JP2024018649A - 発光装置、光学装置、発光モジュール、および発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置、光学装置、発光モジュール、および発光装置の製造方法 Download PDF

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卓史 杉山
Takashi Sugiyama
政信 田中
Masanobu Tanaka
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Abstract

【課題】半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置を提供する。【解決手段】発光装置は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の進行方向を変化させる光学部材と、半導体レーザ素子および光学部材を支持する支持体とを備える。光学部材は、第1反射面を有する第1ミラー部材と、第2反射面を有する第2ミラー部材とを有する。支持体は、第1反射面がレーザ光を反射してレーザ光の進行方向を変化させるように第1ミラー部材を支持する第1支持面と、第2反射面の少なくとも一部が第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように第2ミラー部材を支持し、かつ、第2反射面が第1反射面で反射されたレーザ光を反射してレーザ光の進行方向を変化させるように第2ミラー部材を支持する第2支持面と、を有する。【選択図】図2A

Description

本開示は、発光装置、光学装置、発光モジュール、および発光装置の製造方法に関する。
近年、半導体レーザ素子の高出力化に伴い、半導体レーザ素子を励起光源としてではなく、材料を直接に照射して加工するレーザ光の光源として用いる技術が開発されつつある。そのような技術は、ダイレクトダイオードレーザ(DDL:Direct Diode Laser)技術と称されている。
DDL技術には、複数の半導体レーザ素子を備える発光モジュールが用いられる。発光モジュールは、複数の半導体レーザ素子の各々からレーザ光が出射されて得られる複数のレーザ光を結合して高出力のレーザ光を出射する。複数のレーザ光の進行方向が設計通りに同じ方向に揃う場合、複数のレーザ光を効果的に結合することができる。特許文献1は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の進行方向と設計上の進行方向とのずれを抑制することが可能な光部品の例を開示している。
国際公開第2016/051836号
半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置、発光装置に用いられる光学装置、複数の発光装置を備える発光モジュール、および発光装置の製造方法を提供する。
本開示の発光装置は、ある実施形態において、レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材と、前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体と、を備え、前記光学部材は、第1反射面を有する第1ミラー部材と、第2反射面を有する第2ミラー部材と、を有し、前記支持体は、前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、を有する。
本開示の光学装置は、ある実施形態において、第1反射面を有する第1ミラー部材と、第2反射面を有する第2ミラー部材と、前記第1ミラー部材および前記第2ミラー部材を支持する支持体と、を備え、前記支持体は、前記第1反射面が半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して前記レーザ光の進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、を有する。
本開示の発光モジュールは、ある実施形態において、第1方向に並ぶ複数の載置面を有する支持基体であって、前記第1方向に対して平行な基準平面からの前記複数の載置面の高さが前記第1方向に沿って段階的に減少する、支持基体と、前記複数の載置面の各々に、対応する発光装置が配置された、複数の発光装置であって、各々が前記発光装置である、複数の発光装置と、集光レンズと、を備え、前記複数の発光装置の各々に含まれる前記光学部材は第3ミラー部材を有し、前記第3ミラー部材は第3反射面を有し、前記複数の発光装置の各々に含まれる前記支持体は、前記第3反射面が前記第2反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第3ミラー部材を支持する第3支持面を有し、前記複数の発光装置の各々は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光を前記第1反射面および前記第2反射面でこの順に反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に交差する第2方向に変化させ、前記第2反射面で反射された前記レーザ光を前記第3反射面で反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に変化させることにより、前記レーザ光を前記第1方向に出射し、前記集光レンズは、前記複数の発光装置の各々から前記レーザ光が前記第1方向に出射されて得られる複数のレーザ光を結合する。
本開示の発光装置の製造方法は、ある実施形態において、レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材であって、第1反射面を有する第1ミラー部材および第2反射面を有する第2ミラー部材を有する光学部材と、前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体であって、前記第1ミラー部材を支持する第1支持面および前記第2ミラー部材を支持する第2支持面を有する支持体とを用意する工程と、前記半導体レーザ素子を前記支持体に配置する工程と、前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第1ミラー部材を前記第1支持面に接合する工程と、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第2ミラー部材を前記第2支持面に接合する工程と、を含む。
本開示の実施形態によれば、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置、発光装置に用いられる光学装置、複数の発光装置を備える発光モジュール、および発光装置の製造方法を実現できる。
図1Aは、本開示の例示的な実施形態による発光モジュールの構成を模式的に示す上面図である。 図1Bは、本開示の例示的な実施形態による発光モジュールの構成を模式的に示す側面図である。 図1Cは、本開示の実施形態による発光モジュールの変形例の構成を模式的に示す上面図である。 図2Aは、本開示の例示的な実施形態による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図2Bは、図2Aに示す発光装置の、YZ平面に対して平行な断面図である。 図2Cは、図2Aに示す発光装置の上面図である。 図2Dは、図2Aに示す支持体の構成を模式的に示す斜視図である。 図3は、本開示の実施形態による発光装置の変形例の構成を模式的に示す、YZ平面に対して平行な断面図である。 図4Aは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。 図4Bは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。 図4Cは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。 図4Dは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。 図4Eは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。 図5は、本開示の例示的な実施形態によるDDL装置の構成を模式的に示す図である。 図6Aは、レーザ光源の構成を模式的に示す斜視図である。 図6Bは、図6Aに示すレーザ光源の内部の平面構成を模式的に示す図である。 図6Cは、図6Aに示すレーザ光源から基体、蓋体、リード端子、および内部のワイヤを省略した構成のより詳細を示す分解斜視図である。 図6Dは、図6Cに示すレーザ光源の、YZ平面に対して平行な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態による発光装置、発光装置に用いられる光学装置、複数の発光装置を備える発光モジュール、および発光装置の製造方法を説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一または同等の部分を示す。
さらに、以下に説明する実施形態は、本発明の技術思想を具体化するために例示しているのであって、本発明を以下に限定しない。また、構成要素のサイズ、材質、形状、その相対的配置などの記載は、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図している。各図面が示す部材の大きさおよび位置関係は、理解を容易にするために誇張している場合がある。
(実施形態)
[発光モジュール]
まず、図1Aおよび図1Bを参照して、本開示の実施形態による発光モジュールの構成例を説明する。図1Aおよび図1Bは、それぞれ、本開示の例示的な実施形態による発光モジュールの構成を模式的に示す上面図および側面図である。これらの図では、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が模式的に示されている。X軸の矢印の方向を+X方向と称し、その反対方向を-X方向と称する。±X方向を区別しない場合、単にX方向と称する。Y方向およびZ方向についても同様である。本明細書では、説明のわかりやすさのため、+Y方向を「上方」と称し、-Y方向を「下方」と称する。このことは、発光モジュールの使用時における向きを制限するわけではなく、発光モジュールの向きは任意である。
図1Aおよび図1Bに示す発光モジュール200は、支持基体40と、集光レンズ50と、光ファイバ60と、光ファイバ60を支持する支持部材62と、複数の発光装置100と、を備える。
支持基体40は、図1Bに示すように、XZ平面に対して平行な基準平面Ref上に配置されている。基準平面Refは、発光モジュール200における高さの基準平面である。支持基体40は、X方向に並ぶ複数の第1載置面40s1と、第2載置面40s2とを有する。複数の第1載置面40s1の高さは、+X方向に沿って段階的に減少する。各第1載置面40s1には、対応する発光装置100が配置されている。第2載置面40s2には、集光レンズ50が配置されており、光ファイバ60が支持部材62を介して配置されている。
図1Bに示す例において、第2載置面40s2の高さは、複数の第1載置面40s1の最小の高さよりも大きく、最大の高さよりも小さい。集光レンズ50のY方向における寸法によっては、第2載置面40s2の高さは、複数の第1載置面40s1の最小の高さに等しい、またはそれよりも小さくてもよい。あるいは、第2載置面40s2の高さは、複数の第1載置面40s1の最大の高さに等しい、またはそれよりも大きくてもよい。
