JP2023507110A - Ilt3結合剤及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、ヒトILT3を含めたILT3に特異的に結合する結合剤、例えば、抗体、ならびに該結合剤を含む組成物、及びそれらの使用方法を提供する。本開示はまた、該結合剤をコードする関連するポリヌクレオチド及びベクターならびに該結合剤を含む細胞も提供する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月19日に出願された米国仮出願第62/950,434号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本開示は、概して、免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に結合する薬剤、特にヒトILT3に結合する抗体、及び該ILT3結合剤を含む組成物、ならびに該薬剤及び組成物を使用する方法に関する。
免疫療法の基礎は、自然免疫反応及び適応免疫反応の両方を含めた免疫系の操作及び/または調節である。免疫療法の一般目標は、「外来物質」、例えば、病原体または腫瘍細胞に対する免疫反応を制御することによって疾患を治療することである。しかしながら、場合によっては、免疫療法は、体内に通常存在するタンパク質、分子、及び/または組織に対する異常な免疫反応から生じ得る自己免疫疾患を治療するために使用される。免疫療法には、特定の免疫反応を誘導もしくは増強するための方法または特定の免疫反応を阻害または低減する方法が含まれ得る。
免疫系は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、抗原提示細胞、樹状細胞、単球、及びマクロファージが挙げられるがこれらに限定されない、多数の細胞型で構成される非常に複雑な系である。これらの細胞は、それらの相互作用及び反応を制御するための複雑かつ繊細な系を備えている。該細胞は、活性化及び抑制の両機構ならびにフィードバックループを使用して反応を抑制し、無制御免疫反応の悪影響(例えば、自己免疫疾患またはサイトカインストーム)を認めない。
免疫系の抑制機構のいくつかは、白血球Ig様受容体(LILR)ファミリーのタンパク質を使用する。白血球Ig様受容体サブファミリーB(LILRB)は、細胞外Ig様ドメイン及び細胞質免疫受容抑制性チロシンモチーフ(ITIM)を有するI型膜貫通型糖タンパク質のグループである。このITIMを含む受容体のグループには、5つのメンバー、すなわち、LILRB1(CD85J、LIR1、ILT2とも呼ばれる)、LILRB2(CD85D、LIR2、ILT4とも呼ばれる)、LILRB3(CD85A、LIR3、ILT5とも呼ばれる)、LILRB4(CD85K、LIR5、ILT3とも呼ばれる)、及びLILRB5(CD85C、LIR8とも呼ばれる)が含まれる。これらのLILRB(ILT)の多くの生物学的機能及び臨床的意義はまだ調査中である。
がんの免疫監視の概念は、免疫系が腫瘍細胞を認識し、免疫反応を開始し、腫瘍の発生及び/または成長を抑制することができるという理論に基づいている。しかしながら、多くのがん性細胞は、免疫系を回避するための機構を発達させ、及び/または正常な抑制機構を乗っ取り、腫瘍を無抑制に成長させることができることは明らかである。がん/腫瘍免疫療法(がん免疫療法)は、免疫系を活性化及び/または増強して、がん/腫瘍細胞に対するより効果的な攻撃を達成し、がん/腫瘍細胞の死滅を増加させること及び/またはがん/腫瘍成長を抑制することができる新たな新規薬剤の開発に焦点を当てている。
本開示は、免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に結合する薬剤を提供する。LILRBファミリーのメンバーは、出版物では多くの名前で呼ばれているが、本明細書では、「ILT3」(LILRB4)という用語を使用する。該薬剤としては、ポリペプチド、例えば、ILT3に特異的に結合する抗体が挙げられるが、これらに限定されない。該薬剤は、本明細書では「ILT3結合剤」と呼ばれることがある。本開示は、ILT3結合剤を製造及び使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3活性を阻害する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、免疫反応を増強する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、免疫細胞の抑制を逆転する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、併用療法で使用される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、少なくとも1つのさらなる治療薬と組み合わせて使用される。
本開示はまた、本明細書に記載のILT3結合剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む医薬組成物を提供する。ILT3結合剤をコードするポリヌクレオチド及び/またはベクターを提供する。本明細書に記載のポリヌクレオチド及び/またはベクターを含む細胞もまた提供する。本明細書に記載のILT3結合剤を含むまたは産生する細胞を提供する。本明細書に記載の結合剤を製造する方法もまた提供する。
1つの態様では、本開示は、ヒトILT3に結合し、フィブロネクチンに対するヒトILT3の結合を阻害する抗体を特徴とする。場合によっては、この抗体は、以下の特性の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12)を任意の組み合わせまたは配列で有する:cyno ILT3にも結合する;ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しないか、またはわずかに結合するのみである(ILT3と比較して);LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しないか、またはわずかに結合するのみである(ILT3と比較して);ILT3アンタゴニストである;ILT3活性を阻害する;ILT3を発現する細胞のILT3シグナル伝達を阻害する;ILT3のAPOEへの結合を阻害する;ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する;ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する;ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する;ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する;及びILT3を発現する骨髄細胞におけるケモカイン産生を回復する。場合によっては、この抗体は、ヒトILT3に対するKが、1μM~1pM、1nM~1pM、または100nM~1pMである(例えば、Biacoreによる評価)。場合によっては、この抗体は、ヒトIgG1定常領域を含む。場合によっては、この抗体は、ヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。場合によっては、この抗体は、ヒトIgG1定常領域及びヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。ある特定の場合には、該ヒトIgG1定常領域は、Fcエフェクター機能を低減または排除する1つ以上の変異を含む。ある特定の場合には、該ヒトIgG1定常領域は、エフェクター機能を低減するN297Gの変異を含む。場合によっては、この抗体は、ILT3結合抗体断片である。
1つの態様では、本開示は、ILT3に結合する薬剤を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトILT3に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤はカニクイザル(「cyno」)ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトILT3及びcyno ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、及び/または配列番号5に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び/または配列番号10に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトILT3に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、cyno ILT3に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトILT3及びcyno ILT3に結合する抗体である。
いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3の細胞外ドメイン内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号1のアミノ酸22~259内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号1のアミノ酸27~118内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号1のアミノ酸124~218内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号1のアミノ酸27~218内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、配列番号1のアミノ酸124~259内に結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3の細胞外ドメイン内のコンフォメーションエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3のIg様C2型ドメインの1つ(例えば、D1またはD2ドメイン)内のコンフォメーションエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、2つのILT3のIg様C2型ドメイン(D1及びD2ドメイン)内のコンフォメーションエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3のD2ステム領域内のコンフォメーションエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3のD1ドメインとD2ドメインとの間(例えば、D1ドメインとD2ドメインとの間の接合部)に位置するコンフォメーションエピトープに結合する。
1つの態様では、本開示は、ヒトILT3に結合し、以下の特性の少なくとも1つ以上を有する薬剤を提供する:(i)cyno ILT3に結合する、(ii)ヒト及びcyno ILT3に結合する、(iii)ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しない、(iv)LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しない、(v)ILT3アンタゴニストである、(vi)ILT3活性を阻害する、(vii)ILT3を発現する細胞におけるILT3シグナル伝達を阻害する、(viii)ILT3のAPOEに対する結合を阻害する、(ix)ILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する、(x)ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する、(xi)ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する、(xii)ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する、(xiii)ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する、及び(xiv)ILT3を発現する骨髄細胞におけるケモカイン産生を回復または増加させる。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、寛容原性樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、抗原提示細胞(APC)である。
1つの態様では、本開示は、ヒトILT3に特異的に結合する薬剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ILT3結合剤(例えば、抗体)を提供し、該結合剤は、以下を含む:(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)または1つの置換(例えば、5位のメチオニンから別のアミノ酸(例えば、チロシン))を有する配列番号29を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)または1つもしくは2つの置換(例えば、7位のアスパラギン酸から別のアミノ酸(例えば、グルタミン酸)及び/または11位のアスパラギンから別のアミノ酸(例えば、セリン))を有する配列番号30を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、ならびにアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号27~32と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号27、28、105、106、31及び32と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)配列番号111(5A7)または配列番号123(Hz5A7.v5)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域、及び/または(b)配列番号112(5A7)または配列番号124(Hz5A7.v5)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号111に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号112に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号124に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号111の重鎖可変領域及び/または配列番号112の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号111の重鎖可変領域及び配列番号112の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123の重鎖可変領域及び/または配列番号124の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123の重鎖可変領域及び配列番号124の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号112のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号124のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号112のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号124のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号112のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号124のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号112のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号124のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126の重鎖及び/または配列番号128の軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126の重鎖及び配列番号128の軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むモノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、Hz5A7.v5のVH CDR及び配列番号126と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する重鎖、及び/またはHz5A7.v5のVL CDR及び配列番号128と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する重鎖、及び配列番号128と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する重鎖、及び配列番号128と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%)同一のアミノ酸配列を有する軽鎖を含むモノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態では、配列番号156~160のいずれか1つに記載のHz48A6の重鎖可変領域または配列番号162~163のいずれか1つに記載のHz45G10の重鎖可変領域は、配列番号129に追加される。ある特定の実施形態では、配列番号156~160のいずれか1つに記載のHz48A6の重鎖可変領域または配列番号162~163のいずれか1つに記載のHz45G10の重鎖可変領域は、エフェクター機能を排除するためにN297Gの変異が配列番号129に導入されることを除いて、配列番号129に追加される。
いくつかの実施形態では、配列番号161に記載のHz48A6の軽鎖可変領域または配列番号164に記載のHz45G10の軽鎖可変領域は、配列番号135に追加される。他の実施形態では、配列番号161に記載のHz48A6の軽鎖可変領域または配列番号164に記載のHz45G10の軽鎖可変領域は、配列番号136に追加される。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号11~16と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号110に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号109の重鎖可変領域及び/または配列番号110の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109の重鎖可変領域及び配列番号110の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号110のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号109のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号110のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号110のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号109のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号110のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号43~48と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号114に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号113の重鎖可変領域及び/または配列番号114の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113の重鎖可変領域及び配列番号114の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号114のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号113のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号114のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号114のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号113のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号114のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号43、59、60、61、62、及び63と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号116に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号115の重鎖可変領域及び/または配列番号116の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115の重鎖可変領域及び配列番号116の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号116のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号115のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号116のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号116のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号115のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号116のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号71~76と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号118に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号164に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号163に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号164に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号117の重鎖可変領域及び/または配列番号118の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117の重鎖可変領域及び配列番号118の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号162の重鎖可変領域及び/または配列番号164の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162の重鎖可変領域及び配列番号164の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号163の重鎖可変領域及び/または配列番号164の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号163の重鎖可変領域及び配列番号163の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号118のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号117のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号118のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号118のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号117のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号118のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号27、87、88、89、90及び91と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号120に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号157に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号158に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号159に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号160に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号119の重鎖可変領域及び/または配列番号120の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119の重鎖可変領域及び配列番号120の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号156の重鎖可変領域及び/または配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156の重鎖可変領域及び配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号157の重鎖可変領域及び/または配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号157の重鎖可変領域及び配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号158の重鎖可変領域及び/または配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号158の重鎖可変領域及び配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号159の重鎖可変領域及び/または配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号159の重鎖可変領域及び配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号160の重鎖可変領域及び/または配列番号161の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号160の重鎖可変領域及び配列番号161の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号120のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号119のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号120のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号120のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号119のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号120のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号71、99、73、100、75、及び76と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖及び軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号122に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%)の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、配列番号121の重鎖可変領域及び/または配列番号122の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121の重鎖可変領域及び配列番号122の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号122のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号121のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または配列番号122のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121のアミノ酸配列から重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号122のアミノ酸配列から軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号121のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号122のアミノ酸配列からのCDR1、CDR2、及びCDR3と実質的に同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本開示の別の態様では、本明細書に提供するのは、ILT3に対する結合をめぐって本明細書に記載のILT3結合剤のいずれかと競合する結合剤(例えば、抗体)である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供するのは、ILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合する薬剤であり、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供するのは、ILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合する結合剤であり、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含み、該参照抗体と競合する薬剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3、ならびに(b)アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む。
