JP2023522909A - 回転機械の速度推定 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセス、及び回転構成要素の許容可能ロータ不均衡を推定するためのプロセスの実施形態が提供される。過給システムのための回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスは、センサを用いて回転構成要素の振動信号を測定するステップと、振動信号の複数のピーク成分から高調波列要素を識別するステップとを含む。さらに、プロセスは、高調波列要素から候補基本周波数を決定するステップと、振動信号から導出した振動振幅値を決定するステップを含む。プロセスは、所定の速度-振幅マップを用いて、導出振動振幅値と候補基本周波数との間の整合条件を検証するステップを含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセス、及び回転構成要素のロータ不均衡を推定するためのプロセスに関する。
回転機械を利用する用途では、多くの場合、回転機械の回転構成要素の動作速度を正確に決定することが重要である。例えば、回転速度は、回転構成要素が受けている負荷を評価するために使用することができ、結果として、システムが保守管理を必要とする可能性がある時期を推定するために使用することができる。
回転速度を測定するために、従来から複数の手法が知られている。従来の手法は、一般に、磁気又は誘導センサに基づくタコメータ又はブレード先端タイミングセンサなどの速度測定装置を含む。
これらの手法は、様々な欠点に悩まされる。タコメータ及びブレード先端タイミングセンサの両方は、例えば、限られたスペース又は回転構成要素への限られたアクセス性のために、取り付けが困難な場合がある。加えて、全ての公知の手法は、損傷による影響を受けやすく、さらに高温及び汚染環境では不正確な測定結果がもたらされる。例えば、タコメータ又はブレード先端タイミングセンサは、レーザを含むことができ、その結果、高温及び汚染環境において、ますます不正確な測定結果あるいは経時的に完全な故障がもたらされる。
別の手法は、記録された振動信号のスペクトル分析に基づく速度推定アルゴリズムを利用する。パワースペクトルの単一のピーク又は信号から回転速度を導出することは、回転速度の誤った割り当てが発生する可能性があるため、問題がある場合がある。速度推定アルゴリズムは、通常、高調波列、すなわち振動信号のパワースペクトルの一連のピークを特定することを含む。最大振幅を有する高調波列要素は、一般に、回転機械の回転速度を決定するために使用される。
回転構成要素が複数のブレード又は同様のものを含む場合、高調波列要素のうち最大振幅のものは、回転構成要素のブレード通過周波数で現れると予想される。ブレード通過周波数は、回転速度に容易に関連付けることができる(ブレードの数で割ることによって)。
しかしながら、従来技術の速度推定アルゴリズムには、重大な欠点もある。このアルゴリズムは、小さな整数の因数又は商によって回転速度を誤認しやすい。具体的には、回転構成要素の回転速度に関する事前知識を利用できない場合、スペクトルの最大振幅成分を有する周波数(又は周波数群)の識別に純粋に基づく手法は、回転速度の高調波を回転速度そのものであると誤って識別する可能性がある。これは、センサ、及び/又は回転機械、及び/又は回転機械に取り付けること又は結合することができる他の構成要素(例えば、ケーシング)の周波数応答が、高い周波数の成分よりも低い周波数の成分を減衰させる場合に、特に当てはまる。換言すると、例えば、周波数fの1、2、3倍の高調波列は、周波数f/2の2、4、6倍の高調波列と区別がつかない場合がある。この問題は、「オクターブエラー」と表記される場合もある。
加えて、記録された振動信号のスペクトル分析におけるさらなる問題が発生する場合があり、例えば、振動信号は、高調波列の信頼できる識別を可能にするにはノイズが多すぎる場合、及び/又は複数の高調波列が識別される場合、及び/又はパワースペクトルの信号/ピーク間の偶発的相関が別のものと干渉する場合がある。
要約すると、上述の制限の少なくともいくつかを解消するために、回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセス、及び回転構成要素のロータ不均衡を推定するためのプロセスが提供される。この目的は、請求項1に記載の回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセス、及び請求項12に記載の回転構成要素のロータ不均衡を推定するプロセスによって達成される。詳細には、本発明の目的は、特に高温及び汚染環境などの厳しい動作条件下における回転機械の回転速度の推定の精度及び/又はロバスト性を向上させることである。
一実施形態によれば、過給システムのための回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスが提供される。このプロセスは、
センサを用いて回転構成要素の振動信号を測定するステップと、
振動信号の複数のピーク成分から高調波列要素を識別し、高調波列要素から候補基本周波数を決定するステップと、
振動信号から導出振動振幅値を決定するステップと、
所定の速度-振幅マップを用いて、導出振動振幅値と候補基本周波数との間の整合性条件を検証するステップと、
を含む。
別の実施形態によれば、回転要素の許容可能ロータ不均衡を推定するプロセスが提供される。このプロセスは、
A)回転構成要素を第1の複数の回転速度で動作させるステップと、
第1の複数の回転速度の各々について、導出振動振幅値を決定するステップと、
第1の速度-振幅マップを設定するステップと、
を含むステップと、
ステップA)に続いて、
B)回転構成要素を第2の複数の回転速度で動作させるステップと、
第2の複数の回転速度の各々について、導出振動振幅値を決定するステップと、
