JP2024060734A - セラミックス-金属接合体の製造方法 - Google Patents

セラミックス-金属接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックス基材の表面に、金属の層を細線形状で直接接合する。【解決手段】レーザービームをセラミックス基材表面に掃引させながら照射するとともに、前記セラミックス基材の表面上のレーザービームが照射される領域(以下「照射エリア」という。)に向けて固体金属材料を送給して、送給中の前記金属材料にもレーザービームが照射される状態とし、前記照射エリアに位置するセラミックス基材表面を加熱しながら前記金属材料を溶融させ、溶融した金属材料をセラミックス基材表面に被着させたのち凝固させる、セラミックス-金属接合体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザービームにより溶融させた金属材料をセラミックス基材の表面に直接接合するセラミックス-金属接合体の製造方法に関する。
セラミックス-金属接合体、すなわちセラミックスと金属とが両者の接合部を介して一体化した複合材料は、例えば半導体素子を搭載するための絶縁回路基板などの用途に有用である。一般に絶縁回路基板の製造では、銅系あるいはアルミニウム系の金属シート部材をセラミックス基板の表面に接合した後、その金属シート部材の不要箇所をエッチングにより除去して回路パターンを形成する手法が採用される。この場合、回路パターンを形成する工程ではレジスト膜の形成、エッチング加工およびレジスト膜の除去を伴う手順が必要となり、製造負荷およびコストの上昇が生じている。
セラミックス板の表面に、所定の回路パターンに応じたレイアウトの金属層を直接形成させる手法として「溶湯接合法」が知られている。溶湯接合法は、鋳型内に設置されたセラミックス板の表面で溶融金属を凝固させるものであり、鋳型内の空隙パターンによって、セラミックス板の表面に接合される金属層のレイアウトを設定することができる。しかし、溶湯接合法により細線形状の金属層を形成させることは困難である。また、溶湯接合法はアルミニウム系金属には適用できるが、融点の高い銅系金属に適用することは工業的に容易でない。
銅系の金属をセラミックスの表面に直接接合させる手法として、溶射の技術が知られている。例えば特許文献1には、プラズマバーナーによる熱ガス流中に銅粉末を供給するプラズマ溶射法により、粗面化された酸化アルミニウム板の表面に厚さ75μm(実施例1)あるいは30μm(実施例2)の銅層を形成した例が示されている。特許文献2には、アーク溶射、プラズマ溶射、フレーム溶射などの溶射法により、窒化アルミニウムなどのセラミックス基板の表面にアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレスなどの金属を溶射して、厚さ50μm~1.5mmの導電膜を形成した例(実施例1、6、7)が示されている。しかし、溶射法により細線形状の金属層を形成させることは困難である。
セラミックス板と金属材料とを面接合させる手法として「ろう付け」がある。ろう付けでは、被接合材同士の接合界面にろう材を適用する。代表的なろう材として、銀ペーストやAg-Cu系合金のシートが挙げられる。このようなろう材を使用するためには、ろう付けに先がけ、ろう材のペーストを被接合材の接合面に塗布したり、所定形状のろう材シートを用意して被接合材間の所定位置に配置したりする工程が必要となる。もし、所定量のろう材を、セラミックス板の接合面となる部位に選択的に接合させた、「ろう材一体型セラミックス板」を予め用意しておくことができると、ろう付け工程の負荷軽減に寄与できる。溶射法により、少量の銀系金属からなる薄いろう材層をセラミックス板の所定位置に形成することは容易でない。
一方、金属基材の表面を異種金属で被覆する手法として「レーザー・メタル・デポジション」が知られている。これは、レーザービームにより被覆材である金属の粉体を金属基材表面の近傍で溶融させ、その溶融金属を金属基材に被着させる技術である。例えば特許文献3には、複数のレーザービームを同時に用いる粉体肉盛装置が開示されている。
特許文献4には、被覆材である銅粉をレーザービーム中に供給することによって基材であるステンレス鋼の表面に銅の肉盛層を形成させるコーティング方法が開示されている。具体的には、粒径の異なる2種類の純銅からなる混合粉を使用し、青色レーザーの集光径を約0.5mmとして、4mm/sの走査速度で、レーザー出力を20~80Wの範囲で変化させて、対象物(基材)であるSUS304の表面に直線状の肉盛層を形成させた例が示されている(段落0054~0057)。
特表平7-501855号公報 特開2006-89290号公報 WO2017/170890号公報 特開2022-13563号公報
レーザー・メタル・デポジションの技術によれば、特許文献4の例に見られるように、金属基材の表面に線幅が例えば0.5mm程度といった細線形状の純銅の肉盛層を形成させることが可能である。しかしながら、セラミックス基材の表面に銅系、銀系をはじめとする各種金属の層を細線形状で接合することは、基材が金属である場合と比べ難しく、その技術は確立されていない。
本発明は、セラミックス基材の表面に、金属の層を細線形状で直接接合することが可能な技術によってセラミックス-金属接合体を提供することを目的とする。