前述の態様及び実施形態の各々のいくつかの実施形態、ならびに本明細書に記載の他の態様及び実施形態では、ILT3結合剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、キメラ抗体である(すなわち、該抗体の可変領域は1つの種に由来し、該抗体の定常領域は異なる種に由来する)。いくつかの実施形態では、該抗体は、全抗体またはインタクトな抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、二重特異性抗体または多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、該抗体または抗体断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、scFv、(scFv)、単鎖抗体、二重可変領域抗体、単一可変領域抗体、線状抗体、ダイアボディ、ナノボディ、またはV領域抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、またはIgG4抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、カッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、ラムダ軽鎖を含む。
前述の態様及び実施形態の各々のいくつかの実施形態、ならびに本明細書に記載の他の態様及び実施形態では、ILT3結合剤は、半減期を延長する部分に(直接または間接的に)結合する。
前述の態様及び実施形態の各々のいくつかの実施形態、ならびに本明細書に記載の他の態様及び実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3のアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3活性を阻害する。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、ILT3が誘導する免疫細胞抑制を阻害する抗体である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、ILT3が誘導する骨髄細胞抑制を阻害する抗体である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、寛容原性樹状細胞を再活性化する抗体である。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の抗ILT3抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のモノクローナル抗ILT3抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、3A3、5A7、Hz5A7.v5、12A12、16C5、45G10、48A6、Hz45G10、Hz48A6、及び53F10からなる群から選択される抗ILT3抗体を含む。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の抗ILT3抗体及び医薬的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のモノクローナル抗ILT3抗体及び医薬的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、3A3、5A7、Hz5A7.v5、12A12、16C5、45G10、48A6、Hz45G10、Hz48A6、及び53F10からなる群から選択される抗ILT3抗体ならびに医薬的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、3A3、5A7、Hz5A7.v5、12A12、16C5、45G10、48A6、Hz45G10(実施例15に記載の2つのヒト化Hz45G10抗体のいずれか)、Hz48A6(実施例15に記載の5つのヒト化Hz48A6抗体のいずれか)、及び53F10からなる群から選択される抗ILT3抗体のVHCDR1、VHCDR2、及びVHCDR3を含む重鎖可変領域ならびに3A3、5A7、Hz5A7.v5、12A12、16C5、45G10、48A6、Hz45G10(実施例15に記載の2つのヒト化Hz45G10抗体のいずれか)、Hz48A6(実施例15に記載の5つのヒト化Hz48A6抗体のいずれか)、及び53F10からなる群から選択される抗ILT3抗体のVLCDR1、VLCDR2、及びVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む抗ILT3抗体、ならびに医薬的に許容される担体を含む。
前述の態様の各々のいくつかの実施形態、ならびに本明細書の他の場所に記載の他の態様及び/または実施形態では、該ILT3結合剤は、単離される。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、実質的に純粋である。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、該1つ以上のポリヌクレオチド(複数可)は単離される。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、単離された細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、単離された細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含むベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、モノクローナル細胞株である。いくつかの実施形態では、該細胞は、ハイブリドーマである。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む組成物を使用することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む医薬組成物を使用することを含む。
いくつかの実施形態では、リガンド及び/または結合パートナーに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞の混合物に含まれるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞の混合物に含まれるAPOEに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞の混合物に含まれるCNTFRに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、対象におけるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるAPOEに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるCNTFRに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞の混合物におけるフィブロネクチンが誘導するILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該骨髄細胞におけるFcR活性を回復させる。いくつかの実施形態では、ILT3が誘導する骨髄活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該骨髄細胞におけるケモカイン/サイトカイン産生を回復させる。いくつかの実施形態では、ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、細胞増殖活性を回復させる。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、寛容原性樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、APCである。
いくつかの実施形態では、対象におけるフィブロネクチンが誘導するILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、骨髄細胞におけるFcR活性を回復させ、及び/または骨髄細胞におけるケモカイン/サイトカイン産生を回復させる。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、寛容原性樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、抗原提示細胞(APC)である。
いくつかの実施形態では、対象におけるがんの治療方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤の投与により、例えば、ILT3とフィブロネクチン、APOEまたはCNTFR間の相互作用が遮断されることによって、腫瘍関連抑制性骨髄細胞が刺激/活性化され、免疫反応、例えば、抗腫瘍T細胞反応が増加し、ひいては、該対象におけるがん/腫瘍に対する免疫反応が活性化される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤の投与により、抑制性腫瘍微小環境におけるILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用が遮断され、骨髄細胞、例えば、寛容原性樹状細胞が再プログラム化/刺激される。結果として、これにより、該骨髄細胞によるT細胞動員ケモカインの分泌が増加し、該腫瘍微小環境において骨髄細胞がT細胞の増殖及びサイトカイン分泌を誘導する能力が増加する。いくつかの実施形態では、該がんは、乳癌、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、皮膚癌、メラノーマ、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、腸癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、膀胱癌、脳癌、食道癌、肝臓癌、腎臓癌、または精巣癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、膵臓癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、卵巣癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、肉腫である。いくつかの実施形態では、該がんは、血液癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、該骨髄性のがんは、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、該骨髄性のがんは、慢性骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、該がんは、骨髄異形成症候群である。骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄の未熟な血球が成熟しないため、健康な血球にならないがんのグループである。いくつかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、AMLに発展する。いくつかの実施形態では、該がんまたは該がんが存在する微小環境は、フィブロネクチンが豊富である。いくつかの実施形態では、該がんまたは該がんが存在する微小環境は、非がん性の対応部分よりフィブロネクチンの発現が高い。いくつかの実施形態では、該がんの腫瘍微小環境は、フィブロネクチンの発現レベルが高い。いくつかの実施形態では、該がんは、ILT3を発現する。いくつかの実施形態では、該がんは、ILT3を発現するある特定のタイプのB細胞白血病またはリンパ腫である。
いくつかの実施形態では、対象における腫瘍成長を阻害する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する免疫反応を増大または増強する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する持続的または長期にわたる免疫反応を活性化または増強する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する持続的または長期にわたる免疫を誘導する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、膵臓腫瘍、***腫瘍、肺腫瘍、頭頸部腫瘍、結腸直腸腫瘍、前立腺腫瘍、皮膚腫瘍、メラノーマ腫瘍、胃腫瘍(stomach tumor)、胃腫瘍(gastric tumor)、腸腫瘍、卵巣腫瘍、頸部腫瘍、子宮腫瘍、子宮内膜腫瘍、膀胱腫瘍、脳腫瘍、食道腫瘍、肝臓腫瘍、腎臓腫瘍、精巣腫瘍、肉腫、または血液腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、骨髄異形成症候群から生じる。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、ILT3を発現する。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、ILT3を発現するある特定のタイプのB細胞白血病またはリンパ腫である。
いくつかの実施形態では、腫瘍を有する対象において、骨髄細胞を、例えば、腫瘍微小環境で活性化する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、初代樹状細胞または寛容原性樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球またはマクロファージである。いくつかの実施形態では、対象における寛容原性樹状細胞を再活性化する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該寛容原性樹状細胞は、腫瘍微小環境に見出される。
さらに別の態様では、本開示は、ヒト対象におけるがんを治療する方法を提供する。該方法は、該ヒト対象に対して、本明細書に記載の抗体または医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。場合によっては、該がんまたは該がんが存在する微小環境は、フィブロネクチンが豊富である。いくつかの実施形態では、該がんまたは該がんが存在する微小環境は、非がん性の対応部分よりフィブロネクチンの発現が高い。いくつかの実施形態では、該がんの腫瘍微小環境は、フィブロネクチンの発現レベルが高い。いくつかの実施形態では、該がんは、ILT3を発現する。ある特定の場合には、該がんは、膵臓癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、皮膚癌、メラノーマ、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、腸癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、膀胱癌、脳癌、食道癌、肝臓癌、腎臓癌、肉腫もしくは精巣癌、血液癌、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、または骨髄異形成症候群である。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、併用療法の一部として対象に投与される。いくつかの実施形態では、該併用療法は、少なくとも1つのさらなる治療薬を含む。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の結合剤または抗体及び抗PD-1抗体を含む組み合わせを提供する。別の態様では、本開示は、ヒトILT-3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段及び抗PD-1抗体を含む組み合わせを提供する。ILT-3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段は、本明細書に記載の抗体である。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の抗体及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を特徴とする。がんの治療用の薬剤の製造における、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)の使用もまた開示する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤の使用は、がんの治療用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤の使用は、腫瘍増殖の阻害用である。
別の態様では、本開示は、ヒトILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を特徴とする。場合によっては、ヒトILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段は、抗ヒトILT3抗体である。ある特定の場合には、該抗体は、重鎖可変領域のVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3ならびに軽鎖可変領域のVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、該重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号123及び124、配列番号156及び161、配列番号157及び161、配列番号158及び161、配列番号159及び161、配列番号160及び161、配列番号162及び164、または配列番号163及び164。場合によっては、該抗体は、重鎖可変領域のVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3ならびに軽鎖可変領域のVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、該重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む:配列番号123及び124、配列番号156及び161、配列番号157及び161、配列番号158及び161、配列番号159及び161、配列番号160及び161、配列番号162及び164、または配列番号163及び164。
前述の態様及び実施形態の各々のいくつかの実施形態、ならびに本明細書に記載の他の態様及び実施形態では、該対象は、ヒトである。
本開示の態様または実施形態がマルクーシュ群または他の選択肢の集団に関して記載される場合、本開示は、全体として記載される群全体だけでなく、個別に該群の各メンバー及び該主群のすべての可能な下位群、ならびに該群の1つ以上のメンバーを欠く該主群もまた包含する。本開示はまた、特許請求される開示における該群のメンバーのいずれかの1つ以上の明確な除外もまた想定している。
抗ILT3抗体及びLILRB発現細胞によるFACSスクリーニングの代表的な結果を示す。
抗ILT3抗体及びLILRA発現細胞によるFACSスクリーニングの代表的な結果を示す。
レポーター細胞アッセイ-ILT3とLX-2細胞の相互作用。LX-2細胞のバルク培養物を、基本培地または活性化培地で3日間培養した。処理及び未処理のLX-2細胞を回収し、洗浄した。2x10個のLX-2細胞を、(i)受容体を含まないレポーター細胞、(ii)B7-H4細胞外ドメインを含むレポーター細胞、または(iii)ILT3細胞外ドメインを含むレポーター細胞を含む4x10個のレポーター細胞と共培養した。細胞を、10%FBSを含むRPMI1640中、37℃で終夜インキュベートした。これらのレポーター細胞は、分析時にLX-2細胞と区別するために、CellTracker Deep Redで予め染色した。翌日、レポーター細胞をFACSによってGFP発現についてアッセイした。
免疫沈降及びゲル電気泳動を使用したILT3リガンドの同定。免疫沈降は、プロテインGダイナビーズを製造業者の指示に従って使用して行った。10μgのILT3ECD-Fcまたは対照のヒトFcを、50μlの磁性ダイナビーズに4℃で30分間結合させた。上清を除去し、未処理または活性化LX-2細胞からのタンパク質溶解物を加えた。各処理条件について、約615μgのタンパク質を含む溶解物をダイナビーズ複合体に加え、穏やかに回転させながら4℃で終夜インキュベートした。タンパク質溶解物を除去し、ダイナビーズを200μlの溶解緩衝液で3回、1回の洗浄あたり5分間洗浄した。タンパク質ローディング緩衝液、還元剤、及び溶解緩衝液を15:4:1の比で含む50μlの溶出緩衝液をダイナビーズに加えた。タンパク質を95℃で5分間溶出し、サンプル(各タンパク質溶出液10μl)をポリアクリルアミド電気泳動ゲルで泳動した。目的のバンドを同定するため、PlusOne Silver染色キット(GE Healthcare)を製造業者の指示に従って使用し、銀染色分析を行った。ゲルを、Gel Doc(商標)EZシステム(Bio-Rad)を使用して画像化した。
レポーター細胞アッセイ-ILT3とフィブロネクチンの相互作用。96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、5μg/mLのヒトFcタンパク質(R&D Systems)、血漿由来フィブロネクチン(Millipore)、または組み換えフィブロネクチン(R&D Systems)を含むPBSで、室温にて2時間コーティングした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。B7-H4細胞外ドメイン、LAIR1細胞外ドメイン、またはILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(本明細書では実施例5に記載)(1x10細胞/ウェル)をコーティングしたウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
ILT3とフィブロネクチンの相互作用の抗体阻害。96ウェルMaxisorpプレートを、5μg/mLの血漿由来フィブロネクチンを含むPBSで室温にて1時間コーティングした。コーティング後、アイソタイプ対照抗体、抗ILT3抗体16C5、抗フィブロネクチン抗体F14(ウサギモノクローナル抗体)、または抗フィブロネクチン抗体PA5(ウサギポリクローナル抗体)を最終濃度5または20μg/mLでそのウェルに加えた。ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
ILT3とフィブロネクチンの相互作用の抗体阻害。96ウェルMaxisorpプレートを、5μg/mLの血漿由来フィブロネクチンで室温にて1時間コーティングした。コーティング後、アイソタイプ対照抗体、抗ILT3抗体16C5、または抗ILT3抗体ch5A7を、66nM~.0002nMに及ぶ6倍希釈でそのウェルに加えた。次に、ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
フィブロネクチン構造の代表的な図である。
フィブロネクチンのILT3結合部位を特定するためのレポーター細胞アッセイ。96ウェルMaxisorpプレートを、完全長フィブロネクチンまたはフィブロネクチン断片でコーティングした。これらのプレートを室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
フィブロネクチンのILT3結合部位を同定するためのレポーター細胞アッセイ。フィブロネクチン断片を調製し、完全長フィブロネクチンも同様に、96ウェルMaxisorpプレートにコーティングした。これらのプレートを室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
THP-1細胞におけるFcRが誘導する活性化。96ウェルMaxisorpプレートを、フィブロネクチン5μg/mLならびに抗KLH抗体0、1、5、及び10μg/mLで同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。THP-1またはTHP-1 ILT3-KO細胞(2x10細胞/ウェル)をこれらのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。無細胞培養上清を回収し、IL-8をLiminexアッセイによって測定した。IL-8を、FcR刺激なしのTHP-1細胞のものに対して正規化した。
THP-1細胞におけるFcRが誘導する活性化。図12A.96ウェルMaxisorpプレートを、フィブロネクチン及び抗KLH抗体で同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。THP-1またはTHP-1 ILT3-KO細胞(2x10細胞/ウェル)を、抗ILT3抗体16C5(5μg/mL)または抗KLH抗体の存在下、それらのウェルに加えた。それらのプレートを37℃で終夜インキュベートし、無細胞培養上清を回収し、IL-8をLiminexアッセイによって測定した。図12B.ヒト単球を、凍結保存末梢血単核細胞から単離した。樹状細胞を生成するため、単球を2x10細胞/mLにて、ヒトGM-CSF及びヒトIL-4を含むX-VIVO(商標)15培地にプレーティングし、5~7日間培養した。96ウェルMaxisorpプレートを、フィブロネクチン及び抗KLH抗体で同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。樹状細胞(2x10細胞/ウェル)を、抗ILT3抗体16C5または抗KLH抗体の存在下、それらのウェルに加えた。これらのプレートを37℃で終夜インキュベートし、無細胞培養上清を回収し、TNF-αをLuminexアッセイによって測定した。図12C.96ウェルMaxisorpプレートをフィブロネクチン及び抗KLH抗体でコーティングした。プレートを室温で1時間インキュベートし、PBSで洗浄し、X-VIVO(商標)15培地で30分間ブロックした。樹状細胞を洗浄し、X-VIVO(商標)15培地に再懸濁し、抗ILT3抗体16C5、抗ILT3抗体ch5A7、または対照抗KLH抗体と室温で20分間インキュベートした。細胞をコーティングしたウェルにプレーティングし(7x10細胞/ウェル)、終夜インキュベートした。24時間後、LuminexアッセイによるTNFα産生の測定のために培地を回収した。
THP-1細胞におけるFcRが誘導する活性化。Nunc Maxisorpプレートを、ヒトフィブロネクチン及び抗KLH抗体で室温にて2時間、同時にコーティングした。プレートをX-VIVO(商標)15培地で30分間ブロックした後、細胞及び試験抗体を添加した。THP-1 Dual(商標)KI-mSTINGレポーター細胞を含むX-VIVO(商標)15培地(2x10細胞/mL)を、1:1の比で対照抗体、抗ILT3抗体16C5、または抗ILT3抗体ch5A7と混合した。その混合物を30分間インキュベートし、100μL/ウェルでプレートに播種し、そのプレートを終夜インキュベートした。レポーター活性を、25μLの培養上清と100μLのQuanti-Blue SEAP基質を混合し、そのサンプルを37℃で2時間インキュベートし、620nmでの吸光度を読み取ることによって測定した。
内因的に発現されたフィブロネクチンに対するILT3の結合。Detroit551細胞をポリ-D-リジンでコーティングした384ウェルプレートに6x10細胞/ウェルでプレーティングし、2日間インキュベートした。単分子層をMg2+及びCa2+を含むHBSSですすいだ。ILT3-ECD-Fcを、抗ILT3抗体16C5、抗ILT3抗体ch5A7、または対照抗KLH抗体の存在下、これらのウェルに加えた。これらの抗体は、ILT3-ECD-Fcを含む培地で3倍連続希釈した(66nM~0.27nMの範囲)。細胞を室温で1時間インキュベートした後、HBSSで3回洗浄し、3.7%ホルマリンで10分間固定した。単分子層をPBSですすぎ、1%BSAを含むPBSでブロックした後、Hoechst染色剤及び市販のポリクローナル抗ILT3抗体で染色した。AlexaFluor 647コンジュゲートウサギ抗ヤギFc二次抗体を加え、細胞を画像化し、CellInsightイメージングシステムを使用して蛍光レベルを定量化した。
抗ILT3抗体が樹状細胞によるケモカイン産生に与える影響。マクロファージ遊走アッセイを、Incucyte(登録商標)Zoom Live-Cell分析システムを使用して行った。Incucyte Clear-View 96ウェル走化性プレート(Sartorius)の膜を、50μg/mLのMatrigel(登録商標)(10%FBSを含むX-VIVO(商標)15培地で希釈)で37℃にて30分間、続いて室温で30分間プレコートした。マクロファージ(5x10細胞/ウェル)をこの走化性プレートの上側チャンバーに加え、下側チャンバーを樹状細胞由来の馴化培地で満たした。位相差画像を1時間ごとに24時間キャプチャし、データをIncucyte分析ソフトウェアを使用して分析した。
A~Bは、同種異系MLRアッセイを示す。
A~Bは、抗ILT3抗体が樹状細胞からのサイトカイン産生に与える影響を示す。
A~Bは、抗ILT3抗体が寛容化樹状細胞に与える影響を示す。
抗PD-1抗体と組み合わせた抗ILT3抗体を用いた同種異系MLRアッセイを示す。
A~Bは、抗ILT3抗体が、初代マクロファージにおいてフィブロネクチンが媒介するFcRシグナル伝達及びTNF-α産生の阻害を逆転させたことを示している。
A~Bは、抗ILT3抗体が、IL10分極化マクロファージにおいてフィブロネクチンが媒介するFcRシグナル伝達の阻害及びIL-6産生を逆転させたことを示している。
抗ILT3抗体が、カニクイザルILT3を発現するTHP-1細胞におけるフィブロネクチンが媒介するFcRシグナル伝達の阻害(NF-kBレポーター活性)を逆転させたことを示している。
抗ILT3抗体が、カニクイザル単球由来の樹状細胞においてフィブロネクチン(FN)が媒介するMIP-1α産生の阻害を逆転させたことを示している。*はP<0.001を示す。
抗ILT3抗体が、カニクイザル単球由来の樹状細胞においてフィブロネクチン(FN)が媒介するFcRシグナル伝達の阻害及びIL-8産生を逆転させたことを示している。*はP<0.01を示す。
ヒト化マウスモデルにおける抗ILT3抗体の抗腫瘍活性。
本開示は、免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に結合するポリペプチド、例えば、抗体が挙げられるがこれらに限定されない新規な薬剤を提供する。該ILT3結合剤としては、ポリペプチド、抗体(その抗原結合断片を含む)、足場タンパク質、及びヘテロ二量体分子が挙げられるがこれらに限定されない。ILT3結合剤としては、ILT3活性のアンタゴニスト、ILT3活性の阻害剤、及び/またはILT3の抑制活性を阻害する薬剤が挙げられるがこれらに限定されない。関連するポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、該薬剤を含む組成物、該関連するポリヌクレオチドまたはベクターを含む細胞、及び該薬剤を製造する方法もまた提供する。該新規なILT3結合剤の使用方法もまた提供する。
