JP2023529570A - Usp30阻害剤としての活性を有するn-シアノピロリジン - Google Patents

Usp30阻害剤としての活性を有するn-シアノピロリジン Download PDF

Info

Publication number
JP2023529570A
JP2023529570A JP2022571212A JP2022571212A JP2023529570A JP 2023529570 A JP2023529570 A JP 2023529570A JP 2022571212 A JP2022571212 A JP 2022571212A JP 2022571212 A JP2022571212 A JP 2022571212A JP 2023529570 A JP2023529570 A JP 2023529570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyano
oxazole
disease
compound
carboxamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022571212A
Other languages
English (en)
Inventor
アンドリュー ラックハースト クリストファー
イアン ケンプ マーク
ウィリアム トンプソン ポール
Original Assignee
ミッション セラピューティクス リミティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB2008401.8A external-priority patent/GB202008401D0/en
Priority claimed from GBGB2016689.8A external-priority patent/GB202016689D0/en
Priority claimed from GBGB2101935.1A external-priority patent/GB202101935D0/en
Application filed by ミッション セラピューティクス リミティド filed Critical ミッション セラピューティクス リミティド
Publication of JP2023529570A publication Critical patent/JP2023529570A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D413/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D413/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms containing two hetero rings
    • C07D413/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/42Oxazoles
    • A61K31/422Oxazoles not condensed and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/12Drugs for disorders of the urinary system of the kidneys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/04Drugs for skeletal disorders for non-specific disorders of the connective tissue
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本発明は、脱ユビキチン化酵素USP30の阻害剤としての活性を有し、ミトコンドリア機能障害、癌及び線維症を伴う状態を含む、様々な治療分野において有用性を有するN-シアノピロリジンのクラスに関する(式(I)(i)及び(I)(ii))。JPEG2023529570000081.jpg2981

Description

発明の分野
本発明は、ユビキチン特異的ペプチダーゼ30(USP30)としても知られる、脱ユビキチン化酵素ユビキチンC末端ヒドロラーゼ30の阻害剤としての活性を有するN-シアノピロリジンのクラス、その使用、その調製方法、及び前記阻害剤を含有する組成物に関する。これらの阻害剤は、ミトコンドリア機能障害、癌及び線維症を伴う状態を含む、様々な治療分野で有用である。
以下で引用又は依存するすべての文書は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
発明の背景
ユビキチンは、細胞内のタンパク質機能の調節に重要な76のアミノ酸からなる小さなタンパク質である。ユビキチン化及び脱ユビキチン化は、ユビキチンが共有結合し又は脱ユビキチン化酵素(DUB)によって標的タンパク質から切断される酵素媒介プロセスであり、ヒト細胞には約100のDUBがあり、それらは配列相同性に基づいてサブファミリーに分類される。USPファミリーは、DUB活性に重要なCys及びHis残基を含む共通のCys及びHisボックスを特徴とする。ユビキチン化及び脱ユビキチン化プロセスは多くの細胞機能の調節に関与し、それらの調節は細胞周期の進行、アポトーシス、細胞表面受容体の修飾、DNA転写及びDNA修復の調節を含む。したがって、ユビキチンシステムは多数の疾患状態の病因に関与し、それらの病因は炎症、ウイルス感染症、代謝機能障害、CNS障害及び発癌を含む。
ユビキチンはミトコンドリア動態のマスターレギュレータである。ミトコンドリアは動的オルガネラであり、その生物発生、融合及び***事象は、ミトフシンなどの多くの重要な因子のユビキチン化を介する翻訳後調節によって調節される。ヒトにおいて、USP30は517アミノ酸タンパク質であり、ミトコンドリア外膜に見られる(Nakamura et al, 2008, Mol Biol 19:1903-11)。これは、ミトコンドリアアドレス指定シグナルを持つ唯一の脱ユビキチン化酵素であり、多くのミトコンドリアタンパク質を脱ユビキチン化することが示されている。USP30がパーキンを介したマイトファジーに対抗し、USP30活性の低下がパーキンを介したマイトファジーの欠陥を救済できることが実証されている(Bingol et al, 2015, Nature 510:370-5; Gersch et al, 2017, Nat Struct Mol Biol 24 (11): 920-930; Cunningham et al, 2015, Nat Cell Biol 17(2): 160-169)。USP30の不活性化は、おそらくTOMタンパク質のユビキチン化を通じて、ミトコンドリアタンパク質のインポートを増加させることもできる(Jacoupy et al, 2019, Sci Rep 9(1): 11829)。USP30のごく一部は、ミトコンドリアとER小胞の融合によって生成されるペルオキシソームに局在しており、USP30はPex2/ペキソファジー経路を拮抗することができる(Riccio et al, 2019, J Cell Biol 218(3): 798-807)。E3 Ub リガーゼ March5 及び脱ユビキチナーゼUSP30はトランスロカーゼと結合し、ミトコンドリアのインポートを調節し、そして、March5 はミトコンドリアのインポートを妨害し、基質の分解を指示するが、USP30は基質を脱ユビキチン化し、それらのインポートを促進する(Phu et al, 2020, Molecular Cell 77, 1107- 1123)。
ミトコンドリア機能障害は、ミトコンドリアの含有量(マイトファジー又はミトコンドリア生合成)の減少として、ミトコンドリアの活性及び酸化的リン酸化の減少として、また活性酸素種(ROS)生成の調節として、定義できる。したがって、非常に多数の老化プロセス及び病状におけるミトコンドリア機能障害の役割である。
例えば、パーキンソン病は世界中で約1,000万人が罹患しており(パーキンソン病財団)、黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失を特徴とする。PDの根底にある正確なメカニズムは不明であるが、ミトコンドリア機能障害は、PDにおけるドーパミン作動性神経細胞の感受性の重要な決定要因として益々評価されており、家族性疾患及び散発性疾患の両方、及び毒素誘発性パーキンソニズムの特徴である。パーキンは、早期発症のPDに関与している多くのタンパク質のうちの1つである。ほとんどのPD症例は α-シヌクレインの欠陥に関連しているが、パーキンソン病の症例の10%は特定の遺伝的欠陥に関連しており、そのうちの1つはユビキチンE3リガーゼパーキンにある。パーキン及びプロテインキナーゼPTEN誘導推定キナーゼ1(PINK1)は協力して、損傷したミトコンドリアのミトコンドリア膜タンパク質をユビキチン化し、マイトファジーを引き起こす。マイトファジーの調節不全は酸化ストレスの増加をもたらし、それはPDの特徴として説明されている。したがって、USP30の阻害は、PD治療の潜在的な戦略になりうる。例えば、活性の低下をもたらすパーキン変異を有するPD患者は、USP30の阻害によって治療的に補償されうる。
USP30の枯渇は、ミトコンドリアのマイトファジーによるクリアランスを高め、パーキン誘発細胞死も促進することが報告されている。USP30は、パーキンの過剰発現とは無関係に、BAX/BAK依存性アポトーシスを調節することも示されている。USP30の枯渇は、パーキンの過剰発現を必要とせずに、癌細胞をABT-737などのBH3ミメティックに対して感受性にする。したがって、USP30の抗アポトーシスの役割が実証されているため、USP30は抗がん治療の潜在的な標的となる。
ユビキチン-プロテアソーム系は、多発性骨髄腫の治療のためのプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))の承認を受けて、がん治療の標的として関心を集めている。ボルテゾミブによる長期治療は、関連する毒性及び薬剤耐性によって制限される。しかしながら、DUBなどのプロテアソームの上流のユビキチン-プロテアソーム経路の特定の側面を標的とする治療戦略は、より寛容であると予測されている(Bedford et al, 2011, Nature Rev 10:29-46)。
腎線維症、肝線維症及び肺線維症などの線維性疾患は、病的状態及び死亡の主な原因であり、すべての組織及び器官系に影響を与える可能性がある。線維症は、組織又は器官に対する急性又は慢性ストレスの結果であると考えられており、細胞外マトリックスの沈着、血管/細管/管/気道の開通性の低下、及び機能障害を特徴とし、最終的に器官不全に至る。多くの線維化状態は、ライフスタイル又は環境要因によって促進されるが、ある割合の線維症状態は、遺伝的トリガーによって開始されるか、又は、実際には特発性(つまり、既知の原因なし)と考えられる。特発性肺線維症(IPF)などの特定の線維性疾患は、非特異的キナーゼ阻害剤(ニンテダニブ)又は十分に特性化された作用機序のない薬剤(ピルフェニドン)で治療できる。腎線維症又は肝線維症などの器官線維症の他の治療法は、器官自体への圧力を軽減する(例えば、肝硬変に対するベータ遮断薬、慢性腎臓病に対するアンギオテンシン受容体遮断薬)。ブドウ糖及び食事管理などのライフスタイル要因への注意も、疾患の経過及び重症度に影響を与えることができる。
ミトコンドリア機能障害は、多くの線維性疾患に関与しており、機能障害の下流の酸化ストレスが重要な病原性メディエーターであり、ATP産生の減少と並んでいる。前臨床モデルにおいて、マイトファジー経路の破壊(パーキン又はPINK1の突然変異又はノックアウトによる)は、酸化ストレスの増加の証拠とともに、肺線維症及び腎線維症を悪化させる。
Kurita et al, 2017, Respiratory Research 18:114は、線維化促進性筋線維芽細胞の蓄積が、IPFにおける線維性リモデリングの重要なプロセスであることを開示している。最近の発見は、IPFの病因におけるリソソーム分解機構の一部であるオートファジー/マイトファジーの関与を示していると言われ、マイトファジーは、ミトコンドリアの活性酸素種(ROS)を介した血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)活性化を調節することにより、筋線維芽細胞の分化に関与していると言われている。Kuritaの結果は、ピルフェニドンがPARK2を介したマイトファジーを誘導し、不十分なマイトファジーの環境での肺線維症の発症も阻害することを示唆しており、IPF治療の抗線維化メカニズムを少なくとも部分的に説明することができる。
Williams et al, 2015, Pharmacol Res. December; 102: 264-269は、マイトファジーを介して損傷したミトコンドリアを除去することにより、アルコール及びアセトアミノフェン誘発性肝障害から保護する際のPINK1-パーキンを介したオートファジーの役割について議論している。USP8の薬理学的安定化又はUSP15及びUSP30の不活性化は、パーキン誘発性マイトファジーをアップレギュレートし、薬物誘発性肝障害から保護するための潜在的な治療標的であることができることが示唆されている。しかしながら、DUBは転写及び翻訳後の両方で調節され、これらの特定の酵素を標的とする薬剤開発が困難になる可能性があることに留意されたい。さらに、リン酸化ユビキチンはDUBに耐性があることが示された。著者らは、PINK1の安定化又はキナーゼ活性をアップレートすることは、DUBを阻害することよりも効果的な標的である可能性があると結論付けている。
Williams et al, 2015, Biomolecules 5, 2619-2642及びWilliams et al, 2015, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 309: G324-G340は肝臓におけるミトコンドリアホメオスタシスの調節に関与するメカニズムと、これらのメカニズムがどのようにアルコール誘発性肝疾患に対して保護するかをレビューしている。
Luciani et al, 2020, Nat. Commun. 11, 970 は、最終分化細胞におけるミトコンドリアネットワークの脱レギュレーションが、メチルマロン酸血症(MMA)を含む広範囲の障害に寄与していると報告している。MMAは、ミトコンドリアのメチルマロニル補酵素 Aムターゼ(MMUT)の欠乏による、最も一般的な遺伝性代謝障害の1つである。MMUT欠乏症は、代謝及びミトコンドリア変化を誘発し、PINK1/パーキンを介したマイトファジーの異常によって悪化し、機能障害のミトコンドリアの蓄積を引き起こし、それが上皮ストレスを引き起こし、最終的には細胞損傷を引き起こす。原発性MMUT欠乏症、病気のミトコンドリア、マイトファジー機能障害及び上皮ストレスの間の関連が示唆されており、MMAの潜在的な治療の展望が提供されている。
Kluge et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2018, 28 2655-2659 は、USP30の選択的阻害剤がマイトファジーを加速することを報告している。
N-シアノ置換複素環の一連の誘導体は、PCT出願WO2016/046530(US15/513125、US15/894025、US16/448066)、WO2016/156816(US15/558632、US16/297937、US16/419558、US16/419747、US16/788446)、WO2017/009650(US15/738900)、WO2017/093718(US15/776149)、WO2017/103614(US15/781615)、WO2017/149313(US16/078518)、WO2017/109488(US16/060299)、WO2017/141036(US16/070936)、WO2017/163078(US16/087515)、WO 2017/158381(US16/080229)、WO2017/158388(US16/080506)、WO2018/065768(US16/336685)、WO2018/060742(US16/336202)、WO2018/060689(US16/334836)、WO2018/060691(US16/336363)、WO2018/220355(US16/615040)、WO2018/234755(US16/615709)、WO2020/212350、WO2020/212351、WO2021/043870及びPCT/EP2021/064166の脱ユビキチン酵素阻害剤として開示されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。参照により明示的に本明細書に組み込まれるPCT出願WO2019/171042(US16/977019)は、線維性疾患の治療のためのUSP30の阻害剤としてのN-シアノピロリジンの使用を開示している。
Falgueyret et al, 2001, J.Med.Chem. 44, 94-104及びPCT出願WO01/77073は、シアノピロリジンをカテプシンK及びLの阻害剤として言及しており、骨粗鬆症及び他の骨吸収関連状態の治療に潜在的に有用である。PCT出願WO2015/179190は、N-アシルエタノールアミン加水分解酸アミダーゼ阻害剤に言及しており、潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療に潜在的に有用である。PCT出願WO2013/030218は、キナゾリン-4-オン化合物をユビキチン特異的プロテアーゼ(USP7など)の阻害剤として言及しており、癌、神経変性疾患、炎症性疾患及びウイルス感染症の治療に潜在的に有用である。PCT出願WO2015/017502及びWO2016/019237は、ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤に言及しており、自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌などの疾患の治療に潜在的に有用である。PCT出願WO2009/026197、WO2009/129365、WO2009/129370及びWO2009/129371は、シアノピロリジンを、カテプシンCの阻害剤として言及しており、COPDの治療において潜在的に有用である。米国特許出願US2008/0300268は、チロシンキナーゼ受容体PDGFRの阻害剤としてのポリ芳香族化合物に言及している。PCT出願WO2019/222468、WO2019/071073、WO2020/036940及びWO2020/072964、Rusilowicz-Jones et al, 2020, bioRxiv 2020.04.16.044206 (20 April 2020)及びTsefou et al, bioRxiv 2021.02.02.429344 (2 February 2021)は、シアナミド含有化合物をUSP30阻害剤として言及している。Yue et al, 2014, Cell Research, 24, 482-496 は、ミトコンドリア融合を誘導するUSP30阻害剤としてジテルペノイド誘導体15-オキソピラミラクトンに言及している。
PCT出願WO2015/183987は、癌、線維症、自己免疫疾患又は状態、炎症性疾患又は状態、神経変性疾患又は状態、あるいは感染症を治療する方法において、脱ユビキチナーゼ阻害剤及びヒト血清アルブミンを含む医薬組成物に言及している。UCHL5/UCH37、USP4、USP9X、USP11及びUSP15を含む脱ユビキチナーゼは、TGF-βシグナル伝達経路の調節に関与していると言われており、その攪乱は、神経変性疾患及び線維性疾患、自己免疫不全及び癌を発症させる。
PCT出願WO2006/067165は、インドリノンキナーゼ阻害剤を使用して線維性疾患を治療する方法に言及している。PCT出願WO2007/119214は、エンドセリン受容体アンタゴニストを使用して初期段階の肺線維症を治療する方法に言及している。PCT出願WO2012/170290は、THC酸を使用して線維性疾患を治療する方法に言及している。PCT出願WO2018/213150は、スルホンアミドUSP30阻害剤に言及しており、ミトコンドリアの欠陥を伴う状態の治療に潜在的な有用である。Larson-Casey et al, 2016, Immunity 44, 582-596 は、マクロファージ Akt1キナーゼを介したマイトファジー、アポトーシス耐性及び肺線維症に関するものである。Tang et al, 2015, Kidney Diseases 1, 71-79 は、腎臓の病態生理におけるマイトファジーの潜在的な役割をレビューしている。
ミトコンドリア機能障害、癌及び線維症を伴う状態、ならびにそれらに関連する様々な症状及び状態の治療又は予防のための、安全な、代替の及び/又は改善された方法及び組成物に対する必要性が存在する。いかなる特定の理論又は機序にも拘束されることを望まないが、本発明の化合物は酵素USP30を阻害するように作用し、パーキン誘導マイトファジーをアップレギュレートすると考えられる。
急性腎障害(AKI)は、7日以内に発生する腎機能の急激な低下と定義され、損傷の重症度は腎疾患改善のグローバルアウトカム(KDIGO)ガイドラインに記載されるとおりの血清クレアチン(Scr)の増加及び尿産出の減少に基づいて段階化されている。AKIは年間約1,330万人に発症し、その85%は発展途上国に住んでおり、毎年約170万人が死亡していると考えられている(Mehta et al, 2015, Lancet 385(9987): 2616-2643)。AKIは、恒久的な腎臓の損傷(すなわち、慢性腎臓病;CKD)を引き起こす可能性が高く、腎臓以外の器官への損傷も引き起こす可能性がある。AKIは、特に、偶発的なCKD、進行性CKD、末期腎疾患及び心血管事象を発症する患者の絶対数を考慮すると、重大な公衆衛生上の懸念事項である。AKIはCOVID-19で入院した患者に蔓延していること、院内死亡率と強く関連していることが判明しており、ミトコンドリアの損傷及び機能障害が潜在的な病態生理学的メカニズム及び治療標的として報告されている(Kellum et al, Nephrol Dial Transplant (2020) 35: 1652 -1662)。
AKI及びCKDは、同じ疾患スペクトルの連続体と考えられている(Chawla et al, 2017, Nat Rev Nephrol 13(4): 241-257)。冠動脈バイパスグラフト(CABG)を受けている患者は、腎障害のリスクが高くなる。AKIの治療及び/又は予防のための医薬品の開発には、明らかに満たされない医療上の要求がある。
腎臓は代謝要求の高い部位であり、高いマイトファジーレートがインビボで示されている(McWilliams et al, 2018, Cell Metab 27(2): 439-449 e435)。腎近位尿細管上皮細胞 (RPTEC)は、溶質/イオン交換に有意な量のATPを必要とする細胞タイプで、ミトコンドリアが豊富で、腎臓の急性腎障害(AKI)の主要エフェクター細胞である。ミトコンドリア機能障害は、前臨床AKI及びCKDモデルからの複数ラインの証拠と、患者の生検における異常なミトコンドリア表現型を示すデータの両方を通じて、AKI/CKDメカニズムに関与している(Emma et al, 2016, Nat Rev Nephrol 12(5): 267-280; Eirin et al, 2017, Handb Exp Pharmacol 240: 229-250)。さらに、原発性ミトコンドリア病は、しばしば、MELAS/MIDD患者の限局性分節性糸球体硬化症 (Kawakami et al, 2015, J Am Soc Nephrol 26(5): 1040-1052)及びコエンザイムQ欠乏症患者の原発性尿細管病変などの腎症状として現れる。mtDNAの変異は、母性遺伝の尿細管間質性疾患を引き起こす可能性がある(Connor et al, 2017, PLoS Genet 13(3): e1006620)。
腎損傷におけるミトコンドリアの品質管理に関して(Tang et al, 2018, Autophagy 14(5): 880-897)は、PINK1 KOマウスとPARK2 KOマウスの両方で腎損傷が虚血性AKI後に悪化することを示しており、PINK1/パーキンを介したマイトファジーが腎臓でIRIに続いて保護的な役割を果たすことを示唆している。さらに、パーキン/PINK1マイトファジーは、シスプラチン誘発性腎障害から保護する(Wang et al, 2018, Cell Death Dis 9(11): 1113)。CKDの限定モデルはマイトファジーの調査に利用でき、線維症におけるミトコンドリアの品質管理を裏付ける証拠は、COPD及びIPFなどの線維性肺状態に関する研究から得られる。パーキンノックアウト動物は、ブレオマイシンに反応して悪化した肺線維症を示す(Kobayashi et al, 2016, J Immunol, 197:504-516)。同様に、パーキンノックアウト(KO)動物の気道上皮細胞は、タバコの煙に対する線維化反応及び老化反応の悪化を示す(Araya et al, 2019, Autophagy 15(3): 510-526)。
前臨床モデルは、ヒトの状態と一致する線維症の病理 (例えば、コラーゲン沈着)をモデル化する能力を通じて、潜在的な新しい治療法を研究するために利用できる。前臨床モデルは、毒素を介したモデル(例えば、肺及び皮膚の線維症に対するブレオマイシン)、外科的モデル(例えば、急性尿細管間質性線維症の虚血/再灌流傷害モデル及び片側尿管閉塞モデル)、及び遺伝的モデル(例えば、糖尿病性腎症用の糖尿病(db/db)マウス)であることができる。例えば、示されたIPF治療(ニンテダニブ及びピルフェニドン)について以前に与えられた両方の例は、ブレオマイシン肺線維症モデルで有効性を示している。
したがって、USP30の阻害が必要とされる状態の治療又は予防のためのUSP30の阻害剤である化合物が必要とされている。特に、標的疾患に対する有効性を最大化するために、適切な及び/又は改善された特性を有するUSP30阻害剤が必要とされている。
発明の概要
本発明は、式(I)(i)及び式(I)(ii):
Figure 2023529570000002
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして、
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)から選ばれる式(I)の化合物、その互変異性体、又は、前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を対象とする。
本発明はまた、式(I)の化合物の使用、特に、ミトコンドリア機能障害、癌及び線維症を伴う状態の治療における使用、ならびにその製造方法及び前記化合物を含有する医薬組成物をも対象とする。
発明の詳細な説明
