JP2023538783A - 前立腺がんの放射線治療用線量の選択 - Google Patents
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Abstract
本発明は、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法であって、1つ以上の免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイル、及び/又は1つ以上のPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定する、又は決定の結果を受け取るステップを含み、前記第1、第2及び第3の発現プロファイルが、対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定され、前記第1の遺伝子発現プロファイル、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて放射線治療線量を選択し、適宜、前記選択又は前記選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法に関する。
Description
本発明は、前立腺がん対象者の放射線治療用線量を選択する方法、及び前立腺がん対象者の放射線治療用線量を選択する装置に関する。更に、本発明は、診断キット、キットの使用、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法におけるキットの使用、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法における第1、第2、及び/又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)の使用、並びに対応するコンピュータプログラム製品に関連する。
がんは、細胞群が制御不能の増殖、浸潤、時には転移を示す疾患のクラスである。がんのこれらの3つの悪性の性質により、がんは、自己限定的でありかつ浸潤も転移もしない良性の腫瘍から区別される。前立腺がん(PCa)は男性で2番目に多く発生する皮膚以外の悪性腫瘍であり、2018年には世界中で130万の新規症例が診断され、360,000人が死亡すると見積もられた(Bray F.らによる「Global cancer statistics 2018:GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries」、CA Cancer J Clin、Vol.68、No.6、394~424頁、2018年を参照のこと)。合衆国では新規症例の約90%が、転移の形成がまだないことを意味する限局性がんに関係する(ACS(米国がん協会)による「Cancer Facts & Figures 2010」、2010年を参照のこと)。
原発性限局性前立腺がんの処置ではいくつかの根治的治療が利用可能であるが、それらの中では手術(根治的前立腺切除、RP)及び放射線治療(RT)が最もよく使用される。RTは、外部ビームによって、若しくは前立腺への放射性シードの埋め込み(密封小線源治療)によって、又は両方の組合せによって施される。RTは、手術の対象とならない患者又は限局性若しくは領域性の進行期の腫瘍を有すると診断された患者にとっては特に好ましい。根治的RTは、合衆国において限局性前立腺がんと診断された患者の最大50%に提供されている(ACSによる2010年の同上を参照のこと)。
処置後、疾患モニタリングのために血中の前立腺がん抗原(PSA)レベルが測定される。血中PSAレベルの増加により、がんの再発又は進行に対する生化学的な代理測定値がもたらされる。しかし、報告された生化学的無増悪生存(bPFS)におけるばらつきは大きい(Grimm P.らによる「Comparative analysis of prostate-specific antigen free survival outcomes for patients with low,intermediate and high risk prostate cancer treatment by radical therapy.Results from the Prostate Cancer Results Study Group」、BJU Int、Suppl.1、22~29頁、2012年を参照のこと)。多くの患者の場合、根治的RT後のbPFSは5年において、或いは10年においても90%を超える。残念ながら、再発のリスクが中程度の患者及び特に再発のリスクがより高い患者の群の場合には、用いたRTのタイプに依存して、bPFSは5年においておよそ40%まで下がり得る(Grimm P.らによる2012年の同上を参照のこと)。
RTで処置されていない原発性限局性前立腺がんの患者の多くは、RPを受けることになる(ACSによる2010年の同上を参照のこと)。RP後、最高リスク群における患者の平均60%が、5年後、10年後に生化学的再発を経験する(Grimm P.らによる2012年の同上を参照のこと)。RP後の生化学的進行のケースでは、主な課題の1つは、これは限局性疾患の再発によるものなのか、1つ以上の転移によるものなのか、又は臨床的な疾患進行にはつながらない無痛性疾患によるものなのかですら不確実なことである(Dal Pra A.らによる「Contemporary role of postoperative radiotherapy for prostate cancer」、Transl Androl Urol,Vo.7、No.3、399~413頁、2018年並びにHerrera F.G.及びBerthold D.R.による「Radiation therapy after radical prostatectomy:Implications for clinicians」、Front Oncol、Vol.6、No.117、2016年を参照のこと)。前立腺床中に残っているがん細胞を根絶するためのRTは、RP後のPSA増加後の生存を救援するための主な処置選択肢の1つである。救援放射線治療(SRT)の有効性により、複数の因子に依存して18%~90%の患者に5年のbPFSがもたらされた(Herrera F.G.及びBerthold D.R.による2016年の同上、並びにPisansky T.M.らによる「Salvage radiation therapy dose response for biochemical failure of prostate cancer after prostatectomy - A multi-institutional observational study」、Int J Radiat Oncol Biol Phys、Vol.96、No.5、1046~1053頁、2016年を参照)。
特定の患者群にとって、根治的又は救援RTが効果的でないことは明白である。腸の炎症及び機能不全、尿失禁並びに***機能不全等のRTが引き起こし得る深刻な副作用によって、彼らの状況は更に悪化する(Resnick M.J.らによる「Long-term functional outcomes after treatment for localized prostate cancer」、N Engl J Med、Vol.368、No.5、436~445頁、2013年、及びHegarty S.E.らによる「Radiation therapy after radical prostatectomy for prostate cancer:Evaluation of complications and influence of radiation timing on outcomes in a large, population-based cohort」、PLoS One、Vol.10、No.2、2015年を参照のこと)。更に、メディケアの払い戻しに基づく、RT1コースのコストの中央値は18,000ドルであり、最大で約40,000ドルまで大きく変動する(Paravati A.J.らによる「Variation in the cost of radiation therapy among medicare patients with cancer」、J Oncol Pract、Vol.11、No.5、403~409頁、2015年を参照のこと)。これらの数値には、根治的及び救援RT後のフォローアップケアの相当の長期にわたるコストは含まれていない。
患者ごとのRTの有効性の予測が改善されると、根治的セッティングであれ救援セッティングであれ、治療選択が改善され、生存の可能性が向上することになる。これは、1)RTが効果的であると予測される患者に対してRTを最適化すること(例えば、用量漸増又は開始時期を変えることにより)、及び2)RTが効果的ではないと予測される患者を代替の、潜在的により効果的な処置形態に導くこと、によって実現することができる。更にこれによって、効果的でない治療をせずに済むことで患者の苦痛が減り、効果的でない治療に充てられていたコストが減る。
数々の検討が、根治的RT(Hall W.A.らによる「Biomarkers of outcome in patients with localized prostate cancer treated with radiotherapy」、Semin Radiat Oncol、Vol.27、11~20頁、2016年、及びRaymond E.らによる「An appraisal of analytical tools used in predicting clinical outcomes following radiation therapy treatment of men with prostate cancer:A systematic review」、Radiat Oncol、Vol.12、No.1、56頁、2017年を参照のこと)及び根治的SRT(Herrera F.G.及び Berthold D.R.による2016年の同上を参照のこと)の応答予測のための測定値に対して行われてきた。これらの測定値の多くは、血液ベースのバイオマーカーであるPSAの濃度に依存する。RT(根治的並びに救援)の開始前の応答の予測のために検討された数的指標には、PSA濃度の絶対的値、前立腺のボリュームに関係する絶対的値、一定期間にわたる絶対的増加及び倍加期間が含まれる。しばしば考慮される他の因子は、グリーソンスコア及び腫瘍の臨床病期である。SRTセッティングの場合には、更なる因子、例えば切除縁の状態、RP後の再発までの期間、手術前/手術前後(peri-surgical)のPSA値及び臨床病理学的パラメータが適切である。
多様なリスク群における患者の層別化にこれらの臨床的変数は限定的な改善をもたらしたが、より良い予測ツールが必要とされている。
組織及び体液中の広範なバイオマーカー候補が検討されているが、検証は多くの場合限定的であり、全般的には予後情報を実証しているのであって、(治療に特異的な)予測値を実証しているのではない(Hall W.A.らによる2016年の同上を参照のこと)。少数の遺伝子発現パネルが、民間団体によって現在検証されている。これらのうちの1つ又はいくつかが、今後RTに対する予測値を示す可能性がある(Dal Pra A.らによる2018年の同上を参照のこと)。
結論として、原発性前立腺がん並びに術後の状況について、RTに対する応答のより良い予測、及び放射線治療の個人化、例えば放射線治療のための線量の選択に対する強いニーズが残っている。
本発明の目的は、より良いサルベージ放射線治療を適用することを可能にする、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法、及び前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する装置を提供することである。本発明の更なる態様は、診断キット、キットの使用、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法におけるキットの使用、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法における第1、第2、及び/又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)の使用、並びに対応するコンピュータプログラム製品を提供することである。
本発明の第1の態様では、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法であって:
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1種以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルの決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)が対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべての、T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルの決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法が提示される。
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1種以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルの決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)が対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべての、T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルの決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法が提示される。
したがって、一実施形態において、本発明は、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法であって:前記方法は、
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイルが、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(群)が対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法に関する。
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイルが、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(群)が対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定するステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法に関する。
代替の実施形態では、本発明は、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択するコンピュータ実装方法であって:
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルの決定の結果を受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルの決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)の決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から得られた生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、医療介助者又は対象者に、選択又は選択に基づく治療法の推奨を提供するステップを有する、方法に関する。
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルの決定の結果を受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルの決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から取得された生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)の決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)が、対象者から得られた生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、医療介助者又は対象者に、選択又は選択に基づく治療法の推奨を提供するステップを有する、方法に関する。
近年、がん抑制における免疫系の重要性、並びにがんの発生、促進及び転移における免疫系の重要性は非常に明白である(Mantovani A.らによる「Cancer-related inflammation」、Nature、Vol.454、No.7203、436~444頁、2008年及びGiraldo N.A.らによる「The clinical role of the TME in solid cancer」、Br J Cancer、Vol.120、No.1、45~53頁、2019年を参照のこと)。免疫細胞及びそれらが分泌する分子は腫瘍微小環境の重要な部分を形成しており、ほとんどの免疫細胞は腫瘍組織に浸潤することができる。免疫系と腫瘍は互いに影響し合い、互いを形作っている。このように、抗腫瘍免疫が腫瘍形成を防ぎ得る一方で、炎症性の腫瘍環境ががんの発生及び増殖を促進する。同時に、免疫系に依存しない様式で発生した腫瘍細胞は、免疫細胞を動員することによって免疫微小環境を形作り、抗がん免疫も抑えながら炎症促進性の効果を有することができる。
腫瘍微小環境中の一部の免疫細胞は、一般的な腫瘍促進効果又は一般的な腫瘍抑制効果のいずれかを有するが、別の免疫細胞は柔軟性を呈し、腫瘍促進と腫瘍抑制の両方の可能性を示す。このように、腫瘍の全体的な免疫微小環境は、存在する多様な免疫細胞、それらが産生するサイトカイン、並びにそれらと腫瘍細胞及び腫瘍微小環境中の他の細胞との相互作用が混ざり合ったものである(Giraldo N.A.らによる2019年の同上を参照のこと)。
がん全般における免疫系の役割に関する上記の原則は、前立腺がんにも適用される。慢性的な炎症が良性並びに悪性の前立腺組織の形成と関連付けられており(Hall W.A.らによる2016年の同上を参照のこと)、ほとんどの前立腺がん組織サンプルが、免疫細胞の浸潤物を示す。腫瘍促進効果を有する特定の免疫細胞の存在が予後の悪化と互いに関係付けられている一方で、ナチュラルキラー細胞がより活性化している腫瘍では、治療に対するより良い応答及びより長い無再発期間が示された(Shiao S.L.らによる「Regulation of prostate cancer progression by tumor microenvironment」、Cancer Lett、Vol.380、No.1、340~348頁、2016年を参照)。
治療は腫瘍微小環境の免疫成分によって影響を及ぼされるが、RTそれ自体もこれら成分の構成に広範に影響する(Barker H.E.らによる「The tumor microenvironment after radiotherapy:Mechanisms of resistance or recurrence」、Nat Rev Cancer、Vol.15、No.7、409~425頁、2015年を参照)。抑制性の細胞タイプは比較的放射線に非感受性であるため、それらの相対的な数は増加する。反作用的に、与えられた放射線障害は細胞生存経路を活性化し、免疫系を刺激し、それが炎症応答及び免疫細胞の動員を誘発する。正味の効果が腫瘍促進性であるか腫瘍抑制性であるかは今のところ不明であるが、がん免疫治療の増強に対するその可能性が検討されている。
免疫系の状態及び免疫微小環境の状態は治療有効性に大きな影響を与えるため、この影響を予測するマーカーを同定する能力は、放射線治療のための線量のより良い選択を可能にする助けとなり得る、というアイデアに本発明は基づく。
更に、既知のPDE4D7バイオマーカーが放射線治療応答の予測因子として優れていることが証明されているため、PDE47バイオマーカーと相関の高いマーカーを同定する能力は、放射線治療のための線量のより良い選択を可能にする助けとなり得る、というアイデアに本発明は基づく。
免疫応答防御遺伝子
ゲノムDNAの完全性及び安定性は、恒常的に放射線への曝露、ウイルス又は細菌感染だけでなく、酸化ストレス及び複製ストレス等の様々な細胞内外の要因によって引き起こされるストレス下にある(Gasser S.らによる「Sensing of dangerous DNA」、Mechanisms of Aging and Development、165、33~46頁、2017年を参照のこと)。DNAの構造及び安定性を維持するために、細胞は様々な要因によって引き起こされる一本鎖又は二本鎖切断等のすべての種類のDNA損傷を認識できなければならない。このプロセスには、DNA認識経路の一部として、損傷の種類に応じた多数の特異的なタンパク質が関与している。
ゲノムDNAの完全性及び安定性は、恒常的に放射線への曝露、ウイルス又は細菌感染だけでなく、酸化ストレス及び複製ストレス等の様々な細胞内外の要因によって引き起こされるストレス下にある(Gasser S.らによる「Sensing of dangerous DNA」、Mechanisms of Aging and Development、165、33~46頁、2017年を参照のこと)。DNAの構造及び安定性を維持するために、細胞は様々な要因によって引き起こされる一本鎖又は二本鎖切断等のすべての種類のDNA損傷を認識できなければならない。このプロセスには、DNA認識経路の一部として、損傷の種類に応じた多数の特異的なタンパク質が関与している。
近年の知見から、免疫系が感染細胞又は他の病変細胞を識別するために、誤った場所に局在しているDNA(例えば、核とは対照的に細胞質画分に不自然に発生するDNA)及び損傷DNA(例えば、がん発生に伴う突然変異によるもの)を利用している一方で、健康な細胞に存在するゲノム及びミトコンドリアDNAはDNA認識経路によって無視されることが示されている。病変細胞では、細胞質DNAセンサータンパク質が、細胞の細胞質で不自然に発生するDNAの検出に関与していることが実証されている。異なる核酸センサーによるこのようなDNAの検出は、核内因子κB(NF-kB)やインターフェロンI型(IFN I型)のシグナルに続く自然免疫系成分の活性化につながる同様の応答につながる。ウイルスのDNAを認識するとIFN I型応答が起こることは知られているが、DNA損傷を感知することによって免疫応答が開始し得るという知見は近年蓄積されつつある。
エンドソームに局在するTLR9(Toll様受容体9)は、アダプタータンパク質である骨髄分化一次応答タンパク質88(MYD88)を介して下流でシグナル伝達することにより、DNAの免疫認識に関与することが明らかになっている最初のDNAセンサー分子の1つであった。この相互作用により、次いでマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)及びNF-kBが活性化される。TLR9はまた、形質細胞様樹状細胞(pDC)のIkBキナーゼアルファ(IKKアルファ)を介してIRF7を活性化することにより、I型インターフェロンの生成を誘導する。IFI16(IFN-ガンマ-誘導タンパク質16)、cGAS(環状DMP-AMP合成酵素、DDX41 (DEAD-ボックスヘリカーゼ41)並びにZBP1 (Z-DNA結合タンパク質1)等の様々な他のDNA免疫受容体はSTING (stimulator of IFN genes)と相互作用し、TBK1 (TANK結合キナーゼ1)を通じてIKK複合体及びIRF3を活性化する。また、ZBP1はRIP1及びRIP3(それぞれ受容体共役タンパク質1、3)の動員を介して、NF-kBを活性化させる。ヘリカーゼDHX36(DEAHボックスヘリカーゼ36)はTRIDと複合体中で相互作用してNF-kB及びIRF-3/7を誘導する一方、DHX9ヘリカーゼは形質細胞様樹状細胞においてMYD88依存性のシグナル伝達を活性化させる。DNAセンサーLRRFIP1(ロイシンリッチリピートフライトレス相互作用タンパク質)は、ベータ-カテニンと複合体化してIRF3の転写を活性化する一方、AIM2(absent in melanoma 2)はアダプタータンパク質ASC(アポトーシススペック様タンパク質)を動員して、インターロイキン-1ベータ(IL-1ベータ)及びIL-18の分泌につながるカスパーゼ1活性化インラマサーム複合体を誘導する(Gasser S.らによる2017年の同書の図1参照、炎症性サイトカインの産生及び自然免疫受容体の活性化のためのリガンドの発現につながるDNA損傷及びDNAセンサー経路の概略を提供する。非相同末端接合経路(橙)、相同組換え(赤)、インフラマソーム(深緑)、NF-kB及びインターフェロン応答(薄緑)のメンバーが示されている)。
がんにおいてDNAセンサー経路を活性化する原因となる因子及び機構は、現在のところよく解明されていない。疾患のすべての病期の異なるがん種において、IFNの発現に関与する腫瘍内DNA種、センサー及び経路を同定することが重要である。がんの治療標的に加えて、このような因子は予後的及び予測的な価値も有し得る。現在、新規のDNAセンサー経路アゴニスト及びアンタゴニストが開発され、前臨床試験でテストされている。このような化合物は、がん、自己免疫、及び潜在的には他の疾患の病因におけるDNAセンサー経路の役割を特徴づけるのに有用であろう。
