JP2023518061A - 局所的な薬物送達のための移植可能な薬物送達デバイス - Google Patents

局所的な薬物送達のための移植可能な薬物送達デバイス Download PDF

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Abstract

本明細書において、対象における疾患の治療のための治療活性剤を含む薬物インプラントが提供される。一部の場合、薬物インプラントは、ポリマーマトリックス及びその中に配置された治療活性剤を含み得る。更に、薬物インプラントを製造するための方法及びインプラントを用いて疾患を治療する方法が提供される。一部の場合、薬物インプラントは、例えば、前立腺がんの治療に使用するためのビカルタミドを含み得る。【選択図】図1

Description

出願の相互参照
35 U.S.C.§119(e)に従って、本出願は、2020年3月20日に出願された米国出願第16/826,022号、2020年3月20日に出願された米国出願第16/826,043号、及び2020年3月20日に出願された米国出願第16/826,064号の出願日に対する優先権を主張し、それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
米国における前立腺がんの罹患に関する負担は大きい。2009年には、約192,000人の男性が前立腺がんと診断され、27,000人の男性がこの疾患により死亡すると予測された。約220万人の生存している米国人男性が、前立腺がんと診断されており、一部は、転移性疾患で、痛みを伴い、機能的に制限された病期で生存している。前立腺がんは、米国人男性の間で、これまで最も一般的に診断されてきたがんであり、男性のがんによる死亡の2番目に多い原因であり続けている。前立腺がんのホルモン療法には、とりわけ、テストステロン及びジヒドロテストステロンを含む、正常な機能がアンドロゲンに依存する細胞に影響を与えるように設計された多種多様な治療が含まれる。前立腺がん細胞は、一般に、アンドロゲンレベルを低下させるか、又はこれらのホルモンの正常な作用に影響を与える治療に非常に感受性がある。
ビカルタミドは、前立腺がんの治療に使用され得る抗アンドロゲンである。ビカルタミドは、医薬の非ステロイド性抗アンドロゲン群のメンバーであり、アンドロゲン受容体を遮断することによって作用する。ビカルタミドは、治療的利益を得るために全身的に投与される比較的多量のビカルタミドに部分的に起因する可能性のある、いくつかの副作用に関連付けられている。したがって、より少量のビカルタミドの局所投与は、治療的利益を達成し、ビカルタミドの全身投与の副作用又は毒性を予防又は低減させることができる可能性がある。
治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を対象の標的組織に直接送達するために使用され得る改善された薬物インプラントの必要性が存在する。本明細書には、治療有効量の薬物を標的組織に直接送達することができる薬物インプラントが提供される。本明細書には、標的組織に移植された場合、標的組織内の高濃度の薬物、及び体循環内(例えば、血漿内)の低濃度の薬物をもたらす、薬物インプラントが更に提供される。一部の場合、低濃度の薬物を体循環内で達成しながら、本明細書で提供される薬物インプラントが、治療有効量の薬物を標的組織に直接送達する能力は、別様では全身投与から生じるであろう薬物の毒性を低減又は排除することができる。加えて、本明細書に記載の薬物インプラントによって薬物を標的組織に直接送達することで、標的組織が治療有効量の薬物を受容することを確実にする。更なる態様において、本明細書に提供される薬物インプラントは、薬物インプラントが長期間にわたって標的組織に薬物を持続放出できるように、大量の薬物を充填することができる。
一態様において、ポリマーマトリックス中に分散されたビカルタミドを含むインプラントが提供され、前立腺組織又は前立腺近傍の組織へのインプラントの移植後、少なくとも6ヶ月間、少なくとも0.1μg/日の速度でビカルタミドの持続放出がもたらされる。一部の場合、ビカルタミドは、固体形態である。一部の場合、インプラントの容積は、少なくとも10mmである。一部の場合、インプラントの長さは、少なくとも1mmである。一部の場合、インプラントの長さは、少なくとも3mmである。一部の場合、インプラントの直径は、少なくとも0.1mmである。一部の場合、インプラントの直径は、少なくとも0.8mmである。一部の場合、インプラントは、シース、足場、インプラントを標的組織内に保持するための保持部材、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを欠いている。一部の場合、インプラントは、少なくとも30%w/wの量でビカルタミドを含む。一部の場合、インプラント当たりのビカルタミドの総用量は、少なくとも1mgである。一部の場合、ポリマーマトリックスは、シリコーンを含む。一部の場合、シリコーンは、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有する。一部の場合、ビカルタミドは、10ミクロン未満の中央粒径を有する。一部の場合、ビカルタミドは、15ミクロン未満のD90を有する。一部の場合、インビトロモデルにおけるビカルタミドの累積放出は、以下:1日目に少なくとも100μg、50日目に少なくとも1,500μg、又は100日目に少なくとも2,000μgのうちの少なくとも1つである。一部の場合、インプラントは、針又はカテーテルの管腔を介して前立腺組織又は前立腺近傍の組織に送達するように構成されている。一部の場合、インプラントは、ポリマーマトリックス及びポリマーマトリックス中に分散されたビカルタミドから本質的になる。
別の態様において、治療を必要とする対象を治療する方法であって、当該方法が、前述のうちのいずれか1つのインプラントを、対象の前立腺組織又は前立腺近傍の組織に送達し、それによって対象を治療することを含む、方法が提供される。一部の場合、対象は、前立腺の増殖性疾患を有する。一部の場合、前立腺の増殖性疾患は、前立腺がん又は良性前立腺肥大症である。
別の態様において、ポリマーマトリックス、及びポリマーマトリックス中に少なくとも30%w/wの量で分散されたビカルタミドを含む、前立腺インプラントが提供される。一部の場合、前立腺インプラントは、対象への移植後6ヶ月で少なくとも0.1μg/日のビカルタミドを放出する。一部の場合、ビカルタミドは、固体形態である。一部の場合、固体形態は、10ミクロン未満の中央粒径を有する。一部の場合、固体形態は、15ミクロン未満のD90を有する。一部の場合、前立腺インプラントは、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有する。一部の場合、ポリマーマトリックスは、シリコーンである。一部の場合、シリコーンは、以下の特性、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度及びビカルタミドの融点未満の硬化温度のうちの1つ以上を有する。一部の場合、ビカルタミドの少なくとも50%が、移植の100日後にポリマーマトリックス内に残存する。一部の場合、ポリマーマトリックスは、前立腺インプラントにおけるビカルタミドの調節を阻害する。一部の場合、調節は、分解を含む。一部の場合、分解は、0.05NのNaOHを含有する1%SDSを含む溶液中で37℃で8時間、ビカルタミドを含有する前立腺インプラントをインキュベートした後の溶出液中のビカルタミドの量を測定することによって決定される。一部の場合、前立腺インプラントの容積は、少なくとも10mmである。一部の場合、前立腺インプラントの長さは、1mm~30mmである。一部の場合、前立腺インプラントの長さは、5mm~25mmである。一部の場合、前立腺インプラントの直径は、0.1mm~1.5mmである。一部の場合、ビカルタミドは、少なくとも40%w/wの量でポリマーマトリックス中に分散されている。一部の場合、前立腺インプラントの外面の少なくとも50%は、前立腺組織又は前立腺近傍の組織に直接接触するように構成されている。一部の場合、前立腺インプラントは、前立腺生検針又はMick(登録商標)針のカニューレを使用して送達可能である。一部の場合、前立腺インプラントは、ポリマーマトリックス及びポリマーマトリックス中に分散されたビカルタミドから本質的になる。
別の態様において、対象の前立腺の増殖性疾患を治療する方法であって、当該方法が、1つ以上のインプラントを、前立腺組織又は前立腺近傍の組織に移植することを含み、1つ以上のインプラントの各々が、ポリマーマトリックス及びビカルタミドを含み、1つ以上のインプラントが、少なくとも6ヶ月間、前立腺に治療有効量のビカルタミドを提供する、方法が提供される。一部の場合、前立腺の増殖性疾患は、前立腺がん又は良性前立腺肥大症である。一部の場合、ビカルタミドは、移植の前にポリマーマトリックス内に分散されている。一部の場合、移植することは、1つ以上のインプラントの各インプラントを、針又はカテーテルの管腔を介して前立腺組織又は前立腺近傍の組織に展開することを含む。一部の場合、針は、Mick(登録商標)針である。一部の場合、移植することは、経会陰投与によって行われる。一部の場合、経会陰投与は、鋳型ガイド針を使用することを含む。一部の場合、ポリマーマトリックスは、ビカルタミドの分解を阻害する。一部の場合、分解は、0.05NaOHを含有する1%SDSを含む溶液中で37℃で8時間、1つ以上のインプラントのうちの1つのインプラントをインキュベートした後の溶出液中のビカルタミドの量を測定することによって決定される。一部の場合、ポリマーマトリックスは、実質的に生分解性ではない。一部の場合、ポリマーマトリックスは、シリコーンを含む。一部の場合、対象に投与されるビカルタミドの総用量は、経口投与によって対象に投与される場合、ビカルタミドの総用量未満である。一部の場合、対象に投与されるビカルタミドの総用量は、6ヶ月の期間にわたって100mg未満である。一部の場合、移植することは、ビカルタミドが経口投与によって対象に投与された場合に得られるビカルタミドの血漿濃度未満であるビカルタミドの血漿濃度をもたらし、移植することは、5μg/mL未満である(R)-ビカルタミドの定常状態の血漿濃度をもたらす。一部の場合、移植することは、少なくとも3つのインプラントの経会陰移植を含む。一部の場合、1つ以上のインプラントの各々は、少なくとも10mmの容積を有する。
別の態様において、対象の前立腺の増殖性疾患を治療する方法であって、当該方法が、1つ以上のインプラントを、前立腺組織又は前立腺近傍の組織に移植することを含み、1つ以上のインプラントの各々が、ポリマーマトリックス及びビカルタミドを含み、移植することが、5μg/mL未満である(R)-ビカルタミドの定常状態の血漿濃度をもたらす、方法が提供される。一部の場合、移植することは、1つ以上のインプラントの各インプラントを、針又はカテーテルの管腔を介して前立腺組織又は前立腺近傍の組織に展開することを含む。一部の場合、対象に投与されるビカルタミドの総用量は、経口投与によって対象に投与される場合、ビカルタミドの総用量未満である。一部の場合、対象に投与されるビカルタミドの総用量は、6ヶ月の期間にわたって100mg未満である。
一態様において、生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及びポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲンを含む、インプラントが提供される。別の態様において、生体適合性ポリマーマトリックス、及びポリマーマトリックス全体に分散された治療活性剤を含む、インプラントであって、インプラントが、対象の標的組織内に配置される場合、インプラントは、治療有効量の治療活性剤を、対象の標的組織に少なくとも24ヶ月間送達する、インプラントが提供される。別の態様において、生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及び結晶形態の抗アンドロゲンを含む、インプラントが提供される。更に別の態様において、生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及び10~70%w/wの量でポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲンを含む、インプラントが提供される。
一部の場合、インプラントは、対象の標的組織内に配置される場合、移植から24ヶ月後に少なくとも0.1μg/日の治療活性剤又は抗アンドロゲンを放出する。一部の場合、治療活性剤又は抗アンドロゲンは、10ミクロン未満の中央粒径を有する。一部の場合、インプラントは、60%w/wの治療活性剤を充填した場合、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有する。一部の場合、ポリマーマトリックスのうちの少なくとも99%は、移植後少なくとも600日間、対象の標的組織内に残存する。一部の場合、対象の標的組織内に配置された場合、インプラントは超音波によって視認可能である。一部の場合、治療活性剤又は抗アンドロゲンは、ポリマーマトリックスの硬化温度よりも高い融解温度を有する。一部の場合、融解温度は、150℃を超える。一部の場合、ポリマーマトリックスは、インプラントにおける治療活性剤又は抗アンドロゲンの分解を阻害する。一部の場合、ポリマーマトリックスは、エステラーゼ又はアミダーゼによる治療活性剤又は抗アンドロゲンの分解を阻害する。一部の場合、分解は、0.05NのNaOHを含有する1%SDSを含む溶液中で37℃で8時間、治療活性剤又は抗アンドロゲンを含有するインプラントをインキュベートした後の溶出液中の治療活性剤又は抗アンドロゲンの量を測定することによって決定される。一部の場合、インプラントは細長い。一部の場合、インプラントは、円筒形である。一部の場合、インプラントは、管状である。一部の場合、インプラントの直径は、1mm未満である。一部の場合、インプラントの直径は、0.5mm~1.5mmである。一部の場合、インプラントの直径は、0.7mm~1.3mmである。一部の場合、インプラントの直径は、0.9mm~1.1mmである。一部の場合、インプラントの直径は、約1mmである。一部の場合、インプラントの長さは、20mm未満である。一部の場合、インプラントの長さは、5mm~25mmである。一部の場合、インプラントの長さは、10mm~20mmである。一部の場合、インプラントの長さは、12mm~18mmである。一部の場合、インプラントの長さは、約15mmである。一部の場合、インプラントは、コーティングを更に含む。一部の場合、コーティングは、インプラントを部分的に覆う。一部の場合、コーティングは、インプラントを実質的に覆う。一部の場合、コーティングは、インプラントを覆う。一部の場合、治療活性剤は、抗アンドロゲンである。一部の場合、治療活性剤又は抗アンドロゲンは、ビカルタミドである。一部の場合、インプラントは、滅菌されている。一部の場合、インプラントは、滅菌されたパッケージ内に配置される。一部の場合、ポリマーマトリックスは、少なくとも95%硬化し、少なくとも96%硬化し、少なくとも97%硬化し、少なくとも98%硬化し、少なくとも99%硬化し、又は少なくとも99.9%硬化する。一部の場合、ポリマーマトリックスは、シリコーンを含む。一部の場合、シリコーンは、Elkemによって製造されるSilbione(登録商標)LSR D370である。一部の場合、シリコーンは、NuSil(商標)によって製造されるDDU 4870である。一部の場合、インプラントは、対象の前立腺組織に移植されるように構成されている。一部の場合、インプラントは、金属を欠いている。
