JP2024016938A - 研磨装置 - Google Patents

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靖之 本島
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Ban Ito
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Abstract

【課題】簡易な構成で、研磨パッドの温度分布を所定の温度分布に加熱および維持できる研磨装置を提供する。【解決手段】研磨装置は、研磨パッド3の研磨面の温度を調整するパッド温度調整装置5を備え、パッド温度調整装置5は、研磨パッド3の研磨面から上方に離間して配置された加熱流体ノズル11を含む。加熱流体ノズル11は、ノズル本体11aと、ノズル本体11aの長手方向に沿って形成され、研磨面に向けて加熱流体を噴射するためのスリット11bと、ノズル本体11aの内部に形成され、加熱流体が供給されるヘッダー管11cと、ノズル本体11aの内部に形成され、スリット11bに連通するバッファ管11dと、ヘッダー管11cをバッファ管11dに連通させる複数の枝管11eと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体ウエハなどの基板を研磨パッドに摺接させて研磨する研磨装置に係り、特に研磨パッドの表面温度を調整しながら基板を研磨する研磨装置に関する。
CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置は、半導体デバイスの製造において、基板の表面を研磨する工程に使用される。CMP装置は、基板を研磨ヘッドで保持して基板を回転させ、さらに回転する研磨テーブル上の研磨パッドに基板を押し付けて基板の表面を研磨する。研磨中、研磨パッドには研磨液(スラリー)が供給され、基板の表面は、研磨液の化学的作用と研磨液に含まれる砥粒の機械的作用により平坦化される。
基板の研磨レートは、基板の研磨パッドに対する研磨荷重のみならず、研磨パッドの表面温度にも依存する。そこで、研磨パッドの表面温度を調整するためのパッド温度調整装置が従来から使用されている。例えば、特許文献1に記載の研磨装置は、研磨パッドの表面に接触し、温度調整された加熱液および冷却液が供給されるパッド接触部材を有するパッド温度調整装置を記載している。特許文献2には、研磨パッドの上方に配置したノズルからドライガスなどの流体を研磨パッドに吹き付けることによって、研磨パッドの半径方向の温度分布を所定の温度分布に保つことが記載されている。
特開2017-148933号公報 特許第6353266号公報
パッド温度調整装置がパッド接触部材を有する場合、研磨パッドの温度を直接制御できるため、研磨パッドを所定の温度分布に維持しやすくなる。一方で、パッド接触部材は、基板の研磨中に必然的に研磨液に接触するので、パッド接触部材に、研磨液に含まれる砥粒および研磨パッドの摩耗粉などの汚れが付着する。汚れが基板の研磨中にパッド接触部材から脱落すると、基板を汚染したり、基板にスクラッチなどのディフェクトを生じさせたりしてしまう。
流体(例えば、加熱流体)を研磨パッドに吹き付けるパッド温度調整装置の場合、研磨パッドに吹き付けられる加熱流体の量に偏りがあると、研磨パッドの温度分布を所定の温度分布に加熱および維持することが困難になる。そのため、パッド温度調整装置は、研磨パッドの半径方向における加熱流体の量の偏りを是正する機構を用いる必要がある。この場合、パッド温度調整装置が複雑化するおそれがあり、さらに、パッド温度調整装置が高価になるおそれがある。
そこで、本発明は、簡易な構成で、研磨パッドの温度分布を所定の温度分布に加熱および維持できる研磨装置を提供することを目的とする。
一態様では、研磨テーブルに支持された研磨パッドの研磨面に、研磨ヘッドに保持される基板を押し付けて、該基板を研磨する研磨装置であって、前記研磨面の温度を測定するパッド温度測定器の測定値に基づいて、前記研磨面の温度を調整するパッド温度調整装置を備え、前記パッド温度調整装置は、前記研磨面から上方に離間して配置された加熱流体ノズルを含み、前記加熱流体ノズルは、長尺状のノズル本体と、前記ノズル本体の長手方向に沿って形成され、前記研磨面に向けて加熱流体を噴射するための少なくとも1つのスリットと、前記ノズル本体の内部に形成され、前記加熱流体が供給されるヘッダー管と、前記ノズル本体の内部に形成され、前記スリットに連通するバッファ管と、前記ヘッダー管を前記バッファ管に連通させる複数の枝管と、を備える、研磨装置が提供される。
一態様では、前記少なくとも1つのスリットは、前記ノズル本体の先端の端面まで延びている。
一態様では、前記バッファ管および前記ヘッダー管は、前記ノズル本体の長手方向に沿って延びる。
一態様では、前記ノズル本体は、前記研磨パッドの略半径方向に延びる。
一態様では、前記ノズル本体は、耐薬品性および/または断熱性を有する材料から構成されるか、またはコーティングされている。
一態様では、前記研磨装置は、前記加熱流体ノズルを前記研磨パッドの側方の待避位置で洗浄する洗浄装置をさらに備える。
本発明によれば、加熱流体ノズルにヘッダー管、バッファ管、および複数の枝管を設けるといった簡易な構成で、バッファ管内の加熱流体の圧力分布が均一化され、さらにスリットから噴射される加熱流体の整流化が促進される。その結果、スリットから噴射される加熱流体の量を均一化でき、研磨パッドの研磨面の温度分布を所定の温度分布に加熱および維持することができる。
