JP2024058316A - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極板の剥離の可能性を低減すること。【解決手段】圧電素子は、積層体と、導体層と、電極板と、固定材と、を備える。積層体は、圧電体と内部電極とが複数積層されている。導体層は、内部電極に接続され、積層体の積層方向に沿って位置する。電極板は、導電性の接合材を介して導体層に接合された本体部と、本体部の一端から積層体の積層方向に突出し、積層体と対向する突出部とを有する。固定材は、電極板と積層体とを固定する。圧電素子は、固定材と突出部と積層体との間に第1空隙を有する。【選択図】図4

Description

開示の実施形態は、圧電素子に関する。
圧電体と内部電極とが複数積層された積層体と、積層体の側面に位置し、内部電極に接続された導体層と、導体層に導電性の接合材を介して接合された電極板とを備えた圧電素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-130842号公報
しかしながら、従来技術では、積層体の伸縮動作に伴って電極板に生じる応力が電極板と導体層との接合部位の端部に集中するため、電極板が導体層から剥離してしまうという問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、電極板の剥離の可能性を低減することができる圧電素子を提供することを目的とする。
実施形態の一態様による圧電素子は、積層体と、導体層と、電極板と、固定材と、を備える。積層体は、圧電体と内部電極とが複数積層されている。導体層は、内部電極に接続され、積層体の積層方向に沿って位置する。電極板は、導電性の接合材を介して導体層に接合された本体部と、本体部の一端から積層体の積層方向に突出し、積層体と対向する突出部とを有する。固定材は、電極板と積層体とを固定する。圧電素子は、固定材と突出部と積層体との間に第1空隙を有する。
実施形態の一態様によれば、電極板の剥離の可能性を低減することができる。
図1は、実施形態に係る圧電素子の全体構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示すII-II線の矢視断面図である。 図3は、実施形態に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。 図4は、図3に示すIV-IV線の矢視断面図である。 図5は、図3に示すV-V線の矢視断面図である。 図6は、実施形態に係る固定材による突出部の固定態様の一例を示す拡大平面図である。 図7は、実施形態に係る固定材による突出部の固定態様の他の一例を示す拡大平面図である。 図8は、実施形態に係る固定材による突出部の固定態様の他の一例を示す拡大平面図である。 図9は、実施形態に係る固定材による突出部の固定態様の他の一例を示す拡大平面図である。 図10は、他の実施形態1に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図11は、他の実施形態1に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図12は、他の実施形態2に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。 図13は、図12に示すXIII-XIII線の矢視断面図である。 図14は、他の実施形態3に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図15は、他の実施形態4に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。 図16は、図15に示すXVI-XVI線の矢視断面図である。 図17は、他の実施形態5に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図18は、他の実施形態6に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。 図19は、他の実施形態7に係る電極板およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する圧電素子の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<圧電素子の全体構成>
最初に、実施形態に係る圧電素子1の全体構成について、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る圧電素子1の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すII-II線の矢視断面図である。
図1および図2に示すように、実施形態に係る圧電素子1は、積層体10と、一対の導体層20と、一対の電極板40と、固定材50とを備える。なお、一対の導体層20は導体層20Aと導体層20Bとを含み、一対の電極板40は電極板40Aと電極板40Bとを含む。
図1に示すように、積層体10は、柱状形状を有する。積層体10は、たとえば、縦0.5(mm)~10(mm)、横0.5(mm)~10(mm)、高さ1(mm)~100(mm)の四角柱状(直方体状)である。なお、積層体10の形状は四角柱状に限られず、六角柱状、八角柱状または円柱状などであってもよい。