I.定義
本出願がより完全に理解され得るように、いくつかの定義を以下に示す。かかる定義は、文法的に同等のものを包含することを意図している。
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、例えば、インタクトな免疫グロブリン、及び抗原結合部分を含む抗体断片を含む。従来の抗体の構造単位は、通常、四量体を含む。各四量体は、通常、2本の同一のポリペプチド鎖の対から構成され、各対は、1本の「軽」鎖(通常は約25kDaの分子量を有する)及び1本の「重」鎖(通常は約50~70kDaの分子量を有する)を有する。ヒト軽鎖は、カッパ軽鎖及びラムダ軽鎖に分類される。本発明は、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4が挙げられるがこれらに限定されないいくつかのサブクラスを有するIgGクラスに一般に基づく抗体または抗体断片(抗体単量体)に関する。一般に、IgG1、IgG2及びIgG4は、IgG3よりも頻繁に使用される。IgGは、異なるアロタイプを有することに留意されたい。すべてのIgGアロタイプを本発明に使用することができる。例えば、IgG1は、356(DまたはE)及び358(LまたはM)に多型を有する。本明細書に示す配列は、356E/358Mアロタイプを使用するが、他のアロタイプが本明細書に含まれている。当業者には理解されるように、相補性決定領域(CDR)の正確な付番及び配置は、付番方式によって異なり得る。しかしながら、可変重鎖及び/または可変軽鎖配列の開示は、関連する(固有の)CDRの開示を含むことを理解されたい。従って、各可変重鎖領域(VH)の開示は、VHCDR(例えば、VHCDR1、VHCDR2及びVHCDR3)の開示であり、各可変軽鎖領域(VL)の開示は、VLCDR(例えば、VLCDR1、VLCDR2及びVLCDR3)の開示である。
CDRの付番の有用な比較は、以下の通りである。Lafranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27(1):55-77(2003)を参照されたい:
Figure 2023507110000001
タンパク質配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」、「配列同一性パーセント(%)」または「同一性パーセント(%)」は、配列をアラインさせ、必要に応じてギャップを導入して、最大配列同一性パーセントを達成した後の、いずれの保存的置換も配列同一性の一部と見なさない、特定の(親)配列中のアミノ酸残基と同一の候補配列中のアミノ酸残基の百分率と定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、当技術分野における技術の範囲内である種々の方式で、例えば、公開されているコンピュータソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを使用して達成することができる。当業者には、比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含めたアライメントを測定するために適切なパラメータを決定することができる。ある特定のプログラムは、参照により本明細書に組み込まれる米国公開第20160244525号のパラグラフ[0279]~[0280]に概説されているALIGN-2プログラムである。核酸配列に適切な別のアライメントは、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics,2:482-489(1981)のローカルホモロジーアルゴリズムによって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff,Atlas of Protein Sequences and Structure,M.O.Dayhoff ed.,5 suppl.3:353-358,National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.,USAによって開発され、Gribskov,Nucl.Acids Res.14(6):6745-6763(1986)によって正規化されるスコア行列を使用することにより、アミノ酸配列に適用することができる。
本明細書で使用される「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」とは、第一の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1)及び場合によってはヒンジの一部を除く抗体の定常領域を含むポリペプチドを意味する。IgGの場合、該Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCH2及びCH3(Cγ2及びCγ3)、ならびにCH1(Cγ1)とCH2(Cγ2)との間の下部ヒンジ領域を含む。該Fc領域の境界は変化する可能性があるが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、そのカルボキシル末端に残基C226またはP230を含むように定義される。この付番は、Kabatにおけるのと同じEUインデックスに従う。従って、IgGとの関連で、「CH」ドメインは次の通りである:「CH1」は、Kabatにおけるのと同じEUインデックスに従って118~215位を指す。「ヒンジ」とは、Kabatにおけるのと同じEUインデックスに従って216~230位を指す。「CH2」は、Kabatにおけるのと同じEUインデックスに従って231~340位を指し、「CH3」は、Kabatにおけるのと同じEUインデックスに従って341~447位を指す。従って、「Fcドメイン」には、-CH2-CH3ドメイン、及び任意にヒンジドメイン(ヒンジ-CH2-CH3)が含まれる。いくつかの実施形態では、以下にさらに十分に説明するように、アミノ酸修飾が該Fc領域に行われ、例えば、1つ以上のFcγR受容体または該FcRn受容体に対する結合が変更される。
本明細書で使用される、「骨髄細胞」とは、単球、マクロファージ、及び樹状細胞が挙げられるがこれらに限定されない骨髄起源を有する任意の細胞を指す。
CDRのアミノ酸配列に関して本明細書で使用される、「実質的に同一」とは、該CDR配列における少なくとも1つのアミノ酸修飾(例えば、1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸修飾)を指し、この場合、該CDR配列の修飾と残りの5つのCDRの組み合わせは(この5つのCDRのいずれか1つ以上でのさらなる修飾の有無にかかわらず)、得られる抗原結合ドメインの親和性(例えば、BiacoreシステムのSPR技術によって測定されるK)を、元の6つのCDRを含む抗原結合ドメインと比較して50倍を超えては変更しない。
II.ILT3結合剤
ヒトILT3(UniProtKB番号Q8NHJ6)及びカニクイザル(「cyno」)ILT3(NCBI参照番号XP_015297198)のアミノ酸(aa)配列は、本明細書ではそれぞれ、配列番号1及び配列番号6として提供される。本明細書で使用される、ILT3のアミノ酸位置への言及は、シグナル配列を含めたアミノ酸配列の付番を指す。
ILT3は、予測分子量約47kDaのI型一回膜貫通タンパク質である。ILT3は、骨髄抗原提示細胞、例えば、正常な単球、マクロファージ、及び樹状細胞で主に発現することが観察されている。ILT3は、2つのIg様C2型ドメインを含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び3つのITIMドメインを含む長い細胞質ドメインを特徴とする(例えば、Cella et al.,1997,J.Exp.Med.,185:1743-1751参照)。この2つのIg様C2型ドメインは、本明細書ではドメイン1(D1)及びドメイン2(D2)と呼ばれることがある。D1は、該タンパク質のN末端部分に位置し、D2は、該膜貫通領域に最も近接している。UniProtKB内で特徴づけられるように、ヒトILT3は、448アミノ酸(aa)のタンパク質であり、そのシグナル配列は、aa1~21であり、細胞外ドメインは、aa22~259であり、膜貫通領域は、aa260~280であり、細胞質ドメインは、aa281~448である。細胞外ドメイン内では、D1は、aa27~188であり、D2は、aa124~218であり、「ステム領域」は、aa219~259である。細胞質ドメインの場合、ITIMは、aa358~363、410~415、及び440~445である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3またはILT3の断片に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3の断片は、細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ILT3の断片は、Ig様C2型ドメインの1つ(例えば、D1またはD2)を含む。いくつかの実施形態では、ILT3の断片は、Ig様C2型ドメインの両方(例えば、D1-D2)を含む。いくつかの実施形態では、ILT3の断片は、Ig様C2型ドメインの両方及びステム領域(例えば、D1-D2-ステム)を含む。いくつかの実施形態では、ILT3の断片は、Ig様C2型ドメインの1つ及びステム領域(例えば、D1-ステムまたはD2-ステム)を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトILT3の細胞外ドメインは、配列番号1のアミノ酸22~259を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3のD1は、配列番号1のアミノ酸27~118を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3のD2は、配列番号1のアミノ酸124~218を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3のD1-D2は、配列番号1のアミノ酸27~218を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3のD1-D2-ステムは、配列番号1のアミノ酸27~259を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3のD2-ステムは、配列番号1のアミノ酸124~259を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3の断片は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3の断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3の断片は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトILT3の断片は、配列番号4及び配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3の細胞外ドメインは、配列番号6のアミノ酸22~259を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3のD1は、配列番号6のアミノ酸27~118を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3のD2は、配列番号6のアミノ酸124~218を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3のD1-D2は、配列番号6のアミノ酸27~218を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3のD1-D2-ステムは、配列番号6のアミノ酸27~259を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3のD2-ステムは、配列番号6のアミノ酸124~259を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3の断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3の断片は、配列番号9のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3の断片は、配列番号10のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、cyno ILT3の断片は、配列番号9及び配列番号10のアミノ酸配列を含む。ILT3(例えば、ヒトILT3またはcyno ILT3)のドメインは、当業者によって異なって定義される場合があり、それ故、任意のILT3ドメインまたは領域のN末端アミノ酸及びC末端アミノ酸は、1、2、3、4、5、またはそれ以上のアミノ酸残基が異なり得ることが理解される。
本開示は、ILT3に結合する薬剤(例えば、抗体)を提供する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3の断片に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3の特定の領域内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3の細胞外ドメイン内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のD1ドメイン内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のD2ドメイン内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のD2-ステム領域内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3のコンフォメーションエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、他のヒトLILRBタンパク質(例えば、ILT2、ILT4、ILT5、またはLILRB5)には結合しない。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトLILRAタンパク質(例えば、LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、またはLILRA6)には結合しない。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、cyno ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3及びcyno ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号2に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1のアミノ酸22~259内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1のアミノ酸27~118内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1のアミノ酸124~218内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1のアミノ酸124~259内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号1のアミノ酸27~218内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号3に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号5に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4及び配列番号5を含むILT3の断片に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号6に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号7に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号6のアミノ酸22~259内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号6のアミノ酸27~118内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号6のアミノ酸124~218内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号6のアミノ酸27~218内に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号8に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号10に結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9及び配列番号10を含むILT3の断片に結合する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4のアミノ酸配列及び配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号10のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9のアミノ酸配列及び配列番号10のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号2内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号3内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号5内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号4及び配列番号5内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号7内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号8内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号10内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号9及び配列番号10内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3に結合し、以下の特性の少なくとも1つ以上を有する:(i)cyno ILT3に結合する、(ii)ヒト及びcyno ILT3に結合する、(iii)ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しない、(iv)LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しない、(v)ILT3アンタゴニストである、(vi)ILT3活性を阻害する、(vii)ILT3を発現する細胞におけるILT3シグナル伝達を阻害する、(viii)ILT3のAPOEに対する結合を阻害する、(ix)ILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する、(x)ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する、(xi)ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する、(xii)ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する、(xiii)ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する、及び(xiv)ILT3を発現する骨髄細胞のケモカインに反応する能力を回復する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、組み換え抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG1抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG2抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG3抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG4抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgGの重鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG1の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG2の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG4の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、カッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、カッパ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、ラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、ラムダ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、抗原結合部位を含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、該抗体は、scFvである。いくつかの実施形態では、該抗体は、ジスルフィドで連結されたscFvである。いくつかの実施形態では、該抗体は、ジスルフィドで連結されたsc(Fv)である。いくつかの実施形態では、該抗体は、Fab、Fab’、またはF(ab)抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、ダイアボディである。いくつかの実施形態では、該抗体は、ナノボディである。いくつかの実施形態では、該抗体は、単一特異性抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、多重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、一価抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、多価抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、二価抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、四価抗体である。
いくつかの実施形態では、該抗体は、単離される。いくつかの実施形態では、該抗体は、実質的に純粋である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ポリクローナル抗体である。ポリクローナル抗体は、当業者に既知の任意の方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、ポリクローナル抗体は、動物(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ヤギ、ロバ)を、目的の抗原(例えば、精製ペプチド断片、組み換えタンパク質、または融合タンパク質)で、複数の皮下または腹腔内注射を使用して免疫化することによって産生される。いくつかの実施形態では、該抗原は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビター等の担体にコンジュゲートされる。該抗原(担体タンパク質の有無にかかわらない)は、滅菌生理食塩水で希釈され、通常はアジュバント(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)と混合され、安定なエマルジョンが形成される。一定期間後、該免疫化動物から(例えば、血液または腹水から)ポリクローナル抗体が回収される。いくつかの実施形態では、該ポリクローナル抗体は、血清または腹水から、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、及び/または透析が挙げられるがこれらに限定されない当技術分野で標準的な方法に従って精製される。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、当業者に既知の任意の方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、当業者に既知のハイブリドーマ法を使用して調製される。例えば、ハイブリドーマ法を使用して、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、または他の適切な宿主動物を、上記のように免疫化する。いくつかの実施形態では、リンパ球がインビトロで免疫化される。いくつかの実施形態では、該免疫抗原は、ヒトタンパク質またはその断片である。いくつかの実施形態では、該免疫抗原は、マウスタンパク質またはその断片である。いくつかの実施形態では、該免疫抗原は、cynoタンパク質またはその断片である。
免疫化に続いて、リンパ球が単離され、適切な骨髄腫細胞株と、例えば、ポリエチレングリコールを使用して融合される。ハイブリドーマ細胞は、当技術分野で既知の特殊培地を使用して選択され、融合していないリンパ球及び骨髄腫細胞は、この選択過程で残らない。選択した抗原に対して特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、免疫沈降、イムノブロッティング、ならびにインビトロ結合アッセイ(例えば、フローサイトメトリー、FACS、ELISA、SPR(例えば、Biacore)、及びラジオイムノアッセイ)が挙げられるがこれらに限定されない様々な方法で特定され得る。所望の特異性、親和性、及び/または活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞が特定された後、当該クローンは、限界希釈技術によってサブクローニングされ得る。いくつかの実施形態では、ハイスループット法を使用して、単一細胞ハイブリドーマ細胞をプレートに分配する。これらのハイブリドーマは、標準的な方法を使用したインビトロ培養で、または動物の腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。モノクローナル抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、及び透析が挙げられるがこれらに限定されない当技術分野で標準的な方法に従って当該培地または腹水から精製することができる。
いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、当業者に既知の組み換えDNA技術を使用して製造される。例えば、抗体をコードするポリヌクレオチドは、成熟B細胞またはハイブリドーマ細胞から、例えば、RT-PCRによって、当該抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを使用して単離され、それらの配列は、標準的な技術を使用して決定される。単離された該重鎖及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドはその後、適切な発現ベクターにクローニングされ、これが、宿主細胞、例えば、それ以外には免疫グロブリンタンパク質を産生しないE.coli、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞にトランスフェクトされた際にモノクローナル抗体を産生する。
いくつかの実施形態では、組み換えモノクローナル抗体は、所望の種の可変ドメインまたはCDRを発現するファージディスプレイライブラリーから単離される。ファージライブラリーのスクリーニングは、当技術分野で既知の様々な技術によって達成され得る。
いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、組み換えDNA技術を使用して修飾され、別の抗体が生成される。いくつかの実施形態では、マウスモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の定常ドメインは、ヒト抗体の定常領域の代わりに用いられ、キメラ抗体が生成される。いくつかの実施形態では、該定常領域は、切断または除去され、モノクローナル抗体の所望の抗体断片が生成される。いくつかの実施形態では、該可変領域(複数可)の部位特異的または高密度突然変異誘発を使用して、モノクローナル抗体の特異性及び親和性が最適化される。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体を生成する様々な方法が当技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、非ヒト起源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化は、1つ以上の非ヒトCDR配列を、ヒト抗体の対応するCDR配列の代わりに用いることによって行われる。いくつかの実施形態では、該ヒト化抗体は、非ヒト抗体(例えば、マウス抗体)の6つのCDRすべてを、ヒト抗体の対応するCDRの代わりに用いることによって構築される。
ヒト化抗体を生成するために使用するヒト重鎖可変領域及び/または軽鎖可変領域の選択は、様々な要因に基づいて、当技術分野で既知の様々な方法によって行われ得る。いくつかの実施形態では、「最良適合」法は、非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の可変領域の配列が、既知のヒト可変領域配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる場合に使用される。非ヒト(例えば、げっ歯類)配列のものに最も類似しているヒト配列が、ヒト化抗体のヒト可変領域フレームワークとして選択される。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖の特定の下位群の全ヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定の可変領域フレームワークが、該可変領域フレームワークとして選択される。いくつかの実施形態では、該可変領域フレームワーク配列は、最も豊富なヒトサブクラスのコンセンサス配列に由来する。いくつかの実施形態では、ヒト生殖系列遺伝子は、該可変領域フレームワーク配列の供給源として使用される。