別の態様において、対象の前立腺への移植に好適なインプラントを製造する方法であって、当該方法が、(a)一定量の未硬化の生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーを、一定量の抗アンドロゲンと混合して混合物を形成することと、(b)混合物を成形して成形混合物を作製することと、(c)成形混合物を一定期間加熱することによって成形混合物を硬化させることと、を含む、方法が提供される。一部の場合、抗アンドロゲンの量は、未硬化の生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーの10%w/w~70%w/wである。一部の場合、抗アンドロゲンは、ビカルタミドである。一部の場合、生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーは、シリコーンである。一部の場合、シリコーンは、Elkemによって製造されるSilbione(登録商標)LSR D370である。一部の場合、シリコーンは、NuSil(商標)によって製造されるDDU 4870である。一部の場合、(c)の硬化は、成形混合物を、約150℃~約200℃の温度で3~8分間加熱することを更に含む。一部の場合、混合物は、溶媒を更に含む。一部の場合、溶媒は、ペンタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘプタン、トルエン、及びヘキサンからなる群から選択される。一部の場合、混合物は、トランスファー成形プロセスによって成形される。一部の場合、この方法は、インプラント上で分析を実行することを更に含む。一部の場合、分析は、示差走査熱量測定(DSC)、代用組織におけるインプラントの展開、溶出試験、粘度測定、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び模擬インビボ安定性アッセイからなる群から選択される。
別の態様において、前述のいずれか1つに記載のインプラントを含む滅菌されたパッケージと、対象の標的組織へインプラントを移植するための説明書と、を含む、キットが提供される。一部の場合、インプラントは、ヒト前立腺、ヒト前立腺に隣接する組織、又はその両方に送達されるように構成されている。一部の場合、滅菌されたパッケージは、箔から形成される。一部の場合、キットは、対象の標的組織にインプラントを移植するための1つ以上の外科用ツールを更に含む。一部の場合、1つ以上の外科用ツールは、針、鉗子、トロカール、又はスタイレットを含む。
別の態様において、疾患の治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象の前立腺に、前述のうちのいずれか1つのインプラントを移植し、それによって疾患を治療することを含む、方法が、提供される。別の態様において、疾患の治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、生体適合性ポリマーマトリックス及び生体適合性ポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲン薬物を含む、実質的に生分解性ではないインプラントを、対象の前立腺に移植し、それによって疾患を治療すること、を含む、方法が、提供される。
一部の場合、前立腺は、前立腺組織、前立腺組織に隣接する組織、又はその両方を含む。一部の場合、疾患は、前立腺の増殖性疾患又は障害(例えば、前立腺がん、良性前立腺肥大症)である。一部の場合、この方法は、対象の前立腺又は前立腺に隣接する組織内に細長いチューブの遠位端を配置することを更に含む。一部の場合、細長いチューブの一部分は、対象における細長いチューブの第1の位置が決定されるように、グリッドの第1の部分を通して配置される。一部の場合、細長いチューブは、針又はカテーテルである。一部の場合、トロカールは、細長いチューブの管腔内に配置される。一部の場合、この方法は、細長いチューブの管腔からトロカールを除去することを更に含む。一部の場合、この方法は、トロカールを細長いチューブの管腔から除去した後、インプラントを細長いチューブの管腔内に配置することを更に含む。一部の場合、この方法は、スタイレットを、細長いチューブの管腔を通して押し、それによってインプラントを細長いチューブの遠位端に移動させることを更に含む。一部の場合、この方法は、細長いチューブを対象から離して移動させることを更に含み、このようなインプラントは対象内に残る。一部の場合、スタイレットは、インプラントが対象内に残存するように、インプラントに隣接するスタイレットの遠位端である細長いチューブの管腔の一部分に配置される。一部の場合、第2の細長いチューブの一部分は、対象における第2の細長いチューブの位置が決定されるように、グリッドの第2の部分を通して配置される。
本開示の様々な態様は、添付の特許請求の範囲に詳細に述べられる。本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び付属の図面を参照することにより、本開示の特徴及び利点のより良好な理解が得られる。
本開示の態様による成形インプラントの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による製剤成分及び成形ロッドの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの非限定的な例を示す。 本開示の態様による、イヌの前立腺におけるインプラントの超音波画像の非限定的な例(図3A及び図3B)並びに移植から8週間後の外植片の写真(図3C)を示す。 本開示の態様による、イヌの前立腺におけるインプラントの超音波画像の非限定的な例(図3A及び図3B)並びに移植から8週間後の外植片の写真(図3C)を示す。 本開示の態様による、イヌの前立腺におけるインプラントの超音波画像の非限定的な例(図3A及び図3B)並びに移植から8週間後の外植片の写真(図3C)を示す。 本開示の態様による、30%w/w、45%w/w、及び60%w/wのビカルタミドインプラントのインビトロ溶出曲線の非限定的な例を示す。 様々なシリコーンインプラントを用いた30%w/w及び45%w/wのビカルタミドのインビトロ溶出曲線の非限定的な例を示す。 ビカルタミドが充填されたインプラントの最大24ヶ月間の予測溶出曲線を示す。 インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの累積放出プロファイルを示す。 インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの放出速度プロファイルを示す。 インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの予測累積放出プロファイルを示す。 インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの累積放出プロファイルを示す。 インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの放出速度プロファイルを示す。 模擬インビボ安定性アッセイから得られた結果の非限定的な例を示す。 本開示のデバイスをイヌの前立腺に移植した後の血漿中のビカルタミドレベルの非限定的な例を示す。 本開示のデバイスをイヌの前立腺に移植した後の血漿中のビカルタミドレベルの非限定的な例を示す。 本開示のデバイスをイヌの前立腺に移植した後の組織中のビカルタミドレベルの非限定的な例を示す。 本開示のデバイスをイヌの前立腺に移植した後の組織中のビカルタミドレベルの非限定的な例を示す。 イヌの前立腺の吻側部におけるR-ビカルタミド(活性レベル)のインプラント位置及び局所分布の画像及び概略図を示す。
本明細書には、治療有効量の薬物を標的組織に直接送達することができる薬物インプラントが提供される。本明細書には、標的組織に移植された場合、標的組織内の高濃度の薬物、及び体循環内(例えば、血漿内)の低濃度の薬物をもたらす、薬物インプラントが更に提供される。一部の場合、低濃度の薬物を体循環内で達成しながら、本明細書で提供される薬物インプラントが、治療有効量の薬物を標的組織に直接送達する能力は、別様では全身投与から生じるであろう薬物の副作用又は毒性を低減又は排除することができる。加えて、本明細書に記載の薬物インプラントによって薬物を標的組織に直接送達することで、標的組織が治療有効量の薬物を受容することを確実にする。更なる態様において、本明細書に提供される薬物インプラントは、薬物インプラントが長期間にわたって標的組織に薬物を持続放出できるように、大量の薬物を充填することができる。いくつかの態様において、治療活性剤は、特定の利点(例えば、より速い溶出時間、インプラント内のより多い薬物充填など)を提供し得るインプラントのポリマーマトリックス内に分散され得る。特定の態様において、本明細書に提供される薬物インプラントは、治療有効量のビカルタミドが、低い全身濃度のビカルタミドを維持しながら、長期間(6ヶ月以上)前立腺組織に直接投与され得るように、高濃度でビカルタミドを含有し得る。
様々な態様において、本明細書に開示される薬物インプラントは、ポリマーマトリックス及び治療活性剤を含み得る。特定の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス内に分散され得る。薬物インプラントは、標的組織に移植され得、一定量の治療活性剤を経時的に放出することができる。治療活性剤は、疾患又はその症状を治療するのに有効であり得る薬物又は活性医薬成分(API)であり得る。一部の場合、治療活性剤は、ビカルタミドであり、疾患は、前立腺の増殖性疾患(例えば、前立腺がん、良性前立腺肥大症)である。本明細書には、治療有効量の薬物を長期間送達するために、本開示の薬物インプラントを、それを必要とする対象の標的組織に送達することによって、疾患を治療する方法が、更に提供される。更に、薬物インプラント及び薬物インプラントを含むキットを製造する方法が提供される。
薬物インプラント
本明細書には、治療活性剤を標的組織に送達するのに好適な薬物インプラント(本明細書では「インプラント」とも称される)が提供される。本開示のいくつかの態様において、インプラントは、ポリマーマトリックス、及びその中に分散された治療活性剤を含む。治療活性剤又は薬物は、ビカルタミドであり得る。インプラントは、前立腺の増殖性疾患(例えば、前立腺がん、良性前立腺肥大症)を治療するのに好適であり得る。
ポリマーマトリックスは、任意のポリマー材料を含み得る。一般に、ポリマー材料は、生体適合性であり得る。本明細書で使用される場合、「生体適合性」という用語は、毒性又は著しい損傷を引き起こすことなく、対象における組織との長期間の接触を可能にする材料の特性を指す。
いくつかの態様において、ポリマー材料は、「生分解性でない」又は「実質的に生分解性でない」ものであり得る。「生分解性ではない」又は「実質的に生分解性ではない」という用語は、本開示のインプラントに関して使用される場合、概して、インプラントの意図された寿命にわたって微生物によって分解できない、又は実質的に分解できないインプラントを指す。例えば、本開示の実質的に生分解性ではないインプラントは、デバイスを標的組織に移植してから2年後に、ポリマー材料の少なくとも99%が残存し得る。
本開示のある特定の態様において、ポリマーマトリックスは、ポリシロキサン(シリコーン)を含み得る。シリコーンは、任意の生体適合性シリコーンであり得る。一部の場合、シリコーンは、医療用グレードのシリコーンであり得る。一部の場合、シリコーンは、米国薬局方(USP)クラスV又はUSPクラスVI認証シリコーンであり得る。様々な態様において、シリコーンは、任意の液体シリコーンゴム(LSR)であり得る。一部の場合、シリコーンは、Elkemによって製造されたSilbione(登録商標)液体シリコーンゴム(LSR)であり得る。一部の場合、Silbione(登録商標)LSRは、Silbione(登録商標)LSR4301、Silbione(登録商標)LSR4305、Silbione(登録商標)LSR4310、Silbione(登録商標)LSR4325、Silbione(登録商標)LSR4330、Silbione(登録商標)LSR4340、Silbione(登録商標)LSR4350、Silbione(登録商標)LSR60、Silbione(登録商標)LSR4360、Silbione(登録商標)LSR4370、Silbione(登録商標)LSR4745、Silbione(登録商標)LSR4755、Silbione(登録商標)LSR4765、Silbione(登録商標)LSR4125、Silbione(登録商標)LSR4130、Silbione(登録商標)LSR4140、Silbione(登録商標)LSR M301、Silbione(登録商標)LSR M305、Silbione(登録商標)LSR M310、Silbione(登録商標)LSR M325、Silbione(登録商標)LSR M330、Silbione(登録商標)LSR M340、Silbione(登録商標)LSR M350、Silbione(登録商標)LSR M360、Silbione(登録商標)LSR M365、Silbione(登録商標)LSR M370、Silbione(登録商標)LSR M125、Silbione(登録商標)LSR M130、Silbione(登録商標)LSR M140のうちの1つ以上であり得る。様々な態様において、シリコーンは、Silbione(登録商標)LSR D370であり得る。一部の場合、シリコーンは、NuSil(商標)によって製造されたシリコーンであり得る。様々な態様において、シリコーンは、NuSil(商標)によって製造されたDDU 4870であり得る。一部の場合、シリコーンは、NuSil(商標)によって製造された以下のシリコーンのうちの1つ以上であり得る。MED-4801、MED-4805、MED-4810、MED-5820、MED-5830、MED-5840、MED-5850、MED-5860、MED-5870、MED-4880、MED50-5338、MED-5440、MED-4842、及びMED1-4855。
