JP2023547588A - 飲料カプセル用の生分解性上部膜 - Google Patents

Abstract

本発明は、概して飲料カプセルの分野に関する。詳細には、本発明は、飲料カプセルの生分解性上部膜に関する。飲料カプセルの生分解性上部膜は、可溶性かつ／又は抽出可能な食品材料の塊を収容する密閉チャンバの中に加圧下で抽出液を注入するように適合された飲料調製マシンの注入手段によって穿孔可能である。注目すべきことに、この上部膜は、生分解性でありながら、飲料カプセルに有用であるために必要な物理的特性を有する。飲料カプセル用の生分解性上部膜は、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）を含む。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明

本発明は、概して飲料カプセルの分野に関する。詳細には、本発明は、飲料カプセルの生分解性上部膜に関する。飲料カプセルの生分解性上部膜は、可溶性かつ／又は抽出可能な食品材料の塊を収容する密閉チャンバの中に加圧下で抽出液を注入するように適合された飲料調製マシンの注入手段によって穿孔可能である。注目すべきことに、この上部膜は、生分解性でありながら、飲料カプセルに有用であるために必要な物理的特性を有する。飲料カプセル用の生分解性上部膜は、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）を含む。

飲料調製マシンは、消費者が家庭で様々なタイプの飲料、例えば、コーヒーベースの飲料を調製することを可能にする。

今日、殆どの自宅飲料調製用飲料調製マシンは、飲料調製用のポーション化原材料を収容することができるマシンからなるシステムを含む。このようなポーションは軟質ポッド又はパッド又は袋とすることができるが、剛性ポッド又はカプセルなどの半剛性又は剛性ポーションを用いるシステムがますます多くなっている。以下では、本発明の飲料マシンは、剛性カプセルを扱う飲料調製マシンであると考える。

本マシンは、当該カプセルを収容するための容器と、加圧下で当該カプセル内に流体、好ましくは水を注入するための流体注入システムとを備えている。コーヒー飲料の調製のために加圧下でカプセル内に注入される水は、高温、すなわち７０℃超の温度であることが好ましい。しかしながら、いくつかの特定の例では、水が周囲温度の場合もある。カプセルの内容物の抽出及び／又は溶解中のカプセルチャンバ内の圧力は、典型的には、溶解製品の場合は（粉乳、チョコレート粉末、インスタントコーヒー又はインスタントティーのような可溶性の原料の溶解の場合は）、約１から８バールであり、焙煎及び挽いたコーヒーの抽出の場合は、約２から１２バールである。

密閉カプセルの内容物を加圧下で抽出及び／又は溶解する原理は周知であり、典型的には、マシンの容器の中にカプセルを押し込め、物質の抽出又は物質の溶解のいずれかのためにカプセル内部に加圧環境が形成されるように、一般に、マシンに取り付けられた流体注入針などの穿刺注入要素でカプセルの面を突き刺した後、一定量の加圧水をカプセル内に注入し、その後、カプセルから抽出物質又は溶解物質を放出することからなる。この原理の適用を可能にするカプセルは、例えば、欧州特許第１４７２１５６号明細書及び欧州特許第１７８４３４４号明細書に既に記載されている。これらのカプセルは、水が注入される上部膜と、チャンバ内の水圧の増加に対して更に開くように構成された下部膜とによって閉じられたチャンバ内に飲料原材料を封入するという特定の特徴を有する。チャンバ内に液体が注入されると、下部膜に近接して配置された開口要素が変形した膜を貫通するまで、圧力が当該下部膜を変形させ、チャンバ内で調製された飲料がカプセルの外側に向って、例えば、カップの中に落ちる。

上述したように、これらのカプセルは、通常プラスチック材料で作られた剛性カプセルである。

加工食品の包装は、食品の安全性を確保し、食品の品質を保ち、製造プロセス、ブランドコミュニケーション及びデジタル化において重要な役割を果たすため、今日の食品産業の極めて重要な部分である。実際、いくつかの研究は、大部分の消費者にとって、製品の包装が購入を決めさせる１つの重要な側面であることを示している。

包装に関連する主な問題の１つは、一般に、包装廃棄物の発生である。ユーロスタット（Eurostat）によれば、２０１７年度にはＥＵの住民１人当たり１７２．６ｋｇの包装廃棄物が発生した。

