JP2024070314A - 光コム距離計測装置及びこの光コム距離計測装置を備える位置決め装置 - Google Patents

光コム距離計測装置及びこの光コム距離計測装置を備える位置決め装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光コム距離計を改良して、移動している測定対象物について、その移動速度や加速度を測定し、測定対象物までの平均距離とともに、移動速度情報や加速度情報を得ることができるようにしたコム距離計測装置及びこの光コム距離計測装置を備える位置決め装置を提供する。【解決手段】 信号処理部40により、変調周波数の各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力する。【選択図】 図1

Description

本発明は、測定光の干渉信号と基準光の干渉信号の時間差から測定対象物までの距離を測定する光コム距離計測装置及びこの光コム距離計測装置を備える位置決め装置に関する。
従来より、精密なポイントの距離計測が可能なアクティブ式距離計測方法として、レーザー光を利用する光学原理による距離計測が知られている。レーザー光を用いて対象物体までの距離を測定するレーザー距離計ではレーザー光の発射時刻と、測定対象に当たり反射してきたレーザー光を受光素子にて検出した時刻との差に基づいて、測定対象物までの距離が算出される(たとえば特許文献1参照)。また、例えば、半導体レーザーの駆動電流に三角波等の変調をかけ、対象物での反射光を半導体レーザー素子の中に埋め込まれたフォトダイオードを使用して受光し、フォトダイオード出力電流に現れた鋸歯状波の主波数から距離情報を得ている。
ある点から測定点までの絶対距離を高精度で測定する装置としてレーザー距離計が知られている。たとえば、特許文献1には、測定光の干渉信号と基準光の干渉信号の時間差から距離を測定する距離計が記載されている。
従来の絶対距離計では、長い距離を高精度で測れる実用的な絶対距離計を実現することが難しく、高い分解能を得るためにはレーザー変位計のように原点復帰が必要なため絶対距離測定に適さない方法しか手段がなかった。
本件発明者等は、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光と測定光をパルス出射する2つの光コム発生器を備え、基準面に照射される基準光パルスと測定面に照射される測定光パルスとの干渉光を基準光検出器により検出するとともに、上記基準面により反射された基準光パルスと上記測定面により反射された測定光パルスとの干渉光を測定光検出器により検出して、上記基準光検出器と測定光検出器により得られる2つ干渉信号の時間差から、上記基準面までの距離と上記測定面までの距離の差を求めることにより、高精度で、しかも短時間に行うことの可能な光コム距離計を先に提案している(例えば、特許文献2参照。)。
また、測定面までの距離の基準点位置を基準光路により規定して、長距離測定を高精度で、しかも短時間に行うことができるようにした光コム距離計を先に提案している(例えば、特許文献3参照)。
光コム距離計では、原理的に周波数が異なる2種類の変調信号により駆動される2つの光コム発生器からパルス出射される干渉性のある基準光パルスと測定光パルスを用いることにより、信号処理部において、基準光検出器により得られる干渉信号(以下、参照信号と言う。)と、測定光検出器により得られる干渉信号(以下、測定信号と言う。)について周波数解析を行い、光コムの中心周波数から数えたモード番号をNとして、参照信号と測定信号のN次モード同士の位相差を計算して光コム発生器から基準点までの光コム生成、伝送過程の光位相差を相殺した後、周波数軸で次数1あたりの位相差の増分を計算して測定信号パルスと参照信号パルスの位相差を求めることにより、基準点から測定面までの距離を算出する。
ここで、距離や光路長は、測定光や基準光が伝搬される光路の物理的な距離と媒質の屈折率との積にて表される光学的距離を意味する。
なお、測定距離が変調周波数fmの半波長を超えると物体光の周期性によりその半波長の整数倍の距離が不明となって一義的に距離を求められないので、 表1に示す4通りの変調周波数に設定した基準光パルスと測定光パルスを用いて4回測定して、信号処理部において、同じ処理を行うことにより得られる各位相差を用いて、半波長相当の多義性距離(L=c/2fm c:光速)を超える距離を算出する。
すなわち、表1に示す4通りの変調周波数に設定して測定して得られる参照信号と測定信号の位相差は、2つの光コム発生器(OFCG1,OFCG1)を駆動する変調信号の変調周波数がfmとfm+Δfである#1の設定では-2πfmTとなり、変調信号の変調周波数がfm+Δfmとfm+Δfm+Δfである#2の設定では-2π(fm+Δfm)Tとなり、変調信号の変調周波数がfm+Δfとfmである#3の設定では-2π(fm+Δf)Tとなり、変調信号の変調周波数がfm+Δfm+Δfとfm+Δfmである#4の設定では-2π(fm+Δfm+Δf)Tとなる。
#1の設定で計測する距離が変調周波数fmの半波長相当の距離(L=c/2fm c:光速)よりも長い場合、参照信号と測定信号の位相差(-2πfmT)は、mを整数としてφ+2mπの形であり、計算によりφの部分だけが求められるが、整数値mは不明である。
一方、#1の設定での参照信号と測定信号の位相差-2πfmTと#2の設定での参照信号と測定信号の位相差-2π(fm+Δfm)Tの差は2πΔfmTであり、また、#3の設定での参照信号と測定信号の位相差-2π(fm+Δf)Tと#4の設定での参照信号と測定信号の位相差-2π(fm+Δfm+Δf)Tの差は2πΔfmTであり、1/Δfmの波長に相当する距離(Δfm=10MHzであればLaは15m)までならば、一義的に位相が決まる。
そして、この位相をfm/Δfm倍して#1の位相差との比較により整数mを判定することができる。
さらに、表1の#1の設定での位相差-2πfmTと#3の設定での位相差-2π(fm+Δf)Tの差から2πΔfが得られる。
ここで、fm=2.5GHz、Δf=500kHz、Δfm=10MHz
とした場合、Δf=500kHzであるからLa=300mまでの絶対距離計測を行うことができる。
このように、光コム距離計では、表1に示す4通りの変調周波数に巡回的に設定して、測定して得られる参照信号と測定信号を用いて絶対距離計測が行われる。
特開2001-343234号公報 特許第5231883号公報 特開2020-12641号公報