図1は、一実施形態に係る研磨装置を示す模式図である。 図2は、一実施形態に係る加熱流体供給システムと冷却流体供給システムとを示す模式図である。 図3(a)は、一実施形態に係る加熱流体ノズルの下面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す加熱流体ノズルの先端から見た透過図であり、図3(c)は、図3(a)のA-A線断面図である。 図4は、研磨パッドに対する、図3(a)乃至図3(c)に示す加熱流体ノズルの配置の一例を示す上面図である。 図5(a)は、他の実施形態に係る加熱流体ノズルの先端を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す加熱流体ノズルの断面図である。 図6は、上下動機構の一例を示す模式図である。 図7(a)は、回動機構の一例を示す模式図であり、図7(b)は、回動機構によって回動された加熱流体ノズルを示す上面図である。 図8(a)は、加熱流体ノズルをその長手方向軸を中心に回転させる回転機構の一例を示す模式図であり、図8(b)は、加熱流体ノズルの先端から眺めた、図8(a)に示す加熱流体ノズルが回転されたときの様子を示す概略図である。 図9(a)は、さらに他の実施形態に係る加熱流体ノズルを下面側から眺めた斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示す加熱流体ノズルの動作の一例を示す模式図である。 図10は、研磨パッドの目標温度プロファイル、およびパッド温度測定器によって取得された温度プロファイルの一例を示すグラフである。 図11は、他の実施形態に係るパッド温度調整装置を備えた研磨装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る研磨装置を示す模式図である。図1に示す研磨装置は、基板の一例であるウエハWを保持して回転させる研磨ヘッド1と、研磨パッド3を支持する研磨テーブル2と、研磨パッド3の表面に研磨液(例えば、スラリー)を供給する研磨液供給ノズル4と、研磨パッド3の表面の温度を測定するパッド温度測定器10と、研磨パッド3の表面温度を調整するパッド温度調整装置5とを備えている。研磨パッド3の表面(上面)は、ウエハWを研磨する研磨面を構成する。
さらに、研磨装置は、パッド温度測定器10によって測定された研磨パッド3の研磨面の温度(以下、パッド表面温度ということがある)に基づいて、パッド温度調整装置5の動作を制御する制御装置40を有している。本実施形態では、制御装置40は、パッド温度調整装置5を含む研磨装置全体の動作を制御するように構成されている。
研磨ヘッド1は鉛直方向に移動可能であり、かつその軸心を中心として矢印で示す方向に回転可能となっている。ウエハWは、研磨ヘッド1の下面に真空吸着などによって保持される。研磨テーブル2にはモータ(図示せず)が連結されており、矢印で示す方向に回転可能となっている。図1に示すように、研磨ヘッド1および研磨テーブル2は、同じ方向に回転する。研磨パッド3は、研磨テーブル2の上面に貼り付けられている。
ウエハWの研磨は次のようにして行われる。研磨されるウエハWは、研磨ヘッド1によって保持され、さらに研磨ヘッド1によって回転される。一方、研磨パッド3は、研磨テーブル2とともに回転される。この状態で、研磨パッド3の表面には研磨液供給ノズル4から研磨液が供給され、さらにウエハWの表面は、研磨ヘッド1によって研磨パッド3の表面(すなわち研磨面)に対して押し付けられる。ウエハWの表面は、研磨液の存在下での研磨パッド3との摺接により研磨される。ウエハWの表面は、研磨液の化学的作用と研磨液に含まれる砥粒の機械的作用により平坦化される。
パッド温度調整装置5は、研磨パッド3の研磨面を加熱する加熱機構9を有しており、この加熱機構9は、研磨パッド3の上方に配置されたパッド加熱機として機能する加熱流体ノズル11と、加熱流体を加熱流体ノズル11に供給する加熱流体供給システム30と、を少なくとも備えている。加熱流体供給システム30を介して加熱流体ノズル11に供給された加熱流体が研磨パッド3の研磨面に噴射されることにより、該研磨面を所定の目標温度に加熱し、該目標温度に維持する。
さらに、図1に示すパッド温度調整装置5は、研磨パッド3の研磨面に流体を噴射して該研磨面を冷却するための冷却機構50と、研磨パッド3の研磨面の上方に配置された吸引機構60と、を有している。
冷却機構50は、研磨パッド3の上方に配置されたパッド冷却機51と、冷却流体をパッド冷却機51に供給する冷却流体供給システム52と、を少なくとも有している。吸引機構60は、研磨パッド3の上方に配置された吸引ノズル61と、真空源(真空装置)63と、真空源63を吸引ノズル61に連結する吸引ライン62と、を少なくとも有している。真空源63の例としては、吸引ポンプ、吸引ファン、およびエゼクタが挙げられる。吸引機構60は、吸引ライン62に配置される流量調整器64を有していてもよい。流量調整器64は、例えば、ダンバーである。
