JP2024059444A - 消臭剤組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンに由来する複合的な臭気に対し優れた消臭効果を発揮する消臭剤組成物を提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンと、銀化合物と、水とを含む消臭剤組成物を用いる。【化1】JPEG2024059444000006.jpg2972(式中、Rは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは1~6の整数を表す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、消臭剤組成物に関する。
生活空間における臭気は、ヒト又は動物の***物臭(硫化水素、アンモニア等)、汗臭(イソ吉草酸等)や加齢臭(2-ノネナール等)、生ゴミ臭(トリメチルアミン、メチルメルカプタン等)及びタバコ臭(アセトアルデヒド等)等が混ざり合った複合的な臭気により構成されている。このように、生活空間における臭気は複数の原因物質の組み合わせにより構成されることから、単一の消臭成分のみでは十分な消臭効果を得ることが難しい。例えば、アルカリ剤は硫化水素やカルボン酸に対する消臭効果が高いが、アンモニアやトリメチルアミン等のアミン類にはほとんど効果がないことが知られている。一方、カルボン酸やその塩はアミン類等のアルカリ性物質に対する消臭効果は優れているものの、硫化水素やカルボン酸に対する消臭効果はほとんど認められない。そこで、複数の消臭剤を組み合わせた消臭剤が用いられている。
例えば、特許文献1では、カルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩、及び重金属塩を含む消臭剤が開示されている。
特許文献2では、炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛と特定のアミノ酸を含む消臭剤が開示されている。
特開2021-45470号公報 特開2006-26156号公報
しかしながら、これら特許文献に記載の方法は、消臭効率が必ずしも十分ではなく、複合的な臭気に対して優れた消臭効果を発揮する消臭剤が求められていた。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンに由来する複合的な臭気に対し優れた消臭効果を発揮する消臭剤組成物の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]
下記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンと、銀化合物と、水とを含む消臭剤組成物。
(式中、Rは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは1~6の整数を表す。)
[2]
前記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンにおいて、Rが水素原子であり、nが1~4の整数である、[1]に記載の消臭剤組成物。
[3]
前記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンが、アミノオキシ酢酸である、[1]に記載の消臭剤組成物。
[4]
前記銀化合物が、酸化銀、硝酸銀、フッ化銀、及び硫酸銀の群から選ばれる少なくとも1種の銀化合物である、[1]に記載の消臭剤組成物。
[5]
さらにポリエチレンイミンを含む、[1]に記載の消臭剤組成物。
[6]
[1]に記載の消臭剤組成物が、基材に担持されて製造される、消臭性構造物。
[7]
前記の基材が、繊維状物、シート状物、ビーズ状物、スポンジ状物、又はボード状物である、[6]に記載の消臭性構造物。
[8]
[1]に記載の消臭剤組成物を、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触させることを特徴とする、臭気物質の除去方法。
[9]
[6]に記載の消臭剤構造物を、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触させることを特徴とする、臭気物質の除去方法。
本発明の消臭剤組成物、又はこれが基材に担持された消臭性構造物は、従来技術に比べて、アルデヒド類、アミン類、カルボン酸類、硫化水素、及びメルカプタン類に対し優れた消臭効果を発揮する。その結果、不快臭の低減に有効であり、生活環境改善の効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその両端の数値を含む以上以下の数値範囲を意味する。
本発明の消臭剤組成物は、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンと、銀化合物と、水とを含むことを特徴とする。
上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンにおいて、Rは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。
当該炭素数1~4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、又はtert-ブチル基等を例示することができる。
上記一般式(1)において、nは、1~6の整数を表す。
消臭効果に優れる点で、Rは、水素原子であることが好ましく、nは、1~4の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。
また、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンについては、消臭効果に優れる点で、アミノオキシ酢酸であることが好ましい。
