JP2024059450A - 真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空脱ガス炉に使用される黒鉛を含有しないか極めて少ないマグネシアカーボンれんがにおいて、耐スポーリング性及び耐食性を向上する。【解決手段】 耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理する工程を含む、真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法において、耐火原料配合物は、マグネシアの含有率が合計で87質量%以上98質量%以下であって、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアを75質量%以上95質量%以下、粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上12質量%以下、スピネルを1質量%以上10質量%以下、粒径0.5mm未満のピッチ粉を0.3質量%以上2質量%以下、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合計で0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、かつ黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、RH、DH、VOD等の真空脱ガス炉に使用されるマグネシアカーボンれんがの製造方法に関する。
マグネシアカーボンれんがは一般的にカーボン源として黒鉛を含有するが、黒鉛を含有するため熱伝導率が高く溶融金属の放散熱による熱損失の問題や、カーボンピックアップの問題がある。特に、極低炭素鋼を処理する真空脱ガス炉では、カーボンピックアップの問題から黒鉛を含有しないか極めて少ないマグネシアカーボンれんがが要求されている。これらの観点からは、マグネシアカーボンれんがには黒鉛を含有しないかあるいはできるだけ少ないことが望ましいが、黒鉛が少なくなると、耐スポーリング性が低下するという問題が生じる。そこで、この黒鉛を含有しないあるいは減量した場合に伴う耐スポーリング性の低下を抑制する手段が種々提案されている。
特許文献1には、黒鉛を含有しないマグネシアカーボンれんがにおいて、ピッチ及び/又はカーボンブラックを、れんがを低弾性率化して耐スポーリング性を向上させるために0.1質量%以上2.0質量%以下で使用することが開示されている。この特許文献1のマグネシアカーボンれんがは、耐スポーリング性がかなり改善され実炉でも良好に使用されているが、依然として寿命のネックはスポーリングによる損耗と考えられ、さらなる耐スポーリング性の改善が必要であることがわかってきた。
特許文献2には、マグネシアを主体とする耐火性原料にスピネルを組み合わせると、マグネシアのみの場合に比較して、高温における焼結性が緩やかとなり、特に低カーボン材質の過焼結抑制と高弾性率化抑制に対して顕著な効果を発揮すると示されている。そして実施例2では、鱗状黒鉛を2質量%、電融スピネルを10質量%含有するマグネシアカーボンれんがが開示されている。しかしながら、特許文献2のマグネシアカーボンれんがでは、真空脱ガス炉での使用においては耐食性が十分ではないという問題があった。
特開2018-70406号公報 特開2004-107124号公報
本発明が解決しようとする課題は、真空脱ガス炉に使用される黒鉛を含有しないか極めて少ないマグネシアカーボンれんがにおいて、耐スポーリング性及び耐食性を向上することにある。
本発明者らは、黒鉛を含有しないか極めて少ないマグネシアカーボンれんがの製造方法において、耐火原料配合物中にピッチ粉及びスピネルをそれぞれ特定量含有することで、れんがの熱処理後の弾性率が大幅に低下することを知見した。その結果、耐火原料配合物中の黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)であっても、耐スポーリング性及び耐食性に優れるマグネシアカーボンれんがを得ることができた。
すなわち、本発明の一観点によれば、次の真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法が提供される。
耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理する工程を含む、真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法において、
