JP2023522688A - ウイルス感染症の治療に使用されるaak1阻害剤 - Google Patents

ウイルス感染症の治療に使用されるaak1阻害剤 Download PDF

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Abstract

本明細書では、コロナウイルス感染症、デングウイルス感染症、又はHBVウイルス感染症を治療、管理及び/又は予防するために使用されるアダプター関連キナーゼ1(AAK1)阻害剤を提供する。特定の実施形態は、有効量の式(I)のAAK1阻害剤を、それを必要とする対象に投与することを含む。

Description

1. 発明の分野
本発明は、ウイルス感染症の治療、管理及び予防、並びにそれらに有用な化合物に関する。
2. 発明の背景
コロナウイルス(CoV)は、主として鳥類及び哺乳類における風土病の感染を引き起こす。ここ数十年において、コロナウイルスはヒトにも感染することがあることが示されている。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、更に最近では、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の大流行により、CoVが種の壁を越え、ヒトに感染した場合のCoVの致死性が実証されている。COVID-19のパンデミックによって拍車をかけられたコロナウイルス研究への新たな関心は、種々の新しいワクチンにつながっている。しかしながら、依然として、ウイルス感染症を治療、予防及び管理するための他のアプローチが、緊急に必要とされている。
アダプター関連キナーゼ1(AAK1)は、セリン/トレオニンキナーゼのArk1/Prk1ファミリーのメンバーである。AAK1 mRNAは、ショート及びロングと称される、2種のスプライシング型で存在する。ロング型が優勢であり、脳及び心臓において高度に発現される(非特許文献1)。AAK1はシナプトソームの調製物中に豊富に存在し、培養細胞においてエンドサイトーシスの構造物と共局在化する。AAK1は、シナプス小胞のリサイクル及び受容体介在性のエンドサイトーシスにおいて重要である、クラスリン被覆エンドサイトーシスプロセスを調整する。AAK1は、受容体カーゴをクラスリン被覆に連結するヘテロ四量体であるAP2複合体と会合する。クラスリンとAAK1との結合は、AAK1キナーゼ活性を刺激する(非特許文献2、非特許文献3)。AAK1はAP-2のmu-2サブユニットをリン酸化し、これは、mu-2とカーゴ受容体上のチロシン含有ソーティングモチーフとの結合を促進する(非特許文献4、非特許文献5)。mu2のリン酸化は受容体の取り込みには必要とされないが、リン酸化は内部移行の効率を高める(非特許文献6)。AAK1阻害剤を開発する最近の取り組みでは、疼痛及び或る種の精神疾患の治療に使用できるそれらの可能性に焦点が当てられている。例えば、特許文献1を参照のこと。
米国特許第9,902,722号
Henderson and Conner, Mol. Biol. Cell. 2007, 18, 2698-2706 Conner et. al., Traffic 2003, 4, 885-890 Jackson et. al., J. Cell. Biol. 2003, 163, 231-236 Ricotta et. al., J. Cell Bio. 2002, 156, 791-795 Conner and Schmid, J. Cell Bio. 2002, 156, 921-929 Motely et. al., Mol. Biol. Cell. 2006, 17, 5298-5308
3. 発明の概要
本発明は、或る特定のAAK1阻害剤の抗ウイルス活性を用いて、ウイルス感染症を治療することができるという発見に基づいている。したがって、本発明の一実施の形態は、治療的有効量のアダプター関連キナーゼ1(AAK1)阻害剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。
いくつかの実施の形態において、対象が、発熱、咳、息切れ、呼吸困難、胸部の持続性疼痛、胸部の圧迫感、青みがかった唇又は顔、疲労感、鼻水、又は咽喉痛のうちの1つ以上を示す。
また、本明細書で提供されるのは、宿主細胞におけるコロナウイルスの侵入、集合及び/又は出芽を阻害する方法であって、該方法が、宿主細胞をAAK1阻害剤と接触させることを含む、方法である。
いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である。いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)である。いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)である。
いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、SARS-CoV-2様コロナウイルスである。いくつかの実施の形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、配列番号1と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する。
いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、CoV-229E様コロナウイルスである。いくつかの実施の形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、配列番号5と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する。
いくつかの実施の形態において、コロナウイルスは、CoV-OC43様コロナウイルスである。いくつかの実施の形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、配列番号9と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する。
いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、式(I):
Figure 2023522688000002
(式中、
Aが、
Figure 2023522688000003
及び
から選択され、式中、「
Figure 2023522688000004
」がBとの結合点を意味し、
Bが、
Figure 2023522688000005
及び
から選択され、式中、「」がRとの結合点を示し、「**」が環Aとの結合点を示し、
が、水素、アミノ、-COH、ジフルオロメチル、エチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、トリフルオロメトキシ、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、水素、シアノ、-CHOH、ハロ、及びメチルから選択され、
が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、メチルスルホニル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、-CHN(CH、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
が、
Figure 2023522688000006
及び
から選択され、
が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、メチルである)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、式(II):
Figure 2023522688000007
(式中、
Aが、
Figure 2023522688000008
及び
から選択され、式中、「
Figure 2023522688000009
」がBとの結合点を意味し、
Bが、フェニル及びピリジニルから選択され、
が、水素、ジフルオロメチル、ハロ、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、水素、-CHOH、及びハロから選択され、
が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択される)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施の形態において、Aは、
Figure 2023522688000010
及び
である。
いくつかの実施の形態において、Bは、
Figure 2023522688000011
及び
である。
いくつかの実施の形態において、Rは、
Figure 2023522688000012
である。
いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
Figure 2023522688000013
、又はその薬学的に許容される塩である(本明細書では「化合物1」と称する)。
いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、AAK1阻害剤と、薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む薬学的組成物で対象に投与される。いくつかの実施の形態において、薬学的組成物は、薬学的剤形である。いくつかの実施の形態において、投与は、経口である。
本発明の一実施の形態は、SARS-CoV-2様コロナウイルス感染症を治療、管理及び/又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。
本発明の一実施の形態は、CoV-229E様コロナウイルス感染症を治療、管理及び/又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。
本発明の一実施の形態は、CoV-OC43様コロナウイルス感染症を治療、管理及び/又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。
いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、約50mg~500mgの用量で対象に経口投与される。いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、約100mg~300mgの用量で対象に経口投与される。いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、約150mg~250mgの用量で対象に経口投与される。いくつかの実施の形態において、AAK1阻害剤は、約200mgの用量で対象に経口投与される。
4. 図面の説明
以下の図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の或る特定の態様を更に実証するために含まれる。本発明は、本明細書に提示する特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面のうちの1つ以上を参照することによって、よりよく理解することができる。
CoV-229Eに対するAAK1阻害剤(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミンホスフェート(「化合物1」)のin vitro抗ウイルス効果の試験から得られた生データを示す図である。 CoV-229Eに対する化合物1のin vitro抗ウイルス効果の試験から得られたデータのグラフ表示を提供する。 HCoV-OC43誘発性CPEの阻害(パーセンテージ値)を示す図である。値は、ウイルス複製の代用マーカーとして、HCoV-OC43誘発性CPEの阻害を示す。 試験物の存在下でのHuh-7細胞の生存率(パーセンテージ値)を示す図である。結果は、6日目にXTTアッセイ(吸光度490nm読み取り)により決定した細胞生存率の程度を示す。データは、試験物質の不存在下(ビヒクル単独、0.01% DMSOのみ含む培地)にて細胞で観察された値に対して正規化されている。 Huh-7細胞における試験物のCC50値(パーセンテージ値)の決定を示す図である。値は、ビヒクル単独(0.01% DMSOのみ含む培地)でインキュベートした試料で観察された生存率のパーセンテージとして推定される生存率のパーセントを示す。結果は、繰り返しデータポイントの平均を示す。データはシグモイド関数に調整され、CC50値は、正規化された用量反応曲線を可変勾配(variable slope)に適合させるGraphPad Prismソフトウエアを使用して計算された。 非感染及びHCoV-OC43感染H292細胞の生存率に対する化合物1の効果を示す図である。データは平均細胞生存率のパーセンテージ±SEM(n=3)として表示される。 HCoV 229E CPEアッセイにおける化合物1の活性及び細胞傷害性の曲線適合を示す図である。 HCoV OC43 CPEアッセイにおける化合物1の活性及び細胞傷害性の曲線適合を示す図である。 SARS-CoV-2誘発性CPEの阻害(生RLU)を示す図である。細胞生存率は、ビヒクル単独か、又は様々な濃度の試験物の存在下で感染させたVero E6細胞を含有するウェルにおける生RLU値として示される。非感染細胞はモックとして示される。陽性対照として10μMのレムデシビルも含まれる。 化合物1による生SARS-CoV-2誘発性CPEの阻害(パーセンテージ値)を示す図である。値は、ウイルス複製の代用マーカーとして、SARS-CoV-2誘発性CPEの阻害を示す。データ値は、ビヒクルの存在下にて感染細胞で観察された平均発光を差し引いた後、非感染細胞で観察されたRLUに対して正規化された。非感染細胞(「モック」)の値は、比較(100%阻害)のために含まれている。試験物についてプロットされたデータは、繰り返しの平均及び標準偏差を示す。 化合物1によるSARS-CoV-2中和のIC50値の決定を示す図である。値は、試験物なし(ビヒクル単独)でインキュベートした試料と比較した、生SARS-CoV-2(USA-WA1/2020)阻害のパーセンテージを示す。結果は、試験物の繰り返しデータポイントの平均を示す。GraphPad Prismソフトウエアを使用してシグモイド関数に調整できなかったデータについては、SARS-CoV-2複製を50%阻害する濃度から近似IC50値を推定した。 化合物1の処理による非感染Vero E6細胞の生存率(パーセンテージ値)を示す図である。結果は、2日後にCellTiter Gloアッセイ(RLU)により決定した細胞生存率の程度を示す。データは、試験物質の不存在下(「ビヒクル」)にて細胞で観察された値に対して正規化されている。結果は、標準偏差を含む繰り返しデータポイントの平均を示す。 Vero E6細胞における化合物1のCC50値(パーセンテージ値)の決定を示す図である。値は、ビヒクル単独(培地)でインキュベートした試料で観察された生存率のパーセンテージとして推定される生存率のパーセントを示す。結果は、繰り返しデータポイントの平均を示す。可能であればデータはシグモイド関数に調整され、CC50値は、正規化された用量反応曲線を可変勾配に適合させるGraphPad Prismソフトウエアを使用して計算された。 化合物1の抗ウイルス活性を示す図である。図14Aは4日目のデータを示す。図14Bは5日目のデータを示す。96ウェルプレートに播種したVero細胞を、100μMから開始する化合物1の段階希釈液(8つの3倍希釈液)でインキュベートし、MOI 0.05でD2Y98Pに、MOI 0.08でD2S221に感染させた。IC50値は、XLfitモデル205を使用して計算した。各実験について3連の平均値を標準偏差とともに示す。塗りつぶしの丸印は、y軸上の化合物1の平均細胞傷害性を表す。 クロロキンジホスフェートの抗ウイルス活性を示す図である。図15Aは4日目のデータを示す。図15Bは5日目のデータを示す。96ウェルプレートに播種したVero細胞を、100μMから開始するクロロキンジホスフェートの段階希釈液(8つの3倍希釈液)でインキュベートし、MOI 0.05でD2Y98Pに、MOI 0.08でD2S221に感染させた。IC50値は、XLfitモデル205を使用して計算した。各実験について3連の平均値を標準偏差とともに示す。塗りつぶしの丸印は、y軸上のクロロキンジホスフェートの平均細胞傷害性を表す。 スニチニブの抗ウイルス活性を示す図である。図16Aは4日目のデータを示す。図16Bは5日目のデータを示す。96ウェルプレートに播種したVero細胞を、100μMから開始するスニチニブの段階希釈液(8つの3倍希釈液)でインキュベートし、MOI 0.05でD2Y98Pに、MOI 0.08でD2S221に感染させた。IC50値は、XLfitモデル205を使用して計算した。各実験について3連の平均値を標準偏差とともに示す。塗りつぶしの丸印は、y軸上のスニチニブの平均細胞傷害性を表す。 リバビリンの抗ウイルス活性を示す(内部アッセイ対照)図である。図17Aは4日目のデータを示す。図17Bは5日目のデータを示す。96ウェルプレートに播種したVero細胞を、100μMから開始するリバビリンの段階希釈液(8つの3倍希釈液)でインキュベートし、MOI 0.05でD2Y98Pに、MOI 0.08でD2S221に感染させた。IC50値は、XLfitモデル205を使用して計算した。各実験について3連の平均値を標準偏差とともに示す。塗りつぶしの丸印は、y軸上のリバビリンの平均細胞傷害性を表す。
5. 発明の詳細な説明
本発明は、或る特定のAAK1阻害剤がウイルス感染症の治療、管理及び/又は予防において有用であり得るという発見に一部基づいている。
5.1. 定義
開示される主題の記載及び特許請求において、以下に記載される定義に従って以下の用語を使用する。
特に明示のない限り、「管理する(manage)」、「管理すること(managing)」及び「管理(management)」という用語は、特定の疾患若しくは障害に既に罹患した患者において疾患若しくは障害の再発を予防すること、及び/又は疾患若しくは障害に罹患している患者が寛解期にある時間を延長させることを包含する。この用語は、疾患若しくは障害の閾値、発症及び/又は継続期間を調節すること、又は患者の疾患若しくは障害に対する応答の仕方を変えることを包含する。
特に明示のない限り、「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」及び「予防(prevention)」という用語は、疾患又は障害の重症度を抑制するか又は低減させる、患者が特定の疾患又は障害に罹患し始める前に行う処置を意図する。換言すると、この用語は予防法を包含する。
特に明示のない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾患若しくは病態、若しくは疾患若しくは病態に関連する1つ以上の症状を予防するのに、又はその再発を予防するのに十分な量である。化合物の「予防的有効量」は、単独で又は他の作用物質と組み合わせて、疾患の予防において予防的利点をもたらす治療剤の量を意味する。「予防的有効量」という用語は、予防法を全体的に改善するか、又は別の予防剤の予防的な有効性を高める量を包含し得る。
特に明示のない限り、化合物の「治療的有効量」は、疾患若しくは病態の治療若しくは管理において治療的利点をもたらすのに、又は疾患若しくは病態に関連した1つ以上の症状を遅延させる若しくは最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の「治療的有効量」は、疾患又は病態の治療又は管理に治療的利点をもたらす、単独の又は他の療法と組み合わせた治療剤の量を意味する。「治療的有効量」という用語は、療法を全体的に改善するか、疾患若しくは病態の症状若しくは原因を低減させる若しくは回避するか、又は別の治療剤の治療的な有効性を高める量を包含し得る。
特に明示のない限り、「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」及び「治療(treatment)」という用語は、疾患若しくは障害の重症度を低減させるか、又は疾患若しくは障害の進行を遅延若しくは減速させる、患者が特定の疾患又は障害に罹患している間に行う処置を意図する。
本明細書で使用される場合に、単数形("a"、"an"、及び"the")は、文脈上別段の規定がない限り、複数の参照を含む。
