JP2024029878A - ポンプ制御装置 - Google Patents

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紘充 小浦
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Abstract

【課題】ポンプからアクチュエータに供給される油の流量を、ポンプの回転数に応じた適切な量に設定する。【解決手段】ポンプ制御装置1は、ポンプ21と、アクチュエータ25と、コントローラ40と、を備える。ポンプ21は、動力源17に回転駆動されることで油を吐出する。ポンプ21は、容量を変更可能である。アクチュエータ25は、ポンプ21が吐出した油が供給されることで作動する。コントローラ40は、アクチュエータ25の操作内容に応じてポンプ21の容量を制御する。コントローラ40は、ポンプ21の容量の単位時間当たりの変化量であるポンプ容量変化量Δqの大きさの上限値Rを、ポンプ21の回転数(N)に応じて変える。【選択図】図6

Description

本発明は、アクチュエータに油を供給するポンプを制御するポンプ制御装置に関する。
例えば特許文献1には、従来のポンプに関する技術が記載されている。同文献に記載の技術では、アクチュエータ(同文献では油圧シリンダ)の起動時に、ポンプからアクチュエータに供給される油の流量の増加の割合が徐々に大きくされる。これにより、アクチュエータの起動時のショックを低減しつつ良好な加速性を得ることが図られる(同文献の要約を参照)。
特開2005-139658号公報
ポンプからアクチュエータに供給される油の流量は、ポンプの回転数によって変わる。しかし、同文献に記載の発明では、ポンプの回転数は考慮されていない。そのため、ポンプの回転数によっては、アクチュエータの起動時のショック低減効果、およびアクチュエータの加速性を得る効果が適切に得られないおそれがある。また、アクチュエータの起動時のショック以外にも、ポンプからアクチュエータに供給される油の流量が急変することによる問題が生じる場合がある(詳細は後述)。
そこで、本発明は、ポンプからアクチュエータに供給される油の流量を、ポンプの回転数に応じた適切な量に設定することができる、ポンプ制御装置を提供することを目的とする。
ポンプ制御装置は、ポンプと、アクチュエータと、コントローラと、を備える。前記ポンプは、動力源に回転駆動されることで油を吐出し、容量を変更可能である。前記アクチュエータは、前記ポンプが吐出した油が供給されることで作動する。前記コントローラは、前記アクチュエータの操作内容に応じて前記ポンプの容量を制御する。前記コントローラは、前記ポンプの容量の単位時間当たりの変化量であるポンプ容量変化量の大きさの上限値を、前記ポンプの回転数に応じて変える。
上記構成により、ポンプからアクチュエータに供給される油の流量を、ポンプの回転数に応じた適切な量に設定することができる。
ポンプ制御装置1の作業機械10を横から見た図である。 図1に示すポンプ制御装置1の回路図である。 図2に示す操作部31の操作量と、ポンプ21の目標ポンプ容量qrとの関係を示すグラフである。 図2に示す操作部31の操作量、およびポンプ21のポンプ容量qの、時間変化を示すグラフである。 図2に示す操作部31の操作量、およびポンプ21のポンプ吐出流量Qの、時間変化を示すグラフであって、上限値Rが一定の場合のグラフである。 図2に示すポンプ21のポンプ回転数Nに対する、上限値Rおよびポンプ吐出流量変化量ΔQの関係を示すグラフである。 図5相当図であり、図2に示すポンプ21のポンプ回転数Nに応じて上限値Rが変わる場合のグラフである。 図2に示すコントローラ40の処理のフローチャートである。
図1~図8を参照して、ポンプ制御装置1について説明する。
ポンプ制御装置1は、図2に示すポンプ21を制御する装置である。ポンプ制御装置1は、作業機械10(図1参照)と、操作部31と、操作量検出部33と、コントローラ40と、を備える。
作業機械10は、図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルでもよく、クレーンでもよい。以下では、主に、作業機械10がショベルである場合について説明する。作業機械10は、運転室13a(後述)内の操作者(オペレータ、作業者)に操作されてもよく、作業機械10の外部の操作者に遠隔操作されてもよく、自動運転により操作されてもよい。作業機械10は、下部走行体11と、上部旋回体13と、アタッチメント15と、動力源17と、油圧回路20(図2参照)と、を備える。
下部走行体11は、走行面(地面など)を走行可能である。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。
上部旋回体13は、下部走行体11に旋回(上下方向に延びる回転軸を中心に回転)可能に搭載される。上部旋回体13は、運転室13aを備える。運転室13aは、操作者が作業機械10を操作することが可能な部分(操作室)である。
アタッチメント15は、作業を行う部分であり、例えば、ブーム15aと、アーム15bと、先端アタッチメント15cと、を備える。ブーム15aは、上部旋回体13に起伏可能(上下方向に回転可能)に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント15cは、アタッチメント15の先端部に設けられ、アーム15bに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント15cは、例えば作業対象物をすくう作業や掘削などを行うバケットでもよく、作業対象物を挟む装置(グラップル、ニブラなど)でもよく、作業対象物の破砕などを行う装置(ブレーカなど)でもよい。
動力源17は、ポンプ21(図2参照)を駆動する。動力源17は、作業機械10に搭載され、上部旋回体13に搭載される。動力源17は、内燃機関(エンジン)でもよく、電動機でもよい。図2に示す動力源17は、回転数(回転速度)(さらに詳しくは出力軸17aの回転数)を変更可能である。動力源17の回転数は、操作者の操作に応じて(任意に)変更されてもよく、コントローラ40に制御されてもよい。動力源17は、出力軸17aを備える。出力軸17aは、動力源17の駆動により回転する軸部材である。
油圧回路20は、アクチュエータ25を制御する回路である。油圧回路20は、作業機械10(図1参照)に搭載され、上部旋回体13(図1参照)に搭載される。油圧回路20は、ポンプ21と、ポンプ容量制御部23と、アクチュエータ25と、コントロールバルブ27と、を備える。
ポンプ21は、動力源17に回転駆動されることで油を吐出する油圧ポンプである。ポンプ21は、動力源17に回転駆動されることで、タンクから油を吸い込み、油を吐出する。ポンプ21は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。ポンプ21は(さらに詳しくはポンプ21の入力軸は)、動力源17の出力軸17aに接続される。ポンプ21は、出力軸17aに直結されてもよい。ポンプ21の回転数(ポンプ回転数N)は、動力源17の出力軸17aの回転数と等しくてもよい。ポンプ21は、変速機(減速機または増速機)を介して出力軸17aに接続されてもよい。変速機の変速比(減速比または増速比)が一定の場合、ポンプ回転数Nは、動力源17の回転数に比例してもよい。
このポンプ21の容量(ポンプ容量q)は、変更可能である(ポンプ容量qについては図4参照、以下のポンプ容量qについても同様)。ポンプ容量qは、ポンプ21の入力軸が1回転したときにポンプ21が吐出する油の流量と等しい。具体的には例えば、ポンプ21の入力軸に対する斜板(図示なし)の傾転角が変更されることで、ポンプ容量q(傾転容量)が変更される。
