JP2024046540A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素化脱硫方式の脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となる燃料電池システムを提供する。【解決手段】原料ガスの改質を行って改質ガスを生成する改質器と、前記原料ガスを前記改質器へ向けて送出するブロワと、前記改質ガスが供給される燃料極を有し、当該改質ガスを用いて発電を行うセルスタックと、前記原料ガスを処理する水素化脱硫方式の脱硫器と、を備え、前記燃料極から排出された第1アノードオフガスの一部を、前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させる燃料電池システムとする。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池または溶融炭酸塩形燃料電池を用いた燃料電池システムに関する。
従来、発電効率が良く環境にも優しい電源として、各種方式の燃料電池が開発されている。特に、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は50%以上の高い発電効率が得られるため、家庭用から産業用まで、広範な出力範囲の燃料電池システムに利用されている。
一方で、60%を超える発電効率を目指して、セルスタックの多段化やオフガスの再循環といった燃料利用率を高める技術開発も進められている。例えば特許文献1には、固体酸化物形燃料電池のセルスタックを多段化するとともに、前段側のセルスタックから排出されたオフガスが後段側のセルスタックへ供給されるようにした多段式燃料電池システムの一例が開示されている。
特開2015-138573号公報
燃料電池システムに供給される都市ガス等の原料ガスには硫黄化合物が含まれており、この硫黄化合物は、改質触媒や発電セルの電極触媒を被毒する。そのため燃料電池システムにおいては、原料ガスに含まれる硫黄化合物を除去する装置を設けておくことが望ましく、このような装置としては水素化脱硫方式の脱硫器が好適である。また、燃料電池システムの構成の簡素化や導入時のイニシャルコスト削減等の観点から、当該脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機が不要であることが望ましい。
本発明は上記課題に鑑み、水素化脱硫方式の脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となる燃料電池システムの提供を目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、原料ガスの改質を行って改質ガスを生成する改質器と、前記原料ガスを前記改質器へ向けて送出するブロワと、前記改質ガスが供給される燃料極を有し、当該改質ガスを用いて発電を行うセルスタックと、前記原料ガスを処理する水素化脱硫方式の脱硫器と、を備え、前記燃料極から排出された第1アノードオフガスの一部を、前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させる構成とする。本構成によれば、水素化脱硫方式の脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となる。なおここでの「第1アノードオフガス」は、凝縮させた水を分離した後の第1アノードオフガスも含む概念である。
本発明に係る燃料電池システムは、原料ガスの改質を行って改質ガスを生成する改質器と、前記原料ガスを前記改質器へ向けて送出するブロワと、前記改質ガスが供給される第1燃料極を有し、当該改質ガスを用いて発電を行う前段側セルスタックと、前記第1燃料極から排出された第1アノードオフガスが供給される第2燃料極を有し、当該第1アノードオフガスを用いて発電を行う後段側セルスタックと、前記原料ガスを処理する水素化脱硫方式の脱硫器と、を備え、前記第1アノードオフガスの一部を前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させる構成とする。本構成によれば、水素化脱硫方式の脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となる。なおここでの「第1アノードオフガス」は、凝縮させた水を分離した後の第1アノードオフガスも含む概念である。
上記構成としてより具体的には、前記第1アノードオフガスと冷却用流体とを熱交換させる熱交換器と、前記熱交換器で生成した凝縮水を分離して前記改質に用いる改質水として回収する水タンクと、前記凝縮水を分離後の前記第1アノードオフガスの一部を前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させる構成としても良い。
上記構成としてより具体的には、前記第1アノードオフガスの一部を、流量調整器を介して前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させる構成としても良い。上記構成としてより具体的には、前記流量調整器は、オリフィスである構成としても良い。
上記構成としてより具体的には、前記原料ガスおよび前記第1アノードオフガスから選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させるバーナと、前記第1アノードオフガスの一部が混合された原料ガスを、前記脱硫器の上流側で前記バーナの燃焼ガスと熱交換させる原料予熱器と、を備える構成としても良い。なおここでの「第1アノードオフガス」は、凝縮させた水を分離した後の第1アノードオフガスも含む概念である。
上記構成としてより具体的には、前記原料ガス、前記第1アノードオフガス、および前記第2燃料極から排出される第2アノードオフガスから選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させるバーナと、前記第1アノードオフガスの一部が混合された原料ガスを、前記脱硫器の上流側で前記バーナの燃焼ガスと熱交換させる原料予熱器と、を備える構成としても良い。なおここでの「第2アノードオフガス」は、凝縮させた水を分離した後の第2アノードオフガスも含む概念である。
