JP2024029720A - パラシュート、これを備える安全装置および飛行体 - Google Patents

パラシュート、これを備える安全装置および飛行体 Download PDF

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【課題】従来よりも長時間浮力を発揮することが可能なフロートを有するパラシュート、当該パラシュートを備えた安全装置および飛行体を提供する。【解決手段】防水性パネル部材70Bについて隣り合う曲部70C同士を重ねてそれぞれ糸状部材(図示せず)を用いて縫い合わせることによって、縫合部90を曲部70Cに沿って形成する。縫合部90が形成された隣り合う曲部70C同士が重なり合った部分の両面において、縫合部90を覆うようにホットメルト部材91を設ける。ホットメルト部材91の表面から防水性パネル部材70Bに対して熱を加えて、ホットメルト部材91を防水性パネル部材70Bに熱圧着する。これにより、糸状部材が縫合部90を形成するために防水性パネル部材70Bを貫通することによって形成された穴の少なくとも開口部を閉塞する。【選択図】図5

Description

本発明は、パラシュート、これを備える安全装置および飛行体に関するものである。
従来から、パラシュートは、飛行体あるいは飛行体から落下される落下物を降下させるために広く使用されている。また、パラシュートは、ドローン(飛行体)の落下事故のリスクを低減するための安全装置としても使用されている。例えば、特許文献1には、海上での飛行中に何らかの異常が発生して飛行体が落下した場合、着水後に飛行体に搭載されたブラックボックス(飛行状態等の記録装置)を回収するために、フロートを備えたパラシュート展開装置が開示されている。
中国特許出願公開第109272600号明細書
上記特許文献1のパラシュート展開装置においては、フロートの吸気口に逆止弁として機能するボール弁が設けられており、着水後にフロート内部に空気が留まり、水が浸入することを抑えて浮力を発揮するものである。しかしながら、フロートの生地に繊維材料で構成された布状体が用いられる場合、着水後にフロート内部の空気が抜けやすく、長時間浮力を発揮することが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも長時間浮力を発揮することが可能なフロートを有するパラシュート、当該パラシュートを備えた安全装置、および、当該安全装置を備えた飛行体を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、ペイロードに取り付けられる安全装置用のパラシュートであって、傘頂部と傘縁部とを有し、前記傘頂部には展開時に開口する通気口が形成されており、展開時に略半球状となる傘体と、前記通気口の外部側に設けられ、前記通気口を介して吸気する吸気口を有した袋状部材と、を備え、前記袋状部材は、少なくとも3枚以上の多角形形状または船底型形状の防水性パネル部材を周方向に並べ、前記防水性パネル部材の周方向の端部同士を重ね合わせた状態で、前記防水性パネル部材の重ね合わせた部分を、前記袋状部材の頂上部から前記通気口にかけて糸状部材を用いて縫い合わせてなる縫合部を有したものであり、前記縫合部の形成後、前記縫合部を形成するために前記防水性パネル部材を前記糸状部材が貫通することによって形成された穴の少なくとも開口部の一方を、溶融したホットメルト部材で埋めた後に固形化させて閉塞したものであることを特徴とするものである。ここで、ペイロードとは、たとえば、「飛行体」、「荷物」、「空中または海中などの環境を測定する測定装置」、などのことである。以下、同様である。
(2) 別の観点として、本発明は、ペイロードに取り付けられる安全装置用のパラシュートであって、傘頂部と傘縁部とを有し、前記傘頂部には展開時に開口する通気口が形成されており、展開時に略半球状となる傘体と、前記通気口の外部側に設けられ、前記通気口を介して吸気する吸気口を有した袋状部材と、を備え、前記袋状部材は、少なくとも3枚以上の多角形形状または船底型形状の防水性パネル部材を周方向に並べ、前記防水性パネル部材の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の外側面および内側面のうちいずれか一方の面もしくは両面にホットメルト部材を設けた状態で、前記防水性パネル部材の重ね合わせた部分および前記ホットメルト部材を前記袋状部材の頂上部から前記通気口にかけて糸状部材を用いて縫い合わせてなる縫合部を有したものであり、前記縫合部の形成後、前記糸状部材が前記縫合部を形成するために前記防水性パネル部材を貫通することによって形成された穴の少なくとも開口部の一方を、溶融した前記ホットメルト部材で埋めた後に固形化させて閉塞したものであることを特徴とするものであってもよい。
