JP2023521747A - スコーチ防止有機ペルオキシド配合物 - Google Patents

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Abstract

有機ペルオキシド配合物の実施形態は、より長いスコーチ防止時間を与え、且つより少量の添加剤を必要とする。ペルオキシド配合物は、例えば、少なくとも1種の有機ペルオキシドと、ビタミンK1(フィロキノン)、K2(メナキノン)、K3(メナジオン)、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のスコーチ抑制添加物とを含み得る。

Description

本発明は、高いスコーチ防止性を有するペルオキシド配合物をもたらすための配合物及び方法並びにそれらの方法によって作成された製品に関する。
最終商品が厳しい機械的及び物理的性質仕様に適合しなければならない様な場合、有機ペルオキシドは、熱可塑性ポリマー、エラストマー及びそれらの混合物を架橋させるための好適な硬化剤である。架橋のために有機ペルオキシドを使用するには、熱エージングの際に各種の望ましい物理的性質、例えば非架橋の熱可塑性プラスチック及び/又は硫黄硬化させたエラストマーと比較して低い圧縮永久歪みパーセント(加熱及び加圧下での低い変形パーセント)を保持する必要がある。
固体のポリマー、エラストマー又はゴムを、熱及び剪断力の下で機械的に混合して、有機ペルオキシド、補強充填剤、オイル、抗酸化剤、離型剤及び他の成分を組み入れる。「スコーチ」は、ポリマー、エラストマー又はゴムの、混合又は加工の際に起きる早すぎるか又は望ましくない、架橋又は変性である。スコーチが起きると、次のような問題が生じる:成分の分散性の低下、ゴムコンパウンド物の粘度の上昇、型への不完全な充填並びに欠陥部分及びスクラップの発生。「スコーチ時間」は、特定の温度プロファイルの場合の、コンパウンド物中で、粘度の望ましくない上昇が開始されるまでの、安全な加工時間である。フリーラジカル前駆体を添加してから架橋開始までの時間(スコーチ時間)は、架橋剤として使用されたフリーラジカル重合開始剤のペルオキシドの熱分解速度(半減期として表される)に依存する。
スコーチ開始までの、安全な加工時間(スコーチ時間)が長いほど、各種のゴムの混合、コンパウンディング又は加工操作、例えば2本ロールミル法、バンバリータイプの内部混合法又は押出成形法では、より有利となる。時間と温度との関係が、フリーラジカル重合開始剤のある程度の分解に達したとき、スコーチが始まる。ペルオキシドの分解の開始が早すぎると、ポリマー物質中でゲル粒子が生成し、ゴムコンパウンド物の粘度を上昇させ、それにより最終的な生成物が不均一となる。過剰なスコーチでは、流動性を顕著に低下させ、ポリマー、ゴム又はエラストマーを、使用可能な部品に加工することが極めて困難又は不可能となり、スクラップをもたらしたり、さらにはそのバッチ全体が損失となったりする。
スコーチ時間を延ばすために、いくつもの試みがなされてきた。米国特許第5,245,084号明細書には、特定の群のヒドロキノン及び熱可塑性プラスチック及びエラストマーを架橋させるのに適した有機ペルオキシドを、この用途で通常使用されている架橋促進剤から選択した架橋促進剤と組み合わせて使用することが開示されている。米国特許第6,197,231号明細書には、熱可塑性プラスチック、エラストマー及びそれらの混合物で、硬化時間又は硬化密度に悪影響を及ぼすことなくスコーチ時間を延長させるために、フリーラジカル重合開始剤(有機ペルオキシド又は特定のタイプのアゾ重合開始剤のいずれか)を、ヒドロキノン、架橋促進剤及び公知の硫黄放出性硫黄加硫促進剤と組み合わせた組合せを使用することが教示されている。
しかしながら、これらの文献のいずれにも、間接的な食品との接触、皮膚との接触又は医療用途で使用するのに適した製品をもたらすために、ポリマー及びゴム中で使用することを目的とした用途で使用するのに適した、スコーチ防止されたペルオキシドは記載されていない。
本発明の実施形態は、各種の行政の、間接食品接触、FDAの皮膚接触若しくは医療用途又はNSF(登録商標)(National Sanitation Foundation)のガイドラインに適合する製品で使用にことが可能な、天然供給源(natural sources)から誘導されるか又は誘導可能なスコーチ抑制剤を含む有機ペルオキシド配合物に関する。本発明の実施形態はさらに、架橋性ポリマー組成物(エラストマーを含む)、それらのポリマーを硬化させるためのプロセス及びそのようなプロセスによって作成された製品にも関する。
本明細書に開示されているスコーチ抑制剤は、天然供給源から誘導されるか又は誘導可能である。それらは、以下の天然供給源から選択することができる:
サイム植物、例えばチモール(2-イソプロピル-5-メチルフェノール、IPMP);
ケール、コラードグリーン及びホウレンソウ、例えばビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7、ビタミンK2 MK-14及びビタミンK2 メナテトレノンエポキシド;ダイオウ、チュウゴクダイオウ及び地衣類、例えばエモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)及びレイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸);
アロエベラ、例えばアロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)及びクリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン);
ヒメコウジ、例えばキマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン);
ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子及びオイル、例えばチモキノン、ジチモキノン及びチモールヒドロキノン;
ヘンナ植物の葉、例えば2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン;
レッドクローバー及びアルファルファ、例えばカフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン;
オリーブの木の葉、例えばオリーブ葉オイル(オレウロペイン);
キナの木の樹皮、例えばキニーネ;
エキナセアの根、例えばカフェイン酸、クロロゲン酸;
カンナビス、例えばカンナビジオール(CBD)、ミルセン;並びに/又は
ある種のアミノ酸、例えばシスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン。
本発明の実施形態は、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から導されるスコーチ抑制添加物を含むか、実質的にそれらからなるか又はそれらからなる、有機ペルオキシド配合物に関する。
本発明の実施形態は、有機ペルオキシド配合物を製造するための方法にも関し、その方法には、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を混合することを含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になることが含まれる。
本発明の実施形態はさらに、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を、含むか、それらから実質的になるか又はそれらからなる、ポリマー組成物にも関する。
本発明の実施形態はさらに、エラストマー組成物を硬化させるためのプロセスにも関するが、前記プロセスは、ポリマー組成物を硬化させることを含むか、それらから実質的になるか又はそれらからなり、ポリマー組成物は、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を含むか、それらから実質的になるか又はそれらからなる。本発明の実施形態はさらに、このプロセスによって作成される製品にも関する。
(実施例4)本発明のある種の実施形態を使用して得られた、スコーチ時間における改良を示す図である。 (実施例4)本発明のある種の実施形態を使用し、完全硬化させたときに得られる、180℃での、スコーチ時間における改良及び硬化性能を示す図である。 (実施例5)本発明のある種の実施形態を使用して得られた、スコーチ時間における改良を示す図である。 (実施例5)本発明のある種の実施形態を使用し、完全硬化させたときに得られる、180℃での、スコーチ時間における改良及び硬化性能を示す図である。 (実施例6)本発明のある種の実施形態を使用して得られた、スコーチ時間における改良を示す図である。 (実施例6)本発明のある種の実施形態を使用し、完全硬化させたときに得られる、180℃での、スコーチ時間における改良及び硬化性能を示す図である。 (実施例7)本発明のある種の実施形態を使用して得られた、スコーチ時間における改良を示す図である。 (実施例7)本発明のある種の実施形態を使用し、完全硬化させたときに得られる、180℃での、スコーチ時間における改良及び硬化性能を示す図である。
特に断らない限り、本明細書におけるパーセントはすべて、重量パーセントである。
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用するとき、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定して、10,000g/molより大、好ましくは20,000g/molより大、より好ましくは50,000g/molより大の重量平均分子量を有する有機分子が含まれることを意味する。「ポリマー」という用語にはホモポリマー及びコポリマーが包含されるが、「コポリマー」という用語は、重合された形態にある少なくとも2種の異なるモノマーを含むポリマーを指す。例えば、本発明の開示におけるコポリマーは、2種の異なるモノマーを含むポリマーであり得、「ターポリマー」は、3種の異なるモノマー以上を含むポリマーである。「ゴム」及び「エラストマー」の用語は、「ポリマー」と同意語と考えられ、有機ペルオキシドを用いて架橋させることが可能である物質を指す。
「天然」という用語は、本明細書で使用するとき、天然に見出すことが可能である化合物を意味する。「天然」という用語にはさらに、天然に見出されるが、次いで精製され、且つ/又は化学的に変性された、例えば何らかの方法で誘導体化又は加工された化合物も含まれる。
「天然から誘導された」又は「天然から誘導可能な」という用語は、そのような化合物が、均等なスコーチ抑制添加物を与えることが本来的に見出し得る、化学的に製造されたそのような化合物の均等物であり得ることを意味する。
ある種の化合物に関連して、「抽出可能な」という用語は、その化合物が、引用された原料(通常、植物)から実際に抽出されたことを意味するのではなく、そのような化合物が、そのような植物中に実際に存在しているものの、それが、合成的に製造可能であるか又は製造されたことを意味する。
本明細書で使用するとき、「硬化」という用語は、ポリマーを架橋させて、強化又は固化されたポリマーを形成させることを指す。硬化工程は、慣用される各種の方法で実施され得る。
「スコーチ」は、本明細書では、ポリマー、ゴム、エラストマー又は樹脂の好ましくない架橋又は変性と定義され、それは、加工のステップの際に発生する。
本願出願人の見出したところでは、各種の天然の又は天然から誘導可能な化合物が、有機ペルオキシドの場合のスコーチ抑制添加物として有効である。
少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になる有機ペルオキシド配合物が提供される。配合物は、好ましくは、意図的に1つの成分として添加する水を含まないが、それでも、その組成物中において、例えば環境中の湿分、ある種の添加剤の水和水又は吸湿性添加剤が原因の追加の水に由来する量で水が存在し得る。配合物中の水の存在量は、ペルオキシドとスコーチ抑制添加物の全配合物の重量に対して5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%以下又は1000重量ppm以下であることが好ましい。
ある種の実施形態では、その少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物が、以下からなる群の少なくとも1つから抽出することができる:サイム、ケール、コラードグリーン、ホウレンソウ、ダイオウ、チュウゴクダイオウ、地衣、アロエベラ、オリーブの木の葉、ヒメコウジ、ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子又はオイル、ヘンナ植物の葉、レッドクローバー、アルファルファ、キナの木の樹皮、エキナセアの根又はカンナビス。ある種の実施形態では、その少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、少なくとも1種のアミノ酸を含み得る。