耐火原料配合物は、マグネシアの含有率が合計で87質量%以上98質量%以下であって、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアを75質量%以上95質量%以下、粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上12質量%以下、スピネルを1質量%以上10質量%以下、粒径0.5mm未満のピッチ粉を0.3質量%以上2質量%以下、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合計で0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、かつ黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)であることを特徴とする真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法。
本発明によれば、耐火原料配合物中の黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)であっても、耐スポーリング性及び耐食性に優れるマグネシアカーボンれんがを得ることができる。そのため真空脱ガス炉で使用した場合に、耐用性が大幅に向上するとともに、カーボンピックアップを抑制し鋼の品質が向上し、しかも熱損失も少なくなくすることができる。
本発明においてピッチ粉は、れんがを低弾性率化して耐スポーリング性を向上させる目的と結合剤としての目的として、耐火原料配合物100質量%中に0.3質量%以上2質量%以下で使用する。ピッチ粉が、0.3質量%未満では弾性率の低下効果が不十分となり、2質量%を超えると揮発分発生による気孔が多くなりすぎて気孔率が高くなるため耐食性が低下する。
ピッチ粉は、粉末で使用することで、れんが形状に成形後にはマグネシア粒子の表面に付着した状態で成形体中に存在する。そして、成形体が熱処理されるとピッチが減容化あるいは液状化するため、熱処理後にはピッチが存在していた部分に空隙が発生する。その結果、れんがを低弾性率化する効果が大きくなると考えられる。この効果は黒鉛を含まないか極めて少ない、特に耐火原料配合物中の黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)のマグネシアカーボンれんがの製造方法においてより顕著になる。
本発明で使用するピッチ粉は、常温で粉末状のものであれば通常の耐火物に使用されているものを使用することができるが、好ましくは軟化点が70~370℃のピッチ粉を使用することができる。軟化点が70~370℃のピッチ粉は、熱処理中に軟化してれんが組織中へ一部又は全部が吸収されるため、空隙を形成して弾性率を低下させやすく、しかも均一なカーボンボンドを形成しやすいからである。粒度としては組織中に均一に分散させるために粒径0.5mm未満のものを使用する。
スピネルは、耐火原料配合物中の黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)のマグネシアカーボンれんがの製造方法において、ピッチ粉と併用使用することで、得られるれんがの弾性率を大幅に低下することができる。スピネルは耐火原料配合物100質量%中に1質量%以上10質量%以下で使用する。1質量%未満では弾性率の低下が不十分であり、10質量%を超えても弾性率の低下効果はあまり変わらなくなり逆に耐食性低下のデメリットが大きくなる。特に真空脱ガス炉では塩基度の高いスラグを含む溶鋼を処理することが一般的であり、10質量%を超えると耐食性の低下がれんがの寿命により多くの影響を与えることになる。
スピネルは、粒度にかかわらず弾性率低下効果が得られるが、粒径1mm未満のスピネルのみを使用する場合は、より弾性率が低く耐スポ―リング性に優れたれんがとなり、粒径1mm以上5mm未満のスピネルのみを使用する場合には、より耐食性の優れたれんがとなる。そのため用途に応じて、粒度の異なるスピネルを使用することができ、またこれらを併用することもできる。特に真空脱ガス炉では塩基度の高いスラグを含む溶鋼を処理することが一般的であり、耐食性と耐スポーリング性のバランスの面からは、粒径1mm以上5mm未満のスピネルと粒径1mm未満のスピネルの合量を100質量%としたときに、粒径1mm以上5mm未満のスピネルが30質量%以上となるような粒度構成として使用することができる。
スピネルとしては、アルミナマグネシアスピネルとして耐火物の原料として一般に市販されている電融品や焼結品を使用できる。具体的には、コモンスピネル(Al:71.7質量%、MgO:28.3質量%)を使用できるほか、Alが多いアルミナリッチスピネル、MgOが多いマグネシアリッチスピネルも使用できる。
本発明において黒鉛の含有率は1.5質量%以下(0を含む)とする。1.5質量%を超えると、真空脱ガス炉において製錬時に使用される酸素ガスによって発生するFeOで黒鉛が酸化される影響が大きくなり耐食性が低下する。また、近年は真空脱ガス炉で使用されるマグネシアカーボンれんがの黒鉛量をカーボンピックアップ等の面からできるだけ少なくすることが望まれている点からも、黒鉛は含有しないか、含有する場合には1.5質量%以下とする。
黒鉛としては、通常のマグネシアカーボンれんがに使用されている鱗状黒鉛あるいは膨張黒鉛等を好適に使用することができるが、合成黒鉛でも使用可能である。また、黒鉛の粒度は粒径0.1mm未満とすることができる。
