JP2023547765A - 化学生産管理 - Google Patents

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Abstract

本教示は、下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御する方法に関し、前記方法は:前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供することを含み、前記下流制御設定は:下流オブジェクト識別子と;前記製品に関する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと;下流の過去データと、に基づいて決定され、前記下流制御設定のセットは下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である。本教示はまた、下流生産のためのシステム、使用、及びソフトウェア製品にも関する。【選択図】図1

Description

本教示は、広く、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)を含む製品のコンピュータ支援化学生産に関する。
例えばスポーツシューズ用の靴底のような製品の従来の製造は、一般的に様々なプラスチック部品の処理を伴う。靴用のミッドソールなど、そのような製品又はその部品は、膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)の粒子又はビーズから生産されることが知られるようになった。このような製品を製造するために、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又はETPUは、例えば、ゴム製のアウトソール又は任意の他の材料を使用して、接着剤を使用して所望の形状に接着され得る。接着剤を避け、粒子に別の相互接続媒体を使用することも知られている。時には、例えば粘度を上げるために、添加剤を加えることもある。追加ステップに、アニーリングが含まれることもある。
このような工業プラントでは、TPU及び/又はETPU材料を処理して1つ以上のそのような製品を製造する。したがって、製造される製品の特性は、様々な処理ステップにおける製造パラメータに依存する。製品の品質又は生産の安定性を確保するために、製造パラメータを製品の少なくともいくつかの特性に関連付けることが望ましい。
工業プラントにおける生産環境は複雑であり得、したがって製品の特性は、当該特性に影響を与える生産パラメータの変動に応じて変化する可能性がある。通常、生産パラメータに対する特性の依存性は、複雑で、特定のパラメータの1つ以上の組み合せに対するさらなる依存性と絡み合っている場合がある。場合によっては、生産プロセスは複数の段階に分かれていることがあり、これが問題をさらに悪化させることがある。したがって、一貫した品質及び/又は予測可能な品質で製品を生産することは、困難である場合がある。
通常、そのような製品を生産する工業プラントは、1つ以上の上流工業プラントから前駆体材料として少なくとも1つ又は全てのTPU及び/又はETPUを受け取る下流工業プラントである。上流工業プラントは、別個のプラントであり、下流工業プラントから隔離されていることが通常である。上流工業プラントと下流工業プラントは、異なる事業体によって運営されていることがあり、しばしば、2つのプラント間の唯一の有意なリンクは、サプライチェーン、すなわち前駆体材料の注文と配送であり得る。前駆体材料は、その前駆体材料の特性の1つ以上があり得る仕様範囲を有することがある。したがって、製品の生産に使用されるTPU及び/又はETPU材料の特性は、桁で変動し、又は場合によってはバッチ内でさえも変動し得る。これらの特性は、上流プラントでのTPU及び/又はETPU材料の生産のばらつきによって異なる可能性がある。さらに、下流プラントでの生産のばらつきであり得ることもある。したがって、下流プラントで生産される製品は、そのような製品の特性があり得る範囲を有する可能性もある。様々な変動及びその組み合わせによって、ある製品は、他と同じ品質又は性能を有していない場合がある。これは、製品のばらつき及び場合によっては、一貫した品質を有する製品のための生産コストの増加をもたらす可能性がある。
さらに、離散処理とは対照的に、連続処理、キャンペーン処理又はバッチ処理などの製造プロセスでは、膨大な量の時系列データを提供することがある。しかし、従来の時系列アプローチによる機械学習は、バリューチェーン全体の水平統合の必要によりデータを統合することが困難な場合があるため、実用的ではないことが判明されている。特に、簡単で有意なデータ交換又は標準化が大きな問題を提起する可能性がある。
そのため、理想的にはバレルから最終製品までのバリューチェーン全体を横断して、TPU及び/又はETPUで作られた製品の制御と生産安定性を改善できるアプローチが必要とされている。
従来技術に固有の問題の少なくともいくつかは、付随の独立請求項の主題によって解決されることが示されるであろう。さらなる有利な代替案の少なくともいくつかは、従属請求項に概説されている。
第1の観点から見ると、下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御する方法が提供されることができ、前記下流工業プラントは少なくとも1つの下流機器を備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記方法は少なくとも一部が下流コンピューティングユニットを介して行われ、前記方法は:
前記下流コンピューティングユニットにおいて、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供することを含み、
前記下流制御設定は:
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、前記下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である。
出願人は、そうすることによって、製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータを使用して、その関連特性を有する特定のTPU及び/又はETPU材料が下流機器で処理される方法を制御できることに気付いた。場合によっては、下流工業プラントは、下流制御設定がゾーン特有であってよいように、複数の機器ゾーンを含むことができる。
したがって、製品は、下流の変動に関してだけでなく、TPU及び/又はETPU材料の任意の変動をも考慮して、所望の特性又は性能パラメータによって生産されることができる。下流オブジェクト識別子にカプセル化された前駆体データを使用して、少なくとも1つの所望の下流性能パラメータを達成する目的を有する下流制御設定を見つけることができる。したがって、例えば、TPU及び/又はETPUの特性のランダムな変動を考慮するだけでなく、下流の過去データが同じ目的に活用されるように、すなわち、少なくとも1つの所望の下流性能を達成するために活用されるように制御設定を選択することによって、製品の品質を改善及び/又はより一貫したものにすることが可能である。下流の過去データは、過去の1つ以上の製品が生産された機器からのものであってよいが、それらは少なくとも部分的に別の機器からのものであってもよい。
一態様によれば、下流の過去データは、以前処理された(例えば下流機器ゾーンにおいて処理された)TPU及び/又はETPU材料に関連する1つ以上の下流の過去オブジェクト識別子からのデータを含む。
一態様によれば、過去の下流オブジェクト識別子の少なくとも1つは、以前処理された(例えば下流機器ゾーンにおいて処理された)TPU及び/又はETPU材料が処理された下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を示す下流プロセスデータの少なくとも一部が付加されている。
そのような過去の下流オブジェクト識別子は、過去にそれぞれの製品を生産又は処理するために、それぞれの以前の投入材料が処理された下流プロセスデータのそれらの対応する部分をカプセル化している。本明細書に開示される下流の過去データは、このように、下流機器の制御設定を決定するために使用されることができる関連性が高くかつ簡潔なデータセットである。下流機器が、製品を製造するために複数の下流機器ゾーンが存在するように構成されている場合、下流制御設定は、少なくとも1つの所望の性能パラメータを介して指定される製品の所望の性能を達成するための目標として、下流機器ゾーンのそれぞれに対して提供され得る。
一態様によれば、過去の下流オブジェクト識別子の各々又はいくつかは、例えば過去に下流工業プラントで生産された関連製品の1つ以上の特性に関連する少なくとも1つの下流性能パラメータを含んでいる。このように、過去の下流オブジェクト識別子の各々又はいくつかは、それらの対応する少なくとも1つの下流性能パラメータを付加されている。
そうすることによって、過去の下流データは、下流オブジェクト識別子内の下流プロセスデータの各部分に、それぞれの少なくとも1つの下流性能パラメータに、関連付けることによって、さらにターゲット化されることができる。広範になり得るがプロセスデータ全体から、プロセスパラメータ及び/又は運転設定のこのような簡潔で効果的なスナップショットが、その性能に沿って生産される特定の製品に、このようにデジタル的に結合される。制御設定の決定は、このように相乗的に改善されることができる。これは、少なくとも1つの下流性能パラメータを下流オブジェクト識別子に付加することによって達成されることができ、これに関連する詳細は、本開示において議論される。したがって、下流オブジェクト識別子が将来の下流生産のための過去オブジェクト識別子として使用される場合、識別子内の関連データは、将来の生産を改善するためにより良く活用され得る。
本教示の文脈で提案されるオブジェクト識別子は、バリューチェーンを通じて、下流及び上流の両方で、製品のトレーサビリティを改善することができるだけでなく、製品のより一貫した品質を得るような方式で生産プロセスが制御されることを確実にするために使用されることができることが理解されるであろう。異なる時間に製造された複数の製品のより広い変動で生じ得るユニバーサル制御設定に頼るよりは、生産チェーンの少なくとも一部、例えば下流の機器又は機器ゾーンは、製品の所望の性能を達成する目標を有するより適応性のある方式で制御されことができる。TPU及び/又はETPU材料及び/又はプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件の任意の変動は、このように、製品を生産するための下流制御設定又は下流ゾーン特有の制御設定を提供しながら、少なくとも部分的に考慮されることができる。
したがって、本方法はまた:
- 下流制御設定を使用して、下流生産プロセスを実行すること、
をも含む。
下流生産プロセスは、下流機器又は下流機器ゾーンに作動可能に結合された下流プラント制御システムに提供されるか、又はそこで入力される少なくともいくつかの下流制御設定によって実行され得る。追加的に、又は代替的に、下流生産プロセスは、下流プラント制御システムに自動的に提供される下流制御設定の少なくともいくつかによって実行され得る。下流制御設定は、下流コンピューティングユニットによって下流プラント制御システムに直接伝送されてよく、又は、それらは、下流コンピューティングユニット(そのメモリ位置から下流プラント制御システムが下流制御設定を読み取るかまたはフェッチすることができる)に作動可能に結合された下流メモリ位置に提供されてよい。
いくつかの態様において、下流コンピューティングユニットは、下流コンピューティングユニットが下流制御設定を直接使用して下流生産プロセスを少なくとも部分的に制御できるように、下流プラント制御システムの少なくとも一部であってよい。議論されたように、下流制御設定は、下流機器ゾーンの各々における下流生産プロセスの制御を可能にすることができる。制御のより細かさ及び柔軟性は、したがって、少なくとも1つの所望の下流性能パラメータに従った製品の性能を達成することができる。
一態様によれば、本方法は、さらに:
- 下流コンピューティングユニットにおいて、下流機器又は機器ゾーンの1つ以上から下流リアルタイムプロセスデータを受信することであって、前記下流リアルタイムプロセスデータは、下流リアルタイムプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含む、下流リアルタイムプロセスデータを受信すること、
を含む。
下流コンピューティングユニットは、このように下流機器又は機器ゾーンに通信可能に及び/又は作動可能に結合され得る。
さらなる態様によれば、本方法は:
- 下流コンピューティングユニットを介して、下流オブジェクト識別子及び下流ゾーン存在信号に基づいて下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを決定することであって、前記下流ゾーン存在信号は下流生産プロセス中の特定の機器ゾーンにおけるTPU及び/又はETPU材料の存在を示す、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを決定すること、
を含む。
下流コンピューティングユニットは、したがって、下流オブジェクト識別子に関連する下流プロセスデータを選択することができる。前記関連データ、又は下流リアルタイムプロセスデータのサブセットは、TPU及び/又はETPU材料が生産チェーン内のどこに位置しているかに基づいて、又はゾーン存在信号を使用して選択され得る。
別の態様によれば、本方法は:
- コンピューティングユニットを介して、下流リアルタイムプロセスデータ及び下流の過去データのサブセットに基づいて、下流オブジェクト識別子に関連する製品の少なくとも1つの下流性能パラメータを計算すること、
を含む。
理解されるように、下流プロセスデータは、データの1つ以上のコンポ―ネントに関連する変動を有する場合がある。例えば、異なる時間に同じミキサーで混合されたTPU及び/又はETPU材料の2つの異なるバッチは、非同一な方法で混合されている可能性がある。同様の変動は、他のパラメータ及び/又は運転条件にも存在し得る。個々のコンポ―ネント間の変動は、ランダムで、他のコンポ―ネントの変動とは独立しているか、又は部分的に独立している場合がある。さらに、そのような変動の組み合わせは、製品の性能又は品質の変動をもたらし得る。したがって、上記に指定されるように、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットに応じて、下流コンピューティングユニットは、少なくとも1つの下流性能パラメータを計算するように構成され得る。したがって、製品の品質を示す少なくとも1つの下流性能パラメータは、TPU及び/又はETPU材料が下流機器ゾーンで処理されている間に、本質的に決定され得る。少なくとも1つの下流性能は、例えば、ヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)を介して、オペレータに表示されてよい。次に、オペレータは、少なくとも1つの下流性能パラメータのそれぞれ又はいくつかが、所望の下流性能パラメータの関連する値と同じ値になり得るか、又はそれに近づくように、下流生産プロセスを調整することができる。
代替的に、又は追加的に、本方法は、
- 下流オブジェクト識別子に、少なくとも1つの下流性能パラメータを付加すること、
を含む。
下流性能パラメータは、例えば、下流オブジェクト識別子にメタデータとして付加されてよい。したがって、下流オブジェクト識別子は、下流生産プロセス中に計算された少なくとも1つの下流性能パラメータをカプセル化もする。したがって、化学製品のトレーサビリティを向上させることができるだけでなく、製品の品質管理を簡素化することもできる。
代替的に、又は追加的に、本方法は、
- 下流コンピューティング機器を介して、下流性能パラメータの少なくとも1つと所望の下流性能パラメータのそれぞれの関連する値との差が最小になるように、下流生産プロセスを制御すること、
を含む。
計算された性能値は、このように所望の性能パラメータ値を追跡することができる。したがって、生産プロセスの制御の細かさは、より微細なスケールでさらに改善されることができる。このような制御は、様々なプロセスパラメータ及び/又は運転条件の変動を少なくとも部分的に考慮することを可能にし得る。潜在的には、下流の機器ゾーンのそれぞれは、得られる製品がより一貫した性能又は品質を有することができるように、自動的に制御され得る。
代替的に、又は追加的に、本方法は、
- 下流オブジェクト識別子に、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを付加すること、
を含む。
このように、関連する下流プロセスデータは、製品とTPU及び/又はETPU材料の特性との任意の関係もキャプチャされるように、下流オブジェクト識別子においても、前駆体データ又は前駆体材料データと共に、キャプチャ及びパッケージ化又はカプセル化され得る。これは、製品の1つ以上の特性又は性能に影響を与え得る様々な依存関係の間のより完全な関係を提供することができる。別の利点は、TPU及び/又はETPU材料の特性及び/又は下流プロセスパラメータの間に存在する可能性のある様々な相互依存性の間の組み合わせも下流オブジェクト識別子内にキャプチャされることであり得る。下流オブジェクト識別子は、したがって、製品及び/又はTPU及び/又はETPU材料などのその特定のコンポ―ネントを追跡するために使用され得るだけでなく、製品の生成に関係する特定の下流リアルタイムプロセスデータを追跡するためにも使用され得る情報で強化されている。その結果、各過去の下流オブジェクト識別子などのオブジェクト識別子は、任意の機械学習(「ML」)及びそのような目的のために、より容易に統合されることができる。したがって、下流オブジェクト識別子は、将来の下流生産のための過去のオブジェクト識別子として使用されることも可能である。
所望の下流性能パラメータは、製品の1つ以上の特性に直接関係してもよく、及び/又は下流生産プロセス中に生産される下流誘導体材料の1つ以上の特性に関係してもよいことが理解されよう。例えば、TPU及び/又はETPU材料が下流生産プロセスの過程で下流誘導体材料に変化する場合、そのような誘導体材料の品質又は性能も追跡及び/又は制御されることが必要であり得る。そのような場合、下流誘導体材料は、TPU及び/又はETPU材料から生じる中間体材料であり、誘導体材料は次に製品を生産するために使用されることが理解されるだろう。製品は、下流誘導体材料にも依存するため、下流誘導体材料も追跡及び制御することが必要であり得る。
したがって、一態様によれば、所望の下流性能パラメータの少なくとも1つは、下流誘導体材料の1つ以上の特性に関連する。
一態様によれば、下流ゾーン存在信号は、下流コンピューティングユニットを介して、TPU及び/又はETPU材料に関連する少なくとも1つの特性を特定の機器ゾーンにマッピングするゾーン時間変換を実行することによって、生成されてよい。例えば、TPU及び/又はETPU材料に関連する特性は、TPU及び/又はETPU材料の質量であってよく、生産プロセスの知識によって、例えば下流リアルタイムプロセスデータを介して、TPU及び/又はETPU材料又は下流生産プロセス中に生産されるその誘導体材料の存在を決定することができる。一例として、第1下流機器ゾーンである質量を有するTPU及び/又はETPU材料が下流生産プロセス中に第2下流機器ゾーンに搬送された場合、第2下流ゾーンにおける、例えば、事前に定められた時間で又は時間内の質量測定は、第2下流ゾーンのゾーン存在信号を生成するために使用されることができる。同様に、TPU及び/又はETPU材料又はその誘導体材料が生産を通過するフロー値(例えば質量フロー又は体積フロー)は、下流ゾーン存在信号を生成するために使用される特性であり得る。さらに一例として、TPU及び/又はETPU材料が機器ゾーンに沿って搬送される速度(speed)又は流速(velocity)は、TPU及び/又はETPU材料又はその対応する誘導体材料が所定の時間に存在している空間又は位置を決定するために使用されることができる。代替的に、又は追加的に、投入材料に関連する特性の他の非限定的な例は、体積、充填値、レベル、色などである。
出願人は、下流リアルタイムプロセスデータ(それは生産環境において時間依存データ例えば時系列データである)を、空間データにマッピングすることによって、したがってTPU及び/又はETPU材料を表すデジタルフロー要素を用いてリアルタイム生産フローをマッピングすることによって、ゾーン存在信号を生成することが有利であることを発見した。例えば、TPU及び/又はETPU材料のデジタルフローは、下流のオブジェクト識別子を介して追跡することができ、時間依存の下流リアルタイムプロセスデータ内の発生を使用して、下流生産プロセスに沿って材料を位置特定することができる。材料は、このように、すでに測定されている時間及び下流リアルタイムプロセスデータを介して、すなわち下流生産チェーンに沿うTPU及び/又はETPU材料フローの時間次元、に相関する下流プロセスデータの時間次元を使用することによって、追跡又は位置特定される。
ゾーン存在信号は、間欠的、例えば、定期的又は不定期にコンピューティングを介して生成されてもよく、又は連続的に生成されてもよい。これは、それぞれのオブジェクト識別子に関連する材料が、生産チェーン内で、連続的又は本質的に連続的に位置特定されることができ、したがって材料とその製品への変換に非常に関連するデータの付加を可能にする、という利点を有することができる。定期的又は不定期に行われる計算は、例えば、生産チェーン内の特定のチェックポイントにおける材料の存在を、チェックするために行われてよい。これは、下流リアルタイムプロセスデータにおける発生によって、例えば以下に概説するように1つ以上のセンサによって、補完されてよい。
化学品生産では、滞留時間と流速のような時間次元に関連する運転パラメータが知られているため、ゾーン-時間変換は時間スケールの単純なマッピングであり得る。あるいは、プロセスシミュレーションに基づくより複雑なモデルを使用して、材料フローの時間スケールとリアルタイムのプロセスデータを一致させることができる。いかなる場合でもプロセスデータの時間スケールは、プロセスデータのパラメータをより細かく材料フローに帰するように、材料フローよりも細かくすることができる。
このように、下流プロセスリアルタイムデータのサブセット又はそのコンポ―ネントでさえも、例えば下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のそれぞれ又は一部は、材料が機器の特定のサブパート又はゾーン内で過ごす時間に応じて、さらに最適化又はより簡潔なものにすることが可能である。例えば、第1下流機器ゾーンなどの機器ゾーンがミキサー、次いでヒーターを備える場合、下流リアルタイムデータのサブセットは、TPU及び/又はETPU材料がミキサーにいた時間だけ、ミキサーに関連する下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含むことができる。同様に、ヒーターに関連する下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件は、材料がヒーターにさらされた時間、例えばミキサーから出た時点からのみ含めることができる。このようにして、データセットの関連性をさらに細かく管理し、特定の材料との関連性に応じて最適化することができる。理解されるように、代替案は、下流プロセスデータのサブセットが、TPU及び/又はETPU材料が下流機器ゾーンに入った時点からTPU及び/又はETPUが下流機器ゾーンを出る時点までの、下流機器ゾーンに関連するすべての下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含ことができ、この代替案は、下流オブジェクト識別子に対して高い関連性のデータを提供するという利点を既に有しているが、下流プロセスデータの個々のコンポーネントを、説明したように、ゾーン自体の中でさらに特定することによって、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットをさらに最適化させることができ、それぞれの下流オブジェクト識別子内にカプセル化されたデータの関連性をさらに向上させることができる。
追加的に又は代替的に、下流ゾーン存在信号は、特定のゾーンに関連するセンサを少なくとも部分的に介して提供されてよい。例えば、質量センサ及び/又は画像センサを使用して、空間又は特定の機器ゾーンにおけるTPU及び/又はETPU材料又は誘導体材料の存在を検出することができる。
「機器」は、下流工業プラントなどのそれぞれの工業プラント内の任意の1つ以上のアセットを指し得る。非限定的な例として、機器は、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)又は分散制御システム(「DCS」)などのコンピューティングユニット又はコントローラ、センサ、アクチュエータ、エンドエフェクタユニット、コンベアシステムなどの輸送要素、ヒーターなどの熱交換器、炉、冷却ユニット、蒸留ユニット、抽出器、反応器、ミキサー、ミラー、チョッパー、コンプレッサー、スライサー、押出機、乾燥機、スプレー、圧力又は真空チャンバ、チューブ、ビン、サイロ、及び工業プラントでの生産のために又は生産中に直接的又は間接的に使用される他の種類の装置、の1つ以上、又はそれらの組み合わせのいずれを指し得る。好ましくは、機器は、特に、生産プロセスに直接的又は間接的に関与するそれらのアセット、器具又はコンポーネントを指す。より好ましくは、製品の性能に影響を与えることができるそれらのアセット、機器又はコンポーネントを指す。機器は、バッファリングされてよく、又はバッファリングされていなくてもよい。さらに、機器は、混合を伴うか又は混合を伴わないか、分離を伴うか又は分離を伴わないかであり得る。混合を伴わない非バッファリング機器の非限定的な例としては、コンベアシステム又はベルト、押出機、ペレタイザー、及び熱交換器がある。混合を伴わないバッファリング機器の非限定的な例としては、バッファサイロ、ビンなどがある。混合を伴うバッファリング機器の非限定的な例としては、ミキサー付きサイロ、混合容器、カッティングミル、ダブルコーンブレンダー、硬化チューブなどがある。混合を伴う非バッファリング機器の非限定的な例としては、静的ミキサー又は動的ミキサーなどがある。分離を伴うバッファリング機器の非限定的な例は、カラム、分離器、抽出器、薄膜蒸発器、フィルタ、ふるい、などである。機器は、オクタビン充填、ドラム、バッグ、タンクローリーなどの貯蔵又は包装要素であってよく、又はそれらを含んでいてさえよい。場合によっては、2つ以上の機器の組み合わせも機器とみなされることがある。
下流工業プラントの文脈における「機器ゾーン」は、同じ機器の一部であるか、又は、製品の製造に使用される機器の異なる部分であるかのいずれかの物理的に分離されたゾーンを指す。したがって、ゾーンは、物理的に同一でない場所に配置される。位置は、水平方向及び/又は垂直方向の同一ではない地理的位置であってよい。TPU及び/又はETPU材料は、このように上流機器ゾーンから出発し、上流機器ゾーンの下流にある1つ以上の機器ゾーンに向かって、下流に搬送される。したがって、下流の生産プロセスの様々なステップがゾーン間に分配され得る。
本開示では、「機器」及び「機器ゾーン」という用語は相互に交換可能に使用されることができる。
「機器運転条件」とは、機器の、例えば特定のゾーンの、例えば、設定ポイント、コントローラ出力、生産順序、校正状態、機器関連の警告、振動測定、速度、温度、フィルタ差圧などのファウリング値、メンテナンス時期などのいずれか1つ以上の状態を表す特性又は値を指す。
「下流」という用語は、生産のフローの方向を指すと理解されるべきである。例えば、生産プロセスが終了する最終機器ゾーンは、下流機器ゾーンである。しかし、この用語は、本開示における意味の範囲内で相対的な意味で使用される。例えば、第1機器ゾーンと最終機器ゾーンとの間にある中間機器ゾーンは、第1機器ゾーンに関しては下流機器ゾーンと呼ばれ、最後機器ゾーンに関しては「上流」機器ゾーンと呼ばれることもある。このように、最終機器ゾーンは、第1機器ゾーンに関しても、中間機器ゾーンに関しても下流ゾーンである。同様に、第1機器ゾーンと中間機器ゾーンの両方は、最終機器ゾーンの上流である。
「工業プラント」又は「プラント」は、限定されないが、1つ以上の工業製品の製造、生産又は処理、すなわち工業プラントによって行われる製造又は生産プロセス又は処理という工業的目的のために使用される任意の技術的インフラストラクチャを指し得る。より具体的には、下流工業プラントは、製品が少なくとも部分的に製造又は生産される工業プラントを指す。
インフラストラクチャは、熱交換器、分留カラムなどのカラム、加熱炉、反応チャンバ、クラッキングユニット、貯蔵タンク、押出機、ペレタイザー、沈殿器、ブレンダー、ミキサー、カッター、硬化チューブ、蒸発器、フィルタ、ふるい、パイプライン、スタック、フィルタ、バルブ、アクチュエータ、ミル、トランスフォーマー、コンベアシステム、回路遮断器、機械例えばタービンなどの重負荷回転機器、発電機,粉砕機,コンプレッサー,工業用ファン,ポンプ,コンベアシステム、モータなどの輸送要素のいずれか1つ以上のなどの機器又はプロセスユニットを含むことができる。場合によっては、これらの2つ以上の組み合わせも機器とみなされることができる。
さらに、工業プラントは、典型的には、プラント内のプロセス又はプロセスパラメータに関連する少なくとも1つのパラメータを制御するための複数のセンサ及び少なくとも1つの制御システムを備える。このような制御機能は、通常、センサの少なくとも1つからの少なくとも1つの測定信号に応答して、制御システム又はコントローラによって実行される。プラントのコントローラ又は制御システムは、分散制御システム(「DCS」)及び/又はプログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)として実装されてよい。
したがって、工業プラント、すなわち上流工業プラント又は下流工業プラントの機器又はプロセスユニットの少なくともいくつかは、1つ以上の工業製品を生産するために監視及び/又は制御され得る。監視及び/又は制御は、1つ以上の生産品(products)又は製品(articles)の生産を最適化するためにも行われ得る。機器又はプロセスユニットは、1つ以上のセンサからの1つ以上の信号に応答して、DCSなどのコントローラを介して監視及び/又は制御されてよい。さらに、プラントは、プロセスのいくつかを制御するための少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)を含んでいてよい。工業プラントは、典型的には、監視及び/又は制御の目的のために工業プラント内に分散され得る複数のセンサを含んでいてよい。このようなセンサは、大量のデータを生成する可能性がある。センサは、機器の一部と考えられてよく、又は考えられていなくてもよい。そのため、化学生産及び/又はサービス生産などの生産は、データ量の多い環境となり得る。したがって、各工業プラントは、大量のプロセス関連データを生成する可能性がある。
