JP2023538222A - 磁気要素及び回転相対運動による試料の溶解 - Google Patents

磁気要素及び回転相対運動による試料の溶解 Download PDF

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Abstract

試料を受け入れるためのチャンバと、チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータと、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素と、を備える溶解装置。その上、そのような溶解装置は、チャンバとチャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素との間で回転相対運動を行うための駆動手段を備え、磁気要素の極性は、回転相対運動の円形経路、したがって例えばチャンバに対して反対であり、その結果、チャンバ内に配置された磁気アクチュエータが、試料の溶解を達成するために並進及び回転の両方で移動する。ここで、チャンバは、例えば、その寸法又は柔軟な外側シェルによって、チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータが並進及び回転の両方で移動することを可能にするように構成される。【選択図】図1a

Description

本開示は、磁気要素及び回転相対運動による試料の溶解のための装置及び方法に関し、特に遠心マイクロ流体の分野におけるそれぞれの装置及び方法に関する。
生物学及び医学において、微生物は、微生物の内部に到達するために、機械的摩擦、衝撃及び剪断力によって研究目的のために開放される。例えば、細胞を積極的に破壊して、細胞内のタンパク質及び/又はDNAに到達させることができる。このような微生物の開放は、溶解とも呼ばれる。したがって、微生物のそのような開放を行うための装置及び方法は、溶解装置及び溶解方法と呼ぶことができる。
機械的摩擦、衝撃及び剪断力によって微生物を開放するための様々な方法が知られている。
遠心マイクロ流体システムにおける磁気アクチュエータの並進半径方向移動を伴う方法は、Kidoら[1]及びカナダ特許番号第2827614号に見出すことができる。Kidoら[1]は、剪断力及び摩擦力が磁気アクチュエータの並進半径方向移動によって実現される、細胞溶解のための遠心マイクロ流体法を記載している。カナダ特許番号第2827614号では、ディスク形状のアクチュエータもまた、チャンバ内の外部磁力によって並進半径方向に移動する。両方の手法の機能は同様である。
遠心マイクロ流体システムにおける磁気アクチュエータの並進方位角運動を用いる方法は、Siegristら[2]によって記載されている。これまでに説明したシステムとは対照的に、Siegristら[2]は、ガラス粒子の摩擦が並進方位角運動によって実現される遠心マイクロ流体法を開示している。
非遠心マイクロ流体システムにおける磁気アクチュエータの並進運動を用いる方法は、米国特許第8356763号明細書に開示されている。米国特許第8356763号明細書は、非遠心マイクロ流体溶解システムとして、電磁石のオン、オフ、及びオーバーを切り替えることによって磁気作動を生成するシステムを記載している。ここで、磁気アクチュエータは並進運動し、回転運動はチャンバによって防止される。
非遠心マイクロ流体システムにおける磁気アクチュエータの並進運動及び回転運動を用いた方法は、米国特許第10138458号明細書に開示されており、細胞の溶解方法が記載されている。回転する外部磁石は、回転運動、並進運動、又はこれらの運動の組み合わせを磁気アクチュエータに与える変動磁場を生成する。
本発明者らは、先行技術から公知の微生物の機械的溶解のための方法がいくつかの欠点を有することを見出した。例えば、遠心マイクロ流体アプローチのいずれも、磁気アクチュエータを移動させるためにすべての可能な自由度を使用しない。したがって、磁気アクチュエータ、粒子、及び微生物の間の起こり得る衝突の可能性は、十分に活用されていない。米国特許第10138458号明細書に記載されているような非遠心システムでは、自由度が部分的に利用される。しかしながら、これは、微生物の溶解工程にのみ使用することができる複雑な構造を必要とする。すべてのさらなる工程の処理は、手動で行われなければならない。
本開示の根底にある目的は、溶解の効率と取り扱い労力との間の改善されたトレードオフを得ることである。
この目的は、請求項1に記載の装置及び請求項19に記載の方法によって解決される。
本開示の例は、試料を受け入れるためのチャンバと、チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータと、例えば永久磁石又は電磁石として構成することができるチャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素とを含む溶解装置を提供する。ここで、例えば、チャンバは、溶解チャンバ及び/又は流体モジュール若しくはカートリッジの一部であり得る。チャンバ内の磁気アクチュエータは、例えば、溶解チャンバ及び/又は流体モジュール若しくはカートリッジの一部であり得る。チャンバ内の磁気アクチュエータは、例えば、永久磁石として構成することができる。その上、そのような溶解装置は、チャンバとチャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素との間で回転相対運動を行うための駆動手段を備え、磁気要素の極性は、回転相対運動の円形経路、したがって、チャンバに対して反対であり、その結果、チャンバ内に配置された磁気アクチュエータが、試料の溶解を達成するために並進及び回転の両方で移動する。ここで、チャンバは、例えば、その寸法又は柔軟な外側シェルによって、チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータが並進及び回転の両方で移動することを可能にするように構成される。
本開示の例は、試料がチャンバ又は溶解チャンバに導入され、少なくとも1つの磁気アクチュエータが、例えば永久磁石として構成されたチャンバ内に設置され、チャンバが、例えばその寸法又は柔軟な外側シェルによって、チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータが並進及び回転の両方で移動することを可能にするように構成される溶解方法を提供する。ここで、チャンバは、例えば、流体モジュール又はカートリッジの一部であり得る。この方法では、駆動手段は、試料及び少なくとも1つの磁気アクチュエータが設置されたチャンバと、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素との間に回転相対運動を生じさせ、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素の極性は、回転相対運動の円形経路、したがってチャンバに対して反対であり、その結果、チャンバ内に配置された磁気アクチュエータは、試料の溶解をもたらすために並進及び回転の両方で移動される。チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素は、永久磁石又は電磁石として構成することができる。
