JP2023536427A - 急性呼吸器障害の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、急性呼吸器障害の治療、安定化、または重篤度または進行の軽減方法を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月24日に出願された、「METHODS OF TREATING ACUTE RESPIRATORY DISORDERS」という発明の名称の、米国仮出願第63/056,348号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、急性呼吸器障害の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。
2019年12月に、中国・湖北省の省都である武漢は、未知の原因の肺炎の流行の中心地となった。2020年1月までに、科学者らは、新規のコロナウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2;以前は2019-nCoVとして知られていた)を、ウイルス感染肺炎を有する患者から単離し(Phelan,et al.JAMA Cardiol.2020,E1-E2;Gorbalenya,et al.Nature Microbiology 2020,5,536-544を参照されたい)、これは後に、世界保健機関により、2020年2月に、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)と名付けられた(WHO 2020)。米国食品医薬品局(FDA)は、何名かの患者に対して緊急使用許可(EUA)を与えたものの、SARS-CoV-2と関連する疾患の治療または予防に対して、FDAが認可した治療法またはワクチンは現在存在しない。
本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2と関連する呼吸器疾患または障害の治療方法を提供する。いくつかのこのような実施形態では、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害はCOVID-19である。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(「MAP-キナーゼ活性化プロテインキナーゼ2」、「MAPKAPK2」、もしくは「MK2」としても知られている)、またはこれらの変異体の活性を阻害することを含む、上記方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、MK2、またはその変異体の活性を阻害するのに効果的な量である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、MK2、またはその変異体の活性を阻害するのに効果的な量で、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行を軽減するための、MK2、またはその変異体の活性の阻害剤の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、有効量の式Iの化合物
Figure 2023536427000002
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供し、式中、
環Aはフェニル、1~3個の窒素原子を有する5~6員の単環式ヘテロアリール環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環であり、
Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状の1~3員炭化水素鎖であって、上記炭化水素鎖がオキソまたは-ORで場合により置換されている、上記炭化水素鎖から選択される二価の部分であり、
各Rは独立して、水素、または場合により置換されているC1-6脂肪族であるか、あるいは、
同一窒素上の2個のR基は、窒素と共に、窒素、酸素、または硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環を形成し、
は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族であり、
は、-Rまたは-(CHであり、
pは0、1、2、または3であり、
は、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-SR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-C(O)R、-N(R)C(O)R、-SON(R)、または-N(R)SOであり、
は、ハロゲン、-CN、-SR、-S(O)R、-SO、-OSO、-OC(O)R、または-OP(O)ORであり、
各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、または場合により置換されているフェニルから独立して選択され、
は、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyであり、
各Rは独立して、水素、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
各Rは独立して、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
m及びnのそれぞれは独立して0~4であり、かつ
各Cyは独立して、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式炭素環式環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式複素環式環から選択される、場合により置換されている環である。
化合物I-82で、及びこれなしで24時間リポ多糖体(LPS)刺激した後の、末梢血単核球細胞(PMBC)中での、TNF-αの用量依存性阻害を示す棒グラフである。 化合物I-82(μM)で、及びこれなしで3日間、ブドウ球菌外毒素 ブドウ球菌エンテロトキシン-B(SEB)/インターロイキン-2(IL-2)治療を行った後の、PMBC中での、TNF-αの用量依存性阻害を示す棒グラフである。 23時間のLPS刺激後の単球におけるTNF-αの用量依存的阻害を示す棒グラフである(化合物I-82はμMである)。 3または23時間のLPS刺激後の、4時間または24時間の、化合物I-82(μM)での治療後の、単球及び大赤血球中での、TNF-αの用量依存性阻害を示す棒グラフである。 4時間または24時間の、化合物I-82(μM)での治療後の、及び、3または23時間のLPS刺激後の、単球及び大赤血球中での、IL-6の用量依存性阻害を示す棒グラフである。 4時間または24時間の、化合物I-82(μM)での治療後の、及び、3または23時間のLPS刺激後の、単球及び大赤血球中での、IL-1βの用量依存性阻害を示す棒グラフである。 MCP-1の、化合物I-82による遺伝子発現の阻害を示す。 IL-6の、化合物I-82による遺伝子発現の阻害を示す。 IL-1βの、化合物I-82による遺伝子発現の阻害を示す。 TNF-αの、化合物I-82による遺伝子発現の阻害を示す。 GM-CSFの、化合物I-82による遺伝子発現の阻害を示す。 化合物I-82が、ZFP36(TTP)の遺伝子発現を阻害しないことを示す棒グラフである。 健常なボランティアにおける、複数回漸増用量研究での、化合物I-82の用量依存性標的関与を表す線グラフである。実線は、積極的治療を受けた対象における、平均の標的関与を示す。点線(…●…)は、プラセーボを投与された対象における、平均標的関与を表す。 健常なボランティアにおける、複数回の漸増用量研究での、エキソビボLPS刺激後のTNF-αの阻害を表す線グラフである。実線は、積極的治療を受けた対象における、平均TNF-α阻害を表す。点線(…●…)は、プラセーボを投与された対象における、平均TNF-α阻害を表す。 健常なボランティアにおける、複数回漸増用量研究での、プラセーボ(点線)、または150mgの化合物I-82(実線)を投与された対象における、エキソビボLPS刺激後のIL-6の阻害を表す線グラフである。個別レベルのデータを表す。 健常なボランティアにおける、複数回漸増用量研究での、プラセーボ(点線)、または150mgの化合物I-82(実線)を投与された対象における、エキソビボLPS刺激後のMIP-1Aの阻害を表す線グラフである。個別レベルのデータを表す。 健常なボランティアにおける、複数回漸増用量研究での、プラセーボ(点線)、または150mgの化合物I-82(実線)を投与された対象における、エキソビボLPS刺激後のMIP-1Bの阻害を表す線グラフである。個別レベルのデータを表す。
定義
本明細書で提供する化合物は、上記で一般的に記載されたものを含み、本明細書に開示されたクラス、サブクラス、及び種によってさらに例示される。本明細書中使用される場合、別途記載がない限り、以下の定義を適用するものとする。本開示の目的に関して、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Edにしたがって同定する。さらに、有機化学の一般原則は“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito: 1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.: Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York: 2001に記載され、これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書で使用する場合、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和している、もしくは1つ以上の不飽和単位を含む、直鎖状(すなわち、非分岐状)もしくは分岐状、置換もしくは非置換の炭化水素鎖か、または、完全に飽和している、もしくは1つ以上の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく(本明細書では「炭素環」、「炭素環式」、「脂環式」、または「シクロアルキル」ともいう)、分子の残部への結合点を1つ有する、単環式炭化水素もしくは二環式炭化水素を意味する。特に明記しない限り、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~5個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1~3個の脂肪族炭素原子を含有し、なおも他の実施形態では、脂肪族基は、1~2個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、「炭素環式」(または、「脂環式」、「炭素環」、もしくは「シクロアルキル」)とは、完全に飽和している、または1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく、分子の残部への結合点を1つ有する、単環式C-C炭化水素を意味する。好適な脂肪族基としては、直鎖状または分岐状、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基、及びそれらのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「架橋二環式」という用語は、任意の二環式系、即ち、少なくとも1つの架橋を有する、炭素環式または複素環式の、飽和または部分的に不飽和のを意味する。IUPACにより定義されているように、「架橋」とは、2つのブリッジヘッドを接続する、原子の非分岐状鎖、または原子、または価結合であり、「ブリッジヘッド」とは、3つ以上の骨格原子(水素を除く)に結合する、環系の任意の骨格原子である。いくつかの実施形態では、架橋二環式基は、7~12個の環員、及び、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する。このような架橋二環式基は当該技術分野において周知であり、各基が、任意の置換可能な炭素または窒素原子において、分子の残部に結合している、以下で説明する基が挙げられる。特に断らない限り、架橋二環式基は、脂肪族基に関して説明する1つ以上の置換基で、場合により置換されている。さらに、またはあるいは、架橋二環式基の任意の置換可能な窒素は、場合により置換されている。例示的な架橋二環式基としては、以下が挙げられる:
Figure 2023536427000003
用語「ヘテロ原子」とは、(窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;複素環の置換可能窒素、例えばN(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、またはNR(N置換ピロリジニルにおけるような)を含む)酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素の1つ以上を意味する。
「不飽和」という用語は、本発明で使用する場合、部分が1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「二価のC1-8(またはC1-6)飽和または不飽和、直鎖状または分岐状の炭化水素鎖」とは、本明細書に定義する直鎖状又は分岐状の二価アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレン鎖を意味する。
用語「アルキレン」とは、二価のアルキル基を意味する。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、-(CH-であり、式中、nは正の整数、好ましくは、1~6、1~4、1~3、1~2、または2~3である。置換アルキレン鎖とは、1つ以上のメチレン水素原子が置換基により置き換えられたポリメチレン基である。好適な置換基としては、置換脂肪族基として以下に記載するものが挙げられる。
「アルケニレン」という用語は、二価のアルケニル基を意味する。置換アルケニレン鎖とは、1つ以上の水素原子が置換基により置き換えられた少なくとも1つの二重結合を含むポリメチレン基である。好適な置換基としては、置換脂肪族基として以下に記載するものが挙げられる。
本発明で使用する場合、「シクロプロピレニル」という用語は、以下の構造
Figure 2023536427000004
を有する二価のシクロプロピル基を意味する。
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
単独で用いられる、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるような、より大きな部分の一部として用いられる用語「アリール」とは、合計5~14環員を有する単環式または二環式系を意味し、ここで、系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ系内の各環は3~7環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と同義に使用され得る。本開示の特定の実施形態では、「アリール」とは、芳香環系を意味し、例示的な基としては、1つ以上の置換基を有することができる、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどが挙げられる。本明細書で使用する「アリール」という用語の範囲には、芳香環が、1つ以上の非芳香環、例えばインダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどと縮合した基もまた含まれる。
単独で使用される、または、例えば「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」といった、より大きな部分の一部として使用される、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラ-(heteroar-)」という用語は、5~10個の環原子、好ましくは5、6、または9個の環原子を有し、環状配列で共有された6、10または14個のπ電子を有し、かつ、炭素原子に加え、1~5個のヘテロ原子を有する基を意味する。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を意味し、あらゆる酸化型の窒素または硫黄、及びあらゆる四級化型の塩基性窒素を含む。例示的なヘテロアリール基としては、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが挙げられる。本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラ」という用語には、ヘテロ芳香族環が1つ以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香族環上にある基も含まれる。例示的な基としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式であっても二環式であってもよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素環式芳香族化合物」という用語と同じ意味で用いられてよく、これらの用語は全て、任意に置換された環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールにより置換されたアルキル基を意味し、アルキル及びヘテロアリール部分は独立して、任意に置換されている。
本明細書で使用する場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、及び「複素環式環」という用語は同じ意味で用いられ、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、上記で定義したヘテロ原子を1つ以上、例えば1~4個有する、安定な5~7員の単環式または7~10員の二環式の複素環式部分を意味する。複素環の環原子に関して使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環において、窒素はN(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、またはNR(N置換ピロリジニルにおけるような)であってよい。
複素環式環は、安定構造をもたらすように任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合していてよく、環原子のうちのいずれも、場合により置換されていてよい。このような飽和または部分的に不飽和の複素環式ラジカルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「ヘテロシクリル部分」、及び「複素環式ラジカル」という用語は、本明細書では同じ意味で用いられ、ヘテロシクリル環が、1つ以上のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上に存在する基、例えば、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニル基、またはテトラヒドロキノリニルもまた含まれる。ヘテロシクリル基は単環式または二環式であってよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルにより置換されたアルキル基を意味し、アルキル及びヘテロシクリル部分は独立して、任意に置換されている。
本明細書で使用される場合、「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分に関するものである。「部分的に不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されるが、本明細書で定義されるアリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。
本明細書に記載するように、本開示の化合物は、「場合により置換されている」部分を含み得る。一般に、「置換(されている)」という用語は、「場合により」という用語が先行するか否かにかかわらず、指定部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されていることを意味する。「置換(されている)」とは、構造から明示的、または暗示的である、1つ以上の水素に適用される(例えば、
Figure 2023536427000005
は、少なくとも
Figure 2023536427000006
を意味し、
Figure 2023536427000007
は、少なくとも
Figure 2023536427000008
を意味する)。特に明記しない限り、「場合により置換されている」基は、その基の置換可能な各位置において好適な置換基を有することができ、任意の所与の構造において1つより多くの位置が、特定の群から選択される1つより多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、全ての位置において同じであっても異なっていてもよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される「安定」という用語は、化合物の生成、検出、ならびに、特定の実施形態では、その回収、精製、及び本開示で提供される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に供したとき、実質的に変化しない化合物に関するものである。
「場合により置換されている」基の、置換可能な炭素原子における好適な一価の置換基は独立して、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°;-O(CH0-4R°、-O-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4CH(OR°);-(CH0-4SR°;R°で置換されてもよい-(CH0-4Ph;R°で置換されてもよい-(CH0-4O(CH0-1Ph;R°で置換されてもよい-CH=CHPh;R°で置換されてもよい-(CH0-4O(CH0-1-ピリジル;-NO;-CN;-N;-(CH0-4N(R°);-(CH0-4N(R°)C(O)R°;-N(R°)C(S)R°;-(CH0-4N(R°)C(O)NR°;-N(R°)C(S)NR°;-(CH0-4N(R°)C(O)OR°;-N(R°)N(R°)C(O)R°;-N(R°)N(R°)C(O)NR°;-N(R°)N(R°)C(O)OR°;-(CH0-4C(O)R°;-C(S)R°;-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4C(O)SR°;-(CH0-4C(O)OSiR°;-(CH0-4OC(O)R°;-OC(O)(CH0-4SR°;-(CH0-4SC(O)R°-(CH0-4C(O)NR°;-C(S)NR°;-C(S)SR°;-SC(S)SR°、-(CH0-4OC(O)NR°;-C(O)N(OR°)R°;-C(O)C(O)R°;-C(O)CHC(O)R°;-C(NOR°)R°;-(CH0-4SSR°;
-(CH0-4S(O)R°;-(CH0-4S(O)OR°;-(CH0-4OS(O)R°;-S(O)NR°;-(CH0-4S(O)R°;-N(R°)S(O)°NR;-N(R°)S(O)R°;-N(OR°)R°;-C(NH)NR°;-P(O)R°;-P(O)R°;-OP(O)R°;-OP(O)(OR°);SiR°;-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)O-N(R°);または、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)O-N(R°)であり、各R°は、以下で定義するように置換されることができ、独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは、上述の定義に拘わらず、独立して存在する2つのR°は、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成し、これらは、以下で定義するように置換されていてよい。
R°(または、間に入っている原子と共に、2つの独立したR°の存在により形成される環)上の好適な一価の置換基は、独立してハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR -(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先に付く箇所では、1つ以上のハロゲンによってのみ置換されており、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、=O及び=Sが挙げられる。
「場合により置換されている」基の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、以下が挙げられる:=O(「オキソ」)、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2-3O-、または-S(C(R ))2-3S-(式中、Rの各独立した存在は、水素、以下で定義するように置換されてよいC1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される)。「場合により置換されている」基の置換可能な近接炭素に結合する好適な二価置換基は、以下が挙げられる:-O(CR 2-3O-(式中、R*の独立した各存在は、水素、下記に定義するように置換されてよいC1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立的に選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換5~6員の飽和、部分的に不飽和、もしくはアリール環から選択される)。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOであり、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は1以上のハロゲンのみで置換されており、かつ、独立的にC1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立的に選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和、部分的に不飽和、もしくはアリール環である。
