JP2024041705A - 金属含有膜形成用化合物、金属含有膜形成用組成物、パターン形成方法、及び半導体フォトレジスト材料 - Google Patents

金属含有膜形成用化合物、金属含有膜形成用組成物、パターン形成方法、及び半導体フォトレジスト材料 Download PDF

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頌平 岩森
Shohei Iwamori
大佑 郡
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駿 菊地
Shun Kikuchi
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Ryunosuke Handa
誠一郎 橘
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Abstract

Figure 2024041705000001
【課題】従来のレジスト下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つ金属含有膜形成用化合物、該化合物を用いた金属含有膜形成用組成物、該組成物をレジスト下層膜材料に用いたパターン形成方法、前記組成物をレジスト材料に用いたパターン形成方法、前記組成物を用いた半導体フォトレジスト材料を提供する。
【解決手段】半導体製造に用いられる金属含有膜形成用組成物に用いる金属含有膜形成用化合物であって、前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものであることを特徴とする金属含有膜形成用化合物。
Figure 2024041705000061

【選択図】図1

Description

本発明は、金属含有膜形成用化合物、該化合物を用いた金属含有膜形成用組成物、該組成物を用いたパターン形成方法、及び前記組成物を用いた半導体フォトレジスト材料に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。最先端の微細化技術としては、45nmノード以降のデバイスの量産にArF液浸リソグラフィーが適用されている。また、ArF液浸露光と併せて、二重露光(ダブルパターニング)プロセスが28nmノード以降の世代で実用化され、光学的限界を超える狭ピッチパターンの形成も可能となった。
更に、20nmノード以降のデバイス製造においては、露光とエッチングを3回以上繰り返すことにより、より狭いピッチのパターンを作製する多重露光(マルチパターニング)プロセスの検討が進められている。しかしながら、多重露光プロセスは工程数が増えるため、製造期間の長期化や欠陥発生の頻度増大により生産性が低下し、コストが大幅に上昇する事態に直面している。
近年、ArF液浸リソグラフィーと多重露光プロセスとの併用に代わる有力な技術として、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィーが注目されている。この技術を用いることにより、ハーフピッチ25nm以下の微細パターンを1回の露光で形成することが可能になった。
一方で、EUVリソグラフィーでは、光源の出力不足を補うため、レジスト材料には高感度化が強く求められる。しかし、高感度化に伴うショットノイズの増大はラインパターンのエッジラフネス(LER、LWR)の増大に繋がり、高感度化と低エッジラフネスの両立がEUVリソグラフィーにおける重要な課題の一つに挙げられている。
レジストの高感度化やショットノイズの影響の低減のための試みとして、レジスト材料に金属材料を用いることが近年検討されるようになった。バリウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、スズ等の金属元素を含む化合物は、金属を含まない有機材料に比べて、EUV光に対する吸光度が高く、レジストの感光性の向上やショットノイズの影響の抑制が期待できる。また、金属含有レジストパターンは、非金属材料からなる下層膜と組み合わせることにより、高選択比エッチング加工が期待できる。
例えば、特許文献1、2に記載の金属塩や有機金属錯体を添加したレジスト材料や、特許文献3、4に記載の金属酸化物のナノ粒子を用いた非化学増幅型レジスト材料が検討されている。
中でも、スズを含む分子は電子線、極端紫外線の吸収に優れるため、活発な研究が行われている。そのうちの1つである有機スズ高分子の場合、光吸収またはこれによって生成された二次電子によってアルキル配位子が解離され、周辺鎖とのオキソ結合を通じた架橋を通じて有機系現像液で除去されないネガティブトーンパターニングが可能である。このような有機スズ高分子は、解像度、ラインエッジ粗さを維持しながらも感度を向上させることが可能だが、未だ商用化の水準には届いていない(特許文献5)。また、レジスト感度変化についての保存安定性が不十分であるなど課題が多く残っている。
上記課題に対して、レジスト下層膜にチタン、ハフニウム、ジルコニウム、スズ等の金属元素を含む材料を用いた開発も検討されている。金属含有のレジスト材料で課題となっている露光感度の向上や、保存環境下における感度変化の抑制などの性能改善が不要であり、上記金属元素を含むことでドライエッチング耐性に優れたレジスト下層膜を提供できる可能性がある。特許文献6では、Ti化合物を用いた材料がCHF/CF系ガスおよびCO/N系ガスに対して優れたドライエッチング耐性を示すことを報告している。
一方、金属化合物をレジスト下層膜に用いる際の課題としては、埋め込み性が挙げられる。特許文献6では埋め込み性に関して言及されていないが、一般的に金属酸化物化合物は、ベーク時の熱収縮が大きく、高温ベーク後には充填性の著しい劣化を誘発するため、高度な平坦化特性・埋め込み特性と耐熱特性が要求されるレジスト下層膜材料としては不十分である懸念がある。特許文献7では、特定の配位子で修飾した金属化合物が埋め込み性に優れることを報告しているが、実施されている埋め込み性評価のベーク温度が150℃と低温であり、耐熱性(例えば、レジスト下層膜形成後に施されることがある熱処理に対する特性)が必要とされるレジスト下層膜としては不十分である懸念がある。特許文献8では、特許文献7で報告されている金属化合物と特定構造の有機ポリマーを混合することで、400℃ベーク後の埋め込み性に優れたレジスト下層膜材料を提供しているが、無機物である金属化合物と有機物であるポリマーの混合組成物であることから、相溶性不良が引き起こす成膜不良や保存安定性の劣化およびドライエッチング耐性の劣化などが懸念される。
特許第5708521号公報 特許第5708522号公報 米国特許第9310684号公報 米国特許出願公開第2017/0102612号公報 特開2021-162865号公報 特許第6189758号公報 特許第7050137号公報 特表2022-521531号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、従来のレジスト下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つ金属含有膜形成用化合物、該化合物を用いた金属含有膜形成用組成物、該組成物をレジスト下層膜材料に用いたパターン形成方法、前記組成物をレジスト材料に用いたパターン形成方法、前記組成物を用いた半導体フォトレジスト材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、半導体製造に用いられる金属含有膜形成用組成物に用いる金属含有膜形成用化合物であって、
前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものである金属含有膜形成用化合物を提供する。
Figure 2024041705000002
(前記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは下記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを表す。)
Figure 2024041705000003
(前記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは下記一般式(1A)であり、pは1または2を表し、*はSn原子との結合部を表す。)
Figure 2024041705000004
(前記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び下記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6を表し、*は結合部を表す。)
Figure 2024041705000005
(前記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*はYとの結合部を表す。)
このような金属含有膜形成用化合物であれば、上記一般式(1)で示される有機基を少なくとも2つ以上含むため、溶剤溶解性と耐熱特性に優れた金属含有膜形成用化合物となる。また、末端に水酸基または上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかの架橋基を含むため、これを金属含有膜形成用組成物に用いた場合、ベーク時の体積収縮が小さく、特許文献5で報告されているようなレジスト上層膜形成用のスズ含有化合物とは異なり、高温ベーク後においても、成膜性および平坦化特性/埋め込み特性に優れたレジスト下層膜材料を提供できる。
また、本発明では、前記一般式(1)中、Wが下記一般式(1B)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2024041705000006
(前記一般式(1B)中、RA1は前記一般式(a-1)で示される構造であり、RA2は水酸基、前記一般式(a-2)、及び(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、rは1~10であり、uは0または1であり、mは0または1であり、*は結合部を表す。)
Wが上記一般式(1B)で示される構造であれば、上記金属含有膜形成用化合物の熱流動性を向上させることができるため、これを金属含有膜形成用組成物に用いた場合、より優れた平坦化特性/埋め込み特性を示すレジスト下層膜材料を提供することができる。
また、本発明では、前記一般式(1)中、Xが炭素数2~20の不飽和炭化水素であることが好ましい。
前記一般式(1)中、Xが炭素数2~20の不飽和炭化水素であれば、上記金属含有膜形成用化合物の熱硬化性をより向上させることができる。
また、前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(2)で示されるものであることが好ましい。
Figure 2024041705000007
(前記一般式(2)中、RおよびRは水素原子または炭素数1~20の1価の有機基であり、RおよびRが互いに結合し、それらが結合する炭素原子と共に環状置換基を形成していてもよい。Q、Wは前記と同じである。)
このような構造の金属含有膜形成用化合物であれば、熱流動性と熱硬化性を高度に両立することが可能となり、これを金属含有膜形成用組成物に用いた場合、より優れた平坦化特性/埋め込み特性を示すレジスト下層膜材料を提供することができる。
また、本発明では、前記金属含有膜形成用化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率Mw/Mnが、1.00≦Mw/Mn≦1.30であることが好ましい。
このような範囲の分散度を有する金属含有膜形成用化合物であれば、熱流動性が更に良好なものとなるため、金属含有膜形成用組成物に配合した際に、基板上に形成されている微細構造を良好に埋め込むことが可能になるだけでなく、基板全体が平坦となるレジスト下層膜を形成することができる。
また、本発明は、半導体製造に用いられるレジスト下層膜材料および/又はレジスト材料として機能する金属含有膜形成用組成物に用いることができる金属含有膜形成用化合物であって、(A)上記の金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものである金属含有膜形成用組成物を提供する。
このような金属含有膜形成用組成物であれば、耐熱特性と熱流動性に優れた有機スズ化合物を含むため、従来のレジスト下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つレジスト下層膜材料を提供することができる。また、電子線、極端紫外線の吸収に優れるスズ原子を含むため、前記組成物をレジスト材料に用いた場合、特にEUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度なレジスト材料を提供できる。
また、本発明では、前記金属含有膜形成用組成物が、多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜として利用可能な金属含有膜形成用組成物であって、更に(C)架橋剤、(D)高沸点溶剤、(E)界面活性剤、及び(F)流動性促進剤のうち1種以上を含有するものであることができる。
上記添加剤を含む金属含有膜形成用組成物であれば、塗布性、ドライエッチング耐性、埋め込み/平坦化特性のより優れたレジスト下層膜形成用組成物となる。
この時、前記(D)高沸点溶剤が、沸点が180℃以上の有機溶剤1種以上であることが好ましい。
上記金属含有膜形成用化合物に高沸点溶剤の添加による熱流動性が付与されることで、レジスト下層膜形成用組成物は高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つものとなる。
また、本発明では、前記金属含有膜形成用組成物が、更に(G)100nm以下の平均一次粒形を有する金属酸化物ナノ粒子を含むものであることができる。
この時、前記(G)金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化スズナノ粒子、及び酸化タングステンナノ粒子からなる群から選択されるものであることが好ましい。
このような金属酸化物ナノ粒子を用いることで、組成物中の金属含有量を容易に増加させることが可能であり、レジスト下層膜形成用組成物のドライエッチング耐性を更に向上することが可能となる。
また、本発明は、被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(I-1)被加工基板上に、上記の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(I-2)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(I-3)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(I-4)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(I-5)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有するパターン形成方法を提供する。
上記2層レジストプロセスによるパターン形成方法により、被加工体(被加工基板)に微細なパターンを形成することができる。
また、本発明は、被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(II-1)被加工基板上に、上記の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(II-2)前記金属含有膜上に、レジスト中間膜を形成する工程、
(II-3)前記レジスト中間膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(II-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(II-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜にパターンを転写する工程、
(II-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(II-7)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有するパターン形成方法を提供する。
上記3層レジストプロセスによるパターン形成方法により、被加工体に微細なパターンを高精度で形成することができる。
また、本発明は、被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(III-1)被加工基板上に、上記の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(III-2)前記金属含有膜上に、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜を形成する工程、
(III-3)前記無機ハードマスク中間膜上に、有機薄膜を形成する工程、
(III-4)前記有機薄膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(III-5)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(III-6)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(III-7)前記パターンが転写された無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(III-8)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有するパターン形成方法を提供する。