いくつかの実施形態では、その少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、以下からなる群から選択され得る:チモール、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド、エモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)、レイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸)、アロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)、クリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン)、キマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン)、チモキノン、ジチモキノン、チモールヒドロキノン、2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン、カフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)、キニーネ、カフェイン酸、クロロゲン酸、カンナビジオール、ミルセン、シスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン及びそれらの混合物。
いくつかの実施形態では、その少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、好ましくは、以下からなる群から選択され得る:ビタミンK及びその誘導体、例えばビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物。
ある種の実施形態では、有機ペルオキシド配合物中のこれらのスコーチ防止添加剤の重量パーセント(正味のペルオキシドを計算基準とする)は、正味のペルオキシドに添加されるスコーチ防止添加剤の35重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、好ましくは8重量%以下であり得、それは、スコーチ防止の必要性に依存する。
ペルオキシド並びにペルオキシド及び天然から誘導されるか又は誘導可能なスコーチ抑制剤を含むペルオキシド配合物は、当技術分野で公知のように、充填剤で増量して、自由流動性の粉体生成物又はマスターバッチを得ることができる。そのような充填剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:炭酸カルシウム、Burgessクレー、沈降シリカ、マイクロセルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、ケイ酸カルシウム、シリカ、フライアッシュ、乾燥木粉、乾燥おがくず、乾燥麦わら粒子/粉、粉体若しくはペレットの形状にあるポリエチレン又はそれらの混合物。好ましいのは、以下である:Burgessクレー、沈降炭酸カルシウム、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、マイクロセルロース、セルロースアセテートブチレート、高密度ポリエチレン粉体、ポリプロピレン粉体及びそれらの混合物。最も好ましいのは、以下である:Burgessクレー、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、高密度ポリエチレン粉体及びそれらの混合物。
熱によって分解してラジカルを発生し、所望の硬化(架橋)反応を開始させることが可能であることが公知である、すべての有機ペルオキシドが、本発明の配合物中で使用するのに適していると考えられる。非限定的な例としては、以下が挙げられる:ジアルキルペルオキシド、ジペルオキシケタール、ペルオキシケタール;ヘミペルケタールペルオキシド;モノペルオキシカーボネート、環状ケトンペルオキシド、ジアシルペルオキシド、オルガノスルホニルペルオキシド、ペルオキシエステル及び固体で室温安定性のペルオキシジカーボネート並びにそれらの混合物。それらのペルオキシドは、液体又は固体であり得る。
それらのタイプの有機ペルオキシドのすべてについての、ペルオキシドの名称及び物理的性質は、「Organic Peroxides」(Jose Sanchez and Terry N.Myers;Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Ed.,Volume 18(1996))に見出すことができる(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
ジアルキルペルオキシドの具体例としては、以下が挙げられる:
ジ-t-ブチルペルオキシド;t-アミルt-ブチルペルオキシド;t-ブチルクミルペルオキシド;t-アミルクミルペルオキシド;ジクミルペルオキシド;2,5-ジ(クミルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン;2,5-ジ(クミルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキシン-3;4-メチル-4-(t-ブチルペルオキシ)-2-ペンタノール;4-メチル-4-(t-アミルペルオキシ)-2-ペンタノール;4-メチル-4-(クミルペルオキシ)-2-ペンタノール;4-メチル-4-(t-ブチルペルオキシ)-2-ペンタノン;4-メチル-4-(t-アミルペルオキシ)-2-ペンタノン;4-メチル-4-(クミルペルオキシ)-2-ペンタノン;2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン;2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキサン;2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2-t-ブチルペルオキシ-5-ヒドロペルオキシヘキサン;2,5-ジメチル-2-クミルペルオキシ-5-ヒドロペルオキシヘキサン;2,5-ジメチル-2-t-アミルペルオキシ-5-ヒドロペルオキシヘキサン;m/p-アルファ,アルファ-ジ[(t-ブチルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン;m/p-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン;p-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン;m-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン;1,3,5-トリス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;1,3,5-トリス(t-アミルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;1,3,5-トリス(クミルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;ジ[1,3-ジメチル-3-(t-ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネート;ジ[1,3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブチル]カーボネート;ジ[1,3-ジメチル-3-(クミルペルオキシ)ブチル]カーボネート;ジ-t-アミルペルオキシド;t-アミルクミルペルオキシド;t-ブチル-イソプロペニルクミルペルオキシド;t-アミル-イソプロペニルクミルペルオキシド;2,4,6-トリ(ブチルペルオキシ)-s-トリアジン;1,3,5-トリ[1-(t-ブチルペルオキシ)-1-メチルエチル]ベンゼン;1,3,5-トリ-[(t-ブチルペルオキシ)-イソプロピル]ベンゼン;1,3-ジメチル-3-(t-ブチルペルオキシ)ブタノール;1,3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブタノール;及びそれらの混合物。
本発明の開示において考慮されている、単独で使用できるか又は他のフリーラジカル架橋剤と組み合わせて使用できる別のタイプのジアルキルペルオキシドは、次式で表される群から選択されたものである:
Figure 2023521747000002
式中、R4及びR5は独立して、メタ位又はパラ位に存在することが可能で、同一であるか又は異なっており、水素又は1~6個の炭素原子の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルから選択される。ジクミルペルオキシド及びイソプロピルクミルクミルペルオキシドが具体例である。
他のジアルキルペルオキシドとしては、以下が挙げられる:3-クミルペルオキシ-1,3-ジメチルブチルメタクリレート;3-t-ブチルペルオキシ-1,3-ジメチルブチルメタクリレート;3-t-アミルペルオキシ-1,3-ジメチルブチルメタクリレート;トリ(1,3-ジメチル-3-t-ブチルペルオキシブチルオキシ)ビニルシラン;1,3-ジメチル-3-(t-ブチルペルオキシ)ブチルN-[1-{3-(1-メチルエテニル)-フェニル}1-メチルエチル]カルバメート;1,3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブチルN-[1-{3(1-メチルエテニル)-フェニル}-1-メチルエチル]カルバメート;1,3-ジメチル-3-(クミルペルオキシ))ブチルN-[1-{3-(1-メチルエテニル)-フェニル}-1-メチルエチル]カルバメート。
ジペルオキシケタールペルオキシドの群の中でも、好ましいペルオキシドとしては、以下が挙げられる:1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン;1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン;n-ブチル4,4-ジ(t-アミルペルオキシ)バレレート;エチル3,3-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブチレート;2,2-ジ(t-アミルペルオキシ)プロパン;3,6,6,9,9-ペンタメチル-3-エトキシカルボニルメチル-1,2,4,5-テトラオキサシクロノナン;n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート;エチル-3,3-ジ(t-アミルペルオキシ)ブチレート;及びそれらの混合物。
本発明の開示の少なくとも1つの実施形態において使用することが可能な他のペルオキシドとしては、OO-t-ブチル-O-水素-モノペルオキシ-スクシネート及びOO-t-アミル-O-水素-モノペルオキシ-スクシネートが挙げられる。
具体的な環状ケトンペルオキシドは、次の一般式(I)、(II)及び/又は(III)を有する化合物である:
Figure 2023521747000003
式中、R1~R10は独立して、水素、C1~C20アルキル、C3~C20シクロアルキル、C6~C20アリール、C7~C20アラルキル及びC7~C20アルクアリールからなる群から選択されるが、それらの基は、直鎖状若しくは分岐状のアルキルを含み得、R1~R10のそれぞれは、ヒドロキシ、C1~C20アルコキシ、直鎖状若しくは分岐状のC1~C20アルキル、C6~C20アリールオキシ、ハロゲン、エステル、カルボキシ、ニトリド及びアミドから選択される1個又は複数の基で置換され得、例えば架橋反応のために使用されるペルオキシド混合物の全活性酸素含量の少なくとも20%は、式(I)、(II)及び/又は(III)を有する化合物からのものとなるであろう。
好適な環状ケトンペルオキシドのいくつかの例としては、以下が挙げられる:3,6,9、トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリペルオキシノナン(すなわちメチルエチルケトンペルオキシドの環状トリマー)、すなわちTrigonox(登録商標)301(Nouryon製)及び3,3,5,7,7-ペンタメチル-1,2,4-トリオキセパン、すなわちTrigonox(登録商標)311(Nouryon製);メチルエチルケトンペルオキシドの環状ダイマー及び3,3,6,6,9,9-ヘキサメチル-1,2,4,5-テトラオキサシクロノナン。
ペルオキシエステルペルオキシドの具体例としては、以下が挙げられる:2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;t-ブチルペルベンゾエート;t-ブチルペルオキシアセテート;t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート;t-アミルペルベンゾエート;t-アミルペルオキシアセテート;t-ブチルペルオキシイソブチレート;3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート;OO-t-アミル-O-水素-モノペルオキシスクシネート;OO-t-ブチル-O-水素-モノペルオキシスクシネート;ジ-t-ブチルジペルオキシフタレート;t-ブチルペルオキシ(3,3,5-トリメチルヘキサノエート);1,4-ビス(t-ブチルペルオキシカルボ)シクロヘキサン;t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート;t-ブチル-ペルオキシ-(cis-3-カルボキシ)プロピオネート;アリル3-メチル-3-t-ブチルペルオキシブチレート。
モノペルオキシカーボネートの具体例としては、以下が挙げられる:OO-t-ブチル-O-イソプロピルモノペルオキシカーボネート;OO-t-ブチル-O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート;1,1,1-トリス[2-(t-ブチルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;1,1,1-トリス[2-(t-アミルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;1,1,1-トリス[2-(クミルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;OO-t-アミル-O-イソプロピルモノペルオキシカーボネート。