図1Aおよび図1Bに示す例において、発光装置100の数は4個であり、複数の第1載置面40s1の数は4個であるが、これらの数に限定されない。発光装置100の数は2個、3個、または5個以上でもよい。発光装置100の数が増加するほど、高い出力のレーザ光を得ることが可能になる。第1載置面40s1の数は2個、3個、または5個以上であってもよいし、発光装置100の数に等しい、またはそれよりも多くてもよい。
支持基体40は、例えば、AlN、SiN、SiC、およびアルミナからなる群から選択されるセラミックスから形成され得る。あるいは、支持基体40は、例えば、Cu、Al、およびAgからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料から形成され得る。支持基体40は、例えば、Cu、Al、およびAgからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料中にダイヤモンド粒子が分散した金属マトリクス複合材料から形成され得る。支持基体40は、複数のパーツの組立体であってもよい。当該複数のパーツは互いに異なる材料から形成され得る。
支持基体40は、好ましくは、Cu、Al、およびAgからなる群から選択される金属材料から形成され、かつ、単一の部材からなることが好ましい。金属材料はセラミックスよりも放熱性に優れており、また柔らかいので加工しやすい。
支持基体40は、複数の発光装置100が配置される支持台として機能するとともに、複数の発光装置100から発せられる熱を外部に伝えて発光装置100の過度な温度上昇を低減するヒートシンクとしても機能し得る。その場合、支持基体40の内部に液冷のための1または複数の流路を設けてもよい。液冷に用いる液体としては、例えば水を用いることができる。また、支持基体40の表面に空冷のためのフィン構造を設けてもよい。あるいは、別途用意したヒートシンク上に支持基体40を配置する場合、支持基体40は、複数の発光装置100から発せられる熱を当該ヒートシンクに伝えるヒートスプレッダとしても機能し得る。
各発光装置100は、図1Aに示すように、レーザ光源10と、光学部材20と、レーザ光源10および光学部材20を支持する支持体30とを備える。後で詳しく説明するが、光学部材20は、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向が設計上の進行方向である+Z方向からずれているか否かに関係なく、当該レーザ光Lの進行方向を+Z方向に向け、その後+X方向に変化させる。その結果、各発光装置100は、集光レンズ50に向けて+X方向にレーザ光Lを出射する。各発光装置100から出射されたレーザ光Lは、図1Aに示す例において3本の矢印付きの太線によって表されており、図1Bに示す例において1本の矢印付きの太線によって表されている。図1Aに示す例においてレーザ光Lが3本の矢印付きの太線によって表されているのは、レーザ光Lが広がりを有することを強調するためである。
集光レンズ50は、速軸集光レンズ50aおよび遅軸集光レンズ50bを有する。速軸集光レンズ50aは、例えば、Z方向に一様な断面形状を有するシリンドリカルレンズであり、遅軸集光レンズ50bは、例えば、Y方向に一様な断面形状を有するシリンドリカルレンズであり得る。速軸集光レンズ50aおよび遅軸集光レンズ50bの各々の光軸はX方向に対して平行である。集光レンズ50は、例えば、ガラス、シリコン、石英、合成石英、サファイア、透明セラミックス、シリコーン樹脂、およびプラスチックからなる群から選択される少なくとも1つの透光性材料から形成され得る。
速軸集光レンズ50aはその焦点が光ファイバ60の光入射端60aにほぼ一致するように配置されている。同様に、遅軸集光レンズ50bはその焦点が光ファイバ60の光入射端60aにほぼ一致するように配置されている。速軸集光レンズ50aの焦点距離は、遅軸集光レンズ50bの焦点距離よりも長い。速軸集光レンズ50aは、図1Bに示すように、XY平面において、複数の発光装置100の各々からレーザ光Lが出射されて得られる複数のレーザ光Lを、光ファイバ60の光入射端60aに収束させる。遅軸集光レンズ50bは、図1Aに示すように、XZ平面において、複数の発光装置100の各々から出射された広がりを有するレーザ光Lを光入射端60aに収束させる。上記のようにして、集光レンズ50により、複数のレーザ光Lを結合して光ファイバ60に入射することができる。
その結果、発光モジュール200は、光ファイバ60の光出射端60bから、複数のレーザ光Lが結合された結合光を出射する。結合光の出力は、概略的に、各発光装置100から出射されるレーザ光Lの出力に発光装置100の数を乗算した値に等しい。したがって、発光装置100の数を増加させれば、結合光の出力を高めることができる。
次に、図1Cを参照して、本開示の実施形態による発光モジュール200の変形例を説明する。図1Cは、本開示の実施形態による発光モジュールの変形例の構成を模式的に示す上面図である。図1Cに示す発光モジュール210は、以下の3点において、図1Aに示す発光モジュール200とは異なる。第1の点は、発光モジュール210が、支持基体40の代わりに支持基体42を備えることである。支持基体42の形状は、支持基体40の形状とは異なる。第2の点は、発光モジュール210が、複数の発光装置100aに加えて複数の発光装置100bをさらに備えることである。発光装置100aは、図1Aに示す発光装置100と同じ構成を有する。発光装置100bは、発光装置100aをZ方向に反転させた構成を有する。第3の点は、発光モジュール210が、ミラー72と、1/2波長板74と、偏光ビームスプリッタ76とをさらに備えることである。
支持基体42は、X方向に並ぶ複数の第1載置面40s1と、第2載置面40s2とを有する。複数の第1載置面40s1の高さは、+X方向に沿って段階的に減少する。複数の第1載置面40s1の各々には、発光装置100aおよび発光装置100bが+Z方向に沿ってこの順に配置されている。発光装置100aはレーザ光Laを+X方向に出射し、発光装置100bはレーザ光Lbを+X方向に出射する。レーザ光Laおよびレーザ光Lbの偏光方向はZ方向に対して平行である。第2載置面40s2には、集光レンズ50が配置されており、光ファイバ60が支持部材62を介して配置されている。第2載置面40s2には、さらに、ミラー72、1/2波長板74、および偏光ビームスプリッタ76が配置されている。
ミラー72は、各発光装置100bから+X方向に出射されたレーザ光Lbの進行方向を-Z方向に変化させる。1/2波長板74は、-Z方向に進行するレーザ光Lbの偏光方向を、X方向からY方向に変化させる。偏光ビームスプリッタ76は、+X方向に進行し、偏光方向がZ方向であるレーザ光Laを透過させ、-Z方向に進行し、偏光方向がY方向であるレーザ光Lbを反射する。偏光ビームスプリッタ76を透過したレーザ光Laは、集光レンズ50によって光ファイバ60の光入射端60aに収束される。同様に、偏光ビームスプリッタ76で反射されたレーザ光Lbは、集光レンズ50によって光ファイバ60の光入射端60aに収束される。
その結果、発光モジュール210は、光ファイバ60の光出射端60bから、複数のレーザ光Laおよび複数のレーザ光Lbが結合された結合光を出射する。発光モジュール210では、発光モジュール200と比較して、発光装置100aの数および発光装置100bの数の合計が、発光装置100の数の2倍である。したがって、結合光の出力をさらに高めることができる。
発光モジュール200において、複数のレーザ光Lの進行方向が設計通りに+X方向に揃っている場合、集光レンズ50によって複数のレーザ光Lを効果的に結合して光ファイバ60に入射することができる。発光モジュール210において、複数のレーザ光Laおよび複数のレーザ光Lbの進行方向が設計通りに+X方向に揃っている場合についても同様である。
[発光装置]
以下に、図2Aから図2Dを参照して、本開示の実施形態による発光装置の構成例を説明する。本開示の実施形態による発光装置によれば、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能になる。本明細書において、「レーザ光の進行方向」のように単に「進行方向」と記載する場合、当該「進行方向」は実際の進行方向を意味する。
図2Aは、本開示の例示的な実施形態による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。図2Aに示す発光装置100は、レーザ光源10と、光学部材20と、レーザ光源10および光学部材20を支持する支持体30とを備える。光学部材20は、第1ミラー部材22aと、第2ミラー部材22bと、第3ミラー部材22cと、遅軸コリメートレンズ24とを有する。図2Aに示す破線によって囲まれた2つの領域のうち、一方には第1ミラー部材22aが抜き出して示されており、他方には第2ミラー部材22bが抜き出して示されている。第1ミラー部材22aは第1反射面22asを有し、第2ミラー部材22bは第2反射面22bsを有し、第3ミラー部材22cは第3反射面22csを有する。本明細書において、光学部材20と支持体30とを少なくとも備える構造であって、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向を変化させることが可能な構造を、「光学装置」と称する。図2Bは、図2Aに示す発光装置100の、YZ平面に対して平行な断面図である。図2Bに示す破線によって囲まれた領域には、第1ミラー部材22aおよび第2ミラー部材22b、ならびにそれらの周辺の構成が拡大して示されている。図2Cは、図2Aに示す発光装置100の上面図である。図2Dは、図2Aに示す支持体30の構成を模式的に示す斜視図である。
レーザ光源10から出射されたレーザ光Lは概略的に+Z方向に進行するが、レーザ光Lの進行方向は設計上の進行方向である+Z方向に対して完全に平行ではない場合がある。本実施形態による発光装置100では、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向が+Z方向からずれているか否かに関係なく、図2Bに示すように、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lを第1反射面22asおよび第2反射面22bsでこの順に反射することにより、レーザ光Lの進行方向を設計上の進行方向である+Z方向に向けることができる。その後、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lを、図2Cに示すように第3反射面22csで反射することにより、レーザ光Lの進行方向を設計上の進行方向である+X方向に変化させることができる。このようにして、本実施形態による発光装置100は、図1Aおよび図1Bに示すように、集光レンズ50に向けてレーザ光Lを+X方向に出射することができる。その結果、複数の発光装置100の各々からレーザ光Lが+X方向に出射されて得られる複数のレーザ光Lを効果的に結合させて発光モジュール200から高出力の結合光を出力することができる。