第2の速度-振幅マップを設定するステップと、
を含むステップと、
C)第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとの間の比較に基づいて、回転構成要素のロータ不均衡を推定するステップと、
を含むステップ。
当業者であれば、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ることにより、さらなる特徴及び利点を認識することができる。
図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図面において、同様の参照符号は、対応する要素を指定する。
本開示の実施形態による導出振動振幅の一例を示す。 本開示の実施形態による速度-振幅テーブル及び速度-振幅マップ関数を示す。 本開示の実施形態による、ロータ不均衡の異なるレベルに対する速度-振幅マップの例を示す。
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成し、本発明の特定の実施形態を例示的に示す添付の図面が参照される。
本明細書で使用される場合、用語「有する」、「含む」、「備える」などは、記載された要素又は特徴の存在を示す非制限的な用語であるが、追加の要素又は特徴を排除しない。
他の実施形態を利用することができること及び本発明の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的な変更を行うことができることを理解されたい。従って、以下の詳細な説明は、非限定的であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。本明細書に記載される実施形態は、特定の言語を使用するが、これは、添付の請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。このように定義された各実施形態及び各態様は、そうでないことが明確に示されない限り、他の何らかの実施形態又は他の何らかの態様と組み合わせることができる。
一実施形態によれば、過給システムのための回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスが提供される。
プロセスは、センサを用いて回転構成要素の振動信号を測定するステップを含む。用語「振動信号」は、詳細には、センサで得られた測定値の時間領域表現を包含する(好ましくは、それを表す)。センサで得られた測定値の周波数領域表現は、本明細書では「パワースペクトル」と呼ぶ。
センサは、例えば、加速度計、マイクロフォン、又は速度センサとすることができる。センサは、複数の種類の信号を測定するように又は複数の軸に沿って測定するように構成することができる。例えば、センサは、3軸加速度センサとすることができる。
プロセスは、振動信号、詳細には振動信号のスペクトルの、ピーク成分を識別するステップをさらに含むことができる。ピーク成分の識別は、周波数領域表現で(すなわち、パワースペクトルから)容易にすることができるが、同様に、振動信号から決定することができる。プロセスは、ピーク成分の各々の周波数を決定することをさらに含むことができる。例えば、ピーク成分は、振動信号から、パワースペクトルを計算し、随意的にバックグラウンド信号をフィッティングし、バックグラウンド信号を減算し、各ピーク成分の振幅に対する多項式フィッティングに基づきピーク成分を特定することで抽出することができる。このステップは、「ピーク演算」手法と呼ばれる場合もある。
プロセスは、複数のピーク成分から高調波列要素を抽出することをさらに含むことができる。高調波列要素は、各高調波列要素の周波数が高調波列要素の少なくとも1つの他の要素の実質的に整数分数(integer fraction)である又は実質的に整数倍数(integer multiply)であるという点で、高調波列要素でない他のピーク成分と区別することができる。換言すると、プロセスは、その整数分数及び整数倍数が、高調波列要素の残りの要素に最も適合する高調波列要素を選択することを含むことができる。用語「実質的に」は、センサの測定値と同じくらい正確であること又は四捨五入であることと解釈されるのではなく、代わりに、本方法において許容閾値が予め定義できるものとして理解されることを理解されたい。許容閾値は、例えば、それぞれのピーク周波数の1%とすることができる。許容閾値の整数分数又は整数倍数のプラス/マイナス内にないピーク成分は、その後、高調波列要素として考慮しない場合がある。例えば、許容閾値は、整数分数又は整数倍数の1%とすることができる。
プロセスは、高調波列要素から候補基本周波数を決定することを含む。候補基本周波数は、作業仮説として、回転構成要素の回転速度に対応すると仮定される。本開示によるプロセスの他のステップのいくつかは、候補基本周波数が実際に回転速度に対応するか否かを検証するために実行される。本開示の実施形態は、「オクターブエラー」を回避すること、従って誤った回転速度をもたらすことを回避することを意図している。候補基本周波数は、可能性の高い回転速度と呼ぶこともできる。例示的に、候補基本周波数は、高調波列要素が他の全ての高調波列要素の実質的に整数分数又は実質的に整数倍数として決定することができる。
代替の実施形態では、候補基本周波数は、作業仮説としてブレード通過周波数に対応すると仮定される。比較のために(例えば、以下の「整合性条件」のセクションで開示するように)、候補基本周波数は、回転構成要素の仮定回転速度を得るために、回転構成要素のブレード数で除算することができる。
プロセスは、検証ステップの肯定的な検証結果の場合にのみ、候補基本周波数から回転速度を決定することをさらに含む。
導出振動振幅
本発明者らは、測定された振動信号には、回転構成要素の回転速度の推定を改善するために使用することができる更なる情報が含まれていることを見出している。これを説明するために、図1を参照する。
