JP2024034457A - 樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果が良好な樹脂成形体を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係る樹脂成形体は、樹脂組成物の電子線架橋体からなり、上記樹脂組成物が、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満である。【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂成形体に関する。
ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂は、耐薬品性、耐熱性、耐候性、非粘着性などの材質的に優れた特徴を有することから、フッ素樹脂を用いた樹脂成形体は多く利用されている。
一方、フッ素樹脂は電気抵抗が高く、静電気を帯びて埃を吸着しやすいという性質がある。このような静電気の帯電を防止するには、導電性を持たせることが有効である。従来技術においては、フッ素樹脂組成物に帯電防止性を付与する方法として、例えばテトラフルオロエチレン重合体組成物に炭素粉末、炭素繊維粉末等の炭素材料を混合する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特公平06-094525号公報
本開示の一態様に係る樹脂成形体は、樹脂組成物の電子線架橋体からなり、上記樹脂組成物が、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満である。
[発明が解決しようとする課題]
上記のような導電性の炭素粉末、炭素繊維粉末等の炭素材料粉末を混合して帯電防止性を付与する方法においては、添加量を多くすると、均一に樹脂中に分散させることが容易でないという課題がある。一方、炭素材料としてカーボンナノチューブを用いるとコストが上昇する。このため、より少ない添加量の炭素材料で電気抵抗を低減し、帯電抑制性能を向上することが求められている。
本開示は、少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできる樹脂成形体を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示の樹脂成形体は少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る樹脂成形体は、樹脂組成物の電子線架橋体からなり、上記樹脂組成物が、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満である。
当該樹脂成形体は、樹脂組成物が主成分としてフッ素樹脂を含有することで、耐薬品性、耐熱性、耐候性、非粘着性が良好である。一方、フッ素樹脂は電気抵抗が高く、静電気を帯びて埃を吸着しやすいという性質がある。これに対し、当該樹脂成形体は少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできる。
発明者らはカーボンナノチューブをフッ素樹脂に分散させて成形体を形成したのちに電子線照射することで照射前の100分の1から1000分の1まで電気抵抗を下げることを発見し、本発明に至った。
この電子線照射による電気抵抗の低下の理由は定かではないが、以下のような理由が推測される。フッ素樹脂中に少量分散されたカーボンナノチューブ同士は一部のものは接触しているものの、ほとんどのものは接続しておらず、フッ素樹脂に隔てられている。ここに電子線照射をすると、カーボンナノチューブの両端にある官能基同士およびカーボンナノチューブの端部の官能基とフッ素樹脂の間に架橋構造が生じる。この架橋が電気の流路を形成することが考えられる。
また成形体を貫く電子の流れにより生じた電界の作用でカーボンナノチューブのフッ素樹脂成形体内の分布に再配置が起こること、あるいは、カーボンナノチューブ同士の間のフッ素樹脂に微少な絶縁破壊が生じることなどが考えられる。
本開示において、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%を超える成分をいう。
上記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体又はこれらの組み合わせであり、上記樹脂組成物が架橋助剤をさらに含有し、上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これらのテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン及びトリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体の融点は、一般的な架橋助剤の沸点との差異が著しく大きくないため、樹脂組成物の架橋をより促進することができる。そのため、上記樹脂組成物が1質量%以上5質量%以下の架橋助剤を含有することで、当該樹脂成形体の電気抵抗の低減効果をより高め、帯電抑制性能をより向上できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の好適な実施形態について説明する。
<樹脂成形体>
当該樹脂成形体は、樹脂組成物の電子線架橋体からなる。上記樹脂組成物は主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する。当該樹脂成形体は、上記樹脂組成物の電子線架橋体からなることで、少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にでき、帯電抑制性能を向上できる。当該樹脂成形体は、高い耐熱性と耐薬品性を持ち帯電抑制性能を向上できることから、半導体製造ラインにおける構成部品材料等に好適に用いることができる。
[樹脂組成物]
樹脂組成物は主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する。
(フッ素樹脂)
上記樹脂組成物が主成分としてフッ素樹脂を含有することで、当該樹脂成形体は、耐薬品性、耐熱性、耐候性、非粘着性が良好である。フッ素樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、トリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。
上記樹脂組成物におけるフッ素樹脂の含有量の下限としては、51質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましく、75質量%がよりさらに好ましい。上記フッ素樹脂の含有量が上記範囲であることで、当該樹脂成形体の耐薬品性、耐熱性、耐候性、非粘着性等をより向上できる。