ところで、上記特許文献1-3によれば、測定光の干渉信号と基準光の干渉信号の時間差から距離を光学的に非接触で測定することができるが、移動している測定対象物について、その移動速度や加速度を測定することはできなかった。
また、本件発明者等が先に提案している光コム距離計では、上記表1に示す#1~#4の4通りの変調周波数に巡回的に設定し、一つの設定状態を一定時間保持したのち別の設定状態に移り、その設定状態における信号状態が一定の区間で参照信号と測定信号の位相計測を行い、上記#1~#4の各設定状態における参照信号と測定信号の位相を使って絶対距離の計算を実行することにより、静止している測定対象物の測定面までの絶対距離を高精度で、しかも短時間に測距測定を行うことができるのであるが、測定対象物が静止していない場合には、測定誤差が発生することがあった。
本発明の目的は、上述のごとき従来の実情に鑑み、光コム距離計を改良して、移動している測定対象物について、その移動速度や加速度を測定し、測定対象物までの平均距離とともに、移動速度情報や加速度情報を得ることができるようにしたコム距離計測装置及びこの光コム距離計測装置を備える位置決め装置を提供することにある。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明では、光コム干渉計の信号処理アルゴリズムを拡張することによって、移動している測定対象物までの平均距離とともに、移動速度報や加速度を算出する信号処理を行う。
すなわち、本発明は、光コム距離計測装置であって、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる測定光と参照光を出射する光源部と、上記光源部から出射された測定光と参照光を重ね合わせる基準干渉計と、上記測定光を測定対象物に照射して、該測定対象物により反射されて戻ってきた測定光と上記参照光を重ね合わせる測定干渉計と、上記基準干渉計により測定光と参照光を重ね合わせて得られる干渉光を受光する基準光検出器と、上記測定干渉計により上記測定光と参照光を重ね合わせて得られる干渉光を受光する測定光検出器と、上記基準光検出器による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器による干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号との時間差から上記測定対象物までの距離を算出する信号処理部とを備え、上記信号処理部は、変調周波数の各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力することを特徴とする。
本発明に係る光コム距離計測装置において、上記信号処理部は、変調周波数が巡回的に設定される各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得して、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力するものとすることができる。
本発明に係る光コム距離計測装置は、上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、複数単位の上記時系列位相情報における同一設定状態で得られる1単位間の位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出するものとすることができる。
また、本発明に係る光コム距離計測装置は、上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、1単位の上記時系列位相情報における異なる設定状態で得られる複数設定状態間の位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出するものとすることができる。
本発明は、上記何れか1つ光コム距離計測装置により照射される上記測定光の光軸方向に上記測定対象物を移動させる位置制御装置を備える位置決め装置であって、上記位置制御装置は、上記光コム距離計測装置の上記信号処理部から上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられ、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、上記測定光の光軸方向に上記測定対象物を移動させて上記光軸方向における上記測定対象物の位置を決めることを特徴とする。
本発明に係る位置決め装置は、上記光コム距離計測装置から上記参照光が照射され、照射された上記参照光を反射して上記光コム距離計測装置に戻す参照用リフレクタを備え、 上記光コム距離計測装置は、上記参照用リフレクタにより反射されて戻ってくる参照光と、上記測定対象物により反射されて戻ってくる測定光に基づいて、上記信号処理部において、上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、上記測定対象物の移動速度、又は、加速度の少なくとも一方を算出するものとすることができる。
また、本発明に係る位置決め装置は、上記光コム距離計測装置を複数備え、上記複数の光コム距離計測装置は、それぞれ測定光を照射する上記測定対象物を追尾する追尾機能を有し、上記位置制御装置は、上記複数の光コム距離計測装置の各信号処理部から上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられ、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、3次元空間における上記測定対象物の位置を決めるものとすることができる。
本発明に係る光コム距離計測装置では、変調周波数の各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力することができる。
したがって、本発明では、測定対象物に照射する測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力することができるコム距離計測装置を提供することができる。
また、本発明に係る位置決め装置では、上記コム距離計測装置を備えることにより、上記光コム距離計測装置の信号処理部から測定光の光軸方向における測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられる位置制御装置により、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、上記測定光の光軸方向に上記測定対象物を移動させて上記光軸方向における上記測定対象物の位置を決めることができる。
