JP2023539125A - 有機化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、本明細書に記載の遊離形態、薬学的に許容される塩形態および/または実質的に純粋な形態の特定の置換(3α,5β)-3-ヒドロキシ-プレグナン-20-オン、その医薬組成物、および鎮静薬、睡眠薬、抗不安症薬および/または麻酔薬としての使用の方法、およびうつ病、不安症、不眠症、てんかんおよび他の中枢神経系障害の治療方法、ならびに他の薬剤との組み合わせに関する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2020年8月20日に出願された米国仮出願第63/068,222号の優先権および利益を主張する国際出願である(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
発明の分野
本発明は、本明細書に記載の遊離形態、薬学的に許容される塩形態および/または実質的に純粋な形態の特定の置換(3α,5β)-3-ヒドロキシ-プレグナン-20-オン、その医薬組成物、ならびに、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬および/または麻酔薬として使用する方法、およびうつ病、不安症、不眠症、てんかんおよび他の中枢神経系障害の治療方法、ならびに他の薬剤との組合せに関する。
脳の興奮性は、昏睡から痙攣に及ぶ連続体である、動物の覚醒のレベルとして定義され、これは様々な神経伝達物質によって調節される。一般に、神経伝達物質は、ニューロン膜を横切るイオンのコンダクタンスの調節に関与している。
神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、脳におけるニューロンの40%までがGABAを神経伝達物質として利用するため、脳の興奮性全体に大きな影響を及ぼす。GABAは、GABA受容体複合体(GRC)と相互作用して、脳を含む該神経系全体にわたって神経細胞へのその作用を媒介する。GABAは、ニューロン膜を横切る塩化物イオンの透過性(conductance)を調節することにより、個々のニューロンの興奮性を調節する。GABAはGRC上のその認識部位と相互作用して、塩化物イオンがGRCの電気化学的勾配を下って細胞内に流入するのを促進する。このアニオンのレベルが細胞内で増加すると、膜貫通電位の過分極が引き起こされ、ニューロンは興奮性入力の影響を受けにくくなる、すなわちニューロン興奮性が低下する。言い換えると、神経細胞内の塩化物イオン濃度が高いほど、脳の興奮性および覚醒のレベルが低くなる。
GRCは、不安、発作活動(seizure activity)、うつ病、鎮静の媒介に重要な役割を果たしている。その結果、GABA、およびGABAのように作用してGABAの作用を促進する薬物(例えば、治療的に有用なバルビツレート系薬物およびベンゾジアゼピン系薬物(BZ)、例えばバリウム(登録商標)(Valium(登録商標)))は、GRC上の特定の調節部位と相互作用することにより、治療的に有用な効果を生じる。蓄積された証拠により、現在では、ベンゾジアゼピンおよびバルビツレートの結合部位に加えて、GRCが神経活性ステロイドのための別個の部位を含有することが示されている。
向神経活性ステロイドは内因的に発生し、GABA-A受容体(ベンゾジアゼピン系薬物、バルビツレート系薬物および麻酔薬を含む多くの向神経系薬の標的として周知の受容体)のアロステリックモジュレーションを含む数多くの機能を有している。最も強力な内因性向神経活性ステロイドは、それぞれ、ホルモン系ステロイドであるプロゲステロンおよびデオキシコルチコステロンの代謝物である3α-ヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オンおよび3α,21-ジヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オンである。米国特許出願公開第2017/0240589号(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)において論じられているように、いくつかの最近の臨床観察結果は、脳の興奮性の恒常的調節におけるプロゲステロンおよびデオキシコルチコステロンならびにそれらの代謝物の極めて重要な役割を示唆している。これは、例えば、発作活動の増加、または月経随伴性てんかん、PMS、PNDに関連する症状を呈し、プロゲステロンの減少とPMS、PNDおよび月経随伴性てんかんに関連する症状との間の相関として現れる。しかしながら、プロゲステロンは上記の症候群の治療において一貫して有効であるというわけではない。プロゲステロンの天然向神経活性代謝物としては、プレグナノロンおよびアロプレグナノロンが挙げられ、これらの代謝物はプロゲステロンおよびデオキシコルチコステロンの効果の少なくとも一部を媒介し得る。
天然に存在する向神経活性ステロイドは、半減期が短く、おそらく代謝が速いために経口バイオアベイラビリティが悪いため、一般に薬理学的薬剤として不適当である。そのような2つのステロイドは、異性体のプレグナノロンとアロプレグナノロン:
である。これらは、有望な薬理学的活性を示す内因性向神経活性ステロイドであるが、それらは、経口バイオアベイラビリティが低く、半減期が短いという欠点がある。C-3ヒドロキシル基は、ケトンへの酸化およびグルクロニドへのコンジュゲーションによって急速に代謝されることが示されている。
鎮静薬、睡眠薬および抗不安薬などの脳の興奮性を調節する薬剤、ならびにCNS関連疾患の予防と治療のための薬剤として作用する、新しくて改良された向神経活性ステロイドが必要とされている。
合成および半合成の向神経活性ステロイドは当技術分野で知られており、潜在的なCNS薬物として研究されてきた。
3β-置換の付加は、強力な経***性を有するが望ましくないほど長い半減期を有する向神経活性ステロイドをもたらすことが示されている。C-3にアルキル置換基を導入すると、ケトンへの酸化がブロックされ、アルコールのグルクロン酸化が立体的に阻害される。例えば、鎮静/睡眠薬は、翌日の残留効果および夜間の継続的投与での蓄積を避けるために、ヒトにおける排出半減期が5時間未満であることが好ましい。3β-メトキシメチル置換ステロイドは、他の3β-置換向神経活性ステロイドの望ましい経***性を維持するが、持続作用により、鎮静薬/睡眠薬および麻酔薬として有用になったことが以前発見された。このような化合物は、例えば、米国特許第5,939,545号および米国特許第6,277,838号に開示されている。
そのような化合物の1つであるガナキサロンは、アロプレグナノロンの3β-メチル類似体であり、てんかんの治療において安全かつ有効であることが示されている。しかしながら、代謝に対する3β-置換のプラス効果にもかかわらず、バイオアベイラビリティは依然として低く、1日1800mgという非常に高い経口投与が必要である。
アロプレグナノロンの別の類似体である3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1H-イミダゾール-1-イル)-5α-プレグナン-20-オンも、例えば米国特許出願公開第2004/0034002号および米国特許出願公開第2009/0131383号に開示されている。
最近の研究では、合成5β-プレグナノロン類似体も非常に活性であることが示されている。Botella et al., J. Med. Chem. 58: 3500-3511 (2015)は、一連の5α化合物および5β化合物のGABA-A受容体結合および薬物動態の比較データを報告し、5β異性体はそれらの5α対応物に比べてより高い効力を有することが示された。例えば、3α-ヒドロキシ-3β-メチル-21-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)-5β-19-ノルプレグナン-20-オンは、有望な治療可能性を有することが示されている。Botella et al., J. Med. Chem. 60: 7810-7819 (2017)。これらの化合物は、現在、産後うつ病、大うつ病性障害、本態性振戦およびパーキンソン病の治療に使用するために研究されている。
しかしながら、代謝分解に対するより高い抵抗性または改善された分布および/もしくはバイオアベイラビリティなどの改善された薬物動態特性を有するプレグナノロンの誘導体を開発することは有利であろう。
化学名が2-(1H-イミダゾール-1-イル)-1-((3S,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エタン-1-オンであり、一般名が3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1H-イミダゾール-1-イル)-5β-プレグナン-20-オンである、式Aで示される化合物は、GABA受容体結合試験および動物モデルで有効であることが示されている。国際公開第2000/066614号を参照。
化学名が21-(2-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリルであり、一般名が3α-ヒドロキシ-3β-メチル-21-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)-5β-19-ノルプレグナン-20-オンである、式Bで示される化合物もまた、GABA受容体結合試験で有効であることが示されている。Botella et al., J. Med. Chem. 60: 7810-7819 (2017)を参照。
式Aで示される化合物および式Bで示される化合物は、鎮静/睡眠薬として、または麻酔薬として、および中枢神経系障害の治療または予防に有用であるが、患者に投与されると改善された治療濃度または改善された薬物動態分布または動態(dynamics)を提供し得る、これらの化合物の同位体類似体およびプロドラッグなどの類似体が当技術分野で必要とされている。
本開示は、式Aで示される化合物の重水素化類似体および/またはプロドラッグである式Iおよびそれ以降の式で示される化合物、ならびに式Aおよび式Bで示される化合物の重水素化ハイブリッドである式IIおよびそれ以降の式で示される化合物を提供することによってこの必要性を満たす。本開示の化合物は、それらの有用な代謝プロファイルおよび薬物動態プロファイルに起因して、患者に投与されると長時間作用型または徐放型(extended-release)組成物として製剤化するのに特に適し得る。