発明者らは研究の結果、レーザービームを用いてセラミックス基材の表面を十分に加熱した状態とすることにより、レーザー・メタル・デポジションの手法を利用してセラミックスと金属の接合を実現することができることを見出した。基材が金属であれば、特許文献4に教示されるように、噴射された被覆材金属(溶材)が優先的に溶融され、かつ金属基材(対象物)の溶融が最小限に抑制される条件とすることにより、溶融された被覆材金属(溶材)は金属基材(対象物)の表面に付着した後に自然冷却されて凝固し、溶融プールを伴わずに金属膜からなる肉盛層により金属基材(対象物) の表面をコーティングすることができる(特許文献4の段落0034)。すなわち、溶融金属は固体である異種金属の表面上に比較的容易に付着する。しかし、基材がセラミックスである場合には、被覆材金属がセラミックス基板の直上で単に溶融する程度のレーザー照射条件では、セラミックスと被覆材金属の凝固物とを接合させることは困難である。レーザー・メタル・デポジションの手法でセラミックス-金属接合体を得るためには、基材であるセラミックスの表面を十分に加熱し、順次供給される被覆材金属の溶融物をセラミックスの表面上に被着させることが重要となる。本発明はこのような知見に基づいて成されたものである。具体的には、本明細書では以下の発明を開示する。
[1]レーザービームをセラミックス基材表面に掃引させながら照射するとともに、前記セラミックス基材の表面上のレーザービームが照射される領域(以下「照射エリア」という。)に向けて固体金属材料を送給して、送給中の前記金属材料にもレーザービームが照射される状態とし、前記照射エリアに位置するセラミックス基材表面を加熱しながら前記金属材料を溶融させ、溶融した金属材料をセラミックス基材表面に被着させたのち凝固させる、セラミックス-金属接合体の製造方法。
[2]前記固体金属材料が粉体である、上記[1]に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[3]前記固体金属材料がCu、Ag、Ti、Ni、Al、Fe、Au、Ptのいずれかを主成分とするものである、上記[1]または[2]に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[4]前記固体金属材料がCuまたはAgを主成分とするものである、上記[1]または[2]に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[5]単数または複数のレーザービームを使用し、送給中の前記金属材料に照射されるレーザービームのうち少なくとも1つを波長600nm以下のものとする、上記[1]~[4]のいずれかに記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[6]単数または複数のレーザービームを使用し、送給中の前記金属材料に照射されるレーザービームのうち少なくとも1つが、Ybドープ固体レーザー、Ndドープ固体レーザー、GaN半導体レーザー、銅蒸気レーザー、Arガスレーザー、Nガスレーザー、エキシマレーザーのいずれかを光源とするものである、上記[1]~[4]のいずれかに記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[7]前記固体金属材料がCuを主成分とするものであり、前記セラミックス基材がAlNを主成分とするものである、上記[1]~[6]のいずれかに記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[8]単数または複数のレーザービームを使用し、下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが80~160J/mmとなるようにレーザービームをセラミックス基材表面に照射する、上記[7]に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
E=(PL1/DL1+PL2/DL2+・・・+PLn/DLn)/v …(1)
ここで、
E:平均照射エネルギー密度E(J/mm
符号Li(i=1以上n以下の整数、nは使用するレーザービームの総数):使用する個々のレーザービームの識別符号
Li:レーザービームLiのレーザー出力(W)
Li:レーザービームLiの掃引方向に対して直角方向の照射スポット径(mm)
v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
[9]前記固体金属材料がAgを主成分とするものであり、前記セラミックス基材がAlNまたはSiを主成分とするものである、上記[1]~[6]のいずれかに記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
[10]単数または複数のレーザービームを使用し、下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが25~160J/mmとなるようにレーザービームをセラミックス基材表面に照射する、上記[9]に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
E=(PL1/DL1+PL2/DL2+・・・+PLn/DLn)/v …(1)
ここで、
E:平均照射エネルギー密度E(J/mm
符号Li(i=1以上n以下の整数、nは使用するレーザービームの総数):使用する個々のレーザービームの識別符号
Li:レーザービームLiのレーザー出力(W)
Li:レーザービームLiの掃引方向に対して直角方向の照射スポット径(mm)
v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
本明細書において、「照射スポット」とは、ある1つのレーザービームの進路によって照射されるセラミックス基材表面上の領域を意味する。使用するレーザービームのうち少なくとも1つは、送給中の金属材料に当たる必要がある。送給中の金属材料に当たるレーザービームについては、その進路の途中で送給中の金属材料によって遮られることなくセラミックス基材表面に到達すると仮定した場合に照射されることになるセラミックス基材表面上の領域を当該レーザービームの「照射スポット」とする。「照射エリア」とは、いずれかの照射スポットに属するセラミックス基材表面上の位置からなる領域を意味する。1つのレーザービームのみを使用する場合、「照射エリア」と「照射スポット」は必然的に一致する。複数のレーザービームを使用する場合、各「照射スポット」の範囲は「照射エリア」の範囲と一致するかそれより小さいが、各レーザービームによる全ての照射スポットが一致するときは「照射エリア」と各「照射スポット」は一致する。
