JP2024006982A - ドリル及び切削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることを抑制可能なドリルを提供する。【解決手段】ドリルは、逃げ面と、すくい面と、すくい面及び逃げ面の稜線にある主切れ刃とを備えている。主切れ刃は、主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、すくい面に連なる曲線状の第2曲線部とを有している。第1曲線部の第1曲率半径は、第2曲線部の第2曲率半径よりも大きい。【選択図】図6

Description

本開示は、ドリル及び切削方法に関する。
特開2007-007809号公報(特許文献1)には、ドリルが記載されている。特許文献1に記載のドリルは、逃げ面と、すくい面と、逃げ面及びすくい面の稜線にある切れ刃とを有している。切れ刃は、ネガランドにより構成されている。
特開2014-008549号公報(特許文献2)には、ドリルが記載されている。特許文献2に記載のドリルは、逃げ面と、すくい面と、逃げ面及びすくい面の稜線にある切れ刃とを有している。切れ刃は、切れ刃の延在方向に直交する断面視において、逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、すくい面に連なる曲線状の第2曲線部とを有している。第1曲線部の曲率半径は、第2曲線部の曲率半径よりも小さい。
特開2007-007809号公報 特開2014-008549号公報
本開示のドリルは、逃げ面と、すくい面と、すくい面及び逃げ面の稜線にある主切れ刃とを備えている、主切れ刃は、主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、すくい面に連なる曲線状の第2曲線部とを有している。第1曲線部の第1曲率半径は、第2曲線部の第2曲率半径よりも大きい。
図1は、ドリル100の斜視図である。 図2は、先端100a側から見たドリル100の正面図である。 図3は、ドリル100の第1拡大側面図である。 図4は、ドリル100の第2拡大側面図である。 図5は、中心軸Aに直交するドリル100の断面図である。 図6は、図2中のVI-VIにおける断面図である。 図7は、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2の測定方法を示す第1模式図である。 図8は、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2の測定方法を示す第2模式図である。 図9は、変形例におけるドリル100の断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に記載のドリルでは、ネガランドと逃げ面とが連なる部分及びネガランドとすくい面とが連なる部分が新たな角部となるため、高負荷の切削条件において、切れ刃の強度が不足する。特許文献2に記載のドリルでは、高送りの切削条件(ドリルの刃径に対する1刃あたりの送り量が大きくなる切削条件)において、逃げ面にチッピングが生じやすくなる。
本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることを抑制可能なドリルを提供するものである。
[本開示の効果]
本開示のドリルによると、高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることを抑制可能である。
[実施形態の概要]
まず、本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)実施形態に係るドリルは、逃げ面と、すくい面と、すくい面及び逃げ面の稜線にある主切れ刃とを備えている。主切れ刃は、主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、すくい面に連なる曲線状の第2曲線部とを有している。第1曲線部の第1曲率半径は、第2曲線部の第2曲率半径よりも大きい。上記(1)のドリルによると、高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることを抑制可能である。
(2)上記(1)のドリルでは、第1曲率半径が、第2曲率半径の1.5倍以上0.07mm以下であってもよい。第2曲率半径は、0.02mm以上0.05mm以下であってもよい。上記(2)のドリルによると、高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることをさらに抑制可能である。
(3)上記(1)又は上記(2)のドリルでは、主切れ刃が、主切れ刃に直交する断面視において、第1曲線部及び第2曲線部に連なる直線状の接続部をさらに有していてもよい。上記(3)のドリルによると、刃先処理が行われる幅の調整が容易になる。