第1の態様の第1の実施態様において、本開示は、遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式I:
[式中、
Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
2~R9の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
ただし、R1がOCH3またはHであり、R2~R9が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
で示される化合物(化合物1)を提供する。
第1の態様の第2の実施態様において、本開示は、遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式II:
[式中、
Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
2~R8の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
ただし、R1がHであり、R2~R8が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
で示される化合物(化合物2)を提供する。
第2の態様において、本開示は、式Iおよびそれ以降の式で示される化合物または式IIおよびそれ以降の式で示される化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。
第3の態様において、本開示は、GABAA受容体調節因子(例えば、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子)を用いて寛解可能な中枢神経系障害の治療または予防のための方法であって、該治療または予防を必要とする患者に、式Iで示される化合物もしくは式IIで示される化合物、またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
第4の態様において、本開示は、鎮静または麻酔の誘導を必要とする患者において鎮静または麻酔を誘導する方法であって、式Iで示される化合物もしくは式IIで示される化合物、またはその医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
発明の詳細な説明
第1の態様の第1の実施態様において、本開示は、遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式I:
[式中、
Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
2~R9の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
ただし、R1がOCH3またはHであり、R2~R9が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
で示される化合物(化合物1)を提供する。
本開示は、下記のものを含む、遊離形態または塩形態の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式Iで示される化合物のさらなる例示的実施態様を提供する:
1.1 XがHである、化合物I;
1.2 Xが、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される、化合物I;
1.3 Xが-(C=O)-Raである、化合物I;
1.4 Xが-CH2-(C=O)-O-Raである、化合物I;
1.5 Xが-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)である、化合物I;
1.6 RaがHである、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.7 Raが、C1-20アルキル(例えば、メチル)またはC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)である、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.8 RaがC1-20アルキル(例えば、メチル)である、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.9 RaがC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)である、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.10 Raがメチルである、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.11 Raがベンジルである、化合物I、または1.1~1.5のいずれか;
1.12 Xが-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)であり、RbがHである、化合物I、または1.1~1.11のいずれか;
1.13 R1がOCH3である、化合物I、または1.1~1.12のいずれか;
1.14 R1が、OCDH2、OCD2H、またはOCD3である、化合物I、または1.1~1.12のいずれか;
1.15 R1がOCD3である、化合物I、または1.1~1.12のいずれか;
1.16 R1がHである、化合物I、または1.1~1.12のいずれか;
1.17 R1、R2およびR3が各々Dである、化合物I、または1.1~1.12のいずれか;
1.18 R2~R9の全てがHである、化合物1.1~1.17のいずれか;
1.19 R2~R9のうちのいずれか1つがDである、化合物1.1~1.17のいずれか;
1.20 R2~R9のうちのいずれか2つがDである、化合物1.1~1.17のいずれか;
1.21 R2~R9のうちのいずれか3つがDである、化合物1.1~1.17のいずれか;
1.22 R2~R9のうちのいずれか4つがDである、化合物1.1~1.17のいずれか;
1.23 R2およびR3が各々Dである、化合物1.1~1.22のいずれか;
1.24 R5およびR6が各々Dである、化合物1.1~1.23のいずれか;
1.25 R7~R9のうちのいずれか1つ、2つまたは3つがDである、化合物1.1~1.24のいずれか;
1.26 化合物が、
からなる群から選択される、化合物I、または1.1~1.25のいずれか;
1.27 遊離形態(遊離塩基形態)の、化合物I、または1.1~1.26のいずれか;
1.28 塩形態、例えば、薬学的に許容される塩形態(例えば、塩酸塩)の、化合物I、または1.1~1.26のいずれか;
1.29 固体形態の、化合物I、または1.1~1.28のいずれか;
1.30 実質的に純粋なジアステレオマー形態の(すなわち、他のジアステレオマーを実質的に含まない)、化合物I、または1.1~1.29のいずれか;
1.31 ジアステレオマー過剰率が、70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える、最も好ましくは95%を超える、化合物I、または1.1~1.30のいずれか;
1.32 構造の指示位置のうち1つ以上での重水素の組み込みが、50%を超える(すなわち、50原子%Dを超える)、例えば、60%を超える、または70%を超える、または80%を超える、または90%を超える、または95%を超える、または96%を超える、または97%を超える、または98%を超える、または99%を超える、化合物I、または1.1~1.30のいずれか。
1.33 単離または精製された形態の、化合物I、または1.1~1.32のいずれか。
第1の態様の第2の実施態様において、本開示は、遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式II:
[式中、
Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
2~R8の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
ただし、R1がHであり、R2~R8が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
で示される化合物(化合物2)を提供する。
本開示は、下記のものを包含する、遊離形態または塩形態の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式IIで示される化合物のさらなる例示的実施態様を提供する:
2.1 XがHである、化合物II;
2.2 Xが、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される、化合物II;
2.3 Xが-(C=O)-Raである、化合物II;
2.4 Xが-CH2-(C=O)-O-Raである、化合物II;
2.5 Xが-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)である、化合物II;
2.6 RaがHである、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.7 Raが、C1-20アルキル(例えば、メチル)またはC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)である、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.8 RaがC1-20アルキル(例えば、メチル)である、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.9 RaがC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)である、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.10 Raがメチルである、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.11 Raがベンジルである、化合物II、または2.1~2.5のいずれか;
2.12 XがCH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)であり、RbがHである、化合物II、または2.1~2.11のいずれか;