本開示の例は、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素と、溶解される試料及び少なくとも1つの磁気アクチュエータを含むチャンバとの間の回転相対運動の助けを借りて、遠心機械的溶解装置内において磁気アクチュエータを並進及び回転の両方でチャンバ内で移動させるという中心的な考えに基づいている。チャンバ内の磁気アクチュエータの並進及び回転は、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素が回転相対運動の円形経路、したがってチャンバに対して反対に分極されるという点で、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素の極性によって可能になることが分かっている。これは、チャンバ内の磁気アクチュエータが並進だけでなく回転も実行するという効果を有することができる。例では、回転相対運動は、チャンバが回転軸の周りを回転することで行われる。例では、回転相対運動は、チャンバの外側の2つの磁石が同じ回転軸の周りを回転することで行われる。
実施例では、チャンバ内の磁気アクチュエータのすべての移動自由度を使用することにより、例えば溶解が困難な試料をわずかな時間で溶解することができる。より効率的な溶解により、例えば、このような溶解装置の設置スペースの縮小を実現することができる。遠心機械装置ですべての自由度を使用することにより、この効率的な形態の溶解は、例えば、さらなる試料調製工程及び/又は試料分析工程を実行するように構成された装置に簡単な方法で統合することができる。
実施例では、磁気要素は磁極として構成されている。実施例では、磁気要素は、溶解装置がチャンバの外側に磁石を備えるという点で個々の磁極であり、1つの磁極のみがそれぞれ回転チャンバ内の磁気アクチュエータに大きな影響を及ぼし、チャンバの外側の磁石のさらなる磁極の影響、通常はチャンバの外側の各磁石の第2の磁極の影響は、チャンバ内の磁気アクチュエータについて無視することができる。このような配置により、特定の溶解用途に有利となり得る特定の磁場プロファイルの構造を許容することができる。例では、例えば、ロッド磁石が回転平面に垂直に配置され、そのそれぞれの第2の極が回転チャンバから十分に離れており、そのそれぞれの影響を無視することができる場合に、チャンバの回転平面に対する半径方向の設置スペース要件を低減することができる。実施例では、磁気要素は、屈曲磁石の各極であってもよく、屈曲磁石の各極はそれぞれ1つの磁気要素を形成する。屈曲磁石の残り、例えば馬蹄型磁石は、例えば、チャンバの回転平面の上方又は下方に設置することができる。
実施例では、磁気要素は磁石として構成される。このような例では、例えば、第2の磁極の影響に対する制限がない、又は、例えば、磁極としての磁気要素の構成のように、屈曲磁石による追加の設置スペースの必要がないため、特に単純な構造が可能であり得る。その上、各磁気要素が磁石である例は、特定の磁場プロファイルの構造を可能にし、これは特定の溶解用途に有利であり得る。
実施例では、溶解装置は、回転相対運動とは無関係に、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素からチャンバ内に配置された磁気アクチュエータに作用する磁場を少なくとも低減するように構成される。これにより、例えば、回転相対運動を停止させることなく溶解を停止させることができる。このタイプのスイッチオフは、例えば、さらなるプロセス工程に回転相対運動が必要な場合に有利であり得る。
実施例では、溶解装置は、回転相対運動とは無関係に、チャンバとチャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素との間の距離を変更するための作動手段を備える。これは、例えば、チャンバとチャンバの外側に配置された磁石との間の並進相対運動によって行うことができる。これにより、例えば、回転相対運動を停止させることなく、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素の単純な並進によって溶解を停止することが可能である。このタイプのスイッチオフは、例えば、実施が容易であり、例えば、回転相対運動がさらなるプロセス工程に必要であり、したがって停止すべきでない場合に有利であり得る。
実施例では、溶解装置は、回転平面に垂直なチャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素を移動させるように構成された作動手段を含み、例えば、溶解に対するそれらの影響を低減又は増加させることができ、例えば、溶解を停止又は開始することができる。したがって、例えば、少なくとも2つの磁気要素を移動させるためのアクチュエータシステムを実装するために、半径方向に小さな設置スペースしか必要とされない。これにより、例えば、さらなる試料調製及び分析工程を実行するように構成された装置への全体的な統合を簡素化することができる。
実施例では、溶解装置は、回転相対運動とは無関係に、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素を回転平面に平行に移動させるように構成された作動手段を含み、例えば、回転相対運動を停止することなく溶解を停止することができる。そのような例では、少なくとも2つの磁気要素を回転軸から遠ざけるために、例えばチャンバの外側に配置された磁気要素がばね式に取り付けられ、同じ回転軸の周りを回転する場合に、遠心力を使用することができる。例えば、ばね取り付けによって、回転軸に向かって作用する力を両方の磁気要素に加えることができ、回転速度を増加させることによって、磁気要素をばね力に抗して回転軸から外方に移動させることができる。回転軸から離れたり回転軸に向かうこの運動もまた、回転相対運動とは無関係の並進運動である。
例では、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素は、例えば、溶解に対するそれらの影響を低減又は増加させることができるように、制御可能及び/又は可変電磁石であり得る。例えば、溶解の開始又は停止は、回転相対運動とは無関係に電磁石によって引き起こすことができ、それにより、チャンバの外側で少なくとも2つの磁石を移動させるためのさらなるアクチュエータシステムを必要とせずに、前後にさらなるプロセス工程を実行することができる。さらに、溶解装置は、より低い設置スペース要件で構成することができる。
実施例では、溶解装置は、チャンバ内に設置された少なくとも1つ、通常はいくつかの溶解粒子、例えば微粒子、球状微粒子又はビーズを含む。少なくとも1つの溶解粒子は、例えば、ガラス、シリカジルコニア、ジルコニア、金属又は他のセラミック及びガラス材料からなることができる。例において、少なくとも1つの溶解粒子は、例えば0.5mm未満の最大寸法を有することができる。ここで、少なくとも1つの溶解粒子は、チャンバ内の試料に対する機械的効果が追加の粒子によって増加するため、試料の溶解を容易にする。
実施例では、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素は溶解時に静止しており、駆動手段は、チャンバの外側に配置された磁気要素と相対的に、チャンバを回転軸に対して回転させるように構成される。これにより、例えば、チャンバのみが回転し、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素に回転アクチュエータシステムが不要であるため、溶解装置の非常に簡単な構造、及びさらなる試料調製及び分析工程を実行するように構成された装置への簡単な統合が得られる。