(4)上記(3)のドリルでは、接続部の幅が0.05mm以下であってもよい。
(5)上記(1)又は上記(2)のドリルでは、主切れ刃が、主切れ刃の延在方向に直交する断面視において第1曲線部及び第2曲線部に連なる曲線状の接続部をさらに有していてもよい。接続部の第3曲率半径は、第1曲率半径よりも大きくてもよい。上記(5)のドリルによると、刃先処理が行われる幅の調整が容易になる。
(6)実施形態に係る切削方法は、ドリルにより被削材の切削加工を行う工程を備えている。ドリルは、逃げ面と、すくい面と、すくい面及び逃げ面の稜線にある主切れ刃とを有している。主切れ刃は、主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、すくい面に連なる曲線状の第2曲線部とを有している。第1曲線部の第1曲率半径は、第2曲線部の第2曲率半径よりも大きい。切削加工は、ドリルの1刃あたりの送り量がドリルの刃径の5パーセント以上との条件で行われる。上記(6)の切削方法によると、高送りの切削条件においても逃げ面にチッピングが生じることを抑制可能である。
[実施形態の詳細]
次に、本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るドリルを、ドリル100とする。
(ドリル100の構成)
図1は、ドリル100の斜視図である。図1に示されるように、ドリル100の中心軸を、中心軸Aとする。ドリル100は、中心軸Aの方向において、先端100aと、後端100bとを有している。後端100bは、先端100aの反対側の端である。ドリル100は、例えば超硬合金により形成されている。超硬合金は、結合材を含有している金属炭化物粒の焼結体である。金属炭化物粒は、例えば炭化タングステン(WC)の粒子であり、結合材は、例えばコバルト(Co)である。
図2は、先端100a側から見たドリル100の正面図である。図3は、ドリル100の第1拡大側面図である。図4は、ドリル100の第2拡大側面図である。図1から図4に示されるように、ドリル100は、外周面10を有している。外周面10には、フルート11及びフルート12が形成されている。フルート11及びフルート12は、先端100aから後端100bに向かって、中心軸A回りの螺旋状に延在している。フルート11及びフルート12は、後述する切れ刃15及び切れ刃16により削り出された切り屑を排出するための溝である。
外周面10は、ランド13と、ランド14とを有している。ランド13は、フルート11とフルート12との間にある外周面10の部分である。ランド14は、フルート11とフルート12との間にある外周面10のランド13とは別の部分である。フルート11側にあるランド13の端をリーディングエッジ13aとし、フルート12側にあるランド13の端をヒール13bとする。フルート12側にあるランド14の端をリーディングエッジ14aとし、フルート11側にあるランド14の端をヒール14bとする。
ランド13は、主マージン13cと、副マージン13dと、2番取り面13eとを有している。主マージン13cは、ランド13のリーディングエッジ13a側の端にある。副マージン13dは、ランド13のヒール13b側の端にある。主マージン13c及び副マージン13dは、2番取り面13eよりも径方向における外側に突出している。つまり、主マージン13cと2番取り面13eとの境界及び副マージン13dと2番取り面13eとの境界には、段差が存在している。
ランド14は、主マージン14cと、副マージン14dと、2番取り面14eとを有している。主マージン14cは、ランド14のリーディングエッジ14a側の端にある。副マージン14dは、ランド14のヒール14b側の端にある。主マージン14c及び副マージン14dは、2番取り面14eよりも径方向における外側に突出している。つまり、主マージン14cと2番取り面14eとの境界及び副マージン14dと2番取り面14eとの境界には、段差が存在している。
ドリル100は、先端100a側に、切れ刃15と、切れ刃16とを有している。切れ刃15は、先端100a側から見た正面視において、リーディングエッジ13aの先端100a側の端から中心軸A側に向かって延在している。切れ刃16は、先端100a側から見た正面視において、リーディングエッジ14aの先端100a側の端から中心軸A側に向かって延在している。
切れ刃15は、主切れ刃15aと、シンニング切れ刃15bとを有している。主切れ刃15aは、リーディングエッジ13aの先端100a側の端から延在している切れ刃15の部分である。なお、主切れ刃15aには、後述する第1逃げ面17とは反対側からフルート11が連なっている。このことを別の観点から言えば、主切れ刃15aはフルート11と第1逃げ面17との稜線にあり、主切れ刃15aに連なっているフルート11の部分が主切れ刃15aのすくい面になっている。シンニング切れ刃15bは、リーディングエッジ13aとは反対側の主切れ刃15aの端から延在している切れ刃15の部分である。