ジアシルペルオキシドの具体例としては、以下が挙げられる:ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド;ジ(3-メチルベンゾイル)ペルオキシド;ジ(2-メチルベンゾイル)ペルオキシド;ジデカノイルペルオキシド;ジラウロイルペルオキシド;2,4-ジブロモ-ベンゾイルペルオキシド;コハク酸ペルオキシド;ジ(2,4-ジクロロ-ベンゾイル)ペルオキシド。
ペルオキシエステルの非限定的具体例としては、以下が挙げられる:2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;t-ブチルペルベンゾエート;t-ブチルペルオキシアセテート;t-ブチルペルオキシ-2-エチルキサノエート;t-アミルペルベンゾエート;t-アミルペルオキシアセテート;t-ブチルペルオキシイソブチレート;3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート;OO-t-アミル-O-水素-モノペルオキシスクシネート;OO-t-ブチル-O-水素-モノペルオキシスクシネート;ジ-t-ブチルジペルオキシフタレート;t-ブチルペルオキシ(3,3,5-トリメチルヘキサノエート);1,4-ビス(t-ブチルペルオキシカルボ)シクロヘキサン;t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート;t-ブチル-ペルオキシ-(cis-3-カルボキシ)プロピオネート;アリル3-メチル-3-t-ブチルペルオキシブチレート。
モノペルオキシカーボネートの具体例としては、以下が挙げられる:OO-t-ブチル-O-イソプロピルモノペルオキシカーボネート;OO-t-アミル-O-イソプロピルモノペルオキシカーボネート;OO-t-ブチル-O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート;OO-t-アミル-O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート;1,1,1-トリス[2-(t-ブチルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;1,1,1-トリス[2-(t-アミルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;1,1,1-トリス[2-(クミルペルオキシ-カルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン;OO-t-アミル-O-イソプロピルモノペルオキシカーボネート。
本開示の少なくとも1つの実施形態において使用することが可能な他のペルオキシドとしては、以下の官能化されたペルオキシエステルタイプのペルオキシドが挙げられる:OO-t-ブチル-O-水素-モノペルオキシ-スクシネート;OO-t-アミル-O-水素-モノペルオキシスクシネート;OO-t-アミルペルオキシマレイン酸;OO-t-ブチルペルオキシマレイン酸;t-ブチルペルオキシ-イソプロペニルクミルペルオキシド及びt-アミルペルオキシ-イソプロペニルクミルペルオキシド。
本発明の実施において同様に好適なのは、少なくとも3個のペルオキシド基を含む有機ペルオキシドの分岐状のオリゴマーであり、下の構造で表される化合物を含む。
Figure 2023521747000004
上の構造において、W、X、Y及びZを合計したものが、6又は7である。このタイプのユニークな分岐状の有機ペルオキシドの1つの例は、四官能ポリエーテルのテトラキス(t-ブチルペルオキシモノペルオキシカーボネート)である。
ヘミ-ペルオキシケタールタイプの有機ペルオキシドの具体例としては、以下が挙げられる:1-メトキシ-1-t-アミルペルオキシシクロヘキサン(Luperox(登録商標)V10);1-メトキシ-1-t-ブチルペルオキシシクロヘキサン;1-メトキシ-1-t-アミルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;1-メトキシ-1-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン。国際公開第9703961号パンフレットに記載のイミドペルオキシドのタイプのものも好適に使用され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、有機ペルオキシドとスコーチ抑制添加物との混合物が考えられ、有機ペルオキシドは、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、m/p-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種の有機ペルオキシドであり、その少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物が、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つである。
別の実施形態では、液状のペルオキシド配合物を形成させるための、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンを含む有機ペルオキシドと、天然の又は天然から誘導可能なコーチ抑制性のビタミンK3(メナジオン)とのブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になる。
別の実施形態では、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンを含む有機ペルオキシドと、天然の又は天然から誘導可能なカンナビジオール及び/又はチモール及び/又はミルセンを含むコーチ抑制剤とのブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になる。
これらのペルオキシド配合物は、不活性充填剤で増量されて、自由流動性の粉体を形成し得る。そのような充填剤の非限定的な例は、Hi-Sil(登録商標)233シリカ、Burgessクレー、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム又はそれらの充填剤のブレンド物から選択することができる。この自由流動性で粉体のスコーチ防止されたペルオキシド配合物は、インターナルブラベンダーミキサーを使用して、キャリヤーとしてのEPDM、VMQ(シリコーンゴム)、ブロモブチルゴム又はHNBRのいずれかを含む、市販されているポリマーマスターバッチ中にコンパウンディングされ得る。
これらの組成物を圧縮成形することにより、架橋された商品を形成することができる。
別の実施形態は、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-アミルt-ブチルペルオキシド及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の有機ペルオキシドのブレンド物であり得、その天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、ミルセン、カンナビジオール、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2(メネキノン)、アロエ-エモジン、シスチン、システイン、キニーネ、カフェイン酸、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)及びそれらの混合物から選択されて、液状のペルオキシド配合物を形成し得る。
別の実施形態では、この液状のペルオキシド配合物は、以下からなる群から選択される液状架橋助剤とさらに混合され得る:トリメチロールプロパントリメタクリレート又はプロポキシル化された3-トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びそれらの組合せ。
これらの液状のスコーチ防止されたペルオキシド配合物は、PEX-aとして知られている飲料水用途のための、架橋HDPE(架橋高密度ポリエチレン)チューブ又はパイプを製造するための押出成形プロセス中で個別に又は組み合わせて使用することができる。これらの液状のペルオキシド配合物のための別の架橋用途は、飲料水収納のための架橋HDPE回転成形タンク又はタンクのインナーライナーであり得る。
別の実施形態は、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド及びそれらの組合せから選択される有機ペルオキシドのブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、カンナビジオール、ミルセン、キニーネ、オレウロペイン、チモキノン、チモール及びそれらの組合せから選択されて、液状のペルオキシド配合物を形成し得る。別の実施形態では、この液状のペルオキシド配合物は、トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化3-トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びそれらの組合せから選択された液状架橋助剤とさらに混合されて、液状のペルオキシド配合物を形成し得る。
別の実施形態は、有機ペルオキシドのジクミルペルオキシド、Burgessクレー充填剤及び/又はシリカ充填剤並びにキニーネ、オレウロペイン(オリーブ葉オイル)、ビタミン類(K1、K2又はK3)、カフェイン酸、ミルセン、カンナビジオール及びそれらの組合せからなる群から選択される天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物のブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、2種の別々の市販のコンパウンディングしたEPDM及びHNBRのマスターバッチを硬化させるための自由流動性の粉体のペルオキシド配合物を形成し得る。
別の実施形態は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン並びに2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン(ヘンナ植物の葉)及び/又はカンナビジオール及び/又はミルセン(カンナビス)及び/又はチモール(ハーブサイムから)から選択される天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加剤のブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、液状のペルオキシド配合物を形成し得る。
別の実施形態は、t-ブチルペルベンゾエート並びにチモキノン、ミルセン、カンナビジオール及びそれらの添加剤の組合せからなる群から選択されるスコーチ抑制添加剤のブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、液状のペルオキシド配合物を形成し得る。
別の実施形態は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン並びにチモール、チモキノン、ミルセン、カンナビジオール及び添加剤の組合せからなる群から選択される天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加剤並びに架橋助剤のトリメチロールプロパントリアクリレートのブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、液状のペルオキシド配合物をもたらし得る。
別の実施形態は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン並びにチモキノン、ミルセン、カンナビジオール及び添加剤の組合せからなる群から選択される天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加剤並びに架橋助剤のトリメチロールプロパントリアクリレート及びHi-Sil(登録商標)233シリカのブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり得、最終的なペルオキシド配合物は、自由流動性の粉体の形態であり得る。
別の実施形態は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン並びにビタミンK3、チモール、チモキノン、オレウロペイン、ミルセン及びカンナビジオール又はそれらの添加剤の組合せからなる群から選択されるスコーチ抑制添加剤並びにHi-Sil(登録商標)233シリカ充填剤のブレンド物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり、自由流動性のペルオキシド配合物を形成し得る。このペルオキシド配合物は、動的加硫プロセスにおいて使用して、TPV(熱可塑性プラスチック加硫物)をもたらすことができるが、そこでは、ポリプロピレンの連続したマトリックス中に架橋EPDMの小さい粒子がもたらされる。したがって、この自由流動性の粉体の形態にあるスコーチ抑制されたペルオキシド配合物は、ブラベンダーミキサーを使用して、EPDM及びポリプロピレンの混合物中に白色プロセスオイル及びカーボンブラック充填剤と共にコンパウンディングすることができる。例えば、その温度は、最初は約50℃に設定し、全部の成分の混合が開始されると、そこで、そのエラストマーの温度が、剪断加熱のために、上昇しはじめる。次いで、ミキサーのヘッドの電気ヒーターを調節して、ペルオキシド配合物を1分の半減期とする(152.8℃)。そのEPDM/ポリプロピレンエラストマー混合物の温度が、徐々に高くなる。設定温度に達したら、混合を8分間続けて、全部のペルオキシドを分解させて、天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加剤無しの、標準的なペルオキシド配合物を使用して作製したものと比較して改良された熱可塑性プラスチック加硫物(TPV)をもたらす。