実施例では、ダイヤフラム、例えばフィルタダイヤフラム又は滅菌フィルタがチャンバ内に設置され、これにより、より大きな体積から微生物を濃縮し、その後ダイヤフラム上で溶解することが可能になる。
実施例では、溶解装置は、例えばチャンバを120℃の温度に加熱するために、チャンバの温度を変化させるように構成されたテンパリング手段を備える。
ここで、テンパリング手段は、接触加熱として構成することができる。これにより、機械的溶解を熱入力によって支援することができる。
例では、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素は、回転平面内で互いに20°~180°の角度で配置される。角度は、磁気要素のそれぞれの中心を回転軸に接続する線の間に形成される。それにより、磁場の適切なプロファイルを生成することができ、それによって磁気アクチュエータをチャンバ内で回転及び並進移動させることができる。
実施例では、回転相対運動は、0.5Hz~40Hz、好ましくは2Hz~30Hzの回転周波数範囲で行われる。周波数範囲を選択することにより、例えば、十分に良好であり、同時に迅速な結果を有する効率的な溶解を行うことができる。
例では、チャンバは、互いに垂直な3つの空間方向のうちの2つにおいて、少なくともチャンバ内に設置された磁気アクチュエータの最長対角線の長さを備え、互いに垂直な3つの空間方向のうちの3番目において、少なくともチャンバ内に設置された磁気アクチュエータの最長対角線の長さから20%を引いた長さを備える。例では、チャンバは、互いに垂直な3つの空間方向のうちの3つにおいて、少なくともチャンバ内に設置された磁気アクチュエータの最長対角線の長さを含む。このようなチャンバの寸法によって、例えば、チャンバ内での磁気アクチュエータの自由な移動を可能にすることができ、又は例えば、溶解に特に有利であり得る磁気アクチュエータの規定された制限された移動を可能にすることができる。
例では、チャンバは、回転軸の方向、回転に対する半径方向、及び回転に対する方位角方向によって形成される3つの方向のうちの少なくとも2つの方向に、少なくともチャンバ内に設置された磁気アクチュエータの長さのサイズを含む。このようなチャンバの寸法設定により、例えば、効率的な溶解を可能にするために、特定の種類の回転を可能にすることができる。この寸法設定はまた、例えば、装置の有利な設計を可能にすることができる。
実施例では、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素は、溶解時に、回転相対運動の平面に対してチャンバまで5cmの最大垂直距離を含む。実施例では、チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素は、溶解時に、5cmのチャンバ内に設置されたアクチュエータからの最大半径方向距離を含む。このような磁気要素及び磁気アクチュエータ又は磁気要素及びチャンバの距離により、例えば、効率的な溶解を可能にすることができ、同時に、例えば、このような装置には小さい絶縁空間しか必要とされない。
実施例では、溶解装置は、磁石を不活性化するために、そのキュリー温度を超えてチャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータを加熱するように構成されたテンパリング手段を備える。それにより、例えば、回転相対運動、又はチャンバの外側に設置した少なくとも2つの磁石のためのアクチュエータシステム、又は電磁石として可能な構成とは無関係に、溶解を停止する選択肢を提供することができる。この選択肢により、例えば、溶解装置の特に小さな設計を得ることができる。さらに、例えば、チャンバ内の磁気アクチュエータの不活性化は、さらなるプロセス工程に有利であり得る。
例では、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素は、チャンバ内に配置された磁気アクチュエータに作用する磁場を少なくとも低減するために、回転相対運動とは無関係に移動される。これにより、例えば、回転相対運動を中断することなく溶解を停止することが可能であり、これは、例えば、さらなるプロセス工程に必要であり、例えば、試料調製及び分析のプロセスチェーンへのより簡単な統合が可能である。
例では、チャンバの外側に配置された少なくとも2つの制御可能及び/又は可変な電磁石は、チャンバ内に配置された磁気アクチュエータに作用する磁場が回転相対運動とは無関係に少なくとも低減されるように制御又は調整される。これにより、例えば、回転相対運動を中断することなく溶解を停止することが可能であり、これは、例えば、さらなるプロセス工程に必要であり、例えば、試料調製及び分析のプロセスチェーンへのより簡単な統合が可能である。さらに、例えば、少なくとも2つの磁気要素をチャンバの外側に移動させるために、さらなるアクチュエータシステムは必須ではない。これにより、例えば、溶解装置は、永久磁石による実施と比較して、同じ機能を有する設置スペース要件が少なくなるように構成することができる。
本開示の例は、複合試料の微生物の効率的な溶解のための方法に関する。
実施例では、球状微粒子、磁気アクチュエータ及び試料は、遠心マイクロ流体カートリッジの溶解チャンバ内に設置される。少なくとも2つの永久磁石又は電磁石は、例えばカートリッジの上方又は下方に静的に配置される。カートリッジを回転させることにより、溶解チャンバ内に絶えず変化する磁場を生成することができる。これにより、アクチュエータを強く動作させることができ、アクチュエータは、最も近い磁石に並進的に、及びそれ自体の軸の少なくとも1つの周りを回転的に移動することができる。微粒子と組み合わせて、強い摩擦、衝撃及び剪断運動が溶解チャンバの中で発生し得る。
磁気アクチュエータの並進及び回転の両方を同時に得るために、溶解チャンバは、少なくとも2つの空間方向の磁気アクチュエータの長さのサイズを含むように構成することができる。さらに、少なくとも2つの外部磁気要素、すなわち溶解チャンバの外側に設置する外部磁気要素は、互いに対して角度を有し、溶解チャンバに対して反対の極性で配置される。
したがって、本開示の例は、可能な限り最短の時間で試料内の細菌、酵母、ウイルス、真菌、胞子又は他の微生物を効率的に開放する、すなわち溶解するように構成される。
本開示の例は、遠心マイクロ流体構造体上での機械的溶解のための方法に関する。実施例は、最小限の取り扱い労力で、溶解が困難な微生物でさえも取り扱うことができる効率的な溶解を提供することを可能にする。試料調製におけるコア工程の1つとして、効率的な溶解は、例えばqPCR(定量的ポリメラーゼ連鎖反応)による高感度の分子診断同定を可能にする。
例では、磁気アクチュエータの回転運動及び並進運動は、外部静磁場による流体モジュール又はカートリッジの回転によってもたらされる。
さらなる例は、溶解装置を含み、チャンバの外側の磁気要素、例えば外部磁石の極性は、磁気アクチュエータの回転運動を開始するために溶解チャンバに対して互いに反対である。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施例についてより詳細に説明する。
溶解装置の一例の概略上面図である。 図1aの溶解装置の概略側面図である。 磁石が異なる角度で配置されている溶解装置のさらなる例の概略上面図である。 磁石の異なる配置を有する溶解装置のさらなる例の概略上面図である。 磁気要素のさらに異なる配置を有する溶解装置の一例の概略上面図である。 回転相対運動とは無関係に磁気アクチュエータ上の磁場に影響を及ぼすための作動手段を備えた溶解装置の2つの例の概略側面図である。 本開示によるライセート及び熱基準ライセートのqPCR分析の比較としてのプロットである。 ダイヤフラムを備えた溶解装置のチャンバの一例の概略側面図である。 テンパリング手段を備えた溶解装置の一例の概略側面図である。
