JP2024067526A - 制御情報生成装置、制御情報生成方法、プログラム、並びに溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

制御情報生成装置、制御情報生成方法、プログラム、並びに溶接装置及び溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビード形成のパスが折れ角を有して交差する折れ角部位を有する場合でも、折れ角の内側に生じる隙間によって未溶着部分が生じることを抑制できる積層造形の制御情報生成装置、制御情報生成方法、プログラム、並びに溶接装置及び溶接方法を提供する。【解決手段】制御情報生成装置200は、造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する狙い位置情報取得部31と、複数の狙い位置から造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した折れ角部位の折れ角を求める折れ角算出部33と、折れ角部位の造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の狙い位置同士の間隔を修正する狙い位置間隔修正部35と、折れ角部位の折れ角が小さいほど狙い位置同士の間隔を大きくするように造形経路を修正する造形経路修正部37と、修正した造形経路の情報を含む制御情報を生成する制御情報生成部39と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、制御情報生成装置、制御情報生成方法、プログラム、並びに溶接装置及び溶接方法に関する。
近年になって、生産手段として3Dプリンタを用いた造形のニーズが高まっており、金属材料を用いた造形の実用化に向けて研究開発が進められている。金属材料を造形する3Dプリンタは、レーザーや電子ビーム、更にはアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させることで造形物を製造する。
このような造形技術として、特許文献1には、溶融した加工材料を積層させて3次元形状を造形する積層造形装置が開示されている。積層造形装置は、制御情報の示す造形経路(「パス」ともいう)に沿って加工位置を移動させながら、加工材料を溶融させて加工対象面にビードを並べることで層形状を造形し、この層形状を積層して所望の3次元形状を造形する。そして、造形の際に、ビード形成のパスとビード断面の基準幅とに基づいてビード幅の修正幅を求め、この修正幅に基づいて修正した修正パスに沿ってビードを形成することで、ビードの重なりによる造形品質の低下を抑制している。
特許第6647480号公報
ところで、上記した積層造形による三次元形状の造形では、図16Aに示すように、ビードのパスPS_1とパスPS_2、及びパスPS_3とパスPS_4に折れ曲がった角部となる折れ角部位が存在することがある。その場合、折れ角部位の内側領域では外側のパス(PS_1,PS2)と内側の充填パス(PS_3,PS_4)との間に隙間SPが生じ、未溶着部が発生しやすくなる。これは、形成されるビードBの外縁がパスの角部の外側では丸みを持つ一方で、内側では尖った角を形成することに起因する。隙間SPは、図16Bに示すように、パスPS1とパスPS2とが交差する折れ角、パスPS3とパスPS4とが交差する折れ角が小さいほど顕著に生じる。
このような隙間SPの発生を避けるためには、ビード形成のパスを単純に延長して隙間SPを充填することが考えられる。しかし、その充填は狭隘部にビードBを充填することになるため、溶接条件を適切に調整しないと溶着量が過多になりやすい。その結果、図17に示すように、折れ角部位におけるビード高さHが他の部位のビード高さHに比べて高くなりやすい等の問題を生じてしまう。
そこで本発明は、ビード形成のパスが折れ角を有して交差する折れ角部位を有する場合でも、折れ角の内側に生じる隙間によって未溶着部分が生じることを抑制できる積層造形の制御情報生成装置、制御情報生成方法、プログラム、並びに溶接装置及び溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の構成からなる。
(1) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成装置であって、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する狙い位置情報取得部と、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める折れ角算出部と、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する狙い位置間隔修正部と、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する造形経路修正部と、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する制御情報生成部と、
を備える制御情報生成装置。
(2) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法であって、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得し、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求め、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正し、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正し、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する、
制御情報生成方法。
