JP2024021350A - 自覚式検眼装置 - Google Patents

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知宏 上川
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Abstract

【課題】 仮枠検査をスムーズに行えるようにする。
【解決手段】 自覚式検眼装置は、視標光束を被検眼に投影するための視標投光光学系と、視標投光光学系の光路中に配置され、被検眼に付与する屈折力の矯正量を変化する矯正光学系と、矯正光学系を介した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する導光光学系と、を有し、被検者の眼前を開放状態で被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式検眼装置であって、仮枠を使用した仮枠検査を開始するための開始信号に基づいて矯正光学系を無矯正状態に変える測定制御手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本開示は、被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式検眼装置に関する。
自覚式検眼装置としては、複数のレンズディスクからなる矯正光学系を有するレンズユニット(フォロプター)を被検眼の眼前に配置するタイプの装置(例えば、特許文献1)が知られている。また、自覚式検眼装置としては、矯正光学系を介した検査視標の像を被検眼に導光し、矯正光学系を実際に被検眼の眼前に配置することなく、自然な状態(開放状態)で被検眼の光学特性を自覚的に測定する装置が提案されている(例えば、特許文献2)。また、この装置は、矯正光学系を有する測定部を被検眼に自動的にアライメントする機能を有している。
特開平5-176893号公報 特開2017―86652号公報
ところで、被検眼に眼鏡レンズを処方する上では、一般に、被検眼の光学特性を自覚的に測定した後に、仮枠(トライアルフレーム)を使用した仮枠検査が行われる。仮枠検査では、被検者は仮枠を装着し、仮枠にテストレンズが入れられた状態で検査視標の見え具合の確認が行われる。
しかし、特許文献2のように矯正光学系を介して検査視標の像を被検眼に導光する方式の装置では、仮枠検査を行う上で不都合があることが判った。
本開示は、上記問従来技術に鑑み、仮枠検査をスムーズに行える自覚式検眼装置を提供することを技術課題とする。
本開示における典型的な実施形態が提供する自覚式検眼装置は、視標光束を被検眼に投影するための視標投光光学系と、前記視標投光光学系の光路中に配置され、被検眼に付与する屈折力の矯正量を変化する矯正光学系と、前記矯正光学系を介した前記視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する導光光学系と、を有し、被検者の眼前を開放状態で被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式検眼装置であって、仮枠を使用した仮枠検査を開始するための開始信号に基づいて前記矯正光学系を無矯正状態に変える測定制御手段と、を備えることを特徴とする。
自覚式検眼装置の外観の概略構成を示す図である。 測定部に配置される光学系を示す図である。 自覚式検眼装置の内部を正面方向から見た概略構成図である。 自覚式検眼装置の内部を側面方向から見た概略構成図である。 自覚式検眼装置の内部を上面方向から見た概略構成図である。 自覚式検眼装置の制御系を示す図である。 自覚眼屈折力測定モードにおけるディスプレイの操作画面の例である。 仮枠とテストレンズを説明する図である。 仮枠検査における矯正量の表示の変容例を示す図である。
[概要]
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
本実施形態における自覚式検眼装置(例えば、自覚式検眼装置1)は、視標投光光学系(例えば、視標投光光学系30)と、矯正光学系(例えば、矯正光学系60)と、導光光学系(例えば、導光光学系80)と、測定制御手段(例えば、制御部70)と、を備える。例えば、自覚式検眼装置は、自動アライメント手段(例えば、第1アライメント指標光学系55、第2アライメント指標光学系40、観察光学系50、制御部70)と、自動アライメント手段の動作を停止する停止手段(例えば、制御部70)と、を備えていてもよい。
例えば、自覚式検眼装置は、表示手段(例えば、ディスプレイ6a)と、表示制御手段(例えば、制御部70)と、を備えていてもよい。例えば、表示制御手段は、表示手段の表示を制御する。また、例えば、自覚式検眼装置は、変更手段(例えば、矯正項目選択欄614、プラススイッチ616a、マイナススイッチ616b)を備えていてもよい。例えば、変更手段は、表示手段に表示された矯正量の値を変更するために使用される。
<視標投光光学系>
例えば、視標投光光学系は、検査視標の視標光束を被検眼に投影する。視標投光光学系は、視標光束を投影する構成であればよく、例えば、視標を表示するディスプレイ(例えば、ディスプレイ31)を持つ構成、DMD(Digital Micromirror Device)を持つ構成、視標板とその視標板を背後から照明する光源とを持つ構成、の何れかであってもよい。
<矯正光学系>
例えば、矯正光学系は、視標投光光学系の光路中に配置され、被検眼に付与する屈折力の矯正量を変化させる。矯正光学系は、被検眼に付与する屈折力の矯正量を変化させるために、視標光束の光学特性を変化できればよい。例えば、矯正光学系は、球面矯正光学系(例えば、駆動機構39)と、乱視矯正光学系(例えば、乱視矯正光学系63)を備えていてもよい。例えば、球面矯正光学系は、被検眼に付与する球面屈折力の矯正量を変化させる。例えば、乱視矯正光学系は、被検眼に付与する乱視屈折力の矯正量を変化させる。例えば、矯正光学系は、左右一対に設けられた右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系を有していてもよい。
<導光光学系>
例えば、導光光学系は、矯正光学系を介した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する。例えば、導光光学系は、光学部材として、視標光束の像を光学的に所定の検査距離にするための凹面ミラー(例えば、凹面ミラー85)を備える。例えば、導光光学系は、矯正光学系を介した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光できればよく、凹面ミラーの代わりにレンズであってもよい。例えば、この導光光学系により、被検者の眼前を開放状態で被検眼の光学特性を自覚的に測定可能とされる。すなわち、被検者の眼前に矯正光学系を配置することなく、被検眼の光学特性を測定可能とされる。例えば、被検者の眼前とは、眼鏡装用時に眼鏡レンズが位置する付近とされる。
また、矯正光学系が左右一対に設けられた右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系で構成される場合、導光光学系は、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、で共有されてもよい。
<測定制御手段>
例えば、測定制御手段は、仮枠を使用した仮枠検査を開始するための開始信号に基づいて矯正光学系を無矯正状態に変える。例えば、矯正光学系を無矯正状態に変えるとは、実質的に、矯正光学系の矯正量をゼロの状態にできることであればよい。この場合、例えば、被検眼に付与する球面度数と乱視度数をゼロの状態にできればよい。言い換えれば、矯正光学系の無矯正状態とは、被検眼に対する矯正が実行されていない状態であってもよい。これにより、矯正光学系を介して検査視標が呈示される構成であっても、被検眼に検査視標を見せながら仮枠検査を適切に行える。このため、仮枠検査をスムーズに行える。
なお、例えば、自覚式検眼装置は、開始信号入力手段(例えば、仮枠検査ボタン630)を備えていてもよい。例えば、開始信号入力手段は、仮枠を使用した仮枠検査を開始するための開始信号を入力するために使用される。
また、例えば、自覚式検眼装置が変更手段を備える場合、測定制御手段は、変更手段によって矯正量の値が変更された場合にも、矯正光学系を無矯正状態にしたままとしてもよい。言い換えれば、測定制御手段は矯正光学系の無矯正状態を維持した状態とし、変更手段によって表示手段に表示された矯正量の値が変更可能にされてもよい。これにより、検者は、仮枠にセットされたテストレンズの矯正量を変えた場合に、表示手段上の矯正量の値のみを変更でき、仮枠検査での最終結果(処方度数)を適切に出力及び管理できる。
<自動アライメント手段>
例えば、自動アライメント手段は、被検眼(例えば、裸眼の被検眼)に対する矯正光学系のアライメント状態を検出し、その検出に基づいて矯正光学系を被検眼に対して自動的にアライメントする。例えば、自動アライメント手段は、アライメント検出手段(例えば、撮像素子52、位置検出素子48、制御部70)と、を備えていてもよい。例えば、アライメント検出手段は、被検眼に対する矯正光学系のアライメント状態を検出する。例えば、アライメント検出手段は、アライメント指標投光手段(例えば、第1アライメント指標光学系55、第2アライメント指標光学系40)によって被検眼に投光されたアライメント指標を検出することで、アライメント状態を検出する。また、例えば、アライメント検出手段は、撮像手段(例えば、撮像素子52)によって撮像された被検眼の前眼部像に基づいてアライメント状態を検出してもよい。
