JP2024076662A - 周面発光線状導光体及びその製造方法 - Google Patents

周面発光線状導光体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光の強度の均一性を高めながらも低コスト化を図ることが可能な構成の周面発光線状導光体、及びその周面発光線状導光体の製造方法を提供する。【解決手段】周面発光線状導光体3は、長手方向の一端部においてコア41の外周面41aがクラッド42から露出した光ファイバ4と、露出した部分のコア41の外周面41aの全周を所定の軸方向長さ範囲にわたって覆う光散乱部材5とを備え、コア41の外周面41aから出射された光が光散乱部材5によって散乱放射される。光散乱部材5は、コア41よりも屈折率が高い光透過性の基材50と、基材50に入射した光を散乱させる光散乱粒子500とを有し、光散乱粒子500が基材50の全体にわたって一定の割合で分散混合されている。長手方向における光散乱部材5の少なくとも一部分は、コア41の先端側に向かって厚さが漸増する漸増部51となっている。【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバと光散乱部材とを備えた周面発光線状導光体、及びその製造方法に関する。
従来、例えば人体の食道や腸などの管腔臓器、あるいは血管や心臓内に光ファイバを備えた光ファイバカテーテルを挿入し、光ファイバのコアから放射される光によって患部の治療を行うカテーテル治療が行われている。本出願人は、このようなカテーテル治療に用いられる周面発光線状導光体として、特許文献1に記載のものを提案している。
特許文献1に記載の周面発光線状導光体は、クラッドが除去されてコアが露出した光ファイバと、コアよりも屈折率が高い光透過性の基材に光散乱粒子が分散混合された光散乱部材とを有し、露出したコアの外周面が光散乱部材に覆われている。光散乱部材は、軸方向における光の強度の均一性を高めるため、基材への光散乱粒子の混合割合が異なる複数の層からなり、複数の層が少なくとも一部においてコアの径方向に重なっている。この光散乱部材を形成する際には、光散乱粒子の混合割合が異なる複数種類の液状体を用意し、これらの液状体をコアの外周に付着させて硬化させる工程を繰り返して行う。
特開2022-158714号公報
カテーテル治療に用いられる光ファイバカテーテルは、使い捨てであり、低コスト化が求められている。上記のように構成された周面発光線状導光体は、光散乱粒子の混合割合が異なる複数の層を有する光散乱部材を形成するために多くの工数と長い工程時間が必要となり、低コスト化が難しかった。
そこで、本発明は、光の強度の均一性を高めながらも低コスト化を図ることが可能な構成の周面発光線状導光体、及びその周面発光線状導光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、長手方向の一端部においてコアの外周面がクラッドから露出した光ファイバと、前記露出した部分の前記コアの外周面の全周を所定の軸方向長さ範囲にわたって覆う光散乱部材とを備え、前記コアの外周面から出射された光が前記光散乱部材によって散乱放射される周面発光線状導光体であって、前記光散乱部材は、前記コアよりも屈折率が高い光透過性の基材と、前記基材に入射した光を散乱させる光散乱粒子とを有し、前記光散乱粒子が前記基材の全体にわたって一定の割合で分散混合されており、前記長手方向における前記光散乱部材の少なくとも一部分が、前記コアの先端側に向かって厚さが漸増する漸増部となっている、周面発光線状導光体を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、上記の周面発光線状導光体の製造方法であって、前記コアの外周面を前記クラッドから露出させる光ファイバ加工工程と、前記光散乱部材となる液状体を準備する準備工程と、前記露出した前記コアの前記所定の軸方向長さ範囲を前記液状体に浸す浸漬工程と、前記コアと前記液状体とを鉛直方向に相対移動させて前記コアを前記液状体から引き上げる引き上げ工程と、前記コアに付着した前記液状体を硬化させる硬化工程とを有し、前記引き上げ工程において前記光散乱部材の前記漸増部を形成するとき、引き上げ速度を変化させて前記コアの外周面に付着する前記液状体の厚さを徐々に厚くする周面発光線状導光体の製造方法を提供する。
