JP2024015946A - 濃度推定方法、光学フィルムの製造方法及び濃度推定システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024015946000001
【課題】 光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を容易かつ適切に推定する。
【解決手段】 濃度推定方法は、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムの動作方法であって、製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得ステップ(S02)と、取得ステップにおいて取得された推定用情報に基づいて、濃度を推定する推定ステップ(S03)とを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定方法及び濃度推定システム、並びに当該濃度推定方法を含む光学フィルムの製造方法に関する。
偏光板に用いられる光学フィルムの製造工程では、架橋処理用の処理液に光学フィルムを浸漬する架橋処理が行われる。架橋処理を適切に行うため、処理液は一定の状態に保たれる必要がある。例えば、特許文献1には、架橋処理用の処理液のpHが一定となるように調整されることが示されている。
特開2009-230131号公報
架橋処理を適切に行うため、架橋処理用の処理液には架橋剤以外に硫酸等の酸が添加される。架橋処理を適切に行うため、架橋剤以外の酸の濃度も管理する必要がある。架橋処理用の処理液は複数の溶質を含むため、インライン、即ち、製造工程上の処理液を貯留する架橋槽において直接、架橋剤以外の酸の濃度を測定することは困難である。そのため、架橋槽から処理液をサンプリングして得られたサンプルを用いた乾燥重量法等によって酸の濃度を測定することが行われる。
しかしながら、サンプルを用いた測定方法では、測定に長時間を要し、また、作業者確保及び人件費の問題で測定頻度を大きくすることが困難である。また、サンプリングから測定結果がでるまでのタイムラグが大きい。このため、測定された酸の濃度が適正範囲から外れていた場合に製造工程へのフィードバックに時間がかかってしまい、不良品を製造する要因となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を容易かつ適切に推定することができる濃度推定方法、光学フィルムの製造方法及び濃度推定システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る濃度推定方法は、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムの動作方法である濃度推定方法であって、製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された推定用情報に基づいて、濃度を推定する推定ステップと、を含む。
本発明に係る濃度推定方法では、製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報に基づいて濃度が推定される。製造される光学フィルムは、架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度に応じたものとなるため、製造される光学フィルムに係る情報を用いることで適切に濃度を推定することができる。また、製造される光学フィルムに係る情報は、比較的容易に取得することができる。即ち、本発明に係る濃度推定方法によれば、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を容易かつ適切に推定することができる。
取得ステップにおいて、製造される光学フィルムに係る情報として、当該光学フィルムの張力に係る値、当該光学フィルムの大きさに係る値、及び当該光学フィルムのネックインに係る値の少なくとも何れかを含む推定用情報を取得することとしてもよい。製造される光学フィルムの張力、大きさ及びネックインは、特に架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度に応じたものとなる。従って、この構成によれば、より適切かつ確実に濃度を推定することができる。
取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報を含む推定用情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、架橋処理用の処理液に加えられるものにも基づいて、更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。