さらに、思いがけなくも発見されたことであるが、そのスコーチ防止されたペルオキシケタール及びヘミ-ペルオキシケタールタイプのペルオキシドは、EPDM及びPPタイプのTPVの製造において、他のタイプのペルオキシドと比較して優れた性能を与えた。
特定の実施形態では、本発明の有機ペルオキシド配合物は、少なくとも1種の架橋助剤及び/又は少なくとも1種の充填剤をさらに含み得る。特定の実施形態では、架橋助剤の例としては、以下が挙げられる:アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロイルプロパントリメタクリレート(SR-350(登録商標))、トリメチロイルプロパントリアクリレート(SR-351(登録商標))、亜鉛ジアクリレート及び亜鉛ジメタクリレート。
架橋助剤のさらなる非限定的な例としては、以下が挙げられる:
Sartomer製のメタクリレートタイプの架橋助剤、例えばSR205Hのトリエチレングリコールジメタクリレート(TiEGDMA)、SR206Hのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、SR209のテトラエチレングリコールジメタクリレート(TTEGDMA)、SR210HHのポリエチレングリコール(200)ジメタクリレート(PEG200DMA)、SR214の1,4-ブタンジオールジメタクリレート(BDDMA)、SR231のジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、SR239Aの1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)、SR252のポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート(PEG600DMA)、SR262の1,12-ドデカンジオールジメタクリレート(DDDDMA)、SR297Jの1,3-ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、SR348Cのエトキシル化(3)ビスフェノールAジメタクリレート(BPA3EODMA)、SR348Lのエトキシル化(2)ビスフェノールAジメタクリレート(BPA2EODMA)、SR350Dのトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、SR480のエトキシル化(10)ビスフェノールAジメタクリレート(BPA10EODMA)、SR540のエトキシル化(4)ビスフェノールAジメタクリレート(BPA4EODMA)、SR596のアルコキシル化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(PETTMA)、SR604のポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGMA)、SR834のトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(TCDDMDMA)及びSR9054の酸性二官能接着促進剤;
Sartomer製のアクリレートタイプの架橋助剤、例えばSR238の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、SR259のポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(PEG200DA)、SR268Gのテトラエチレングリコールジアクリレート(TTEGDA)、SR272のトリエチレングリコールジアクリレート(TIEGDA)、SR295のペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、SR306のトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、SR307のポリブタジエンジアクリレート(PBDDA)、SR341の3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート(MPDA)、SR344のポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(PEG400DA)、SR345の高性能高官能基モノマー、SR349のエトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート(BPA3EODA)、SR351のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、SR355のジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート(Di TMPTTA)、SR368のトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTA)、SR399のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(Di PEPA)、SR415のエトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP20EOTA)、SR444の変性したペンタエリスリトールトリアクリレート、SR444Dのペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA)、SR454のエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、SR492のプロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3POTA)、SR494のエトキシル化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、SR499のエトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP6EOTA)、SR502のエトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP9EOTA)、SR508のジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、Saret(登録商標)SR522Dの環状-アルカンジアクリレートの乾燥液状濃縮物、SR534Dの多官能アクリレートエステル、SR595の1,10-デカンジオールジアクリレート(DDDA)、SR601のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート(BPA4EODA)、SR602のエトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート(BPA10EODA)、SR606Aのエステルジオールジアクリレート(EDDA)、SR610のポリエチレングリコール(600)ジアクリレート(PEG600DA)、SR802のアルコキシル化ジアクリレート、SR833Sのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(TCDDMDA)、SR9003のプロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(PONPGDA)、SR9020のプロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート(GPTA)、SR9035のエトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP15EOTA)及びSR9046のエトキシル化(12)グリセリルトリアクリレート(G12EOTA);
Sartomer製の特別にスコーチ防止されたタイプの架橋助剤、例えばSaret(登録商標)297Fの液状のスコーチ防止されたメタクリレート、Saret(登録商標)350Sの液状のスコーチ防止されたメタクリレート、Saret(登録商標)350Wの液状のスコーチ防止されたメタクリレート、Saret(登録商標)500の液状のスコーチ防止されたメタクリレート、Saret(登録商標)517Rのトリメチロールプロパントリアクリレートの液状のスコーチ防止されたメタクリレート、Saret(登録商標)521のジエチレングリコールジメタクリレート(液状のスコーチ防止されたメタクリレート)及びSaret(登録商標)PRO13769;アリルタイプの架橋助剤、例えばSR507Aのトリアリルシアヌレート(TAC)、SR533のトリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルホスフェート(TAP)、トリアリルボレート(TAB)、トリメタアリルイソシアヌレート(TMAIC)、ジアリルテレフタレート(DATP)(別名、ジアリルフタレート)、ジアリルカーボネート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルホスファイト、トリメチロールプロパンジアリルエーテル;ポリ(ジアリルイソフタレート)及びグリオキサールビス(ジアリルアセタール)(1,1,2,2-テトラアリルオキシエタン);ハイブリッドタイプの架橋助剤、例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレートのオリゴマー、アリルアクリレートのオリゴマー並びにSartomerSR523の、新規な二官能性架橋助剤(アリルメタクリレート若しくはアクリレートの誘導体);2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(別名、Nofmer(登録商標)MSD(アルファ-メチルスチレンダイマー)(Nippon Oil&Fat Co.から入手可能、特に、ワイヤ及びケーブル用途);及び
他の任意の架橋助剤、例えばN,N’-m-フェニレンジマレイミド(別名、HVA-2(DuPontから入手可能)、N,N’-p-フェニレンジマレイミド、cis-1,2-ポリブタジエン(1,2-BR)、ジビニルベンゼン(DVB)及び4,4’-(ビスマレイミド)ジフェニルジスルフィド。
本発明の有機ペルオキシド配合物において使用するための、任意成分の不活性充填剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:水洗したクレー、例えばBurgessクレー、沈降シリカ、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸カルシウム及びそれらの組合せ。当業者であれば、これらの充填剤を各種組み合わせて、易流動性で非粘結性の最終ペルオキシド配合を達成することができる。
特定の実施形態では、本発明の有機ペルオキシド配合物は、シリカ充填剤を含み得る。
本発明の有機ペルオキシド配合物は、任意選択的に、以下からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含み得る:プロセスオイル(例えば、脂肪族プロセスオイル)、プロセス助剤、顔料、染料、粘着付与剤、ワックス、補強助剤、UV安定化剤、発泡剤、活性化剤、抗酸化剤及び架橋助剤(例えば、Sartomerから市販されているもの)。
1つの実施形態では、有機ペルオキシド配合物を製造するための方法には、少なくとも1種の有機ペルオキシドと、少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物とを混合することが含まれるか、それらからなるか又はそれらから実質的になる。その混合は、当技術分野で公知であり、使用されている任意の方法を使用して実施され得る。例えば、その混合は、Ross(登録商標)ミキサー、低剪断リボンミキサー又はBrabender(登録商標)ミキサーのような装置で実施することができる。
別の実施形態では、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になるポリマー組成物が提供される。
少なくとも1つの実施形態では、本発明のポリマー組成物は、飽和ポリマー、不飽和ポリマー又は飽和と不飽和との両方のポリマーのブレンド物を含み得る。
本発明では、市販されている予備コンパウンディングされたポリマーを使用し得ることに注意されたい。それらのポリマーは、例えば、カーボンブラック充填剤、プロセスオイル、離型剤、抗酸化剤及び/又は熱安定剤などの添加剤を含み得る。特定の実施形態では、その少なくとも1種のポリマーは、1種又は複数のこれら添加剤を含むポリマーマスターバッチの一部である。例えば、ポリマーマスターバッチは、少なくとも1種のポリマー並びにカーボンブラック、ポリエチレングリコール、少なくとも1種のプロセスオイル(例えば、液状飽和炭化水素、例えばPrimol(登録商標)352)、少なくとも1種の抗酸化剤(例えば、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、別名TMQ)、少なくとも1種の離型剤、少なくとも1種の熱安定剤並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種又は複数の添加剤を含むか、実質的にそれらからなるか又はそれらからなり得る。
少なくとも1つの実施形態では、そのポリマー組成物のポリマーには、コポリマーが含まれる。本明細書において開示された実施形態では、コポリマーを含むエラストマー組成物を列挙している。しかしながら、通常の技能を有する当業者なら容易に理解できるように、(明白にそうではないとされている場合以外では)いかなるコポリマーを含む実施形態においても、ホモポリマーに置きかえることができる。