「主成分」は、その物質を構成する成分のうち、質量割合での含有量が50%以上である成分を意味する。例えば、「Cuを主成分とする固体金属材料」は、Cu含有量が50質量%以上である固体金属材料を意味する。「AlNを主成分とするセラミックス基材」とは、AlNの含有量が50質量%以上であるセラミックス基材を意味する。なお、本明細書では、金属材料のうちCuを主成分とするものを「銅系」、Agを主成分とするものを「銀系」と呼んでいる。
本発明によれば、レーザー・メタル・デポジションの手法によってセラミックス基材の表面上に金属の層を直接形成した「セラミックス-金属接合体」を得ることが可能となった。上記の金属層は例えば幅0.5mm以下といった細線形状とすることができるので、本発明は、半導体素子搭載用の絶縁基板へ銅系金属の回路パターンを直接的に形成する手法として利用できる。また、銀系のろう材を所定位置に選択的に接合させた「ろう材一体型セラミックス板」の製造手法として利用できる。
本発明に使用できるレーザー・メタル・デポジション装置の構成を模式的に例示した図。 実施例1で得られた線状金属層について、レーザー顕微鏡により幅方向に測定した高さプロファイルの一例。 実施例2で得られた線状金属層について、レーザー顕微鏡により幅方向に測定した高さプロファイルの一例。 実施例3で得られた線状金属層について、レーザー顕微鏡により幅方向に測定した高さプロファイルの一例。 実施例4で得られた線状金属層について、レーザー顕微鏡により幅方向に測定した高さプロファイルの一例。 実施例5で得られた線状金属層について、レーザー顕微鏡により幅方向に測定した高さプロファイルの一例。 各例の金属層作製試験を行った後のセラミックス板の外観を例示した写真。
図1に、本発明に使用できるレーザー・メタル・デポジション装置の構成を模式的に例示する。ここでは一例として2ビーム照射型における代表的な構成を示すが、1つのビームのみを照射するタイプや3ビーム以上を照射するタイプの装置を採用することも可能である。プロセシング・ヘッド10は、被覆材である金属粉体を所定の方向に噴射する手段と、レーザービームを所定の方向に照射する手段を持つユニットであり、セラミックス基材1の表面から所定の距離を保ちながら、セラミックス基材1の上方を水平方向に移動できるようになっている。被覆材である金属粉体は、粉体供給装置20から粉体供給管21によってプロセシング・ヘッド10に導かれ、プロセシング・ヘッド10に装着されている粉体送給ノズル22から、セラミックス基材1の表面に向けて吐出される。粉体送給ノズル22から吐出された飛行中の金属粉体を図中に符号200で表している。一方、レーザー発生装置30a、30bで生成されたレーザー光は、それぞれ光ファイバー31a、31bによってプロセシング・ヘッド10に導かれ、プロセシング・ヘッド10に内蔵される図示しないレンズから、所定の方向にレーザービーム300a、300bが照射される。図1の例では、プロセシング・ヘッド10を矢印の方向に移動させながら、金属粉体の吐出とレーザービームの照射を行っている。
レーザービーム300a、300bは、飛行中の金属粉体200に照射され、固体の金属粉体200を加熱するとともに、セラミックス基材1の表面上にも照射され、それらのレーザービームが照射されるセラミックス基材1の表面上の領域である照射エリア310を加熱する。金属粉体200は、粒子のほとんどは飛行中に溶融するが、照射エリア310に到達した時点で溶融する粒子が含まれていても構わない。すなわち、被覆材である固体金属材料を、レーザービームの照射を受けている送給中、またはセラミックス基材表面上への到達時に溶融させる。なお、図中の金属粉体200は、粒子サイズを誇張して描いてある。
得られた溶融金属は、照射エリア310が十分に加熱されていることにより、セラミックス基材1の表面上に溶融状態を保ちながら被着する。すなわち、上記の溶融金属はセラミックス基材1に到達した時点で直ちに凝固して弾け飛ぶのではなく、セラミックス基材1の表面上に溶融状態のまま、短い時間ではあるが、留まることが重要である。その短い時間においてセラミックス基材1の表面は溶融金属で濡れた状態を維持する。セラミックス基材1に被着した溶融金属は、プロセシング・ヘッド10の移動に伴って掃引される照射エリア310が去ったのちに凝固し、セラミックス基材1の表面上の照射エリア310が通り過ぎた領域に金属層2が線状に形成される。この金属層2は、凝固過程でセラミックス基材1に対して強固に接合する。このようにして、セラミックス基材1の表面上に金属層2が接合した「セラミックス-金属接合体」が構築される。照射エリア310の掃引をセラミックス基材1上で掃引直角方向にスキャンさせると、面状の金属層2を形成させることもできる。
プロセシング・ヘッド10とセラミックス基材1の間の溶融金属が生じる空間、およびセラミックス基材1の照射エリア310を含む表面は、金属の酸化を防ぐためにArなどの不活性ガスでシールドすることが好ましい。ガスシールド機構については図1では記載を省略してあるが、例えば、プロセシング・ヘッド10の下部に各レーザービームと粉体送給ノズル22を取り囲むスリーブを、その下端がセラミックス基材1に接触しないように設け、プロセシング・ヘッド10から上記スリーブ内にシールドガスを供給し、セラミックス基材1の照射エリア310を含む表面領域に上記スリーブの下端から吐出したシールドガスを吹き付ける機構を採用することができる。