例えば、自動アライメント手段は、被検眼に対して矯正光学系を三次元的に駆動する駆動手段(例えば、駆動部83、駆動機構82)と、駆動手段を制御するアライメント制御手段(例えば、制御部70)と、を備えていてもよい。例えば、アライメント制御手段は、アライメント検出手段によって検出されたアライメント状態に基づいて駆動手段を制御することで、被検眼に対して矯正光学系を自動的に所定の位置関係にアライメントする。
なお、自動アライメント手段は、仮枠検査前に、矯正光学系による自覚眼屈折力の測定中も被検眼に対して矯正光学系をアライメントしてもよい。すなわち、例えば、自動アライメント手段は、アライメントの自動追尾を含んでもよい。例えば、アライメントの自動追尾は、アライメント状態が所定の許容範囲を外れた場合に、アライメント状態が再び所定の許容範囲に入るように、自動アライメントが行われる。
例えば、矯正光学系が左右一対に設けられた右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系を有する場合、自動アライメント手段は、左右の被検眼に対して、右眼用矯正光学系と左眼用矯正光学系をそれぞれ自動的にアライメントするように構成されていてもよい。
<停止手段>
例えば、停止手段は、仮枠検査の開始信号に基づいて自動アライメント手段の動作を停止する。例えば、停止手段は、裸眼の被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)の測定時に作動する自動アライメント手段を、仮枠検査の開始信号に基づいて停止する。これにより、仮枠検査時に、被検眼の眼前に仮枠のテストレンズが配置されたことに伴うアライメント状態の誤検出や自動追尾の誤作動の可能性を低減できる。
例えば、停止手段は、アライメントの動作を実質的に停止する場合を含んでいてもよい。例えば、停止手段は、自動アライメント手段の作動を直接的に停止する第1停止手段と、自動アライメント手段が作動しないようにアライメント状態の検出条件を変える第2停止手段と、の何れかを含むように構成されていてもよい。例えば、第1停止手段は、アライメント状態の検出信号があったとしても、自動アライメント手段の作動を停止する。この場合、第1停止手段は、アライメント状態の検出信号を無効(OFF)にすることを含んでいてもよい。あるいは、例えば、第1停止手段は、アライメント状態の検出信号があったとしても、自動アライメント手段の駆動部を動作させる信号を停止するようにしてもよい。一方、例えば、第2停止手段は、仮枠検査前における矯正光学系によって被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)を測定する測定時のアライメント状態の検出条件に対して、アライメント状態の検出条件を変えることで、自動アライメント手段が実質的に効かないようにしてもよい。具体的には、例えば、第2停止手段は、仮枠検査前の測定のアライメントに利用される光源(例えば、前眼部照明部95、光源56、光源41)を消灯し(減光の場合も含む)、アライメントに利用される検出素子(例えば、撮像素子52、位置検出素子48)にアライメント光が検出されないようにすることで、自動アライメント手段が実質的に効かないようにしてもよい。あるいは、例えば、第2停止手段は、アライメントに利用される検出素子(例えば、撮像素子52、位置検出素子48)からの検出信号が出力されないようにすることで、自動アライメント手段が実質的に効かないようにしてもよい。
なお、例えば、停止手段は、仮枠検査前の被検眼(裸眼)の光学特性(例えば、眼屈折力)の測定時における自動アライメント手段(これを第1自動アライメント手段とする)の動作を停止するものであればよい。そして、例えば、仮枠検査前の第1自動アライメント手段に対し、被検眼の眼前に仮枠のテストレンズが配置されることで発生する反射光の影響を軽減するように、アライメント状態の検出条件を変えた第2自動アライメント手段に切換える構成が採用された場合にも、上記の停止手段は、仮枠検査前の裸眼の被検眼に対する第1自動アライメント手段を停止したこととなるので、これを含んでいてもよい。
<表示手段、表示制御手段>
例えば、表示手段は、矯正光学系によって測定された矯正量の値(例えば、球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Aの値)を表示する。例えば、表示制御手段は、表示手段を制御し、仮枠検査の開始信号に基づいて矯正光学系が無矯正状態に変更された場合にも、開始信号の入力直前に矯正光学系によって測定された矯正量の値を表示手段に表示させる。これにより、検者は仮枠にテストレンズをセットする際に、自覚検査で得られた矯正値を知ることができ、仮枠検査をスムーズに行える。また、検者は仮枠検査での結果を出力及び管理できる。
なお、表示制御手段は、矯正光学系による自覚眼屈折力測定の結果を表示す第1表示領域(例えば、右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618L)に矯正量の値をそのまま表示させ状態としてもよい。あるいは、例えば、表示制御手段は、仮枠検査の開始信号が入力される直前の自覚眼屈折測定で得られた値をコピーし、第1表示領とは別の第2表示領域(例えば、表示欄568R及び658L)に表示させてもよい。この場合、表示制御手段は、第1表示領に表示する矯正量の値を矯正光学系に連動した表示としてもよい。
<各手段の構成>
なお、本実施形態において、測定制御手段と、停止手段と、表示制御手段と、の少なくともいずれかが兼用された構成であってもよい。また、測定制御手段と、停止手段と、表示制御手段と、が別途それぞれ設けられている構成であってもよい。もちろん、これらの手段は、複数の制御手段によって構成されてもよい。
[実施例]
本実施形態に係る自覚式検眼装置の一実施例について説明する。図1は、自覚式検眼装置1の外観の概略構成を示す図である。本実施例においては、自覚式検眼装置1は、被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)を自覚的に測定する自覚式測定部と、被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)を他覚的に測定する他覚式測定部と、を備えている装置を例にして説明する。なお、図1において、被検者側から見て左右方向(水平方向)をX方向、上下方向(鉛直方向)をY方向、前後方向をZ方向として説明する。
例えば、自覚式検眼装置1は、筐体2、呈示窓3、額当て4、顎台5、コントローラ6、測定部7、撮像部90、前眼部照明部95、等を備える。
呈示窓3は、被検眼に視標を呈示するために用いられる。被検者の額を当てる額当て4は、被検眼と自覚式検眼装置1との距離を一定に保つために用いられる。被検者の顎を載せる顎台5は、被検眼と自覚式検眼装置1との距離を一定に保つために用いられる。なお、顎台5は、必ずしも設けられていなくてもよい。
操作部の例であるコントローラ6は、表示手段の例であるディスプレイ6a、スイッチ部6b、等を備える。ディスプレイ6aは、各種の情報(例えば、被検眼の測定結果、等)を表示する。ディスプレイ6aは、タッチパネルの機能を有し、ディスプレイ6aがスイッチ部6bの機能を兼ねている。スイッチ部6bは、各種の設定(例えば、各所の操作信号の入力、等)を行うために用いられていてもよい。コントローラ6からの操作指示に応じた信号は、ケーブル等を介した有線通信と、赤外線等を介した無線通信と、の少なくとも一方により、後述する制御部70(図6参照)へ出力される。
撮像部90は、図示なき撮像光学系を備える。例えば、撮像光学系は、被検者の顔を撮像するために用いられる。例えば、撮像光学系は、撮像素子とレンズにより構成されてもよい。前眼部照明部95は、内部に赤外照明光源(図示を略す)が配置され、後述する観察光学系50(図2参照)によって被検眼の前眼部を撮像するための照明光を左右の被検眼に向けて発する。
<測定部>
測定部7は、左眼用測定部7Lと右眼用測定部7Rを備える。本実施例において、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、は同一の部材で構成される。もちろん、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、はその少なくとも一部が異なる部材で構成されてもよい。測定部7は、後述する左右一対の視標投光光学系と、後述する左右一対の自覚式測定部と、後述する左右一対の他覚式測定部と、を有する。測定部7からの視標光束及び測定光束は、呈示窓3を介して被検眼に導光される。
図2は、測定部7に配置される光学系を示す図である。図2では、測定部7として、左眼用測定部7Lを例に挙げる。右眼用測定部7Rは、左眼用測定部7Lと同様の構成であるため省略する。例えば、左眼用測定部7Lは、視標投光光学系30、自覚式測定光学系25、他覚式測定光学系10、第1アライメント指標光学系55、第2アライメント指標光学系40、観察光学系50、等を備える。
