JP2024043660A - 映像表示装置、反射型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】映像のぎらつきを低減でき、かつ、解像度の高い映像を表示できる映像表示装置、反射型スクリーンを提供する。【解決手段】反射型のスクリーン10と、映像源とを備える映像表示装置である。スクリーン10は、透明基材層13と、その背面側に設けられたレンズ層14と、レンズ層14の背面側に形成された反射層15と、透明基材層13よりも観察者側に設けられ、光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部とを備える。映像表示装置は、透明基材層13の厚みをd(mm)とし、光拡散部の光拡散性を有する層を透過した光の画面上下方向の1/2角の和をΣαV1(°)とし、スクリーン10の表示領域の中心において最小の画素の大きさをS(mm)とするとき、2×d×tan(ΣαV1)<Sを満たす。ただし、最小の画素の大きさSは、最小の画素が矩形形状の場合は短辺であり、円形形状である場合は径とする。【選択図】図2

Description

本発明は、映像表示装置、反射型スクリーンに関するものである。
従来、反射型スクリーンやこれを備える映像表示装置として、様々なものが開発されている。このような反射型スクリーン及び映像表示装置において、映像のぎらつき(スペックル、シンチレーションとも呼ばれる)が問題になる場合がある。
例えば、特許文献1では、反射型スクリーンの厚み方向における拡散層と反射層との距離を所定の寸法以上とすることにより、映像のぎらつきを低減している。
特開2017-173440号公報
また、このような映像のぎらつきは、反射型スクリーンに備えられる拡散層等の光の拡散度合を大きくすることで低減することができる。しかし、拡散層等の光の拡散度合を大きくすると、映像の解像度が大きく低下するという問題があった。
本発明の課題は、映像のぎらつきを低減でき、かつ、解像度の高い映像を表示できる映像表示装置、反射型スクリーンを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーン(10)と、前記反射型スクリーンに対して映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置であって、前記反射型スクリーンは、光透過性を有する透明基材層(13)と、前記透明基材層の背面側に設けられ、単位レンズ(141)が背面側の面に複数配列されて形成されたレンズ層(14)と、前記レンズ層の背面側に形成され、光を反射する反射層(15)と、前記透明基材層よりも観察者側に設けられ、光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部(11,12)と、を備え、前記透明基材層の厚みをd(mm)とし、前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射した透過光の画面上下方向の1/2角の和をΣαV1(°)とし、前記反射型スクリーンの表示領域に投影された画素のうち前記表示領域の中心において最小の画素(p)の大きさをS(mm)とするとき、2×d×tan(ΣαV1)<Sを満たす、映像表示装置(1)である。ただし、前記最小の画素の大きさSは、前記最小の画素が矩形形状の場合は短辺であり、円形形状である場合は径とする。
第2の発明は、第1の発明の映像表示装置において、前記光拡散部(11,12)の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射した透過光の画面上下方向の1/2角と、前記反射型スクリーン(10)の前記表示領域の中心に相当する位置に入射角度0°で前記レンズ層に入射して前記反射層で反射した反射光の1/2角との和をΣαV2(°)とするとき、2×d×tan(ΣαV2)<Sを満たす、映像表示装置(1)である。
第3の発明は、第1の発明の映像表示装置において、前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、光を拡散する拡散材を含有する光拡散層(12)を有する、映像表示装置(1)である。
第4の発明は、第1の発明の映像表示装置において、前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、観察者側の面が粗面状である表面層(11)を有する、映像表示装置(1)である。
第5の発明は、第1の発明の映像表示装置において、前記反射層(15)は、複数の鱗片状の金属薄膜(15a)が含有された樹脂によって形成されている、映像表示装置(1)である。
映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンであって、光透過性を有する透明基材層(13)と、前記透明基材層の背面側に設けられ、単位レンズ(141)が背面側の面に複数配列されて形成されたレンズ層(14)と、前記レンズ層の背面側に形成され、光を反射する反射層(15)と、前記透明基材層よりも観察者側に設けられ、光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部(11,12)と、を備え、前記透明基材層の厚みをd(mm)とし、前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した光の画面上下方向の1/2角の和をΣαV1(°)とするとき、2×d×tan(ΣαV1)<0.44を満たす、反射型スクリーン(10)である。
第7の発明は、第6の発明の反射型スクリーンにおいて、前記光拡散部(11,12)の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した光の画面上下方向の1/2角の和と、前記反射型スクリーン(10)の表示領域の中心に相当する位置に入射角度0°で前記レンズ層及び前記反射層に入射した光の反射光の1/2角との和をΣαV2(°)とするとき、2×d×tan(ΣαV2)<0.44を満たす、反射型スクリーン(10)である。
第8の発明は、第6の発明の反射型スクリーンにおいて、前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、光を拡散する拡散材を含有する光拡散層(12)を有する、反射型スクリーン(10)である。
第9の発明は、第6の発明の反射型スクリーンにおいて、前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、観察者側の面が粗面状である表面層(11)を有する、反射型スクリーン(10)である。
第10の発明は、第6の発明の反射型スクリーンにおいて、前記反射層(15)は、複数の鱗片状の金属薄膜(15a)が含有された樹脂によって形成されている、反射型スクリーン(10)である。
本発明によれば、映像のぎらつきを低減でき、かつ、解像度の高い映像を表示できる映像表示装置、反射型スクリーンを提供することができる。
実施形態の映像表示装置を説明する図である。 実施形態のスクリーン10の層構成を示す図である。 実施形態のレンズ層14及び反射層15の詳細を説明する図である。 スクリーン10の画面上での最小の画素pの大きさSを説明する図である。 サンプル1~10のスクリーンにおけるΣαV1,ΣαV2の値、B1,B2の値、映像のぎらつきや解像度の評価結果をまとめた表1を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、使用状態におけるスクリーンの画面(表示面)に平行な面であるとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示装置を説明する図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面側(後述する+X側)から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、その画面上に映像を表示する反射型スクリーンである。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
