JP2023525200A - 設計されたil-2変異型 - Google Patents

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Abstract

変異型IL-2タンパク質及びその使用が提供される。いくつかの実施形態では、IL-2変異型タンパク質は、野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する。

Description

インターロイキン-2(IL-2)は、多系統リンパ球成長因子として機能するI型αらせんサイトカインである。活性化されたリンパ球及びTreg細胞では、IL-2は、IL-2Rα(CD25)、IL-2Rβ(CD122)、及びγc(CD132)鎖からなる、高親和性(10pM)ヘテロ三量体受容体複合体を通してシグナル伝達する。静止リンパ球では、それは、IL-2Rβ及びγc鎖からなる中間親和性(1nM)ヘテロ二量体受容体複合体を介してシグナル伝達する。
IL2-Rαサブユニットは、制御性T細胞(Treg)上で高レベルで、並びにナチュラルキラー(NK)細胞及び静止エフェクターCD8+T細胞上で低レベルで構成的に発現され、異なる免疫細胞区画間の差次的なIL-2効力をもたらす。臨床的観点から、IL-2アゴニズム及びアンタゴニズムの両方がかなり重要であり、悪性腫瘍の免疫療法に30年超使用されている。
IL-2の可塑性は、IL-2に結合してシグナル伝達を遮断する小分子の生成、IL-2Rβに対して高親和性を有するIL-2の「スーパーアゴニスト」変異型バージョンの操作、及びIL-2に結合して、その作用を異なる免疫細胞サブセットに偏在させる抗体の単離における重要なパラメータである。実際、多くの努力は、特定の細胞型を選択的に標的化するその能力を操作することによって、その治療可能性を改善することに部分的に焦点を当てている。
1つのアプローチでは、IL-2に対するモノクローナル抗体は、いくつかの異なる立体構造エピトープに結合することによってその特性を変化させ、それによってIL-2とIL-2Rサブユニットのいずれかとの相互作用を修飾し、Treg又はTeff細胞のいずれかの増殖をもたらすことができる。例えば、野生型マウスIL-2(mIL-2)は、抗マウスIL-2モノクローナル抗体(JES6-1)と複合して投与され、Treg細胞増殖を優先的に誘導するために使用され得る。
IL-2は、養子免疫療法を増強するためにT細胞の拡大を誘導することができ、黒色腫及び腎細胞がん腫の治療のためにFDAによって承認され、患者のサブセットにおいて完全寛解を伴う。しかしながら、IL-2は、また、病理学的応答を促進することもでき、治療目標は、このサイトカインの所望の作用を維持し、同時に望ましくない有害な応答を遮断することである。
我々は以前に、IL-2Rαに対する機能的要件を排除するIL-2Rβに対する増強された結合親和性のため、高親和性IL-2-IL-2R複合体の構造を使用して、増強された作用を有するIL-2「スーパーキン」を開発した。スーパーIL-2プラットフォームも使用して、IL-2Rβに対する増加した結合親和性を保持するが、γcへの結合の減少を示し、それによって欠陥があるIL-2Rβ-γcヘテロ二量体化及びシグナル伝達を有する変異型を生成した。
ヒトIL-2シグナル伝達変異型の継続的な改良及び開発は、がん及び自己免疫疾患の治療を含む臨床目的のために非常に関心があるものである。この目的のための変異型タンパク質が本明細書で提供される。
変異型IL-2タンパク質及びその使用が提供される。いくつかの実施形態では、IL-2変異型タンパク質は、野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する。かかるタンパク質は、本明細書では、IL-2スーパーアゴニストと称され得る。CD25-細胞上のスーパーアゴニストのEC50は、野生型タンパク質に比べて少なくとも2分の1、野生型タンパク質に比べて少なくとも3分の1、野生型タンパク質に比べて少なくとも4分の1、野生型タンパク質に比べて少なくとも5分の1、例えば、約2nM未満、約1.5nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満などのEC50に低減され得る。
一実施形態では、野生型IL-2に比べてCD122に対する増加した結合親和性を有するIL-2スーパーアゴニスト変異型が本明細書で提供され、結合親和性は、約10~9未満、約10~10未満、又は約10~12未満のKdを有する。かかる変異型は、例えば、配列番号1、配列番号7、及び配列番号8の変異型によって、又は代替的に、69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列において例示される。他の変異型は、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有するが、野生型IL-2タンパク質に比べて実質的に増加した結合親和性を有しない。かかる変異型は、例えば、配列番号6、配列番号15、配列番号16、及び配列番号17の変異型によって、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列において例示される。
他の実施形態では、変異型IL-2タンパク質は、CD25発現細胞に対してより大きい選択性を有し、野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関して低減した効力を有する。かかるタンパク質は、本明細書では、CD25選択的アゴニストと称され得る。
IL-2変異型は、例えば、IL-2シグナル伝達の上方制御によって、IL-2シグナル伝達の調節ががんの治療のため、及び自己免疫疾患におけるIL-2シグナル伝達の選択的活性化のためなどに望ましい用途において、例えばIL-2選択的アゴニスト及びスーパーアゴニストとしての使用を見出す。かかるIL-2変異型をコードする核酸、かかるIL-2変異型の作製方法、かかるIL-2変異型を含む医薬組成物、及びかかるIL-2変異型を使用する治療方法もまた提供される。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、野生型hIL-2に従って付番された、アミノ酸位置27、28、31、32、35、39、52、72、74、75、残基74~80を含む領域、85、86、及び92での置換から選択される、CD25-細胞におけるIL-2の効力を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、G27M、I28L、Y31A、K32D/E/S、K35S、M39L、又は代替的にM39I、E52S、又は代替的にE52D、E52N、E52T、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:GDDPKTI、DSTDETV、DSTDERI、DSTDSRI、SKDQDKV、ADDKDTI、ADDQDKI、AQSKNFHL、SKDQKKV、SDDQDKV、L80V/I、R81Δ、P82Δ、L85V、又は代替的にL85M若しくはL85A、I86V、及びI92Fのアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:GDDPKTI、L80I、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115I(例えば、配列番号1、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号1の復帰配列に示される)のアミノ酸変化を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、ループ:DSTDETV、L80V、R81Δ、P82Δ、及びV115I(例えば、配列番号7、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号7の復帰配列に示される)のアミノ酸変化を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、ループ:DSTDERI、L80I、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115I(例えば、配列番号8、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号8の復帰配列に示される)のアミノ酸変化を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD25選択的であり、G27M、I28L、K32E、E52S、V69A、L72Q、ループ:GDDPKTI、L80I、R81Δ、P82Δ、及びV115I(例えば、配列番号6、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号6の復帰配列に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、Y31A、K32D/E/S、K35S、M39L、E52S、V69A、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号15、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号15の復帰配列に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号16、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号16の復帰配列に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号17、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される配列番号17の復帰配列に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
ある特定の実施形態では、主題のIL-2変異型は、野生型hIL-2と比較して、CD122+T細胞におけるSTAT5リン酸化を刺激する能力が増強されている。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD8+T細胞である。いくつかの実施形態では、主題のIL-2変異型は、野生型hIL-2と比較して、CD122+T細胞におけるpERK1/ERK2シグナル伝達を刺激する能力が増強されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸置換は、CD25結合に影響を及ぼす突然変異を導入するアミノ酸置換F42A、E61R、R38D、Y45A、又はそれらの組み合わせと更に組み合わせられ、例えば、Thanos et al.(2006)PNAS 103(42):15422-7及びVazquez-Lombardi et al.(2017)8:15373を参照されたい。
別の態様では、ヒトFc抗体断片に連結された本明細書に記載のIL-2変異型のうちのいずれか1つを含むIL-2変異型融合タンパク質が本明細書で提供される。
別の態様では、本明細書に記載のIL-2変異型又はIL-2変異型融合タンパク質のうちのいずれか1つと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、疾患の治療のための本明細書で提供されるIL-2変異型の使用のための方法が提供される。スーパーアゴニストIL-2タンパク質は、細胞傷害性T細胞の優れた拡大を誘導し、T制御細胞のより少ない拡大及び肺浮腫の低減を伴う、インビボでの改善された応答をもたらす。治療様式としては、がんの治療、免疫不全の治療、感染症(特に、慢性又は治療が困難な感染症)の治療、ワクチンアジュバントとしての使用などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる実施形態では、IL-2変異型の有効用量が個体に投与される。
いくつかの実施形態では、結晶学的構造に基づくサイトカインリガンドのインシリコ設計のための方法が提供される。設計原理は、リガンド-受容体相互作用のトポロジーに基づいている。サイトカインを、その高分解能結晶構造に従って受容体を用いて優先的に安定化させることにより、サイトカインをスーパーアゴニストに変換することができる。この方法は、結合を増加させるために充填を改善することができる場所を特定する。コア位置は、再設計され、改善を導入することができる位置を特定するためにコンピュータモデルで試験される。得られる配列を分析し、比較する。次いで、コンピュータモデルを使用して、同時に特定された領域における残基変化を監視しながら、コア全体を再設計することを可能にする骨格構造アンサンブルを生成する。充填を改善する残基のサブセットを視覚的に選択する。サブセットの同一性が保持され、配列が収束するまで、再設計が反復的に行われる。候補配列の特定に際して、コード配列を生成し、試験のために発現させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のアミノ酸変化を含む変異型ヒトIL-2タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する、変異型ヒトIL-2タンパク質を提供し、これには、野生型ヒトIL-2に比べて1つ以上のアミノ酸置換が含まれる。
いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸変化は、配列番号19で示される野生型ヒトIL-2タンパク質のアミノ酸配列に比べて、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、82位でのアミノ酸欠失(P82Δ)、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、野生型ヒトIL-2に比べた1つ以上のアミノ酸置換は、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、81位でのアミノ酸欠失(R81Δ)又は81位での置換を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、69、72、アミノ酸残基74~80を包含する領域、85、86、及び92からなる群から選択される位置で1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、28位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、28位でのアミノ酸置換は、ロイシンへの置換(I28L)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、32位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、32位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸への置換(K32D)、グルタミン酸への置換(K32E)、及びセリンへの置換(K32S)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、39位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、39位でのアミノ酸置換は、ロイシンへの置換(M39L)及びイソロイシンへの置換(M39I)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、52位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、52位でのアミノ酸置換は、セリンへの置換(E52S)、アスパラギン酸への置換(E52D)、アスパラギンへの置換(E52N)、及びスレオニンへの置換(E52T)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、69位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、69位でのアミノ酸置換は、アラニンへの置換(V69A)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、72位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、72位でのアミノ酸置換は、アラニンへの置換(L72A)、グルタミンへの置換(L72Q)、アスパラギン酸への置換(L72D)、ヒスチジンへの置換(L72H)、及びスレオニンへの置換(L72T)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、81位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、81位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸への置換(R81D)