ヒト化に関する他の方法としては、ヒト生殖系列フレームワークへのCDRの直接導入として説明される「超ヒト化」と呼ばれる方法、「抗体の人間らしさ」の測定基準に基づくヒトストリング含有量(Human String Content(HSC))と呼ばれる方法、ヒト化バリアントの大規模なライブラリー(ファージ、リボソーム、及び酵母ディスプレイライブラリーを含む)の生成に基づく方法、ならびにフレームワーク領域のシャフリングに基づく方法が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で既知の様々な技術を使用して調製することができる。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、インビトロで免疫化された不死化ヒトBリンパ球から生成される。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、免疫化された個体から単離されたリンパ球から生成される。いずれの場合も、標的抗原に対する抗体を産生する細胞を生成及び単離することができる。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、ヒト抗体を発現するファージライブラリーから選択される。別の方法として、ファージディスプレイ技術を使用して、非免疫化ヒトドナーに由来する免疫グロブリン可変領域遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体及び抗体断片を産生してもよい。抗体ファージライブラリーの生成及び使用のための技術は、当技術分野で周知である。抗体が同定された後、鎖シャフリング及び部位特異的突然変異誘発法が挙げられるがこれらに限定されない当技術分野で既知の親和性成熟戦略を使用して、高親和性ヒト抗体を生成してもよい。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウスで産生される。免疫化後、これらのマウスは、内因性免疫グロブリン産生がない限り、ヒト抗体の完全なレパートリーを産生することができる。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体断片である。本明細書で使用される、「抗体断片」という用語は、抗体の一部及び一般に抗原結合部位を含むインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、単鎖抗体分子(例えば、scFv)、ジスルフィドで連結されたscFv(dsscFv)、ナノボディ、ダイアボディ、トリボディ、テトラボディ、ミニボディ、デュアル可変ドメイン抗体(DVD)、シングル可変ドメイン抗体(例えば、ラクダ抗体)、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、scFv抗体である。いくつかの実施形態では、該scFvは、ジスルフィドで連結されたscFv(dsscFv)であり、これは、該scFvの軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間に操作されたジスルフィド結合を含むscFvである。いくつかの実施形態では、該ジスルフィド結合は、該scFv分子の安定性を増加させる。いくつかの実施形態では、該ジスルフィド結合は、該scFv分子の熱安定性を増加させる。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、Fvである。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、Fabである。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、F(ab’)である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、F(ab’)である。
抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解が挙げられるがこれに限定されない様々な技術によって製造され得る。本明細書に記載の抗体断片は、当技術分野で既知の組み換え技術(例えば、E.coliまたはファージ発現)を使用して産生され得る。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、二重特異性抗体である。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原またはエピトープを認識し、結合することができる。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、多重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも3つの異なる抗原またはエピトープを認識し、結合することができる。該異なるエピトープは、同じ分子内(例えば、ILT3上の2つ以上のエピトープ)にある場合もあれば、異なる分子上(例えば、ILT3の1つのエピトープ及びILT3以外の1つ以上の標的(複数可)上の残りのエピトープ(複数可))にある場合もある。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、個々の抗体または2つ以上の抗体の組み合わせと比較して、高い効力を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、個々の抗体または2つ以上の抗体の組み合わせと比較して、低い毒性を有する。当業者には、任意の治療薬が固有の薬物動態(PK)(例えば、循環半減期)を有し得ることが知られている。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、2つ以上の活性結合剤のPKを同期させる能力を有する。この場合、該2つ以上の個々の結合剤は、異なるPKプロファイルを有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、対象(例えば、ヒト)の共通領域(例えば、組織)に2つ以上の薬剤の作用を集中させる能力を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、共通標的(例えば、特定の細胞型)に2つ以上の薬剤の作用を集中させる能力を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、複数の生物学的経路または機能に2つ以上の薬剤の作用を標的化する能力を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、2つ以上の異なる細胞を標的とし、それらを緊密にする能力を有する。
いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、減少した毒性及び/または副作用を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、2つ以上の個々の抗体の混合物または単剤としての抗体と比較して、毒性及び/または副作用が少ない。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、増加した治療指数を有する。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、2つ以上の個々の抗体の混合物または単剤としての抗体と比較して、治療指数が高い。
二重特異性または多重特異性抗体を製造するための多くの技術が当業者に既知である。いくつかの実施形態では、二重特異性または多重特異性抗体は、2つの重鎖間の界面の一部であるアミノ酸に修飾を有する重鎖定常領域を含む。これらの修飾は、ヘテロ二量体の形成を促進し、一般にホモ二量体の形成を低減または排除するために行われる。いくつかの実施形態では、該二重特異性または多重特異性抗体は、ノブ-イントゥ-ホール(KIH)戦略を使用して生成される。いくつかの実施形態では、該二重特異性または多重特異性抗体は、同一の重鎖間にジスルフィド結合を形成することができないバリアントヒンジ領域を含む(例えば、ホモ二量体形成を減少させる)。いくつかの実施形態では、該二重特異性または多重特異性抗体は、静電相互作用に変化をもたらすアミノ酸の変化を伴う重鎖を含む。いくつかの実施形態では、該二重特異性または多重特異性抗体は、疎水性/親水性相互作用に変化をもたらすアミノ酸の変化を伴う重鎖を含む。
いくつかの実施形態では、該二重特異性または多重特異性抗体は、インタクトな抗体の場合もあれば、抗原結合部位を含む抗体断片の場合もある。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ヒトILT3に結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、cyno ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ヒトILT3及びcyno ILT3に結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3エピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ヒトILT3の細胞外ドメイン内のILT3エピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、cyno ILT3の細胞外ドメイン内のILT3エピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸22~259内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸22~120内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸27~118内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸121~259内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸124~218内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸124~259内の少なくとも1つのアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号3内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号4内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号5内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号4及び配列番号5内のアミノ酸を含むエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、該エピトープは、コンフォメーションエピトープである。いくつかの実施形態では、該エピトープは、線状エピトープである。
いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ヒトILT3の細胞外ドメイン内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、cyno ILT3の細胞外ドメイン内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸22~259内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸22~120内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸27~118内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸121~259内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸124~218内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号1のアミノ酸124~259内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号3のアミノ酸配列内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号4のアミノ酸配列内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号5のアミノ酸配列内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、配列番号4及び配列番号5のアミノ酸配列内で結合をめぐって第二の薬剤と競合する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗ILT3抗体である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗ILT3抗体のバリアントである。いくつかの実施形態では、該ILT3抗体のバリアントは、本明細書に記載のILT3結合剤の1つ以上の結合特性を保持している。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体のバリアントは、1~30個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~25個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~20個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~15個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~10個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~5個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体のバリアントは、1~3個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該アミノ酸置換(複数可)は、該抗体のCDR内にある。いくつかの実施形態では、該アミノ酸置換(複数可)は、該抗体のCDR内にはない。いくつかの実施形態では、該アミノ酸置換(複数可)は、該抗体のフレームワーク領域内にある。いくつかの実施形態では、該アミノ酸置換(複数可)は、保存的アミノ酸置換である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載のILT3結合剤の1つ以上の結合特性を保持しながら、本明細書に記載の抗体のCDR内に1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6等)のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該アミノ酸置換は、保存的置換である。いくつかの実施形態では、CDRは、1つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、2つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該CDRは、重鎖可変領域CDR1である。いくつかの実施形態では、該CDRは、重鎖可変領域CDR2である。いくつかの実施形態では、該CDRは、重鎖可変領域CDR3である。いくつかの実施形態では、該CDRは、軽鎖可変領域CDR1である。いくつかの実施形態では、該CDRは、軽鎖可変領域CDR2である。いくつかの実施形態では、該CDRは、軽鎖可変領域CDR3である。いくつかの実施形態では、かかる6つのCDRの1つ以上は、6つ以下のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、該置換は、ヒト化プロセスの一部として行われる。いくつかの実施形態では、該置換は、生殖細胞系列ヒト化プロセスの一部として行われる。いくつかの実施形態では、該置換は、親和性成熟プロセスの一部として行われる。いくつかの実施形態では、該置換は、最適化プロセスの一部として行われる。
抗体のCDRは、当業者によって様々な方法/方式を使用して定義される。これらの方式及び/または定義は、長年にわたって開発及び改良されており、それらとしては、Kabat、Chothia、IMGT、AbM、及びContactが挙げられる。Kabatの定義は、配列変化に基づいており、一般に使用されている。Chothiaの定義は、構造ループ領域の位置に基づいている。IMGT方式は、可変ドメインの構造内の配列変化及び位置に基づいている。AbMの定義は、KabatとChothiaとの間の折衷である。Contactの定義は、利用可能な抗体の結晶構造の分析に基づいている。例示的な方式は、KabatとChothiaの組み合わせである。ソフトウェアプログラム(例えば、abYsis)が利用可能であり、抗体配列の分析及びCDRの決定で当業者に知られている。
本明細書で定義される特定のCDR配列は、一般に、Kabat及びChothiaの定義(例示的な定義)の組み合わせに基づいている。しかしながら、特定の抗体の重鎖可変領域CDR(複数可)及び/または軽鎖可変領域CDR(複数可)への言及は、当業者に既知のすべてのCDRの定義を包含することが理解されよう。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、Kabatの定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、Chothiaの定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、AbMの定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、IMGTの定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、Contactの定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、例示的な定義に基づく抗体3A3、5A7、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗体のいずれか1つの1、2、3、4、5、及び/または6つのCDRを含む抗ILT3抗体である。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表1から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表1から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表2から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表2から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表3から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表3から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表4から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表4から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表5から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表5から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表6から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表6から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表7から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表7から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表8から1、2、及び/または3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び/または(ii)表8から1、2、及び/または3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表1から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表1から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表2から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表2から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表3から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表3から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表4から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表4から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表5から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表5から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表6から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表6から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表7から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表7から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、(i)表8から3つの重鎖可変領域CDRを含む重鎖可変領域、及び(ii)表8から3つの軽鎖可変領域CDRを含む軽鎖可変領域を含む。


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いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗体由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗体由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、本明細書に記載の抗体由来の(a)重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7のヒト化型(例えば、Hz5A7)である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7またはヒト化5A7のバリアント(例えば、Hz5A7.v5)である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3及び/または軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3、そのヒト化型、またはそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10由来の重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、及び重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10由来の軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10由来の(a)重鎖可変領域CDR1、重鎖可変領域CDR2、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)軽鎖可変領域CDR1、軽鎖可変領域CDR2、及び軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10のヒト化型である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10のバリアントである。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)もしくはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)もしくはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GFTFSSY(配列番号33)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列SGGGSY(配列番号34)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)もしくはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)もしくはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTN(配列番号35)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)もしくはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)もしくはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列SYGMS(配列番号36)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)もしくはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)もしくはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列SSYGMS(配列番号37)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WVATISGGGSYTN(配列番号38)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ARREWRMTLYAMD(配列番号39)もしくはARREWRYTLYAMD(配列番号107)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列DSYGNSFMHWY(配列番号40)もしくはESYGSSFMHWY(配列番号108)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LLIYLTSNLE(配列番号41)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPF(配列番号42)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)もしくはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び/または(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)もしくはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、アミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)、REWRYTLYAMDY(配列番号105)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)、RASESVESYGSSFMH(配列番号106)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)、または1、2、3、4、5、もしくは6つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、当該CDR配列内の脱アミド化を低減するように修飾された1つ以上の重鎖可変領域CDRまたは軽鎖可変領域CDRを含む。脱アミド化とは、アミノ酸アスパラギン(AsnもしくはN)またはグルタミン(GlnもしくはQ)の側鎖のアミド官能基が除去されるか、または別の官能基に変換される化学反応である。一般に、アスパラギンは、アスパラギン酸またはイソアスパラギン酸に変換され、グルタミンは、グルタミン酸またはポリグルタミン酸に変換される。場合によっては、脱アミド化によってポリペプチドの構造、機能、及び/または安定性が変化する可能性があり、生物活性が低下する可能性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、脱アミド化を低減するように修飾される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、脱アミド化を低減するように修飾される。抗体5A7、3A3、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の重鎖可変領域CDR及び軽鎖可変領域CDRのいずれか1つを修飾し、脱アミド化を低減することができる。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、異性化を低減するように修飾された1つ以上の重鎖可変領域CDRまたは軽鎖可変領域CDRを含む。異性化とは、化合物がその異性体、すなわち、同じ化学組成であるが異なる構造またはコンフィギュレーションを有し、物理的及び化学的特性が異なる可能性のある形態のいずれかに変換される化学過程である。研究によって、CDR内のアスパラギン酸(AspまたはD)の異性化は、抗体の結合及び/または安定性に影響を与える可能性があることが示されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、異性化を低減するように修飾される。いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、異性化を低減するように修飾される。抗体5A7、3A3、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の重鎖可変領域CDR及び軽鎖可変領域CDRのいずれか1つを修飾し、異性化を低減することができる。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、酸化を低減するように修飾された1つ以上の重鎖可変領域CDRまたは軽鎖可変領域CDRを含む。酸化とは、酸素が原子に付加される化学過程であり、例えば、メチオニンは、その硫黄原子に酸素を付加することによってメチオニンスルホキシドに変換される。1つ以上のアミノ酸の酸化は、タンパク質の物理的及び化学的特性に潜在的に影響を与え得る。研究によって、CDR内のメチオニン(MetまたはM)の酸化は、抗体の結合及び/または安定性に影響を与える可能性があることが示されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、酸化(例えば、メチオニンの酸化)を低減するように修飾される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、酸化(例えば、メチオニンの酸化)を低減するように修飾される。抗体5A7、3A3、Hz5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、または53F10の重鎖可変領域CDR及び軽鎖可変領域CDRのいずれか1つを修飾し、メチオニンの酸化を低減することができる。