図1は、回転速度の関数としての振動振幅を表示する。図1に示された上側の曲線(曲線「1」とラベル付けされている)は、回転構成要素のそれぞれの回転速度の各々に対する二乗平均平方根(RMS)振動振幅に対応する。図1の目的のために、回転構成要素は様々な回転速度の範囲で動作される。実験的に、回転数の増加に伴いRMS振動振幅は増加する傾向を示すが、単調な増加は観察されない。その結果、いくつかの特定のRMS振幅値は、複数の回転数に対して対応する場合がある(例えば図1の破線参照)。さらに、回転速度の関数として、RMS振動振幅に共振又はピークが見られる。例えば、回転数が300Hzのすぐ上でRMS振動振幅が急激に増加し、その後、急激に減少することが観察される。この共振又はピークは、センサ、及び/又は回転機械、及び/又は回転機械に取り付けられた又は結合された他の構成要素の周波数応答の結果である可能性がある。図1の上側の曲線に示すような形で振動信号のRMS振動振幅を利用することは、面倒であり、現実的でないようにも見える。
本開示の実施形態によるプロセスは、振動信号から導出振動振幅値を決定することを含む。導出振動振幅値は、振動信号に基づくが、RMS振動振幅又は振動振幅値を直接計算するための何らかの同等の手段に対応しない。
導出振動振幅値の決定は、特定の数学的演算又は同様のものに限定さない。決定ステップは、導出振動振幅値が、使用される何らかの構成要素、例えば、センサの何らかの構成要素、センサの向き、回転機械及び/又は回転機械に取り付けられた又は結合された他の構成要素の周波数応答から実質的に又は完全に独立するように実行される。導出振動振幅値は、例えば振動の二乗平均平方根のような、他の標準的な統計的指標に関連付けられる。しかしながら、他の標準的な統計的指標とは対照的に、導出振動振幅値は、特定のシステム応答の影響を受けないか、又はほとんど受けない。導出振動振幅値は、「ピークレス振幅値」及び/又は「システム応答非依存振幅値」と呼ばれる場合もある。簡単に言えば、導出振動振幅は、特有のシステム応答に由来する最も高い振幅を有するスペクトル点の少なくともいくつかを破棄することによって決定することができる。好ましくは、決定ステップは、導出振動振幅が回転速度の増加と共に大部分又は完全に単調な挙動を示すように行われる。
図1の下側の曲線は、導出振動振幅の例(曲線「2」としてラベル付けされている)をさらに示す。すなわち、この曲線は、それぞれの回転速度の各々に対する導出振動振幅の値を示す。導出振動振幅は、回転速度に対して滑らかな単調な増加を示す。
一実施形態によれば、決定ステップは、少なくとも2つのステップを含む。振動信号はフィルタ処理される。フィルタ処理ステップは、振動信号(時間領域表現での)から直接実行することができ、代替的に、パワースペクトルが計算され、フィルタ処理ステップは、パワースペクトルから派生することができる。典型的には、振動信号のフィルタ処理は、振動信号への1又は2以上の高振幅寄与(すなわち特定の高振幅寄与)、詳細にはシステム応答、例えば共振増強に起因する高振幅寄与を除去又は減じることを含む。好ましくは、フィルタ処理は、振動信号から全範囲を除去することを含まない。例えば、振動信号のローパス又はハイパス又はバンドパスフィルタ処理は意図されていない。続いて、導出振動振幅値を決定することは、フィルタ処理された振動信号の全振動振幅を決定することを含むことができる。また、このステップは、時間領域表現で実行すること又は周波数領域表現でパワースペクトルから派生することができる。好ましくは、全振動振幅は、(好ましくはフィルタ処理された)振動信号から決定される積算振幅値である。好ましくは、全振動振幅は、スカラー値である。
例示的に、時間領域で導出振動振幅値を決定することは、振動信号をデジタル的にフィルタ処理することを含む。1つの例示的な実施形態によれば、最大振幅周期成分Nは、Burg法を使用して識別され、振動信号から差し引かれる。一例では、N=100が選択される。その後、導出振動振幅値の決定は、デジタル的にフィルタ処理された振動信号の全振動振幅を決定することを含むことができる。1つの例示的な実施形態によれば、全振動振幅は、デジタル的にフィルタ処理された時間波形の二乗平均平方根として計算される。典型的には、全振動振幅は、導出振動振幅値である。図1に示す導出振動振幅は、N=100のBurg法を用いて、上位N成分を差し引き、時間波形のRMSを計算することによって算出したものである。
例示的に、周波数時間領域において導出振動振幅値を決定することは、振動信号に対して高振幅信号の少なくとも一部を差し引く(除去)手段を用いてフィルタ処理することを含む。例えば、パワースペクトルの高振幅信号の上位少なくとも10%又は少なくとも15%を除去することができる。その後、導出振動振幅値の決定は、フィルタ処理されたパワースペクトルの全振動振幅を決定することを含むことができる。1つの例示的な実施形態によれば、全振動振幅値は、フィルタ処理されたパワースペクトルの根二乗和として計算される。典型的には、全振動振幅は、導出振動振幅値である。有利には、周波数領域の計算は、時間領域の計算よりも低い計算コストで実行することができる。さらに、高調波列要素を識別するためにパワースペクトルを計算する場合、パワースペクトルは既に利用可能である。
速度-振幅マップ
本開示の実施形態は、回転構成要素の特性を検証又は推定するために、所定の速度-振幅マップを利用する。所定の速度-振幅マップは、回転構成要素の予想される挙動又は予想される特性を予測することを可能にする。所定の速度-振幅マップは、回転構成要素が動作していた、以前の測定値に対応するか又はそこから導出される。好ましくは、所定の速度-振幅マップは、回転構成要素に関する情報を含むテーブル(速度-振幅テーブル)に対応するか又は速度-振幅テーブルから導出されるかのいずれかである。
