JP2023550191A - Dr4および/またはdr5を標的とするポリペプチドならびに関連する組成物および方法 - Google Patents

Dr4および/またはdr5を標的とするポリペプチドならびに関連する組成物および方法 Download PDF

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Abstract

融合タンパク質は、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結されたナノケージモノマーまたはそのサブユニットを含み、複数の融合タンパク質が自己集合してナノケージを形成する。融合タンパク質および関連組成物を含むナノケージ、ならびに癌を処置および/または予防するための方法および使用も記載される。一態様によれば、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結されたナノケージモノマーまたはそのサブユニットを含む融合タンパク質が提供され、複数の融合タンパク質が自己集合してナノケージを形成する。

Description

分野
本発明は、ポリペプチドに関する。特に、本発明は、DR4および/またはDR5に特異的なポリペプチドならびに関連する構築物、組成物および方法に関する。
背景
ナノ粒子は、様々な分野の進歩に貢献している。ナノ粒子を使用すると、標的化送達を可能にする可能性があり、規則正しいマイクロアレイのエンジニアリング、徐放性、および触媒プロセスのためのケージ化された微小環境が可能である。
高感度の準安定タンパク質を含むナノ粒子の作製には、タンパク質の自己集合は魅力的な方法である。実際、自己集合したナノ粒子は、非共有結合相互作用によって生理的条件下で形成され、均一で、対称的な場合の多いナノカプセルまたはナノケージを確実に生成する。自己集合タンパク質ナノ粒子は、付加された機能を伝えるためにすべて微調整することができる3つの異なる表面、すなわち外部表面、内部表面およびサブユニット間表面を有する。
自己集合タンパク質を含む融合タンパク質は、すでに記載されている。例えば、ワクチンとして使用するために、集合したナノケージの外部表面に抗原を提示することが知られている。
細胞死受容体4および5(DR4/DR5)はTNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。DR4およびDR5は、リガンド結合に際し三量体化によって活性化されるようになる。活性化されると、これらの受容体は細胞内アポトーシスシグナルを細胞に送達する。DR4/DR5は、様々なタイプの癌細胞において発現が増加する。DR4およびDR5は、癌治療のための魅力的な標的となる。しかしながら、DR4および/またはDR5の標的化に基づく候補治療薬の有効性は、例えば、細胞膜中の受容体を架橋する能力が不十分であること、および候補治療薬の他の特徴と効力のバランスをとる必要性などの要因によって制限されることがある。
DR4/DR5を標的とするための改善された組成物および方法が必要とされている。
発明の概要
一態様によれば、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結されたナノケージモノマーまたはそのサブユニットを含む融合タンパク質が提供され、複数の融合タンパク質が自己集合してナノケージを形成する。
一態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、DR4および/またはDR5外部ドメインを標的とする。
一態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、集合したナノケージの内部および/または外部表面、好ましくは外部表面を装飾する。
一態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は抗体またはその断片を含む。
一態様では、抗体またはその断片はFab断片を含む。
一態様では、抗体またはその断片は、scFab断片、scFv断片、sdAb断片、VHHドメインまたはその組み合わせを含む。
一態様では、抗体またはその断片は、Fab断片の重鎖および/または軽鎖を含む。
一態様では、融合タンパク質はDR4抗原結合部分を含む。
一態様では、DR4抗原結合部分は、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45、および/または46/47のDR4抗原結合部分を含む。
一態様では、融合タンパク質はDR5抗原結合部分を含む。
一態様では、DR5抗原結合部分は、ティガツズマブ、レクサツムマブ、ドロジツマブ、および/またはコナツムマブの抗原結合部分を含む。
一態様では、DR5抗原結合部分は、コナツムマブの抗原結合部分を含む。
一態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットのN末端またはC末端で連結されているか、あるいはナノケージモノマーまたはそのサブユニットのN末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分とが存在し、ここで第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は同じまたは異なっている。
一態様では、融合タンパク質はナノケージモノマーを含み、DR4および/またはDR5抗原結合部分はナノケージモノマーのN末端に連結されている。
一態様では、融合タンパク質は、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結された第1のナノケージモノマーサブユニットを含み、第1のナノケージモノマーサブユニットは、第2のナノケージモノマーサブユニットと自己集合して前記ナノケージモノマーを形成する能力がある。
一態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、第1のナノケージモノマーサブユニットのN末端またはC末端で連結されているか、あるいは第1のナノケージモノマーサブユニットのN末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分とが存在し、ここで第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は同じまたは異なっている。
一態様では、融合タンパク質は、第2のナノケージモノマーサブユニットと組み合わされている。
一態様では、第2のナノケージモノマーサブユニットは、N末端またはC末端で生物活性部分に連結されている。
一態様では、生物活性部分はFc断片を含む。
一態様では、Fc断片はIgG1 Fc断片である。
一態様では、Fc断片は、融合タンパク質の半減期を例えば数分または数時間から数日、数週間または数ヶ月まで調節する1またはそれを超える変異または変異のセットを含む。
一態様では、Fc断片は、1またはそれを超えるL234、L235、G236、G237、M252、I253、S254、T256、P329、A330、M428、N434、またはそれらの組み合わせ(ナンバリングはEUインデックスに従う)における変異、例えばM428LおよびN434S(「LS」);M252Y、S254TおよびT256E(「YTE」);L234AおよびL235A(「LALA」);I253A、および/またはL234A、L235A、およびP329G(「LALAP」)、G236R、G237A、A330Lまたはその組み合わせを含む。
一態様では、Fc断片はscFc断片である。
一態様では、約3~約100個のナノケージモノマー、例えば24、32、48、もしくは60個のモノマー、または約4~約200個のナノケージモノマーサブユニット、例えば4、6、8、10、12、14、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50個、またはそれを超えるナノケージモノマーサブユニットは、必要に応じて1またはそれを超える全ナノケージモノマーと組み合わせて、自己集合してナノケージを形成することができる。
一態様では、ナノケージモノマーは、フェリチン、アポフェリチン、エンカプスリン、SOR、ルマジンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、カルボキシソーム、ヴォールトタンパク質、GroEL、熱ショックタンパク質、E2P、MS2コートタンパク質、それらの断片、およびそれらの変異体から選択される。
一態様では、ナノケージモノマーは、アポフェリチン、必要に応じてヒトアポフェリチンである。
一態様では、ナノケージモノマーは、アポフェリチン軽鎖、必要に応じてヒトアポフェリチン軽鎖である。
一態様では、融合タンパク質は、第1のアポフェリチンサブユニット、必要に応じて第1のヒトアポフェリチンサブユニットを含み、第1のアポフェリチンサブユニットは、第2のアポフェリチンサブユニットと自己集合する能力がある。
一態様では、第1および第2のアポフェリチンモノマーサブユニットは、アポフェリチンの「N」および「C」領域を交換可能に含む。
一態様では、アポフェリチンの「N」領域は、
MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEW
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
一態様では、アポフェリチンの「C」領域は、
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
一態様では、融合タンパク質は、生物活性部分と、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットと生物活性部分との間のリンカーをさらに含む。
一態様では、リンカーは可撓性または剛性であり、約1~約30のアミノ酸残基、例えば約8~約16のアミノ酸残基を含む。
一態様では、リンカーは、GGGGSリピート、例えば1、2、3、4個またはそれを超えるGGGGSリピートを含む。
一態様では、リンカーは、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGG
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
一態様では、融合タンパク質は、C末端リンカーをさらに含む。
一態様では、C末端リンカーはGGSリピートを含む。
一態様では、C末端リンカーは、
GGSGGSGGSGGSGGGSGGSGGSGGSG
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
一態様によれば、本明細書に記載の少なくとも1つの融合タンパク質と、融合タンパク質とともに自己集合する少なくとも1/2のナノケージモノマーまたはそのサブユニットとを含むナノケージが提供される。
一態様では、融合タンパク質は、第1のナノケージモノマーサブユニットを含み、第2のナノケージモノマーまたはそのサブユニットは、第2のナノケージモノマーサブユニットであり、第2のナノケージモノマーサブユニットは融合タンパク質とともに自己集合してナノケージモノマーを形成する。
一態様では、各ナノケージモノマーは、本明細書に記載の融合タンパク質を含む。
一態様では、約1%~約100%、例えば約1%、4%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%から、約4%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%まで、例えば約20%~約80%のナノケージモノマーまたはそのサブユニットが本明細書に記載の融合タンパク質を含む。
一態様では、ナノケージは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分、例えば2または3の異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分を含む。
一態様では、ナノケージは多価である。
一態様では、ナノケージは多重特異性である。
一態様では、少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分がナノケージの外部表面を装飾し、少なくとも1つのFc断片がナノケージの外部表面を装飾する。
一態様では、少なくとも2つのDR4および/またはDR5抗原結合部分がナノケージの外部表面を装飾し、少なくとも2つのFc断片がナノケージの外部表面を装飾する。
一態様では、ナノケージは、第1の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合したコナツムマブの抗原結合部分、例えばFab断片;第2の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合したFc断片(必要に応じてscFc断片);および第3のヒトフェリチン軽鎖を4:1:1の比で含む。
一態様では、ナノケージは、完全なフェリチンモノマーのN末端に融合した少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分、N-フェリチンモノマーサブユニットのN末端に融合した少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分、およびC-フェリチンモノマーサブユニットのN末端に融合したFc断片を含む。
一態様では、ナノケージは、完全なフェリチンモノマーのN末端に融合したDR4および/またはDR5抗原結合部分、N-フェリチンモノマーサブユニットのN末端に融合したDR4および/またはDR5抗原結合部分、およびC-フェリチンモノマーサブユニットのN末端に融合したFc断片を2:1:1の比で含む。
一態様では、ナノケージは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48のDR4および/またはDR5抗原結合部分を含む。
一態様では、ナノケージは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48の生物活性部分を含む。
一態様では、ナノケージは、医薬品、診断薬、および/または造影剤などのカーゴ分子を担持している。
一態様では、カーゴ分子は融合タンパク質に融合されておらず、ナノケージの内部に含まれている。
一態様では、カーゴ分子はタンパク質であり、カーゴ分子がナノケージの内部に含まれるように融合タンパク質に融合される。
一態様では、カーゴ分子は、GFP、EGFP、アメトリンなどの蛍光タンパク質、および/またはiLOVなどのLOVタンパク質などのフラビン系の蛍光タンパク質を含む。
一態様では、ナノケージは、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約0.1μg/ml未満、約0.01μg/ml未満、または約0.001μg/ml未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。
一態様では、ナノケージは、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約10pM未満、約1pM未満、または約0.1pM未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。
一態様では、ナノケージは、質量および/またはモルベースで、対応するIgGよりも少なくとも約10、少なくとも約100、少なくとも約1000、少なくとも約10,000、または少なくとも約100,000を超えて強力なIC50値で、DR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。
一態様によれば、本明細書に記載のナノケージを含むDR4および/またはDR5の治療用または予防用組成物が提供される。
一態様によれば、本明細書に記載の融合タンパク質をコードする核酸分子が提供される。
一態様によれば、本明細書に記載の核酸分子を含むベクターが提供される。
一態様によれば、本明細書に記載のベクターを含み、本明細書に記載の融合タンパク質を産生する宿主細胞が提供される。
一態様によれば、癌を処置および/または予防する方法であって、本明細書に記載のナノケージまたは組成物を投与することを含む方法が提供される。
一態様では、癌は、乳癌、結腸癌、リンパ腫、または肺癌からなる群から選択される。
一態様によれば、癌を処置および/または予防するための本明細書に記載のナノケージまたは組成物の使用が提供される。
