JP2024042729A - ワーク研磨装置およびワーク研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの所定の領域ごとに意図した押圧力で押圧可能で、それらの押圧力を簡易に変更可能で、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨可能なワーク研磨装置およびワーク研磨方法を提供する。【解決手段】ワーク研磨装置10は、上部に上下動且つ回転可能なヘッド軸18が固定されたヘッドベース部20と、下部に下面にワークWが保持される保持部材34とを備える研磨ヘッド12が、保持部材34の上面側に、上下動可能な仕切り部36と、その内周側に第1流体室50と、外周側に第2流体室56とが設けられ、第1流体室50内及び第2流体室56内がそれぞれ別々に加圧または減圧可能に構成され、仕切り部36は、少なくとも第1流体室50内と第2流体室56内との間に圧力差が発生可能に第1流体室50内と第2流体室56内とが仕切られる位置まで下降可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ワーク研磨装置およびワーク研磨方法に関する。
定盤の上方に設けられた研磨ヘッドの下面に保持されたワークを、定盤上面に貼付された研磨パッドに押圧すると共に、定盤および研磨ヘッドを相対的に運動させてワークを研磨するワーク研磨装置が知られている(特許文献1:特開2010-240767号公報)。
特許文献1に例示されるワーク研磨装置においては、研磨ヘッドが、その外形部をなすヘッド部材と、ヘッド部材に弾性部材を介して上下動可能に吊持された保持プレートを備えると共に、ヘッド部材と保持プレートの間に流体室が画成されている。当該流体室内に流体が供給されて加圧されることで保持プレートが下方へ押し下げられ、保持プレートの下面側に保持されたワークが定盤(研磨面)に押圧されて研磨される。
特開2010-240767号公報
ここで、特許文献1に例示されるように、流体室内を加圧することにより上方からワークを押圧するワーク研磨装置においては、必ずしもワークの全領域に完全に均一な押圧力がかからず、一例として、一般に、ワークの中央部に対して周縁部にかかる押圧力が不安定になり易い。したがって、ワーク全体を平坦な形状に研磨するには、ワークの所定の領域ごとに(例えば、中央部と周縁部とに)意図した押圧力で押圧可能な構成が求められる。また、研磨前のワークは,中央部近傍と周縁部近傍の厚さにバラつきがあることも想定される。このため、必ずしもワーク全面を均一に加工するだけではなく、研磨前の厚さバラつきを修正して、ワーク全体を平坦に仕上げる等の需要もある.このような様々な研磨条件に係る需要に応えるためには、ワークの所定の領域ごとに意図した押圧力で押圧可能で、所定の領域ごとの押圧力を簡易に変更可能なワーク研磨装置が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、ワークの所定の領域ごとに意図した押圧力で押圧可能で、それらの押圧力を簡易に変更可能で、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨可能なワーク研磨装置およびワーク研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係るワーク研磨装置は、上面に研磨パッドが貼付され、水平面内で回転する定盤と、上部にヘッドベース部と、下部に保持部材と、を備え、前記ヘッドベース部の上面に上下動可能且つ回転可能なヘッド軸が固定され、前記保持部材の下面にワークが保持され、前記ヘッド軸を介して前記ワークを回転させながら下降させて、下方で回転する前記定盤の上面の前記研磨パッドに前記ワークを押圧して研磨する研磨ヘッドと、を備え、前記研磨ヘッドは、前記保持部材の上面側に、第1流体室と、前記第1流体室よりも外周側に第2流体室と、前記第1流体室および前記第2流体室との間に上下動可能な仕切り部と、が設けられ、前記第1流体室および前記第2流体室は、それぞれ別々に流体が供給および排出可能で、前記第1流体室内および前記第2流体室内がそれぞれ別々に加圧または減圧可能に構成され、前記仕切り部は、少なくとも前記第1流体室内と前記第2流体室内との間に圧力差が発生可能に前記第1流体室内と前記第2流体室内とが仕切られる位置まで下降可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、下面にワークを保持する保持部材の上面側から仕切り部を、その内外周側に形成される第1流体室および第2流体室間に圧力差が発生可能な位置まで下降させて両流体室を仕切ることで、第1流体室内および第2流体室内の圧力をそれぞれ制御できる。したがって、第1流体室に対応するワーク領域、および第2流体室に対応するワーク領域もしくはワークの外側領域またはそれら両方に亘る領域にかかる圧力をそれぞれ制御できる。したがって、ワークおよびその外側領域含む領域を径方向に分割した各々の領域を意図した押圧力で押圧でき、それらの押圧力を自由に調整して簡易に変更できる。その結果、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
また、前記仕切り部の上下動機構は限定されない。一例として、前記仕切り部は、前記ヘッドベース部に連結されており、前記ヘッド軸を介して上下動する前記ヘッドベース部に連動して上下動する構成とされるとよい。または、他の例として、前記仕切り部は、前記ヘッドベース部に対して上下動可能に吊持されており、さらに前記仕切り部の上方には、内部に流体が供給および排出可能な第3流体室が設けられており、前記第3流体室内が加圧または減圧されることによって前記仕切り部が上下動する構成とされるとよい。
また、前記仕切り部は、下降して前記保持部材を押圧することによって、前記保持部材を介して、前記ワークおよび前記ワークの外側領域を含む領域における前記仕切り部の下面に対応する領域が押圧可能な押付け機構部であることが好ましい。これによれば、仕切り部である押付け機構部を下降させてシート体を押圧することで、保持部材を介して押付け機構部の下面に対応するワーク領域もしくはワークの外側領域またはそれら両方に亘る領域を押圧することができる。また、押付け機構部の押圧力を制御することによって、当該押圧領域にかかる押圧力を制御できる。このように、仕切り部を押付け機構部とする構成によれば、ワークおよびその外側領域含む領域をより細かく分割して、各々の領域を意図した押圧力で押圧でき、それらの押圧力を簡易に変更し、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
また、前記押付け機構部の下面、または前記保持部材の上面における前記押付け機構部の下面に対応する領域内に、押付け部材が着脱可能に設けられていることが好ましい。これによれば、押付け機構部による押圧領域を自由に設定して簡易に変更することができる。したがって、それに応じて、押付け機構部(押付け部材)の内外周側の各々の押圧領域も自由に設定して簡易に変更することができる。
また、前記押付け部材は、アタッチメントを介して前記押付け機構部の下面に着脱可能に設けられていることが好ましい。これによれば、押付け部材をより簡易に着脱できると共に、押付け機構部の押圧力を押付け部材全体に均一に伝達して、より設定に沿った高精度な押圧が可能になる。
