JP2023535035A - 造血幹細胞移植によって引き起こされる移植片対宿主病を治療する方法 - Google Patents
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Abstract
造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、それを必要とする個体に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを投与するステップを含む方法。TIFF2023535035000026.tif33149【選択図】 なし
Description
本開示は、生物学的医学の分野に入り、詳細には、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、有効量の本出願の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法に関する。
白血病などの造血器官腫瘍は、最初に抗がん剤を用いる化学療法により治療され、標準的化学療法によって治癒するのが困難であるか、又は治癒する可能性が低い患者は、造血幹細胞(例えば、末梢血幹細胞、骨髄細胞)の移植をさらに必要とする。しかし、造血幹細胞の移植後、数種の合併症に陥り、それらのうち、一次合併症は、造血幹細胞移植に伴う移植片対宿主病(GVHD)である。
2005年及び2014年においてGVHDの診断を促進するために、米国国立衛生研究所(NIH)は、急性移植片対宿主病(aGVHD)及び慢性移植片対宿主病(cGVHD)という主要な2タイプのGVHDを詳述するガイドライン及び分類体系を発行した。一般に、aGVHDは、移植後100日以内に生じ、cGVHDは、100日以後に生じる。
aGVHDの発生率は高く、造血幹細胞移植を受けた患者の最大50%がaGVHDを発症する。aGVHDは、皮膚、消化管及び肝臓に主に影響を及ぼし、いくつかの場合に、他の器官にさらに影響を及ぼすおそれがある。通常、皮膚損傷だけでは生命を脅かすようなものではないが、内臓損傷が起こるとき、重度黄疸、難治性下痢及び血便、腸仙痛、並びに重度全身症状が存在する。すべてのaGVHD患者の最大60%は、肝臓機能障害又は消化管機能障害を有し、死亡率が最大85%である。
cGVHDが、同種異系造血幹細胞移植を受けた患者の50%において生じると推定されている。cGVHDは、移植の後期に発症し、皮膚、口、眼、消化管、肝臓、肺、関節、筋膜、及び生殖管など多器官に影響を及ぼすおそれがある。
一態様において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する:
[式中、
A環は、
であり、上記の基は、*又は**と標識された2つの位置のいずれかでピリミジン環に結合しており、もう一方の位置でカルボニル基に結合しており、
Rは、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
であり、
R2は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1~6アルキル及び-OR5からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6~12アラルキル、-C(=O)R5及び-C1~6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環式ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール及びアラルキルはそれぞれ存在する場合、ハロゲン、C1~6アルキル及び-OR5からなる群から独立的に選択される1つ又は複数の置換基でそれぞれ任意選択で置換されており、
R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、
mはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1、2又は3の整数であり、
nはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1又は2の整数である。]。
[式中、
A環は、
であり、上記の基は、*又は**と標識された2つの位置のいずれかでピリミジン環に結合しており、もう一方の位置でカルボニル基に結合しており、
Rは、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
であり、
R2は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1~6アルキル及び-OR5からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6~12アラルキル、-C(=O)R5及び-C1~6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環式ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール及びアラルキルはそれぞれ存在する場合、ハロゲン、C1~6アルキル及び-OR5からなる群から独立的に選択される1つ又は複数の置換基でそれぞれ任意選択で置換されており、
R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、
mはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1、2又は3の整数であり、
nはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1又は2の整数である。]。
別の態様において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療するための医薬の製造における式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグの使用を提供する。
さらに別の態様において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する使用のための式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを提供する。
定義
文脈中に別段の定義がない限り、本明細書で使用されている科学技術用語はすべて、当業者によって通常理解されている意味と同じ意味を有することを意図する。本明細書で利用されている技法への言及は、当技術分野において通常理解されている技法を、当業者であれば明らかであるそのような技法の変形又は等価な技法の代替法を含めて指すことを意図する。以下の用語は当業者によって容易に理解されると思われるが、それにもかかわらず、本発明をよりよく説明するために次の定義を提示する。
文脈中に別段の定義がない限り、本明細書で使用されている科学技術用語はすべて、当業者によって通常理解されている意味と同じ意味を有することを意図する。本明細書で利用されている技法への言及は、当技術分野において通常理解されている技法を、当業者であれば明らかであるそのような技法の変形又は等価な技法の代替法を含めて指すことを意図する。以下の用語は当業者によって容易に理解されると思われるが、それにもかかわらず、本発明をよりよく説明するために次の定義を提示する。
本明細書で使用される用語「含む(contain)」、「含む(include)」、「含む(comprise)」、「有する(have)」、又は「関する(relate to)」、及び他の変形は、包括的又は非限定的であり、列挙されていない追加の要素又は方法ステップを排除しない。