以下、本開示の実施例を、添付の図面を用いて詳細に説明する。同じ要素又は同じ機能を有する要素には同じ又は類似の参照番号が付されており、同じ又は類似の参照番号が付されている要素の繰り返しの説明は通常省略されることに留意されたい。特に、同じ又は類似の要素にはそれぞれ、異なる又は小さい文字のない同じ番号を有する参照番号を設けることができる。同じ又は類似の参照番号を有する要素の説明は交換可能である。以下の説明では、本開示の例の実質的な説明を提供するために多くの詳細が説明される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに他の例を実施することができることは当業者にとって自明である。異なる記載された例の特徴は、対応する組み合わせの特徴が互いに除外されるか、又はそのような組み合わせが明示的に除外される場合を除いて、組み合わせることができる。
本開示の実施例をより詳細に説明する前に、本明細書で使用される用語のいくつかの定義を示す。
カートリッジ:カートリッジは、チャネル、試料を誘導、処理及び分析するためのチャンバを含むポリマーの使い捨て部品である。さらに、カートリッジは、試料の導入及び潜在的に液体の抽出のためのインターフェースを含むことができる。
試料:微生物を含む物質(しばしば液体)を導入する。
溶解:外側細胞膜を損傷することによる細胞の破壊。
溶解粒子の例としての微粒子/ビーズ:例えば、ガラス、シリカジルコニア、ジルコニア、金属又は他のセラミック及びガラス材料の典型的な直径0.1mm~3mmの球状要素。
磁気アクチュエータ:小さな共回転磁石、例えば外部磁場によって作動するロッド磁石。
溶解チャンバ:溶解プロセスが行われる、例えばカートリッジ上のチャンバは、例えば粒子及び少なくとも1つの磁気アクチュエータを含む。
外部磁石:例えば、チャンバの外側、例えばカートリッジの上方又は下方に、例えば静的に配置することができる永久磁石又は電磁石。
2つの磁石の極性:(Δr、Δφ、例えば半径方向及び回転中心に対する方位角)に対するN極及びS極の向き-例えばチャンバとチャンバ外部の磁気要素との間の回転相対運動の円形経路に対する溶解チャンバの拡張。
回転運動:例えば、それ自体の軸、例えば、それ自体の軸の少なくとも1つの周りの磁気アクチュエータの運動を表す。
並進運動:所与の時間における剛体、例えば磁気アクチュエータのすべての点の同じ変位を表す。すべての点の速度及び加速度は同一であり、それらは平行な軌道上を移動する。
図1aは、溶解装置の一例の概略上面図を示し、図1bは、概略側面図を示す。図示の溶解装置100は、磁気アクチュエータ102及び溶解粒子103を含むチャンバ101からなる。図示の例では、磁気アクチュエータ102はロッド磁石である。チャンバは、キャリア104に取り付けられている。キャリア104、したがってチャンバ101は、回転軸105の周りを回転するように構成される。キャリアの回転運動は、矢印106によって示されている。円形経路上のチャンバの結果として生じる回転運動は、さらなる矢印107によって示されている。この例では、磁石として構成された2つの静的磁気要素108、109が、チャンバの上方に、すなわち回転平面に垂直に設置されている。磁気要素101の磁場は磁力線プロファイル110によって示され、磁気要素109の磁場は磁力線プロファイル111によって示される。磁気要素108、109は、それらのそれぞれのN極及びS極の接続線(磁軸)に対してチャンバの回転円形経路に直交して向けられる。その上、2つの磁気要素108、109は、チャンバの回転円形経路に対して反対の極性を有する。反対の極性は、以下の機能の説明に関連してより詳細に説明される。磁気要素は、円形経路に対して互いに180°の角度で配置される。チャンバは、第2の時点で点線で示されている。これは、回転軸105を中心とした回転円形経路上のチャンバ101の移動を示している。移動されたチャンバ101内では、移動する磁気アクチュエータ102はまた、移動前の磁気アクチュエータと比較して修正された位置及び向きで2回目に示されている。2回目に移動された溶解粒子103も移動されたチャンバ101に示されている。チャンバ101の回転及び磁気アクチュエータ102の移動による溶解粒子自体の移動は、矢印112によって示されている。さらに、チャンバの回転中の磁気アクチュエータの回転運動は、図1bの矢印113で示されている。キャリア104の回転運動を行うために、駆動手段114が回転軸105に示されている。
例では、動作中、チャンバ101は、回転軸105に対して回転円形経路上で回転する。回転中、移動されたチャンバ101は、磁気要素101に接近する。磁気要素110の磁場は、チャンバ内の磁気アクチュエータとの相互作用を引き起こす。磁気アクチュエータ102は、磁気引力に起因する並進運動を受け、磁気要素108の磁場110に応じた回転運動によって向けられる。しかしながら、回転軸105に対するチャンバ101の回転により、チャンバ内の磁気アクチュエータ102は、第1の磁気要素108の直近に非常に短い保持期間しか有さない。回転により、チャンバは次の磁気要素109に近づく。ここで、チャンバの回転円形経路に関して、磁気要素109の極性は、チャンバ101によって前に通過した磁気要素108とは反対である。
簡単に言えば、チャンバに対して回転方向に第1の磁気要素108を通過する直前に、円形経路上でチャンバ101と共回転すると考える場合、N極は磁気要素101の右側にあり、S極は左側にある。さらに回転すると、チャンバ101は第2の磁気要素109に影響する。チャンバから見て、その回転方向において、磁気要素109のS極は右側にあり、N極は左側にある。
したがって、チャンバ101内に設置された磁気アクチュエータ102は、チャンバの円形経路に対するチャンバの回転中に、それぞれの連続する反対に分極された磁気要素108、109の反対に配向された磁場101、111を受ける。チャンバの回転円形経路に対して連続する反対に分極された磁気要素108、109により、磁気アクチュエータ102の上述の回転運動は、チャンバ内のアクチュエータ102の回転113をもたらす。ここで、回転は、磁気アクチュエータの並進運動及び慣性によっても影響を受ける。言い換えれば、磁気アクチュエータ102は、磁気要素108、109への磁気引力に起因してチャンバ内で並進運動を実行し、さらに、磁気アクチュエータ102は、チャンバ101と、チャンバの回転円形経路に対して反対に分極された磁気要素108、109との間の回転相対運動に起因してチャンバ内で回転113する。
磁気アクチュエータ102の回転113及び並進によって、試料は、特に磁気アクチュエータによって運動112する溶解粒子103の助けを借りて溶解される。
キャリア104は、例えば、LabDisk又はLabDisk構造という用語で知られているように、遠心マイクロ流体試験キャリアであってもよく、又はカートリッジ若しくは流体モジュールであってもよい。そのようなキャリアは、例えば、磁気アクチュエータ、粒子並びに試料が設置される溶解チャンバを含む。例えば、溶解チャンバに対して反対に分極された2つの固定磁石をキャリアの上方に配置することができる。キャリア、例えばカートリッジを回転させることによって、磁気アクチュエータを回転及び並進させることができ、それによって粒子を強く混合することができ、例えば試料中の細菌を溶解することができる。
