JP2024021376A - ドリル及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端側においては切屑が外部に排出されにくく、後端側においては切屑が外部に排出され易いドリルが求められている。【解決手段】本開示の一態様に基づくドリルは、回転軸に沿って先端から後端に向かって延びた棒形状であって、切刃、排出溝、第1外周面及び第2外周面を有する。排出溝は、先端の側に位置する第1領域と、後端の側に位置する第2領域と、を有する。第1断面において、排出溝及び第1外周面のなす角が鋭角であって、排出溝及び第2外周面のなす角が鋭角であって、第2断面において、排出溝及び第1外周面のなす角が鋭角であって、排出溝及び第2外周面のなす角が鈍角である。【選択図】図4

Description

本開示は、被削材の切削加工に用いられる回転工具及び切削加工物の製造方法に関する。回転工具としては、例えば、ドリル及びリーマが挙げられる。
金属などの被削材を切削加工する際に用いられる回転工具として、例えば特許文献1~3に記載のドリルが知られる。特許文献1~3に記載のドリルは、いずれも先端から後端に向かって延びた排出溝を有する。先端で生じた切屑は、排出溝を通って後端側へと流れ、外部へと排出される。
実開昭62-188313号公報 特開平03-142118号公報 特開平09-501109号公報
回転工具(ドリル)の先端側において、切屑が外部へ飛び出すと、切屑によって被削材の加工面が傷つけられる恐れがある。また、ドリルの後端側において切屑が外部へ飛び出しにくいと、切屑の詰まりが生じる恐れがある。そのため、ドリルの先端側においては切屑が外部に排出されにくく、ドリルの後端側においては切屑が外部に排出され易いことが望まれる。
例えば、特許文献1~3に記載のドリルは、各実施形態において開示されているラジアルレーキ及びヒール角が設定されているため、上記の課題が解決されていない。(特許文献1の図3、特許文献2の図3、特許文献3の図3等参照)。
本開示の限定されない一面の回転工具は、回転軸に沿って先端から後端に向かって延びた棒形状であって、前記先端の側に位置する切刃と、前記切刃から前記後端に向かって延びた排出溝と、前記回転軸の回転方向の前方において前記排出溝と隣り合う第1外周面と、前記回転方向の後方において前記排出溝と隣り合う第2外周面と、を有する。前記排出溝は、前記先端の側に位置する第1領域と、前記後端の側に位置する第2領域と、を有する。前記第1領域を通り、前記回転軸に直交する第1断面において、前記排出溝及び前記第1外周面のなす角が鋭角であって、前記排出溝及び前記第2外周面のなす角が鋭角である。前記第2領域を通り、前記回転軸に直交する第2断面において、前記排出溝及び前記第1外周面のなす角が鋭角であって、前記排出溝及び前記第2外周面のなす角が鈍角である。
上記のドリルは、先端側においては切屑が外部に排出されにくく、後端側においては切屑が外部に排出され易い。
一実施形態に係る回転工具を示す斜視図である。 図1に示すドリルをA1方向から見た平面図である。 図1に示すドリルをA2方向から見た平面図である。 図2に示すIV-IV断面の断面図である。 図2に示すV-V断面の断面図である。 図2に示すVI-VI断面の断面図である。 一実施形態に係る切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 一実施形態に係る切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 一実施形態に係る切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。
以下、実施形態の回転工具について、図面を用いて詳細に説明する。また、以下で参照する各図では、説明の便宜上、実施形態を構成する部材における主要な部材のみを簡略化して示している。したがって、回転工具は、本明細書が参照する各図に示されない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率を忠実に表したものではない。なお、本実施形態に示す回転工具はドリルであるが、例えば、リーマ又はエンドミルに本実施形態に示す回転工具の構成を適用してもよい。
本実施形態のドリル1は、図1に示す一例のように、先端3Aから後端3Bに向かって回転軸O1に沿って延びた略円柱形状の本体3を有する。本体3は、回転軸O1を中心として、回転方向O2に回転しながら穴あけ加工を行うことができる。
図1に示す一例において、本体3は、先端3Aの側に位置する切削部5と、切削部5よりも後端3Bの側に位置するシャンク部7と、を有する。切削部及びシャンク部の形状に関して特に限定はないが、本実施形態における本体が略円柱形状であることから、切削部及びシャンク部もまた略円柱形状である。
