JP2024015744A - プローブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プローブに掛かる接触荷重を生じさせる弾性部の弾性力の安定性および耐久性が向上されたプローブ装置を提供する。【解決手段】プローブ装置は、第1面および第2面を有する筐体と、第1面に露出する第1接触部および第2面に露出する第2接触部を有する導電性のプローブと、筐体の内部に配置された弾性部を備える。プローブは、第1接触部の変位に対応して第2接触部における電極パッドと接触する接触領域の位置が変化するように、筐体の内部で姿勢が変化する。弾性部は、第1の弾性部材および第1の弾性部材と一体化されて第1の弾性部材の弾性力を補強する第2の弾性部材を有する。弾性部は、筐体の内部でのプローブの姿勢の変化に対応して弾性変形して、第1接触部の変位を打ち消す方向にプローブを付勢する。【選択図】図1
Description
本発明は、デバイスの電気特性の検査に使用するプローブ装置に関する。
半導体集積回路などをパッケージに実装したデバイスの電気特性の検査において、デバイスと検査装置との間を電気的に接続するプローブ装置が用いられている。プローブ装置は、デバイスの電極端子を、プリント基板(PCB)などの基板に配置された電極パッドと電気的に接続する。電極パッドは、基板に形成された配線パターンなどを介して検査装置と電気的に接続されている。例えば、電極端子と電極パッドに同時に接触する導電性のプローブと、電極端子と電極パッドと接触するときにプローブに掛かる接触荷重を弾性力により制御する弾性部を含むプローブ装置がある(特許文献1参照。)。
弾性部の弾性力によってプローブに掛かる接触荷重を生じさせるプローブ装置では、接触荷重を安定させるために弾性部の弾性力が安定している必要がある。また、測定を繰り返すことによる弾性部の弾性力の低下を防止するために、弾性部の弾性力の耐久性の向上が望まれている。
本発明は、プローブに掛かる接触荷重を生じさせる弾性部の弾性力の安定性および耐久性が向上されたプローブ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るプローブ装置は、第1面および第2面を有する筐体と、第1面に露出する第1接触部および第2面に露出する第2接触部を有する導電性のプローブと、筐体の内部に配置された弾性部を備える。プローブは、第1接触部の変位に対応して第2接触部における電極パッドと接触する接触領域の位置が変化するように、筐体の内部で姿勢が変化する。弾性部は、第1の弾性部材および第1の弾性部材と一体化されて第1の弾性部材の弾性力を補強する第2の弾性部材を有する。弾性部は、筐体の内部でのプローブの姿勢の変化に対応して弾性変形して、第1接触部の変位を打ち消す方向にプローブを付勢する。
本発明によれば、プローブに掛かる接触荷重を生じさせる弾性部の弾性力の安定性および耐久性が向上されたプローブ装置を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各部の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。
(第1の実施形態)
図1に示す第1の実施形態に係るプローブ装置1は、検査対象のデバイス100の電気特性の検査に使用される。デバイス100は、半導体集積回路などをパッケージに搭載した被検査体である。プローブ装置1は、デバイス100の電極端子101と基板200の電極パッド201とを電気的に接続する。図1は、電極端子101がパッケージのリード電極である場合を例示的に示している。電極パッド201は、基板200に形成された配線パターン(図示略)などを介して検査装置と電気的に接続されている。
図1に示す第1の実施形態に係るプローブ装置1は、検査対象のデバイス100の電気特性の検査に使用される。デバイス100は、半導体集積回路などをパッケージに搭載した被検査体である。プローブ装置1は、デバイス100の電極端子101と基板200の電極パッド201とを電気的に接続する。図1は、電極端子101がパッケージのリード電極である場合を例示的に示している。電極パッド201は、基板200に形成された配線パターン(図示略)などを介して検査装置と電気的に接続されている。
プローブ装置1は、第1面11および第1面11に対向する第2面12を有する筐体10と、第1接触部21および第2接触部22を有して筐体10に支持される導電性のプローブ20と、筐体10の内部に配置された弾性部30を備える。プローブ20は、電極端子101と電極パッド201を電気的に接続する接触子として機能する。プローブ20の材料には、例えば、ベリリウム銅(Be-Cu)材又はパラジウム(Pd)合金材などの金属材料が用いられる。筐体10には、例えば絶縁性セラミック材などが用いられる。