本発明は、標的疾患に対する有効性を最大化するために、適切な及び/又は改善された特性を有するUSP30阻害剤を対象とする。そのような特性としては、例えば、効力、選択性、物理化学的特性、PK(薬物動態)プロファイルを含むADME(吸収、分布、代謝及び***)特性、及び安全性プロファイルが挙げられる。
患者に投与される有効/効果的な投与量を下げるために、関連するアッセイにおける標的酵素に対する薬物分子の効力を最大にすることが一般に望ましい。本発明の化合物は、本明細書に記載のインビトロ生化学蛍光偏光(FP)アッセイを用いてUSP30親和性について試験することができる。
USP30は、ミトコンドリアの外膜に位置する膜貫通タンパク質であり、細胞内に存在するエネルギー生成性オルガネラである。したがって、インビトロで細胞活性を実証できることは有利である。これは、USP30阻害剤化合物が細胞に浸透できる生理学的環境で標的に関与する能力が高いことを示す可能性のある多くの成分の1つだからである。本明細書に記載のUSP30細胞ウエスタンブロット(WB)アッセイは、不可逆活性プローブを使用して細胞内のUSP30に対する化合物の活性を試験し、USP30活性をモニターすることを目的とする。細胞ウエスタンブロットアッセイと同様に、化合物を投与した動物からの脳又は腎臓組織サンプルのいずれかで、標的結合評価(エクスビボ)を実施することができる。
標的結合の知識を下流の薬力学に拡張するために、TOM20(ミトコンドリア外膜タンパク質)ユビキチン化の評価を行うことができる。
一般に、薬物は所望の標的酵素に対して可能な限り選択的であることが重要であり、さらなる活性は副作用の可能性を生じさせる。多くのDUBの正確な生理学的役割はまだ完全に決定されていないが、これらのDUBが果たす又は果たさない役割が何であろうが関係なく、未知の生理学的機能の関連する機械的標的に対して薬物が選択性を持つことを保証することは、健全な医化学の指針である。本発明の化合物をスクリーニングすることができるDUB酵素の代表例は、UCHL1、UCHL3、UCHL5、YOD1、SENP2、SENP6、TRABID、BAP1、セザンヌ、MINDY2/FAM63B、OTU1、OTUD3、OTUD5、OTUD6A、OTUD6B、OTUB1/UBCH5B、OTUB2、CYLD、VCPIP、AMSH―LP、JOSD1、JOSD2、USP1/UAF1、USP2、USP4、USP5、USP6、USP7、USP8、USP9x、USP10、USP11、USP12/UAF1、USP13、USP14、USP15、 USP16、USP19、USP20、USP21、USP22、USP24、USP25、USP28、USP32、USP34、USP35、USP36、USP45、USP46/UAF1、USP47及びUSP48である。好ましくは、本発明の化合物は、1つ以上のこれらのDUB酵素に対してUSP30の良好な選択性を有する。
他のDUB酵素に対する選択性は別として、薬物が他の標的に対して低い親和性を持つことは重要であり、薬理学的プロファイリングを標的のパネルに対して実行して、潜在的なオフターゲット効果の可能性を評価し、最小限に抑えることができる。本発明の化合物をスクリーニングできる標的の例は、GPCR受容体、トランスポータ、イオンチャネル、核内受容体、及び、キナーゼ及び非キナーゼ酵素の代表的な選択枝として44の標的を含む、業界標準のEurofins-Cerep SafetyScreen44パネルの標的である。好ましくは、本発明の化合物は、このスクリーニングパネルの標的に対して有意でない親和性を有する。本発明の化合物がスクリーニングされうる標的のさらなる例は、キナーゼ酵素の代表的な選択枝として39の標的を含むThermo Fisher SelectScreenキナーゼプロファイリングパネルのキナーゼである。好ましくは、本発明の化合物は、このスクリーニングパネルの標的に対して有意でない親和性を有する。さらに、本発明の化合物をスクリーニングすることができる特定の酵素クラスの例は、カテプシン(例えば、カテプシンA、B、C、H、K、L、L2、S、V及びZ)である。好ましくは、本発明の化合物は、これらの酵素の1つ以上よりもUSP30に対して良好な選択性を有する。
経口投与に適するように、好ましい薬物動態特性を有する化合物も必要とされている。経口投与される薬は、優れたバイオアベイラビリティを備えているべきである。これは、胃腸(GI)管を容易に通過し、GI管から全身循環に移行する際に広範囲の代謝を受けない能力である。薬物が体循環に入ると、薬物の体内滞留時間を決定する上で代謝速度も重要になる。
したがって、薬物分子がGI管を容易に通過でき、体内でゆっくりとしか代謝されないという特性を有することは、明らかに好ましい。Caco-2アッセイは、所与の分子がGI管を通過する能力を予測するための広く受け入れられているモデルである。薬物分子の代謝の大部分は、一般に、肝臓内で発生し、全細胞肝細胞(動物又はヒト)を使用したインビトロアッセイは、肝臓での代謝に対する所与の分子の感受性を測定するための広く受け入れられている方法である。このようなアッセイは、肝細胞で計算されたクリアランス値からインビボクリアランス値を予測することを目的とする。
良好なCaco-2フラックスを有し、肝細胞に対して安定である化合物は、良好な経口バイオアベイラビリティ(GI管を横切る良好な吸収及び肝臓を通過する際の化合物の最小限の抽出)及び薬物の効力があるように十分な長い体内滞留時間を有すると予測される。
化合物の溶解度は、予想される薬理学的反応のために全身循環において薬物の望ましい濃度を達成する上で重要な要素である。水溶性が低いことは、新しい化学物質の製剤開発で直面する問題であり、薬物が吸収されるためには、薬物は吸収部位で溶液の形で存在しなければならない。化合物の動的溶解度は、比濁溶解度アッセイを使用して測定することができ、そのデータをCaco-2透過性データと組み合わせて使用して、用量依存的なヒトの腸内吸収を予測することもできる。
化合物の暴露プロファイルを示す標準的なアッセイを使用して測定できるその他のパラメーターとしては、例えば、血漿安定性 (半減期測定)、血中AUC、Cmax、Cmin及びTmax値が挙げられる。
アルツハイマー病、パーキンソン病及び本明細書に記載の他の障害を含むCNS障害の治療には、薬物分子が脳を標的とする必要があり、これには血液脳関門の十分な浸透が必要である。したがって、有効な血液脳透過特性を有し、有効であるために脳内に適切な滞留時間を提供するUSP30阻害剤が必要とされている。化合物が血液脳関門を通過できる確率は、MDR1-MDCK細胞単層(MDR-1をトランスフェクトしたMadin-Darby Canine Kidney 細胞により、ヒト排出トランスポータP-糖タンパク質の過剰発現をもたらす)を利用したインビトロフラックスアッセイによって測定できる。さらに、暴露は、インビボ動物モデルを使用して脳及び血漿で直接測定することもできる。
また、様々な標準的なインビトロ及びインビボ法によって測定できる好ましい安全性プロファイルを有する化合物も必要とされている。細胞毒性カウンタースクリーンを使用して、ミトコンドリア活性に応答したレザスリン(alamarBlue(商標))からレゾフリンへの蛍光検出により、特定の細胞株(例えば、HCT116)における抗増殖/細胞毒性効果をアッセイすることができる。
毒物学及び安全性研究は、副作用の潜在的な標的器官を特定し、臨床試験での初期開始用量を設定するための治療指数を定義するために実施されることもある。規制要件では、一般に、げっ歯類(ラット又はマウス)及び非げっ歯類(ウサギ、イヌ、ヒト以外の霊長類、又はその他の適切な種)の少なくとも2つの実験動物で研究を実施する必要がある。
細菌復帰突然変異アッセイ(エームス試験)を使用して、一般に、アミノ酸ヒスチジン生合成の突然変異体である細菌株サルモネラ・チフィムリウムを使用して、本発明の化合物の突然変異誘発特性を評価することができる。
小核アッセイは、小核の存在を評価することにより、化合物が遺伝毒性であるかどうかを判断するために使用できる。小核は、DNAの切断によって生成された染色体断片(染色体異常誘発物質)又は有糸***装置の破壊によって生成された染色体全体(異数性誘発物質)を含むことができる。
hERG予測アッセイは、試験化合物のカリウムチャネルへの結合の可能性と、心エコー図でのQT延長の可能性に関する貴重な情報を提供する。hERG電流の阻害は、QT間隔の延長を引き起こし、致死的可能性のある心室性頻脈性不整脈(Torsades de Pointes)を引き起こす。典型的に、アッセイデータは、自動化されたパッチクランプアッセイプラットフォームから生成されうる。
したがって、本発明はUSP30阻害剤を対象とし、それは標的疾患に対する有効性を最大化するために、適切な及び/又は改善された特性を有する。そのような特性としては、例えば、効力、選択性、物理化学的特性、PK(薬物動態)プロファイルを含むADME(吸収、分布、代謝及び***)特性、及び安全性プロファイルが挙げられる。
本発明の化合物は、重要かつ予想外である上記の同定された特性の1つ以上を示すことが見出された。例えば、本発明の例1~12は、本明細書に記載の生化学アッセイで測定して、USP30に対して非常に効力がある。本発明のこれらの例(1~12)はすべて、他のDUB及びカテプシンよりもUSP30に対して有意により選択的である。本発明の化合物の重要かつ予想外の特性により、それらは、USP30活性に関連する疾患の治療及び/又は予防における使用に特に適したものとなる。
第一の態様によれば、本発明は、式(I)(i)及び式(I)(ii):
Figure 2023529570000003
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)から選ばれる式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を提供する。
式(I)の化合物は、示された絶対立体化学を有する単一の立体異性体として存在する。
アルキル基は、直鎖状又は分岐状であり、1~4個の炭素原子を含む。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル及びsec-ブチルが挙げられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素を意味する。フルオロアルキル基は、1つ以上のフッ素置換基を含むことかできる。その例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。
別段の指示がない限り、置換されたという用語は、1つ以上の規定された基によって置換されていることを意味する。複数の選択肢から基を選択できる場合において、選択された基は同じでも又は異なっていてもよい。「独立して」という用語は、複数の可能な置換基から複数の置換基が選択される場合に、それらの置換基は同じであっても又は異なっていてもよいことを意味する。
式(I)の化合物の好ましい実施形態を以下に規定する。
好ましくは、R1は、メチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる。
より好ましくは、R1は、メチル、CH2F及びCH2OCH3から選ばれる。
最も好ましくは、R1はメチル及びCH2OCH3から選ばれる。
好ましくは、R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる。
最も好ましくは、R2はメチル及びシクロプロピルから選ばれる。
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素から選ばれる。
より好ましくは、R3は水素及びフッ素から選ばれる。
最も好ましくは、R3は水素である。
好ましくは、R4及びR5は、水素及びフッ素からそれぞれ独立して選ばれる。
最も好ましくは、R4及びR5はそれぞれ水素である。
本発明の1つの態様によれば、式(I)の化合物は、式(I)(i):
Figure 2023529570000004
を有する。
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物は、式(I)(ii):
Figure 2023529570000005
を有する。
本発明の第一の好ましい態様によれば、式(IA)(i):
Figure 2023529570000006
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩である。
式(IA)(i)の化合物の好ましい実施形態を以下に規定する。
好ましくは、R1は、メチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる。
より好ましくは、R1は、メチル、CH2F及びCH2OCH3から選ばれる。
最も好ましくは、R1はメチル及びCH2OCH3から選ばれる。
好ましくは、R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる。
最も好ましくは、R2はメチル及びシクロプロピルから選ばれる。
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素から選ばれる。
より好ましくは、R3は水素及びフッ素から選ばれる。
最も好ましくは、R3は水素である。
好ましくは、R4及びR5は、水素及びフッ素からそれぞれ独立して選ばれる。
最も好ましくは、R4及びR5はそれぞれ水素である。
本発明の式(IA)(i)の好ましい化合物は、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
又はその医薬上許容される塩から選ばれる。
本発明の式(IA)(i)の最も好ましい化合物は、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
又はその医薬上許容される塩から選ばれる。
本発明の第二の好ましい態様によれば、式(IB)(i):
Figure 2023529570000007
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩である。
式(IB)(i)の化合物の好ましい実施形態を以下に規定する。
好ましくは、R1は、メチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる。
より好ましくは、R1は、メチル、CH2F及びCH2OCH3から選ばれる。
最も好ましくは、R1はCH2OCH3である。
好ましくは、R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる。
最も好ましくは、R2はメチルである。
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素から選ばれる。
より好ましくは、R3は水素及びフッ素から選ばれる。
最も好ましくは、R3は水素である。
好ましくは、R4及びR5は、水素及びフッ素からそれぞれ独立して選ばれる。
最も好ましくは、R4及びR5はそれぞれ水素である。
本発明の式(IB)(i)の好ましい化合物は、
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
又はその医薬上許容される塩から選ばれる。
本発明の第三の好ましい態様によれば、式(IA)(ii):
Figure 2023529570000008
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩である。
式(IA)(ii)の化合物の好ましい実施形態を以下に規定する。
好ましくは、R1は、メチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる。
より好ましくは、R1は、メチル、CH2F及びCH2OCH3から選ばれる。
最も好ましくは、R1はメチル及びCH2OCH3から選ばれる。
好ましくは、R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる。
最も好ましくは、R2はメチル及びシクロプロピルから選ばれる。
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素から選ばれる。
より好ましくは、R3は水素及びフッ素から選ばれる。
最も好ましくは、R3は水素である。
好ましくは、R4及びR5は、水素及びフッ素からそれぞれ独立して選ばれる。
最も好ましくは、R4及びR5はそれぞれ水素である。
本発明の式(IA)(ii)の好ましい化合物は、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
又はその医薬上許容される塩から選ばれる。
本発明の第四の好ましい態様によれば、式(IB)(ii):
Figure 2023529570000009
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩である。
式(IB)(ii)の化合物の好ましい実施形態を以下に規定する。
好ましくは、R1は、メチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる。
より好ましくは、R1は、メチル、CH2F及びCH2OCH3から選ばれる。
最も好ましくは、R1はCH2OCH3である。
好ましくは、R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる。
最も好ましくは、R2はメチルである。
好ましくは、R3は、水素、塩素及びフッ素から選ばれる。
より好ましくは、R3は水素及びフッ素から選ばれる。
最も好ましくは、R3は水素である。
好ましくは、R4及びR5は、水素及びフッ素からそれぞれ独立して選ばれる。
最も好ましくは、R4及びR5はそれぞれ水素である。
本発明の式(IB)(ii)の好ましい化合物は、
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
又はその医薬上許容される塩から選ばれる。
式(I)の化合物の医薬上許容される塩としては、その酸付加塩及び塩基塩(二塩を含む)が挙げられる。
適切な酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプ酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベン酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、リン酸水素塩、イセチオン酸塩、D及びL-乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、パルメート、リン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、硫酸コハク酸塩、D-及びL-酒石酸塩ならびにトシル酸塩が挙げられる。
適切な塩基塩は、無毒の塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム、アンモニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。
適切な塩のレビューについては、Stahl and Wermuth, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, Wiley-VCH, Weinheim, Germany (2002)を参照されたい。
式(I)の化合物の医薬上許容される塩は、式(I)の化合物の溶液と、必要に応じて所望の酸又は塩基とを一緒に混合することによって容易に調製することができる。塩は溶液から沈殿し、ろ過によって回収するか、又は溶媒の蒸発によって回収することができる。
本発明による医薬上許容される溶媒和物としては、水和物及び溶媒和物が挙げられ、ここで結晶化の溶媒は同位体で置換されていてもよく、例えば、D2O、アセトン-d6、DMSO d6である。
また、本発明の範囲内には、クラスレート、薬物-ホスト包接複合体があり、上述の溶媒和物とは対照的に、薬物及びホストは非化学量論量で存在する。このような複合体のレビューについては、J. Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288 by Haleblian (August, 1975)を参照されたい。
以下、式(I)の化合物へのすべての言及は、その塩への言及、ならびに式(I)の化合物及びその塩の溶媒和物及びクラスレートへの言及を含む。
本発明は、上で規定した式(I)の化合物のすべての多形を含む。
また、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内である。したがって、それ自体薬理学的活性がほとんど又はまったくない式(I)の化合物の特定の誘導体は、体内又は体への投与時に代謝されると、所望の活性を有する式(I)の化合物を生じさせることができる。そのような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物に存在する適切な官能基を、例えば、「プロドラッグの設計」H Bundgaard(エルゼビア、1985年)に記載されるように「プロ部分」として当業界に知られている特定の部分により置換することにより生成されうる。
最後に、式(I)の特定の化合物は、それ自体が式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用しうる。
窒素原子を含む式(I)の化合物の特定の誘導体はまた、対応するN-オキシドを形成することができ、そのような化合物も本発明の範囲内である。
式(I)の化合物のすべての互変異性体は本発明の範囲内に含まれる。
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ体(又は塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)は、適切な光学活性化合物、例えばアルコールと反応させることができ、又は、式(I)の化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合に、1-フェニルエチルアミン又は酒石酸などの塩基又は酸と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶によって分離され、ジアステレオステレオマーの一方又は両方が、当業者に周知の手段によって、対応する純粋なエナンチオマーに転化されうる。本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなり、0~50体積%、典型的には2~20体積%のプロパン-2-オール、及び0~5体積%のアルキルアミン、典型的には0.1体積%のジエチルアミンを含む移動相を用いて不斉樹脂に対するクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて鏡像異性的に豊富な形態で得ることができる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。本発明は、そのラセミ体及びラセミ混合物(集塊)を含む式(I)の化合物のすべての結晶形を含む。立体異性集合体は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。例えば、"Stereochemistry of Organic Compounds" by E. L. Eliel及びS. H. Wilen (Wiley, New York, 1994)を参照されたい。
式(I)の化合物は、R1及びアミドで置換されたピロリジン環の炭素原子に2つのキラル中心を含み、前記立体中心は(R)配置又は(S)配置のいずれかで存在することができる。IUPAC命名法に従った立体異性体の絶対配置(R)及び(S)の指定は、置換基の性質及び配列規則手順の適用に依存する。したがって、式(I)の化合物は、4つの立体異性形態で存在することができる。
本発明の式(I)の化合物は、単一の立体異性体として存在する。アミド置換基のピロリジン炭素原子は(R)-立体中心として存在するが、R1基のピロリジン炭素原子の指定は置換基の性質に依存する。式(I)の化合物は、単一の立体異性体として単離され、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、例えば96%、97%、98%、99%又は100%の立体異性過剰で存在することができる。
追加のキラル中心は、式(I)の化合物においてR1置換基自体内に存在することができる。式(I)の化合物のそのような立体異性形態のすべては、本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、式(I)の化合物のすべての医薬上許容される同位体バリエーションを含む。同位体バリエーションは、少なくとも1つの原子が同じ原子番号を有するが、自然界で通常見られる原子質量とは異なる原子量を有する原子で置換されたものとして定義される。
本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例としては、2H及び3Hなどの水素、13C及び14Cなどの炭素、15Nなどの窒素、17O及び18Oなどの酸素、32Pなどのリン、35Sなどの硫黄、18Fなどのフッ素及び36Clなどの塩素の同位体が挙げられる。
本発明の化合物を重水素などの同位体で置換すると、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加又は投与量要件の低下から生じる特定の治療上の利点が得られることがあり、したがって、幾つかの状況において好ましいことがある。
式(I)の化合物の特定の同位体バリエーション、例えば、放射性同位体を組み込んだものは、薬物及び/又は基質組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム及び14Cは、組み込みが容易で、検出の手段が容易であるため、この目的に特に有用である。
式(I)の化合物の同位体バリエーションは、一般に、当業者に知られている従来の技術によって、又は適切な試薬の適切な同位体バリエーションを使用して、添付の実施例及び調製に記載されているものと類似の方法によって調製することができる。
式(I)の化合物は脱ユビキチン化酵素USP30の阻害剤である。
さらなる態様によれば、本発明は、医薬として使用するための、本明細書で規定されるとおりの式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、USP30の阻害が哺乳動物において有益な効果をもたらすことが知られている、又は示すことができる障害又は状態の治療又は予防の方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の本明細書で規定される式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、USP30の阻害が有益な効果をもたらすことが知られている、又は示すことができる障害又は状態の治療又は予防のための医薬の製造における、本明細書で規定される式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩の使用を提供する。医薬の製造は、とりわけ、式(I)の化合物又はその塩の化学合成、又は、化合物又は塩を含む組成物又は製剤の調製、又は化合物を含む任意の医薬の包装を含むことかできる。