上記4層レジストプロセスによるパターン形成方法により、被加工体に微細なパターンを高精度で形成することができる。
この場合、前記無機ハードマスク中間膜が、CVD法又はALD法によって形成されることが好ましい。
上記無機ハードマスク中間膜をCVD法あるいはALD法によって形成すると、被加工体に微細なパターンをより高精度で形成することができる。
また、本発明では、被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(IV-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
(IV-2)前記レジスト下層上に、上記に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(IV-3)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(IV-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(IV-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、
(IV-6)前記パターンが転写された金属含有膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(IV-7)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有するパターン形成方法を提供する。
上記多層レジストプロセスによるパターン形成方法により、被加工体に微細なパターンを高精度で形成することができる。
また、本発明では、被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(V-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
(V-2)前記レジスト下層膜上に、レジスト中間膜、又はケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせを形成する工程、
(V-3)前記レジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせ上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(V-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(V-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜、又は前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(V-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、
(V-7)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上に、上記の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を被覆し、前記レジスト下層膜パターン間を前記金属含有膜で充填する工程、
(V-8)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上を覆う前記金属含有膜を化学的ストリッパ又はドライエッチングでエッチバックし、パターンが形成された前記レジスト下層膜の上面を露出させる工程、
(V-9)前記レジスト下層膜上面に残っているレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をドライエッチングで除去する工程、
(V-10)表面が露出した前記パターンが形成された前記レジスト下層膜をドライエッチングで除去し、元のパターンの反転パターンを金属含有膜に形成する工程、
(V-11)前記反転パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板に反転パターンを形成する工程
を有するパターン形成方法を提供する。
上記反転プロセスによるパターン形成方法により、被加工体に微細なパターンをより一層高精度で形成することができる。
また、本発明では、上記の金属含有膜形成用組成物を基板上に塗布し、加熱処理をしてレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法を提供する。
本発明の金属含有膜形成用化合物を半導体フォトレジスト材料に用いたパターン形成方法であれば、エッジラフネスが小さく、かつレジスト溶解部の残渣が少ないパターンを形成することができる。
この時、前記現像液として、有機溶剤を用いることが好ましい。
また、前記現像液として、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル及び酢酸2-フェニルエチルから選ばれる1種以上の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明では、このような現像液を好適に用いることができる。
また、前記高エネルギー線として、波長3~15nmの極端紫外線、又は加速電圧1~250kVの電子線を用いることが好ましい。
このような条件で露光することが、感度、解像性の観点より好ましい。
また、本発明は、半導体フォトレジスト材料であって、上記の金属含有膜形成用組成物がさらに(H)光酸発生剤を含むものである半導体フォトレジスト材料を提供する。
このようなレジスト材料であれば、特にEUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度な金属含有レジスト材料となる。
以上説明したように、本発明の金属含有膜形成用化合物は、上記一般式(1)で示される有機基を少なくとも2つ以上含むため、溶剤溶解性と熱流動性に優れた金属含有膜形成用化合物であり、末端に水酸基または上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかの架橋基を含むため熱硬化性にも優れる。そのため、前記化合物をレジスト下層膜形成用組成物に用いた場合、ベーク時の体積収縮が小さく、高温ベーク後においても、成膜性および平坦化特性/埋め込み特性に優れたレジスト下層膜材料を提供できる。
特に、半導体装置製造工程における多層レジスト法を用いた微細パターニングプロセスにおいて、微細化の進むDRAMメモリに代表される高アスペクト比の微細パターン構造の密集部など、埋め込み/平坦化が困難な部分を有する被加工基板上であっても、ボイドや剥がれ等の不良を生じることなく埋め込むことが可能であり、また、従来の塗布型有機レジスト下層膜材料に対して、優れたドライエッチング耐性を有するため、有機レジスト下層膜と比較して被加工体に微細なパターンをより一層高精度で形成することができる。
また、本発明の金属含有膜形成用化合物を含む金属含有膜形成用組成物は、光吸収の大きいスズ原子を含んでいるため、露光中にこれから発生する二次電子による増感効果があり、更に、スズ原子は原子量が大きいため上層レジストからレジスト下層膜中への酸拡散を抑える効果が高く、レジスト上層膜が本来有しているLWRの性能を保持しながら高感度化できるという特徴を有する。
さらに、本発明の金属含有膜形成用化合物は光吸収の大きいスズ原子を含んでいるため半導体フォトレジスト材料に用いることも可能である。上記に説明した通り、本発明の金属含有膜形成用化合物は硬化性に優れるため、EUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度な金属含有レジスト材料を提供できる。
図1は、本発明のパターン形成方法の一例(3層レジストプロセス)の説明図である。 図2は、本発明のトーン反転式パターン形成法の一例(3層レジストプロセスのSOCパターンの反転)の説明図である。 図3は、埋め込み特性評価方法の説明図である。 図4は、平坦化特性評価方法の説明図である。 図5は、電子ビーム露光評価を示す図である。
上述のように、多層レジスト法を用いた微細パターニングプロセスにおいて、より高精度でレジストパターンを被加工基板に転写できるレジスト下層膜を形成するために用いる埋め込み性と平坦性に優れた金属含有膜形成用組成物、及び該組成物に有用な金属含有膜形成用化合物の開発が求められていた。
本発明者らは、EUV露光世代での活躍が期待される有機スズ化合物に着目し、鋭意検討を重ねた。上述したように光吸収の大きいスズ原子は、露光中にこれから発生する二次電子による増感効果があり、レジスト上層膜が本来有しているLWRの性能を保持しながら高感度化できるという特徴を有する。一方で、レジスト上層膜として検討されている有機スズ化合物は、耐熱性が乏しく、ベーク時に急激な体積収縮が起こるため、高温ベーク後に被加工基板の段差を埋め込み、平坦化することが難しい。本発明者らは、耐熱特性に優れた有機基を有するものであれば、ベーク時の急激な体積収縮を低減でき、熱流動性を向上させることができるため、高温ベーク後にもボイドを発生することなく被加工基板の段差を埋め込むことが可能であると考えた。さらに末端に架橋基を含む構造であれば、ベーク時の熱硬化性に優れるため、より耐熱特性に優れた金属含有膜形成用化合物になると想定した。
本発明者らは、更に鋭意検討を重ね、上記一般式(1)で示される有機基を少なくとも2つ以上含む金属含有膜形成用化合物であれば、熱硬化性に優れるためベーク時の急激な体積収縮を低減でき、熱流動性も良好であるため高度な埋め込み/平坦化特性を実現でき、またスズ原子を含むことで上層レジストのLWRを保持したまま感度向上に寄与でき、かつ高温ベーク後にはアルキル配位子が解離され、周辺鎖とのオキソ結合を通じた架橋を通じてSnOを形成するため、ドライエッチング耐性に優れた金属含有膜形成用組成物を与えるものとなることを見出した。また、硬化性に優れる上記化合物をレジスト材料に用いた場合、EUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度な金属含有レジスト材料を与えるものとなることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、半導体製造に用いられる金属含有膜形成用組成物に用いる金属含有膜形成用化合物であって、
前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものである金属含有膜形成用化合物である。
Figure 2024041705000008
(前記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは下記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを表す。)
Figure 2024041705000009
(前記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは下記一般式(1A)であり、pは1または2を表し、*はSn原子との結合部を表す。)
Figure 2024041705000010
(前記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び下記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6を表し、*は結合部を表す。)
Figure 2024041705000011
(前記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*はYとの結合部を表す。)
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<金属含有膜形成用化合物>
本発明の金属含有膜形成用化合物は、下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものである金属含有膜形成用化合物である。
Figure 2024041705000012
(前記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは下記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを表す。)
Figure 2024041705000013
(前記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは下記一般式(1A)であり、pは1または2を表し、*はSn原子との結合部を表す。)
Figure 2024041705000014
(前記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び下記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6を表し、*は結合部を表す。)
Figure 2024041705000015
(前記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*はYとの結合部を表す。)
上記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは上記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよい。Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、非置換の炭素数1~20のアルキル基が好ましく、n-ブチル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは上記一般式(1A)であり、pは1または2であり、溶剤溶解性の観点から1が好ましい。
上記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは上記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、分子内に異なる架橋基(水酸基、及び上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれか)が存在した化合物であってもよい。分子内に異なる架橋基が存在する場合、水酸基と上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかを併せ持つ構造が好ましい。このような構造であれば、基板との密着性と熱流動性を高度に両立した金属含有膜形成用化合物を提供できる。
上記一般式(1)中、Xの好ましい構造として、例えば下記のような構造をあげることができる。
Figure 2024041705000016
(*はカルボニル基の炭素原子との結合部を表す。)
上記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6であり、1~2であることが好ましい。また、前記有機基の炭素原子は、酸素原子や窒素原子などのヘテロ原子で置換されていてもよい。
上記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1である。さらに好ましい構造としては、Rが水素原子、メチル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、熱流動性と熱硬化性の観点から特に水素原子が好ましい。
このような構造を持つ金属含有膜形成用化合物であれば、上記一般式(1)で示される有機基を少なくとも2つ以上含むため、溶剤溶解性と耐熱特性に優れた金属含有膜形成用化合物となり、さらに末端に水酸基、及び上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかの架橋基を含むため、ベーク時の急激な体積収縮を低減でき、熱流動性も良好であるため、埋め込み/平坦化特性に優れたレジスト下層膜材料を提供することができる。
有機スズ化合物を用いて形成した金属含有膜は、ベーク時にSn原子にC原子を介して結合した有機基が乖離されながらラジカルを生成し、このように生成されたラジカルは-Sn-O-Sn-結合を形成して、縮合重合反応を開始することによって、金属含有膜の硬化が進行する。一方で、上記反応と同時に有機基が脱離するため、ベーク時に大きな膜収縮が起こるが、上記化合物は末端に水酸基、及び上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかの架橋基を含む上記一般式(1)で示される有機基を少なくとも2つ以上を持つため、熱分解を緩和でき、熱流動性に優れるため、埋め込み性に優れたレジスト下層膜材料を提供することができる。
前記一般式(1)中、Wが下記一般式(1B)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2024041705000017
(上記一般式(1B)中、RA1は上記一般式(a-1)で示される構造であり、RA2は水酸基、上記一般式(a-2)、及び(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、rは1~10であり、uは0または1であり、mは0または1であり、*は結合部を表す。)