第3反射面22csに入射するレーザ光Lの進行方向が設計上の+Z方向に対して平行ではない構成では、第3反射面22csで反射されたレーザ光Lの進行方向が設計上の+X方向からずれる。そのような進行方向のずれが生じた複数のレーザ光Lは、たとえずれの角度が数度程度であっても効果的に結合せず、結合光の出力が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向である+Z方向とのずれを低減することができる。その結果、第3反射面22csで反射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向である+X方向とのずれを低減することができる。レーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向とがなす角度は、例えば1°以下であることが好ましく、0.1°以下であることがより好ましい。本明細書において、2つの方向のなす角度は正の値を有し、負の値を有しない。
本実施形態において、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの設計上の進行方向は+Z方向に対して平行であり、第3反射面22csで反射されたレーザ光Lの設計上の進行方向は+X方向に対して平行である。ただし、設計上の進行方向はこれらの方向に限定されない。
本明細書において、図1Aおよび図1Bに示す複数の第1載置面40s1が並ぶ方向を「第1方向」と称し、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの進行方向を「第2方向」と称する。図1Bに示す基準平面Refは第1方向に対して平行である。本実施形態において、第1方向は+X方向であり、第2方向は+Z方向であるが、これらの方向に限定されない。第2方向は第1方向に交差していれば、第1方向に直交する必要はない。
なお、発光装置100を図1Aおよび図1Bに示す発光モジュール200に採用せず、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの進行方向を変化させる必要がないのであれば、第3ミラー部材22cを配置する必要はない。その他にも、発光装置100をより一般的な空間結合型の発光モジュールに採用してもよい。
以下に、発光装置100の各構成要素を説明する。
<レーザ光源10>
レーザ光源10は、パッケージ内部に端面出射型の半導体レーザ素子および速軸コリメートレンズを備える。半導体レーザ素子はパッケージによって封止されている。半導体レーザ素子は、矩形形状の端面からレーザ光を出射する。当該端面がX方向に延び、XY平面に対して平行な平面である場合、半導体レーザ素子から+Z方向に出射されたレーザ光は、YZ平面において相対的に速く広がり、XZ平面において相対的に遅く広がる。レーザ光の速軸方向はY方向に対して平行であり、遅軸方向はX方向に対して平行である。レーザ光源10は、半導体レーザ素子から出射され、速軸コリメートレンズを透過したレーザ光を外部に出射する。レーザ光源10から外部に出射されたレーザ光Lの進行方向は+Z方向に対して平行である。レーザ光源10から外部に出射されたレーザ光LはYZ平面においてコリメートされているが、XZ平面においてコリメートされていない。本明細書において、「コリメートする」とは、レーザ光Lを平行光にすることだけではなく、レーザ光Lの広がり角を低減することも意味する。レーザ光源10の具体的な構成について後述する。
実際には、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向は+Z方向からずれている可能性がある。レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向と+Z方向とがなす角度は、例えば10°以下であり得る。
<光学部材20>
光学部材20は、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向を変化させる。光学部材20に含まれる第1ミラー部材22aおよび第2ミラー部材22bは、半導体レーザ素子が封止された空間の外側に位置する。第3ミラー部材22cおよび遅軸コリメートレンズ24についても同様である。以下において、第1ミラー部材22a、第2ミラー部材22b、第3ミラー部材22c、および遅軸コリメートレンズ24を順に説明する。
光学部材20に含まれる第1ミラー部材22aは、X方向に一様な断面形状を有する。当該断面形状は台形である。第1ミラー部材22aは、互いに平行な平面である上面および下面と、上面および下面を繋ぐ斜面とを有する。上面および下面の各々は、XZ平面に対して平行である。当該斜面の法線方向は、YZ平面に対して平行な方向であって、+Y方向と鋭角をなし、かつ-Z方向と鋭角をなす方向である。本明細書において、面の法線方向とは、面の垂直方向であって、当該面を有する物体から離れる方向を意味する。第1ミラー部材22aの下面と斜面とがなす角度は45°であるが、この角度に限定されず例えば30°以上60°以下であってもよい。
第1ミラー部材22aは、斜面に第1反射面22asを有する。第1反射面22asは、図2Bに示すように、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を支持体30から離れる方向に変化させる。
光学部材20に含まれる第2ミラー部材22bは、X方向に一様な断面形状を有する。当該断面形状は台形である。第2ミラー部材22bは、互いに平行な平面である上面および下面と、上面および下面を繋ぐ斜面とを有する。上面および下面の各々は、XZ平面に対して平行である。当該斜面の法線方向は、YZ平面に対して平行な方向であって、-Y方向と鋭角をなし、かつ+Z方向と鋭角をなる方向である。第2ミラー部材22bの上面と斜面とがなす角度は45°であるが、この角度に限定されず例えば30°以上60°以下であってもよい。第2ミラー部材22bの上面と斜面とがなす角度は、第1ミラー部材22aの下面と斜面とがなす角度に等しくてもよいし、異なっていてもよい。
第2ミラー部材22bは、斜面に第2反射面22bsを有する。第2反射面22bsの少なくとも一部は、第1反射面22asの少なくとも一部の上方に位置する。第2反射面22bsは、図2Bに示すように、第1反射面22asで反射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させる。第2ミラー部材22bは第1ミラー部材22aよりも上方に位置するので、第2ミラー部材22bを保持装置によって保持しながら第2ミラー部材22bを適切な位置および向きに配置しやすい。第2ミラー部材22bの配置方法については後述する。
本実施形態とは異なり、第1ミラー部材22aおよび第2ミラー部材22bを用いずに、レーザ光源10と遅軸コリメートレンズ24との間にウェッジを配置した構成でも、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向を+Z方向に向けることができる。当該ウェッジは、互いに反対側に位置する光入射面および光反射面を有する。当該光入射面の法線方向は-Z方向に対して平行であり、当該光出射面の法線方向は、YZ平面に対して平行な方向であって、+Y方向または-Y方向と鋭角をなし、かつ+Z方向と鋭角をなす方向である。互いに平行ではない光入射面および光入射面での屈折に起因して、ウェッジは、自身を透過するレーザ光Lの進行方向を変化させることができる。しかしながら、そのような構成では、レーザ光Lの進行方向を+Z方向に向けるために、光出射面の法線方向が互いに異なる複数のウェッジを用意し、当該複数のウェッジから、光出射面の法線方向が適切な方向であるウェッジを選択する必要がある。
これに対して、本実施形態では、第2ミラー部材22bを適切な位置および向きに配置することにより、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向が+Z方向からずれているか否かに関係なく、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの進行方向を+Z方向に向けることができる。本実施形態では、上面と斜面とがなす角度が互いに異なる複数の第2ミラー部材22bを用意し、当該複数の第2ミラー部材22bから適切な角度の第2ミラー部材22bを選択する必要はない。
光学部材20に含まれる第3ミラー部材22cは直方体の形状を有し、その側面に第3反射面22csを有する。当該側面は、第3ミラー部材22cの上面および下面を繋ぐ。当該上面および当該下面の各々はXZ平面に対して平行である。第3反射面22csは、図2Cに示すように、第2反射面22bsで反射され、遅軸コリメートレンズ24を透過したレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+X方向に変化させる。
本実施形態において、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの進行方向は+Z方向に対して平行である。ただし、当該進行方向が+Z方向に対して平行でなくても、XZ平面に対して平行であれば、第3ミラー部材22cを適切な位置および向きに配置することにより、レーザ光Lの進行方向を+X方向に変化させることができる。
光学部材20に含まれる遅軸コリメートレンズ24は、第2ミラー部材22bと第3ミラー部材22cとの間に位置し、かつ第2ミラー部材22bで反射されたレーザ光Lの光路上に位置する。遅軸コリメートレンズ24は、例えば、Y方向に一様な断面形状を有するシリンドリカルレンズであり得る。遅軸コリメートレンズ24は、図2Cに示すように、+Z方向に進行するレーザ光LをXZ平面においてコリメートする。
なお、レーザ光源10から出射されたレーザ光LがYZ平面だけでなくXZ平面においてもコリメートされているのであれば、遅軸コリメートレンズ24を配置する必要はない。
第1ミラー部材22a、第2ミラー部材22b、および第3ミラー部材22cは、例えば、斜面を有する台と、当該斜面上に別途形成される反射面とを備え得る。台は、例えば、ガラス、石英、合成石英、サファイア、セラミックス、プラスチック、シリコン、金属、シリコーン樹脂、および誘電体材料からなる群から選択される少なくとも1つから形成され得る。反射面は、例えば、誘電体多層膜および金属材料などの反射性材料から形成され得る。この反射面が、第1反射面22as、第2反射面22bs、および第3反射面22csに相当する。
あるいは、ミラー部材22a~22cは、例えば、斜面を有する台を備え、当該台は上記の反射性材料から形成されていてもよい。この場合、当該台の斜面が、第1反射面22as、第2反射面22bs、および第3反射面22csに相当する。
遅軸コリメートレンズ24は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す集光レンズ50と同様に、前述の透光性材料から形成され得る。
<支持体30>
支持体30は、図2Bおよび図2Dに示すように、凹凸を有する上面30usと、XZ平面に対して平行な平面である下面30Lsとを有する。支持体30は、上面30usに凹部30cを有する。支持体30は、凹部30cにおいて、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lが通過する相対的に深い第1切り欠き部30n1と、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lが通過する相対的に浅い第2切り欠き部30n2とを有する。支持体30は、さらに、凹部30cにおいて、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの光路の両側に位置する2つの壁部30wを有する。