一態様によれば、本明細書に記載のナノケージまたは組成物は、癌を処置および/または予防に使用するためのものである。
本発明の新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明を検討することによって当業者に明らかになるであろう。しかしながら、本発明の詳細な説明および提示された特定の実施例は、本発明の特定の態様を示しているが、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正が本発明の詳細な説明および以下の特許請求の範囲から当業者に明らかになるので、例示目的でのみ提供されていることを理解されたい。
図面の簡単な説明
本発明は、図面を参照して、以下の説明からさらに理解されるであろう。
マルタボディ(Multabody)集合体は、三量体受容体を標的とするFabを提示する。従来のIgG(左)と比較したマルタボディ価(右)を示す概略図。フェリチンの3回対称軸(薄青緑色)にクラスター化したFab(重鎖は濃い赤色、軽鎖は薄い赤色)の拡大図。金色の断片はFc断片を表す。
結合活性は、複数の癌細胞株に対する細胞死を促進する。親IgGと比較した、マルタボディ形式のティガツズマブによる複数の癌細胞株の相対的殺傷能力。 同上。 同上。 同上。
結合活性は、複数の癌細胞株に対する細胞死を促進する。親IgGと比較した、マルタボディ形式のコナツムマブによる複数の癌細胞株の相対的殺傷能力。 同上。 同上。 同上。
図4Aは、ヒトフェリチン軽鎖(hFTL)と、例示的なN-ハーフフェリチン(N-half ferritin)(N-hFTL)およびC-ハーフフェリチン(C-half ferritin)(C-hFTL)分子の図表示である。
図4Bは、本開示の例示的なマルタボディを一緒に形成する融合ポリペプチドの図表示である。
結腸癌異種移植腫瘍を有し、ビヒクル、DR5 IgG、またはDR5 MBで処置されたマウスの88日目の腫瘍体積を示すグラフである。統計分析は、マン・ホイットニー検定を用いて行われた。
特定の態様の詳細な説明
リガンドが結合すると、細胞死受容体4および5(DR4およびDR5)は三量体を形成し、細胞内アポトーシスシグナルを細胞(例えば、癌細胞)に送達することができる。本開示は、DR4および/またはDR5を標的とする分子の価数の増加が、候補治療薬の効力の増加に対応する可能性があるという認識を包含する。
本明細書では、DR4および/またはDR5に結合する能力があるFab断片などの複数のDR4および/またはDR5抗原結合部分を含むナノケージを使用してDR4および/またはDR5を標的化するためのシステムが記載される。複数の態様では、Fc断片などの追加の生物活性部分もナノケージによって提示される。そのようなナノケージを使用する(例えば、癌の)処置方法も記載される。本明細書に開示されるシステムは、例えばナノケージ内のFab分子およびFc分子の数または比を制御することによって、ナノケージの結合および薬物動態学的特徴の調節を可能にする「マルタボディ」プラットフォームを使用する。ナノケージは、ナノケージ内に存在するモノマーと同じ数、例えばフェリチンの場合は24、のDR4および/またはDR5抗原結合部分および/または生物活性部分を含有することができる。複数の態様では、モノマーの一部または全部は、最大2倍の数のDR4および/またはDR5抗原結合部分および/または生物活性部分、例えばフェリチンの場合48、がナノケージを装飾することができるように分割される。DR4および/またはDR5を標的とするための本開示のシステムの特徴は、例えば、効力と、非癌細胞に対する毒性などの他の考慮事項とのバランスをとるために微調整することができる。
ここでは、マルタボディプラットフォームでDR4および/またはDR5を標的とするFabを多量体化すると、その独自の3回対称軸を通じて、細胞表面受容体DR4および/またはDR5を架橋する能力が向上することが実証される。結果として、マルタボディは、対応するIgGと比較して、癌細胞を殺傷するための細胞シグナル伝達を大幅に増強する。複数の態様では、マルタボディの効力の増加は、必ずしも1:1の比で増加するのではなく、価数の倍増は効力の倍増をもたらす。代わりに、効力は、複数の態様では少なくとも10倍、複数の態様ではそれ以上に相乗的に増大する。この操作された分子の治療可能性は、様々な癌細胞株を使用して実証された。
定義
別段の説明がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の属する当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。分子生物学の一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin、Genes V、published by Oxford University Press、1994(ISBN 0-19-854287-9);Kendrewら(eds.)、The Encyclopedia of Molecular Biology、published by Blackwell Science Ltd.、1994(ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A.Meyers(ed.)、Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference、published by VCH Publishers、Inc.、1995(ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料を本発明の試験の実施に使用することができるが、典型的な材料および方法を本明細書に記載する。本発明の説明および特許請求の範囲では、以下の用語が使用される。
本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書では、記載された態様の理解を助けるために、多くの特許出願、特許、および刊行物が参照される。これらの参考文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願の範囲を理解する上で、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、1またはそれを超える要素が存在することを意味することが意図されている。さらに、本明細書において、「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、記載された特徴、要素、成分、群、整数、および/またはステップの存在を特定するが、その他の記載されていない特徴、要素、成分、群、整数、および/またはステップの存在を排除しないオープンエンドの用語であることを意図している。上記は、「含む(including)」、「有する(having)」という用語およびそれらの派生語などの同様の意味を有する単語にも適用される。
特定の成分を「含む」と記載される任意の態様は、「からなる」または「から本質的になる」こともあり、「からなる」は、クローズドエンドまたは制限的な意味を有し、「から本質的になる」は、指定された成分を含むが、不純物として存在する材料、その成分を提供するために使用されるプロセスの結果として存在する不可避の材料、および本発明の技術的効果を達成すること以外の目的で追加される構成要素を除く、他の構成要素を除外することを意味することが理解されよう。例えば、「から本質的になる」という語句を使用して定義される組成物は、任意の既知の許容され得る添加剤、賦形剤、希釈剤、担体などを包含する。典型的には、一組の成分から本質的になる組成物は、5重量%未満、典型的には3重量%未満、より典型的には1%未満、さらにより典型的には0.1重量%未満の1または複数の非特定成分を含む。
本明細書において含められるとして定義された任意の成分は、但し書きまたは否定的限定により、特許請求される本発明から明示的に除外され得ることが理解されよう。例えば、いくつかの態様では、本明細書に記載のナノケージおよび/または融合タンパク質は、フェリチン重鎖を除外してもよく、かつ/あるいは鉄結合成分を除外してもよい。
さらに、本明細書に記載のすべての範囲は、明示的に述べられているか否かにかかわらず、範囲の終端および任意の中間範囲点も含む。
本明細書において使用される「実質的に」、「約」、および「およそ」などの程度についての用語は、最終結果が大きく変化しないような、修飾された用語の妥当な量の逸脱を意味する。これらの程度についての用語は、この偏差が修飾する単語の意味を否定しない場合、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を含むと解釈されるべきである。
略語の「例えば」は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書では非限定的な例を示すために使用される。したがって、「例えば」という略語は、「例えば」または「など」という用語と同義である。「または」という語は、文脈上明らかに他を示す場合を除き、「および」を含むことを意図している。
本明細書において使用される「対象」という用語は、動物界の任意のメンバー、典型的には哺乳動物を指す。「哺乳動物」という用語は、ヒト、他の高等霊長類、飼育動物および家畜、ならびに動物園、スポーツ、またはペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどを含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。典型的には、哺乳動物はヒトである。
「タンパク質ナノ粒子」、「ナノケージ」、および「マルタボディ」という用語は、本明細書では同義的に使用され、複数のナノケージモノマーから作られたタンパク質ベースの多面体形状の構造を指す。これらのナノケージモノマーまたはそのサブユニットはそれぞれ、タンパク質またはポリペプチド(例えば、グリコシル化ポリペプチド)、および、必要に応じて、核酸、補欠分子族、有機化合物および無機化合物の単一または複数の特徴で構成されている。タンパク質ナノ粒子の非限定的な例としては、フェリチンナノ粒子(例えば、参照により本明細書に組み込まれるZhang,Y.Int.J.Mol.Sci.,12:5406-5421,2011参照)、エンカプスリンナノ粒子(例えば、参照により本明細書に組み込まれるSutterら、Nature Struct、and Mol.Biol.、15:939-947、2008参照)、硫黄オキシゲナーゼレダクターゼ(SOR)ナノ粒子(例えば、参照により本明細書に組み込まれるUrichら、Science、311:996-1000、2006参照)、ルマジンシンターゼナノ粒子(例えば、Zhangら、J.Mol.Biol.、306:1099-1114、2001参照)またはピルビン酸デヒドロゲナーゼナノ粒子(例えば、参照により本明細書に組み込まれるIzardら、PNAS 96:1240-1245、1999参照)が挙げられる。フェリチン、アポフェリチン、エンカプスリン、SOR、ルマジンシンターゼ、およびピルビン酸デヒドロゲナーゼは、自己集合して、場合によってはそれぞれ24、60、24、60、および60個のタンパク質サブユニットからなる球状のタンパク質となるモノマータンパク質である。フェリチンおよびアポフェリチンは、一般に、本明細書において同義的に言及され、両方とも本明細書に記載の融合タンパク質、ナノケージおよび方法での使用に適していると理解される。カルボキシソーム、ヴォールトタンパク質、GroEL、熱ショックタンパク質、E2PおよびMS2コートタンパク質もまたナノケージを生成し、本明細書での使用が企図される。さらに、完全または部分的に合成された自己集合性モノマーも、本明細書での使用が企図される。
各ナノケージモノマーは、自己集合して機能性ナノケージモノマーとなる2またはそれを超えるサブユニットに分割され得ることが理解されよう。例えば、フェリチンまたはアポフェリチンは、N-およびC-サブユニット、例えば、全長フェリチンを実質的に半分に分割することによって得られるN-およびC-サブユニットに分割されてもよく、その結果、各サブユニットは、その後のナノケージモノマーおよびナノケージへの自己集合のために異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性部分(例えばFc断片)に別々に結合され得る。各サブユニットは、複数の態様では、両末端で同じまたは異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分および/または生物活性部分に結合することができる。「機能性ナノケージモノマーまたはそのサブユニット」とは、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットが、本明細書に記載の相補的なモノマーまたはサブユニットと自己集合してナノケージとなる能力があることを意図する。
「フェリチン」および「アポフェリチン」という用語は本明細書において同義的に使用され、一般に、典型的には24個のタンパク質サブユニットを含むフェリチン複合体に集合する能力があるポリペプチド(例えば、フェリチン鎖)を指す。フェリチンは任意の種に由来し得ることが理解されよう。典型的には、フェリチンはヒトフェリチンである。いくつかの実施形態では、フェリチンは野生型フェリチンである。例えば、フェリチンは、野生型ヒトフェリチンであってよい。いくつかの実施形態では、フェリチン軽鎖はナノケージモノマーとして使用され、かつ/またはフェリチン軽鎖のサブユニットはナノケージモノマーサブユニットとして使用される。いくつかの実施形態では、集合したナノケージは、フェリチン重鎖、または鉄に結合する能力がある他のフェリチン成分を含まない。
本明細書で使用される「多重特異性」という用語は、少なくとも2つの異なる結合パートナー、例えば抗原または受容体(例えば、Fc受容体)が結合することができる少なくとも2つの結合部位を有するという特徴を指す。例えば、少なくとも2つのFab断片を含み、2つのFab断片のそれぞれが異なる抗原に結合するナノケージは、「多重特異性」である。さらなる例として、Fc断片(Fc受容体に結合する能力がある)およびFab断片(抗原に結合する能力がある)を含むナノケージは、「多重特異性.」である。
本明細書で使用される「多価」という用語は、結合パートナー、例えば抗原または受容体(例えば、Fc受容体)が結合することができる少なくとも2つの結合部位を有するという特徴を指す。少なくとも2つの結合部位に結合することができる結合パートナーは、同じであっても異なっていてもよい。
「抗体」という用語は、当技術分野で「免疫グロブリン」(Ig)とも呼ばれ、対になった重および軽ポリペプチド鎖から構築されたタンパク質を指し、IgA、IgD、IgE、IgG、IgG、IgG、およびIgGなどのIgG、そしてIgMを含む様々なIgアイソタイプが存在する。抗体は、ヒト、マウス、ラット、サル、ラマ、またはサメを含む任意の種に由来し得ることが理解されよう。抗体が正しく折り畳まれると、各鎖は、より直鎖状のポリペプチド配列によって連結されたいくつかの異なる球状ドメインに折り畳まれる。例えば、IgGの場合、免疫グロブリン軽鎖は可変(V)および定常(CL)ドメインに折り畳まれ、重鎖は可変(V)ドメインと3つの定常(C、CH2、CH3)ドメインに折り畳まれる。重鎖および軽鎖可変ドメイン(VおよびV)の相互作用は、抗原結合領域(Fv)の形成をもたらす。各ドメインは、当業者によく知られている十分に確立された構造を有する。
軽鎖および重鎖の可変領域は、標的抗原の結合に関与しているため、抗体間で顕著な配列多様性を示す可能性がある。定常領域は、より少ない配列多様性を示し、いくつかの天然タンパク質に結合して重要な免疫学的事象を誘発する役割を果たす。抗体の可変領域は、分子の抗原結合決定基を含むため、その標的抗原に対する抗体の特異性が決定される。配列可変性の大部分は、各可変重鎖および軽鎖に3つずつある、6つの超可変領域で起こり、超可変領域は結合して抗原結合部位を形成し、抗原決定基の結合と認識に寄与する。その抗原に対する抗体の特異性および親和性は、超可変領域の構造、ならびにそれらが抗原に提示する表面のサイズ、形状および化学によって決定される。
本明細書で言及される「抗体断片」には、当技術分野で公知の任意の適切な抗原結合抗体断片が含まれ得る。抗体断片は、天然に存在する抗体断片であってもよいし、天然に存在する抗体を操作することによって、または組換え方法を使用することによって得られてもよい。例えば、抗体断片には、限定されないが、Fv、単鎖Fv(scFv;ペプチドリンカーに連結されたとVおよびVからなる分子)、Fc、単鎖Fc、Fab、単鎖Fab、F(ab’)、単一ドメイン抗体(sdAb;単一のVまたはVから構成される断片)、およびこれらのいずれかの多価提示が含まれ得る。本明細書で使用される場合、「抗原結合部分」とは、標的抗原に特異的に結合する抗体または抗体の一部を指す。