さらなる態様によれば、本発明は、治療有効量の本明細書で規定されるとおりの式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を患者に投与することを含む、患者におけるUSP30の阻害の方法を提供する。
USP30活性から利益を受ける障害又は状態は、ミトコンドリア機能障害、癌及び線維症を伴う状態から選ばれる。
本発明のすべての態様のうちの1つの好ましい実施形態において、USP30活性から利益を受ける障害又は状態は、ミトコンドリア機能障害を伴う状態である。
ミトコンドリア機能障害は、赤血球細胞を除く体のすべての細胞に存在する特殊な区画であるミトコンドリアの欠陥に起因する。ミトコンドリアが機能しなくなると、細胞内で生成されるエネルギーがますます少なくなり、細胞が損傷し、又は細胞死に至ることさえある。このプロセスが全身で繰り返されると、これが起こっている対象の生活は深刻に損なわれる。ミトコンドリアの病気は、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓、内分泌系及び呼吸器系など、非常にエネルギーを必要とする器官に最も頻繁に現れる。
ミトコンドリア機能障害に伴う状態は、マイトファジー欠陥を伴う状態、ミトコンドリアDNAの突然変異を伴う状態、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う状態、ミトコンドリア膜電位の欠陥を伴う状態、ミトコンドリア生合成、ミトコンドリアの形状又は形態の欠陥を伴う状態及びリソソーム貯蔵欠陥を伴う状態から選ぶことができる。
特に、ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、神経変性疾患、多発性硬化症(MS)、ミトコンドリア脳症、乳酸アシドーシス及び脳卒中様エピソード(MELAS)症候群、物質遺伝性糖尿病及び難聴(MIDD)、レーバー遺伝性視神経症(LHON)、癌(例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、黒色腫癌、骨癌、組織器官の他の癌、及び、リンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌、多発性骨髄腫、転移性癌腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、鼻咽頭癌、結腸直腸癌及び非小細胞肺癌を含む)、神経障害、運動失調症、網膜色素変性症、母性遺伝性リー症候群(NARP-MILS)、ダノン病、糖尿病、糖尿病性腎症、代謝障害、心不全、心筋梗塞につながる虚血性心疾患、統合失調症などの精神疾患、多発性スルファターゼ欠損症(MSD)、ムコリピドーシスII(ML II)、ムコリピドーシスIII(ML III)、ムコリピドーシスIV(ML IV)、GM1-ガングリオシドーシス(GM1)、神経セロイド-リポフスチン症(NCL1)、アルパー病、バース症候群、ベータ酸化欠陥、カルニチン-アシル-カルニチン欠乏、カルニチン欠乏、クレアチン欠乏症候群、コエンザイムQ10欠乏、複合体I欠乏、複合体II欠乏、複合体III欠乏、複合体IV欠乏、複合体V欠乏、COX欠乏、慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)、CPT I 欠乏、CPT II 欠乏、グルタル酸尿症II型、カーンズ・セイヤー症候群、乳酸アシドーシス、長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠乏症(LCHAD)、リー病又は症候群、リー症候群フレンチカナディアン(LSFC)バリアント、致死性乳児心筋症(LIC)、ルフト病、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠乏症(MCAD)、ミオクローヌスてんかん及び赤色ぼろ線維(MERRF)症候群、ミトコンドリア細胞障害、ミトコンドリア劣性運動失調症候群、ミトコンドリアDNA枯渇症候群、筋神経胃腸障害及び脳症、ピアソン症候群、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠乏症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏症、POLG変異、中鎖/短鎖3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠乏症、超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠乏症、ペルオキシソーム障害、メチルマロン酸血症、メバロン酸キナーゼ欠乏症、加齢に伴う認知機能及び筋力の低下、神経変性疾患及び神経精神障害に関連する認知障害から選ぶことができる。
ミトコンドリアの機能障害を伴う状態は、CNS障害、例えば神経変性疾患であることができる。
神経変性疾患としては、限定するわけではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性(CBD)及び前頭側頭型認知症が挙げられる。
特に、本発明の化合物はパーキンソン病の治療又は予防に有用であることができ、該パーキンソン病としては、限定するわけではないが、α-シヌクレイン、パーキン、PINK1、GBA及びLRRK2における変異に関連するPD、ならびに常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)又は早期発症パーキンソン病(EOPD)であって、ここで、パーキン又はPINK1は変異、切断又は欠失している疾患が挙げられる。
特に、本発明の化合物は、神経変性及び精神神経性障害に伴う認知障害の治療に有用であることができ、該認知障害としては、例えば、アルツハイマー病及びパーキンソン病に関連する認知障害、AD及びPDの前臨床又は前駆形態、ハンチントン病、レビー小体型認知症、統合失調症に関連する認知障害、気分障害、双極性及び大うつ病性障害が挙げられる。
本明細書に記載のとおりの本発明の化合物又はその医薬組成物は、ミトコンドリア機能障害を伴う状態の治療又は予防に使用するときに、1つ以上の追加の薬剤と組み合わせることができる。化合物は、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、モノアミノオキシゲナーゼ(MAO)B阻害剤、カテコールO-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、抗コリン作動薬、リルゾール、アマンタジン、コリンエステラーゼ阻害剤、メマンチン、テトラベナジン、抗精神病薬、ジアゼパム、クロナゼパム、抗うつ薬及び抗痙攣薬から選ばれる1つ以上の追加の薬剤と組み合わせることができる。化合物は、パーキンソン病、多系統萎縮症又はレビー小体型認知症におけるα-シヌクレインを減少/除去する薬剤、アルツハイマー病又は進行性核上性麻痺におけるタウを減少/除去する薬剤、ALS又は前頭側頭型認知症におけるTDP-43を減少/除去する薬剤などの、神経変性疾患における病原性タンパク質凝集体を減少/除去する薬剤と組み合わせることができる。
本発明のすべての態様の別の好ましい実施形態では、USP30活性から利益を受ける障害又は状態は癌である。この癌は、ミトコンドリアの機能障害に関連していることができる。好ましい癌としては、例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、黒色腫癌、骨癌、又は組織器官の他の癌、及び、血液細胞の癌、例えば、リンパ腫及び白血病、多発性骨髄腫、転移性癌腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、鼻咽頭癌、結腸直腸癌、結腸直腸癌及び非小細胞肺癌が挙げられる。
特に、本発明の化合物は、アポトーシス経路が調節不全である癌、より具体的にはBCL-2ファミリーのタンパク質が変異している、又は過剰発現又は過少発現している癌の治療又は予防に有用であることができる。
線維症とは、外傷、炎症、組織修復、免疫反応、細胞過形成及び腫瘍形成の後に起こる細胞外マトリックス成分の蓄積を指す。本発明の化合物及び組成物によって治療されうる線維性障害としては、とりわけ、主要臓器疾患に関連する線維症/線維性疾患、例えば、間質性肺疾患(ILD)、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(肝線維症)、腎疾患(腎線維症)、急性腎障害(AKI)、急性腎疾患(AKD)、慢性腎疾患(CKD)、腎移植片機能の遅延、心臓又は血管疾患(心臓線維症)及び眼の疾患、線維増殖性疾患、例えば、全身性及び局所性強皮症、ケロイド及び肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、再狭窄及びデュピュイトラン拘縮、外傷に関連する瘢痕、例えば、外科的合併症、化学療法薬誘発性線維症(例えば、ブレオマイシン誘発性線維症)、放射線誘発性線維症、偶発的な損傷及び火傷、後腹膜線維症(オーモンド病)及び腹膜透析を受けている患者における腹膜線維症/腹膜瘢痕化であって、通常、腎移植後に起こるものが挙げられる。例えば、Wynn et al, 2004, Nat Rev Immunol. August; 4(8): 583-594を参照されたい。したがって、本発明は、例えば、肺、肝臓、腎臓、心臓、皮膚、眼、胃腸管、腹膜及び骨髄を含む主要器官の線維症/線維性障害、及び/又はそれらに関連する線維症/線維性障害の治療又は予防の方法、ならびに前記方法で使用される化合物及び組成物に関する。
化合物は、抗糖尿病薬、心血管疾患薬、及び酸化ストレスなどの疾患関連経路(限定するわけではないが、nrf2/keap-1経路を含む)及び抗アポトーシス経路を標的とする新規薬剤(限定するわけではないが、抗p53剤を含む)を含む、腎疾患の治療剤として使用される薬剤と組み合わせることができる。
間質性肺疾患(ILD)としては、肺の炎症及び線維症が病理学の最終的な一般的な経路である疾患、例えば、サルコイドーシス、珪肺症、薬物反応、感染症及びコラーゲン血管疾患、例えば、関節リウマチ及び全身性硬化症(強皮症)が挙げられる。肺の線維性障害には、例えば、肺線維症、特発性肺線維症(IPF)、通常間質性肺炎(UIP)、間質性肺疾患、特発性線維性肺胞炎(CFA)、閉塞性細気管支炎及び気管支拡張症が挙げられる。
特発性肺線維症(IPF)はILDの最も一般的なタイプであり、その原因はわかっていない。
化合物は、ニンテダニブ及びピルフェニドンを含む、IPF及び潜在的にILDの治療剤である薬剤と組み合わせることができる。
肝硬変は、ILDと同様の原因があり、例えば、ウイルス性肝炎、住血吸虫症及び慢性アルコール依存症に関連する肝硬変が挙げられる。
腎臓病は糖尿病に関連していることがあり、これは腎臓に損傷を与え、瘢痕化を引き起こし、機能の進行性喪失につながり、また高血圧性疾患にもつながる。腎線維症は、損傷後の急性腎疾患(AKD)及び慢性腎疾患(CKD)(偶発CKD及び進行性CKDなど)から末期腎疾患(ESRD)まで、腎疾患のあらゆる段階で発生する可能性があり、腎線維症は、高血圧又は糖尿病などの心血管疾患の結果として発症する可能性があり、どちらも線維化反応を促進する腎機能に大きな負担をかける。しかしながら、腎線維症は特発性(既知の原因なし)の場合もあり、特定の遺伝性ミトコンドリア病も腎線維症の徴候及び関連症状を示す。
心臓病は、心臓のポンプ機能を損なう可能性のある瘢痕組織を引き起こす可能性がある。
眼の疾患としては、例えば、視力を損なう可能性のある黄斑変性症及び網膜及び硝子体網膜症が挙げられる。
好ましい実施形態において、本発明は、特発性肺線維症(IPF)の治療又は予防を対象とする。
別の好ましい実施形態では、本発明は、腎線維症の治療又は予防を対象とする。
別の好ましい実施形態において、本発明は、特に高リスク患者における急性腎障害(AKI)の治療又は予防を対象とする。例としては、虚血再灌流傷害、移植片機能の遅延などによる器官移植などの術後AKI、化学療法によるAKIなどの腫瘍学的状態、直接尿細管細胞毒性、血行力学的虚血及び浸透圧効果などの造影剤誘発性腎症、薬物又は感染症などによる急性間質性腎炎、腎臓結石などの閉塞によるAKI、及び、COVID-19誘発性AKIが挙げられる。特定の高リスク患者サブグループは、心臓手術、例えば、冠動脈バイパス移植及び/又は弁手術を受けている患者である。65歳以上、インスリン依存性糖尿病、CKD(推定糸球体濾過量[eGFR]が60ml/分/1.73m2未満の成人は特にリスクが高い)、心不全、肝疾患、AKIの病歴など、AKIの確立された静的リスク要因がある。
別の好ましい実施形態において、本発明は、例えば尿細管間質性線維症及び糖尿病性腎症を含む、急性腎疾患(AKD)又はかかるAKIに起因する慢性腎疾患(CKD)の治療又は予防を対象とする。
別の好ましい実施形態において、本発明は、例えば、NAFLD、NASH、肝硬変、門脈圧亢進症、急性肝不全及び肝細胞癌を含む肝疾患の治療又は予防を対象とする。NAFLD及びNASHなどの肝疾患は、メタボリックシンドローム及びII型糖尿病などの様々な代謝状態に関連していることがあり、糖尿病性網膜症及び末梢神経障害を含む、様々な糖尿病関連病態のリスクも増加する。
本明細書に記載のとおりの本発明の化合物又はその医薬組成物は、メトホルミン、スルホニル尿素、DPP-4阻害剤、GLP-1アゴニスト、PPARアゴニスト、SGLT2阻害剤、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤及びアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を含む、肝疾患及び代謝機能障害を伴う状態の治療又は予防に使用されるときに、1つ以上の追加の薬剤と組み合わせることができる。
リー症候群は、中枢神経系に影響を及ぼす稀な遺伝性神経代謝障害である。この進行性の障害は、生後3か月から2歳までの乳児に始まる。まれに、10代及び成人に発生する。リー症候群は、ミトコンドリアタンパク質をコードする核DNAの突然変異、ミトコンドリアDNAの突然変異(母系遺伝性リー症候群-MILS)、又はX染色体の短腕上に位置するピルビン酸デヒドロゲナーゼと呼ばれる酵素の欠乏(X-連鎖性リー症候群)を原因とすることができる。通常、リー症候群の症状は急速に進行する。初期の兆候は、吸う能力の低下、頭の制御及び運動能力の喪失でありうる。これらの症状は、食欲不振、嘔吐、過敏症、絶え間ない泣き声及び発作が伴うことがある。障害が進行するにつれて、症状は、全身の衰弱、筋緊張の欠如、及び、乳酸アシドーシスの事象も含み、呼吸器及び腎機能の障害につながる可能性がある。
母系遺伝性リー症候群(MILS)において、ミトコンドリアDNAの遺伝子変異(90%を超える高い割合)が、運動に関与する脳の領域で細胞を動かすエネルギー源を妨害する。ミトコンドリアDNAの遺伝子変異は、これらの細胞の慢性的なエネルギー不足を引き起こし、中枢神経系に影響を与え、そして運動機能の進行性変性を引き起こす。MILSの原因となるミトコンドリアDNAの遺伝子変異が少ないときに(90%未満)、この状態は神経障害性運動失調症及び網膜色素変性症(NARP)として知られている。また、細胞代謝に重要な別のグループの物質を生成する遺伝子の突然変異の結果であるリー病(X連鎖性リー病と呼ばれる)もある。LRPPRCと呼ばれる遺伝子の変異を特徴とする、フレンチカナディアンバリアントと呼ばれるリー症候群の別のバリアントが存在する。同様の神経学的症状はリー症候群の場合と同様に表されるが、脂肪肝は一般的にフランスカナディアンバリアントでも観察される。
好ましい実施形態において、本発明は、例えば、X連鎖性リー病、リー症候群フレンチカナディアンバリアント、及び/又はリー病に関連する症状を含む、リー症候群又は疾患の治療又は予防を対象とする。
化合物は、ニコチンアミドリボシドを含むがこれに限定されない、ミトコンドリア病の治療剤として使用できる新規薬剤と組み合わせることができる。
「治療」への言及は、一時的又は永続的に症状を改善、緩和、症状の原因を排除する手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び他の哺乳動物における本明細書に開示される疾患の治療に有用である。
別の実施形態において、本発明は、本明細書に開示される疾患の予防療法を包含し、指定された障害又は状態の症状の出現を予防又は遅らせるための手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び他の哺乳動物における本明細書に開示される疾患の予防に有用である。
治療又は予防を必要とする患者は、例えば、その状態に罹患している、又はその状態に罹患するリスクがあるヒト又は他の哺乳動物であることができる。
さらなる態様によれば、本発明は、本明細書で規定されるとおりの式(I)の化合物、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を、医薬上許容される希釈剤又はキャリアと共に含む医薬組成物を提供する。
本発明の医薬組成物は、任意の医薬上許容されるキャリア、アジュバント又はビヒクルと組み合わせた本発明の任意の化合物を含む。医薬上許容されるキャリアの例は当業者に知られており、そして限定するわけではないが、保存剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗細菌剤、抗真菌剤、潤滑剤及び分散剤を、投与様式及び剤形の性質に応じて含む。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤、坐剤、シロップ剤、及び、懸濁液及び溶液を含む液体製剤の形態であることができる。本発明の関係における「医薬組成物」という用語は、活性剤を含み、さらに1つ以上の医薬上許容されるキャリアを含む組成物を意味する。組成物は、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗細菌剤、抗真菌剤、潤滑剤及び分散剤から選ばれる成分を、投与様式及び剤形の性質に依存してさらに含むことができる。
本明細書に記載のとおりの本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で使用することも、又は、1つ以上の追加の医薬剤と組み合わせて使用することもできる。化合物は、追加の抗腫瘍治療剤、例えば、化学療法薬又は他の調節タンパク質の阻害剤と組み合わせることができる。1つの実施形態において、追加の抗腫瘍治療剤はBH-3模倣薬である。さらなる実施形態において、BH-3模倣薬は、限定するわけではないが、ABT-737、ABT-199、ABT-263及びObatoclaxのうちの1つ以上から選ばれることができる。さらなる実施形態において、追加の抗腫瘍剤は化学療法剤である。化学療法剤は、限定するわけではないが、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、電離放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5-フルオロピリミジン、ゲムシタビン及びドキソルビシンから選ばれることができる。
線維性障害の治療又は予防のために、例えば、本明細書に記載されるとおりの本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で使用され、又は、抗コリン作動薬、β-2模倣薬、ステロイド、PDE-IV阻害剤、p38 MAPキナーゼ阻害剤、NK1拮抗剤、LTD4拮抗剤、EGFR阻害剤及びエンドセリン拮抗剤からなる群より選ばれる1つ以上の追加の医薬剤と組み合わせることができる。
特に、本明細書に記載されるとおりの本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で使用され、又は、コルチコステロイド、免疫抑制剤又は細胞毒性剤などの一般的な免疫抑制剤、又はピルフェニドン又は非特異的キナーゼ阻害剤(例えば、ニンテダニブ)などの抗線維薬からなる群より選ばれる1つ以上の追加の医薬剤と組み合わせることができる。
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、局所、吸入、鼻腔内、直腸、膣内、眼及び耳などの任意の適切に有効な方法で投与することができる。本発明の化合物のデリバリーに適した医薬組成物及びそれらの調製方法は、当業者に容易に明らかであろう。そのような組成物及びそれらの調製方法は、例えば、”Remington's Pharmaceutical Sciences”,19th Edition (Mack Publishing Company, 1995)に見出すことができる。
経口投与
本発明の化合物は経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように嚥下を伴うことができ、又は、バッカル又は舌下投与は、化合物が口から直接血流に入ることによって使用することができる。
経口投与に適した製剤としては、固体製剤、例えば、錠剤、微粒子、液体又は粉末を含むカプセル、ロゼンジ(液体充填物を含む)、チュー、マルチ粒子及びナノ粒子、ゲル、フィルム(粘膜接着剤を含む)、胚珠、スプレー及び液体製剤が挙げられる。
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ及びエリキシルが挙げられる。このような製剤は、軟カプセル又は硬カプセル中のフィラーとして使用することができ、典型的には、キャリア、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース又は適切な油、及び1つ以上の乳化剤及び/又は懸濁剤を含む。液体製剤はまた、例えばサチェットから固体を再構成することによって調製することもできる。
本発明の化合物はまた、Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986 by Liang and Chen (2001)に記載されているものなどの急速溶解、急速崩壊剤形で使用することもできる。
典型的な錠剤は、例えば、直接圧縮、造粒(乾式、湿式又は溶融)、溶融凝固又は押出によって、製剤化学者に知られている標準的な方法を使用して調製することができる。錠剤製剤は、1つ以上の層を含むことができ、コーティングされていても又はコーティングされていなくてもよい。
経口投与に適した賦形剤の例としては、キャリア、例えばセルロース、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、マンニトール及びクエン酸ナトリウム、造粒結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びゼラチン、崩壊剤、例えば、デンプンナトリウムグリコラート及びシリケート、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、保存剤、酸化防止剤、香料及び着色剤が挙げられる。
経口投与用の固形製剤は、即時及び/又は調節放出になるように製剤化することができる。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御二重放出、標的放出及びプログラム放出が挙げられる。高エネルギー分散、浸透性及び被覆粒子などの適切な調整放出技術の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On-line, 25 (2), 1-14 (2001)に見られる。他の調整放出製剤は、米国特許第6,106,864号明細書に記載されている。
非経口投与
本発明の化合物は、血流、筋肉又は内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適した手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が挙げられる。非経口投与に適したデバイスとしては、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び注入技術が挙げられる。
非経口製剤は、典型的に、塩、炭水化物、緩衝剤などの賦形剤を含むことができる水溶液(好ましくはpH3~9)であるが、幾つかの用途では、無菌の非水溶液として、又は、発熱物質を含まない無菌水などの適切なビヒクルと組み合わせて使用されるべき乾燥形態として、より適切に製剤化されることができる。
例えば凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術を用いて容易に達成することができる。
非経口溶液の調製に使用される式(I)の化合物の溶解度は、適切な処理、例えば、高エネルギー噴霧乾燥分散体の使用及び/又は溶解促進剤の使用などの適切な製剤技術の使用によって増加させることができる。
非経口投与用の製剤は、即時及び/又は調節放出性となるように製剤化することができる。調節放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御二重放出、標的放出及びプログラム放出が挙げられる。
本発明の医薬組成物はまた、血液脳関門を迂回するための当該技術分野で公知の組成物及び方法を含むか、又は脳に直接注入することができる。注入に適した領域としては、大脳皮質、小脳、中脳、脳幹、視床下部、脊髄及び心室組織、ならびに頸動脈体及び副腎髄質を含むPNSの領域が挙げられる。
用量
もちろん、化合物の有効用量の大きさは、治療される状態の重症度の性質及び投与経路によって変化する。適切な用量の選択は、医師の権限の範囲内である。1日の用量範囲は、ヒト及びヒト以外の動物の体重1kgあたり約10μg~約100mgであり、一般に、用量あたり体重1kgあたり約10μg~30mgであることができる。上記の用量は、1日1回から3回まで投与することができる。
例えば、経口投与は、5mg~500mgなどの5mg~1000mgの総1日用量を必要とすることがあるが、静脈内用量は、0.1~10mg/kg、より好ましくは0.1~1mg/kg体重などの、0.01~30mg/kg体重のみを必要とすることがある。総1日用量は、単回又は分割用量で投与することができる。当業者はまた、特定の状態の治療又は予防において、本発明の化合物を「要求に応じて」(すなわち、必要に応じて又は所望に応じて)単回用量として摂取できることを理解するであろう。
合成方法
式(I)の化合物は、一般的な反応スキーム及び代表的な例において以下に記載されるとおりの方法を使用して調製されうる。必要に応じて、スキーム内の個々の転化を異なる順序で完了することができる。本発明は、以下の略語及び定義が使用される以下の非限定的な実施例によって説明される。化合物は、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)又は1H NMR又はその両方によって特性化された。