当業者は、工業プラントが通常、異なるタイプのセンサを含むことができる計装を含み得ることを理解するであろう。センサは、1つ以上のプロセスパラメータを測定するため、及び/又は、機器もしくはプロセスユニットに関連する機器運転条件もしくはパラメータを測定するために使用されてよい。例えば、センサは、パイプライン内の流量、タンク内のレベル、加熱炉の温度、ガスの化学組成などのプロセスパラメータを測定するために使用されることができ、いくつかのセンサは、粉砕機の振動、ファンの速度、バルブの開度、パイプラインの腐食、変圧器の電圧などを測定するために使用されることができる。これらのセンサの違いは、センサが感知するパラメータに基づいているだけでなく、それぞれのセンサが使用する感知原理に基づいているものでさえあり得る。感知するパラメータに基づくセンサの例としては、温度センサ、圧力センサ、光センサなどの放射線センサ、フローセンサ、振動センサ、ガスなどの特定の物質を検出するための変位センサ及び化学センサなどが含まれる。採用する感知原理が異なるセンサの例としては、例えば、圧電センサ、ピエゾ抵抗センサ、熱電対、静電容量センサ及び抵抗センサなどのインピーダンスセンサが挙げられる。
工業プラントは、複数の工業プラント部分であってよい。本明細書で使用される「複数の工業プラント」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1つの共通の工業目的を有する少なくとも2つの工業プラントの複合体を指し得る。具体的には、複数の工業プラントは、物理的及び/又は化学的に結合された少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10つ又はそれ以上の工業プラントを含むことができる。複数の工業プラントは、複数の工業プラントを形成する工業プラントが、それらのバリューチェーン、抽出物及び/又は製品の1つ以上を共有し得るように結合されていてよい。
「製品」とは、少なくとも部分的にTPU及び/又はETPUから作られた任意の製品を指す。製品は、少なくとも部分的にTPU及び/又はETPUから作られた成形体又は製品であってよい。非限定的な例としては、例えば、全体的又は部分的にTPU及び/又はETPU材料で作られた靴などの履物、靴のミッドソール、靴のインソール、靴のコンビネーションソールがある。製品は、サドル例えば自転車のサドル、タイヤ例えば自転車のタイヤ、クッション要素、内装材、マットレス、ベース、ハンドル、保護ホイル、自動車の内部又は外部の部品、ボールなどのスポーツ用品、グリップなどのスポーツ用品の一部、又は床材、特にスポーツエリア、陸上トラック、スポーツホール、子供の遊び場及び歩道の床材であり得る。
したがって、製品は、靴のミッドソール、靴のインソール、靴のコンビネーションソール又は靴用の内装材要素の成形体を調製するための、少なくとも部分的にTPU及び/又はETPU材料、又はTPU及び/又はETPUを含む粒子フォームを含む。靴は、ストリートシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツ又は安全靴であってよい。スポーツシューズの場合、ETPU粒子フォームは特に有利であることが分かっている。
非限定的な例として、「TPU」は、上流生産プロセス及び投入材料を用いて、
イソシアネート:4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)
鎖延長剤:1,4-ブタンジオール
ポリオール:ポリテトラヒドロフラン(PolyTHF)
の形態で、例えば上流工業プラントで生産され得る。
上流の工業プロセスの仕様に応じて、触媒、安定剤及び/又は酸化防止剤などのさらなる添加物を添加することができる。TPU及び/又はETPUを生産するための他の任意の適切なプロセスを使用することができる。TPUの生産は、プロセス長48D(12ハウジング)を有するCoperion社の二軸押出機ZSK58MCで実施することを含み得る。押出機からの溶融物(ポリマー溶融物)の排出は、ギアポンプによって実施されてよい。溶融物濾過の後、ポリマー溶融物は、水中造粒によって顆粒に処理され得、これは、加熱ボルテックスベッドにおいて、40~90℃で連続的に乾燥させることができる。ポリオール、鎖延長剤、ジイソシアネート、及び触媒は、第1ゾーンに投入されることができる。上述のように、さらなる添加剤の添加はゾーン8で行われる。ハウジング温度は150~230℃の範囲である。溶融及び水中造粒は、210~230℃の溶融温度で実施されることができる。スクリュー速度は、180~240rpmであってよい。スループットは、180~220kg/hの範囲であってよい。TPUの生産のために、この例で示されている以外の追加の生産プロセスがあってもなくてもよい。
さらなる非限定的な例として、ETPUの生産、又はTPUからの膨張粒子(発泡顆粒)の生産は、後続の溶融ポンプ、スクリーンチェンジャー付き起動弁、多孔プレート及び水中造粒と共に使用される二軸押出機(スクリュー直径44mm及び直径に対する長さの比率42を有する)を含んでよい。熱可塑性ポリウレタンは、残留水分が0.02質量%未満となるように処理前に80℃で3時間乾燥させる。使用されるTPUは、二軸押出機のフィードに質量投与装置を介して投与され得る。材料を二軸押出機のフィードに投入した後、材料は溶融し、混合されることができる。その後、推進剤COとNをそれぞれ1つのインジェクタを介して添加することができる。残りの押出機長さは、ポリマー溶融物への推進剤の均質な混合に使用されることができる。押出機の後、ポリマー/推進剤混合物は、スクリーンチェンジャー付きの起動弁を介してギアポンプにより多孔プレートに押し込まれ得る。多孔プレートを介して個々のストランドを生産することができる。このストランドは、水中造粒ユニットの加圧切断チャンバに搬送され、そこでストランドは顆粒に切断され、顆粒が膨張する間に水とともにさらに輸送され得る。膨張粒子又は顆粒の処理水からの分離は、遠心乾燥機によって行われてよい。押出機、ポリマー、及び推進剤の総処理量は、40kg/hになる場合がある。遠心乾燥機によって膨張顆粒を水から分離した後、粒子のさらなる分解を歪めないように、膨張顆粒を60℃で3時間乾燥させ、残った表面水及び粒子内の可能な水分を除去することができる。
押出機での処理に加えて、オートクレーブで膨張粒子を生産することもできる。この目的のために、圧力容器は、相比が0.32である固相/液相で80%の充填度で充填されて得る。固相はTPUであり、液相は水と炭酸カルシウムと界面活性物質の混合物である。この固相/液相に圧力をかけ、発泡剤/推進剤(ブタン)を、あらかじめ窒素でリンスした密閉圧力容器に押し込むことができる。圧力容器は、50℃の温度で固体/液体相を撹拌することによって加熱されてよく、その後、窒素を8バールの圧力まで圧力容器内に圧入してもよい。その後、所望の含浸温度に達するまで、さらに加熱してよい。含浸温度と含浸圧力に達したら、所定の保持時間の後、バルブを介して圧力容器を緩和させてよい。
ETPUの生産には、この例で示された以外の生産プロセスがあってもなくてもよい。
ETPUの生産は、上流工業プラントで行われてよく、あるいはETPU材料が、例えば前駆体として、製品の製造のために下流工業プラントに提供されてよい。あるいは、必要であれば、下流工業プラントは、製品の製造の前にETPU材料を生産してよい。したがって、TPUとETPUのどちらか一方、又はTPUとETPUの両方が、製品の製造のために下流工業プラントによって使用される前駆体材料であってよい。あるいは、ETPUの生産は、下流工業プラントの一部であってもなくてもよい。
TPU生産プロセス及び/又はETPU生産プロセスは、上記の代表例に示されたものと同じであってもよく、又は同じでなくてもよい。当業者は、特定の生産プロセスが本教示の範囲又は一般性を限定するものではないことを理解するであろう。
製品又はその一部を製造するための生産プロセスの非限定的な例も示されることができる。スチームによる成形品の製造の場合、チェスト成形/成形品を得るための水蒸気融着/粒子発泡体ベースの製品が、代表例として示される。膨張顆粒又はETPUは、Kurtz ersa GmbH社製の成形機(Energy Foamer)上で、一辺が200mm、厚さが10mm又は20mmの角プレートに、水蒸気で覆うことにより、溶融させることができる。プレート厚に関しては、溶融パラメータは冷却に関してのみ異なる場合がある。異なる材料の溶融パラメータは、ツールの移動側に面する最終成形部品のプレート側が、崩壊したETPU粒子をできるだけ少なく有するように選択されることができる。通常、3秒から50秒の範囲の蒸し時間がそれぞれのステップに使用され得る。必要であれば、ツールの移動可能側を通して、スリットスチーミングが行われることもできる。実験にかかわらず、固定側と移動側について、最終的に、120秒の冷却時間がプレート厚20mmで設定され、100秒の冷却時間がプレート厚10mmで常に設定されることができる。このプレートは、70℃のオーブンで4時間保存されることができる。
ここでも、製品の生産プロセスは、上記の代表例に示されたものと同じであってもよく、又は同じでなくてもよい。当業者は、特定の下流生産プロセスが本教示の範囲又は一般性を限定するものではないことを理解するであろう。
上記の例を用いて指摘される点は、製品を製造するための下流生産プロセスは、複数の工程を含むことができ、所望の特性を有する製品を得るために厳密に制御されるべき様々なプロセスパラメータ及び/又は運転条件をさらに含むことができることである。加えて、それも見られるように、ETPUの生産方法も製品の特性に影響を及ぼす可能性がある。ETPUの特性は、ETPUの生産に使用されたTPUの特性に依存する可能性がある。さらに追加的に、ETPUのプロセスパラメータ及び/又は運転条件、さらには投入材料からのTPUの生産が、バリューチェーン全体に依存する可能性がある。これらの変動は、複雑な相互依存性を生み出すこともあり、異なる条件下で異なる方式で整合され、異なる時間及び/又は異なる材料で生産された製品間で変動する品質をもたらす可能性がある。
本教示は、そのような相互依存性を反映し得るこれらの関連データの少なくとも一部の間の関係を確立することを可能にするだけでなく、製品の一貫した品質を目標として、少なくとも下流生産プロセスの監視及び/又は適応可能な制御も可能にすることができる。
下流制御設定は、少なくとも部分的に、上流コンピューティングユニットを介して決定されてよい。追加的に又は代替的に、下流制御設定は、少なくとも部分的に、下流コンピューティングユニットを介して決定されてもよい。上流コンピューティングユニットは、TPU及び/又はETPU材料が生産される、又はそこから下流工業プラントに供給される上流工業プラント又は施設の一部であってよい。
下流工業プラントは、上流工業プラントから、TPU及び/又はETPU材料又は前駆体材料を、下流生産プロセスのためのインプットとして受け取るものであることが理解されよう。したがって、下流工業プラントは、上流工業プラントから離れた場所にある場合がある。前駆体材料は、適切な輸送媒体を介して、例えば、トラック、レール、ボート、又はそれらの組み合わせを介して、例えば、トラックを介して次にボートを介して行われる輸送を介して、下流工業プラントに提供され得る。輸送媒体は、パイプラインのような密閉された媒体であってよい。場合によっては、TPU及び/又はETPU材料は、上流プラントでの生産中及び/又は出荷前に、一定量のパケット、例えば、TPU及び/又はETPU材料をそれぞれ10kg含むパケットに包装されてよい。追加的に又は代替的に、TPU及び/又はETPU材料は、オクタビン、シリンダー、ボックスなどの任意の他の適切な1つ以上の収容ユニットで供給されることができる。
TPU及び/又はETPU材料は、上流工業プラントで保管及び/又は生産され、その後、製品の製造のために下流工業プラントに輸送又は出荷され得る。輸送又は出荷は、TPU及び/又はETPU材料の注文に応じて実行されてよく、前記注文は、TPU及び/又はETPU材料を受け取る下流プラントを介して発行される。下流プラントで受け取られたTPU及び/又はETPU材料は、したがって、製品の製造のために使用され得る。
場合によっては、上流コンピューティングユニットを介して決定された下流制御設定は、上流コンピューティングユニットによって下流メモリロケーションに提供され得る。制御設定が、TPU及び/又はETPU材料を生産する上流工業プラントによってサービスとして直接提供され得ることは、利点であり得る。このことが有益となり得るシナリオは、上流のプラントが、下流の制御設定を予測し提供するためのインフラストラクチャとコンピューティングリソースをすでに有しており、これらの設定が、関連するオブジェクト識別子を介してTPU及び/又はETPU材料の仕様に従って決定され得ることであり得る。したがって、設定は、上流プラントの顧客である下流プラントに提供されることができ、下流プラントによる追加のコンピューティング作業なしに、設定をすぐに展開することができる。したがって、下流プラントは、生産環境を変更、又はコンピューティングリソースを追加することなく、最適化された生産と製品の品質向上を享受することができる。
そのような場合、下流オブジェクト識別子は、上流コンピューティングユニットを介して提供されてよい。少なくとも1つの所望の下流性能パラメータは、上流工業プラント又は上流コンピューティングユニットに、例えば、下流プラントが製品に対して要求する品質尺度として提供され得る。したがって、下流工業プラントは、下流制御設定を決定するために、好ましくは1つ以上の下流性能パラメータを含む下流の過去データを、上流工業プラント又は上流コンピューティングユニットに提供することができる。上流コンピューティングユニットに提供されるデータの少なくとも一部は、下流プラントが保護したい機密データであり得る。これらは、例えば、上流プラントと下流プラントの両方からアクセス可能な共有メモリロケーションに提供されてよい。共有メモリロケーションは、プラント特有のアクセスポリシーを経由してアクセス可能なクラウドストレージであってよい。アクセスポリシーは、プラント、すなわち、上流プラント又は上流コンピューティングユニット、及び下流プラント又は下流コンピューティングのいずれかが有するアクセス権の種類を決定することができる。アクセスポリシーは、暗号化及び/又は多要素認証などの認証手段を定義することもできる。
下流のメモリメモリロケーションは、例えば、共有メモリロケーション、又は上流のンピューティングユニットと下流コンピューティングユニットの両方からアクセス可能なレジストリであることも可能である。
両方のプラントからアクセス可能な分離された共有レジストリを使用することにより、2つのプラント間で分離とセキュリティを維持することができる。例えば、下流プラント又はコンピューティングユニットは、下流制御システム又は機器を外部アクセスにさらすことなく、下流コンピューティングユニットが設定を読み取り又はフェッチできるように、読み取りアクセスを提供されることができる。
同様に、下流の過去データ及び/又は所望の性能パラメータを上流のコンピューティングユニットに提供する必要がある場合、読み取りアクセスは上流のコンピューティングユニットに提供され得る。このように、上流コンピューティングユニットと下流コンピューティングユニットのいずれも、他方のプラントへのアクセスを必要としないことが可能であるため、いずれのプラントにおいてもセキュリティの抜け穴を減らすことができる。
場合によっては、下流制御設定は、下流プラントへのTPU及び/又はETPU材料の出荷に関連するタグを介して提供されてよい。タグは、例えば、TPU及び/又はETPU材料と一緒に下流プラントに輸送されてもよいし、別個に提供されてもよい。タグは、電子チップ及び/又は近距離無線通信(「NFC」)ベースのタグのようなハードウェアタグ及び/又はデジタル的に読み取り可能なコードであってよく、該タグは、少なくとも1つの所望の性能パラメータを達成するという目標で、供給されたTPU及び/又はETPUを用いて、製品を生産するのに適した制御設定を取得するために下流工業プラントで読み取られることができる。タグは、下流工業プラントのために提供される制限されたアクセスで暗号化されることさえできる。
場合によっては、下流コンピューティングユニットを介して決定される下流制御設定は、TPU及び/又はETPU材料に関連する前駆体データに依存する。前駆体データは、前述したように、共有メモリロケーションに提供されることもできる。
一態様によれば、上流オブジェクト識別子は、上流工業プラントを介して提供される。例えば、上流オブジェクト識別子は、下流工業プラントで供給されるべきTPU及び/又はETPU材料について上流工業プラントで受信された注文信号に応答して提供される。上流オブジェクト識別子は、例えば上流コンピューティングユニットを介して、注文信号に応答して自動的に提供されてよい。注文信号は、上流工業プラントの企業資源計画(「ERP」)システムを介して受信されてよく、これに応答して上流コンピューティングユニットが上流オブジェクト識別子を提供することができる。上流オブジェクト識別子は、投入材料データに付加されることができ、投入材料データは、TPU及び/又はETPU材料の生産に使用される投入材料の1つ以上の特性を示し、上流オブジェクト識別子は、上流工業プラントにおいて投入材料に提供される。上流オブジェクト識別子には、上流工業プラントの上流プロセスデータのサブセットが付加されてよく、このサブセットは、TPU及び/又はETPU材料を生産するために投入材料が処理される上流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含む。
上流オブジェクト識別子は、上流インターフェースを介して、好ましくは上流コンピューティングユニットに作動可能に結合された上流メモリストレージで提供されてよい。上流メモリストレージ及び上流コンピューティングユニットのいずれか一方又は両方は、少なくとも部分的にクラウドプラットフォーム又はサービスの一部であってよい。同様に、下流メモリストレージと下流コンピューティングユニットのいずれか一方又は両方は、少なくとも部分的にクラウドプラットフォーム又はサービスの一部であってよい。
上流オブジェクト識別子を提供する利点は、上流プロセスデータの関連部分、又はサブセットが、TPU及び/又はETPU材料の生産に使用される特定の投入材料に付加され得ることである。つまり、投入材料の特性だけでなく、特定のTPU及び/又はETPU材料が生産される条件も上流オブジェクト識別子内にキャプチャされることができるため、前駆体材料の1つ以上の特性をより適切に定義することができる。1つ以上の上流オブジェクト識別子を提供する方法は、下流オブジェクト識別子について説明した代替案と同様にすることができる。したがって、態様は上流及び下流の識別子の両方について繰り返されなくてよい。したがって、当業者は、一方からの態様が、本明細書で明示的に述べることを必要とせずに、他方に適用され得ることを理解するであろう。例えば、上流工業プラントは上流機器ゾーンを含んでいてもよく、下流プロセスデータについて説明されたことと同様に、それぞれのゾーンからの上流プロセスデータもまた、同様の方法で1つ以上の上流オブジェクト識別子にキャプチュアされ、付加されることが可能である。全体的な利点は、本質的に完全なトレーサビリティ及び品質追跡及び/又は制御が、オブジェクト識別子を介して、投入材料から最終製品すなわち製品まで提供され得るということである。また、ゾーン存在の態様は、上流工業プラント又は機器において、それぞれのオブジェクト識別子に付加されるプロセスデータのそれぞれのサブセットを決定するために使用され得る。
ある態様によれば、下流オブジェクト識別子には、上流オブジェクト識別子からのデータの少なくとも一部が付加される。このような下流オブジェクト識別子は、付加下流オブジェクト識別子と呼ばれることがある。したがって、付加下流オブジェクト識別子、又は上流オブジェクト識別子からのデータの少なくとも一部が付加された下流オブジェクト識別子は、生産チェーンのより全体的な像を提供することができ、したがって、投入材料からTPU及び/又はETPU材料までを包含するオブジェクト識別子によって少なくとも参照又はカプセル化されたより完全なデータセットをもたらし、下流制御設定のより良い決定を可能にすることができる。例えば、上流オブジェクト識別子に付加された上流リアルタイムプロセスデータのサブセットも、少なくとも下流オブジェクト識別子に参照される。追加的に、又は代替的に、サンプリングを使用して決定された、及び/又は上流コンピューティングユニットを介して計算された任意の1つ以上の上流性能パラメータも、上流オブジェクト識別子を介して下流オブジェクト識別子に提供され得る。
場合によっては、下流制御設定の少なくとも一部は、下流コンピューティングユニットを介して決定される。そのような場合、上流オブジェクト識別子を介して提供される上流リアルタイムプロセスデータのサブセットは、下流制御設定を決定するために下流コンピューティングユニットによって使用されてよい。例えば、上流コンピューティングユニットは、前に説明されたものと同様に、共有メモリストレージで上流オブジェクト識別子を提供することができる。また、下流オブジェクト識別子が、共有メモリストレージにおいて、上流コンピューティングユニットを介して提供されることも可能である。したがって、下流コンピューティングユニットは、下流制御設定のセットを決定するために、下流オブジェクト識別子を使用することができる。
このようなアプローチの利点は、上流工業プラントが下流の過去データにアクセスする必要がないことである。下流プラントは制御設定のローカルな決定を行うことを決定する可能性があるため、情報保護及びセキュリティに関する懸念がある。このように、下流プラントによって情報又はデータがより適切に保護されることができる。下流オブジェクト識別子を直接提供する代わりに、上流コンピューティングユニットが上流オブジェクト識別子を提供し、該上流オブジェクト識別子が下流コンピューティングユニットによって下流オブジェクト識別子を生成するために使用されるということを理解されたい。当業者は、このケースが、上流コンピューティングユニットによって下流オブジェクト識別子を提供することと同等であり得ることを理解するであろう。
場合によっては、上流コンピューティングユニットは、下流の過去データに基づいて下流制御設定のセットを決定するために使用可能な予測及び/又は制御論理をカプセル化する下流オブジェクト識別子、又は上流オブジェクト識別子を提供することができる。下流工業プラントの情報保護の懸念を軽減するために、予測及び/又は制御論理は、下流工業プラントでトレーニングされ得、例えば、下流コンピューティングユニットを介してトレーニングされ得る。
予測及び/又は制御論理は、下流の過去データを用いてトレーニングされた場合に下流データ駆動モデルを生成し得る予測モデルを含んでいてよい。「データ駆動モデル」とは、少なくとも部分的にデータ(この場合、下流の過去データ)から導出されるモデルを指す。物理化学法則を使用して純粋に導出される厳密なモデルとは対照的に、データ駆動モデルは、物理化学法則ではモデル化できない関係を記述することを可能にし得る。データ駆動モデルの使用は、例えば、それぞれの生産プロセス内で行われているプロセスに関する物理化学法則に由来する式を解くことなく関係を記述することを可能にし得る。これにより、計算電力を低減及び/又は速度を向上し得る。さらに、上流工業プラントは、下流工業プラントで使用可能なこのようなモデルを提供するために、下流生産の仕様を知る必要がなくてよい。
データ駆動モデルは、回帰モデルであってよい。データ駆動モデルは、数学モデルであってよい。数学モデルは、提供された性能特性と決定された性能特性との間の関係を関数として記述されてよい。
場合によっては、予測及び/又は制御論理又は予測モデルは、上流工業プラントからの上流データ駆動モデル、すなわち、上流の過去データを使用してトレーニングされているモデルを含んでよい。トレーニングされた予測及び/又は制御論理、又はトレーニングされた予測モデルは、上流生産の詳細を下流プラントに公開することを必要とせずに、下流プラントでより全体的な予測を提供し得る。
したがって、この文脈では、データ駆動モデル、好ましくはデータ駆動機械学習(「ML」)モデル又は単なるデータ駆動モデルは、上流の過去データ又は下流の過去データなどのそれぞれのトレーニングデータセットに従ってパラメータ化されることにより、それぞれの生産プロセスに関する反応速度論又は物理化学プロセスを反映するトレーニングされた数学モデルを指す。未トレーニングの数学モデルは、反応速度論又は物理化学プロセスを反映しないモデルを指し、例えば、未トレーニングの数学モデルは、経験的観察に基づく科学的一般化を提供する物理法則から導出されていない。したがって、運動学特性又は物理化学特性は、未トレーニングの数学モデルに特有ではないことがある。未トレーニングモデルは、そのような特性を反映していない。特徴量エンジニアリング及びそれぞれのトレーニングデータセットを用いたトレーニングは、未トレーニング数学モデルのパラメータ化を可能にする。このようなトレーニングの結果は、単なるデータ駆動モデル、好ましくはデータ駆動MLモデルであり、該モデルは、トレーニングプロセスの結果として、好ましくは専らトレーニングプロセスの結果として、それぞれの生産プロセスに関連する反応速度論又は物理化学プロセスを反映する。
予測及び/又は制御論理は、ハイブリッドモデルであってよい。ハイブリッドモデルとは、第1原理部分、いわゆるホワイトボックス、及び、前に説明されたようなデータ駆動部分、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指し得る。予測及び/又は制御論理は、ホワイトボックスモデルとブラックボックスモデル及び/又はグレーボックスモデルとの組み合わせを含んでよい。ホワイトボックスモデルは、物理化学法則に基づいていてよい。物理化学法則は、第1原理から導出されてよい。物理化学法則は、反応速度論、質量、運動量及びエネルギーの保存則、任意次元の粒子集団のうちの1つ以上を含むことができる。ホワイトボックスモデルは、それぞれの生産プロセス又はその一部を支配する物理化学法則に従って選択されてよい。ブラックボックスモデルは、下流の過去データ及び/又は上流の過去データなどの過去のデータに基づいてよい。ブラックボックスモデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、又は他の形式の人工知能のうちの1つ以上を用いることによって構築されてよい。ブラックボックスモデルは、トレーニングデータセットと試験データとの間に良好な適合をもたらす任意のモデルであってよい。グレーボックスモデルは、部分的な理論構造とデータを組み合わせてモデルを完成させるモデルである。
トレーニングモデルは、直列又は並列のアーキテクチャを含んでよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルの出力は、ブラックボックスモデルのための入力として使用されてよく、又はブラックボックスモデルの出力は、ホワイトボックスモデルのための入力として使用されてよい。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルとブラックボックスモデルとの組み合わされた出力は、出力の重ね合わせによるように決定されてよい。非限定的な例として、第1サブモデルは、解析的なホワイトボックスモデルと、それぞれの過去のデータに基づいてトレーニングされたブラックボックス修正器として作用するデータ駆動モデルとを有するハイブリッドモデルに基づいて、性能パラメータのうちの少なくとも1つ及び/又は制御設定のうちの少なくともいくつかを予測してもよい。この第1サブモデルは、直列アーキテクチャを有してよく、ホワイトボックスモデルの出力は、ブラックボックスモデルのために入力され、又は第1サブモデルは、並列アーキテクチャを有してよい。ホワイトボックスモデルの予測出力は、過去のデータの一部を含む試験データセットと比較されてよい。計算されたホワイトボックス出力と試験データとの間の誤差は、データ駆動モデルによって学習され得、次いで、任意の予測のために適合され得る。第2サブモデルは、並列アーキテクチャを有し得る。別の例も可能であり得る。
本明細書で使用される場合、「機械学習」又は「ML」という用語は、明示的にプログラミングすることなく機械がデータからタスクを「学習する」ことを可能にする統計的方法を指してよい。機械学習技術は、「従来の機械学習」すなわち手動で特徴を選択し、次いでモデルをトレーニングするワークフローを含んでよい。従来の機械学習技術の例は、決定木、サポートベクターマシン、及びアンサンブル方法を含んでいてよい。いくつかの例では、データ駆動モデルは、データ駆動深層学習モデルを含んでいてよい。深層学習は、ヒトの脳の神経経路を緩くモデル化した機械学習のサブセットである。ディープは、入力層と出力層間の複数の層を指す。深層学習では、アルゴリズムは、どのような特徴が有用であるかを自動的に学習する。深層学習技術の例は、畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)、長短期記憶(「LSTM」)などのリカレントニューラルネットワーク、及びディープQネットワークを含んでよい。
ある態様によれば、予測及び/又は制御論理は、下流制御設定の計算が改善されるように予測及び/又は制御論理を修正するために使用され得る修正データを、生成するように構成される。
別の態様によれば、トレーニングされる予測(すなわち予測及び/又は制御論理)は、下流工業プラントでトレーニングされてもよく、及び/又は修正データは、上流工業プラントに提供される。トレーニングされた予測及び/又は制御論理及び/又は修正データは、例えば、下流オブジェクト識別子又はその一部を介して上流コンピューティングユニットに提供されてよい。その目的のために、同じ共有メモリストレージ又は他の適切な媒体が使用されてよい。この方法の利点は、下流プラントの生産データが上流プラントから保護される一方で、上流生産プロセスを改善する目的で、トレーニングされた予測及び/又は制御論理を付加された下流オブジェクト識別子が使用され得ることである。このように、2つのプラント間のデータ保護が改善される。
別の利点は、トレーニングされた予測及び/又は制御論理を、上流工業プラント例えば上流のコンピューティングユニットにトレーニングされた予測及び/又は制御論理を提供する下流プラントのデータセキュリティを尊重しながら、他の1つ以上の下流プラントに、サービスとして提供することさえできることである。
予測及び/又は制御論理は、例えば、論理が権限のないアクセス又は読み出しから保護されるように、保護されたコンテナにカプセル化するなど、難読化することもできる。そのような場合の利点は、上流プラントが、権限のない第三者にロジックを公開するセキュリティ上の懸念を軽減しながら、下流プラントの生産改善のためのサービスを提供できることである。さらに、下流プラントは自社でソリューションを開発する必要がなく、また、下流プラントの過去のデータを公開する必要がなく、しかし、それでも、上流プラントによって提供されるオブジェクト識別子と論理を介して提供される下流プラントの生産の改善を享受できる。上流プラントと下流プラントの両方において、データセキュリティが改善され、潜在的に両者で生産が改善する可能性がある。
