JP2024048967A - 音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システム - Google Patents

音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システム Download PDF

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Abstract

【課題】収録デバイスとしてアンビソニックスマイクを用いて収録した音場成分のうち聴取者から見た特定方向の音を抑圧し、音場収録空間内のクリアで臨場感及び没入感のある音場を音場再現空間内で再現する音場再現装置、方法及びシステムを提供する。【解決手段】音場再現システム100Bにおいて、音場再現装置は、収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受ける音源抽出方向制御部と、収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施す遅延部と、遅延処理後の低次基底音響信号から音源抽出方向の参照信号の減算処理を行う適応的減算部と、減算処理後の低次基底音響信号と音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、スピーカ毎の駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部と、スピーカ夫々に駆動信号を出力させる音場再生部と、を備える。【選択図】図9

Description

本開示は、音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システムに関する。
昨今、リアルタイムに音場再現を行うためにシーンベース立体音響再生技術が注目されている。シーンベース立体音響再生技術とは、複数の指向性マイク素子を剛球上又は中空球面上に配置されているアンビソニックスマイクを用いて収録(収音)した多チャンネル信号に対して信号処理を施すことにより、視聴環境(空間)を取り囲むように配置されたスピーカを用いてあたかもリスナー(聴取者)がアンビソニックスマイクの設置箇所(収録空間内)に存在しているかのような立体的な音場をリアルタイムに再現する方式である。
音場再現に関する先行技術として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1は、収音対象空間において一体となって設置された複数の収音部であって、音源の位置と当該音源から発せられる音を反射する物体の位置とに応じた複数の異なる向きで設置された複数の収音部による収音に基づく複数の収音信号を取得し、この取得された複数の収音信号に基づいて、収音対象空間内の指定された聴取点に対応する音響信号を生成する、信号処理装置を開示している。
特開2019-192975号公報
特許文献1の構成では、複数の収音部が配置されている収音対象空間内に聴取点が存在していることが前提となっている。このため、特許文献1を用いてシーンベース立体音響のシステムを構築しようとしても、収音部が配置されている収音対象空間内にリスナーが存在しなければならない。つまり、リスナーが収音対象空間とは異なる空間に存在する場合には、収音対象空間内で収音された音響信号をその収音対象空間内で聴取可能となるように音場再現することは困難であるという課題がある。
また、パブリックビューイング等のイベントでのリアルタイムによる音源(例えばライブ演奏)を収録する際、収録した音響信号の中に音場収録空間内のノイズ或いは不要な音が混入することによりリスナー(聴取者)にクリアで臨場感かつ没入感のある音を出力することが困難である。ここでいう不要な音とは、例えば音場収録空間内で流れているアナウンス等の音声であって、リスナー(聴取者)が臨場感かつ没入感を得るためには必ずしも必要とされない種別の音源である。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、アンビソニックスマイクを用いて収録した音場成分から聴取者から見た特定方向の音を抑圧し、音場収録空間内のクリアで臨場感かつ没入感のある音場の音場再現空間内での再現を実現する音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システムを提供することを目的とする。
本開示は、収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受ける音源抽出方向制御部と、前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施す遅延部と、前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行う減算部と、前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部と、前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力する音場再生部と、を備える、音場再現装置を提供する。
また、本開示は、収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受けるステップと、前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施すステップと、前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行うステップと、前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するステップと、前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力するステップと、を有する、音場再現方法を提供する。