本明細書で使用され得る更なる生分解性ではないポリマーには、シリコーン材料、アクリレート、ポリエチレン、ポリウレタン、ヒドロゲル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、押出コラーゲン、ポリマーフォーム、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネートウレタン、ポリウレタン、及びポリイミドが含まれるが、これらに限定されない。
ショアA硬度スケールは、ゴムの硬度を測定する。スケール上のより高い数値は、より硬い材料を指し、一方、スケール上のより低い数値は、より柔らかい材料を指す。一般に、薬物インプラント内のポリマー材料は、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有する。例えば、ポリマー材料は、少なくとも30デュロメーター、少なくとも40デュロメーター、少なくとも50デュロメーター、少なくとも60デュロメーター、又は少なくとも70デュロメーターのショアA硬度を有し得る。一態様において、未硬化ポリマー材料は、30デュロメーターのショアA硬度を有し得、硬化ポリマー材料は、70デュロメーターのショアA硬度を有し得る。
インプラントは、治療活性剤(本明細書では「薬物」とも称される)を更に含み得る。特定の態様において、治療活性剤は、ビカルタミドである。一部の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス内に分散され得るか、又は分布し得る。一部の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス全体に分散され得るか、又は分布し得る。一部の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス内に均一又は均質に分散され得るか、又は分布し得る。他の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス内に不均質に分散され得るか、又は分布し得る。他の場合、治療活性剤は、ポリマーマトリックス内に勾配で分散され得るか、又は分布し得る。特定の態様において、治療活性剤は、インプラントの製造時にポリマーマトリックス内に分散され得るか、又は分布し得る(例えば、治療活性剤は、本明細書に開示されるポリマー材料の硬化の前にポリマー材料と混合され得る)。一部の場合、ポリマーマトリックス内に分散された薬物を提供することは、他の薬物インプラント(例えば、薬物がカプセル内、又はチューブの管腔内に封入されているもの)よりも有利であり得る。例えば、ポリマーマトリックス内に薬物を分散させることで、インプラント内の薬物の充填がより多くなり、溶出速度がより速くなる、などが可能になり得る。
本開示の様々な態様において、インプラントは、約10%w/w~約70%w/wの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。例えば、インプラントは、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、又は約70%w/wの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。様々な態様において、インプラントは、少なくとも約10%w/w、少なくとも約15%w/w、少なくとも約20%w/w、少なくとも約25%w/w、少なくとも約30%w/w、少なくとも約35%w/w、少なくとも約40%w/w、少なくとも約45%w/w、少なくとも約50%w/w、少なくとも約55%w/w、少なくとも約60%w/w、少なくとも約65%w/w、又は少なくとも約70%w/wの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。特定の態様において、治療活性剤は、ビカルタミドであり、約10%w/w、約30%w/w、約45%w/w、又は約60%w/wの量でインプラント中に存在する。一部の場合、本開示は、高濃度のビカルタミド(例えば、60%w/w)を充填した薬物インプラントを提供する。一部の場合、インプラントは、少なくとも30%w/wの量でビカルタミドを含有し得る。一部の場合、インプラントは、少なくとも40%w/wの量でビカルタミドを含有し得る。
本開示の様々な態様において、インプラントは、約5%体積/体積(v/v)~約60%v/vの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。例えば、インプラントは、約5%v/v、約10%v/v、約15%v/v、約20%v/v、約25%v/v、約30%v/v、約35%v/v、約40%v/v、約45%v/v、約50%v/v、約55%v/v、又は約60%v/vの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。様々な態様において、インプラントは、少なくとも約5%v/v、少なくとも約10%v/v、少なくとも約15%v/v、少なくとも約20%v/v、少なくとも約25%v/v、少なくとも約30%v/v、少なくとも約35%v/v、少なくとも約40%v/v、少なくとも約45%v/v、少なくとも約50%v/v、少なくとも約55%v/v、又は少なくとも約60%v/vの量で治療活性剤(例えば、ビカルタミド)を含み得る。特定の態様において、治療活性剤は、ビカルタミドであり、少なくとも30%v/vの量でインプラント中に存在する。
様々な態様において、本開示のインプラントは、少なくとも1mg、例えば、約1mg~約10mgの総量でビカルタミドを含み得る。一部の場合、インプラント中のビカルタミドの総量は、約8mg~約10mgであり得る。例えば、インプラントは、約1mg、約1.2mg、約1.3mg、約1.4mg、約1.5mg、約1.6mg、約1.7mg、約1.8mg、約1.9mg、約2.0mg、約2.1mg、約2.2mg、約2.3mg、約2.4mg、約2.5mg、約2.6mg、約2.7mg、約2.8mg、約2.9mg、約3.0mg、約3.1mg、約3.2mg、約3.3mg、約3.4mg、約3.5mg、約3.6mg、約3.7mg、約3.8mg、約3.9mg、約4.0mg、約4.1mg、約4.2mg、約4.3mg、約4.4mg、約4.5mg、約4.6mg、約4.7mg、約4.8mg、約4.9mg、約5.0mg、約5.1mg、約5.2mg、約5.3mg、約5.4mg、約5.5mg、約5.6mg、約5.7mg、約5.8mg、約5.9mg、約6.0mg、約6.1mg、約6.2mg、約6.3mg、約6.4mg、約6.5mg、約6.6mg、約6.7mg、約6.8mg、約6.9mg、約7.0mg、約7.1mg、約7.2mg、約7.3mg、約7.4mg、約7.5mg、約7.6mg、約7.7mg、約7.8mg、約7.9mg、約8.0mg、約8.1mg、約8.2mg、約8.3mg、約8.4mg、約8.5mg、約8.6mg、約8.7mg、約8.8mg、約8.9mg、約9.0mg、約9.1mg、約9.2mg、約9.3mg、約9.4mg、約9.5mg、約9.6mg、約9.7mg、約9.8mg、約9.9mg、又は約10.0mgの総量でビカルタミドを含み得る。
本開示の様々な態様において、ポリマー材料は、その中に存在するビカルタミドで硬化され得る。理論に拘束されることを望まないが、硬化とは、ポリマー鎖を架橋することによってポリマー材料を硬化させる化学プロセスを指す。電子ビームの使用、加熱、及び/又は添加剤の添加を含む、任意の方法が、本開示のポリマーを硬化するために使用され得る。本開示の様々な態様において、ビカルタミドは、硬化の前に未硬化ポリマー材料と混合され得る。いくつかの態様において、ポリマーマトリックスは、少なくとも95%硬化し、少なくとも96%硬化し、少なくとも97%硬化し、少なくとも98%硬化し、少なくとも99%硬化し、少なくとも99.9%硬化し、又は100%硬化し得る。
一般に、ポリマー材料は、例えば、薬物の融解及び/又は分解を防止するために、治療活性剤の融解温度よりも低い硬化温度を有する。例えば、ポリマー材料は、ビカルタミドの融解温度よりも低い硬化温度を有し得る。一部の場合、ポリマー材料は、190℃未満、185℃未満、180℃未満、175℃未満、170℃未満、165℃未満、160℃未満、155℃未満、又は150℃未満である硬化温度を有し得る。特定の例では、ビカルタミドは、約180℃~190℃の融解温度を有し得、ポリマーは、約190℃未満(例えば、約170℃)の硬化温度を有し得る。
本開示の様々な態様において、ビカルタミドは、固体形態でインプラント中に存在し得る。一部の場合、固体ビカルタミドは、生物学的流体と接触すると(例えば、組織への移植後に)溶解し得、インプラントから標的組織内に拡散し得る。一部の場合、ビカルタミドは、結晶形態でインプラント中に存在する。一般に、インプラント内のビカルタミドの粒径は、インプラント内の薬物含有量の均一性のために重要であり得る。理論に拘束されることを望まないが、小さな粒径は、製剤内及び製剤の成形時のインプラント間の均一な分布を確保し得る。一部の場合、インプラント中に存在するビカルタミドは、10μm未満の中央粒径(例えば、D50粒径)を有し得る。一部の場合、インプラント中に存在するビカルタミドは、15μm未満のD90粒径を有し得る。
本開示の様々な態様において、インプラントは、インプラントから溶出することができない追加の分子を更に含み得る。一部の場合、これらの追加の分子は、薬物のより速い溶出速度をもたらし得る。インプラント内に存在し得る追加の分子の非限定的な例には、糖(例えば、ラクトース)、塩、溶融シリカ、セルロース、及び高分子量ポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。
一般に、本開示のインプラントは、インプラントが、標的組織内に正常に展開できるような機械的特性を有する。例えば、本開示のインプラントは、それが標的組織内に正常に展開され得るように十分に剛性であり得るが、展開中に破損するほど硬直していない。本明細書に記載されるデバイスの機械的特性は、使用されるポリマー材料に応じて変化し得、実験的に決定され得ることを理解されたい。いくつかの態様において、ビカルタミドを含有するインプラントは、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有し得る。
様々な態様において、インプラントは、三次元形状を有し得る。三次元形状は、任意の好適な形状であり得る。一部の場合、インプラントは、円筒形又は実質的に円筒形であり得る。一部の場合、インプラントは、管状又は実質的に管状であり得る。一部の場合、インプラントは、細長くてもよい(例えば、幅よりも大きい長さを有してもよい)。一部の場合、インプラントは、中空でなくてもよい。一部の場合、インプラントは、ロッド又はロッド状であり得る。
様々な態様において、インプラントは、直径を有し得る。一部の場合、インプラントの直径は、約0.1mm~約1.5mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、約0.7mm~約1.3mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、約0.9mm~約1.1mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、少なくとも約0.1mm、例えば、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.7mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約0.9mm、少なくとも約1.0mm、少なくとも約1.1mm、少なくとも約1.2mm、少なくとも約1.3mm、少なくとも約1.4mm、又は少なくとも約1.5mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、約1mm未満、例えば、約1mm未満、約0.9mm未満、約0.8mm未満、約0.7mm未満、約0.6mm未満、約0.5mm未満、約0.4mm未満、約0.3mm未満、約0.2mm未満、又は約0.1mm未満であり得る。一部の場合、インプラントの直径は、少なくとも約0.1mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、少なくとも約0.8mmであり得る。一部の場合、インプラントの直径は、約1mmであり得る。
様々な態様において、インプラントは、ある長さを有し得る。一部の場合、インプラントの長さは、約1mm~約30mmであり得る。一部の場合、インプラントの長さは、約5mm~約25mmであり得る。一部の場合、インプラントの長さは、約10mm~約20mmであり得る。一部の場合、インプラントの長さは、約12mm~約18mmであり得る。一部の場合、インプラントの長さは、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、少なくとも約13mm、少なくとも約14mm、少なくとも約15mm、少なくとも約16mm、少なくとも約17mm、少なくとも約18mm、少なくとも約19mm、少なくとも約20mm、少なくとも約21mm、少なくとも約22mm、少なくとも約23mm、少なくとも約24mm、少なくとも約25mm、少なくとも約26mm、少なくとも約27mm、少なくとも約28mm、少なくとも約29mm、又は少なくとも約30mmであり得る。一部の場合、インプラントの長さは、少なくとも約1mmである。一部の場合、インプラントの長さは、少なくとも約3mmである。一部の場合、インプラントの長さは、約15mmである。一部の場合、インプラントの長さは、約30mm未満、例えば、約30mm未満、約29mm未満、約28mm未満、約27mm未満、約26mm未満、約25mm未満、約24mm未満、約23mm未満、約22mm未満、約21mm未満、約20mm未満、約19mm未満、約18mm未満、約17mm未満、約16mm未満、約15mm未満、約14mm未満、約13mm未満、約12mm未満、約11mm未満、約10mm未満、約9mm未満、約8mm未満、約7mm未満、約6mm未満、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、又は約1mm未満であり得る。