さらに、本発明に係る位置決め装置では、それぞれ測定光を照射する測定対象物を追尾する追尾機能を有する上記コム距離計測装置を複数備え、上記複数の光コム距離計測装置の各信号処理部から測定光の光軸方向における測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられる位置制御装置により、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、上記測定対象物を移動させて、三次元空間における上記測定対象物の位置決めを行うことができる。
図1は、本発明を適用した光コム距離計測装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、上記光コム距離計測装置において、信号処理部により実行される距離算出処理の手順を示すフローチャートである。 図3は、上記光コム距離計測装置における測定光と参照光の変調周波数切り替えの状態遷移を示す状態遷移図である。 図4は、移動ステージに搭載された測定対象物を測定光の光軸方向に往復移動させることにより、上記光コム距離計測装置において得られる距離情報の変化状態と位相情報の変化状態を示す図であり、(A)は距離情報の変化状態を示し、(B)は位相情報の変化状態を示している。 図5は、上記光コム距離計測装置において得られたDN001データ列の先頭、DN029:データ列の先頭から1/4、DN057:データ列の中央付近におけるFm0平均値位相との位相差を示す図である。 図5は、図6に示した位相差の変化から上記測定対象物の移動速度を計算する方法を説明するための図である。 図7は、上記図6において、加速度=20mm/s・速度=20mm/sで300mmの距離を4往復させ、光学距離に換算して加速度80mm/s、速度80mm/sで移動距離1.2mを往復している場合に、上記第3区間T3の測定回数3995において得られる位相差の時系列データは、測定対象物が定速移動中であることを示す図である。 図8は、上記図6において、加速度=20mm/s・速度=50mm/sで300mの距離を4往復させ、光学距離に換算して加速度80mm/s、速度200mm/sで移動距離1.2mを往復している場合に、上記第4区間T4の測定回数9330において得られる位相差の時系列データは、測定対象物が加速中であることを示す図である。 図9は、図6に示した位相差の変化から上記測定対象物の移動速度を計算する他の方法を説明するための図である。 図10は、上記光コム距離計測装置が組み込まれた位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 図11は、上記光コム距離計測装置が組み込まれた位置決め装置の他の構成例を示すブロック図である。 図12は、上記光コム距離計測装置が組み込まれた三次元位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 図13は、上記三次元位置決め装置における光コム距離計測装置に搭載される追尾機構の構成例を示すブロック図である。 図14は、上記追尾機構にビーム位置検出器として備えられる4分割フォトダイオードの構成を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
図1は、本発明を適用した光コム距離計測装置100の構成例を示すブロック図である。
この光コム距離計測装置100は、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる測定光S1と参照光S2を出射する光源部10と、上記光源部10から出射された測定光S1と参照光S2が入射される干渉光学系20と、上記干渉光学系20において測定光S1と参照光S2を重ね合わせることにより得られる干渉光を受光する基準光検出器31と、上記干渉光学系20において測定対象物1に照射した測定光S1が該測定対象物1により反射されて戻ってきた測定光S1’と上記参照光S2を重ね合わせることにより得られる干渉光を受光する測定光検出器32と、上記基準光検出器31による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器32による干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号との時間差から上記測定対象物1までの距離を算出する信号処理部40とを備える。
この光コム距離計測装置100における光コム発生部10は、1つのレーザー光源11と、このレーザー光源11から出射されたレーザー光がビームスプリッタ12により2つのレーザー光に分岐されて、一方のレーザー光が入射される第1の光コム発生器(OFCG1)13と、他方のレーザー光が周波数シフタ14を介して入射される第2の光コム発生器(OFCG1)14からなる。
上記第1の光コム発生器13と第2の光コム発生器15は、異なる周波数fm+Δfmと周波数fmで発振する図示しない互いに位相同期された二個の発振器により駆動され、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる測定光S1と参照光S2を出射する。
ここで、上記周波数シフタ14により所定の光周波数シフトが与えられるレーザー光が上記第2の光コム発生器15に入射されることにより、上記第1の光コム発生器13と第2の光コム発生器15から出射される測定光S1と参照光S2は、キャリア周波数間のビート周波数が直流信号ではなく、上記所定の光周波数の交流信号になる結果、キャリア周波数の高周波側サイドバンドのビート信号と低周波側サイドバンドのビート信号がビート信号のキャリア周波数間のビート周波数を挟んで相対する周波数領域に発生するため位相比較に都合が良い。
上記干渉光学系20は、上記光源部10から出射された測定光S1と参照光S2を重ね合わせる基準干渉計21と、上記測定光S1を測定対象物1に照射して、該測定対象物1により反射されて戻ってきた測定光S1’と上記参照光S2を重ね合わせる測定干渉計22を備える。
