JP2023536848A - ウイルス性疾患に対する免疫グロブリン媒介ワクチン接種 - Google Patents

ウイルス性疾患に対する免疫グロブリン媒介ワクチン接種 Download PDF

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Abstract

ウイルス性疾患を阻害するための技術が提供される。本技術は、免疫グロブリンベースのワクチン接種を広めるために、回復期患者から血液産物を得る工程、及び血液産物を同じ種類のウイルスに感染するリスクがある患者に投与する工程を含む。

Description

本発明は、概して免疫学に関し、より詳細にはワクチン接種の免疫学に関する。
ウイルス感染は、治療が難しい壊滅的疾患の発生を促し、一部の症例では、罹患及び/又は致死を回避することがほぼ不可能である。一例として、代表的なウイルス感染症として、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(すなわち、SARS-CoV-2、別名コロナウイルス疾患-19(すなわち、COVID-19))が地球を冒し、全世界で1,500万人以上が感染し、60万人以上が死亡するに至った(2020年7月22日現在まで)。例えばヒドロキシクロロキン、レムデシビル、デキサメタゾン、及びアジスロマイシンなどの抗生物質などの有望な治療手法があるにもかかわらず、世界各国においてCOVID-19の罹患及び致死は依然として相当な懸念事項である。
方法論的手法はウイルスに感染している一部の患者を見逃す(偽陰性)か又は感染していない一部の患者を誤って診断する(偽陽性)可能性があるため、ウイルス感染症の初期診断は、互いに異なり(すなわち、分子試験対血清学的試験)且つ多様な新進の診断手法に基づいて試みることが可能である。
既存の診断手法は、抗ウイルス免疫グロブリンレベルの存在及び濃度が、続いて起こるウイルス感染症に対する潜在的な免疫と関連されうることを示すものである。一例として、SARS-CoV-2/COVID-19感染では、アッセイされたSARS-CoV-2/COVID-19感染患者から得られる血清又は血漿では、健康な対照と比較して、総免疫グロブリン及び/又は免疫グロブリンG(IgG)、及び免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、並びにそれらの各サブクラス(すなわちIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)を含む抗原特異的(すなわちSARS-CoV-2/COVID-19)免疫グロブリンの存在、並びに/又はレベルの上昇が認められる。詳しく説明されていないものの、その他のウイルス感染症において説明されているように、おそらく、免疫グロブリンE(IgE)及び免疫グロブリンD(IgD)を含むその他の免疫グロブリンアイソタイプもまた、SARS2に対する免疫応答において広められる。
治療的戦略のための手法もまた追求されてきた。例えば、回復期血漿(SARS-CoV-2に感染し、疾病から回復し、抗SARS免疫グロブリン応答を広めること(すなわち、IgG及び/又はIgM抗SARS抗体)が認められた患者から得られる血漿)の輸注が、軽症から重症症状を有する新規SARS感染患者のための治療として導入されている。この回復期血漿は、循環するウイルスが特異的受容体に結合することを潜在的に「中和」し、正常細胞の感染を回避するように働く。また、ワクチン療法(SARS-CoV-2/COVIDによって発現された、中和抗体を活性化し、防御応答を引き起こす抗原として作用する可能性のある多数の推定されるSARS-CoV-2ウイルス抗原のうちのいずれか、例えば、スパイク(S)、エンベロープ(E)、膜(M)、及びヌクレオカプシド(N)、及びそれらの断片を含む構造タンパク質を含む抗原に対し、患者の免疫応答を誘発させる)も記載されている。
しかしながら、SARS/COVIDなどのウイルス感染症の長期治療に対する従来手法は、これまでほとんどうまくいっていない。
一態様では、本発明は、ウイルス感染症を阻害する方法を提供する。該方法は、a)第1の対象から、ウイルスに対する抗ウイルス免疫グロブリンを有する血液産物を得る工程と、b)同じ又は類似の種類のウイルスに感染するリスクがある第2の対象に、第1の対象から得られる血液産物の免疫化有効量を投与する工程とを含む。第2の対象におけるウイルス感染症は阻害される。一実施形態では、血液産物は、血清;血漿;並びに対応する可溶性受容体を伴う又は伴わない1種又は複数種の免疫グロブリン及びそれらの断片からなる群から選択される。一実施形態では、第1の対象は、ウイルスによる感染から回復しており、別の実施形態では、第1の対象は、そのウイルスに対して既に免疫化されている。ウイルス感染症を阻害することは、ウイルス感染症を予防することを含む。一部の実施形態では、血液産物は、第2の対象への投与に先立ち放射線照射される。
一部の実施形態では、ウイルスは、コロナウイルス、HIV、H1N1、H5N1、ポワッサンウイルス、ジカウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、ヘルペスウイルス、ノロウイルス、パルボウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2、MERS-CoV、トリインフルエンザウイルス、エボラウイルス、A型インフルエンザウイルス、SARSウイルス、肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水疱瘡ウイルス、又は黄熱病ウイルスである。
一部の実施形態では、該方法は、第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程に先立ち、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿を除去する工程を更に含む。一部の実施形態では、該方法は、第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程と実質的に同時に、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿を除去する工程を更に含む。