様々な態様において、インプラントは、ある容積を有し得る。一部の場合、インプラントの容積は、約0.1mm~約30mmであり得る。例えば、インプラントの容積は、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、又は約30mmであり得る。一部の場合、インプラントの容積は、約10mmであり得る。
様々な態様において、インプラントは、コーティング、カバー、又はシースを欠いていてもよい。例えば、一部の場合、インプラントの外面の一部分は、インプラントのコーティングされていない、又はカバーされていない部分の外面が、移植後に生物学的環境(例えば、標的組織、生物学的流体)に直接曝露されるか、又は直接接触するようにコーティング又はカバーされていなくてもよい。いくつかの例では、インプラントの外面全体又は実質的に外面全体が、移植後、生物学的環境に直接曝露されるか、又は直接接触するように、インプラントの外面全体又は実質的に外面全体は、カバーされていないか、又はコーティングされていない。他の場合には、インプラントの外面全体より少ない部分が、移植後、生物学的環境に直接曝露されるか、又は直接接触する。例えば、一部の場合、インプラントの外面の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%が、移植後、生物学的環境に直接曝露されるか、又は直接接触する。一部の場合、インプラントの外面の少なくとも50%が、移植後、生物学的環境に直接曝露されるか、又は直接接触する。一部の場合、インプラントは、シース、足場、保持部材、保持フレーム、又はインプラントを標的組織内に保持するための任意の他の追加の手段を欠いていてもよい。一部の場合、インプラントは、ポリマーマトリックス及びその中に分散された治療活性剤(例えば、ビカルタミド)から本質的になり得る。
一部の場合、インプラントは、コーティングを含み得る。一部の場合、コーティングは、インプラントを覆うことができる。一部の場合、コーティングは、インプラントを部分的に覆うことができる。一部の場合、コーティングは、インプラントを実質的に覆うことができる。一部の場合、インプラントは、第1のポリマー材料から作製されたコア、及び第2のポリマー材料のコーティングを含み得る。非限定的な例では、本開示のインプラントは、シリコーンコーティングによって囲まれた非シリコーンコアを含み得る。一部の場合、本開示のインプラントは、金属を含まない。
様々な態様において、インプラントが対象に移植される場合、インプラントは、そこに含まれるビカルタミドの変調を防止し得る。変調には、分解、化学修飾などが含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、組織の生物学的環境は、薬物を分解することができる分解物(例えば、エステラーゼ、アミダーゼ)を含み得る。一部の場合、インプラントは、分解物がインプラントに侵入するのを防止することによって、治療活性剤を分解から保護することができる。様々な態様において、インビトロ安定性試験を実施して、インプラントに含まれる治療活性剤に対するインプラントの保護効果を決定することができる。例えば、治療活性剤がビカルタミドである場合、ビカルタミドを含有するインプラントを、0.05NのNaOHを含有する1%のSDSを含む溶液中で37℃で8時間インキュベートした後、溶出液中のビカルタミドの量を測定することによって分解を決定することができる(例えば、インビボ安定性試験、その非限定的な実施例は実施例2で提供されている)。そのような場合、治療活性剤は、インプラント内のインビボ安定性を維持しながら、インプラントから拡散することが可能であり得る。様々な態様において、分解物が、インプラント内で治療活性剤を分解する能力は、例えば、実施例2に記載されるように、模擬インビボ安定性アッセイによって決定され得る。非限定的な例では、治療活性剤を含む本開示のインプラントは、(治療活性剤を分解することが知られている)分解物を含む溶液中でインキュベートされ得る。一定期間のインキュベーションの後、治療活性剤をインプラントから抽出することができ、分解ピークを測定することができる(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって)。
本開示の様々な態様において、本開示のインプラントは、対象の標的組織に直接送達されるように構成され得る。一部の場合、標的組織は、前立腺組織であり得る。一部の場合、本開示のインプラントは、標的組織に隣接するか、又はその近くの組織に送達されるように構成され得る。一部の場合、治療活性剤は、制御された方法でインプラントから拡散し、標的組織に直接作用し得る。
様々な態様において、本開示のインプラントは、標的組織内に一定期間保持するように構成され得る。一部の場合、本開示のインプラントは、無期限に標的組織内に保持するように構成され得る(例えば、決して除去されない)。一部の場合、本開示の2つ以上のインプラントを標的組織に移植することができる。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、又は20個より多いインプラントを標的組織に移植することができる。一部の場合、2つ以上のインプラントを、標的組織の異なる部位に移植することができる(例えば、薬物を標的組織の異なる部位に送達するため)。一部の場合、2つ以上のインプラントが、標的組織内で互いに近接して移植され得る。一部の場合、1つ以上の最初のインプラントが移植され得、薬物が最初のインプラントから枯渇した後に追加のインプラントが後で移植され得る。例えば、1つ以上の追加のインプラントは、1つ以上の最初のインプラントから溶出する薬物が停止した後、又は実質的に停止した後に移植され得る。一部の場合、本開示のインプラントは、対象の標的組織内に配置された場合、超音波によって視認可能であり得る。そのような場合、インプラントの位置は、非侵襲的に監視され得る。一部の場合、インプラントは、対象への移植前に滅菌され得る。一部の場合、インプラントは、ガンマ滅菌により滅菌される。
様々な態様において、本開示のインプラントは、治療活性剤の持続放出を一定期間送達することが可能であり得る。例えば、本開示のインプラントは、治療活性剤の持続放出が可能であり得る。本明細書で使用される場合、「持続放出」とは、標的組織への移植後、長期間にわたって一定量の薬物を放出するインプラントの能力を指す。一部の場合、本開示のインプラントは、少なくとも6ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、又は少なくとも24ヶ月間、一定量の薬物を標的組織に送達することが可能であり得る。特定の場合、本開示のインプラントは、前立腺組織又は前立腺に隣接若しくは近接する組織への移植後、少なくとも6ヶ月間、少なくとも0.1μg/日のビカルタミドを送達することが可能であり得る。一部の場合、本開示のインプラントは、前立腺組織又は前立腺に隣接若しくは近接する組織への移植後、最大24ヶ月間、少なくとも0.1μg/日のビカルタミドを(例えば、前立腺に)送達することが可能であり得る。
薬物インプラントを製造するための方法
本明細書には、本明細書に記載のインプラントを製造するための方法が更に提供される。本開示の薬物インプラントを製造するための方法の非限定的な例は、実施例1に提供されるものであり得る。
いくつかの態様において、この方法は、一定量の未硬化ポリマー材料を、一定量の治療活性剤と混合して、混合物を形成することを含み得る。この方法は、混合物を成形して、成形構造を作製することを更に含み得る。この方法は、成形混合物を一定期間加熱することによって、成形混合物を硬化させることを更に含み得る。一部の場合、未硬化ポリマー材料は、本明細書で提供される任意の生体適合性シリコーンであり得る。例示的な態様において、シリコーンは、Silbione(登録商標)LSR D370又はDDU 4870(NuSil(商標)によって製造される)であり得る。一部の場合、治療活性剤は、抗アンドロゲンであり得、その例は本明細書に提供されている。例示的な態様において、治療活性剤は、ビカルタミドであり得る。
治療活性剤(例えば、ビカルタミド)は、インプラント中の活性剤の総量が、約10%w/w~約70%w/w、例えば、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、又は約70%w/wであり得るような量で、硬化混合物中に提供され得る。一部の場合、インプラント中の活性剤の総量は、少なくとも約10%w/w、少なくとも約15%w/w、少なくとも約20%w/w、少なくとも約25%w/w、少なくとも約30%w/w、少なくとも約35%w/w、少なくとも約40%w/w、少なくとも約45%w/w、少なくとも約50%w/w、少なくとも約55%w/w、少なくとも約60%w/w、少なくとも約65%w/w、又は少なくとも約70%w/wであり得る。一部の場合、治療活性剤は、ビカルタミドである。ビカルタミドは、インプラント中のビカルタミドの総量が、少なくとも10%w/w、少なくとも30%w/w、少なくとも40%w/w、少なくとも45%w/w、又は少なくとも60%w/wの量であるように、硬化混合物内に存在し得る。ビカルタミドは、インプラント中のビカルタミドの総量が、約1mg~約10mgであり得るような量で硬化混合物中に提供され得る。
いくつかの態様において、硬化は、成形混合物を、150℃~200℃、例えば、150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃、185℃、190℃、195℃、又は200℃で加熱することを含む。硬化温度は、一般に、選択されたポリマー材料に依存する。一般に、ポリマー材料の硬化温度は、それが治療活性剤の融解温度よりも低いように選択される。一部の場合、硬化は、成形混合物を、3分~8分、例えば、3分、4分、5分、6分、7分、又は8分間加熱することを含む。一部の場合、シリコーン及び活性剤は、活性剤の融解温度がシリコーンの硬化温度よりも高くなり得るように、シリコーンの硬化温度及び活性剤の融解温度に基づいて選択され得る。
いくつかの態様において、混合物は、溶媒を更に含み得る。使用され得る溶媒の非限定的な例には、ペンタン、ヘプタン、トルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、及びヘキサンが含まれる。いくつかの態様において、混合物は、トランスファー成形プロセスによって成形され得る。
本明細書で提供されるようにインプラントを製造した後、方法は、インプラントに対して1つ以上の分析を実行することを更に含み得る。一部の場合、1つ以上の分析は、示差走査熱量測定(DSC)であり得、その非限定的な例は実施例2に提供されている。一部の場合、1つ以上の分析は、インプラントを代用組織に展開することであり得、その非限定的な例は実施例2に提供されている。一部の場合、1つ以上の分析は、溶出試験であり得、その非限定的な例は実施例2に提供されている。一部の場合、1つ以上の分析は、インビボ安定性試験であり得、その非限定的な例は実施例2に提供されている。一部の場合、1つ以上の分析は、粘度測定であり得る。一部の場合、1つ以上の分析は、高圧液体クロマトグラフィーであり得る。
治療方法:
本明細書には、対象における疾患(又はその症状)を治療する方法が開示される。「治療すること」、「治療」、又は「治療する」という用語は、本明細書において互換的に使用され得、治療を必要とする対象に治療的利益を提供することを指す。例えば、疾患又は障害を治療することは、疾患又は障害を改善、抑制、低減、緩和、又は治癒することを含む。疾患又は障害を治療することは、疾患又は障害に関連する1つ以上の症状を改善すること、抑制すること、低減すること、緩和すること、又は治癒することも含む。腫瘍に関して使用される場合、治療することは、腫瘍又は腫瘍体積のサイズを縮小又は低減することを含む。
様々な態様において、対象は、疾患と診断された可能性があるか、疾患を有する疑いがあり得るか、又は疾患を有しているリスクがあり得る。一部の場合、この方法は、本開示のインプラントを対象の標的組織に移植することを含む。本開示のインプラントは、任意の方法によって標的組織に移植され得る。一部の場合、インプラントは、外科的方法又は非外科的方法によって標的組織に移植され得る。一部の場合、インプラントは、標準的な外科用ツール、例えば、生検又は近接照射療法のために一般的に使用されるツールを使用して移植され得る。一部の場合、インプラントは、例えば、針、鉗子、カテーテル(例えば、管腔を有する)を使用することによって標的組織に移植され得る。例えば、一実施形態において、インプラントは、針又はカテーテルの管腔からの展開によって標的組織に移植され得る。一部の場合、インプラントは、前立腺生検針のカニューレを使用して標的組織に移植され得る。一部の場合、インプラントは、Mick(登録商標)針を使用して標的組織に移植され得る。一部の場合、インプラントの展開は、超音波によって誘導され得る。一部の場合、インプラントは、経会陰移植によって(例えば、鋳型ガイド針の使用によって)移植され得る。一部の場合、インプラントは、滅菌され、パッケージング内に配置され得る。
非限定的な例では、本開示のインプラントを標的組織に展開する方法は、細長いチューブの遠位端を標的組織(例えば、前立腺又は前立腺に隣接する組織)に配置することを含み得る。一部の場合、細長いチューブは、管腔を有する針であり得る。細長いチューブは、細長いチューブの遠位端が標的組織を貫通することができるように、鋭い端部を有し得る。一部の場合、細長いチューブの遠位端は、対象における細長いチューブの第1の位置が決定されるように、グリッドの第1の部分(例えば、ガイド鋳型)を通して配置され得る。グリッドは、インプラントを標的組織に適切に配置することを可能にし得る。一部の場合、トロカールは、細長いチューブの管腔内に配置される。この方法は、細長いチューブを(細長いチューブの管腔内に配置されたトロカールを伴って又は伴わずに)標的組織に挿入することを含み得る。この方法は、トロカールを使用する場合、細長いチューブの遠位端を標的組織内に維持しながら、細長いチューブの管腔からトロカールを除去することを更に含み得る。この方法は、本開示のインプラントを細長いチューブの管腔内に配置することを更に含み得る。インプラントは、細長いチューブの管腔内に適合するようにサイズ設定された平滑末端ロッド(例えば、スタイレット)によって細長いチューブの管腔を通して押し込まれ得る。スタイレットを使用して、インプラントを細長いチューブの近位端から細長いチューブの遠位端に押し込むことができる。この方法は、スタイレットを所定の位置に維持しながら、細長いチューブを標的組織から除去することを更に含み得る。細長いチューブが標的組織から除去されると、スタイレットはインプラントを細長いチューブから標的組織内に押し込むことができる。この方法は、スタイレット及び細長いチューブの両方を標的組織から一緒に除去することを更に含み得る。