取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、推定ステップにおいて、取得ステップにおいて取得された情報によって示される時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、濃度を推定し、加重平均の算出に用いる重みは、時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものであることとしてもよい。あるいは、取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、推定ステップにおいて、取得ステップにおいて取得された情報によって示される時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、濃度を推定し、加重平均の算出に用いる重みは、参考用の濃度と参考用の濃度に対応する時系列の量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものであることとしてもよい。これらの構成によれば、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量にも基づいて、更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。
取得ステップにおいて、光学フィルムの製造工程の環境に係る情報を含む推定用情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、光学フィルムの製造工程の環境にも基づいて、更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、上記の濃度推定方法を含む。
ところで、本発明は、上記のように濃度推定方法の発明として記述できる他に、以下のように濃度推定システムの発明としても記述することができる。これらはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
即ち、本発明に係る濃度推定システムは、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムであって、製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された推定用情報に基づいて、濃度を推定する推定手段と、を備える。
本発明によれば、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を容易かつ適切に推定することができる。
本発明の実施形態に係る濃度推定システム及び製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る濃度推定システムで実行される処理である濃度推定方法及び当該濃度推定方法を含む光学フィルムの製造方法を示すフローチャートである。 時系列の水補給量の加重平均の算出に用いる重みの例を示すグラフである。
以下、図面と共に本発明に係る濃度推定方法、光学フィルムの製造方法及び濃度推定システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る濃度推定システム10を示す。濃度推定システム10は、光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定するシステム(装置)である。また、図1に光学フィルムを製造するための製造装置100を示す。
本実施形態では、製造される光学フィルムは偏光フィルムである。製造される偏光フィルムは、例えば、偏光板の製造に用いられる。但し、製造される光学フィルムは偏光フィルム以外のものであってもよい。製造装置100は、長尺のフィルム200を搬送しながら処理を施して偏光フィルム210を製造する。フィルム200に施される処理には、フィルム200に光学特性を付与する処理も含まれる。本実施形態では、付与される光学特性は、直線偏光特性等の偏光特性である。
フィルム200に光学特性が付与されると、フィルム200は偏光フィルム210として機能する。通常、光学特性は、フィルム200に対する処理が全て完了する前に実質的に付与される。従って、フィルム200を用いた偏光フィルム210の製造方法では、製造過程中でフィルム200が偏光フィルム210としての機能を有する。しかしながら、説明の便宜のため、断らない限り、処理全てが終了した後のフィルムを偏光フィルム210と呼び、処理全てが終了する前のフィルムを全てフィルム200と呼ぶ。
フィルム200は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムである。但し、偏光フィルム210を製造可能なものであれば、フィルム200は上記以外のものが用いられてもよい。フィルム200は、偏光フィルム210の製造に用いられる大きさ及び厚さとする。フィルム200は、溶融押出法、溶剤キャスト法等の公知の方法で製造され得る。フィルム200は、購入されたフィルム、又は事前に延伸及び積層等の処理を行ったフィルムでもよい。図1では、フィルム200を原反ロール220として準備し、原反ロール220から繰り出されたフィルム200に処理を施して偏光フィルム210を得る場合を図示している。フィルム200が上記方法(溶融押出法、溶剤キャスト法等)で製造される場合、例えば、上記方法(溶融押出法、溶剤キャスト法等)によって製造されたフィルム200を連続的に搬送して、その搬送中に処理を行ってもよい。