また、一例として、前記研磨ヘッドは、以下の構成とするとよい。すなわち、前記研磨ヘッドは、前記ヘッドベース部が、上面中央部に前記ヘッド軸が固定されたベース天板、および前記ベース天板の下面中央部に突設された軸部を有し、前記ヘッドベース部の下方に位置し、第1吊持部材を介して前記ヘッドベース部に対して上下動可能に設けられたワークガイドを有し、前記仕切り部が、前記ワークガイドの下方に位置し、外周側において、第2吊持部材を介して前記ワークガイドに対して上下動可能に吊持され、内周側において、前記軸部に連結され、または、第3吊持部材を介して吊持され、前記軸部の下端に設けられた保持プレートを有し、前記保持部材が、前記保持プレートの下方に位置して設けられ、周縁部が前記ワークガイドに固定されたシート体であり、前記第1流体室が、前記仕切り部の内周側に、前記シート体の上面と前記保持プレートの下面との間に形成され、前記第2流体室が、前記仕切り部の外周側に、前記仕切り部の外周面と前記ワークガイドの内周面との間に形成されている。
また、本発明に係るワーク研磨方法は、研磨ヘッドの下部に設けた保持部材の下面にワークを保持し、前記研磨ヘッドを回転させながら下降させて、回転する定盤の上面に貼付された研磨パッドに上方から前記ワークを押圧して研磨するワーク研磨方法であって、前記保持部材の上面側に、上下動可能で、下降させることで前記保持部材を押圧可能な押付け機構部を設けると共に、前記押付け機構部の内周側に第1流体室を、前記押付け機構部の外周側に第2流体室を、それぞれ形成し、前記第1流体室内の圧力を制御することによって、前記第1流体室に対応する前記ワークの相対的に中央部側の領域または前記ワークの全領域にかかる圧力を制御し、前記第2流体室内の圧力を制御することによって、前記第2流体室に対応する前記ワークの相対的に周縁部側の領域もしくは前記ワークの外側領域、または前記ワークの相対的に周縁部側の領域および前記ワークの外側領域の両方に亘る領域にかかる圧力を制御し、前記押付け機構部の押圧力を制御することによって、前記第1流体室による圧力制御領域と前記第2流体室による圧力制御領域との間に位置する前記押付け機構部の下面に対応する領域にかかる押圧力を制御して、前記ワークを設定された厚さ形状に研磨することを特徴とする。
これによれば、第1流体室による圧力制御領域に対応するワークの相対的に中央部側の領域またはワークの全領域と、第2流体室による圧力制御領域に対応するワークの相対的に周縁部側の領域もしくはワークの外側領域またはそれら両方に亘る領域と、それらの間に位置する領域で押付け機構部による押圧力制御領域に対応するワーク領域もしくはワークの外側領域またはそれら両方に亘る領域と、にかかる圧力をそれぞれ独立して制御できる。その結果、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
本発明によれば、ワークの所定の領域ごとに意図した押圧力で押圧することができて、所定の領域ごとの押圧力を簡易に変更することもできる。その結果、ワークを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
本発明の実施形態に係るワーク研磨装置の研磨ヘッドの例を示す概略図(正面断面図)である。 本発明の実施形態に係るワーク研磨装置の研磨ヘッドの他の例を示す概略図(正面断面図)である。 図1に示す研磨ヘッドの駆動部の例を示す概略図(正面断面図)である。 図1に示す研磨ヘッドおよび定盤の配置について説明する説明図であって、本発明の実施形態に係るワーク研磨装置の例を示す概略図(平面図)である。 本発明の実施形態に係るワーク研磨方法に適用可能な本発明の他の実施形態に係るワーク研磨装置の研磨ヘッドの例を示す概略図(正面断面図)である。 実施形態に係るワーク研磨方法に、本実施形態に係るワーク研磨装置を適用して、ワークを押圧した際の当該ワークの荷重分布を示す写真である。 実施形態に係るワーク研磨方法に、本実施形態に係るワーク研磨装置を適用して、ワークを押圧した際の当該ワークの研磨量を示すグラフである。
(ワーク研磨装置)
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。本実施形態に係るワーク研磨装置10は、ウェハ(例えば、シリコンウェハ)等の平板状(特に、円板状)のワークWを研磨ヘッド12によって保持し、定盤14へ押圧しながら、研磨ヘッド12と定盤14とを相対的に運動させて研磨する装置である。
図1は、本実施形態に係る研磨ヘッド12の例を示す概略図(正面断面図)である。また、図2は、本実施形態に係る研磨ヘッド12の他の例を示す概略図(正面断面図)である。以下、図1に沿って本実施形態に係る研磨ヘッド12について説明する。また、図2については、図1と相違する構成についてのみ説明し、図1と共通する構成については同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、煩雑さを避けるために説明を省略する。図1に示すように、研磨ヘッド12は、下面にワークWを被研磨面Waを下方に向けた状態で水平に保持して回転させると共に、水平面内で回転する定盤14上面の研磨パッド16に押圧してワークWを研磨する作用を有する。
符号20はヘッドベース部20であって、ベース天板20a、ベース天板20aの外縁部から下方に延びるリング状の側壁部20b、およびベース天板20aの下面中央部に下方に向けて突設された軸部20cを有している。ヘッドベース部20の上面中央部には、上方に延びるヘッド軸18が固定されている。ヘッド軸18は、後述する駆動部64により軸線を中心として回転する。したがって、ヘッドベース部20は、ヘッド軸18と共に、ヘッド軸18を中心として回転する。また、ヘッド軸18は、後述する駆動部64により上下動する。したがって、ヘッドベース部20は、ヘッド軸18と共に上下動する。
次に、ヘッドベース部20の下方に位置して、ガイド天板22a、ガイド天板22aの外縁部から下方に延びる押圧リング部22b、および押圧リング部22bの下面に設けられたリテーナリング22cを有するワークガイド22が設けられている。ワークガイド22は、ワークWの研磨時に、リテーナリング22cでワークWを囲むようにしてワークWの外側領域の研磨パッド16を押圧することによって、ワークWを後述するシート体34の下面に保持する作用を有する。
ワークガイド22(ガイド天板22a)は、外周側において、ヘッドベース部20の側壁部20bに、第1吊持部材24を介して吊持されている。また、内周側において、ヘッドベース部20の軸部20c外周上に、第4吊持部材26を介して吊持されている。また、第1吊持部材24と第4吊持部材26とは、図1に示すように、一体として構成されてよいが、勿論別々に構成されてもよい(不図示)。
このように、ワークガイド22は、第1吊持部材24および第4吊持部材26を介してヘッドベース部20に吊持されている。本実施形態に係る第1、第4吊持部材24、26は、いずれもゴム材料のダイアフラムから形成されており、ワークガイド22は、第1、第4吊持部材24、26の形状変化を介して、ヘッドベース部20に対して上下動する構成となっている。また、ワークガイド22は、ヘッドベース部20が回転すると、その回転力が第1、第4吊持部材24、26を介して伝達されて、回転される構成となっている。第1、第4吊持部材24、26は、上記のようにワークガイド22を上下動可能に吊持できるものであれば、その構成、材料は限定されない。すなわち、ダイアフラムに限定されず、例えばベローズ等としてもよい。また、ゴム材料に限定されず、樹脂材料、金属材料等としてもよい。
ヘッドベース部20(ベース天板20a)の下面と、ワークガイド22(および第1、第4吊持部材24、26)の上面との間に第4流体室28が形成されている。第4流体室28内は、圧力調整機構96が設けられる第4流路30を介して流体が供給および排出可能となっており、第4流体室28内を正圧にしてワークガイド22を下方へ押し下げたり、一方、第4流体室28内を負圧にしてワークガイド22を上方へ浮かせたりすることができる。図1および図3に、供給路および排出路からなる第4流路30の供給路を示す。なお、圧力調整機構96は、流体の圧縮装置や電磁弁等に例示され、複数設けられてもよい。これにより、リテーナリング22cに押圧力を付加したり、逆に弱めたり調整することができる。したがって、ワークWの研磨時に、リテーナリング22cでワークWの外側領域の研磨パッド16を押圧することにより、回転されるワークWの横滑り(径方向の飛び出し)を防止できる。また、リテーナリング22cの押圧力を調整して、ワークWの外側領域の研磨パッド16をワークWの被研磨面Waとほぼ面一になるように押圧することにより、ワークWのエッジ部(ワークWの周縁部のうち、特に外縁の部分)の過研磨を防止できる。さらに、後述するシート体34のテンションを変化させてワークWの研磨形状に影響を与えることができる。