図1には、2本のレーザービーム300a、300bによる共通の照射スポットによって照射エリア310を形成させる例を示したが、その他の照射方法として、例えば、複数のレーザービームのうち、一部のレーザービームを飛行中の粉体が溶融しやすい位置に照準を合わせて焦点調整し、他のレーザービームをセラミックス基材1の表面が最も効率的に加熱されるように焦点調整する手法を採用してもよい。また、図1の例では、被覆材である固体金属の送給方法として金属粉体を粉体送給ノズル22から噴射させる手法を示したが、粉体に代えて例えば線材を送給する手法を採用することも可能である。
[固体金属材料]
被覆材として使用する原料の固体金属材料としては、Cu、Ag、Ti、Ni、Al、Fe、Au、Ptなどの元素を主成分とするものが使用できる。これらの元素を主成分とする金属を細線形状でセラミックス基板上に直接接合する手法は、これまで確立されていなかった。特に銅系の金属は絶縁回路基板の回路用金属として広く使用され、また銀系の金属はろう材として広く使用されていることから、そのような用途に適用する場合はCuまたはAgを主成分とするものを使用すればよい。
より具体的には、回路用の銅系の金属としては、Cu含有量が99.9質量%以上の純銅を適用することが好ましい。
ろう材用の銀系の金属としては、Ag-Cu系の共晶近傍組成のものが好ましい。活性金属としてTiを0.5~5質量%含むものがより好ましい。例えば、Cu:23~33質量%、Ti:0.5~5質量%、残部がAgであるAg-Cu-Ti合金のろう材を挙げることができる。その他、JIS Z3261:1998に規定される各種Agろうを適用することができる。
固体金属材料として金属粉体を使用する場合、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が例えば5~100μmである粉体を使用することができ、10~30μmの範囲のものがより好ましい。2種以上の金属粉体を所定割合で配合させた混合粉を使用してもよい。
[セラミックス基材]
セラミックス基材としては種々の材質のものが適用対象となる。例えば、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするもの、窒化ケイ素(Si)を主成分とするもの、酸化アルミニウム(Al)を主成分とするものなどが挙げられる。絶縁回路基板を構築する場合は、厚さが例えば0.25~1.0mm程度のセラミックス板を使用すればよい。
[レーザー]
本発明ではレーザービームのエネルギーによって銅系、銀系をはじめとする各種金属の固体金属材料を溶融させる。Cuを含有する金属材料を適用する場合、波長600nm以下のレーザーを使用することが効果的である。複数のレーザービームを使用する場合は、そのうちの少なくとも1つを波長600nm以下のレーザーとすることが望ましい。波長600nm以下の代表的なレーザーとして、波長が450nm付近である青色レーザーを挙げることができる。
[平均照射エネルギー密度E]
本発明では、セラミックスと金属を接合するために、溶融金属をセラミックス表面に被着させること、すなわちセラミックス表面が溶融金属で濡れた状態を作ることが重要である。セラミックスは高融点の無機化合物を主体とする物質であり、これは金属とは異質の物質であることから、短い時間であっても、セラミックス基材の表面が溶融金属と濡れた状態を経なければ、セラミックス基材と凝固後の金属との接合を実現することは難しい。溶射法であれば、セラミックス基材の表面に吹き付けられる溶融金属の量が多く、またプラズマ等によりセラミックス基材に付与される熱量も多いことから、セラミックスと溶融金属の濡れは確保しやすい。これに対し、レーザーのエネルギーで幅が例えば0.5mm以下といった細線形状の金属層を形成するに足る少量の金属を溶融させる場合には、溶融金属はセラミックス基材表面に到達した時点で直ちに凝固しやすいという問題がある。そこで検討の結果、レーザービームをセラミックス基材の表面に意図的に照射して、その照射エリアを十分に加熱することで、溶融金属をセラミックス表面に被着させることが可能となり、セラミックス基材と細線形状の金属層との接合を実現できることが確認された。
セラミックス基材表面の照射エリアに付与するレーザービームのエネルギーは、溶融金属の被着を実現できる強度とすれば十分であるが、より具体的には、被覆材金属がCuを主成分とするものであり、セラミックス基材がAlNを主成分とするものである場合、単数または複数のレーザービームを使用して下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが80~160J/mmとなるように設定することが効果的である。また、被覆材金属がAgを主成分とするものであり、セラミックス基材がAlNまたはSiを主成分とするものである場合、単数または複数のレーザービームを使用して下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが25~160J/mmとなるように設定することが効果的である。
E=(PL1/DL1+PL2/DL2+・・・+PLn/DLn)/v …(1)
ここで、
E:平均照射エネルギー密度E(J/mm
符号Li(i=1以上n以下の整数、nは使用するレーザービームの総数):使用する個々のレーザービームの識別符号
Li:レーザービームLiのレーザー出力(W)
Li:レーザービームLiの掃引方向に対して直角方向の照射スポット径(mm)
v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
上記(1)式は、右辺を展開すると下記(2)式として表される。
E=PL1/(DL1×v)+PL2/(DL2×v)+・・・+PLn/(DLn×v) ………(2)
ここで、レーザービームを1本だけ使用する場合を例に挙げると、上記(2)式は下記(2-1)式として表される。
E=PL1/(DL1×v) …(2-1)