産業界は、循環型経済を持ち込むことによってこの問題に対処している。これに則り、欧州委員会は最近、新しい循環型経済行動計画を配信している（ＣＯＭＭＵＮＩＣＡＴＩＯＮ ＦＲＯＭ ＴＨＥ ＣＯＭＭＩＳＳＩＯＮ ＴＯ ＴＨＥ ＥＵＲＯＰＥＡＮ ＰＡＲＬＩＡＭＥＮＴ，ＴＨＥ ＣＯＵＮＣＩＬ，ＴＨＥ ＥＵＲＯＰＥＡＮ ＥＣＯＮＯＭＩＣ ＡＮＤ ＳＯＣＩＡＬ ＣＯＭＭＩＴＴＥＥ ＡＮＤ ＴＨＥ ＣＯＭＭＩＴＴＥＥ ＯＦ ＴＨＥ ＲＥＧＩＯＮＳ Ａ ｎｅｗ Ｃｉｒｃｕｌａｒ Ｅｃｏｎｏｍｙ Ａｃｔｉｏｎ Ｐｌａｎ Ｆｏｒ ａ ｃｌｅａｎｅｒ ａｎｄ ｍｏｒｅ ｃｏｍｐｅｔｉｔｉｖｅ Ｅｕｒｏｐｅ，Ｂｒｕｓｓｅｌｓ，１１．３．２０２０）。したがって、ＥＵは、地球を消耗させるのではなく、地球に与え戻す、再生型成長モデルへの移行を加速させること、資源の消費を地球の惑星域内に留める方向に進むこと、ひいては、天然資源の消費量を低減し、かつ今後十年間で循環型材料の使用率を２倍にするよう努めること、を必要としている。

これを達成するための１つのステップは、持続可能な食品包装を提供することである。そのような持続可能性は、リサイクル可能かつ／又は生分解性の食品包装によって達成することができる。

本発明の目的は、最新技術を強化又は改善することであり、具体的には、飲料の調製にあたって望ましくない変形又は他の悪影響を伴うことなく飲料抽出中に熱及び圧力にさらすことが可能な必要な特性を有する飲料カプセル用の生分解性上部膜を提供すること、又は少なくとも現在の既存の解決策に対する有用な代替案を提供することであった。

本発明者らは、驚くべきことに、本発明の目的が独立請求項の主題によって達成され得ることを見出した。従属請求項は、本発明の着想を更に展開させるものである。

第１の態様では、請求項１に記載のカプセルが提供される。

本カプセルは、飲料原料を収容するカプセル本体と、上部膜と、下部膜と、開口デバイスとを備える。

本カプセルの本体は
チャンバを画定し、上部開口部と飲料が供給される下部出口との間に軸方向に延びる側壁と
上部開口部から半径方向外向きに突出する円周環状フランジであって、開口部に対してチャンバの反対側にある上面と、反対側にある下面とを備える、円周環状フランジとを備える。

好ましくは、本カプセルの本体は、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）、ポリブチレンサクシネートアジペート（ＰＢＳＡ）、及び／又はポリブチレンアジペートテレプタレート（ＰＢＡＴ）などの生分解性又は堆肥化可能な材料で作られる。

本カプセルの上部膜は、カプセル本体の円周フランジの上面の少なくとも一部に取り付けられ、上部開口部を閉じ、カプセルの中に液体を注入するにあたって穿刺されるように適合される。

上部膜は生分解性であり、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）からなる少なくとも１つのフィルムを含む。

カプセルの下部膜は、チャンバの内部に設けられる。上部膜と共に、下部膜は、飲料原料で充填される飲料原料チャンバを画定する。この飲料原料は、可溶性又は抽出可能な飲料原料であり得る。

カプセルの開口デバイスは、チャンバの内部かつ下部膜の下に設けられる。その開口デバイスは、原料チャンバ内に注入された液体の圧力上昇の影響下で下部膜と相対的にかみ合うことによってカプセルを開くように設計されている。

好ましくは、この開口デバイスは、生分解性又は堆肥化可能な材料で作られる。

好ましくは、カプセル全体が、生分解性又は堆肥化可能な材料で作られる。

本明細書で使用される場合、「含む／備える（comprises）」、「含んでいる／備えている（comprising）」という単語、及び類似の単語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「含むが、これらに限定されない」ことを意味することを意図している。

本発明者らは、飲料カプセル用の生分解性上部膜であって、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）を含む上部膜が、本発明の目的を達成することを示した。

本発明者らは、バイオポリマーとブレンドされたＰＨＡを含む層と、ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）を含む層とを備える上部膜を用いて特に良好な結果を達成した。本発明の１つの好ましい実施形態では、上部膜は、バイオポリマーとブレンドされたＰＨＡを含む２つの層の間に挟まれたＰＢＳを含む層を備える。

図４は、本発明者らが調製し、本発明の目的を達成する、本発明による生分解性上部膜の膜構造の例を示す。

したがって、本発明は、一つには、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）を含む飲料カプセル用の生分解性上部膜に関する。生分解性上部膜は、可溶性かつ／又は抽出可能な食品材料の塊を収容する密閉チャンバの中に加圧下で抽出液を注入するように適合された飲料調製マシンの注入手段によって穿孔可能である。可溶性かつ／又は抽出可能な食品材料の塊を収容する密閉チャンバは、飲料カプセルの一部であってもよく、又は飲料カプセルであってもよい。