いくつかの実施形態では、抗ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体5A7の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、配列番号111の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変領域、ならびに抗体5A7の軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、配列番号112の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、配列番号123の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変領域、ならびに抗体Hz5A7.v5の軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、配列番号124の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号112の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号124の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号112のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号124のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号111に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号112に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号111に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号112に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号111に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号112に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号111のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号112のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号123に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号124に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号124に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号124に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号124のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、配列番号123の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%の同一性を含み、該軽鎖可変領域は、配列番号124の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%の同一性を含む。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖、ならびにRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖を含み、該重鎖は、配列番号126の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または100%の同一性を含み、該軽鎖は、配列番号128の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または100%の同一性を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖、ならびにRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖を含み、該重鎖は、配列番号126の配列に対して少なくとも95%の同一性を含み、該軽鎖は、配列番号128の配列に対して少なくとも95%の同一性を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、(a)配列番号126のアミノ酸を含む重鎖ならびに(b)RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖を含み、該軽鎖は、配列番号128の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または100%の同一性を含む。ある特定の実施形態では、ILT3結合剤は、(a)GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖であって、配列番号126の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または100%の同一性を含む重鎖、ならびに(b)配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体である。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体5A7である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GFSLTSY(配列番号17)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WPGGT(配列番号18)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTIN(配列番号19)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列SYGVH(配列番号20)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列TSYGVH(配列番号21)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WLGVIWPGGTIN(配列番号22)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ASDKYDGGWFA(配列番号23)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RTAVAWY(配列番号24)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ALIYLASNRH(配列番号25)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPL(配列番号26)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号110の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号110のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号110に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号110に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号110に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号109のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号110のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体3A3である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体3A3のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体3A3のバリアントまたはヒト化された抗体3A3である。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GYTFTDY(配列番号49)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YPNNGG(配列番号50)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTG(配列番号51)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列DYNMD(配列番号52)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列TDYNMD(配列番号53)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WIGYIYPNNGGTG(配列番号54)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ASSPYYDYVGSYAMD(配列番号55)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列SSSYLHWY(配列番号56)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LWIYSTSNLA(配列番号57)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPR(配列番号58)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号114の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号114のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号114に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号114に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号114に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号113のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号114のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体12A12である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体12A12のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体12A12のバリアントまたはヒト化された抗体12A12である。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GYTFTDY(配列番号49)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YPSNGG(配列番号64)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTG(配列番号65)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列DYNMD(配列番号52)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列TDYNMD(配列番号53)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WIGYIYPSNGGTG(配列番号66)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ARVPYYDYLYYYAMD(配列番号67)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列SFMHWY(配列番号68)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列PWIYATSNLA(配列番号69)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMY(配列番号70)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号116の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号116のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号116に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号116に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号116に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号115のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号116のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体16C5である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体16C5のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体16C5のバリアントまたはヒト化された抗体16C5である。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GFTFSDY(配列番号77)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列FSGSST(配列番号78)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIY(配列番号79)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列DYGMH(配列番号80)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列SDYGMH(配列番号81)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WVAYIFSGSSTIY(配列番号82)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ARADGRGAMD(配列番号83)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列SKFLNWY(配列番号84)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LLIYYTSRLH(配列番号85)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPW(配列番号86)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号118の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号118に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号118に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号118に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号117のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号118のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162~163から選択される配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号164の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162~163から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号164のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162~163から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%)の配列同一性を有する重鎖可変領域、及び配列番号164に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%)の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号162のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号164のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号163のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号164のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体45G10である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体45G10のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体45G10のバリアントまたはヒト化された抗体45G10である。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GFTFSSY(配列番号33)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列SSGGTY(配列番号92)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTF(配列番号93)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列SYGMS(配列番号36)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列SSYGMS(配列番号37)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WVATISSGGTYTF(配列番号94)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ARRGWLLHYYAMD(配列番号95)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列DSFGNSFMHWF(配列番号96)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LLIYLSSKLE(配列番号97)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPF(配列番号98)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号120の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号120のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号120に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号120に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号120に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号119のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号120のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156~160から選択される配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号161の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156~160から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156~160から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%)の配列同一性を有する重鎖可変領域、及び配列番号161に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%)の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号156のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号157のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号158のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号159のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号160のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号161のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体48A6である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体48A6のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体48A6のバリアントまたはヒト化された抗体48A6である。
ある特定の実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(b)アミノ酸配列GFTFSDY(配列番号77)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STGIIT(配列番号101)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(c)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVY(配列番号102)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、(d)アミノ酸配列DYGMH(配列番号80)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域、または(e)アミノ酸配列SDYGMH(配列番号81)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列WVAYISTGIITVY(配列番号103)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ARADGRGAMD(配列番号83)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列SNFLNWY(配列番号104)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LLIYYTSRLH(配列番号85)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPW(配列番号86)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号122の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号122のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号122に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号122に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121に対して少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域及び配列番号122に対して少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号122のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体53F10である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体53F10のヒト化型である。いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体53F10のバリアントまたはヒト化された抗体53F10である。
本明細書に提供するのは、ILT3に対する結合をめぐって本明細書に記載の結合剤(例えば、抗体)の1つ以上と競合する薬剤である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ILT3に対する結合をめぐって本明細書に記載の抗体の1つ以上と競合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の1つ以上と競合する薬剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、本明細書に記載の抗体の1つと同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、薬剤は、本明細書に記載の抗体の1つが結合するエピトープと重複するエピトープに結合する。本明細書に記載の抗体と競合するか、または当該抗体と同じエピトープに結合する抗体及び抗原結合断片は、同様の機能特性を示すことが期待される。
いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含み、該競合する薬剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、及び(b)アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、抗体)は、ヒトILT3に対する結合をめぐって参照抗体と競合し、該参照抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、当該抗体の定常領域の少なくとも1つ以上が修飾または削除されている抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、3つの重鎖定常領域(CH1、CH2またはCH3)のうちの1つ以上及び/または軽鎖定常領域(CL)に対して1つ以上の修飾を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒンジ領域に対して1つ以上の修飾を含む。いくつかの実施形態では、該修飾抗体の重鎖定常領域は、少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該修飾抗体の重鎖定常領域は、複数のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該定常領域に対する修飾は、1つ以上の領域に1つ以上アミノ酸の付加、欠失、または置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の領域が、修飾抗体の定常領域から部分的または完全に削除される。いくつかの実施形態では、CH2ドメイン全体が抗体から除去されている(ΔCH2構築物)。いくつかの実施形態では、1つ以上の領域が、修飾抗体のヒンジ領域から部分的または完全に削除される。いくつかの実施形態では、削除された定常領域は、短いアミノ酸スペーサーで置き換えられ、これにより、欠けている定常領域によって通常付与される分子の柔軟性が部分的に提供される。いくつかの実施形態では、削除されたヒンジ領域は、短いアミノ酸スペーサーで置き換えられ、これにより、欠けているヒンジ領域によって通常付与される分子の柔軟性が部分的に提供される。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、当該抗体のヒンジ領域に直接融合されているCH3ドメインを含む。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、ヒンジ領域と修飾CH2及び/またはCH3ドメインとの間に挿入されているペプチドスペーサーを含む。