ここで、理解を容易にするために、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、スクリーン10の画面左右方向をX方向、画面上下方向をY方向とし、スクリーン10の厚み方向をZ方向とする。スクリーン10の画面(表示面)は、XY面に平行であり、スクリーン10の厚み方向(Z方向)は、スクリーン10の画面に直交する。
本実施形態のスクリーン10は、その使用状態において、スクリーンの画面(表示面)がXY面に平行であり、画面上下方向(Y方向)が鉛直方向、画面左右方向(X方向)が水平方向となるように配置される。スクリーン10の正面方向に位置する観察者Oから見て水平方向の右側に向かう方向を+X方向、鉛直方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から観察者側(映像源側)に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
映像源LSは、映像光Lをスクリーン10へ投影する映像投射装置であり、例えば、短焦点型のプロジェクタである。映像源LSは、液晶方式のもの、DLP方式のもの等、適宜、その投射方式等を選択できる。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向(X方向)の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(-Y側)に位置している。
本実施形態の映像源LSは、映像表示装置1の奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の表面からの距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から斜めに映像光Lを投射できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、映像光Lのスクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光Lがスクリーン10に入射する入射角度が大きい。
スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示する反射型スクリーンである。
本実施形態のスクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、観察者O側から見て長辺方向が画面左右方向(X方向)となる略矩形形状である。また、スクリーン10は、その画面サイズが対角60~100インチ程度の大きな画面を有しており、画面の横縦比が16:9である。
なお、これに限らず、例えば、画面サイズが対角40インチ程度やそれ以下の大きさとしてもよいし、対角100インチより大きいものとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
図2は、本実施形態のスクリーン10の層構成を示す図である。図2では、スクリーン10の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に直交(Z方向に平行)する断面の一部を拡大して示している。
スクリーン10は、図2に示すように、その観察者側(+Z側)から順に、表面層11、光拡散層12、透明基材層13、レンズ層14、反射層15を備え、これらが一体に積層されている。
表面層11は、スクリーン10の厚み方向において光拡散層12の観察者側(+Z側)に設けられる層である。本実施形態では、表面層11は、スクリーン10の観察者側の最表面を形成している。
この表面層11は、その観察者側の面が、微細かつ不規則な凹凸形状が形成された粗面(マット面)となっており、無指向性の光拡散作用を有している。
本実施形態の表面層11は、光透過性を有するウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、光拡散層12の観察者側の面に一体に形成されている。
表面層11の観察者側(+Z側)の表面を粗面とすることにより、照明光や太陽光等の外光の映り込みやそれによる映像のコントラスト低下を抑制する効果や、画面上下方向(Y方向)及び画面左右方向(X方向)での視野角拡大効果等が得られる。
なお、表面層11の光拡散作用は、後述する光拡散層12の光拡散作用よりも大きくてもよいし、小さくてもよく、スクリーン10の使用環境や所望する光学性能等に応じて、任意に調整することができる。例えば、表面層11の光拡散作用が、光拡散層12の光拡散作用よりも小さい場合には、映像の正面輝度の低下を抑制でき、映像のコントラストの向上、特に、スクリーン10を明室環境下で使用する場合等における映像のコントラストを向上できる。また、表面層11の光拡散作用が、光拡散層12の光拡散作用よりも大きい場合には、映像光がスクリーン10の表面で反射して天井等に映像が映り込むことを抑制できる。
本実施形態の表面層11は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて形成されている。表面層11を形成する材料は、これに限らず、電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を用いてもよいし、熱可塑性樹脂を用いてもよい。表面層11は、採用する樹脂材料等に応じてその形成方法を適宜選択してよい。
また、表面層11は、不図示の粘着材等を介して、光拡散層12の観察者側の面に接合され、積層される形態としてもよい。また、表面層11は、不図示の光透過性を有する樹脂製の基材層の観察者側の面に、紫外線硬化型樹脂等により、微細な凹凸形状を有する粗面部が一体に形成された形態としてもよい。この場合、基材層と光拡散層12とが接合層等を介して接合される形態としてよい。
光拡散層12は、無指向性の拡散作用を有する層である。この光拡散層12は、光透過性を有する樹脂を基材樹脂とし、この基材樹脂とは屈折率差を有する粒子状の拡散材を含有している。
このような基材樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
光拡散層12に含まれる拡散材としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子やガラスビーズ等の無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散材は、無機系拡散材と有機系拡散材とを組み合わせて用いてもよい。この拡散材は、球形又は略球形であり、平均粒径が約1~50μmであるものを用いることが好ましく、2~10μmであるものがより好ましい。
また、光拡散層12の基材樹脂及び拡散材の屈折率は、いずれも1.48~1.65程度であることが好ましい。また、基材樹脂と拡散材との屈折率差は、0.01~0.10であることが好ましく、0.01~0.03であることがさらに好ましい。基材樹脂と拡散材とは、どちらの屈折率が大きい形態としてもよい。
なお、表面層11は、その厚みが1μm以上20μm以下であることが好ましい。表面層11の厚みが20μmよりも大きいと、スクリーン10を曲げた際に、表面層11が割れる場合がある。表面層11の厚みが1μmより小さいと表面の微細凹凸が十分に形成されず、表面層11としての光学性能を発揮できない。したがって、表面層11の厚みは上記範囲とすることが好ましい。
また、光拡散層12は、その厚みが20μm以上800μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。光拡散層12の厚みが20μmより小さいと、光拡散層12中に占める拡散材の割合が増加し、混合時の粘度が増大して製造が困難になるという問題がある。光拡散層12の厚みが800μmより大きいと、拡散作用が強くなりすぎてスクリーン10に表示される映像がぼけるという問題や、スクリーン10を巻き取り可能な形態とした場合に巻き取りが困難となるという問題がある。したがって、光拡散層12の厚みは、上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態では、一例として、表面層11の厚みが6μmであり、光拡散層12の厚みが100μmである。