上記一般式(1B)中、RA1は上記一般式(a-1)で示される構造であり、RA2は水酸基、上記一般式(a-2)、及び(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、rは1~10であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、uは0または1であり、mは0または1である。mが1の場合、Lはメチレンであることが好ましい。より好ましい構造としては、rは1~4、tは1~2、sは0~1、mは0である。また、溶剤溶解性の観点からuは1であることが好ましい。
Wが上記一般式(1B)で示される構造であれば、上記金属含有膜形成用化合物の熱流動性をより向上させることができる。
前記一般式(1)中、Xが炭素数2~20の不飽和炭化水素であることが好ましい。
このような構造を持つ金属含有膜形成用化合物であれば、熱硬化性をより向上させることができる。
本発明の金属含有膜形成用化合物は、下記一般式(2)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2024041705000018
(上記一般式(2)中、RおよびRは水素原子または炭素数1~20の1価の有機基であり、RおよびRが互いに結合し、それらが結合する炭素原子と共に環状置換基を形成していてもよい。Q、Wは前記と同じである。)
上記一般式(2)中、RおよびRは水素原子または炭素数1から20の1価の有機基であり、RおよびRが互いに結合し、それらが結合する炭素原子と共に環状置換基を形成していてもよい。Q、Wは上記一般式(1)に説明した通りである。原材料入手の観点から、より好ましい構造として、RおよびRは水素原子である。
上記一般式(2)で表される構造によっては、二重結合の幾何異性体(Cis体とTrans体)が存在し得るものがあるが、その場合は、1つの式でそれらの異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いても、混合物として用いても、本発明の金属含有膜形成用化合物の熱流動性と熱硬化性に不都合を及ぼすことはない。
上記一般式(2)で示される化合物のSnに結合する有機基の例として、具体的には下記の構造を例示できるがこれらに限定されない。
Figure 2024041705000019
(*はSnとの結合部である。)
Figure 2024041705000020
(*はSnとの結合部である。)
前記金属含有膜形成用化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率Mw/Mn(即ち、分散度)が、1.00≦Mw/Mn≦1.30の範囲内であることが好ましく、さらに1.00≦Mw/Mn≦1.10であることが好ましい。定義上、単分子化合物であればMw/Mnは1.00となるが、GPCの分離性の都合で、測定値が1.00を超える場合がある。一般的に繰り返し単位を有する重合体は特殊な重合法を用いない限り、Mw/Mn=1.00に近づけることは極めて困難であり、Mwの分布を有しMw/Mnは1を超える値となる。本発明では単分子化合物と重合体を区別するため単分子性を示す指標として1.00≦Mw/Mn≦1.30を定義した。
このような範囲の分散度を有する化合物であれば、金属含有膜形成用化合物の熱流動性が更に良好なものとなるため、金属含有膜形成用組成物に配合した際に、基板上に形成されている微細構造を良好に埋め込むことが可能になるだけでなく、基板全体が平坦となるレジスト下層膜を形成することができる。
<金属含有膜形成用組成物>
また、本発明では、半導体製造に用いられるレジスト下層膜材料および/又はレジスト材料として機能する金属含有膜形成用組成物であって、上記(A)金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものである金属含有膜形成用組成物を提供する。
このような金属含有膜形成用組成物であれば、熱流動性と熱硬化性を高度に両立した有機スズ化合物を含むため、従来のレジスト下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つレジスト下層膜材料を提供することができる。
また、硬化性に優れるため、上記組成物をレジスト材料に用いた場合、EUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度な金属含有レジスト材料を提供することができる。
以下、上記(A)金属含有膜形成用化合物以外の本発明の金属含有膜形成用組成物に含まれる成分について説明する。
<(B)有機溶剤>
本発明の金属含有膜形成用組成物において使用可能な(B)有機溶剤としては、上記の(A)金属含有膜形成用化合物、及び含まれる場合には後述の(C)架橋剤、(D)高沸点溶剤、(E)界面活性剤、(F)流動性促進剤、(G)100nm以下の平均一次粒形を有する金属酸化物ナノ粒子、(H)光酸発生剤、その他添加剤等が溶解又は分散するものであれば特に制限はない。
具体的には、特開2007-199653号公報中の[0091]~[0092]段落に記載されている有機溶剤を添加することができる。さらに具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、2-ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びγ-ブチロラクトン、またはこれらのうち1種以上を含む混合物が好ましく用いられる。
有機溶剤の配合量は、(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対して好ましくは200~10,000質量部、より好ましくは250~5,000質量部の範囲である。
<レジスト下層膜形成用組成物>
前記金属含有膜形成用組成物が、多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜として利用可能な金属含有膜形成用組成物である場合、1種類以上の上記(A)金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものであればよく、必要に応じて(C)架橋剤、(D)高沸点溶剤、(E)界面活性剤、(F)流動性促進剤、(G)100nm以下の平均一次粒形を有する金属酸化物ナノ粒子などの添加剤を含んでいてもよい。本明細書では、多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜として利用可能な金属含有膜形成用組成物を、レジスト下層膜形成用組成物とも表記する。
以下、上記(A)金属含有膜形成用化合物、(B)有機溶剤以外の本発明のレジスト下層膜形成用組成物に含まれる成分について説明する。
<(D)高沸点溶剤>
本発明のレジスト下層膜形成用組成物では、前記(B)有機溶剤を沸点が180℃未満の有機溶剤1種以上と、沸点が180℃以上の有機溶剤((D)高沸点溶剤)1種以上との混合物として用いてもよい。
(D)高沸点溶剤としては、本発明の金属含有膜形成用組成物の各成分を溶解又は分散できるものであれば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、塩素系溶剤等の制限は特にはないが、具体例として1-オクタノール、2-エチルヘキサノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、酢酸n-ノニル、モノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリアセチン、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4―ブタンジオールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサンジオールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、γ-ブチロラクトン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、マロン酸ジヘキシル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジヘキシル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチルなどを例示することができ、これらを単独又は混合して用いてもよい。
(D)高沸点溶剤は、本発明のレジスト下層膜形成用組成物を熱処理する温度等に合わせて、例えば上記のものから適宜選択すればよい。高沸点溶剤の沸点は180℃~300℃であることが好ましく、200℃~300℃であることが更に好ましい。このような沸点であれば、ベーク(熱処理)した際の揮発が速くなりすぎる恐れがないため、成膜時に十分な熱流動性を得ることができ、埋め込み/平坦化特性に優れるレジスト下層膜を形成することができるものと考えられる。また、このような沸点であれば、ベーク後も揮発することなく膜中に残存してしまうことがないため、エッチング耐性等の膜物性に悪影響を及ぼす恐れがない。
また、(D)高沸点溶剤を使用する場合の配合量は、沸点180℃未満の(B)有機溶剤100質量部に対して1~30質量部とすることが好ましい。このような配合量であればベーク時に十分な熱流動性を付与することができ、膜中に残存せずエッチング耐性等の膜物性の劣化につながらないため、好ましい。
[(C)架橋剤]
また、本発明のレジスト下層膜形成用組成物は、金属含有膜形成用化合物の硬化性を高め、レジスト上層膜とのインターミキシングを更に抑制するために、更に(C)架橋剤を含有するものであることもできる。(C)架橋剤としては、特に限定されることはなく、公知の種々の系統の架橋剤を広く用いることができる。一例として、メラミン系架橋剤、アクリレート系架橋剤、グリコールウリル系架橋剤、ベンゾグアナミン系架橋剤、ウレア系架橋剤、β-ヒドロキシアルキルアミド系架橋剤、イソシアヌレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、フェノール系架橋剤(例えば多核フェノール類のメチロールまたはアルコキシメチル型架橋剤)を例示できる。前記(C)架橋剤の含有量は、前記(A)金属含有膜形成用化合物の100質量部に対して5~50質量部が好ましく、より好ましくは10~40質量部である。
メラミン系架橋剤として、具体的には、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
アクリレート系架橋剤として、具体的には、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラートを例示できる。
グリコールウリル系架橋剤として、具体的には、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリル、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
ベンゾグアナミン系架橋剤として、具体的には、テトラメトキシメチル化ベンゾグアナミン、テトラブトキシメチル化ベンゾグアナミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
ウレア系架橋剤として、具体的には、ジメトキシメチル化ジメトキシエチレンウレア、このアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
β-ヒドロキシアルキルアミド系架橋剤として具体的には、N,N,N’,N’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)アジピン酸アミドを例示できる。
イソシアヌレート系架橋剤として具体的には、トリグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートを例示できる。
アジリジン系架橋剤として具体的には、4,4’-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオナート]を例示できる。
オキサゾリン系架橋剤として具体的には、2,2’-イソプロピリデンビス(4-ベンジル-2-オキサゾリン)、2,2’-イソプロピリデンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2’-イソプロピリデンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2’-メチレンビス-4,5-ジフェニル-2-オキサゾリン、2,2’-メチレンビス-4-フェニル-2-オキサゾリン、2,2’-メチレンビス-4-tertブチル-2-オキサゾリン、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、1,3-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、1,4-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2-イソプロペニルオキサゾリン共重合体を例示できる。
エポキシ系架橋剤として具体的には、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを例示できる。
多核フェノール系架橋剤としては、具体的には下記一般式(XL-1)で示される化合物を例示することができる。
Figure 2024041705000021
(式中、Qは単結合、又は、炭素数1~20のq価の炭化水素基である。Rは水素原子、又は、炭素数1~20のアルキル基である。qは1~5の整数である。各符号は、この式でのみ適用される。)
Qは単結合、又は、炭素数1~20のq価の炭化水素基である。qは1~5の整数であり、2または3であることが好ましい。Qとしては具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルペンタン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、エチルイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、メチルナフタレン、エチルナフタレン、エイコサンからq個の水素原子を除いた基を例示できる。Rは水素原子、又は、炭素数1~20のアルキル基である。炭素数1~20のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基、デシル基、エイコサニル基を例示でき、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記一般式(XL-1)で示される化合物の例として、具体的には下記の化合物を例示できる。この中でも有機膜の硬化性および膜厚均一性向上の観点からトリフェノールメタン、トリフェノールエタン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼンのヘキサメトキシメチル化体が好ましい。Rは前記と同じである。
Figure 2024041705000022
Figure 2024041705000023
<(E)界面活性剤>
本発明のレジスト下層膜形成用組成物には、スピンコーティングにおける塗布性を向上させるために(E)界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えば、特開2009-269953号公報中の[0142]~[0147]段落に記載のものを用いることができる。界面活性剤を添加する場合の添加量は、上記(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対して好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.05~5質量部である。
<(F)流動性促進剤>
また、本発明のレジスト下層膜形成用組成物は、更に別の化合物やポリマーをブレンドすることもできる。(F)流動性促進剤は、本発明の金属含有膜形成用化合物と混合し、スピンコーティングの成膜性や、段差を有する基板での埋め込み特性を向上させる役割を持つ。また、(F)流動性促進剤としては、炭素原子密度が高くエッチング耐性の高い材料が好ましい。