上記基準干渉計21は、上記第1の光コム発生器13から出射された測定光S1が入射される第1のビームスプリッタ21Aと、上記第2の光コム発生器15から出射された参照光S2が入射される第2のビームスプリッタ21Bを備え、上記第1のビームスプリッタ21Aにより測定光S1が反射されて上記第2のビームスプリッタ21Bに入射されることにより、上記測定光S1と参照光S2を重ね合わせて得られる干渉光を基準光検出器31に入射させる。
また、上記測定干渉計22は、上記第1の光コム発生器13から出射された測定光S1が上記基準干渉計21の第1のビームスプリッタ21Aを通過して入射される第1のビームスプリッタ22Aと、上記第2の光コム発生器15から出射された参照光S2が上記基準干渉計21の第2のビームスプリッタ21Bを通過して入射される第2のビームスプリッタ22Bを備え、上記第1のビームスプリッタ22Aを通過した測定光S1を測定対象物1に照射し、上記測定対象物1により反射されて戻ってきた測定光S1’が上記第1のビームスプリッタ22Aにより反射されて上記第2のビームスプリッタ22Bに入射されることにより、上記測定光S1’と参照光S2を重ね合わせて得られる干渉光を測定光検出器32に入射させる。
上記基準光検出器31は、上記基準干渉計21を介して入射される上記測定光S1と参照光S2を重ね合わせた干渉光を受光することにより、上記干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号を上記信号処理部40に供給する。
また、上記測定光検出器32は、上記測定干渉計22を介して入射される上記測定光S1’と参照光S2を重ね合わせた干渉光を受光することにより、上記干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号を上記信号処理部40に供給する。
上記信号処理部40は、上記基準光検出器31による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器32による干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号について、図2のフローチャートに示す手順に従って、移動している測定対象物1までの平均距離とともに、移動速度や加速度を算出する信号処理を行う。
ここで、この光コム距離計測装置100は、本件発明者等が先に提案している光コム距離計において、上記表1に示す#1~#4の4通りの変調周波数に巡回的に設定し、一つの設定状態を一定時間保持したのち別の設定状態に移り、その設定状態における信号状態が一定の区間で参照信号と測定信号の位相計測を行い、上記#1~#4の各設定状態における参照信号と測定信号の位相を使って絶対距離の計算を実行することにより、静止している測定対象物の測定面までの絶対距離を高精度で、しかも短時間に測距測定を行うようにした光コム干渉計の信号処理アルゴリズムを拡張することによって、移動している測定対象物までの平均距離とともに、移動速度や加速度を算出する信号処理を上記信号処理部40にて行うようにしたものである。
なお、光コム距離計測装置100は、測定対象物が静止していなくてもゆっくりとした移動速度ならば、測定はでき、例えば200mm/sで対象物が移動中でも測定時間の平均的な距離を算出することができる。
この光コム距離計測装置100では、先に提案している光コム距離計と同様に、変調周波数の切り替えを行い、周波数と位相の組み合わせデータを取得して、距離を計算する。切替中の時系列位相データを利用して速度、加速度を計算する。時間と位相変化量が求められれば速度を求めることができ、位相変化量の変化量と時間が求められれば加速度を求めることができる。位相と距離の変換は位相2πあたり半波長(λ/2=c/f/2)の変換係数の乗除により行う。
すなわち、上記信号処理部40は、上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、最初の入力処理工程ST1において、上記基準光検出器31による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器32による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号から、上記参照光S2による基準信号波形データと、上記測定対象物1により反射されて戻ってきた測定光S1’による測定信号波形データと、上記第1の光コム発生器13と第2の光コム発生器15におけるレーザー光の変調周波数Fmデータを1単位以上取り込む。
次の位相計算処理工程ST2では、上記入力処理工程ST1において取り込まれた1単位以上のデータ(基準信号波形データ、測定信号波形データ、変調周波数Fmデータ)を用いて、時間を光コム発生器駆動信号の位相遅れとして求め、周波数切り替え信号(Fm値)と対応する時系列データとして保持する。
次の選別処理工程ST3では、上記位相計算処理工程ST2において求められた参照波形に対する信号波形の遅れを示す位相の時系列データを、不良波形と判断されたデータは除外して、切り替え信号(Fm値)に応じて選別する。
この選別処理工程ST3において選別された位相データは、次の速度、加速度計算処理工程ST4において 速度、加速度を求めるため時刻情報(相対時間情報)を保持している必要がある。
次の速度、加速度計算処理工程ST4では、時刻情報(相対時間情報)と位相値、Fm値に対応する周波数・波長から上記測定対象物1の速度や加速度を計算する。
また、次の距離計算処理工程ST5では、4通りのFm値に対応する周波数と位相の組み合わせから次数を判定して、上記測定光S1の光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離離を計算する。
そして、データ出力工程ST6では、上記速度、加速度計算処理工程ST4において算出した速度や加速度と上記距離計算処理工程ST5において算出した上記測定対象物1までの平均距離離を時刻情報とともに出力する。
なお、一つの時刻情報と距離、速度、加速度情報を含む構造体として出力することもでき、また、距離、速度、加速度情報をそれぞれ時刻情報と組み合わせて出力することも可能である。
この光コム距離計測装置100では、上記表1に示す#1~#4の4通りの変調周波数(FM0,FM1,FM2,FM3)に巡回的に設定し、変調周波数(FM0,FM1,FM2,FM3)の状態を巡回させている。
第1の光コム発生器(OFCG1)13と第2の光コム発生器(OFCG1)15の変調周波数を上記表1に示す#1~#4の4通りの変調周波数(FM0,FM1,FM2,FM3)を巡回させている。