本実施形態では、パッド温度測定器10は、非接触でパッド表面温度を測定し、その測定値を制御装置40に送る。パッド温度測定器10は、研磨パッド3の表面温度を測定する赤外線放射温度計または熱電対温度計であってもよく、研磨パッド3の径方向に沿った研磨パッド3の温度分布(温度プロファイル)を取得する温度分布測定器であってもよい。温度分布測定器の例としては、サーモグラフィ、サーモパイル、および赤外カメラが挙げられる。パッド温度測定器10が温度分布測定器である場合は、パッド温度測定器10は、研磨パッド3の中心と外周縁とを含む領域であって、該研磨パッド3の半径方向に延びる領域における研磨パッド3の表面温度の分布を測定するように構成される。本明細書において、温度分布(温度プロファイル)は、パッド表面温度と、ウエハW上の半径方向の位置との関係を示す。
制御装置40は、パッド表面温度が、予め設定された目標温度(または、温度分布)に維持されるように、測定されたパッド表面温度に基づいて、パッド温度調整装置5の動作を制御する。以下では、加熱流体供給システム30から加熱流体ノズル11に供給される加熱流体が過熱蒸気である例が説明される。しかしながら、加熱流体はこの例に限定されない。加熱流体は、高温の気体(例えば、高温の空気、窒素、またはアルゴン)でもよいし、加熱蒸気でもよい。なお、過熱蒸気とは、飽和蒸気をさらに加熱した高温の蒸気を意味する。
さらに、以下では、冷却流体が常温のガス(例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガス)である例が説明される。しかしながら、冷却流体はこの例に限定されない。冷却流体は、常温よりも低い設定温度まで冷却されたガスでもよいし、研磨パッド3の目標温度よりも低い設定温度まで常温から加熱されたガスでもよい。冷却流体は、研磨液への影響を考慮して、不活性ガスであるのが好ましい。しかしながら、冷却流体は、空気などの不活性ガスとは異なるガスであってもよい。
図2は、一実施形態に係る加熱流体供給システムと冷却流体供給システムとを示す模式図である。図2に示す加熱流体供給システム30は、過熱蒸気発生器(加熱流体発生器)31と、過熱蒸気発生器31から加熱流体ノズル11まで延びる過熱蒸気供給ライン(加熱流体供給ライン)32と、過熱蒸気発生器31に水を供給する水供給ライン33と、過熱蒸気発生器31に常温のガスを供給するガス供給ライン34と、を備えている。ガス供給ライン34は、ガス供給源(図示せず)から延びるガスメインライン70から分岐して過熱蒸気発生器31まで延びている。
過熱蒸気発生器31は、水供給ライン33から供給された水と、ガス供給ライン34から供給された常温のガスと、を混合して、所定の温度に調整された過熱蒸気を生成する。過熱蒸気は、過熱蒸気供給ライン32を介して加熱流体ノズル11に供給され、加熱流体ノズル11から研磨パッド3の研磨面に噴射される。この動作により、研磨パッド3の研磨面の温度を上昇させることができる。
図2に示す加熱流体供給システム30は、過熱蒸気供給ライン32に配置された流量調整器(第1流量調整器)35と、流量調整器35の上流側で過熱蒸気供給ライン32から分岐する排気ライン36とをさらに備えている。流量調整器35の例としては、マスフローコントローラ、および流量調整弁が挙げられる。流量調整器35によって、加熱流体ノズル11に供給される過熱蒸気の流量を調整することができる。余剰の過熱蒸気は、排気ライン36を通って研磨装置から排出される。
一実施形態では、加熱流体供給システム30は、流量調整器35に代えて、開閉弁(図示せず)を有していてもよい。この場合、制御装置40が開閉弁を開くことにより、所定流量の過熱蒸気(加熱流体)が加熱流体ノズル11に供給され、該加熱流体ノズル11から研磨パッド3の研磨面に噴射される。
過熱蒸気ではなく、高温のガスを加熱流体として用いる場合は、加熱流体供給システム30では、水供給ライン33が省略され、過熱蒸気発生器31を、加熱ガスヒータに置き換えればよい。さらに、過熱蒸気供給ライン32は、加熱ガス供給ラインと読み替えられる。
図2に示す冷却流体供給システム52は、ガスメインライン70から分岐して、パッド冷却機51まで延びる冷却ガス供給ライン53と、冷却ガス供給ライン53に配置された流量調整器(第2流量調整器)54と、を備えている。流量調整器54の例としては、マスフローコントローラ、および流量調整弁が挙げられる。流量調整器54によって、パッド冷却機51に供給される冷却ガスの流量を調整することができる。冷却流体は、冷却ガス供給ライン53を介してパッド冷却機51に供給され、パッド冷却機51から研磨パッド3の研磨面に噴射される。この動作により、研磨パッド3の研磨面の温度を低下させることができる。
一実施形態では、冷却流体供給システム52は、流量調整器54に代えて、開閉弁(図示せず)を有していてもよい。この場合、制御装置40が開閉弁を開くことにより、所定流量の冷却ガス(冷却流体)がパッド冷却機51に供給され、該パッド冷却機51から研磨パッド3の研磨面に噴射される。
制御装置40は、過熱蒸気発生器31、流量調整器35,54、真空源63、および流量調整器64(図1参照)に接続されている。制御装置40は、パッド温度測定器10の測定値に基づいて過熱蒸気発生器31、流量調整器35,54、真空源63、および流量調整器64のうちの少なくとも1つの動作を制御し、パッド表面温度を所定の目標温度に一致させる。例えば、制御装置40は、パッド表面温度が所定の目標温度に一致するように、流量調整器35,54の動作を制御して、過熱蒸気の流量および冷却ガスの流量を調整する。