飲料調製マシンの注入手段は、上部膜を穿孔する。注入手段は、例えば、１つ以上の液体注入中空針であってもよい。液体がカプセル区画内に注入されると、圧力が上昇し、これは、カプセル内に収容された可溶性かつ／又は抽出可能な食品材料の塊を抽出するための抽出手段として機能する。

ＰＨＡは当該技術分野で周知である。ＰＨＡは、堆肥化植物だけでない様々な環境における高い生分解性、及び加工汎用性などの有望な特性のために、生分解性ポリマー市場においてますます注目を集めており、例えば、ｅＸＰＲＥＳＳ Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｌｅｔｔｅｒｓ Ｖｏｌ．８，Ｎｏ．１１（２０１４）７９１－８０８を参照されたい。

多くのＰＨＡが市販されている。例えば、本発明の上部膜に関して、少なくとも１つのＰＨＡは、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＶ）、ＰＨＢコポリマー、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＨｘ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－４ＨＢ）、Ｐ（３ＨＢ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＶ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＯ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３Ｈｏｄ）又はそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。

生分解性上部膜は、少なくとも３０重量％のＰＨＡを有するシーラント層から構成され得る。本発明者らは、このことが抽出中の密封を確実にすることを見出した。

例えば、加圧下で熱水をカプセル内に注入した後に注入手段がカプセルから引き抜かれる場合、上部膜が注入手段によって生じた穿孔を再び閉じることが不可欠である。そうでなければ、カプセルが使用された後にカプセル区画内に残る残留圧力のために、液体の噴流（しばしば「クジラ効果」と呼ばれる）が、注入手段によって穿孔された穴を通ってカプセル上部膜から噴出する可能性がある。このようなクジラ効果は、ランダムかつまれにしか発生しないが、事故及び清潔さの欠如の原因となる可能性があるため、望ましくない。

厚い上部膜は、薄い上部膜よりも効果的にこのクジラ効果を防止する。一方、薄い上部膜は、厚い上部膜よりも速く生分解する。

好ましくは、上部膜は、当該流体注入手段がそこから取り外された後、少なくとも１バール、好ましくは少なくとも３バール、より好ましくは少なくとも５バールの流体圧力に、漏れを生じることなく耐えることができる。

本発明者らは、生分解性上部膜が約１２０から１５０μｍの範囲の材料厚さを有する場合に、クジラ効果を効果的に回避しながら、最適な生分解性を確保することができることを見出した。

ＰＨＡ含有層の上に、１つ以上のバリア層を加えてもよい。更に、例えば、多くの飲料カプセルは、最適な飲料抽出条件を確実にするためにコーディングシステムを使用するため、印刷層を追加してもよい。例えば、欧州特許第３１０７４３３号明細書には、そのようなコーディングシステムが記載されている。

上部膜はまた、注入プロセス中に特定の圧力に耐えなければならない。例えば、コーヒーの場合、そのような飲料抽出マシンは、高圧下でカプセル内に熱湯を注入し、コーヒー粉末は、高圧下で数秒間にわたって抽出される。したがって、本発明による生分解性上部膜は、少なくとも７バール、少なくとも９バール、又は少なくとも１１バールの圧力に耐えることができる場合がある。本発明による生分解性上部膜は、少なくとも５秒間、少なくとも１０秒間、又は少なくとも１５秒間、かかる圧力に耐えることができる場合がある。

抽出は、約５～２５０ｍｌ、例えば、１０～１００ｍｌの範囲の体積の流体、例えば、水を用いて行うことができる。抽出される飲料がリステロットである場合、水の体積は２０～３０ｍｌの範囲であってもよい。抽出される飲料がエスプレッソである場合、水の体積は３０～５０ｍｌの範囲であってもよい。抽出される飲料がエスプレッソダブルである場合、水の体積は５０～１００ｍｌの範囲であってもよい。抽出される飲料がコーヒールンゴである場合、水の体積は１００～１５０ｍｌの範囲であってもよい。

抽出プロセス中に、泡層がカプセル内及び得られた飲料上に形成され得る。例えば、上部膜は、抽出される飲料上に約２～５ｍｍの範囲、例えば、約３～４ｍｍの範囲の平均泡高さの生成を可能にするプロセス条件に耐えることができる場合がある。

