JP2023535684A - 抗gprc5d抗体に対する抗イディオタイプ抗体 - Google Patents
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Abstract
いくつかの態様では、本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分に関する。いくつかの態様では、本開示の抗イディオタイプ抗体及び抗原結合部分は、GP5B83を含むキメラ抗原受容体を発現する細胞を検出及び定量するための方法において使用することができる。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は2020年7月17日に出願された米国仮特許出願第63/053,286号の優先権を主張するものである。前述の出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は2020年7月17日に出願された米国仮特許出願第63/053,286号の優先権を主張するものである。前述の出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みである、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該ASCIIコピーは、2021年7月7日に作成され、名称はJBI6352WOPCT1_SL.txtであり、サイズは37,057バイトである。
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(発明の分野)
本発明は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分に関する。GP5B83を含むキメラ抗原受容体を発現する細胞を検出及び定量する方法もまた提供される。
本発明は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分に関する。GP5B83を含むキメラ抗原受容体を発現する細胞を検出及び定量する方法もまた提供される。
標的ゲノムへのゲノム材料の送達及び統合の理解における最近の進歩は、標準治療を多様な疾患に合わせて変化させる大きな可能性を有している。T細胞療法では、特定の腫瘍関連抗原に対する特異性を高めるために遺伝子改変され単離されたT細胞を利用する。遺伝子改変は、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)又は外因性T細胞受容体の発現を伴い、T細胞上に新たな抗原特異性を提供し得る。キメラ抗原受容体を発現するT細胞(CAR-T細胞)は、腫瘍免疫反応性を誘導することができる。
目的の1つの特定のCAR標的は、Gタンパク質共役受容体ファミリーCグループ5メンバーD(G-protein coupled receptor family C group 5 member D、GPRC5D)である。GPRC5Dは、多発性骨髄腫並びに潜在的に他のがんの免疫療法の潜在的な標的として同定されている。
したがって、がんを処置するためのCAR-T細胞療法が必要とされている。CARを発現するタンパク質及び細胞を検出、精製、又は選択するために、そのようなCARに対する抗イディオタイプ抗体も必要とされている。
本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を提供する。本開示はまた、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分をコードする核酸、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を産生する方法、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を使用してGP5B83を検出する方法、並びに抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を含むキットを提供する。
一態様では、本開示は、GP5B83を含む標的抗体などの抗GPRC5D抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を提供する。いくつかの実施形態では、標的抗体又は抗原結合部分は、配列番号41のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号42のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。
他の実施形態では、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、生物学的試料中のGP5B83の検出であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む検出において使用するためのものである。
別の態様では、本開示は、配列番号4~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25~26からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33~34からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。
いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVHドメインを含み、VLドメインは、配列番号46と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号37と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号46と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号46のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。いくつかの他の実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む。
いくつかの実施形態では、抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、又はscFvから選択される。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、マウスIgG2aフレームワークを含む。いくつかの他の実施形態では、抗体は、完全ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分はGP5B83に特異的であり、GP5B83はキメラ抗原受容体(CAR)の細胞外部分の抗原結合ドメイン内にある。いくつかの実施形態では、GP5B83はscFvであり、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、CARのscFv中のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GP5B83は、GPRC5Dに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗体又は抗原結合部分は、他のGPRC5D抗体又は他のGPRC5D結合CARと交差反応しない。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号43~44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、本開示は、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸を提供する。
別の態様では、本開示は、GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸であって、配列番号38のヌクレオチド配列、配列番号40のヌクレオチド配列、又はその両方を含む核酸を提供する。別の態様では、本開示は、核酸配列を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、発現ベクターである。別の態様では、本開示は、ベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
別の態様では、本開示は、GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を産生する方法であって、当該抗体又は抗原結合部分が発現されることを可能にする条件下で、抗体又は抗原結合部分の重鎖及び軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養することと、培養物から当該抗体又は抗原結合部分を単離することとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分をコードする核酸を含むベクターをコードする。
別の態様では、本開示は、生物学的試料中のGP5B83を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、生物学的試料中のGP5B83を含むキメラ抗原受容体(CAR)の発現を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出し、それによってCARの発現を検出することとを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、抗体は、検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出する前に、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出可能な標識と接触させることを更に含む更に含む。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、血液、血清又は尿である。
いくつかの態様では、本開示は、(a)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と、(b)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出するための説明書とを含む、生物学的試料中のGP5B83を検出するためのキットを提供する。
他の態様では、本開示は、試料からGP5B83を精製する方法であって、(a)GP5B83を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってGP5B83を精製することとを含む方法を提供する。
他の態様では、本開示は、細胞集団からCAR-T細胞を選択する方法であって、(a)CAR-T細胞を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってCAR-T細胞を選択することとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、GP5B83に特異的である。
本開示は、前述の態様及び実施形態のうちのいずれかの全ての組み合わせ、並びに詳細な説明及び実施例に記載の実施形態のうちのいずれかとの組み合わせを企図する。
本発明を説明する目的で、本開示のある特定の実施形態が図面に図示されている。しかしながら、本開示は、図面に図示された実施形態の精密な配置及び手段に限定されるものでない。
ポリクローナルELISAで検出された4ラウンドのパニング後のGCDB332特異的結合富化のグラフ表示を示す図である。
HRPコンジュゲート化ストレプトアビジンカウンタースクリーニング試薬結合アッセイと比較した、GCDB332標的結合アッセイからのモノクローナルFab結合スクリーニングの結果のグラフ表示を示す図である。
(上記の通り。)
GP5DB83-LH SupT1細胞へのGP5B318の用量依存的結合のグラフ表示を示す図である。
GPDB83-HL scFv-Fc融合タンパク質によるGP5DB83-HL SupT1細胞へのPE-P5B318の用量依存的結合のブロッキングのグラフ表示を示す図である。
概説
本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を提供する。本開示の抗イディオタイプ抗体及び抗原結合部分は、GP5B83を含むCARを発現する細胞を検出及び定量するための方法において使用することができる。そのような方法は、in vitroで作製されたCAR-T細胞の所与のバッチが所望のCARを発現したかどうか、したがって、細胞が所望のタンパク質を標的化するために治療上有用であるかどうかを研究者が決定することを可能にし得る。本開示では、抗イディオタイプ抗体及び抗原結合部分は、多発性骨髄腫を含むがんに関連するタンパク質であるGPRC5Dをそれ自体が標的とするGP5B83を標的とする。
本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を提供する。本開示の抗イディオタイプ抗体及び抗原結合部分は、GP5B83を含むCARを発現する細胞を検出及び定量するための方法において使用することができる。そのような方法は、in vitroで作製されたCAR-T細胞の所与のバッチが所望のCARを発現したかどうか、したがって、細胞が所望のタンパク質を標的化するために治療上有用であるかどうかを研究者が決定することを可能にし得る。本開示では、抗イディオタイプ抗体及び抗原結合部分は、多発性骨髄腫を含むがんに関連するタンパク質であるGPRC5Dをそれ自体が標的とするGP5B83を標的とする。
定義
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容について別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ又は3つ以上の細胞の組み合わせなどが含まれる。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容について別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ又は3つ以上の細胞の組み合わせなどが含まれる。
移行句「備える/含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting)」は、特許用語において一般的に受け入れられている意味を含意することを意図しており、すなわち、(i)「備える/含む(comprising)」は、「含む」、「含有する」、又は「特徴とする」と同義であり、包括的又は非制限的なものであり、その他の列挙されていない要素又は方法工程を除外するものではなく、(ii)「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲において特定されていない、あらゆる要素、工程、又は成分を除外し、並びに(iii)「から本質的になる」は、特定される材料又は工程、並びに、特許請求される発明の「基本的かつ新規な特徴に実質的に影響しないもの」に、特許請求の範囲の範囲を制限する。語句「備える/含む(comprising)」(又はその同等語)を伴って記載される実施形態はまた、「からなる」及び「から本質的になる」を伴って独立して記載される実施形態として提供する。
「活性化」又は「刺激」又は「活性化された」又は「刺激された」とは、活性化マーカーの発現、サイトカイン産生、又は標的細胞の増殖若しくは細胞傷害性の媒介をもたらす、細胞の生物学的状態の変化の誘導を指す。細胞は、一次刺激シグナルによって活性化され得る。共刺激シグナルは、一次シグナルの大きさを増幅し、初期刺激後の細胞死を抑制することができ、その結果、より耐久性のある活性化状態、ひいてはより高い細胞傷害能をもたらす。「共刺激シグナル」は、TCR/CD3ライゲーションなどの一次シグナルと組み合わせて、T細胞及び/若しくはNK細胞の増殖並びに/又は鍵となる分子のアップレギュレーション若しくはダウンレギュレーションを引き起こすシグナルを指す。
「抗イディオタイプ抗体(anti-idiotype antibody)」又は「抗イディオタイプ抗体(anti-idiotypic antibody)」は、別の抗体の可変領域に特異的に結合する抗体を指す。GPRC5Dの場合、抗イディオタイプ抗体は、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する。
「抗原結合部分」、「抗原結合断片」又は「抗原結合ドメイン」は、抗原に結合するタンパク質の一部を指す。抗原結合断片は、合成ポリペプチド、酵素的に入手可能なポリペプチド、又は遺伝的に操作されたポリペプチドであってよく、これには、抗原に結合する免疫グロブリンの一部、例えば、VH、VL、VH及びVL、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd及びFv断片、1つのVHドメイン又は1つのVLドメインからなるドメイン抗体(dAb)、サメ可変IgNARドメイン、ラクダ化VHドメイン、VHHドメイン、FR3-CDR3-FR4部分などの抗体のCDRを模倣するアミノ酸残基からなる最小認識ユニット、HCDR1、HCDR2、及び/又はHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2、及び/又はLCDR3、抗原に結合するオルタナティブスカフォールド、並びに抗原結合断片を含む多重特異性タンパク質が挙げられる。抗原結合断片(VH及びVLなど)は、合成リンカーを介して互いに連結して、VH及びVLドメインが別々の一本鎖により発現された場合にVH/VLドメインが分子内又は分子間で対合して一価の抗原結合ドメイン、例えば一本鎖Fv(single chain Fv、scFv)又はダイアボディを形成することができる、様々な種類の一本鎖抗体設計を形成することができる。抗原結合断片はまた、二重特異性及び多重特異性タンパク質を遺伝子操作するために、単一特異性又は多重特異性であり得る他の抗体、タンパク質、抗原結合断片、又はオルタナティブスカフォールドにコンジュゲートされてもよい。