特に明示のない限り、本明細書では、「約」という用語は、当該技術分野における典型的な許容範囲内を意味するために使用される。例えば、「約」は、平均からの約2標準偏差として理解できる。或る特定の実施形態において、約は±10%を意味する。或る特定の実施形態において、約は±5%を意味する。一連の数値又は範囲の前に約が表示されている場合、「約」は、この一連又は範囲における数値のそれぞれを変更できることが理解される。
5.2. AAK1阻害剤
本発明は、特許文献1に開示されているアダプター関連キナーゼ1(AAK1)阻害剤を使用する方法及びそれらを含む組成物を包含する。特定の化合物には、式(I):
Figure 2023522688000014
(式中、
Aが、
Figure 2023522688000015
及び
から選択され、式中、「
Figure 2023522688000016
」がBとの結合点を意味し、
Bが、
Figure 2023522688000017
及び
から選択され、式中、「」がRとの結合点を示し、「**」が環Aとの結合点を示し、
が、水素、アミノ、-COH、ジフルオロメチル、エチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、トリフルオロメトキシ、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、水素、シアノ、-CHOH、ハロ、及びメチルから選択され、
が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、メチルスルホニル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、-CHN(CH、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
が、
Figure 2023522688000018
及び
から選択され、
が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、メチルである)の化合物及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
式(I)のいくつかの実施形態において、Aは、
Figure 2023522688000019
及び
から選択される。
式(I)のいくつかの実施形態において、Bは、
Figure 2023522688000020
及び
から選択される。
式(I)のいくつかの実施形態において、Bは、
Figure 2023522688000021
である。
式(I)のいくつかの実施形態において、Rは、
Figure 2023522688000022
である。
特定のAAK1阻害剤には、式(II):
Figure 2023522688000023
(式中、
Aが、
Figure 2023522688000024
及び
から選択され、式中、「
Figure 2023522688000025
」がBとの結合点を意味し、
Bが、フェニル及びピリジニルから選択され、
が、水素、ジフルオロメチル、ハロ、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、及びトリフルオロメチルから選択され、
が、水素、-CHOH、及びハロから選択され、
が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択される)のもの及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
式(II)のいくつかの実施形態において、Aは、
Figure 2023522688000026
及び
から選択される。
式(II)のいくつかの実施形態において、Bはピリジニルである。
式(II)のいくつかの実施形態において、Bは、
Figure 2023522688000027
であり、式中、「
Figure 2023522688000028
」はAとの結合点を意味し、「
Figure 2023522688000029
」は酸素原子との結合点を意味する。
式(II)のいくつかの実施形態において、Aは、
Figure 2023522688000030
及び
から選択され、
Bは、
Figure 2023522688000031
である。
特定のAAK1阻害剤には、
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-2-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-5-(2-アミノピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-メチルフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-クロロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3,5-ジフルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-(イソオキサゾール-5-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-2-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-5-(2-メチルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-5-(2-メトキシピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-5-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-(2-(イソオキサゾール-5-イル)-4-(2-メチルピリジン-4-イル)フェノキシ)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(ジフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(ジフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-クロロフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-メチルフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-2,3-ジメチルフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(ヒドロキシメチル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-1-(4-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-(2-(ジフルオロメチル)-4-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(3-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(5-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(2-フルオロ-3-メチルピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(2,3-ジフルオロピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(2-フルオロピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(2-メチルピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(3-メトキシピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(3-フルオロピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(2-メチルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-(2-シクロプロピル-4-(2-メチルピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-(ジフルオロメチル)-4-(2-メチルピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-メチル-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-シアノ-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-メチル-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-クロロ-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-メトキシ-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’-クロロ-5-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-(ジフルオロメチル)-5-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-2’-(ジフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-5-カルボニトリル;
(S)-1-((5-クロロ-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,5-ジメチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-メトキシ-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’,6-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-6-クロロ-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((6-クロロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(キノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(2-(トリフルオロメチル)-4-(7-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(7-フルオロキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(6-フルオロキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-シクロプロピル-4-(キノリン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
1-(2-クロロ-6-フルオロ-4-(キノリン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(7-フルオロキノリン-4-イル)-3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ニコチノニトリル;
(S)-1-((3-クロロ-5-(キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-メトキシ-5-(キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(1,6-ナフチリジン-4-イル)ニコチノニトリル;
(S)-2,4-ジメチル-1-((2-メチル-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-((4-メチル-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-クロロ-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(1,6-ナフチリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(1,6-ナフチリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(1,5-ナフチリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-(4-(7-クロロキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン-7-カルボニトリル;
(S)-2,4-ジメチル-1-(2-メチル-4-(2-メチルピリジン-4-イル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-フルオロ-4-(2-メチルピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(2-フルオロピリジン-4-イル)-2-メチルフェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-フルオロ-4-(2-フルオロピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(2-フルオロピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-((2’-フルオロ-5-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-4-(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-メチルピリジン-3-イル)キノリン-7-カルボニトリル;
(S)-1-((5-フルオロ-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-フルオロ-5-(キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-4-(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-フルオロピリジン-3-イル)キノリン-7-カルボニトリル;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-シアノフェニル)-3-フルオロピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-5-カルボニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(7-メチルキノリン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(3-フルオロ-2-メチルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(キノリン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(5-フルオロ-2-メチルピリジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-シアノフェニル)-5-フルオロピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-1-((6-フルオロ-2’,4-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
メチル(5-((3-イソブチルアゼチジン-3-イル)メトキシ)-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-2-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-5-(6-メチルピリダジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(S)-1-(2-(イソオキサゾール-5-イル)-4-(キノリン-4-イル)フェノキシ)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(S)-4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルニコチン酸;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3-(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(2-メチルピリジン-4-イル)-2-(メチルスルホニル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(2-(メチルスルホニル)-4-(キノリン-4-イル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-(ジフルオロメチル)-4-(6-フルオロキノリン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-6-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,4-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-(ジフルオロメチル)-4-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-シクロプロピル-4-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(6-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(6-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
((S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(6-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(6-(トリフルオロメトキシ)キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-クロロ-6-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-クロロ-6-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(7-フルオロキノリン-4-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(6-フルオロキノリン-4-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(6-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-エチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-5’-フルオロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-((2’-メチル-4-(トリフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-((6-(キノリン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-(トリフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-5’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-(2-(ジフルオロメチル)-4-(2-メチルピリミジン-4-イル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3’-フルオロ-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-アミン;
