JP2023546278A - 多機能環状ジヌクレオチド及びその使用 - Google Patents

多機能環状ジヌクレオチド及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞アポトーシス又は抗ウイルスを誘導するためのアポトーシス誘導剤又は細胞毒性剤のプロドラッグとして使用することが可能であり、また免疫経路を調節して治療上有益な免疫応答を生じさせることもできる、式(X)の多機能環状ジヌクレオチド化合物及びその誘導体に関する。本開示はさらに、本発明の環状ジヌクレオチド化合物を含む医薬組成物及び医薬組み合わせ、それらを合成するための方法、及びそれらの医学的使用に関する。【化1】TIFF2023546278000301.tif44142【選択図】 なし

Description

本発明は、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するため又はウイルスを駆除するためのアポトーシス誘導剤又は細胞毒性剤のプロドラッグとして機能する、また治療上有益な免疫応答を生じさせる免疫経路を調節するための、特にSTING媒介免疫経路を活性化するための免疫調節剤として機能する、多機能環状ジヌクレオチド化合物及びそれらの誘導体に関する。本開示はさらに、本発明の環状ジヌクレオチド化合物を含む医薬組成物及び医薬組み合わせ、それらを合成するための方法、及びそれらの医学的使用に関する。
異常な細胞分化及び増殖、制御されない成長、浸潤性特性及び転移性特性を生物学的に特徴とする悪性疾患としてのがんは、ヒトにおける死亡の重要な原因の1つとなっており、その発生率は世界中で継続的に増加している。一方で、ウイルス感染症もまた、世界的に何百万人ものヒトの死亡をもたらしている。
代謝拮抗ヌクレオシドアナログは、がん/腫瘍及びウイルス感染症に対する治療戦略における主要な治療アプローチの1つを代表する。特に、代謝拮抗ヌクレオシド薬は、それ自体は直接作用しないが、様々な細胞キナーゼによりin vivoで三リン酸化型に変換される必要があり、偽代謝産物(pseudo metabolite)として機能してポリメラーゼの活性基質となり、その後核酸生合成経路を経てDNA又はRNA中に組み込まれてDNA又はRNAの修飾及び伸長を阻害するか又はDNA又はRNA合成に関連する逆転写酵素を阻害し、これにより腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するか又はウイルス複製を防止し、すなわち細胞毒性を示し、がん/腫瘍又はウイルス感染症の治療のために使用することができる。一方、ヌクレオシド薬の細胞毒性の結果として生じる細胞断片は、宿主細胞の免疫応答を誘発することが可能であり、これにより腫瘍細胞又はウイルスの成長及び増殖をさらに阻害する。
臨床診療において現在使用されている抗がんヌクレオシドとしては、以下が挙げられる:
Figure 2023546278000002
Figure 2023546278000003
しかし、ヌクレオシド薬は、それらの分子構造上にヒドロキシル基及びアミノ基などの複数の活性基を有し、これが低い膜透過効率並びに不十分な安定性及び薬物動態特性をもたらし、このため多くの場合は特殊な又は頻回の投与が必要とされ、これが患者に多くの不便をもたらす。従って、新たな且つ改善されたヌクレオシド薬の解決策を探求することは、薬物開発の活動的な領域であった。
内因性環状ジヌクレオチド(CDN)であるcGAMPは、自然免疫系の鍵となる成分であるcGAS-STING(環状GMP-AMPシンターゼ-インターフェロン遺伝子刺激因子)シグナル経路における重要なリンクである。具体的には、cGASが、腫瘍細胞、死細胞、ウイルス、細菌又はミトコンドリア由来のDNAと相互作用し、ATP及びGTPからの環状ジヌクレオチド(CDN) cGAMPの合成を触媒する。産生された内因性cGAMPはさらに、小胞体(ER)上でSTINGに結合し、cGAMPに結合したSTINGが活性化され、立体構造変化を受けてゴルジ体に移動し、その後、鍵となる転写因子であるIRF-3及びNF-κBの活性化を誘導し、それらの活性化転写因子は核に入り、IL-6、TNF-α及びIFN-γなどのI型インターフェロン及び炎症性サイトカインの発現を誘導する(Jiang et al, cGAS-STING, an antigenic pathway in cancer immunology, Journal of Hematology & Oncology, 2020, 13:81;Xiangling Cui et al, STING modulatories: Predictive significance in drug discovery, European Journal of chemical Chemistry 182 (2019) 111591)。
Figure 2023546278000004
I型インターフェロンが、抗ウイルス活性を示すだけでなく、ヒト腫瘍細胞増殖も直接阻害し、適応免疫細胞及び自然免疫細胞の活性化を誘導することにより抗腫瘍免疫応答を著しく増強し、組織リモデリングに関連する酵素の発現を調節することにより腫瘍浸潤を阻害し、このため抗がん剤としても有用であることは、当技術分野で周知である。
上記に示されるとおり、内因性環状ジヌクレオチド(CDN)cGAMPが、ウイルス及び腫瘍に対して応答する自然免疫系の鍵となるメディエーターであり、最終的にはインターフェロン又は炎症性サイトカインの産生に寄与し、これにより治療上の利益を達成するということを考慮して、一連のCDN STINGアゴニストが合成され、その活性について研究室で検証されており、その例は、WO2014/189805、WO2017/027645、及びWO2018/060323に記載されている。しかし、既存のCDN-ベースの治療法は、十分な臨床的治療効果が依然として不足しており、このため、より安全で且つより強力な抗ウイルス効果又は抗腫瘍効果を提供するために、改善されたCDNベースのSTINGアゴニストが依然として必要とされている。
当技術分野における共通認識によると、STING経路は、外因性DNA(腫瘍又はウイルス等)により活性化することができる。タンパク質ネオアンチゲンの媒介を伴わない場合、STING経路においてインターフェロンなどにより駆動される下流の炎症誘発性因子は標的化特性を欠如し、不十分な自己免疫応答に対する寛容性及び狭い治療ウインドウをもたらす。第一世代の、PD-1抗体と組み合わせた単一STINGアゴニストは、依然として全身免疫の活性化を重視し、適応免疫の選択性には対処せず、腫瘍微小環境由来の応答も誘発しなかった。
一方、本発明の化合物は、シグナル経路を活性化し、インターフェロン及び他のサイトカインを放出して免疫系を活性化することにより公知の高活性STINGアゴニストとして作用し;第2に、それらの細胞毒性機能がその後活性化されて腫瘍を選択的に殺傷し、大量の腫瘍ネオアンチゲン及び腫瘍DNAを放出し、適応免疫認識を確立して免疫系の標的化能力を訓練し;第3に、腫瘍ネオアンチゲン及び腫瘍DNAが、STING経路及び他の免疫系を活性化し続けて腫瘍細胞を殺傷し;最後に、放出された腫瘍ネオアンチゲンが樹状細胞(DC細胞)により認識され、T細胞と相互作用して免疫記憶を形成し、これにより遠隔腫瘍及びがん細胞移動の長期抑制を達成する。
特に、改善された特性を有する新たな細胞毒性ヌクレオシド薬の探索において、本発明は、細胞毒性ヌクレオシド薬を、CDNの分子構造中に基礎単位として独創的に導入し、すなわち、隠された細胞毒性ファーマコフォアをCDNの分子レベルで導入した。結果として得られた新規なCDN薬分子は、まず最初にSTINGを活性化してI型インターフェロンの産生を誘導し、これにより抗ウイルス又は抗腫瘍免疫療法の効果を達成することができる。さらに画期的なことに、in vivoでの分子の分解により形成される生成物、すなわち細胞毒性ヌクレオシド薬は、核酸代謝を特異的に妨げ、細胞***及び細胞増殖を防止し、腫瘍細胞死を誘導するか又はウイルス複製を防止し、腫瘍DNAを放出してSTINGを継続的に活性化し、腫瘍ネオアンチゲンを放出して適応免疫認識機能を確立し、免疫系の標的化能力を訓練することが可能であり、これにより単一ヌクレオシド薬についての、低い膜透過効率、不十分な安定性及び不十分な薬物動態特性、並びに頻回の又は特殊な薬投与の必要性の欠点は克服され、同時に、STING経路の継続的な活性化のために必要とされる外因性DNA(例えば腫瘍DNA)の供給源についても克服された。さらに重要なことに、本明細書中に開示される分子のCDN構造骨格は、STINGを活性化することが可能であり、これによりI型インターフェロン産生を誘導し、抗ウイルス又は抗腫瘍免疫療法効果を達成する。他方、新規なCDN分子中に隠された細胞毒性ファーマコフォアは、アポトーシス断片を生じさせるようにタイミングよく放出され、免疫系のために腫瘍又はウイルスに対する抗原を提供し、免疫白血球サブセットの協調下で抗体-抗原応答を生じさせることが可能であり、これにより抗原に対する「免疫記憶」又は持続性免疫の能力を提供する。
従って、本発明は、分子下レベルでの薬物組み合わせにより、代謝拮抗性の治療とウイルス感染症又は腫瘍の免疫抑制とを同時に実現することが可能であり、単一細胞毒性剤又は単一CDN STINGアゴニストと比較して、増強された、さらに相乗的な効果を提供することができる、新規なCDN化合物のクラスを提供する。
上記の発明の背景の考察は、本発明の理解を助けるために提供されるにすぎず、先行技術の記載の承認として、又は本発明について先行技術を構成するものとして解されるべきではないないことに留意すべきである。
WO2014/189805 WO2017/027645 WO2018/060323
Jiang et al, cGAS-STING, an antigenic pathway in cancer immunology, Journal of Hematology & Oncology, 2020, 13:81 Xiangling Cui et al, STING modulatories: Predictive significance in drug discovery, European Journal of chemical Chemistry 182 (2019) 111591
発明の要約
本発明は、新規な環状ジヌクレオチドベースの抗ウイルス化合物又は抗腫瘍化合物の群を提供することを目的とする。
一態様において、本発明は、以下の式の環状ジヌクレオチド化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物の群を提供し、
Figure 2023546278000005
式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、-OH及び-SHから選択され;環状ジヌクレオチドの2つのヌクレオシドの少なくとも1つは細胞毒性効果又は抗ウイルス効果を有する。このような構造の化合物は、一方では、in vivoで分解された後、及び細胞中のヌクレオシドキナーゼによる三リン酸化活性化の際に、単一の細胞毒性又は抗ウイルスヌクレオシド化合物を生成することが可能であり、この化合物は、核酸代謝を特異的に妨げることにより細胞の***及び増殖を防止することが可能であり、これにより腫瘍細胞増殖又はウイルス複製を阻害する。他方、本発明の分子は、環状ジヌクレオチドの免疫活性化機能を維持し、すなわち、標的STINGを活性化し、最終的にはSTINGシグナル伝達カスケードを通じてI型インターフェロン産生を誘導し、これにより腫瘍免疫活性を生じさせて腫瘍の増殖及び転移を阻害するか、又は抗ウイルス活性を発揮する。さらに、アポトーシスによる組織断片は、免疫系に、宿主中で天然には発現されない抗原を提供し、抗原-抗体応答を生じさせ、それにより抗原に対する「記憶」又は持続性免疫の能力を提供する。
特に、本発明は、この態様において、式(Y):
Figure 2023546278000006
(式中、X1、X2、B1、B2、R1、R1'、R2、R2’は、本明細書中で定義されるとおりである)
の環状ジヌクレオチド化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体(stable isotopic variant)、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物を提供する。
さらに特に、本発明は、この態様において、式(I)、(II)、(III)及び(IV)の環状ジヌクレオチド化合物及びそれらの各下位の式を提供し;さらに特に、本発明は、この態様において、式(I)、(II)、(III)及び(IV)の各下位の式の環状ジヌクレオチド化合物;並びに以下に記載されるそれらの各特定の実施形態を提供する。
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載される本発明の化合物の調製のための方法を提供し、また本明細書中に記載される方法により得ることができる、本明細書中に記載される本発明の化合物も提供する。
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載される本発明の化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患の治療又は予防のため、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患の治療又は予防のため、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患又は自己免疫疾患、感染性疾患若しくはがんの治療又は予防のための活性剤としての使用のための、とりわけ抗ウイルス又は抗腫瘍用途のための、あるいはワクチンアジュバントとしての使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患の治療又は予防のための細胞毒性剤、特に抗悪性腫瘍剤としての使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、ウイルス感染症の治療又は予防のための細胞毒性剤としての使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患の治療又は予防のための、例えば、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患の治療又は予防のためのSTINGアゴニストとしての使用のための、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患又は自己免疫疾患、感染性疾患若しくはがん、とりわけ腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防のための;あるいはワクチンアジュバントとしての使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防における細胞毒性剤としての;あるいはウイルス感染症の治療又は予防における細胞毒性剤としての、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、特に腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防のための方法であって、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物をヒト又は動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防のための方法であって、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物をヒト又は動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象におけるウイルス感染症の治療又は予防のための方法であって、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物をヒト又は動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
別の態様において、本発明は、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、とりわけ腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防のための医薬の製造における、あるいはワクチンアジュバントとしての使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防のための医薬の製造のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、ウイルス感染症の治療又は予防のための医薬の製造のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、免疫治療活性と細胞毒性治療活性の両方を有する多機能剤としての使用のための、例えば、STINGシグナル伝達経路を活性化して免疫系を活性化することにより抗腫瘍機能及び抗ウイルス複製機能を発揮する使用のため、細胞毒性剤を放出することにより腫瘍細胞死を引き起こすか又はウイルス複製を防止する使用のため、その後腫瘍DNAを放出してSTINGを継続的に活性化することにより腫瘍細胞を殺傷する使用のため、及び腫瘍ネオアンチゲンを放出して抗体-抗原応答を生じさせることにより腫瘍に対する「免疫記憶」又は持続性免疫の能力を提供する使用のための、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物を提供する。この態様において、本発明はまた、上記の複数の機能を実現するための、例えば、特にウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のための本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用;上記の複数の機能を介して、対象における免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、とりわけ腫瘍又はウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組み合わせをヒト又は動物に投与することを含む、上記方法;及び上記の複数の機能を実現するための医薬の製造における、本明細書中に記載される本発明の化合物又は本明細書中に記載される医薬組成物の使用も提供し、例えば、上記医薬は、特に、ウイルス感染症又は腫瘍を治療又は予防するために使用される。
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載される本発明の化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、少なくとも1つの他の治療剤とを含む医薬組み合わせを提供する。
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載される本発明の化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物、少なくとも1つの他の治療剤、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、ウイルス感染症、又はSTINGに関連するか若しくはSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、特に腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防において使用するための、本発明の化合物と少なくとも1つの他の治療剤とを含む、本明細書中に記載される医薬組み合わせを提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、ウイルス感染症、又はSTINGに関連するか若しくはSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、とりわけ腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防のための、本発明の化合物と少なくとも1つの他の治療剤とを含む本明細書中に記載される医薬組み合わせの使用を提供する。
別の態様において、本発明は、過剰増殖性疾患、ウイルス感染症、又はSTINGに関連するか若しくはSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん、とりわけ腫瘍又はウイルス感染症の治療又は予防のための方法であって、本発明の化合物と少なくとも1つの他の治療剤とを含む本明細書中に記載される医薬組み合わせをヒト又は動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
図1は、THP-1細胞における、本発明の代表的な化合物のインターフェロン刺激活性を示す。 図2は、マウスの移植CT26結腸直腸がんモデルにおける、本発明の代表的な化合物の腫瘍増殖阻害活性を示す。2A;治療された腫瘍における腫瘍体積の変化 未処置の腫瘍における腫瘍体積の変化。 マウスの体重の変化。 免疫化を伴う/免疫化を伴わないマウスにおける腫瘍体積の変化。 図3は、免疫化を伴う/免疫化を伴わないマウスにおける本発明の代表的な化合物の免疫記憶を示す。3A:免疫適格マウスにおける免疫記憶。 免疫不全マウスにおける免疫記憶。 図4は、本発明の代表的な化合物の肝細胞代謝特性を示す。4A:肝細胞における代謝安定性。 肝細胞における代謝産物の同定。
発明の説明
定義
別段に記載されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
別段に記載されない限り、本出願において使用される命名法は、IUPAC系統名に基づく。OpenEye Lexichem version 1.2.0、PerkinElmer E-notebook for Chemistry or Insight for Excel 2017 R2を使用してIUPAC化学名を生成した。
別段に記載されない限り、本明細書における構造中の炭素、酸素、硫黄又は窒素原子上にみられる任意のオープンな原子価は、水素原子の存在を示す。
「免疫系」という用語は、当業者により理解される通常の意味を有し、分子、物質(例えば、体液)、解剖学的構造(例えば、細胞、組織又は器官)、及び生理学的過程を全体として指すか、あるいは、in vivoで感染症を予防すること、感染中若しくは疾患中に身体を保護すること、及び/又は感染若しくは疾患後に身体の回復を補助することに関連する任意の1つ以上の成分を指す。
「免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患」という用語は、外来成分又は変異した自己成分に対する身体の免疫系の防御応答に関連するか又はそれにより媒介される疾患を指す。本発明の目的のため、「免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患」とは、特に、免疫系の機能が弱められ、不活性化され、若しくは損なわれるか、又は1つ以上の免疫成分の機能が弱められ、不活性化され、若しくは損なわれる、ヒト若しくは動物における状態又はそれにより引き起こされる病態、特に、STING経路を介して免疫応答を誘導することにより緩和され得る疾患を指す。
「STING」という用語は、「インターフェロン遺伝子刺激因子」の略語である。STINGは、ヒトにおける膜貫通タンパク質受容体であり、環状ジヌクレオチド(CDN)によるSTINGの活性化は、IRF3経路及びNF-κB経路の活性化につながり、このようにして、I型インターフェロン及び炎症性サイトカインのそれぞれの誘導をもたらす。「STINGアゴニスト」という用語は、in vitro又はin vivoでSTINGを活性化して生理学的応答を誘発する任意の物質を指す。
「STINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患」という用語は、STING経路を介して免疫応答を誘導することにより緩和され得る疾患、すなわち、STINGの活性化がその発生率を低下させ、且つ疾患症状を低減するか又は除去する疾患を指し、例えば、限定するものではないが、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがん等などが挙げられる。本発明の目的のため、「STINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患」は、好ましくは腫瘍又はがんから選択される。
「過剰増殖性疾患」、「腫瘍」又は「がん」という用語は、無制御な若しくは無秩序な細胞増殖又は細胞死を特徴とする、対象における生理的状態を指し、悪性であるか又は良性であるかに関わらず固形腫瘍及び血行性腫瘍を含み、例えば、限定するものではないが、脳がん、皮膚がん、膀胱がん、卵巣がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、大腸がん(colon cancer)、血液がん、肺がん、及び骨がんなどが挙げられる。上記のがんタイプの例としては、神経芽細胞腫、腸がん(例えば、直腸がん、大腸がん、家族性腺腫性ポリポーシスがん、及び遺伝性非リンパ性結腸直腸(colorectal)がんなど)、食道がん、***がん、喉頭がん、鼻咽頭がん、口腔がん、唾液腺がん、腹膜がん、軟部組織肉腫、尿路上皮がん、汗腺腫がん、胃がん、腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、腎がん、腎実質性がん、卵巣がん、子宮頸がん、体がん(corpus carcinoma)、子宮内膜がん、膵臓がん、前立腺がん、精巣がん、乳がん(HER2陰性乳がんを含む)、泌尿器がん、メラノーマ、脳腫瘍(例えば、膠芽細胞腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄質腫瘍、及び末梢性神経外胚葉性腫瘍)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CLL)、及びリンパ球性がん、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞リンパ腫、びまん性リンパ腫(DLBCL)、肝がん、多発性骨髄腫、精上皮腫、骨肉腫、軟骨肉腫、肛門管がん、副腎皮質がん、脊索腫、卵管がん、消化管間質腫瘍、骨髄増殖性障害、中皮腫、胆道がん、ユーイング肉腫、及びその他の希少腫瘍型などが挙げられる。
「治療剤」という用語は、特定の治療効果を得るためにヒト又は動物に投与される1つ以上の物質、例えば、疾患の影響を予防し、治癒し又は緩和し、健康状態を改善する物質などを指す。本発明の治療剤は、提供されるCDN化合物自体だけでなく、提供されるCDN化合物と組み合わせて使用し得る治療剤、例えば、限定するものではないが、化学療法剤、免疫剤(特に免疫抗がん剤)、ワクチン、アジュバント及び放射線療法なども含む。
「化学療法剤」という用語は、腫瘍を殺傷するため、又は腫瘍の増殖を遅らせるか若しくは停止させるため、及び/又はがん細胞の***を遅らせるか若しくは停止させるため、及び/又は転移を防止するか若しくは遅延させる(retarting)ために、ヒト又は動物に投与される1つ以上の化学物質を指す。
「免疫剤」という用語は、免疫系の任意の1つ以上の成分と相互作用し得る任意の内因性又は外因性の物質を指し、例えば、抗体、抗原、ワクチン及びそれらの成分、核酸、合成薬、天然又は合成の有機化合物、サイトカイン、天然細胞又は改変細胞、その合成アナログ及び/又はその断片などが挙げられる。
「免疫療法」という用語は、ヒト又は動物の免疫系の1つ以上の成分が、特定の治療上の利益、例えば全身効果及び/又は局所効果並びに予防効果及び/又は治療効果などを直接的又は間接的に得るために意図的に調節される任意の医学的処置を指す。免疫療法は、1つ以上の免疫付与剤(immunizing agent)を、全身的に、局所的に、又は組み合わせて投与するかに関わらず、単独で又は任意の組み合わせで、ヒト対象及び動物対象に、任意の経路、例えば、経口、静脈内、経皮、注射、吸入等の経路で投与することができる。
「ワクチン」という用語は、ヒト又は動物において特定の免疫系応答を誘発若しくは増強するため、及び/又は1つ以上の抗原から保護するために、ヒト又は動物に投与される生物学的調製物を指す。
「アジュバント」という用語は、一次治療物質単独によっては達成することができない特定の相補効果、相乗効果又は他の有利な効果を達成するために、一次治療物質と任意の順序で投与される二次治療物質を指す。アジュバントは、一次治療物質の有効性を増強するため、一次治療物質の毒性の副作用を低下させるため、又は一次治療物質を受ける対象に特定の保護を提供するため、例えば、限定するものではないが、免疫系の機能を改善するために、ワクチン、化学療法剤又は他の治療物質と共に使用することができる。
本明細書中で使用される「細胞毒性剤」又は「アポトーシス誘導剤」という用語又は類似の表現は、異常な且つ無制御な細胞の発達及び増殖の治療において有用な活性剤を指す。本発明の目的のため、「細胞毒性剤」は、特に、ヌクレオシド代謝拮抗細胞毒性剤又は抗ウイルス剤を指し、例えば、限定するものではないが、シタラビン、アザシチジン、フロクスウリジン、デオキシウリジン、エノシタビン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、フルダラビン、クラドリビン、ゲムシタビン、カペシタビン、クロファラビン、ネララビン、トリフルオロチミジン、8-クロロアデノシン、トリシリビン、フォロデシン、5-フルオロデオキシシチジン、リバビリン又はアカデシンなどが挙げられる。
本明細書中で使用される「多機能活性剤」という用語は、それらの特有の構造的設計に基づいて対象において複数の機能を発揮することができる、すなわち免疫治療活性と細胞毒性治療活性の両方を示すことができる、例えば、限定するものではないが、抗腫瘍機能及び抗ウイルス複製機能を発揮するようにSTINGシグナル伝達経路を活性化することにより免疫系を活性化し、細胞毒性剤を放出することにより腫瘍細胞死を引き起こすか又はウイルス複製を防止し、腫瘍細胞を殺傷するように腫瘍DNAを放出することによりSTINGを継続的に活性化し、腫瘍に対する「免疫記憶」又は持続性免疫の能力を提供するように腫瘍ネオアンチゲンを放出して抗体-抗原応答を誘導する、本発明の化合物を指す。
疾患の「治療(treatment)」又は「治療する(treating)」という用語は、病態を阻害すること、すなわち、病態の進行又はその臨床的症状を停止させること、あるいは病態を改善すること、すなわち、病態又はその臨床的症状の一次的若しくは永続的な退縮を生じさせることを包含する。
疾患の「予防(prevention)」又は「予防する(preventing)」という用語は、その病態に曝露される可能性があるか又はその病態に感受性であるが、その病態の症状を未だ経験していないか又は示していない対象における病態の臨床的症状の発症を防止することを意味する。
「治療有効量」という用語は、本明細書中に記載される、(i) 特定の疾患、状態又は障害を治療又は予防するか、(ii) 特定の疾患、状態又は障害の1つ以上の症状を緩和し、改善し又は除去するか、あるいは(iii) 特定の疾患、状態又は障害の1つ以上の症状の発症を防止又は遅延させる、本発明の化合物又は分子の量を意味する。治療有効量は、化合物、治療される状態、治療される状態の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、投与経路及び投与形態、担当する医師又は獣医師の判断、及び他の因子に応じて変動するであろう。
本明細書中で使用される「対象」、「個体」又は「患者」という用語は、脊椎動物を指す。特定の実施形態において、脊椎動物は哺乳動物である。哺乳動物としては、例えば、限定するものではないが、家畜(例えば、雌牛)、スポーツ動物、ペット(例えば、モルモット、ネコ、イヌ、ウサギ及びウマ)、霊長類、マウス、及びラットなどが挙げられる。
好ましい実施形態において、哺乳動物はヒトである。
「医薬組成物」及び「医薬製剤」(又は「製剤」)という用語は互換的に使用され、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)に投与される、治療有効量の医薬品有効成分(1つ又は複数)と薬学的に許容される賦形剤(1つ又は複数)とを含む混合物又は溶液を指す。
「医薬組み合わせ」という用語は、本発明の目的を達成するために、本発明の化合物を他の活性剤と組み合わせることが可能であることを意味する。他の活性剤は、本発明の1つ以上のさらなる化合物であってもよく、又は本発明の化合物と適合する、すなわち、互いに悪影響を及ぼさないか若しくは相補的な活性を有する第2の若しくはさらなる(例えば、第3の)化合物であってもよい。このような活性剤は、意図される目的を達成するのに有効な量で組み合わせて好適に存在する。他の活性剤は、単一の医薬組成物として本発明の化合物と共投与してもよく、又は、別の個別の単位で本発明の化合物とは別々に投与してもよく、別々に投与する場合は、同時に投与しても、連続的に投与してもよい。
「薬学的に許容される」という用語は、一般的には安全で、無毒であり、生物学的にもあるいは生物学的でなくても望ましくないことはなく、動物並びにヒトの医薬用途に許容可能な、医薬組成物の調製において有用な物質の特質を意味する。
「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される担体」及び「治療上不活性な賦形剤」という用語は互換的に使用することが可能であり、治療上活性ではなく、且つそれが投与される対象に対して無毒な、医薬組成物中の任意の薬学的に許容される成分、例えば、医薬製品の製剤化のための崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張化剤、安定化剤、抗酸化剤、界面活性剤、担体、希釈剤又は滑沢剤を指す。
本明細書中で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容され、且つ親化合物の所望の薬理学的活性を有する本発明の化合物の塩を指す。特に、このような塩は無毒であり、無機酸付加塩又は有機酸付加塩及び塩基付加塩であり得、例えば、限定するものではないが、以下のものなどが挙げられる:(1) 無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等と共に形成される酸付加塩;又は有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、ブタン二酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプタン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等と共に形成される酸付加塩;あるいは(2) 親化合物中に酸性プロトンが存在する場合に形成される塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン若しくはアルミニウムイオンなどの金属イオンで置換されているか、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基が配位している。薬学的に許容される塩を調製するための一般的な原理及び技術は当業者に公知であり、例えば、Berge et al., Pharm ScL, 66, 1-19. (1977)に記載されている。
本明細書中で使用される「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、切断可能な基を有し、in vivoで加溶媒分解により又は生理的条件下で本発明の薬学的に活性な化合物となる化合物を指し、特に、プロドラッグとしては、酸化され、還元され、アンモニア化され、脱アミノ化され、ヒドロキシル化され、脱ヒドロキシル化され、加水分解され、脱加水分解され、アルキル化され、脱アルキル化され、アシル化され、脱アシル化され、リン酸化され又は脱リン酸化されて、本発明の化合物の活性化合物(誘導体を含む)を生じさせることができるプロドラッグが挙げられる。様々な形態のプロドラッグが当技術分野において周知であり、好適なプロドラッグ部分は、例えば、“Prodrugs and Targeted Delivery”, J. Rautico, Ed., John Wiley & Sons, 2011に記載されている。
本明細書中に記載されるCDN化合物のプロドラッグは、一般的には、化合物の活性、バイオアベイラビリティ又は安定性を増加させることができる。一般的に、リン酸部分のアルキル化、アシル化又は他の親油性修飾、又はヌクレオチドの他のアナログの使用は、ヌクレオチドの安定性を高めるのに役立つであろう。
本明細書中で使用される「溶媒和物」という用語は、化学量論的又は非化学量論的溶媒を含む溶媒付加形態を指し、例えば、水との溶媒和物、例えば水和物、又はメタノール、エタノール若しくはアセトニトリルなどの有機溶媒との溶媒和物、すなわち、それぞれメタノレート(methanolate)、エタノレート(ethanolate)若しくはアセトニトリル溶媒和物としての溶媒和物;又は任意の多形形態の溶媒和物などが挙げられる。このような本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩の溶媒和物も包含することが理解されるべきである。
本明細書中で使用される「同位体変異体」という用語は、化合物を構成する1つ以上の原子が、通常、天然に見られるものとは異なる原子質量又は質量数を有する原子で置換されている化合物を指す。本発明の化合物の1つ以上の原子に組み込むことができる同位体の例としては、例えば、本発明の化合物の同位体変異体を形成するような2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、及び18Fなどが挙げられ、これらは、放射性であるか否かに関わらず、本発明の範囲内に包含されることが意図される。幾つかの実施形態において、組み込まれる同位体は2H(重水素)であり;他の実施形態において、組み込まれる同位体は3H(三重水素)である。
本明細書中で使用される「立体異性体」という用語は、少なくとも1つの不斉中心に起因して形成される異性体を指す。1つ以上の(例えば、1、2、3又は4つの)不斉中心を有する化合物においては、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び単一ジアステレオ異性体が存在し得る。同様に、本発明の化合物は、迅速平衡の2つ以上の異なる構造形態の混合物(一般的に互変異性体と呼ばれる)として存在し得る。本出願の範囲は、このような異性体又はそれらの混合物の全てを任意の比(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%)で包含することが理解されるべきである。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得、このため、(R)-又は(S)-立体異性体として、個別に又はそれらの混合物として調製することができる。本明細書中の化合物の構造式又は構造断片において使用される
Figure 2023546278000007
又は
Figure 2023546278000008
は、不斉中心、すなわちキラル中心の立体配置を示す。これに対応して、本発明により提供される化合物又は中間体の命名において、R又はSは、キラル中心の立体配置を表す。当業者であれば、本発明の化合物中のホスホロチオエート結合が本質的にキラルであり、それぞれR配置又はS配置で存在する可能性があり、このため、2つのホスホロチオエート結合が、R,R、S,S、S,R及びR,Sの形態であることが可能であることを理解するであろう。本発明は、本発明の化合物、及び実質的に純粋な形態の又は混合物としてのそれらの実施形態を包含し、2つのホスホロチオエート結合を含有する化合物は、好ましくは、実質的に純粋な形態のR,R、S,S、S,R及びR,S立体異性体、特に好ましくは、実質的に純粋なR,R立体異性体(すなわち、両方のリン原子がR配置を有する)である。それらの絶対立体配置の割り当ては、文献中の方法に従って行うことができる(Zhao et al. Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids 2009, 289, 352-378;Knouse et al. Science 2018, 361, 1234)。文献の方法における誤りに起因する誤った立体配置の指定は、本発明の化合物の実際の立体配置に影響を及ぼさないことに留意すべきである。
本明細書中でCDNに関して使用される「実質的に純粋な」という用語は、特定の立体配置型が、上記の図に示されるキラル中心における他の可能な立体化学配置に対して少なくとも75%純粋であることを指す。好ましい実施形態において、実質的に純粋なCDNは、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも 95%純粋、少なくとも97%純粋、及び少なくとも99%純粋である。本発明の実質的に純粋なCDN調製物は、調製物中の全てのCDNがこれらのキラル中心において特定の立体化学配置を有するという意味において「立体化学的に純粋」であり、調製物中のそれらのキラル中心において特定の立体化学配置を有する全てのCDNがそうでなければ同一であるということを指すことは意図されない。例えば、実質的に純粋なCDN R,R cGAMPホスホロチオエート製剤は、R,R c-ジ-GMPホスホロチオエートとR,R c-ジ-AMPホスホロチオエートとの組み合わせを含み得、依然として実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド調製物であり得る。
