JP2024049407A - 難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維複合体 - Google Patents

難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】紡績性の優れ、明度の高い難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維複合体を提供する。【解決手段】本発明は、アクリル系共重合体100質量部に対して粒子径が0.3μm以上であるマグネシウム化合物を1~15質量部含有し、燃焼時の一酸化炭素濃度が0.004%未満となる難燃性アクリル系合成繊維及び難燃性繊維複合体に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、高い難燃性を有する難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維複合体に関する。
従来、アクリル系繊維等のハロゲン含有繊維の難燃化は、難燃剤としてアンチモン化合物を1~50質量部程度含有させる方法が一般的である(例えば、特許文献1)。また、アンチモン化合物以外のハロゲン含有繊維に難燃性を付与する化合物として錫酸亜鉛化合物を用いることが行われている(例えば、特許文献2)。
特公平4-18050号公報 特開平10-001822号公報
しかしながら、アンチモン化合物や錫化合物の場合、これらの化合物の溶出や排出による環境への影響が懸念されており、さらにはこれらの化合物の添加により紡績性が劣るという課題があり、改善の余地があった。また、錫化合物を添加した繊維は着色し、明度の観点から課題が残っていた。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、環境への影響が懸念されず、高い難燃性を有し、紡績性の優れ、着色の少ない高い難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維集合体を提供する。
本発明は、アクリル系共重合体100質量部に対して粒子径が0.3μm以上であるマグネシウム化合物を1~15質量部含有し、燃焼時の一酸化炭素濃度が0.004%未満となることを特徴とする難燃性アクリル系合成繊維に関する。
本発明によれば、環境への影響の懸念が低減され、紡績性に優れ、明度が高く、高い難燃性を有する難燃性アクリル系合成繊維、及びそれを含む難燃性繊維集合体を提供することができる。
本発明の発明者は、環境への影響の懸念が低減され、紡績性に優れ、着色が少なく、高い難燃性を有するアクリル系合成繊維を得るため検討を重ねた。その結果、マグネシウム化合物を用いることでアンチモン化合物を使用した際に比べ燃焼時に有害ガスである一酸化炭素の発生が抑制され、環境への影響を抑えながらも紡績性の優れ、着色の少ない(明度の高い)、高い難燃性を有することを見出した。
また、従来、繊維製造工程におけるろ過性の観点より、アンチモン化合物や錫化合物においては粒子径を小さくすることに注力されており、当該化合物が繊維からの脱落や溶出等により環境への影響が懸念されていた。さらには粒子径が小さいことにより加工紡績時に静電気が発生しやくなり、紡績性が悪くなっていたが、マグネシウム化合物の粒子径を大きくすることで、ろ過性を担保しつつ、環境への影響も抑えられ、さらには繊維を紡績する際の静電気発生を抑制でき、優れた紡績性が得られることを見出した。
また錫化合物を用いた場合、繊維が着色してしまうがマグネシウム化合物を用いても繊維は着色せず、従来のアクリル系繊維が有する明度を損なわないことを見出した。
本発明の1以上の実施形態について以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<一酸化炭素の発生評価方法>
本発明の1以上の実施態様において、「燃焼時の一酸化炭素濃度」は、例えば以下の様に確認することができる。
(1)試験用ニット生地の作成
難燃性アクリル系合成繊維をカード、練条、粗紡、精紡の工程を経て綿番手20/1の紡績糸を作製し、当該紡績糸を横編み機を用いて、目付200g/m2のシングルニット生地を作製する。
(2)コーンカロリーメーター試験
上述のニット生地を用いて、ISO5660―1コーンカロリーメータ法に準拠した発熱性試験を実施し、試験機は(株)東洋精機製作所製コーンカロリーメータIII C3を用いて行い、輻射熱は50kW/m2、試験時間は20分、試験片は10cm四方、厚さ0.4mmをアルミ箔の上に置いて実施する。尚、ニット生地を平らに設置できるようワイヤーグリッドを使用する。
(3)一酸化炭素濃度測定