支持体30は、凹部30cの底面の少なくとも一部である第1支持面30s1を有する。第1支持面30s1はXZ平面に対して平行である。第1支持面30s1は、第1反射面22asがレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を支持体30から離れる方向に変化させるように第1ミラー部材22aを支持する。第1ミラー部材22aの一部は2つの壁部30wの間に位置する。第1ミラー部材22aの下面は第1支持面30s1に接合されている。第1支持面30s1と第1ミラー部材22aの下面との間には、接合用の樹脂層36L1が存在している。樹脂層36L1の厚さ(Y方向における寸法)は、例えば0.005mm以上0.5mm以下であり得る。レーザ光Lの照射によって第1ミラー部材22aで生じる熱は、第1ミラー部材22aを支持する第1支持面30s1を介して支持体30に効果的に伝えることができる。樹脂層36L1の厚さ(Y方向における寸法)が上記の範囲であれば、樹脂層36L1は、当該熱が支持体30に伝わることを大きく妨げることはない。以下に説明する樹脂層についても同様である。なお、樹脂層36L1ではなく、はんだ材のような無機接合層であってもよい。
支持体30は、2つの壁部30wの上面の少なくとも一部である第2支持面30s2を有する。第2支持面30s2はXZ平面に対して平行である。第2支持面30s2は、第2反射面22bsの少なくとも一部が、第1反射面22asの少なくとも一部の上方に位置するように第2ミラー部材22bを支持する。第2支持面30s2は、さらに、第2反射面22bsが第1反射面22asで反射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように第2ミラー部材22bを支持する。図2Bに示す例において、第2支持面30s2は第2ミラー部材22bの両端を支持する。凹部30cが2つの壁部30wではなく1つの壁部30wだけを備える場合、第2支持面30s2は第2ミラー部材22bの一端を支持する。第2ミラー部材22bの下面の一部、具体的には第2ミラー部材22bの一端または両端の下面は第2支持面30s2に接合されている。第2支持面30s2と第2ミラー部材22bの下面の一部との間には、接合用の樹脂層36L2が存在している。第2ミラー部材22bの下面の一部を第2支持面30s2に硬化前の樹脂を介して接触させ、第2反射面22bsがレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように第2ミラー部材22bは適切な位置および向きに調整される。その後、樹脂を硬化して樹脂層36L2が形成される。樹脂層36L2の厚さについては、樹脂層36L2の厚さと同様である。レーザ光Lの照射によって第2ミラー部材22bで生じる熱は、第2ミラー部材22bを支持する第2支持面30s2を介して支持体30に効果的に伝えることができる。
支持体30から見て光学部材20が実装された面とは反対側に位置するXZ平面に対して平行な平面を、発光装置100における高さの基準平面とする。当該基準平面は、例えば、図2Bおよび図2Dに示す支持体30の下面30Lsであり得る。以下に説明する「高さ」は、当該基準平面からの高さである。第2支持面30s2の高さは第1支持面30s1の高さよりも大きい。第2支持面30s2によって支持された第2ミラー部材22bは、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの光路の上方に位置し、当該レーザ光Lの進行を妨げない。
本実施形態とは異なり、第2支持面30s2の高さが第1支持面30s1の高さに等しい構成では、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行を妨げないように、第2ミラー部材22bはレーザ光Lの光路を跨ぐ複雑な形状を有することが求められる。これに対して、本実施形態では、第2支持面30s2の高さが第1支持面30s1の高さよりも大きいので、第2ミラー部材22bはそのような複雑な形状を有する必要はない。第2ミラー部材22bは、下面が平面である単純な形状を有していてもよい。
第1支持面30s1および第2支持面30s2は互いに平行な平面である。したがって、第2ミラー部材22bの上面と斜面とがなす角度が第1ミラー部材22aの下面と斜面とがなす角度に等しい場合、第2ミラー部材22bの下面の一部を第2支持面30s2に硬化前の樹脂を介して接触させると、第2反射面22bsは第1反射面22asに対してほぼ平行になる。その状態から第2ミラー部材22bの位置および向きを微調整できるので、第2ミラー部材22bを適切な位置および向きに配置しやすくなる。
第1反射面22asおよび第2反射面22bsは互いに離れて位置しており、第1反射面22asと第2反射面22bsとの間には、空気などの気体が存在している。レーザ光Lは、第1反射面22asから第2反射面22bsまで進行する間に、第2ミラー部材22bと第2支持面30s2との間に存在する樹脂層36L2には入射しないので、樹脂層36L2の劣化を低減することができる。第1反射面22asから第2反射面22bsまでのZ方向における距離は、例えば0.1mm以上3mm以下であり得る。
第2反射面22bsのX方向における寸法は、2つの壁部30wの間の最大の間隔よりも大きく、第1反射面22asのX方向における寸法は、当該最大の間隔よりも小さい。したがって、第2反射面22bsのX方向における寸法は、第1反射面22asのX方向における寸法よりも大きい。第2反射面22bsのX方向における寸法は、例えば、第1反射面22asのX方向における寸法の1.1倍以上4倍以下であり得る。第2反射面22bsはそのような寸法を有するので、第2反射面22bsは、第1反射面22asから第2反射面22bsまで進行する間にX方向における幅が広くなるレーザ光Lを受けやすい。
第1反射面22asおよび/または第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの一部は迷光になる場合があり、当該迷光は進行するにつれて広がり得る。その場合でも、2つの壁部30wのX方向における間隔が狭ければ、迷光が戻り光としてレーザ光源10に入射することを低減できる。2つの壁部30wのX方向における間隔は、例えば0.1mm以上3mm以下であり得る。当該間隔がこの範囲であれば、迷光が戻り光としてレーザ光源10に入射することを適切に低減できる。さらに、壁部30wの高さ(Y方向における寸法)が大きければ、第1反射面22asで生じた迷光が第2ミラー部材22bと第2支持面30s2との間に存在する樹脂層36L2に入射することを妨げて樹脂層36L2の劣化を低減することができる。壁部30wの高さは、例えば0.1mm以上5mm以下であり得る。当該高さがこの範囲であれば、そのような迷光が樹脂層36L2に入射することを効果的に妨げることができる。なお、第2反射面22bsで生じた迷光は樹脂層36L2から離れる方向に進行する場合が多いので、そのような迷光が樹脂層36L2に入射する可能性は低い。
次に、第1支持面30s1および第2支持面30s2以外の支持面を説明する。支持体30は、さらに、上面30usにおいて、凹部30cの外側に位置する第3支持面30s3を有する。第3支持面30s3はXZ平面に対して平行である。第3支持面30s3は、上方から見た上面視で、第1支持面30s1および第2支持面30s2を基準としてレーザ光Lの進行方向に位置する。第3支持面30s3は、第3反射面22csが第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+X方向に変化させるように第3ミラー部材22cを支持する。第3支持面30s3と第3ミラー部材22cの下面との間には、接合用の樹脂層36L3が存在している。樹脂層36L3の厚さについては、樹脂層36L2の厚さと同様である。レーザ光Lの照射によって第3ミラー部材22cで生じる熱は、第3ミラー部材22cを支持する第3支持面30s3を介して支持体30に効果的に伝えることができる。
支持体30は、さらに、上面30usにおいて、凹部30cの外側に位置する第4支持面30s4を有する。第4支持面30s4はXZ平面に対して平行である。第4支持面30s4は、上面視で、第1支持面30s1と第3支持面30s3との間に位置し、かつ第2支持面30s2と第3支持面30s3との間に位置する。第4支持面30s4は遅軸コリメートレンズ24を支持する。第4支持面30s4と遅軸コリメートレンズ24の下面との間には、接合用の樹脂層36L4が存在している。樹脂層36L4の厚さについては、樹脂層36L2の厚さと同様である。
支持体30は、さらに、上面30usにおいて、凹部30cの外側に位置する第5支持面30s5を有する。第5支持面30s5はXZ平面に対して平行である。第5支持面30s5は、上面視で、第1支持面30s1および第2支持面30s2を基準として、第3支持面30s3および第4支持面30s4とは反対側に位置する。第5支持面30s5はレーザ光源10を支持する。第5支持面30s5とレーザ光源10の下面との間には、接合用の無機接合層34Lが存在している。無機接合層34Lの厚さは、例えば0.0001mm以上0.050mm以下であり得る。駆動時にレーザ光源10で生じる熱は、第5支持面30s5を介して支持体30に効果的に伝えることができる。 第5支持面30s5の高さは第1支持面30s1の高さよりも小さいので、第5支持面30s5によって支持されたレーザ光源10は、レーザ光Lを第1反射面22asに入射させやすい。第4支持面30s4の高さは第5支持面30s5の高さよりも大きいので、第4支持面30s4によって支持された遅軸コリメートレンズ24は、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lを受けやすい。第3支持面30s3の高さは第5支持面30s5の高さよりも大きいので、第3支持面30s3によって支持された第3ミラー部材22cの第3反射面22csは、遅軸コリメートレンズ24を透過したレーザ光Lを受けやすい。
支持体30は、さらに、上面30usに第1凸部30p1を有する。第1凸部30p1は、上面視で第3支持面30s3と第4支持面30s4との間に位置する。第1凸部30p1を目安とすることにより、第3支持面30s3と第4支持面30s4とを区別して視認できるので、第3ミラー部材22cを第3支持面30s3に配置し、遅軸コリメートレンズ24を第4支持面30s4に配置しやすい。
支持体30は、さらに、上面30usに第2凸部30p2を有する。第2凸部30p2は概略的にU型形状を有する。当該U型形状の互いに平行に延びる2つの部分の間に第5支持面30s5の一部が位置する。概略的にU型形状を有する第2凸部30p2を目安とすることにより、レーザ光源10を第5支持面30s5に配置しやすい。
支持体30は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す支持基体40と同じ材料から形成され得る。その場合、支持体30は、駆動時にレーザ光源10から発せられる熱、およびレーザ光Lの照射によってミラー部材22a、22b、22cで生じる熱を支持基体40に効果的に伝えることができる。支持体30は、支持基体40と一体的に形成されてもよい。その場合、支持体30は、支持基体40の一部に相当する。