本実施形態では、流体を空気とし、第4流体室28内の空気圧が調整される構成となっているが、この構成に限定されず、例えば流体が水、油等とされてもよい。なお、本願において第4流体室28は必須の構成ではないが、第4流体室28が設けられる場合には、第1、第4吊持部材24、26は、ヘッドベース部20の下面と、ワークガイド22の上面との間に密閉空間を形成するように構成される。
次に、軸部20cの下端には、保持プレート32が固定されている。また、保持プレート32(および後述する押付け機構部36)の下方に位置して、シート体34がその周縁部34aをワークガイド22(押圧リング部22bの下面)に固定されている。すなわち、ワークガイド22は、押圧リング部22bの下面に、シート体34を挟んで、リテーナリング22cを有して構成されている。シート体34は、特許請求の範囲でいう、ワークWを保持する機能を有する保持部材の一例である。後述するように、シート体34の下面にワークWが保持されることによって、ワークW研磨時にはワークWが押圧されたり、研磨時以外の時にはワークWが搬送されたりする。シート体34は、一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性を有する樹脂材料アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)等のゴム材料等を用いて形成されるが、これに限定されない。
次に、ワークガイド22の内側には、押付け機構部36が配設されている。押付け機構部36は、後述するように、特許請求の範囲でいう、保持部材(ここでは、シート体34)の上面側に、内周側の圧力調整可能な流体室(ここでは、後述する第1流体室50)と外周側の圧力調整可能な流体室(ここでは、後述する第2流体室56)との間に位置して設けられて、少なくとも両流体室50、56間に圧力差が発生可能な位置まで下降して両流体室50、56を仕切る機能を有する仕切り部の一例である。
押付け機構部36は、図1に示すように、ワークガイド22の下方に位置し、外周側において、ワークガイド22に第2吊持部材38を介して吊持されている。第2吊持部材38は、ゴム材料のダイアフラムから形成されており、形状変化が可能となっている。また、押付け機構部36は、内周側において、軸部20cに揺動可能に軸支されて連結されている。この揺動機構42としては、一例として、球面軸受等が設けられる。これにより、押付け機構部36は、軸部20cを中心として円弧状に上下方向に揺動するように動作して、ワークガイド22に対して上下動する構成となっている。なお、第2吊持部材38は、上記のように押付け機構部36を上下動可能に吊持できるものであれば、第1、第4吊持部材24、26と同様にその構成、材料は限定されない。
本実施形態によれば、押付け機構部36は、ワークWの研磨時に、ヘッドベース部20に連動して下降してシート体34に当接すると、さらに下降されるヘッドベース部20からの押圧力が軸部20cを介して伝達されて、シート体34を介してワークWおよび/またはワークWの外側領域(より詳しくは、ワークWおよびワークWの外側領域を含む領域における押付け機構部36の下面に対応する領域)を機械的に押圧する作用を有する。このとき、後述する駆動部64により研磨ヘッド12の高さ位置が調整されることによって、押付け機構部36の押圧力を調整できる。なお、本実施形態に係る押付け機構部36によれば、ワークWおよびワークWの外側領域の研磨パッド16にシート体34を介して当接した際に揺動し、その押付け面が常時ワークWおよびワークWの外側領域の研磨パッド16に平行に維持されるため、均等な押圧力でワークWおよびワークWの外側領域を押圧することが可能となっている。
また、他の例として、押付け機構部36は、図2に示すように、外周側において、ワークガイド22に第2吊持部材38を介して吊持され、且つ、内周側において、第3吊持部材40を介して吊持される構成でもよい。第2吊持部材38と第3吊持部材40とは、図2に示すように、一体として構成されてよいが、勿論別々に構成されてもよい(不図示)。この構成では、第3吊持部材40も、第2吊持部材38と同様にゴム材料のダイアフラムから形成されており、押付け機構部36は、第2、第3吊持部材38、40の形状変化を介して、ワークガイド22およびヘッドベース部20に対して上下動する構成となっている。また、押付け機構部36は、ヘッドベース部20が回転すると、その回転力が第2、第3吊持部材38、40を介して伝達されて、回転される構成となっている。なお、第3吊持部材40も、上記のように押付け機構部36を上下動可能に吊持できるものであれば、第2吊持部材38と同様にその構成、材料は限定されない。
この例では、図2に示すように、ワークガイド22(ガイド天板22a)(および第4吊持部材26)の下面と、押付け機構部36(および第2、第3吊持部材38、40)の上面との間に第3流体室44が形成されている。第3流体室44内は、圧力調整機構96が設けられる第3流路46を介して流体が供給および排出可能となっており、第3流体室44内を正圧にして押付け機構部36を下方へ押し下げたり、一方、第3流体室44内を負圧にして押付け機構部36を上方へ浮かせたりして、押付け機構部36が上下動可能となっている。図2に、供給路および排出路からなる第3流路46の供給路を示す。なお、圧力調整機構96は、流体の圧縮装置や電磁弁等に例示され、複数設けられてもよい。これにより、押付け機構部36に押圧力を付加したり、逆に弱めたり調整することができる。したがって、押付け機構部36は、ワークWの研磨時に、流体の圧力によってシート体34を介してワークWおよび/またはワークWの外側領域(より詳しくは、ワークWおよびワークWの外側領域を含む領域における押付け機構部36の下面に対応する領域)を任意の押圧力で押圧する作用を有する。本例では、流体を空気とし、第3流体室44内の空気圧が調整される構成となっているが、この構成に限定されず、例えば流体が水、油等とされてもよい。なお、本例のように、第3流体室44が設けられる場合には、第2、第3、第4吊持部材26、38、40は、ワークガイド22の下面と、押付け機構部36の上面との間に密閉空間を形成するように構成される。
なお、図1に示す本実施形態においても、第3流路46が通流する第3流体室44が設けられてもよい。この場合、押付け機構部36は、研磨ヘッド12の上下移動による機械的押圧機構と、第3流体室44内の流体圧による押圧機構と、の両方の機構を備える。
また、押付け機構部36の下面には、図1に示すように、所定の縦幅(厚さ)および横幅(内外径)を有する押付け部材36aが着脱可能に設けられている。押付け部材36aは、リング状に形成されるとよく、または、リング部材がその中心から放射状に分割された複数の分割片からなるものであってもよい。このとき、各分割片の間に間隙を有していてもよい。間隙を有する場合、一例として、所定の押圧力でシート体34に押付けられた際には弾性変形して、当該間隙が埋められて繋がったリング状をなすように形成されてもよく、一方、当該間隙の一部または全部が埋められずに、常時一定の間隙を有していてもよい。また、押付け部材36aの縦幅および横幅(押付け機構部36の下面における取付け範囲)や、配置(押付け機構部36の下面における取付け位置)は限定されない。このような押付け部材36aによれば、押付け機構部36による押圧領域を自由に設定して簡易に変更することができる。なお、概念上、押付け部材36aは押付け機構部36の一部として把握される。