各設定状態#1~#4の4通りの変調周波数(FM0,FM1,FM2,FM3)は、次の表2に一例を示すように、第1の光コム発生器(OFCG1)13の変調周波数すなわち駆動周波数COMB1と第2の光コム発生器(OFCG1)15の変調周波数すなわち駆動周波数COMB2の間には干渉検出の為、周波数差500kHzが与えられる。COMB1の周波数も10MHz、500kHzの周波数シフトが与えられる。この表2に示す周波数は、上記表1のΔf=500kHz、Δfm=10MHzの場合に対応している。
Figure 2024070314000003
この光コム距離計測装置100では、図3に状態切替の一例を示すように、一つの状態を一定時間保持したのち別の状態に移り、状態が一定の区間でその状態の信号位相計測を行い、上記信号処理部40において、上記#1~#4の設定状態の位相を使って絶対距離の計算を実行する。具体的には、FM0⇒FM2⇒FM1⇒FM3⇒FM3⇒FM1⇒FM2⇒FM0と切り替えて取得される位相データをもとに距離計算を実行する。
1区間あたり2μsの8区間ごとに切り替えが実施される場合、64区間(8区間×8状態)が距離計算の1単位となっている。
ここでは、8単位(=512区間)のデータを利用して距離を求めることにより、1.024ms周期の距離測定を行う。
上記信号処理部40は、上記測定光S1と参照光S2の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、複数単位の上記時系列位相情報における同一設定状態で得られる1単位間の位相変化量から上記測定対象物1の移動速度を算出、及び又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出する。
以下、FM0の位相データを基にした速度、加速度計算について説明する。なお、FM1~3の位相データについても同様な計算が可能である。
図4は、移動ステージに搭載された測定対象物1を光コム距離計測装置100から照射される測定光S1の光軸方向に4往復させることにより、上記光コム距離計測装置100において得られる距離情報の変化状態と位相情報の変化状態を示す図であり、(A)は距離情報の変化状態を示し、(B)は位相情報の変化状態を示している。測定対象物1はリトロリフレクタであり、干渉計ヘッドと測定対象物1の間を光路が4往復するように光軸が配されている。したがって光学距離変化量は移動ステージ上の測定対象物1移動量の4倍である。
図4の(A),(B)の横軸は測定回数を示し、(A)の縦軸は距離、(B)の縦軸はFm0平均値位相とデータ列最初のFM0位相値の差分(θFM0@先頭-θFM0_平均)を示している。
また、図4において、第1区間T1は、測定対象物1を加速度=20mm/s・速度=20mm/sで10mmの距離を往復させた1回目の往復区間であり、第2区間T2は、測定対象物1を加速度=20mm/s・速度=50mm/sで10mmの距離を往復させた2回目の往復区間であり、第3区間T3は、測定対象物1を加速度=20mm/s・速度=20mm/sで300mの距離を往復させた3回目の往復区間であり、第4区間T4は、測定対象物1を加速度=20mm/s・速度=50mm/sで300mの距離を往復させた4回目の往復区間である。
図5は、DN001データ列の先頭、DN029:データ列の先頭から1/4、DN057:データ列の中央付近におけるFm0平均値位相との位相差を示す図である。なお、DN029、DN057は、FM信号によって無効データの削除が行われているため厳密な1/4、中央ではない。
この図5に示すように、FM0位相平均はデータ列中央付近の位相値とほぼ一致している。定速で測定対象物1が移動中はデータ中央までの時間に比例して平均値からの位相ずれが発生している
そして、2us周期の512位相データを距離計算に使う場合、先頭のデータは2us×256=512usだけ平均時刻より過去のデータであり、先頭のデータが平均位相より0.043rad位相が進んでいたと仮定すると速度は以下の計算で求めることができる。
すなわち、
0.043[rad]×6.0[mm]/2π[rad]/512us≒80.2mm/s
となり、光学距離に換算した測定対象物1の移動速度にほぼ一致している。
6.0[mm]のところは測定光S1の設定周波数(FM0の場合25GHz)の半波長を使うので、
λ/2=299792458[m/sec]/25e9[Hz]/2.0
である。また、512usは先頭から中央までの時間である。
なお、FM0以外のデータを使う場合も同様に計算できる。
また、加速度は、前半と後半の位相変化量の変化から計算することができ、角加速度(ΔθA2/ΔT-ΔθA1/ΔT)/ΔT [rad/sec]に変換係数c/fm/2/2πをかければ加速度[m/sec]になる。
例えば、図6に示す加速度=20mm/s・速度=20mm/sで300mの距離を4往復させ、光学距離に換算して加速度80mm/s、速度80mm/sで移動距離1.2mを往復している場合に、上記第3区間T3の測定回数3995において得られる位相差の時系列データは、測定対象物1が定速移動中であり、図7に示すように、異なる時刻において得られる所定時間ΔTでの位相差ΔθA1、位相差ΔθA2は等しいが、加速度=20mm/s・速度=50mm/sで300mmの距離を4往復させ、光学距離に換算して加速度80mm/s、速度200mm/sで移動距離1.2mを往復している場合に、上記第4区間T4の測定回数9330において得られる位相差の時系列データは、測定対象物1が加速中であり、図8に示すように、異なる時刻において得られる所定時間ΔTでの位相差ΔθB1、位相差ΔθB2は等しいないので、その差分から加速度を求めることができる。
なお、光コム距離計測装置100において信号処理部40に取り込まれるデータにはばらつきがあるため、距離計算1単位のデータだけでは加速度の算出が難しい場合がある。信号処理部40は、図9に示すように、距離計算複数単位の速度変化の傾きから加速度を求めるようにすることもできる。
上記光コム距離計測装置100において、上記信号処理部40は、変調周波数が巡回的に設定される各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物1の移動速度を算出するとともに、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離情報とともに上記測定対象物1の移動速度情報及び加速情報を出力するものであるが、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物1に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物1の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力するものであっても良い。