有利には、本発明による生分解性上部膜は、１５０ＧＰａ未満のヤング率を有する弾性材料を含んでもよい。材料の弾性により、上部膜は容易に貫通され得、マシンの液体注入手段が移動されるときに変形し得る。次に、液体がカプセル内に注入された後、注入手段がカプセルから取り外され、上部膜がその弾性により漏れないように再び閉じる。

本発明者らは、本発明の生分解性上部膜が多層構造、例えば、２つ以上又は３つ以上の層を備える構造を有する場合に、特に有望な結果を達成した。

例えば、本発明者らは、本発明の生分解性上部膜が２つの層、例えば、
１つ以上のバイオポリマーとブレンドされた少なくとも１つのＰＨＡを含む第１の層と、
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）を含む第２の層とを有する場合に、優れた結果を達成した。

本発明者らは更に、追加の膜構造の試験に成功した。図４は、そのような膜構造の例を示す。したがって、本発明による少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）を含む生分解性上部膜は、その上に裏刷りを適用可能にするといったさらなる機能化を可能にするように、並びに／又は更なる及び／若しくは改善されたバリア特性を導入するように更に適合させることができる。上部膜の異なる層は、共押出ししてもよい。裏刷りを可能にし、バリア性能を向上させるために追加される層は、積層されてもよい。シールヘッドへの粘着を回避し、広い温度処理ウィンドウを可能にするために、コーティングを塗布することができる。

したがって、本発明による生分解性上部膜において、上部膜は、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び硫化紙＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び再生セルロース＋接着剤層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び透明接着剤コーティング層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び硫化紙＋接着剤層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び再生セルロース＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び硫化紙＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び再生セルロース＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び硫化紙＋接着剤層、又は、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び再生セルロース＋接着剤層、を備えることができる。

例えば、本発明による生分解性上部膜では、上部膜は、飲料カプセルの内部から飲料カプセルの外部までに、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び硫化紙＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び再生セルロース＋接着剤層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び透明接着剤コーティング層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び硫化紙＋接着剤層、
金属化ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層及び再生セルロース＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び硫化紙＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、第２のＰＨＡブレンド層及び再生セルロース＋接着剤層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び透明接着剤コーティング層、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び硫化紙＋接着剤層、又は、
ＰＨＡブレンド層である、ＰＢＳ層、金属化ＰＨＡブレンド層及び再生セルロース＋接着剤層、を備えることができる。

理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは現在、本発明による生分解性上部膜のＰＢＳ層が、破壊されることなくいくらかの伸長を可能にすることによって、上部膜の高圧に耐える能力に寄与するものと考えている。ＰＨＡ及び／又はＰＨＡブレンドの使用によって、高圧及び高温での漏出を回避しながら、本発明による生分解性上部膜を適切に穿孔し得ることが可能になるように思われる。

具体的には、液体注入のために穿刺されるように適合された上部膜の少なくとも一部は、
１ＭＰａ超、好ましくは５ＭＰａ超、より好ましくは１０ＭＰａ超の引張強度、及び
１００％超、好ましくは５００％超の破断点伸びを示すことができる。

そのような上部膜は、当該流体注入手段がそこから取り外された後に、漏れないように再び閉じる。

１つの好ましい実施形態では、上部膜は多層フィルムであり、この多層フィルムは少なくとも、
１つ以上のバイオポリマーとブレンドされたＰＨＡからなる第１の層フィルムと、
少なくとも１つのポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）からなる第２の層フィルムと、を含む。

通常、多層フィルムは、下部層フィルムを含み、当該下部層は、カプセル本体の円周フランジの上面の少なくとも一部に封止されるように構成され、好ましくは、この下部層フィルムは、少なくとも１つのポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）の第２の層フィルムとは異なる。したがって、ＰＢＳを含む層は、調製中の飲料と接触しないことが好ましい。

１つ以上のバイオポリマーとブレンドされた少なくとも１つのＰＨＡを含む層は、例えば、シーラント層であってもよい。バイオポリマーは、エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、エチレン－ビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリスルホン、ポリエテルスルホン、セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、三酢酸セルロース、ＰＬＡ、ＰＢＳ、又はそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。

外層は、ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）を含む、又はそれから構成されていてもよい。ＰＢＳは、例えば、バイオベースのコハク酸及び１，４－ブタンジオールの重合から生成されるバイオベースのポリブチレンサクシネート（ｂｉｏＰＢＳ）であってもよい。外層上に、印刷層及び／又は水蒸気透過（ＷＶＴ）バリア層を適用してもよい。印刷層は、紙ベースの層であってもよく、積層によって適用されてもよい。ＷＶＴバリア層は、例えば、メタライゼーションによって適用されてもよい。