2.13 R1がOCH3である、化合物II、または2.1~2.12のいずれか;
2.14 R1が、OCDH2、OCD2H、またはOCD3である、化合物II、または2.1~2.12のいずれか;
2.15 R1がOCD3である、化合物II、または2.1~2.12のいずれか;
2.16 R1がHである、化合物II、または2.1~2.12のいずれか;
2.17 R1、R2およびR3が各々Dである、化合物II、または2.1~2.12のいずれか;
2.18 R2~R8の全てがHである、化合物2.1~2.17のいずれか;
2.19 R2~R8のうちのいずれか1つがDである、化合物2.1~2.17のいずれか;
2.20 R2~R8のうちのいずれか2つがDである、化合物2.1~2.17のいずれか;
2.21 R2~R8のうちのいずれか3つがDである、化合物2.1~2.17のいずれか;
2.22 R2~R8のうちのいずれか4つがDである、化合物2.1~2.17のいずれか;
2.23 R2およびR3がDである、化合物2.1~2.22のいずれか;
2.24 R5およびR6がDである、化合物2.1~2.22のいずれか;
2.25 R7~R8のうちのいずれか1つまたは2つがDである、化合物2.1~2.24のいずれか;
2.26 化合物が、
からなる群から選択される、化合物II、または2.1~2.25のいずれか;
2.27 遊離形態(遊離塩基形態)の、化合物II、または2.1~2.26のいずれか;
2.28 塩形態、例えば薬学的に許容される塩形態(例えば、塩酸塩)の、化合物II、または2.1~2.26のいずれか;
2.29 固体形態の、化合物II、または2.1~2.28のいずれか;
2.30 実質的に純粋なジアステレオマー形態の(すなわち、他のジアステレオマーを実質的に含まない)、化合物II、または2.1~2.29のいずれか;
2.31 ジアステレオマー過剰率が、70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える、最も好ましくは95%を超える、化合物II、または2.1~2.30のいずれか;
2.32 構造の指示位置のうち1つ以上での重水素の組み込みが、50%を超える(すなわち、50原子%Dを超える)、例えば、60%を超える、または70%を超える、または80%を超える、または90%を超える、または95%を超える、または96%を超える、または97%を超える、または98%を超える、または99%を超える、化合物II、または2.1~2.30のいずれか。
2.33 単離または精製された形態の、化合物II、または2.1~2.32のいずれか。
第2の態様において、本開示は、式Iで示される化合物、例えば、化合物1または1.1~1.33のいずれか、または式IIで示される化合物、例えば、化合物2または2.1~2.33のいずれかを、例えば薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して、含む医薬組成物(医薬組成物2)を提供する。本開示は、下記のものを包含する、医薬組成物2のさらなる例示的実施態様を提供する:
2.1 式Iおよびそれ以降の式で示される化合物または式IIおよびそれ以降の式で示される化合物が、固体形態である、医薬組成物2;
2.2 組成物が即時放出型組成物である、医薬組成物2または2.1;
2.3 組成物が遅延放出型組成物である、医薬組成物2または2.1;
2.4 組成物が持続放出型組成物である、医薬組成物2または2.1;
2.5 組成物が経口投与剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)である、医薬組成物2、または2.1~2.4のいずれか;
2.6 組成物が、舌下錠、バッカル錠および/または経口溶解錠である、医薬組成物2.5;
2.7 組成物が、注射用組成物(例えば、静脈注射、皮下注射または筋肉注射のために製剤化された)である、医薬組成物2、または2.1~2.4のいずれか;
2.8 組成物が、持続放出型注射用組成物(例えば、デポ製剤)、例えば、筋肉注射または皮下注射用の長時間作用型注射剤として製剤化された)である、医薬組成物2.7;
2.9 組成物が、経粘膜用組成物、例えば、バッカル用組成物、舌下用組成物、鼻腔内用組成物、または肺エアゾール組成物である、医薬組成物2、または2.1~2.4のいずれか;
2.10 組成物が、眼科用組成物、例えば、局所または眼内注射用組成物である、医薬組成物2、または2.1~2.4のいずれか;
2.11 式Iおよびそれ以降の式で示される化合物または式IIおよびそれ以降の式で示される化合物がポリマーマトリックス中にある、医薬組成物2、または2.1~2.10のいずれか。
医薬組成物2およびそれ以降の医薬組成物には、本発明の化合物がその意図する目的を達成するのに有効な量で含有されている、全ての組成物が含まれる。個々のニーズは異なるが、各成分の有効量の最適な範囲を決定することは当業者の技術範囲である。典型的には、化合物は、不眠症の治療を受けている哺乳動物の体重の1日あたり0.0025~50mg/kgの用量またはその薬学的に許容される塩の等価量を哺乳動物、例えばヒトに経口投与することができる。筋肉注射の場合、用量は一般に経口用量の約半分である。
単位経口用量は、化合物を約0.01~約50mg、好ましくは約0.1~約10mg含み得る。単位用量は、各々が化合物またはその塩を約0.1~約10、好都合には約0.25~50mg含有する1個以上の錠剤として毎日1回以上投与され得る。
本発明の医薬組成物は、その意図する目的を達成する手段で投与され得る。例えば、投与は、非経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、経皮または頬側の経路によるものであり得る。別法として、または並行して、投与は経口経路によるものであり得る。投与量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、もしあれば併用療法の種類、治療の頻度、および所望の効果の性質に依存する。
化合物1およびそれ以降の化合物または化合物2およびそれ以降の化合物の治療血漿レベルは、約5ng/mL~約500ng/mLの範囲であり得る。他の有効な治療範囲としては、約50ng/mL~約500ng/mL、約50ng/mL~約400ng/mL、約50ng/mL~約325ng/mL、約50ng/mL~約250ng/mL、約50ng/mL~約100ng/mL、および約100ng/mL~約250ng/mLが挙げられる。
いくつかの実施態様において、本開示の医薬組成物は、持続放出または遅延放出のための注射用組成物、例えばデポ製剤である。
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、ポリマーマトリックス中にある式Iおよびそれ以降の式で示される化合物または式IIおよびそれ以降の式で示される化合物を含む。一の実施態様において、本開示の化合物は、ポリマーマトリックス内に分散または溶解される。さらなる実施態様において、ポリマーマトリックスは、ヒドロキシ脂肪酸のポリエステルおよびその誘導体、またはアルキル-α-シアノアクリレートのポリマー、ポリアルキレンオキサレート、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステル、ならびにそれらの混合物から選ばれるポリマーなどのデポ製剤で用いられる標準ポリマーを含む。さらなる実施態様において、ポリマーは、ポリラクチド、ポリd,l-ラクチド、ポリグリコリド、PLGA 50:50、PLGA 65:35、PLGA 75:25、PLGA 85:15およびPLGA 90:10ポリマーからなる群から選択される。別の実施態様において、ポリマーは、ポリ(グリコール酸)、ポリ-D,L-乳酸、ポリ-L-乳酸、上記のもののコポリマー、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸-カプロラクトン)、ポリ無水物、および、アルブミン、カゼインおよびワックスを包含する天然ポリマー、例えばモノおよびジステアリン酸グリセロール、ならびに同類のものから選択される。好ましい実施態様において、ポリマーマトリックスは、ポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)を含む。
これらの組成物は、最大180日間、例えば約14日~約30日~約180日の期間にわたる本開示の化合物の制御放出および/または持続放出のために(例えば、デポ組成物として)製剤化され得る。例えば、ポリマーマトリックスは、約30日、約60日、または約90日の期間にわたって、本開示の化合物を分解および放出し得る。別の例において、ポリマーマトリックスは、約120日または約180日の期間にわたって、本開示の化合物を分解および放出し得る。
さらに別の実施態様において、本開示の医薬組成物、例えば本開示のデポ組成物は、注射による投与用に製剤化される。
第3の態様において、本開示は、GABAA受容体調節因子(例えば、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子)を用いて寛解可能な中枢神経系障害の治療または予防方法であって、該治療または予防を必要とする患者に、式Iで示される化合物、例えば化合物1もしくは1.1~1.33のいずれか、または式IIで示される化合物、例えば化合物2もしくは2.1~2.33のいずれか、またはその医薬組成物、例えば組成物2もしくは2.1~2.11のいずれかを投与することを含む方法(方法3)を提供する。さらなる実施態様において、本開示は、以下のものを提供する:
3.1 遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、化合物1もしくは1.1~1.33のいずれか、または化合物2もしくは2.1~2.33のいずれかを投与することを含む、方法3;
3.2 医薬組成物2または2.1~2.11のいずれかを投与することを含む、方法3;
3.3 中枢神経系障害が、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子を用いて治療可能である、方法3または方法3.1~3.2のいずれか;
