311では、座標算出回路1310は、パルスカウンタを1増加させる。
このように、座標算出回路1310の動作について、フローチャートを用いて説明したが、座標算出回路1310はデジタル回路上で実装することにより、実際にはクロックごとにS1301~S1311の動作を実施する。
以上、本実施形態では、モータ制御回路307の駆動パルス信号から投光部104の位置を推定することにより、エンコーダを用いずに主走査と副走査、高さ走査、データ取得の同期をとることができる。検体測定装置100はエンコーダを有していないために製造コストを削減することができる。
なお、本実施形態では、1パルス当たりのパルスモータ107の回転角度θpを0.72°としたが、この場合に限られない。例えば、モータ制御回路307にマイクロステップ制御機能付きのモータドライバを用いることにより、θpを数10から数100分割し、投光部104の位置を推定する精度を高めてもよい。
なお、本実施形態では、座標算出回路1310はパルス信号の立ち上がりの時間差から角速度を算出したが、この場合に限られない。例えば、座標算出回路1310はパルスモータ107が定速回転している間に動作させるようにして、使用者が指定した主走査方向の回転速度Xsを用いて角速度を算出してもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。例えば、各実施形態の構成あるいは処理の一部を、他の実施形態に組み合わせてもよい。
また、上述した実施形態においてCPU301、同期回路311、データ取得回路306等が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよい。また、上述の各種制御は複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するプログラムをネットワークまたは各種記録媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、該プログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。
また、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
一方の面に複数のスポットを有するアレイプレートに対して観察光学系を走査する走査装置であって、
前記複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するため前記一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系と、
前記観察光学系が前記アレイプレートに対して第1の方向に相対移動するとともに前記光学情報を取得する主走査と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して前記光学情報を取得せずに前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査部と、
前記一次光の光軸方向における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置の調整を行う調整部と、を有し、
前記調整部は、前記走査部が前記副走査の期間にある場合に前記調整を行うことを特徴とする走査装置。
(構成2)
前記調整部は、前記走査部が前記主走査の期間にある場合、前記調整を行わないことを特徴とする構成1に記載の走査装置。
(構成3)
前記観察光学系からの出力信号と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対する相対移動する平面内における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置に関する情報と、に基づいて二次元画像を取得する画像取得部をさらに有することを特徴とする構成1または2に記載の走査装置。
(構成4)
前記走査部による走査シーケンスに関する情報に基づいて、前記調整を行うか行わないかを決定する制御部をさらに有することを特徴とする構成1ないし3の何れか1つに記載の走査装置。
(構成5)
前記一方の面に対して定められる撮影領域に関する情報を記憶する記憶部をさらに有することを特徴とする構成1ないし4の何れか1つに記載の走査装置。
(構成6)
前記副走査は、前記観察光学系が前記アレイプレートに対する相対移動する平面内において、2以上の移動方向に対応する移動を含むことを特徴とする構成1ないし5の何れか1つに記載の走査装置。
(構成7)
前記副走査の期間は、前記第1の方向の移動を含むことを特徴とする構成6に記載の走査装置。
(構成8)
前記アレイプレートに関する情報を取得する取得部を有し、
前記調整部は、前記取得部により取得された前記アレイプレートに関する情報に基づいて前記調整を行うことを特徴とする構成1ないし7の何れか1つに記載の走査装置。
(構成9)
前記アレイプレートに関する情報は、前記第1の方向から見たときの前記アレイプレートの傾き情報を含むことを特徴とする構成8に記載の走査装置。
(構成10)
前記アレイプレートの傾き情報は、前記アレイプレートの少なくとも2点で取得した高さ情報に基づいて算出されることを特徴とする構成9に記載の走査装置。
(構成11)
前記走査部は、前記観察光学系の位置に関する情報と、前記アレイプレートの位置に関する情報と、に基づいて、前記観察光学系と前記アレイプレートとを相対移動させることを特徴とする構成1ないし10の何れか1つに記載の走査装置。
(構成12)
前記調整部は、前記光学情報を取得する撮影領域に関する情報と、前記観察光学系の位置に関する情報と、に基づいて、前記調整を行うことを特徴とする構成1ないし11の何れか1つに記載の走査装置。
(構成13)
前記調整部は、前記観察光学系の位置が前記撮影領域の外である場合に、前記調整を行うことを特徴とする特徴とする構成12に記載の走査装置。