切削部5は、被削材に接触する部位を含み、この部位が被削材の切削加工において主たる役割をなす。シャンク部7は、工作機械における回転するスピンドル等に把持される部位であり、スピンドルの形状に応じて設計されてもよい。
実施形態の切削部5における外径は、例えば、8mm~33mmに設定され得る。また、図1及び図2に示すように、本実施形態のドリル1の加工可能深さをLAとし、外径(加工径)をDとするとき、実施形態の本体3において、LA及びDの関係は、例えば、LA/D=1.5~12に設定され得る。図1及び図2に示す一例においては、加工可能深さLAは、ドリル1の先端3Aから後端3Bの側に向かって延びる加工径Dよりも直径が小さい切削部の部分の長さを指す。
切削部5は、切刃9、排出溝11及び外周面13を有する。切刃9は、図2及び図3に示すように、本体3における先端3Aの側に位置する。一般的に、切刃9は先端刃と呼ばれる。排出溝11は、切刃9から後端3Bに向かって延びた溝である。外周面13は、切削部5の外周側に位置する面である。
ここで、図2は、回転軸O1に対して直交する方向からドリル1を見た平面図であり、側面図と言い換えてもよい。図3は、回転軸O1が延びる方向からドリル1を見た平面図であり、正面図と言い換えてもよい。
切刃9は、被削材を切削するために設けられる。切刃9は、図3に示すように、回転軸O1の側から外周面13の側に向かって延びている。ここで、図3に示すように、切削部5が複数の切刃9を有する場合、複数の切刃9のうちの1つを第1切刃9Aとし、第1切刃9Aに対して回転方向O2の後方に位置している切刃9を第2切刃9Bとする。
本実施形態に示すドリル1は、ホルダ及びインサートによって構成される、いわゆる刃先交換式であるが、本開示のドリルはスローアウェイドリルに限定されず、ホルダ及びインサートが一体的に形成された、いわゆるソリッドドリルであってもよい。
排出溝11は、一般にフルートと呼ばれ、切屑を後端3Bの側へと排出するために設けられる。そのため、回転方向O2の後方の側に位置する面が、一般的には後端3Bに向かうにしたがって回転方向O2の後方に向かうように傾斜している。また、図1に示す一例において、排出溝11は、切刃9から後端3Bに向かって回転軸O1の周りでねじれて延びているが、真っ直ぐ延びてもよい。
なお、ねじれて延びるとは、図1に示すように、排出溝11が切刃9から後端3Bの側に向かって螺旋形状に延びることを意味する。排出溝11は、部分的にねじれていない部位を有してもよい。排出溝11がねじれて延びる場合に、排出溝11のねじれ角は、特定の値に限定されず、例えば10°~35°程度に設定され得る。
図2に示す一例において、切削部5が複数の排出溝を有する場合、第1切刃9Aから後端3Bの側に向かって延びたものを第1排出溝11Aとし、第2切刃9Bから後端3Bの側に向かって延びたものを第2排出溝11Bとする。なお、説明の都合上、特に断りのない限り、以下に記載の排出溝11は、本実施例における第1排出溝11Aを指すものとする。
外周面13は、切削部5において外縁に位置する面領域である。本実施形態のドリル1において、回転軸O1に直交する断面における外周面13は、円弧形状となっている。切削部5は、外周面13として第1外周面13A及び第2外周面13Bを有する。第1外周面13Aは、排出溝11に対して回転軸O1の回転方向O2の前方に位置し、且つ、排出溝11と隣り合う。第2外周面13Bは、排出溝11に対して回転軸O1の回転方向O2の後方に位置し、且つ、排出溝11と隣り合う。
図3に示す一例において、第1外周面13A及び第2外周面13Bは、第1排出溝11A及び第2排出溝11Bによって隔てられた2つの外周面上にそれぞれ位置している。一方、例えば切削部5が排出溝11を1つのみ有する場合には、第1外周面13A及び第2外周面13Bは、同一の外周面上にあってもよい。
切削部5が1又は複数の切刃9を有する場合において、切削部5における、排出溝11及び外周面13の数は、切刃9の数に対応してもよい。図2及び図3に示す一例において、切刃9の数は2つであり、排出溝11及び外周面13の数もまた、それぞれ2つである。切削部5は、切刃9、排出溝11及び外周面13をそれぞれ3つ以上有してもよい。
また、図2に示す一例において、本実施形態に示すドリル1は、切刃9、排出溝11及び外周面13は、回転軸O1を中心とした回転対称の構成であって、具体的には、回転軸O1を中心に180°回転対称である。なお、切刃9、排出溝11及び外周面13は、回転軸O1を中心に非対称な構成であってもよい。
排出溝11は、先端3Aの側に位置する第1領域15及び後端3Bの側に位置する第2領域17を有する。ここで、第1領域15とは、回転軸O1の延びる方向において、外周面13における先端3Aの側に位置する端部(先端部S1)から加工可能深さLAの後端3Bの側に位置する端部(後端部S2)までの長さをLBとしたときに、先端部S1から後端3Bの側に向かって0~(LB/6)移動した箇所に位置する排出溝11の領域をいい、第2領域17とは、後端部S2から先端3Aの側に向かって0~(LB/6)移動し