また、本開示は、音場収録空間内の音源を収録可能な収録デバイスを有する音場収録装置と、前記収録デバイスにより収録された音響信号を、前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内で再現する音場再現装置と、を備え、前記音場再現装置は、前記収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受ける音源抽出方向制御部と、前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施す遅延部と、前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行う減算部と、前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部と、前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力する音場再生部と、を備える、音場再現システムを提供する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示によれば、アンビソニックスマイクを用いて収録した音場成分から聴取者から見た特定方向の音を抑圧でき、音場収録空間内のクリアで臨場感かつ没入感のある音場の音場再現空間内での再現を実現できる。
アンビソニックスマイクを用いたシーンベース立体音響再生技術における音場収録から音場再現までの概念を模式的に示す図 次数n及び度数mに対する球面調和関数展開に基づくアンビソニックス成分の基底の一例を示す図 実施の形態1に係る音場再現システムのシステム構成例を示すブロック図 実施の形態1の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図 実施の形態1に係る音場再現装置による音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャート 実施の形態2に係る音場再現システムのシステム構成例を示すブロック図 実施の形態2の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図 実施の形態2に係る音場再現装置による音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャート 実施の形態3に係る音場再現システムのシステム構成例を示すブロック図 実施の形態3の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図 実施の形態3に係る音場再現装置による音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャート 実施の形態4に係る音場再現システムのシステム構成例を示すブロック図 実施の形態4の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図 実施の形態4に係る音場再現装置による音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャート
以下、図面を適宜参照して、本開示に係る音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システムを具体的に開示した実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
以下の各実施の形態では、音場収録空間(例えばライブ会場)内の音、音楽、人の声等の音源信号を収録する収録デバイスとしてアンビソニックスマイクを用いたシーンベース立体音響再生技術を例示して説明する。アンビソニックスマイクを用いたシーンベース立体音響再生技術では、アンビソニックスマイクを構成する複数のマイク素子で収録した信号(収録信号)或いは点音源を、球面調和関数を用いた中間表現ITMR1(図1参照)或いはBフォーマット信号として表現する(エンコードする)ことにより、全方位から到来する音場をアンビソニックス信号領域(後述参照)において統一的に取り扱う。更に、この中間表現をデコード(復号化)することによりスピーカ駆動信号を生成し、音場再現空間(例えばサテライト会場)内での所望の音場再現を実現する。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、シーンベース立体音響再生技術の概念について説明する。図1は、アンビソニックスマイク11を用いたシーンベース立体音響再生技術における音場収録から音場再現までの概念を模式的に示す図である。アンビソニックスマイク11は、ライブ会場LV1等の音場収録空間内に配置される。ライブ会場LV1では、複数の音源(例えば複数人によるバンド演奏であればボーカル、ベース、ギター、ドラム等の各種の音源)による演奏等が行われ、その演奏等の音がアンビソニックスマイク11により収録される。
収録デバイスの一例としてのアンビソニックスマイク11は、4つのマイク素子Mc1、Mc2、Mc3、Mc4を備える。マイク素子Mc1~Mc4のそれぞれは、方向Dr1を正面方向とした場合に、図1中の立方体CB1の中心から4つの頂点を向くように中空配置され、各頂点方向に対する単一指向性を有している。マイク素子Mc1は、アンビソニックスマイク11の前方左上(FLU:Front Left Up)を向き、その前方左上(FLU)の方向の音を収録する。マイク素子Mc2は、アンビソニックスマイク11の前方右下(FRD:Front Right Down)を向き、その前方右下(FRD)の方向の音を収録する。マイク素子Mc3は、アンビソニックスマイク11の後方左下(BLD:Back Left Down)を向き、その後方左下の方向の音を収録する。マイク素子Mc4は、アンビソニックスマイク11の後方右上(BRU:Back Right Up)を向き、その後方右上の方向の音を収録する。
これらの4方向(つまり、FLU、FRD、BLD、BRU)の音の収録信号は、Aフォーマット信号と呼ばれる。Aフォーマット信号は、そのままでは使用できず、指向特性(指向性)を有する中間表現ITMR1としてのBフォーマット信号に変換される。Bフォーマット信号は、例えば、全方向(全方位)の音のBフォーマット信号W、前後方向の音のBフォーマット信号X、左右方向の音のBフォーマット信号Y、上下方向の音のBフォーマット信号Zを有する。Aフォーマット信号は、次に示す変換式により、Bフォーマット信号に変換される。
W=FLU+FRD+BLD+BRU
X=FLU+FRD-BLD-BRU
Y=FLU-FRD+BLD-BRU
Z=FLU-FRD-BLD+BRU