ポンプ容量制御部23(レギュレータ)は、ポンプ容量qを制御する。ポンプ容量制御部23は、ポンプ容量制御部23に入力される指令(ポンプ容量指令)に応じて、ポンプ容量qを制御する。ポンプ容量指令は、例えば、コントローラ40が出力する電気信号であり、具体的には例えば、電流値(ポンプ容量指令電流(傾転角指令電流))などである。ポンプ容量制御部23は、電気信号のポンプ容量指令に基づいて(電気信号を変換することなく)ポンプ容量qを変えるように構成されてもよい。ポンプ容量制御部23は、ポンプ容量指令を電気信号からパイロット圧力(油圧)に変換し、パイロット圧力に基づいてポンプ容量qを変えるように構成されてもよい。ポンプ容量制御部23が、電気信号をパイロット圧力に変換する場合の具体例は、次の通りである。この場合、ポンプ容量制御部23は、ポンプ容量変更弁23aと、ポンプ容量変更装置23bと、を備える。
ポンプ容量変更弁23aは、入力された電気信号をパイロット圧力(油圧)に変換する弁である。ポンプ容量変更弁23aは、電磁比例弁でもよく、電磁比例弁でなくてもよい。
ポンプ容量変更装置23bは、ポンプ容量変更弁23aが出力したパイロット圧力に応じて、ポンプ容量qを(例えばポンプ21の傾転角を)変える。
アクチュエータ25は、ポンプ21から吐出された油(作動油)が供給されることで作動する油圧アクチュエータである。アクチュエータ25は、作業機械10(図1参照)を作動させる。アクチュエータ25は、油が通る流路(油路)を介してポンプ21に接続される。例えば、図1に示すように、アクチュエータ25は、ブームシリンダ25aと、アームシリンダ25bと、先端アタッチメントシリンダ25cと、走行モータ25dと、旋回モータ25eと、を備える。ブームシリンダ25aは、上部旋回体13に対してブーム15aを起伏させる。ブームシリンダ25aは、油が供給されることで伸縮する伸縮シリンダ(油圧シリンダ)である(アームシリンダ25bおよび先端アタッチメントシリンダ25cも同様)。アームシリンダ25bは、ブーム15aに対してアーム15bを回転させる。先端アタッチメントシリンダ25cは、アーム15bに対して先端アタッチメント15cを回転させる。先端アタッチメント15c自体が、例えば物を挟む装置などのように駆動可能である場合、先端アタッチメント15cを駆動させるためのシリンダやモータが設けられてもよい。走行モータ25dは、下部走行体11を走行させ、例えばクローラを駆動させる。走行モータ25dは、油が供給されることで回転する油圧モータである(旋回モータ25eも同様)。旋回モータ25eは、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させる。なお、図2では、アクチュエータ25の構成要素のうち、2つの油圧シリンダのみを図示した。
コントロールバルブ27は、アクチュエータ25の作動を制御するバルブである。コントロールバルブ27は、ポンプ21とアクチュエータ25との間(油路における間)に設けられる。コントロールバルブ27は、油の流れる方向(油路)を切り換える方向切換弁であり、作動させるアクチュエータ25を切り換え、アクチュエータ25の作動の方向(例えば伸縮方向または回転方向)を切り換える。コントロールバルブ27は、アクチュエータ25に供給される油の流量を変え、アクチュエータ25の作動速度を変えてもよい。
操作部31は、アクチュエータ25を操作するための部分である。作業機械10(図1参照)を操作者が操作する場合は、操作部31は、運転室13a(図1参照)内に設けられてもよく、遠隔操作を行う装置(遠隔操作部)に設けられてもよい。操作部31は、レバー(操作レバー)でもよく、ペダル(操作ペダル)でもよい。操作部31は、アクチュエータ25を操作するための指令(操作指令)を出力する。操作部31は、操作指令をコントロールバルブ27に出力し、コントロールバルブ27を制御(操作)することで、アクチュエータ25を操作する。操作部31が出力する操作指令は、パイロット圧力でもよい。この場合、操作部31は、油圧リモコン弁を備える油圧レバーでもよい。操作部31が出力する操作指令は、電気信号でもよい。この場合、操作部31は、電気ジョイスティックでもよい。
操作量検出部33は、操作部31の操作量を検出する。以下では、操作部31の操作量を単に「操作量」ともいう。操作者が作業機械10を操作する場合は、操作量検出部33は、操作部31の操作角度(例えばレバーやペダルの角度)を検出してもよい。例えば、操作量に応じたパイロット圧力(油圧リモコン弁の2次圧)を操作部31が出力する場合、操作量検出部33は、このパイロット圧力を検出してもよい。例えば、操作量に応じた電気信号を操作部31が出力する場合、操作量検出部33は、この電気信号を検出してもよい。この場合、操作量検出部33は、コントローラ40でもよい。
なお、作業機械10(図1参照)が自動運転により操作される場合は、操作部31および操作量検出部33は、コントローラ40でもよい。例えば、操作部31としてのコントローラ40(自動運転を制御する機能)が、アクチュエータ25の操作の内容を決定し、操作量検出部33としてのコントローラ40が、アクチュエータ25の操作の内容を取得してもよい。
コントローラ40は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ40の機能は、コントローラ40の記憶部(図示なし)に記憶されたプログラムが演算部(図示なし)で実行されることにより実現される。例えば、コントローラ40は、作業機械10の自動運転を行う機能を有してもよい。コントローラ40は、コントロールバルブ27に指令を出力することで、アクチュエータ25を操作してもよい。コントローラ40は、様々な制御を行う。例えば、コントローラ40は、単位時間あたりのポンプ容量qの変化量(ポンプ容量変化量Δq)の大きさの上限値Rを、ポンプ回転数Nに応じて変える制御(後述)を行う。上記単位時間は、コントローラ40の1制御周期でも、秒でも、分でもよい(以下の「単位時間」も同様)。コントローラ40の全体または一部は、作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部に配置されてもよい。コントローラ40は、操作内容取得部41と、ポンプ回転数取得部43と、ポンプ容量演算部45と、ポンプ容量指令部47と、を備える。
操作内容取得部41は、操作部31の操作内容を取得する。操作内容取得部41が取得する「操作内容」は、操作部31の操作の有無の情報を含む。操作内容取得部41が取得する「操作内容」は、操作部31の操作の対象となるアクチュエータ25(1または複数)の、操作方向、および操作量の情報を含む。操作内容取得部41は、操作量検出部33から検出結果(例えば電気信号)を取得する。作業機械10が自動運転される場合は、操作内容取得部41は、操作部31としてのコントローラ40(自動運転制御部)が設定した操作内容を取得してもよい。
ポンプ回転数取得部43は、ポンプ回転数Nを取得する。ポンプ回転数取得部43は、ポンプ21の入力軸のポンプ回転数Nの検出値を取得してもよい。ポンプ回転数取得部43は、動力源17の回転数(例えばエンジン回転数)を取得することで、ポンプ回転数Nを取得してもよい。この場合、例えば、ポンプ回転数取得部43は、動力源17の回転数の検出値を取得してもよく、コントローラ40から動力源17への回転数の指令を取得してもよい。動力源17の回転数とポンプ回転数Nとが互いに異なる場合は、ポンプ回転数取得部43は、動力源17の回転数に基づいてポンプ回転数Nを算出してもよい。
ポンプ容量演算部45は、コントローラ40からポンプ容量制御部23に指令するポンプ容量qを演算する。ポンプ容量演算部45は、操作内容取得部41が取得した操作部31の操作内容、および、ポンプ回転数取得部43が取得したポンプ回転数Nに基づいて、ポンプ容量qを演算(算出、決定)する(詳細は後述)。