た箇所に位置する排出溝11の領域をいう。
また、図2に示すように、排出溝11は、後端3Bの側において、回転軸O1の周方向における幅が、先端3Aから後端3Bに向かうにつれて、小さくなる部分を有してもよい。この場合には、図2に示すように、後端部S2は、その部分を除いた後端3Bの側に位置する端部を指すものとする。
なお、図2に示すように、IV-IV断面及びV-V断面は、それぞれ、先端部S1から後端3Bの側に向かってLB/8移動した箇所における断面及び後端部S2から先端3Aの側に向かってLB/8移動した箇所における断面を示している。
また、図4は、第1領域15における回転軸O1に直交する断面、即ち、第1断面の図であって、図5は、第2領域17における回転軸O1に直交する断面、即ち、第2断面の図である。
ここで、第M断面において、第N外周面13Tと排出溝11とが接する点を接点PMNとし、その接点PMNを通り、第N外周面13Tに対する接線を仮想直線JMN、接点PMNを通り、排出溝11に対する接線を仮想延長線KMNとしたとき、仮想直線JMNと仮想延長線KMNのなす角はθMNと表されるものとする。なお、Mは1~3のいずれかの整数であり、Nは1又は2である。また、Tは、N=1のときにAであり、N=2のときにBである。
切削部5が外周面13と排出溝11との間に面取り面を有してもよい。この場合、仮想直線JMNにおいては、外周面13及び面取り面が接する点を接点PMN、仮想延長線KMNにおいては、排出溝11及び面取り面が接する点を接点PMNとして、θMNを定義してもよい。
第1断面において、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角は鋭角であり、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が鋭角である。ここで、第1断面において、排出溝11あるいは外周面13が円弧形状であるために、上記の角が一義的に特定できない場合は、仮想直線J11及び仮想延長線K11のなす角θ11並びに/又は仮想直線J12及び仮想延長線K12のなす角θ12によって評価してもよい。図4に示す一例においては、θ11が排出溝11及び第1外周面13Aのなす角に相当し、θ12が排出溝11及び第2外周面13Bのなす角に相当する。図4に示す一例においては、θ11及びθ12はいずれも鋭角である。
また、第2断面において、排出溝及び第1外周面のなす角は鋭角であり、排出溝及び第2外周面のなす角が鈍角である。ここで、第2断面において、排出溝11あるいは外周面13が円弧形状であるために、上記の角が一義的に特定できない場合は、仮想直線J21及び仮想延長線K21のなす角θ21並び/又は仮想直線J22及び仮想延長線K22のなす角θ22によって評価してもよい。図5に示す一例において、θ21が排出溝11及び第1外周面13Aのなす角に相当し、θ22が排出溝11及び第2外周面13Bのなす角に相当する。図5に示す一例においては、θ21は鋭角であって、θ22は鈍角である。
なお、説明の便宜上、本実施形態のドリル1においては、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角(θ12~θ32)をラジアルレーキ、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角(θ11~θ31)をヒール角と呼ぶこととする。
ここで、回転工具(ドリル1)を用いて深穴加工をする際には、ドリル1の先端の側の
部分は加工穴の内部に位置することから、ドリル1の先端3Aの側において、切屑が外部へ飛び出すと、切屑が加工穴の内壁面(加工面)に衝突する可能性が高く、加工面が傷つけられる恐れがある。そのため、ドリル1の先端3Aの側においては、切屑が外部に飛び出さないように、排出溝11のラジアルレーキは鋭角であることが望ましい。
一方で、ドリル1の後端3Bの側においては、切屑が外部へ飛び出しにくいと、切屑の詰まりが生じる恐れがある。そのため、回転工具の後端3Bの側においては、切屑が外部に排出され易いように、排出溝11のラジアルレーキは鈍角であることが望ましい。
加えて、ドリル1の後端3Bの側においては、排出溝11のヒール角は鋭角であることが望ましい。これは、排出溝11における回転方向O2の後方の側の部分が回転方向O2の前方に向かって回転しているため、排出溝11における回転方向O2の前方の側から切屑が排出されると、その切屑が排出溝11における回転方向O2の後方の側の部分と衝突する可能性があるからである。