図2に示すように、積層体10は、圧電体11と、内部電極12と、予定破断層13とを有する。積層体10は、圧電体11と、内部電極12と、予定破断層13とを積層方向Dに沿って所定の順序で積層して構成される。本開示では、積層体10の積層方向Dが積層体10の長手方向と一致している。
圧電体11は、圧電特性を有する圧電材料で構成され、たとえば、圧電セラミックスで構成される。かかる圧電セラミックスの材質は、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO-PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)またはタンタル酸リチウム(LiTaO)などである。
かかる圧電セラミックスの平均粒径は、たとえば、1.6(μm)~2.8(μm)である。また、圧電体11の厚みは、たとえば、3(μm)~250(μm)である。
内部電極12は、導電性材料で構成され、複数の第1電極12aと複数の第2電極12bとを含む。第1電極12aは、積層体10の1つの側面10aに配置される導体層20Aに電気的に接続される。第1電極12aには、かかる導体層20Aを介して、所定の正電圧が印加される。
第2電極12bは、積層体10における側面10aとは反対側の側面10bに配置される導体層20Bに電気的に接続される。第2電極12bには、かかる導体層20Bを介して、所定の負電圧(またはグランド電圧)が印加される。
図2に示すように、積層体10の内部では、第1電極12aと第2電極12bとの間に圧電体11が配置されるように、第1電極12a、第2電極12bおよび圧電体11が積層される。これにより、積層体10では、第1電極12aおよび第2電極12bによって圧電体11に駆動電圧を印加することができる。
そして、実施形態に係る積層体10は、圧電体11と内部電極12とを交互に複数積層して構成される活性部と、かかる活性部における積層方向Dの両端側に配置され、圧電体11を有しかつ内部電極12を有さない不活性部とで構成される。
活性部は、外部から積層体10に駆動電圧が印加されることによって、積層方向Dに伸長または収縮(以下、伸縮とも呼称する。)する部位である。一方で、不活性部は、外部から積層体10に駆動電圧が印加された場合でも伸縮しない部位である。
また、本開示では、図1および図2の下側の端部を積層体10の基端部10eとし、図1および図2の上側の端部を積層体10の先端部10fとする。
そして、実施形態に係る圧電素子1では、積層体10の基端部10eが固定されるとともに、積層体10の先端部10fが積層方向Dに沿って変位する。
内部電極12の材質は、たとえば、銀、銀-パラジウム、銀-白金または銅などを主成分とする金属である。内部電極12は、たとえば、圧電体11との同時焼成により形成することができる。内部電極12の厚みは、たとえば、0.1(μm)~5(μm)である。
予定破断層13は、積層体10の駆動によって生じる応力を緩和するための層である。予定破断層13としては、たとえば、内部電極12として機能しない多孔質な金属層、またはあらかじめ亀裂の入った金属層などが挙げられる。なお、実施形態に係る積層体10において、予定破断層13は省略されてもよい。
一対の導体層20は、上述したように、積層体10の側面10aに位置する導体層20Aと、積層体10の側面10bに位置する導体層20Bとを含む。導体層20は、積層体10の活性部全体に渡るように配置される。導体層20は、積層体10の積層方向Dに沿って位置している。
導体層20の材質は、たとえば、銀または銅などを主成分とする金属である。導体層20には、たとえば、上記の金属とガラスとの焼結体からなるメタライズ層を用いることができる。導体層20の厚みは、たとえば、5(μm)~500(μm)である。
一対の電極板40は、電極板40Aと電極板40Bとを含み、一対の導体層20にそれぞれ電気的に接続される。具体的には、電極板40Aは、導体層20Aに電気的に接続され、電極板40Bは、導体層20Bに電気的に接続される。
電極板40は、図1に示すように、積層体10の積層方向Dに延びる板状部材であり、本体部41と、突出部42とを有する。本体部41は、積層体10の積層方向Dに延びる部位であり、導体層20に電気的に接続される。
本体部41は、導電性の接合材30を介して導体層20に接合される。かかる接合材30としては、たとえば、Ag粉末やCu粉末などの高い導電性を有する金属粉末を含んだエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂などが用いられる。
突出部42は、本体部41の一端41aから積層体10の積層方向Dに突出する部位である。突出部42は、図2に示すように、積層体10と対向している。
電極板40の材質は、たとえば、銅、鉄、ステンレス、リン青銅などの金属である。電極板40の幅は、たとえば、0.5(mm)~10(mm)であり、電極板40の厚みは、たとえば、0.01(mm)~1.0(mm)である。電極板40の表面には、電気伝導性や熱伝導性を向上させるため、スズめっきまたは銀めっきなどのめっき膜が施されていてもよい。
固定材50は、電極板40と積層体10とを固定する。たとえば、固定材50は、電極板40の少なくとも突出部42を積層体10に固定する。