抗体の定常領域(複数可)がいくつかのエフェクター機能を媒介し、これらのエフェクター機能が抗体のアイソタイプに応じて変化し得ることが当技術分野で知られている。例えば、IgGまたはIgM抗体のFc領域への補体のC1成分の結合(抗原に結合)により、補体系が活性化される。補体の活性化は、細胞病原体のオプソニン作用及び溶解に重要である。補体の活性化はまた、炎症反応も刺激し、自己免疫過敏性にも関与し得る。さらに、抗体のFc領域は、Fc受容体(FcR)を発現する細胞に結合することができる。IgG(ガンマ受容体)、IgE(イプシロン受容体)、IgA(アルファ受容体)及びIgM(ミュー受容体)を含めた、抗体の異なるクラスに特異的な複数のFc受容体が存在する。細胞表面上のFc受容体への抗体の結合により、抗体被覆粒子の貪食及び破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆標的細胞の溶解(抗体依存性細胞傷害またはADCCと呼ばれる)、炎症性メディエーターの放出、胎盤通過、及び免疫グロブリン産生の制御を含めた複数の重要かつ多様な生物反応が引き起こされる。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、バリアントFc領域を含む。ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のFc領域のアミノ酸配列は、当業者に既知である(例えば、代表的なヒトIgG1領域は配列番号129である)。一部の例では、アミノ酸変異を有するFc領域が自然抗体で同定されている。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、天然のFc領域と比較して、特定のアミノ酸位置での置換を用いて操作される。バリアントFc領域は、当技術分野で周知であり、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、及び配列番号134を含むがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、修飾抗体(例えば、修飾Fc領域を含む)は、エフェクター機能の変更をもたらし、これが次に、該抗体の生物学的プロファイルに影響を与える。例えば、いくつかの実施形態では、定常領域の欠失または不活性化(点突然変異または他の手段を介する)により、修飾抗体の循環時のFc受容体結合が減少する。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体の血清半減期が延長される。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体の血清半減期が短縮される。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体のADCC及び/または補体依存性細胞傷害(CDC)が低減または除去される。いくつかの実施形態では、ヒトIgG1のFc領域における特定のアミノ酸を対応するIgG2またはIgG4残基で置換することにより、修飾抗体におけるエフェクター機能(例えば、ADCC及びCDC)が低下する。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有さない。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、いかなる検出可能なエフェクター機能も有さない(例えば、「エフェクターレス」抗体)。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、ADCC活性及び/またはCDC活性を有さない。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、Fc受容体及び/または補体因子に結合しない。いくつかの実施形態では、修飾抗体は、エフェクター機能(複数可)を有さない。いくつかの実施形態では、定常領域の修飾により、抗体のADCC及び/またはCDCが増加または増強される。いくつかの実施形態では、該定常領域は、ジスルフィド結合またはオリゴ糖部分を排除するように修飾される。いくつかの実施形態では、該定常領域は、1つ以上のアミノ酸を付加/置換して、1つ以上の細胞毒素、オリゴ糖、または炭水化物結合部位を提供するように修飾される。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号126のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の同一性を有する重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号128のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の同一性を有する軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の同一性を有する重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の同一性を有する軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号128のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126の重鎖及び/または配列番号128の軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126の重鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号128の軽鎖を含む抗体である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、配列番号126の重鎖及び配列番号128の軽鎖を含む抗体である。
本明細書に記載の抗体の定常領域に対する修飾は、周知の生化学的または分子工学的技術を使用して行われ得る。いくつかの実施形態では、抗体バリアントは、適切なヌクレオチド変化をコードDNAに導入することによって、及び/または所望の抗体またはポリペプチドの合成によって調製される。これらの工学技術を使用して抗体を修飾することにより、当該修飾抗体の構造、結合活性、及び他の所望の特性を実質的に維持しながら、特定の配列または領域によって提供される活性またはエフェクター機能を妨害することが可能になり得る。
本開示は、さらに、本明細書に記載の組み換え、モノクローナル、キメラ、ヒト化、及びヒト抗体、またはそれらの抗体断片に実質的に相同である追加のバリアント及び同等物を包含する。いくつかの実施形態では、当該抗体の結合親和性を改善することが望ましい。いくつかの実施形態では、特異性、熱安定性、発現レベル、エフェクター機能(複数可)、グリコシル化、免疫原性、及び/または溶解性が挙げられるがこれらに限定されない当該抗体の生物学的特性を調節することが望ましい。当業者には、アミノ酸の変化により、グリコシル化部位の数もしくは位置の変更または膜アンカー特性の変更等、抗体の翻訳後プロセスが変化する場合があることが理解されよう。
変異は、自然抗体またはポリペプチド配列と比較してアミノ酸配列に変化をもたらす抗体またはポリペプチドをコードする1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、または挿入であり得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、類似の構造的及び/または化学的特性を有する別のアミノ酸による1つのアミノ酸の置換、例えば、ロイシンのセリンによる置換(すなわち、保存的アミノ酸置換)の結果である。いくつかの実施形態では、該置換、欠失、または挿入としては、親分子に対して、25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3個未満のアミノ酸置換、または2個未満のアミノ酸置換が挙げられる。いくつかの実施形態では、生物学的に有用な及び/または関連するアミノ酸配列の変異は、該配列に体系的に挿入、欠失、または置換を行い、得られるバリアントタンパク質の活性を親抗体と比較して調べることによって特定される。
いくつかの実施形態では、バリアントは、該抗体またはポリペプチドのアミノ末端及び/またはカルボキシル末端でのアミノ酸残基の付加を含み得る。付加的なアミノ酸残基の長さは、1残基から100残基以上に及び得る。いくつかの実施形態では、バリアントは、N末端メチオニル残基を含む。いくつかの実施形態では、該バリアントは、融合タンパク質を創出するための付加的なポリペプチド/タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、バリアントは、検出可能であるように操作され、検出可能な標識及び/またはタンパク質(例えば、蛍光タグ、蛍光タンパク質、または酵素)を含み得る。
いくつかの実施形態では、抗体の適切なコンフォメーションの維持に関与しないシステイン残基を置換または削除することにより、該抗体の特性が調節され、例えば、酸化安定性が改善され、及び/または異常なジスルフィド架橋が阻止される。逆に、いくつかの実施形態では、1つ以上のシステイン残基を付加することにより、ジスルフィド結合(複数可)が創出され、安定性が改善される。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体は「脱免疫化」されている。抗体の脱免疫化は、一般に、該抗体の結合親和性または他の所望の活性を著しく低下させることなく、T細胞エピトープ(既知または予測)の除去をもたらす特定のアミノ酸変異(例えば、置換、欠失、付加)を導入することからなる。
本明細書に記載のバリアント抗体またはポリペプチドは、部位特異的突然変異誘発、アラニンスキャニング突然変異誘発、及びPCR突然変異誘発が挙げられるがこれらに限定されない当技術分野で既知の方法を使用して生成され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、化学的に修飾される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解切断、及び/または細胞リガンドもしくは他のタンパク質に対する結合によって化学的に修飾される抗ILT3抗体である。多数の化学的修飾のいずれかが、既知の技術によって行われ得る。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体断片(例えば、scFv、Fv、Fab、F(ab’)、またはF(ab’))であり、該抗体断片は(直接的または間接的に)、Fc領域またはそのバリアント、ヒト血清アルブミン、免疫グロブリンのCH3ドメイン、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG模倣物、XTEN(登録商標)、血清アルブミン、ポリシアル酸、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、またはデキストランが挙げられるがこれらに限定されない半減期を延長する部分に結合する。
本開示は、非免疫グロブリン骨格上に構築されたILT3結合剤を包含し、該結合剤は、本明細書に開示する抗ILT3抗体と同じエピトープまたは本質的に同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、非免疫グロブリン系の結合剤は、競合的結合アッセイにおいて本明細書に記載の抗ILT3抗体と競合する薬剤である。いくつかの実施形態では、代替的なILT3結合剤は、足場タンパク質を含む。一般に、足場タンパク質は、それらの骨格の構造に基づいて(1)α-ヘリックスからなる足場、(2)わずかな二次構造または不規則なα-ヘリックス及びβ-シート構造を有する小さい足場、ならびに(3)主にβ-シートからなる足場の3群の1つに割り当てることができる。足場タンパク質としては、リポカリン足場に基づくアンチカリン、ヒトフィブロネクチン3型の10番目のドメインに基づくアドネクチン、Staphylococcus aureusプロテインAのIg結合領域のBドメインに基づくアフィボディ、アンキリンリピートドメインタンパク質に基づくdarpin、ヒトFynプロテインキナーゼのSH3ドメインに基づくフィノマー、Sulfolobus acidocaldarius由来のSac7dに基づくアフィチン、ヒトγ-B-クリスタリンまたはヒトユビキチンに基づくアフィリン、膜受容体タンパク質のAドメインに基づくアビマー、安定した30アミノ酸の逆平行β-ストランドタンパク質フォールドに基づくノッチン(システインノットミニタンパク質)、ならびに3つのジスルフィド結合及び3つのループを含む構造に基づくKunitzドメイン阻害剤足場が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表1に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体3A3由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表2に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体5A7由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表8に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表3に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体12A12由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表4に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体16C5由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表5に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体45G10由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表6に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体48A6由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、表7に示す重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、アミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3、アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、抗体53F10由来の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む操作された足場タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の抗ILT3抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のモノクローナル抗ILT3抗体を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のILT3結合剤及び医薬的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の抗ILT3抗体及び医薬的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のモノクローナル抗ILT3抗体及び医薬的に許容される担体を含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、単離される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、実質的に純粋である。
一般的に言えば、抗原抗体相互作用は非共有結合かつ可逆的であり、水素結合、疎水性相互作用、静電力及びファンデルワールス力の組み合わせによって形成される。抗原抗体複合体の強度を説明する場合、親和性(affinity)及び/またはアビディティ(avidity)という用語が一般に使用される。抗体のその抗原に対する結合は可逆的なプロセスであり、結合の親和性は通常、平衡解離定数(K)として報告される。Kは、抗体の解離速度(koff)(その抗原からどれだけ速く解離するか)と抗体の会合速度(kon)(その抗原にどれだけ速く結合するか)の比である。いくつかの実施形態では、K値は、特定の抗体/抗原相互作用のkonとkoffの比を測定し、次いでこれらの値の比を使用してK値を計算することによって決定される。K値は、個々の抗体/抗原相互作用の強さを評価及びランク付けするために使用され得る。抗体のKが低いほど、その標的に対する抗体の親和性は高い。いくつかの実施形態では、親和性は、BiacoreシステムにてSPR技術を使用して測定される。アビディティは、抗体抗原複合体の全体的な強度の尺度を与える。これは、3つの主要なパラメータ、すなわち、(i)標的に対する抗体の親和性、(ii)抗体及び抗原の両方の価数、ならびに(iii)相互作用する部分の構造配置に依存する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、ILT3に解離定数(K)1μM以下、100nM以下、40nM以下、20nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、50pM以下、10pM以下、または1pM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK約20nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK10nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK5nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK3nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK2nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK1nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK0.5nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK0.1nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK50pM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK25pM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK10pM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK1pM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK0.01nM~2.5nMで結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK0.1nM~5nMで結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にK1nM~5nMで結合する。いくつかの実施形態では、ILT3に対する結合剤の解離定数は、Biacoreチップに固定化されたILT3タンパク質及びチップ上に流される結合剤を使用して決定される解離定数である。いくつかの実施形態では、ILT3に対する結合剤の解離定数は、Biacoreチップ上で抗ヒトIgG抗体によって捕捉された結合剤及び該チップ上に流される可溶性ILT3を使用して決定される解離定数である。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、ILT3に半数効果濃度(EC50)1μM以下、100nM以下、40nM以下、20nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3にEC50が1μM以下、100nM以下、40nM以下、20nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、cyno ILT3及び/またはヒトILT3にEC50が40nM以下、20nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下で結合する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3にEC50が0.1nM~約3nM、0.1nM~2nM、0.1nM~1nM、0.5nM~3nM、0.5nM~2nM、または0.5nM~1nMで結合する。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3に結合し、以下の特性の少なくとも1つ以上を有する:(i)cyno ILT3に結合する、(ii)ヒト及びcyno ILT3に結合する、(iii)ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しない、(iv)LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しない、(v)ILT3アンタゴニストである、(vi)ILT3活性を阻害する、(vii)ILT3を発現する細胞におけるILT3シグナル伝達を阻害する、(viii)ILT3のAPOEに対する結合を阻害する、(ix)ILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する、(x)ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する、(xi ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する、(xii)ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する、(xiii)ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する、及び(xiv)ILT3を発現する骨髄細胞のケモカインに反応する能力及び/またはケモカインを産生する能力を回復する。
本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、当技術分野で既知の任意の適切な方法で製造され得る。かかる方法は、直接タンパク質合成法から、ポリペプチド配列をコードするDNA配列を構築し、それらの配列を適切な宿主で発現させる方法に及ぶ。いくつかの実施形態では、DNA配列は、目的の野生型タンパク質をコードするDNA配列を単離または合成することによって組み換え技術を使用して構築される。任意に、該配列は、部位特異的突然変異誘発によって突然変異を起こし、その機能的バリアントが提供され得る。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドをコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチドシンセサイザーを使用した化学合成によって構築される。オリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて、及び目的の組み換えポリペプチドが産生される宿主細胞での好適なコドン選択に基づいて設計され得る。標準的な方法を適用して、単離された目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を合成することができる。例えば、完全なアミノ酸配列を使用して、逆翻訳された遺伝子を構築することができる。さらに、単離された特定のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードするいくつかの小さいオリゴヌクレオチドを合成し、その後ライゲーションすることができる。個々のオリゴヌクレオチドは、通常、相補的アセンブリのための5’または3’オーバーハングを含む。
アセンブルされた(合成、部位特異的突然変異誘発、または別の方法によって)後、目的の特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、発現ベクターに挿入され、所望の宿主で当該タンパク質を発現させるために適切な発現制御配列に作動可能に連結され得る。適切なアセンブリは、ヌクレオチド配列決定、制限酵素マッピング、及び/または適切な宿主内での生物活性のあるポリペプチドの発現によって確認され得る。
いくつかの実施形態では、組み換え発現ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするDNAを増幅及び発現するために使用される。例えば、組み換え発現ベクターは、哺乳類、微生物、ウイルスまたは昆虫遺伝子由来の適切な転写及び/または翻訳調節要素に作動可能に連結された、ILT3結合剤、例えば、抗ILT3抗体、またはその抗原結合断片の1つ以上のポリペプチド鎖(複数可)をコードする合成またはcDNA由来のDNA断片を有する複製可能なDNA構築物であり得る。転写単位は、一般に、(1)遺伝子発現において調節的役割を有する遺伝要素(複数可)、例えば、転写プロモーターまたはエンハンサー、(2)mRNAに転写されタンパク質に翻訳される構造またはコード配列、ならびに(3)適切な転写及び翻訳の開始及び終止配列のアセンブリを含む。調節要素は、転写を制御するためのオペレーター配列を含み得る。通常は複製起点によって付与される宿主で複製する能力、及び形質転換体の認識を容易にするための選択遺伝子をさらに組み込むことができる。DNA領域は、互いに機能的に関連している場合、「作動可能に連結」されている。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)に対するDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現される場合、該ポリペプチドに対するDNAに作動可能に連結されているか、プロモーターは、コード配列の転写を制御する場合、該コード配列に作動可能に連結されているか、またはリボソーム結合部位は、翻訳を可能にするように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、酵母発現系での使用を意図された構造要素は、宿主細胞による翻訳されたタンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含む。いくつかの実施形態では、組み換えタンパク質がリーダーまたは輸送配列なしで発現される状況において、ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を含み得る。この残基は、任意に、その後、発現された組み換えタンパク質から切断され、最終生成物が提供され得る。
発現制御配列及び発現ベクターの選択は、一般に、宿主の選択に依存する。多種多様な発現宿主/ベクターの組み合わせが使用され得る。真核生物宿主のために有用な発現ベクターとしては、例えば、SV40、ウシ乳頭腫ウイルス、アデノウイルス、及びサイトメガロウイルス由来の発現制御配列を含むベクターが挙げられる。細菌宿主に有用な発現ベクターとしては、既知の細菌プラスミド、例えば、pCR1、pBR322、pMB9及びそれらの派生体を含めたE.coli由来のプラスミド、ならびにより広宿主域プラスミド、例えば、M13及び他の糸状一本鎖DNAファージが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のILT3結合剤(例えば、抗体)は、1つ以上のベクターから発現される。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、1つのベクターによって発現され、軽鎖可変領域は、第二のベクターによって発現される。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、1つのベクターによって発現される。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域をコードする。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードする。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードする。いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドは、1つのベクターによって発現され、軽鎖ポリペプチドは、第二のベクターによって発現される。いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドは、1つのベクターによって発現される。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドをコードする。
抗原または免疫原として使用するためのILT3結合剤(例えば、抗体)またはILT3タンパク質もしくはその断片の発現に適した宿主細胞としては、適切なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母細胞、昆虫細胞、または高等真核細胞が挙げられる。原核生物としては、グラム陰性菌またはグラム陽性菌、例えば、E.coliまたはBacillusが挙げられる。高等真核細胞としては、本明細書に記載の哺乳類起源の樹立細胞株が挙げられる。無細胞翻訳系も使用され得る。細菌、真菌、酵母、及び哺乳類の細胞宿主で使用するために適切なクローニングベクター及び発現ベクター、ならびに抗体産生を含めたタンパク質産生の方法は、当技術分野で周知である。
組み換えポリペプチドを発現させるために、様々な哺乳類培養系が使用され得る。哺乳類細胞での組み換えタンパク質の発現は、これらのタンパク質が一般に正しく折りたたまれ、適切に修飾され、かつ生物学的に機能するという理由で望ましい場合がある。適切な哺乳類宿主細胞株の例としては、COS-7(サル腎臓由来)、L-929(マウス線維芽細胞由来)、C127(マウス乳腺腫瘍由来)、3T3(マウス線維芽細胞由来)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣由来)、HeLa(ヒト子宮頸がん由来)、BHK(ハムスター腎線維芽細胞由来)、HEK-293(ヒト胎児腎臓由来)細胞株及びそれらのバリアントが挙げられるがこれらに限定されない。哺乳類発現ベクターは、非転写要素、例えば、複製起点、発現される遺伝子に連結された適切なプロモーター及びエンハンサー、ならびに他の5’または3’フランキング非転写配列、ならびに5’または3’非翻訳配列、例えば、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、ならびに転写終止配列を含み得る。
昆虫細胞培養系(例えば、バキュロウイルス)での組み換えタンパク質の発現もまた、正しく折りたたまれた生物学的に機能するタンパク質を産生するための堅牢な方法を提供する。昆虫細胞において異種タンパク質を産生するためのバキュロウイルス系は、当業者に周知である。