本明細書では、用語「アルキレン」は、2価の飽和ヒドロカルビルを指し、好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有する2価の飽和ヒドロカルビル、例えばメチレン、エチレン、プロピレン又はブチレンを指す。
本明細書では、用語「アルキル」は、直鎖状又は分枝状の飽和脂肪族炭化水素と定義される。いくつかの実施形態において、アルキルは、1~12個、例えば1~6個の炭素原子を有する。例えば、本明細書では、用語「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の基(メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はn-ヘキシルなど)を指し、ハロゲンなどの1つ又は複数(例えば、1~3つ)の好適な置換基で任意選択で置換されている(その場合、基は、「ハロアルキル」と呼ぶことができる)(例えば、CH2F、CHF2、CF3、CCl3、C2F5、C2Cl5、CH2CF3、CH2Cl又は-CH2CH2CF3など)。用語「C1~4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素鎖(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチル)を指す。
本明細書では、用語「アルケニル」は、二重結合及び2~6個の炭素原子を有する1価の直鎖状又は分枝状のヒドロカルビル(「C2~6アルケニル」)を指す。アルケニルは、例えばビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、2-メチル-2-プロペニル及び4-メチル-3-ペンテニルである。本発明の化合物は、アルケニレン基を含むとき、純粋なE(entgegen)形、純粋なZ(zusammen)形、又はそれらのいずれかの混合物として存在することができる。
本明細書では、用語「アルキニル」は、1つ又は複数の三重結合を含み、好ましくは2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有する1価のヒドロカルビル、例えばエチニル又はプロピニルを指す。
本明細書では、用語「シクロアルキル」は、飽和の単環式又は多環式(例えば、二環式)炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、若しくはシクロノニルなどの単環式、又はスピロ、縮合若しくは架橋環式系を含む二環式(例えば、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル若しくはビシクロ[5.2.0]ノニル、又はデカヒドロナフタレンなど))を指し、1つ又は複数(例えば、1~3つ)の好適な置換基で任意選択で置換されている。シクロアルキルは、3~15個の炭素原子を有する。例えば、用語「C3~6シクロアルキル」は、3~6個の環形成炭素原子を有する飽和の単環式又は多環式(例えば、二環式)炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル)を指し、1つ又は複数(例えば、1~3つ)の好適な置換基で任意選択で置換されており、例えばメチル置換シクロプロピルを指す。
本明細書では、用語「環式ヒドロカルビレン」、「環式ヒドロカルビル」及び「炭化水素環」は、例えば3~10個(好適には3~8個、より好適には3~6個)の環炭素原子を有する、飽和(すなわち、「シクロアルキレン」及び「シクロアルキル」)又は不飽和(すなわち、環中に1つ又は複数の二重及び/又は三重結合を有する)の単環式又は多環式炭化水素環を指し、シクロプロピル(エン)(環)、シクロブチル(エン)(環)、シクロペンチル(エン)(環)、シクロヘキシル(エン)(環)、シクロヘプチル(エン)(環)、シクロオクチル(エン)(環)、シクロノニル(エン)(環)、シクロヘキセニル(エン)(環)などが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書では、用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリレン」及び「ヘテロ環」は、例えば3~10個(好適には3~8個、より好適には3~6個)の環原子を有する、飽和(すなわち、ヘテロシクロアルキル)又は部分不飽和(すなわち、環中に1つ又は複数の二重及び/又は三重結合を有する)の環式基を指し、少なくとも1個の環原子は、N、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCである。例えば、「3~10員ヘテロ環」の「3~10員ヘテロシクリル(エン)」は、2~9個(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個又は9個)の環炭素原子並びにN、O及びSからなる群から独立的に選択される1個又は複数(例えば、1個、2個、3個、又は4個)のヘテロ原子を有する、飽和又は部分不飽和のヘテロシクリル(エン)又はヘテロ環を指す。ヘテロシクリレン、ヘテロシクリル及びヘテロ環の例としては、オキシラニル(エン)、アジリジニル(エン)、アゼチジニル(エン)、オキセタニル(エン)、テトラヒドロフラニル(エン)、ジオキソリニル(エン)、ピロリジニル(エン)、ピロリドニル(エン)、イミダゾリジニル(エン)、ピラゾリジニル(エン)、ピロリニル(エン)、テトラヒドロピラニル(エン)、ピペリジニル(エン)、モルホリニル(エン)、ジチアニル(エン)、チオモルホリニル(エン)、ピペラジニル(エン)又はトリチアニル(エン)が挙げられるが、これらに限定されない。前記基は、スピロ、縮合、又は架橋系を含む二環式系(例えば、8-アザスピロ[4.5]デカン、3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタンなど)も包含する。ヘテロシクリレン、ヘテロシクリル及びヘテロ環は、1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)の好適な置換基で任意選択で置換されていてもよい。
本明細書では、用語「アリール(エン)」及び「芳香族環」は、共役π電子系を有するすべて炭素の単環式又は縮合環多環式芳香族基を指す。例えば、本明細書では、用語「C6~10アリール(エン)」及び「C6~10芳香族環」は、フェニル(エン)(ベンゼン環)又はナフチル(エン)(ナフタレン環)などの6~10個の炭素原子を含む芳香族基を指す。アリール(エン)又は芳香族環は、1つ又は複数(1~3つなど)の好適な置換基(例えば、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、及びC1~6アルキルなど)で任意選択で置換されている。
本明細書では、用語「ヘテロアリール(エン)」及び「ヘテロ芳香族環」は、5個、6個、8個、9個、10個、11個、12個、13個又は14個の環原子、特に1個又は2個又は3個又は4個又は5個又は6個又は9個又は10個の炭素原子を有し、同じでも異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子(O、N、又はSなど)を含む、単環式、二環式又は三環式の芳香族環系を指す。さらに、いずれの場合にも、ベンゾ縮合していてもよい。特に、「ヘテロアリール(エン)」又は「ヘテロ芳香族環」は、チエニル(エン)、フリル(エン)、ピロリル(エン)、オキサゾリル(エン)、チアゾリル(エン)、イミダゾリル(エン)、ピラゾリル(エン)、イソオキサゾリル(エン)、イソチアゾリル(エン)、オキサジアゾリル(エン)、トリアゾリル(エン)、チアジアゾリル(エン)など、及びそれらのベンゾ誘導体;又はピリジニル(エン)、ピリダジニル(エン)、ピリミジニル(エン)、ピラジニル(エン)、トリアジニル(エン)など、及びそれらのベンゾ誘導体からなる群から選択される。