3.4 中枢神経系障害が、睡眠障害(例えば、不眠症)、概日リズム障害、相シフト障害(例えば、時差ぼけ)、不安症(全般性不安症、社会不安症、およびパニック症を含む)、心的外傷後ストレス障害、うつ病(例えば、難治性うつ病、大うつ病性障害、双極性うつ病、産後うつ病、季節性情動障害、気分変調症、治療抵抗性うつ病、自殺念慮または自殺行動、および月経前不快気分障害)、強迫性障害(compulsive disorders)(例えば、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder))、統合失調症、統合失調感情障害、注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動障害(ADHD))、痙攣性障害(例えば、発作性疾患、てんかん、またはてんかん重積状態、例えば早期てんかん重積状態、確立したてんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態、および非痙攣性てんかん重積状態、例えば全般性てんかん重積状態および複雑部分てんかん重積状態)、攻撃性の障害(例えば、急性または慢性攻撃性)、激越障害(例えば、急性または慢性激越)、記憶および/または認知の障害(例えば、神経変性障害、アルツハイマー病、老化、レビー小体病、血管性認知症)、運動障害(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、振戦)、自閉症および自閉症スペクトラム障害(例えば、アスペルガー症候群)、疼痛性障害(例えば、神経障害性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛)、パーソナリティ障害(例えば、***性パーソナリティ障害、抑うつ性パーソナリティ障害)、血管障害(例えば、脳卒中、血流不全、血管奇形)、摂食障害(例えば、過食症、食欲不振、過食性障害、悪液質)、外傷性脳損傷、物質乱用障害、物質使用障害、物質離脱症候群、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群、および耳鳴症、および神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、昏睡、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、ジスキネジア、ジストニア);ならびに効果的な治療のために鎮静または麻酔を必要とする障害からなる群から選択される、方法3.3;
3.5 中枢神経系障害が、睡眠障害(例えば、不眠症)、不安症(全般性不安症、社会不安症、およびパニック症を含む)、心的外傷後ストレス障害、うつ病(例えば、難治性うつ病、大うつ病性障害、双極性うつ病、産後うつ病)、および痙攣性障害(例えば、発作性疾患、てんかん、またはてんかん重積状態)からなる群から選択される、方法3.4;
3.6 中枢神経系障害が、睡眠障害(例えば、不眠症)、不安症(全般性不安症、社会不安症、およびパニック症を含む)、うつ病(例えば、難治性うつ病、大うつ病性障害、双極性うつ病、産後うつ病)、および痙攣性障害(例えば、発作性疾患、てんかん、または重積状態)からなる群から選択される、方法3.5;
3.7 化合物または組成物が経口投与される、方法3、または3.1~3.6のいずれか;
3.8 投与される組成物が固体経口投与剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)である、方法3.7;
3.9 固体経口投与剤形が舌下または頬側の口腔内溶解性錠剤である、方法3.7;
3.10 化合物または組成物が、例えばエアゾールの形態で、鼻腔内投与されるかまたは肺吸入により投与される、方法3、または3.1~3.6のいずれか;
3.11 化合物または組成物が、例えば局所眼科薬として、眼科的に投与される、方法3、または3.1~3.6のいずれか;
3.12 化合物または組成物が、1日3回、または1日2回、または1日1回、投与される、方法3.7~3.11のいずれか;
3.13 化合物または組成物が、注射によって、例えば静脈注射、皮下注射、眼内注射、腹腔内注射または筋肉注射によって、投与される、方法3、または3.1~3.6のいずれか;
3.14 化合物または組成物が、長時間作用型注射用組成物、例えばデポ製剤として、投与される、方法3.13;
3.15 注射が、1日1回または2日に1回、または3日~7日に1回、または1週間に1回、または1週間~4週間に1回、または1か月に1回投与される、方法3.13または3.14。
本開示のGABAA調節因子を用いて治療可能な他の疾患および障害としては、米国特許出願公開第2017/0240589号(その内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に開示および記載されているものが挙げられる。
本明細書に記載されている本発明の化合物は、一般に、GABA機能を調節するように、したがって、対象体におけるCNS関連状態の治療および予防のための向神経活性ステロイドとして作用するように設計される。本明細書で使用される調節とは、GABA受容体機能の阻害または増強、特にGABAA受容体機能の正のアロステリック調節(増強)を意味する。したがって、本明細書で提供される化合物および医薬組成物は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む哺乳動物におけるCNS状態を予防および/または治療するための治療薬としての使用を見出す。したがって、先に述べたように、本発明は、その範囲内に、記載した治療方法、ならびにそのような方法のための化合物、およびそのような方法に有用な医薬品の調製のためのそのような化合物の使用を含み、そしてそれらにまで及ぶ。
別の実施態様において、本開示は、約14日~約30日~約180日に期間にわたる、好ましくは約30日、約60日または約90日の期間にわたる本発明の化合物の遅延放出および/または持続放出のために製剤化される医薬組成物2または2.1~2.11のいずれかの投与を含む、方法3.1~3.15のいずれかを提供する。遅延放出および/または持続放出は、特に、治療の時期尚早の中止を回避するのに特に有用であり、特に投薬計画へのノンコンプライアンスまたはノンアドヒアランスが頻繁に起こる薬物療法に有用である。
さらに別の実施態様において、本発明は、一定期間にわたる本発明の化合物の制御放出および/または持続放出のために投与される本開示のデポ組成物である医薬組成物の投与を含む、上記のいずれかの方法3または3.1~3.15を提供する。
第4の態様において、本開示は、鎮静または麻酔の誘導を必要とする患者において鎮静または麻酔を誘導する方法であって、該誘導を必要とする患者に、式Iで示される化合物、例えば化合物1もしくは1.1~1.33のいずれか、または式IIで示される化合物、例えば化合物2または2.1~2.33のいずれか、またはその医薬組成物、例えば組成物2もしくは2.1~2.11のいずれかを投与することを含む、方法(方法4)を提供する。さらなる実施態様において、第4の態様は、以下のものを提供する:
4.1 投与される用量が、投与後2時間以内、例えば投与後1時間以内に患者に鎮静および/または麻酔をもたらすのに有効である、方法4;
4.2 投与される用量が、投与後45分以内、例えば投与後30分以内、または20分以内または10分以内に患者に鎮静および/または麻酔をもたらすのに有効である、方法4;
4.3 投与される用量が、投与後5分以内、例えば投与後3分以内、または2分以内または1分以内に患者に鎮静および/または麻酔をもたらすのに有効である、方法4;
4.4 単回投与によってもたらされる鎮静および/または麻酔が、1時間~24時間、例えば、1時間~12時間、または1時間~6時間、または1時間~4時間、または1時間~2時間の持続時間を有する、方法4または4.1~4.3のいずれか;
4.5 化合物または組成物が経口投与される、方法4または4.1~4.4のいずれか;
4.6 投与される組成物が固体経口投与剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)である、方法4.5;
4.7 固体経口投与剤形が、舌下または頬側の口腔内溶解性錠剤である、方法4.6;
4.8 化合物または組成物が、例えばエアゾールの形態で、鼻腔内投与されるかまたは肺吸入により投与される、方法4または4.1~4.4のいずれか;
4.9 化合物または組成物が、注射によって、例えば、例えば静脈注射、皮下注射、腹腔内注射または筋肉注射によって、投与される、方法4または4.1~4.4のいずれか。
本開示の化合物、本開示の医薬組成物または本開示のデポ組成物は、従来の単剤療法で一般的に起こる望ましくない副作用を引き起こすことなく、組み合わせた薬剤の治療活性を高めるように、特に個々の薬剤を単剤療法として使用する場合よりも低い用量で、第2の治療薬と組み合わせて使用することができる。したがって、本開示の化合物は、1つ以上の抗うつ薬、抗精神病薬、鎮静/睡眠薬(例えば、ベンゾジアゼピン、抗痙攣薬、物質乱用治療薬(例えば、メタドン、ナロキソン)および/またはパーキンソン病または気分障害の治療に使用する薬剤と同時に(simultaneously)、逐次(sequentially)または同時期に(contemporaneously)投与され得る。別の例において、副作用は、本開示の化合物を1つ以上の遊離形態または塩形態の第2の治療薬と組み合わせて投与することによって低減または最小化され得、(i)第2の治療薬の用量または(ii)本開示の化合物と第2の治療薬の両方の用量は、薬剤/化合物が単剤療法として投与される場合よりも低い。