少なくとも1つの実施形態では、そのポリマー組成物は、少なくとも1種の飽和ポリマーを含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり得る。その飽和ポリマーは、例えば、以下から選択することができる:不飽和を含まないケイ素ゴム(Q)、メチル-ポリシロキサン(MQ)、フェニル-メチル-ポリシロキサン(PMQ)、ポリ[エチレンビニルアセテート](EVA)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、Dow Engage(登録商標)タイプのポリ(エチレン-オクテン及び/又はヘキセン)コポリマー、クロロ化ポリ(エチレン)(CPE)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、ポリアミドタイプのポリマー(PA-11)、ポリ乳酸(PLA)、DuPont Vamac(登録商標)ポリ(エチレンメチルアクリレート);ポリ(エチレンプロピレン)(EPM)、フルオロエラストマー(FKM、FFKM)(例えば、Viton(登録商標)及びDyneon(登録商標))並びにそれらの組合せ。
少なくとも1つの実施形態では、そのポリマー組成物が、少なくとも1種の不飽和ポリマーを含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり得る。ポリマー組成物中で使用することが可能な不飽和ポリマーとしては、例えば、以下が挙げられる:ポリ[エチレン-プロピレン-ジエン]ターポリマー(EPDM)、ビニルシリコーンゴム(VMQ)、フルオロシリコーン(FVMQ)、ニトリルゴム(NBR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)、部分水素化アクリロニトリルブタジエン(HNBR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、ネオプレンゴム(CR)、ポリクロロプロペン、ブロモブチルゴム(BIIR)、クロロブチルゴム(CIIR)及びそれらの組合せ。
少なくとも1つの実施形態では、そのポリマー組成物には、少なくとも1種の飽和コポリマーが含まれる。使用することが可能な飽和ポリマーの非限定的な例としては、以下が挙げられる:エチレンと、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びビニルアセテートとのコポリマー、例えば超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリ(エチレンビニルアセテート)(EVA)、ポリ(エチレンプロピレン)(EPM)、ポリ(エチレンオクテン)(例えば、Engage(登録商標))、ポリ(エチレンヘキセン)、ポリ(エチレンブチレン)(例えば、Tafmer(登録商標))、Vamac(登録商標)ポリマー(例えば、ポリ(エチレンメチルアクリレート)、ポリ(エチレンアクリレート)及びアクリル酸との組合せ)並びにそれらの組合せ。
ある種の実施形態では、以下のポリマーを使用し得る:メタロセンベースのポリエチレン、例えばmLLDPE、mHDPE;塩素化ポリエチレン(CM又はCPE)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、ポリ(エチレンビニルアセテート)(EVA)、エチレンプロピレンジエン(EPDMエラストマー[EPDMのためのジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)及びビニルノルボルネン(VNB)が挙げられる];エチレンプロピレンゴム(EPM)。ある種の実施形態では、各種のタイプのポリアミドが使用され得、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含む。当技術分野における非限定的な例は、以下である:PA11、PA12、PA6、PA66、PA610、PA612、PA1010、PA1012、PA6/66、PA66/610、PAmXD6、PA6I、Rilsan(登録商標)ポリアミド、Hiprolon(登録商標)ポリアミド、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックポリアミド、Platamid(登録商標)コポリアミド、Cristamid(登録商標)コポリアミド、非限定的にさらに挙げれば、例えばHiprolon(登録商標)70、Hiprolon(登録商標)90、Hiprolon(登録商標)200、Hiprolon(登録商標)400、Hiprolon(登録商標)11、Hiprolon(登録商標)211(すべて、Arkema,Inc.から入手可能)。
いくつかの実施形態では、バイオベースのポリマー及びコポリマーを使用し得る。
適切なバイオベースのポリマーの非限定的な例としては、以下が挙げられる:脂肪族バイオポリエステル、例えばポリ乳酸(PLA)(ポリラクチドとも呼ばれる)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)、ポリグリコール酸(PGA)及びポリ-ε-カプロラクトン(PCL)。ポリアミド11は、天然オイル(トウゴマ実オイル)から誘導されるバイオポリマーであって、ある種の実施形態において使用するには適している。それは、Rilsan(登録商標)B(Arkema)の商品名で知られている。ポリアミド410(PA410)は、商品名EcoPaXX(登録商標)(DSM)として、ヒマシオイルから70%誘導されたものであるが、ある種の実施形態において使用することができる。好ましいバイオベースのポリマーは、ポリ乳酸タイプのポリマーである。
バイオベースのポリアミドとしては、脂肪族、半芳香族、芳香族及び/又は脂肪族のグラフト化ポリアミドポリマー及び/又はコポリマー及び/又はこれらの樹脂のブレンド物が挙げられるが、これらに限定されず、限定的に挙げれば、例えば以下である:一般的にPA4、PA6、PA66、PA46、PA9、PA11、PA12、PA610、PA612、PA1010、PA1012、PA6/66、PA66/610、PAmXD6、PA6Iとして知られているポリアミドのバイオベース版;Rilsan(登録商標)ポリアミド、Hiprolon(登録商標)ポリアミド、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックポリアミド、Platamid(登録商標)コポリアミド、Cristamid(登録商標)コポリアミド;非限定的にさらに挙げれば、例えばHiprolon(登録商標)70、Hiprolon(登録商標)90、Hiprolon(登録商標)200、Hiprolon(登録商標)400、Hiprolon(登録商標)11、Hiprolon(登録商標)211(すべて、Arkema,Inc.から入手可能)。好適なバイオベースのポリアミドとしてはさらに、以下が挙げられる:TERRYLブランドのポリアミド(Cathy Industrial Biotech(Shanghai,China)から入手可能)(PA46、PA6、PA66、PA610、PA512、PA612、PA514、PA1010、PA11、PA1012、PA12、PA1212)、ExcoPAXX(登録商標)ポリアミド(DSM(Singapore)から入手可能)、Vestamid(登録商標)ポリアミド(Evonik(Germany)から入手可能)、半芳香族ポリアミド(例えば、PA6T、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、例えばTrogamid(登録商標)ポリアミド(Evonikから入手可能)及びAmodel(登録商標)ポリアミド(Solvay(Alpharetta,Georgia)から入手可能)又はVicnyl(登録商標)ポリアミド(PA10T、PA9Tを含む)(Kingfa Sci.&Tech Co(China)製及びナイロン(登録商標)、Zytel(登録商標)RS及び「PLS」製品系列(例えば、RSLC、ガラス強化及び衝撃変性グレードを含むLC)、Elvamide(登録商標)マルチ-ポリマーポリアミド、Minlon(登録商標)、Zytel(登録商標)LCPA、Zytel(登録商標)PLUSポリアミド(DuPont(Wilmington,Delaware)製)並びに芳香族タイプのポリアミド(例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、例えばKevlar(登録商標)及びNomex(登録商標)ポリアミド(DuPont製)、Teijinconex(登録商標)、Twaron(登録商標)及びTechnora(登録商標)ポリアミド(Teijin(Netherlands&Japan)製)並びにKermel(登録商標)ポリアミド(Kermel,Swicofil AG(Switzerland)製)。同様に好適であるのは、以下である:Rhodia/Avantium製のバイオベースのポリアミドを含むSolvay/Avantiumからの、YXY構成単位モノマー、例えば糖類(例えば、5-ヒドロキシメチルフルフラール)から誘導される2,5-フランジカルボン酸及び/又は2,5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフランモノマーを使用して誘導される「バイオポリアミド」のポリアミド、Solvay/Rhodia製のTechnyl(登録商標)コポリアミド、例えばTechnyl(登録商標)66/6、Evonik製の、ホットメルト接着剤のVestamelt(登録商標)ポリアミド、Shanghai Farsseing Hotmelt Adhesive Co.製のH1001wポリアミド、LanxessのDurathan(登録商標)ポリアミド、例えばDurathan(登録商標)C131F PA6/6Iコポリアミド、Croda Coatings&Polymers製のPriplast(登録商標)変性コポリアミドエラストマー、Rowak AG製のRowalit(登録商標)ポリアミド、Shanghai Xinhao Chemical Co.製のNylonxx(登録商標)及びNylonxp(登録商標)ポリアミド、BASF製のUltramid(登録商標)ポリアミドグレード、EMS-Griltech製のGriltex(登録商標)コポリアミド及びHuntsman製のEuremelt(登録商標)コポリアミド。これらの物質のブレンド物も、使用可能である。
「ポリ(乳酸)」(PLA)という用語は、本明細書で使用するとき、少なくとも10mol%の乳酸モノマー単位を含む、ポリマー又はコポリマーを指す。ポリ(乳酸)の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(a)乳酸のホモポリマー、(b)乳酸と、乳酸以外の1種又は複数の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(c)乳酸と、脂肪族多価アルコール及び脂肪族ポリカルボン酸とのコポリマー、(d)乳酸と脂肪族ポリカルボン酸とのコポリマー、(e)乳酸と脂肪族多価アルコールとのコポリマー、及び(f)上述の(a)~(e)の2種以上の混合物。乳酸の例としては、以下が挙げられる:L-乳酸、D-乳酸、DL-乳酸、それらの環状ダイマー(すなわちL-ラクチド、D-ラクチド又はDL-ラクチド)及びそれらの混合物。例えば、上述のコポリマー(b)及び(f)で有用なヒドロキシカルボン酸の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸及びヒドロキシヘプタン酸並びにそれらの組合せ。例えば、上述のコポリマー(c)、(e)又は(f)において有用な、脂肪族多価アルコールモノマーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール並びにそれらの組合せ。例えば、上述のコポリマー(c)、(d)又は(f)において有用な、脂肪族ポリカルボン酸モノマーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸及び無水ピロメリット酸並びにそれらの組合せ。
いくつかの実施形態では、セロハン;セルロースエステル、セルロースアセテート;HNBR(水素化ニトリルゴム);XNBR(カルボキシル化ニトリルゴム);NBR(ニトリルゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー)、SSBR(溶液中でアニオン重合されたSBR);ブロモブチルゴム(BIIR);クロロブチルゴム(CIIR)、ポリクロロプレン(CR又はNeoprene(登録商標)(DuPont))、天然ゴム、cis-ポリイソプレン、イソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、高ビニルポリブタジエンゴム(HVBR)、アクリレート末端/官能化ポリブタジエン、MQシリコーンゴム、VMQビニルシリコーンゴム、フルオロエラストマー(FKM)、Kynar(登録商標)(Arkema製)、Viton(登録商標)(Chemours Company製)、AGC Chemicals製のAflas(登録商標)タイプのポリマー、例えばAFLAS(登録商標)600Xフルオロエラストマー、Daikin America製のDAI-EL(登録商標)フルオロエラストマー及びペルフルオロエラストマー、例えばDAI-EL(登録商標)G-801(Daikin製);ペルフルオロエラストマー(FFKM)、フルオロ-シリコーンゴム(FVMQ)、DuPont Vamac(登録商標)、ポリ(エチレンメタクリレート又はアクリレート)タイプのコポリマー及びターポリマー;ACM(ポリアクリルゴム);ポリ(エチレンアクリル酸)(EAA);エチレンビニルトリメトキシシランコポリマー;及びそれらの混合物である。