また、上記信号処理部40は、上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、複数単位の上記時系列位相情報における同一設定状態で得られる1単位間の位相変化量から上記測定対象物1の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出するものであるが、移動している測定対象物1に対し、1単位の上記時系列位相情報における異なる設定状態で得られる距離情報は、移動速度や加速度に応じて変化するので、複数設定状態間の位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出することもできる。
なお、上記光コム距離計測装置100において、上記信号処理部40は、変調周波数が巡回的に設定される各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得して、上記測定対象物1に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力するもので、変調周波数が巡回的に設定される各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得することにより、半波長相当の多義性距離(L=c/2fm c:光速)を超える距離を算出することができるが、測定距離が変調周波数fmの半波長以内である場合には、変調周波数が巡回的に設定されなくても、参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力するものとすることができる。
測定対象物1に照射する測定光の光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離情報とともに上記測定対象物1の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力する機能を有する上記光コム距離計測装置100は、上記測定対象物1の位置決め装置に適用することができる。
上記光コム距離計測装置100が組み込まれた位置決め装置では、速度情報がリアルタイムに得られるため、位置制御装置により測定対象物1を目標の座標に向けて加速、減速する際に最適な加速力が得られる。その場合、距離計単体でも前後のデータとその時間から後処理で速度を計算することもできるが、距離の1データに速度、加速度情報が含まれれば後処理が不要となり、高速なフィードバック制御に対応できる。
図10は、上記光コム距離計測装置100が組み込まれた位置決め装置200の構成例を示すブロック図である。
この位置決め装置200は、上記光コム距離計測装置100により照射される測定光の光軸方向に位置決め対象すなわち測定対象物1を移動させる位置制御装置60を備える。
上記光コム距離計測装置100は、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる測定光S1と参照光S2を出射する光源部10と、上記測定光S1と参照光S2が入射される干渉計20と、この干渉計20を介して上記測定光S1が入射される干渉計ヘッド50と、上記干渉計20により得られる干渉光が入射される信号処理ユニット40Uを備える。
上記干渉計20は、上記光源部10から出射された測定光S1と参照光S2を重ね合わせて干渉光を得る基準干渉計と、上記測定光S1を上記干渉計ヘッド50を介して測定対象物1に照射して、該測定対象物1により反射されて戻ってきた測定光S1’と上記参照光S2を重ね合わせて干渉光を得る測定干渉計を備え、上記基準干渉計により得られる干渉光と上記測定干渉計により得られる干渉光を上記信号処理ユニット40Uに入射するようになっている。
なお、干渉計ヘッド50は干渉計20の一部として一体となっていてもよい。また、この位置決め装置200における位置決め対象すなわち測定対象物1には、測定光S1を確実に反射するリフレクタ1Aが設けられているが、位置決め対象すなわち測定対象物1の反射率が十分高い場合はリフレクタ1Aを省くことも可能である。
上記信号処理ユニット40Uは、上記干渉計20において上記基準干渉計により得られる測定光S1と参照光S2の干渉光を受光する基準光検出器と、上記測定干渉計により得られる測定光S1’と参照光S2の干渉光を受光する測定光検出器と、基準光検出器による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と、上記測定干渉計により上記測定光S1’と参照光S2を重ね合わせて得られる干渉光を受光する測定光検出器と、上記基準光検出器による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器2による干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号との時間差から上記測定対象物1までの距離を算出する信号処理部とを備える。
そして、上記信号処理ユニット40Uは、この位置決め装置200における位置決め対象すなわち測定対象物1について、上記信号処理部により、測定光S1の光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離情報とともに上記測定対象物1の移動速度情報及び加速情報をリアルタイムに生成して位置制御装置60に与える。
上記位置制御装置60は、上記信号処理ユニット40Uの上記信号処理部によりリアルタイムに与えられる上記平均距離情報と上記移動速度情報及び加速情報に基づいて、上記測定光S1の光軸方向に上記測定対象物1を移動させて上記光軸方向S1における上記測定対象物1の位置を決める。
このように上記光コム距離計測装置100が組み込まれた位置決め装置200では、上記平均距離情報と上記移動速度情報及び加速情報がリアルタイムに得られるため、位置制御装置60により測定対象物1を目標の座標に向けて加速、減速する際に最適な加速力が得られ、上記測定光S1の光軸方向に上記測定対象物1を迅速に移動させて上記光軸方向S1における上記測定対象物1の位置を決めることができる。