同定された免疫防御応答遺伝子AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1は、それぞれ以下のように同定された:538前立腺がん患者の群をRPで処置し、前立腺がん組織を、臨床パラメータ(例えば、病理学的グリーソングレードグループ(pGGG)、病理状態(pT stage))並びに関連する転帰パラメータ(例えば、生化学的再発(BCR)、転移性再発、前立腺がん特異的死亡(PCa death)、救援放射線照射処置(SRT)、救援アンドロゲン遮断処置(SADT)、化学療法(CTX))と共に保管した。これらの患者のそれぞれに対して、Alves de Inda M.らによる「Validation of Cyclic Adenosine Monophosphate Phosphodiesterase-4D7 for its Independent Contribution to Risk Stratification in a Prostate Cancer Patient Cohort with Longitudinal Biological Outcomes」、Eur Urol Focus、Vol.4、No.3、376~384頁、2018年に記載されているように、PDE4D7スコアを計算し、4つのPDE4D7スコアクラスにカテゴリー化した。PDE4D7スコアクラス1は、PDE4D7の発現レベルが最も低い患者サンプルに相当する一方で、PDE4D7スコアクラス4は、PDE4D7発現のレベルが最も高い患者サンプルに相当する。次いで、538前立腺がん対象者のRNASeq発現データ(TPM-百万あたりの転写物数(Transcripts Per Million))を、PDE4D7スコアクラス1とクラス4との間の差次的遺伝子発現に対して調査した。具体的には、タンパク質をコードするおよそ20,000の転写物について、PDE4D7スコアクラス1の患者の平均発現レベルが、PDE4D7スコアクラス4の患者の平均発現レベルの2倍を超えるかどうかを決定した。この分析により、4つのPDE4D7スコアクラスのそれぞれにおける最低平均発現が1TPMである状態で、PDE4D7スコアクラス1/PDE4D7スコアクラス4の比が2を超える637遺伝子が得られた。次いで、これらの637遺伝子を更に分子経路分析(www.david.ncifcrf.gov)に供した結果、様々な濃縮されたアノテーションクラスターが得られた。アノテーションクラスター#2は、ウイルスに対する防御応答、ウイルスゲノム複製の負の制御、及びI型インターフェロンシグナル伝達の機能を有する30遺伝子における濃縮(濃縮スコア:10.8)を示した。更なるヒートマップ分析により、これらの免疫防御応答遺伝子は、全般的に、PDE4D7スコアクラス4における患者由来のサンプルよりも、PDE4D7スコアクラス1における患者由来のサンプルにおいて高発現していることを確認した。ウイルスに対する防御応答、ウイルスゲノム複製の負の制御、並びにI型インターフェロンシグナル伝達の機能を有する遺伝子のクラスは、同じ分子機能を有する遺伝子を更に同定するために文献検索により61遺伝子に更に濃縮された。61遺伝子からの更なる選択を、前立腺がんで死亡した患者と死亡しなかった患者を分離する組合せ羃乗に基づいて行った結果、14遺伝子の好ましいセットが得られた。これらの遺伝子の発現が低いサブコホートでは、全患者コホート(#538)及び術後疾患再発後に救援RT(SRT)を受けた151人の患者のサブコホートと比較して、イベント(転移、前立腺がん特有死)数が増加することが明らかになった。
T細胞受容体シグナル伝達遺伝子
病原体に対する免疫応答は、様々な段階において誘発され得る:侵入者を入れないための皮膚等の物理的なバリアがある。破られた場合には、最初の素早い非特異的な応答である、自然免疫が働き始める。これで不十分な場合には、適応免疫応答が誘発される。これははるかにより特異的であるが、病原体に初めて遭遇する場合は発現するのに時間がかかる。リンパ球は、自然免疫系由来の活性化された抗原提示細胞と相互作用することによって活性化する。また、同じ病原体と次に遭遇する際により早く応答するための記憶の維持にも関与している。
病原体に対する免疫応答は、様々な段階において誘発され得る:侵入者を入れないための皮膚等の物理的なバリアがある。破られた場合には、最初の素早い非特異的な応答である、自然免疫が働き始める。これで不十分な場合には、適応免疫応答が誘発される。これははるかにより特異的であるが、病原体に初めて遭遇する場合は発現するのに時間がかかる。リンパ球は、自然免疫系由来の活性化された抗原提示細胞と相互作用することによって活性化する。また、同じ病原体と次に遭遇する際により早く応答するための記憶の維持にも関与している。
活性化されると、リンパ球は高度に特異的かつ効果的になるため、リンパ球は、中枢性寛容として知られるプロセスである、それらの自己を認識する能力に対する負の選択を受ける。選択部位においてすべての自己抗原が発現しているわけではないため、末梢性寛容の機構、例えば、共刺激非存在下でのTCRのライゲーション、抑制性共受容体の発現、及びTregによる抑制等も同様に発達した。活性化と抑制との間のバランスの乱れは、それぞれ、自己免疫障害、或いは免疫不全及びがんにつながる恐れがある。
T細胞の活性化は、関与するT細胞のロケーションとタイプに依存して、様々な機能的結果を有し得る。CD8+T細胞が細胞傷害性エフェクター細胞に分化する一方で、CD4+T細胞はTh1(IFNγの分泌及び細胞性免疫の促進)又はTh2(IL4/5/13の分泌並びにB細胞及び液性免疫の促進)に分化し得る。つい最近同定された他のT細胞サブセット、例えば、免疫活性化に対する抑制効果を有するTreg等への分化も可能である(Mosenden R.及びTasken K.による「Cyclic AMP-mediated immune regulation-Overview of mechanisms of action in T-cells」、Cell Signal、Vol.23、No.6、1009~1016頁、2011年、特に、図4のT細胞の活性化及びPKAによるそのモジュレーション、並びにTasken K.及びRuppelt A.による「Negative regulation of T-cell receptor activation by the cAMP-PKA-Csk signaling pathway in T-cell lipid rafts」、Front Biosci、Vol.11、2929~2939頁、2006年を参照のこと)。
PKAとPDE4が調節するシグナル伝達の両方が、TCR誘導性のT細胞活性化と交わって、反対の効果でその調節を微調整する(Abrahamsen H.らによる「TCR- and CD28-mediated recruitment of phosphodiesterase 4 to lipid rafts potentiates TCR signaling」、J Immunol、Vol.173、4847~4848頁、2004年、特に、TCRの活性化におけるPKAとPDE4の反対の作用を示す図6を参照のこと)。これらのエフェクターを結びつける分子は、細胞外のリガンドの作用の細胞内セカンドメッセンジャーであるサイクリックAMP(cAMP)である。T細胞内で、cAMPは、プロスタグランジン、アデノシン、ヒスタミン、ベータアドレナリン作動薬、神経ペプチドホルモン及びベータエンドルフィンの効果を媒介する。これら細胞外分子のGPCRへの結合は、GPCRのコンフォメーション変化と、刺激性サブユニット(stimulatory subunits)の遊離と、それに続くATPをcAMPに加水分解するアデニル酸シクラーゼ(AC)の活性化とをもたらす(Abrahamsen H.ら、2004、同上、の図6を参照のこと)。唯一ではないものの、PKAは、cAMPシグナル伝達の主要なエフェクターである(Mosenden R.及びTasken K.による2011年の同上、並びにTasken K.及びRuppelt A.による2006年の同上を参照のこと)。機能レベルでは、cAMPのレベルの増加は、T細胞におけるIFNγとIL-2の産生の低下につながる(Abrahamsen H.らによる2004年の同上を参照のこと)。TCR活性化を妨害することに加え、PKAは更に多くの効果を有する(Torheim E.A.による「Immunity Leashed-Mechanisms of Regulation in the Human Immune System」、博士号(PhD)の学位論文、The Biotechnology Centre of Ola、オスロ大学、ノルウェー、2009年の図15を参照のこと)。
ナイーブT細胞では、高リン酸化型のPAGが、Cskを脂質ラフトに対して標的化する。エズリン-EBP50-PAGの足場複合体を介して、PKAはCskに対して標的化される。PKAによって特異的にリン酸化されることにより、Cskは、LckとFynを負に調節してそれらの活性を弱め、T細胞の活性化をダウンレギュレートすることができる(Abrahamsen H.らによる2004年の同上の図6を参照のこと)。TCRの活性化時に、PAGは脱リン酸化され、Cskはラフトから遊離する。Cskの解離はT細胞の活性化を進行させるために必要である。同一の時間経過の中で、Csk-G3BP複合体が形成され、それによってCskは脂質ラフトの外に隔離されるようである(Mosenden R.及びTasken K.による2011年の同上、並びにTasken K.及びRuppelt A.による2006年の同上を参照のこと)。
一方で、TCRとCD28の複合刺激が、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼPDE4の脂質ラフトへの動員を媒介し、それがcAMPの分解を亢進させる(Abrahamsen H.らによる2004年の同上の図6を参照のこと)。それにより、TCRが誘導するcAMPの産生が阻止され、T細胞の免疫反応が増強する。TCRの単独刺激時には、PDE4の動員はcAMPレベルを十分に低下させるには少なすぎ、それゆえT細胞の最大活性化は起こり得ない(Abrahamsen H.らによる2004年の同上を参照のこと)。
このように、近位のTCRシグナル伝達を能動的に抑制することによって、cAMP-PKA-Cskを介したシグナル伝達はT細胞活性化のための閾値を設けていると考えられる。PDEの動員は、この抑制を阻止し得る。組織又は細胞タイプに特異的な調節は、AC、PKA及びPDEの複数のアイソフォームの発現によって達成される。上記で言及したように、自己免疫障害、免疫不全及びがんの発症を防ぐために、活性化と抑制との間のバランスが厳しく調節される必要がある。
同定されたT細胞受容体シグナル伝達遺伝子、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC及びZAP70は、以下のように同定された:538前立腺がん患者の群をRPで処置し、前立腺がん組織を、臨床パラメータ(例えば、病理学的グリーソングレードグループ(pGGG)、病理状態(pT stage))並びに関連する転帰パラメータ(例えば、生化学的再発(BCR)、転移性再発、前立腺がん特異的死亡(PCa death)、救援放射線照射処置(SRT)、救援アンドロゲン遮断処置(SADT)、化学療法(CTX))と共に保管した。これらの患者のそれぞれに対して、Alves de Inda M.らによる「Validation of Cyclic Adenosine Monophosphate Phosphodiesterase-4D7 for its Independent Contribution to Risk Stratification in a Prostate Cancer Patient Cohort with Longitudinal Biological Outcomes」、Eur Urol Focus、Vol.4、No.3、376~384頁、2018年に記載されているように、PDE4D7スコアを計算し、4つのPDE4D7スコアクラスにカテゴリー化した。PDE4D7スコアクラス1は、PDE4D7の発現レベルが最も低い患者サンプルに相当する一方で、PDE4D7スコアクラス4は、PDE4D7発現のレベルが最も高い患者サンプルに相当する。次いで、538前立腺がん対象者のRNASeq発現データ(TPM-百万あたりの転写物数(Transcripts Per Million))を、PDE4D7スコアクラス1とクラス4との間の差次的遺伝子発現に対して調査した。具体的には、タンパク質をコードするおよそ20,000の転写物について、PDE4D7スコアクラス1の患者の平均発現レベルが、PDE4D7スコアクラス4の患者の平均発現レベルの2倍を超えるかどうかを決定した。この分析により、4つのPDE4D7スコアクラスのそれぞれにおける最低平均発現が1TPMである状態で、PDE4D7スコアクラス1/PDE4D7スコアクラス4の比が2を超える637遺伝子が得られた。次いで、これらの637遺伝子を更に分子経路分析(www.david.ncifcrf.gov)に供した結果、様々な濃縮されたアノテーションクラスターが得られた。アノテーションクラスター#6は、原発性免疫不全及びT細胞受容体シグナル伝達の活性化における機能を有する17遺伝子における濃縮(濃縮スコア:5.9)を示した。更なるヒートマップ分析により、これらのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子は、全般的に、PDE4D7スコアクラス4における患者由来のサンプルよりも、PDE4D7スコアクラス1における患者由来のサンプルにおいて高発現していることを確認した。
PDE4D7相関遺伝子
同定されたPDE4D7相関遺伝子ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2は、以下のように同定した。前立腺がん患者571人について作成したRNAseqデータにおいて、約6万の転写物から、このデータで既知のバイオマーカーPDE4D7の発現と相関している遺伝子の範囲を同定した。571サンプルにわたるこれらの遺伝子のいずれかとPDE4D7の発現との相関は、ピアソン相関によって行われ、正の相関の場合は0~1の値として、又は負の相関の場合は-1~0の間の値で表される。
同定されたPDE4D7相関遺伝子ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2は、以下のように同定した。前立腺がん患者571人について作成したRNAseqデータにおいて、約6万の転写物から、このデータで既知のバイオマーカーPDE4D7の発現と相関している遺伝子の範囲を同定した。571サンプルにわたるこれらの遺伝子のいずれかとPDE4D7の発現との相関は、ピアソン相関によって行われ、正の相関の場合は0~1の値として、又は負の相関の場合は-1~0の間の値で表される。
相関係数の式は以下のとおりである:
式中、上線付きx及び上線付きyはそれぞれ全サンプルのAVFERAGE(PDE4D7)及びAVERAGE(遺伝子)を意味する。相関係数の計算のための入力データとして、PDE4D7スコア(Alves de Inda M.らによる、2018年の同書を参照)及びRNAseqで決定した関心遺伝子あたりのTPM遺伝子発現値(下記参照)を使用した。
約60,000の転写物のいずれかの発現とPDE4D7の発現との間で特定された最大の負の相関係数は-0.38であり、約60,000の転写物のいずれかの発現とPDE4D7の発現との間で特定された最大の正の相関係数は+0.56であった。相関が-0.31~-0.38、並びに+0.41~+0.56の範囲にある遺伝子を選択した。これらの特徴に合致する合計77の転写物を同定した。これらの77の転写物から、術後の生化学的再発により救援放射線治療(SRT)を受けた患者186人のサブコホートにおいてCox回帰組合せモデルを繰り返しテストすることによって8つのPDE4D7相関遺伝子ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2を選択した。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後の前立腺がん特異的死亡であった。8遺伝子を選択する境界条件は、モデルに保持されたすべての遺伝子について、多変量Cox-回帰のp値が0.1未満であるという制約によって与えられた。
「ABCC5」という用語は、ヒトATP結合カセットサブファミリーCメンバー5遺伝子(Ensembl:ENSG00000114770)、例えば、NCBI参照配列NM_001023587.2又はNCBI参照配列NM_005688.3で定義の配列、具体的には、上記に示したABCC5転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号1又は配列番号2に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、ABCC5ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001018881.1及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_005679で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号3又は配列番号4に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「ABCC5」という用語はまた、ABCC5に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば 配列番号1又は配列番号2に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号3又は配列番号4に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号1又は配列番号2に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「AIM2」は、Absent in Melanoma 2遺伝子(Ensembl:ENSG00000163568)、例えば、NCBI参照配列NM_004833で定義の配列、具体的には、上記に示したAIM2転写物のNCBI参照配列の配列に対応する、配列番号5に定めるとおりの配列のことを指し、それはまた、AIM2ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_004824で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号6に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「AIM2」という用語はまた、AIM2に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号5に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号6に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号6に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号5に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「APOBEC3A」という用語は、アポリポプロテインB mRNA編集酵素触媒サブユニット3A遺伝子(Ensembl:ENSG00000128383)、例えば、NCBI参照配列NM_145699で定義の配列、具体的には、上記に示したAPOBEC3A転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号7に定めるとおりの塩基配列のことを指し、それはまた、APOBEC3AポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_663745で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号8に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「APOBEC3A」という用語はまた、APOBEC3Aに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば。配列番号7に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号8に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号8に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号7に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD2」という用語は、分化抗原群2の遺伝子(Ensembl:ENSG00000116824)、例えば、NCBI参照配列NM_001767に定義の配列、具体的には、上記に示したCD2転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号9に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD2ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001758に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号10に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD2」という用語はまた、AIM2に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号9に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号10に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号10に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号9に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD247」という用語は、分化抗原群247の遺伝子(Ensembl:ENSG00000198821)、例えば、NCBI参照配列NM_000734又はNCBI参照配列NM_198053に定義の配列、具体的には、上記に示したCD247転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号11又は配列番号12に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD247ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_000725及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_932170に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号13又は配列番号14に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD247」という用語はまた、CD247に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号11又は配列番号12に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号13又は配列番号14に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号13又は配列番号14に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号11又は配列番号12に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD28」という用語は、分化抗原群28の遺伝子(Ensembl:ENSG00000178562)、例えば、NCBI参照配列NM_006139又はNCBI参照配列NM_001243078に定義の配列、具体的には、上記に示したCD28転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号15又は配列番号16に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD28ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_006130及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001230007に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号17又は配列番号18に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD28」という用語はまた、CD28に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号15又は配列番号16に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号17又は配列番号18に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号17又は配列番号18に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号15又は配列番号16に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD3E」という用語は、分化抗原群3Eの遺伝子(Ensembl:ENSG00000198851)、例えば、NCBI参照配列NM_000733に定義の配列、具体的には、上記に示したCD3E転