なお、スクリーン10は、透明基材層13よりも観察者側(+Z側)に光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部を備えることが、映像のぎらつきを低減する観点から好ましい。本実施形態の光拡散部は、光拡散性を有する層として、表面層11及び光拡散層12を備えている。
なお、スクリーン10が後述する(式1)等を満たす充分な光拡散特性を有しているならば、スクリーン10の光拡散部は、光拡散性を有する層として、表面層11、光拡散層12のどちらか一方のみを備える形態としてよい。
透明基材層13は、光透過性を有する層であり、図2に示すように、光拡散層12とレンズ層14との間に位置している。本実施形態の透明基材層13は、レンズ層14を形成する基材(ベース)となる層である。
透明基材層13は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル・スチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
透明基材層13は、その厚みが0.60mm以上1.80mm以下であることが好ましい。透明基材層13の厚みが0.60mm未満であると、スクリーン10の厚み方向(Z方向)における反射層15と光拡散層12との距離が近すぎ、映像のぎらつきが大きくなるという問題がある。また、透明基材層13の厚みが1.80mmよりも大きいと、スクリーン10の画面に表示される映像の解像度が低下するという問題がある。したがって、透明基材層13の厚みは、上記範囲が好ましい。
この透明基材層13と光拡散層12とは、押し出し成形法等により、一体に積層されて成形されてもよいし、不図示の粘着剤層等を介して一体に積層されて接合されて形態としてもよい。
図3は、本実施形態のレンズ層14及び反射層15の詳細を説明する図である。図3(a)は、レンズ層14を背面側(-Z側)の正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層15の図示は省略して示している。図3(b)は、図2に示すスクリーン10の断面の一部をさらに拡大して示している。図3(c)は、反射層15が形成されたレンズ層14の拡大斜視図を示している。なお、図3(b)及び図3(c)は、理解を容易にするために、レンズ層14、反射層15のみを示している。
レンズ層14は、透明基材層13の背面側(-Z側)に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)に示すように、その背面側の面には、単位レンズ141が同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、スクリーン10の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、スクリーン10の下方(-Y側)に位置しており、所謂オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状である。したがって、図3(a)に示すように、レンズ層14を背面側(-Z側)の正面方向から見た場合に、真円の一部形状(円弧状)の単位レンズ141が配列されているように観察される。
また、図3(a)に示すように、スクリーン10を背面側の正面方向から見た場合、点A及び点Cを通る直線は、画面上下方向(Y方向)に平行である。
レンズ層14は、図3(b)に示すように、単位レンズ141が形成されたレンズ部144と、レンズ部144の観察者側(+Z側)に位置するランド部145とを有する。
レンズ部144は、単位レンズ141による凹凸を有しており、ランド部145は、スクリーン面(XY面)に平行な方向に連続している。このレンズ部144とランド部145とは、同一の材料により、一体に形成されている。
単位レンズ141は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、単位レンズ141の配列方向に平行な断面における断面形状が、背面側(-Z側)に凸となる三角形形状である。
単位レンズ141は、図3(b)に示す断面において、レンズ面142と、レンズ面142と頂点t1で交差する非レンズ面143とを備えている。スクリーン10の使用状態において、単位レンズ141は、レンズ面142が頂点t1を挟んで非レンズ面143よりも画面上下方向上側(+Y側)に位置している。
単位レンズ141において、図3(b)に示すように、レンズ面142がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1であり、非レンズ面143がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。この角度θ2は、角度θ1よりも大きい(θ2>θ1)。
また、単位レンズ141の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ141のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点t1から、隣り合う単位レンズ141の間の谷底となる点t2までの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2、図3では、単位レンズ141の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、単位レンズ141の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ141は、実際には、配列ピッチPが一定であるが、角度θ1が単位レンズ141の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
なお、これに限らず、単位レンズ141の配列ピッチPは、単位レンズ141の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよい。
また、単位レンズ141の配列ピッチPや角度θ1,θ2等は、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(スクリーン10のスクリーン面への映像光Lの入射角度)、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層14は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、透明基材層13の背面側の面に一体に形成されている。なお、レンズ層14は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよいし、熱可塑性樹脂等により形成してもよい。
反射層15は、入射した光を反射する作用を有する層である。反射層15は、光を反射するために十分な厚さを有しており、少なくともレンズ面142の一部に形成される。本実施形態の反射層15は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面142及び非レンズ面143形成されている。具体的には、反射層15は、レンズ層14の背面側(-Z側)を覆い、レンズ層14の背面側の単位レンズ141による凹凸を埋めるように形成されている。
単位レンズ141のレンズ高さhは、上述したように、単位レンズ141の配列方向においてフレネルセンターとなる点C(図3(a)参照)から離れるにつれて変動する。しかし、隣り合う単位レンズ141の間の谷底となる点t2において、レンズ層14の厚み方向の反射層15の厚みは、各単位レンズ141のレンズ高さhに対して10~120%の範囲内の寸法で形成されていることが、充分な光の反射率を確保する観点等から好ましい。
反射層15は、レンズ面142上に、アルミニウム等の光反射性の高い鱗片状の金属薄膜15aが含有された塗料(樹脂)をレンズ面142に対してスプレー塗布することによって形成される。
