JP2024076833A - 監視装置、制御装置、運航管理システム、およびプログラム - Google Patents

監視装置、制御装置、運航管理システム、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】飛行の安全性を高めること。【解決手段】監視装置50は、eVTOLに搭載される電池151の状態を監視する。監視装置50は、電池151に関する情報を取得する取得部51と、情報に基づいて、電池151のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する演算部52と、一時劣化の度合いに関する情報を出力する出力部54を備える。この監視装置50によれば、一時劣化の度合いを把握できるため、飛行の安全性を高めることができる。【選択図】図4

Description

この明細書における開示は、監視装置、制御装置、運航管理システム、およびプログラムに関する。
特許文献1は、電動飛行体を開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2020-196440号公報
電動飛行体に搭載される電池は、電動飛行体特有の高出力負荷により、イオンの濃度分布の偏りに起因する電池の内部抵抗の一時的(可逆的)な上昇、つまり一時劣化を生じやすい。たとえば特許文献1に開示のように、電池を複数設けて冗長性をもたせたとしても、複数の電池において一時劣化が同時に生じる虞がある。つまり、電池の冗長性を確保できなくなる虞がある。上記した観点において、または言及されていない他の観点において、監視装置、制御装置、運航管理システム、およびプログラムにはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、飛行の安全性を高めることができる監視装置、制御装置、運航管理システム、およびプログラムを提供することにある。
開示のひとつである監視装置は、
電動飛行体(10)に搭載される電池(151)の状態を監視する監視装置であって、
電池に関する情報を取得する取得部(51)と、
情報に基づいて、電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する演算部(52)と、
一時劣化の度合いに関する情報を出力する出力部(54)と、
を備える。
開示の監視装置によれば、電池に関する情報に基づいて、一時劣化の度合いを把握できる。これにより、飛行の安全性につながる適切な処理、たとえば飛行制御やメンテナンスなどが可能となる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつである制御装置は、
複数の電池(151)により回転翼(13)を含む駆動対象を駆動する電動飛行体(10)の制御装置であって、
電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得する取得部(61)と、
一時劣化の度合いに基づいて電池の放電および/または充電を制御する制御部(62)と、
を備える。
開示の制御装置によれば、一時劣化の度合いを把握したうえで、電池の放電および/または充電を制御する。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行できる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつである運航管理システムは、
電動飛行体(10)の運航管理システムであって、
電動飛行体に搭載される電池(151)に関する情報を取得して、電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する監視装置(50)と、
一時劣化の度合いに基づいて、電池の放電および/または充電を制御する制御装置(60)と、
を備える。
開示の運航管理システムによれば、一時劣化の度合いを監視し、この監視結果に基づいて、電池の放電および/または充電を制御することができる。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行できる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつであるプログラムは、
電動飛行体(10)に搭載される電池(151)の状態を監視するためのプログラムであって、
少なくともひとつの処理部(201)に、
電池に関する情報を取得させ、
情報に基づいて、電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算させる、
ことを含む。
開示のプログラムによれば、電池に関する情報に基づいて、一時劣化の度合いを把握できる。これにより、飛行の安全性につながる適切な処理、たとえば飛行制御やメンテナンスなどが可能となる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつであるプログラムは、
電動飛行体(10)に搭載される電池(151)を制御するためのプログラムであって、
少なくともひとつの処理部(201)に、
電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得させ、
一時劣化の度合いに基づいて電池の放電および/または充電を制御させる、
ことを含む。
開示のプログラムによれば、一時劣化の度合いを把握したうえで、電池の放電および/または充電を制御できる。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行できる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、航続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
eVTOLの電力プロファイルを示す図である。 eVTOLおよび地上局の構成を示す図である。 第1実施形態において、運航管理システムの機能配置を示す図である。 監視装置および運航管理システムの概略構成を示す図である。 運航管理方法の一例を示すフローチャートである。 監視方法の一例を示すフローチャートである。 監視処理の実行タイミングを示す図である。 変形例を示す図である。 第2実施形態における運航管理システムの概略構成を示す図である。 電池セルの拘束状態を示す図である。 制御方法の一例を示すフローチャートである。 回復制御の変形例を示すフローチャートである。 第3実施形態において、電池システムの構成例を示す図である。 電池システムの別の構成例を示す図である。 電池システムの別の構成例を示す図である。 回復制御の組み合わせの効果を示す図である。 充電関連機器が有する機能を示す図である。 充電方法の一例を示す図である。 充電方法の一例を示す図である。 変形例を示す図である。
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
以下に示す監視装置、制御装置、運航管理システム、プログラム、および電池システムは、電動飛行体に適用される。
(第1実施形態)
電動飛行体は、移動するための駆動源としてモータ(回転電機)を備える。電動飛行体は、電動飛行機、電動航空機などと称されることがある。電動飛行体は、鉛直方向への移動、水平方向への移動が可能である。電動飛行体は、鉛直方向成分および水平方向成分を有する方向、つまり斜め方向への移動が可能である。電動飛行体は、たとえば電動垂直離着陸機(eVTOL)、電動短距離離着陸機(eSTOL)、ドローンなどである。eVTOLは、electronic Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。eSTOLは、electronic Short distance Take-Off and Landing aircraftの略称である。
電動飛行体は、有人機、無人機のいずれでもよい。有人機の場合、電動飛行体は、操縦者としてのパイロットにより操縦される。無人機の場合、電動飛行体は、操縦者による遠隔操作により操縦され、あるいは、コントロールシステムにより自動的に制御され得る。一例として本実施形態の電動飛行体は、eVTOLである。
<電力プロファイル>
図1は、eVTOLの離陸から着陸までの電力プロファイルを示している。なお、eVTOL以外の電動飛行体の電力プロファイルも、eVTOLと同様である。期間P1は、離陸期間、離陸時、出発期間、出発時などと称される。期間P2は、巡航期間、巡航時などと称される。期間P3は、着陸期間、着陸時、到着期間、到着時などと称される。便宜上、図1では期間P1,P3それぞれのほぼ全域において、必要電力、つまり出力を一定としている。
eVTOLは、期間P1において離陸地点から巡航開始地点まで上昇する。eVTOLは、期間P2において所定高度で巡航する。eVTOLは、期間P3において期間P2の終点から着陸地点まで降下する。eVTOLの移動は、期間P2において主として水平方向成分を含み、期間P1,P3において主として鉛直方向成分を含む。鉛直方向に移動する期間P1,P3において、eVTOLの回転翼の駆動には、所定時間連続で高出力が要求される。
<電池の一時劣化>
二次電池を出力、つまり放電すると、電池反応に寄与するイオンの濃度分布に一時的な偏りを生じる。濃度偏りは、電解液や電極において生じる。濃度偏りを生じると、電池の内部抵抗が一時的(可逆的)に上昇する。このため、電池のSOCが十分であっても、電池の出力性能が低下する。このように、電池に一時的(可逆的)な劣化が生じる。一時劣化は、ハイレート劣化と称されることがある。SOCは、State Of Chargeの略称である。
濃度偏りが大きいほど、一時劣化の度合いが増加する。特に、高出力または継続的な出力によって、一時劣化の度合いは増加する。図1に示したように、eVTOLでは離陸時と着陸時に高出力が必要となる。また、航行中において連続的な出力が必要となる。したがって、一時劣化の度合いが増加しやすい。
一時劣化の度合いが増加すると、離陸や着陸に必要となる高出力特性を発揮できなくなる虞がある。つまり、飛行の安全性を低下させる可能性がある。電池に異常が発生した場合を想定し、冗長性をもたせて安全性を高めることは非常に重要である。しかしながら、一時劣化は複数の電池において同時に生じ得る。よって、電池の冗長性を確保できなくなる虞がある。
電池の一時劣化は、たとえば断線異常や電池容量劣化など回復させることができない永続的な異常や劣化ではなく、解消することが可能な一時的な劣化である。このため、一時劣化を未然に解消/低減したい。
<eVTOL>
図2は、eVTOLおよび地上局を示している。図2に示すように、eVTOL10は、機体本体11、固定翼12、回転翼13、揚力調整機構14、電池システム15、EPU16、およびBMS17などを備えている。
機体本体11は、機体の胴体部である。機体本体11は、前後に延びた形状をなしている。機体本体11は、乗員が乗るための乗員室、および/または、荷物を搭載するための荷室を有している。
固定翼12は、機体の翼部であり、機体本体11に連なっている。固定翼12は、滑空揚力を提供する。滑空揚力は、固定翼12の生じる揚力である。一例として固定翼12は、主翼121と、尾翼122を有している。主翼121は、機体本体11の前後方向における中央付近から左右に延びている。尾翼122は、機体本体11の後部から左右に延びている。固定翼12の形状は特に限定されない。たとえば後退翼、三角翼、直線翼などを採用することができる。
回転翼13は、機体に複数設けられている。複数の回転翼13の少なくとも一部は、固定翼12に設けられてもよい。複数の回転翼13の少なくとも一部は、機体本体11に設けられてもよい。eVTOL10が備える回転翼13の数は、特に限定されない。一例として回転翼13は、機体本体11および主翼121のそれぞれに複数設けられている。eVTOL10は、6つの回転翼13を備えている。
回転翼13は、ロータ、プロペラ、ファンなどと称されることがある。回転翼13は、ブレード131と、シャフト132を有している。ブレード131は、シャフト132に取り付けられている。ブレード131は、シャフト132とともに回転する羽根である。複数のブレード131が、シャフト132の軸線周りに放射状に延びている。シャフト132は、回転翼13の回転軸であり、EPU16のモータによって回転駆動される。
回転翼13は、回転により推進力を生じる。推進力は、eVTOL10の離着陸時に、主に回転揚力としてeVTOL10に作用する。回転翼13は、離着陸時に主として回転揚力を提供する。回転揚力は、回転翼13の回転により生じる揚力である。離着陸時において、回転翼13は回転揚力のみを提供してもよいし、回転揚力とともに、前方に進む推力を提供してもよい。回転翼13は、eVTOL10のホバリング時に、回転揚力を提供する。
推進力は、eVTOL10の巡航時に、主に推力としてeVTOL10に作用する。回転翼13は、巡航時に主として推力を提供する。巡航時において、回転翼13は推力のみを提供してもよいし、推力とともに揚力を提供してもよい。
揚力調整機構14は、固定翼12の滑空揚力を調整する。揚力調整機構14は、固定翼12が生じる滑空揚力を増大させたり、減少させたりする。揚力調整機構14は、たとえば固定翼12の表面積、迎え角(AOA)、キャンバー(翼の湾曲)、失速AOA、および翼速度の少なくともひとつを調整することで、滑空揚力を調整する。AOAは、Angle Of Attackの略称である。一例として揚力調整機構14は、チルト機構141と、フラップ142を有している。
チルト機構141は、回転翼13のチルト角を調整するために駆動する。チルト機構141は、チルト機構141を駆動するモータやインバータなどとともに、チルト調整装置を構成している。チルト機構141を含むチルト調整装置は、たとえば回転翼13に対して個別に設けられている。チルト機構141は、機体に対する回転翼13の相対的な傾きを調整することにより、回転翼13のチルト角を調整する。