本発明者らは、１５０μｍ未満、例えば、約５０～１５０μｍの範囲の厚さを有する本発明による生分解性上部膜であって、９０μｍ未満、例えば、約３０～９０μｍの範囲の厚さを有するシーラント層を有し、かつ／又は６０μｍ未満、例えば、約２０～６０μｍの範囲の厚さを有する外層を有する当該上部膜を用いて非常に良好な結果を得た。

更に、例えば、本発明者らは、本発明の生分解性上部膜が３つの層、例えば、
１つ以上のバイオポリマーとブレンドされた少なくとも１つのＰＨＡを含む下部層と、
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）を含む内層と、
上部層と
を有する場合に優れた結果を得た。

下部層とは、本体カプセルのフランジに取り付けられ、調製中の飲料と接触する層を意味し、一方で、上層とは、カプセルの外側に面する層を意味する。

１つ以上のバイオポリマーとブレンドされた少なくとも１つのＰＨＡを含む下部層は、例えば、シーラント層であってもよい。バイオポリマーは、エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、エチレン－ビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリスルホン、ポリエテルスルホン、セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、三酢酸セルロース、ＰＬＡ、ＰＢＳ、又はそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。

内層は、ＰＢＳ若しくはｂｉｏ－ＰＢＳを含む、又はそれらから構成されていてもよい。内層上に、上部プリント層及び／又は水蒸気透過（ＷＶＴ）バリア層が適用されてもよい。印刷層は、紙ベースの層であってもよく、積層によって適用されてもよい。ＷＶＴバリア層は、例えば、メタライゼーションによって適用されてもよい。

本発明者らは、本発明による生分解性上部膜であって、合計で１２０μｍ未満、例えば、約４０～１２０μｍの範囲の厚さを有する３つの層を有し、当該上部膜は、９０μｍ未満、例えば、約３０～９０μｍの範囲の厚さを有するシーラント層を有し、かつ／又は５０μｍ未満、例えば、約５～５０μｍの範囲の厚さを有する内部及び／若しくは外部層を有する当該上部膜を用いて非常に良好な結果を得た。

２つ又は３つの層を含む本発明による生分解性上部膜は、共押出しされてもよい。

したがって、本発明による生分解性上部膜は、１つ以上のバイオポリマーとブレンドされた少なくとも１つのＰＨＡを含む層と、ＰＢＳを含む層とを共押出しする工程を含むプロセスによって製造することができる。

本方法はまた、ＰＢＳを含む層の上に印刷層及びＷＶＴバリア層を積層する工程を含んでいてもよい。

本発明者らは、本発明による生分解性上部膜について優れた生分解速度を達成した。例えば、本発明者らは、本発明による生分解性上部膜の少なくとも９０重量％が、ＰＨＡ専用株及び工業用堆肥と同様の熱条件を用いて２２日間で生分解され得ることを実証することができた。

したがって、本発明による生分解性上部膜は、堆肥化可能であり得、例えば、工業用又は家庭用堆肥化条件下で堆肥化可能であり得る。

第２の態様では、上述したようなカプセル及び飲料調製マシンのシステムが提供され、当該マシンは、加圧下でチャンバの内部又は中に抽出液を注入するための液体注入中空針を備える。

好ましくは、本システムの飲料調製マシンは、
飲料調製マシンにおいてカプセルを受け入れて保持するためのカプセルホルダと、
取り外し可能なカプセルホルダを挿入するためのカプセルホルダ受入領域と
を含み、
液体注入中空針と挿入されたカプセルホルダとは、液体注入中空針がカプセルの上部膜を穿刺するように互いに相対的に移動可能である。

最後の態様では、このシステムにおける上記のようなカプセルの使用が提供される。

本出願では、「上部」、「下部」という用語は、本発明の特徴の関係的な位置付けを説明するために使用される。これらの用語は、図１、図２、図３Ａ、図３Ｂに示すように、飲料を製造するために飲料調製マシンに配置されたときのカプセルの通常の向きを指すと理解されるべきである。

当業者は、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。本発明の製品について説明した特徴は、組み合わせることができる。更に、本発明の異なる実施形態について記載された特徴を組み合わせてもよい。

本発明を実施例によって説明してきたが、特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び改変を加えることができることが理解されるべきである。

更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。本発明の更なる利点及び特徴は、図及び非限定的な実施例から明らかである。

本発明の更なる特徴、利点、及び目的は、添付の図面と併せて本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。数字が例えば明確にするために図から省略されている場合であっても、対応する特徴は依然として図に存在し得る。
本発明によるカプセルの概略断面図である。 本発明によるカプセル及び飲料調製マシンのシステムを示す。 ２つの異なる操作における図１及び図２のカプセル及びカプセルホルダの断面図である。 ２つの異なる操作における図１及び図２のカプセル及びカプセルホルダの断面図である。 本発明による生分解性上部膜の構造の例を示す。