Bフォーマット信号W、X、Y、Zを合成することにより、前後、左右、上下の全方位の音の信号が得られる。そして、Bフォーマット信号W、X、Y、Zのそれぞれの信号レベルを変更させて合成することにより、前後、左右、上下の全方位のうち任意の指向特性を有する音の信号を生成することができる。例えば図1に示すように、立方体でモデル化される音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)内の各頂点部分に、合計8つのスピーカSPk1、SPk2、SPk3、SPk4、SPk5、SPk6、SPk7、SPk8が配置され、音場収録空間(例えばライブ会場LV1)と同様(つまり、前後、左右、上下の方向が平行或いは同方向)の3次元座標系を考える。
なお、スピーカSPk1~SPk8のそれぞれの位置は、音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)の基準位置(例えば中心位置LSP1)からの既定距離と角度(方位角θ及び仰角φ)とにより特定可能である。iは音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)内に配置されているスピーカを示す変数であり、図1の例では1から8までのいずれかの整数をとる。
音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)の中心位置LSP1にユーザであるリスナー(聴取者)が存在し、正面方向(Front)を向いているとする。このような状況下において、音場収録空間(例えばライブ会場LV1)内で収録されたAフォーマット信号に基づく符号化処理により得られたBフォーマット信号W、X、Y、Zのデータと音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)内のスピーカSPk1~SPk8のそれぞれの方向とに基づいて、音場収録空間(例えばライブ会場LV1)内の音場を音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)内で自由に再現することができる。つまり、音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)にユーザであるリスナー(聴取者)が存在する場合に、リスナーの正面方向を基準方向とし、その基準方向から任意の3次元方向(例えば後述する音源提示方向θtarget)の音を再現出力することが可能となる。
次に、図2を参照して、次数n及び度数mに対する球面調和関数展開に基づくアンビソニックス成分の基底について説明する。図2は、次数n及び度数mに対する球面調和関数展開に基づくアンビソニックス成分の基底の一例を示す図である。
図2の横軸(m)は度数(degree)を示し、図2の縦軸(n)は次数(order)を示す。度数mは、-nから+nまでの値をとる。n=N次までの球面調和関数は合計(N+1)個の基底を含む。例えば、n=N=0である場合、1個の基底(つまり、全方位のBフォーマット信号W)が得られる。また例えば、n=N=1である場合、4個の基底(つまり、(n、m)=(0、0)に対応する全方位のBフォーマット信号W、(n、m)=(1、-1)に対応する前後方向のBフォーマット信号X、(n、m)=(1、0)に対応する上下方向のBフォーマット信号Z、(n、m)=(1、1)に対応する左右方向のBフォーマット信号Y)が得られる。なお、n=N=2以降も同様であるため、説明を省略する。
球面調和関数はnとmの増加に対して空間的な周期性が増す性質を有することが知られている。このため、nとmの組み合わせによって異なる方向パターン(指向特性)のBフォーマット信号を表現することが可能となる。次数n及び度数mに対する次元をアンビソニックスチャネルナンバリング(ACN:Ambisonics Channel Numbering)に基づいてK=n(n+1)+mと定義すると、球面調和関数を式(1)のようにベクトル形式で表現可能である。式(1)において、上添字のTは転置を示す。
Figure 2024048967000002
Figure 2024048967000003
Figure 2024048967000004
Figure 2024048967000005
次に、図3及び図4を参照して、実施の形態1に係る音場再現システム100のシステム構成並びに動作概要について説明する。図3は、実施の形態1に係る音場再現システム100のシステム構成例を示すブロック図である。図4は、実施の形態1の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図である。
音場再現システム100は、音場収録装置1と、音場再現装置2とを含む。音場収録装置1と音場再現装置2とはネットワークNW1を介して互いにデータ通信が可能に接続されている。ネットワークNW1は、有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよい。有線ネットワークは、例えば有線LAN(Local Area Network)、有線WAN(Wide Area Network)、電力線通信(PLC:Power Line Communication)のうち少なくとも1つが該当し、他の有線通信可能なネットワーク構成でもよい。一方、無線ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、無線WAN、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、4G或いは5G等の移動体携帯通信網のうち少なくとも1つが該当し、他の無線通信可能なネットワーク構成でもよい。
音場収録装置1は、例えば音場収録空間(例えばライブ会場LV1)に配置され、アンビソニックスマイク11と、A/D変換部12と、符号化部13と、マイク素子方向指定部14とを含む。なお、音場収録装置1は、少なくともアンビソニックスマイク11を有していればよく、A/D変換部12、符号化部13及びマイク素子方向指定部14は音場再現装置2に設けられてもよい。言い換えると、アンビソニックスマイク11は、音場再現装置2の外部に設けられても構わない。
アンビソニックスマイク11は、4つのマイク素子Mc1、Mc2、Mc3、Mc4を備え、マイク素子Mc1において前方左上方向(図1参照)の音を収録し、マイク素子Mc2において前方右下方向(図1参照)の音を収録し、マイク素子Mc3において後方左下方向(図1参照)の音を収録し、後方右上方向(図1参照)の音を収録する。なお、アンビソニックスマイク11は、中空配置された4つのマイク素子Mc1、Mc2、Mc3、Mc4よりも多くの単一指向性を有するマイク素子を備えていてもよく、また、剛球上に配置された無指向性を有するマイク素子を備えていても良い。多数のマイク素子を備えたアンビソニックスマイクを用いることにより、符号化部13において、2次以上オーダーのアンビソニックス信号を合成することが可能となる。アンビソニックスマイク11を構成する各マイク素子により収録された信号(収録信号)は、A/D変換部12に入力される。