本発明に係る燃料電池システムによれば、水素化脱硫方式の脱硫器に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となる。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略的な構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの概略的な構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの概略的な構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの概略的な構成図である。 第1実施形態に関する併用型のバーナの構成図である。 第1実施形態に関する統合型のバーナの構成図である。 第2~第4実施形態に関する併用型のバーナの構成図である。 第2~第4実施形態に関する統合型のバーナの構成図である。
本発明の実施形態について第1~第4実施形態を例に挙げ、各図面を参照しながら以下に説明する。
1.第1実施形態
まず第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る燃料電池システム1の概略的な構成図である。なお図1では流体の経路に関して、燃料ガスに関連する経路(ガス経路)を実線矢印で示し、改質水に関連する経路(水経路)を破線矢印で示し、空気に関連する経路(空気経路)を点線矢印で示し、その他の経路を一点鎖線の矢印で示している。また図1に示す白抜き矢印は、各経路を通る流体を示している。
図1に示すように燃料電池システム1は、改質器11、蒸発器12、水回収装置14、バーナ16、脱硫器17、流量調整器18、セルスタック20、原料予熱器H1、および空気予熱器H2を備える。
セルスタック20は、燃料極(アノード)20aと空気極(カソード)20bを有する固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)であり、発電時の動作温度は例えば500~700℃程度である。セルスタック20は、燃料極20aに水素を含む燃料ガスが供給され、空気極20bに酸素を含む空気が供給されることにより、電気化学反応を発生させて発電することが可能である。本実施形態では一例として、セルスタック20は一つだけ設けられているが、セルスタック20を並列に複数個設けるようにしても良い。
水回収装置14や脱硫器17を除く燃料電池システム1の大部分の要素は、図1に示す断熱領域TA内に配置されている。断熱領域TAは断熱材等で覆われており、外部への熱放出が極力抑えられるよう配慮されている。これにより燃料電池システム1は、熱自立の点で有利な構成となっている。
燃料電池システム1には、原料ガス(本実施形態では一例として、メタンを含む都市ガスとする)を受入れる原料ガス受入部Pg、および、空気を受入れる空気受入部Paが設けられている。なお、原料ガスや空気は基本的に燃料電池システム1の外部から供給される。
原料ガス受入部Pgは、第1ガス経路Lg1を介して改質器11に繋がっている。第1ガス経路Lg1の途中には、前段側から順に、第1ブロワB1、原料予熱器H1、脱硫器17、および蒸発器12が設けられている。
改質器11は、第2ガス経路Lg2を介して、セルスタック20の燃料極20aに繋がっている。燃料極20aは、第3ガス経路Lg3を介して水回収装置14に繋がっている。水回収装置14は、水タンク14aおよび凝縮器14bを備えている。水回収装置14は、第4ガス経路Lg4を介してバーナ16に繋がっている。バーナ16からは燃焼ガス経路Lxが伸びており、燃焼ガス経路Lxの後端は燃料電池システム1の外部に繋がっている。燃焼ガス経路Lxの途中には、前段側から順に、空気予熱器H2、原料予熱器H1、および蒸発器12が設けられている。
空気受入部Paは第1空気経路La1を介してセルスタック20の空気極20bに繋がっている。第1空気経路La1の途中には、前段側から順に、第2ブロワB2および空気予熱器H2が設けられている。空気極20bは、第2空気経路La2を介してバーナ16に繋がっている。
原料予熱器H1は、第1ガス経路Lg1の所定位置(第1ブロワB1と脱硫器17の間の位置)を通る流体と、燃焼ガス経路Lxの所定位置(空気予熱器H2と蒸発器12の間の位置)を通る流体との間で、熱交換が行われるようにする。空気予熱器H2は、第1空気経路La1の所定位置(第2ブロワB2と空気極20bの間の位置)を通る流体と、燃焼ガス経路Lxの所定位置(バーナ16と原料予熱器H1の間の位置)を通る流体との間で、熱交換が行われるようにする。
水タンク14aは、水経路Lwを介して第1ガス経路Lg1の所定位置(脱硫器17と蒸発器12の間の位置)に繋がっている。水経路Lwには水ポンプW1が設けられており、水タンク14a内の水を改質水Waとして第1ガス経路Lg1へ継続的に供給することが可能である。これにより燃料電池システム1は、水自立を実現させることが可能である。水ポンプW1は、水タンク14aから第1ガス経路Lg1への改質水Waの供給量を調節することが可能である。
また、第4ガス経路Lg4の所定位置α(水回収装置14とバーナ16の間の位置)は、水素供給経路Lhを介して第1ガス経路Lg1の所定位置(第1ブロワB1よりも前段側の位置)に繋がっている。水素供給経路Lhの途中には流量調整器18が設けられている。
次に、燃料電池システム1の動作概要について説明する。原料ガス受入部Pgから第1ガス経路Lg1内に供給された原料ガスGaは、水素供給経路Lhから流入した残存オフガスGdが混ざり、第1ブロワB1の作用により後段側へ送られる。この原料ガスGaは、原料予熱器H1での熱交換によって加熱された後、脱硫器17において脱硫処理が施された上で、蒸発器12に流入する。なお当該脱硫処理の詳細については改めて説明する。