制御装置40は、流量調整器35,54の動作に加えて、またはこれら動作に代えて、過熱蒸気発生器31の動作、真空源63の動作、および流量調整器64の動作の少なくとも1つを制御してもよい。例えば、制御装置40は、過熱蒸気発生器31が生成する過熱蒸気の温度を調整してもよいし、真空源63および/または流量調整器64の動作を制御して、吸引される空気の量を調整してもよい。研磨パッド3の研磨面に噴射される過熱蒸気の温度を変化させることで、研磨面の温度を調整することができる。真空源63および/または流量調整器64によって吸引される空気の量を増減させると、研磨面上のスラリーから奪われる気化熱の量が変化し、結果として、研磨面の温度を調整することができる。
一実施形態では、吸引機構60の真空源63および/または流量調整器64の動作を制御して、吸引ノズル61から吸引される空気の量を増大させることにより、吸引機構60を冷却機構50の補助冷却機構として使用してもよいし、冷却機構50を省略してもよい。さらに、一実施形態では、パッド温度調整装置5において、吸引機構60を省略してもよい。例えば、冷却機構50によるパッド表面温度の冷却が十分である場合は、吸引機構60を省略することができる。
パッド温度測定器10(図1参照)は、非接触でパッド表面温度を測定し、その測定値を制御装置40に送る。本実施形態では、制御装置40は、パッド表面温度が予め設定された目標温度に維持されるように、測定されたパッド表面温度に基づいて、過熱蒸気発生器31、流量調整器35,54、真空源63、および流量調整器64のうちの少なくとも1つの操作量をPID制御する。
制御装置40による研磨パッド3の研磨面の温度制御方法は、測定されたパッド表面温度を目標温度に維持できる限り、PID制御に限られず、任意の制御方法を用いることができる。例えば、制御装置40は、過熱蒸気発生器31、流量調整器35,54、真空源63、および流量調整器64の操作量うちの少なくとも1つを、機械学習を行うことで構築された学習済モデルを用いて予測乃至決定するAI(artificial intelligence)機能を有していてもよい。
図3(a)は、一実施形態に係る加熱流体ノズルの下面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す加熱流体ノズルの先端から見た透過図であり、図3(c)は、図3(a)のA-A線断面図である。さらに、図4は、研磨パッドに対する、図3(a)乃至図3(c)に示す加熱流体ノズルの配置の一例を示す上面図である。
図3(a)乃至図3(c)に示すように、加熱流体ノズル11は、長尺状のノズル本体11aと、ノズル本体11aの長手方向に沿って形成され、研磨パッド3の研磨面に向けて加熱流体を噴射するためのスリット11bと、を有する。スリット11bは、過熱蒸気供給ライン32からノズル本体11aに供給された加熱流体の噴射口として機能する。本実施形態では、ノズル本体11aは、研磨パッド3の略半径方向に延びており(図4参照)、四角柱形状を有している。スリット11bは、ノズル本体11aの下面に形成されていて、ノズル本体11aの長手方向に沿って、該ノズル本体11aの略全長にわたって直線状に延びている。
なお、本実施形態では、ノズル本体11aは四角柱形状を有しているが、ノズル本体11aの形状はこの例に限定されない。例えば、ノズル本体11aは、円柱形状を有していてもよいし、五角柱形状、六角柱形状などの他の多角柱形状を有していてもよい。
さらに、図示した例では、スリット11bは、四角柱形状を有するノズル本体11aの平坦な面(下面)に開口しているが、ノズル本体11aにおけるスリット11bの開口位置は任意である。例えば、スリット11bは、隣接する平坦な面の接続部であるノズル本体11aの角部に開口していてもよい。ノズル本体11aが四角柱形状以外の角柱形状を有している場合も同様に、スリット11bは、ノズル本体11aの平坦な面に開口していてもよいし、角部で開口していてもよい。
さらに、加熱流体ノズル11は、ヘッダー管11cと、バッファ管11dと、ヘッダー管11cをバッファ管11dに連通させる複数の(図示した例では、12の)枝管11eと、を備えている。ヘッダー管11c、バッファ管11d、および複数の枝管11eは、それぞれ、ノズル本体11aの内部に形成されている。本実施形態では、ヘッダー管11cおよびバッファ管11dは、ノズル本体11aの長手方向に沿って、該ノズル本体11aの略全長にわたって延びている。
ヘッダー管11cは、過熱蒸気供給ライン32に連結されており、過熱蒸気は、過熱蒸気供給ライン32から加熱流体ノズル11のヘッダー管11cに供給される。本実施形態では、過熱蒸気供給ライン32は、ヘッダー管11cの末端に連結されているが、過熱蒸気供給ライン32から過熱蒸気をヘッダー管11cに供給できる限り、ヘッダー管11cへの過熱蒸気供給ライン32の連結位置は任意である。
バッファ管11dは、複数の枝管11eを介してヘッダー管11cに連通(連結)されると共に、スリット11bにも連通される。このような構成により過熱蒸気供給ライン32からヘッダー管11cに供給された過熱蒸気は、ヘッダー管11cの内部空間を満たし、次いで、複数の枝管11eを介してバッファ管11dに流れ込む。バッファ管11dに供給された過熱蒸気は、バッファ管11dの内部空間を満たし、次いで、スリット11bから研磨パッド3の研磨面に向けて噴射される。
図3(a)乃至図3(c)に示した実施形態では、加熱流体ノズル11は、一本のスリット11bを有するが、加熱流体ノズル11の数は、この例に限定されない。加熱流体ノズル11は、複数のスリット11bを有していてもよい。