A/D変換部12、符号化部13及びマイク素子方向指定部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップ若しくは専用のハードウェアにより構成される。
A/D変換部12は、アンビソニックスマイク11を構成する各マイク素子からのアナログ形式の収録信号をディジタル形式の収録信号に変換して符号化部13に送る。
Figure 2024048967000006
Figure 2024048967000007
ここで、符号化部13による符号化処理の詳細について説明する。
一般的に、球面上の任意の角度(θ、φ)に対し半径rの位置で観測(収録)される音圧pは波動方程式の球面調和関数領域における内部問題の解として、波数kに対し式(2)の球面調和関数を基底として式(4)と展開されることが知られている。式(4)において、A は展開係数であり、R(kr)は動径関数項である。また、次数nに関する無限和は有限次数Nで打ち切ることで近似され、この打ち切り次数Nに応じて音場再現の精度が変化する。以下、打ち切り次数をNとして表現する。
Figure 2024048967000008
Figure 2024048967000009
Figure 2024048967000010
Figure 2024048967000011
式(6)において、iは虚数単位であり、j(kr)はn次の球ベッセル関数、j (kr)はその導関数である。本開示においては、この平面波に対する展開係数ベクトルγ を、符号化部13による符号化処理の出力であるBフォーマット信号(中間表現)として取り扱う。以下、この展開係数ベクトルをアンビソニックス領域信号又は単にアンビソニックス信号と称する場合がある。
より具体的には、符号化部13による符号化処理では、A/D変換部12による変換後の時間領域信号である収録信号をアンビソニックス信号(例えば1次オーダーアンビソニックス信号)へと変換し、このアンビソニックス信号(例えば1次オーダーアンビソニックス信号)は音場再現装置2の第1復号化部25及び第2復号化部26のそれぞれによりデコード処理されてスピーカ駆動信号に変換される。
Figure 2024048967000012
Figure 2024048967000013
Figure 2024048967000014
Figure 2024048967000015
Figure 2024048967000016
音場再現装置2は、例えば音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)に配置され、音源抽出方向制御部21と、音源提示方向制御部22と、再符号化部23と、スピーカ方向指定部24と、第1復号化部25と、第2復号化部26と、信号混合部27と、音場再生部28と、スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8とを含む。なお、以下の説明において、スピーカの配置数は一例として8としているが、2以上の整数であれば8に限定されないことは言うまでもない。
音源抽出方向制御部21、音源提示方向制御部22、再符号化部23、スピーカ方向指定部24、第1復号化部25、第2復号化部26、信号混合部27及び音場再生部28は、例えばCPU、DSP、GPU、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップ若しくは専用のハードウェアにより構成される。
Figure 2024048967000017
Figure 2024048967000018
Figure 2024048967000019
Figure 2024048967000020
Figure 2024048967000021
Figure 2024048967000022
信号混合部27は、第1復号化部25からの高次基底音響信号に対応するスピーカ駆動信号と、第2復号化部26からの低次基底音響信号に対応するスピーカ駆動信号とを、スピーカごとに対応するように混合して音場再生部28に送る。なお、信号混合部27の構成は音場再現装置2から省略されてもよく、この場合には第1復号化部25による高次基底音響信号のみが音場再生部28を介して各スピーカSPk1~SPk8のそれぞれから出力される。
音場再生部28は、信号混合部27による混合後のスピーカごとのディジタル形式のスピーカ駆動信号をアナログ形式のスピーカ駆動信号に変換して信号増幅し、対応するスピーカから出力(再生)する。
スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8のそれぞれは、立方体でモデル化される音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)の各頂点部分に配置され、音場再生部28からのスピーカ駆動信号に基づいて音場を再生(再現)する。なお、スピーカ設置数は再現したい音場によって変化させてよく、特定の方位に対する再現を行わない場合や、トランスオーラルシステムやVBAP(Vector Based Amplitude Panning)法など一般的に知られた仮想音像生成方式を組み合わせることにより8個よりも少ないスピーカを用いて音場再現を行っても良い。逆に、8個よりも多くのスピーカを用いた音場再現を行っても良い。また、スピーカ設置位置はサテライト会場STL1の基準位置(例えば中心位置LSP1)を取り囲むように設置されていれば音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)の各頂点部分以外であっても良い。音場再生部28はスピーカの代わりに聴取者(ユーザ)が装着しているヘッドホンやイヤホンなどの両耳への再生装置に信号を出力しても良い。また、音場再生部28は、聴取者(ユーザ)の両耳への再生装置(例えば、上述したヘッドホンやイヤホン)に信号を供給する際は後述するデコード処理によって方位角+-90°に対応した再生信号を生成しても良いし、頭部を包囲する複数の方向に対して仮想音像を生成し、それら複数の角度に対応したHRTF(Head Related Transfer Function)などの立体音像をユーザに知覚させるための伝達特性を対応した方向の仮想音像に対して周波数領域で乗算又は時間領域で畳み込むことで再生信号を生成しても良い。これにより、サテライト会場STL1に配置されたスピーカSPk1、SPk2、…、SPk8のそれぞれからに限った音場再現となるのではなく、サテライト会場STL1に配置された聴取者(ユーザ)が装着している再生装置(例えば、上述したヘッドホンやイヤホン)への音場再現も可能となる。