本実施形態に係るドリル1は、第1断面において、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が鋭角角であって、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が鋭角であって、第2断面において、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が鋭角であって、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が鈍角である。
ドリル1は、上記の構成を有することにより、ドリル1の先端3Aの側においては切屑が外部に排出されにくく、ドリル1の後端3Bの側においては切屑が外部に排出され易くなるという優れた性能を有する。
なお、角度θ11、θ12、θ21及びθ22は、それぞれ特定の値に限定されない。例えば、角度θ11は、45~75°に設定され得る。角度θ12は、30~60°に設定され得る。角度θ21は、15~45°に設定され得る。角度θ22は、90~120°に設定され得る。
切削部5は、第1領域15及び第2領域17の間に位置する第3領域19をさらに有してもよい。ここで、第3領域19とは、回転軸O1の延びる方向において、第1断面の位置及び第2断面の位置との中点における排出溝11の領域をいう。なお、図2に示す一例においては、VI-VI断面は、先端部S1から後端3Bの側に向かってD/2移動した箇所における断面を示している。
また、図6は、第3領域における回転軸に直交する断面、即ち、第3断面の図である。第3断面において、排出溝及び第1外周面のなす角は、鋭角であってもよい。また、第3断面において、排出溝及び第2外周面のなす角が鋭角又は鈍角であってもよい。
ここで、第3断面において、排出溝11あるいは外周面13が円弧形状であるために、上記の角が一義的に特定できない場合は、仮想直線J31及び仮想延長線K31のなす角θ31並びに/又は仮想直線J32及び仮想延長線K32のなす角θ32によって評価してもよい。図6に示す一例において、θ31が排出溝11及び第1外周面13Aのなす角に相当し、θ32が排出溝11及び第2外周面13Bのなす角に相当する。図6に示す一例においては、θ31は鋭角であって、θ32は鋭角である。
切削部5において、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角は、第1断面から第2断面に向かうにしたがって大きくなっていてもよい。ここで、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が、第1断面から第2断面に向かうにしたがって大きくなるとは、厳密に大きくなり続ける必要はなく、θ12<θ32<θ22であれば足りる。
切削部5において、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角は、第1断面から第2断面に向かうにしたがって一定の比率で大きくなっていてもよい。ここで、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が、第1断面から第2断面に向かうにしたがって一定の比率で大きくなる、とは、(((θ22-θ12)/2)+θ12-5°)<θ32<(((θ22-θ12)/2)+θ12+5°)であれば足りる。
上記の場合には、切屑詰まりが起こりやすいドリル1の後端3Bの側に向かうにつれて排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が大きくなることから、ドリル1がより良好な切屑排出性を有することができるため、加工面が傷付くおそれが小さくなる。
切削部5において、第1断面における排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が、第2断面における排出溝11及び第1外周面13Aのなす角よりも大きくなってもよい。また、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角は、第2断面から前記第1断面に向かうにしたがって大きくなっていてもよい。ここで、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が、第2断面から第1断面に向かうにしたがって大きくなるとは、厳密に大きくなり続ける必要はなく、θ21<θ31<θ11であれば足りる。
切削部5において、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角は、第2断面から第1断面に向かうにしたがって一定の比率で大きくなっていてもよい。ここで、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が、第2断面から第1断面に向かうにしたがって一定の比率で大きくなる、とは、(((θ11-θ21)/2)+θ21-5°)<θ31<(((θ11-θ21)/2)+θ21+5°)であれば足りる。