(3) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法の手順を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する手順と、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める手順と、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する手順と、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する手順と、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する手順と、
を実行させるプログラム。
(4) (1)に記載の制御情報生成装置と、
前記制御情報生成装置により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う前記積層造形装置と、
を備える溶接装置。
(5) (2)に記載の制御情報生成方法により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う溶接方法。
本発明によれば、ビード形成のパスが折れ角を有して交差する折れ角部位を有する場合でも、折れ角の内側に生じる隙間によって未溶着部分が生じることを抑制できる。
図1は、積層造形装置の全体構成図である。 図2は、制御情報生成装置の機能ブロック図である。 図3は、制御情報の生成手順を示すフローチャートである。 図4は、折れ角部位を抽出する基本手順を説明するためのパスの模式図である。 図5は、折れ角部位を抽出する他の手順を説明するためのパスの模式図である。 図6は、狙い位置に対する折れ角の分布を模式的に示すグラフである。 図7は、狙い位置に対する折れ角の他の分布を模式的に示すグラフである。 図8Aは、パス同士の間隔を均等化する手順を段階的に示す説明図である。 図8Bは、パス同士の間隔を均等化する手順を段階的に示す説明図である。 図8Cは、パス同士の間隔を均等化する手順を段階的に示す説明図である。 図8Dは、パス同士の間隔を均等化する手順を段階的に示す説明図である。 図9Aは、互いに隣り合うパスが均等に配置されるまでの様子を段階的に示す模式的な説明図である 図9Bは、互いに隣り合うパスが均等に配置されるまでの様子を段階的に示す模式的な説明図である 図9Cは、互いに隣り合うパスが均等に配置されるまでの様子を段階的に示す模式的な説明図である 図10は、パスの移動距離の時間変化を模式的に示すグラフである。 図11は、数式モデルを各パスに適用した場合の模式的な説明図である。 図12は、図4、図5に示す折れ角部位のパス及びその内側のパスの各狙い位置同士の間に反発力を付与した様子を示す説明図である。 図13は、パスの位置を変更した結果を示す説明図である。 図14Aは、四角形の内側をビードで埋める際の造形計画によるパスを示す説明図である。 図14Bは、図14Aのパスを最適化した結果を示す説明図である。 図15Aは、円孔を有する四角形の内側をビードで埋める際の造形計画によるパスを示す説明図である。 図15Bは、図15Aのパスを最適化した結果を示す説明図である。 図16Aは、従来の折れ角部位を示す説明図である。 図16Bは、従来の折れ角部位を示す説明図である。 図17は、従来の折れ角部位におけるビード高さを示す説明図である。
以下、本発明の構成例について、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形に、本発明の制御情報生成装置を適用する例を説明する。また、本発明は、隅肉溶接、突き合わせ溶接等の一般的な溶接の制御についても適用が可能である。
制御情報生成装置は、マニピュレータ、熱源等の溶接設備を備える溶接装置に、溶接構造物を作製するための制御信号を生成する。最初に、溶接装置を構成する積層造形装置の一例について説明する。積層造形装置は、加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することでビードを形成する。このビードを用いて層形状を形成し、層形状を積層することで所望の造形物の三次元形状を造形する。
<積層造形装置>
図1は、積層造形装置100の全体構成図である。積層造形装置100は、造形部11と、造形部11を制御する造形制御部13とを備える。制御情報生成装置200は、造形制御部13に接続されて積層造形装置100の一部を構成してもよく、積層造形装置100とは離隔して設けられ、ネットワーク等の通信又は記憶媒体を介して造形制御部13に接続されてもよい。造形制御部13は、造形部11の各部を統括して制御する。
造形部11は、マニピュレータ17と、溶加材供給部19と、マニピュレータ制御部21と、熱源制御部23とを含んで構成される。マニピュレータ制御部21は、マニピュレータ17と熱源制御部23を制御する。マニピュレータ制御部21には不図示のコントローラが接続されて、マニピュレータ制御部21からの任意の操作がコントローラを介して操作者から指示可能となっている。
マニピュレータ17は、例えば多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ25には、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ25は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。トーチ25の位置及び姿勢は、マニピュレータ17を構成するロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。マニピュレータ17は、6軸以上の自由度を有するものが好ましく、先端の熱源の軸方向を任意に変化させられるものが好ましい。マニピュレータ17は、図1に示す4軸以上の多関節ロボットの他、2軸以上の直交軸に角度調整機構を備えたロボット等、種々の形態でもよい。
トーチ25は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。シールドガスは、大気を遮断し、溶接中の溶融金属の酸化、窒化などを防いで溶接不良を抑制する。本構成で用いるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、造形対象に応じて適宜選定される。ここでは、ガスメタルアーク溶接を例に挙げて説明する。消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ25は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。