このような材料としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,3-ジメチルフェノール、2,5-ジメチルフェノール、3,4-ジメチルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール、2-tert-ブチルフェノール、3-tert-ブチルフェノール、4-tert-ブチルフェノール、2-フェニルフェノール、3-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、3,5-ジフェニルフェノール、2-ナフチルフェノール、3-ナフチルフェノール、4-ナフチルフェノール、4-トリチルフェノール、レゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、カテコール、4-tert-ブチルカテコール、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、2-プロピルフェノール、3-プロピルフェノール、4-プロピルフェノール、2-イソプロピルフェノール、3-イソプロピルフェノール、4-イソプロピルフェノール、2-メトキシ-5-メチルフェノール、2-tert-ブチル-5-メチルフェノール、ピロガロール、チモール、イソチモール、4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメチル-4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,2’ジアリル-4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフルオロ-4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフェニル-4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメトキシ-4,4’-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビスフェノール、2,3,2’,3’-テトラヒドロ-(1,1’)-スピロビインデン-6,6’-ジオール、3,3,3’,3’-テトラメチル-2,3,2’,3’-テトラヒドロ-(1,1’)-スピロビインデン-6,6’-ジオール、3,3,3’,3’,4,4’-ヘキサメチル-2,3,2’,3’-テトラヒドロ-(1,1’)-スピロビインデン-6,6’-ジオール、2,3,2’,3’-テトラヒドロ-(1,1’)-スピロビインデン-5,5’-ジオール、5,5’-ジメチル-3,3,3’,3’-テトラメチル-2,3,2’,3’-テトラヒドロ-(1,1’)-スピロビインデン-6,6’-ジオール、1-ナフトール、2-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、4-メトキシ-1-ナフトール、7-メトキシ-2-ナフトール及び1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、3-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸メチル、インデン、ヒドロキシインデン、ベンゾフラン、ヒドロキシアントラセン、アセナフチレン、ビフェニル、ビスフェノール、トリスフェノール、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4-ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、5-ビニルノルボルナ-2-エン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン等のノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルカルバゾール、ポリインデン、ポリアセナフチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロデセン、ポリテトラシクロドデセン、ポリノルトリシクレン、ポリ(メタ)アクリレート及びこれらの共重合体が挙げられる。また、特開2004-205685号公報に記載のナフトールジシクロペンタジエン共重合体、特開2005-128509号公報に記載のフルオレンビスフェノールノボラック樹脂、特開2005-250434号公報に記載のアセナフチレン共重合体、特開2006-227391号公報に記載のフェノール基を有するフラーレン、特開2006-293298号公報に記載のビスフェノール化合物及びこのノボラック樹脂、特開2006-285095号公報に記載のアダマンタンフェノール化合物及びこのノボラック樹脂、特開2010-122656号公報に記載のビスナフトール化合物及びこのノボラック樹脂、特開2017-119671号公報に記載のフルオレン化合物、特開2008-158002号公報に記載のフラーレン樹脂化合物等をブレンドすることもできる。上記(F)流動性促進剤の配合量は、本発明の(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対して0.001~100質量部が好ましく、より好ましくは0.01~50質量部である。
また、本発明のレジスト下層膜形成用組成物には、埋め込み/平坦化特性を付与するための添加剤として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール構造を有する液状添加剤、又は30℃から250℃までの間の重量減少率が40質量%以上であり、かつ重量平均分子量が300~200,000である熱分解性重合体が好ましく用いられる。この熱分解性重合体は、下記一般式(DP1)、(DP1a)で示されるアセタール構造を有する繰り返し単位を含有するものであることが好ましい。
Figure 2024041705000024
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭素数1~30の飽和もしくは不飽和の一価有機基である。Y’は炭素数2~30の飽和又は不飽和の二価有機基である。)
Figure 2024041705000025
(式中、R6aは炭素数1~4のアルキル基である。Yは炭素数4~10の飽和又は不飽和の二価炭化水素基であり、エーテル結合を有していてもよい。nは平均繰り返し単位数を表し、3~500である。)
<(G)金属酸化物ナノ粒子>
また、本発明のレジスト下層膜形成用組成物には、ドライエッチング耐性を更に向上させるために、(G)金属酸化物ナノ粒子を添加することができる。具体的には、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化スズナノ粒子、及び酸化タングステンナノ粒子からなる群から選択される金属酸化物ナノ粒子が好ましい。
上記金属酸化物ナノ粒子を選択することで、よりドライエッチング耐性に優れた金属含有膜を形成することが可能である。
前記(G)金属酸化物ナノ粒子は、100nm以下の平均一次粒径を有するものが好ましく、50nm以下の平均一次粒径がより好ましく、30nm以下の平均一次粒径がさらに好ましく、15nm以下が特に好ましい。有機溶剤中に分散させる前の前記金属酸化物ナノ粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とする。次に100個以上の粒子についてそれぞれ粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径として求めそれを平均粒径とする。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)、走査型(SEM)又は走査透過型(STEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
このような粒子径範囲であれば、レジスト下層膜形成用組成物中において、良好な分散性を発揮することが可能であり、微細パターン構造の密集部の埋め込み性/平坦化特性を劣化させることなく、金属含有膜のドライエッチング耐性を向上させることが可能である。
<酸発生剤>
本発明のレジスト下層膜形成用組成物においては、上記(A)金属含有膜形成用化合物の硬化反応を更に促進させるために酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。具体的には、特開2007-199653号公報中の[0061]~[0085]段落に記載されている材料を添加することができるがこれらに限定されない。
上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。酸発生剤を添加する場合の添加量は、上記(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対して好ましくは0.05~50質量部、より好ましくは0.1~10質量部である。
<半導体フォトレジスト材料>
また、本発明では、(A)金属含有膜形成用化合物および(B)有機溶剤を含む金属含有膜形成用組成物を用いた半導体フォトレジスト材料を提供できる。
上記組成物が、レジスト材料として利用可能な金属含有膜形成用組成物である場合、1種類以上の上記(A)金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものであればよく、必要に応じて(H)光酸発生剤、界面活性剤、クエンチャーなどの添加剤を含んでいてもよい。
以下、上記(A)金属含有膜形成用化合物、(B)有機溶剤以外の本発明の半導体フォトレジスト材料に含まれる成分について説明する。
上記(H)光酸発生剤としては、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含んでもよい。前記光酸発生剤は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいかなるものでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、オキシム-O-スルホネート型酸発生剤等がある。酸発生剤の具体例としては、例えば、特開2008-111103号公報の[0122]~[0142]段落、特開2009-080474号公報、特開2015-026064号公報、特開2021-039171号公報の[0056]~[0068]段落に記載されているものが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。酸発生剤を含む場合、その含有量は、(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対し、0.1~50質量部が好ましい。
上記クエンチャーとしては、例えば、(H)光酸発生剤から発生した酸を中和するための塩基性を有している化合物を含んでいてもよい。クエンチャーを含むことで、感度を調整できると共に、未露光域、低露光量域のレジスト膜の不溶化を防ぎ、残渣の発生を抑制するために有効である。好適なクエンチャーとしては、窒素含有化合物であり、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。クエンチャーの具体例としては、例えば、特開2021-039171号公報の[0072]~[0086]段落に記載されているものが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。クエンチャーを含む場合、その含有量は、(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対し、0.001~5質量部が好ましく、特に0.01~3質量部が好ましい。配合量が0.001質量部以上であれば十分な配合効果が得られ、5質量部以下であれば感度が低下するおそれが少ない。
更に、本発明のレジスト材料は、必要に応じて界面活性剤を添加することが可能である。このようなものとして、具体的には、上記レジスト下層膜形成用組成物と同様の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤を含む場合、その含有量は、(A)金属含有膜形成用化合物100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましい。
<レジスト下層膜形成方法>
本発明では、上述の金属含有膜形成用組成物を用い、リソグラフィーで用いられる多層レジスト膜のレジスト下層膜又は半導体製造用平坦化膜として機能する充填膜を形成することができる。
本発明の金属含有膜形成用組成物を用いたレジスト下層膜形成方法では、上記の金属含有膜形成用組成物を、スピンコート法等で被加工基板上にコーティングする。スピンコート法等を用いることで、良好な埋め込み特性を得ることができる。スピンコート後、溶剤を蒸発し、レジスト上層膜やレジスト中間膜とのミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベーク(熱処理)を行う。ベークは100℃以上600℃以下、10~600秒の範囲内で行うことが好ましく、より好ましくは200℃以上500℃以下、10~300秒の範囲内で行う。デバイスダメージやウエハーの変形への影響を考えると、リソグラフィーのウエハープロセスでの加熱温度の上限は、600℃以下とすることが好ましく、より好ましくは500℃以下である。
また、本発明の金属含有膜形成用組成物を用いたレジスト下層膜形成方法では、被加工基板上に本発明の金属含有膜形成用組成物を、上記同様スピンコート法等でコーティングし、上記金属含有膜形成用組成物を、酸素濃度0.1体積%以上21体積%以下の雰囲気中で焼成して硬化させることにより金属含有膜を形成することもできる。
本発明の金属含有膜形成用組成物をこのような酸素雰囲気中で焼成することにより、十分に硬化した膜を得ることができる。ベーク中の雰囲気としては空気中でも構わないが、酸素を低減させるためにN、Ar、He等の不活性ガスを封入しておくことは、金属含有膜の酸化を防止するために好ましい。酸化を防止するためには酸素濃度をコントロールする必要があり、好ましくは1,000ppm以下、より好ましくは100ppm以下である(体積基準)。ベーク中の金属含有膜の酸化を防止すると、吸収が増大したりエッチング耐性が低下したりすることがないため好ましい。
<金属含有膜形成用組成物を用いたパターン形成方法>
また、本発明では、上記金属含有膜形成用組成物を用いた2層レジストプロセスによるパターン形成方法として、被加工基板上に上記金属含有膜形成用組成物を用いて金属含有膜を形成し、該金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成し、該レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像してレジスト上層膜にパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで該金属含有膜にパターンを転写し、該パターンが形成された金属含有膜をマスクにして該被加工基板を加工して該被加工基板にパターンを形成するパターン形成方法を提供する。
上記2層レジストプロセスのレジスト上層膜は、塩素系ガスによるエッチング耐性を示すため、上記2層レジストプロセスにおいて、レジスト上層膜をマスクにして行う金属含有膜のドライエッチングを、塩素系ガスを主体とするエッチングガスを用いて行うことが好ましい。
図1を用いて3層レジストプロセスによるパターン形成方法について説明する。本発明では、このような金属含有膜形成用組成物を用いた3層レジストプロセスによるパターン形成方法として、図1(A)のように被加工基板1上の被加工層2に上記金属含有膜形成用組成物を用いて金属含有膜3を形成し、該金属含有膜上にレジスト中間膜材料を用いてレジスト中間膜4を形成し、該レジスト中間膜上にフォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜5を形成する。続けて図1(B)のように、前記レジスト上層膜の露光部分6をパターン露光した後、図1(C)のように、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にレジスト上層膜パターン5aを形成し、図1(D)のように、パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜にレジスト中間膜パターン4aを転写し、図1(E)のように、前記パターンが転写されたレジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜に金属含有膜パターン3aを転写し、図1(F)のように、前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板上の被加工層を加工して前記被加工基板1にパターン2aを形成するパターン形成方法を提供する。
上記3層レジストプロセスのレジスト中間膜としては、例えばケイ素含有レジスト中間膜が挙げられる。ケイ素含有レジスト中間膜は、塩素系ガスおよび水素系ガスによるエッチング耐性を示すため、上記3層レジストプロセスにおいて、ケイ素含有レジスト中間膜をマスクにして行う金属含有膜のドライエッチングを、塩素系ガスまたは水素系ガスを主体とするエッチングガスを用いて行うことが好ましい。
上記3層レジストプロセスのケイ素含有レジスト中間膜としては、ポリシロキサンベースの中間膜も好ましく用いられる。ケイ素含有レジスト中間膜に反射防止効果を持たせることによって、反射を抑えることができる。特に193nm露光用としては、有機膜として芳香族基を多く含み基板とのエッチング選択性の高い材料を用いると、k値が高くなり基板反射が高くなるが、ケイ素含有レジスト中間膜として適切なk値になるような吸収を持たせることで反射を抑えることが可能になり、基板反射を0.5%以下にすることができる。反射防止効果があるケイ素含有レジスト中間膜としては、248nm、157nm露光用としてはアントラセン、193nm露光用としてはフェニル基又はケイ素-ケイ素結合を有する吸光基をペンダントし、酸あるいは熱で架橋するポリシロキサンが好ましく用いられる。
加えて、本発明では、このような金属含有膜形成用組成物を用いた4層レジストプロセスによるパターン形成方法として、被加工基板上に、上記金属含有膜形成用組成物を用いて金属含有膜を形成し、該金属含有膜上に、ケイ素含有レジスト中間膜材料を用いてケイ素含有レジスト中間膜を形成し、該ケイ素含有レジスト中間膜上に、有機反射防止膜(BARC)又は密着膜を形成し、該BARC又は密着膜上にフォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成し、該レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記BARC又は密着膜、及び前記ケイ素含有レジスト中間膜にパターンを転写し、該パターンが転写されたケイ素含有レジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写し、該パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程を有するパターン形成方法を提供する。