本明細書中で使用される「保護基」という用語は、通常、合成化学において保護基に関連する意味で、別の非保護の反応部位上で化学反応を選択的に行うことができるように、多官能性化合物中の反応部位を選択的に遮断する基を指す。保護基は、適切なタイミグで除去することができる。例示的な保護基としてアミノ保護基が挙げられ、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(カルボニルベンジルオキシ、CBZ)、Fmoc(9-フルオレニルメトキシカルボニル)、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(BOC)及びトリフルオロアセチルなど;並びにヒドロキシル保護基、例えば、限定するものではないが、エステル形成基及びエーテル形成基、特にテトラヒドロピラニルオキシ、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジルエーテル及びシリルエーテル、例えばTBS(tert-ブチルジメチルシリル)、TBDPS(tert-ブチルジフェニルシリル)などが挙げられる。これらの基のさらなる例は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, “Greene's protective groups in organic synthesis”, 5th edition. John Wiley & Sons., Inc., Hoboken, New Jersey, 2014中に見いだされる。
「脱保護」という用語は、選択的反応が完了した後、保護基を除去する過程を指す。脱保護剤としては、酸、塩基又は水素、特に炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム、アルコール中水酸化リチウム、メタノール中亜鉛、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラジウム触媒又は三臭化ホウ素などが挙げられる。
本明細書中で使用される「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基を指す。特に、アルキル基は、1~14、1~12、1~10、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3又は1~2個の炭素原子を有し得る。好適なC1-14アルキル基の例としては、例えば、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、ジメチルメチル、ジプロピルメチル、エチルブチルメチル、ジエチルメチル、メチルエチルメチル、エチルプロピルメチル、ジエチルエチル、ジエチルプロピル、ジプロピルエチル等などが挙げられる。特定のアルキル基は、1~7個の炭素原子、例えば、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子を有する。
本明細書中で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を指す。特定のハロは、フルオロ又はクロロである。
明確性のため、本明細書中で使用される「グアニン」
Figure 2023546278000009
という用語は、
Figure 2023546278000010
と表すこともできる。本発明の化合物の式中で使用されるホスホロチオエート基は、
Figure 2023546278000011
として示すことができる。
本発明の化合物
別段に示されない限り、本出願全体を通して使用される「本明細書中に記載される化合物」、「本発明の化合物(compounds of the invention)」及び「本発明の化合物(compounds of the present invention)」等の用語は、式(X)の化合物、式(Y)の化合物並びに特定の実施形態の式(I)、(II)、(III)及び(IV)、それらの各下位の式(subformulas)の実施形態、及びそれらの特定の又は好ましい実施形態、それらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物、並びに薬学的に許容されるプロドラッグを包含し、それぞれ上記の定義の項に記載されるとおりである。本発明の化合物は、異性体の混合物として単離してもよく、又は、ラセミ体の分割により、例えばクロマトグラフィー又は分別結晶により調製され得るか、又は光学的に活性な出発物質から合成される個別の異性体として単離してもよい。同様に、本明細書中の「中間体」との言及は、それが特許請求されているか否かに関わらず、文脈が許容する場合、その遊離形態及び上記の誘導体形態を包含することが意図される。
好ましくは、本発明の化合物は、遊離形態であるか又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;最も好ましくは遊離形態であるか又はその薬学的に許容される塩である。
特定の本発明の化合物は、多形形態又は非晶質形態で存在していてもよく、これらもまた本発明の範囲内である。固体結晶形態である場合、本発明の化合物は、別の化学的実体との共結晶の形態であってもよく、本明細書は、このような共結晶の全てを包含する。
特に、一態様において、本発明は、以下の式の環状ジヌクレオチド化合物:
Figure 2023546278000012
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、-OH及び-SHから選択される)、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物を提供し;上記環状ジヌクレオチドの2つのヌクレオシドの少なくとも1つは、細胞毒性効果又は抗ウイルス効果を有し、好ましくはそれらの代謝拮抗性抗がん薬、すなわちヌクレオシド抗がん薬又はそれらの誘導体としては、例えば、限定するものではないが、エノシタビン、フルダラビン、シタラビン、ネララビン、ドキシフルリジン、カペシタビン、アザシチジン、ペントスタチン、クラドリビン、ゲムシタビン及びクロファラビン、より好ましくはクラドリビン、ゲムシタビン及びクロファラビン又はそれらの誘導体などが挙げられる。ここで言及されるヌクレオシド抗がん薬誘導体は、抗がん細胞毒性を保持し、化合物構造中の水素原子又は原子団と、他の原子又は原子団との置換から誘導される化合物を指す。
特定の実施形態において、本発明は、以下の式(Y):
Figure 2023546278000013
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、-OH及び-SHから選択され;
B1は、Xで置換されているアデニン
Figure 2023546278000014
(ここでXは、Cl、F又は-NHC1-6アルキルから選択される)であるか;又はRaで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000015
(ここでRaは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり;
R1及びR1'は、それぞれ独立して、H、F又は-OHから選択され;
B2は、Xで場合により置換されているアデニン
Figure 2023546278000016
(ここでXは、H、F又はClから選択される);Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000017
(ここでRaは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される);又はグアニン
Figure 2023546278000018
(ここでOHは、C1-6アルキルで場合により置換されている)から選択され;
Figure 2023546278000019
は、リン酸結合がペントースの2'位又は3'位に結合しており、且つリン酸と環化していない位置がR2及びR2'で置換されていることを示し;
R2及びR2'は、それぞれ独立して、H、-OH又はFから選択され、;
但しB1又はB2のうちの1つがRaで場合により置換されているシトシンである場合、それが結合しているペントース環上のそれに隣接する炭素原子は、2個のFで置換されている)
の環状ジヌクレオチド化合物、又はその立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ若しくは溶媒和物を提供する。
特定の実施形態において、式(Y)の化合物は、
Figure 2023546278000020
Figure 2023546278000021
(式中、B1、B2、R1、R1'、R2、R2'は、式(Y)の化合物について上記に定義される意味を有する)の化合物であり得る。
特定の実施形態において、本発明の化合物中の2つのホスホロチオエート結合(存在する場合)は、R,R、S,S、S,R若しくはR,S立体配置にあるか又はそれらの混合である。好ましい実施形態において、本発明の化合物中の2つのホスホロチオエート結合(存在する場合)は、実質的に純粋な形態でR,R、S,S、S,R又はR,S立体配置で存在し、特に好ましくは、実質的に純粋なR,R立体配置で存在する。
特定の実施形態において、本発明の化合物中に存在する単一のホスホロチオエート結合は、R立体配置で存在していてもよく、又はS立体配置で存在していてもよく、好ましくはR立体配置で存在する。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B1は、Xで置換されているアデニン
Figure 2023546278000022
(式中、Xは、Cl又はFから選択され、好ましくはClである)であるか、又はRaで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000023
(式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14 アルキルから選択される)である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B1は、Xで置換されているアデニン
Figure 2023546278000024
(式中、Xは、-NHC1-6アルキル、例えば-NHCH3、-NHCH2CH3、-NHCH2CH2CH3であり、好ましくは-NHCH3である)である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000025
(式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、R1とR1'はいずれもHであるか、又は一方がHであり、他方がFであるか、又はいずれもFである。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B2は、Xで場合により置換されているアデニン
Figure 2023546278000026
(式中、Xは、H、F又はClから選択され、好ましくはH又はClである)である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B2は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000027
(式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択されるである)である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000028
である。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、R2とR2'はいずれもHであるか、又は一方がHであり、他方がFであるか、又は一方がHであり、他方がOHであるか、又はいずれもFである。
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の一実施形態において、Raが-C(O)C1-14アルキルである場合、それは、例えば、-C(O)C1-10アルキル、-C(O)C1-9アルキル、-C(O)C1-8アルキル、-C(O)C1-7アルキル、-C(O)CH(C1-4アルキル)2、-C(O)CH(C1-3アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-4 アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-3アルキル)2であり得る。
本発明の式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、上記の実施形態とそれらの好ましい実施形態又は例示的な実施形態との任意の組み合わせも包含する。
さらなる特定の実施形態において、本発明は、以下の一般式を有する式(Y)
Figure 2023546278000029
Figure 2023546278000030
(式中、B1、B2、R1、R1'、R2、R2'は、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物及びそれらの特定の実施形態について上記に定義される意味を有する)の環状ジヌクレオチド化合物を提供する。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物、特に式(II-a)の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000031
であり、B2
Figure 2023546278000032
であり、特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもHであり;別の特定のこのような実施形態において、R1とR1'の一方はHであり、他方はFである。さらに、このような特定の実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又はそれらの一方がHであり、他方がFであるか、又はそれらの一方がHであり、他方がOHである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物、特に式(II-a)の化合物の一実施形態において、B1とB2はいずれも、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000033
であり;特定のこのような実施形態において、R1、R1'、R2及びR2'は全てFである
式(II-a)又は式(II-b)の化合物、特に式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000034
であり、B2
Figure 2023546278000035
であり、特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもHであり;別の特定のこのような実施形態において、R1とR1'の一方はHであり、他方はFである。さらに、このような実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又は一方がHであり、他方がFであるか、又は一方がHであり、他方がOHであり、好ましくは一方がHであり、他方がOHである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物、特に式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000036
であり、B2
Figure 2023546278000037
であり;特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもFである。さらに、このような実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又は一方がHであり、他方がFであるか、又は一方がHであり、他方がOHであり、好ましくは一方がHであり、他方がOHである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、Raは、H、又は-C(O)C1-10アルキル、例えば-C(O)C1-9アルキル、-C(O)C1-8アルキル、-C(O)C1-7アルキル、-C(O)CH(C1-4アルキル)2、-C(O)CH(C1-3アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-4アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-3アルキル)2である。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1は、
Figure 2023546278000038
であり、R1とR1'はいずれもHである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000039
であり、R1とR1'の一方はHであり、他方はFであり;特定のこのような実施形態において、FとB1は、リボースの同じ側にある。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物、特に式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000040
、好ましくは
Figure 2023546278000041
であり、R1とR1'はいずれもHであるか、又はR1とR1'の一方がHであり、他方がFであり、好ましくはR1とR1'の一方がHであり、他方がFである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000042
(式中、RaはHから選択される)であり、R1とR1'はいずれもFである。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、Bは、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000043
(式中、Raは、-C(O)C1-10アルキル、好ましくは-C(O)CH(C1-4アルキル)2である)であり、R1とR1'はいずれもFである。
例示的な実施形態において、Raは、-C(O)CH(CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)2、-C(O)CH(CH3)(CH2CH3)、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、C(O)CH2CH(CH2CH2CH3)2であり、好ましくは、Raは、C(O)CH(CH2CH2CH3)2である。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000044
又はアデニン
Figure 2023546278000045
であり、R2とR2'の一方はHであり、他方は-OH又はFから選択される。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000046
であり、R2とR2'の一方はHであり、他方は-OH又はFから選択される。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、アデニン
Figure 2023546278000047
であり、R2とR2'の一方はHであり、他方は-OH又はFから選択される。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、ハロゲンXで置換されているアデニン
Figure 2023546278000048
(式中、XはClである)であり;R2とR2'の一方はHであり、他方はFであり、好ましくは、F及びB2は、リボースと同じ側にある。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、ハロゲンXで置換されているアデニン
Figure 2023546278000049
(式中、XはClである)であり;R2とR2'はいずれもHである。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000050
(式中、Raは、Hから選択される)であり、R1とR1'はいずれもFである。
式(II-a)の化合物の一実施形態において、B2は、Raで置換されているシトシン
Figure 2023546278000051
(式中、Raは、-C(O)C1-10アルキル、好ましくは-C(O)CH(C1-4 アルキル)2である)であり、R1及びR1'は全てFである。
例示的な実施形態において、Raは、-C(O)C(CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)2、-C(O)CH(CH3)(CH2CH3)、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、C(O)CH2CH(CH2CH2CH3)2であり、好ましくは、Raは、C(O)CH(CH2CH2CH3)2である。
式(II-b)の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000052
又はアデニン
Figure 2023546278000053
であり、R2とR2'の一方はHであり、他方は-OHである。
上記の式(II-a)又は式(II-b)の化合物及びその様々な特定の実施形態において、2つのホスホロチオエート結合は、R,R、S,S、S,R若しくはR,S立体配置であるか又はそれらの混合であり;好ましくは、実質的に純粋な形態のR,R、S,S、S,R又はR,S立体配置、特に好ましくは、実質的に純粋なR,R立体配置である。
式(II-a)又は式(II-b)の化合物について上記に示される特定の実施形態及びそれらの好ましい実施形態又は例示的な実施形態は、式(I-a)又は式(I-b)の化合物、式(III-a)又は式(III-b)の化合物、及び式(IV-a)又は式(IV-b)の化合物にもそれぞれ適用可能であり、すなわち、本発明は、式(I-a)又は式(I-b)の化合物、式(III-a)又は式(III-b)の化合物、式(IV-a)又は式(IV-b)の化合物も包含し、ここで各特定の置換基は、式(II-a)又は式(II-b)の化合物又はその特定の実施形態について上記に示される特定の定義をそれぞれ利用する。
例えば、式(I-a)若しくは式(I-b)、式(III-a)若しくは式(III-b)、又は式(IV-a)若しくは式(IV-b)の化合物、特に式(I-b)、式(III-b)若しくは式(IV-b)の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000054
であり、B2
Figure 2023546278000055
、好ましくは
Figure 2023546278000056
であり;特定のこのような実施形態において、R1とR1'の一方はHであり、他方はFである。さらに、これらの実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'の一方はHであり、他方はOHである。
本発明の式(I-a)/(I-b)、(II-a)/(II-b)、(III-a)/(III-b)又は(IV-a)/(IV-b)の化合物は、上記の実施形態とそれらの好ましい実施形態又は例示的な実施形態との任意の組み合わせも包含する。
なおさらなる特定の実施形態において、本発明は、以下の下位の式の環状ジヌクレオチド化合物:
Figure 2023546278000057
Figure 2023546278000058
を提供し、式中、B1、B2、R1、R1'、R2、R2'は、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物及びそれらの特定の実施形態について上記に定義される意味を有し;さらに特に、式(Ia)/(Ib)、(II-a)/(II-b)、(III-a)/(III-b)又は(IV-a)/(IV-b)の化合物及びそれらの特定の実施形態について上記に定義される意味を有する。
式(II-a’)又は式(II-b’)の化合物、特に式(II-a')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000059
であり、B2
Figure 2023546278000060
であり;特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもHであり;別の特定のこのような実施形態において、R1はFであり、R1'はHであり、すなわち、FとB1はリボースの同じ側にある。さらに、特定の実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又はR2がHであり、R2'がFであるか、又はR2がFであり、R2'がHであるか、又はR2がOHであり、R2'がHである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物、特に式(II-a')の化合物の一実施形態において、B1とB2はいずれも、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000061
であり;特定のこのような実施形態において、R1、R1'、R2、R2'は全てFである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物、特に式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000062
であり、B2
Figure 2023546278000063
であり;特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもHであり;別の特定のこのような実施形態において、R1はFであり、R1'はHであり、すなわち、FとB1はリボースの同じ側にある。さらに、これらの実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又はR2がHであり、R2'がFであるか、又はR2がFであり、R2'がHであるか、又はR2がOHであり、R2'がHであり;好ましくは、R2がOHであり、R2'がHである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物、特に式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000064
であり、B2
Figure 2023546278000065
であり;特定のこのような実施形態において、R1とR1'はいずれもFである。さらに、これらの実施形態のそれぞれにおいて、R2とR2'はいずれもHであるか、又はR2がHであり、R2'がFであるか、又はR2がFであり、R2'がHであるか、又はR2がOHであり、R2'がHであり;好ましくは、R2がOHであり、R2'がHである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物の一実施形態において、Raは、H、又は-C(O)C1-10アルキル、例えば-C(O)C1-9アルキル、-C(O)C1-8アルキル、-C(O)C1-7アルキル、-C(O)CH(C1-4アルキル)2、-C(O)CH(C1-3アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-4アルキル)2、-C(O)CH2CH(C1-3アルキル)2である。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000066
であり、R1とR1'はいずれもHであり、このようにしてB1は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬クラドリビンを形成する。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000067
であり、R1はFであり、R1'はHであり、すなわち、FとB1はリボースの同じ側にあり、このようにしてB1は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬クロファラビンを形成する。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物、特に式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000068
、好ましくは
Figure 2023546278000069
であり、R1とR1'はいずれもHであるか、又はR1がFであり、R1'がHであり、好ましくはR1がFであり、R1''がHである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000070
(式中、RaはHから選択される)であり、R1とR1'はいずれもFであり、このようにしてこのB1は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬ゲムシタビンを形成する。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物の一実施形態において、B1は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000071
(式中、Raは、-C(O)C1-10アルキル、好ましくは-C(O)CH(C1-4 アルキル)2である)であり、R1とR1'はいずれもFであり、このようにしてこのB1は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬であるゲムシタビンのアルカノイル化誘導体を形成する。例示的な実施形態において、Raは、-C(O)CH(CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)2、-C(O)CH(CH3)(CH2CH3)、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH2CH3)2であり、好ましくはRaは、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2である。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000072
であり、R2'はHであり、R2は、-OH又はFから選択される。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、アデニン
Figure 2023546278000073
であり、R2'はHであり、R2は、-OH又はFから選択される。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、ハロゲンXで置換されているアデニン
Figure 2023546278000074
(式中、XはClである)であり、R2はHであり、R2'はFであり、FとB2はリボースの同じ側にあり、このようにしてB2は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬クロファラビンを形成する。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、ハロゲンXで置換されているアデニン
Figure 2023546278000075
(式中、XはClである)であり、R2とR2'はいずれもHであり、このようにしてB2は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬クラドリビンを形成する。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、Raで場合により置換されているシトシン
Figure 2023546278000076
(式中、RaはHから選択される)であり、R1とR1'はいずれもFであり、このようにしてB2は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬ゲムシタビンを形成する。
式(II-a')の化合物の一実施形態において、B2は、Raで置換されているシトシン
Figure 2023546278000077
(式中、Raは、-C(O)C1-10アルキル、好ましくは-C(O)CH(C1-4アルキル)2である)であり、R1とR1'は、いずれもFであり、このようにしてB2は、それが結合しているリボースと一緒になって、ヌクレオシド抗悪性腫瘍薬ゲムシタビンのアルカノイル化誘導体を形成する。例示的な実施形態において、Raは、-C(O)CH(CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)2、-C(O)CH(CH3)(CH2CH3)、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2、-C(O)CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(O)CH2CH(CH2CH2CH3)2であり、好ましくは、Raは、-C(O)CH(CH2CH2CH3)2である。
式(II-b')の化合物の一実施形態において、B2は、グアニン
Figure 2023546278000078
又はアデニン
Figure 2023546278000079
であり、R2'はHであり、R2は-OHである。
式(II-a')又は式(II-b')の化合物について上記に示される特定の実施形態及びそれらの好ましい実施形態又は例示的実施形態は、式(I-a')又は式(I-b')の化合物、式(III-a')又は式(III-b')の化合物、及び式(IV-a')又は式(IV-b')の化合物にもそれぞれ適用可能であり、すなわち、本発明は、式(I-a')又は式(I-b')の化合物、式(III-a')又は式(III-b')の化合物、式(IV-a')又は式(IV-b')の化合物も包含し、ここで各特定の置換基は、式(II-a')若しくは式(II-b')の化合物又はその特定の実施形態のそれぞれについて上記に示される特定の定義を利用する。
例えば、式(I-a')若しくは式(I-b')、式(III-a')若しくは式(III-b')、又は式(IV-a')若しくは式(IV-b')、特に式(I-b')、式(III-b')若しくは式(IV-b')の化合物の一実施形態において、B1
Figure 2023546278000080
であり、B2
Figure 2023546278000081
Figure 2023546278000082
、好ましくは
Figure 2023546278000083
であり;特定のこのような実施形態において、R1はFであり、R1'はHである。さらに、これらの実施形態のそれぞれにおいて、R2のうちの1つはOHであり、R2'はHである。
本発明の化合物が、上記の特定の実施形態のそれぞれを包含し、上記の特定の実施形態の任意の組み合わせ又はサブの組み合わせ(subcombination)の結果として得られる実施形態を包含し、上記の好ましい実施形態又は例示的な実施形態のいずれかの任意の組み合わせの結果として得られる実施形態も包含することに留意すべきである。
本発明の化合物の好ましい特定の実施形態としては、以下の化合物、それらの立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物が挙げられる。
Figure 2023546278000084
Figure 2023546278000085
本発明の化合物の薬理学的活性及び有利な効果
研究を通して、本発明により提供される環状ジヌクレオチド化合物は、以下の薬理学的活性及び有利な効果を有することが見出された:
- THP-1細胞を効果的に刺激してIFN-βを分泌させ、上記の環状ジヌクレオチド化合物がSTING受容体に対して高い親和性を有し、STINGを効果的に活性化し、I型インターフェロンの産生を誘導し得ることを示す;
- マウス結腸直腸がん細胞株CT26のin vitro増殖を効果的に阻害し、腫瘍細胞に対する毒性効果を示し、腫瘍細胞の***及び増殖を防止する;
- 免疫適格CT26同系マウスの両側移植腫瘍モデルにおいて、免疫不全マウスモデルにおける抗腫瘍活性よりも優れた抗腫瘍活性を示し、本化合物が、STINGを活性化することによる腫瘍免疫活性と細胞毒性との両方を有し、相加的及びさらに相乗的な抗腫瘍効果も生じさせたことを示す;
- CT26同系マウス移植腫瘍モデルにおいて、腫瘍再発を効果的に予防し得る免疫記憶機能を示す;
- 肝細胞代謝研究において、好ましい薬物動態特性、例えば比較的長いt1/2及び低いクリアランスを示し、比較的長い投与間隔及び比較的優れた患者コンプライアンスを可能とする;
- 適格な効果及び低減用量による、病変に対する局所投与を可能とし;分子の高い極性が、それらが病変の外側に広がることを制限するため、限定された毒性及び優れた安全性を示す。
医薬組成物
別の態様において、本発明は、本発明の化合物と1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、及び前記組成物の調製のために本発明の化合物を使用する方法を提供する。
組成物又は剤形は、良好な医療行為と一致する様式で製剤化され、投薬され、投与される。この文脈において考慮される因子としては、治療される特定の状態、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的状態、その状態の原因、薬剤の送達部位、投与の方法、投与のタイミング、及び医師に知られている他の因子などが挙げられる。
典型的な医薬組成物又は剤形は、本発明の化合物を担体又は賦形剤と混合することにより調製される。好適な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Gennaro AR et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2000) Lippincott, Williams & Wilkins、Philadelphiaに詳細に記載されている。製剤は、薬(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の洗練された外観を提供するため、又は製剤(すなわち、医薬)の調製に寄与するために、1つ以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤及び他の公知の添加剤も含み得る。
本発明の化合物は、例えば、経口、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外並びに鼻腔内などの任意の好適な様式により、必要であれば、局所治療及び病巣内投与のために投与することができる。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与などが挙げられる。
好ましい実施形態において、本発明の1つ以上の化合物を含む医薬組成物が提供され、ここで前記医薬組成物は、静脈内投与、腫瘍内投与、腫瘍周囲投与又は皮下投与に好適である。本発明の化合物の腫瘍内(腫瘍塊に直接)投与又は腫瘍周囲(腫瘍塊の周囲)投与は、局所浸潤樹状細胞を直接活性化するか、腫瘍細胞のアポトーシスを直接促進するか、又は腫瘍細胞を細胞毒性剤に対して感作させることができる。
本発明の化合物は、例えば、錠剤、粉末剤、カプセル剤、無菌注射調製物、溶液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤等の任意の好都合な投与形態で投与することができる。このような組成物は、医薬製剤中の従来の成分、例えば、希釈剤、担体、pH調節剤、防腐剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、抗酸化剤及び他の活性剤を含有し得る。これらは、他の治療上有益な物質も含有し得る。様々な調製形態は、製剤の分野における従来の方法に従って調製することが可能であり、例えば、Gennaro AR et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2000) Lippincott, Williams & Wilkins、Philadelphia or various national pharmacopoeiasを参照のこと。
好ましい実施形態において、非経口製剤、特に、無毒且つ非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の無菌注射溶液若しくは無菌懸濁液のような無菌注射製剤の形態の、又は凍結乾燥粉末剤として調製される、本発明の1つ以上の化合物を含む医薬組成物が提供される。許容可能なビヒクル又は溶媒の中で、例えば、水、1,3-ブタンジオール、リンゲル溶液又は等張性塩化ナトリウム溶液を採用することが可能であり;さらに、溶媒又は懸濁媒体として、無菌固定油が従来用いられており、この目的のため、任意の軽度固定油(mild fixed oil)を利用することが可能であり、例えば、合成モノグリセリド又はジグリセリド、脂肪酸などが挙げられる。
本発明の化合物の投与用量は広範囲で変動する可能性があり、当然のことながら、各特定の例において、個別の必要性に応じて調整することができる。典型的には、本発明の化合物の全身投与のための有効量は、約0.1μg/kg/日~約50mg/kg/日、例えば0.5μg/kg/日~約10mg/kg/日、1μg/kg/日~約1mg/kg/日である。各投与単位は、0.001μg~10mg、例えば0.01μg~1mg、例えば50μg~500μgを好都合に含有し得る。有効量は、1つ以上の用量で、すなわち、1回、2回又はそれ以上の投与で与えることが可能であり、例えば、1日当たり1回以上、1週間当たり1回又は複数回、又は数日間/数週間毎の投与レジメンに従って、等間隔又は異なる間隔で複数回投与することができる。
使用及び方法
本発明の化合物が、STINGを活性化し、I型インターフェロン、並びに炎症性サイトカイン、例えばIL-6、TNF-α及びIFN-γ等の発現を誘導することが可能であり、その一方で細胞毒性活性を有するという事実に鑑みて、本発明の別の態様は、本発明の化合物の治療的使用及び方法を提供する。
一態様において、本明細書中に記載される化合物又は医薬組成物は、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患の治療又は予防のための、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、例えば炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがんなどの治療又は予防のための治療物質として、又はワクチンアジュバントとして使用することができる。
好ましい実施形態において、本発明の化合物又は組成物は、過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防のための細胞毒性剤として使用される。別の好ましい実施形態において、本発明の化合物又は組成物は、再発腫瘍を治療するため、又は腫瘍再発を予防するために使用される。
好ましい実施形態において、本発明の化合物又は組成物は、ウイルス感染症の治療又は予防のための細胞毒性剤として使用される。
