JP2024070458A - 噴射ヘッド及び噴射ヘッドを含むガス消火設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静音性を確保しつつ、シンプルな構造でヘッド圧を確保できる噴射ヘッド及び当該噴射ヘッドを含むガス消火設備を提供する。【解決手段】 消火用ガスを供給する配管と基端部において接続され、先端部側にオリフィスを有する筒状のノズルと、前記ノズルの前記先端部側に接続される消音機構と、を具備する噴射ヘッドであって、前記消音機構が、前記ノズルの軸方向に積層された、第1パンチングメタルと通気性の板状多孔質体との積層体と、前記積層体における前記ノズルとは反対側の略全面を覆う気密性のカバーと、を含み、前記ノズルから前記消音機構に供給された消火用ガスが、前記消音機構の周面から噴出すること、を特徴とする噴射ヘッド。【選択図】図3
Description
本発明は、消火用ガスを噴射する噴射ヘッド及び噴射ヘッドを含むガス消火設備に関する。
ガス消火設備において噴射ヘッドからの消火用ガスの噴出に伴う音圧による障害を抑制するべく、例えば特許文献1(特開2021-28000号公報)は、噴射ヘッドと、当該噴射ヘッドからの消火ガスの放出による音響を減衰させる消音手段を有する消火ガス噴射装置を開示している。この消火ガス噴射装置では、消音手段が、噴射ヘッド側に設けられた第1消音部材と、第1消音部材の下流側に設けられた第2消音部材とを有しており、第1および第2消音部材の各々は偏平な板状に形成され、気体が流通可能な多孔性材料からなる。
しかし、特許文献1の噴射ヘッドでは、構造が複雑で、製造コストが上昇する。
そこで、本発明は、シンプルな構造でありながら静音性を確保することができる噴射ヘッド及び当該噴射ヘッドを含むガス消火設備を提供することを目的とする。
上述した課題を解決すべく、本発明は、
消火用ガスを供給する配管と基端部において接続され、先端部側にオリフィスを有する筒状のノズルと、
前記ノズルの前記先端部側に接続される消音機構と、を具備する噴射ヘッドであって、
前記消音機構が、
前記ノズルの軸方向に積層された、第1パンチングメタルと通気性の板状多孔質体との積層体と、
前記積層体における前記ノズルとは反対側の略全面を覆う気密性のカバーと、を含み、
前記ノズルから前記消音機構に供給された消火用ガスが、前記消音機構の周面から噴出すること、
を特徴とする噴射ヘッド、を提供する。
消火用ガスを供給する配管と基端部において接続され、先端部側にオリフィスを有する筒状のノズルと、
前記ノズルの前記先端部側に接続される消音機構と、を具備する噴射ヘッドであって、
前記消音機構が、
前記ノズルの軸方向に積層された、第1パンチングメタルと通気性の板状多孔質体との積層体と、
前記積層体における前記ノズルとは反対側の略全面を覆う気密性のカバーと、を含み、
前記ノズルから前記消音機構に供給された消火用ガスが、前記消音機構の周面から噴出すること、
を特徴とする噴射ヘッド、を提供する。
また、本発明の噴射ヘッドでは、前記積層体が、前記第1パンチングメタルの外縁を取り囲む通気性の環状多孔質体を含み、消火用ガスが前記環状多孔質体からも前記噴射ヘッドの外部に噴出すること、が好ましい。
また、本発明の噴射ヘッドでは、前記板状多孔質体が、前記環状多孔質体よりも小さい孔径を有すること、が好ましい。
また、本発明の噴射ヘッドでは、前記消音機構が、前記オリフィスと前記積層体との間に介在する第2パンチングメタルを有すること、が好ましい。
また、本発明の噴射ヘッドでは、前記第1パンチングメタルが、前記第2パンチングメタルよりも大きい孔径を有すること、が好ましい。
本発明は、上記のいずれかに記載の噴射ヘッドを含むガス消火設備をも提供する。
本発明の噴射ヘッドはノズルと消音機構とから構成され、消音機構が多孔質体とパンチングメタルとの積層体であるというシンプルな構造である。また、多孔質体とパンチングメタルとの組合せにより、静音性を確保しながら、適切なヘッド圧を確保することができる。
以下、本発明に係る噴射ヘッド及びガス消火設備の代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
ガス消火設備1は、ガス容器3、配管5、噴射ヘッド7を含み(図1参照)、消火対象区画内で火炎を感知すると当該区画を閉鎖して噴射ヘッド7から消火用ガス(不活性ガス)を噴射する。