(S)-1-((2’-クロロ-3’-フルオロ-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5’-フルオロ-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’-クロロ-5’-フルオロ-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3’-フルオロ-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-クロロ-2’-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-6-(6-メチルピリダジン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2-(ジフルオロメチル)-6-(6-メチルピリダジン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-2,4-ジメチル-1-((2’-メチル-4-(トリフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(R)-2,4-ジメチル-1-((6-(キノリン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(R)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-(トリフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(R)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-5’-フルオロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((2’-クロロ-4-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-エチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((4-(ジフルオロメチル)-5’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((4-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(R)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((2’,4-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(4-(ジフルオロメチル)-5-((2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-オール;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンチル)オキシ)-6-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(R)-メチル(5-((2-アミノ-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンチル)オキシ)-6-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンチル)オキシ)-4-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(R)-メチル(5-((2-アミノ-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンチル)オキシ)-4-(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,4-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((2’,4-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2-(フルオロメチル)-4-メチルペンタン-2-アミン;
(S)-N-(4-(4-((2-アミノ-4-メチルペンチル)オキシ)-3-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
(S)-1-((3-クロロ-5-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-クロロ-5-(6-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-クロロ-5-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’-クロロ-5-(ジフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(ジフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((5-(7-クロロキノリン-4-イル)-3-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,5-ビス(ジフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(6-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(7-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(ジフルオロメチル)-2’,3’-ジメチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(7-メチルキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-メトキシ-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((2’-(ジフルオロメチル)-4-メトキシ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(4-(4-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)ナフタレン-1-イル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-((4-(キノリン-4-イル)ナフタレン-1-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(4-(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)ピリミジン-2-イル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-メチル(4-(2-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)ピリミジン-5-イル)ピリジン-2-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-((2’,4,6-トリメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4,6-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(キナゾリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(2-メチルキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-(4-(6-クロロキノリン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-((5-(キノリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(トリフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-2,4-ジメチル-1-((2’-メチル-5-(トリフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(6-クロロキノリン-4-イル)-3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(6-フルオロキノリン-4-イル)-3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)-3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(7-クロロキノリン-4-イル)-3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(7-フルオロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,4-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(6-クロロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(6-フルオロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(7-クロロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(7-フルオロキノリン-4-イル)-4-メチルピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(6-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-4-クロロ-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((4-クロロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(6-クロロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,4-ジクロロ-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(7-フルオロキノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-6-(7-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-クロロ-2’,3’-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((5-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-メチル(6-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-5-(ジフルオロメチル)-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(R)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(キノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(5,7-ジフルオロキノリン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(R)-1-((5-(7-クロロキノリン-4-イル)-3-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
N-(4’-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-3’-メチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)アセトアミド;
(S)-1-(4-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-(4-(2-メチルピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-メチル(5-((2-アミノ-2,4-ジメチルペンチル)オキシ)-6-メチル-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)カルバメート;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-2,4-ジメチル-1-((2’-メチル-4-(トリフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)ペンタン-2-アミン;
(S)-1-((4-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((6-(ジフルオロメチル)-3’-フルオロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
(S)-1-((3-(ジフルオロメチル)-5-(2-メチルピリミジン-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;及び、
(S)-1-((4-クロロ-2’-メチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン;
並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
特定のAAK1阻害剤は、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
Figure 2023522688000032
、又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミンホスフェートである。本明細書に開示されるこのAAK1阻害剤及び他のAAK1阻害剤は、当該技術分野において既知の方法、及び特許文献1に記載される方法によって調製することができる。
5.3. ウイルス感染症
本発明は、部分的に、ウイルス感染症を治療、管理及び予防する方法に関する。特定のウイルス感染症は、コロナウイルス感染症である。
コロナウイルスは、哺乳類及び鳥類において疾患を引き起こす関連ウイルスのグループである。ヒトにおいて、コロナウイルスは軽度から致死に範囲し得る気道感染症を引き起こす。軽症の疾病には感冒のいくつかの場合(ライノウイルスを主とする他の原因の可能性がある)が含まれ、致死性の高いものは重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、及びコロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こす可能性がある。
コロナウイルスは、リボウイルス域、ニドウイルス目、コロナウイルス科におけるオルトコロナウイルス亜科を構成する。コロナウイルスは、プラス鎖の一本鎖RNAゲノム及びらせん対称のヌクレオカプシドを有するエンベロープウイルスである。コロナウイルスのゲノムサイズは約26キロベース~32キロベースの範囲であり、RNAウイルスの中で最大のものの1つである(Woo et al., Viruses. 2 (8): 1804-1820を参照のこと)。コロナウイルスは、その表面から突出する特徴的なこん棒状のスパイクを有し、電子顕微鏡写真において、その名の由来となった太陽コロナを連想させる画像が得られる。
コロナウイルスが最初に発見されたのは、1930年代に、家畜化されたニワトリの急性呼吸器感染症が感染性気管支炎ウイルス(IBV)によって引き起こされることが示されたときである。1940年代において、マウス肝炎ウイルス(MHV)及び伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)の更に2つの動物コロナウイルスが分離された。
ヒトコロナウイルスは1960年代に発見された(Kahn et al., The Pediatric Infectious Disease Journal. 24 (11 Suppl): S223-27, discussion S226を参照のこと)。最も初期に研究されたものはヒトの感冒患者由来であり、後にヒトコロナウイルス229E及びヒトコロナウイルスOC43と命名された(Geller et al., Viruses. 4 (11): 3044-68を参照のこと)。その後、2003年におけるSARS-CoV、2004年におけるHCoV NL63、2005年におけるHKU1、2012年におけるMERS-CoV、及び2019年におけるSARS-CoV-2を含む他のヒトコロナウイルスが特定されている。これらのほとんどは、重篤な気道感染症に関与している(Su et al., Trends in Microbiology. 24 (6): 490-502、及びZhu et al., The New England Journal of Medicine. 382 (8): 727-733を参照のこと)。
本発明のいくつかの実施形態において、対象(例えば、ヒトの患者)はSARS-CoV2に感染している。いくつかの実施形態において、対象はHCoV NL63に感染している。いくつかの実施形態において、対象はMERS-CoVに感染している。いくつかの実施形態において、対象はSARS-CoVに感染している。いくつかの実施形態において、対象はCoV-229Eに感染している。いくつかの実施形態において、対象はCoV-OC43に感染している。いくつかの実施形態において、対象はCoV-HKU1に感染している。
SARS-Cov-2
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、呼吸器疾病であるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こすウイルス株である。時には、SARS-CoV-2は暫定的名称「2019新型コロナウイルス」(2019-nCoV)で呼ばれている。SARS-CoV-2は、プラス鎖の一本鎖RNAウイルスである(Su et al., Trends in Microbiology. 24 (6): 490-502、及びZhu et al., The New England Journal of Medicine. 382 (8): 727-733を参照のこと)。SARS-CoV-2はヒトにおいて伝染性であり、世界保健機関(WHO)は現在進行中のCOVID-19のパンデミックを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に指定している(Almeida et al., Nature. 220 (5168): 650、McIntosh et al., Current Topics in Microbiology and Immunology / Ergebnisse der Mikrobiologie und Immunitaetsforschung. Berlin, Heidelberg: Springer: 87、及びKahn et al., The Pediatric Infectious Disease Journal. 24 (11 Suppl): S223-27, discussion S226を参照のこと)。このウイルスは、濃厚接触により、及び咳又はくしゃみから生じる呼吸器飛沫を介して人々の間で感染拡大すると報告されており、受容体アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することによってヒト細胞に侵入すると考えられている(Cui et al., Nature Reviews. Microbiology. 17 (3): 181-92、及びLi et al., Science. 309 (5742): 1864-68を参照のこと)。