また、押付け部材36aは、一例として、ゴム材料等の緩衝材となり得る材料の他、テフロン(登録商標)等の樹脂材料、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料等を用いて形成されるが、これに限定されない。このような材料の選択によっても、押付け機構部36による押圧力を自由に設定して簡易に変更することができる。また、押付け部材36aは、図1に示すように、アタッチメント48を介して押付け機構部36の下面に着脱可能に設けられている。アタッチメント48によれば、押付け部材36aをより簡易に着脱できると共に、押付け機構部36の押圧力を押付け部材36a全体に均一に伝達して、より設定に沿った高精度な押圧が可能になる。より詳しくは、一例として、押付け部材36aを取付けたアタッチメント48をボルト留め等によって押付け機構部36に固定することで、研磨ヘッド12から押付け機構部36を取外すことなく、押付け機構部36に対して簡易に位置を決めて着脱できる。このとき、予め押付け部材36aを例えば接着等によってアタッチメント48に簡易に固定することができるため、押付け部材36aに例えばボルト穴等を設ける必要がなくなる。したがって、印加される圧力を押付け部材36a全体に均一に伝達して、シート体34を挟んで対応する領域全体を均一な圧力で設定通りに精度良く押圧することができる。ただし、押付け部材36aおよびアタッチメント48の固定方法は限定されない。一例として、押付け部材36aがボルト留め等によってアタッチメント48に固定されてもよい。また、アタッチメント48が設けられずに、押付け部材36aが押付け機構部36の下面に直接固定されてもよい。
なお、他の例として、シート体34の上面における、押付け機構部36の下面に対応する領域内に押付け部材36aが設けられる構成でもよい(不図示)。この場合、一例として、両面テープや接着剤等を用いた接着等によって押付け部材36aがシート体34に固定されるとよい。
このように、本実施形態に係る研磨ヘッド12は、保持部材であるシート体34の下面にワークWが保持され、一方、シート体34の上面側には上下動可能な押付け機構部36が設けられている。ここで、シート体34の上面側には、さらに、押付け機構部36に仕切られて、押付け機構部36の内周側(内壁側)に第1流体室50、押付け機構部36の外周側(外壁側)に第2流体室56がそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態に係る押付け機構部36は、その内周側と外周側とに形成される流体室50、56を仕切る仕切り部であり、上下動可能に構成されることで、同流体室50、56の分離程度(例えば、後述するように、各々の流体室50、56内の圧力が互いに影響を及ぼす程度、換言すると、各々の流体室50、56内の圧力の調整機構の独立性)を調整できるようになっている。
第1流体室50は、図1に示すように、シート体34の上面と保持プレート32の下面(および押付け機構部36の下面)との間に形成されている。第1流体室50内は、圧力調整機構96が設けられる第1流路52を介して流体が供給および排出可能となっており、第1流体室50内を正圧または負圧にすることができる。また、第1流路52を介して第1流体室50を研磨ヘッド12外に開放したり、逆に第1流体室50を密閉したりすることもできる。図1および図3に、供給路および排出路からなる第1流路52のうち、一例として軸部20c内に設けられた配管21を通流する供給路を示す。なお、圧力調整機構96は、流体の圧縮装置や電磁弁等に例示され、複数設けられてもよい。
第1流体室50内を真空(負圧)にすることにより、ワークWをシート体34の下面に吸着保持することができる。これによれば、ワークWをピックアップすることができる。また、下降されるヘッドベース部20からの押圧力を軸部20cを介して保持プレート32に伝達して、保持プレート32によってシート体34を介してワークWを機械的に押圧することができる。一方、第1流体室50内を正圧にすることにより、流体の圧力によってシート体34を介してワークWを押圧することができる。これらの機構によってワークWを押圧し、さらに、ワークWにスラリーを供給すると共に、定盤14と研磨ヘッド12とを回転させて研磨パッド16とワークWとを摺接させることによって、ワークWの被研磨面Waを研磨することができる。第1流体室50内の圧力制御および研磨ヘッド12(保持プレート32)の高さ位置制御によってワークWに対する押圧力を調整することができ、ワークWの研磨形状に影響を与えることができる。
なお、本実施形態では、流体を空気とし、第1流体室50内の空気圧が調整される構成となっているが、この構成に限定されず、例えば流体が水、油等とされてもよい。また、図1に示すように、第1流体室50を形成するにあたって、保持プレート32と押付け機構部36とが、所定の位置で第5吊持部材54等を介して連結されてもよい。これによれば、第1流体室50を適度な広さに規制して、より高精度な圧力調整が可能となる。また、第1流体室50をシート体34の上面と保持プレート32の下面との間に形成される所定の領域に規制して、流体の圧力を無駄なくシート体34に影響させることができる。ただし、画成される第1流体室50を、第5吊持部材54等によって所定の広さ、位置に規制することは必須ではない。なお、第5吊持部材54は、ゴム材料のダイアフラムから形成されているが、第1、第2、第3、第4吊持部材24、26、38、40と同様にその構成、材料は限定されない。
また、第2流体室56は、図1に示すように、押付け機構部36の外周面とワークガイド22(押圧リング部22b)の内周面との間に形成されている。第2流体室56内は、圧力調整機構96が設けられる第2流路58を介して流体が供給および排出可能となっており、第2流体室56内を正圧または負圧にすることができる。また、第2流路58を介して第2流体室56を研磨ヘッド12外に開放したり、逆に第2流体室56を密閉したりすることもできる。図1および図3に、供給路および排出路からなる第2流路58の供給路を示す。なお、圧力調整機構96は、流体の圧縮装置や電磁弁等に例示され、複数設けられてもよい。
第2流体室56内を正圧にすることにより、流体の圧力によってシート体34を介してワークWおよび/またはワークWの外側領域を押圧することができる。一方、第2流体室56内を負圧にすることにより、シート体34を介してワークWおよび/またはワークWの外側領域に所定の吸引力を加えて荷重を軽減することができる。第2流体室56内の圧力制御によってワークWおよび/またはワークWの外側領域に対する押圧力を調整することができ、ワークWの研磨形状に影響を与えることができる。本実施形態では、流体を空気とし、第2流体室56内の空気圧が調整される構成となっているが、この構成に限定されず、例えば流体が水、油等とされてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ワークW全体およびワークWの外側領域に亘ってその上方に展開するシート体34の上面側から押付け機構部36を、その内外周側に形成される第1流体室50および第2流体室56間に圧力差が発生可能な位置まで下降させて両流体室50、56を仕切ることで、第1流体室50内および第2流体室56内の圧力をそれぞれ制御できる。したがって、図1に示すように、第1流体室50に対応するワークWの相対的に中央部側の領域またはワークWの全領域(矢印Aで示す領域)、および第2流体室56に対応するワークWの相対的に周縁部側の領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Bで示す領域)にかかる圧力をそれぞれ制御できる。したがって、ワークWおよびその外側領域含む領域を径方向に分割し、例えばワークWの中心部側の領域と周縁部側の領域とに分割して、各々の領域を意図した押圧力で押圧でき、それらの押圧力を簡易に変更できる。その結果、ワークWを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