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号19に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD3EポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_000724に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号20に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD3E」という用語はまた、CD3Eに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号19に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号20に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号20に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号19に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD3G」という用語は、分化抗原群3Gの遺伝子(Ensembl:ENSG00000160654)、例えば、NCBI参照配列NM_000073に定義の配列、具体的には、上記に示したCD3G転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号21に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD3GポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_000064に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号22に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD3G」という用語はまた、CD3Gに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号21に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号22に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号22に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号21に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CD4」という用語は、分化抗原群4の遺伝子(Ensembl:ENSG00000010610)、例えば、NCBI参照配列NM_000616に定義の配列、具体的には、上記に示したCD4転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号23に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CD4ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_000607に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号24に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CD4」という用語はまた、CD4に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号23に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号24に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号24に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号23に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CIAO1」という用語は、細胞質鉄-硫黄アセンブリ成分1遺伝子(Ensembl:ENSG00000144021)、例えば、NCBI参照配列NM_004804で定義の塩基配列、具体的には、上記に示したCIAO1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号25に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CIAO1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_663745で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号26に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CIAO1」という用語はまた、CIAO1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号25に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号26に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号26に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号25に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CSK」という用語は、C末端Srcキナーゼの遺伝子(Ensembl:ENSG00000103653)、例えば、NCBI参照配列NM_004383に定義の配列、具体的には、上記に示したCSK転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号27に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CSKポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_004374に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号28に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CSK」という用語はまた、CSKに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号27に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号28に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号28に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号27に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「CUX2」という用語は、ヒトCut様ホメオボックス2遺伝子(Ensembl:ENSG00000111249)、例えば、NCBI参照配列NM_015267.3で定義の配列、具体的には、上記に示したCUX2転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号29に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、CUX2ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_056082.2で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号30に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「CUX2」という用語はまた、CUX2に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号29に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号30に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号30に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号29に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「DDX58」という用語は、DExD/H-boxヘリカーゼ58遺伝子(Ensembl:ENSG00000107201)、例えば、NCBI参照配列NM_014314で定義の配列、具体的には、上記に示したDDX58転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号31に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、DDX58ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_055129に定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号32に定めるとおりの対応するアミノ酸配列に関する。
「DDX58」という用語はまた、DDX58に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号31に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号32に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号32に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号31に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「DHX9」という用語は、DExD/H-ボックスヘリカーゼ9遺伝子(Ensembl:ENSG00000135829)、例えば、NCBI参照配列NM_001357で定義の配列、具体的には、上記に示したDHX9転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号33に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、DHX9ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001348で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号34に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「DHX9」という用語はまた、DHX9に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号33に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号34に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号34に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号33に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「EZR」という用語は、Ezrinの遺伝子(Ensembl:ENSG00000092820)、例えば、NCBI参照配列NM_003379に定義の配列、具体的には、上記に示したEZR転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号35に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、EZRポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_003370に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号36に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「EZR」という用語はまた、EZRに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号35に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号36に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号36に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号35に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「FYN」という用語は、FYN Proto-Oncogeneの遺伝子(Ensembl:ENSG00000010810)、例えば、NCBI参照配列NM_002037、NCBI参照配列NM_153047又はNCBI参照配列NM_153048に定義の配列、具体的には、上記に示したFYN転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号37、配列番号38又は配列番号39に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、FYNポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_002028、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_694592及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列XP_005266949に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号40、配列番号41、又は配列番号42に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「FYN」という用語はまた、FYNに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号37、配列番号38又は配列番号39に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号40、配列番号41又は配列番号42に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号40、配列番号41又は配列番号42に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号37、配列番号38又は配列番号39に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「IFI16」という用語は、インターフェロンガンマ誘導タンパク質16遺伝子(Ensembl:ENSG00000163565)、例えばNCBI参照配列NM_005531で定義の配列、具体的には上記に示したIFI16転写物のNCBI参照配列の配列に対応する、配列番号43に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、IFI16ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_005522で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号44に定めるとおりの対応するアミノ酸の配列にも関する。
「IFI16」という用語はまた、IFI16に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号43に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号44に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、配列番号44に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号43に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「IFIH1」という用語は、Interferon Induced With Helicase C Domain 1遺伝子(Ensembl:ENSG00000115267)、例えば、NCBI参照NM_022168で定義の配列、具体的には、上記に示したIFIH1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号45に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、IFIH1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_071451で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号46で定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「IFIH1」という用語はまた、IFIH1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号45に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号46に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号46に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号45に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「IFIT1」という用語は、Interferon Induced Protein With Tetratricopeptide Repeats 1遺伝子(Ensembl:ENSG00000185745)、例えば、NCBI参照配列NM_001270929又はNCBI参照配列NM_001548.5に定めるとおりの配列、具体的には、上記に示したIFIT1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号47又は配列番号48に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、IFIT1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001257858及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001539で定義のタンパク質配列に対応する、配列番号49又は配列番号50に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「IFIT1」という用語はまた、IFIT1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号47又は配列番号48に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号49又は配列番号50に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号49又は配列番号50に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号47又は配列番号48に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「IFIT3」という用語は、Interferon Induced Protein With Tetratricopeptide Repeats 3遺伝子(Ensembl:ENSG00000119917)、例えば、NCBI参照配列NM_001031683で定義の配列、具体的には、上記に示したIFIT3転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号51に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、IFIT3ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001026853で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号52に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「IFIT3」という用語はまた、IFIT3に対して高い相同性を示す核酸配列、例えば、核酸配列51に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号52に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号52に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号51に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「KIAA1549」という用語は、ヒトKIAA1549遺伝子(Ensembl:ENSG00000122778)、例えば、NCBI参照配列NM_020910又はNCBI参照配列NM_001164665で定義の配列、具体的には、上記に示したKIAA1549転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号53又は配列番号54に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、KIAA1549ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_065961及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001158137で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号55又は配列番号56に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「KIAA1549」という用語はまた、KIAA1549に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号53又は配列番号54に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号55又は配列番号56に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号55又は配列番号56に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号53又は配列番号54に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「LAT」という用語は、T細胞の活性化のためのリンカー(Linker For Activation Of T-Cells)の遺伝子(Ensembl:ENSG00000213658)、例えば、NCBI参照配列NM_001014987又はNCBI参照配列NM_014387に定義の配列、具体的には、上記に示したLAT転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号57又は配列番号58に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、LATポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001014987及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_055202に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号59又は配列番号60に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「LAT」という用語はまた、LATに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号57又は配列番号58に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号59又は配列番号60に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号59又は配列番号60に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号57又は配列番号58に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「LCK」という用語は、LCK Proto-Oncogeneの遺伝子(Ensembl:ENSG00000182866)、例えば、NCBI参照配列NM_005356に定義の配列、具体的には、上記に示したLCK転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号61に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、LCKポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_005347に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号62に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「LCK」という用語はまた、LCKに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号61に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号62に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号62に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号61に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「LRRFIP1」という用語は、LRR結合FLII相互作用タンパク質1遺伝子(Ensembl: ENSG00000124831)、例えば、NCBI参照配列NM_004735又はNCBI参照配列NM_001137550又はNCBI参照配列NM_001137553又はNCBI参照配列NM_001137552で定義の配列、具体的には上記に示したLRRFIP1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号63又は配列番号64又は配列番号65又は配列番号66に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、LRRFIP1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_004726及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001131022及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001131025及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001131024で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号67又は配列番号68又は配列番号69又は配列番号70に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関連する。