コーンカロリーメーター試験にて、一酸化炭素濃度を測定する。ピークにおける一酸化炭素濃度を0.004%を基準として判断する。
<マグネシウム化合物>
本発明の1以上の実施態様において、難燃性アクリル系合成繊維は、燃焼時に表面発泡炭化層を形成しやすい観点から、マグネシウム化合物を使用する。本発明で用いられるマグネシウム化合物の粒子径は0.3μm以上、好ましくは0.3μm以上2.0μm以下、更に好ましくは0.5μm以上1.5μm以下である。粒子径が0.3μm未満であると、マグネシウム化合物粒子の表面積が増大し、紡績等の繊維加工工程において静電気発生のより加工が困難となる。粒子径が2.0μmを超えると、紡糸工程にて紡糸口金の閉塞を引き起こしてしまうために製造上好ましくない。本発明において、マグネシウム化合物の平均粒子径は、例えば、粉体の場合は、レーザー回折法で測定することができ、水や有機溶媒に分散した分散体(分散液)の場合は、レーザー回折法又は動的光散乱法で測定することができる。
マグネシウム化合物の添加量としては、アクリル系共重合体100質量部に対して1質量部以上15質量部以下が好ましく、3質量部以上10質量部以下がより好ましく、更には5質量部以上8質量部以下が最も好ましい。マグネシウム化合物が1質量部未満の場合、難燃性が不十分となり、一方15質量部を超えると、繊維を紡績等の加工する際に絶縁抵抗値が高くなり、静電気が発生しやすくなり、カード工程での巻き付きといったトラブルが発生し加工が困難となるので好ましくない。
本発明で用いられるマグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、過酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、水素化マグネシウム、二ホウ化マグネシウム、窒化マグネシウム、硫化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム等があげられる。中でも取り扱い易さの観点から酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムが好適に用いられる。更にはモース硬度の観点から水酸化マグネシウムが好適に用いられる。
本発明におけるマグネシウム化合物の好ましいモース硬度は5未満である。ここで言うモース硬度とは鉱物の硬さの指標である。例えばモース硬度5とはナイフで容易ではないものの傷をつけることができる硬さの程度であり、モース硬度6とはナイフで傷つけることが困難でナイフを痛める硬さの程度である。水酸化マグネシウム化合物及び酸化マグネシウムは、従来の難燃剤であるアンチモン化合物と同等の難燃性を確保できる。さらに、当該化合物を分散した繊維では、水酸化マグネシウム化合物は酸化マグネシウム化合物より、安定的に紡績することができる。推測の域をでないが、なぜなら、水酸化マグネシウム化合物のモース硬度は約3、酸化マグネシウム化合物のモース硬度は約7であり、水酸化マグネシウム化合物は酸化マグネシウム化合物よりも柔らかいために、難燃性アクリル系繊維をカットする際のカッター刃の摩耗性が低くなり、紡績に用いる機械の摩耗性が低減するためと推定される。
水酸化マグネシウム化合物としては、特に限定されないが、例えば天然ブルース鉱石を粉砕して得られた粉末、マグネシウム塩水溶液をアルカリで中和して得られた粉末、水酸化マグネシウム粒子をリン酸塩、ホウ酸塩などで処理した粉末、酸化マグネシウムを水和させて徐々に水酸化マグネシウムを生成する方法で得られるものから選ばれる。さらに、水酸化マグネシウム化合物粒子の周囲に吸着可能な物質で吸着されているもしくは表面処理によって表面処理されることにより被覆層を有したものであってもよい。その中でもシランカップリング剤で表面処理されることにより被覆層を有したものが、静電気抑制の観点から好ましい。シランカップリング剤で表面処理することで静電気抑制が向上する理由は推定の域をでないが、以下の様に考えられる。水酸化マグネシウム粒子表面をシランカップリング処理することにより難燃性アクリル系合成繊維とシランカップリング処理した水酸化マグネシウムの分散性が向上し、その結果静電気が抑制されると考えられる。さらに、加工性向上を目的に油剤を繊維表面を付着する工程を行うと、水酸化マグネシウム粒子の表面にも油剤の効果が十分に及び、加工性が大いに改善される。シランカップリング剤の種類としてはアクリル樹脂との相溶性を向上させるのもであれば特に限定はなく、架橋型、非架橋型に関しても特に限定されるものではない。
<アクリル系共重合体>