弾性部30は、筐体10およびプローブ20に筐体10の内部に配置されている。弾性部30は、第1の弾性部材31と、第1の弾性部材31と一体化されて第1の弾性部材31の弾性力を補強する第2の弾性部材32を有する。後述するように、弾性部30は、筐体10の内部でのプローブ20の姿勢の変化に対応して弾性変形して、変化する前のプローブ20の姿勢に戻す方向にプローブ20を付勢する。
プローブ装置1の動作の説明を分かりやすくするために、図1に示すようにX方向、Y方向、Z方向を定義する。図1において、X方向は紙面の左右方向、Y方向は紙面の奥行方向、Z方向は紙面の上下方向である。また、Z方向において、プローブ装置1から見てデバイス100が位置している方向を上方向、デバイス100から見てプローブ装置1が位置している方向を下方向とする。
なお、図1ではプローブ装置1のプローブ20を1つだけ表示しているが、プローブ装置1が複数のプローブ20を有してもよい。例えば、プローブ装置1が、Y方向に沿って複数のプローブ20を配列させた構成であってもよい。
図1では、Z方向から見てデバイス100の下方向にプローブ装置1が配置されている。プローブ20の第1接触部21は筐体10の第1面11に露出し、プローブ20の第2接触部22は筐体10の第2面12に露出している。Z方向に沿ってプローブ装置1とデバイス100の間隔が狭くなったときに第1接触部21とデバイス100の電極端子101が接触するように、プローブ20が筐体10に配置されている。更に、第2接触部22の接触領域220が基板200の電極パッド201と接触するように、プローブ装置1が筐体10に配置されている。後述するように、デバイス100の検査時において、第1接触部21のZ方向の位置の変化に起因して、第2接触部22における電極パッド201と接触する接触領域220の位置は変化する。
Y方向から見て、プローブ20は、上方向に向いた凹部が形成された湾曲形状を有する。凹部に対向するプローブ20の外側の部分(以下、「湾曲部分」と称する。)から離れて位置するプローブ20の一方の端部が、第1接触部21である。凹部に近いプローブ20の他方の端部が、第2接触部22である。湾曲部分の外縁の弧状領域の一部が接触領域220である。X方向とY方向により定義されるXY平面を投影面にしたとき、第1接触部21と第2接触部22を結ぶ方向(以下において、プローブ20の「延伸方向」と称する。)の投影線は、X方向に延伸する。言い換えると、Z方向から見てプローブ20はX方向に延伸する。
弾性部30は、軸方向がY方向に延伸する円筒形状である。つまり、弾性部30の軸方向は、プローブ20の第1接触部21の変位する方向に垂直、かつ、プローブ20の延伸する方向に垂直な方向である。弾性部30は、プローブ20の凹部の内側に当接している。言い換えると、弾性部30は、プローブ20の凹部の表面と筐体10の内壁に挟まれた状態である。
第1の弾性部材31に、例えばエラストマーなどの絶縁性材料を使用してもよい。例えば、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの樹脂材料を第1の弾性部材31に使用してもよい。第2の弾性部材32には、例えば図2に示すように、第1の弾性部材31の軸方向に延伸する円筒形状のコイルばねであってもよい。図2に示したコイルばねの中心軸は、円筒形状の第1の弾性部材31の軸方向と同様に、Y方向に延伸する。第2の弾性部材32は、第1の弾性部材31の内部に全体が埋め込まれている。第2の弾性部材32には、例えば金属製などの導電性のコイルばね若しくは樹脂製などの絶縁性のコイルばねを使用してもよい。第2の弾性部材32の弾性力により第1の弾性部材31の弾性力が補強されるように、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32は一体化されている。具体的には、Y軸方向と垂直な方向に弾性部30が圧縮されたときに第1の弾性部材31と第2の弾性部材32の弾性力が同一方向に働くように、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32は一体化されている。
第2の弾性部材32として断面形状が円形状のコイルばねである例を図2に示したが、第2の弾性部材32が他の形状であってもよいことはもちろんである。例えば、断面形状が凹凸の少ない平板であるリボン材を巻いてコイル状の第2の弾性部材32を構成してもよい。
デバイス100の検査時には、図3に示すように、導電性のプローブ20によりデバイス100の電極端子101と基板200の電極パッド201が電気的に接続される。すなわち、デバイス100の検査時に、デバイス100をZ方向に沿ってプローブ装置1に対して相対的に移動させ、プローブ20の第1接触部21をデバイス100の電極端子101に押し当てる。このとき、プローブ20は、第1接触部21と電極端子101の間で第1接触部21に加わる押力に起因して、第2接触部22が電極パッド201の表面に接触した状態で筐体10の内部で姿勢を変化させる。