原料ガスGaの供給に並行して、水ポンプW1によって水タンク14aから水経路Lw内に供給された改質水Waが第1ガス経路Lg1へ流入し、原料ガスGaとともに蒸発器12に流入する。蒸発器12においては、熱交換による改質水Waの加熱によって水蒸気(過熱蒸気)が生成し、これが原料ガスGaに混合する。このようにして生成された原料ガスGaと水蒸気の混合気体は、改質器11へ流入する。
改質器11は、蒸発器12から受けた水蒸気を用いて原料ガスGaを改質し、改質ガスGbを生成して後段側へ送出する。改質器11は、水蒸気改質用の触媒を有しており、原料ガスGaに含まれるメタンと水蒸気を反応させ、一酸化炭素と水素を含む改質ガスGbを生成する。水蒸気改質は吸熱反応であるが、バーナ16からの熱供給により、改質器11は安定的に改質ガスGbを生成することが可能である。改質器11から送出された改質ガスGbは、第2ガス経路Lg2を介して燃料極20aに流入する。
一方、上述した原料ガスGaおよび改質水Waの供給に並行して、空気受入部Paから第1空気経路La1内に空気Aaが供給される。第1空気経路La1内の空気Aaは、第2ブロワB2の作用により後段側へ送られる。この空気Aaは、空気予熱器H2での熱交換によって加熱された後、空気極20bに流入する。
セルスタック20は、燃料極20aに流入した改質ガスGbと空気極20bに流入した空気Aaを用いて発電するとともに、燃料極20aから第1オフガスGc1(第1アノードオフガス)を排出する。この発電で得られた電力は、不図示の電力供給ラインを介して外部の負荷機器へ供給される。第1オフガスGc1には、燃料極20aにおいて未反応であった水素等の燃料成分が含まれている。なお空気極20bからは、空気極20bにおいて未反応であった酸素等を含む残りの空気Abが、第2空気経路La2を介してバーナ16へ排出される。
燃料極20aから排出された第1オフガスGc1は第3ガス経路Lg3を通り、水回収装置14に流入する。水回収装置14において、凝縮器14bは、第1オフガスGc1を露点温度以下まで冷却し、第1オフガスGc1に含まれる水蒸気を凝縮させる。
なお凝縮器14bは、例えば外部から供給される冷却用空気との熱交換により第1オフガスGc1を冷却するように構成されても良い。この場合に冷却用空気の流路は、密閉型であってもよいし、開放型であってもよい。前者の場合、プレート式、シェルアンドプレート式、シェルアンドチューブ式等の熱交換器を使用することができ、ブロワにより冷却用空気を伝熱面に送り込む。後者の場合、空冷式のラジエーターを使用することができ、第1オフガスGc1が内部流通する熱交換コアの表面にファンにより冷却用空気を通風させる。なお、ラジエーターは、冷却用空気の供給時の圧力損失が低いうえ、空気流量の調節も容易であるので、燃料電池システム1の補機電力を低減できるメリットがある。
凝縮器14bを通過した第1オフガスGc1は水タンク14aで気水分離され、凝縮水が水タンク14aに回収される一方、凝縮しなかった残りの部分は残存オフガスGdとして第4ガス経路Lg4へ流入する。残存オフガスGdは、気水分離の処理(凝縮させた水を分離させる処理)を施した第1オフガスGc1に相当する。なお水回収装置14は、第1オフガスGc1からの水蒸気除去を効率良く行うことができるように、断熱領域TAの外部に配置されている。
水タンク14aに回収された凝縮水は、先述のとおり水経路Lwと第1ガス経路Lg1を介して蒸発器12に供給され、改質水Waとして再利用される。なお、第1オフガスGc1から水蒸気を除去して残存オフガスGdを生成することにより、第1オフガスGc1中の未反応の燃料成分をバーナ16で効率良く燃焼させることが可能となる。
第4ガス経路Lg4に流入した残存オフガスGdは、一部が水素供給経路Lhを介して第1ガス経路Lg1に流入し、残りがバーナ16に流入する。バーナ16は、空気極20bから排出された空気Abと残存オフガスGdの混合気体を燃焼させて熱を発生させるとともに、燃焼によって生じた燃焼ガスGfを燃焼ガス経路Lxに排出する。この燃焼ガスGfは、燃焼ガス経路Lxを通って燃料電池システム1の外部へ排出されることになる。なお、バーナ16は改質器11の近傍に配置されており、バーナ16から生じる熱は、放射伝熱や対流伝熱により改質器11へ効率良く伝わるようになっている。
燃焼ガス経路Lxを通る燃焼ガスGfは、空気予熱器H2を通過する際に空気Aaと熱交換される。空気予熱器H2における熱交換により、空気Aaの温度が上昇するとともに、燃焼ガスGfの温度が下降する。更に燃焼ガスGfは、原料予熱器H1を通過する際に原料ガスGaと熱交換される。原料予熱器H1における熱交換により、原料ガスGaの温度が上昇するとともに、燃焼ガスGfの温度が下降する。そして更に燃焼ガスGfは、蒸発器12を通過する際に改質水Waと熱交換された上で、燃料電池システム1の外部へ排出される。蒸発器12は、燃焼ガスGfとの熱交換により改質水Waを加熱して、先述したとおり水蒸気を生成することになる。
ここで、燃料電池システム1において実施される脱硫処理について説明する。先述したとおり、原料ガス受入部Pgに供給された原料ガスGaは、水素供給経路Lhから流入した残存オフガスGdが混ざり、第1ブロワB1の作用により第1ガス経路Lg1の後段側へ送られる。この残存オフガスGdには、燃料極20aで未反応であった燃料成分の水素が含まれている。そのため、原料ガスGaに残存オフガスGdを混入させることにより、原料ガスGaに水素が添加される。
水素を添加させた原料ガスGaは、原料予熱器H1で燃焼ガスGfとの熱交換により加熱された後、脱硫器17に流入する。脱硫器17は、水素化脱硫方式の脱硫器であり、触媒を用いて水素と反応させることにより、原料ガスGaに含まれる硫黄化合物を硫化水素に変換しつつ吸着除去する。このような脱硫処理を行うことにより、改質触媒や電極触媒に対する被毒を極力抑えることが可能である。また、原料予熱器H1での原料ガスGaの加熱は、原料ガスGaの温度が当該脱硫処理に必要な反応温度(例えば、300℃程度)に達するように行われる。
脱硫器17は、容器内部を2段化して、Ni-Mo系触媒およびCo-Mo系触媒により、硫黄化合物を反応性の高い硫化水素に変換する前段領域と、ZnO系材料により硫化水素を吸着除去する後段領域とに分けても良い。