また、本実施形態に係る仕切り部(押付け機構部36)によれば、研磨ヘッド12の上下動による機械的押圧機構、または(および)、第3流体室44内の流体の圧力による押圧機構によって当該仕切り部(押付け機構部36)をさらに下降させてシート体34を押圧することで、図1に示すように、当該シート体34を介して仕切り部(押付け機構部36)の下面に対応するワークW領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Cで示す領域)を押圧することができる。また、押付け機構部36の高さ位置または(および)第3流体室44内の圧力により押付け機構部36の押圧力を制御することによって、当該押圧領域にかかる押圧力を制御できる。このように、仕切り部を押付け機構部36とする本実施形態に係る構成によれば、ワークWおよびワークWの外側領域含む領域をより細かく分割して、各々の領域を意図した押圧力で押圧でき、それらの押圧力を簡易に変更できる。
また、仕切り部(押付け機構部36)の上下動によって、第1、第2流体室50、56の分離程度を調整することでも、同流体室50、56に対応する領域の押圧力を様々に変化させることができる。一例として、押付け機構部36による押圧力を比較的強くして、第1流体室50と第2流体室56との間で流体が通流しないように仕切ってもよい。これによれば、各々の圧力調整機構96によって各々の流体室50、56内の圧力を高精度に制御して、対応する領域を高精度な押圧力で押圧できる。一方、押付け機構部36による押圧力を比較的弱くして、第1流体室50と第2流体室56との間に隙間を生じさせてもよい。これによれば、一方の流体室から他方の流体室へ所定量の流体が流れ込んで第1、第2流体室50、56間の圧力差に変化を生じさせることで、研磨形状に所定の変化を付けることができる。また、押付け機構部36をシート体34から完全に離反させて、第1流体室50と第2流体室56とを連通させてもよい。これによれば、第1、第2流体室50、56全体を一つの流体室として、一方の流路(例えば、第1流路52)を介してその内部の圧力を均一に調整できる。この場合、例えば比較的小さいサイズのワークWに対しては、ワークW全体(およびその外側領域)を一定の押圧力で均一に押圧して、平坦な形状に研磨できる。
また、例えば、第1流体室50の圧力を基準にして、第2流体室56内の圧力を第1流体室50よりも高い圧力とすることで、ワークWの中央部側の領域に対して周縁部側の領域にかかる押圧力を強くことができる。あるいは、第2流体室56内の圧力を第1流体室50よりも低い圧力とすることで、ワークWの中央部側の領域に対して周縁部側の領域にかかる押圧力を弱くすることができる。さらに、第1流体室50内を負圧にし、または第1流路52(例えば、排出路)を開放して(すなわち、本実施形態では、第1流体室50を大気開放状態にして)、一方、第2流体室56内を正圧にしてその圧力を調整することで、ワークWの周縁部やワークWの外側領域のみを押圧することもできる。このように例示されるように、第1流体室50内および第2流体室56内を、それぞれ正圧、負圧、開放および密閉の各状態に組み合わせることによってワークWの中央部からワークWの外側領域に亘って各々の領域にかかる押圧力を任意に調整できる。
また、本実施形態に係る仕切り部(押付け機構部36)によれば、着脱可能な押付け部材36aによって、押付け機構部36による押圧領域を自由に設定して簡易に変更することができる。したがって、それに応じて、押付け機構部36(押付け部材36a)の内外周側の各々の圧力制御領域も自由に設定して簡易に変更することができる。その結果、ワークWを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
一例として、図1に示すように、押付け機構部36による押圧領域(これを「領域c」とする)を、ワークWの周縁部およびワークWの外側領域(特に、ワークWの外周部)に亘る領域として、領域cの外周側である第2流体室56による圧力制御領域(これを「領域b」とする)を、ワークWのさらに外側領域(特に、リテーナリング22cの内縁部に対応する領域)とし、領域cの内周側である第1流体室50による圧力制御領域(これを「領域a」とする)を、ワークWの中央部をとする構成とすることができる。また、例えば、領域cをより内周側にずらして、領域bをワークWの周縁部(特に、外縁のエッジ部)およびワークWの外側領域に亘る領域としてもよい。一方、例えば、逆に領域cをより外周側にずらしてワークWの外側領域(特に、ワークWの外周部)とし、領域bをワークWのさらに外側領域(特に、リテーナリング22cの内縁部に対応する領域)とし、領域aをワークW全領域としてもよい。
続いて、研磨ヘッド12の駆動部64について説明する。図3は、駆動部64の例を示す概略図(正面断面図)である。駆動部64は、ヘッド軸18を上下動且つ回転させる作用によって研磨ヘッド12を上下動且つ回転させる。駆動部64は、上下動駆動機構66および回転駆動機構68を備えている。
上下動駆動機構66は、図3に示すように、制御部62により駆動制御される駆動源72、および駆動源72により駆動される直動装置70を備えている。本実施形態では、駆動源72がサーボモータ72、直動装置70がボールねじスプライン機構70として構成されている。ボールねじスプライン機構70は、スプライン外筒部70bとスプライン係合するスプライン軸70aの上端がボールねじ軸(不図示)に螺合され、当該ボールねじ軸がタイミングベルトまたはギア機構(不図示)を介してサーボモータ72により駆動されることによってスプライン軸70aが上下方向に駆動される構成となっている。スプライン外筒部70bは、ベース枠74に固定されている。スプライン軸70aの下端は、上下の支持板76a、76b間をシャフト76cで連結した伝達枠76に固定されている。そして、ヘッド軸18の上端が下の支持板76bに連結部78を介して軸線を中心として回転可能に連結されている。
なお、図3に示すように、サーボモータ72に流れる電流値を検出する電流検出器80および/またはサーボモータ72の回転数もしくは回転角度を検出するエンコーダ81が設けられてもよい。これらは、一例として、制御部62に接続されて、制御部62がこれらの情報(検出値)に応じてサーボモータ72をトルク制御する構成とされるとよい。電流検出器80によれば、サーボモータ72に流れる電流値を介して、押付け機構部36や保持プレート32によりシート体34を介してワークWを押圧した際のワークWにかかる負荷を把握できる。また、エンコーダ81によれば、サーボモータ72の回転数もしくは回転角度を介して、研磨ヘッド12の高さ位置を直接的に検出できる。したがって、一例として、これらからの検出値が所要の値または範囲に抑えられるようにサーボモータ72を駆動制御することで、ワークWに過度の押圧力がかかることを防止できる。