<視標投光光学系>
視標投光光学系30は、視標光束を被検眼に投影する。例えば、視標投光光学系30は、ディスプレイ31、投光レンズ33、投光レンズ34、反射ミラー36、対物レンズ37、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。
ディスプレイ31には、視標(固視標、検査視標、等)が表示される。ディスプレイ31から出射した視標光束は、投光レンズ33からダイクロイックミラー29までの光学部材を順に経由して、左の被検眼Eに投影される。ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光路と、自覚式測定光学系25の光路と、を共通光路にする。すなわち、ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光軸L1と、自覚式測定光学系25の光軸L2と、を同軸にする。ダイクロイックミラー29は、光路分岐部材である。ダイクロイックミラー29は、視標投光光学系30による視標光束と、後述の投影光学系10aによる測定光束と、を反射して被検眼Eに導く。
なお、本実施例においては、視標光束を投影する光源としてディスプレイ31を用いているがこれに限定されない。視標投光光学系30は、視標光束を投影する構成であればよい。例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いてもよい。DMDは反射率が高く、偏光を用いる液晶のディスプレイを用いた場合と比べ、視標光束の光量を高く維持できる。また、例えば、ディスプレイに代え、光路に切換え配置される視標板と、視標板を背後から照明する光源と、を備える構成であってもよい。例えば、視標板は、モータ等によって回転されるディスク板で構成され、自覚眼屈折力の測定で使用される視力値視標等の複数の視標を持つものであってもよい。
<自覚式測定光学系>
自覚式測定光学系25は、被検眼Eの光学特性を自覚的に測定する自覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する自覚式測定部を例に挙げる。なお、被検眼Eの光学特性は、眼屈折力の他、コントラスト感度、両眼視機能(例えば、斜位量、立体視機能、等)、等であってもよい。例えば、自覚式測定光学系25は、前述した視標投光光学系30と、矯正光学系60と、で構成される。
<矯正光学系>
矯正光学系60は、視標投光光学系30の光路中に配置される。また、矯正光学系60は、ディスプレイ31からの視標光束の光学特性を変化させる。これにより、例えば、矯正光学系60は、被検眼に付与する屈折力(球面屈折力、乱視屈折力)の矯正量を変化させる。例えば、矯正光学系60は、乱視矯正光学系63、球面矯正光学系として利用される駆動機構39、等を備える。
乱視矯正光学系63は、被検眼Eの乱視度数(円柱度数)や乱視軸角度を矯正するために用いられる。本実施例では、乱視矯正光学系63は、投光レンズ33と投光レンズ34との間に配置される。乱視矯正光学系63は、焦点距離の等しい、2枚の正の円柱レンズ61a,61bで構成される。円柱レンズ61aと円柱レンズ61bは、回転機構62aと回転機構62bの駆動によって、光軸L2を中心として、各々が独立に回転する。
なお、本実施例では、乱視矯正光学系63として、円柱レンズ61aと円柱レンズ61bを用いる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。乱視矯正光学系63は、円柱度数、乱視軸角度、等を矯正できる構成であればよい。一例としては、視標投光光学系30の光路に、矯正レンズを出し入れしてもよい。
本実施例において、視標投光光学系30が備えるディスプレイ31は、駆動機構39によって視標投光光学系30の光軸L2方向へ移動される。例えば、駆動機構39は、モータ及びスライド機構により構成される。例えば、自覚測定時において、ディスプレイ31が移動されることで、被検眼に対する視標の呈示位置(呈示距離)が光学的に変えられ、被検眼の球面屈折力が矯正される。すなわち、本実施例ではディスプレイ31の移動により、球面度数の矯正光学系が構成される。そして、ディスプレイ31の移動により、基準位置に対する検査視標の光学的距離に基づいて球面度数が測定される。
なお、球面度数の矯正光学系としては、これに限定されない。例えば、球面度数の矯正光学系は、多数の光学素子を有し、光路中に光学素子が配置されることによって矯正を行う構成であってもよい。また、例えば、光路中に配置されたレンズを光軸方向に移動させる構成であってもよい。
<他覚式測定光学系>
他覚式測定光学系10は、被検眼Eの光学特性を他覚的に測定する他覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する他覚式測定部を例に挙げて説明する。例えば、他覚式測定光学系10は、投影光学系10aと、受光光学系10bと、で構成される。
投影光学系10aは、被検眼Eの瞳孔中心部を介して、被検眼Eの眼底にスポット状の測定指標を投影する。例えば、投影光学系10aは、光源11、リレーレンズ12、ホールミラー13、プリズム15、対物レンズ14、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。
光源11は、測定光束を出射する。光源11は、被検眼Eの眼底と共役な関係となっている。ホールミラー13のホール部は、被検眼Eの瞳孔と共役な関係となっている。プリズム15は、光束偏向部材である。プリズム15は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置から外れた位置に配置され、プリズム15を通過する測定光束を光軸L1に対して偏心させる。プリズム15は、光軸L1を中心として、駆動部(例えば、モータ)23により回転駆動される。
受光光学系10bは、被検眼Eの眼底で反射された眼底反射光束を、被検眼Eの瞳孔周辺部を介してリング状に取り出す。例えば、受光光学系10bは、ダイクロイックミラー29、ダイクロイックミラー35、対物レンズ14、プリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17、受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、撮像素子22、等を備える。
リングレンズ20は、リング状に形成されたレンズ部と、レンズ部以外の領域に遮光用のコーティングを施した遮光部と、から構成される。リングレンズ20は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置関係となっている。受光絞り18と撮像素子22は、被検眼Eの眼底と共役な関係となっている。撮像素子22からの出力は、制御部70に入力される。
上記の構成において、光源11から出射された測定光束は、リレーレンズ12、ホールミラー13、及びプリズム15からダイクロイックミラー29までの光学部材を順に経由して、被検眼Eの眼底上にスポット状の点光源像を形成する。このとき、光軸周りに回転するプリズム15によって、ホールミラー13におけるホール部の瞳投影像(瞳上での投影光束)は、高速に偏心回転される。眼底に投影された点光源像は、反射・散乱されて被検眼Eから射出すると、ダイクロイックミラー29とダイクロイックミラー35に反射され、対物レンズ102によって集光し、高速回転するプリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、及びミラー17を介して、受光絞り18に再び集光すると、コリメータレンズ19とリングレンズ20により、リング状の像として撮像素子22に結像する。
なお、本実施例において、プリズム15は、投影光学系10aと受光光学系10bの共通光軸に配置されている。例えば、投影光学系10aからの測定光束はプリズム15を通過して被検眼Eに入射し、被検眼Eの眼底で反射した眼底反射光束は同じプリズム15を通過するため、それ以降の光学系では、あたかも瞳孔上における投影光束・眼底反射光束(受光光束)の偏心がなかったかのように逆走査される。
なお、他覚式測定光学系10の例である眼屈折力測定光学系は、眼屈折力が得られる構成であれば上記に限られない。例えば、シャックハルトマンセンサーを備えた構成であってもよい。これらの詳細については、例えば、特開2018-47049号公報を参考されたい。
また、投影光学系10aが備える光源11及びリレーレンズ12と、受光光学系10bが備える受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、及び撮像素子22は、光軸方向へ一体的に移動可能となっている。本実施例では、これらは、ディスプレイ31を移動させる駆動機構39により駆動ユニット95として同期して一体的に移動される。駆動機構39が移動させた駆動ユニット95の移動位置は、図示なき検出器によって検出される。もちろん、これらは、それぞれが駆動される構成としてもよい。