本発明に係る周面発光線状導光体、及びその製造方法によれば、光の強度の均一性を高めながらも低コスト化を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る周面発光線状導光体を用いて構成されたカテーテルを有する治療装置を、治療対象の患者と共に示す模式図である。 患者の体内に挿入されたカテーテルの先端部を示す模式図である。 (a)は、周面発光線状導光体の一端部を示す斜視図である。(b)は、周面発光線状導光体の軸方向に沿った断面図である。 (a)及び(b)は、コアの中心軸線に対して垂直な断面における周面発光線状導光体の断面図である。(a)は、光散乱部材の漸増部の小径端部の断面を示しており、(b)は、光散乱部材の漸増部の大径端部の断面を示している。 (a)~(c)は、光ファイバ加工工程を示す断面図である。 浸漬工程を示す説明図である。 引き上げ工程を示す説明図である。 (a)及び(b)は、引き上げ工程におけるコアの引き上げ開始位置を基準位置としたコアの位置と、引き上げ速度及び付着した液状体の厚さとの関係を測定した結果を示すグラフである。 比較例に係る周面発光線状導光体を示す断面図である。 実施の形態に係る周面発光線状導光体及び比較例に係る周面発光線状導光体の軸方向における光強度分布を測定する測定方法を示す説明図である。 実施の形態に係る周面発光線状導光体の光散乱部材の漸増部からコアの径方向に放射される光の強度を実線で、比較例に係る周面発光線状導光体の光散乱部材からコアの径方向に放射される光の強度を破線で、それぞれ示すグラフである。 光散乱部材の漸増部の外周面のテーパ角を変化させ、発光分布均一度を算出した結果の一例を示すグラフである。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る周面発光線状導光体をカテーテルとして用いる治療装置を、治療対象の患者と共に示す模式図である。治療装置1は、本体2と周面発光線状導光体3とを有し、周面発光線状導光体3の先端部が患者Pの体内に挿入されている。本体2は、レーザ光を発する光源21を有しており、光源21で発生したレーザ光が周面発光線状導光体3の基端部に入射する。
<周面発光線状導光体の構成>
図2は、患者Pの体内に挿入された周面発光線状導光体3の端部を示す模式図である。図2では、患者Pの血管Pの一部を切り欠いて、血管P内に挿入された周面発光線状導光体3の端部を示している。周面発光線状導光体3から散乱放射されたレーザ光Lrは、治療部Pを照射し、予め治療部Pに含ませた薬剤を反応させる。これにより、血管内レーザ治療が行われる。
図3(a)は、周面発光線状導光体3の一端部を示す斜視図である。図3(b)は、周面発光線状導光体3の軸方向に沿った断面図である。周面発光線状導光体3は、光源21で発生したレーザ光を治療部Pに導く光ファイバ4と、光ファイバ4の一端部に設けられた光散乱部材5とを備えている。光ファイバ4は、コア41、クラッド42、及びシース43を有している。光ファイバ4の長手方向の一端部では、クラッド42の外周面42aがシース43から露出しており、さらにコア41の外周面41aがクラッド42から露出している。なお、図3(a)及び(b)では、説明の明確化のため、光散乱部材5の厚みを誇張して図示している。
光散乱部材5は、クラッド42から露出した部分のコア41の外周面41aの全周を所定の軸方向長さ範囲にわたって覆っている。光散乱部材5に覆われた部分のコア41の軸方向長さは、例えば3~7cmである。コア41の長手方向の一部は、クラッド42にも光散乱部材5にも覆われていない非被覆部410となっている。