また、ケイ素含有レジスト中間膜の代わりに無機ハードマスク中間膜を形成してもよく、この場合には、少なくとも、被加工体上に本発明の金属含有膜形成用組成物を用いて金属含有膜を形成し、該金属含有膜の上にケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、ケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜を形成し、該無機ハードマスク中間膜の上にフォトレジスト組成物を用いてレジスト上層膜を形成して、該レジスト上層膜に回路パターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして無機ハードマスク中間膜をエッチングし、該パターンが形成された無機ハードマスク中間膜をマスクにして金属含有膜をエッチングし、さらに、該パターンが形成された金属含有膜をマスクにして被加工体をエッチングして該被加工体にパターンを形成することで、基板に半導体装置回路パターンを形成できる。
上記のように、金属含有膜の上に無機ハードマスク中間膜を形成する場合は、CVD法やALD法等で、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜(SiON膜)を形成できる。例えばケイ素窒化膜の形成方法としては、特開2002-334869号公報、国際公開第2004/066377号に記載されている。無機ハードマスクの膜厚は5~200nmが好ましく、より好ましくは10~100nmである。また、無機ハードマスクとしては、反射防止膜としての効果が高いSiON膜が最も好ましく用いられる。SiON膜を形成する時の基板温度は300~500℃となるために、金属含有膜としては300~500℃の温度に耐える必要がある。本発明で用いる金属含有膜形成用組成物は、高い耐熱性を有しており300℃~500℃の高温に耐えることができるため、CVD法又はALD法で形成された無機ハードマスク中間膜と、回転塗布法で形成された金属含有膜の組み合わせが可能である。
上記のように、無機ハードマスク中間膜の上にレジスト上層膜としてフォトレジスト膜を形成してもよいが、無機ハードマスク中間膜の上に有機反射防止膜(BARC)又は密着膜をスピンコートで形成して、その上にフォトレジスト膜を形成してもよい。特に、無機ハードマスクとしてSiON膜を用いた場合、SiON膜とBARCの2層の反射防止膜によって1.0を超える高NAの液浸露光においても反射を抑えることが可能となる。BARCを形成するもう一つのメリットとしては、SiON膜直上でのフォトレジストパターンの裾引きを低減させる効果があることである。
加えて、本発明では、このような金属含有膜形成用組成物を用いた多層レジストプロセスによるパターン形成方法として、被加工基板上に、レジスト下層膜を形成し、該レジスト下層上に、本発明の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成し、該金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成し、該レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、該レジスト上層膜にパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、該パターンが転写された金属含有膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写し、さらに該パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成することで、基板に半導体装置回路パターンを形成できる。
上記のように、金属含有膜の上にレジスト上層膜としてフォトレジスト膜を形成してもよいが、金属含有膜の上に有機密着膜をスピンコートで形成して、その上にフォトレジスト膜を形成してもよい。
上記のように、被加工基板上にレジスト下層膜を形成する場合は、塗布型有機下層膜材料を用いた方法や、CVD法やALD法等で、レジスト下層膜を形成できる。塗布型有機下層膜材料としては、特開2012-001687号公報、特開2012-077295号公報、特開2004-264710号公報、特開2005-043471号公報、特開2005-250434号公報、特開2007-293294号公報、特開2008-065303号公報、特開2004-205685号公報、特開2007-171895号公報、特開2009-014816号公報、特開2007-199653号公報、特開2008-274250号公報、特開2010-122656号公報、特開2012-214720号公報、特開2014-029435号公報、国際公開第2012/077640号、国際公開第2010/147155号、国際公開第2012/176767号、特開2005-128509号公報、特開2006-259249号公報、特開2006-259482号公報、特開2006-293298号公報、特開2007-316282号公報、特開2012-145897号公報、特開2017-119671号公報、特開2019-044022号公報などに示されている樹脂、組成物を例示することができる。
上記多層レジストプロセスにおけるレジスト上層膜は、ポジ型でもネガ型でもどちらでもよく、通常用いられているフォトレジスト組成物と同じものを用いることができる。フォトレジスト組成物をスピンコート後、プリベークを行うが、60~180℃で10~300秒の範囲が好ましい。その後常法に従い、露光を行い、さらに、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像を行い、レジストパターンを得る。なお、レジスト上層膜の厚さは特に制限されないが、30~500nmが好ましく、特に50~400nmが好ましい。
また、露光光としては、波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3~20nmの軟X線、電子ビーム、X線等を挙げることができる。
上記レジスト上層膜のパターン形成方法として、波長が5nm以上300nm以下の光リソグラフィー、電子線による直接描画、ナノインプリンティングまたはこれらの組み合わせによるパターン形成とすることが好ましい。
また、前記パターン形成方法における現像方法を、アルカリ現像または有機溶剤による現像とすることが好ましい。
次に、得られたレジストパターンをマスクにしてエッチングを行う。3層レジストプロセスにおけるケイ素含有レジスト中間膜や無機ハードマスク中間膜のエッチングは、フロン系のガスを用いて上層レジストパターンをマスクにして行う。これにより、ケイ素含有レジスト中間膜パターンや無機ハードマスク中間膜パターンを形成する。
次いで、得られたケイ素含有レジスト中間膜パターンや無機ハードマスク中間膜パターンをマスクにして、金属含有膜のエッチング加工を行う。金属含有膜のエッチング加工は塩素系ガスを主体とするエッチングガスを用いて行うことが好ましい。
次の被加工体のエッチングも、常法によって行うことができ、例えば被加工体がSiO、SiN、シリカ系低誘電率絶縁膜であればフロン系ガスを主体としたエッチングを行う。基板加工をフロン系ガスでエッチングした場合、3層レジストプロセスにおけるケイ素含有レジスト中間膜パターンは基板加工と同時に剥離される。
本発明の金属含有膜形成用組成物によって得られる金属含有膜は、これら被加工体エッチング時のエッチング耐性に優れる特徴がある。
なお、被加工体(被加工基板)としては、特に限定されるものではなく、Si、α-Si、p-Si、SiO、SiN、SiON、W、TiN、Al等の基板や、該基板上に被加工層が成膜されたもの等が用いられる。被加工層としては、Si、SiO、SiON、SiN、p-Si、α-Si、W、W-Si、Al、Cu、Al-Si等種々のLow-k膜及びそのストッパー膜が用いられ、通常50~10,000nm、特に100~5,000nmの厚さに形成し得る。なお、被加工層を成膜する場合、基板と被加工層とは、異なる材質のものが用いられる。
本発明の金属含有膜形成用組成物を用いたパターン形成方法は、高さ30nm以上の構造体又は段差を有する被加工基板を用いることが好ましい。上述のように、本発明の金属含有膜形成用組成物は、埋め込み/平坦化特性に優れるため、被加工基板に高さ30nm以上の構造体又は段差(凹凸)があっても、平坦な硬化膜を形成することができる。上記被加工体基板の有する構造体又は段差の高さは30nm以上が好ましく、50nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることがより好ましい。上記高さのパターンを有する段差基板を加工する方法において、本発明の金属含有膜形成用組成物を成膜して埋込/平坦化を行うことにより、その後成膜されるレジスト中間膜、レジスト上層膜の膜厚を均一にすることが可能となるため、フォトリソグラフィー時の露光深度マージン(DOF)確保が容易となり、非常に好ましい。
<金属含有膜形成用組成物を用いたトーン反転式パターン形成方法>
図2を用いて金属含有膜形成用組成物を用いたトーン反転式パターン形成方法について説明する。本発明では、このような金属含有膜形成用組成物を用いたトーン反転式パターン形成方法として、図2(G)のように被加工基板1上の被加工層2に、レジスト下層膜7を形成し、該レジスト下層膜7上に、レジスト中間膜4、又はケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせを形成し、前記レジスト中間膜4、又は無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせ上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜5を形成する。続けて図2(H)のように、前記レジスト上層膜の露光部分6をパターン露光した後、図2(I)のように、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にレジスト上層膜パターン5aを形成し、図2(J)のように、前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜、又は前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にレジスト中間膜パターン4a又は無機ハードマスク中間膜パターンを転写し、図2(K)のように、前記パターンが転写されたレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にレジスト下層膜パターン7aを転写し、図2(L)のように、前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上に、上記金属含有膜形成用組成物を用いて金属含有膜8を被覆し、前記レジスト下層膜パターン7a間を前記金属含有膜8で充填し、図2(M)のように、前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上を覆う前記金属含有膜を化学的ストリッパ又はドライエッチングでエッチバックして反転した金属含有膜パターン8aを形成し、パターンが形成された前記レジスト下層膜の上面を露出し、図2(N)のように、前記レジスト下層膜パターン7a上面に残っているレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をドライエッチングで除去し、図2(O)のように、表面が露出した前記パターンが形成された前記レジスト下層膜をドライエッチングで除去し、元のパターンの反転パターンを金属含有膜に形成し、図2(P)のように、前記反転パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工層を加工して前記被加工層に反転パターン2bを形成する工程を有するトーン反転式パターン形成方法を提供する。
上記のように、被加工基板上にレジスト下層膜を形成する場合は、塗布型有機下層膜材料を用いた方法や、CVD法やALD法等で、レジスト下層膜を形成できる。塗布型有機下層膜材料としては、特開2012-001687号公報、特開2012-077295号公報、特開2004-264710号公報、特開2005-043471号公報、特開2005-250434号公報、特開2007-293294号公報、特開2008-065303号公報、特開2004-205685号公報、特開2007-171895号公報、特開2009-014816号公報、特開2007-199653号公報、特開2008-274250号公報、特開2010-122656号公報、特開2012-214720号公報、特開2014-029435号公報、国際公開第2012/077640号、国際公開第2010/147155号、国際公開第2012/176767号、特開2005-128509号公報、特開2006-259249号公報、特開2006-259482号公報、特開2006-293298号公報、特開2007-316282号公報、特開2012-145897号公報、特開2017-119671号公報、特開2019-044022号公報などに示されている樹脂、組成物を例示することができる。
上記トーン反転式パターン形成方法では、得られたレジスト下層膜パターン上に金属含有膜形成用組成物を被覆した後、レジスト下層膜パターン上面を露出させるために塩素系ガスを主体としたドライエッチングガスを用いて金属含有膜を除去することが好ましい。その後、上記レジスト下層膜上に残っているレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をフロン系ガスによるドライエッチングで除去し、表面の露出したレジスト下層膜パターンを酸素系ガスによるドライエッチングで除去し、金属含有膜パターンを形成する。
上記トーン反転式パターン形成方法では、レジスト下層膜パターンは高さ30nm以上の構造体又は段差を有することが好ましい。上述のように、本発明の金属含有膜形成用組成物は、埋め込み/平坦化特性に優れるため、被加工膜に高さ30nm以上の構造体又は段差(凹凸)があっても、平坦な硬化膜を形成することができる。上記レジスト下層膜パターンの構造体又は段差の高さは30nm以上が好ましく、50nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることがより好ましい。上記高さのパターンを有するレジスト下層膜パターンを反転する方法において、本発明の金属含有膜形成用組成物を成膜して埋込/平坦化を行うことにより、パターンの反転/転写を高精度で行うことが可能となるため、非常に好ましい。従来の塗布型有機下層膜材料を用いたレジスト下層膜に対して、フロン系ガスを用いたドライエッチング耐性に優れるため、レジスト下層膜パターンを上記金属含有膜形成用組成物で反転することにより、所望のレジストパターンを被加工膜に高精度で形成することができる。
<フォトレジスト材料を用いたパターン形成方法>
また、本発明では、上記レジスト材料を用いたパターン形成方法として、上記のレジスト材料を基板上に塗布する工程(s1)、加熱処理を行う工程(s2)、高エネルギー線で露光する工程(s3)、及び現像液を用いて現像する工程(s4)を含むパターン形成方法を提供する。なお、加熱処理工程は、塗布後の処理に加えて、露光後にも適用してよい。露光後の加熱処理は、高感度化や高コントラスト化に有効である。
工程(s1)において、レジスト材料を基板上に塗布する方法としては特に限定はされず、既存の方法によって行うことができる。例えば、集積回路製造用の基板あるいは該基板上の被加工層(Si、SiO、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等)や、マスク回路製造用の基板あるいは該基板上の被加工層(Cr、CrO、CrON、MoSi、SiO等)上に、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01~2.0μmとなるように塗布することができる。
工程(s2)において、加熱処理を行う方法としては特に限定はされないが、例えば、ホットプレート上で60~400℃、10秒~30分間、好ましくは100~350℃、30秒~20分間プリベークすることによって行うことができる。
レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程(s3)において、高エネルギー線としては、波長3~15nmの極端紫外線、又は加速電圧1~250kVの電子線が、感度、解像性の観点より好ましい。高エネルギー線の照射により、Sn原子にC原子を介して結合した有機基が乖離されながらラジカルを生成し、このように生成されたラジカルは-Sn-O-Sn-結合を形成して、縮合重合反応を開始することによって、金属含有膜の硬化が進行し、現像液に対する溶解性が変化するものと考えられる。
現像工程(s4)において、現像液は特に限定されず、用いるレジスト材料によって適当な現像液を選択することができるが、有機溶剤が好ましい。現像液として、具体的には2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル及び酢酸2-フェニルエチルから選ばれる1種以上の有機溶剤を含有し、これら有機溶剤の総濃度が現像液総量に対して60質量%以上であることが好ましい。