ここで、ガス容器3は、不活性ガスを貯蔵し、その不活性ガスを配管5を介して噴射ヘッド7に供給する。ガスは例えば4MPa~10MPaの圧力で、噴射ヘッド7から消火対象区画内に噴射される。
噴射ヘッド7は、配管5に取り付けられる部材であり、ノズル10及び消音機構20を具備する(例えば図2及び図3参照)。
ノズル10は、真鍮などの金属材料により作製される、筒状の部材である。
ノズル10は、基端部11に配管5との係合機構13を有する。ここでは、係合機構13は、ノズル10の内面に形成されたネジ溝であり、配管5の先端部の外周面に形成されたネジ溝と係合する。
また、ノズル10の先端部12側にはオリフィス14が形成されている。ここでは、オリフィス14として多孔オリフィスが設けられており、各孔の直径は例えば5mm~10mmである。
ノズル10は、基端部11に配管5との係合機構13を有する。ここでは、係合機構13は、ノズル10の内面に形成されたネジ溝であり、配管5の先端部の外周面に形成されたネジ溝と係合する。
また、ノズル10の先端部12側にはオリフィス14が形成されている。ここでは、オリフィス14として多孔オリフィスが設けられており、各孔の直径は例えば5mm~10mmである。
ノズル10の先端部12側(下流側)には消音機構20が取り付けられている。例えば図3(B)に示すように、消音機構20は、板状多孔質体22及びパンチングメタル23(第1パンチングメタル)の積層体21を含む。このような積層体21に供給された消火用ガスは、パンチングメタル23の複数の孔において分散して整流された後、板状多孔質体22に導入されるとさらに細かく分散して流れる。その結果消火用ガスの圧力も適切に分散され、消音機構の周面から噴出する際に発生する音圧を低減することができる。
板状多孔質体22は、通気性を有する板体である。板状多孔質体22は、例えばニッケルクロムなどの金属材料で好適に作製されるが、セラミックスなどの他の材料で作製されてもよい。
板状多孔質体22のメッシュ粗さ(孔径)は、例えば0.7mm~1.2mmである。
板状多孔質体22の厚みは例えば5mm~15mmである。
板状多孔質体22の厚みは例えば5mm~15mmである。
板状多孔質体22は、外周に沿って形成されたネジ孔22Aを有する(図4参照)。ネジ孔22Aは、板状多孔質体22及びカバー26をネジで一体化するために利用される。
パンチングメタル23は、アルミニウムなどの金属材料から構成される板体である。
パンチングメタル23に形成されている各孔の直径は、後述するパンチングメタル(第2パンチングメタル)25に形成された孔の直径よりも大きく(図3(D),(E)参照)、例えば4mm~7mmである。
また、パンチングメタル23の厚みは、例えば5mm~15mmである。
パンチングメタル23に形成されている各孔の直径は、後述するパンチングメタル(第2パンチングメタル)25に形成された孔の直径よりも大きく(図3(D),(E)参照)、例えば4mm~7mmである。
また、パンチングメタル23の厚みは、例えば5mm~15mmである。
パンチングメタル23の外径は板状多孔質体22の外径よりも小さく、板状多孔質体22の外径は環状多孔質体24の外径と略同一である。すなわち、パンチングメタル23の外縁の周りを環状多孔質体24が取り囲んでいる。
環状多孔質体24は、通気性を有する環状体である。環状多孔質体24は、ニッケルクロムなどの金属材料で好適に作製されるが、セラミックスなどの他の材料で作製されてもよい。
環状多孔質体24は、板状多孔質体22よりも大きい孔径(メッシュ粗さ)を有する。例えば、環状多孔質体24のメッシュ粗さは1.4mm~3.0mmである。
このように環状多孔質体24と板状多孔質体22について異なるメッシュ粗さを採用するのは、パンチングメタル23の複数の孔を通り板状多孔質体22の内部の多数の孔を導通した消火用ガスが抵抗なく環状多孔質体24に導入されやすくなり、より一層消火用ガスの分散効果が高まるため、消音効果が高くなるからである。
環状多孔質体24の厚みは、パンチングメタル23の厚みと略同一であるか、やや厚くてもよい。
このように環状多孔質体24と板状多孔質体22について異なるメッシュ粗さを採用するのは、パンチングメタル23の複数の孔を通り板状多孔質体22の内部の多数の孔を導通した消火用ガスが抵抗なく環状多孔質体24に導入されやすくなり、より一層消火用ガスの分散効果が高まるため、消音効果が高くなるからである。
環状多孔質体24の厚みは、パンチングメタル23の厚みと略同一であるか、やや厚くてもよい。