従って、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む細胞を提供する。いくつかの実施形態では、該細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、ヒトILT3に結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、cyno ILT3に結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、ヒトILT3及びcyno ILT3に結合する抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、5A7と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、Hz5A7と呼ばれる抗体5A7のヒト化型を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、Hz5A7のバリアント、例えば、Hz5A7.v5を生成する。いくつかの実施形態では、該細胞は、3A3と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、12A12と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、16C5と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、45G10と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、Hz45G10と呼ばれる抗体45G10のヒト化型を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、48A6と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、Hz48A6と呼ばれる抗体48A6のヒト化型を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、53F10と呼ばれる抗体を産生する。いくつかの実施形態では、該細胞は、原核細胞(例えば、E.coli)である。いくつかの実施形態では、該細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、該細胞は、哺乳類細胞である。いくつかの実施形態では、該細胞は、ハイブリドーマ細胞である。
宿主細胞によって産生されたタンパク質は、任意の適切な方法に従って精製され得る。標準的な方法としては、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、またはタンパク質精製のための任意の他の標準的な技術が挙げられる。アフィニティータグ、例えば、ヘキサヒスチジン(His6、配列番号154)、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列、及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼをタンパク質に結合させ、適切なアフィニティーカラムを通すことによって容易に精製され得る。免疫グロブリンを精製するために使用されるアフィニティークロマトグラフィー法としては、プロテインA、プロテインG、及びプロテインLクロマトグラフィーを挙げることができるがこれらに限定されない。単離されたタンパク質は、タンパク質分解、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、質量分析(MS)、核磁気共鳴(NMR)、等電点電気泳動(IEF)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及びx線結晶学が挙げられるがこれらに限定されない技術を使用して物理的に特徴づけることができる。単離されたタンパク質の純度は、SDS-PAGE、SEC、キャピラリーゲル電気泳動、IEF、及びキャピラリー等電点電気泳動法(cIEF)が挙げられるがこれらに限定されない、当業者に既知の技術を使用して決定することができる。
いくつかの実施形態では、組み換えタンパク質を培地に分泌する発現系からの上清が、第一に市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon(登録商標)またはMillipore Pellicon(登録商標)限外濾過装置を使用して濃縮される。濃縮ステップに続いて、濃縮物は、適切な精製マトリックスに適用され得る。いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基剤が使用される。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製で一般に使用される他のタイプであり得る。いくつかの実施形態では、陽イオン交換ステップが使用される。適切なカチオン交換体としては、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスが挙げられる。いくつかの実施形態では、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)が挙げられるがこれに限定されないヒドロキシアパタイト媒体が使用される。いくつかの実施形態では、疎水性RP-HPLC媒体、例えば、ペンダントメチルまたは他の脂肪族基を有するシリカゲルを使用する1つ以上の逆相HPLCステップが、組み換えタンパク質をさらに精製するために使用される。いくつかの実施形態では、組み換えタンパク質をそれらの疎水性に基づいて分離するために疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)が使用される。HICは、いくつかの他の技術よりも変性の少ない条件下で操作する条件及びマトリックスを使用するため、生物活性を維持しながらタンパク質を精製するための有用な分離技術である。前述の精製ステップのいくつかまたはすべてを、様々な組み合わせで使用して、均一な組み換えタンパク質を提供することができる。
本開示のILT3結合剤(例えば、抗体)は、当技術分野で既知の様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性及び/または生物活性について分析され得る。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3(例えば、ヒトILT3及び/またはcyno ILT3)に結合する能力について試験される。結合アッセイとしては、SPR(例えば、Biacore)、ELISA、及びFACSが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、フィブロネクチン、APOE、及び/またはCNTFRに対する結合を阻害、低減、または遮断する能力について試験される。さらに、抗体は、溶解性、安定性、熱安定性、粘度、発現レベル、発現品質、及び/または精製効率について評価され得る。
いくつかの実施形態では、ILT3に対して生成されたモノクローナル抗体は、個々の抗体がそれぞれ認識するエピトープに基づいて、「エピトープビニング」として知られるプロセスで分類される。一般に、抗体は、ペアワイズコンビナトリアル方式で試験され、互いに競合する抗体はビンにまとめられる。例えば、プレミックスビニングアッセイでは、一次抗体が表面に固定化され、二次抗体と抗原のプレミックス溶液が固定化された一次抗体上に流される。タンデムでは、抗原は表面に固定化され、2種の抗体が固定化された抗原上に流され、結合を競合する。これらの技術を使用して、互いに遮断する抗体が同定され得る。他の抗体と比較して、各抗体に対する競合的遮断プロファイルが創出される。その遮断の結果により、各抗体が配置されるビンが決定される。エピトープビニングのハイスループット法は当技術分野で既知であり、短期間に多数の抗体のスクリーニング及び特徴づけを可能にする。同様のエピトープに結合する抗体は、多くの場合、同様の機能及び/または能力を共有する。逆に、異なるエピトープに結合する抗体は、異なる機能活性を有し得る。
いくつかの実施形態では、エピトープビンは、3A3、5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、及び53F10からなる群から少なくとも1つの抗体を含む。いくつかの実施形態では、エピトープビンは、少なくとも抗体5A7及び48A6を含む。いくつかの実施形態では、エピトープビンは、少なくとも抗体12A12及び16C5を含む。いくつかの実施形態では、エピトープビンは、少なくとも抗体45G10及び53F10を含む。いくつかの実施形態では、エピトープビンは、少なくとも抗体12A12及び16C5を含む。
エピトープマッピングは、抗体(または他の結合剤)が結合する標的タンパク質/抗原上の結合部位またはエピトープを特定するプロセスである。標的タンパク質上のエピトープをマッピングするための様々な方法が当技術分野で既知である。これらの方法としては、(i)ショットガン突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、及びアラニンスキャニングが挙げられるがこれらに限定されない突然変異誘発、(ii)ドメインまたは断片スキャニング、(iii)ペプチドスキャニング(例えば、Pepscanテクノロジー)、(iv)ファージディスプレイ、微生物ディスプレイ、及びリボソーム/mRNAディスプレイが挙げられるがこれらに限定されないディスプレイ法、(v)タンパク質分解及び質量分析を含む方法、(vi)アミド水素/重水素交換を含む方法、ならびに(vii)X線結晶学及びNMRが挙げられるがこれらに限定されない構造決定が挙げられる。
いくつかの実施形態では、精製された抗ILT3抗体は、N末端配列決定、アミノ酸分析、HPLC、質量分析、示差走査蛍光定量(DSF)、ナノDSF、キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)、イオン交換クロマトグラフィー、及びパパイン消化が挙げられるがこれらに限定されないアッセイによって特徴づけられる。
免疫細胞機能を特徴づけるインビトロアッセイとしては、細胞活性化アッセイ(例えば、細胞増殖アッセイ)、細胞傷害性T細胞(CTL)アッセイ、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ、サイトカイン/ケモカイン産生アッセイ、FcR結合アッセイ、及び細胞遊走アッセイが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、ILT3活性に影響を与える抗ILT3抗体を同定するためのアッセイを提供する。「ILT3活性に影響を与えるまたは影響を与えること」には、例えば、ILT3活性を阻害、低減、遮断、拮抗、抑制、及び/または妨害することが含まれ得る。ILT3は一般に負の調節因子/阻害分子として作用するため、いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害、低減、遮断、拮抗、抑制、及び/または妨害することにより、ILT3が誘導する生物学的機能(例えば、活性化シグナル)の抑制が解除される。本明細書に記載の通り、ILT3は、骨髄細胞、例えば、単球、マクロファージ、樹状細胞(DC)、及び骨髄APCで発現される。ILT3は、抑制性骨髄細胞、例えば、寛容原性樹状細胞(tolDC)及び骨髄由来抑制細胞(MDSC)で高度に発現される。ILT3活性またはILT3シグナル伝達活性としては、骨髄細胞の抑制、骨髄細胞活性の抑制、及び腫瘍関連骨髄細胞の抑制が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害、低減、遮断、拮抗、抑制、及び/または妨害することにより、ILT3が誘導する活性化シグナルの抑制が解除される。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達を阻害する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達を阻害し、それにより、ILT3が誘導する抑制効果が逆転される。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3が誘導する消滅シグナルを阻害する。
いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、骨髄細胞を活性化する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、骨髄APCを活性化する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、樹状細胞を活性化する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、tolDCを活性化または再活性化する。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、tolDCが刺激(例えば、LPS)に反応する能力を回復させる。いくつかの実施形態では、抗ILT3抗体は、ILT3のシグナル伝達経路を妨害し、初代樹状細胞を活性化する。
いくつかの実施形態では、「阻害すること」、「低減すること」、「遮断すること」、「拮抗すること」、「抑制すること」、及び「妨害すること」という用語は、該ILT3結合剤による処理をしない場合のレベル及び/または活性に対する。いくつかの実施形態では、「阻害すること」、「低減すること」、「遮断すること」、「拮抗すること」、「抑制すること」、及び「妨害すること」という用語は、該ILT3結合剤による処理前のレベル及び/または活性に対する。
いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体3A3である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体5A7である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体Hz5A7.v5である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体12A12である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体16C5である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体45G10である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体48A6である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体53F10である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体Hz45G10である。いくつかの実施形態では、ILT3活性を阻害する抗ILT3抗体は、抗体Hz48A6である。
本開示はまた、本明細書に記載の抗ILT3抗体を含むコンジュゲートを提供する。いくつかの実施形態では、該抗体は、第2の分子に結合する。いくつかの実施形態では、該抗体は、細胞毒性薬または部分にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、該抗体は、ADC(抗体薬物複合体)を形成するために細胞毒性薬にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、該細胞毒性薬は、メトトレキサート、アドリアマイシン/ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、デュオカルマイシン、ダウノルビシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、または他の挿入剤が挙げられるがこれらに限定されない化学療法薬である。いくつかの実施形態では、該細胞毒性薬は、オーリスタチン、マイタンシノイド(例えば、DM1及びDM4)、ならびにツブリシンが挙げられるがこれらに限定されない微小管阻害剤である。いくつかの実施形態では、該細胞毒性薬は、細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素活性のある毒素またはその断片であり、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンシンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、Momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、Sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセン類を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体は、1つ以上の小分子毒素、例えば、カリケアマイシン、マイタンシノイド、トリコテン(trichothene)、及びCC1065にコンジュゲートされる。これらの毒素のいずれか1つの誘導体は、該誘導体が親分子の細胞傷害活性を保持している限り、使用され得る。
本明細書に記載の抗ILT3抗体を含むコンジュゲートは、当技術分野で既知の任意の適切な方法を使用して製造され得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール(pyridyidithiol))プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCl等)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジル等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トルエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)を使用して製造される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、該抗体が診断及び/または検出に使用されるようにする検出可能な物質または分子にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、腫瘍または腫瘍微小環境における免疫細胞を観察するために標識された抗ILT3抗体が使用される。いくつかの実施形態では、腫瘍または腫瘍微小環境における免疫細胞を処理後に観察するために標識された抗ILT3抗体が使用される。検出可能な物質としては、酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼ、補欠分子族、例えば、ビオチン及びフラビン(複数可)、蛍光物質、例えば、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、シアニン(Cy3)、及びフィコエリトリン、生物発光物質、例えば、ルシフェラーゼ、放射性物質、例えば、212Bi、14C、57Co、51Cr、67Cu、18F、68Ga、67Ga、153Gd、159Gd、68Ge、H、166Ho、131I、125I、123I、121I、115In、113In、112In、111In、140La、177Lu、54Mn、99Mo、32P、103Pd、149Pm、142Pr、186Re、188Re、105Rh、97Ru、35S、47Sc、75Se、153Sm、113Sn、117Sn、85Sr、99mTc、201Ti、133Xe、90Y、69Yb、175Yb、65Zn、陽電子放出金属、及び磁性金属イオンを挙げることができるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、イムノアッセイに使用される。イムノアッセイは当業者に既知であり、ELISA、SPR(例えば、Biacore)、FACS、及び免疫組織化学(IHC)を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、組織サンプルまたは腫瘍サンプルで使用される。
本明細書に記載の抗ILT3抗体はまた、抗体ヘテロコンジュゲートを形成するために第二の抗体にコンジュゲートされ得る。
本明細書に記載の抗ILT3抗体は、固体支持体に結合され得る。かかる固体支持体としては、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、固定化された抗ILT3抗体は、イムノアッセイに使用される。いくつかの実施形態では、固定化された抗ILT3抗体は、標的抗原の精製に使用される。
III ポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリペプチド(例えば、ILT3結合剤)をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを包含する。「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という用語は、ポリペプチドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列及び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。本開示のポリヌクレオチドは、RNAの形態の場合もあればDNAの形態の場合もある。DNAとしては、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが挙げられ、二本鎖でも一本鎖でもよく、一本鎖の場合、コード鎖でも非コード(アンチセンス)鎖でもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)の重鎖可変領域及び/または軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド及び該ILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)の重鎖及び/または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖をコードするポリヌクレオチド及び該ILT3結合剤の軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号109~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号109のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号110のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号111のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号112のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号113のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号114のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号115のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号116のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号117のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号118のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号119のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号120のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号122のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号123のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号124のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号125のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号126のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号127のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号128のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、配列番号109~128からなる群から選択される複数のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号109のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号110のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号111のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号112のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号113のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号114のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号115のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号116のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号117のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号118のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号119のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号120のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号121のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号122のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号123のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号124のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号125のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号127のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、(i)配列番号126のアミノ酸配列を含むポリペプチド及び(ii)配列番号128のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
本開示はまた、本明細書に記載のポリヌクレオチドのバリアントを提供し、該バリアントは、例えば、ポリペプチドの断片、アナログ、及び/または誘導体をコードする。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、及びいくつかの実施形態では、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号109~128からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、及びいくつかの実施形態では、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。同様に提供するのは、配列番号109~128からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該ハイブリダイゼーションは、当業者に既知の高ストリンジェンシー条件下で行われる。
本明細書で使用される、「ポリヌクレオチド配列に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド」という句は、該ポリヌクレオチド配列が、参照ヌクレオチド配列の100ヌクレオチドあたり最大5つの点突然変異を含むことができることを除いて、該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列に対して同一であることを意味することを意図している。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るには、該参照配列のヌクレオチドの最大5%を削除または別のヌクレオチドで置換してもよいか、またはいくつかのヌクレオチドを、該参照配列の全ヌクレオチドの最大5%まで該参照配列に挿入してもよい。当業者には、他の「%同一」の記述、例えば、90%同一または85%同一に対して、適切な計算がなされることが理解される。これらの参照配列の突然変異は、該参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置またはそれら末端位置間の任意の場所で、該参照配列のヌクレオチド間で個別に散在して、または該参照配列内で1つ以上の連続した群で生じ得る。