切れ刃16は、主切れ刃16aと、シンニング切れ刃16bとを有している。主切れ刃16aは、リーディングエッジ14aの先端100a側の端から延在している切れ刃16の部分である。なお、主切れ刃16aには、後述する第1逃げ面19とは反対側からフルート12が連なっている。このことを別の観点から言えば、主切れ刃16aはフルート12と第1逃げ面19との稜線にあり、主切れ刃16aに連なっているフルート12の部分が主切れ刃16aのすくい面になっている。シンニング切れ刃16bは、リーディングエッジ14aとは反対側の主切れ刃16aの端から延在している切れ刃16の部分である。
ドリル100は、先端100a側において、第1逃げ面17及び第2逃げ面18と、第1逃げ面19及び第2逃げ面20と、シンニング面21と、シンニング面22と、オイルホール23及びオイルホール24とをさらに有している。
第1逃げ面17は、切れ刃15に連なっている。第2逃げ面18は、切れ刃15と反対側から第1逃げ面17に連なっている。第1逃げ面19は、切れ刃16に連なっている。第2逃げ面20は、切れ刃16と反対側から第1逃げ面19に連なっている。
シンニング面21及びシンニング面22は、先端100aにおけるドリル100の芯厚を小さくするように形成されている面(先端100aに対してシンニングを行うことにより形成された面)である。図1から図4に示されている例では、シンニング面21及びシンニング面22は、先端100aに対してX形シンニングを行うことにより形成されている面である。
シンニング面21は、シンニングヒール面21aと、シンニングすくい面21bとを有している。シンニングヒール面21aは、フルート11と第2逃げ面20とに連なっている。すなわち、シンニングヒール面21aは、シンニング面21のうちのヒール14b側にある部分である。シンニングすくい面21bは、第1逃げ面17とは反対側から切れ刃15に連なっている。すなわち、シンニング切れ刃15bは、第1逃げ面17とシンニングすくい面21bとの稜線にある。
シンニング面22は、シンニングヒール面22aと、シンニングすくい面22bとを有している。シンニングヒール面22aは、フルート12と第2逃げ面18とに連なっている。すなわち、シンニングヒール面22aは、シンニング面22のうちのヒール13b側にある部分である。シンニングすくい面22bは、第1逃げ面19とは反対側から切れ刃16に連なっている。すなわち、シンニング切れ刃16bは、第1逃げ面19とシンニングすくい面22bとの稜線にある。
図5は、中心軸Aに直交するドリル100の断面図である。図5に示されるように、オイルホール23及びオイルホール24は、ドリル100の内部に形成されている。オイルホール23は、第2逃げ面18において、開口している(図2参照)。オイルホール24は、第2逃げ面20において、開口している(図2参照)。オイルホール23及びオイルホール24は、先端100aから後端100bに向かって、ドリル100の内部でフルート11及びフルート12のねじれに合わせてねじれながら延在している。なお、ドリル100には、オイルホール23及びオイルホール24が形成されていなくてもよい。
図6は、図2中のVI-VIにおける断面図である。図6には、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面が示されている。図6に示されるように、主切れ刃15aは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、第1曲線部15aaと、第2曲線部15abとを有している。第1曲線部15aaは、第1逃げ面17に連なっている。第2曲線部15abは、フルート11に連なっている。第1曲線部15aa及び第2曲線部15abは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、曲線状である。第1曲線部15aa及び第2曲線部15abは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、部分円弧状であることが好ましい。図6に示される例では、第1曲線部15aa及び第2曲線部15abは、互いに連なっている。