いくつかの実施態様において、本開示は、したがって、さらに患者に1つ以上の治療薬を投与することを含むものであり、該1つ以上の治療薬が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、GABA活性を調節する(例えば、該活性を増強し、GABA伝達を促進する)化合物、GABA-Bアゴニスト、5-HT受容体調節因子(例えば、5-HT1Aアゴニスト、5-HT2Aアンタゴニスト、5-HT2Aインバースアゴニスト、セロトニン再取り込み阻害薬など)、メラトニン受容体アゴニスト、イオンチャネル調節因子(例えば、ブロッカー)、セロトニン2受容体アンタゴニスト/再取り込み阻害薬(5-HT2アンタゴニズムとセロトニン再取り込み阻害の両方を有する化合物、すなわち、ASRI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3アゴニストもしくはアンタゴニスト、ノルアドレナリン作動性アゴニストもしくはアンタゴニスト、ガラニンアゴニスト、CRHアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアゴニスト、エストロゲン、エストロゲンアゴニスト、他の向神経活性ステロイド、プロゲステロンもしくはプロゲステロン代謝物、ニューロキニン1薬、抗うつ薬、およびオピエートアゴニストおよび/またはオピエート部分アゴニスト(例えば、μ-、κ-またはδ-オピエート受容体アゴニストまたは部分アゴニスト)、ノシセプチンアゴニスト、薬物代謝の阻害剤、および抗精神病薬、例えば、非定型抗精神病薬から選択される、方法3、または方法3.1~3.15のいずれか、または方法4もしくは4.1~4.9のいずれかを提供する。いくつかの実施態様において、このような薬剤には、投与されている本開示の化合物の代謝速度を低下させるのに役立つ、レダクターゼ阻害剤、オキシドレダクターゼ阻害剤、またはチトクロムオキシダーゼ(CYP酵素)阻害剤などの薬物代謝の阻害剤が含まれる。例えば、このような薬剤には、ケトンレダクターゼおよびステロイドヒドロゲナーゼ(例えば、20α-ヒドロキシステロイドヒドロゲナーゼまたは20β-ヒドロキシステロイドヒドロゲナーゼ)の阻害剤が含まれる得る。このようなレダクターゼ、オキシドレダクターゼおよびヒドロゲナーゼの阻害剤に加えて、薬物代謝のこのような阻害剤には、これらの酵素に対する競合的基質も含まれ得る。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物と上記した1つ以上の第2の治療薬との組み合わせは、本明細書に記載されるように、医薬組成物またはデポ組成物として患者に投与され得る。該組み合わせ組成物としては、組み合わせた薬剤の混合物、および薬剤の2つ以上の別々の組成物を挙げることができ、これらの個々の組成物は、例えば、患者に一緒に共投与することができる。
第5の態様において、本開示は、例えば方法3のいずれかまたは方法3.1~3.15のいずれかにおける、上記の1つ以上の障害の治療または予防のための医薬、または例えば方法4のいずれかもしくは4.1~4.9のいずれかにおける、鎮静もしくは麻酔の誘導における医薬、または本明細書に記載の他の方法実施態様における医薬の製造における、式Iで示される化合物、例えば化合物1もしくは1~1.33のいずれか、または式IIで示される化合物、例えば化合物2もしくは2.1~2.33のいずれか、またはその医薬組成物、例えば組成物2もしくは2.1~2.11のいずれかの使用を提供する。
第6の態様において、本開示は、例えば方法3のいずれかもしくは方法3.1~3.15のいずれかにおける、本明細書に記載の1つ以上の障害の治療または予防における、または例えば方法4のいずれかもしくは4.1~4.9のいずれかにおける、鎮静もしくは麻酔の誘導における、または本明細書に記載の他の方法実施態様における、式Iで示される化合物、例えば化合物1もしくは1~1.33のいずれか、または式IIで示される化合物、例えば化合物2もしくは2.1~2.33のいずれか、またはその医薬組成物、例えば組成物2もしくは2.1~2.11のいずれかの使用を提供する。
理論に拘束されることなく、本発明は、動物および/またはヒトに投与した場合に、式Aで示される化合物または式Bで示される化合物の代謝を遅くする、変化させる、および/または防止する化合物を提供する:
通常の水素原子(1H)と比較して重水素(2H)原子の化学的および物理的特性(例えば、原子電荷、原子容、極性、原子価など)が非常に似ているため、水素を重水素に置き換えた薬剤化合物は、一般に非重水素化類似体と同様の生物活性を持つが、薬物動態特性が改善されている可能性があると考えられている。特に、重水素原子はプロチウム原子のほぼ2倍の原子質量を持っているが、それらの空間体積および電荷分布が似ていることが重要であり、これらの後者の因子が生体分子との結合に極めて重要である。薬物動態特性の向上は、C-D結合の結合力がH-D結合に比べて著しく高く、その結果、酵素(代謝)反応の間のD/H引き抜きに対するエネルギー障壁が高くなる(速度論的同位体効果)ことに起因する。このような置換が薬理活性の過度の損失なしに薬物動態特性の改善をもたらす程度は様々である。したがって、ある状況では、得られる重水素化化合物は、薬物動態的安定性の中程度の増加しかもたらさないが、他の状況では、得られる重水素化化合物は、代謝安定性を大幅に改善することができる。さらに、同時に重水素を置換した場合の効果を確実に予測することは難しいかもしれない。これらは、代謝安定性の相加的(相乗的)な改善をもたらす場合ももたらさない場合もある。
現在までに多くの重水素化医薬化合物が提案され、探求されてきたが、米国食品医薬品局によって承認された重水素化医薬化合物は、ハンチントン病薬テトラベナジンの重水素化バージョンであるデューテトラベナジン(Teva Pharmaceuticals、2017年4月)1つだけであり、それは、その非重水素化対応物よりも長い治療的に有用な半減期を有する。
いくつかの実施態様において、本開示は、式Aで示される化合物の構造の特定の選択された位置に重水素原子を含む化合物を提供する。これらの特定の重水素化は、本発明者らがこれらの化合物に影響を与える可能性が高いと判断した酵素経路との関係のため、該化合物の代謝分解およびクリアランスに影響を与えることが予想される。したがって、これらの新規化合物は、式Aで示される化合物と実質的に同じ薬理活性を呈し、しかも代謝安定性および薬物動態特性が予想外に改善されることが期待される。
他の実施態様において、本開示は、自然の代謝活性が不安定な官能基を除去し、インビボで式Aで示される化合物をもたらすように、化合物内に配置された生物学的に不安定な官能基を有する式Aで示される化合物の類似体である化合物を提供する。このように、本開示のいくつかの化合物をそれを必要とする患者に投与すると、式Aで示される化合物の該患者の組織への即時放出および遅延放出の両方をもたらす。本開示のこのような化合物は、それ自体では有意な薬理活性を有さないが、式Aで示される薬理活性化合物のリザーバーとして役立つことが予想される。このように、本開示の化合物は、長時間作用型注射用(LAI)または「デポ」医薬組成物としての製剤化に特に適している。理論に拘束されることなく、本開示の化合物を含む注射された「デポ」は、該化合物を体組織に徐々に放出し、その組織において該化合物は徐々に代謝されて式Aで示される化合物をもたらす。このようなデポ製剤は、本開示の化合物の溶出および放出の速度を制御するために、適切な成分の選択によってさらに調整され得る。
本明細書で使用される「アルキル」は、他に特記しない限り、例えば1~21炭素原子長の、飽和または不飽和の炭化水素部分である;そのようなアルキルは、他に特記しない限り、直鎖または分枝鎖(例えば、n-ブチルまたはtert-ブチル)であり得、好ましくは直鎖であり得る。例えば、「C1-21アルキル」は、1~21個の炭素原子を有するアルキルを表す。一の実施態様において、アルキルは、1個以上のヒドロキシまたはC1-22アルコキシ(例えば、エトキシ)基で置換されていてもよい。別の実施態様において、アルキルは1~21個の炭素原子を含有しており、好ましくは直鎖であり、飽和であっても不飽和であってもよく、例えば、いくつかの実施態様において、R1は、例えば、それが結合している-C(O)-と一緒になって、例えば式Iで示される化合物(または式IIで示される化合物)から切断されると天然または非天然の飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成するように1~21個の炭素原子、好ましくは6~15個の炭素原子、16~21個の炭素原子を含有しているアルキル鎖である。
「D」または「重水素」という用語は、水素原子の2H同位体をいう。水素の2つの安定同位体の自然存在量は、プロチウム(1H)が約99.98%、重水素(2H)が0.02%である。したがって、一般的な試薬を用いて合成された分子中の水素原子は、平均して、全ての水素原子位置で約0.02%の重水素が存在する。したがって、当業者は、本明細書に記載されているように、C-D結合または「D」原子を有する化学構造に言及する場合、分子の該位置が、重水素が天然の存在量0.02%よりも多く存在するように濃縮されていることを意味すると理解するであろう。したがって、分子中のラベル「D」は、例えば、少なくとも0.1%の重水素、または少なくとも1%の重水素、または少なくとも10%の重水素を示す。好ましくは、本開示による化合物は、化合物の構造の各指定「D」原子位置での重水素の組み込みが50%を超える(すなわち、50原子%Dを超える)、例えば、60%を超える、または70%を超える、または80%を超える、または90%を超える、または95%を超える、または96%を超える、または97%を超える、または98%を超える、または99%を超える。
「薬学的に許容される希釈剤または担体」という用語は、医薬製剤において有用であり、アレルゲン性、発熱性または病原性である物質ならびに潜在的に病気を引き起こすまたは促進することが知られている物質を含まない、希釈剤および担体を意味することが意図される。したがって、薬学的に許容される希釈剤または担体は、例えば血液、尿、髄液、唾液などの体液、ならびに血球および循環タンパク質などのそれらの構成成分を除く。好適な薬学的に許容される希釈剤および担体は、医薬製剤に関するいくつかの周知の専門書のいずれか、例えば、Anderson, Philip O.; Knoben, James E.; Troutman, William G, eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw-Hill, 2002;Pratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, New York, 1990;Katzung, ed., Basic and Clinical Pharmacology, Ninth Edition, McGraw Hill, 20037ybg;Goodman and Gilman, eds., The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition, McGraw Hill, 2001;Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Ed., Lippincott Williams & Wilkins., 2000;およびMartindale, The Extra Pharmacopoeia, Thirty-Second Edition (The Pharmaceutical Press, London, 1999)に記載されている(全て出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