SARS-CoV-2株の全ゲノム配列は、配列番号1(NCBI参照配列:NC_045512.2)で表される。本明細書で使用される場合、「SARS-CoV-2様コロナウイルス」という用語は、配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上のゲノム相同性を有するコロナウイルスを指す。
本発明のいくつかの実施形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、SARS-CoV-2の対応する遺伝子配列(複数の場合もある)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、SARS-CoV-2エンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号2)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(エンベロープタンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、SARS-CoV-2膜糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号3)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(膜糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号4)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(スパイク糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2様コロナウイルスは、SARS-CoV-2の任意の既知の検出方法、例えば、PCR等の分子検査、又は抗体検査等の血清学的検査を使用して陽性に検出されるウイルスである。
5.3.1. CoV-229E
ヒトコロナウイルス229E(CoV-229E)は、ヒト及びコウモリに感染するコロナウイルスの一種である(Lim et al., Diseases. 4 (3): 26を参照のこと)。CoV-229Eは、エンベロープを持つプラス鎖の一本鎖RNAウイルスであり、APN受容体に結合することによってその宿主細胞に侵入する(Fehr et al., Springer. 1282: 1-23を参照のこと)。ヒトコロナウイルスOC43とともに、CoV-229Eは感冒の原因となるウイルスの1つである(Susanna et al., J Virology. 2011 November; 85(21): 11325-11337、及びGaunt et al., International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV). October 2018を参照のこと)。この種は、アルファコロナウイルス属及びデュビナコウイルス(Duvinacovirus)亜属に属する。
CoV-229E株の全ゲノム配列は、配列番号5(NCBI参照配列:NC_002645.1)で表される。本明細書で使用される場合、「CoV-229E様コロナウイルス」という用語は、配列番号5のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上のゲノム相同性を有するコロナウイルスを指す。
本発明のいくつかの実施形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、CoV-229Eの対応する遺伝子配列(複数の場合もある)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、CoV-229Eエンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号6)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(エンベロープタンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、CoV-229E膜糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号7)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(膜糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、CoV-229E表面糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号8)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(表面糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-229E様コロナウイルスは、CoV-229Eの任意の既知の検出方法、例えば、PCR等の分子検査、又は抗体検査等の血清学的検査を使用して陽性に検出されるウイルスである。
5.3.2. CoV-OC43
ヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)は、ヒト及びウシに感染するベータコロナウイルス1の種に属する(例えば、Lee, Paul. Molecular epidemiology of human coronavirus OC43 in Hong Kong (Thesis). The University of Hong Kong Libraries. doi:10.5353/th)、the ncbi.nlm.nih.gov website、及びLim et al., Diseases. 4 (3): 26を参照のこと)。感染するコロナウイルスはエンベロープを持つプラス鎖の一本鎖RNAウイルスであり、N-アセチル-9-O-アセチルノイラミン酸受容体に結合することによってその宿主細胞に侵入する(例えば、Li et al., Annual Review of Virology. 3 (1): 237-261を参照のこと)。
CoV-OC43株の全ゲノム配列は、配列番号9(NCBI参照配列:AY391777.1)で表される。本明細書で使用される場合、「CoV-OC43様コロナウイルス」という用語は、配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上のゲノム相同性を有するコロナウイルスを指す。
本発明のいくつかの実施形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、CoV-OC43の対応する遺伝子配列(複数の場合もある)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、CoV-OC43エンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号10)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(エンベロープタンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、CoV-OC43膜糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号11)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(膜糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、CoV-OC43スパイク表面糖タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号12)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(スパイク表面糖タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、CoV-OC43様コロナウイルスは、CoV-OC43の任意の既知の検出方法、例えば、PCR等の分子検査、又は抗体検査等の血清学的検査を使用して陽性に検出されるウイルスである。
5.3.3. MERS-CoV
ラクダインフルエンザ(例えば、Parry et al., Travel alert after eighth camel flu death. The Timesを参照のこと)としても既知の中東呼吸器症候群(MERS)は、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)によって引き起こされるウイルス性呼吸器感染症である(例えば、WHOウェブサイトの中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)を参照のこと)。症状は、全くないものから、軽度のもの、重度のものに範囲する場合がある(例えば、Zumla et al., Lancet. 386 (9997): 995-1007, 2015を参照のこと)。典型的な症状としては、発熱、咳、下痢、及び息切れが挙げられる[2]。この疾患は通常、他の健康問題を抱えている人においてより重症である(例えば、Zumla et al., Lancet. 386 (9997): 995-1007, 2015、及びWHOウェブサイトの中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)を参照のこと)。
MERS-CoVは、元々コウモリ由来と考えられているコロナウイルスである。しかしながら、ヒトは通常、ラクダから直接接触又は間接的に感染する(WHOウェブサイトの中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV))。ヒト間の感染拡大には、通常、感染者との濃厚接触が必要である。病院外での感染拡大はまれである(Zumla et al., Lancet. 386 (9997): 995-1007, 2015)。
MERS-CoV株の全ゲノム配列は、配列番号13(NCBI参照配列:NC_019843.3)で表される。本明細書で使用される場合、「MERS-CoV様コロナウイルス」という用語は、配列番号13のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上のゲノム相同性を有するコロナウイルスを指す。
本発明のいくつかの実施形態において、MERS-CoV様コロナウイルスは、MERS-CoVの対応する遺伝子配列(複数の場合もある)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、MERS-CoV様コロナウイルスは、MERS-CoVエンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号14)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(エンベロープタンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、MERS-CoV様コロナウイルスは、MERS-CoV膜タンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号15)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(膜タンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、MERS-CoV様コロナウイルスは、MERS-CoVスパイクタンパク質遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号16)に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である構造タンパク質(スパイクタンパク質)をコードする遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、MERS-CoV様コロナウイルスは、MERS-CoVの任意の既知の検出方法、例えば、PCR、rRT-PCR等の分子検査、又は血液及び呼吸器試料における抗体検査等の血清学的検査を使用して陽性に検出されるウイルスである。
5.3.4. デングウイルス
本発明はまた、デングウイルス感染症を治療、管理及び予防する方法を包含する。
デングウイルス(DENV)はデング熱の原因である。DENVは、蚊媒介性の、フラビウイルス科、フラビウイルス属の一本鎖のプラス鎖RNAウイルスである(例えば、Rodenhuis-Zybert et al., Cellular and Molecular Life Sciences. 67 (16): 2773-86, 2010、及びWHO (2009). Dengue Guidelines for Diagnosis, Treatment, Prevention and Control, World Health Organization. ISBN 978-92-4-154787-1を参照のこと)。このウイルスの5つの血清型が見つかっており(例えば、Normile D et al., Science. 342 (6157): 415, 2013、及びDwivedi et al., Genomics, proteomics and evolution of Dengue virus. Briefings in functional genomics.16(4): 217-227, 2017を参照のこと)、これらは全てあらゆる種類の疾患を引き起こす可能性がある。
デングウイルスは、感染したヤブカ属の種の蚊(ネッタイシマカ(Ae. aegypti)又はヒトスジシマカ(Ae. albopictus))に刺されることにより人に感染拡大する。デング熱は世界で100ヶ国を超えて発生している。世界人口の40パーセントの約30億人がデング熱のリスクのある地域に住んでいる。デング熱は多くの場合、リスクのある地域における疾病の主な原因となっている。
いくつかの実施形態において、デングウイルスはデングウイルス1型である。いくつかの実施形態において、デングウイルスはデングウイルス2型である。いくつかの実施形態において、デングウイルスはデングウイルス3型である。いくつかの実施形態において、デングウイルスはデングウイルス4型である。
いくつかの実施形態において、デングウイルスはデングウイルス様ウイルスである。いくつかの実施形態において、デングウイルス様ウイルスは、対応するデングウイルスタンパク質をコードする遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上のタンパク質をコードする遺伝子を含む。
5.3.5. B型肝炎ウイルス(HBV)
本発明はまた、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症を治療、管理及び予防する方法を包含する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、部分的に二本鎖のDNAウイルスであり(例えば、Ryu et al., 2017, Molecular Virology of Human Pathogenic Viruses. Academic Press. 247-260を参照のこと)、オルトヘパドナウイルス属の種であり、ヘパドナウイルス科のウイルスに属する。このウイルスはB型肝炎疾患を引き起こす(例えば、Hassan et al., 2008, Association between hepatitis B virus and pancreatic cancer, Journal of Clinical Oncology, 26 (28): 4557-62を参照のこと)。B型肝炎ウイルス(HBV)によるウイルス感染症は、ウイルスがコードするタンパク質であるHBxの直接作用、及び感染後の細胞内活性酸素種(ROS)の大幅な増加による間接的な変化による多くの肝細胞の変化を引き起こす。
B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルスの科に属する(例えば、Zuckerman AJ (1996). Chapter 70: Hepatitis Viruses. In Baron S; et al. (eds.). Baron's Medical Microbiology (4th ed.). Univ of Texas Medical Branch. ISBN 978-0-9631172-1-2を参照のこと)。ウイルス粒子はデーン粒子(ビリオン)と呼ばれ、外側の脂質エンベロープ及びタンパク質で構成される正二十面体のヌクレオカプシドコアからなる。ヌクレオカプシドは、ウイルスDNA及びレトロウイルスと同様に逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼを取り囲んでいる。外側のエンベロープは、感受性細胞のウイルス結合、及び感受性細胞へのウイルス侵入に関与する埋め込まれたタンパク質を含有する。このウイルスは、42nmのビリオン直径を有する最小のエンベロープを持つ動物ウイルスの1つであるが、コアを欠く糸状体及び球状体を含む多形型が存在する。これらの粒子は感染性がなく、脂質及び表面抗原(HbsAg)と呼ばれるビリオンの表面の一部を形成するタンパク質から構成され、ウイルスのライフサイクル中に過剰に産生される(例えば、Howard CR, 1986, The biology of hepadnaviruses, The Journal of General Virology 67 (7): 1215-35を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、HBVはHBV様ウイルスである。いくつかの実施形態において、HBV様ウイルスは、対応するHBVタンパク質をコードする遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上相同である1つ以上のタンパク質をコードする遺伝子を含む。
5.4. 薬学的組成物
本発明の実施形態は、本明細書に記載され、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体及び/又はアジュバントで配合されたAAK1阻害剤の使用を含む。いくつかの実施形態は、1つ以上の薬学的に許容される補助物質で配合されたAAK1阻害剤の使用を含む。特に、AAK1阻害剤は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体、及び/又はアジュバントで配合されてもよい。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、1つ以上の追加剤(複数の場合もある)、例えば、抗癌剤、抗ウイルス剤、及び抗マラリア剤と組み合わせて、本発明の組成物を調製することができ、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体及び/又はアジュバントを含むことができる。当該技術分野において既知の任意の好適な薬剤を、本明細書に記載の追加剤(複数の場合もある)として使用することができる。追加剤は、例えば、低分子化合物、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、マイクロRNA、低分子干渉RNA、ポリペプチド、タンパク質、又はそれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態において、追加剤(複数の場合もある)は、コロナウイルスのライフサイクルの1つ以上のステップの阻害剤である。例えば、追加剤(複数の場合もある)は、ウイルス侵入阻害剤、例えば、低分子融合阻害剤、ペプチド類似体、又は抗体であり得る。追加剤(複数の場合もある)は、例えば、ウイルス集合阻害剤又はウイルス出芽阻害剤でもあり得る。
いくつかの実施形態において、追加剤(複数の場合もある)は、コロナウイルス感染症に関連する1つ以上の症状、例えば、発熱、咳、息切れ、呼吸困難、胸部の持続性疼痛、胸部の圧迫感、青みがかった唇又は顔、疲労感、鼻水、又は咽喉痛を治療又は改善する薬剤(複数の場合もある)である。