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、85位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、85位でのアミノ酸置換は、バリンへの置換(L85V)、メチオニンへの置換(L85M)、及びアラニンへの置換(L85A)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、86位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、86位でのアミノ酸置換は、バリンへの置換(I86V)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、92位でのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、92位でのアミノ酸置換は、フェニルアラニンへの置換(I92F)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸残基74~80を包含する領域にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸残基74~80を包含する領域でのアミノ酸置換は、GDDPKTI、DSTDETV、DSTDERI、DSTDSRI、SKDQDKV、SKDQKKV、SDDQDKV、ADDKDTI、又はADDQDKIのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及び(V115I)を含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72D、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32E、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、DSTDETVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、DSTDERIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、DSTDSRIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、SKDQKKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32S、M39L、E52S、V69A、SDDQDKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72H、ADDKDTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、Y31A、K32S、K35S、V69A、L72T、ADDQDKIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、L72Q、及びR81Dからなる。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する。いくつかの実施形態では、変異型IL-2タンパク質は、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関して、野生型タンパク質の少なくとも2分の1であるEC50を有する。いくつかの実施形態では、変異型IL-2タンパク質は、ヒトCD122に対して増加した結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、変異型IL-2タンパク質は、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有するが、野生型IL-2タンパク質に比べて実質的に増加した結合親和性を有しない。
いくつかの実施形態では、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質は、ヒトIgG Fcドメインに融合される。いくつかの実施形態では、IgG Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fcドメインである。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸を含むベクターを提供し、核酸は、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸を含む組換え細胞を提供し、核酸は、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるベクターを含む組換え細胞を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療する方法を提供し、方法は、患者に、本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質、又は本明細書に開示される医薬組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、T細胞の拡大を必要とする疾患を治療する方法を提供し、方法は、有効量の本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質又は本明細書に開示される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患は、過剰増殖疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は、がんである。
いくつかの実施形態では、本開示は、リガンド受容体相互作用の結晶学的トポロジーに基づくサイトカインのインシリコ設計のための方法を提供し、方法は、結合を増加させるために充填を改善することができる位置を特定することと、改善を導入することができる位置を特定するために、コア位置を再設計し、コンピュータモデルで試験することと、骨格構造アンサンブルを生成し、同時に特定された領域における残基変化を監視しながら、コア全体を再設計することを可能にすることと、充填を改善する存在のサブセットを視覚的に選択することと、サブセットの同一性を保持し、配列が収束するまで再設計を反復的に行うことと、インシリコ設計されたサイトカインのコード配列を生成することとを含む。
マウス血清アルブミン(MSA)に対する融合タンパク質として発現される例示的なIL-2変異型を示す図である。 MSA-IL-2野生型(WT)融合タンパク質の代表的なゲル濾過溶出プロファイルを示す図である。 MSA-H9-スーパーアゴニストIL-2(スーパー2)融合タンパク質の代表的なゲル濾過溶出プロファイルを示す図である。 IL-2変異型タンパク質配列番号3(変異型seq-3)の代表的なゲル濾過溶出プロファイルを示す図である。 図1CのMSA-H9-スーパー2融合タンパク質のゲル濾過からのピーク画分12~16のクマシー染色SDS-PAGEゲル、及び、図1BのMSA-IL-2WTのゲル濾過からのピーク画分12~16を示す図である。 図1DのIL-2変異型タンパク質配列番号3(変異型seq3)のゲル濾過からのピーク画分12~16のクマシー染色SDS PAGEゲルを示す図である。 潜在的に改善することができる4つのサブセクションのコア設計を示す設計原理Iを図示し、IL-2のヘリックス1とループ3との間の充填を示す図である。 潜在的に改善することができる4つのサブセクションのコア設計を示す設計原理Iを図示し、IL-2のヘリックス2とヘリックス3との間の充填を示す図である。 潜在的に改善することができる4つのサブセクションのコア設計を示す設計原理Iを図示し、IL-2のヘリックス1とヘリックス2との間の充填を示す図である。 潜在的に改善することができる4つのサブセクションのコア設計を示す設計原理Iを図示し、ヘリックス1とヘリックス3との間の充填を示す図である。 ループ3の再構築及び突然変異の安定化を示す設計原理IIを図示し、実験的に試験された2つのクラスターを示す、短縮され理想化されたループ3を示す図である。 ループ3の再構築及び突然変異の安定化を示す設計原理IIを図示し、設計によって天然IL-2ループを改善するためのリサンプル及び試みを示す図である。 円二色性によって監視された、選択されたインシリコ設計のIL-2変異型の正規化された熱融解曲線を示すグラフである。使用される略語は、野生型IL-2(WT)、配列番号1の変異型IL-2タンパク質(seq1)、配列番号14の変異型IL-2タンパク質(seq14)、配列番号15の変異型IL-2タンパク質(seq15)、配列番号16の変異型IL-2タンパク質(seq16)、配列番号17の変異型IL-2タンパク質(seq17)、配列番号6の変異型IL-2タンパク質(seq6)、配列番号7の変異型IL-2タンパク質(seq7)、配列番号20の変異型IL-2タンパク質(スーパー2)である。 YT-1 CD25-細胞、IL-2 H9スーパーアゴニストIL-2(スーパー2)-MSA融合タンパク質、及びIL-2 WT-MSA融合タンパク質、並びに例示的なインシリコ設計のIL-2変異型-MSA融合タンパク質を示す図である。 インシリコ設計のIL-2変異型MSA融合タンパク質で処理したCD25-YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の用量応答曲線を示すグラフである。 YT-1 CD25+細胞、IL-2-H9スーパーアゴニストIL-2(スーパー2)-MSA融合タンパク質、及びIL-2 WT-MSA融合タンパク質、並びに例示的なインシリコ設計のIL-2変異型-MSA融合タンパク質を示す図である。 インシリコ設計のIL-2変異型MSA融合タンパク質で処理したCD25+YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の用量応答曲線を示すグラフである。 インシリコ設計のIL-2変異型MSA融合タンパク質の選択で処理したCD25-YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の用量応答曲線を示すグラフである。 インシリコ設計のIL-2変異型MSA融合タンパク質の選択で処理したCD25+YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の用量応答曲線を示すグラフである。 WT IL-2並びにCD25+及びCD25-YT-1細胞におけるSTAT 5リン酸化の対応するEC50値と比較した、設計されたIL-2変異型(スーパー2:配列番号20の変異型IL-2タンパク質、Seq1:配列番号1の変異型IL-2タンパク質、Seq2:配列番号2の変異型IL-2タンパク質、Seq3:配列番号3の変異型IL-2タンパク質、Seq4:配列番号4の変異型IL-2タンパク質、Seq5:配列番号5の変異型IL-2タンパク質、Seq6:配列番号6の変異型IL-2タンパク質、Seq7:配列番号7の変異型IL-2タンパク質、Seq8:配列番号8の変異型IL-2タンパク質、Seq9:配列番号9の変異型IL-2タンパク質、Seq9:配列番号9の変異型IL-タンパク質、Seq10:配列番号10の変異型IL-2タンパク質、Seq11:配列番号11の変異型IL-2タンパク質、Seq12:配列番号12の変異型IL-2タンパク質、Seq13:配列番号13の変異型IL-2タンパク質、Seq14:配列番号14の変異型IL-2タンパク質、Seq15:配列番号15の変異型IL-2タンパク質、Seq16:配列番号16の変異型IL-2タンパク質、Seq17:配列番号17の変異型IL-2タンパク質)におけるアミノ酸置換を示す図表である。 WT IL-2並びにCD25+及びCD25-YT-1細胞におけるSTAT 5リン酸化の対応するEC50値と比較した、設計されたIL-2変異型(スーパー2:配列番号20の変異型IL-2タンパク質、Seq1:配列番号1の変異型IL-2タンパク質、Seq2:配列番号2の変異型IL-2タンパク質、Seq3:配列番号3の変異型IL-2タンパク質、Seq4:配列番号4の変異型IL-2タンパク質、Seq5:配列番号5の変異型IL-2タンパク質、Seq6:配列番号6の変異型IL-2タンパク質、Seq7:配列番号7の変異型IL-2タンパク質、Seq8:配列番号8の変異型IL-2タンパク質、Seq9:配列番号9の変異型IL-2タンパク質、Seq9:配列番号9の変異型IL-タンパク質、Seq10:配列番号10の変異型IL-2タンパク質、Seq11:配列番号11の変異型IL-2タンパク質、Seq12:配列番号12の変異型IL-2タンパク質、Seq13:配列番号13の変異型IL-2タンパク質、Seq14:配列番号14の変異型IL-2タンパク質、Seq15:配列番号15の変異型IL-2タンパク質、Seq16:配列番号16の変異型IL-2タンパク質、Seq17:配列番号17の変異型IL-2タンパク質)におけるアミノ酸置換を示す図表である。 インシリコ設計のIL-2変異型(配列番号1~配列番号17)、野生型IL-2(配列番号19)、及びスーパー2(配列番号20)のアミノ酸配列を示す図である。 インシリコ設計のIL-2変異型(配列番号1~配列番号17)、野生型IL-2(配列番号19)、及びスーパー2(配列番号20)のアミノ酸配列を示す図である。 WT IL-2(配列番号19)、スーパー2(配列番号20)、並びに配列番号15(配列15)及び配列番号16(配列16)のインシリコ設計のIL-2変異型のアミノ酸配列を示す図である。 WT IL-2と比較したIL-2変異型配列番号15(Seq15)及び配列番号16(Seq16)におけるアミノ酸置換、並びにCD25-YT-1細胞及びCD25+YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の対応するEC50値を示す図表である。 WT IL-2と比較したスーパー2(配列番号20)におけるアミノ酸置換、並びにCD25-YT-1細胞及びCD25+YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の対応するEC50値を示す図表である。 WT IL-2(配列番号19)、インシリコ設計のIL-2変異型配列番号15(Seq15)、及びIL-2変異型配列番号15(A69及びI115は、WTバリン残基に戻された)(Seq15 rev)のアミノ酸配列、並びにCD25-YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の対応するEC50値を示す図表である。 WT IL-2(配列番号19)、インシリコ設計のIL-2変異型配列番号1(Seq1)、及びIL-2変異型配列番号1(A69及びI115は、WTバリン残基に戻された)(Seq1 rev)のアミノ酸配列、並びにCD25-YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の対応するEC50値を示す図表である。 MSA-IL-2変異型配列番号1(MSA-IL2 seq1)、MSA-IL-2変異型配列番号1(A69及びI115がWTバリン残基に戻されている(MSA-IL-2 seq1 rev))、MSA-IL-2変異型配列番号15(MSA-IL2 seq15)、MSA-IL-2変異型配列番号15(A69及びI115がWTバリン残基に戻されている(MSA-IL2 seq15 rev))、及びMSA-IL-2 WTで処理したCD25-YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の用量応答曲線を示すグラフである。
本開示をより容易に理解するために、特定の用語及び語句が、以下に、並びに本明細書全体を通して定義される。
本明細書で引用される全ての参考文献は、完全に記載されているかのように、それらの全体が参照により組み込まれる。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed.,J.Wiley&Sons(New York,N.Y.2001)、March,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 5th ed.,J.Wiley&Sons(New York,N.Y.2001)、及びSambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd ed.,Cold Spring harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor,N.Y.2001)は、本開示で使用される多くの用語の一般的な指針を当業者に提供する。必要に応じて、市販のキット及び試薬の使用を伴う手順は、別段の記載がない限り、一般に、製造業者が定義したプロトコル及び/又はパラメータに従って実施される。
本明細書で使用される場合、「IL-2」は、天然又は組換えにかかわらず、野生型IL-2を意味する。成熟ヒトIL-2は、Fujita,et.al.,PNAS USA,80,7437-7441(1983)に記載されるように、133のアミノ酸配列(追加の20のN末端アミノ酸からなるシグナルペプチドを減じて)として生じる。ヒトIL-2のアミノ酸配列(配列番号18)は、Genbankの受託番号(accession locator)NP_000577.2の下に見出される。成熟ヒトIL-2のアミノ酸配列は、配列番号19に示される。