環状多孔質体24は、外周に沿って形成されたネジ孔24Aを有する(例えば図3(E)参照)。ネジ孔24Aは、板状多孔質体22のネジ孔22Aに対応する位置に配置されている(図4参照)。
本実施形態では、積層体21は、上述した板状多孔質体22、パンチングメタル23及び環状多孔質体24を1ユニットとして、4ユニットを含んでいる(例えば図3(B)参照)。
この点、積層体21のユニットの数が増えると、通気抵抗が大きくなり、消火用ガスの流量が不足するとともに圧力損失が大きくなる可能性がある。逆に積層体21のユニットの数が減ると、強度が不足する可能性がある。
ただし、採用される多孔質体及びパンチングメタルの材質及び寸法に応じて、積層体21のユニット数は適宜決定されてよい。
この点、積層体21のユニットの数が増えると、通気抵抗が大きくなり、消火用ガスの流量が不足するとともに圧力損失が大きくなる可能性がある。逆に積層体21のユニットの数が減ると、強度が不足する可能性がある。
ただし、採用される多孔質体及びパンチングメタルの材質及び寸法に応じて、積層体21のユニット数は適宜決定されてよい。
消音機構20は、パンチングメタル25(第2パンチングメタル)を更に含んでもよい。すなわち、パンチングメタル25はノズル10のオリフィス14と積層体21との間に介在し、積層体21の強度を補う。ここでは2枚のパンチングメタル25が設けられている。
パンチングメタル25は、アルミニウムなどの金属材料から作成される。
パンチングメタル25の直径は、パンチングメタル23の直径よりも小さく、例えば3.0mm~4.0mmである。
パンチングメタル25の厚みは、5mm~15mmである。
パンチングメタル25の直径は、パンチングメタル23の直径よりも小さく、例えば3.0mm~4.0mmである。
パンチングメタル25の厚みは、5mm~15mmである。
積層体21においてノズル10から最も離れた(つまり最も下流側の)面は、その略全面を気密性のカバー26で覆われている(例えば図3(B)参照)。カバー26は例えば真鍮などの金属材料により作製されるが、気密性及び必要な強度を備える限り樹脂材料等の他の材料で作製されてよい。
カバー26は、外周に沿って形成されたネジ孔26Aを有する(図4参照)。ネジ孔26Aは、板状多孔質体22のネジ孔22Aに対応する位置に配置されている。したがって、積層体21及びカバー26はネジ等の固定手段により一体化され、これにより消音機構20の周面から消火用ガスが噴出することになる。なお、カバー26は積層体21を保護する役割をも果たす。
次いで、ガス消火設備1及び噴射ヘッド7の動作を説明する。
ガス消火設備1は、消火対象区画内で火炎を感知すると、当該区画を閉鎖するとともに、ガス容器3を開く。消火用ガスはガス容器3から配管5を介して噴射ヘッド7に供給され、消火対象区画内に噴射される。
ガス消火設備1は、消火対象区画内で火炎を感知すると、当該区画を閉鎖するとともに、ガス容器3を開く。消火用ガスはガス容器3から配管5を介して噴射ヘッド7に供給され、消火対象区画内に噴射される。
このとき、噴射ヘッド7では、消火用ガスがノズル10からオリフィス14を経由して消音機構20に流れ込む。消音機構20では、消火用ガスがパンチングメタル25を介して積層体21に流れ込む。
積層体21では、上記のとおり、消火用ガスはパンチングメタル23の複数の孔において分散して整流された後、板状多孔質体22に導入されるとさらに細かく分散して流れる。その結果消火用ガスの圧力も適切に分散され、消音機構の周面から噴出する際に発生する音圧を低減することができる。
積層体21の下流側の面はカバー26で封止されているため、消火用ガスは、板状多孔質体22及び環状多孔質体24を通って積層体21の周面から噴出する。
積層体21では、上記のとおり、消火用ガスはパンチングメタル23の複数の孔において分散して整流された後、板状多孔質体22に導入されるとさらに細かく分散して流れる。その結果消火用ガスの圧力も適切に分散され、消音機構の周面から噴出する際に発生する音圧を低減することができる。
積層体21の下流側の面はカバー26で封止されているため、消火用ガスは、板状多孔質体22及び環状多孔質体24を通って積層体21の周面から噴出する。
本実施形態によれば、噴射ヘッド7はノズル10と消音機構20とから構成され、消音機構20が板状多孔質体22とパンチングメタル23との積層体であるというシンプルな構造である。
また、板状多孔質体22及びパンチングメタル23により、消火用ガスが適度に吸音及び整流され、したがって静音性を確保しつつ適度なヘッド圧を確保できる。