「LRRFIP1」という用語はまた、LRRFIP1に対して高い相同性を示す核酸配列、例えば配列番号63又は配列番号64又は配列番号65又は配列番号66に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号67又は配列番号68又は配列番号69又は配列番号70に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号67又は配列番号68又は配列番号69又は配列番号70に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号63又は配列番号64又は配列番号65又は配列番号66に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「MYD88」という用語は、MYD88自然免疫シグナル伝達アダプター遺伝子(Ensembl: ENSG00000172936)、例えば、NCBI参照配列NM_001172567又はNCBI参照配列NM_001172568又はNCBI参照配列NM_001172569又はNCBI参照配列NM_001172566又はNCBI参照配列NM_002468で定義の配列、具体的には、上記に示したMYD88転写物のNCBI参照配列の配列に対応する、配列番号71又は配列番号72又は配列番号73又は配列番号74又は配列番号75に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、MYD88ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001166038及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001166039及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001166040及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001166037及びNP_002459で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号76又は配列番号77又は配列番号78又は配列番号79又は配列番号80に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「MYD88」という用語はまた、MYD88に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号71又は配列番号72又は配列番号73又は配列番号74又は配列番号75に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号76又は配列番号77又は配列番号78又は配列番号79又は配列番号80に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号76又は配列番号77又は配列番号78又は配列番号79又は配列番号80に定めるとおりの配列の配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号71又は配列番号72又は配列番号73又は配列番号74又は配列番号75に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「OAS1」という用語は、2’-5’-オリゴアデニル酸合成酵素1遺伝子(Ensembl: ENSG00000089127)、例えば、NCBI参照配列NM_001320151又はNCBI参照配列NM_002534又はNCBI参照配列NM_001032409又はNCBI参照配列NM_016816で定義の配列、具体的には、上記に示したOAS1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号81又は配列番号82又は配列番号83又は配列番号84に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、OAS1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001307080及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_002525及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001027581及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_058132で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号85又は配列番号86又は配列番号87又は配列番号88に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「OAS1」という用語はまた、OAS1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号81又は配列番号82又は配列番号83又は配列番号84に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号85又は配列番号86又は配列番号87又は配列番号88に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号85又は配列番号86又は配列番号87又は配列番号88に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号81又は配列番号82又は配列番号83又は配列番号84に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「PAG1」という用語は、Phosphoprotein Membrane Anchor With Glycosphingolipid Microdomains 1の遺伝子(Ensembl:ENSG00000076641)、例えば、NCBI参照配列NM_018440に定義の配列、具体的には、上記に示したPAG1転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号89に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、PAG1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_060910に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号90に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「PAG1」という用語はまた、PAG1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば。配列番号89に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号90に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号90に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号89に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「PDE4D」という用語は、ヒトホスホジエステラーゼ4D遺伝子(Ensembl: ENSG00000113448)、例えば、NCBI参照配列NM_001104631又はNCBI参照配列NM_001349242又はNCBI参照配列NM_001197218又はNCBI参照配列NM_006203又はNCBI参照配列NM_001197221又はNCBI参照配列NM_001197220又はNCBI参照配列NM_001197223又はNCBI参照配列NM_001165899又はNCBI参照配列NM_001165899で定義の配列、具体的には、上記に示したPDE4D転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号91又は配列番号92又は配列番号93又は配列番号94又は配列番号95又は配列番号96又は配列番号97又は配列番号98又は配列番号99に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、PDE4D ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001098101及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001336171及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001184147及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_006194及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001184150 及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001184149 及び NCBINCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001184152 及びNCBIタンパク質アクセション参照配列 NP_1159371 及び NCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001184148で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号100又は配列番号101又は配列番号102又は配列番号103又は配列番号104又は配列番号105又は配列番号106又は配列番号107又は配列番号108に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「PDE4D」という用語はまた、PDE4Dに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98又は配列番号99に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107又は配列番号108に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107又は配列番号108に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98又は配列番号99に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「PRKACA」という用語は、Protein Kinase cAMP-Activated Catalytic Subunit Alphaの遺伝子(Ensembl:ENSG00000072062)、例えば、NCBI参照配列NM_002730又はNCBI参照配列NM_207518に定義の配列、具体的には、上記に示したPRKACA転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号109又は配列番号110に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、PRKACAポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_002721及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_997401に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号111又は配列番号112に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「PRKACA」という用語はまた、PRKACAに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号109又は配列番号110に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号111又は配列番号112に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号111又は配列番号112に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号109又は配列番号110に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「PRKACB」という用語は、Protein Kinase cAMP-Activated Catalytic Subunit Betaの遺伝子(Ensembl:ENSG00000142875)、例えば、NCBI参照配列NM_002731、NCBI参照配列NM_182948、NCBI参照配列NM_001242860、NCBI参照配列NM_001242859、NCBI参照配列NM_001242858、NCBI参照配列NM_001242862、NCBI参照配列NM_001242861、NCBI参照配列NM_001300915、NCBI参照配列NM_207578、NCBI参照配列NM_001242857又はNCBI参照配列NM_001300917に定義の配列、具体的には、上記に示したPRKACB転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122又は配列番号123に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、PRKACBポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_002722、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_891993、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229789、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229788、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229787、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229791、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229790、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001287844、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_997461、NCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001229786及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001287846に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133又は配列番号134に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「PRKACB」という用語はまた、PRKACBに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122又は配列番号123に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133又は配列番号134に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133又は配列番号134に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122又は配列番号123に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「PTPRC」という用語は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体型Cの遺伝子(Ensembl:ENSG00000081237)、例えば、NCBI参照配列NM_002838又はNCBI参照配列NM_080921に定義の配列、具体的には、上記に示したPTPRC転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号135又は配列番号136に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、PTPRCポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_002829、及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_563578に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号137又は配列番号138に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「PTPRC」という用語はまた、PTPRCに対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号135又は配列番号136に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号137又は配列番号138に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号137又は配列番号138に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号135又は配列番号136に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「RAP1GAP2」という用語は、ヒトRAP1 GTPアーゼ活性化タンパク質2遺伝子(ENSG00000132359)、例えばNCBI参照配列NM_015085又はNCBI参照配列NM_001100398又はNCBI参照配列NM_001330058で定義の配列、具体的には、上記に示したRAP1GAP2転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号139又は配列番号140又は配列番号141に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、RAP1GAP2ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_055900及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001093868及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001316987で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号142又は配列番号143又は配列番号144に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「RAP1GAP2」という用語はまた、RAP1GAP2に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば配列番号139又は配列番号140又は配列番号141に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号142又は配列番号143又は配列番号144に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号142又は配列番号143又は配列番号144に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、又は配列番号139又は配列番号140又は配列番号141に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「SLC39A11」という用語は、ヒト溶質担体ファミリー39メンバー11遺伝子(Ensembl:ENSG00000133195)、例えば、NCBI参照配列NM_139177又はNCBI参照配列NM_001352692で定義の配列、具体的には、上記に示したSLC39A11転写物のNCBI参照配列の配列に対応する、配列番号145又は配列番号146に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、SLC39A11ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_631916及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001339621で定義のタンパク質配列に対応する配列番号147又は配列番号148に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「SLC39A11」という用語はまた、SLC39A11に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号145又は配列番号146に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号147又は配列番号148に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号147又は配列番号148に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号145又は配列番号146に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「TDRD1」という用語は、ヒトTudor Domain Containing 1遺伝子(Ensembl:ENSG00000095627)、例えば、NCBI参照配列NM_198795で定義の配列、具体的には、上記に示したTDRD1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号149に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、TDRD1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_942090で定義のタンパク質配列に対応する、例えば、配列番号150に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「TDRD1」という用語はまた、TDRD1に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば 配列番号149に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号150に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号150に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号149に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「TLR8」という用語は、Toll様受容体8遺伝子(Ensembl:ENSG00000101916)を指し、例えば、NCBI参照配列NM_138636又はNCBI参照配列NM_016610で定義の配列、具体的には、上記に示したTLR8転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号151又は配列番号152に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、TLR8ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_619542及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_057694に定義のタンパク質配列に対応する配列番号153又は配列番号154に定めるとおりの対応するアミノ酸の配列にも関する。