いくつかの態様において、この方法は、対象の標的組織に2つ以上のインプラントを移植することを含み得る。例えば、この方法は、第1のインプラントを標的組織の第1の部分に移植し、第2のインプラントを標的組織の第2の部分に移植することを含み得る。一部の場合、標的組織の第1の部分及び標的組織の第2の部分は異なり得る。一部の場合、第1のインプラントは、第1の治療活性剤を含み得、第2のインプラントは、第2の治療活性剤を含み得る。一部の場合、第1の治療活性剤及び第2の治療活性剤は同じであり得る。他の場合、第1の治療活性剤及び第2の治療活性剤は異なり得る。一部の場合、グリッド(例えば、ガイド鋳型)を使用して、第1のインプラントを標的組織の第1の部分内に配置し、第2のインプラントを標的組織の第2の部分内に配置することができる。一部の場合、第1のインプラント及び/又は第2のインプラントは、超音波ガイダンスを使用して配置され得る。
いくつかの態様において、この方法は、追加のインプラントを標的組織に移植することを更に含み得る。例えば、この方法は、第3のインプラントを標的組織の第3の部分に移植すること、第4のインプラントを標的組織の第4の部分に移植すること、第5のインプラントを標的組織の第5の部分に移植すること、第6のインプラントを標的組織の第6の部分に移植すること、第7のインプラントを標的組織の第7の部分に移植すること、第8のインプラントを標的組織の第8の部分に移植すること、などを更に含み得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、又はそれ以上の、治療活性剤は、それぞれ、同じ、異なる、又はそれらの組み合わせであってもよい。一部の場合、少なくとも3つのインプラントが、標的組織に移植される。例えば、少なくとも3つのインプラントが、経会陰投与によって前立腺又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に移植され得る。
いくつかの態様において、1つ以上のインプラントは、前立腺がんを治療するための外科的処置の前に、前立腺又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に移植され得る。例えば、1つ以上のインプラントは、前立腺切除を実施する前に(例えば、1週間前、2週間前、3週間前など)、前立腺又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に移植され得る。そのような場合、前立腺切除は、前立腺又はその一部分を除去し得る。一部の場合、前立腺切除は、対象からインプラントのうちの1つ以上を除去し得る。他の場合、1つ以上のインプラントは、前立腺又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に移植され得、無制限に前立腺内に残存し得る。例えば、1つ以上のインプラントは、対象が前立腺がんの寛解又は治癒中であるように、治療有効量のビカルタミドを一定期間前立腺組織に提供し得る。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、概して、哺乳動物、例えば、ヒトなどの脊椎動物を指す。哺乳動物には、マウス、サル、ヒト、研究動物、農場動物、スポーツ動物、及びペットが含まれるが、これらに限定されない。一部の場合、本明細書に記載の方法は、対象に由来する組織及びそのような組織の子孫に対して使用され得る。組織は、対象からインビボで得ることができる。一部の場合、組織は、インビトロで培養され得る。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、治療を必要とする対象を治療するために使用され得る。一部の場合、対象は、疾患に罹患している可能性がある。一部の場合、対象は、ヒトであり得る。一部の場合、ヒトは、病院又は診療所の患者であり得る。一部の場合、対象は、非ヒト動物、例えば、非ヒト霊長類、家畜動物、家庭内ペット、又は実験動物であり得る。例えば、非ヒト動物は、類人猿(例えば、チンパンジー、ヒヒ、ゴリラ、又はオランウータン)、旧世界ザル(例えば、アカゲザル)、新世界ザル、イヌ、ネコ、バイソン、ラクダ、ウシ、シカ、ブタ、ロバ、ウマ、ラバ、ラマ、ヒツジ、ヤギ、水牛、トナカイ、ヤク、マウス、ラット、ウサギ、又は任意の他の非ヒト動物であり得る。
対象がヒトであり得る場合、対象はいずれの年齢であってもよい。一部の場合、対象は、約50歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約55歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約60歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約65歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約70歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約75歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約80歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約85歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約90歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約95歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約100歳以上であり得る。一部の場合、対象は、約50歳、51歳、52歳、53歳、54歳、55歳、56歳、57歳、58歳、59歳、60歳、61歳、62歳、63歳、64歳、65歳、66歳、67歳、68歳、69歳、70歳、71歳、72歳、73歳、74歳、75歳、76歳、77歳、78歳、79歳、80歳、81歳、82歳、83歳、84歳、85歳、86歳、87歳、88歳、89歳、90歳、91歳、92歳、93歳、94歳、95歳、96歳、97歳、98歳、99歳、100歳、又は100歳超であり得る。一部の場合、対象は、約1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳、18歳、19歳、20歳、又は20歳超であり得る
一部の場合、本明細書で提供される方法は、対象における疾患を治療することができる。一部の場合、本明細書で提供される方法は、疾患の症状を緩和又は低減させることができる。一部の場合、本明細書で提供される方法は、疾患に関連する1つ以上の症状の重症度の低減をもたらし得る。一部の場合、本明細書で提供される方法は、疾患に関連する1つ以上の症状の進行を遅くし、停止し、又は逆転させ得る。一部の場合、本明細書で提供される方法は、疾患に関連する1つ以上の症状の発生を防止し得る。一部の場合、本明細書で提供される方法は、経験した症状の数及び重症度によって測定して、疾患の進行を遅くし、停止し、又は逆転させ得る。
一部の場合、疾患は、増殖性疾患又は障害であり得る。一部の場合、増殖性疾患又は障害は、がんであり得る。一部の場合、対象は、腫瘍を有し得る。一部の場合、この方法は、腫瘍のサイズを低減させることができる。一部の場合、この方法は、腫瘍のサイズを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%低減させることができる。
いくつかの態様において、増殖性疾患又は障害は、前立腺の増殖性疾患又は障害であり得る。1つの非限定的な例では、前立腺の増殖性疾患又は障害は、前立腺がんであり得る。前立腺がんは、腺がん、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞がん、移行細胞がん、又は扁平上皮がんであり得る。別の非限定的な例では、前立腺の増殖性疾患又は障害は、良性前立腺肥大症であり得る。
この方法は、治療有効量の薬物を標的組織に送達するために利用され得る。一部の場合、この方法は、対象の標的組織(又は標的組織に隣接する組織)に薬物インプラントを送達することを含み得る。任意の組織は、本開示の薬物インプラントの送達に好適であり得る。例示的な場合において、標的組織は、前立腺、前立腺に隣接する組織、又は両方であり得る。標的組織の非限定的な例には、***、膵臓、膀胱、脳、皮膚、腎臓、肺、肝臓、舌、食道、胃、腸、胆嚢、心臓、下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎、眼、骨、卵管、子宮、卵巣、洞、内耳(耳管)、精巣、及び頸部が含まれる。
本開示の様々な態様において、本開示の薬物インプラントを、対象の標的組織(又は隣接組織)に移植するための方法であって、インプラントが、治療有効量の薬物を標的組織に送達する、方法を提供する。本明細書で使用される場合、薬物又は治療活性剤に関して使用される場合、「治療有効量」は、対象において治療応答を誘発することができる薬物又は治療活性剤の量を指す。本開示の様々な態様において、インプラントは、対象の組織に、6ヶ月~24ヶ月、治療有効量の薬物を送達し得る。一部の場合、インプラントは、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、又は24ヶ月の間、対象の組織に治療有効量の薬物を送達し得る。一部の場合、インプラントは、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも13ヶ月、少なくとも14ヶ月、少なくとも15ヶ月、少なくとも16ヶ月、少なくとも17ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも19ヶ月、少なくとも20ヶ月、少なくとも21ヶ月、少なくとも22ヶ月、少なくとも23ヶ月、又は少なくとも24ヶ月の間、対象の組織に治療有効量の薬物を送達し得る。
本開示の様々な態様において、薬物の治療有効量は、少なくとも0.1μg/日であり得る。一部の場合、治療有効量の薬物は、少なくとも0.1μg/日、0.2μg/日、0.3μg/日、0.4μg/日、0.5μg/日、0.6μg/日、0.7μg/日、0.8μg/日、0.9μg/日、1μg/日、2μg/日、3μg/日、4μg/日、5μg/日、6μg/日、7μg/日、8μg/日、9μg/日、10μg/日、15μg/日、20μg/日、25μg/日、30μg/日、35μg/日、40μg/日、45μg/日、50μg/日、55μg/日、60μg/日、65μg/日、70μg/日、75μg/日、80μg/日、85μg/日、90μg/日、95μg/日、100μg/日、110μg/日、120μg/日、130μg/日、140μg/日、150μg/日、160μg/日、170μg/日、180μg/日、190μg/日、200μg/日、210μg/日、220μg/日、230μg/日、240μg/日、250μg/日、260μg/日、270μg/日、280μg/日、290μg/日、300μg/日、310μg/日、320μg/日、330μg/日、340μg/日、350μg/日、360μg/日、370μg/日、380μg/日、390μg/日、400μg/日、410μg/日、420μg/日、430μg/日、440μg/日、450μg/日、460μg/日、470μg/日、480μg/日、490μg/日、500μg/日、510μg/日、520μg/日、530μg/日、540μg/日、550μg/日、560μg/日、570μg/日、580μg/日、590μg/日、600μg/日、610μg/日、620μg/日、630μg/日、640μg/日、650μg/日、660μg/日、670μg/日、680μg/日、690μg/日、700μg/日、710μg/日、720μg/日、730μg/日、740μg/日、750μg/日、760μg/日、770μg/日、780μg/日、790μg/日、800μg/日、810μg/日、820μg/日、830μg/日、840μg/日、850μg/日、860μg/日、870μg/日、880μg/日、890μg/日、900μg/日、910μg/日、920μg/日、930μg/日、940μg/日、950μg/日、960μg/日、970μg/日、980μg/日、990μg/日、1000μg/日以上であり得る。治療有効量の薬物は、薬物及び/又は治療される疾患に基づいて変化し得、経験的に決定され得ることを理解されたい。
様々な態様において、インプラントは、インプラントから標的組織への治療活性剤の累積放出をもたらし得る。一部の場合、インプラントからのビカルタミドのインビトロでの累積放出は、1日目に少なくとも100μgであり得る。一部の場合、インプラントからのビカルタミドのインビトロでの累積放出は、50日目に少なくとも1,500μgであり得る。一部の場合、インプラントからのビカルタミドのインビトロでの累積放出は、100日目に少なくとも2,000μgであり得る。一部の場合、移植時にインプラント内に存在するビカルタミドの総量の少なくとも50%が、移植後100日目にポリマーマトリックス内に残存する。
本開示の様々な態様において、インプラントは、標的組織内に一定期間残存するように構成され得る。一部の場合、インプラントは、長期間(例えば、数ヶ月~数年)又は無制限に(例えば、決して除去され得ない)標的組織内に残存するように構成され得る。例えば、インプラントが、その中に含まれる治療活性剤の全てを対象に送達した後、インプラント(治療活性剤を含まない)は標的組織内に残存してもよい。一部の場合、追加の治療が必要な場合、1つ以上の追加のインプラントを、(最初のインプラントを除去することなく)標的組織に送達することができる。一部の場合、インプラントは、ポリマー材料が、標的組織内で長期間又は無期限に実質的に無傷のままであるように、非生分解性及び/又は非吸収性ポリマー材料から構成され得る。