具体的には、第1接触部21に加わる押圧に起因する第1接触部21のZ方向の変位に対応して、第2接触部22が電極パッド201に接触した状態を維持しながら、筐体10の内部でプローブ20の姿勢が変化する。プローブ20の姿勢の変化に伴い、第2接触部22における電極パッド201に接触する接触領域220の位置が変化する。図3に、第1接触部21と電極端子101が接触する状態(以下、「接触状態」とも称する。)におけるプローブ20の姿勢および弾性部30の形状を実線で示した。また、図3に、第1接触部21と電極端子101が接触していない状態(以下、「非接触状態」とも称する。)におけるプローブ20の姿勢および弾性部30の形状を破線で示した。デバイス100の検査時の接触状態には、接触領域220の位置が非接触状態のときよりも第1接触部21に近づくようにプローブ20の姿勢が変化する。
接触状態において、弾性部30は、プローブ20の筐体10の内部での姿勢の変化に対応して、プローブ20と筐体10に挟まれて圧縮される。つまり、接触状態において、弾性部30は弾性変形している。弾性変形した弾性部30は、プローブ20の姿勢を非接触状態の姿勢に戻す方向にプローブ20を付勢する。言い換えると、弾性部30は、第1接触部21を電極端子101に押し付けるようにプローブ20を付勢する。上記のようにして、弾性部30の弾性力によってプローブ20に掛かる接触荷重が生じる。
プローブ装置1の弾性部30は、弾性を有する第2の弾性部材32がエラストマーなどの第1の弾性部材31と同一方向に弾性力が働くように一体化された構成である。このため、プローブ装置1では、第1の弾性部材31の弾性力の低下が抑制され、弾性部30の耐久性を向上させることができる。
デバイス100を検査している間は、弾性部30の弾性力により電極端子101に第1接触部21が当接し、かつ電極パッド201に第2接触部22が当接した状態が維持される。これにより、デバイス100の検査時において、プローブ20を介してデバイス100の電極端子101と基板200の電極パッド201との電気的な接続が確保される。
プローブ装置1では、プローブ20の湾曲部分の外縁の弧状領域の一部が、接触領域220として、電極パッド201とY方向に延伸する線で接触する。そして、図3に示すように、接触状態における接触領域220の位置は、非接触状態における接触領域220の位置よりも、第1接触部21により近い。接触状態と非接触状態とで接触領域220の位置が変化するのは、プローブ20の姿勢の変化に応じて接触領域220の位置が湾曲部分の外縁に沿って変化するためである。接触領域220が湾曲部分の弧状領域に含まれるため、電極パッド201と接触する接触領域220の位置がプローブ20の姿勢の変化に応じて滑らかに変化する。このため、プローブ20の姿勢が変化しても、第2接触部22および電極パッド201の損傷を抑制することができる。
上記のように、デバイス100の検査時においては、プローブ20の姿勢が変化することにより、プローブ20と筐体10の間に挟まれた弾性部30が弾性変形する。そして、弾性部30が、第1接触部21が所定の押圧でデバイス100の電極端子101に接触するように、プローブ20を付勢する。すなわち、電極端子101に第1接触部21を押し付けたときに第1接触部21に加わる押力に起因する第1接触部21の変位を打ち消す方向に、弾性部30がプローブ20を付勢する。デバイス100の検査をしている間、すなわち、第1接触部21が電極端子101と接触している間、弾性部30は圧縮変形した状態である。
デバイス100の検査が終了した後は、デバイス100とプローブ装置1の間隔を広げるようにプローブ装置1に対するデバイス100のZ方向の相対的な位置を変化させる。デバイス100の電極端子101とプローブ20の第1接触部21とを離隔することにより、第1接触部21に加わる押力がなくなる。その結果、弾性部30の形状が非接触状態に戻ると共に、弾性部30の弾性力によりプローブ20の姿勢が非接触状態に戻る。
プローブ20は、第1接触部21の位置がZ方向に変位するのに対応するプローブ20の姿勢を変化が可能なように、筐体10に支持されている。プローブ20の姿勢は、第1接触部21のZ方向の変位に対応して第2接触部22における電極パッド201と接触する接触領域220の位置が変化するように、筐体10の内部で変化する。例えば、図示を省略するが、プローブ20の一部を突出させて、筐体10に設けた支持穴にプローブ20の突出させた部分を嵌入させてもよい。或いは、プローブ20の下方向に設けた筐体10の支持部にプローブ20の一部を戴置してもよい。