例では、チャンバ101はまた、例えば、キャリア104の一部であってもよく、又はキャリアに一体化されてもよい。磁気アクチュエータ102は、例えば、ロッド磁石として構成され得る。磁気要素108、109は、チャンバ101のみが回転軸105に対して円形経路上で回転するように、静的磁気要素として構成することができる。しかしながら、チャンバ101と磁気要素108、109の両方が同じ回転軸105に対して回転すること、又はチャンバが静止しており、磁気要素108、109のみが回転軸105に対して関連することも可能である。したがって、駆動手段114は、チャンバ101の回転の排他的駆動としてのみ考慮されるべきではない。追加的又は排他的に、同じ回転軸105を中心としたチャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素108、109の回転を導入するための駆動手段のそれぞれの使用も可能である。
あるいは、磁気要素108、109はまた、チャンバ101の下又はキャリア104の横、したがってチャンバ101又はチャンバ101の回転運動の円の外側に設置することもできる。チャンバの外側の磁気要素は、例えば、永久磁石若しくは電磁石として、又は磁石の単極として構成することができる。その上、3つ以上の磁気要素をチャンバの外側に配置することができる。次に、チャンバの移動方向におけるチャンバの回転相対運動に関して、2つの連続する磁気要素について、磁気要素の反対の極性が考慮される。
その上、実施例では、2つ以上の磁気アクチュエータをチャンバ内に設置することができる。
図2は、磁気要素が異なる角度で配置されている溶解装置の一例の概略上面図である。
互いの角度に対するチャンバの外側のロッド磁石の形態の磁気要素の配置を除いて、図1aに対応する。したがって、同じ要素には同じ参照番号が付されている。この例は、2つの磁気要素201、202を含み、その磁場は、磁気要素201用の磁力線203及び磁気要素202用の磁力線204によって示される。図1aと比較して、2つの磁気要素201、202は、互いに異なる角度配置で示されている。ここで、角度は、磁気要素のそれぞれの中心と回転軸とを結ぶ線の間に形成される。図示の例では、角度は約55°である。角度が20°~180°の角度範囲にある場合、効果的な溶解が得られることが示されている。
ここで、動作モードは図1aに類似している。キャリア104の回転により、キャリア104に取り付けられたチャンバ101は、第1の磁気要素のN極がチャンバ101から右側にあり、チャンバの移動方向のチャンバの回転の円形経路に対して左側のS極があるように、2つの磁気要素201のうちの第1の磁気要素を通過し、第2の磁気要素を通過するとき、その極性は第1の磁気要素と反対であり、すなわち、第2の磁気要素202のN極はチャンバの移動方向のチャンバの回転の円形経路に対してチャンバ101から対応して左側にあり、S極は右側にある。これにより、磁気アクチュエータは回転及び並進を受け、試料の効果的な溶解が可能になる。
図3は、溶解装置の一例の概略上面図を示し、ロッド磁石の形態の磁気要素は、円形経路に対して異なる向きを有する。この図は、チャンバの外側の磁気要素の配置を除いて、図1aに対応する。したがって、同じ要素には同じ参照番号が付されている。この例は、2つの磁気要素301、302を含み、その磁場は、磁気要素301の磁力線303及び磁気要素302の磁力線304によって示される。図1aと比較して、磁気要素301、302は、異なる角度配置及び円形経路に対する異なる位置の両方を有する。図1aと比較して、磁気要素301、302は、磁気要素(磁軸)のN極とS極との間の接続線がチャンバの回転円形経路に対して接線方向であるように、修正された角度配置に加えて90°回転されて示されている。
それにより、図3は、反対に分極された磁気要素のさらなる可能な実施形態を示すものである。キャリア104の回転により、キャリアに取り付けられたチャンバ101が第1の磁気要素301を通過する。その円形経路に関して、チャンバ101は、第1の磁気要素301に対して回転することにより、最初にS極、続いてN極に遭遇する。チャンバの外側に設置する第2の磁気要素302を通過するとき、極性は第1の磁気要素301の極性と反対である。その円形経路に関して、チャンバ101は、第2の磁気要素302に対して回転することにより、最初にN極に遭遇し、続いてS極に遭遇する、すなわち第1の磁気要素301とは全く反対である。チャンバ内の磁気アクチュエータ102は、磁気要素301、302への磁気引力に起因して並進運動を受ける。第1の磁気要素を通過するとき、チャンバの回転により、アクチュエータ102は、回転による第1の磁気要素303の磁場に従ってそれ自体を配向させる。チャンバの回転により、磁気アクチュエータはその後、第2の磁気要素302の即時有効領域に到達し、その磁場304は、回転により、磁気アクチュエータ102を、第1の磁気要素の磁場303とは反対の、チャンバの円形経路に対して向けられたその磁場304に従ってそれ自体を向けるように強制するであろう。したがって、磁気アクチュエータ102は、チャンバ101の回転及びチャンバの外側の磁気要素301、302の反対の極性によって、磁気要素301、302に対する磁気引力に基づく並進運動に加えて回転を受ける。
図4は、溶解装置の磁気要素の一実施形態の一例の概略上面図を示す。図は、チャンバの外側の磁気要素の配置及びタイプを除いて、図1aに対応する。したがって、同じ要素には同じ参照番号が付されている。この例は、図1aと比較して異なる角度配置を有し、さらに個々の磁極のみを表す2つの磁気要素401、402を含む。磁気要素401はN極を表し、磁気要素402はS極を表す。
したがって、図4は、反対に分極された磁気要素のさらなる実施形態を示すためのものである。キャリア104の回転により、キャリアに取り付けられたチャンバ101は、N極を表す第1の磁気要素401に遭遇する。磁気アクチュエータ102は、磁気引力及び回転運動に起因して並進運動を受け、それにより、アクチュエータのS極は、それ自体を磁気要素の方向に向ける。磁気要素401を通過した後、チャンバの移動方向に関して、アクチュエータのS極がそれ自体を向ける磁気要素401は、チャンバの後方に設置され、もはや前方には設置されない。したがって、磁気アクチュエータ102は、再び磁気アクチュエータのS極が磁気要素401に向けられるように回転する。チャンバのさらなる回転中、チャンバは、第1の磁気要素401の極性とは反対のS極を表す第2の磁気要素402に遭遇する。第2の磁気要素402を過ぎて回転することによって、この場合、磁気アクチュエータのN極は、それ自体を第2の磁気要素に向け、それによって磁気アクチュエータ102は再び回転運動を経験する。チャンバ101の回転により、磁気アクチュエータ102は、磁気引力による並進とは別に、一連の回転運動を受け、それによって回転し、したがって試料の溶解を支援する。
磁気要素401、402のそのような配置は、例えば、それぞれの第2の極がチャンバから遠く離れているため、このそれぞれの第2の極は、磁気アクチュエータへの影響に関して無視することができる磁石から構成することができる。さらなる選択肢は、チャンバの外側の各磁石の2つの極がチャンバへのそれらの影響に関して回転平面内の磁極単極としてほぼ近似され得るように、例えば馬蹄型磁石の形態の屈曲磁石の使用である。この実施態様では、屈曲磁石の残りは、例えば配置の上方又は下方に設置することができる。そのような構造の別の選択肢は、ロッド磁石としての磁気要素401、402の構成であり、N極とS極との間の接続線は、回転平面に対して垂直であり、それにより、各1つの極のみが図4に示されている。