本明細書では、用語「アラルキル」は、好ましくはアリール又はヘテロアリール置換アルキルを意味し、アリール、ヘテロアリール及びアルキルは本明細書に定義する通りである。通常は、アリール基は、6~14個の炭素原子を有することができ、ヘテロアリール基は、5~14個の環原子を有することができ、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有することができる。例示的なアラルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書では、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、F、Cl、Br、又はIを含むように定義される。
本明細書では、用語「窒素含有ヘテロ環」は、環中に2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個又は13個の炭素原子及び少なくとも1個の窒素原子を有し、N、O、C=O、S、S=O及びS(=O)2からなる群から選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)の環員を任意選択でさらに含むことができる、飽和又は不飽和の単環式又は二環式基を指す。窒素含有ヘテロ環は、前記窒素含有ヘテロ環の窒素原子及び他のいずれかの環原子を通して分子の残りに結合している。窒素含有ヘテロ環は、任意選択でベンゾ縮合しており、好ましくは前記窒素含有ヘテロ環の窒素原子及び縮合ベンゼン環のいずれかの炭素原子を通して分子の残りに結合している。
用語「置換された」は、現在の状況下において、指定された原子の正常な原子価を超えていないこと、置換によって、安定な化合物が生じることを条件として、指定された原子上の1個又は複数(例えば、1個、2個、3個、又は4個)の水素が指示された群から選ばれたもので置き換えられていることを意味する。置換基及び/又は変数の組合せは、そのような組合せによって、安定な化合物が生じる場合に限り許容される。
置換基が「任意選択で置換されている」と記載されている場合、置換基は、(1)置換されていなくても、(2)置換されていてもよい。置換基の炭素が置換基の一覧のうちの1つ又は複数で任意選択で置換されていると記載されている場合、炭素上の水素のうちの1つ又は複数(水素が存在している程度まで)を、独立的に選択される任意選択の置換基で別々に及び/又は一緒に置き換えることができる。置換基の窒素が置換基の一覧のうちの1つ又は複数で任意選択で置換されていると記載されている場合、窒素上の水素のうちの1つ又は複数(水素が存在している程度まで)をそれぞれ、独立的に選択される任意選択の置換基で置き換えることができる。
置換基がある群から「独立的に選択される」と記載されている場合、各置換基は、別の置換基(複数可)に関係なく選択される。したがって、各置換基は、別の置換基(複数可)と同一でも、異なってもよい。
本明細書では、用語「1つ又は複数」は、1つ又は1つより多いこと(例えば、2、3、4、5又は10)を合理的として意味する。
本明細書では、指定されていない限り、置換基の結合点は、置換基のいずれか好適な位置によることができる。
置換基への結合が環の2個の原子を接続する結合を横断することが示されるとき、そのような置換基は、その環の置換可能な環形成原子のうちのいずれかに結合することができる。
本発明は、同じ原子番号を有するが、自然界で優勢な原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって、1個又は複数の原子が置き換えられているということを除いて、本発明の化合物と同一である、薬学的に許容される同位体標識化合物もすべて含む。本発明の化合物に含めるのに適している同位体の例としては、2H、3Hなどの水素の同位体;11C、13C、及び14Cなどの炭素の同位体;36Clなどの塩素の同位体;18Fなどのフッ素の同位体;123Iや125Iなどのヨウ素の同位体;13Nや15Nなどの窒素の同位体;15O、17O、及び18Oなどの酸素の同位体;32Pなどのリンの同位体;並びに35Sなどの硫黄の同位体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のいくつかの同位体標識化合物、例えば放射性同位体を取り込んでいる化合物は、薬物及び/又は基質組織分布研究(例えば、アッセイ)において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち3H、及び炭素-14、すなわち14Cは、それらの取り込み易さ及び好都合な検出手段の点から見て、このために特に有用である。11C、18F、15O及び13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調査するための陽電子放射型断層撮影(PET)研究において有用でありうる。本発明の同位体標識化合物は、一般に、添付のスキーム並びに/又は実施例及び調製に記載されている方法と類似している方法により、以前に利用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用することによって調製することができる。本発明による薬学的に許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体置換されているもの、例えばD2O、アセトン-d6、又はDMSO-d6とすることができる溶媒和物が挙げられる。
用語「立体異性体」は、少なくとも1つの不斉中心を含む異性体を指す。1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)の不斉中心を有する化合物は、ラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーを生じることができる。いくつかの個々の分子は、幾何異性体(シス/トランス)として存在することができる。同様に、本発明の化合物は、構造的に異なる2つ以上の形の混合物が急速な平衡で存在することができる(一般に互変異性体と呼ばれる)。互変異性体の典型的例としては、ケト-エノール互変異性体、フェノール-ケト互変異性体、ニトロソ-オキシム互変異性体、イミン-エナミン互変異性体などが挙げられる。そのような異性体及びそれらの混合物すべてを、いずれの割合(60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、及び99%など)でも本発明の範囲内に包含されることを理解すべきである。
本発明の化合物の化学結合は、本明細書に、実線(
)、実線のくさび形(
)、又は点線のくさび形(
)を使用して描くことができる。不斉炭素原子への結合を描くための実線の使用は、その炭素原子において考えうる立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)すべてが含まれることを示すことになっている。不斉炭素原子への結合を描くための実線又は点線のくさび形の使用は、示された立体異性体が存在することを示すことになっている。実線及び点線のくさび形は、ラセミ化合物に存在するとき、絶対立体化学ではなく相対立体化学を定義するために使用される。別段の記載がない限り、本発明の化合物は、立体異性体として存在できることが意図され、シス及びトランス異性体、光学異性体、例えばR及びS鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、アトロプ異性体、並びにそれらの混合物などを含む。本発明の化合物は、1つより多い異性タイプを示し、それらの混合物(ラセミ体やジアステレオマー対など)からなる。
)、実線のくさび形(
)、又は点線のくさび形(