本明細書で使用される「合成抗体」という用語は、組換えDNA技術を使用して生成される抗体を意味する。この用語はまた、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成されており、そのDNA分子が抗体タンパク質、またはその抗体を特定するアミノ酸配列を発現する抗体を意味すると解釈されるべきであり、ここでDNAまたはアミノ酸配列は、当技術分野で利用可能であり周知である合成DNAまたはアミノ酸配列技術を使用して得られたものである。
「エピトープ」という用語は、抗原決定基を指す。エピトープは、抗原性の、すなわち特異的免疫応答を誘発する、分子上の特定の化学基またはペプチド配列である。抗体は、例えばポリペプチド上の特定の抗原性エピトープに特異的に結合する。エピトープは、タンパク質の三次フォールディングによって並置された隣接アミノ酸または非隣接アミノ酸の両方から形成することができる。隣接するアミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には変性溶媒に曝されても保持されるが、三次フォールディングによって形成されたエピトープは、典型的には変性溶媒で処置すると失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、約9個、約11個、または約8~約12個のアミノ酸を特有の空間的立体構造に含む。エピトープの空間的立体構造を決定する方法には、例えば、X線結晶解析および2次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、“Epitope Mapping Protocols” in Methods in Molecular Biology、Vol.66、Glenn E.Morris、Ed(1996)を参照されたい。
本明細書において使用される用語「抗原」は、免疫応答を誘発する分子と定義される。この免疫応答には、抗体産生、または特定の免疫学的に適格な細胞の活性化、またはその両方のいずれかが含まれ得る。実質的にすべてのタンパク質またはペプチドを含むどんな高分子も抗原として働くことができることを当業者は理解するであろう。さらに、抗原は、組換えDNAまたはゲノムDNAに由来し得る。免疫応答を誘発するタンパク質をコードするヌクレオチド配列または部分ヌクレオチド配列を含む任意のDNAが、そのため、その用語が本明細書において使用される「抗原」をコードすることを当業者は理解するであろう。さらに、抗原が遺伝子の全長ヌクレオチド配列によってのみコードされる必要がないことを当業者は理解するであろう。本明細書に記載の態様には、限定されるものではないが、複数の遺伝子の部分ヌクレオチド配列の使用が含まれることと、これらのヌクレオチド配列が、所望の免疫応答を誘発するために様々な組み合わせで配置され得ることは容易に明らかである。さらに、抗原が「遺伝子」によってコードされる必要が全くないことを当業者は理解するであろう。抗原を合成することができること、または生体試料に由来し得ることは容易に明らかである。そのような生体試料としては、限定されるものではないが、組織試料、細胞、または生物学的流体を挙げることができる。
「コード化」とは、定義されたヌクレオチド配列(例えば、rRNA、tRNA、およびmRNA)または定義されたアミノ酸配列のいずれかを有する生物学的プロセスにおいて、他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として機能する、遺伝子、cDNAまたはmRNAなどのポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定の配列の固有の特性、ならびにそれらから生じる生物学的特性を指す。したがって、遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が細胞または他の生物学的系においてタンパク質を生成する場合に、その遺伝子はタンパク質をコードする。そのヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、通常は配列リストに提供されているコード鎖と、遺伝子またはcDNAの転写の鋳型として使用される非コード鎖の両方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の産物をコードしていると呼ぶことができる。
本明細書で使用される「発現」という用語は、そのプロモーターによって駆動される特定のヌクレオチド配列の転写および/または翻訳として定義される。
「単離された」とは、自然状態から変更または除去されることを意味する。例えば、生きた動物に自然に存在する核酸またはペプチドは「単離された」ものではないが、同じ核酸またはペプチドがその天然状態の共存物質から部分的または完全に分離されたものは「単離された」ものである。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することもでき、例えば宿主細胞などの非天然環境に存在することもできる。
特に明記しない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いの縮重バージョンであって、同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列が含まれる。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列という語句には、そのタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、いくつかのバージョンでは1または複数のイントロンを含むことがある程度に、イントロンが含まれることもある。
本明細書で使用される「調節する」という用語は、処置または化合物の非存在下での対象における応答のレベルと比較して、かつ/または他の点では同一であるが未処置の対象における応答のレベルと比較して、対象における応答のレベルの検出可能な増加または減少を媒介することを意味する。この用語は、天然のシグナルまたは応答に撹乱および/または影響を与え、それによって対象、典型的にはヒトにおいて有益な治療応答を媒介することを包含する。
「作動可能に連結された」という用語は、調節配列と異種核酸配列との間の機能的連結を指し、後者の発現をもたらす。例えば、第1の核酸配列は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係に置かれるとき、第2の核酸配列と作動可能に連結される。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結される。一般に、作動可能に連結されたDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コード領域を連結する必要がある場合には、同じ読み枠内にある。
組成物の「非経口」投与には、例えば、皮下(s.c.)、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、または胸骨内注射、または注入の技術が含まれる。吸入および鼻腔内投与も含まれる。
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドの鎖として定義される。さらに、核酸はヌクレオチドの重合体である。したがって、本明細書で使用される核酸およびポリヌクレオチドは互いに交換可能である。当業者は、核酸がポリヌクレオチドであり、加水分解されてモノマーの「ヌクレオチド」になり得るという一般的知識を有する。モノマーのヌクレオチドは、ヌクレオシドに加水分解することができる。本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドには、限定するものではないが、組換え手段、すなわち、通常のクローニング技術およびPCRなどを使用した組換えライブラリーまたは細胞ゲノムからの核酸配列のクローニングを含むがこれらに限定されない当技術分野で利用可能な任意の手段によって、および合成手段によって得られるすべての核酸配列が含まれる。
本明細書において、「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」という用語は同義的に使用され、ペプチド結合によって共有結合されたアミノ酸残基からなる化合物を指す。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含んでいる必要があり、タンパク質またはペプチドの配列を構成することができるアミノ酸の最大数には制限がない。ポリペプチドには、ペプチド結合によって互いに結合された2またはそれを超えるアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質が含まれる。本明細書において、この用語は、例えば、当技術分野で一般にペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも呼ばれる短い鎖と、当技術分野で一般に多くの種類があるタンパク質と呼ばれる長い鎖の両方を指す。「ポリペプチド」には、例えば、生物活性断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドの変異体、修飾ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が特に含まれる。ポリペプチドには、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、またはそれらの組み合わせが含まれる。
本明細書において抗体に関して使用される「特異的に結合する」という用語は、特定の抗原を認識するが、試料中の他の分子を実質的に認識または結合しない抗体を意味する。例えば、1つの種からの抗原に特異的に結合する抗体は、1またはそれを超える種からのその抗原にも結合することがある。しかし、そのような交差種反応性は、それ自体で抗体の特異的な分類を変更しない。別の例では、抗原に特異的に結合する抗体は、その抗原の異なる対立遺伝子型にも結合することがある。しかし、そのような交差反応性は、それ自体で抗体の特異的な分類を変更しない。いくつかの例では、「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、抗体、タンパク質、またはペプチドと第2の化学種との相互作用に関して使用することができ、相互作用が化学種上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味する。例えば、抗体は、一般にタンパク質ではなく特定のタンパク質構造を認識して結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」と抗体を含む反応において、エピトープA(または非標識の遊離A)を含む分子が存在すると、抗体に結合する標識されたAの量が減少する。
本明細書で使用される場合、症状を「処置する」または症状(例えば、癌などの本明細書に記載の症状)の「処置」は、臨床結果などの有益または望ましい結果を得るためのアプローチである。有益または望ましい結果には、限定されるものではないが、1またはそれを超える症候または症状の軽減または寛解;疾患、障害、または症状の程度の減少;疾患、障害、または症状の安定した(すなわち、悪化していない)状態;疾患、障害、または症状の拡散の防止;疾患、障害、または症状の進行の遅延または緩徐化;疾患、障害、または症状の寛解または緩和;および検出可能か検出不能かにかかわらず、軽快(部分的または全体的)、が含まれ得る。疾患、障害、または症状を「緩和すること」とは、処置がない場合の程度または時間経過と比較して、疾患、障害、または症状の程度および/または望ましくない臨床徴候が軽減されること、および/または進行の時間経過が遅くなるかまたは長くなることを意味する。本明細書で使用される場合、「予防(prevention)」または「予防(prophylaxis)」という用語は、疾患または障害、例えば癌を獲得または発症するリスクの減少、あるいは疾患または障害、例えば癌の再発の減少または阻害を指す。したがって、DR4および/またはDR5の治療用または予防用組成物は、本明細書に記載の集合したナノケージ、または集合してナノケージとなる能力がある本明細書に記載の融合タンパク質を含む組成物を指し、対象に投与された場合、癌などのDR4および/またはDR5が関与する疾患および/または症状を処置および/または予防する能力がある。
「治療有効量」、「有効量」または「十分な量」という用語は、哺乳動物、例えばヒトを含む対象に投与された場合に、所望の結果を達成するのに十分な量、例えば細胞死(例えば、癌細胞死)を引き起こすのに有効な量を意味する。本明細書に記載の化合物の有効量は、分子、対象の年齢、性別、種および体重などの要因に応じて変化し得る。当業者に理解されるように、投与量または処置計画は、最適な治療応答が得られるように調整することができる。例えば、治療有効量の本明細書に記載の融合タンパク質の投与は、複数の態様では、癌を処置および/または予防するのに十分である。さらに、治療有効量を用いた対象の処置計画は、単回投与で構成されていてもよいし、あるいは一連の適用からなっていてもよい。処置期間の頻度および長さは、分子、対象の年齢、薬剤の濃度、薬剤に対する患者の応答性、またはそれらの組み合わせなどの様々な要因に依存する。処置に使用される薬剤の有効投与量は、特定の処置計画の経過にわたって増加または減少することがあることも理解されよう。投与量の変化は、当技術分野で公知の標準的な診断アッセイによって生じ、明らかになる場合がある。本明細書に記載の融合タンパク質は、複数の態様において、問題となっている疾患または障害に対する従来の治療法による処置前、処置中または処置後に投与される場合がある。例えば、本明細書に記載の融合タンパク質は、従来の癌の処置と組み合わせて特定の用途を見出す可能性がある。
本明細書で使用される「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外因性核酸でトランスフェクト、形質転換または形質導入された細胞である。細胞には、初代対象細胞とその子孫が含まれる。
「転写制御下」または「作動可能に連結された」という語句は、本明細書で使用される場合、プロモーターが、RNAポリメラーゼによる転写の開始およびポリヌクレオチドの発現を制御するために、ポリヌクレオチドに対して正しい位置および配向にあることを意味する。
「ベクター」は、単離された核酸を含み、単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用され得る物質の組成物である。多数のベクターが当技術分野で公知であり、それには、限定されるものではないが、線状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性化合物と会合しているポリヌクレオチド、プラスミド、およびウイルスが含まれる。したがって、「ベクター」という用語には、自己複製プラスミドまたはウイルスが含まれる。この用語はまた、細胞への核酸の移入を促進する非プラスミドおよび非ウイルス化合物、例えば、ポリリジン化合物、リポソームなどを含むものと解釈されるべきである。ウイルスベクターの例としては、限定されないが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられる。
1またはそれを超えるさらなる治療薬と「組み合わせて」の投与には、同時(simultaneous)(同時(concurrent))投与および任意の順序での連続投与が含まれる。
「薬学的に許容され得る」という用語は、化合物または化合物の組み合わせが医薬用途の製剤の残りの成分と適合性があり、米国食品医薬品局によって公布されたものを含む確立された政府基準に従ってヒトに投与するのに一般に安全であることを意味する。
「薬学的に許容され得る担体」という用語は、限定されないが、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤および/または吸収遅延剤などを含む。薬学的に許容され得る担体の使用は周知である。