本発明の消臭剤組成物において、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンの含有量としては、特に限定するものではないが、本発明の消臭剤組成物 100重量%に対して、0.1~30重量%であることが好ましく、0.5~20重量%であることがより好ましく、1~10重量%であることがより好ましく、1~5重量%であることがさらに好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、さらに無機酸又は有機酸を含んでいてもよい。上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンは、無機酸又は有機酸が添加されることによって、その一部又は全てが、塩を形成していてもよい。
前記の無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、ケイ酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、硫酸、硝酸、又はリン酸等が挙げられる。
前記の有機酸としては、例えば、酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、又はp-トルエンスルホン酸等が挙げられる。
前記の塩としては、特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、過塩素酸塩、ケイ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。前記の塩については、安価である点で無機酸塩が好ましく、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩がより好ましい。すなわち、これらの無機酸又は有機酸については、本発明の消臭剤組成物に含まれていてもよく、含まれることによって、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンと塩を形成する。
本発明の消臭剤組成物が上記の無機酸又は有機酸を含有する場合、その含有量については、特に限定するものではないが、例えば、本発明の消臭剤組成物 100重量%に対して、0.1~30重量%であることが好ましく、0.5~20重量%であることがより好ましく、1~10重量%であることがより好ましく、1~5重量%であることがさらに好ましい。
また、本発明の消臭剤組成物は、さらに無機塩基又は有機塩基を含んでいてもよい。上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンについては、無機塩基又は有機塩基が添加されることによって、そのカルボキシ基の一部又は全てがカルボン酸塩となっていてもよい。
前記の無機塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、又は炭酸水素セシウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩化合物、又は炭酸水素アルカリ金属化合物が挙げられる。
前記の有機塩基としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンイミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラエタノール、1,4-ピペラジンジエタノール、1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピペラジン、2-ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。すなわち、これらの有機塩基については、本発明の消臭剤組成物に含まれていてもよく、含まれることによって、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンと一緒になってカルボン酸塩を形成する。
前記のカルボン酸塩の種類としては、特に限定されないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩、アミン塩、又はアンモニウム塩等が挙げられる。前記の塩については、アルデヒド捕捉能が高い点で、アミン塩、又はアンモニウム塩がより好ましい。すなわち、これらの無機塩基又は有機塩基については、本発明の消臭剤組成物に含まれていてもよく、含まれることによって、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンと塩を形成する。
本発明の消臭剤組成物については、消臭剤組成物自身の臭気が低いことが好ましいという観点から、ポリエチレンイミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラエタノール、1,4-ピペラジンジエタノール、1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピペラジン、又は2-ヒドロキシメチルトリエチレンジアミンが好ましく、ポリエチレンイミンが特に好ましい。
前記のポリエチレンイミンについては、消臭効果に優れる点で、その分子量が1,000~100万のものが好ましく、1万~10万のものがより好ましい。
本発明の消臭剤組成物が上記の無機塩基又は有機塩基を含有する場合、その含有量については、特に限定するものではないが、例えば、本発明の消臭剤組成物 100重量%に対して、0.1~30重量%であることが好ましく、0.5~20重量%であることがより好ましく、1~10重量%であることがより好ましく、1~5重量%であることがさらに好ましい。
上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンは、分子内にカルボキシ基を有するため、当該カルボキシ基が分子内のアミノ基と分子内塩を形成してもよい。また、上記一般式(1)で表されるO-置換ヒドロキシルアミンは、そのカルボキシ基とそのアミノ基が分子間で塩を形成していてもよい。