駆動ユニット95が光軸方向へ移動されることで、被検眼Eの眼底に対し、光源11、受光絞り18、及び撮像素子22が光学的に共役となるように配置される。なお、駆動ユニット95の移動にかかわらず、ホールミラー13とリングレンズ20は、被検眼Eの瞳と一定の倍率で共役になるように配置されている。このため、投影光学系10aの測定光束が反射された眼底反射光束は、常に平行光束として受光光学系10bのリングレンズ20に入射し、被検眼Eの眼屈折力に関わらず、リングレンズ20と同一の大きさのリング状光束が、ピントの合った状態で、撮像素子22に撮像される。
<アライメント指標光学系>
本実施例のアライメント指標光学系は、第1アライメント指標光学系55と第2アライメント指標光学系40を備える。
第1アライメント指標光学系55は、近赤外光を発する光源56、コリメータレンズ57、ハーフミラー58、を備える。光源56を出射した光は、コリメータレンズ57により略平行光束とされ、ハーフミラー58で反射されることで他覚式測定光学系10の光軸L1と同軸にさる。その後、光源56からの光は、ダイクロイックミラー35及びダイクロイックミラー29で反射され、被検眼Eの正面方向から被検眼Eに投光される。第1アライメント指標光学系55は、XY方向における被検眼Eのアライメント状態が検出するために利用される。
第2アライメント指標光学系40は、投光光学系40aと検出光学系40bとを備える。投光光学系40aは、近赤外光を照明発する光源41及びコリメータレンズ42を備え、被検眼Eの角膜に向けて斜め方向から指標光を投光する。検出光学系40bの光軸は、観察光学系50の光軸L3に関して投光光学系40aの光軸と対照的に配置されている。検出光学系40bは、レンズ46、集光レンズ47、位置検出素子48を備える。光源41によって投光された照明光は、被検眼Eの角膜で反射されることで光源41の虚像である指標像(角膜反射輝点)を形成する。その指標像の光は、レンズ46及び集光レンズ47を介して位置検出素子48に入射する。位置検出素子48上の指標像の位置は、Z方向における被検眼Eの位置に応じて変化する。位置検出素子48の出力信号は制御部70に出力され、制御部70によってZ方向における被検眼Eのアライメント状態が検出される。
<観察光学系>
観察光学系(撮像光学系)50は、ダイクロイックミラー29、対物レンズ53、撮像レンズ51、撮像素子52、等を備える。ダイクロイックミラー29は、前眼部観察光及びアライメント光を透過する。撮像素子52は、被検眼Eの前眼部と共役な位置に配置された撮像面をもつ。撮像素子52からの出力は、制御部70に入力される。これによって、被検眼Eの前眼部画像は撮像素子52により撮像され、ディスプレイ6a上に表示される。
また、観察光学系50は、第1アライメント指標光学系55によって被検眼Eの角膜に形成された指標像を検出する検出光学系を兼ねる。すなわち、第1アライメント指標光学系55の光源56からの光が被検眼Eの角膜で反射されることで、光源56の虚像である指標像(角膜反射輝点)が形成され、その指標像は撮像素子52に受光される。そして、撮像素子52の出力信号に基づき、制御部70によって指標像の位置が検出されることで、被検眼EのXY方向におけるアライメント状態が検出される。
<検眼装置の内部構成及び導光光学系>
自覚式検眼装置1の内部構成について説明する。図3は、自覚式検眼装置1の内部を正面方向から見た概略構成図である。図4は、自覚式検眼装置1の内部を側面方向から見た概略構成図である。図5は、自覚式検眼装置1の内部を上面方向から見た概略構成図である。なお、図4及び図5では、説明の便宜上、左眼用測定部7Lの光軸のみを示している。
自覚式検眼装置1は、自覚式検眼装置1は測定部7からの視標光束の像を被検眼に導光する導光光学系80を備える。本実施例の導光光学系80は、光偏向部材の例である偏向ミラー81、反射ミラー84、凹面ミラー85、等を備える。また、自覚式検眼装置1は、導光光学系80に関連した構成として駆動機構82、駆動部83を備える。導光光学系80は、導光光学部材の凹面ミラー85により、自覚測定時には、矯正光学系60を介した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する。
なお、導光光学系80は、この構成に限定されない。例えば、導光光学系80は、反射ミラー84を有しない構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束が、偏向ミラー81を介した後に凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向から照射されてもよい。また、例えば、導光光学系80はハーフミラーを有する構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束を、ハーフミラーを介して凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向に照射し、その反射光束を被検眼Eに導光してもよい。
自覚式検眼装置1は、左眼用駆動部9Lと、右眼用駆動部9Rと、を有し、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、をそれぞれX方向(水平方向)に移動させることができる。例えば、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7RをX方向に移動させることによって、測定部7と、後述の偏向ミラー81と、の間の距離が変化し、測定部7からの視標光束のZ方向(被検者に対する前後方向)における呈示位置が変更される。これによって、被検眼Eに、矯正光学系60で矯正された視標光束を導光し、被検眼Eの眼底に矯正光学系60で矯正された視標光束の像が形成されるように、測定部7がZ方向に調整される。
例えば、偏向ミラー81は、左右一対にそれぞれ設けられた右眼用偏向ミラー81Rと左眼用偏向ミラー81Lとを有する。例えば、偏向ミラー81は、測定部7と被検眼Eとの間に配置される。本実施例では、偏向ミラー81Rが測定部7Rと被検眼ERとの間に配置され、偏向ミラー81Lが測定部7Lと被検眼ELとの間に配置されている。すなわち、偏向ミラー81は、測定部7の他覚式光学系10及び視標投光光学系30の共用光路に配置されている。また、偏向ミラー81は、自覚式測定光学系25の光路にも配置されていることにもなる。なお、偏向ミラー81は、瞳共役位置に配置されることが好ましい。
例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼用測定部7Lから投影される光束を反射して、左眼ELに導光する。また、例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼ELからの眼底反射光束を反射して、左眼用測定部7Lに導光する。例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼用測定部7Rから投影される光束を反射して、右眼ERに導光する。また、例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼ERからの眼底反射光束を反射して、右眼用測定部7Rに導光する。なお、本実施例では、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射させて導光する偏向部材として、偏向ミラー81を用いる構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。偏向部材は、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射して導光することができればよく、例えば、プリズム、レンズ、等であってもよい。
例えば、駆動機構82は、モータ(駆動部)等からなる。例えば、駆動機構82は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動機構82Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動機構82Rと、を有する。例えば、駆動機構82の駆動によって、偏向ミラー81は回転移動する。例えば、駆動機構82は、水平方向(X方向)の回転軸、及び鉛直方向(Y方向)の回転軸に対して偏向ミラー81を回転させる。すなわち、駆動機構82は偏向ミラー81をXY方向に回転させる。なお、偏向ミラー81の回転は、水平方向又は鉛直方向の一方であってもよい。
例えば、駆動部83は、モータ等からなる。例えば、駆動部83は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動部83Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動部83Rと、を有する。例えば、駆動部83の駆動によって、偏向ミラー81はX方向に移動する。例えば、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rが移動されることによって、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rとの間の距離が変更され、被検眼Eの瞳孔間距離にあわせて、左眼用光路と右眼用光路との間のX方向における距離を変更することができる。