「がん」は、身体における異常細胞の制御されていない成長を特徴とする様々な疾患の広範な群を指す。制御されていない細胞***及び成長は、隣接組織を浸潤する悪性腫瘍の形成をもたらし、リンパ系又は血流を介して身体の遠位部分にも転移し得る。「がん」又は「がん組織」は、腫瘍を含み得る。
「完全長抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に接続された、2本の重鎖(heavy chain、HC)及び2本の軽鎖(light chain、LC)、並びにこれらの多量体(例えば、IgM)で構成される。各重鎖は、重鎖可変ドメイン(VH)及び重鎖定常ドメインで構成され、重鎖定常ドメインは、サブドメインCH1、ヒンジ、CH2及びCH3で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変ドメイン(variable domain、VL)及び軽鎖定常ドメイン(constant domain、CL)で構成される。VH及びVLは、フレームワーク領域(framework region、FR)が散在している、相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼ばれる超可変性の領域に更に細分化され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRセグメントで構成される。
「相補性決定領域(Complementarity determining regions、CDR)」は、抗体における抗原結合部位である。CDRは、様々な用語を使用して定義され得る:(i)VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HCDR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)の相補性決定領域(CDR)は、配列多様性に基づいている(Wu and Kabat,J Exp Med 132:211-50,1970;Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991)。(ii)VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(L1、L2、L3)の「超可変性領域」、「HVR」、又は「HV」は、Chothia及びLesk(Chothia and Lesk Mol Biol 196:901-17,1987)により定義されるとおり、構造において超可変性である、抗体可変ドメインの領域を指す。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位についての標準的番号及び定義を提供する。CDR、HV、及びIMGT概要説明の対応が、Lefranc et al.,Dev Comparat Immunol 27:55-77,2003に記載されている。本明細書で使用されている「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、及び「LCDR3」という用語は、本明細書において別途記載のない限り、上掲のKabat、Chothia、又はIMGTにより記載されている方法のいずれかにより定義されるCDRを含む。
「ヒト抗体」は、ヒト対象に投与されるときに、最小の免疫応答を有するように最適化された抗体を意味する。ヒト抗体の可変領域は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体が定常領域又は定常領域の一部を含む場合、当該定常領域もヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体は、ヒト抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合、ヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。このような例示的な系は、ファージにディスプレイされたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばマウス又はラットを含む。「ヒト抗体」は、典型的には、ヒト抗体及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を得るために使用した系の違い、フレームワーク若しくはCDRへの体細胞変異の導入若しくは置換の意図的な導入、又はこれらの両方により、ヒトで発現した免疫グロブリンと比較したときにアミノ酸の違いを含有する。典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされているアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。場合によっては、「ヒト抗体」は、例えばKnappik et al.,(2000)J Mol Biol 296:57-86に記載されるヒトフレームワーク配列分析から得られたコンセンサスフレームワーク配列、又は例えばShi et al.,(2010)J Mol Biol 397:385-96及び国際公開第2009/085462号に記載される、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリに組み込まれた合成HCDR3を含有し得る。少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。
「ヒト化抗体」は、少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来し、少なくとも1つのフレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を意味する。ヒト化抗体は、フレームワークに置換を含むことができるため、フレームワークは、発現したヒト免疫グロブリン又はヒト免疫グロブリン生殖細胞系列遺伝子配列の厳密なコピーではない場合がある。
「単離/単離された」とは、組換え細胞などにおける分子が産生される系の他の成分から離して実質的に分離及び/又は精製された分子の均質な集団(例えば、合成ポリヌクレオチド又はポリペプチド)、並びに少なくとも1つの精製又は単離工程に供されたタンパク質を指す。「単離/単離された」とは、他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含まない分子を指し、より高い純度、例えば80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の純度まで単離された分子を包含する。
「調節する」は、対照又はビヒクルによって媒介される応答と比較したときに、より多い又はより少ない応答を媒介する(すなわち、下流効果)試験分子の増強された又は減少した能力のいずれかを指す。
「ナチュラルキラー細胞」及び「NK細胞」は、本明細書では互換的かつ同義的に使用される。NK細胞は、CD16+CD56+及び/又はCD57+TCR-表現型を有する分化リンパ球を指す。NK細胞は、特定の細胞溶解性酵素の活性化によって「自己」MHC/HLA抗原を発現できない細胞に結合し、殺傷する能力、腫瘍細胞又はNK活性化受容体のリガンドを発現する他の疾患細胞を殺傷する能力、及び免疫応答を刺激又は阻害するサイトカインと呼ばれるタンパク質分子を放出する能力を特徴とする。
「特異的に結合する」、「特異的結合」、「特異的に結合している」、又は「結合する」とは、タンパク質性分子が、抗原又は当該抗原内のエピトープに、他の抗原に対する親和性よりも高い親和性で結合することを指す。典型的には、タンパク質性分子は、約1×10-7M以下、例えば約5×10-8M以下、約1×10-8M以下、約1×10-9M以下、約1×10-10M以下、約1×10-11M以下、又は約1×10-12M、1×10-13M、1×10-14M、1×10-15M以下の平衡解離定数(KD)で抗原又は抗原内のエピトープに結合し、典型的には、KDは、非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)への結合についてのKDよりも少なくとも100倍小さい。本明細書に記載の前立腺ネオ抗原の文脈において、「特異的結合」とは、タンパク質性分子が、前立腺ネオ抗原がそのバリアントである野生型タンパク質に検出可能には結合することなく、前立腺ネオ抗原に結合することを指す。
「腫瘍細胞」又は「がん細胞」とは、in vivo、ex vivo、又は組織培養のいずれかにおいて、自然発生的な又は導入された表現型の変化を有するがん性、前がん性、又は形質転換細胞を指す。これらの変化は、必ずしも新たな遺伝物質の取り込みを伴うものではない。形質転換は、形質転換ウイルスの感染及び新たなゲノム核酸の組み込み、外因性核酸の取り込みにより発生させることもでき、自然発生的に又は発がん物質に曝露した後に発生し、それによって内因性の遺伝子が変異する場合もある。形質転換/がんは、in vitro、in vivo、及びex vivoにおける、形態学的変化、細胞の不死化、異常な増殖制御、病巣の形成、増殖、悪性病変、腫瘍特異的マーカーレベルの調節、浸潤性、ヌードマウスなどの好適な動物宿主における腫瘍の増殖などによって例示される。
「キメラ抗原受容体」又は「CAR」という用語は、本明細書で使用するとき、全て天然では単一のタンパク質において一緒にみられることのない組み合わせで、細胞外標的結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞表面受容体として定義される。これには、特に、細胞外ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインが天然では単一の受容体タンパク質において一緒にみられることのない受容体が含まれる。本発明のキメラ抗原受容体は、主に、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞などのリンパ球での使用が意図される。
「T細胞」及び「Tリンパ球」という用語は、互換的であり、本明細書において同義的に使用される。本明細書で使用するとき、T細胞は、胸腺細胞、ナイーブTリンパ球、未成熟Tリンパ球、成熟Tリンパ球、休止Tリンパ球、又は活性化Tリンパ球を含む。T細胞は、Tヘルパー(T helper、Th)細胞、例えば、Tヘルパー1(Th1)又はTヘルパー2(Th2)細胞であり得る。T細胞は、ヘルパーT細胞(HTL、CD4+T細胞)、CD4+T細胞、細胞傷害性T細胞(cytotoxic T cell、CTL;CD8+T細胞)、腫瘍浸潤細胞傷害性T細胞(tumor infiltrating cytotoxic T cell、TIL;CD8+T細胞)、CD4+CD8+T細胞、又はT細胞の任意の他のサブセットであってもよい。特定の実施形態で使用するのに好適なT細胞の他の例示的な集団としては、ナイーブT細胞及びメモリT細胞が挙げられる。また、「NKT細胞」も含まれ、これは、半不変αβT細胞受容体を発現するだけでなく、NK1.1などの典型的にはNK細胞に関連する様々な分子マーカーも発現する、T細胞の特殊な集団を指す。NKT細胞としては、NK1.1+及びNK1.1-、並びにCD4+、CD4-、CD8+、及びCD8細胞が挙げられる。NKT細胞のTCRは、MHC I様分子CD Idによって提示される糖脂質抗原を認識するという点で独特である。NKT細胞は、炎症又は免疫寛容のいずれかを促進するサイトカインを産生する能力により、保護効果又は有害効果のいずれかを有し得る。また、「ガンマデルタT細胞(γδT細胞)」も含まれる。ガンマデルタT細胞は、それらの表面に異なるTCRを有するT細胞の小さなサブセットの特殊な集団を指し、TCRがα及びβ-TCR鎖と表記される2つの糖タンパク質鎖から構成されるT細胞の大部分とは異なる。γδT細胞におけるTCRは、γ鎖及びδ鎖から構成される。γδT細胞は、免疫監視及び免疫調節において役割を果たすことができ、IL-17の重要な供給源であること、及び活発なCD8+細胞傷害性T細胞応答を誘導することが見出された。また、異常又は過剰な免疫応答を抑制し、免疫寛容において役割を果たすT細胞を指す「制御性T細胞」又は「Treg」も含まれる。Tregは、典型的には、転写因子Foxp3陽性CD4+T細胞であり、また、IL-10産生CD4+T細胞である転写因子Foxp3陰性制御性T細胞も含み得る。
本明細書で使用するとき、「抗原」という用語は、T細胞受容体が結合することができる任意の剤(例えば、タンパク質、ペプチド、多糖類、糖タンパク質、糖脂質、核酸、これらの一部、又はこれらの組み合わせ)分子を指す。抗原は、免疫応答を惹起することもできる。免疫応答の例は、限定するものではないが、抗体産生、若しくは特定の免疫学的コンピテント細胞の活性化、又はその両方を伴い得る。当業者は、抗原が決して「遺伝子」によってコードされている必要はないことを理解するであろう。抗原は、合成で作製されてもよく、又は生物学的試料に由来していてもよく、又はポリペプチド以外の巨大分子であってもよいことは容易に明らかである。このような生物学的試料としては、組織試料、腫瘍試料、細胞、又は他の生物学的成分、生物、タンパク質/抗原のサブユニット、殺傷若しくは不活性化された全細胞若しくは溶解物を含む流体を挙げることができるが、これらに限定されない。
「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、イントラボディ、ミニボディ、ダイアボディ、及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗原特異的TCRに対する抗Id抗体を含む)、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片を指す。「抗体」及び「抗体」という用語はまた、米国特許出願公開第2007/0004909号に記載のものなどの共有結合性ダイアボディ、及び米国特許出願公開第2009/0060910号に開示されているものなどのIg-DARTSを指す。TCR結合分子として有用な抗体としては、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち、抗原結合部位を含有する分子が挙げられる。免疫グロブリン分子は、任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM1、IgM2、IgA1、及びIgA2)、又はサブクラスであってよい。
「宿主細胞」という用語は、異種核酸を含有する任意の細胞を意味する。異種核酸は、ベクター(例えば、発現ベクター)であり得る。例えば、宿主細胞は、細胞による物質の産生、例えば、遺伝子、DNA若しくはRNA配列、タンパク質、又は酵素の細胞による発現のための、任意の方法で選択、改変、形質転換、成長、使用、又は操作される任意の生物由来の細胞であってよい。適切な宿主を決定することができる。例えば、宿主細胞は、ベクター骨格及び所望の結果に基づいて選択され得る。例として、プラスミド又はコスミドは、いくつかのタイプのベクターを複製するために原核生物宿主細胞に導入され得る。DH5α、JM109、及びKCBなどであるが、これらに限定されない細菌細胞、SURE(登録商標)コンピテント細胞、並びにSOLOPACK Gold細胞を、ベクター複製及び/又は発現のための宿主細胞として使用することができる。更に、大腸菌LE392などの細菌細胞を、ファージウイルスの宿主細胞として使用することができる。宿主細胞として使用され得る真核細胞には、酵母(例えば、YPH499、YPH500及びYPH501)、昆虫及び哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。ベクターの複製及び/又は発現のための哺乳類真核宿主細胞の例としては、HeLa、NIH3T3、Jurkat、293、COS、CHO、Saos、及びPC12が挙げられるが、これらに限定されない。
「発現する」及び「発現」という用語は、遺伝子又はDNA配列の情報が生成されることを可能にするか又は生成させること、例えば、対応する遺伝子又はDNA配列の転写及び翻訳に関与する細胞機能を活性化することによってタンパク質を生成することを意味する。DNA配列は、細胞内に又は細胞によって発現して、タンパク質などの「発現産物」を形成する。発現産物自体、例えば、得られたタンパク質は、細胞によって「発現された」と言うこともできる。発現産物は、細胞内、細胞外、又は膜貫通として特徴付けることができる。
「トランスフェクション」という用語は、組換えDNA技術を使用して「外来」(すなわち、外因性又は細胞外)核酸を細胞に導入することを意味する。「遺伝子改変」という用語は、宿主細胞が、導入された遺伝子又は配列を発現して、所望の物質、通常、導入された遺伝子又は配列によってコードされるタンパク質又は酵素を生成するように、「外来」(すなわち、外因性又は細胞外)遺伝子、DNA又はRNA配列の宿主細胞への導入を意味する。導入された遺伝子又は配列はまた、「クローニングされた」又は「外来」遺伝子又は配列と呼ばれる場合もあり、開始、終止、プロモーター、シグナル、分泌、又は細胞の遺伝機構によって使用される他の配列などのキメラ抗原受容体をコードしているポリヌクレオチドに操作可能に連結した調節配列又は制御配列を含んでいてよい。遺伝子又は配列は、既知の機能を有さない非機能的配列を含んでいてよい。導入されたDNA又はRNAを受け取って発現する宿主細胞は、「遺伝的に操作されている」。宿主細胞に導入されたDNA又はRNAは、宿主細胞と同じ属若しくは種の細胞を含む任意の起源、又は異なる属若しくは種に由来し得る。
「形質導入」という用語は、ウイルスベクターを使用する外来核酸の細胞への導入を意味する。
「制御エレメント」という用語は、核酸配列の発現のいくつかの態様を制御する任意のシス作用性遺伝要素を指す。いくつかの実施形態では、「プロモーター」という用語は、本質的に、転写を開始するために必要な最小配列を含む。いくつかの実施形態では、「プロモーター」という用語は、転写を開始させるための配列を含み、加えて、それぞれ一般的に「エンハンサーエレメント」及び「リプレッサーエレメント」と呼ばれる、転写をアップレギュレート又はダウンレギュレートすることができる配列も含む。