本発明の消臭剤組成物に含まれる銀化合物は、特に限定するものではないが、例えば、酸化銀、硝酸銀、フッ化銀、及び硫酸銀の群から選ばれる少なくとも1種の銀化合物が挙げられる。
前記の酸化銀、硝酸銀、フッ化銀、又は硫酸銀としては、特に限定されるものではないが、例えば、化粧品原料や医薬品原料として使用される粉末状のものが挙げられる。
本発明の消臭剤組成物に含まれる銀化合物の含有量としては、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定するものではないが、例えば、本発明の消臭剤組成物 100重量%に対して、0.05~10重量%であることが好ましく、0.1~5重量%であることがより好ましく、0.2~3重量%であることがさらに好ましい。
尚、2種以上の銀化合物を併用する場合、それらの重量比は目的に応じて任意に調節可能である。
本発明の消臭剤組成物に含まれる水としては、特に限定されないが、例えば、脱イオン水を使用できる。
水の配合量としては、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定するものではないが、例えば、本発明の消臭剤組成物全量に対して、30~99.9重量%とすることができ、40~99.5重量%であることが好ましく、50~99.5重量%であることが好ましく、60~99.5重量%であることが好ましく、70~99.5重量%であることが好ましく、80~99.5重量%であることが好ましく、85~99重量%であることがさらに好ましい。
本発明の消臭剤組成物については、上記以外の成分を含んでいてもよい。上記以外の成分としては、特に限定するものではないが、有機溶媒、バインダー、増粘剤、消泡剤、界面活性剤、抗菌剤、又は防腐剤等が挙げられる。当該、上記以外の成分を含む場合、その含有量としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の消臭剤組成物 100重量%に対して、0.1~30重量%であることが好ましく、0.2~25重量%であることがより好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触することによって、前記臭気物質を吸着除去する特長を有する。
本発明の消臭剤組成物については、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触させることによって、これらの臭気物質を一斉に除去・低減することができる点で好ましい。
前記の接触させる方法としては、特に限定するものではないが、前記消臭剤組成物を静置して接触させる方法、スプレーして接触させる方法、ミスト形成させて接触させる方法、又は基材に塗布したうえで接触させる方法等が挙げられる。
本発明の消臭性構造物は、本発明の消臭剤組成物が、基材に担持されて製造されるものを表す。
本発明の消臭性構造物の基材としては、特に限定されないが、例えば、繊維状物、シート状物、ビーズ状物、スポンジ状物、又はボード状物を挙げることができる。
より詳細には、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、フッ素系繊維、アラミド系繊維、サルフォン系繊維、レーヨン、アセテート、木綿、羊毛、絹、麻、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、これらの混合繊維、これらの繊維からなる織物、これらの繊維からなる編物、これらの繊維からなる不織布、これらの繊維からなる糸、これらの繊維からなるロープ、これらの繊維からなる紐、若しくはポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムからなる群から選ばれる素材からなるシート状物、同ビーズ状物、同スポンジ状物、木材、合板、又は石膏ボード等が挙げられる。
本発明の消臭性構造物は、目的、用途に応じて任意の用途で使用することができる。用途は特に限定されないが、例えば、衣類用、カーテン用、カーペット用、壁装材用、自動車内装材用、又は家具用等の用途で使用することができる。
本発明の消臭性構造物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記した基材へ前記の消臭剤組成物を塗布する方法、上記した基材を前記の消臭剤組成物へ浸す方法等が挙げられる。
基材への消臭剤組成物の担持量は、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定するものではないが、0.1~100g/mの範囲が好ましく、0.5~50g/mの範囲がさらに好ましい。
消臭剤組成物を基材に担持した後、必要に応じて得られた消臭性構造物を乾燥させてもよい。乾燥条件は、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定するものではないが、例えば、温度として0~200℃の範囲、時間として数分~48時間の範囲である。
本発明の消臭剤構造物は、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触することによって、前記臭気物質を吸着除去する特長を有する。
本発明の消臭剤構造物については、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンを含む気体と接触させることによって、これらの臭気物質を一斉に除去・低減することができる点で好ましい。
接触させる方法としては、特に限定するものではないが、前記の消臭性構造物を、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体中に設置する方法を挙げることができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
ポリエチレンイミンは、エポミンP-1000(日本触媒社製、分子量7万)を用いた。
(1)消臭剤組成物による臭気物質の除去
実施例1
<消臭剤組成物の調製>