また、回転駆動機構68は、図3に示すように、制御部62により駆動制御される駆動源82を備え、ヘッド軸18を回転させる。本実施形態では、駆動源82がサーボモータ82として構成されると共に、第1プーリー84aとベルト86と第2プーリー84bとを介してまたはギア機構(不図示)を介して回転される回転部88が設けられている。回転部88とヘッド軸18とはスプライン係合してヘッド軸18の上下動を許容しつつ、回転部88の回転がヘッド軸18に伝達されて軸線を中心として回転される構成となっている。すなわち、本実施形態では、回転部88が直動装置70の案内機構を兼用するロータリーボールスプライン機構89のスプライン外筒部88として構成され、スプライン軸18として構成されるヘッド軸18が上下動且つ回転される構成となっている。ロータリーボールスプライン機構89は、スプライン外筒部88、およびスプライン外筒部88を回転可能に支持するフランジ部92を備え、フランジ部92を介して支持ボックス90に固定されている。なお、サーボモータ82も支持ボックス90に固定されている。
上下動駆動機構66および回転駆動機構68の構成は限定されず、ヘッド軸18を上下動且つ回転させるいずれの構成としてもよい。一例として、上下動駆動機構66としては、駆動源72および直動装置70が一体となったリニアモータ等を用いてもよく、加えて直動装置70の案内機構も一体となったリニアモータアクチュエータ等を用いてもよい。この場合、回転駆動機構68としては、スピンドル等を用いてヘッド軸18を直接回転させてもよく、または回転駆動機構68が内蔵されたリニアモータアクチュエータ等を用いてもよい(いずれも不図示)。また、本実施形態の変形例として、ボールねじスプライン機構70とロータリーボールスプライン機構89とでスプライン軸70a、18を同じくして構成してもよい。また、ロータリーボールスプライン機構89に代えて、直動装置70の案内機構としてリニアスライド等を設けると共に、回転駆動機構68としてスピンドル等を設ける構成により、当該案内機構と回転駆動機構68とを別体に構成してもよい(いずれも不図示)。ただし、本実施形態のように、上下動駆動機構66においてスプライン機構70、89(ボールスプライン機構、ロータリーボールスプライン機構を含む)を備えて構成することにより、ヘッド軸18の高さ位置を、高精度で正確に位置させることが可能になる。
なお、図1および図3に示すように、第1、第2、第4流路30、52、58(供給路)は、ロータリージョイント94を介して、ヘッド軸18内に設けられた配管93を通流して第1、第2、第4流体室28、50、56に通じている(図2に示す第3流路46が設けられる場合も、同様に形成されればよい)。なお、図1では、視認し易いように、第1流路52以外の第2、第4流路30、58を、配管93へ通じず、研磨ヘッド12外から直接第2、第4流体室28、56内へ通じる矢印で示している。圧力調整機構96は制御部62に接続されており、制御部62の制御により各流体室28、50、56内の圧力が調整可能となっている(図2に示す第3流体室44が設けられる場合も、同様に形成されればよい)。
また、研磨ヘッド12の外部に、研磨ヘッド12の高さ位置を検出するセンサ60が設けられてもよい。センサ60は、一例として、ヘッドベース部20とワークガイド22との上下方向の間隔、もしくは、ヘッドベース部20と研磨パッド16との上下方向の間隔等を検出する測長センサ等が設けられるとよい。また、センサ60は制御部62に接続されて、制御部62がセンサ60からの情報(検出値)に応じてサーボ機構を介してヘッド軸18すなわち研磨ヘッド12の高さ位置を制御する構成とされるとよい。これによれば、研磨ヘッド12の高さ位置を研磨対象物であるワークWに極めて近い位置で検出することで、研磨ヘッド12およびその上下動駆動機構66に係る各部材の寸法誤差や組付誤差等の影響を極力小さくすることができる。当該センサ60からの情報(検出値)に応じてヘッド軸18を上下動させて、研磨ヘッド12を所要の高さ位置に高精度に正確に位置させることができる。その結果、押付け機構部36の押圧力を高精度に制御することができる。
続いて、定盤14は、平面視円板状に形成され(図4参照)、上面に研磨パッド16が貼付されている(図1参照)。定盤14は、回転駆動機構(不図示)が設けられて、水平面内で軸線を中心として回転可能に構成されている。また、研磨パッド16上に研磨用のスラリーを供給するスラリー供給部(不図示)が設けられている。したがって、ワークWの研磨時には、ワークWにスラリーが供給されると共に、相互に回転する研磨ヘッド12と定盤14とが相対的に運動することによりワークWと研磨パッド16とが摺接してワークWを研磨することができる。研磨パッド16は、一例として、ポリウレタンシート、ポリウレタンを含浸させた不織布シート等で形成されるが、これに限定されない。
続いて、研磨ヘッド12および定盤14の配置について説明する。本願のワーク研磨装置10における研磨ヘッド12および定盤14の配置は一切限定されず、研磨ヘッド12および定盤14の個数も限定されないが、一例として、以下のように配置することができる。
図4は、研磨ヘッド12の配置例を示す説明図であって、本実施形態に係るワーク研磨装置10の例を示す概略図(平面図)である。本実施形態に係るワーク研磨装置10は、基体98上面にワークWの着脱(ローディングおよびアンローディング)が行われる仮置台100および複数(本実施形態では、3個)の定盤14が放射状に配設されている。一方、基体98の上方には、支持部材102(前述の支持ボックス90およびベース枠74)に各ヘッド軸18が独立して上下動可能且つ回転可能に支持部材102に支持されて吊持された複数の研磨ヘッド12(本実施形態では、4個)が仮置台100および各定盤14と軸線102aを一致させて放射状に配設されている。支持部材102は回転駆動機構(不図示)を有し、軸線102aを中心として回動可能(間欠的に且つ正逆方向に回転可能であることを含む)に構成されている。これによれば、支持部材102を回動させることによって研磨ヘッド12を軸線102aの周りを公転(間欠的に且つ正逆方向に公転することを含む)させることができる。
したがって、支持部材102を回動させて研磨ヘッド12を仮置台100上から各定盤14上へと順次移動させることができる。その結果、仮置台100上に載置されているワークWを研磨ヘッド12で保持して持出し(ローディングし)、次いで各定盤14上に順次移動して所定の研磨(例えば、粗研磨、中研磨、仕上げ研磨)を行った後、再び仮置台100上に戻って研磨されたワークWを載置する(アンローディングする)一連の研磨工程を実施することができる。このときの研磨ヘッド12の移動(回転)の方向や順序は一切限定されない。また、定盤14および研磨ヘッド12の個数は限定されず、定盤14と研磨ヘッド12との個数が一致しなくてもよい。また、仮置台100は、ローディングが行われるローディングステーションとアンローディングが行われるアンローディングステーションとが別々に設けられてもよい。
(ワーク研磨方法)
続いて、本実施形態に係るワーク研磨方法について説明する。本実施形態に係るワーク研磨方法は、一例として、本実施形態に係るワーク研磨装置10の使用方法として説明できる。すなわち、本実施形態に係るワーク研磨方法に、本実施形態に係るワーク研磨装置10を適用すると、本実施形態に係るワーク研磨方法は、図1に示すように、研磨ヘッド12の下部に設けた保持部材の下面にワークWを保持し、研磨ヘッド12を回転させながら下降させて、回転する定盤14の上面に貼付された研磨パッド16に上方からワークWを押圧して研磨するワーク研磨方法である。保持部材は、本実施形態に係るワーク研磨装置10では、シート体34に相当する。
また、本実施形態に係るワーク研磨方法は、シート体34の上面側に、上下動可能で、下降させることでシート体34を押圧可能な押付け機構部36を設けると共に、押付け機構部36の内周側に第1流体室50を、押付け機構部36の外周側に第2流体室56を、それぞれ形成する。また、第1流体室50内の圧力を制御することによって、ワークWの相対的に中央部側の領域またはワークWの全領域(矢印Aで示す領域)にかかる圧力を制御する。また、第2流体室56内の圧力を制御することによって、ワークWの相対的に周縁部側の領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Bで示す領域)にかかる圧力を制御する。さらに、押付け機構部36の押圧力を制御することによって、第1流体室50による圧力制御領域(矢印Aで示す領域)と第2流体室56による圧力制御領域(矢印Bで示す領域)との間に位置する押付け機構部36の下面に対応する領域(矢印Cで示す領域)にかかる押圧力を制御する。これにより、これら矢印Aで示す領域と、矢印Bで示す領域と、矢印Cで示す領域と、をそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