以上のことから、本実施形態によれば、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置100およびそれに用いられる光学装置を実現できる。そのような発光装置100を図1Aおよび図1Bに示す発光モジュール200に採用することにより、複数の発光装置100の各々からレーザ光Lが出射されて得られる複数のレーザ光Lを効果的に結合して光ファイバ60に入射することができる。
次に、図3を参照して、本開示の実施形態による発光装置100の変形例を、発光装置100とは異なる点を中心に説明する。図3は、本開示の実施形態による発光装置100の変形例の構成を模式的に示す、YZ平面に対して平行な断面図である。図3に示す破線によって囲まれた領域には、第1ミラー部材22aおよび第2ミラー部材22b、ならびにそれらの周辺の構成が拡大して示されている。図3に示す発光装置110が図2Bに示す発光装置100とは異なる点は、発光装置110が、支持体30の代わりに支持体32を備えることである。支持体32の形状は支持体30の形状とは異なる。支持体32は、凹凸を有する上面32usと、XZ平面に対して平行である下面32Lsとを有する。支持体32は、上面32usに凹部32cを有する。支持体32は、凹部32cにおいて、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lが通過する相対的に浅い第1切り欠き部32n1と、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lが通過する相対的に深い第2切り欠き部32n2とを有する。支持体32は、さらに、凹部32cにおいて、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの光路の両側に位置する2つの壁部32wを有する。図3では一方の壁部32wのみが示されている。
支持体32は、2つの壁部32wの上面の少なくとも一部である第1支持面32s1を有する。第1支持面32s1は、第1反射面22asがレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を支持体32に近づく方向に変化させるように第1ミラー部材22aを支持する。図3に示す例において、第1支持面32s1は、第1ミラー部材22aの両端を支持する。凹部32cが2つの壁部32wではなく1つの壁部32wだけを備える場合、第1支持面30s1は第1ミラー部材22aの一端を支持する。第1ミラー部材22aの下面の一部、具体的には第1ミラー部材22aの一端または両端の下面は第1支持面32s1に接合されている。第1支持面30s1と第1ミラー部材22aの下面の一部との間には、接合用の樹脂層36L1が存在している。硬化前の樹脂を介して、第1支持面30s1に、第1ミラー部材22aの下面の一部を接触させた状態で、第1反射面22asがレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように第1ミラー部材22aは適切な位置および向きに調整される。その後、樹脂を硬化して樹脂層36L1が形成される。レーザ光Lの照射によって第1ミラー部材22aで生じる熱は、第1ミラー部材22aを支持する第1支持面30s1を介して支持体30に効果的に伝えることができる。
支持体32は、凹部32cの底面の少なくとも一部である第2支持面32s2を有する。第2支持面32s2は、第2反射面22bsの少なくとも一部が第1反射面22asの少なくとも一部の下方に位置するように第2ミラー部材22bを支持する。第2支持面30s2は、さらに、第2反射面22bsが第1反射面22asで反射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように第2ミラー部材22bを支持する。第2支持面30s2と第2ミラー部材22bの下面との間には、接合用の樹脂層36L2が存在している。レーザ光Lの照射によって第2ミラー部材22bで生じる熱は、第2ミラー部材22bを支持する第2支持面30s2を介して支持体30に効果的に伝えることができる。
支持体32から見て光学部材20が実装された面とは反対側に位置するXZ平面に対して平行な平面を、発光装置110における高さの基準平面とする。当該基準平面は、例えば、図3に示す支持体32の下面32Lsであり得る。以下に説明する「高さ」は、当該基準平面からの高さである。本変形例では、本実施形態による発光装置100とは異なり、第1支持面32s1の高さは第2支持面32s2の高さよりも大きい。第1支持面32s1によって支持された第1ミラー部材22aは、第2反射面22bsで反射されたレーザ光Lの光路の上方に位置し、当該レーザ光Lの進行を妨げない。第1ミラー部材22aは、レーザ光Lの光路を跨ぐ複雑な形状を有する必要はなく、下面が平面である単純な形状を有していてもよい。
発光装置110では、第1ミラー部材22aを適切な位置および向きに配置することにより、第1反射面22asおよび第2反射面22bsでこの順に反射されたレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させることができる。第1ミラー部材22aは第2ミラー部材22bよりも上方に位置するので、第1ミラー部材22aを保持装置によって保持しながら第1ミラー部材22aを適切な位置および向きに配置しやすい。
第1反射面22asのX方向における寸法は、2つの壁部30wの間の最大の間隔よりも大きい。同様に、第2反射面22bsのX方向における寸法は、当該最大の間隔よりも大きい。第2反射面22bsはそのような寸法を有するので、第2反射面22bsは、第1反射面22asから第2反射面22bsまで進行する間にX方向における幅が広くなるレーザ光Lを受けやすい。第1反射面22asのX方向における寸法は、第2反射面22bsのX方向における寸法よりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、第2反射面22bsのX方向における寸法に等しくてもよい。
本変形例では、本実施形態による発光装置100と同様に、第1支持面32s1および第2支持面32s2は互いに平行な平面である。第1反射面22asおよび第2反射面22bsは互いに離れて位置しており、第1反射面22asと第2反射面22bsとの間には、空気などの気体が存在している。
支持体32は、さらに、本実施形態による発光装置100と同様に、第3ミラー部材22cを支持する第3支持面32s3と、遅軸コリメートレンズ24を支持する第4支持面32s4と、レーザ光源10を支持する第5支持面32s5とを有する。
以上のことから、本実施形態の変形例によれば、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置110およびそれに用いられる光学装置を実現できる。
[発光装置の製造方法]
次に、図4Aから図4Eを参照して、本開示の実施形態による発光装置100の製造方法の例を説明する。図4Aから図4Eは、本開示の実施形態による発光装置の製造方法における工程の例を説明するための図である。
最初の工程において、レーザ光源10、光学部材20、および支持体30が用意される。光学部材20は、第1ミラー部材22a、第2ミラー部材22b、第3ミラー部材22c、遅軸コリメートレンズ24を有する。
次の工程において、図4Aに示すように、第5支持面30s5に、無機接合部材34を介してレーザ光源10が接合される。この工程により、レーザ光源10に含まれる半導体レーザ素子12が支持体30に間接的に配置される。具体的には、半導体レーザ素子12は、ステージ10b2およびサブマウント11を介して、支持体30に配置される。無機接合部材34は、例えばはんだ材または焼結材であり得る。無機接合部材34がはんだ材である場合、無機接合部材34を加熱溶融した後で冷却することにより、図2Bに示す無機接合層34Lが形成される。無機接合部材34が焼結材である場合、無機接合部材34を焼き固めることにより、無機接合層34Lが形成される。
次の工程において、図4Bに示すように、第1支持面30s1に第1ミラー部材22aが接合される。第1ミラー部材22aは、第1反射面22asがレーザ光源10から出射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を支持体30から離れる方向に変化させるように第1支持面30s1に接合される。この工程では、第1支持面30s1に、硬化前の樹脂36aを介して第1ミラー部材22aの下面を接触させた状態で、樹脂36aを硬化して図2Bに示す樹脂層36L1が形成される。樹脂36aは、例えば、加熱することによって硬化される熱硬化性樹脂、または紫外線もしくは可視光の照射によって硬化される光硬化性樹脂であり得る。以下に説明する樹脂についても同様である。この工程において、第1ミラー部材22aの位置および向きを、第2ミラー部材22bの位置および向きほど正確に調整する必要はない。したがって、樹脂36aの代わりに、はんだ材のような無機接合部材を用いてもよい。
次の工程において、図4Cに示すように、第2支持面30s2に第2ミラー部材22bが接合される。第2ミラー部材22bは、第2反射面22bsが第1反射面22asで反射されたレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように第2支持面30s2に接合される。この工程では、第2支持面30s2に、硬化前の樹脂36bを介して第2ミラー部材22bの下面の一部を接触させた状態で、樹脂36bを硬化して図2Bに示す樹脂層36L2が形成される。樹脂36bを硬化する前には以下のアクティブアライメントが行われる。すなわち、レーザ光源10にレーザ光Lを出射させた状態で、第2反射面22bsがレーザ光Lの進行方向を+Z方向に変化させるように、第2ミラー部材22bの位置および向きが適切に調整される。そのような調整は、第2ミラー部材22bを保持装置によって保持しながら行われ得る。このアクティブアライメントは、遅軸コリメートレンズ24を第4支持面30s4に固定せずに配置した状態で、遅軸コリメートレンズ24によってある程度コリメートされたレーザ光の光学特性を受光装置によって計測しながら行われる。
第2ミラー部材22bのZ方向における位置を変化させることにより、レーザ光Lの光軸の高さを調整することができる。第2ミラー部材22bを+Z方向に沿ってシフトさせることにより、レーザ光Lの光軸の高さを小さくし、第2ミラー部材22bを-Z方向に沿ってシフトさせることにより、レーザ光Lの光軸の高さを大きくすることができる。本明細書において、「レーザ光の光軸」は、レーザ光のファーフィールドパターンの中心を通過する軸を意味する。光軸上を進むレーザ光は、ファーフィールドパターンの光強度分布においてピーク強度を示す。
さらに、X軸またはY軸を回転軸として第2ミラー部材22bを回転させてその向きを変化させることにより、レーザ光Lの進行方向を調整することができる。X軸を回転軸として第2ミラー部材22bを回転させることにより、レーザ光Lの進行方向を上下に変化させることができる。Y軸を回転軸として第2ミラー部材22bを回転させることにより、レーザ光Lの進行方向を正面方向として、レーザ光Lの進行方向を左右に変化させることができる。