上記のように、プローブ装置1は、電極端子101と電極パッド201に同時に接触するプローブ20と、プローブ20が電極端子101と接触しているときに弾性力によりプローブ20に付勢する弾性部30を含む。弾性部30の弾性力により、プローブ20と電極端子101が接触する際にプローブ20に掛かる接触荷重が制御される。弾性部30の弾性力を強くすることにより接触荷重は増大し、弾性部30の弾性力を弱くすることにより接触荷重は減少する。
また、プローブ装置1では、電極端子101との接触により第1接触部21の変位する量(以下、「ストローク」とも称する。)が、弾性部30の弾性力により制御される。つまり、弾性部30の弾性力を強くすることによりストロークは減少し、弾性部30の弾性力を弱くすることによりストロークは増大する。
第1の弾性部材31を内部に中空部分を有する円筒形状にすることにより、接触荷重およびストロークの大きさを制御しやすい。つまり、円筒形状の第1の弾性部材31の外周部から内部の中空部分までの厚みを厚くすることにより、接触荷重を大きくしたりストロークを小さくしたりできる。一方、円筒形状の弾性部30の厚みを薄くすることにより、接触荷重を小さくしたりストロークを大きくしたりできる。
例えば、電極端子101との接触による第1接触部21の変位量を所定値とするように弾性部30の弾性力を設定するために、第1の弾性部材31の外周部から内部の中空部分までの第1の弾性部材31の厚みが調整される。第1接触部21の変位量の所定値は、例えば、プローブ20が電極端子101に接触する際に電極端子101に生じるコンタクト痕の長さが予め設定された制約値以下であるように設定される。
以上に説明したように、第1の実施形態に係るプローブ装置1は、弾性部30が第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化させた構成を有する。第2の弾性部材32によって、エラストマーなどの第1の弾性部材31の弾性力が補強される。このため、弾性部30が単一材料である場合に比べて、弾性部30の弾力性の安定性および耐久性を向上させることができる。その結果、プローブ装置1によれば、プローブ20と電極端子101および電極パッド201との接触を安定させることができる。
<変形例>
第1の実施形態に係るプローブ装置1では、図4に示すように、弾性部30の第2の弾性部材32が網目状の円筒体であってもよい。第2の弾性部材32は、図5に示すように第1の弾性部材31の内部に埋め込まれ、第2の弾性部材32の軸方向は第1の弾性部材31の軸方向である。
第1の実施形態に係るプローブ装置1では、図4に示すように、弾性部30の第2の弾性部材32が網目状の円筒体であってもよい。第2の弾性部材32は、図5に示すように第1の弾性部材31の内部に埋め込まれ、第2の弾性部材32の軸方向は第1の弾性部材31の軸方向である。
第2の弾性部材32が網目状の円筒体である場合にも、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32が同一方向に弾性力が働くように一体化することにより、第1の弾性部材31の弾性力の低下を抑制し、弾性部30の耐久性を向上させることができる。図4では第2の弾性部材32がハニカムメッシュ構造である場合を例示的に示したが、弾性部30が圧縮変形したときに第1の弾性部材31と同一方向に弾性力が働く構造であれば、第2の弾性部材32がどのような網目状の円筒体であってもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るプローブ装置1では、図6に示すように、第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の少なくとも一部が露出している。図7に、第1の弾性部材31の表面に、コイルばねである第2の弾性部材32の全体が配置されている例を示した。或いは、第2の弾性部材32が第1の弾性部材31の表面に埋め込まれ、第2の弾性部材32の表面が第1の弾性部材31の表面に露出するようにして、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化してもよい。第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の少なくとも一部が露出していることが、第2の実施形態に係るプローブ装置1が第1の実施形態と異なる点である。その他の構成については、第2の実施形態に係るプローブ装置1は、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態に係るプローブ装置1では、図6に示すように、第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の少なくとも一部が露出している。