「変異体」は、比較配列内の1またはそれを超えるアミノ酸残基の挿入、欠失、修飾および/または置換によって比較配列とは異なるアミノ酸配列を有する生物学的に活性な融合タンパク質、抗体またはそれらの断片である。変異体は、一般に、比較配列と100%未満の配列同一性を有する。しかしながら、通常、生物学的に活性な変異体は、比較配列と少なくとも約70%のアミノ酸配列同一性、例えば少なくとも約71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するであろう。変異体は、比較配列の生物学的活性のある程度のレベルを保持する少なくとも10アミノ酸のペプチド断片を含む。変異体にはまた、比較配列のN末端またはC末端に、または比較配列内に1またはそれを超えるアミノ酸残基が付加されたポリペプチドも含まれる。変異体にはまた、多数のアミノ酸残基が欠失されている、および/または必要に応じて1またはそれを超えるアミノ酸残基で置換されているポリペプチドも含まれる。変異体はまた、例えば天然に存在するアミノ酸以外の部分による置換によって、またはアミノ酸残基を修飾して天然に存在しないアミノ酸を生成することによって、共有結合的に修飾されてもよい。
「アミノ酸配列同一性パーセント」は、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して、最大パーセントの配列同一性を達成した後の本発明のポリペプチドなどの目的配列中の残基と同一の候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、どんな保存的置換も配列同一性の一部として考慮されない。候補配列へのN末端、C末端または内部伸長、欠失または挿入はいずれも、配列同一性または相同性に影響を及ぼすと解釈されるべきではない。アライメントのための方法およびコンピュータプログラムは、「BLAST」など、当技術分野で周知である。
本明細書の目的において「活性な」または「活性」は、本明細書に記載の融合タンパク質の生物学的および/または免疫学的活性を指し、「生物学的」活性は、融合タンパク質によって引き起こされる生物学的機能(阻害または刺激のいずれか)を指す。
本明細書に記載の融合タンパク質には、修飾が含まれていてもよい。そのような修飾としては、限定されないが、エフェクター分子へのコンジュゲーションが挙げられる。修飾にはさらに、限定されないが、検出可能なレポーター部分へのコンジュゲーションが含まれる。半減期を延長する修飾(例えば、ペグ化)も含まれる。脱免疫化のための修飾も含まれる。タンパク質および非タンパク質剤は、当技術分野で公知の方法によって融合タンパク質にコンジュゲートさせることができる。コンジュゲーション方法には、直接連結、共有結合したリンカーを介した連結、および特異的結合対メンバー(例えば、アビジン-ビオチン)が含まれる。そのような方法としては、例えば、参照により本明細書に組み込まれるGreenfieldら、Cancer Research 50、6600-6607(1990)により記載される方法、およびAmonら、Adv.Exp.Med.Biol.303、79-90(1991)およびKiselevaら、MoI.Biol.(USSR)25、508-514(1991)により記載される方法が挙げられ、これらの両方は参照により本明細書に組み込まれる。
融合タンパク質
本明細書では融合タンパク質について説明される。融合タンパク質は、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結されたナノケージモノマーまたはそのサブユニットを含む。複数の融合タンパク質は、自己集合してナノケージを形成することができる。このようにして、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、集合したナノケージの内部表面、集合したナノケージの外部表面、またはその両方を装飾することができる。いくつかの実施形態では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、集合したナノケージの外部表面を装飾する。
DR4および/またはDR5抗原結合部分は、典型的には、DR4および/またはDR5に結合する抗体またはその断片である。DR4および/またはDR5抗原結合部分は、DR4および/またはDR5受容体の任意の部分を標的とすることができるが、典型的には外部ドメインを標的とする。
抗体またはその断片は、例えば、Fab断片の重鎖および/または軽鎖を含んでいてもよいし、それらで構成されていてもよいことが理解されよう。抗体またはその断片は、例えば、scFab断片、scFv断片、sdAb断片、ナノボディおよび/またはVHH領域を含んでいてもよいし、それらで構成されていてもよい。本明細書に記載の融合タンパク質には、任意の抗体またはその断片が使用されてよいことが理解されよう。
一般に、本明細書に記載の融合タンパク質は、Fab軽鎖および/または重鎖と会合しており、Fab軽鎖および/または重鎖は、融合タンパク質とは別個にまたは近接して産生され得る。
いくつかの態様では、融合タンパク質はDR4抗原結合部分を含む。DR4抗原結合部分は、例えば、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45、および/または46/47の抗原結合部分を含むことができる。
いくつかの態様では、融合タンパク質はDR5抗原結合部分を含む。DR5抗原結合部分は、例えば、ティガツズマブ、コナツムマブ、ドロジツマブ、および/またはレクサツムマブの抗原結合部分を含むことができる。いくつかの場合、これらの抗原結合部分は、本明細書では交換可能に、例えば、コナツムマブ、コナまたはコナツムマブIgGと呼ばれる。
特定の態様では、本明細書に記載のナノケージモノマーは、DR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性動機(motive)(例えばFc断片)に連結された第1のナノケージモノマーサブユニットを含む。第1のナノケージモノマーサブユニットは、第2のナノケージモノマーサブユニットと自己集合して完全なナノケージモノマーを形成する能力があり、その複数が自己集合してナノケージを形成するので、複数のDR4および/またはDR5抗原結合部分または他の部分が1つのナノケージに自己集合することが可能になる。それぞれの異なる成分の量は、遺伝子と発現の比を制御することによって制御される。これらのナノケージモノマーサブユニットは、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
例えば、DR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性部分(例えば、Fc断片)は、分割されたアポフェリチンモノマー(N-またはC-サブユニット、それぞれ、典型的には、全長アポフェリチンモノマーの約半分である)に連結され得る。DR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性部分(例えばFc断片)に融合した各サブユニットは、自己集合してアポフェリチンモノマーとなり、次に、他のアポフェリチンモノマー(完全なアポフェリチンまたはN-およびC-サブユニットから形成される集合したアポフェリチンのいずれか)と自己集合してナノケージを形成する。
複数の態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性部分(例えばFc断片)は、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットのN末端またはC末端で連結される。複数の態様では、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットのN末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分が存在し、第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は同じまたは異なっている。
例えば、複数の態様では、融合タンパク質はナノケージモノマーを含み、DR4および/またはDR5抗原結合部分はナノケージモノマーのN末端で連結されている。他の態様では、融合タンパク質は、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結された第1のナノケージモノマーサブユニットを含み、第1のナノケージモノマーサブユニットは、第2のナノケージモノマーサブユニットと自己集合して前記ナノケージモノマーを形成する能力がある。他の態様では、DR4および/またはDR5抗原結合部分は、第1のナノケージモノマーサブユニットのN末端またはC末端に連結されている、あるいは、第1のナノケージモノマーサブユニットの、N末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分が存在する。理解されるように、第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は、同じであっても異なっていてもよい。
本明細書に記載の第1のナノケージモノマーサブユニットは、複数の態様では、第2のナノケージモノマーサブユニットと組み合わせて提供され、これとともに、第1のナノケージモノマーサブユニットは自己集合する能力がある。第2のナノケージモノマーサブユニットは、融合タンパク質であってもなくてもよい。いくつかの態様では、第2のナノケージモノマーサブユニットは、Fc断片などの生物活性部分に連結されており、必要に応じてFc断片はIgG1 Fcである。
例えば、いくつかの態様では、融合タンパク質は、DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結された第1のナノケージモノマーサブユニットを含む。使用時に、第1のナノケージモノマーサブユニットは、第2のナノケージモノマーサブユニットと自己集合してナノケージモノマーを形成する。上記のように、複数のナノケージモノマーは自己集合してナノケージを形成する。ナノケージモノマーサブユニットは、単独でまたは組み合わせて提供されてもよく、それに融合された同じまたは異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分、または本明細書に記載の別の生物活性部分を有していてもよい。
本明細書に記載のナノケージモノマーおよび/またはナノケージモノマーサブユニットから作製されたナノケージは、1またはそれを超えるDR4および/またはDR5抗原結合部分に加えて含まれる生物活性部分を有し得る。生物活性部分は、融合タンパク質の一部であり得る任意の部分であってよく、典型的にはタンパク質である。典型的には、生物活性部分は、抗体またはその断片、抗原、検出可能部分、医薬品、診断薬、またはそれらの組み合わせを含む。
例えば、生物活性部分は、Fc断片の一方または両方の鎖を含み得る。Fc断片の1本の鎖のみを含む融合タンパク質を作製する場合、ナノケージの自己集合は、典型的には、機能性Fc断片の集合体をもたらす。Fc断片の両方の鎖を融合する場合、両方の鎖は、典型的には、柔軟なリンカーを介して連結され、Fc断片のフォールディングを可能にする。
Fc断片は、理解されるように任意のタイプの抗体に由来し得るが、典型的にはIgG1 Fc断片である。Fc断片は、融合タンパク質および/または融合タンパク質を含む結果として得られる集合したナノケージの半減期および/またはエフェクター機能を調節する1またはそれを超える変異をさらに含んでいてもよい。例えば、Fc断片は、1またはそれを超えるL234、L235、G236、G237、M252、I253、S254、T256、P329、A330、M428、N434、またはそれらの組み合わせ(ナンバリングはEUインデックスに従う)に変異を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、Fc断片は、L234A、L235A、M252Y、I253A、S254T、T256E、P329G、M428L、またはN434Sの変異、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、M428LおよびN434S(「LS」);M252Y、S254TおよびT256E(「YTE」);L234AおよびL235A(「LALA」);I253A、および/またはL234A、L235A、およびP329G(「LALAP」)、G236R、G237A、A330Lまたはその組み合わせなどの変異のセットを含む。例えば、本明細書に記載されるような1またはそれを超える変異を含むFc断片の半減期は、数分、数日、数週、または数ヶ月のスケールであり得る。
さらに、本明細書に記載の融合タンパク質およびナノケージにおける他の置換は、バイオアベイラビリティの変化を可能にする、Fc配列の修飾および他の薬剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ヒト血清アルブミンペプチド配列、ならびにヒト血清アルブミンを標的とするFabおよび/またはナノボディなどの抗体)の添加を含めて企図され、当業者には理解されるであろう。さらに、本明細書に記載の融合タンパク質およびナノケージは、配列において、または他の薬剤の添加によって、免疫原性および抗薬物応答を弱めるように調節することができる(治療薬、例えば、宿主との配列のマッチング、または免疫抑制療法の追加[例えば、FVIIIに対するインヒビターの発生を低下させる主要な戦略である、関節リウマチの処置または新生児寛容の誘導のためにインフリキシマブを投与する際のメトトレキサートなど(総説:DiMichele DM,Hoots WK,Pipe SW,Rivard GE,Santagostino E.International workshop on immune tolerance induction:consensus recommendations.Haemophilia.2007;13:1-22、全体が参照によりその本明細書に組み込まれる])。
抗体またはその断片が2本の鎖、例えばFc断片の場合は第1の鎖と第2の鎖、または重鎖および軽鎖を含む場合、これらの2本の鎖は必要に応じてリンカーによって分離される。リンカーは、可撓性であっても剛性であってもよいが、典型的には、鎖を適切に折り畳むことができるように可撓性である。リンカーは、一般に、融合タンパク質にある程度の柔軟性を付与するのに十分な長さであるが、リンカーの長さは、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットおよび生物活性部分の配列および融合タンパク質の三次元立体構造に応じて変化することが理解されよう。したがって、リンカーは、典型的には、約1~約130アミノ酸残基、例えば約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、または125から、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、または130アミノ酸残基、例えば約50~約90アミノ酸残基、例えば70アミノ酸残基である。
リンカーは、任意のアミノ酸配列であってよく、1つの典型的な例では、リンカーは、一連のGおよびSアミノ酸、例えば一連のGSリピート、GGSリピート、GGGSリピート、および/またはGGGGSリピートなどを含む。典型的には、リンカーはGGGGSおよび/またはGGGSリピートを含み、より典型的には、リンカーは少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のGGGSおよび/またはGGGGSリピート、例えば約5個のGGGSリピートおよび/または約14個のGGGGSリピートを含む。特定の態様では、リンカーは、以下と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる:
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS。
典型的な態様では、抗体またはその断片は、DR4および/またはDR5に関連する抗原に特異的に結合する。典型的には、抗原は、DR4および/またはDR5の外部ドメインと会合する。
特定の例では、抗体またはその断片は、1またはそれを超える以下の配列と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むかまたはそれからなる:
Fc鎖1:
Fc鎖2:
コナツムマブ軽鎖:
コナツムマブFab重鎖:
またはそれらの組み合わせ。
さらなる態様では、融合タンパク質は、検出可能部分(例えば、小分子、蛍光分子、放射性同位体、または磁性粒子)、医薬品、診断薬、またはそれらの組み合わせなどのさらなる部分にコンジュゲートまたは会合し、例えば、抗体-薬物複合体を含み得る。