一部の実施形態では、1つ又は複数の免疫グロブリンは、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、及び免疫グロブリンD(IgD)、並びにそれらの断片のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、断片は、抗体結合断片Fab、抗体サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、免疫化有効量の1つ又は複数の免疫グロブリン及び各免疫グロブリンに対応する1つ又は複数の可溶性受容体は、免疫化有効量の抗ウイルス特異的免疫グロブリンを含む。免疫化有効量は、ウイルスに感染することを阻害し、且つ/又はウイルスの徴候を減弱する量である。
一実施形態では、ウイルスはSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物は血清/血漿であり、免疫化有効量は約5ml~約200mLである。一実施形態では、ウイルスはSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物は血清/血漿であり、免疫化有効量は、1日当たり1キログラム当たり約1ピコグラムから1日当たり1kg当たり約4グラムの抗原特異的免疫グロブリンである。一実施形態では、ウイルスはSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物は血清/血漿であり、免疫化有効量は、ある種のウイルス感染症から回復している1人又は複数の対象から、単回又は間隔をあけて連続した複数回で投与される。
一部の実施形態では、第1の対象から得られる血液産物は、同じ又は類似の種類のウイルスに感染するリスクがある複数の対象に投与される。一部の実施形態では、該方法は、特定の免疫経路の免疫刺激物質及び/又はブースターを含む従来のワクチン接種手順を行う工程を更に含む。
一部の実施形態では、該方法は、キメラ型又は改変型の抗体を投与する工程を更に含む。一部の実施形態では、改変型の抗体は、Fabの代わりにSARS-Cov-2/CoViD-19ウイルス抗原と融合されたFc成分である。
本発明の一態様では、ウイルス感染症を治療する方法が提供される。該方法は、ある種のウイルスに感染している少なくとも第1の患者から、ある量の少なくとも1つの血液産物を得る工程と、少なくとも第1の患者から得られる血液産物の少なくとも1つを、同じ種類のウイルスを有する少なくとも第2の患者に投与する工程とを含み、少なくとも第1の患者から得られる少なくとも1つの血液産物を、同じ種類のウイルスを有する少なくとも第2の患者に投与する工程は、治療上有効量の1種若しくは複数種の免疫グロブリン及び/又は各免疫グロブリンに対応する1種若しくは複数種の可溶性受容体を投与する工程を含み、治療上有効量の1種若しくは複数種の免疫グロブリン及び/又は各免疫グロブリンに対応する1種若しくは複数種の可溶性受容体を投与する工程は、少なくとも第2の患者の体液性免疫系の再構成を可能にして、ウイルスを処置する工程を含む。一部の実施形態では、対応する可溶性受容体を伴う又は伴わない免疫グロブリンは、総血清/血漿において固有の量が追加されることなく成分を投与するための手段として、血清/血漿から二者択一的に精製されうる。一実施形態では、ウイルスの種類は、SARS2/COVID19を含む。一部の実施形態では、該方法は、同じ種類のウイルスを有する第2の患者から、対応する量の血清及び血漿のうちの少なくとも1つを除去する工程を更に含む。一部の実施形態では、同じ種類のウイルスを有する第2の患者から、対応する量の血清及び血漿のうちの少なくとも1つを除去する工程は、第1の患者から得られる血清及び血漿のうちの少なくとも1つを、同じ種類のウイルスを有する第2の患者に投与する工程に先立ち行われるか、又は同じ種類のウイルスを有する第2の患者から、対応する量の血清及び血漿のうちの少なくとも1つ除去する工程は、第1の患者から得られる血清及び血漿のうちの少なくとも1つを、同じ種類のウイルスを有する第2の患者に投与する工程と実質的に同時に行われる。一部の実施形態では、血漿と血清とは、ウイルスの処置に関して互換的である。一部の実施形態では、1つ又は複数の免疫グロブリンは、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、及び免疫グロブリンD(IgD)のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、1つ又は複数の免疫グロブリンは、1つ又は複数のウイルス抗原に特異的な免疫グロブリンのうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、治療上有効量の1つ又は複数の免疫グロブリン及び各免疫グロブリンに対応する1つ又は複数の可溶性受容体は、治療上有効量の抗ウイルス特異的免疫グロブリンを含む。一部の実施形態では、少なくとも第2の患者の体液性免疫系の再構成を可能にする工程は、遊離ウイルス及び/若しくはウイルス感染細胞を中和且つ/若しくは破壊する工程を含むか、又はウイルスの進行を緩和する工程を含む。一部の実施形態では、第1の患者から得られる回復期血清及び血漿のうちの少なくとも1つを第2の患者に投与する工程は、第1の患者から得られる血清及び血漿のうちの少なくとも1つを、同じ種類のウイルスを有する複数の患者に繰り返して投与する工程を更に含む。一部の実施形態では、第1の患者から得られる回復期血清及び血漿のうちの少なくとも1つは、同じ種類のウイルスを有する複数の患者に実質的に同時に繰り返して投与される。一部の実施形態では、ある量の血清及び血漿のうちの少なくとも1つを得る工程は、同じ種類のウイルスを有する複数の患者から、血清及び血漿のうちの少なくとも1つの各量を得る工程を含む。一部の実施形態では、血清及び血漿のうちの少なくとも1つの各量は、同じ種類のウイルスを有する複数の患者から実質的に同時に得られ、それを必要とする1人又は複数の患者レシピエントに投与される。一部の実施形態では、第1の患者から得られる血清及び血漿のうちの少なくとも1つは、単回投与及び反復投与のうちの少なくとも1つとして投与される。一部の実施形態では、対応する可溶性受容体を伴う又は伴わない免疫グロブリンは、総血清/血漿において固有の量が追加されることなく成分を投与するための手段として、血清/血漿から二者択一的に精製されうる。また、任意の患者から得られる血清/血漿は、血液型が適合するレシピエントへの投与に先立ち、放射線照射されうる。一部の実施形態では、該方法は、本明細書に記載の免疫グロブリン媒介抗ウイルス応答及び全般的な抗ウイルス応答の効率を最大化するよう、特定の免疫経路の免疫刺激物質及び/又はブースターを含む従来のワクチン接種手順(例えば、サイトカイン[IL-10]ベースの)によって増強されうる。
本発明のこれらの特徴及びその他の特徴、目的、並びに利点は、以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明から明らかとなり、この説明は、添付図面に関連して解釈されるべきものである。