溶加材供給部19は、トーチ25に向けて溶加材Mを供給する。溶加材供給部19は、溶加材Mが巻回されたリール19aと、リール19aから溶加材Mを繰り出す繰り出し機構19bとを備える。溶加材Mは、繰り出し機構19bによって必要に応じて正方向又は逆方向に送られながらトーチ25へ送給される。繰り出し機構19bは、溶加材供給部19側に配置されて溶加材Mを押し出すプッシュ式に限らず、ロボットアーム等に配置されるプル式、又はプッシュ-プル式であってもよい。
熱源制御部23は、マニピュレータ17による溶接に要する電力を供給する溶接電源である。熱源制御部23は、溶加材Mを溶融、凝固させるビード形成時に供給する溶接電流及び溶接電圧を調整する。また、熱源制御部23が設定する溶接電流及び溶接電圧等の溶接条件に連動して、溶加材供給部19の溶加材供給速度が調整される。
溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザーとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザーを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザーにより加熱する場合、加熱量を更に細かく制御でき、形成するビードBの状態をより適正に維持して、積層造形物の更なる品質向上に寄与できる。また、溶加材Mの材質についても特に限定するものではなく、例えば、軟鋼、高張力鋼、アルミ、アルミ合金、ニッケル、ニッケル基合金など、造形物Wkの特性に応じて、用いる溶加材Mの種類が異なっていてよい。
上記した構成の積層造形装置100は、造形物Wkの造形計画に基づいて作成された造形プログラムに従って動作する。造形プログラムは、多数の命令コードにより構成され、造形物Wkの形状、材質、入熱量等の諸条件に応じて、適宜なアルゴリズムに基づいて作成される。この造形プログラムに従って、トーチ25を移動させつつ、送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、溶加材Mの溶融凝固体である線状のビードBがベース27上に形成される。つまり、マニピュレータ制御部21は、造形制御部13から提供される所定の造形プログラムに基づいて、マニピュレータ17と熱源制御部23を駆動させる。マニピュレータ17は、マニピュレータ制御部21からの指令により、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ25を移動させてビードBを形成する。
つまり、積層造形装置100は、造形計画により設定された造形経路であるパスに沿って加工位置を移動させながら、溶融した加工材料である溶加材Mを加工対象面に付加してビードBを形成する。そして、層形状に形成したビード層を繰り返し積層することで、目的とする形状の造形物Wkを得る。
造形制御部13には、制御情報生成装置200から出力される制御情報が入力される。この制御情報には上記した造形計画、造形プログラムの情報が含まれる。造形制御部13は、入力された制御情報に応じて、用意された造形プログラムを入れ替え、又は修正し、得られた造形プログラムにより造形部11の各部を駆動して積層造形を実施させる。
上記の制御情報生成装置200は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置を用いたハードウェアにより構成される。制御情報生成装置200の各機能は、不図示の制御部が不図示の記憶装置に記憶された特定の機能を有するプログラムを読み出し、これを実行することで実現される。制御部としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサ、又は専用回路等を例示できる。記憶装置としては、プロセッサに接続される揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)等のメモリのほか、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを例示できる。
また、制御情報生成装置200は、上記した形態のほか、前述したように、ネットワーク等を介して遠隔地から造形制御部13に接続される他のコンピュータにより構成してもよく、造形制御部13には直接接続されないコンピュータにより構成してもよい。
<制御情報の生成>
次に、制御情報生成装置200による制御情報の生成手順について説明する。
図2は、制御情報生成装置200の機能ブロック図である。制御情報生成装置200は、狙い位置情報取得部31、折れ角算出部33、狙い位置間隔修正部35、造形経路修正部37、制御情報生成部39を備える。各部の機能の詳細は後述するが、その概略は次のとおりである。
狙い位置情報取得部31は、造形計画からビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する。折れ角算出部33は、複数の狙い位置から造形経路であるパスの折れ角部位を抽出し、抽出した折れ角部位の折れ角を求める。狙い位置間隔修正部35は、折れ角部位のパスに挟まれる内側領域に配置された複数の狙い位置同士の間隔を修正する。造形経路修正部37は、折れ角部位の折れ角が小さいほど狙い位置同士の間隔を大きくするようにパスを修正する。制御情報生成部39は、修正したパスの情報を含む制御情報を生成する。また、制御情報生成装置200は、複数の狙い位置同士の間に反発力を仮想的に付与して狙い位置の移動量を推定する移動量演算部41を更に備えることが好ましい。
制御情報生成部39が生成する制御情報は、造形制御部13に出力される。造形制御部13は、入力された制御情報に基づき造形計画の切り替え又は変更する。そして、造形制御部13は、更新された造形計画に基づき積層造形装置100を制御して、所望の造形物を積層造形させる。
図3は、制御情報の生成手順を示すフローチャートである。以下、制御情報の生成手順について、図2に示す制御情報生成装置200の各構成要素と共に詳細に説明する。