第1曲線部15aaの曲率半径を、第1曲率半径R1とする。第2曲線部15abの曲率半径を、第2曲率半径R2とする。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2よりも大きい。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2の1.5倍以上0.07mm以下であることが好ましい。第2曲率半径R2は、0.02mm以上0.05mm以下であることが好ましい。第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2は、主切れ刃15a上の任意の位置において測定されればよい。第1曲率半径R1は第1曲線部15aaの範囲内において一定でなくてもよく、第2曲率半径R2は第2曲線部15abの範囲内において一定でなくてもよい。この場合、第1曲率半径R1の最小値が第2曲率半径R2の最大値よりも大きくなっていれば、「第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2よりも大きい」との関係が満たされていることになる。
以下に、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2の測定方法を説明する。図7は、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2の測定方法を示す第1模式図である。図7に示されるように、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2を測定する際、第1に、ドリル100が水平方向に対して傾斜するように配置される。中心軸Aと水平方向とのなす角度を傾斜角θとすると、ドリル100は、傾斜角θがフルート11(フルート12)のねじれ角±20°になるように配置される。なお、フルート11(フルート12)のねじれ角とは、フルート11(フルート12)の延在方向と中心軸Aとがなす角度である。
第2に、コントレーサ(株式会社ミツトヨ製C3000)を用いて主切れ刃15a近傍の輪郭が測定される。測定ソフトウェアはFORMTRACEPAK for Windows Version5.202とされ、スタイラスは円錐スタイラス(株式会社ミツトヨ製SPH-77/12AAE867)とされる。測定ピッチは1.0μmとされ、測定速度は0.02mm/秒とされる。なお、測定ピッチは、隣り合う測定点の間の距離である。コントレーサは、測定位置における主切れ刃15aの延在方向に直交する方向に沿って走査される。第3に、上記の輪郭に基づいて、第1曲線部15aaと第1逃げ面17との交点及び第2曲線部15abとフルート11との交点が算出される。
図8は、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2の測定方法を示す第2模式図である。図8には、例として、図2中のVI-VIに対応する位置における断面が示されている。図8に示されるように、第1逃げ面17に平行であり、かつ第1逃げ面17からドリル100の内側に1μm離れている直線を、第1仮想直線L1とする。主切れ刃15aに連なるフルート11の部分(すなわち、主切れ刃15aのすくい面)に平行であり、かつ当該部分からドリル100の内側に1μm離れている直線を、第2仮想直線L2とする。第1仮想直線L1と上記の輪郭との交点が第1曲線部15aaと第1逃げ面17との交点(第1交点CP1)と見做されるとともに、第2仮想直線L2と上記の輪郭との交点が第2曲線部15abとフルート11との交点(第2交点CP2)と見做される。
第4に、第1交点CP1と第2交点CP2との間の上記の輪郭に基づいて、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2が算出される。より具体的には、まず、最小二乗法に基づいて、最も第1交点CP1側にある20個の測定点が示す曲線の曲率中心が算出される。次に、上記の曲率中心と最も第1交点CP1側にある20個の測定点の各々との間の距離の平均値が算出される。この平均値が、第1曲率半径R1となる。第2曲率半径R2も、同様に算出される。すなわち、最小二乗法に基づいて最も第2交点CP2側にある20個の測定点が示す曲線の曲率中心が算出され、当該20個の測定点の各々と当該曲率中心との間の距離の平均値が第2曲率半径R2とされる。
図示されていないが、主切れ刃16aは、主切れ刃15aと同様の構成を有している。より具体的には、主切れ刃16aは、主切れ刃16aに直交する断面視において、第1逃げ面19に連なる曲線状(部分円弧状)の第1曲線部16aaと、フルート12に連なる曲線状(部分円弧状)の第2曲線部16abとを有している。第1曲線部16aaの曲率半径は、第2曲線部16abの曲率半径よりも大きくなっている。第1曲線部16aaの曲率半径は第2曲線部16abの曲率半径の1.5倍以上0.07mm以下であることが好ましく、第2曲線部16abの曲率半径は0.2mm以上0.05mm以下であることが好ましい。
<変形例>