さらに、ノズル本体11aの長手方向の長さB、およびスリット11bの長さ(加熱流体ノズル11の長手方向における大きさ)Cは、少なくともウエハWが押し付けられる研磨パッド3の領域全体に過熱蒸気を吹き付けることができる限り任意である。言い換えれば、ノズル本体11aの長手方向の長さB、およびスリット11bの長さCは、研磨されるウエハWのサイズ(直径)に応じて決定される。一実施形態では、ノズル本体11aの長手方向の長さB、およびスリット11bの長さCは、研磨パッド3のサイズに応じて決定されてもよい。例えば、ノズル本体11aの長手方向の長さB、およびスリット11bの長さCは、研磨パッド3の半径と略等しくてもよい。
このような構成により、バッファ管11d内の過熱蒸気の圧力分布が均一化され、さらにスリット11bから噴射される過熱蒸気の整流化が促進される。言い換えれば、加熱流体ノズル11にヘッダー管11c、バッファ管11d、および複数の枝管11eを設けるといった簡易な構成で、スリット11bから噴射される過熱蒸気(加熱流体)の量を研磨パッド3の半径方向に沿って均一化でき、研磨パッド3の研磨面の温度分布を所定の温度分布に加熱および維持することができる。
加熱流体ノズル11のスリット11bから過熱蒸気を噴射するための加熱流体ノズル11の設定条件(加熱流体噴射条件)は、加熱流体の性状に応じて最適化されるのが好ましい。加熱流体噴射条件には、例えば、スリット11bの長さC、および幅(加熱流体ノズル11の長手方向に垂直な水平方向におけるスリット11bの大きさ)、ヘッダー管11cの長さ(加熱流体ノズル11の長手方向における大きさ)D、ヘッダー管11cの容積、バッファ管11dの長さ(加熱流体ノズル11の長手方向における大きさ)E、バッファ管11dの容積、枝管11eの数、隣接する枝管11e間の距離(ピッチ)、および各枝管11eの断面積が含まれる。加熱流体噴射条件を決定するための過熱蒸気(加熱流体)の性状は、例えば、ヘッダー管11cに供給される過熱蒸気の温度および圧力、並びにヘッダー管11cへの供給量を含んでいる。
発明者らが鋭意研究した結果、加熱流体噴射条件のうち、ヘッダー管11cの容積と枝管11eの容積の合計値に対するバッファ管11dの容積の比が研磨パッドの半径方向の温度分布の均一化に大きく影響することがわかった。具体的には、バッファ管11dの容積は、ヘッダー管11cの容積と枝管11eの容積の合計値の10倍以上であるのが好ましく、15倍以上であるのがより好ましい。
なお、スリット11bから安定して均一な量の過熱蒸気を噴射するために、図3(b)に示すように、ヘッダー管11cは円形の縦断面形状を有し、バッファ管11dは四角形の縦断面形状を有しているのが好ましい。縦断面形状とは、鉛直方向に延びる断面で見たときの形状である。しかしながら、ヘッダー管11cの縦断面形状、およびバッファ管11dの縦断面形状は、スリット11bから安定して均一な量の過熱蒸気を噴射することができる限り任意に選択できる。例えば、バッファ管11dの容積がヘッダー管11cの容積と枝管11eの容積の合計値の10倍以上であれば、ヘッダー管11cは四角形の縦断面形状を有していてもよいし、バッファ管11dは円形の縦断面形状を有していてもよい。
さらに、スリット11bの幅が小さければ小さいほど、研磨パッドの半径方向の温度分布の均一化に有利であることもわかった。例えば、スリット11bの幅Fは1mm以下である。
さらに、バッファ管11dの長さEは、ヘッダー管11cの長さDと略等しいのが好ましく、ヘッダー管11cの長さDよりも1%長いのが好ましく、ヘッダー管11cの長さDよりも1.2%長いのが好ましい。
なお、加熱流体ノズル11のスリット11bから噴射される過熱蒸気は、研磨液に凝縮熱を与えるため、加熱流体ノズル11のノズル本体11aの下面と研磨パッド3との間の距離は、できる限り小さいことが好ましい。例えば、スリット11bが形成される加熱流体ノズル11のノズル本体11aの下面と研磨パッド3の研磨面との間の距離は、4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
さらに、加熱流体ノズル11のノズル本体11aは、耐薬品性および/または断熱性を有する材料から構成されるか、この種の材料で外面をコーティングされているのが好ましい。耐薬品性および断熱性を有する材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。
図3(a)乃至図3(c)に示す実施形態では、スリット11bは、ノズル本体11aの下面にのみ形成されている。一実施形態では、スリット11bをノズル本体11aの先端の端面まで延ばしてもよい。
図5(a)は、他の実施形態に係る加熱流体ノズルの先端を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す加熱流体ノズルの断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図3(a)乃至図3(b)を参照して説明した実施形態の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、加熱流体ノズル11のスリット11bは、ノズル本体11aの下面から、ノズル本体11aの先端の端面11fまで連続して延びている。そのため、スリット11bから噴射される過熱蒸気は、ノズル本体11aの先端よりも研磨パッド3の中心に向けて噴射される。上述したように、過熱蒸気は、少なくともウエハWが押し付けられる研磨パッド3の領域全体に吹き付けられる。ノズル本体11aの先端の端面11fまで延びるスリット11bによって、ノズル本体11aの小型化が達成される。