別の態様において、本発明は従って、個体における免疫応答を誘導し、刺激し又は補助する方法であって、個体に本発明の化合物又は医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。一実施形態において、本発明の化合物は、I型インターフェロン並びに炎症性サイトカイン、例えばIL-6、TNF-α及びIFN-γなどの、ヒト又は動物において治療上有用な様々な種類のサイトカインのin vivo産生を誘導してヒト又は動物の免疫系を調節し、特定の治療効果を達成するための免疫療法として個体に投与される。
別の態様において、本発明は従って、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、例えば、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがんなどの治療又は予防のための方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物又は医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防のための方法であって、治療有効量の本発明の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。別の好ましい実施形態において、本発明は、再発腫瘍を治療するか又は腫瘍再発を予防するための方法であって、治療有効量の本発明の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、ウイルス感染症の治療又は予防の方法を提供する。
別の態様において、本発明は従って、免疫応答に関連するか又は免疫応答により媒介される疾患、特にSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、例えば炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがんなどの治療又は予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物又は医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は従って、ワクチンアジュバントの製造における本発明の化合物又は医薬組成物の使用も提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、過剰増殖性疾患、特に腫瘍の治療又は予防のための医薬の製造における、本発明の化合物又は医薬組成物の使用を提供する。別の好ましい実施形態において、本発明は、再発腫瘍を治療するか又は腫瘍再発を予防するための医薬の製造における、本発明の化合物又は医薬組成物の使用を提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、ウイルス感染症を治療又は予防するための医薬の製造における、本発明の化合物又は医薬組成物の使用を提供する。
上記の使用及び方法について、炎症は急性であっても慢性であってもよく、身体の任意の器官又は組織に関与し、例えば、筋骨格炎、血管炎、神経炎、消化器炎、眼炎、生殖系における炎症又は他の炎症などが挙げられ、当然のことながら、自己免疫疾患、並びにアレルギー性疾患、例えば接触性皮膚炎、蕁麻疹及び炎症性の性質の呼吸アレルギーなども挙げられる。
上記の使用及び方法について、自己免疫疾患は、自己抗原に対する身体の免疫応答が、それ自身の組織に損傷をもたらす疾患を指し、例えば、限定するものではないが、全身性エリテマトーデス、乾癬、インスリン依存性糖尿病、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、慢性疲労症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、多発性硬化症、視神経炎、天疱瘡、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、モルフェア、強皮症等などが挙げられる。
上記の使用及び方法について、過剰増殖性疾患は、無制御な若しくは無秩序な細胞増殖又は細胞死を特徴とする対象における生理的状態、特に、例えば固形腫瘍及び血行性腫瘍などの腫瘍又はがんを指し、例えば、限定するものではないが、脳がん、皮膚がん、膀胱がん、卵巣がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、大腸がん、血液がん、肺がん、及び骨がんなどが挙げられる。上記のがんタイプの例としては、神経芽細胞腫、腸がん(例えば、直腸がん、大腸がん、家族性腺腫性ポリポーシスがん、及び遺伝性非リンパ性結腸直腸がん)、食道がん、***がん、喉頭がん、鼻咽頭がん、口腔がん、唾液腺がん、腹膜がん、軟部組織肉腫、尿路上皮がん、汗腺腫がん、胃がん、腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、腎がん、腎実質性がん、卵巣がん、子宮頸がん、体がん(corpus carcinoma)、子宮内膜がん、膵臓がん、前立腺がん、精巣がん、乳がん(HER2陰性乳がんを含む)、泌尿器がん、メラノーマ、脳腫瘍(例えば、膠芽細胞腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄質腫瘍、及び末梢性神経外胚葉性腫瘍)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CLL)、及びリンパ球性がん、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞リンパ腫、びまん性リンパ腫(DLBCL)、肝がん、多発性骨髄腫、精上皮腫、骨肉腫、軟骨肉腫、肛門管がん、副腎皮質がん、脊索腫、卵管がん、消化管間質腫瘍、骨髄増殖性障害、中皮腫、胆道がん、ユーイング肉腫、及びその他の希少腫瘍型、並びに上記の腫瘍の再発形態などが挙げられる。
好ましい実施形態において、上記の使用及び方法についての過剰増殖性疾患は、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、肝がん、乳がん、卵巣がん、胃がん、前立腺がん、メラノーマ、腎細胞がん、頭頸部がん、膵臓がん、ホジキンリンパ腫、白血病、又は膀胱がんである。
上記の使用及び方法について、ウイルス感染は、ウイルスが様々なチャネルを通じて身体に侵入し、感受性の宿主細胞中で増殖する過程を指す。関与するウイルスとしては、例えば、限定するものではないが、二本鎖DNAウイルス及び一本鎖DNAウイルス、プラス鎖一本鎖RNAウイルス、マイナス鎖一本鎖RNAウイルス及び二本鎖RNAウイルス並びにレトロウイルスなどが挙げられ、例として、B型肝炎ウイルス、TTVウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、帯状疱疹ウイルス、天然痘ウイルス及びワクシニアウイルス、インフルエンザウイルス、豚熱ウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス及びヒト免疫不全ウイルス等がある。本発明により提供される治療的使用及び方法は、上記のウイルス感染症及びそれから引き起こされる疾患のために使用することができる。
上記の本発明の化合物又は組成物のワクチンアジュバントとしての使用及びワクチンアジュバントの製造における使用について、それは、本発明の化合物又は組成物を、ワクチンを用いた治療戦略又は予防戦略においてアジュバントとして使用し得ること、すなわち、本発明の化合物又は組成物が、1つ以上の所定の抗原に対する免疫応答を刺激するために選択される1つ以上のワクチンと共に使用されることを指し、上記ワクチンは、不活性化若しくは弱毒化された細菌又はウイルスを含み、例えば、GM-CSF、CCL-20、CCL3、IL-12p70、FLT-3リガンド、及びサイトカインの1つ以上を発現及び分泌する不活性化腫瘍細胞を含む。
医薬組み合わせ
本発明の化合物の好ましい薬理学的活性に鑑みて、上記の治療的使用又は方法におけるそれらの単独での使用に加えて、これらは、さらなる治療効果を提供するために少なくとも1つの他の治療剤又は療法と組み合わせて使用することもできる。
従って、別の態様において、本発明はまた、本明細書中に記載される環状ジヌクレオチド化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ若しくは溶媒和物又はその医薬組成物と、少なくとも1つの他の治療剤とを含むか、あるいはその両方からなる医薬組み合わせも提供する。
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載される医薬組み合わせと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、例えば、過剰増殖性疾患、ウイルス感染症、又はSTINGに関連するか若しくはSTINGにより媒介される疾患、さらに特に、炎症、アレルギー性疾患若しくは自己免疫疾患、感染性疾患又はがんなどの、疾患の治療又は予防のための、又は疾患の治療又は予防のための医薬の製造における、本明細書中に記載される医薬組み合わせ又はそれを含む医薬組成物の使用を提供する。好ましい実施形態において、上記の使用に関係する疾患は、腫瘍又はウイルス感染症である。
別の態様において、本発明はまた、本発明の化合物が1つ以上の他の治療剤と共に投与される治療方法も提供する。
本発明の医薬組み合わせ及びそれを含む医薬組成物の使用についての炎症、自己免疫疾患、過剰増殖性疾患及びウイルス感染症は、本発明の使用及び方法について上記されるとおりである。
本発明の化合物は、外科手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫抗がん剤などと共に投与することもできる。
本発明と組み合わせて使用される他の治療剤は、本発明の化合物と同時に、別々に又は連続的に、同一の又は異なる投与経路で投与することができる。上記のさらなる治療剤は、単一の医薬組成物として本発明の化合物と共投与してもよく、又は本発明の化合物とは別の個別の単位で、例えば組み合わせ製品として、好ましくはキットの形態で別々に投与してもよく、別々に投与される場合、同時に投与しても連続的に投与してもよく、連続投与は、投与時間が近くても離れていてもよい。これらは、同一の製造業者により調製及び/又は製剤化されてもよく、あるいは異なる製造業者により調製及び/又は製剤化されてもよい。さらに、本発明の化合物及び他の治療剤は、(i) 組み合わせ製品を医師に送る前に(例えば、本発明の化合物と他の薬剤とを含むキットの場合);(ii) 医師自身による投与の直前に(又は医師の指導下で);(iii) 患者自身により、例えば、本発明の化合物と他の治療剤との連続投与中に、組み合わせ療法に付加することができる。
従って、別の態様において、本発明はまた、2つ以上の別個の医薬組成物であって、そのうちの少なくとも1つが本発明の環状ジヌクレオチド化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物を含み、残りの共存する医薬組成物が少なくとも1つの他の治療剤を含む上記医薬組成物と、前記組成物をそれぞれ含むデバイス、例えば、容器、ディスペンサーボトル又は別個のホイルパック、例えば錠剤、カプセル剤用のブリスターパック等とを含むキットも提供する。本発明のキットは、経口剤形及び非経口剤形などの異なる剤形を投与するために、又は異なる組成物を異なる投与間隔で投与するために特に好適である。
上記の他の治療剤は、本発明の1つ以上のさらなる化合物であってもよく、あるいは本発明の化合物と適合する(すなわち互いに悪影響を及ぼさない)か、又は活性が相補的であるか若しくは別の活性を有する、第2の若しくはさらなる(例えば、第3の)治療剤であってもよい。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる他の治療剤としては、例えば、限定するものではないが、ワクチン、アジュバント、免疫チェックポイント阻害剤、T細胞受容体アゴニスト、TLRアゴニスト、治療用抗体、脂質、リポソーム、化学療法剤、免疫調節性細胞株等が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用されるアジュバントは、免疫系を刺激するかあるいは利用して腫瘍細胞上に存在するがん抗原に応答するそれらの性質により有用であり、例えば、限定するものではないが、自然免疫を誘導する脂質、リポソーム、不活性化細菌、自然免疫の活性化を媒介する化合物等が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用される免疫チェックポイント阻害剤は、例えば、CTLA-4経路アンタゴニスト、PD-1経路アンタゴニスト、Tim-3経路アンタゴニスト、Vista経路アンタゴニスト、BTLA経路アンタゴニスト、LAG-3経路アンタゴニスト又はTIGIT経路アンタゴニストから選択される。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用されるT細胞受容体アゴニストとしては、例えば、限定するものではないが、CD28アゴニスト、OX40アゴニスト、GITRアゴニスト、CD137アゴニスト、CD27アゴニスト又はHVEMアゴニストなどが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用されるTLRアゴニストとしては、例えば、限定するものではないが、Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリアデノシン-ポリウリジン(ポリAU)、LPS、細菌フラジェリン、モノホスホリルリピドA(MPL)、イミキモド、レシキモド、ロキソリビン等が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用される化学療法剤としては、例えば、限定するものではないが、アルキル化剤ベースの抗悪性腫瘍薬、プラチナベースの抗悪性腫瘍薬、代謝拮抗剤、抗微小管剤、抗有糸***剤、トポイソメラーゼ阻害剤及び抗腫瘍抗生物質等が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用される治療用抗体としては、例えば、限定するものではないが、ムロモナブ-CD3、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))及びアダリムマブ(Humira(登録商標))、オマリズマブ(Xolair(登録商標))、ダクリズマブ(Zenapax(登録商標))、リツキシマブ(商品名=Rituxan(登録商標))、イブリツモマブ(商品名=Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、Adcetris(登録商標)、アレムツズマブ(Campath-1H(登録商標))、Lym-1(Oncolym(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、ビタキシン、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アブシキシマブ(ReoPro(登録商標))が挙げられる。組み合わせて使用し得る他の治療用抗体としては、プロラクチン受容体阻害剤、HER3阻害剤、EGFR2及び/又はEGFR4阻害剤、M-CSF阻害剤、抗APRIL抗体若しくは抗SIRPa又は抗CD47抗体などが挙げられる。
他の実施形態において、本発明の化合物は、PKC阻害剤、BCR-ABL阻害剤、HSP90阻害剤、pI3K及び/又はmTOR阻害剤、FGFR阻害剤、チトクロームP450阻害剤、HDM2阻害剤、アロマターゼ阻害剤、p53及び/若しくはp53/Mdm2相互作用阻害剤又はCSF-1Rチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせることもできる。
本発明の化合物と組み合わせて使用し得る上記の様々な治療剤及び他の治療剤の例は、WO2016/145102及びWO2018/060323中に見出され得、対応する内容は本明細書中に組み込まれる。
上記の本発明の化合物、医薬組成物、方法、使用、医薬組み合わせ及びキットについては、上記の様々な好ましい実施形態における本発明の環状ジヌクレオチド化合物、それらの立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ若しくは溶媒和物又はそれらの医薬組成物が好ましく、より好ましくは、特定の実施形態において定義される化合物、すなわち、実施例1~26の化合物であり、最も好ましくは、活性実施例において優れた活性を示す化合物である。
上記の本発明の化合物、医薬組成物、方法、使用、医薬組み合わせ及びキットについて、本明細書中に定義される環状ジヌクレオチド化合物の遊離形態の若しくは薬学的に許容される塩又はプロドラッグを使用することが好ましく、好ましくは、本明細書中に定義される実質的に純粋な環状ジヌクレオチド化合物の遊離形態若しくは薬学的に許容される塩又はプロドラッグを使用することが好ましい。
上記の本発明の治療的使用及び方法について、使用又は治療の対象が哺乳動物、好ましくはヒトであることが好ましい。
薬物、又はその薬学的に許容される塩の投与量が本明細書中に記載されている場合、別段に示されない限り、このような用量は、それらの任意の水和物又は溶媒和物を除く遊離塩基の重量に基づくことが理解される。
本発明の化合物の調製方法
一般的な合成方法
本発明の化合物、それらの立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物は、有機合成の技術分野において周知の様々な方法、例えば、以下に示される方法、実施例に示される方法又は当業者により理解される類似の方法などにより調製することができる。
本発明の化合物の合成のための一般的な合成スキームは、以下に示される。個々の反応ステップについて、好適な反応条件は当業者に公知であるか、又はルーチン的に決定することができる。特に、本発明の化合物の合成のための工程ステップは、それ自体公知の反応条件下で、例えば、具体的に挙げられる反応条件下で、溶媒又は希釈剤(例えば、使用される試薬に対して不活性であり、且つ使用される試薬を溶解させることができる溶媒又は希釈剤など)の不在下又は通常は存在下で、触媒、縮合剤又は中和剤(例えばイオン交換体、例えば、H+型のカチオン交換体など)の不存在下又は存在下で、低温、常温又は高温(例えば、約-100℃~約190℃、例えば、約-78℃~約150℃、例えば、約0℃~約125℃、室温、-20~40℃又は還流温度など)での反応及び/又は反応物質の性質に応じて、大気圧で又は密閉容器中で、適切な場合は加圧下で、及び/又は酸素又は窒素などの不活性雰囲気下で実施することができる。
これらの化合物の調製において使用される出発物質及び試薬は、一般的には、市販されているか、又は以下の方法、以下に示される方法と同様の方法、又は当技術分野で公知の方法により調製することができる。合成反応スキームにおける出発物質及び中間体は、必要に応じて、例えば、限定するものではないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどの従来の技術により、単離及び精製することができる。上記物質は、従来の方法、例えば物理定数及びスペクトルデータなどを用いて特性決定することができる。
方法の説明において別段に記載されない限り、任意の特定の反応に適した溶媒としては、例えば:具体的に挙げられる溶媒、又は、例えば、水;エステル、例えば、低級脂肪酸の低級アルキルエステル、例えば酢酸エチル;エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、又は環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン若しくはジオキサン;液体芳香族炭化水素、例えばベンゼン又はトルエン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、又は1-若しくは2-プロパノール、例えばアセトニトリル;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン又はクロロホルム;アミド、例えばN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド;塩基、例えばヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジン;カルボン酸無水物、例えば、低級脂肪鎖カルボン酸無水物、例えば無水酢酸;環式、直鎖又は分岐鎖の炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサン又はイソペンタン;あるいはこれらの溶媒の混合物、例えば水溶液などが挙げられる。このような溶媒混合物は、例えばクロマトグラフィー又は分配による後処理にも使用することができる。
当業者であれば、式Iの化合物における立体中心の存在を認識するであろう。反応の全ての段階で、形成された異性体の混合物は、個々の異性体、例えばジアステレオマー又はエナンチオマーに分離することができるか、又は任意の所望の異性体の混合物、例えばラセミ体、若しくはジアステレオマーの混合物に分離することが可能であり、例えば、EL Eliel, SH Wilen and LN Mander “Stereochemistry of Organic Compounds” (Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい。
以下のスキーム1は、本明細書中に定義される式IIの化合物及びその様々な実施形態を調製するために使用し得る一般的な合成経路を示す。以下のスキームにおける一般式の可変要素は、別段に記載されない限り、本明細書中に定義される化合物における意味又はそれらの各実施形態における意味と同じ意味を有する。
Figure 2023546278000086
式中、P1及びP2は好適なヒドロキシル保護基であり、P3及びP4は好適なヒドロキシル保護基又はアミノ保護基であり、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メチルオキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)などが挙げられる。本発明の化合物の合成スキームにおいて使用される脱保護は、酸性条件下で(例えば、限定するものではないが、酢酸/水、トリフルオロ酢酸/水、等が挙げられる)、塩基性条件下で(例えば、限定するものではないが、アンモニア水、アンモニア/メタノール溶液、等が挙げられる)、又はフッ化物アニオン含有化合物(例えば、限定するものではないが、例えばフッ化テトラブチルアンモニウム、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩等が挙げられる)の存在下で行われる。
スキーム2は、スキーム1における式A及び式Cの化合物の合成経路、並びにその中でさらに使用される中間体の合成を示す。
Figure 2023546278000087
スキーム3は、式Hの化合物が式H-1の化合物(ゲムシタビンプロドラッグLY2334737)である場合の合成経路を示す。
Figure 2023546278000088
スキーム4~7は、スキーム1における式Bの化合物の合成経路、及びその中でさらに使用される中間体の合成を示す。
Figure 2023546278000089
Figure 2023546278000090
スキーム8は、式Dの化合物の合成経路を示す。
Figure 2023546278000091
特に、本発明は、上記の本発明の化合物の調製方法であって、
式Aの化合物
Figure 2023546278000092
(式中、B1、R1、R1'は、本発明の式(II)の化合物又はその様々な特定の実施形態について上記に定義される意味を有し;P1は、好適なヒドロキシル保護基、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i BuCO(イソブチリル)である)
と、式Bの化合物
Figure 2023546278000093
(式中、B2、R2、R2'は、本発明の式(II)の化合物又はその様々な実施形態について上記に定義される意味を有し;P2は好適なヒドロキシル保護基であり、P3及びP4は、それぞれ好適なヒドロキシル保護基又はアミノ保護基、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビ(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)である)
とを、DBUなどの塩基の存在下で反応させるか;
又は、式Cの化合物
Figure 2023546278000094
(式中、B1、R1、R1'及びP1は、式Aの化合物について上記に定義されるとおりである)
と、式Dの化合物
Figure 2023546278000095
(式中、B2、R2、R2'、P2、P3及びP4は、式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
とを、DBUなどの塩基の存在下で反応させて、式Eの化合物
Figure 2023546278000096
を得て、これを、例えば、トリフルオロ酢酸/水、フッ化テトラブチルアンモニウム又はトリエチルアミン三フッ化水素酸塩の条件下で選択的に脱保護して、式Fの化合物
Figure 2023546278000097
(式中、各基は、上記に定義される意味を有する)
を得、
a) R2'=-O(H)であり且つ保護基P3がベンゾイルである場合、式Fの化合物を、DBUなどの塩基の存在下で(-)-PSI試薬と共に環化して、式Gの環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000098
を得、その後、ベンゾイルをアンモニア水又はアンモニアメタノール溶液中で脱保護して、式IIの環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000099
(式中、R2'=-O(H)であり、それぞれの他の基は、式IIの化合物又はその様々な特定の実施形態について上記に定義される意味を有する)
を得るか、
又はb) R2'=-F又は-Hである場合、式Fの化合物を、DBUなどの塩基の存在下で(-)-PSI試薬と共に環化して、式IIの環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000100
(式中、R2'=-F又は-Hであり、それぞれの他の基は、式IIの化合物又はその様々な特定の実施形態について上記に定義される意味を有する)
を得ることを含む、上記方法を提供する。
式A及び式Cの化合物は、以下のとおりに調製することができる:
式Hの化合物の第一級アルコール
Figure 2023546278000101
を、イミダゾールなどの塩基の存在下で選択的に保護し、式Cの化合物
Figure 2023546278000102
を得、これをDBUなどの塩基の存在下で(+)-PSI試薬と反応させて、式Aの化合物
Figure 2023546278000103
(式中、B1、R1、R1'及びP1は、式Aの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Hの化合物が式H-1の化合物(ゲムシタビンプロドラッグLY2334737)である場合、
Figure 2023546278000104
それは、式H-1-1の化合物
Figure 2023546278000105
及び2-プロピルペンタン酸を用いて調製される。
式Bの化合物は、以下のとおり、式B-1の形態で調製することができる:
式Hの化合物
Figure 2023546278000106
の2つのヒドロキシル基を、イミダゾールなどの塩基の存在下で保護し、式B-1-1の化合物
Figure 2023546278000107
を得て、トリフルオロ酢酸/水などの条件下で式B-1-1の化合物の第一級アルコール上の保護基を選択的に除去し、式B-1の化合物
Figure 2023546278000108
(式中、B2、R2、R2'及びP2は、式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Bの化合物は、以下のとおり、式B-2の形態で調製することもできる:
DBU/ピリジンなどの塩基の存在下で、式Cの化合物
Figure 2023546278000109
の第二級アルコールを保護し、式B-2-1の化合物
Figure 2023546278000110
を得、式B-2-1の化合物の第一級アルコール上の保護基を、酢酸/水などの条件下で選択的に除去し、式B-2の化合物
Figure 2023546278000111
(式中、B2、R2、R2'、P1、P2は、式A又は式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Bの化合物は、以下のとおりに、式B-3の形態で調製することもできる:
式B-3-1の化合物
Figure 2023546278000112
の第一級アルコール、及び第二級アルコールのうちの1つを、イミダゾールなどの塩基の存在下で選択的に保護し、式B-3-2の化合物
Figure 2023546278000113
を得て、上記の式B-3-2の化合物の非保護の第二級アルコール及び塩基上のアミノ基を、N-メチルイミダゾールなどの塩基の存在下で塩化ベンゾイルなどの保護基と反応させて、式B-3-3の化合物
Figure 2023546278000114
を得、式B-3-3の化合物の第一級アルコール上の保護基を、トリフルオロ酢酸/水などの条件下で選択的に除去し、式B-3の化合物
Figure 2023546278000115
(式中、B2、R2、R2'、P1、P2及びP3は、式A又は式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Bの化合物は、以下のとおりに、式B-4の形態で調製することもできる:
式B-4-1の化合物
Figure 2023546278000116
の非保護の第二級アルコールを、N-メチルイミダゾールなどの塩基の存在下で、塩化ベンゾイルなどの保護基と反応させて、式B-4-2の化合物
Figure 2023546278000117
を得て、式B-4-2の化合物の第一級アルコール上の保護基を、酢酸/水などの条件下で選択的に除去し、式B-4の化合物
Figure 2023546278000118
(式中、B2、R2、R2'、P1、P2及びP4は、式A又は式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Dの化合物は、以下のとおりに調製することができる:
式Bの化合物
Figure 2023546278000119
を、DBUなどの塩基の存在下で(-)-PSI試薬と反応させて、式Dの化合物
Figure 2023546278000120
(式中、B2、R2、R2'、P2、P3及びP4は、式Bの化合物について上記に定義されるとおりである)
を得る。
以下のスキーム9は、本明細書中に定義される式(Ib)、(II-b)、(III-b)、(IV-b)の化合物及びその様々な実施形態を調製するために使用し得る一般的な合成経路を示す。以下のスキーム中の一般式の可変要素は、別段に記載されない限り、本明細書中に定義される化合物における意味又はそれらの各実施形態における意味と同じ意味を有する。
Figure 2023546278000121
式中、Xは、それぞれ独立して、ヒドロキシル又はメルカプトであり;R1、R1'、B1及びB2はそれぞれ、式(Ib)、(II-b)、(III-b)、(IV-b)並びにそれらの下位一般式(sub-general formulas)及び特定の実施形態のそれぞれについて、上記に定義されるとおりであり;P1及びP2は、好適なヒドロキシル保護基であり、P3及びP4は、好適なヒドロキシル保護基又はアミノ保護基であり、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)などが挙げられる。P5は、リン酸/ホスフェート上の好適なヒドロキシル保護基又はメルカプト保護基であり、例えば、限定するものではないが、シアノエチルなどが挙げられる。
上記の本発明の化合物の合成スキームにおいて使用される脱保護は、酸性条件下(限定するものではないが、例えば、酢酸/水、トリフルオロ酢酸/水等が挙げられる)で、塩基性条件下(限定するものではないが、例えば、アンモニア水、アンモニア/メタノール溶液、メチルアミン/エタノール溶液、水酸化リチウム等が挙げられる)で、又はフッ素アニオン含有化合物(限定するものではないが、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、フッ化アンモニウム等が挙げられる)の存在下で行われる。本発明の化合物の合成スキームにおいて使用される酸化は、例えば、限定するものではないが、ヨウ素の存在下などの条件下で行われ、硫化は、例えば、限定するものではないが、3H-1,2-ベンゾジスルホナール-3-オン(3H-1,2-benzodisulfonol-3-one)の存在下などの条件下で行われる。
スキーム10は、スキーム9における式Jの化合物の合成経路、及びその中でさらに使用される中間体の合成を示す。
Figure 2023546278000122
スキーム11は、式Kの化合物の合成経路、及びその中でさらに使用される中間体の合成を示す。
Figure 2023546278000123
特に、本発明は、上記の本発明の化合物の調製方法であって:
式Jの化合物
Figure 2023546278000124
(式中、B1、R1、R1'は、本発明の式(Ib)、(II-b)、(III-b)、(IV-b)の化合物又はそれらの特定の実施形態について上記に定義される意味を有し;P3は、好適なヒドロキシル保護基、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)などである)
と、式Kの化合物
Figure 2023546278000125
(式中、B2は、本発明の式(Ib)、(II-b)、(III-b)、(IV-b)の化合物又はそれらの特定の実施形態について上記に定義される意味を有し;P1、P2は、好適なヒドロキシル保護基であり、P4は、好適なヒドロキシル保護基又はアミノ保護基、例えば、限定するものではないが、TBS(tert-ブチルジメチルシリル)、DMTr(ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、i-BuCO(イソブチリル)などである)
とを、塩基(例えば、DBU)の存在下で反応させるか、
又は、式Jの化合物と、式Lの化合物
Figure 2023546278000126
(式中、B2、P1、P2及びP4は、式Kの化合物について上記に定義されるとおりである)
とを、テトラゾールの存在下で反応させて、酸化又は硫化させ(ここで、酸化条件としては、限定するものではないが、ヨウ素、tert-ブチルヒドロペルオキシド等の使用が挙げられ、硫化条件としては、限定するものではないが、N,N-ジメチル-N'-(3-チオキソ-3H-1,2,4-ジチアゾール-5-イル)ホルムアミジン(DDTT)、3H-1,2-ベンゾジスルホナール(disulfonol)-3-オン等の使用が挙げられ;保護基の導入及び除去は、当業者に周知の標準的な方法に従って行われる)、
式Mの化合物
Figure 2023546278000127
(式中、XはOH又はSHであり、P5は、リン酸/ホスフェート上の好適なヒドロキシル保護基又はメルカプト保護基、例えば、限定するものではないが、シアノエチルなどである)
を得、式Mの化合物を、例えば、水酸化リチウムの条件下で選択的に脱保護して、式Nの化合物
Figure 2023546278000128
(式中、各基は上記に定義される意味を有する)
を得、
a) 式Nの化合物を、DBUなどの塩基の存在下で(+)-PSI試薬又は(+)-PSI試薬と反応させて、式Oの化合物
Figure 2023546278000129
を得、その後、酢酸/水溶液中でP1保護(例えば、DMTr)を除去して、式Pの化合物
Figure 2023546278000130
を得、DBUなどの塩基の存在下で式Pの化合物を環化して、式Qの環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000131
を得、フッ化アンモニウムなどの条件下でP4保護(例えば、TBS)を除去して、R2がOHでありR2'がHである式(Ib)、(II-b)、(III-b)又は(IV-b)の環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000132
(式中、各基は上記に定義される意味を有する)
を得、
b) 又は、式Nの化合物と、亜リン酸ジフェニルとを、DBUなどの塩基の存在下で反応させて、式Rの化合物
Figure 2023546278000133
を得、その後、酢酸/水溶液中でP1保護(例えば、DMTr)を除去して、式Sの化合物
Figure 2023546278000134
を得、式Sの化合物を塩化ピバロイルなどの活性化試薬の存在下で環化し、酸化又は硫化させて、式Qの環状ジヌクレオチド化合物、
Figure 2023546278000135
を得、その後、フッ化アンモニウムなどの条件下でP4保護(例えば、TBS)を除去して、R2がOHであり且つR2'がHである式(Ib)、(II-b)、(III-b)又は(IV-b)の環状ジヌクレオチド化合物
Figure 2023546278000136
(式中、各基は上記に定義される意味を有する)
を得る
ことを含む、上記方法を提供する。
式Jの化合物は、以下のとおりに調製することができる:
式Cの化合物
Figure 2023546278000137
の第二級アルコールを、N-メチルイミダゾールなどの塩基の存在下で保護して、式J-1の化合物
Figure 2023546278000138
を得て、式J-1の化合物を選択的に脱保護して、式Jの化合物
Figure 2023546278000139
(式中、各基は、上記に定義されるとおりである)
を得る。
式Kの化合物は、以下のとおりに調製することができる:
式K-1の化合物
Figure 2023546278000140
を、DBUなどの塩基の存在下で(+)-PSI試薬と反応させて、式Kの化合物
Figure 2023546278000141
(式中、各基は、上記に定義されるとおりである)
を得る。
上記の合成方法及びスキームにおいて使用される実験の材料及び試薬は、別段に特定されない限り、商業的に得ることができるか、先行技術の方法に従って調製することができるか、又は本開示に開示されている方法と同様の方法に従って調製することができる。上記の合成方法及びスキームにおいて使用される合成条件は、別段に特定されない限り、当業者がルーチン的に決定することができる。
本発明はまた、本明細書中に記載される様々な調製方法及びスキームにおける任意のステップで中間体として得ることができる化合物を出発物質として用いて残りの工程ステップを実施する調製方法、あるいは、出発物質がin situにおいて反応条件下で形成されるか、又は誘導体の形態、例えば保護形態若しくは塩形態で使用されるか、又は本発明による方法により得ることができる化合物が、工程条件下で生成され、さらにin situで処理される調製方法にも関する。
本発明は、実施例を参照することにより、以下にさらに示される。以下の実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではないことに留意すべきである
構造式中に明らかな誤りがない限り、本発明の任意の化合物の化学名が、所与の構造式と一致しない場合、構造式が優先するものとする。
以下の実施例中で特定の条件が示されない実験方法は、通常、このタイプの反応の従来の条件に従うか、又は製造業者により提案される条件に従う。以下の実施例において使用される実験材料及び試薬は、別段に特定されない限り、市販の供給源から得ることができるか、先行技術の方法に従って調製することができるか、又は本出願に開示されている方法と同様の方法に従って調製することができる。
別段に示されない限り、パーセント及び部は重量に基づき;液体の比は体積に基づき;別段に示されない限り、温度は全てセルシウス度で示される。
以下の実施例において、1H NMRスペクトル 31P NMRスペクトルは、通常、Bruker 400 MHz NMR及び500 MHz NMR核磁気共鳴装置により記録され、化学シフトはδ(ppm)で表され;質量スペクトルは、Agilent 1290液体クロマトグラフィー+6120B質量分析計LCMS液体クロマトグラフィー-質量分析により記録された。シリカゲルカラム精製は、Biotage SelektSEL-2SV又はISO-1SVにより実施し;分取液体クロマトグラフィー精製は、Gilson 281(カラム:Waters Xbridge 19 x 250mm、5μm又はWELCH C18, 21.2 x 250mm, 10μm;移動相A:水(10mM NH4HCO3又は0.05%ギ酸)、B:アセトニトリル(又は0.05%ギ酸を含有);流量:20~30mL/分;検出波長:214nm/254nm)により実施したか、あるいは別段に記載されている。
以下の略語は下記の合成実施例において使用され、列挙されていない各略語は、当業者に一般的に理解される意味を有する。
略語のリスト
Figure 2023546278000142
合成実施例
中間体1の調製:2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン
Figure 2023546278000143
2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン(2.50g、8.25mmol)のDMF溶液(15mL)に、イミダゾール(1.12g、16.5mmol)とtert-ブチルジメチルクロロシラン(1.31g、8.66mmol)を連続的に加え、結果として得られた混合物を20~25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)中に注ぎ、酢酸エチル(各100mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(各100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(2:3)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(2.53g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (s, 1H), 7.89 (brs, 2H), 6.33 (dd, J = 12.0, 4.8 Hz, 1H), 6.00 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.28 (dt, J = 52, 4.8 Hz, 1H), 4.50-4.30 (m, 1H), 3.98-3.73 (m, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.07 (s, 6H)。