本発明では真空脱ガス炉に使用されるマグネシアカーボンれんがとして十分な耐食性と耐スポーリング性を得るため、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアを75質量%以上95質量%以下及び粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上12質量%以下で使用する。粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアが75質量%未満では相対的に0.075mm未満のマグネシアが多くなるため、れんがの使用時に焼結が進んで高弾性率となり耐スポーリング性が低下する。一方、95質量%を超えると粗粒の多い耐火原料配合物となるため成形時の充填性が悪くなり高気孔率となり耐食性が低下する。
また、粒径0.075mm未満のマグネシアが1質量%未満では成形時の充填性が悪くなるため高気孔率となり耐食性が低下する。一方、12質量%を超えると、れんがの使用時に焼結が進んで高弾性率となり耐スポーリング性が低下する。
また、耐火原料配合物中のマグネシアの含有率は合計で87質量%以上98質量%以下とする。87質量%未満ではマグネシア量が少なすぎて耐食性が低下し、98質量%を超えるとマグネシア量が多すぎて耐スポーリング性が低下する。
本発明において耐火原料配合物に使用するマグネシアは、電融マグネシア、焼結マグネシアのいずれでもよく、これらを併用してもよい。その組成も特に限定されるものではないが、より高い耐食性を得るためにはMgO純度の高いマグネシアを使用することができ、例えばMgO純度96質量%以上、さらには98質量%以上のものを使用することができる。
本発明の耐火原料配合物においてアルミニウム及び/又はアルミニウム合金は酸化防止と組織の緻密化のために、合計で0.3質量%以上2.5質量%以下使用する。アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の合計が2.5質量%を超えると、使用時のアルミニウムの酸化反応による膨張、さらにはアルミニウム及び/又はアルミニウム合金が溶融、揮発して生じる気孔のため見掛気孔率が高くなり耐食性が不十分となる。アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の合計が0.3質量%未満では組織の緻密化効果が不十分となり、見掛気孔率が上昇して耐食性が低下する。この組織の緻密化効果は、例えば粒径0.075mm未満の細かいアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を適用することで一層顕著に発現される。
アルミニウム、アルミニウム合金としては、マグネシアカーボンれんが等で一般的に使用されているものであれば問題なく使用可能である。また、粒度は上述の通り粒径0.075mm未満で使用することができる。
ここで、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、例えば粒径0.075mm未満のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩いを通過するマグネシアのことで、粒径0.075mm以上のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩い目を通過しないマグネシアのことである。
本発明の耐火原料配合物において上述のマグネシア、スピネル、ピッチ、黒鉛、アルミニウム、アルミニウム合金以外には、マグネシアカーボンれんがの原料として一般的に使用されている原料を、合計で2質量%以下程度であれば悪影響を及ぼすことなく使用することができる。例えば、炭化珪素、シリコン、カーボンブラック、炭化硼素、繊維、及びガラスのうち1種以上である。
本発明においては、耐火原料配合物及び有機バインダーに含まれるトータルカーボン量(T.C量)を1.2質量%以上4質量%以下とすることが好ましく、1.2質量以上3質量%以下とすることがより好ましい。1.2質量%未満では、ピッチが不足する場合には耐スポーリング性が低下し、あるいは有機バインダーが不足する場合には強度が低下し、その結果、耐用性が低下する傾向となる。一方、4質量%を超えると耐食性が低下したり、カーボンピックアップによる溶鋼汚染が大きくなる傾向となる。
ここで、トータルカーボン量(T.C量)とは、耐火原料配合物及び有機バインダー中の固定炭素量と炭化珪素等の炭化物原料に含有されるC量の合量である。耐火原料配合物及び有機バインダー中の固定炭素量は、各原料のメーカーの仕様値から計算することができる。また原料メーカーの仕様値が不明の場合には、使用する原料それぞれの固定炭素をJIS規格によって測定することができる。具体的には、ピッチはJISK2425、黒鉛はJISM8511、有機バインダーはJISK6910、並びにピッチ、黒鉛及び有機バインダー以外はJISM8812に準じ測定して特定することができる。また後述の通り炭化物原料に含有されるC量は、使用する原料の純度から、計算によって特定することができる。なお、耐火原料配合物及び有機バインダーに含まれるトータルカーボン量は、れんが中のトータルカーボン量と実質的に同一でありJISR2011に準じて測定して特定することもできる。