なお仮に、第1オフガスGc1(水蒸気を分離させる前のアノードオフガス)を原料ガスGaへ混入させると、第1ブロワB1で水分が凝縮して原料ガスGaの供給が阻害されたり、水素の相対的濃度が低下して脱硫処理が不十分となったりする虞がある。この点も考慮して本実施形態では、水タンク14aで水蒸気を分離させた後の残存オフガスGdを原料ガスGaへ混入させ、脱硫処理が適切に行われるようにしている。
また、残存オフガスGdを原料ガスGaへ混入させる位置(混入位置)について、仮に脱硫器17の入口を混入位置とすると、第4ガス経路Lg4(残存オフガスGdの供給元)に比べて当該混入位置の方が静圧は高いため、残存オフガスGdを当該混入位置へ送るための昇圧機構が必要となる。しかし本実施形態では、第4ガス経路Lg4に比べて静圧の低い第1ブロワB1の前段側(吸入側)を混入位置とすることにより、このような昇圧機構は不要となっている。
更に燃料電池システム1では、水素供給経路Lhに流量調整器18が設けられており、原料ガスGaへ混入させる残存オフガスGdの流量を調整することが可能となっている。本実施形態の例では、流量調整器18として所望の圧力損失を生じるオリフィスが設けられており、当該圧力損失に応じた所定流量の残存オフガスGdを原料ガスGaへ混入させることができる。また流量調整器18は、オリフィスに替えて流量調整弁を使用することにより、当該圧力損失を適宜調節できるように構成してもよい。
以上に説明したように燃料電池システム1は、原料ガスGaの改質を行って改質ガスGbを生成する改質器11と、原料ガスGaを改質器11へ向けて送出する第1ブロワB1と、改質ガスGbが供給される燃料極20aを有し、改質ガスGbを用いて発電を行うセルスタック20と、原料ガスGaを処理する水素化脱硫方式の脱硫器17と、を備える。そして燃料電池システム1は、残存オフガスGd(水回収装置14で凝縮水を分離した後の第1オフガスGc1に相当する)の一部を、第1ブロワB1の吸入側で原料ガスGaに混合させる。そのため燃料電池システム1は、水素化脱硫方式の脱硫器17に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となっている。また、燃料電池システム1によれば、水素および一酸化炭素の一部がセルスタック20にリサイクルされるので、改質ガスGbの燃料濃度が上がり、結果として出力電圧および発電効率が向上するメリットがある。
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では、第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図2は、第2実施形態の燃料電池システム1aの概略的な構成図である。本図に示すように燃料電池システム1aには、第1実施形態の燃料電池システム1と同様に、改質器11、蒸発器12、水回収装置14、バーナ16、脱硫器17、流量調整器18、原料予熱器H1、および空気予熱器H2を備えており、これらの基本的な構成および機能は第1実施形態と同等である。
また燃料電池システム1aでは、さらに再熱器H3が設けられており、第1実施形態のセルスタック20の代わりに、前段側セルスタック13および後段側セルスタック15が設けられている。これらのセルスタック13,15の基本的な構成および機能は、第1実施形態のセルスタック20と同等である。前段側セルスタック13は第1燃料極13aと第1空気極13bを有しており、後段側セルスタック15は第2燃料極15aと第2空気極15bを有している。本実施形態では一例として、前段側セルスタック13および後段側セルスタック15は一つずつ設けられているが、これらの一方または両方を並列に複数個設けるようにしても良い。
原料ガス受入部Pgは、第1ガス経路Lg1を介して改質器11に繋がっている。第1ガス経路Lg1の途中には、前段側から順に、第1ブロワB1、原料予熱器H1、脱硫器17、および蒸発器12が設けられている。
改質器11は、第2ガス経路Lg2を介して、前段側セルスタック13の第1燃料極13aに繋がっている。第1燃料極13aは、第3ガス経路Lg3を介して水回収装置14に繋がっている。第3ガス経路Lg3の途中には、再熱器H3が設けられている。水回収装置14は、第4ガス経路Lg4を介して後段側セルスタック15の第2燃料極15aに繋がっている。第4ガス経路Lg4の途中には、再熱器H3が設けられている。
第2燃料極15aは、第5ガス経路Lg5を介してバーナ16に繋がっている。バーナ16からは燃焼ガス経路Lxが伸びており、燃焼ガス経路Lxの後端は燃料電池システム1の外部に繋がっている。燃焼ガス経路Lxの途中には、前段側から順に、空気予熱器H2、原料予熱器H1、および蒸発器12が設けられている。
空気受入部Paは第1空気経路La1を介して前段側セルスタック13の第1空気極13bに繋がっている。第1空気経路La1の途中には、前段側から順に、第2ブロワB2および空気予熱器H2が設けられている。第1空気極13bは、第3空気経路La3を介して後段側セルスタック15の第2空気極15bに繋がっている。第2空気極15bは、第4空気経路La4を介してバーナ16に繋がっている。
なお第1空気経路La1~第4空気経路La4は、空気予熱器H2で予熱後の空気Aaが、第1空気極13bおよび第2空気極15bに対して並列に供給・排出されるように構成されていてもよい。
原料予熱器H1は、第1ガス経路Lg1の所定位置(第1ブロワB1と脱硫器17の間の位置)を通る流体と、燃焼ガス経路Lxの所定位置(空気予熱器H2と蒸発器12の間の位置)を通る流体との間で、熱交換が行われるようにする。空気予熱器H2は、第1空気経路La1の所定位置(第2ブロワB2と第1空気極13bの間の位置)を通る流体と、燃焼ガス経路Lxの所定位置(バーナ16と原料予熱器H1の間の位置)を通る流体との間で、熱交換が行われるようにする。再熱器H3は、第3ガス経路Lg3の所定位置(第1燃料極13aと水回収装置14の間の位置)を通る流体と、第4ガス経路Lg4の所定位置(所定位置αと第2燃料極15aの間の位置)を通る流体との間で、熱交換が行われるようにする。