「生産プロセス」例えば、下流生産プロセスは、TPU及び/又はETPU材料に使用され、又は適用された場合に製品を提供するあらゆる工業プロセスを指す。このように、製品は、TPU及び/又はETPUを直接、又は1つ以上の誘導材料から、下流生産プロセスを経由して製品をもたらすように変換することにより提供される。同様に、上流生産プロセスは、投入材料に使用され、又は適用された場合にTPU及び/又はETPU材料を提供するあらゆる工業プロセスを指す。
したがって、生産プロセスは、TPU及び/又はETPU材料から少なくとも部分的に製品を得るために使用される、少なくとも部分的に1つ以上の化学プロセス又は複数のプロセスの組み合わせを含む任意の適切な製造又は処理プロセスであり得る。生産プロセスは、化学製品のパッケージング及び/又はスタッキングを含むことさえある。生産プロセスは、このように、化学工程と物理工程の組み合わせであってよい。
「製造する」、「生産する」、又は「処理する」という用語は、それぞれの生産プロセスの文脈で交換可能に使用される。これらの用語は、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上を生成する投入材料への化学プロセスを含む任意の種類の工業プロセスと、1つ以上の製品を生成するTPU及び/又はETPUへの化学プロセスを含む任意の種類の工業プロセスとを包含し得る。
本開示における「前駆体材料」又は単に「前駆体」は、一般にTPU及び/又はETPU材料を指す。しかし、この用語は、TPU及び/又はETPUと組み合わされて製品をもたらす他の物質又は材料をも指すことがある。そのような他の物質又は材料は、接着剤、充填剤、添加剤などのうちの任意の1つ以上であり得る。
製品の製造に使用される前駆体のような材料は、それらが生産される特定の出発材料へのトレーサビリティを確立することは言うまでもなく、特にその生産プロセス中にトレース又は追跡することが困難である。投入材料は、上流プラントで生産されるTPU及び/又はETPU材料の出発材料と呼ばれることができることを理解されたい。同様に、TPU及び/又はETPU材料又は前駆体は、下流プラントで生産される製品のための出発材料と呼ばれることができる。一例として、生産中に、投入材料は他の材料と混合されてよく、及び/又は、投入材料は、例えば、異なる方法で処理されるために、生産チェーンの下流で異なる部分に分割されてよい。投入材料は、TPU及び/又はETPU材料に変換される前に、例えば、1つ以上の誘導体材料に変換されるなど複数回変換されることがある。同様に、TPU及び/又はETPUも、下流生産プロセス中に複数回、混合及び/又は分割及び/又は変換されてよい。さらに、TPU及び/又はETPU材料の異なる部分は、異なる下流工業プラント、又は顧客に出荷される場合がある。例えば、TPU及び/又はETPU材料は、分割されて異なるパッケージで包装されてよい。場合によっては、包装されたTPU及び/又はETPU材料又はその部分にラベル付けすることは可能かもしれないが、その特定のTPU及び/又はETPU材料又はその部分の生産に関与した生産プロセスの詳細を添付することは困難かもしれない。同様の問題は、下流生産チェーンにも存在し得る。多くの場合、投入材料及び/又はTPU及び/又はETPU及び/又は製品は、それらを物理的にラベル付けすることが困難な形態である可能性がある。したがって、本教示は、このような制限を克服するために1つ以上のオブジェクト識別子を使用することもできる方法を提供する。
生産プロセス、すなわち上流生産プロセス及び/又は下流生産プロセスは、連続的であってよく、キャンペーン(例えば回収が必要な触媒に基づく場合)などでは、バッチ式化学生産プロセスであってよい。これらの生産タイプの主な違いの1つは、生産中に生成されるデータでの発生頻度である。例えば、バッチプロセスでは、生産データは、生産プロセスの開始から最終バッチまで、その実行で生産されるさまざまなバッチにわたって、拡張される。連続的な設定では、生産運転の潜在的なシフト及びメンテナンスによるダウンタイムがあるが、データはより連続的である。
「プロセスデータ」とは、例えば、1つ以上のセンサを介して、それぞれの生産プロセス中に測定された値、例えば、数値又はバイナリ信号値を含むデータを指す。プロセスデータは、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のうちの1つ以上の時系列データ、例えば下流プラントの場合、下流時系列データであってよい。好ましくは、プロセスデータのそれぞれは、それぞれのプラントのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件の時間的情報を含み、例えば、データは、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件に関するデータポイントの少なくともいくつかについてのタイムスタンプを含んでいる。より好ましくは、プロセスデータは、時間空間データ、すなわち、時間データと、物理的に離れて位置する1つ以上の機器ゾーンに関する位置データとを含み、したがって時間空間関係をデータから導出することができる。時間空間関係は、例えば、所与の時間における投入材料の位置を計算するために使用されることができる。
「リアルタイムプロセスデータ」とは、特定の材料例えばTPU及び/又はETPU材料又は前駆体が、それぞれの製造プロセスを用いて処理されている間に、測定されるプロセスデータ又は本質的に過渡状態にあるプロセスデータを指す。例えば、投入材料に関するリアルタイムプロセスデータ、又は上流リアルタイムプロセスデータは、上流生産プロセスを用いた投入材料の処理からの又はその前後の上流プロセスデータである。同様に、TPU材料及び/又はETPU材料に関するリアルタイムプロセスデータ、又は下流リアルタイムプロセスデータは、下流生産プロセスを用いた前駆体材料の生産からの又はその前後の下流プロセスデータである。
ここで、その前後のとは、ほとんど時間的な遅れがないことを意味する。「リアルタイム」という用語は、コンピュータ及び計測器の技術分野においては理解されている。具体的な非限定的な例として、それぞれの材料に対して実行されているそれぞれの生産プロセス中の生産の発生と、測定又は読み出されるプロセスデータとの間の時間遅れは、15秒未満、具体的には10秒以下、より具体的には5秒以下である。高スループット処理の場合、遅延は1秒未満、又は数ミリ秒未満、又はさらに短い。したがって、リアルタイムデータは、それぞれのプラントでそれぞれの材料を処理する間に生成される、時間依存のプロセスデータの流れとして理解されることができる。
「プロセスパラメータ」とは、例えば、温度、圧力、時間、レベルなど、生産プロセスに関する変数のいずれか1つ以上を指し得る。
「投入材料」は、TPU及び/又はETPU材料を生産するために使用される少なくとも1つの原料又は未処理材料を指し得る。投入材料のいくつかの非限定的な例は:ポリエーテルアルコール、ポリエーテルジオール、ポリテトラヒドロフラン、アジピン酸及びブタン-1,4-ジオールに基づくようなポリエステルジオール、イソシアネート、有機又は無機材料の-木粉、デンプン、麻、ラミー、ジュート、サイザル、綿、セルロース又はアラミド繊維などのフィラー材料、ケイ酸塩、バライト、ガラス球、ゼオライト、金属又は金属酸化物、タルク、チョーク、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜硝酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、水晶粉、エアロジル、粘土、マイカ又はウォラストナイト、鉄粉、ガラス球、ガラス繊維又は炭素繊維、のいずれか1つ以上であり得る。
さらなる非限定的な例として、投入材料は、メチレンジフェニルジイソシアネート(「MDI」)及び/又はポリテトラヒドロフラン(「PTHF」)であってよく、TPUを得るために生産プロセスの少なくとも一部に供される。このように、投入材料は、TPU及び/又はETPUを得るために1つ以上の機器ゾーンで化学的に処理されることが理解されよう。この場合の誘導体材料は、投入材料に由来するが、TPU及び/又はETPU材料を得るためにさらに処理される材料を意味する。例えば、TPUは、ETPUを得るために、1つ以上のさらなる機器ゾーンでさらに処理されることがある。
「投入材料データ」とは、投入材料の1つ以上の特性又は性質に関するデータを指す。したがって、投入材料データは、投入材料の量などの特性を示す値の任意の1つ以上を含むことができる。代替的に、又は追加的に、量を示す値は、投入材料の充填度及び/又はマスフローであり得る。値は、上流機器に作動可能に結合された、又は上流機器に含まれる1つ以上のセンサを介して測定されることが好ましい。代替的に、又は追加的に、投入材料データは、投入材料に関するサンプル/テストデータを含んでよい。代替的に、又は追加的に、投入材料データは、密度、濃度、純度、pH、組成、粘度、温度、質量、体積などのいずれか1つ以上の投入材料の物理的及び/又は化学的特性を示す値を含むことができる。
「前駆体データ」又は「前駆体材料データ」は、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性又は性質に関するデータを指す。したがって、前駆体材料データは、TPU及び/又はETPU材料の量などの特性を示す値のうちの任意の1つ以上を含むことができる。代替的に、又は追加的に、量を示す値は、TPU及び/又はETPU材料の充填度及び/又はマスフローであってよい。値の少なくともいくつかは、下流機器に作動可能に結合された、又は下流機器に含まれる1つ以上のセンサを介して測定され得る。値の一部は、上流プラント又は上流コンピューティングユニットによって、例えば上流オブジェクト識別子を介して、又は場合によっては下流オブジェクト識別子そのものを提供することによって、提供されてよい。代替的に、又は追加的に、前駆体データは、TPU及び/又はETPU材料に関するサンプル/試験データを含むことができる。そのため、代替的に、又は追加的に、前駆体材料データは、密度、濃度、純度、pH、組成、粘度、温度、質量、体積などのうちのいずれか1つ以上の、TPU及び/又はETPU材料の任意の物理特性及び/又は化学特性を示す値を含んでよい。特にTPUの場合、前駆体データは、例えば、ガスクロマトグラフィー、ヤング率、ショア硬度、メルトフロー値、メルトフローレート(「MFR」)及び色価のパラメータ又は結果のうちのいずれか1つ以上を示す値を含んでよい。特にETPUの場合、前駆体データは、例えば、粒子質量又はビード質量、割裂、寸法安定性試験又は収縮試験、引張試験、弾性又は反発弾性、摩耗、バルク密度、ビード密度又は粒子密度又はフォーム密度、硬度、圧縮特性(例えば、圧縮永久歪み又は圧縮応力によって測定された剛性)、引張強度、破断伸び、引裂強度、示差走査熱量測定(「DSC」)、動的機械分析(「DMA」)、熱機械分析(「TMA」)、核磁気共鳴分光法(「NMR」)、フーリエ変換赤外線分光法(「FT-IR」)、ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)、サイズ排除クロマトグラフィー、加水分解測定、太陽試験、外観(例えば、3D構造)、粒度分布(PSD)のパラメータ又は結果のうちのいずれか1つ以上を示す値を含んでよい。値は、上流コンピューティングユニットを介して計算されてよく、及び/又は、例えば、1つ以上の品質管理又はラボ分析から実行される測定結果からであってよい。ETPUパラメータについて上に示した例は、例えば、粒子の形態のETPU材料を加工(processing)、例えば、成形することによって作られた靴底などの製品又はその一部についても適用することができる。したがって、ETPUパラメータのいずれも、バルクのETPU粒子及び/又は粒子から作られた加工品(processed article)に適用できる。
場合によっては、前駆体データは、上流オブジェクト識別子からのデータの一部を含んでよく、例えば、前駆体データは、上流オブジェクト識別子への参照又はリンク、あるいは場合によっては、上流プロセスデータのサブセットの少なくとも一部を含んでいてよい。
基底となる化学生産環境の処理機器によって処理された投入材料は、物理パッケージ又は実世界のパッケージ、以下において「パッケージオブジェクト」(又はそれぞれ「物理パッケージ」又は「製品パッケージ」)と呼ばれる物理パッケージ又は実世界のパッケージに分けられることを述べなければならない。このようなパッケージオブジェクトのパッケージサイズは、例えば材料質量によって又は材料の量によって固定され得、又は質量又は量に基づいて決定されることができ、そのために処理機器によってかなり一定のプロセスパラメータ又は機器動作パラメータが提供され得る。このようなパッケージオブジェクトは、投入された液体及び/又は固体原材料から、投与ユニットによって作成されることができる。
このようなパッケージオブジェクトの後続処理は、いわゆる「オブジェクト識別子」を含む対応するデータオブジェクトによって管理され、これらは、前述の機器と結合された、あるいは機器の一部であるコンピューティングユニットを介して各パッケージオブジェクトに割り当てられる。基礎となるパッケージオブジェクトの対応する「オブジェクト識別子」を含むデータオブジェクトは、コンピューティングユニットのメモリストレージ要素に格納される。
データオブジェクトは、機器を介して提供されるトリガー信号に応答して、好ましくは、機器ユニットの各々に配置される対応するセンサの出力に応答して生成されることができる。上述したように、基礎となる工業プラントは、異なるタイプのセンサ、例えば、1つ以上のプロセスパラメータを測定するためのセンサ、及び/又は機器運転条件又は機器若しくはプロセスユニットに関するパラメータを測定するためのセンサを含むことができる。
前述の「オブジェクト識別子」は、より詳細には、その各材料のデジタル識別子を指す。例えば、上流オブジェクト識別子は、投入材料に提供される。同様に、過去の上流オブジェクト識別子は、以前に処理された特定の過去の投入材料に対応する。オブジェクト識別子は、好ましくは、コンピューティングユニットを介して生成される。オブジェクト識別子の提供又は生成は、それぞれの機器によって、又は、例えば上流機器からのトリガーイベント又は信号に応答して、トリガーされ得る。オブジェクト識別子は、コンピューティングユニットに作動可能に結合されたメモリストレージ又はメモリストレージ要素に格納されていてよい。例えば、上流メモリストレージは、上流コンピューティングユニットに作動可能に結合されている。同様に、下流メモリストレージは、下流コンピューティングユニットに作動可能に結合されている。いくつかの態様では、説明されたように、上流コンピューティングユニット及び下流コンピューティングユニットの両方に作動可能に結合されているか又はアクセス可能である共有メモリストレージも提供され得る。いくつかの場合において、共有メモリストレージは、上流メモリストレージの一部であるか、又は少なくとも部分的に上流メモリストレージの一部であってよく、及び/又は、共有メモリストレージは、下流メモリストレージの一部であるか、又は少なくとも部分的に下流メモリストレージの一部であってよい。メモリストレージは、少なくとも1つのデータベースを含んでよく、又は、少なくとも1つのデータベースの一部であってよい。したがって、オブジェクト識別子は、データベースの一部であってよい。オブジェクト識別子は、任意の適切な方法、例えば、伝送、受信、又は生成などを介して提供され得ることが理解されよう。
それぞれの「コンピューティングユニット」、すなわち上流コンピューティングユニット又は下流コンピューティングユニットは、1つ以上のプロセスコアを有するマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はそれらのような、処理手段又はコンピュータプロセッサを備えていてよく、又はそれらであってよい。場合によっては、コンピューティングユニットは、少なくとも部分的に機器の一部であってもよく、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)又は分散制御システム(「DCS」)などのプロセスコントローラであってよく、及び/又は少なくとも部分的にリモートサーバであってよい。したがって、それぞれのコンピューティングユニットは、それぞれの機器に作動可能に接続された1つ以上のセンサから1つ以上の入力信号を受信することができる。それぞれのコンピューティングユニットがそれぞれの機器の一部でない場合、それぞれの機器から1つ以上の入力信号を受信してよい。代替的に、又は追加的に、それぞれのコンピューティングユニットは、それぞれの機器に作動可能に結合された1つ以上のアクチュエータ又はスイッチを制御することができる。作動可能な1つ以上のアクチュエータ又はスイッチは、機器の一部であってよい。
「メモリストレージ」又は「メモリストレージ要素」、例えば、上流メモリストレージ及び/又は下流メモリストレージは、データの形式で、適切な記憶媒体に情報を格納するための装置又はシステムを指し得る。好ましくは、メモリストレージは、機械読み取り可能なデジタル形式、例えばコンピュータプロセッサを介して読み取り可能なデジタルデータで情報を記憶するのに適したデジタルストレージである。したがって、メモリストレージは、コンピュータプロセッサによって読み取り可能なデジタルメモリストレージ装置として実現され得る。メモリストレージは、少なくとも部分的に、クラウドサービスに実装されてよい。さらに好ましくは、デジタルメモリストレージ装置上のメモリストレージは、コンピュータプロセッサを介して操作されることができる。例えば、デジタルメモリストレージ装置に記録されたデータの任意の部分は、コンピュータプロセッサによって、部分的又は全体的に、新しいデータで書き込まれ、及び/又は消去され、及び/又は上書きされ得る。
それぞれの「コンピューティングユニット」、すなわち上流コンピューティングユニット又は下流コンピューティングユニットは、1つ以上のプロセスコアを有するマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はそれらのような、処理手段又はコンピュータプロセッサを備えていてよく、又はそれらであってよい。場合によっては、それぞれのコンピューティングユニットは、少なくとも部分的にそれぞれの機器の一部であってもよく、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)又は分散制御システム(「DCS」)などのプロセスコントローラであってよく、及び/又は少なくとも部分的にリモートサーバ、及び/又はクラウドサービスであってよい。したがって、それぞれのコンピューティングユニットは、それぞれの機器又は複数の機器ゾーンに作動可能に接続された1つ以上のセンサから1つ以上の入力信号を受信することができる。コンピューティングユニットが機器の一部でない場合、機器又は複数の機器ゾーンから1つ以上の入力信号を受信してよい。代替的に、又は追加的に、コンピューティングユニットは、機器に作動可能に結合された1つ以上のアクチュエータ又はスイッチを制御することができる。作動可能な1つ以上のアクチュエータ又はスイッチは、機器の一部であってよい。コンピューティングユニットは、機器又は複数の機器ゾーンに作動可能に結合される。
したがって、それぞれのコンピューティングユニットは、アクチュエータ又はスイッチ及び/又はエンドエフェクタユニットのいずれか1つ以上を制御することによって、例えばそれぞれの機器運転条件の1つ以上を操作することによって、それぞれの生産プロセスに関する1つ以上のパラメータを操作することができる場合がある。制御は、好ましくは、機器から取得された1つ以上の信号に応答して行われる。
この文脈における「エンドエフェクタユニット」又は「エンドエフェクタ」は、機器の周囲の環境と相互作用する目的で、それぞれの機器の一部であるか、及び/又は機器に作動可能に接続され、したがって機器及び/又はそれぞれのコンピューティングユニットを介して制御可能である装置を指す。いくつかの非限定的な例として、エンドエフェクタは、環境(例えば投入材料及び/又は前駆体及び/又は製品)と相互作用するように設計されたカッター、グリッパ、噴霧器、混合ユニット、押出機チップなど、あるいはそれらのそれぞれの部品であってもよい。
それぞれの材料、すなわち投入材料、TPU及び/又はETPU材料、又は誘導体材料に関する「特性」又は「特性(複数)」は、それぞれの材料の量、バッチ情報、純度、濃度、粘度などの品質を特定する1つ以上の値、又は材料の任意の特性のいずれか1つを指し得る。TPU及び/又はETPUの場合、特性の少なくとも一部は、前駆体データから導出されることができる。当業者であれば、特性のいずれか1つ以上が前駆体データの文脈で前述したパラメータ又は結果のいずれか1つ以上から、導出されることができることを理解するであろう。
「インターフェース」は、少なくとも部分的にそれぞれの機器の一部、又はオブジェクト識別子が提供される別のコンピューティングユニットの一部である、ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントであってよい。例えば、インターフェースは、アプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)であってもよい。場合によっては、インターフェースは、例えば、ネットワーク内の2つのハードウェアコンポーネント及び/又はプロトコル層をインターフェースするために、少なくとも1つのネットワークに接続することもできる。例えば、インターフェースは、それぞれの機器とそれぞれのコンピューティングユニットとの間のインターフェースであってよい。下流プラントの場合、下流インターフェースは、下流機器と下流コンピューティングユニットとの間のインターフェースであってよい。同様に、上流プラントの場合、上流インターフェースは、上流機器と上流コンピューティングユニットとの間のインターフェースであってよい。場合によっては、それぞれの機器は、それぞれのネットワークを介して、それぞれのコンピューティングユニットに通信可能に結合されてよい。したがって、インターフェースは、ネットワークインターフェースであってよく、又はネットワークインターフェースを含んでいてよい。場合によっては、インターフェースは、接続性インターフェースであってよく、又は接続性インターフェースを含んでいてよい。
「ネットワークインターフェース」とは、ネットワークとの作動接続を可能にする1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントの装置又はグループを指す。
「接続性インターフェース」とは、信号やデータの転送又は交換又は信号又はデータなどの通信を確立するためのソフトウェア及び/又はハードウェアのインターフェースを指す。通信は、有線であっても無線であってもよい。接続性インターフェースは、好ましくは、1つ以上の通信プロトコルに基づくか、又はそれをサポートする。通信プロトコルは、無線プロトコル、例えば、Bluetooth(登録商標)、又はWiFiなどの短距離通信プロトコル、又はセルラー又はモバイルネットワーク、例えば、第2世代セルラーネットワーク又は(「2G」)、3G、4G、Long Term Evolution(「LTE」)、又は5Gなどの長距離通信プロトコルであってよい。代替的に、又は追加的に、接続性インターフェースは、独自の短距離又は長距離プロトコルに基づくものであってよい。接続性インターフェースは、任意の1つ以上の標準及び/又は独自のプロトコルをサポートすることができる。接続性インターフェースとネットワークインターフェースは、同じユニットであってよく、又は異なるユニットであってよい。
本明細書で説明される「ネットワーク」は、有線、無線、又はそれらの組み合わせなど、任意の適切な種類のデータ伝送媒体であってよい。特定の種類のネットワークは、本教示の範囲又は一般性を制限するものではない。したがって、ネットワークは、少なくとも1つの通信エンドポイントと別の通信エンドポイントとの間の任意の適切な相互接続を指すことができる。ネットワークは、1つ以上の分配ポイント、ルータ、又は他の種類の通信ハードウェアを含んでよい。ネットワークの相互接続は、物理的なハード配線、光及び/又は無線周波の方式によって形成されてよい。ネットワークは、具体的には、光ファイバネットワーク又は導電性ケーブル又はそれらの組み合わせによって完全に又は部分的に作られたネットワークなど、ハード配線によって完全に又は部分的に作られた物理ネットワークであってよく、又はそれらを含んでよい。ネットワークは、少なくとも部分的にインターネットを含んでいてよい。上流プラントのネットワークの少なくとも一部、又は上流ネットワークは、下流プラントのネットワークの少なくとも一部、又は下流ネットワークから隔離されていてよい。さらに、上流ネットワーク及び下流ネットワークは、少なくとも部分的に非パブリックネットワーク、すなわち、インターネットなどのパブリックネットワークから隔離されていてよい。隔離により、前記ネットワークは、各プラントの1つ以上のネットワークファイアウォールなどのセキュリティ手段を用いて隔離され得ることが理解されよう。代替的に、又は追加的に、一方又は両方のプラントのネットワーク及び生産環境を保護するための他のセキュリティ及び隔離措置が実施されてよい。
場合によっては、説明されたように、プロセスデータのそれぞれのサブセットは、それぞれのオブジェクト識別子に付加される。例えば、投入材料が上流機器によって処理される上流リアルタイムプロセスデータのサブセットが、全体として上流オブジェクト識別子に含まれるか、又はその一部が付加されるか、又は保存されるかのいずれかである。このように、上流機器又は機器ゾーンで投入材料を処理するために関連した上流リアルタイムプロセスデータのスナップショットが、上流オブジェクト識別子で利用可能又はリンクされる。リアルタイムプロセスデータがその全体として保存されるか、又はその一部が保存されるかは、例えば、プロセスデータのサブセットのどの部分がオブジェクト識別子に付加されるべきかに関する上流コンピューティングユニットを介する決定に基づくことができる。同様に、TPU及び/又はETPU材料が下流機器によって処理される下流リアルタイムプロセスデータのサブセットは、その全体が下流オブジェクト識別子に含まれるか、又はその一部が付加又は保存されるか、のいずれかである。
代替的に、又は追加的に、先に議論されたことに加えて、決定は、例えば、得られるTPU及び/又はETPU材料又は製品の所望の特性に影響を及ぼすことよりも、それぞれのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件に最も支配的に基づいて行われ得る。これは、特に関するリアルタイムプロセスデータが大量である場合に有利であり、したがって、大量のデータを、それぞれのオブジェクト識別子に付加するのではなく、それぞれのコンピューティングユニットが、それぞれのリアルタイムプロセスデータのどのサブセットが付加されるかを決定することができる。したがって、オブジェクト識別子に付加されるリアルタイムプロセスデータの部分は、それぞれのコンピューティングユニットを介して決定されてよい。例えば、下流コンピューティングユニットは、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットのどれが下流オブジェクト識別子に付加されるかを決定してよい。
さらに、決定は、1つ以上のMLモデルに基づくことができる。そのようなモデルは、本開示においてより詳細に議論される。
さらなる態様によれば、上流オブジェクト識別子には、上流プロセス特有データも付加される。上流プロセス特有データは、下流プラントからの注文番号及び/又は生産コード及び/又は生産プロセスレシピ及び/又はバッチデータなどの上流エンタープライズリソース計画(「ERP」)データ、下流プラントデータなどの受信者データ、及び投入材料及び/又は前駆体材料の化学製品への変換に関するデジタルモデル又は論理、のうちのいずれか1つ以上であり得る。このようなデジタルモデルの例は、予測及び/又は制御論理の観点で以前説明された。
ERPデータは、上流工業プラントに関するERPシステムから受け取ることができる。
デジタルモデルは、投入材料及び/又は前駆体から化学製品への変換に関する1つ以上の物理的及び/又は化学的変化を表すコンピュータ可読数学モデル、のいずれか1つ以上であってよい。バッチデータは、生産中のバッチに関するデータ及び/又は同じ機器を介して製造された以前の製品に関するデータであってよい。このように、関連するプロセス特有データを束ねることによって、TPU及び/又はETPU材料のトレーサビリティをさらに向上させることができる。より具体的には、バッチデータは、同じ上流機器を介して少なくとも部分的に生産されるTPU及び/又はETPU材料の様々なロット又はバッチの生産をより最適に順序付けるために使用されることができる。
同様に、下流オブジェクト識別子には、下流プロセス特有データが付加される場合がある。下流プロセス特有データは、上流プラントへの注文番号及び/又は生産コード及び/又は生産プロセスレシピ及び/又はバッチデータなどの下流エンタープライズリソース計画(「ERP」)データ、上流プラントデータなどのベンダーデータ、及び投入材料及び/又は前駆体材料の化学製品への変換に関するデジタルモデル又は論理のうちのいずれか1つ以上であり得る。このようなデジタルモデルの例は、予測及び/又は制御論理の観点から以前説明されたが、これは、例えば上流コンピューティングユニットによって提供され得る。
「制御設定」とは、TPU及び/又はETPU材料又は製品をそれぞれ生産するためにそれぞれの材料及び関連する場合の誘導体材料が処理される方法に影響を与えるような方式で、それぞれの機器に機能的又は作動可能に結合されたそれぞれの1つ以上のプラント制御システムによって影響を与えられる任意のそれぞれの制御可能な設定及び/又は値を指す。例えば、下流制御設定は、製品の生産に使用される下流プロセスデータ及び/又は運転条件を決定する。同様に、上流制御設定は、TPU及び/又はETPU材料の生産に使用される上流のプロセスパラメータ及び/又は運転条件を決定する。例えば、制御設定は、それぞれのプラントの1つ以上のプラント制御システムにおける1つ以上のコントローラのための設定ポイントであってよい。制御設定は、例えば、コントローラが機器ゾーンでの処理に使用すべき温度設定ポイントに関連し得る。別の制御設定は、1つ以上の材料が処理されるべき、例えば、混合されるべき時間帯であってもよい。制御設定の他の非限定的な例は、処理時間などの時間、圧力、質量又は体積などの量、比率、レベル、流量などの変化率、スループット、速度、1分間あたりの回転数(「rpm」)などの回転速度、及び質量などの値である。追加的に、又は代替的に、それぞれの制御設定は、前駆体又は化学製品が生産されるレシピを決定することさえある。例えば、それぞれの制御設定の少なくともいくつかは、使用される材料量又は割合を決定することができ、例えば、2つのコンポ―ネントをどのような比率で混合すべきか、及び/又は、それぞれの機器で添加剤投与量を選択する。非限定的な例として、レシピは、TPU材料を得るために、例えばイソシアネートが鎖延長剤及び/又はポリオールに対して必要な投入材料のコンポ―ネントの比率の範囲内であってよい。当業者は、TPU及び/又はTPUから得られるETPU及び/又はTPU及び/又はETPUから得られる製品の一貫した品質が確保され得るように、レシピ、例えば比率及び/又は処理方法及び/又は時間の1つ以上が投入材料の仕様に応じて適合され得ることを理解するであろう。