上記の場合には、ドリル1の先端3Aの側においては、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が大きくなっている一方で、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が小さくなっている場合には、ドリル1の肉厚を確保することにより、ドリル1の耐久性を高めつつ、切屑が外部に排出されることを抑制できる。また、ドリル1の後端3Bの側においては、排出溝11及び第2外周面13Bのなす角が大きくなっている一方で、排出溝11及び第1外周面13Aのなす角が小さくなっている場合には、排出溝11における回転方向O2の後方の側から切屑をより効率的に排出することができる。
なお、角度θ31及びθ32は、それぞれ特定の値に限定されない。例えば、角度θ31は、30~60°に設定され得る。角度θ32は、60~90°に設定され得る。
第1断面における第1領域15は、全体が凹曲線形状であってもよい。第2断面における第2領域17は、第1外周面に接続される第1部位21を有してもよい。第1部位21は、凹曲線形状を有してもよい。第2断面における第2領域17は、第2外周面13B及び第1部位21に接続される第2部位23を有してもよい。第2部位23は直線形状であってもよい。
上記の場合には、ドリル1の先端3Aの側に位置する第1領域15全体が凹曲線形状であるため、切屑を排出溝11における凹曲線形状の部分によって受け止めることができ、ドリル1の先端3Aの側において、切屑が外部に飛び出るリスクを抑制することができる。また、ドリル1の後端3Bの側に位置する第2領域17は、直線形状である第2部位23を有するため、第2部位13に衝突した切屑を排出溝11の回転方向の後端の側から、外部に排出し易くなり、ドリル1の後端3Bの側において、切屑排出性がより良好になる。
第3断面における第3領域19は、第1外周面13Aに接続される第3部位25を有し
てもよい。第3部位25は、凹曲線形状であってもよい。第3断面における第3領域25は、第2外周面13B及び第1部位21に接続される第4部位27を有してもよい。第4部位27は直線形状であってもよい。図4~6に示す一例において、第2部位23の長さL2は、第4部位27の長さL4よりも長くてもよい。第3部位25の長さL3は、第1部位21の長さL1より長くてもよい。
上記の場合には、第2部位23が相対的に長くなるため、ドリル1の後端3Bの側において、切屑排出性がより良好になる。また、第3部位25が相対的に長くなるため、ドリル1の先端3Aの側において、切屑が外部に飛び出るリスクを抑制することができる。
本体3に取り付けられるインサートの材質としては、例えば、超硬合金又はサーメットなどが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC-Co、WC-TiC-Co及びWC-TiC-TaC-Coが挙げられる。ここで、WC、TiC、TaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、炭化チタン(TiC)又は窒化チタン(TiN)を主成分としたチタン化合物が挙げられる。なお、ソリッドドリルの場合には、切削部5の材質が超硬合金であってもよい。
本体3に取り付けられるインサートの表面は、化学蒸着(CVD)法、又は物理蒸着(PVD)法を用いて被膜でコーティングされてもよい。被膜の組成としては、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)又はアルミナ(Al)などが挙げられる。なお、ソリッドドリルの場合、切削部5が物理蒸着(PVD)法を用いて被膜でコーティングされてもよい。
<切削加工物の製造方法>
次に、本開示の実施形態における切削加工物の製造方法について、上記の実施形態のドリル1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図7~図9を参照しつつ説明する。
本開示の実施形態における切削加工物の製造方法は、
(1)ドリル1を回転軸O1の周りで回転させる工程と、
(2)回転しているドリル1における切刃9を被削材100に接触させる工程と、
(3)ドリル1を、被削材100から離す工程と、を備えている。
より具体的には、まず、図7に示すように、ドリル1を回転軸O1の周りで回転させるとともに回転軸O1に沿った方向(Y1方向)に移動させることによって、ドリル1を被削材100に相対的に近づける。
次に、図8に示すように、ドリル1における切刃9を被削材100に接触させて被削材100を切削する。そして、図9に示すように、ドリル1をY2方向に移動させることによって、ドリル1を被削材100から相対的に遠ざける。