まず、制御情報生成装置200には、積層造形装置100を駆動して造形物を積層造形するための造形計画の情報が入力される。狙い位置情報取得部31は、入力された造形計画の情報からビード形成のパスを抽出し、これを狙い位置の情報として取得する(S1)。ここでいう狙い位置とは、トーチ25の先端でビード形成する際のトーチ25の先端位置を表す座標を意味し、パスに沿って所定の間隔で設定される複数の点となる。狙い位置の間隔は、設定されるパス毎に一定の間隔であってもよく、パスの曲率に応じて間隔が設定されてもよい。
次に、折れ角算出部33は、狙い位置情報取得部31が抽出したパス(狙い位置)の情報からパスの折れ角部位を抽出し、抽出した折れ角部位の折れ角を算出する(S2)。
図4は、折れ角部位を抽出する基本手順を説明するためのパスの模式図である。ここでは、複数の狙い位置P0,P1,P2,P3,P4が、パスPSに沿ってこの順で設定され、狙い位置P2がパスPSの折れ曲がった折れ角部位となっている。この折れ角部位を自動的に検出する方法は種々考えられる。例えば、複数の狙い位置のいずれか1つ(例えば、狙い位置P1)と、その狙い位置を中心に、パスPSに沿った造形方向先方に配置された先方側狙い位置(狙い位置P2)と、造形方向後方に配置された後方側狙い位置(狙い位置P0)と、の少なくとも3つの狙い位置を結んで形成される角(θ1a,θ1b)を求める。この処理を複数の狙い位置のそれぞれで実施する。そして、得られた角が最小となる位置を折れ角部位に決定する。
つまり、複数の狙い位置のいずれか1つと、そのいずれか1つの狙い位置を中心に、予め定めた半径距離の内側に含まれる他の狙い位置のうち、パスPSに沿った造形方向先方に配置された先方側狙い位置と、造形方向後方に配置された後方側狙い位置と、の少なくとも3つの狙い位置を求める。これら3つの狙い位置を結んで形成される小さい側の角度を、複数の狙い位置の全て、又は特定の領域である一部に対して求める。その結果から折れ角を決定する。
具体的には、上記した狙い位置P1においては、2つの折れ角θ1a,θ1bがいずれも略等しい鈍角であり、折れ角部位といえない。次に、狙い位置P2においては、P1-P2-P3を結んで形成される角は、内側の折れ角θ2a、外側の折れ角θ2bとなり、小さい側の折れ角θ2aを折れ角の値とする。続いて、狙い位置P3においては、P2-P3-P4を結んで形成される折れ角は、狙い位置P1の場合と同様に略等しい鈍角となり、折れ角部位といえない。こうして、全ての狙い位置について折れ角を求め、得られた折れ角のうち最小となる折れ角がθ2aであることから、折れ角部位は狙い位置P2であると判断できる。
図4に示す複数の狙い位置の配置は、折れ角部位を抽出しやすい単純なパターンであるが、実際の積層造形における狙い位置の配置は複雑であり、確実かつ正確に折れ角部位を抽出することが困難な場合が多い。そこで、上記の基本手順を適宜にアレンジして折れ角部位を精度よく抽出することが求められる。
図5は、折れ角部位を抽出する他の手順を説明するためのパスの模式図である。この手順では、図4に示した基本手順における、パスPSに沿って1つ造形方向先方に配置された位置を先方側狙い位置に設定することに代えて、所定の複数個(例えば6つ)造形方向先方に配置された狙い位置を先方側狙い位置に設定している。
つまり、狙い位置P1については、P0-P1-P7を結んで形成される小さい側の折れ角がθとなる。狙い位置P2については、P1-P2-P8を結んで形成される小さい側の折れ角がθとなる。同様に、狙い位置P3~P5について、折れ角θ~角θが設定される。これらの折れ角θ~θのうち、最小となる折れ角はθであるため、狙い位置P5が折れ角部位として抽出される。なお、後方狙い位置についても所定の複数個、造形方向後方に配置された狙い位置を後方側狙い位置に設定してもよい。このように、狙い位置同士を結ぶ線を、複数個の狙い位置を跨いで設定することで、狙い位置の配置の乱れによる影響を抑制でき、折れ角部位の抽出精度を高められる。
図6は、狙い位置P(iは、インデックスを表す整数)に対する折れ角θの分布を模式的に示すグラフである。図6に示すように、求めた折れ角θが複数箇所で極値となるθmin1、θmin2を生じても、そのうちの最小値となるθmin2の狙い位置を折れ角部位として選定すれば、精度よく折れ角部位を特定できる。
しかし、上述の方法では折れ角部位が見逃されることもある。その場合、他の条件で折れ角部位を特定することもできる。
図7は、狙い位置Pに対する折れ角θの他の分布を模式的に示すグラフである。造形計画の狙い位置に欠損や不整合があるとき、折れ角部位とすべき角度が本来の値からはずれる場合がある。その場合、範囲Wを定めてその範囲W内において折れ角θが最小となる狙い位置を探索する。この範囲Wは位置や大きさを変更してよく、変更のたびに最小値を探索することで、全狙い位置Pに対する最小値がθmin2であっても、その影響を受けることなく、θmin1など他の折れ角部位を抽出できる。さらには、折れ角θの分布に対して平滑化処理を施してから最小値を求めてもよく、最小値で判断する以外にも、微分値等に基づく他の基準を用いて折れ角を決定してもよい。
次に、抽出した折れ角部位におけるパスを適正に修正するため、まず、折れ角部位の近傍の狙い位置に仮想的な反発力を付与する(S3)。各狙い位置に仮想的な反発力を付与してパスを調整することに関しては、概略的には次のように説明できる。
複数のパス同士は、過剰に接近させず、且つ均等な間隔を持たせて配置すると、図16A,図16Bに示す折れ角部位においても隙間が生じにくくなり、造形物の品質向上に寄与できる。
図8A~図8Dは、パス同士の間隔を均等化する手順を段階的に示す説明図である。図8Aに示すように、4本のパスPS1,PS2,PS3,PS4が存在したとする。パスPS2とパスPS3との間の距離は、パスPS1とパスPS2との間、及びパスPS3とパスPS4との間の距離よりも狭い。