化合物についての「精製された」、「精製された形態で」または「単離および精製された形態で」という用語は、合成プロセスから(例えば、反応混合物から)、または天然源から、またはそれらの組み合わせから単離された後の該化合物の物理状態をいう。したがって、化合物についての「精製された」、「精製された形態で」または「単離および精製された形態で」という用語は、本明細書に記載のまたは当業者に周知の標準分析技術によって特徴付けられるのに十分な純度の、本明細書に記載のまたは当業者に周知の精製工程(例えば、クロマトグラフィー、再結晶、LC-MSおよびLC-MS/MS技術など)から得られた後の該化合物の物理状態をいう。
他に特記しない限り、本開示の化合物、例えば、化合物1もしくは1.1~1.33、または化合物2もしくは2.1~2.33のいずれかは、遊離形態または塩形態で、例えば、酸付加塩として、存在し得る。十分に塩基性を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸、例えば塩酸などとの酸付加塩。
本開示の化合物は、医薬品としての使用を意図しており、したがって、薬学的に許容される塩が好ましい。医薬用途に適さない塩は、例えば、本発明の遊離化合物の単離または精製に有用であり、したがって、このような塩も本開示の化合物の範囲内に含まれる。
本開示の化合物は、1つ以上のキラル炭素原子を含み得る。したがって、該化合物は、個々の異性体形態、例えばエナンチオマーもしくはジアステレオマー形態で、または個々の形態の混合物、例えばラセミ/ジアステレオマー混合物として、存在する。不斉中心が(R)配置、(S)配置または(R,S)配置にある異性体が存在し得る。本発明は、個々の光学活性異性体およびその混合物(例えば、ラセミ/ジアステレオマー混合物)の両方を包含するものとして理解されるべきである。したがって、本発明の化合物は、ラセミ混合物であってもよいか、または、主に、例えば、例えば70%エナンチオマー/ジアステレオマー過剰率(「ee」)超、好ましくは80%ee超、より好ましくは90%ee超、最も好ましくは95%ee超の、純粋または実質的に純粋な異性体形態であってもよい。該異性体の精製および該異性体混合物の分離は、当技術分野で知られている標準的な技術(例えば、カラムクロマトグラフィー、分取TLC、分取HPLC、擬似移動床および同類のもの)によって行うことができる。
二重結合または環についての置換基の性質による幾何異性体は、シス(Z)またはトランス(E)形態で存在し得、両方の異性体形態が本発明の範囲に包含される。
本開示の化合物は、それらの安定同位体および不安定同位体を包含することも意図される。安定同位体は、同種の豊富な核種(すなわち元素)と比較して1つの追加の中性子を含有する非放射性同位体である。このような同位体を含む化合物の活性は保持され、このような化合物はまた非同位体類似体の薬物動態の測定に関して有用性を有すると考えられる。例えば、本開示の化合物の特定位置における水素原子は、重水素(非放射性の安定同位体)で置き換えられ得る。公知の安定同位体の例としては、重水素、13C、15N、18Oが挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、同種の豊富な核種(すなわち元素)と比較して複数の追加の中性子を含有する放射性同位体である不安定同位体、例えば123I、131I、125I、11C、18Fは、I、CおよびFの対応する豊富な種と置き換わり得る。本発明の化合物の有用な同位体の別の例は、11C同位体である。これらの放射性同位体は、本発明の化合物の放射性イメージングおよび/または薬物動態試験に有用である。
したがって、式Iおよび式IIで示される化合物の範囲によって具体的に提供される重水素化に加えて、本開示は、さらに、1つ以上の炭素原子、窒素原子または酸素原子が安定または不安定な同位体変種(例えば、11C、13C、15N、18O)によって置き換えられており、さらに1つ以上の水素原子がトリチウム(3H)によって置き換えられている、式Iおよび式IIによる化合物を想定している。これらの化合物は、例えば、構造決定(例えば、核磁気共鳴または質量スペクトル分析による)、ならびに代謝および***経路を解明し、潜在的な薬物候補のクリアランスを測定するための放射性イメージング研究の目的に有用である。
本発明の組成物(例えば本発明のデポ組成物)におけるポリマーマトリックスに有用なポリマーとしては、ヒドロキシ脂肪酸のポリエステルおよびその誘導体、または他の薬剤、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ-β-ヒドロキシ酪酸、ε-カプロラクトン開環重合体、乳酸-グリコール酸コポリマー、2-ヒドロキシ酪酸-グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸-ポリエチレングリコールコポリマーまたはポリグリコール酸-ポリエチレングリコールコポリマー)、アルキルα-シアノアクリレートのポリマー(例えば、ポリ(ブチル2-シアノアクリレート))、ポリアルキレンオキサレート(例えば、ポリトリメチレンオキサレートまたはポリテトラメチレンオキサレート)、ポリオルトエステル、ポリカーボネート(例えば、ポリエチレンカーボネートまたはポリエチレンプロピレンカーボネート)、ポリオルト-カーボネート、ポリアミノ酸(例えば、ポリ-γ-L-アラニン、ポリ-γ-ベンジル-L-グルタミン酸またはポリ-y-メチル-L-グルタミン酸)、ヒアルロン酸エステル、および同類のものなどが挙げられ、これらポリマーの1つ以上を用いることができる。
好ましい実施態様において、本発明のポリマーマトリックスは、生体適合性かつ生分解性のポリマー材料である。用語「生体適合性」とは、毒性がなく、発癌性がなく、そして体組織において有意に炎症を誘発しない高分子物質と定義される。マトリックス物質は、生分解性であるべきであり、ここで、高分子物質は、体内プロセスによって身体で容易に***可能な生成物に分解されるべきであり、体内に蓄積されるべきでない。生体分解の生成物はまた、ポリマーマトリックスが身体と生体適合性であるという点で身体と生体適合性であるべきである。
「疾患」、「障害」および「状態」という用語は、互換的に使用され、これらを区別して解釈することを意図していない。
「治療有効量」は、疾患または障害に罹患している対象体に投与された場合、治療に予定している期間にわたって疾患または障害の軽減、寛解または退行を生じるのに有効な、(例えば医薬デポに含有されるような)本発明の化合物の量である。
本発明の実施に用いられる投与量は、当然、例えば治療されるべき特定の疾患または状態、用いられる本発明の特定の化合物、投与様式および所望の療法に応じて変化する。他に特記しない限り、(遊離塩基として投与されるかまたは塩形態として投与されるかにかかわらず)投与のための本発明の化合物の量とは、遊離塩基形態の本発明の化合物の量をいうかまたはそれに基づいている(すなわち、該量の算出は遊離塩基量に基づいている)。
本発明の化合物は、経口、舌下、非経口(静脈内、筋肉内、鼻腔内または皮下)または経皮を含む満足な経路により投与することができるが、好ましくは経口投与される。特定の実施態様において、例えばデポ製剤中の、本発明の化合物は、好ましくは非経口で、例えば注射により、投与される。
本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中、または両者の混合物中で化学量論的量の適切な酸と反応させることにより調製できる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。
本開示の化合物を含む医薬組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤(例として、ゴマ油が挙げられるが、これに限定されない)およびガレノス技術分野において既知の技術を使用して調製することができる。したがって、経口投与剤形としては、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤などを挙げることができる。
式Aで示される化合物の合成方法(そのための中間体を含む)は、国際公開第2000/066614号(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に開示されている。さらに、米国特許出願公開第2004/0034002号および米国特許出願公開第2009/0131383号には、式Aで示される化合物の5αアナログの合成方法が開示されており、その方法のいくつかは、式Aで示される化合物の合成にも適用可能である。
本開示の他の化合物の本質的な核は、上記参考文献に開示され、当業者に知られている類似の手順によって製造することができる。本開示の特定の重水素化化合物は、一般に、市販の重水素化試薬が入手可能な場合、非重水素化試薬の代わりにこのような重水素化試薬を用いることによって類似の手段で調製することができる。
本発明の化合物のジアステレオマーの単離または精製は、当技術分野で知られている慣用の方法、例えば、カラム精製、分取薄層クロマトグラフィー、分取HPLC、結晶化、トリチュレーション、擬似移動床および同類のものによって達成され得る。
調製された化合物のジアステレオマーは、例えば、室温でCHIRALPAK(登録商標)AY-H、5μ、30×250mmを用いたHPLCにより分離し、10%エタノール/90%ヘキサン/0.1%ジメチルエチルアミンで溶離することができる。ピークが230nmで検出されて、98~99.9%eeのジアステレオマーを生成することができる。
3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-5β-プレグナン-20-オン(下記の化合物4)は、以下のスキームに従って調製され得る。一般的に言えば、本開示の化合物は、広く知られている化合物3α-ヒドロキシ-5β-プレグナン-2-オンおよびそのジアステレオマーから出発して当技術分野で既知の方法に従って製造され得る。例えば、下記の重水素化化合物5および6は、重水素化イミダゾール試薬の置換により調製され得る。
反応条件:1)ヨウ化トリメチルスルホキソニウム、カリウムtert-ブトキシド、DMSO、5β-プレグナン-3,20-ジオン。2)水酸化ナトリウム、メタノール。3)臭素、メタノール。4)イミダゾール、水素化リチウム。5)イミダゾール-d1、水素化リチウム。6)イミダゾール-d4、水素化リチウム。