本発明の一実施形態による、典型的な免疫グロブリン(例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)構造を示す略図である。 本発明の一実施形態による、回復期血漿に曝された、リスクのある患者における、抗イディオタイプ抗体の生成を示す略図である。ここでは、抗イディオタイプ抗体は抗原と類似している。 本発明の一実施形態による、回復期血漿に曝された、リスクのある患者における、抗抗イディオタイプ抗体の生成を示す略図である。ここでは、抗抗イディオタイプ抗体は、ネイティブなウイルスを認識することにより証明されているように、ウイルスに対するワクチン接種を表しているが、従来のワクチン接種手法によっては、ネイティブなウイルスによって生成されない。 キメラ型又は改変型の抗体(すなわち、Fabの代わりにSARS/CoViD-19ウイルス抗原を融合させたFc成分)の略図である。 抗体IgG構造及び断片化のための切断部位の略図である。有用な抗体断片の例としては、ハーフIgG、Fab、F(ab')2、及びFcが挙げられ、これらは、ヒンジ領域ジスルフィドの還元、又はパパイン、ペプシン、若しくはフィシンタンパク質分解酵素による消化によって作製されうる。
一態様では、本発明は、それを必要とする対象(すなわち患者)におけるウイルス感染症/ウイルス性疾患に対する免疫化のための方法を提供する。別の態様では、本発明は、ウイルス感染症の対象(すなわち患者)の治療を提供する。
本明細書で使用される「患者」という用語は、医療(例えば、診断、モニタリングなど)を受けている哺乳動物の対象を幅広く指し、好ましくはヒトを指す。
本発明の方法が適している一部のウイルス性疾患の例としては、コロナウイルス(例えば、コロナウイルス-2)、HIV、H1N1、H5N1、ポワッサンウイルス、ジカウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、ヘルペスウイルス、ノロウイルス、パルボウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、並びに神経変性疾患及び伝染性海綿状脳症(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、及びウシ海綿状脳症)関連媒介物によって引き起こされた疾患が挙げられる。本発明の方法が適している幾つかのウイルス性疾患の例としては、ブタインフルエンザ及びトリインフルエンザ、エボラウイルス疾患、A型インフルエンザ、SARS、肝炎、麻疹、風疹、水疱瘡、並びに黄熱病が挙げられる。コロナウイルスによって引き起こされる疾病の例としては、中東呼吸器症候群(MERS-CoV)、重症急性呼吸器症候群(SARS-CoV)、及びコロナウイルス疾患2019(COVID-19)、凝血異常、腎臓傷害、心筋症、並びに神経機能障害が挙げられる。
ブタインフルエンザは、A型インフルエンザウイルスによって引き起こされる、ブタで起こる呼吸器疾患である。通常ブタでみられるインフルエンザウイルスは、ブタインフルエンザウイルス(SIV)として知られている。既知のSIV株には、C型インフルエンザ、並びにH1N1、H1N2、H3N1、H3N2、及びH2N3として知られるA型インフルエンザのサブタイプがある。トリインフルエンザ、H5N1は、高病原性A型インフルエンザウイルスサブタイプである。
ウイルス感染症の阻害
本発明の一態様では、ウイルス感染症が、それを必要とする患者において阻害される。それを必要とする患者とは、ウイルス感染症に罹患するリスクのある対象である。特に、本発明の医薬組成物は、ウイルス感染症/ウイルス性疾患に罹患するリスクのある個人に予防的に投与される。リスクのある個人の例は、次のうちの1つ又は複数の特徴を有しうる:高齢である;ストレス下及び/若しくは抑うつ状態にある;免疫系が弱っている若しくは免疫無防備状態である;且つ/又はウイルス性疾患を有する若しくはそれが疑われる個人と接触したことがある。
この態様では、本発明は、その例示的実施形態において、ウイルス感染症に対する免疫化のための技術を提供する。一実施形態では、その方法は、それを必要とする患者への、ウイルス感染症に対する免疫化有効量での医薬組成物の投与を含み、これによってウイルス感染症を阻害する。ウイルス感染症を阻害することは、ウイルス感染症を予防すること及び/又はウイルス感染症の症状を減弱することを包含する。該方法は、第1の対象から血液産物を得る工程を含む。第1の対象は、特定の種類のウイルスに感染したことが既知であり、そのような感染から回復しているか;又は第1の対象は、そのようなウイルスに対して免疫化されている。第1の対象は、別称「回復期患者」又は患者Aである。すなわち、この回復期患者は、i)ウイルス感染症は消滅しており、もはや他人への感染性がない、又はii)既に免疫化されている、という理由により、患者自身の血清/血漿いずれかで抗ウイルス免疫グロブリン(例えばIgG/IgM)の存在が確証されている。回復期患者は、問題となっているウイルス病原体に対する体液性免疫を有しており、特異的抗体の供給源である。免疫化有効量の(回復期患者から得られる)血液産物は、同じ又は類似の種類(例えば、同じ科、属、種)のウイルスに感染するリスクのある第2の患者(すなわち、リスクのある患者(患者B))に投与される。回復期患者の血液産物が第2の患者を感染させることは示されていない。第2の患者は、血液型が回復期患者と適合している。一部の実施形態では、血液産物は、投与に先立ち放射線照射される。第1の患者からの抗ウイルス免疫グロブリンは、第2の患者の免疫応答を刺激するワクチンとして作用して、同じ又は類似のウイルスによる感染から第2の患者を保護する新たな抗ウイルス免疫グロブリンを広めることとなる。
好適な血液産物の例としては、血清;血漿;並びに1種又は複数種の(対応する可溶性受容体を伴う又は伴わない)免疫グロブリン及びそれらの断片が挙げられる。免疫グロブリンの一部の例としては、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、及び免疫グロブリンD(IgD)が挙げられる。免疫グロブリンの幾つかの種類の抗原結合断片が好適であり、各断片は、抗体結合部位を保存するように、(典型的にはジスルフィド結合によって)互いに保持された免疫グロブリン重鎖と軽鎖との両方の少なくとも可変領域(それぞれVH及びVL)を含有している。本発明に好適な免疫グロブリン断片の例としては、Fab、Fab(2)などの各抗体結合断片単独又はそれらの組合せ、及び各サブクラス[IgG1、IgG2、IgG3、IgG4]単独又はそれらの組合せが挙げられる。抗原特異的抗原の例としては、IgG3及び/又はIgEの各々単独若しくは組合せ;IgG;IgM;IgA;IgE;及び/又はIgD;並びにサブクラス(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、及び/又はIgG4)が挙げられる。