実施形態においては、被削材100を固定させるとともに回転軸O1の周りでドリル1を回転させた状態で、ドリル1を被削材100に近づけている。また、図8においては、回転しているドリル1の切刃9を被削材100に接触させることによって、被削材100を切削している。また、図9においては、ドリル1を回転させた状態で被削材100から遠ざけている。
なお、本開示の実施形態における製造方法を用いた切削加工では、それぞれの工程において、ドリル1を動かすことによって、ドリル1を被削材100に接触させる、あるいは
、ドリル1を被削材100から離している。当然ながらこのような形態に限定されるものではない。
例えば、(1)の工程において、被削材100をドリル1に近づけてもよい。同様に、(3)の工程において、被削材100をドリル1から遠ざけてもよい。切削加工を継続する場合には、ドリル1を回転させた状態を維持して、被削材100の異なる箇所にドリル1における切刃9を接触させる工程を繰り返せばよい。
被削材100の材質の代表例としては、アルミ、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄、又は非鉄金属などが挙げられる。
1・・・ドリル
3・・・本体
3A・・先端
3B・・後端
5・・・切削部
7・・・シャンク部
9・・・切刃
9A・・・第1切刃
9B・・・第2切刃
11・・・排出溝
11A・・・第1排出溝
11B・・・第2排出溝
13・・・外周面
13A・・・第1外周面
13B・・・第2外周面
15・・・第1領域
17・・・第2領域
19・・・第3領域
21・・・第1部位
23・・・第2部位
25・・・第3部位
27・・・第4部位
100・・・被削材
O1・・・回転軸
O2・・・回転方向
LA・・・加工可能深さ
LB・・・先端部から後端部までの長さ
L1~L4・・・(各部位の)長さ
D・・・外径(加工径)
S1・・・先端部
S2・・・後端部
P・・・接点
J・・・仮想直線
K・・・仮想延長線
θ・・・仮想直線及び仮想延長線のなす角
Y1、Y2・・・移動方向

Claims (9)

  1. 回転軸に沿って先端から後端に向かって延びた棒形状であって、
    前記先端の側に位置する切刃と、
    前記切刃から前記後端に向かって延びた排出溝と、
    前記回転軸の回転方向の前方において前記排出溝と隣り合う第1外周面と、
    前記回転方向の後方において前記排出溝と隣り合う第2外周面と、を有し、
    前記排出溝は、
    前記先端の側に位置する第1領域と、
    前記後端の側に位置する第2領域と、を有し、
    前記第1領域を通り、前記回転軸に直交する第1断面において、
    前記排出溝及び前記第1外周面のなす角が鋭角であって、
    前記排出溝及び前記第2外周面のなす角が鋭角であって、
    前記第2領域を通り、前記回転軸に直交する第2断面において、
    前記排出溝及び前記第1外周面のなす角が鋭角であって、
    前記排出溝及び前記第2外周面のなす角が鈍角である、回転工具。
  2. 前記排出溝及び前記第2外周面のなす角は、前記第1断面から前記第2断面に向かうにしたがって大きくなっている、請求項1に記載の回転工具。
  3. 前記排出溝及び前記第2外周面のなす角は、前記第1断面から前記第2断面に向かうにしたがって一定の比率で大きくなっている、請求項2に記載の回転工具。
  4. 前記第1断面における前記排出溝及び前記第1外周面のなす角が、前記第2断面における前記排出溝及び前記第1外周面のなす角よりも大きい、請求項1に記載の回転工具。
  5. 前記排出溝及び前記第1外周面のなす角は、前記第2断面から前記第1断面に向かうにしたがって大きくなっている、請求項4に記載の回転工具。
  6. 前記第1断面における前記第1領域は、全体が凹曲線形状であって、
    前記第2断面における前記第2領域は、
    前記第1外周面に接続され、凹曲線形状である第1部位と、
    前記第2外周面及び前記第1部位に接続され、直線形状である第2部位と、を有する、請求項1に記載の回転工具。
  7. 前記排出溝は、前記第1領域及び前記第2領域の間に位置する第3領域をさらに有し、
    前記第3領域は、前記回転軸に直交する第3断面において、
    前記第1外周面に接続され、凹曲線形状である第3部位と、
    前記第2外周面及び前記第1部位に接続され、直線形状である第4部位と、を有し、
    前記第2部位が、前記第4部位よりも長い、請求項6に記載の回転工具。
  8. 前記第3部位が、前記第1部位よりも長い、請求項7に記載の回転工具。
  9. 請求項1~8のいずれか1つに記載の回転工具を回転させる工程と、
    前記回転工具を被削材に接触させる工程と、
    前記回転工具を被削材から離す工程と、を有する切削加工物の製造方法。
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