)を使用して描くことができる。不斉炭素原子への結合を描くための実線の使用は、その炭素原子において考えうる立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)すべてが含まれることを示すことになっている。不斉炭素原子への結合を描くための実線又は点線のくさび形の使用は、示された立体異性体が存在することを示すことになっている。実線及び点線のくさび形は、ラセミ化合物に存在するとき、絶対立体化学ではなく相対立体化学を定義するために使用される。別段の記載がない限り、本発明の化合物は、立体異性体として存在できることが意図され、シス及びトランス異性体、光学異性体、例えばR及びS鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、アトロプ異性体、並びにそれらの混合物などを含む。本発明の化合物は、1つより多い異性タイプを示し、それらの混合物(ラセミ体やジアステレオマー対など)からなる。
本発明は、本発明の化合物の考えうる結晶形又は多形体すべてを、いずれの比でも単一の多形体として又は1つより多い多形体の混合物として含む。
本発明のいくつかの化合物は、遊離の形、又は必要に応じて薬学的に許容される誘導体の形での治療に使用できることも理解されるべきである。本発明において、薬学的に許容される誘導体としては、本発明の化合物又はその代謝物若しくは残基を必要とする患者に投与された後にそれを直接的又は間接的にもたらすことができる、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、N-オキシド、代謝物又はプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本明細書に記載される「本発明の化合物」は、上記の化合物のさまざまな誘導体の形を包含することも意味する。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、その酸付加塩及び塩基付加塩を含む。
好適な酸付加塩は、薬学的に許容される塩を形成する酸から形成される。具体例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エディシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/クロリド、臭化水素酸塩/ブロミド、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフテン酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びキシナホ酸塩が挙げられる。
好適な塩基付加塩は、薬学的に許容される塩を形成する塩基から形成される。具体例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。
好適な塩に関する概説については、Stahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」(Wiley-VCH社、2002年)を参照のこと。本発明の化合物の薬学的に許容される塩を調製する方法は、当業者に公知である。
本明細書では、用語「エステル」は、本出願におけるさまざまな式の化合物に由来するものを指し、生理的加水分解性エステル(生理的条件下で加水分解して、本発明の化合物を遊離の酸又はアルコールの形で放出することができる)が含まれる。本発明の化合物はそれ自体も、エステルでありうる。
本発明の化合物は、溶媒和物(好ましくは水和物)として存在することができ、本発明の化合物が極性溶媒、特に水、メタノール又はエタノールを例えば化合物の結晶格子の構造要素として含む。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比又は非化学量論比で存在することができる。
当業者が理解することができるように、窒素はオキシドへの酸化のために利用可能な孤立電子対を必要とするので、すべての窒素含有ヘテロ環がN-オキシドを形成することができるとは限らない。当業者は、N-オキシドを形成することができる窒素含有ヘテロ環を認識する。当業者は、第三級アミンがN-オキシドを形成できることも認識する。ヘテロ環及び第三級アミンのN-オキシドの調製の合成法は、当業者に周知であり、過酢酸やm-クロロ過安息香酸(MCPBA)などのペルオキシ酸、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、及びジメチルジオキシランなどのジオキシランを用いたヘテロ環及び第三級アミンの酸化を含む。これらのN-オキシド調製方法は、文献に広範に記載され、概説されてきた。例えば、T.L.Gilchrist、Comprehensive Organic Synthesis、7巻、748~750頁;A.R.Katritzky及びA.J.Boulton編、Academic Press社;並びにG.W.H.Cheeseman及びE.S.G.Werstiuk、Advances in Heterocyclic Chemistry、22巻、390~392頁、A.R.Katritzky及びA.J.Boulton編、Academic Press社を参照のこと。
本発明の化合物の代謝物、すなわち本発明の化合物の投与時にインビボで形成される物質も本発明の範囲内に含まれる。そのような産物は、投与された化合物の例えば酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、酵素分解などにより生じることができる。上記に鑑み、本発明は、本発明の化合物と哺乳類をその代謝産物を生じるのに十分な時間接触させるステップを含む方法によって産生される化合物を含む、本発明の化合物の代謝物を包含する。
それ自体では薬理活性をほとんど又は全く有することがないが、身体中又は身体上に投与されると、例えば加水分解的開裂によって所望の活性を有する本発明の化合物に変換することができる本発明の化合物のある種の誘導体である本発明の化合物のプロドラッグも、本発明の範囲内である。一般に、そのようなプロドラッグは、所望の治療活性を有する化合物にインビボで容易に変換される化合物の官能性誘導体である。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、14巻、ACS Symposium Series (T.Higuchi及びV.Stella)に見出すことができる。本発明によるプロドラッグは、例えば、本発明の化合物に存在する適切な官能基を例えばH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier社、1985年)に記載されている「プロ部分」として当業者に公知のいくつかの部分で置き換えることによって生成することができる。
本発明は、保護基を有する本発明の化合物をさらに包含する。本発明の化合物の調製のプロセスのうちのいずれにおいても、当該分子のうちのいずれかにおける感受性又は反応性基を保護し、それによって本発明の化合物の化学的に保護された形を生じることが必要な及び/又は望ましいことがある。これは、通常の保護基、例えば参照により本明細書に組み込まれるT.W. Greene & P.G.M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons社、1991年に記載されている保護基によって達成される。保護基は、当技術から公知の方法を使用して好都合な後続の段階で除去することができる。
用語「約」は、指定の値の±10%以内、好ましくは±5%以内、より好ましくは±2%以内の範囲を指す。
用語「有効量」は、投与の条件下で所望の治療効果を達成するのに十分な量を指し、前述の障害に伴う病理症状、疾患進行、生理的状態における改善をもたらし、又は前述の障害に屈することに対する抵抗力を誘導する。