(3) 上記(1)または(2)のパラシュートにおいて、前記ホットメルト部材がテープ状であることが好ましい。
(4) 上記(1)または(2)のパラシュートにおいて、前記防水性パネル部材は、布状体に樹脂を含浸してなるものであって、空気透過度が0~5(単位:圧力が1/2inch水柱圧の場合、ft3/ft2/min)のものであることが好ましい。
(5) 本発明の安全装置は、上記(1)または(2)のパラシュートを収容する収容器と、前記収容器内に設けられ、前記パラシュートを前記収容器外へ射出する射出装置と、を備えていることを特徴とするものである。
(6) 本発明の飛行体は、機体と、前記機体に設けられる上記(5)に記載の安全装置と、前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えるものである。
本発明によれば、従来よりも長時間浮力を発揮することが可能なフロートを有するパラシュート、当該パラシュートを備えた安全装置、および、当該安全装置を備えた飛行体を提供できる。特に、本発明によれば、飛行体の回収作業を容易にすることができ、汚染環境になってしまうことを防止できる。
本発明の実施の形態に係る安全装置の模式断面図である。 図1の安全装置を備えた飛行体を示す正面図であって、安全装置の作動後の状態を示す図である。 図2の安全装置を示す模式断面図であって、着水前の逆止弁の状態を示す図である。 図2の安全装置における袋状部材を構成する防水性パネル部材の製造工程の一例を示す図である。 (a)が図2の安全装置における袋状部材を構成する防水性パネル部材の製造工程の一例を示す図であって、(b)~(d)が変形例に係る製造工程を示す図である。 図1の安全装置の機能的構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態に係る安全装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態ならびにその変形例では、安全装置において、被展開体の一例としてパラシュートを用いた場合について説明する。なお、本実施形態において用いることが可能なパラシュートは、たとえば、「フラットサーキュラー(FLAT CIRCULAR)」、「コニカル(CONICAL)」、「バイコニカル(BICONICAL)」、「トリコニカル(TRICONICAL)」、「エクステンドスカート(EXTENDED SKIRT)」、「ヘミスフェリカル(HEMISPHERICAL)」、「ガイドサーフェス(GUIDE SURFACE)」、「アニュラー(ANNULAR)」、「クロス(CROSS)」、「フラットリボン(FLAT RIBBON)」、「コニカルリボン(CONICAL RIBBON)」、「リボン(RIBBON)」、「リングスロット(RINGSLOT)」、「リングセイル(RING SAIL)」、「ディスク-ギャップ-バンド(DISC-GAP-BAND)」、「ロタフォイル(ROTAFOIL)」、「ヴォアテックスリング(VORTEX RING)」、「サンディアRFD(SANDIA RFD)」、「パラコマンダー(PARACOMMANDER)」、「パラウイング(PARAWING)」、「パラフォイル(PARAFOIL)」、「セイルウイング(SAILWING)」、「ヴォルプレーン(VOLPLANE)」「バルート(BALLUTE)」、などと呼ばれるものが挙げられる。