図7に、第1の弾性部材31の表面に、コイルばねである第2の弾性部材32の全体が配置されている例を示した。或いは、第2の弾性部材32が第1の弾性部材31の表面に埋め込まれ、第2の弾性部材32の表面が第1の弾性部材31の表面に露出するようにして、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化してもよい。第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の少なくとも一部が露出していることが、第2の実施形態に係るプローブ装置1が第1の実施形態と異なる点である。その他の構成については、第2の実施形態に係るプローブ装置1は、第1の実施形態と同様である。
図6に示すプローブ装置1によれば、デバイス100の検査時においてプローブ20の姿勢が変化することにより、プローブ20と筐体10の間に挟まれた弾性部30が弾性変形して、第1接触部21が所定の押圧で電極端子101に接触する。デバイス100の検査をしている間、弾性部30は圧縮変形した状態である。弾性部30は、電極端子101に第1接触部21を押し付けたときに第1接触部21に加わる押力に起因する第1接触部21の変位を打ち消す方向に、プローブ20を付勢する。
第2の弾性部材32が第1の弾性部材31の表面に露出していても、第2の弾性部材32により第1の弾性部材31の弾性力は補強される。したがって、第2の実施形態に係るプローブ装置1によれば、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化することにより、第1の弾性部材31の弾性力の低下を抑制し、弾性部30の耐久性を向上させることができる。
なお、図8に示すように、同一の弾性部30が複数のプローブ20と当接する場合には、第1の弾性部材31の表面に露出する第2の弾性部材32を介してプローブ20間が短絡しないように、第2の弾性部材32に絶縁性材料を用いてもよい。或いは、図9に示すように、プローブ20の間の位置で第2の弾性部材32を分割してもよい。第2の弾性部材32が導電性材料であっても、第2の弾性部材32を第1の弾性部材31の軸方向に沿って複数の領域に分割することにより、第2の弾性部材32を介してのプローブ20間の短絡を防止できる。
以上に説明したように、第2の実施形態に係るプローブ装置1によれば、第1の弾性部材31と一体化させた第2の弾性部材32によって、第1の弾性部材31の弾性力が補強される。このため、プローブ装置1によれば、弾性部30の弾力性の安定性および耐久性を向上させることができる。他は、第2の実施形態に係るプローブ装置1は第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
<変形例>
第2の実施形態に係るプローブ装置1では、図10に示すように、第1の弾性部材31の表面に露出して配置された第2の弾性部材32が網目状の円筒体であってよい。第2の弾性部材32は、例えば図10に示すようにハニカムメッシュ構造であってもよいし、網目が他の形状の円筒体であってもよい。第2の弾性部材32は、第1の弾性部材31の表面に全体が配置されてもよいし、第1の弾性部材31の表面に埋め込まれた第2の弾性部材32の表面が第1の弾性部材31の表面に露出してもよい。第2の弾性部材32が網目状の円筒体であっても、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化することにより、第1の弾性部材31の弾性力の低下を抑制し、弾性部30の耐久性を向上させることができる。
第2の実施形態に係るプローブ装置1では、図10に示すように、第1の弾性部材31の表面に露出して配置された第2の弾性部材32が網目状の円筒体であってよい。第2の弾性部材32は、例えば図10に示すようにハニカムメッシュ構造であってもよいし、網目が他の形状の円筒体であってもよい。第2の弾性部材32は、第1の弾性部材31の表面に全体が配置されてもよいし、第1の弾性部材31の表面に埋め込まれた第2の弾性部材32の表面が第1の弾性部材31の表面に露出してもよい。第2の弾性部材32が網目状の円筒体であっても、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化することにより、第1の弾性部材31の弾性力の低下を抑制し、弾性部30の耐久性を向上させることができる。