配列番号18 MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号19 APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
本明細書で使用される場合、「IL-2変異型」は、インターロイキン-2タンパク質に対する特異的置換が行われているポリペプチドを意味する。例えば、図8は、17のIL-2変異型配列を列挙する。IL-2Rβに対する、それらの対応する相対的結合親和性が、表1に示される。IL-2変異型は、また、天然IL-2ポリペプチド鎖の他の残基の1つ以上の部位に、又はその他の残基にアミノ酸挿入、欠失、置換、及び修飾によって特徴付けられ得る。本開示によれば、任意のかかる挿入、欠失、置換、及び修飾は、IL-2の生物学的活性を保持するIL-2変異型をもたらす。例示的な変異型は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のアミノ酸の置換を含むことができる。
変異型は、IL-2の他の位置(すなわち、変異型の二次又は三次構造に最小限の効果を有する位置)における保存的修飾及び置換も含む。かかる保存的置換には、The Atlas of Protein Sequence and Structure 5(1978)のDayhoff、及びEMBO J.,8:779-785(1989)のArgosに記載されているものが含まれる。例えば、グループI:ala、pro、gly、gln、asn、ser、thr;グループII:cys、ser、tyr、thr;グループIII:val、ile、leu、met、ala、phe;グループIV:lys、arg、his;グループV:phe、tyr、trp、his;及びグループVI:asp、gluのグループのうちの1つに入るアミノ酸置換は、保存的変化を表す。
「IL-2に従って付番された」とは、選択されたアミノ酸を、アミノ酸が野生型IL-2の成熟配列において通常生じる位置を参照して特定することを意味し、例えば、G27は、配列番号19に生じる第27のアミノ酸を指す。
「IL-2Rαβγ受容体を有する細胞型」という用語は、この受容体型を有することが知られている細胞、すなわち、T細胞、活性化T細胞、B細胞、活性化単球、及び活性化NK細胞を意味する。「IL-2Rβγ受容体を有する細胞型」という用語は、その受容体型を有することが知られている細胞、すなわち、B細胞、静止単球、及び静止NK細胞を意味する。
「同一性」という用語は、ポリペプチド又はDNA配列に関して本明細書で使用される場合、2つの分子間のサブユニット配列同一性を指す。両方の分子におけるサブユニット位置が、同じモノマーサブユニット(すなわち、同じアミノ酸残基又はヌクレオチド)によって占有されている場合、それらの分子は、その位置で同一である。2つのアミノ酸又は2つのヌクレオチド配列間の類似性は、同一位置数の一次関数である。一般に、配列は、最高順序一致が得られるように整列される。必要に応じて、GCSプログラムパッケージなどの公開技法及び広く利用可能なコンピュータプログラムを使用して計算することができる(Devereux et al.,Nucleic Acids Res.12:387,1984),BLASTP,BLASTN,FASTA(Atschul et al.,J.Molecular Biol.215:403,1990)。配列同一性は、配列分析ソフトウェア、例えば、University of Wisconsin Biotechnology Center(1710 University Avenue,Madison,Wis.53705)のGenetics Computer Groupの配列分析ソフトウェアパッケージなどの配列分析ソフトウェアを使用して、そのデフォルトパラメータを用いて測定することができる。
「ポリペプチド」、「タンパク質」、又は「ペプチド」という用語は、その長さ又は翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はリン酸化)に関係なく、任意のアミノ酸残基鎖を指す。本開示の変異型IL-2ポリペプチドが「実質的に純粋」である場合、それらは、少なくとも約60重量%(乾燥重量)の関心のポリペプチド、例えば、変異型IL-2アミノ酸配列を含有するポリペプチドであり得る。例えば、ポリペプチドは、少なくとも約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%又は約99重量%であり得る。純度は、任意の適切な標準方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、又はHPLC分析によって測定され得る。
「作動可能に連結される」とは、関心のヌクレオチド配列(すなわち、IL-2変異型をコードする配列)が、ヌクレオチド配列(例えば、インビトロ転写/翻訳系における、又はベクターが宿主細胞に導入される場合は宿主細胞において)の発現を可能にする様式で制御配列に連結されることを意味するように意図されている。「制御配列」には、プロモーター、エンハンサー、及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれる。例えば、Goeddel(1990)in Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185(Academic Press,San Diego,Calif.)を参照されたい。制御配列には、多くの宿主細胞型でのヌクレオチド配列の構成的発現を指向するもの、及び、ある特定の宿主細胞のみでのヌクレオチド配列の発現を指向するもの(例えば、組織特異的制御配列)が含まれる。当業者であれば、発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得ることを理解する。本発明の発現構築物は、宿主細胞に導入され、それにより、本明細書に開示されるヒトIL-2変異型を産生するか、又はその生物学的に活性な変異型を産生することができる。
「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書で交換可能に使用される。かかる用語は特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫又は潜在的な子孫も指すことが理解される。突然変異又は環境影響のいずれかにより、ある特定の修飾が後世で生じ得るため、かかる子孫は実際には親細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書で使用される本用語の範囲内に含まれる。
本明細書で使用される場合、「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、リン酸カルシウム若しくは塩化カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、パーティクルガン、又は電気穿孔を含む、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための様々な当該技術分野で認識されている技法を指すように意図されている。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語には、限定されないが、薬学的投与と適合性がある生理食塩水、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤などが含まれる。補足活性化合物(例えば、抗生物質)もまた組成物中に組み込まれ得る。
本明細書で使用される場合、「がん」(又は「がん性」)、「過剰増殖性」、及び「腫瘍性」という用語は、自律成長(すなわち、急速に増殖する細胞成長を特徴とする異常な段階又は状態)の能力を有する細胞を指すために使用され得る。過剰増殖性及び腫瘍性疾患段階は、病理学的段階として分類され得るか(すなわち、疾患段階を特徴付ける又は構成する)、又はそれらは、非病理学的段階として分類され得る(すなわち、正常段階からの逸脱としてであるが、疾患段階と関連付けられていない)。これらの用語は、組織病理学的タイプ又は侵襲の段階に関係なく、全てのタイプのがん性成長若しくは発がん性プロセス、転移組織若しくは悪性形質転換細胞、組織、又は器官を含むことを意味する。「病理学的過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍成長を特徴とする疾患段階で生じる。非病理学的過剰増殖性細胞の例としては、創傷修復と関連する細胞の増殖が挙げられる。「がん(cancer)」又は「新生物(neoplasm)」という用語は、肺、***、甲状腺、リンパ腺及びリンパ組織、胃腸臓器、及び泌尿器管に影響を及ぼすものを含む、様々な臓器系の悪性腫瘍、並びに大部分の結腸がん、腎細胞がん、前立腺がん及び/又は精巣腫瘍、肺の非小細胞がん、小腸がん、及び食道がんなどの悪性腫瘍を含むと一般に考えられる腺がんを指すために使用される。
「がん(腫)(carcinoma)」という用語は、当該技術分野において認識されており、呼吸器系がん、胃腸系がん、泌尿生殖器系がん、精巣がん、乳がん、前立腺がん、内分泌系がん、及び黒色腫を含む上皮組織又は内分泌組織の悪性腫瘍を指す。「腺がん(adenocarcinoma)」とは、腺組織に由来する、又は腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成するがん腫を指す。
本明細書で使用される場合、「造血腫瘍性障害」という用語には、造血起源の過形成/新生細胞を伴う、例えば、骨髄系、リンパ系若しくは赤血球系の系統、又はそれらの前駆細胞から生じる疾患が含まれる。好ましくは、疾患は、分化不良の急性白血病(例えば、赤芽球性白血病及び急性巨核芽球性白血病)から生じる。更なる例示的な骨髄性障害としては、限定されないが、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)、及び慢性骨髄性白血病(CML)が挙げられる(Vaickus,L.(1991)Crit Rev.in Oncol./Hemotol.11:267-97において概説されている)。リンパ系悪性腫瘍としては、限定されないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(B系統ALL及びT系統ALLを含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)が挙げられる。悪性リンパ腫の更なる形態としては、非ホジキンリンパ腫及びその変異型、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ性白血病(LGF)、ホジキン病、及びリードステンベルグ病が挙げられるが、これらに限定されない。
IL-2変異型
様々な実施形態では、本開示は、実質的に精製され得るが、必ずしもそうではなく、IL-2の生物学的活性(例えば、細胞増殖の刺激)のうちの1つ以上を行う、野生型IL-2Rのアゴニストとして機能し得るIL-2ポリペプチドを提供する。IL-2は、抗原活性化T細胞の増殖及びNK細胞の刺激を誘導するT細胞成長因子として特徴付けられている。
例示的な変異型IL-2ポリペプチドは、配列番号19と少なくとも約80%同一であり、配列番号19によって表されるポリペプチドがIL-2Rβに結合する親和性よりも大きい親和性でIL-2Rβに結合し得るアミノ酸配列を含む。他のIL-2変異型は、増加した結合親和性の不在下でCD122を介したシグナル伝達を刺激する際に増強された活性を有する。例えば、変異型IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2に比べて、少なくとも1つの突然変異(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれ超のアミノ酸残基の欠失、付加、又は置換)を有し得、野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する。CD25-細胞上のスーパーアゴニストのEC50は、野生型タンパク質に比べて少なくとも2分の1、野生型タンパク質に比べて少なくとも3分の1、野生型タンパク質に比べて少なくとも4分の1、又は野生型タンパク質に比べて少なくとも5分の1、例えば、約2nM未満、約1.5nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.3nM未満、約0.25nM未満、約0.2nM未満、約0.15nM未満、約0.1nM未満、又は約0.05nM未満のEC50に低減され得る。
例示的な変異型IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2と少なくとも約50%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一であり得る。突然変異は、アミノ酸残基の数又は含有量の変化からなり得る。例えば、変異型IL-2は、野生型IL-2よりも多い数又は少ない数のアミノ酸残基を有し得る。代替的に、又は加えて、例示的な変異型ポリペプチドは、野生型IL-2に存在する1つ以上のアミノ酸残基の置換又は欠失を含有し得る。
例示として、配列番号19の参照アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドは、配列番号19の参照アミノ酸の最大5つの改変を含むことを除いて、参照配列と同一である配列を含むポリペプチドである。例えば、参照配列中のアミノ酸残基の最大5%が欠失され得るか、又は別のアミノ酸で置換され得るか、又は参照配列中の全アミノ酸残基の最大5%のアミノ酸の数が参照配列に挿入され得る。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミノ(N-)若しくはカルボキシ(C-)末端位置、又はそれらの末端位置間の任意の場所で起こり得、参照配列の残基間に個別に、又は参照配列内の1つ以上の連続する群のいずれかに散在する。
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のアミノ酸変化を含む変異型ヒトIL-2タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化は、アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化は、アミノ酸欠失を含む。
置換されたアミノ酸残基は、保存的置換であり得るが、必ずしもそうではなく、典型的には、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、リジン、アルギニン、及びフェニルアラニン、チロシンの群のうちの置換を含む。これらの突然変異は、IL-2Rβ及び/又はIL-2Rγに接触するアミノ酸残基であり得る。
IL-2変異型は、例えば、IL-2シグナル伝達の上方制御によって、IL-2シグナル伝達の調節ががんの治療のため、自己免疫疾患におけるIL-2シグナル伝達の選択的活性化のためなどに望ましい用途において、例えばIL-2選択的アゴニスト及びスーパーアゴニストとしての使用を見出す。かかるIL-2変異型をコードする核酸、かかるIL-2変異型の作製方法、かかるIL-2変異型を含む医薬組成物、及びかかるIL-2変異型を使用する治療方法もまた提供される。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、野生型hIL-2に従って付番された、アミノ酸位置27、28、31、32、35、39、52、69、72、74、75、残基74~80を含む領域、85、86、92、及び115から選択される、CD25-細胞におけるIL-2の効力を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。
一実施形態では、CD25細胞において増強されたIL-2の効力を提供する置換のための最小の位置セットは、27位、28位、32位、72位でのアミノ酸置換、及び残基74~83を含む領域を含み得る。疎水性残基を有する27位、28位は、構造的完全性に最も顕著に寄与する。72位は、シグナル伝達に影響を及ぼす(Q>L)。32位(元々K)、81位(元々R)、52位(元々E)は、コンセンサスらせんキャップ残基D、N、S、又はTで置換される。
IL-2のループ3は、野生型であり得るか、又は再設計されたループで置換され得る。天然ループはわずか3つの残基の長さであるが、再設計された構造は、野生型残基位置72~84の全てが再構築されるように、らせんの前後の残基を含む。再設計されたループ3配列は、第3の位置において同じ構造的特徴、例えば、GDDPKTIを共有する。配列番号1~13のアラインメントに示されるように、長さは、残基72~83からの天然領域よりも短いループ1又は2つのアミノ酸を有することが好ましい。