本明細書で使用するとき、「動作可能に連結された」及び類似の語句は、核酸又はアミノ酸に関して使用される場合、それぞれ、互いに機能的な関係で配置された核酸配列又はアミノ酸配列の動作可能な連結を指す。例えば、操作可能であるように連結されたプロモーター、エンハンサーエレメント、オープンリーディングフレーム、5’及び3’UTR、並びにターミネーター配列は、核酸分子(例えば、RNA)の正確な産生をもたらす。いくつかの実施形態では、操作可能であるように連結された核酸エレメントは、オープンリーディングフレームの転写及び最終的にはポリペプチドの生成(すなわち、オープンリーディングフレームの発現)をもたらす。別の例として、操作可能であるように連結されたペプチドは、機能ドメインが互いに適切な距離で配置されて、各ドメインの意図された機能を付与するものを指す。
「増強」又は「促進」、又は「増加」若しくは「拡大」若しくは「改善」は、全般的に、ビヒクル又は対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、より大きな生理学的応答を生じさせるか、誘発するか、又は引き起こす(すなわち、下流効果)、本明細書で企図される組成物の能力を指す。測定可能な生理学的応答は、特に当該技術分野及び本明細書の記載の理解から明らかなように、T細胞の拡大、活性化、エフェクタ機能、持続性の増加、及び/又はがん細胞死殺傷能力の増加を含み得る。特定の実施形態では、「増加した」又は「増強された」量は、「統計的に有意な」量であり得、ビヒクル又は対照組成物によって生成される応答の1.1、1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30倍、又はそれ以上(例えば、500、1000倍)の増加(1の中間及びそれ以上、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などの全ての整数及び小数点を含む)を含み得る。
「減少する」又は「より低い」又は「より少なくする」又は「低下させる」又は「弱める」は、一般に、ビヒクル又は対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、より少ない生理学的応答(即ち、下流効果)を生じさせるか、誘発するか、又は引き起こす、本明細書で企図される組成物の能力を指す。特定の実施形態では、「減少する」又は「低減された」量は、「統計的に有意な」量であり得、ビヒクル、対照組成物によって生成される応答(参照応答)、又は特定の細胞系譜における応答の1.1、1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30倍、又はそれ以上(例えば、500、1000倍)の減少(1の中間及びそれ以上、例えば、1.5、1.6、1.7.1.8など)を含み得る。
用量又は量に適用される「有効な」という用語は、それを必要とする被験体への投与時に所望の活性をもたらすのに十分な化合物又は医薬組成物の量を指す。活性成分の組み合わせを投与するとき、当該組み合わせの有効量は、個々に投与された場合に有効であろう各成分の量を含んでいる場合もあり、含んでいない場合もあることに留意されたい。正確な必要量は、対象の種、年齢、及び全身状態、治療される病態の重症度、用いられる具体的な薬物、投与の様式などに応じて、対象によって異なる。
本明細書に記載の組成物に関連して使用される「医薬的に許容される」という語句は、生理学的に許容可能であり、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されたときに通常は有害な反応を生じない分子実体及びそのような組成物の他の成分を指す。好ましくは、「医薬的に許容される」という用語は、哺乳類、より具体的にはヒトにおける使用について、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって認可されているか、又は米国薬局方若しくは他の全般的に認められている薬局方に記載されていることを意味する。
「タンパク質」という用語は、本明細書で使用するとき、全ての長さのタンパク質断片を含む天然及び合成のタンパク質、融合タンパク質、並びに糖タンパク質に加えて、全ての他の種類の修飾タンパク質(例えば、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化、パルミトイル化、グリコシル化、酸化、ホルミル化、アミド化、ポリグルタミル化、ADP-リボシル化、ペグ化、ビオチン化などから得られるタンパク質)を含むがこれに限定されない修飾タンパク質の全ての種類を包含する。
「核酸」、「ヌクレオチド」、及び「ポリヌクレオチド」という用語は、特に明記しない限り、DNA及びRNAの両方を包含する。「核酸配列」又は「ヌクレオチド配列」とは、アミノ酸をコードしている核酸配列を意味し、これらの用語はまた、リンカーによってコードされている任意のアミノ酸を含む、クローニングのアーチファクトとして付加される任意のアミノ酸をコードしている部分を含む核酸配列を指す場合もある。
「担体」という用語は、化合物が一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。このような医薬担体は、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの、石油、動物、植物、又は合成起源のものを含む、水及び油などの滅菌液体であってよい。水又は水溶液、生理食塩水、並びにデキストロース及びグリセリン水溶液が、特に注射溶液用の担体として好ましく用いられる。あるいは、担体は、バインダー(圧縮丸剤用)、流動促進剤、封入剤、風味剤、及び着色剤のうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない固体剤形担体であってもよい。好適な医薬用担体の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。
「約」又は「およそ」という用語は、値の統計的に意味のある範囲内にあることを含む。このような範囲は、所与の値又は範囲の1桁以内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、更により好ましくは10%以内、更により好ましくは5%以内であり得る。「約」又は「およそ」という用語によって包含される許容可能な変動は、研究中の具体的なシステムに依存し、当業者によって容易に理解され得る。
「GPRC5D」は、公知のタンパク質である、Gタンパク質共役受容体ファミリーCグループ5メンバーDを指す。完全長ヒトGPRC5Dのアミノ酸配列を配列番号47に示す。
「GP5B83」という用語は、CARを含む、GP5B83-VH-N23S-N30S VH(配列番号41)及びGP5B83 VL(配列番号42)に由来する可変領域を含有する任意の抗体、その抗原結合部分、又は任意の他のタンパク質を指す。「GP5B83」は、「GP5DB83」と互換的に使用され得る。特定の実施形態では、本開示の抗イディオタイプ抗体は、配列番号41に示されるVHドメイン及び/又は配列番号42に示されるVLドメインを含むタンパク質に特異的に結合する。特定の実施形態では、本開示の抗イディオタイプ抗体は、配列番号41に示されるVHドメインの3つのCDRと、配列番号42に示されるVLドメインの3つのCDRとを含むタンパク質に特異的に結合する。
「GCDB332」という用語は、GP5B83由来のscFv融合タンパク質、具体的にはGP5B83-VH-N23S-N30S-LH-scFvを指す。
「GP5B318」という用語は、GP5B83由来のscFv GCDB332及びマウスIgG2a/kを標的とするヒトVH/VLを有するキメラmAbを指す。
本明細書で使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明する目的のものに過ぎず、限定を目的としたものではない。本明細書で使用される場合、文脈により別途明確に示されない限り、冠詞「a」、「an」及び「the」は、複数の指示物を含むものと理解されたい。
本開示は、本明細書に記載の抗体、核酸、ポリペプチド、及びタンパク質のバリアント、例えば、機能的バリアントを更に提供する。「バリアント」は、例えば、置換、挿入、又は欠失といった1つ以上の改変によって参照ポリペプチド又は参照ポリヌクレオチドと異なるポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。本明細書で使用される「機能的バリアント」という用語は、親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質と実質的な又は有意な配列同一性又は類似性を有する抗体、ポリペプチド、又はタンパク質を指し、この機能的バリアントは、バリアントである抗体、ポリペプチド、又はタンパク質の生物学的活性を保持する。機能的バリアントは、例えば、本明細書に記載の抗体、ポリペプチド、又はタンパク質(親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質)のバリアントを包含し、親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質と同様の程度、同程度、又はより高い程度で標的細胞を認識する能力を保持する。親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質に関して、機能的バリアントは、例えば、親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質に対して、アミノ酸配列が少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれ以上同一であり得る。
本明細書では、ポリペプチドの構造は、列挙された参照配列(所与の配列番号を有する)との%配列同一性に基づいて定義された場所にある。これに関連して、2つのアミノ酸配列間の%配列同一性は、最適な方法でアラインメントされたこれらの2つの配列を比較することによって判定することができ、比較されるアミノ酸配列は、これらの2つの配列間における最適なアラインメントのために参照配列に対して付加又は欠失を含み得る。同一性の百分率は、2つの配列間のアミノ酸残基が同一である同一位置の数を判定し、この同一の位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除算し、これら2つの配列間における同一性の百分率を得るために得られた結果に100を乗算することにより計算される。典型的には、比較ウィンドウは、比較される配列の全長に対応する。例えば、サイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlで入手可能であるBLASTプログラム、「BLAST 2配列」(Tatusova et al、「Blast 2配列-タンパク質及びヌクレオチド配列を比較するための新しいツール」、FEMS Microbiol Lett.174:247-250)を使用することが可能であり、使用されるパラメータは、デフォルト(具体的には、パラメータ「オープンギャップペナルティ」:5、及び「エクステンションギャップペナルティ」:2;選択されたマトリックスは、例えば、プログラムによって提案されるマトリックス「BLOSUM 62」)で指定されているパラメータであり、比較される2つの配列間における同一性の百分率は、プログラムによって直接計算される。クエリ配列の参照配列に対する配列同一性の判定は、当業者の能力の範囲内であり、BLAST(商標)などの市販の分析ソフトウェアを使用して実行することができる。
機能的バリアントは、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。別の実施形態では、機能的バリアントは、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物活性を抑制又は阻害することができない。非保存的アミノ酸置換により、機能的バリアントの生物活性を増強させることができ、その結果、機能的バリアントの生物活性は、親抗体、ポリペプチド、又はタンパク質と比較して増加する。
本発明の抗体のアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。保存的アミノ酸置換は、当該技術分野において既知であり、特定の物理的及び/又は化学的特性を有する1つのアミノ酸を、同じ又は類似の化学的又は物理的特性を有する別のアミノ酸と交換するアミノ酸置換を含む。例えば、保存的アミノ酸置換は、別の酸性アミノ酸で置換された酸性アミノ酸(例えば、Asp又はGlu)、非極性側鎖を有する別のアミノ酸で置換された非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Valなど)、別の塩基性アミノ酸で置換された塩基性アミノ酸(Lys、Argなど)、極性側鎖を有する別のアミノ酸で置換された極性側鎖を有するアミノ酸(Asn、Cys、Gln、Ser、Thr、Tyrなど)等であり得る。
本発明の実施形態の抗体、ポリペプチド、及びタンパク質(本発明の機能的部分及び機能的バリアントを含む)は、1つ以上の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含むことができる。かかる合成アミノ酸は、当該技術分野において既知であり、例としては、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、α-アミノn-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-及びトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、α-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、α,γ-ジアミノ酪酸、α,β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリンβ-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、α-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、N’-ベンジル-N’-メチル-リジン、N’,N’-ジベンジル-リジン、6-ヒドロキシリジン、オルニチン、α-アミノシクロペンタンカルボン酸、α-アミノシクロヘキサンカルボン酸、α-アミノシクロヘプタンカルボン酸、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、及びα-tert-ブチルグリシンが挙げられる。
本発明の実施形態の抗体、ポリペプチド、及びタンパク質(機能的部分及び機能的バリアントを含む)は、翻訳後修飾を受けることができる。これらは、グリコシル化、エステル化、N-アシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、例えば、ジスルフィド架橋を介して環化することができ、又は酸付加塩に変換することができる。いくつかの実施形態では、これらは、二量体化若しくはポリマー化、又はコンジュゲートされている。
本発明の実施形態の抗体、ポリペプチド、及び/又はタンパク質(機能的部分及びその機能的バリアントを含む)は、当該技術分野において既知の方法によって得ることができる。ポリペプチド及びタンパク質をde novo合成する好適な方法は、Chan et al.,Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2000、Peptide and Protein Drug Analysis,ed.Reid,R.,Marcel Dekker,Inc.,2000、及びEpitope Mapping,ed.Westwood et al.,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2001などの参考文献に記載されている。また、ポリペプチド及びタンパク質は、標準的な組換え方法を使用し、本明細書に記載の核酸を使用して、組換えにより産生され得る。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.2001、及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons,NY,1994を参照されたい。更に、本発明の抗体、ポリペプチド、及びタンパク質(機能的部分及びその機能的バリアントを含む)の一部は、植物、細菌、昆虫、哺乳動物などの供給源から単離及び/又は精製することができる。単離及び精製の方法は、当該技術分野において既知である。代替的に、本明細書に記載の抗体、ポリペプチド、及び/又はタンパク質(機能的部分及びその機能的バリアントを含む)は、商業的に合成することができる。この点において、抗体、ポリペプチド、及びタンパク質は、合成、組換え、単離、及び/又は精製することができる。
本開示の方法及び使用
本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、特異的結合を容易にするために、GP5B83抗体の一部に相補的なアミノ酸配列を含み得る。本開示はまた、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分をコードする核酸、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を産生する方法、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を使用してGP5B83を検出する方法、並びに抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を含むキットを提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、他の試薬を含有するキットに含まれてもよく、例えば、CAR中のT細胞の表面上に発現されるGP5B83/GCDB332抗体又はその断片を所与の生物学的試料が含むかどうかを判定するために使用されてもよい。