図9は、変形例におけるドリル100の断面図である。図9には、図2中のVI-VIに対応する位置における断面が示されている。図9に示されているように、主切れ刃15aは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、接続部15acをさらに有していてもよい。接続部15acは、第1曲線部15aa及び第2曲線部15abに連なっている。接続部15acは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、例えば直線状である。この場合、接続部15acの幅Wは、0.05mm以下であることが好ましい。接続部15acは、主切れ刃15aの延在方向に直交する断面視において、曲線状(部分円弧状)であってもよい。この場合、接続部15acの曲率半径は、第1曲率半径R1よりも大きい。
(ドリル100を用いた切削加工)
以下に、ドリル100を用いた切削加工を説明する。
ドリル100を用いた切削加工は、ドリル100を中心軸A回りに回転させながら切れ刃15及び切れ刃16を被削材に接触させることにより行われる。この際、1刃あたりの送り量は、好ましくは、ドリル100の刃径Dの5パーセント以上とされる。刃径Dは、先端100a側から見た正面視における切れ刃15(切れ刃16)の外接円である(図2参照)。なお、1刃あたりの送り量は、例えば刃径Dの8パーセント以下である。ドリル100は、例えば、S50C等の炭素鋼に対する切削加工に用いられる。
(ドリル100の効果)
以下に、ドリル100の効果を、比較例に係るドリルと対比しながら説明する。
比較例1に係るドリルでは、主切れ刃15aに曲率半径が一定の丸ホーニングが行われている。比較例2に係るドリルでは、第1曲率半径R1が第2曲率半径R2よりも小さくなっている。その他の点に関して、比較例1に係るドリルの構成及び比較例2に係るドリルの構成は、ドリル100の構成と共通している。
比較例1に係るドリルでは、刃先処理を行う幅が決定されると、丸ホーニングの曲率半径が自ずと決定されてしまう。刃先処理を行う幅は、切り屑処理性や切削抵抗にも影響するため、過度に大きくすることはできない。そのため、比較例1に係るドリルでは、切り屑処理性や切削抵抗の観点から刃先処理を行う幅を大きくすることができず、その結果、丸ホーニングの曲率半径も大きくすることができないため、主切れ刃15aの強度が不十分になってしまう。
比較例2に係るドリルでは、比較例1に係るドリルとは異なり、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2が刃先処理を行う幅により自ずと決定されるわけではない。しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところによると、比較例2に係るドリルを高送りの切削条件で切削加工に供すると、第1逃げ面17にチッピングが生じやすくなってしまう。
ドリル100でも、比較例1に係るドリルとは異なり、第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2が刃先処理を行う幅により自ずと決定されるわけではない。また、ドリル100では、主切れ刃15aの曲率半径が逃げ面側において大きくなっている(すなわち、第1曲率半径R1が第2曲率半径R2よりも大きくなっている)ため、高送りの切削条件で切削加工に供しても、第1逃げ面17にチッピングが生じがたい。
ドリル100において第2曲率半径R2×1.5≦第1曲率半径R1≦0.07mmかつ0.02mm≦第2曲率半径R2≦0.05mmとの条件が満たされている場合、第1逃げ面17にチッピングがさらに生じがたくなる。また、ドリル100において主切れ刃15aが接続部15acをさらに有している場合、刃先処理が行われる幅の調整が容易になる。
(実施例)
以下に、ドリル100の効果を確認するために行った切削試験を説明する。
切削試験には、ドリルのサンプルとして、サンプル1からサンプル5が供された。サンプル1及びサンプル2では、第1曲率半径R1が第2曲率半径R2よりも小さくされた。より具体的には、サンプル1では第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2がそれぞれ0.024mm及び0.065mmとされ、サンプル2では第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2がそれぞれ0.029mm及び0.079mmとされた。
サンプル3では、主切れ刃15aに曲率半径が一定の丸ホーニングが行われた。この曲率半径は、0.042mmとされた。サンプル4及びサンプル5では、第1曲率半径R1が第2曲率半径R2よりも大きくされた。すなわち、サンプル4及びサンプル5は、ドリル100に対応している。より具体的には、サンプル4では第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2がそれぞれ0.045mm及び0.0314mmとされ、サンプル5では第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2がそれぞれ0.060mm及び0.028mmとされた。サンプル1からサンプル5では、刃径Dが8mmとされた。