偏光フィルム210を製造する場合、通常、フィルム200に、膨潤処理、染色処理、架橋処理、洗浄処理を施す。これらの処理は、これらの処理用の処理液にフィルム200を浸すことによって行われる。処理液は、処理の種類毎のものであり、フィルム200は順番に処理液に浸される。図1に示すように、製造装置100は、処理液が貯留された処理槽110を備える。製造装置100は、処理液毎、即ち、処理毎の処理槽110を備える。
製造装置100は、フィルム200を搬送するためのロール120を備えている。ロール120は、予め位置決めされて設けられている。フィルム200の搬送経路は、各処理槽110に貯留された処理液を通るようにされる。処理液を用いた処理は、予め設定された順番で行われる。本実施形態では、膨潤処理、染色処理、架橋処理、洗浄処理の順番で行われる。
膨潤処理は、フィルム200の表面の異物除去、フィルム200中の可塑剤除去、後工程での易染色性の付与、及びフィルム200の可塑化等の目的で行われる。染色処理は、二色性色素による染色処理であり、フィルム200に二色性色素を吸着させる等の目的で行われる。架橋処理は、架橋による耐水化及び色相調整(フィルム200が青味がかるのを防止する等)等の目的で行われる。洗浄処理は、架橋処理後のフィルム200を洗浄する処理である。各処理に用いられる処理槽110及び処理液としては、従来のものが用いられればよい。
製造装置100は、フィルム200に対して、処理槽110を用いる以外の処理を行う構成を備えていてもよい。例えば、製造装置100は、乾燥装置130を備えており、フィルム200の乾燥処理を行ってもよい。乾燥装置130は、全ての処理槽110を用いた処理後のフィルム200が通過するように設けられる。乾燥装置130としては、従来の乾燥装置が用いられればよい。
製造装置100は、フィルム200の延伸処理(例えば、一軸延伸処理)を行ってもよい。例えば、製造装置100は、ニップロール(例えば、図1において2つの隣接するロール120)を備えており、ニップロールによって延伸処理が行われてもよい。
なお、偏光フィルム210を製造する上述した処理のうち、架橋処理以外の処理は行われなくてもよい。また、上述した処理以外の処理が行われてもよい。
架橋処理用の処理液には、水及び架橋処理に直接関わる架橋剤が含まれている。架橋剤は、例えばホウ酸である。また、架橋処理用の処理液には、架橋剤以外の酸が含まれる。架橋剤以外の酸は、例えば硫酸である。なお、架橋剤及び架橋剤以外の酸は、上記以外のものであってもよい。以下では、上記の架橋剤以外の酸は、硫酸であるものとして説明する。また、架橋処理用の処理液には、上記以外の要素が含まれていてもよい。架橋処理用の処理液における硫酸は、架橋剤の濃度を適切なものに維持するためものものである。また、その目的のために架橋処理用の処理液における硫酸の濃度(硫酸イオンの濃度であることもできる)も適切に管理する必要がある。
架橋処理用の処理液における硫酸の濃度が適切ではない場合、処理液による架橋処理が適切に行われず、製造される偏光フィルム210が不良品となるおそれがある。偏光フィルム210の製造工程では、架橋処理用の処理液における架橋剤の濃度、及び硫酸の濃度の制御のために、処理液に水又は硫酸が補給されてもよい。処理液への水又は硫酸の補給は、例えば製造装置100の管理者によって行われる。
濃度推定システム10は、架橋処理用の処理液における硫酸の濃度を管理するために、処理液における硫酸の濃度を推定する。例えば、濃度推定システム10は、酸濃度として、硫酸イオン濃度を推定する。濃度推定システム10は、推定対象の硫酸の濃度以外の情報を取得して推定を行う。即ち、濃度推定システム10は、酸濃度のソフトセンサである。
濃度推定システム10は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等のハードウェアを含むコンピュータであるPC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置等である。濃度推定システム10の後述する各機能は、これらの構成要素がプログラム等により動作することによって発揮される。なお、濃度推定システム10は、一つのコンピュータで実現されてもよいし、複数のコンピュータがネットワークにより互いに接続されて構成されるコンピュータシステムにより実現されていてもよい。
引き続いて、本実施形態に係る濃度推定システム10の機能を説明する。図1に示すように濃度推定システム10は、取得部11と、推定部12とを備えて構成される。
取得部11は、製造される偏光フィルム210に係る情報を含む推定用情報を取得する取得手段である。取得部11は、製造される偏光フィルム210に係る情報として、当該偏光フィルム210の張力に係る値、当該偏光フィルム210の大きさに係る値、及び当該偏光フィルム210のネックインに係る値の少なくとも何れかを含む推定用情報を取得してもよい。取得部11は、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報を含む推定用情報を取得してもよい。取得部11は、偏光フィルム210の製造工程の環境に係る情報を含む推定用情報を取得してもよい。