離着陸時において、チルト機構141は、各回転翼13の軸線が鉛直方向に対して平行となる位置に近づくように、チルト角を制御する。これにより、各回転翼13の回転による推進力は、主に回転揚力としてeVTOL10に作用する。よって、eVTOL10は、短距離での離着陸や鉛直方向での離着陸を行うことができる。
巡航時において、チルト機構141は、各回転翼13の軸線が水平方向に対して平行となる位置に近づくように、チルト角を制御する。これにより、各回転翼13の回転による推進力は、主に推力としてeVTOL10に作用する。よって、eVTOL10は、固定翼12によって滑空揚力を得つつ、各回転翼13の回転による前方への推力によって、前方に進むことができる。また、推力により翼速度Vを変化させることで、滑空揚力を調整することができる。
なお、チルト機構141を回転翼13に対して個別に設ける例を示したがこれに限定されない。たとえば並んで配置された複数の回転翼13のチルト角を、共通のチルト機構によって制御するようにしてもよい。回転翼13が翼部の一部と一体化され、翼部の一部および回転翼13がチルト機構により一体的に変位する構成としてもよい。
フラップ142は、可動翼片であり、固定翼12に設けられている。フラップ142は、フラップ142を駆動するモータやインバータなどとともに、フラップ調整装置を構成している。フラップ142は、高揚力装置と称されることがある。一例としてフラップ142は、主翼121の後縁に複数設けられている。複数のフラップ142のそれぞれにモータやインバータが設けられている。フラップ142は、主翼121に加えて、尾翼122に設けられてもよい。フラップ142は、固定翼12の前縁に設けられてもよい。
フラップ142は、固定翼12の表面積やキャンバーを調整する。たとえば、主翼121に設けられたフラップ142を下方位置に制御することで、主翼121に作用する滑空揚力が増加する。加えてフラップ142を主翼121から突出する方向に移動させることで、さらに滑空揚力を増やすことも可能である。
揚力調整機構14は、上記したチルト機構141、フラップ142に限定されない。揚力調整機構14として、機体本体11に対する固定翼12の相対的な傾きを調整するチルト機構を採用してもよい。この場合、固定翼12の迎え角を調整することができる。揚力調整機構14として、回転翼13とは別に設けられた推力用の回転翼を採用してもよい。この場合、翼速度を調整することができる。また、推力用の回転翼を設けることで、回転翼13を揚力(回転揚力)専用にすることも可能である。
揚力調整機構14として、可変翼を採用してもよい。固定翼12の表面積、キャンバー、取り付け角などを変化させることで揚力の調整が可能である。揚力調整機構14として、フラップ142とは別の高揚力装置、たとえばスラットを採用してもよい。スラットは、主翼121の前縁に設けられる。スラットを主翼121に対して前方に稼動させることで主翼121との間にすき間を作り、剥離を遅らせることができる。よって、より高い迎角まで失速せずに揚力を増大させることができる。つまり、失速AOAを遅らせることができる。
電池システム(BS)15は、回転翼13を回転駆動するための機器である電池(BAT)151を少なくとも含む。電池151は、直流電力を蓄えることが可能であり、充電可能な電池セルを有している。電池セルは、化学反応によって起電圧を生成する二次電池である。電池セルは、たとえばリチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池などである。電池セルは、電解質が液体の二次電池でもよいし、電解質が固体のいわゆる全固体電池でもよい。eVTOL10は、機器に電力を供給する電源として、電池151に加えて、燃料電池や発電機などを備えてもよい。電池151は、EPU16、チルト調整装置、フラップ調整装置などに電力を供給する。電池151は、空調装置などの図示しない補機、後述するECU20などにも電力を供給する。
本実施形態のeVTOL10は、複数の電池151を備えている(図4参照)。複数の電池151は、互いに直列および/または並列に接続されていてもよいし、互いに接続されずに独立していてもよい。電池151のそれぞれは、直列接続された複数の電池セル、または、並列接続かつ直列接続された複数の電池セルを有している。電池151は、複数の電池セルをモジュール化した電池モジュール、単一の電池モジュールまたは複数の電池モジュールを備える電池パックとして提供される。電池151の個数や配置は特に限定されない。一例として本実施形態の電池151は、EPU16に対して冗長に設けられている。つまり、ひとつのEPU16に対して、複数の電池151から電力を供給可能に構成されている。
eVTOL10の電池151には、高容量とともに高出力な性能が求められている。このため、高容量かつ高い出力が得られる電池セルが望ましい。出力観点では、幅広いSOC領域で抵抗が低い電池セルが望ましい。特に低SOCの領域においても抵抗が低く、高い出力が得られる電池セルが望ましい。
電池セルの正極材料としては、たとえばLCO、NMC、NCA、LFP、LMFPを採用することができる。LCOは、コバルト酸リチウム(LiCoO)である。NMCは、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(Li(NiMnCo)O)である。NCAは、リチウムニッケルコバルトアルミネート(Li(NiCoAl)O)である。LFPは、リン酸鉄リチウム(LiFePO)である。LMFPは、リン酸マンガン鉄リチウム(LiFeMnPO)である。特に、低SOCの領域で抵抗が低い、LMFPの正極、あるいは、LMFPとNMCとをブレンドした正極が好ましい。
電池セルの負極材料としては、たとえばハードカーボンやソフトカーボンなどのカーボン系、シリコン、リチウム系、LTOやNTOなどのチタン系を採用することができる。LTOは、チタン酸リチウム(LiTi12)である。NTOは、ニオブチタン酸化物(TiNb)である。特に、低SOCの領域で抵抗の低い、カーボン系の負極やチタン系の負極が好ましい。
電池システム15は、複数の電池151のみを備えてもよいし、電池151に加えて充電および/または放電に関連する機器を備えてもよい。たとえば電力の分配器を備えてもよい。一例として本実施形態の電池システム15は、複数の電池151と、電池151を充電するための補助電池152と、充電関連機器153(図4参照)を備えている。充電関連機器153は、たとえば補助電池152から電池151への充電を制御する。電池システム15の詳細については、後述する。
EPU16は、モータおよびインバータを有し、eVTOL10に推進力を付与する回転翼13を回転駆動する。EPU16は、回転翼13を回転駆動するための機器である。一例としてEPU16は、回転翼13と同数設けられる。つまりeVTOL10は、6つのEPU16を備えている。EPU16と回転翼13とは、一対一で接続されている。これに代えて、ひとつのEPU16に対して、ギヤボックスを介して2つ以上の回転翼13を接続する構成としてもよい。
BMS17は、電池151の状態を監視する。BMSは、Battery Management Systemの略称である。BMS17は、電池151の電圧、電流、温度、内部抵抗、SOC、SOH、その他、内圧やガス漏れなど安全性に関わる状態などを監視し得る。SOHは、State Of Healthの略称である。BMS17は、たとえばひとつの電池151に対してひとつ設けられている。BMS17は、複数の電池151それぞれの状態を監視する。
eVTOL10は、さらにECU20や図示しない補機などを備えている。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。
<運航管理システム>
運航管理システムは、運航計画の立案、運航状況の監視、運航に関する情報の収集と管理、運航のサポートなどを行うためのシステムである。運航管理システムの機能の少なくとも一部は、eVTOL10の機内コンピュータに配置されてもよい。運航管理システムの機能の少なくとも一部は、eVTOL10と無線通信可能な外部のコンピュータに配置されてもよい。外部コンピュータの一例は、図2に示す地上局30のサーバ31である。地上局30は、eVTOL10と無線通信が可能である。地上局30は、地上局同士で無線通信が可能である。
一例として本実施形態では、運航管理システムの機能の一部がeVTOL10のECU20に配置され、運航管理システムの機能の一部が地上局30のサーバ31に配置されている。運航管理システムの機能は、ECU20とサーバ31との間で分担されている。
図2に示すようにECU20は、プロセッサ(PC)201、メモリ(MM)202、ストレージ(ST)203、および無線通信のための通信回路(CC)204などを備えて構成されている。プロセッサ201は、メモリ202へのアクセスにより、種々の処理を実行する。メモリ202は、書き換え可能な揮発性の記憶媒体である。メモリ202は、たとえばRAMである。RAMは、Random Access Memoryの略称である。ストレージ203は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。ストレージ203には、プロセッサ201によって実行されるプログラム(PG)203Pが格納されている。プログラム203Pは、複数の命令をプロセッサ201に実行させることで、複数の機能部を構築する。ECU20は、複数のプロセッサ201を備えてもよい。
サーバ31は、ECU20と同様に、プロセッサ(PC)311、メモリ(MM)312、ストレージ(ST)313、通信回路(CC)314などを備えて構成されている。プロセッサ311は、メモリ312へのアクセスにより、種々の処理を実行する。メモリ312は、書き換え可能な揮発性の記憶媒体であり、たとえばRAMである。ストレージ313は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。ストレージ313には、プロセッサ311によって実行されるプログラム(PG)313Pが格納されている。プログラム313Pは、複数の命令をプロセッサ311に実行させることで、複数の機能部を構築する。サーバ31は、複数のプロセッサ311を備えてもよい。
図3は、運航管理システムの機能配置の一例を示している。図3に示すように、一例として本実施形態の運航管理システム40は、機外管理部41と、機内管理部42を有している。機外管理部41は、地上局30のサーバ31内に機能配置されている。機内管理部42は、eVTOL10のECU20内に機能配置されている。このように、運航管理システム40の機能の一部はサーバ31に配置され、機能の他の一部はECU20に配置されている。機外管理部41と機内管理部42とは、相互に無線通信可能である。機内管理部42は、eVTOL10に配置された各種装置と有線または無線にて通信可能である。
図4は、運航管理システムの概略構成を示している。上記したように、運航管理システム40は、運航計画の立案、運航状況の監視、運航に関する情報の収集と管理、運航のサポートなどを行う。運航管理システム40は、機能部として、監視装置50、制御装置60を備えている。
監視装置50は、電池151に関する情報を取得して、電池151の状態を監視する。監視装置50は、取得した情報に基づいて一時劣化の度合いを演算し、監視する。監視装置50は、一時劣化の度合いに基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
監視装置50は、eVTOL10のECU20に機能配置されてもよいし、地上局30のサーバ31に機能配置されてもよい。監視装置50は、機外管理部41の一部として配置されてもよいし、機内管理部42の一部として配置されてもよい。監視装置50は、BMS17とは別に配置されてもよいし、監視装置50の少なくとも一部がBMS17内に配置されてもよい。一例として本実施形態の監視装置50は、eVTOL10のECU20に機能配置されている。監視装置50は、機内管理部42の一部として配置されている。
制御装置60は、一時劣化の度合いに基づいて、電池151の放電および/または充電を制御する。一例として本実施形態の制御装置60は、監視装置50から一時劣化の度合いを取得し、一時劣化の度合いに基づいて電池151の放電および/または充電を制御する。制御装置60は、放電制御のみを実行してもよいし、充電制御のみを実行してもよい。放電制御と充電制御を実行してもよい。以下では、電池151の放電および/または充電を制御することを、充放電制御と示すことがある。制御装置60の詳細については、後述する。
制御装置60は、eVTOL10のECU20に機能配置されてもよいし、地上局30のサーバ31に機能配置されてもよい。制御装置60は、機外管理部41の一部として配置されてもよいし、機内管理部42の一部として配置されてもよい。一例として本実施形態の制御装置60は、eVTOL10のECU20に機能配置されている。制御装置60は、機内管理部42の一部として配置されている。制御装置60は、監視装置50と共通の演算処理装置で構成されている。
運航管理システム40は、表示装置70をさらに備えてもよい。表示装置70は、eVTOL10の機内および/または地上局30に配置される。表示装置70は、たとえば監視装置50による監視結果や判定結果を表示する。これにより、機内や地上局30の関係者に、監視結果などを通知することができる。表示装置70は、制御装置60やその他機能部の演算結果などを表示してもよい。
運航管理システム40は、他にも、図示しない運航計画装置などを備えている。運航計画装置は、たとえば図示しない端末から入力される情報などに基づいて、eVTOL10の運航計画を立案する。入力情報は、たとえば出発地点、到着地点に関する情報を含む。運航計画装置は、電池情報や気象情報を考慮して運航計画を立案してもよい。