［発明を実施するための形態］
図１は、本発明のシステムで使用されるカプセル１を概略的に示す。

カプセル１は、下部から上部に向かって軸方向に延びる１つ以上の側壁２２を有するカプセル本体２を備える。側壁は、上部開口部２３に向かって延びる。上部開口部２３において、本体は、側壁から半径方向外向きに延び、開口部の円周に沿って連続的に延びる円周フランジ２４を備える。通常、フランジ２４は、接続部分２４３によってカプセル本体に接続される。例えば、接続部分２４３において、側壁２２はフランジ２４に移行してもよい。

フランジ２４は、通常、１つ以上の側壁２２と一体的に形成される。フランジは、頂部に面する上面２４１と、下面２４２とを備える。下面は、好ましくは、平坦面を含む、又は平坦面からなる。

一般に、図２の斜視図に示すように、本体カプセルの任意の横断面は下部から頂部まで円形であり、フランジも円形である。

側壁は、可溶性かつ／又は抽出可能な飲料原材料を収容するためのチャンバ２１を画定する。

この可溶性飲料原料は、水溶性粉末原料であり、インスタントコーヒー粉末、粉乳、クリーム粉末、インスタント茶粉末、ココア粉末、スープ粉末、果実粉末又は当該粉末の混合物のリストの中で選択することができる。粉末は、凝集化又は加熱生成（sintered）されたものであってもよい。

パッケージに包装されたこの飲料原料は、焙煎し挽いたコーヒー又は茶葉のように抽出する又は浸出させることができる原料であってもよい。その実施形態では、水が飲料原材料を抽出する。

カプセルは、円周フランジの上面２４１の少なくとも一部に固定され、封止され、又は取り付けられ、それに応じて、上部開口部２３を覆って閉じる上部膜３を備える。

この上部膜は、図３Ｂに示すように、カプセル内への液体注入のために穿刺されるように適合されている。好ましくは、上部膜は、飲料調製マシンの注入針によって穿孔可能であり、注入針は、チャンバの内部又は中に加圧下で抽出液を注入するように適合される。好ましくは、穿刺操作は、国際公開第２００６／０８２０６４号又は国際公開第２００８／１０７２８１号に記載されているような水注入針によって単一の場所で行われる。

用語「上部膜」は、カプセル１の反対側に位置する膜として理解されるべきである「下部膜」（以下で説明される）とは対照的に、マシンの注入針によって穿孔される膜として理解されるべきである。

カプセルは、チャンバ２１の下部を閉じる下部膜４を備える。したがって、可溶性かつ／又は抽出可能な飲料原料は、上部膜と下部膜との間に封入される。上部膜及び下部膜は、飲料の調製のために飲料原材料を保持するように構成されたチャンバである原材料チャンバ２２の内部空間を画定する。

一実施形態では、供給壁６は、チャンバの内部断面を通って延びることができ、原料のための下位サブチャンバ及び液体のための上位分配チャンバを画定する。この供給壁は、液体を原料上に均一に供給するための小さな穴を備える。

カプセルは、当該液体の注入中にチャンバ内の液体圧力上昇の影響下で下部膜４と相対的にかみ合うことによってチャンバを開くように適合された開口デバイス５を備える。開口デバイス５は、下部膜４に向かって上向きに向けられたその表面上に、開口デバイスに面する下部膜４に対して突出部及び凹部を形成し得るスパイク、コーン又はピラミッド形（任意選択でその端部が切り取られている）などの開口要素５２を備える剛性プレート５１を備えることができる。開口デバイス５は、一般に「ピラミッドプレート」と呼ばれることがある。チャンバ４内に液体が注入されると、圧力が上昇し、下部膜が穿孔されるまで、開口デバイス５に対して下部膜４を変形させ、カプセル１で調製された飲料をチャンバ２１から開口デバイス５の下に落とす。「かみ合う」という表現は、例えば、開口デバイス又は第２の膜、あるいはその両方が、開口をもたらすために互いに対して移動され得ることを意味し得る。

通常、カプセル本体は、開口デバイス５の下に下部飲料出口２５を備える。カプセル本体の下部は、好ましくは、開口手段の下に延びて、当該開口手段を保持し、飲料をこの飲料出口２５に収集して、飲料をカプセル１の外に、例えば、カップの中に供給する。

上部膜３は、チャンバ２１に注入された抽出液が、開口デバイス５によって変形した下部膜４の穿孔を得るのに必要な圧力まで内圧を増加させるように、フランジ２４に固定される。したがって、上部膜３は、少なくともチャンバ内部の規定された圧力が達成されるまで剥離しないようにフランジに固定される。この規定された圧力は、少なくとも２バール、好ましくは少なくとも３バール又は少なくとも６バールであり得る。これに関して、この固定は、飲料調製中にカプセル１がフランジと上部膜との間の界面を介する漏れを生じさせない。