「TLR8」という用語はまた、TLR8に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号151又は配列番号152に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号153又は配列番号154に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号153又は配列番号154に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号151又は配列番号152に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「VWA2」という用語は、ヒトVon Willebrand Factor A Domain Containing 2遺伝子(Ensembl:ENSG00000165816)、例えば、NCBI参照配列NM_001320804で定義の配列、具体的には、上記に示したVWA2転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号155に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、VWA2ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001307733で定義のタンパク質配列に対応する、例えば配列番号156に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「VWA2」という用語はまた、VWA2に対して高い相同性を示す核酸配列、例えば配列番号155に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号156に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号156に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号155に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「ZAP70」という用語は、T細胞受容体関連プロテインキナーゼ70のゼータ鎖(Zeta Chain Of T-Cell Receptor Associated Protein Kinase 70)の遺伝子(Ensembl:ENSG00000115085)、例えば、NCBI参照配列NM_001079又はNCBI参照配列NM_207519に定義の配列、具体的には、上記に示したZAP70転写物のNCBI参照配列の配列に対応した、配列番号157又は配列番号158に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、ZAP70ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_001070及びNCBIタンパク質アクセッション参照配列NP_997402に定義のタンパク質配列に対応した、例えば配列番号159又は配列番号160に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「ZAP70」という用語はまた、ZAP70に対して高い相同性を示すヌクレオチド配列、例えば、配列番号157又は配列番号158に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号159又は配列番号160に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号159又は配列番号160に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号157又は配列番号158に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「ZBP1」という用語は、Z-DNA結合タンパク質1遺伝子(Ensembl: ENSG00000124256)、例えば、NCBI参照配列 NM_030776又はNCBI参照配列 NM_001160418又はNCBI参照配列NM_001160419で定義の配列、具体的には、上記で示したZBP1転写物のNCBI参照配列の配列に対応する配列番号161又は配列番号162又は配列番号163に定めるとおりのヌクレオチド配列のことを指し、それはまた、ZBP1ポリペプチドをコードするNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_110403及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001153890及びNCBIタンパク質アクセション参照配列NP_001153891で定義のタンパク質配列に相当する、例えば、配列番号164又は配列番号165又は配列番号166に定めるとおりの対応するアミノ酸配列にも関する。
「ZBP1」という用語はまた、ZBP1に対して高い相同性を示す核酸配列、例えば、配列番号161又は配列番号162又は配列番号163に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列、或いは配列番号164又は配列番号165又は配列番号166に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列、或いは配列番号164又は配列番号165又は配列番号166に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸配列、或いは配列番号161又は配列番号162又は配列番号163に定めるとおりの配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされているアミノ酸配列を含む。
「生物学的サンプル」又は「対象者から取得したサンプル」という用語は、当業者に知られた適切な方法を介して対象者、例えば前立腺がん患者、から取得した任意の生物材料のことを指す。「前立腺がん対象者」という用語は、前立腺がんを有するか、又はその疑いのある人を指す。使用する生物学的サンプルは、臨床的に受け入れられるやり方、例えば、核酸(特にRNA)又はタンパク質が保たれる手法で採取する。
生物学的サンプル(複数可)には、体組織及び/又は体液、例えば、これらに限定されないが、血液、汗、だ液及び尿が含まれる。更に、生物学的サンプルは、がん性上皮細胞又はがんであると疑われる組織に由来する上皮細胞等の上皮細胞に由来する細胞抽出液又はそれを含む細胞集団を含有する。生物学的サンプルは腺組織に由来する細胞集団を含有し、例えば、サンプルは男性対象者の前立腺に由来する。加えて、必要であれば、取得した体組織及び体液から細胞を精製し、次いでそれを生物学的サンプルとして使用する。一部の実現化では、サンプルは、組織サンプル、尿サンプル、尿沈渣サンプル、血液サンプル、だ液サンプル、***サンプル、循環腫瘍細胞を含むサンプル、細胞外小胞、前立腺によって分泌されたエキソソームを含有するサンプル又は細胞株若しくはがん細胞株である。
更に、フルモデルを使用する(すなわち、8つのPDE4D7相関遺伝子すべて、14の免疫防御応答遺伝子すべて、及び17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子をすべて使用すること)ことが有意な予測効果を得るためには必須ではないこと、及び、有意な結果は既にPDE4D7相関遺伝子の1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択したT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の1つと組み合わせることで得られていることが実証された。実施例及び図15~32は、遺伝子のフルセットから選択された、PDE4D7相関遺伝子の1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択した1つのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子と組み合わせることで、有意な予測を行うのに十分であることを実証している。これらのランダムな選択により、各群から1つの遺伝子を任意に選択することによって、放射線治療に対する前立腺がん対象者の応答を有意に予測することが可能になるのは妥当なことである。
特定の一実現化では、生検又は切除サンプルを取得する、及び/又は使用する。そのようなサンプルには、細胞又は細胞ライセートが含まれる。
生物学的サンプルの内容物を濃縮ステップにかけることも考えられる。例えば、サンプルを、特定の細胞タイプ、例えば前立腺細胞の細胞膜又はオルガネラに対して特異的であり、例えば磁性粒子等で機能化させたリガンドと接触させる。磁性粒子によって濃縮した材料は、その後、本明細書の上記又は下記に記載の検出及び分析ステップのために使用する。
更に、細胞、例えば腫瘍細胞は、液体又は液体サンプル、例えば血液、尿等のろ過プロセスを介して濃縮することもできる。そのようなろ過プロセスは、本明細書の上記に記載のリガンド特異的な相互作用に基づく濃縮ステップと組み合わせることもできる。
「前立腺がん」という用語は、***系における前立腺のがんのことを指し、それは前立腺の細胞が突然変異し、制御不能に増え始めた時に生じる。典型的には、前立腺がんは、前立腺特異的抗原(PSA)のレベルの上昇とつながりがある。本発明の一実施形態では、「前立腺がん」という用語は、3.0を超えるPSAレベルを示すがんに関する。別の実施形態では、前記用語は、2.0を超えるPSAレベルを示すがんに関する。「PSAレベル」という用語は、ng/mlにおける血中のPSAの濃度のことを指す。
「非進行性前立腺がん状態」という用語は、個体のサンプルが、「生化学的再発」、「臨床的再発」、「転移」、「去勢抵抗性疾患」及び/又は「前立腺がんすなわち疾患特異的死亡」を表すパラメータ値を示さないことを意味する。
「進行性前立腺がん状態」という用語は、個体のサンプルが、「生化学的再発」、「臨床的再発」、「転移」、「去勢抵抗性疾患」及び/又は「前立腺がんすなわち疾患特異的死亡」を表すパラメータ値を示すことを意味する。
「生化学的再発」という用語は、一般的に、サンプル中に前立腺がん細胞が存在することを表す、PSAの生物学的値の増加が再発したことを指す。しかし、前記存在の検出に使用することができる他のマーカー又はそのような存在についての疑いを高める他のマーカーも使用することができる。
「臨床的再発」という用語は、例えば生体内イメージングを使用して測定された、腫瘍細胞の存在を表す臨床徴候が存在することを指す。
「転移」という用語は、前立腺以外の臓器において転移性疾患が存在することを指す。
「去勢抵抗性疾患」という用語は、ホルモン非感受性前立腺がんが存在すること、すなわち前立腺におけるがんが、アンドロゲン遮断治療(ADT)にもはや応答しないことを指す。
「前立腺がん特異的死亡すなわち疾患特異的死亡」という用語は、患者の前立腺がんに由来する患者の死亡のことを指す。
好ましいのは、
1つ以上の免疫防御応答遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべての免疫防御遺伝子を含むこと、及び/又は
1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子を含むこと、及び/又は
1つ以上のPDE4D7相関遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、最も好ましくはすべてのPDE4D7相関遺伝子を含むことであり、1つ以上の遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、最も好ましくはすべての遺伝子を含むことである。
1つ以上の免疫防御応答遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべての免疫防御遺伝子を含むこと、及び/又は
1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子を含むこと、及び/又は
1つ以上のPDE4D7相関遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、最も好ましくはすべてのPDE4D7相関遺伝子を含むことであり、1つ以上の遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、最も好ましくはすべての遺伝子を含むことである。
放射線治療線量の選択を決定することが、
免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべてについての第1の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、又はすべてについての第2の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
PDE4D7相関遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7種又はすべてについての第3の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップを含むことが好ましい。
免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべてについての第1の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、又はすべてについての第2の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
PDE4D7相関遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7種又はすべてについての第3の遺伝子発現プロファイルと、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップを含むことが好ましい。
Cox比例ハザード回帰により、生存のようなテストしたイベントに対する複数のリスク因子の影響をオンタイムに分析することが可能になる。それに関して、リスク因子は、リスクスコア若しくは臨床病期のような2値変数若しくは離散変数であるか、又はバイオマーカーの測定値若しくは遺伝子発現の値のような連続変数である。エンドポイント(例えば、死亡又は疾患再発)の確率はハザードと呼ばれる。回帰分析においては、テストしたエンドポイントに、例えばある患者コホートにおける対象者が達したか達しなかったか(例えば、患者が死亡したか死亡しなかったか)についての情報の次に、エンドポイントまでの期間も考慮される。ハザードは、H(t)=H0(t)・exp(w1・V1+w2・V2+w3・V3+・・・)としてモデル化され、ここでV1、V2、V3・・・は予測変数であり、H0(t)はベースラインのハザードであるがH(t)は任意の時間tにおけるハザードである。ハザード率(すなわちイベントに達するリスク)は、Ln[H(t)/H0(t)]=w1・V1+w2・V2+w3・V3+・・・によって表され、ここで係数又は重みw1、w2、w3・・・はCox回帰分析によって見積もられ、ロジスティック回帰分析と同様に解釈することができる。
特定の一実現化では、免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種、又はすべての第1の遺伝子発現プロファイルと回帰関数との組合せは以下のように決定される:
式中、w1~w14は重みであり、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1は免疫防御応答遺伝子の発現レベルである。
一例では、w1は約-0.8~0.2、例えば-0.313であってもよく、w2は約-0.7~0.3、例えば-0.1417であってもよく、w3は約-0.4~0.6、例えば0.1008であってもよく、w4は約-0.5~0.5~0.5、例えば-0.07478であってもよく、w5は約-0.2~0.8、例えば0.277であってもよく、w6は約-0.6~0.4、例えば-0.07944であってもよく、w7は約-0.2~0.8、例えば0.3036であってもよく、w8は約-0.6~0.4、例えば-0.09188であってもよく、w9は約-0.3~0.7、例えば0.1661であってもよく、w10は約-1.2~0.2、例えば-0.7105であってもよく、w11は約-0.3~0.7、例えば0.1615であってもよく、w12は約-0.6~0.4、例えば-0.07468であってもよく、w13は約-0.6~0.4、例えば-0.06677であってもよく、w14は約-0.7~0.3、例えば-0.155であってもよい。
特定の一実現化では、T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の2つ以上、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてについての第2の遺伝子発現プロファイルと回帰関数との組合せは、以下のように決定される:
式中、w15~w31は重みであり、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC及びZAP70はT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の発現レベルである。
一例では、w15は約-0.1~0.9、例えば0.4137であってもよく、w16は約-0.6~0.4、例えば-0.1323であってもよく、w17は約-0.1~0.9、例えば0.3695であってもよく、w18は約-0.8~0.2、例えば-0.267であってもよく、w19は約-0.7~0.3、例えば-0.1984であってもよく、w20は約-0.2~0.8、例えば0.3018であってもよく、w21は約0.1~1.1、例えば0.6169であってもよく、w22は約-0.8~0.2、例えば-0.2789であってもよく、w23は約-0.7~0.3、例えば-0.1842であってもよく、w24は約0.5~1.5、例えば0.4672であってもよく、w25は-0.5~0.5、例えば-0.07028であってもよく、w26は-0.2~0.8、例えば0.3278であってもよく、w27は-1.3~-0.3、例えば-0.8253であってもよく、w28は約0.1~1.1、例えば0.6212であってもよく、w29は約-0.9~0.1、例えば-0.4462であってもよく、w30は約-0.9~0.1、例えば-0.4622であってもよく、w31は約-0.1~0.9、例えば-0.3702であってもよい。
特定の一実現化では、PDE4D7相関遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7種又はすべてについての第3の遺伝子発現プロファイルと回帰関数との組合せは、以下のように決定される:
式中、w32~w39は重みであり、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2はPDE4D7相関遺伝子の発現レベルである。
一例では、w32は約-0.1~0.9、例えば0.368であってもよく、w33は約-0.3~-1.3、例えば-0.7675であってもよく、w34は約-0.1~0.9、例えば0.4108であってもよく、w35は約-0.1~0.9、例えば0.4007であってもよく、w36は約-1.2~-0.2、例えば-0.679であってもよく、w37は約0.0~0.1、例えば0.5433であってもよく、w38は約0.1~1.1、例えば0.6366であってもよく、w39は約-1.0~0.0、例えば-0.4749であってもよい。
放射線治療線量の選択の決定が、第1の遺伝子発現プロファイルの組合せ、第2の遺伝子発現プロファイルの組合せ、及び第3の遺伝子発現プロファイルの組合せを、前立腺がん対象者の集団から導出された回帰関数と組み合わせることを更に含むことが更に好ましい。
特定の一実現化では、組合せは、以下のように決定される:
式中、w40~w42は重みであり、IDR_modelは、免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべてについての発現プロファイルに基づく上述の回帰モデルであり、TCR_SIGNALING_modelは2つ以上、例えば、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の発現プロファイルに基づく上述の回帰モデルであり、PDE4D7_CORR_modelは、2つ以上、例えば、2、3、4、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の発現プロファイルに基づく上述の回帰モデルである。
一例において、w40は、約0.2~1.2、例えば0.674であってもよく、w41は約0.0~1.0、例えば0.5474であってもよく、w42は約0.1~1.1、例えば0.6372であってもよい。
放射線治療応答の予測はまた、放射線治療転帰の予測の値に基づいて、少なくとも2つのリスク群のうちの1つに分類又はカテゴリー化されてもよい。例えば、2つのリスク群、3つのリスク群、4つのリスク群又は4つを超える予め定義されたリスク群がある。各リスク群は、放射線治療転帰の予測の、個別の範囲の(オーバーラップしない)値をカバーする。例えば、リスク群は、0~<0.1、0.1~<0.25、0.25~<0.5、又は0.5~1.0等の、特定の臨床イベントの発生確率を表す。
放射線治療線量の選択の決定が、対象者から取得した1つ以上の臨床パラメータに更に基づくことが更に好ましい。
前述したように、臨床パラメータに基づく様々な測定が検討されている。このような臨床パラメータ(複数可)に基づく放射線治療線量の選択を更に行うことで、選択を更に改善させることが可能であり得る。
臨床パラメータは、以下:(i)前立腺特異抗原(PSA)レベル;(ii)病理学的グリーソンスコア(pGS);(iii)臨床腫瘍ステージ;(iv)病理学的グリーソングレードグループ(pGGG);(v)病理状態;(vi)1つ以上の病理学的変数、例えば、外科的断端の状態及び/又はリンパ節転移及び/又は前立腺外増殖及び/又は精嚢浸潤;(vii)CAPRA;(viii)CAPRA-S;(ix)EAU-BCRリスク群、及び;(x)他の臨床リスクスコアのうちの1つ以上を含む。
治療応答の予測又は治療の個人化の決定は、以下: (i)1つ以上の免疫防御応答遺伝子についての第1の遺伝子発現プロファイル(複数可);(ii)1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子についての第2の遺伝子発現プロファイル(複数可);(iii)1つ以上のPDE4D7相関遺伝子についての第3の遺伝子発現プロファイル(複数可);及び(iv)第1の遺伝子発現プロファイルの組合せ、第2の遺伝子発現プロファイルの組合せ、及び第3の遺伝子発現プロファイルの組合せ、及び対象者から取得した1つ以上の臨床パラメータとの組合せの1つ以上を前立腺がん対象者の集団から導出された回帰関数と組み合わせることを含むことが更に好ましい。
特定の一実現化において、組合せは、以下のように決定される:
式中、w43及びw44は重みであり、PCAI_modelは、免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべてについての発現プロファイル、T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてについての発現プロファイル、及びPDE4D7相関遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、6、7種又はすべてについての発現プロファイルに基づく上述の回帰モデルであり、EAU_BCRはEAU-BCRリスク群である(Tilki D.らによる、「External validation of the European Association of Urology Biochemical Recurrence Risk groups to predict metastasis and mortality after radical prostatectomy in a European cohort」、Eur Urol、Vol.75、No.6、896~900頁、2019年を参照のこと)。