固定材50は、たとえば、耐熱性および柔軟性を有する絶縁材料で構成される。この固定材50となる絶縁材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、ガラス、セラミックスまたはエポキシ樹脂とセラミックスの複合材料などが用いられる。固定材50となる絶縁材料として、セラミックスまたはエポキシ樹脂とセラミックスの複合材料が用いられる場合、セラミックスの材質は、圧電体11となる圧電セラミックスと同様の材質であってもよい。
<電極板および固定材の構成>
つづいて、実施形態に係る電極板40および固定材50の詳細な構成について、図3~図9を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。図4は、図3に示すIV-IV線の矢視断面図である。図5は、図3に示すV-V線の矢視断面図である。
上述したように、電極板40は、積層体10の積層方向Dに延びる板状部材であり、導体層20に導電性の接合材30を介して接合された本体部41と、本体部41の一端41aから積層方向Dに突出し、積層体10と対向する突出部42とを有する。
本体部41は、接合材30に接する第1部分411と、第1部分411の幅方向(すなわち、積層方向Dと交差する方向)の両側に位置し、接合材30に接することなく導体層20と対向する第2部分412とを有する。
そして、図3に示すように、実施形態では、電極板40の本体部41が、複数のスリットSを有する。かかるスリットSは、たとえば、本体部41の幅方向(すなわち、積層方向Dと交差する方向)に沿って延びるように切り欠かれる。
複数のスリットSは、本体部41における両方の側部(つまり、一対の第2部分412の側部)から交互に切り欠かれるとともに、積層方向Dに沿って略均等な間隔で並んで配置される。また、複数のスリットSは、すべて略等しい長さを有する。なお、スリットSの長さとは、スリットSの切り欠き方向(すなわち、本体部41の幅方向)における長さのことである。
さらに、複数のスリットSでは、積層方向Dに見て先端同士が重なり合うように長さが設定される。ここで、重なり合うとは、積層方向Dに見た場合において、互いに隣接するスリットS同士が互いに対向する領域を有することを意味している。
実施形態では、電極板40の本体部41に複数のスリットSを配置することにより、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、本体部41を積層方向Dに伸縮させることができる。したがって、実施形態によれば、積層体10または導体層20から電極板40が剥離する可能性を低減することができる。
電極板40の突出部42は、第1空隙Gを挟んで積層体10と対向している。固定材50は、電極板40の少なくとも突出部42を積層体10に固定する。
ここで、図4および図5に示すように、実施形態では、固定材50が、電極板40の少なくとも突出部42を突出部42と積層体10との間の第1空隙Gが維持された状態で積層体10に固定する。言い換えると、実施形態では、圧電素子1は、固定材50と突出部42と積層体10との間に第1空隙Gを有している。
これにより、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、第1空隙G上の突出部42に積層方向Dに沿った伸縮が生じ、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面に逃がすことができる。したがって、実施形態によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性を低減することができる。
図6は、実施形態に係る固定材50による突出部42の固定態様の一例を示す拡大平面図である。図6に示すように、実施形態に係る固定材50は、突出部42の周縁の全周(つまり、突出部42の先端42a側の周縁および側部42b側の周縁)を積層体10に固定してもよい。これにより、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面により効率的に逃がすことができる。
したがって、実施形態によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部に発生する応力をより効率的に分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性をより低減することができる。
また、実施形態では、固定材50は、突出部42の周縁によって囲まれる所定領域が突出部42に残された状態で突出部42の周縁の全周を積層体10に固定してもよい。これにより、突出部42に残された所定領域を電極板40への給電を行うリード端子を接合するための領域として用いることができる。
なお、実施形態に係る固定材50は、必ずしも突出部42の周縁の全周を積層体10に固定していなくてもよい。要するに、固定材50は、突出部42の周縁の少なくとも一部が積層体10に固定されていればよい。図7~図9は、実施形態に係る固定材50による突出部42の固定態様の他の一例を示す拡大平面図である。
図7に示すように、実施形態に係る固定材50は、突出部42の先端42a側の周縁のみを積層体10に固定してもよい。
また、図8に示すように、実施形態に係る固定材50は、突出部42の側部42b側の周縁のみを積層体10に固定してもよい。
さらに、図9に示すように、実施形態に係る固定材50は、突出部42の先端42a側の周縁を積層体10に固定する部位と、突出部42の側部42b側の周縁を積層体10に固定する部位とを互いに分離して配置してもよい。