すなわち、リスクのある対象において新たな抗ウイルス免疫グロブリンを広める手段として、同じ種類のウイルスから回復した患者の回復期血液産物(例えば、血清又は血漿)によって、リスクのある患者には存在しない、特定のウイルス抗原に特異的な免疫グロブリンが供給される。
回復期患者から得られる血液産物(例えば、血清/血漿)は、まだ野生型ウイルスに遭遇していないリスクのある患者の免疫系を刺激する、ある種の過免疫性抗ウイルス血液産物として機能する。その結果、リスクのある患者において、抗イディオタイプ及び抗抗イディオタイプ抗体の両方の成熟化が促進される。過免疫とは、抗原の反復注入に対する反応において産生された高濃度の抗体が存在する生理学的状態を指す。これらの方法は、リスクのある患者を、同じ若しくは類似のウイルス及び/又は立体構造形状に対して効果的に免役化する。
本発明の方法における血液産物の「免疫化有効量」は、本明細書では、ウイルス性疾患の測定可能な阻害及び/若しくは減弱、並びに/又は回復期血液産物を投与されている患者における抗ウイルス抗体の測定可能な診断効果をもたらすのに十分な量と定義される。本明細書における「診断効果」とは、血液産物が投与されている患者が、血液産物の投与後、患者自身の抗ウイルス抗体を作ったことを示すことを意味する。
特定の血液産物の抗ウイルス効果は、総免疫グロブリンレベルよりも、むしろ抗原特異的免疫グロブリンの存在及び濃度に依存する。免疫グロブリンレベルの内容及び特徴は、回復期患者によって異なりうる。すなわち、ある特定の回復期患者からの抗ウイルス免疫グロブリン精製物は、有効なワクチン接種応答を媒介する高レベルの抗ウイルス免疫グロブリンを含有しうる一方で、違う回復期患者からの抗ウイルス免疫グロブリン精製物はそうではない可能性がある。したがって、本発明の一部の実施形態では、抗イディオタイプネットワークを介する(典型的な「ウイルス」ベースのワクチン接種と対立するものとしての)「免疫グロブリン」ベースのワクチン接種を広めるために必要な有効性を高めるように、回復期血液産物(例えば、血清又は血漿)を改変し、操作し、精製し、且つ/又は濃縮して回復期血液産物中に存在する抗ウイルス抗体を増加させる。
したがって、投与される血液産物が回復期血漿/血清である実施形態では、リスクのある患者に投与される回復期血漿/血清の有効量は、そのような血漿/血清中の抗原特異的免疫グロブリンのレベルに依存することとなる。回復期血漿/血清の試料は、抗原特異的免疫グロブリンのレベルを把握するよう試験され、それに応じて投与されうる。
一例として、免疫化では、抗原特異的免疫グロブリンの量は、リスクのある患者に、1日当たり(d)1キログラム(kg)当たり約1ピコグラム(pg)(pg/kg/日)から1日当たり1kg当たり約3グラム(g)(g/kg/日)の間の用量で投与され、ここで、kg値は、患者の体重を表す。この範囲のその他の下限の例としては、約1ng/kg/日、約1μg/kg/日、約1mg/kg/日、及び約1g/kg/日が挙げられる。この範囲のその他の上限の例としては、約1g/kg/日、1.5g/kg/日、約2g/kg/日、及び約2.5g/kg/日が挙げられる。各下限を各上限と組み合わせて、範囲を定義することができる。下限及び上限は、各々、別個の要素として選択されるべきである。そのような用量は、抗原特異的免疫グロブリン自体の量であり、それのみで又は血漿/血清の存在下で投与されうるものである。一実施形態では、抗原特異的免疫グロブリンの用量の典型的な例は、約200mg/kg/日~約600mg/kg/日であり、より典型的には、約300mg/kg/日~約500mg/kg/日であり、よりいっそう典型的には、約400mg/kg/日である。一実施形態では、典型的には、抗原特異的免疫グロブリンは約2~7日間投与され、より典型的には、約3日から6日まで、更により典型的には、約5日間投与される。別の実施形態では、抗原特異的免疫グロブリンの用量の典型的な例は、1日当たり1kg当たり約75マイクログラム(μg)(μg/kg/日)から1日当たり1kg当たり約4000ミリグラム(mg)(mg/kg/日)の間のである。
一実施形態では、例えば、ウイルスがSARS-CoV-2/CoViD-19である場合、血液産物は血漿であり、そのような血漿の免疫化有効量は、約5mL~約450mLの範囲である。この範囲のその他の下限の例としては、約10mL、約20mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70mL、約80mL、約90mL、及び約100mLが挙げられる。この範囲のその他の上限の例としては、約100mL、110mL、約120mL、約130mL、約140mL、約150mL、約160mL、約170mL、約180mL、約190mL、及び約200mLが挙げられる。各下限を各上限と組み合わせて、範囲を定義することができる。下限及び上限は、各々、別個の要素として選択されるべきである。
血漿及び/又は血清が投与される実施形態では、体積過負荷が患者Bに対する懸念事項である場合、患者Aからの血清/血漿を投与される患者Bから、血漿を除去することができる(例えば、典型的には、投与される血漿の量と等量の血漿が除去される)。一部の実施形態では、第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程に先立ち、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿が除去される。一部の実施形態では、第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程と実質的に同時に、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿が除去される。一部の実施形態では、リスクのある患者に全血清/血漿を投与する代わりに、患者Aの血清/血漿から抗原特異的免疫グロブリンが精製され、患者Bに投与される。そのような方法では、総血清/血漿において固有の量が追加されることはない。免疫グロブリンは、対応する可溶性受容体を伴って又は伴わず投与されうる。