アミノオキシ酢酸 3g、酸化銀 0.2g、及び水 96.8gを、混合し、アミノオキシ酢酸 3重量%、酸化銀 0.2重量%、及び水 96.8重量%からなる消臭剤組成物を調製した。
<アセトアルデヒド捕捉試験>
5Lのテドラーバッグにアセトアルデヒド濃度が10ppmの窒素ガス2.5Lを加え、次いで前記の消臭剤組成物 50μLを加えた。室温で2時間静置後、テドラーバック内のガスを2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を担持したカートリッジ(富士フィルム和光純薬社製、プレセップ-C DNPH)に吸着させた。このカートリッジをアセトニトリルで処理し、DNPH-アルデヒド縮合体を溶出させた。続いて、溶出液を液体クロマトグラフ(島津製作所社製、LC-2030C Plus)を用いて残存アセトアルデヒド濃度を定量した。さらに、アセトアルデヒド捕捉率を下式から算出した。
アセトアルデヒド捕捉率[%]=[(アセトアルデヒド初濃度-残存アセトアルデヒド濃度)÷アセトアルデヒド初濃度]×100
<アンモニア捕捉試験>
5Lのテドラーバッグにアンモニア濃度が15ppmの窒素ガス1Lを加え、次いで前記の消臭剤組成物 50μLを加えた。室温で1時間静置後、テドラーバック内の残存アンモニア濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、アンモニア捕捉率を下式から算出した。
アンモニア捕捉率[%]=[(アンモニア初濃度-残存アンモニア濃度)÷アンモニア初濃度]×100
<酢酸捕捉試験>
5Lのテドラーバッグに酢酸濃度が10ppmの窒素ガス1Lを加え、次いで前記の消臭剤組成物 50μLを加えた。室温で1時間静置後、テドラーバック内の残存酢酸濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、酢酸捕捉率を下式から算出した。
酢酸捕捉率[%]=[(酢酸初濃度-残存酢酸濃度)÷酢酸初濃度]×100
<硫化水素捕捉試験>
5Lのテドラーバッグに硫化水素濃度が16ppmの窒素ガス1Lを加え、次いで前記の消臭剤組成物 100μLを加えた。室温で16時間静置後、テドラーバック内の残存硫化水素濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、硫化水素捕捉率を下式から算出した。
硫化水素捕捉率[%]=[(硫化水素初濃度-残存硫化水素濃度)÷硫化水素初濃度]×100
<メチルメルカプタン捕捉試験>
5Lのテドラーバッグにメチルメルカプタン濃度が10ppmの窒素ガス1Lを加え、次いで前記の消臭剤組成物 100μLを加えた。室温で16時間静置後、テドラーバック内の残存メチルメルカプタン濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、メチルメルカプタン捕捉率を下式から算出した。
メチルメルカプタン捕捉率[%]=[(メチルメルカプタン初濃度-残存メチルメルカプタン濃度)÷メチルメルカプタン初濃度]×100
実施例2
<消臭剤組成物の調製>
アミノオキシ酢酸 3g、硝酸銀 0.2g、及び水 96.8gを、混合し、アミノオキシ酢酸 3重量%、硝酸銀 0.2重量%、及び水 96.8重量%からなる消臭剤組成物を調製した。
実施例1において用いた消臭剤組成物を、上記の消臭剤組成物に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
実施例3
<消臭剤組成物の調製>
アミノオキシ酢酸 3g、酸化銀 0.2g、ポリエチレンイミン 3g、及び水 93.8gを、混合し、アミノオキシ酢酸 3重量%、酸化銀 0.2重量%、ポリエチレンイミン 3重量%、及び水 93.8重量%からなる消臭剤組成物を調製した。
実施例1において用いた消臭剤組成物を、上記の消臭剤組成物に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
比較例1~3
比較例1~3は、消臭剤組成物を表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示した。
表1から明らかなように、本発明の消臭剤組成物は、既存の消臭剤組成物と比較して優れた消臭性能を示した。
実施例4
<複合臭気物質の捕捉試験>
5Lのテドラーバッグにアセトアルデヒド濃度が10ppm、アンモニア濃度が15ppm、酢酸濃度が10ppm、硫化水素濃度が16ppm、及びメチルメルカプタン濃度が10ppmの窒素ガス1Lを加え、次いで実施例1で調製したものと同じ消臭剤組成物 100μLを加えた。室温で2時間静置後、テドラーバック内のアルデヒド、アンモニア、酢酸、硫化水素、及びメチルメルカプタンの残存濃度を、各々前記の方法で定量した。さらに、アルデヒド、アンモニア、酢酸、硫化水素、及びメチルメルカプタンの捕捉率を、各々前記の式から算出した。結果を表2に示した。
実施例5
実施例4において用いた消臭剤組成物を、実施例2で調製したものと同じ消臭剤組成物に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行った。結果を表2に示した。
実施例6
実施例4において用いた消臭剤組成物を、実施例3で調製したものと同じ消臭剤組成物に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行った。結果を表2に示した。
比較例4~6
比較例4~6は、消臭剤組成物を表2に示す組成に変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施した。結果を表2に示した。
表2から明らかなように、本発明の消臭剤組成物は、既存の消臭剤組成物と比較して優れた消臭性能を示した。
(2)消臭性構造物による臭気物質の除去
実施例7
<消臭性構造物の調製>
上記の実施例1で調製した、アミノオキシ酢酸 3重量%、酸化銀 0.2重量%、及び水 96.8重量%からなる消臭剤組成物 0.05gを、縦5cm横5cmの綿100%の繊維に塗布し、熱風式乾燥機(アドバンテック社製、DRJ433DA)を用いて、60℃で1時間乾燥することにより、消臭性構造物を得た。