実施例1: 1-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタン-1-オン(4)
工程1: 1-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン-3,2'-オキシラン]-17-イル)エタン-1-オン(1)。
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(2.09g、9.5mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(1.134g、10.01mmol)のDMSO(30.0mL)中撹拌溶液をAr下にて60℃で1時間加熱する。該反応混合物に5β-プレグナン-3,20-ジオン(2.0g、6.3mmol)を添加し、室温で一夜撹拌する。反応終了後、反応混合物を氷浴中にて水(30mL)によりクエンチして沈殿させる。得られた沈殿物を濾過により回収し、水(50mL×2)で洗浄する。残渣を真空下で一夜乾燥させて、白色粉末として最終生成物(1.95g、5.89mmol)を収率93%で得る。
工程2: 1-((5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エタン-1-オン(2)。
水酸化ナトリウム(0.465g、11.6mmol)をMeOH(18mL)に溶解し、Ar下にて30分間加熱還流する。該メタノール溶液に化合物1(1.92g、5.81mmol)をAr下にて室温で徐々に添加し、該溶液を40℃で一夜加熱する。該反応混合物を氷浴中にて水(60mL)によりクエンチして沈殿させる。該混合物に酢酸エチル(40ml×3)を添加して最終生成物を抽出し、合わせた有機相を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、白色粉末として最終異性体混合物(1.53g、4.2mmol)を収率72%で得る。
工程3: 2-ブロモ-1-((5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)エタン-1-オン(3)。
化合物2(1.53、4.24mmol)のMeOH(15mL)中溶液にHBr水溶液(48%)3滴を添加する。臭素(230uL、4.45mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、暗所にて反応混合物に滴下する。反応終了後、反応混合物を水(60mL)によりクエンチする。酢酸エチル(40ml×3)を添加して、最終生成物を抽出し、有機相を合わせる。溶媒を蒸発させ、一夜真空乾燥させて、薄白色固体として最終生成物(1.4g、3.17mmol)を収率75%で得る。
工程4: 1-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタン-1-オン(4)。
イミダゾール(0.093g、1.36mmol、3.0当量)の0℃でのTHF(2mL)中溶液に水素化リチウム(11.8mg、1.4mmol、3.1当量)を添加する。該溶液をAr下にて0℃で1時間撹拌する。該反応混合物にTHF(2.5mL)中の化合物3(0.2g、0.45mmol、1.0当量)をAr下にて0℃で5分間にわたって徐々に添加する。0℃で1時間撹拌下後、反応混合物を氷浴中にてメタノールよりクエンチする。有機層を減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、さらに、キラルSemi-Prep HPLC(AD-H)によって再度精製して、白色粉末として純粋物4(0.067g、0.15mmol)を単離収率34%で得る。1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.44 (s, 1H), 7.20 - 7.04 (m, 1H), 6.87 (t, J = 1.2 Hz, 1H), 4.83 - 4.46 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.24 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 2.37 - 2.15 (m, 1H), 2.08 - 1.85 (m, 2H), 1.82 - 1.63 (m, 3H), 1.63 - 1.52 (m, 2H), 1.47 (ddq, J = 16.7, 10.3, 3.4 Hz, 5H), 1.40 - 1.19 (m, 8H), 1.16 - 1.04 (m, 1H), 1.00 (s, 3H), 0.93 - 0.80 (m, 1H), 0.68 (s, 3H)。
実施例2: 1-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル-2-d)エタン-1-オン(5):
イミダゾール-d1(0.075g、1.09mmol、3.0当量)の0℃でのTHF(2mL)中溶液に水素化リチウム(0.0095g、1.12mmol、3.1当量)を添加する。該溶液をAr下にて0℃で1時間撹拌する。該反応混合物にTHF(2.0mL)中の化合物3(0.16g、0.36mmol、1.0当量)をAr下にて0℃で5分間にわたって徐々に添加する。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を氷浴中にてメタノールによりクエンチする。有機層を減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、さらにキラルSemi-Prep HPLC(AD-H)によって再度精製して、白色粉末として純粋物5(0.09g、0.21mmol)を単離収率57%で得る。1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.13 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.89 - 4.54 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.24 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 2.31 - 2.14 (m, 1H), 2.08 - 1.87 (m, 2H), 1.84 - 1.66 (m, 3H), 1.65 - 1.42 (m, 7H), 1.41 - 1.17 (m, 8H), 1.14 - 1.04 (m, 1H), 1.00 (s, 3H), 0.94 - 0.78 (m, 1H), 0.68 (s, 3H)。
実施例3: 1-((3R,5R,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3-(メトキシメチル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル-d3)エタン-1-オン(6):
イミダゾール-d4(0.078g、1.09mmol、3.0当量)の0℃でのTHF(2mL)中溶液に水素化リチウム(0.0095g、1.12mmol、3.1当量)を添加する。該溶液をAr下にて0℃で1時間撹拌する。該反応混合物にTHF(2.0mL)中の化合物3(0.16g、0.36mmol、1.0当量)をAr下にて0℃で5分間にわたって徐々に添加する。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を氷浴中にてメタノールによりクエンチする。有機層を減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、さらにキラルSemi-Prep HPLC(AD-H)によって再度精製して、白色粉末として純粋物6(0.08g、0.19mmol)を単離収率51%で得る。1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 4.98 - 4.50 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.24 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 2.35 - 2.12 (m, 1H), 2.05 - 1.87 (m, 2H), 1.81 - 1.68 (m, 3H), 1.57 (ddt, J = 19.9, 9.5, 3.5 Hz, 2H), 1.52 - 1.41 (m, 4H), 1.40 - 1.17 (m, 8H), 1.15 - 1.04 (m, 1H), 1.00 (s, 3H), 0.86 (m, 2H), 0.68 (s, 3H)。
実施例4: 3α-ヒドロキシ-21-(1'-イミダゾリル)-3β-メトキシメチル-5β-プレグナン-20-オンの他の類似体
本開示の範囲内の化合物の他の重水素化類似体は、上記した先行技術の参考手順に従い、通常の試薬の代わりに重水素化試薬を使用することにより、当業者に既知の適切な手段で製造され得る。例えば:
実施例5: 3α-ヒドロキシ-21-(1'-イミダゾリル)-3β-メトキシメチル-5β-プレグナン-20-オンの薬理活性
3α-ヒドロキシ-21-(1'-イミダゾリル)-3β-メトキシメチル-5α-プレグナン-20-オンの、インビトロ効力[[35S]-tert-ブチルビシクロホスホロチオネート(TBPS)の結合を阻害する能力]、ロータロッドTD50(半数の試験動物が回転しているロッド上に1分間とどまることができなかった用量)、および試験動物がロータロッド試験に合格できるまでにかかる時間(作用持続期間)を決定する。本発明の化合物のインビトロおよびインビボ活性を測定するためのこれらの方法は米国特許第5,232,917号に十分に記載されている(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。TBPSアッセイは化合物のインビトロ効力を示すが、ロータロッドアッセイは化合物の鎮静/睡眠活性を推定する。化合物の作用持続時間は用量に依存し、高用量では延長されるため、作用持続時間は該動物のすべてがロータロッド試験で不合格となった最低用量で測定される。IC50は、[35S]-tert-ブチルビシクロホロチオネート(TBPS)の特異的結合の50%を阻害するステロイドの用量である。ロータロッドTD50は、ラットのロータロッド試験で半数の動物が不合格となる用量である。すべての動物がロータロッド試験に不合格となった最低用量で測定した作用持続時間は、試験したすべての動物が再びロータロッド試験に合格するのに要する時間である。