このような有機溶剤を含有する現像液を用いた場合、未露光部分が溶解し、露光部分がパターンとして残る、ネガ型パターンが形成され得る。
以下、合成例、比較合成例、実施例、及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、分子量及び分散度としては、テトラヒドロフランを溶離液としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、分散度(Mw/Mn)を求めた。
[合成例]
以下の合成例および比較合成例には、下記に示す原材料群G:(G1)~(G14)を用いた。
原材料群G:(G1)~(G14)を以下に示す。
Figure 2024041705000026
[合成例1]金属含有膜形成用化合物(A―1)の合成
ジブチルスズオキシド5.0g、カルボン酸(G1)11.0gとトルエン100gを加え、水を抜きながら7時間還流した。反応後減圧下で溶媒を除去し、ヘキサンを加えて濾過、洗浄を行った。回収した固体を70℃で真空乾燥することで化合物(A-1)を得た。
(A―1):Mw=254、Mw/Mn=1.18
Figure 2024041705000027
[合成例2~12、比較合成例1、2]化合物(A-2)~(A-12)、比較例用化合物(R-1)~(R-2)の合成
表1~表3に示される仕込み量で上記化合物群Gとジブチルスズオキシドを使用した以外は、合成例1と同じ反応条件で表1~表3に示される化合物(A-2)~(A-12)、比較例用化合物(R-1)~(R-2)を得た。(A-10)、(R-1)、(R-2)については液体であるためトルエンの除去のみ行った。これらの化合物の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2024041705000028
Figure 2024041705000029
Figure 2024041705000030
Figure 2024041705000031
[比較例用金属含有膜形成用化合物(R-3)の合成]
ブチルスズトリクロリド8.0gを室温で攪拌し、アクリル酸10gを滴下した。滴下後80℃に昇温し、7時間攪拌した。反応終了後減圧化でアクリル酸を除去し、(R-3)を得た。
(R―3):Mw=51、Mw/Mn=1.14
Figure 2024041705000032
[比較例用金属含有膜形成用化合物(R-4)の合成]
本発明の金属含有膜形成用化合物とは異なる金属を有する化合物として特許第6189758号公報の[合成例A-II]で報告されているチタン化合物を合成した。
チタンテトライソプロポキシド(東京化成工業(株)製)284gのIPA500g溶液に攪拌しながら、脱イオン水27gのIPA500g溶液を室温で2時間かけて滴下した。得られた溶液に2-メチル-2,4-ペンタンジオール120gを添加し、室温で30分攪拌した。この溶液を減圧下、30℃で濃縮した後、更に60℃まで加熱し、減圧下、留出物が出なくなるまで加熱を続けた。留出物が見られなくなったところで、PGMEA1,200gを加え、40℃、減圧下でIPAが留出しなくなるまで加熱し、チタン含有化合物(R-4)のPGMEA溶液1,000g(化合物濃度20質量%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=1,100であった。
[比較例用有機膜形成用樹脂(R-5)の合成]
窒素雰囲気下、1,5-ジヒドロキシナフタレン160.2g、ホルムアルデヒド56.8g、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)300gを加え、内温100℃で均一化した。その後、あらかじめ混合し均一化したパラトルエンスルホン酸・一水和物8.0gとPGME8.0gの混合液をゆっくりと滴下し、内温80℃で8時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却しMIBK2,000mlを加え、純水500mlで6回洗浄を行い、有機層を減圧乾固した。残渣にTHF300gを加え均一溶液とした後、ヘキサン2,000gに晶出した。沈降した結晶をろ過で分別し、ヘキサン500gで2回洗浄を行い回収した。回収した結晶を70℃で真空乾燥することで樹脂(R-5)を得た。
GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、以下のような結果となった。
(R-5):Mw=3,300、Mw/Mn=2.54
Figure 2024041705000033
[金属含有膜形成用組成物UDL-1]
金属含有膜形成用化合物(A-1)を、界面活性剤FC-4430(住友スリーエム(株)製)0.5質量%を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とシクロヘキサノン(CyHO)の混合溶媒に表5に示す割合で溶解させ、0.02μmのメンブレンフィルターで濾過することによって金属含有膜形成用組成物(UDL-1)を調製した。
[金属含有膜形成用組成物(UDL-2~15)、比較例用金属含有膜形成用組成物(比較UDL-1~5)の調製]
各成分の種類及び含有量を表5に示す通りとした以外は、UDL-1と同様に操作し、各薬液を調製した。なお、表5中、「-」は該当する成分を使用しなかったことを示す。架橋剤には下記式(C-1)、(C-2)を使用し、酸発生剤(TAG)には下記式(F-1)を使用し、高沸点溶剤(D-1)には1,6-ジアセトキシヘキサン:沸点260℃を使用し、流動性促進剤には、流動性促進剤用ポリマー(BP-1)を用いた。
[架橋剤]
金属含有膜形成用組成物に用いた架橋剤(C-1)を以下に示す。架橋剤(C-2)には、Dipentaerythritol Hexaacrylate(東京化成工業(株)製)を用いた。
Figure 2024041705000034
[熱酸発生剤]
金属含有膜形成用組成物に用いた熱酸発生剤(F-1)を以下に示す。
Figure 2024041705000035
[流動性促進剤用ポリマー合成例]流動性促進剤用ポリマー(BP-1)の合成
窒素雰囲気下、クレゾールノボラック20.0g、炭酸カリウム27.6g、DMF100gを加え、内温50℃で均一分散液とした。プロパルギルブロミド11.9gをゆっくりと加え、内温50℃で24時間反応を行った。反応液にメチルイソブチルケトン300mlと純水300gを加え析出した塩を溶解させた後、分離した水層を除去した。さらに有機層を3%硝酸水溶液100gおよび純水100gで6回洗浄を行った後、有機層を減圧乾固することで樹脂(BP-1)を得た。
GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求めたところ、以下のような結果となった。
(BP-1):Mw=8,500、Mw/Mn=3.46
Figure 2024041705000036
Figure 2024041705000037
[耐熱性評価と溶剤耐性評価(実施例1-1~1-15、比較例1-1~1-5)]
上記で調製した金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15、比較UDL-1~5)をシリコン基板上に塗布し、100℃で60秒間焼成した後、膜厚(a[nm])を測定した。続いて、表6に示す各ベーク温度で60秒間焼成した後、膜厚(b[nm])を測定し、追加ベーク処理前後の膜厚差(残膜率:(b/a)×100)を求めた。
さらに、その上にPGMEA溶剤をディスペンスし、30秒間放置しスピンドライ、100℃で60秒間ベークしてPGMEAを蒸発させ、膜厚(c[nm])を測定した。PGMEA処理前後の膜厚差(残膜率:(c/b)×100)を求めた。結果を以下の表6に示す。
Figure 2024041705000038
表6に示されるように、本発明の金属含有膜形成用組成物(実施例1-1~1-15)は、高温追加ベーク処理後の残膜率((b/a)×100)が40%以上であり、レジスト下層膜に求められる高温ベーク耐性を有していることがわかった。また、高温追加ベーク処理した膜は、PGMEAリンス処理後の残膜率((c/b)×100)が95%以上あり、架橋反応が起き十分な溶剤耐性を発現していることがわかる。特に、上記一般式(2)で示される構造の化合物(UDL-2~6、8、10~12)は熱硬化性に優れ、残膜率が99%以上の結果を示した。一方、比較例1-1で用いた比較UDL-1は架橋基を有していないため耐熱性が不十分であり、高温追加ベーク処理後の残膜率((b/a)×100)が5%以下であった。また、本発明の化合物と同様の末端架橋基を有するが、上記一般式(1)とは異なる有機基を持つ比較UDL-2および比較UDL-3を用いた比較例1-2、1-3の場合も同様に耐熱性が不十分であり、高温ベーク後の残膜が5nm以下であった。
本発明の金属含有膜形成用化合物とは異なる金属を有する化合物として特許第6189758号公報の[合成例A-II]で報告されているチタン化合物である比較UDL-4を用いた比較例1-4は、十分な溶剤耐性を示したが、高温追加ベーク処理前後の膜厚差が大きく、本発明の金属含有膜形成用化合物に対して高温ベークによる体積収縮が大きいことがわかった。
[埋め込み特性評価(実施例2-1~2-15、比較例2-1~2-2)]
上記の溶剤耐性評価で追加ベーク後の成膜性が良好であった金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15及び、比較UDL-4~5)をそれぞれ、密集ライン&スペースパターン(ライン線幅40nm、ライン深さ120nm、隣り合う二つのラインの中心間の距離80nm)を有するSiOウエハー基板上に塗布し、ホットプレートを用いて表7に示す温度で60秒間加熱し、膜厚100nmの金属含有膜を形成した。使用した基板は図3(Q)(俯瞰図)及び(R)(断面図)に示すような密集ライン&スペースパターンを有する下地基板9(SiOウエハー基板)である。得られた各ウエハー基板の断面形状を、(株)日立製作所製電子顕微鏡(S-4700)を用いて観察し、ライン間を充填した金属含有膜内部にボイド(空隙)が存在していないかを確認した。結果を表7に示す。埋め込み特性に劣る金属含有膜形成用組成物を用いた場合は、本評価において、ライン間を充填した金属含有膜内部にボイドが発生する。埋め込み特性が良好な金属含有膜形成用組成物を用いた場合は、本評価において、図3(S)に示されるように密集ライン&スペースパターンを有する下地基板9のライン間を充填した金属含有膜内部にボイドのない金属含有膜10が充填される。
Figure 2024041705000039
表7に示されるように、本発明の金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15)を使用した実施例2-1~2-15では、ボイドを発生することなく、密集ライン&スペースパターンを充填することが可能であり、良好な埋め込み特性を有することが確認できた。一方で、特許第6189758号公報の[合成例A-II]で報告されているチタン化合物である比較UDL-4を用いた比較例2-1では、パターンの底部にボイドが観察された。上記溶剤耐性評価で観察されたように、高温ベークによる体積収縮が大きいため、ボイドが発生したと推察される。また、比較UDL-5を用いた比較例2-2は、ボイドが発生しなかった。
[平坦化特性評価(実施例3-1~3-15、比較例3-1~3-2)]
図4(T)に示すような密集ライン&スペースパターンを有する下地基板11(SiOウエハー基板)に対し、図4(U)のように上記埋め込み特性評価で得られた各ウエハー基板の断面形状を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、ラインパターン密集部分と非ラインパターン形成部分の充填膜12の段差Delta 12を、(株)日立製作所製電子顕微鏡(S-4700)を用いて観察した。結果を表8に示す。本評価において、段差が小さいほど、平坦化特性が良好であるといえる。
Figure 2024041705000040
表8に示されるように、本発明の金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15)を使用した実施例3-1~3-15は、有機レジスト下層膜材料である比較UDL-5を使用した比較例3-2に対してパターン部分と非パターン部分の膜の段差が小さく、平坦化特性に優れることが確認された。特に、末端架橋基に上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかを含む化合物を用いた組成物が、優れた平坦化特性を示すことがわかった。例えば、水酸基を持つ化合物(A-2)を含むUDL-2と、(a-3)で示される構造の架橋基を持つ化合物(A-3)を含むUDL-3を比較した場合、UDL-3の方が優れた平坦化特性を示している。つまり、末端架橋基に上記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかを含むことで、熱流動性が向上し、優れた平坦化特性を発現することがわかる。
また、流動性促進剤(BP-1)を添加したUDL-13、高沸点溶剤(D-1)を添加したUDL-14は特に優れた平坦化特性を示した。これら添加剤を用いることで金属含有膜形成用化合物の熱流動性をさらに向上できることがわかる。
また、比較UDL-4を用いた比較例3-1は、平坦性が悪かった。
[エッチング耐性評価(実施例4-1~4-15、比較例4-1~4-2)]
上記の溶剤耐性評価で追加ベーク後の成膜性が良好であった金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15及び、比較UDL-4~5)をシリコン基板上に塗布し、ホットプレートを用いて表9に示す温度で60秒間加熱し、膜厚100nmの金属含有膜を形成し、膜厚Aを測定した。次いで、ULVAC製エッチング装置CE-300Iを用いた下記条件でCFガス、OガスおよびClでのエッチングを指定秒数間行い、膜厚Bを測定し、1分間にエッチングされる膜厚(膜厚A-膜厚B)を算出した。結果を表9に示す。
CFガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:100W
バイアスRFパワー:15W
CFガス流量:15sccm
時間:30sec
ガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:300W
バイアスRFパワー:0W
ガス流量:25sccm
時間:20sec
Clガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:320W
バイアスRFパワー:30W
Clガス流量:25sccm
時間:10sec
Figure 2024041705000041
表9に示されるように、本発明の金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15)を使用した実施例4-1~4-15は、有機レジスト下層膜材料である比較UDL-5を使用した比較例4-2に対して優れたCFエッチング耐性およびOエッチング耐性を示すことがわかった。また、CFおよびOガスを用いたエッチングに対して優れた耐性を示す一方、Clガスを用いたエッチングで優れた除去性を示すことがわかった。比較UDL-4を使用した比較例4-1は優れたエッチング耐性を示した。
[パターン形成方法(実施例5-1~5-15、比較例5-1~5-2)]
上記の溶剤耐性評価で追加ベーク後の成膜性が良好であった金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15及び、比較UDL-4~5)を、それぞれ、トレンチパターン(トレンチ幅10μm、トレンチ深さ0.10μm)を有するSiOウエハー基板上に塗布し、大気中、250℃で60秒焼成し、膜厚100nmの金属含有膜を形成した。その上にケイ素原子含有レジスト中間膜材料(SOG-1)を塗布して220℃で60秒間ベークして膜厚35nmのレジスト中間膜を形成し、その上にレジスト上層膜材料のArF用単層レジストを塗布し、105℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト膜を形成した。フォトレジスト膜上に液浸保護膜材料(TC-1)を塗布し90℃で60秒間ベークし膜厚50nmの保護膜を形成した。
ケイ素原子含有レジスト中間膜材料(SOG-1)としてはArF珪素含有中間膜ポリマー(SiP1)で示されるポリマー、及び熱架橋触媒(CAT1)を、FC-4430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表10に示す割合で溶解させ、孔径0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、ケイ素原子含有レジスト中間膜材料(SOG-1)を調製した。
Figure 2024041705000042
ケイ素原子含有レジスト中間膜材料(SOG-1)に用いたポリマー(SiP1)、熱架橋触媒(CAT1)を以下に示す。
Figure 2024041705000043
レジスト上層膜材料(ArF用単層レジスト)としては、ポリマー(RP1)、酸発生剤(PAG1)、塩基性化合物(Amine1)を、界面活性剤FC-4430(住友スリーエム(株)製)0.1質量%を含む溶媒中に表11の割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって調製した。