図6に示すように、パッド温度調整装置5は、加熱流体ノズル11を研磨パッド3の研磨面に対して上下動させる上下動機構85を備えていてもよい。図6は、上下動機構の一例を示す模式図である。図6において、加熱流体ノズル11は、ノズル本体11a以外の構成の図示を省略している。
図6に示す上下動機構85は、加熱流体ノズル11に連結される支持アーム86と、支持アーム86を介して加熱流体ノズル11を上下動させる上下動アクチュエータ87と、を備えている。本実施形態では、支持アーム86は、加熱流体ノズル11のノズル本体11aに連結されている。上下動アクチュエータ87の構成は、加熱流体ノズル11を上下方向に移動させることが可能である限り任意である。例えば、上下動アクチュエータ87は、加熱流体ノズル11を支持アーム86を介して上下動させるピストンを備えたピストンシリンダ装置であってもよく、または加熱流体ノズル11を支持アーム86を介して上下動させるモータ(例えば、サーボモータ、またはステッピングモータ)であってもよい。一実施形態では、上下動アクチュエータ87は、ピエゾ素子の圧電効果を利用して加熱流体ノズル11を支持アーム86を介して上下動させるピエゾアクチュエータであってもよい。
上下動機構85は、制御装置40(図1参照)に接続されている。制御装置40は、パッド温度測定器10の測定値に基づいて上下動機構85の動作(すなわち、上下動アクチュエータ87の操作量)を制御し、これにより、研磨パッド3の研磨面に対する加熱流体ノズル11の上下方向の位置が変化する。加熱流体ノズル11と研磨パッド3との間の距離が変化すると、研磨パッド3の研磨面に衝突する際の過熱蒸気の温度が変化する。例えば、加熱流体ノズル11を研磨パッド3に近づけると、高めの温度を有する過熱蒸気が研磨パッド3の研磨面に衝突し、パッド表面温度を上昇させることができる。一方で、加熱流体ノズル11を研磨パッド3から遠ざけると、低めの温度を有する過熱蒸気が研磨パッド3の研磨面に衝突し、パッド表面温度を低下させることができる。したがって、加熱流体ノズル11と研磨パッド3の研磨面との距離を変化させることで、パッド表面温度を調整することができる。
さらに、図7(a)に示すように、パッド温度調整装置5は、加熱流体ノズル11を研磨パッド3の研磨面に対して水平方向に回動させる回動機構90を備えていてもよい。図7(a)は、回動機構の一例を示す模式図であり、図7(b)は、回動機構によって回動された加熱流体ノズルを示す上面図である。図7(a)および図7(b)において、加熱流体ノズル11は、ノズル本体11a以外の構成の図示を省略している。
図7(a)に示す回動機構90は、加熱流体ノズル11に支持アーム86を介して連結される回動シャフト91と、回動シャフト91を回動させる回動アクチュエータ92と、を備える。回動アクチュエータ92は、例えば、回動シャフト91を回動させるモータ(例えば、サーボモータ、またはステッピングモータ)、またはロータリシリンダである。一実施形態では、回動アクチュエータ92は、ピストンを有するピストンシリンダであってもよい。この場合、回動機構90は、ピストンシリンダのピストンの動作を回動シャフト91の回動動作に変換するリンク機構を有する。
回動機構90は、制御装置40(図1参照)に接続されている。制御装置40は、パッド温度測定器10の測定値に基づいて回動機構90の動作(すなわち、回動アクチュエータ92の操作量)を制御し、これにより、研磨パッド3の研磨面に対する加熱流体ノズル11の回動角度を制御する。
図7(b)に示すように、加熱流体ノズル11を、該加熱流体ノズル11のノズル本体11aが研磨パッド3の半径方向と略平行に延びる初期位置(図4参照)から回動させると、研磨パッド3の研磨面に衝突する過熱蒸気の向きおよび量が変わる。その結果、初期位置からの加熱流体ノズル11の回動角度を制御することで、パッド表面温度を調整することができる。
図8(a)は、加熱流体ノズルをその長手方向軸を中心に回転させる回転機構の一例を示す模式図であり、図8(b)は、加熱流体ノズルの先端から眺めた、図8(a)に示す加熱流体ノズルが回転されたときの様子を示す概略図である。図8(a)および図8(b)において、加熱流体ノズル11は、ノズル本体11aおよびスリット11b以外の構成の図示を省略している
図8(a)に示す回転機構95は、加熱流体ノズル11の末端に取り付けられ、該加熱流体ノズル11を回転させる回転アクチュエータ96によって構成される。回転アクチュエータ96は、例えば、サーボモータ、またはステッピングモータである。
回転機構95は、制御装置40(図1参照)に接続されている。制御装置40は、パッド温度測定器10の測定値に基づいて回転機構95の動作(すなわち、回転アクチュエータ96の操作量)を制御し、これにより、研磨パッド3の研磨面に対する加熱流体ノズル11のスリット11bの向きを変化させる。
図8(b)に示すように、研磨パッド3の研磨面に対する加熱流体ノズル11のスリット11bの向きを変化させると、研磨パッド3の研磨面に衝突する過熱蒸気の量、および温度が変わる。より具体的には、加熱流体ノズル11を回転させると、研磨パッド3の研磨面に衝突する過熱蒸気の量、および温度が減少し、パッド表面温度を低下させることができる。したがって、支持アーム86に対する加熱流体ノズル11の回転角度を制御することで、パッド表面温度を調整することができる。