一例において、w43は約0.4~1.4、例えば0.8887であってもよく、w44は約1.1~2.1、例えば1.6085であってもよい。
生物学的サンプルは、放射線治療の開始前に対象者から取得することが好ましい。遺伝子発現プロファイル(複数可)は、前立腺がん組織中でmRNA又はタンパク質の形態で決定してもよい。或いは、遺伝子が可溶性の形態で存在する場合は、遺伝子発現プロファイル(複数可)は血中で決定してもよい。
放射線治療は、根治的放射線治療又は救援放射線治療であることが、更に好ましい。
本発明の更なる態様において、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択するための装置であって、
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての、免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルであり、対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、及び/又は、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルであり、対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される前記第2の遺伝子発現プロファイル(群)及び/又は、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルであり、対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)を示すデータを受け取るように適合された入力部、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、放射線治療線量の選択を決定するように適合されたプロセッサ、並びに
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するように適合された提供ユニットを備える、装置が提示される。
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての、免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルであり、対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、及び/又は、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルであり、対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される前記第2の遺伝子発現プロファイル(群)及び/又は、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルであり、対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)を示すデータを受け取るように適合された入力部、
前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、放射線治療線量の選択を決定するように適合されたプロセッサ、並びに
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するように適合された提供ユニットを備える、装置が提示される。
本発明の更なる態様では、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ及び/又は、
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される、1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は、
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)は、対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、
第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップ
を有する、方法をコンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品が提示される。
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ及び/又は、
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される、1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、及び/又は、
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)は、対象者から取得した生物学的サンプル中で決定される、ステップ、
第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量の選択を決定するステップ、及び
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップ
を有する、方法をコンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品が提示される。
本発明の更なる態様では、
対象者から取得した生物学的サンプル中のAIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、及び/又は
対象者から取得した生物学的サンプル中のCD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、及び/又は
対象者から取得した生物学的サンプル中のABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々についての遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、並びに
適宜、請求項10に記載の装置又は請求項11に記載のコンピュータプログラム製品を含む診断キットが提示される。
対象者から取得した生物学的サンプル中のAIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、及び/又は
対象者から取得した生物学的サンプル中のCD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、及び/又は
対象者から取得した生物学的サンプル中のABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々についての遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブ、並びに
適宜、請求項10に記載の装置又は請求項11に記載のコンピュータプログラム製品を含む診断キットが提示される。
本発明の更なる態様において、請求項12に定義されるキットの使用が提示される。
請求項13に記載の使用は、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法におけるものであることが好ましい。
本発明の更なる態様では、
前立腺がんがん対象から取得した1つ以上の生物学的サンプルを受け取るステップ、
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群の1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するステップ、及び/又は
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される、1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々について第2の遺伝子発現プロファイルを決定するステップ、及び/又は
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定するステップを有する、方法が提示される。
前立腺がんがん対象から取得した1つ以上の生物学的サンプルを受け取るステップ、
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群の1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するステップ、及び/又は
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される、1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々について第2の遺伝子発現プロファイルを決定するステップ、及び/又は
請求項12に記載のキットを用いて、対象者から取得した生物学的サンプル中の、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定するステップを有する、方法が提示される。
本発明の更なる態様では、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法において、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイル、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される、1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子についての各々の第2の遺伝子発現プロファイル、及びABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7関連遺伝子各々についての第3の遺伝子発現プロファイルの使用であって、前記方法は、
第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第1、第2、及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、放射線治療線量の選択を決定するステップと
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップとを有する、当該使用が提示される。
第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第1、第2、及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づいて、放射線治療線量の選択を決定するステップと
適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップとを有する、当該使用が提示される。
請求項1に記載の方法、請求項10に記載の装置、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品、請求項12に記載の診断キット、請求項13に記載の診断キットの使用、請求項15に記載の方法、及び請求項16に記載の第1、第2、及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)の使用は、特に従属請求項に定義するように類似及び/又は同一の好ましい実施形態を有することは理解されるであろう。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態と、それぞれの独立請求項との任意の組合せでもあり得ると理解されるものとする。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載の実施形態から明らかとなり、以下に記載の実施形態を参照して解明される。
放射線治療線量選択の概要
図1は、前立腺がんの対象者の放射線治療の線量を選択する方法の一実施形態のフローチャートを模式的かつ例示的に示す。
図1は、前立腺がんの対象者の放射線治療の線量を選択する方法の一実施形態のフローチャートを模式的かつ例示的に示す。
ステップS100において、方法に着手する。
ステップS102において、前立腺がんと診断された第1のセットの患者(対象者)のそれぞれから、生物学的サンプルを取得する。好ましくは、生物学的サンプルを取得した後、少なくとも1年、少なくとも2年、又は約5年等の期間にわたり、これらの前立腺がん患者に対して、前立腺がんのモニタリングを実施する。
ステップS104において、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子各々についての第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子各々についての第2の遺伝子発現プロフィール、及び/又はABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される2つ以上、例えば2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7関連遺伝子各々に対する第3の遺伝子発現プロファイルを、第1の患者セットから取得した生物学的サンプルのそれぞれについて、例えば各生物学的サンプルから抽出したRNAに対してRT-qPCR(リアルタイム定量PCR)を行うことにより取得する。例示的な遺伝子発現プロファイルは、B2M、HPRT1、POLR2A、及び/又はPUM1等の参照遺伝子のセットの各々に対する値(複数可)を用いて正規化することができる2つ以上の遺伝子の各々に対する発現レベル(例えば、値)を含む。一実現化では、第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は第2の遺伝子発現プロファイル、及び/又は第3の遺伝子発現プロファイルの2つ以上の遺伝子の各々の遺伝子発現レベルは、ACTB、ALAS1、B2M、HPRT1、POLR2A、PUM1、RPLP0、TBP、TUBA1B、及び/又はYWHAZからなる群から選択される1つ以上の参照遺伝子、例えば少なくとも1、少なくとも2、又は少なくとも3、又は好ましくはこれらの参照遺伝子すべてに対して正規化されている。
ステップS106において、放射線治療応答の選択を割り当てるための回帰関数は、患者の第1のセットについて取得した生物学的サンプルの少なくとも一部について取得した2つ以上の免疫防御応答遺伝子、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及び/又はZBP1に関する第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は2つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及び/又はZAP70に関する第2の遺伝子発現プロファイル、及び/又は2つ以上のPDE4D7相関遺伝子、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及び/又はVWA2に関する第3の発現プロファイルに基づいて決定され、各々の結果はモニタリングから取得される。特定の一実現化では、回帰関数は、上記式(5)で特定されるように決定される。
ステップS108において、患者(対象者、すなわち個体)から生物学的サンプルを取得する。患者は、新規の患者であっても第1のセットの患者であってもよい。
ステップS110において、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される、1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP701からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイル、及び/又は第3の遺伝子発現プロファイルは、例えば生物学的サンプルについてPCRを行うことによって2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子についてそれぞれ取得される。一実現化では、第1の遺伝子発現プロファイル、及び/又は第2の遺伝子発現プロファイル、及び/又は第3の遺伝子発現プロファイルの2つ以上の遺伝子の各々の遺伝子発現レベルは、ACTB、ALAS1、B2M、HPRT1、POLR2A、PUM1、RPLP0、TBP、TUBA1B、及び/又はYWHAZからなる群から選択される1つ以上の参照遺伝子、例えば少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は好ましくはすべてのこれらの参照遺伝子に対して正規化される。これは、ステップS104と実質的に同じである。
ステップS112において、第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)に基づく治療応答の予測又は治療の個人化が、回帰関数を用いて患者について決定される。これについては、後に本記載においてより詳細に記載する。
S114において、前記選択に基づいて、治療法の推奨を、例えば、患者又は彼若しくは彼女の保護者に対して、医師に対して、或いは別のヘルスケア従事者に対して提供する。この目的のために、前記選択を、前記選択の値に基づいて、予め定義されたリスク群のセットの1つにカテゴリー化してもよい。特定の一実現化では、治療は放射線治療であってもよく、治療結果の予測は、治療の有効性に対して否定的であっても肯定的であってもよい。予測が否定的である場合、推奨される治療は、(i)標準的な放射線治療よりも早期に行う放射線治療;(ii)放射線量を増加させた放射線治療;(iii)IMRT(強度変調RT);IGRT(画像誘導RT);SBRT(体幹部定位RT);又は少分割RT等の標準以外のEBRT放射線治療技術の使用、(iv)アンドロゲン除去療法等の補助療法;及び(v)放射線治療ではない他の治療の1つ以上を含んでいてもよい。更に、RTを個人化するために、患者に適用される総線量の推奨が提供され得る。特定の一実現化では、選択されたRT総線量は、放射線によって誘導される毒性を最小化するために、予め規定された低リスク群の一部である患者に対して6Gy以下を選択してもよい。他の実現化では、選択されたRT総線量は、放射線による腫瘍制御及び患者の結果を最大化するために、予め規定された高リスク群の一部である患者に対して66Gy超を選択してもよい。
S116において、方法を終了する。
一実施形態では、2種以上のプライマー及び/又はプローブ及び/又は2種以上のそれらのセットを使用してmRNAの発現を検出することにより、ステップS104及びS110における遺伝子発現プロファイルを決定する。
一実施形態では、ステップS104及びS110は、それぞれ、患者の第1のセット及び患者から臨床パラメータを取得することを更に含む。臨床パラメータは、 (i)前立腺特異抗原(PSA)レベル;(ii)病理学的グリーソンスコア(pGS);(iii)臨床腫瘍状態;(iv)病理学的グリーソングレードグループ(pGGG);(v)病理状態;(vi)1つ以上の病理学的変数、例えば、外科的断端の状態及び/又はリンパ節転移及び/又は前立腺外増殖及び/又は精嚢浸潤;(vii) CAPRA;(viii) CAPRA-S;(ix) EAU-BCRリスク群、並びに;(x)他の臨床的リスクスコアの1つ以上を含んでいてもよい。次に、ステップS106で決定される放射線治療線量の選択を割り当てるための回帰関数は、患者の第1のセットの少なくとも一部から取得した1つ以上の臨床パラメータに更に基づく。ステップS112において、放射線治療線量の選択は、次に、患者から得られた1つ以上の臨床パラメータ、例えば、EAU-BCRリスク群に更に基づき、回帰関数を用いて患者について決定される。特定の一実現化では、回帰関数は、上記式(6)で特定されるように決定される。
RT後の転帰との有意な相関に基づけば、同定された分子は、根治的RT及び/又はSRTの有効性に関する予測値を与えると予想される。更に、同定された遺伝子によって定義される異なるリスク群におけるSRT線量と患者の転帰との有意な相関に基づき、SRT線量が根治的RT及び/又はSRTの有効性を予測することができると期待される。
結果
TPM遺伝子発現値
各遺伝子について、以下のステップに基づいてTPM(百万あたりの転写物数)発現値を算出した:
1. RNAseq fastq rawデータから導出されたリードカウントを、ヒトゲノムへのマッピング及びアライメント後の各遺伝子の長さ(キロベース)で割る。これにより、キロベースあたりのリード数(RPK)が得られる。
2. サンプル中のRPK値をすべて合計し、この値を1,000,000で割る。これにより、「百万あたり」のスケール因子が得られる。
3. RPK値を「百万あたり」のスケール因子で割る。これにより、各遺伝子のTPM発現値が得られる。
TPM遺伝子発現値
各遺伝子について、以下のステップに基づいてTPM(百万あたりの転写物数)発現値を算出した:
1. RNAseq fastq rawデータから導出されたリードカウントを、ヒトゲノムへのマッピング及びアライメント後の各遺伝子の長さ(キロベース)で割る。これにより、キロベースあたりのリード数(RPK)が得られる。
2. サンプル中のRPK値をすべて合計し、この値を1,000,000で割る。これにより、「百万あたり」のスケール因子が得られる。
3. RPK値を「百万あたり」のスケール因子で割る。これにより、各遺伝子のTPM発現値が得られる。
遺伝子あたりのTPM値は、各遺伝子の参照正規化遺伝子発現を算出するために使用した。
以下の参照遺伝子を考慮した(表1):
これらの参照遺伝子について、以下のB2M、HPRT1、POLR2A、PUM1の4つを選択して、以下を計算した:
式中、参照遺伝子の入力データは、そのRNAseq測定遺伝子発現を TPM (百万あたりの転写物数)で表し、AVERAGEは数学的平均である。
最後のステップでは、各遺伝子についての参照遺伝子正規化TPM_log2_norm発現値を以下のように計算することによってz-スコアに変換した:
式中、TPM_log2_normは遺伝子あたりのlog2の参照遺伝子正規化TPM値であり、mean_samplesはすべてのサンプルにわたるTPM_log2_norm値の数学的平均であり、stdev_samplesはすべてのサンプルにわたるTPM_lo2_norm値の標準偏差である。
このプロセスにより、TPM_log2_normの値は、平均0、標準偏差1付近に分布する。
関心遺伝子の多変量解析には、各遺伝子の参照遺伝子正規化log2(TPM)z-score値を入力として使用した。
Cox回帰分析
次に、14の免疫防御応答遺伝子の組合せ、17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の組合せ、8のPDE4D7相関遺伝子の組合せ、及びそれらの組合せが、より予後的な価値を示すかどうかの検証に着手した。Cox回帰を用いて、571人の前立腺がん患者のコホートにおいて、14の免疫防御応答遺伝子、17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子、及び8のPDE4D7相関遺伝子の発現レベルをそれぞれ、術後救援RT後の前立腺がん特異的死亡に対してモデル化した。
次に、14の免疫防御応答遺伝子の組合せ、17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の組合せ、8のPDE4D7相関遺伝子の組合せ、及びそれらの組合せが、より予後的な価値を示すかどうかの検証に着手した。Cox回帰を用いて、571人の前立腺がん患者のコホートにおいて、14の免疫防御応答遺伝子、17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子、及び8のPDE4D7相関遺伝子の発現レベルをそれぞれ、術後救援RT後の前立腺がん特異的死亡に対してモデル化した。
重みw1~w39の詳細は、以下の表2に示す。
3つの個別のCox回帰モデル(IDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model)に基づいて、前立腺がん患者571人のコホートにおいて、変数EAU_BCRの存在を伴う(PCAI&Clinical_model)又は伴わない(PCAI_model)術後救援RT後の前立腺がん特異的死亡との組合せのモデル化に再びCox回帰を使用した。カプランマイヤー生存分析で、この2つのモデルを検証した。
重みw40~w44の詳細は、以下の表2に示す。
カプランマイヤー生存分析
カプランマイヤー生存曲線解析では、リスクモデル(IDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model、PCAI&Clinical_model)のCox関数は、カットオフに基づいて2つのサブコホートにカテゴリー化した。低リスクと高リスクにグループ分けするための閾値は、コホート全体の患者ごとにCox回帰モデルを用いて算出したIDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model、及びPCAI&Clinical_modelのそれぞれの平均予後指数(PI)に基づいていた。
カプランマイヤー生存曲線解析では、リスクモデル(IDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model、PCAI&Clinical_model)のCox関数は、カットオフに基づいて2つのサブコホートにカテゴリー化した。低リスクと高リスクにグループ分けするための閾値は、コホート全体の患者ごとにCox回帰モデルを用いて算出したIDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model、及びPCAI&Clinical_modelのそれぞれの平均予後指数(PI)に基づいていた。