Figure 2024041705000044
レジスト上層膜材料(ArF用単層レジスト)に用いたポリマー(RP1)、酸発生剤(PAG1)、及び塩基性化合物(Amine1)を以下に示す。
Figure 2024041705000045
液浸保護膜材料(TC-1)としては、保護膜ポリマー(PP1)を有機溶剤中に表12の割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって調製した。
Figure 2024041705000046
液浸保護膜材料(TC-1)に用いた保護膜ポリマー(PP1)を以下に示す。
Figure 2024041705000047
次いで、ArF液浸露光装置((株)ニコン製;NSR-S610C、NA1.30、σ0.98/0.65、35度ダイポールs偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、55nm1:1のポジ型のラインアンドスペースパターン(レジストパターン)を得た。
次いで、ドライエッチングによりレジストパターンをマスクにしてレジスト中間膜をエッチング加工してハードマスクパターンを形成し、得られたハードマスクパターンをマスクにして金属含有膜をエッチングして金属含有膜パターンを形成し、得られた金属含有膜パターンをマスクにしてSiO膜のエッチング加工を行った。エッチング条件は下記に示すとおりである。
レジストパターンのレジスト中間膜への転写条件。
CFガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:100W
バイアスRFパワー:15W
CFガス流量:15sccm
時間:60sec
ハードマスクパターンの金属含有膜への転写条件。
Clガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:320W
バイアスRFパワー:30W
Clガス流量:25sccm
時間(実施例5-1~実施例5-15):15sec
時間(比較例5-1および比較例5-2):60sec
金属含有膜パターンのSiO膜への転写条件。
CFガスでのドライエッチング条件
圧力:1Pa
アンテナRFパワー:100W
バイアスRFパワー:15W
CFガス流量:15sccm
時間:100sec
パターン断面を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S-4700)にて観察した結果を表13に示す。
Figure 2024041705000048
表13に示されるように、本発明の金属含有膜形成用組成物(UDL-1~15)を使用した実施例5-1~5-15では、いずれの場合もレジスト上層膜パターンが最終的に基板まで良好に転写されており、本発明の金属含有膜形成用組成物は多層レジスト法による微細加工に好適に用いられることが確認された。一方で、埋め込み特性評価、及び平坦化特性評価において性能の不足が確認された比較UDL-4を用いた比較例5-1はパターン加工時にパターン倒れが発生し、最終的に良好なパターンを得ることができなかった。また、埋め込み特性、平坦化特性評価は問題ないが、ドライエッチング耐性評価において性能の不足が確認された比較UDL-5を用いた比較例5-2はパターン加工時にパターン形状のヨレが派生し、最終的に良好なパターンを得ることができなかった。
[電子ビーム露光評価]
シリコンウエハー基板上に、上記金属含有膜形成用組成物として、UDL-8および比較UDL-2をそれぞれ塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚40nmの金属含有膜を形成した。
次いで、ELS-F125((株)エリオニクス社製)を用いて加速電圧125kVで露光量を変化させて真空チャンバー内描画を行った。描画後、直ちに100℃で60秒間ベーク(PEB)し、2-へプタノンで30秒間パドル現像を行い、ネガ型レジストとしてのコントラストカーブを得た。結果を図5に示す。
本発明の金属含有膜形成用組成物を用いたUDL-8では、露光量の増加と共に現像液に対する溶解性が低下することが確認された。一方、比較UDL-2では、露光量の増加による膜の不溶化が不十分である結果となった。
以上のことから、本発明の金属含有膜形成用化合物は熱流動性と熱硬化性を高度に両立した有機スズ化合物であるため、これを用いた金属含有膜形成用組成物は、従来のレジスト下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つレジスト下層膜材料を提供することができ、多層レジスト法に用いるレジスト下層膜材料およびトーン反転式エッチング方法に用いる反転剤として極めて有用である。また、硬化性に優れるため、上記化合物をレジスト材料に用いた場合、EUV及び電子線リソグラフィーにおいて、高感度かつ高解像度な金属含有レジスト材料を提供することができることが明らかとなった。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]:半導体製造に用いられる金属含有膜形成用組成物に用いる金属含有膜形成用化合物であって、
前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものであることを特徴とする金属含有膜形成用化合物。
Figure 2024041705000049
(前記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは下記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを表す。)
Figure 2024041705000050
(前記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは下記一般式(1A)であり、pは1または2を表し、*はSn原子との結合部を表す。)
Figure 2024041705000051
(前記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び下記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6を表し、*は結合部を表す。)
Figure 2024041705000052
(前記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*はYとの結合部を表す。)
[2]:前記一般式(1)中、Wが下記一般式(1B)で示される構造であることを特徴とする上記[1]の金属含有膜形成用化合物。
Figure 2024041705000053
(前記一般式(1B)中、RA1は前記一般式(a-1)で示される構造であり、RA2は水酸基、前記一般式(a-2)、及び(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、rは1~10であり、uは0または1であり、mは0または1であり、*は結合部を表す。)
[3]:前記一般式(1)中、Xが炭素数2~20の不飽和炭化水素であることを特徴とする上記[1]又は上記[2]の金属含有膜形成用化合物。
[4]:前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(2)で示されるものであることを特徴とする上記[1]から上記[3]のいずれか1つ金属含有膜形成用化合物。
Figure 2024041705000054
(前記一般式(2)中、RおよびRは水素原子または炭素数1~20の1価の有機基であり、RおよびRが互いに結合し、それらが結合する炭素原子と共に環状置換基を形成していてもよい。Q、Wは前記と同じである。)
[5]:前記金属含有膜形成用化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率Mw/Mnが、1.00≦Mw/Mn≦1.30であることを特徴とする上記[1]から上記[4]のいずれか1つの金属含有膜形成用化合物。
[6]:半導体製造に用いられるレジスト下層膜材料およびレジスト材料として機能する金属含有膜形成用組成物であって、上記[1]から上記[5]のいずれか1つの(A)金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものであることを特徴とする金属含有膜形成用組成物。
[7]:前記金属含有膜形成用組成物が、多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜として利用可能な金属含有膜形成用組成物であって、更に(C)架橋剤、(D)高沸点溶剤、(E)界面活性剤、及び(F)流動性促進剤のうち1種以上を含有するものであることを特徴とする上記[6]の金属含有膜形成用組成物。
[8]:前記(D)高沸点溶剤が、沸点が180℃以上の有機溶剤1種以上であることを特徴とする上記[7]の金属含有膜形成用組成物。
[9]:前記金属含有膜形成用組成物が、更に(G)100nm以下の平均一次粒形を有する金属酸化物ナノ粒子を含むものであることを特徴とする上記[6]から上記[8]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物。
[10]:前記(G)金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化スズナノ粒子、及び酸化タングステンナノ粒子からなる群から選択されるものであることを特徴とする上記[9]の金属含有膜形成用組成物。
[11]:被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(I-1)被加工基板上に、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(I-2)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(I-3)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(I-4)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(I-5)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
[12]:被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(II-1)被加工基板上に、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(II-2)前記金属含有膜上に、レジスト中間膜を形成する工程、
(II-3)前記レジスト中間膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(II-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(II-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜にパターンを転写する工程、
(II-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(II-7)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
[13]:被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(III-1)被加工基板上に、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(III-2)前記金属含有膜上に、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜を形成する工程、
(III-3)前記無機ハードマスク中間膜上に、有機薄膜を形成する工程、
(III-4)前記有機薄膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(III-5)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(III-6)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(III-7)前記パターンが転写された無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
(III-8)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
[14]:前記無機ハードマスク中間膜が、CVD法又はALD法によって形成されることを特徴とする上記[13]のパターン形成方法。
[15]:被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(IV-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
(IV-2)前記レジスト下層上に、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
(IV-3)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(IV-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(IV-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、
(IV-6)前記パターンが転写された金属含有膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(IV-7)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
[16]:被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(V-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
(V-2)前記レジスト下層膜上に、レジスト中間膜、又はケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせを形成する工程、
(V-3)前記レジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせ上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(V-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(V-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜、又は前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(V-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、
(V-7)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上に、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を被覆し、前記レジスト下層膜パターン間を前記金属含有膜で充填する工程、
(V-8)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上を覆う前記金属含有膜を化学的ストリッパ又はドライエッチングでエッチバックし、パターンが形成された前記レジスト下層膜の上面を露出させる工程、
(V-9)前記レジスト下層膜上面に残っているレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をドライエッチングで除去する工程、
(V-10)表面が露出した前記パターンが形成された前記レジスト下層膜をドライエッチングで除去し、元のパターンの反転パターンを金属含有膜に形成する工程、
(V-11)前記反転パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板に反転パターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
[17]:上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物を基板上に塗布し、加熱処理をしてレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
[18]:前記現像液として、有機溶剤を含むことを特徴とする上記[17]のパターン形成方法。
[19]:前記現像液として、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル及び酢酸2-フェニルエチルから選ばれる1種以上の有機溶剤を含むことを特徴とする上記[18]のパターン形成方法。
[20]:前記高エネルギー線として、波長3~15nmの極端紫外線を用いることを特徴とする上記[17]から上記[19]のいずれか1つのパターン形成方法。
[21]:前記高エネルギー線として、加速電圧1~250kVの電子線を用いることを特徴とする上記[17]から上記[19]のいずれか1つのパターン形成方法。