さらなる態様によれば、本発明は、式(IV)(式中、YはOHである)の化合物を式(V)(i)(式中、PGはBOC又はCBZなどの保護基である)のアミンと反応させて、式(III)(i)のアミドを提供することを含む、式(I)(i)の化合物の調製方法を提供する(スキーム1)。アミドカップリング反応は、例えばDCC、HATU、HBTU、EDCなどのカップリング試薬を使用する反応によって、又は混合無水物を介して、標準的な方法を使用して実施することができる。あるいは、酸(IV)(式中、YはOHである)は、SOCl2、PCl3又はPCl5を使用して、酸塩化物(IV)(式中、YはClである)に転化することができ、その後、それをアミン(V)(i)と、好ましくは適切な溶媒中、適切な塩基の存在下で反応させることができる。あるいは、化合物(IV)(式中、Yはエステルを形成する)を、好ましくは適切な溶媒中で、アミン(V)(i)と直接反応させることができる。式(III)(i)の化合物は、標準的な方法を使用して脱保護されてアミン(II)(i)が得られ、次いで臭化シアノゲンと反応して式(I)(i)の対応する化合物を提供することができる。
Figure 2023529570000010
さらなる態様において、本発明は、式(II)(i)及び(III)(i)から選ばれる化合物を提供する。
Figure 2023529570000011
(上式中、PGは保護基、好ましくはBOC又はCBZであり、R1、R2、R3、R4及びR5は、式(I)の化合物及びその好ましい実施形態、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の塩について本明細書で規定されるとおりである)。
式(I)(i)の化合物が式(IA)(i)を有するときに、式(II)(i)、(III)(i)及び(IV)は、それぞれ(IIA)(i)、(IIIA)(i)及び(IVA)である。式(I)(i)の化合物が式(IB)(i)を有するときに、式(II)(i)、(III)(i)及び(IV)は、それぞれ(IIB)(i)、(IIIB)(i)及び(IVB)(i)である。
さらなる態様によれば、本発明は、式(IV)(式中、YはOHである)の化合物を式(V)(ii)(式中、PGはBOC又はCBZなどの保護基である)のアミンと反応させて、式(III)(ii)のアミドを提供することを含む、式(I)(ii)の化合物の調製方法を提供する(スキーム2)。アミドカップリング反応は、例えばDCC、HATU、HBTU、EDCなどのカップリング試薬を使用する反応によって、又は混合無水物を介して、標準的な方法を使用して実施することができる。あるいは、酸(IV)(式中、YはOHである)は、SOCl2、PCl3又はPCl5を使用して、酸塩化物(IV)(式中、YはClである)に転化されることができ、その後、それをアミン(V)(ii)と、好ましくは適切な溶媒中で適切な塩基の存在下で反応させることができる。あるいは、化合物(IV)(式中、Yはエステルを形成する)を、好ましくは適切な溶媒中で、アミン(V)(ii)と直接反応させることができる。式(III)(ii)の化合物は、標準的な方法を使用して脱保護されて、アミン(II)(ii)を提供し、次いでそれを臭化シアノゲンと反応させて式(I)(ii)の対応する化合物を提供することができる。
Figure 2023529570000012
さらなる態様において、本発明は、式(II)(ii)及び(III)(ii)から選ばれる化合物を提供する。
Figure 2023529570000013
(上式中、PGは保護基、好ましくはBOC又はCBZであり、R1、R2、R3、R4及びR5は、式(I)の化合物及びその好ましい実施形態、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の塩について本明細書で規定されたとおりである)。
式(I)(ii)の化合物が式(IA)(ii)を有するときに、式(II)(ii)、(III)(ii)及び(IV)は、それぞれ(IIA)(ii)、(IIIA)(ii)及び(IVA)である。式(I)(ii)の化合物が式(IB)(ii)を有するときに、式(II)(ii)、(III)(ii)及び(IV)は、それぞれ(IIB)(ii)、(IIIB)(ii)及び(IVB)(ii)である。
保護基は、好ましくは、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MeOZ)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、カルバメート、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、4-ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)、及び2-ニトロフェニルスルフェニル(Nps)である。BOC及びCbzが最も好ましい。
Figure 2023529570000014
Figure 2023529570000015
Figure 2023529570000016
Figure 2023529570000017
Figure 2023529570000018
Figure 2023529570000019
Figure 2023529570000020
Figure 2023529570000021
Figure 2023529570000022
Figure 2023529570000023
Figure 2023529570000024
Figure 2023529570000025
Figure 2023529570000026
Figure 2023529570000027
Figure 2023529570000028
Figure 2023529570000029
Figure 2023529570000030
Figure 2023529570000031
中間体 A
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
Figure 2023529570000032
(i) NaH, THF, 0 °C, 2 h; (ii) フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド, THF, 0 °Cからrt, 16 h;
(iii) NaN(CHO)2, MeCN, 70 °C, 1 h, その後、濃HCl, 70 °C, 16 h;
(iv) K2CO3, DCM, 0 °Cからrt, 2 h; (v) POCl3, 100 °C, 7 h
方法 (i)
3-アセチル-4-シクロプロポキシベンゾニトリル
この反応を3回行った。シクロプロパノール(CAS 16545-68-9、Synthonixから、0.71g、12.27ミリモル)のTHF(6mL)中の撹拌されている溶液に、0℃でNaH(油中60%、0.49g、12.27ミリモル)を少しずつ加え、そして30分間攪拌した。3-アセチル-4-フルオロベンゾニトリル(CAS 267875-54-7、Combi-blocksから、1.0g、6.13ミリモル)のTHF(4mL)中の溶液を0℃で滴下し、混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物をさらに2つの同一バッチと合わせ、次いで氷冷水(500mL)に注ぎ、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中12% EtOAc)により精製し、3-アセチル-4-シクロプロポキシベンゾニトリルを提供した(3.18g、15.82ミリモル、85%収率)。
LCMS: m/z 支持せず; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.05 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.13 - 4.17 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 0.81 - 0.93 (m, 4H)。
工程 (ii)
3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロポキシベンゾニトリル
3-アセチル-4-シクロプロポキシベンゾニトリル(3.18g、15.82ミリモル) のTHF(40mL)中の攪拌されている溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(5.94g、15.82ミリモル)を0℃で加えた。混合物をゆっくりと室温に温め、そして16時間撹拌し、次いで、水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2x200mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロポキシベンゾニトリルを提供した(4.3g、15.41ミリモル、97%収率)。この粗製材料を次の工程で直接使用した。
LCMS: 方法F, 6.61 min; MS: ES+: 297.0, 299.0 (M+18)。
工程 (iii)
4-シクロプロポキシ-3-グリシルベンゾニトリルヒドロクロリド
3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロポキシベンゾニトリル(4.30g、15.41ミリモル)のアセトニトリル(43mL)中の撹拌されている溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(1.75g、18.49ミリモル)を加え、そして70℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、そして減圧下に濃縮した。残留物をMeOH(43mL)及び濃HCl(4.3mL)で希釈した。混合物をさらに70℃で16時間加熱し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物をイソプロピルアルコール(25mL)とともに撹拌し、沈殿物を形成した。固形物を減圧下でろ過して集め、4-シクロプロポキシ-3-グリシルベンゾニトリルヒドロクロリド (5.0g、定量収率) を提供した。
LCMS: 方法C, 1.30 min; MS: ES+: 217.4。
工程 (iv)
エチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
4-シクロプロポキシ-3-グリシルベンゾニトリルHCl塩(5.0g、19.80ミリモル)のDCM(50mL)中の撹拌されている溶液に、K2CO3(10.92g、79.2ミリモル)を0℃で加えた。塩化エチルオキサリル(5.4g、4.43mL、39.60ミリモル)を0℃で滴下して加えた。混合物を室温に放冷し、2時間撹拌し、次いで、水(500mL)に注ぎ、そしてDCM(2x300mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、減圧下に濃縮し、エチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(5.0g、定量収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.52 min; MS: ES+ 316.9。
工程(v)
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
エチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(5.0g、15.81ミリモル)のPOCl3(50mL、10vol)中の撹拌されている溶液を100℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(500mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(2x200mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をMeOH(40mL)中で懸濁させ、-78℃で15分間撹拌した。固形分を減圧下にろ過により回収し、エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(3つの工程で1.0g、3.35ミリモル、21%収率)を提供した。LCMS: 方法C, 1.77 min; MS: ES+: 299.5。
中間体 B
エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
Figure 2023529570000033
(i) Zn(CN)2, Znダスト、PdCl2(dppf).DCM 複合体、DMA, 120°C, 16 h; (ii) ピリジニウムトリブロミド, THF, 0°Cからrt, 16 h; (iii) NaN(CHO)2, MeCN, 80 °C, 5 h, 次いで、濃HCl, 80°C, 16h; (iv) K2CO3, DCM, 0°Cからrt, 4 h; (v) POCl3, 100 °C, 16 h。
工程(i)
3-アセチル-4-メトキシベンゾニトリル
1-(5-ブロモ-2-メトキシフェニル)エタン-1-オン (CAS 16740-73-1、Combi-blocksから、60.0g、261.89ミリモル)のDMA(600mL)中の撹拌されている溶液に、シアン化亜鉛(92.25g、785.67ミリモル)及び亜鉛ダスト(17.22g、261.89ミリモル)を室温にて加えた。混合物をN2ガスで30分間脱気し、次いで、DCMと錯体化された[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(10.69g、13.09ミリモル)を提供した。混合物を120℃で16時間加熱した。混合物を室温に放冷し、Celite Hyflow(商標)を通してろ過し、ろ液を氷冷水(800mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x1000mL)で抽出した。合わせた有機相を氷冷水(4x1000mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(60-120# シリカゲル、n-ヘキサン中15% EtOAc)により精製し、3-アセチル-4-メトキシベンゾニトリル(40.0g、228.57ミリモル、87%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.52 min; MS: ES+: 176.08。
工程(ii)
3-(2-ブロモアセチル)-4-メトキシベンゾニトリル
3-アセチル-4-メトキシベンゾニトリル(7.20g、41.14ミリモル)のTHF(72mL)中の撹拌されている溶液に、ピリジニウムトリブロミド(14.47g、45.25ミリモル)を0℃で加えた。混合物をゆっくり室温に温め、16時間撹拌し、次いで水(400mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2×400mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、3-(2-ブロモアセチル)-4-メトキシベンゾニトリル(13.0g、定量収率)を提供した。この粗製材料を次の工程で直接使用した。
工程 (iii)
3-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルヒドロクロリド
3-(2-ブロモアセチル)-4-メトキシベンゾニトリル(10.5g、41.51ミリモル)のアセトニトリル(105mL)中の撹拌されている溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(5.91g、62.26ミリモル)を加え、そして混合物を80℃で8時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下に濃縮し、そして残留物をMeOH(105mL)及び濃HCl(10.5mL)で希釈した。混合物をさらに80℃で16時間加熱し、次いで、室温に放冷した。混合物を減圧下に濃縮し、そして残留物をイソプロピルアルコール(40mL)とともに撹拌し、沈殿物を形成した。それを減圧下にろ過により収集し、3-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルヒドロクロリド(9.0g、39.73ミリモル、95%収率)を提供した。
LCMS: 方法C2, 0.40 min; MS: ES+: 191.0。
工程(iv)
エチル2-((2-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
3-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルヒドロクロリドHCl塩(9.0g、39.73ミリモル)のDCM(90mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(21.93g、158.92ミリモル)を0℃にて加えた。塩化エチルオキサリル(10.84g、8.89mL、79.46ミリモル)を0℃にて滴下して加えた。混合物を室温に温めて、4時間撹拌した。混合物を水(900mL)中に加え、そしてDCM(2x500mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、エチル2-((2-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(9.0g、31.03ミリモル、78%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.34 min; MS: ES+ 291.1。
工程(v)
エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
エチル2-((2-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(1.2g、4.14ミリモル)のPOCl3(12mL、10vol)中の攪拌されている溶液を100℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(200mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO3 溶液(3x100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中32%EtOAc)により精製し、エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.60g、2.20ミリモル、53%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.53 min; MS: ES+: 272.6。
中間体 C
エチル5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
Figure 2023529570000034
(i) HATU, DIPEA, THF, 0 °Cからrt, 3 h; (ii)臭化メチルマグネシウム、THF, -10 °Cから0 °C, 4 h; (iii) フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド, MeCN, 0 °Cからrt, 9 h; (iv) NaN(CHO)2, MeCN, 80 °C, 1 h, 次いで、濃HCl, 80 °C, 3 h; (v) K2CO3, DCM, 0 °Cからrt, 3 h; (vi) POCl3, 110 °C, 16 h。
工程 (i)
5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(CAS 403646-47-9、Combi-blocksから、10.0g、35.08ミリモル)のTHF(100mL)中の攪拌されている溶液に、DIPEA(13.57g、17.9mL、105.25ミリモル)及びHATU(20.0g、52.62ミリモル)を小分けして0℃で加えた。30分後に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンHCl(4.45g、45.61ミリモル)を0℃にて加えた。混合物をゆっくりと室温に温めて、そして3時間撹拌し、次いで、氷冷水(300mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x150mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(12.2g、定量収率)を生じた。この粗製材料を次の工程で直接使用した。
LCMS: 方法C, 1.69 min; MS: ES+: 327.8, 329.8。
工程 (ii)
1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン
5-ブロモ-N-メトキシ-N-メチル-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (12.2g、37.31ミリモル)のTHF(130mL)中の攪拌されている溶液に、臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M、24.9mL、74.62ミリモル) を-10℃にて滴下して加えた。混合物をゆっくりと0℃に温め、4時間撹拌し、次いで、飽和NH4Cl溶液(300mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x200mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(10.0g、定量収率)を提供した。この粗製材料を次の工程で直接使用した。
LCMS: 方法C, m/z 支持せず; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 7.92 (s, 1H), 7.67 - 7.71 (m, 1H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H)。
工程(iii)
2-ブロモ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(10.0g、35.46ミリモル)のアセトニトリル(100mL)中の攪拌されている溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(13.33g、35.46ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物をゆっくりと室温に温めて、そして9時間撹拌し、次いで、水(200mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中5% EtOAc)により精製し、2-ブロモ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(3つの工程で11.5g、31.95ミリモル、91%収率)を生じた。
LCMS: m/z 支持せず; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 7.93 (s, 1H), 7.73 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H)。
工程 (iv)
2-アミノ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンヒドロクロリド
2-ブロモ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン (10.0g、27.78ミリモル)のアセトニトリル(100mL)中の攪拌されている溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(5.28g、55.58ミリモル)を加え、そして混合物を80℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下に濃縮し、そして残留物をMeOH(100mL)及び濃HCl(10.0mL)で希釈した。混合物を80℃で3時間加熱し、次いで室温に放冷した。混合物を減圧下に濃縮し、残留物をジエチルエーテル(4x30mL)とともに撹拌し、沈殿物を形成し、それを減圧下でろ過により回収し、2-アミノ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンヒドロクロリド (9.41g、定量収率)を提供した。LCMS: 方法C, 1.65 min; MS: ES+: 299.9, 301.9。
工程 (v)
エチル2-((2-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
2-アミノ-1-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩(9.4g、28.19ミリモル)のDCM(94mL)中の溶液に、K2CO3(11.67g、84.56ミリモル)を0℃にて加えた。塩化エチルオキサリル(5.77g、4.73mL、42.28ミリモル)を0℃にて滴下して加えた。混合物を室温に温めて、3時間撹拌し、次いで、水(150mL)中に注ぎ、そしてDCM(3x120mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下にて濃縮し、エチル2-((2-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(2つの工程で3.4g、8.56ミリモル、31%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 2.09 min; MS: ES- 396.0, 398.0。
工程 (vi)
エチル5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
エチル2-((2-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(3.4g、8.56ミリモル)のPOCl3(17mL, 5 vol)中の撹拌されている溶液を110℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(250mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO3溶液(3x100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中18%のEtOAc)により精製し、エチル5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(1.3g、3.43ミリモル、40%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 2.39 min; MS: ES+: 379.8, 381.8。
中間体 D
エチル5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
Figure 2023529570000035