別段の指示がない限り、本明細書では、用語「治療する」、「治療している」又は「治療」は、そのような用語が適用される障害若しくは病態又はそのような障害若しくは病態の1つ若しくは複数の症状の進行を逆転させるか、軽減するか、阻害するか、或いはそのような障害若しくは病態又はその1つ若しくは複数の症状を予防することを意味する。
本明細書では、用語「対象」は、ヒト及び非ヒト哺乳類を包含する。例示的なヒト対象としては、疾患(本明細書に記載される疾患など)を有するヒト対象(患者と呼ぶ)、又は健常な対象が挙げられる。本明細書では用語「非ヒト動物」は、非哺乳類(例えば、鳥類、両生類、爬虫類)などのすべての脊椎動物、並びに非ヒト霊長類、家畜及び/又は飼いならされた動物(ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなど)などの哺乳類を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する:
[式中、
A環は、
であり、上記の基は、*又は**と標識された2つの位置のいずれかでピリミジン環に結合しており、もう一方の位置でカルボニル基に結合しており、
Rは、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
であり、
R2は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1~6アルキル及び-OR5からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6~12アラルキル、-C(=O)R5及び-C1~6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環式ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール及びアラルキルはそれぞれ存在する場合、ハロゲン、C1~6アルキル及び-OR5からなる群から独立的に選択される1つ又は複数の置換基でそれぞれ任意選択で置換されており、
R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、
mはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1、2又は3の整数であり、
nはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1又は2の整数である。]。
[式中、
A環は、
であり、上記の基は、*又は**と標識された2つの位置のいずれかでピリミジン環に結合しており、もう一方の位置でカルボニル基に結合しており、
Rは、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
であり、
R2は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1~6アルキル及び-OR5からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6~12アラルキル、-C(=O)R5及び-C1~6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環式ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール及びアラルキルはそれぞれ存在する場合、ハロゲン、C1~6アルキル及び-OR5からなる群から独立的に選択される1つ又は複数の置換基でそれぞれ任意選択で置換されており、
R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、
mはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1、2又は3の整数であり、
nはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1又は2の整数である。]。
好ましい実施形態において、A環は、
であり、上記の基は、*と標識された位置でピリミジン環に結合しており、**と標識された位置でカルボニル基に結合しており、R10は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、好ましくはH又はメチルである。
であり、上記の基は、*と標識された位置でピリミジン環に結合しており、**と標識された位置でカルボニル基に結合しており、R10は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、好ましくはH又はメチルである。
好ましい実施形態において、RはHである。
好ましい実施形態において、R2はHである。
好ましい実施形態において、R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、メチル及びエチルからなる群からそれぞれ独立的に選択される。
好ましい実施形態において、R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、F、Cl、Br、I、-NH2、-OH、メチル、トリフルオロメチル、-CH2-Ph、メトキシ、エトキシ及び-CH2OCH3からなる群からそれぞれ独立的に選択される。
好ましい実施形態において、R3はHである。
好ましい実施形態において、R4は、H及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から選択され、好ましくはH又はFである。
好ましい実施形態において、R7は、H及びハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)からなる群から選択され、好ましくはH又はFである。
好ましい実施形態において、R8はHである。
好ましい実施形態において、R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、F、Cl、Br、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ビニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、オキセタニル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、アセチル、-CH2CHF2、-CH2OH、-CH2OCH3、-CH2CH2OCH3、-CH2-O(P=O)(OH)2、
からなる群からそれぞれ独立的に選択される。
からなる群からそれぞれ独立的に選択される。
好ましい実施形態において、R9はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、好ましくはHである。
好ましい実施形態において、R10はそれぞれ存在する場合、H及びC1~6アルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、好ましくはH、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、最も好ましくはH又はメチルである。
好ましい実施形態において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、有効量の式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する:
[式中、基のそれぞれは上記に定義した通りである。]。
[式中、基のそれぞれは上記に定義した通りである。]。