なお、ここでは、上記信号処理ユニット40Uの上記信号処理部により、上記位置制御装置60に上記平均距離情報と上記移動速度情報及び加速情報が与えられるものとしたが、上記位置制御装置60は、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられれば、上記測定光S1の光軸方向に上記測定対象物1を移動させて上記光軸方向S1における上記測定対象物1の位置を決めることができる。
また、上記光コム距離計測装置100が組み込まれた位置決め装置は、図11のブロック図に示す位置決め装置200Aのように、上記光コム距離計測装置100から上記参照光S2が照射され、照射された上記参照光S2を反射して上記光コム距離計測装置100に戻す参照用リフレクタ70を備えるものとすることができる。
この位置決め装置200Aは、上記位置決め装置200に参照用リフレクタ70を設けたもので、上記参照用リフレクタ70以外の構成要素は、上記位置決め装置200と同じなので、同一構成要素には同一符号を図中に付して、その詳細な説明を省略する。
この位置決め装置200Aにおいて、上記光コム距離計測装置100は、上記参照用リフレクタ70により反射されて戻ってくる参照光S2’と、上記測定対象物により反射されて戻ってくる測定光S1’に基づいて、信号処理ユニット40Uにより、上記測定対象物1までの平均距離を算出するとともに、上記測定対象物1の移動速度、又は、加速度の少なくとも一方を算出する。
この位置決め装置200Aでは、上記光コム距離計測装置100は、上記参照用リフレクタ70により反射されて戻ってくる参照光S2’が通過する光路長と上記測定対象物により反射されて戻ってくる測定光S1’が通過する光路長との差分から距離情報として高精度に検出することができる。
また、上記位置決め装置200,200Aに備えられる光コム距離計測装置100は、測定光S1を照射する測定対象物1を追尾する追尾機能を有するもの例えば、図12に示す位置決め装置300のように、測定光を照射する上記測定対象物1を追尾する追尾機能を有する複数の光コム距離計測装置100A,100B,100Cを備え、上記複数の光コム距離計測装置100A,100B,100Cの各信号処理ユニット40UA,40UB,40UCから各測定光S1A,S1B,S1Cの光軸方向における上記測定対象物1までの平均距離情報とともに上記測定対象物1の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられる三次元位置制御装置360により、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、3次元空間における上記測定対象物1の座標位置を決める三次元位置決め装置を構築することができる。
この位置決め装置300は、例えば多関節ロボットアームにより、 三次元空間における上記測定対象物1の位置を制御する三次元位置制御装置360を備え、三次元空間において、上記測定対象物1を複数の光コム距離計測装置100A,100B,100Cにより追尾しながら、各測定光S1A,S1B,S1Cの光軸方向における上記測定対象物1までの距離をリアルタイムで測定して平均距離情報とともに得られる移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、三次元位置制御装置360により三次元空間における上記測定対象物1の座標位置を決める制御を行う。
上記光コム距離計測装置100A,100B,100Cに搭載される追尾機能は、例えば、図13に示すような構成の追尾機構310により実現される。
すなわち、上記光コム距離計測装置100A,100B,100Cは、例えば、図12に示すような構成の追尾機構310により実現される追尾機能が搭載された干渉計ヘッド50A,50B,50Cを備える。
この追尾機構310は、追尾対象すなわち測定対象物1に照射した測定光S1が該測定対象物1により反射されて戻ってくる反射光S1’の一部が半透鏡311を介して入射されるビーム位置検出器312を備え、上記ビーム位置検出器312により上記反射光S1’のビームスポットBSの位置に応じたビーム位置検出信号を得て、該ビーム位置検出器312により検出される上記反射光S1’のビームスポットBSの位置が一定になるように、上記ビーム位置検出信号により角度調整機構320を制御することにより、上記測定対象物1を追尾して光コム距離計測装置100の干渉計ヘッド50から出射された測定光S1を上記測定対象物1に照射するようになっている。
上記ビーム位置検出器312は、例えば図14に示すように、4分割フォトダイオードからなり、4分割フォトダイオードの各素子312A、312B、312C、312Dの出力電流A,B,C,Dをトランスインピーダンスアンプ等で検出した各信号が同じ光入力に対して同じ出力値となるように校正されているものとする。
このビーム位置検出器312では、上記4分割フォトダイオードによる検出出力信号として、
Δx=(A+C)-(B+D)
Δy=(A+B)-(C+D)
上記反射光S1’のビームスポットBSの位置に応じたビーム位置検出信号(Δx,Δy)が得られる。
上記ビーム位置検出器312は、4分割フォトダイオード以外にもCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーなどのカメラ用の固体撮像素子を使ってビームの位置を検出することができる。
そして、この追尾機構310では、上記ビーム位置検出器312により得られる上記反射光S1’のビームスポットBSの位置に依存したビーム位置検出信号(Δx,Δy)に基づいて、角度調整機構320のビーム操作ミラー321を回転させる駆動部313を制御することにより、 測定光S1の仰俯角と方位角を制御して、上記追尾対象である測定対象物1を追尾して上記光コム距離計測装置100の干渉計ヘッド50から出射された測定光S1を上記測定対象物1に照射する。
上記追尾機構310により実現される追尾機能が搭載された干渉計ヘッド50A,50B,50Cを備える上記光コム距離計測装置100A,100B,100Cでは、上記追尾対象である測定対象物1を追尾しながら、測定光S1(S1A,S1B,S1C)を上記測定対象物1に照射して、三次元空間における上記測定対象物1の移動軌跡を示す座礁測定を行うことができ、上記測定光S1(S1A,S1B,S1C)の光軸方向における上記測定対象物1までの距離をリアルタイムで測定して平均距離情報とともに得られる移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を上記三次元位置制御装置360に与えることができる。