中間体2の調製:(2S,3aR,6S,7aR)-2-((2R,3R,4S,5R)-5-(6-アミノ-2-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-3a-メチル-6-(イソプロピル-1-エン-2-イル)ヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン2-スルフィド
Figure 2023546278000144
0℃のTHF中の中間体1(1.00g、2.40mmol)及び(+)-PSI試薬(1.39g、3.12mmol)の溶液(10mL)に、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(474mg、3.12mmol)を加え、結果として得られた混合物を0~5℃で1時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機相を、10%リン酸ニ水素ナトリウム水溶液(50mL)と飽和ブライン(50mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(3:7)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(1.50g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.09 (s, 1H), 6.52-6.40 (m, 1H), 6.23 (brs, 2H), 5.55-5.40 (m, 1H), 5.30-5.06 (m, 2H), 4.92 (s, 1H), 4.52-4.40 (m, 1H), 4.20-4.12 (m, 1H), 4.08-3.90 (m, 2H), 2.62-2.52 (m, 1H), 2.36-2.23 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 1H), 2.02-1.80 (m, 3H), 1.80-1.62 (m, 7H), 0.93 (s, 9H), 0.12 (s, 6H). 31P NMR (162 MHz, CDCl3) δ 101.9。
中間体3の調製:2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン
Figure 2023546278000145
中間体3は、2'-デオキシアデノシンから、中間体1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.29 (s, 1H), 7.82 (brs, 2H), 6.26 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.45-4.32 (m, 1H), 3.90-3.76 (m, 1H), 3.73-3.60 (m, 2H), 2.75-2.61 (m, 1H), 2.37-2.25 (m, 1H), 0.84 (s, 9H), 0.02 (s, 6H)。
中間体4の調製:(2S,3aR,6S,7aR)-2-((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-3a-メチル-6-(プロピル-1-エン-2-イル)ヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン2-スルフィド
Figure 2023546278000146
中間体4は、中間体3と(+)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.65 (s, 1H), 6.59-6.52 (m, 1H), 5.49-5.40 (m, 1H), 5.09 (s, 1H), 4.92 (s, 1H), 4.52-4.40 (m, 2H), 4.25-4.12 (m, 2H), 3.96 (s, 2H), 2.90-2.81 (m, 1H), 2.69-2.56 (m, 2H), 2.20-2.08 (m, 2H), 2.02-1.80 (m, 3H), 1.80-1.62 (m, 7H), 0.91 (s, 9H), 0.14 (s, 6H). 31P NMR (162 MHz, CDCl3) δ 100.6。
中間体5の調製:5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000147
中間体5は、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジンから、中間体1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.37 (brs, 2H), 6.29 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.14 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.15-4.02 (m, 1H), 3.98-3.73 (m, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).MS-ESI [M+H]+: 378.2。
中間体6の調製:4-アミノ-1-((2R,4R,5R)-5-((tert-ブチルジメチルシリル(オキシ)メチル)-3,3-ジフルオロ-4-(((2S,3aR,6S,7aR)-3a-メチル-6-(プロピル-1-エン-2-イル)-2-チオヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキシチオホスホラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン
Figure 2023546278000148
中間体6は、中間体5と(+)-PSI試薬から、中間体の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.73 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.34 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.36-5.24 (m, 1H), 5.04 (s, 1H), 4.87 (s, 1H), 4.55-4.43 (m, 1H), 4.17-4.06 (m, 1H), 4.05-3.86 (m, 2H), 2.66-2.52 (m, 1H), 2.30-2.05 (m, 2H), 2.02-1.80 (m, 3H), 1.80-1.62 (m, 7H), 0.92 (s, 9H), 0.13 (s, 3H), 0.12 (s, 3H)。
31P NMR (162 MHz, CDCl3) δ 103.0. MS-ESI [M+H]+: 624.2。
中間体7の調製:N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000149
0℃のピリジン(20mL)中の2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン塩酸塩(2.00g、6.67mmol)の溶液に、トリメチルクロロシラン(3.61g、33.4mmol)を滴下添加し、結果として得られた混合物を、0~5℃で2時間撹拌した。一方で、カルボニルジイミダゾール(1.19g、7.33mmol)を、アセトニトリル(20mL)中の2-プロピル吉草酸(1.06g、7.33mmol)の溶液に少しずつ加え、結果として得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。次いで、得られたアセトニトリル混合物を、先の0℃のピリジン混合物に滴下添加し、結果として得られた混合物を45℃で16時間撹拌した。上記の混合物にエタノール(20mL)を加え、45℃で0.5時間撹拌した。その後、上記の混合物に水(20mL)を加え、45℃で1時間撹拌した。結果として得られた反応溶液を回転蒸発させて乾燥させ、水(50mL)で希釈した。上記の混合物のpHを、2N塩酸水溶液で2~3に調整し、酢酸エチル(各50mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、水(各50mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(2:3)で溶出するシリカゲルカラムで精製し、白色固体(1.20g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.06 (brs, 1H), 8.25 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.17 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.32-5.25 (m, 1H), 4.25-4.10 (m, 1H), 3.97-3.75 (m, 2H), 3.70-3.58 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 1H), 1.56-1.42 (m, 2H), 1.38-1.10 (m, 6H), 0.85 (t, J = 7.6 Hz, 6H). MS-ESI [M+H]+: 390.2。
中間体8の調製:N4-(2-プロピルペンタノイル)-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000150
中間体8は、中間体7から、中間体1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.07 (brs, 1H), 8.27 (brs, 1H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.45-6.30 (m, 1H), 4.46-4.33 (m, 1H), 4.12-4.00 (m, 2H), 3.91 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 2.25-2.12 (m, 1H), 1.71-1.60 (m, 2H), 1.56-1.42 (m, 2H), 1.40-1.25 (m, 4H), 1.05-0.85 (m, 15H), 0.13 (s, 6H)。
中間体9の調製:N-(1-((2R,4R,5R)-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-3,3-ジフルオロ-4-(((2S,3aR,6S,7aR)-3a-メチル-6-(プロピル-1-エン-2-イル)-2-チオヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキシチオホスホラン-2-イル)オキシテトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-プロピルペンタンアミド
Figure 2023546278000151
中間体9は、中間体8と(+)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.63 (brs, 1H), 8.29-8.15 (m, 1H), 7.60-7.48 (m, 1H), 6.48-6.39 (m, 1H), 5.40-5.25 (m, 1H), 5.04 (s, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.55-4.45 (m, 1H), 4.28-4.05 (m, 1H), 4.00-3.88 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 1H), 2.46-2.35 (m, 1H), 2.33-2.23 (m, 1H), 2.20-1.80 (m, 5H), 1.79-1.60 (m, 8H), 1.58-1.45 (m, 2H), 1.45-1.25 (m, 4H), 0.98-0.85 (m, 15H), 0.15 (d, J = 4.0 Hz, 6H)。
中間体10の調製:N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン
Figure 2023546278000152
ピリジン(10mL)中の中間体1(1.53g、3.67mmol)の溶液に、ビス(4-メトキシフェニル)ベンジルクロリド(1.49g、4.40mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。次いで、ビス(4-メトキシフェニル)ベンジルクロリド(497mg、1.47mmol)と1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(669mg、4.40mmol)を連続的に加え、結果として得られた混合物を20~25℃で16時間撹拌した。その後、ビス(4-メトキシフェニル)ベンジルクロリド(1.49g、4.40mmol)と1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(669mg、4.40mmol)を連続的に加え、結果として得られた混合物を20~25℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機相を飽和ブライン(各100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(5:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(2.60g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.00 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.50-7.10 (m, 18H), 6.90-6.78 (m, 8H), 6.33-6.20 (m, 1H), 4.46-4.30 (m, 2H), 4.25-4.15 (m, 1H), 3.76-3.68 (m, 12H), 3.55-3.49 (m, 2H), 0.76 (s, 9H),-0.08 (s, 3H), -0.11 (s, 3H)。
中間体11の調製: N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-3'-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-デオキシ-2’-フルオロ-ベータ-アデノシン
Figure 2023546278000153
テトラヒドロフラン(15mL)中の中間体10(2.60g、2.55mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.33g、5.10mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(30mL)で希釈した。有機相を水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(2:3)で溶出するシリカゲルカラムで精製し、白色固体(1.20g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.50-7.10 (m, 18H), 6.90-6.78 (m, 8H), 6.30-6.18 (m, 1H), 4.86 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.30-4.10 (m, 3H), 3.76-3.68 (m, 12H), 3.49-3.30 (m, 2H)。
中間体12の調製: N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ビス(4-メトキシフェニル)塩基)ベンジル-2'-デオキシアデノシン
Figure 2023546278000154
ピリジン(10mL)中の中間体3(1.80g、4.51mmol)の溶液に、ビス(4-メトキシフェニル)ベンジルクロリド(3.81g、11.3mmol)と1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(743mg、11.3mmol)を加え、結果として得られた混合物を20~25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(各50mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(各50mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(3:7)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(2.50g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.19 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.50-7.10 (m, 18H), 6.95-6.78 (m, 8H), 6.28-6.18 (m, 1H), 4.36-4.28 (m, 1H), 4.00-3.88 (m, 1H), 3.80-3.65 (m, 12H), 3.50-3.41 (m, 1H), 3.40-3.30 (m, 1H), 2.33-2.25 (m, 1H), 1.88-1.76 (m, 1H), 0.71 (s, 9H), -0.14 (s, 6H)。
中間体13の調製: N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-3'-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-デオキシアデノシン
Figure 2023546278000155
中間体13は、中間体12から、中間体11の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.50-7.10 (m, 18H), 6.95-6.77 (m, 8H), 6.24 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.83 (brs, 1H), 4.39-4.28 (m, 1H), 3.85-3.65 (m, 13H), 3.22-3.12 (m, 1H), 2.35-2.21 (m, 1H), 1.88-1.70 (m, 1H)。
中間体14の調製:3'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2’,2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000156
DMF(50mL)中の2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン塩酸塩(3.00g、10.0mmol)の溶液に、イミダゾール(3.41g、50.0mmol)とtert-ブチルジメチルシリルクロリド(4.53g、30.0mmol)を連続的に加え、結果として得られた混合物を、20~25℃で2時間撹拌し、次いで60℃で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(100mL)と水(100mL)の混合物中に注いだ。有機相を分離し、水(100mL)と飽和ブライン(100mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(9:2)で溶出するシリカゲルカラムで精製し、白色固体(2.70g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.53 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.40 (brs, 2H), 6.17 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.40-4.22 (m, 1H), 3.98-3.83 (m, 2H), 3.78-3.70 (m, 1H), 1.00-0.75 (m, 18H), 0.15-0.00 (m, 12H)。
中間体15の調製:3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000157
0℃にて、中間体14(1.00g、2.04mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)、トリフルオロ酢酸(5mL)及び水(5mL)の混合物中に溶解させ、0~5℃で2時間撹拌した。反応混合物のpHを飽和重炭酸ナトリウム水溶液で約9に調整し、次いで酢酸エチル(50mL)と水(50mL)の混合物中に注いだ。有機相を分離し、飽和ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(17:3)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(620mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.50-7.35 (m, 2H), 6.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.26 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.40-4.22 (m, 1H), 3.86-3.72 (m, 2H), 3.68-3.50 (m, 1H), 0.88 (s, 9H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+:378.2。
中間体16の調製: N4-(2-プロピル-ペンタノイル)-3'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000158
25℃にて、アセトニトリル(5mL)中の2-プロピル吉草酸(322mg、2.24mmol)の溶液にカルボニルジイミダゾール(363mg、2.24mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を、0℃のピリジン(10ml)中の中間体14(1.0g、2.03mmol)の溶液に滴下添加した。結果として得られた混合物を45℃で16時間撹拌し、得られた反応溶液を回転蒸発させて乾燥させ、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(各30mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、水(各50mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(1:1)によるシリカゲルカラムで精製し、白色固体(430mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.39-4.29 (m, 1H), 4.02 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.81 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.50-2.30 (m, 1H), 1.49-1.44 (m, 2H), 1.33 (q, J = 7.6 Hz, 6H), 0.99-0.80 (m, 24H), 0.13 (s, 9H), 0.10 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+: 619.4。
中間体17の調製: N4-(2-プロピル-ペンタノイル)-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン
Figure 2023546278000159
中間体17は、中間体16から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.38 (s, 1H), 8.00 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.25 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.49-4.40 (m, 1H), 4.08 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.02-3.90 (m, 1H), 3.88-3.75 (m, 1H), 2.51 (s, 1H), 2.40-2.30 (m, 1H), 1.75-1.55 (m, 2H), 1.52-1.41 (m, 2H), 1.38-1.28 (m, 4H), 0.95-0.85 (m, 15H), 0.14 (d, J = 2.8 Hz, 6H). MS-ESI [M+H]+:504.2。
中間体18: 5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-tert-ブチルジメチルシリル-アデノシン、及び
中間体19: 5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-アデノシン
室温(10℃)にて、テトラヒドロフラン(40mL)中のアデノシン(3.35g、12.5mmol)の溶液に、トリエチレンジアミン(7.0g、62.5mmol)と硝酸銀(5.08g、28.8mmol)を連続的に加えた。この混合物を、室温(10℃)で30分間撹拌し、次いで、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(4.71g、30mmol)を加え、結果として得られた混合物を10℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を水(50mL)でクエンチし、その後酢酸エチル(各50mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(各100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、中間体18(1.0g、白色固体)を得た。酢酸エチルで溶出し、中間体19(4.4g、白色固体)を得た。
中間体18:
Figure 2023546278000160
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 6.11 (d, J =4.8 Hz, 1H), 5.72 (brs, 2H), 4.64 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.31-4.26 (m, 1H), 4.24-4.20 (m, 1H), 4.02 (dd, J = 11.6, 2.8 Hz, 1H), 3.87 (dd, J = 11.6, 2.8 Hz, 1H), 2.76 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 0.96 (s, 9H), 0.84 (s, 9H), 0.18-0.11 (m, 6H), -0.05 (s, 3H), -0.12 (s, 3H)。
中間体19:
Figure 2023546278000161
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 6.03 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.75 (brs, 2H), 4.56 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.12 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 3.92 (dd, J = 11.6, 3.6 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 11.2, 2.8 Hz, 1H), 3.31 (brs, 1H), 0.95 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.17 (s, 6H), 0.06 (s, 3H), -0.01 (s, 3H)。
中間体20 (Ontermediate 20)の調製: N4-ベンゾイル-2'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ベンゾイル-アデノシン
Figure 2023546278000162
室温(25℃)にて、ジクロロメタン(10mL)中の中間体18(500mg、1.01mmol)とN-メチルイミダゾール(248mg、3.03mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(354.4mg、2.52mmol)を滴下添加した。結果として得られた混合物を室温で16時間反応させた。反応溶液を水(20mL)でクエンチし、有機相を分離し、水性相をジクロロメタン(各20mL)で2回抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(20mL)で1回洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(1:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(400mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.36 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.15-8.10 (m, 2H), 8.08-8.05 (m, 2H), 7.70-7.55 (m, 2H), 7.55-7.47 (m, 4H), 6.33 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.63-5.50 (m, 1H), 4.89 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 0.99 (s, 9H), 0.65 (s, 9H), 0.19 (d, J = 4.4 Hz, 6H), -0.10 (s, 3H), -0.26 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+:704.3。
中間体21の調製: N4-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ベンゾイル-アデノシン
Figure 2023546278000163
中間体21は、中間体20から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.86 (s, 1H), 8.17-8.09 (m, 3H), 8.08-8.03 (m, 2H), 7.66 -7.60 (m, 2H), 7.55 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 5.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 4.51 (s, 1H), 4.08-4.03 (m, 1H), 3.93 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 0.62 (s, 9H), -0.10 (s, 3H), -0.43 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+:591.2。
中間体22の調製: N4-ベンゾイル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-2'-ベンゾイル-アデノシン
Figure 2023546278000164
中間体22は、中間体19と塩化ベンゾイルから、中間体20の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.02 (brs, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.08-7.99 (m, 4H), 7.64-7.49 (m, 4H), 7.47-7.39 (m, 2H), 6.54 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.81 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.84 (dd, J = 4.8, 3.6 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 6.0, 3.2 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 11.6, 3.2 Hz, 1H), 3.85 (dd, J = 11.6, 2.8 Hz, 1H), 0.95 (s, 9H), 0.84 (s, 9H), 0.18-0.11 (m, 6H), 0.03--0.05 (m, 6H)。
中間体23の調製: N4-ベンゾイル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-2'-ベンゾイル-アデノシン
Figure 2023546278000165
中間体23は、中間体22から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.08 (brs, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.08-7.98 (m, 4H), 7.67-7.41 (m, 6H), 6.32 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.01 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 13.2, 1.6 Hz, 1H), 3.84 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 0.89 (s, 9H), 0.11 (s, 3H), 0.00 (s, 3H)。
中間体24の調製: N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン
Figure 2023546278000166
中間体24は、N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシンから、中間体20の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] +:874.3。
中間体25の調製: N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン
Figure 2023546278000167
中間体24(5.50g、6.30mmol)を、氷酢酸(60mL)と水(10mL)の混合物中に溶解させ、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、酢酸エチル(各25mL)と2回共蒸発させた。粗生成物を、酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(2.2 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.15 (brs, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.15-8.02 (m, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.68-7.56 (m, 1H), 7.55-7.42 (m, 2H), 5.80 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 5.6, 1.2 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.98 (dd, J = 7.2, 5.6 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.06-3.82 (m, 2H), 2.78-2.62 (m, 1H), 1.35-1.25 (m, 6H), 0.66 (s, 9H), -0.09 (s, 3H), -0.33 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+:572.3。
中間体26の調製: N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-2'-ベンゾイル-グアノシン
Figure 2023546278000168
中間体26は、N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシンから、中間体20の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] + :874.3。
中間体27の調製: N2-イソブチリル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-2'-ベンゾイル-グアノシン
Figure 2023546278000169
中間体27は、中間体26から、中間体25の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.06 (brs, 1H), 8.24 (brs, 1H), 8.01-7.96 (m, 2H), 7.83 (s, 1H), 7.62-7.55 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.13 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.81 (dd, J = 7.2, 5.6 Hz, 1H), 4.80 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 4.30-4.25 (m, 1H), 4.02 (dd, J = 12.8, 2.0 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 2.71-2.60 (m, 1H), 1.30-1.28 (m, 6H), 0.83 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.00 (s, 3H)。
中間体28の調製: 2'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン
Figure 2023546278000170
中間体28は、グアノシンから、中間体18の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H]+:513.3。
中間体29の調製: 2'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ベンゾイル-グアノシン
Figure 2023546278000171
中間体29は、中間体28から、中間体20の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.04 (brs, 1H), 8.14-8.09 (m, 2H), 7.94 (s, 1H), 7.61 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.09 (s, 2H), 6.00 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.53 (s, 1H), 4.76 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.01 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.93 (dd, J = 11.6, 2.4 Hz, 1H), 0.97 (s, 9H), 0.70 (s, 9H), 0.16 (d, J = 3.2 Hz, 6H), -0.09 (s, 3H), -0.16 (s, 3H). MS-ESI [M-H]-:615.3。
中間体30の調製: 2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-ベンゾイル-グアノシン
Figure 2023546278000172
中間体30は、中間体29から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.71 (brs, 1H), 8.05 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 7.75-7.68 (m, 1H), 7.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.51 (s, 2H), 5.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 5.6, 1.6 Hz, 1H), 5.42 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 4.39-4.25 (m, 1H), 4.20-4.00 (m, 1H), 0.57 (s, 9H), -0.12 (s, 3H), -0.29 (s, 3H). MS-ESI [M-H]-:501.3。