<監視装置>
上記したように、プログラム203Pは、複数の命令をプロセッサ201に実行させることで、機能部である監視装置50を構築する。
監視装置50は、電池151の状態、具体的には一時劣化の度合いを監視する。監視装置50は、電池151の状態を、電池パック単位で監視してもよいし、電池モジュール単位で監視してもよい。電池セル単位で監視してもよい。電池セル単位で監視すると、精度をより高めることができる。
上記したように、eVTOL10の離陸や着陸には、電池151の高出力特性が必要となる。このため、監視装置50は、少なくとも離陸開始や着陸開始の所定期間前までに、高出力特性に大きな影響を与える一時劣化の度合いを監視するのが好ましい。所定期間は、一時劣化の度合いを低減させるための処理に必要な期間に基づいて設定される。たとえば事前の実験により得られた結果に基づいて所定時間を設定してもよいし、過去のフライトの実績に基づいて所定時間を設定してもよい。安全率を高めるために、所定の余裕度(マージン)を加算してもよい。
図4に示すように監視装置50は、取得部51、演算部52、判定部53、および出力部54を備えている。
取得部51は、電池151に関する情報を取得する。取得部51は、複数の電池151それぞれの情報を取得する。取得部51は、BMS17から電池に関する情報を取得する。BMS17は、上記したように、電圧、電流、温度、内部抵抗、SOC、SOH、その他、内圧やガス漏れなど安全性に関わる状態などを監視している。取得部51は、これら情報の少なくとも一部を取得する。
取得部51は、電池情報に加えて、飛行情報、気象情報、規則情報の少なくともひとつを取得してもよい。飛行情報は、たとえば現在のフライトにおける飛行高度、飛行速度、姿勢(角度)、飛行位置などを含み得る。飛行情報は、現在のフライトにおける情報に加えて、運航計画に基づく飛行高度、飛行速度などの情報を取得してもよい。気象情報は、たとえば風向、風速、気圧などを含み得る。規制やルールなどの情報は、たとえば静音規制の有無、飛行高度のルールなどを含み得る。
演算部52は、取得した電池情報に基づいて、電池151の一時劣化の度合いを演算する。一時劣化の度合いは、内部抵抗の基準値に対する差分(ΔR)である。基準値は、たとえば今回のフライトにおける離陸前の初期的な内部抵抗の値である。基準値は、一時劣化の解消処理後の内部抵抗の値でもよい。たとえば地上での充電後の内部抵抗の値でもよい。基準値としては、十分に一時劣化を解消した後の内部抵抗の値が好ましい。一時劣化の度合いの演算は、実測値に基づく実測演算でもよいし、予測値に基づく予測演算でもよい。演算値は、監視時点における一時劣化の度合いでもよいし、離陸時点や着陸時点での一時劣化の度合いでもよい。
演算部52は、BMS17から取得した電池151の生データ、たとえば電圧、電流、温度などを用いて、一時劣化の度合いを演算してもよい。演算部52は、BMS17が演算したデータを取得し、追加演算により一時劣化の度合いを求めてもよい。一時劣化の度合いは、たとえば電流履歴、内部抵抗、および過去フライトの履歴情報のひとつに基づいて演算することができる。
電流履歴に基づく手法のひとつは、電流の積算である。電流の積算値を、一時劣化の度合いとして用いることができる。eVTOL10の場合、フライト(航行)中は基本的に出力(放電)のみである。このため、フライト中において放電電流の積算値を一時劣化の度合いとしてもよい。
ただし、地上での充電やフライト中の充電は、放電により生じた濃度偏りを少なからず解消する方向に作用する。よって、充電を実施する場合には、充放電電流の積算値を一時劣化の度合いとしてもよい。充電電流の積算値と放電電流の積算値とを比較することにより、濃度偏りが放電起因なのか、充電起因なのかを判別することもできる。
地上での待機時の出力停止やフライト中の一時的な出力停止も、放電により生じた濃度偏りを少なからず解消する方向に作用する。よって、濃度偏りが解消する方向に、電流積算値を補正してもよい。補正値は、実験などのデータから予め作成したマップや回帰モデルを用いて演算すればよい。
なお、大電流(高出力)であるほど、または、出力の継続時間が長いほど、濃度偏りが生じやすい。このため、電流の積算値を用いる場合には、電流値および/または継続時間ごとに重み付けをしながら積算してもよい。重み付けの係数は、実験などのデータから予め作成したマップや回帰モデルを用いて演算すればよい。
電流履歴に基づく手法の他のひとつは、電池物理モデルを用いた演算である。電池物理モデルは、電気化学反応と物質輸送をモデル化し、濃度分布を解析可能なモデルである。この電池物理モデルに電流の履歴を入力して演算すれば、電池反応に寄与する電解液中や電極中のイオンの濃度偏りを推定することが可能である。よって、一時劣化の度合いを高精度に求めることができる。
内部抵抗に基づく手法のひとつは、内部抵抗の増加量(変化量)の演算である。つまり、一時劣化の度合いそのものを演算する。なお、変化量は、一時劣化の解消時には減少量となる。電池151の電圧、電流などから演算された内部抵抗の時系列値を用いて、電池151の抵抗増加量を演算することができる。監視装置50はBMS17から内部抵抗を取得してもよいし、演算部52が内部抵抗を演算してもよい。
内部抵抗を用いる手法の他のひとつは、電池モデルによる推定抵抗を用いた演算である。電池モデルは、たとえば電池等価回路モデルである。推定抵抗は、濃度分布を均一と仮定した電池モデルから推定される推定電流と、実測電圧から求められる。推定抵抗と、実測電流と実測電圧から求められる測定抵抗との差から、一時劣化の度合いを演算することができる。
内部抵抗を用いる手法の他のひとつは、交流インピーダンスの抵抗成分に基づく演算である。電池151の交流インピーダンスの抵抗成分の増加量(変化量)を一時劣化の度合いとして用いることができる。なお、変化量は、一時劣化の解消時には減少量となる。特に、交流インピーダンスの高周波領域における抵抗成分の増加量を一時劣化の度合いとして用いるとよい。偏りの主な要因である電解液中の濃度偏りの度合いをより正確に演算することができる。
交流インピーダンスを用いることで、抵抗の要因分離が可能となる。電池の反応は電圧がかかるとまず電気二重層の形成が起こり、次いで電荷移動反応(電子授受反応)が起こる。そして、1kHz程度の高周波領域では、リードなどのオーミックな抵抗や電解液の移動抵抗を表す。一時劣化の主な要因は電解液中におけるイオン濃度の偏りであるため、高周波領域で要因分離された抵抗を用いることで、演算をより高精度化することができる。交流インピーダンスの抵抗成分の計測には、たとえば交流電流を重畳して交流インピーダンス計測する機能と解析機能を有するBMS17を用いることができる。
過去フライトの履歴情報に基づく手法は、履歴情報を活用した一時劣化の度合いの予測演算である。離陸時や着陸時には、所定時間連続で高い出力を要求される。このため、電池の全容量に占める離陸時および/または着陸時に必要な容量の割合は高い。離陸時や着陸時は、高出力または高容量で電池に与える影響が大きいことに加え、離陸地点や着陸地点の環境の影響、たとえば風向、風速、気圧、天候などの影響を受けやすい。よって、運航時の電池の状態の予測に誤差を生じやすい。そこで、本手法では、履歴情報に基づいて一時劣化の度合いを予測する。
履歴情報として、離陸地点および/または着陸地点と機種とが対象となるフライトと合致する過去の一時劣化の度合いに関する情報を用いる。eVTOL10の運航計画は有限であり、繰り返しの頻度が高いため、履歴情報を活用できる。さらに、予測誤差を生じやすい離陸地点や着陸地点での履歴情報を活用するため、一時劣化の度合いの予測精度を高めることができる。操作のし易さ、出力特性などは、eVTOL10の機種(型式)によって異なる。これにより、一時劣化の度合いの予測精度をさらに高めることができる。
一時劣化の度合いは、予測マップに基づいて予測してもよい。また、重回帰などの予測モデルに基づいて予測してもよい。一例として、機械学習を用いて生成された予測モデルに基づいて、一時劣化の度合いを予測する。予測モデルを用いることで、説明変数が多いような場合でも、予測の高精度化、予測の高速化を図ることができる。また、機械学習によって生成することで予測モデルの構築を容易化できる。さらには、履歴情報を増やすことで予測精度のさらなる向上が可能となる。
なお、説明変数は、入力変数、入力項目などと称されることがある。予測モデルに説明変数を入力することで、目的変数を得る。目的変数として、電池の一時劣化の度合いを得る。目的変数は、出力変数、出力項目などと称されることがある。予測モデルや予測マップを重要な因子パラメータを説明変数として構築することで、一時劣化の度合いの予測精度を高めることができる。
重要な因子パラメータのひとつは対象となるフライトと同一の離陸地点や着陸地点の履歴情報であり、重要な因子パラメータの他のひとつは同一機種の履歴情報である。これら情報は、基本情報と称されることがある。しかしながら、その他の因子パラメータ(基本情報)として、飛行高度の履歴情報、飛行経路の履歴情報、離陸や着陸の時間帯の履歴情報などを加えてもよい。飛行高度は、たとえば空気密度、気圧、外気温、高度に必要な出力などに影響を及ぼす。飛行経路は、たとえば飛行距離、外気温などに影響を及ぼす。時間帯は、たとえば外気温、待機時間などに影響を及ぼす。誤差を生じやすいその他の因子パラメータを加えることで、予測精度をさらに高めることができる。
上記したように、鉛直方向成分を有して移動する離陸時や着陸時に、所定時間連続で高い出力を要求される。このため、上記した基本情報以外の情報、つまりその他情報として、離陸時や着陸時の最大出力や電力量に大きく影響する因子パラメータを予測モデルの説明変数に加えてもよい。これにより、予測精度を高めることができる。
その他情報である因子パラメータのひとつは、対象となるフライトの離陸地点および/または着陸地点の気象情報である。一例として、基本情報とともに予測に用いる情報として、対象となる離陸地点および/または着陸地点の気象情報を含む。離陸地点や着陸地点の気象条件、たとえば風向き、風速、気圧などは、eVTOL10の離着陸時の動作に影響を与える。離陸地点や着陸地点の気象情報を因子パラメータに加えることで、予測精度をさらに高めることができる。
その他情報である因子パラメータの他のひとつは、対象となるフライトにおける操縦特性情報である。一例として、基本情報とともに予測に用いる情報として、対象となるフライトにおける操縦特性情報を含む。同一機種(型式)内での操縦特性の個体ばらつきは、有人機、無人機にかかわらず、eVTOL10の離着陸時の動作に影響を与える。また、操縦士の技量(熟練度)、癖などの操縦特性のばらつきも、eVTOL10の離着陸時の動作に影響を与える。機体要因のばらつきや操縦士要因のばらつきは、上下方向、水平方向、傾斜方向への移動速度、着陸地点に対する機***置の調整時間、巡航モードから着陸モードへの移行時間などに現れる。操縦特性情報として、たとえば上記した移動速度、調整時間、移行時間などの操縦特性情報を因子パラメータに加えることで、予測精度をさらに高めることができる。
その他情報である因子パラメータの他のひとつは、搭載重量である。搭載重量は、搭乗者(人)や運搬物などの重量である。搭載重量が大きいほど、高い出力が必要となる。搭載重量を因子パラメータに加えることで、予測精度をさらに高めることができる。
なお、離陸時や着陸時の最大出力や電力量に大きく影響する因子パラメータは、上記した例に限定されない。機械学習により生成される予測モデルの場合、履歴情報の蓄積とともに機械学習が進めば、その他情報として新たな因子パラメータを抽出し得る。
判定部53は、演算部52により演算された一時劣化の度合いに基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する。判定部53は、たとえばVTOL10の離陸制限または着陸制限の要否を判定してもよい。上記したように、着陸時または離陸時には高出力特性が必要となる。電池151の内部抵抗が上昇すると、電池151のSOCが十分であっても電池151の出力性能が低下する。一時劣化の度合いに基づいた判定により、離陸時または着陸時に必要となる性能を発揮できるか否かを把握することができる。よって、適切な飛行制限を実現することができる。
判定部53は、一時劣化の度合いに基づいて、電池151のメンテナンス要否を判定してもよい。一時劣化の度合いに基づいた判定により、電池151のメンテナンスが必要か否かを把握することができる。たとえば電池151の交換が必要か否かを把握することができる。よって、航行の安全性を確保するための適切なメンテナンスを実現することができる。
要否判定に用いる閾値(判定基準)は、過去フライトの履歴情報に基づいて設定してもよい。たとえば対象となるフライトと、出発地点および/または到着地点と機種とが合致する過去フライトの履歴情報に基づいて設定してもよい。履歴情報は、一時劣化の度合いと離着陸制限に関する情報、または、一時劣化の度合いとメンテナンスに関する情報である。上記したように、eVTOL10の運航計画は有限であり、繰り返しの頻度が高いため、履歴情報を活用できる。特に、誤差を生じやすい離着陸地点、機種が合致する履歴情報を用いるため、適切な閾値を設定することができる。
出力部54は、演算部52の演算結果を、監視装置50の外部に出力する。出力部54は、一時劣化の度合いを、制御装置60に出力する。出力部54は、判定部53の判定結果を、監視装置50の外部に出力する。出力部54は、判定部53の判定結果を、たとえば制御装置60に出力する。出力部54は、判定部53の判定結果を、たとえば表示装置70に出力する。出力部54は、演算部52の演算結果を表示装置70に出力してもよい。出力部54は、取得部51の取得した情報を、制御装置60や表示装置70に出力してもよい。