一部の実施形態では、第1の対象から得られる血液産物は、同じ又は類似の種類のウイルスに感染するリスクのある複数の対象に投与される。一部の実施形態では、血液産物は、1人又は複数の回復期患者から、単回又は間隔をあけて連続した複数回で投与される。例えば、この手法は繰り返されてもよく、同じ種類のウイルス感染症から回復したその他の患者から相前後して投与されうる。例えば、抗ウイルス抗体を含有する回復期血液産物(例えば、血清又は血漿)は、抗ウイルス抗体を有する第3の又は第4の患者(患者D又はE)から得られ、順序を特定することなくリスクのある患者(患者B)に投与されうる。更に、そのような投与は、単回投与として又は反復投与として投与されうる。
いかなる作用機序にも拘泥するものではないが、回復した患者(例えば、患者A)からの回復期血液産物中に存在する抗ウイルス免疫グロブリンは、リスクのある患者(すなわち、患者B)において(ウイルス抗原に似ている)抗イディオタイプ抗体の成熟化を刺激し、続いて、(従来のワクチン接種手法後に広まる抗体応答と同様に)患者Bにおいて抗抗イディオタイプ抗体を生成させて、後に患者Bに感染する恐れのあるネイティブなウイルスを効果的に中和することとなると考えられている。そのように、1つ又は複数の本発明の実施形態は、患者Bの体液性免疫系の再構成を促し可能にして、ネイティブなウイルスを破壊し、あらゆる感染を未然に防ぐこととなる。言い換えると、抗イディオタイプ抗体は、ウイルス自身の三次元形状を反映するワクチンとして作用すると考えられている。例えば、第1の患者の血液産物から得られ、第2の患者にひとたび投与(例えば、血流経由で注入、筋肉内に、皮膚を介して局所的に投与、又はエアロゾル投与)された抗ウイルス免疫グロブリンの抗体結合断片(Fab)(図1)は、第2の患者によって「異物」とみなされる。第1の患者のFabの三次元構造は、イディオタイプと呼ばれる。次に、第2の患者の免疫系では、第2の患者自身の抗体が、第1の患者のFab領域を認識することを開始し、この抗体は、抗イディオタイプ抗体と呼ばれる(図2)。これらの新たに形成された抗イディオタイプ抗体は、ウイルス自身の三次元形状と同じ三次元形状を有する。続いて、ウイルス自身のレプリカであるこれらの抗イディオタイプ抗体は次に、これらの抗イディオタイプFab領域を認識する新たな抗体の生成を促して、抗抗イディオタイプ抗体と呼ばれる新たな抗体を作らせる(図3)。これらの抗抗イディオタイプ抗体は、事実上、抗ウイルス免疫グロブリン応答であり、標準的なウイルス免疫化手法を反映するものである。
本発明以前では、抗ウイルス免疫グロブリン(例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)及びそれらのそれぞれの受容体の役割は、ウイルス性疾患に対するワクチン接種介入としては検討されていない。本発明の方法では、回復期血液産物(例えば、血清又は血漿)から得られる抗ウイルス抗体は、ウイルス性疾患における防御効果を有し、強力なワクチン接種機序として作用する。いかなる作用機序にも拘泥するものではないが、ウイルス抗原に特異的な抗ウイルス免疫グロブリンは、抗体依存性細胞媒介細胞障害(ADCC)によってウイルス感染細胞を死滅させ、且つ補体(C)媒介細胞傷害性によるウイルス感染細胞の死滅を媒介し、且つ一酸化窒素によるウイルス/ウイルス感染細胞の死滅を媒介し、且つ感染している正常細胞からウイルスを中和することによってウイルス感染症を阻害すると考えられている。例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD、及び/又はそれらの各受容体は、ウイルス感染症では、患者にウイルスを決して導入することなく、ウイルスに対する有効なワクチン接種を生み出す抗イディオタイプネットワークを広めることによって免疫化効果をもたらす。
抗イディオタイプ及び抗抗イディオタイプ抗体応答は、その他のウイルス性疾患(例えば、HIV-1)においては既に記載がある。HIV-1疾患に関して、Keay等(1992年)は、組換えgp160で免疫化された被験者の血清中に、HIV-1エピトープを抗原性模倣している抗体である、抗CD4抗イディオタイプ抗体を検出しており、このことは、分子模倣が、元々の抗原に対する免疫応答を増強しうることを示唆するものであった。この他(Deckert等、1996年)、gp120のエピトープを模倣するモノクローナル抗CD4抗体によるワクチン接種によって、CD4に結合するgp120を阻害する免疫応答が誘導できたことが見出されている。更に、Kang等(1992年)は、(抗HIV-1)抗イディオタイプモノクローナル抗体で免疫化された霊長類が、HIV-1を中和できたことを実証した。しかしながら、ウイルス性疾患では、ウイルス性疾患における抗ウイルス免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)及び、適用可能な場合、それらの各受容体の役割は、ウイルス性疾患に対するワクチン接種介入としてこれまで検討されていない。本発明では、驚くべきことに、例えばIgG、IgM、IgA、IgE、IgDなどの免疫グロブリン及び/又はそれらの各受容体によって、患者にウイルスを決して導入することなく、抗イディオタイプネットワークを広めることによってウイルスに対する有効なワクチン接種が作られうることが見出された。
一部の実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載の免疫グロブリン媒介抗ウイルス応答及び全般的な抗ウイルス応答の効率を最大化するように、例えば特定の免疫経路の免疫刺激物質及び/又はブースターを含む従来のワクチン接種手順(例えば、サイトカイン[IL-10]ベース若しくはTh1ベースの補助的又は増強的ワクチン接種手順)によって増強される。そのような投与は、単回投与として又は反復投与として投与されうる。
一部の実施形態では、キメラ型又は改変型の抗体が投与される。例えば、Fc成分が、Fabの代わりにSARS/CoViD-19ウイルス抗原と融合されている図4を参照されたい。(HIV-1の免疫原として、Fc-HIVがFab領域に代わっているDeckart(1996年)もまた参照されたい。)
ウイルス感染症の治療
本発明の一態様では、それを必要とする患者においてウイルス感染症が治療される。それを必要とする患者とは、目下ウイルス感染症に罹っている対象である。特に、本発明の医薬組成物は、治療上有効量で投与される。治療上有効量とは、ウイルス感染症の症状を阻害する/減弱させることができる量として定義される。
一例として、ウイルス感染症/ウイルス性疾患の治療では、抗原特異的免疫グロブリンの量は、感染した患者に、約1日当たり(d)1キログラム(kg)当たり約1ピコグラム(pg)(pg/kg/日)から1日当たり1kg当たり約3グラム(g)(g/kg/日)の間の用量で投与され、ここで、kg値は、患者の体重を表す。