有利には、本開示のインプラントは、治療有効量のビカルタミドを、前立腺組織、又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に、長期間(例えば、少なくとも6ヶ月)送達することができる。加えて、本開示のインプラントは、低い全身濃度のビカルタミドを維持しながら、高濃度のビカルタミドを局所的に前立腺に送達することができる。一部の場合、本開示のインプラントは、高い全身濃度のビカルタミドに起因する毒性を低減又は防止し得る。
様々な態様において、本開示のインプラントによって対象に投与されるビカルタミドの総用量は、全身(例えば、経口)投与によって対象に投与される場合、ビカルタミドの総用量未満である。ビカルタミドの標準的な経口投与レジメンには、早期前立腺がんに対する150mg/日のビカルタミド単剤療法、及び進行性前立腺がんに対する他の療法と組み合わせた50mg/日が含まれる。有利には、本開示のインプラントは、経口投与レジメンと比較して低い総用量のビカルタミドの投与を提供する。一部の場合、対象に投与されるビカルタミドの総量は、6ヶ月の期間にわたって100mg未満である。
様々な態様において、本開示の薬物インプラントを、前立腺、又は前立腺に隣接する若しくは近接する組織に移植すると、ビカルタミドが全身(例えば、経口)投与によって対象に投与されるときに得られるビカルタミドの血漿濃度よりも実質的に低いビカルタミドの血漿濃度が得られる。例えば、ビカルタミドのR-エナンチオマーの定常状態の血漿濃度は、約9μg/mlであることが報告されている。一部の場合、本開示のインプラントを、前立腺、又は前立腺に隣接若しくは近接する組織に移植すると、9μg/ml未満、例えば、5μg/ml未満であるR-ビカルタミドの定常状態の血漿濃度が得られる。
キット
本明細書では更に、キットが提供される。いくつかの態様において、キットは、本明細書に記載の1つ以上のインプラントを含み得る。例えば、キットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、又は20個より多いインプラントを含み得る。一部の場合、1つ以上のインプラントは、その中に含まれる治療活性剤を含み得る。一部の場合、1つ以上のインプラントの各々は、同じ治療活性剤を含み得る。他の場合、1つ以上のインプラントの各々は、1つ以上の異なる治療活性剤を含み得る。
いくつかの態様において、キットは、針又は鉗子などの1つ以上の外科用ツールを含み得る。いくつかの態様において、キットは、滅菌されたパッケージに包装され得る。一部の場合、滅菌されたパッケージは、箔を含む。いくつかの態様において、キットは、対象の組織にインプラントを移植するための説明書を更に含み得る。
特定の用語
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、特許請求された主題が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。前述の概要及び以下の詳細な説明は、単に例示的及び説明的であり、特許請求される任意の主題を限定するものではないことを理解されたい。
本出願において、単数形の使用は、特に断りのない限り、複数形を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本出願では、「又は」の使用は、特に断りのない限り、「及び/又は」を意味する。更に、「含んでいる(including)」という用語、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定ではない。
本明細書で使用される場合、範囲及び量は、特定の値又は範囲について「約」として表すことができる。約はまた、正確な量も含む。したがって、「約5μL」は、「約5μL」及び「5μL」も意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差内、例えば、15%、10%又は5%以内であると予測される量を含む。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、単に構成目的のためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
例示的な実施形態の非限定的なリスト
本開示の他の箇所で記載及び提供される態様及び実施形態に加えて、以下の特定の実施形態の非限定的なリストが具体的に企図される。
1.インプラントであって、
生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及び
ポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲンを含む、インプラント。
2.インプラントであって、
生体適合性ポリマーマトリックス、及び
ポリマーマトリックス全体に分散された治療活性剤を含み、インプラントが、対象の標的組織内に配置される場合、インプラントは、治療有効量の治療活性剤を、対象の標的組織に少なくとも24ヶ月間送達する、インプラント。
3.インプラントであって、
生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及び
結晶形態の抗アンドロゲンを含む、インプラント。
4.インプラントであって、
生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーマトリックス、及び
10~70%w/wの量でポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲンを含む、インプラント。
5.インプラントが、対象の標的組織内に配置される場合、移植から24ヶ月後に少なくとも0.1μg/日の治療活性剤又は抗アンドロゲンを放出する、実施形態1~4のいずれか1つに記載のインプラント。
6.治療活性剤又は抗アンドロゲンが、10ミクロン未満の中央粒径を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のインプラント。
7.インプラントが、60%w/wの治療活性剤を充填した場合、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載のインプラント。
8.ポリマーマトリックスの少なくとも99%が、移植後少なくとも600日間、対象の標的組織内に残存する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のインプラント。
9.対象の標的組織内に配置された場合、インプラントが超音波によって視認可能である、実施形態1~8のいずれか1つに記載のインプラント。
10.治療活性剤又は抗アンドロゲンが、ポリマーマトリックスの硬化温度よりも高い融解温度を有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載のインプラント。
11.融解温度が150℃超である、実施形態10に記載のインプラント。
12.ポリマーマトリックスが、インプラントにおける治療活性剤又は抗アンドロゲンの分解を阻害する、実施形態1~11のいずれか1つに記載のインプラント。
13.ポリマーマトリックスが、エステラーゼ又はアミダーゼによる治療活性剤又は抗アンドロゲンの分解を阻害する、実施形態12に記載のインプラント。
14.分解が、0.05NのNaOHを含有する1%SDSを含む溶液中で37℃で8時間、治療活性剤又は抗アンドロゲンを含有するインプラントをインキュベートした後の溶出液中の治療活性剤又は抗アンドロゲンの量を測定することによって決定される、実施形態12又は13に記載のインプラント。
15.インプラントが細長い、実施形態1~14のいずれか1つに記載のインプラント。
16.インプラントが円筒形である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のインプラント。
17.インプラントが管状である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のインプラント。
18.インプラントの直径が、1mm未満である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のインプラント。
19.インプラントの直径が、0.5mm~1.5mmである、実施形態1~18のいずれか1つに記載のインプラント。
20.インプラントの直径が、0.7mm~1.3mmである、実施形態1~18のいずれか1つに記載のインプラント。
21.インプラントの直径が、0.9mm~1.1mmである、実施形態1~18のいずれか1つに記載のインプラント。
22.インプラントの直径が、約1mmである、実施形態1~18のいずれか1つに記載のインプラント。
23.インプラントの長さが、20mm未満である、実施形態1~22のいずれか1つに記載のインプラント。
24.インプラントの長さが、5mm~25mmである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のインプラント。
25.インプラントの長さが、10mm~20mmである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のインプラント。
26.インプラントの長さが、12mm~18mmである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のインプラント。
27.インプラントの長さが、約15mmである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のインプラント。
28.インプラントが、コーティングを更に含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載のインプラント。
29.コーティングが、インプラントを部分的に覆う、実施形態28に記載のインプラント。
30.コーティングが、インプラントを実質的に覆う、実施形態28に記載のインプラント。
31.コーティングが、インプラントを覆う、実施形態28に記載のインプラント。
32.治療活性剤が、抗アンドロゲンである、実施形態2に記載のインプラント。
33.治療活性剤又は抗アンドロゲンが、ビカルタミドである、実施形態1~32のいずれか1つに記載のインプラント。
34.インプラントが滅菌されている、実施形態1~33のいずれか1つに記載のインプラント。
35.インプラントが、滅菌されたパッケージ内に配置される、実施形態1~34のいずれか1つに記載のインプラント。
36.ポリマーマトリックスが、少なくとも95%硬化し、少なくとも96%硬化し、少なくとも97%硬化し、少なくとも98%硬化し、少なくとも99%硬化し、又は少なくとも99.9%硬化している、実施形態1~35のいずれか1つに記載のインプラント。
37.ポリマーマトリックスが、シリコーンを含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載のインプラント。
38.シリコーンが、Elkemによって製造されるSilbione(登録商標)LSR D370である、実施形態37に記載のインプラント。
39.シリコーンが、NuSil(商標)によって製造されるDDU 4870である、実施形態37に記載のインプラント。
40.インプラントが、対象の前立腺組織に移植されるように構成されている、実施形態1~39のいずれか1つに記載のインプラント。
41.インプラントが金属を欠いている、実施形態1~40のいずれか1つに記載のインプラント。
42.対象の前立腺への移植に好適なインプラントを製造する方法であって、当該方法が、
(a)一定量の未硬化の生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーを、一定量の抗アンドロゲンと混合して混合物を形成することと、
(b)混合物を成形して成形混合物を作製することと、
(c)成形混合物を一定期間加熱することによって成形混合物を硬化させることと、を含む、方法。
43.抗アンドロゲンの量が、未硬化の生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーの10%w/w~70%w/wである、実施形態42に記載の方法。
44.抗アンドロゲンが、ビカルタミドである、実施形態42又は43に記載の方法。
45.生体適合性であり、実質的に生分解性ではないポリマーが、シリコーンである、実施形態42~44のいずれか1つに記載の方法。
46.シリコーンが、Elkemによって製造されるSilbione(登録商標)LSR D370である、実施形態45に記載の方法。
47.シリコーンが、NuSil(商標)によって製造されるDDU 4870である、実施形態45に記載の方法。
48.(c)の硬化が、成形混合物を、約150℃~約200℃の温度で3~8分間加熱することを更に含む、実施形態42~47のいずれか1つに記載の方法。
49.混合物が、溶媒を更に含む、実施形態42~48のいずれか1つに記載の方法。
50.溶媒が、ペンタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘプタン、トルエン、及びヘキサンからなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
51.混合物が、トランスファー成形プロセスによって成形される、実施形態42~50のいずれか1つに記載の方法。
52.インプラントに対して分析を実施することを更に含む、実施形態42~51のいずれか1つに記載の方法。
53.分析が、示差走査熱量測定(DSC)、代用組織におけるインプラントの展開、溶出試験、粘度測定、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び模擬インビボ安定性アッセイからなる群から選択される、実施形態54に記載の方法。
54.キットであって、
実施形態1~41のいずれか1つに記載のインプラントを中に含む滅菌されたパッケージと、
対象の標的組織へインプラントを移植するための説明書と、を含む、キット。
55.インプラントが、ヒト前立腺、ヒト前立腺に隣接する組織、又はその両方に送達されるように構成されている、実施形態54に記載のキット。
56.滅菌されたパッケージが、箔から形成される、実施形態54又は55に記載のキット。
57.対象の標的組織にインプラントを移植するための1つ以上の外科用ツールを更に含む、実施形態54~56のいずれか1つに記載のキット。
58.1つ以上の外科用ツールが、針、鉗子、トロカール、又はスタイレットを含む、実施形態57に記載のキット。