速度-振幅テーブルは、リポジトリ等と呼ばれる場合もある。すなわち、テーブルは、複数のエントリを含む情報ストレージに相当する。速度-振幅テーブルのエントリは、回転構成要素が動作した回転速度と、それぞれの導出振動振幅値とを含む。速度-振幅テーブルは、「回転速度-導出振動振幅値-テーブル」と呼ばれる場合もあるが、簡潔さのために、以下ではそのように表記されない。また、速度-振幅マップは、「回転速度-導出振動振幅値-マップ」と呼ばれる場合もある。速度-振幅テーブルは、それぞれの日時のような更なる情報を含むこともできるが、回転速度及びそれぞれの導出振動振幅値以外の全ての更なるエントリは任意である。
一実施形態によれば、所定の速度-振幅マップを設定することは、回転構成要素を複数の回転速度で動作させること及び回転速度の各々に関してそれぞれの導出振動振幅値を決定することを含む。導出振動振幅値は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つに従って決定される。速度-振幅テーブルは、所定の回転速度と、それぞれの導出振動振幅値とを加えることによって設定することができる。好ましくは、所定の回転数-振幅マップは、回転数-振幅テーブルであるか、又は回転数-振幅テーブルから派生するかのいずれかである。
例えば、速度-振幅テーブルが多数のエントリを含む場合、速度-振幅マップは、速度-振幅テーブルと見なすことができる。候補基本周波数及び/又は導出振動振幅値と、速度-振幅マップとの比較(以下にさらに詳細に説明する)は、単に速度-振幅テーブルのエントリに対する「最近傍」検索に基づいて実行することができる。
別の実施形態では、プロセスは、速度-振幅テーブル内のエントリに基づいて、速度-振幅マップ関数、例えば、ベストフィット関数を決定することを含む。本発明者らは、実験的に、導出振動振幅値の10を底とする対数又は導出振動振幅値の立方根のいずれかの関数として回転速度から導かれるマップ関数が特に適していることを発見した。どちらのタイプも、広範囲の回転速度にわたってほぼ直線的な挙動が観察されるため、2つのパラメータ(傾き及び切片)だけでマップ関数を定式化することができる。典型的には、速度-振幅マップ関数は、速度-振幅マップとすることができる。
他の実施形態の速度-振幅マップも可能である。例えば、プロセスは、ニューラルネットワーク又はサポートベクターマシンのような、ベストフィットモデル関数を見つけるための速度-振幅テーブルのエントリに基づく学習アルゴリズムを利用することを含むことができる。
図2は、速度-振幅テーブル及び速度-振幅マップ関数の一例を示す。速度-振幅テーブルのエントリは、白丸として表示され、図2に表示される四角は、異常値と見なされる。速度-振幅マップ関数の1つの例示的な実施形態は、図2に白線で示される線形関数として示される。また、高次の多項式速度-振幅マップ関数が有利な場合がある。
速度-振幅マップを設定することは、いくつかの異なる方法で実施することができる。例示的な実施形態によれば、速度-振幅テーブルのエントリは、較正ステップで生成される。そのために、所定の速度-振幅マップを設定することは、回転構成要素を複数の所定の回転速度で動作させること及び所定の回転速度の各々についてそれぞれの導出振動振幅値を決定することを含む。
しかしながら、本開示によれば、較正ステップを実行する必要はない。別の例示的な実施形態によれば、速度-振幅テーブルのエントリは、回転構成要素の通常動作の一部として生成される。回転速度の範囲を実質的に変化させることによって、速度-振幅テーブルのエントリを生成することが好ましい。例えば、回転構成要素を動作させる間、すなわち回転構成要素の準備段階、又は「スピードアップ」又は「コーストダウン」動作中に速度-振幅テーブルのエントリを生成すれば十分な場合がある。
整合性条件
本開示の実施形態は、所定の速度-振幅マップを用いて、導出振動振幅値と候補基本周波数との間の整合性条件を利用する。上述のように、「候補基本周波数」は、作業仮説として、回転構成要素の回転速度であると仮定される。プロセスは、この作業仮説が信頼できるか否かを推定するために、整合性条件を検証することを含む。最も広い意味において、整合性条件は、一方では導出振動振幅値及び測定振動信号から決定した候補基本周波数、他方では速度-振幅マップからの1又は2以上のエントリを利用した比較として理解される。
速度-振幅マップは、所与の導出振幅値に対する予想回転速度を決定すること、及び/又は所与の回転速度に対する予想導出振幅値を決定することを可能にする。整合性条件により、振動信号から決定された値(導出振動振幅値、候補基本周波数)が速度-振幅マップから予想される範囲内にある場合、候補基本周波数が回転構成要素の回転速度に対応するか否かを検証することができる。
1つの実施形態によれば、整合性条件の検証は、候補基本周波数が回転速度に対応するか否かを検証するために、導出振動振幅値に対する予想回転速度を速度-振幅マップから決定することを含む。例示的に、予想回転速度は、速度-振幅テーブル内で導出振動振幅値に対する最近傍を識別することに基づいて、速度-振幅マップから決定することができる。別の例示的な態様によれば、予想回転速度は、速度-振幅マップ関数に基づく計算によって決定することができる。
整合性条件は、以下の記述のうちの1又は2以上を含むことができる。
a)候補基本周波数が予想回転速度と実質的に等しい場合、回転速度は候補基本周波数に対応するように決定される。この場合、候補基本周波数は速度-振幅マップから予想される範囲内にあると結論付けられ、従って作業仮説を確認することができ、すなわち候補基本周波数は回転速度に対応するように決定される。用語「実質的に」は、センサの測定値と同じくらい正確であること又は四捨五入であることと解釈されるのではなく、代わりに、本方法において許容閾値が予め定義できるものとして理解されることを理解されたい。例えば、予想回転速度の±10%以内にある候補基本周波数は、実質的に等しいと見なされると規定することができる。この「実質的に」という用語の定義は、条件a)だけでなく、以下に開示する条件b)及びc)の両方にも適用される。