したがって、この位置決め装置300は、三次元空間において、上記測定対象物1を複数の光コム距離計測装置100A,100B,100Cにより追尾しながら、各測定光S1A,S1B,S1Cの光軸方向における上記測定対象物1までの距離をリアルタイムで測定して平均距離情報とともに得られる移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、三次元位置制御装置360により三次元空間における上記測定対象物1の座標位置を迅速に決める制御を行うことができる。
1 光源部、1A リフレクタ、11 レーザー光源、12 ビームスプリッタ、13,15 光コム発生器、14 周波数シフタ、22 基準干渉計、20 干渉光学系、2 基準干渉計、21A,21B, 22A,22B ビームスプリッタ、22 測定干渉計、31 基準光検出器、32 測定光検出器、40 信号処理部、40U,40UA,40UB、40UC 信号処理ユニット、50 干渉計ヘッド、50A,50B、50C 追尾機能が搭載された干渉計ヘッド、60 位置制御装置、70 参照用リフレクタ、100,100A,100B,100C 光コム距離計測装置、200,200A,300 位置決め装置、310 追尾機構、360 三次元位置制御装置

Claims (7)

  1. それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる測定光と参照光を出射する光源部と、
    上記光源部から出射された測定光と参照光を重ね合わせる基準干渉計と、
    上記測定光を測定対象物に照射して、該測定対象物により反射されて戻ってきた測定光と上記参照光を重ね合わせる測定干渉計と、
    上記基準干渉計により測定光と参照光を重ね合わせて得られる干渉光を受光する基準光検出器と、
    上記測定干渉計により上記測定光と参照光を重ね合わせて得られる干渉光を受光する測定光検出器と、
    上記基準光検出器による干渉光の検出出力として得られる基準干渉信号と上記測定光検出器による干渉光の検出出力として得られる測定干渉信号との時間差から上記測定対象物までの距離を算出する信号処理部とを備え、
    上記信号処理部は、変調周波数の各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得し、取得した時系列位相情報から時刻情報とその時刻における位相値を求め、単位測定区間内で得られる各位相値に基づいて上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、単位時間当たりの位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記単位時間当たりの位相変化量の変化量から加速度を算出し、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力することを特徴とする光コム距離計測装置。
  2. 上記信号処理部は、変調周波数が巡回的に設定される各設定状態における参照信号と測定信号の各位相を時系列に取得して、上記測定対象物に照射する上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方を出力することを特徴とする請求項1記載の光コム距離計測装置。
  3. 上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、複数単位の上記時系列位相情報における同一設定状態で得られる1単位間の位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出することを特徴とする請求項2記載の光コム距離計測装置。
  4. 上記測定光と参照光の変調周波数が巡回的に設定される各設定状態の1巡回期間を距離計算の1単位とし、1単位の上記時系列位相情報における異なる設定状態で得られる複数設定状態間の位相変化量から上記測定対象物の移動速度を算出、又は、上記位相変化量の変化量から加速度を算出することを特徴とする請求項2記載の光コム距離計測装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の光コム距離計測装置により照射される上記測定光の光軸方向に上記測定対象物を移動させる位置制御装置を備える位置決め装置であって、
    上記位置制御装置は、上記光コム距離計測装置の上記信号処理部から上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられ、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、上記測定光の光軸方向に上記測定対象物を移動させて上記光軸方向における上記測定対象物の位置を決めることを特徴とする位置決め装置。
  6. 上記光コム距離計測装置から上記参照光が照射され、照射された上記参照光を反射して上記光コム距離計測装置に戻す参照用リフレクタを備え、
    上記光コム距離計測装置は、上記参照用リフレクタにより反射されて戻ってくる参照光と、上記測定対象物により反射されて戻ってくる測定光に基づいて、上記信号処理部において、上記測定対象物までの平均距離を算出するとともに、上記測定対象物の移動速度、又は、加速度の少なくとも一方を算出することを特徴とする請求項5記載の位置決め装置。
  7. 上記光コム距離計測装置を複数備え、
    上記複数の光コム距離計測装置は、それぞれ測定光を照射する上記測定対象物を追尾する追尾機能を有し、
    上記位置制御装置は、上記複数の光コム距離計測装置の各信号処理部から上記測定光の光軸方向における上記測定対象物までの平均距離情報とともに上記測定対象物の移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方が与えられ、上記平均距離情報と上記移動速度情報又は加速情報の少なくとも一方に基づいて、3次元空間における上記測定対象物の位置を決めることを特徴とする請求項5記載の位置決め装置。
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