反射層15は、この鱗片状の金属薄膜15aの厚み方向に垂直な面がレンズ面142に対して略平行に配置されており、レンズ面142に入射した映像光Lを観察者側へと適正に反射させることができる。ここで、略平行とは、金属薄膜15aの厚み方向に垂直な面が、レンズ面142に対して完全に平行な場合だけでなく、レンズ面142に対する傾きが-10°~+10°の範囲にある場合をも含むものをいう。また、鱗片状の金属薄膜15aとは、金属薄膜15aの厚み方向から見た形状(外形形状)が鱗片状であることをいい、この鱗片状とは、鱗状の形状だけでなく、楕円状や、円状、多角形状、薄膜を粉砕して得られる不定形な形状等を含むものをいう。
鱗片状の金属薄膜の性質区分としては、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ、樹脂コーティングタイプ等があり、金属光沢、隠蔽性、密着性、配向性等にそれぞれ特徴がある。本実施形態では、金属光沢も重要であるが、密着性や配向性等考慮し、樹脂コーティングタイプの鱗片状の金属薄膜が好適である。
金属薄膜15aは、映像光の反射効率を維持、向上させるとともに、反射層15の背面側が透けてしまうのを防ぐために、複数ある各単位レンズ141のレンズ面142上において平均で8層以上、積層されていることが望ましい。
なお、上述の金属薄膜15aを8層以上設けた反射層15は、複数ある単位レンズ141のレンズ面142のうち一部のレンズ面142に対して設けてもよく、また、全てのレンズ面142に対して設けてもよい。
反射層15を形成する塗料は、鱗片状の金属薄膜15a、バインダー、乾燥補助剤、制御剤等から構成されている。この塗料は、スプレーガンによる塗布容易性の観点から、粘度が50~1000[cp](測定温度摂氏23度)の範囲内であることが望ましい。
金属薄膜15aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15~150nmの範囲に、より好ましくは20~80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜15aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ141のレンズ高さhと同等の寸法に形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さhと同等とは、金属薄膜15aの縦寸法及び横寸法がレンズ高さhに等しい場合だけでなく、レンズ高さhに近似する場合(例えば、レンズ高さhに対して-30%~+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
金属薄膜15aが非レンズ面143に略平行に配置されてしまうと、外光が非レンズ面143に入射して反射し、観察者側に届いてしまう場合があり、映像のコントラストが低下する要因となる。そのため、金属薄膜15aの縦寸法及び横寸法を、上述のようにレンズ高さhと同等にすることによって、塗料がレンズ層14の背面側に塗布された場合に、金属薄膜15aが、非レンズ面143に対して略平行に配置されてしまうのを抑制することができる。これにより、反射層15は、外光が非レンズ面143に入射したとしても、金属薄膜15aの端部で拡散させることができ、観察者側に反射させてしまうことを極力抑制することができる。
金属薄膜15aは、反射層15としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3~15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
バインダーは、熱硬化性樹脂から構成される透明な接合剤であり、反射層15を形成する母材である。
本実施形態では、バインダーは、ウレタン系の熱硬化性樹脂を用いるが、これに限定されるものでなく、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いてもよく、また、紫外線硬化性樹脂等を用いてもよい。なお、バインダーは、硬化剤を添加し2液硬化型として使用してもよく、ウレタン系樹脂であれば、ポリイソシアネート等を使用することができ、また、エポキシ系樹脂であれば、アミン類等を使用することができる。
乾燥補助剤は、レンズ層14に塗布された塗料の乾燥時間を所定の時間に調整する溶剤であり、所謂、遅乾溶剤である。
本実施形態では、乾燥補助剤は、レンズ層14の背面側に塗布された塗料の乾燥までの時間をおよそ1時間となるように、所定の量が塗料に含まれている。
乾燥補助剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルケトン、3-メトキシ-1-ブチルアセテートの混合溶剤を使用することができる。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜15aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜15aをレンズ面142に対して略平行に配置させることができる。
制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコン等を使用することができる。
反射層15は、その光反射特性を良好に確保する観点と、スクリーン10の背面側の外観を良好に保つ観点から、図3(b)に示すように、単位レンズ141の配列方向におけるレンズ面142の中央部Qにおいてレンズ面142に垂直な方向の厚みT(膜厚)が、8μm≦T≦15μmの範囲で形成されているのが望ましい。
仮に、反射層15の上記厚みTが8μm未満である場合、反射層15の反射率が低下してしまい、十分に映像光を反射することができなくなるおそれがあり、また、スクリーン10の背面側に表出する反射層15において、塗膜のある部分と無い部分とが生じてしまい、外観にムラや掠れ等が生じ、スクリーン10の背面側の外観を損なうおそれがあるため、好ましくない。
反射層15の上記厚みTが15μmよりも大きい場合、反射層15に含まれる金属薄膜15aの一部が、レンズ面142に略平行に配列されず、部分的にレンズ面142に対して略垂直に配列され、反射層15の背面側(-Z側)の外観にムラが生じてしまい、スクリーン10の背面側の外観を損なうおそれがあるため好ましくない。
なお、反射層15は、上述の例に限らず、例えば、アルミニウムや、銀、ニッケル等の光反射特性を有する金属材料を蒸着や、スパッタリングする、又は、金属箔を転写する等によって形成された金属の薄膜としてもよい。このような反射層15では、その厚みが非常に薄くなる場合(例えば、100Å)があるので、スクリーン10は、映像光が反射層15の背面側へ抜けたり、背面側の光が反射層15を透過して観察者側(+Z側)に抜けたりするのを抑制する観点から、反射層15の背面側に光の抜けを抑制する遮光機能を有する層を設けるようにしてもよい。
さらに、反射層15は、誘電体多層膜を蒸着する等により形成されてもよい。また、反射層15は、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成してもよい。
ここで、スクリーン10は、光拡散部の光拡散性を有する層の画面上下方向(Y方向)における1/2角の和をΣαV1(°)とし、透明基材層13の厚みをd(mm)とし、スクリーン10の表示領域(画面)上に投影された画素のうちスクリーン10の表示領域の中心における最小の画素pの大きさ(短辺又は径)をS(mm)とするとき、以下の式を満たすことが、シンチレーションを低減しつつ解像度の高い映像を表示する観点から好ましい。
2×d×tan(ΣαV1)<S ・・・(式1)
なお、本実施形態のスクリーン10では、ΣαV1(°)は、表面層11の画面上下方向(Y方向)の1/2角と、光拡散層12の画面上下方向(Y方向)の1/2角との和である。
表面層11の画面上下方向(Y方向)における1/2角は、表面層11に対してその観察者側(+Z側)の面からスクリーン10の表示領域の中心となる点(図1等に示す点Aに相当)に入射角度0°で入射して背面側(-Z側)へ透過した光の輝度分布において、画面上下方向における+Y側の1/2角(ピーク輝度の1/2の輝度となる出射角度)及び-Y側の1/2角の絶対値の平均値である。