分子のPL1は、レーザー出力(W)であり、これは1秒あたりのエネルギー(単位;[J/s])に相当する。分母のDL1×vは、1秒あたりのビーム掃引面積(単位;[mm]・[mm/s]=[mm/s])を表す項である。セラミックス基材表面上で照射スポットの中心点が通過した軌跡を「掃引軸」と呼ぶとき、照射スポットが1秒間に通過した領域の中でも、掃引軸に近い位置ほど照射スポットが通過する時間が長くなるので付与されるエネルギーは高くなる。したがって、上記(2-1)式で表されるE(単位;[J/s]/[mm/s]=[J/mm])は、単位面積あたりに1秒間で照射される平均的なエネルギーを表す指標であると考えることができる。そこで本発明では上記Eを「平均照射エネルギー密度E」と呼んでいる。レーザービームはセラミックス基材表面の照射スポットに届く途中で送給中の被覆材金属にも当たるので、レーザー出力PL1の一部は被覆材金属の加熱・溶融に消費される。上記の平均照射エネルギー密度Eは、被覆材金属への照射分とセラミックス基材表面への直接的照射分とに分配されるレーザー出力PL1を、セラミックス基材表面上の照射スポット通過領域の単位面積あたりに1秒間で照射される平均エネルギーに換算した値であると捉えることができる。
複数のレーザービームを使用する場合の平均照射エネルギー密度Eは、上記(2)式で表されるように、各レーザービームの照射スポットによって照射エリアに付与される個々の平均照射エネルギー密度Eの総和として捉えることができる。
セラミックス基材表面への溶融金属の被着を実現するためには、平均照射エネルギー密度Eを大きくすることが有利となる。発明者らの検討によれば、被覆材金属がCuを主成分とするものであり、セラミックス基材がAlNを主成分とするものである場合、単数または複数のレーザービームを使用して上記(1)式の平均照射エネルギー密度Eを80J/mm以上とすることが好ましく、90J/mm以上とすることがより好ましい。また、被覆材金属がAgを主成分とするもの(例えばAg-Cu-Ti合金などのAg-Cu系ろう材)であれば、セラミックス基材がAlNまたはSiを主成分とするものである場合、単数または複数のレーザービームを使用して上記(1)式の平均照射エネルギー密度Eを25J/mm以上とすることが好ましく、40J/mm以上とすることがより好ましく、特に、セラミックス基材がAlNを主成分とするものである場合には、50J/mm以上とすることがより好ましく、60J/mm以上とすることが更に好ましい。一方、平均照射エネルギー密度Eが大きくなると、セラミックス基材の損傷が生じ易くなる。セラミックス基材の主成分がAlN、Siのいずれであっても、平均照射エネルギー密度Eは160J/mm以下の範囲で設定することが好ましく、120J/mm以下の範囲で設定することがより好ましい。なお、金属材料の単位時間あたりの送給量は、レーザービームの照射条件に応じて、送給される金属材料が十分に溶融するように調整されている必要がある。
図1に示した構成を有する2ビーム照射型のレーザー・メタル・デポジション装置を用いて、セラミックス基材の表面に、細線形状の銅系金属または銀系金属からなる金属層の接合を試みた。以下に実験方法を説明する。
セラミックス基材として、30mm角、厚さ1mmの窒化アルミニウム(AlN)板(TDパワーマテリアル株式会社製)、および30mm角、厚さ1mmの窒化ケイ素(Si)板(株式会社MARUWA製)を用意した。被覆材の金属材料として、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が29.0μm、純度99.96%の銅粉(山陽特殊製鋼株式会社製)、およびレーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が24.3μm、組成がAg:70.92質量%、Cu:27.58質量%、Ti:1.50質量%であるAg-Cu-Ti合金粉(株式会社高純度化学研究所製)を用意した。
上記の窒化アルミニウム板あるいは窒化ケイ素板(以下、これらを単に「セラミックス板」と言うことがある。)を、その片側表面が鉛直上方に向くように水平な盤上に固定し、レーザー・メタル・デポジション装置のプロセシング・ヘッド(図1の符号10)を水平方向(図1の矢印の方向)に一定速度で移動させながら、以下のようにして上記の銅粉あるいはAg-Cu-Ti合金粉(以下、これらを単に「金属粉」と言うことがある。) を溶融させた。レーザー・メタル・デポジション装置の2系統のレーザー発生装置(図1の符号30a、30b)によってそれぞれ青色レーザーを発生させ、プロセシング・ヘッドからセラミックス板(図1の符号1)の表面に向けて2つのレーザービームを照射するとともに、粉体供給装置(図1の符号20)に収容された上記金属粉を粉体送給ノズル(図1の符号22)からArガスによって吐出させた。粉体送給ノズルの吐出口(下端)とセラミックス板表面の距離は約5mmとした。上記2つのレーザービームは、セラミックス板表面上に形成されるそれぞれの照射スポットが一致するように照射した。すなわち2つのレーザービームによって形成される照射エリア(図1の符号310)は、各照射スポットと同じ大きさである。また、各レーザービームの照射スポットは円形である。被覆材である金属粉は上記の照射エリアに向かう方向に吐出させて送給し、その送給中の金属粉に上記2つのレーザービームのうち少なくとも一方のビームが当たるようにして、送給中の金属粉のほぼ全部を照射エリアに到達する時点までに溶融させた。プロセシング・ヘッドの下部には、各レーザービームと粉体送給ノズルを取り囲むスリーブを、その下端がセラミックス板の表面から約5mmとなるように設け、レーザービーム照射中には常時、プロセシング・ヘッドから上記スリーブ内にシールドガスとしてArガスを供給し、セラミックス板の照射エリアを含む表面領域に上記スリーブの下端から吐出したArガスを吹き付けた。