(i)トリフリン酸、NBS, MeCN, -30 °Cからrt, 18 h; (ii) K2CO3, MeI, DMF, 0 °Cからrt, 3 h; (iii)トリブチル(1-エトキシビニル)スズ、PdCl2(PPh3)2, 1,4-ジオキサン、100 °C, 3 h, 次いで、NBS, THF:水、0 °C, 10 min; (iv) NaN(CHO)2, MeCN, 80 °C, 2 h, 次いで、濃HCl, 80 °C, 16 h; (v)エチルクロロオキソアセテート、K2CO3, DCM, 0 °Cからrt, 2 h; (vi) POCl3, 100 °C, 5 h。
工程(i)
5-ブロモ-2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル
2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル(CAS 82380-18-5、Combi-blocksから、8.0g、58.39ミリモル)のアセトニトリル (80mL)中の攪拌されている溶液に、トリフリン酸(10.51g、6.18mL、70.07ミリモル)を-30℃で滴下して加えた。10分後に、N-ブロモスクシンイミド(10.39g、58.39ミリモル)を小分けして-30℃で加えた。混合物を室温にゆっくりと温め、そして18時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3溶液(150mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x150mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、5-ブロモ-2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル(5.08g、23.63ミリモル、40%収率)を生じた。この粗製材料を次の工程で直接使用した。
LCMS: 方法C, 1.58 min; MS: ES-: 214.0, 216.0。
工程 (ii)
5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル
5-ブロモ-2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル (5.08g、23.63ミリモル)のDMF(30mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(6.52g、47.26ミリモル)を0℃で滴下して加えた。10分後に、ヨウ化メチル(5.03g、2.21mL、35.45ミリモル)を0℃で滴下して加えた。混合物をゆっくりと室温に温めて、そして3時間撹拌し、次いで、水(100mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中2% EtOAc)により精製し、5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル(5.70g、定量収率)を生じた。
LCMS: m/z 支持せず; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.30 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.01 (s, 3H)。
工程 (iii)
5-(2-ブロモアセチル)-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル
5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル(5.70g、24.89ミリモル)及びトリブチル(1-エトキシビニル)スズ(CAS 97674-02-7、Combi-blocksから、13.46g、37.34ミリモル)の1,4-ジオキサン(70mL)中の攪拌されている溶液をN2で15分間脱気し、次いで、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (II)ジクロリド(0.87g、1.24ミリモル)を室温にて加えた。混合物を100℃で3時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、THF:水(2:1、120mL)を添加した。N-ブロモスクシンイミド(8.85g、49.78ミリモル)を0℃で添加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中2%EtOAc)により精製し、5-(2-ブロモアセチル)-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル(2つの工程で6.3g、23.25ミリモル、98%収率)を提供した。
LCMS: m/z 支持せず; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.27 (dd, J = 7.6, 2.4 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 12.0, 2.4 Hz, 1H), 4.84 (s, 2H), 4.05 (s, 3H)。
工程 (iv)
2-フルオロ-5-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルヒドロクロリド
5-(2-ブロモアセチル)-2-フルオロ-4-メトキシベンゾニトリル(6.30g、23.25ミリモル)のアセトニトリル(65mL)中に攪拌されている溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(25.85g、27.9ミリモル)を加え、そして混合物を80℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下に濃縮し、そして残留物をMeOH(65mL)及び濃HCl(6.5mL)で希釈した。混合物を80℃で16時間加熱し、次いで、室温に放冷した。混合物を減圧下に濃縮し、そして残留物をイソプロピルアルコール (100mL)とともに撹拌し、沈殿物を形成し、それを減圧下にろ過により回収し、2-フルオロ-5-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルヒドロクロリド(5.3g、定量収率)を提供した。
LCMS: 方法H, 1.96 min; MS: ES+: 209.1。
工程 (v)
エチル2-((2-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
2-フルオロ-5-グリシル-4-メトキシベンゾニトリルHCl塩(5.30g、21.67ミリモル)のDCM(60mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(11.96g、86.68ミリモル)を0℃で加えた。塩化エチルオキサリル(5.89g、4.83mL、43.34ミリモル)を添加して0℃で加えた。混合物を室温に温め、2時間撹拌し、次いで、水(150mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x150mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、エチル2-((2-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(2つの工程で4.20g、13.63ミリモル、58%収率)を提供した。LCMS: 方法C, 1.50 min; MS: ES+ 309.4。
工程 (vi)
エチル5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
エチル2-((2-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(4.2g、13.63ミリモル)のPOCl3(42mL、10 vol)中の攪拌されている溶液を、100℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x150mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO3溶液(2x100 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をMeOH(30mL)中に懸濁させ、そして-78℃で15分間撹拌した。固形分を減圧下でのろ過により回収し、エチル5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(1.60g、5.51ミリモル、40%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.63 min; MS: ES+: 291.2。
例1
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000036
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °C からrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.60g、2.01ミリモル)及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 348165-63-9、0.60g、3.02ミリモル)のTHF(10mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.42g、3.02ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、水(70mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(2x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.32g、0.71ミリモル、35%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.86 min; MS: ES- 451.4。
工程 (ii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.31g、0.68ミリモル)のDCM(7mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.93mL、3 vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温めて、45分間攪拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.3g、0.64ミリモル、94%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.38 min; MS: ES+ 353.3。
工程(iii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.3g、0.64ミリモル)のTHF(8mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.27g、1.93ミリモル)を室温にて加え、そして混合物を10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.07g、0.64ミリモル)を0℃で加え、そして混合物を室温にて45分間撹拌し、次いで、水(70mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x70mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40% EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(0.1g、0.27ミリモル、42%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 2.96 min; MS: ES+ 378.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.36 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.68 - 7.70 (m, 2H), 4.51 - 4.53 (m, 1H), 4.21 - 4.23 (m, 1H), 3.89 - 3.95 (m, 1H), 3.77 - 3.81 (m, 1H), 3.43 - 3.46 (m, 1H), 2.16 - 2.18 (m, 1H), 1.76 - 1.83 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.92 (s, 4H)。キラルSFC: 方法Y5, 5.18 min.
例2
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000037
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.50g、1.67ミリモル)及びtert-ブチル-(2S,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS1207853-53-9、0.46g、2.01ミリモル)のTHF(8mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.35g、2.51ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温めて、そして3時間撹拌し、次いで、水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x80mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中55%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート (0.32g、0.66ミリモル、39%収率)を生じた。
LCMS: 方法C1, 1.35 min; MS: ES+ 483.4。
工程 (ii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.32g、0.66ミリモル)のDCM(8mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.96mL、3vol)を滴下して0℃にて加えた。混合物を室温に温めて、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.32g、0.64ミリモル、97%収率)を提供した。
LCMS: 方法C1, 1.06 min; MS: ES+ 383.4。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.32g、0.64ミリモル)のTHF(8mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.27g、1.93ミリモル)を室温にて加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.07g、0.64ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x80mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70% EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(0.10g、0.24ミリモル、38%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 2.94 min; MS: ES+ 408.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.32 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.69 -7.70 (m, 2H), 4.47 - 4.59 (m, 1H), 4.19 - 4.27 (m, 1H), 4.00 - 4.10 (m, 1H), 3.70 - 3.74 (m, 1H), 3.39 - 3.51 (m, 3H), 3.36 (s, 3H), 2.11 - 2.18 (m, 1H), 1.98 - 2.03 (m, 1H), 0.92 (s, 4H)。キラルSFC: 方法Y3, 3.56 min.
工程 (iii)代替の合成
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
2雰囲気下で5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(600.0g、1209.67ミリモル)のTHF(6L)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(500.80g、3629.01ミリモル)を室温にてN2雰囲気下にて加え、15~20分撹拌した。臭化シアノゲン(153.87g、1451.60ミリモル)のTHF(1.2L)中の溶液を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、室温にて1時間撹拌した。反応の進行をTLC(移動相:n-ヘキサン中50% EtOAc、生成物Rf 0.05; 10% MeOH/DCM生成物Rf 0.4)によりモニターした。混合物を水(3L)でクエンチし、そしてEtOAc(3x6L)で抽出した。合わせた有機相をブライン溶液(1.5L)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、粗製5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(505g)を生じた。粗製材料(505g)をIPA(5L、10vol)中に懸濁させ、そして80℃で1時間加熱し、透明溶液を得た。混合物をゆっくりと室温に放冷し、次いで、0℃で冷却し、結晶固体を形成し、それを減圧下にろ過により回収し、冷IPA(505mL)で冷却し、そして真空下に50℃で乾燥し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)-ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドを白色結晶固体(400.0g、982.80ミリモル)として生じた。
IPA再結晶化からの材料(400g)をIPA(10L、25vol)中に懸濁させ、チャコール(100g)を添加し、そして混合物を80℃で1時間加熱した。高温混合物をCelite Hyflow(商標)を通してろ過し、そして高温IPA(800mL、2vol)で洗浄した。ろ液をゆっくりと室温に放冷し、次いで、0℃で冷却し、結晶固体を形成し、それを吸引ろ過により回収し、冷IPA(400L、1vol)で洗浄し、真空下で50℃で乾燥し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドを白色結晶固体(320.0g、786.24ミリモル、63%収率)として提供した。
LCMS: 方法H1, 2.81 min, MS: ES+ 408.2; HPLC: 方法P3, 24.22 min; キラルHPLC: 方法Y, 28.97 min; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.29 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 4.48 - 4.58 (m, 1H), 4.18 - 4.22 (m, 1H), 4.01 - 4.07 (m, 1H), 3.70 - 3.74 (m, 1H), 3.40 - 3.51 (m, 3H), 3.35 (s, 3H), 2.12 - 2.18 (m, 1H), 1.97 - 2.03 (m, 1H), 0.88 - 0.96 (m, 4H); キラルHPLC: 方法Y15, 15.11 min; 99.8% ee; HPLC: 方法Y26, 27.87 min; DSC ピーク温度(融解) = 132.7 °C; 高解像度MS: ES- 406.1521 (計算された正確な質量407.1594)。 下記の表中のXRPDデータをBruker AXS D8 Advanceで調製した: Cu,kα: Kα1(Å): 1.540598; Kα2(Å): 1.544426; Kα2/Kα1=0.50。
Figure 2023529570000038
代替再結晶化
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
粗製5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(134.4g、LCにより98.9%純度)をエタノール(1340mL、10vol)中に懸濁させ、そして55~65℃に加熱し、褐色溶液を形成した。混合物を40~45℃に放冷し、そしてシード材料を類似のより小さいスケールバッチから加え(135mg)、そして混合物を40~45℃で30分間撹拌した。混合物を室温に冷却し、そして一晩撹拌した。ベージュの懸濁液をろ過しそして固体を回収し、エタノール(2x260mL)で洗浄し、フィルターケークを吸引乾燥し、次いで、60℃で一晩乾燥し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドをオフホワイト固形分として生じた(粗製物から116.2g、86%収率)。
MS: ES+ 408.2; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 8.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.68 - 4.75 (m, 1H), 3.97 - 4.00 (m, 2H), 3.83 - 3.85 (m, 1H), 3.60 - 3.66 (m, 1H), 3.45 - 3.53 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 2.24 - 2.32 (m, 1H), 2.09 - 2.15 (m, 1H), 0.89 - 1.02 (m, 4H); NMRによる残留溶媒= EtOH (2260 ppm); HPLC純度99.6%; DSCピーク温度(融解) = 86.96 °C。
例2を、0.1% (w/v) Tween-80及び0.5% (w/v) ヒドロキシプロピル-メチルセルロースを含む水性懸濁液として調製した。
例3
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000039
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(フルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.15g、0.50ミリモル)及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-(フルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート (CAS 1207853-03-9、Angeneから、0.11g、0.50ミリモル)のTHF(4mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.07g、0.50ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして8時間撹拌し、次いで、水(40mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中51% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(フルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.09g、0.19ミリモル、37%収率)を生じた。
LCMS: 方法 C, 1.76 min; MS: ES- 469.1。
工程 (ii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(フルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.09g、0.19ミリモル)のDCM(5mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.9mL、10vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.16g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.35 min; MS: ES- 368.9。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.15g、0.32ミリモル)のTHF(5mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.13g、0.96ミリモル)を室温で加え、そして混合物を10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.03g、0.32ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温にて1時間撹拌し、次いで、水(40mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x40mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中69%EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)-ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.01g、0.03ミリモル、16%収率)。
LCMS: 方法H, 2.96 min; MS: ES+ 396.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.39 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.98 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.68 - 7.70 (m, 2H), 4.41 - 4.69 (m, 3H), 4.10 - 4.26 (m, 2H), 3.61 - 3.80 (m, 1H), 3.43 - 3.53 (m, 1H), 2.12 - 2.25 (m, 1H), 1.95 - 2.07 (m, 1H), 0.92 (s, 4H)。キラルSFC: 方法Y4, 4.96 min.