b)候補基本周波数が予想回転速度の整数分数又は整数倍数と実質的に等しい場合、回転速度は、候補基本周波数を整数分数又は整数倍数の比率で割ったものに対応するように決定される。そのためには、候補基本周波数と予想回転速度との比率を算出することが有用であろう。この場合、候補基本周波数は回転数-振幅マップから予想される範囲内にないと決定されるため、作業仮説は否定されることになる。候補基本周波数を決定する際に「オクターブエラー」が発生している。従って、本開示の実施形態によれば、候補基本周波数を決定する際に発生した「オクターブエラー」を修正することが意図される。
図2には、予想回転速度から整数倍数の比率だけ異なる候補基本周波数の一例が示されている。太線の四角で示した点は、決定された導出振動振幅値及び候補基本周波数のペアに相当する。候補基本周波数は、速度-振幅マップ関数又は同等の導出振動振幅値を有する速度-振幅テーブルのエントリから大きく外れている。図2の候補基本周波数の例では、予想回転速度から2倍だけ異なっている(例えば、図2の太線の円と比較されたい)。整合性条件b)によれば、回転速度は候補基本周波数を2で割ることによって決定される。加えて、図2には、オクターブエラーが発生した他のいくつかの例が示されている。
c)候補基本周波数が予想回転速度に実質的に等しくなく、かつ予想回転速度の整数分数又は整数倍数の値に実質的に等しくない場合、回転速度は予想回転速度に対応すると決定される。説明のために、候補基本周波数が予想回転速度と例えば1.4倍だけ異なる場合、条件c)が適用される場合がある。この場合、候補基本周波数の決定は信頼性が低いと決定される。例えば,振動信号が高調波列要素の確実な識別を可能にするにはノイズが多すぎる場合,及び/又はパワースペクトルにおいて信号/ピーク間に偶発的な相関が生じ,他との干渉につながる場合がこれに該当する。条件c)によれば、回転速度の推定は、導出振動振幅値に基づいて(予想回転速度を決定することによって)決定されるが、候補基本周波数は無視される。代替的な態様によれば、回転速度は、プロセスの先行する実行において決定された(すなわち、以前の時間間隔から推定される)推定回転速度に対応するように決定することができる。
別の実施形態によれば、整合性条件の検証は、候補基本周波数が回転速度に対応するか否かを検証するために、所定の速度-振幅マップから候補基本周波数に対する予想導出振幅振動値を決定することを含む。この実施形態は、上記の実施形態に代わるものである、すなわち、(上記のように)導出振動振幅値に対して予想回転速度を決定する代わりに、この実施形態は、候補基本周波数に対して予想導出振幅振動値を決定することを含む。例示的に、予想導出振幅振動値は、速度-振幅テーブルにおける候補基本周波数に対する最近傍のものを識別することに基づいて速度-振幅マップから決定することができ、又は別の例示的な態様によれば、予想導出振幅振動値は、速度-振幅マップ関数に基づく計算によって決定することができる。
整合性条件は、以下の条件を含むことができる。
a)予想導出振幅振動値が導出振動振幅値に実質的に等しい場合、回転速度は候補基本周波数に対応するように決定される。
整合性条件は、代替的な実施形態に関して上記に開示されたb)及びc)のような更なる条件を類似の態様で含むことができる。
更なる態様
1つの態様によれば、回転構成要素の回転速度を推定するプロセスは、推定回転速度及びそれぞれの導出振動振幅値で速度-振幅マップを更新することを含む。プロセスによって推定された回転速度及びそれぞれの導出振動振幅値を速度-振幅テーブルに追加することを意図している。この追加のステップは、速度-振幅マップ及び整合性条件の信頼性をますます向上させることができる。また、更新された速度-振幅テーブルに基づいて、速度-振幅マップ関数を更新又は再評価することが意図される場合がある。典型的には、閾値が定められ、閾値以上の推定回転速度及びそれぞれの導出振動振幅値のペアは、速度-振幅マップの更新のために使用されない、すなわち無視される。閾値は、速度-振幅テーブルの1又は2以上の最近傍エントリからの所定の偏差(例えば5%又は10%)として定めることができ、及び/又は速度-振幅マップ関数が利用される場合には、閾値は、速度-振幅マップ関数に基づいて計算された値(予想回転速度又は予想導出振動振幅値)からの所定の偏差(例えば5%又は10%)として定めることができる。
本開示の一般的な態様によれば、プロセスは、短い時間スケールでのセンサを用いた測定に基づく回転速度の推定をもたらすことを意図している。センサを用いた測定は、1秒未満で終了する場合がある。例えば、図1に表示された各データポイントは、約0.32秒にわたって収集された測定値から決定したものである。プロセスの結果として推定された回転速度は、「瞬間回転速度」又は「最新回転速度」と呼ばれる場合もある。このプロセスは、有利には、回転速度の迅速かつ信頼性の高い決定を可能にし、短い時間スケールで回転速度の変化を監視することを可能にする。しかしながら、このプロセスは、センサを用いた長期間測定のための回転速度の推定も可能にする。
1つの態様によれば、回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスは、オンラインプロセスである。本明細書で使用される場合、用語「オンラインプロセス」は、プロセスが回転構成要素の動作中に、詳細には回転機械の現在の動作条件に基づくリアルタイムプロセスとして実行されるようなものとして理解される。このプロセスは、短い時間スケール、例えば1秒未満又は数秒以内に回転速度を推定し、リアルタイム又は実質的に瞬時にその結果をユーザに提供することを意図している。さらに、回転構成要素の動作は、プロセスの影響を受けず、プロセスの実行前、実行中、実行後に、何らの方法で動作を妨げられることなく連続的に実行することができる。さらに、プロセスは、速度-振幅マップを予め決定及び/又は更新すること、及び/又は速度-振幅マップ関数をオンラインで決定及び/又は更新することを含むことができる。