そこで、図8Bに示すように、4本のパスPS1,PS2,PS3,PS4のそれぞれのパス同士の間に、弾性的に伸縮するばねSp1,Sp2,Sp3を仮想的に設ける。つまり、パスPS1とパスPS2との間にばねSp1を設け、パスPS2とパスPS3との間にばねSp2を設け、パスPS3とパスPS4との間にばねSp3を設ける。各ばねのばね定数は全て同じとする。また、拘束条件として、造形物の形状が変化しないように、外側のパスPS1とパスPS4の位置はそれぞれ固定とする。
すると、図8Cに示すように、間隔の狭いパスPS2とパスPS3との間のばねSp2の弾性反発力によって、パスPS2がパスPS1側に押し返され、パスPS3がパスPS4側に押し返される。これにより、図8Dに示すように、ばねSp1,Sp2,Sp3がそれぞれ力学的に平衡する位置にパスPS2,PS3が移動する。こうして、各パスPS1,PS2,PS3,PS4がそれぞれ均一な間隔を有して配置される。
上記のようにして求めたパスPS1~PS4に沿ってビードを形成すると、ビード同士が局所的に過剰に接近せず、したがって、ビード同士の間に隙間が形成されにくくなる。また、造形される表面の凹凸(狭隘部)の発生が抑制される。
上記したパスの修正手順をより詳細に説明する。
図9A~図9Cは、互いに隣り合うパスが均等に配置されるまでの様子を段階的に示す模式的な説明図である。図9Aには、互いに隣り合う一対のパスPSaとPSbとを示す。各パスPSa,PSbは、トーチの移動目標位置でもある狙い位置P,Q(i,jはインデックス)を結ぶ線で表される。パスPSaの狙い位置Pと、パスPSbの狙い位置Qのそれぞれに、仮想的な反発力を付与する。反発力としては、ここでは、ばねによる弾性復元力を例示するが、これに限らない。例えば、クーロン力、磁力、圧力等の他の力学モデルであってもよい。
反発力の発生源としてばねを用いる場合、ばねSpは、ここでは狙い位置Pと狙い位置Q(i,j=1~7)との間にそれぞれ配置させる。つまり、狙い位置Pと狙い位置Qとの間、狙い位置Pと狙い位置Qとの間、等の互いに隣り合う位置同士の間にそれぞればねを設けることを想定する。ばねSpは、パスPSaとパスPSbとの間の距離、具体的にはパス上の狙い位置Pと狙い位置Qとの間の距離に応じた反発力を発生する。
図9Bに示すように、狙い位置P,Qに反発力が作用すると、パスPSa,PSbは互いに離反するように移動する。この反発力は、パスPSa,PSbの移動に伴ってばねが伸び、力学的に平衡状態に近づくほど減少する。
図10は、パスの移動距離の時間変化を模式的に示すグラフである。パスPSa,PSbは、反発力を受けて移動する。その移動距離は、ある距離Lcに収束する。その結果、図9Cに示すように、パスPSaとPSbとが平衡状態となる位置で移動を停止する。この位置が均等化されたパスの配置位置となる。より詳細には、パスの移動速度を低下させる減衰力によって狙い位置の移動を抑え、平衡状態にする。
上記した反発力の数式モデルとしては、(1)~(3)式を例示できる。パスPSa上の狙い位置をPとし、パスPSb上の狙い位置をQとしたとき、i番目の狙い位置に作用する反発力Fは、(1)~(3)式により求められる。
Figure 2024067526000002

ここで、kは定数、xはパスPSaにおける狙い位置Pの座標、xはパスPSbにおける狙い位置Qの座標である。なお、ここで示す座標は一軸方向の座標であるが、2次元の平面座標又は3次元の空間座標であってもよい。また、Sは反発力Fに影響が及ぶ限界の距離(後述する影響半径)であり、狙い位置同士の間の距離がS以上離れた場合には、その離れた位置からは反発力Fによって何ら影響されないとみなす。すなわち、i番目の狙い位置Pに作用する反発力Fは、距離Sより近い領域の狙い位置Qと狙い位置Pとの間のばねSpからの弾性力の合計となる。
図11は、上記の数式モデルを各パスPS1~PS3に適用した場合の模式的な説明図である。中間のパスPS2の狙い位置Paに作用する反発力Fは、上述した(1)~(3)式に基づいて求められる。すなわち、狙い位置Paと他の狙い位置との距離を2次元で考えると、狙い位置Paを中心とする半径(影響半径)R1の範囲AR1内に存在する、狙い位置Pa以外の狙い位置Pa,Paを抽出し、狙い位置Paと狙い位置Paとの距離、及び狙い位置Paと狙い位置Paとの距離に応じた各反発力が狙い位置Paに生じるものとする。このように、狙い位置Pa,Paにのみ反発力を付与し、反発力の発生範囲を制限するのが好ましい。その場合、解析のための演算をより簡単な系で行える。
また、作用させる反発力Fは、同一パス内の場合と、異なるパス間の場合とで区別してもよい。つまり、同一パス間で生成するばねと、異なるパス間で生成するばねについては影響半径R1,R2をそれぞれ分け、それぞれに個別のばねを生成する。こうすることで、意図しないばね及び反発力の発生を制限できる。また、生成したばねのばね定数についても、同一パス内をk1、異なるパス間をk2として区別できる。なお、折れ角が小さいほど各狙い位置間の反発力を大きくすることが好ましい(ただし、折れ角θの依存は、同一パス内のばね定数k1に限る)。
具体的には、狙い位置Paを中心とする影響半径R2の範囲AR2内に存在する他のパスの狙い位置Pa3,Pa4との距離に応じた反発力が、狙い位置Paに生じることになる。これにより、狙い位置同士の間隔をより適正に調整できる。
図12は、図4、図5に示す折れ角部位のパスPSout及びその内側のパスPSinの各狙い位置同士の間に反発力を付与した様子を示す説明図である。パスPSinの狙い位置Pin_cを例にとると、狙い位置Pin_cから影響半径R1までの範囲AR1内に存在する狙い位置Pin_c以外の狙い位置Pin_1、Pin_2を抽出し、狙い位置Pin_cとPin_1との間、及び狙い位置Pin_cとPin_2との間にそれぞればねを生成する。また、狙い位置Pin_cから影響半径R2までの範囲AR2内に存在するパスPSin以外の狙い位置Pout_1、Pout_2を抽出し、狙い位置Pin_cとPout_1との間、及び狙い位置Pin_cとPout_2との間にそれぞればねを生成する。
この場合も、同一パス内のばねのばね定数はk1、異なるパス間のばねのばね定数はk2(k2≠k1)とする。
さらに、反発力によって生じる狙い位置の移動を収束(移動速度を減衰)させる力を想定してもよい。この力は、パス上の各狙い位置に反発力が作用した際の、狙い位置の移動速度に比例する力である。
Figure 2024067526000003