本開示は、GP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、特異的結合を容易にするために、GP5B83抗体の一部に相補的なアミノ酸配列を含み得る。本開示はまた、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分をコードする核酸、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を産生する方法、抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を使用してGP5B83を検出する方法、並びに抗イディオタイプ抗体及びその抗原結合部分を含むキットを提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、他の試薬を含有するキットに含まれてもよく、例えば、CAR中のT細胞の表面上に発現されるGP5B83/GCDB332抗体又はその断片を所与の生物学的試料が含むかどうかを判定するために使用されてもよい。
GP5B83の任意の機能的部分に結合する能力について抗体を試験する方法は、当該技術分野において既知であり、任意の抗体-抗原結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay、RIA)、ウエスタンブロット、酵素連結免疫吸着アッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay、ELISA)、免疫沈降、及び競合阻害アッセイなどが挙げられる。
抗体を作製する好適な方法は、当該技術分野において既知である。例えば、標準的なハイブリドーマ法は、例えば、Kohler and Milstein,Eur.J.Immunol.,5,511-519(1976),Harlow and Lane(eds.),Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press(1988)、及びC.A.Janeway et al.(eds.),Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New York,N.Y.(2001))に記載されている。代替的に、他の方法、例えば、EBV-ハイブリドーマ法(Haskard and Archer,J.Immunol.Methods,74(2),361-67(1984),and Roder et al.,Methods Enzymol.,121,140-67(1986))、及びバクテリオファージベクター発現系(例えば、Huse et al.,Science,246,1275-81(1989)を参照されたい)などが当該技術分野において既知である。更に、非ヒト動物において抗体を産生する方法は、例えば、米国特許第5,545,806号、同第5,569,825号、及び同第5,714,352号、並びに米国特許出願公開第2002/0197266(A1))号に記載されている。
ファージディスプレイを使用して、抗体を生成することもできる。これに関して、抗体の抗原結合可変(V)ドメインをコードするファージライブラリは、標準的な分子生物学及び組換えDNA技術を使用して生成することができる(例えば、Sambrook et al.(上記)、及びAusubel et al.(上記)を参照されたい)。所望の特異性を有する可変領域をコードするファージは、所望の抗原への特異的結合のために選択され、選択された可変ドメインを含む完全又は部分的な抗体が再構成される。再構成された抗体をコードする核酸配列は、ハイブリドーマ産生に使用される骨髄腫細胞などの好適な細胞株に導入され、その結果、モノクローナル抗体の特性を有する抗体が細胞によって分泌される(例えば、Janeway et al.(上記)、Huse et al.(上記)、及び米国特許第6,265,150号を参照されたい)。
一態様では、本開示は、GP5B83を含む標的抗体又はCARに特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、VH及びVLを含む断片抗原結合領域(Fab)のドメインの1つ以上に特異的に結合し得る。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号45のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号46のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。
他の実施形態では、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、生物学的試料中のGP5B83の検出であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む検出において使用するためのものである。例えば、抗イディオタイプ抗体は、組織試料、腫瘍試料、他の生物学的成分を有する細胞又は流体、生物、タンパク質/抗原のサブユニット、殺傷若しくは不活性化された全細胞若しくは溶解物を含む任意の生物学的試料に添加され得る。抗イディオタイプ抗体は、緩衝液、安定剤、及び/又はポリマーを含むがこれらに限定されない医薬的に許容される試薬を含有する溶液中に含有されてもよい。抗イディオタイプ抗体を、ピペッティング及び/又は混合によって生物学的試料と接触させることができる。抗イディオタイプ抗体は次いで、生物学的試料中のGP5B83含有タンパク質、例えば、抗体又はその抗原結合部分に特異的に結合し得る。一例として、抗イディオタイプ抗体がGP5B83に結合したか否かは、結合していない抗イディオタイプ抗体を洗浄し、複合体を形成した抗イディオタイプ抗体のみを残すことによって判定することができる。引き続きこの例では、抗イディオタイプ抗体は、生物学的試料中のGP5B83の量に比例するシグナルを発するように照射され得るフルオロフォアを含んでもよい。GP5B83に対する抗イディオタイプ抗体の結合複合体の検出を、以下に更に記載する。
別の態様では、本開示は、配列番号4~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25~26からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33~34からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。6つのCDRは、任意の公知の方法に従って選択され得る。Kabat、AbM、Chothia及び接触法に従って決定されたVH及びVL CDRを表3に示す。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33のアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33のアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号13のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33のアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号7のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号26のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号30のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号34のアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を提供する。
いくつかの実施形態では、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVHドメインを含み、VLドメインは、配列番号46と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号37と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む。
いくつかの実施形態では、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号46のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。いくつかの他の実施形態では、抗GPRC5D2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む。
いくつかの実施形態では、抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、又はscFvから選択される。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、マウスIgG2aフレームワークを含む。特定の実施形態では、マウスIgG2aフレームワークは、配列MAWVWTLLFLMAAAQSIQA(配列番号48)を含むミックスFVB/N、C57BL/6J由来のマウスIg重鎖シグナルペプチドを含み得る。
いくつかの他の実施形態では、抗体は、完全ヒト抗体である。例えば、完全ヒト抗体は、IgG、IgM、IgA、IgE、又はIgDであり得る。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分はGP5B83に特異的であり、GP5B83はキメラ抗原受容体(CAR)の細胞外部分の抗原結合ドメイン内にある。例えば、核酸をコードするGP5B83をin vitroでT細胞に導入することができ、その少なくとも一部は次いでCARの細胞外部分で発現される。次いで、抗イディオタイプ抗体は、CARの細胞外部分に特異的に結合し得る。いくつかの実施形態では、GP5B83はscFvであり、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、CARのscFv中のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、GP5B83は、GPRC5Dに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗体又は抗原結合部分は、他のGPRC5D抗体又は他のGPRC5D結合CARと交差反応しない。例えば、GP5B83がCARの細胞外部分上で発現されたかどうかを判定するためのアッセイにおいて偽陽性を防止するために、抗イディオタイプ抗体は、GP5B83に特異的であり、かつその標的GPRC5D又はGP5B83ではない他のGPRC5D標的化リガンドに対する認識可能な結合を有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号43~44からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸を提供する。例えば、核酸は、DNA、RNA、及びそれらに対する任意の化学修飾(例えば、ヌクレオシド修飾)であってもよい。
別の態様では、本開示は、GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸であって、配列番号38のヌクレオチド配列、配列番号40のヌクレオチド配列、又はその両方を含む核酸を提供する。別の態様では、本開示は、核酸配列を含むベクターを提供する。例えば、ベクターは、自己複製核酸構造であり得るか、又はそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、発現ベクターである。別の態様では、本開示は、ベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
別の態様では、本開示は、GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を産生する方法であって、当該抗体又は抗原結合部分が発現されることを可能にする条件下で、抗体又は抗原結合部分の重鎖及び軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養することと、培養物から当該抗体又は抗原結合部分を単離することとを含む方法を提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、ディープタンク撹拌発酵槽、灌流タンクシステム、エアリフト反応器、及び連続培養システムにおける均一な懸濁培養によって産生され得る。抗イディオタイプ抗体は、プロテインA又はGを使用する親和性分離、サイズ排除クロマトグラフィー、及び電荷分離を含む物理的又は化学的分離手順によって、反応混合物及び/又は増殖混合物から単離され得る。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分をコードする核酸を含むベクターをコードする。
別の態様では、本開示は、生物学的試料中のGP5B83を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む方法を提供する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、生物学的試料中で発現されたGP5B83に結合し得る。結合複合体は、化学的検出法及び物理的検出法の両方を含む任意の検出法によって検出することができる。例えば、この検出方法は、生物学的試料中の目的の抗体の単なる存在を同定するために使用され得るか、又は試料中の目的の抗体が検出可能なレベルで存在するか否かを試験するために使用され得るか、又は試料中の目的の抗体の量を定量し、更に、抗体レベルを異なる試料と比較するために使用され得る。例えば、検出方法は、免疫沈降、免疫細胞化学、免疫ブロッティング、及び免疫吸着アッセイのうちの1つ以上であり得る。具体的な一例として、免疫吸着アッセイは、生物学的試料が洗浄される結合した抗イディオタイプ抗体又はその断片を含む、ELISA又はELISA型アッセイであり得る。
別の態様では、本開示は、生物学的試料中のGP5B83を含むキメラ抗原受容体(CAR)の発現を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出し、それによってCARの発現を検出することとを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、抗体は、検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出する前に、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出可能な標識と接触させることを更に含む更に含む。例えば、検出可能な標識は、抗イディオタイプ抗体と一体であるか、抗イディオタイプ抗体に結合するか、ないしは別の方法で抗イディオタイプ抗体と複合体を形成し、固有の識別可能なシグナルを放出するか、ないしは別の方法で提供する任意の化学タグ又は成分であり得る。例えば、検出可能な標識は、同位体マーカー、比色バイオセンサ、フォトクロミック化合物、蛍光標識、蛍光発生標識、又は電気化学センサであり得る。具体的な一例として、蛍光標識は、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、シアニン、フィコエリトリン、及びそれらの誘導体であってもよい。
いくつかの実施形態では、生物学的試料は、血液、血清又は尿である。例えば、生物学的試料は、全血、血清、血漿、尿、糞便、脳脊髄液、腹水などであってもよい。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、この分析の目的のために所与の時間に取得された生物学的材料などの新鮮な生物学的材料である。生物学的試料はまた、この目的若しくは他の目的のために患者の治療中の別の時点で取得された、又はアーカイブされた患者材料を使用して取得された生物学的材料であってもよい。生物学的試料は、新たに得られても前もって得られてもよく、前もって得られた場合、使用前に(例えば、室温、冷蔵、又は凍結で)保存されていてもよい。
いくつかの態様では、本開示は、(a)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と、(b)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出するための説明書とを含む、生物学的試料中のGP5B83を検出するためのキットを提供する。例えば、キットは、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を、混合して溶液を形成するための固体粉末、凍結乾燥粉末、液体溶液、又は液体成分として含んでもよく、又は固体支持体に結合させて含んでもよい。キットは、安定剤、緩衝剤、及び生物学的試料のアッセイにおけるキットの使用を容易にするために必要な他の医薬的に許容される賦形剤を含む、更なる試薬を含んでもよい。キットはまた、アッセイの実施方法を使用者に指示する書面の説明書を含んでもよい。