1つの態様によれば、センサは、複数のタイプの信号を測定するように又は複数の軸に沿って測定するように構成することができる。例えば、センサは、3軸加速度計とすることができる。プロセスは、各軸について候補基本周波数及び導出振動振幅値を個別に決定することを含むことができる。その後、好ましくは、整合性条件を検証する前に、複数の候補基本周波数(各軸から生じる)及び複数の導出振動振幅値(各軸から生じる)は平均化することができる。
1つの態様によれば、回転構成要素は、ターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドの回転構成要素である。例示的に、回転構成要素は、ターボ過給機ブレードとすること、及び/又は、回転機械は、ターボ過給機とすることができる。本開示の実施形態は、特に高温及び汚染環境を含む厳しい動作条件において、リモートセンシングが可能になるため、過給システム、特に内燃エンジン、詳細にはターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドに有利である。
本開示の実施形態は、回転速度のオンライン更新及び連続読み出しを含む、様々な更なる利点を可能にする。回転速度の推定は、回転機械の負荷プロファイルを決定すること、詳細には、負荷プロファイルを連続的に決定することを可能にする。また、このプロセスは、従来技術の方法と比較して、回転速度推定の信頼性及びロバスト性を大幅に向上させる。このプロセスにより、回転構成要素及び回転機械を最高レベルの能力、信頼性、柔軟性及び安全性で運転することができ、その一方でシステムの寿命を延ばすことができる。
許容可能ロータ不均衡を推定するためのプロセス
一実施形態によれば、回転構成要素の許容可能ロータ不均衡を推定するプロセスが提供される。許容可能ロータ不均衡を推定するためのプロセスは、回転速度を推定するためのプロセスと連動しており、主にこれと同じ特徴を備える。許容可能ロータ不均衡を推定するためのプロセスは、好ましくは、回転構成要素の回転速度を推定することも含み、詳細には、振動信号から導出振動振幅値を決定し、速度-振幅マップを利用することを含む。
回転構成要素の許容可能ロータ不均衡を推定することは、ステップA)及びステップB)を含む。ステップA)及びB)は、異なる時点で実行され、ステップB)は、ステップA)の後に実行される。好ましくは、ステップA)は、回転構成要素が、例えば、最初に動作に入った後又は保守管理後の、わずかな不均衡を示す又は全く不均衡を示さない時点で実行される。例えば、ステップB)は、ステップA)の数時間後、数日後、数ヶ月後、あるいは数年後に実行することができる。ステップA)及びB)を実行して得られた結果の各々は,その時点における回転構成要素の状態又は状況を特徴付けるものと見なすことができる。回転構成要素の状態の変化は、通常、むしろ数ヶ月から数年の期間で予想されるが、これはその用途に依存する。ステップA)とB)との間の比較を容易にするために、ステップA)とB)で同じサブステップを実行することが好ましい。しかしながら、ステップA)及びB)を同じ技術的パラメータ(例えば、同じ回転速度)で実行する必要はない。
ステップA)は、以下のサブステップを含む。すなわち、
回転構成要素を第1の複数の回転速度で動作させること、
第1の複数の回転速度の各々について導出振動振幅値を決定すること、及び
第1の速度-振幅マップを設定すること、
である。
好ましくは、ステップA)は、センサを用いて回転構成要素の第1の複数の振動信号を測定することを含む。
1つの態様によれば、回転構成要素の動作は、複数の所定の回転速度で行うことができる。この場合、回転速度は既知であり、プロセスは、回転速度を決定する必要はない。この態様は、較正ステップと呼ばれる場合もある。
しかしながら、本開示によれば、較正ステップを実行する必要はない。別の態様によれば、回転構成要素は、回転構成要素の通常動作の一部として動作させることができる。この場合、プロセスは、本開示の何らかの実施形態に従って、振動信号スペクトルの複数のピーク成分から高調波列要素を識別するステップと、本開示の何らかの実施形態に従って、高調波列要素から候補基本周波数を決定するステップとを含むことができる。
第1の複数の回転速度の各々について導出振動振幅値を決定するステップ及び第1の速度-振幅マップを設定するステップは、本開示の何らかの実施形態に従って実行することができる。
第1の速度-振幅マップがある数のエントリを含むと、プロセスは、第1の速度-振幅マップを使用して、導出振動振幅値と候補基本周波数との間の整合性条件を検証することをさらに含むことができる。その後、導出振動振幅値及びそれぞれの候補基本周波数は、第1の速度-振幅テーブルに追加されるか又は無視されるかのいずれかとすることができる。
第1の速度-振幅マップを設定することは、本開示の何らかの実施形態による第1の速度-振幅テーブルを設定することを含むことができる。第1の速度-振幅テーブルは、第1の複数の回転速度及びそれぞれの導出振動振幅値を含むことができる。好ましくは、第1の速度-振幅マップは、速度-振幅テーブルとするか又は速度-振幅テーブルから派生するかのいずれかとすることができる。加えて、第1の速度-振幅マップを設定することは、第1の速度-振幅テーブルのエントリに基づいて、第1の速度-振幅マップ関数を決定することを含むことができる。第1の速度-振幅マップ関数は、本開示の何らかの実施形態に従って決定することができる。
同じ考察及び/又はサブステップが、ステップB)に適用される。好ましくは、ステップB)は、センサを用いて回転構成要素の第2の複数の振動信号を測定することを含む。