本実施の形態の光ファイバ4は、コア41が石英ガラスからなり、クラッド42がポリマーからなる石英ガラス光ファイバである。シース43は、フッ素系樹脂からなり、より具体的にはETFE(エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー)からなる。コア41の直径は、例えば200μmである。コア41の屈折率は、クラッド42の屈折率よりも高く、クラッド42内におけるコア41を伝搬する光がクラッド42との界面で全反射する。
光散乱部材5は、コア41の外周面41aから出射した光を散乱放射する。光散乱部材5は、コア41よりも屈折率が高い光透過性の基材50と、基材50に入射した光を散乱させる多数の光散乱粒子500とを有し、光散乱粒子500が基材50の全体にわたって一定の割合で分散混合されている。ここで、一定の割合で分散混合されているとは、光散乱粒子500の分布が基材50内の一部に偏ってしまうことがないよう、基材50内に光散乱粒子500が均等に散らばるように混合されていることをいう。本実施の形態では、基材50が熱硬化性の樹脂である。なお、光散乱粒子500は、肉眼では認識できない程度の微細な粒子であるが、図3(b)では、光散乱粒子500の大きさを誇張して示している。
基材50は、屈折率がコア41よりも高く、コア41の外周面41aから出射された光が光散乱部材5に入射する。本実施の形態では、基材50がシリコーン樹脂であり、その屈折率が例えば1.52である。コア41の屈折率は、例えば1.46である。光散乱粒子500は、光散乱部材5に入射した光を反射する金属粒子である。本実施の形態では、光散乱粒子500として酸化チタン(TiO)を用いる。ただし、これに限らず、酸化アルミニウム(アルミナ)や、銀、銅、鉄、もしくはこれらの合金の微細な金属粉を光散乱粒子500として用いてもよい。
光散乱部材5は、コア41の先端側に向かって厚さが漸増する漸増部51と、漸増部51よりもコア41の先端側に設けられた環状薄肉部52と、コア41の先端面41bの周辺に設けられた先端覆い部53とを有している。環状薄肉部52は、薄肉の円筒状に形成されており、先端覆い部53は、半球状に形成されている。環状薄肉部52は、漸増部51と先端覆い部53との間に介在して設けられており、コア41の長手方向における環状薄肉部52の長さが同方向における漸増部51の長さよりも短い。
漸増部51の外径は、漸増部51におけるクラッド42側の端部である小径端部511からコア41の先端側の端部である大径端部512に向かって徐々に大きくなっている。大径端部512は、コア41の中心軸線Cに対して垂直な方向における漸増部51の厚みが最も厚い最厚部である。漸増部51の外周面51aは、コア41の中心軸線Cに対して傾斜して段差なく形成されたテーパ面である。ここで、「段差」とは、光散乱部材5の外径がステップ状に変化することにより形成される環状の段付き形状のことをいう。
環状薄肉部52は、漸増部51の大径端部512よりも厚みが薄く形成されている。環状薄肉部52は、厚みが実質的に一定であり、外周面52aがコア41の中心軸線Cに対して平行となるように形成されている。漸増部51の外周面51aと環状薄肉部52の外周面52aとの間には、円環状の段差面51bが形成されている。
図4(a)及び(b)は、コア41の中心軸線Cに対して垂直な断面における周面発光線状導光体3の断面図である。図4(a)は、漸増部51の小径端部511の断面を示しており、図4(b)は、漸増部51の大径端部512の断面を示している。
コア41の直径Dは、例えば200μmである。小径端部511における光散乱部材5の厚みTは、一例として2μmであり、大径端部512における光散乱部材5の厚みTは、一例として3μmである。また、コア41の中心軸線Cに平行な軸方向における漸増部51の長さL(図3(b)参照)は、一例として55mmである。この場合、漸増部51の外周面51aのテーパ角θは、0.001°(=tan-1(0.001/55))である。環状薄肉部52の厚みは、例えば0.5μmである。
本実施の形態では、コア41の中心軸線Cが直線状であるとき、この中心軸線Cに対して平行な方向における漸増部51の外周面51aの角度(テーパ角θ)が、微細な凹凸を除き、実質的に一定である。ただし、漸増部51は、コア41の先端側に向かって厚さが単調増加して漸増する形状であればよく、必ずしもテーパ角θが一定でなくともよい。