いくつかの実施形態において、追加剤(複数の場合もある)は、コロナウイルス感染症の合併症の1つ以上の症状、例えば、急性呼吸不全、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、急性肝不全、急性心損傷、二次感染症、急性腎傷害、敗血症性ショック、播種性血管内血液凝固、又は横紋筋融解症を治療又は改善する薬剤(複数の場合もある)である。
いくつかの実施形態において、追加剤はリン酸クロロキン(例えば、ヒドロキシルクロロキン)である。いくつかの実施形態において、追加剤は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。
多種多様な薬学的に許容される賦形剤は、当該技術分野において既知である。薬学的に許容される賦形剤は、例えば、Gennaro (2000), "Remington: The Science and Practice of Pharmacy"、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (1999)、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients (2000)を含む、種々の刊行物に十分に記載されている。
ビヒクル、アジュバント、担体又は希釈剤等の薬学的に許容される賦形剤は、一般に容易に入手可能である。さらに、pH調整剤及び緩衝剤、張度調整剤(tonicity adjusting agents)、安定剤、湿潤剤等のような薬学的に許容される補助物質は、一般に容易に入手可能である。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、所望の効果(例えば、対象のウイルス量の減少、コロナウイルス感染症に関連する1つ以上の症状の減少、生残の増加)をもたらすことができる任意の手段を使用して対象に投与される。したがって、AAK1阻害剤は、治療的投与のための種々の配合物中へ組み込むことができる。例えば、AAK1阻害剤は、適切で薬学的に許容される担体又は賦形剤と組み合わせることによって薬学的組成物へと配合することができ、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐薬、注射剤、吸入剤、及びエアロゾル等の固体、半固体、液体、又は気体で調製物へと配合されてもよい。
薬学的剤形において、AAK1阻害剤は、その薬学的に許容される塩の形態で投与されてもよく、又は対象の活性剤は、単独で、又は他の薬学的に活性な化合物との適切な組み合わせで、及び併用で使用されてもよい。以下の方法及び賦形剤は単なる例示であり、決して限定するものではない。
いくつかの実施態様において、薬学的剤形は経口投与に好適である。経口調製物では、AAK1阻害剤は、錠剤、粉末、顆粒又はカプセルを製造するために、単独で、又は適切な添加剤、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、又はジャガイモデンプン等の従来の添加剤;結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチ、又はゼラチン等の結合剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等の崩壊剤;タルク又はステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;並びに所望する場合、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、及び香味剤と組み合わせて使用することができる。
AAK1阻害剤を含む薬学的組成物は、植物油若しくは他の類似した油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル、又はプロピレングリコール等の水性溶媒又は非水性溶媒にそれらを溶解、懸濁、又は乳化させることにより、注射剤用調製物へと配合することができ、所望する場合、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、及び防腐剤等の従来の添加剤を用いる。
薬学的組成物の例としては、溶液、懸濁液、分散液、口腔洗浄薬、スプレー、口腔分散性固体調製物、チューインガム、シロップ、キャンディ、ゲル、ペースト、点眼剤、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、ミニ錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、多粒子、微紛化粒子、丸剤、粉末、顆粒、マイクロ顆粒、坐薬、ローション、軟膏、チンキ、又はクリームが挙げられる。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は溶液の形態である。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は錠剤の形態である。
5.5. 治療、管理及び予防の方法
本発明は、部分的に、本明細書に開示される治療的有効量のAAK1阻害剤を、それを必要とする対象へ投与することを含む、ウイルス感染症を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、これらには、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2又は2019-nCoV)、SARS-CoV-2様コロナウイルス、ヒトコロナウイルス229E(CoV-229E)、CoV-229E様コロナウイルス、ヒトコロナウイルスOC43(CoV-OC43)、及びCoV-OC43様コロナウイルス等のコロナウイルスによる感染症を治療する方法が含まれる。いくつかの実施形態において、これらには、デングウイルス1型、デングウイルス2型、デングウイルス3型及びデングウイルス4型等のデングウイルスによる感染症を治療する方法が含まれる。いくつかの実施形態において、これらには、HBVによる感染症を治療する方法が含まれる。
治療又は管理の特定の方法は、ウイルス感染症の1つ以上の症状の重症度の増大を軽減又は防ぐ。症状の例としては、発熱、咳、息切れ、呼吸困難、胸部の持続性疼痛、胸部の圧迫感、青みがかった唇又は顔、疲労感、鼻水、及び咽喉痛が挙げられる。
本発明はまた、宿主細胞におけるコロナウイルスの侵入、集合及び/又は出芽を阻害する方法を包含し、これは、宿主細胞をAAK1阻害剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞はin vitroである。他の実施形態においては、宿主細胞はin vivoである。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルスの宿主細胞への侵入をブロックする。いくつかの実施形態において、コロナウイルスの宿主細胞への侵入は、エンドサイトーシスによるものである。いくつかの実施形態において、エンドサイトーシスは、コロナウイルスの宿主細胞表面受容体への結合に依存する。いくつかの実施形態において、エンドサイトーシスは、コロナウイルスの宿主細胞表面受容体への結合とは無関係である。
宿主細胞の例としては、肺細胞(例えば、肺胞細胞)等の呼吸器系器官又は組織細胞が挙げられる。肺細胞は、肺に存在するか、又は肺に関連する任意の細胞であり得る。いくつかの実施形態において、肺細胞は肺胞上皮細胞である。いくつかの実施形態において、肺胞上皮細胞はAT2肺胞上皮細胞である。
理論によって制限されるものではないが、本発明のいくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルス構造タンパク質の宿主タンパク質、例えば、クラスリンアダプタータンパク質(AP)複合体のmu-2サブユニットへの結合をブロックすると考えられている。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、宿主タンパク質への結合についてコロナウイルス構造タンパク質と競合する。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルス構造タンパク質への結合について宿主タンパク質と競合する。いくつかの実施形態において、コロナウイルス構造タンパク質はコロナウイルスエンベロープ(E)タンパク質である。いくつかの実施形態において、コロナウイルス構造タンパク質は膜(M)タンパク質である。いくつかの実施形態において、コロナウイルス構造タンパク質はスパイク(S)タンパク質である。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、1つ以上の構造タンパク質の宿主タンパク質への結合をブロックする。
いくつかの実施形態において、コロナウイルス構造タンパク質の宿主タンパク質への結合は、AAK1阻害剤の不存在下でのコロナウイルス構造タンパク質の宿主タンパク質への結合のレベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上阻害される。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルス構造タンパク質の宿主タンパク質、例えば、クラスリンアダプタータンパク質(AP)複合体、例えばAP2複合体のmu-2μμへの結合を、約100μM~50μM、約50μM~25μM、約25μM~10μM、約10μM~5μM、約5μM~1μM、約1μM~500nM、約500nM~400nM、約400nM~300nM、約300nM~250nM、約250nM~200nM、約200nM~150nM、約150nM~100nM、約100nM~50nM、約50nM~30nM、約30nM~25nM、約25nM~20nM、約20nM~15nM、約15nM~10nM、約10nM~5nM、又は約5nM未満の50%阻害濃度(IC50)でブロックする。
いくつかの実施形態において、ウイルス感染症、例えば、コロナウイルス感染症又はウイルス感染症に関連する症状の治療におけるAAK1阻害剤のEC50は、約100μM~50μM、約50μM~25μM、約25μM~10μM、約10μM~5μM、約5μM~1μM、約1μM~500nM、約500nM~400nM、約400nM~300nM、約300nM~250nM、約250nM~200nM、約200nM~150nM、約150nM~100nM、約100nM~50nM、約50nM~30nM、約30nM~25nM、約25nM~20nM、約20nM~15nM、約15nM~10nM、約10nM~5nM、又は約5nM未満である。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤のEC50は約2.40μMである。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤のEC50は10μM超である。
いくつかの実施形態において、ウイルス感染症、例えば、コロナウイルス感染症又はウイルス感染症に関連する症状の治療におけるAAK1阻害剤のTC50は、約100μM~50μM、約50μM~25μM、約25μM~10μM、約10μM~5μM、約5μM~1μM、約1μM~500nM、約500nM~400nM、約400nM~300nM、約300nM~250nM、約250nM~200nM、約200nM~150nM、約150nM~100nM、約100nM~50nM、約50nM~30nM、約30nM~25nM、約25nM~20nM、約20nM~15nM、約15nM~10nM、約10nM~5nM、又は約5nM未満である。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤のTC50は約5.62μMである。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤のTC50は10μM超である。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルスのウイルス粒子の細胞内集合を阻害する。ウイルス粒子の細胞内集合は、当該技術分野における任意の既知の方法によって評価することができる。例えば、ウイルス粒子の細胞内集合は、ウイルス粒子の直接的又は間接的な画像化を含む顕微鏡法によって評価することができる。細胞内集合は、例えば、ウイルス粒子の構造タンパク質の発現レベル又はサイズを調べることによって評価することもできる。
いくつかの実施形態において、ウイルス粒子の細胞内集合は、AAK1阻害剤の不存在下でのウイルス粒子の細胞内集合のレベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上阻害される。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルスの細胞内輸送を阻害する。コロナウイルスの細胞内輸送は、当該技術分野における任意の既知の方法によって評価することができる。例えば、コロナウイルスのウイルス粒子の細胞内輸送は、ウイルス粒子の直接的又は間接的な画像化を含む顕微鏡法によって評価することができる。
いくつかの実施形態において、コロナウイルスの細胞内輸送は、AAK1阻害剤の不存在下でのコロナウイルスの細胞内輸送のレベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上阻害される。
ウイルス侵入、ウイルス粒子の集合、細胞内輸送、及びウイルス出芽等のウイルスのライフサイクルの種々のステップを検出及び評価する方法、並びにウイルスのライフサイクルのこれらの部分をブロック又は低減するための治療法の有効性を評価する方法は、当該技術分野において既知である。例えば、Ventura et al., PLoS Pathogens 15 (12)、Uchil et al., Annual review of virology 6, 501-524、Pi et al., Journal of virology 93 (21), e00930-19、Lu et al., Advances in virus research 105, 239-273、Lu et al., Nature 568 (7752), 415-419、Sewald et al., Science 350 (6260), 563-567、及びMunro et al., Science 346 (6210), 759-763には、ウイルスのライフサイクル検出のための顕微鏡画像に基づく技術が記載されている。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のAAK1阻害剤は、ウイルス複製を、AAK1阻害剤の不存在下でのコロナウイルス複製のレベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上阻害する。
いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、ウイルス感染細胞(例えば、コロナウイルス感染肺細胞)と接触した場合、細胞におけるウイルス複製を、AAK1阻害剤と接触していないウイルス感染細胞におけるウイルス複製のレベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上阻害する。
また更に別の実施形態において、AAK1阻害剤は、ウイルス感染細胞(例えば、コロナウイルス感染肺細胞)と接触した場合、感染細胞によって産生される感染性ウイルス粒子の量を、AAK1阻害剤と接触していない細胞によって産生される感染性ウイルス粒子の数と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上減少させる。
更に別の実施形態において、AAK1阻害剤は、コロナウイルスに感染した対象(例えば、ヒトの対象)に1回以上の用量で投与された場合、対象におけるウイルス量を、薬学的組成物が投与されていない対象におけるウイルス量と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、又はそれ以上減少させる。コロナウイルスのウイルス量を検出及び評価する方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Zou, et al., N Engl J Med 2020; 382:1177-1179により記載されている。
5.5.1. 投与量
AAK1阻害剤の実施形態は、1回以上の用量で対象に投与することができる。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、1用量当たり約10mg~1000mg、例えば、1用量当たり約10mg~20mg、約20mg~25mg、約25mg~50mg、約50mg~75mg、約75mg~100mg、約100mg~125mg、約125mg~150mg、約150mg~175mg、約175mg~200mg、約200mg~225mg、約225mg~250mg、約250mg~300mg、約300mg~350mg、約350mg~400mg、約400mg~450mg、約450mg~500mg、約500mg~750mg、又は約750mg~1000mgの量で投与することができる。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、約40mgの1回以上の単一用量で対象に投与される。いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、約200mgの1回以上の単一用量で対象に投与される。
いくつかの実施形態において、1用量当たりのAAK1阻害剤の量は、体重当たりに基づいて決定される。例えば、いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、約0.5mg/kg~100mg/kg、例えば、約0.5mg/kg~1mg/kg、約1mg/kg~2mg/kg、約2mg/kg~3mg/kg、約3mg/kg~5mg/kg、約5mg/kg~7mg/kg、約7mg/kg~約10mg/kg、約10mg/kg~15mg/kg、約15mg/kg~20mg/kg、約20mg/kg~25mg/kg、約25mg/kg~30mg/kg、約30mg/kg~40mg/kg、約40mg/kg~50mg/kg、約50mg/kg~60mg/kg、約60mg/kg~70mg/kg、約70mg/kg~80mg/kg、約80mg/kg~90mg/kg、若しくは約90mg/kg~100mg/kg、又は約100mg/kg超の量で投与することができる。
当業者は、用量レベルが、投与される特定のAAK1阻害剤、症状の重症度、対象の年齢及び/又は身体的サイズ、及び対象の副作用に対する感受性を含むが、これらに限定されないいくつかの異なる要因に応じて変えることができることを容易に理解するであろう。所与の化合物についての好ましい投与量は、種々の手段によって当業者によって容易に決定できる。
いくつかの実施形態において、複数回の用量のAAK1阻害剤が投与される。AAK1阻害剤の投与の頻度は、種々の要因、例えば、症状の重症度等のいずれかに応じて変えることができる。例えば、いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は、月に1回、月に2回、月に3回、隔週(qow)、週に1回(qw)、週に2回(biw)、週に3回(tiw)、週に4回、週に5回、週に6回、隔日(qod)、毎日(qd)、1日2回(qid)、又は1日3回(tid)投与される。上述のように、いくつかの実施形態において、AAK1阻害剤は継続的に投与される。
AAK1阻害剤が投与される投与期間は、当業者に知られている種々の要因(例えば、患者の反応、投与経路、剤形)のいずれかに応じて変えることができる。例えば、AAK1阻害剤は、約1日~1週間、約2週間~4週間、約1ヶ月~2ヶ月、約2ヶ月~4ヶ月、約4ヶ月~6ヶ月、約6ヶ月~8ヶ月、約8ヶ月~1年、約1年~2年、又はそれ以上の期間にわたって投与することができる。
5.5.2. 投与経路
本発明の実施形態は、in vivo及びex vivoの方法、並びに全身及び局所的な投与経路を含む、薬物送達に好適な任意の利用可能な方法及び経路を使用して、AAK1阻害剤を患者(例えば、ヒト)に投与するための方法及び組成物を提供する。