なお、電池の恒久劣化は、一回のフライトにおいてごくわずかであるため、無視してもよい。恒久劣化は、経年劣化、永続的な劣化などと称されることがある。しかしながら、交換すべき電池の寿命末期において恒久劣化が急激に増加する可能性や、電池異常で急増する可能性(断線など)もあり得る。そこで、SOHや充放電条件と恒久劣化増加との関係性を実験等で求めてマップ化またはモデル化し、本フライトにおける恒久劣化の増加分を推定してもよい。また、過去フライトの履歴に基づいて、恒久劣化による増加分を推定してもよい。恒久劣化による増加分を差し引くことで、一時劣化の度合いを高精度に演算することができる。電池の変動情報に基づく異常検出時は、誤診断を防止するため、監視装置50による監視を制限、たとえば停止してもよい。
<運航管理方法>
図5は、運航管理システム40がeVTOL10の運航を管理する運航管理方法のひとつを示すフローチャートである。プロセッサ201によって運航管理システム40の各機能ブロックの処理が実行されることが、運航管理方法が実行されることに相当する。
運航管理システム40は、図5に示す処理を実行する。運航管理システム40は、一回のフライトにつき、図5に示す処理を少なくとも一回実行する。運航管理システム40は、所定のトリガに基づいて、図5に示す処理を実行する。
まず監視装置50が、電池状態を監視する処理を実行する(ステップS10)。一例として本実施形態では、電池に関する情報を取得して一時劣化の度合いを演算することで、一時劣化の度合いを監視する。監視処理の詳細については、後述する。
次いで制御装置60が、ステップS10で取得した情報に基づいて制御を実行する(ステップS20)。制御装置60は、たとえば一時劣化度合いに基づいて、電池151の充電および/又は放電を制御する。そして、ステップS20の実行後、一連の処理を終了する。
<監視方法>
図6は、監視処理の実行タイミングを示す図である。図7は、上記したステップS10の処理、つまり監視方法を示している。プロセッサ201によって監視装置50の各機能ブロックの処理が実行されることが、監視方法が実行されることに相当する。
監視装置50は、上記した所定のトリガに基づいて、監視処理を実行する。図6に示すT1は、離陸期間P1の開始タイミングである。T2は、着陸期間P3の開始タイミングである。T1,T2は、運航計画上の開始タイミングである。上記したように、監視装置50は、少なくとも離陸開始や着陸開始の所定期間前までに、高出力特性に大きな影響を与える一時劣化の度合いを監視する。所定期間PPは、制御装置60が一時劣化の度合いを低減させるための処理に必要な期間に基づいて設定される。所定期間は、上記したように事前の実験や過去のフライトの実績に基づいて設定され得る。一例として本実施形態では、開始タイミングT2に対して、所定期間PPにマージンを加味した期間遡ったタイミングT3を、トリガの生成タイミングとしている。トリガが生じると、監視装置50(運航管理システム40)が処理を開始する。
なお、開始タイミングT1に対して、所定期間PPにマージンを加味した期間遡ったタイミングを、トリガの生成タイミングとしてもよい。マージンを加味する例を示したが、これに限定されない。
図7に示すように、まず監視装置50は、電池151に関する情報を含む各種情報を取得する(ステップS201)。取得部51は、たとえばBMS17から、電池151の電圧、電流、温度、抵抗などに関する情報を取得する。取得部51は、電池情報とともに、飛行情報、気象情報、および規制情報の少なくともひとつを取得してもよい。
次いで監視装置50は、取得した電池情報に基づいて、一時劣化の度合いを演算する(ステップS202)。上記したように監視装置50は、電流履歴、内部抵抗、および過去フライトの履歴情報(過去情報)のいずれかに基づいて、一時劣化の度合いを演算する。一例として本実施形態の監視装置50は、電流を積算して一時劣化の度合いを演算する。
次いで監視装置50は、判定に用いる閾値Th1を設定する(ステップS203)。上記したように監視装置50は、過去フライトの履歴情報に基づいて、要否判定に用いる閾値Th1を設定する。履歴情報は、たとえば対象となるフライトと、出発地点および/または到着地点と機種とが合致する過去フライトにおける、一時劣化の度合いと離着陸制限に関する情報である。
なお、閾値Th1の設定は、ステップS204の前に実行すればよい。たとえばステップS201,S202の前に実行してもよい。本処理とは別のタイミングで閾値Th1を設定してもよい。履歴情報に代えて、予め設定された所定値を用いる場合には、ステップS203の処理を省略できる。
次いで監視装置50は、一時劣化の度合いが閾値Th1よりも大きいか否かを判定する(ステップS204)。つまり判定部53は、離陸制限または着陸制限の要否を判定する。一時劣化の度合いが閾値Th1よりも大きい場合、判定部53は、離陸制限または着陸制限が必要であると判定する。一例として本実施形態では、着陸制限が必要であると判定する(ステップS205)。一時劣化の度合いが閾値Th1以下の場合、判定部53は、離陸制限または着陸制限が不要であると判定する。一例として本実施形態では、着陸制限が不要であると判定する(ステップS206)。
次いで監視装置50は、監視結果などを監視装置50の外部に出力する(ステップS207)。出力部54は、一時劣化の度合いを出力する。出力部54は、判定結果(着陸制限の要否)を出力する。出力部54は、取得部51の取得した情報の一部を出力する。そして、一連の処理を終了する。
<第1実施形態のまとめ>
上記したように、本実施形態の監視装置50は、電池151に関する情報を取得し、この情報に基づいて、イオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する。電池情報に基づいて、一時劣化の度合いを把握できる。そして、演算結果を出力する。このように、一時劣化の度合いを把握することができるため、飛行の安全性につながる適切な処理、たとえば飛行制御やメンテナンスなどが可能となる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
一例として本実施形態の演算部52は、eVTOL10の巡航時であって着陸開始の所定期間前までに、および/または、離陸開始の所定期間前までに、一時劣化の度合いを演算する。これによれば、高出力を必要とする離着陸の前に、一時劣化の度合いに基づく適切な処理が可能となる。よって、飛行の安全性をさらに高めることができる。特に、所定期間を、一時劣化の度合いを低減するための処理に必要な期間に基づいて設定することで、
離着陸の前に、異常を未然防止/解消することができる。
演算部52は、フライト中における電池151の放電履歴または充放電履歴に基づいて、一時劣化の度合いを演算してもよい。放電履歴は出力履歴、充放電履歴は入出力履歴と称されることがある。放電履歴、充放電履歴は、電池151の電流履歴である。これによれば、電池151から通常出力される基本データのみで、一時劣化の度合いを精度よく推定することができる。
演算部52は、電池151の抵抗に基づいて、一時劣化の度合いを演算してもよい。たとえば内部抵抗の実計測値を用いることで、直接的かつ簡易に一時劣化の度合いを推定することができる。演算部52、電池の交流インピーダンスの抵抗成分に基づいて、一時劣化の度合いを演算してもよい。これによれば、偏りの主因である電解液中の濃度偏りの度合いを正確に演算することができる。
演算部52は、対象となるフライトと、機種と離陸地点および/または着陸地点とが合致する過去フライトの電池状態の情報に基づいて、一時劣化の度合いを演算してもよい。同一の機種、同一の離着陸地点の履歴情報は、再現性が高い。よって、フライト時の計測や演算の負荷を抑制しつつ、一時劣化の度合いを精度よく演算することができる。
一例として本実施形態の監視装置50は、一時劣化の度合いに基づいてeVTOL10の離陸制限または着陸制限の要否を判定し、要否に関する情報を出力する。これによれば、一時劣化の度合いに基づいて、電池151が離着陸に必要な性能を発揮できるか把握することができる。たとえば表示装置70に出力することで、機内や機外の関係者が離着陸制限の要否を知らせることができる。また、制御装置60に出力することで、離着陸制限の要否を考慮した制御の実行が可能となる。つまり、適切な飛行制限を実現することができる。
一例として本実施形態では、要否判定に用いる閾値が、対象となるフライトと、離陸地点および/または着陸地点と機種とが合致する過去フライトの履歴情報に基づいて設定される。同一の機種、同一の離着陸地点の履歴情報は、再現性が高い。よって、適切な閾値で判定することができる。
本実施形態のプログラム(プログラム203P)は、少なくともひとつのプロセッサ201(処理部)に、電池に関する情報を取得させることと、情報に基づいて、電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算させることを含む。このプログラムによれば、電池情報に基づいて、一時劣化の度合いを演算することができる。これにより、一時劣化の度合いを把握して、飛行の安全性につながる適切な処理、たとえば飛行制御やメンテナンスなどが可能となる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
<変形例>
監視装置50が判定部53を備える例を示したが、これに限定されない。判定部53を排除した構成としてもよい。
図8に示すように、監視装置50の判定部53は、一時劣化の度合いに基づいて、電池151のメンテナンス要否を判定してもよい。図8では、図7に示したステップS203,S204,S205,S206を、ステップS203A,S204A,S205A,S206Aに置き換えている。ステップS203Aにおいて、監視装置50は、要否判定の閾値Th2を設定する。閾値Th2は、閾値Th1と同様の手法により設定することができる。ステップS204Aにおいて、監視装置50は、一時劣化の度合いが閾値Th2よりも大きいか否かを判定する。一時劣化の度合いが閾値Th2より大きい場合、ステップS205Aにおいて監視装置50はメンテナンスが必要であると判定する。一時劣化の度合いが閾値Th2以下の場合、ステップS206Aにおいて監視装置50はメンテナンスが不要であると判定する。メンテナンス要否の判定結果をたとえば表示装置70に出力することで、機内や機外の関係者がメンテナンスの要否を知らせることができる。よって、安全性を確保するための適切なメンテナンスを実現することができる。
監視装置50と制御装置60との組み合わせを示したが、これに限定されない。監視装置50を単独で備える構成としてもよい。たとえば監視装置50の出力先は、制御装置60に限定されない。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、一時劣化の度合いを監視できる構成について詳細に説明した。本実施形態では、一時劣化の度合いを低減できる構成について説明する。
<制御装置>
図9は、本実施形態に係る運航管理システム40の概略構成を示す図である。図9は、図4に対応している。図9に示すように制御装置60は、取得部61、判定部62、制御部63、および出力部64を備えている。
取得部61は、電池151の一時劣化の度合いに関する情報を取得する。一例として本実施形態の取得部61は、監視装置50から一時劣化の度合いを取得する。しかしながら、一時劣化の度合いは、監視装置50の監視により得られるものに限定されない。一時劣化の度合いは、たとえば運航計画および過去フライトの履歴情報に基づく推定値でもよい。推定は、制御装置60の図示しない機能部が実行してもよい。運航管理システム40において監視装置50および制御装置60以外の機能部が実行してもよい。
たとえば運航時の特定タイミングで、履歴情報に基づいて一時劣化の度合いが所定基準である閾値よりも大きくなると想定される場合、その一時劣化の度合いを推定値としてもよい。履歴情報は、本フライトに対して、機種と、離陸地点および/または着陸地点とが合致する過去フライトの履歴情報が好ましい。
取得部61は、たとえば電池温度など、その他の電池151に関する情報を取得してもよい。取得部61は、電池151に関する情報以外の情報、たとえば飛行情報、気象情報、規制情報の少なくともひとつを取得してもよい。一例として本実施形態の取得部61は、これら情報を監視装置50から取得する。取得部61は、監視装置50を介さずに、上記した情報を取得してもよい。
判定部62は、取得部61の取得した情報に基づいて、所定の判定を実行する。判定部62は、たとえば一時劣化の度合いと所定基準である閾値とを比較して、その判定結果を制御部63に出力する。判定部62は、後述の回復制御の実行が必要か否かを判定する。回復制御の実行有無を判定する閾値は、着陸時または離陸時に必要となる電池出力特性を不足させないように設定される。一時劣化の度合いが閾値を超えることで不足の可能性がある場合に、制御部63は回復制御を実行する。所定のマージンを加味して閾値を設定してもよいし、本フライトの運航計画に基づいて閾値を変化させてもよい。
判定部62は、たとえば電池温度と所定温度とを比較して、その判定結果を制御部63に出力する。電池151の温度が高いと、電池反応に寄与するイオンの拡散がしやすくなり、濃度偏りが解消されやすくなる。回復制御は、電池温度の高い状態で実施したほうが効率的となるため、判定部62は、回復制御を効率的に実行できるか否かを判定する。判定に用いる閾値(所定温度)は、たとえば事前の実験で得られたデータなどによって設定すればよい。
制御部63は、上記したように、一時劣化の度合いに基づいて電池151の放電および/または充電を制御する。一例として本実施形態の制御部63は、監視装置50から取得した一時劣化の度合いに基づいて、電池151の放電および/または充電を制御する。
制御部63は、電池151の電力により駆動する駆動対象を制御することにより、電池151の充放電を間接的に制御してもよい。駆動対象は、回転翼13、つまりEPU16を含む。制御部63は、回転翼13の駆動を制御する処理を含む飛行制御を実行することにより、電池151の充放電を制御してもよい。飛行制御は、チルト機構141やフラップ142を調整する処理を含んでもよい。