59.疾患の治療を必要とする対象における疾患を治療する方法であって、
実施形態1~41のいずれか1つに記載のインプラントを、対象の前立腺に移植し、それによって疾患を治療することを含む、方法。
60.疾患の治療を必要とする対象における疾患を治療する方法であって、
生体適合性ポリマーマトリックス及び生体適合性ポリマーマトリックス全体に分散された抗アンドロゲン薬物を含む、実質的に生分解性ではないインプラントを、対象の前立腺に移植し、それによって疾患を治療すること、を含む、方法。
61.前立腺が、前立腺組織、前立腺組織に隣接する組織、又はその両方を含む、実施形態60に記載の方法。
62.疾患が、前立腺の増殖性疾患又は障害(例えば、前立腺がん、良性前立腺肥大症)である、実施形態60又は61に記載の方法。
63.対象の前立腺又は前立腺に隣接する組織内に細長いチューブの遠位端を配置することを更に含む、実施形態60~62のいずれか1つに記載の方法。
64.細長いチューブの一部分が、対象における細長いチューブの第1の位置が決定されるように、グリッドの第1の部分を通して配置される、実施形態63に記載の方法。
65.細長いチューブが、針又はカテーテルである、実施形態63又は64に記載の方法。
66.トロカールが、細長いチューブの管腔内に配置される、実施形態65に記載の方法。
67.細長いチューブの管腔からトロカールを除去することを更に含む、実施形態66に記載の方法。
68.トロカールを細長いチューブの管腔から除去した後、インプラントを細長いチューブの管腔内に配置することを更に含む、実施形態67に記載の方法。
69.スタイレットを、細長いチューブの管腔を通して押し、それによってインプラントを細長いチューブの遠位端に移動させることを更に含む、実施形態68に記載の方法。
70.細長いチューブを対象から離して移動させ、このようなインプラントが対象内に残存することを更に含む、実施形態69に記載の方法。
71.スタイレットが、インプラントが対象内に残存するように、インプラントに隣接するスタイレットの遠位端である細長いチューブの管腔の一部分に配置される、実施形態70に記載の方法。
72.第2の細長いチューブの一部分が、対象における第2の細長いチューブの位置が決定されるように、グリッドの第2の部分を通して配置される、実施形態60~71のいずれか1つに記載の方法。
実施例1インプラントを作製するための方法
インプラントの製造は、ポリマーマトリックス内のAPIの均一な混合を確実にするためのエラストマー(例えば、熱硬化シリコーン)との医薬品有効成分(API)(例えば、ビカルタミド)の製剤化、及び製品が意図した通りに臓器に展開され得ることを確実にするためのインプラントの成形の2つの主要なステップを含んだ。
製剤
インプラント製剤は、APIと混合した賦形剤として、医療用グレードのシリコーンを含んだ。必要に応じて、所望のAPI充填を組み込むために、シリコーンの粘度を低下させるための溶媒を使用した。
60%w/wのビカルタミド製剤を、遠心ミキサー(FlackTek DAC400-VAC)を使用して作製した。必要量のシリコーンA部及びB部を混合カップに添加し、等重量の溶媒(シリコーンを溶解する;例えば、ペンタン)を添加した。シリコーン及び溶媒を、シリコーンが流れるようにシリコーンの粘度が低下するまで高速混合した。次いで、API粉末を混合カップに組み込み、乾燥APIスポットなしで目に見える滑らかな混合物が得られるまで高速混合した。次いで、溶媒を真空下で除去し、シリコーン及びAPIのペーストを残した。以下の表1は、Silbione(登録商標)LSR D370をシリコーンとして、ペンタンを10グラムの混合物の溶媒として使用した、60%w/wのビカルタミドについての製剤を示す。以下の表2は、重量により確認されるように、所望の量の溶媒が除去されるまで繰り返すことができる溶媒除去パラメータのセットを列挙している。
剪断混合などの、溶媒が少ない同じ混合均一性を達成するための他の方法を使用することができる。粘度の低下を助け、シリコーンを溶解させる他の溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、トルエンなど)もまた、製剤に使用され得る。
Figure 2023518061000002
Figure 2023518061000003
成形
トランスファー成形プロセスによりアルミニウム金型を使用してインプラントロッドを作製した。金型を組み立て、あらかじめ秤量した量の配合物を金型に注入した。配合物注入後、ロッドを、シリコーン供給業者の硬化についての推奨に基づいて、特定の温度(150~200℃)で所定の時間(3~8分)の間硬化した。硬化後、金型を冷却し、ロッドを特性評価のために金型から除去した。図1は、実施例1による成形インプラントの例を示す。
実施例2ビカルタミド含有製剤及びインプラントの特性評価
製剤及び成形インプラントの特性評価には、様々な分析技術を使用した。示差走査熱量測定(DSC)を使用して、インプラントの硬化速度を測定し、薬物の結晶特性に影響がないことを確認した。ウシの舌にインプラントを展開して、前立腺と同等の組織特性によるインプラントの適切な展開を評価した。展開についての方法は記載されている。溶出試験を使用して、インプラントからの薬物の溶出速度を評価した。粘度計を使用して、製剤についての粘度及び硬化プロファイルを評価し、使用したプロセスパラメータが硬化ロッドを成形することができることを確認した。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、含有量の均一性を確認し、薬物製剤及び成形ロッド中の不純物を評価した。模擬インビボ安定性アッセイを使用して、分解物がインプラントに侵入する能力を評価した。
示差走査熱量測定(DSC)
窒素フロー試料チャンバを備えたTA Instruments Model Q2000(V24.11 Build 124)DSC上で試料を実行した。試料は、約5~15mgの材料を密閉アルミニウムTゼロパンに充填することによって調製した。試料をDSCサンプラーに配置し、20℃~220℃の10℃/分の速度で窒素パージ(50mL/分)下で実行した。図2A~2Fは、開発中に生成されたDSCサーモグラムのセットを示す。未硬化シリコーン(図2A)のサーモグラムを、プロセス中の製剤混合物(図2C)及び成形ロッド(図2B及び2D)と比較すると、成形ロッドが完全に硬化され、APIが製剤中に混合されたことが示される。API単独についてのサーモグラム(図2E)と、45%w/wのAPI(図2F)及び60%w/wのAPI(図2D)における成形ロッドとを比較すると、APIについての融解範囲(191~193℃)に変化がないことを示され、APIの結晶構造が製剤化及び成形中に変化しなかった可能性が高いことが示された。
インプラント展開
薬物インプラントをイヌの前立腺に展開した。これまでに、イヌにおいて2つの前臨床試験が実施されており、これらの研究から得られたデータは、インプラントが前立腺に正常に移植され、少なくとも8週間前立腺内に残存することができることを示している(図3A~3C)。
溶出試験
溶出試験を実施して、成形インプラントのインビトロ性能を分析した。インプラントを、1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム(SDS)溶液中に入れ、溶出培地を定期的に交換した。APIの溶出液を、UV/Vis分光法又はHPLCにより、各時点で定量した。30%w/w、45%w/w、及び60%w/wのビカルタミド製剤についての溶出曲線と、約2年間の予測プロファイルとの比較を図4A~4Cに示す。
図4Dは、インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントからのビカルタミドの累積放出(μg/日)を示す。図4Eは、インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントからのビカルタミドの放出速度プロファイルを示す。図4Fは、60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの予測累積放出(ug/日)プロファイルを示し、インプラント内に、治療有効用量の薬物を2年間提供するのに十分な量のビカルタミドが充填されていることを実証する。点線は、インプラントに充填された薬物の総量(約8.4mg)を示す。
図4Gは、インビトロモデルにおいて60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントの累積放出プロファイルに対する年齢、保存条件、及び滅菌の影響を示す。図4Gは、インプラントの異なる保存条件、滅菌技術、及び年数が、インビトロモデルにおけるこれらのインプラントの累積放出プロファイルに影響を及ぼさないことを実証している。図4Hは、これらのインプラントからのビカルタミドの放出速度を示しており、インビトロモデルにおけるインプラントの異なる保存条件、滅菌技術、又は年数からの影響を受けないことを再び実証している。
模擬インビボ安定性アッセイ
模擬インビボ安定性を実施して、インプラント内の活性剤のインビボ安定性を分析した。0.05NのNaOH(ビカルタミドを分解することが知られている分解物)を含有する1%のSDS溶液中に、0%w/w、30%w/w、45%w/w、及び60%w/wのビカルタミドを含有するインプラントを約8時間、37℃で配置した。実験対照は、NaOHを含まない1%のSDS中の0%w/w、30%w/w、45%w/w、及び60%w/wのビカルタミドインプラント、並びにNaOHを含む及び含まない1%のSDS中のビカルタミド溶液を含んだ。溶出培地及びインプラントから抽出したビカルタミドを、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して分析した。結果は、ビカルタミド溶液を含む、NaOHを含有する全ての試料中のビカルタミド溶出液が分解を示したことを実証した(面積で25%~40%)(図5を参照のこと)。対照的に、抽出した試料について分解ピークは観察されなかった。したがって、インプラントは、NaOHがデバイスに侵入することを防止し、それによってインプラント内のビカルタミドを分解から保護した。
実施例3イヌの前立腺に移植された本開示の薬物インプラントの分析
この研究では、少なくとも15ヶ月齢の3匹のイヌを採用した。各イヌは、長さ15mm×直径0.95mmのロッドに60重量%のビカルタミド(約8.4mg)/Silbione Biomedical LSR D370シリコーンを含有する2つの活性インプラントデバイスを受容した。デバイスの移植には、18ゲージの近接照射療法針(OD 1.27mm)を使用した。臨床観察及び体重を記録した。血漿ビカルタミド濃度の決定及び臨床化学評価のために、頻繁な間隔で血液を採取した。55日間の観察後、動物を安楽死させ、全身剖検を行い、移植デバイスを回収し、組織(前立腺を含む)を採取し、組織病理学的検査及びビカルタミド定量を行った。
生きた動物の成分
外科的移植の間、複雑にしないように前立腺の各葉に単一のデバイスを配置した。デバイスの配置は、移植中並びに移植後1、7、14、及び28日の経直腸超音波によって確認された。外科的切開部位の周囲に軽度から中等度の腫脹が3匹全ての試験動物において観察され、これは抗炎症(カルプロフェン)治療で解消された。臨床化学的評価及びビカルタミド定量のために血液を採取した。55日間の観察中、試験動物は、試験デバイスからの苦痛又は有害作用の兆候を示さなかった。
全身剖検及び組織病理学的解釈
移植後55日目に、試験動物を安楽死させ、全身剖検を行った。剖検の間、試験デバイスに関連する病理は認められなかった。組織病理学的評価及びビカルタミド定量のために臓器をサンプリングした。前立腺をトリミングし、尿道に垂直な3つの切片:頭蓋(吻側)切片、3~5mmの横断面、及び尾側切片に切断した。吻側片から、インプラントを取り囲む2つの5mmパンチ生検を得て、吻側及び尾側切片の残りをそれぞれ4つの切片に分割し、ビカルタミド定量のために送付した。横断片の全体を組織病理学的評価のために送付した。
組織病理学的評価では、前立腺以外の組織にデバイス関連の病変は認められなかった。最小限の腎石灰化が観察されたが、試験イヌにおけるバックグラウンド所見と一致していると考えられた。前立腺、精巣、及び精巣上体は成熟しており、デバイス関連の病理は示されなかった。デバイスの管は見えず、線維性カプセル化も見られなかった。いくつかの動物では軽度の腺間線維症及びリンパ球浸潤が観察されたが、目的交配の試験イヌと一致したと見なされた。
血漿薬物定量
血漿総量、R-、及びS-ビカルタミドレベルは、3匹全ての試験動物にわたって同等であり、12~24ng/mLの間でピークに達した(図6A及び6B)。定常状態は、ほぼ4日目までに、総量、R-、及びS-ビカルタミドの平均中央レベルが、それぞれ、13.2±1.7、9.1±1.3、及び5.0±0.5に達し、55日目まで続いた。R-ビカルタミド対S-ビカルタミドの比は、およそ2:1であった。図6A及び6Bに示される血漿レベルは、経口用量についてマイクログラムであり、一方、スケールは、デバイス血漿レベルについてng/mLであることに留意されたい。
固形組織薬物定量
剖検中に採取した主要臓器及び前立腺関連組織において、ビカルタミドを定量した。ビカルタミドレベルは、除去した臓器(肝臓及び腎臓)、並びに試験及び肺で最も高かった。血漿所見と一致して、R-ビカルタミド対S-ビカルタミドの比は、約2:1であった。血漿レベルと比較して、平均蓄積は、肝臓においてのみ明らかであったが(総量、R-ビカルタミド及びS-ビカルタミドについて、13±2、9±1、及び5±1ng/gに対して47±16、28±9、及び19±7ng/g)、前立腺曝露と比較して非常に低かった。
前立腺薬物定量
前立腺ビカルタミドの定量では、総量、R-ビカルタミド及びS-ビカルタミドの腺全体のレベルは、それぞれ、172±21、86±10、及び87±11ng/gであった。デバイスインプラント周囲の直径5mmのパンチ生検では、それぞれ、平均で1426±501、698±242、及び727±259ng/gの総量、R-ビカルタミド及びS-ビカルタミドが得られた(図7A及び7B)。血漿及び他の臓器とは異なり、前立腺におけるR-ビカルタミド及びS-ビカルタミドの比は、およそ1:1であった。図8に見られるように、R-ビカルタミドのレベルは、前立腺にわたって溶出を示す1象限当たりの平均(黒色の数字)で、インプラント周囲よりも高かった(円の中の赤色の数字)。
試験の概要