第2の実施形態に係るプローブ装置1においても、図8と同様に同一の弾性部30が複数のプローブ20と当接する場合には、第2の弾性部材32を介してプローブ20間が短絡しないように、第2の弾性部材32に絶縁性材料を用いてもよい。或いは、導電性材料の第2の弾性部材32をプローブ20の間で分割して、プローブ20間の短絡を防止してもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るプローブ装置1は、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化した複数の弾性部30を筐体10の内部に有する。例えば、図11に示すプローブ装置1のように、プローブ20とそれぞれ当接する第1弾性部30Aと第2弾性部30Bが、筐体10の内部に配置されている。第1弾性部30Aは、図1に示したプローブ装置1の弾性部30と同様にプローブ20の凹部の内側に配置され、プローブ20の凹部の表面と筐体10の内壁に挟まれている。第2弾性部30Bは、プローブ20が第1弾性部30Aと当接する位置から離隔した位置において、プローブ20に当接している。より具体的には、第2弾性部30Bは、接触領域220よりも第1接触部21に近い位置において、プローブ20に当接している。第2弾性部30Bは、第1接触部21の下方向でプローブ20と基板200の間に配置されている。このため、第2弾性部30Bは、デバイス100の検査時において、プローブ20の姿勢の変化に対応してプローブ20と基板200の間で弾性変形する。そして、第2弾性部30Bは、第1弾性部30Aと同様に、変化する前のプローブ20の姿勢に戻す方向にプローブ20を付勢する。以下において、第1弾性部30Aと第2弾性部30Bのそれぞれを限定しない場合は、弾性部30と表記する。
第3の実施形態に係るプローブ装置1は、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化した複数の弾性部30を筐体10の内部に有する。例えば、図11に示すプローブ装置1のように、プローブ20とそれぞれ当接する第1弾性部30Aと第2弾性部30Bが、筐体10の内部に配置されている。第1弾性部30Aは、図1に示したプローブ装置1の弾性部30と同様にプローブ20の凹部の内側に配置され、プローブ20の凹部の表面と筐体10の内壁に挟まれている。第2弾性部30Bは、プローブ20が第1弾性部30Aと当接する位置から離隔した位置において、プローブ20に当接している。より具体的には、第2弾性部30Bは、接触領域220よりも第1接触部21に近い位置において、プローブ20に当接している。第2弾性部30Bは、第1接触部21の下方向でプローブ20と基板200の間に配置されている。このため、第2弾性部30Bは、デバイス100の検査時において、プローブ20の姿勢の変化に対応してプローブ20と基板200の間で弾性変形する。そして、第2弾性部30Bは、第1弾性部30Aと同様に、変化する前のプローブ20の姿勢に戻す方向にプローブ20を付勢する。以下において、第1弾性部30Aと第2弾性部30Bのそれぞれを限定しない場合は、弾性部30と表記する。
上記のように、複数の弾性部30を筐体10の内部に有していることが、第3の実施形態に係るプローブ装置1が第1の実施形態と異なる点である。その他の構成については、第3の実施形態に係るプローブ装置1は、第1の実施形態と同様である。例えば、図11に示すプローブ装置1によれば、デバイス100の検査時においてプローブ20の姿勢が変化することにより、複数の弾性部30が弾性変形して、第1接触部21が所定の押圧で電極端子101に接触する。デバイス100の検査をしている間、複数の弾性部30のそれぞれは圧縮変形した状態である。複数の弾性部30は、電極端子101に第1接触部21を押し付けたときに第1接触部21に加わる押力に起因する第1接触部21の変位を打ち消す方向に、プローブ20を付勢する。
なお、図11では、弾性部30が、第2の弾性部材32を第1の弾性部材31の内部に埋め込んだ構造である場合を例示的に示した。しかし、第2の実施形態に係るプローブ装置1と同様に、第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の少なくとも一部が露出するように、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化してもよい。例えば、第1の弾性部材31の表面に第2の弾性部材32の全体を配置してもよいし、第2の弾性部材32の一部を第1の弾性部材31の表面に埋め込んでもよい。
第3の実施形態に係るプローブ装置1によれば、複数の弾性部30を有することによりプローブ20を付勢する弾性力が増大される。そして、第1の弾性部材31と第2の弾性部材32を一体化させた弾性部30により、第1の弾性部材31の弾性力の低下を抑制し、弾性部30の耐久性を向上させることができる。他は、第3の実施形態に係るプローブ装置1は第1および第2の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
<変形例>