水タンク14aは、水経路Lwを介して第1ガス経路Lg1の所定位置(脱硫器17と蒸発器12の間の位置)に繋がっている。水経路Lwには水ポンプW1が設けられており、水タンク14a内の水を改質水Waとして第1ガス経路Lg1へ継続的に供給することが可能である。
また、第4ガス経路Lg4の所定位置α(水回収装置14と再熱器H3の間の位置)は、水素供給経路Lhを介して第1ガス経路Lg1の所定位置(第1ブロワよりも前段側の位置)に繋がっている。水素供給経路Lhの途中には流量調整器18が設けられている。なお本実施形態の流量調整器18も、第1実施形態と同様に所望の圧力損失を生じるオリフィスが設けられており、当該圧力損失に応じた所定流量の再生オフガスGd(第1実施形態の残存オフガスGdに相当)を原料ガスGaへ混入させることができる。また流量調整器18は、オリフィスに替えて流量調整弁を使用することにより、当該圧力損失を適宜調節できるように構成してもよい。
上述のとおり第2実施形態の燃料電池システム1aは、前段側セルスタック13と後段側セルスタック15を備えた多段式の燃料電池システムである点で、第1実施形態とは異なっている。燃料電池システム1aにおいて、原料ガス受入部Pgから第1ガス経路Lg1内に供給された原料ガスGaは、水素供給経路Lhから流入した再生オフガスGdが混ざり、第1ブロワB1の作用により後段側へ送られる。この原料ガスGaは、原料予熱器H1での熱交換によって加熱された後、脱硫器17において脱硫処理が施された上で、蒸発器12に流入する。
原料ガスGaの供給に並行して、水ポンプW1によって水タンク14aから水経路Lw内に供給された改質水Waが第1ガス経路Lg1へ流入し、原料ガスGaとともに蒸発器12に流入する。蒸発器12においては、熱交換による改質水Waの加熱によって水蒸気(過熱蒸気)が生成し、これが原料ガスGaに混合する。このようにして生成された原料ガスGaと水蒸気の混合気体は、改質器11へ流入する。
改質器11は、蒸発器12から受けた水蒸気を用いて原料ガスGaを改質し、改質ガスGbを生成して後段側へ送出する。改質器11から送出された改質ガスGbは、第2ガス経路Lg2を介して第1燃料極13aに流入する。
一方、上述した原料ガスGaおよび改質水Waの供給に並行して、空気受入部Paから第1空気経路La1内に空気Aaが供給される。第1空気経路La1内の空気Aaは、第2ブロワB2の作用により後段側へ送られる。この空気Aaは、空気予熱器H2での熱交換によって加熱された後、第1空気極13bに流入する。
前段側セルスタック13は、第1燃料極13aに流入した改質ガスGbと第1空気極13bに流入した空気Aaを用いて発電するとともに、第1燃料極13aから第1オフガスGc1(第1アノードオフガス)を排出する。なお第1空気極13bからは、第1空気極13bにおいて未反応であった酸素等を含む残りの空気Ax(カソードオフガス)が、第3空気経路La3を介して第2空気極15bへ排出される。
第1燃料極13aから排出された第1オフガスGc1は第3ガス経路Lg3を通り、水回収装置14に流入する。第1オフガスGc1は、再熱器H3を通る際に再生オフガスGdと熱交換される。水回収装置14において、凝縮器14bは、第1オフガスGc1と冷却用流体とを熱交換させる熱交換器として機能し、第1オフガスGc1を露点温度以下まで冷却し、第1オフガスGc1に含まれる水蒸気を凝縮させる。
凝縮器14bを通過した第1オフガスGc1は水タンク14aで気水分離され、凝縮水が水タンク14aに回収される一方、凝縮しなかった残りの部分は再生オフガスGdとして第4ガス経路Lg4へ流入する。
水タンク14aに回収された凝縮水は、水経路Lwと第1ガス経路Lg1を介して蒸発器12に供給され、改質水Waとして再利用される。なお、第1オフガスGc1から水蒸気を除去して再生オフガスGdを生成することにより、第1オフガスGc1中の未反応の燃料成分を後段側セルスタック15で効率良く利用することが可能となる。
第4ガス経路Lg4に流入した再生オフガスGdは、一部が水素供給経路Lhを介して第1ガス経路Lg1に流入し、残りが再熱器H3を通って第2燃料極15aに流入する。なお再生オフガスGdは、再熱器H3を通る際に第1オフガスGc1と熱交換され、温度が上昇する。
後段側セルスタック15は、第2燃料極15aに流入した再生オフガスGdと第2空気極15bに流入した空気Axを用いて発電するとともに、第2燃料極15aから第2オフガスGc2(第2アノードオフガス)を排出する。この発電で得られた電力は、前段側セルスタック13の発電電力と共に不図示の電力供給ラインを介して外部の負荷機器へ供給される。なお第2空気極15bからは、第2空気極15bにおいて未反応であった酸素等を含む残りの空気Abが、第4空気経路La4を介してバーナ16へ排出される。
バーナ16は、第2空気極15bから排出された空気Abと第2燃料極15aから排出された第2オフガスGc2の混合気体を燃焼させて熱を発生させるとともに、燃焼によって生じた燃焼ガスGfを燃焼ガス経路Lxに排出する。この燃焼ガスGfは、燃焼ガス経路Lxを通って燃料電池システム1の外部へ排出されることになる。
燃焼ガス経路Lxを通る燃焼ガスGfは、空気予熱器H2を通過する際に空気Aaと熱交換される。空気予熱器H2における熱交換により、空気Aaの温度が上昇するとともに、燃焼ガスGfの温度が下降する。更に燃焼ガスGfは、原料予熱器H1を通過する際に原料ガスGaと熱交換される。原料予熱器H1における熱交換により、原料ガスGaの温度が上昇するとともに、燃焼ガスGfの温度が下降する。そして更に燃焼ガスGfは、蒸発器12を通過する際に改質水Waと熱交換された上で、燃料電池システム1の外部へ排出される。蒸発器12は、燃焼ガスGfとの熱交換により改質水Waを加熱して、先述したとおり水蒸気を生成することになる。
また第2実施形態の燃料電池システム1aにおいても、第1実施形態の場合と同様に脱硫処理が行われる。すなわち、原料ガス受入部Pgに供給された原料ガスGaは、水素供給経路Lhから流入した再生オフガスGdが混ざり、第1ブロワB1の作用により第1ガス経路Lg1の後段側へ送られる。このようにして原料ガスGaに再生オフガスGdを混入させることにより、原料ガスGaに水素が添加される。