さらなる部分が検出可能な部分である態様では、検出可能な部分は、GFP、EGFP、アメトリンなどの蛍光タンパク質、および/またはiLOVなどのLOVタンパク質などのフラビン系蛍光タンパク質を含み得る。
さらなる部分が医薬品である態様では、医薬品は、例えば、小分子、ペプチド、脂質、炭水化物、または毒素を含み得る。
典型的な態様では、本明細書に記載の融合タンパク質から構築されたナノケージは、約3~約100個のナノケージモノマーを含み、その一部、または全部は、2つの部分に分かれたナノケージモノマーサブユニット、例えば約3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、55、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、または98個から約4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、55、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、または100個のナノケージモノマー、例えば24、32、または60個のモノマーとして提供されることができるかまたはどれも提供されない。ナノケージモノマーまたはそのサブユニットは、天然、合成、または部分的に合成された、任意の公知のナノケージモノマーであってよく、複数の態様では、フェリチン、アポフェリチン、エンカプスリン、SOR、ルマジンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、カルボキシソーム、ヴォールトタンパク質、GroEL、熱ショックタンパク質、E2P、MS2コートタンパク質、それらの断片、およびそれらの変異体から選択される。典型的には、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットは、フェリチンまたはアポフェリチンまたはそのサブユニットである。
アポフェリチンがナノケージモノマーとして選択され、ナノケージモノマーがサブユニットで提供されるように選択される場合、典型的には、第1および第2のナノケージモノマーサブユニットは、アポフェリチンの「N」領域および「C」領域を交換可能に含む。他のナノケージモノマーは、本明細書に記載のアポフェリチンとよく似た、2つの部分に分かれたサブユニットに分割することができるため、これらのサブユニットが自己集合し、それぞれ生物活性部分と融合しやすいことが理解されよう。
典型的には、アポフェリチンの「N」領域は、
MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEW
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
典型的には、アポフェリチンの「C」領域は、
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる。
複数の態様では、本明細書に記載の融合タンパク質は、上記のリンカーと同様に、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットとDR4および/またはDR5抗原結合部分との間にリンカーをさらに含む。この場合も、リンカーは可撓性または剛性であってよいが、生物活性部分が活性を保持することを可能にし、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットが自己集合特性を保持することを可能にするために、典型的には可撓性である。リンカーは、一般に、融合タンパク質にある程度の柔軟性を付与するのに十分な長さであるが、リンカーの長さは、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットおよびDR4および/またはDR5の配列および融合タンパク質の三次元立体構造に応じて変化することが理解されよう。したがって、リンカーは、典型的には、約1~約30アミノ酸残基、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29から、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸残基、例えば約8~約16アミノ酸残基、例えば8、10、または12アミノ酸残基である。
リンカーは、任意のアミノ酸配列であってよく、1つの典型的な例では、リンカーは、一連のGおよびSアミノ酸、例えば一連のGSリピート、GGSリピート、GGGSリピート、および/またはGGGGSリピートなどを含む。典型的には、リンカーはGGGGSおよび/またはGGGSリピートを含み、より典型的には、リンカーは少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のGGGSおよび/またはGGGGSリピート、例えば約5個のGGGSリピートおよび/または約14個のGGGGSリピートを含む。特定の態様では、リンカーは、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGG
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる
同様に、融合タンパク質は、融合タンパク質の1またはそれを超える属性を改善するためのC末端リンカーをさらに含んでよい。複数の態様では、C末端リンカーは、上記のリンカーと同様に、一連のGおよびSアミノ酸、例えば一連のGSリピート、GGSリピート、GGGSリピート、および/またはGGGGSリピートなどを典型的に含む。典型的には、リンカーはGGSリピートを含み、より典型的には、リンカーは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のGGSリピート、例えば約8個のGGSリピートを含む。特定の態様では、C末端リンカーは、
GGSGGSGGSGGSGGGSGGSGGSGGSG
と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる
また、本明細書には、上記の融合タンパク質の対が記載され、各対は自己集合してナノケージモノマーを形成し、ここで、第1および第2のナノケージモノマーサブユニットは、本明細書に記載されるように、異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分および/または他の生物活性部分に融合されている。これにより、一対のサブユニットから構築された単一のナノケージモノマーに多価性および/または多重特異性がもたらされる。
ナノケージ
また、本明細書には、本明細書に開始される少なくとも1つの融合タンパク質を含むナノケージが開示され、ナノケージは、少なくとも1つの融合タンパク質と、1または複数の追加の融合タンパク質および/または1または複数のナノケージモノマーまたはそれらのサブユニット、例えば1または複数のフェリチン鎖(例えば、ヒトフェリチン軽鎖)から自己集合する。
また、本明細書には、本明細書に記載の少なくとも1つの融合タンパク質と、融合タンパク質と自己集合してナノケージを形成する少なくとも1つのナノケージモノマーまたはそのサブユニットとを含むナノケージも記載されている。さらに、融合タンパク質の対が本明細書に記載されており、この対は自己集合してナノケージモノマーを形成し、ここで第1および第2のナノケージモノマーサブユニットは異なる生物活性部分に融合されている。
ナノケージは、複数の同一の融合タンパク質、複数の異なる融合タンパク質(したがって、多価および/または多重特異性である)、融合タンパク質と野生型タンパク質との組み合わせ、およびそれらの任意の組み合わせから自己集合し得ることができることが理解されよう。例えば、ナノケージは、少なくとも1つの抗DR4および/またはDR5抗体と組み合わせて、本明細書に記載の少なくとも1つの融合タンパク質で内部および/または外部を装飾することができる。一部の態様では、少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分と少なくとも1つのFc断片がナノケージの外部表面を装飾する。一部の態様では、少なくとも2つのDR4および/またはDR5抗原結合部分と少なくとも2つのFc断片がナノケージの外部表面を装飾する。
典型的な態様では、約20%~約80%のナノケージモノマーまたはそのサブユニットが、本明細書に記載の融合タンパク質を含む。本明細書に記載のモジュラー・ソリューションを考慮すると、各ナノケージモノマーは2つのサブユニットに分割することができ、各サブユニットは独立して異なる生物活性部分に結合することができるため、ナノケージは、理論上、ナノケージ内に存在するモノマーの数の最大2倍の生物活性部分を含むことができる。このモジュール性を利用して、本明細書に具体例として記載されているように、4:2:1:1の比の4つの異なる生物活性部分の任意の所望の比を達成することができることが理解されよう。
一部の例では、本明細書に記載のナノケージは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48またはそれを超える、DR4および/またはDR5抗原結合部分の同一または実質的に同一または機能的に等価なコピーを含み得る。追加または代替例では、本明細書に記載のナノケージは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48またはそれを超える、Fc断片などの生物活性部分の同一または実質的に同一または機能的に等価なコピーを含み得る。追加または代替例では、本明細書に記載のナノケージは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48個の異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分および/または他の生物活性部分を含み得る。このようにして、ナノケージは多価および/または多重特異性であり得、この程度は本明細書に記載のシステムで比較的容易に制御することができる。いくつかの実施形態では、ナノケージは多価であり、かつ多重特異性である。
いくつかの態様では、本明細書に記載のナノケージは、ナノケージモノマーサブユニットに連結されているものとして本明細書に記載される生物活性部分と同じであっても異なっていてもよい、必要に応じて生物活性部分に任意に融合された、少なくとも1つのナノケージモノマー全体をさらに含み得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載のナノケージは、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットに融合した異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分をそれぞれ含む第1および第2の融合タンパク質と、必要に応じて、ナノケージモノマーまたはそのサブユニットに融合したFc断片などの生物活性部分を含む第3の融合タンパク質とを含む。
いくつかの実施形態では、第1、第2および第3の融合タンパク質はそれぞれ、N-またはC-ハーフフェリチンに融合されたDR4および/またはDR5抗原結合部分または生物活性部分またはその一部を含み、ここで、少なくとも1つの第1、第2および第3の融合タンパク質はN-ハーフフェリチンに融合され、少なくとも1つの第1、第2および第3の融合タンパク質はC-ハーフフェリチンに融合されている。
いくつかの態様では、第1および第2の融合タンパク質は、完全なアポフェリチンに融合したDR4および/またはDR5抗原結合部分をそれぞれ含む。同様に、いくつかの実施形態では、第3のタンパク質は、完全なアポフェリチンに融合した生物活性部分を含む。完全なナノケージモノマーとナノケージモノマーのサブユニットの組み合わせが、本明細書に記載のモジュール型ナノケージに使用されることが企図されることが理解されよう。
タンパク質は任意の数または比の融合タンパク質を含むことができるが、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノケージは、以下の3つのタンパク質を、必要に応じて4:1:1の比で含む:
a.第1の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合した、コナツムマブ、ティガツズマブ、ドロジツマブ、レクサツムマブ、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45または46/47のDR4および/またはDR5抗原結合部分、例えばFab、例えば単鎖Fab(scFab)断片;
b.第2の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合したFc断片(必要に応じて単鎖Fc(scFc)断片);
c.第3のヒトフェリチン軽鎖。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノケージは、以下の3つのタンパク質を、必要に応じて2:1:1の比で含む:
a.第1の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合した、コナツムマブ、ティガツズマブ、ドロジツマブ、レクサツムマブ、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45または46/47の第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分、例えばFab断片;
b.ヒトフェリチン軽鎖のC-ハーフに融合したFc断片(必要に応じて単鎖Fc(scFc)断片)。
c.ヒトフェリチン軽鎖のN-ハーフに融合したコナツムマブ、ティガツズマブ、ドロジツマブ、レクサツムマブ、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45または46/47の第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分、例えばFab、例えば単鎖Fab(scFab)断片。いくつかの実施形態では、第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は、第1のDR4および/またはDR5部分と同じである。いくつかの実施形態では、第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分は、第1のDR4および/またはDR5部分とは異なる。
複数の態様では、本明細書に記載のナノケージは、1またはそれを超える以下の配列と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むかまたはこれからなり、ここで、フェリチンサブユニットは太字であり、リンカーには下線が引かれている。これらの場合のそれぞれにおいて、完全なフェリチンモノマーが示されている(
)が、N-もしくはC-フェリチンまたは別のモノマーもしくはその一部がその代わりに使用され得ることが理解されよう(N-フェリチンの場合
、C-フェリチンの場合
)。
コナツムマブ-hFerr:
ティガツズマブ-hFerr
レクサツムマブ-hFerr
ドロジツマブ-hFerr
CM005G08-hFerr
CM059H03-hFerr
CM084A02-hFerr
T1014A04-hFerr
T1014G03-hFerr
T1014A02-hFerr
T1014A12-hFerr
T1014B01-hFerr
T1014Bll-hFerr
T1014F08-hFerr
T1014G04-hFerr
T1015A02-hFerr
T1015A07-hFerr
T1006F07-hFerr
42/43-hFerr
44/45-hFerr
46/47-hFerr
Fc-hFerr LALAP I253A
hFerr
また、ナノケージを含む組成物、例えば治療用または予防用組成物なども本明細書に記載される。癌を処置および/または予防するための関連する方法および使用も記載され、この方法または使用は、本明細書に記載のナノケージまたは組成物をそれを必要とする対象に投与することを含む。