投与経路には、経口、鼻腔内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、局所適用、静脈内、直腸、経鼻、並びに他の経腸及び非経口の投与経路が含まれる。投与経路は、所望する場合、組み合わせることができ、又は薬剤及び/又は所望の効果に応じて調整することができる。活性剤は、単一用量又は複数回の用量で投与することができる。
AAK1阻害剤の実施形態は、全身又は局所的な経路を含む、従来の薬物の送達に好適な利用可能な従来の方法及び経路を使用して、宿主に投与することができる。一般に、本開示によって検討される投与経路としては、経腸、非経口、又は吸入経路が挙げられるが、これらに限定されない。
吸入投与以外の非経口投与経路としては、局所、経皮、皮下、筋肉内、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内、及び静脈内経路が挙げられるが、これらに限定されない。非経口投与は、AAK1阻害剤の全身又は局所送達を達成するために実施することができる。全身送達が所望される場合、投与は、典型的には、薬学的調製物の侵襲的又は全身的に吸収される局所又は粘膜投与を伴う。
AAK1阻害剤は、経腸投与によって対象に送達することもできる。経腸投与経路としては、経口及び直腸送達が挙げられるが、これらに限定されない。
皮膚又は粘膜を介したAAK1阻害剤の投与方法としては、好適な薬学的調製物の局所適用、経皮透過、注射及び表皮投与が挙げられるが、これらに限定されない。経皮透過では、吸収促進剤又はイオントフォレーシスが好適な方法である。イオントフォレーシスでの透過は、市販のパッチを使用して達成されてもよく、このパッチは、数日以上の期間にわたって、無傷の皮膚を通して電気パルスを介してそれらの生成物を連続的に送達する。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、経口、静脈内、皮下、硬膜外、脳室内、筋肉内、腹腔内、又は吸入を介して投与される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は経口投与される。
5.5.3. 対象
本明細書に開示される方法を使用した治療に好適な対象には、本明細書に開示されるウイルスに感染している対象、又は感染症の危険性がある対象が含まれる。
本発明の実施形態による治療に好適な対象には、治療不成功患者が含まれる。本明細書で使用される「治療不成功患者」(又は「治療不成功」)という用語は、一般に、コロナウイルスに対するこれまでの治療に反応しなかったコロナウイルス感染患者(「非反応者」と称される)、又はこれまでの治療に最初は反応したが、治療反応が維持されなかったコロナウイルス感染患者(「再発者」と称される)を指す。これまでの治療法は、一般に、本開示のAAK1阻害剤以外の任意の抗ウイルス剤による治療を含むことができる。
本開示の実施形態による治療に好適な対象には、コロナウイルス感染症に感染していると臨床的に診断された個人が含まれる。コロナウイルスに感染した個人は、下気道検体、上気道検体(例えば、鼻咽頭)、前鼻孔検体、中鼻甲介検体、中咽頭(OP)検体、鼻中鼻甲介(nasal mid-turbinate)(NMT)スワブ、又は唾液検体等の個人からの検体中にコロナウイルスRNAが検出されること、及び/又は個人の血清中に抗コロナウイルス抗体を有することによって識別することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、薬学的組成物の投与前に、コロナウイルスによる感染症の対象を診断することを更に含む。当該技術分野において既知の任意の好適な診断方法を、本明細書に記載の方法に使用することができる。例えば、PCR、逆転写PCR(RT-PCT)等の核酸検査、ウェスタンブロット等の抗体検査、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、及び/又は他の市販又は非市販の診断法を、本明細書に記載の方法において使用することができる。
本明細書に記載の方法を使用した治療に好適な対象には、症候性患者及び無症候性患者が含まれる。症候性患者は、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知のコロナウイルス感染症の1つ以上の症状を経験する。症状は軽症から重症まであり得る。無症候性患者は、コロナウイルスの症状を全く経験していないか、又はコロナウイルスの1つ以上の軽度の症状を経験している。いくつかの実施形態において、症候性患者は入院が必要である。いくつかの実施形態において、無症候性患者は入院を必要としない。
5.6. 実施例
本発明の特定の実施形態の態様は、以下の実施例によって明らかにされる。実施例には、本発明の少なくとも1つの化合物、及び抗ウイルス効果を有することが既に知られている化合物(例えば、レムデシビル)の抗ウイルス活性の試験が記載されている。
5.6.1. 実施例1.MRC-5細胞におけるCoV-229E株に対するin vitro効果
アルファコロナウイルス229E(CoV-229E)株をATCC(カタログ番号VR-740)から購入し、ウイルスストックをMRC-5細胞において作製した。MRC-5細胞におけるアルファコロナウイルス229E(CoV-229E)複製後のウイルス誘発性細胞変性効果(CPE)の阻害及び細胞生存率をXTTテトラゾリウム色素によって測定した。MRC-5細胞(1ウェル当たり5×10細胞)を96ウェル平底組織培養プレートに播種し、一晩接着させた。示した薬剤のそれぞれとともに一晩インキュベーション後、希釈した試験化合物及び感染後6日目に85%~95%の細胞死滅をもたらすように所定の力価に希釈したウイルスをプレートに添加した。37℃、5% COで6日間インキュベーション後、細胞生存率をXTT染色によって測定した。細胞培養プレートの光学濃度は、Softmax Pro 4.6ソフトウエアを使用して、450nm及び650nmで分光光度的に決定される。ウイルス感染ウェルのCPE減少のパーセント及び非感染薬物対照ウェルの細胞生存率のパーセントを計算して、4つのパラメータ曲線適合分析を使用したEC50値及びTC50値を決定する。治験薬の細胞死誘導と比較したウイルス複製阻害における相対的有効性(TC50値/EC50値)を、治療指数又は選択指数と定義する。
図1は、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミンホスフェート(「化合物1」)のEC50値及びTC50値を決定するために使用した代表的な生データを示す。図2は、化合物について得られた抗ウイルスデータのグラフ表示を提供する。このアッセイにおいて決定された化合物1のEC50は約2.40μMであり、TC50は5.62μMである。この化合物の治療指数は約2.34である。
この実験において他の種々の化合物について決定された抗ウイルス効果を表1に示す。
Figure 2023522688000033
5.6.2. 実施例2.Huh-7細胞に対するCoV-OC43株に対するin vitro効果
化合物1及びスニチニブリンゴ酸塩を使用して、全用量の抗ウイルス効果を試験した。抗コロナウイルスアッセイを、季節性ヒトコロナウイルス(HCoV)のOC43株に対して実施した。全ての試験物は粉末形態で提供された。30mMストックの固体試料を100% DMSO中で調製し、-20℃で保存した。
Huh-7接着細胞(57歳日本人男性の肝細胞癌)を使用して、HCoV-OC43に対する試験物の抗ウイルス活性を評価した。試験物は、感染を開始させる細胞にウイルス接種材料を添加する前に、標的細胞とともに30分間33℃でプレインキュベートした。ウイルス吸着の間、推定上の阻害剤が細胞培養培地中に存在した。次に、ウイルス接種材料を洗い流し、試験物を細胞とのプレインキュベーション中に利用した同じ濃度で添加した。細胞を試験物とともに6日間インキュベートし、この時点でニュートラルレッド取り込みアッセイを実施して、ウイルス誘発性細胞変性効果(CPE)の程度を決定した。CPEの予防は、試験物の抗ウイルス活性を決定するための代用マーカーとして使用した。
細胞生存率アッセイを、対応する感染性アッセイと同じ期間について並行して設定した。細胞生存率はXTTアッセイによって決定した。
8つの濃度の試料(CPEアッセイ)又は9つの濃度の試料(細胞傷害性アッセイ)を2回繰り返して試験した。3倍段階希釈液は、30μM(CPE)又は90μM(細胞傷害性)で開始した。試験物は、0.01% DSMO含有培養培地を使用して希釈した。可能であれば、試験物のEC50(抗ウイルス)値及びCC50(生存率の阻害)値を、GraphPad Prismソフトウエアを使用して決定した。
HCoV(OC43株)に対する抗ウイルス活性を評価するために、試験物の存在下又は不存在下でHuh-7細胞に感染させることによって、CPEに基づく抗ウイルスアッセイを実施した。細胞の感染は、細胞変性効果及び細胞死を引き起こす。このアッセイにおいて、阻害剤の存在下におけるCPEの減少を、試験物の抗ウイルス活性を決定するための代用マーカーとして使用した。細胞生存率は、ニュートラルレッド取り込みアッセイを使用して決定した。
Huh-7細胞を、本明細書ではDMEM10と呼ばれる10%ウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM中で維持した。細胞を、96ウェル透明平底プレートにおいてウェル当たり12500細胞で播種し、DMEM10中、33℃で24時間維持した。感染当日、本明細書ではDMEM2と呼ばれる2% FBSを含むDMEMを使用して、試料をU底プレートにおいて3倍に希釈した。試験物の希釈液を最終濃度の1.25倍で調製し、40μLを標的細胞とともに33℃で30分間インキュベートした。試験材料のプレインキュベーション後、DMEM2中で調製した10μLのウイルスを各ウェルに添加し、プレートを5% COの加湿インキュベーター内、33℃で2時間インキュベートした。この期間の後、ウイルス接種材料を除去し、ウイルス吸着段階で利用した同じ濃度の試験物を含有するDMEM2中で、細胞を6日間33℃でインキュベートした。試験物、対照阻害剤、モック、及びビヒクル試料の全ての希釈液は、0.01% DMSOを含有するDMEM2で希釈した。
試験物は、3倍段階希釈液を使用して2回繰り返して評価した。対照には、ウイルスなしでインキュベートした細胞(「モック感染」)、DMEM2単独でインキュベートした感染細胞(ビヒクル対照+0.01% DMSO)、及び細胞なしのウェル(バックグラウンドを決定するため)が含まれていた。いくつかのウェルは、コロナウイルスに対する幅広い抗ウイルス活性を持つ免疫抑制剤及び抗マラリア剤である5μMクロロキン(CQ)で処理された。感染6日後、細胞を処理して、ニュートラルレッド(NR)取り込みアッセイにより細胞生存率をモニターした。
ウイルス誘発性CPEは感染4日後及び5日後に顕微鏡下でモニターし、6日目に細胞をニュートラルレッドで染色して細胞生存率をモニターした。生細胞は、それらのリソソームにニュートラルレッドを取り込む。取り込みは、生細胞がリソソーム内のpHを細胞質内よりも低く維持する能力に依存する。このプロセスはATPを必要とする。リソソーム内で色素は荷電し、そこに保持される。ニュートラルレッド(0.033%)と3時間インキュベーション後、余分な色素を洗浄し、次に、リソソームによって取り込まれたニュートラルレッドを50%エタノール及び1%酢酸を含有する溶液で15分間抽出して、490nmでの吸光度をモニターした。
細胞を含まないウェルで得られた平均シグナル(490nmでの吸光度)を、全ての試料から差し引いた。次に、感染細胞(ビヒクルの不在下)で観察された平均NR取り込みを計算し、次に、全ての試料から差し引いて、ウイルス誘発性CPEの阻害を決定した。次に、感染細胞で観察された吸光度シグナルを差し引いた後、モック(非感染細胞)で観察された平均シグナルに対してデータポイントを正規化した。この方法では、非感染細胞は生存可能なまま、NRを高レベルで取り込んだ。抗ウイルス剤の不在下において、ウイルス誘発性CPEは感染細胞を死滅させ、その結果、細胞培養によるNRの取り込みが低くなる(0%阻害)。対照的に、抗ウイルス剤CQとのインキュベーションは、ウイルス誘発性CPEを予防し、ウイルス複製の100%阻害が達成された場合に非感染細胞で観察されるものと同様に、NRのより高い取り込みをもたらす。
評価した試験物(スニチニブ及び化合物1)は、3.3μM又は10μMで試験した場合、ウイルス誘発性細胞変性効果を部分的に予防した(20%~30%阻害)。抗ウイルス効果は30μMで消失し、これはおそらく、そのような濃度でこれらの分子により観察された化合物誘発性毒性によるものである。比較すると、5μMで試験したクロロキン(CQ)は、ウイルス誘発性CPEのほとんどを予防し、細胞生存率レベルは、非感染細胞(「モック」)で観察されたものの約88%にとどまった。表2は、試験物の抗ウイルス活性及び化合物誘発性細胞傷害性活性(EC50値及びCC50値)をまとめたものである。
Figure 2023522688000034
試験した濃度のいずれにおいても、50%以上の阻害を示す抗ウイルス活性は観察されなかったため、選択指数は決定されなかった。非感染細胞における取り込み(CPEアッセイ)と比較して、シグナル対バックグラウンド比(S/B)、及びニュートラルレッドの取り込みが50%以上の繰り返しデータポイントの平均変動係数(C.V.)が観察された。試験した最高濃度でOC43の阻害、又は細胞生存率(CC50)が50%に達しなかった場合、EC50値又はCC50値は試験した最高濃度よりも大きい値として示される。
感染性アッセイの品質管理を全てのプレートに対して実施して、i)シグナル対バックグラウンド(S/B)値;ii)既知のコロナウイルスの阻害剤による阻害(CPEアッセイ)又は既知の細胞傷害性剤による阻害(細胞生存率アッセイ)、及びiii)全てのデータポイントの変動係数(C.V.)によって測定されるアッセイの変動を決定した。全ての対照は、各アッセイについて予想通りに機能した。HCoV-OC43を含むコロナウイルスの既知の阻害剤であるクロロキン(CQ)は、6日間のアッセイにおいてウイルス誘発性CPEを強力に予防した。XTTアッセイで使用した生存率対照(エメチン)は、90%を超えて細胞生存率を阻害した。
抗ウイルスアッセイにおける繰り返しの全体的な変動は1.2%であり、生存率アッセイにおける全体的な変動は2.9%であった。このアッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は7倍であり、非感染細胞における取り込みを、ビヒクル単独の存在下でOC43を負荷した細胞において観察されたものと比較して決定された。生存率アッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は15であった。
化合物誘発性細胞傷害性を評価するための生存率アッセイ(XTT)において、非感染細胞を7つの濃度の試験物又は対照阻害剤希釈液とともにインキュベートした。インキュベーション温度及びインキュベーション期間は、CPEアッセイの予防条件を反映していた。細胞生存率はXTT法で評価した。テトラゾリウム塩(XTT)は、活性ミトコンドリアを持つ生細胞においてのみ生じる反応を介してオレンジ色のホルマザン色素に開裂される。ホルマザン色素は、走査型マルチウェル分光光度計を使用して直接定量化される。細胞を含まないウェルから得られたバックグラウンドレベルを、全てのデータポイントから差し引いた。生存率の程度は、490nmでの吸光度を測定することによってモニターした。
品質管理及び細胞傷害性データの分析。細胞を含まないウェルで得られた平均シグナルを、全ての試料から差し引いた。読み取り値は、ビヒクル単独(組織培養培地)で処理した非感染細胞で観察された平均シグナルのパーセンテージとして得られた。対照には、0.1% DMSOを含有するビヒクル単独も含まれていた。得られたシグナル対バックグラウンド(S/B)は15であった。エメチンを全ての生存率アッセイにおいて細胞傷害性化合物対照として使用した。エメチンは、5μMで試験した場合、90%を超えて細胞生存率をブロックした。
Figure 2023522688000035
表3の生の値は、ニュートラルレッドの取り込みの程度を決定するために490nmで測定された吸光度を表す。感染細胞は感染6日後に広範なCPEを生じ、ニュートラルレッドによる染色の大幅な減少を示した。各試験条件についてのA490値を示す。「モック」と示されたものを除いて、全ての試料が感染した。ビヒクルと示された試料は、DMEM2の存在下で感染した。クロロキン(CQ)で処理した試料も示す。濃度はμMで示す。
Figure 2023522688000036
表4及び図3のデータは、Huh-7細胞におけるHCoV-OC43誘発性CPEの阻害を示す。ウイルス誘発性CPEの予防を、HCoV-OC43の複製の程度を決定するための代用マーカーとして使用した。ビヒクル単独の存在下での感染細胞におけるニュートラルレッド取り込みの程度は、ウイルス誘発性CPEの阻害がないことを示している。完全阻害(100%)は、モック感染細胞(0.01% DMSO)において観察されるものと同等のニュートラルレッド取り込みをもたらす。阻害値を得るために、試験物の不存在下(「ビヒクル」)で感染した細胞の平均吸光度(A490)を全ての値から差し引き、次に、全ての値を非感染(「モック」)について得られたものに対して正規化して100%阻害を示した。各試験条件についての阻害率を示す。「モック」と示されたものを除いて、全ての試料が感染した。クロロキンで処理した試料をCQとして示す。濃度はμMで示す。試験物について示されたデータは、繰り返しの平均及び標準偏差を表す。
Figure 2023522688000037
Huh-7細胞を、異なる濃度の試験物の存在下で、又はビヒクル単独(培地のみ)で6日間インキュベートした。表5の各データポイントについて、個々の生データを示す(490nmでの吸光度値)。表6は、「細胞なし」対照(バックグラウンド)、培地単独(0.01% DMSO)、又は0.1% DMSOの存在下)を含む対照試料、及び細胞傷害性剤エメチン(1μM又は5μM)を含む陽性対照の生データ値を示す。
Figure 2023522688000038
図4は、化合物1の異なる濃度でのHuh-7細胞の細胞生存率を示す。図5は、CC50値の決定に使用されるプロットを示す。
Figure 2023522688000039
表7の値は、試験物で処理6日後の残存する生存率のパーセントを示す。値は、ビヒクル単独(培地のみ)でインキュベートした試料で観察された生存率のパーセンテージとして示されている。細胞を含まないウェルで観察されたバックグラウンドレベルを、全てのデータポイントから差し引いた。データは、繰り返しの平均及び標準偏差を表す。表8は、培地単独(0.01% DSMO)、又は0.1% DMSOの存在下を含むいくつかの対照、及び細胞傷害性剤エメチン(1μM又は5μM)を含む陽性対照で観察された生存率のパーセンテージを示す。
Figure 2023522688000040
5.6.3. 実施例3.H292細胞に対するHCoV-OC43株に対するin vitro効果
適切な濃度のウイルス(適切な細胞株に感染を引き起こすもの)を選択することにより、この研究では、滴定された試験物のウイルス増殖抑止特性又は殺ウイルス特性を評価した。
HCoV-OC43(ベータコロナウイルス1、ATCC(商標) VR-1558(商標))に対する有効性の評価のために、H292細胞(NCI-H292)を96ウェルプレートに播種した。培地を除去し、各試験物を段階的に希釈し(8点、3倍用量漸増法)、全ての実験ウェルに添加し、各試験物単独でプレートを30分間インキュベートした。30分後、ウイルスを単一濃度(100×組織培養感染量中央値(TCID50))で添加した。感染の1時間後、試験期間中、ウェルに重層培地を添加した。ビヒクル及び陽性対照ウェルを設定して、細胞生存率へのあらゆる影響を制御した。細胞は、あらゆるCPEの出現について毎日視覚的に検査された。アッセイ期間は6日であった。
CC50(最大半量の細胞傷害性濃度)も同様に決定し、プレートを展開して、ウイルス感染がない状態で化合物の細胞へのあらゆる細胞傷害性効果を示した。
各ウイルス及び化合物の組み合わせについて、哺乳動物細胞の生残についてMTT比色分析アッセイを使用し、EC50を計算して、EC50値を決定する。各細胞株について、哺乳動物細胞の生残についてMTT比色分析アッセイを使用し、CC50値を計算して、各化合物の細胞への毒性を決定する。