ここで、ベクトルuは、各狙い位置の速度ベクトル、ベクトルxは各狙い位置の位置ベクトル、tは時間、Δtは時間変化量、ベクトルFは反発力のマトリクス、cは減衰係数である。なお、上記の演算の詳細については、特開2015-230530号公報を適宜参照されたい。
(4)式の減衰係数cの項は、反発力Fによる狙い位置の移動速度を減衰させる項であり、図9CのパスPSa,PSbの移動を停止させる。これにより、時間経過につれて位置の変動量が収束する。この変動量の収束は、例えば狙い位置の移動量が所定の値以下に収まった場合に、移動量の更新を打ち切ることであってもよい。また、移動量の計算は、複数回繰り返し行ってもよい。その場合、密に詰まったパスを解消する修正位置の候補を複数抽出できる。
さらに、折れ角算出部33は、狙い位置情報取得部31が取得した複数の狙い位置に、パス上に配置される他の狙い位置を追加してもよい。その場合、追加した狙い位置の情報によって、折れ角部位を抽出しやすくなることが期待でき、より正確な抽出が可能となる。
また、前述したように、層の輪郭を形成するパスについては位置を固定する。輪郭内に配置されるパスについてのみ位置を移動可能にすることで、輪郭の形状を変化させることなく、輪郭内部でパスを均等に配置できる。
以上のように、複数の狙い位置のうち互いに隣り合う狙い位置同士に付与する反発力を付与することで、狙い位置が反発力の付与前の位置から反発力の付与後に力学的に平衡する位置まで移動する移動量を、複数の狙い位置について解析的に求める(S4)。この処理は、図2に示す狙い移動量演算部41により行われる。
次に、造形経路修正部37は、求めた移動量に応じてパスの位置を修正する(S5)。
図13は、パスの位置を変更した結果を示す説明図である。図12においては、パスPSoutの折れ角部位で、パスPSoutの狙い位置Pout_cと、パスPSinの狙い位置Pin_cとが離れて、比較的広い隙間を生じていた。しかし、上記した反発力の付与によるパスの修正を行うことで、パスPSoutの及びパスPSoutの各狙い位置はそのままとし、パスPSinの狙い位置Pin_cを含む複数の狙い位置を移動させる。これにより、狙い位置Pout_cと狙い位置Pin_cとの隙間が狭くなることで隙間が狭くなり、且つパスPSinの狙い位置同士の間隔が広げられる。パスPSinの狙い位置同士の間隔は、折れ角部位の折れ角が小さいほど大きくする。このようして、造形経路修正部37は、折れ角部位におけるパスを、隙間による欠陥が生じにくくなるように適正化する。適正化したパスによれば、形成されるビードの高さは、折れ角部位と、折れ角部位以外の部位とで略均一となり、段差の発生を抑制できる。
そして、制御情報生成部39は、修正したパスの情報を含む制御情報を生成する。この制御情報が図1に示す造形制御部13に出力されると、造形制御部13は、造形計画を図13に示すパスPSin,PSoutに変更する。これにより、制御情報生成装置200により生成された制御情報が造形制御部13に送られると、造形制御部13が、修正後のパスに沿ってアーク溶接を行うように造形部11を制御するため、欠陥の発生を抑えた高品位な造形物の積層造形が可能となる。
<折れ各充填部のパスの最適化例>
次に、作成した造形計画のパスを、上記した手順により最適化した結果を説明する。
図14Aは、四角形の内側をビードで埋める際の造形計画によるパスを示す説明図であり、図14Bは、図14Aのパスを最適化した結果を示す説明図である。最適化前のパスは、折れ角部位(角部)においてビード同士の間に隙間が生じやすくなる。一方、最適化後のパスは、折れ角部位において周囲のパスとの間の距離が短く変更されており、隙間が生じにくくなる。
図15Aは、円孔を有する四角形の内側をビードで埋める際の造形計画によるパスを示す説明図であり、図15Bは、図15Aのパスを最適化した結果を示す説明図である。この場合も、最適化後のパスは、特に鋭角となった折れ角部位においても周囲のパスとの間の距離が短く変更されており、隙間が生じにくくなる。
このように、折れ角部位を抽出して、折れ角部位近傍のパスを修正する処理を自動的に行うことで、人為的な作業、経験を要せず、効率よく理想に近い造形計画を作成できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせること、及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成装置であって、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する狙い位置情報取得部と、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める折れ角算出部と、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する狙い位置間隔修正部と、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する造形経路修正部と、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する制御情報生成部と、
を備える制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、狙い位置情報取得部が取得した狙い位置の情報から、折れ角算出部が折れ角部位を抽出し、その折れ角の内側領域に配置された狙い位置同士の間隔を、狙い位置間隔修正部により折れ角が小さいほど大きくするように造形経路を修正し、修正後の造形経路を含む制御情報を制御情報生成部が生成する。これにより、折れ角部位を生じる場合でも、ビード間に未溶着となる欠陥が生じにくい造形経路に修正できる。また、この制御情報により、高品位な造形物を積層するように積層造形装置を制御できる。