ここで、再符号化部23による再符号化処理、第1復号化部25及び第2復号化部26による処理の詳細について説明する。
Figure 2024048967000023
Figure 2024048967000024
Figure 2024048967000025
Figure 2024048967000026
Figure 2024048967000027
Figure 2024048967000028
Figure 2024048967000029
Figure 2024048967000030
Figure 2024048967000031
Figure 2024048967000032
Figure 2024048967000033
次に、図5を参照して、音場再現装置2による音場再現の動作手順について説明する。図5は、実施の形態1に係る音場再現装置2による音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャートである。なお、以下の説明ではステップSt1及びステップSt2の各処理は音場収録装置1内で実行されるとして説明するが、ステップSt2の処理は音場収録装置1のアンビソニックスマイク11以外の構成が音場再現装置2内に設けられる場合には音場再現装置2により実行されてよい。
Figure 2024048967000034
音場再現装置2は、ステップSt2の処理を受けて、ステップSt3~ステップSt6の一連の処理(つまり、高次基底音響信号を生成するための再符号化処理)とステップSt7の処理(つまり、低次基底音響信号を生成するための復号化処理)とを並行して実行する。
Figure 2024048967000035
Figure 2024048967000036
音場再現装置2の信号混合部27は、ステップSt6での第1復号化部25からの高次基底音響信号に対応するスピーカ駆動信号(第1復号化処理の出力の一例)と、ステップSt7での第2復号化部26からの低次基底音響信号に対応するスピーカ駆動信号(第2復号化処理の出力の一例)とを、スピーカごとに対応するように混合する(ステップSt8)。音場再現装置2の音場再生部28は、ステップSt8での信号混合部27による混合後のスピーカごとのディジタル形式のスピーカ駆動信号をアナログ形式のスピーカ駆動信号に変換して信号増幅し、対応するスピーカSPk1~SPk8のそれぞれから出力(再生)する(ステップSt9)。
Figure 2024048967000037
Figure 2024048967000038
Figure 2024048967000039
Figure 2024048967000040
Figure 2024048967000041
Figure 2024048967000042
Figure 2024048967000043
また、収録デバイスは、複数のマイク素子Mc1~Mc4のそれぞれが異なる方向を向くように立体的に配置されたアンビソニックスマイク11により構成される。これにより、音場収録装置1は、音場収録空間(ライブ会場LV1)内の複数の音源による演奏等の雰囲気の音を立体的に収録することができる。
Figure 2024048967000044
まず、図6及び図7を参照して、実施の形態2に係る音場再現システム100Aのシステム構成並びに動作概要について説明する。図6は、実施の形態2に係る音場再現システム100Aのシステム構成例を示すブロック図である。図7は、実施の形態2の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図である。図6及び図7の説明において、対応する図3及び図4の構成及び動作と重複する内容については同一の符号を参照して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
音場再現システム100Aは、音場収録装置1と、音場再現装置2Aとを含む。音場収録装置1の構成は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
音場再現装置2Aは、例えば音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)に配置され、音源抽出方向制御部21と、音源提示方向制御部22と、再符号化部23と、スピーカ方向指定部24と、第1復号化部25と、音源取得部29と、第2符号化部30と、第2信号混合部31と、第2復号化部32と、信号混合部27と、音場再生部28と、スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8とを含む。
音源抽出方向制御部21、音源提示方向制御部22、再符号化部23、スピーカ方向指定部24、第1復号化部25、音源取得部29、第2符号化部30、第2信号混合部31、第2復号化部32、信号混合部27及び音場再生部28は、例えばCPU、DSP、GPU、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップ若しくは専用のハードウェアにより構成される。
音源取得部29は、音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)に提示したい複数の音源(例えばボーカル、ベース、ギター、ドラム等の各種の音源)の音響信号s1[n]、…、sb[n]を取得して第2符号化部30に送る。それぞれの音響信号s1[n]、…、sb[n]は点音源として表現可能である。nは離散時刻を示し、bは音源の個数を示す。これらの音源は音場収録空間(ライブ会場Lv1)で個別に収録されたものであっても良いし、音場収録空間とは関係のない音源であっても良い。
Figure 2024048967000045
Figure 2024048967000046