いくつかの実施形態では、27位でのアミノ酸置換は、G又はMへの置換である。いくつかの実施形態では、28位でのアミノ酸置換は、I又はLへの置換である。いくつかの実施形態では、31位でのアミノ酸置換は、A、L、M、又はYへの置換である。いくつかの実施形態では、39位でのアミノ酸置換は、L、I、又はMへの置換である。いくつかの実施形態では、85位でのアミノ酸置換は、M、V、A、又はLへの置換である。いくつかの実施形態では、86位でのアミノ酸置換は、I又はVへの置換である。いくつかの実施形態では、92位でのアミノ酸置換は、F又はIへの置換である。
例示的に設計されたポリペプチドにおいて69位及び115位として野生型残基に戻すことは、活性に影響を及ぼさないことが見出され、したがって、本明細書に開示される配列は、それらの位置に野生型配列を有し得る。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、配列番号19で示される野生型ヒトIL-2タンパク質のアミノ酸配列に比べて、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、82位でのアミノ酸欠失(P82Δ)、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される、1つ以上のアミノ酸変化を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される、野生型ヒトIL-2に比べた1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、81位でのアミノ酸欠失(R81Δ)又は81位での置換を含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、69、72、アミノ酸残基74~80を包含する領域、85、86、及び92からなる群から選択される位置で1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、28位、32位、39位、52位、69位、72位、81位、85位、86位、及び92位でのアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、28位でのアミノ酸置換は、ロイシンへの置換(I28L)を含む。
いくつかの実施形態では、32位でのアミノ置換は、アスパラギン酸への置換(K32D)、グルタミン酸への置換(K32E)、及びセリンへの置換(K32S)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、39位でのアミノ酸置換は、ロイシンへの置換(M39L)及びイソロイシンへの置換(M39I)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、52位でのアミノ酸置換は、セリンへの置換(E52S)、アスパラギン酸への置換(E52D)、アスパラギンへの置換(E52N)、及びスレオニンへの置換(E52T)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、69位でのアミノ酸置換は、アラニンへの置換(V69A)を含む。
いくつかの実施形態では、72位でのアミノ酸置換は、アラニンへの置換(L72A)、グルタミンへの置換(L72Q)、アスパラギン酸への置換(L72D)、ヒスチジンへの置換(L72H)、及びスレオニンへの置換(L72T)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、81位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸への置換(R81D)を含む。
いくつかの実施形態では、85位でのアミノ酸置換は、バリンへの置換(L85V)、メチオニンへの置換(L85M)、及びアラニンへの置換(L85A)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、86位でのアミノ酸置換は、バリンへの置換(I86V)を含む。
いくつかの実施形態では、92位でのアミノ酸置換は、フェニルアラニンへの置換(I92F)を含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸残基74~80を包含する領域の置換を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸残基74~80を包含する領域でのアミノ酸置換は、GDDPKTI、DSTDETV、DSTDERI、DSTDSRI、SKDQDKV、SKDQKKV、SDDQDKV、ADDKDTI、又はADDQDKIのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72D、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32E、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、DSTDETVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、DSTDERIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、DSTDSRIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、SKDQKKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32S、M39L、E52S、V69A、SDDQDKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72H、ADDKDTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、Y31A、K32S、K35S、V69A、L72T、ADDQDKIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、アミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、G27M、I28L、K32D、L72Q、及びR81Dからなる。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、G27M、I28L、Y31A、K32D/E/S、K35S、M39L、E52S、V69A、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:GDDPKTI、DSTDETV、DSTDERI、SKDQDKV、ADDKDTI、ADDQDKI、AQSKNFHL、L80V/I、R81D、L85V、I86V、I92F、及びV115Iのアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、アミノ酸変化G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:GDDPKTI、L80I、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115I(例えば、配列番号1、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号1に示される)を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、ループ:DSTDETV、L80V、R81Δ、P82Δ、及びV115I(例えば、配列番号7、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号7に示される)のアミノ酸変化を含む。
一実施形態では、野生型ヒトIL-2と比較してCD122に対してより大きい結合親和性を有するIL-2変異型は、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、ループ:DSTDERI、L80I、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115I(例えば、配列番号8、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号8に示される)のアミノ酸変化を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、G27M、I28L、K32E、E52S、V69A、L72Q、ループ:GDDPKTI、L80I、R81Δ、P82Δ、及びV115I(例えば、配列番号6、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号6に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、Y31A、K32D/E/S、K35S、M39L、E52S、V69A、L72A/Q/D/L/H/T、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号15、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号15に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号16、又は代替的に69位及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号16に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、CD122に対するより大きい結合親和性の不在下で、CD25-細胞により大きい効力を有し、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、ループ:AQSKNFHL、及びV115I(例えば、配列番号17、又は代替的に69及び115位の残基が野生型バリン残基に戻される復帰配列番号17に示される)のアミノ酸変化のうちの1つ以上を含む。
「アゴニスト」は、標的と相互作用して、標的の活性化の増加を引き起こす、又は促進する化合物である。
「部分アゴニスト」は、アゴニストと同じ標的と相互作用するが、部分アゴニストの投薬量を増加させても、アゴニストほど大きい生化学的及び/又は生理学的効果をもたらさない化合物である。
「スーパーアゴニスト(super agonist)」、「スーパーアゴニスト(super-agonist)」、又は「スーパーアゴニスト(superagonist)」は、標的受容体の内因性アゴニストよりも大きい最大応答をもたらすことができるタイプのアゴニストであり、したがって、100%を超える有効性を有する。
「アンタゴニスト」は、例えば、アゴニストの活性を防止、低減、阻害、又は中和することによって、アゴニストの作用に反対する化合物である。「アンタゴニスト」は、特定されたアゴニストが存在しない場合であっても、標的、例えば、標的受容体の構成的活性を防止、阻害、又は低減することもできる。
ある特定の実施形態では、IL-2変異型は、IL-2Rβ/IL-2Rγcヘテロ二量体化に依存する1つ以上のシグナル伝達経路を刺激する能力が増強されている。いくつかの実施形態では、主題のIL-2変異型は、野生型hIL-2と比較してIL-2Rβ+細胞におけるSTAT5リン酸化を刺激する能力が増強されている。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、IL-2Rβ+細胞におけるSTAT5リン酸化を、野生型IL-2が同じ細胞におけるSTAT5リン酸化を刺激するレベルの10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上のレベルで刺激し、1倍、2倍、3倍、4倍以上増加させ得る。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、IL-2Rβ+細胞におけるSTAT5リン酸化を、野生型IL-2が同じ細胞におけるSTAT5リン酸化を刺激するレベルよりも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%大きいレベルで刺激する。いくつかの実施形態では、IL-2Rβ+細胞におけるSTAT5リン酸化は、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約50倍、約100倍増加する。いくつかの実施形態では、IL-2R+細胞は、T細胞である。特定の実施形態では、T細胞は、CD8+T細胞である。いくつかの実施形態では、CD8+T細胞は、新たに単離されたCD8+T細胞である。他の実施形態では、CD8+T細胞は、活性化CD8+T細胞である。他の実施形態では、IL-2Rβ+細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。
いくつかの実施形態では、変異型は、野生型hIL-2と比較してIL-2Rβ+細胞におけるERK1/ERK2シグナル伝達を刺激する能力が増強されている。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、IL-2Rβ+細胞におけるpERK1/ERK2シグナル伝達を、野生型IL-2が同じ細胞におけるpERK1/ERK2シグナル伝達を刺激するレベルの10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上のレベルで刺激し、1倍、2倍、3倍、4倍以上増加させ得る。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、IL-2Rβ+細胞におけるpERK1/ERK2シグナル伝達を、野生型IL-2が同じ細胞におけるpERK1/ERK2シグナル伝達を刺激するレベルの約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%大きいレベルで刺激する。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、pERK1/ERK2シグナル伝達を刺激し、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約50倍、約100倍増加させる。いくつかの実施形態では、IL-2Rβ+細胞は、T細胞である。特定の実施形態では、T細胞は、CD8+T細胞である。いくつかの実施形態では、CD8+T細胞は、新たに単離されたCD8+T細胞である。他の実施形態では、CD8+T細胞は、活性化CD8+T細胞である。他の実施形態では、IL-2Rβ+細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。
STAT5及びERK/2シグナル伝達は、例えば、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、STAT5及びERK1/2のリン酸化によって測定することができる。例えば、STAT5及びERK1/2リン酸化は、本明細書に記載されるフローサイトメトリー分析と組み合わせて、これらの分子のリン酸化バージョンに特異的な抗体を使用して測定することができる。
ある特定の実施形態では、IL-2変異型は、野生型IL-2と比較して、リンパ球の増殖を誘発する能力が増強されている。いくつかの実施形態では、リンパ球は、T細胞である。特定の実施形態では、リンパ球は、一次CD8+T細胞である。他の実施形態では、リンパ球は、活性化CD8+T細胞である。細胞増殖は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して測定され得る。例えば、リンパ球の増殖は、本明細書に記載されるカルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルジエステル(CFSE)希釈アッセイを使用するか、又は[3H]-チミジン組み込みによって測定することができる。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、野生型IL-2がリンパ球の増殖を誘導するレベルの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上のレベルでリンパ球の増殖を誘導する。いくつかの実施形態では、IL-2変異型は、野生型IL-2がリンパ球の増殖を誘導するレベルの約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%大きいレベルでリンパ球の増殖を誘導する。
IL-2変異型、発現ベクター及び宿主細胞の組換え発現
様々な実施形態では、本発明の実施において使用されるポリペプチドは、合成的であるか、又は組換え核酸分子の発現によって産生される。ポリペプチドがキメラ(例えば、少なくとも変異型IL-2ポリペプチド及び異種ポリペプチドを含有する融合タンパク質)である場合、それは、変異型IL-2の全部又は一部をコードする1つの配列、及び異種ポリペプチドの全部又は一部をコードする第2の配列を含有するハイブリッド核酸分子によってコードされ得る。例えば、本明細書に記載の主題のIL-2変異型は、細菌発現されるタンパク質の精製を容易にするためにヘキサ-ヒスチジンタグに融合されるか、又は真核細胞で発現されるタンパク質の精製を容易にするためにヘマグルチニンタグに融合され得る。