切削試験では、サンプル1からサンプル5を用いて、被削材に対する切削加工が行われた。切削加工の被削材は、S50Cとされた。切削加工は、DMG森精機株式会社製のNV5000α1A/40を用いて行われた。切削加工は、切削速度が140m/min、1刃あたりの送り量が0.40mm/rev(刃径Dの5パーセント)との条件で、深さが38mmの貫通穴を形成することにより行われた。切削加工の際、クーラントは、オイルホール23及びオイルホール24から給油された。各サンプルの切削寿命は、第1逃げ面17にチッピングが生じるまでの切削距離により評価された。なお、第1逃げ面17に生じた欠けの面積が0.00025mm以上となった際に、第1逃げ面17にチッピングが生じたと見做した。各サンプルの寿命は、n=2の平均値とされた。
Figure 2024006982000002
表1に示されるように、サンプル4及びサンプル5の切削寿命は、サンプル1からサンプル3の切削寿命よりも優れていた。上記のように、サンプル4及びサンプル5では第1曲率半径R1が第2曲率半径R2よりも大きくなっているが、サンプル1からサンプル3ではこの条件が満たされていない。この比較から、第1曲率半径R1を第2曲率半径R2よりも大きくすることにより、高送りの切削条件で切削加工に供しても第1逃げ面17にチッピングが生じがたくなることが、明らかになった。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 外周面、11 フルート、12 フルート、13 ランド、13a リーディングエッジ、13b ヒール、13c 主マージン、13d 副マージン、13e 2番取り面、14 ランド、14a リーディングエッジ、14b ヒール、14c 主マージン、14d 副マージン、14e 2番取り面、15 切れ刃、15a 主切れ刃、15aa 第1曲線部、15ab 第2曲線部、15ac 接続部、15b シンニング切れ刃、16 切れ刃、16a 主切れ刃、16aa 第1曲線部、16ab 第2曲線部、17 第1逃げ面、18 第2逃げ面、19 第1逃げ面、20 第2逃げ面、21 シンニング面、21a シンニングヒール面、21b シンニングすくい面、22 シンニング面、22a シンニングヒール面、22b シンニングすくい面、23,24 オイルホール、100 ドリル、100a 先端、100b 後端、A 中心軸、CP1 第1交点、CP2 第2交点、D 刃径、L1 第1仮想直線、L2 第2仮想直線、R1 第1曲率半径、R2 第2曲率半径、W 幅。

Claims (6)

  1. 逃げ面と、
    すくい面と、
    前記すくい面及び前記逃げ面の稜線にある主切れ刃とを備え、
    前記主切れ刃は、前記主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、前記逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、前記すくい面に連なる曲線状の第2曲線部と、前記第1曲線部及び前記第2曲線部に連なる直線状の接続部とを有し、
    前記第1曲線部の第1曲率半径は、前記第2曲線部の第2曲率半径よりも大きく、
    前記第2曲率半径は、0.02mm以上0.05mm以下であり、
    前記第1曲率半径は、前記第2曲率半径の1.5倍以上0.07mm以下であり、
    前記接続部の幅は、0.05mm以下である、ドリル。
  2. 刃径が8mmである、請求項1に記載のドリル。
  3. 炭素鋼に対する切削加工に用いられる、請求項1又は請求項2に記載のドリル。
  4. ドリルにより被削材の切削加工を行う工程とを備え、
    前記ドリルは、逃げ面と、すくい面と、前記すくい面及び前記逃げ面の稜線にある主切れ刃とを有し、
    前記主切れ刃は、前記主切れ刃の延在方向に直交する断面視において、前記逃げ面に連なる曲線状の第1曲線部と、前記すくい面に連なる曲線状の第2曲線部と、前記第1曲線部及び前記第2曲線部に連なる直線状の接続部とを有し、
    前記第1曲線部の第1曲率半径は、前記第2曲線部の第2曲率半径よりも大きく、
    前記第2曲率半径は、0.02mm以上0.05mm以下であり、
    前記第1曲率半径は、前記第2曲率半径の1.5倍以上0.07mm以下であり、
    前記接続部の幅は、0.05mm以下であり、
    前記切削加工は、前記ドリルの1刃あたりの送り量が前記ドリルの刃径の5パーセント以上との条件で行われる、切削方法。
  5. 前記ドリルの刃径が8mmである、請求項4に記載の切削方法。
  6. 前記被削材が炭素鋼である、請求項4又は請求項5に記載の切削方法。
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