ポンプ容量指令部47は、ポンプ容量qを指令する。さらに詳しくは、ポンプ容量指令部47は、ポンプ容量演算部45が算出したポンプ容量qの指令(ポンプ容量指令)を、ポンプ容量制御部23に出力する。ポンプ容量指令部47が出力するポンプ容量指令は、例えば電気信号(例えば電流値)である。
(作動)
ポンプ制御装置1は、以下のように作動するように構成される。以下では主に、コントローラ40のポンプ容量演算部45の作動について説明する。
(操作内容に応じた目標ポンプ容量qrの算出)
例えば、コントローラ40は、ポジティブコントロール制御を行う。さらに詳しくは、コントローラ40は、操作部31の操作内容(操作量など)に応じて、ポンプ容量qの目標値(目標ポンプ容量qr)を算出する(目標ポンプ容量qrについては図3参照(以下の目標ポンプ容量qrについても同様))。具体的には例えば、操作部31の操作内容と、目標ポンプ容量qrに関する情報と、の関係(マップ(例えばポジコンマップ)など)が、コントローラ40に予め設定される。上記「目標ポンプ容量qrに関する情報」は、目標ポンプ容量qrでもよく、実質的に目標ポンプ容量qrを表す情報でもよい。上記「目標ポンプ容量qrに関する情報」は、ポンプ容量指令(コントローラ40からポンプ容量制御部23に出力する指令)の目標値でもよく、具体的には例えば、目標とする電流値(目標ポンプ容量指令電流Ir)などでもよい。あるアクチュエータ25(複数のアクチュエータ25の1つ)をある方向に操作する場合の、操作量(例えばパイロット圧力)と、目標ポンプ容量qr(例えば目標ポンプ容量指令電流Ir)と、の関係を図3に示す。図3では、目標ポンプ容量指令電流Irを単に「電流Ir」と記載した。図3に示すグラフでは、右下に凸の曲線部分がある。この曲線部分の形状は、様々に設定可能である。この曲線部分の一部または全部は、直線でもよい。また、図2に示すコントローラ40は、マップに基づいて目標ポンプ容量qrを算出しなくてもよい。例えば、コントローラ40は、操作部31の操作内容に応じた目標ポンプ容量qrの算出を、数式などに基づいて行ってもよい。
(ポンプ容量変化量Δqの制限)
以下では、あるアクチュエータ25をある方向に動かす操作(所定操作内容)の、操作量が変化した場合(具体的には例えばレバーの角度が変えられた場合など)について説明する。
コントローラ40は、操作量の変化に応じて、目標ポンプ容量qrを変化させる(図3参照)。そして、コントローラ40は、目標ポンプ容量qrに基づいて、実際のポンプ容量qを変化させる。
コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqを制限する場合がある。ポンプ容量変化量Δq(図4、図6参照、以下のΔqについても同様)は、単位時間(例えばコントローラ40の1制御周期など)当たりのポンプ容量qの変化量の大きさ(絶対値)である。ポンプ容量変化量Δqは、図4に示すポンプ容量qと時間との関係を示すグラフの傾きである。
(ポンプ吐出流量Qの急変による問題)
単位時間当たりの、ポンプ21が吐出する油の流量を、ポンプ吐出流量Q(図5参照、以下のポンプ吐出流量Qについても同様)とする。ポンプ容量変化量Δqが制限されない場合は、ポンプ吐出流量Qの急変(急増、急減)による問題が生じるおそれがある。さらに詳しくは、操作量が急変すると、コントローラ40が決定する目標ポンプ容量qrが急変する(図3参照)。ポンプ容量変化量Δqが制限されない場合は、目標ポンプ容量qrが急変すると、ポンプ容量qが急変し、ポンプ吐出流量Qが急変し、アクチュエータ25に供給される油の流量が急変する。すると、アクチュエータ25が異常な挙動をするおそれや、油圧回路20でキャビテーションが発生するおそれなどがある。以下、ポンプ吐出流量Qの急変による問題の具体例について説明する。ポンプ吐出流量Qが急増する場合の問題([問題A])と、ポンプ吐出流量Qが急減する場合の問題([問題B])と、について説明する。
[問題A]操作量が急増し、ポンプ吐出流量Qが急増する場合は、次の問題が生じるおそれがある。
[問題A1]ポンプ吐出流量Qが急増すると、作業機械10(図1参照)にショックが生じるおそれがある。さらに詳しくは、ポンプ吐出流量Qが急増すると、アクチュエータ25に供給される流量が急増し、アクチュエータ25が急加速し、作業機械10にショック(衝撃、揺れ、煽りなど)が生じるおそれがある。例えば、アクチュエータ25が停止状態から急加速する場合には、アクチュエータ25の起動による作業機械10のショック(起動ショック)が生じるおそれがある。
[問題A2]ポンプ吐出流量Qが急増すると、ポンプ21の出力が動力源17の出力を超える問題が生じるおそれがある。さらに詳しくは、ポンプ21の出力は、ポンプ21の吐出圧(P)とポンプ吐出流量Qとの積に比例する。よって、ポンプ吐出流量Qが急増すると、ポンプ21の出力が急増する。ポンプ21の出力が急増すると、コントローラ40によるP-Q制御が間に合わないおそれがある。P-Q制御は、ポンプ21の出力が動力源17の出力を超えないように、ポンプ21の出力を調整する制御である。P-Q制御が間に合わず、ポンプ21の出力が動力源17の出力を超えると、動力源17の(出力軸17aの)回転数が低下するおそれや、動力源17が停止(エンジンストールなど)するおそれがある。
[問題A2-1]P-Q制御が間に合わず、動力源17の回転数が低下すると、ポンプ回転数Nが低下し、ポンプ吐出流量Qが低下し、アクチュエータ25の速度が低下するおそれがある。また、動力源17が停止すると、アクチュエータ25が停止するおそれがある。
[問題A2-2]P-Q制御が間に合わず、動力源17の回転数が一旦低下した後、P-Q制御が行われ、動力源17の回転数が増加する(戻る)場合が想定される。この場合は、アクチュエータ25に供給される油の流量が、一旦減少した後、増加する。すると、アクチュエータ25が滑らかに動作しない(例えば2段動作を行う)おそれがある。
[問題A3]ポンプ吐出流量Qが急増すると、油機(アクチュエータ25、コントロールバルブ27、配管など)に過剰な流量が供給される(急激な押し込みが生じる)。すると、油機が、急激な圧力変動(サージ圧)を受け、ダメージを受ける(損傷する)おそれがある。
[問題A4]ポンプ吐出流量Qが急増すると、ポンプ21が不必要な流量供給を行うことになる場合がある。この場合は、作業機械10(図1参照)の燃費が悪化する。
[問題B]操作量が急減し、ポンプ吐出流量Qが急減する場合は、次の問題が生じるおそれがある。
[問題B1]ポンプ吐出流量Qが急減すると、油圧回路20でキャビテーションが生じるおそれがある。例えば、操作量が、ゼロよりも大きい量(アクチュエータ25を作動させる操作量)から、急に、ゼロ(アクチュエータ25を作動させない操作量)になる。すると、アクチュエータ25に供給される油の流量が急減する。一方で、アクチュエータ25が作動させる対象物は、操作量がゼロになっても、対象物の慣性力により、減速しながらも動き続ける。具体的には例えば、旋回モータ25e(図1参照)に対する操作量がゼロになっても、旋回モータ25eが作動させる対象物である上部旋回体13は、旋回し続ける(オーバーランする)。すると、アクチュエータ25(例えば旋回モータ25eなど)に供給される油が不足し、アクチュエータ25に油を供給する油路(供給ライン)の圧力が低下し、アクチュエータ25や供給油路でキャビテーションが発生するおそれがある。キャビテーションは、アクチュエータ25が作動させる対象物の中で比較的大きい慣性力が作用する対象物(例えば図1に示す上部旋回体13やアーム15b)を作動させるアクチュエータ25(例えば旋回モータ25e、アームシリンダ25b)で生じやすい。