このようにして金属粉を溶融させながら照射エリアを約20mm掃引させ、セラミックス板の表面に線状の金属層の接合を試みた。各例の試験条件および結果を表1、表2にまとめて示してある。表1、表2中には、2つのレーザービームをそれぞれビーム1、2として区別してある。上述(1)は、ここでは下記(1-2)式として表される。
E=(PL1/DL1+PL2/DL2)/v …(1-2)
E:平均照射エネルギー密度(J/mm
L1、PL2:それぞれビーム1、2のレーザー出力(W)
L1、DL2:それぞれビーム1、2の照射スポット径(mm)
v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
金属層の形成評価を以下の基準で示し、○評価を合格と判定した。
○:セラミックス板表面に線状の金属層が接合された。
△:セラミックス板表面で線状の金属凝固物が形成されたが、セラミックス板との接合には至らなかった。
×:セラミックス板表面で溶融金属が飛び散り、線状の金属凝固物が形成されなかった。
[比較例1]
セラミックス板として前記窒化アルミニウム板を使用した。ビーム1、2ともに波長450nmの青色レーザーを使用し、いずれもレーザー出力を40W、照射スポット径を0.26mmとした。上記の銅粉を供給速度10mg/sで送給し、照射スポットの掃引速度を5.0mm/sとした。シールドガスの流量は10L/minである。上記(1-2)式により算出される平均照射エネルギー密度Eは61.5J/mmである。
この条件では溶融金属がセラミックス板に被着せず、線状の金属凝固物が形成されなかった(×評価)。
[比較例2]
ビーム1、2ともにレーザー出力を45Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは69.2J/mmである。
この条件でも溶融金属がセラミックス板に被着せず、線状の金属凝固物が形成されなかった(×評価)。
[比較例3]
ビーム1、2ともにレーザー出力を50Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは76.9J/mmである。
この条件では溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができなかったと考えられ、線状の金属凝固物は形成されたが、セラミックス板との接合には至らなかった(△評価)。
[実施例1]
ビーム1、2ともにレーザー出力を55Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは84.6J/mmである。
この条件では溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
図2に、本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルの一例を示す。線幅はレーザービームの照射エリア径(=ビーム1、2の照射スポット径)に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約160μmであった。細線形状の金属層をセラミックス基材表面に接合できることが確認された(以下の各実施例において同様)。
[実施例2]
ビーム1、2ともにレーザー出力を60Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは92.3J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
図3に、本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルの一例を示す。線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約180μmであった。
本例と同条件で線状金属層を接合させたセラミックス-金属接合体について、以下の方法でシェア強度(接合強度)を調べた。
(シェア強度の測定方法)
セラミックス-金属接合体の線状金属層の長さ方向に対して垂直に、セラミックス-金属接合体を幅10mmで切断して評価サンプルとした。株式会社アドウェルズ製シェアテスター(型式:SPST2000N)に評価サンプルを取り付け、シェアツールにより送り速度0.25mm/秒にて線状金属層の長さ方向に対して直角方向かつセラミックス表面に平行方向の外力を線状金属層に負荷する方法でシェア強度を測定した。
その結果、シェア強度は26.6MPaであった。
[実施例3]
ビーム1、2ともにレーザー出力を65Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは100.0J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。本例と同条件で線状金属層を接合させたセラミックス-金属接合体について、上記の方法でシェア強度を調べたところ、シェア強度は38.1MPaであった。
図4に、本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルの一例を示す。線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約206μmであった。
[実施例4]
ビーム1、2ともにレーザー出力を70Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは107.7J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
図5に、本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルの一例を示す。線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約215μmであった。
[実施例5]