<アセトアルデヒド捕捉試験>
前記の消臭性構造物 1個を5Lのテドラーバッグに封入し、次いで前記テドラーバッグにアセトアルデヒド濃度が10ppmの窒素ガス2.5Lを加えた。室温で2時間静置後、テドラーバック内のガスを2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を担持したカートリッジ(富士フィルム和光純薬社製、プレセップ-C DNPH)に吸着させた。このカートリッジをアセトニトリルで処理し、DNPH-アルデヒド縮合体を溶出させた。続いて、溶出液を液体クロマトグラフ(島津製作所社製、LC-2030C Plus)を用いてアセトアルデヒド濃度を定量した。さらに、アセトアルデヒド捕捉率を下式から算出した。
アセトアルデヒド捕捉率[%]=[(アセトアルデヒド初濃度-残存アセトアルデヒド濃度)÷アセトアルデヒド初濃度]×100
<アンモニア捕捉試験>
前記の消臭性構造物 1個を5Lのテドラーバッグに封入し、次いで前記テドラーバッグにアンモニア濃度が15ppmの窒素ガス1Lを加えた。室温で1時間静置後、テドラーバック内の残存アンモニア濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、アンモニア捕捉率を下式から算出した。
アンモニア捕捉率[%]=[(アンモニア初濃度-残存アンモニア濃度)÷アンモニア初濃度]×100
<酢酸捕捉試験>
前記の消臭性構造物 1個を5Lのテドラーバッグに封入し、次いで前記テドラーバッグに酢酸濃度が10ppmの窒素ガス1Lを加えた。室温で1時間静置後、テドラーバック内の残存酢酸濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、酢酸捕捉率を下式から算出した。
酢酸捕捉率[%]=[(酢酸初濃度-残存酢酸濃度)÷酢酸初濃度]×100
<硫化水素捕捉試験>
前記の消臭性構造物 2個を5Lのテドラーバッグに封入し、次いで前記テドラーバッグに硫化水素濃度が16ppmの窒素ガス1Lを加えた。室温で16時間静置後、テドラーバック内の残存硫化水素濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、硫化水素捕捉率を下式から算出した。
硫化水素捕捉率[%]=[(硫化水素初濃度-残存硫化水素濃度)÷硫化水素初濃度]×100
<メチルメルカプタン捕捉試験>
前記の消臭性構造物 2個を5Lのテドラーバッグに封入し、次いで前記テドラーバッグにメチルメルカプタン濃度が10ppmの窒素ガス1Lを加えた。室温で16時間静置後、テドラーバック内の残存メチルメルカプタン濃度をガス検知管(ガステック社製)で定量した。さらに、メチルメルカプタン捕捉率を下式から算出した。
メチルメルカプタン捕捉率[%]=[(メチルメルカプタン初濃度-残存メチルメルカプタン濃度)÷メチルメルカプタン初濃度]×100
実施例8
実施例7において用いた消臭剤組成物を、実施例2で調製したものと同じ消臭剤組成物に変更した以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
実施例9
実施例7において用いた消臭剤組成物を、実施例3で調製したものと同じ消臭剤組成物に変更した以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
比較例7~13
比較例7~13は、消臭剤組成物を表3に示す組成に変更したこと以外は、実施例7と同様にして実施した。
表3から明らかなように、本発明の消臭性構造物は、既存の消臭剤組成物が担持された消臭性構造物と比較して優れた消臭性能を示した。
本発明の消臭剤組成物並びにこれを担持した消臭性構造物は、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンに対し優れた消臭効果を発揮する。その結果、不快臭の低減に有効であり、生活環境改善の効果を奏する。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンと、銀化合物と、水とを含む消臭剤組成物。
    (式中、Rは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは1~6の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンにおいて、Rが水素原子であり、nが1~4の整数である、請求項1に記載の消臭剤組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるO-置換モノヒドロキシルアミンが、アミノオキシ酢酸である、請求項1に記載の消臭剤組成物。
  4. 前記銀化合物が、酸化銀、硝酸銀、フッ化銀、及び硫酸銀の群から選ばれる少なくとも1種の銀化合物である、請求項1に記載の消臭剤組成物。
  5. さらにポリエチレンイミンを含む、請求項1に記載の消臭剤組成物。
  6. 請求項1に記載の消臭剤組成物が、基材に担持されて製造される、消臭性構造物。
  7. 前記の基材が、繊維状物、シート状物、ビーズ状物、スポンジ状物、又はボード状物である、請求項6に記載の消臭性構造物。
  8. 請求項1に記載の消臭剤組成物を、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンの群からなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触させることを特徴とする、臭気物質の除去方法。
  9. 請求項6に記載の消臭剤構造物を、アルデヒド、アミン、カルボン酸、硫化水素、及びメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は2種以上の臭気物質を含む気体と接触させることを特徴とする、臭気物質の除去方法。
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