HCoV-OC43を使用して、NCI-H292細胞株に感染させた。細胞を、栄養補助剤を含む増殖培地で十分な数まで増殖させた。細胞がコンフルエントになったら、それらを96ウェル平底プレートに播種した。細胞が90%の培養密度に達したときに、培地を除去し、段階的に1:10に希釈したウイルスを全ての実験ウェルに添加した。感染の1時間後、ウイルスを除去し、試験期間中、ウェルに重層培地を添加した。ビヒクル及び陽性対照ウェルを設定して、細胞生存率へのあらゆる影響を制御した。細胞は、あらゆるCPE(細胞の死及びプラークをもたらす感染を示す細胞の円形化から明らかな細胞変性効果)の出現について毎日視覚的に検査された。
HCoV-OC43については、ウイルス感染の有無について各ウェルでCPEを視覚的に評価し、TCID50値をReed及びMuenchによって記載された方法(Reed et al., A simple method of estimating fifty percent endpoints. American Journal of Epidemiology Vol. 27 Issue 3.1938を参照のこと)に従って計算した。
HCoV-OC43のストックは、有効性試験で使用するのに十分に高いTCID50値(1×10 TCID50/ml超)を有することが決定した。具体的には、H292細胞に対するHCoV-OC43のTCID50は4×10(TCID50/ml)であった。
この実験において、H292細胞は、感染した対照細胞に見られる細胞変性効果を伴うHCoV-OC43による感染を許容した。全ての試験物でβ-コロナウイルスOC43に対する良好な抗ウイルス活性が観察された。図6に示すように、感染したH292細胞の生存率は化合物1の濃度の増加とともに増加したが、非感染細胞の生存率の著しい変化はなかった。したがって、化合物1は、H292細胞においてβ-コロナウイルスOC43に対する顕著な抗ウイルス効果を示す。クロロキン、スニチニブ及びレムデシビルについても同様の挙動が観察された。表9に示すように、3種全てがH292細胞においてβ-コロナウイルスOC43に対する抗ウイルス効果を示した。
Figure 2023522688000041
5.6.4. 実施例4.Huh7細胞及びMRC-5細胞に対するHCoV-OC43及びHCoV-229E株に対するin vitro効果
この試験の目的は、細胞変性効果(CPE)アッセイにおいて、ヒトコロナウイルス(HCoV)229E及びOC43に対する試験化合物の抗ウイルス活性を評価することであった。
化合物1を乾燥粉末として提供し、100% DMSO溶液中で30mM原液として調製した。参照化合物レムデシビルは、WuXi AppTecにより提供された。化合物は、50%有効濃度(EC50)及び50%細胞傷害性濃度(CC50)の決定のために、8つの濃度、半対数希釈液(half-log dilutions)で2回繰り返して試験した。細胞培養におけるDMSOの最終濃度は0.5%であった。
HCoV 229E(ATCC番号VR-740)及びOC43(ATCC番号VR-1558)はATCCから取得した。MRC-5細胞(ATCC番号CCL-171)及びHuh7細胞は、それぞれATCC及びAppTecから取得した。MRC5細胞は、10% FBS(Hyclone番号SV30087.03)、1% L-グルタミン(Gibco番号25030-081)、1% NEAA(Gibco番号11140-050)及び1% ペニシリン-ストレプトマイシン(Hyclone番号SV30010)を追加した最小必須培地(Sigma番号M2279)で維持した。5% FBS、1% L-グルタミン、1% NEAA及び1% ペニシリン-ストレプトマイシンを追加した最小必須培地をアッセイ培地として使用した。
Huh7細胞は、10% FBS、1% L-グルタミン、1% NEAA、及び1% ペニシリン-ストレプトマイシンを追加したダルベッコ改変イーグル培地(Gibco番号11960-051)で維持した。このアッセイで使用した主な試薬は、発光細胞生存率アッセイキットCellTiter Glo(Promega番号G7573)であった。このアッセイで使用した主な機器は、Microplate Reader Synergy2(BioTek)であった。
96ウェルプレートにおいて、細胞を適切な密度で播種し、37℃及び5% COで一晩培養した。翌日、段階的に希釈した化合物(8つの濃度、半対数希釈液、2回繰り返し)を含有する培地を細胞に添加し、37℃及び5% COで2時間インキュベートした。次に、細胞にウイルスを感染させた。得られた培養物を、ウイルス対照(化合物処理なしでウイルスに感染した細胞)におけるそのウイルス感染が著しいCPEを示すまで更に3日間~7日間、35℃(229E)又は33℃(OC43)及び5% COに保った。製造業者のマニュアルに従って、CellTiter Gloで細胞生存率を測定した。
発光シグナルは、マイクロプレートリーダーSynergy2(Molecular Device)によって測定した。各化合物の抗ウイルス活性は、ウイルス対照によって正規化された各濃度でのCPEの阻害に基づいて計算した。
化合物の細胞傷害性は、同一条件下であるがウイルス感染なしで並行して評価した。製造業者のマニュアルに従って、CellTiter Gloで細胞生存率を測定した。次に、培地対照(培地のみ)によって正規化された試験濃度での細胞傷害性に基づいてCC50値を計算した。
化合物の抗ウイルス活性及び細胞傷害性を、それぞれ%阻害及び%細胞生存率として表し、以下の式で計算した。
阻害(%)=(生データCPD-平均VC)/(平均CC-平均VC)×100
細胞生存率(%)=(生データCPD-平均MC)/(平均CC-平均MC)×100
式中、生データCPDは化合物処理ウェルの値を示す;平均VC、平均CC及び平均MCは、それぞれウイルス対照、細胞対照(ウイルス感染又は化合物処理なしの細胞)及び培地対照の平均値を示す。
EC50値及びCC50値を、GraphPad Prismソフトウエア(バージョン6)を使用し、log(阻害剤)対応答の式を可変勾配で使用して計算した。次に、SI(CC50/EC50)を計算した。
抗ウイルス実験は、参照化合物により品質管理した。レムデシビルは期待された抗ウイルス活性及び細胞生存率への影響を示し、実験の信頼性が示された。試験化合物の抗ウイルス及び細胞傷害性の結果を表9にまとめ、表中、SIはCC50/EC50である。
Figure 2023522688000042
化合物1は、HCoV 229Eに対する阻害活性を示し、EC50値は3.64μMであった。化合物1は、MRC-5細胞に対して明らかな細胞傷害性を示し、CC50値は14.95μMであった。化合物1は、HCoV OC43に対する阻害活性を示し、EC50値は6.00μMであった。化合物1は、Huh7細胞に対して明らかな細胞傷害性を示し、CC50値は13.25μMであった。阻害及び細胞傷害性の曲線を図7及び図8に示す。
5.6.5. 実施例5.VeroE6細胞に対するSARS-CoV-2株に対するin vitro効果
SARS-CoV-2(USA-WA1/2020)に対する抗ウイルス活性を評価するために、試験物の存在下又は不存在下でVero E6細胞に感染させることによって、CPEに基づく抗ウイルスアッセイを実施した。細胞の感染は、感染2日後に細胞変性効果及び細胞死を引き起こす。このアッセイにおいて、阻害剤の存在下におけるCPEの減少を、試験した物品の抗ウイルス活性を決定するための代用マーカーとして使用した。化合物誘発性の細胞生存率の低下は、非感染細胞で同じ読み取り(CellTiter-Glo(商標))を使用して並行して決定した。
Vero E6細胞を、本明細書ではDMEM10と呼ばれる10%ウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM中で維持した。細胞を播種し、SARS-CoV-2を負荷する前に24時間インキュベートした。感染当日、試料を最初に異なるプレートで段階希釈液にし、次に、細胞培地を変更せずに標的細胞に添加した。試験物を細胞とともに60分間37℃でインキュベートした。この期間の後、ウイルス接種材料を、0.1の感染多重度(m.o.i.)で各ウェルに添加した。感染は、加湿インキュベーター内、37℃で48時間行われた。次に、ウイルス誘発性CPEを推定するために、CellTiter-Glo(商標)試薬を細胞に添加し、プレートリーダーで相対光単位(RLU)を測定することによって細胞生存率を推定した。
試験物は、2倍段階希釈液を使用して2回繰り返して評価した。対照には、非感染細胞(「モック感染」)、及びビヒクルのみを添加した感染細胞が含まれていた。いくつかのウェルは、異なる濃度のヒドロキシクロロキン(HCQ)でも処理した。HCQは、コロナウイルスに対する幅広い抗ウイルス活性を持つ免疫抑制剤及び抗マラリア剤である。いくつかの細胞をレムデシビル(10μM)で処理した。レムデシビルは、SARS-CoV-2のRNAポリメラーゼをブロックする広域抗ウイルス剤である。
感染細胞(ビヒクルの不在下)で観察された平均相対光単位(RLU)を計算し、次に、全ての試料から差し引いて、ウイルス誘発性CPEの阻害を決定した。次に、感染細胞で観察された吸光度シグナルを差し引いた後、非感染細胞(モック)で観察された平均シグナルに対してデータポイントを正規化した。このアッセイにおいて、非感染細胞は生存可能なまま、高いRLUレベルを示した。抗ウイルス剤の不在下において、ウイルス誘発性CPEは感染細胞を死滅させ、細胞培養におけるRLUの低下をもたらす(0%阻害)。対照的に、抗ウイルス剤HCQ又はレムデシビルとのインキュベーションは、ウイルス誘発性CPEを予防し、非感染細胞で観察されるものと同様のRLUをもたらす。これらの値は、ウイルス複製の100%阻害を表す。
CellTiter-Glo発光細胞生存率アッセイは、代謝的に活性な細胞の指標であるATP存在の定量化に基づいて、培養中の生細胞の数を決定する均質な方法である。このアッセイは、培養細胞に直接試薬を添加し、ATP存在量に比例して発光シグナルを発生させることを伴い、これは、培養中に存在する細胞の数と直接相関する。細胞傷害性化合物は、RLU読み取り値の低下をもたらす。
読み取り値は、ビヒクル単独(組織培養培地)で処理した非感染細胞で観察された平均シグナルのパーセンテージとして得られた。感染細胞は感染2日後にCPEを発症し、RLUレベルの大幅な低下を示した。図9に示すように、細胞を化合物1で処理した場合、細胞生存率はビヒクル対照と比較して増加した。
Vero E6細胞におけるSARS-CoV-2(USA-WA1/2020)誘発性CPEの阻害も測定した。ウイルス誘発性CPEの予防を、SARS-CoV-2の複製の程度を決定するための代用マーカーとして使用した。ビヒクル単独の存在下での感染細胞におけるRLUの程度は、ウイルス誘発性CPEの阻害がないことを示している。完全阻害(100%)は、モック感染細胞(0.01% DMSO)において観察されるものと同等のRLUをもたらす。阻害値を得るために、試験物の不存在下で感染した細胞の平均RLUを全ての値から差し引き、次に、全ての値を非感染(「モック」)について得られたものに対して正規化して100%阻害を示した。図10は、化合物1及びレムデシビルの両方によるSARS-CoV-2誘発性CPEの阻害を示す。種々の化合物のIC50値は、化合物1のデータを提供する図11に示すように決定した。
CellTiter Glo生存率アッセイにおけるVero E6細胞の生存率を、化合物1及びHCQの濃度に応じて表10に示す。対照(ビヒクル)の測定された生存率は100.3±0.7であった。
Figure 2023522688000043
値は、試験物で処理2日後の残存する生存率のパーセントを示す。値は、ビヒクル単独でインキュベートした試料で観察された生存率のパーセンテージとして示されている。データは、繰り返しの平均及び標準偏差を表す。下の表は、培地のみの対照(0.01% DMSO)で観察された生存率のパーセンテージを示す。
図12に示すように、Vero E6細胞の生存率は、化合物1の25μM未満の濃度での処理によっても、又はHCQの試験した全ての濃度での処理によっても著しい変化はなかった。図13は、Vero E6細胞の生存率によって測定した化合物1のCC50の決定を示す。表11は、この実験で試験した化合物のIC50及びCC50をまとめたものである。
Figure 2023522688000044
化合物1及びHCQについて、IC50値(抗ウイルス)、及びCC50値(細胞傷害性)を示す。ビヒクル単独での存在下で感染させた細胞(CPEアッセイ)、又は非感染細胞(生存率アッセイ)と比較して、シグナル対バックグラウンド比(S/B)、及びRLU値が50%以上の繰り返しデータポイントの平均変動係数(C.V.)が観察された。試験した最高濃度でウイルス阻害、又は細胞生存率(CC50)が50%に達しなかった場合、IC50値又はCC50値は試験した最高濃度よりも大きい値として示される。
要するに、化合物1は、25μMで試験した場合、ウイルス誘発性細胞変性効果を部分的に予防した。この濃度では、培養中の細胞生存率は、非感染細胞で観察されたレベルの80%に達した。しかしながら、抗ウイルス効果はより高い濃度では消失し、これはおそらく、化合物1のウイルス誘発性CPEを予防する能力を乱した、Vero E6細胞に高濃度で存在する化合物誘発性毒性によるものであろう。比較すると、5μMで試験したヒドロキシクロロキン(HCQ)、又はレムデシビル(10μM)は、ウイルス誘発性CPEのほとんどを予防し、細胞生存率レベルは、非感染細胞(「モック」)で観察されたものと同様のレベルにとどまった。
化合物1は、生SARS-CoV-2に対して12.5μM及び25μMで抗コロナウイルス活性を示した。しかしながら、この化合物の毒性により、より高い濃度でのSARS-CoV-2複製の完全阻害が妨げられた。表10は、試験物の抗ウイルス活性及び化合物誘発性細胞傷害性活性(IC50値及びCC50値)をまとめたものである。
感染性アッセイの品質管理を全てのプレートに対して実施して、i)シグナル対バックグラウンド(S/B)値、ii)既知のコロナウイルスの阻害剤による阻害(CPEアッセイ)、及びiii)全てのデータポイントの変動係数(C.V.)によって測定されるアッセイの変動を決定した。全ての対照は、各アッセイについて予想通りに機能した。SARS-CoV-2の既知の阻害剤であるヒドロキシクロロキン(HCQ)、及びレムデシビルは、アッセイにおいてウイルス誘発性CPEを強力に予防した。
抗ウイルスアッセイにおける繰り返しの全体的な変動は6.4%であり、生存率アッセイにおける全体的な変動は7.6%であった。抗ウイルスアッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は2.1倍であり、非感染細胞におけるRLU値を、ビヒクル単独の存在下でSARS-CoV-2を負荷した細胞において観察されたものと比較して決定された。生存率アッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は決定されなかった。
5.6.6. 実施例6.Vero76細胞に対するMERS-CoV株に対するin vitro効果
ウイルス感染を許容するVero76細胞を、適切な濃度で96ウェルアッセイプレートに播種し、インキュベートした。試験物の段階希釈液を調製し、細胞に添加した。陽性対照としてプロテアーゼ阻害剤であるM128533が含まれた。次に、細胞をMERSコロナウイルス(EMC株)に感染させるか、又は単純培地でモック感染させた。対照ウェルで細胞変性効果(CPE)が見られるまで、プレートをインキュベートした。細胞生存率は、顕微鏡(視覚的アッセイ)及びニュートラルレッド色素の取り込み(ニュートラルレッドアッセイ)によって読み取った。
この実験において、化合物1は、顕微鏡の視覚的アッセイによって測定したEC50が6.4μg/ml及びCC50が22μg/ml、並びにニュートラルレッドアッセイによって測定したEC50が5.4μg/ml及びCC50が11μg/mlで、ウイルス感染誘発性CPEを阻害した。対照のM128533は、顕微鏡の視覚的アッセイによって測定したEC50が5.0μg/ml及びCC50が100μg/ml超、並びにニュートラルレッドアッセイによって測定したEC50が5.3μg/ml及びCC50が100μg/ml超で、ウイルス感染誘発性CPEを阻害した。これらの結果は、化合物1がMERSコロナウイルスに対する抗ウイルス効果を有することを示す。
5.6.7. 実施例7.HepG2 2.2.15細胞に対するHBVに対するin vitro抗ウイルス効果
一次抗HBVアッセイは、HepG2 2.2.15細胞から放出されたビリオンに関連する細胞外HBV DNAコピー数を測定するために、リアルタイムqPCR(TaqMan)を使用するように変更して、先に記載されたように実施した(Korba et al. A cell culture assay for compound which inhibit hepatitis B virus replication. Antiviral Res. 15: 217-228, 1991、及びKorba et al., Use of a standardized cell culture assay to assess activities of nucleoside analogs again hepatitis B virus replication. Antiviral Res. 19: 55-70, 1992を参照のこと)。HepG2 2.2.15細胞株は、HBV野生型株ayw1ゲノムの2つのコピー含有し、恒常的に高レベルのHBVを産生する安定したヒト肝芽腫細胞株である。この細胞株を使用して、転写、翻訳、プレゲノムキャプシド形成(pregenome encapsidation)、逆転写、粒子の集合及び放出等のウイルス複製のあらゆる後期段階をブロックする抗ウイルス化合物を特定し、特徴付けることができる。
要約すると、HepG2 2.2.15細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに1.5×10細胞/ウェルで、2% FBS、380μg/mL G418、2.0mM L-グルタミン、100単位/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、及び0.1mM 非必須アミノ酸を追加したダルベッコ改変イーグル培地に播種した。細胞培養中に観察される「エッジ効果」を減少させるために内部ウェルのみを利用し、試料の蒸発を最小限に抑えるため、外周ウェルを完全培地で満たした。16時間~24時間後、HepG2 2.2.15細胞のコンフルエント単層を洗浄し、培地を、様々な濃度の試験化合物を含有する完全培地に3連で交換した。ラミブジン(3TC)を陽性対照として使用し、培地単独を陰性対照(ウイルス対照、VC)として細胞に添加した。3日後、培養培地を、適切に希釈した試験化合物を含有する新しい培地に交換した。試験化合物の最初の投与から6日後、細胞培養上清を採取し、プロナーゼで処理した後、リアルタイム定量的TaqMan qPCRアッセイに使用した。PCR増幅HBV DNAは、増幅HBV DNAにハイブリダイズするクエンチされた蛍光プローブ分子のエキソヌクレアーゼ分解に起因する蛍光シグナルの増加をモニタリングすることによってリアルタイムで検出した。各PCR増幅について、精製HBV DNAの希釈液を使用して標準曲線を同時に作成した。抗ウイルス活性は、HBV DNAレベルの減少から計算した(EC50値及びEC90値を決定した)。次に、テトラゾリウム色素(MTS;3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム;Cell Titer(商標)96試薬、Promega)取り込みアッセイを用いて、同じアッセイプレートを使用して細胞生存率を測定し、生存率データを使用して、化合物細胞傷害性(CC50)を計算した。選択指数(SI50)は、CC50/EC50として計算した。
二次抗HBVアッセイは、上記の一次アッセイと同様の方法で実施した。しかしながら、アッセイの最後に、製造業者のプロトコルに従って、QiagenのDNeasy Blood and Tissueキットを使用して、細胞を処理して全細胞内DNAを単離した。次に、単離したDNAを使用してリアルタイムTaqMan qPCRアッセイを実施して、細胞内HBV DNAコピー数の減少を測定した。さらに、細胞は細胞内DNAを採取するために収集されたため、別の複製プレートを処理して化合物細胞傷害性を評価した。二次アッセイの結果を、一次アッセイで観察された細胞外HBV DNAコピー数の減少が、細胞内HBV DNAコピー数の付随する減少と相関するかどうか決定するために使用した。二次抗HBVアッセイは、一次アッセイで特定された潜在的な抗ウイルス活性を確認するために使用されたが、その一方で、活性化合物の作用機序に関する洞察を提供する可能性がある。