患者クラスは、作成したリスクモデル(IDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model、PCAI&Clinical_model)について、術後疾患再発による救援放射線治療(SRT)開始後の前立腺がん特異的死亡(PCa Death)(図2~11)と術後疾患再発による救援放射線療法(SRT)開始後の死亡というテストした臨床エンドポイントを経験するリスクが増加することを表している。
図2は、IDR_modelで定義される低リスク群(IDR_model<=-0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホート、対高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置した患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる「Salvage Radiotherapy for prostate cancer - Finding a way forward using radiobiological modeling」、Cancer Biol Ther.、Vol.13、No.4、1449~1453頁、2012年)。2つの患者群の生存曲線を示し;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差は認められなかった(logrank p=0.2;HR 低リスク 対 高リスク=NA;95%CI=NA)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについてリスクのある患者数を示している、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:10、10、10、7、3、2、1、1、0;高線量:25、24、22、18、14、8、7、5、2、2、0。
図3は、IDR_modelで定義された高リスク群(IDR_model>-0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置した患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差が認められた(logrank p=0,05;HR 低リスク 対 高リスク=4.1;95%CI=1.0~16.7)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:25、24、23、20、18、11、7、5、2、0;高線量:38、38、36、29、25、14、10、7、5、0。
図4は、TCR_SIGNALING_modelで定義された低リスク群(TCR_SIGNALING_model<=0.0)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用された総線量<=66Gyと定義される)で処置された患者コホート 対 高線量SRT(適用された総線量>66Gyと定義される)で処置された患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的有意差は認められなかった(logrank p=NA;HR 低リスク 対 高リスク=NA;95%CI=NA)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについてリスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:13、13、13、11、5、4、2、1、0;高線量:26、25、24、20、15、7、5、3、3、0。
図5は、TCR_SIGNALING_modelで定義された高リスク群(TCR_SIGNALING_model>0.0)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置された患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置された患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差が認められた(logrank p=0.01;HR 低リスク 対 高リスク=5.6;95%CI=1.4~21.4)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:22、21、20、17、14、9、5、4、2、1、0;高線量:37、37、34、27、24、15、12、9、4、2、0。
図6は、PDE4D7_CORR_modelで定義された低リスク群(PDE4D7_CORR_model<=0.0)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置した患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差は認められなかった(logrank p=0.9;HR 低リスク 対 高リスク=1.2;95%CI=0.07~19.2)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔におけるリスクのある患者を示している:低線量:18、18、17、14、9、6、4、2、1、0;高線量:26、26、25、21、16、10、9、6、5、2、0。
図7は、PDE4D7_CORR_modelで定義された高リスク群(PDE4D7_CORR_model>0.0)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<= 66Gyと定義される)で処理された患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量> 66Gyと定義される)で処理された患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差が認められた(logrank p=0.002;HR 低リスク 対 高リスク=12.3;95%CI=2.5~60.7)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:16、15、14、12、10、4、3、2、1、0;高線量:36、35、32、25、22、12、8、6、2、0。
図8は、PCAI_modelで定義された低リスク群(PCAI_model<=0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置した患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的有意差は認められなかった(logrank p=NA;HR 低リスク 対 高リスク=NA;95%CI=NA)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについてリスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:18、18、18、16、9、5、3、2、1、0;高線量:37、36、34、28、22、12、11、7、5、2、0。
図9は、PCAI_modelで定義された高リスク群(PCAI_model>0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(適用される総線量<=66Gyと定義される)で処置された患者コホートと、高線量SRT(適用される総線量>66Gyと定義される)で処置された患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差が認められた(logrank p=0.01;HR 低リスク 対 高リスク=5.6;95%CI=1.5~21.7)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:17、16、15、12、9、5、4、3、1、0;高線量:26、26、24、19、17、10、6、5、2、0。
図10は、PCAI&Clinical_modelで定義された低リスク群(PCAI&Clinical_model<=0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(総適用線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホートと、高線量SRT(総適用線量>66Gyと定義される)で処置した患者コホートに分けられた(OhriN.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的有意差は認められなかった(logrank p=NA;HR 低リスク 対 高リスク=NA;95%CI=NA)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについてリスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:14、14、14、12、5、2、1、0、0;高線量:26、26、25、19、16、7、6、5、3、1、0。
図11は、PCAI&Clinical_modelで定義された高リスク群(PCAI&Clinical_model>0.5)における前立腺がん特異的生存率を示す。この群の対象者は、更に、低線量SRT(総適用線量<=66Gyと定義される)で処置した患者コホートと、高線量SRT(総適用線量>66Gyと定義)で処置した患者コホートに分けられた(Ohri N.らによる、2012年の同書を参照)。2つの患者群の生存曲線が示されており;この患者コホートでは、前立腺がん特異的生存率に統計的に有意な差が認められた(logrank p=0.009;HR 低リスク 対 高リスク=9.8;95%CI=1.8~53.9)。以下の補足リストは、分析したSRTの線量クラスについて、リスクのある患者数、すなわち、SRT後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある患者を示している:低線量:15、14、13、11、8、5、3、1、0;高線量:31、30、27、22、19、11、7、5、2、0。
図2~図11に示すカプランマイヤー生存曲線解析は、SRT時に適用した総線量が前立腺がんによる患者の死亡リスクに与える影響を示している。患者のリスク群は、リスクモデルであるIDR_model、TCR_SIGNALING_model、PDE4D7_CORR_model、PCAI_model又はPCAI&Clinical_modelによって計算される各臨床エンドポイント(死亡、前立腺がん特異的死亡)に苦しむ確率によって決定される。患者の予測される前立腺がんによる死亡リスク(すなわち、患者がどのリスク群に属するか)に応じて、異なる種類のSRTの総線量レベルが指示される可能性がある。低リスク群では、放射線によって誘導される毒性を最小限に抑えながら腫瘍制御を確実にするために、総線量を66Gy未満に漸減した標準治療(SOC)が適応される可能性がある。高リスク群では、66Gyを超える線量での標準治療(SOC)が適応され、IMRT、IGRT、SBRT又は少分割RT等のSOC以外の技術(すなわち、EBRT)の使用が適応となる可能性がある。更に、SRTと化学療法を組み合わせることで、長期生存率が改善される可能性がある。治療法拡大の選択肢は、SRT(より高用量のレジメンを考慮)、SADT、及び化学療法の早期組合せ、又は免疫療法(例えば、Sipuleucil-T)又は他の実験的治療のような代替治療である。
更なる結果
フルモデルの使用(すなわち、8のPDE4D7相関遺伝子すべて、14の免疫防御応答遺伝子すべて、及び17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子すべての使用)は、有意な予測効果を得るために必須ではないこと、及びPDE4D7相関遺伝子のうちの1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択した1つのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子と組み合わせることによって既に有意な結果を得られることが更に実証された。実施例及び図15~32は、遺伝子のフルセットから選択された、PDE4D7相関遺伝子の1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択した1つのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子と組み合わせることによって、有意な予測を行うのに十分であることが実証されている。これらのランダムな選択により、各群から1つの遺伝子を任意に選択するだけで、放射線治療に対する前立腺がんの応答を有意に予測することができるのは妥当であろう。
フルモデルの使用(すなわち、8のPDE4D7相関遺伝子すべて、14の免疫防御応答遺伝子すべて、及び17のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子すべての使用)は、有意な予測効果を得るために必須ではないこと、及びPDE4D7相関遺伝子のうちの1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択した1つのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子と組み合わせることによって既に有意な結果を得られることが更に実証された。実施例及び図15~32は、遺伝子のフルセットから選択された、PDE4D7相関遺伝子の1つをランダムに選択し、ランダムに選択した1つの免疫防御応答遺伝子及びランダムに選択した1つのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子と組み合わせることによって、有意な予測を行うのに十分であることが実証されている。これらのランダムな選択により、各群から1つの遺伝子を任意に選択するだけで、放射線治療に対する前立腺がんの応答を有意に予測することができるのは妥当であろう。
このセクションでは、3遺伝子のランダムに選択された組合せを含む6の異なる遺伝子モデルに基づくCox回帰モデルに関する更なる結果を示すが、前記3遺伝子は、遺伝子のランダムな組合せごとに構成される。6の遺伝子モデルのうちの5つ(モデル3.1、3.2.、3.4.~3.6)では、遺伝子のランダムな組合せは、1つの免疫防御応答遺伝子、1つのTCRシグナル伝達遺伝子及び1つのPDE4D7相関遺伝子を含む。一参照モデル(モデル3.3)では、遺伝子のランダムな組合せは、2のTCRシグナル伝達遺伝子と1のPDE4D7相関遺伝子を含む。変数と重みの詳細を表3に示す。
カプランマイヤー曲線解析では、6のリスクモデル(PCAI-3.1~3.6)のCox回帰関数は、66Gyのカットオフ値に基づく2つのRT線量レベル(低(すなわち<=66Gy)及び高(すなわち>66Gy))に対してテストされた(以下の図の説明参照)。カプランマイヤー曲線解析の前に、患者コホートはカットオフ値に基づいて2つのサブコホート(低リスク 対 高リスク)にカテゴリー化された(図の説明を参照)。術後BCR(生化学的再発)後にSRT(救援放射線治療)を受けた全患者を含む186人のコホートについて、SRT(救援放射線)開始後の前立腺がん特異的死亡(PCa Death)というエンドポイントについてテストした(図12~図23)。
図12及び図13はPCAI-3.1モデルのカプランマイヤー曲線を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後の術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、PCAI-3.1モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じて、2つのコホートに層別化された(低リスク(図12) 対 高リスク(図13))。カットオフ値として0.04を使用した。
図12は、PCAI-3.1モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy)対 高(すなわち、>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.6;HR=1.9.1;CI=0.2~18.3)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.1モデルのクラスについてリスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月後の任意の時間間隔においてリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):21、21、21、19、16、9、5、3、1、0、0;高線量クラス(>66):29、28、25、20、20、15、8、7、5、2、1、0。
図13は、PCAI-3.1モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに関する2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち>66Gy))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.002;HR=16.4;CI=2.7~99)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.1モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔でリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):14、13、12、11、9、5、4、3、2、1、0;高線量クラス(>66):34、34、33、27、24、14、10、7、5、1、0。
図14及び図15はPCAI-3.2モデルのカプランマイヤー曲線を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後、術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、PCAI-3.2モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じた2つのコホートに層別化された(低リスク(図14) 対 高リスク(図15))。カットオフ値として-0.1を使用した。
図14は、PCAI-3.2モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに関して、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=N/A;HR=N/A;CI=N/A)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.2モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔でリスクのある対象を示している:低線量クラス(<=66):15、15、15、14、11、7、4、2、0、0、0;高線量クラス(>66):30、30、29、25、21、9、7、4、2、2、0。
図15は、PCAI-3.2モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち<=66Gy) 対 高(>66Gy))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として用いた(logrank p=0.03;HR=4.5;CI=1.2~17.0)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.2モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔でリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):20、19、18、16、14、7、5、4、3、1、0;高線量クラス(>66):33、32、29、22、18、13、10、8、5、0、0。
図16及び17はPCAI-3.3モデルのカプランマイヤー曲線の参照図を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後、術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、参照PCAI-3.3モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じて、2つのコホートに層別化された(低(図16) 対 高(図17)リスク)。カットオフ値として0.1を使用した。
図16は、PCAI-3.3モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに関する、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち、>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.6;HR=1.7;CI=0.2~12.9)。下の補足リストは、分析したPCAI-3.3モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間感覚においてリスクのある対象者を示しており:低線量クラス(<=66):19、19、19、17、14、9、6、4、2、1、0;高線量クラス(<66以上):39、38、35、30、23、13、11、7、6、1、0。
図17は、PCAI-3.3モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち<=66Gy) 対 高(<66Gy))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=N/A;HR=N/A;CI=N/A)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.3モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時点でリスクのある対象者が示されている:低線量クラス(<=66):16、15、14、13、11、5、3、2、1、0、0;高線量クラス(<66以上):24、24、23、17、16、9、6、5、1、1、0。
図18及び19はPCAI-3.4モデルのカプランマイヤー曲線を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後、術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、PCAI-3.4モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じて、2つのコホートに層別化された(低(図18) 対 高(図19)リスク)。
カットオフ値として0.08を使用した。
カットオフ値として0.08を使用した。
図18は、PCAI-3.4モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち、>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.9;HR=1.9;CI=0.08~8.9)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.4モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):15、15、15、14、12、9、7、4、3、1、0;高線量クラス(<66以上):31、30、27、22、20、12、10、8、5、1、0。
図19は、PCAI-3.4モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(すなわち、低(<=66Gy) 対 高(<66Gy超))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=N/A;HR=N/A;CI=N/A)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.4モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):20、19、18、16、13、5、2、2、0、0、0;高線量クラス(<66):32、32、31、25、19、10、7、4、2、1、0。
図20及び21はPCAI-3.5モデルのカプランマイヤー曲線を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後、術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、PCAI-3.5モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じて、2つのコホートに層別化された(低(図20) 対 高(図21)リスク)。カットオフ値として0.08を使用した。
図20は、PCAI-3.5モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに関する、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち、>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.5;HR=2.2;CI=0.3~17.7)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.5モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔でリスクのある対象者を示している:低線量クラス(<=66):16、16、16、14、12、8、5、3、2、1、0;高線量クラス(<66):41、40、37、32、24、12、11、7、6、2、0。