これによれば、第1流体室50による圧力制御領域に対応するワークWの相対的に中央部側の領域またはワークWの全領域(矢印Aで示す領域)と、第2流体室56による圧力制御領域に対応するワークWの相対的に周縁部側の領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Bで示す領域)と、それらの間に位置する領域で押付け機構部36による押圧力制御領域に対応するワークW領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Cで示す領域)と、にかかる圧力をそれぞれ独立して制御できる。その結果、ワークWを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
本実施形態に係るワーク研磨方法は、本実施形態に係るワーク研磨装置10の使用方法に限定されない。すなわち、本実施形態に係るワーク研磨方法は、これまで説明した本発明の実施形態に係るワーク研磨装置10以外にも、一例として、図5に示す研磨ヘッド112を備える本発明の他の実施形態に係るワーク研磨装置110にも適用できる。図5に示す研磨ヘッド112は、上面中央部に上下動可能且つ回転可能に設けられるヘッド軸114が固定された第1ヘッド部材116と、当該第1ヘッド部材116に対して第1、第2、第3、第4吊持部材24、26、38、40と同様の吊持部材120を介して上下動可能に吊持された第2ヘッド部材118と、がと入れ子構造のように設けられる。また、第2ヘッド部材118の下方には、その下面にワークWを保持する保持部材122が、その周縁部122aを第1ヘッド部材116に固定されている。
また、保持部材122の上面側に位置する研磨ヘッド112の内部には、第2ヘッド部材118の内周側に、当該第2ヘッド部材118の内壁面に囲まれて、第1流体室50と同様に圧力調整可能な第6流体室126が設けられ、一方、第2ヘッド部材118の外周側に、当該第2ヘッド部材118の外周面と第1ヘッド部材116の内周面と(吊持部材120と)の間に、第2流体室56と同様に圧力調整可能な第7流体室128が設けられている。さらに、第1ヘッド部材116の下面と第2ヘッド部材118の上面(および吊持部材120)との間に、第3流体室44と同様に圧力調整可能な第5流体室124が設けられている。
したがって、ワーク研磨装置110は、第1ヘッド部材116が特許請求の範囲でいうヘッドベース部に相当し、第6流体室126が特許請求の範囲でいう第1流体室に相当し、第7流体室128が特許請求の範囲でいう第2流体室に相当し、さらに、第5流体室124が特許請求の範囲でいう第3流体室に相当して、第2ヘッド部材118は、当該第5流体室124内の圧力調整により上下動可能で、下降して、その内外周側に形成される第6、第7流体室126、128を、両流体室126、128間に圧力差が発生可能に仕切る仕切り部に相当し、且つ保持部材122を介してワークWおよびワークWの外側領域を含む領域における当該仕切り部の下面に対応する領域が押圧可能な押付け機構部に相当する。
ここで、本実施形態に係るワーク研磨方法に、図5に示す本発明の他の実施形態に係るワーク研磨装置110を適用すると、保持部材122の上面側に、上下動可能で、下降させることで保持部材122を押圧可能な第2ヘッド部材118を設けると共に、第2ヘッド部材118の内周側に第6流体室126を、第2ヘッド部材118の外周側に第7流体室128を、それぞれ形成する。また、第6流体室126内の圧力を制御することによって、ワークWの相対的に中央部側の領域またはワークWの全領域(矢印Dで示す領域)にかかる圧力を制御する。また、第7流体室128内の圧力を制御することによって、ワークWの相対的に周縁部側の領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Eで示す領域)にかかる圧力を制御する。さらに、第2ヘッド部材118の押圧力を制御することによって、第6流体室126による圧力制御領域(矢印Dで示す領域)と第7流体室128による圧力制御領域(矢印Eで示す領域)との間に位置する第2ヘッド部材118の下面に対応する領域(矢印Fで示す領域)にかかる押圧力を制御する。これにより、これら矢印Dで示す領域と、矢印Eで示す領域と、矢印Fで示す領域と、をそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
これによれば、第6流体室126による圧力制御領域に対応するワークWの相対的に中央部側の領域またはワークWの全領域(矢印Dで示す領域)と、第7流体室128による圧力制御領域に対応するワークWの相対的に周縁部側の領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Eで示す領域)と、それらの間に位置する領域で第2ヘッド部材118による押圧力制御領域に対応するワークW領域もしくはワークWの外側領域またはそれら両方に亘る領域(矢印Fで示す領域)と、にかかる圧力をそれぞれ独立して制御できる。その結果、ワークWを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することができる。
続いて、本実施形態に係るワーク研磨方法に、図1に示す本実施形態に係るワーク研磨装置10を適用して、円形のワークWを押圧した例を示す。研磨条件は、第4流体室28内を一定に加圧してリテーナリング22cによってワークWの外側領域の研磨パッド16を押圧し、研磨ヘッド12の高さ位置を所定位置まで下降させて押付け機構部36によって領域c(矢印Cで示す領域)を機械的に押圧し、第1流体室50内を一定に加圧して流体の圧力で領域a(矢印Aで示す領域)を押圧した状態を共通にして、領域b(矢印Bで示す領域)については、第2流路58を大気開放した状態から10kPaずつ段階的に負圧にした状態で、対応するワークWとワークWの外側領域とに亘る領域をそれぞれ荷重して研磨した。
図6は、荷重分布を示す写真である。写真は青色から赤色に近くなる程荷重が大きいことを示すが、紙面では概ね色が薄くなる程(背景色に近くなる程)荷重が大きいことを示す。図6-Iは、第2流路58を大気開放し、第2流体室56内が大気圧の状態を示す。図6-IIは、第2流体室56内が大気圧から-10kPa負圧の状態を示す。図6-IIIは、第2流体室56内が大気圧から-20kPa負圧の状態を示す。図6-IVは、第2流体室56内が大気圧から-30kPa負圧の状態を示す。図6-I~図6-IVに示すように、第2流体室56内を段階的に負圧にしていくと、ワークWの周縁部の荷重だけが低減していくことが分かる。このことから、ワークWの所定の領域にかかる押圧力を、他の領域に影響を及ぼすことなく独立して制御することができた。