次の工程において、図4Dに示すように、第4支持面30s4に遅軸コリメートレンズ24が接合される。遅軸コリメートレンズ24は、第2反射面22bsで反射されたレーザ光LをXZ平面においてコリメートするように第4支持面30s4に接合される。この工程では、第4支持面30s4に、硬化前の樹脂36cを介して遅軸コリメートレンズ24の下面を接触させた状態で、樹脂36cを硬化して図2Bに示す樹脂層36L4が形成される。樹脂36cを硬化する前には以下のアクティブアライメントが行われる。すなわち、レーザ光源10にレーザ光Lを出射させた状態で、遅軸コリメートレンズ24がレーザ光LをXZ平面においてコリメートするように、遅軸コリメートレンズ24の位置および向きが適切に調整される。そのような調整は、遅軸コリメートレンズ24を保持装置によって保持しながら行われ得る。レーザ光Lがコリメートされているか否かは、遅軸コリメートレンズ24を透過したレーザ光Lの広がり角を受光装置によって計測することにより調べることができる。
次の工程において、図4Eに示すように、第3支持面30s3に第3ミラー部材22cが接合される。第3ミラー部材22cは、第3反射面22csが、第2反射面22bsで反射されて遅軸コリメートレンズ24を透過したレーザ光Lを反射してレーザ光Lの進行方向を+X方向に変化させるように第3支持面30s3に接合される。この工程では、第3支持面30s3に、硬化前の樹脂36dを介して第3ミラー部材22cの下面を接触させた状態で、樹脂36dを硬化して図2Bに示す樹脂層36L3が形成される。樹脂36dを硬化する前には以下のアクティブアライメントが行われる。すなわち、レーザ光源10にレーザ光Lを出射させた状態で、第3反射面22csがレーザ光Lの進行方向を+X方向に変化させるように、第3ミラー部材22cの位置および向きが適切に調整される。そのような調整は、第3ミラー部材22cを保持装置によって保持しながら行われ得る。Y軸を回転軸として第3ミラー部材22cを回転させることにより、レーザ光Lの進行方向を正面方向として、レーザ光Lの進行方向を左右に変化させることができる。
以上のことから、本実施形態によれば、上記の工程により、レーザ光源10から出射されたレーザ光Lの進行方向と、設計上の進行方向とのずれを低減することが可能な発光装置100を製造することができる。発光装置100を図1Aおよび図1Bに示す発光モジュール200に採用する場合、支持基体40の第1載置面40s1に支持体30を配置した後で、本実施形態による製造方法が実施される。
[DDL装置]
次に、図5を参照して、本開示の実施形態によるDDL装置の構成例を説明する。図5は、本開示の例示的な実施形態によるDDL装置の構成を模式的に示す図である。図5に示すDDL装置1000は、複数の発光モジュール200と、加工ヘッド300と、発光モジュール200を加工ヘッド300に接続する光伝送ファイバ250とを備える。図5に示す例において、複数の発光モジュール200の数は4個であるが、この数に限定されない。複数の発光モジュール200の数は1個または複数個であり得る。
各発光モジュール200に含まれる発光装置100の数は、必要な光出力または放射照度に応じて決定される。発光装置100から出射されるレーザ光の波長も、加工対象の材料に応じて選択され得る。例えば、銅、真鍮、アルミニウムなどの金属を加工する場合、中心波長が350nm以上550nm以下の範囲に属する半導体レーザ素子が好適に採用され得る。各発光装置100から出射されるレーザ光の波長は同一である必要はなく、中心波長が異なるレーザ光が重畳されてもよい。また、中心波長が350nm以上550nm以下の範囲外にあるレーザ光を用いる場合にも、本発明による効果を得ることは可能である。
図5に示す例において、複数の発光モジュール200の各々から光ファイバ60が延びている。そのようにして得られる複数の光ファイバ60が光合波器230によって光伝送ファイバ250に結合されている。光合波器230は、例えば、TFB(Tapered Fiber Bundle)であり得る。加工ヘッド300は、光ファイバ60の光出射端から出射されたレーザ光を対象物400に収束して照射する。1台のDDL装置1000がM個の発光モジュール200を備え、各発光モジュール200がN個の発光装置100を備える場合において、1個の発光装置100の光出力がPワットであれば、最大でP×N×Mワットの光出力を持ったレーザビームを対象物400上に収束させることができる。ここで、Nは2以上の整数、Mは正の整数である。例えばP=20ワット、N=22、M=12であれば、5キロワットを超える光出力を実現できる。
[レーザ光源10の具体的な構成]
次に、図6Aから図6Dを参照して、レーザ光源10の具体的な構成の例を説明する。図6Aは、レーザ光源10の構成を模式的に示す斜視図である。図6Aに示すレーザ光源10は、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子を収容する基部10bとを備える。基部10bは、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を透過させる透光窓10tを備える。レーザ光源10は、さらに、半導体レーザ素子に電力を供給する2つのリード端子15と、2つのリード端子15を保持するリード保持部材10hと、基部10bに固定された蓋体10Lとを備える。蓋体10Lは、基部10bと共に、半導体レーザ素子を封止する封止空間を形成する。この封止は気密封止であることが好ましい。気密封止による効果は、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長が短くなるほど高くなる。気密封止されず、半導体レーザ素子の出射面が外気に接している構成では、レーザ光の波長が短くなるほど、集塵によって動作中に出射面の劣化が進行していく可能性が高くなるからである。
図6Bは、図6Aに示すレーザ光源10の内部の平面構成を模式的に示す図である。図6Bにおいて、図6Aに示す蓋体10Lが省略されている。基部10bは、底板10b1と、底板10b1に設けられたステージ10b2と、ステージ10b2を囲む側壁10b3を含む。側壁10b3に、図6Aに示す透光窓10tが設けられている。側壁10b3が透光窓10tを備えると言うこともできる。レーザ光源10は、基部10bの内部に、ステージ10b2によって支持されるサブマウント11と、サブマウント11によって支持される半導体レーザ素子12およびレンズ支持部材13と、レンズ支持部材13によって支持される速軸コリメートレンズ14とを備える。半導体レーザ素子12は、底板10b1、ステージ10b2、およびサブマウント11を介して図2Aに示す支持体30によって支持されている。半導体レーザ素子12は、速軸コリメートレンズ14に向けてレーザ光を出射する。
基部10bのうち、底板10b1およびステージ10b2は、例えば、Cu、Al、Ag、Fe、Ni、Mo、Cu、Wからなる群から選択される少なくとも1つを含む金属材料から形成され得る。そのような金属材料の例はCuMoのような合金を含む。そのような金属材料から形成される底板10b1およびステージ10b2は高い熱伝導率を有するので、駆動時に半導体レーザ素子12から発せられる熱を外部に効果的に伝えることができる。基部10bのうち、側壁10b3は、例えばコバール(kovar)から形成され得る。コバールは、主成分である鉄にニッケルおよびコバルトを加えた合金である。
レーザ光源10は、さらに、基部10bの内部に複数のワイヤ15wを備える。複数のワイヤ15wのうち、一部のワイヤ15wは、サブマウント11を介して半導体レーザ素子12に電気的に接続され、かつ一方のリード端子15に電気的に接続されている。残りのワイヤ15wは、直接半導体レーザ素子12に電気的に接続され、かつ他方のリード端子15に電気的に接続されている。複数のワイヤ15wは、2つのリード端子15から半導体レーザ素子12に電力を供給するために用いられる。2つのリード端子15は、半導体レーザ素子12から出射されるレーザ光の出射タイミングおよび出力を調整する外部回路に電気的に接続されている。
図6Cは、図6Aに示すレーザ光源10から基部10b、蓋体10L、リード端子15、および内部のワイヤ15wを省略した構成のより詳細を示す分解斜視図である。図6Cに示すレーザ光源10Aは、サブマウント11と、端面出射型の半導体レーザ素子12と、レンズ支持部材13と、速軸コリメートレンズ14とを備える。図6Cにおいて、レンズ支持部材13および速軸コリメートレンズ14は互いに分離された状態で示されているが、実際には両者は互いに接合されている。図6Dは、図6Cに示すレーザ光源10Aの、YZ平面に対して平行な断面図である。
サブマウント11は、図6Cに示すように、XZ平面に対して平行である上面11usおよび下面11Lsを有する。上面11usおよび下面11Lsの各々には金属膜が設けられている。上面11usに設けられた金属膜は、半導体レーザ素子12およびレンズ支持部材13をサブマウント11の上面11usに無機接合部材で接合する際に、接合強度を向上させる。上面11usに設けられた金属膜は、半導体レーザ素子12に電力を供給することに用いてもよい。下面11Lsに設けられた金属膜は、レーザ光源10Aを、ステージ10b2の上面に無機接合部材で接合する際に、接合強度を向上させる。上面11usおよび下面11Lsの各々に設けられた金属膜は、駆動時に半導体レーザ素子12で発せられる熱を、サブマウント11を介して図6Bに示すステージ10b2に伝えることにも役立つ。サブマウント11は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す支持基体40と同様に、前述のセラミックス、金属材料、または金属マトリクス複合材料から形成され得る。
半導体レーザ素子12は、図6Cに示すように、サブマウント11の上面11usによって支持されている。半導体レーザ素子12はZ方向に交差する2つの端面の一方に出射面12eを有し、出射面12eからレーザ光を+Z方向に出射する。レーザ光は、+Z方向に進行するにつれてYZ平面およびXZ平面において異なる速さで広がる。レーザ光は、YZ平面において相対的に速く広がり、XZ平面において相対的に遅く広がる。レーザ光のスポットは、コリメートしない場合、ファーフィールドで、XY平面においてY方向が長軸でありX方向が短軸である楕円形状を有する。
半導体レーザ素子12は、可視領域における紫色、青色、緑色もしくは赤色のレーザ光、または不可視領域における赤外もしくは紫外のレーザ光を出射し得る。紫色光の発光ピーク波長は、400nm以上420nm以下の範囲内にあることが好ましく、400nm以上415nm以下の範囲内にあることがより好ましい。青色光の発光ピーク波長は、420nmより大きく495nm以下の範囲内にあることが好ましく、440nm以上475nm以下の範囲内にあることがより好ましい。緑色光の発光ピーク波長は、495nmより大きく570nm以下の範囲内にあることが好ましく、510nm以上550nm以下の範囲内にあることがより好ましい。赤色光の発光ピーク波長は、605nm以上750nm以下の範囲内にあることが好ましく、610nm以上700nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
紫色、青色および緑色のレーザ光を出射する半導体レーザ素子12としては、窒化物半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体材料としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。赤色のレーザ光を出射する半導体レーザ素子12としては、例えば、InAlGaP系、GaInP系、GaAs系、およびAlGaAs系の半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。