表12に示すように、化合物1は、EC50が6.35μM、及びCC50が29.33で、HBVに対する抗ウイルス効果を示した。試験した濃度範囲は、化合物1=0.001μM~100μM;エンテカビル=0.00001μM~1.00μM;3TC=0.006μM~2μMであった。
Figure 2023522688000045
5.6.8. 実施例8.免疫染色によって測定したVero76細胞に対するデングウイルスに対する化合物1のin vitro抗ウイルス効果
2つのデングウイルス(DENV)血清型2株(D2Y98P及びD2S221)に対する化合物1の抗ウイルス活性を、各株について50%のウイルス感染性を阻害する化合物1の濃度(IC50)によって測定した。
細胞変性(CPE)に基づく阻害アッセイをVero細胞で実施した。D2Y98P及びD2S221に対して、試験物の8つの3倍段階希釈液を3連で評価した。感染は免疫染色によって評価し、各試験物の50%阻害用量(ID50)は、「ウイルスのみ」及び「細胞のみ」をそれぞれ0%阻害及び100%阻害として使用して決定した。
Vero細胞(継代26)を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルで播種し、1日前に10% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加したMEM中で、37℃及び5% COで一晩インキュベートした。
96ウェルV底プレートに2% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加したMEMで各試験物の8つの3倍段階希釈液を3連で調製し、最終的な開始濃度は100μMとした。次に、Vero細胞を含有する96ウェル培養プレートから培地を除去し、50μLの試験物を、2% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加した50μLの新しいMEMとともに移し、細胞を37℃で60±5分間インキュベートした。次に、2% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加したMEMで調製した100μLのウイルスを各ウェルに添加し、D2Y98PのMOIは0.05、D2S221のMOIは0.08である。抗体を含まないウイルスのみも添加して、基準対照として機能するものを調製し、プレートを37℃及び5% COで4日間又は5日間インキュベートした。
細胞を-20℃で30分間、エタノール/メタノールで固定し、次に、細胞をDPBSで3回洗浄してからアルコール溶液を除去し、1×DPBS(ブロッキングバッファー)で調製した5%乾燥脱脂乳を30分間添加することにより細胞をブロックした。ブロッキングバッファーをウェルから除去し、100μLの希釈した一次抗体である4G2(ブロッキングバッファー中1:2000)を各ウェルに添加して室温で2時間インキュベートした。プレートを1×DPBSで3回洗浄した。二次抗体であるヤギ抗マウスIgG(H+L)-HRPコンジュゲートをブロッキングバッファーで1:2000に希釈し、100μLを各ウェルに添加して室温で1時間インキュベートした。二次抗体を除去し、プレートを1×DPBSで3回洗浄した。TrueBlueペルオキシダーゼ基質(150μL/ウェル)を約10分間(プラークが可視化されるまで)添加した。Bioreader 6000-Vαを使用してプラークを計数した。
ID50値を計算するために、データをExcelにインポートした。XLfit 5プラグインを、fit# 205(レーベンバーグ-マルカート法)でウイルスのみを0%有効性と設定して使用した。
表13に示すように、化合物1は、デングウイルスD2Y98P及びD2S221の両方の株に対する抗ウイルス効果を示し、IC50値はそれぞれ7.088μM及び6.66μMであった。
Figure 2023522688000046
細胞傷害性アッセイにおいて、Vero細胞(継代24)を96ウェルブラックプレートに1×10細胞/ウェルで播種し、10% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加したMEM中で、37℃及び5% COで一晩インキュベートした。最後の列は、アッセイのバックグラウンド(バックグラウンドウェル)を評価するために無細胞のままである。
96ウェルV底プレートに10% HI-FBS、1×P/S及び2mM L-Glnを追加したMEMで各試験物の8つの3倍段階希釈液を3連で調製し、最終的な開始濃度は100μMとした。次に、Vero細胞を含有する96ウェルブラックプレートから培地を除去し、50μLの試験物を、150μLの新しい培地とともに移した。「細胞のみ」の全ての列も含まれていた。細胞を37℃で4日間インキュベートした。
培養培地を96ウェルブラックプレートから除去し、100μlのCellTiter-Glo(商標)試薬(Promega、カタログ番号G7570)を、バックグラウンドウェル(各プレートの最後の列)を除く全てのウェルに加えた。次に、100μlの1×DPBSを、バックグラウンドウェルを除く全てのウェルに添加した。発光は、Biotekのプレートリーダー(Imaging multi-mode reader、Biotek、カタログ番号Cytation 5)を使用して読み取った。
図14~図17は、データのグラフ描写を提供する。化合物1のCC50は、13.51μMであることが判明した。
本発明をその詳細な説明と併せて記載したが、先の記載は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲の解説を意図するものであって、限定を意図しないことが理解されよう。その他の態様、利点及び変更は、添付の特許請求の範囲に含まれる。
本明細書に開示される参照文献のそれぞれは、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
配列番号1:NCBI参照配列:NC_045512.2;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、全ゲノム。
>NC_045512.2 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、全ゲノム
Figure 2023522688000047
Figure 2023522688000048
Figure 2023522688000049
Figure 2023522688000050
Figure 2023522688000051
Figure 2023522688000052
Figure 2023522688000053
Figure 2023522688000054
配列番号2 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、エンベロープタンパク質
>NC_045512.2:26245~26472 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、全ゲノム
Figure 2023522688000055
配列番号3 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、膜糖タンパク質
>NC_045512.2:26523~27191 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、全ゲノム
Figure 2023522688000056
配列番号4 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、スパイク糖タンパク質
>NC_045512.2:21563~25384 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株 Wuhan-Hu-1、全ゲノム
Figure 2023522688000057
配列番号5:ヒトコロナウイルス229E、全ゲノム
>NC_002645.1 ヒトコロナウイルス229E、全ゲノム
Figure 2023522688000058
Figure 2023522688000059
Figure 2023522688000060
Figure 2023522688000061
Figure 2023522688000062
Figure 2023522688000063
Figure 2023522688000064
Figure 2023522688000065
配列番号6:ヒトコロナウイルス229E、エンベロープタンパク質
>NC_002645.1:24750~24983 ヒトコロナウイルス229E、全ゲノム
Figure 2023522688000066
配列番号7:ヒトコロナウイルス229E、膜糖タンパク質
>NC_002645.1:24995~25672 ヒトコロナウイルス229E、全ゲノム
Figure 2023522688000067
配列番号8:ヒトコロナウイルス229E、表面糖タンパク質
>NC_002645.1:20570~24091 ヒトコロナウイルス229E、全ゲノム
Figure 2023522688000068
配列番号9:ヒトコロナウイルスOC43、全ゲノム
>AY391777.1 ヒトコロナウイルスOC43、全ゲノム
Figure 2023522688000069
Figure 2023522688000070
Figure 2023522688000071
Figure 2023522688000072
Figure 2023522688000073
Figure 2023522688000074
Figure 2023522688000075
Figure 2023522688000076
Figure 2023522688000077
配列番号10:ヒトコロナウイルスOC43、エンベロープタンパク質
>AY391777.1:28133~28387 ヒトコロナウイルスOC43、全ゲノム
Figure 2023522688000078
配列番号11:ヒトコロナウイルスOC43、膜タンパク質
>AY391777.1:28402~29094 ヒトコロナウイルスOC43、全ゲノム
Figure 2023522688000079
配列番号12:ヒトコロナウイルスOC43、スパイク表面糖タンパク質
>AY391777.1:23644~27729 ヒトコロナウイルスOC43、全ゲノム
Figure 2023522688000080

Claims (27)

  1. コロナウイルス感染症を治療、管理及び/又は予防する方法であって、該方法が、治療的有効量のアダプター関連キナーゼ1(AAK1)阻害剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記対象が、発熱、咳、息切れ、呼吸困難、胸部の持続性疼痛、胸部の圧迫感、青みがかった唇又は顔、疲労感、鼻水、又は咽喉痛のうちの1つ以上を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 宿主細胞におけるコロナウイルスの侵入、集合及び/又は出芽を阻害する方法であって、該方法が、前記宿主細胞をAAK1阻害剤と接触させることを含む、方法。
  4. 前記コロナウイルスが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記コロナウイルスが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)である、請求項1又は3に記載の方法。
  6. 前記コロナウイルスが、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)である、請求項1又は3に記載の方法。
  7. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2様コロナウイルスである、請求項1又は3に記載の方法。
  8. 前記SARS-CoV-2様コロナウイルスが、配列番号1と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記コロナウイルスが、CoV-229E様コロナウイルスである、請求項1又は3に記載の方法。
  10. 前記CoV-229E様コロナウイルスが、配列番号5と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記コロナウイルスが、CoV-OC43様コロナウイルスである、請求項1又は3に記載の方法。
  12. 前記CoV-OC43様コロナウイルスが、配列番号9と少なくとも80パーセント、90パーセント、95パーセント、又は98パーセントの配列同一性を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記AAK1阻害剤が、式(I):
    Figure 2023522688000081
    (式中、
    Aが、
    Figure 2023522688000082
    及び
    から選択され、式中、「
    Figure 2023522688000083
    」がBとの結合点を意味し、
    Bが、
    Figure 2023522688000084
    及び
    から選択され、式中、「」がRとの結合点を示し、「**」が環Aとの結合点を示し、
    が、水素、アミノ、-COH、ジフルオロメチル、エチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、トリフルオロメトキシ、及びトリフルオロメチルから選択され、
    が、水素、シアノ、-CHOH、ハロ、及びメチルから選択され、
    が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、メチルスルホニル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、-CHN(CH、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
    が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
    が、
    Figure 2023522688000085
    及び
    から選択され、
    が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択され、
    が、メチルである)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は3に記載の方法。
  14. 前記AAK1阻害剤が、式(II):
    Figure 2023522688000086
    (式中、
    Aが、
    Figure 2023522688000087
    及び
    から選択され、式中、「
    Figure 2023522688000088
    」がBとの結合点を意味し、
    Bが、フェニル及びピリジニルから選択され、
    が、水素、ジフルオロメチル、ハロ、メトキシ、メチル、-NHC(O)CH、-NHCOCH、及びトリフルオロメチルから選択され、
    が、水素、-CHOH、及びハロから選択され、
    が、水素、シアノ、シクロプロピル、ジフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシメチル、メトキシ、メチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族環から選択され、
    が、水素、ハロ、及びメチルから選択され、
    が、水素、エチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、及びトリフルオロメチルから選択される)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項13に記載の方法。
  15. Aが、
    Figure 2023522688000089
    及び
    である、請求項13又は14に記載の方法。
  16. Bが、
    Figure 2023522688000090
    及び
    である、請求項13又は14に記載の方法。
  17. が、
    Figure 2023522688000091
    である、請求項13に記載の方法。
  18. 前記AAK1阻害剤が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000092
    、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記AAK1阻害剤が、前記AAK1阻害剤と、薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む薬学的組成物で前記対象に投与される、請求項1、2又は4~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記薬学的組成物が、薬学的剤形である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記投与が経口である、請求項19又は20に記載の方法。
  22. SARS-CoV-2様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記化合物が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000093
    、又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  23. CoV-229E様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記化合物が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000094
    、又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  24. CoV-OC43様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記化合物が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000095
    、又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  25. MERS-CoV様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000096
    、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
  26. デングウイルス様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記化合物が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000097
    、又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  27. HBV様コロナウイルス感染症を治療、管理又は予防する方法であって、該方法が、治療的又は予防的有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記化合物が、(S)-1-((2’,6-ビス(ジフルオロメチル)-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)オキシ)-2,4-ジメチルペンタン-2-アミン:
    Figure 2023522688000098
    、又はその薬学的に許容される塩である、方法。
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