「ゾーン特有の制御設定」とは、したがって、特定のゾーン、例えば、上流機器ゾーンに特有の制御設定、すなわち、任意の制御可能な設定及び/又は値を指す。同様に、下流制御設定もゾーン特有であってよい。
それぞれの「性能パラメータ」は、TPU及び/又はETPU材料又は製品のそれぞれの任意の1つ以上の特性であり得るか、又はそれを示すか、又はそれに関連するものであってよい。したがって、下流性能パラメータは、特定の用途又は使用に対する製品の適合性、又は適合度を示す1つ以上の事前に定義された基準を満たすべきパラメータであってよい。非限定的な例として、性能パラメータは、引張強度などの強度、ショア硬度などの硬度、バルク密度などの密度、色、濃度、組成、粘度、メルトフローレート、メルトフロー値(「MFV」)、例えばTPUのMFV、ヤング率値などの剛性、100万分の1(「ppm」)あたりの純度又は不純物の値、平均故障時間(「MTTF」)などの故障率のいずれか1つ以上、又は例えば、事前に定義された基準を使用した試験を経て決定された、任意の1つ以上の値又は値の範囲であり得る。下流性能パラメータのいずれかは、製品のコンポ―ネントに関するものであってよい。例えば、ETPU材料から作られた成形ソールなどである。性能パラメータは、前駆体データの文脈で前述したパラメータ又は結果のいずれか1つ以上であってもよく、又はそれらのパラメータ及び/又は結果から導出可能であり得る。例えば、粒子質量又はビード質量、割裂、寸法安定性試験又は収縮試験、引張試験、弾性又は反発弾性、摩耗、バルク密度、ビード密度又は粒子密度又はフォーム密度、硬度、圧縮特性(例えば、圧縮永久歪み又は圧縮応力によって測定された剛性)、引張強度、破断伸び、引裂強度、示差走査熱量測定(「DSC」)、動的機械分析(「DMA」)、熱機械分析(「TMA」)、核磁気共鳴分光法(「NMR」)、フーリエ変換赤外線分光法(「FT-IR」)、ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)、加水分解測定、太陽試験、外観(例えば、3D構造)、粒度分布(PSD)のパラメータ又は結果のうちのいずれか1つ以上を示す値を含んでよい。同様に、TPU材料については、ガスクロマトグラフィー、ヤング率、ショア硬度、メルトフローレート(「MFR」)及び色価のパラメータ又は結果のうちのいずれか1つ以上を示す値を含んでよい。
追加的に、又は代替的に、製品の場合、性能パラメータは、引張強度、破断伸び、反発弾性、圧縮特性、粒度分布(「PSD」)及びバルク密度のいずれか1つ以上であってよく、又はこれらから導き出されるものであってよい。
一般に、性能パラメータのいずれかは、それぞれの生産プロセスに関連する対応するコンピューティングユニットを介して計算されることができる。オブジェクト識別子は、これらのパラメータのより効果的で信頼性の高い計算を可能にすることができる。これらのパラメータのいずれかを過去のデータの一部とすることで、それぞれのコンピューティングユニットが生産設定を決定し、任意に製造プロセスを監視し、及び/又は製品品質を制御することができるようになる。また、提案されたように、過去のデータは、例えば、下流オブジェクト識別子を介して、現在の生産に基づいて更新されることができる。過去のデータは、例えば、これらの性能パラメータのいずれかを介してオンザフライで品質を予測するための、1つ以上のMLモデルをトレーニングするために使用されることもできる。予測及び/又は制御論理の場合と同様に、このようなトレーニングされたMLモデルは、少なくとも部分的にデータ駆動モデルであってよい。
出願人は、特にETPU材料について、また任意に製品についても、粒度分布(「PSD」)及び/又はバルク密度のパラメータが、特に、それぞれの生産プロセスの監視及び/又は制御に適していることを理解している。パラメータは、インライン測定によって観察されることができ、及び/又は、それぞれの生産プロセス中にそれぞれのコンピューティングユニットによって計算されることができる。
場合によっては、性能パラメータは、それぞれの材料又は製品の特定の用途又は使用に対する適合性の欠如、又は不適合性の程度を示し得ることを理解されるであろう。同様に、上流性能パラメータは、TPU及び/又はETPU材料及び/又は製品又はその一部の、特定用途又は使用に対する適合性又は適合性の程度を示す1つ以上の事前に定義された基準を満たすべきパラメータのようなものであってよい。下流性能パラメータは、このように製品に関する性能又は品質を表す。事前に定義された基準は、例えば、製品及び/又はTPU及び/又はETPU材料の品質又は性能を決定するために、製品及び/又は前駆体の性能パラメータが比較される1つ以上の基準値又は範囲であってよい。事前に定義された基準は、実験室試験、信頼性又は摩耗試験などの1つ以上の試験を用いて決定されることができ、したがって、1つ以上の特定の使用又は用途に適したTPU及び/又はETPU材料又は製品の性能パラメータに関する要求を定義している。場合によっては、性能パラメータは、誘導体材料の特性に関連するか、又は誘導体材料の特性から測定されることができる。
それぞれの「所望の性能パラメータ」は、TPU及び/又はETPU材料又は製品又はその一部の任意の1つ以上の所望の特性を示すものであってよく、又はそれに関連するものであってよい。したがって、所望の性能パラメータは、性能パラメータの所望の値に対応し得る。例えば、所望の上流性能パラメータは、上流性能パラメータの所望の値に対応し得る。同様に、所望の下流性能パラメータは、下流性能パラメータの所望の値に対応し得る。
本文脈における「ゾーン特有」とは、特定の機器ゾーンに属することを指し、例えばそれぞれ上流機器の特定のゾーン、又は下流機器の特定のゾーンを指すことが理解されよう。
通常、それぞれの性能パラメータは、それぞれの生産中及び/又は生産後に収集された製品及び/又はTPU及び/又はETPU材料の1つ以上のサンプルから決定される。サンプルは、実験室に持ち込まれ、それぞれの性能パラメータを決定するために分析される。分析の結果、又は決定された性能パラメータは、それぞれのオブジェクト識別子に含まれるか、又は付加され、したがって、それぞれの過去のデータに含まれ得る。
しかし、サンプルを収集し、それらを処理又は試験、次いで試験結果の分析という一連の作業には、多大な時間とリソースが必要であることは理解されよう。したがって、サンプルの収集と、投入材料及び/又はプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件の調整の実施との間に、大きな遅れが生じる可能性がある。この遅延又はラグは、最適でない製品が生産される結果となるか、又は最悪の場合、サンプルが分析され、投入材料又はTPU及び/又はETPU材料及び/又はプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件の調整による是正措置が実施されるまで、生産が停止されることになる。
製品の性能における変動を少なくとも低減するための解決策として、製品また任意にTPU及び/又はETPU材料についても、本教示は、過去のデータを介して、場合によっては過去のオブジェクト識別子の少なくともいくつかに付加され得る少なくとも1つのゾーン特有性能パラメータを介して、それらのそれぞれの生産プロセスをより厳密に制御するために使用され得る。したがって、手動サンプリングの必要性を低減することができる。
一態様によれば、少なくとも1つの下流性能パラメータの計算は、下流分析コンピュータモデルを用いて行われる。別の態様によれば、下流制御設定の決定は、少なくとも1つの下流機械学習(「ML」)モデルを使用して行われる。下流MLモデルは、下流の過去データ、好ましくは1つ以上の過去の下流オブジェクト識別子からのデータに基づいてトレーニングされてよい。予測及び/又は制御論理の場合と同様に、トレーニングされた下流MLモデルは、少なくとも部分的にデータ駆動モデルであってよい。
同様に、少なくとも1つの上流性能パラメータの計算は、上流分析コンピュータモデルを用いて行われてよい。また、任意に、上流制御設定の決定は、少なくとも1つの上流機械学習(「ML」)モデルを使用して行われてよい。上流MLモデルは、上流の過去データ、好ましくは1つ以上の上流オブジェクト識別子からのデータに基づいてトレーニングされてよい。予測及び/又は制御論理の場合と同様に、トレーニングされた上流MLモデルは、少なくとも部分的にデータ駆動モデルであってよい。
製品の生産、及びTPU及び/又はETPU材料の生産は、さまざまな機器から多くのデータを生成することができる、データの多い環境となり得る。提案された教示はまた、少なくとも下流工業プラントにおけるエッジコンピューティングに適し、より効率的な監視及び/又は制御方法又はシステムの実現も可能にすることが理解されよう。同様に、同等の機能を上流工業プラントで適用し、生産が互いに分離された異なるプラントで実施されるにもかかわらず、投入材料から製品までのより完全なトレーサビリティ及び品質管理をさらに確立する。したがって、オブジェクト識別子が性能パラメータの計算のための関連データの高度に的を絞ったデータセットを提供するので、少なくとも下流生産プロセスの安全及び/又は品質管理及び/又は制御などの監視は、例えば各下流機器ゾーン内で、処理能力及び/又はメモリ要件などの計算リソースを低減しながら、基本的にその場で行うことができることが理解されるであろう。また、計算におけるレイテンシを低減することも可能であり、その結果、それぞれの生産プロセスを減速させることなく、ナンバクランチングアルゴリズムのための十分な時間を確保することができる。また、MLモデルのトレーニングプロセスをより速く、より効率的にすることができる。さらに、上流の生産プロセスからのデータ及び/又は論理は、製品の性能をより細かく制御するために、下流でさらに活用されることができる。
同様の理由により、データセットをコンパクトかつ効率的に作ることができるため、本教示はクラウドコンピューティングにも適している。多くのクラウドサービスプロバイダは、計算リソースの利用率に基づく従量制モデルで運用されているので、コストを削減することができ、及び/又は計算能力をより効率的に利用することができる。
したがって、一態様によれば、少なくとも1つの下流MLモデルは、1つ以上の過去の下流オブジェクト識別子、又は下流の過去データからのデータに基づいてトレーニングされてよい。下流MLモデルのトレーニングに使用されるデータは、過去及び/又は現在の実験室試験データ、又は製品又はその一部及び/又はTPU及び/又はETPU材料の過去及び/又は最近のサンプルから測定された下流性能パラメータなどのデータも含んでよい。例えば、画像解析、実験室機器、又は他の測定技術などの1つ以上の分析からの品質データが使用されてよい。分析された性能パラメータをそれらに関連する過去のオブジェクト識別子に含めることによって、性能パラメータとそれらに対応するプロセスデータとの間のより完全な関係が効率的な方法で捕捉される。このように、コストと時間のかかる実験結果をより正確に活用することで、将来の製品の品質を向上させることができる。品質データは、関連するプロセスデータのスナップショットと統合されているため、ヒューマンエラーの範囲も縮小される。
場合によっては、製品、その一部又はその誘導体材料が分析される場合、サンプリンググオブジェクト識別子が自動的に提供される。これは、信頼値に基づいてよく、コンピューティングユニットが、計算された性能パラメータとその対応する所望の値との間の差を最小化することができない場合であってもよい。このように、サンプルに対して行われた分析の結果は、サンプリングオブジェクト識別子に含まれるか、又は付加され、データをさらに正確にカプセル化し、ヒューマンエラーの範囲を減少させる。また、サンプリングオブジェクト識別子からのデータは、下流の過去データにも含めることができる。
したがって、例えば過去の下流オブジェクト識別子からのデータを用いてトレーニングされた少なくとも1つの下流MLモデルは、下流機器のためのゾーン特有の制御設定であってよい下流制御設定の少なくともいくつかを決定するために使用されることができる。
したがって、下流制御設定を決定するために、下流の過去データを使用してトレーニングされる下流MLモデルは、入力として、前駆体データ及び少なくとも1つの所望の下流性能パラメータを受け取ることができる。したがって、下流MLモデルは、下流制御設定を計算値として提供することができる。前に説明されたように、計算された値は、HMIを介してオペレータに提供されてよく、及び/又は値は、下流制御システムに直接提供されてよい。また、説明されたのと同様に、下流MLモデルは、前駆体データから得られたTPU及び/又はETPU材料の仕様、ならびに少なくとも1つの所望の下流性能パラメータから得られた所望の性能、及び下流リアルタイムプロセスデータのサブセットに従って下流生産プロセスを自動的に適合させるために使用されることができる。下流コンピューティングユニットは、例えば、下流MLモデルを介して計算された下流性能パラメータのそれぞれ又はいくつかと、それぞれの所望の性能パラメータ値との間の差を最小化することができる。
別の態様によれば、下流MLモデルは、下流制御設定を示す少なくとも1つの信頼値も提供してもよい。場合によっては、信頼値もまた、例えばメタデータとして、下流オブジェクト識別子に付加されてもよい。下流制御設定のいずれかの予測又は計算の信頼度が精度閾値を下回る場合、生産の下流制御システムにおいて警告がトリガーされてよい。警告は、例えば、デフォルト設定のセットを使用して下流の生産を開始するための警告信号として生成されてよく、又は下流のMLモデルが再トレーニングされるべきかどうかを決定するために使用されてよい。
場合によっては、下流制御設定のいずれかの予測又は計算の信頼度が精度閾値を下回ることに応答して、下流インターフェースを介して再トレーニングオブジェクト識別子が自動的に提供される。下流処理ユニットは、信頼値、前駆体データ、及び少なくとも1つの所望の下流性能パラメータを再トレーニングオブジェクト識別子に付加するように構成されてよい。再トレーニングオブジェクト識別子は、再トレーニングオブジェクト識別子に含まれる変数のセットを用いて下流生産プロセスを制御するためにどの洞察が欠けているかを決定するために使用され得る。したがって、再トレーニングオブジェクト識別子は、下流コンピューティングユニットを介した将来の決定のために、下流の過去データをさらに改善するために使用され得る。一態様によれば、再トレーニングオブジェクト識別子に関連して生産された製品は、サンプリングされ、分析されることができる。分析の結果、例えば、測定された下流性能パラメータは、再トレーニングオブジェクト識別子に付加されてよい。このようにして、再トレーニングオブジェクト識別子を下流の過去データに含めることができる。このようにして、材料の完全なトレーサビリティを維持し、正しい製品又はその一部をサンプリングすることができるので、以前の下流の過去データで完全にカバーされなかった場合にも下流の過去データを効率的に強化させることができる。これにより、再トレーニングオブジェクト識別子によって提供される追跡により、正しい1つ以上のサンプルを生産環境から収集し、再トレーニングオブジェクト識別子のデータと合わせてサンプルを分析し、信頼度が低下した原因を見つけることができる。このように、様々な変数間の複雑な関係をより理解することで、下流プロセスでの制御をより改善することができる。
場合によっては、同じ下流MLモデル又は別のモデルは、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットのどの部分又はコンポーネントが製品の生産に最も支配的な影響を与えるかを決定するために下流コンピューティングユニットによって使用されてもよい。したがって、下流コンピューティングユニットは、少なくとも1つの下流性能パラメータにほとんど影響を及ぼさない下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のうちの1つを除外することが可能になる。したがって、特定の製品のために付加される下流リアルタイムプロセスデータの関連性は、それぞれのオブジェクト識別子に対して改善されることができる。
場合によっては、下流オブジェクト識別子には、上流オブジェクト識別子の少なくとも一部が付加されている場合がある。つまり、上流のオブジェクト識別子全体が下流のオブジェクト識別子にカプセル化される場合と、その一部だけがカプセル化される場合がある。その部分は、例えば、上流オブジェクト識別子への参照であってもよく、又は2つのオブジェクト識別子を直接、又はその間に生成された1つ以上の他のオブジェクト識別子を介して結びつけるリンクであってよい。
議論されたように、下流オブジェクト制御設定は、下流生産プロセス中に前駆体材料が通過するゾーンごとに、ゾーン特有の異なる設定であってよい。これにより、材料が上流で処理された下流プロセスデータに従って、下流生産プロセスを下流ゾーン内で適合させることができる。このように、制御の精度をさらに向上させ、より柔軟にすることができる。例えば、下流ゾーン特有の制御設定を適合させることによって、上流で最適でなかった処理を修正することができる。
下流ゾーン特有の制御設定を決定することに加えて、下流オブジェクト識別子は、議論されたように、存在信号に基づいて、それぞれの下流機器ゾーンからのリアルタイムプロセスデータの少なくとも一部をすることができる。下流オブジェクト識別子、特にそこにカプセル化及び/又は参照されるデータの関連性は、したがって、より精度の良い制御を提供することに加えて、さらに改善することができる。
議論されたように、下流オブジェクト識別子は、上流オブジェクト識別子、より具体的には、上流リアルタイムプロセスデータのサブセットの少なくとも一部を付加された上流オブジェクト識別子からのデータを、少なくとも部分的にカプセル化してよく、又はそれで強化されてよい。あるいは、下流オブジェクト識別子は、上流オブジェクト識別子にリンクされていてよい。すなわち、下流オブジェクト識別子は、上流オブジェクト識別子に付加されているといえる。このように、下流オブジェクト識別子は、上流オブジェクト識別子が少なくとも部分的に下流オブジェクト識別子の一部であるかのいずれかによって、上流オブジェクト識別子と関連付けられる。
下流コンピューティングユニットは、例えば、下流生産の間にTPU及び/又はETPU材料が他の材料と分割又は結合される場合、さらなる下流オブジェクト識別子を提供することさえある。前述したようなデータの特定のサブセットを、それぞれのさらなる下流オブジェクト識別子に付加することができる。これにより、下流生産チェーンの様々なコンポーネントの品質に対するより詳細な可視性を向上させることができる。例えば、各特定ゾーンの性能パラメータは、その特定ゾーンにおける材料の品質を追跡し、制御するために使用されることも可能である。
上記の説明と同様に、さらなるMLモデルもさらなる下流オブジェクト識別子のいずれかに適用されることができる。さらなるMLモデルは、それぞれのモデルからの出力に基づいてゾーン特有の下流制御設定を適合させることによって、性能パラメータを予測するため及び/又は下流生産を制御するために使用され得る。
当業者は、「付加する」又は「付加される」という用語が、例えば、メタデータなどのさまざまなデータ要素を同じデータベースに保存する、又は同じメモリストレージ要素、データベース又はメモリストレージの隣接する又は異なる位置に保存することを含む又は添付することを意味することを理解するであろう。この用語は、データパッケージ又はストリームが必要なときに読み取られ及び/又はフェッチされ及び/又は結合され得るように、同じ位置又は異なる位置の1つ以上のデータ要素、パッケージ又はストリームの、リンクを意味することさえある。位置の少なくとも1つは、リモートサーバの一部であってよく、又は少なくとも部分的にクラウドベースのサービスの一部であってよい。
「リモートサーバ」とは、プラントから離れた場所にある1台以上のコンピュータ又は1台以上のコンピュータサーバーを指す。したがって、リモートサーバは、プラントから数キロメートル以上離れた場所に位置していてよい。リモートサーバは、異なる国に位置していてよい。リモートサーバは、少なくとも部分的に、例えばプラットフォーム・アズ・ア・サービス(「PaaS」)のような、クラウドベースのサービス又はプラットフォームとして実装されていてよい。この用語は、異なる場所に位置する複数のコンピュータ又はサーバを総称して指すことさえある。リモートサーバは、データ管理システムであってよい。
最初の下流機器ゾーンを横断した後の前駆体材料、TPU及び/又はETPU材料は、前駆体が最初の下流機器ゾーンに入った時とは実質的に性質が異なる場合があることが理解されよう。したがって、議論されるように、最初の下流機器ゾーンから横断した後のさらなる下流機器ゾーンにおける前駆体材料の投入は、前駆体材料は、誘導体材料又は中間処理材料に変換している可能性がある。しかしながら、簡略化のために、本教示の一般性を失うことなく、TPU及び/又はETPU材料という用語は、下流生産プロセス中のTPU及び/又はETPU材料がそのような中間処理材料又は誘導体材料に変換した場合をも指すために使用される。例えば、化学コンポ―ネントの混合物の形態をした前駆体材料のバッチは、バッチが化学反応を誘発するために加熱されるコンベアベルト上の初期の下流機器ゾーンを通過している場合がある。その結果、前駆体材料は、さらに下流機器ゾーンに入るとき、初期の下流機器ゾーンを出た後、又は他のゾーンを通過した後、材料は前駆体材料とは異なる特性の誘導体材料になっている可能性がある。例えば、最初の下流機器ゾーンでTPUの形態をした前駆体は、さらなる下流機器ゾーンに入るときにETPUに変換されている可能性がある。この例におけるETPUは、誘導体又は中間処理材料と呼ばれることがある。しかし、上述したように、少なくとも、このような中間処理材料と前駆体材料との関係は、下流の生産プロセスを介して定義され決定され得るので、このような誘導体材料は、依然として前駆体材料と称され得る。さらに、他の場合、前駆体材料は、例えば、初期の下流機器ゾーンが単に前駆体材料を乾燥させるか、又は不要な材料の痕跡を除去するためにそれをろ過する場合、初期の下流機器ゾーン又は他のゾーンをも横断した後でも、本質的に同様の特性を依然として保持し得る。したがって、当業者は、任意の中間ゾーンにおける前駆体材料は、誘導体材料に変換されてよく、又は変換されなくてもよいことを理解するであろう。
議論したように、TPU及び/又はETPU材料、誘導体材料又は製品のサンプルが分析のために収集される場合、そのようなサンプルはまた、サンプルオブジェクト識別子も提供されることができる。サンプルオブジェクト識別子は、本開示で説明されたオブジェクト識別子と同様であり得、したがって、説明されたように、関連する対応するプロセスデータを付加することができる。したがって、サンプルには、当該サンプルの特性に関連する下流生産プロセスの正確なスナップショットも添付することができる。このようにして、分析及び品質管理をさらに向上させることができる。さらに、下流生産プロセスは、例えば、1つ以上のMLモデルの改善されたトレーニングに基づいて、相乗的に改善されることができる。
別の態様によれば、下流生産プロセスが、例えばコンベアシステムなどの輸送要素を用いて、TPU及び/又はETPU材料がゾーン内又はゾーン間で物理的に輸送又は移動することを含む場合、下流リアルタイムプロセスデータは、下流生産プロセス中の輸送要素の速度及び/又はTPU及び/又はETPU材料が輸送される速度を示すデータも含むことができる。速度は、1つ以上のセンサを介して直接提供されてもよく、及び/又は、例えば、ゾーンでの投入時間及びゾーンからの排出時間又はゾーンに続く別のゾーンでの投入時間に基づいて、下流コンピューティングユニットを介して計算されてよい。したがって、下流オブジェクト識別子は、ゾーンにおける処理時間の態様、特に製品の1つ以上の下流性能パラメータに影響を与える可能性のあるものをさらに充実させることができる。さらに、投入と排出、又はそれに続くゾーンへの投入のタイムスタンプを使用することにより、輸送要素の速度測定センサ又は装置の必要性を不要にすることができる。
別の態様によれば、各オブジェクト識別子は、ユニーク識別子、好ましくはグローバルユニーク識別子(「GUID」)を含む。製品の各仮想パッケージにGUIDを付けることによって、少なくともTPU及び/又はETPU材料に戻る製品の追跡が強化され得る。任意で、製品は、TPU及び/又はETPU材料の生産に使用された投入材料まで遡って追跡されることができる。GUIDにより、時系列データなどのプロセスデータの管理が軽減され、仮想/物理パッケージ、生産履歴、品質管理履歴の直接の関連付けが可能になる。
MLモデルに関して説明されたように、一態様によれば、上流MLモデル、は、上流オブジェクト識別子からのデータに基づいてトレーニングされてよい。トレーニングデータは、過去及び/又は現在の実験室試験データ、又はTPU及び/又はETPU材料及び/又は製品の過去及び/又は最近のサンプルからのデータも含んでもよい。オブジェクト識別子はまた、上流プラントが、下流プラントで生産された製品の性能を、TPU及び/又はETPUを生産するために使用された特定の投入材料、さらに材料を処理するために使用された上流プロセスデータにリンクさせることを容易にすることができる。これは、製品の一貫した品質を確保するという点で、大きな利点がある。
MLモデルによる前述の利点に加えて、それぞれの生産ラインのゾーンに基づいてトレーニングされたモデルを有することで、材料のより詳細な追跡とそれぞれの性能パラメータ、さらには製品の性能パラメータの予測を行うことができる。
バッチ生産のようないくつかの生産シナリオでは、このようなモデルを即座に使用して、生産された製品だけでなく、誘導体材料についても品質管理の問題を指摘することができる。
したがって、上流及び/又は下流機器ゾーンのいずれか又は各々が、個々のMLモデルを介して監視及び/又は制御されてよく、個々のMLモデルは、そのゾーンからのそれぞれのオブジェクト識別子からのデータに基づいてトレーニングされる。
一態様によれば、ゾーンのそれぞれのオブジェクト識別子、例えば下流オブジェクト識別子の提供は、TPU及び/又はETPU材料の特性を示す値のうちのいずれか1つ以上、及び/又は下流機器運転条件からの値のうちのいずれか1つ以上、及び/又は事前に定義された閾値に達する、一致する、又は越える下流プロセスパラメータの値のうちのいずれか1つ以上に応じて、発生するか、又はトリガーされ得る。このような値は、1つ以上の下流センサ及び/又はスイッチを介して測定され得る。例えば、事前に定義された閾値は、下流機器に導入されたTPU及び/又はETPU材料の質量又は量の値に関連付けることができる。したがって、下流機器で受け取られるTPU及び/又はETPU材料の質量などの量が、質量閾値などの事前に定義された量閾値に達すると、トリガー信号が生成され得る。理想的には、上流のオブジェクト識別子は、例えば、入ってくるTPU及び/又はETPU材料からプロセス特有データ及び/又はタグを介して、下流のオブジェクト識別子に自動的に付加される。オブジェクト識別子を提供するためのトリガーイベント又は発生の特定の例も、本開示で先に説明された。トリガー信号に応答して、又は量もしくは質量が事前に定義された質量閾値に達したことに直接応答して、オブジェクト識別子が提供されることができる。トリガー信号は、別個の信号であってもよく、又は単にイベント、例えば、コンピューティングユニット及び/又は機器を介して検出された閾値などの事前に定義された基準を満たす特定の信号であってもよい。したがって、オブジェクト識別子は、TPU及び/又はETPU材料の量が事前に定義された量閾値に達することに応答して提供され得ることも理解されよう。量は、上記の例で説明されたように質量として測定され得、及び/又は、レベル、充填度又は充填量、量など、及び/又は、TPU及び/又はETPU材料のマスフローを合計することによる又は積分を適用することによる、任意の1つ以上の他の値であってよい。
したがって、例えば、下流オブジェクト識別子は、トリガーイベント又は信号に応答して提供されてよく、前記イベント又は信号は、好ましくは、下流機器又は初期下流機器ゾーンを介して提供される。これは、下流機器に作動可能に結合された1つ以上の下流センサ及び/又はスイッチのいずれかの出力に応答して行われてよい。トリガーイベント又は信号は、TPU及び/又はETPU材料の量値、例えば、量値が所定の量閾値に達する又は一致することの発生に関連していてよい。前記発生は、下流コンピューティングユニット及び/又は下流機器を介して、例えば、1つ以上の質量センサ、レベルセンサ、充填センサ、又はTPU及び/若しくはETPU材料の量を測定若しくは検出できる任意の適切なセンサを用いて検出されることができる。
下流オブジェクト識別子を提供するためのトリガーとして量を使用することの利点は、生産プロセス中の材料の量のいかなる変化も、本教示で説明されたように、さらなる1つ以上の下流オブジェクト識別子を提供するためのトリガーとして使用され得ることである。出願人は、これが、1つ以上の製品、任意の誘導体材料を処理又は生産するための工業環境において、さまざまなオブジェクト識別子の生成を区分する最適な方法を提供し得、最終的に、量又はマスフローを考慮しながら、本質的に全生産チェーンを通して製品を追跡できることに気付いた。新しい材料が導入もしくは入力され、材料が分割される箇所にだけオブジェクト識別子を提供することで、生産の最終地点だけでなく、内部でも材料のトレーサビリティを保持しながら、オブジェクト識別子の数を最小にすることができる。新しい材料が追加されない、あるいは材料が分割されない機器又は生産ゾーン内では、そのようなゾーン内のプロセスの知識を使用して、隣接する2つのオブジェクト識別子で観測可能性を維持することができる。
観点から見た場合、生産プロセス、例えば下流プラントを制御するための、本明細書に開示される方法態様のいずれかに従って生成される、制御設定及び/又は任意の1つ以上の性能パラメータの使用も提供され得る。より具体的には、下流制御設定及び/又は少なくとも1つの下流性能パラメータである。
そうすることによって、説明されたような下流プラントのいずれかが、1つ以上の製品を生産するための改良された製造プロセスを得ることができる。
別の観点から見た場合、下流生産プロセスを制御するためのシステムも提供され得、このシステムは、本明細書に開示される方法のいずれかを実行するように構成される。又は、下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセス、少なくとも1つの下流機器を含む下流工業プラント、下流機器を介して、下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造される製品を制御するためのシステムであって、該システムは本明細書で開示される方法のいずれかを行うように構成されている。