光拡散層12の画面上下方向(Y方向)における1/2角は、光拡散層12に観察者側の面からスクリーン10の表示領域の中心となる点(図1等に示す点Aに相当)に入射角度0°で入射して背面側へ透過した光の輝度分布において、画面上下方向(Y方向)における上側(+Y側)の1/2角(ピーク輝度の1/2の輝度となる出射角度)及び下側(-Y側)の1/2角の絶対値の平均値である。
なお、本実施形態では、表面層11及び光拡散層12は、無指向性の拡散作用を有しているため、画面上下方向(Y方向)の1/2角は、画面左右方向(X方向)の1/2角と等しい。また、スクリーン面に平行な面内において表面層11及び光拡散層12の光拡散作用に分布が略均一である場合には、光の入射位置は特に限定しない。
図4は、スクリーン10の表示領域(画面)上での最小の画素pの大きさSを説明する図である。図4では、スクリーン10の表示領域(画面)に投影された1つの画素を示している。
ここで、スクリーン10の表示領域(画面)上において最小の画素pの大きさSとは、スクリーン10の表示領域に投影された画素の中で最も小さい画素を画素pとし、図4(a)に示すように、その画素pが矩形形状である場合にはその短辺であり、図4(b)に示すように、画素pが円形形状である場合には径である。
なお、例えば、映像源LSがDLP方式の映像投射装置である場合、図4(c)に示すように、スクリーン10の画面上に投影された画素は、時分割でその大きさや位置が上下左右に変化する場合がある。その場合、図4(c)に示すように最小のものを画素pとする。
また、本実施形態のように、スクリーン10に対して斜め下方から映像光を投射する場合等には、スクリーン10の画面上においても映像源からの距離によって画素の大きさが変化する。そこで、本実施形態では、スクリーン10の表示領域の中心となる位置(図1に等に示す点Aに相当する位置)での最小の画素pの大きさ(短辺又は径)をSとする。
また、スクリーン10は、光拡散部の光拡散性を有する層の画面上下方向(Y方向)における1/2角と、レンズ層14及び反射層15の画面上下方向(Y方向)の1/2角との和をΣαV2(°)とし、透明基材層13の厚みをd(mm)とし、スクリーン10の画面(表示面)上での最小の画素pの大きさをS(mm)とするとき、以下の式を満たすことが、シンチレーションを低減しつつ解像度の高い映像を表示する観点から、さらに好ましい。
2×d×tan(ΣαV2)<S ・・・(式2)
なお、本実施形態のスクリーン10では、ΣαV2(°)は、表面層11の画面上下方向(Y方向)の1/2角と、光拡散層12の画面上下方向(Y方向)の1/2角と、レンズ層14及び反射層15の画面上下方向(Y方向)の1/2角との和である。
(式2)において、表面層11の画面上下方向の1/2角と、光拡散層12の画面上下方向の1/2角とは、(式1)と同様である。
レンズ層14及び反射層15の画面上下方向(Y方向)における1/2角は、レンズ層14及び反射層15のスクリーンの表示領域の中心(図1に示す点Aに相当する点)に、入射角度0°で入射して反射した光の輝度分布において、画面上下方向(Y方向)における上側(+Y側)の1/2角及び下側(-Y側)の1/2角の絶対値の平均値である。
なお、本実施形態では、スクリーン10の表示領域の中心での最小の画素pは、正方形形状もしくは略正方形形状(正方形形状とみなせる四角形形状)であり、その大きさ(一辺)Sは、0.44mmである。したがって、S=0.44を(式1)、(式2)に代入すると、スクリーン10は、以下の(式3)を満たすことが好ましく、(式4)を満たすことがより好ましい。
2×d×tan(ΣαV1)<0.44 ・・・(式3)
2×d×tan(ΣαV2)<0.44 ・・・(式4)
本実施形態のスクリーン10及び映像表示装置1は、(式1)及び(式3)を満たしており、さらに(式2)及び(式4)を満たすことが望ましい。
図2に戻り、本実施形態のスクリーン10に入射する映像光及び外光の一例について説明する。図2では、理解を容易にするために、表面層11、光拡散層12、透明基材層13、レンズ層14の各層間での屈折率差は無いものとして示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された映像光L1は、スクリーン10の観察者側下方から斜めに入射する。映像光L1は、表面層11及び光拡散層12を透過する際に拡散され、透明基材層13を透過してレンズ層14の単位レンズ141へ入射する。そして、映像光L1は、レンズ面142へ入射して反射層15によって反射し、観察者側(+Z側)の正面方向に向かう。透明基材層13を透過した映像光L1は、再び光拡散層12及び表面層11で拡散され、観察者側へ出射する。
映像光L1は、表面層11及び光拡散層12より拡散されるので、画面左右方向(X方向)及び画面上下方向(Y方向)における視野角を十分に確保することができる。
また、スクリーン10は、その厚み方向(Z方向)において、光拡散層12と反射層15との間の距離を十分に確保できるので、映像のぎらつきを低減することができる。
また、映像光L1は、表面層11及び光拡散層12によって拡散されるが、本実施形態のスクリーン10及び映像表示装置1は、(式1)及び(式3)を満たしており、より好ましくは(式2)及び(式4)を満たすので、解像度の高い映像を表示することができる。
また、映像光L1は、効率よく観察者Oが位置するスクリーン10の正面方向へ反射されるので、スクリーン10は、正面輝度が高い良好な映像を表示できる。
なお、映像光L1がスクリーン10の下方から投射され、かつ、角度θ2(図3(b)参照)がスクリーン10の画面上下方向(Y方向)の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面143に直接入射することはない。
次に、スクリーン10に入射する外光について説明する。
スクリーン10に観察者側(+Z側)の上方(+Y側)から入射する太陽光や照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主としてスクリーン10の上方から入射し、表面層11等を透過してレンズ層14の単位レンズ141へ入射する。
一部の外光G1は、非レンズ面143へ入射するが、非レンズ面143の背面側に形成された反射層15の金属薄膜15aの端部で拡散される。そのため、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。
また、一部の外光G2は、レンズ面142で反射して、主としてスクリーン10の下方側へ向かい、スクリーン10の観察者側(+Z側)の下方側へ出射したり、スクリーン10内で減衰したりする。したがって、観察者Oには直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。
また、図示しないが、スクリーン10へ背面側(-Z側)から入射する外光は、反射層15により背面側に反射され、観察者側へ抜けてくることはない。
したがって、スクリーン10では、外光による映像のコントラスト低下を抑制することができ、明室環境下であっても明るく良好な映像を表示できる。
(映像のぎらつき及び映像の解像度に関する評価)
ここで、サンプル1~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置を作製し、映像のぎらつきや解像度について評価した。サンプル1~10のスクリーンは、本実施形態のスクリーン10の実施例又は比較例に相当する。サンプル1~10のスクリーンは、透明基材層13、レンズ層14及び反射層15を共通して備えており、表面層11や光拡散層12については、個々のサンプルにより有無が異なる。
各サンプルのスクリーンに用いた表面層11、光拡散層12、透明基材層13、レンズ層及び反射層15や、表面層11、光拡散層12、レンズ層14及び反射層15の画面上下方向における1/2角の測定方法については、以下の通りである。