上記樹脂組成物の樹脂成分は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記フッ素樹脂以外の他の共重合性モノマーに由来する重合単位を含んでいてもよい。例えばパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等の共重合性モノマーの重合単位を含んでいてもよい。上記他の共重合性モノマーに由来する重合単位の含有割合の上限としては、上記フッ素樹脂を構成する全重合単位に対して、例えば3モル%である。
上記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、フッ素樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
(カーボンナノチューブ)
上記樹脂組成物は、カーボンナノチューブ(CNT)を含有する。上記樹脂組成物がカーボンナノチューブを含有することで、電気抵抗の低減効果が高い。
カーボンナノチューブは、グラフェン系炭素であり、樹脂組成物において導電剤として機能する成分である。カーボンナノチューブとしては、例えば1層のグラフェンにより形成されるシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、2層以上(例えば2層から20層、典型的には2層から60層)のグラフェンにより形成されるマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)等が挙げられる。グラフェン系炭素の構造は特に限定されず、カイラル(らせん)型、ジグザグ型、アームチェア型の何れのタイプであってもよい。樹脂組成物がカーボンナノチューブを含有することは、電子顕微鏡での観察により確認することができる。
樹脂組成物におけるカーボンナノチューブの含有量の下限としては、0.3質量%であり、0.5質量%がより好ましく、0.8質量%がさらに好ましい。カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%未満であると、分散が良くても電気抵抗値が10の14乗を超える値になりやすく、電子線照射によって電気抵抗を1/100倍~1/1000倍にまで下げたとしても、帯電防止効果があると言われる値である10の12乗以下にすることは困難である。一方、樹脂組成物におけるカーボンナノチューブの含有量は、3.0質量%未満であり、2.5質量%以下がより好ましい。カーボンナノチューブの含有量を3.0質量%未満とすることで、電子線照射による電気抵抗の低減効果を良好にできる。
カーボンナノチューブの平均直径としては、特に限定されないが、樹脂組成物の導電性を向上する観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましく、10nm以下がよりさらに好ましい。
カーボンナノチューブの平均長さとしては、取扱いが容易であることや、より良好な導電性を発揮すること等の観点から、1μm以上500μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、1μm以上20μm以下がさらに好ましい。
なお、上記平均直径及び平均長さとは、電子顕微鏡で観察される任意の10個のカーボンナノチューブの平均値とする。
(架橋助剤)
上記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体又はこれらの組み合わせである場合、当該樹脂成形体は架橋助剤をさらに含有してもよい。これらのテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン及びトリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体の融点は、架橋助剤の沸点との差異が著しく大きくないため、樹脂組成物の架橋をより促進することができる。これにより、当該樹脂成形体の電気抵抗の低減効果をより高め、帯電抑制性能をより向上できる。
上記樹脂組成物における架橋助剤の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が1質量%以上であることで、電気抵抗の低減効果をより高めることができる。上記樹脂組成物における架橋助剤の含有量の上限としては、5質量%が好ましい。上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が5質量%以下であることで、上記樹脂組成物における架橋助剤の分散性を良好にできる。
架橋助剤としては、例えばトリアリルイソシアヌレート(TAIC)、ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等のアリル化合物類;p-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム類;エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルメタクリレート、トリメタクリルイソシアヌレート等のアクリレート又はメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。これらの中でも、架橋促進効果の観点から、アリル化合物類が好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
[樹脂成形体の製造方法]
当該樹脂成形体の製造方法は、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を用いて成形する工程と、上記成形する工程で得られた成形体に対して電子線を照射する工程とを備える。
上記樹脂成形体の製造方法は、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を電子線の照射により架橋するので、成形性を良好に維持しつつ、少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできる樹脂成形体を製造できる。また、上記樹脂組成物は、任意の添加剤として架橋助剤を含有していてもよい。
(成形する工程)
成形する工程では、上述のように主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を樹脂成形体として用いられる部材の形状に成形する。上記樹脂組成物は、上記フッ素樹脂及びカーボンナノチューブと、必要により加えられる任意成分とを混練機等により混合して作製される。混練機としては公知の混練機を用いることができる。