「場合により置換されている」基の置換可能な窒素上にある好適な置換基としては、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、または-N(R)S(O)が挙げられ、式中、各Rは独立して水素、以下で定義するように置換されてよいC1-6脂肪族、非置換-OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは、上述の定義に拘わらず、Rの独立した2つの存在は、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換の3~12員の飽和、部分不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOであり、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は1以上のハロゲンのみで置換されており、かつ、独立的にC1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立的に選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和、部分的に不飽和、もしくはアリール環である。
パラメーター、量、時間的期間などの、測定可能な値を言及する際に本明細書で使用する、「約」という用語は、明記した値の、または明記した値からの、±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、及び、さらにより好ましくは±0.1%以下の変化を、そのような変化が、開示した開示を実施するのに適切である限りにおいて、含むことを意味する。一例として、「約」という用語が、特定の日数と組み合わせて使用される場合、その日数は、当該明記した日数±1日を含む。例えば、「約6日」とは、5~7の任意の日数を含む。修飾語「約」が指す値そのものも、具体的に、及び好ましくは開示されることもまた理解されるべきである。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、妥当な医学的判断の正常な範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答などを起こさずに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適するとともに、合理的な利益/リスク比と釣り合う塩を指す。「薬学的に許容される塩」は、当該技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれているJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19に薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本開示の化合物の薬学的に許容される塩としては、好適な無機及び有機酸及び塩基から誘導されるようなものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸のような無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸のような有機酸と形成されるか、あるいは、イオン交換のように、当該技術分野において用いられている他の方法を用いることによって形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(Cアルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。さらに薬学的に許容される塩としては、適切な場合には、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、及び対イオンを用いて形成されたアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩が挙げられる。本明細書で使用する場合、「治療に有効な量」は、所望の生物学的応答を誘発する物質(例えば、治療剤、組成物、及び/または製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態では、物質の治療に有効な量は、疾患、障害、及び/または状態に罹患しているまたは罹患しやすい対象に投与レジメンの一部として投与された場合に、疾患、障害、及び/または状態を治療する、診断する、予防する、及び/またはその発症を遅延するのに十分な量である。当業者によって理解されるように、物質の有効量は、所望の生物学的評価項目、送達される物質、標的の細胞または組織などのような因子に応じて変動し得る。例えば、疾患、障害、及び/または状態を処置するための製剤中の化合物の有効量は、疾患、障害、及び/または状態の1つまたは複数の症状または特徴を、緩和する、改善する、軽減する、阻害する、防止する、その発症を遅延する、その重篤度を低下させる及び/またはその発生率を低下させる量である。いくつかの実施形態では、「治療に有効な量」とは、MK2と関連する疾患または状態の1つ以上の症状を治療するのに十分な、少なくとも、化合物、または、化合物を含有する組成物の最小量である。
特に明記しない限り、本明細書で記述した構造はまた、全ての構造異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び幾何異性体(または配座異性体))、例えば、各不斉中心に対するR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、ならびにZ及びE配座異性体を含むことを意図している。それゆえ、本化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(または立体配座)混合物は、本開示の範囲内である。特に明記しない限り、本明細書に存在するすべての互変異性形態の化合物は、本開示の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下だけが異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置き換え、または13Cもしくは14C富化炭素による炭素の置き換えを含む、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば分析ツールとして、バイオアッセイでのプローブとして、または本発明における治療剤として有用である。特定の実施形態では、提供される化合物の弾頭部分である、環A(R)(R)は、1つ以上の重水素原子を含む。
本開示によって想定される置換基及び変数の組み合わせは、安定した化合物の形成をもたらすもののみである。本明細書で使用する場合、「安定した」という用語は、製造を可能にする十分な安定性を有し、及び、本明細書で詳述する目的(例えば、対象への治療または予防投与)に有用な十分な期間、化合物の完全性を維持する化合物を意味する。
本明細書の変数の任意の定義の中の化学基のリストの列挙は、任意の単一の基または列挙した基の組み合わせとしてその変数の定義を含む。本明細書の変数についての実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその一部と組み合わせてその実施形態を含む。
本明細書で使用されるとき、「生物学的試料」という用語には、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物から得た生検材料またはその抽出物、及び血液、唾液、尿、糞便、***、涙、または他の体液もしくはその抽出物が含まれるが、これらに限定されない。生物学的試料における、プロテインキナーゼ、例えば、MK2またはその変異体の活性の阻害は、当業者に知られている様々な目的に対して有用である。このような目的の例としては、輸血、臓器移植、生物学的標本の保管、及びバイオアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は哺乳類を意味し、ヒト及び動物対象、例えば家畜(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)を含む。「対象」という用語は、「患者」と同じ意味で用いられる場合があることが理解されよう。
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、それらが配合される化合物の薬理活性を消失させない無毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを意味する。本開示の組成物に使用してもよい薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとしては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、硫酸プロタミンなどの飽和植物脂肪酸、水、塩または電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。単一剤形で組成物を作製するために担体材料と組み合わされ得る本開示の化合物の量は、治療される宿主、特定の投与方法などに応じて変化する。提供される組成物は、阻害剤の、0.01~約100mg/kg、または約0.1mg/kg~約50mg/kg、及び好ましくは、約1mg/kg~約25mg/kgの、対象の体重/日の用量を、これらの組成物を受けて所望の治療効果を得る患者に投与することができるように製剤化されるのが好ましい。組成物中での本開示の化合物の量は、組成物中の特定の化合物によってもまた変化するであろう。
本明細書で使用する場合、「治療に有効な量」は、所望の生物学的応答を誘発する物質(例えば、治療剤、組成物、及び/または製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態では、物質の治療に有効な量は、疾患、障害、及び/または状態に罹患しているまたは罹患しやすい対象に投与レジメンの一部として投与された場合に、疾患、障害、及び/または状態を治療する、診断する、予防する、及び/またはその発症を遅延するのに十分な量である。当業者によって理解されるように、物質の有効量は、所望の生物学的評価項目、送達される物質、標的の細胞または組織などのような因子に応じて変動し得る。例えば、疾患、障害、及び/または状態を処置するための製剤中の、提供される化合物の有効量は、疾患、障害、及び/または状態の1つまたは複数の症状または特徴を、緩和する、改善する、軽減する、阻害する、防止する、その発症を遅延する、その重篤度を低下させる及び/またはその発生率を低下させる量である。いくつかの実施形態では、「治療に有効な量」とは、MK2が媒介する疾患または障害の1つ以上の症状を治療するのに十分な、少なくとも、提供される化合物、または、提供される化合物を含有する組成物の最小量である。
本明細書で使用する場合、「治療する」、または「治療すること」という用語は、障害もしくは状態を、または、当該障害もしくは状態の1つ以上の症状を、部分的にまたは完全に緩和する、阻害する、これらの開始を遅らせる、予防する、軽減する、及び/または和らげることを意味する。いくつかの実施形態では、1つ以上の症状が進行した後に治療を行ってよい。いくつかの実施形態では、「治療すること」という用語は、疾患または障害の進行の予防または停止を含む。他の実施形態では、症状がなくても治療を行うことができる。例えば、症状の開始前に(例えば症状の経歴を考慮して、及び/または遺伝もしくは他の感受性因子を考慮して)、感染しやすい人に対して治療を行ってよい。症状が回復した後に、例えばそれらの再発を予防するまたは遅らせるために、治療を続けてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、「治療すること」という用語は、疾患または障害のぶり返しまたは再発を予防することを含む。
本明細書で使用する場合、「単位剤形」という表現は、治療される対象に適切な、提供される化合物、及び/またはその組成物の、物理的に個別の単位を意味する。ただし、活性剤(即ち、本開示の化合物及び組成物)の一日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうことが理解されるであろう。特定の対象(即ち、患者)または生物についての具体的な有効用量レベルは、その対象または生物が何であっても、様々な要因に依存する可能性があり、そのような要因として、治療される障害及び障害の重篤度;使用される具体的な活性剤の活性;使用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全体的な健康、性別、及び食事;投与の時間、投与経路;使用される具体的な活性剤の***速度;治療期間;及び医療分野で周知の同様な要因が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「阻害剤」という用語は、測定可能な親和性を有して、標的タンパク質MK2に結合する、及び/または、これを阻害する化合物として定義される。特定の実施形態では、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、または約10nM未満の、IC50及び/または結合定数を有する。
本明細書で使用する場合、「測定可能な親和性」、及び、「測定可能に阻害する」という用語は、本開示の化合物、またはその組成物と、MK2を含む試料と、上記化合物、またはその組成物が存在しないMK2を含む等価な試料との間の、MK2活性の測定可能な変化を意味する。
本明細書で使用する場合、「不可逆の」、または「不可逆的に阻害する」という用語は、実質的に不可逆的な様式でキナーゼに共有結合することが可能な阻害剤(即ち、化合物)を意味する。したがって、可逆的な阻害剤は、キナーゼに結合することができ(しかし、一般的にはキナーゼと共有結合を形成することができない)、及び、それ故に、キナーゼから解離することができるものの、不可逆的な阻害剤は、共有結合形成が生じると、キナーゼに実質的に結合したままとなるであろう。不可逆的な阻害剤は通常、時間依存性を示し、これにより、阻害剤が酵素と接触している時間に伴って、阻害の程度が増加する。特定の実施形態では、不可逆的な阻害剤は、共有結合形成が生じると、キナーゼに実質的に結合したままとなり、タンパク質の寿命よりも長い期間、結合したままとなるであろう。
化合物が不可逆的な阻害剤として作用するか否かを同定する方法は、当業者に既知である。このような方法としては、化合物の、キナーゼとの阻害プロファイルの酵素動態解析、阻害剤化合物の存在下にて修飾されたタンパク質薬剤標的における質量分析の使用、「ウォッシュアウト」実験としても知られている不連続の曝露、放射線標識した阻害剤などのラベリングを用いて、酵素の共有修飾を示すこと、加えて、当業者に既知の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
MK2
MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(「MK2」)は、ヒトMAPKAPK2遺伝子によりコードされた酵素である。MK2酵素は、p38 MAPキナーゼによる直接リン酸化反応によって制御される、セリン/トレオニン(Ser/Thr)プロテインキナーゼである。
MK2は、N末端プロリンリッチドメイン、触媒ドメイン、自己疎外ドメイン、ならびに、C末端における核外搬出シグナル(NES)及び核局在化シグナル(NLS)からなるマルチドメインタンパク質である。ヒトMK2の2つのアイソフォームが特性決定されている。一方のアイソフォームは、400個のアミノ酸で構成され、他方のアイソフォームは370個の残基で構成される。理論に束縛されるものではないが、同じmRNAの代替翻訳が、MK2の異なるアイソフォームをもたらすという証拠が存在する。例えば、Trulleyらは、mRNAの5’UTRに位置する、代替のCUG翻訳開始始動部位により、一方のアイソフォームがもたらされることを報告している。Cell Rep.2019 Jun 4;27(10):2859-2870.e6。
MK2は、ストレス及び炎症反応、核外搬出、遺伝子発現制御、ならびに細胞増殖を含む、多くの細胞プロセスに関与することが知られている。実際、MK2は、転写後メカニズムにより、関節リウマチ及び炎症性腸疾患などの炎症性疾患にて過剰生産される、腫瘍壊死因子α(TNF-α)の生合成を制御する。Natesan et al.,J.Med.Chem.2012,55,2035-2047を参照されたい。
MK2阻害剤は、熱ショックタンパク質27(Hsp27)のリン酸化を防止、またはブロックする。Hsp27リン酸化の阻害は、p38キナーゼ-MK2-Hsp27シグナル伝達複合体の形成を阻害することにより生じる。Hsp27のリン酸化は、細胞外刺激に応答して生じる、複雑なシグナル伝達カスケードにおける、最後から2番目の事象である。Zheng et al.,The Journal of Biological Chemistry,vol.281,no.48,37215-37226,December 1,2006を参照されたい。Hsp27は通常、オリゴマーとして存在し、デスレセプターが媒介するアポトーシスの阻害、分子シャペロンとして作用することによる、編成したタンパク質の適切なリフォールディングの促進、及び、細胞骨格の制御などの、多くの細胞機能の制御において役割を果たす。MK2が存在することは、細胞内での、p38キナーゼ-MK2-Hsp27シグナル伝達複合体の形成に必要な条件である。Zheng et al.,The Journal of Biological Chemistry,vol.281,no.48,37215-37226,December 1,2006を参照されたい。
多くのシグナル伝達タンパク質が多量体の複合体を形成することを、証拠は示唆している。Zheng et al.,The Journal of Biological Chemistry,vol.281,no.48,37215-37226,December 1,2006を参照されたい。そのような一複合体は、Hsp27/Akt(セリン/トレオニンキナーゼ)二量体であり、細胞の細胞質を形成する。MK2とp38との間で、別の複合体が形成される。Ben-Levy et al.,Current Biology 1998,8:1049-1057;Natesan et al.,J.Med.Chem.2012,55,2035-2047;Zheng et al.,The Journal of Biological Chemistry,vol.281,no.48,37215-37226,December 1,2006を参照されたい。
刺激されていない状態において、不活性のp38、及び非リン酸化MK2は、細胞の核内でそのような二量体を形成する。活性化の際に、p38はMK2をリン酸化し、これにより、MK2の自己阻害ドメインのコンフォーメーション変化を誘発し、基質結合のための活性部位を露出させる。MK2がリン酸化されると、p38-MK2二量体は細胞質に移動し、ここで、Hsp27-Akt二量体と四価の複合体を形成する。Zheng et al.,The Journal of Biological Chemistry,vol.281,no.48,37215-37226,December 1,2006を参照されたい。その後、Hsp27はMK2によりリン酸化され、四価の複合体の分解、ならびに、p-Hsp27モノマー及び二量体の放出をもたらす。MK2の阻害は、Hsp27のリン酸化をブロックするため、理論に束縛されるものではないが、MK2の阻害が、p38-MK2-Akt-Hsp27の四価複合体の分解を防止し、これによって下流効果が変わると考えられている。四価複合体の分解が阻害される結果、四価複合体の量は増加する。さらに、細胞質と核の間での、p38とMK2の平衡状態が、細胞質の側に移動する。
興味深いことに、活性部位変異体のAsp207Alaは依然として、細胞質に輸送されるため、MK2/p38複合体の核からの輸送には、触媒的に活性なMK2を必要としない。残基T222、S272、及びT334での、p38におけるヒトMK2のリン酸化は、自己阻害ドメインのコンフォーメーション変化を誘発することで、基質結合のために活性部位を露出させることにより、酵素を活性化すると考えられている。マウスMK2における、2つの自己阻害ドメイン残基W332A及びK326Eの変異は、基礎活性の増加を示し、自己阻害ドメインのC末端をなくすことにより、酵素が恒常的な活性が付与され、これが、MK2活性の阻害における、このドメインの役割にさらなる証拠をもたらす。
COVID-19
COVID-19は、コロナウイルスSARS-CoV-2の感染により引き起こされる急性呼吸器疾患である。SARS-CoV-2感染症の特徴は、患者の大部分は、比較的穏やかな症状を経験するにもかかわらず、小さな集団で、骨髄細胞により駆動される過剰炎症反応を特徴とする、命を脅かす疾患が進行し、命を脅かす低酸素症、及び、死亡の主な原因である、深刻な急性呼吸促迫症候群(ARDS)をもたらすということである。Huang,et al.Lancet 2020,395,497-506;Guan,et al.N.Engl. J..Med.2020,382,1708-1720を参照されたい。このような炎症反応は、症状の初期出現から7~10日後に発生し、実質的な換気補助(数時間にわたる)を速やかに必要とする、良性の初期呼吸性酸素依存として示され得る。ARDSは、年齢が高い男性患者、ならびに、以前から存在する共存症、特に、心臓血管及び脳血管疾患及び糖尿病を有する患者においてより一般的である。ARDSは患者の3~30%で発生し、患者の6~20%において、ICU入院及び換気補助を必要とするほどには深刻である。患者に挿管が必要となると、死亡率は最大50%となる可能性がある。SARS-CoV-2疾患(例えば、COVID-19)において、肺の病状が、同様の骨髄細胞炎症性細胞浸潤に起因してきた。3名の穏やかな疾患、及び、3名の深刻な疾患を含む、6名の患者における、気管支肺胞洗浄(BAL)のシングルセルRNA配列決定による細胞分析によって、異常な単核細胞により誘導されるマクロファージ細胞浸潤の著しい増加が示された。Lao,et al.Nature Medicine 2020,26,842-844。41名の患者における患者血漿を分析すると、健常対照と比較して、SARS-CoV-2患者において、IL-1β、IL-1Rα、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、塩基性FGF(bFGF)、GCSF、GM-CSF、IFNγ、IP10、MCP1、MIP1A、MIP1B、PDGF、TNF-α、及びVEGFのレベルの増加が示される。Huang,et al.Lancet 2020,395,497-506。さらに、ICUに入院したSARS-CoV-2患者は、非ICU患者よりも、高い血漿レベルのIL-2、IL-7、IL-10、GMCSF、IL-6、IP10、MCP1、MIP1A、及びTNF-αを示した。Huang,et al.Lancet 2020,395,497-506。
残念ながら、COVID-19の病因は依然としてはっきりしておらず、現在、FDAが認可した治療法は存在しない。したがって、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)と関連する症状の重篤度を軽減し、集団におけるコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)の感染の発生を減少させ、及び/または、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に感染しやすい、もしくは感染した患者における、総体的な臨床的アウトカムを改善する治療法の、満たされていない必要性が存在する。
いくつかの実施形態では、本開示は、MK2またはその変異体の活性を阻害することが、SARS-CoV-2と関連する呼吸器疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療において有用であるという認識を提供する。
COVID-19におけるMK2の役割
COVID-19の特徴の1つは、「サイトカインストーム」、及び、それによりもたらされる過剰炎症状態であり、COVID-19の重篤度に寄与する。複数の研究において、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1を含む、サイトカイン及びケモカインの全身及び局所増加が、COVID-19を有する患者において報告されている。Skevaki,et al.Journal of Infection 2020 Jun 21;S0163-4453(20)30420-5;Hoiland,Br. J.Haemetol.2020;10.1111/bjh.16961を参照されたい。特に、IL-6及びIL-10が、疾患の重篤度を予測することが発見されている。Han,Emerging Microbes & Infections 2020,9(1):1123-1130を参照されたい。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、サイトカインストームの阻害が、COVID-19の治療において有益であり得る。
細胞外ストレスシグナルにより活性化されたとき、トリステトラプロリン(TTP)のMK2リン酸化は、炎症性サイトカイン及びケモカインmRNAの安定化をもたらし、それらの産生の増加をもたらす。MK2活性が阻害されたとき、サイトカイン及びケモカインmRNAが不安定化し、それらの産生の減少がもたらされる。実際、MK2ノックアウト動物は、敗血症及び肺外傷を含む、様々な炎症モデルにおいて保護されている。Kotlyarov,et al.Nature Cell Biology 1999,1,94-97;Wu,et al.Am.J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.2018,315,L371-L381を参照されたい。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、MK2の阻害は、インビトロ及び/またはインビボでサイトカイン及びケモカインの産生を阻害することが示されており、MK2阻害剤は、重篤なCOVID-19に関連するサイトカインストーム、過剰炎症、及び組織損傷の潜在的な治療を示している。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、その抗炎症効果に加えて、MK2阻害は、SARS-CoV2の直接細胞変性効果及び/または、ウイルスのライフサイクルの両方を制御し得、COVID-19の治療において、MK2阻害剤の効果の可能性を拡げている。上述のように、MK2は、SARSを引き起こすコロナウイルスである、SARS-CoV感染症により活性化されることが示されている、p38経路の構成要素であり、SARS-CoV-2と非常に関連している。Wang,et al.Eur.J.Microbiol.Infect.Dis.2020,in press;Kopecky-Bromberg,et al.Journal of Virology 2006,80,785-793;Mizutani,et al.Biochem.及びBiophys.Res.Comm.2004,319,1228-1234;Fung,et al.Viruses 2016,8,184-199を参照されたい。これらの研究では、SARS-CoV感染症がp38シグナル伝達を引き起こし、MK2、及び、MK2の下流にある標的Hsp27の活性化をもたらし、このことは、MK2が、SARS-CoVに感染した細胞において過剰に活性であることを示している。SARS-CoVに感染した細胞にp38阻害剤を投与すると、MK2活性の直接の下流標的である、Hsp27のリン酸化が阻害された。Mizutani,et al.Biochem.及びBiophys.Res.Comm.2004を参照されたい。Hsp27はMK2の直接の基質であるため、MK2阻害剤を投与することで、p38阻害よりも直接に、Hsp27リン酸化が損なわれる。さらに、SARS-CoVの感染、または、SARS-CoVヌクレオカプシドタンパク質のトランスフェクションが、インビトロ細胞培養モデルにおいて、p38/MK2/Hsp27経路を少なくとも部分的に介して、アポトーシスとアクチン細胞骨格変化の両方を誘発することが報告されている。Padhan,et al.Journal of General Virology 2008,89,1960-1969;Surjit,et al.Biochem. J.2004,383,13-18を参照されたい。さらに、異なるコロナウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)を伴う実験においては、p38阻害剤が、感染細胞内で、ウイルス力価の低下を示した。Dong,et al.Antiviral Research 2020,173,104651を参照されたい。同様に、マウスコロナウイルスであるマウス肝炎ウイルス(MHV)の感染後に、p38経路の活性化もまた示された。Banerjee,et al.Journal of Virology 2002,76,5937-5948を参照されたい。さらに、p38阻害剤は、この系において、炎症性サイトカイン産生とウイルス力価の両方を抑制した。Banerjee,et al.Journal of Virology 2002,76,5937-5948を参照されたい。インフルエンザ株などの、深刻な呼吸器感染を引き起こす他の炎症性ウイルス もまた本経路を活性化する。Borgeling,et al.J.of Biol.Chem.2014,289,13-27を参照されたい。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、これらの結果は、例えば、感染細胞における、アポトーシス/細胞変性の変化、及びウイルス増殖の両方を防止することにより、COVID-19治療におけるMK2阻害に対する潜在的な役割を支える。