好ましくは、少なくともカプセル本体２及び上部膜３は、堆肥化可能な材料で作られ、更により好ましくは、カプセルの全ての要素は、（全てが）堆肥化可能な材料で作られ、かつ／又は（全てが）堆肥化可能な物質を含む。

通常、上部膜３は、シーラントを添加して又は添加しないで、ヒートシールによってフランジ２４に取り付けられる。このようにして、上部膜とフランジとの間にシールが形成される。

図２は、上述したカプセル１と、当該カプセルから飲料を調製するように構成された飲料調製マシン１０からなるシステムを示す。本マシンは、本マシンから取り外し可能なカプセルホルダ１１を備え、カプセルホルダ１１は、カプセルの本体を導入するための受入領域１１１を備え、本体のフランジ２４は、ホルダの円周リム１１２上に支持される。次いで、カプセルホルダをマシンの受入領域１３に挿入して飲料を調製することができる。

本マシンは、飲料を調製するためにカプセルホルダを挿入することができる、取り外し可能なカプセルホルダを挿入するためのカプセルホルダ受入領域１３を備える。

加えて、本マシンは、カプセルホルダのための受入領域１３の上方に、注入手段１２１、正確には、上部膜３を貫通してカプセルの内部に水を注入するように構成された中空針を有する液体注入デバイス１２を備える。この注入デバイス及びカプセルホルダは、カプセルの円周環状フランジを締め付けるように相対的に移動可能である。

次に、カプセルホルダ１１は、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、受入領域１３内の２つの位置に位置決めすることができる。

図３Ａでは、カプセルホルダ１１は、受入領域１３の内部に導入されたばかりであり、図３Ｂでは、液体注入プレート１２は、挿入されたカプセルホルダに移動され、ホルダの円周リム１１２と注入プレート１２との間でカプセルの円周環状フランジ２４を締め付ける。

図４は、図１のカプセルにおいて、並びに図２Ａ、図２Ｂ、及び図３のシステム内で使用することができる生分解性上部膜３の構造を示す。

これらの上部膜は全て、少なくとも以下を含む多層フィルムである。
１つ以上のバイオポリマーとブレンドされたＰＨＡの第１の層フィルム３１と
少なくとも１つのポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）からなる第２の層フィルム３２と
印刷又は水蒸気透過バリアの形成を可能にする第３層フィルム３３が提供される。

第１層３１は、カプセル本体のフランジに取り付けられ、好ましくはシーラントを含む。

いくつかの実施形態では、上部膜３は、少なくとも１つのＰＢＳの第２の層を取り囲む１つ以上のバイオポリマーとブレンドされたＰＨＡの２つの第１の層フィルム３１、３１’を含むことができる。

実施例１：コーヒー飲料の抽出
ＰＨＡブレンド層、ＰＢＳ層、及び第２のＰＨＡブレンド層を含む本発明によるＰＨＡ生分解性上部膜を、１５０μｍの厚さで調製し、図１に示すように飲料カプセルに取り付けた。カプセルの本体はＰＨＡ製であった。飲料カプセルに、高圧（５～９バール）下で上部膜を介して長時間抽出（２５～３０秒）でコーヒーを充填した。

サンプルは、ヒートシールを達成するためのヒートシール装置の使用を含め、市販のコーヒーと同様に調製した。上部膜がくっつかないように、シールヘッドを紙で保護した。

飲料を最も長い抽出時間及び最も高い圧力で調製している間でさえ、漏れは観察されなかった。

実施例２：破裂に対する耐性試験
コーヒーの抽出は１０バールを超える圧力を与えることから、破裂に対する耐性試験を行って、どの圧力で上部膜がカプセルのフランジから剥離するかをチェックした。

そのような測定のための手順は、以下の工程、すなわち、ａ）試験されるカプセルを気密条件下でベル内に配置する工程と、ｂ）圧縮空気（６バール）を、カプセルの下部の穴を通してベルの内部に導入し、ベルの内部の圧力を測定する工程であって、試験されるカプセルは空であってもよく（開口手段及び下部膜がない）、又は開口手段及び下部膜がある場合には、下部の穴を通して導入される空気が下部膜又は壁を容易に貫通し、これらのいずれの場合においても、上部膜の破裂耐性に関する結果は同じである、工程と、ｃ）上部膜の破裂を待って、対応する圧力を測定する工程と、を含む。

これらの結果は、１５０μｍの上部膜を有する実施例１で定義されたようなカプセルが、１０バール～１１バールに耐えることができた一方で、１２０μｍの上部膜を有する同等のカプセルが、７バール～９バールに耐えることができたことを示した。