取得部11によって取得される推定用情報は、酸濃度の推定に用いられる情報である。取得部11は、推定用情報である、製造される偏光フィルム210に係る情報として、例えば、偏光フィルム210の張力、幅値及びネックイン率を示す情報を取得する。偏光フィルム210の張力は、製造工程での偏光フィルム210の搬送方向における予め設定した位置において偏光フィルム210に生じている張力である。偏光フィルム210の幅値は、製造工程での偏光フィルム210の搬送方向における予め設定した位置における、偏光フィルム210の搬送方向(長手方向)と垂直な方向の幅の値である。偏光フィルム210のネックイン率は、偏光フィルム210の搬送方向における予め設定した異なる2つの位置における、偏光フィルム210の幅値の変化率である。
なお、上記では、偏光フィルム210の張力、幅値(大きさ)及びネックイン率を示す情報と記載しているが、当該情報は、偏光フィルム210となる前のフィルム200に係る情報であってもよい。即ち、製造される偏光フィルムに係る情報とは、処理全てが終了する前のフィルム200の情報も含む概念である。また、当該情報は、架橋処理が行われた偏光フィルム210又はフィルム200、即ち、架橋処理用の処理液の影響を受けた偏光フィルム210又はフィルム200に係る情報である。例えば、上記の情報が測定される偏光フィルム210の搬送方向の位置(例えば、情報が検出される位置)は、架橋処理用の処理槽110以降の位置である。
製造される偏光フィルム210に係る情報は、架橋処理開始後のフィルム200の延伸処理での延伸速度及び延伸比率であってもよい。
なお、取得部11は、製造される偏光フィルム210に係る情報として上記の情報全てを取得する必要はなく、少なくとも何れかを取得してもよい。また、取得部11は、酸濃度の推定に用いられる情報であれば、製造される偏光フィルム210に係る、上記の3つの情報以外の情報を取得してもよい。
取得部11は、推定用情報である、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報として、例えば、製造工程での処理液、即ち、架橋処理用の処理槽110への、偏光フィルム210の製造中での水補給量及び硫酸(架橋剤以外の酸)補給量、並びに補給される水及び硫酸の濃度を示す情報を取得してもよい。また、水及び硫酸以外の薬剤等が補給される場合には、取得部11は、その補給量及び濃度を推定用情報として取得してもよい。なお、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報としては、上記の何れかでもよいし、その他の情報でもよい。
取得部11は、推定用情報である、偏光フィルム210の製造工程の環境に係る情報として、例えば、環境温度及び環境湿度を示す情報を取得してもよい。環境温度及び環境湿度はそれぞれ、例えば、架橋処理用の処理槽110の近傍の温度及び湿度である。なお、偏光フィルム210の製造工程の環境に係る情報としては、上記の何れかでもよいし、その他の情報でもよい。
取得部11による推定用情報の取得のため、製造装置100には、上記の各推定用情報を測定するためのセンサ、あるいは上記の各推定用情報を算出するための情報を測定するためのセンサが予め設けられる。取得部11は、これらのセンサから情報を受信することで推定用情報を取得する。また、推定用情報の取得は、上記以外の方法によって行われてもよい。推定用情報の検出のためのセンサ及び推定用情報の取得については、従来のもの及び方法が用いられればよい。
取得部11は、例えば、上記の各推定用情報を数値として取得する。取得部11は、取得した推定用情報を推定部12に出力する。偏光フィルム210の製造時にリアルタイムの酸濃度、又はリアルタイムに近い酸濃度を推定するために、取得部11は、リアルタイムの推定用情報、又はリアルタイムに近い推定用情報を取得してもよい。
推定部12は、取得部11によって取得された推定用情報に基づいて、酸濃度を推定する推定手段である。例えば、推定部12は、以下のように酸濃度を推定(予測)する。
推定部12は、予め酸濃度を推定するための予測モデルを記憶しておく。予測モデルは、推定用情報を入力して、酸濃度の推定値を出力するモデルである。例えば、推定部12は、予測モデルとして以下の計算式を記憶しておく。
y=c+Σ(a・x
上記の式において、yは、目的変数である酸濃度推定値である。cは、多変量解析等により算定される切片である。xは、説明変数である推定用情報によって示される値(測定値)である。iは、推定用情報の種別を示すインデックスである。aは、xに対応する、予め設定された値である係数である。上記の式におけるc及びaは、予め、機械学習、又はPLS回帰(部分的最小二乗回帰)といった多変量解析等によって予め算出される。
例えば、予測モデルは以下のように作成される。予測モデルの作成では、教師データの一部として目的変数である酸濃度である硫酸イオン濃度が以下のように実測される。偏光フィルム210の製造が行われている際の架橋処理用の処理液をサンプリングする。次に、規定量になるようにサンプリングした処理液に純水を加え、約90度に昇温する。次に、塩化バリウム水溶液を、サンプル溶液中に含まれる硫酸イオン当量に対してバリウムの当量がやや過剰になるように攪拌しながら少量ずつ加え、その後1時間程度温度を維持したまま攪拌する。その後、自然冷却で室温程度まで静置し、得られた沈殿を濾過後、十分に乾燥することで硫酸バリウムを得る。得られた硫酸バリウムの重量を秤量し、最初にサンプリングした処理液の重量から単位重量当たりの硫酸イオンの重量に換算することで、硫酸イオン濃度を計算する。