実施例6: 重水素化化合物のインビボマウス薬物動態
第1の研究において、実施例2および3の化合物を、マウスにおいて標準的な手順を用いて、式Aで示される化合物(実施例1)と比較する。各試験において、1匹の動物に2種類の化合物を共投与し、血漿中と脳内の相対的な薬物動態を決定する。各試験化合物をポリエチレングリコール400ビヒクルに溶解し、10mg/kgの用量で経口投与する。試験化合物を一緒に単回経口投与した後、投与後0.25、0.5、1、2、4、6時間で血漿中および脳内の濃度を測定する。両化合物の最高濃度、最高濃度までの時間、および曲線下面積(AUC)の平均値を決定した。
実施例7: 重水素化化合物のインビトロヒト肝細胞薬物動態
実施例1、2および3の化合物を、デュプリケートで実行される標準的なインビトロヒト肝細胞安定性アッセイにおいて比較する。化合物はDMSO中の1μM溶液として提供され、試験化合物の濃度は試験化合物の添加後0.5、1.0および4.0時間で決定される。

Claims (23)

  1. 遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式I:
    [式中、
    Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
    1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
    2~R9の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
    aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
    ただし、R1がOCH3またはHであり、R2~R9が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
    で示される化合物;または
    遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式II:
    [式中、
    Xは、H、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択され;
    1は、H、D、OCH3、OCDH2、OCD2HおよびOCD3から選択され;
    2~R8の各々は、独立して、HおよびDから選択され;
    aおよびRbは、独立して、H、C1-20アルキル(例えば、メチル)、およびC1-4アルキル-アリール(例えば、ベンジル)から選択される;
    ただし、R1がHであり、R2~R8が全てHである場合、Xは、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される]
    で示される化合物。
  2. XがHである、請求項1に記載の化合物。
  3. Xが、-(C=O)-Ra、-CH2-(C=O)-O-Ra、および-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)から選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. Xが-(C=O)-Raである、請求項1に記載の化合物。
  5. Xが-CH2-(C=O)-O-Raである、請求項1に記載の化合物。
  6. Xが-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)である、請求項1に記載の化合物。
  7. Xが-CH2-(C=O)-N(Ra)(Rb)であり、RbがHである、請求項1に記載の化合物。
  8. 1がOCH3である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 1がOCD3である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 2~R9のうちのいずれか1つまたは2つまたは3つまたは4つがDである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 2およびR3がDである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 5およびR6がDである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 7~R9のうちのいずれか1つ、2つまたは3つがDである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 化合物が、
    からなる群から選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 塩形態の、例えば薬学的に許容される塩の形態の、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 構造の指示位置のうち1つ以上での重水素の組み込みが、50%を超える(すなわち、50原子%Dを超える)、例えば、60%を超える、または70%を超える、または80%を超える、または90%を超える、または95%を超える、または96%を超える、または97%を超える、または98%を超える、または99%を超える、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 遊離形態または薬学的に許容される塩形態の請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物。
  18. 組成物が経口投与剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)である、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 組成物が、例えば筋肉注射または皮下注射用の、長時間作用型注射剤として製剤化された、請求項17に記載の医薬組成物。
  20. GABAA受容体調節因子(例えば、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子)を用いて寛解可能な中枢神経系障害の治療または予防方法であって、該治療または予防を必要とする患者に、遊離形態もしくは薬学的に許容される塩形態の請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または請求項17~19のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  21. 障害が、睡眠障害(例えば、不眠症)、概日リズム障害、相シフト障害(例えば、時差ぼけ)、不安症(全般性不安症、社会不安症、およびパニック症を含む)、心的外傷後ストレス障害、うつ病(例えば、難治性うつ病、大うつ病性障害、双極性うつ病、産後うつ病、季節性情動障害、気分変調症、治療抵抗性うつ病、自殺念慮または自殺行動、および月経前不快気分障害)、強迫性障害(compulsive disorders)(例えば、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder))、統合失調症、統合失調感情障害、注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動障害(ADHD))、痙攣性障害(例えば、発作性疾患、てんかん、またはてんかん重積状態、例えば早期てんかん重積状態、確立したてんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態、および非痙攣性てんかん重積状態、例えば全般性てんかん重積状態および複雑部分てんかん重積状態)、攻撃性の障害(例えば、急性または慢性攻撃性)、激越障害(例えば、急性または慢性激越)、記憶および/または認知の障害(例えば、神経変性障害、アルツハイマー病、老化、レビー小体病、血管性認知症)、運動障害(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、振戦)、自閉症および自閉症スペクトラム障害(例えば、アスペルガー症候群)、疼痛性障害(例えば、神経障害性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛)、パーソナリティ障害(例えば、***性パーソナリティ障害、抑うつ性パーソナリティ障害)、血管障害(例えば、脳卒中、血流不全、血管奇形)、摂食障害(例えば、過食症、食欲不振、過食性障害、悪液質)、外傷性脳損傷、物質乱用障害、物質使用障害、物質離脱症候群、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群、および耳鳴症、および神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、昏睡、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、ジスキネジア、ジストニア);ならびに効果的な治療のために鎮静または麻酔を必要とする障害からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  22. 鎮静または麻酔の誘導を必要とする患者において鎮静または麻酔を誘導する方法であって、該誘導を必要とする患者に、遊離形態もしくは薬学的に許容される塩形態の請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、または請求項17~19のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  23. 中枢神経系障害の治療もしくは予防のためのまたは鎮静もしくは麻酔を誘導するための医薬の製造における、遊離形態もしくは薬学的に許容される塩形態の請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、または遊離形態もしくは薬学的に許容される塩形態の請求項17~19のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
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