水素を添加させた原料ガスGaは、原料予熱器H1で燃焼ガスGfとの熱交換により加熱された後、脱硫器17に流入する。脱硫器17は、触媒を用いて水素と反応させることにより、原料ガスGaに含まれる硫黄化合物を硫化水素に変換して吸着除去する。なお、原料予熱器H1での原料ガスGaの加熱は、原料ガスGaの温度が当該脱硫処理に必要な反応温度(例えば、300℃程度)に達するように行われる。
なお先述した第1実施形態および第2実施形態の燃料電池システム1,1aは、バーナ16から排出される燃焼ガスGfを、空気予熱器H2、原料予熱器H1、蒸発器12の順に流通させる構成となっている。原料予熱器H1を先に通ることにより、蒸発器12における燃焼ガスGfからの入熱量はその分低下するが、原料予熱器H1で原料ガスGaが予熱されるため、改質水Waの受熱量の大幅な低下は生じない。
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明では、第2実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第2実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図3は、第3実施形態の燃料電池システム1bの概略的な構成図である。本図に示すように、燃料電池システム1bの燃焼ガス経路Lxはバーナ16から伸びており、バーナ16の後段側直近の位置γにおいて、第1燃焼ガス経路Lx1と第2燃焼ガス経路Lx2に分岐して更に伸びている。
第1燃焼ガス経路Lx1は、原料予熱器H1を通って燃料電池システム1の外部へ伸びている。一方で第2燃焼ガス経路Lx2は、前段側から順に空気予熱器H2および蒸発器12を通って、第1燃焼ガス経路Lx1の所定位置δ(原料予熱器H1よりも後段側の位置)に繋がっている。
これによりバーナ16から燃焼ガス経路Lxに排出される燃焼ガスGfは、一部が第1燃焼ガス経路Lx1を通って燃料電池システム1の外部へ排出され、残りが第2燃焼ガス経路Lx2を通って燃料電池システム1の外部へ排出されることになる。第1燃焼ガス経路Lx1を通る燃焼ガスGfは、原料予熱器H1を通る際に原料ガスGaとの熱交換が行われ、これにより原料ガスGaの温度が上昇する。
また、第2燃焼ガス経路Lx2を通る燃焼ガスGfは、空気予熱器H2を通る際に空気Aaとの熱交換が行われ、これにより空気Aaの温度が上昇する。更に、第2燃焼ガス経路Lx2を通る燃焼ガスGfは、蒸発器12を通る際に改質水Waとの熱交換が行われ、これにより改質水Waを加熱して水蒸気を生成させることが可能である。
上述のとおり第3実施形態の燃料電池システム1bにおいては、燃焼ガスGfが流通するルートは、原料予熱器H1を流通する第1燃焼ガス経路Lx1と、空気予熱器H2と蒸発器12を順に流通する第2燃焼ガス経路Lx2とに分かれている。このように本実施形態では、燃焼ガスGfが流通するルートを分けているため、その分、ガス流通の圧力損失が小さくなり、各ブロワの吐出圧力を下げることが可能である。
4.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以下の説明では、第2実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第2実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図4は、第4実施形態の燃料電池システム1cの概略的な構成図である。本図に示すように、燃料電池システム1cの燃焼ガス経路Lxはバーナ16から伸びており、バーナ16の後段側直近の位置γにおいて、第1燃焼ガス経路Lx1と第2燃焼ガス経路Lx2に分岐して更に伸びている。
第1燃焼ガス経路Lx1は、原料予熱器H1を通って燃料電池システム1の外部へ伸びている。一方で第2燃焼ガス経路Lx2は、前段側から順に再熱器H3および空気予熱器H2を通って、第1燃焼ガス経路Lx1の所定位置δ(原料予熱器H1よりも後段側の位置)に繋がっている。また、第1燃料極13aから伸びる第3ガス経路Lg3は、再熱器H3の代わりに蒸発器12を通って、水回収装置14に繋がっている。
これによりバーナ16から燃焼ガス経路Lxに排出される燃焼ガスGfは、一部が第1燃焼ガス経路Lx1を通って燃料電池システム1の外部へ排出され、残りが第2燃焼ガス経路Lx2を通って燃料電池システム1の外部へ排出されることになる。第1燃焼ガス経路Lx1を通る燃焼ガスGfは、原料予熱器H1を通る際に原料ガスGaとの熱交換が行われ、これにより原料ガスGaの温度が上昇する。
第2燃焼ガス経路Lx2を通る燃焼ガスGfは、再熱器H3を通る際に再生オフガスGdとの熱交換が行われ、これにより再生オフガスGdの温度が上昇する。更に、第2燃焼ガス経路Lx2を通る燃焼ガスGfは、空気予熱器H2を通る際に空気Aaとの熱交換が行われ、これにより空気Aaの温度が上昇する。また、第3ガス経路Lg3を通る第1オフガスGc1は、蒸発器12を通る際に改質水Waとの熱交換が行われ、これにより改質水Waを加熱して水蒸気を生成させることが可能である。
上述のとおり第4実施形態の燃料電池システム1cにおいては、燃焼ガスGfが流通するルートは、原料予熱器H1を流通する第1燃焼ガス経路Lx1と、再熱器H3と空気予熱器H2を順に流通する第2燃焼ガス経路Lx2とに分かれている。このように本実施形態では、燃焼ガスGfが流通するルートを分けているため、その分、ガス流通の圧力損失が小さくなり、各ブロワの吐出圧力を下げることが可能である。
また第4実施形態の燃料電池システム1cは、第1オフガスGc1を蒸発器12の熱源にしつつ冷却する形態としている。この形態によれば、第2および第3実施形態のように空気予熱器H2で熱利用後の燃焼ガスGfを熱源とする場合に比べ、蒸発器12での熱源温度が高くなる。そのため、蒸発器12での熱交換に関する伝熱面の面積をその分小さくすることができ、蒸発器12の小型化を図ることが可能となる。また、このような熱利用により第1オフガスGc1が予め冷却されることで、水回収装置14における改質水Waを得る際の凝縮エネルギー(空冷式の凝縮器14bを用いる場合は、必要な通風量の確保に要するファンモータの動力等)を小さく抑えることが可能となる。