SARS-CoV2感染症とCOVID-19疾患の、起こり得る合併症は、肺線維症である。Lechowicz,et al.J.of Clin.Med.2020,9,1917を参照されたい。いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、肺線維症は、直接の細胞変性効果、慢性炎症のいずれか、または両方に対して二次的であり得、肺上皮損傷及び線維芽細胞活性化をもたらすと考えられている。肺線維症のマウスモデルにおいては、MK2の欠失または阻害は、線維芽細胞の侵襲性の低下、及び、肺線維症のマウスモデルにおける、線維芽細胞特異的なMK2欠失が、肺線維症を緩和した。Liang,et al.Am.J.Respir. Cell Mol.Biol.2019,60,41-48を参照されたい。いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、これらの観察結果は、MK2の阻害が、COVID-19により生じる肺線維症を治療、軽減、または予防し得ることを示唆している。
さらに、心臓血管疾患(CVD)を有する患者は、深刻なCOVID-19が進行するリスクが高いようであり、COVID-19における心血管合併症が頻繁である。Lechowicz,et al.J.of Clin.Med.2020,9,1917を参照されたい。CVDを有する患者は、循環アンギオテンシンIIレベルの増加を示し、これは、p38シグナル伝達をトリガーする可能性があり、コロナウイルスのライフサイクルを促進し得る。さらに、いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、心筋細胞の直接感染もまた、p38経路の活性化、炎症、及び細胞変性効果を増加させることが予想されている。さらに、血栓形成促進性の合併症が、COVID-19患者で目立っている。例えば、p38/MK2/Hsp27経路は、血小板活性化において役割を果たすことが示されている。Shi,et al.Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.2017,37,e185-e196;Polanowska-Grabowska,et al.Platelets 2000,11,6-22を参照されたい。いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、MK2阻害は、COVID-19、及び、心血管危険因子または心臓血管/血栓合併症を有する患者において、特に有用であり得ると考えられている。
式Iの化合物
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、本明細書に記載する式を有するもの、またはその薬学的に許容される塩を含み、各変数は、本明細書において定義及び記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物
Figure 2023536427000009
またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
環Aはフェニル、1~3個の窒素原子を有する5~6員の単環式ヘテロアリール環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環であり、
Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状の1~3員炭化水素鎖であって、上記炭化水素鎖がオキソまたは-ORで場合により置換されている、上記炭化水素鎖から選択される二価の部分であり、
各Rは独立して、水素、または場合により置換されているC1-6脂肪族であるか、あるいは、
同じ窒素上の2つのR基は、窒素と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員飽和または部分的に不飽和の複素環を形成し;
は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族であり、
は、-Rまたは-(CHであり、
pは0、1、2、または3であり、
は、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-SR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-C(O)R、-N(R)C(O)R、-SON(R)、または-N(R)SOであり、
は、ハロゲン、-CN、-SR、-S(O)R、-SO、-OSO、-OC(O)R、または-OP(O)ORであり、
各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、または場合により置換されているフェニルから独立して選択され、
は、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyであり、
各Rは独立して、水素、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
各Rは独立して、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
m及びnのそれぞれは独立して0~4であり、かつ
各Cyは独立して、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式炭素環式環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式複素環式環から選択される、場合により置換されている環である。
一般的に上で定義し、全体を通して論じるとおり、各R°は独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、式中、R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR -(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよく、あるいは、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。いくつかのこのような実施形態では、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先に付く箇所では、1つ以上のハロゲンによってのみ置換されており、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される。
一般に上記で定義したように、Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状の1~3員炭化水素鎖であって、上記炭化水素鎖がオキソまたは-ORで場合により置換されている、上記炭化水素鎖から選択される二価の部分であり、式中、各Rは独立して、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは-N(R)-、-O-、または-S-である。いくつかの実施形態では、Tは-NH-である。他の実施形態では、Tは-O-である。他の実施形態では、Tは-S-である。いくつかの実施形態では、Tは-N(R)-であり、式中、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは-N(CH)-である。いくつかのそのような実施形態では、Tは-N(R)-であり、式中、Rは、-(CH0-4N(R°)または-(CH0-4OR°で場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。いくつかの実施形態では、Tは-N(R)-であり、式中、Rは、-(CH0-4N(R°)または-(CH0-4OR°で場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素またはC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは、-N(CHCHN(R°))-または-N(CHCHOR°)-であり、式中、R°は、水素またはC1-6脂肪族である。特定の実施形態では、Tは、下表1に示す化合物に存在するT部分から選択される。
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、二価の3~7員シクロアルキレン、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状1~3員炭化水素鎖から選択される二価の部分であり、式中、炭化水素鎖は、ハロゲン、-R、重水素、オキソ、または-ORで場合により置換されており、式中、各Rは独立して水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは、二価の3~7員シクロアルキレン、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状1~3員炭化水素鎖であり、式中、炭化水素鎖は、ハロゲン、-R、重水素、オキソ、または-ORで場合により置換されており、式中、各Rは独立して水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは、2価の3~7員シクロアルキレンである。いくつかの実施形態では、Tはシクロプロピレンである。いくつかの実施形態では、Tは1,1-シクロプロピレンである。いくつかの実施形態では、Tは、二価の飽和直鎖状または分岐状1~3員炭化水素鎖であり、式中、炭化水素鎖は、ハロゲン、-R、重水素、オキソ、または-ORで場合により置換されており、式中、各Rは独立して水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Tは-CF-、-C(Me)-、または-CD-である。
一般に上記で定義したように、Rは、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
一般に上記で定義したように、Rは、-Rまたは-(CHであり、式中、pは0、1、2、または3であり、Rは、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-SR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-C(O)R、-N(R)C(O)R、-SON(R)、または-N(R)SOである。特定の実施形態では、Rは、-R、-CHOR、または-CHN(R)である。
いくつかの実施形態では、Rは-Rであり、式中、-Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHであり、式中、Rは-ORまたは-N(R)である。特定の実施形態では、Rは-CHOCHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHNHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHNHCHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHN(CHである。特定の実施形態では、Rは-CHOHである。特定の実施形態では、Rは、下表1に示す化合物に存在するR部分から選択される。
一般に上記で定義したように、環Aは、フェニル、または、1~3個の窒素原子を有する5~6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニル、または1~3個の窒素原子を有する5~6員の単環式ヘテロアリール環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aはフェニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、1~3個の窒素原子を有する5~6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環である。
特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは電子吸引基である。当業者は、Rの定義により含まれる特定の部分が電子求引基であることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは、-CN、-NO、ハロゲン、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、または-C(O)-Cyから選択される。いくつかの実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは、-CN、ハロゲン、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、または-C(O)-Cyから選択される。特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyである。特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyである。特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは-CN、-NO、またはハロゲンから選択される。特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは-CNまたはハロゲンから選択される。
いくつかの実施形態では、環Aはフェニルであり、Rは、フェニル環のメタ位に位置し、Rは、フェニル環のオルト位に位置する。いくつかの実施形態では、環Aは
Figure 2023536427000010
であり、式中、Rは上及び本明細書で定義したとおりであり、Rは電子吸引基であり、波線は、環AのTへの結合点を示す。
いくつかの実施形態では、環Aは:
Figure 2023536427000011
であり、式中、Rはハロゲンであり、Rは-CNであり、波線は、環AのTへの結合点を示す。
いくつかの実施形態では、環Aは
Figure 2023536427000012
であり、式中、波線は、環AのTへの結合点を示す。
いくつかの実施形態では、環Aは、1~3個の窒素原子を有する5~6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、1~3個の窒素原子を有する5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、1~3個の窒素原子を有する6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aはピリジルである。いくつかの実施形態では、環Aはピリミジニルである。いくつかの実施形態では、環Aはピリダジニルである。いくつかの実施形態では、環Aはピラジニルである。いくつかの実施形態では、環Aはトリアジニルである。
いくつかの実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する9~10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2~3個のヘテロ原子を有する9~10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは以下から選択される:
Figure 2023536427000013
一般に上記で定義したように、Rは、ハロゲン、-CN、-SR、-S(O)R、-SO、-OSO、-OC(O)R、または-OP(O)ORであり、式中、各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、または場合により置換されているフェニルから独立して選択される。当業者は、Rの定義により含まれる部分が脱離基であることを理解するであろう。脱離基は当該技術分野において周知であり、例えば、Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Ed.,pp.351-357,John Wiley and Sons,N.Y.(1992)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Rはハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rはフルオロである。特定の実施形態では、Rはクロロである。いくつかの実施形態では、Rは-SRまたは-SOである。いくつかの実施形態では、Rは-SRまたは-SOであり、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは-SCHまたは-SOCHである。いくつかの実施形態では、Rは、下表1に示す化合物に存在するR部分から選択される。
一般に上記で定義したように、Rは、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyであり、式中、各m及びnは独立して0、1、2、3、または4であり、各Cyは独立して、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式炭素環式環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式複素環式環から選択される、場合により置換されている環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3~7員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3~7員の飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されているシクロプロピルまたはシクロヘキシル環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5~6員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4~6員の飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個のへテロ原子を有する、場合により置換されている4員の飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員の飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員の飽和複素環式環である。特定の実施形態では、Cyは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択される、場合により置換されている基である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~7員の部分的に不飽和の複素環式環である。いくつかのそのような実施形態では、Cyは、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニルまたは1,2,3,6-テトラヒドロピリジニルである。
いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されているフェニルである。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5~6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されているピリジルである。
いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている7~12員の、飽和または部分的に不飽和の縮合または架橋二環式炭素環式環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7~12員の、飽和または部分的に不飽和の縮合または架橋二環式複素環式環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員の飽和架橋二環式複素環式環である。いくつかのそのような実施形態では、Cyは、(1R,5S)-3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル(即ち、
Figure 2023536427000014
の構造を有する部分)である。
いくつかの実施形態では、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、-(CH0-4N(R°)で場合により置換され、式中、
R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、
はC1-4脂肪族であるか、または
独立して存在する2つのR°は、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から選択される0~1個のヘテロ原子を有する、3~6員環飽和環を形成する。
いくつかの実施形態では、Cyの置換可能な窒素原子は、-(CH0-4で場合により置換され、式中、Rは水素またはC1-6脂肪族である。
いくつかの実施形態では、Cyは
Figure 2023536427000015
であり、式中、各R°はC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Cyは
Figure 2023536427000016
であり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、存在する2つのR°は、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から選択される0~1個のヘテロ原子を有する3~4員環飽和環を形成する。いくつかのそのような実施形態では、Cyは、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル(即ち、
Figure 2023536427000017
の構造を有する部分)である。いくつかの実施形態では、Cyは
Figure 2023536427000018
であり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、存在する2つのR°は、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から選択される0~1個のヘテロ原子を有する3~4員環飽和環を形成する。いくつかのそのような実施形態では、Cyは、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル(即ち、
Figure 2023536427000019
の構造を有する部分)である。
特定の実施形態では、Cyは、以下から選択される:
Figure 2023536427000020
当業者は、Rの定義が、電子求引基(例えば、-CN、-NO、ハロゲンなど)、及び、可溶性基(例えば、-N(R)、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、-(CH-Cyなど)を含むことを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、Rは電子求引基である。他の実施形態では、Rは可溶性基である。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyである。いくつかの実施形態では、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CHN(R)、-(CHOR、-(CH-O-Cy、-(CH-Cy、-(CH0-4N(R°)、または-(CH0-4OR°である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH0-4N(R°)で場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかのそのような実施形態では、R°は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH0-4SOR°、-(CH0-4OR°、または-(CH0-4N(R°)で場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH0-4OR°である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH0-4SOR°である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH0-4N(R°)である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH1-4N(R°)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHN(R°)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHN(R°)、-CHOR°、または、-CHSOR°である。いくつかのそのような実施形態では、R°は、-CN、ハロゲン、または、-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、Rは、C1-4脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOH、-CHOCH、-CHOCHF、-CHOCHCHF、-CHOCHCH、-CHOCDCD、-CHOCHCHF、-CHOCHCHCN、-CHOC(CH、-CHSOCH、-CHNHC(CH、-CHN(CH)C(CH、-CHN(CH)CH(CH、-CHN(CHCH(CH、-CHN(CH)CHCHOCH、または-CHN(CH)CHCHOCHCHである。