(構成14)
前記撮影領域に関する情報は、予め使用者により入力された情報であることを特徴とする構成12または13に記載の走査装置。
(構成15)
前記観察光学系の位置を測定する測定部を有し、
前記観察光学系の位置に関する情報は、前記測定部により測定された前記観察光学系の位置に基づいて取得される情報であることを特徴とする構成11ないし14の何れか1つに記載の走査装置。
(構成16)
前記観察光学系を前記アレイプレートに対して移動させる駆動部を有し、
前記観察光学系の位置に関する情報は、前記駆動部を駆動させる信号に基づいて取得される情報であることを特徴とする構成11ないし14の何れか1つに記載の走査装置。
(構成17)
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交する方向であることを特徴とする構成1ないし16の何れか1つに記載の走査装置。
(構成18)
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交しておらず、前記1の方向に対して傾斜した方向であることを特徴とする構成1ないし16の何れか1つに記載の走査装置。
(構成19)
前記アレイプレートは、前記一方の面から見て、短辺と長辺とを有する矩形状であって、
前記第1の方向は、前記アレイプレートの前記短辺と平行な方向であり、
前記第2の方向は、前記アレイプレートの前記長辺と平行な方向であることを特徴とする構成1ないし16の何れか1つに記載の走査装置。
(構成20)
前記アレイプレートは、前記一方の面から見て、短辺と長辺とを有する矩形状であって、
前記第1の方向は、前記アレイプレートの前記短辺と平行な方向であり、
前記第2の方向は、前記アレイプレートの前記短辺および前記長辺の何れとも交差する方向であることを特徴とする構成1ないし16の何れか1つに記載の走査装置。
(構成21)
前記観察光学系は、前記複数のスポットの少なくとも一部に対して一次光を照射して、前記複数のスポットの少なくとも一部からの二次光を採光する構成であることを特徴とする構成1ないし20の何れか1つに記載の走査装置。
(方法1)
一方の面に複数のスポットを有するアレイプレートに対して観察光学系を走査する走査方法であって、
前記複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するために前記一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系を前記アレイプレートに対して第1の方向に相対移動するとともに前記光学情報を取得する主走査と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して前記光学情報を取得せずに前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査工程と、
前記一次光の光軸方向における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置の調整を行う調整工程と、を有し、
前記調整工程では、前記走査工程による前記副走査の期間に前記調整を行うことを特徴とする走査方法。
(方法2)
前記走査工程よりも前に予め前記アレイプレートに関する情報を取得する取得工程を有し、
前記調整工程では、前記取得工程で取得された前記アレイプレートに関する情報に基づいて前記調整を行うことを特徴とする方法1に記載の走査方法。
(プログラム1)
コンピュータに方法1に記載の各工程を実行させるためのプログラム。
100:検体測定装置(走査装置) 101:アレイプレート 104:投光部 105:光センサ 106:ピストンクランク機構 107:パルスモータ 109:リニアステージ 110:パルスモータ 112:リニアステージ 113:パルスモータ

Claims (24)

  1. 一方の面に複数のスポットを有するアレイプレートに対して観察光学系を走査する走査装置であって、
    前記複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するため前記一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系と、
    前記観察光学系が前記アレイプレートに対して第1の方向に相対移動するとともに前記光学情報を取得する主走査と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して前記光学情報を取得せずに前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査部と、
    前記一次光の光軸方向における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置の調整を行う調整部と、を有し、
    前記調整部は、前記走査部が前記副走査の期間にある場合に前記調整を行うことを特徴とする走査装置。
  2. 前記調整部は、前記走査部が前記主走査の期間にある場合、前記調整を行わないことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  3. 前記観察光学系からの出力信号と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して相対移動する平面内における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置に関する情報と、に基づいて二次元画像を取得する画像取得部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  4. 前記走査部による走査シーケンスに関する情報に基づいて、前記調整を行うか行わないかを決定する制御部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  5. 前記一方の面に対して定められる撮影領域に関する情報を記憶する記憶部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  6. 前記副走査は、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して相対移動する平面内において、2以上の移動方向に対応する移動を含むことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  7. 前記副走査は、前記第1の方向の移動を含むことを特徴とする請求項6に記載の走査装置。