レンズ支持部材13は、図6Cに示すように、サブマウント11の上面11usによって支持されている。レンズ支持部材13は、2つの柱状部分13aと、2つの柱状部分13aの間に位置し、2つの柱状部分13aを連結する連結部分13bとを有する。2つの柱状部分13aは半導体レーザ素子12の両側に位置し、連結部分13bは半導体レーザ素子12の出射面12e側の上方に位置する。レンズ支持部材13は、2つの柱状部分13aの端面13asによって速軸コリメートレンズ14を支持する。レンズ支持部材13は、半導体レーザ素子12を跨ぐように位置し、半導体レーザ素子12から出射されるレーザ光が速軸コリメートレンズ14に入射することを妨げない。
レンズ支持部材13は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す支持基体40と同様に、前述のセラミックスから形成され得る。レンズ支持部材13は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す集光レンズ50と同様に、前述の透光性材料から形成され得る。レンズ支持部材13は、例えば、コバールおよびCuWからなる群から選択される少なくとも1つの合金から形成され得る。レンズ支持部材13は、例えばSiから形成され得る。
速軸コリメートレンズ14は、図6Cに示すように、例えば、X方向に一様な断面形状を有するシリンドリカルレンズであり得る。速軸コリメートレンズ14は、光入射側に平面を有し、光出射側に凸曲面を有する。当該凸曲面は、YZ平面において曲率を有する。速軸コリメートレンズ14の焦点は、半導体レーザ素子12の出射面12eの発光点の中心にほぼ一致する。図6Dに示すように、速軸コリメートレンズ14は、半導体レーザ素子12の出射面12eから+Z方向に出射されるレーザ光をYZ平面においてコリメートする。図6Dに示す破線によって囲まれる領域は、レーザ光の強度がそのピーク強度の1/e倍以上である領域を表す。eは自然対数の底である。速軸コリメートレンズ14は、例えば、図1Aおよび図1Bに示す集光レンズ50と同様に、前述の透光性材料から形成され得る。
速軸コリメートレンズ14は封止空間の内部に配置されているので、レーザ光が大きく広がる前にレーザ光をコリメートすることができる。したがって、速軸コリメートレンズ14を小型にすることが可能になる。
図2Aに示す例において、レーザ光源10の内部にある速軸コリメートレンズ14は、半導体レーザ素子12と第1ミラー部材22aとの間に位置し、かつ、レーザ光の光路上に位置する。図2Aに示す例において、レーザ光源10がさらに-Z方向に沿ってシフトした位置にあれば、速軸コリメートレンズ14は、レーザ光源10の内部ではなく、レーザ光源10と第1ミラー部材22aとの間であって、レーザ光Lの光路上に位置していてもよい。速軸コリメートレンズ14がそのようにレーザ光源10の外側にある場合、速軸コリメートレンズ14を光学部材20の一部として扱ってもよい。
レーザ光源10のより詳細については、例えば特開2021-106247号公報に開示されている。特開2021-106247号公報の開示内容のすべてを参照によって本明細書に援用する。
本開示は、以下の項目に記載の発光装置、光学装置、発光モジュール、および発光装置の製造方法を含む。
[項目1]
レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材と、
前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体と、
を備え、
前記光学部材は、
第1反射面を有する第1ミラー部材と、
第2反射面を有する第2ミラー部材と、
を有し、
前記支持体は、
前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、
前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、
を有する、発光装置。
[項目2]
前記第2ミラー部材の下面の一部は、前記第2支持面に接合されており、
前記第2ミラー部材は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の光路の上方に位置する、項目1に記載の発光装置。
[項目3]
前記第2支持面と前記第2ミラー部材の下面の一部との間には、樹脂層が存在している、項目2に記載の発光装置。
[項目4]
前記第1ミラー部材の下面の一部は、前記第1支持面に接合されており、
前記第1ミラー部材は、前記第2反射面により反射された前記レーザ光の光路の上方に位置する、項目1に記載の発光装置。
[項目5]
前記第1支持面と前記第1ミラー部材の下面の一部との間には、樹脂層が存在している、項目4に記載の発光装置。
[項目6]
前記半導体レーザ素子は端面出射型であり、
前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の遅軸方向における前記第2反射面の寸法は、前記遅軸方向における前記第1反射面の寸法よりも大きい、項目1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目7]
前記支持体から見て前記光学部材が実装された面とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは、前記第1支持面の高さよりも大きく、
前記第2支持面は、前記第2ミラー部材の一端または両端を支持する、項目1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目8]
前記支持体は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の光路の両側に位置する2つの壁部を有しており、
前記第2支持面は、前記壁部の上面の少なくとも一部である、項目1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目9]
前記第1および第2支持面は平面であり、互いに平行である、項目1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目10]
前記第1反射面および前記第2反射面は互いに離れて位置しており、前記第1反射面と前記第2反射面との間には、気体が存在している、項目1から9のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目11]
前記光学部材は第3ミラー部材を有し、前記第3ミラー部材は第3反射面を有し、
前記支持体は、前記第3反射面が前記第2反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第3ミラー部材を支持する第3支持面を有する、項目1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目12]
前記光学部材は遅軸コリメートレンズを有し、
前記遅軸コリメートレンズは、前記第2ミラー部材と前記第3ミラー部材との間に位置し、かつ、前記レーザ光の光路上に位置する、項目11に記載の発光装置。
[項目13]
前記半導体レーザ素子と前記第1ミラー部材との間に位置し、かつ、前記レーザ光の光路上に位置する速軸コリメートレンズを備える、項目1から12のいずれか1項に記載の発光装置。
[項目14]
第1反射面を有する第1ミラー部材と、
第2反射面を有する第2ミラー部材と、
前記第1ミラー部材および前記第2ミラー部材を支持する支持体と、
を備え、
前記支持体は、
前記第1反射面が半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して前記レーザ光の進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、
前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、
を有する、光学装置。
[項目15]
前記支持体から見て前記第1ミラー部材および前記第2ミラー部材が実装された面とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは前記第1支持面の高さよりも大きく、
前記第2支持面は、前記第2ミラー部材の一端または両端を支持する、項目14に記載の光学装置。
[項目16]
第1方向に並ぶ複数の載置面を有する支持基体であって、前記第1方向に対して平行な基準平面からの前記複数の載置面の高さが前記第1方向に沿って段階的に減少する、支持基体と、
前記複数の載置面の各々に、対応する発光装置が配置された、複数の発光装置であって、各々が請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置である、複数の発光装置と、
集光レンズと、
を備え、
前記複数の発光装置の各々に含まれる前記光学部材は第3ミラー部材を有し、前記第3ミラー部材は第3反射面を有し、
前記複数の発光装置の各々に含まれる前記支持体は、前記第3反射面が前記第2反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第3ミラー部材を支持する第3支持面を有し、
前記複数の発光装置の各々は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光を前記第1反射面および前記第2反射面でこの順に反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に交差する第2方向に変化させ、前記第2反射面で反射された前記レーザ光を前記第3ミラー反射面で反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に変化させることにより、前記レーザ光を前記第1方向に出射し、
前記集光レンズは、前記複数の発光装置の各々から前記レーザ光が前記第1方向に出射されて得られる複数のレーザ光を結合する、発光モジュール。
[項目17]
レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材であって、第1反射面を有する第1ミラー部材および第2反射面を有する第2ミラー部材を有する光学部材と、前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体であって、前記第1ミラー部材を支持する第1支持面および前記第2ミラー部材を支持する第2支持面を有する支持体とを用意する工程と、
前記半導体レーザ素子を前記支持体に配置する工程と、
前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第1ミラー部材を前記第1支持面に接合する工程と、
前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第2ミラー部材を前記第2支持面に接合する工程と、
を含む、発光装置の製造方法。
[項目18]
前記支持体から見て前記光学部材とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは前記第1支持面の高さよりも大きく、
前記第2ミラー部材を前記第2支持面に接合する工程は、
前記第2ミラー部材の下面を前記第2支持面に硬化前の樹脂を介して接触させることと、