いくつかの実施形態では、Rは-(CHN(R)または-(CHORである。いくつかの実施形態では、Rは-(CHN(R)である。いくつかのそのような実施形態では、Rは-CHN(R)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHNHC(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHN(CH)C(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHN(CH)CH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHN(CHCH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHN(CH)CHCHOCHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHN(CH)CHCHOCHCHである。いくつかのそのような実施形態では、Rは-CHORである。いくつかの実施形態では、Rは-CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHOCHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHOCCHCHである。
いくつかの実施形態では、Rは、-(CH-Cyであり、式中、Cyは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、Rは-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5~6員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。
いくつかの実施形態では、Rは-(CH-Cyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7~12員の、飽和または部分的に不飽和の縮合または架橋二環式複素環式環である。
いくつかの実施形態では、Rは-Cyである。いくつかの実施形態では、Rは-Cyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5~6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは-Cyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7~12員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは-Cyであり、式中、Cyは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、Rは、-CHOH、-CHOCH、及び-CHから選択される、場合により置換されているC1-6脂肪族である。
いくつかの実施形態では、Rは-ORであり、式中、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-O(CHOCH、-O(CHN(CH、及び-OCHから選択される。
いくつかの実施形態では、Rは-N(R)であり、式中、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-N(CHである。
特定の実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、NO、-C(O)N(R)、または-C(O)ORである。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、またはNOである。いくつかの実施形態では、Rは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。特定の実施形態では、Rは-C(O)N(R)または-C(O)ORであり、式中、各Rは上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、Rは、-C(O)NH、-C(O)OCHCH、及び-OC(O)CHから選択される。特定の実施形態では、Rは、-C(O)NH、-C(O)OCH、-C(O)OCHCH、及び-OC(O)CHから選択される。
特定の実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-OR、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、R、n、m、及び-Cyのそれぞれは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、各-Cyは独立して、3~7員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環から選択される、場合により置換されている環である。いくつかの実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、各-Cyは、場合により置換されているシクロプロピル環である。
いくつかの実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、各-Cyは独立して、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、4~7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環から選択される、場合により置換されている環である。いくつかの実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、各-Cyは独立して、オキセタニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択される、場合により置換されている環である。いくつかの実施形態では、Rは、-Cy、-(CH-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、または-O-(CH-Cyであり、式中、各-Cyは独立して、オキセタニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択される、場合により置換されている環である。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH-Cy、または、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHCyまたは-CHOR°である。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。いくつかの実施形態では、Rは、-(CH-Cyまたは-(CH)mORである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHCyまたは-CHORである。いくつかの実施形態では、Rは-(CH-Cyであり、式中、Cyは、場合により置換されているピペリジニルである。
一般に上記で定義したように、m及びnのそれぞれは、独立して0~4である。いくつかの実施形態では、mは1~2である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは2である。いくつかの実施形態では、nは1~2である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは2である。
いくつかの実施形態では、Rは、下表1に示す化合物に存在するR部分から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示は、式II、III、IV、V、またはVIのいずれか1つの化合物
Figure 2023536427000021
またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、T、R、及びRのそれぞれは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、本発明は、式VII、VIII、IX、X、XI、またはXIIのいずれか1つの化合物:
Figure 2023536427000022
またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、T、R、R、及び-Cyのそれぞれは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、本発明は、式XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、またはXXIIのいずれか1つの化合物
Figure 2023536427000023
Figure 2023536427000024
またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、T、R、R、R°、及び-Cyのそれぞれは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、本発明は、式XXVまたはXXVIのいずれか1つの化合物を提供する:
Figure 2023536427000025
特定の実施形態では、本発明は、式I~VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、III、またはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、III、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、IV、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、V、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、VIII、IX、X、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、VIII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VIII、X、XI、またはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XXまたはXXIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XVIIまたはXVIIIのいずれかの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XXVまたはXXVIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式I~XXVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式I~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式I~VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式VII~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式II、III、またはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式II、III、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式II、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式III、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式III、IV、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式III、V、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式VII、VIII、IX、X、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式VII、VIII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式VII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-である、式VIII、X、XI、またはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式I~XXVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式I~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式I~VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式VII~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式II、III、またはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式II、III、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式II、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式III、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式III、IV、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式III、V、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式VII、VIII、IX、X、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式VII、VIII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式VII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-NH-である、式VIII、X、XI、またはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式I~XXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式I~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式I~VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式VII~XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式II、III、またはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式II、III、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式II、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式III、IV、またはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式III、IV、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式III、V、またはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式VII、VIII、IX、X、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式VII、VIII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式VII、IX、XII、XIII、またはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがクロロまたはフルオロである、式VIII、X、XI、またはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである、式IまたはIIIの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-であり、Rがハロゲンである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-であり、Rがハロゲンであり、Rが-CHCyである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-であり、Rがハロゲンであり、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、または、-(CH0-4N(R°)、もしくは-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
特定の実施形態では、本発明は、Tが-O-であり、Rがハロゲンであり、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、-(CHN(R)、または-(CHORである、式Iの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、または、-(CH0-4N(R°)、もしくは-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCy、または-(CHOCyである、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)または-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)または-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°が、ハロゲン、-CN、または-(CH0-2ORで場合により置換されており、式中、RがC1-4脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、または、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、または、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°が、ハロゲン、-CN、または-(CH0-2ORで場合により置換されており、式中、RがC1-4脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyである、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。いくつか実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°が、-(CH0-2ORで場合により置換されており、式中、RがC1-4脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。いくつか実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°が、ハロゲン、-CN、または-(CH0-2ORで場合により置換されており、式中、RがC1-4脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、または、-(CH0-4N(R°)もしくは-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、各R°は独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、-(CHN(R)、または-(CHORである、式Iのうちの1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCy、または-(CHOCyである、式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが、-(CHN(R)または-(CHORである、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCyまたは-(CHORである、式Iのうちの1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyである、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyである、式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)である、式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Rが-(CHORである、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CHCy、-(CHOCy、-(CHN(R)、または-(CHORであり、式中、各Rは独立して水素またはC1-6脂肪族であり、上記脂肪族または上記Cyは、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH-4OR°;-O(CH0-4R°、-O-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4CH(OR°);-(CH0-4SR°;R°で置換されてもよい-(CH0-4Ph;R°で置換されてもよい-(CH0-4O(CH0-1Ph;R°で置換されてもよい-CH=CHPh;R°で置換されてもよい-(CH0-4O(CH0-1-ピリジル;-NO;-CN;-N;-(CH0-4N(R°);-(CH0-4N(R°)C(O)R°;-N(R°)C(S)R°;-(CH0-4N(R°)C(O)NR°;-N(R°)C(S)NR°;-(CH0-4N(R°)C(O)OR°;-N(R°)N(R°)C(O)R°;-N(R°)N(R°)C(O)NR°;-N(R°)N(R°)C(O)OR°;-(CH0-4C(O)R°;-C(S)R°;-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4C(O)SR°;-(CH0-4C(O)OSiR°;-(CH0-4OC(O)R°;-OC(O)(CH0-4SR°;-(CH0-4SC(O)R°;-(CH0-4C(O)NR°;-C(S)NR°;-C(S)SR°;-SC(S)SR°、-(CH0-4OC(O)NR°;-C(O)N(OR°)R°;-C(O)C(O)R°;-C(O)CHC(O)R°;-C(NOR°)R°;-(CH0-4SSR°;-(CH0-4S(O)R°;-(CH0-4S(O)OR°;-(CH0-4OS(O)R°;-S(O)NR°;-(CH0-4S(O)R°;-N(R°)S(O)NR°;-N(R°)S(O)R°;-N(OR°)R°;-C(NH)NR°;-P(O)R°;-P(O)R°;-OP(O)R°;-OP(O)(OR°);SiR°;-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)O-N(R°);または、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)O-N(R°)で置換されていることができ、式中、各R°は独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式Iのうちの1つの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7~12員の飽和縮合または架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合または架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6~12員の飽和縮合または架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和縮合または架橋二環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、7~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyが、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環;または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和または部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、上記環が、オキソ、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°で場合により置換されている、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の縮合もしくは架橋二環式複素環式環であり、Cyの置換可能な炭素原子は、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されており、Cyの置換可能な窒素原子は、-Rで場合により置換されており、式中、R°は、水素、または、ハロゲンもしくは-(CH0-2ORで場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、RはC1-4脂肪族であり、RはC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素またはC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4OR°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