以上に説明したように第2~第4実施形態の燃料電池システム1a~1cは、原料ガスGaの改質を行って改質ガスGbを生成する改質器11と、原料ガスGaを改質器11へ向けて送出する第1ブロワB1と、改質ガスGbが供給される第1燃料極13aを有し、改質ガスGcを用いて発電を行う前段側セルスタック13と、再生オフガスGd(水回収装置14で凝縮水を分離した後の第1オフガスGc1に相当する)が供給される第2燃料極15aを有し、再生オフガスGdを用いて発電を行う後段側セルスタック15と、原料ガスGaを処理する水素化脱硫方式の脱硫器17と、を備える。
更に燃料電池システム1a~1cは、再生オフガスGdの一部を、第1ブロワB1の吸入側で原料ガスGaに混合させる。そのため燃料電池システム1a~1cは、水素化脱硫方式の脱硫器17に対して水素含有ガスを供給するための昇圧用の補機を不要とすることが可能となっている。なお燃料電池システム1a~1cは、第1オフガスGc1と冷却用流体とを熱交換させる凝縮器14b(熱交換器の一形態)と、凝縮器14bで生成した凝縮水を分離して改質水Waとして回収する水タンク14aとを有し、当該凝縮水を分離後の第1オフガスGc1(すなわち再生オフガスGd)の一部を、第1ブロワB1の吸入側で原料ガスGaに混合させるようにしている。
5.その他
上述した各実施形態のバーナ16は、例えば燃料電池システムの動作状態等に応じて、セルスタックを通っていない原料ガスGzと空気Azを用いて燃焼を行うこともできる仕様としても良い。ここで原料ガスGzは、原料ガス受入部Pgに供給された原料ガスGaの一部としても良く、これとは別に外部から供給される原料ガスとしても良い。また空気Azは、空気受入部Paに供給された空気Aaの一部としても良く、これとは別に外部から供給される空気としても良い。以下、このような仕様としたバーナ16として、併用型のバーナ16aおよび統合型のバーナ16bを例に挙げて、より具体的に説明する。
図5は、第1実施形態のバーナ16の代わりに設けられる場合の併用型のバーナ16aの構成を例示している。図5に示すバーナ16aは、オフガスバーナ161および補助燃焼バーナ162が設けられている。オフガスバーナ161は、第4ガス経路Lg4と第2空気経路La2が接続され、空気Abを用いて再生オフガスGdを燃焼させて燃焼ガスGfを排出することが可能である。補助燃焼バーナ162は、原料ガスGzと空気Azを流入させることができ、これらを用いた燃焼を行って燃焼ガスGfを排出することが可能である。
図6は、第1実施形態のバーナ16の代わりに設けられる場合の統合型のバーナ16bの構成を例示している。図6に示すバーナ16bは、第4ガス経路Lg4と第2空気経路La2が接続されており、更に、第4ガス経路Lg4には原料ガスGzを流入させることができるとともに、第2空気経路La2には空気Azを流入させることができる。これによりバーナ16bは、再生オフガスGdおよび原料ガスGzの少なくとも一方と、空気Abおよび空気Azの少なくとも一方とを流入させることができ、これらを用いた燃焼を行って燃焼ガスGfを排出することが可能である。
図5或いは図6に示したバーナによれば、例えば燃料電池システムの冷態起動時等であっても、セルスタックを通っていない原料ガスGzと空気Azを燃焼させることができ、燃焼ガスGfを熱源として水蒸気を生成するなどして、改質器およびセルスタックを昇温させることが可能となる。なお、当該バーナに供給する再生オフガスGdと原料ガスGzの比率や空気Abと空気Azの比率などは、燃料電池システムの動作状態等によって変化し得る。すなわち、当該システムのスタートアップ運転、発電運転(全負荷運転または部分負荷運転)、シャットダウン運転等に応じて、当該バーナへの供給ガスは適宜状態変化する。
第1実施形態の燃料電池システム1においてバーナ16の代わりに図6に示した統合型のバーナ16bを採用する場合、当該バーナは、原料ガスGzおよび残存オフガスGd(凝縮させた水を分離した後の第1アノードオフガス)から選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させることができる。すなわち燃料電池システム1は、原料ガスGzのみの可燃性ガス、残存オフガスGdのみの可燃性ガス、および、原料ガスGzと再生オフガスGdが混合した可燃性ガスの何れについても状況に応じて選択的に用意することができ、当該バーナは、この用意された可燃性ガスを燃焼させることができる。なお燃料電池システム1は、原料ガスGzと再生オフガスGdが混合した可燃性ガスを用意する場合、部分負荷運転等における熱自立の状況に応じて当該可燃性ガスにおける原料ガスGzと再生オフガスGdの比率を調節することができる。
図7は、第2~第4実施形態のバーナ16の代わりに設けられる場合の併用型のバーナ16aの構成を例示している。図7に示すバーナ16aは、オフガスバーナ161および補助燃焼バーナ162が設けられている。オフガスバーナ161は、第5ガス経路Lg5と第4空気経路La4が接続され、空気Abを用いて第2オフガスGc2を燃焼させて燃焼ガスGfを排出することが可能である。補助燃焼バーナ162は、原料ガスGzと空気Azを流入させることができ、これらを用いた燃焼を行って燃焼ガスGfを排出することが可能である。
図8は、第2~第4実施形態のバーナ16の代わりに設けられる場合の統合型のバーナ16bの構成を例示している。図8に示すバーナ16bは、第5ガス経路Lg5と第4空気経路La4が接続されており、更に、第5ガス経路Lg5には原料ガスGzを流入させることができるとともに、第4空気経路La4には空気Azを流入させることができる。これによりバーナ16bは、第2オフガスGc2および原料ガスGzの少なくとも一方と、空気Abおよび空気Azの少なくとも一方とを流入させることができ、これらを用いた燃焼を行って燃焼ガスGfを排出することが可能である。
図7或いは図8に示したバーナによれば、例えば燃料電池システムの起動時等であっても、セルスタックを通っていない原料ガスGzと空気Azを燃焼させることができ、セルスタックの状態に関わらず安定的に燃焼熱を得ることが可能となる。なお、当該バーナに供給する第2オフガスGc2と原料ガスGzの比率や空気Abと空気Azの比率などは、燃料電池システムの動作状態等によって変化し得る。