[問題B1-1]図2に示すアクチュエータ25や供給油路でキャビテーションが発生すると、アクチュエータ25に供給される油の流量が変動し、アクチュエータ25の速度が変動する(異常な挙動を示す、ハンチングが生じる)おそれがある。
[問題B1-2]アクチュエータ25や供給油路でキャビテーションが発生すると、油機が、キャビテーションによるダメージを受けるおそれがある。
[問題B1-3]油圧回路20は、キャビテーションを防ぐためのメイクアップ回路を備える場合がある。例えば、アクチュエータ25は、メイクアップ回路につながるメイクアップポートを備える場合がある。メイクアップ回路は、タンクにつながる油路(タンクライン)から、アクチュエータ25の供給ラインに油を供給することで、キャビテーションを防ぐための回路である。この場合、メイクアップ回路を機能させるためには、タンクラインに油を供給し、タンクラインの圧力を確保する必要が生じる。
(ポンプ吐出流量Qの変化が穏やかな場合)
操作量の変化が穏やかな場合、具体的にはポンプ容量変化量Δqが上限値R(後述)未満の場合は、上記のポンプ吐出流量Qの急変による問題が生じにくい。そこで、コントローラ40は、操作量の変化が穏やかな場合は、ポンプ容量変化量Δqを制限しなくてもよい。この場合、コントローラ40は、操作量に応じた目標ポンプ容量qrとなるように(例えばマップ(図3参照)に設定された通りに)、実際のポンプ容量qを制御してもよい(後述する図8のステップS31でNO、ステップS41でNOの場合を参照)。
(上限値Rなどについて)
上記のように、コントローラ40は、ポンプ吐出流量Qの急変による問題を抑制するために、ポンプ容量変化量Δqを制限する場合がある。以下では、主に、コントローラ40がポンプ容量変化量Δqを制限する場合について説明する。コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が上限値R以下となるように、ポンプ容量変化量Δqを制限する。上限値Rは、ポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)の上限(制限量)である。コントローラ40は、ポンプ容量qが増加する時のポンプ容量変化量Δqの大きさの上限値R(増加側の上限値R)と、ポンプ容量qが減少する時のポンプ容量変化量Δqの大きさの上限値R(減少側の上限値R)と、を設定してもよい。コントローラ40は、ポンプ容量qの増加時および減少時にポンプ容量変化量Δqを制限してもよい。増加側の上限値Rと減少側の上限値Rとは、互いに異なる大きさでもよく、互いに同じ大きさでもよい。なお、コントローラ40は、ポンプ容量qの増加時および減少時のいずれか一方でのみポンプ容量変化量Δqを制限してもよい。以下では、主に、コントローラ40が、ポンプ容量qの増加時および減少時にポンプ容量変化量Δqを制限する場合について説明する。
上限値Rは、具体的には例えば、コントローラ40からポンプ容量制御部23に出力するポンプ容量指令の、単位時間当たりの変化量の上限である。ポンプ容量指令が電流値(ポンプ容量指令電流)である場合は、上限値Rは、この電流値の単位時間当たりの変化量(ゲイン)の上限である。この場合の上限値Rの単位は、「mA/制御周期」などである。
図4に、ポンプ容量変化量Δqが制限されない場合(グラフG1)と制限される場合(グラフG2)とについて、時間とポンプ容量qとの関係を示す。また、同図に、時間と操作量との関係を示す。操作量は、時刻t0から時刻t1では増加し、時刻t1以後では所定操作量で一定である。
ポンプ容量変化量Δqが制限されない場合(グラフG1)、時刻t0から時刻t1では、操作量が増加するとともに、ポンプ容量qが増加する。このポンプ容量qは、操作量が所定操作量で一定になるのと同時に(時刻t1に)、所定操作量に応じた量(目標ポンプ容量qr)で一定になる。
ポンプ容量変化量Δqが制限される場合(グラフG2)、時刻t0から時刻t2では、操作量の増加とともに、ポンプ容量qが増加する。ポンプ容量変化量Δqが制限される場合は、ポンプ容量変化量Δqが制限されない場合に比べ、ポンプ容量変化量Δq(すなわちグラフの傾き)が小さく、ポンプ容量qの増加が遅い。操作量が所定操作量で一定になった後の時刻t1から時刻t2では、ポンプ容量qは、所定操作量に応じたポンプ容量q(目標ポンプ容量qr)になるまで増加を続ける。時刻t2以後では、ポンプ容量qが目標ポンプ容量qrで一定となる。
(上限値Rの大きさ)
図2に示す操作部31の操作内容(操作対象となるアクチュエータ25(1または複数)の操作方向および操作量)によって、適切な上限値Rは異なる。コントローラ40は、操作内容に応じた適切な大きさに上限値Rを設定する。例えば、操作内容と上限値Rとの関係(マップなど)が、コントローラ40に予め設定されてもよい。また、例えば、コントローラ40は、操作内容に応じて、数式などに基づいて上限値Rを算出してもよい。
上限値Rが大きすぎると、ポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が大きくなり、上記のポンプ吐出流量Qの急変による問題が生じるおそれがある。
(ポンプ吐出流量Qの変化が遅い問題)
一方、上限値Rが小さすぎると、ポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が小さくなり、ポンプ吐出流量Qの変化が遅い問題が生じる。
[問題C]さらに詳しくは、操作量の変化量に対してポンプ容量変化量Δqの大きさが小さすぎると、ポンプ吐出流量Qの変化が遅く、アクチュエータ25に供給される油の流量の変化が遅くなる。すると、操作量の変化に対する、アクチュエータ25の速度変化の応答性が悪化するおそれがある。作業機械10(図1参照)が操作者に操作される場合は、ポンプ吐出流量Qの変化が遅いことにより、アクチュエータ25の操作性が悪化する。
[問題C-1]具体的には、操作量の増加に対して、ポンプ容量変化量Δqが小さすぎると、アクチュエータ25に供給される油の流量の増加が遅くなり、アクチュエータ25の作動に必要な流量を確保できず、アクチュエータ25の加速が遅くなる。[問題C-2]操作量の減少に対して、ポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が小さすぎると、アクチュエータ25の減速が遅くなる。
(ポンプ吐出流量変化量ΔQについて)
上記のように、操作量が変化すると、ポンプ容量qが変化し、ポンプ吐出流量Qが変化する。ポンプ吐出流量Qは、ポンプ回転数Nとポンプ容量qとの積に比例する。具体的には例えば、ポンプ吐出流量Qは、次の式で表される。
ポンプ吐出流量Q(L/min)=ポンプ容量q(cm3)×ポンプ回転数N(回/min)/1000
単位時間当たりのポンプ吐出流量Qの変化量を、ポンプ吐出流量変化量ΔQ(流量変化ゲイン、流量増加ゲイン、流量減少ゲイン)とする。ポンプ吐出流量変化量ΔQは、図5に示すポンプ吐出流量Qと時間との関係を示すグラフの傾きである。
(上限値Rがポンプ回転数Nによらない場合の問題)
上記のように、ポンプ吐出流量Qは、ポンプ回転数Nとポンプ容量qとの積に比例する。よって、ポンプ吐出流量変化量ΔQは、ポンプ回転数Nに比例する。そのため、ポンプ容量変化量Δqの上限値Rが同じでも、ポンプ回転数Nが異なると、ポンプ吐出流量変化量ΔQが異なる(図5のグラフG3およびグラフG4の傾きを参照)。ポンプ回転数Nが高いほど、ポンプ吐出流量変化量ΔQが大きくなり、ポンプ吐出流量変化量ΔQが大きいほど、上記「ポンプ吐出流量Qの急変による問題」が生じやすい。ある「低いポンプ回転数N」でポンプ吐出流量Qの急変による問題が生じないように上限値Rを設定すれば、上記「低いポンプ回転数N」よりも高いポンプ回転数Nでポンプ吐出流量Qの急変による問題が生じるおそれがある。一方、ある「高いポンプ回転数N」でポンプ吐出流量Qの急変による問題が生じないように上限値Rを設定すれば、上記「高いポンプ回転数N」よりも低いポンプ回転数Nで上記「ポンプ吐出流量Qの変化が遅い問題」が生じるおそれがある。