このように、実施形態に係る固定材50は、突出部42の周縁の少なくとも一部が積層体10に固定されてもよい。かかる場合、突出部42は、突出部42の周縁よりも内側に露出領域を有していてもよい。ここで、露出領域とは、突出部42上に固定材50が位置していない領域のことである。突出部42に露出領域を設けることにより、露出領域を電極板40への給電を行うリード端子を接合するための領域として用いることができる。
<他の実施形態1>
つづいて、各種の他の実施形態について、図10~図19を参照しながら説明する。なお、以下に示す各種の他の実施形態では、実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略することがある。
図10および図11は、他の実施形態1に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。図10は、図3に示すIV-IV線の矢視断面図に相当し、図11は、図3に示すV-V線の矢視断面図に相当する。
図10および図11に示す他の実施形態1では、固定材50の構成が上述の実施形態と異なる。具体的には、他の実施形態1では、固定材50が、張出部51を有する。張出部51は、突出部42の周縁よりも内側に張り出して位置し、積層体10に接している。ここで、突出部42の周縁よりも内側とは、突出部42(電極板40)の中心軸に近づく方向と言い換えることもできる。張出部51は、第1張出部の一例である。
他の実施形態1では、固定材50に張出部51を設けることで、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面により効率的に逃がすことができる。したがって、他の実施形態1によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部に発生する応力をより効率的に分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性をより低減することができる。
<他の実施形態2>
図12は、他の実施形態2に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。図13は、図12に示すXIII-XIII線の矢視断面図である。
図12および図13に示すように、他の実施形態2では、固定材50は、本体部41の一端41a側に位置する導体層20の一端において、本体部41および導体層20を積層体10に固定する。
これにより、他の実施形態2では、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面により効率的に逃がすことができる。したがって、他の実施形態2によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部に発生する応力をより効率的に分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性をより低減することができる。
<他の実施形態3>
図14は、他の実施形態3に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。図14は、図12に示すXIII-XIII線の矢視断面図に相当する。
上述したように、本体部41は、接合材30に接する第1部分411と、第1部分411の幅方向(すなわち、積層方向Dと交差する方向)の両側に位置し、接合材30に接することなく導体層20と対向する第2部分412とを有する。そして、第2部分412は、第2空隙Gを挟んで導体層20と対向している。
図14に示す他の実施形態3では、固定材50の構成が上述の他の実施形態2と異なる。具体的には、他の実施形態3では、固定材50が、張出部52を有する。張出部52は、第2部分412の側部よりも内側に張り出して位置し、導体層20に接している。ここで、第2部分412の側部よりも内側とは、突出部42(電極板40)の中心軸に近づく方向と言い換えることもできる。張出部52は、第2張出部の一例である。
他の実施形態3では、固定材50に張出部52を設けることにより、張出部52を設けない場合と比べて、固定材50と導体層20との密着力が向上するため、固定材50と積層体10との密着力が向上する。したがって、他の実施形態1によれば、導体層20が積層体10から剥離する可能性を低減することができる。
<他の実施形態4>
図15は、他の実施形態4に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。図16は、図15に示すXVI-XVI線の矢視断面図である。
図15に示すように、他の実施形態4では、本体部41および導体層20を被覆する被覆層60が積層体10の側面(積層体10の積層方向Dに沿って位置する面の一例)10aに位置している。また、図15には図示されていないが、積層体10の側面(積層体10の積層方向Dに沿って位置する面の一例)10bにも本体部41および導体層20を被覆する被覆層60が位置している。かかる被覆層60を側面10a、10bに配置することにより、本体部41および導体層20を保護することができる。
被覆層60は、たとえば、絶縁体で構成される。この被覆層60となる絶縁体としては、たとえば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂などが用いられる。
そして、他の実施形態4では、図15および図16に示すように、被覆層60の端部は、本体部41の一端41a側に位置する固定材50の端部を被覆している。