例4
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000040
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、1.84ミリモル)及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 348165-63-9、0.37g、1.84ミリモル)のTHF(10mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.38g、2.76ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、2時間撹拌し、次いで、水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30% EtOAc)により精製し、tert-ブチル (2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.70ミリモル、38%収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.61 min; MS: ES- 425.1。
工程(ii)
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.70ミリモル)のDCM(6mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.9mL、3 vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.30g、0.68ミリモル、97%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.22 min; MS: ES+ 327.1。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.30g、0.68ミリモル)のTHF(7mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.28g、2.04ミリモル)を室温で加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.07g、0.68ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中1%MeOH)により精製し、5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(0.10g、0.28ミリモル、42%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 2.73 min; MS: ES+ 352.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.35 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.95 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.47 - 4.57 (m, 1H), 4.08 (s, 3H), 3.89 - 3.94 (m, 1H), 3.76 - 3.80 (m, 1H), 3.42 - 3.49 (m, 1H), 2.16 - 2.20 (m, 1H), 1.76 - 1.83 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。キラルSFC: 方法Y6, 3.76 min.
例5
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000041
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート (0.80g、2.94ミリモル)及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1207853-53-9、0.67g、2.94ミリモル)のTHF(20mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.61 g、4.41ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を0℃で6時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製し、tert-ブチル (2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.55ミリモル、18%収率)を生じた。
LCMS: 方法 C1, 1.29 min; MS: ES+ 457.2。
工程(ii)
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.55ミリモル)のDCM(5mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(2.5mL、10vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして2時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.32g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C1, 1.00 min; MS: ES+ 357.3。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.31g、0.66ミリモル)のTHF(15mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.27g、1.98ミリモル)を室温にて加え、そして10分間撹拌した後に、混合物に0℃で臭化シアノゲン(0.07 g、0.66ミリモル)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中60%EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.11g、0.29ミリモル、52%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 2.66 min; MS: ES+ 382.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.34 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.47 - 4.58 (m, 1H), 4.09 (s, 3H), 4.00 - 4.10 (m, 1H), 3.70 - 3.74 (m, 1H), 3.41 - 3.53 (m, 3H), 3.36 (s, 3H), 2.08 - 2.20 (m, 1H), 1.95 - 2.06 (m, 1H)。キラルSFC: 方法Y7, 5.42 min.
例6
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000042
(i) AgOTf, EtOAc, 80 °C; (ii) LiOH.H2O, H2O, THF, 0 °Cからrt; (iii) POCl3, ピリジン, 0 °Cからrt; (iv) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (v) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
エチル4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(3.5g、13.83ミリモル)及びオキサミン酸メチル(CAS617-36-7、Sigma-Aldrichから、4.86g、41.51ミリモル)のEtOAc (35mL)中の攪拌されている溶液に、トリフリン酸銀(CAS 2923-28-6、Combi-blocksから、10.66g、41.51ミリモル)を室温で加えた。混合物を80℃で24時間加熱し、次いで、水(120mL)に注ぎ、Celite Hyflow(商標)を通してろ過し、そしてろ液をEtOAc(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中16%EtOAc)により精製し、エチル4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル) オキサゾール-2-カルボキシレート(0.53g、1.95ミリモル、14%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.65 min; MS: ES+ 273.1。
工程 (ii)
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸
エチル4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.50g、1.84ミリモル)のTHF:水(1:1、10mL)中の攪拌されている溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.23g、5.51ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(70mL)に注ぎ、1N HClで酸性化し、そしてDCM(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸 (0.15g、0.61ミリモル、33%収率)を生じた。LCMS: 方法C2, 0.81 min; MS: ES+ 245.1。
工程 (iii)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸 (0.16g、0.65ミリモル)及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1207853-53-9、0.15g、0.65ミリモル)のピリジン(3mL)中の攪拌されている溶液に、POCl3(0.3g、0.18mL、1.97ミリモル)を滴下して0℃で加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中22%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.39ミリモル、60%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.70 min; MS: ES- 455.1。
工程 (iv)
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.17g、0.37ミリモル)のDCM(5mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.85mL、5vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.25g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.32 min; MS: ES+ 357.1。
工程 (v)
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.24g、0.51ミリモル) のTHF(5mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.21g、1.53ミリモル)を室温で加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.04g、0.41ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中71%EtOAc)により精製し、4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.05g、0.14ミリモル、36%収率)を提供した。
LCMS: 方法H, 2.80 min; MS: ES- 380.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.25 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.44 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.89 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.47 - 4.58 (m, 1H), 4.07 (s, 3H), 4.00 - 4.18 (m, 1H), 3.69 - 3.73 (m, 1H), 3.43 - 3.50 (m, 3H), 3.34 (s, 3H), 2.09 - 2.19 (m, 1H), 1.96 - 2.02 (m, 1H)。キラルSFC: 方法Y3, 3.49 min.
例7
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000043
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) Zn(CN)2, Zn, Pd2(dba)3, ホスフィンリガンド、DMA, 140 °C; (iii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iv) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.70g、1.84ミリモル)及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート (CAS 1207853-53-9、0.42g、1.84ミリモル)のTHF(8mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.38g、2.77 ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、0℃で2時間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中25% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.37g、0.66ミリモル、35%収率)。
LCMS: 方法C, 2.00 min; MS: ES+ 564.4, 566.4。
工程 (ii)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.35g、0.62ミリモル)のDMA(3mL)中の攪拌されている溶液に、シアン化亜鉛(0.18g、1.55ミリモル)、亜鉛ダスト(0.02g、0.31ミリモル)及び1,1′-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)(0.07g、0.12ミリモル)を室温で加えた。混合物をN2で15分間脱気し、次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.11g、0.12ミリモル)を添加した。混合物をマイクロ波下に140℃で1時間加熱し、次いで室温に放冷し、氷冷水(70mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中22%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.5ミリモル、80%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.83 min; MS: ES+: 511.4。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2S,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.49ミリモル)のDCM(3mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(1.25mL、5vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして2時間攪拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.39g、定量収率)を提供した。
LCMS: 方法C, 1.38 min; MS: ES+ 411.1。
工程(iv)
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.39g、0.74ミリモル)のTHF(5mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.31g、2.23ミリモル)を室温で加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.06g、0.59ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(70mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40% EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.14g、0.33ミリモル、66%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 3.03 min; MS: ES- 434.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.40 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.12 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.51 - 4.55 (m, 1H), 3.99 - 4.08 (m, 1H), 3.69 - 3.74 (m, 1H), 3.42 - 3.51 (m, 3H), 3.34 (s, 3H), 2.11 - 2.17 (m, 1H), 1.97 - 2.03 (m, 1H)。キラルSFC: 方法Y4, 3.57 min.
例8
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000044
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) Zn(CN)2, Zn, Pd2(dba)3, ホスフィンリガンド、DMA, 140 °C; (iii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iv) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.40g、1.05ミリモル)及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 348165-63-9、0.23g、1.16ミリモル)のTHF(8mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.22g、1.57ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして3時間攪拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x60mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中32%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.26ミリモル、24%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 2.01 min; MS: ES+ 534.2, 536.2。
工程 (ii)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.13g、0.24ミリモル)のDMA(1.3mL)中の攪拌されている溶液に、シアン化亜鉛(0.07g、0.61ミリモル)、亜鉛ダスト(0.01g、0.12ミリモル)及び1,1′-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)(0.03g、0.05 ミリモル)を室温で加えた。混合物をN2で10分間脱気し、次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.04g、0.05ミリモル)を添加した。混合物をマイクロ波下に140℃で1時間加熱し、次いで、室温に冷却し、水(20mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x30mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中38%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.05g、0.10ミリモル、42%収率)を生じた。
LCMS: 方法 C, 1.88 min; MS: ES+: 425.6 (M-56)。
工程(iii)
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.05g、0.1ミリモル)のDCM(2mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.15mL、3vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.08g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.38 min; MS: ES+ 381.2。
工程(iv)
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.08g、0.16ミリモル)のTHF(4mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.07g、0.48ミリモル)を室温で加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.02g、0.16ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(20mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3x25mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中47% EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.02g、0.05ミリモル、47%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 3.02 min; MS: ES- 404.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.43 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.48 - 4.57 (m, 1H), 3.89 - 3.94 (m, 1H), 3.76 - 3.80 (m, 1H), 3.42 - 3.46 (m, 1H), 2.15 - 2.18 (m, 1H), 1.76 - 1.83 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。キラルSFC: 方法Y8, 5.02 min.
例9
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000045
(i) TBD, THF, 0 °Cからrt; (ii) TFA, DCM, 0 °Cからrt; (iii) K2CO3, CNBr, THF, 0 °Cからrt。
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.50g、1.72ミリモル)及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 348165-63-9、0.27g、1.38ミリモル)のTHF(10mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.29g、2.07ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして2時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40%EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.3g、0.67ミリモル、38%収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.78 min; MS: ES+ 389.3 (M-56)。
工程(ii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.3g、0.67ミリモル)のDCM(7mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.9mL、3vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.29g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C, 1.39 min; MS: ES+ 345.3。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.29g、0.63ミリモル)のTHF(7mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.26g、1.89ミリモル)を室温で加え、そして10分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.07g、0.63ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、水(70mL)に注ぎ、沈殿を形成し、そして固形分を減圧下にろ過により回収し、5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.13g、0.35ミリモル、52%収率)を生じた。
LCMS: 方法H, 2.75 min; MS: ES+ 370.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.31 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.28 - 8.31 (m, 1H), 7.79 - 7.82 (m, 1H), 7.49 - 7.52 (m, 1H), 4.47 - 4.59 (m, 1H), 4.08 (s, 3H), 3.85 - 3.99 (m, 1H), 3.76 - 3.80 (m, 1H), 3.42 - 3.45 (m, 1H), 2.12 - 2.23 (m, 1H), 1.73 - 1.87 (m, 1H), 1.24 -1.29 (m, 3H)。キラルSFC: 方法Y5, 4.98 min.
例10
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000046
工程 (i)
エチル4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロポキシベンゾニトリル(0.70g、2.50ミリモル)及びオキサミン酸メチル(CAS 617-36-7、Sigma-Aldrichから、0.66g、3.75ミリモル)のEtOAc(10mL)中の攪拌されている溶液に、トリフリン酸銀(CAS 2923-28-6、Combi-blocksから、0.96g、3.75ミリモル)を室温で加えた。混合物を80℃で16時間加熱した。もう一つの同一のバッチを合わせ、次いで、水(100mL)に注ぎ、Celite Hyflow(商標)を通してろ過し、そしてろ液をEtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中10%EtOAc)により精製し、エチル4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.35g、1.17ミリモル、23%収率)を生じた。
LCMS: 方法H1, 3.40 min; MS: ES+ 299.0。
工程 (ii)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.32g、1.07ミリモル)及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1207853-53-9、0.25g、1.07ミリモル)のDMF(7mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.18g、1.28ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして2時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、ろ過しそして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.10g、0.22ミリモル、20%収率)を生じた。
LCMS: 方法H1, 3.51 min; MS: ES- 481.3。
工程 (iii)
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
tert-ブチル(2S,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.1g、0.22ミリモル)のDCM(5mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(1mL、10vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮し、4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.14g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法 J, 3.61 min; MS: ES+ 383.0。
工程 (iv)
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.14g、0.28ミリモル)のTHF(5mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.12g、0.84ミリモル)を室温で加え、そして5分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.03g、0.28ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(30mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中45% EtOAc)により精製し、4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.04g、0.09ミリモル、47%収率)を生じた。
LCMS: 方法H1, 2.97 min; MS: ES- 406.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.24 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.43 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.48 - 4.56 (m, 1H), 4.15 - 4.23 (m, 1H), 4.0 - 4.08 (m, 1H), 3.68 - 3.72 (m, 1H), 3.42 - 3.50 (m, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.10 - 2.15 (m, 1H), 1.96 - 2.01 (m, 1H), 0.86 - 0.97 (m, 4H)。
キラルHPLC: 方法Y15, 10.0 min.
例11
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000047
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.25g、0.83ミリモル)及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1123305-98-5、0.19 g、0.83ミリモル)のトルエン(5mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.12g、0.83ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間攪拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、ろ過しそして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中35% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.16ミリモル、19%収率)を生じた。
LCMS: 方法C1, 1.41 min; MS: ES+ 483.4。
工程(ii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
tert-ブチル(2R,4R)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.07g、0.15ミリモル)のDCM(1mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.22mL、3vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間攪拌し、次いで、減圧下に濃縮し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.10g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法 C1, 1.06 min; MS: ES+ 383.2。
工程 (iii)
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.10g、0.20ミリモル)のTHF (5 mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.08g、0.60ミリモル)を室温で加え、そして5分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.02g、0.20ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(50mL) に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中45% EtOAc)により精製し、5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.02g、0.04ミリモル、29%収率)を生じた。
LCMS: 方法H1, 2.94 min; MS: ES+ 408.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.18 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 - 7.69 (m, 2H), 4.50 - 4.61 (m, 1H), 4.15 - 4.25 (m, 1H), 3.88 - 3.97 (m, 1H), 3.63 - 3.72 (m, 1H), 3.46 - 3.60 (m, 2H), 3.37 - 3.41 (m, 4H), 2.27 - 2.38 (m, 1H), 1.80 - 1.90 (m, 1H), 0.83 - 0.98 (m, 4H)。キラルSFC: 方法Y12, 3.53 min.
例12
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000048
工程 (i)
tert-ブチル(2R,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
エチル4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.40g、1.34ミリモル)[例10; 工程(i)]及びtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1123305-98-5、0.31g、1.34ミリモル)のトルエン(5mL)中の攪拌されている溶液に、TBD(0.19g、1.34ミリモル)を小分けして0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして4時間撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、ろ過しそして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40% EtOAc)により精製し、tert-ブチル(2R,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.46ミリモル、34%収率)を生じた。LCMS: 方法C1, 1.42 min, MS: ES+ 483.3。
工程 (ii)
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
tert-ブチル(2R,4R)-4-(4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート (0.22g、0.46ミリモル)のDCM(5mL)中の攪拌されている溶液に、TFA(0.66mL、3vol)を滴下して0℃で加えた。混合物を室温に温め、そして1時間攪拌し、次いで、減圧下に濃縮し、4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.28g、定量収率)を生じた。
LCMS: 方法C1, 1.09 min. MS: ES+ 383.2。
工程 (iii)
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.28g、0.56ミリモル)のTHF(5mL)中の攪拌されている溶液に、K2CO3(0.23g、1.69ミリモル)を室温で加え、そして5分間撹拌した。臭化シアノゲン(0.06g、0.56ミリモル)を0℃で加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中65% EtOAc)により精製し、4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド(2つの工程で0.06g、0.14ミリモル、31%収率)を生じた。
LCMS: 方法H1, 3.01 min; MS: ES+ 408.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.10 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.51 - 4.56 (m, 1H), 4.16 - 4.23 (m, 1H), 3.88 - 3.97 (m, 1H), 3.63 - 3.67 (m, 1H), 3.46 - 3.56 (m, 2H), 3.38 - 3.41 (m, 4H), 2.29 - 2.36 (m, 1H), 1.83 - 1.90 (m, 1H), 0.92 (br s, 4H)。キラルSFC: 方法Y16, 5.11 min.