<周面発光線状導光体3の製造方法>
次に、周面発光線状導光体3の製造方法について説明する。周面発光線状導光体3の製造方法は、光ファイバ4のクラッド42からコア41の外周面41aを露出させる光ファイバ加工工程と、光散乱部材5となる液状体を準備する準備工程と、クラッド42から露出したコア41の所定の軸方向長さ範囲を液状体に浸す浸漬工程と、コア41と液状体とを鉛直方向に相対移動させてコア41を液状体から引き上げる引き上げ工程と、コア41に付着した液状体を硬化させる硬化工程とを有している。
準備工程で準備する液状体は、高温になるほど粘度が低くなる。浸漬工程でコア41を液状体に浸す際、及び引き上げ工程でコア41を引き上げる際には、液状体の粘性によって適度な量の液状体がコア41に付着するように液状体の温度を調節する。また、希釈用の有機溶媒(例えば、トルエン、アセトン)で液状体の粘度を調整してもよい。
図5(a)~(c)は、光ファイバ加工工程を示す断面図である。この工程では、図5(a)に示すように、コア41、クラッド42、及びシース43を有する光ファイバ4を用意し、図5(b)に示すようにシース43を所定の長さ範囲にわたって除去する。その後、図5(c)に示すようにシース43から露出した部分のクラッド42を所定の長さ範囲にわたって除去してコア41をクラッド42から露出させ、露出したコア41の一部を切断する。コア41の切断方法としては、例えば刃具6を用いてコア41の一部に傷を付け、傷を付けた箇所でコア41を折ることにより行うことができる。切断されたコア41の先端面41bは、光ファイバ4の長手方向に対して垂直な平面である。
図6は、浸漬工程を示す説明図である。浸漬工程では、準備工程で準備した液状体7にコア41を鉛直方向に垂らした状態で浸漬させる。液状体7は、常温で液状の液状基材70に、光散乱粒子500が分散混合されている。液状基材70は、熱硬化性を有しており、加熱によって硬化して固形の基材50となる。液状体7は、有底筒状のシリンジ81に収容され、シリンジ81の周囲に加熱治具82が配置されている。加熱治具82は、液状体7が浸漬工程及び引き上げ工程に適した粘度となるように、シリンジ81を介して液状体7を所定の温度に保持している。この所定の温度は、例えば40℃である。
また、図6に示すように、液状体7の液面7aをシリンジ81の上面81a及び加熱治具82の上面82aよりも低くし、鉛直方向における液状体7の液面7aとシリンジ81の上面81aとの距離がクラッド42から露出した部分のコア41の長さ以上となるように、液状体7の量やシリンジ81及び加熱治具82の高さを調整することが好ましい。これにより、液状体7に触れるシリンジ81内の空間810における空気も加熱治具82で加熱されることになり、液状体7が液面7aから冷やされることを抑制することができる。液状体7における光散乱粒子500の濃度は、光散乱部材5における光散乱粒子500の濃度と同等である。この濃度は、例えば1mg/mLである。
図7は、引き上げ工程を示す説明図である。引き上げ工程において光散乱部材5の漸増部51を形成するときには、引き上げ速度を変化させてコア41の外周面41aに付着する液状体7の厚さを徐々に厚くする。付着する液状体7の厚さは、次式(1)によって算出することができる。
Figure 2024076662000002
ただし、式中の記号は、h:コア41に付着する液状体7の厚さ(m)、η:液状体7の粘度(Pa・s)、U:コア41の引き上げ速度(m/s)、γ:液状体7の表面張力(mN/m)、ρ:液状体7の密度(kg/m)、g:重力加速度(m/s)である。
上記の式(1)から明らかなように、コア41に付着する液状体7の厚さは、コア41の引き上げ速度によって変化し、引き上げ速度が速いほど付着する液状体7の厚さが厚くなる。本実施の形態では、コア41の先端面41bが鉛直方向の下方となるようにコア41を鉛直方向に垂らした状態で液状体7に浸漬させ、徐々にコア41を引き上げるので、引き上げ工程において光散乱部材5の漸増部51を形成する際には、引き上げ速度を徐々に増大させる。また、環状薄肉部52及び先端覆い部53を形成する際には、引き上げ速度を低下させてコア41を低速で引き上げる。