これにより、他の実施形態4では、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面および被覆層60と積層体10との界面に逃がすことができる。したがって、他の実施形態4によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部に発生する応力をより効率的に分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性をより低減することができる。
<他の実施形態5>
図17は、他の実施形態5に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。図17は、図15に示すXVI-XVI線の矢視断面図に相当する。
図17に示す他の実施形態5では、被覆層60の構成が、上述した他の実施形態4と異なる。具体的には、他の実施形態5では、被覆層60が、積層体10の側面10aを含む側面全周に位置している。すなわち、被覆層60は、積層体10の側面10a、側面10bだけでなく、側面10aと側面10bとの間に位置する側面10c(図1参照)および側面10d(図1参照)にも配置されている。
これにより、他の実施形態5では、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、被覆層60に発生する応力を積層体10の側面全周に分散することができる。
<他の実施形態6>
図18は、他の実施形態6に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す拡大平面図である。上述したように、積層体10は、圧電体11と内部電極12とを交互に複数積層して構成される活性部10Aと、かかる活性部における積層方向Dの両端側に配置され、圧電体11を有しかつ内部電極12を有さない不活性部10Bとで構成される。
図18に示すように、他の実施形態6では、電極板40が、少なくとも突出部42において平面視で不活性部10Bと重なる位置に、他の部分よりも幅が大きい幅広部分43を有している。そして、他の実施形態6では、固定材50が、幅広部分43を積層体10に固定してもよい。
これにより、他の実施形態6では、積層体10の積層方向Dへの伸縮に追従して、電極板40と導体層20との接合部位の端部(一端41a付近)に発生する応力を固定材50と積層体10との界面により効率的に逃がすことができる。したがって、他の実施形態6によれば、積層体10の積層方向Dへの伸縮に起因して電極板40と導体層20との接合部位の端部に発生する応力をより効率的に分散させることができ、導体層20から電極板40が剥離する可能性をより低減することができる。
<他の実施形態7>
図19は、他の実施形態7に係る電極板40およびその周辺の構成の一例を示す断面図である。図19は、図15に示すXIX-XIX線の矢視断面図に相当する。
図19に示す他の実施形態7では、突出部42が、突出部42と積層体10との間隔が突出部42の先端42aに向かって狭くなるように傾斜している。言い換えると、突出部42は、突出部42の先端42aに向かって下り傾斜である。
これにより、他の実施形態7では、未硬化状態の固定材50の一部が突出部42の先端42aと積層体10との間の隙間に適度に充填されることから、固定材50の硬化後における突出部42の先端42aと積層体10との間の密着強度を向上させることができる。
<圧電素子の製造方法>
次に、本実施形態の圧電素子1の一例の製造方法について説明する。まず、圧電体層(圧電体11)となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子を有するバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、周知のドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては、圧電特性を有するものであればよく、例えば、PbZrO3-PbTiO3を有するペロブスカイト型酸化物などを用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)などを用いることができる。
次に、内部電極12となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀-パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって、導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて印刷し、次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに積層方向の両端部に導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層成形体を得る。この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900~1200℃で焼成することによって積層体10が得られる。
その後、積層体10の側面に、銀とガラスからなる導電性ペーストを塗布し、焼き付けて導体層20を形成する。導電性ペーストは、主に銀からなる金属粉末にバインダー、可塑剤、ガラス粉末等を添加混合してなるもので、積層体10の側面にスクリーン印刷法等によって印刷して600~800℃で焼成することにより導体層20を形成することができる。