図5に、上限値Rを一定値(α)としたときの、ポンプ回転数Nがβの場合(グラフG3)と、ポンプ回転数Nがβ/2の場合(グラフG4)とについて、時間とポンプ吐出流量Qとの関係を示す。また、同図に、時間と操作量との関係(図4と同様)を示す。
ポンプ回転数Nがβの場合(グラフG3)およびβ/2の場合(グラフG4)のそれぞれにおいて、時刻t0から時刻t2では、操作量の増加とともにポンプ吐出流量Qが増加する。このとき、ポンプ回転数Nがβ/2の場合(グラフG4)のポンプ吐出流量変化量ΔQ(グラフの傾き)は、ポンプ回転数Nがβの場合(グラフG3)のポンプ吐出流量変化量ΔQ(グラフの傾き)の1/2である。
時刻t2以後では、ポンプ容量qは、グラフG3とグラフG4とで共通の一定値(目標ポンプ容量qr)になる。この例では、時刻t2以後において、グラフG4のポンプ吐出流量Qは、グラフG3のポンプ吐出流量Qの1/2になる。グラフG3とグラフG4とで、ポンプ容量qの増加時の(時刻t0から時刻t2の間での)ポンプ吐出流量変化量ΔQ(グラフの傾き)は、相違する。
(数値を用いた具体例)
上限値Rが同じかつポンプ回転数Nが異なる場合の、ポンプ吐出流量変化量ΔQの相違について、具体的数値を用いてさらに説明する。図2に示すポンプ21の最小容量(ポンプ容量qの最小値)を10cm3/rev、最大容量(ポンプ容量qの最大値)を200cm3/revとする。コントローラ40が、ポンプ容量変化量Δqの上限値Rを、0.1sec当たり10ccに設定したとする。
ポンプ回転数Nが1000回/minの場合、例えば、t=0(sec)のポンプ吐出流量Qは10L/min、t=0.5(sec)のポンプ吐出流量Qは60L/min、t=1(sec)のポンプ吐出流量Qは110L/minとなる。この場合、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQは、100L/minである。
ポンプ回転数Nが2000回/minの場合、例えば、t=0(sec)のポンプ吐出流量Qは20L/min、t=0.5(sec)のポンプ吐出流量Qは120L/min、t=1(sec)のポンプ吐出流量Qは220L/minとなる。この場合、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQは、200L/minである。
アクチュエータ25の起動ショック(ポンプ吐出流量Qの急変による問題の一例)が問題となるポンプ吐出流量変化量ΔQの閾値が、120L/minであるとする。この例では、ポンプ回転数Nが1000回/minの場合は、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQは100L/minであり、閾値(120L/min)未満であるため、起動ショックが問題とならない。一方、ポンプ回転数Nが2000回/minの場合は、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQは200L/minであり、閾値(120L/min)を超えるので、起動ショックが問題となる。
アクチュエータ25の起動ショックが問題となるポンプ吐出流量変化量ΔQの閾値が、220L/minであるとする。この例では、ポンプ回転数Nが2000回/minの場合でも起動ショックは問題とならない。しかし、ポンプ回転数Nが1000回/minの場合に、上記のポンプ吐出流量Qの変化が遅い問題が生じるおそれがある。
(ポンプ回転数Nに応じた上限値R)
本実施形態では、コントローラ40は、単位時間当たりのポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)の上限値Rを、ポンプ回転数Nに応じて変える。コントローラ40は、具体的には例えば、下記の[条件1]、[条件2]、[条件3]のように上限値Rを設定する。なお、下記の各条件は、あるアクチュエータ25をある方向に動かす操作(所定操作内容)が行われる場合の条件である。操作対象となるアクチュエータ25が変わった場合や、操作方向が変わった場合には、下記の各条件が成り立つ必要はない。また、下記の各条件は、ポンプ回転数Nが所定範囲内(所定範囲の例は後述)の場合の条件であり、ポンプ回転数Nが所定範囲外の場合に満たされる必要はない。
[条件1]図6に示すように、コントローラ40は、ポンプ回転数Nが第1回転数N1のときに、上限値Rを第1上限値R1に設定する。このとき、コントローラ40は、ポンプ回転数Nが、第1回転数N1よりも大きい第2回転数N2のときに、上限値Rを、第1上限値R1よりも小さい第2上限値R2に設定することが好ましい。コントローラ40は、上限値R(可変の上限値R)で制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が、第1回転数N1のときよりも第2回転数N2のときに小さくなるように、上限値Rを設定することが好ましい。ポンプ制御装置1は、このように上限値Rを設定することにより、ポンプ回転数Nに関わらず、ポンプ吐出流量Qの急変による問題を抑制できるともに、ポンプ吐出流量Qの変化が遅い問題を抑制できる。[条件1a]例えば、コントローラ40には、ポンプ回転数Nに関する閾値が、予め(上限値Rの設定前に)設定されてもよい。コントローラ40は、ポンプ回転数Nが閾値未満(例えば第1回転数N1)の場合に、上限値Rを第1上限値R1とし、ポンプ回転数Nが閾値以上(例えば第2回転数N2)の場合に、上限値Rを第2上限値R2としてもよい(図示なし)。
[条件2]コントローラ40は、ポンプ回転数Nが大きくなるにしたがって、上限値Rが小さくなくように、上限値Rを設定することが好ましい。コントローラ40は、ポンプ回転数Nが大きくなるにしたがって、上限値R(可変の上限値R)で制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)が小さくなるように、上限値Rを設定することが好ましい。
[条件2a]例えば、コントローラ40は、ポンプ回転数Nが大きくなるにしたがって、上限値Rを段階的に大きくしてもよい(図示なし)。[条件2b]例えば、コントローラ40は、ポンプ回転数Nが大きくなるにしたがって、上限値Rを連続的に大きくしてもよい。ポンプ回転数Nと上限値Rとの関係を表すグラフであって、この[条件2b]を満たすグラフは、直線状でも、曲線状でもよい。[条件2b1]例えば、コントローラ40は、ポンプ回転数Nに対して上限値Rが比例するように、上限値Rを設定することが好ましい(例えば下記の式1を参照)。コントローラ40は、上限値Rで制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさが、ポンプ回転数Nに対して比例するように、上限値Rを設定することが好ましい。
[条件3]コントローラ40は、ポンプ回転数Nが所定範囲内の任意のポンプ回転数Nのときに(ポンプ回転数Nに関わらず)、ポンプ吐出流量変化量ΔQが一定になるように、上限値Rを設定することが好ましい。ポンプ回転数Nの「所定範囲内」は、例えば作業機械10の運転時に使用されるポンプ回転数Nの範囲(例えば使用領域)である。
図6に示すグラフは、ポンプ回転数Nと上限値Rとの関係、および、ポンプ回転数Nとポンプ吐出流量変化量ΔQとの関係を示すグラフである。このグラフにおける上限値Rは、上限値Rで制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさ(絶対値)でもある。このグラフは、上記[条件1]、[条件2]、[条件2b1]、および[条件3]を満たす場合のグラフである。