他の態様では、本開示は、試料からGP5B83を精製する方法であって、(a)GP5B83を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を本開示の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)GP5B83を含有するCAR又は他のタンパク質を含む抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってGP5B83を精製することとを含む方法を提供する。例えば、物理的方法及び化学的方法を含む任意の分離方法を使用して、抗イディオタイプ抗体を捕捉することができる。具体的には、GP5B83は、抗イディオタイプ抗体の特定のエピトープに特異的な抗体を用いたイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、及び免疫親和性精製を含む、タンパク質を精製するための当該分野で公知の技術を使用して、細胞培養培地、宿主細胞、又はその両方から捕捉及び単離することができる。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体は、その精製を容易にするドメインを含有する融合タンパク質である。特定の実施形態では、精製GP5B83組成物は、GP5B83を含まないタンパク質から実質的に単離される。いくつかの実施形態では、精製GP5B83組成物は、100%純粋、99%純粋、98%純粋、97%純粋、96%純粋、95%純粋、又は90%純粋又はそれ以上である。
他の態様では、本開示は、細胞集団からCAR-T細胞を選択する方法であって、(a)CAR-T細胞を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってCAR-T細胞を選択することとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分は、GP5B83に特異的である。
実施形態
本発明の特定の非限定的な実施形態を、以下に付番した段落に記載する。
1.GP5B83を含む標的抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分。
2.標的抗体又はその抗原結合部分は、配列番号41のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号42のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む、段落1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
3.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分であって、配列番号4~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25~26からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33~34からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分。
4.VHドメインは、配列番号45と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、VLドメインは、配列番号46と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
5.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
6.VHドメインは配列番号45のアミノ酸配列を有し、VLドメインは配列番号46のアミノ酸配列を有する、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
7.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
8.抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、又はscFvから選択される、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
9.抗体はモノクローナル抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
10.抗体はキメラ抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
11.抗体はマウスIgG2aフレームワークを含む、段落10に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
12.抗体は完全ヒト抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
13.段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸。
14.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸であって、
a)配列番号38のヌクレオチド配列、
b)配列番号40のヌクレオチド配列、
c)a)及びb)の両方
を含む、核酸。
15.段落14に記載の核酸を含む、ベクター。
16.ベクターは発現ベクターである、段落15に記載のベクター。
17.段落16に記載のベクターを含む、宿主細胞。
18.細胞は哺乳動物細胞である、段落17に記載の宿主細胞。
19.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を産生する方法であって、当該抗体又は抗原結合部分が発現されることを可能にする条件下で、抗体又は抗原結合部分の重鎖及び軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む段落17に記載の宿主細胞を培養することと、培養物から当該抗体又は抗原結合部分を単離することとを含む、方法。
20.生物学的試料中のGP5B83を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、方法。
21.生物学的試料中のGP5B83を含むキメラ抗原受容体(CAR)の発現を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出し、それによってCARの発現を検出することとを含む、方法。
22.抗体は検出可能な標識を含む、段落20に記載の方法。
23.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出する前に、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出可能な標識と接触させることを更に含む、段落20に記載の方法。
24.生物学的試料は、血液、血清又は尿である、段落20に記載の方法。
25.GP5B83はキメラ抗原受容体(CAR)の細胞外部分の抗原結合ドメイン内にある、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
26.GP5B83はscFvであり、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、CARのscFv中のエピトープに特異的に結合する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
27.GP5B83はGPRC5dに特異的に結合する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
28.抗体又は抗原結合部分は、他のGPRC5d抗体又は他のGPRC5d結合CARと交差反応しない、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
29.CARは、配列番号43~44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
30.生物学的試料中のGP5B83を検出するためのキットであって、(a)段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と、(b)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出するための説明書とを含む、キット。
31.生物学的試料中のGP5B83の検出において使用するための、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分であって、検出は、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
32.試料からGP5B83を精製する方法であって、(a)GP5B83を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってGP5B83を精製することとを含む、方法。
33.細胞集団からCAR-T細胞を選択する方法であって、(a)CAR-T細胞を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってCAR-T細胞を選択することとを含む、方法。
本発明の特定の非限定的な実施形態を、以下に付番した段落に記載する。
1.GP5B83を含む標的抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分。
2.標的抗体又はその抗原結合部分は、配列番号41のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号42のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む、段落1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
3.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分であって、配列番号4~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25~26からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33~34からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分。
4.VHドメインは、配列番号45と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、VLドメインは、配列番号46と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
5.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
6.VHドメインは配列番号45のアミノ酸配列を有し、VLドメインは配列番号46のアミノ酸配列を有する、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
7.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
8.抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、又はscFvから選択される、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
9.抗体はモノクローナル抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
10.抗体はキメラ抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
11.抗体はマウスIgG2aフレームワークを含む、段落10に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
12.抗体は完全ヒト抗体である、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
13.段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸。
14.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸であって、
a)配列番号38のヌクレオチド配列、
b)配列番号40のヌクレオチド配列、
c)a)及びb)の両方
を含む、核酸。
15.段落14に記載の核酸を含む、ベクター。
16.ベクターは発現ベクターである、段落15に記載のベクター。
17.段落16に記載のベクターを含む、宿主細胞。
18.細胞は哺乳動物細胞である、段落17に記載の宿主細胞。
19.GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を産生する方法であって、当該抗体又は抗原結合部分が発現されることを可能にする条件下で、抗体又は抗原結合部分の重鎖及び軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む段落17に記載の宿主細胞を培養することと、培養物から当該抗体又は抗原結合部分を単離することとを含む、方法。
20.生物学的試料中のGP5B83を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、方法。
21.生物学的試料中のGP5B83を含むキメラ抗原受容体(CAR)の発現を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出し、それによってCARの発現を検出することとを含む、方法。
22.抗体は検出可能な標識を含む、段落20に記載の方法。
23.抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出する前に、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出可能な標識と接触させることを更に含む、段落20に記載の方法。
24.生物学的試料は、血液、血清又は尿である、段落20に記載の方法。
25.GP5B83はキメラ抗原受容体(CAR)の細胞外部分の抗原結合ドメイン内にある、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
26.GP5B83はscFvであり、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、CARのscFv中のエピトープに特異的に結合する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
27.GP5B83はGPRC5dに特異的に結合する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
28.抗体又は抗原結合部分は、他のGPRC5d抗体又は他のGPRC5d結合CARと交差反応しない、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
29.CARは、配列番号43~44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、段落25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
30.生物学的試料中のGP5B83を検出するためのキットであって、(a)段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と、(b)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出するための説明書とを含む、キット。
31.生物学的試料中のGP5B83の検出において使用するための、段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分であって、検出は、(a)生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
32.試料からGP5B83を精製する方法であって、(a)GP5B83を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってGP5B83を精製することとを含む、方法。
33.細胞集団からCAR-T細胞を選択する方法であって、(a)CAR-T細胞を含む生物学的試料を提供することと、(b)生物学的試料を段落1~3のいずれか1つに記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってCAR-T細胞を選択することとを含む、方法。
実施例1:GCDB332結合Fabの決定
GP5B83由来scFv融合タンパク質GCDB332結合Fabを、Shi et al.,J Mol Biol 397:385-96,2010;国際公開第2009/085462号;米国特許出願公開第2010/0021477号)に記載のとおり、2セットのde novo Fab-pIXファージディスプレイライブラリから選択した。
GP5B83由来scFv融合タンパク質GCDB332結合Fabを、Shi et al.,J Mol Biol 397:385-96,2010;国際公開第2009/085462号;米国特許出願公開第2010/0021477号)に記載のとおり、2セットのde novo Fab-pIXファージディスプレイライブラリから選択した。
精製された組換え抗原を使用するファージ選択では、ビオチン化GCDB332を「ベイト」として使用して、ファージバインダーを捕捉及び固定化した。数回の選別ラウンド後、精製抗原を用いるポリクローナルファージELISAを実施して、個々のパニング実験の特異的富化(enrichment)を検出した。GCDB332に対するバインダーの富化を実証したこれらのパニング実験から収集したファージを、一次スクリーニングのために大腸菌で発現させた。富化されたFabライブラリからモノクローナルFab溶解物を調製し、バックグラウンド対照には結合しないGCDB332への結合についてELISAでスクリーニングした。選択されたFabを配列決定して、固有のFabクローンを同定し、それらのV領域遺伝子を単離した。固有のFab V領域を哺乳動物発現ベクターにクローニングして、マウスIgG2a/マウスκ定常領域を有するキメラmAbを発現させた。キメラmAbを、GCDB332 scFv融合タンパク質中のscFvに対応するSupT1細胞(GP5B83)上に発現されたscFvへの特異的結合について評価し、結合動態をSPRを用いて測定した。