次に、導体層20の上面に、接合材30を塗布し、この上に電極板40を貼り合わせた後、100~140℃の温度で乾燥させ、その後180~220℃の温度で硬化させることにより電極板40を接合する。その後、固定材50を電極板40の上に設ける。
なお、電極板40の固定方法は、以下に記載する。固定材50をスクリーン印刷でマスクを用いて塗布するが、このとき、固定材50は、電極板40の突出部42と積層体10との間に第1空隙Gを形成できる程度の粘度を有する樹脂を用いる。これにより、固定材50が電極板40の直下に流れこまないことにより、電極板40を固定することができるとともに、第1空隙Gを形成できる。
また、他の方法として、平面透視において電極板40に重なる位置の積層体10の所望の場所に堰となる突起を設ければ、上述したものより粘度の低い樹脂を用いたスクリーン印刷が可能となり、第1空隙Gを形成できる。なお、ここで用いる樹脂として、熱硬化性樹脂が挙げられるが、光硬化性樹脂も使用可能である。電極板40を固定する固定材50の中にボイドが形成されることがあるが、このボイドは固定材50に囲まれているものであり、固定材50と突出部42と積層体10とに囲まれた第1空隙Gと異なるものである。以上の方法により、本例の圧電素子1が作製される。
以上のように、実施形態に係る圧電素子(例えば、圧電素子1)は、積層体(例えば、積層体10)と、導体層(例えば、導体層20)と、電極板(例えば、電極板40)と、固定材(例えば、固定材50)とを備える。積層体は、圧電体(例えば、圧電体11)と内部電極(例えば、内部電極12)とが複数積層されている。導体層は、内部電極に接続され、積層体の積層方向(例えば、積層方向D)に沿って位置する。電極板は、導電性の接合材(例えば、接合材30)を介して導体層に接合された本体部(例えば、本体部41)と、本体部の一端(例えば、一端41a)から積層体の積層方向に突出し、積層体と対向する突出部(例えば、突出部42)とを有する。固定材は、電極板と積層体とを固定する。圧電素子は、固定材と突出部と積層体との間に第1空隙(例えば、第1空隙G)を有する。これにより、電極板の剥離の可能性を低減することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 圧電素子
10 積層体
10A 活性部
10B 不活性部
10a,10b,10c,10d 側面
10e 基端部
10f 先端部
11 圧電体
12 内部電極
12a 第1電極
12b 第2電極
13 予定破断層
20,20A,20B 導体層
30 接合材
40,40A,40B 電極板
41 本体部
41a 一端
42 突出部
42a 先端
42b 側部
43 幅広部分
50 固定材
51,52 張出部
60 被覆層
411 第1部分
412 第2部分
D 積層方向
第1空隙
第2空隙
S スリット

Claims (9)

  1. 圧電体と内部電極とが複数積層された積層体と、
    前記内部電極に接続され、前記積層体の積層方向に沿って位置する導体層と、
    導電性の接合材を介して前記導体層に接合された本体部と、前記本体部の一端から前記積層体の積層方向に突出し、前記積層体と対向する突出部とを有する電極板と、
    前記電極板と前記積層体とを固定する固定材と
    を備え、
    前記固定材と前記突出部と前記積層体との間に第1空隙を有する、圧電素子。
  2. 前記固定材は、前記突出部の周縁の少なくとも一部が前記積層体に固定されており、
    前記突出部は、前記周縁よりも内側に露出領域を有する、請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記固定材は、前記突出部の周縁よりも内側に張り出して位置し、前記積層体に接する第1張出部を有する、請求項1に記載の圧電素子。
  4. 前記固定材は、前記本体部の一端側に位置する前記導体層の一端において、前記本体部および前記導体層を前記積層体に固定する、請求項1に記載の圧電素子。
  5. 前記本体部は、前記接合材に接する第1部分と、前記第1部分の幅方向の両側に位置し、前記接合材に接することなく前記導体層と対向する第2部分とを有し、
    前記固定材は、前記第2部分の側部よりも内側に張り出して位置し、前記導体層に接する第2張出部を有する、請求項4に記載の圧電素子。
  6. 前記積層体の前記積層体の積層方向に沿って位置する面には、前記本体部および前記導体層を被覆する被覆層が位置しており、
    前記被覆層の端部は、前記本体部の一端側に位置する前記固定材の端部を被覆している、請求項4に記載の圧電素子。
  7. 前記被覆層は、前記積層体の積層方向に沿って位置する面の全周に位置している、請求項6に記載の圧電素子。
  8. 前記積層体は、
    前記圧電体と前記内部電極とが交互に積層された活性部と、
    前記活性部の積層方向の両端側に位置し、前記圧電体を有しかつ前記内部電極を有さない不活性部と
    を有し、
    前記電極板は、少なくとも前記突出部において平面視で前記不活性部と重なる位置に、他の部分よりも幅が大きい幅広部分を有し、
    前記固定材は、前記幅広部分を前記積層体に固定する、請求項1に記載の圧電素子。
  9. 前記突出部は、前記突出部の先端に向かって下り傾斜である、請求項1に記載の圧電素子。
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