(上限値Rの算出)
具体的には例えば、図2に示すコントローラ40は、次のように上限値Rを算出する。コントローラ40は、基準となるポンプ回転数N(基準回転数Ns)での、上限値R(基準上限値Rs)を決定する。例えば、基準回転数Nsは、ポンプ回転数Nの使用領域の最大値(ハイアイドル)でもよく、ハイアイドルでなくてもよい。例えば、操作内容と基準上限値Rsとの関係(マップ)が、コントローラ40に予め設定されてもよい。例えば、コントローラ40は、何らかの条件(数式など)に応じて基準上限値Rsを算出してもよい。また、コントローラ40は、基準回転数Nsと、現在のポンプ回転数N(使用回転数Nc)と、の比(回転数比)(例えばNs/Nc)を算出する。そして、コントローラ40は、基準上限値Rsと回転数比(Ns/Nc)とに基づいて、使用回転数Ncでの上限値Rを算出する。基準回転数Nsでの基準上限値Rsに基づいて、現在の使用回転数Ncでの上限値Rを算出することは、基準回転数Nsでの基準上限値Rsを、現在の使用回転数Ncでの上限値Rに補正することと言い換えることができる。
具体的には例えば、コントローラ40は、次の式により上限値Rの大きさαを算出する。
α=基準上限値Rs×(基準回転数Ns/使用回転数Nc)・・・(式1)
この場合、任意のポンプ回転数Nで、ポンプ吐出流量変化量ΔQが一定になる(図6参照)。
(数値を用いた具体例)
ポンプ回転数Nと上限値Rとの関係について、具体的数値を用いてさらに説明する。ある操作内容(所定操作内容)のときに、ポンプ吐出流量Qの急変による問題を抑制できるような、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQの大きさの閾値を、200L/minとする。以下では、ポンプ回転数Nが1000回/minおよび2000回/minのそれぞれの場合に、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQの大きさが200L/minとなるような上限値Rを算出する。ここでは、ポンプ容量指令が電流値(ポンプ容量指令電流)であり、上限値Rが、電流値の単位時間当たりの変化量の上限である場合について説明する。
[計算1]ポンプ回転数Nが2000回/minの場合、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQを上記閾値である200L/minとするのに必要なポンプ容量変化量Δqは、
200(L/min/sec)÷2000(回/min)×1000=100(cm3/sec)
となる。コントローラ40の制御周期を10msecとすると、「単位時間」を1制御周期に換算したポンプ容量変化量Δqは、
100(cm3/sec)×10(msec)÷1000(msec)=1(cm3/制御周期)
となる。ポンプ容量qを1cm3変化させるためのポンプ容量指令電流の変化量を、20mA/cm3とする。すると、ポンプ容量変化量Δqを1cm3/制御周期とするための、1制御周期当たりのポンプ容量指令電流の変化量は、
20(mA/cm3)×1(cm3/制御周期)=20(mA/制御周期)
である。したがって、1制御周期当たりのポンプ容量指令電流の変化量(上限値R)を20mA/制御周期に設定すれば、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQの大きさを200L/min(上記閾値)にすることができる。
[計算2]ポンプ回転数Nが1000回/minの場合、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQを上記閾値である200L/minとするの必要なポンプ容量変化量Δqは、
200(L/min/sec)÷1000(回/min)×1000=200(cm3/sec)
となる。この例では、コントローラ40の制御周期を10msecとするので、「単位時間」を1制御周期に換算したポンプ容量変化量Δqは、
200(cm3/sec)×10(msec)÷1000(msec)=2(cm3/制御周期)
となる。この例では、ポンプ容量qを1cm3変化させるためのポンプ容量指令電流の変化量は、20mA/cm3である。すると、ポンプ容量変化量Δqを2cm3/制御周期とするための、1制御周期当たりのポンプ容量指令電流の変化量は、
20(mA/cm3)×2(cm3/制御周期)=40(mA/制御周期)
である。したがって、1制御周期当たりのポンプ容量指令電流の変化量(上限値R)を40mA/制御周期に設定すれば、1秒当たりのポンプ吐出流量変化量ΔQの大きさを200L/min(上記閾値)にすることができる。
上記の式1の妥当性を検討する。上記[計算1]の状態を基準として、基準回転数Nsを2000回/minとし、基準上限値Rsを20mA/制御周期とする。使用回転数Ncが1000回/minのときの上限値Rは、上記の式1により、
20(mA/制御周期)×2000/1000=40(mA/制御周期)
となる。これは、上記[計算2]で求めた上限値Rと一致している。同様に、ポンプ回転数Nを様々に変えた場合でも、ポンプ吐出流量変化量ΔQが上記の閾値となるような上限値Rを、式1により算出することができる。
図7に、ポンプ回転数Nに応じて上限値Rを変えた場合の、ポンプ回転数Nがβの場合(グラフG3)と、ポンプ回転数Nがβ/2の場合(グラフG5)とについて、時間とポンプ吐出流量Qとの関係を示す。また、同図に、時間と操作量との関係を示す。時間と操作量との関係は、図4および図5に示すグラフと同じである。ポンプ回転数Nがβの場合のグラフG3は、図5に示すグラフG3と同じグラフである。この例では、βは、基準回転数Nsである。ポンプ回転数Nがβの場合の上限値R(すなわち基準上限値Rs)の大きさをαとする。ポンプ回転数Nがβ/2の場合(グラフG5)、上限値Rの大きさは、αとは異なる大きさであり、具体的には2αである。その結果、時刻t1から時刻t1aの間で、ポンプ回転数Nがβの場合(グラフG3)とβ/2の場合(グラフG5)とでグラフの傾き(ポンプ吐出流量変化量ΔQ)が等しい。
(フローチャート)
図8に示すフローチャートを参照して、図2に示すコントローラ40によるポンプ容量qの算出の具体例を説明する。以下では、フローチャートのステップS11~S51については、図8を参照して説明する。この例でも、図2に示すあるアクチュエータ25をある方向に動かす操作(所定操作内容の操作)が行われる場合について説明する。また、ポンプ容量指令が電流値(ポンプ容量指令電流)であり、上限値Rが、電流値の単位時間当たりの変化量の上限である場合について説明する。
ステップS11では、コントローラ40(操作内容取得部41)は、操作部31の操作内容を取得する(取り込む)。また、コントローラ40(ポンプ回転数取得部43)は、ポンプ回転数Nを取得する(取り込む)。
ステップS12では、コントローラ40は、取得した操作内容に応じて、目標ポンプ容量qr(具体的には目標ポンプ容量指令電流Ir)を決定する(図3参照)。例えば、コントローラ40は、予め設定された操作内容と目標ポンプ容量qrとの関係(マップ)に基づいて、操作内容に応じた目標ポンプ容量qrを演算する。図8では目標ポンプ容量指令電流Irを単に「電流Ir」と記載した。
ステップS13では、図2に示すコントローラ40は、取得した操作内容に応じて、基準回転数Nsでの上限値R(基準上限値Rs)を決定する。例えば、コントローラ40は、予め設定された操作内容と基準上限値Rsとの関係(マップ)に基づいて、操作内容に応じた基準上限値Rsを読み込む。コントローラ40は、ポンプ容量q増加側の基準上限値Rs(具体的には増加側の基準電流上限値Id1)と、ポンプ容量q減少側の基準上限値Rs(具体的には減少側の基準電流上限値Id2)と、を決定する。増加側の基準電流上限値Id1および減少側の基準電流上限値Id2は、ポンプ容量指令である電流値の変化量の、基準となる上限の値である。