例えば、下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御するためのシステムを提供することができ、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器及び下流コンピューティングユニットを備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記システムは、
前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供すよう構成され、
前記下流制御設定は:
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である。
別の観点から見ると、プログラムが適切なコンピューティングユニットによって実行されるとき、コンピューティングユニットに本明細書に開示される方法のいずれかを実行させる命令を含むコンピュータプログラムも提供され得る。適切なコンピューティングユニットに本明細書に開示された任意の方法ステップを実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体を提供することもできる。
例えば、コンピュータプログラム、又はプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができ、前記プログラムは、下流生産プロセスを用いて、少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって下流工業プラントで製品を製造するための少なくとも1つの機器に作動可能に結合されている適切なコンピューティングユニットによって実行されると、コンピューティングユニットに下流コンピューティングユニットで、製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供させる命令を含み、
前記流制御設定は、
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である。
下流の制御設定のセットは、下流工業プラントで化学製品を製造するのに適していることが理解されるであろう。
コンピュータ可読データ媒体又はキャリアは、本明細書に記載される方法論又は機能のいずれか1つ以上を具体化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア)が格納される任意の適切なデータストレージデバイスを含む。命令はまた、完全に又は少なくとも部分的に、コンピューティングユニット、メインメモリ、及び処理装置によるその実行中にメインメモリ内及び/又はプロセッサ内に属してもよく、これらはコンピュータ可読記憶媒体を構成してよい。命令は、さらに、ネットワークインターフェースデバイスを介してネットワーク上で伝送又は受信されてよい。
本明細書に記載された1つ以上の実施形態を実施するためのコンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体に格納及び/又は配布されることができるが、インターネット又は他の有線又は無線電気通信システムを介してなど、他の形態で配布されることも可能である。しかし、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示することもでき、そのようなネットワークからデータプロセッサのワークメモリにダウンロードされることができる。
さらに、コンピュータプログラム製品をダウンロード可能な状態にするためのデータキャリア又はデータ記憶媒体も提供されることができ、このコンピュータプログラム製品は、本明細書に開示されるいずれかの態様による方法を実行するように配置されている。
別の観点から見ると、本明細書に開示された方法を実施するためのコンピュータプログラムコードを含むコンピューティングユニットが提供されることも可能である。また、本明細書に開示された方法を実施するためのコンピュータプログラムコードを含むメモリストレージに作動可能に結合されたコンピューティングユニットが提供されることも可能である。
2つ以上のコンポーネントが「作動可能に」結合又は接続されていることは、当業者には明らかであろう。非限定的な態様では、これは、結合又は接続されたコンポーネント間に、例えば、インターフェース又は他の任意の適切なインターフェースを介して、少なくとも通信接続が存在し得ることを意味する。通信可能な接続は、固定されていてよく、又は取り外し可能であってもよい。さらに、通信接続は、一方向であってもよく、又は双方向であってもよい。さらに、通信接続は、有線及び/又は無線であってよい。場合によっては、通信接続は、制御信号の提供にも使用されることができる。
ここでいう「パラメータ」とは、温度、方向、位置、量、密度、質量、色、水分、速度、加速度、変化率、圧力、力、距離、pH、濃度、組成など、関連するあらゆる物理的又は化学的特性及び/又はその測定値を指す。パラメータは、特定の特性の存在又はその欠如を指し得る。
「アクチュエータとは、機械などの機器に関する機構を直接又は間接的に動かし、制御する役割を担う任意のコンポーネントを指す。アクチュエータは、バルブ、モータ、ドライブ、又はそれらに類するものであってよい。アクチュエータは、電気で、液圧で、空気圧で、又はそれらの組み合わせで作動するものであってよい。
「コンピュータプロセッサ」とは、コンピュータ又はシステムの基本動作を行うように構成された任意の論理回路、及び/又は、一般に、計算又は論理演算を行うように構成された装置を指す。特に、処理手段又はコンピュータプロセッサは、コンピュータ又はシステムを駆動する基本命令を処理するように構成されていてよい。一例として、処理手段又はコンピュータプロセッサは、少なくとも1つの算術論理ユニット(「ALU」)、数学コプロセッサ又は数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(「FPU」)、複数のレジスタ、特にALUへのオペランドを供給し及び演算の結果を格納するように構成されたレジスタと、L1及びL2キャッシュメモリなどのメモリを含むことができる。特に、処理手段又はコンピュータプロセッサは、マルチコアプロセッサであってもよい。具体的には、処理手段又はコンピュータプロセッサは、中央処理ユニット(「CPU」)であってもよく、又はCPUを含んでいてよい。処理手段又はコンピュータプロセッサは、複合命令セットコンピューティング(「CISC」)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(「RISC」)マイクロプロセッサ、超長命令語(「VLIW」)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合せを実装するプロセッサであってよい。処理手段はまた、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、複合プログラマブル論理デバイス(「CPLD」)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、ネットワークプロセッサなどの1つ以上の特定目的処理デバイスであってよい。本明細書で説明された方法、システム、及びデバイスは、DSP内、マイクロコントローラ内、又は他の任意のサイドプロセッサのソフトウェアとして、あるいはASIC、CPLD、又はFPGA内のハードウェア回路として実装されることができる。処理手段又はプロセッサという用語は、複数のコンピュータシステムにわたって配置された処理デバイスの分散システム(例えば、クラウドコンピューティング)などの1つ以上の処理デバイスも指し得、特に指定しない限り、単一のデバイスに限定されないことが理解されよう。
「コンピュータ可読データ媒体」又はキャリアは、本明細書に記載される方法論又は機能のいずれか1つ以上を具体化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア)が格納される任意の適切なデータストレージデバイス又はコンピュータ可読メモリを含む。命令はまた、完全に又は少なくとも部分的に、コンピューティングユニット、メインメモリ、及び処理装置によるその実行中にメインメモリ内及び/又はプロセッサ内に属してもよく、これらはコンピュータ可読記憶媒体を構成してよい。命令は、さらに、ネットワークインターフェースデバイスを介してネットワーク上で伝送又は受信されてよい。
本教示の特定の態様は、次に、例の方法によって前記態様を説明する以下の図面を参照して議論される。本教示の一般性はそれに依存しないので、図面は縮尺通りでない場合がある。図面に示される特定の特徴は、本教示の一般性に影響を与えることなく、理解のために、物理的特徴と共に示される論理的特徴であり得る。任意の特定の要素又は行為の議論を容易に識別するために、参照番号の最上位の数字(複数)は、その要素が最初に導入される図の番号を指す。
本教示によるシステムのある態様を示す図である。 本教示による方法の態様を示す図である。 本教示によるシステム及び対応する方法の第1の実施形態を、組み合わせたブロック/フロー図によって示している。 本教示によるシステム及び対応する方法の第2の実施形態を、組み合わせたブロック/フロー図によって示している。 本教示によるシステム及び対応する方法の第3の実施形態を、組み合わせたブロック/フロー図によって示している。 投入材料が製造又は生産プロセス中にその間を進行する複数の機器装置及びそれに応じた複数の機器ゾーンを含む、工業プラント、又はプラントのクラスタのトポロジー構造を表すグラフベースのデータベース配置の第1の実施形態を示している。 図6に示されるグラフベースのデータベース配置の第2の実施形態を示す図である。 機械学習(ML)プロセスがクラウドで実装される、クラウドコンピューティングプラットフォームを使用して本教示によるシステム及び対応する方法の別の実施形態を、組み合わせたブロック/フロー図によって示している。
実施形態の詳細な説明
図1は、製品170を製造するための下流生産プロセスを下流工業プラントで制御するためのシステム168の非特定の実施例を示す。方法の態様の少なくともいくつかは、以下の議論からも理解されるであろう。
当業者は、本実施例の目的、あるいは本教示の目的は、製品170を製造するための生産プロセスを示すことではなく、むしろ目的は、本教示が少なくとも下流の生産プロセスにどのように適用されるかを示すことであると理解するであろう。説明で示したように、そのような生産プロセスは複雑になり得るので、図1に示された特定の機器は、特定の生産プロセスに従うのではなく、本教示がより良く理解されるように整列されている。
下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器を含み、これは下流製造プロセスを用いて製品170を製造又は生産するための複数の機器ゾーンを任意に有することができる。製品170は、TPU及び/又はETPUから少なくとも部分的に生産される任意の製品であり得る。例えば、製品170は、例えば、全体的又は部分的にTPU及び/又はETPU材料で作られた靴などの履物であってよく、又は製品は、靴のミッドソール、靴のインソール、靴のコンビネーションソールなどの靴の一部分であってもよい。製品は、自転車のサドル、自転車のタイヤ、クッション要素、内装材、マットレス、ベース、ハンドル、保護ホイル、自動車の内部又は外部の部品、ボールなどのスポーツ機器、又は床材、特にスポーツエリア、陸上トラック、スポーツホール、子供の遊び場及び歩道であり得る。したがって、TPU及び/又はETPU材料は、履物の生産に使用される前駆体材料114であってよい。
前駆体材料114は、下流工業プラントから隔離され得る上流工業プラントから供給されてよい。前駆体材料114は、上流工業プラントにおいて少なくとも1つの投入材料を用いて製造されることができる。例えば、投入材料は、メチレンジフェニルジイソシアネート(「MDI」)及び/又はポリテトラヒドロフラン(「PTHF」)であってよく、これは、TPU及び/又はETPU材料を生産するための上流工業プラントにおける上流生産プロセスで使用され、その後、製品170を生産するための下流工業プラントに供給又は提供される。
前駆体材料114は、バッチ、例えば、10kgずつのパッケージであってよい。議論されたように、前駆体材料114、又は前駆体材料114が作られる材料、又は下流生産プロセスを用いて前駆体材料114が変換される材料又は製品など、このような製品の性質に起因して、そのような材料及び/又は製品は、生産チェーンにおいて追跡することが困難な場合がある。例えば、ETPUは、例えばスチームチェスト成形を使用して、製品170又はその一部を形成するために成形される粒子又はビーズの形態であってよい。しかしながら、各コンポーネント、例えば、各ユニット又はパッケージ、又は内部の部品でさえ、一貫した所望の特性又は品質を有することを保証することが重要であり得る。本教示は、製品170について達成されるべき1つ以上の所望の下流性能パラメータをもたらすことができる生産を可能にし得る。
下流機器は、複数の機器ゾーンを有していてよく、有していなくてもよい。この例では、図1の下流機器は、複数のゾーンを含むと見なすことができる。例えば、ホッパー又は混合ポット104は、初期の下流機器ゾーンの一部であってよい。混合ポット104は、少なくとも1つの前駆体材料114を受け取り、それは単一の材料であってよく、又は複数のコンポ―ネントを含んでいてよい。この例では、前駆体材料114は2つの部分で受け取られ、これらはそれぞれ第1バルブ112a及び第2バルブ112bを介して混合ポット104に供給されることが示されている。第1バルブ112a及び第2バルブ112bも、初期下流機器ゾーンに属し得る。
オブジェクト識別子、又はこの場合、下流オブジェクト識別子122が前駆体材料114に提供される。下流オブジェクト識別子122は、下流コンピューティングユニット124において提供されてよい。下流コンピューティングユニット124は、下流オブジェクト識別子122を、例えば、下流インターフェースを介して下流メモリストレージ128に提供してもよい。議論されたように、いくつかの場合において、下流オブジェクト識別子122は、上流コンピューティングユニットによって、例えば共有メモリストレージを介して、下流コンピューティングユニット124に提供され得る。いくつかの場合において、下流メモリストレージ128は、上流コンピューティングユニットを介してアクセス可能な共有メモリストレージであってよい。上流コンピューティングユニットは、上流工業プラントに属するコンピューティングユニットであってよい。下流オブジェクト識別子122は、前駆体材料114に関連するデータ、又は前駆体データを含む。前駆体データは、前駆体材料114の1つ以上の特性を示す。
下流オブジェクト識別子122、より具体的には、下流オブジェクト識別子122からのデータは、製品170の生産を制御するための下流制御設定のセットを決定するために使用され得る。下流オブジェクト識別子122、製品170に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータ、及び下流の過去データは、下流制御設定のセットを提供するために使用されてよい。下流制御設定のセットは、少なくとも部分的に上流コンピューティングユニットによって決定されてよく、及び/又は下流制御設定の少なくともいくつかは、下流コンピューティングユニット124によって決定されてよい。下流の過去データは、例えば下流機器を介して過去に過去の1つ以上の製品を製造するために使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含むことができる。次いで、下流制御設定のセットは、少なくとも1つの所望の下流性能パラメータを達成するという目標で製品170を製造するために使用される。所望の下流性能パラメータは、製品170の所望の性能又は品質に関連する。
例えば、制御設定の少なくともいくつかは、第1バルブ112a及び/又は第2バルブ112bがどのように操作されるべきか、例えば、どれくらいの量の材料をどのような比率で許容すべきかを決定することができる。それらは、混合ポット104がどのように操作されるべきか、例えば、混合の時間帯及び/又はミキサーの速度を決定することさえできる。追加的に、又は代替的に、制御設定は、特定のプロセスパラメータがどの値を有する必要があるか、又は例えば設定ポイントなどの機器運転条件をどのくらいの期間必要とするかを決定し制御することができる。このように、制御設定は、前駆体材料114及び機器の仕様に基づいて自動的に決定される。下流制御設定のセットは、第1下流機器ゾーンの制御設定、すなわちゾーン特有の制御設定、及び同様に任意のさらなる機器ゾーンのゾーン特有の制御設定を含むことができることが理解されるであろう。場合によっては、下流制御設定のセットは、グローバル制御設定、すなわち、生産チェーン全体に適用される設定を含むことができる。追加的に、又は代替的に、機器ゾーン内であっても、ゾーン特有の制御設定の少なくともいくつかは、そのゾーンからのリアルタイムプロセスデータに応じて、例えば下流の過去データで学習された1つ以上の分析モデル及び/又はMLモデルの出力に対応してオンザフライで適合されてよい。制御設定は、下流機器を制御するために、DCS及び/又はPLCなどのプラント制御システムに提供され得る。設定は、好ましくは自動的に制御システムに提供されるが、場合によっては、オペレータを介して提供され得る。
下流オブジェクト識別子122は、他のオブジェクト識別子と区別可能なユニーク識別子、好ましくはグローバルユニーク識別子(「GUID」)であってよい。GUIDは、特定工業プラントの仕様、及び/又は製造されている製品170の仕様、及び/又は日時の仕様、及び/又は使用されている特定の前駆体材料114の仕様に依存して提供され得る。下流オブジェクト識別子122は、ここでは、下流コンピューティングユニット124に作動可能に結合された下流メモリストレージ128に提供されることが示されている。下流メモリストレージ128は、下流コンピューティングユニット124の一部であることさえある。下流メモリストレージ128及び/又は下流コンピューティングユニット124は、少なくとも部分的に、例えばMS Azureのようなクラウドサービスの一部であってよい。
下流コンピューティングユニット124は、例えば、任意の適切な種類のデータ伝送媒体であり得る、下流ネットワーク138を介して下流機器に作動可能に結合される。下流コンピューティングユニット124は、下流機器の一部であってよく、例えばそれは、少なくとも部分的に初期下流機器ゾーンの一部であってよい。下流コンピューティングユニット124は、少なくとも部分的に、下流工業プラントのプラント制御システムであってよい。下流コンピューティングユニット124は、下流機器(例えば、初期の下流機器ゾーンのもの)に作動可能に結合された1つ以上のセンサから1つ以上の信号を受信してよい。例えば、下流コンピューティングユニット124は、充填センサ144及び/又は輸送要素102a~bに関連する1つ以上のセンサから1つ以上の信号を受信し得る。前記センサは、初期の下流機器ゾーンの一部でもある。下流コンピューティングユニット124は、したがって、前述したような制御設定に従って、初期下流機器ゾーン、又はその一部を少なくとも部分的に制御することさえあり得る。例えば、下流コンピューティングユニット124は、例えば、それぞれのアクチュエータを介して、バルブ112a,b、及び/又はヒーター118及び/又は輸送要素102a~bを制御することができる。図1の例における輸送要素102a,b、及びその他は、コンベアシステムとして示され、1つ以上のモータと、前記モータを介して駆動されるベルトとを含み、ベルト介して前駆体材料114がベルトの横方向120に輸送されるように移動する。
本教示の範囲又は一般性に影響を与えることなく、他の種類の輸送要素も、コンベアシステムの代わりに又は組み合わせて使用可能であり得る。場合によっては、材料フロー、例えば、1つ以上の材料の流入、及び1つ以上の材料の流出を伴うあらゆる種類の装置を、輸送要素と呼ばれることができる。したがって、コンベアシステム又はベルトの他に、押出機、ペレタイザー、熱交換器、バッファサイロ、混合機付きサイロ、ミキサー、混合容器、カッティングミル、ダブルコーンブレンダー、硬化チューブ、カラム、分離器、抽出器、薄膜蒸発器、フィルタ、ふるいなどの装置も輸送要素と呼ばれることがある。したがって、少なくとも、場合によっては材料が質量フローを介して1つの装置から別の装置に直接移動するか、又は1つの装置を介して別の装置に通常のフローとして移動することがあるので、コンベアシステムとしての輸送システムの存在は任意であることが理解されるであろう。例えば、材料は、熱交換器から分離器に、又はさらにカラムなどに直接移動することができる。このように、場合によっては、1つ以上の輸送要素又はシステムが装置に固有の場合がある。
下流オブジェクト識別子122は、場合によっては、前駆体材料114の量に関連する信号又はイベントであり得る、トリガー信号又はイベントに応答して提供されてよい。例えば、充填センサ144は、前駆体材料114の充填度及び/又は質量などの少なくとも1つの量値を検出するために使用され得る。量が所定の閾値に達すると、下流コンピューティングユニット124は、下流メモリストレージ128で下流オブジェクト識別子122を自動的に提供することができる。
次いで、下流コンピューティングユニット124は、下流オブジェクト識別子122及び少なくとも1つの所望の性能パラメータに基づいて、プロセスパラメータ及び/又は動作パラメータのセットを決定するように構成される。したがって、下流コンピューティングユニット124は、決定されたプロセスパラメータ及び/又は動作パラメータのセットと過去のデータとに基づいて、機器ゾーンの各々についてゾーン特有の制御設定を決定することができる。過去のデータは、下流機器ゾーンにおいて以前に処理された前駆体材料114に関連する1つ以上の過去の上流オブジェクト識別子からのデータを含むことができる。少なくとも1つの過去の上流オブジェクト識別子は、以前に処理された前駆体材料114が下流機器ゾーンにおいて処理されたプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を示すプロセスデータの少なくとも一部をそれに付加している可能性がある。次いで、製品170の生産プロセスを制御するために、ゾーン特有の制御設定が提供される。ゾーン特有の制御設定は、インターフェースと同じであってよいし、又はインターフェースと同様の別のコンポーネントであり得る、出力インターフェースを介して提供されてよい。ゾーン特有の制御設定は、このように、製品170を製造するために下流コンピューティングユニット124及び/又はプラント制御システムによって使用される。
場合によっては、下流コンピューティングユニット124は、下流工業プラント内の全ての機器又は機器ゾーンから下流リアルタイムプロセスデータを受信してよい。下流コンピューティングユニット124は、下流オブジェクト識別子及び下流ゾーン存在信号に基づいて、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを決定することができる。例えば、トリガー信号又はイベントは、初期下流機器ゾーンのための下流ゾーン存在信号を生成するためにも使用されることができる。追加的に、又は代替的に、下流ゾーン存在信号は、生産環境における時間依存のデータである、下流リアルタイムプロセスデータを空間データにマッピングすることによって提供される。下流ゾーン存在信号は、それゆえ、初期下流機器ゾーンでの前駆体材料114の処理に関連する下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のみならず、下流リアルタイムプロセスデータに含まれる前記下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件の時間的側面を決定するために使用されることができる。
場合によっては、下流コンピューティングユニット124は、下流オブジェクト識別子122に関連する製品170に関連する少なくとも1つの下流性能パラメータを計算することさえできる。場合によっては、下流性能パラメータは、ゾーン特有のパラメータであってよい。計算は、下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットに基づいて行われ、この場合、下流オブジェクト識別子122で任意に付加されて示される。下流性能パラメータの計算はまた、1つ以上の過去の下流オブジェクト識別子からのデータを含み得る下流の過去データに基づく。各過去の下流オブジェクト識別子は、過去に下流機器ゾーンで処理されたそれぞれのTPU及び/又はETPU材料に関連している。過去の下流オブジェクト識別子の少なくとも1つ、好ましくは、それぞれは、以前に処理されたTPU及び/又はETPU材料が下流機器、例えば初期下流機器ゾーンで処理された下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を示す下流プロセスデータの少なくとも一部を付加している。場合によっては、過去の下流オブジェクト識別子の少なくともいくつかはまた、それらの関連する下流性能パラメータを含むか、又は付加され得る。
少なくとも1つの下流性能パラメータは、例えば、メタデータとして下流オブジェクト識別子122に付加されてよい。このように、下流オブジェクト識別子122は、製品170の品質に関連する性能パラメータで強化される。このように、例えば品質関連データを結果として得られる製品170に結合することによって、トレーサビリティを向上させながら、品質管理プロセスを簡素化及び改善することができる。また、計算された下流性能パラメータの少なくとも一部は、下流生産プロセスを適合させるために下流のさらなるゾーンで使用されてよい。このようにして、下流生産プロセスは、製品170の性能を維持しながら、より細かく制御され、柔軟になることができる。
初期下流機器ゾーンからの下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットは、前駆体材料114が初期下流機器ゾーンにあった時間窓内のデータであってよく、又は時間窓は、このように前駆体材料114が混合ポット104を介して処理された時間だけさらに短いものであってよい。下流リアルタイムプロセスデータは、時間窓を決定するために使用され得る。したがって、下流オブジェクト識別子122は、下流リアルタイムプロセスデータの時間次元を使用することによって、関連性の高いデータで強化され得る。したがって、オブジェクト識別子は、生産プロセスで材料を追跡するために使用され得るだけでなく、エッジコンピューティング及び/又はクラウドコンピューティングをより効果的にすることができる高品質のデータをカプセル化することができる。オブジェクト識別子のデータは、機械学習モデルのより高速な学習と再学習に非常に適している。オブジェクト識別子にカプセル化されたデータは、従来のデータセットよりもコンパクトであるため、データ統合を簡素化することができる。
下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットの少なくとも一部は、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件、すなわち、TPU及び/又はETPU材料又は前駆体材料114が下流機器又は初期下流機器ゾーン下で処理される、混合ポット104及びバルブ112a~bの運転条件、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、充填度、温度、水分、タイムスタンプ又は投入時間、排出時間などのいずれか1つ以上を示す。この場合の機器運転条件は、バルブ112a,b及び/又は混合ポット104の制御信号及び/又は設定ポイントであってよい。下流の制御設定は、例えば、これらを制御するために使用されることができる。下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットは、時系列データであってよく、又は時系列データを含んでよく、つまり、1つ以上のセンサ、例えば充填センサ144の出力を介して得られる、時間依存信号を含んでよい。時系列データは、連続的である信号を含んでよく、又はそれらのいずれかが規則的又は不規則的な時間間隔で断続的であってよい。下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットは、混合ポット104からの1つ以上のタイムスタンプ、例えば投入時間及び/又は排出時間を含んでさえよい。したがって、特定の前駆体材料114は、下流オブジェクト識別子122を介して、その前駆体材料114に関連する下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットと関連付けられる場合がある。下流オブジェクト識別子122は、特定のプロセスデータ及び/又は機器運転条件を特定の製品に関連付けることができるように、生産プロセスの下流にある他のオブジェクト識別子に付加されることがある。他の重要な利点は、本開示の他の部分、例えば、概要の部分で既に説明された。
例えば、輸送要素102a,b及び関連するベルトを備えるコンベアシステムは、初期下流機器ゾーンの下流方向にある中間機器ゾーンとみなされることができる。この例の中間機器ゾーンは、ベルト上を横断する前駆体に熱を加えるために使用されるヒーター118を備える。コンベアシステムは、1つ以上のセンサ、例えば、速度センサ、質量センサ、温度センサ、又は中間機器ゾーンでの前駆体材料114のプロセスパラメータ及び/又は特性を測定又は検出するための任意の他の種類のセンサのうちの任意の1つ以上を含んでさえよい。センサのいずれか又は全ての出力は、下流コンピューティングユニット124に提供されてよい。
前駆体材料114が横方向120に沿って進行すると、ヒーター118を介して熱が加えられる。ヒーター118は、下流コンピューティングユニット124に作動可能に結合されてよく、すなわち、下流コンピューティングユニット124は、ヒーター118から信号又はリアルタイムのプロセスデータを受信してよい。さらに、ヒーター118は、下流コンピューティングユニット124を介して、例えば、下流制御設定であってよい、又は下流制御設定を介して取得されてよい、1つ以上の制御信号及び/又は設定ポイントを介して制御可能である。したがって、前駆体材料114が下流機器で処理される方法は、下流制御設定の少なくともいくつかを介して決定される。下流制御設定のいくつかは、さらに説明されるように、他の下流ゾーンを制御するために使用されてよい。
同様に、輸送要素102a,b及び関連するベルトを含むコンベアシステムは、下流コンピューティングユニット124に作動可能に結合されてよく、すなわち、下流コンピューティングユニット124は、輸送要素102a,bから信号又は下流プロセスデータの一部を受信することができる。結合は、例えば、下流ネットワーク138を介していてよい。さらに、輸送要素102a,bは、下流コンピューティングユニット124を介して、例えば下流制御設定として、又は下流制御設定に応答して、下流コンピューティングユニット124を介して提供される1つ以上の制御信号及び/又は設定ポイントを介して、制御可能であってよい。そのため、輸送要素102a,bの速度は、下流コンピューティングユニット124によって観測可能及び/又は制御可能であってよい。