図8(a)及び(b)は、引き上げ工程におけるコア41の引き上げ開始位置を基準位置(0mm)としたコア41の位置と、引き上げ速度(mm/s)及び付着した液状体7の厚さ(μm)との関係を測定した結果を示すグラフである。この測定時には、漸増部51の小径端部511を形成する際の引き上げ速度を0.05mm/sとし、大径端部512を形成する際の引き上げ速度を0.07mm/sとし、0.05mm/sから0.07mm/sまで徐々に引き上げ速度を増加させて光散乱部材5の漸増部51を形成した。また、引き上げ工程では、55~58mmの位置においてコア41の引き上げ速度を0.002mm/sとし、環状薄肉部52を形成した。このグラフに示されるように、コア41の引き上げ速度を変化させることにより、コア41に付着する液状体7の厚さ、ひいては光散乱部材5の厚さを制御することが可能である。
<比較例に係る周面発光線状導光体3Aの構成>
図9は、比較例に係る周面発光線状導光体3Aを示す断面図である。この周面発光線状導光体3Aは、上記の実施の形態に係る周面発光線状導光体3と同様に、コア41の外周面41aがクラッド42から露出した光ファイバ4を備えており、コア41の外周面41aの全周が所定の軸方向長さ範囲にわたって光散乱部材5Aに覆われているが、この光散乱部材5Aの構成が上記の実施の形態に係る光散乱部材5とは異なっている。
比較例に係る周面発光線状導光体3Aは、コア41の外周面41aを覆う光散乱部材5Aの厚みが軸方向の全体にわたって一定である。光散乱部材5Aは、上記の実施の形態と同じ濃度で、基材50に多数の光散乱粒子500が分散混合されている。また、光散乱部材5Aにおける基材50への光散乱粒子500の混合割合は、軸方向の全体にわたって均一である。
<実施の形態に係る周面発光線状導光体3及び比較例に係る周面発光線状導光体3Aの光強度分布>
図10は、上記の実施の形態に係る周面発光線状導光体3、及び比較例に係る周面発光線状導光体3Aの軸方向における光強度分布を測定する測定方法を示す説明図である。図10では、一例として周面発光線状導光体3の測定時の状態を示しているが、比較例に係る周面発光線状導光体3Aについても、同様にして光強度分布を測定する。
この測定方法では、光源21で発生したレーザ光Lrをコア41の入射面41cから入射させ、光散乱部材5,5Aからコア41の径方向に放射される光の強度を測定する光パワーメータ9をコア41と平行なX方向に移動させ、複数のX方向位置で光の強度を測定する。
図11は、上記の実施の形態に係る周面発光線状導光体3の光散乱部材5の漸増部51からコア41の径方向に放射される光の強度を実線で、比較例に係る周面発光線状導光体3Aの光散乱部材5Aからコア41の径方向に放射される光の強度を破線で、それぞれ示すグラフである。このグラフの横軸は、上記の基準位置(光散乱部材5,5Aのクラッド42側の端部の位置)を0としたX方向の位置を示している。図11に示すように、実施の形態に係る周面発光線状導光体3では、比較例に係る周面発光線状導光体3Aに比較して、コア41の軸方向における光の強度の均一性が高められている。これは、次のような理由によるものである。
コア41から出射されて光散乱部材5,5Aに入射したものの、光散乱粒子500に当たらず、散乱されなかった光は、光散乱部材5,5Aの外周面(外部との界面)やコア41の外周面(光散乱部材5,5Aとの界面)で反射されながら、基材50内を伝搬する。光源21からコア41を伝搬して来た光は、コア41の軸方向に対する角度が浅いためである。しかし、光散乱部材5,5Aに入射した光が光散乱粒子500に当たると、光散乱粒子500がこの光を乱反射して、反射光が比較的大きな角度で光散乱部材5,5Aの外周面に当たる。これにより、光散乱粒子500で反射した反射光は、光散乱部材5,5Aから外部に放射されやすい。