なお、例えば、偏向ミラー81は、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれにおいて複数設けられてもよい。例えば、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれに、2つの偏向ミラーを設ける構成(例えば、左眼用光路に2つの偏向ミラーを設ける構成、等)が挙げられる。この場合、一方の偏向ミラーがX方向に回転され、他方の偏向ミラーがY方向に回転されてもよい。例えば、偏向ミラー81が回転移動されることによって、視標光束の像を被検眼Eの眼前に形成するためのみかけの光束を偏向させ、視標光束の像の形成位置を光学的に補正することができる。
例えば、凹面ミラー85は、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、で共有される。例えば、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、で共有される。すなわち、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、を共に通過する位置に配置されている。もちろん、凹面ミラー85は、左眼用光路と右眼用光路とで共有される構成でなくてもよい。例えば、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、のそれぞれに凹面ミラーが設けられる構成であってもよい。例えば、凹面ミラー85は、矯正光学系60で矯正された視標光束を光学的に所定の検査距離となるように被検眼Eに導光する。すなわち、凹面ミラー85を含む導光光学系80により、被検者の眼前に矯正光学系60を配置することなく、被検者の眼前が開放状態にされる。
例えば、凹面ミラー85は、自覚式測定部と、他覚式測定部と、で兼用される。例えば、自覚測定光学系25から投影された視標光束は、凹面ミラー85を介して、被検眼に投影される。また、例えば、他覚測定光学系10から投影された測定光は、凹面ミラー85を介して、被検眼に投影される。また、例えば、他覚測定光学系10から投影された測定光の反射光は、凹面ミラー85を介して、他覚測定光学系10の受光光学系10bに導光される。なお、本実施例においては、他覚測定光学系10による測定光の反射光は、凹面ミラー85を介して、他覚測定光学系10の受光光学系10bに導光される構成を例に挙げているが、これに限定されない。他覚測定光学系10による測定光の反射光は、凹面ミラー85を介さない構成であってもよい。
<自覚式測定部の光路>
自覚式測定部の光路について説明する。自覚式測定部は、矯正光学系60を通過した視標光束を凹面ミラー85によって、被検眼方向に反射することで被検眼Eに視標光束を導光し、矯正光学系60を通過した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検者の眼前に形成する。すなわち、凹面ミラー85は、視標光束を略平行光束にするように反射する。このため、被検者から見た視標像は、被検眼Eからディスプレイ31までの実際の距離よりも遠方にあるように見える。すなわち、凹面ミラー85を用いることで、所定の検査距離の位置に視標光束の像が見えるように、被検者に視標像を呈示することができる。
より詳細に説明する。なお、以下の説明においては、左眼用光路を例に挙げて説明する。右眼用光路においても、左眼用光路と同様の構成となっている。例えば、左眼用の自覚測定手段において、左眼用測定手段7Lのディスプレイ13から投影された視標光束は、投光レンズ33を介して、乱視矯正光学系63に入射する。乱視矯正光学系63を通過した視標光束は、反射ミラー36、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29を経由して、左眼用測定手段7Lから左眼用の偏向ミラー81Lに向けて投影される。左眼用測定手段7Lから出射されて左眼用の偏向ミラー81で反射された視標光束は、反射ミラー84によって凹面ミラー85に向けて反射される。凹面ミラーによって反射された視標光束は、左眼ELに到達する。
これによって、被検者の左眼ELの眼鏡装用位置(例えば、角膜頂点から12mm程度)を基準として矯正光学系60によって矯正された視標像が左眼ELの眼底上に形成される。従って、乱視矯正光学系63があたかも眼前に配置されたこと、及び、球面度数の矯正光学系(本実施例においては、駆動機構39の駆動)による球面度数の調整が眼前で行われたこと、と等価になっており、被検者は凹面ミラー85を介して自然な開放状態で視標の像を視準することができる。なお、右眼用光路においても、左眼用光路と同様の構成であり、左右の被検眼Eの眼鏡装用位置(例えば、角膜頂点から12mm程度)を基準として、左右一対の矯正光学系60によって矯正された視標像が両被検眼の眼底上に形成されるようになっている。このようにして、被検者は自然視の状態で視標を直視しつつ検者に対する応答を行い、検査視標が適正に見えるまで矯正光学系60による矯正を図り、その矯正値に基づいて自覚的に被検眼の光学特性の測定が行われる。
<他覚式測定部の光路>
他覚式測定部の光路について説明する。なお、以下の説明においては左眼用光路を例に挙げて説明するが、右眼用光路においても左眼用光路と同様の構成となっている。例えば、左眼用の他覚式測定部において、他覚式測定光学系10における投影光学系10aの光源11から出射された測定光は、リレーレンズ12からダイクロイックミラー29を経由し、左眼用測定部7Lから左眼用の偏向ミラー81Lに向けて投影される。左眼用測定部7Lから出射されて左眼用の偏向ミラー81で反射された測定光は、反射ミラー84によって凹面ミラー85に向けて反射される。凹面ミラーによって反射された測定光は、左眼ELに到達し、左眼ELの眼底上にスポット状の点光源像を形成する。このとき、光軸周りに回転するプリズム15によって、ホールミラー13のホール部の瞳投影像(瞳上での投影光束)は高速に偏心回転される。
左眼ELの眼底上に形成された点光源像の光は、反射・散乱されて被検眼Eを射出し、測定光が通過した光路を経由して対物レンズ14により集光され、プリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17に達する。ミラー17で反射された光は、受光絞り18の開口上で再び集光され、コリメータレンズ19にて略平行光束(正視眼の場合)とされ、リングレンズ20によってリング状光束として取り出され、リング像として撮像素子22に受光される。受光したリング像を解析することによって、他覚的に被検眼Eの光学特性を測定することができる。
<制御部>
図6は、自覚式検眼装置1の制御系を示す図である。例えば、制御部70には、撮像部90、前眼部照明部95、コントローラ6のディスプレイ6a、スイッチ部6b、測定部7が備える光源11、撮像素子22、ディスプレイ31、撮像素子52、駆動機構39、回転機構62a、回転機構62b、第1アライメント指標光学系55の光源56、第2アライメント指標光学系40の光源41及び位置検出素子48、導光光学系80の駆動機構82、駆動部83、等の各電気要素が接続されている。また、制御部70には、記憶手段の例であるメモリ75(例えば、不揮発性メモリ)、プリンタ77が接続されている。例えば、メモリ75は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、メモリ75としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、等を使用することができる。プリンタ77からは測定結果が印字出力される。
例えば、制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。例えば、CPUは、自覚式検眼装置1における各部材の制御を司る。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、自覚式検眼装置1の動作を制御するための各種プログラム、視標、初期値、等が記憶されている。制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
なお、制御部70は、ディスプレイ6aの表示、ディスプレイ31の表示を制御する表示制御手段としても機能する。また、制御部70は、矯正光学系60の駆動系(駆動機構39、回転機構62a、回転機構62b)の駆動を制御する測定制御手段としても機能する。また、制御部70は、導光光学系80の駆動機構82、駆動部83の駆動を制御するアライメント制御手段としても機能する。
<動作>
以上のような構成を備える自覚式検眼装置1の動作を説明する。被検者は額当て4に額を当て、呈示窓3を観察する。被検者の検査態勢が整ったら、検者はコントローラ6のディスプレイ6aのタッチパネル(又はスイッチ部6b)を操作し、被検眼Eを固視させるための視標(固視標)の選択信号を入力する。制御部70は、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7Rの各々に設けられたディスプレイ31に、視標の選択信号に基づく同一の視標を表示させる。左右の被検眼E(左眼ELと右眼ER)にはそれぞれ視標が呈示されるが、同一の視標が呈示されることで、被検者は両眼で一つの視標として認識する。なお、片眼測定の場合は、測定眼側のディスプレイ31のみに視標が表示される。