硫酸イオン濃度の測定(計算)に用いた架橋処理用の処理液をサンプリングした時刻における上述した推定用情報を取得する。推定用情報の取得は、上述した方法と同様に行われればよい。計算した硫酸イオン濃度を目的変数とし、取得した推定用情報を説明変数としたデータセットを作成する。作成したデータセットに非製造時及び解析対象外の生産時のデータが含まれている場合にはそれをデータセットから除外してもよい。
次に、データセットに対する主成分分析を行って、T2統計量及びQ統計量の有意水準を99.7%として外れ値を除外する。残ったデータセットを教師データとして、PLS回帰を実施し、変数重要度(VIP値)、回帰係数(β値)を指標として、予測モデルに用いる説明変数を選定(採用)する。この選定は、具体的には従来のPLS回帰による説明変数の選定と同様に行われればよい。取得部11は、ここで選定された説明変数に相当する推定用情報を取得すればよく、ここで選定されなかった説明変数に相当する推定用情報を取得する必要はない。
選定される説明変数は、例えば上述したように、偏光フィルム210の張力、幅値及びネックイン率、フィルム200の延伸速度及び延伸比率、処理液中への各種の補給液の量及び濃度、並びに環境温度及び環境湿度である。選定した説明変数について、PLS回帰によって上記の予測モデルの切片c,係数aを算出する。この際、leave-one-out交差検証が行われてもよい。発明者による検証によれば、上記の方法で作成した予測モデルを用いることで実測値に対して、誤差5%以下の精度で架橋剤以外の酸濃度を推定することができた。
なお、推定部12による酸濃度の推定に用いられる予測モデルは、必ずしも上記のものである必要はなく、取得部11によって取得される推定用情報から酸濃度の推定を行うものであればよい。また、上記以外の方法で予測モデルが生成されてもよい。また、予測モデルの生成は、濃度推定システム10によって行われてもよいし、濃度推定システム10以外のシステム(装置)によって行われてもよい。
推定部12は、取得部11から推定用情報を入力する。推定部12は、推定用情報を予測モデルに入力して演算を行い、予測モデルからの出力値である酸濃度の推定値を得る。推定部12は、酸濃度の推定結果に応じた情報を出力する。例えば、推定部12は、濃度推定システム10が備える表示装置に酸濃度の推定結果を表示させる。製造装置100の管理者は、表示された情報を参照することで、酸濃度の推定結果を把握することができ、酸濃度に応じた対応を取ることができる。また、推定部12は、酸濃度の推定結果を示す情報の出力を上記以外の方法で行ってもよい。例えば、推定部12は、別のシステム又は装置に酸濃度の推定結果を送信してもよい。
予測モデルは、製造設備、及びプロセス値を取得するためのセンサ類の経時的な劣化、並びにそれに伴う設備更新、季節要因等、種々の要因の影響を受けることがある。これらの影響により、製造プロセスの状態が学習期間の状態から変化し、予測精度が低下することがある。定期的に教師データを収集し、必要に応じて説明変数、係数、切片等のパラメータを再計算することで、ソフトセンサの予測モデルを更新することとしてもよい。これによって、予測モデルの劣化を防ぎ、ソフトセンサの予測精度を保つことができる。以上が、本実施形態に係る濃度推定システム10の機能である。
引き続いて、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係る濃度推定システム10で実行される処理(濃度推定システム10が行う動作方法)である濃度推定方法、及び当該濃度推定方法を含む光学フィルムの製造方法を説明する。
本処理では、製造装置100によって、フィルム200から偏光フィルム210が製造される(S01)。この製造工程では、製造装置100に含まれる処理槽110に貯留された架橋処理用の処理液によって、フィルム200に対する架橋処理が行われる。なお、偏光フィルム210の製造工程(S01)は、以降の処理が行われる間も継続して行われる。
続いて、濃度推定システム10の取得部11によって、架橋処理用の処理液における硫酸の濃度の推定に用いられる推定用情報が取得される(S02、取得ステップ)。推定用情報は、製造される偏光フィルム210に係る情報を含む。また、推定用情報は、架橋処理用の処理液に加えられる(補給される)ものに係る情報を含んでいてもよい。また、推定用情報は、偏光フィルム210の製造工程の環境に係る情報を含んでいてもよい。
続いて、濃度推定システム10の推定部12によって、推定用情報に基づいて酸濃度が推定される(S03、推定ステップ)。続いて、推定部12によって、酸濃度の推定結果を示す情報が出力される(S04)。以上が、本実施形態に係る濃度推定システム10で実行される処理である。
本実施形態では、製造される偏光フィルム210に係る情報を含む推定用情報に基づいて、架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度が推定される。製造される偏光フィルム210は、架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度に応じたものとなるため、製造される偏光フィルム210に係る情報を用いることで適切に濃度を推定することができる。即ち、本実施形態では、結果系のパラメータを推定用情報として用いている。また、製造される偏光フィルム210に係る情報は、偏光フィルム210の製造中の架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度と比べて、比較的容易に取得することができる。即ち、本実施形態によれば、偏光フィルム210の製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を容易かつ適切に推定することができる。