4OR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは水素である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6アルキルである、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、-(CH0-4N(R°)、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6アルキルであり、式中、R°は、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、式中、R°は、-(CH0-2で場合により置換されており、式中、RはC1-4脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルである、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は独立して水素またはC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、Rは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、-(CH0-4N(R°)、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルであり、式中、R°は、C1-6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、式中、R°は、-(CH0-2で場合により置換されており、式中、RはC1-4脂肪族である、式Iの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、各R°は独立して、水素またはC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、各R°は水素である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-(CH0-4N(R°)により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは水素である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6アルキルである、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で場合により置換されているC1-6アルキルであり、式中、R°はC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルである、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、各Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルであり、式中、R°がC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHN(R)であり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R°)であり、式中、各R°は独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であり、式中、R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、もしくは、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、もしくは、-(CH0-4S(O)R°で場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、もしくは、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHN(R)であり、式中、各Rは独立して、水素、または、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、もしくは、-(CH0-4S(O)R°で場合により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族であるか、または、同一窒素上の2個のR基が、窒素と共に、窒素、酸素、または硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環を形成する、式Iの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが、-CHOR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素またはC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-CHOR°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°は水素である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが、-CHOR°により置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族であり、式中、各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式IまたはIIIの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは水素である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、R°はC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6アルキルである、式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6アルキルであり、式中、R°はC1-6脂肪族である、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または、-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルである、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。式Iのいくつかの実施形態では、Rは-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているエチルであり、式中、R°はC1-6脂肪族である。特定の実施形態では、本発明は、Rが-CHORであり、式中、Rは、オキソ、ハロゲン、-CN、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、または-(CH0-4S(O)R°で置換されているC1-6脂肪族であり、式中、各R°は独立して水素またはC1-6脂肪族であり、式中、R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR;-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖状もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRにより置換されてよい、式Iの化合物を提供する。いくつかのそのような実施形態では、RはC1-4脂肪族である。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、場合により置換されているピペリジニルである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているピペリジニルであり、式中、R°は、上で定義され、本明細書に記載するとおりである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているピペリジニルであり、式中、各R°は独立してC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、場合により置換されているオキセタニルである、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているオキセタニルであり、式中、R°はC1-6脂肪族である、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているオキセタニルであり、式中、R°はC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式IまたはIIIの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているオキセタニルであり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式IまたはIIIの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、場合により置換されているピペリジニルである、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているピペリジニルであり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、場合により置換されているオキセタニルである、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているオキセタニルであり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式Iの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Rが-(CHOCyであり、式中、Cyは、オキソ、ハロゲン、-(CH0-4R°、または-(CH0-4OR°で場合により置換されているオキセタニルであり、式中、各R°はC1-6脂肪族であり、式中、2つの独立したR°の存在は場合により、間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成する、式Iの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本開示は下表1に示すものから選択される、式Iの化合物を提供する。
Figure 2023536427000026
Figure 2023536427000027
Figure 2023536427000028
Figure 2023536427000029
Figure 2023536427000030
Figure 2023536427000031
Figure 2023536427000032
Figure 2023536427000033
Figure 2023536427000034
Figure 2023536427000035
Figure 2023536427000036
Figure 2023536427000037
Figure 2023536427000038
Figure 2023536427000039
Figure 2023536427000040
Figure 2023536427000041
Figure 2023536427000042
Figure 2023536427000043
Figure 2023536427000044
Figure 2023536427000045
Figure 2023536427000046
Figure 2023536427000047






Figure 2023536427000048
Figure 2023536427000049
Figure 2023536427000050
いくつかの実施形態では、本開示は、表1に示す化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
式Iの化合物は単一の立体異性体として存在するものの、当業者は、鏡像異性形態、加えて、両方の立体異性体の混合物、例えば、ラセミまたは非ラセミ混合物が存在することを認めるであろうことが理解されよう。上、及び本明細書で記載する実施形態は、式Iの化合物の鏡像異性形態、加えて、ラセミまたは非ラセミ混合物を含む、両方の立体異性体の混合物にもまた適用される。当業者は、このような鏡像異性化合物、加えて、このような鏡像異性体のラセミ及び/または非ラセミ混合物を速やかに同定可能である。
式Iの化合物は、MK2キナーゼの不可逆的な阻害剤であることが理解されよう。いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、式Iの化合物は、MK2キナーゼの結合ドメイン内に、鍵となるシステイン残基に共有結合可能な部分を含むと考えられている。このような部分は本明細書で、「反応性部位」と呼ばれる。MK2キナーゼ、及びその変異体は、結合ドメインにシステイン残基を有することを当業者は理解するであろう。いかなる特定の論理にも束縛されることを望むものではないが、提供されるMK2阻害剤に存在する反応性部位が、対象となるシステインに近いことによって、当該反応性部位による、当該システインの共有修飾が促進されると考えられている。
対象となるシステイン残基は、対象となるシステインを含む、MK2キナーゼのアミノ酸配列の部分を同定することによってもまた説明することができる。したがって、特定の実施形態では、MK2のCys140は、当該Cys140が、以下のMK2のアミノ酸配列に埋め込まれていることを特徴とする:
Figure 2023536427000051
明確にするために、Cys140は、略した以下のアミノ酸配列で提供する:
配列番号2:
Figure 2023536427000052
配列番号1及び2の両方において、システイン140は、下線を引いた太字で強調している。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、提供される化合物が、MK2のCys140を共有修飾することを特徴とする反応性部分を含む。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、化合物が、MK2のCys140の標的を共有修飾することで、キナーゼを不可逆的に阻害することを特徴とする、反応性部分を含む。
したがって、いくつかの実施形態では、提供される、式IのMK2阻害剤化合物に存在する反応性部分は、システイン残基に共有結合することで、酵素を不可逆的に阻害することが可能である。いくつかの実施形態では、システイン残基はMK2のCys140である。当業者は、本明細書で定義する様々な反応性部分が、このような共有結合に好適であることを理解するであろう。このような反応性部分としては、本明細書に記載するもの、及び上記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
コロナウイルスと関連する疾患または障害の治療方法
いくつかの実施形態では、本開示は、呼吸器疾患または障害の治療、安定化、または重篤度または進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、呼吸器疾患または障害はコロナウイルスである。いくつかのそのような実施形態では、コロナウイルスはSARS-CoV-2である。いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2と関連する呼吸器疾患または障害の治療方法を提供する。いくつかのこのような実施形態では、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害はCOVID-19である。
いくつかの実施形態では、提供される、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度の軽減方法は、患者に、式Iの化合物:
Figure 2023536427000053
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、式中、R、R、R、T、環A、及びTは、上で定義され、本明細書に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、提供される、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度の軽減方法は、患者に、化合物I-82:
Figure 2023536427000054
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供される、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度の軽減方法は、患者に、化合物I-100:
Figure 2023536427000055
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、参照標準と比較しての、集中治療及び/または機械換気を必要とする入院患者の割合を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない、集中治療及び/または機械換気を必要とする入院患者の割合である。いくつかの実施形態では、本開示は、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、参照標準と比較しての、酸素需要の増加を特徴とする呼吸進行の頻度を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない患者における、酸素需要の増加を特徴とする呼吸進行である。
いくつかの実施形態では、本開示は、呼吸器疾患または障害(例えば、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害;例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、参照標準と比較しての、上気道での、SARS-CoV-2ウイルス排出の頻度及び期間を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない患者における、上気道でのウイルス排出の数または量である。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、全生存期間の改善方法を提供する。いくつかの実施形態では、全生存期間は、以下の特徴:集中治療室に入院する、機械換気を必要とする、敗血症もしくは器官障害を患う、呼吸不全を発症する、及び/または別の場合において、COVID-19関連疾患により死亡する、のうちの1つ以上を示す患者と比較しての改善である。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から14日以内に、集中治療室から退院する、または退院しているときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から14日以内に呼吸不全を患わないときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から14日以内に死亡しないときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から28日以内に、集中治療室から退院する、または退院しているときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から28日以内に呼吸不全を患わないときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から28日以内に死亡しないときに、全生存期間が改善する。いくつかの実施形態では、患者が、本明細書に記載する治療法の投与から60日以内に死亡しないときに、全生存期間が改善する。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、国の早期警告スコア(National Early Warning Score)2(NEWS2)の改善方法を提供する。いくつかの実施形態では、NEWS2の改善は、ベースラインとの比較により測定される。いくつかの実施形態では、NEWS2の改善は、呼吸数、酸素飽和度、収縮期血圧、脈拍数、意識または錯乱の度合い、温度により測定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、呼吸進行の需要の低減方法を提供する。いくつかの実施形態では、低減した需要は、追加の酸素の必要性、または、高度な換気支援の必要性の低下により測定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者の上気道(URT)における、SARS-CoV-2ウイルス排出の頻度及び期間を減らす方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、COVID-19疾患の進行と関連するバイオマーカーの制御方法を提供する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CRP、TNFα、IL-6、フェリチン、LDH、及びDダイマーから選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、IL-6、IL-2、IL-7、GM-CSF、IP-10、MCP-1、MIP-1α、TNF-α、IL-1β、IL-8、IFN-α、IFN-β、及びIFN-γである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはTNF-αである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-6である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-10である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはGM-CSFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-1βである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIFN-γである。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者の治療方法であって、上記患者が、コロナウイルスと関連する疾患または障害を患わない、または診断されていない患者と比較して異常を示し、上記異常が、白血球減少症、高フェリチン血症、ならびに、CRP、LDH、及びIL-6から選択される1種以上のバイオマーカーの増加から選択される、上記方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2感染症と関連する1つ以上の症状の治療、予防、または重篤度の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2と関連する1つ以上の症状は、サイトカインストーム、過剰炎症、MK2またはその変異体の過活性、肺線維症、組織外傷、血小板の活性化、線維芽細胞侵入または浸潤、血栓症の増加、肺上皮損傷、及び、異常な単核細胞マクロファージ細胞浸潤から選択される。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2感染症と関連する1つ以上の症状は、参照標準と比較しての、IL-1β、IL-1Rα、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、塩基性FGF (bFGF)、GCSF、GM-CSF、IFNγ、IP10、MCP1、MIP1A、MIP1B、PDGF、TNF-α、及びVEGFの1つ以上のレベルの増加または上昇である。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない患者における、対応する、IL-1β、IL-1Rα、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、塩基性FGF (bFGF)、GCSF、GM-CSF、IFNγ、IP10、MCP1、MIP1A、MIP1B、PDGF、TNF-α、及びVEGFの1つ以上のレベルである。
いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2感染症と関連する1つ以上の症状は、参照標準と比較しての、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1の1つ以上のレベルの増加または上昇である。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない患者における、対応する、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1の1つ以上のレベルである。
いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2感染症と関連する1つ以上の症状は、参照標準と比較しての、IL-2、IL-7、IL-10、GMCSF、IL-6、IP10、MCP1、MIP1A、及びTNF-αの1つ以上のレベルの増加または上昇である。いくつかのそのような実施形態では、患者は、集中治療室(ICU)に入院している、または入院したことがある。いくつかの実施形態では、参照標準は、本明細書で開示する化合物で治療されていない患者における、対応する、IL-2、IL-7、IL-10、GMCSF、IL-6、IP10、MCP1、MIP1A、及びTNF-αの1つ以上のレベルである。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、SARS-CoV-2のウイルス量の減少方法を提供する。いくつかの実施形態では、ウイルス量の減少方法は、上気道(URT)でのSARS-CoV-2の存在に対するRT-PCRの陰性結果、または、ベースラインからのウイルス量/力価の変化(定量的)により測定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)と関連する、または、これから生じる、サイトカインストームの治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、サイトカインストームは、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1、またはこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインの上昇を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)と関連する、または、これから生じる、超炎症の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)と関連する、または、これから生じる、組織外傷の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織外傷は循環系を含む。いくつかの実施形態では、組織外傷は、肺組織への外傷を含む。いくつかの実施形態では、組織外傷は、心臓組織への外傷を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、サイトカインまたはケモカインmRNAの不安定化方法を提供する。いくつかの実施形態では、サイトカインまたはケモカインmRNAの不安定化は、参照標準と比較して、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、(例えば、RT-PCRにより測定される)mRNAの減少を通して観察される。いくつかの実施形態では、サイトカインまたはケモカインmRNAの不安定化は、参照標準と比較して、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患う、またはこの診断を受けた患者における、対応するサイトカインまたはケモカインの減少を通して観察される。いくつかの実施形態では、参照標準は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)を患わない、または、この診断を受けていない患者である。いくつかの実施形態では、サイトカインまたはケモカインは、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)と関連する細胞変性効果の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞変性効果は、アポトーシスを含む、または、アポトーシスをもたらす。いくつかの実施形態では、細胞変性効果は、例えば、アクチンと関連する、細胞骨格異常を含む、または、これをもたらす。いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に感染した細胞におけるウイルス性増殖の重篤度または進行の治療、安定化、または軽減方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)と関連する肺線維症の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする患者における、SARS-CoV-2などのコロナウイルスと関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記患者が、心血管危険因子、または、心臓血管もしくは血栓合併症を示す、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、心血管危険因子は高血圧、高血中コレステロール濃度、真性糖尿病、または肥満である。
式Iの化合物の投与方法
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約3mg~約1000mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)は、約3mg~約15mg、約10mg~約25mg、約15mg~約50mg、約25mg~約75mg、約50mg~約100mg、約75mg~約125mg、約100mg~約150mg、または、約125mg~約200mgの量で投与される。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約200mg~約300mg、約250mg~約500mg、約500mg~約750mg、または、約750mg~約1000mgの量で式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、必要とする患者に、約0.1mg~約10,000mgの式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、約0.1mg~約9000mg、約0.1mg~約8000mg、約0.1~約7000mg、約0.1mg~約6000mg、約0.1mg~約5000mg、約0.1mg~約4000mg、約0.1mg~約3000mg、約0.1mg~約2000mg、約0.1mg~約1000mg、約0.1mg~約900mg、約0.1mg~約800mg、約0.1mg~約700mg、約0.1mg~約600mg、約0.1mg~約500mg、約0.1mg~約400mg、約0.1mg~約300mg、約0.1mg~約200mg、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約75mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約25mg、約0.1mg~約15mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約3mg、または、約0.1mg~約1mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約0.5mg~約500mg、約1mg~約400mg、約3mg~約300mg、約5mg~約200mg、約10mg~約150mg、約15mg~約100mg、または、約25mg~約75mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約1mg~約500mg、約3mg~約400mg、約5mg~約300mg、約10mg~約200mg、約15mg~約150mg、約25mg~約100mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約3mg~約500mg、約5mg~約400mg、約10mg~約300mg、約15mg~約200mg、約25mg~約150mg、約50mg~約100mg、または、約75mg~約125mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約5mg~約500mg、約10mg~約400mg、約15mg~約300mg、約25mg~約200mg、約50mg~約150mg、または、約75mg~約100mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約10mg~約500mg、約15mg~約400mg、約25mg~約300mg、約50mg~約200mg、約75mg~約150mg、または、約100mg~約125mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約15mg~約500mg、約25mg~約400mg、約50mg~約300mg、約75mg~約200mg、または、約100mg~約150mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約25mg~約500mg、約50mg~約400mg、約75mg~約300mg、約100mg~約200mg、または、約125mg~約150mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約50mg~約500mg、約75mg~約400mg、約100mg~約300mg、または、約150mg~約200mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約75mg~約500mg、約100mg~約400mg、または、約125mg~約300mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約100mg~約500mg、約150mg~約400mg、または、約200mg~約300mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約200mg~約1000mg、約250mg~約900mg、約300mg~約800mg、約350mg~約750mg、約400mg~約700mg、または、約500mg~約600mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、約3mg~約400mgの式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、約3mg、約10mg、約30mg、約100mg、約200mg、または約400mgの式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む、上記方法を提供する。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約50mg~約150mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、約60mg~約150mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、54mg~66mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、56mg~64mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、58mg~62mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、135mg~165mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、140mg~160mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、145mg~155mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、148mg~152mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約1mg、約3mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mg、約700mg、約705mg、約710mg、約715mg、約720mg、約725mg、約730mg、約735mg、約740mg、約745mg、約750mg、約755mg、約760mg、約765mg、約770mg、約775mg、約780mg、約785mg、約790mg、約795mg、約800mg、約805mg、約810mg、約815mg、約820mg、約825mg、約830mg、約835mg、約840mg、約845mg、約850mg、約855mg、約860mg、約865mg、約870mg、約875mg、約880mg、約885mg、約890mg、約895mg、約900mg、約905mg、約910mg、約915mg、約920mg、約925mg、約930mg、約935mg、約940mg、約945mg、約950mg、約955mg、約960mg、約965mg、約970mg、約975mg、約980mg、約985mg、約990mg、約995mg、または約1000mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約60mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、約150mgの量で、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、約1mg~約5mg、約8mg~約12mg、約28mg~約32mg、約98mg~約102mg、約198mg~約202mg、または、約398mg~約402mgの量で、合計の日用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、マウスにおける約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、または約30mg/kg当量で、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供する方法は、マウスにおける約100mg/kg当量で、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の量は、約15mg、約25mg、約50mg、約75mg、約150mg、または、約500mgである。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、ラットにおける約5mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、または約100mg/kg当量で、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の量は、約50mg、約200mg、約300mg、または約1000mgである。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、サルにおける約5mg/kg、約50mg/kg、約150mg、または約375mg/kg当量で、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の量は、約100mg、約1000mg、約3000mg、または約7500mgである。
いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療する、安定化させる、または重篤度もしくは進行を軽減するための薬剤の製造における、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療する、安定化させる、または重篤度もしくは進行を軽減するための、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物は、1日1回(「QD」)投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物は、1日2回(「BID」)投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物は、1日3回(「TID」)投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物は、1日4回(「QID」)投与される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物は、週に1回(「QW」)投与される。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日の期間、1日1回、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む薬学的に許容される組成物、または、その薬学的に許容される組成物は、14日連続して1日1回投与される(「14日サイクル」)。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む薬学的に許容される組成物、または、その薬学的に許容される組成物は、少なくとも14日サイクルの間は、1日1回投与される。
いくつかの実施形態では、提供する方法は、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、または、薬学的に許容されるその組成物を投与することであって、上記患者が、少なくとも1回、以前の治療法を失敗している、上記投与することを含む。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を、紫外線への曝露を最小限に抑えるレジメンに従い投与する。いくつかのそのような実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を、日光への曝露を最小限に抑えるレジメンに従い投与する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を、長波紫外線A(UVA)、及び/または、短波紫外線B(UVB)への曝露を最小限に抑えるレジメンに従い投与する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を夕方に投与する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は男性である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、心臓血管疾患、脳血管疾患、及び糖尿病などの、1種以上の共存症を有する患者である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、50歳以上、60歳以上、70歳以上、または、80歳以上の患者である。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、酸素支援を必要とする。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、換気補助を必要とする。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、集中治療室(ICU)への入院を必要とする。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、1つ以上の心血管危険因子を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が投与される患者は、1つ以上の血栓合併症を有する。
式Iの化合物の製剤
いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む、薬学的に許容される組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される組成物は経口剤形である。いくつかのそのような実施形態では、薬学的に許容される組成物はカプセルの形態である。
いくつかの実施形態では、提供される薬学的に許容される組成物は、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、ならびに、例えば、結合剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、及び吸収剤などの、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。
本発明で使用するための医薬組成物は、1種以上の結合剤を含んでよい。結合剤は、固体経口剤形の製剤で、活性薬剤成分と不活性成分を合わせて、凝集混合物として保持するために使用される。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、約5%~約50%(w/w)の、1種以上の結合剤及び/または希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、約20%(w/w)の、1種以上の結合剤及び/または希釈剤を含む。好適な結合剤及び/または希釈剤(「フィラー」とも呼ばれる)は、当該技術分野において既知である。例示的な結合剤及び/または希釈剤としては、セルロースなどのデンプン(低分子量HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、低分子量HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、低分子量カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース)、ラクトース(即ち、ラクトース一水和物)、スクロース、デキストロース、フルクトース、マルトース、グルコースなどの糖類、ならびに、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、及びキシリトールなどのポリオール、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、提供する組成物は、微結晶セルロース及び/またはラクトース一水和物の結合剤を含む。
本発明で使用するための医薬組成物は、1種以上の崩壊剤をさらに含んでよい。好適な崩壊剤は、当該技術分野において既知であり、寒天、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロースナトリウム)、カルボキシメチルナトリウムデンプン(グリコール酸ナトリウムデンプン)、微結晶セルロース、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、提供する製剤は、製剤の総重量を基準にして、約1%~約25%の崩壊剤を含む。
バイオアベイラビリティエンハンサーとも呼ばれる湿潤剤は、当該技術分野において周知であり、通常、可溶性が不十分な薬剤の溶解度を向上させることにより、薬物放出及び吸収を容易にする。例示的な湿潤剤としては、ポロキサマー、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、湿潤剤はポロキサマーである。いくつかのそのような実施形態では、ポロキサマーはポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、本発明で使用するための組成物は、ブレンド粉末の総重量を基準にして、約1重量%~約30重量%の湿潤剤を含む。
本発明の医薬組成物は、1種以上の潤滑剤をさらに含んでよい。潤滑剤は少量で製剤に添加して、特定の加工特性を改善する。潤滑剤は、製剤混合物が、圧縮機械に固着しないようにし、粒子間の摩擦を減らすことで、生成物の流れを向上させる。例示的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、及び脂肪酸(即ち、パルミチン酸及びステアリン酸)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、提供する製剤は、所与の製剤の総重量を基準にして、約0.2%~約3%の潤滑剤を含む。
本発明の医薬組成物は、1種以上の吸収剤をさらに含んでよい。例示的な吸収剤としては、シリカ(即ち、ヒュームドシリカ)、微結晶セルロース、デンプン(即ち、コーンスターチ)、ならびに炭酸塩(即ち、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、提供する製剤は、所与の製剤の総重量を基準にして、約0.2%~約3%の吸収剤を含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、メチルセルロース、及びTween80を含む医薬組成物を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、医薬組成物はスプレー乾燥分散体(SDD)である。
いくつかの実施形態では、提供する医薬組成物は、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)、HPMCAS、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
いくつかの実施形態では、提供する医薬組成物は、単位用量の、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む。本明細書に記載する単位剤形とは、遊離塩基としての式Iの化合物(例えば、化合物I-82)の量であることを、当業者は理解するであろう。医薬組成物が塩形態の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含むとき、組成物中に存在する塩形態の量は、単位用量の、遊離塩基の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)当量であることを、当業者はさらに理解するであろう。いくつかの実施形態では、単位用量は、約3mg、約10mg、約15mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、または約200mgの、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は、約3mg、約5mg、約10mg、約15mg、約25mg、約50mg、約75mg、または約100mgの、式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を含む。いくつかの実施形態では、単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)は、約30mgを含む。いくつかの実施形態では、単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)は、約60mgを含む。いくつかの実施形態では、単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)は、約150mgを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含み、上記単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)が、約3mg、約5mg、約10mg、約15mg、約25mg、約50mg、約75mg、または約100mgである、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、SARS-CoV-2と関連する疾患または障害(例えば、COVID-19)の治療、安定化、または重篤度もしくは進行の軽減方法であって、上記方法が、必要とする患者に、単位用量の式Iの化合物(例えば、化合物I-82)を投与することを含み、上記単位用量の化合物1が、約30mg、約60mg、または約150mgである、上記方法を提供する。
以下の実施例に示すように、ある種の代表的実施形態では、化合物は以下の一般的な手順に従って調製される。一般的方法は本発明の特定の化合物の合成を示すが、下記の一般的方法及び当業者に知られる他の方法が、本明細書に記載される全ての化合物ならびにこれら化合物の各々のサブクラス及び種に適用され得ることは理解されよう。
実施例1.
化合物I-82による治療の際に、TNF-αのレベルが、末梢血単核球(PBMC)(図1A及び1Bを参照されたい)、ならびに、単球(図2を参照されたい)において、用量依存的に低下することを、本実施例は示す。
健常なドナー由来の凍結ヒトPBMCを解凍し、PBSで洗浄した。細胞を、DMSOまたは化合物I-82で1時間前処理した後、LPS処理を24時間、または、ブドウ球菌エンテロトキシン-B/インターロイキン-2処理を3日間行った。細胞を全て、加湿インキュベーター内で37℃、5% COで培養した。サイトカイン及びケモカイン評価のために、培養培地を回収して凍結させ、結果を図1A(LPS刺激)、及び図1B(SEB/IL-2処理用)に報告する。
さらに、Ficoll勾配法を使用して、PBMCを軟膜から単離し、Stem Cell technologiesのキット(カタログ番号19058)を用いて、CD16が枯渇しない単核細胞濃縮に使用した。単球をDMSOまたは化合物I-82で1時間前処理した後、LPSで23時間刺激した。細胞を全て、加湿インキュベーター内で37℃、5% COで培養した。上清をサイトカイン及びケモカイン分析のために収集し、結果を図2に報告する。
実施例2.