上記樹脂組成物を成形する方法としては、特に限定されず、公知の押出成形、射出成形、切削工程等を用いることができる。成形する工程での成形方法としては、射出成形が好ましい。
(電子線を照射する工程)
電子線を照射する工程では、上述のように成形する工程で得られた成形体に対して電子線を照射する。
電子線は上記成形体を構成する樹脂組成物に照射される。この電子線の照射により樹脂組成物の架橋が進み、得られる樹脂成形体の電気抵抗の低減効果を高めることができる。
電子線を照射する工程での電子線の照射線量としては、50kGy以上250kGy以下が好ましく、100kGy以上240kGy以下がより好ましい。上記電子線の照射線量が50kGy未満であると、得られる樹脂成形体の電気抵抗の低減効果が十分に向上しないおそれがある。一方、上記電子線の照射線量が250kGyを超えると、電子線照射の費用対効果が十分得られないおそれがある。
上記電子線を照射する工程における電子線を照射する条件としては、無酸素雰囲気又は酸素雰囲気であるかを問わない。また、対象となる樹脂成形体が溶融状態であるか否かを問わない。
当該樹脂成形体によれば、少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験No.1~No.12及びNo.13~No.16]
(1)樹脂プレートの作製
樹脂組成物の材料として、下記に示すテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE、融点220℃)及びカーボンナノチューブ(CNT)を用いた。また、任意の添加剤として、架橋助剤としてのトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を用いた。表1に示す含有割合の材料を混合機としてブラベンダー社製「プラスチコーダー」を用いて混合した。混合条件としては、50mlの混合容器に対して混合量を40mlとした。具体的には、230℃でETFE及びCNTの混合粉末を混練した。なお、No.9及びNo.10は、CNT及びTAICが無添加の樹脂組成物を用いた。また、No.13~No.16として、CNTの含有量が10質量%の試験例を準備した。TAICを混練する場合は、回転トルクの低下と目視でETFEの溶融を確認後に、TAICを少量ずつ添加した。そして、全成分を添加後、50rpmで5分混練して混合物を得た後、ペレット化した。得られたペレットを用いて、樹脂成形体として型締め力18tの射出成形機(住友重機械工業社製)で厚さ2mm、20mm×50mmの長方形の樹脂プレート(樹脂板)を作製した。
用いたETFE及びCNTの材料名は以下の通りである。
ETFE:AGC社製ETFE樹脂LM-2150(粉末)
CNT:OCSiAl社製TUBALL SWCNT(微粉末)
(2)電子線照射
次に、この樹脂プレートに、表1に示す照射線量[kGy]の電子線を照射した。電子線照射条件としては、加速電圧1.5MeV、1回の照射線量を20kGyとし、照射回数により全体の照射線量を調整した。電子線を照射した条件は空気雰囲気で、加熱及び冷却を伴わない常温とした。このようにしてNo.1~No.16の樹脂成形体を得た。なお、照射線量0kGyは、電子線非照射であることを示す。
[評価]
(体積抵抗率)
(1)試験No.1~No.4及びNo.13~No.16
得られた試験No.1~No.4及びNo.13~No.16の樹脂成形体の体積抵抗率は、JIS-K6911:1995に準拠して、各試験例の樹脂プレートを用いて三端子法(二重リング法)により測定した。具体的な試験条件は以下の通りである。結果を表1に示す。
測定条件:印加電圧DC10V、60秒
測定数n=1
試験環境:23±2℃、50±5%RH
測定装置:高抵抗率計
三菱化学アナリテック社製「ハイレスターUP MCP-HT4500」
URSプローブ電極(電極直径;φ6mm)
三菱化学アナリテック社製「MCP-HTP14」
(2)試験No.5~No.12
得られた試験No.5~No.12の樹脂成形体の体積抵抗率は、JIS-K6911:1995に準拠して、各試験例の樹脂プレートを用いて測定した。具体的な試験条件は以下の通りである。結果を表1に示す。
測定条件:印加電圧DC500V、60秒
測定温度23℃
電極寸法 主電極直径φ60mm、環状電極内径φ70mm、
裏電極φ80mm
電極材質;導電性ゴム
測定数n=1
試験環境:23±2℃、50±5%RH
測定装置:超絶縁計
横河ヒューレットパッカード社製「4329A」
Figure 2024034457000001
表1に示すように、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満であるNo.2及びNo.4に、電子線を照射したNo.1及びNo.3は、帯電抑制効果が得られる範囲まで電気抵抗の低減効果が得られた。また、電子線照射することによる電気抵抗の低減効果が得られたのはNo.1及びNo.3のみであった。
一方、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満であっても、電子線架橋体でないNo.2及びNo.4は、No.1及びNo.3と比較して電気抵抗が高かった。また、上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%未満であるNo.5~No.8及び上記カーボンナノチューブを含有しないNo.9~No.12は電気抵抗が高く、電子線架橋体とすることによる電気抵抗の低減効果は見られなかった。
なお、CNTの含有量が10質量%と多く含有されているNo.13~No.16は、電気抵抗の低減効果は高いものの、電子線架橋体とすることによる効果は得られなかった。
以上の結果から、当該樹脂成形体は少量のカーボンナノチューブを用いて、電気抵抗の低減効果を良好にできることが示された。

Claims (2)

  1. 樹脂組成物の電子線架橋体からなり、
    上記樹脂組成物が、主成分としてのフッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含有し、
    上記カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上3.0質量%未満である樹脂成形体。
  2. 上記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン-エチレン共重合体又はこれらの組み合わせであり、
    上記樹脂組成物が架橋助剤をさらに含有し、
    上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が1質量%以上5質量%以下である請求項1に記載の樹脂成形体。
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