ファージパニング
個々のV3.0及びV5.0 de novo Fabファージライブラリを使用する6つの個々のパニング実験を、標準的なプロトコルに従ってビオチン化GCDB332に対してパニングした(Cheadle,E.J.et al.Antibody Engineering.907:645-666(2012)。簡潔に説明すると、ファージライブラリ及び常磁性ストレプトアビジン(SA)ビーズを、50% Chemiblocker(Milliporeカタログ番号2170)/50% 1xTBST(Teknovaカタログ番号T0310)中で1時間ブロッキングした。ライブラリをSAビーズに添加して、ビーズに非特異的に結合するクローンを吸着させた。SAビーズを廃棄し、吸着処理したライブラリをビオチン化GCDB332に添加した。SAビーズの添加によってビーズ/抗原/ファージ複合体を形成させ、これを1xTBST中で洗浄することによってバインダーを回収した。最終洗浄後、ファージを対数期TG1大腸菌細胞(OD600nm=0.4~0.6)の感染によってレスキューした。ファージ感染したTG1細胞を、75μg/mLのカルベニシリン及び1%グルコースを含有する3枚の150mm LB/寒天プレート上に広げ、次いで37℃で一晩増殖させた。ファージを作製し、更なるパニングに供した。選択圧を上げるために、抗原濃度を下げ、インキュベーション時間をその後の各ラウンドについて延長した:R1 100nM、1時間;R2 10nM 1時間;R3 10nM 16時間。
個々のV3.0及びV5.0 de novo Fabファージライブラリを使用する6つの個々のパニング実験を、標準的なプロトコルに従ってビオチン化GCDB332に対してパニングした(Cheadle,E.J.et al.Antibody Engineering.907:645-666(2012)。簡潔に説明すると、ファージライブラリ及び常磁性ストレプトアビジン(SA)ビーズを、50% Chemiblocker(Milliporeカタログ番号2170)/50% 1xTBST(Teknovaカタログ番号T0310)中で1時間ブロッキングした。ライブラリをSAビーズに添加して、ビーズに非特異的に結合するクローンを吸着させた。SAビーズを廃棄し、吸着処理したライブラリをビオチン化GCDB332に添加した。SAビーズの添加によってビーズ/抗原/ファージ複合体を形成させ、これを1xTBST中で洗浄することによってバインダーを回収した。最終洗浄後、ファージを対数期TG1大腸菌細胞(OD600nm=0.4~0.6)の感染によってレスキューした。ファージ感染したTG1細胞を、75μg/mLのカルベニシリン及び1%グルコースを含有する3枚の150mm LB/寒天プレート上に広げ、次いで37℃で一晩増殖させた。ファージを作製し、更なるパニングに供した。選択圧を上げるために、抗原濃度を下げ、インキュベーション時間をその後の各ラウンドについて延長した:R1 100nM、1時間;R2 10nM 1時間;R3 10nM 16時間。
ポリクローナルファージELISA
バインダーの富化を、ポリクローナルファージELISAによる各パニング実験から測定した。簡単に説明すると、1×TBS(Teknovaカタログ番号T9530)に希釈した20nM非ビオチン化GCDB332 100μLを、NA被覆プレート(Thermoカタログ番号15217)上に捕捉した。37℃で1時間インキュベートした後、プレートを300μLの1xTBST中で3回洗浄した。50%Chemiblocker/50% 1×TBSTのブロッキング緩衝液300μLをプレートの各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。ブロッキング後、プレートを1×TBST 300μLで3回洗浄した。アッセイ緩衝液(10%Chemiblocker/90%TBST)で1/100希釈した各パニングラウンドからのポリクローナルファージ排出物100μLをELISAプレートに添加し、室温で1時間インキュベートして、ファージ粒子にディスプレイされたFabを固定化GCDB332に結合させた。インキュベーション後、プレートを1×TBSTで3回洗浄した。アッセイ緩衝液で1:2500に希釈したHRPコンジュゲート化抗M13(pVIII)抗体(GE Healthcareカタログ番号27942101)100μLをプレートに添加し、室温でインキュベートした。1時間のインキュベーション後、プレートを300μLの1×TBSTで6回洗浄した。調製済みのBM化学発光ELISA基質(Rocheカタログ番号11582950001)100μLをプレートに添加した。化学発光又は相対光単位(RLU)をEnvisionプレートリーダーによって測定した。図1に示すように、6回のパニング実験は全て、3ラウンドのパニング後にGCDB332特異的結合富化を示した。GP5B318は、XP3パニング実験に由来した。
バインダーの富化を、ポリクローナルファージELISAによる各パニング実験から測定した。簡単に説明すると、1×TBS(Teknovaカタログ番号T9530)に希釈した20nM非ビオチン化GCDB332 100μLを、NA被覆プレート(Thermoカタログ番号15217)上に捕捉した。37℃で1時間インキュベートした後、プレートを300μLの1xTBST中で3回洗浄した。50%Chemiblocker/50% 1×TBSTのブロッキング緩衝液300μLをプレートの各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。ブロッキング後、プレートを1×TBST 300μLで3回洗浄した。アッセイ緩衝液(10%Chemiblocker/90%TBST)で1/100希釈した各パニングラウンドからのポリクローナルファージ排出物100μLをELISAプレートに添加し、室温で1時間インキュベートして、ファージ粒子にディスプレイされたFabを固定化GCDB332に結合させた。インキュベーション後、プレートを1×TBSTで3回洗浄した。アッセイ緩衝液で1:2500に希釈したHRPコンジュゲート化抗M13(pVIII)抗体(GE Healthcareカタログ番号27942101)100μLをプレートに添加し、室温でインキュベートした。1時間のインキュベーション後、プレートを300μLの1×TBSTで6回洗浄した。調製済みのBM化学発光ELISA基質(Rocheカタログ番号11582950001)100μLをプレートに添加した。化学発光又は相対光単位(RLU)をEnvisionプレートリーダーによって測定した。図1に示すように、6回のパニング実験は全て、3ラウンドのパニング後にGCDB332特異的結合富化を示した。GP5B318は、XP3パニング実験に由来した。
Fab産生
プラスミドDNAを、GCDB332へのバインダーの富化を実証するために同定されたファージパニング実験の特定のラウンドのグリセロールストックから単離及び精製し、TG-1大腸菌細胞に形質転換し、LB/寒天プレート上で一晩増殖させた。一晩培養物を、(i)コロニーPCR及びV-領域の配列決定、並びに(ii)Fab産生のための培養の開始に使用した。Fab産生のために、一晩培養物を新しい培地で10~100倍希釈し、37°Cで5~6時間増殖させた。IPTGを含有する新鮮な培地の添加によってFab産生を誘導し、培養物を30℃で一晩増殖させた。培養物をスピンダウンし、BugBuster(商標)(Millipore)を用いて細菌ペレットを溶解して可溶性Fabタンパク質を放出させた。細胞溶解物をスピンダウンし、上清をFab ELISAに使用した。
プラスミドDNAを、GCDB332へのバインダーの富化を実証するために同定されたファージパニング実験の特定のラウンドのグリセロールストックから単離及び精製し、TG-1大腸菌細胞に形質転換し、LB/寒天プレート上で一晩増殖させた。一晩培養物を、(i)コロニーPCR及びV-領域の配列決定、並びに(ii)Fab産生のための培養の開始に使用した。Fab産生のために、一晩培養物を新しい培地で10~100倍希釈し、37°Cで5~6時間増殖させた。IPTGを含有する新鮮な培地の添加によってFab産生を誘導し、培養物を30℃で一晩増殖させた。培養物をスピンダウンし、BugBuster(商標)(Millipore)を用いて細菌ペレットを溶解して可溶性Fabタンパク質を放出させた。細胞溶解物をスピンダウンし、上清をFab ELISAに使用した。
一次スクリーニング
GCDB332に対するバインダーの富化を実証したパニング実験から収集したファージを、一次スクリーニングのために大腸菌で発現させた。可溶性Fabタンパク質を、ポリクローナルヒツジ抗ヒトFd(CH1)抗体(The Binding Site)によってプレート上に捕捉した。適切な洗浄及びブロッキングの後、ビオチン化GCDB332を50nMの濃度で添加した。このビオチン化GCDB332を、HRPコンジュゲート化ストレプトアビジン及びELISA Pico Chemiluminescent Substrate(Thermoカタログ番号37069)によって検出し、次いで、プレートリーダーで読み取った。更に、HRPコンジュゲート化ストレプトアビジンをカウンタースクリーニングに使用した。GCDB332に対する結合シグナルが陰性対照Fabの4倍以上であり、ストレプトアビジン-HRPに対する結合シグナルが陰性対照Fab以下であるFabクローンを選択し、配列決定した。
GCDB332に対するバインダーの富化を実証したパニング実験から収集したファージを、一次スクリーニングのために大腸菌で発現させた。可溶性Fabタンパク質を、ポリクローナルヒツジ抗ヒトFd(CH1)抗体(The Binding Site)によってプレート上に捕捉した。適切な洗浄及びブロッキングの後、ビオチン化GCDB332を50nMの濃度で添加した。このビオチン化GCDB332を、HRPコンジュゲート化ストレプトアビジン及びELISA Pico Chemiluminescent Substrate(Thermoカタログ番号37069)によって検出し、次いで、プレートリーダーで読み取った。更に、HRPコンジュゲート化ストレプトアビジンをカウンタースクリーニングに使用した。GCDB332に対する結合シグナルが陰性対照Fabの4倍以上であり、ストレプトアビジン-HRPに対する結合シグナルが陰性対照Fab以下であるFabクローンを選択し、配列決定した。
図2は、一次スクリーニングの結果を示す。モノクローナルFabを、GCDB332への結合においてELISAでスクリーニングした。バックグラウンドに対して4倍のバインダーシグナルを有するクローンを選択し、配列決定した。星印によって同定された2つのクローンは、GP5B318においてVH及びVLを生成したものである。
実施例2:GP5B83(GP5B318)に対するモノクローナル抗体の作製
Fab選択
一次スクリーニングから選択されたFabを配列決定して、V領域配列を決定し、固有のクローンを同定した。固有のFab V領域を哺乳動物発現ベクターにクローニングして、マウスIgG2a/マウスκ定常領域を有するキメラmAbとして発現させた。
Fab選択
一次スクリーニングから選択されたFabを配列決定して、V領域配列を決定し、固有のクローンを同定した。固有のFab V領域を哺乳動物発現ベクターにクローニングして、マウスIgG2a/マウスκ定常領域を有するキメラmAbとして発現させた。
GP5B318の可変領域を、可溶性scFv-Fc融合タンパク質GCDB332に対するヒトFab-pIX de novoライブラリを使用したファージディスプレイによって同定した。これらのV領域は親和性成熟を受けなかった。DNA配列を、コドン最適化を行わずにde novo Fabライブラリから得た。
VH及びVLのクローニング
2つのpcDNA3.1由来哺乳動物発現ベクター(vDR000368及びvDR000961)を使用して、キメラmAbの重鎖(HC)又は軽鎖(LC)をコードする単一遺伝子構築物を作製した。各ベクターは、HC及びLCの発現を駆動するためのヒトサイトメガロウイルス(human cytomegalovirus、hCMV)プロモーターを含有し、両方ともクローニングを容易にするためのアンピシリン耐性遺伝子(Amp(R))を含有する。vDR000368は、クローニングのための固有のHindIII及びDraIII制限酵素部位、並びにマウスIgG2a定常領域も有する。vDR000961は、クローニングのための固有のHindIII及びTth111I制限酵素部位、並びにマウスκ定常領域も有する。
2つのpcDNA3.1由来哺乳動物発現ベクター(vDR000368及びvDR000961)を使用して、キメラmAbの重鎖(HC)又は軽鎖(LC)をコードする単一遺伝子構築物を作製した。各ベクターは、HC及びLCの発現を駆動するためのヒトサイトメガロウイルス(human cytomegalovirus、hCMV)プロモーターを含有し、両方ともクローニングを容易にするためのアンピシリン耐性遺伝子(Amp(R))を含有する。vDR000368は、クローニングのための固有のHindIII及びDraIII制限酵素部位、並びにマウスIgG2a定常領域も有する。vDR000961は、クローニングのための固有のHindIII及びTth111I制限酵素部位、並びにマウスκ定常領域も有する。
HC(VH)又はLC(VL)の可変領域を含むDNA断片をIDTによって合成し、HCベクターvDR000368及びLCベクターvDR000961にライゲーションした。HC合成断片は、HindIII制限酵素部位、コザック配列、シグナルペプチドをコードするDNA配列、VH及びCH1の一部、並びにDraIIIクローニング部位を含んでいた。LC合成断片は、HindIII制限酵素部位、コザック配列、シグナルペプチドをコードするDNA配列、VL、及びκ定常領域の一部、並びにTth111I制限クローニング部位を含んでいた。最終HC構築物はPBD000094819であり、最終LC構築物はPBD000094818である。2つの構築物を哺乳動物発現細胞株HEK293 Expi又はCHOに同時トランスフェクトして、GP5B318を作製した。
タンパク質発現
トランスフェクションの前に、HC構築物PBD000094819及びLC構築物PBD000094818を配列決定した。Expi293(商標)発現培地(Thermoカタログ番号A1435101)中でHEK Expi293(商標)細胞(Thermoカタログ番号A14527)を増殖させた。細胞を8%CO2下で125RPMで振盪しながら37℃で増殖させた。Expi293(商標)発現キット(Thermoカタログ番号A14524)を使用して、細胞を2.5×106細胞/mLでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞1Lにつき、1mgの全DNAを25mLのOpti-MEM(Thermoカタログ番号319850620)で希釈し、2.6mLのExpi293(商標)試薬を25mLのOpti-MEMで希釈し、室温で5分間インキュベートした。希釈したDNAと希釈したExpi293試薬を加え合わせ、室温で20分間インキュベートした。次に、このDNA複合体を細胞に加えた。細胞を振盪インキュベーターに一晩入れた。トランスフェクションの翌日、5mLのエンハンサー1を50mLのエンハンサー2に希釈し、2つのエンハンサーの全量を細胞に加えた。トランスフェクトした細胞をインキュベーター内に再び4日間戻してから収穫した。細胞を4,500gで35分間の遠心分離によって除去し、次いで、発現レベルを確認する前に0.2umフィルターで濾過した。
トランスフェクションの前に、HC構築物PBD000094819及びLC構築物PBD000094818を配列決定した。Expi293(商標)発現培地(Thermoカタログ番号A1435101)中でHEK Expi293(商標)細胞(Thermoカタログ番号A14527)を増殖させた。細胞を8%CO2下で125RPMで振盪しながら37℃で増殖させた。Expi293(商標)発現キット(Thermoカタログ番号A14524)を使用して、細胞を2.5×106細胞/mLでトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞1Lにつき、1mgの全DNAを25mLのOpti-MEM(Thermoカタログ番号319850620)で希釈し、2.6mLのExpi293(商標)試薬を25mLのOpti-MEMで希釈し、室温で5分間インキュベートした。希釈したDNAと希釈したExpi293試薬を加え合わせ、室温で20分間インキュベートした。次に、このDNA複合体を細胞に加えた。細胞を振盪インキュベーターに一晩入れた。トランスフェクションの翌日、5mLのエンハンサー1を50mLのエンハンサー2に希釈し、2つのエンハンサーの全量を細胞に加えた。トランスフェクトした細胞をインキュベーター内に再び4日間戻してから収穫した。細胞を4,500gで35分間の遠心分離によって除去し、次いで、発現レベルを確認する前に0.2umフィルターで濾過した。
発現をOctetによって定量した。マウスIgG2(Sigmaカタログ番号M9144)を標準として使用した。Protein Aバイオセンサを使用した。試料及び標準を使用済みExpi293培地で希釈した。標準曲線は、2倍希釈で100μg/mLで開始した。試料を1:10に希釈した。標準曲線は線形点曲線であった。計算をForte Biosystemsソフトウェアによって行った。
実施例3:抗イディオタイプ抗体GP5B318の結合アッセイ
可溶性タンパク質を使用するProteon結合アッセイ
ProteOn XPR36システム(BioRad)を使用して、結合アッセイを行った。ProteOn GLCチップ(BioRad、カタログ番号176-5011)を、抗マウスFc抗体でコーティングした。ライブラリ抗体(マウスIgG2a)を、約100~200RLに達するように0.25ug/mL~1ug/mLに希釈した。抗原(scFv Fc融合物)を、50nM~0.2nM、1:4希釈で3分間会合させた。解離を30分間行った。アッセイの結果(以下の表1)は、GP5B305に対するGP5B318のピコモル親和性を示す。GP5B305は、HC1 N末端CD3B376-Fab/C末端BCMB516-LH-scFv*及びHC2 N末端GP5B83 N23T,N30S-LH-scFv*を含む二重特異性抗体である。