複数の態様では、ナノケージは、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約0.1μg/ml未満、約0.01μg/ml未満、または約0.001μg/ml未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。複数の態様では、ナノケージは、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約10pM未満、約5pM未満、約2pM未満、約1pM未満、約0.5pM未満、約0.4pM未満、約0.35pM未満、約0.25pM未満、約0.2pM未満(les than)、約0.15pM未満、約0.1pM未満、または約0.05pM未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。
追加または代替の態様では、ナノケージは、参照分子、例えば、対応するIgGのIC50値よりも少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約2,000倍、少なくとも約5,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約15,000倍、少なくとも約20,000倍、少なくとも約50,000倍、少なくとも約75,000倍、少なくとも約100,000倍、少なくとも約150,000倍、少なくとも約200,000倍、少なくとも約250,000倍、少なくとも約300,00倍、または少なくとも約400,000倍低いIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある。言い換えれば、ナノケージは、質量および/またはモルベースで、参照分子、例えば対応するIgGよりも少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約2,000倍、少なくとも約5,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約15,000倍、少なくとも約20,000倍、少なくとも約50,000倍、少なくとも約75,000倍、少なくとも約100,000倍、少なくとも約150,000倍、少なくとも約200,000倍、少なくとも約250,000倍、または少なくとも約400,000倍強力である。
本明細書に記載のポリペプチドと実質的に同一のポリペプチドも企図されることは理解されよう。実質的に同一の配列は、1またはそれを超える保存的アミノ酸変異を含んでいてもよい。参照配列に対する1またはそれを超える保存的アミノ酸変異は、参照配列と比較して生理学的、化学的または機能的特性に実質的な変化がない変異ペプチドをもたらし得ることは、当技術分野で公知である。そのような場合、参照配列および変異配列は「実質的に同一」のポリペプチドとみなされるであろう。保存的アミノ酸変異は、アミノ酸の付加、欠失または置換を含み得る。保存的アミノ酸置換は、本明細書において、アミノ酸残基を、類似の化学的特性(例えば、サイズ、電荷、または極性)をもつ別のアミノ酸残基に置き換えることとして定義される。
非限定的な例では、保存的突然変異はアミノ酸置換であり得る。そのような保存的アミノ酸置換は、塩基性、中性、疎水性または酸性のアミノ酸を同じ基の別のものアミノ酸に置き換えることができる。「塩基性アミノ酸」という用語は、7を超える側鎖pK値を有する親水性アミノ酸を意味し、典型的には生理学的pHで正に帯電している。塩基性アミノ酸には、ヒスチジン(HisまたはH)、アルギニン(ArgまたはR)、およびリジン(LysまたはK)が含まれる。「中性アミノ酸」(「極性アミノ酸」とも)という用語は、生理学的pHでは帯電していないが、2つの原子が共通して共有する電子対が原子の1つによってより密接に保持されている、少なくとも1つの結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸を意味する。極性アミノ酸には、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、システイン(CysまたはC)、チロシン(TyrまたはY)、アスパラギン(AsnまたはN)、およびグルタミン(GlnまたはQ)が含まれる。「疎水性アミノ酸」(「非極性アミノ酸」とも)という用語は、Eisenberg(1984)の正規化コンセンサス疎水性スケールに従ってゼロより大きい疎水性を示すアミノ酸を含むことを意味する。疎水性アミノ酸には、プロリン(ProまたはP)、イソロイシン(IleまたはI)、フェニルアラニン(PheまたはF)、バリン(ValまたはV)、ロイシン(LeuまたはL)、トリプトファン(TrpまたはW)、メチオニン(MetまたはM)、アラニン(AlaまたはA)、およびグリシン(GlyまたはG)が含まれる。
「酸性アミノ酸」とは、7未満の側鎖pK値を有する親水性アミノ酸を指し、典型的には生理学的pHで負に帯電している。酸性アミノ酸には、グルタミン酸(GluまたはE)、およびアスパラギン酸塩(AspまたはD)が含まれる。
配列同一性は、2つの配列の類似性を評価するために使用される。これは、2つの配列が残基位置間の最大の一致を求めてアラインメントされたときに同じである残基の割合を計算することによって決定される。任意の既知の方法を使用して配列同一性を計算することができる。例えば、配列同一性を計算するコンピュータソフトウェアが利用可能である。限定することを望むものではないが、配列同一性は、スイスバイオインフォマティクス研究所によって維持される(およびca.expasy.org/tools/blast/で見出される)NCBI BLAST2サービス、BLAST-P、Blast-N、またはFASTA-Nなどのソフトウェア、あるいは当技術分野で公知の任意の他の適切なソフトウェアによって計算することができる。
本発明の実質的に同一の配列は、少なくとも85%同一であり得る。別の例では、実質的に同一の配列は、本明細書に記載の配列とアミノ酸レベルで少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、または100%(またはその間の任意のパーセンテージ)同一であり得る。特定の態様では、実質的に同一の配列は、参照配列の活性および特異性を保持する。非限定的な実施形態では、配列同一性の差は、1または複数の保存的アミノ酸変異に起因し得る。
本発明のポリペプチドまたは融合タンパク質はまた、その発現、検出または精製を助ける追加の配列を含んでいてもよい。当業者に公知の任意のそのような配列またはタグを使用することができる。例えば、限定されるものではないが、融合タンパク質は、ターゲティングまたはシグナル配列(例えば、限定されるものではないがompA)、検出タグを含むことができ、例示的なタグカセットとしては、Strepタグ、またはその任意の変異体;例えば、米国特許第7,981,632号を参照、Hisタグ、配列モチーフDYKDDDDKを有するFlagタグ、Xpressタグ、Aviタグ、カルモジュリンタグ、ポリグルタミン酸タグ、HAタグ、Mycタグ、Nusタグ、Sタグ、SBPタグ、Softag 1、Softag 3、V5タグ、CREB-結合タンパク質(CBP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、チオレドキシンタグ、またはこれらの任意の組み合わせ;精製タグ(例えば、限定されるものではないが、HisまたはHis)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
別の例では、追加の配列は、国際公開第95/04069号でCronanらに記載される、または国際公開第2004/076670号でVogesらに記載されているようなビオチン認識部位であってよい。当業者にも知られているように、リンカー配列は、追加の配列またはタグと組み合わせて使用され得る。
より具体的には、タグカセットは、高い親和性または結合活性で抗体に特異的に結合することができる細胞外成分を含み得る。単鎖融合タンパク質構造内では、タグカセットは、(a)コネクター領域のすぐアミノ末端に、(b)リンカーモジュールの間に介在して接続して、(c)結合ドメインのすぐカルボキシ末端に、(d)結合ドメイン(例えば、scFvまたはscFab)の間に介在してエフェクタードメインに接続して、(e)結合ドメインのサブユニットの間に介在して接続して、または(f)単鎖融合タンパク質のアミノ末端に、配置することができる。ある特定の実施形態では、1またはそれを超える接合部アミノ酸は、タグカセットと疎水性部分との間に配置されてタグカセットと疎水性部分を接続してもよいし、タグカセットとコネクター領域との間に配置されてタグカセットとコネクター領域を接続してもよいし、タグカセットとリンカーモジュールとの間に配置されてタグカセットとリンカーモジュールを接続してもよいし、タグカセットと結合ドメインとの間に配置されてタグカセットと結合ドメインとを接続してもよい。
また、本明細書には、様々な方法論を用いて表面に固定化された、単離または精製された融合タンパク質、ポリペプチド、またはそれらの断片も包含される。例えば、限定することを望むものではないが、ポリペプチドは、His-タグ結合、ビオチン結合、共有結合、吸着などを介して表面に連結または結合することができる。固体表面は、任意の適切な表面、例えば、限定されるものではないが、マイクロタイタープレートのウェル表面、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップのチャネル、膜、ビーズ(磁気ベースもしくはセファロースベースのビーズまたは他のクロマトグラフィー樹脂など)、ガラス、フィルム、または任意の他の有用な表面であってよい。
他の態様では、融合タンパク質は、カーゴ分子に連結されていてもよい。融合タンパク質は、カーゴ分子を所望の部位に送達することができ、当技術分野で公知の任意の方法(組換え技術、化学的コンジュゲーション、キレート化など)を用いてカーゴ分子に連結することができる。カーゴ分子は、治療薬または診断薬など、どのようなタイプの分子であってもよい。
いくつかの態様では、カーゴ分子はタンパク質であり、カーゴ分子がナノケージの内部に含まれるように融合タンパク質に融合される。他の態様では、カーゴ分子は融合タンパク質に融合されておらず、ナノケージの内部に含まれている。カーゴ分子は、典型的には、タンパク質、小分子、放射性同位体または磁性粒子である。
本明細書に記載の融合タンパク質は、その標的に特異的に結合する。本明細書に記載の抗体または断片の、抗原の特定のエピトープに対する抗体の選択的認識を指す抗体特異性は、親和性および/または結合活性に基づいて決定することができる。親和性は、抗原と抗体との解離平衡定数(K)によって表され、抗原決定基(エピトープ)と抗体結合部位との間の結合強度を測定する。結合活性は、抗体とその抗原との間の結合の強さの尺度である。抗体は、典型的には、10-5~10-11MのKで結合する。10-4Mを超えるKは、一般に、非特異的結合を示すと考えられる。Kの値が小さいほど、抗原決定基と抗体結合部位との結合強度は強くなる。複数の態様では、本明細書に記載の抗体は、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、10-14M、または10-15M未満のKを有する。
本明細書に記載の融合タンパク質およびポリペプチドをコードする核酸分子、ならびに核酸分子を含むベクターおよびベクターを含む宿主細胞も本明細書に記載される。
本明細書に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドには、本発明のポリヌクレオチドの核酸配列と実質的に同じ核酸配列を有するポリヌクレオチドが含まれる。「実質的に同じ」核酸配列とは、本明細書では、2つの配列を最適に整列させ(適切なヌクレオチドの挿入または欠失を伴う)、2つの配列間のヌクレオチドの正確な一致を決定するために比較した場合に、別の核酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%の同一性を有する配列として定義される。
抗体の断片をコードするポリヌクレオチドの適切な供給源には、全長抗体を発現する任意の細胞、例えばハイブリドーマおよび脾臓細胞が含まれる。断片は、単独で抗体等価物として使用されてもよいし、上記のように等価物に組換えられてもよい。このセクションに記載されるDNAの欠失および組換えは、公知の方法、例えば、「Functional Equivalents of Antibodies」と題されたセクションで列挙された公開特許出願に記載される方法、および/または他の標準的な組換えDNA技術、例えば、以下に記載される技術などによって実施することができる。DNAの別の供給源は、当技術分野で公知のように、ファージディスプレイライブラリーから産生される単鎖抗体である。
さらに、発現配列、プロモーターおよびエンハンサー配列に作動可能に連結された前述のポリヌクレオチド配列を含有する発現ベクターが提供される。細菌などの原核生物系ならびに限定されるものではないが酵母および哺乳動物細胞培養系を含む真核生物系で、抗体ポリペプチドの効率的な合成のための様々な発現ベクターが開発されている。本発明のベクターは、染色体、非染色体および合成DNA配列のセグメントを含むことができる。
任意の適切な発現ベクターを使用することができる。例えば、原核生物のクローニングベクターには、大腸菌由来のプラスミド、例えばcolEl、pCRl、pBR322、pMB9、pUC、pKSM、およびRP4が含まれる。原核生物ベクターには、Ml3および他の糸状一本鎖DNAファージなどのファージDNAの誘導体も含まれる。酵母で有用なベクターの例は、2μプラスミドである。哺乳動物細胞における発現に適したベクターには、SV-40、アデノウイルス、レトロウイルス由来のDNA配列の周知の誘導体、および上記のものなどの機能的哺乳動物ベクターと機能性プラスミドおよびファージDNAとの組み合わせに由来するシャトルベクターが含まれる。
さらなる真核生物発現ベクターは当技術分野で公知である(例えば、P J.Southern&P.Berg,J.Mol.Appl.Genet,1:327-341(1982);Subramaniら、Mol.Cell.Biol,1:854-864(1981);Kaufman&Sharp,「Amplification And Expression of Sequences Cotransfected with a Modular Dihydrofolate Reductase Complementary DNA Gene」、J.Mol.Biol,159:601-621(1982);Kaufman&Sharp,Mol.Cell.Biol,159:601-664(1982);Scahillら、「Expression And Characterization Of The Product Of A Human Immune Interferon DNA Gene In Chinese Hamster Ovary Cells」、Proc.Nat’l Acad.Sci USA,80:4654-4659(1983);Urlaub&Chasin,Proc.Nat’l Acad.Sci USA,77:4216-4220,(1980)、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
発現ベクターは、典型的には、発現させるDNA配列または断片に作動可能に連結された少なくとも1つの発現制御配列を含む。制御配列は、クローン化されたDNA配列の発現を制御および調節するためにベクターに挿入される。用な発現制御配列の例は、lac系、trp系、tac系、trc系、ファージラムダの主要なオペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、酵母の解糖プロモーター、例えば3-ホスホグリセリン酸キナーゼのプロモーター、酵母酸性ホスファターゼのプロモーター、例えばPho5、酵母α接合因子のプロモーター、ならびにポリオーマ、アデノウイルス、レトロウイルスおよびサルウイルスに由来するプロモーター、例えば初期および後期プロモーターまたはSV40、ならびに原核細胞または真核細胞およびそれらのウイルスまたはそれらの組み合わせの遺伝子の発現を制御することが公知の他の配列である。
本明細書には、前述の発現ベクターを含有する組換え宿主細胞も記載される。本明細書に記載の融合タンパク質は、ハイブリドーマ以外の細胞株で発現させることができる。本発明によるポリペプチドをコードする配列を含む核酸は、適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換に使用することができる。