また、図7は、研磨量を表すグラフである。横軸は円形のワークWの半径を表し、ここでは中心点を0とし、外周点が1.0になるように換算して表記する。縦軸は研磨量を表すが、ここでは相対的な変化が分かればよいため、単位および目盛値の表記は省略する。図7に示すように、ワークWの研磨量は、全体としては中心部から外周部に向かってほぼ水平に推移している。このことから、領域aおよび領域cを所定圧力で一定に設定することで、ワークWの周縁部を除く領域の研磨量を均一にできることが分かる。一方、ワークWの周縁部においては、第2流体室56内が大気圧および-10kPa負圧の状態では、研磨量が外周部に向かって右肩上がりに増加したが、-20kPa負圧の状態では、研磨量が変曲せず、外周部までごく緩やかな右肩下がりに推移した。また、-30kPa負圧の状態では、研磨量が外周部に向かって大きく右肩下がりに減少した。このことから、領域bに対応する第2流体室56内の圧力を調整することにより,ワークWの全体の研磨量を大きく変化させることなく、周縁部の研磨量だけを変化させることができることが分かる。このように、ワークWの所定の領域にかかる押圧力を変化させることで、所定の領域の研磨量を変化させることができた。したがって、領域a、領域b、領域cの範囲や押圧力を調整することで、ワークWの径方向の研磨量や変曲点を任意に調整することができ、ワークWを目的に応じた所望の厚さ形状に研磨することが可能である。
10 ワーク研磨装置
12 研磨ヘッド
14 定盤
16 研磨パッド
18 ヘッド軸
20 ヘッドベース部
22 ワークガイド
24 第1吊持部材
26 第4吊持部材
28 第4流体室
32 保持プレート
34 シート体
36 押付け機構部
36a 押付け部材
38 第2吊持部材
40 第3吊持部材
44 第3流体室
48 アタッチメント
50 第1流体室
56 第2流体室
62 制御部
64 駆動部
66 上下動駆動機構
68 回転駆動機構
110 ワーク研磨装置
112 研磨ヘッド
114 ヘッド軸
116 第1ヘッド部材
118 第2ヘッド部材
120 吊持部材
122 保持部材
124 第5流体室
126 第6流体室
128 第7流体室
W ワーク

Claims (8)

  1. 上面に研磨パッドが貼付され、水平面内で回転する定盤と、
    前記定盤の上方において、上部にヘッドベース部と、下部に保持部材と、を備え、前記ヘッドベース部の上面に上下動可能且つ回転可能なヘッド軸が固定されて設けられると共に、前記保持部材の下面にワークが保持され、前記ヘッド軸を介して前記ワークを回転させながら下降させて、回転する前記定盤の上面の前記研磨パッドに上方から前記ワークを押圧して研磨する研磨ヘッドと、を備え、
    前記研磨ヘッドは、
    前記保持部材の上面側に、第1流体室と、前記第1流体室よりも外周側に第2流体室と、前記第1流体室および前記第2流体室との間に上下動可能な仕切り部と、が設けられ、
    前記第1流体室および前記第2流体室は、それぞれ別々に流体が供給および排出可能で、前記第1流体室内および前記第2流体室内がそれぞれ別々に加圧または減圧可能に構成され、
    前記仕切り部は、少なくとも前記第1流体室内と前記第2流体室内との間に圧力差が発生可能に前記第1流体室内と前記第2流体室内とが仕切られる位置まで下降可能に構成されていること
    を特徴とするワーク研磨装置。
  2. 前記仕切り部は、前記ヘッドベース部に連結されており、前記ヘッド軸を介して上下動する前記ヘッドベース部に連動して上下動すること、
    または、
    前記仕切り部は、前記ヘッドベース部に対して上下動可能に吊持されており、
    さらに前記仕切り部の上方には、内部に流体が供給および排出可能な第3流体室が設けられており、前記第3流体室内が加圧または減圧されることによって前記仕切り部が上下動すること
    を特徴とする請求項1記載のワーク研磨装置。
  3. 前記仕切り部は、下降して前記保持部材を押圧することによって、前記保持部材を介して、前記ワークおよび前記ワークの外側領域を含む領域における前記仕切り部の下面に対応する領域が押圧可能な押付け機構部であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のワーク研磨装置。
  4. 前記押付け機構部の下面、または前記保持部材の上面における前記押付け機構部の下面に対応する領域内に、押付け部材が着脱可能に設けられていること
    を特徴とする請求項3記載のワーク研磨装置。
  5. 前記押付け部材は、アタッチメントを介して前記押付け機構部の下面に着脱可能に設けられていること
    を特徴とする請求項4記載のワーク研磨装置。
  6. 前記研磨ヘッドは、
    前記ヘッドベース部が、上面中央部に前記ヘッド軸が固定されたベース天板、および前記ベース天板の下面中央部に突設された軸部を有し、
    前記ヘッドベース部の下方に位置し、第1吊持部材を介して前記ヘッドベース部に対して上下動可能に設けられたワークガイドを有し、
    前記仕切り部が、前記ワークガイドの下方に位置し、外周側において、第2吊持部材を介して前記ワークガイドに対して上下動可能に吊持され、内周側において、前記軸部に連結され、または、第3吊持部材を介して吊持され、
    前記軸部の下端に設けられた保持プレートを有し、
    前記保持部材が、前記保持プレートの下方に位置して設けられ、周縁部が前記ワークガイドに固定されたシート体であり、
    前記第1流体室が、前記仕切り部の内周側に、前記シート体の上面と前記保持プレートの下面との間に形成され、
    前記第2流体室が、前記仕切り部の外周側に、前記仕切り部の外周面と前記ワークガイドの内周面との間に形成されていること
    を特徴とする請求項2記載のワーク研磨装置。
  7. 前記研磨ヘッドは、
    前記ヘッドベース部が、上面中央部に前記ヘッド軸が固定されたベース天板、および前記ベース天板の下面中央部に突設された軸部を有し、
    前記ヘッドベース部の下方に位置し、第1吊持部材を介して前記ヘッドベース部に対して上下動可能に設けられたワークガイドを有し、
    前記仕切り部が、前記ワークガイドの下方に位置し、外周側において、第2吊持部材を介して前記ワークガイドに対して上下動可能に吊持され、内周側において、前記軸部に連結され、または、第3吊持部材を介して吊持され、
    前記軸部の下端に設けられた保持プレートを有し、
    前記保持部材が、前記保持プレートの下方に位置して設けられ、周縁部が前記ワークガイドに固定されたシート体であり、
    前記第1流体室が、前記仕切り部の内周側に、前記シート体の上面と前記保持プレートの下面との間に形成され、
    前記第2流体室が、前記仕切り部の外周側に、前記仕切り部の外周面と前記ワークガイドの内周面との間に形成されていること
    を特徴とする請求項3記載のワーク研磨装置。
  8. 研磨ヘッドの下部に設けた保持部材の下面にワークを保持し、前記研磨ヘッドを回転させながら下降させて、回転する定盤の上面に貼付された研磨パッドに上方から前記ワークを押圧して研磨するワーク研磨方法であって、
    前記保持部材の上面側に、上下動可能で、下降させることで前記保持部材を押圧可能な押付け機構部を設けると共に、前記押付け機構部の内周側に第1流体室を、前記押付け機構部の外周側に第2流体室を、それぞれ形成し、
    前記第1流体室内の圧力を制御することによって、前記第1流体室に対応する前記ワークの相対的に中央部側の領域または前記ワークの全領域にかかる圧力を制御し、
    前記第2流体室内の圧力を制御することによって、前記第2流体室に対応する前記ワークの相対的に周縁部側の領域もしくは前記ワークの外側領域、または前記ワークの相対的に周縁部側の領域および前記ワークの外側領域の両方に亘る領域にかかる圧力を制御し、
    前記押付け機構部の押圧力を制御することによって、前記第1流体室による圧力制御領域と前記第2流体室による圧力制御領域との間に位置する前記押付け機構部の下面に対応する領域にかかる押圧力を制御して、
    前記ワークを設定された厚さ形状に研磨すること
    を特徴とするワーク研磨方法。
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