中間体31の調製: 3'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン
Figure 2023546278000173
DMF(10mL)中の2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン(1.10g、4.09mmol)の溶液に、イミダゾール(1.81g、26.6mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(50mg、0.41mmol)を加え、その後、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(2.16g、14.3mmol)を加え、結果として得られた混合物を15~20℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(各100mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(3:2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(1.90g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 6.25 (dd, J = 16.0, 2.4 Hz, 1H), 5.66 (brs, 2H), 5.48-5.20 (m, 1H), 4.79-4.62 (m, 1H), 4.18-3.95 (m, 2H), 3.85-3.72 (m, 1H), 1.00-0.80 (m, 18H), -0.05-0.18 (m, 12H). MS-ESI [M+H]+:498.4。
中間体32の調製: 3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン
Figure 2023546278000174
中間体31は、中間体31から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.38 (brs, 2H), 6.22 (dd, J = 16.4, 3.6 Hz, 1H), 5.70-5.40 (m, 1H), 5.29 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.80-4.62 (m, 1H), 4.02-3.90 (m, 1H), 3.79-3.68 (m, 1H), 3.63-3.48 (m, 1H), 0.90 (s, 9H), 0.14 (s, 3H), 0.13 (s, 3H)。
中間体33の調製: (2R,3aS,6R,7aS)-2-((2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-3-((tertブチルジメチルシリル)オキシ)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3a-メチル-6-(プロピル-1-エン-2-イル)ヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン2-スルフィド
Figure 2023546278000175
中間体33は、中間体32と(-)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.36 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 6.30-6.18 (m, 1H), 5.58 (brs, 2H), 5.50-5.22 (m, 1H), 4.80-4.62 (m, 3H), 4.50-4.25 (m, 4H), 2.59-2.48 (m, 1H), 2.33-2.20 (m, 1H), 2.15-2.02 (m, 1H), 1.99-1.76 (m, 3H), 1.75-1.55 (m, 7H), 0.93 (s, 9H), 0.19 (s, 3H), 0.15 (s, 3H)。
中間体34の調製: 3'-5'-ジ-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-グアノシン
Figure 2023546278000176
中間体34は、2'-デオキシ-2'-フルオログアノシンから、中間体31の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.69 (brs, 1H), 7.84 (s, 1H), 6.52 (brs, 2H), 6.00 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 52.0 Hz, 1H), 4.62-4.45 (m, 1H), 3.98-3.86 (m, 2H), 3.74 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 0.93 -0.85 (m, 18H), 0.20-0.00 (m, 12H). MS-ESI [M+H]+:515.3。
中間体35の調製: 3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-グアノシン
Figure 2023546278000177
中間体35は、中間体34から、中間体15の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.71 (brs, 1H), 7.97 (s, 1H), 6.56 (s, 2H), 5.36 (dd, J = 52.5, 5.0 Hz, 1H), 5.20 (s, 1H), 4.52 (dd, J = 12.6, 6.4 Hz, 1H), 3.96-3.89 (m, 1H), 3.70 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 0.89 (s, 9H), 0.12 (s, 6H). MS-ESI [M+H]+:401.2。
中間体36の調製: 2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-フルオロ-5-((((2R,3aS,6R,7aS)-3a-メチル-6-(プロピル-1-エン-2-イル)-2-チオヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン
Figure 2023546278000178
中間体36は、DMF中の中間体35と(-)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] + :646.4。
中間体37の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-3'-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000179
アセトニトリル(3mL)中の中間体2(280mg、0.422mmol)と中間体11(383mg、0.422mmol)の溶液に、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(192mg、1.27mmol)を加え、結果として得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機相を、水(25mL)と飽和ブライン(25mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(7:3)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(260mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.91 (brs, 3H), 7.45-7.10 (m, 18H), 6.95-6.76 (m, 8H), 6.32-6.15 (m, 2H), 5.40-5.18 (m, 2H), 5.00-4.80 (m, 2H), 4.40-4.02 (m, 3H), 3.85-3.62 (m, 15H), 0.84 (s, 9H), 0.01 (s, 6H)。
中間体38の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[N6-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2-クロロ-3'-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-2'-デオキシアデノシン]
Figure 2023546278000180
中間体38は、テトラヒドロフランとアセトニトリルの混合溶液中の中間体4と中間体13から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.82 (brs, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.39-7.10 (m, 16H), 6.95-6.78 (m, 8H), 6.32-6.10 (m, 2H), 4.90-4.80 (m, 1H), 4.43-4.36 (m, 1H), 4.15-4.08 (m, 1H), 3.85-3.40 (m, 17H), 2.50-2.20 (m, 4H), 0.81 (s, 9H), 0.00 (s, 3H), -0.02 (s, 3H)。
中間体39の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000181
中間体39は、テトラヒドロフランとアセトニトリルの混合溶液中の中間体6と中間体15から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.58 (brs, 1H), 7.79-7.60 (m, 2H), 7.48-7.25 (m, 4H), 6.28-6.05 (m, 2H), 5.76 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 2H), 5.00-4.85 (m, 1H), 4.38-4.25 (m, 1H), 4.15-3.80 (m, 6H), 0.95-0.80 (m, 18H), 0.18-0.00 (m, 12H)。
中間体40の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[N4-(2-プロピルペンタノイル)-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000182
中間体40は、中間体17と中間体9から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (brs, 1H), 11.02 (brs, 1H), 8.32 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.36-7.30 (m, 2H), 6.28-6.15 (m, 2H), 4.97 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 4.40-4.30 (m, 1H), 4.17 (s, 1H), 4.08 (q, J = 9.1, 8.5 Hz, 2H), 4.04*3.99 (m, 2H), 3.93 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.62 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 1.60-1.45 (m, 4H), 1.42-1.27 (m, 4H), 1.25-1.20 (m, 9H), 1.00-0.75 (m, 30H), 0.11 (d, J = 3.0 Hz, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
中間体41の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000183
中間体41は、中間体21と中間体2から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (brs, 1H), 9.10 (brs, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.12 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 4H), 7.89 (s, 2H), 7.75-7.61 (m, 2H), 7.60-7.45 (m, 4H), 6.33 (dd, J = 18.0, 4.0 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.30 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 5.04 (s, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.21 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 4.18-4.08 (m, 3H), 4.00-3.92 (m, 1H), 3.92-3.85 (m, 1H), 0.85 (s, 9H), 0.49 (s, 9H), 0.05 (s, 6H), -0.12 (s, 3H), -0.42 (s, 3H). MS-ESI [(M+2H)/2]+: 543.7。
中間体42の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000184
中間体42は、中間体21と中間体4から、中間体37の経路を経て得られた。MS-ESI [(M+H)] + : 1067.2。
中間体43の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000185
中間体43は、N,N'-ジメチルホルムアミド中の中間体23と中間体2から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.23 (brs, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.11 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 7.64 (dd, J = 6.8, 6.0 Hz, 2H), 7.65-7.45 (m, 4H), 6.51 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.32 (dd, J = 18.8, 3.6 Hz, 1H), 5.92 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 5.55-5.30 (m, 1H), 5.11-4.98 (m, 1H), 4.83 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 4.29 (s, 1H), 4.28-4.15 (m, 1H), 4.15-4.05 (m, 1H), 4.00-3.89 (m, 2H), 3.87-.80 (m, 1H), 0.85 (s, 9H), 0.76 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 6H), -0.09 (s, 3H). MS-ESI [M+H]+: 1085.3。
中間体44の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]
Figure 2023546278000186
中間体44は、DMF中の中間体2と中間体25から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.59 (brs, 1H), 12.11 (brs, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.14 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.08-7.85 (m, 4H), 7.80-7.50 (m, 3H), 6.35 (dd, J = 18.0, 4.0 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.68 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.55-5.38 (m, 2H), 5.15-4.98 (m, 1H), 4.52-4.40 (m, 1H), 4.20-3.95 (m, 5H), 2.90-2.80 (m, 1H), 1.25-1.05 (m, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.53 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), -0.13 (s, 3H), -0.38 (s, 3H). MS-ESI [(M-2H)/2]-: 532.2。
中間体45の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]
Figure 2023546278000187
中間体45は、DMF中の中間体4と中間体25から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.76 (brs, 1H), 12.12 (brs, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.81 (brs, 2H), 7.70-7.50 (m, 3H), 6.29 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.76-5.65 (m, 1H), 5.55-5.45 (m, 1H), 5.10-4.96 (m, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.30-4.20 (m, 1H), 4.10-3.75 (m, 3H), 2.98-2.83 (m, 1H), 2.81-2.55 (m, 2H), 1.20-1.05 (m, 6H), 0.84 (s, 9H), 0.54 (s, 9H), 0.03 (s, 6H), -0.11 (s, 3H), -0.36 (s, 3H). MS-ESI [(M+2H)/2]+: 525.3。
中間体46の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]
Figure 2023546278000188
中間体46は、DMF中の中間体6と中間体25から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.49 (brs, 1H), 12.09 (brs, 1H), 8.39 (brs, 1H), 8.05 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.78-7.50 (m, 4H), 7.40 (brs, 2H), 6.19 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.49-5.35 (m, 1H), 5.10-4.90 (m, 1H), 4.45 (s, 1H), 4.20-3.80 (m, 5H), 2.95-2.77 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 0.89 (s, 9H), 0.54 (s, 9H), 0.15-0.05 (m, 6H), -0.10 (s, 3H), -0.37 (s, 3H). MS-ESI [(M+2H)/2]+: 514.3。
中間体47の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[2'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000189
中間体47は、DMF中の中間体30と中間体9から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.10 (brs, 1H), 10.60 (brs, 1H), 8.22 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.02 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.68 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.51 (brs, 2H), 6.23 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.09 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H),5.02-4.95 (m, 1H), 4.41 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.18-3.92 (m, 4H), 2.70-2.55 (m, 1H), 1.65-1.50 (m, 2H), 1.45-1.30 (m, 2H), 1.28-1.15 (m, 4H), 0.96-0.88 (m, 12H), 0.87-0.80 (m, 9H), 0.53 (s, 9H), -0.11 (s, 3H), -0.31 (s, 3H). MS-ESI [(M-2H)/2]-: 540.3。
中間体48の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-tert-ブチルジメチルシリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000190
中間体48は、DMF中の中間体27と中間体2から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.53 (brs, 1H), 12.13 (brs, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.14 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.98-7.80 (m, 4H), 7.64 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 6.36 (dd, J = 18.0, 4.0 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.88 (dd, J = 7.2, 5.2 Hz, 1H), 5.60--5.43 (m, 1H), 5.19-5.05 (m, 1H), 4.72 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.29-4.22 (m, 1H), 4.22-4.09 (m, 2H), 4.08-3.91 (m, 3H), 2.96-2.86 (m, 1H), 1.18-1.09 (m, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.72 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), 0.00 (s, 3H), -0.02 (s, 3H)。
中間体49の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-tert-ブチル-ジメチルシリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000191
中間体49は、DMF中の中間体27と中間体4から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.55 (brs, 1H), 12.14 (brs, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.94-7.76 (m, 4H), 7.65 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 6.33-6.21 (m, 2H), 5.95-5.85 (m, 1H), 5.10-5.02 (m,1H), 4.75 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.31-4.23 (m, 2H), 4.22-4.15 (m, 1H), 4.14-4.09 (m, 1H), 3.91-3.78 (m, 2H), 2.93-2.86 (m, 1H), 2.76-2.71 (m, 1H), 2.68-2.60 (m, 1H),1.20-1.10 (m, 6H), 0.84 (s, 9H), 0.74 (s, 9H), 0.07-0.00 (m, 9H), -0.10 (s, 3H)。
中間体50の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[3'-O-tert-ブチル-ジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]
Figure 2023546278000192
中間体50は、DMF中の中間体32と中間体2から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (s, 1H), 8.18-8.08 (m, 2H), 7.92 (brs, 2H), 7.34 (brs, 2H), 6.32-6.20 (m, 2H), 5.50 (dt, J = 52.0, 4.4 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 52.0 Hz, 1H), 5.05-4.94 (m, 1H), 4.78-4.65 (m, 1H), 4.14-4.06 (m, 3H), 3.95-3.70 (m, 3H), 0.90-0.75 (m, 18H), 0.10 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 0.04 (s, 6H)。
中間体51の調製:[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]
Figure 2023546278000193
中間体51は、中間体3と中間体33から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.51 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.82 (brs, 2H), 7.31 (brs, 2H), 6.30-6.15 (m, 2H), 5.69 (dt, J = 52.4, 4.0 Hz, 1H), 5.00-4.86 (m, 1H), 4.80-4.65 (m, 1H), 4.19-4.00 (m, 3H), 3.99-3.85 (m, 1H), 3.78-3.62 (m, 2H), 2.75-2.62 (m, 1H), 2.60-2.50 (m, 1H), 0.88 (s, 9H), 0.81 (s, 9H), 0.14 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), -0.01 (s, 3H)。
中間体52の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[3'-O-tert-ブチル-ジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]
Figure 2023546278000194
中間体52は、DMF中の中間体1と中間体36から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.64 (brs, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.93-7.82 (m, 3H), 6.54 (brs, 2H), 6.36-6.25 (m, 1H), 6.00 (dd, J = 14.8, 4.8 Hz, 1H), 5.58-5.28 (m, 2H), 5.15-4.98 (m, 1H), 4.60-4.50 (m, 1H), 4.15-4.00 (m, 3H), 3.98-3.88 (m, 3H), 0.86 (s, 18H), 0.10-0.04 (m, 12H)。
中間体53の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]
Figure 2023546278000195
中間体53は、DMF中の中間体3と中間体36から、中間体37の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.65 (brs, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.80 (brs, 2H), 6.55 (brs, 2H), 6.25 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.03-5.95 (m, 1H), 5.47 (d, J = 52.0 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.65-4.50 (m, 1H), 4.19 (s, 1H), 4.15-4.00 (m, 3H), 3.99-3.85 (m, 1H), 3.82 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.76-3.69 (m, 1H), 2.75-2.60 (m, 1H), 0.88 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.02 (s, 6H). MS-ESI [(M-H)]-: 875.4。
中間体54の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000196
中間体37(260mg、0.188mmol)を、テトラヒドロフラン(2mL)、トリフルオロ酢酸(2mL)及び水(1mL)の混合物に溶解させ、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、メタノール(5mL)で希釈し、上記の混合物のpHを飽和重炭酸ナトリウム水溶液で約8~9に調整した。回転蒸発させて乾燥させた後、これを再度メタノール(5mL)で希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、結果として得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(7:3)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(120mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.88 (brs, 4H), 6.40-6.18 (m, 2H), 6.06 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.45-5.12 (m, 2H), 5.04 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.00-4.85 (m, 1H), 4.50-4.40 (m, 1H), 4.18-3.90 (m, 4H), 3.75-3.58 (m, 2H). MS-ESI [M-H]-:682.8。
中間体55の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]
Figure 2023546278000197
テトラヒドロフラン(5mL)中の中間体38(150mg、0.110mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(34mg、0.132mmol)を加え、結果として得られた混合物を、25℃で3時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、氷酢酸(2mL)と水(0.5mL)の混合溶液中に溶解させ、25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(3:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(45mg)を得た。MS-ESI [MH]-:647.0。
中間体56の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000198
テトラヒドロフラン(5mL)中の中間体39(350mg、0.421mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(329mg、1.26mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(3:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(130mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.45-7.25 (m, 4H), 6.30 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 6.20-6.05 (m, 2H), 5.89-5.70 (m, 2H), 5.13 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.90-4.75 (m, 1H), 4.20-4.00 (m, 2H), 4.00-3.60 (m, 5H)。
中間体57の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000199
中間体57は、中間体40から、中間体56の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] + :858.2, [(M+2H)/2] + : 429.1。
中間体58の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-3'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000200
中間体58は、中間体41から、中間体56の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] + :857.0。
中間体59の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-3'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000201
中間体59は、中間体42から、中間体56の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H] + :839.0。
中間体60の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N6-ベンゾイル-2'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000202
テトラヒドロフラン(5mL)中の中間体43(250mg、0.23mmol)の溶液に、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(223mg、1.38mmol)を加え、30℃で16時間撹拌した。反応混合物をトリエチルアミンでpH7~8に中和した。結果として得られた混合物を回転蒸発させて乾燥させ、得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(8:2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(160mg)を得た。MS-ESI [M+H] + :857.1。
中間体61の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000203
中間体61は、中間体44から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.56 (brs, 1H), 12.11 (brs, 1H), 8.35-8.20 (m, 2H), 8.10-8.00 (m, 2H), 7.91 (brs, 2H), 7.75-7.45 (m, 3H), 6.38-6.18 (m, 1H), 6.00-5.75 (m, 2H), 5.70-5.21 (m, 2H), 5.16-4.90 (m, 2H), 4.50-4.36 (m, 1H), 4.28-4.00 (m, 2H), 3.90-3.58 (m, 2H), 3.00-2.82 (m, 1H), 1.36-1.05 (m, 6H). MS-ESI [M-H]-: 837.0。
中間体62の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000204
中間体62は、中間体45から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.72 (brs, 1H), 12.13 (brs, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.98-7.81 (m, 3H), 7.71-7.62 (m, 1H), 7.60-7.43 (m, 1H), 6.38-6.20 (m, 1H), 5.99-5.70 (m, 2H), 5.70-5.57 (m, 1H), 5.40-5.28 (m, 1H), 5.18-4.93 (m, 2H), 4.42 (s, 1H), 4.32-4.00 (m, 3H), 3.75-3.52 (m, 2H), 2.93-2.81 (m, 1H), 2.80-2.62 (m, 1H), 1.20-1.05 (m, 6H). MS-ESI [M+H]+: 821.2。
中間体63の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000205
中間体63は、中間体46から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.42 (brs, 1H), 12.12 (brs, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.08 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.80-7.53 (m, 4H), 7.48-7.34 (m, 2H), 6.24-6.12 (m, 1H), 5.97-5.87 (m, 1H), 5.86-5.76 (m, 1H), 5.57 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.30-5.18 (m, 1H), 5.17-5.05 (m, 1H), 4.95-4.75 (m, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.25-3.70 (m, 6H), 2.90-2.77 (m, 1H), 1.20-1.05 (m, 6H)。
中間体64の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]-(3',5')-[3'-O-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000206
中間体64は、中間体47から、中間体56の経路を経て得られた。MS-ESI [(M+2H)/2] + :428.0。
中間体65の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000207
中間体65は、中間体48から、中間体56の経路を経て得られた。MS-ESI[MH]-:837.0。
中間体66の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン]-(3',5')-[N2-イソブチリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]
Figure 2023546278000208
中間体66は、中間体49から、中間体56の経路を経て得られた。MS+ESI [M+H] + :821.1。
中間体67の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]
Figure 2023546278000209
中間体67は、中間体50から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.91 (brs, 2H), 7.35 (brs, 2H), 6.32-6.20 (m, 2H), 5.88 (brs, 1H), 5.55-5.30 (m, 2H), 5.18-4.87 (m, 2H), 4.53 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.18-4.08 (m, 2H), 4.10-4.02 (m, 1H), 4.01-3.92 (m, 1H), 3.75-3.59 (m, 2H). MS-ESI [M+H]+:651.0。
中間体68の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]