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載されたポリマー組成物を含む物品を製造するための方法に関するが、その方法には、ポリマー組成物を硬化させることが含まれる。
方法は、本明細書に記載されているように、ポリマー組成物を押出加工して、未硬化の予備成形物品を形成する工程と、その未硬化の予備成形物品を硬化させる工程とを含み得る。
そのプロセスは、それらの成分を個別又は共に各種の順で混合して、ポリマー組成物を得る工程をさらに含み得る。
少なくとも1つの実施形態では、1種又は複数の慣用される添加剤、例えば抗酸化剤(例えば、ヒンダードフェノール及びポリマー性キノリン誘導体)、脂肪族プロセスオイル、プロセス助剤、顔料、染料、粘着付与剤、ワックス、補強助剤、UV安定化剤、発泡剤、スコーチ防止剤、活性化剤、抗酸化剤又は架橋助剤を、本明細書に記載された各種のエラストマー組成物に硬化工程前、その後及び/又はその間に添加し得る。
本発明のスコーチ抑制されたペルオキシド配合物の非限定的な応用例としては、以下が挙げられる:架橋させた高密度ポリエチレンの回転成形のための有機ペルオキシド配合物としての使用;射出成形、圧縮成形、トランスファー成形してから架橋させた商品;押出成形し、架橋させたワイヤ及びケーブルの絶縁;押出成形し、架橋させたホース;ゴムローラー化合物;産業用途及び食品用途のゴムコンベヤベルト;自動車用、建築用、産業用及び/又は窓シーリング用途において使用するための、押出成形し、架橋させた連続シーリングプロファイル;一般的な架橋させたエラストマー、ゴム及びポリマー;TPV(熱可塑性プラスチック加硫物)を製造するための動的加硫;並びに架橋させたゴムフォーム又はポリマーフォーム。これらのスコーチ-防止されたペルオキシド配合物の、他の非限定的な使用例としては、NSF又はFDAの間接的食品接触又は医療用途に適合することが可能な、各種の商品の製造が挙げられる。これら各種の商品の非限定的な例としては、以下が挙げられるであろう:PEX-Aパイプ及びチューブ(ペルオキシド架橋させた、飲料水パイプ及びチューブの略称)、液状薬物のアンプルをシールするための架橋ゴムセプタム、使い捨て注射器で使用される架橋ゴムシールプランジャー、コーヒーメーカーで使用される架橋ゴムガスケット、飲料水貯蔵のために使用される、回転成形した、架橋若しくは部分架橋のポリエチレンタンク又は熱水タンクのための架橋させたポリエチレンインナーライナー。スコーチ防止されたペルオキシドのこれら配合物のための他の非限定的な使用例としては、以下が挙げられる:自動車用及び産業用橋かけポリマーシール;架橋させた熱収縮性シール、架橋させたO-リング、各種のタイプの架橋させたホース、架橋させたベルト及び架橋させたガスケット;架橋させたワイヤ及びケーブル絶縁体;高圧配電ケーブルの架橋させた絶縁体、架橋させたゴルフボールの芯;架橋させたオイル及びガスシール材、架橋させたチューブ、架橋させたホース、架橋させたドリルステーター、架橋させた噴出防止装置のシール;産業用窓用形材;架太陽電池モジュールで使用される架橋させたエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)封止材;発泡性及び非発泡性の架橋させた靴底並びに運動用及び日常用の靴の各種の架橋させた(硬化させたとも言われる)エラストマー成分;架橋させたケーブルカバー;並びに各種の熱可塑性プラスチック加硫物(TPV)の製造。
本発明のペルオキシド配合物の用途の非限定的な例としては、以下が挙げられる:架橋HDPEの回転成形;PEX-パイプの製造;射出成形、圧縮成形、トランスファー成形した架橋商品;ワイヤ及びケーブル;一般的な架橋エラストマー、ゴム及びポリマー;ポリマー分子量の変性及び無水マレイン酸(MAH)及びメタクリル酸グリシジルのような反応剤のグラフト化;TPV(熱可塑性プラスチック加硫物)を製造するための動的加硫;並びに架橋ゴム又はポリマーフォームのための、液体状及び充填剤増量グレードの有機ペルオキシドの使用。
別の実施形態では、動的加硫によって熱可塑性プラスチック加硫物(TPV)を製造する際に、PP(ポリプロピレンホモポリマー)及び/又はポリプロピレンコポリマー(5重量%未満~2重量%未満の低レベルのコモノマー、例えばエチレンを含む)を本発明の実施で使用し得る。当技術分野で公知のように、熱可塑性プラスチック加硫物(TPV)は、ポリプロピレン(PP)マトリックス中に封じ込めた、完全に硬化されたエチレンプロピレンジエン(EPDM)ゴム粒子からほとんどなる動的加硫されたアロイである。理論に拘束されることなく言えば、ある種の実施形態では、本明細書に開示されているスコーチ防止されたペルオキシド配合物により、架橋反応前に架橋性エラストマーをより良好に分散させ、例えばPPポリマーの連続マトリックス(この場合、そのPPマトリックスは架橋されていない)中のEPDM分散粒子を架橋させて、動的加硫プロセスによってTPVをもたらすことが可能となる。本発明のスコーチ防止されたペルオキシドを使用することにより、PPマトリックス中に未硬化のEPDMゴム粒子を必要に応じて分散させることが可能となるであろう。その後で、そのスコーチ防止されたペルオキシドを完全に分解させて、そのEPDMエラストマー相を架橋させることになるであろう。最終的には、より均質なサイズを有する、よりよく分散された架橋EPDMゴム粒子を含むPPの連続相という結果が得られたが、その理由は、EPDM相が架橋されるまでに、より長い加工時間又はより長いスコーチ時間の結果として、より長い混合時間がかかったからである。その最終的なTPVは、ゴムのような感触を与えるが、熱可塑性であり、熱を加えたときでも流動することが可能であり、射出成形することができる。
別の実施形態では、本明細書に開示されているスコーチ抑制添加物は、引抜成形若しくは真空含浸プロセスのためにガラス繊維と組み合わせたポリエステル樹脂又は他の樹脂、例えばElium(登録商標)アクリレート溶液(Arkemaから入手可能)を硬化させるための、又は現場施行のパイプ用途における硬化など、制御された温度で安定であり、且つ/又は室温で安定なペルオキシド(例えば、ある種のペルオキシエステル)とのブレンド物であり得。
本明細書で記述されたような本発明の実施から除外されるのは、ジベンゾイルペルオキシド、過酸化水素、ヒドロペルオキシド及び無機ペルオキシド並びに液体のペルオキシジカーボネートである。
本開示の非限定的な態様を以下に要約する。
[態様1]
有機ペルオキシド配合物であって、
少なくとも1種の有機ペルオキシド、及び
少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物
を含む有機ペルオキシド配合物。
[態様2]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、サイム、ケール、コラードグリーン、ホウレンソウ、ダイオウ、チュウゴクダイオウ、地衣、アロエベラ、オリーブの木の葉、ヒメコウジ、ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子又はオイル、ヘンナ植物の葉、レッドクローバー、アルファルファ、キナの木の樹皮、エキナセアの根、カンナビス及びアミノ酸からなる群の少なくとも1つから抽出可能である、態様1に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様3]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド、エモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)、レイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸)、アロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)、クリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン)、キマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン)、チモキノン、ジチモキノン、チモールヒドロキノン、2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン、カフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)、キニーネ、カフェイン酸、クロロゲン酸、ミルセン、カンナビジオール、シスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン及びそれらの混合物からなる群から選択される、態様1又は態様2の1項に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様4]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される、態様1~3のいずれか1項に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様5]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、オレウロペイン、ミルセン及びカンナビジオール並びにそれらの混合物からなる群から選択される、態様1~4のいずれか1項に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様6]
少なくとも2個の官能基を有する部位を含む少なくとも1種の架橋助剤をさらに含み、前記官能基は、アリル、メタクリル、アクリル、マレイミド、ビニルからなる群から選択され、且つ同じであるか又は異なり得る、態様1~5のいずれか1項に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様7]
前記少なくとも1種のペルオキシドは、ジアシルペルオキシド(ジベンゾイルペルオキシドを除く);ジアルキルペルオキシド;ジペルオキシケタールペルオキシド、ヘミペルケタールペルオキシド;モノペルオキシカーボネート;環状ケトンペルオキシド;ペルオキシエステル;及びペルオキシジカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つを含む、態様1~6のいずれか1項に記載の有機ペルオキシド配合物。
[態様8]
態様1~7のいずれか1項に記載の有機ペルオキシド配合物を製造するための方法であって、前記少なくとも1種の有機ペルオキシド、前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物及び任意選択的に少なくとも1種の架橋助剤を混合することを含む方法。
[態様9]
ポリマー組成物であって、
少なくとも1種のポリマー、
少なくとも1種の有機ペルオキシド、及び
少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物
を含むポリマー組成物。
[態様10]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、サイム、カンナビス、ケール、コラードグリーン、ホウレンソウ、ダイオウ、チュウゴクダイオウ、地衣、アロエベラ、オリーブの木の葉、ヒメコウジ、ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子又はオイル、ヘンナ植物の葉、レッドクローバー、アルファルファ、キナの木の樹皮、エキナセアの根及びアミノ酸からなる群の少なくとも1つから抽出可能である、態様9に記載のポリマー組成物。
[態様11]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、ミルセン、カンナビジオール、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド、エモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)、レイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸)、アロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)、クリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン)、キマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン)、チモキノン、ジチモキノン、チモールヒドロキノン、2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン、カフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)、キニーネ、カフェイン酸、クロロゲン酸、シスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン及びそれらの混合物からなる群から選択される、態様9又は態様10のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様12]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される、態様9~11のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様13]