図1に示すように、本実施形態に係る安全装置100は、パラシュート10と、パラシュート10を収容する有底筒状の収容器11と、収容器11内に設けられ、パラシュート10を収容器11外へ射出する射出装置20と、を備えている。ここで、射出装置20は、点火薬(図示略)を収容するカップ状のケースを有するガス発生器21と、凹部22および当該凹部22と一体的に形成されたピストンヘッド23を有するピストン24と、を備えている。また、ピストンヘッド23上には、パラシュート10(後述の傘体40および袋状部材70)が折り畳まれた状態で載置されている。なお、作動前の安全装置100において、パラシュート10は、後述のライン50およびセンターコード60を介して収容器11の内部に接続されており、ライン50およびセンターコード60は、収容器11内に作動時のピストン24の移動を妨げないように折り畳まれて収納されている。また、収容器11の開口端部は初期状態で蓋12により閉じられており、パラシュート10の押し出しにより上記開口端部から外れるようになっている。
このような構成において、後述の異常検出装置200により異常が検出された際に、ガス発生器21の点火動作に基づき発生されたガス圧によってピストン24を推進させる。これにより、ピストン24の推進力によってパラシュート10を直接押し出して展開させることができる。よって、図2に示すように、展開後のパラシュート10は、ライン50およびセンターコード60を介して飛行体30を吊るすことができるようになっている。
図2には、安全装置100と、安全装置100が適用される飛行体30が図示されている。この飛行体30は、機体31と、機体31の上部に設けられる安全装置100と、機体31に結合され、当該機体31を推進させる1つ以上の推進機構(例えばプロペラ等)32と、機体31の下部に設けられる複数の脚部33と、を備えている。また、本実施形態に係る飛行体30は、ドローンのような無人または有人航空機に限らず、旅客機、ヘリコプターなどの航空機も含むものである。
図2および図3に示すように、パラシュート10は、傘体40と、複数のライン50と、センターコード60と、袋状部材70と、を備えている。
傘体40は、複数のゴアを連結してなる略半球状のものであって、開口部を構成する傘縁部41と、頂上部に形成された通気口42と、を有している。傘縁部41には、複数のライン50が連結されている。なお、ライン50は、一端が傘縁部41に連結され、他端が収容器11の内部に連結された索状の連結部材であって、降下中の飛行体30を支持するものである。
ここで、ゴアの生地としては、繊維材料を用いて構成された布状体、樹脂フィルムを用いて構成されたフィルム状体などが挙げられる。なお、傘体40の軽量性の観点から、ゴアの生地としては、布状体に比べて軽いフィルム状体を用いることが好ましく、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリユリアなどの樹脂フィルムを用いることができる。
また、傘体40の頂上部の外側には、図3に示すように、通気口42に接続されている吸気口71を有する袋状部材70が設けられており、この通気口42または吸気口71の周縁部にセンターコード60が設けられている。なお、センターコード60は、一端が途中から複数に枝分かれして通気口42または吸気口71の周縁部に連結され、他端が収容器11の内部に連結された索状の連結部材であって、降下中の飛行体30を支持するものである。
また、袋状部材70は、少なくとも3枚以上の多角形形状(三角形、台形など)または少なくとも3枚以上の船底型形状の防水性パネル部材を接着剤、溶着、縫い付けなどによって繋ぎ合わせて構成したものであり、安全装置100の作動時に吸気口71から袋状部材70の内部に空気が流入して略球状に膨張するもの(フロート)である。ここで、図4および図5を用いて、船底型形状の防水性パネル部材を製造する場合の工程の一例を説明する。
まず、舟型多円錐図法を利用して得られる球体近似の展開図である、図4(a)に示したような5つの防水性パネル部材70A(曲部70Cを有しているもの)を形成する。次に、5つの防水性パネル部材70Aそれぞれの下部の一部を切り取って、図4(b)に示した5つの船底型形状の防水性パネル部材70Bそれぞれを形成する。このとき、図4(b)に示したように、曲部70Cの下部の一部も切り取られたものとなる。