Figure 2023546278000210
中間体68は、中間体51から、中間体56の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.84 (brs, 2H), 7.31 (brs, 2H), 6.30-6.18 (m, 2H), 5.90 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.45 (dt, J = 52.0, 3.6 Hz, 1H), 5.12-4.90 (m, 2H), 4.60-4.45 (m, 1H), 4.18-4.00 (m, 3H), 3.99-3.85 (m, 1H), 3.65-3.50 (m, 2H), 2.70-2.55 (m, 1H), 2.50-2.40 (m, 1H)。
中間体69の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-(3',5')-[2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]
Figure 2023546278000211
中間体69は、中間体52から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.64 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.88 (brs, 2H), 6.54 (brs, 2H), 6.28 (dd, J = 18.0, 3.6 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 16.0, 3.6 Hz, 1H), 5.80 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.44 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.04 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.95 (t, J = 14.8 Hz, 1H), 4.42 (dt, J = 10.4, 5.6 Hz, 1H), 4.11-3.99 (m, 3H), 3.98-3.89 (m, 1H), 3.77-3.60 (m, 2H). MS-ESI [M+H]+:667.2。
中間体70の調製: [3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]-(3',5')-[2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]
Figure 2023546278000212
中間体69は、中間体53から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.67 (brs, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.85 (brs, 2H), 6.58 (brs, 2H), 6.26 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.03 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.38 (d, J = 52.8 Hz, 1H), 5.10 (s, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.46 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.20-4.00 (m, 4H), 4.00-3.90 (m, 1H), 3.70-3.50 (m, 2H), 2.78-2.60 (m, 1H). MS-ESI [M-H]-:647.2。
中間体71の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N6-ベンゾイル-3'-ベンゾイル-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000213
DMF(10mL)中の中間体58(95mg、0.11mmol)と(-)-PSI試薬(150mg、0.33mmol)の溶液に、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(253mg、1.66mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、酢酸エチル(20mL)で再沈殿させた。得られた固体を酢酸エチル(20mL)でスラリー化し、濾過して乾燥させて、粗生成物(200mg)を得、これを次の反応で直接使用した。MS-ESI [M+2+H] + : 937.0。
中間体72の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N6-ベンゾイル-3'-O-ベンゾイル-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]
Figure 2023546278000214
DMF(10mL)中の中間体59(210mg、0.25mmol)と(-)-PSI試薬(335mg、0.75mmol)の溶液に、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(570mg、3.75mmol)を加え、結果として得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、酢酸エチル(20mL)で再沈殿させた。得られた固体を酢酸エチル(20mL)でスラリー化し、濾過して乾燥させて、粗生成物を得た。粗生成物を分取液体クロマトグラフィー(添加剤として10mM重炭酸アンモニウム)で精製し、凍結乾燥後に白色固体(15.8mg)を得て、これを次の反応で直接使用した。MS-ESI [M+H] + : 917.0。
中間体73の調製: (3',3')-シクロ-ビス-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N6-ベンゾイル-2'-O-ベンゾイル-アデノシン]
Figure 2023546278000215
中間体73は、中間体60と(-)-PSI試薬から、中間体71の経路を経て得られた。MS-ESI [MH]-: 932.8。
中間体74: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン] - 異性体1、及び中間体75: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン] - 異性体2の調製
Figure 2023546278000216
中間体74及び中間体75は、中間体61と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。
中間体74: MS-ESI [MH]-: 844.8, 保持時間:4.96分;
中間体75: MS-ESI [MH] - : 844.9, 保持時間: 5.20分。分析LCMS: Agilent 1100+G1946D LCMS, 4.6 x 150mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM NH4HCO3水溶液、B:アセトニトリル、流量1.0mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~0.1分、5%B;0.1~8分、5~95%B;8~15分、95%B。
中間体76: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン] - 異性体1、及び中間体77: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン] - 異性体2の調製
Figure 2023546278000217
中間体76及び中間体77は、中間体62と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。
中間体76:MS-ESI [MH]-: 897.2, 保持時間: 1.69分;
中間体77:MS-ESI [MH] - : 897.2, 保持時間:1.74分。分析LCMS:Agilent 1100+G1946D LCMS, 4.6 x 50mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM NH4HCO3水溶液、B:アセトニトリル、流量1.8分/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~0.1分、5%B;0.1~2.5分、5~95%B;2.5~5分、95%B。
中間体78の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000218
中間体78は、中間体63と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。中間体78:MS-ESI [(M-2H)/2]-: 437.0。
中間体79の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-3'-O-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000219
中間体79は、中間体64と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。MS-ESI [MH]-: 931.0。
中間体80: (3',3')-シクロ-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン] - 異性体1、及び
中間体81: (3',3')-シクロ-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン] - 異性体2
Figure 2023546278000220
中間体80及び81は、中間体65と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。
中間体80: MS-ESI [MH]-: 915.0, 保持時間:1.50分;
中間体81: MS-ESI [MH] - :915.0、保持時間:1.53分。分析LCMS: Agilent 1100+G1946D LCMS, 4.6 x 50mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM NH4HCO3 水溶液、B:アセトニトリル、流量1.8mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~0.2分、5%B;0.2~1.5分、5~95%B;1.5~3分、95%B。
中間体82の調製: (3',3')-シクロ-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-2'-ベンゾイル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン]
Figure 2023546278000221
中間体82は、中間体66と(-)-PSI試薬から、中間体72の経路を経て得られた。MS-ESI [MH]-: 896.8。
中間体83の調製: 2-クロロ-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-ベンゾイル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン
Figure 2023546278000222
中間体83は、中間体1から、中間体20の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.95 (brs, 2H), 7.72 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.58 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.50 (dd, J = 16.6, 4.0 Hz, 1H), 5.80-5.77 (m, 1H), 5.75-5.66 (m, 1H), 4.32 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 0.86 (s, 9H), 0.06 (s, 6H)。
中間体84の調製: 2-クロロ-3'-O-ベンゾイル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン
Figure 2023546278000223
中間体84は、中間体83から、中間体60の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.99 (brs, 2H), 7.74 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.60 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.55 (dd, J = 18.2, 3.6 Hz, 1H), 5.81-5.78 (m, 1H), 5.77-5.66 (m, 1H), 4.35 (q, J = 4.4 Hz, 1H), 3.89-3.80 (m, 2H)。
中間体85の調製: N-(9-((2R,3R,4R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-((2S,3aR,6S,7aR)-3a-メチル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-2-チオ-ヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-6-オキシ-6,9-ジヒドロ-1H-プリン-2-イル)イソブチルアミド
Figure 2023546278000224
中間体85は、N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシンと(+)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.11 (s, 1H), 11.62 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.31-7.22 (m, 7H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.00 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.67-5.59 (m, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.42 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.06-4.02 (m, 1H), 3.73 (s, 6H), 3.41-3.35 (m, 2H), 3.24 (dd, J = 12.0 Hz, 1H), 2.82-2.73 (m, 1H), 2.07 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 1.93-1.83 (m, 2H), 1.76-1.65 (mf, 6H), 1.54 (s, 3H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 0.83 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 3H)。
中間体86の調製: [2'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[2-クロロ-3'-O-ベンゾイル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000225
中間体86は、DMF中の中間体84と中間体85から、中間体37の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H]+: 1255.0。
中間体87の調製: [2'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000226
中間体86(1.0g、0.8mmol)を、テトラヒドロフラン/水/メタノール8:4:1の混合溶液(10mL)に加え、0℃に冷却し、水酸化リチウム一水和物(54mg、1.6mmol)を加え、結果として得られた混合物を、0℃で20分間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(各50mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(各100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、酢酸エチル:メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、白色固体(733mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.02 (s, 1H), 11.67 (s, 1H), 8.21 (t,J= 5.2 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.84 (s, 2H), 7.37 (d,J= 7.6 Hz, 2H), 7.29-7.14 (m, 7H), 6.87-6.77 (m, 4H), 6.23 (dd,J= 13.9, 4.5 Hz, 1H), 6.08-5.98 (m, 2H), 5.49-5.38 (m, 1H), 5.23-5.04 (m, 1H), 4.66-4.59 (m, 1H), 4.35-4.24 (m, 1H), 3.99-3.95 (m, 1H), 3.77-3.71 (m, 2H), 3.71-3.63 (m, 7H), 3.22-3.00 (m, 2H), 2.79-2.68 (m, 1H), 1.12-1.07 (m, 6H), 0.82 (s, 9H), 0.13 (d,J= 13.4 Hz, 6H)。
中間体88の調製; O-((2R,3R,4S,5R)-5-(6-アミノ-2-クロロ-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-((2R,3aS,6R,7aS)-3a-メチル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-2-チオヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン-2-イル)メチル)-O-((2R,3R,4R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(2-イソブチルアミノ-6-オキシ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3-イル)-(R)-ホスホロチオエート-ジエステル
Figure 2023546278000227
中間体88を、テトラヒドロフラン中の中間体87と(-)-PSI試薬から、中間体2の経路を経て粗生成物として調製し、次の反応で直接使用した。MS-ESI [M+H-DMTr] + : 1095.0。
中間体89の調製: O-((2R,3R,4S,5R)-5-(6-アミノ-2-クロロ-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-((2R,3aS,6R,7aS)-3a-メチル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-2-チオヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]オキサチオホスホラン-2-イル)メチル)-O-((2R,3R,4R,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(2-イソブチルアミノ-6-オキシ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3-イル)-(R)-ホスホロチオエート-ジエステル
Figure 2023546278000228
中間体89は、中間体88から、中間体25の経路を経て得られた。MS-ESI [M+H]+:1095.0。
中間体90の調製: (2',3')-シクロ-(Rp,Sp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000229
中間体89(90mg、0.082mmol)を無水DMF(7mL)中に溶解させ、4A分子篩(90mg)を添加し、撹拌し、窒素下に室温(28℃)で0.5時間乾燥させた。次いで、DBU (75.0mg、0.492mmol)をシリンジで加え、室温(28℃)で0.5時間撹拌し、濾過のためにセライトを加えた。濾液を回転蒸発させて乾燥させ、粗生成物中間体90(100mg、粗生成物)を得、これを次の反応で直接使用した。
MS-ESI [M+H]+:926.8。
中間体91の調製: (2R,3R,4S,5R)-5-(6-アミノ-2-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((((((2R,3R,4R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(2-イソブチルアミノ-6-オキシ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(2-シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-テトラヒドロフラン-3-イルベンゾエート
Figure 2023546278000230
中間体84(500mg、1.23mmol)と、(2R,3R,4R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(2-イソブチルアミノ-6-オキシ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3-イル(2-シアノエチル)ジイソプロピルホスホラミド(1.78g、1.84mmol)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(8mL/8mL)の混合溶液中で溶解させ、4A分子篩(500mg)を添加し、窒素保護下に室温(28℃)で0.5時間撹拌した。次いでアセトニトリル中テトラゾール(8.17mL、0.45M)の溶液をシリンジで加え;室温(28℃)で2時間撹拌した後、70%tert-ブタノールペルオキシド(520.9mg、4.05mmol、0.544mL)を添加し、室温(28℃)で20分間撹拌し、50%チオ硫酸ナトリウム五水和物水溶液(5mL)でクエンチし;濾過のためにセライトを加え、濾液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(20mL、2回)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮により得られた粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(10:1~1:10)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、混合物(1.9g)を得、これを次のステップで直接使用した。MS-ESI [M+H]+:1296.0。
中間体92の調製: [2'-O-ホスホジエステル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000231
中間体91(1g、0.775mmol)に、エタノール中33%メチルアミン(8mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液を回転蒸発させて乾燥させ、C18逆相カラムで精製し、水(0.1%重炭酸アンモニウム含有):アセトニトリル(3:2)で溶出し、凍結乾燥後にピンク色の固体(550mg)が得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.65 (s, 1H), 8.18 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.93-7.77 (m, 2H), 7.38-7.15 (m, 10H), 7.13-6.92 (m, 2H), 6.90-6.77 (m, 4H), 6.49-6.20 (m, 4H), 5.92 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.26-5.09 (m, 2H), 4.61-4.24 (m, 3H), 3.98-3.82 (m, 3H), 3.79-3.67 (m, 7H), 0.79 (s, 9H), 0.14-0.02 (m, 6H). MS-ESI [M+H]+: 1064.8。
中間体93の調製: [2'-O-ホスホジエステル-5'-O-ビス(4-メトキシフェニル)ベンジル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[2-クロロ-3'-O-ホスファイト-モノエステル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000232
窒素保護下で0℃にて、ジフェニルホスファイト(137mg、0.47mmol)を、ピリジン(8mL)中の中間体92(250mg、0.235mmol)、DBU(143mg、0.94mmol)及び4A分子篩の溶液に加え、結果として得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液を濾過し、回転蒸発させて乾燥させ、次の反応に直接使用した。MS-ESI [M+H]+: 1129.8。
中間体94の調製: [2'-O-ホスホジエステル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[2-クロロ-3'-O-ホスファイト-モノエステル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000233
中間体94は、中間体93から、中間体25の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.88 (s, 2H), 6.55 (s, 2H), 6.27 (dd, J = 17.2, 4.0 Hz, 1H), 6.00-5.70 (m, 3H), 5.44-5.21 (m, 1H), 5.09-4.98 (m, 1H), 4.87-4.71 (m, 1H), 4.47 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.07-3.97 (m, 1H), 3.91-3.73 (m, 3H), 3.56-3.49 (m, 5H), 0.89 (s, 9H), 0.14 (s, 6H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 1.72, -1.58. MS-ESI [M+H]+: 826.8。
中間体95の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホジエステル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-[3'-O-ホスホジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000234
0℃にて、ピリジン(15mL)中の中間体94(55mg、0.067mmol)の溶液に塩化ピバロイル(48mg、0.40mmol)を加え、結果として得られた反応溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、それにアセトニトリル(0.5mL)中のヨウ素(26mg、0.10mmol)と水(0.1mL)との混合溶液を加え、結果として得られた反応溶液を室温で16時間撹拌した。反応溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチし、その後回転蒸発させて乾燥させ、水(0.1%重炭酸アンモニウム含有):アセトニトリル(4:1)で溶出するC18逆相カラム上で精製し、凍結乾燥させて、白色固体(20mg)を得た。MS-ESI [M+H] + : 825.0。
中間体96の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-[3'-O-ホスホジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000235
中間体96は、[2'-O-ホスホジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-(2',5')-[N6-ベンゾイル-2-クロロ-3'-O-ホスファイト-モノエステル-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]から、中間体95の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.92 (s, 1H), 12.12 (s, 1H), 11.54 (s, 1H), 8.55 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.06 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.71-7.61 (m, 1H), 7.59-7.51 (m, 3H), 6.47 (dd, J = 21.6, 2.4 Hz, 1H), 5.97-5.74 (m, 2H), 5.60-5.40 (m, 1H), 5.12-5.00 (m, 1H), 4.41 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.27-4.15 (m, 1H), 4.13-3.94 (m, 5H), 2.97-2.84 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 1H), 1.09 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.93 (s, 9H), 0.20 (d, J = 8.6 Hz, 6H)。
中間体97の調製: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホジエステル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-[3'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000236
中間体97は、中間体92を(+)-PSI試薬と反応させて、その後脱保護して環化し、分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量は25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、20%B;2~14分、20~40%B;14~14.2分、40~95%B;14.2~18分、95%B;化合物の保持時間:12.5分)で精製することにより、中間体95の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.59 (s, 1H), 8.18 (d,J = 2.4 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.45 - 6.98 (m, 5H), 6.33 - 6.23 (m, 1H), 5.82 (d,J = 8.6 Hz, 1H), 5.42 (s, 1H), 5.32 - 5.23 (m, 2H), 4.33 (d,J = 4.0 Hz, 1H), 4.19 - 3.70 (m, 9H), 0.91 (s, 9H), 0.15 (s, 6H). 19F NMR (376 MHz, DMSO) δ -196.51 (s)。31P NMR (162 MHz, DMSO) δ 53.76 (s), -0.49 (s). MS-ESI [M+H]+: 841.0。
中間体98の調製: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N2-イソブチリル-3'-O-tert-ブチルジメチルシリル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000237
中間体98は、中間体87を(+)-PSI試薬と反応させて、その後脱保護して環化することにより、中間体90の合成経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.41 (brs, 1H), 11.90 (s, 1H), 11.31 (s, 1H), 8.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.85 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.35 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.88 (t, J = 48 Hz, 6H), 6.25 (dd, J = 20.0, 4.0 Hz, 1H), 5.65 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.59-5.46 (m, 1H), 5.32 (d, J = 50.0 Hz, 1H), 5.02 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.07-4.01 (m, 1H), 3.97-3.64 (m, 5H), 2.74-2.62 (m, 1H), 0.86 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.81-0.66 (m, 12H), -0.01 (d, J = 9.6 Hz, 6H). MS+ESI--[M+H]: 1030.8。
実施例1: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-ビス-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]1.5-アンモニウム-0.5-1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン-塩
Figure 2023546278000238
DMF中の中間体54(120mg、0.150mmol)と(-)-PSI試薬(201mg、0.450mmol)の溶液(8mL)に、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(342mg、2.25mmol)を加え、結果として得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させ、酢酸エチル(20mL)で再沈殿させた。固体を回収し、得られた粗生成物を分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~30%B;14~14.3分、30~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:13.5分)で精製し、凍結乾燥させて、白色固体(20mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.90 (brs, 4H), 7.12 (brs, 6H), 6.33-6.20 (m, 2H), 5.56-5.30 (m, 2H), 5.20-5.00 (m, 2H), 4.22-3.85 (m, 6H), 3.55-3.40 (m, 2H), 3.35-3.15 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 1H), 1.96-1.85 (m, 1H), 1.73-1.52 (m, 3H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.47. MS-ESI [M-H]-: 760.9。
実施例2: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-ビス-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]
Figure 2023546278000239
実施例2は、中間体55を(-)-PSI試薬と反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:0.05%ギ酸水溶液、B:アセトニトリル中0.05%ギ酸、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~5%B;3~14分、5~50%B;14~14.3分、50~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:12分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.53 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.84 (brs, 4H), 6.33-6.18 (m, 2H), 5.20-4.75 (m, 2H), 4.30-3.75 (m, 6H), 3.00-2.70 (m, 2H), 2.70-2.50 (m, 2H)。
31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.68, 52.69. MS-ESI [M-H]-: 724.9。
実施例3: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-ビス-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]
Figure 2023546278000240
実施例3は、中間体56を(-)-PSI試薬と反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:0.05%ギ酸水溶液、B:アセトニトリル中0.05%ギ酸、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~5%B;3~14分、5~30%B;14~14.3分、30~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:18分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.20-8.80 (m, 2H), 8.31 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.28-8.00 (m, 2H), 7.90 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.20-6.05 (m, 3H), 6.00 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.95-4.68 (m, 2H), 4.30-4.05 (m, 4H), 3.90-3.70 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.27, 52.67. MS-ESI [M+H]+: 683.0。
実施例4: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-ビス-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000241
実施例4は、中間体57と(-)-PSI試薬とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A: 10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~35%B;3~14分、35~70%B;14~14.3分、70~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:14分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.05 (s, 1H), 11.00 (s, 1H), 8.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 52.0 Hz, 8H), 6.30-6.18 (m, 2H), 5.02-4.75 (m, 2H), 4.35-4.10 (m, 4H), 3.83 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 2.70-2.52 (m, 2H), 1.62-1.45 (m, 4H), 1.40-1.17 (m, 12H), 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 12H). 31P NMR (162 MHz, DMSO) δ 54.54, 53.29. MS-ESI [M+H]+: 935.1。
実施例5: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000242