前記半導体レーザ素子に前記レーザ光を出射させた状態で、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第2ミラー部材の位置および向きを調整することと、
前記樹脂を硬化することと、
を含む、項目17に記載の発光装置の製造方法。
本開示の発光装置は、特に複数のレーザ光を結合して高出力のレーザ光を実現するために用いられ得る。また、本開示の発光装置は、例えば、高出力のレーザ光源が必要とされる産業用分野、例えば各種材料の切断、穴あけ、局所的熱処理、表面処理、金属の溶接、3Dプリンティングに利用され得る。
10、10A:レーザ光源 10L:蓋体 10b:基部 10b1:底板 10b2:ステージ 10b3:側壁 10h:リード保持部材 10t:透光窓 11:サブマウント 11Ls:下面 11us:上面 12:半導体レーザ素子 12e:出射面 13:レンズ支持部材 13a:柱状部分 13as:柱状部分の端面 13b:連結部分 14:速軸コリメートレンズ 15:リード端子 15w:ワイヤ 20:光学部材 22a:第1ミラー部材 22as:第1反射面 22b:第2ミラー部材 22bs:第2反射面 22c:第3ミラー部材 22cs:第3反射面 24:遅軸コリメートレンズ 30、32:支持体 30us、32us:上面 30Ls、32Ls:下面 30c、32c:凹部 30w、32w:壁部 30n1、32n1:第1切り欠き部 30n2、32n2:第2切り欠き部 30p1:第1凸部 30p2:第2凸部 30s1、32s1:第1支持面 30s2、32s2:第2支持面 30s3、32s3:第3支持面 30s4、32s4:第4支持面 30s5、32s5:第5支持面 34:無機接合部材 34L:無機接合層 36a、36b、36c、36d:樹脂 36L1、36L2、36L3、36L4:樹脂層 40、42:支持基体 40s1:第1載置面 40s2:第2載置面 50:集光レンズ 50a:速軸集光レンズ 50b:遅軸集光レンズ 60:光ファイバ 60a:光入射端 60b:光出射端 62:支持部材 72:ミラー 74:1/2波長板 76:偏光ビームスプリッタ 100、100a、100b、110:発光装置 200、210:発光モジュール 230:光合波器 250:光伝送ファイバ 300:加工ヘッド 400:対象物 1000:DDL装置 L、La、Lb:レーザ光 Ref:基準平面

Claims (18)

  1. レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材と、
    前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体と、
    を備え、
    前記光学部材は、
    第1反射面を有する第1ミラー部材と、
    第2反射面を有する第2ミラー部材と、
    を有し、
    前記支持体は、
    前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、
    前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、
    を有する、発光装置。
  2. 前記第2ミラー部材の下面の一部は、前記第2支持面に接合されており、
    前記第2ミラー部材は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の光路の上方に位置する、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第2支持面と前記第2ミラー部材の下面の一部との間には、樹脂層が存在している、請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記第1ミラー部材の下面の一部は、前記第1支持面に接合されており、
    前記第1ミラー部材は、前記第2反射面により反射された前記レーザ光の光路の上方に位置する、請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記第1支持面と前記第1ミラー部材の下面の一部との間には、樹脂層が存在している、請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記半導体レーザ素子は端面出射型であり、
    前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の遅軸方向における前記第2反射面の寸法は、前記遅軸方向における前記第1反射面の寸法よりも大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記支持体から見て前記光学部材が実装された面とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは、前記第1支持面の高さよりも大きく、
    前記第2支持面は、前記第2ミラー部材の一端または両端を支持する、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記支持体は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の光路の両側に位置する2つの壁部を有しており、
    前記第2支持面は、前記壁部の上面の少なくとも一部である、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記第1および第2支持面は平面であり、互いに平行である、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第1反射面および前記第2反射面は互いに離れて位置しており、前記第1反射面と前記第2反射面との間には、気体が存在している、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記光学部材は第3ミラー部材を有し、前記第3ミラー部材は第3反射面を有し、
    前記支持体は、前記第3反射面が前記第2反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第3ミラー部材を支持する第3支持面を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 前記光学部材は遅軸コリメートレンズを有し、
    前記遅軸コリメートレンズは、前記第2ミラー部材と前記第3ミラー部材との間に位置し、かつ、前記レーザ光の光路上に位置する、請求項11に記載の発光装置。
  13. 前記半導体レーザ素子と前記第1ミラー部材との間に位置し、かつ、前記レーザ光の光路上に位置する速軸コリメートレンズを備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  14. 第1反射面を有する第1ミラー部材と、
    第2反射面を有する第2ミラー部材と、
    前記第1ミラー部材および前記第2ミラー部材を支持する支持体と、
    を備え、
    前記支持体は、
    前記第1反射面が半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して前記レーザ光の進行方向を変化させるように前記第1ミラー部材を支持する第1支持面と、
    前記第2反射面の少なくとも一部が前記第1反射面の少なくとも一部の上方または下方に位置するように前記第2ミラー部材を支持し、かつ、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第2ミラー部材を支持する第2支持面と、
    を有する、光学装置。
  15. 前記支持体から見て前記第1ミラー部材および前記第2ミラー部材が実装された面とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは前記第1支持面の高さよりも大きく、
    前記第2支持面は、前記第2ミラー部材の一端または両端を支持する、請求項14に記載の光学装置。
  16. 第1方向に並ぶ複数の載置面を有する支持基体であって、前記第1方向に対して平行な基準平面からの前記複数の載置面の高さが前記第1方向に沿って段階的に減少する、支持基体と、
    前記複数の載置面の各々に、対応する発光装置が配置された、複数の発光装置であって、各々が請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置である、複数の発光装置と、
    集光レンズと、
    を備え、
    前記複数の発光装置の各々に含まれる前記光学部材は第3ミラー部材を有し、前記第3ミラー部材は第3反射面を有し、
    前記複数の発光装置の各々に含まれる前記支持体は、前記第3反射面が前記第2反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように前記第3ミラー部材を支持する第3支持面を有し、
    前記複数の発光装置の各々は、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光を前記第1反射面および前記第2反射面でこの順に反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に交差する第2方向に変化させ、前記第2反射面で反射された前記レーザ光を前記第3反射面で反射して前記レーザ光の前記進行方向を前記第1方向に変化させることにより、前記レーザ光を前記第1方向に出射し、
    前記集光レンズは、前記複数の発光装置の各々から前記レーザ光が前記第1方向に出射されて得られる複数のレーザ光を結合する、発光モジュール。
  17. レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射された前記レーザ光の進行方向を変化させる光学部材であって、第1反射面を有する第1ミラー部材および第2反射面を有する第2ミラー部材を有する光学部材と、前記半導体レーザ素子および前記光学部材を支持する支持体であって、前記第1ミラー部材を支持する第1支持面および前記第2ミラー部材を支持する第2支持面を有する支持体とを用意する工程と、
    前記半導体レーザ素子を前記支持体に配置する工程と、
    前記第1反射面が前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第1ミラー部材を前記第1支持面に接合する工程と、
    前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第2ミラー部材を前記第2支持面に接合する工程と、
    を含む、発光装置の製造方法。
  18. 前記支持体から見て前記光学部材とは反対側に位置する平面を高さの基準平面として、前記第2支持面の高さは前記第1支持面の高さよりも大きく、
    前記第2ミラー部材を前記第2支持面に接合する工程は、
    前記第2ミラー部材の下面を前記第2支持面に硬化前の樹脂を介して接触させることと、
    前記半導体レーザ素子に前記レーザ光を出射させた状態で、前記第2反射面が前記第1反射面で反射された前記レーザ光を反射して前記レーザ光の前記進行方向を変化させるように、前記第2ミラー部材の位置および向きを調整することと、
    前記樹脂を硬化することと、
    を含む、請求項17に記載の発光装置の製造方法。
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