本発明の方法の利益は、別の患者の治療及び/又は免役化の開始のために、既に健康となった患者(例えば、回復したSARS/COVID患者)からの回復期血漿の既存の保管(凍結)備蓄品からすぐに利用でき、従来のワクチン開発の遅延を被らないということである。回復期血清/血漿は、(ABO)血液型適合性に応じて投与されることになり、一部の実施形態では、残存するウイルス粒子がレシピエントに感染をもたらす可能性を効果的に消去するために、放射線照射されうる。
本方法において使用される技術
タンパク質分解且つ/若しくは組換えにより誘導されたFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を生成するためのバイオテクノロジーの使用は、重要な有益な特性を有する。第1に、バイオテクノロジーの使用によって、血液媒介疾患又は非分画血漿単位の成分でありうる該疾患の病原体が伝染する可能性が一掃される。バイオテクノロジーによって、研究者及び臨床医は、所望のFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を単離することが可能となる。したがって、貯蔵された血清の使用は避けられる。
第2に、バイオテクノロジーの使用によって、研究者は、免疫化又は治療のために必要とされる免疫グロブリン分子のクラス若しくはそれらの部分だけを包含する選択された調製物を作ることが可能となる。特定のクラスの免疫グロブリン分子だけを選択的に包含する能力は、免疫化又は治療を受けている患者が、特定のクラスの免疫グロブリン分子に対しては陰性反応を有するがその他には有さない場合、有益である。例えば、患者は、IgAでの免疫化又は治療に対する有害なアレルギー反応を有することがある。したがって、本発明の教示によれば、該患者はIgAが選択的に存在しない調製物での免疫化又は治療を受けることが可能である。貯蔵されたドナー血清は、おそらく複数のクラスの免疫グロブリン分子を様々な量で含有することとなるため、単離された画分ではこの選択性は得られない。
第3に、バイオテクノロジーの使用によって、研究者は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体の定量化できる調製物を作製することが可能となる。上述のように、研究者は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体断片の選択したバッチを調製することが可能である。そのように、研究者は、各バッチ中のFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体の量もまた制御してもよい。バッチ量を制御する能力によって、免疫化又は治療の慎重なモニタリング及び制御が可能となる。対照的に、単離されたドナー血清を用いた免疫化又は治療では、そのような制御は可能ではない。ドナー血清は、おそらく予測可能な量の各クラスの免疫グロブリン分子を含有するであろうが、それぞれの免疫化又は治療用の各クラスの免疫グロブリン分子の量を定量化することは、事実上不可能である。したがって、免疫化又は治療を管理する医師は、各免疫グロブリン重鎖アイソタイプ(すなわち、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)及びクラス(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)の推定量を得ることしかできない。
得られたFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、次いで液剤の一部として調製されてもよく、液剤は、後述のように患者に投与されるべきものである。Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体の液剤は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を、液剤の総質量に対して約95重量パーセント(wt.%)以下含んでいてもよい。更に、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体の液剤は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体断片を、液剤の総質量に対して約1から約50wt.%の間で含んでいてもよい。
Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、次いで、患者の免疫化又は治療のために提供される。例えば、製造業者が、得られたFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を、患者への投与のために臨床医に提供することもあろう。本明細書に記載の本方法は別個の工程において示され、説明では異なる工程を実行する異なる実体が強調されているが、本明細書における教示に従って、各工程は、独立的に、又は同時に、且つ任意の組合せで実施されうることを理解されたい。更に、工程のいずれかを、独立的に又は組み合わせて、1つの実体又は実体の任意の組合せによって実施してもよいことを理解されたい。一例に過ぎないが、別の実施形態では、臨床医が、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を調製し、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を患者の免疫化又は治療のために提供する。患者は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を臨床医から直接入手し、免疫化又は治療を自分で行ってもよい。
血漿の部分
例示的な実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、免疫化又は治療のために使用される。完全な免疫グロブリン分子は、タンパク質分解処理を用いて断片化されうる。タンパク質分解処理は、タンパク質の分解において機能するタンパク質分解酵素の使用を必要とする。免疫グロブリン分子のタンパク質分解処理によって、2つのFabフラグメント及び1つのFcフラグメント(パパインでのタンパク質分解処理)、並びに2つ連結したFabフラグメント[Fab(2)]及び1つのFcフラグメント(ペプシンでのタンパク質分解処理)がもたらされうる。Fab又はFab(2)のみの投与は、インタクトな完全な免疫グロブリン分子の投与と比較して同等の有効な結果をもたらすと考えられる。更に、後述のように、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、組換え体であってもよい。したがって、本発明の教示に従って、組換え体のFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全な抗抗原抗体は調製される。