駆動対象は、空調装置などの補機を含んでもよい。制御部63は、補機の駆動を制御することにより、電池151の充放電を制御してもよい。制御部63は、充電関連機器153を制御することにより、電池151の充放電を直接的に制御してもよい。たとえば補助電池152から電池151へ充電させるように、充電関連機器153の作動を制御してもよい。このように、制御部63は、電池151の充放電を直接的または間接的に制御する。
制御部63は、少なくともひとつの電池151の一時劣化の度合いが閾値よりも大きい場合に、対象電池151Tの一時劣化の度合いを低減させるように制御する回復制御を実行する。一時劣化の度合いの低減には、一時劣化の度合いの増加を遅延させることも含む。制御部63は、すべての電池151について一時劣化の度合いが閾値以下の場合に、回復制御を実行しない。つまり制御部63は、通常制御を実行する。制御部63は、判定部62の判定結果に基づいて、回復制御または通常制御を実行する。対象電池151Tとは、複数の電池151のうち、一時劣化の度合いが閾値よりも大きい電池である。図9では、一例として電池(BAT2)151を対象電池151Tとしている。
回復制御の実施は、連続的な実施でもよいし、断続的な実施でもよい。あらかじめ実験等で得られた回復処理の時間とその効果に基づいて、制御時間を設定してもよい。過去の履歴情報に基づいて制御時間を設定してもよい。またリアルタイムに制御による解消効果、つまり一時劣化の度合いを確認し、処理継続の要否を判断してもよい。
制御部63は、回復制御として、対象電池151Tの出力を一時的に低減または停止させてもよい。濃度偏りの進行は、電池151の出力、つまり放電電流に依存する。このため、対象電池151Tの出力を一時的に減らすことにより、濃度偏りの進行を抑制することができる。また、対象電池151Tの出力を一時的に停止することにより、たとえば電解液中においてイオンの拡散が進み、濃度偏りが減少する。よって、一時劣化の度合いを低減することができる。
制御部63は、回復制御として、対象電池151Tを一時的に充電または充放電してもよい。一時的な充電または充放電とは、通常の給電とは異なり、容量等を限定して短時間実施する充電である。
放電(出力)によって濃度偏りが生じている場合には、充電(入力)することで電流の向きが変わり、強制的に濃度偏りを低減することができる。つまり、一時劣化の度合いを低減することができる。たとえば発電機、燃料電池、電力回生、ワイヤレス給電、電池からの充電、地上の充電器などにより、充電が可能である。一例として本実施形態では、電池システム15の補助電池152から充電が可能である。また、対象電池151Tを除く他の電池151からの充電が可能である。
また、濃度偏りは、交流印加や微小なΔSOCの一時的な充放電で、強制的に解消することができる。リップル等の脈動電流を印加してもよいし、矩形波などによって繰り返し充放電をしてもよい。放電は、EPU16や補機などへの電池出力でもよい。一時的な充放電は、地上での急速充電後など、濃度の偏りが放電によるものか、充電によるものか判断できない場合に、特に有効となる。
図10は、電池151(電池モジュール)の一例を示している。電池151が備える複数の電池セル154は、固定部材155によって拘束されている。図10では、複数の電池セル154が、図示しない絶縁部材を介して積層されている。固定部材155は、一対のプレート155aを有している。そして、固定部材155は、積層方向において一対のプレート155a間に複数の電池セル154を挟む構造により、電池セル154を拘束している。
電池セル154を定寸で拘束していると、電池セル154の劣化にともない拘束荷重が増加し、電解液が電極外に排出されてしまう。このように、電池セル154の拘束に起因した電極内における電解液量の減少により、濃度が偏ることがある。
そこで、制御部63は、充放電制御に加えて/代えて、固定部材155による電池セル154の拘束状態を制御してもよい。つまり、電池151の状態を制御してもよい。制御部63は、回復制御として、電池セル154の拘束状態を一時的に緩和してもよい。制御部63は、たとえば図10に示す構成において、対向面が離れる方向に一対のプレート155aの相対位置を変化させる。電池セル154の拘束圧を緩和することで、毛細管現象により電極内の含侵量が回復し、濃度偏りを回復させることができる。
制御部63は、上記した回復制御を複数組み合わせて実行してもよい。複数の組み合わせにより、より高い低減効果(回復効果)が得られる。
制御部63は、離陸時と着陸時を除く期間に、回復制御を実行するとよい。離陸前の期間や巡航時(期間P2)に回復制御を実行することで、着陸時または離陸時の電池出力異常を未然防止することができる。また、制御部63は、回復制御の実行時に、離陸または着陸を制限する機能を有するとよい。回復制御の実行中は、離着陸に必要な性能を確保できていないため、飛行制限することで安全性を確保することができる。
制御部63は、判定部62による対象電池151Tの温度が所定温度よりも高い場合に回復制御を実行する。制御部63は、対象電池151Tの温度が所定温度以下の場合に、対象電池151Tの出力を増大させて温度が所定温度より高くなってから回復制御を実行する。上記したように、電池温度が高いと、イオンの拡散がしやすくなる。対象電池151Tの温度が所定温度より高い場合に回復制御を実行することで、一時劣化の度合いを効率よく低減することができる。また、対象電池151Tの温度が所定温度以下の場合、対象電池151Tの出力を増大させることで、自己発熱により温度を上昇させることができる。これにより、制御時間を短縮することができる。
対象電池151Tの出力増大は、駆動対象の駆動を制御することで実現できる。好ましくは、飛行のために大電力が必要な回転翼13の駆動を制御して、対象電池151Tの出力を増大させるとよい。つまり、対象電池151Tが電力を供給するEPU16のインバータを制御し、回転翼13の回転数を増加させるとよい。効率よく対象電池151Tの温度を上昇させることができ、電池加温のための専用装置が不要となる。
制御部63は、上記したように回転翼13、つまりEPU16の駆動を制御する。制御部63は、回復制御の実行により、対象電池151Tを回復させつつ、安全な飛行を実現するように飛行を制御してもよい。制御部63は、対象電池151Tの出力を停止する回復制御を実行する場合に、出力停止中の対象電池151Tを除く他の電池151の出力による回転翼13の駆動と、揚力調整機構14の揚力調整とにより、飛行に必要な推力と揚力を確保してもよい。
ここで、eVTOLに作用する揚力Lは、式1で示される。また、抗力Dは、式2で示される。式1,2において、ρは空気密度、Vは翼速度、Sは固定翼の表面積である。翼速度Vは、対気速度、飛行速度などと称されることがある。CLは揚力係数、CDは抗力係数である。
L=(CL・ρ・V・S)/2・・・(式1)
D=(CD・ρ・V・S)/2・・・(式2)
揚力L、抗力Dは、翼速度V(飛行速度)が増すと増加し、減速すると低下する。揚力L、抗力Dは、飛行高度が上がると空気密度ρが低下するため低下し、飛行高度が下がると空気密度ρが高まり、増加する。揚力L、抗力Dは、固定翼の表面積や翼型によって決まる揚力係数CL、抗力係数CDによって可変できる。
したがって、飛行領域でのルールや規制などに基づいて許容される飛行速度、飛行高度の範囲内に収まるように、揚力、具体的には回転揚力および滑空揚力を調整することが、安定で安全な飛行のためには好ましい。
制御部63は、必要な推力を確保するために、機体の抗力Dを低下させてもよい。たとえば、停止中の回転翼13を機体内または固定翼12内に収納するなどすれば、抗力Dを低下し、必要推力を減らすことが可能となる。
制御部63は、必要推力を確保できる場合は、複数の対象電池151Tを同時に停止してもよい。制御部63は、必要推力を確保するために、複数の対象電池151Tを順番に停止してもよい。飛行に必要な推力ゼロ、いわゆるグライダー飛行が許される条件下において、制御部63は、一時的にすべての電池151を出力停止してもよい。
制御部63は、揚力調整機構14の駆動を制御することで、固定翼12による滑空揚力を調整する。一例として本実施形態の制御部63は、指示された飛行状態を実現するための、回転翼13それぞれの目標チルト角を示す制御信号を生成する処理を実行する。制御部63は、目標チルト角を示す制御信号を、チルト調整装置のインバータを駆動する図示しない駆動回路に出力する。駆動回路は、回転翼13のチルト角が目標チルト角に一致するように、インバータを介してチルト調整装置のモータを駆動する。
制御部63は、指示された飛行状態を実現するための、フラップ142それぞれの目標位置を示す制御信号を生成する処理を実行する。制御部63は、目標位置を示す制御信号を、フラップ調整装置のインバータを駆動する図示しない駆動回路に出力する。駆動回路は、フラップ142の位置が目標位置に一致するように、インバータを介してフラップ調整装置のモータを駆動する。
制御部63は、回転翼13の駆動を制御することで、回転揚力を調整する。制御部63は、指示された飛行状態を実現するための、回転翼13それぞれの目標回転数を示す制御信号を生成する処理を実行する。制御部63は、目標回転数を示す制御信号を、EPU16のインバータを駆動する図示しない駆動回路(ドライバ)に出力する。駆動回路は、回転翼13の回転数が目標回転数に一致するように、インバータを介してEPU16のモータを駆動する。制御部63が回転翼13の回転数を下げる、または回転を停止することで、回転揚力が低減する。制御部63が回転翼13の回転数を上げることで、回転揚力が増大する。回転翼13の回転数を下げる、または回転を停止すると推力が低下するため、制御部63は、許容される飛行速度、飛行高度の範囲内に収まるように推力も考慮して調整する。
上記したように、制御部63は、充電関連機器153を制御することにより、電池151の充放電を直接的に制御し得る。制御部63が対象電池151Tを一時的に充電または充放電する構成の詳細については、充放電可能な電池システム15の構成ともに後述する。
出力部64は、制御部63の生成した制御信号を、制御対象に出力する。運航管理システム40において、監視装置50の構成は、先行実施形態と同様である。制御装置60は、たとえば先行実施形態同様、ECU20に機能配置されている。
<制御方法>
図11は、上記したステップS20の処理、つまり制御方法を示している。プロセッサ201によって制御装置60の各機能ブロックの処理が実行されることが、制御方法が実行されることに相当する。
図11に示すように、まず制御装置60は、一時劣化の度合いに関する情報を取得する(ステップS301)。一例として本実施形態の取得部61は、監視装置50が演算した一時劣化の度合いを取得する。また、取得部61は、その他の電池情報、飛行情報、気象情報、および規制情報を取得する。つまり、制御装置60は、離陸時および着陸時を除く期間(タイミング)で、図11に示す処理を実行する。制御装置60は、たとえば上記した巡航時や離陸前に処理を実行する。
次いで制御装置60は、取得した一時劣化の度合いと閾値Th3とを比較し、一時劣化の度合いが閾値Th3より大きいか否かを判定する(ステップS302)。つまり判定部62は、回復制御の実行要否を判定する。一時劣化の度合いが閾値Th3以下の場合、制御部63は、通常制御を実行する(ステップS303)。通常制御において、制御部63は、一時劣化の度合いを考慮せずに制御を実行する。たとえば制御部63は、示された飛行状態を実現するための制御、たとえば回転翼13の制御を実行する。そして、出力部64が、制御信号を出力し(ステップS308)、一連の処理を終了する。
ステップS302において一時劣化の度合いが閾値Th3より大きい場合、判定部62は、対象電池151Tの温度が、閾値Th4よりも大きいか否かを判定する(ステップS304)。対象電池151Tは、一時劣化の度合いが閾値Th3よりも大きい電池151である。電池温度が閾値Th4以下の場合、制御部63は、対象電池151Tの温度が上昇するように、対象電池151Tの出力を増大させる制御を実行する(ステップS305)。一例として本実施形態の制御部63は、対象電池151Tの電力により駆動する回転翼13の回転数を増大させることで、対象電池151Tの出力を増大させる。なお、空調装置などの補機の駆動により、対象電池151Tの出力を増大させてもよい。
ステップS304において電池温度が閾値Th4よりも高い場合、制御部63は、離着陸の制限を実行し(ステップS306)、回復制御を実行する(ステップS307)。ステップS306を実行することで、制御部63は、回復制御を実行時に離着陸を禁止する。ステップS306,S307は、実質的に同じタイミングで実行してもよい。ステップS307において、制御部63は、対象電池151Tの出力の一時的な出力低減または出力停止、対象電池151Tを一時的に充電または充放電、対象電池151Tの電池セル154の拘束緩和の少なくともひとつを実行する。そして、ステップS308において、制御信号を出力し、一連の処理を終了する。
なお図11に示した処理のうち、ステップS304,S305を省略してもよい。ステップS306の処理を省略してもよい。たとえば一時劣化の度合いが閾値Th3よりも大きい場合に、次いで制御部63が回復制御を実行してもよい。
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態の制御装置60によれば、電池151のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに基づいて、電池151の放電および/または充電を制御する。つまり、一時劣化の度合いを把握したうえで、電池の放電および/または充電を制御する。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行することができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