ビーム1、2ともにレーザー出力を75Wとしたことを除き、比較例1と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは115.4J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
図6に、本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルの一例を示す。線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約206μmであった。
[実施例6]
セラミックス板として前記窒化ケイ素板を使用した。ビーム1、2ともに波長450nmの青色レーザーを使用し、いずれもレーザー出力を20W、照射スポット径を0.26mmとした。上記のAg-Cu-Ti合金粉を供給速度10mg/sで送給し、照射スポットの掃引速度を5.0mm/sとした。シールドガスの流量は10L/minである。上記(1-2)式により算出される平均照射エネルギー密度Eは30.8J/mmである。
この条件で溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約94μmであった。
[実施例7]
ビーム1、2ともにレーザー出力を25Wとしたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは38.5J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約117μmであった。
[実施例8]
Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度5mg/sで送給としたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは30.8J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約83μmであった。
[実施例9]
Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度12.5mg/sで送給としたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは30.8J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約110μmであった。
[実施例10]
Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度15mg/sで送給としたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは30.8J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約107μmであった。
[実施例11]
ビーム1、2ともにレーザー出力を40Wとし、Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度15mg/sで送給としたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは61.5J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。本例と同条件で線状金属層を接合させたセラミックス-金属接合体について、実施例2と同様の方法でシェア強度を調べたところ、シェア強度は92.0MPa以上であった。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約167μmであった。
[実施例12]
ビーム1、2ともにレーザー出力を35Wとし、Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度12.5mg/sで送給としたことを除き、実施例6と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは53.8J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。本例と同条件で線状金属層を接合させたセラミックス-金属接合体について、実施例2と同様の方法でシェア強度を調べたところ、シェア強度は42.2MPa以上であった。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約165μmであった。
[実施例13]
セラミックス板として前記窒化アルミニウム板を使用した。ビーム1、2ともに波長450nmの青色レーザーを使用し、いずれもレーザー出力を45W、照射スポット径を0.26mmとした。上記のAg-Cu-Ti合金粉を供給速度5mg/sで送給し、照射スポットの掃引速度を5.0mm/sとした。シールドガスの流量は10L/minである。上記(1-2)式により算出される平均照射エネルギー密度Eは69.2J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約74μmであった。
[実施例14]
ビーム1、2ともにレーザー出力を55Wとしたことを除き、実施例13と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは84.6J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約60μmであった。
[実施例15]
ビーム1、2ともにレーザー出力を50Wとし、Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度10mg/sで送給としたことを除き、実施例13と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは76.9J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約64μmであった。