第2~第4実施形態の燃料電池システム1a~1cにおいてバーナ16の代わりに図8に示した統合型のバーナ16bを採用する場合、当該バーナは、原料ガスGzおよび第2オフガスGc2(第2アノードオフガス)から選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させることができる。すなわち燃料電池システム1は、原料ガスGzのみの可燃性ガス、第2オフガスGc2のみの可燃性ガス、および、原料ガスGzと第2オフガスGc2が混合した可燃性ガスの何れについても状況に応じて選択的に用意することができ、当該バーナは、この用意された可燃性ガスを燃焼させることができる。なお燃料電池システム1は、原料ガスGzと第2オフガスGc2が混合した可燃性ガスを用意する場合、部分負荷運転等における熱自立の状況に応じて当該可燃性ガスにおける原料ガスGzと第2オフガスGc2の比率を調節することができる。
また各実施形態において図5~図8に例示したバーナを採用した場合であっても、原料予熱器H1は、残存オフガスGdまたは再生オフガスGd(凝縮させた水を分離した後の第1オフガスGc1)の一部が混合された原料ガスGaを、脱硫器17の上流側でバーナの燃焼ガスGfと熱交換させるようになっている。これにより、再生オフガスGdの一部が混合された原料ガスGaを、燃料電池システムの動作状態等に関わらず安定的に予熱することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、セルスタック13,15は、溶融炭酸塩形燃料電池に置き換えることができる。
本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、固体酸化物形燃料電池または溶融炭酸塩形燃料電池を用いた燃料電池システムに利用可能である。
1、1a~1c 燃料電池システム
11 改質器
12 蒸発器
13 前段側セルスタック
13a 第1燃料極
13b 第1空気極
14 水回収装置
14a 水タンク
14b 凝縮器
14c 冷却用空気経路
15 後段側セルスタック
15a 第2燃料極
15b 第2空気極
16、16a、16b バーナ
16a 併用型のバーナ
16b 統合型のバーナ
161 オフガスバーナ
162 補助燃焼バーナ
17 脱硫器
18 流量調整器
20 セルスタック
20a 燃料極
20b 空気極
Aa、Ab、Ax 空気
B1 第1ブロワ
B2 第2ブロワ
Ga 原料ガス
Gb 改質ガス
Gc1 第1オフガス
Gc2 第2オフガス
Gd 残存オフガス、再生オフガス
Gf 燃焼ガス
H1 原料予熱器
H2 空気予熱器
H3 再熱器
La1 第1空気経路
La2 第2空気経路
La3 第3空気経路
La4 第4空気経路
Lg1 第1ガス経路
Lg2 第2ガス経路
Lg3 第3ガス経路
Lg4 第4ガス経路
Lg5 第5ガス経路
Lh 水素供給経路
Lx 燃焼ガス経路
Lx1 第1燃焼ガス経路
Lx2 第2燃焼ガス経路
Lw 水経路
Pa 空気受入部
Pg 原料ガス受入部
TA 断熱領域
W1 水ポンプ

Claims (7)

  1. 原料ガスの改質を行って改質ガスを生成する改質器と、
    前記原料ガスを前記改質器へ向けて送出するブロワと、
    前記改質ガスが供給される燃料極を有し、当該改質ガスを用いて発電を行うセルスタックと、
    前記原料ガスを処理する水素化脱硫方式の脱硫器と、を備え、
    前記燃料極から排出された第1アノードオフガスの一部を、前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 原料ガスの改質を行って改質ガスを生成する改質器と、
    前記原料ガスを前記改質器へ向けて送出するブロワと、
    前記改質ガスが供給される第1燃料極を有し、当該改質ガスを用いて発電を行う前段側セルスタックと、
    前記第1燃料極から排出された第1アノードオフガスが供給される第2燃料極を有し、当該第1アノードオフガスを用いて発電を行う後段側セルスタックと、
    前記原料ガスを処理する水素化脱硫方式の脱硫器と、を備え、
    前記第1アノードオフガスの一部を、前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記第1アノードオフガスと冷却用流体とを熱交換させる熱交換器と、
    前記熱交換器で生成した凝縮水を分離して前記改質に用いる改質水として回収する水タンクと、
    前記凝縮水を分離後の前記第1アノードオフガスの一部を、前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1アノードオフガスの一部を、流量調整器を介して前記ブロワの吸入側で前記原料ガスに混合させることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記流量調整器は、オリフィスである請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 原料ガスおよび前記第1アノードオフガスから選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させるバーナと、
    前記第1アノードオフガスの一部が混合された原料ガスを、前記脱硫器の上流側で前記バーナの燃焼ガスと熱交換させる原料予熱器と、を備える請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 原料ガスおよび前記第2燃料極から排出される第2アノードオフガスから選ばれた1種以上の可燃性ガスを燃焼させるバーナと、
    前記第1アノードオフガスの一部が混合された原料ガスを、前記脱硫器の上流側で前記バーナの燃焼ガスと熱交換させる原料予熱器と、を備える請求項2または請求項3に記載の燃料電池システム。
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