外部磁気要素又は例えばチャンバ又は溶解チャンバに対して異なる極性を有する磁石のこれらの可能な配置は、本開示のいくつかの態様を説明するための例としてのみ考慮されるべきであり、これは決して限定的なリストではない。特に、3つ以上の磁気要素を有する配置、並びに少なくとも2つの磁気要素の多様な角度配置、並びに回転円形経路に対する磁気要素のさらなる位置向きもまた、当業者による明らかな変形の意味で本出願の一部である。特に、図示は、磁気要素の形状に関するいかなる制限も表すべきではない。磁気要素は、例えば、円形、正方形又は長方形の断面を有することができる。磁気アクチュエータの設計についても同様である。
図5は、回転相対運動とは無関係に磁気アクチュエータ上の磁場に影響を及ぼすための作動手段を備えた溶解装置の2つの例の概略側面図を示す。
図は、作動手段と、チャンバと磁気要素との間の回転相対運動とは無関係の追加の並進運動を伴うチャンバの外側の磁気要素の位置とを除いて、図1bに対応する。したがって、同じ要素には同じ参照番号が付されている。
図5は、磁気要素108、109に接続された作動手段501を含む。初期配置を図5の上部に示す。図5の左下は、回転平面に平行な磁気要素の並進運動502の選択肢を示す。図5の右下は、回転平面に直交する磁気要素の並進運動503の選択肢を示す。
作動手段501によって、磁気要素108、109は、チャンバ101と磁気要素108、109との間の回転相対運動とは無関係に並進運動することができる。図5の左下は、回転平面に平行な磁気要素108、109の動き502を示す。図5の右下は、回転平面に直交する磁気要素108、109の動き503を示す。両方の変形例によって、磁気要素は、溶解が停止される程度まで磁気要素108、109と磁気アクチュエータとの間の磁気相互作用が減衰されるように、回転チャンバから遠くに移動させることができる。
チャンバの回転運動とは無関係の磁気要素の並進運動によって、溶解を停止するか、又は例えば開始、増加又は減衰させることができる。作動手段501によって、溶解に影響を与えることが可能であり、その結果、そのような配置では、例えば、試料調製又は試料分析のさらなる工程も実行することができ、例えば、チャンバの回転が必要であるが、溶解は行われない。その上で、磁気要素のさらなる並進運動方向が可能であり、例えば、磁気要素を特定の角度範囲内で、例えば、図示された運動方向の間、すなわち回転平面に直交する角度と平行な角度で遠ざけることが可能である。
換言すれば、本開示の例は、キャリア、例えばディスクを回転させることによって、磁気アクチュエータが外部磁気要素の1つの下、例えば静的磁石の下を通過するとすぐに交流磁場を受けるという考えに基づいている。外部磁気要素の異なる極性によって、磁気アクチュエータは並進運動及び回転運動を受ける。それにより、溶解粒子は、摩擦、衝撃及び剪断力によって微生物(例えば、ウイルス、細菌、真菌、寄生生物)に衝突し、それによって溶解することができる。
実施例では、微生物が溶解された後、チャンバ、例えば溶解チャンバ及び磁気アクチュエータ、例えばロッド磁石からホルダ(例えば、図5によれば、)を離すことによって、外部、例えば静的磁石を除去することができる。これにより、磁気アクチュエータに対する遠心力及び重力が支配的になり、強い並進及び回転、したがって溶解が停止する。
ここで、本開示は、特に、溶解チャンバ内の磁気アクチュエータからの外部、例えば静的磁気要素の空間的分離を含む。例としては、横方向並進(例えば、図5の左下部)による空間的分離又は垂直方向並進(例えば、図5の右下)による空間的分離が挙げられる。
図6は、本開示による溶解によって得られた溶解物と熱基準溶解物のqPCR分析を比較するためのプロットを示す。ここで、溶解又は蛍光の結果の尺度が縦軸にプロットされ、時間、例えばサイクルの尺度が横軸にプロットされる。本開示による溶解物のqPCR分析601のプロットは、縦座標に対して曲線のはるかに早い増加を示す。熱基準溶解物のqPCR分析602のプロットは、溶解の有効性の尺度の有意に遅い増加を示す。プロットは、それぞれの増加後の曲線の平坦化を含む。プロットのこれらの領域では、溶解有効性に関する絶対値は、両方のアプローチでわずかに異なるだけである。
したがって、本開示による機械的溶解は、熱基準溶解よりもはるかに高い溶解効率を示す。しかし、本開示による適切なアプローチによって、溶解効率を高めることも可能である。
図6による結果は、LabDisk箔ディスクという名前で知られるキャリアとしてのディスクと、キャリアの約8mm下の半径55mmの2つの永久磁石(例えばネオジム、高さ5mm;直径15mm;磁化45SHの強度;被膜の種類:ニッケル(Ni-Cu-Ni))とを含むマイクロ流体試験システムの構造を用いた試験を使用することによって得られた。
ここで、ガラス粒子(直径0.1mm及び直径0.5mm)及び磁気アクチュエータ、例えば、ロッド磁石(直径2mm、高さ3mm、磁化N45、材質:NdFeB、被覆用ニッケル(Ni-Cu-Ni))をチャンバ、例えば溶解チャンバに導入した。
AMIES輸送培地(Copan社製)中の100μLのエンテロコッカス・ファエカリスを溶解チャンバにピペットで入れ、マイクロ流体キャリアを20Hzの回転速度で5分間処理した。
本開示による溶解によって得られた溶解物及び同じ試料の各層中のE.faecalisを95℃に5分間加熱することによって処理された熱基準溶解物を、続いてqPCRによって分析した。本開示によるマイクロ流体キャリア、例えばディスク上の機械的溶解は、熱基準溶解よりもはるかに高い溶解効率を示す。
図7は、磁気アクチュエータ110、溶解粒子103及びダイヤフラム702を含む溶解装置のチャンバ701の一例の概略側面図を示す。動作中の磁気アクチュエータ102の回転は、矢印113によって示されている。ダイヤフラム702は、溶解前により大きな体積の微生物を濃縮し、続いて微生物をダイヤフラム702上で直接溶解するように構成することができる。ダイヤフラム702は、例えば、フィルタダイヤフラム又は例えば滅菌フィルタであってもよい。例えば、細菌は、例えば滅菌フィルタの表面上で濃縮することができ、それによって粒子の機械的入力に利用可能になる。例としては、特に、一体化された滅菌フィルタを有する溶解チャンバが挙げられる。
図8は、テンパリング手段801を備えた溶解装置の一例の概略側面図を示す。この図は、追加のテンパリング手段801を除いて、図1bに対応する。同じ要素には同じ参照番号が付されている。テンパリング手段801は、キャリア104上のチャンバ102の下方に設置される。動作中、テンパリング手段801は、熱入力によって機械的溶解を支援することができる。テンパリング手段はまた、例えば、溶解を停止することができるように、そのキュリー温度を超えてチャンバ内の磁石を加熱するために使用することができる。溶解のそのようなスイッチオフは、例えば、チャンバ101と磁気要素108、109との間の回転相対運動とは無関係に、追加の作動手段なしで溶解を停止するオプションを提供するのに有利である。
テンパリング手段の1つの実施オプションは、接触加熱である。本開示による実施例では、接触加熱によって温度入力を実現できるように溶解チャンバを配置する選択肢がある。温度入力は、例えば、環境温度と最大120℃との間に設定することができる。それにより、機械的溶解は、熱入力によってさらに支持され得る。