化合物I-82は、LPS刺激単球及びマクロファージ内で、用量依存的にサイトカイン産生を阻害することを、本実施例は示す。例えば、化合物I-82は、単球及びマクロファージ内でTNF-α、IL-6、及びIL-1βを阻害することを、本実施例は示す(図3~4を参照されたい)。
単球の場合:Ficoll勾配法を使用して、PBMCを軟膜から単離し、Stem Cell technologiesのキット(カタログ番号19058)を用いて、CD16が枯渇しない単核細胞濃縮に使用した。単球をDMSOまたは化合物I-82で1時間、前処理した後、合計で4または24時間のMK2阻害に対して、LPSにより3または23時間刺激した。細胞を全て、加湿インキュベーター内で37℃、5% COで培養した。サイトカイン及びケモカイン分析のために上清を収集した。結果を図3及び4に報告する。
マクロファージの場合: 50ng/mLのMCS-Fで5日間刺激し、その後、50ng/mLのインターフェロンγで約16時間処理することにより、単球がマクロファージに分化した。次に、マクロファージをプレーティングし、24時間順化させた。DMSOまたは化合物I-82で1時間、前処理し、続いて、合計で4または24時間のMK2阻害に対して、3または23時間、LPS刺激(100ng/mL)を行うことにより、単球またはマクロファージ内で、サイトカイン産生における化合物I-82の効果を分析した。細胞を全て、加湿インキュベーター内で37℃、5% COで培養した。さらなる分析のために上清を収集した。Magpix磁気ビーズを使用して、サイトカイン及びケモカイン分析を上清で行った。結果を図3及び4に報告する。
実施例3.
化合物I-82は、TNF-α、IL-6、MCP-1、GM-CSF、及びIL-1βの遺伝子発現を阻害するが、TTP(ZFP36)の遺伝子発現は阻害しないことを、本実施例は示す(図5~6を参照されたい)。
HV由来のPBMCを、1.5時間LPSで処理し、その後、化合物I-82、またはp38阻害剤のSB203580で1.5時間インキュベートした。RNAをPBMCから単離し、様々なサイトカイン及びケモカインに対するプローブセットを用いて、RT-PCRを行った。結果を図5及び6に報告する。
実施例4.
標的関与の増加が、TNF-α及び他のサイトカイン及びケモカインの阻害と相関していることを、本実施例は示す(図7~8を参照されたい)。
複数漸増用量(MAD)研究: 健常な成人対象における複数回の経口用量(QDで14日間)の投与後の、化合物I-82の安全性、忍容性、PK、及びPDを評価するための、無作為二重盲検プラセーボ対照研究。本研究は、連続群での、増加する複数回投与で構成された。37名の対象が、5つの用量レベルコホート(10、30、60、120、及び150mg)に登録された。各用量レベルコホートは、6~8名の対象で構成された:無作為化スケジュールに従って、5または6名の対象は化合物I-82を受け、1または2名の対象はプラセーボを受けた。
各対象はスクリーニングフェーズ、治療フェーズに参加した(ベースラインを含んだ)。適格な対象は、-1日目に研究施設に入り、-1日目から17日目まで、研究施設に居住した。無作為化スケジュールに従い、絶食条件下で、最初の用量の研究薬剤を1日目に投与した。同じQD用量を、計画した治療スケジュールの残りの期間投与した(2日目~14日目、両端を含む)。パート2の各用量レベルコホートに関して、血液試料を、1日目の投与前(0時間)、ならびに、2、3、5、8、11、及び14日目の投与前(0時間)に収集した。血液試料は、15、17、21、及び28日目における、1~14日目の試料とほぼ同じ時刻に収集した。満足のいく安全が確認され、必要な研究手順が完了した17日目に、対象が研究施設から退院した。全ての用量レベルコホートに関して、対象を、21日目及び28日目に、外来患者訪問のために研究施設に戻した。早期終了はなかった。
MAD研究における標的関与:研究手順に記載した日に、各対象から全血試料をCPTチューブに収集した。臨床施設において、標的関与のためにPBMCを単離した。末梢血単核球細胞(PBMC)でのストレプトアビジン質量シフト(SMaSh)アッセイを使用して、化合物I-82の標的関与を測定した。示したコホート用量条件下において、試料の、PBMC中での遊離MK2の割合に対する、化合物I-82に結合したMK2の割合を評価した。ベースラインからの、結合MK2の割合の変化を計算することにより、標的関与を測定した。結果を図7に報告する。
MAD研究における薬力学評価:エキソビボでのリポ多糖体(LPS)後の、サイトカイン及びケモカイン産生を評価することにより、先天的細胞活性における化合物I-82の効果を評価した。TruCulture(登録商標)アッセイシステム(Myriad RBM,Austin,Texas)を使用して、全血にてエキソビボ刺激を行った。TruCultureアッセイシステム(Myriad RBM,Austin,Texas)を使用して、刺激物質としてLPSを用いる全血アッセイにおける、サイトカイン及びケモカインの産生における化合物I-82の効果を測定した。簡潔に述べると、血液(1mL)を、研究手順に記載する日にちにおいて、各対象由来のLPS含有TruCultureチューブに採取した。trucultureチューブを、24±1時間、37℃のブロックサーモスタットに配置した後、-70°で凍結させた。血漿と混合した培地の、TNF-α、及び、他のサイトカイン/ケモカインレベルを分析した。エキソビボのLPS刺激血液中での、TNF-α阻害を、ベースラインからのTNF-αレベルの変化割合として測定した。エキソビボ刺激アッセイにおける、他のサイトカイン/ケモカインの変化割合もまた、それらのベースラインレベルに対して測定した。結果を図8に報告する。
実施例6.
手順の概要。本研究は、患者を登録して、標準的なケア(SOC)に加えて、「研究化合物」とも呼ばれる、本明細書で開示する化合物(例えば、化合物I-82などの、式Iの化合物)を受けさせる。研究集団は、SARS-CoV-2と感染したことが臨床検査(RT-PCR)で確認され、以下のうちの1つ以上:大気でSpO2≦93%、機械換気を必要としない、PaO2/FiO2≦300mmHg、呼吸数≧30/分、または、肺炎に対して陽性の胸部CTもしくはX線、を含む、中程度~深刻な症状を有して入院する、18歳以上の対象で構成される。安全性及び予備有効性は、14日間の治療、ならびに、7日及び28日の再診に登録された患者に基づき評価される。主要評価項目は、集中治療室に入院した患者、機械換気、敗血症、器官不全、呼吸不全の罹患、または、COVID-19関連疾患に因る死の割合の測定である。
目的。研究の主な目的は、集中治療及び/または機械換気を必要とする入院患者の割合の減少における、研究化合物及び標準治療(SOC)の有効性を評価することである。二次的な目的は、以下を評価することである:
・ 8段階序数スケールを用いる臨床状態評価
・ 国の早期警告スコア(NEWS)2
・ 酸素需要の増加、または、より高度な換気支援を特徴とする、呼吸性進行の頻度
・ 上気道試験体へのSARS-CoV-2ウイルス排出の頻度及び期間
・ COVID-19呼吸器疾患を有する成人患者における、研究化合物の安全性
・ 重篤な有害事象の頻度
・ あらゆる原因の死亡率
・ 退院までの時間
・ COVID-19疾患の進行と関連するバイオマーカーの制御(例えば、心臓トロポニン、CPK、CRP、フェリチン、LDH、TNFα、IL-6、Dダイマー、IL-6、TNFα、IFN-γ、ホスホ-STAT3)
診査目的は、以下のとおりである:
・ SARS-CoV-2ウイルス力価の低下及び/またはクリアランス、ならびに、抗SARS-CoV2抗体の産生を評価すること
・ MK2及びp38経路、ならびに、下流免疫制御及び/または炎症性サイトカインの発現の変化により測定される薬力学を評価すること
・ 以下を含むがこれらに限定されない応答の予後及び/または予想であり得る、分子及び細胞バイオマーカーを評価すること
・ 免疫細胞プロファイリングに対するフローサイトメトリー
・ クローン造血を含む疾病素質バリアントに対する遺伝配列決定
・ ウイルス性侵入及び複製に関与する細胞タンパク質の発現及び活性化
研究のエンドポイントを表2にまとめる。
Figure 2023536427000056
Figure 2023536427000057
研究設計。これは、COVID-19呼吸器疾患を有する症候性入院患者における、研究化合物の有効性及び安全性を評価するための、オープンラベル多施設研究である。研究は、2つのフェーズ:パート1の単一群フェーズと、パート2の無作為化フェーズからなる。適格な対象は、陽性SARS-CoV-2感染が文書で証明されており入院しているが、侵襲性機械換気を必要とせず、加えて、以下の呼吸性パラメーターのうちの1つ以上を有する:大気で末梢性酸素飽和度(SpO2)≦93%;利用可能な動脈血液ガス(ABG)分析に基づくと、酸素分圧/吸入酸素の画分(PaO2/FiO2)≦300mmHg;呼吸数≧24呼吸/分;または、肺炎に対して陽性の胸部x線もしくはコンピュータトモグラフィ(CT)。
パート1:単一群フェーズ 。適格な対象(N=約30)が登録され、研究化合物+SOCを受ける。治療フォローアップ(21日目、治療の最終投与から約7日後)、及び、安全性フォローアップ(44日目、治療の最終投与から約30日後)の往診を含む、14日間の治療に登録された対象に基づき、安全性及び予備有効性が評価される。このフェーズから収集したデータは、パート2に移る推奨のために確認される。
パート2:無作為化フェーズ。 適格な対象(N=100、50、各群)は、1:1に無作為化され、研究薬剤+SOC、または、SOCのみを受ける。対象は年齢(<60歳と、≧60歳)、及び、NEWS2スコア(<5と≧5)により層別化される。安全性及び有効性は、治療のフォローアップ(21日目、治療後約7日)、及び安全性フォローアップ(44日目、治療後約30日)往診を含む、14日間評価される。
研究治療。研究化合物は、各日の同じ時間、好ましくは、食事とともに夕方に、入院患者の滞在中に最大14日間、150mg/日で経口投与される。しかし、研究化合物は食事の有無に関係なく服用され得る。研究化合物による治療は、有害事象に対する一般用語基準(CTCAE)での、グレード4またはグレード3有害事象に対しては中止されなければならない。
研究対象集団。研究対象集団は、SARS-CoV-2と感染したことが臨床検査(RT-PCR)で確認され、以下のうちの1つ以上:大気でSpO2≦93%;PaO2/FiO2≦300mmHgであるが、機械換気を必要としない;呼吸数≧30/分;または、肺炎に対して陽性の胸部CTもしくはX線、を含む、中等度~重度な症状を有して入院する、18歳以上の対象からなる。約125名の患者が登録される:25名の患者はパート1の単一群フェーズに登録され、100名の患者はパート2の無作為化フェーズに登録される。
適格基準。対象は、研究に登録されるために、以下の基準を満たさなければならない:
1.対象は、インフォームドコンセント(ICF)の署名時に少なくとも18歳である
2.対象は、登録前の14日以内に、SARS-CoV-2陽性であることが確認されている
3.対象は入院しているが、侵襲性機械換気を必要とせず、以下のうちの1つ以上を有する:
a.大気でSpO2≦93%、
b.利用可能なABG分析に基づき、PaO2/FiO2≦300mmHg、
c.呼吸数≧24呼吸/分、
d.登録(パート1)または無作為化(パート2)前の3日以内に、陽性の胸部X線またはCT。
4.対象は、あらゆる試験関連評価/手技が行われる前に、ICFを理解して自主的に署名しなければならない。
5.対象は、試験の来訪スケジュール及び他のプロトコル要件を着実に実行することに同意しており、実行可能である
6.出産の可能性がある女性(FCBP)は、以下を満たさなければならない:
a.研究治療法を開始する前に、研究員により検証されている陰性妊娠試験を受けなければならない。研究中、及び、研究治療法の終了後に、進行中の妊娠試験に同意しなければならない。これは、対象が、異性愛者との接触を真に禁欲*しているとしても適用される。
b.治験製品の開始前、研究治療法(投与中断を含む)の間、及び、研究治療法の中断後30日間は、異性愛者との接触との真の禁欲*にコミットする(ソースが文書化されている)か、または、それを用いることに同意するかのいずれかであり、途切れることなく、非常に効果的な避妊**を遵守することが可能でなければならない。
注:出産の可能性がある女性(FCBP)とは、1)ある時点で初潮に達しており、2)子宮摘出もしくは両方の卵巣摘出を受けておらず、または、3)少なくとも連続して24ヶ月間、自然に閉経していない(がん治療後の無月経は、出産可能性から除外されない)(即ち、以前の連続24ヶ月間のいずれの時点においても、経血がある)女性である。
7.男性対象は、以下のとおりでなければならない:
a.精管切除が成功していたとしても、投与中断の間、ならびに、治験中の製品の中断から少なくとも30日間、または、各化合物に対して、及び/または、地方条例により必要とされる場合はそれよりも長く、研究に取り組む間は、真の禁欲*に取り組むか、または、妊娠女性、もしくは出産の可能性がある女性との***の間にコンドームを着用することに同意する。
*真の禁欲は、対象の好ましい、及び通常のライフスタイルと一致する場合に許容される。[周期性禁欲(例えば暦、***、症候体温法、又は***後法)及び膣外***は、許容される避妊方法ではない。]
**研究の過程を通して一貫して、及び正しく使用した場合、単独で、または組み合わせて、1年当たりで1%未満のパール指数の失敗率をもたらす、非常に効果的な避妊法を用いることに同意する。このような方法は、併用(エストロゲン及びプロゲストーゲン含有)ホルモン避妊:経口;腟内;経皮;***阻害と関連する、プロゲストゲンのみのホルモン避妊:経口;注射可能なホルモン避妊;移植可能なホルモン避妊;子宮内デバイスの配置;子宮内ホルモン放出システムの配置;両側卵管閉塞;精管切除したパートナーを含む。
8.対象は、以下の光防護ガイドラインを遵守することにより、研究の間、及び、研究化合物の最終投与から少なくとも3日間は、紫外線(UV)曝露を制限することに同意する。
a.太陽が最大強度のときには屋外にいることを避ける
b.長袖、サングラス、及び帽子など、太陽から保護する衣類を着用する
c.地方ガイドラインに従った日焼け止めローションを使用する
除外基準。以下のいずれか1つが存在することで、対象は登録から除外される:
疾患固有の要件:
1.対象がCOVID-19により、5日を超えて入院している。
2.対象が抗IL-6治療を受けている
以前の、及び/または現在の投薬/治療法が、以下のとおりである:
1.ベースライン訪問の4週間以内、及び、スクリーニング期間の間のいずれかの時点において、研究化合物の最初の投与までに、イソニアジドの治療を受けている。
2.トランスポーターであるP-gp、BCRP、OCT1、OATP1B1、及びOATP1B3のいずれか1つの基質であり、狭い治療指数を有する任意の投薬(例えば、メトトレキサート、スルファサラジン、及びレフルノミド)を使用する。
注:コレスチラミンウォッシュアウトが行われない限り、無作為化の8週間前に中断されなければならないレフルノミドを除いて、無作為化前に、従来の全身疾患修飾抗リウマチ性剤(DMARD)に対しては、少なくとも1ヶ月のウォッシュアウト期間が必要である。対象は、本治験に参加する目的のためだけに、上記全身DMARDのいずれかを中断してはならない。
3.スクリーニング訪問前の1ヶ月以内、または、研究化合物の5PKもしくはPD半減期のいずれか長いほうでの、治療薬剤の任意の研究への参加、または、スクリーニング訪問の前1年以内に、COVID-19に対する治験中の薬剤を用いる2回以上の研究への参加。
許可された付随投薬及び手順。
治験中でない薬剤を用いる現場の慣行に従った標準ケア治療が許可されている。
COVID-19に対する標準ケア治療法が現在進化中であり、新たなガイダンス文書(例えば、WHOからの暫定的なガイダンスである “Clinical management of severe acute respiratory infection (SARI) when COVID-19 is suspected”、及び、地方施設のガイドライン)(世界保健機関、2020)に従う予定である。
呼吸障害患者の薬物治療法としては、抗ウイルス剤、ヒドロキシクロロキン、抗生物質、及び支持剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
併用禁止薬。以下の医薬品は、研究開始前、及び、研究の間は、特定の時間に投与することができない:
・ トランスポーターのP-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCTの基質であり、狭い治療指数を有するあらゆる医薬品の使用。例としては、ジゴキシン、シクロスポリン、レフルノミド、マイコフェノール酸、プロカインアミド、シロリムス、エベロリムス、及びダビガトランエテキシラートが挙げられる。