好ましい実施形態において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、有効量の式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する:
[式中、R10は、H又はメチルであり、好ましくはメチルである。]。
[式中、R10は、H又はメチルであり、好ましくはメチルである。]。
好ましい実施形態において、化合物は、以下の構造を有する。
いくつかの実施形態において、化合物は、(参照により本明細書に組み込まれる)国際公開第2019/001572号(A1)に開示された方法に従って調製される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、約0.005mg/日~約5000mg/日の量、例えば約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500又は5000mg/日の量で投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、1日当たり約1ng/kg体重~約200mg/kg体重、約1μg/kg体重~約100mg/kg体重又は約1mg/kg体重~約50mg/kg体重の量で投与され、例えば1日当たり約1μg/kg体重、約10μg/kg体重、約25μg/kg体重、約50μg/kg体重、約75μg/kg体重、約100μg/kg体重、約125μg/kg体重、約150μg/kg体重、約175μg/kg体重、約200μg/kg体重、約225μg/kg体重、約250μg/kg体重、約275μg/kg体重、約300μg/kg体重、約325μg/kg体重、約350μg/kg体重、約375μg/kg体重、約400μg/kg体重、約425μg/kg体重、約450μg/kg体重、約475μg/kg体重、約500μg/kg体重、約525μg/kg体重、約550μg/kg体重、約575μg/kg体重、約600μg/kg体重、約625μg/kg体重、約650μg/kg体重、約675μg/kg体重、約700μg/kg体重、約725μg/kg体重、約750μg/kg体重、約775μg/kg体重、約800μg/kg体重、約825μg/kg体重、約850μg/kg体重、約875μg/kg体重、約900μg/kg体重、約925μg/kg体重、約950μg/kg体重、約975μg/kg体重、約1mg/kg体重、約5mg/kg体重、約10mg/kg体重、約15mg/kg体重、約20mg/kg体重、約25mg/kg体重、約30mg/kg体重、約35mg/kg体重、約40mg/kg体重、約45mg/kg体重、約50mg/kg体重、約60mg/kg体重、約70mg/kg体重、約80mg/kg体重、約90mg/kg体重、約100mg/kg体重、約125mg/kg体重、約150mg/kg体重、約175mg/kg体重、約200mg/kg体重、又は約300mg/kg体重の量で投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグの1日用量が、一度に投与されるか、又は2回、3回若しくは4回に分けて投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日間、少なくとも25日間、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも1年間、又は少なくとも2年間連続投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、1つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10)の治療コースで投与され、各治療コースが、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日間、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間又は少なくとも50日間続き、2治療コースごとの間隔が、0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、2週、3週、又は4週である。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、注射(例えば、滴下を含む、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内への注射)により投与されるか、若しくは経皮投与されるか、又は経口、バッカル、経鼻、経粘膜、局所、眼科用製剤として、若しくは吸入を介して投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ハードキャンディ、散剤、噴霧剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、オイントメント、水性懸濁剤、注射液剤、エリキシル剤、及びシロップ剤からなる群から選択される剤形で投与される。
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)、(II)若しくは(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグの、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療するための医薬の製造における使用を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する使用のための、式(I)、(II)若しくは(III)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを提供する。
いくつかの実施形態において、造血幹細胞移植は、同種異系造血幹細胞移植である。
いくつかの実施形態において、移植片対宿主病は、急性移植片対宿主病又は慢性移植片対宿主病である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグは、造血幹細胞移植前、中及び/又は後に投与される。
本開示は、上記の実施形態の任意の組合せを包含する。
本発明の目的及び技術的解決策をより明らかにするために、具体例を参照して、本発明を以下でさらに説明する。以下の実施例は、本発明を例示するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものと理解してはいけないことを理解すべきである。さらに、以下の実施例に記載されていない具体的実験方法は、通常の実験方法に従って実施される。
実施例において使用される化合物128は、以下の構造を有するものであり、国際公開第2019/001572号(A1)に開示された方法に従って調製した。
実施例1.ROCK2キナーゼ活性アッセイ
キナーゼIC50は、市販のCISBIOキナーゼ検出キットHTRF KinEASE-STK S2キット(62ST2PEC)により決定した。反応において使用したROCK2(01-119)は、Carna Biosciences社から購入した。
キナーゼIC50は、市販のCISBIOキナーゼ検出キットHTRF KinEASE-STK S2キット(62ST2PEC)により決定した。反応において使用したROCK2(01-119)は、Carna Biosciences社から購入した。
アッセイの前に、キナーゼ検出キットの指示書に従って対応する試薬を用いて、必要に応じた以下の標準溶液を配合した:1×キナーゼバッファー、5×STK-S2基質標準溶液(1.5μM)及び5×ATP標準溶液(1.5μM)、5×ROCK2キナーゼ標準溶液、4×ストレプトアビジン-XL665標準溶液、並びに4×STK-Ab-クリプテート2検出溶液。次いで、以下の手順に従ってアッセイを行った。