サンプルのスクリーンに用いた表面層11は、銅めっきを行った金型にガラスビーズでブラスト加工を行って形成した成形型を用いて形成される。サンプルのスクリーンに用いた表面層11は、光拡散層12又は透明基材層13の片面に紫外線硬化型樹脂を塗布し、塗布面を成形型に押し当てて紫外線を照射することにより硬化させて離型する紫外線成形法により、形成される。
なお、ブラスト加工でのブラスト圧は、表面層11のヘイズ値(入射角度0°の光の透過ヘイズ値)が25%となるように調整した。
表面層11の画面上下方向の1/2角については、以下のように行った。まず、ポリエチレンテレフタレート製の光透過性を有するシート状の基材(厚さ100μm)に対して、上述の成形型等を用いて紫外線成形法により粗面部分(表面層11)を形成した測定用の部材を作製する。そして、この測定用の部材の粗面部分(表面層11)に対して、入射角度0°で入射した透過光の輝度分布を、微小変角輝度計(GP500 村上色彩研究所製)により測定した。各サンプルのスクリーンに合わせて、表面層11は、画面上下方向での1/2角が2.2°のものと、7.1°ものとを作製した。
サンプルのスクリーンに用いた光拡散層12は、ポリカーボネートに対して拡散材(アイカ工業製 GM-0205S 平均粒径2μm、屈折率1.49)を2.4%添加し、押し出し成形法にて形成された。この光拡散層12の厚さは100μmである。
サンプルのスクリーンに用いた透明基材層13は、ポリカーボネートを押し出し成形法により形成した。各サンプルのスクリーンに合わせて、透明基材層13は、成形後の厚さが0.80mmのものと、1.60mmのものを作製した。
なお、サンプルのスクリーンに用いた光拡散層12、透明基材層13は、各サンプルのスクリーンの層構成に応じて、2層押し出し成形法で作製、又は、透明基材層13のみ単層で押し出し成形法により作製した。
光拡散層12の画面上下方向(Y方向)の1/2角は、以下のように測定した。上述のように透明基材層13と2層押し出し成形法により作製された光拡散層12に対して、光拡散層12側から入射角度0°で入射した透過光の輝度分布を、微小変角輝度計(GP500 村上色彩研究所製)により測定した。光拡散層12の画面上下方向(Y方向)での1/2角は、2.1°であった。
サンプルのスクリーンに用いたレンズ層14及び反射層15は、以下のように形成した。まず、透明基材層13の片面(光拡散層12が形成されていない面)に紫外線硬化型樹脂を塗布し、レンズ形状を賦形する成形型を押し当てて紫外線を照射して硬化させ、離型する紫外線成形法により、レンズ層14を形成した。このとき、レンズ層14は、スクリーンの表示領域の中心となる点Aに相当する位置でのレンズ部144の厚みが30μm、ランド部145の厚みが10μmである。そして、レンズ層14の単位レンズ141が形成された面に、鱗片状金属薄膜を含む樹脂をスプレー塗布することにより、反射層15を形成した。
レンズ層14及び反射層15の反射光の画面上下方向(Y方向)の1/2角の測定に関しては、以下のような測定用の部材を用いた。測定用の部材は、透明基材層13に相当するポリカーボネート製の透明な樹脂層(厚さ0.1mm)の片面に前述のように紫外線成形によりレンズ層14(スクリーンの表示領域の中心となる点Aに相当する位置でのレンズ部144の厚み30μm、ランド部145の厚み10μm)を形成し、レンズ層14の単位レンズ141が形成された面に、前述のように鱗片状金属薄膜を含む樹脂をスプレー塗布して反射層15を形成することにより、作製された。
この測定用の部材に対して、上記樹脂層の表面を入射面として、実際の使用状況と同様に、スクリーンの表示領域の下方側から光を投射し、スクリーンの表示領域の中心となる点Aに相当する位置に入射角度60°で入射して反射層15で反射した光の画面上下方向での輝度分布を輝度計(コニカミノルタLS-110)で測定したところ、画面上下方向(Y方向)での1/2角は、5.0°であった。
なお、前述のように、表面層11、光拡散層12の画面上下方向(Y方向)での1/2角は、透過光の輝度分布において、画面上下方向における上側(+Y側)の1/2角(ピーク輝度の1/2の輝度となる出射角度)及び下側(-Y側)の1/2角の絶対値の平均値である。表面層11及び光拡散層12は、無指向性の光拡散作用を有しており、画面上下方向(Y方向)の1/2角は、画面左右方向(X方向)の1/2角に等しい。
また、レンズ層14及び反射層15の画面上下方向(Y方向)での1/2角は、反射光の輝度分布において、画面上下方向における上側(+Y側)の1/2角(ピーク輝度の1/2の輝度となる出射角度)及び下側(-Y側)の1/2角の絶対値の平均値である。
サンプル1~10のスクリーンの層構成は、以下の通りである。
サンプル1のスクリーンは、表面層11及び光拡散層12を備えておらず、透明基材層13(厚さd=1.60mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
サンプル2のスクリーンは、表面層11(1/2角が2.2°)、透明基材層13(厚さd=1.60mm)、レンズ層14、反射層15を備え、光拡散層12を備えていない。
サンプル3のスクリーンは、表面層11(1/2角が2.2°)、光拡散層12、透明基材層13(厚さd=1.60mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
サンプル4のスクリーンは、表面層11(1/2角が7.1°)、透明基材層13(厚さd=1.60mm)、レンズ層14、反射層15を備え、光拡散層12を備えていない。
サンプル5のスクリーンは、表面層11(1/2角が7.1°)、光拡散層12、透明基材層13(厚さd=1.60mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
サンプル6のスクリーンは、表面層11及び光拡散層12を備えておらず、透明基材層13(厚さd=0.80mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
サンプル7のスクリーンは、表面層11(1/2角が2.2°)、透明基材層13(厚さd=0.80mm)、レンズ層14、反射層15を備え、光拡散層12を備えていない。
サンプル8のスクリーンは、表面層11(1/2角が2.2°)、光拡散層12、透明基材層13(厚さd=0.80mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
サンプル9のスクリーンは、表面層11(1/2角が7.1°)、透明基材層13(厚さd=0.80mm)、レンズ層14、反射層15を備え、光拡散層12を備えていない。
サンプル10のスクリーンは、表面層11(1/2角が7.1°)、光拡散層12、透明基材層13(厚さd=0.80mm)、レンズ層14、反射層15を備えている。
ここで、(式1)及び(式3)の左辺をB1=2×d×tan(ΣαV1)とし、(式2)及び(式4)の左辺をB2=2×d×tan(ΣαV2)とする。サンプル1~10のスクリーン及び映像表示装置のΣαV1、ΣαV2の値、B1,B2の値は以下の通りである。
サンプル1のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=0.0°、B1=0.00mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=5.0°、B2=0.28mmである。
サンプル2のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=2.2°、B1=0.12mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=7.2°、B2=0.40mmである。
サンプル3のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=4.3°、B1=0.24mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=9.3°、B2=0.52mmである。
サンプル4のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=7.1°、B1=0.40mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=12.1°、B2=0.69mmである。