次に、図4(b)に示した5つの防水性パネル部材70Bについて隣り合う端部同士を重ね合わせてそれぞれ糸状部材(図示せず)を用いて縫い合わせることによって、図5(a)に示した縫合部90を曲部70Cに沿って形成する。すなわち、本実施形態では、5つの防水性パネル部材70Bについて隣り合う端部同士の縫い合わせごとに、2つの縫合部90を袋状部材70の上下方向に沿って袋状部材70の頂上部から吸気口71(通気口42)にかけて形成しているが、縫合部90の数は2つに限られない。必要に応じて、1つ以上の縫合部90が設けられていればよい。また、本実施形態での縫合部90は、袋状部材70の上下方向に沿って形成しているが、縫い合わせ方向は、厳密には袋状部材70の上下方向と交差するものであってもよい。たとえば、全体として袋状部材70の上下方向に沿って縫合部90が形成されてはいるが、厳密には、直線が左右交互に繰り返し折れ曲がった方向(いわゆるジグザグ方向と呼ばれるものを含む)に縫い合わせるようにして、縫合部90を形成してもよい。また、縫い合わせ方は、なみ縫い、ぐし縫い、返し縫い、まつり縫いなど、一般的な裁縫で用いられる手法のうち、どの手法を用いてもよい。また、縫い合わせる前において隣り合う曲部70C同士を重ねる場合、接着剤または両面テープなどで仮止めを行ってから、縫い合わせて縫合部90を形成してもよい。また、糸状部材の例としては、サンエス株式会社製 サンエスボンド糸(ナイロン#20、#30)などが挙げられるが、十分な強度を有したものであれば、どのような糸状部材でもよい。これらは、後述する変形例においても同様である。
続いて、図5(a)に示したように、縫合部90が形成された隣り合う曲部70C同士が重なり合った部分の両面(袋状部材70の外側面および内側面)において、縫合部90を覆うようにホットメルト部材91を設ける。このホットメルト部材91は、工程の簡略化から、縫合部90の外側および内側を容易に覆うことが可能なテープ状であることが好ましい。ただし、縫合部90を形成するために防水性パネル部材70Bの一方の面から他方の面にかけて糸状部材を貫通させることによって形成された穴(図示せず)の開口部を覆って閉塞できるものであれば、どのような形状でもよい。また、上記開口部を閉塞するために、棒状固形状態のホットメルト部材を少しずつ溶融して上記開口部を閉塞してもよい。
縫合部90(特に上記穴)を覆うようにホットメルト部材91を設けた後、ホットメルト部材91の表面から防水性パネル部材70Bに対して熱を加えて、ホットメルト部材91を防水性パネル部材70Bに熱圧着する(溶融させてから常温まで冷却して固形化する)。これにより、糸状部材が縫合部90を形成するために防水性パネル部材70Bを貫通することによって、防水性パネル部材70Bに形成された穴(図示せず)の少なくとも開口部を閉塞する(溶融の度合いによっては、穴の内部まで閉塞する)ので、上記熱圧着前よりも袋状部材70の空気透過度を低下させることができる。すなわち、膨張後の袋状部材70は、水上での浮力を比較的長時間維持することが可能となる。
これらのように袋状部材70の具体例を示したが、上述の防水性パネル部材の生地としては繊維材料を用いて構成された布状体に樹脂を含浸したもの(空気透過度が0~5(単位:圧力が1/2inch水柱圧の場合、ft3/ft2/min)のもの)などが挙げられる。ここで、布状体の例としては、ポリアミド系合成樹脂からなる繊維(例:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6など)を用いた織物が挙げられる。また、この布状体に含浸する樹脂の例としては、シリコンなどが挙げられる。また、袋状部材70の具体例としては、以下のものが挙げられる。たとえば、空気透過度0~3の袋状部材70の具体例としては、製品名ULTRA LO POROSITY NYLON RIPSTOP FABRIC(Para Gear Equipment Co. Inc.製)が挙げられる。空気透過度0の袋状部材70の具体例としては、製品名ZERO POROSITY NYLON RIPSTOP FABRIC (Para Gear Equipment Co. Inc.製)が挙げられる。
ホットメルト部材91は、軟化点が80℃~150℃程度のものを用いることができる。たとえば、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)系は80℃~110℃、PO(ポリオレフィン)系は100℃~150℃、ACR(アクリル)は90℃、PA(ポリアミド)は150℃、の軟化点を有している。ホットメルト部材91の具体例としては、東レコーテックス株式会社製 ホットメルトシートEC131などが挙げられる。