Claims (12)

1. 飲料調製マシンで使用するためのカプセル（１）であって、前記カプセルは、可溶性かつ／又は抽出可能な飲料原材料を収容し、前記カプセルは
   カプセル本体（２）であって、
   チャンバ（２０）を画定し、上部開口部（２３）と下部出口（２５）との間で軸方向に延びる側壁（２１）と、
   前記上部開口部から半径方向外向きに突出する円周環状フランジ（２４）であって、前記開口部（２３）に対して前記チャンバの反対側にある上面（２４１）と、反対側にある下面（２４２）とを備える、円周環状フランジ（２４）とを備える、カプセル本体（２）と、
   前記円周フランジの前記上面（２４１）の少なくとも一部に取り付けられた上部膜（３）であって、前記上部開口部（２３）を閉じ、前記カプセルに液体を注入するために穿刺されるように適合された部分を提供する、上部膜（３）と、
   前記上部膜（３）と下部膜との間に原料チャンバ（２２）を画定するように前記チャンバ（２１）の内部に設けられた前記下部膜（４）であって、前記原料チャンバが飲料原料を収容する、下部膜（４）と、
   前記原料チャンバ（２２）内に前記注入された液体の圧力上昇の影響下で開口デバイスと前記下部膜（４）との相対的なかみ合いによって前記カプセルを開口するための前記チャンバの内部に設けられた、開口デバイス（５）と、を備え、
   前記上部膜（３）は、生分解性であり、少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）からなる少なくとも１つのフィルムを備える、カプセル（１）。
2. 前記少なくとも１つのＰＨＡが、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＶ）、ＰＨＢコポリマー、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＨｘ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－４ＨＢ）、Ｐ（３ＨＢ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＶ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３ＨＯ）、Ｐ（３ＨＢ－ｃｏ－３Ｈｏｄ）又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項１に記載のカプセル。
3. 少なくとも１つのポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）の前記少なくとも１つのフィルムが、前記上部膜のシーラント層であり、前記フィルムが少なくとも３０重量％のＰＨＡを含む、請求項１又は２に記載のカプセル。
4. 前記上部膜が、約１２０から１５０μｍの範囲の材料厚さを有する、請求項１～３のいずれか一項に記載のカプセル。
5. 液体注入のために穿刺されるように適合された前記上部膜の少なくとも一部が、
   １ＭＰａ超、好ましくは５ＭＰａ超、より好ましくは１０ＭＰａ超の引張強度、及び
   １００％超、好ましくは５００％超の破断点伸びを示す、
   請求項１～４のいずれか一項に記載のカプセル。
6. 前記上部膜が多層フィルムであり、前記多層フィルムが、少なくとも
   １つ以上のバイオポリマーとブレンドされたＰＨＡの第１の層フィルム（３１）と、
   少なくとも１つのポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）からなる第２の層フィルム（３２）と、
   を備える、請求項１～５のいずれか一項に記載のカプセル。
7. 前記多層フィルムが下部層フィルムを含み、前記下部層が、前記カプセル本体の前記円周フランジの前記上面（２４１）の少なくとも一部に封止されるように構成され、下部層フィルムが、少なくとも１つのポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）からなる前記第２の層フィルムとは異なる、請求項６に記載のカプセル。
8. 前記上部膜が、２つの層フィルムを共押出する工程を含み、任意選択で、印刷層を積層する工程及び／又は水蒸気透過バリア層を積層する工程を含むプロセスによって製造される、請求項６又は７に記載のカプセル。
9. 前記カプセル本体（２）が、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳ）、ポリブチレンサクシネートアジペート（ＰＢＳＡ）、及び／又はポリブチレンアジペートテレフタレート（ＰＢＡＴ）などの生分解性材料から作製される、請求項１～８のいずれか一項に記載のカプセル。
10. 請求項１～９のいずれか一項に記載のカプセルと飲料調製マシン（１０）からなるシステムであって、前記マシンが、加圧下で抽出液を前記チャンバの内部又は中に注入するための液体注入中空針を備える、システム。
11. 前記飲料調製マシン（１０）が、
    前記飲料調製マシン内で前記カプセル（１）を受け入れて保持するためのカプセルホルダ（１１）と、
    取り外し可能な前記カプセルホルダ（１１）を挿入するためのカプセルホルダ受入領域と、を備え、
    前記液体注入中空針と挿入された前記カプセルホルダとが、前記液体注入中空針が前記カプセルの前記上部膜を穿刺するように互いに対して相対的に移動可能である、
    請求項１０に記載のシステム。
12. 請求項１１又は１２に記載のシステムにおける請求項１～９のいずれか一項に記載のカプセルの使用。
    
    

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