プロセスは、第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとの間の比較に基づいて回転構成要素の不均衡を推定するステップC)をさらに含む。本発明者らは、意外にも、速度-振幅マップが、回転構成要素の状態又は条件に応じて経時的に変化することを見出した。
この発見を説明するために、図3は、最初の瞬間に記録された第1の速度-振幅テーブルのエントリ([1]に沿った点)と第1の速度-振幅マップ関数([1]に沿った点を通る線)と、ロータに不均衡を導入した後に記録された第2の速度-振幅テーブルのエントリ([2]に沿った点)と第2の速度-振幅マップ関数([2]に沿った点を通る線)とを示す。回転速度は、両方の曲線において、導出振動振幅の関数としてかなり類似した挙動を示す。しかしながら、第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとの間の変位が見られ、(同等の回転速度に関して)導出振動振幅値の約1桁分に相当する。本発明者らは、この変位がロータ不均衡に由来し、ロータ不均衡に伴って増加することを観察した。
第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとを比較することにより、ロータ不均衡が許容可能レベルであるか否かを推定することができる。このプロセスは、有利には、ロータ不均衡の問題の早期発見を可能にする。このプロセスは、回転構成要素又は回転機械の保守管理が必要か否かの判断を支援することができる。従って、プロセスは、回転構成要素又は回転機械の早期段階での保守整備を容易にし、結果的に、より詳細な保守管理あるいは完全な故障を排除することができる。回転構成要素の動作は、このプロセスによって影響を受けず、回転構成要素の動作を何らかの方法で妨げることなく実行することができる。
回転構成要素の不均衡を推定することは、第1の速度-振幅マップと第1の速度-振幅マップとの間の変位に基づくことができる。変位は、第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとの間の導出振動振幅値の平均変位として、例えば、第1の速度-振幅テーブル及び第2の速度-振幅テーブルのエントリ間の導出振動振幅値の平均変位に基づいて定量化することができる。
回転構成要素の不均衡が許容可能か否かを推定することは、予め定義された又はユーザが定義したパラメータ、詳細には実験的に設定されたパラメータに基づくことができる。不均衡は、予め定義された又はユーザが定義したパラメータが予め定められた不均衡閾値を超えた場合に許容可能ではないと見なすことができる。
回転構成要素の不均衡を推定することは、速度-振幅マップ関数を定義するために使用されるパラメータに基づくことができる。例えば、推定は、第1の速度-振幅マップ関数と第2の速度-振幅マップ関数との間の回転速度オフセット又は導出振幅オフセットに基づくことができる。例えば、図3において、曲線「2」は、曲線「1」と比較して主にx軸(すなわち、導出振幅の10を底とする対数)に沿って変位しているように見える。あるいは、オフセットは、回転速度オフセットと導出振幅オフセットの組み合わせとして規定することもできる。不均衡は、オフセットが所定の不均衡閾値より大きい場合に許容可能ではないと見なすことができる。
1つの実施形態によれば、回転構成要素の許容可能ロータ不均衡を推定するためのステップは、
A)本開示の何らかの実施形態に従って、第1の複数の回転速度で回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスを実行するステップと、
このステップA)に続いて、
B)本開示の何らかの実施形態に従って、第2の複数の回転速度で回転構成要素の回転速度を推定するためのプロセスを実行するステップと、
C)第1の速度-振幅マップと第2の速度-振幅マップとの間の比較に基づいて、回転構成要素のロータ不均衡を推定するステップと、
を含む。
1つの態様によれば、回転構成要素は、ターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドの回転構成要素である。例示的に、回転構成要素は、ターボ過給機ブレードとすること、及び/又は回転機械は、ターボ過給機とすることができる。本開示の実施形態は、特に高温及び汚染環境を含む厳しい動作条件において、リモートセンシングが可能になるため、過給システム、詳細にはターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドに有利である。本開示の実施形態は、回転速度のオンライン更新及び連続読み出しを含む、様々な更なる利点を可能にする。

Claims (14)

  1. 過給システムのための回転構成要素の回転速度を推定するプロセスであって、
    センサを用いて前記回転構成要素の振動信号を測定するステップと、
    前記振動信号の複数のピーク成分から高調波列を識別して、前記高調波列から候補基本周波数を決定するステップと、
    前記振動信号から導出振動振幅値を決定するステップであって、前記振動信号に対する高振幅信号を除去することによって、前記振動信号をフィルタ処理することを含む、前記振動信号から導出振動振幅値を決定するステップと、
    所定の速度-振幅マップを用いて、前記導出振動振幅値と前記候補基本周波数との間の整合条件を検証するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記整合性条件を検証するステップは、
    前記速度-振幅マップから前記導出振動振幅値に対する予想回転速度を決定し、前記候補基本周波数が前記回転速度に対応するか否かを検証することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. a)前記候補基本周波数が前記予想回転速度に実質的に等しい場合、前記回転速度は、前記候補基本周波数に対応するように決定され、及び/又は、