比較例に係る周面発光線状導光体3Aでは、光散乱部材5Aの厚み及び光散乱粒子500の混合割合が軸方向の全体にわたって均一である。コア41内の光は、先端側に近づくにつれて外部への放散により徐々に弱くなり、光散乱部材5Aに入射する光も徐々に弱くなる。そのため、光散乱部材5Aから放射される光の強度も、コア41の先端側に向かうにつれて徐々に低下する。すなわち、周面発光線状導光体3Aでは、コア41の先端側に向かうにつれて光の強度が徐々に低下する光強度分布となる。
一方、実施の形態に係る周面発光線状導光体3では、光散乱部材5の主要部である漸増部51の厚さがコア41の先端側ほど漸増しており、小径端部511付近では光散乱部材5に入射した光がコア41に戻りやすく、大径端部512付近では光散乱部材5に入射した光が外部に放射されやすい。すなわち、周面発光線状導光体3では、コア41内における光の強度と光散乱部材5の外部への放射のされやすさとのバランスにより、全体としてフラットな光強度分布が得られる。
また、周面発光線状導光体3では、引き上げ工程においてコア41の先端部分付近で引き上げ速度を小さくして液状体7の液面7aからコア41をゆっくりと引き離すことにより、環状薄肉部52を形成している。これにより、コア41の先端面41bの周辺に液状体7が多量に付着して表面張力によって大きな半球形の樹脂玉が形成されることを抑止している。コア41の先端面41bに大きな樹脂玉が形成されると、この樹脂玉が光散乱粒子500を多く含むことになる。そうすると、この樹脂玉の部分において局所的に光の強度が強くなり、光強度分布の均一性が低下する虞がある。つまり、環状薄肉部52は、光の強度の均一性が低下してしまうことを抑制する機能を有している。
なお、コア41の先端面41bに、金や銀等の反射率が高い金属からなる反射膜を、例えばスパッタ加工により形成してもよい。また、コア41の先端面41bに、黒色塗料を塗布してもよい。この場合には、光散乱部材5に環状薄肉部52及び先端覆い部53を形成しなくてもよい。つまり、光散乱部材5は、コア41の長手方向における少なくとも一部分が漸増部51となっていればよい。
図12は、漸増部51の大径端部512の厚みの増減によって漸増部51の外周面51aのテーパ角θを変化させ、漸増部51の小径端部511と大径端部512との間で外周面51aからコア41の径方向に放射される光の強度の均一性を示す指標値である発光分布均一度を算出した結果の一例を示すグラフである。ここで、発光分布均一度(%)は、図10に示した測定方法において光パワーメータ9によって測定される光強度の最小値を最大値で除した商に100を乗じて得られる値である。例えば、光散乱粒子500の濃度が1mg/mLである液状体7を用い、発光分布均一度の目標値を70%以上とした場合には、テーパ角θが0.0006°以上かつ0.0014°以下の範囲で、この目標を達成することができる。また、例えば発光分布均一度の目標値を75%以上とした場合には、テーパ角θが0.0008°以上かつ0.0012°以下の範囲で、この目標を達成することができる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、比較例に係る周面発光線状導光体3Aのように光散乱部材5A厚みが一定である場合に比較して、光散乱部材5から放射される光の強度の均一性を高めることが可能となる。また、引き上げ工程におけるコア41の引き上げ速度の調整により、1回の引き上げによってコア41の先端側ほど厚みが漸増する漸増部51を形成することができるので、光散乱粒子の混合割合が異なる複数の層を有する光散乱部材を形成する方法と比較して、低コスト化が可能となる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]長手方向の一端部においてコア(41)の外周面(41a)がクラッド(42)から露出した光ファイバ(4)と、前記露出した部分の前記コア(41)の外周面(41a)の全周を所定の軸方向長さ範囲にわたって覆う光散乱部材(5)とを備え、前記コア(41)の外周面(41a)から出射された光が前記光散乱部材(5)によって散乱放射される周面発光線状導光体(3)であって、前記光散乱部材(5)は、前記コア(41)よりも屈折率が高い光透過性の基材(50)と、前記基材(50)に入射した光を散乱させる光散乱粒子(500)とを有し、前記光散乱粒子(500)が前記基材(50)の全体にわたって一定の割合で分散混合されており、前記長手方向における前記光散乱部材(5)の少なくとも一部分が、前記コア(41)の先端側に向かって厚さが漸増する漸増部(51)となっている、周面発光線状導光体(3)。