用量、タイミング、及び増強
本発明の方法は、組換え体のFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を患者に投与する工程を含んでいてもよい。免疫グロブリン免疫化又は治療は、輸血療法を使用して行われてもよい。輸血療法の一種である静脈内投与免疫グロブリン(IVIG)療法は、液剤を静脈内に投与することを必要とする。液剤は、静脈内に投与されるために、主として低分子複合体を含む。したがって、本発明の免疫化又は治療は、IVIG療法と同じ手順に従って行われてもよい。したがって、一例示的実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、静脈内に投与される。
輸血療法の別の種類である筋肉内投与免疫グロブリン(IG)療法は、液剤を筋肉内に投与することを必要とする。液剤は、高分子複合体を含んでいてもよい。高分子複合体を含む液剤は、IG療法に好適でありうるのに対し、IVIG療法でのそのような液剤の使用は危険を伴うと考えられる。したがって、本発明の免疫化又は治療は、IG療法と同じ手順に従って行われてもよい。したがって、一例示的実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、筋肉内に投与される。
免疫化又は治療用量は、体重又は年齢などの容易に把握できる患者特性に従って標準化されうるが、その他の患者特性を、適切な投薬を決定する要素としてもよい。その他の特性としては、対処されている状態の重症度、患者の生命状態などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、免疫化又は治療は、決定された最適用量より低い用量を投与することによって開始される。用量は、所望の効果が得られるまで漸増的に上げてもよい。免疫化又は治療が静脈内又は筋肉内に投与される例示的実施形態では、用量は、患者の体重に基づいて決定される。免疫化又は治療は、患者に、約1日当たり(d)1キログラム(kg)当たり約1ピコグラム(pg)(pg/kg/日)から1日当たり1kg当たり約4グラム(g)(g/kg/日)の間の用量で投与されてもよい。ここで、kg値は、患者の体重を表す。更に、液剤は、患者に、1日当たり1kg当たり約75マイクログラム(μg)(μg/kg/日)から1日当たり1kg当たり約4000ミリグラム(mg)(mg/kg/日)の間の用量で投与されてもよい。免疫化又は治療は、約7日間まで投与可能であるものの、期間は、用量及び患者の状態などの要素に応じて様々であってよい。免疫化又は治療は、初回投与から約1カ月~約6カ月毎に繰り返されてもよい。
静脈内又は筋肉内に投与される免疫化又は治療のためには、液剤は、好適な注入可能な滅菌形態で調製されなければならない。好適な注入可能な形態としては、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、植物油、アルブミンなどの担体中で調製された水溶液及び分散液が挙げられるが、これらに限定されない。更に、液剤は、滅菌形態で調製され且つ保管されるべきであり、真菌、細菌、及びウイルスなどの微生物による汚染から適切に保護されるべきである。汚染は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの抗菌剤の使用によって予防してもよい。
一例示的実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、吸入剤として患者に投与される。吸入剤は、エアロゾルの形態であってもよい。吸入剤として投与されたFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体によって、気道領域の直接的な治療が可能となる。したがって、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を吸入剤の形態で投与することは、例えば抗原媒介呼吸器症状(例えば、CoViD関連気道機能不全)等の気道障害又は疾患の治療に有用であるが、これらに限定されない。
Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体が吸入剤として投与される実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、吸入後すぐに口腔及び喉頭を通過し、肺の気管支及び肺胞中に入るよう十分小さいサイズの粒子中に含有されているか、又はそのような粒子として形成されるべきである。粒子は、直径約1~約10ミクロンの範囲のサイズを有するべきである。
更なる例示的実施形態では、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、局所的に患者に投与される。局所適用は、直接的な限局的治療のために特に有用である。局所適用としては、軟膏剤、クリーム剤、経皮吸収型貼付剤を含む局所治療薬、及び前記局所治療薬の任意の組合せを含むそれらの適用を挙げることができるが、これらに限定されない。軟膏剤又はクリーム剤は、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体及び好適な軟膏又はクリーム送達媒体を含んで調製されうる。軟膏剤又はクリーム剤は、治療を必要とする患者の患部に適用されうる。軟膏剤又はクリーム剤中に含有されたFab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、経皮的に患者体内へ拡散することとなる。
また、上述のように、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体は、経皮吸収型貼付剤を使用して投与されうる。経皮吸収型貼付剤は、患者の皮膚に包帯のように装着されうる。経皮吸収型貼付剤によって、長期投与が可能となる。例えば、患者は、経皮吸収型貼付剤を数時間装着でき、期間を通して低用量の投与を受けることが可能である。その他の適用可能な方法を、本発明の教示に従って使用してもよい。例えば、Fab/Fab(2)含有抗抗原抗体断片又は完全なIg抗抗原抗体を含む液剤を、皮下に注入してもよい。
上述の技術は、単に患者への投与のための例示的な手順として示されているに過ぎず、本発明の教示は、あらゆる好適な方法論に概して適用可能なものであり、本明細書に記載のいかなる特定の技術にも限定されるべきではないことを理解されたい。