可溶性タンパク質を使用するProteon結合アッセイ
ProteOn XPR36システム(BioRad)を使用して、結合アッセイを行った。ProteOn GLCチップ(BioRad、カタログ番号176-5011)を、抗マウスFc抗体でコーティングした。ライブラリ抗体(マウスIgG2a)を、約100~200RLに達するように0.25ug/mL~1ug/mLに希釈した。抗原(scFv Fc融合物)を、50nM~0.2nM、1:4希釈で3分間会合させた。解離を30分間行った。アッセイの結果(以下の表1)は、GP5B305に対するGP5B318のピコモル親和性を示す。GP5B305は、HC1 N末端CD3B376-Fab/C末端BCMB516-LH-scFv*及びHC2 N末端GP5B83 N23T,N30S-LH-scFv*を含む二重特異性抗体である。
細胞結合アッセイ
scFvトランスフェクトSupT1-GP5B680 HL、SupT1-GP5B680 LH、又はGP5B83細胞を、RMPI 1640、10%FBS、1%非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L-グルタミン、10mM HEPES、0.1%重炭酸塩中で培養した。細胞培養培地及びサプリメントは、ThermoFisher Scientific Gibco製品であった。mAbを染色緩衝液(BSA)(BD Pharmingenカタログ番号554657)中で1.0又は0.1マイクログラム/mLのいずれかに希釈した。scFv発現SupT1細胞を、384ウェルV底ポリプロピレンプレート(Greiner Bio-One#781280又は#781281)に50,000細胞/ウェルで添加した。細胞を含むプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引した。希釈したmAb試料を細胞ペレットに添加し、混合し、氷上で1時間インキュベートした。細胞を含むプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引した。Stain Buffer(BSA)に1:200で希釈した抗マウスIgG重鎖及び軽鎖-PEコンジュゲート化二次抗体(JacksonImmunoResearch、カタログ番号115-116-146)をセルペレットに加え、混合し、氷上で30分間インキュベートした。細胞を含有するプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引し、細胞ペレットをStain Buffer(BSA)に再懸濁し、混合し、HTSオートサンプラー(Beckton Dickenson)を備えたLSR IIフローサイトメーターで分析し、ゲーティングした生存集団の平均蛍光強度についてFlowjoソフトウェア(Treestar)を使用してデータを分析した。全ての液体処理をAgilent Bravoシステムで行い、384ウェルプレートの吸引をBioTek 405 Selectプレートウォッシャで行った。
scFvトランスフェクトSupT1-GP5B680 HL、SupT1-GP5B680 LH、又はGP5B83細胞を、RMPI 1640、10%FBS、1%非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L-グルタミン、10mM HEPES、0.1%重炭酸塩中で培養した。細胞培養培地及びサプリメントは、ThermoFisher Scientific Gibco製品であった。mAbを染色緩衝液(BSA)(BD Pharmingenカタログ番号554657)中で1.0又は0.1マイクログラム/mLのいずれかに希釈した。scFv発現SupT1細胞を、384ウェルV底ポリプロピレンプレート(Greiner Bio-One#781280又は#781281)に50,000細胞/ウェルで添加した。細胞を含むプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引した。希釈したmAb試料を細胞ペレットに添加し、混合し、氷上で1時間インキュベートした。細胞を含むプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引した。Stain Buffer(BSA)に1:200で希釈した抗マウスIgG重鎖及び軽鎖-PEコンジュゲート化二次抗体(JacksonImmunoResearch、カタログ番号115-116-146)をセルペレットに加え、混合し、氷上で30分間インキュベートした。細胞を含有するプレートを450×gで2分間遠心分離し、上清を吸引し、細胞ペレットをStain Buffer(BSA)に再懸濁し、混合し、HTSオートサンプラー(Beckton Dickenson)を備えたLSR IIフローサイトメーターで分析し、ゲーティングした生存集団の平均蛍光強度についてFlowjoソフトウェア(Treestar)を使用してデータを分析した。全ての液体処理をAgilent Bravoシステムで行い、384ウェルプレートの吸引をBioTek 405 Selectプレートウォッシャで行った。
表2に示すように、GP5B318は、GP5B83発現細胞株に対して特異的結合を示したが、陰性対照SupT1-GP5B680-HL及びSupT1-GP5B680-LHに対しては示さなかった。
実施例4:CAR+SupT1細胞上のGPRC5D CAR GP5B83-LHに対する検出抗体の特徴付け
NK細胞及びT細胞上で発現されるGPRC5D CAR(GP5DB83-HL)を検出するための抗体を、ファージディスプレイスクリーニングに由来するタンパク質のパネルから同定した。先の実施例で考察したように、タンパク質を最初に組換えCARタンパク質への結合について試験し、潜在的なバインダーをスケールアップした。タンパク質を精製し、GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞への用量依存的結合をフローサイトメトリーによって試験した。結合は、Fc-GP5DB83-HL融合タンパク質を用いた競合結合実験によって、及び親SupT1細胞への結合の欠如によって、CARに特異的であると確認された。最良のバインダーを選択した後、CAR検出試薬として使用するために、抗体を組換えフィコエリトリン(「PE」)に直接コンジュゲートした。抗体を1:1 PE:抗体比で精製し、受容体計数試験(細胞表面上に発現されるCARの数)を可能にした。
NK細胞及びT細胞上で発現されるGPRC5D CAR(GP5DB83-HL)を検出するための抗体を、ファージディスプレイスクリーニングに由来するタンパク質のパネルから同定した。先の実施例で考察したように、タンパク質を最初に組換えCARタンパク質への結合について試験し、潜在的なバインダーをスケールアップした。タンパク質を精製し、GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞への用量依存的結合をフローサイトメトリーによって試験した。結合は、Fc-GP5DB83-HL融合タンパク質を用いた競合結合実験によって、及び親SupT1細胞への結合の欠如によって、CARに特異的であると確認された。最良のバインダーを選択した後、CAR検出試薬として使用するために、抗体を組換えフィコエリトリン(「PE」)に直接コンジュゲートした。抗体を1:1 PE:抗体比で精製し、受容体計数試験(細胞表面上に発現されるCARの数)を可能にした。
精製
細胞培養上清をMabSelectカラムにロードし、100mM酢酸ナトリウムpH 3.0などの低pH緩衝液で溶出し、その後、Sephadex G-25カラムを使用して1×SSC、8.5%スクロースpH 7.0に緩衝液交換した。タンパク質を含有する画分を回収した。精製後、SDS-PAGE法、SEC-HPLC法及びLC-MS法を用いてタンパク質をQCした。
細胞培養上清をMabSelectカラムにロードし、100mM酢酸ナトリウムpH 3.0などの低pH緩衝液で溶出し、その後、Sephadex G-25カラムを使用して1×SSC、8.5%スクロースpH 7.0に緩衝液交換した。タンパク質を含有する画分を回収した。精製後、SDS-PAGE法、SEC-HPLC法及びLC-MS法を用いてタンパク質をQCした。
フィコエリトリン標識
標識する抗体10μLにつきModifier試薬を1μLずつ添加し、穏やかに混合した。抗体試料(Modifier試薬を添加した)を凍結乾燥PE(Expedeon、カタログ番号703-0015)上に直接ピペットで移し、次いで穏やかに再懸濁し、暗所、室温(20~25℃)で1時間インキュベートした。1μLのQuencher試薬を、使用される抗体10μLごとに添加し、30分間インキュベートした。
標識する抗体10μLにつきModifier試薬を1μLずつ添加し、穏やかに混合した。抗体試料(Modifier試薬を添加した)を凍結乾燥PE(Expedeon、カタログ番号703-0015)上に直接ピペットで移し、次いで穏やかに再懸濁し、暗所、室温(20~25℃)で1時間インキュベートした。1μLのQuencher試薬を、使用される抗体10μLごとに添加し、30分間インキュベートした。
標識後、PE-抗体コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラムカラムで精製した。画分を回収し、SEC-HPLCで分析した。1つのPEを有する1つの抗体のみを含有する画分を一緒にプールし、必要に応じて濃縮した。最終生成物をSEC-HPLCで分析した。
GPRC5D CAR(GP5DB83-HL)CAR抗イディオタイプ抗体GP5B318の特性評価
GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞を、親CAR-SupT1細胞と比較した。GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞及び親CAR-SupT1細胞を、氷上で20分間、近IR LIVE/DEAD蛍光反応性色素で染色した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、BSA染色緩衝液に再懸濁した。細胞(100,000細胞/ウェル)を96ウェルプレートに播種し、10μg/mLのCAR-Fc融合タンパク質、GP5B83_N24T_N315-HL-hu Fc-scFv(GP5B30.002)の存在下及び非存在下で、漸増濃度のGP5B318と共に氷上で30分間インキュベートした。インキュベーション後、試料をBSA染色緩衝液で洗浄し、PE-ヤギ抗マウスIgGポリクローナルで染色して、生存SupT1細胞上の結合抗体を検出した。インキュベーション、洗浄、及び固定の後、試料を10色FACSCanto IIフローサイトメーターで取得した。FlowJoを用いて分析を行い、生存SupT1細胞のPE蛍光強度中央値を図3にプロットした。図3に、GP5B318のGP5DB83-LH SupT1細胞への用量依存的結合を示す。CAR-SupT1親細胞では結合は検出されなかった。
GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞を、親CAR-SupT1細胞と比較した。GP5DB83-HLを発現するSupT1細胞及び親CAR-SupT1細胞を、氷上で20分間、近IR LIVE/DEAD蛍光反応性色素で染色した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、BSA染色緩衝液に再懸濁した。細胞(100,000細胞/ウェル)を96ウェルプレートに播種し、10μg/mLのCAR-Fc融合タンパク質、GP5B83_N24T_N315-HL-hu Fc-scFv(GP5B30.002)の存在下及び非存在下で、漸増濃度のGP5B318と共に氷上で30分間インキュベートした。インキュベーション後、試料をBSA染色緩衝液で洗浄し、PE-ヤギ抗マウスIgGポリクローナルで染色して、生存SupT1細胞上の結合抗体を検出した。インキュベーション、洗浄、及び固定の後、試料を10色FACSCanto IIフローサイトメーターで取得した。FlowJoを用いて分析を行い、生存SupT1細胞のPE蛍光強度中央値を図3にプロットした。図3に、GP5B318のGP5DB83-LH SupT1細胞への用量依存的結合を示す。CAR-SupT1親細胞では結合は検出されなかった。
GP5B318を上記のようにR-PEにコンジュゲートし、10μg/mLのGP5DB83-scFv Fc融合タンパク質の存在下又は非存在下でGP5DB83-HL SupT1への結合について試験して、GP5DB83-HL CARへのGP5B318結合の特異性を評価し、CAR検出がPE標識によって影響されなかったことを確認した。GP5DB83-HL SupT1細胞を、氷上の50mLチューブ中で近IR LIVE/DEAD蛍光反応性色素で20分間染色した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、BSA染色緩衝液に2×106細胞/mLまで再懸濁した。100,000細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種し、漸増濃度のPE-GP5B318及び10μg/mLのGP5DB83-scFv Fcと共に氷上で45分間インキュベートした。インキュベーション、洗浄、及び固定の後、試料を10色FACSCanto IIフローサイトメーターで取得した。FlowJo解析ソフトウェアを用いて解析を行い、生存SupT1細胞のPE蛍光強度中央値を図4にプロットした。図4に示すように、GP5DB83-HL SupT1細胞へのPE-P5B318の用量依存性結合は、GP5DB83-HL CARに特異的であり、10μg/mLのGPDB83-HL scFv Fcによってブロッキングすることができる。
配列
配列番号37:muIgG2aを有するGP5B318の重鎖(アミノ酸)
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARGWDYGTGEFDYWGQGTLVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
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配列番号38:muIgG2aを有するGP5B318の重鎖(DNA)
GAAGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAACCGGGCGAAAGCCTGAAAATTAGCTGCAAAGGCAGCGGCTATAGCTTTACCAGCTATTGGATTGGTTGGGTGCGCCAGATGCCGGGCAAAGGCCTGGAATGGATGGGCATTATTTATCCGGGTGATAGCGATACCCGTTATAGCCCGAGCTTTCAGGGCCAGGTGACCATTAGCGCGGATAAAAGCATTAGCACCGCGTATCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAAGCGAGCGATACCGCGATGTATTATTGCGCGCGCGGCTGGGACTATGGTACCGGCGAGTTCGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGCCAAAACAACAGCACCAAGTGTCTATCCACTGGCCCCTGTGTGTGGAGATACAACTGGCTCCTCGGTGACTCTAGGATGCCTGGTCAAGGGTTATTTCCCTGAGCCAGTGACCTTGACCTGGAACTCTGGATCCCTGTCCAGTGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGACCTCTACACCCTCAGCAGCTCAGTGACTGTAACCTCGAGCACCTGGCCCAGCCAGTCCATCACCTGCAATGTGGCCCACCCGGCAAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGAGCCCAGAGGGCCCACAATCAAGCCCTGTCCTCCATGCAAATGCCCAGCACCTAACCTCTTGGGTGGACCATCCGTCTTCATCTTCCCTCCAAAGATCAAGGATGTACTCATGATCTCCCTGAGCCCCATAGTCACATGTGTGGTGGTGGATGTGAGCGAGGATGACCCAGATGTCCAGATCAGCTGGTTTGTGAACAACGTGGAAGTACACACAGCTCAGACACAAACCCATAGAGAGGATTACAACAGTACTCTCCGGGTGGTCAGTGCCCTCCCCATCCAGCACCAGGACTGGATGAGTGGCAAGGAGTTCAAATGCAAGGTCAACAACAAAGACCTCCCAGCGCCCATCGAGAGAACCATCTCAAAACCCAAAGGGTCAGTAAGAGCTCCACAGGTATATGTCTTGCCTCCACCAGAAGAAGAGATGACTAAGAAACAGGTCACTCTGACCTGCATGGTCACAGACTTCATGCCTGAAGACATTTACGTGGAGTGGACCAACAACGGGAAAACAGAGCTAAACTACAAGAACACTGAACCAGTCCTGGACTCTGATGGTTCTTACTTCATGTACAGCAAGCTGAGAGTGGAAAAGAAGAACTGGGTGGAAAGAAATAGCTACTCCTGTTCAGTGGTCCACGAGGGTCTGCACAATCACCACACGACTAAGAGCTTCTCCCGGACTCCGGGTAAA
GAAGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAACCGGGCGAAAGCCTGAAAATTAGCTGCAAAGGCAGCGGCTATAGCTTTACCAGCTATTGGATTGGTTGGGTGCGCCAGATGCCGGGCAAAGGCCTGGAATGGATGGGCATTATTTATCCGGGTGATAGCGATACCCGTTATAGCCCGAGCTTTCAGGGCCAGGTGACCATTAGCGCGGATAAAAGCATTAGCACCGCGTATCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAAGCGAGCGATACCGCGATGTATTATTGCGCGCGCGGCTGGGACTATGGTACCGGCGAGTTCGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGCCAAAACAACAGCACCAAGTGTCTATCCACTGGCCCCTGTGTGTGGAGATACAACTGGCTCCTCGGTGACTCTAGGATGCCTGGTCAAGGGTTATTTCCCTGAGCCAGTGACCTTGACCTGGAACTCTGGATCCCTGTCCAGTGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGACCTCTACACCCTCAGCAGCTCAGTGACTGTAACCTCGAGCACCTGGCCCAGCCAGTCCATCACCTGCAATGTGGCCCACCCGGCAAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGAGCCCAGAGGGCCCACAATCAAGCCCTGTCCTCCATGCAAATGCCCAGCACCTAACCTCTTGGGTGGACCATCCGTCTTCATCTTCCCTCCAAAGATCAAGGATGTACTCATGATCTCCCTGAGCCCCATAGTCACATGTGTGGTGGTGGATGTGAGCGAGGATGACCCAGATGTCCAGATCAGCTGGTTTGTGAACAACGTGGAAGTACACACAGCTCAGACACAAACCCATAGAGAGGATTACAACAGTACTCTCCGGGTGGTCAGTGCCCTCCCCATCCAGCACCAGGACTGGATGAGTGGCAAGGAGTTCAAATGCAAGGTCAACAACAAAGACCTCCCAGCGCCCATCGAGAGAACCATCTCAAAACCCAAAGGGTCAGTAAGAGCTCCACAGGTATATGTCTTGCCTCCACCAGAAGAAGAGATGACTAAGAAACAGGTCACTCTGACCTGCATGGTCACAGACTTCATGCCTGAAGACATTTACGTGGAGTGGACCAACAACGGGAAAACAGAGCTAAACTACAAGAACACTGAACCAGTCCTGGACTCTGATGGTTCTTACTTCATGTACAGCAAGCTGAGAGTGGAAAAGAAGAACTGGGTGGAAAGAAATAGCTACTCCTGTTCAGTGGTCCACGAGGGTCTGCACAATCACCACACGACTAAGAGCTTCTCCCGGACTCCGGGTAAA
配列番号39:muKappaを有するGP5B318の軽鎖(アミノ酸)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSIGNWLNWYQQKPGKAPKLLIYYASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSLSFPITFGQGTKVEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSIGNWLNWYQQKPGKAPKLLIYYASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSLSFPITFGQGTKVEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
配列番号40:muKappaを有するGP5B318の軽鎖(DNA)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTGAGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCCAGAGCATCGGTAACTGGCTGAACTGGTATCAGCAGAAACCGGGCAAAGCGCCGAAACTGCTGATTTATTACGCGAGCAGCCTGCAGAGCGGCGTGCCGAGCCGCTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGCAGCCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTCCCTTTCCTTTCCGATTACATTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTAAACGGGCTGATGCTGCACCGACTGTGTCCATCTTCCCACCATCCAGTGAGCAGTTAACATCTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCTTCTTGAACAACTTCTACCCCAAAGACATCAATGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACGACAAAATGGCGTCCTGAACAGTTGGACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACCTACAGCATGAGCAGCACCCTCACGTTGACCAAGGACGAGTATGAACGACATAACAGCTATACCTGTGAGGCCACTCACAAGACATCAACTTCACCCATTGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGT
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTGAGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCCAGAGCATCGGTAACTGGCTGAACTGGTATCAGCAGAAACCGGGCAAAGCGCCGAAACTGCTGATTTATTACGCGAGCAGCCTGCAGAGCGGCGTGCCGAGCCGCTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGCAGCCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTCCCTTTCCTTTCCGATTACATTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTAAACGGGCTGATGCTGCACCGACTGTGTCCATCTTCCCACCATCCAGTGAGCAGTTAACATCTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCTTCTTGAACAACTTCTACCCCAAAGACATCAATGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACGACAAAATGGCGTCCTGAACAGTTGGACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACCTACAGCATGAGCAGCACCCTCACGTTGACCAAGGACGAGTATGAACGACATAACAGCTATACCTGTGAGGCCACTCACAAGACATCAACTTCACCCATTGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGT
配列番号41:GP5B83 N23T/N30S VH
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSS
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配列番号42:GP5B83 VL
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK
配列番号43-CAR 1(GP5B83-HL)
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
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配列番号44-CAR 2(GP5B83-LH)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
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配列番号45:GP5B318の重鎖可変ドメイン(アミノ酸)
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配列番号46:GP5B318の軽鎖可変ドメイン(アミノ酸)
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配列番号47-ヒトGPRC5D配列(アミノ酸)
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参照による組み込み
本明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
主題の開示の特定の実施形態について論じてきたが、上の明細書は例示的であり、限定的ではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲を考察すると、本開示の多くの変形が当業者には明らかになるであろう。等価物の全範囲と共に特許請求の範囲、及びそのような変形と共に明細書を参照することによって、本開示の全範囲は決定されるべきである。
Claims (33)
- GP5B83を含む標的抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分。
- 前記標的抗体又はその抗原結合部分は、配列番号41のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号42のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分であって、配列番号4~7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号11~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号19~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3と、を含む重鎖可変(VH)ドメインを含み、配列番号25~26からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号29~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号33~34からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3と、を含む軽鎖可変(VL)ドメインを更に含む、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記VHドメインは、配列番号45と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記VLドメインは、配列番号46と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記VHドメインは配列番号45のアミノ酸配列を有し、前記VLドメインは配列番号46のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖を更に含む、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、又はscFvから選択される、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗体はキメラ抗体である、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗体はマウスIgG2aフレームワークを含む、請求項10に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗体は完全ヒト抗体である、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸。
- GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分の重鎖、軽鎖、又はその両方をコードする核酸であって、
a)配列番号38のヌクレオチド配列、
b)配列番号40のヌクレオチド配列、
c)a)及びb)の両方
を含む、核酸。 - 請求項14に記載の核酸を含む、ベクター。
- 前記ベクターは発現ベクターである、請求項15に記載のベクター。
- 請求項16に記載のベクターを含む、宿主細胞。
- 前記細胞は哺乳動物細胞である、請求項17に記載の宿主細胞。
- GP5B83に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体又はその抗原結合部分を産生する方法であって、前記抗体又は抗原結合部分が発現されることを可能にする条件下で、前記抗体又は抗原結合部分の重鎖及び軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む請求項17に記載の宿主細胞を培養することと、前記培養物から前記抗体又は抗原結合部分を単離することとを含む、方法。
- 生物学的試料中のGP5B83を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)前記生物学的試料を請求項1~3のいずれか一項に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、方法。
- 生物学的試料中のGP5B83を含むキメラ抗原受容体(CAR)の発現を検出するための方法であって、(a)生物学的試料を提供することと、(b)前記生物学的試料を請求項1~3のいずれか一項に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出し、それによって前記CARの前記発現を検出することとを含む、方法。
- 前記抗体は検出可能な標識を含む、請求項20に記載の方法。
- 前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出する前に、前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出可能な標識と接触させることを更に含む、請求項20に記載の方法。
- 前記生物学的試料は、血液、血清又は尿である、請求項20に記載の方法。
- GP5B83はキメラ抗原受容体(CAR)の細胞外部分の抗原結合ドメイン内にある、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- GP5B83はscFvであり、前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分は、前記CARの前記scFv中のエピトープに特異的に結合する、請求項25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- GP5B83はGPRC5dに特異的に結合する、請求項25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記抗体又は抗原結合部分は、他のGPRC5d抗体又は他のGPRC5d結合CARと交差反応しない、請求項25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 前記CARは、配列番号43~44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項25に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 生物学的試料中のGP5B83を検出するためのキットであって、(a)請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と、(b)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出するための説明書とを含む、キット。
- 生物学的試料中のGP5B83の検出において使用するための、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分であって、前記検出は、(a)生物学的試料を提供することと、(b)前記生物学的試料を前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を検出することとを含む、抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分。
- 試料からGP5B83を精製する方法であって、(a)GP5B83を含む生物学的試料を提供することと、(b)前記生物学的試料を請求項1~3のいずれか一項に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってGP5B83を精製することとを含む、方法。
- 細胞集団からCAR-T細胞を選択する方法であって、(a)CAR-T細胞を含む生物学的試料を提供することと、(b)前記生物学的試料を請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分と接触させることと、(c)前記抗イディオタイプ抗体又は抗原結合部分を捕捉し、それによってCAR-T細胞を選択することとを含む、方法。
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