本発明の1以上の実施態様において、アクリル系共重合体はアクリロニトリル30~70質量部、塩化ビニル単量体及び/又は塩化ビニリデン単量体70~30質量部、及びこれらと共重合可能なビニル系単量体0~10質量部よりなる他の共重合体が好ましく、さらには、アクリルニトリル40~70質量部、塩化ビニル単量体及び/または塩化ビニリデン単量体60~30質量部、および共重合可能なビニル系単量体0~3質量部よりなる共重合体がより好ましい。アクリル系重合体は、35~85質量部のアクリロニトリル、15~65質量部のハロゲン含有ビニル系単量体及び、0質量部以上3質量部以下のスルホン酸基を含有する単量体を共重合した共重合体であることが好ましい。より好ましくは、上記アクリル系重合体は、40~70質量部のアクリロニトリル、30~60質量部のハロゲン含有ビニル系単量体及び、0~3質量部のスルホン酸基を含有する単量体を共重合した共重合体である。当該アクリル系重合体であれば、アクリル系繊維の耐熱性及び難燃性が良好になる。上記他の成分としては、アクリロニトリルと共重合可能なものであればよく特に限定されない。
ハロゲン含有ビニル系単量体としては、例えば、ハロゲン含有ビニル、ハロゲン含有ビニリデンなどが挙げられる。ハロゲン含有ビニルとしては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニルなどが挙げられ、ハロゲン含有ビニリデンとしては、塩化ビニリデン、臭化ビニリデンなどが挙げられる。これらのハロゲン含有ビニル系単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル単量体、塩化ビニリデン単量体においては、塩化ビニル単量体がより好ましい。塩化ビニル単量体を用いた場合、難燃剤としてマグネシウム化合物を選択して特定の配合量で配合することで、燃焼時に表面発泡炭化層を形成しやすく、高い難燃性を発現する。そのメカニズムは明確ではないが、塩化ビニルが存在する場合、マグネシウム化合物はイントメッセント難燃剤として機能し、燃焼時に表面発泡炭化層、すなわちイントメッセントを形成しやすくなると推測される。また、塩化ビニリデン単量体を用いた場合、難燃剤としてマグネシウム化合物を選択する場合重合体が着色し寝具、衣料用途での使用は制限されるが、塩化ビニル単量体を用いた場合は着色が進行せず、好ましい。
前記他の共重合可能なビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸に代表される不飽和カルボン酸類及びこれらの塩類、メタクリル酸メチルに代表されるメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート等に代表される不飽和カルボン酸のエステル類、酢酸ビニルや酪酸ビニルに代表されるビニルエステル類、スルホン酸含有モノマー等を用いることができる。前記スルホン酸含有モノマーとしては、特に限定されないが、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸並びにこれらのナトリウム塩等の金属塩類及びアミン塩類等を用いることができる。これらの他の共重合可能なビニル系単量体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルホン酸基を含有する単量体は必要に応じて使用されるが、上記アクリル系重合体中のスルホン酸基を含有する単量体の含有量が3質量%以下であれば紡糸工程の生産安定性に優れる。
アクリル系共重合体は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の既知の重合方法で得ることができる。この中でも工業的視点から、懸濁重合、乳化重合又は溶液重合が好ましい。
<難燃性アクリル系合成繊維>
本発明の1以上の実施態様において、難燃性アクリル系合成繊維は、上記のアクリル系重合体から構成される。
難燃性アクリル系合成繊維は、例えば耐久性の観点から、単繊維強度が1.0~4.0cN/dtexであることが好ましく、1.5~3.5cN/dtexであることがより好ましい。難燃性アクリル系合成繊維は、例えば実用性の観点から、伸度が20~40%であることが好ましく、伸度が20~30%であることがより好ましい。単繊維強度及び伸度は、JIS L 1015に準じて測定することができる。
難燃性アクリル系合成繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、使用方法において適宜選択することが可能である。単繊維繊度は、使用される繊維複合体の用途により適宜選択されるが、1以上50以下dtexが好ましく、1.5以上30以下dtexがより好ましく、1.7以上15以下dtexがさらに好ましい。カット長は、繊維複合体の用途により適宜選択される。例えば、ショートカットファイバー(繊維長0.1以上5以下mm)や短繊維(繊維長38以上128以下mm)、あるいは全くカットされていない長繊維(フィラメント)が挙げられる。