サンプル5のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=9.2°、B1=0.52mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=14.2°、B2=0.81mmである。
サンプル6のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=0.0°、B1=0.00mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=5.0°、B2=0.14mmである。
サンプル7のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=2.2°、B1=0.06mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=7.2°、B2=0.20mmである。
サンプル8のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=4.3°、B1=0.12mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=9.3°、B2=0.26mmである。
サンプル9のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=7.1°、B1=0.20mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=12.1°、B2=0.34mmである。
サンプル10のスクリーンは、(式1)に関して、ΣαV1=9.2°、B1=0.26mmであり、(式2)に関して、ΣαV2=14.2°、B2=0.40mmである。
サンプル2~4,7~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、(式1)及び(式3)を満たしている。また、サンプル2,7~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、さらに(式2)及び(式4)を満たしているが、サンプル3,4のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、(式2)及び(式4)を満していない。
サンプル5のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、(式1)及び(式3)、(式2)及び(式4)をいずれも満たしていない。
サンプル1,6のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、(式1)及び(式3)、(式2)及び(式4)をいずれも満たしているが、光拡散部を備えていない。
以上のことから、サンプル2~4,7~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、本実施形態の実施例に相当し、サンプル1,5,6のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、比較例に相当する。
図5は、サンプル1~10のスクリーンにおけるΣαV1,ΣαV2の値、B1,B2の値、映像のぎらつきや解像度の評価結果をまとめた表1を示す図である。
サンプル1~10のスクリーンに対して、実際に映像源LSから映像光を投射し、暗室環境下で、スクリーンの画面(表示領域)の中心(点Aに相当する点)から観察者側(+Z側)に1mの位置から映像を観察し、その映像のぎらつきの有無や、映像の解像度(映像の鮮明さ)を目視にて評価した。
図5に示す表1において、映像のぎらつきが大きく使用に適さないものを不可として「×」で示し、映像のぎらつきが十分低減され使用に適したものを良として「〇」で示した。
また、図5に示す表1,表2において、解像度が低下して像がぼやけて使用に適さないものを不可として「×」で示し、解像度が十分高く使用に適したものを可として「〇」で示し、解像度が非常に高いものを良として「◎」で示した。
前述の(式1)及び(式2)は、映像のぎらつき(シンチレーション、スペックルともいう)を低減し、かつ、映像の解像度を高く維持するための条件を示している。スクリーン及び映像表示装置は、(式1)に加えさらに(式2)を満たす方が、より解像度が高い映像を表示できる。
具体的には、(式1)は、スクリーンに入射して光拡散層12を背面側へ1回透過して拡散された映像光が反射層15の鏡像関係にある位置を結像点とする映像と、映像光が反射層15で反射し反射層15を結像点とする映像とのずれによる像ぼけの大きさを規定している。
また、(式2)は、映像光が反射層15で反射し反射層15を結像点とする映像と、反射層15で反射後に光拡散層12を観察者側へ向かって再度透過して拡散され光拡散層12を結像点とする映像とのずれによる像ぼけの大きさを規定している。この像ぼけの大きさは、(式1)で規定する像ぼけよりも大きいものとなる。
なお、(式3)は、(式1)にS=0.44を代入したものであり、(式4)は、(式2)にS=0.44を代入したものであり、それぞれ、本実施形態での(式1)、(式2)に相当する。
図5に示すように、(式1)及び(式3)を満たすサンプル2~4,7~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、映像のぎらつきが低減され、かつ、解像度の高い良好な映像が表示された。特に、(式1)及び(式3)に加えてさらに(式2)及び(式4)を満たすサンプル2,7~10のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、サンプル3,4に比べて、より解像度の高い良好な映像が表示された。
しかし、(式2)及び(式4)、(式1)及び(式3)のいずれも満たさないサンプル5のスクリーン及びこれを備える映像表示装置は、映像のぎらつきは低減されていたが解像度が大きく低下していた。
また、サンプル1,6のスクリーン及び映像表示装置は、(式1)及び(式3)、(式2)及び(式4)のいずれも満たしているが、表面層11及び光拡散層12(すなわち、光拡散部)を備えておらず、映像の解像度は良好であったが、映像のぎらつきが大きかった。
以上のことから、本実施形態によれば、映像のぎらつきを低減でき、かつ、高い解像度の映像を表示できるスクリーン10、映像表示装置1とすることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)スクリーン10は、その最も観察者側(+Z側)に、ハードコート機能、防眩機能、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数有する層を備える形態としてもよいし、所望する機能を有する層が複数積層されて形成された層を備える形態としてもよい。また、スクリーン10は、タッチパネル層等を備える形態としてもよい。
(2)スクリーン10は、反射層15の背面側に、反射層15及びスクリーン10の背面側(-Z側)の面を保護するための裏面保護層を備えた形態としてもよい。裏面保護層は、スクリーン10の背面側の面を平坦化する機能を有していてもよい。
また、裏面保護層は、光を吸収する作用を有する形態とすることが好ましい。この場合、裏面保護層は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等の光吸収材を含有する樹脂を、反射層15の上に塗布して硬化させること等により、形成される。光吸収材を含有する樹脂としては、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂等が好ましい。裏面保護層が光を吸収する作用を有する形態とすることで、スクリーン10に入射する太陽光や照明光等の不要な外光を吸収して、映像のコントラストを向上させる効果が期待できる。また、背面側の光が観察者側へ抜けて画質を低下させることや、映像光等が反射層15を抜けて裏面側へ出射することも抑制できる。