(2) 前記折れ角算出部は、複数の前記狙い位置のいずれか1つと、当該いずれか1つの狙い位置を中心に、予め定めた半径距離の内側に含まれる他の前記狙い位置のうち、前記造形経路に沿った造形方向先方に配置された先方側狙い位置と、造形方向後方に配置された後方側狙い位置と、の少なくとも3つの狙い位置を結んで形成される小さい側の角度を、複数の前記狙い位置の全て又は一部に対して求めた結果から前記折れ角を決定する、(1)に記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、3つの狙い位置を結んで決定される角から折れ角を決定するため、折れ角部位の先端が欠けていたり、狙い位置の一部が意図しない方向に離れて配置されていたりしても、相応の折れ角を機械的に算出できる。
(3) 求めた前記角度のうち、最小となる角度、又は定められた範囲内において最小となる角度を前記折れ角に決定する、(2)に記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、最小の角度を折れ角に設定することで、折れ角部位を容易に特定できる。
(4) 複数の前記狙い位置同士の間に反発力を仮想的に付与し、付与した前記反発力の力学的な釣り合い位置から前記狙い位置の移動量を推定する移動量演算部を更に備え、
前記造形経路修正部は、推定した前記移動量を前記狙い位置同士の間隔に加算する、(1)から(3)のいずれか1つに記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、狙い位置同士の間に反発力を付与したときに、狙い位置が力学的に平衡する位置まで移動する、という力学的な挙動を利用して、狙い位置同士の間隔を解析的に算出できる。
(5) 前記反発力は、
同一の前記造形経路中の互いに隣接する前記狙い位置同士の間に作用する同一経路内反発力と、
前記造形経路の前記狙い位置と、当該造形経路に隣り合う他の造形経路の前記狙い位置との間に作用する近接経路間反発力と、
を有する(4)に記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、同一経路内で狙い位置同士の間を均等化し、かつ、隣り合う経路間での狙い位置同士の間を均等化することで、各造形経路の折れ角部位の狙い位置を適正な位置に調整できる。
(6) 前記反発力は、いずれかの前記狙い位置と、当該狙い位置を中心として規定の影響半径内に含まれる他の前記狙い位置との間に発生させる、(4)又は(5)に記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、反発力の発生範囲を制限することで、解析のための演算をより簡単な系で行える。
(7) 前記折れ角算出部は、前記狙い位置情報取得部が取得した複数の前記狙い位置に、前記造形経路上に配置される他の狙い位置を追加した情報から、前記折れ角部位を抽出する、(1)から(6)のいずれか1つに記載の制御情報生成装置。
この制御情報生成装置によれば、狙い位置を増加させることで、折れ角をより精度よく求めることができる。
(8) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法であって、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得し、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求め、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正し、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正し、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する、
制御情報生成方法。
この制御情報生成方法によれば、取得した狙い位置の情報から、折れ角部位を抽出し、その折れ角の内側領域に配置された狙い位置同士の間隔を、折れ角が小さいほど大きくするように造形経路を修正し、修正後の造形経路を含む制御情報を生成する。これにより、折れ角部位を生じる場合でも、ビード間に未溶着となる欠陥が生じにくい造形経路に修正できる。また、この制御情報により、高品位な造形物を積層するように積層造形装置を制御できる。
(9) 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法の手順を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する手順と、
複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める手順と、
前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する手順と、
前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する手順と、
修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する手順と、
を実行させるプログラム。
このプログラムによれば、取得した狙い位置の情報から、折れ角部位を抽出し、その折れ角の内側領域に配置された狙い位置同士の間隔を、折れ角が小さいほど大きくするように造形経路を修正し、修正後の造形経路を含む制御情報を生成する。これにより、折れ角部位を生じる場合でも、ビード間に未溶着となる欠陥が生じにくい造形経路に修正できる。また、この制御情報により、高品位な造形物を積層するように積層造形装置を制御できる。
(10) (1)から(7)のいずれか1つに記載の制御情報生成装置と、
前記制御情報生成装置により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う前記積層造形装置と、
を備える溶接装置。
この溶接装置によれば、欠陥の発生を抑えた造形物の積層造形が可能となる。
(11) (8)に記載の制御情報生成方法により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う溶接方法。
この溶接方法によれば、欠陥の発生を抑えた造形物の積層造形が可能となる。
11 造形部
13 造形制御部
17 マニピュレータ
19 溶加材供給部
19a リール
19b 繰り出し機構
21 マニピュレータ制御部
23 熱源制御部
25 トーチ
27 ベース
31 狙い位置情報取得部
33 折れ角算出部