任意に、前駆体材料114の量は中間機器ゾーンにおいて一定又はほぼ一定であるため、さらなるオブジェクト識別子が中間機器ゾーンに提供されなくてよい。したがって、中間機器ゾーンからのプロセスデータ、すなわち、ヒーター118及び/又は輸送要素102a,bからのプロセスデータも、前又は先行ゾーンのオブジェクト識別子、すなわち、下流オブジェクト識別子122に付加されてよい。下流リアルタイムプロセスデータ126の付加されたサブセットは、したがって、中間機器ゾーンからのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件、すなわち、前駆体材料114が中間機器ゾーンで処理されるヒーター118及び/又は輸送要素102a,bの運転条件、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、中間ゾーンからの1つ以上の温度値、投入時間、排出時間、輸送要素102a,bの速度及び/又はベルトの速度などのいずれか1つ以上を示すように強化され得る。この場合の機器運転条件は、下流制御設定から導出可能な、輸送要素102a,b及び/又はヒーター118の制御信号及び/又は設定ポイントであってよい。
下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセットは、前駆体材料114がそれぞれの機器ゾーンに存在する内の時間期間に主に関連することは明らかであろう。したがって、特定の前駆体材料114の関連するプロセスデータの正確なスナップショットは、下流オブジェクト識別子122を介して提供され得る。前駆体材料114のさらなる観察可能性は、中間機器ゾーン内の下流生産プロセスの特定の部分又は部分、例えば、化学反応の事前知識を介して抽出され得る。代替的に、又は追加的に、前駆体材料114が中間機器ゾーンを通過する速度が、下流コンピューティングユニット124を介してさらなる観察可能性を抽出するために使用され得る。特定のタイムスタンプを有する下流リアルタイムプロセスデータ126のサブセット、又は時系列データ、及び/又は中間機器ゾーンにおける前駆体材料114の投入時間及び/又は排出時間と関連して、中間機器ゾーンで前駆体材料114が処理される条件のより細かい詳細が下流オブジェクト識別子122から取得され得る。
下流オブジェクト識別子122からのデータは、下流生産プロセス全体及び/又はその特定の部分、例えば、初期下流機器ゾーン及び/又は中間機器ゾーン内の下流生産プロセスの部分を監視及び/又は制御するための1つ以上の下流MLモデルを学習するために使用されてよい。下流MLモデル及び/又は下流オブジェクト識別子122は、製品170の1つ以上の下流性能パラメータを1つ以上のゾーンにおける下流生産プロセスの詳細に相関させるために使用されてよい。
前駆体材料114が横方向120に沿って進行するにつれて、その特性が変化し、誘導体材料116に変形又は変換する可能性があることが理解されよう。例えば、ヒーター118が前駆体材料114を加熱するにつれて、誘導体材料116をもたらすことができる。当業者は、単純化及び理解の容易さのために、誘導体材料116はまた、本教示において前駆体と呼ばれ得ることを理解するであろう。例えば、議論中の機器ゾーン又はコンポ―ネントの文脈では、したがって、この例の説明で議論されるように、前駆体が下流生産プロセス内のどの段階にあるかは明らかであろう。
ここで、材料が複数の部分に分割されるゾーンの例について説明する。図1には、カッティングミル142と第2輸送要素106a,bを含むさらなる下流機器ゾーンとして、そのようなゾーンが示されている。横方向154に沿って横断する誘導体材料116は、カッティングミル142を用いて分割又は断片化され、したがって、この例では第1分割材料140a及び第2分割材料140bとして示される複数の部分が得られる。
したがって、本教示の一態様によれば、個々のオブジェクト識別子は、各部品に対して提供されてよい。しかし、場合によっては、各部品に対して又は個々のオブジェクト識別子を提供する代わりに、部品のうちの1つ、又は部品のうちのいくつかに対してのみオブジェクト識別子が提供されてよい。これは、例えば、部品のいずれかを追跡することに関心がない場合に該当する。例えば、オブジェクト識別子は、廃棄される誘導体材料116の部分に対して提供されなくてよい。ここで図1に戻って、第1のさらに下流のオブジェクト識別子130aは、第1分割材料140aに対して提供され、第2のさらに下流のオブジェクト識別子130bは、第2分割材料140bに対して提供される。
第1のさらなる下流オブジェクト識別子130aは、下流オブジェクト識別子122の少なくとも一部を含み、同様に、第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bは、下流オブジェクト識別子122の少なくとも一部を含む。次いで、下流コンピューティングユニット124は、さらなる下流オブジェクト識別子及び下流ゾーン存在信号に基づいて、下流リアルタイムプロセスデータの別のサブセット(例えば、下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び/又は下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセット)を決定することができる。次いで、下流コンピューティングユニット124は、下流オブジェクト識別子122からのデータ、リアルタイムプロセスデータの別のサブセット、及びさらなる下流機器ゾーンにおける以前に処理された前駆体に関連する1つ以上の過去の下流オブジェクト識別子からの下流の過去データに基づいて、下流機器ゾーンについて、及び任意に下流機器ゾーンの下流の他の機器ゾーンについてもさらなるゾーン特有の制御設定決定することができる。
第1のさらなる下流オブジェクト識別子130aは、下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1のサブセットに任意に付加され、第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bは、下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットに任意に付加される。下流リアルタイムプロセスデータの第1のサブセット132aは、下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットのコピーであってよく、又は部分的に同じデータであってよい。例えば、第1分割材料140aと第2分割材料140bとが同じ処理、すなわち、本質的に同じ場所及び時間で処理される場合、さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bに付加される下流プロセスデータは、同一又は類似であってよい。しかしながら、さらなる下流機器ゾーン内で、さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bが異なるように扱われる場合、下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットは、互いに異なってよい。
当業者は、しかしながら、場合によっては、任意に、1つのオブジェクト識別子のみがカッティングミル142で提供され、その後、カッティングミル142を介して処理される材料が複数の部分に分割される場合、複数のオブジェクト識別子がカッティングミル142に続いて提供され得ることを理解するであろう。このように、特定の下流生産プロセスの仕様に応じて、カッティングミルは分離装置であってよく、又はそうでなくてもよい。同様に、場合によっては、ゾーンからのプロセスデータが先行するオブジェクト識別子に付加されるように、カッティングミルに新しいオブジェクト識別子が提供されないこともある。したがって、新しいオブジェクト識別子は、材料が分割されるゾーン及び/又はそれが結合されるゾーンで提供されてよい。例えば、場合によっては、さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bは、カッティングミル142の後に、例えばカッティングミル142に続く異なるゾーンにおける入口で提供されてよい。
この例では、さらなる下流機器ゾーンはまた、カメラ又は任意の他の種類の光センサであり得る画像センサ146を備える。画像センサ146はまた、下流コンピューティングユニット124に作動可能に結合されて得る。画像センサ146は、さらなる下流機器ゾーンに入る前に、誘導体材料116の1つ以上の特性を測定又は検出するために使用されてよい。これは、例えば、所定の品質基準を満たさない材料を拒否又は流用するために行われ得る。材料の量又は質量フローがさらなる下流機器ゾーンで変更されると、本教示の一態様によれば、別のオブジェクト識別子(図1には示されていない)がさらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bの前に提供されてよい。
さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bの提供は、誘導体材料116が画像センサ146を介して品質基準を通過することに応答してトリガーされ得る。品質基準は、1つ以上の下流性能パラメータを介して決定されることができる。隣接ゾーンから又はオブジェクト識別子からのデータ、例えば、中間機器ゾーンからの質量フロー及び下流機器ゾーンへの質量フローを相関させることにより、下流コンピューティングユニット124は、どの特定の前駆体材料114又は誘導体材料116が後続ゾーンに入る材料に関連しているかを決定することができる。代替的に、又は追加的に、タイムスタンプの2つ以上が、ゾーン間、例えば、中間機器ゾーンからの出口のタイムスタンプ及び画像センサ146を介した検出のタイムスタンプ及び/又はさらなる下流機器ゾーンでの入口のタイムスタンプ間で相関していてよい。センサ出力を介して直接測定されるか、又は2つ以上のタイムスタンプから決定される輸送要素102a,bの速度は、特定のパケット又は前駆体のバッチとそのオブジェクト識別子の間の関係を確立するために使用されることもできる。したがって、特定の製品170が所与の時間に生産プロセス内のどこにいたかが決定されることもでき、したがって時空間関係を確立することができる。これらの態様のいくつか又は全ては、TPU及び/又はEPU材料から最終製品までの製品170のトレーサビリティを改善することのみならず、生産プロセスを監視及び改善し、それをより適応性及び制御性を高めることにおいて使用可能であり得る。
議論されたように、第1のさらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bは、さらなる下流機器ゾーンからの下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットにそれぞれ付加される。下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットは、下流オブジェクト識別子122にリンクされるか又は付加されてよい。前述の下流オブジェクト識別子122と同様に、下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットは、下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件、すなわち、誘導体材料116がさらなる下流機器ゾーンにおいて処理される、画像センサ146の出力、カッティングミル142及び第2輸送要素106a,bの運転条件、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、充填度、温度、光学特性、タイムスタンプなどのうちの任意の1つ以上を示す。この場合の機器運転条件は、さらなる下流の制御設定から導出され得る、カッティングミル142及び/又は第2輸送要素106a,bの制御信号及び/又は設定ポイントであってよい。したがって、さらなるゾーン特有の制御設定は、下流オブジェクト識別子122からのデータ、例えば下流オブジェクト識別子122に付加された少なくとも1つのゾーン特有の性能パラメータに基づいて最適化され得る。
下流リアルタイムプロセスデータ132aの第1サブセット及び下流リアルタイムプロセスデータ132bの第2サブセットは、時系列データを含んでいてよく、これは、1つ以上のセンサ、例えば、画像センサ146の出力及び/又は第2輸送要素106a,bの速度を介して得られることができる時間依存信号を含み得ることを意味する。
誘導体材料116が画像センサ146に遭遇した後に進行すると、第2輸送要素106a,bによって駆動される横方向154でカッティングミル142に向かって移動される。第2輸送要素106a,bは、この例では、輸送要素102a,bを含むコンベアシステムとは別の第2コンベアベルトシステムの一部分として示されている。第2コンベアベルトシステムが、輸送要素102a,bを含む同じコンベアシステムの一部であってもよいことが理解されよう。したがって、さらなる下流機器ゾーンは、別のゾーンで使用される同じ機器のいくつかを含むことができる。
図1に見られるように、第1分割材料140aと第2分割材料140bが生産の後半で異なる方向を進むとしても、それぞれのオブジェクト識別子、すなわち、さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bは、残りの生産プロセスを通して、場合によってはそれを超えて個別に追及又は追跡を行うことができる。
初期下流機器ゾーンを出た後、第1分割材料140aは押出機150に供給され、第2分割材料140bは硬化機器162と第3輸送要素108a,bを含む第3機器ゾーンで硬化させるために輸送される。したがって、示された輸送要素108a,bは、前述のように、前述のように非限定的な例である。第3機器ゾーンは、初期下流機器ゾーン及びさらなる下流機器ゾーンの下流にあることが理解されよう。
第2分割材料140bがベルトを介して横方向156に移動すると、硬化器具162を介して硬化処理を受け、硬化した第2分割材料160が得られる。実質的な質量変化が生じない可能性があるので、一態様によれば、第3機器ゾーンに新たなオブジェクト識別子が提供されない可能性がある。したがって、前述のように、第3機器ゾーンからのプロセスデータも、第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bに付加されてよい。上記と同様に、下流リアルタイムプロセスデータ132bの付加された第2サブセットは、したがって、第3機器ゾーンからのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件、すなわち、第2分割材料140bが第3機器ゾーンにおいて処理される、硬化装置162及び/又は輸送要素108a,bの運転条件、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、第3ゾーンからの1つ以上の温度値、投入時間、排出時間、輸送要素108a,b及び/又はベルトの速度のいずれか1つ以上の条件をさらに示す。この場合の機器運転条件は、輸送要素102a,b及び/又は硬化器具162の制御信号及び/又は設定ポイントであってよく、さらなるゾーン特有の制御設定から導出されることができる。したがって、さらなるゾーン特有の制御設定は、下流オブジェクト識別子122からのデータ、例えば下流オブジェクト識別子122に付加された少なくとも1つのゾーン特有の性能パラメータに基づいて最適化され得る。
同様に、第1分割材料140aは、押出機150、温度センサ148、及び第4輸送要素110a,bを含む第4機器ゾーンに進行する。ここでも、実質的な質量変化が生じないため、ある態様によれば、第4機器ゾーンに対して新たなオブジェクト識別子が提供されない可能性がある。したがって、前述のように、第4機器ゾーンからのプロセスデータもまた、さらなる下流のオブジェクト識別子130aに付加されてよい。上記と同様に、下流リアルタイムプロセスデータ132aの付加された第1サブセットは、したがって、第4機器ゾーンからのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件、すなわち、第1分割材料140aが第3機器ゾーンで処理される、押出機150及び/又は温度センサ148及び/又は輸送要素108a,bの運転条件、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、第3ゾーンからの1つ以上の温度値、投入時間、排出時間、輸送要素110a,b及び/又はベルトの速度のいずれか1つ以上の条件をさらに示すように強化され得る。この場合の機器運転条件は、輸送要素108a,b及び/又は押出機150の制御信号及び/又は設定ポイントであってよく、計算された性能パラメータ及び関連するリアルタイムのプロセスデータに基づいて前述のように適合させることも可能である。
また、第1分割材料140aの押出材料152への変換の特性及び依存性も、さらなる下流オブジェクト識別子130aに含まれ得る。第4機器ゾーンは、下流機器ゾーン及びさらなる下流機器ゾーンの下流にもあることが理解されよう。
理解できるように、生産プロセス全体で材料及び製品の監視を向上させながら、個々のオブジェクト識別子の数を減らすことができる。
押出材料152は、輸送要素108a,bを介して発生した搬送方向158にさらに移動すると、収集ゾーン166で収集され得る。収集ゾーン166は、貯蔵ユニットであってよく、又は下流生産プロセスのさらなるステップを適用するためのさらなる処理ユニットであってよい。収集ゾーン166では、ここに示されるように、硬化した第2分割材料160を押出材料152と組み合わさることができるように、追加の材料を組み合わせることができる。したがって、前述のように新たなオブジェクト識別子が提供されてよい。このようなオブジェクト識別子は、最終下流オブジェクト識別子134として示される。最終下流オブジェクト識別子134は、さらなる下流オブジェクト識別子130a及び第2のさらなる下流オブジェクト識別子130bの全体又は一部を含み得る、最終ゾーンリアルタイムプロセスデータ136のサブセットを付加されてよい。最終下流オブジェクト識別子134は、このように、本開示において詳細に議論されたのと同様に、収集ゾーン166からのプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を提供される。収集ゾーン166で行われる場合、機能又はさらなる処理に応じて、例えば、流入質量フロー、流出質量フロー、収集ゾーン166からの1つ以上の温度値、投入時間、排出時間、速度などのいずれか1つ以上のデータは、最終ゾーンリアルタイムプロセスデータ136として含まれ得る。
場合によっては、収集ゾーン166からの個々のロットは、保管及び/又は分類及び/又は包装のために送られることがある。そのような個々のロットは、製品収集ビン164aとして示される。量が再び分割されているので、そのサイロ内の製品170、すなわち製品収集ビン164aの個々のオブジェクト識別子が、製品170がそこでさらされるプロセスデータ又は条件と関連付けられることができるように、個別オブジェクト識別子がサイロの各々に提供され得る。
理解されるように、オブジェクト識別子のそれぞれは、GUIDであってよい。それぞれが、先行するオブジェクト識別子からのデータを全体的又は部分的に含んでよく、又は、リンクされてよい。したがって、関連する品質データは、特定の製品170にスナップショット又は追跡可能なリンクとして添付することができる。
また議論されたように、1つ以上の下流MLモデルは、1つ以上の下流性能パラメータ及び/又は下流制御設定を計算又は予測するために使用されてもよく、そのいずれか又は両方がゾーン特有であってよい。下流MLモデルの各々又はいくつかはまた、少なくとも1つの下流性能パラメータ及び/又は下流制御設定の信頼度を示す信頼値を提供するように構成されることも可能である。警告は、例えば、下流性能パラメータを予測する信頼度が所定の限界値よりも低くなった場合に、ラボ分析のためのサンプルの物理テストを開始するための警告信号として発生され得る。また、予測の信頼度が精度閾値を下回ることに応答して、サンプリングオブジェクト識別子がインターフェースを介して自動的に提供されることが可能である。サンプリングオブジェクト識別子は、同様の方法で提供されてよく、下流コンピューティングユニット124は、サンプリングオブジェクト識別子が関連する材料(ここではサンプル製品172として示される)について、関連する下流プロセスデータのサブセットをサンプリングオブジェクト識別子に付加してよい。下流コンピューティングユニット124はまた、信頼度が低かった少なくとも1つのゾーン特有の性能パラメータを、サンプリングオブジェクト識別子に付加してもよい。このようにして、サンプル製品172は、オブジェクト識別子を用いて品質管理をさらに向上させるために、収集され、検証及び/又は分析され得る。
図2は、特に初期下流機器ゾーンから見た、本教示の方法の態様を示すフローチャート200又はルーチンを示す。ブロック202では、下流コンピューティングユニット124において、製品170の生産を制御するための下流制御設定のセットが提供される。下流制御設定は、下流オブジェクト識別子122に基づいて決定される。下流オブジェクト識別子122は、前駆体材料114、又はTPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む。下流制御設定は、製品170に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータにも基づいて決定される。下流制御設定は、下流の過去データにも基づいて決定される。下流の過去データは、例えば下流機器を介して過去の1つ以上の製品を製造するために使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む。下流制御設定のセットは、下流工業プラントで製品170を製造するために使用可能である。任意に、ブロック204では、下流コンピューティングユニット124で、下流機器又は機器ゾーンのうちの1つ以上から下流リアルタイムプロセスデータを受信する。下流リアルタイムプロセスデータは、下流リアルタイムプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含む。さらに任意に、ブロック206では、下流コンピューティングユニット124を介して、下流オブジェクト識別子及び下流ゾーン存在信号に基づいて、下流リアルタイムプロセスデータのサブセットが決定される。下流ゾーン存在信号は、下流生産プロセス中の特定の機器ゾーンでの前駆体材料の存在を示す。
同様に、TPU及び/又はETPU材料が後続のゾーンに進むと、別のオブジェクト識別子が提供されるかどうかが決定される場合がある。次いで、されない場合、後続ゾーンからの下流プロセスデータも同じオブジェクト識別子に付加されてもよい。次いで、別のオブジェクト識別子が提供されると決定された場合、後続のゾーンからのプロセスデータは別のオブジェクト識別子に付加される。中間機器ゾーン及びさらなる下流機器ゾーンなど、これらの任意のそれぞれに関する詳細は、本開示において、例えば、図1を参照しながら、概要の部分で詳細に説明される。
図3に示されるブロック図は、工業プラントの製品生産システムの一部を表しており、本実施形態では、10個の製品処理装置又はユニット300~318、又はそれぞれ技術機器を含み、示された製品処理ライン全体に沿って配置されている。本実施形態では、これらの処理ユニットの1つ(処理ユニット308)は、3つの対応する機器ゾーン320、322、324を含む(図3及び図5のより詳細な実施形態も参照)。
この例では、投入材料としての化学製品は、液体原料貯槽300、固体原料貯槽302、及び例えば不十分な材料/製品特性又は不十分な材料/製品品質を含む化学製品又は中間製品をリサイクルするリサイクルサイロ304を介して処理ラインに供給される原料に基づいて生産される。処理ライン306~318に投入されるそれぞれの原料は、それぞれの処理機器、すなわち、投与ユニット306、後続の加熱ユニット308、材料バッファ310を含む後続の処置ユニット、及び後続の分類ユニット312を介して処理される。この処理機器306~312の下流には、例えば生産された材料の品質が不十分であるためにリサイクルされる必要がある材料を分類ユニットからリサイクルサイロ304に輸送する輸送ユニット314が配置されている。最後に、分類ユニット312によって分類される材料は、出荷目的のために、例えばバルク材料の場合には材料袋、液体材料の場合にはボトルなど、適宜材料を材料容器に包装する第1及び第2包装ユニット316,318に運ばれる。
生産システム300~318は、本実施形態では、コンピューティングユニットのデータインターフェース(両方ともブロック図には示されていない)を提供し、それを介して、それぞれの投入材料及び処理によるその変化に関するデータを含むデータオブジェクトが提供される。生産プロセス全体は、少なくとも部分的に、コンピューティングユニットを介して制御される。
処理機器306~312によって処理される投入材料は、物理的又は現実世界のいわゆる「パッケージオブジェクト」(以下では「物理パッケージ」又は「製品パッケージ」とも呼ばれる)に分けられ、これらのパッケージオブジェクトは各処理ユニット306~312によって扱われ又は処理される。このようなパッケージオブジェクトのパッケージサイズは、例えば材料質量(例えば10kg、50kgなど)又は材料量(例えば1デシメートル、1/10立方メートルなど)によって固定することができ、あるいは質量又は量によって決定されることもでき、そのためにかなり一定のプロセスパラメータ又は機器動作パラメータが処理機器によって提供され得る。
投与ユニット306は、最初に、投入された液体及び/又は固体原料及び/又はリサイクルサイロ304によって提供されたリサイクル材料から、そのようなパッケージオブジェクトを作成する。パッケージオブジェクトを作成すると、投与ユニットは、これらのオブジェクトを均質化ユニット308に輸送する。均質化ユニット308は、パッケージオブジェクトの材料を均質化する、すなわち、例えば、処理された液体材料と固体材料、又は2つの液体材料又は固体材料を均質化する。加熱プロセスの後、加熱ユニット308は、それに応じて加熱されたパッケージオブジェクトを、例えば加熱、乾燥もしくは加湿によって、又は特定の化学反応によって、投入されたパッケージオブジェクトの材料を異なる物理的及び/又は化学的状態に変換する処置ユニット(treatment unit)310に輸送する。それに応じて変換されたパッケージオブジェクトは、その後、3つの下流パッキングユニット316、318又は前述の輸送ユニット314のうちの1つ以上に輸送される。
現実世界のパッケージオブジェクトの後続の処理は、対応するデータオブジェクト330、332、334(又はそれぞれ事前に記述された「オブジェクト識別子」)によって管理され、これは、機器306~312に作動可能に結合された、又は機器の一部であるコンピューティングユニットを介して各パッケージオブジェクトに割り当てられ、コンピューティングユニットのメモリ記憶要素に保存される。本実施形態によれば、3つのデータオブジェクト330~334は、機器306~312を介して提供されるトリガー信号に応答して、すなわち、機器ユニット306~312の各々に配置されている、又はそれぞれスイッチに応じた、対応するセンサの出力に応答して生成され、このようなセンサは機器ユニット306~312に作動可能に結合されている。前述のとおり、工業プラントは、さまざまなタイプのセンサ、例えば、1つ以上のプロセスパラメータを測定するためのセンサ、及び/又は機器運転条件若しくは機器若しくはプロセスユニットに関連するパラメータを測定するためのセンサを含むことができる。本実施形態では、機器ユニット306~312の内部で処理されるバルク材料及び/又は液体材料の流量及びレベルを測定するためのセンサが、これらのユニットに配置される。
図3に示される3つの例示的なデータオブジェクト330、332、334は、本実施形態では、それぞれが処理ユニット306~312及び314~318に基づく製品生産プロセス全体の異なる3つの機器ゾーン320、322、324に関する。
最初の2つのデータオブジェクト330、332は、プロセスデータを含む製品パッケージオブジェクトを含む。プロセスデータは、関連する物理パッケージがいくつかの処理ユニット内での滞留/処置の間に経験した処理/処置情報を含む。プロセスデータは、関連する処理ユニット内の基礎となる物理パッケージの滞留時間中の計算された平均温度などの集約データであり、及び/又は基礎となる生産プロセスの時系列データであることができる。
第1データオブジェクト330は、本実施形態では、2つの処理ユニット(投与ユニット306及び加熱ユニット308)を通って輸送されてきた物理パッケージに割り当てられる第1種類のパッケージ(図3では「A-パッケージ」と呼ばれる)である。第1データオブジェクト330は、処理時間の現時点において、各滞留中の両ユニットの関連データを含む。第1データオブジェクトは、対応する「製品パッケージID」を含む。
加熱ユニット308は、いくつかの機器ゾーン、本実施形態では、3つの機器ゾーン320、322、324(「ゾーン1」、「ゾーン2」、「ゾーン3」)を含む。これらの異なる機器ゾーンは、関連するプロセスデータを分類又は選択するための分類グループとして利用される。このような分類は、関連する物理パッケージがこの機器ゾーンの内部にある対応する時点内の、基礎となる物理パッケージの処理に関連する、関連する機器ゾーンの外にあるパッケージオブジェクトのデータのみを得るのに役立ち得る。しかしながら、本実施形態では、物理パッケージの材料組成は、両処理ユニット306、308によって変更されない。
A-パッケージ330が次の処置ユニット310(本実施形態では「バッファ付き処置ユニット」)に到着すると、この処理ユニット310は物理パッケージをプラグフローモードで輸送するだけではないので、各物理パッケージの材料組成が変化する。さらに、対応する物理パッケージは、元のパッケージサイズよりも大きいバッファ容積を含み、そのような物理パッケージは、定義された逆混合度を有する。結果として、この処置ユニット310を出る各物理パッケージは、図3では「B-パッケージ」と呼ばれる、別の種類の物理パッケージである。
対応する第2データオブジェクト332(「B-パッケージ」)もまた、対応する「製品パッケージID」を含む。データオブジェクト332はさらに、定義された数の前のデータオブジェクトのデータ、本例では「A-パッケージ」として指定されたデータオブジェクト330のデータを、定義された割合で、いわゆる「関連するA-パッケージからの集約データ」をさらに含む。対応する集約スキーム又はアルゴリズムは、例えば、基礎となる処理ユニット、基礎となる物理パッケージのサイズ、基礎となる物理パッケージの材料の混合能力、及び基礎となる処理ユニット内、又は処理ユニットの対応する機器ゾーン内での基礎となる物理パッケージの滞留時間に依存する。