<被検眼に対する測定部のアライメント>
続いて、検者は、被検者の左眼EL及び右眼ERに、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7Rをそれぞれアライメントするためのスタート信号をディスプレイ6aのタッチパネル(又はスイッチ部6b)によって入力する。左眼EL及び右眼ERにはそれぞれ第1アライメント指標光学系55による指標及び第2アライメント指標光学系40による指標が投影される。これにより、被検眼Eに対して矯正光学系60等を含む測定部7を三次元的に所定の位置関係に位置合わせする自動アライメント手段が動作される。以下、自動アライメント手段の動作を説明する。
第1アライメント指標光学系55による指標は撮像素子52により受光され、撮像素子52からの出力信号に基づいてXY方向における測定部7のアライメント状態が検出される。制御部70は、XY方向における測定部7のアライメント状態の検出結果に基づき、駆動機構82(82L、82R)、駆動部83(83L、83R)の駆動を制御し、XY方向におけるアライメントを自動的に調整する。具体的には、例えば、第1アライメント指標光学系55のアライメント光が被検眼Eの正面方向から投光され、その光が角膜で反射されることにより、撮像素子52上には、被検眼の角膜中心の反射輝点を示す指標が撮像される。角膜中心に形成された指標が撮像素子52上におけるXY方向の基準位置に対して所定の許容範囲に入るように、駆動機構82及び駆動部83の駆動が制御されることで、測定部7(他覚式測定光学系10、自覚式測定光学系25の矯正光学系60)の光軸のXY方向におけるアライメントが調整される。
なお、XY方向のアライメント調整は、撮像素子52に撮像された被検眼の瞳孔中心の検出結果に基づいて行われてもよい。被検眼の瞳孔を含む前眼部は、前眼部照明部95によって照明されることで、撮像素子52によって撮像される。
また、第2アライメント指標光学系40による指標は位置検出素子48に受光され、位置検出素子48の出力信号に基づいてZ方向における測定部7のアライメント状態が検出される。制御部70は、Z方向における測定部7のアライメント状態の検出結果に基づき、駆動部9(9L、9R)の駆動を制御し、Z方向におけるアライメントを自動的に調整する。具体的には、例えば、被検眼Eの斜め方向から第2アライメント指標光学系40の指標が投影されことで、位置検出素子48上に角膜反射の輝点を示す指標が検出される。位置検出素子48上の指標の位置は、Z方向における被検眼と測定部7の位置関係に応じて変化する。その指標が位置検出素子48上におけるZ方向の基準位置に対して所定の許容範囲に入るように、駆動部9の駆動が制御されることにより、測定部7(他覚式測定光学系10、自覚式測定光学系25の矯正光学系60)のZ方向におけるアライメントが調整される。
なお、本実施例においては、駆動機構82及び駆動部83による偏向ミラー81の駆動と、駆動部9L及び駆動部9Rによる測定部7の移動と、によってXYZ方向のアライメントを調整する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。被検眼と自覚式測定部及び他覚式測測定部との位置関係を調整できる構成であればよい。すなわち、矯正光学系60によって矯正された視標の像が被検眼の眼底上に形成されるようにXYZ方向を調整できる構成であればよい。例えば、顎台6に対して、測定部7が配置された筐体2をXYZ方向に移動可能な構成を設けて、筐体2を移動させる構成であってもよい。この場合、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81RをそれぞれX方向に移動する構成が設けられているとよい。これにより、被検者の瞳孔間距離に合わせて、測定部7L及び測定部7Rのそれぞれの光軸の左右方向を調整することができる。また、例えば、偏向ミラー81のみによってXYZ方向の調整を行える構成としてもよい。この場合、例えば、偏向ミラー81は、回転駆動するとともに、測定部7との間の距離が変更するように、偏向ミラー81がZ方向に移動する構成が挙げられる。
また、制御部70は、XYZ方向のアライメントの調整を完了した後も、被検眼と測定部7との位置関係のアライメント状態の検出結果に基づき、そのアライメント状態が所定の許容範囲を外れた場合には、アライメント状態が再び所定の許容範囲に入るように、駆動部9、駆動機構82、駆動部83の駆動を制御する。すなわち、アライメントの自動追尾(自動トラッキング)が実行される。
<他覚眼屈折力測定>
被検眼Eに対するアライメントが完了すると、制御部70は、アライメント完了信号に基づき、他覚眼屈折力測定(他覚測定)を開始するためのトリガ信号が発する。他覚測定を開始するためのトリガ信号が発せられると、制御部70は、他覚式測定光学系10から測定光束を出射する。この場合、各測定光束は、偏向ミラー81R、81Lを介して凹面ミラー85によって反射された後、被検眼の眼底に投影される。眼底から反射された測定光は、凹面ミラー85を介して、偏向ミラー81R、81Lを経て、左右の測定部7の撮像素子22によって測定画像が撮像される。
例えば、他覚眼屈折力の測定においては、初めに眼屈折力の予備測定が行われ、予備測定の結果に基づいてディスプレイ31が光軸L2方向に移動されることにより、被検眼Eに対して雲霧がかけられてもよい。その後、雲霧がかけられた被検眼に対して眼屈折力の本測定が行われてもよい。本測定では、測定画像は撮像素子22に撮像され、撮像素子22からの出力信号は、メモリ75に画像データ(測定画像)として記憶される。その後、制御部70は、メモリ75に記憶されたリング像を画像解析して各経線方向の屈折力の値を求める。制御部70は、この屈折力に所定の処理を施すことによって遠用時での被検眼のS(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)の他覚眼屈折力(他覚値)を得る。得られた遠用時での他覚値はメモリ75に記憶される。
なお、被検眼の他覚眼屈折力の測定は、左右の被検眼で同時に行われてもよいし、左右の被検眼で別々に行われてもよい。他覚眼屈折力の測定は、左右の被検眼でそれぞれ複数回(例えば、3回)が実行され、続いて行われる自覚眼屈折力の測定では、その代表値が使用されてもよい。
<自覚眼屈折力測定>
他覚眼屈折力測定の完了後、検者によりコントローラ6(本実施例ではディスプレイ6aが操作部の機能を兼ねる)が操作され、自覚眼屈折力測定モードが選択されると、自覚眼屈折力測定が可能な状態とされる。
図7は、自覚眼屈折力測定モードにおけるディスプレイ6aの操作画面600の例である。検者は、操作画面600を操作し、被検眼に呈示する視標(ディスプレイ31に表示させる検査視標)を選択すると共に、被検者の視標の見え具合の応答を得ながら、左右の矯正光学系60の矯正量(球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度A、等)の値を変えることで、自覚の眼屈折力の測定値を得る。
測定画面600において、画面の中央上部には測定眼を選択するための右眼ボタン610Rと、左眼ボタン610Lと、両眼選択ボタン610Cが設けられている。右眼ボタン610Rの右横の窓表示612Rと左眼ボタン610Lの左横の窓表示61Lは、それぞれ測定眼の遮蔽・開放の状態を示し、測定眼が開放状態(検査視標が呈示されている状態)の場合は白丸で表示され、測定眼が遮蔽状態(検査視標が非呈示の状態)の場合は黒丸で表示される。図7の例では、右眼ボタン610Rで右眼が選択されることで、右眼が開放状態とされ、左眼が遮蔽状態とされている。
画面中央には矯正光学系60の矯正量(矯正度数とも言う)の項目を選択する矯正項目選択欄614が設けられている。表示の「S」が選択されると、球面度数Sの矯正量が変更可能とされ、表示の「C」が選択されると、乱視度数Cの矯正量が変更可能とされ、表示の「A」が選択されると、乱視軸角度Aの矯正量が変更可能とされる。各矯正量はプラススイッチ616aとマイナススイッチ616bが押されることで、所定ステップで増減される。例えば、球面度数S及び乱視度数Cは、0.25D(ディオプトリー)で増減され、乱視軸角度Aは5度(又は1度であってもよい)で増減される。
矯正項目選択欄614の左横の右眼矯正量表示欄618Rには、右眼の矯正量の値が表示され、矯正項目選択欄614の右横の左眼矯正量表示欄618Lには、左眼の矯正量の値が表示される。そして、各矯正項目の選択に応じて、右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lの値の表示部分が反転表示される。図7の例では、矯正項目として球面度数Sが選択されている例である。