[22]:半導体フォトレジスト材料であって、上記[6]から上記[10]のいずれか1つの金属含有膜形成用組成物がさらに(H)光酸発生剤を含むものであることを特徴とする半導体フォトレジスト材料。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…被加工基板、 2…被加工層、
2a…パターン(被加工層に形成されるパターン)、 2b…反転パターン、
3…金属含有膜、 3a…金属含有膜パターン、 4…レジスト中間膜、
4a…レジスト中間膜パターン、 5…レジスト上層膜、
5a…レジスト上層膜パターン、 6…露光部分、
7…レジスト下層膜、 7a…レジスト下層膜パターン、 8…金属含有膜、
8a…反転した金属含有膜パターン、
9…密集ライン&スペースパターンを有する下地基板、 10…金属含有膜、
11…密集ライン&スペースパターンを有する下地基板、
12…充填膜、
Delta 12…ラインパターン密集部分と非ラインパターン形成部分の充填膜の段差。
また、本発明は、半導体製造に用いられるレジスト下層膜材料および/又はレジスト材料として機能する金属含有膜形成用組成物であって、(A)上記の金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものである金属含有膜形成用組成物を提供する。
メラミン系架橋剤として、具体的には、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
アクリレート系架橋剤として、具体的には、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラートを例示できる。
グリコールウリル系架橋剤として、具体的には、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリル、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
ベンゾグアナミン系架橋剤として、具体的には、テトラメトキシメチル化ベンゾグアナミン、テトラブトキシメチル化ベンゾグアナミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
ウレア系架橋剤として、具体的には、ジメトキシメチル化ジメトキシエチレンウレア、このアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体を例示できる。
β-ヒドロキシアルキルアミド系架橋剤として具体的には、N,N,N’,N’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)アジピン酸アミドを例示できる。
イソシアヌレート系架橋剤として具体的には、トリグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートを例示できる。
アジリジン系架橋剤として具体的には、4,4’-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオナート]を例示できる。
オキサゾリン系架橋剤として具体的には、2,2’-イソプロピリデンビス(4-ベンジル-2-オキサゾリン)、2,2’-イソプロピリデンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2’-メチレンビス-4,5-ジフェニル-2-オキサゾリン、2,2’-メチレンビス-4-フェニル-2-オキサゾリン、2,2’-メチレンビス-4-tertブチル-2-オキサゾリン、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、1,3-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、1,4-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2-イソプロペニルオキサゾリン共重合体を例示できる。
エポキシ系架橋剤として具体的には、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを例示できる。

Claims (22)

  1. 半導体製造に用いられる金属含有膜形成用組成物に用いる金属含有膜形成用化合物であって、
    前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(M-1)または(M-2)で示されるものであることを特徴とする金属含有膜形成用化合物。
    Figure 2024041705000055
    (前記一般式(M-1)および(M-2)中、T、TおよびTは下記一般式(1)であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、Qは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の3~20のシクロアルキル基、1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを表す。)
    Figure 2024041705000056
    (前記一般式(1)中、Xは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の3価の有機基のいずれかであり、Wは下記一般式(1A)であり、pは1または2を表し、*はSn原子との結合部を表す。)
    Figure 2024041705000057
    (前記一般式(1A)中、Yはヘテロ原子で置換されていてもよい、炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、Rは水酸基、及び下記一般式(a-1)から(a-3)で示される構造のいずれかであり、hは1~6を表し、*は結合部を表す。)
    Figure 2024041705000058
    (前記一般式(a-1)から(a-3)中、Rは水素原子または1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*はYとの結合部を表す。)
  2. 前記一般式(1)中、Wが下記一般式(1B)で示される構造であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
    Figure 2024041705000059
    (前記一般式(1B)中、RA1は前記一般式(a-1)で示される構造であり、RA2は水酸基、前記一般式(a-2)、及び(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、rは1~10であり、uは0または1であり、mは0または1であり、*は結合部を表す。)
  3. 前記一般式(1)中、Xが炭素数2~20の不飽和炭化水素であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
  4. 前記金属含有膜形成用化合物が下記一般式(2)で示されるものであることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
    Figure 2024041705000060
    (前記一般式(2)中、RおよびRは水素原子または炭素数1~20の1価の有機基であり、RおよびRが互いに結合し、それらが結合する炭素原子と共に環状置換基を形成していてもよい。Q、Wは前記と同じである。)
  5. 前記金属含有膜形成用化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率Mw/Mnが、1.00≦Mw/Mn≦1.30であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
  6. 半導体製造に用いられるレジスト下層膜材料および/又はレジスト材料として機能する金属含有膜形成用組成物であって、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の(A)金属含有膜形成用化合物及び(B)有機溶剤を含有するものであることを特徴とする金属含有膜形成用組成物。
  7. 前記金属含有膜形成用組成物が、多層レジスト法に用いられるレジスト下層膜として利用可能な金属含有膜形成用組成物であって、更に(C)架橋剤、(D)高沸点溶剤、(E)界面活性剤、及び(F)流動性促進剤のうち1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物。
  8. 前記(D)高沸点溶剤が、沸点が180℃以上の有機溶剤1種以上であることを特徴とする請求項7に記載の金属含有膜形成用組成物。
  9. 前記金属含有膜形成用組成物が、更に(G)100nm以下の平均一次粒形を有する金属酸化物ナノ粒子を含むものであることを特徴とする請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物。
  10. 前記(G)金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化スズナノ粒子、及び酸化タングステンナノ粒子からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項9に記載の金属含有膜形成用組成物。
  11. 被加工基板にパターンを形成する方法であって、
    (I-1)被加工基板上に、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
    (I-2)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
    (I-3)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
    (I-4)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
    (I-5)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  12. 被加工基板にパターンを形成する方法であって、
    (II-1)被加工基板上に、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
    (II-2)前記金属含有膜上に、レジスト中間膜を形成する工程、
    (II-3)前記レジスト中間膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
    (II-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
    (II-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜にパターンを転写する工程、
    (II-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
    (II-7)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  13. 被加工基板にパターンを形成する方法であって、
    (III-1)被加工基板上に、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
    (III-2)前記金属含有膜上に、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜を形成する工程、
    (III-3)前記無機ハードマスク中間膜上に、有機薄膜を形成する工程、
    (III-4)前記有機薄膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
    (III-5)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
    (III-6)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
    (III-7)前記パターンが転写された無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、及び
    (III-8)前記パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  14. 前記無機ハードマスク中間膜が、CVD法又はALD法によって形成されることを特徴とする請求項13に記載のパターン形成方法。
  15. 被加工基板にパターンを形成する方法であって、
    (IV-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
    (IV-2)前記レジスト下層上に、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を形成する工程、
    (IV-3)前記金属含有膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
    (IV-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
    (IV-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記金属含有膜にパターンを転写する工程、
    (IV-6)前記パターンが転写された金属含有膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
    (IV-7)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  16. 被加工基板にパターンを形成する方法であって、
    (V-1)被加工基板上に、レジスト下層膜を形成する工程、
    (V-2)前記レジスト下層膜上に、レジスト中間膜、又はケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせを形成する工程、
    (V-3)前記レジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせ上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
    (V-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
    (V-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜、又は前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
    (V-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、
    (V-7)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上に、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を塗布後、熱処理することにより金属含有膜を被覆し、前記レジスト下層膜パターン間を前記金属含有膜で充填する工程、
    (V-8)前記パターンが形成された前記レジスト下層膜上を覆う前記金属含有膜を化学的ストリッパ又はドライエッチングでエッチバックし、パターンが形成された前記レジスト下層膜の上面を露出させる工程、
    (V-9)前記レジスト下層膜上面に残っているレジスト中間膜、又は無機ハードマスク中間膜をドライエッチングで除去する工程、
    (V-10)表面が露出した前記パターンが形成された前記レジスト下層膜をドライエッチングで除去し、元のパターンの反転パターンを金属含有膜に形成する工程、
    (V-11)前記反転パターンが形成された金属含有膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板に反転パターンを形成する工程
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  17. 請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物を基板上に塗布し、加熱処理をしてレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
  18. 前記現像液として、有機溶剤を用いることを特徴とする請求項17に記載のパターン形成方法。
  19. 前記現像液として、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル及び酢酸2-フェニルエチルから選ばれる1種以上の有機溶剤を用いることを特徴とする請求項18に記載のパターン形成方法。
  20. 前記高エネルギー線として、波長3~15nmの極端紫外線を用いることを特徴とする請求項17に記載のパターン形成方法。
  21. 前記高エネルギー線として、加速電圧1~250kVの電子線を用いることを特徴とする請求項17に記載のパターン形成方法。
  22. 半導体フォトレジスト材料であって、請求項6に記載の金属含有膜形成用組成物がさらに(H)光酸発生剤を含むものであることを特徴とする半導体フォトレジスト材料。
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