実施例では、テンパリング手段は、加熱ゾーンによる溶解チャンバの下の接触加熱であってもよい。
本開示の例は、ディスク(例えば、図1によれば、)の上方又は下方のホルダを介して配置することができる2つの外部静的磁石(例えば、ネオジムN45)を含む。外部磁石の極性は、例えば、回転溶解チャンバに対して互いに反対である。この特定の極性は、様々な方法で(例えば、図2によって)実現することができ、例では、それ自体の軸の周りの磁気アクチュエータの回転運動を決定付ける。溶解段階中、磁石と溶解チャンバとの間のz方向、例えば回転平面に垂直な距離は、例えば0.1mm~50mmであり得る。さらに、外部磁石は、溶解チャンバの半径までの最大距離が30mmの半径に配置することができる。溶解段階では、ディスクは、例えば0.5Hz~40Hzで回転することができる。磁気アクチュエータは、例えば、磁化N48、長さ2mm~4mm及び直径2mm~4mmを有するネオジムロッド磁石として実現することができる。さらに、溶解粒子は、例えば0.15mm~0.5mm又は0.15mm~0.2mmの直径を有するガラス粒子によって形成することができる。
本開示によるさらなる例は、溶解粒子及び永久磁石を含む溶解チャンバと、少なくとも2つの外部磁石を備えた遠心マイクロ流体カートリッジ内の機械的溶解のための溶解装置を含み、外部磁石は、溶解チャンバ内の磁石、例えばディスク内の磁石、又は溶解チャンバに対して反対に分極されて、溶解チャンバ内の磁石の回転をもたらし、溶解チャンバのサイズは、少なくとも、2つの空間方向における磁石の長さのサイズを有し、(Δr、Δφ)は例えば、回転平面に対する半径長さと方位角の長さであり、又(Δz、Δφ)は例えば、回転平面に対する垂直方向の長さと方位角の長さであり、又(Δz、Δr)は例えば、回転(z軸周りの平面内の回転、又は回転システムrの半径ベクトル周りの回転)平面に対する垂直方向の長さ及び半径方向の長さである。
さらなる例には、溶解装置が含まれ、外部磁気要素は、z方向、例えば最大5cmの回転平面に対して垂直に距離を置いてチャンバ又はディスクの上方に設置され、内部磁気アクチュエータの半径から5cm以下ずれている。
さらなる例には溶解装置が含まれ、3つの直交する空間方向(x、y、z)における溶解チャンバのサイズは、磁気アクチュエータの最長対角線の少なくともほぼ長さを有する(自由回転;z方向において磁石よりもわずかに小さい、例えば、回転平面に対して垂直、例えば、最大約20%も可能である)。
さらなる例には、溶解が少なくとも2Hzの(連続的な)回転周波数で行われる溶解装置が含まれる。さらなる例には、溶解が最大30Hzの(連続)回転周波数で行われる溶解装置が含まれる。さらなる例としては、チャンバが0.5mm未満のサイズの溶解粒子を含む溶解装置が挙げられる。さらなる例は、溶解装置を含み、外部磁気要素を遠ざけることによって溶解をオフに切り替えることが可能である。さらなる例には、外部磁気要素が20~180°の角度で配置されている溶解装置が含まれる。さらなる例には溶解装置が含まれ、溶解機能を熱的に支援するために溶解チャンバへの温度入力を実施することができる。
本開示の利点
チャンバ、例えば溶解チャンバに対する外部、例えば静的磁気要素の異なる極性によるチャンバ内の磁石、例えば磁気アクチュエータの誘導された並進及び回転運動は、チャンバ内の試料、特にチャンバ内の粒子とのはるかに良好な混合をもたらす。したがって、統計的平均において、微生物の大部分は、摩擦、衝撃及び剪断運動を受ける可能性がある。これにより、非常に効率的な溶解を実現することができる。分子診断(迅速)試験では、試料調製及び分析に必要な時間を含む要因「結果までの時間」が決定的な要因である。効率的で迅速な溶解により、この必須の工程で多くの時間を節約することができる。
外部磁気要素及びチャンバ、例えば溶解チャンバの記載された配置により、それぞれの構成を有する本開示による溶解装置は、半径方向及び方位角方向にほとんど空間を必要としない。マイクロ流体試験キャリア上の空間及び半径方向の方位角方向は、試料調製及び分析の全体的な統合を達成するために非常に価値があるので、これは従来技術と比較してさらなる利点を表す。
本開示のいくつかの態様は、装置の文脈における特徴として説明されているが、そのような説明は、対応する方法特徴の説明と考えることもできることは明らかである。いくつかの態様は、方法の文脈における特徴として説明されているが、そのような説明は、装置の対応する特徴又は装置の機能の説明と考えることもできることは明らかである。
前述の詳細な説明では、本開示を合理化するために、部分的に、異なる特徴が例において一緒にグループ化されている。この種の開示は、特許請求される例が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を含むという意図として解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲によって示されるように、主題は、開示された個々の例のすべての特徴よりも少ない特徴からなる。したがって、以下の特許請求の範囲は詳細な説明に組み込まれ、各請求項はそれ自体の別個の例とすることができる。各請求項はそれ自体の個別の例とすることができるが、請求項の従属請求項は1つ又はいくつかの他の請求項との特定の組み合わせに関連するが、他の例はまた、従属請求項と他の従属請求項の主題との組み合わせ、又は各特徴と他の従属又は独立請求項との組み合わせを含むことに留意されたい。そのような組み合わせは、特定の組み合わせが意図されていないと述べられている場合を除いて含まれる。さらに、この請求項が独立請求項に直接依存しない場合であっても、請求項の特徴の組み合わせも互いに独立請求項に含まれることが意図されている。
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記載の構成及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであるだろうことが理解される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の説明及び説明として提示される特定の詳細によっては限定されないことが意図される。
参考文献
[1]Kido、Horacioら「A novel,compact disk-like centrifugal microfluidics system for cell lysis and sample homogenization」、Colloids and Surfaces B:Biointerfaces 58.1(2007):44-51。
[2]Siegrist、Jonathanら「Validation of a centrifugal microfluidic sample lysis and homogenization platform for nucleic acid extraction with clinical samples」、Lab on a Chip 10.3(2010):363-371。

Claims (24)

  1. 溶解装置であって、
    試料を受け入れるためのチャンバと、
    チャンバ内に設置された少なくとも1つの磁気アクチュエータと、
    前記チャンバの外側に配置された少なくとも2つの磁気要素と、