IL-2変異型をコードするDNA配列を構築し、それらの配列を好適に形質転換された宿主で発現させるための方法としては、PCR補助突然変異誘発法を使用することが挙げられるが、これに限定されない。アミノ酸残基の欠失又はIL-2ポリペプチドへの付加からなる突然変異も、標準的な組換え技法で作製することができる。欠失又は付加の場合、IL-2をコードする核酸分子は、任意選択で、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化される。得られる断片は、直接発現されるか、又は例えば、それを第2の断片にライゲーションすることによって更に操作されるかのいずれかであり得る。核酸分子の両端が互いに重複する相補的ヌクレオチドを含有する場合、ライゲーションを容易にすることができるが、平滑末端断片もライゲーションすることができる。PCR生成核酸は、様々な変異型配列を生成するためにも使用され得る。
完全なアミノ酸配列を使用して、逆翻訳遺伝子を構築することができる。IL-2変異型をコードするヌクレオチド配列を含有するDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードするいくつかの小さいオリゴヌクレオチドを合成し、次いでライゲーションすることができる。個々のオリゴヌクレオチドは、典型的には、相補的組み立てのために5’又は3’オーバーハングを含有する。
組換え分子生物学的技法によって改変された核酸分子の発現を介して変異型ポリペプチドを生成することに加えて、主題のIL-2変異型は、化学的に合成することができる。化学的に合成されたポリペプチドは、当業者によって日常的に生成される。
一旦組み立てられると(合成、部位特異的突然変異誘発、又は別の方法によって)、IL-2変異型をコードするDNA配列を発現ベクターに挿入し、所望の形質転換宿主におけるIL-2変異型の発現に適切な発現制御配列に作動可能に連結する。適切な組み立ては、好適な宿主における、ヌクレオチド配列決定、制限マッピング、及び生物学的に活性なポリペプチドの発現によって確認することができる。当該技術分野において周知であるように、宿主におけるトランスフェクト遺伝子の高い発現レベルを得るために、遺伝子は、選択された発現宿主において機能的である転写及び翻訳発現制御配列に作動可能に連結されなければならない。
IL-2変異型をコードするDNA配列は、部位特異的突然変異誘発、化学合成、又は他の方法によって調製されるかにかかわらず、シグナル配列をコードするDNA配列を含むこともできる。かかるシグナル配列は、存在する場合、IL-2変異型の発現のために選択された細胞によって認識される配列であるべきである。それは、原核生物、真核生物、又はその2つの組み合わせであり得る。それは、天然IL-2のシグナル配列であってもよい。シグナル配列の包含は、それが作製される組換え細胞からIL-2変異型を分泌することが所望されるか否かに依存する。選択された細胞が原核細胞である場合、一般に、DNA配列はシグナル配列をコードしないことが好ましい。選択された細胞が真核細胞である場合、一般に、シグナル配列をコードすることが好ましく、野生型IL-2シグナル配列を使用することが最も好ましい。
IL-2変異型融合タンパク質
上述のように、例示的な主題のIL-2変異型は、主題のIL-2変異型及び異種ポリペプチド(すなわち、IL-2ではないポリペプチド又はその変異型)を含む融合又はキメラポリペプチドとして調製することができる(例えば、米国特許第6,451,308号を参照されたい)。例示的な異種ポリペプチドは、インビボでのキメラポリペプチドの循環半減期を増加させることができ、したがって、変異型IL-2ポリペプチドの特性を更に増強し得る。様々な実施形態では、循環半減期を増加させるポリペプチドは、ヒト血清アルブミン(HAS)若しくはマウス血清アルブミン(MSA)などの血清アルブミン、又はIgG重鎖可変領域を欠く抗体のIgGサブクラスのFc領域であり得る。例示的なFc領域は、補体固定及びFc受容体結合を阻害する突然変異を含み得るか、又はそれは溶解性であってもよく、すなわち、補体に結合するか、又は抗体依存性補体溶解などの別の機構を介して細胞を溶解することができる。
「Fc領域」は、IgGをパパインで消化することによって産生されるIgG C末端ドメインと相同である天然に生じる又は合成のポリペプチドであり得る。IgG Fcは、約50kDaの分子量を有する。変異型IL-2ポリペプチドは、Fc領域全体、又はそれが一部であるキメラポリペプチドの循環半減期を延長する能力を保持するより小さい部分を含むことができる。加えて、全長又は断片化Fc領域は、野生型分子の変異型であり得る。すなわち、それらは、ポリペプチドの機能に影響を与え得るか又は与え得ない変異を含有することができ、以下に更に記載されるように、天然活性は、全ての場合において必要ではないか、又は所望されない。ある特定の実施形態では、IL-2変異型融合タンパク質(例えば、本明細書に記載されるIL-2部分アゴニスト又はアンタゴニスト)は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fc領域を含む。
いくつかの実施形態では、変異型ヒトIL-2タンパク質は、ヒトIgG Fcドメインに融合される。いくつかの実施形態では、IgG Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fcドメインである。
Fc領域は、「溶解性」又は「非溶解性」であり得るが、典型的には非溶解性である。非溶解性Fc領域は、典型的には、高親和性F c受容体結合部位及びC1q結合部位を欠く。マウスIgG Fcの高親和性Fc受容体結合部位は、IgG Fcの235位にLeu残基を含む。したがって、Fc受容体結合部位は、Leu235を突然変異又は欠失させることによって破壊され得る。例えば、Leu235に対するGluの置換は、高親和性Fc受容体に結合するFc領域の能力を阻害する。マウスC’1q結合部位は、IgGのGlu318残基、Lys320残基、及びLys322残基を突然変異又は欠失させることによって、機能的に破壊することができる。例えば、Glu318、Lys320、及びLys322に対するAla残基の置換は、IgG Fcが抗体依存性補体溶解を指向することを不可能にする。対照的に、溶解性IgG Fc領域は、高親和性Fc受容体結合部位及びC’1q結合部位を有する。高親和性Fc受容体結合部位はIgG Fcの235位にLeu残基を含み、C’1q結合部位はIgG1のGlu318残基、Lys320残基、及びLys322残基を含む。溶解性IgG Fcは、これらの部位に野生型残基又は保存的アミノ酸置換を有する。溶解性IgG Fcは、抗体依存性細胞傷害性又は補体指向性細胞溶解(CDC)のために細胞を標的化することができる。ヒトIgGに適した突然変異も既知である。
他の実施形態では、キメラポリペプチドは、主題のIL-2変異型及びFLAG配列などの抗原タグとして機能するポリペプチドを含むことができる。FLAG配列は、本明細書に記載されるように、ビオチン化された非常に特異的な抗FLAG抗体によって認識される(Blanar et al.,Science 256:1014,1992;LeClair et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:8145,1992も参照されたい)。いくつかの実施形態では、キメラポリペプチドは、C末端c-mycエピトープタグを更に含む。
他の実施形態では、キメラポリペプチドは、変異型IL-2ポリペプチドと、Aga2pアグルチニンサブユニットなどの変異型IL-2ポリペプチドの発現を増強するか、又は変異型IL-2ポリペプチドの細胞局在を指向するように機能する異種ポリペプチドとを含む(例えば、Boder and Wittrup,Nature Biotechnol.15:553-7,1997を参照されたい)。
他の実施形態では、変異型IL-2及び抗体又はその抗原結合部分を含むキメラポリペプチドを生成することができる。キメラタンパク質の抗体又は抗原結合成分は、標的化部位としての役割を果たすことができる。例えば、それを使用して、キメラタンパク質を細胞又は標的分子の特定のサブセットに局在化させることができる。サイトカイン-抗体キメラポリペプチドの生成方法は、例えば、米国特許第6,617,135号に記載されている。
変異型IL-2をコードする核酸分子
いくつかの実施形態では、主題のIL-2変異型は、上記のものなどの、単独で又はキメラポリペプチドの一部としてのいずれかで核酸分子の発現によって得ることができる。IL-2変異型が野生型IL-2ポリペプチドとの同一性の観点から記載することができるのと同様に、それらをコードする核酸分子は、野生型IL-2をコードする分子と必ずある特定の同一性を有する。いくつかの実施形態では、主題のIL-2変異型をコードする核酸分子は、野生型IL-2(例えば、配列番号19)をコードする核酸と、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、又は少なくとも95%、少なくとも99%同一であり得る。
提供される核酸分子は、天然に存在する配列、又は天然に存在する配列とは異なる配列を含有することができるが、遺伝子コードの縮退により、同じポリペプチドをコードする。これらの核酸分子は、RNA若しくはDNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA、若しくは合成DNA、例えば、ホスホラミダイトベースの合成によって産生されるもの)、又はこれらのタイプの核酸内のヌクレオチドの組み合わせ若しくは修飾からなり得る。加えて、核酸分子は、二本鎖又は一本鎖(すなわち、センス又はアンチセンス鎖のいずれか)であり得る。
核酸分子は、ポリペプチドをコードする配列に限定されず、コード配列(例えば、IL-2のコード配列)の上流又は下流に位置する非コード配列の一部又は全ても含まれ得る。分子生物学の当業者は、核酸分子を単離するための日常的な手順に精通している。これらは、例えば、ゲノムDNAを制限エンドヌクレアーゼで処理することによって、又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の実施によって生成することができる。核酸分子がリボ核酸(RNA)である場合、分子は、例えば、インビトロ転写によって産生され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする核酸を提供する。
本開示の例示的な単離された核酸分子は、天然の段階などでは見られない断片を含むことができる。したがって、本開示は、核酸配列(例えば、変異型IL-2をコードする配列)が、ベクター(例えば、プラスミド又はウイルスベクター)に、又は異種細胞のゲノム(又は相同細胞のゲノム、天然の染色***置以外の位置)に組み込まれる分子などの組換え分子を包含する。
上述のように、主題のIL-2変異型は、キメラポリペプチドの一部として存在し得る。上述の異種ポリペプチドに加えて、又はその代わりに、主題の核酸分子は、「マーカー」又は「レポーター」をコードする配列を含有することができる。マーカー又はレポーター遺伝子の例としては、f-ラクタマーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(neo.sup.r、G418.sup.r)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ハイグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ(HPH)、チミジンキナーゼ(TK)、lacz(.ベータ.-ガラクトシダーゼをコードする)、及びキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)が挙げられる。当業者は、追加の有用な試薬、例えば、マーカー又はレポーターの機能を果たすことができる追加の配列を認識する。
主題の核酸分子は、哺乳動物の細胞などの任意の生体細胞から得られたIL-2コードDNAに突然変異を導入することによって得ることができる。したがって、主題の核酸(及びそれらがコードするポリペプチド)は、マウス、ラット、モルモット、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ウサギ、サル、ヒヒ、イヌ、又はネコのものであり得る。一実施形態では、核酸分子は、ヒトのものである。
変異型IL-2遺伝子産物の発現
上述の核酸分子は、例えば、ベクターで形質導入されている細胞におけるそれらの発現を指向することができるベクター内に含有され得る。したがって、主題のIL-2変異型に加えて、主題のIL-2変異型をコードする核酸分子を含有する発現ベクター及びこれらのベクターでトランスフェクトされた細胞が、好ましい実施形態の中に含まれる。
もちろん、全てのベクター及び発現制御配列が、本明細書に記載のDNA配列を発現するように等しく良好に機能するとは限らないことを理解されたい。同じ発現系で、全ての宿主が等しく機能することもない。しかしながら、当業者は、これらのベクター、発現制御配列、及び宿主の中から、過度の実験なしに選択を行ってもよい。例えば、ベクターを選択する際、ベクターはその中で複製されなければならないため、宿主を考慮するべきである。ベクターのコピー数、そのコピー数を制御する能力、及び抗生物質マーカーなどのベクターによってコードされる任意の他のタンパク質の発現も考慮するべきである。例えば、使用され得るベクターには、IL-2変異型をコードするDNAがコピー数において増幅されることを可能にするものが含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のヒトIL-2変異型は、ベクター、好ましくは発現ベクターから発現される。ベクターは、宿主細胞における自律複製に有用であるか、又は宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込まれ得、それにより、宿主ゲノム(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)と共に複製される。発現ベクターは、それらが作動可能に連結されるコード配列の発現を指向することができる。一般に、組換えDNA技法で有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミド(ベクター)の形態である。しかしながら、ウイルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)などの発現ベクターの他の形態も含まれる。
例示的な組換え発現ベクターは、発現される核酸配列に作動可能に連結される、発現に使用される宿主細胞に基づいて選択される1つ以上の制御配列を含むことができる。
発現構築物又はベクターは、原核生物又は真核生物の宿主細胞におけるIL-2変異型又はその変異型の発現のために設計され得る。
ベクターDNAは、従来の形質転換又はトランスフェクション技法によって原核細胞又は真核細胞に導入され得る。宿主細胞の形質転換又はトランスフェクションに好適な方法は、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,N.Y.)及び他の標準的な分子生物学の実験マニュアルに見出すことができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、核酸を含むベクターを提供し、核酸は、本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、組換えIL-2変異型又はその生物学的に活性な変異型は、酵母又はヒト細胞などの真核生物においても作製され得る。好適な真核宿主細胞としては、昆虫細胞(培養された昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)におけるタンパク質の発現に利用可能なバキュロウイルスベクターの例としては、pAcシリーズ(Smith et al.(1983)Mol.Cell Biol.3:2156-2165)及びpVLシリーズ(Lucklow and Summers(1989)Virology 170:31-39)が挙げられ)、酵母細胞(酵母S.cerevisiaeにおける発現のためのベクターの例としては、pYepSec1(Baldari et al.(1987)EMBO J.6:229-234)、pMFa(Kurjan and Herskowitz(1982)Cell 30:933-943)、pJRY88(Schultz et al.(1987)Gene 54:113-123)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)、及びpPicZ(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)が挙げられ)、又は哺乳類細胞(哺乳類発現ベクターとしては、pCDM8(Seed(1987)Nature 329:840)及びpMT2PC(Kaufman et al.(1987)EMBO J.6:187:195)が挙げられ)が挙げられる。好適な哺乳動物細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はCOS細胞が挙げられる。哺乳類細胞では、発現ベクターの制御機能は、多くの場合、ウイルス調節エレメントにより提供される。例えば、一般に使用されているプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、及びサルウイルス40に由来する。原核細胞及び真核細胞の両方に好適な他の発現系については、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,N.Y)の第16章及び17章を参照されたい。Goeddel(1990)in Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185(Academic Press,San Diego,Calif.)を参照されたい。