パッド温度調整装置5は、上述した上下動機構85、回動機構90、および回転機構95のいずれか2つの組み合わせを有していてもよいし、上下動機構85、回動機構90、および回転機構95の全てを有していてもよい。
図9(a)および図9(b)は、さらに他の実施形態に係る加熱流体ノズルを模式的に示す図である。より具体的には、図9(a)は、さらに他の実施形態に係る加熱流体ノズルを下面側から眺めた斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示す加熱流体ノズルの動作の一例を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図9(a)に示す加熱流体ノズル11は、スリット11bの幅(スリット11bの開度)を調整するシャッタ77を含むシャッタ機構76をさらに備える。シャッタ77は、複数のピエゾ素子101から構成される。複数のピエゾ素子101は、スリット11bの長手方向に沿って(すなわち、ノズル本体11aの長手方向に沿って)配列されている。図9(a)に示すシャッタ77は、ピエゾ素子101の逆圧電効果による伸縮動作によってスリット11bの開度を調整する。
各ピエゾ素子101はピエゾ素子ドライバ103に接続されており、ピエゾ素子ドライバ103は制御装置40(図1参照)に接続されている。図9(a)では、図が煩雑になることを防止するために、いくつかのピエゾ素子101からピエゾ素子ドライバ103まで延びる制御線のみが描かれている。制御装置40は、ピエゾ素子ドライバ103の動作を制御することで、各ピエゾ素子101の伸縮動作を独立して制御することができる(例えば、図9(b)参照)。ピエゾ素子ドライバ103は、加熱流体ノズル11のスリット11bの開度を調整するアクチュエータとして機能する。
パッド温度測定器10が上述した温度分布測定器である場合、制御装置40は、研磨パッド3の径方向に沿った研磨パッド3の温度分布(温度プロファイル)を取得することができる。図10は、研磨パッドの目標温度プロファイル、およびパッド温度測定器によって取得された温度プロファイルの一例を示すグラフである。図10において、縦軸は、パッド表面温度を表し、横軸は、研磨パッドの径方向位置を表す。
研磨後のウエハWの表面全体の面内均一性(平坦度)を精密に制御するためには、温度プロファイルを目標温度に常に一致させておくことが好ましい。そのため、本実施形態では、制御装置40は、パッド温度測定器10によって取得された温度プロファイルが目標温度に一致するように、各ピエゾ素子101の伸縮動作を制御する。例えば、図10に示すように、制御装置40は、目標温度と測定温度との差Daが大きめの研磨パッド3の位置Paに対応するピエゾ素子101を大きく縮めて、過熱蒸気の噴射量を増大させる。一方で、制御装置40は、目標温度と測定温度との差Dbが小さめの研磨パッド3の位置Pbに対応するピエゾ素子101の伸縮量を減少させて、過熱蒸気の噴射量を位置Paにおける噴射量よりも減少させる。
制御装置40は、パッド温度測定器10の測定値に基づいてピエゾ素子ドライバ103の動作(すなわち、各ピエゾ素子101の伸縮量)を制御し、これにより、研磨パッド3の半径方向に沿ったスリット11bの開度を自在に制御する。スリット11bの開度を変化させると、研磨パッド3の研磨面に衝突する過熱蒸気の流速および温度が変化し、パッド表面温度が変化する。このようなパッド温度制御を行うことで、研磨パッド3全体の温度プロファイルを、より精密に目標温度に一致させることができる。その結果、ウエハWを精密に研磨することができる。
図11は、他の実施形態に係るパッド温度調整装置を備えた研磨装置を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図11に示すパッド温度調整装置5は、研磨パッド3の側方の待避位置で加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61を洗浄する洗浄装置45を備えている。制御装置40は、洗浄装置45に接続されており、該洗浄装置45の動作を制御する。なお、図11では、パッド温度調整装置5の加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、吸引ノズル61、および洗浄装置45のみが描かれており、パッド温度調整装置5のその他の構成要素の図示は省略されている。
本実施形態では、パッド温度調整装置5は、上述した回動機構90を備えており、制御装置40は、回動機構90の回動アクチュエータ92(図7(a)参照)を動作させて、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61を、研磨パッド3の上方の初期位置(図1参照)から図11に示す待避位置に移動させる。