ステップS14では、コントローラ40は、使用回転数Ncでの上限値Rを算出する。コントローラ40は、ポンプ容量q増加側の上限値R(具体的には増加側の補正電流上限値Id3)、およびポンプ容量q減少側の上限値R(具体的には減少側の補正電流上限値Id4)を算出する。具体的には、コントローラ40は、次の式により、増加側の補正電流上限値Id3および減少側の補正電流上限値Id4を算出する。
増加側の補正電流上限値Id3=増加側の基準電流上限値Id1×(基準回転数Ns/使用回転数Nc)
減少側の補正電流上限値Id4=減少側の基準電流上限値Id2×(基準回転数Ns/使用回転数Nc)
ステップS21では、図2に示すコントローラ40は、取得した操作内容が、ポンプ容量qを増加または変化させない操作内容か否かを判定する。具体的には、コントローラ40は、現在の目標ポンプ容量qrから、1制御周期前に(前回)指令したポンプ容量qを引いた値が0以上か否かを判定する。現在の目標ポンプ容量qrから、1制御周期前に(前回)指令したポンプ容量qを引いた値を、「ポンプ容量変化量Δqの目標値」ともいう。さらに具体的には、コントローラ40は、目標ポンプ容量指令電流Ir(ステップS12参照)から、前回指令したポンプ容量指令電流(前回値In-1)を引いた値が、0以上か否か(Ir-前回値In-1≧0か否か)を判定する。操作内容が、ポンプ容量qを増加または変化させない操作の場合(ステップS21でYESの場合)、コントローラ40は、処理のフローをステップS31に進ませる。ポンプ容量qを減少させる操作である場合(ステップS21でNOの場合)、コントローラ40は、処理のフローをステップS41に進ませる。
ステップS31では、コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさが、上限値R(さらに詳しくは増加側の上限値R)以上か否かを判定する。具体的には、コントローラ40は、目標ポンプ容量指令電流Irから、前回指令したポンプ容量指令電流を引いた値が、増加側の補正電流上限値Id3以上か否か(Ir-前回値In-1≧Id3か否か)を判定する。
ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさが、増加側の上限値R以上である場合(ステップS31でYESの場合)、コントローラ40は、前回指令したポンプ容量qと、上限値Rと、の和を、今回指令するポンプ容量qにする(ステップS32)。具体的には、コントローラ40は、前回指令したポンプ容量指令電流(前回値In-1)と、増加側の補正電流上限値Id3と、の和を、今回指令するポンプ容量指令電流(今回値In)にする(In=前回値In-1+Id3)。
ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさが、増加側の上限値R未満である場合(ステップS31でNOの場合)、コントローラ40は、今回指令するポンプ容量qを、目標ポンプ容量qrにする(ステップS33)。この場合、コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqの大きさを上限値Rで制限しない。具体的には、コントローラ40は、今回指令するポンプ容量指令電流(今回値In)を、目標ポンプ容量指令電流Irにする(In=Ir)。コントローラ40は、ステップS32またはステップS33の後、フローをステップS51に進ませてもよい。
ステップS41では、コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさ(絶対値)が、上限値R(さらに詳しくは減少側の上限値R)以上か否かを判定する。具体的には、コントローラ40は、前回指令したポンプ容量指令電流(前回値In-1)から、目標ポンプ容量指令電流Irを引いた値が、減少側の補正電流上限値Id4以上か否か(前回値In-1-Ir≧Id4か否か)を判定する。なお、コントローラ40は、目標ポンプ容量指令電流Irから前回値In-1を引いた値の絶対値が、減少側の補正電流上限値Id4以上か否か(|Ir-前回値In-1|≧Id4か否か)を判定してもよい。
ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさが上限値R以上である場合(ステップS41でYESの場合)、コントローラ40は、前回指令したポンプ容量qの大きさから、上限値Rを引いた値を、今回指令するポンプ容量qの大きさにする(ステップS42)。具体的には、コントローラ40は、前回指令したポンプ容量指令電流(前回値In-1)から、補正電流上限値Id4を引いた値を、今回指令するポンプ容量指令電流(今回値In)にする(In=前回値In-1-Id4)。
ポンプ容量変化量Δqの目標値の大きさが上限値R以上でない場合(ステップS41でNOの場合)、コントローラ40は、今回指令するポンプ容量qを、目標ポンプ容量qrにする(ステップS43)。この場合、コントローラ40は、ポンプ容量変化量Δqの大きさを上限値Rで制限しない。具体的には、コントローラ40は、今回指令するポンプ容量指令電流(今回値In)を、目標ポンプ容量指令電流Irにする(In=Ir)。コントローラ40は、ステップS42またはステップS43の次に、フローをステップS51に進ませてもよい。
コントローラ40は、ステップS32、S33、S42、またはS43で決定した、今回指令するポンプ容量q(具体的には今回値In)を、ポンプ容量制御部23に指令(出力)してもよい。この場合、コントローラ40は、ステップS32、S33、S42、またはS43の後、フローをステップS11に戻す。
ステップS51では、コントローラ40は、ポンプ容量qに関する他の制御を行ってもよく、ポンプ容量qを補正してもよい。具体的には例えば、コントローラ40は、ポンプ21の出力を制限する制御(例えばP-Q制御など)を行ってもよい。なお、上記の「前回指令したポンプ容量q」、および、「今回指令するポンプ容量q」は、ステップS51が行われる前に、ステップS32、S33、S42、またはS43で決定された値であり、ステップS51で補正されたポンプ容量qではない。具体的には、上記のポンプ容量指令電流の「今回値In」および「前回値In-1」は、ステップS51が行われる前に、ステップS32、S33、S42、またはS43で決定された値であり、ステップS51で補正された電流値ではない。ステップS51の後、コントローラ40は、フローをステップS11に戻す。コントローラ40は、ステップS11からステップS51の処理を繰り返す。
(第1の発明の効果)
図2に示すポンプ制御装置1による効果は、次の通りである。ポンプ制御装置1は、ポンプ21と、アクチュエータ25と、コントローラ40と、を備える。ポンプ21は、動力源17に回転駆動されることで油を吐出する。ポンプ21は、容量を変更可能である。アクチュエータ25は、ポンプ21が吐出した油が供給されることで作動する。コントローラ40は、アクチュエータ25の操作内容に応じてポンプ21の容量を制御する。
[構成1]コントローラ40は、ポンプ21の容量の単位時間当たりの変化量であるポンプ容量変化量Δqの大きさの上限値Rを、ポンプ21の回転数(ポンプ回転数N)に応じて変える(図6参照)。
上記[構成1]では、コントローラ40は、ポンプ回転数Nを考慮した、ポンプ容量変化量Δqの大きさの上限値Rを設定する。よって、例えば、ポンプ回転数Nが考慮されずに上限値Rが設定される場合などに比べ、ポンプ制御装置1は、ポンプ容量変化量Δqを、ポンプ回転数Nに応じた適切な大きさに設定することができる。したがって、ポンプ制御装置1は、ポンプ21からアクチュエータ25に供給される油の流量を、ポンプ回転数Nに応じた適切な量に設定することができる。その結果、ポンプ制御装置1は、ポンプ吐出流量Qの急変を抑制できるような上限値Rの設定が可能になり、また、操作内容(例えば操作量)の変化に対してポンプ吐出流量Qの変化が遅すぎることを抑制できるような上限値Rの設定が可能になる。