2.5%DMSOを含む1×キナーゼバッファーを用いて、10000nMの濃度で化合物溶液を調製した。異なる9つの濃度で試験化合物溶液が得られるように、DMSOを含むキナーゼバッファーを用いて、化合物溶液の勾配希釈を行った。試験化合物のウェルに加えて、陽性ウェル(化合物を除くすべての試薬を含む)及び陰性ウェル(試験化合物及びキナーゼを除くすべての試薬を含む)を準備した。対照ウェル(陽性及び陰性ウェル)を除いて、試験化合物溶液(4μL)を反応ウェルのそれぞれに添加し、2.5%DMSO溶液を対照ウェルに添加した。次いで、基質(2μM、すなわち、5×STK-S2基質標準溶液2μL)を反応ウェルのそれぞれに添加した。5×ROCK2キナーゼ標準溶液(2μL、1.4ngのROCK2キナーゼを含む)を、陰性ウェルを除く反応ウェルのそれぞれに添加し、その容積を1×キナーゼバッファー(2μL)で補った。5×ATP標準溶液(2μL)を反応ウェルのそれぞれに添加し、混合物を室温で2時間インキュベートした。キナーゼ反応が完了した後、4×ストレプトアビジン-XL665標準溶液を反応ウェルのそれぞれに添加し、溶液を混合し、次に4×STK-Ab-クリプテート2検出溶液(5μL)を直ちに添加し、混合物を室温で1時間インキュベートした。蛍光シグナルをENVISION(Perkinelmer社)で読み取った(励起波長:320nm、発光波長:665nm及び615nm)。各ウェルの阻害率を蛍光強度値に基づいて計算した:ER(発光比)=(665nmにおける蛍光強度/615nmにおける蛍光強度);阻害率=(ER陽性-ER試験化合物)/(ER陽性-ER陰性)×100%。PRISM 5.0ソフトウェアを用いて、曲線をプロットし、適合して、各試験化合物の中央値の阻害濃度(IC50)を得た。化合物のIC50値は、以下の表に示す通りである。
実施例2.マウスにおける治療効果
雄性BALB/cレシピエントマウスに、8.5Gyを全身照射(TBI)した(Gammacell 40、NORPION International Co.,Ltd.社、照射源:137Cs)。C57BL/6(H-2b)ドナーマウス由来の骨髄細胞(BMC)及び脾臓細胞(SC)の懸濁液を調製し、照射されたBALB/cレシピエントマウスに、尾静脈を介して(同種異系C57BL/6(H-2b)ドナーマウス由来の骨髄細胞10×106個及び脾臓細胞6.25×106個含有する)0.5mL/マウス1匹で注入した。その後、BALB/cマウスは、モデル群(G2)と化合物007群(G3)の2群に無作為に分けられた。照射群(G4)(すなわち、ドナーマウス細胞懸濁液注入なしに137Cs照射のみを受けた)と同系骨髄移植群(G1)(同系BALB/cマウス由来の骨髄細胞10×106個を含有する懸濁液を、この群のマウスに尾静脈注入を介して投与した)。G1~G4群は、1群当たりマウス9匹で構成された。モデル群、照射群及び同系骨髄移植群におけるマウスに、ビヒクル(0.2%のTween-80水性溶液)を、強制経口投与によって1日に1回、23日間投与した。化合物007群におけるマウスに、強制経口投与によって化合物007の30mpkをモデル確立の初日から1日1回、23日間投与した。動物の生存率を毎日記録した。
雄性BALB/cレシピエントマウスに、8.5Gyを全身照射(TBI)した(Gammacell 40、NORPION International Co.,Ltd.社、照射源:137Cs)。C57BL/6(H-2b)ドナーマウス由来の骨髄細胞(BMC)及び脾臓細胞(SC)の懸濁液を調製し、照射されたBALB/cレシピエントマウスに、尾静脈を介して(同種異系C57BL/6(H-2b)ドナーマウス由来の骨髄細胞10×106個及び脾臓細胞6.25×106個含有する)0.5mL/マウス1匹で注入した。その後、BALB/cマウスは、モデル群(G2)と化合物007群(G3)の2群に無作為に分けられた。照射群(G4)(すなわち、ドナーマウス細胞懸濁液注入なしに137Cs照射のみを受けた)と同系骨髄移植群(G1)(同系BALB/cマウス由来の骨髄細胞10×106個を含有する懸濁液を、この群のマウスに尾静脈注入を介して投与した)。G1~G4群は、1群当たりマウス9匹で構成された。モデル群、照射群及び同系骨髄移植群におけるマウスに、ビヒクル(0.2%のTween-80水性溶液)を、強制経口投与によって1日に1回、23日間投与した。化合物007群におけるマウスに、強制経口投与によって化合物007の30mpkをモデル確立の初日から1日1回、23日間投与した。動物の生存率を毎日記録した。
生存率の結果を図1に示す。結果から、モデル群と比較して、化合物007群におけるマウスは、生存率を有意に改善したことが明らかになった。
実施例3.同種異系混合リンパ球反応
C57BL/6(B6)マウス由来の骨髄細胞を単離し、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、20ng/mL、Biolegend社、713704)及びインターロイキン-4(IL-4、10ng/mL、Biolegend社、10715004)と7日間インキュベートし、次に20ng/mLのリポ多糖(LPS)を添加し、24時間インキュベートし、樹状細胞(DC)を回収した。市販のキット(Dakewe社、480039)を用いて、BALB/cマウス由来のCD4ナイーブT細胞を抽出し、単離した。105個のCD4ナイーブT細胞及び25×103個のDC細胞を混合し、培養した。化合物007をそれぞれ4つの濃度(125nM、250nM、500nM、及び1000nM)で混合細胞に添加し、(等量の培地を添加した)対照群を設定した。5日間培養した後、上澄みを回収し、炎症性因子(IL-6(Duyou社、1210602)、TNF-α(Duyou社、1217202)、IFN-γ(Duyou社、1210002)、及びIL-2(Duyou社、1210202))を検出するためにキットを採用した。
C57BL/6(B6)マウス由来の骨髄細胞を単離し、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、20ng/mL、Biolegend社、713704)及びインターロイキン-4(IL-4、10ng/mL、Biolegend社、10715004)と7日間インキュベートし、次に20ng/mLのリポ多糖(LPS)を添加し、24時間インキュベートし、樹状細胞(DC)を回収した。市販のキット(Dakewe社、480039)を用いて、BALB/cマウス由来のCD4ナイーブT細胞を抽出し、単離した。105個のCD4ナイーブT細胞及び25×103個のDC細胞を混合し、培養した。化合物007をそれぞれ4つの濃度(125nM、250nM、500nM、及び1000nM)で混合細胞に添加し、(等量の培地を添加した)対照群を設定した。5日間培養した後、上澄みを回収し、炎症性因子(IL-6(Duyou社、1210602)、TNF-α(Duyou社、1217202)、IFN-γ(Duyou社、1210002)、及びIL-2(Duyou社、1210202))を検出するためにキットを採用した。
試験結果を図2に示す。結果から、化合物007は、炎症性因子のレベルを有意に低減したことが示された。
本明細書に記載される改変形態に加えて、本発明に対するさまざまな改変形態は、上述の説明から当業者に明らかになる。そのような改変形態は、添付の特許請求の範囲内に入るように意図される。すべての特許、出願、学術論文、書籍及び他のいずれの開示も含めて、本明細書に引用される各参考文献は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (13)
- 造血幹細胞移植後の移植片対宿主病を予防、軽減、及び/又は治療する方法であって、
有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法。
[式中、A環は、