この試験では、前立腺に60重量%のビカルタミドデバイスを2つ移植した場合のイヌにおける安全性、毒性、及びビカルタミドの組織分布を評価することを目的とした。この試験の生きた動物の部分では、有意な安全性又は毒性所見は観察されなかった。一貫して、主要臓器及び前立腺関連組織の肉眼的及び組織病理学的分析では、前立腺へのビカルタミド送達を損なう可能性がある、異物反応を含む、試験デバイスに寄与する病変は認められなかった。血漿、臓器、及び前立腺におけるビカルタミドレベルの比較により、有意に大きな局所(例えば、前立腺)曝露を達成したことが示された。活性型R-ビカルタミド異性体について達成された前立腺全体のレベル(84.6±10.1ng/g又は196.6±23.5nM)は、無細胞アンドロゲン結合試験においてアンドロゲン受容体を阻害するのに十分である(IC50約190nM)。デバイスから約5mm以内の前立腺組織は、前立腺がん細胞を阻害することが示されたR-ビカルタミドレベル(698±242ng/g又は1623±562nM)に達した(IC50約1000nM)。前立腺に見られるR-ビカルタミド及びS-ビカルタミド(約1:1)の均等分布は、デバイス内の異性体製剤が約1:1であるため、全身再循環ではなく、デバイス送達を支持し、一方、肝代謝は、このイヌモデルにおいて2:1の全身比をもたらす。
前立腺を3つの断片に分割して、組織病理学を評価する能力を維持しながら、ビカルタミド送達のより徹底的な評価を可能にした。前立腺の比較的薄い横断面に限定されるが、この中央に配置されたスライスは、移植されたデバイスと接触しているか、又は近接しているため、組織に対するデバイス及び送達されたビカルタミドの影響の組織病理学的分析を可能にする。更に、組織病理学のために前立腺の中心横断面を送付したところ、前立腺全体のビカルタミドレベルへのその寄与は含まれなかった。これは、デバイスからより離れていた腺の他の部分(例えば、尾側片)よりも、このデバイスの近位部分の方が平均レベルが高い可能性があったため、腺全体のビカルタミドを過小評価する結果となる可能性が高い。
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され記載されているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明白であろう。本開示から逸脱することのない、多くの変形、変化、及び置換が当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本開示の実施形態に対する様々な代替案が、本開示の実施に用いられ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内の方法及び構造は、特許請求の範囲によって含まれることが意図される。

Claims (48)

  1. 液体シリコーンゴムマトリックス中に分散されたビカルタミドであって、
    前記液体シリコーンゴムマトリックスが、少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有し、
    インプラントが、少なくとも30%w/wの量で前記ビカルタミドを含み、
    前記ビカルタミドが、15ミクロン未満のD90を有し、
    前記液体シリコーンゴムマトリックスが、前立腺組織又は前立腺近傍の組織への前記インプラントの移植後、少なくとも6ヶ月間、0.1μg/日~95μg/日の速度でビカルタミドを放出する、ビカルタミド。
  2. 前記ビカルタミドが、固体形態である、請求項1に記載のインプラント。
  3. 前記インプラントの容積が、少なくとも10mmである、請求項1又は2に記載のインプラント。
  4. 前記インプラントの長さが、少なくとも1mmである、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  5. 前記インプラントの長さが、少なくとも3mmである、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  6. 前記インプラントの直径が、少なくとも0.1mmである、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  7. 前記インプラントの直径が、少なくとも0.8mmである、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  8. 前記インプラントが、シースを欠く、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  9. インプラントごとの前記ビカルタミドの総用量が、少なくとも1mgである、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  10. 前記ビカルタミドが、10ミクロン未満の中央粒径を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  11. 前記インプラントが、針又はカテーテルの管腔を介して前記前立腺組織又は前記前立腺近傍の前記組織に送達されるように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  12. 前記液体シリコーンゴムマトリックス及び前記液体シリコーンゴムマトリックス中に分散された前記ビカルタミドから本質的になる、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  13. 前記インプラントが、約30%w/wの量で前記ビカルタミドを含み、60日目の1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム(SDS)溶液中の前記ビカルタミドの累積放出が、500μg未満である、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  14. 前記インプラントが、約45%w/wの量で前記ビカルタミドを含み、60日目の1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム(SDS)溶液中の前記ビカルタミドの前記累積放出が、700μg未満である、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  15. 前記インプラントが、約60%w/wの量で前記ビカルタミドを含み、60日目の1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム(SDS)溶液中の前記ビカルタミドの前記累積放出が、2000μg未満である、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラント。
  16. 前立腺肥大症及び前立腺がんの治療を必要とする対象におけるそれらを治療する方法であって、前記方法が、先行請求項のいずれか一項に記載のインプラントを、前記対象の前立腺組織又は前立腺近傍の組織に送達し、それによって前記対象を治療することを含む、方法。
  17. 薬物/ポリマー複合前立腺インプラントであって、
    少なくとも30デュロメーターのショアA硬度を有するシリコーンゴムマトリックスと、
    少なくとも30%w/wの量で前記シリコーンマトリックス中に分散された15ミクロン未満のD90を有するビカルタミドと、を含み、前記前立腺インプラントが、対象への移植後6ヶ月で、0.1μg/日~10μg/日の前記ビカルタミドを放出する、薬物/ポリマー複合前立腺インプラント。
  18. 前記ビカルタミドが、固体形態である、請求項17に記載の前立腺インプラント。
  19. 前記固体形態が、10ミクロン未満の中央粒径を有する、請求項18に記載の前立腺インプラント。
  20. 前記シリコーンが、ビカルタミドの融点未満の硬化温度を有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  21. 前記ビカルタミドの少なくとも50%が、移植から100日後に前記シリコーンマトリックス中に残存する、請求項17~20のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  22. 前記シリコーンゴムマトリックスが、液体シリコーンゴムである、請求項17~21のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  23. 前記前立腺インプラントの容積が、少なくとも10mmである、請求項17~22のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  24. 前記前立腺インプラントの長さが、1mm~30mmである、請求項17~23のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  25. 前記前立腺インプラントの長さが、5mm~25mmである、請求項17~24のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  26. 前記前立腺インプラントの直径が、0.1mm~1.5mmである、請求項17~25のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  27. 前記ビカルタミドが、少なくとも40%w/wの量で前記ポリマーマトリックス中に分散されている、請求項17~26のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  28. 前記ポリマーマトリックスの外面の少なくとも50%が、コーティングされていない、請求項17~27のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  29. 前記前立腺インプラントが、針のカニューレを使用して送達可能である、請求項17~28のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  30. 前記ポリマーマトリックス及び前記ポリマーマトリックス中に分散された前記ビカルタミドから本質的になる、請求項17~29のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  31. 前記ビカルタミドが、結晶形態である、請求項17~30のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  32. 前記ビカルタミドが、固体の非晶質形態である、請求項17~31のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  33. 前記前立腺インプラントポリマーマトリックスの前記外面が、コーティングされている、請求項17~32のいずれか一項に記載の前立腺インプラント。
  34. 前立腺がん又は良性前立腺肥大症を治療する方法であって、前記方法が、1つ以上のインプラントを、前立腺組織又は前立腺近傍の組織に移植することを含み、前記1つ以上のインプラントの各々が、液体シリコーンゴムマトリックス中に分散された15ミクロン未満のD90を有するビカルタミドを含み、前記インプラントが、少なくとも30%w/wの量で前記ビカルタミドを含み、前記1つ以上のインプラントの各々が、少なくとも6ヶ月間、0.1μg/日~95μg/日の速度で、ビカルタミドを前記前立腺に放出する、方法。
  35. 前記移植することが、前記1つ以上のインプラントの各インプラントを、針又はカテーテルの管腔を介して前記前立腺組織又は前記前立腺近傍の前記組織に展開することを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記移植することが、経会陰投与によって行われる、請求項34又は35に記載の方法。
  37. 前記シリコーンマトリックスが、実質的に生分解性ではない、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記移植することが、5μg/mL未満の(R)-ビカルタミドの定常状態の血漿濃度をもたらす、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記移植することが、少なくとも3つのインプラントの経会陰移植を含む、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記1つ以上のインプラントの各々が、少なくとも10mm3の容積を有する、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記インプラントが、45%w/wの量で前記ビカルタミドを含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記インプラントが、60%w/wの量で前記ビカルタミドを含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 55日目の前記前立腺におけるビカルタミドの総量が、100ng/g~1000ng/gである、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記前立腺におけるビカルタミドの総量が、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、膀胱、尿道、精巣、又は精巣上体におけるビカルタミドの総量よりも多い、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前立腺がん又は良性前立腺肥大症を治療する方法であって、前記方法が、1つ以上のインプラントを前立腺組織又は前立腺近傍の組織に移植することを含み、前記1つ以上のインプラントの各々が、シリコーンマトリックス中に分散された少なくとも30%w/wの量のビカルタミドを含み、対象に投与される前記ビカルタミドの総用量が、6ヶ月の期間にわたって100mg未満である、方法。
  46. 前記移植することが、前記1つ以上のインプラントの各インプラントを、針又はカテーテルの管腔を介して前記前立腺組織又は前記前立腺近傍の組織に展開することを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記インプラントが、45%w/wの量で前記ビカルタミドを含む、請求項45又は46に記載の方法。
  48. 前記インプラントが、60%w/wの量で前記ビカルタミドを含む、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
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