右眼矯正量表示欄618Rの左下の右視標表示部622R、及び左眼矯正量表示欄618Lの右下の左視標表示部622Lには、それぞれ視標投光光学系30のディスプレイ31で呈示されている検査視標が表示される。図7の例では、視力値視標が表示されている。ディスプレイ31で呈示され検査視標は、視標選択欄624に表示されている視標の中から所望のものを選択できる。例えば、視標選択欄624で選択可能な視標には、視力値視標の他、レッド・グリーン視標、乱視検査のときに使用される点群視標、等が用意されている。視力値視標が選択された場合、その視力値(視力値に対応するサイズを持つ検査視標)を変更するための視力値変更ボタン626a,626bが画面右下に設けられている。
また、画面下の中央には、仮枠検査モードに移行するための仮枠検査ボタン630が設けられている。
自覚眼屈折力測定の説明に戻る。例えば、自覚眼屈折力測定の開始時には、制御部70は、他覚眼屈折力測定で得られた左右の被検眼の他覚眼屈折力(球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度A)に基づき、左右の矯正光学系60を駆動し、初期設定する。そして、操作画面600上の右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lには、左右の矯正光学系60でセットされた矯正量が表示される。自覚眼屈折力測定は、例えば、右眼の完全矯正度数と、左眼の完全矯正度数と、を求めた後、両眼バランスでの度数を求める測定が行われる。
最初に右眼の完全矯正度数を測定するために、操作画面600上の右眼ボタン610Rが選択されると、非測定眼の左眼側の矯正光学系60の光路は遮蔽状態とされる。例えば、非測定眼側の遮蔽は、視標を表示するディスプレイ31が消灯されことで行われる他、非測定眼側のディスプレイ31の画面には視標の背景のみが表示され、検査視標が表示されないことで行われてもよい。
完全矯正度数の測定では、例えば、検者は検査視標としてレッド・グリーン視標を選択する。この段階のレッド・グリーン視標は、次の乱視測定のために、網膜位置に最小錯乱円を置くことを目的としたものであり、赤色背景の視標と緑色背景の視標が同程度に見えるように(又は緑色背景の方が若干よく見えるように)、検者は球面度数Sを変更(調整)する。
次に、検者は、乱視軸角度Aの測定のために点群視標を選択し、点群視標がより明確に見えるように乱視軸角度Aを変更(調整)する。続いて、検者は、乱視度数Cの測定のために、検査視標を点群視標としたまま、点群視標がより明確に見えるように乱視度数Cを変更(調整)する。次に、検者は検査視標として再びレッド・グリーン視標を選択し、赤色背景の視標と緑色背景の視標が同程度に見えるように(又は緑色背景の方が若干よく見えるように)、検者は球面度数Sを変更(調整)する。乱視測定後のレッド・グリーン視標による測定は、過矯正を防止するために行われる。
次に、検者は、視力値視標(例えば、視力値1.0の視標)を選択し、最高視力が得られる最もプラスよりの球面度数Sを測定(調整)する。また、検者は、視力値変更ボタン626a,626bによって視力値視標の視力値を変更し、最高視力を確認する。
検者は、被検者の右眼の完全矯正度数が得られたら、同様に、左眼の完全矯正度数を測定する。その後、検者は、両眼バランス検査を行い、被検者の右眼による視力値視標の見え方と、左眼による視力値視標の見え方と、がほぼ均等となるように球面度数S、乱視度数Cを変更(調整)する。
<仮枠検査>
自覚眼屈折力測定が終了したら、仮枠を使用した仮枠検査に移行する。検者は、測定画面600における仮枠検査ボタン630を押すことで、仮枠検査モードを選択する。仮枠検査ボタン630が押されることで、仮枠検査を開始するための開始信号が入力される。
仮枠検査モードに設定されると、制御部70は、入力された仮枠検査の開始信号に基づき、左右の矯正光学系60を無矯正状態に変える。すなわち、制御部70は、球面度数S及び乱視度数Cがゼロの値となるように矯正光学系60を駆動する。言い換えれば、制御部70は、矯正光学系60による被検眼の矯正が実行されていない状態とする。そして、被検眼には、矯正光学系60による矯正がなされていない状態で、所定の検査距離(遠用距離)での検査視標が呈示される。
また、制御部70は、仮枠検査の開始信号に基づき、左右の矯正光学系60を無矯正状態に変えるが、測定画面600の右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lの矯正量(球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Aの値)の表示は、仮枠検査の開始信号が入力される直前の値を表示したままとする。すなわち、自覚眼屈折力測定での最終的な矯正量の値が表示されたままとされる。これにより、検者は、図8に示す仮枠(仮枠眼鏡)TFのレンズ枠にテストレンズTLをセットする際に、自覚眼屈折測定で得られた矯正量の値を知ることができ、それに応じたテストレンズTLを適切にセットできる。このため、仮枠検査をスムーズに行える。すなわち、矯正光学系60を介した状態の検査視標を被検眼に呈示して仮枠検査を行う上で、矯正光学系60の矯正量と測定画面600(矯正量表示欄618R,618L)の矯正量の表示が連動したままで、矯正光学系60を無矯正状態にしてしまうと、測定画面600の矯正量もゼロとなってしまう。この場合、自覚眼屈折測定で得られた矯正量の値をディスプレイ6aの表示で知ることができず、例えば、メモ等で自覚眼屈折測定の矯正量を記録しておく必要がある。これでは仮枠検査を行うに都合が悪い場合がある。本開示では、この不都合が軽減される。
なお、仮枠検査ボタン630が押されたことで、自覚式検眼装置1の測定状態が仮枠検査モードに設定された旨は、測定画面600上の表示で検者に通知されてもよい。例えば、仮枠検査モードでは仮枠検査ボタン630の表示色が変えられる。これにより、検者は測定状態が仮枠検査モードに入っていることを認識でき、矯正量を変化させる操作を行っても矯正光学系60は無矯正状態のまま変化していないことを承知できる。
検者は、自覚眼屈折測定で得られた矯正量(屈折度数)の値を見ながら、テストレンズの矯正量を決定し、そのテストレンズTLを仮枠TFにセットする。被検者には仮枠TFを装着してもらう。そして、検者は、ディスプレイ31に視力視標を表示させ、被検者が仮枠TFを装着した状態での視標の見え具合の仮枠検査を行う。
ここで、制御部70は、仮枠検査の開始信号が入力されると、その開始信号に基づいて被検眼に対する測定部7(矯正光学系60)の自動的なアライメントの動作を停止する(実質的に停止する場合を含む)。例えば、制御部70は、第1アライメント指標光学系55の指標を検出する撮像素子52の検出信号、第2アライメント指標光学系40の指標を検出する位置検出素子48の検出信号があったとしても、駆動機構82及び駆動部83の駆動を停止状態(OFF状態)とすることで、自動的なアライメントの作動を直接的に停止する。この場合、アライメント状態の検出信号を無効(OFF)にすることを含んでいてもよい。また、制御部70は、アライメント状態の検出信号があったとしても、駆動機構82及び駆動部83を動作させる信号を停止する(出力しない)ことでもよい。あるいは、制御部70は、測定時に測定部7(矯正光学系60)を被検眼にアライメントするときのアライメントの検出条件に対し、自動的なアライメントが作動しないように、アライメントの検出条件を変えてもよい。この場合、例えば、制御部70は、アライメントに利用される光源(前眼部照明部95、光源56及び光源41)を消灯し(減光の場合も含む)、アライメントに利用される検出素子(撮像素子52、位置検出素子48)にアライメント光が検出されないようにすることで、アライメント動作のために駆動機構82及び駆動部83が作動しないようにする。あるいは、例えば、制御部70は、アライメントに利用される検出素子(撮像素子52、位置検出素子48から)の検出信号が出力されないようにすることで、アライメント動作のために駆動機構82及び駆動部83が有動しないようにする。この他、自動的なアライメントが作動しないように、アライメントの検出条件を変える制御であればよい。
なお、仮枠検査時に自動アライメントの動作が停止されても、その直前の自覚の眼屈折力測定で被検眼に対するアライメント調整が完了されているので、その状態が維持されていれば、被検者は矯正光学系60を介した検査視標を視認することができる。
このように仮枠検査時には、矯正光学系60による眼屈折力測定時における自動的なアライメントの動作が停止されることで、被検者の眼前に仮枠TFのテストレンズTLが位置することに伴う、アライメント状態の誤検出や自動追尾の誤作動の可能性を低減し、仮枠検査をスムーズに行うことができる。すなわち、被検者の眼前に仮枠TFのテストレンズTLが位置すると、矯正光学系60による眼屈折力測定のアライメントに利用される光源(前眼部照明部95、光源56及び光源41)からのアライメント光はテストレンズTLで反射される。そして、その反射光は検出素子(撮像素子52、位置検出素子48)に適正に検出されず、誤った位置の指標として検出されたり、アライメントエラーとなったりする可能性がある。これに対し、上記のように自動的なアライメントの動作が停止されることで、仮枠検査を行う上での不都合を回避できる。