また、袋状部材70の吸気口71には、図3に示すように、ヒンジ部81と、板部材82とを備える逆止弁80が設けられている。この板部材82は、吸気口71の内周縁部にヒンジ部81を介して、図3の矢印に示すように回動可能に設けられている。なお、板部材82は、ヒンジ部81を介して袋状部材70の内部方向には自在に開くが、外部方向には開かない(傘体40の内部にまで回動しない)ように、回動角度が制限される構成となっている。したがって、安全装置100の作動時には、吸気口71から袋状部材70の内部に大量の空気が取り込まれるが、着水時には、傘体40の内部への空気の流入が止まり、板部材82の自重により吸気口71が閉塞され、袋状部材70の内部の空気が容易に外部に出ないようにすることができる。すなわち、袋状部材70は、浮き部材であるフロートとして機能することになる。なお、板部材82の材料としては、例えば、布、樹脂、ゴム、金属などが挙げられる。また、逆止弁80と同様の機能を有するものであれば、どのような逆止弁を採用してもよい。
また、上述したように、5つの防水性パネル部材70Bについて隣り合う曲部70C同士を重ねてそれぞれ縫い合わせることによって、略球状の袋状部材70を形成するだけでもよいが、より強度を向上させるために、略球状に繋ぎ合わせた後の袋状部材70の頂点部分を覆うように、円形などの補強用の防水性パネル部材(たとえば「穴当てパネル」と呼ばれるもの)を接着剤、溶着、縫い付けなどによって取り付けてもよい。
また、安全装置100は、飛行体30の異常を検出する加速度センサ等を含む異常検出装置200(図2では図示略)を備えている。
ここで、異常検出装置200の機能的構成について説明する。異常検出装置200は、図6に示すように、センサ(検知部)210と、制御部(CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータ)220と、を備えており、射出装置20のガス発生器21内の点火器と、記憶部201と、飛行制御部202と、報知部203と電気的に接続されている。
センサ210は、飛行体30の飛行状態(衝突、墜落などを含む)を検知するものである。具体的には、センサ210は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、レーザーセンサ、赤外線センサ、単眼/複眼のビジョンセンサ、超音波センサなどから1以上選択されてなるセンサであり、飛行体30の速度、加速度、傾き、高度、位置、飛行体30の飛行障害となりうる障害物など、飛行体30の飛行状態のデータ、周囲環境(障害物、地形、建物の形状など)のデータなど、を取得することができる。
制御部220は、機能的構成として、異常検知部221と、演算部222と、通知部223と、を備えている。これらの異常検知部221、演算部222、および通知部223は、制御部220が所定のプログラムを実行することで機能的に実現されるものである。
異常検知部221は、センサ210から受信した情報に基づいて上記周囲環境に関する異常状態を検知するだけでなく、飛行体30の飛行状態(飛行中に落下などの異常状態となっていないか)を検知するものである。つまり、異常検知部221は、センサ210および飛行体30が正常に動作可能であるか否かを検知する。例えば、異常検知部221は、飛行体30内部の人員の救急状態、飛行体30内部の機器の致命的な故障、飛行体30の電源が予め設定された所定値以下、飛行体30の燃料量が予め設定された所定値以下、飛行体30の加速度または角速度が所定値以上または所定値以下、飛行体30の姿勢角が所定値以上、飛行体30の降下速度が所定値以上、などを検知可能である。また、飛行体30が操作者によってコントローラを用いて操作されている場合、異常検知部221は、コントローラからの操作信号の消失または異常信号の受信を検知可能である。また、異常検知部221は、地上局からの信号の消失または異常信号の受信を検知可能である。