  8. 前記アレイプレートに関する情報を取得する取得部を有し、
    前記調整部は、前記取得部により取得された前記アレイプレートに関する情報に基づいて、前記調整を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  9. 前記アレイプレートに関する情報は、前記第1の方向から見たときの前記アレイプレートの傾き情報を含むことを特徴とする請求項8に記載の走査装置。
  10. 前記アレイプレートの傾き情報は、前記アレイプレートの少なくとも2点で取得した高さ情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項8に記載の走査装置。
  11. 前記走査部は、前記観察光学系の位置に関する情報と、前記アレイプレートの位置に関する情報と、に基づいて、前記観察光学系と前記アレイプレートとを相対移動させることを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  12. 前記調整部は、前記光学情報を取得する撮影領域に関する情報と、前記観察光学系の位置に関する情報と、に基づいて、前記調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  13. 前記調整部は、前記観察光学系の位置が前記撮影領域の外である場合に、前記調整を行うことを特徴とする請求項12に記載の走査装置。
  14. 前記撮影領域に関する情報は、予め使用者により入力された情報であることを特徴とする請求項12または13に記載の走査装置。
  15. 前記観察光学系の位置を測定する測定部を有し、
    前記観察光学系の位置に関する情報は、前記測定部により測定された前記観察光学系の位置に基づいて取得される情報であることを特徴とする請求項11または12に記載の走査装置。
  16. 前記観察光学系を前記アレイプレートに対して移動させる駆動部を有し、
    前記観察光学系の位置に関する情報は、前記駆動部を駆動させる信号に基づいて取得される情報であることを特徴とする請求項11または12に記載の走査装置。
  17. 前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交する方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  18. 前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交しておらず、前記1の方向に対して傾斜した方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  19. 前記アレイプレートは、前記一方の面から見て、短辺と長辺とを有する矩形状であって、
    前記第1の方向は、前記アレイプレートの前記短辺と平行な方向であり、
    前記第2の方向は、前記アレイプレートの前記長辺と平行な方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  20. 前記アレイプレートは、前記一方の面から見て、短辺と長辺とを有する矩形状であって、
    前記第1の方向は、前記アレイプレートの前記短辺と平行な方向であり、
    前記第2の方向は、前記アレイプレートの前記短辺および前記長辺の何れとも交差する方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  21. 前記観察光学系は、前記複数のスポットの少なくとも一部に対して一次光を照射して、前記複数のスポットの少なくとも一部からの二次光を採光する構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の走査装置。
  22. 一方の面に複数のスポットを有するアレイプレートに対して観察光学系を走査する走査方法であって、
    前記複数のスポットの少なくとも一部に係る光学情報を取得するために前記一方の面に向けて一次光を照射する観察光学系を前記アレイプレートに対して第1の方向に相対移動するとともに前記光学情報を取得する主走査と、前記観察光学系が前記アレイプレートに対して前記光学情報を取得せずに前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する副走査と、を行う走査工程と、
    前記一次光の光軸方向における前記観察光学系の前記アレイプレートに対する相対位置の調整を行う調整工程と、を有し、
    前記調整工程では、前記走査工程による前記副走査の期間に前記調整を行うことを特徴とする走査方法。
  23. 前記走査工程よりも前に予め前記アレイプレートに関する情報を取得する取得工程を有し、
    前記調整工程では、前記取得工程で取得された前記アレイプレートに関する情報に基づいて、前記調整を行うことを特徴とする請求項22に記載の走査方法。
  24. コンピュータに請求項22に記載の各工程を実行させるためのプログラム。
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