本開示のヒトIL-2変異型をコードする配列は、目的の宿主細胞における発現のために最適化することができる。配列のG-C含有量は、宿主細胞において発現される既知の遺伝子を参照して計算される、所与の細胞宿主の平均レベルに調整され得る。コドン最適化のための方法は、当該技術分野で周知である。IL-2変異型コード配列内のコドンは、宿主細胞における発現を増強するように最適化することができ、その結果、コード配列内のコドンの約1%、約5%、約10%、約25%、約50%、約75%、又は最大100%が、特定の宿主細胞における発現のために最適化されている。
いくつかの実施形態では、かかるベクターに主題のIL-2変異型をコードする核酸インサートは、例えば、発現が求められる細胞型に基づいて選択されるプロモーターに作動可能に連結され得る。発現制御配列を選択する際には、様々な因子も考慮すべきである。これらには、例えば、配列の相対的強度、その制御可能性、及び主題のIL-2変異型をコードする実際のDNA配列との適合性、特に潜在的な二次構造に関しての適合性が含まれる。宿主は、選択されたベクターとの適合性、本発明のDNA配列によってコードされる産物の毒性、それらの分泌特性、ポリペプチドを正しく折り畳むそれらの能力、それらの発酵又は培養要件、及びDNA配列によってコードされる産物の精製の容易さを考慮して選択されるべきである。
挿入された核酸分子の転写を容易にする配列に加えて、ベクターは、複製起点、及び選択マーカーをコードする他の遺伝子を含有することができる。例えば、ネオマイシン耐性(neor)遺伝子は、それが発現される細胞にG418耐性を付与し、したがって、トランスフェクトされた細胞の表現型選択を可能にする。当業者は、所与の調節エレメント又は選択可能なマーカーが特定の実験的背景での使用に好適であるか否かを容易に決定することができる。
本発明で使用され得るウイルスベクターとしては、例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ベクター、ヘルペスウイルス、サルウイルス40(SV40)、及びウシパピローマウイルスベクターが含まれる(例えば、Gluzman(Ed.),Eukaryotic Viral Vectors,CSH Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい)。
本明細書に開示される主題のIL-2変異型をコードする核酸分子を含有及び発現する原核細胞又は真核細胞もまた、本発明の特徴である。本発明の細胞は、トランスフェクト細胞、すなわち、核酸分子、例えば、変異型IL-2ポリペプチドをコードする核酸分子が、組換えDNA技法によって導入されている細胞である。かかる細胞の子孫もまた、本発明の範囲内であると見なされる。
発現されたポリペプチドは、日常的な生化学的手順を使用して発現系から精製することができ、例えば、本明細書に記載される治療剤として使用することができる。
いくつかの実施形態では、得られるIL-2変異型は、変異型を産生するために使用される宿主生物に応じて、グリコシル化又は非グリコシル化される。細菌が宿主として選択される場合、産生されたIL-2変異型は、非グリコシル化される。一方、真核細胞は、IL-2変異型をグリコシル化するが、おそらく天然IL-2がグリコシル化されるのと同じ方式ではない。形質転換された宿主によって産生されるIL-2変異型は、任意の好適な方法に従って精製することができる。IL-2を精製するための様々な方法が知られている。例えば、Current Protocols in Protein Science,Vol 2.Eds:John E.Coligan,Ben M.Dunn,Hidde L.Ploehg,David W.Speicher,Paul T.Wingfield,Unit 6.5(Copyright 1997,John Wiley and Sons,Inc.を参照されたい。IL-2変異型は、E.coliで生成された包含体から、又は陽イオン交換、ゲル濾過、及び/若しくは逆相液体クロマトグラフィーを使用して所与の変異型を産生する哺乳類若しくは酵母培養物のいずれかからの馴化培地から単離することができる。
IL-2変異型の生物学的活性は、当該技術分野で知られている任意の好適な方法によってアッセイすることができる。かかるアッセイには、PHA芽細胞増殖及びNK細胞増殖が含まれる。
治療方法
いくつかの実施形態では、変異型IL-2ポリペプチド及び/又はそれらを発現する核酸は、がん、慢性病原性感染症、AIDSなどの増殖性又は感染性障害を治療するために対象に投与される。かかる疾患の治療において、開示されるIL-2変異型は、有効性の増加、毒性の低下、予期せぬ相加効果、及び予期せぬ相乗効果などの有利な特性を有してもよく、変異型と抗体との組み合わせは、単純な相加効果よりも多くの効果をもたらす。更に、IL-2変異型の治療が異常なアポトーシス及び増殖性/分化障害の治療において無効であった特定の実施形態では、例えば、IL-2変異型と抗IL-2抗体との組み合わせが有効である。
障害の例としては、がん(例えば、がん腫、肉腫、転移性障害、又は造血性腫瘍性障害、例えば、白血病)が挙げられる。転移性腫瘍は、上述のがん腫、造血性悪性腫瘍などを含むが、これらに限定されない、多数の原発性腫瘍型から生じ得る。本発明の組成物(例えば、変異型IL-2ポリペプチド及び/又はそれらをコードする核酸分子)は、また、ウイルス感染症(例えば、AIDS又はインフルエンザ)を有する患者に投与され得る。
増殖性障害の他の例には、皮膚障害が含まれる。皮膚障害は、細胞若しくは細胞群、又は皮膚、表皮、若しくは皮下層における層の異常な活性、あるいは皮膚-表皮接合部の異常を伴い得る。例えば、皮膚障害は、表皮層、例えば、基底層(胚芽層)、有棘層、顆粒層、透明層、又は角質層のうちの1つ以上に見られる、ケラチノサイト(例えば、過剰増殖性基底細胞及び即時基底上ケラチノサイト)、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、免疫細胞、及び他の細胞の異常活性を伴い得る。他の実施形態では、障害は、皮膚層、例えば、乳頭層又は網状層に見られる皮膚細胞、例えば、皮膚内皮、線維芽細胞、免疫細胞(例えば、肥満細胞又はマクロファージ)の異常な活性を伴い得る。皮膚障害の例としては、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎(湿疹)、例えば、剥脱性皮膚炎又はアトピー性皮膚炎、毛孔性紅色粃糠疹、バラ色粃糠疹、類乾癬、苔癬状粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬、魚鱗癬様皮膚病、角皮症、皮膚病、円形脱毛症、壊疽性膿皮症、白斑、類天疱瘡(例えば、眼部瘢痕性類天疱瘡又は水疱性類天疱瘡)、蕁麻疹、汗孔角化症、関節包を覆う上皮関連細胞の過剰増殖及び炎症を伴う関節リウマチ、例えば脂漏性皮膚炎及び日光皮膚炎などの皮膚炎、例えば脂漏性角化症、老人性角化症、日光角化症、光誘導性角化症、及び毛包性角化症などの角化病、尋常性ざ瘡、ケロイド及びケロイド形成に対する予防、母斑症、疣贅、コンジローマ、又は尖圭コンジローマを含むいぼ、及びヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、例えば、性器いぼ、白板症、扁平苔癬、並びに角膜炎が挙げられる。皮膚障害は、皮膚炎、例えば、アトピー性皮膚炎若しくはアレルギー性皮膚炎、又は乾癬であり得る。
治療に適した患者は、また、乾癬を有し得る。「乾癬」という用語は、その医学的意味、すなわち、主に皮膚を犯し、***、肥厚、スケーリング、非瘢痕病変をもたらす疾患を有することを意図する。病変は通常、重複する光沢がある鱗片で覆われた境界がはっきりとした紅斑性丘疹である。鱗片は典型的には、銀色又はわずかに乳白色である。爪の関与は頻繁に起こり、結果として、凹み、爪の分離、肥厚、及び変色をもたらす。乾癬は関節炎と関連していることがあり、深刻である可能性がある。ケラチノサイトの過剰増殖は、表皮炎症及びケラチノサイトの分化の低減と共に、乾癬性表皮過形成の主要な特徴である。乾癬を特徴付けるケラチノサイトの過剰増殖を説明するために、複数の機構が援用されている。無秩序な細胞性免疫も、乾癬の病因に関係している。乾癬性障害の例としては、慢性定常性乾癬、尋常性乾癬、発疹性(滴状の)乾癬、乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬(Von Zumbusch型)、輪状膿疱性乾癬、及び局所性膿疱性乾癬が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療する方法を提供し、方法は、患者に、本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質を投与することを含む。
代替的に、又は患者に直接投与する方法に加えて、いくつかの実施形態では、変異型IL-2ポリペプチドは、エクスビボ方法で使用され得る。例えば、細胞(例えば、末梢血リンパ球、又は患者から単離され、培養物中に配置若しくは維持されたリンパ球の精製された集団)は、インビトロで培養培地中で培養されてもよく、接触ステップは、IL-2変異型を培養培地に添加することによって影響を受けてもよい。培養ステップは、細胞が、例えば、増殖を刺激するため、又は関心の抗原(例えば、がん抗原又はウイルス抗原)に反応性である細胞集団を拡大するために、他の薬剤で刺激又は処理される更なるステップを含むことができる。次いで、細胞は、処理された後に患者に投与される。
いくつかの実施形態では、本開示は、T細胞の拡大を必要とする疾患を治療する方法を提供し、方法は、有効量の本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質を投与することを含む。
医薬組成物及び投与方法
いくつかの実施形態では、変異型IL-2ポリペプチド及び核酸は、医薬組成物を含む組成物に組み込むことができる。かかる組成物は、典型的には、ポリペプチド又は核酸分子と、薬学的に許容される担体とを含む。
医薬組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように製剤化される。一実施形態では、変異型IL-2ポリペプチドは、経口投与される。一実施形態では、変異型IL-2ポリペプチドは、非経口経路を介して投与される。非経口投与経路の例としては、例えば、静脈内、皮内、皮下、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。非経口用途に使用される溶液又は懸濁液は、注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒などの滅菌希釈液、ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝液、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張性を調整するための薬剤の成分を含み得る。pHは、一塩基性及び/又は二塩基性リン酸ナトリウム、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で(例えば、約7.2~7.8、例えば、7.5のpHに)調整することができる。非経口調製物は、ガラス若しくはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、又は複数回用量バイアルに封入することができる。
注射用に好適な医薬組成物としては、滅菌注射用溶液又は分散剤の即時調製のための滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散剤及び滅菌粉末が挙げられる。静脈内投与について、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)、(BASF,Parsippany,N.J.)、又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、滅菌されるべきであり、容易な注射可能性(syringability)が存在する程度に流動性であるべきである。製造及び保管条件下で安定していなければならず、細菌及び真菌などの微生物の混入作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムの使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、組成物に等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
無菌注射用溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて、上記で列挙される成分のうちの1つ又はその組み合わせを有する適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒及び上記で列挙されるものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分と、その以前に滅菌濾過された溶液からの任意の追加の所望の成分との粉末をもたらす真空乾燥及び凍結乾燥である。
経口組成物は、使用される場合、一般に、不活性希釈剤又は可食性担体を含む。経口治療投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、錠剤、トローチ剤、又はカプセル、例えば、ゼラチンカプセルの形態で使用され得る。経口組成物は、洗口液として使用するための流体担体を使用して調製することもできる。薬学的に適合性がある結合剤、及び/又はアジュバント材料が、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル、トローチ剤などは、微結晶性セルロース、トラガカントガム若しくはゼラチンなどの結合剤、デンプン若しくはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel(商標)、若しくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム若しくはSterotes(商標)などの潤滑剤、コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味剤、又はペパーミント、サリチル酸メチル、若しくはオレンジ風味などの香味剤の成分又は同様の性質の化合物のいずれかを含有することができる。
ある特定の実施形態では、吸入による投与の場合、変異型IL-2ポリペプチド又はそれらをコードする核酸は、好適な推進剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含有する加圧容器若しくはディスペンサー、又は噴霧器からエアゾールスプレーの形態で送達され得る。かかる方法には、米国特許第6,468,798号に記載の方法が含まれる。他の実施形態では、吸入は、加圧された非エアロゾル投与を使用して行われる。
変異型IL-2ポリペプチド又は核酸の全身投与は、また、経粘膜又は経皮手段による場合もある。経粘膜又は経鼻投与のために、浸透させるバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。かかる浸透剤は、当該技術分野において一般に知られており、例えば、経粘膜投与には、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻腔スプレー又は坐剤の使用を通して達成することができる。経皮投与のために、活性化合物は、当該技術分野において一般に知られている、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療する方法を提供し、方法は、患者に、本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質を含む医薬組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、T細胞の拡大を必要とする疾患を治療する方法を提供し、方法は、有効量の本明細書に開示される変異型ヒトIL-2タンパク質を含む医薬組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、化合物(変異型IL-2ポリペプチド又は核酸)は、坐剤(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて)又は直腸送達のための停留浣腸剤の形態で調製することもできる。