演算部222は、センサ210が実測して取得した各データを基に、飛行体30の飛行状態が異常か否かを判定するものである。具体的には、演算部222は、センサ210により取得した各データと予め設定された各閾値とを比較することにより異常を判定する。また、演算部222は、センサ210からリアルタイムで障害物検知信号、距離検出信号、高度検出信号などを受信し、これらの受信した各信号に基づいて、異常を判定する。また、演算部222は、飛行体30の位置情報に基づいて、禁止区域への接近、侵入、または予定経路からの逸脱の判定を行う。
また、演算部222は、飛行体30の飛行状態が異常であると判定した場合、異常信号(他の機器を起動または作動させる命令信号を含むこともある)を外部に出力するものである。なお、演算部222とは別に異常信号出力部を設け、演算部222の命令によって、この異常信号出力部が異常信号を出力するように構成してもよい。
通知部223は、異常検知部221によりセンサ210および飛行体30の異常が検知された場合、異常が検知された旨の通知を管理者などに対して行うものである。
記憶部201は、センサ210により取得した各データ、演算部222により異常が判定された場合の判定データなど各種データを保存可能なものである。
飛行制御部202は、飛行体30の飛行姿勢を制御するものであり、演算部222により異常が判定された場合、飛行体30に設けられた推進装置(モータ等)を停止させることが可能なものである。
報知部203は、演算部222により異常が判定された場合、周囲に異常を知らせることが可能なものである。例えば、報知部203は、音声発生装置(アラームなど)または/および照明装置(LEDなど)を作動させて、周囲に異常を報知するものである。
次に、安全装置100の動作について説明する。
まず、飛行中に飛行体30が異常事態に陥った場合において、異常検知部221が異常状態を検知するか、コントローラからの操作信号の消失を検知するか、または操作者がコントローラを操作して異常信号を安全装置100に送信した場合、異常検知部221は異常信号を演算部222に送信する。異常信号を受信した演算部222は、射出装置20のガス発生器21に動作信号を送信する。この動作信号を受信したガス発生器21は、点火器を起動させ、発生したガス圧によってピストン24を推進させる。この推進力によって、パラシュート10の傘体40および袋状部材70を収容器11の外部へと射出する。そして、射出された傘体40に連結する複数のライン50および袋状部材70に連結するセンターコード60が伸びてゆき、傘体40が展開し始めるとともに、傘体40の内部への空気の流入が始まる。その後、センターコード60およびセンターコード60が完全に伸び切って張った状態となってから、すなわちライン50およびセンターコード60にテンションがかかった状態になってから、傘体40が完全に開傘した状態になる。このとき、通気口42および吸気口71の縁部は、センターコード60によって図3下側に引っ張られるとともに、ライン50によって中心から径方向外側に引っ張られ、吸気口71に設けられた逆止弁80が開閉可能な状態となる。そして、傘体40の内部へのさらなる空気の流入によって、板部材82が袋状部材70の内側に押され、吸気口71が開口されて、袋状部材70の内部に空気が自然に流入し、袋状部材70は膨張し略球状に展開する。
したがって、安全装置100によれば、パラシュート10が降下しているときに、袋状部材70を迅速に膨張させることができ、飛行体30の降下速度を減速させて着水時の飛行体30への衝撃を低減することができる。また、着水時には、傘体40の内部への空気の流入が止まり、逆止弁80(特に板部材82)の自重により吸気口71が閉塞されるので、袋状部材70の内部の空気は、袋状部材70の内部に留まり、袋状部材70内に水が浸入することを抑えることができる。また、袋状部材70の空気透過度は、縫合部90の周囲も含めて0または0に近似するものとなるため、安全装置100および飛行体30が沈没しない程度の浮力を長時間維持することができる。その結果、着水時に十分な浮力を発揮し、飛行体30を容易に回収することができ、汚染環境になってしまうことを防止できる。
なお、安全装置100において、着水前に袋状部材70の内部が空気で十分に満たされていれば、必ずしも袋状部材70の吸気口71に逆止弁80を設けなくてもよい。例えば、波が比較的静かな水面に着水した場合などは、袋状部材70の内部に空気が留まり、水がほぼ浸入することがなく十分な浮力を確保できるので、吸気口71に逆止弁80を設けていなくても、袋状部材70は、フロートとして機能するため問題はない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、以下のような変形例も考えられる。