第3の実施形態に係るプローブ装置1では、第2弾性部30Bがプローブ20と筐体10の間に配置されていてもよい。例えば図12に示すように、プローブ20の第1接触部21の下方向に設けた筐体10の台座部15に第2弾性部30Bを配置して、プローブ20と台座部15の間で第2弾性部30Bが弾性変形するようにしてもよい。
第3の実施形態に係るプローブ装置1では、第2弾性部30Bがプローブ20と筐体10の間に配置されていてもよい。例えば図12に示すように、プローブ20の第1接触部21の下方向に設けた筐体10の台座部15に第2弾性部30Bを配置して、プローブ20と台座部15の間で第2弾性部30Bが弾性変形するようにしてもよい。
また、図13に示すように、Y方向から見た第2弾性部30Bの第1の弾性部材31の外縁を矩形状にしてもよい。例えば、第2弾性部30Bの第1の弾性部材31が中空部分を有する管形状であってもよい。第1の弾性部材31の外縁を矩形状にした場合は、例えば、断面形状が凹凸の少ない平板であるリボン材を巻いてコイル状の第2の弾性部材32を構成してもよい。
(その他の実施形態)
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記では弾性部30が円筒形状である場合を例示的に説明したが、弾性部30の形状は円筒形状に限らない。例えば、弾性部30が中空部分のない円柱状であってもよいし、Y方向から見た弾性部30の外縁が円形状ではなくて多角形状であってもよい。また、第2の弾性部材32が板状の弾性部材であってもよい。なお、デバイス100の電極端子101がリード電極である場合を例示的に示したが、電極端子101がパッド電極又はバンプ電極、或いはそれら以外の形状の電極であってもよい。
第2の弾性部材32に金属製のばねなどの導電性材料を用いた場合、第2の弾性部材32とプローブ20との距離が近いため、デバイス100の高周波特性の測定値などが、第2の弾性部材32による電気的な影響を受けるおそれがある。このため、導電性材料の第2の弾性部材32の端部を接地電位(GND)に接続するなどの対策をしてもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことはもちろんである。
1…プローブ装置
10…筐体
11…第1面
12…第2面
20…プローブ
21…第1接触部
22…第2接触部
30…弾性部
31…第1の弾性部材
32…第2の弾性部材
100…デバイス
101…電極端子
200…基板
201…電極パッド
10…筐体
11…第1面
12…第2面
20…プローブ
21…第1接触部
22…第2接触部
30…弾性部
31…第1の弾性部材
32…第2の弾性部材
100…デバイス
101…電極端子
200…基板
201…電極パッド
Claims (8)
- 検査対象のデバイスの電極端子と検査装置に接続された電極パッドとを電気的に接続するプローブ装置であって、
第1面および前記第1面に対向する第2面を有する筐体と、
前記第1面に露出する第1接触部および前記第2面に露出する第2接触部を有して前記筐体に支持される導電性のプローブであって、前記第1接触部の変位に対応して前記第2接触部における前記電極パッドと接触する接触領域の位置が変化するように、前記筐体の内部で姿勢が変化する前記プローブと、
前記筐体の内部に配置され、第1の弾性部材および前記第1の弾性部材と一体化されて前記第1の弾性部材の弾性力を補強する第2の弾性部材を有する弾性部であって、前記筐体の内部での前記プローブの前記姿勢の変化に対応して弾性変形して、前記第1接触部の前記変位を打ち消す方向に前記プローブを付勢する前記弾性部と
を備えるプローブ装置。 - 前記第1の弾性部材がエラストマーである、請求項1に記載のプローブ装置。
- 前記第2の弾性部材が前記第1の弾性部材の内部に埋め込まれている、請求項1に記載のプローブ装置。
- 前記第1の弾性部材の表面に前記第2の弾性部材の少なくとも一部が露出している、請求項1に記載のプローブ装置。
- 前記第2の弾性部材が円筒形状のコイルばねである、請求項3又は4に記載のプローブ装置。
- 前記第2の弾性部材が網目状の円筒体である、請求項3又は4に記載のプローブ装置。
- 前記第1の弾性部材は内部に中空部分を有する、請求項3又は4に記載のプローブ装置。
- 前記第1の弾性部材の外周部から前記中空部分までの前記第1の弾性部材の厚みを調整することにより、前記電極端子との接触による前記第1接触部の変位量を所定値とするように前記弾性部の弾性力が設定され、
前記変位量の前記所定値は、前記プローブが前記電極端子に接触する際に前記電極端子に生じるコンタクト痕の長さが予め設定された制約値以下であるように設定されている、
請求項7に記載のプローブ装置。
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