第2信号混合部31は、第2符号化部30による符号化処理により得られた音源ごとの高次基底音響信号(例えばN次オーダーアンビソニックス信号)を混合して第2復号化部32に送る。
Figure 2024048967000047
Figure 2024048967000048
次に、図8を参照して、音場再現装置2Aによる音場再現の動作手順について説明する。図8は、実施の形態2に係る音場再現装置2Aによる音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図8の説明において、図5の説明と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
Figure 2024048967000049
Figure 2024048967000050
以上により、実施の形態2に係る音場再現装置2Aは、音場再現空間(サテライト会場STL1)内に提示したい複数の音源信号(例えばボーカル、ベース、ギター、ドラム等の各種の音源からの音信号)のそれぞれを符号化処理して第2高次基底音響信号(N次オーダーアンビソニックス信号)を生成する第2符号化部30と、音源信号ごとの第2高次基底音響信号を混合する第2信号混合部31と、を更に備える。これにより、実施の形態2に係る音場再現装置2Aは、音場収録空間(ライブ会場LV1)とは異なり音場再現空間(サテライト会場STL1)において独自に提示したい音源による雰囲気の音を高次基底によって高い方向解像度を有しながら出力することができる。
Figure 2024048967000051
Figure 2024048967000052
Figure 2024048967000053
まず、図9及び図10を参照して、実施の形態3に係る音場再現システム100Bのシステム構成並びに動作概要について説明する。図9は、実施の形態3に係る音場再現システム100Bのシステム構成例を示すブロック図である。図10は、実施の形態3の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図である。図6及び図7の説明において、図3及び図4の構成及び動作と重複する内容については同一の符号を参照して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
音場再現システム100Bは、音場収録装置1と、音場再現装置2Bとを含む。音場収録装置1の構成は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
音場再現装置2Bは、例えば音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)に配置され、音源抽出方向制御部21Bと、参照信号生成部41と、遅延量指定部42と、遅延部43と、適応速度制御部44と、適応的減算部45と、スピーカ方向指定部24Bと、スピーカ駆動信号生成部46と、音場再生部28Bと、スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8とを含む。
音源抽出方向制御部21B、参照信号生成部41、遅延量指定部42、遅延部43、適応速度制御部44、適応的減算部45、スピーカ方向指定部24B、スピーカ駆動信号生成部46及び音場再生部28Bは、例えばCPU、DSP、GPU、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップ若しくは専用のハードウェアにより構成される。
Figure 2024048967000054
Figure 2024048967000055
Figure 2024048967000056
Figure 2024048967000057
適応速度制御部44は、適応的減算部45が有する適応的フィルタ(例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ)を構成する複数個のタップのタップインデックス(l)に応じた更新速度の特性を、所定の決め方に従って決定する。適応速度制御部44は、その決定された更新速度の特性を適応的減算部45の適応的フィルタに設定する。ここでいう更新速度の特性とは、ステップゲイン或いはステップパラメータと呼ばれるものであり、ハイパーパラメータであって動的に変わるものではなく事前に固定しておくものである。適応的フィルタは、現在時刻から過去時刻になるほど入力される参照信号の重みを低くする特性を有する更新速度に従って、参照信号との畳み込み演算に供される。更新速度の特性とは、例えばタップインデックス(l)が0から32だと1.0の値を有し、タップインデックス(l)が33から64だと0.5の値を有し、タップインデックス(l)が65から96だと0.2の値を有し、タップインデックス(l)が97から128だと0.1の値を有する等、タップインデックス(l)の増加に伴って階段状に徐々に減衰する特性を有する。つまり、上述した所定の決め方は、このようにタップインデックス(l)の増加(つまり現在時刻から過去時刻に向かう)に従って指数減衰するというヒューリスティックに定めるものである。
適応的減算部45は、適応的フィルタ(上述参照、図示略)及び加算回路(図示略)を少なくとも有し、遅延部43からの出力から参照信号生成部41からの出力を減算するための減算処理を行うとともに、この減算処理結果を用いたフィードバック制御に基づいて遅延部43からの出力と参照信号生成部41からの出力との減算処理を適応的に行う。適応的減算部45は、適応的な減算処理の出力をスピーカ駆動信号生成部46に送る。適応的減算部45による適応的な減算処理の詳細については後述する。
Figure 2024048967000058
Figure 2024048967000059
音場再生部28Bは、スピーカ駆動信号生成部46によるスピーカごとのディジタル形式のスピーカ駆動信号をアナログ形式のスピーカ駆動信号に変換して信号増幅し、対応するスピーカから出力(再生)する。
スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8のそれぞれは、立方体でモデル化される音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)の各頂点部分に配置され、音場再生部28からのスピーカ駆動信号に基づいて音場を再生(再現)する。
ここで、参照信号生成部41による参照信号の生成処理、適応的減算部45による適応的な減算処理、スピーカ駆動信号生成部46によるスピーカ駆動信号の生成処理の詳細について説明する。