難燃性アクリル系合成繊維は、必要に応じてマグネシウム化合物以外の溶出や排出による環境への影響が懸念されることがない他の難燃剤を含んでもよい。また、必要に応じて帯電防止剤(制電剤ともいう)、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止剤、着色剤等、他の添加剤を含有してもよい。なお、塗布方法については特に限定されず、スプレーによる塗布でもよくカット後の塗布でもよい。
本発明の1以上の実施態様において、難燃性アクリル系合成繊維は、特に限定されないが、好ましくはアクリロニトリル及び塩化ビニルを含むアクリル系共重合体と、マグネシウム化合物を含む組成物を紡糸した後、熱処理することにより製造することができる。具体的な製造方法としては、湿式紡糸法、乾式紡糸法、半乾半湿式法等の公知の方法で行うことができる。例えば湿式紡糸法の場合は、前記アクリル系共重合体を有機溶媒に溶解した後、マグネシウム化合物を添加して得られた紡糸原液を用いる以外は、一般的な難燃性アクリル系合成繊維の場合と同様に、紡糸原液をノズルを通じて凝固浴に押出すことで凝固させ、次いで延伸、水洗、乾燥、熱処理し、必要であれば捲縮を付与して切断することで作製することができる。前記有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジメチルスルホキシドが挙げられるが、ロダン塩水溶液、硝酸水溶液等の無機溶媒を用いても良い。
<難燃性繊維複合体>
難燃性繊維複合体は、上述の難燃性アクリル系合成繊維に油剤を塗布し、さらに捲縮、カットされたもの(原綿と呼ぶ場合がある)が紡績工程を経て難燃性繊維複合体として加工される。紡績工程は原綿をカード工程においてカーディングマシンを通してウェブを得る。コンビネーションカードでは開繊された原綿がテーカインからシリンダーへと移り、その後ドッファーにてシリンダーから原綿が掻きとられ、ドッファーにシート状になった繊維が付着する。これをコームでドッファーから剥がし、ウェブとして回収する。カーディングマシンとしてはコンビネーションカードに限定されるものではなく、適宜ローラーカード、フラットカードを用いてもよい。カード工程以降は各々の難燃性繊維複合体の形態に応じて加工する。なお、カード工程において、例えば、静電気測定器(FMX-003、シムコジャパン(株)製)を用いて発生した電気量を測定し、紡績安定性を評価することができる。発生電気量が-1.5以上+1.0kV以下であることが好ましく、-1.0以上+1.0以下kVであることがより好ましく、-0.5以上+1.0以下kVであることがさらには好ましい。電気量が-1.5kVよりマイナス側に大きい場合、ウェブが安定してスライバーを作製することが困難であり、安定した紡績性を得られることが困難となる。+側に大きい電気量の場合、繊維加工においては大きな影響は出ないものの、通常+1.0より小さい値でウェブ作製を行うほうが好ましい。
本発明の1以上の実施態様の難燃性アクリル系合成繊維の着色については、測色色差計にて三刺激値を直接読み取ることで値が得られ、例えば、日本電色工業株式会社製の測色色差計ZE6000を用いて評価することができる。L値は0~100で表される数値で、数値が大きくなると明るくなる。一般には計測される明度Lの値が高いと着色が少なく、Lの値が低いと着色が大きくなる。本発明の難燃剤として用いるマグネシウム化合物は白色のため、アクリル系合成繊維内部に分散しても、当該繊維は、従来のアクリル系繊維が有する白色を損なうことがない。一方、錫化合物は、化合物そのものは白色であるが、難燃性アクリル系合成繊維の脱塩酸を促進する効果があり難燃性アクリル系繊維が黄味着色してしまい、従来のアクリル系合成繊維の明度が損なわれてしまう。
<難燃性繊維複合体>
本発明の1以上の実施態様の難燃性繊維複合体(mixture)は、前記難燃性アクリル系合成繊維を含有するものをいう。
前記難燃性繊維複合体(mixture)は、難燃性繊維集合体(composite)であってもよい。本発明の1以上の実施態様において、難燃性繊維複合体は、前記の難燃性アクリル系合成繊維と他の繊維とを組み合わせて複合体を形成したものをいう。本発明の1以上の実施態様において、難燃性繊維複合体は、前記難燃性アクリル系合成繊維を10質量%以上と、天然繊維、再生繊維及び前記難燃性アクリル系合成繊維以外の合成繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維を90質量%以下含むことが好ましい。また、前記難燃性繊維複合体における難燃性アクリル系合成繊維の含有量の上限は90質量%以下が好ましく、天然繊維、再生繊維及び前記難燃性アクリル系合成繊維以外の合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維の含有量の下限は10質量%以上が好ましい。