制御装置60の制御部63は、一時劣化の度合いが所定基準よりも大きい場合に、対象電池151Tの一時劣化の度合いを低減させるように制御する回復制御を実行する。制御部63は、一時劣化の度合いが所定基準以下の場合に、回復制御を実行しない。一時劣化の度合いが所定基準より大きい場合にのみ、回復制御を実行し、一時劣化の度合いを低減させる。これにより、高出力が必要となる着陸時または離陸時の電池出力異常を未然に防止することができる。
制御部63は、回復制御として、対象電池151Tの出力を一時的に低減または停止、対象電池151Tを一時的に充電または充放電、および対象電池151Tの電池セル154の拘束状態を一時的に緩和、の少なくともひとつを実行する。これら回復制御を実行することで、上記したように一時劣化の度合いを低減することができる。
一例として本実施形態の制御部63は、離陸時と着陸時を除く期間に、回復制御を実行する。これにより、高出力が必要となる着陸時または離陸時の電池出力異常を未然に防止することができる。
一例として本実施形態の制御部63は、回復制御の実行時において離陸または着陸を制限する。回復制御の実行中においては、離着陸に必要な性能を確保できていない。飛行制限により、安全性を高めることができる。
一例として本実施形態の制御部63は、対象電池151Tの温度が所定温度よりも高い場合に回復制御を実行し、対象電池151Tの温度が所定温度以下の場合に、対象電池151Tの出力を増大させて温度が所定温度よりも高くなってから回復制御を実行する。温度が高いことでイオンの拡散性を確保することができ、ひいては一時劣化の度合いの低減効果を高めることができる。
一例として本実施形態の制御部63は、回転翼13の駆動を制御して対象電池151Tの出力を増大させる。自己発熱により対象電池151Tの温度が上昇するため、制御時間を短縮することができる。また、電池加温のための専用装置が不要となる。
本実施形態の運航管理システム40は、監視装置50と、制御装置60を備えている。監視装置50は、電池151に関する情報を取得して、電池151のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する。制御装置60は、一時劣化の度合いに基づいて、電池151の放電および/または充電を制御する。このように、一時劣化の度合いを監視し、この監視結果に基づいて、電池151の充放電を制御することができる。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行できる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
本実施形態のプログラム(プログラム203P)は、少なくともひとつのプロセッサ201(処理部)に、電池151のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得させることと、一時劣化の度合いに基づいて電池151の放電および/または充電を制御させることを含む。このプログラムによれば、一時劣化の度合いを把握したうえで、電池151の放電および/または充電を制御できる。このため、飛行の安全性につながる適切な制御を実行できる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
<変形例>
本実施形態に記載の構成は、先行実施形態に記載の構成との組み合わせが可能である。
監視装置50と制御装置60との組み合わせを示したが、これに限定されない。制御装置60を単独で備える構成としてもよい。たとえば制御装置60は、一時劣化の度合いを推定する機能を有し、推定結果を取得部61が取得してもよい。監視装置50とは別の機能部から一時劣化の度合いを取得してもよい。
上記したステップS307の回復制御を、図12に処理に置き換えてもよい。制御部63は、回復制御を実行するあたり、まず対象電池151Tの出力を停止する(ステップS307A)。次いで制御部63は、出力停止中の対象電池151Tを除く他の電池151の出力による回転翼13の駆動と、揚力調整機構14の揚力調整とを実行する。つまり、回転翼13と揚力調整機構14の駆動を制御して、飛行に必要な推力と揚力を調整する(ステップS307B)。これによれば、対象電池151Tの一時劣化の度合いを低減させながら、安定飛行が可能となる。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。本実施形態では、充電または充放電により一時劣化の度合いを低減できる構成について説明する。
<電池システム>
先行実施形態(図4参照)に示したように、電池システム15は、電池151と、補助電池152と、充電関連機器153を備えている。電池151は、回転翼13を含む駆動対象に電力を供給する。電池151は、駆動用電池と称されることがある。補助電池152は、電池151の一時劣化を低減するために、電池151を一時的に充電する。充電される対象の電池151は、基本的に上記した対象電池151Tであるが、一時劣化の度合いが閾値を超えていない電池151の充電も可能である。補助電池152は、通常の給電とは異なり、容量やΔSOCを限定して短期間、充電作動する。電池セルによって充電作動による回復の進度が異なるため、予め実験等により、使用する電池セルに適した充電作動の条件を決定するとよい。たとえばΔSOCが、0.001%~10%程度である。
後述するように、対象電池151T以外の電池151の少なくともひとつを補助電池152としてもよい。回転翼13を含む駆動対象で電力を供給でない補助電池152、つまり電池151とは別の補助電池152を設けてもよい。この補助電池152は、たとえば電池151を充電するためのだけに用いられる。電池151とは別に設けられる補助電池152の蓄電容量は、電池151に対して小さくてもよい。たとえばキャパシタを用いてもよい。
充電関連機器153は、補助電池152から電池151への充電を制御する。一例として本実施形態の充電関連機器153の作動は、制御装置60により制御される。充電関連機器153は、充電作動のタイミングと連続作動時間を管理するために、補助電池152と電池151とを電気的に接続または遮断する機能、つまり接続をオンオフする機能を少なくとも有する。充電関連機器153は、接続をオンオフするために、たとえばリレーを備えている。
図13、図14、および図15は、電池システム15の構成例を示している。図13~図15では、電池151とは別に補助電池152を設けた例を示している。図13に示すように、すべての電池(BAT)151に対してひとつの充電関連機器(CE)153を設けてもよい。図14に示すように、電池151の数よりも少ない複数の充電関連機器153を設け、各充電関連機器153が複数の電池151を制御する構成としてもよい。図15に示すように、電池151に対して個別に充電関連機器153を設けてもよい。いずれの例においても、補助電池(SB)152は、充電関連機器153と同数設けている。しかしながら、補助電池152についても、複数の電池を並列および/または直列に接続してなる構成としてもよい。
電池システム15は、eVTOL10内の電池151の配置、たとえば電池の機体下部への集中配置、機体や固定翼への分散配置、などを考慮して種々の構成をとることができる。取り扱いの容易さ、部品点数やハーネス長の低減といった軽量化の観点で、電池151、補助電池152、充電関連機器153の一部またはすべてが、一体化(パッケージ化)されてもよい。
充電関連機器153による充電作動は、下記タイミングで実行するとよい。充電関連機器153は、離陸時と着陸時を除く期間に、補助電池152から電池151、たとえば対象電池151Tへ充電させるように作動するとよい。充電関連機器153は、離陸時と着陸時には、補助電池152と電池151との電気的接続を禁止するように作動するとよい。充電関連機器153は、電池151の一時劣化の度合いが所定基準よりも大きい場合に、補助電池152から対象電池151Tへ充電させるように作動するとよい。
先行実施形態同様、所定基準である閾値は、着陸時または離陸時に必要となる電池出力特性を確保できなくなると予測される一時劣化の度合いを設定するとよい。充電作動による一時劣化の低減効果を見込んで、閾値を設定してもよい。また、閾値にマージンを加算してもよい。本フライトの運航計画と運航状況に基づいて、閾値を経時的に変更してもよい。一時劣化の度合いは、監視装置50の監視によるタイムリーな情報に限定されない。充電作動は、運航計画および過去フライトの履歴情報に基づいて実施してもよい。たとえば運航時の特定のタイミングで、履歴情報に基づいて一時劣化が所定よりも大きくなると想定される場合に、充電させるように作動してもよい。
先行実施形態に記載のように、電池温度が高いと、イオンが拡散しやすくなる。よって、充電関連機器153は、対象電池151Tの温度が所定温度よりも高い場合に、補助電池152から対象電池151Tへ充電させるように作動するとよい。
出力(放電電流)を停止すれば、イオンの拡散が進むことで濃度の偏りが減少し、一時劣化の度合いを低減することができる。よって、充電関連機器153は、電池151の出力が停止されたタイミングにおいて、補助電池から電池151へ充電させるように作動するとよい。図16に示すように、出力停止と充電との組み合わせにより、より高い低減効果(回復効果)を得ることができる。図16では、回復制御を実行した場合の一時劣化の度合いを、破線と二点鎖線で示している。破線は出力停止のみを行った場合、二点鎖線は出力停止と充電を行った場合を示している。実線は、回復制御期間も通常制御を実行した場合の一時劣化度合いを示している。
充電関連機器153による充電のための作動は、連続的な実施でもよいし、断続的な実施でもよい。予め実験等で得られた充電作動の時間または充電条件とその効果とに基づいて、充電作動の時間または充電条件を設定してもよい。過去の履歴情報に基づいて、充電作動の時間または充電条件を設定してもよい。またリアルタイムで解消効果、つまり一時劣化の度合いを確認し、充電作動継続の要否を判断してもよい。
充電関連機器153は、上記した接続をオンオフ、つまり通電をオンオフする機能に対して、さらなる機能を付加的に有してもよい。充電関連機器153は、たとえば補助電池152から電池151へ充電する場合の、電流を調整する機能を有してもよい。充電関連機器153は、補助電池152から複数の電池151へ充電する場合の、電流を分配する機能を有してもよい。充電関連機器153は、補助電池152と電池151の間で双方向充電する機能を有してもよい。
図17は、充電関連機器153に求められる機能を示している。電流を制御する必要がある場合には、電流調整機能を付加するとよい。たとえば抵抗、DC-DCコンバータ、双方向DC-DCコンバータなどを用いることができる。複数の電池151に充電する場合には、電力分配機能を付加するとよい。たとえば、リレーを用いることができる。双方向で充電する機能を付加したい場合には、たとえば双方向DC-DCコンバータを用いることができる。DC-DCコンバータは昇圧が可能であり、DC-DCコンバータは昇降圧が可能である。
上記したように、複数の電池151のうち、対象電池151Tを除く他の電池151の少なくともひとつを、補助電池152としてもよい。つまり、充電関連機器153は、複数の電池151の一部である補助電池152から、他の電池151である対象電池151Tへ充電させるように作動するとよい。これによれば、電池151とは別に、回転翼13などの駆動対象に電力を供給しない補助電池152を設けなくてもよい。
複数の電池151の間で電力を融通することで一時劣化を低減する構成において、充電関連機器153は、電圧の高い電池151から低い電池151へ充電させるように作動するとよい。充電関連機器153は、一時劣化の度合いが大きい電池151から充電するように、充電作動の順番を管理してもよい。また、充電により回復した電池151を補助電池152として用い、他の電池151を充電するように、充電作動の順番を管理してもよい。
たとえば充電関連機器153は、補助電池152である電池151に較べて充電対象の電池151の電圧が低い場合に、補助電池152から電池151へ充電させるように作動するとよい。たとえば充電関連機器153は、補助電池152である電池151に較べて他の電池151の一時劣化度合いが大きい場合に、補助電池152から他の電池151へ充電させるように作動してもよい。
たとえば充電関連機器153は、電池151が充電によって回復した後は、その電池が補助電池152としての役割をするように作動してもよい。また、それまで補助電池152であった電池151を、新たな補助電池152により回復させるように作動してもよい。たとえば充電関連機器153は、少なくとも一部の電池151が充電によって回復できるように、補助電池152となる電池151と充電される少なくともひとつの電池151との組み合わせを選定して充電させるように作動してもよい。
<制御装置>
制御装置60の構成は、先行実施形態(図8参照)と同様である。制御部63は、ステップS307で実行する回復制御として、対象電池151Tを一時的に充電または充放電する制御を実行する。
たとえば図18に示すように、電池システム15が、電池151とは別に補助電池152を備える場合、制御部63は、補助電池152から対象電池151Tに充電するように制御するとよい。これにより、充電関連機器153は、補助電池152から対象電池151Tへ充電させるように作動する。充電関連機器153は、補助電池152と対象電池151Tとを電気的に接続する。充電関連機器153は、必要に応じて電流調整、電力分配、充放電などを行う。