前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、オレウロペイン、ミルセン、カンナビジオール及びそれらの混合物からなる群から選択される、態様9~12のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様14]
少なくとも2個の官能基を有する部位を含む少なくとも1種の架橋助剤をさらに含み、前記官能基は、アリル、メタクリル、アクリル、マレイミド、ビニルからなる群から選択され、且つ同じであるか又は異なり得る、態様8~13のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様15]
前記少なくとも1種のペルオキシドは、ジアルキル、ペルオキシケタール、ヘミ-ペルケタール、ペルオキシエステル又はモノペルオキシカーボネートタイプのペルオキシドの1つ又は複数を含む、態様9~14のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様16]
前記少なくとも1種のポリマーは、ポリエチレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ(エチレンビニルアセテート);エチレンビニルトリメトキシシランコポリマー;エチレンプロピレンジエンエラストマー(EPDM);エチレンプロピレンエラストマー(EPM);ポリアミドのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー;バイオポリエステル及びコポリマー;ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-ラクチド-co-D,L-ラクチド)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-ε-カプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)及びポリ(3-ヒドロキシバレレート);セロハン;セルロースエステル、セルロースアセテート;水素化ニトリルゴム(HNBR);カルボキシル化ニトリルブタジエンゴム(XNBR);アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR);スチレンブタジエンゴム(SBR);スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS);溶液中でアニオン重合されたスチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SSBR);ブロモブチルゴム(BIIR);クロロブチルゴム(CIIR);ポリクロロプレン;天然ゴム;cis-ポリイソプレン;ポリブタジエンゴム(BR);高ビニルポリブタジエンゴム(HVBR);アクリレート化末端及び/又は官能化ポリブタジエン;メチルシリコーンゴム(MQ);ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ);フェニルメチルシリコーンゴム(PMQ);フルオロシリコーンゴム(FVMQ);FKMフルオロエラストマー;ペルフルオロエラストマー(FFKM);ポリ(エチレン(メタ)アクリレート)コポリマー;ポリ(エチレン(メタ)アクリレート)ターポリマー;ポリアクリルゴム(ACM);及びポリ(エチレンアクリル酸)EAA;並びにそれらの混合物からなる群から選択される、態様9~15のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
[態様17]
ポリマー組成物を硬化させるためのプロセスであって、
ポリマー組成物を硬化させる工程
を含み、前記ポリマー組成物は、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を含む、プロセス。
[態様18]
態様17のプロセスに従って製造されたポリマー物品。
以下の実施例において、本発明を実施するにあたって本発明者らが考え得る最良の態様をさらに説明するが、それらは、説明のためと解釈するべきであり、本発明を限定するものではない。
下記の試験方法では、Alpha Technologies RPA(登録商標)2000レオメーターを使用している。
ASTM D5289-19a(2019)Standard Test Method for Rubber Property-Vulcanization Using Rotorless Cure Meters
各種のペルオキシド配合物を試験するときに、この方法を使用して、一定温度でのずり弾性率(単位、dN-m)の対時間(単位、分)における増大を測定する。これを使用してさらに、スコーチ時間(単位、分)の長さも測定する。
ASTM D6601-19(2019)Standard Test Method for Rubber Properties-Measurement of Cure and After-Cure Dynamic Properties Using a Rotorless Shear Rheometer
この方法を使用して、一定温度でのずり弾性率(単位、dN-m)の対時間(単位、分)における増大を測定し、次いで、ポリマーの変性が完了してから、最終的なポリマーの粘度対剪断速度の結果を検討した。部分的架橋を実施してポリマーを変性させたときにも、この試験を使用する。
実施例1~3は、予言的実施例である。
実施例1:液状のスコーチ防止された溶液「101-K3」の調製(予言的)
Rossミキサーを使用し、以下を添加し、周囲温度で30分間混合して、液状のスコーチ防止されたペルオキシド配合物をもたらす:93.0重量%のLuperox(登録商標)101(Arkema)[含量94%の2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン](純度ベースで87.42重量%)及び7.0重量%のビタミンK3[メナジオン]、合計して100重量%の、87.42重量%のペルオキシド含量を有するスコーチ防止された液状のペルオキシド配合物「101-K3」が形成される。
実施例2:自由流動性の固体のスコーチ防止されたペルオキシド配合物の調製(予言的)
低剪断のリボンブレンダー(Marion(登録商標)ミキサー)を使用し、2種の不活性充填剤(炭酸カルシウム及びシリカ)をそのブレンダーに添加し、完全に混合する。その充填剤の上に、液状のペルオキシド配合物の「101-K3」を30分以上かけて、徐々に噴霧するが、その間、リボンブレンダーは運転し続けて、液体を添加した後さらに45分間混合させて、ペルオキシド溶液を確実に、均質にブレンドさせる。
Figure 2023521747000005
その結果、1000kgの自由流動性の粉体(「101-K3-XL47」と命名)が得られる。
(充填剤粉体に添加された53.8重量%の101-K3)×87.42重量%のLuperox(登録商標)101ペルオキシド=「101-K3-XL47」中に47重量%の純ペルオキシド含量。
実施例3(予言的)
インターナルミキサーを用いてゴムをコンパウンディングする場合、ゴム配合物に固体の自由流動性の粉体を添加するのに、計量及びプロセスの安全確保が容易となるため、固体の粉体形状のペルオキシドが一般的には好ましい。この例では、2種の自由流動性のペルオキシド粉体配合物を、50ccのボウルを用い、インターナルBrabender(登録商標)ミキサー(C.W.Brabender製)を使用して、EPDMゴムのマスターバッチに混ぜ込む。
それぞれのペルオキシド試験で、25rpm、合計6分間で混合を実施すると、1.10g/mLのコンパウンド物密度を有するEPDMのマスターバッチが形成される。
Figure 2023521747000006
Luperox(登録商標)101XL45(47重量%の2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシドを含む)を使用した混合の制御
混合は、50℃で6分間実施する。
Figure 2023521747000007
それぞれのコンパウンディングしたEPDMゴムのサンプルを、1度アーク及び100cpmの振動数を使用し、162℃で、Alpha TechnologiesのRPA2000にかける。そのEPDMの「スコーチ防止された」ゴムサンプルは、「対照」サンプルと比較してはるかに長いts2(分)スコーチ時間を与える。この試験の結果、標準的なペルオキシドのLuperox(登録商標)101XL45に対して、「101-K3-XL47」ペルオキシドサンプルが、より望ましく、より長い加工安全性を有することが明らかになる。スコーチ防止されたペルオキシドを含む配合されたゴムは、標準的なペルオキシドを使用した場合と比較して、ML(dN-m)値がより低く、且つ粘度値がより低いためにより良好な流動性を有する。
実施例4
この実施例では、粉体の形態にあるペルオキシド、特にLuperox(登録商標)101XL45を、50ccのボウルを用い、インターナルBrabender(登録商標)ミキサー(C.W.Brabender製)を使用して、EPDMゴムのマスターバッチに添加した。いくつかの場合、ペルオキシドを添加した直後に、天然供給源から誘導した本発明の各種のスコーチ抑制剤も添加し、ゴムのマスターバッチ中に混ぜ込んだ。
Figure 2023521747000008
それぞれの実験において、50℃~60℃、25rpmで、全混合時間を6分として、当願出願人らがRPA(登録商標)2000レオメーター(Alpha Technologies製)で分析するためのEPDMのマスターバッチサンプルを形成させた。
Luperox(登録商標)101XL45は、不活性充填剤上に47重量%の2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシドを含む。それぞれの場合、50グラムのEPDMのマスターバッチを、ミキサーに添加した。さらに、それぞれの場合、2.0グラムのLuperox(登録商標)101XL45を添加したが、これは、9.76phr(100部の純EPDMゴムあたりの部数)と均等である。対照として、添加剤なしのペルオキシドも使用する。本発明の別の新規なスコーチ抑制添加剤も、そのペルオキシドとともに、各種のphr量でそのゴムに添加し、レオメーターを使用して、150℃及び180℃で試験した。以下の2つの表及び対応する2つのレオグラフのデータを参照されたい。
Figure 2023521747000009
Figure 2023521747000010
この実施例では、Omega3の量を変更することにより、150℃では、各種の長さのスコーチ防止時間を得ることができることを示す。この実施例ではさらに、各種の天然由来の添加剤のブレンド物(CBD単離物及びビタミンK3)を使用することにより、硬化時間とスコーチ時間のバランスをとることが可能であることも示す。ペルオキシド及び添加剤両方の濃度を最適化することにより、所望の性能目標に適合した、スコーチ時間及び硬化時間を得ることができる。(完全硬化が達成された)180℃であってさえも、この高い硬化温度で、型へのより良好な充填性のための、スコーチ防止性の向上が可能であることが認められる。CBD単離物は、CBD又はカンナビジオールの形態であって、これは、カンナビス植物中に存在する化合物である。
実施例5
この実施例では、以下の2つの表及び2つのレオグラフに見られるように、実施例4の場合と同じEPDMゴム及び混合手順を使用して、一定の使用量の9.76phrのLuperox(登録商標)101XL45と組み合わせて、ビタミンK3を、各種のphr使用量で添加した。次いでその配合したゴムサンプルを、RPA(登録商標)レオメーターを使用し、前と同様に150℃及び180℃で試験した。以下の2つの表及び対応する2つのレオグラフのスコーチデータ及び硬化データを参照されたい。ビタミンK3のphr使用量を調節(増量)することにより、180℃での望ましい硬化性能を維持しながら、150℃でのゴムのスコーチ時間性能を増大させることが可能である。180℃であってさえも、この高い硬化温度で、型へのより良好な充填性のための、スコーチ防止性の向上が可能であることが認められる。0.34phrのビタミンK3使用レベルでは、ペルオキシド単独使用の場合に対して、ts0.4dN-mスコーチ時間(単位、分)で76%の増加が得られた(1.87分に対して、ビタミンを使用したときには3.30分)。このts0.4dN-mスコーチS’時間は、最小トルク(ML)よりも0.4dN-m上に達するまでの時間である。さらには、ペルオキシド単独使用の場合に対して、ビタミン添加剤を使用したときには、最小トルクが小さくなるため、スコーチ時間における有益性効果が、実際には、この表に見られるよりも、いっそう長いが、その理由は、0.34phrのビタミンK3の場合、その添加剤が、より良好な(より低い)ML、すなわち最小トルクを与えているからである。ビタミンを使用した場合、0.4dN-m高い弾性率に上がるまでの時間は、ペルオキシド対照例の場合に対して、より低い弾性率値(より低い粘度)をもたらすであろうが、その理由は、ペルオキシド対照例は、より高いML弾性率値からスタートしているからである。このML、すなわち最小(弾性率)トルクは、そのコンパウンド物の粘度に関連し、したがって、ゴムをペルオキシドと混合する際に、そのゴムの温度が上がると、そのゴムの粘度も上昇する可能性があり、それにより極めて少量のペルオキシドの分解の原因となり得る。まとめると、本発明のスコーチ用添加剤は、ゴムの混合が完了した後で、より低い粘度を保持するのに役立つという、さらなるメリットを提供する。先の実施例4の場合でも、各種の添加剤のMLに及ぼす同様の効果が認められる。
Figure 2023521747000011
Figure 2023521747000012
実施例6