例13
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000049
工程(i)でtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 708274-46-8)を用いて、題記の化合物を例1に類似の方法により調製した。
例14
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000050
工程(i)でtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 708274-46-8)を用いて、題記の化合物を例4に類似の方法により調製した。
例15
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000051
工程(i)でtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1123305-98-5)を用いて、題記の化合物を例5に類似の方法により調製した。
例16
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000052
工程(iii)でtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1123305-98-5)を用いて、題記の化合物を例6に類似の方法により調製した。
例17
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000053
工程(i)でtert-ブチル(2R,4R)-4-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 1123305-98-5)を用いて、題記の化合物を例7に類似の方法により調製した。
例18
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000054
工程(i)でtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 708274-46-8)を用いて、題記の化合物を例8に類似の方法により調製した。
例19
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド
Figure 2023529570000055
工程(i)でtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 708274-46-8)を用いて、題記の化合物を例9に類似の方法により調製した。
本発明の化合物の生物活性
略語:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PBS リン酸緩衝生理食塩水
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Tris 2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
NP-40 Nonidet P-40、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
BSA ウシ血清アルブミン
PNS 末梢神経系
BH3 Bcl-2 相同性ドメイン 3
PTEN ホスファターゼ及びテンシンホモログ
SDS-PAGE ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動
DMSO ジメチルスルホキシド
YFP 黄色蛍光タンパク質
VME ビニルメチルエステル
HAヘマグルチニン
Ahx アミノヘキサン酸
USP30生化学IC50アッセイ
希釈プレートは、96ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner #651201)での50%DMSO中の最終濃度の21倍(最終濃度100μMに対して2100μM) で調製された。典型的な8ポイントの希釈系列は、最終的に100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03μMになる。反応は、黒色の384ウェルプレート(小体積、Greiner 784076)で21μlの最終反応体積で2回実施した。1μlの50% DMSO又は希釈化合物のいずれかをプレートに添加した。USP30 (Boston Biochem #E582)を反応バッファー(40mM Tris、pH7.5、0.005% Tween 20、0.5mg/ml BSA、5mM β-メルカプトエタノール)で希釈して、4nMの最終アッセイ濃度を得て、そして10μlの希釈USP30を化合物に添加した。酵素及び化合物を室温で30分間インキュベートした。反応は、蛍光偏光基質としてのイソペプチド結合を介してユビキチンに連結された50nMのTAMRA標識ペプチドの添加によって開始された。基質を添加した直後及び室温で2時間インキュベーションした後に、反応を読み取った。読み取りは Pherastar Plus (BMG Labtech)で行った。λ励起 540nm; λ発光590nm。
Figure 2023529570000056
参考例
Figure 2023529570000057
オフターゲット薬理学
例2は、Eurofins CEREP Safety Screen44パネルで薬理学的プロファイリングを受けた。10μMの単一濃度で、結合又は酵素活性の50%未満の阻害が、パネル内のすべての標的に対して観察された。例1は、このアッセイにおける標的に対する親和性が低いため、オフターゲット相互作用の可能性が低い。
安全性薬理学
例2は、hERGカリウムチャネルに対する効果について、安定に発現されたCHO細胞において、0.01~30μMの濃度で評価された。例2は、30μMでhERG電流振幅の35%の最大阻害値を生じ、QT間隔に影響を与える傾向がほとんどないことを示している。
遺伝毒性学
例2は、細菌復帰突然変異アッセイ(Ames)及びインビトロ小核アッセイで評価された。すべてのインビボ試験は、外因性代謝活性化の有無にかかわらず、細胞毒性又は不溶性によって制限される濃度までの濃度を使用して実施された。例2は、代謝活性化の有無にかかわらず、ネズミチフス菌株TA98、TA100、TA1535及びTA97aならびに大腸菌株WP2 uvrA pKM101における復帰突然変異アッセイにおいて、5000μg/プレートまで試験したときに、突然変異を誘発しなかった。
染色体損傷の誘導は、TK6細胞でのインビトロ小核アッセイを使用して評価された。例2は、外因性代謝活性化の存在下で3時間インキュベートした後に27時間回復したとき、及び外因性代謝活性化の非存在下で27時間インキュベートした後に27時間回復したときにも、小核の誘導について陰性であった。
USP30内因性細胞ターゲット関与アッセイ
YFP-Parkinを安定して過剰発現するHela細胞を6ウェルディッシュに播種した。接着したら、細胞を適切な濃度の試験化合物又はビヒクル対照で、37℃、5% CO2で1時間処理した。全細胞ライセートは、細胞を冷PBS中にこすり落とし、遠心分離し、溶解バッファー(50 mM Tris-base、pH7.5、50mM NaCl、1% NP-40/Igepal CA-630、2mM MgCl2、10%グリセロール、5mM β-メルカプトエタノール、コンプリートミニタブレットEDTAフリー(Roche)、PhosStopタブレット(Roche))を10分間溶解させることにより調製された。清澄化された細胞ライセートからの20μg相当のタンパク質を、最終濃度2.5μMのHA-Ahx-Ahx-Ub-VMEプローブと共に室温でインキュベートした。5x SDSサンプルローディングバッファーを添加して反応を停止し、タンパク質をSDS PAGE及びウェスタンブロッティングで分離した。USP30は、抗USP30ヒツジS746D抗体(MRC PPU Reagents and Services)及びウサギ抗ヒツジ二次IgG(H+L)ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体 (Thermo #31480)を使用して検出し、ECL試薬 (GE #RPN2109) を使用してGE LAS4000 イメージャー上で可視化した。USP30及びUb-VMEプローブに結合したUSP30に対応するバンドの定量化と、ビヒクル処理された対照と比較したこの比率の発現によって、ターゲットの関与を測定した。
TOM20ユビキチン化アッセイ
ヒト細胞株に、ミトコンドリア脱分極剤(イオノフォア(例えば、CCCP、バリノマイシン)、ミトコンドリア複合体阻害剤(オリゴマイシン、アンチマイシンA))をチャレンジさせ、TOM20のユビキチン化を誘導することができ、次いで、USP30阻害剤の存在下でさらに促進される。TOM20ユビキチン化を、その後、細胞ライセートのウェスタンブロッティングによって評価する。TOM20ユビキチン化付加体の検出は、付加されたユビキチンの分子ごとに8kDaの分子量増加により可能になり、TOM20免疫反応性バンドのラダーが生じる。TOM20ユビキチン化レベルは、ラダー免疫反応性バンドの化学発光デンシトメトリーを使用して定量化できる。
インビトロ細胞毒性(Cell Tox):
アッセイのエンドポイントとしてalamarBlue(商標)を使用して、HCT116ヒト結腸直腸癌細胞で測定した。化合物の細胞毒性を、化合物への96時間の連続暴露期間にわたって測定した。
さらなる研究
log P: 分割係数;親油性測定
log D: 分配係数;親油性測定
TPSA: トポロジカル極性表面積
比濁溶解度:水性バッファーに希釈したDMSO中で調製された試験化合物溶液。濁度測定は、620nmでの吸光度を測定することによってエンドポイントとして使用される。
FaSSIF: pH6.5で測定された絶食状態の模擬腸液
Hep Cl マウス:マウス細胞におけるインビトロ肝細胞クリアランス
Hep Cl ヒト:ヒト細胞におけるインビトロ肝細胞クリアランス
Plasma fu,p: インビトロ平衡透析によって決定される血漿製剤中の化合物の遊離画分
Brain fu,br: インビトロ平衡透析によって決定される脳ホモジネート製剤中の化合物の遊離画分
Clu: インビトロクリアランス。本明細書に規定されているとおりのCluは、スケーリングされたクリアランスであり、固有クリアランスから計算される。固有クリアランスは、肝細胞製剤中の化合物のインキュベーションから決定される、肝臓の代謝反応による予測クリアランスである。mL/min/kgの値が低いほど、化合物は安定している。
Clインビボクリアランス: 単位時間あたりに物質が完全に除去される血漿(又は任意のマトリックス)の体積の薬物動態測定。mL/min/kgの値が低いほど、化合物は安定している。
経口 F: 経口バイオアベイラビリティ
MDR1-MDCK (メイディン・ダービー・イヌ腎臓細胞単層)(インビトロ)フラックスアッセイ
WT-MDCK (野生型) インビトロフラックス
Kpuu は、血漿中の非結合薬物に対する脳内の非結合薬物の比であり、末梢及び/又はCNS適応症を治療する可能性の指標とすることができる。
Figure 2023529570000058
Figure 2023529570000059
例は、他の化合物に対する潜在的な優位性を示す有益な特性を有する。例えば、例1及び2について、マウスで測定した場合、それぞれ41及び20mL/分/kgという観察されたIV血漿クリアランスは低く、貴重な血漿安定性を示し、化合物はそれぞれ37及び47%の非常に良好な経口バイオアベイラビリティを有する。
Figure 2023529570000060
Figure 2023529570000061
Figure 2023529570000062
Figure 2023529570000063
Figure 2023529570000064
比較データ
参考例A、B、C、D及びEは、USP30の阻害剤として活性であると同定された既知のDUB阻害剤であり、シアナミド構造特徴を有する本発明の化合物と幾らかの構造的類似性を共有する。参考例B、C、D及びEは、UCHL1阻害活性を有するとしてWO2016/046530に開示されている。
USP30の効能
本発明の例1~11は、生化学的アッセイで測定したときに、参照例A、B、C、D及びEよりもUSP30に対して有意に強力である。例12は、参考例B、C、D及びEよりもUSP30に対して有意に強力である。例えば、例1~11は、参考例Aよりも6.8~34倍強力であり、参考例B、C及びDよりも16~155倍強力であり、参考例Eよりも少なくとも440倍強力である。
他のDUBに対するUSP30の選択性
提供されたデータは、例1、2、4、6、7、11及び12が、参考例Aと比較して、9つのDUB(USP2、USP6、USP10、USP15、USP16、USP21、USP25、USP28及びUSP46)よりもUSP30に対して有意に選択的であることを示している。これらの例は、少なくとも、9つのDUBのそれぞれに対するよりも、USP30に対して110~7820倍強力である(例7はUSP15に対して試験されていない)。これは、参照例Aよりも有意な選択性利点であり、2.2倍も強力である。
UCHL1に対するUSP30の選択性
提供されたデータは、例1、2、4、6、7、11及び12が、参照例B、C、D及び Eと比較してUCHL1よりもUSP30に対して有意により選択的であることを示している。例1、2、4、6、7、11は、UCHL1よりもUSP30に対して30000倍以上強力であり、例12は4412倍以上強力であるのに対し、参照例B、C、D及びEはそれぞれ3.0、1.3、0.8及び1.5倍しか強力でなく、CはUCHL1に対してより選択的である。
カテプシンB、K、L、S及びVに対するUSP30の選択性
提供されたデータは、例1、2、4、6、7、11及び12 が、参照例Aと比較して、カテプシン(B、K、L、S及びV)よりもUSP30に対して有意により選択的であることを示している。これらの例は、各カテプシンに対するよりもUSP30に対して1540倍以上強力である。これは、参照例Aに対して有意な選択性利点である。参考例Aは、カテプシンKに対して11.6倍のみ強力である。
先行技術の参照例に対する本発明の化合物の上記で特定された利点は、重要かつ予想外のものでもある。単独で、特に組み合わせて、この優位性により、本発明の化合物は、USP30活性に関連する疾患の治療又は予防における使用に特に適したものとなる。
前臨床インビボモデル
(a)腎保護剤の試験用に変更されたヒト腎近位尿細管細胞シスプラチン損傷モデル
一次ヒトPTCを、移植を拒絶された腎臓から分離する。
分離した細胞を、96ウェルのTranswellインサート(表面積=0.143cm2)に、20,000細胞/インサートの密度で播種した。培地を、最初の播種の24時間後、及び培養の3日目及び5日目にリフレッシュした。
単層は、実験で使用する前に80~120Ω.cm2の範囲のTEERを示した。
ヒトPTC単層を、細胞をシスプラチン(20μM)に曝露する前に、細胞層の頂端側及び側底側の両方に対して、例2(0.01、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0μM)に1時間、事前曝露した。続いて、細胞を例2(0.01、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0μM)及びシスプラチン(20μM)の両方に、24時間及び48時間、頂端側及び側底側の両方に曝露した。さらに、陰性対照(例2のみ、例2で0.5% DMSO、シスプラチン溶媒対照では0.2%ジメチルホルムアミド(DMF)、陽性対照(シスプラチン20μM)、及び、シスプラチン+シスプラチン取り込み阻害剤(ドルテグラビル100μM)も並行して含んだ。実験は、ヒト細胞単層(n=3)及び3人の異なるドナー(N=3)で3回行った。
ATP産生及びLDH放出に基づく細胞生存率アッセイは、96ウェルTranswellインサートで実施された試験化合物で処理された単層に対して実施した。
例2は、シスプラチン誘発性のATP損失に対して濃度依存的に保護した。例2はまた、シスプラチン誘発性のLDH上昇を低減した。これらのデータは、例2がヒト近位尿細管上皮細胞に対するシスプラチン誘発毒性から保護できることを示している。
前臨床インビボモデル
本発明の化合物は、代表的なインビボ疾患モデルにおいて、公開された文献から標準的な研究手続きを用いて、効率について試験されうる。その研究手続きは、例えば、
(a)特発性肺線維症の主要な前臨床インビボモデルであるブレオマイシン誘発肺線維症モデル [Kobayashi et al, 2016, J Immunol, 197(2):504-516]、
(b)NAFLD及びグルコースホメオスタシスの食事誘発モデル[Nishida et al, 2013, Lab Invest; Feb;93(2):230-41]、
(c) 化学的に誘発されたミトコンドリア機能障害によって引き起こされる脳のドーパミン作動系の神経変性を調べるために一般的に使用されるパラダイムであるパーキンソン病のMPTPモデル[Karuppagouner et al, 2014, Sci Rep. 2014 May 2;4:4874]、
(d)Ndufs4KO リー症候群モデル[Kruse et al, 2008, Cell Metab. Apr;7(4):312-20]、
(e)高齢齧歯類モデル: 海馬、認知及び運動機能への影響[Kobilo et al, 2014, Learn Mem. Jan 17;21(2):119-26; Creed et al, 2019, Neuroscience. Jun 15;409:169-179; Van Skike et al, 2020, Aging Cell. 19; e13057]
(f)片側尿管閉塞性腎疾患モデル(UUO)[Chevalier et al, 2009, Kidney Int 75(11): 1145-1152]
を含む。
UUOは、尿細管細胞損傷、間質性炎症及び線維症を特徴とする腎損傷を引き起こす。これは、不可逆的な腎後急性腎障害(AKI)のモデルとして機能する。実験的UUOは、アポトーシス、炎症及び線維症の分子メカニズムを例示し、これらはすべて、一次傷害に関係なく、腎障害の重要なプロセスである。その結果、UUOモデルは研究者に障害を超えた情報を提供する(Chevalier et al, 2009, Kidney Int 75(11): 1145-1152)。
例2をUUOモデルで評価して、進行性尿細管間質線維症及び慢性腎臓病(CKD)を軽減する化合物の能力を決定した。
試験の1日目に、成体C57BL/6マウスに、以下の投与レジメンのいずれかに従って強制経口投与した:ビヒクル、5又は1.5mg/kg例2BID。試験1日目の投与2時間後、マウスは左尿管を2点で結紮する手術を受けた。UUO手術の成功は、後に水腎症による腎盂の拡張の観察によって確認された。動物は、腎臓が採取された時点で、又は組織病理学的評価及びタンパク質/RNA評価のために、10日間、処方されたレジメンに従って投与された。ピクロシリウスレッド染色を行ってコラーゲン沈着の程度を評価し、IHCを使用して相対的なα-平滑筋アクチン(αSMA)発現を評価した。
結果は、5及び1.5mg/kgの例2(p.o.)BIDを投与し、結紮された腎臓におけるピクロシリウスレッド染色の減少によって証明されるようにコラーゲン沈着を統計的に減少させたことを示した。α-SMA染色の評価は、5及び1.5mg/kgの例2BIDの経口投与が、ビヒクル処置対照と比較したときに、UUO損傷腎臓におけるα-SMAレベルの統計的減少をもたらすことを明らかにした。
(g)AKIは、虚血再灌流傷害(IRI)をもたらす両側腎ペディカルクランプによって誘発され、腎機能の重度の喪失をもたらす尿細管損傷及び炎症を引き起こす可能性がある [Lu et al. 2012. J Nephrol. 25 (5): 738-45]。
予防投与:
例2をC57BL/6マウスに5及び1.5mg/kg BID(p.o.)で投与し、-1日目から+21日目までビヒクル処置と比較した。0日目に、マウスに麻酔をかけ、左腎茎を45分間固定し、次いで、解放してIRIを誘発した。+21日目に、腎臓を採取した。形態及び線維症を評価した。
体重はグループ間で類似しており、観察期間を通じて一定のままであった。マッソントリコーム染色は、+21日目に、例2処置動物(両方の用量レベル)からの外側髄質における尿細管萎縮及びコラーゲン含有量が有意に少ないことを示した。皮質及び外側髄質におけるフィブロネクチン発現は、+21日目に例2処置動物(両方の用量レベル)において有意に減少した。
例2は、IR誘導CKDのこのモデルにおける有効性を実証した。毎日の処置は、尿細管萎縮の軽減及び線維症の減少の重要な利点を示している。
損傷後の投与:
0日目(ゼロ)において、C57BL/6マウスに麻酔をかけ、左腎茎を45分間固定し、解放してIRIを誘導した。次いで、マウスにビヒクル又は例2のいずれかを投与した:5mg/kg (p.o.) BIDを21日間。最初の治療はIRI手術の5時間後に開始する(つまり、治療薬の投与)。マウスをモニターし、+21日目に腎臓を採取した。腎臓の切片は、盲検化された組織学的スコアリング法を使用して、相対的な細胞形態及び線維症について定量的に評価した。
体重はグループ間で類似しており、観察期間を通じて一定のままであった。皮質におけるフィブロネクチン染色は、+21日目に例2処置マウスにおいて有意に減少した。
例2は、治療的に投与されたときに、IR誘発CKDのこのモデルにおいて部分的な有効性を示した。虚血再灌流損傷の確立後に治療を開始すると、皮質線維症の減少に向けて有意な利点が示されている。
発明のパラグラフ
本発明は、以下を対象とする:
1.式(I)(i)及び式(I)(ii):
Figure 2023529570000065
(上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして、
3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)から選ばれる式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
2.R1はメチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる、パラグラフ1記載の化合物。
3.R1はメチル及びCH2OCH3から選ばれる、パラグラフ2記載の化合物。
4.R2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる、パラグラフ1~3のいずれか1項記載の化合物。
5.R2はメチル及びシクロプロピルから選ばれる、パラグラフ4記載の化合物。
6.R3は水素及びフッ素から選ばれる、パラグラフ1~5のいずれか1項記載の化合物。
7.R3は水素である、パラグラフ6記載の化合物。
8.R4及びR5はそれぞれ水素である、パラグラフ1~7のいずれか1項記載の化合物。
9.式(I)(i):
Figure 2023529570000066
を有する、パラグラフ1~8のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
10.式(IA)(i):
Figure 2023529570000067
を有する、パラグラフ9記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
11.
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドから選ばれる、パラグラフ10記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
12.式(IB)(i):
Figure 2023529570000068
を有する、パラグラフ9記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
13.
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
から選ばれる、パラグラフ12記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
14.式(I)(ii):
Figure 2023529570000069
を有する、パラグラフ1~8のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
15.式(IA)(ii):
Figure 2023529570000070
を有する、パラグラフ14記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
16.
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
から選ばれる、パラグラフ15記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
17.式(IB)(II):
Figure 2023529570000071
を有する、パラグラフ14記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
18.