特に好ましい細胞株は、発現レベルが高く、目的のタンパク質を構成的に発現し、宿主タンパク質からの汚染が最小限であることに基づいて選択される。発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は当技術分野で周知であり、それには、多くの不死化細胞株、例えば、限定されるものではないが、HEK 293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞などが挙げられる。好適なさらなる真核細胞としては、酵母および他の真菌が挙げられる。有用な原核生物宿主としては、例えば、大腸菌、例えば大腸菌SG-936、大腸菌HB 101、大腸菌W3110、大腸菌X1776、大腸菌X2282、大腸菌DHI、および大腸菌MRC1、大腸菌T7 シャッフル、Pseudomonas、Bacillus subtilisなどのBacillus、およびStreptomycesが挙げられる。
これらの組換え宿主細胞は、ポリペプチドの発現を可能にする条件下で細胞を培養し、宿主細胞または宿主細胞を取り囲む培地からポリペプチドを精製することにより、融合タンパク質を産生するために使用することができる。組換え宿主細胞における分泌のための発現ポリペプチドの標的化は、シグナルまたは分泌リーダーペプチドをコードする配列を目的の抗体コード遺伝子の5’末端に挿入することによって容易にすることができる(Shokriら、(2003)Appl Microbiol Biotechnol.60(6):654-664、Nielsenら、Prot.Eng.、10:1-6(1997);von Heinjeら、Nucl.Acids Res.、14:4683-4690(1986)を参照、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)。これらの分泌リーダーペプチドエレメントは、原核生物配列または真核生物配列のいずれかに由来することができる。したがって、適切には、宿主細胞サイトゾルからのポリペプチドの移動および培地への分泌を指示する、ポリペプチドのN末端に結合したアミノ酸である分泌リーダーペプチドが使用される。
本明細書に記載の融合タンパク質は、さらなるアミノ酸残基に融合させることができる。そのようなアミノ酸残基は、例えば、単離を容易にするためのペプチドタグであり得る。抗体を特定の器官または組織にホーミングするための他のアミノ酸残基も企図される。
例えば、フェリチン鎖(例えば、フェリチン軽鎖)に融合したFab重鎖を含む融合タンパク質をコードするプラスミドと、Fab軽鎖をコードする別のプラスミドの同時トランスフェクションによって、Fabナノケージを生成できることが理解されよう。あるいは、1つのプラスミドのトランスフェクションのみを必要とする単鎖Fab-フェリチンナノケージを使用することができる(例えば、Fab軽鎖、Fab重鎖およびフェリチン鎖(例えば、フェリチン軽鎖)を含む融合タンパク質をコードするプラスミドを使用する)。これは、Fab軽鎖とFab重鎖との間に様々な長さのリンカー、例えば60または70アミノ酸を用いて行うことができる。単鎖Fabを使用すると、重鎖と軽鎖が確実に対になっていることができる。上記のように精製を容易にするために、タグ(例えば、Flag、HA、myc、His6x、Strepなど)を構築物のN末端またはリンカー内に付加することもできる。さらに、タグシステムを使用して、異なるFabナノ粒子プラスミドを同時トランスフェクトする場合に連続/付加アフィニティークロマトグラフィーステップを用いて、同じナノ粒子上に多くの異なるFabが存在することを確認することができる。これにより、ナノ粒子に多重特異性がもたらされる。プロテアーゼ部位(例えば、TEV、3Cなど)は、必要に応じて、発現および/または精製後にリンカーおよびタグを切断するために挿入することができる。
本明細書に記載の融合タンパク質を投与するための任意の適切な方法または経路を使用することができる。投与経路としては、例えば、経口、静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内投与が挙げられる。
本明細書に記載の融合タンパク質は、予防または処置の目的で哺乳動物に使用される場合、薬学的に許容され得る担体をさらに含む組成物の形態で投与されることが理解される。適切な薬学的に許容され得る担体としては、例えば、1またはそれを超える水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。薬学的に許容され得る担体は、結合タンパク質の貯蔵寿命または有効性を高める、湿潤剤または乳化剤、保存剤または緩衝剤などの少量の補助物質をさらに含むことがある。注射剤組成物は、当技術分野で周知のように、哺乳動物への投与後に活性成分の迅速な、持続的なまたは遅延的な放出を提供するように製剤化することができる。
本明細書に記載の融合ペプチドおよびマルタボディは、ヒトへの投与に特に有用であるが、他の哺乳動物にも同様に投与することができる。本明細書で使用される「哺乳動物」という用語は、限定されるものではないが、ヒト、実験動物、家庭用ペットおよび家畜を含むことが意図されている。
上記の開示は、本発明を一般的に説明している。以下の具体例を参照することにより、より完全な理解を得ることができる。これらの例は、例示のみを目的として提供されており、特に記載のない限り、限定することを意図するものではない。したがって、本発明は、決して以下の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形形態を包含すると解釈されるべきである。
以下の実施例には、ベクターおよびプラスミドの構築、そのようなベクターおよびプラスミドへのポリペプチドをコードする遺伝子の挿入、または宿主細胞へのプラスミドの導入に用いられる方法などの従来の方法の詳細な説明は含まれていない。そのような方法は当業者に周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.and Maniatis,T.(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを含む多数の刊行物に記載されている。
さらなる説明は行わないが、当業者であれば、前述の説明および以下の例示的な実施例を用いて、本発明の化合物を製造および利用し、特許請求される方法を実施することができると考える。したがって、以下の実施例は、本発明の典型的な態様を具体的に指摘するものであり、決して本開示の残りの部分を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
実施例1:抗体の多量体化は、ng/ml(pM)の範囲のIC50値に達する異なる腫瘍細胞に対するDR5コナツムマブ抗体およびティガツズマブ抗体の細胞傷害能力を増強する。
材料および方法
マルタボディ(MB)のタンパク質発現および精製
すべての遺伝子を合成し、GeneArt(Life Technologies)によってpcDNA3.4発現ベクターにクローニングした。ExpiFectamine CHO(Thermo Fisher Scientific)を4:1:1の比(scFab-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFc-ヒト(humab)軽鎖アポフェリチン:ヒト軽鎖アポフェリチン)を使用して、細胞100mLあたり60μgのDNAを用いて6×10細胞/mLの密度でマルタボディをExpiCHO-S細胞(Thermo Fisher Scientific)に一過性に発現させた。スプリットフェリチンMBの場合、ハーフアポフェリチンに連結させたscFabおよびscFc断片をコードする遺伝子は、ヒトアポフェリチンの軽鎖の1~90残基(C-フェリチン)および91~175残基(N-フェリチン)を欠失させることによって生成させた。
ExpiCHO-S細胞(Thermo Fisher Scientific)におけるスプリットMBの一過性トランスフェクションは、67.5μgのプラスミドscFab-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFc-ヒトC-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFab-N-ヒト軽鎖アポフェリチンを2:1:1の比で混合することによって得られた。DNA混合物を濾過し、67.5μlのExpiFectamine CHO(Thermo Fisher Scientific)と共に室温でインキュベートした後、細胞培養物に添加した。トランスフェクションの1日後、24mlのExpiCHO Feedおよび0.6mlのExpiFectamine Enhancerを細胞に添加し、Multitron Proシェーカー(Infors HT)で、37℃、8%COおよび湿度80%で125rpmの振動でさらに7日間培養した。ExpiCHO発現培地(Thermo Fisher Scientific)および通気バッフルなしエルレンマイヤー振盪フラスコ(Corning)を使用した。細胞懸濁液を5000×gで15分間の遠心分離によって回収し、上清を0.22μmのSteritopフィルター(EMD Millipore)に通して濾過した。
90μgのLCおよびHCを1:2の比で同時トランスフェクトすることによってIgGを一過性に発現させ、溶出緩衝液として100mMグリシンpH2.2を含むHiTrap Protein A HPカラム(GE Healthcare)を使用して精製した。溶出した画分を1M Tris-HCl、pH 9.0で直ちに中和し、Superdex 200 Increaseサイズ排除カラム(GE Healthcare)を使用してさらに精製した。マルタボディは、3M MgCl 10%グリセロールを含むHiTrap Protein A HPカラム(GE Healthcare)を使用するアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、溶出画分を20mM リン酸ナトリウムpH8.0、150mM NaCl中でSuperose 6 10/300 GLサイズ排除カラム(GE Healthcare)にロードした。
細胞生存率アッセイ
NCI-H2122、NIC-H2228およびColo205 11細胞株は、10%ウシ胎児血清を添加したRPMI 1640培地(Sigma)で増殖させた。MBA-MB-231、HT29およびHT15細胞株は、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地(Gibco、Invitrogen)で増殖させた。SW948細胞株は、10%ウシ胎児血清(100% Air)を添加したLeibovitzのL-15培地で増殖させた。Capan-1細胞株は、20%ウシ胎児血清を添加したイスコフ改変ダルベッコ培地で増殖させた。
100μl培地中の各癌細胞株5,000細胞/ウェルは、100μlのマルタボディまたはIgGの10倍段階希釈液とともに37℃で共培養した。24時間のインキュベーションの後、50μlのCellTiter-Glo 2.0試薬(Promega)を200μlの細胞含有培地に添加することによって細胞生存率をモニターした。10分間のインキュベーションの後、100μlを96ウェルブラックプレート(Sigma-Aldrich)に移して、Synergy Neo2マルチモードアッセイマイクロプレートリーダー(Biotek Instruments)を使用して相対光単位(RLU)で発光を測定した。
結果
図1に示されるように、マルタボディ集合体は、三量体受容体を標的とするFabを提示する。従来のコナツムマブIgG(左)と比較した、マルタボディ価(右)を示す概略図。フェリチンの3回対称軸(薄青緑色)にクラスター化したFab(重鎖は濃い赤色、軽鎖は薄い赤色)の拡大図。金色の断片はFc断片を表す。ティガツズマブMBは、4:1:1の比の以下の成分:scFab-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFc-ヒト(humab)軽鎖アポフェリチン:ヒト(humab)軽鎖アポフェリチンでのDNA同時トランスフェクションによって生成された。図2Aに例示されるように、scFabとscFcの両方を完全ヒト軽鎖アポフェリチンのN末端に融合させた。
コナツムマブMBは、2:1:1の比の以下の成分:scFab-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFc-ヒトC-ヒト軽鎖アポフェリチン:scFab-N-ヒト軽鎖アポフェリチンでのDNA同時トランスフェクションによって生成された。図3Aに例示されるように、scFabをヒト軽鎖アポフェリチンの完全およびNハーフのN末端に融合させ、scFcをヒト(humab)軽鎖アポフェリチンのCハーフのN末端に融合させた。この設計により、scFabが自己集合したアポフェリチンの3倍軸を一貫して取り囲み、したがって三量体受容体に最適に係合することが保証された。
図2、3および表1に示されるように、結合活性は、複数の癌細胞株に対する細胞死を促進する。親IgGと比較した、マルタボディ形式でのコナツムマブおよびティガツズマブによる複数の癌細胞株の相対的殺傷能力を表1に要約する。特に、試験した癌細胞の大部分は、ティガツズマブIgGの殺傷に抵抗性であった(試験したIC50値>10μg/mL)。しかし、ティガツズマブのFab領域をMB中で多量体化されると、肺癌細胞株NCI-H2122の場合、0.00013ng/mL(0.06pM)という低いIC50値に達した。親IgGと比較して、MBは、27,000倍超の効力増強(質量)および418,000倍超の効力増強(モル)をもたらした。コナツムマブのマルタボディの場合、癌細胞株パネルにわたって同様のIC50値が得られた。親コナツムマブIgGは、全体として、ティガツズマブIgGよりも高い効力を示した。
実施例2:異種移植マウスモデルにおけるDR5標的化マルタボディの治療効果。
例示的なマルタボディの治療効果を、結腸癌異種移植モデルにおいて評価した。5×10個のヒト結腸癌細胞を免疫不全マウスの脇腹に皮下注射した(n=12/群)。確立された腫瘍を有するマウスに、腹腔内注射(i.p.)により処置薬またはビヒクル対照を週1回2週間投与した。腫瘍体積は、ノギスを用いて週2回測定した。図5は、試験開始後88日目の腫瘍体積を示す。DR5 MBによる処置は、確立された腫瘍の腫瘍増殖を有意に阻害した。DR5 MBは、DR5 IgGよりも強力に腫瘍増殖を阻害した。
配列表
融合配列内の下線はリンカー配列を示す。
融合配列内の太字は、フェリチンまたはフェリチンサブユニット配列を示す。
四角で囲まれた太字の残基は、参照分子と比較して、例えばIgG1 Fcと比較して変異している残基を示す。
hFTL
N_hFTL
MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEW
C_hFTL
GKTPDAMKAAMALEKKLNQALLDLHALGSARTDPHLCDFLETHFLDEEVKLIKKMGDHLTNLHRLGGPEAGLGEYLFERLTLRHD
IgG1 Fc
IgG1 scFc
Cona LC
Cona HC
Cona scFab

Claims (68)

  1. DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結されたナノケージモノマーまたはそのサブユニットを含む融合タンパク質であって、複数の前記融合タンパク質が自己集合してナノケージを形成する、融合タンパク質。
  2. 前記DR4および/またはDR5抗原結合部分が、前記DR4および/またはDR5外部ドメインを標的とする、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. DR4および/またはDR5抗原結合部分が、前記集合したナノケージの前記内部および/または外部表面、好ましくは前記外部表面を装飾する、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
  4. 前記DR4および/またはDR5抗原結合部分が抗体またはその断片を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  5. 前記抗体またはその断片が、Fab断片を含む、請求項4に記載の融合タンパク質。
  6. 前記抗体またはその断片が、scFab断片、scFv断片、sdAb断片、ナノボディ、VHHドメインまたはその組み合わせを含む、請求項4に記載の融合タンパク質。
  7. 前記抗体またはその断片が、Fab断片の重鎖および/または軽鎖を含む、請求項4に記載の融合タンパク質。