Figure 2024048967000060
Figure 2024048967000061
Figure 2024048967000062
Figure 2024048967000063
Figure 2024048967000064
Figure 2024048967000065
Figure 2024048967000066
Figure 2024048967000067
第2パターンの式(22)で示される更新成分Δw[l]は、一般的なNLMS(Normalized Least Mean Squrae)アルゴリズムで使用される。第2パターンの式(21)において、y(n、m)[i]は式(19)に示される誤差信号を示し、μ[l]はタップインデックスに対応する適応速度を示し、Tは畳み込み演算の対象となる時間幅(区間)、つまりタップ長を示す。
Figure 2024048967000068
Figure 2024048967000069
Figure 2024048967000070
適応的減算部45は、式(19)の演算によって得られた誤差信号y(n、m)[i]を用いたフィードバック制御(つまり、誤差信号y[i]を入力に用いたフィルタ係数の更新が収束するまでの回帰的演算)により、適応的な減算結果の出力信号(γambient (n、m)[i])としてスピーカ駆動信号生成部46に送る。
Figure 2024048967000071
Figure 2024048967000072
次に、図11を参照して、音場再現装置2Bによる音場再現の動作手順について説明する。図11は、実施の形態3に係る音場再現装置2Bによる音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図11の説明において、図5或いは図8の説明と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
図11において、音場再現装置2Bは、ステップSt2の処理を受けて、ステップSt21~ステップSt22の一連の処理(つまり、参照信号を生成するための処理)とステップSt23の処理(つまり、1次オーダーアンビソニックス信号への遅延処理)とを並行して実行する。
Figure 2024048967000073
Figure 2024048967000074
Figure 2024048967000075
Figure 2024048967000076
Figure 2024048967000077
Figure 2024048967000078
Figure 2024048967000079
また、収録デバイスは、複数のマイク素子Mc1~Mc4のそれぞれが異なる方向を向くように立体的に配置されたアンビソニックスマイク11により構成される。これにより、音場収録装置1は、音場収録空間(ライブ会場LV1)内の複数の音源による演奏等の雰囲気の音を立体的に収録することができる。
Figure 2024048967000080
まず、図12及び図13を参照して、実施の形態4に係る音場再現システム100Cのシステム構成並びに動作概要について説明する。図12は、実施の形態4に係る音場再現システム100Cのシステム構成例を示すブロック図である。図13は、実施の形態4の音場収録から音場再現までの動作概要例を示す図である。図12及び図13の説明において、図3、図4、図9及び図10の構成及び動作と重複する内容については同一の符号を参照して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
音場再現システム100Cは、音場収録装置1と、音場再現装置2Cとを含む。音場収録装置1の構成は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
音場再現装置2Cは、例えば音場再現空間(例えばサテライト会場STL1)に配置され、音源抽出方向制御部21Bと、音源提示方向制御部22Cと、参照信号生成部41と、遅延量指定部42と、遅延部43と、適応速度制御部44と、適応的減算部45と、第2遅延部47と、第3符号化部48と、スピーカ方向指定部24Bと、スピーカ駆動信号生成部46と、スピーカ駆動信号生成部49と、信号混合部50と、音場再生部28Cと、スピーカSPk1、SPk2、…、SPk8とを含む。
音源抽出方向制御部21B、音源提示方向制御部22C、参照信号生成部41、遅延量指定部42、遅延部43、適応速度制御部44、適応的減算部45、第2遅延部47、第3符号化部48、スピーカ方向指定部24B、スピーカ駆動信号生成部46、スピーカ駆動信号生成部49、信号混合部50及び音場再生部28Cは、例えばCPU、DSP、GPU、FPGA等の電子デバイスのうち少なくとも1つが実装された半導体チップ若しくは専用のハードウェアにより構成される。
Figure 2024048967000081
第2遅延部47は、参照信号生成部41からの参照信号を入力するとともに、その入力された参照信号に、遅延量指定部42により指定される遅延量と同一の遅延量を付与する遅延処理を施す。第2遅延部47は、その遅延処理後の参照信号を出力として第3符号化部48に送る。
Figure 2024048967000082
Figure 2024048967000083
信号混合部50は、スピーカ駆動信号生成部49からの高次基底音響信号に対応するスピーカ駆動信号と、スピーカ駆動信号生成部46からのスピーカ駆動信号とを、スピーカごとに対応するように混合して音場再生部28Cに送る。
音場再生部28Cは、信号混合部50による混合後のスピーカごとのディジタル形式のスピーカ駆動信号をアナログ形式のスピーカ駆動信号に変換して信号増幅し、対応するスピーカから出力(再生)する。
ここで、第3符号化部48による符号化処理、スピーカ駆動信号生成部49によるスピーカ駆動信号の生成処理の詳細について説明する。
Figure 2024048967000084
Figure 2024048967000085
次に、図14を参照して、音場再現装置2Cによる音場再現の動作手順について説明する。図14は、実施の形態4に係る音場再現装置2Cによる音場再現の動作手順例を時系列に示すフローチャートである。図14の説明において、図5、図8或いは図11の説明と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。
Figure 2024048967000086