いくつかの実施形態では、化合物(変異型IL-2ポリペプチド又は核酸)は、また、限定されないが、McCaffrey et al(Nature 41 8:6893,2002)、Xia et al.(Nature Biotechnol.20:1006-1010,2002)、又はPutnam(Am.J.Health Syst.Pharm.53:151-160,1996,erratum at Am.J.Health Syst.Pharm.53:325,1996)に記載の方法を含む、当該技術分野において知られている方法を使用して、トランスフェクション又は感染により投与され得る。
一実施形態では、変異型IL-2ポリペプチド又は核酸は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む、放出制御製剤などの体内からの迅速な排除に対して変異型IL-2ポリペプチドを保護する担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。かかる製剤は、標準的な技法を使用して調製することができる。材料は、また、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals,Incから商業的に入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染した細胞を標的とするリポソームを含む)も、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。
かかる変異型IL-2ポリペプチド又は核酸の投薬量、毒性、及び治療有効性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順に従って決定され得、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)及びED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定するためのものである。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指標であり、それは、LD50/ED50の比として表すことができる。高い治療指標を示す化合物が好ましい。毒性の副作用を示す化合物が使用され得るが、非感染細胞への潜在的な損傷を最小限に抑え、それにより、副作用を低減するために、かかる化合物を罹患組織部位に標的化させる送達系を設計する際に注意を払わなければならない。
細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータを、ヒトで使用するための投薬量の範囲の製剤化する際に使用することができる。かかる化合物の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんど又は全くないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量を、用いられる剤形、及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で変えることができる。本発明の方法で使用される任意の化合物について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定され得る。用量が動物モデルで製剤化されて、細胞培養において決定されるIC50(例えば、症状の半最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成することができる。かかる情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
本明細書で定義されるように、変異型IL-2ポリペプチドの治療有効量(例えば、有効投薬量)は、選択されるポリペプチドに依存する。例えば、変異型IL-2ポリペプチドの約0.001~0.1mg/患者の体重kgの範囲内の単回投与量が投与され得て、いくつかの実施形態では、約0.005、0.01、0.05mg/kgが投与され得る。いくつかの実施形態では、600,000IU/kgが投与される(IUは、リンパ球増殖バイオアッセイによって決定され得、インターロイキン-2(ヒト)の世界保健機関国際標準によって確立される国際単位(IU)で表される)。投薬量は、PROLEUKIN(登録商標)に処方される投薬量と類似し得るが、それ未満であると予想される。組成物は、1日1回以上から週1回以上投与することができ、隔日に1回を含む。当業者であれば、疾患又は障害の重症度、以前の治療、対象の一般的な健康状態及び/又は年齢、並びに存在する他の疾患を含むが、これらに限定されないある特定の因子が、対象を効果的に治療するために必要な投薬量及びタイミングに影響を及ぼし得ることを理解する。更に、治療有効量の本発明の変異型トIL-2ポリペプチドでの対象の治療は、単回治療を含み得るか、又は一連の治療を含み得る。一実施形態では、組成物は、8時間ごとに5日間投与され、その後2~14日間、例えば、9日間の休薬期間が続き、その後8時間ごとに更に5日間投与される。
医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パック、又はディスペンサーに含まれ得る。
以下の実施例は、本明細書に提供される本発明のある特定の実施形態を説明するために提供され、限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1:IL-2変異型タンパク質の設計、発現、及び精製
配列変異型を、IL-2 Rbetaに対する高い親和性又はCD25陰性細胞における高い効力を有するIL-2のより良いバージョンを作製することを目標に設計及び試験した。計算予測及び設計された変異型を使用して、YT-1(CD25-)細胞及びYT-1(CD25+)細胞におけるIL-2シグナル伝達を試験した。野生型及びH9スーパー2制御配列を含むIL-2変異型を、Expi293発現ベクターにクローニングし、Expi293細胞から一過性に発現させた。IL-2配列変異型をMSA融合タンパク質として発現させ、SECにより精製した。タンパク質のpSAT5シグナル伝達に対する効果は、YT-1(CD25-)細胞及びYT-1(CD25+)細胞において試験された。
設計原理は、IL-2と関連するトポロジーに基づいており、これは、らせん間の接続がジスルフィド結合を有する非自明なループであり、また構造エレメント:ループ配置、充填幾何学的形状、及びらせんキャップにおいて非理想性であるという観察に基づいて、分子における固有の柔軟性を示唆する。構造の動態は生物学的機能と関連し得るため、高分解能の結晶構造に従って、受容体を用いてIL-2を優先的に安定化させることにより、野生型IL-2をスーパーアゴニストに変換することができることを理論化した。強調されている4つの領域は、充填を改善するための設計努力がなされた場所である。
RosettaモデリングソフトウェアスイートのモジュールであるRosettaRemodelは、天然構造の充填の品質を試験するために使用された。コア位置は、通常のRosetta力場(Ref 2015)を使用して、また潜在的な改善が導入され得る位置を特定するために柔軟化された反発パラメータ設定(soft_rep_design)の下で再設計を受ける。2つの異なる設定下で実行された結果として得られる配列を分析し、比較した。目視検査は、図2A、図2B、図2C、及び図2Dで強調される異なる領域への変化を群化した。
次いで、標準的なRosetta力場を使用して、同時に4つの領域における残基変化を監視しながら、コア全体を再設計することを可能にする骨格構造アンサンブルを生成する。充填を改善する残基のサブセットを視覚的に選択した。次に、サブセットの同一性を保持し、配列が収束するまでステップ3を反復的に行った。第3のループは、野生型アポタンパク質構造においてほとんど無秩序であり、進化したスーパー2分子の結合改善に関与し得るため、再構築された。ループ変異型についてこれらのステップを繰り返した。
野生型IL-2結晶構造における第3のループは、部分的に無秩序である。我々は、元の長さの新しい配列を再設計することによってそれを安定化させ、代替的に、それが架橋するらせんの位置を中断することなくループを短縮して完全に再構築することによって接続を理想化することを試みた。図3A及び図3Bに見られるように、ループ3は、また、最適化しようとするコアの異なる領域間の導管としての役割を果たす。ループ3の再構築は、IL-2の固有の構造動態に最も重大な変化を有するはずである。全体的な安定性の熱力学は、らせん間の充填によって決定される可能性が高い。ループ修飾は、主にフォールディング動態及び構造動態を変化させるはずである。
図1Aに示されるように、IL-2変異型は、半減期延長及びExpi-293細胞からの組換え発現のために、マウス血清アルブミン(MSA)との融合タンパク質として発現された。図1B、図1C、及び図1Dは、ヒトIL-2WT(図1B)、スーパー2(H9-スーパー2)(図1C)、及びインシリコIL-2変異型配列番号3(変異型seq-3)(図1D)のMSA融合タンパク質の代表的なゲル濾過トレース(superdex75)を示す。
円二色性によって監視された、選択されたインシリコ設計の変異型の正規化された熱融解曲線を図4に示す。WT IL-2及びH9スーパー2(スーパー2)は、約62℃でのフォールディング遷移を示す一方で、インシリコ設計変異型で選択された他の変異型は、約5℃により熱的に安定である。インシリコ設計の変異型の全てが、野生型と比較して熱安定性を改善した。配列番号6も含まれたが、CD25+/-YT-1細胞において、残りのクローンとは逆の効果を有するように思われる。
実施例2:CD25及びCD25ナチュラルキラー(YT-1細胞)の刺激
インシリコ設計のIL-2変異型にあって、CD25-YT-1細胞上のSTAT5リン酸化の用量応答曲線について試験した。比較のために、スーパー2(H9)及びWT IL-2が含まれる。インシリコ設計の変異型の大部分は、図5Bに示されるように、WT IL-2と比較して増強された効力を示す左にシフトした用量応答曲線を呈する。2×10のCD25+又はCD25-YT-1細胞を、FACS緩衝液で洗浄し、96ウェルプレートのウェル当たり指示されたIL-2変異型の濃度で、200μLのFACS緩衝液に再懸濁した。細胞を室温で20分間刺激し、次いで1.5%にホルムアルデヒドを添加することによって固定し、10分間インキュベートした。細胞を、氷上で20分間、100%氷冷メタノールで透過させ、続いて-80℃で一晩インキュベートした。固定された透過された細胞を、過剰のFACS緩衝液で洗浄し、FACS緩衝液に1:20で希釈した、50μLのAlexa647コンジュゲートされた抗STAT5 pY694(BD Biosciences,San Jose,CA)と共に20分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液中で2回洗浄し、Accuri C6フローサイトメーターのFL-4チャネルを使用して、平均細胞蛍光を決定した。非刺激細胞の平均細胞蛍光を差し引いた後、用量応答曲線及びEC50値をGraphPad Prismで計算した。
CD25+及びCD25-YT-1細胞上のSTAT5リン酸化の用量応答曲線について試験した最も強力なインシリコ設計のIL-2変異型を、比較のために示す。図6Bに示されるスーパー2(H9)及びwt IL-2が比較のために含まれる。スーパー2(H9とも称される)は、L80F、R81D、L85V、I86V、及びI92Fの突然変異を有するIL-2変異型である。スーパー2のアミノ酸配列は、配列番号20によって示される。
配列番号20(スーパー2)APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDVVSNINVFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
2×10のCD25+又はCD25-YT-1細胞を、FACS緩衝液で洗浄し、96ウェルプレートのウェル当たり指示されたIL-2変異型の濃度で、200μLのFACS緩衝液に再懸濁した。細胞を室温で20分間刺激し、次いで1.5%にホルムアルデヒドを添加することによって固定し、10分間インキュベートした。細胞を、氷上で20分間、100%氷冷メタノールで透過させ、続いて-80℃で一晩インキュベートした。固定された透過された細胞を、過剰のFACS緩衝液で洗浄し、FACS緩衝液に1:20で希釈した、50μLのAlexa647コンジュゲートされた抗STAT5 pY694(BD Biosciences,San Jose,CA)と共に20分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液中で2回洗浄し、Accuri C6フローサイトメーターのFL-4チャネルを使用して、平均細胞蛍光を決定した。非刺激細胞の平均細胞蛍光を差し引いた後、用量応答曲線及びEC50値をGraphPad Prismで計算した。
図8は、IL-2、スーパー2、及びインシリコIL-2変異型間における配列の差異を示す表である。CD25+及びCD25-YT-1細胞上のSTAT5リン酸化のEC50値を右列に示す。図9は、インシリコ設計のIL-2変異型の全ての配列を提供する。図10Aは、WT IL-2(配列番号19)、スーパー2(配列番号20)、並びにインシリコ設計のIL-2変異型配列番号15(配列15)及び配列番号16(配列16)のアミノ酸配列を示す。図10Bは、WT IL-2(配列番号19)と比較したIL-2変異型配列番号15(SEQ15)及び配列番号16(SEQ16)における置換、並びにCD25-YT-1細胞及びCD25+YT-1細胞におけるSTAT5リン酸化の対応するEC50値を比較する配列を示す表である。図10Cは、WT IL-2と比較したスーパー2(配列番号20)における配列置換、並びにCD25-YT-+1細胞及びCD25+YT-1細胞に対するSTAT5リン酸化の対応するEC50値を示す表である。
実施例3:IL-2変異型の結合親和性
Figure 2023525200000001
IL-2Rβへの結合に関して、変異型の各々に対してBiacore測定を行った。設計された変異型の多くは、WT IL-2よりもIL-2Rβ、特に配列1、7、及び8に対して高い親和性を有する。配列6は、IL-2Rβに対して低い親和性を有するが、CD25の選択性が高い。配列15、16、及び17は、WT IL-2と同様のIL-2Rβに対する結合親和性を有するが、CD25-YT-1細胞に対して非常に強力なEC50を維持する。CD25-YT-1細胞に対して増強された効力を有する変異型としては、例えば、配列1、7、8、11、12、13、15、16、及び17が挙げられる。
表面プラズモン共鳴(SPR)分析を行うために、試験変異型タンパク質を、前述のようにExpi293で作製した。IL-2Rβをビオチン化してチップ上に固定し、IL-2変異型をチップ上に流した。実験は、BIAcore(登録商標)T100(GE Healthcare,Piscataway,NJ)で行った。
特異的IL-2変異型残基を、野生型IL2(配列番号19)に対する付番で、69位及び115位で野生型アミノ酸に戻した(それぞれ、A69V及びI115V)。
実施例4:NK細胞傷害性アッセイ
NK細胞抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)に対するインシリコ設計のIL-2変異型の効果は、内皮成長因子受容体(EGFR)発現扁平上皮腫瘍細胞株(SCC6)及びEGFR特異的モノクローナル抗体を使用して評価される。
一次NK細胞を健康なドナーから収集及び単離し、細胞純度を評価した。SCC6標的細胞を、1×10個の細胞当たり150μCi 51Crで2時間標識する。溶解率は、培地単独において、又はEGFR特異的モノクローナル抗体のIL-2、インシリコ設計のIL-2変異型、又はそれらの組み合わせを含有する培地において、51Cr標識SCC6細胞との様々なエフェクター:標的細胞比(例えば、0:1、1:1、2:1、5:1)で5時間のNK細胞の共培養後に測定される。
実施例5:メモリーT細胞及びT制御(Treg)細胞集団に対するIL-2変異型の効果
インビボT細胞集団に対するインシリコ設計のIL-2変異型の効果は、IL-2、インシリコ設計のIL-2変異型、又はIL-2/抗IL-2モノクローナル抗体複合体を受容するC57Bl/6マウスで評価することができる。脾細胞懸濁液は、処置されたマウスの脾臓から調製され、脾臓CD3+、CD4+、及びCD44高メモリーT細胞の総細胞数は、当業者が精通している標準的な技法を使用してフローサイトメトリーにより評価される。
実施例6:IL-2変異型のインビボ毒性の評価