中間体71(200mg、0.214mmol)に、メタノール(2mL)中7Mアンモニアを加え、結果として得られた混合物を、25℃で6時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発させて乾燥させた後、粗生成物が得られた。得られた粗生成物を、分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:0.05%ギ酸水溶液、B:アセトニトリル中0.05%ギ酸、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~5%B;3~14分、5~30%B;14~14.3分、30~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:14分)で精製し、凍結乾燥させて、白色固体(4.0mg)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.92 (brs, 2H), 7.29 (brs, 2H), 6.33-6.28 (m, 1H), 6.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.40-5.15 (m, 2H), 5.05-4.95 (m, 1H), 4.55 (t, J = 3.5 Hz, 1H), 4.36-4.24 (m, 2H), 4.19 (s, 1H), 4.10-3.95 (m, 2H), 3.90-3.78 (m, 1H), 3.72 (d, J = 12.0 Hz, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.08, 48.81. MS-ESI [M-H]-: 724.8。
実施例6:(2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000243
実施例6は、中間体72と28%アンモニア水を反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(添加剤として10mM重炭酸アンモニウム)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。分析LCMS:Agilent 1100+G1946D LCMS, 4.6 x 50mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量1.8mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~15分、5~95%B;1.5~3分、95%B。化合物の保持時間:0.35分。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.61 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.86 (brs, 2H), 7.41-7.06 (m, 10H), 6.30-6.18 (m, 1H), 6.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.42-5.30 (m, 2H), 5.30-5.20 (m, 1H), 4.27 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.20-4.05 (m, 2H), 4.04-3.90 (m, 2H), 3.72-3.62 (m, 2H), 2.85-2.55 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 56.62, 53.65. MS-ESI [M-H]-: 707.0。
実施例7: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-アデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000244
実施例7は、中間体73と28%アンモニア水を反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(添加剤として10mM重炭酸アンモニウム)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。分析LCMS:Agilent 1100+G1946D LCMS、4.6 x 150mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量1mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~8分、5~95%B;8~15分、95%B。化合物の保持時間:4.1分。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.95 (brs, 2H), 7.65 (brs, 2H), 7.14 (t, J = 52.0 Hz, 8H), 6.30-6.22 (m, 1H), 6.12 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.50-5.32 (m, 2H), 5.30-5.15 (m, 1H), 5.08-4.92 (m, 1H), 4.30-4.00 (m, 5H), 3.95-3.86 (m, 1H), 3.68 (d, J = 12.0 Hz, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 57.14, 54.13. MS-ESI [(M-2H)/2]-: 362.0。
実施例8: (2',3')-シクロ-(Sp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩、及び
実施例9: (2',3')-シクロ-(Sp,Sp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
実施例8及び実施例9は、中間体74と28%アンモニア水とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~2%B;3~14分、2~37%B;14~14.3分、37~95%B;14.3~20分、95%B;化合物8の保持時間:13分、及び化合物9の保持時間:15分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
実施例8:
Figure 2023546278000245
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.62 (brs, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.94 (brs, 2H), 7.10 (t, J = 50.8 Hz, 8H), 6.63 (brs, 2H), 6.25 (dd, J = 24.0, 2.8 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.50-5.15 (m, 4H), 4.30-4.13 (m, 2H), 4.12-3.92 (m, 4H), 3.72 (d, J = 12.0 Hz, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 56.84, 54.05. MS-ESI [M-H]-: 741.0。
実施例9:
Figure 2023546278000246
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.67 (brs, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.93 (brs, 2H), 7.10 (t, J = 51.2 Hz, 8H), 6.67 (brs, 2H), 6.30 (dd, J = 18.8, 3.6 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.58-5.38 (m, 1H), 5.02-4.92 (m, 1H), 4.86-4.78 (m, 1H), 4.69-4.60 (m, 1H), 4.33-3.75 (m, 7H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 59.03, 54.74. MS-ESI [M-H]-: 740.9。
実施例10: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000247
実施例10は、中間体75と28%アンモニア水とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~38%B;14~14.3分、38~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:13分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。実施例10はまた、中間体98を脱保護し、分取液体クロマトグラフィーで精製することにより、実施例25の経路を経て得られた。2つの異なる合成経路は、全く同じ生成物をもたらした。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.63 (brs, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.93 (brs, 2H), 7.12 (t, J = 51.2 Hz, 8H), 6.69 (brs, 2H), 6.28 (dd, J = 24.0, 2.4 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.42-4.80 (m, 4H), 4.45 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.39-4.10 (m, 3H), 4.08-3.94 (m, 1H), 3.93-3.70 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 54.07, 50.13. MS-ESI [M-H]-: 741.0。
実施例11: (2',3')-シクロ-(Sp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000248
実施例11は、中間体76と7Mアンモニアメタノール溶液を反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(添加剤として10mM重炭酸アンモニウム)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。分析LCMS:Agilent 1100+G1946D LCMS、4.6 x 150mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量1mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~8分、5~95%B;8~15分、95%B;化合物の保持時間:3.3分。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.63 (brs, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.83 (brs, 2H), 7.10 (t, J = 50.8 Hz, 8H), 6.67 (brs, 2H), 6.30-6.18 (m, 1H), 5.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.35-5.20 (m, 2H), 4.28 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.21-3.92 (m, 4H), 3.80-3.60 (m, 2H), 2.92-2.70 (m, 1H), 2.69-2.55 (m, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 56.96, 54.34. MS-ESI [M-H]-: 722.9。
実施例12: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000249
実施例12は、中間体77と7Mアンモニアメタノール溶液とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(添加剤として10mM重炭酸アンモニウム)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。分析LCMS:Agilent 1100+G1946D LCMS、4.6 x 150mm Waters XBridge C18 3.5μm分析カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量1mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~8分、5~95%B;8~15分、95%B;化合物の保持時間:3.3分。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.61 (brs, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.82 (brs, 2H), 7.11 (t, J = 51.2 Hz, 8H), 6.70 (brs, 2H), 6.30-6.18 (m, 1H), 5.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.25-5.13 (m, 2H), 4.96 (s, 1H), 4.50 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.31-3.71 (m, 6H), 3.03-2.82 (m, 1H), 2.65-2.50 (m, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 54.26, 49.51. MS-ESI [M-H]-: 722.8。
実施例13: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000250
実施例13は、中間体78と28%アンモニア水とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~25%B;14~14.3分、25~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:2分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (s, 1H), 7.60-6.70 (m, 11H), 6.58 (brs, 2H), 6.35-6.20 (m, 1H), 5.90-5.70 (m, 2H), 5.22-5.10 (m, 1H), 5.00-4.80 (m, 2H), 4.52 (s, 1H), 4.32-4.15 (m, 2H), 4.11 (s, 1H), 4.00-3.82 (m, 2H), 3.78-3.65 (m, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.24, 48.05. MS-ESI [(M-2H)/2]-: 350.0。
実施例14: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-N4-(2-プロピルペンタノイル)-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-シチジン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000251
実施例14は、中間体79と7Mアンモニア-メタノール溶液とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~10%B;3~14分、10~55%B;14~14.3分、55~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:11分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (brs, 1H), 10.62 (s, 1H), 8.68-7.97 (m, 2H), 7.40-6.97 (m, 9H), 6.59 (brs, 2H), 6.34-6.20 (m, 1H), 5.90-5.70 (m, 1H), 5.47-5.09 (m, 2H), 5.05-4.74 (m, 1H), 4.29 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.13-3.99 (m, 2H), 3.95-3.80 (m, 1H), 3.85-3.65 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 1H), 1.60-1.46 (m, 2H), 1.45-1.10 (m, 6H), 0.86 (t, J = 7.2 Hz, 6H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 56.16, 53.39. MS-ESI [M-H]-: 827.0。
実施例15: (3',3')-シクロ-(Sp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000252
実施例15は、中間体80と7Mアンモニア-メタノール溶液とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~33%B;14~14.3分、33~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:11分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.20 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.03-6.87 (m, 10H), 6.60 (brs, 2H), 6.22 (dd, J = 24.0, 2.0 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.51-5.15 (m, 3H), 4.35-3.89 (m, 6H), 3.72 (d, J = 12.4 Hz, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 56.65, 54.03. MS-ESI [M-H]-: 741.0。
実施例16: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000253
実施例16は、中間体81と7Mアンモニアメタノール溶液とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~33%B;14~14.3分、33~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:13分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.63 (brs, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.94 (brs, 2H), 7.38-6.94 (m, 8H), 6.65 (brs, 2H), 6.28 (dd, J = 24.0, 2.4 Hz, 1H), 5.87 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.42-5.11 (m, 3H), 5.00 (s, 1H), 4.56-4.42 (m, 1H), 4.39-4.21 (m, 2H), 4.13 (s, 1H), 4.05-3.94 (m, 1H), 3.89-3.71 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.97, 49.08. MS-ESI [M-H]-: 740.9。
実施例17: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000254
実施例17は、中間体82と7Mアンモニアメタノール溶液とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~3%B;3~14分、3~33%B;14~14.3分、33~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:11分)で精製することにより、実施例5の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.59 (brs, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.85 (brs, 2H), 7.15 (brs, 8H), 6.66 (brs, 2H), 6.25 (dd, J = 12.8, 6.0 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.35-5.11 (m, 2H), 4.91 (s, 1H), 4.59-4.50 (m, 1H), 4.31-3.71 (m, 6H), 3.03-2.87 (m, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.46, 47.84. MS-ESI [M-H]-: 740.9。
実施例18: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]-0.5-アンモニウム-1.5-1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン-塩
Figure 2023546278000255
実施例18は、中間体67と(-)-PSI試薬とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~5%B;3~14分、5~33%B;14~14.3分、33~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:11分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.62 (brs, 2H), 8.39 (s, 1H), 8.26 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.36 (brs, 2H), 7.15 (t, J = 52.0 Hz, 2H), 6.31-6.20 (m, 2H), 5.46-5.25 (m, 2H), 5.15-5.00 (m, 1H), 4.95-4.83 (m, 1H), 4.42-4.25 (m, 1H), 4.10-3.98 (m, 2H), 3.80-3.60 (m, 2H), 3.60-3.40 (m, 6H), 3.30-3.20 (m, 3H), 2.70-2.55 (m, 3H), 1.96-1.85 (m, 3H), 1.73-1.50 (m, 9H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.37, 52.10. MS-ESI [M+H]+: 729.0。
実施例19: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン] 0.5-1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン-塩
Figure 2023546278000256
実施例19は、中間体68 と(-)-PSI試薬とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Welch 10μm分取カラム、移動相A:0.05%ギ酸水溶液、B:アセトニトリル中0.05%ギ酸、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~3分、0~10%B;3~14分、10~50%B;14~14.3分、50~95%B;14.3~20分、95%B;化合物の保持時間:10分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.56 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.50-8.35 (m, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.85 (brs, 2H), 6.40-6.20 (m, 2H), 5.70-5.40 (m, 1H), 5.18-4.80 (m, 2H), 4.60-3.95 (m, 6H), 3.65-3.45 (m, 2H), 3.30-3.20 (m, 1H), 2.85-2.71 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 2H), 1.96-1.85 (m, 1H), 1.73-1.50 (m, 3H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 54.78, 54.00. MS-ESI [M+H]+: 710.8。
実施例20: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000257
実施例20は、中間体69と(-)-PSI試薬とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B;2~9分、5~15%B;9~19分、15~25%B;19~19.5分、25~95%B;19.5~22.5分、95%B;化合物の保持時間:9分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.69 (brs, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.92 (brs, 2H), 7.15 (t, J = 52.0 Hz, 6H), 6.64 (brs, 2H), 6.26 (dd, J = 17.2, 3.6 Hz, 1H), 6.08 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.43-5.35 (m, 1H), 5.31-5.22 (m, 1H), 5.18-5.02 (m, 1H), 4.99-4.85 (m, 1H), 4.42-4.30 (m, 1H), 4.26 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.15-4.00 (m, 2H), 3.90-3.70 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 54.20, 53.14. MS-ESI [M-H]-: 743.2。
実施例21: (3',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2'-デオキシ-2'-フルオログアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシアデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000258
実施例21は、中間体70と(-)-PSI試薬とを反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B;2~10分、5~20%B;10~10.6分、20~95%B;10.6~12.6分、95%B;化合物の保持時間:7.3分)で精製することにより、実施例1の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.67 (brs, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.82 (brs, 2H), 7.14 (t, J = 52.0 Hz, 6H), 6.62 (s, 2H), 6.25 (dd, J = 6.4, 4.8 Hz, 1H), 6.05 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 52.0, 4.0 Hz, 1H), 5.05-4.85 (m, 2H), 4.33 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.10-3.92 (m, 2H), 3.98-3.50 (m, 2H), 2.78-2.54 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 52.56, 52.51。MS-ESI [M-H]-: 725.2。
実施例22: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000259
実施例22は、中間体95とフッ化アンモニウムをメタノール溶液中で反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B;2~15.6分、5~20%B;15.6~15.8分、20~95%B;15.8~18分、95%B;化合物の保持時間:6.6分)で精製することにより、実施例9の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.77 (s, 1H), 8.20 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.93 (brs, 2H), 6.71 (brs, 2H), 6.33 (dd, J = 24.0, 2.4 Hz,1H), 5.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.40 (d, J = 49.6 Hz, 1H), 5.20 - 5.00 (m, 2H), 4.42-4.30 (m, 2H), 4.20-3.80 (m, 6H)。31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 1.61, -0.07MS-ESI [M+H]+: 710.9。
実施例23: (2',3')-シクロ-[2'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000260
中間体96(75mg、0.074mmol)に、33%メチルアミンエタノール溶液(3mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液を回転蒸発させて乾燥させ、フッ化アンモニウム(82mg、2.2mmol)とメタノール(3mL)を加え、60℃で16時間撹拌した。分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B;2~18.9分、5~15%B;18.9~19.4分、15~95%B;19.4~22.4分、95%B;化合物の保持時間:8.5分)で精製して凍結乾燥させ、白色固体(30.3mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.60 (s, 1H), 8.21 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.91 (s, 2H), 7.35-6.94 (m, 6H), 6.63 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 24.4, 1.6 Hz,1H), 5.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.42-5.17 (m, 2H), 5.09-4.90 (m, 2H), 4.48 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 10.8, 5.2 Hz, 1H), 4.28-4.17 (m, 1H), 4.09 (s, 1H), 3.98-3.73 (m, 3H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 48.92, -2.42. MS-ESI [M+H]+: 726.8。
実施例24: (2',3')-シクロ-[2'-O-ホスホジエステル-グアノシン]-[3'-O-Rp-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]
Figure 2023546278000261
実施例24は、中間体97とフッ化アンモニウムをメタノール溶液中で反応させ、その後分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、20%B;2~14分、20~40%B;14~14.2分、40~95%B;14.2~18分、95%B;化合物の保持時間:2分)で精製することにより、実施例9の経路を経て得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.58 (s, 1H), 8.19 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.04 - 7.82 (m, 2H), 7.37 - 7.00 (m, 4H), 6.73 - 6.53 (m, 1H), 6.27 (dd, J = 24.0, 2.4 Hz, 1H), 5.83 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.44 - 5.19 (m, 2H), 5.18 - 5.06 (m, 1H), 5.04 - 4.95 (m, 1H), 4.36 - 4.27 (m, 2H), 4.12 (s, 1H), 4.09 - 3.96 (m, 2H), 3.79 - 3.65 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.89 (s), -1.20 (s). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -195.45 (s). MS-ESI [M+H]+: 726。
実施例25: (2',3')-シクロ-(Rp,Sp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-クロロ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000262
中間体90(100mg、粗生成物)を、7Mアンモニアメタノール溶液(3mL)に溶解させ、室温(28℃)で4時間撹拌し、その後回転蒸発させて乾燥させた。結果として得られた残留物をメタノール(1mL)に溶解させ、フッ化アンモニウム(60.5mg、1.63mmol)を加え、加熱(60℃)下で20時間撹拌した。反応の完了をLCMS及びHPLCでモニターした後、反応溶液を分取液体クロマトグラフィー(Gilson281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B;2~18.9分、5~15%B;18.9~19.4分、15~95%B;19.4~22.4分、95%B;化合物の保持時間:10分)で精製し、その後凍結乾燥させて、白色固体(21mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.71 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.92 (s, 2H), 7.11 (t, J = 52Hz, 6H), 6.56 (s, 2H), 6.29 (d, J = 28Hz, 1H), 5.95 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 50.4 Hz, 1H), 5.20 (t, J = 11.8 Hz, 1H), 5.11-5.05 (m, 1H), 4.48 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.39-4.28 (m, 2H), 4.14 (s, 1H), 4.02-3.96 (m, 1H), 3.88-3.83 (m, 1H), 3.81-3.76 (m, 1H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 53.30, 50.07. 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -196.87MS-ESI [M+H]+:742.8。
実施例26: (2',3')-シクロ-(Rp,Rp)-[2'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-グアノシン]-[3'-O-ホスホロチオエート-ジエステル-2-メチルアミノ-2'-デオキシ-2'-フルオロ-ベータ-アデノシン]ジアンモニウム塩
Figure 2023546278000263
実施例26は、中間体98とメチルアミンエタノール溶液との間の脱保護反応の副生成物として、実施例25の経路を経て得られた。分取液体クロマトグラフィー(Gilson 281分取HPLC、19 x 250mm Waters XBridge C18 10μm分取カラム、移動相A:10mM重炭酸アンモニウム水溶液、B:アセトニトリル、流量25mL/分、214nm及び254nmでの二波長UV吸収モニタリング、勾配溶出:0~2分、5%B:2~15.6分、5~15%B;15.6~15.8分、15~95%B;15.8~18分、95%B;化合物の保持時間:14.1分)で精製し、凍結乾燥させて、白色固体を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.69 (brs, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.34-6.97 (m, 3H), 6.31 (brs, 1H), 6.28 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.90 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 5.44-5.15 (m, 3H), 4.44 (d, J = 0.4 Hz, 1H), 4.35-4.27 (m, 1H), 4.24-4.12 (m, 2H), 4.03-3.94 (m, 1H), 3.93-3.79 (m, 2H),2.85 (s, 3H). 31P NMR (162 MHz, DMSO-d6) δ 54.02, 51.06. MS+ESI--[M+H]: 738.0。
活性実施例
実施例1:THP-1細胞によるIFN-β分泌に対する本発明の化合物の活性化効果
ヒト単球性白血病細胞株であるTHP-1細胞は、HAQ型のSTING表現型、すなわち、R71H-G230A-R293Qを有する。このアッセイは、R&D社製のヒトIFN-ベータDuoSet ELISAキット(R&D社、カタログNo. DY814-05)及びDuoSet ELISA附属試薬キット2(R&D社、カタログNo. DY008)を使用し、本発明の代表的な化合物によるTHP-1細胞からのIFN-β分泌の活性化を評価した。
THP-1細胞(ATCC No.TIB-202)の解凍において、細胞凍結チューブを37℃のウォーターバス中で急速に振盪し、1分以内に細胞を解凍した。解凍した細胞懸濁液をとり、10%FBS(Life Technology社、カタログNo.10099-141)を含有するRPMI1640培地(Hyclone社、製品No. SH30027.01)と均一に混合し、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てた。細胞ペレットを5mLの完全培地(10%FBSを含有するRPMI 1640培地)中に再懸濁し、底面積25cm2の細胞培養フラスコ中に入れ、37℃、5%CO2及び95%湿度の細胞インキュベーター中でインキュベートした。細胞コンフルエンスが約80%に達したときに、細胞を継代した。培養フラスコ中の細胞を全て15mL遠心分離管に移し、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てた。5mLの新鮮な完全培地を加えて、細胞ペレットを再懸濁し、そのうち1mLをとり、底面積25cm2の細胞培養フラスコに入れ、さらなるインキュベーションのために4mLの新鮮な完全培地を補充した。細胞コンフルエンスが再び約80%に達したときに、細胞懸濁液の1/5をさらなるインキュベーションのために保持し、細胞懸濁液の4/5を15mL遠心分離管中に残す細胞継代の手順後に、プレーティングを行った。細胞懸濁液を遠心分離して古い培養培地を捨て、RPMI1640培養培地(無血清)を使用して1回洗浄し、遠心分離して上清を除去した。次いで、細胞をRPMI1640培養培地(無血清)中に再懸濁した。その後、細胞生存率をトリパンブルー色素排除試験法により検出し、細胞生存率が95%超であることが確認された場合に、プレーティングに使用した。1.1×106生存細胞/mLの密度を有する細胞懸濁液をRPMI1640培養培地(無血清)を用いて調製し、180μLの細胞懸濁液を、96ウェル細胞培養プレート(NUNC Company社、カタログNo.167008)に加え、その結果プレート中の細胞密度は2×105生存細胞/ウェルとなった。
DMSO中化合物の10mMストック溶液を、最初にDMSO(Sigma社、カタログNo. D2650)により第5濃度まで3.16倍で連続希釈し、第6濃度をDMSO対照(化合物非含有)として設定した。次いで、異なる濃度の化合物を含有するDMSO溶液をPBSにより10倍で希釈し、その結果、様々な濃度の各化合物溶液中のDMSO含有量は10%となった。最後に、20μLのこのような溶液のそれぞれを対応する細胞培養プレートに加えて100μMの初期化合物濃度を提供し、隣接濃度の希釈倍率は3.16であり、細胞培養プレート中のDMSO含有量は1%であった。細胞プレートを、細胞インキュベーター中にさらに24時間置いた。