たとえば図19に示すように、電池151とは別の補助電池152を備えない場合、制御部63は、対象電池151Tを除く他の電池151の少なくともひとつを補助電池152として対象電池151Tに充電するように制御するとよい。図19では、一例として対象電池151Tの電圧を上回る電池(BAT5)151を補助電池152とする。充電関連機器153は、補助電池152である電池(BAT5)151から対象電池(BAT2)151Tへ充電させるように作動する。充電関連機器153は、補助電池(BAT5)152と対象電池(BAT2)151Tとを電気的に接続する。充電関連機器153は、必要に応じて電流調整、電力分配、充放電などを行う。
制御部63は、対象電池151Tの電圧を上回る他の電池151から充電するように制御してもよい。電池151の電圧に基づいて、上記制御の実行が可能である。制御部63は、充電または充放電するための機器と対象電池151Tとを電気的に接続するためのリレーのオンを、離着陸時において禁止してもよい。制御部63がステップS306の処理を実行するのにともなって、禁止信号を充電関連機器153に出力すればよい。これにより、充電関連機器153が備えるリレーのオンが禁止される。
制御装置60のその他の構成は、第2実施形態に記載の構成と同様である。運航管理システム40の構成も、第2実施形態と同様である。
<第3実施形態のまとめ>
本実施形態の制御装置60によれば、駆動対象を駆動する電池151とは別に補助電池152を備える構成において、対象電池151Tを一時的に充電または充放電する回復制御を実行する場合に、補助電池152から対象電池151Tに充電する。電池151とは別の補助電池152を用いるため、電池151の負荷を軽減することができる。また、発電機や燃料電池などに較べて、軽量化することができる。充電専用とすれば容量を小さくできるため、小型軽量化が可能となる。また、電力回生のように、充電のタイミングを限定されない。発電機に較べてCOの排出を抑制することができる。
また、制御装置60は、対象電池151Tを一時的に充電または充放電する回復制御を実行する場合に、対象電池151Tを除く他の電池151から対象電池151Tに充電する。これによれば、充電専用の補助電池152や発電機が不要となる。このように電池151の一部を補助電池152として用いる構成において、制御装置60は、対象電池151Tの電圧を上回る他の電池151から充電してもよい。これによれば、昇圧コンバータが不要となる。よって、充電関連機器153の構成を簡素化することができる。
制御装置60は、対象電池151Tを一時的に充電または充放電する回復制御を実行する場合に、充電または充放電するための機器と対象電池151Tとを電気的に接続するためのリレーのオンを、離着陸時において禁止してもよい。これにより、離着陸時において予期せぬ充電または充放電が生じ、離着陸動作に影響を及ぼすのを抑制することができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
本実施形態の電池システム15によれば、回転翼13を含む駆動対象に電力を供給する電池151(駆動用電池)と、電池を充電する補助電池152と、補助電池152から電池151への充電を制御するための充電関連機器153を備えている。そして、充電関連機器153は、補助電池152と電池151とを電気的に接続または遮断する機能を有している。
フライト中には放電によって濃度偏りが生じるため、一時的に充電して電流の向きを変えることで、濃度偏りを減らし、一時劣化を低減することができる。補助電池152から電池151に充電することで、フライト中、特に巡航時に一時劣化の回復を促進させることができる。これにより、高出力が必要となる着陸時点での電池出力異常を未然に防止することができる。同様に、高出力が必要となる離陸時点での電池出力異常を未然に防止することができる。つまり、飛行の安全性を高めることができる。
充電関連機器153は、離陸時と着陸時を除く期間(タイミング)に、補助電池152から電池151へ充電させるように作動するとよい。離陸時と着陸時を除くタイミングに充電作動させて一時劣化を解消または低減させる。よって、離着陸時の電池出力異常をより確実に未然防止することができる。
充電関連機器153は、離陸時と着陸時には、補助電池152と電池151との電気的接続を禁止するように作動するとよい。充電作動を実施するタイミング以外は電気的接続を禁止することで、システムの安全性を高めることができる。
充電関連機器153は、駆動用電池の一時劣化の度合いが所定基準(閾値Th3)よりも大きい場合に、補助電池152から対象電池151Tへ充電させるように作動するとよい。一時劣化の度合いが所定基準よりも大きい場合に充電作動することで、適切なタイミングで一時劣化の度合いを低減することができる。その結果、高出力が必要な着陸時または離陸時の電池出力異常を未然に防止することができる。
充電関連機器153は、対象電池151Tの温度が所定温度(閾値Th4)より高い場合に、補助電池152から対象電池151T電池へ充電させるように作動してもよい。上記したように、対象電池151Tの温度が高いと、イオンが拡散しやすくなる。よって、所定温度よりも高い場合に充電作動することにより、イオンの拡散性を確保し、ひいては一劣化の度合いの低減効果(回復効果)を高めることができる。
充電関連機器153は、電池151の出力が停止されたタイミングにおいて、補助電池152から電池151へ充電させるように作動してもよい。出力停止と充電との組み合わせにより、図16に示したように、より高い回復効果を得ることができる。
充電関連機器153は、補助電池152から電池151へ充電する場合の、電流を調整する機能を有してもよい。これにより、過電流による機器異常の発生を防止することができる。つまり、安全性を高めることができる。また、電流制限により、電池151の劣化を抑制することができる。たとえばDC-DCコンバータを用いることで、補助電池152の電圧が低くても、補助電池152から電池151に充電することができる。
充電関連機器153は、補助電池152から複数の電池151へ充電する場合の、電流を分配する機能を有してもよい。電力分配の機能を有することで、複数の電池151を同時に充電し、回復制御を効率的に実行することが可能となる。
充電関連機器153は、補助電池152と電池151との間で双方向充電するように作動してもよい。これによれば、補助電池152として小容量で小型の電池を用いることが容易となる。また、補助電池152のSOCが低下したときに、電池151から充電することができる。たとえば双方向DC-DCコンバータを用いれば、充放電による回復制御が可能となる。
充電関連機器153は、複数の電池151の一部である補助電池152から、他の電池151へ充電させるように作動してもよい。これによれば、充電専用の補助電池152を不要にできる。この構成において、充電関連機器153は、補助電池152に較べて電池151の電圧が低い場合に、補助電池152から電池151へ充電させるように作動してもよい。これによれば、昇圧コンバータを不要で充電することができる。充電関連機器153を簡素化することができる。
補助電池152は、電池151より小さい蓄電容量に設定されており、駆動対象へ電力供給できないように設けられているとよい。電池151とは別に設ける補助電池152を、小型軽量化することができる。
<変形例>
本実施形態に記載の構成は、先行実施形態に記載の構成との組み合わせが可能である。たとえば、第1実施形態に記載の監視装置50との組み合わせが可能である。
監視装置50と制御装置60との組み合わせを示したが、これに限定されない。制御装置60と電池システム15との組み合わせを示したが、これに限定されない。制御装置60を単独で備える構成としてもよい。電池システム15を単独で備える構成としてもよい。
充電関連機器153を介して電池151の電力を融通する例を示したが、これに限定されない。たとえば図20に示すように、EPU16を構成するモータ161やインバータ162を介して、電池151の電力を融通するようにしてもよい。EPU16は、モータ161、インバータ162に加えて、平滑コンデンサ163を備えている。図20では、簡素化のために、電池システム15が2つの電池151A,151Bを備える構成とし、電池151A,151Bが直列接続されて直流電源を構成している。平滑コンデンサ163は、直流電源に対して並列に接続されている。平滑コンデンサ163の正極は、直流電源の正極に接続された正極ラインLpに接続されている。平滑コンデンサ163の負極は、直流電源の負極に接続された負極ラインLnに接続されている。
インバータ162を構成する三相分の上下アーム回路のそれぞれは、スイッチング素子162sが直接に接続されて構成されている。図20では、スイッチング素子162sとして、IGBTの例を示している。IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称である。IGBTに代えて、MOSFETを採用してもよい。MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略称である。上アーム側のスイッチング素子162sのコレクタが正極ラインLpに接続され、下アーム側のスイッチング素子162sのエミッタが負極ラインLnに接続されている。スイッチング素子162sのそれぞれには、還流用のダイオード162dが逆並列に接続されている。ダイオード162dのアノードがエミッタに、カソードがコレクタに接続されている。
上下アーム回路それぞれの接続点は、対応する出力ラインLoを介して、モータ161の巻線161aに接続されている。U相の上下アーム回路は、対応する出力ラインLoを介して、U相の巻線161aに接続されている。V相の上下アーム回路は、対応する出力ラインLoを介して、V相の巻線161aに接続されている。W相の上下アーム回路は、対応する出力ラインLoを介して、W相の巻線161aに接続されている。また、接続経路17は、三相の巻線161aの接続点であるモータ161の中性点Oと、電池151A,151Bの接続点Bとを電気的に接続する。接続経路17には、接続スイッチ18が設けられている。接続スイッチ18がオンすると、中性点Oと接続点Bが電気的に接続される。接続スイッチ18をオフすると、中性点Oと接続点Bとの間が電気的に遮断される。
上記構成において、制御装置60は、インバータ162、巻線161a、および接続経路17を介して、電池151Aと電池151Bとの間に電流が流れるように、スイッチング素子162sおよび接続スイッチ18を制御する。制御装置60は、たとえば接続スイッチ18をオンするとともに、上アーム側のスイッチング素子162sを互いに同期させ、下アーム側のスイッチング素子162sを互いに同期させる。たとえば上アーム側のスイッチング素子162sがオンのとき、下アーム側のスイッチング素子162sはオフとなる。よって、電池151A,151Bの間で電力を融通することができる。EPU16の要素を介して、補助電池152である電池151のひとつから対象電池151Tへ充電させることができる。
図20では、制御装置60がスイッチング素子162sおよび接続スイッチ18を制御する例を示したが、これに限定されない。接続経路17の一部と接続スイッチ18を電池システム15が備える構成としてもよい。
(他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙されたひとつまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
本開示に示す種々のフローチャートは何れも一例であって、フローチャートを構成するステップの数や、処理の実行順は適宜変更可能である。また、本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。
たとえばプロセッサ201が備える機能の一部または全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、ひとつまたは複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFPなどを採用可能である。CPUは、Central Processing Unitの略称である。MPUは、Micro-Processing Unitの略称である。GPUは、Graphics Processing Unitの略称である。DFPは、Data Flow Processorの略称である。
プロセッサ201が備える機能の一部または全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ201が備える機能の一部又は全部は、SoC、ASIC、FPGAなどを用いて実現されていても良い。SoCは、System on Chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。プロセッサ311についても同様である。
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を採用可能である。HDDは、Hard-disk Driveの略称である。SSDは、Solid State Driveの略称である。コンピュータを監視装置50や制御装置60として機能させるためのプログラム、当該プログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も、本開示の範囲に含まれる。
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、航続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
<技術的思想1>
電動飛行体(10)に搭載される電池(151)の状態を監視する監視装置であって、
前記電池に関する情報を取得する取得部(51)と、
前記情報に基づいて、前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する演算部(52)と、
前記一時劣化の度合いに関する情報を出力する出力部(54)と、