天然繊維としては、木綿繊維、カポック繊維、亜麻繊維、***繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、マニラ麻繊維、ケナフ繊維等の天然セルロース繊維;羊毛繊維、モヘア繊維、カシミヤ繊維、ラクダ繊維、アルパカ繊維、アンゴラ繊維、絹繊維等の天然動物繊維等が挙げられる。
再生繊維としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル等の再生セルロース繊維、再生コラーゲン繊維、再生タンパク繊維、酢酸セルロース繊維、プロミックス繊維等が挙げられる。
合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド系繊維、ポリ乳酸繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリクラール繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ベンゾエート繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリベンズアゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維等が挙げられる。また、合成繊維として、難燃ポリエステル、ポリエチレンナフタレート繊維、メラミン繊維、アクリレート繊維、ポリベンズオキサイド繊維等を用いてもよい。その他、酸化アクリル繊維、炭素繊維、ガラス繊維、活性炭素繊維等が挙げられる。このうち、難燃性、コスト及び風合い等の観点から、天然繊維、再生セルロース繊維、ポリエステル繊維、及びアラミド系繊維が好ましく、より好ましくはウール繊維、セルロース系繊維及びポリエステル系繊維、アラミド系繊維からなる群から選ばれる一つ以上の繊維である。難燃性繊維複合体は、例えば、他の繊維を90質量%以下含んでもよく、85質量%以下含んでもよく、65質量%以下含んでもよく、60質量%以下含んでもよい。具体的には、例えば、難燃性アクリル系合成繊維を5~95質量%、及び他の繊維を0~95質量%含むことが好ましく、難燃性アクリル系合成繊維を10~90質量%、アラミド系繊維を5~90質量%、及び他の繊維を0~85質量%含むことが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、難燃性繊維複合体としては、混綿、混紡、混繊、引き揃え糸、合糸、芯鞘等の複合糸、交織、交編、積層等が挙げられ、具体的形態としては、詰め物等の綿、不織布、織物、編物、組み物等が挙げられる。また染色や洗濯、プリントなどの後加工がなされた後も効果が消滅することはない。
詰め物等の綿としては、開繊綿、玉綿、ウェブ、成形された綿等が挙げられる。
不織布としては、湿式抄造不織布、カード不織布、エアレイ不織布、サーマルボンド不織布、化学的接着不織布、ニードルパンチ不織布、水流交絡不織布、ステッチボンド不織布等が挙げられる。サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布が工業的に安価である。また不織布は、厚み、幅、長さ方向に均一構造、明確な積層構造、不明確な積層構造の何れを有していてもよい。
織物としては、平織、斜文織、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織等が挙げられる。平織、朱子織、紋織が、商品としての風合いや強度等に優れる。
編物としては、丸編、緯編、経編、パイル編等を含み、平編、天竺編、リブ編、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖組織、挿入組織等が挙げられる。天竺編、リブ編が、商品としての風合いに優れる。
本発明の1以上の実施態様において、布帛(application)は、前記難燃性繊維複合体を含むものであり、例えば、次のような製品が例示される。
(1)衣類及び日用品材料
衣服(上着、下着、セーター、ベスト、ズボン等を含む)、手袋、靴下、マフラー、帽子、寝具、枕、クッション、ぬいぐるみ等
(2)特殊服
防護服、消防服、作業服、防寒服等
(3)インテリア材料
椅子張り、カーテン、壁紙、カーペット等
(4)産業資材
フィルター、耐炎詰め物、ライニング材等。