Figure 2024048967000087
Figure 2024048967000088
Figure 2024048967000089
Figure 2024048967000090
Figure 2024048967000091
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、アンビソニックスマイクを用いて収録した音場成分から聴取者から見た特定方向の音を抑圧し、音場収録空間内のクリアで臨場感かつ没入感のある音場の音場再現空間内での再現を実現する音場再現装置、音場再現方法及び音場再現システムとして有用である。
1 音場収録装置
2、2A、2B、2C 音場再現装置
11 アンビソニックスマイク
12 A/D変換部
13 符号化部
14 マイク素子方向指定部
21、21B 音源抽出方向制御部
22 音源提示方向制御部
23 再符号化部
24、24B スピーカ方向指定部
25 第1復号化部
26 第2復号化部
27 信号混合部
28、28B 音場再生部
29 音源取得部
30 第2符号化部
31 第2信号混合部
41 参照信号生成部
42 遅延量指定部
43 遅延部
44 適応速度制御部
45 適応的減算部
46 スピーカ駆動信号生成部
47 第2遅延部
48 第3符号化部
100、100A、100B、100C 音場再現システム
SPk1、SPk2、SPk3、SPk4、SPk5、SPk6、SPk7、SPk8 スピーカ

Claims (11)

  1. 収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受ける音源抽出方向制御部と、
    前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施す遅延部と、
    前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行う減算部と、
    前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部と、
    前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力する音場再生部と、を備える、
    音場再現装置。
  2. 前記音源抽出方向を用いて前記低次基底音響信号を符号化処理することにより、前記音源抽出方向の前記参照信号を生成する参照信号生成部、を更に備える、
    請求項1に記載の音場再現装置。
  3. 前記減算部は、前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算結果を用いたフィードバック制御に基づいて前記減算処理を適応的に行う、
    請求項1に記載の音場再現装置。
  4. 前記音源抽出方向は、前記音場収録空間内の基準位置からの3次元方向として指定される、
    請求項1に記載の音場再現装置。
  5. 前記参照信号に前記所定量の遅延処理を施す第2遅延部と、
    前記音源抽出方向と同一又は異なる方向であって、前記音場再現空間内での音場再現の強調方向である音源提示方向の指定を受ける音源提示方向制御部と、
    前記音源提示方向を用いて前記所定量の遅延処理が施された参照信号を符号化することにより、前記音源提示方向に対応する高次基底音響信号を生成する符号化部と、を更に備える、
    請求項1に記載の音場再現装置。
  6. 前記高次基底音響信号と前記複数のスピーカのそれぞれの配置情報とを用いて、前記スピーカごとの高次基底成分を有する第2スピーカ駆動信号を生成する第2スピーカ駆動信号生成部、を更に備える、
    請求項5に記載の音場再現装置。
  7. 前記スピーカ駆動信号と前記第2スピーカ駆動信号とを前記スピーカごとに混合する信号混合部、を更に備え、
    前記音場再生部は、前記信号混合部による混合後の信号を前記スピーカごとに出力する、
    請求項6に記載の音場再現装置。
  8. 前記音源提示方向は、前記音場収録空間内の基準位置からの3次元方向として指定される、
    請求項5に記載の音場再現装置。
  9. 収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受けるステップと、
    前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施すステップと、
    前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行うステップと、
    前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するステップと、
    前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力するステップと、を有する、
    音場再現方法。
  10. 音場収録空間内の音源を収録可能な収録デバイスを有する音場収録装置と、
    前記収録デバイスにより収録された音響信号を、前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内で再現する音場再現装置と、を備え、
    前記音場再現装置は、
    前記収録デバイスが配置される音場収録空間内の音源抽出方向の指定を受ける音源抽出方向制御部と、
    前記収録デバイスによる収録信号を用いた符号化処理に基づく低次基底音響信号に所定量の遅延処理を施す遅延部と、
    前記遅延処理後の低次基底音響信号から前記音源抽出方向の参照信号の減算処理を行う減算部と、
    前記減算処理後の低次基底音響信号と前記音場収録空間とは異なる音場再現空間内に設けられた複数のスピーカの配置情報とに基づいて、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を生成するスピーカ駆動信号生成部と、
    前記複数のスピーカのそれぞれから、前記スピーカごとのスピーカ駆動信号を出力する音場再生部と、を備える、
    音場再現システム。
  11. 前記収録デバイスは、複数のマイク素子のそれぞれが異なる方向を向くように立体的に配置されたアンビソニックスマイクにより構成される、
    請求項10に記載の音場再現システム。
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