洗浄装置45は、待避位置に移動した加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61に洗浄液(例えば、純水)を上方および下方から噴射する複数のスプレー46を備えている。制御装置40は、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61が待避位置に移動した後で、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61にスプレー46から洗浄液を噴射する。この動作によって、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61に付着した汚れが洗浄される。特に、洗浄液によって、加熱流体ノズル11のスリット11bに侵入した汚れを除去することができる。その結果、加熱流体ノズル11は、そのスリット11bから安定して均一な量の過熱蒸気を噴射することができる。
加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61の洗浄が完了すると、制御装置40は、回動機構90の動作を制御して、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61を初期位置に移動させる。初期位置に移動した加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61から、研磨パッド3に洗浄液の液滴が落下すると、研磨液(スラリー)の濃度が変わり、研磨性能に悪影響を与えるおそれがある。そこで、本実施形態では、洗浄装置45は、洗浄液での洗浄後の加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61に気体(例えば、空気、窒素、またはアルゴン)を吹き付ける複数のノズル47を有していてもよい。
ノズル47から吹き付けられた気体によって、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61に付着した洗浄液を吹き飛ばし、加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61を乾燥させることができる。この乾燥処理によって、初期位置に移動した加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61から、研磨パッド3に洗浄液の液滴が落下することを防止できる。一実施形態では、スプレー46が洗浄液とは別に気体を加熱流体ノズル11、パッド冷却機51、および吸引ノズル61に吹き付ける機能を有していてもよい。
上述した実施形態では、パッド温度調整装置5は、加熱流体ノズル11を含む加熱機構9だけでなく、冷却機構50および吸引機構60を備えている。しかしながら、パッド温度調整装置5は、冷却機構50および吸引機構60のいずれか一方、または両方を省略してもよい。冷却機構50および吸引機構60のいずれか一方、または両方が省略される場合、パッド温度調整装置5は、上述した上下動機構85、回動機構90、および回転機構95の少なくとも1つを有しているのが好ましい。これら機構85,90,95によって、パッド表面温度の微細な調整が可能となる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 研磨ヘッド
2 研磨テーブル
3 研磨パッド
9 加熱機構
10 パッド温度測定器
11 加熱流体ノズル(パッド加熱機)
11a ノズル本体
11b スリット
11c ヘッダー管
11d バッファ管
11e 枝管
11f 端面
30 加熱流体供給システム
31 過熱蒸気発生器
32 過熱蒸気供給ライン
35 流量調整器
40 制御装置
45 洗浄装置
50 冷却機構
51 パッド冷却機
52 冷却流体供給システム
53 冷却ガス供給ライン
54 流量調整器
60 吸引機構
61 吸引ノズル
62 吸引ライン
63 真空源(真空装置)
64 流量調整器

Claims (6)

  1. 研磨テーブルに支持された研磨パッドの研磨面に、研磨ヘッドに保持される基板を押し付けて、該基板を研磨する研磨装置であって、
    前記研磨面の温度を測定するパッド温度測定器の測定値に基づいて、前記研磨面の温度を調整するパッド温度調整装置を備え、
    前記パッド温度調整装置は、前記研磨面から上方に離間して配置された加熱流体ノズルを含み、
    前記加熱流体ノズルは、
    長尺状のノズル本体と、
    前記ノズル本体の長手方向に沿って形成され、前記研磨面に向けて加熱流体を噴射するための少なくとも1つのスリットと、
    前記ノズル本体の内部に形成され、前記加熱流体が供給されるヘッダー管と、
    前記ノズル本体の内部に形成され、前記スリットに連通するバッファ管と、
    前記ヘッダー管を前記バッファ管に連通させる複数の枝管と、を備える、研磨装置。
  2. 前記少なくとも1つのスリットは、前記ノズル本体の先端の端面まで延びている、請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記バッファ管および前記ヘッダー管は、前記ノズル本体の長手方向に沿って延びる、請求項1に記載の研磨装置。
  4. 前記ノズル本体は、前記研磨パッドの略半径方向に延びる、請求項1に記載の研磨装置。
  5. 前記ノズル本体は、耐薬品性および/または断熱性を有する材料から構成されるか、またはコーティングされている、請求項1に記載の研磨装置。
  6. 前記加熱流体ノズルを前記研磨パッドの側方の待避位置で洗浄する洗浄装置をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の研磨装置。
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