4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
から選ばれる、パラグラフ17記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
19.医薬として使用するための、パラグラフ1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
20.ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防に使用するための、パラグラフ1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
21.ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防に使用するための医薬の製造における、パラグラフ1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩の使用。
22.ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防のための方法であって、それを必要とする患者に、有効な量のパラグラフ1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を投与する工程を含む、方法。
23.前記ミトコンドリア機能障害を伴う状態はCNS障害、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多発性硬化症、ミトコンドリア脳症、乳酸アシドーシス及び脳卒中様エピソード症候群、物質遺伝性糖尿病及び難聴、レーバー遺伝性視神経症、神経障害、運動失調症、網膜色素変性症-母性遺伝リー症候群、ダノン病、糖尿病、糖尿病性腎症、代謝障害、心不全、心筋梗塞につながる虚血性心疾患、精神疾患、統合失調症、多種スルファターゼ欠損症、ムコリピドーシスII、ムコリピドーシスIII、ムコリピドーシスIV、GM1-ガングリオシドーシス、神経セロイド-リポフスチン症、アルパー病、バース症候群、ベータ酸化欠陥、カルニチン-アシル-カルニチン欠乏、カルニチン欠乏、クレアチン欠乏症候群、コエンザイムQ10欠乏、複合体I欠乏、複合体II欠乏、複合体III欠乏、複合体IV欠乏、複合体V欠乏、COX欠乏、慢性進行性外眼筋麻痺症候群、CPT I 欠乏、CPT II 欠乏、グルタル酸尿症II型、カーンズ・セイヤー症候群、乳酸アシドーシス、長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠乏、リー病又は症候群、リー症候群フランチカナディアンバリアント、致命性乳児心筋症、ルフト病、中鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、ミオクローヌスてんかん及び赤色ぼろ線維症候群、ミトコンドリア細胞障害、ミトコンドリア劣性運動失調症候群、ミトコンドリアDNA枯渇症候群、筋神経胃腸障害及び脳症、ピアソン症候群、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠乏、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏、POLG変異、中鎖/短鎖3-ヒドロアシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、ペルオキシソーム障害、メチルマロン酸血症、メバロン酸キナーゼ欠乏、加齢に伴う認知機能及び筋力の低下、すべての神経変性疾患及び神経精神疾患に関連する認知障害から選ばれる、パラグラフ20~22のいずれか1項記載の化合物、使用又は方法。
24.前記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、α-シヌクレイン、パーキン、PINK1、GBA及びLRRK2の変異に関連するパーキンソン病、及び、常染色体劣性若年性パーキンソン病又は若年性パーキンソン病(EOPD)であって、パーキン又はPINK1が変異、切断又は欠乏しているものから選ばれる、パラグラフ23記載の化合物、使用又は方法。
25.前記神経変性疾患は、リー症候群又はリー病、X連鎖リー病、リー症候群フレンチカナディアンバリアント及び/又はリー病に関連する症状である、パラグラフ23記載の化合物、使用又は方法。
26.前記癌は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、黒色腫、骨癌、肝臓癌、軟部組織癌、組織器官の癌、血液細胞の癌、CML、AML、マントル細胞リンパ腫、神経芽細胞腫、黒色腫、軟部組織肉腫、脂肪肉腫、線維芽細胞肉腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、骨肉腫、食道癌、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、転移性癌腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、鼻咽頭癌、結腸直腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、アポトーシス経路が調節不全である癌、及び、BCL2ファミリーのタンパク質が変異している又は過剰もしくは過小に発現されている癌から選ばれる、パラグラフ20~22記載の化合物、使用又は方法。
27.前記線維症は、線維症、又は、外傷、炎症、組織修復、免疫反応、細胞過形成及び新形成の後に起こる細胞外マトリックス成分の蓄積に関連する線維性障害から選ばれる、パラグラフ20~22のいずれか1項記載の化合物、使用又は方法。
28.前記線維症は、線維症又は主要臓器疾患に関連する線維性障害、線維増殖性障害、及び外傷に関連する瘢痕から選ばれる、パラグラフ27記載の化合物、使用又は方法。
29.前記線維症は、間質性肺疾患、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎、腎疾患、急性腎疾患、急性腎障害、慢性腎疾患、腎移植片機能の遅延、心臓又は血管の疾患、眼の疾患、全身性及び局所性強皮症、ケロイド、肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、デュピュイトラン病拘縮、外科的合併症、化学療法剤誘発性線維症、放射線誘発性線維症、偶発的な損傷及び火傷、後腹膜線維症及び腹膜線維症/腹膜瘢痕化に関連する線維症又は線維性障害から選ばれる、パラグラフ28記載の化合物、使用又は方法。
30.間質性肺疾患に関連する線維症は、サルコイドーシス、珪肺症、薬物反応、感染症、コラーゲン血管疾患、関節リウマチ、全身性硬化症、強皮症、肺線維症、特発性肺線維症、通常の間質性肺炎、間質性肺疾患、特発性線維性肺胞炎、閉塞性細気管支炎及び気管支拡張症から選ばれる、パラグラフ29記載の化合物、使用又は方法。
31.前記腎疾患は、急性腎疾患、急性腎障害又は慢性腎疾患である、パラグラフ29記載の化合物、使用又は方法。
32.パラグラフ1~18のいずれか1項に規定されるとおりの式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を、1つ以上医薬上許容される賦形剤とともに含む、医薬組成物。
33.式(II)(i)、(III)(i)、(II)(II)及び(III)(ii):
Figure 2023529570000072
(上式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、パラグラフ1~18のいずれか1項記載の式(I)の化合物について規定されるとおりであり、PGは保護基であり、好ましくはtert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエトキシカルボニル、4-ニトロベンゼンスルホニル及び2-ニトロフェニルスルフェニルである)から選ばれる化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の塩。

Claims (33)

  1. 式(I)(i)及び式(I)(ii):
    Figure 2023529570000073
    (上式中、R1は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)フルオロアルキル及びCH2OCH3から選ばれ、
    2は(C1-C4)アルキル、CF3及びシクロプロピルから選ばれ、そして、
    3、R4及びR5は、水素及びハロゲンからそれぞれ独立して選ばれる)から選ばれる式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  2. 1はメチル、CH2F、CHF2、CF3及びCH2OCH3から選ばれる、請求項1記載の化合物。
  3. 1はメチル及びCH2OCH3から選ばれる、請求項2記載の化合物。
  4. 2は、メチル、CF3及びシクロプロピルから選ばれる、請求項1~3のいずれか1項記載の化合物。
  5. 2はメチル及びシクロプロピルから選ばれる、請求項4記載の化合物。
  6. 3は水素及びフッ素から選ばれる、請求項1~5のいずれか1項記載の化合物。
  7. 3は水素である、請求項6記載の化合物。
  8. 4及びR5はそれぞれ水素である、請求項1~7のいずれか1項記載の化合物。
  9. 式(I)(i):
    Figure 2023529570000074
    を有する、請求項1~8のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  10. 式(IA)(i):
    Figure 2023529570000075
    を有する、請求項9記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  11. 5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
    5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミドから選ばれる、請求項10記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
  12. 式(IB)(i):
    Figure 2023529570000076
    を有する、請求項9記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  13. 4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
    4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    から選ばれる、請求項12記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
  14. 式(I)(ii):
    Figure 2023529570000077
    を有する、請求項1~8のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  15. 式(IA)(ii):
    Figure 2023529570000078
    を有する、請求項14記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  16. 5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    5-(5-シアノ-4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5S)-1-シアノ-5-メチルピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
    5-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(フルオロメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    から選ばれる、請求項15記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
  17. 式(IB)(II):
    Figure 2023529570000079
    を有する、請求項14記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  18. 4-(5-シアノ-2-シクロプロポキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、及び、
    4-(5-シアノ-2-メトキシフェニル)-N-((3R,5R)-1-シアノ-5-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル)オキサゾール-2-カルボキサミド、
    から選ばれる、請求項17記載の化合物、又は、その医薬上許容される塩。
  19. 医薬として使用するための、請求項1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  20. ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防に使用するための、請求項1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩。
  21. ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防に使用するための医薬の製造における、請求項1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩の使用。
  22. ミトコンドリア機能障害、癌又は線維症を伴う状態の治療又は予防のための方法であって、それを必要とする患者に、有効な量の請求項1~18のいずれか1項記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を投与する工程を含む、方法。
  23. 前記ミトコンドリア機能障害を伴う状態はCNS障害、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多発性硬化症、ミトコンドリア脳症、乳酸アシドーシス及び脳卒中様エピソード症候群、物質遺伝性糖尿病及び難聴、レーバー遺伝性視神経症、神経障害、運動失調症、網膜色素変性症-母性遺伝リー症候群、ダノン病、糖尿病、糖尿病性腎症、代謝障害、心不全、心筋梗塞につながる虚血性心疾患、精神疾患、統合失調症、多種スルファターゼ欠損症、ムコリピドーシスII、ムコリピドーシスIII、ムコリピドーシスIV、GM1-ガングリオシドーシス、神経セロイド-リポフスチン症、アルパー病、バース症候群、ベータ酸化欠陥、カルニチン-アシル-カルニチン欠乏、カルニチン欠乏、クレアチン欠乏症候群、コエンザイムQ10欠乏、複合体I欠乏、複合体II欠乏、複合体III欠乏、複合体IV欠乏、複合体V欠乏、COX欠乏、慢性進行性外眼筋麻痺症候群、CPT I 欠乏、CPT II 欠乏、グルタル酸尿症II型、カーンズ・セイヤー症候群、乳酸アシドーシス、長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠乏、リー病又は症候群、リー症候群フランチカナディアンバリアント、致命性乳児心筋症、ルフト病、中鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、ミオクローヌスてんかん及び赤色ぼろ線維症候群、ミトコンドリア細胞障害、ミトコンドリア劣性運動失調症候群、ミトコンドリアDNA枯渇症候群、筋神経胃腸障害及び脳症、ピアソン症候群、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠乏、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏、POLG変異、中鎖/短鎖3-ヒドロアシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠乏、ペルオキシソーム障害、メチルマロン酸血症、メバロン酸キナーゼ欠乏、加齢に伴う認知機能及び筋力の低下、すべての神経変性疾患及び神経精神疾患に関連する認知障害から選ばれる、請求項20~22のいずれか1項記載の化合物、使用又は方法。
  24. 前記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、α-シヌクレイン、パーキン、PINK1、GBA及びLRRK2の変異に関連するパーキンソン病、及び、常染色体劣性若年性パーキンソン病又は若年性パーキンソン病(EOPD)であって、パーキン又はPINK1が変異、切断又は欠乏しているものから選ばれる、請求項23記載の化合物、使用又は方法。
  25. 前記神経変性疾患は、リー症候群又はリー病、X連鎖リー病、リー症候群フレンチカナディアンバリアント及び/又はリー病に関連する症状である、請求項23記載の化合物、使用又は方法。
  26. 前記癌は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、黒色腫、骨癌、肝臓癌、軟部組織癌、組織器官の癌、血液細胞の癌、CML、AML、マントル細胞リンパ腫、神経芽細胞腫、黒色腫、軟部組織肉腫、脂肪肉腫、線維芽細胞肉腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、骨肉腫、食道癌、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、転移性癌腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、鼻咽頭癌、結腸直腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、アポトーシス経路が調節不全である癌、及び、BCL2ファミリーのタンパク質が変異している又は過剰もしくは過小に発現されている癌から選ばれる、請求項20~22のいずれか1項記載の化合物、使用又は方法。
  27. 前記線維症は、線維症、又は、外傷、炎症、組織修復、免疫反応、細胞過形成及び新形成の後に起こる細胞外マトリックス成分の蓄積に関連する線維性障害から選ばれる、請求項20~22のいずれか1項記載の化合物、使用又は方法。
  28. 前記線維症は、線維症又は主要臓器疾患に関連する線維性障害、線維増殖性障害、及び外傷に関連する瘢痕から選ばれる、請求項27記載の化合物、使用又は方法。
  29. 前記線維症は、間質性肺疾患、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎、腎疾患、急性腎疾患、急性腎障害、慢性腎疾患、腎移植片機能の遅延、心臓又は血管の疾患、眼の疾患、全身性及び局所性強皮症、ケロイド、肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、デュピュイトラン病拘縮、外科的合併症、化学療法剤誘発性線維症、放射線誘発性線維症、偶発的な損傷及び火傷、後腹膜線維症及び腹膜線維症/腹膜瘢痕化に関連する線維症又は線維性障害から選ばれる、請求項28記載の化合物、使用又は方法。
  30. 間質性肺疾患に関連する線維症は、サルコイドーシス、珪肺症、薬物反応、感染症、コラーゲン血管疾患、関節リウマチ、全身性硬化症、強皮症、肺線維症、特発性肺線維症、通常の間質性肺炎、間質性肺疾患、特発性線維性肺胞炎、閉塞性細気管支炎及び気管支拡張症から選ばれる、請求項29記載の化合物、使用又は方法。
  31. 前記腎疾患は、急性腎疾患、急性腎障害又は慢性腎疾患である、請求項29記載の化合物、使用又は方法。
  32. 請求項1~18のいずれか1項に規定されるとおりの式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬上許容される塩を、1つ以上医薬上許容される賦形剤とともに含む、医薬組成物。
  33. 式(II)(i)、(III)(i)、(II)(II)及び(III)(ii):
    Figure 2023529570000080
    (上式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1~18のいずれか1項記載の式(I)の化合物について規定されるとおりであり、PGは保護基であり、好ましくはtert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエトキシカルボニル、4-ニトロベンゼンスルホニル及び2-ニトロフェニルスルフェニルである)から選ばれる化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の塩。
JP2022571212A 2020-06-04 2021-06-03 Usp30阻害剤としての活性を有するn-シアノピロリジン Pending JP2023529570A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB2008401.8A GB202008401D0 (en) 2020-06-04 2020-06-04 Novel compounds
GB2008401.8 2020-06-04
GB2016689.8 2020-10-21
GBGB2016689.8A GB202016689D0 (en) 2020-10-21 2020-10-21 Novel compounds
GB2101935.1 2021-02-11
GBGB2101935.1A GB202101935D0 (en) 2021-02-11 2021-02-11 Novel compounds
PCT/EP2021/064897 WO2021245186A1 (en) 2020-06-04 2021-06-03 N-cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023529570A true JP2023529570A (ja) 2023-07-11

Family

ID=76421953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022571212A Pending JP2023529570A (ja) 2020-06-04 2021-06-03 Usp30阻害剤としての活性を有するn-シアノピロリジン

Country Status (12)

Country Link
US (1) US20230303547A1 (ja)
EP (1) EP4161920A1 (ja)
JP (1) JP2023529570A (ja)
KR (1) KR20230019198A (ja)
CN (1) CN115698001A (ja)
AU (1) AU2021285130A1 (ja)
BR (1) BR112022019722A2 (ja)
CA (1) CA3185654A1 (ja)
CO (1) CO2022017112A2 (ja)
IL (1) IL298710A (ja)
MX (1) MX2022015254A (ja)
WO (1) WO2021245186A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023099561A1 (en) 2021-12-01 2023-06-08 Mission Therapeutics Limited Substituted n-cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors

Family Cites Families (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9518953D0 (en) 1995-09-15 1995-11-15 Pfizer Ltd Pharmaceutical formulations
US6835727B2 (en) 2000-04-06 2004-12-28 Merck Frosst Canada & Co. Cathepsin cysteine protease inhibitors
PE20060777A1 (es) 2004-12-24 2006-10-06 Boehringer Ingelheim Int Derivados de indolinona para el tratamiento o la prevencion de enfermedades fibroticas
RU2435585C2 (ru) 2006-04-13 2011-12-10 Актелион Фармасьютиклз Лтд Антагонисты рецептора эндотелина, предназначенные для ранней стадии идиопатического фиброза легких
EP2152079A4 (en) 2007-06-04 2011-03-09 Avila Therapeutics Inc HETEROCYCLIC COMPOUNDS AND USES THEREOF
WO2009026197A1 (en) 2007-08-20 2009-02-26 Glaxo Group Limited Novel cathepsin c inhibitors and their use
CL2009000915A1 (es) 2008-04-18 2010-04-16 Glaxo Group Ltd Compuestos derivados de 1-ciano-3-pirrolidinil-bencenosulfonamidas, inhibidores de catepsina c; composicion farmaceutica que comprende a dicho compuesto; y uso del compuesto para el tratamiento de una enfermedad pulmonar obstructiva cronica (copd).
AR071369A1 (es) 2008-04-18 2010-06-16 Glaxo Group Ltd Compuesto de 1- ciano-3-pirrolidinil-n-sustituido-sulfonamida, su uso para preparar un medicamento util para tratar una enfermedad pulmonar obstructiva cronica y composicion farmaceutica que lo comprende
WO2009129370A1 (en) 2008-04-18 2009-10-22 Glaxo Group Limited Cathepsin c inhibitors
US20120309820A1 (en) 2011-06-04 2012-12-06 Jb Therapeutics Inc. Methods of treating fibrotic diseases using tetrahydrocannabinol-11-oic acids
EP2565186A1 (en) 2011-09-02 2013-03-06 Hybrigenics S.A. Selective and reversible inhibitors of ubiquitin specific protease 7
CN105814057B (zh) 2013-07-31 2019-05-03 默克专利有限公司 用作btk抑制剂的嘧啶、吡啶和吡嗪及其用途
EP3145505A4 (en) 2014-05-19 2018-02-28 Northeastern University N-acylethanolamine hydrolyzing acid amidase (naaa) inhibitors and their use thereof
JP2017516801A (ja) 2014-05-27 2017-06-22 ファーマケア,インク. 脱ユビキチン化酵素阻害剤の組成物と送達の方法
WO2016019237A2 (en) 2014-07-31 2016-02-04 Pharmacyclics Llc Inhibitors of bruton's tyrosine kinase
GB201416754D0 (en) 2014-09-23 2014-11-05 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
WO2016156816A1 (en) 2015-03-30 2016-10-06 Mission Therapeutics Limited 1-cyano-pyrrolidine compounds as usp30 inhibitors
ES2773046T3 (es) 2015-07-14 2020-07-09 Mission Therapeutics Ltd Cianopirrolidinas como inhibidores de DUB para el tratamiento del cáncer
GB201521109D0 (en) 2015-11-30 2016-01-13 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201522267D0 (en) 2015-12-17 2016-02-03 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201522768D0 (en) 2015-12-23 2016-02-03 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201602854D0 (en) 2016-02-18 2016-04-06 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201603779D0 (en) 2016-03-04 2016-04-20 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201604638D0 (en) 2016-03-18 2016-05-04 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201604647D0 (en) 2016-03-18 2016-05-04 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
JP6959252B2 (ja) 2016-03-24 2021-11-02 ミッション セラピューティクス リミティド Dub阻害剤としての1−シアノピロリジン誘導体
WO2018060689A1 (en) 2016-09-27 2018-04-05 Mission Therapeutics Limited Cyanopyrrolidine derivatives with activity as inhibitors of usp30
GB201616511D0 (en) 2016-09-29 2016-11-16 Mission Therapeutics Limited Novel compounds
GB201616627D0 (en) 2016-09-30 2016-11-16 Mission Therapeutics Limited Novel compounds
TWI771327B (zh) 2016-10-05 2022-07-21 英商使命醫療公司 新穎化合物
US10968172B2 (en) 2017-05-15 2021-04-06 Mitobridge, Inc. USP30 inhibitors
GB201708652D0 (en) 2017-05-31 2017-07-12 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds and uses
GB2563595B (en) 2017-06-19 2020-04-15 Edwards Ltd Twin-shaft pumps
SG11202001684PA (en) 2017-10-06 2020-03-30 Forma Therapeutics Inc Inhibiting ubiquitin specific peptidase 30
GB2571731A (en) 2018-03-06 2019-09-11 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds and uses
CA3098628A1 (en) 2018-05-17 2019-11-21 Forma Therapeutics, Inc. Fused bicyclic compounds useful as ubiquitin-specific peptidase 30 inhibitors
WO2020036940A1 (en) 2018-08-14 2020-02-20 Amgen Inc. N-cyano-7-azanorbornane derivatives and uses thereof
ES2945834T3 (es) 2018-10-05 2023-07-07 Forma Therapeutics Inc Pirrolinas fusionadas que actúan como inhibidores de la proteasa 30 específica de ubiquitina (USP30)
GB201905371D0 (en) 2019-04-16 2019-05-29 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201905375D0 (en) 2019-04-16 2019-05-29 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds
GB201912674D0 (en) 2019-09-04 2019-10-16 Mission Therapeutics Ltd Novel compounds

Also Published As

Publication number Publication date
IL298710A (en) 2023-02-01
KR20230019198A (ko) 2023-02-07
EP4161920A1 (en) 2023-04-12
WO2021245186A1 (en) 2021-12-09
AU2021285130A1 (en) 2023-01-19
MX2022015254A (es) 2023-01-11
CA3185654A1 (en) 2021-12-09
CO2022017112A2 (es) 2022-12-09
BR112022019722A2 (pt) 2022-12-20
CN115698001A (zh) 2023-02-03
US20230303547A1 (en) 2023-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN114341133B (zh) 具有usp30抑制剂活性的取代的氰基吡咯烷类
JP7208931B2 (ja) Dub阻害剤としての活性をもつ置換シアノピロリジン類
WO2020212351A1 (en) Substituted cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors
WO2020212350A1 (en) Substituted cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors
AU2021279199A1 (en) N-(1-cyano-pyrrolidin-3-yl)-5-(3-(trifluoromethyl)phenyl)oxazole-2-carboxamide derivatives and the corresponding oxadiazole derivatives as USP30 inhibitors for the treatment of mitochondrial dysfunction
EP4132925A1 (en) N-cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors
AU2021286831A1 (en) 1-(5-(2-cyanopyridin-4-yl)oxazole-2-carbonyl)-4- methylhexahydropyrrolo[3,4-b]pyrrole-5(1H)-carbonitrile as USP30 inhibitor for use in the treatment of mitochondrial dysfunction, cancer and fibrosis
JP2023529570A (ja) Usp30阻害剤としての活性を有するn-シアノピロリジン
WO2022084479A1 (en) N-cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors
WO2023099561A1 (en) Substituted n-cyanopyrrolidines with activity as usp30 inhibitors