インシリコ設計のIL-2変異型のインビボ毒性は、急性肺水腫モデルにおけるWT IL-2と比較することができる。C57Bl/6マウスに、IL-2、インシリコ設計のIL-2変異型、又はIL-2/抗IL-2モノクローナル抗体複合体を5日間毎日腹腔内注射する。最初の治療の6日後、肺を除去し、真空下で58℃で一晩乾燥させる前及び乾燥させた後に重量を測定する。肺湿重量は、脱水後の肺重量から初期肺重量を差し引くことによって計算される。
実施例7:IL-2変異型のインビボ抗腫瘍活性
IL-2変異型の抗腫瘍活性は、インビボマウスモデルにおいて試験され得る。Bl6F10黒色腫細胞をC57Bl/6マウスの背面の真皮に注射する。腫瘍小結節が約15mmのサイズに達した後、マウスに、IL-2、インシリコ設計のIL-2変異型、又はIL-2/抗IL-2モノクローナル抗体複合体を5日間毎日注射する。処置後、血清及び腫瘍溶解物を調製し、標準的な腫瘍マーカーについて分析する。
本発明がその詳細な説明と共に説明されているが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を示すことを意図しており、限定することを意図していないことを理解されたい。他の態様、利点、及び修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、IL-2は本明細書全体を通して言及されるが、本明細書に記載の方法及び組成物は、他のサイトカイン、例えば、この特性を有する顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、IL-2、IL-3、IL-5、IL-6、又はIL-15に等しく適用可能であることを当業者は理解する。したがって、本発明は、野生型と比較して、それぞれの受容体に対する増加した結合親和性を有するGM-CSF、IL-2、IL-3、IL-5、IL-6、及びIL-15の変異型、並びにそれらの変異型を特定及び使用するための方法も含む。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月5日に出願された米国仮特許出願第62/985,694号の利益及び優先権を主張し、その開示全体は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該ASCIIコピーは、2021年3月4日に作成され、STAN-1701 WO Seq listing_ST25.txtという名前であり、サイズは24kbである。

Claims (50)

  1. 1つ以上のアミノ酸変化を含む変異型ヒトIL-2タンパク質であって、
    前記1つ以上のアミノ酸変化が、配列番号19で示される野生型ヒトIL-2タンパク質のアミノ酸配列に比べて、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、82位でのアミノ酸欠失(P82Δ)、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される、変異型ヒトIL-2タンパク質。
  2. 野生型IL-2に比べて、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する、変異型ヒトIL-2タンパク質であって、
    野生型ヒトIL-2に比べて1つ以上のアミノ酸置換を含む、変異型ヒトIL-2タンパク質。
  3. 野生型ヒトIL-2に比べた前記1つ以上のアミノ酸置換が、27位でのメチオニンへのアミノ酸置換(G27M)、28位でのアミノ酸置換、31位でのアラニンへのアミノ酸置換(Y31A)、32位でのアミノ酸置換、35位でのセリンへのアミノ酸置換(K35S)、39位でのアミノ酸置換、52位でのアミノ酸置換、及び115位でのイソロイシンへのアミノ酸置換(V115I)からなる群から選択される、請求項2に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  4. 81位でのアミノ酸欠失(R81Δ)又は81位での置換を更に含む、請求項1又は3に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  5. 69、72、アミノ酸残基74~80を包含する領域、85、86、及び92からなる群から選択される位置で1つ以上のアミノ酸置換を更に含む、請求項1又は3に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  6. 前記28位でのアミノ酸置換が、ロイシンへの置換(I28L)を含む、請求項1又は3~5のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  7. 前記32位でのアミノ酸置換が、アスパラギン酸への置換(K32D)、グルタミン酸への置換(K32E)、及びセリンへの置換(K32S)からなる群から選択される、請求項1又は3~6のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  8. 前記39位でのアミノ酸置換が、ロイシンへの置換(M39L)及びイソロイシンへの置換(M39I)からなる群から選択される、請求項1又は3~7のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  9. 前記52位でのアミノ酸置換が、セリンへの置換(E52S)、アスパラギン酸への置換(E52D)、アスパラギンへの置換(E52N)、及びスレオニンへの置換(E52T)からなる群から選択される、請求項1又は3~8のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  10. 前記69位でのアミノ酸置換が、アラニンへの置換(V69A)を含む、請求項5~9のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  11. 前記72位でのアミノ酸置換が、アラニンへの置換(L72A)、グルタミンへの置換(L72Q)、アスパラギン酸への置換(L72D)、ヒスチジンへの置換(L72H)、及びスレオニンへの置換(L72T)からなる群から選択される、請求項5~10のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  12. 前記81位でのアミノ酸置換が、アスパラギン酸への置換(R81D)を含む、請求項4~11のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  13. 前記85位でのアミノ酸置換が、バリンへの置換(L85V)、メチオニンへの置換(L85M)、及びアラニンへの置換(L85A)からなる群から選択される、請求項5~12のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  14. 前記86位でのアミノ酸置換が、バリンへの置換(I86V)を含む、請求項5~13のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  15. 前記92位でのアミノ酸置換が、フェニルアラニンへの置換(I92F)を含む、請求項5~14のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  16. 前記アミノ酸残基74~80を包含する領域でのアミノ酸置換が、GDDPKTI、DSTDETV、DSTDERI、DSTDSRI、SKDQDKV、SKDQKKV、SDDQDKV、ADDKDTI、又はADDQDKIのアミノ酸配列を含む、請求項5~15のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  17. アミノ酸変化G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含む、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  18. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項17に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  19. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及び(V115I)を含むか、又はそれらからなる、請求項17に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  20. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項17に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  21. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項17に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  22. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72D、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項17に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  23. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32E、E52S、V69A、L72Q、GDDPKTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  24. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、DSTDETVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  25. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72A、DSTDERIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  26. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、DSTDSRIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  27. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、SKDQKKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  28. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32S、M39L、E52S、V69A、SDDQDKVを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、L85V、I86V、I92F、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  29. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、V69A、L72H、ADDKDTIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  30. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、Y31A、K32S、K35S、V69A、L72T、ADDQDKIを有するアミノ酸残基74~80を包含する領域の置換、R81Δ、P82Δ、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  31. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  32. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項31に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  33. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項4又は16に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  34. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、M39L、E52S、V69A、L72Q、R81D、及びV115Iを含むか、又はそれらからなる、請求項33に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  35. 前記アミノ酸変化が、G27M、I28L、K32D、L72Q、及びR81Dからなる、請求項4に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  36. 前記変異型ヒトIL-2タンパク質が、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有する、請求項1に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  37. 前記変異型ヒトIL-2タンパク質が、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関して、野生型タンパク質の少なくとも2分の1であるEC50を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  38. 前記変異型ヒトIL-2タンパク質が、ヒトCD122に対して増加した結合親和性を有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  39. 前記変異型ヒトIL-2タンパク質が、CD25発現を欠く細胞におけるIL-2シグナル伝達経路の活性化に関してより大きい効力を有するが、野生型IL-2タンパク質と比べて実質的に増加した結合親和性を有しない、請求項1~38のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  40. 前記変異型ヒトIL-2タンパク質が、ヒトIgG Fcドメインに融合される、請求項1~39のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  41. IgG Fcドメインが、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fcドメインである、請求項40に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質。
  42. 請求項1~41のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質をコードする、核酸。
  43. 請求項42に記載の核酸を含む、ベクター。
  44. 請求項42に記載の核酸又は請求項43に記載のベクターを含む、組換え細胞。
  45. 請求項1~41のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  46. 疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療する方法であって、
    前記対象に、請求項1~41のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質、又は請求項45に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  47. T細胞の拡大を必要とする疾患を治療する方法であって、
    有効量の請求項1~41のいずれか一項に記載の変異型ヒトIL-2タンパク質又は請求項45に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  48. 前記疾患が、過剰増殖疾患である、請求項46又は47に記載の方法。
  49. 前記疾患が、がんである、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. リガンド受容体相互作用の結晶学的トポロジーに基づくサイトカインのインシリコ設計のための方法であって、
    結合を増加させるために充填を改善することができる位置を特定することと、改善を導入することができる位置を特定するために、コア位置を再設計し、コンピュータモデルで試験することと、骨格構造アンサンブルを生成し、同時に特定された領域における残基変化を監視しながら、コア全体を再設計することを可能にすることと、充填を改善する残基のサブセットを視覚的に選択することと、前記サブセットの同一性を保持し、配列が収束するまで前記再設計を反復的に行うことと、前記インシリコ設計されたサイトカインのコード配列を生成することとを含む、方法。
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