縫合部90およびホットメルト部材91の変形例としては、図5(b)~(d)に示したようなものがある。以下、それぞれの変形例について説明する。
図5(b)に示した変形例は、(1)ホットメルト部材191が重なり合う2つの防水性パネル部材170Bの両面に貼付された後、糸状部材(図示せず)によって、重なり合う2つの防水性パネル部材170Bだけでなく、両面のホットメルト部材191にも貫通して、縫合部190が形成されている点、(2)縫合部190の形成後、上記実施形態と同様の熱圧着を行って、糸状部材(図示せず)によって防水性パネル部材170Bに形成された穴(図示せず)の少なくとも開口部を閉塞している点で、上記実施形態と異なっている。
図5(c)に示した変形例は、2つの防水性パネル部材270Bの片面(袋状部材の外側の面)にのみホットメルト部材291を貼付し、上記実施形態と同様の熱圧着を行って、糸状部材(図示せず)によって防水性パネル部材270Bに形成された穴(図示せず)の少なくとも開口部を閉塞している点で、上記実施形態と異なっている。
図5(d)に示した変形例は、2つの防水性パネル部材370Bの片面(袋状部材の内側の面)にのみホットメルト部材391を貼付し、上記実施形態と同様の熱圧着を行って、糸状部材(図示せず)によって防水性パネル部材170Bに形成された穴(図示せず)の少なくとも開口部を閉塞している点で、上記実施形態と異なっている。
その他の変形例としては、図5(c)について、ホットメルト部材291が重なり合う2つの防水性パネル部材270Bの片面(袋状部材の外側の面)に貼付された後、糸状部材(図示せず)によって、重なり合う2つの防水性パネル部材270Bだけでなく、ホットメルト部材291にも貫通して、縫合部290が形成されてから、上記実施形態と同様の熱圧着を行ってもよい。また、図5(d)について、ホットメルト部材391が重なり合う2つの防水性パネル部材370Bの片面(袋状部材の内側の面)に貼付された後、糸状部材(図示せず)によって、重なり合う2つの防水性パネル部材370Bだけでなく、ホットメルト部材391にも貫通して、縫合部390が形成されてから、上記実施形態と同様の熱圧着を行ってもよい。
また、上記実施形態および変形例において、飛行体は、エアバッグを膨張させるエアバッグ装置を備えていてもよい。例えば、エアバッグ装置は、通常姿勢時の機体の上部に設けられた安全装置の本体部とは機体を挟んで対向するように、通常姿勢時の機体の下部に設けることができる。この場合、着水時の飛行体への衝撃をさらに低減することができる。
また、上記実施形態および変形例では、射出装置の駆動源として、ガス発生器を採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、バネ等の弾性体を用いた弾性体式、容器に閉じ込めたガス圧を用いるガスボンベ式、2つ以上の物質を混合して化学反応させてガス圧を発生させる化学反応式(非火薬)、などの駆動源を採用してもよい。また、上記実施形態および変形例の射出装置の代わりに、引出式の射出装置を用いてもよい。この引出式の射出装置としては、たとえば、アクチュエータで錘を飛ばしてから被展開体を引き出す方式、ロケットを飛ばして被展開体を引き出す方式、最初にパイロットシュートを射出し、当該パイロットシュートで被展開体を引き出す方式、などが挙げられる。
また、上記実施形態および変形例では、ラインおよびセンターコードの他端が収容器の内部に連結されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、収容器の外部または飛行体の機体に連結されていてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、飛行体に安全装置を取り付けた例を示したが、これに限られない。たとえば、飛行体から水上に荷物を投下する場合、本発明に係る安全装置を投下する前の荷物に取り付けて使用することも可能である。