また、板状多孔質体22及びパンチングメタル23により、消火用ガスが適度に吸音及び整流され、したがって静音性を確保しつつ適度なヘッド圧を確保できる。
実験例
噴射ヘッドを試作し、所定のボンベ圧の下でのヘッド圧及び音圧を調べた。
試作した噴射ヘッドでは、板状多孔質体及び環状多孔質体として、富士ケミカル株式会社製の多孔質体(製品名:セルメット;材質:ニッケルクロム)を利用した。板状多孔質体用として、セル数27~33個/インチ、孔径0.8mm、比表面積2,500、外径120mm、厚み10mmのものを用いた。また、環状多孔質体用として、例えばセル数11~16個/インチ、孔径1.9mm、比表面積1,000を用いた。
また、噴射ヘッドのオリフィスの孔径は9.1mmであり、孔数を7つとした。
噴射ヘッドを試作し、所定のボンベ圧の下でのヘッド圧及び音圧を調べた。
試作した噴射ヘッドでは、板状多孔質体及び環状多孔質体として、富士ケミカル株式会社製の多孔質体(製品名:セルメット;材質:ニッケルクロム)を利用した。板状多孔質体用として、セル数27~33個/インチ、孔径0.8mm、比表面積2,500、外径120mm、厚み10mmのものを用いた。また、環状多孔質体用として、例えばセル数11~16個/インチ、孔径1.9mm、比表面積1,000を用いた。
また、噴射ヘッドのオリフィスの孔径は9.1mmであり、孔数を7つとした。
ガス容器のボンベ圧を7.5MPaに設定したとき、ヘッド圧が6.0MPa、音圧が96.8dBであった。このことから、試作した噴射ヘッドは、十分なヘッド圧及び静音性を有することが確認された。
また、ガス容器のボンベ圧を11.6MPaに設定したとき、ヘッド圧が9.2MPa、音圧が107.5dBであった。このことから、試作した噴射ヘッドが十分な耐圧強度を備えることが確認された。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
1 ガス消火設備
3 ガス容器
5 配管
7 噴射ヘッド
10 ノズル
11 基端部
12 先端部
14 オリフィス
20 消音機構
21 積層体
22 板状多孔質体
23 パンチングメタル
24 環状多孔質体
25 パンチングメタル
26 カバー
3 ガス容器
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7 噴射ヘッド
10 ノズル
11 基端部
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20 消音機構
21 積層体
22 板状多孔質体
23 パンチングメタル
24 環状多孔質体
25 パンチングメタル
26 カバー
Claims (6)
- 消火用ガスを供給する配管と基端部において接続され、先端部側にオリフィスを有する筒状のノズルと、
前記ノズルの前記先端部側に接続される消音機構と、を具備する噴射ヘッドであって、
前記消音機構が、
前記ノズルの軸方向に積層された、第1パンチングメタルと通気性の板状多孔質体との積層体と、
前記積層体における前記ノズルとは反対側の略全面を覆う気密性のカバーと、を含み、
前記ノズルから前記消音機構に供給された消火用ガスが、前記消音機構の周面から噴出すること、
を特徴とする噴射ヘッド。 - 前記積層体が、前記第1パンチングメタルの外縁を取り囲む通気性の環状多孔質体を含み、
消火用ガスが前記環状多孔質体からも前記噴射ヘッドの外部に噴出すること、
を特徴とする請求項1に記載の噴射ヘッド。 - 前記板状多孔質体が、前記環状多孔質体よりも小さい孔径を有すること、
を特徴とする請求項2に記載の噴射ヘッド。 - 前記消音機構が、前記オリフィスと前記積層体との間に介在する第2パンチングメタルを有すること、
を特徴とする請求項1に記載の噴射ヘッド。 - 前記第1パンチングメタルが、前記第2パンチングメタルよりも大きい孔径を有すること、
を特徴とする請求項4に記載の噴射ヘッド。 - 請求項1~5のいずれかに記載の噴射ヘッドを含むガス消火設備。
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JP2022180965A JP2024070458A (ja) | 2022-11-11 | 2022-11-11 | 噴射ヘッド及び噴射ヘッドを含むガス消火設備 |
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