図21は、PCAI-3.5モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち、>66Gy))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として用いた(logrank p=N/A;HR=N/A;CI=N/A)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.5モデルのクラスについて、リスクのある対象者の数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔におけるリスクのある対象を示している:低線量クラス(<=66):19、18、17、6、13、6、4、3、1、0;高線量クラス(>66):22、22、21、15、15、10、6、5、1、0。
図22及び23はPCAI-3.5モデルのカプランマイヤー曲線を示す。テストした臨床エンドポイントは、SRT開始後、術後疾患再発によるPCa死亡である。対象者は、PCAI-3.6モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクに応じて、2つのコホートに層別化された(低(図22) 対 高(図23)リスク)。カットオフ値として-0.06を使用した。
図22は、PCAI-3.6モデルによって予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(低(すなわち、<=66Gy) 対 高(すなわち、>66Gy))による低リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として用いた(logrank p=N/A;HR=N/A;CI=N/A)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.6モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔でリスクのある対象者を示したている:低線量クラス(<=66):20、19、19、16、7、5、3、1、0、0;高線量クラス(<66以上):39、38、36、31、26、13、9、7、6、2、0。
図23は、PCAI-3.6モデルで予測される臨床エンドポイントを経験するリスクについて、2つのRT線量レベル(すなわち、低(<=66Gy) 対 高(<66Gy))による高リスク対象者の層別化を示す。66Gyをカットオフ値として使用した(logrank p=0.05;HR=4.1;CI=1.0~17.0)。以下の補足リストは、分析したPCAI-3.6モデルのクラスについて、リスクのある対象者数、すなわち、術後20ヶ月以上の任意の時間間隔においてリスクのある対象を示している:低線量クラス(<=66):15、15、14、11、9、7、4、3、2、1、0;高線量クラス(<66): 24、24、22、16、13、9、8、5、1、0、0。
図12~図23に示すカプランマイヤー解析は、3つの遺伝子のランダムに選択された組合せに基づくリスクモデルを使用することにより、放射線治療に対する前立腺がん対象者の応答が予測され、それにより、前記前立腺がん対象者に対して線量(低線量又は高線量)が選択され得ることを実証されており、ランダムな組合せごとに1つの免疫防御応答遺伝子、1つのTCRシグナル伝達遺伝子及び1つのPDE4D7相関遺伝子を有する、及び/又はランダムな組合せごとに2つのTCRシグナル伝達遺伝子及び1つのPDE4D7相関遺伝子を有する(図16及び図17)。
考察
限局性前立腺がんに対する根治的RT及びSRTの両方の有効性は限定的であり、特に疾患進行のリスクが高い患者に対しては、疾患進行及び最終的には患者の死がもたらされる。多くの因子が治療有効性及び疾患再発に関与するため、治療転帰の予測は非常に複雑である。重要な諸因子がまだ同定されていない可能性があり、他の因子の影響は正確に決定できていない。複数の臨床病理学的な測定値が、応答予測及び治療選択を改善するために臨床現場において現在検討及び適用されており、ある程度の改善をもたらしている。それにもかかわらず、根治的RT及びSRTに対する応答のより良い予測が、これらの治療の成功率を上げるために依然として強く必要とされている。
限局性前立腺がんに対する根治的RT及びSRTの両方の有効性は限定的であり、特に疾患進行のリスクが高い患者に対しては、疾患進行及び最終的には患者の死がもたらされる。多くの因子が治療有効性及び疾患再発に関与するため、治療転帰の予測は非常に複雑である。重要な諸因子がまだ同定されていない可能性があり、他の因子の影響は正確に決定できていない。複数の臨床病理学的な測定値が、応答予測及び治療選択を改善するために臨床現場において現在検討及び適用されており、ある程度の改善をもたらしている。それにもかかわらず、根治的RT及びSRTに対する応答のより良い予測が、これらの治療の成功率を上げるために依然として強く必要とされている。
その発現が根治的RT及びSRT後の死亡率と有意に関係することが示され、それゆえこれらの処置の有効性の予測を改善すると予想される分子が同定された。患者ごとのRTの有効性の予測が改善されると、根治的セッティングであれ救援セッティングであれ、治療選択が改善され、生存の可能性が向上することになる。これは、1)RTが効果的であると予測される患者に対してRTを最適化すること(例えば、用量漸増又は開始時期を変えることにより)、及び2)RTが効果的ではないと予測される患者を代替の、潜在的により効果的な処置形態に導くこと、によって実現することができる。更にこれによって、効果的でない治療をせずに済むことで患者の苦痛が減り、効果的でない治療に充てられていたコストが減る。
更に、再発又は進行した前立腺がん患者に対するリスク層別化の適用に加え、治療の個別化も満たされていないニーズである。現在使用されている放射線量レジメンは、がんの大きさ及び位置等に基づいて任意で選択されており、腫瘍生物学は考慮されていない。しかし、特定の総線量範囲を超える再発前立腺がんを処置するための骨盤ビーズへの線量レベルは、通常、泌尿器又は胃腸の有害作用等の重篤な副作用を誘導する。これらの副作用に悩まされる可能性のある患者の数は、適用されるRT線量が1Gy増えるごとに指数関数的に増加する。したがって、線量をできるだけ低く抑えながら、同時に腫瘍の成長を長期的に制御することが患者にとって最も重要である。したがって、生物学的にリスクの高い患者には線量を漸増し、生物学的にリスクの低い患者には線量を漸減することが、前立腺SRTにおいて腫瘍の進行 対 治療毒性のバランスを最適化し、個別化するための鍵となる。
当業者は、特許請求された発明の実施において、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、開示された実現化に対する他の変形を理解し、遂行することができる。
特許請求の範囲では、「有する、含む、備える」という語は他の要素又はステップを除外せず、単数形は複数を除外しない。
コンピュータ上で走らせるコンピュータプログラム製品中に、図1に例示する方法の1つ以上のステップが実装される。コンピュータプログラム製品には、制御プログラムが記録された(保管された)、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えばディスク、ハードドライブ等が含まれる。よく見られる形態の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ又はその他の磁気記憶媒体、CD-ROM、DVD又はその他の光媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM又は他のメモリチップ若しくはカートリッジ、或いはコンピュータがそこから読み取って使用することができるその他の非一過性媒体が含まれる。
或いは、電波及び赤外線データ通信等の間に生成するような音波又は光波等の伝送媒体を使用して、制御プログラムがデータ信号として具現化される伝送可能な搬送波等の一過性の媒体中に、本方法の1つ以上のステップが実装される。
典型的な方法が、1つ以上の汎用コンピュータ、専用コンピュータ(複数可)、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラー及び周辺集積回路エレメント、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリートエレメント回路等のハードワイヤード電子又はロジック回路、PLD、PLA、FPGA、グラフィックカード(Graphical card)CPU(GPU)又はPAL等のプログラマブルロジックデバイス上等に実装される。一般的に、図1に示すフローチャートを順次実施可能な有限機械を実装することが可能などんなデバイスも、前立腺がんの患者における治療選択のための、例示されるリスク層別化の方法の1つ以上のステップを実装するために使用することができる。理解されるであろうように、方法のステップはすべてコンピュータに実装され得るが、一部の実施形態では、1つ以上のステップが少なくとも部分的に手動で実行される。
コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置又は他のデバイス上にコンピュータプログラム命令を搭載して、一連の作業ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行させて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で走る命令が本明細書に明記される機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成することもできる。
特許請求の範囲における如何なる参照記号も、その範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
本発明は、前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法であって、前記方法は、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定する又は決定の結果を受け取るステップであって、第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群より選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)は対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び/又は、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々に対する第3の遺伝子発現プロファイルを決定する、又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイル(複数可)は、対象から得取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、放射線治療線量の選択を第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)、又は第2の遺伝子発現プロファイル、又は第3の遺伝子発現プロファイル、又は第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて決定するステップ、及び適宜、選択又は選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップを有する、方法に関する。免疫系及び免疫微小環境の状態は治療効果に影響を与えるため、この効果を予測するマーカーを同定できれば、RT反応全体をよりよく予測できるようになる上で有用であり得る。同定された遺伝子は、SRT後の転帰と有意な相関を示すことがわかった。更に、SRT後の前立腺がん特異的生存率の予測因子として、SRT線量が同定された。したがって、これらの遺伝子は、根治的RT及び/又はSRTの効果に関する予測値を提供すると同時に、患者の生物学的疾患進行リスクに基づくSRTの線量レジメン選択のための決定支援を提供することが期待される。
2020PF00494_Sequence Listing_ST25と表題が付けられた添付の配列表は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (17)
- 前立腺がんの対象者の放射線治療における線量を選択する方法であって、前記方法は、
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定する、又は決定の結果を受け取るステップであって前記第1の遺伝子発現プロファイルが前記対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップと、
CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定する、又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイルが前記対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップと、
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを決定する、又は決定の結果を受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイルが前記対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップと、
前記第1の遺伝子発現プロファイル、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて放射線治療線量の選択を決定するステップと
適宜、選択又は前記選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップとを有する、方法。 - 前記1つ以上の免疫防御応答遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべての前記免疫防御遺伝子を含む、及び/又は
前記1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、より好ましくは9つ以上、最も好ましくはすべての前記T細胞受容体シグナル伝達遺伝子を含む、及び/又は
前記1つ以上のPDE4D7相関遺伝子が、3つ以上、好ましくは6つ以上、最も好ましくはすべての前記PDE4D7相関遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記放射線治療線量の選択を決定するステップが、
前記免疫防御応答遺伝子の2つ以上、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべてについての前記第1の遺伝子発現プロファイルを、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
前記T細胞受容体シグナル伝達遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種、又はすべてについての前記第2の遺伝子発現プロファイルを、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップ、及び/又は
前記PDE4D7相関遺伝子の2つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7種、又はすべてについての前記第3の遺伝子発現プロファイルを、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップを有する、請求項1又は2に記載の方法。 - 前記放射線治療線量の選択を決定するステップが、第1の遺伝子発現プロファイルの組合せ、第2の遺伝子発現プロファイルの組合せ、及び第3の遺伝子発現プロファイルの組合せを、前立腺がん対象者の集団から導出された回帰関数と組み合わせるステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
- 前記放射線治療線量の選択を決定するステップが、対象者から取得した1つ以上の臨床パラメータに更に基づく、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記臨床パラメータが、(i)前立腺特異抗原(PSA)レベル、(ii)病理学的グリーソンスコア(pGS)、(iii)臨床腫瘍期、(iv)病理学的グリーソングレードグループ(pGGG)、(v)病理状態、(vi)1つ以上の病理学的変数、例えば、外科的断端の状態、及び/又はリンパ節転移、及び/又は前立腺外増殖、及び/又は精嚢浸潤、(vii)CAPRA、(viii)CAPRA-S、(ix)EAU-BCRリスク群、並びに、(x)他の臨床的リスクスコア
の1つ以上を含む、請求項5に記載の方法。 - 前記放射線治療線量の選択を決定するステップが、(i)前記1つ以上の免疫防御応答遺伝子に関する前記第1の遺伝子発現プロファイル、(ii)前記1つ以上のT細胞受容体シグナル伝達遺伝子に関する前記第2の遺伝子発現プロファイル、(iii)前記1つ以上のPDE4D7相関遺伝子に関する前記第3の遺伝子発現プロファイル、及び(iv)前記第1の遺伝子発現プロファイルの組合せ、前記第2の遺伝子発現プロファイルの組合せ、及び前記第3の遺伝子発現プロファイルの組合せ及び対象者から得られた1つ以上の臨床パラメータ
の1つ以上を、前立腺がん対象者の集団から導出した回帰関数と組み合わせるステップを含む、請求項5又は6に記載の方法。 - 前記生物学的サンプルが、前記放射線治療の開始前に前記対象者から取得されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記放射線治療が根治的放射線治療又は救援放射線治療である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記前立腺がん対象者が、術後疾患再発後の救援放射線治療(SRT)を受けている前立腺がん対象者である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるとき、
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第1の遺伝子発現プロファイル(複数可)が対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第2の遺伝子発現プロファイル(複数可)が対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップ、及び、BCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2以下からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルを示すデータを受け取るステップであって、前記第3の遺伝子発現プロファイルが、対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される、ステップと、
前記第1の遺伝子発現プロファイル、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて、前立腺がん対象者の放射線治療に対する線量の選択を決定するステップと、
適宜、選択又は前記選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップと
をコンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。 - 前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択するための装置であって
AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8、及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての、免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルであり、前記対象者から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第1の遺伝子発現プロファイル、及び、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルであり、前記対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第2の遺伝子発現プロファイル、及びABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々についての第3の遺伝子発現プロファイルであり、前記対象から取得した生物学的サンプルにおいて決定される第3の遺伝子発現プロファイルを受け取る入力部と、
前記第1の遺伝子発現プロファイル、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル、又は前記第1、第2及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて、前記放射線治療線量の選択を決定するプロセッサと、
請求項11に記載のコンピュータプログラムと、
適宜、選択又は前記選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供する提供ユニットとを備える、装置。 - 診断キットであって、
対象から得られた生体試料中のAIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々について第1の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及びプローブと、
対象者から取得した生物学的サンプル中の、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及びプローブと、
ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7種又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々について、第3の遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1つのプライマー及びプローブと、
適宜、請求項12に記載の装置又は請求項11に記載のコンピュータプログラムとを含む、診断キット。 - 請求項13に記載の診断キットの使用。
- 前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法における、請求項14に記載の診断キットの使用。
- 前立腺がん対象者から得られた1つ以上の生物学的サンプルを受け取るステップと、
請求項13に記載のキットを用いて、対象から得られた生物学的サンプル中の、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイルを決定するステップと、
請求項13に記載のキットを用いて、対象から取得した生物学的サンプル中の、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP701つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々の第2の遺伝子発現プロファイルを決定するステップと、
請求項13に記載のキットを用いて、対象から取得した生物学的サンプル中の、ABCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7種又はすべての、PDE4D7相関遺伝子の各々について、第3の遺伝子発現プロファイルを決定するステップを有する、方法。 - 前立腺がん対象者の放射線治療のための線量を選択する方法において、AIM2、APOBEC3A、CIAO1、DDX58、DHX9、IFI16、IFIH1、IFIT1、IFIT3、LRRFIP1、MYD88、OAS1、TLR8及びZBP1からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13種又はすべての免疫防御応答遺伝子の各々についての第1の遺伝子発現プロファイル、CD2、CD247、CD28、CD3E、CD3G、CD4、CSK、EZR、FYN、LAT、LCK、PAG1、PDE4D、PRKACA、PRKACB、PTPRC、及びZAP70から選択される1つ以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16種又はすべてのT細胞受容体シグナル伝達遺伝子の各々についての第2の遺伝子発現プロファイル、及びBCC5、CUX2、KIAA1549、PDE4D、RAP1GAP2、SLC39A11、TDRD1、及びVWA2からなる群から選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7種又はすべてのPDE4D7相関遺伝子の各々に関する第3の遺伝子発現プロファイルを使用するための、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品又は請求項12に記載の装置の使用であって、前記方法は、
前記第1の遺伝子発現プロファイル、又は前記第2の遺伝子発現プロファイル、又は前記第3の遺伝子発現プロファイル、又は前記第1、第2、及び第3の遺伝子発現プロファイルに基づいて、放射線治療線量の選択を決定するステップと、
適宜、選択又は前記選択に基づく治療法の推奨を医療介助者又は対象者に提供するステップとを有する、請求項11に記載のコンピュータプログラム又は請求項12に記載の装置の使用。
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