本発明のマグネシアカーボンれんがの製造方法は耐火原料配合物の構成に特徴があり、それ以外は一般的な不焼成マグネシアカーボンれんがの製造方法とすることができる。すなわち、本発明のマグネシアカーボンれんがの製造方法は、上述の耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理する工程を含む。熱処理温度は例えば150~600℃、好ましくは150~400℃とすることができる。なお、ピッチ粉の分散をよくするために、耐火原料配合物の一部とピッチ粉とをミキサーで混合した後、残りの耐火原料配合物と有機バインダーとをミキサーに添加して混練することもできる。
表1及び表2に、本発明の実施例及び比較例における耐火原料配合物の組成(質量%)、及び得られたれんがの物性を示す。使用した耐火原料としてマグネシアはMgOが98質量%の電融マグネシアを、スピネルはAlが72質量%、MgOが28質量%の電融スピネルを、鱗状黒鉛はC量(固定炭素量)が97質量%のものを使用した。ピッチ粉は、表1及び表2に示した軟化点のものを使用した。
Figure 2024059450000001
Figure 2024059450000002
表1及び表2の耐火原料配合物に有機バインダーとしてフェノール樹脂を外掛けで2質量%添加して混練し、オイルプレスによって230mm×114mm×100mmの形状に成形後、最高温度250℃で5時間保持の熱処理を施すことでマグネシアカーボンれんがを製造した。これらのれんがから物性測定用試料を切り出して見掛気孔率及び音速弾性率を測定するとともに耐食性及び耐スポーリング性を評価した。
見掛気孔率の測定においては形状50×50×50mmの試料をコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、5時間保持して自然放冷した。その後、溶媒を白灯油としJIS R 2205に準拠して測定した。
音速弾性率の測定においては形状20×20×80mmの試料を見掛気孔率の測定と同様にコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、5時間保持して自然放冷した。その後、試料の成形時非加圧方向の音速を測定して求め、弾性率が低いほど耐スポーリング性が良好と判断した。
耐食性は回転侵食試験にて評価した。回転侵食試験では、水平の回転軸を有するドラム内面を供試れんがでライニングし、スラグを投入、加熱して、れんが表面を侵食させた。加熱源は酸素-プロパンバーナー、試験温度は1700℃、スラグ組成はCaO:30質量%、SiO:30質量%、Al:20質量%、FeO+Fe:20質量%とし、スラグの排出、投入を30分毎に10回繰り返した。試験終了後、各れんがの最大溶損部において試験前後の厚さの差異(mm)から侵食量(mm)を求めた。表1に記載の「比較例1」のれんがの侵食量(mm)を100とする溶損指数で表示した。この溶損指数は数値が小さいものほど耐食性が優れていることを示す。
耐スポーリング性は、40×40×190mmの試料を1400℃で5時間還元雰囲気下において焼成した試料を使用し、この試料を1600℃に昇温した溶銑中に90秒間浸漬後、30秒水冷するサイクルを5回繰り返した。試験終了後、試料を切断し断面を観察して評価した。具体的には、試験終了後の試料の亀裂が認められないあるいは非常に軽微である場合を◎(優)、中程度の亀裂で使用上十分な耐熱スポーリング性を有すると判断される場合を○(良)、亀裂の程度が大きい、又は試料の剥落により5回繰り返しの試験に耐えらず実機使用には適さないと判断される場合を×(不良)と評価した。
トータルカーボン量(質量%)は、各原料の固定炭素量と炭化物原料のC含有量とからの計算値である。各原料の固定炭素量は原料メーカーの仕様値を使用し、炭化物原料については原料の純度からC含有量を計算した。
総合評価は表3に示す評価基準に基づき、◎(優)、○(良)、×(不良)の3段階で評価した。
Figure 2024059450000003
実施例1から実施例6はスピネルの含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、耐食性及び耐スポーリング性に優れる結果となった。また、実施例4は粒径0.1mm未満のスピネルを、実施例5は粒径1mm以上5mm未満のスピネルをそれぞれ5質量%含有する場合であるが、これらを比較すると粒径0.1mm未満のスピネルを含有する場合にはより弾性率が低下し、粒径1mm以上5mm未満のスピネルを含有する場合にはより耐食性に優れることがわかる。
比較例1はスピネルを含有しない場合、比較例2はスピネルの含有率が本発明の下限値を下回る場合であり、弾性率が高く耐スポーリング性に劣る結果となった。比較例3はスピネルの含有率が本発明の上限値を上回る場合であり、見掛気孔率が高くなり耐食性に劣る結果となった。