処理された物理(製品)パッケージが、2つのパッキングユニット316、318のうちの1つによって個別の物理パッケージに、例えば、処理された物理パッケージをコンテナ、ドラムに、又はオクタビン容器などに梱包することによって、本実施形態において、対応する梱包された物理パッケージが「物理パッケージ」と呼ばれる別のデータオブジェクト334を介して取り扱われるか又は追跡される。このデータオブジェクト334は、それに梱包された関連する前の物理パッケージ(本シナリオでは「A-パッケージ」及び「B-パッケージ」のようなもの)が含まれる。対応する「製品パッケージID」の指定は、そのような製品パッケージIDは後のデータ処理、例えば外部の「クラウドコンピューティング」プラットフォームによって行われるデータ処理の間に容易にリンクさせることが可能であるため、完全なデータオブジェクトを使用する代わりに、例えば追跡目的には十分である。
第1データオブジェクト(又は「オブジェクト識別子」)330は、特に以下の情報:
- 基礎パッケージの「製品パッケージID」;
- パッケージ基礎となる処理された材料に関する情報又は仕様のような、基礎パッケージに関する一般的な情報;
- 処理ライン306~318全体における基礎となるパッケージの現在の位置;
- プロセスデータ、すなわち、基礎となるパッケージの処理された材料の温度及び/又は質量の集計値としてのプロセスデータ;
- 基礎となる生産プロセスの時系列データ;及び
- 基礎となるパッケージからのサンプルへの接続であって、ここで、製品パッケージがサンプルステーションを通過し、定義された瞬間に、オペレータがこの製品パッケージからサンプルを取り出してラボに提供する接続、を含む。このサンプルについて、サンプルオブジェクト(図6、参照符号634及び638参照)が生成され、関連する製品パッケージ(図6、参照符号626及び630参照)にリンクされることになる。このサンプルオブジェクトは、特に、ラボからの対応する製品品質管理(QC)データ及び/又は試験機による性能データを含む。
第2オブジェクト識別子332は
- バッファ付き処置ユニット310で生成される、関連するA-パッケージからの集約データ、
をさらに含む。
第3オブジェクト識別子334は、指定とタイムスタンプ「物理パッケージ1976-02-06 19:12:21.123」を伴う2つのパッキングユニット316、318によって、によって生成され、以下の情報:
- 再び、パッケージ又はオブジェクト識別子(以下、「パッケージID」);
- 図3に示された出荷目的の2つの材料容器に梱包された製品名;
- それに応じて梱包された製品を注文するための注文番号;及び
- それに応じて梱包された製品のロット番号、
を含む。
第1及び第2オブジェクト識別子330、332のパッケージの一般情報は、投入原材料の材料データを含み、本実施形態では、材料の温度及び/又は質量のように、投入材料、又は処理材料のそれぞれの化学及び/又は物理特性を示し、本実施形態では、過去の試験結果などの投入材料に関する上述のラボサンプル又は試験データも含む。
図3によっても示される製品生産プロセスによれば、前述のインターフェースを介して、機器全体からのプロセスデータが収集され、それは、前述の温度及び/又は処理された材料の質量などのプロセスパラメータを示し、及び本実施形態では、前述のヒーターの温度及び/又は適用された投与パラメータなど、投入材料が処理される機器の運転条件も示している。収集されたプロセスデータは、本実施形態では、関連するA-パッケージからの集約されたデータのようなプロセスデータの一部のみ、本実施形態では、第2オブジェクト識別子332に付加される。
事前に説明したとおり、本実施形態では、3つのオブジェクト識別子330~334は、前述の投入材料データ及び/又は特定のプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を化学製品の少なくとも1つの性能パラメータに関連付け又はマッピングするために使用され、当該性能パラメータは、それぞれ、例えば化学製品に準じた基礎材料のいずれか1つ以上の特性であるか、又はそれを示すものである。
図3に示す本実施形態によれば、2つのオブジェクト識別子330、332に含まれる(集計された値としての)収集されたプロセスデータは、プロセスパラメータを示す数値、さらに生産プロセス中に測定された機器運転条件を示す数値を含む。さらに、オブジェクト識別子330、332は、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のうちの1つ以上の時系列データとして提供されるプロセスデータを含む。機器運転条件は、機器状態を表す任意の特性又は値であり得、本実施形態では、生産機設定ポイント、コントローラ出力、及び任意の機器関連の警告、例えば振動測定に基づくものであり得る。さらに、輸送要素速度、温度、フィルタ差圧などのファウリング値、メンテナンス時期を含めることができる。
図3に示される製品生産システムの実施形態では、製品処理機器306~318全体が、生産プロセス中に、投入原材料300~304が処理ライン306~318全体に沿って移動し、本実施形態では、第1機器ゾーン320から第2機器ゾーン322へ、及び第2機器ゾーン322から第3機器ゾーン324へ進むように、前述の複数の3機器ゾーン320~324を備える。このような生産シナリオでは、第1オブジェクト識別子330は、第1機器ゾーン320に提供され、第2オブジェクト識別子332は、第1機器ゾーン320を通して処理された後、第2機器ゾーン322で投入材料の入口に提供される。第2オブジェクト識別子332は、第1オブジェクト識別子330によって提供されるデータ又は情報の少なくとも一部が付加されるか又は含まれ、さらに、最終データ/情報「関連するA-パッケージからの集計データ」を含む。
オブジェクト識別子330~334のいずれか又は各々が、全生産プロセス中にオブジェクト識別子を対応するパッケージへ確実かつ安全に割り当てることを可能にするために、ユニーク識別子、好ましくはグローバルユニーク識別子(「GUID」)を含み得ることは注目される。
本製品処理シナリオでは、第1オブジェクト識別子330に付加された前述のプロセスデータは、第1機器ゾーン320から収集されたプロセスデータの少なくとも一部である。したがって、第2オブジェクト識別子332には、第2機器ゾーン322から収集されたプロセスデータの少なくとも一部が付加されており、第2機器ゾーン322から収集されたプロセスデータは、投入原材料300~304が第2機器ゾーン322において処理されるプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を示すものである。
以下の表1では、別の例示的なオブジェクト識別子が、やはり表形式で示されている。このオブジェクト識別子は、前述の3つのオブジェクト識別子330~334よりもはるかに多くの情報/データを含む。
この例示的なオブジェクト識別子は基礎となる日付とタイムスタンプ「1976-02-06 18:31:53.401」を有するいわゆる「B-パッケージ」に関し、以下で説明される図4に示されるものと同様であるが、図4に含まれるものよりも多くのデータを含む。
ユニーク識別子(「ユニークID」)は、本実施例ではユニークURL(「ユニークオブジェクトURL」)を含む。基礎となるパッケージの主な詳細(「パッケージの詳細」)は、本例では、2つの値「02.02.1976 18:31:53.401」及びパッケージのタイプ(「パッケージタイプ」)(本例ではパッケージタイプ「B」を有する)を有するパッケージの作成の日付とタイムスタンプ(「作成タイムスタンプ」)である。基礎となる生産ラインに沿ったパッケージの現在の場所(「パッケージの場所」)は、「パッケージ位置リンク」によって定義され、本例では生産ラインの「コンベアベルト1」への輸送リンクである。
コンベアベルト1では、平均温度(「平均値」)を測定するための測定機器(例示的なプロセスデータ又は値を含む「測定ポイント」参照)が提供され、現在85℃の材料温度及び基礎となる温度ゾーン(本例では「温度ゾーン1」)の相応の説明(「説明」)が明らかになる。さらに、測定機器は、コンベアベルト1におけるパッケージの投入日/時(「投入時間」)、本例では「02.02.1976 18:31:54.431」を検出するため、及び、コンベアベルト1からのパッケージの退出日/時(「退出時間」)、本例では「02.02.1976 18:31:57.234」を検出するためのセンサも含めることができる。最後に、測定機器は、生産プロセスに関する基礎的な時系列情報(「時系列」)の時系列値(「時系列値」)を検出するためのセンサ機器を含む。
さらに、表示されたオブジェクト識別子は、本例では、下流に位置する「コンベアベルト2」、下流に位置する「ミキサー1」、下流に位置する「サイロ1」の情報をさらに含み、すでに処理された材料を中間貯蔵していることを示す。
Figure 2023547765000002
図4は、「工業プラントの基礎となる製品生産システムのプロセス部分」の第2の実施形態を示し、本第2実施形態では、6つの製品処理装置400、402、406、410、412、416、又は技術機器をそれぞれ備える。
パッケージオブジェクトを処理するための「上流プロセス」400は、処理されたパッケージオブジェクトを分類するための「分類ユニット」402に接続されている。上流プロセス400及び分類ユニット402は、第1データオブジェクト404によって管理される。このデータオブジェクト404は、その作成日時を示す基礎となる日時スタンプ「1976-02-06 18:51:43.431」を有する既に説明された「B-パッケージ」に関係する。データオブジェクト404は、現在処理中のパッケージオブジェクトの「パッケージID」(いわゆる「オブジェクト識別子」)を含む。データオブジェクト404は、さらに、現在処理中のパッケージオブジェクトに関するn個の事前に記述された化学的及び/又は物理的特性、本例では「特性1」及び「特性n」を含む。
投入材料、すなわち、上流プロセス400に供給される対応するパッケージオブジェクトは、本例では、「リサイクルサイロ」406によって提供される。一方、リサイクルサイロ406は、リサイクルされなければならず、それに応じて分類ユニット402によって分類されるパッケージオブジェクトを、リサイクルサイロ406に輸送する「輸送ユニット1」410から、基礎となるリサイクル材料を得る。基礎となる輸送プロセスステップ410は、上述の「B-パッケージ」に関し、上述の基礎となる日付とタイムスタンプ「1976-02-06 18:51:43.431」、現在処理中のパッケージオブジェクトの「パッケージID」、2つの化学及び/又は物理特性「特性1」及び「特性n」を含む第2データオブジェクト408によって管理される。しかしながら、基礎となる分類されたパッケージオブジェクトをリサイクルするという前述の要件により、第2データオブジェクト408は、基礎となるパッケージオブジェクトの別の化学的及び/又は物理的特性、本例では「特性2」をさらに含み、これは特にそのパッケージオブジェクトのそれぞれの性能指標、本例では「材料又は製品の性能が低い又は不十分」を含む。
上流プロセス400によって処理され、分類ユニット402によって分類されていないパッケージオブジェクトは、対応するパッケージオブジェクトに対する性能値に応じ、分類ユニット402によって第1の「パッキングユニット1」412又は第2の「パッキングユニット2」416のいずれかに提供される。パッキングユニット412、416は、対応するパッケージオブジェクトをそれぞれの容器414、418に梱包するために使用される。2つのパッキングユニット412,416によって実行されるパッキングプロセスは、第3データオブジェクト420及び第4データオブジェクト422によって管理される。
2つのデータオブジェクト420、422は共に「物理パッケージ」に関し、上述の「B-パッケージ」と同じ日付「1976-02-06」を含むが、上述の「B-パッケージ」よりも遅いタイムスタンプ「19:12:21.123」である。また、それらは、基礎となるパッケージオブジェクトの「パッケージID」を含む。しかしながら、データオブジェクト420、422はさらに、基礎となる最終製品の性能指標を含み、本例では、第1容器(又は充填サック)414に収納された製品に関する「性能中範囲」及び第2容器(又は充填サック)418に収納された製品の場合には「性能高範囲」である。さらに、2つのデータオブジェクト420,422は、対応する最終製品の「注文番号」及び「ロット番号」を含む。
図5は、工業プラントにおいて実施される基礎となる化学製品生産プロセス又はシステムの一部を示す第3実施形態であり、本第3実施形態では、9つの製品処理機器500~516、又は技術装置をそれぞれ備える。
本製品処理アプローチは、ポリマー材料を既知の方法で製造するために、2つの原料、すなわち「原料液体」500と「原料固体」502に基づく。図3及び図4による前述の製造シナリオと同様に、技術機器は、前述のように、リサイクル材料を使用するための「リサイクルサイロ」504を含む。
技術機器は、パッケージオブジェクトを処理するために示された4つのポリマー反応ゾーン(「ゾーン1~4」)510、512、514、516に沿ってパッケージオブジェクトを輸送する「反応ユニット」508によって、及び反応ユニット508において生産されているポリマー材料(すなわち対応するパッケージオブジェクト)を硬化させるための「硬化ユニット」518によって、前述の投入原材料に基づくパッケージオブジェクトを作成するための「投与ユニット506」をさらに含む。硬化ユニット518は、本実施形態では、材料バッファのみを含み、バックミキシング機器はない。また、硬化ユニット518は、それに応じて処理されたパッケージオブジェクトを輸送する。
「輸送ユニット1」520は、リサイクルサイロ504によって、リサイクルのために分類されているパッケージオブジェクトを輸送する。最終的に処理された、すなわち分類されていないユニットは、第1「パッキングユニット1」522及び第2「パッキングユニット2」524に再び輸送される。2つのパッキングユニット522、524は、対応するパッケージを変形させて、それぞれの容器又は充填サック526、528に輸送する。
図5に示された生産プロセスは、第1データオブジェクト530と第2データオブジェクト534とによって管理される。
第1データオブジェクト530は、作成日「1976-02-06」及び作成時間「18:31:53.401」の「A-パッケージ」に関する。データオブジェクト530は、本生産シナリオでは、事前に記述された「パッケージID」、投与ユニット506によって実行されている投与プロセスに関するプロセス情報(「投与特性」)、及び反応ユニット508によるポリマー材料の生産に関するさらなるプロセス情報(「反応ユニット特性」)を含む。投与特性には、各パッケージオブジェクトの原料量に関する情報、すなわち、「原料1(液体)の割合」、「原料2(固体)の割合」、及び製品温度が含まれる。反応ユニット特性には、4つのポリマー反応ゾーン510~516の温度(「温度ゾーン1」、「温度ゾーン2」、「温度ゾーン3」、「温度ゾーン4」)を含む。
そこで、第1データオブジェクト530は、処理ライン506~524に沿った基礎となるパッケージオブジェクトの現在位置(「現在のパッケージ位置」)を含む。そのパッケージオブジェクトの現在位置は、本実施形態では、「パッケージ位置リンク」及び対応する「ゾーン位置」によって管理される。最後に含まれるのは、基礎となるポリマー反応に関する化学的及び/又は物理的情報、すなわち対応する「反応エンタルピー/ターンオーバー度」である。これにより、所定のパッケージオブジェクトを輸送する処理ユニット506~524は、恒久的に反応エンタルピー値を計算し、第1データオブジェクト530に書き込み/実現する。これは、パッケージ位置及び対応する滞留時間に関する既存の情報、ならびに準じたプロセス値、例えばパッケージ温度に関する情報により可能である。第1データオブジェクト530と硬化ユニット518との間の通信回線532を介して、第1データオブジェクト530に含まれる反応エンタルピー及び/又はターンオーバー度の現在値に基づいて、硬化時間パラメータは、反応エンタルピーの計算値に基づいて、調節される。
第2データオブジェクト534は、パッキングユニット522、524の1つによって処理されている「物理パッケージ」に関し、対応する作成日/時間情報「1976-02-06 19:12:21.123」を含む。含まれるのは、「パッケージID」、「製品」の説明/仕様、「注文番号」、「ロット番号」、及び計算されたエンタルピー及び/又はターンオーバー度の前述の値である。
図6は、基礎となる工業プラント602の階層的又はトポロジカル構造を表すグラフベースのデータベース配置の第1実施形態を示し、これは、工業プラントのクラスタ600の一部であり、複数の機器装置及び対応する準じた製品処理ライン604の一部である機器ゾーンを含む。このトポロジー構造は、基礎となる製品パッケージの改善された処理又は計画を可能にするために、工業プラント602(又は基礎となるプラントクラスタ600)の基礎となる異なる部分間の機能的関係を視覚化することを可能にする。グラフベースのデータベースの示された円形ノードは、異なるリンクタイプが可能である接続線を介してリンクされる。
機器装置は、この実施形態では、処理ユニット606、614を含み、これは処理ユニット606の一部であるセンサ/アクター608、616との信号及び/又はデータ接続を介して接続され、いくつかの入力/出力(I/O)デバイス610、612及び618、620に接続される。
本実施形態では、第1処理ユニット606は、例示的な3つの製品パッケージ(製品パッケージ1~3)622、624、626とさらに接続されており、第2処理ユニット614は、さらなる3つの製品パッケージ(製品パッケージ4~n)628、630、632とさらに接続されている。例示的にのみ、「製品パッケージ3」626は、製品サンプル(サンプル1)634に接続され、「製品パッケージ5」630は、別の製品サンプル(サンプルn)638に接続されている。「サンプル1」634は、「検査ロット1」636とさらに接続され、「サンプルn」は、「検査ロットn」640とさらに接続される。最後に、両方の検査ロット636、640は、前述の検査ロットをどのように作成するか、及びそれぞれの基礎となるサンプル634、638の分析/品質管理をどのように実現するかに関する仕様として機能する「検査命令1」ユニット642と接続されている。
図6に示されるトポロジー構造は、有利には、示されたオブジェクト(ノード)が対応する現実世界のオブジェクトのように非常に類似してモデル化されているので、示された化学プラントの機能及び処理について直感的かつ容易に理解し、したがって、ユーザ、特に機械/プラントオペレータによる化学プラント又は化学プラントのクラスタにおけるそのような複雑な生産プロセスの容易な管理を可能にするデータ構造を提供している。
より具体的には、このトポロジー構造は、高度なコンテキスト情報を提供し、これに基づいて、ユーザ/オペレータは、各オブジェクトの技術的及び/又は材料的特性を容易に収集することができる。これはさらに、例えば、特にいくつかのノード又はトポロジー/階層レベルにわたる、関連する生産関連の接続又はオブジェクト間の関係について、ユーザによるかなり複雑なクエリーを可能にする。そこで、図6に示されるオブジェクト(ノード)は、さらなる特性及び/又は値によって、実行時に容易に拡張されることができる。
図7は、生産ライン700(「ライン1」)に対してのみであるが、図6に示されるようなグラフベースのデータベース配置の第2の実施形態を示す。
本実施形態における機器装置は、対応する入力/出力(I/O)装置「I/O 1」706及び「I/O n」712に接続されているセンサ/アクター「センサ/アクター1」704及び「センサ/アクターn」710と信号及び/又はデータ接続を介して接続されている材料処理ユニット702「ユニット1」及び「ユニットn」708を含んでいる。これらのI/Oデバイスは、生産ライン700の動作を制御するための(図示せず)PLCへの接続を含んでいる。
本実施形態では、第1処理ユニット(「ユニット1」)702は、例示的な3つの製品パッケージ(「製品部分」1~3)714、716、718とさらに接続され、第2処理ユニット(「ユニットn」)708は、さらなる2つの製品パッケージ(「「製品部分」4及びn)720、722とさらに接続される。例示的にのみ、製品パッケージ3」718は、製品サンプル(「サンプル1」)724に接続されており、製品パッケージn722は、別の製品サンプル(「サンプルn」)728に接続されている。
図6に示す実施形態とは対照的に、第1「センサ/アクター1」704は、第1製品サンプル(「サンプル1」)724にも接続され、第2「センサ/アクターn」710は、第2製品サンプル(「サンプルn」)728にも接続される。これら2つの追加の接続は、独立した時間に、あるいは同時に、異なるサンプルステーションで独立してサンプルを採取することが可能であるという利点を有する。例えば、センサ/アクター704は、サンプルステーションに配置される押しボタンとすることができ、これは、サンプルが採取される瞬間に、ユーザ又はオペレータによって押される。
あるいは、そのようなサンプルは、サンプリングマシンによって自動的に生成されることができる信号であり得る。そのような自動的に生成された信号は、例えば、示されたI/Oオブジェクト706を介してセンサ/アクターオブジェクト704に到達することができ、I/Oオブジェクト706は、(図示せず)PLC/DCから前述の押しボタン情報を受信する。サンプルを採取する瞬間に、サンプルオブジェクト724(例えば)が作成され、その瞬間にサンプリングステーションに位置する製品部分にリンクされる。
適宜生成されたサンプル724、728に基づいて、1つの(及び同じ)サンプルでも、1つ以上の検査ロット726、730を生成することができる。しかし、1つ以上のサンプルは、1つの処理ライン内で独立して、又は同時でも生成されることができる。
最後に、図6に示した実施形態と同様に、「サンプル1」724は、第1「検査ユニット1」726とさらに接続され、「サンプルn」は、第2「検査ユニットn」730とさらに接続される。両検査ユニット726、730は、最終的に、図6に示された「検査命令1」ユニット642の場合と同様に、すなわち、前述の検査ロットを作成する方法と、基礎となるサンプル724、728の分析/品質管理を実現する方法とに関して再び仕様として機能する「検査命令1」ユニット732と接続されている。図7に「検査ロット1」726とさらに「検査ロットn」730によって示されているように、検査命令732を複数の検査ロットに使用している一方、「検査命令1」ユニット732は、独立して作成されることができ、1回のみ作成されることも可能である。
図8は、オブジェクトデータベース801を含み、事前に記述された生産機器及び対応する原材料、並びに事前に記述された製品データ(事前に記述された物理パッケージ又は製品パッケージ関連データを含む可能性があり)、すなわち、デジタルツインによる抽象化レイヤとして機能する抽象化レイヤ800を示している。
抽象化レイヤ800は、本実施形態では、双方向通信回線802に外部のクラウドコンピューティングプラットフォーム804を提供する。さらに、抽象化レイヤ800は、「PLC/DC1」806の場合のように双方向810、又は「PLC/DCn」808の場合のように一方向812で、n個の生産PLC/DC及び/又は機械PLC806、808とも通信を行う。クラウドコンピューティングプラットフォーム804は、本実施形態では、顧客統合インターフェース又はプラットフォーム816への双方向通信ライン814を備え、これを介して、本生産プラントオーナーの顧客は、プラントの事前に記述された機器ユニットに制御信号を通信及び/又は配信することが可能である。
オブジェクトデータベース801には、これに関連する他のオブジェクト、例えば、上述のサンプル、検査ロット、サンプル命令、センサ/アクター、デバイス、デバイス関連のドキュメント、ユーザ(例えば、機械又はプラントのオペレータ)、それに応じたユーザグループ及びユーザ権、レシピ、注文、設定ポイント-パラメータセット、又はクラウド/エッジデバイスからの受信オブジェクトがさらに含まれる。
クラウドコンピューティングプラットフォーム804では、人工知能(AI)又は機械学習(ML)システムが実装され、それによって、エッジデバイス820を制御するために適宜作成又は発見されたアルゴリズムを使用するために、専用の展開パイプライン818を介してモノのインターネット(IoT)エッジデバイス又はコンポーネント820へ展開される最適なアルゴリズムを発見又は作成する。エッジデバイス820は、本実施形態では、抽象化レイヤ800と双方向に通信822を行う。
抽象化レイヤ800及び含まれるオブジェクトデータベース801によって、本文書内で説明されるように、事前に記述された物理的又は製品パッケージが作成される。抽象化レイヤ800は、クラウドコンピューティングプラットフォーム804内の特定の処理及び/又はAI(又はML)コンポーネントに接続することができる。この接続のために、既知のデータストリーミングプロトコル「Kafka」を使用することができる。それによって、基礎となる製品パッケージの作成時又はその前後に、最初に、特に基礎となる時系列データとは独立した空のデータパケットをメッセージとして送信することができる。その後、最終的な製品パッケージが処理されると、別のメッセージを送信することができる。これらのメッセージには、データパケットのIDとしてパッケージのオブジェクト識別子が含まれているので、関連するパケットを後にクラウドプラットフォーム側で互いに再度リンクさせることができる。これにより、クラウドへの送信で大きなサイズのデータパケットを避けることができ、必要な送信帯域幅又は容量を最小限に抑えることができるという利点がある。
クラウドコンピューティングプラットフォーム804内では、予測された製品の品質管理(QC)値など、基礎となる製品に関する追加のデータを得るためのアルゴリズムを発見するか又は作成するために、ストリームされ受信された製品データが前述のAI方法又はML方法によって使用される。クラウドコンピューティングプラットフォーム804内で実行されるこの手順のために、関連製品(又は物理)パッケージのQCデータ又は測定された性能パラメータのような追加のデータが必要とされる。これは、関連製品パッケージに関するそのような情報を含むサンプルオブジェクト及び検査ロットオブジェクト(図6も参照)の形態で、オブジェクトデータベース801から同じ方法で受け取ることができる。
このような情報は、オブジェクトデータベース以外のシステムから受信することも可能である。この場合、もう一方のシステムは、QC及び/又は性能データをサンプル/検査ロットIDと共にオブジェクトデータベースから送る。クラウドコンピューティングプラットフォーム804内で、このデータは、例えばMLベースのアルゴリズム/モデルを発見するために結合され、使用される。それによって、クラウドプラットフォーム804内のコンピューティング能力を効果的に使用することができる。
本実施形態において、それに応じて見出されたアルゴリズム又はモデルは、展開パイプライン818を介してエッジデバイス820に展開される。エッジデバイス820は、抽象化レイヤ800のオブジェクトデータベース801の近く、したがって、PLC/DC1~PLC/DCn806、808の近く、すなわち低いネットワークレイテンシー及び直接かつ安全な通信を可能にするネットワークセキュリティレベル及び位置に関するコンポーネントにすることができる。
MLモデルの使用には、そのようなコンピューティング能力は必要ないので、エッジデバイス820は、MLモデルを使用して、前述の高度な情報を生成し、それをオブジェクトデータベース801に提供する。したがって、エッジデバイス820は、MLベースのアルゴリズム又はモデルを生成するためにクラウドコンピューティングプラットフォーム804で使用される同じ情報又は情報のサブセットを必要とし、オブジェクトデータベース801は、例えば、既知の「メッセージキューイングテレメトリトランスポート」(MQTT)プロトコルのようにマシン対マシン通信用のオープンネットワークプロトコルを介してこのデータをエッジデバイス820に提供することができる。
このセットアップにより、AI/MLベースの高度なプロセス制御及び自律的な製造、それに伴う自律的に動作するマシンの実現が可能になる。
図8に示す実施形態に示されるように、事前に記述されたデータオブジェクト330~334(図3)からのデータに基づいて、クラウドコンピューティングプラットフォーム804の側では、AI/MLシステム又はそれに応じたAI/MLモデルは、トレーニングデータとしてそのようなデータを使用してトレーニングされる。したがって、本実施形態において、トレーニングデータは、化学製品の性能パラメータを示す、過去及び現在のラボ試験データ、特に過去からのデータを含むことができる。
AI/MLモデルは、事前に記述された性能パラメータの1つ以上を予測するために使用されることができ、前記予測は、好ましくは、コンピューティングユニットを介して行われる。追加的に、又は代替的に、AI/MLモデルは、好ましくは機器運転条件の調整を介して、生産プロセスを少なくとも部分的に制御するために使用されることができ、より好ましくは、前記制御は、前記コンピューティングユニットを介して行われる。追加的に、又は代替的に、AI/MLモデルは、例えば、コンピューティングユニットによって、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のうちどれが化学製品に支配的な影響を及ぼすかを決定するためにも使用されることができ、プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件のうちそれらの支配的なものが、それぞれデータオブジェクト、又は前述のオブジェクト識別子に付加される。
当業者であれば、少なくともコンピューティングユニットを介して実行される方法ステップは、「リアルタイム」又はほぼリアルタイムの方法で実行され得ることを理解するであろう。この用語は、コンピュータの技術分野で理解される。具体例として、コンピューティングユニットによって実行される任意の2つのステップ間の時間遅延は、15秒以下、具体的には10秒以下、より具体的には5秒以下である。好ましくは、遅延は、1秒未満、より好ましくは、数ミリ秒未満である。したがって、コンピューティングユニットは、方法ステップをリアルタイムで実行するように構成されてもよい。さらに、ソフトウェア製品は、コンピューティングユニットに方法ステップをリアルタイムで実行させることができる。
方法ステップは、例えば、例又は態様に列挙されたような順序で実行されてもよい。しかしながら、特定の状況下では、異なる順序も可能であることに留意されたい。さらに、方法ステップの1つ以上を1回又は繰り返し実行することも可能である。ステップは、定期的又は不定期的に繰り返されることも可能である。さらに、具体的には、いくつか又は複数の方法ステップが繰り返し実行される場合、2つ以上の方法ステップを同時に、又は適時重複して実行することも可能である。本方法は、記載されていないさらなるステップを含んでいてよい。
「含む(comprising)」という語は他の要素やステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。単一の処理手段、プロセッサ又はコントローラ又は他の同様のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