    b)前記候補基本周波数が前記予想回転速度の整数分数又は整数倍数に実質的に等しい場合、前記回転速度は、前記候補基本周波数を前記整数分数又は前記整数倍数の比率で割ったものに対応するように決定され、及び/又は、
    c)前記候補基本周波数が前記予想回転速度に実質的に等しくなく、かつ、前記予想回転速度の前記整数分数又は整数倍数の値に実質的に等しくない場合、前記回転速度は、前記予想回転速度に対応するように決定される、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記回転構成要素を複数の回転速度で動作させること、及び
    前記回転速度の各々について、それぞれの導出振動振幅値を決定すること、及び
    前記回転速度及び前記それぞれの導出振動振幅値を含む速度-振幅テーブルを設定すること、
    によって、前記所定の速度-振幅マップを設定することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記速度-振幅マップを決定することは、
    前記速度-振幅テーブルのエントリに基づき、速度-振幅マップ関数を決定すること、
    を含む、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記速度-振幅マップを、前記推定回転速度及び前記それぞれの導出振動振幅値で更新するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記導出振動振幅値を決定するステップは、
    前記フィルタ処理された振動信号の全振動振幅を決定すること、詳細には、前記全振動振幅が、前記フィルタ処理された振動信号のスペクトルの根二乗和に基づくこと、又は前記全振動振幅が、前記フィルタ処理された振動信号の二乗平均平方根に基づくことを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記振動信号の前記フィルタ処理は、前記振動信号のパワースペクトルの最大振幅信号の少なくとも10%を除去することを含む、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記プロセスは、オンラインプロセスであり、詳細には、前記速度-振幅マップの事前決定及び/又は前記速度-振幅マップ関数の決定がオンラインで実行される、請求項1から8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記回転構成要素は、ターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドの回転構成要素である、請求項1から9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記高調波列要素を抽出するステップは、
    前記振動信号のピーク成分を識別し、前記ピーク成分の各々の周波数を決定し、
    複数のピーク成分から高調波列要素を抽出する、
    ことを含み、
    前記高調波列要素の各々の周波数は、前記高調波列要素の少なくとも1つの他の要素の実質的に整数分数又は実質的に整数倍数である、請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 回転構成要素の許容可能ロータ不均衡を推定するプロセスであって、
    A)回転構成要素を第1の複数の回転速度で動作させ、前記回転構成要素の第1の複数の振動信号を測定するステップと、
    前記第1の複数の回転速度の各々について、導出振動振幅値を決定するステップであって、前記振動信号に対する高振幅信号を除去することによって、前記第1の複数の振動信号をフィルタ処理することを含む、導出振動振幅値を決定するステップと、
    第1の速度-振幅マップを設定するステップと、
    を含む、ステップと、
    ステップA)に続いて、
    B)前記回転構成要素を第2の複数の回転速度で動作させ、前記回転構成要素の第2の複数の振動信号を測定するステップと、
    前記第2の複数の回転速度の各々について、導出振動振幅値を決定するステップであって、前記振動信号に対する高振幅信号を除去することによって、前記第2の複数の振動信号をフィルタ処理することを含む、導出振動振幅値を決定するステップと、
    第2の速度-振幅マップを設定するステップと、
    を含む、ステップと、
    C)前記第1の速度-振幅マップと前記第2の速度-振幅マップとの間の比較に基づいて、前記回転構成要素のロータ不均衡を推定するステップと、
    を含む、プロセス。
  13. A)前記第1の複数の回転速度及び前記それぞれの導出振動振幅値を含む第1の速度-振幅テーブルを設定し、前記第1の速度-振幅テーブルのエントリに基づいて、第1の速度-振幅マップ関数を決定することで、前記第1の速度-振幅マップを設定し、
    B)前記第2の複数の回転速度及び前記それぞれの導出振動振幅値を含む第2の速度-振幅テーブルを設定し、前記第2の速度-振幅テーブルのエントリに基づいて、第2の速度-振幅マップ関数を決定することで、前記第2の速度-振幅マップを設定し、
    C)前記第1の速度-振幅マップと前記第2の速度-振幅マップとの間の変位に基づいて、詳細には前記第1の速度-振幅マップ関数と前記第2の速度-振幅マップ関数との間の回転速度オフセット又は導出振幅オフセットに基づいて、前記回転構成要素の不均衡を推定する、
    ことをさらに含む、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記回転構成要素は、ターボ過給システム及び/又はターボコンパウンドの回転構成要素である、請求項12又は13に記載のプロセス。
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