この実施例では、システイン、オレウロペイン、キニーネ、カフェイン酸及びCBD単離物を単独又は組合せで使用して、スコーチ時間を長引かせることができることを簡潔に説明するために、任意に決めた0.49phrの使用レベルで、各種の添加剤を使用した。オレウロペインの場合、粉体化されたオリーブの葉の抽出物を扱ったのみであるが、それには20%の活性なオレウロペインが含まれている。したがって、ゴム中のオリーブの葉の抽出物の量を調節して、0.49phrの実際のオレウロペイン(純品)、オリーブの葉の実質的な有効成分が得られるようにした。添加剤を使用したそれぞれの場合において、以下の表及び対応するRPA(登録商標)2000のレオグラフからのデータに基づいて、スコーチ時間の延長が150℃で得られた。添加剤の混合物を使用した最後の列では、これら各種の添加剤を混合することが有用となり得ることを示すものとして、異なるphr使用量での各種の化合物を使用した。
Figure 2023521747000013
Figure 2023521747000014
実施例7
この実施例では、OTC(over-the-counter)薬のビタミン製品の「Super K with Advanced K2 complex」(Life Extension製)を使用した。1個のゲルカプセルを割って、ビタミンを不活性なオイルと共に含むその液状懸濁液(約0.25g)を、9.76phrのLuperox(登録商標)101XL45と共に、50グラムの実施例4に記載のEPDMコンパウンド物に添加した。
そのビタミンサプリメントの瓶の説明によれば、1個のカプセルは、2600mcgのビタミンK活性を有する。2600mcgは、2.6mg、すなわち0.0026gのビタミンK活性と均等であり、以下からなる:
フィトナジオンとしてのビタミンK1・・・・・・・・・・1500mcg
メナキノン-4としてのビタミンK2・・・・・・・・・・1000mcg
trans-メナキノン-7としてのビタミンK2・・・・・100mcg
50gのEPDMコンパウンド物(20.49gのEPDMを含む)に対して、0.0026gのビタミンK活性(表ではSuper Kと表示)を使用することは、0.01268phr、すなわち丸めて約0.013phrのSuper K(K1及びK2)の使用レベルということになる。以下の表において、150℃で、0.013phrのSuper Kの性能と、0.12phrのビタミンK3の使用とを比較されたい。
極めて驚くべきことには、ビタミンK3を用いた場合よりも、ほぼ10分の1の少ない量で使用された、そのようなK1ビタミンとK2ビタミンとのブレンド物が、ビタミンK3のみを使用した場合と、ほとんど同程度の結果を与えることができるほど有効であり、これは、当然のことながら、予想外の極めて効果的なスコーチ抑制添加剤である。下記のデータ及び対応する150℃でのレオグラフに基づけば、これらのコンパウンディングしたEPDMサンプルのいずれもが、これらスコーチ抑制添加剤をまったく含まないLuperox(登録商標)101XL45を使用した場合と比較して、スコーチ時間における極めて顕著な改良を示している。
Figure 2023521747000015
Figure 2023521747000016

Claims (18)

  1. 有機ペルオキシド配合物であって、
    少なくとも1種の有機ペルオキシド、及び
    少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物
    を含む有機ペルオキシド配合物。
  2. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、サイム、カンナビス、ケール、コラードグリーン、ホウレンソウ、ダイオウ、チュウゴクダイオウ、地衣、アロエベラ、オリーブの木の葉、ヒメコウジ、ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子又はオイル、ヘンナ植物の葉、レッドクローバー、アルファルファ、キナの木の樹皮、エキナセアの根及びアミノ酸からなる群の少なくとも1つから抽出可能である、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  3. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド、エモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)、レイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸)、アロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)、クリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン)、キマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン)、チモキノン、ジチモキノン、チモールヒドロキノン、2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン、カフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)、キニーネ、カフェイン酸、クロロゲン酸、ミルセン、カンナビジオール、チモール、シスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  4. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  5. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、オレウロペイン、ミルセン、カンナビジオール、シスチン、システイン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  6. 少なくとも2個の官能基を有する部位を含む少なくとも1種の架橋助剤をさらに含み、前記官能基は、アリル、メタクリル、アクリル、マレイミド、ビニルからなる群から選択され、且つ同じであるか又は異なり得る、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  7. 前記少なくとも1種のペルオキシドは、ジアシルペルオキシド(ジベンゾイルペルオキシドを除く);ジアルキルペルオキシド;ジペルオキシケタールペルオキシド、ヘミペルケタールペルオキシド;モノペルオキシカーボネート;環状ケトンペルオキシド;ペルオキシエステル;及びペルオキシジカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物。
  8. 請求項1に記載の有機ペルオキシド配合物を製造するための方法であって、前記少なくとも1種の有機ペルオキシド及び前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を混合することを含む方法。
  9. ポリマー組成物であって、
    少なくとも1種のポリマー、
    少なくとも1種の有機ペルオキシド、及び
    少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物
    を含むポリマー組成物。
  10. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、サイム、カンナビス、ケール、コラードグリーン、ホウレンソウ、ダイオウ、チュウゴクダイオウ、地衣、アロエベラ、オリーブの木の葉、ヒメコウジ、ニゲラ・サティバ・L.(nigella sativa L.)の種子又はオイル、ヘンナ植物の葉、レッドクローバー、アルファルファ、キナの木の樹皮、エキナセアの根及びアミノ酸からなる群の少なくとも1つから抽出可能である、請求項9に記載のポリマー組成物。
  11. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、ミルセン、カンナビジオール、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド、エモジン(6-メチル-1,3,8-トリヒドロキシアントラキノン)、パリエチン又はフィシオン(1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)、レイン(4,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸)、アロエ-エモジン(1,8-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)アントラキノン)、クリソファノール(1,8-ジヒドロキシ-3-メチル-9,10-アントラキノン)、キマフィリン(2,7-ジメチル-1,4-ナフトキノン)、チモキノン、ジチモキノン、チモールヒドロキノン、2-ヒドロキシ-2,4-ナフトキノン、カフェオキノン(カフェイン酸キノン)、クロロゲン酸キノン、オリーブ葉オイル(オレウロペイン)、キニーネ、カフェイン酸、クロロゲン酸、シスチン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、タウリン、N-ホルミルメチオニン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のポリマー組成物。
  12. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、ビタミンK1(フィトナジオン又はフィロキノン)、ビタミンK2(メナキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK2 MK-4(メナテトレノン)、ビタミンK2 MK-7(メナキノン7)、ビタミンK2 MK-14(メナキノン14)、ビタミンK2メナテトレノンエポキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のポリマー組成物。
  13. 前記少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物は、チモール、オレウロペイン、ミルセン、カンナビジオール、シスチン、システイン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のポリマー組成物。
  14. 少なくとも2個の官能基を有する部位を含む少なくとも1種の架橋助剤をさらに含み、前記官能基は、アリル、メタクリル、アクリル、マレイミド、ビニルからなる群から選択され、且つ同じであるか又は異なり得る、請求項9に記載のポリマー組成物。
  15. 前記少なくとも1種のペルオキシドは、ジアルキル、ペルオキシケタール、ヘミ-ペルケタール、ペルオキシエステル又はモノペルオキシカーボネートタイプのペルオキシドの1つ又は複数を含む、請求項9に記載のポリマー組成物。
  16. 前記少なくとも1種のポリマーは、ポリエチレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ(エチレンビニルアセテート);エチレンビニルトリメトキシシランコポリマー;エチレンプロピレンジエンエラストマー(EPDM);エチレンプロピレンエラストマー(EPM);ポリアミドのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー;バイオポリエステル及びコポリマー;ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-ラクチド-co-D,L-ラクチド)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-ε-カプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)及びポリ(3-ヒドロキシバレレート);セロハン;セルロースエステル、セルロースアセテート;水素化ニトリルゴム(HNBR);カルボキシル化ニトリルブタジエンゴム(XNBR);アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR);スチレンブタジエンゴム(SBR);スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS);溶液中でアニオン重合されたスチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SSBR);ブロモブチルゴム(BIIR);クロロブチルゴム(CIIR);ポリクロロプレン;天然ゴム;cis-ポリイソプレン;ポリブタジエンゴム(BR);高ビニルポリブタジエンゴム(HVBR);アクリレート化末端及び/又は官能化ポリブタジエン;メチルシリコーンゴム(MQ);ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ);フェニルメチルシリコーンゴム(PMQ);フルオロシリコーンゴム(FVMQ);FKMフルオロエラストマー;ペルフルオロエラストマー(FFKM);ポリ(エチレン(メタ)アクリレート)コポリマー;ポリ(エチレン(メタ)アクリレート)ターポリマー;ポリアクリルゴム(ACM);及びポリ(エチレンアクリル酸)EAA;並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のポリマー組成物。
  17. ポリマー組成物を硬化させるためのプロセスであって、
    ポリマー組成物を硬化させる工程
    を含み、前記ポリマー組成物は、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の有機ペルオキシド及び少なくとも1種の天然の又は天然から誘導可能なスコーチ抑制添加物を含む、プロセス。
  18. 請求項17に記載のプロセスに従って製造されたポリマー物品。
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