(第2の発明の効果)
[構成2]ポンプ回転数Nが第1回転数N1のときに上限値Rで制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさを、第1ポンプ容量変化量Δq1とする。ポンプ回転数Nが第1回転数N1よりも大きい第2回転数N2のときに上限値Rで制限されたポンプ容量変化量Δqの大きさを第2ポンプ容量変化量Δq2とする。このとき、コントローラ40は、第2ポンプ容量変化量Δq2が第1ポンプ容量変化量Δq1よりも小さくなるように、上限値Rを設定する。
上記[構成2]により、次の効果が得られる。ポンプ容量変化量Δqが同じであれば、ポンプ回転数Nが大きいほど、ポンプ吐出流量変化量ΔQが大きくなり(図5参照)、ポンプ吐出流量Qが急変しやすい。そこで、上記[構成2]により、ポンプ回転数Nが第1回転数N1よりも大きい第2回転数N2のときに、第2ポンプ容量変化量Δq2を、第1ポンプ容量変化量Δq1よりも小さくすることができる(図6参照)。よって、ポンプ制御装置1は、ポンプ回転数Nが大きい第2回転数N2のときの、ポンプ吐出流量Qの急変を抑制できる。その結果、例えば、ポンプ制御装置1は、アクチュエータ25の異常な挙動(ショックなど)、および、アクチュエータ25およびその周辺でのキャビテーションなどを抑制できる。
また、ポンプ容量変化量Δqが同じであれば、ポンプ回転数Nが小さいほど、ポンプ吐出流量変化量ΔQが小さくなり、操作内容(例えば操作量)の変化に対してポンプ吐出流量Qの変化が遅くなりやすい(図5参照)。そこで、上記[構成2]により、ポンプ回転数Nが第2回転数N2よりも小さい第1回転数N1のときに、第1ポンプ容量変化量Δq1を、第2ポンプ容量変化量Δq2よりも小さくすることができる(図6参照)。よって、ポンプ制御装置1は、ポンプ回転数Nが小さい第1回転数N1のときに、操作内容(例えば操作量)の変化に対してポンプ吐出流量Qの変化が遅すぎることを抑制できる。その結果、例えば、ポンプ制御装置1は、操作内容(例えば操作量)の変化に対するアクチュエータ25の作動の応答性を確保することができる。したがって、上記[構成2]により、ポンプ制御装置1は、ポンプ21からアクチュエータ25に供給される油の流量を、ポンプ回転数Nに応じた、より適切な量に設定することができる。
(第3の発明の効果)
[構成3]コントローラ40は、ポンプ回転数Nが大きくなるにしたがって、上限値Rが小さくなくように、上限値Rを設定する。
上記[構成3]により、上記[構成2]による効果を、より確実に得ることができる。
(第4の発明の効果)
[構成4]コントローラ40は、ポンプ回転数Nが所定範囲内の任意のポンプ回転数Nのときに、ポンプ21の吐出流量の単位時間当たりの変化量(ポンプ吐出流量変化量ΔQ)が一定になるように、上限値Rを設定する。
上記[構成4]では、ポンプ回転数Nに関わらず、ポンプ吐出流量変化量ΔQを一定にすることができる(図6参照)。よって、ポンプ吐出流量Qの急変をより確実に抑制でき、操作内容(例えば操作量)の変化に対してポンプ吐出流量Qの変化が遅すぎることをより確実に抑制できる。したがって、ポンプ制御装置1は、ポンプ回転数Nに応じた、より適切なポンプ容量変化量Δqを設定することができる。その結果、ポンプ制御装置1は、ポンプ21からアクチュエータ25に供給される油の流量を、ポンプ回転数Nに応じた、より適切な量に設定することができる。
(第5の発明の効果)
[構成5]動力源17およびポンプ21は、作業機械10に搭載される。アクチュエータ25は、作業機械10を作動させる。
上記[構成5]では、ポンプ21からアクチュエータ25に供給される油の流量をポンプ回転数Nに応じた適切な量に設定できる効果を、動力源17、ポンプ21、およびアクチュエータ25を有する作業機械10において得ることができる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、図2に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよい。例えば、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したもの(例えばコントローラ40)が、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、各種パラメータ(設定値、閾値、範囲など)は、コントローラ40に予め設定されてもよく、作業者の手動操作により直接的に設定されてもよい。各種パラメータは、作業者の手動操作により設定された情報に基づいてコントローラ40に算出されてもよく、センサに検出された情報に基づいてコントローラ40に算出されてもよい。例えば、各種パラメータは、変えられなくてもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じてコントローラ40が自動的に変えてもよい。例えば、図8に示すフローチャートのステップの順序が変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
1 ポンプ制御装置
10 作業機械
17 動力源
21 ポンプ
25 アクチュエータ
40 コントローラ
N ポンプ回転数(ポンプ21の回転数)
N1 第1回転数
N2 第2回転数
R 上限値
Δq ポンプ容量変化量
Δq1 第1ポンプ容量変化量
Δq2 第2ポンプ容量変化量

Claims (5)

  1. 動力源に回転駆動されることで油を吐出し、容量を変更可能であるポンプと、
    前記ポンプが吐出した油が供給されることで作動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの操作内容に応じて前記ポンプの容量を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、前記ポンプの容量の単位時間当たりの変化量であるポンプ容量変化量の大きさの上限値を、前記ポンプの回転数に応じて変える、
    ポンプ制御装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ制御装置であって、
    前記コントローラは、
    前記ポンプの回転数が第1回転数のときの前記上限値を、第1上限値に設定し、
    前記ポンプの回転数が前記第1回転数よりも大きい第2回転数のときの前記上限値を、前記第1上限値よりも小さい第2上限値に設定する、
    ポンプ制御装置。
  3. 請求項2に記載のポンプ制御装置であって、
    前記コントローラは、前記ポンプの回転数が大きくなるにしたがって、前記上限値が小さくなくように、前記上限値を設定する、
    ポンプ制御装置。
  4. 請求項3に記載のポンプ制御装置であって、
    前記コントローラは、前記ポンプの回転数が所定範囲内の任意の回転数のときに、前記ポンプの吐出流量の単位時間当たりの変化量が一定になるように、前記上限値を設定する、
    ポンプ制御装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のポンプ制御装置であって、
    前記動力源および前記ポンプは、作業機械に搭載され、
    前記アクチュエータは、前記作業機械を作動させる、
    ポンプ制御装置。
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