を備える、監視装置。
<技術的思想2>
前記演算部は、前記電動飛行体の巡航時であって着陸開始の所定期間前までに、および/または、前記電動飛行体の離陸開始の所定期間前までに、前記一時劣化の度合いを演算する、技術的思想1に記載の監視装置。
<技術的思想3>
前記所定期間は、前記一時劣化の度合いを低減するための処理に必要な期間に基づいて設定される、技術的思想2に記載の監視装置。
<技術的思想4>
前記演算部は、フライト中における前記電池の放電履歴または充放電履歴に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、技術的思想1~3いずれかひとつに記載の監視装置。
<技術的思想5>
前記演算部は、前記電池の抵抗に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、技術的思想1~3いずれかひとつに記載の監視装置。
<技術的思想6>
前記演算部は、前記電池の交流インピーダンスの抵抗成分に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、技術的思想5に記載の監視装置。
<技術的思想7>
前記演算部は、対象となるフライトと、機種と離陸地点および/または着陸地点とが合致する過去フライトの電池状態の情報に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、技術的思想1~3いずれかひとつに記載の監視装置。
<技術的思想8>
前記一時劣化の度合いに基づいて、前記電動飛行体の離陸制限または着陸制限の要否を判定する判定部(53)を備え、
前記出力部は、要否に関する情報を出力する、技術的思想1~7いずれかひとつに記載の監視装置。
<技術的思想9>
前記一時劣化の度合いに基づいて、前記電池のメンテナンス要否を判定する判定部(53)を備え、
前記出力部は、要否に関する情報を出力する、技術的思想1~7いずれかひとつに記載の監視装置。
<技術的思想10>
前記判定部が要否判定に用いる閾値は、対象となるフライトと、離陸地点および/または着陸地点と機種とが合致する過去フライトの履歴情報に基づいて設定される、技術的思想8または技術的思想9に記載の監視装置。
<技術的思想11>
複数の電池(151)により回転翼(13)を含む駆動対象を駆動する電動飛行体(10)の制御装置であって、
前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得する取得部(61)と、
前記一時劣化の度合いに基づいて前記電池の放電および/または充電を制御する制御部(62)と、
を備える制御装置。
<技術的思想12>
前記制御部は、
前記一時劣化の度合いが所定基準よりも大きい場合に、対象電池の一時劣化の度合いを低減させるように制御する回復制御を実行し、
前記一時劣化の度合いが所定基準未満の場合に、前記回復制御を実行しない、技術的思想11に記載の制御装置。
<技術的思想13>
前記制御部は、前記回復制御として、前記対象電池の出力を一時的に低減または停止、前記対象電池を一時的に充電または充放電、および前記対象電池の電池セルの拘束状態を一時的に緩和、の少なくともひとつを実行する、技術的思想12に記載の制御装置。
<技術的思想14>
前記制御部は、離陸時と着陸時を除く期間に、前記回復制御を実行する、技術的思想12または技術的思想13に記載の制御装置。
<技術的思想15>
前記制御部は、前記回復制御の実行時において離陸または着陸を制限する、技術的思想12~14いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想16>
前記制御部は、前記対象電池の温度が所定温度よりも高い場合に前記回復制御を実行し、前記対象電池の温度が所定温度以下の場合に、前記対象電池の出力を増大させて温度が所定温度を超えてから前記回復制御を実行する、技術的思想12~15いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想17>
前記制御部は、前記回転翼の駆動を制御して前記対象電池の出力を増大させる、技術的思想16に記載の制御装置。
<技術的思想18>
前記電動飛行体は、回転揚力を生じる前記回転翼と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備えており、
前記制御部は、前記対象電池の出力を停止する前記回復制御を実行する場合に、出力停止中の前記対象電池を除く他の前記電池の出力による前記回転翼の駆動と、前記揚力調整機構の揚力調整とにより、飛行に必要な推力と揚力を確保する、技術的思想13に記載の制御装置。
<技術的思想19>
前記電動飛行体は、前記駆動対象を駆動する前記電池とは別に補助電池(152)を備えており、
前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、前記補助電池から前記対象電池に充電する、技術的思想13に記載の制御装置。
<技術的思想20>
前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、前記対象電池を除く他の前記電池から前記対象電池に充電する、技術的思想13に記載の制御装置。
<技術的思想21>
前記制御部は、前記対象電池の電圧を上回る他の前記電池から充電する、技術的思想20に記載の制御装置。
<技術的思想22>
前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、充電または充放電するための機器と前記対象電池とを電気的に接続するためのリレー(153)のオンを、離着陸時において禁止する、技術的思想19~21いずれかひとつに記載の制御装置。
10…eVTOL、11…機体本体、12…固定翼、121…主翼、122…尾翼、13…回転翼、131…ブレード、132…シャフト、14…揚力調整機構、141…チルト機構、142…フラップ、15…電池システム、151,151A,151B…電池、152…補助電池、153…充電関連機器、16…EPU、161…モータ、161a…巻線、162…インバータ、162d…ダイオード、162s…スイッチング素子、163…平滑コンデンサ、17…、18…、20…ECU、201…プロセッサ、202…メモリ、203…ストレージ、203P…プログラム、204…通信回路、30…地上局、31…サーバ、311…プロセッサ、312…メモリ、313…ストレージ、313P…プログラム、314…通信回路、40…運航管理システム、41…機外管理部、42…機内管理部、50…監視装置、51…取得部、52…演算部、53…判定部、54…出力部、60…制御装置、61…取得部、62…判定部、63…制御部、64…出力部、70…表示装置

Claims (25)

  1. 電動飛行体(10)に搭載される電池(151)の状態を監視する監視装置であって、
    前記電池に関する情報を取得する取得部(51)と、
    前記情報に基づいて、前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する演算部(52)と、
    前記一時劣化の度合いに関する情報を出力する出力部(54)と、
    を備える、監視装置。
  2. 前記演算部は、前記電動飛行体の巡航時であって着陸開始の所定期間前までに、および/または、前記電動飛行体の離陸開始の所定期間前までに、前記一時劣化の度合いを演算する、請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記所定期間は、前記一時劣化の度合いを低減するための処理に必要な期間に基づいて設定される、請求項2に記載の監視装置。
  4. 前記演算部は、フライト中における前記電池の放電履歴または充放電履歴に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、請求項1に記載の監視装置。
  5. 前記演算部は、前記電池の抵抗に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、請求項1に記載の監視装置。
  6. 前記演算部は、前記電池の交流インピーダンスの抵抗成分に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、請求項5に記載の監視装置。
  7. 前記演算部は、対象となるフライトと、機種と離陸地点および/または着陸地点とが合致する過去フライトの電池状態の情報に基づいて、前記一時劣化の度合いを演算する、請求項1に記載の監視装置。
  8. 前記一時劣化の度合いに基づいて、前記電動飛行体の離陸制限または着陸制限の要否を判定する判定部(53)を備え、
    前記出力部は、要否に関する情報を出力する、請求項1に記載の監視装置。
  9. 前記一時劣化の度合いに基づいて、前記電池のメンテナンス要否を判定する判定部(53)を備え、
    前記出力部は、要否に関する情報を出力する、請求項1に記載の監視装置。
  10. 前記判定部が要否判定に用いる閾値は、対象となるフライトと、離陸地点および/または着陸地点と機種とが合致する過去フライトの履歴情報に基づいて設定される、請求項8または請求項9に記載の監視装置。
  11. 複数の電池(151)により回転翼(13)を含む駆動対象を駆動する電動飛行体(10)の制御装置であって、
    前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得する取得部(61)と、
    前記一時劣化の度合いに基づいて前記電池の放電および/または充電を制御する制御部(62)と、
    を備える制御装置。
  12. 前記制御部は、
    前記一時劣化の度合いが所定基準よりも大きい場合に、対象電池の一時劣化の度合いを低減させるように制御する回復制御を実行し、
    前記一時劣化の度合いが所定基準以下の場合に、前記回復制御を実行しない、請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記制御部は、前記回復制御として、前記対象電池の出力を一時的に低減または停止、前記対象電池を一時的に充電または充放電、および前記対象電池の電池セルの拘束状態を一時的に緩和、の少なくともひとつを実行する、請求項12に記載の制御装置。
  14. 前記制御部は、離陸時と着陸時を除く期間に、前記回復制御を実行する、請求項12または請求項13に記載の制御装置。
  15. 前記制御部は、前記回復制御の実行時において離陸または着陸を制限する、請求項12または請求項13に記載の制御装置。
  16. 前記制御部は、前記対象電池の温度が所定温度よりも高い場合に前記回復制御を実行し、前記対象電池の温度が所定温度以下の場合に、前記対象電池の出力を増大させて温度が所定温度を超えてから前記回復制御を実行する、請求項12または請求項13に記載の制御装置。
  17. 前記制御部は、前記回転翼の駆動を制御して前記対象電池の出力を増大させる、請求項16に記載の制御装置。
  18. 前記電動飛行体は、回転揚力を生じる前記回転翼と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備えており、
    前記制御部は、前記対象電池の出力を停止する前記回復制御を実行する場合に、出力停止中の前記対象電池を除く他の前記電池の出力による前記回転翼の駆動と、前記揚力調整機構の揚力調整とにより、飛行に必要な推力と揚力を確保する、請求項13に記載の制御装置。
  19. 前記電動飛行体は、前記駆動対象を駆動する前記電池とは別に補助電池(152)を備えており、
    前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、前記補助電池から前記対象電池に充電する、請求項13に記載の制御装置。
  20. 前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、前記対象電池を除く他の前記電池から前記対象電池に充電する、請求項13に記載の制御装置。
  21. 前記制御部は、前記対象電池の電圧を上回る他の前記電池から充電する、請求項20に記載の制御装置。
  22. 前記制御部は、前記対象電池を一時的に充電または充放電する前記回復制御を実行する場合に、充電または充放電するための機器と前記対象電池とを電気的に接続するためのリレー(153)のオンを、離着陸時において禁止する、請求項19~21いずれか1項に記載の制御装置。
  23. 電動飛行体(10)の運航管理システムであって、
    前記電動飛行体に搭載される電池に関する情報を取得して、前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算する監視装置(50)と、
    前記一時劣化の度合いに基づいて、前記電池の放電および/または充電を制御する制御装置(60)と、
    を備える、運航管理システム。
  24. 電動飛行体(10)に搭載される電池(151)の状態を監視するためのプログラムであって、
    少なくともひとつの処理部(201)に、
    前記電池に関する情報を取得させ、
    前記情報に基づいて、前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いを演算させる、
    ことを含むプログラム。
  25. 電動飛行体(10)に搭載される電池(151)を制御するためのプログラムであって、
    少なくともひとつの処理部(201)に、
    前記電池のイオン濃度の偏りに起因して生じる一時劣化の度合いに関する情報を取得させ、
    前記一時劣化の度合いに基づいて前記電池の放電および/または充電を制御させる、
    ことを含むプログラム。
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