[実施例16]
ビーム1、2ともにレーザー出力を55Wとし、Ag-Cu-Ti合金粉を供給速度7.5mg/sで送給としたことを除き、実施例13と同様の条件で金属層の形成を試みた。平均照射エネルギー密度Eは84.6J/mmである。
この条件でも溶融金属をセラミックス板に十分に被着させることができ、線状金属層がセラミックス板に接合されていた(○評価)。
本例で得られた、セラミックス板上に接合されている線状金属層について、レーザー顕微鏡により線状金属層の幅方向に測定した高さプロファイルによれば、線幅はレーザービームの照射エリア径に概ね対応しており、金属層の厚さ(頂部高さ)は約73μmであった。
Figure 2024060734000002
Figure 2024060734000003
図7に、各例の金属層作製試験を行った後のセラミックス板の外観写真を例示する。左のセラミックス板が比較例1、2、3、実施例1の結果を示したものであり、右のセラミックス板が実施例2、3、4、5の結果を示したものである。板上に記入された数値(ワット数)は、ビーム1と2の合計レーザー出力(W)である。
1 セラミックス基材
2 金属層
10 プロセシング・ヘッド
20 粉体供給装置
21 粉体供給管
22 粉体送給ノズル
30a、30b レーザー発生装置
31a、31b 光ファイバー
200 金属粉体
300a、300b レーザービーム
310 照射エリア

Claims (10)

  1. レーザービームをセラミックス基材表面に掃引させながら照射するとともに、前記セラミックス基材の表面上のレーザービームが照射される領域(以下「照射エリア」という。)に向けて固体金属材料を送給して、送給中の前記金属材料にもレーザービームが照射される状態とし、前記照射エリアに位置するセラミックス基材表面を加熱しながら前記金属材料を溶融させ、溶融した金属材料をセラミックス基材表面に被着させたのち凝固させる、セラミックス-金属接合体の製造方法。
  2. 前記固体金属材料が粉体である、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  3. 前記固体金属材料がCu、Ag、Ti、Ni、Al、Fe、Au、Ptのいずれかを主成分とするものである、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  4. 前記固体金属材料がCuまたはAgを主成分とするものである、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  5. 単数または複数のレーザービームを使用し、送給中の前記金属材料に照射されるレーザービームのうち少なくとも1つを波長600nm以下のものとする、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  6. 単数または複数のレーザービームを使用し、送給中の前記金属材料に照射されるレーザービームのうち少なくとも1つが、Ybドープ固体レーザー、Ndドープ固体レーザー、GaN半導体レーザー、銅蒸気レーザー、Arガスレーザー、Nガスレーザー、エキシマレーザーのいずれかを光源とするものである、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  7. 前記固体金属材料がCuを主成分とするものであり、前記セラミックス基材がAlNを主成分とするものである、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  8. 単数または複数のレーザービームを使用し、下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが80~160J/mmとなるようにレーザービームをセラミックス基材表面に照射する、請求項7に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
    E=(PL1/DL1+PL2/DL2+・・・+PLn/DLn)/v …(1)
    ここで、
    E:平均照射エネルギー密度E(J/mm
    符号Li(i=1以上n以下の整数、nは使用するレーザービームの総数):使用する個々のレーザービームの識別符号
    Li:レーザービームLiのレーザー出力(W)
    Li:レーザービームLiの掃引方向に対して直角方向の照射スポット径(mm)
    v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
  9. 前記固体金属材料がAgを主成分とするものであり、前記セラミックス基材がAlNまたはSiを主成分とするものである、請求項1に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
  10. 単数または複数のレーザービームを使用し、下記(1)式で表される平均照射エネルギー密度Eが25~160J/mmとなるようにレーザービームをセラミックス基材表面に照射する、請求項9に記載のセラミックス-金属接合体の製造方法。
    E=(PL1/DL1+PL2/DL2+・・・+PLn/DLn)/v …(1)
    ここで、
    E:平均照射エネルギー密度E(J/mm
    符号Li(i=1以上n以下の整数、nは使用するレーザービームの総数):使用する個々のレーザービームの識別符号
    Li:レーザービームLiのレーザー出力(W)
    Li:レーザービームLiの掃引方向に対して直角方向の照射スポット径(mm)
    v:レーザービームの掃引速度(mm/s)
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