また、上記実施形態および変形例では、傘体の通気口と、袋状部材の吸気口とが、同一部分に形成されているように構成したが、必ずしも同一部分になっていなくてもよい。たとえば、当該通気口の外側周囲を密閉して覆うように当該吸気口が取り付けられており、逆止弁が当該通気口または当該吸気口のいずれかに取り付けられている構成であってもよい。
10 パラシュート
11 収容器
12 蓋
20 射出装置
21 ガス発生器
22 凹部
23 ピストンヘッド
24 ピストン
30 飛行体
31 機体
33 脚部
40 傘体
41 傘縁部
42 通気口
50 ライン
60 センターコード
70 袋状部材
70A、70B、170B、270B、370B 防水性パネル部材
70C、70C、170C、270C、370C 曲部
71 吸気口
80 逆止弁
81 ヒンジ部
82 板部材
90、190、290、390 縫合部
91、191、291、391 ホットメルト部材
100 安全装置
200 異常検出装置
201 記憶部
202 飛行制御部
203 報知部
210 センサ
220 制御部
221 異常検知部
222 演算部
223 通知部

Claims (6)

  1. ペイロードに取り付けられる安全装置用のパラシュートであって、
    傘頂部と傘縁部とを有し、前記傘頂部には展開時に開口する通気口が形成されており、展開時に略半球状となる傘体と、
    前記通気口の外部側に設けられ、前記通気口を介して吸気する吸気口を有した袋状部材と、
    を備え、
    前記袋状部材は、少なくとも3枚以上の多角形形状または船底型形状の防水性パネル部材を周方向に並べ、前記防水性パネル部材の周方向の端部同士を重ね合わせた状態で、前記防水性パネル部材の重ね合わせた部分を、前記袋状部材の頂上部から前記通気口にかけて糸状部材を用いて縫い合わせてなる縫合部を有したものであり、
    前記縫合部の形成後、前記縫合部を形成するために前記防水性パネル部材を前記糸状部材が貫通することによって形成された穴の少なくとも開口部の一方を、溶融したホットメルト部材で埋めた後に固形化させて閉塞したものであることを特徴とするパラシュート。
  2. ペイロードに取り付けられる安全装置用のパラシュートであって、
    傘頂部と傘縁部とを有し、前記傘頂部には展開時に開口する通気口が形成されており、展開時に略半球状となる傘体と、
    前記通気口の外部側に設けられ、前記通気口を介して吸気する吸気口を有した袋状部材と、
    を備え、
    前記袋状部材は、少なくとも3枚以上の多角形形状または船底型形状の防水性パネル部材を周方向に並べ、前記防水性パネル部材の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の外側面および内側面のうちいずれか一方の面もしくは両面にホットメルト部材を設けた状態で、前記防水性パネル部材の重ね合わせた部分および前記ホットメルト部材を前記袋状部材の頂上部から前記通気口にかけて糸状部材を用いて縫い合わせてなる縫合部を有したものであり、
    前記縫合部の形成後、前記糸状部材が前記縫合部を形成するために前記防水性パネル部材を貫通することによって形成された穴の少なくとも開口部の一方を、溶融した前記ホットメルト部材で埋めた後に固形化させて閉塞したものであることを特徴とするパラシュート。
  3. 前記ホットメルト部材がテープ状であることを特徴とする請求項1または2に記載のパラシュート。
  4. 前記防水性パネル部材は、布状体に樹脂を含浸してなるものであって、空気透過度が0~5(ft3/ft2/min)のものであることを特徴とする請求項1または2に記載のパラシュート。
  5. 請求項1または2に記載のパラシュートを収容する収容器と、
    前記収容器内に設けられ、前記パラシュートを前記収容器外へ射出する射出装置と、
    を備えていることを特徴とする安全装置。
  6. 前記ペイロードが飛行体であって、
    機体と、
    前記機体に設けられる請求項5に記載の安全装置と、
    前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えることを特徴とする飛行体。
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