[2]前記漸増部(51)の外周面(51a)は、前記コア(41)の中心軸線(C)に対して傾斜して段差なく形成されたテーパ面である、上記[1]に記載の周面発光線状導光体(3)。
[3]前記光散乱部材(3)は、前記漸増部(51)よりも前記コア(41)の先端側に、前記漸増部(51)の最厚部(大径端部512)よりも厚みが薄い環状薄肉部(52)を有する、上記[1]に記載の周面発光線状導光体(3)。
[4]上記[1]乃至[3]の何れか1つに記載の周面発光線状導光体(3)の製造方法であって、前記コア(41)の外周面(41a)を前記クラッド(42)から露出させる光ファイバ加工工程と、前記光散乱部材(5)となる液状体(7)を準備する準備工程と、前記露出した前記コア(41)の前記所定の軸方向長さ範囲を前記液状体(7)に浸す浸漬工程と、前記コア(41)と前記液状体(7)とを鉛直方向に相対移動させて前記コア(41)を前記液状体(7)から引き上げる引き上げ工程と、前記コア(41)に付着した前記液状体(7)を硬化させる硬化工程とを有し、前記引き上げ工程において前記光散乱部材(5)の前記漸増部(51)を形成するとき、引き上げ速度を変化させて前記コア(41)の外周面(41a)に付着する前記液状体(7)の厚さを徐々に厚くする、周面発光線状導光体(3)の製造方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
4…光ファイバ 41…コア
42…クラッド 5…光散乱部材
50…基材 500…光散乱粒子
51…漸増部 511…小径端部
512…大径端部 51a…外周面
52…環状薄肉部 7…液状体
θ…テーパ角

Claims (4)

  1. 長手方向の一端部においてコアの外周面がクラッドから露出した光ファイバと、前記露出した部分の前記コアの外周面の全周を所定の軸方向長さ範囲にわたって覆う光散乱部材とを備え、前記コアの外周面から出射された光が前記光散乱部材によって散乱放射される周面発光線状導光体であって、
    前記光散乱部材は、前記コアよりも屈折率が高い光透過性の基材と、前記基材に入射した光を散乱させる光散乱粒子とを有し、前記光散乱粒子が前記基材の全体にわたって一定の割合で分散混合されており、
    前記長手方向における前記光散乱部材の少なくとも一部分が、前記コアの先端側に向かって厚さが漸増する漸増部となっている、
    周面発光線状導光体。
  2. 前記漸増部の外周面は、前記コアの中心軸線に対して傾斜して段差なく形成されたテーパ面である、
    請求項1に記載の周面発光線状導光体。
  3. 前記光散乱部材は、前記漸増部よりも前記コアの先端側に、前記漸増部の最厚部よりも厚みが薄い環状薄肉部を有する、
    請求項1に記載の周面発光線状導光体。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の周面発光線状導光体の製造方法であって、
    前記コアの外周面を前記クラッドから露出させる光ファイバ加工工程と、
    前記光散乱部材となる液状体を準備する準備工程と、
    前記露出した前記コアの前記所定の軸方向長さ範囲を前記液状体に浸す浸漬工程と、
    前記コアと前記液状体とを鉛直方向に相対移動させて前記コアを前記液状体から引き上げる引き上げ工程と、
    前記コアに付着した前記液状体を硬化させる硬化工程とを有し、
    前記引き上げ工程において前記光散乱部材の前記漸増部を形成するとき、引き上げ速度を変化させて前記コアの外周面に付着する前記液状体の厚さを徐々に厚くする、
    周面発光線状導光体の製造方法。
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