従来の処理液をサンプリングして得られたサンプルを用いた乾燥重量法による測定方法では、サンプリングから測定終了まで約6時間必要となっていたため、リアルタイムでの監視が困難であった。従って、酸濃度の変動に起因して、製造される偏光フィルム210が不良品となる場合であっても、そのフィードバックに時間がかかっていた。それに対して、本実施形態によれば、偏光フィルム210の製造工程における上記の酸濃度の変動をリアルタイム、あるいはリアルタイムに近い状態で把握することが可能となる。これによって、酸濃度の変動に起因する不良品の発生を低減することができる。
また、製造される光学フィルムに係る情報として、当該光学フィルムの張力に係る値、当該光学フィルムの大きさに係る値、及び当該光学フィルムのネックインに係る値の少なくとも何れかを含む推定用情報を取得することとしてもよい。製造される光学フィルムの張力、大きさ及びネックインは、特に架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度に応じたものとなる。従って、この構成によれば、より適切かつ確実に濃度を推定することができる。但し、製造される光学フィルムに係る情報として、上記以外の情報が用いられてもよい。
また、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報を含む推定用情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、架橋処理用の処理液に加えられるものにも基づいて、更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。但し、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報は用いられなくてもよい。
光学フィルムの製造工程の環境に係る情報を含む推定用情報を取得することとしてもよい。この構成によれば、光学フィルムの製造工程の環境にも基づいて、更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。但し、光学フィルムの製造工程の環境に係る情報は用いられなくてもよい。
また、本実施形態に係る濃度推定システム10は、以下の構成を取ってもよい。取得部11は、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得する。推定部12は、取得部11によって取得された情報によって示される上記の時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、上記の濃度を推定する。加重平均の算出に用いる重みは、時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものとしてもよい。また、加重平均の算出に用いる重みは、参考用の上記の濃度と参考用の濃度に対応する時系列の量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものであってもよい。この構成について、具体的に説明する。
上述したように偏光フィルム210の製造工程では、架橋処理用の処理液における架橋剤の濃度、及び硫酸の濃度の制御のために、処理液に水(純水)が補給される。通常、水の補給量は、架橋処理の処理槽の容量に対して非常に小さい。そのため、偏光フィルム210の製造装置100又は製造工程によっては、処理液に水が補給されてから濃度に反映されるまでタイムラグが生じる。ここで説明する構成は、それを考慮して、架橋処理用の処理液における硫酸の濃度を精度よく推定するためのものである。
取得部11は、推定用情報である、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報として、例えば、製造工程での処理液、即ち、架橋処理用の処理槽110への、偏光フィルム210の製造中での時系列の水補給量を示す情報を取得する。例えば、上記のセンサが一定時間毎に水補給量を検出し、取得部11は、センサからの情報を受信することで時系列の水補給量を示す情報を取得する。取得部11は、取得した時系列の水補給量を示す情報を推定部12に出力する。酸濃度の推定に用いられる時系列の水補給量は、酸濃度の推定対象となる時刻から、予め設定した時間遡った時刻までのものである。例えば、酸濃度の推定に用いられる時系列の水補給量の時間的な範囲は、十数日である。
推定部12は、取得部11から時系列の水補給量を示す情報を入力する。推定部12は、時系列の水補給量の加重平均を算出し、算出した加重平均の値を酸濃度の推定に用いる。例えば、推定部12は、説明変数として加重平均の値を含む、酸濃度を推定するための計算式を用いて上記と同様に酸濃度を推定する。推定部12は、加重平均の算出に用いる、時系列の水補給量毎の重みを予め記憶しており、記憶した重みを用いて時系列の水補給量の加重平均を算出する。なお、推定部12が、時刻毎の酸濃度を推定する場合、加重平均は加重移動平均となる。