  8. 前記融合タンパク質が、DR4抗原結合部分を含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  9. 前記DR4抗原結合部分が、CM005G08、CM059H03、CM084A02、T1014A04、T1014G03、T1014A02、T1014A12、T1014B01、T1014Bll、T1014F08、T1014G04、T1015A02、T1015A07、T1006F07、42/43、44/45、および/または46/47のDR4抗原結合部分を含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
  10. 前記融合タンパク質が、DR5抗原結合部分を含む、請求項4から9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  11. 前記DR5抗原結合部分が、ティガツズマブ、レクサツムマブ、ドロジツマブ、および/またはコナツムマブの抗原結合部分を含む、請求項10に記載の融合タンパク質。
  12. 前記DR5抗原結合部分がコナツムマブの前記抗原結合部分を含む、請求項11に記載の融合タンパク質。
  13. 前記DR4および/またはDR5抗原結合部分が、前記ナノケージモノマーまたはそのサブユニットの前記N末端またはC末端に連結されているか、あるいは前記ナノケージモノマーまたはそのサブユニットの前記N末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、前記C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分とが存在し、前記第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分が同じまたは異なっている、請求項1から12のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  14. 前記融合タンパク質がナノケージモノマーを含み、前記DR4および/またはDR5抗原結合部分が前記ナノケージモノマーの前記N末端に連結されている、請求項13に記載の融合タンパク質。
  15. 前記融合タンパク質が、前記DR4および/またはDR5抗原結合部分に連結された第1のナノケージモノマーサブユニットを含み;前記第1のナノケージモノマーサブユニットが、第2のナノケージモノマーサブユニットと自己集合して前記ナノケージモノマーを形成することができる、請求項1から14のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  16. 前記DR4および/またはDR5抗原結合部分が、前記第1のナノケージモノマーサブユニットの前記N末端またはC末端で連結されているか、あるいは前記第1のナノケージモノマーサブユニットの前記N末端に連結された第1のDR4および/またはDR5抗原結合部分と、前記C末端に連結された第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分とが存在し、前記第1および第2のDR4および/またはDR5抗原結合部分が同じまたは異なっている、請求項15に記載の融合タンパク質。
  17. 前記第2のナノケージモノマーサブユニットと組み合わされている、請求項15または16に記載の融合タンパク質。
  18. 前記第2のナノケージモノマーサブユニットが、前記N末端またはC末端で生物活性部分に連結されている、請求項15から17のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  19. 前記生物活性部分が、Fc断片を含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
  20. 前記Fc断片が、IgG1 Fc断片である、請求項19に記載の融合タンパク質。
  21. 前記Fc断片が、前記融合タンパク質の前記半減期を例えば数分または数時間から数日、数週間または数ヶ月まで調節する1またはそれを超える変異または変異のセットを含む、請求項19または20に記載の融合タンパク質。
  22. 前記Fc断片が、1またはそれを超えるL234、L235、G236、G237、M252、I253、S254、T256、P329、A330、M428、N434、またはそれらの組み合わせ(ナンバリングはEUインデックスに従う)における変異、例えばM428LおよびN434S(「LS」);M252Y、S254TおよびT256E(「YTE」);L234AおよびL235A(「LALA」);I253A、および/またはL234A、L235A、およびP329G(「LALAP」)、G236R、G237A、A330Lまたはその組み合わせを含む、請求項21に記載の融合タンパク質。
  23. 前記Fc断片が、scFc断片である、請求項19から22のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  24. 前記Fc断片が、
    と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる、請求項19に記載の融合タンパク質。
  25. 約3~約100個のナノケージモノマー、例えば24、32、48、もしくは60個のモノマー、または約4~約200個のナノケージモノマーサブユニット、例えば4、6、8、10、12、14、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50個、またはそれを超えるナノケージモノマーサブユニットが必要に応じて1またはそれを超える全ナノケージモノマーと組み合わせて、自己集合してナノケージを形成することができる、請求項1から24のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  26. 前記ナノケージモノマーが、フェリチン、アポフェリチン、エンカプスリン、SOR、ルマジンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、カルボキシソーム、ヴォールトタンパク質、GroEL、熱ショックタンパク質、E2P、MS2コートタンパク質、それらの断片、およびそれらの変異体から選択される、請求項1から25のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  27. 前記ナノケージモノマーが、アポフェリチン、必要に応じてヒトアポフェリチンである、請求項26に記載の融合タンパク質。
  28. 前記ナノケージモノマーが、アポフェリチン軽鎖、必要に応じてヒトアポフェリチン軽鎖である、請求項26に記載の融合タンパク質。
  29. 前記融合タンパク質が、第1のアポフェリチンサブユニット、必要に応じて第1のヒトアポフェリチンサブユニットを含み、前記第1のアポフェリチンサブユニットは、第2のアポフェリチンサブユニットと自己集合することができる、請求項27または28に記載の融合タンパク質。
  30. 前記第1および第2のアポフェリチンモノマーサブユニットが、アポフェリチンの「N」および「C」領域を交換可能に含む、請求項29に記載の融合タンパク質。
  31. 前記アポフェリチンの前記「N」領域が、
    MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEW
    と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる、請求項30に記載の融合タンパク質。
  32. 前記アポフェリチンの前記「C」領域が、
    と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる、請求項30または31に記載の融合タンパク質。
  33. 生物活性部分と、前記ナノケージモノマーまたはそのサブユニットと前記生物活性部分との間の随意のリンカーとをさらに含む、請求項1から32のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  34. 前記リンカーが可撓性または剛性であり、約1~約30のアミノ酸残基、例えば約8~約16のアミノ酸残基を含む、請求項33に記載の融合タンパク質。
  35. 前記リンカーが、GGGGSリピート、例えば1、2、3、4個またはそれを超えるGGGGSリピートを含む、請求項33または34に記載の融合タンパク質。
  36. 前記リンカーが、以下と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる、請求項35に記載の融合タンパク質:
    GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGG。
  37. C末端リンカーをさらに含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  38. 前記C末端リンカーがGGSリピートを含む、請求項37に記載の融合タンパク質。
  39. C末端リンカーが、
    GGSGGSGGSGGSGGGSGGSGGSGGSG
    と少なくとも70%(例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含むか、またはそれからなる、請求項38に記載の融合タンパク質。
  40. 請求項1から39のいずれか一項に記載の少なくとも1つの融合タンパク質と、前記融合タンパク質とともに自己集合する少なくとも1/2のナノケージモノマーまたはそのサブユニットとを含むナノケージ。
  41. 前記融合タンパク質が、第1のナノケージモノマーサブユニットを含み、前記第2のナノケージモノマーまたはそのサブユニットが、第2のナノケージモノマーサブユニットであり、前記第2のナノケージモノマーサブユニットが前記融合タンパク質とともに自己集合して前記ナノケージモノマーを形成する、請求項40に記載のナノケージ。
  42. 各ナノケージモノマーが、請求項1から39のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、請求項40または41に記載のナノケージ。
  43. 約1%~約100%、例えば約1%、4%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%から、約4%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%まで、例えば約20%~約80%のナノケージモノマーまたはそのサブユニットが、請求項1から38のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、請求項40から42のいずれか一項に記載のナノケージ。
  44. 少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分、例えば2または3の異なるDR4および/またはDR5抗原結合部分を含む、請求項40から43のいずれか一項に記載のナノケージ。
  45. 前記ナノケージが多価である、請求項40から44のいずれか一項に記載のナノケージ。
  46. 前記ナノケージが多重特異性である、請求項40から45のいずれか一項に記載のナノケージ。
  47. 少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分が前記ナノケージの前記外部表面を装飾し、少なくとも1つのFc断片が前記ナノケージの前記外部表面を装飾する、請求項40から46のいずれか一項に記載のナノケージ。
  48. 少なくとも2つのDR4および/またはDR5抗原結合部分が前記ナノケージの前記外部表面を装飾し、少なくとも2つのFc断片が前記ナノケージの前記外部表面を装飾する、請求項47に記載のナノケージ。
  49. 第1の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合したコナツムマブの抗原結合部分、例えばFab断片;第2の全長ヒトフェリチン軽鎖に融合したFc断片(必要に応じてscFc断片);および第3のヒトフェリチン軽鎖を4:1:1の比で含む、請求項40から48のいずれか一項に記載のナノケージ。
  50. 完全なフェリチンモノマーの前記N末端に融合した少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分、N-フェリチンモノマーサブユニットの前記N末端に融合した少なくとも1つのDR4および/またはDR5抗原結合部分、およびC-フェリチンモノマーサブユニットの前記N末端に融合したFc断片を含む、請求項40から49のいずれか一項に記載のナノケージ。
  51. 前記完全なフェリチンモノマーの前記N末端に融合した前記DR4および/またはDR5抗原結合部分:前記N-フェリチンモノマーサブユニットの前記N末端に融合した前記DR4および/またはDR5抗原結合部分:前記C-フェリチンモノマーサブユニットの前記N末端に融合した前記Fc断片を2:1:1の比で含む、請求項50に記載のナノケージ。
  52. 少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48のDR4および/またはDR5抗原結合部分を含む、請求項40から51のいずれか一項に記載のナノケージ。
  53. 少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48の生物活性部分を含む、請求項40から52のいずれか一項に記載のナノケージ。
  54. 医薬品、診断薬、および/または造影剤などのカーゴ分子を担持している、請求項40から53のいずれか一項に記載のナノケージ。
  55. 前記カーゴ分子が、前記融合タンパク質に融合されておらず、前記ナノケージの内部に含まれている、請求項54に記載のナノケージ。
  56. 前記カーゴ分子が、タンパク質であり、前記カーゴ分子が前記ナノケージの内部に含まれるように前記融合タンパク質に融合されている、請求項54に記載のナノケージ。
  57. 前記カーゴ分子が、GFP、EGFP、アメトリンなどの蛍光タンパク質、および/またはiLOVなどのLOVタンパク質などのフラビン系の蛍光タンパク質を含む、請求項54から56のいずれか一項に記載のナノケージ。
  58. 前記ナノケージが、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約0.1μg/ml未満、約0.01μg/ml未満、または約0.001μg/ml未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある、請求40から57のいずれか一項に記載のナノケージ。
  59. 前記ナノケージが、インビトロ細胞殺傷アッセイで決定される場合、約10pM未満、約1pM未満、または約0.1pM未満のIC50値でDR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある、請求40から58のいずれか一項に記載のナノケージ。
  60. 前記ナノケージが、質量および/またはモルベースで、対応するIgGよりも少なくとも約10、少なくとも約100、少なくとも約1000、少なくとも約10,000、または少なくとも約100,000を超えて強力なIC50値で、DR4陽性および/またはDR5陽性癌細胞を殺傷する能力がある、請求40から59のいずれか一項に記載のナノケージ。
  61. 請求項40から60のいずれか一項に記載のナノケージを含むDR4および/またはDR5治療用または予防用組成物。
  62. 請求項1から39のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸分子。
  63. 請求項62に記載の核酸分子を含むベクター。
  64. 請求項63に記載のベクターを含み、請求項1から39のいずれか一項に記載の融合タンパク質を産生する宿主細胞。
  65. 癌を処置および/または予防する方法であって、前記方法が、請求項40から60のいずれか一項に記載のナノケージまたは請求項61に記載の組成物を投与することを含む方法。
  66. 前記癌が、乳癌、結腸癌、リンパ腫、または肺癌からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
  67. 癌を処置および/または予防するための、請求項40から60のいずれか一項に記載のナノケージまたは請求項60に記載の組成物の使用。
  68. 癌の処置および/または予防に使用するための、請求項40から60のいずれか一項に記載のナノケージまたは請求項61に記載の組成物。
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