さらに、例えば、難燃性繊維複合体を炎遮蔽性布帛として用い、寝具又は家具、例えば、ベッドマットレス、ピロー、コンフォーター、ベッドスプレッド、マットレスパッド、フトン、クッション、椅子等の難燃性布張り製品を製造すると、高い難燃性を付与することができる。ベッドマットレスとしては、例えば、金属製のコイルが内部に用いられたポケットコイルマットレス、ボックスコイルマットレス、あるいはスチレンやウレタン樹脂等を発泡させたインシュレーターや低反発ウレタンが内部に使用されたマットレス等が挙げられる。難燃性繊維複合体の難燃性により、前記マットレス内部の構造体への延焼が防止できる。椅子としては、屋内にて使用される、ストゥール、ベンチ、サイドチェア、アームチェア、ラウンジチェア・ソファー、シートユニット(セクショナルチェア、セパレートチェア)、ロッキングチェア、フォールディングチェア、スタッキングチェア、スィーブルチェア、あるいは屋外で車両用座席等に使用される、自動車シート、船舶用座席、航空機用座席、列車用座席等が挙げられる。
難燃性布張り製品において、炎遮蔽性布帛は、表面の布地に織物や編物の形態で用いてもよいし、表面の布地と内部構造物、例えばウレタンフォームや詰め綿の間に織物、編物、不織布の形態で挟み込んでもよい。表面の布地に用いる場合には、従来の表面の布地に替えて前記炎遮蔽性布帛を用いればよい。また、表面生地と内部構造物の間に織物や編物を挟む場合には、表面生地を2枚重ねる要領で挟み込んでもよいし、内部構造物を前記炎遮蔽性布帛で覆ってもよい。表面生地と内部構造物の間に前記炎遮蔽性布帛を挟む場合には、内部構造物全体に、少なくとも表面の布地と接する部分については、必ず内部構造物の外側に前記炎遮蔽性布帛を被せ、その上から表面の布地を張ることが好ましい。
前記炎遮蔽性布帛は、例えば、下記のような難燃性繊維複合体とすることができる。
(1)前記難燃性アクリル系合成繊維25~85質量%と、ウール繊維15~75質量%を含む。
(2)前記難燃性アクリル系合成繊維25~85質量%と、天然セルロース繊維及び/又は再生セルロース繊維15~75質量%を含む。
(3)前記難燃性アクリル系合成繊維25~85質量%と、ポリエステル繊維15~75質量%含む。
前記難燃性繊維複合体や繊維製品は、難燃性アクリル系合成繊維を含むことで、例えば、前記難燃性繊維複合体や繊維製品を用いた難燃性作業服は、高い難燃性を有する。
前記難燃性作業服は、例えば、下記のような難燃性繊維複合体で構成することができる。
(1)前記難燃性アクリル系合成繊維40~85質量%、天然セルロース繊維及び/又は再生セルロース繊維15~60質量%を含む。
(2)前記難燃性アクリル系合成繊維30~85質量%、天然セルロース繊維及び/又は再生セルロース繊維10~50質量%、アラミド繊維5~30質量%を含む。
(3)前記難燃性アクリル系合成繊維40~85質量%と、ポリエステル繊維15~60質量%含む。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。以下において、特に指摘がない場合、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
(実施例1)
アクリロニトリル、塩化ビニル及びp-スチレンスルホン酸ナトリウムを乳化重合して得られたアクリロニトリル50質量%、塩化ビニル49.5質量%と、p-スチレンスルホン酸ナトリウム0.5質量%からなるアクリル系共重合体をジメチルホルムアミドに樹脂濃度が30質量%になるように溶解させた。得られた樹脂溶液に、樹脂質量100質量部に対して5質量部の水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製、品名「キスマ5」)を添加し、紡糸原液とした。上記水酸化マグネシウムは、予め、ジメチルホルムアミドに対して30質量%になるように添加し、均一分散させて調製した分散液として用いた。上記水酸化マグネシウムの分散液において、レーザー回折法で測定した水酸化マグネシウムの平均粒子径は2μmであった。得られた紡糸原液をノズル孔径0.08mm及び孔数300ホールのノズルを用い、50質量%のジメチルホルムアミド水溶液中へ押し出して凝固させ、次いで水洗した後120℃で乾燥し、乾燥後に3倍に延伸してから、さらに145℃で5分間熱処理を行うことにより、難燃性アクリル系合成繊維を得た。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、繊度1.7dtex、強度2.5cN/dtex、伸度26%、カット長51mmであった。なお、実施例及び比較例において、難燃性アクリル系合成繊維の繊度、強度及び伸度は、JIS L 1015に基づいて測定した。
(実施例2)
実施例1のアクリル系共重合体を用い、アクリル系共重合体の溶液に、アクリル系共重合体100質量部に対してシランカップリング処理した水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製、品名「キスマ5P」)を5質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.72dtex、強度2.7cN/dtex、伸度28%、カット長51mmであった。