加重平均の算出に用いる重みは、例えば、酸濃度の推定対象となる時刻(例えば、現在時刻)を基準とし、そこから予め設定した時間遡った時刻までの時刻毎の重みである。図3に当該重みの例を示す。図3のグラフでは、横軸が時刻であり、左から右に向かう方向が、時間が遡る方向である。縦軸が、重みの値である。
ここで用いられる重みは、時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものである。最新の時刻は、例えば、酸濃度の推定対象となる時刻である。例えば、図3に示すように酸濃度の推定対象となる時刻である最新の時刻(図3の左側の矢印で示される時刻)から、一定の時刻(図3の右側の矢印で示される時刻)まで大きくなるような重みが用いられる。図3に示すように、重みは、時間が遡る方向において、最大値を取った後、小さくなってもよい。
この重みは、例えば、参考用の酸濃度とそれに対応する時系列の水補給量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものであってもよい。参考用の酸濃度とそれに対応する時系列の水補給量とは、例えば、過去の実測値である。これらとしては、予測モデルの生成に用いられる教師データが用いられてもよい。重みの設定は、予め濃度推定システム10の利用者等によって行われればよい。
例えば、相関係数に応じた重みの設定は、以下のように行われる。まず、過去の酸濃度の実測値と、当該酸濃度が測定された時刻から予め設定した時間遡った時刻までの時系列の水補給量の実測値とを取得する。過去の酸濃度の実測値と、それに対応する時系列の水補給量の実測値とは、相関係数が算出可能なように複数取得される。酸濃度が測定された時刻から遡る時間毎(即ち、時間差毎に)に、過去の酸濃度の実測値と、当該時間遡った時刻の水補給量の実測値との相関係数を算出する。
図3に算出される相関係数の絶対値の例を示す。相関係数の絶対値は、時系列の最新の時刻では最大値とならず、最新の時刻から所定の時間遡った時刻で最大値となる。例えば、相関係数の最大値となる時刻は、最新の時刻から十日から十数日遡った時刻である。これは、上述したように処理液に水が補給されてから酸濃度に反映されるまでタイムラグが生じるためである。相関係数の絶対値を重みとして採用してもよい。なお、相関係数の絶対値を用いるのは、水補給量と酸濃度とが負の相関を有して、相関係数が負の値を取る場合があるためである。以下では、重みは相関係数の絶対値を用いたものとしてもよい。
あるいは、図3に示すように重みは、時系列の最新の時刻から相関係数が最大値となる時刻までは、最新の時刻の相関係数と最大値の相関係数とを結んだ直線で増加するようにし、相関係数が最大値となる時刻以降は、同じ勾配で減少するものとしてもよい。即ち、相関値を直線近似したものとしてもよい。このような近似をすることで、相関係数の誤差及び外乱を低減した重みとすることができる。また、相関係数から重みを設定するための近似又は補正は、上記のような直線近似に限られず任意の方法で行われてもよい。
時系列の水補給量の加重平均も酸濃度の推定に用いる以外は、上述した実施形態と同様に酸濃度の推定が実施されればよい。即ち、時系列の水補給量の加重平均と、上述したそれ以外の各種の推定用情報とがあわせて用いられて酸濃度の推定が行われればよい。
上記のように時系列の水補給量の加重平均を酸濃度の推定に用いることで、処理液に水が補給されてから濃度に反映されるまでタイムラグを適切に考慮することができる。この際の加重平均の算出に用いる重みは、時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものである。
また、加重平均の算出に用いる重みは、参考用の濃度と参考用の濃度に対応する時系列の量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものである。上記によって、この構成によれば更に適切かつ確実に濃度を推定することができる。例えば、時系列の水補給量の加重平均を濃度の推定に用いない場合には5%程度であった予測誤差を3%程度まで低減することができた。
なお、このような重みの例として図3に重みを示したが、重みは、必ずしも図3と同様のものである必要はなく、上記を満たすものであればよい。また、上記の例では、架橋処理用の処理液に加えられるものは水であるとしたが、水以外のものが架橋処理用の処理液に加えられる場合には、架橋処理用の処理液に加えられる当該水以外のものの時系列の量を示す情報を上記と同様に用いて、酸濃度を推定してもよい。
本開示の濃度推定方法、光学フィルムの製造方法及び濃度推定システムは、以下の構成を有する。
[1]光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムの動作方法である濃度推定方法であって、
製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された推定用情報に基づいて、前記濃度を推定する推定ステップと、
を含む濃度推定方法。