本明細書では本発明の例示的実施形態を説明してはいるが、本発明はこれらの厳密な実施形態に限定されるものではなく、様々なその他の変更及び改変が本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく当業者によってなされうることを理解されたい。

Claims (20)

  1. ウイルス感染症を阻害する方法であって、
    a)第1の対象から、ウイルスに対する抗ウイルス免疫グロブリンを有する血液産物を得る工程であり、
    血液産物が、血清;血漿;並びに対応する可溶性受容体を伴う又は伴わない1種又は複数種の免疫グロブリン及びそれらの断片からなる群から選択される、工程と、
    b)同じ又は類似の種類のウイルスに感染するリスクがある第2の対象に、第1の対象から得られる血液産物の免疫化有効量を投与する工程であり、
    第2の対象におけるウイルス感染症が阻害される、工程と
    を含む、方法。
  2. 第1の対象が、ウイルスによる感染から回復しているか、又はウイルスに対して免疫化されている、請求項1に記載の方法。
  3. ウイルス感染症を阻害することが、ウイルス感染症を予防することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 血液産物が、第2の対象への投与に先立ち放射線照射される、請求項1に記載の方法。
  5. ウイルスが、コロナウイルス、HIV、H1N1、H5N1、ポワッサンウイルス、ジカウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、ヘルペスウイルス、ノロウイルス、パルボウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2、MERS-CoV、トリインフルエンザウイルス、エボラウイルス、A型インフルエンザウイルス、SARSウイルス、肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水疱瘡ウイルス、又は黄熱病ウイルスである、請求項1に記載の方法。
  6. 第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程に先立ち、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿を除去する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 第1の対象から得られる血清及び/又は血漿を投与する工程と実質的に同時に、第2の対象から、対応する量の血清及び/又は血漿を除去する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 1つ又は複数の免疫グロブリンが、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、及び免疫グロブリンD(IgD)、並びにそれらの断片のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 免疫グロブリン及び/又はそれらの断片が、抗体結合断片Fab、抗体サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 免疫化有効量の1つ又は複数の免疫グロブリン及び各免疫グロブリンに対応する1つ又は複数の可溶性受容体が、免疫化有効量の抗ウイルス特異的免疫グロブリンを含む、請求項1に記載の方法。
  11. ウイルスがSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物が血清/血漿であり、免疫化有効量が約5ml~約450mLである、請求項5に記載の方法。
  12. ウイルスがSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物が血清/血漿であり、免疫化有効量が、1日当たり1キログラム当たり約1ピコグラムから1日当たり1kg当たり約4グラムの抗原特異的免疫グロブリンである、請求項5に記載の方法。
  13. ウイルスがSARS-CoV-2/CoViD-19であり、血液産物が血清/血漿であり、免疫化有効量が、ある種のウイルス感染症から回復している1人又は複数の対象から、単回又は間隔をあけて連続した複数回で投与される、請求項5に記載の方法。
  14. 第1の対象から得られる血液産物が、同じ又は類似の種類のウイルスに感染するリスクがある複数の対象に投与される、請求項1に記載の方法。
  15. 特定の免疫経路の免疫刺激物質及び/又はブースターを含む従来のワクチン接種手順を行う工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. キメラ型又は改変型の抗体を投与する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  17. 改変型の抗体が、Fabの代わりにSARS-Cov-2/CoViD-19ウイルス抗原と融合されたFc成分である、請求項16に記載の方法。
  18. ウイルス感染症を治療する方法であって、
    ある種のウイルスに感染している少なくとも第1の患者から、ある量の少なくとも1つの血液産物を得る工程と;
    少なくとも第1の患者から得られる血液産物の少なくとも1つを、同じ種類のウイルスを有する少なくとも第2の患者に投与する工程と
    を含み、少なくとも第1の患者から得られる少なくとも1つの血液産物を、同じ種類のウイルスを有する少なくとも第2の患者に投与する工程が、治療上有効量の1種若しくは複数種の免疫グロブリン及び/又は各免疫グロブリンに対応する1種若しくは複数種の可溶性受容体を投与する工程を含み、治療上有効量の1種若しくは複数種の免疫グロブリン及び/又は各免疫グロブリンに対応する1種若しくは複数種の可溶性受容体を投与する工程が、少なくとも第2の患者の体液性免疫系の再構成を可能にして、ウイルスを処置する工程を含む、方法。
  19. 治療上有効量の1つ若しくは複数の免疫グロブリン及び/又は各免疫グロブリンに対応する1つ若しくは複数の可溶性受容体が、治療上有効量の抗ウイルス特異的免疫グロブリンを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 少なくとも第2の患者の体液性免疫系の再構成を可能にする工程が、遊離ウイルス及び/若しくはウイルス感染細胞を中和且つ/若しくは破壊する工程、並びに/又はウイルスの進行を緩和する工程を含む、請求項18に記載の方法。
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