検者は、仮枠検査での見え具合の検査で、矯正量の変更(例えば、球面度数Sの増減、乱視度数Cの増減、等)を行った場合、従来のフォロプター(例えば、特開平5-176893号公報参照)での検査と同様に、矯正量増減のスイッチ616a,616bを使用して、操作画面600上に表示される矯正量の値(右眼矯正量表示欄618R、左眼矯正量表示欄618Lの表示)を変更する。この場合にも、仮枠検査モードでは、制御部70は、矯正光学系60を無矯正状態にしたままとする。言い換えれば、制御部70は、矯正光学系60の無矯正状態を維持した状態とする。これにより、矯正光学系60を介した検査視標の呈示には変化がなく、矯正量の変化は仮枠TFでのみ行われるため、仮枠検査をスムーズに行うことができる。
また、検者は、従来のフォロプターと同じ使用感覚で、コントローラ6を操作できる。すなわち、従来のフォロプターを使用した仮枠検査では、被検者の眼前からフォロプターを退避させ、仮枠TFにセットしたテストレンズTLを介して検査視標を呈示しながら仮枠検査を行う。この場合、仮枠TFにセットしたテストレンズTLの矯正量に合わせてコントローラの矯正量の値を変更し、これに連動してフォロプターの矯正光学系の矯正量も変更されるが、フォロプターは被検者の眼前から退避されているので、仮枠検査には影響がない。本開示の自覚式検眼装置1においても、仮枠検査モード時には、矯正光学系60が無矯正状態のままとされているので、矯正量の表示の値が変更されても、仮枠検査には影響されない。
仮枠検査での最終的な矯正量が決定されたら、プリントスイッチ640が押されることで、眼鏡レンズの処方のための矯正量の値がプリンター77から出力される。また、メモリ75に被検者のID番号に対応付けて自覚眼屈折力測定の検査結果が記録される。これにより、従来のフォロプターの使用と同じように、被検者の検査結果の管理が適切に行われる。なお、仮枠検査が終了し、再び、仮枠検査ボタン630が押されると、仮枠検査モードから脱し、元の通常検査モードに戻される。このとき、仮枠検査ボタン630の表示色が元の色に変更される。この表示の変更により、通常検査モードに戻された旨が検者に通知される。
<変容例>
以上、本開示の典型的な実施例を説明したが、本開示はここに示した実施例に限られず、種々の変容が可能である。
例えば、上記実施例では、矯正光学系として、乱視矯正光学系63と、球面矯正光学系(例えば、駆動手段39)と、が別途設けられている構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、矯正光学系は、球面度数、乱視度数、乱視軸角度が変更できる構成であればよい。例えば、矯正光学系が波面を変調させる光学系であってもよい。また、例えば、矯正光学系は、多数の光学素子(球面レンズ、円柱レンズ、分散プリズム、等)がレンズディスクの同一円周上に配置された構成であってもよい。この場合、レンズディスクが駆動部(アクチュエータ等)によって回転制御されることにより、検者が所望する光学素子が光軸L2に配置される。
また、光軸L2に配置された光学素子(例えば、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリプリズム等)が駆動部によって回転制御されることにより、検者が所望する回転角度にて光学素子が光軸L2に配置される構成であってもよい。光軸L2に配置される光学素子の切換え等は、ディスプレイ6aなどの入力手段(操作手段)の操作によって行われてもよい。
例えば、レンズディスクは、1つのレンズディスク、又は複数のレンズディスクからなる。複数のレンズディスクが配置された場合、各レンズディスクに対応する駆動部がそれぞれ設けられる。例えば、レンズディスク群として、各レンズディスクが開口(又は0Dのレンズ)及び複数の光学素子を備える。各レンズディスクの種類としては、度数の異なる複数の球面レンズを有する球面レンズディスク、度数の異なる複数の円柱レンズを有する円柱レンズディスク、複数種類の補助レンズを有する補助レンズディスクが代表的である。補助レンズディスクには、赤フィルタ/緑フィルタ、プリズム、クロスシリンダレンズ、偏光板、マドックスレンズ、オートクロスシリンダレンズの少なくともいずれかが配置される。また、円柱レンズは、駆動部により光軸L2を中心に回転可能に配置され、ロータリプリズム及びクロスシリンダレンズは、駆動部により各光軸を中心に回転可能に配置されてもよい。
また、仮枠検査における測定画面600の矯正量の表示に関し、上記の実施例では、仮枠検査を開始するための開始信号が入力されたときに、右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lの矯正量の表示は、仮枠検査の開始信号が入力される直前の値が表示されたままとしたが、これに限られない。仮枠検査の開始信号が入力される直前の値が、ディスプレイ6aに表示されていればよい。例えば、図9に示すように、右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lの表示は矯正光学系60の矯正量と連動して表示されるが、仮枠検査の開始信号が入力される直前の自覚眼屈折測定で得られた値がコピーされ、右眼矯正量表示欄618R及び左眼矯正量表示欄618Lとは別の表示領域である表示欄568R及び658Lに表示されもよい。そして、仮枠検査でテストレンズTLの矯正量が変更され、プラススイッチ616a及びマイナススイッチ616bが操作された場合は、表示欄568R及び658Lの値が変更される。
また、上記の説明では、仮枠検査モードに移行された場合、矯正量を微調整するためのプラススイッチ616a及びマイナススイッチ616bが操作されても、矯正光学系60は無矯正状態のままとしたが、次のようにしてもよい。すなわち、仮枠検査の開始信号が入力された場合には矯正光学系60は無矯正状態に変更されるが、仮枠検査モード時にプラススイッチ616a及びマイナススイッチ616bが操作された場合、その増減量分だけ矯正光学系60の矯正量が変更されてもよい。例えば、プラススイッチ616aによって球面度数Sが0.25D分だけプラス側に変更されたら、矯正光学系60の球面度数の矯正量が0Dからプラス0.25D分だけ変更される。次に、マイナススイッチ616bによって球面度数Sが0.25D分だけマイナス側に変更されたら、矯正光学系60の球面度数の矯正量が0Dに戻される。これにより、矯正量の変更前後による被検者の見え方の比較を、仮枠TFにセットされたテストレンズTLを入れ替えることなく、自覚式検眼装置1側の操作で容易に行える。
1 自覚式検眼装置
6a ディスプレイ
30 視標投光光学系
40 第2アライメント指標光学系
50 観察光学系
55 第1アライメント指標光学系
60 矯正光学系
70 制御部
80 導光光学系
600 測定画面 614 矯正項目選択欄614
616a プラススイッチ
616b マイナススイッチ
618R 右眼矯正量表示欄
618L 左眼矯正量表示欄
630 仮枠検査ボタン


Claims (5)

  1. 視標光束を被検眼に投影するための視標投光光学系と、
    前記視標投光光学系の光路中に配置され、被検眼に付与する屈折力の矯正量を変化する矯正光学系と、
    前記矯正光学系を介した前記視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する導光光学系と、
    を有し、被検者の眼前を開放状態で被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式検眼装置であって、
    仮枠を使用した仮枠検査を開始するための開始信号に基づいて前記矯正光学系を無矯正状態に変える測定制御手段と、
    を備えることを特徴とする自覚式検眼装置。
  2. 請求項1の自覚式検眼装置において、
    被検眼に対する前記矯正光学系のアライメント状態を検出し、その検出に基づいて前記矯正光学系を被検眼に対して自動的にアライメントする自動アライメント手段と、
    前記開始信号に基づいて前記自動アライメント手段の動作を停止する停止手段と、
    を備えることを特徴とする自覚式検眼装置。
  3. 請求項2の自覚式検眼装置において、
    前記停止手段は、前記自動アライメント手段の作動を直接的に停止する第1停止手段と、前記矯正光学系によって被検眼の光学特性を測定する測定時の前記アライメント状態の検出条件に対し、前記自動アライメント手段が作動しないように前記検出条件を変える第2停止手段と、の何れかを含むことを特徴とする自覚式検眼装置。
  4. 請求項1~3の何れかの自覚式検眼装置において、
    前記矯正光学系によって測定された矯正量の値を表示するための表示手段と、
    前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、仮枠検査の前記開始信号に基づいて前記矯正光学系が無矯正状態に変更された場合にも、前記開始信号の入力直前に前記矯正光学系によって測定された矯正量の値を前記表示手段に表示させることを特徴とする自覚式検眼装置。
  5. 請求項4の自覚式検眼装置において、
    前記表示手段に表示された前記矯正量の値を変更する変更手段を備え、
    前記測定制御手段は、前記変更手段によって前記矯正量の値が変更された場合にも、前記矯正光学系の無矯正状態を維持することを特徴とする自覚式検眼装置。

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