実施例7から実施例9はピッチ粉の含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、良好な結果となった。
比較例4はピッチ粉を含有しない場合であり、弾性率が高く耐スポーリング性に劣る結果となった。比較例5はピッチ粉の含有率が本発明の上限値を上回る場合であり、見掛気孔率が高くなり耐食性に劣る結果となった。比較例6はピッチ粉の代わりにカーボンブラックを含有する場合であるが、弾性率が高く耐スポーリング性が不十分となった。
実施例10及び実施例11は粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアの含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。
比較例7は、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアの含有率が本発明の下限値を下回っている場合であり、微粉が多くなり過焼結気味となり耐スポーリング性に劣る結果となった。比較例8は、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアの含有率が本発明の上限値を超える場合であり、耐食性に劣る結果となった。
実施例12及び実施例13は粒径0.075mm未満のマグネシアの含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。比較例9は、粒径0.075mm未満のマグネシアを含有しない場合であり、耐食性に劣る結果となった。比較例10は粒径0.075mm未満のマグネシアの含有率が本発明の上限値を上回る場合であり、耐スポーリング性に劣る結果となった。
実施例14及び実施例15はアルミニウムの含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。比較例11はアルミニウムを含有しない場合であり、耐食性が不十分となった。比較例12はアルミニウムの含有率が本発明の上限値を超えており、耐食性、耐スポーリング性ともに不十分となった。
実施例16から実施例18は鱗状黒鉛の含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。比較例13は、実施例18においてスピネルとピッチ粉を含有しない場合であるが、弾性率が大きくなり耐スポーリング性が大幅に低下した。比較例14は鱗状黒鉛が2質量%の場合であるが、耐食性が低下する結果となった。
実施例19から実施例21は粒径1mm以上5mm未満のスピネルと粒径1mm未満のスピネルの両方を含有する場合であるが、いずれも良好な結果となった。
実施例22はカーボンブラックを、実施例23はカーボンブラックと炭化硼素を、実施例24はカーボンブラックと炭化硼素と炭化珪素とを含有する場合であるが、いずれも本発明の範囲内であり良好な結果となった。
実施例25はAl-Mg合金を含有する場合であるが、良好な結果となった。
実施例26と実施例27は軟化点の異なるピッチを使用した場合であるが、良好な結果となった。
比較例1、実施例4及び比較例14のマグネシアカーボンれんがをRH脱ガス炉の下部層にライニングし、400回(ch)使用した後れんがを回収し損耗量(平均長さ)から平均損耗量(mm/ch)を計算した。比較例1の平均損耗量を指数表示で100とした場合に、比較例14は113であったが、実施例4は79と非常に優れる結果となった。

Claims (2)

  1. 耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理する工程を含む、真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法において、
    耐火原料配合物は、マグネシアの含有率が合計で87質量%以上98質量%以下であって、粒径0.075mm以上5mm未満のマグネシアを75質量%以上95質量%以下、粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上12質量%以下、スピネルを1質量%以上10質量%以下、粒径0.5mm未満のピッチ粉を0.3質量%以上2質量%以下、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合計で0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、かつ黒鉛の含有率が1.5質量%以下(0を含む)であることを特徴とする真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法。
  2. 耐火原料配合物中の黒鉛の含有率が0質量%である、請求項1に記載の真空脱ガス炉用マグネシアカーボンれんがの製造方法。
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