注:薬剤は、これらのトランスポーターの基質であり、狭い治療指数を有しないとみなされる(例えば、OATP1B1/3基質-スタチン、及びOCT基質-メトホルミンは、対象が研究に参加している間に、薬物相互作用の可能性を密接に監視しなければならない)。これらのトランスポーターの基質のさらなる例としては、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、ロスバスタチン、アリスキレン、アンブリセンタン、コルヒチン、シクロスポリン、ダビガトランエテキシラート、ジゴキシン、エベロリムス、フェキソフェナジン、メトトレキサート、ラノラジン、リバーロキサバン、サクサグリプチン、シロリムス、シタグリプチン、タリノロール、チカグレロル、トルバプタン、アンブリセンタン、アトルバスタチン、エゼチマイブ、フルバスタチン、グリブリド、ロスバスタチン、シムバスタチン酸、ピタバスタチン、プラバスタチン、レパグリニド、テルミサルタン、バルサルタン、オルメサルタン、マイコフェノール酸、メトホルミン、ガバペンチン、プラミペキソール、トラマドール、バレニクリンが挙げられる。
本研究における研究化合物用量は、150mg/日である。対象がグレード3の薬剤関連毒性(グレード≧3のAST、ALT、全ビリルビン、または腎機能不全;グレード≧2の末梢神経疾患を除く)を経験する場合、研究化合物の用量は、治療医師の自由裁量によって減少する場合がある。
対象は全員、研究の間に有害事象を監視される。何らかの理由で、所定手順の治療法を中断する患者は全員、研究薬剤の最終投与後30日間の期間、安全性データを収集するために追跡される。
セクション6.1に記載されているような、薬力学評価及び探査分析のための、末梢血、血清、口腔スワブ、及び鼻咽頭スワブの投与前試料を、収集に同意した全研究フェーズ、及び治療群の対象から収集する。末梢血及び血清は、スクリーニング時、及び/または1日目に収集され、血液試料は、適宜、治療を通して疾患状態を評価するためいつでも、治療の終了時、及び、フォローアップ時に収集される(表2)。鼻咽頭及び口腔スワブは、スクリーニング時、及び/または、治療の1日目、5日目、15日目、及び21日目にのみ収集される。
試料は、複数試料として収集及び処理され、記載される、及び、将来の遡及的分析を可能にすることができる。あるPK血液試料は、研究化合物投与とは無関係に、3、5、8、12、及び15日目の訪問のそれぞれにおいて、研究化合物治療に割り当てられた対象で収集される。
対象が、研究化合物の以前の投与を行った日付/時間、臨床訪問日における研究化合物投与の日付/時間、及び、採血の日付/時間は、eCRFに記録しなければならない。欠落した、または取扱い損じた試料に関しては、説明をソース文書及びeCRFに記載しなければならない。
およそ3mLの全血を、留置静脈カニューレを通して、または静脈穿刺により採取する。試料の収集、処理、保管、輸送、及び取扱いに関する詳細な取扱説明書は、施設に提供される個別の臨床検査マニュアルに含まれる。
鍵となる有効性評価の概要: 研究化合物の安全性は、治療に起因する有害事象(TEAE)の発生、ならびに、臨床検査パラメーター及びバイタルサインの変化に基づいて評価される。安全性評価は、以下で構成され得る:
各研究訪問時における、有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE)の記録
身体診察
バイタルサイン
酸素補給
胸部x線またはCT
臨床検査評価:血液学、血清化学、チアミンレベル、凝固、検尿、血清/尿妊娠試験
心電図(ECG)
NEWS2スコアリングシステム。NEWS2は、患者が病院にいる、または、院内で監視されているときに、ルーティンにより既に記録されている生理学的測定値にスコアが割り当てられる、集計スコアリングシステムである。6つの単純な生理学的パラメーターが、スコアリングシステムの基礎を形成する:
呼吸数、
酸素飽和度、
収縮期血圧、
脈拍数、
意識または新たな錯乱のレベル
温度。
NEWS2は、各日のおよそ同じ時間に、毎日のアセスメントと共に評価され、各パラメーターはスコアリングされており、累積結果は、必要な応答の臨床リスク及び緊急度を示しており、これらが適切なeCRFに入力される。
COVID-19に対する標準ケア治療法が現在進化中であり、新たなガイダンス文書(例えば、WHOからの暫定的なガイダンスである “Clinical management of severe acute respiratory infection (SARI) when COVID-19 is suspected”、及び、地方施設のガイドライン)(世界保健機関、2020)に従う予定である。呼吸障害患者の薬物治療法としては、抗ウイルス剤、ヒドロキシクロロキン、抗生物質、または支持剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
本明細書で言及される全ての出版物は、それら全体が参照として本明細書に組み込まれる。

Claims (29)

  1. 患者における呼吸器疾患または障害の治療方法であって、前記患者に、有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  2. 前記MK2阻害剤が式Iの化合物:
    Figure 2023536427000058
    またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
    環Aはフェニル、1~3個の窒素原子を有する5~6員の単環式ヘテロアリール環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環であり、
    Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状の1~3員炭化水素鎖であって、前記炭化水素鎖がオキソまたは-ORで場合により置換されている前記炭化水素鎖、から選択される二価の部分であり、
    各Rは独立して、水素、または場合により置換されているC1-6脂肪族であるか、あるいは、
    同じ窒素上の2つのR基は、窒素と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員飽和または部分的に不飽和の複素環を形成し;
    は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族であり、
    は、-Rまたは-(CHであり、
    pは0、1、2、または3であり、
    は、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-SR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-C(O)R、-N(R)C(O)R、-SON(R)、または-N(R)SOであり、
    は、ハロゲン、-CN、-SR、-S(O)R、-SO、-OSO、-OC(O)R、または-OP(O)ORであり、
    各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、または場合により置換されているフェニルから独立して選択され、
    は、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyであり、
    各Rは独立して、水素、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
    各Rは独立して、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
    m及びnのそれぞれは独立して0~4であり、かつ
    各Cyは独立して、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式炭素環式環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式複素環式環から選択される、場合により置換されている環である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記MK2阻害剤が
    Figure 2023536427000059
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記MK2阻害剤が
    Figure 2023536427000060
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記MK2阻害剤が1日1回(「QD」)投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記MK2阻害剤が約3mg~約1000mgの量で投与される、請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記MK2阻害剤が、約3mg~約15mg、約10mg~約25mg、約15mg~約50mg、約25mg~約75mg、約50mg~約100mg、約75mg~約125mg、約100mg~約150mg、または、約125mg~約200mgの量で投与される、請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記MK2阻害剤が、約3mg、約5mg、約10mg、約15mg、約25mg、約50mg、約75mg、または約100mgの前記化合物を含む単位用量で投与される、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記MK2阻害剤が経口用量剤形で投与される、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記経口用量剤形がカプセルである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記MK2阻害剤が、スプレー乾燥分散製剤で投与される、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 前記スプレー乾燥分散製剤が、前記化合物、HPMCAS、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記呼吸器疾患または障害がコロナウイルスにより媒介される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記呼吸器疾患または障害がSARS-CoV-2により媒介される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記呼吸器疾患または障害がCOVID-19である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記患者が、以前に試験をしてSARS-CoV-2陽性となっている、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記患者が、COVID-19と関連する合併症に因り、以前に入院している、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記患者が、以下の1つ以上:大気でSpO2≦93%、機械換気なしのPaO2/FiO2≦300mmHg、呼吸数≧30/分、または、肺炎に対して陽性の胸部CTもしくはX線を有することを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記患者が、1つ以上の心血管危険因子、または、心臓血管もしくは血栓合併症を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. COVID-19を患う患者における1つ以上の炎症誘発性サイトカインの制御方法であって、前記患者に有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  21. 前記炎症誘発性サイトカインが、TNFα、IP10、IL-6、IL-18、IL-1RA、RANTES/CCL5、及びCRPのうちの1つ以上から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. COVID-19を患う患者におけるサイトカインストームの治療方法であって、前記患者に有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  23. 前記サイトカインストームが、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-10、GM-CSF、及びMCP-1、またはこれらの組み合わせからなる群から選択されるサイトカインの上昇を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 患者におけるコロナウイルス複製の減少方法であって、前記患者に有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  25. COVID-19を患う患者におけるp38経路活性化の阻害方法であって、前記患者に有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  26. COVID-19を患う患者における肺線維症の治療方法であって、前記患者に有効量のMK2阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  27. 前記MK2阻害剤が式Iの化合物:
    Figure 2023536427000061
    またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
    環Aはフェニル、1~3個の窒素原子を有する5~6員の単環式ヘテロアリール環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~14員の二環式ヘテロアリール環であり、
    Tは、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-SO-、-C(S)-、-Si(R-、-P(R)-、-P(O)-、または、二価の飽和直鎖状もしくは分岐状の1~3員炭化水素鎖であって、前記炭化水素鎖がオキソまたは-ORで場合により置換されている、前記炭化水素鎖、から選択される二価の部分であり、
    各Rは独立して、水素、または場合により置換されているC1-6脂肪族であるか、あるいは、
    同じ窒素上の2つのR基は、窒素と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員飽和または部分的に不飽和の複素環を形成し;
    は、水素、または、場合により置換されているC1-6脂肪族であり、
    は、-Rまたは-(CHであり、
    pは0、1、2、または3であり、
    は、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-SR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-C(O)R、-N(R)C(O)R、-SON(R)、または-N(R)SOであり、
    は、ハロゲン、-CN、-SR、-S(O)R、-SO、-OSO、-OC(O)R、または-OP(O)ORであり、
    各Rは、場合により置換されているC1-6脂肪族、または場合により置換されているフェニルから独立して選択され、
    は、水素、場合により置換されているC1-6脂肪族、-CN、-NO、ハロゲン、-OR、-N(R)、-C(O)N(R)、-C(O)OR、-Cy、-C(O)N(R)-Cy、-C(O)-Cy、-O-Cy、-O-(CH-Cy、-(CH-O-Cy、-(CHN(R)、-(CHOR、-N(R)-Cy、-N(R)-(CH-Cy、-(CH-N(R)-Cy、または-(CH-Cyであり、
    各Rは独立して、水素、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
    各Rは独立して、-OR、C1-6脂肪族、フェニル、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、
    m及びnのそれぞれは独立して0~4であり、かつ
    各Cyは独立して、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~9員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、7~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式炭素環式環、または、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、6~12員の飽和もしくは部分的に不飽和の、縮合もしくは架橋二環式複素環式環から選択される、場合により置換されている環である、請求項20~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記MK2阻害剤が
    Figure 2023536427000062
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記MK2阻害剤が
    Figure 2023536427000063
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項27に記載の方法。
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