    前記チャンバ及び前記チャンバの外側に配置された前記磁気要素との間で回転相対運動を行うための駆動手段であって、前記チャンバが前記チャンバの外側に配置された前記磁気要素を連続的に通過し、前記磁気要素の極性が、前記回転相対運動の前記円形経路に対して反対であり、それにより、前記チャンバ内に設置された前記磁気アクチュエータが、並進及び回転の両方で移動されて、前記試料の溶解を行う、駆動手段と、を備え、
    前記チャンバは、前記チャンバ内に設置された前記少なくとも1つの磁気アクチュエータが並進及び回転の両方で移動することを可能にするように構成される、溶解装置。
  2. 前記磁気要素が、磁極であるか、又は各磁気要素が磁石である、請求項1に記載の溶解装置。
  3. 前記回転相対運動とは無関係に、前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素から前記チャンバ内に配置された前記磁気アクチュエータに作用する前記磁場を少なくとも低減するように構成される、請求項1又は2に記載の溶解装置。
  4. 前記チャンバと、前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素との間の距離を、前記回転相対運動とは無関係に変更するための作動手段をさらに備える、請求項3に記載の溶解装置。
  5. 前記作動手段が、前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素を前記回転平面に対して垂直に移動させるように構成されている、請求項4に記載の溶解装置。
  6. 前記作動手段が、前記回転相対運動とは無関係に、前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素を前記回転平面に平行に移動させるように構成されている、請求項4又は5に記載の溶解装置。
  7. 前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素が、制御可能及び/又は可変電磁石である、請求項1から6のいずれか一項に記載の溶解装置。
  8. 前記溶解装置が、前記チャンバ内に設置された少なくとも1つの溶解粒子を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の溶解装置。
  9. 前記少なくとも1つの溶解粒子が、0.5mm未満の最大寸法を含む、請求項8に記載の溶解装置。
  10. 前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素が、前記溶解時に静止し、前記駆動手段が、前記チャンバの外側に設置された前記磁気要素に対する回転軸に対して前記チャンバを回転させるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の溶解装置。
  11. 前記チャンバが、ダイヤフラムを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の溶解装置。
  12. 前記溶解装置が、前記チャンバの温度を変化させるように構成されたテンパリング手段を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の溶解装置。
  13. 前記チャンバの外側の前記少なくとも2つの磁気要素が、互いに対して20°~180°の回転平面内の角度で配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の溶解装置。
  14. 前記回転相対運動が、0.5Hz~40Hz、好ましくは2Hz~30Hzの回転周波数で構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の溶解装置。
  15. 前記チャンバは、互いに垂直な3つの空間方向のうちの2つの空間方向内に、前記チャンバ内に設置された前記磁気アクチュエータの前記最長対角線の少なくとも前記長さを含み、互いに垂直な前記3つの空間方向のうちの3番目において、前記チャンバ内に位置する前記磁気アクチュエータの前記最長対角線の少なくとも前記長さから20%を引いた長さを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の溶解装置。
  16. 前記チャンバが、前記回転軸の方向、前記回転に対する前記半径方向、及び前記回転に対する前記方位角方向によって形成される3つの方向のうちの少なくとも2つの方向に、前記チャンバ内に設置された前記磁気アクチュエータの長さのサイズを少なくとも含む請求項1から15のいずれか一項に記載の溶解装置。
  17. 前記チャンバの外側の前記少なくとも2つの磁気要素が、前記溶解時に、前記チャンバに対する前記回転相対運動の平面に対して最大5cmの最大垂直距離を含み、かつ/又は
    前記チャンバの外側の少なくとも2つの磁気要素は、溶解時に、チャンバ内に設置された磁気アクチュエータからの最大半径距離5cmを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の溶解装置。
  18. 前記溶解装置が、キュリー温度より高い温度で前記チャンバ内に設置された前記少なくとも1つの磁気アクチュエータを加熱して、前記少なくとも1つの磁気アクチュエータを停止させるように構成されたテンパリング手段を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の溶解装置。
  19. 溶解方法であって、
    試料をチャンバ内に導入することを含み、少なくとも1つの磁気アクチュエータが前記チャンバ内に設置され、前記チャンバが、前記チャンバ内に設置された前記磁気アクチュエータが並進及び回転の両方で移動することを可能にするように構成され、
    前記試料と少なくとも1つの磁気アクチュエータとが設置された前記チャンバと、前記チャンバの外側に位置する少なくとも2つの磁気要素との間で回転相対運動を行わせることを含み、前記チャンバの外側の前記少なくとも2つの磁気要素の極性は、前記回転相対運動の前記円形経路に対して反対であり、それにより、前記チャンバ内に位置する前記磁気アクチュエータが、前記試料の溶解を行うために並進及び回転の両方で移動する、
    溶解方法。
  20. 少なくとも1つの溶解粒子が、前記チャンバに導入される、請求項19に記載の溶解方法。
  21. 前記試料の温度を変化させる、請求項19又は20に記載の溶解方法。
  22. 前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素が、前記回転相対運動とは無関係に移動して、前記チャンバ内に設置された前記磁気アクチュエータに作用する磁場を少なくとも低減する、請求項19、20又は21に記載の溶解方法。
  23. 前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの磁気要素は、制御可能及び/又は可変電磁石であり、前記チャンバの外側に配置された前記少なくとも2つの電磁石は、前記チャンバ内に配置された前記磁気アクチュエータに作用する前記磁場が、前記回転相対運動とは無関係に少なくとも低減されるように制御又は調整される、請求項19から22のいずれか一項に記載の溶解方法。
  24. 前記回転相対運動の回転周波数が、0.5Hz~40Hzの間、好ましくは2Hz~30Hzの間で調整される、請求項19から23のいずれか一項に記載の溶解方法。
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