35 狙い位置間隔修正部
37 造形経路修正部
39 制御情報生成部
41 移動量演算部
100 積層造形装置
200 制御情報生成装置
AR1,AR2 範囲
B ビード
F 反発力
M 溶加材
P0,P1,P2,P3,P4,P5,Pa,Pa,Pa,Pa,Pa,Pin_1,Pin_2,Pin_c,Pout_1,Pout_2,out_c,P(i=1~7),Q(j=1~7) 狙い位置
PS,PS1,PS2,PS3,PS4,PSa,PSb,PSin,PSout パス(造形経路)
R1,R2 影響半径
W 範囲
Wk 造形物
θ,θ1a,θ1b,θ2a,θ2b,θ,θ,θ 折れ角

Claims (11)

  1. 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成装置であって、
    前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する狙い位置情報取得部と、
    複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める折れ角算出部と、
    前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する狙い位置間隔修正部と、
    前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する造形経路修正部と、
    修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する制御情報生成部と、
    を備える制御情報生成装置。
  2. 前記折れ角算出部は、複数の前記狙い位置のいずれか1つと、当該いずれか1つの狙い位置を中心に、予め定めた半径距離の内側に含まれる他の前記狙い位置のうち、前記造形経路に沿った造形方向先方に配置された先方側狙い位置と、造形方向後方に配置された後方側狙い位置と、の少なくとも3つの狙い位置を結んで形成される小さい側の角度を、複数の前記狙い位置の全て又は一部に対して求めた結果から前記折れ角を決定する、
    請求項1に記載の制御情報生成装置。
  3. 求めた前記角度のうち、最小となる角度、又は定められた範囲内において最小となる角度を前記折れ角に決定する、
    請求項2に記載の制御情報生成装置。
  4. 複数の前記狙い位置同士の間に反発力を仮想的に付与し、付与した前記反発力の力学的な釣り合い位置から前記狙い位置の移動量を推定する移動量演算部を更に備え、
    前記造形経路修正部は、推定した前記移動量を前記狙い位置同士の間隔に加算する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の制御情報生成装置。
  5. 前記反発力は、
    同一の前記造形経路中の互いに隣接する前記狙い位置同士の間に作用する同一経路内反発力と、
    前記造形経路の前記狙い位置と、当該造形経路に隣り合う他の造形経路の前記狙い位置との間に作用する近接経路間反発力と、
    を有する請求項4に記載の制御情報生成装置。
  6. 前記反発力は、いずれかの前記狙い位置と、当該狙い位置を中心として規定の影響半径内に含まれる他の前記狙い位置との間に発生させる、
    請求項4に記載の制御情報生成装置。
  7. 前記折れ角算出部は、前記狙い位置情報取得部が取得した複数の前記狙い位置に、前記造形経路上に配置される他の狙い位置を追加した情報から、前記折れ角部位を抽出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の制御情報生成装置。
  8. 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法であって、
    前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得し、
    複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求め、
    前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正し、
    前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正し、
    修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する、
    制御情報生成方法。
  9. 加工位置を造形経路に沿って移動させながら溶融した加工材料を加工対象面に付加することで形成されるビードを用いて層形状を形成し、前記層形状を積層して所望の造形物の三次元形状を造形する積層造形装置を制御するための制御情報を生成する制御情報生成方法の手順を実行するプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記造形経路におけるビード形成のための複数の狙い位置の情報を取得する手順と、
    複数の前記狙い位置から前記造形経路の折れ角部位を抽出し、抽出した前記折れ角部位の折れ角を求める手順と、
    前記折れ角部位の前記造形経路に挟まれる内側領域に配置された複数の前記狙い位置同士の間隔を修正する手順と、
    前記折れ角部位の前記折れ角が小さいほど前記狙い位置同士の間隔を大きくするように前記造形経路を修正する手順と、
    修正した前記造形経路の情報を含む前記制御情報を生成する手順と、
    を実行させるプログラム。
  10. 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御情報生成装置と、
    前記制御情報生成装置により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う前記積層造形装置と、
    を備える溶接装置。
  11. 請求項8に記載の制御情報生成方法により生成された制御情報に基づく前記造形経路に沿ってアーク溶接を行う溶接方法。
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