R&D System社、カタログNo. DY814-05の使用説明書を参照し、ELISA検出を行った。
ELISAプレートコーティング:PBS(R&D System社、カタログNo. DY006)を使用し、捕捉抗体(マウス抗ヒトIFN-β捕捉抗体 PART No. 844508)を希釈して作用濃度を提供し、100μL捕捉抗体作用溶液を96ウェルELISAプレートに加え、これをその後密封し、室温で一晩インキュベートした。捕捉抗体作用溶液を捨てて、細胞プレートを、洗浄緩衝液(PBS中0.05%Tween20、pH7.2~7.4、R&D System社 カタログNo.WA126)により、1ウェル当たり400μLの洗浄緩衝液で3回洗浄し、各洗浄後に洗浄緩衝液を完全に除去し、最終洗浄では、プレートを逆さにして清浄な紙にたたきつけることにより、洗浄緩衝液を完全に除去した。300μLのブロッキング緩衝液(PBS中1%BSA pH7.2~7.4、R&D System社カタログNo.DY995)を各ウェルに加え、室温で1~2時間インキュベートした。上記の洗浄ステップを繰り返し、サンプル添加用の各プレートを作製した。
サンプル検出:各細胞に、100μLのサンプル又は標準(組み換えヒトIFN-ベータ標準、PART NO. 844510)を加え、密封し、室温で2時間インキュベートし、上記のプレートコーティング手順の洗浄ステップを繰り返した。次いで、100μLの検出抗体(ビオチン化マウス抗ヒトIFN-β検出抗体、PART No. 844509)を各ウェルに加え、プレートを密封し、放置して室温で2時間インキュベートし、上記のプレートコーティング手順の洗浄ステップを繰り返した。その後、100μLのストレプトアビジン-HRP(PART No. 893975)作用溶液を各ウェルに加え、プレートを密封し、放置して室温で20分間インキュベートし、この手順を光から保護し、上記のプレートコーティング手順の洗浄ステップを繰り返した。次いで、100μLの基質溶液(呈色試薬A(H2O2)と呈色試薬B(テトラメチルベンジジン)の1:1混合物、R&D System社 カタログNo. DY999)を各ウェルに加え、プレートを密封し、放置して室温で20分間インキュベートし、この工程を光から保護した。最後に、50μLの停止液(2N H2SO4、R&D System社、カタログNo. DY994)を各ウェルに加え、細胞プレートをタップし、完全な混合を確保した。
各ウェルのOD450を、多機能マイクロプレートリーダー(Molecular Devices社、Spectramax M3)を使用して測定し、波長校正機能を利用し得る場合は540nm又は570nmに設定し、波長校正機能が利用できない場合はOD450からOD540又はOD570を引いた。この測定は、停止液の添加後30分以内に完了した。
2',3'-cGAMP(Invivogen社、カタログNo. tlrl-nacga23)を陽性対照化合物として使用し、ADU-S100(MCE社、カタログNo. HY12885A)を参照化合物として使用した:
Figure 2023546278000264
GraphPad Prism 7.0ソフトウェアを使用してデータを分析し、log-logプロットを使用してELISA IFN-β含有量についての標準曲線を作成した。各サンプルウェルから試験したOD値を標準曲線式に適合させ、対応するIFN-ベータ濃度を与えた。データに非線形シグモイド回帰を適合させ、IFN-β濃度対化合物濃度の用量応答曲線を得、EC50値を算出した。
Figure 2023546278000265
実験結果は、本実施例の化合物が、THP-1細胞によるIFN-ベータの分泌に対して活性化効果を有することを示す。表1及び図1からわかるとおり、実施例10、12、16、17及び26の化合物は、とりわけ重要なSTINGアゴニスト活性を有し:それらのEC50は2',3'-cGAMPを上回り、ADU-S100と同等であり;これらの中でも、実施例10、16及び17の化合物は、THP-1細胞を刺激してIFN-βを分泌させ、その最高濃度は、ADU-S100による最高濃度より高かった。
実施例2:CT26細胞の増殖に対する本発明の化合物の阻害活性
CT26細胞は、マウス結腸直腸がん細胞株である。このアッセイは、Promega社製のCellTiter-Glo Luminescence Cell Vitality Assayキットを使用し、CT26細胞の増殖に対する化合物の阻害活性を評価した。
CT26細胞(ATCC No.CRL-2638)の解凍において、細胞凍結チューブを37℃のウォーターバス中で急速に振盪し、1分以内に細胞を解凍した。解凍した細胞懸濁液をとり、10%FBS(GIBCO社、カタログNo.10099-141)を含有するDMEM培地(GE社、カタログNo. SH30243.01)と均一に混合し、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てた。細胞ペレットを5mLの完全培地(10%FBSを含有するDMEM培地)中で再懸濁し、底面積25cm2の細胞培養フラスコ中に入れ、37℃、5%CO2及び95%湿度の細胞インキュベーター中でインキュベートした。細胞コンフルエンスが70%~80%に達したときに、細胞を継代した。培養フラスコ中の細胞を全て15mL遠心分離管に移し、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てた。5mLの新鮮な完全培地を加えて細胞ペレットを再懸濁し、そのうち1mLをとって底面積25cm2の細胞培養フラスコに入れ、さらなるインキュベーションのために4mLの新鮮な完全培地を補充した。細胞コンフルエンスが再び70%~80%に達したときに、細胞懸濁液の1/5をさらなるインキュベーションのために保持し、細胞懸濁液の4/5を15mL遠心分離管中に残す細胞継代の手順後に、プレーティングを行った。細胞懸濁液を遠心分離して古い培養培地を捨て、DMEM培地(無血清)を使用して1回洗浄し、遠心分離して上清を除去した。次いで、細胞をDMEM培地(無血清)中で再懸濁した。その後、細胞生存率をトリパンブルー色素排除試験法により検出し、細胞生存率が95%超であることが確認された場合にプレーティングに使用した。1.1×104生存細胞/mLの密度を有する細胞懸濁液を、DMEM培地(無血清)を用いて調製し、90μLの細胞懸濁液を、96ウェル96ウェル透明平底黒壁細胞培養プレート(Corning社、カタログNo.3603)に加え、その結果、プレート中の細胞密度は1000生存細胞/ウェルとなった。細胞、化合物は含まず、完全培地のみを含む対照群(すなわち、培養培地対照)と、化合物は含まないが細胞は含む対照群(すなわち、細胞対照)を設定した。細胞プレートを細胞インキュベーター中に一晩置いた。
DMSO中10mMの化合物のストック溶液を、最初にDMSO(Sigma社、カタログNo. D2650)により第9濃度まで3.16倍で連続希釈し、第10濃度はDMSO対照(化合物非含有)として設定した。次いで、異なる濃度の化合物を含有するDMSO溶液をPBS(Solarbio社、カタログNo. P1020)により10倍で希釈し、その結果、様々な濃度の各化合物溶液中のDMSO含有量は10%であった。最後に、10μLのこのような溶液のそれぞれを対応する細胞培養プレートに加えて100μMの初期化合物濃度を提供し、隣接濃度の希釈倍率は3.16であり、細胞培養プレート中のDMSO含有量は1%であった。細胞プレートを、細胞インキュベーター中にさらに120時間置いた。
120時間後、CellTiter-Glo試薬(Promega社、カタログNo. G7572)を解凍し、プレートを室温で30分間平衡化した。100uLのCellTiter-Gloをプレートの各ウェルに加え、オービタルシェーカー上で5分間振盪することにより細胞を完全に溶解させた。このプレートを室温で20分間置いて発光シグナルを安定化させ、各ウェルの発光値を、多機能マイクロプレートリーダー(Molecular Devices社、Spectramax M3)により完全波長でスキャンした。
以下の化合物とADU-S100(MCE社、カタログNo. HY 12885A)を対照として使用した:クロファラビン(Clofarabine;Wuhu Huaren Science社、カタログNo. HR-00701002)、クラドリビン(Cladribine;CSNpharm社、カタログNo. CSN10004)、ゲムシタビン塩酸塩(Gemcitabine Hydrochlorilide;ShaoYuan社、カタログNo. SY014538)、ゲムシタビンプロドラッグLY2334737(自社製、中間体7)。
各化合物濃度について、以下の式を使用して細胞生存率を算出した:
細胞生存率(%) = (Lum試験薬 - Lum培養培地対照)/(Lum細胞対照 - Lum培養培地対照) ×100%
GraphPad Prism 7.0ソフトウェアを使用してデータを分析し、非線形S-曲線回帰を適合させて用量応答曲線を導き、IC50値を算出した。
Figure 2023546278000266
実験結果は、代表的な実施例化合物がCT26腫瘍細胞のin vitro増殖を阻害し得ることを示し;これらの中でも、実施例3、10及び13の化合物は特に顕著な阻害効力を有していたが、一方、ADU-S100は、顕著な腫瘍細胞阻害効力を有していなかった。活性実施例1の結果と組み合わせて、上記の結果は、これらの化合物が、多機能抗腫瘍特性、すなわち、STINGアゴニストの腫瘍免疫学的活性と代謝拮抗性抗がん薬の細胞毒性効果を有することを示す。
実施例3:CT26同系マウスの両側移植腫瘍モデルにおける本発明の化合物の抗腫瘍活性
6~8週齢のBALB/cマウス(Shanghai Ling Chang Biotech Co., Ltd.から購入)に、5×105個のCT26細胞(Taicang Zexin Biotechnology Co., Ltd.により供給、ATCC No.CRL-2638)を、それぞれ左背側及び右背側に皮下接種し、接種体積は0.1mL/側であった。腫瘍が平均体積100mm3に増殖したときに、これらを腫瘍サイズ及びマウス体重に従って無作為化し、投薬を開始した。初回投与の日は、0日目であった。2つの用量を0日目及び4日目に投与し、50μgの化合物/マウス(すなわち、2.5mg/kg)を右側の腫瘍内に注射し、同体積のPBS(Hyclone社、カタログNo. SH30258.01)を対照として投与した。左側の腫瘍は処置しなかった。対照マウスは投与後13日に屠殺し、処置マウスは投与後21日に屠殺した。実験中、左側及び右側の腫瘍体積並びに体重を1週間当たり3回測定し、腫瘍体積をV = D×d×d/2(ここでDは腫瘍の長さを表し、dは腫瘍の幅を表す)として算出した。
投与後13日目のデータは、試験した実施例化合物は全て、両側腫瘍増殖を顕著に阻害することができたことを示す。右側投与群はより顕著な効果を示し、腫瘍の大部分が退縮した(図2-A)。これらの中でも、ADU-S100処置群は、腫瘍増殖の99.1%阻害を示し、実施例17は99.5%阻害を示し、残りの群は、触知可能な腫瘍がない腫瘍増殖の100%阻害を示した。同時に、未処置の左側腫瘍は、遅い成長(図2-B)を示した。投与後13日目に、左側腫瘍群についての増殖阻害率は:ADU-S100、64.2%;実施例10、91.2%;実施例12、75.3%;実施例16、71.7%;実施例17、67.4%であった。さらに、この実験において、個々のマウスの投与後体重は15%以内で減少し、投与の中止後に回復したことが観察された(図2-C)。上記の結果は、本発明の化合物が、CT26同系両側腫瘍モデルにおいて、ADU-S100と同等の又はより優れた腫瘍阻害活性を示したことを示す。
実施例4: CT26ヌードマウスの移植腫瘍モデルにおける本発明の化合物の抗腫瘍活性
6~8週齢のBALB/cヌードマウス(Shanghai Ling Chang Biotech Co., Ltd.から購入)に、5×105個のCT26細胞(Taicang Zexin Biotechnology Co., Ltd.により供給、ATCC No.CRL-2638)を、それぞれ右背側に皮下接種し、接種体積は0.1mLであった。腫瘍が平均体積100mm3に増殖したときに、これらを腫瘍サイズ及びマウス体重に従って無作為化し、投薬した。初回投与の日は、0日目であった。2つの用量を0日目及び4日目に投与し、50μgの化合物/マウス(すなわち、2.5mg/kg)を右側の腫瘍内に注射し、同体積のPBS(Hyclone社、カタログNo. SH30258.01)を対照として注射した。それぞれ、対照マウスは投与後9日に屠殺し、ADU-S100処置マウスは投与後14日に屠殺し、実施例10の処置マウスは投与後16日に屠殺した。実験中、腫瘍体積及び体重を1週間当たり3回測定し、腫瘍体積をV=D×d×d/2(同上)として算出した。
投与後9日目のデータは、試験した実施例10の化合物が、T細胞免疫不全ヌードマウスにおける腫瘍増殖を、94.4%の割合で有意に阻害することができたことを示す。対照的に、ADU-S100は、恐らくはその残りの免疫活性又は他の未知の理由により、阻害率61.4%の部分的な腫瘍抑制のみを示した。実施例10であるか又はADU-S100であるかに関わらず、これらは、免疫適格マウスにおいて、ヌードマウスにおける腫瘍増殖阻害よりも優れた腫瘍増殖阻害を示した(図2D)。この実験は、ADU-S100が主としてT細胞媒介性免疫を活性化することにより作用し;他方、実施例10の化合物は、その多機能機構を介して腫瘍を阻害することを立証しており、この事例では、STINGアゴニストADU-S100の抗腫瘍能力より優れた抗腫瘍能力を示すことが実証されている。
実施例5: CT26同系マウス又はヌードマウスの移植腫瘍モデルにおける本発明の化合物の免疫学的記憶機能
6~8週齢のBALB/c免疫適格マウス又はヌードマウス(Shanghai Ling Chang Biotech Co., Ltd.から購入)に、5×105個のCT26細胞(Taicang Zexin Biotechnology Co., Ltd.により供給、ATCC No.CRL-2638)を、それぞれ右背側に皮下接種し、接種体積は0.1mLであった。腫瘍が平均体積100mm3に増殖したときに、これらを腫瘍サイズ及びマウス体重に従って無作為化し、投薬した。初回投与の日は、0日目であった。2つの用量を0日目及び4日目に投与し、50μgの化合物/マウス(すなわち、2.5mg/kg)を腫瘍内に注射し、同体積のPBS(Hyclone社、カタログNo. SH30258.01)を対照として注射した。ヌードマウス群又はBALB/cマウス群を、それぞれ投与後9日目又は13日目に屠殺した。投与後21日目に、マウスに、体積0.1mLの5×105個のCT26細胞を、左背側に再度皮下接種した。全く処置を受けていないブランクのBALB/cマウス又はヌードマウスも、対照として接種を受けた。実験中、腫瘍体積及び体重を1週間当たり3回測定し、腫瘍体積をV=D×d×d/2(同上)として算出した。
結果は、試験した実施例10の化合物が、免疫適格マウス及び免疫不全マウスの両方において、CT26腫瘍増殖を顕著に阻害したことを示す。免疫適格マウスに対する効果は、より優れていた(図3-A)。投与後5日目に、実施例10で処置したマウスにおいて、腫瘍は完全に消失した。21日目に、CT26細胞を、化合物10処置群にそれぞれ再接種した。7日後(30日目)に、未免疫ブランクBALB/cマウスの平均腫瘍体積は75mm3であったが、他方、先に実施例10で処置されたマウスの平均腫瘍体積は29mm3であった。33日目の実験終了までに、対照群及び実施例10免疫化群におけるマウスの平均腫瘍体積は、それぞれ648mm3及び101mm3であった。この実験は、実施例10の化合物による処置後、免疫適格マウスが免疫記憶を生成し、再接種された同種細胞に対して強い免疫学的拒絶を生じ、それにより腫瘍再発を効果的に予防することを示した。
他方、免疫不全ヌードマウスにおいては、個々のマウスにおいて、投与を停止した後、腫瘍の継続的な増殖が生じた(図3-B)。最終的に、比較的小さな腫瘍体積を有する3匹のマウスを選択し、21日目にCT26細胞を再接種した。この結果は、再接種されたCT26腫瘍細胞が、ブランクマウスにおける増殖率と類似の増殖率を示したことを示す。上記の結果は、ヌードマウス実験においては免疫記憶が生じなかったことを示し、実施例10の化合物が、このモデルにおける免疫系の関与がなくても、細胞毒性腫瘍阻害能力を有することをさらに実証する。
実施例6: 本発明の化合物についての肝細胞代謝安定性アッセイ
本発明の化合物を、5つの種(マウス、ラット、イヌ、サル、ヒト)における肝細胞代謝安定性について、当技術分野において慣用のin vitro代謝安定性研究の標準方法、例えば(Kerns, Edward H. and Di Li (2008). Drug-like Properties: Concepts, Structure Design and Methods: From ADME to Toxicity Optimization, San Diego: Academic Press;Di, Li et al, Optimization of a High Throughput Microsomal Stability Screening Assay for Profiling Drug Discovery Candidates, J Biomol Screen. 2003, 8(4), 453)に従って同様に試験した。
この実験において使用した肝細胞:ヒト肝細胞(SHQY社、ロットNo. HEP190006)、イヌ肝細胞(IVT社、ロットNo. ZMB);サル肝細胞(Xenotech社、ロットNo. 2010022)、ラット肝細胞(SHQY社、ロットNo. HEP134045)、及びマウス肝細胞(BioIVT社、カタログNo. M005052、ロットNo. MEO)。
凍結保存された肝細胞チューブを液体窒素タンクから取り出し、速やかに37±1℃で振盪中のウォーターバスに2分間±15秒入れた。肝細胞を、50mL肝細胞解凍培地(組成:Williams E培地、35mL、Invitrogen社、カタログNo. A1217601;等張性パーコール溶液、13.5mL、GE社、カタログNo. 17-0891-01;ダルベッコリン酸緩衝液、1.5mL、Invitrogen社、カタログNo. 14200-075;グルタマックス(Glutamax)、500μL、Invitrogen社、カタログNo. 35050061;HEPES、750μL、Invitrogen社、カタログNo. 15630106;ウシ胎仔血清、2.5mL、Invitrogen社、カタログNo. 10091130;組換えヒトインスリン、50μL、Invitrogen社、カタログNo. 12585014;デキサメタゾン(10mM DMSO溶液として製剤化)、5μL、Sigma社、カタログNo. D1756)に移し、穏やかに混合し、500rpmで3分間遠心分離した。遠心分離後、(細胞ペレットを撹乱させることなく)上清を注意深く吸引し、10× 体積の予め温めたKHB緩衝液(Krebs-Henseleit緩衝液、Sigma社、カタログNo. K3753-10X1L)と5.6g/L HEPESを加え、細胞ペレットを再懸濁し、穏やかに混合し、500rpmで3分間遠心分離した。上清を、細胞ペレットに触れることなく吸引し、細胞生存率及び細胞数を決定した。肝細胞を計数し、その後細胞懸濁液を、KHB緩衝液中で適切な密度(生存細胞密度=2×106細胞/mL)まで希釈した。肝細胞溶液を、使用まで氷上に置いた。
2× 薬用溶液を、予め温めたKHB(1%ジメチルスルホキシド)中で調製し、5594gで15分間遠心分離した(Thermo社 Multifuge×3R)、200μMスパイキング溶液:20μLの化合物ストック溶液(DMSO中10mM)を980μLのジメチルスルホキシドに添加;2× 薬用溶液:10μLの200μMスパイキング溶液を990μL KHBに添加(希釈後2μM)。
異なる時点に指定されたウェルに、50μLの予め温めた2× 薬用溶液を加えた。50μLの予め温めた肝細胞溶液(2×106細胞/mL)を、15分、30分、60分及び120分における検出について指定されたウェルに加え、その後計時を開始し、反応プレートを37℃インキュベーター中に置いた。
100μLのアセトニトリル中IS(オサルミド又はイミプラミン)(Merck社、カタログNo. CN34854-4L)を、0分に指定されたウェルに加え、穏やかに混合し、その後50μLの予め温めた肝細胞溶液(2×106細胞/mL)を加え、プレートをブロックした。15分、30分、60分及び120分に、100μLのIS含有アセトニトリルをそれぞれウェルに加え、その後ブロックした。クエンチした後、プレートをシェーカー(IKA社、MTS 2/4)上で10分間(600rpm)振盪した。プレートを2分間超音波処理し、その後5594gで15分間遠心分離した(Thermo社、Multifuge×3R)。LC/MS分析のために、1ウェル当たり50μLの上清を、50μLの超純水(Millicore社、ZMQS 50F01)を含有する96ウェルサンプルプレートに移した。
T0の時点における試験化合物の濃度を100%(C0)としてとり、他のインキュベーション時点の濃度を残留パーセントに変換し、次いで、その自然対数を、線形回帰によりインキュベーション時間に対して処理し、傾きKを得た。その後、肝細胞クリアランス速度(Clint)及びin vitro半減期(T1/2)を、以下の式に従って算出した:
T1/2 = 1n2/K = 0.693/K
Clint = (0.693/T1/2) × (1/肝細胞密度) × スケーリングファクター(Scaling factor)
式中、肝細胞密度は、実験のインキュベーション系における肝細胞の最終濃度:1×106/mLである。スケーリングファクター(Scaling factor) = 肝細胞数 × 肝臓重量(5つの種の肝細胞について、それぞれ、11812.5×106/kg(マウス)、4680×106/kg(ラット)、6880×106/kg(イヌ)、3900×106/kg(サル)、2544.3×106/kg(ヒト))。
図4Aからわかるとおり、本発明の化合物、例えば実施例10の化合物は、5つの種の肝細胞において、長い代謝半減期及び低いクリアランス速度を示して、優れた代謝安定性を示した。
実施例7: 本発明の化合物の代謝産物の発見及び同定
5つの種(マウス、ラット、イヌ、サル、ヒト)の肝細胞における本発明の化合物の主な代謝産物を、当技術分野において慣用のin vitro代謝安定性研究の標準方法、例えば(Kerns, Edward H. and Di Li (2008). Drug-like Properties: Concepts, Structure Design and Methods: From ADME to Toxicity Optimization, San Diego: Academic Press;Di, Li et al, Optimization of a High Throughput Microsomal Stability Screening Assay for Profiling Drug Discovery Candidates, J Biomol Screen. 2003, 8(4), 453)に従って、同様に同定した。
この実験において使用した肝細胞:ヒト肝細胞(SHQY社、カタログNo. BQHPCH10、ロットNo. HEP190006-TA05)、イヌ肝細胞(BioIVT社、カタログNo. M00205、ロットNo. ZMB);サル肝細胞(XENOTECH社、カタログNo. PPCH2000、ロットNo. 2010022)、ラット肝細胞(SHQY社、カタログNo. BQR1000・H15、ロットNo. HEP134049)、及びマウス肝細胞(BioIVT社、カタログNo. M005052、ロットNo. MEO)。
HI肝細胞維持培地(BIOIVT社、カタログNo. Z99009;ロットNo. C02060C)を、37℃に予め温めた。凍結保存された肝細胞チューブを液体窒素タンクから取り出し、速やかに37±1℃で振盪中のウォーターバスに2分間±15秒入れた。肝細胞を、50mL HI培地に移し、穏やかに混合し、500rpmで3分間遠心分離した。遠心分離後、(細胞ペレットを撹乱させることなく)上清を注意深く吸引し、10× 体積の予め温めたHI培地を加え、細胞ペレットを再懸濁し、穏やかに混合し、500rpmで3分間遠心分離した。上清を、細胞ペレットに触れることなく吸引して捨てた。肝細胞を計数し、その後細胞懸濁液を、HI培地中で適切な密度(生存細胞密度=2×106細胞/mL)まで希釈した。肝細胞溶液は、使用まで氷上に置いた。
2× 薬用溶液(20μM)は、8μLの10mM化合物ストック溶液を3992μLのHI培地(20μM、希釈後0.2%ジメチルスルホキシド)に加えることにより、予め温めたHI培地中で調製した。
肝細胞溶液と2×薬用溶液を予め温め、200μLの予め温めた2×薬用溶液を、T240及びT240-w/o用に指定されたウェルに加えた。T0については、1200μLアセトニトリル(Merck社、カタログNo. CN34854-4L)と200μL肝細胞溶液(2×106細胞/mL)をウェルに加え、その後200μLの予め温めた2×薬用溶液を加えて、プレートをブロックした。200μLの予め温めた肝細胞溶液(2×106細胞/mL)を、T240用に指定されたウェルに加え;200μLの予め温めたHI培地をT240-w/o用に指定されたウェルに加え、計時を開始した。反応プレートを、37℃のCO2インキュベーター中に置いた。
240分で、1200μLのアセトニトリルを各指定ウェルに加え、その後プレートをブロックした。クエンチした後、プレートを2分間超音波処理し、次いで、1400rpmで5分間遠心分離した。1200μLの上清を、窒素流下で乾燥するまで蒸発させた。その後、乾燥させた抽出物を200μLアセトニトリル:水(1:3 v/v)で再溶解させ、2分間ボルテックスし、14000rpmで5分間遠心分離した。分析のため、2/5μLの上清をLC-UV-MSに注入した。
図4-Bからわかるとおり、実施例10の化合物などの本発明の化合物の分解により生成する細胞毒性小分子クロファラビン(Clofarabine)は、5つの種の肝細胞において検出することが可能であり、これは、実施例10の化合物の主な代謝産物である。活性実施例6の結果と組み合わせて、STINGアゴニスト活性を有するCDN分子と小細胞毒性分子がいずれもin vivoである期間にわたって存在し、それにより分子レベルでの組み合わせを達成し、増強された、さらに相乗的な抗腫瘍効果を提供する可能性が高い。この結果はまた、本化合物がマウス腫瘍抑制実験において極めて良好に機能した理由も説明する。
実施例8:CT26同系マウスの両側移植腫瘍モデルにおける、本発明の化合物と、CDN STINGアゴニストと細胞毒性剤との単純な組み合わせとの間の抗腫瘍活性の効果比較
6~8週齢のBALB/cマウス(Shanghai Ling Chang Biotech Co., Ltd.から購入)に、5×105個のCT26細胞(Taicang Zexin Biotechnology Co., Ltd.により供給、ATCC No.CRL-2638)を、それぞれ左背側及び右背側に皮下接種し、接種体積は0.1mL/側であった。腫瘍が平均体積100mm3に増殖したときに、これらを腫瘍サイズ及びマウス体重に従って無作為化し(本発明の化合物群;単一のCDN STINGアゴニスト群;単一の細胞毒性剤群;CDN STINGアゴニストと細胞毒性剤との単純な組み合わせ群)、投薬を開始した。初回投与の日は、0日目であった。3つの用量を、0日目、4日目及び7日目に投与し、右側腫瘍内に注射し、同体積のPBS(Hyclone社、カタログNo. SH30258.01)を対照として投与した。左側の腫瘍は処置しなかった。対照マウスを投与後13日に屠殺し、処置マウスを投与後21日に屠殺した。実験中、左側と右側の腫瘍体積並びに体重を1週間当たり3回測定し、腫瘍体積をV=D×d×d/2(同上)として算出した。
実験結果は、本発明の化合物群の腫瘍増殖阻害率が、単一のCDN STING群及び単一の細胞毒性剤群の腫瘍増殖阻害率よりも明らかに高く、本発明の化合物群の活性が、後者の2つの群の相加的活性と同等であるか、又はそれよりも高く、改善された、さらに相乗的な腫瘍阻害活性を生じさせたことを示す。
本発明の様々な列挙された実施形態における特定の特徴の一般的な又は好ましい定義は、他の特定の特徴の一般的な又は好ましい定義と組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を生じ得る。文脈が明らかに別段に示さない限り、このような組み合わせは、あたかも本明細書中に具体的に且つ個別に示されるかのようである。
本明細書において、幾つかの先行刊行物が参照される。これらの刊行物は、本発明の特許性には関連しないとみなされるが、それらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。本明細書における、任意の先行刊行物(又はそれから誘導される情報)に対する言及は、対応する先行刊行物(又はそれから導きだされる情報)が、この明細書が関連する技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成することの認容(acknowledgment)若しくは承認(admission)又は任意の形態の示唆ではなく、かつそのようなものとして解釈されるべきではない。

Claims (31)

  1. 式(II):
    Figure 2023546278000267
    (式中:
    B1は、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000268
    (ここでXは、Cl、F又は-NHC1-6アルキルから選択される)であるか;又はRaで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000269
    (ここでRaは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり;
    R1及びR1'は、それぞれ独立して、H、F又は-OHから選択され;
    B2は、Xで場合により置換されているアデニン
    Figure 2023546278000270
    (ここでXは、H、F又はClから選択される);Raで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000271
    (ここでRaは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される);又はグアニン
    Figure 2023546278000272
    (ここでOHは、C1-6アルキルで場合により置換されている)から選択され;
    Figure 2023546278000273
    は、リン酸結合がペントースの2'位又は3'位に結合しており、且つリン酸と環化していない位置がR2及びR2'で置換されていることを示し;
    R2及びR2'は、それぞれ独立して、H、-OH又はFから選択され;
    但し、B1又はB2のうちの1つがRaで場合により置換されているシトシンである場合、それが結合しているペントース環上のそれに隣接する炭素原子は、2個のFで置換されている)
    の環状ジヌクレオチド化合物、又はその立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ若しくは溶媒和物。
  2. 以下:
    Figure 2023546278000274
    が、リン酸結合がペントースの3'位に結合していることを示し、且つ式(II)が、以下の式:
    Figure 2023546278000275
    を有する、請求項1に記載の式(II)の化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物。
  3. B1が、
    Figure 2023546278000276
    であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1とR1'の一方がHであり、他方がFである、請求項2に記載の化合物。
  4. B1が、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000277
    (式中、Xは、-NHC1-6アルキル、好ましくは-NHCH3から選択される)であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1とR1'の一方がHであり、他方がFである、請求項2に記載の化合物。
  5. B1が、Raで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000278
    (式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり、R1とR1'がいずれもFである、請求項2に記載の化合物。
  6. B2が、グアニン
    Figure 2023546278000279
    又はアデニン
    Figure 2023546278000280
    であり、R2とR2'の一方がHであり、他方が-OH又はFから選択される、請求項2~5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. B2が、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000281
    (式中、XはClである)であり、R2とR2'の一方がHであり、他方がFであるか、又はR2とR2'がいずれもHである、請求項2~5のいずれか1項に記載の化合物。
  8. B2が、Raで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000282
    (式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり、R2とR2'がいずれもFである、請求項2~5のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 以下:
    Figure 2023546278000283
    が、リン酸結合がペントースの2'位に結合していることを示し、式(II)が、以下の式:
    Figure 2023546278000284
    を有する、請求項1に記載の式(II)の化合物、その立体異性体、互変異性体、安定同位体変異体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ又は溶媒和物。
  10. B1が、
    Figure 2023546278000285
    であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1とR1'の一方がHであり、他方がFである、請求項9に記載の化合物。
  11. B1が、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000286
    (式中、Xは-NHC1-6アルキル、好ましくは-NHCH3である)であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1とR1'の一方がHであり、他方がFである、請求項9に記載の化合物。
  12. B1が、Raで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000287
    (式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり、R1とR1'がいずれもFである、請求項9に記載の化合物。
  13. B2が、グアニン
    Figure 2023546278000288
    又はアデニン
    Figure 2023546278000289
    であり、R2とR2'の一方がHであり、他方が-OHである、請求項9~12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 以下:
    Figure 2023546278000290
    である請求項1、2又は9に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  15. B1が、
    Figure 2023546278000291
    であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1がFであり且つR1'がHである、請求項14に記載の化合物。
  16. B1が、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000292
    (式中、Xは-NHC1-6 アルキル、好ましくは-NHCH3である)であり、R1とR1'がいずれもHであるか、又はR1がFであり且つR1'がHである、請求項14に記載の化合物。
  17. B1が、Raで場合により置換されているシトシン
    Figure 2023546278000293
    (式中、Raは、H又は-C(O)-C1-14アルキルから選択される)であり、R1とR1'がいずれもFである、請求項14に記載の化合物。
  18. 式(II-a')中、B2が、グアニン
    Figure 2023546278000294
    又はアデニン
    Figure 2023546278000295
    であり、R2'がHであり、R2が-OH又はFから選択される、請求項14~17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. 式(II-a')中、B2が、Xで置換されているアデニン
    Figure 2023546278000296
    (式中、XはClである)であり、R2がHであり、R2'がFであり、又はR2とR2'がいずれもHである、請求項14~17のいずれか1項に記載の化合物。
  20. 式(II-b')中、B2が、グアニン
    Figure 2023546278000297
    又はアデニン
    Figure 2023546278000298
    であり、R2'がHであり、R2が-OHである、請求項14~17のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 以下:
    Figure 2023546278000299
    Figure 2023546278000300
    からなる群から選択される環状ジヌクレオチド化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  22. 治療有効量の請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物を、薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物。
  23. 局所投与の形態の、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 哺乳動物、特にヒトにおけるSTINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、特にウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のための方法であって、有効量の請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  25. STINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、特にウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のためのSTINGアゴニストとしての、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  26. ウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のための細胞毒性剤としての、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  27. 免疫療法及び細胞毒性療法のための多機能活性剤としての、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  28. 多機能活性剤が、抗腫瘍及び抗ウイルス複製の機能を発揮するようにSTINGシグナル伝達経路を活性化することにより免疫系を活性化し、細胞毒性剤を放出することにより腫瘍細胞死を誘導するか又はウイルス複製を防止し、腫瘍DNAを放出することによるSTINGの持続的活性化により腫瘍細胞を殺傷し、腫瘍ネオアンチゲンを放出して抗体-抗原応答を生じさせることにより腫瘍に対する「免疫記憶」又は持続性免疫の能力を提供するために使用される、請求項27に記載の使用。
  29. STINGに関連するか又はSTINGにより媒介される疾患、特にウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のための医薬の製造における、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  30. ウイルス感染症又は腫瘍の治療又は予防のための細胞毒性剤の製造における、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物又は請求項22~23のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  31. 腫瘍が、脳がん、頭頸部がん、皮膚がん、メラノーマ、膀胱がん、卵巣がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん、血液がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、骨がん、結腸直腸がん、肝がん、腎細胞がん、膵臓がん、ホジキンリンパ腫、又は白血病から選択される、請求項24~26及び28~30のいずれか1項に記載の方法又は使用。
JP2023547737A 2020-10-20 2021-10-19 多機能環状ジヌクレオチド及びその使用 Pending JP2023546278A (ja)

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