さらに、本開示において、特徴又は要素が1回以上存在し得ることを示す用語「少なくとも1つ」、「1つ以上」又は同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴又は要素を導入する際に1回のみ使用されてきた可能性があることに留意されたい。したがって、場合によっては、特に断りのない限り、それぞれの特徴又は要素に言及するとき、それぞれの特徴又は要素が1回以上存在してもよいという事実にかかわらず、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は繰り返されていない場合がある。
さらに、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」という用語、又は、同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴に関連して使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、如何なる意味でも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本教示は、当業者であれば認識するように、代替的特徴を用いて実施することができる。同様に、「一実施形態による」又は同様の表現によって導入される特徴は、本教示の代替に関するいかなる制限もなく、本教示の範囲に関するいかなる制限もなく、及び、そのような方法で導入される特徴を本教示の他の任意の又は非任意の特徴と組み合わせる可能性に関するいかなる制限もなく、任意の特徴であることが意図されている。
下流生産プロセスを制御するための方法;本明細書に開示された方法を実施するためのシステム;下流生産プロセスを制御するためのシステム;使用;ソフトウェアプログラム;及び本明細書に開示された方法を実施するためのコンピュータプログラムコードを含むコンピューティングユニットに関して、様々な例が上記に開示されている。より具体的には、本教示は、下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御する方法に関し、該方法は:下流コンピューティングユニットで、製品の製造を制御するための下流制御設定のセットを提供することであって、前記下流制御設定は:下流オブジェクト識別子;製品に関する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータ;下流の過去データに基づいて決定され、前記下流制御設定のセットが下流工業プラントで製品の製造に使用可能である。本教示はまた、下流生産のためのシステム、及びソフトウェア製品に関する。
しかしながら、当業者は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の精神及び範囲から逸脱することなく、それらの実施例に変更及び修正を加えることができることを理解するであろう。本明細書で論じた方法及び製品の実施形態からの態様は、自由に組み合わせることができることをさらに理解されたい。
要約すると、さらなる可能な実施形態を除外することなく、本教示の特定の例示的な実施形態は、以下の条項に要約される。
条項1.下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御する方法であって、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器を備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記方法は、少なくとも部分的に下流コンピューティングユニットを介して行われ、前記方法は:
前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供することを含み、
前記下流制御設定は:
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
方法。
条項2.前記下流制御設定の少なくともいくつかは、上流工業プラントに関する上流コンピューティングユニットによって決定され、好ましくは、前記TPU及び/又はETPU材料の少なくとも1つは、前記上流工業プラントによって提供される、条項1に記載の方法。
条項3.前記下流制御設定の少なくともいくつかは、共有メモリストレージで提供され、前記共有メモリストレージは、前記上流コンピューティングユニット及び前記下流コンピューティングユニットの両方によってアクセス可能である、条項2に記載の方法。
条項4.前記下流制御設定の少なくともいくつかは、前記下流コンピューティングユニットによって決定される、条項1~条項3のいずれか1つに記載の方法。
条項5.前記下流コンピューティングユニットが決定する制御設定は、上流オブジェクト識別子を使用して決定され、上流オブジェクト識別子は、前記上流工業プラントにおいてTPU及び/又はETPU材料を製造するために使用された上流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む上流プロセスデータのサブセットを含み、好ましくは、前記上流オブジェクト識別子に、前記TPU及び/又はETPU材料に関する及び/又は前記製品に関する少なくとも1つの上流性能パラメータも付加されている、条項4に記載の方法。
条項6.前記所望の下流性能パラメータの少なくとも1つが、粒度分布(「PSD」)又はバルク密度である、条項4に記載の方法。
条項7.前記上流オブジェクト識別子が、前記下流の過去データに基づいて前記下流制御設定の少なくともいくつかを提供するための予測及び/又は制御論理を含み、好ましくは、前記予測及び/又は制御論理は、不正な読み出しから暗号化又は難読化されている、条項1~条項6いずれか1つに記載の方法。
条項8.前記予測及び/又は制御論理が、前記下流の過去データによってトレーニング可能なデータ駆動モデルを含む、条項7に記載の方法。
条項9.前記トレーニングされた予測及び/又は制御論理が、前記下流制御設定の計算が改善されるように前記予測及び/又は制御論理を修正するために使用可能な修正データを生成する、条項8に記載の方法。
条項10.前記トレーニングされた予測及び/又は制御論理及び/又は前記修正データが、前記上流コンピューティングユニットに提供される、条項8又は条項9に記載の方法。
条項11.前記下流オブジェクト識別子は、前記上流コンピューティングユニットによって提供され、好ましくは、前記下流オブジェクト識別子には、前記上流オブジェクト識別子からのデータが付加されている、条項2~条項10のいずれか1つに記載の方法。
条項12.前記下流オブジェクト識別子が前記共有メモリストレージで提供され、及び/又は前記下流オブジェクト識別子がチップ、NFCデバイス、又はデジタル的に読み取り可能なコードなどのタグを介して提供される、条項11に記載の方法。
条項13.前記方法は、さらに:
- 前記下流制御設定を使用して、好ましくは、前記下流生産プロセスを制御するために前記下流コンピューティングユニット及び/又はプラント制御システムに、前記下流制御設定を自動的に提供することによって、前記下流生産プロセスを実行すること、
を含む条項1~条項12のいずれか1つに記載の方法。
条項14.前記方法は、さらに:
- 前記下流コンピューティングユニットで、前記下流機器又は機器ゾーンの1つ以上から下流リアルタイムプロセスデータを受信することであって、前記下流リアルタイムプロセスデータは下流リアルタイムプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含む、下流リアルタイムプロセスデータを受信すること、
を含む条項1~条項13のいずれか1つに記載の方法。
条項15.前記方法は:
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記下流オブジェクト識別子と下流ゾーン存在信号とに基づいて前記下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを決定することであって、下流ゾーン存在信号は前記下流生産プロセス中の特定の機器ゾーンにおける前記TPU及び/又はETPU材料の存在を示す、前記下流リアルタイムプロセスデータのサブセットを決定すること、
を含む条項14に記載の方法。
条項16.前記方法は:
- 前記下流オブジェクト識別子に、前記下流リアルタイムプロセスデータ及び/又は下流プロセス特有データのサブセットを付加すること、
を含む条項15に記載の方法。
条項17.前記方法は:
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記下流リアルタイムプロセスデータと下流の過去データに基づいて、前記下流オブジェクト識別子に関する前記製品の少なくとも1つの下流性能パラメータ、好ましくは前記下流オブジェクト識別子に付加された少なくとも1つの下流ゾーン特有の性能パラメータを計算すること、
を含む条項15又は条項16に記載の方法。
条項18.前記下流ゾーン存在信号が、ゾーン時間変換を実行することによって前記下流コンピューティングユニットを介して生成され、変換は、前記下流リアルタイムプロセスデータからの1つ以上の時間依存信号を介するなど、前記TPU及び/又はETPU材料に関する少なくとも1つの特性を特定の機器ゾーンにマッピングする、条項15~条項17のいずれか1つに記載の方法。
条項19.前記方法は:
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記下流性能パラメータの少なくとも1つと前記所望の下流性能パラメータのそれぞれの関連する値との差が最小になるように、前記下流生産プロセスを制御すること、
を含む条項17~条項18のいずれか1つに記載の方法。
条項20.少なくとも1つの下流性能パラメータの計算が、少なくとも1つの下流機械学習(「ML」)モデルを使用して実行され、前記下流MLモデルが、好ましくは前記下流の過去データを使用してトレーニングされる、条項17~条項19のいずれか1つに記載の方法。
条項21.前記下流MLモデルが、少なくとも1つの下流性能パラメータの計算の信頼度を示す少なくとも1つの信頼値を提供するように構成される、条項20に記載の方法。
条項22.少なくとも1つの下流性能パラメータの計算又は予測の信頼度が精度閾値を下回ることに応答して、好ましくは前記下流生産プロセスの制御システムで、警告信号が生成される、条項21に記載の方法。
条項23.少なくとも1つの下流性能パラメータの計算又は予測の信頼度が精度閾値を下回ることに応答して、又は警告信号に応答して、サンプリングオブジェクト識別子が自動的に生成され、前記サンプリングオブジェクト識別子は、信頼度の精度が精度値を越えた時又はその前後に、そのそれぞれのゾーンにあった材料に関連している、条項21又は条項22に記載の方法。
条項24.少なくとも1つの実験室分析が前記警告信号に応答して実行され、好ましくは、前記分析は、前記警告に関するそのそれぞれのゾーンにあった材料に対して実行される、条項22又は条項23に記載の方法。
条項25.前記分析の日付及び/又は結果がサンプリングオブジェクト識別子に付加され、好ましくは、前記サンプリングオブジェクト識別子からのデータが、前記下流コンピューティングユニットによる将来の計算のために前記下流の過去データに含まれる、条項24に記載の方法。
条項26.前記少なくとも1つの下流機器が、物理的に分離された複数の機器ゾーンを含み、前記ゾーンは、前記下流生産プロセス中に前記TPU及び/又はETPU材料が初期下流機器ゾーンからさらなる下流機器へと横断するように、初期下流機器ゾーン及びさらなる下流機器ゾーンを含み、前記下流オブジェクト識別子が前記初期下流機器ゾーンで提供され、前記方法はまた、
- 下流インターフェースを介して、前記下流オブジェクト識別子の少なくとも一部を含む、さらなる下流オブジェクト識別子を提供することと;
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記さらなる下流オブジェクト識別子と前記下流ゾーン存在信号に基づいて、前記下流リアルタイムプロセスデータの別のサブセットを決定することと;
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記下流オブジェクト識別子、下流リアルタイムプロセスデータの別のサブセット、及び別の下流の過去データからのデータに基づいて、少なくとも前記さらなる下流機器ゾーンのためのさらなるゾーン特有の制御設定をさらに決定することと、
を含む、条項15~条項25のいずれか1つに記載の方法。
条項27.前記別の下流の過去データが、前記さらなる下流機器ゾーンにおける以前に処理されたTPU及び/又はETPU材料に関する1つ以上の過去の下流オブジェクト識別子からのデータを含み、前記過去の下流オブジェクト識別子の少なくとも1つは、以前に処理されたTPU及び/又はETPU材料が好ましくは前記さらなる下流機器ゾーンにおいて処理されていた前記下流プロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を示す前記下流プロセスデータの少なくとも一部に付加されている、条項26に記載の方法。
条項28.前記方法はまた、
- 前記下流コンピューティングユニットを介して、前記下流リアルタイムプロセスデータの別のサブセットと前記別の下流の過去データに基づいて、前記さらなる下流オブジェクト識別子に関する前記製品の別の少なくとも1つの下流性能パラメータを計算することと、
- 前記さらなる下流のオブジェクト識別子に、別の少なくとも1つの下流ゾーン特有の性能パラメータを付加することと、
を含む、条項26又は条項27に記載の方法。
条項29.前記方法はまた、
- 前記下流リアルタイムプロセスデータの別のサブセットの少なくとも一部を、前記下流オブジェクト識別子に付加すること、
を含む、条項26~条項28のいずれか1つに記載の方法。
条項30.前記オブジェクト識別子のいずれかが、前記下流コンピューティングユニットに作動可能に結合された下流メモリストレージで提供される、条項1~条項29のいずれか1つに記載の方法。
条項31.前記下流コンピューティングユニット及び/又は前記下流メモリストレージが、少なくとも部分的に、クラウドベースのサービスを介して実装される、条項30に記載の方法。
条項32.前記製品がスポーツ用品及び/又は履物である、条項1~条項31のいずれか1つに記載の方法。
条項33.前記下流機器の運転条件は、前記下流機器の状態を表す任意の特性又は値であり、例えば、設定ポイント、コントローラ出力、生産シーケンス、校正状態、任意の装置関連警告、振動測定、輸送要素速度などの速度、温度、フィルタ差圧などのファウリング値、メンテナンス日のいずれか1つ以上である、条項1~条項32のいずれか1つに記載の方法。
条項34.前記下流プロセスデータが、前記下流生産プロセス中に測定された前記下流プロセスデータ及び/又は前記機器運転条件を示す少なくとも1つの数値を含む、条項1~条項33のいずれか1つに記載の方法。
条項35.前記下流プロセスデータが、前記下流生産プロセス中に測定又は検出された前記下流プロセスデータ及び/又は前記機器運転条件を示す少なくとも1つのバイナリ値を含む、条項1~条項34のいずれか1つに記載の方法。
条項36.前記下流プロセスデータが、前記下流プロセスデータ及び/又は前記機器運転条件のうちの1つ以上の時系列データを含む、条項1~条項35のいずれか1つに記載の方法。
条項37.前記下流プロセスデータが、前記下流プロセスデータ及び/又は前記機器運転条件の時間情報、又は時系列データを含む、条項1~条項36のいずれか1つに記載の方法。
条項38.時間的情報が、前記下流プロセスデータ及び/又は前記機器運転条件に関するデータポイントの少なくとも一部のタイムスタンプを示すデータ、又は時系列データの形態である、条項37に記載の方法。
条項39.前駆体データが、前記TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性又は性質に関連する、又はそれを示すデータを含む、条項1~条項38のいずれか1つに記載の方法。
条項40.前記前駆体データが、過去の試験結果など、前記TPU及び/又はETPU材料に関するラボサンプル又は試験データを含む、条項1~条項39のいずれか1つに記載の方法。
条項41.前記少なくとも1つの数値及び/又は前記少なくとも1つのバイナリ値及び/又は前記時系列データ及び/又は前記TPU及び/又はETPU材料の物理的及び/又は化学的特性を示す値の少なくともいくつかが、前記下流機器に作動可能に結合された1つ以上のセンサ及び/又はスイッチからの信号を介して少なくとも部分的に取得又は測定され、好ましくは前記センサ及び/又はスイッチは前記下流機器の一部である、条項34~条項40のいずれか1つに記載の方法。
条項42.前記オブジェクト識別子は、前記下流機器ゾーンに作動可能に結合された下流コンピューティングユニットを介して提供され、好ましくは、前記下流コンピューティングユニットは前記下流機器の一部である、条項1~条項41のいずれか1つに記載の方法。
条項43.前記コンピューティングユニットが、分散制御システム(「DCS」)及び/又はプログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)などのコントローラ又は制御システムであるか、又はその一部である、条項42に記載の方法。
条項44.前記オブジェクト識別子は、トリガーイベント又は信号に応答して提供されるか又は生成され、前記イベント又は信号は、好ましくは前記機器を介して提供され、より好ましくは前記機器に作動可能に結合された前記1つ以上のセンサ及び/又はスイッチのいずれかの出力に応答して提供される、条項1~条項43のいずれか1つに記載の方法。
条項45.前記トリガーイベント又は信号が、前記TPU及び/又はETPU材料の量値、より具体的には、前記量値が所定の量閾値に達する又は一致することの発生に関連し、前記発生が前記下流コンピューティングユニット及び/又は前記下流機器を介して検出される、条項44に記載の方法。
条項46.前記量値が質量値及び/又は充填率及び/又はレベル値及び/又は体積値である、条項45に記載の方法。
条項47.前記下流機器が、1つ以上のアクチュエータ及び/又はエンドエフェクタユニットにも作動可能に結合され、好ましくは、前記アクチュエータ及び/又はエンドエフェクタユニットが前記下流機器の一部である、条項42~条項46のいずれか1つに記載の方法。
条項48.前記オブジェクト識別子のいずれか又は各々は、ユニーク識別子、好ましくはグローバルユニーク識別子(「GUID」)を含む、条項1~条項47のいずれか1つに記載の方法。
条項49.前記機器ゾーンのいずれか又は各々が、個別のMLモデルを介して監視及び/又は制御され、前記個別のMLモデルは、好ましくはそのゾーンからのそれぞれのオブジェクト識別子からのデータに基づいてトレーニングされる、条項26~条項48のいずれか1つに記載の方法。
条項50.下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御するためのシステムであって、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器を含み、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを使用して少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記システムは、上記の方法の条項の方法のいずれかを行うように構成されている、システム。
条項51.コンピュータプログラム、又はプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラムが適切なコンピューティングユニットによって実行されると、コンピューティングユニットに、上記の方法の条項の方法のいずれかの方法ステップを実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
条項52.下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御するシステムであって、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器及び下流コンピューティングユニットを備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを使用して少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記システムは、
前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供するように構成され、
前記下流制御設定は:
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
システム。
条項53.コンピュータプログラム、又はプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラムが、下流生産プロセスを使用して少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって下流工業プラントで製品を製造するための少なくとも1つの機器に作動可能に結合されている適切なコンピューティングユニットによって実行されると、コンピューティングユニットに下流コンピューティングユニットで、製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供させる命令を含み、
前記流制御設定は、
- 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
- 製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
- 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
に基づいて決定され、
- 前記下流制御設定のセットは、下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
コンピュータ可読媒体。
条項54.工業プラントにおける生産プロセスを制御するための、上記の方法の条項のいずれかに従って生成された、下流制御設定のセットの使用。

Claims (17)

  1. 下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御する方法であって、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器を備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを用いて少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記方法は、少なくとも部分的に下流コンピューティングユニットを介して行われ、前記方法は:
    前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供することを含み、
    前記下流制御設定は:
    - 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
    - 前記製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
    - 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
    に基づいて決定され、
    - 前記下流制御設定のセットは、前記下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
    方法。
  2. 前記下流制御設定の少なくともいくつかは、上流工業プラントに関する上流コンピューティングユニットによって決定され、TPU及び/又はETPU材料の少なくとも1つは、前記上流工業プラントによって提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記下流制御設定の少なくともいくつかは、共有メモリストレージで提供され、前記共有メモリストレージは、前記上流コンピューティングユニット及び前記下流コンピューティングユニットの両方によってアクセス可能である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記下流制御設定の少なくともいくつかは、前記下流コンピューティングユニットによって決定される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記下流コンピューティングユニットが決定した制御設定が、上流オブジェクト識別子を使用して決定され、前記上流オブジェクト識別子は、上流工業プラントにおいてTPU及び/又はETPU材料を製造するために使用された上流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む上流プロセスデータのサブセットを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記所望の下流性能パラメータの少なくとも1つが、粒度分布(「PSD」)又はバルク密度である、請求項4に記載の方法。
  7. 上流オブジェクト識別子が、前記下流の過去データに基づいて前記下流制御設定の少なくともいくつかを提供するための予測及び/又は制御論理を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記予測及び/又は制御論理が、前記下流の過去データによってトレーニング可能な予測モデルを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記トレーニングされた予測及び/又は制御論理が、前記下流制御設定の計算が改善されるように予測及び/又は制御論理を修正するために使用され得る修正データを生成する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記トレーニングされた予測及び/又は制御論理及び/又は修正データが、上流コンピューティングユニットに提供される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記下流オブジェクト識別子は、前記上流コンピューティングユニットによって提供される、請求項2~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記方法は:
    - 前記下流制御設定を使用して、好ましくは、前記下流生産プロセスを制御するために前記下流コンピューティングユニット及び/又はプラント制御システムに、前記下流制御設定を自動的に提供することによって、前記下流生産プロセスを実行すること、
    をも含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記方法は、さらに:
    - 前記下流コンピューティングユニットで、前記下流機器又は機器ゾーンの1つ以上から下流リアルタイムプロセスデータを受信することであって、前記下流リアルタイムプロセスデータは下流リアルタイムプロセスパラメータ及び/又は機器運転条件を含む、下流リアルタイムプロセスデータを受信すること、
    を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記方法は:
    - 前記下流オブジェクト識別子に、下流リアルタイムプロセスデータ及び/又は下流プロセス特有データのサブセットを付加すること、
    を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記方法は:
    - 前記下流コンピューティングユニットを介して、下流リアルタイムプロセスデータと下流の過去データのサブセットに基づいて、下流オブジェクト識別子に関する前記製品の少なくとも1つの下流性能パラメータを計算すること、
    を含む、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 下流工業プラントで製品を製造するための下流生産プロセスを制御するシステムであって、前記下流工業プラントは、少なくとも1つの下流機器及び下流コンピューティングユニットを備え、前記製品は、前記下流機器を介して、前記下流生産プロセスを使用して少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって製造され、前記システムは:
    前記下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供するように構成され、
    前記下流制御設定は:
    - 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
    - 前記製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
    - 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
    に基づいて決定され、
    - 前記下流制御設定のセットは、前記下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
    システム。
  17. コンピュータプログラム、又はプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラムが、下流生産プロセスを使用して少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)及び/又は膨張熱可塑性ポリウレタン(「ETPU」)材料を処理することによって下流工業プラントで製品を製造するための少なくとも1つの機器に作動可能に結合されている適切なコンピューティングユニットによって実行されるときに、コンピューティングユニットに、下流コンピューティングユニットで、前記製品の生産を制御するための下流制御設定のセットを提供させる命令を含み、
    前記流制御設定は、
    - 下流オブジェクト識別子であって、TPU及び/又はETPU材料の1つ以上の特性を示す前駆体データを含む下流オブジェクト識別子と、
    - 前記製品に関連する少なくとも1つの所望の下流性能パラメータと、
    - 下流の過去データであって、過去の1つ以上の製品の製造に使用された下流プロセスパラメータ及び/又は運転設定を含む下流の過去データと、
    に基づいて決定され、
    - 前記下流制御設定のセットは、前記下流工業プラントで前記製品を製造するために使用可能である、
    コンピュータプログラム、又はプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
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