[2]前記取得ステップにおいて、製造される光学フィルムに係る情報として、当該光学フィルムの張力に係る値、当該光学フィルムの大きさに係る値、及び当該光学フィルムのネックインに係る値の少なくとも何れかを含む推定用情報を取得する[1]に記載の濃度推定方法。
[3]前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報を含む推定用情報を取得する[1]又は[2]に記載の濃度推定方法。
[4]前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、
前記推定ステップにおいて、前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、前記濃度を推定し、
前記加重平均の算出に用いる重みは、前記時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものである[3]に記載の濃度推定方法。
[5]前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、
前記推定ステップにおいて、前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、前記濃度を推定し、
前記加重平均の算出に用いる重みは、参考用の前記濃度と参考用の前記濃度に対応する前記時系列の量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものである[3]又は[4]に記載の濃度推定方法。
[6]前記取得ステップにおいて、光学フィルムの製造工程の環境に係る情報を含む推定用情報を取得する[1]~[5]の何れかに記載の濃度推定方法。
[7][1]~[6]の何れかに記載の濃度推定方法を含む光学フィルムの製造方法。
[8]光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムであって、
製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された推定用情報に基づいて、前記濃度を推定する推定手段と、
を備える濃度推定システム。
10…濃度推定システム、11…取得部、12…推定部、100…製造装置、110…処理槽、120…ロール、130…乾燥装置、200…フィルム、210…偏光フィルム、220…原反ロール。

Claims (8)

  1. 光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムの動作方法である濃度推定方法であって、
    製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得された推定用情報に基づいて、前記濃度を推定する推定ステップと、
    を含む濃度推定方法。
  2. 前記取得ステップにおいて、製造される光学フィルムに係る情報として、当該光学フィルムの張力に係る値、当該光学フィルムの大きさに係る値、及び当該光学フィルムのネックインに係る値の少なくとも何れかを含む推定用情報を取得する請求項1に記載の濃度推定方法。
  3. 前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものに係る情報を含む推定用情報を取得する請求項1又は2に記載の濃度推定方法。
  4. 前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、
    前記推定ステップにおいて、前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、前記濃度を推定し、
    前記加重平均の算出に用いる重みは、前記時系列の最新の時刻のものより、最新の時刻から予め設定した時間遡った時刻のものが大きいものである請求項3に記載の濃度推定方法。
  5. 前記取得ステップにおいて、架橋処理用の処理液に加えられるものの時系列の量を示す情報を含む推定用情報を取得し、
    前記推定ステップにおいて、前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記時系列の量の加重平均を算出し、算出した加重平均に基づいて、前記濃度を推定し、
    前記加重平均の算出に用いる重みは、参考用の前記濃度と参考用の前記濃度に対応する前記時系列の量との、濃度に係る時刻との時間差毎の相関係数に応じて設定されたものである請求項3に記載の濃度推定方法。
  6. 前記取得ステップにおいて、光学フィルムの製造工程の環境に係る情報を含む推定用情報を取得する請求項1又は2に記載の濃度推定方法。
  7. 請求項1又は2に記載の濃度推定方法を含む光学フィルムの製造方法。
  8. 光学フィルムの製造工程で用いられている架橋処理用の処理液における架橋剤以外の酸の濃度を推定する濃度推定システムであって、
    製造される光学フィルムに係る情報を含む推定用情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された推定用情報に基づいて、前記濃度を推定する推定手段と、
    を備える濃度推定システム。
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