なお、裏面保護層は、反射層15を保護する観点から、紫外線吸収機能やハードコート機能等を備えていてもよいし、光吸収性を有しない形態としてもよい。
(3)スクリーン10は、その背面側(-Z側)に、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる層等で被覆する形態としてもよい。
この遮光膜は、例えば、紙、不織布等としてもよい。また、遮光膜は、不図示の粘着剤や接着剤等による層を介して、反射層15の背面側に積層する形態としてもよい。
(4)表面層11は、その観察者側(+Z側)の面に、単位光学形状が画面上下方向(Y方向)に延在し、画面左右方向(X方向)に配列された光学形状を有する形態としてもよい。単位光学形状の観察者側表面は、粗面とすることが好ましい。
このような単位光学形状は、例えば、画面左右方向及び厚み方向に平行な断面が、観察者側に凸となる曲面状(レンチキュラーレンズ等)や、三角形形状等のもの(プリズム形状等)が好適である。
このような形態とすることにより、スクリーン10の画面左右方向の視野角を広くすることができる。
(5)レンズ層14は、単位レンズが画面左右方向(X方向)に延在し、画面上下方向(Y方向)に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
(6)反射層15は、レンズ面142のみに形成され、非レンズ面143には光吸収性を有する層が形成される形態としてもよい。また、反射層15は、レンズ面142の一部(映像光が入射する領域)にのみに形成される形態としてもよい。
(7)スクリーン10は、巻き取り可能な可撓性を有しており、不使用時には巻き取って所定の箱等に収納して保管できる巻き取り可能な可撓性を有する形態としてもよい。このとき、スクリーン10は、使用時には、不図示の支持部材等により、少なくとも対向する2辺が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
また、スクリーン10は、例えば、背面側に剛性の高い不図示の支持板等を一体に積層する等して設けて、使用時及び不使用時において略平板状である形態とし、使用時のスクリーン10の平面性の向上を図ってもよい。
(8)レンズ面142及び非レンズ面143は、一部が曲面である形態としてもよいし、曲面と平面とが組み合わされた形態としてもよい。
また、レンズ面142及び非レンズ面143は、例えば、少なくとも一方の面が、複数の平面から構成される形態(所謂、折れ面状)としてもよい。
(9)単位レンズ141は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
(10)映像源LSは、鉛直方向(Y方向)においてスクリーン10より上方(+Y側)に位置する形態としてもよい。この場合、鉛直方向における映像源LSの位置とフレネルセンターとなる点Cとの位置を対応させ、スクリーン10は、その画面上下方向(Y方向)を反転させて使用する。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 映像表示装置
10 スクリーン
11 表面層
12 光拡散層
13 透明基材層
14 レンズ層
141 単位レンズ
142 レンズ面
143 非レンズ面
15 反射層

Claims (10)

  1. 映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンと、
    前記反射型スクリーンに対して映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示装置であって、
    前記反射型スクリーンは、
    光透過性を有する透明基材層と、
    前記透明基材層の背面側に設けられ、単位レンズが背面側の面に複数配列されて形成されたレンズ層と、
    前記レンズ層の背面側に形成され、光を反射する反射層と、
    前記透明基材層よりも観察者側に設けられ、光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部と、
    を備え、
    前記透明基材層の厚みをd(mm)とし、
    前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した透過光の画面上下方向の1/2角の和をΣαV1(°)とし、前記反射型スクリーンの表示領域に投影された画素のうち前記表示領域の中心において最小の画素の大きさをS(mm)とするとき、
    2×d×tan(ΣαV1)<S
    を満たす、
    映像表示装置。
    ただし、前記最小の画素の大きさSは、前記最小の画素が矩形形状の場合は短辺であり、円形形状である場合は径とする。
  2. 請求項1に記載の映像表示装置において、
    前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した透過光の画面上下方向の1/2角と、前記反射型スクリーンの前記表示領域の中心に相当する位置に入射角度0°で前記レンズ層に入射して前記反射層で反射した反射光の1/2角との和をΣαV2(°)とするとき、
    2×d×tan(ΣαV2)<S
    を満たす、
    映像表示装置。
  3. 請求項1に記載の映像表示装置において、
    前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、光を拡散する拡散材を含有する光拡散層を有する、
    映像表示装置。
  4. 請求項1に記載の映像表示装置において、
    前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、観察者側の面が粗面状である表面層を有する、
    映像表示装置。
  5. 請求項1に記載の映像表示装置において、
    前記反射層は、複数の鱗片状の金属薄膜が含有された樹脂によって形成されている、
    映像表示装置。
  6. 映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンであって、
    光透過性を有する透明基材層と、
    前記透明基材層の背面側に設けられ、単位レンズが背面側の面に複数配列されて形成されたレンズ層と、
    前記レンズ層の背面側に形成され、光を反射する反射層と、
    前記透明基材層よりも観察者側に設けられ、光拡散性を有する層を少なくとも1層有する光拡散部と、
    を備え、
    前記透明基材層の厚みをd(mm)とし、
    前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した光の画面上下方向の1/2角の和をΣαV1(°)とするとき、
    2×d×tan(ΣαV1)<0.44
    を満たす、
    反射型スクリーン。
  7. 請求項6に記載の反射型スクリーンにおいて、
    前記光拡散部の前記光拡散性を有する層に対して入射角度0°で入射して透過した光の画面上下方向の1/2角の和と、前記反射型スクリーンの表示領域の中心に相当する位置に入射角度0°で前記レンズ層及び前記反射層に入射した光の反射光の1/2角との和をΣαV2(°)とするとき、
    2×d×tan(ΣαV2)<0.44
    を満たす、
    反射型スクリーン。
  8. 請求項6に記載の反射型スクリーンにおいて、
    前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、光を拡散する拡散材を含有する光拡散層を有する、
    反射型スクリーン。
  9. 請求項6に記載の反射型スクリーンにおいて、
    前記光拡散部は、前記光拡散性を有する層として、観察者側の面が粗面状である表面層を有する、
    反射型スクリーン。
  10. 請求項6に記載の反射型スクリーンにおいて、
    前記反射層は、複数の鱗片状の金属薄膜が含有された樹脂によって形成されている、
    反射型スクリーン。
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