(実施例3)
アクリロニトリル、塩化ビニリデン及びp-スチレンスルホン酸ナトリウムを乳化重合して得られたアクリロニトリル50質量%、塩化ビニリデン48.5質量%と、p-スチレンスルホン酸ナトリウム1.5質量%からなるアクリル系共重合体をジメチルホルムアミドに樹脂濃度が30質量%になるように溶解させた以外は、実施例1と同様に難燃性アクリル系繊維を得た。得られた実施例3の難燃性アクリル系合成繊維は、繊度1.7dtex、強度2.6cN/dtex、伸度23%、カット長51mmであった。
(実施例4)
実施例1のアクリル系共重合体を用い、アクリル系共重合体の溶液に、アクリル系共重合体100質量部に対して水酸化マグネシウムを1質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.71dtex、強度2.9cN/dtex、伸度28%、カット長51mmであった。
(比較例1)
アクリル系共重合体の溶液に、水酸化マグネシウムを添加せず、アクリル系共重合体100質量部に対して水酸化マグネシウムゾルを水酸化マグネシウムが5質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。上記水酸化アンチモンゾル(MagSol)は、Nyacol NANO TECHNOLOGIES、 Inc.社製の水酸化マグネシウム濃度30質量%を用いた。上記MagSolにおいて、レーザー回折法で測定した水酸化マグネシウムの平均粒子径は250nmであった。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.76dtex、強度2.1cN/dtex、伸度20%、カット長51mmであった。
(比較例2)
アクリル系共重合体の溶液に、水酸化マグネシウムを添加せず、アクリル系共重合体100質量部に対して三酸化アンチモンを5質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。上記三酸化アンチモンは、予め、ジメチルホルムアミドに対して30質量%になるように添加し、均一分散させて調製した分散液として用いた。上記三酸化アンチモンの分散液において、レーザー回折法で測定した三酸化アンチモンの平均粒子径は2μm以下であった。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.76dtex、強度2.8cN/dtex、伸度29%、カット長51mmであった。
(比較例3)
実施例1のアクリル系共重合体を用い、アクリル系共重合体の溶液に、アクリル系共重合体100質量部に対して水酸化マグネシウムを0.5質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.71dtex、強度3.2cN/dtex、伸度29%、カット長51mmであった。
(比較例4)
実施例1のアクリル系共重合体を用い、アクリル系共重合体の溶液に、アクリル系共重合体100質量部に対して水酸化マグネシウムを20質量部になるように添加して紡糸原液を得た以外は、実施例1と同様にして難燃性アクリル系合成繊維を得た。得られた難燃性アクリル系合成繊維は、単繊維繊度が1.71dtex、強度1.5cN/dtex、伸度20%、カット長51mmであった。
実施例及び比較例で得られた難燃性アクリル系合成合成繊維の難燃性、紡績性、繊維着色を下記のように評価した。
なお、難燃性評価の結果と、加工紡績時の電気測定の結果を下記表1に、一酸化炭素濃度の結果を下記表2に、繊維明度の結果を下記表3に示す。
(難燃性評価方法)
(1)燃焼試験用ニット生地の作製
実施例及び比較例で作製したそれぞれの難燃性アクリル系合成繊維60質量部及びレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン株式会社製、品名「FR CORONSA」、繊度2.2dtex、繊維長51mm)40質量部からなる繊維混合物をカードにより開繊した後ニードルパンチ法にて目付150g/m2、縦20cm×横20cmの燃焼試験用不織布を作製した。
(2)燃焼試験
縦20cm×横20cm×厚さ1cmのパーライト板の中心に直径15cmの穴をあけたものを準備し、その上に燃焼試験用不織布をセットし、加熱時に燃焼試験用不織布が収縮しないように4辺をクリップで固定した。この試料を燃焼試験用不織布の面を上にして、株式会社パロマ工業ガスコンロ(PA-10H-2)にバーナー面より40mmの所に資料の中心とバーナーの中心が合うようにセットし、加熱した。燃料ガスは純度99%以上のプロパンを用い、炎の高さは25mmとし、着炎時間は120秒とした。