であり、上記の基は、*又は**と標識された2つの位置のいずれかでピリミジン環に結合しており、もう一方の位置でカルボニル基に結合しており、
好ましくは、A環は、
であり、上記の基は、*と標識された位置でピリミジン環に結合しており、**と標識された位置でカルボニル基に結合しており、R10は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、好ましくはH又はメチルであり、
Rは、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
であり、
R2は、H及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
R3、R4、R7及びR8はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI)、-NR5R6、-OH、C1~6アルキル及び-OR5からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
R9及びR10はそれぞれ存在する場合、H、ハロゲン、C1~6アルキル(例えば、メチル)、C2~6アルケニル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6~12アラルキル、-C(=O)R5及び-C1~6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立的に選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環式ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール及びアラルキルはそれぞれ存在する場合、ハロゲン、C1~6アルキル及び-OR5からなる群から独立的に選択される1つ又は複数の置換基でそれぞれ任意選択で置換されており、
R5及びR6はそれぞれ存在する場合、H、C1~6アルキル、C3~10環式ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~14員ヘテロアリール及びC6~12アラルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択され、
mはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1、2又は3の整数であり、
nはそれぞれ存在する場合、それぞれ独立的に0、1又は2の整数である。] - 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、約0.005mg/日~約5000mg/日の量、例えば約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500又は5000mg/日の量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、1日当たり約1ng/kg体重~約200mg/kg体重、約1μg/kg体重~約100mg/kg体重又は約1mg/kg体重~約50mg/kg体重の量で投与され、例えば1日当たり約1μg/kg体重、約10μg/kg体重、約25μg/kg体重、約50μg/kg体重、約75μg/kg体重、約100μg/kg体重、約125μg/kg体重、約150μg/kg体重、約175μg/kg体重、約200μg/kg体重、約225μg/kg体重、約250μg/kg体重、約275μg/kg体重、約300μg/kg体重、約325μg/kg体重、約350μg/kg体重、約375μg/kg体重、約400μg/kg体重、約425μg/kg体重、約450μg/kg体重、約475μg/kg体重、約500μg/kg体重、約525μg/kg体重、約550μg/kg体重、約575μg/kg体重、約600μg/kg体重、約625μg/kg体重、約650μg/kg体重、約675μg/kg体重、約700μg/kg体重、約725μg/kg体重、約750μg/kg体重、約775μg/kg体重、約800μg/kg体重、約825μg/kg体重、約850μg/kg体重、約875μg/kg体重、約900μg/kg体重、約925μg/kg体重、約950μg/kg体重、約975μg/kg体重、約1mg/kg体重、約5mg/kg体重、約10mg/kg体重、約15mg/kg体重、約20mg/kg体重、約25mg/kg体重、約30mg/kg体重、約35mg/kg体重、約40mg/kg体重、約45mg/kg体重、約50mg/kg体重、約60mg/kg体重、約70mg/kg体重、約80mg/kg体重、約90mg/kg体重、約100mg/kg体重、約125mg/kg体重、約150mg/kg体重、約175mg/kg体重、約200mg/kg体重、又は約300mg/kg体重の量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグの1日用量が、一度に投与されるか、又は2回、3回若しくは4回に分けて投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日間、少なくとも25日間、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも1年間、又は少なくとも2年間連続投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、1又は複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10)の治療コースで投与され、各治療コースが、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日間、少なくとも25日間、少なくとも30日間、少なくとも35日間、少なくとも40日間、少なくとも45日間又は少なくとも50日間続き、2治療コースごとの間の間隔が、0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、2週、3週、又は4週である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、注射(例えば、滴下を含む、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内への注射)により投与されるか、若しくは経皮投与されるか、又は経口、バッカル、経鼻、経粘膜、局所、眼科用製剤として、若しくは吸入を介して投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ハードキャンディ、散剤、噴霧剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、オイントメント、水性懸濁剤、注射液剤、エリキシル剤、及びシロップ剤からなる群から選択される剤形で投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 造血幹細胞移植が、同種異系造血幹細胞移植である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 移植片対宿主病が、急性移植片対宿主病又は慢性移植片対宿主病である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-オキシド、同位体標識化合物、代謝物若しくはプロドラッグが、造血幹細胞移植前、中及び/又は後に投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
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