(3)燃焼試験後に、下記の基準で、炭化膜の状態を確認した。
炭化膜形成良好:ひび割れがなく、貫通した穴も開いていない場合、炭化膜形成良好として「〇」と判定し、ひび割れがある及び/又は貫通した穴が開いている場合を炭化膜形成不良として「×」と判定した。
(加工紡績時の静電気評価)
コンビネーションカード工程において、シムコジャパン株式会社製静電気測定器FMX-003を用いて発生した電気量を測定した。発生した電気量が-1.5以上+1.0以下kVの場合「〇」、-1.5以上+1.0以下kVの範囲外を「×」と判定した。
(一酸化炭素の発生量の評価)
(1)試験用ニット生地の作製
実施例及び比較例で作製したそれぞれの難燃性アクリル系合成繊維を一般的な紡績工程であるカード、練条、粗紡、精紡の工程を経て綿番手20/1の紡績糸を作製した。作成した糸を株式会社島精機製作所製横編み機SG122FCを用いて、目付約200g/m2のシングルニット生地を作製した。
(2)コーンカロリーメーター試験
作製したニット生地を用いて、ISO5660―1コーンカロリーメータ法に準拠した発熱性試験を実施した。試験機は株式会社東洋精機製作所製コーンカロリーメータIII C3を用いて行い、輻射熱は50kW/m2、試験時間は20分、試験片は10cm四方、厚さ0.4mmをアルミ箔の上に置いて実施した。尚、ニット生地を平らに設置できるようワイヤーグリッドを使用した。
(3)一酸化炭素濃度測定
コーンカロリーメーター試験にて、一酸化炭素濃度を測定する。ピークにおける一酸化炭素濃度を0.004%を基準とし、濃度が高い場合を「×」、濃度が低い場合を「〇」と判定した。
(繊維明度の評価)
難燃性アクリル系繊維の明度については、日本電色工業株式会社製の測色色差計ZE6000を用いて測定した。
Figure 2024049407000001
Figure 2024049407000002
Figure 2024049407000003
上記表1の結果から、実施例1~4では高い難燃性を示し、比較例2および3では難燃性が低くなった。また、実施例1~4ではコンビネーションカードで加工した際に加工に支障をきたさない範囲の静電気発生であったが、比較例1では水酸化マグネシウムの粒子径が細かいために表面積が増大し加工に支障をきたす大きな静電気が発生した。比較例4では水酸化マグネシウムの添加量が多いため、非常に大きな静電気を発生し紡績加工が出来なかった。
上記表2の結果から、実施例1では水酸化マグネシウムが燃焼時の反応において不燃性ガスを発生しなかったために一酸化炭素の発生は少なくなったが、比較例2では三酸化アンチモンが燃焼時に不燃性ガスを発生するために一酸化炭素濃度が高くなった。
上記表3の結果から、共重合成分が塩化ビニルの場合、明度が高くなることが分かった。

Claims (9)

  1. アクリル系共重合体100質量部に対して粒子径が0.3μm以上であるマグネシウム化合物を1~15質量部含有し、燃焼時の一酸化炭素濃度が0.004%未満となることを特徴とする難燃性アクリル系合成繊維。
  2. 前記マグネシウム化合物の粒子径が0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  3. 前記マグネシウム化合物のモース硬度が5未満であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  4. 前記マグネシウム化合物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  5. 前記水酸化マグネシウムがシランカップリング処理をされていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  6. 前記アクリル系共重合体がアクリロニトリル30~70質量%、塩化ビニル及び/または塩化ビニリデンを70~30質量%含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  7. 前記アクリル系共重合体がアクリロニトリル30~70質量%、塩化ビニルを70~30質量%含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  8. 前記アクリル系合成繊維の明度が85以上であることを特徴とする請求項1~7いずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の難燃性アクリル系合成繊維を含むことを特徴とする難燃性繊維複合体。
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