ポリヌクレオチドバリアントは、コード領域、非コード領域、またはその両方に変化を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、サイレント置換、付加、または欠失を生じるがコードされたポリペプチドの特性または活性を変更しない変化を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、(遺伝暗号の縮重のために)ポリペプチドのアミノ酸配列に変化をもたらさないサイレント置換を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、そのコドンによってコードされるアミノ酸を変化させるコドンに1つ以上(例えば、1、2、または3つ)の置換を含む1つ以上の変異コドンを含む。コドンに1つ以上の置換を導入するための方法は、当業者に既知であり、PCR突然変異誘発及び部位特異的突然変異誘発を含むがこれらに限定されない。ポリヌクレオチドバリアントは、様々な理由で、例えば、特定の宿主に対するコドン発現を最適化するため(例えば、ヒトmRNAのコドンを、細菌宿主、例えば、E.coliが好むものに変更するため)に産生される場合がある。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、該配列の非コード領域またはコード領域に少なくとも1つのサイレント突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの発現(または発現レベル)を調節または変更するために産生される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの発現を高めるために産生される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの発現を低下させるために産生される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの発現が親ポリヌクレオチド配列と比較して高い。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドバリアントは、コードされるポリペプチドの発現が親ポリヌクレオチド配列と比較して低い。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、宿主細胞からのポリペプチドの発現及び分泌を助けるポリヌクレオチドに同じリーディングフレームで融合されたポリペプチド(例えば、抗体)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、該発現及び分泌を助けるポリヌクレオチドは、ポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列である。いくつかの実施形態では、該ポリペプチドは、宿主細胞によって切断されて該ポリペプチドの「成熟」形態を形成するリーダー配列を有する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、マーカーまたはタグ配列に同じリーディングフレームで融合されたポリペプチド(例えば、抗体)のコード配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、マーカー配列は、ヘキサヒスチジンタグ(HISタグ、配列番号154)であり、それにより、該マーカーに融合されたポリペプチドの効率的な精製が可能になる。いくつかの実施形態では、マーカー配列は、哺乳類宿主が使用される場合、インフルエンザの血球凝集素タンパク質に由来する血球凝集素(HA)タグである。いくつかの実施形態では、該マーカー配列は、FLAG(商標)タグである。いくつかの実施形態では、マーカーは、他のマーカーまたはタグと組み合わせて使用され得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは単離される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、実質的に純粋である。
本明細書に記載のポリヌクレオチドの各々を含むベクター及び細胞もまた提供する。いくつかの実施形態では、ベクター(例えば、発現ベクター)は、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)をコードするポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載のILT3結合剤の一部であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするポリヌクレオチド分子を含むベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の一部であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を含むベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする単一のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域をコードする第一のポリヌクレオチド及び本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードする第二のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖をコードする第一のポリヌクレオチド及び本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードする1つ以上のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域をコードする第一のベクター及び本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードする第二のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードする単一のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖をコードする第一のベクター及び本明細書に記載のILT3結合剤の軽鎖をコードする第二のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードする単一のベクターを含む。
IV.結合剤の製造方法
本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)を製造する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、ILT3結合剤の重鎖及び/または軽鎖を含む細胞を提供すること、該結合剤の発現を可能にする条件下で該細胞を培養すること、及び該結合剤を単離することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、該結合剤を精製することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、該結合剤を医薬組成物として製剤化することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードする1つ以上のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖可変領域をコードする第一のベクター及び該ILT3結合剤の軽鎖可変領域をコードする第二のベクターを含む。他の実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードするベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードする1つ以上のベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖をコードする第一のベクター及び該ILT3結合剤の軽鎖をコードする第二のベクターを含む。他の実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードするベクターを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖をコードする第一のポリヌクレオチド及び該ILT3結合剤の軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含む。他の実施形態では、細胞は、該ILT3結合剤の重鎖及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするポリヌクレオチドは、細胞に一過性にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤をコードするポリヌクレオチドは、細胞に安定にトランスフェクトされる。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片であり、該方法は、抗ILT3抗体の断片を含む細胞を提供すること、該抗体断片の発現を可能にする条件下で該細胞をインキュベートすること、及び該抗体断片を単離することを含む。ある特定の実施形態では、該細胞は、本明細書に記載の抗体断片をコードするベクターを含む。ある特定の実施形態では、該細胞は、本明細書に記載の抗体断片をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、該抗体断片を精製することを含む。ある特定の実施形態では、該抗体断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、scFv、(scFv)、単鎖抗体、二重可変領域抗体、ダイアボディ、またはナノボディである。
いくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、scFvであり、該方法は、該scFvを含む細胞を提供すること、該scFvの発現を可能にする条件下で該細胞をインキュベートすること、及び該scFvを単離することを含む。ある特定の実施形態では、該細胞は、該scFvをコードする本明細書に記載のベクターを含む。ある特定の実施形態では、該細胞は、該scFvをコードする本明細書に記載のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、該scFvを精製することを含む。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤を製造するために使用される細胞は、細菌細胞(例えば、E.coli)である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤を製造するために使用される細胞は、酵母細胞(例えば、Pichia pastoris)である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤を製造するために使用される細胞は、哺乳類細胞、例えば、CHO細胞またはHEK293細胞である。
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、細胞からの本明細書に記載のILT3結合剤の発現のため(例えば、シグナル配列を発現されるペプチドに融合することによって)使用される。この目的のために、任意の適切なシグナル配列が使用され得る。例えば、抗体の重鎖及び軽鎖を発現させるため、IgGカッパ軽鎖シグナルペプチド配列または自然抗体のシグナルペプチドを該重鎖及び軽鎖配列に融合させることができる。
V.ILT3リガンド
本開示は、新たに同定されたヒトILT3に対するリガンドとしてフィブロネクチンを提供する。毛様体神経栄養因子受容体(CNTFR)もまた、ILT3の結合パートナーであることが分かった。最近になって、ILT3に対するいくつかのリガンドが同定され、これらには、CD166(活性化白血球細胞接着分子、ALCAMとも呼ばれる)、アポリポタンパク質E(APOE)、及びペプチダーゼインヒビター16(PI16)が含まれる(Xu et al.,2018,J.Immunol.,200:1207-1219、Deng et al.,2018,Nature,562:605-609、国際公開第WO2018/089300号)。現在のところ、これらのタンパク質のすべてがILT3リガンドとして生物学的に機能するかどうかについては合意がないと思われ、これらの異なる相互作用の各々の関連性をさらに理解するための研究が行われている。
ヒトフィブロネクチン(UniProtKB番号P02751)及びヒトCNTFR-アルファ(UniProKB番号P26992)のアミノ酸(aa)配列を、それぞれ、配列番号138及び配列番号148として本明細書に提供する。ヒトフィブロネクチンには少なくとも17の異なるアイソフォームが存在し、UniProtKBは、その標準配列として配列番号138を記載している。本明細書で使用される、これらタンパク質のアミノ酸位置への言及は、シグナル配列を含めたアミノ酸配列の付番を指す。
フィブロネクチン(FN)は通常、C末端付近でジスルフィド結合の対によって共有結合により連結された2つのほぼ同一の約250kDaのサブユニットで構成される二量体として存在する。各モノマーは、I型、II型及びIII型の3種類の繰り返し単位(FNリピートと呼ばれる)を含む。FNは、12個のI型リピート、2個のII型リピート、及び15~17個のIII型リピートを含み、これらを合わせると、当該フィブロネクチン配列の約90%を占める。フィブロネクチン構造の表現については、図8を参照されたい。I型及びII型リピートは、ドメイン内のジスルフィド結合の存在によって安定化される一方、III型ドメインは、構造的に不安定であり、機械的アンフォールディングが起こりやすい。フィブロネクチンは、20個ものバリアントを生成し得る単一のプレmRNAの選択的スプライシングから生じる複数の形態で存在し得る。
フィブロネクチンは、肝臓によって合成される血漿タンパク質であり、ほとんどの組織で細胞依存性の重合を受けて線維状の細胞外マトリックスになる。常在間質細胞による血漿由来及び局所合成の両方が、組織マトリックスを構成するフィブロネクチンに寄与する。
フィブロネクチンは、少なくとも12個のインテグリン受容体ファミリーのメンバーのリガンドである。フィブロネクチンは、インテグリンを介して細胞表面に結合することに加えて、多種多様な機能活性を有する。それは、ヘパリン、コラーゲン/ゼラチン、及びフィブリンを含めたいくつかの他のタンパク質に結合する。これらの相互作用は、フィブロネクチン内のいくつかの異なる構造的及び機能的ドメインならびに該フィブロネクチンリピート群によって媒介される。多くの他のフィブロネクチンドメインの生物学的役割は、特徴づけられておらず、及び/または十分に理解されていない。
本明細書に開示するように、フィブロネクチンは、ILT3のリガンドとして同定された。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3とフィブロネクチンとの相互作用を遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3とフィブロネクチンとの機能的相互作用を遮断または阻害する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138または139に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのN末端領域(シグナル配列/ペプチドを含まない)に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのヘパリン結合ドメイン及びコラーゲン結合ドメインに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのヘパリン結合ドメインに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのI型リピート1~5に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのI型リピート1~4に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのI型リピート1~3に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンのI型リピート1~2に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いずれのドメインの境界も正確には分かっておらず、FNのドメイン及び/またはリピートを画定するために本明細書で使用されるアミノ酸は、UniProtKBからの情報に基づいている。従って、任意のドメイン及び/またはリピートの境界は、本明細書に記載されているものとは異なる場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~608に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~280に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~300に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~228に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~182に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~138に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、配列番号138のアミノ酸32~290に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)は、フィブロネクチンが誘導するILT3活性を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3の抑制活性を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3の骨髄細胞の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3の骨髄細胞活性の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3のAPCの抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3のAPC活性の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3の樹状細胞の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3の樹状細胞活性の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3のマクロファージの抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、フィブロネクチンが誘導するILT3のマクロファージ活性の抑制を阻害する。いくつかの実施形態では、樹状細胞、APC、単球、及びマクロファージが挙げられるがこれらに限定されない該骨髄細胞は、腫瘍関連細胞である。いくつかの実施形態では、樹状細胞、APC、単球及びマクロファージが挙げられるがこれらに限定されない該骨髄細胞は、腫瘍微小環境に存在する。いくつかの実施形態では、樹状細胞、APC、単球及びマクロファージが挙げられるがこれらに限定されない該骨髄細胞は、腫瘍内に存在する。
本明細書に開示するように、CNTFR-アルファは、ILT3のリガンドとして同定された。CNTFR-アルファは、毛様体神経栄養因子に結合することが知られている三部分CNTFR複合体の一部である。CNTFR-アルファサブユニットは膜結合タンパク質であり、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)結合によって細胞膜に固定されている。この受容体は、該複合体の補助受容体成分なしではシグナル伝達能力を有さない。他の2つの成分は、gp130及び白血病抑制因子受容体(LIFR)ベータであり、これが該複合体のシグナル伝達能力を提供する(Stahl et al.,1994,J.Neurobiol.,25:1454-1466)。CNTFRへのILT3結合の生物学的関連性はまだ研究中である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、CNTFR-アルファに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3とCNTFR-アルファの相互作用を遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、ILT3のCNTFR-アルファに対する結合を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、CNTFR-アルファに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断し、該CNTFR複合体のシグナル伝達を調節する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、CNTFR-アルファの成熟形態に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、CNTFR-アルファのIg様C2型ドメインに対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、CNTFR-アルファのFNのIII型ドメインの一方または両方(すなわち、FNのIII型ドメイン1、FNのIII型ドメイン2、またはFNのIII型ドメイン1及び2)に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号149または配列番号150に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号148のアミノ酸23~342に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号148のアミノ酸23~104に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号148のアミノ酸105~205に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号148のアミノ酸206~306に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤は、配列番号148のアミノ酸23~306に対するILT3の結合を阻害、妨害、または遮断する。
VI.使用方法及び医薬組成物
本開示のILT3結合剤(例えば、抗体)は、治療的治療法、例えば、がんの治療が挙げられるがこれらに限定されない様々な用途に有用である。いくつかの実施形態では、治療的治療法は、がんに対する免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、がんまたはがん細胞に対する免疫反応を活性化、促進、増大、及び/または増強するために有用である。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、腫瘍または腫瘍細胞に対する免疫反応を活性化、促進、増大、及び/または増強するために有用である。該使用方法は、インビトロ法の場合も、エキソビボ法の場合も、インビボ法の場合もある。
本開示は、ILT3のフィブロネクチンに対する結合を妨害、阻害、または遮断する方法を提供する。いくつかの実施形態では、フィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、フィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含み、該方法により、フィブロネクチンが誘導するILT3活性が妨害、阻害、または遮断される。いくつかの実施形態では、フィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含み、該方法により、ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制が妨害、阻害、または遮断される。いくつかの実施形態では、フィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤と接触させることを含み、該方法により、ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制が妨害、阻害、または遮断される。いくつかの実施形態では、フィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法により、(i)骨髄細胞におけるFcRシグナル伝達活性が回復し、(ii)骨髄細胞によるケモカイン産生が回復し、及び/または(iii)免疫細胞(例えば、T細胞)の増殖及び/または活性が回復する。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、tolDCである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、APCである。
本開示は、対象におけるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象におけるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるフィブロネクチンが誘導するILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるILT3が誘導する抗原提示細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法により、(i)骨髄細胞におけるFcR活性が回復し、(ii)骨髄細胞によるケモカイン産生が回復し、及び/または(iii)免疫細胞(例えば、T細胞)の増殖及び/または活性が回復する。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、tolDCである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、APCである。
本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)を使用して、対象における免疫反応を活性化するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を使用して、対象における免疫反応を促進するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を使用して、対象における免疫反応を増大させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を使用して、対象における免疫反応を増強するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、骨髄細胞を刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、単球を刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、マクロファージを刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、樹状細胞を刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、APCを刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、tolDCを刺激することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、tolDCを再活性化することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、細胞性免疫を増大することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、エフェクターT細胞活性を増大することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、CTL活性を増大することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、Tregの抑制活性を阻害または低減することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応の活性化、促進、増大、及び/または増強は、MDSCの抑制活性を阻害または低減することを含む。いくつかの実施形態では、該免疫反応は、抗原刺激の結果である。いくつかの実施形態では、該抗原刺激は、腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、該抗原刺激は、がんである。
本開示はまた、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害する方法を提供し、該方法は、該細胞を、本明細書に記載のILT3結合剤の有効量と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害する方法は、該細胞を、有効量の抗体3A3、抗体5A7、抗体12A12、抗体16C5、抗体45G10、抗体48A6、もしくは抗体53F10、またはそれらのヒト化型と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害する方法は、該細胞を、有効量の抗体Hz5A7.v5と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害する方法は、該細胞を、有効量の抗体Hz45G10と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害する方法は、該細胞を、有効量の抗体Hz48A6と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、細胞におけるILT3のシグナル伝達を妨害及び/または阻害するための薬剤の製造または調製における本明細書に記載のILT3結合剤の使用を提供する。ある特定の実施形態では、該細胞は、骨髄細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、tolDCである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、抗原提示細胞である。ある特定の実施形態では、該方法は、該細胞を該薬剤と接触させるステップが、治療有効量のILT3結合剤を対象に投与することを含むインビボ法である。いくつかの実施形態では、該方法は、インビトロまたはエキソビボ法である。
本開示はまた、本明細書に記載のILT3結合剤を使用した腫瘍の成長を阻害するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、抗体3A3、抗体5A7、抗体12A12、抗体16C5、抗体45G10、抗体48A6、もしくは抗体53F10、またはそれらのヒト化型を使用することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、抗体Hz5A7.v5を使用することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、抗体Hz45G10を使用することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、抗体Hz48A6を使用することを含む。ある特定の実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、細胞混合物を、インビトロでILT3結合剤と接触させることを含む。例えば、免疫細胞(例えば、寛容原性樹状細胞)と混合された不死化細胞株またはがん細胞株を、ILT3に結合する試験薬剤が添加された培地で培養する。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、患者のサンプル、例えば、組織生検、胸水、または血液サンプル等から単離され、免疫細胞(例えば、tolDC)と混合され、ILT3に結合する試験薬剤が添加された培地で培養される。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍または腫瘍細胞の成長を阻害するための薬剤の製造または調製における本明細書に記載のILT3結合剤の使用を提供する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、エフェクター免疫細胞の活性を増大、促進、及び/または増強する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、腫瘍細胞の成長を阻害する。
いくつかの実施形態では、腫瘍の成長を阻害する方法は、該腫瘍及び/または腫瘍微小環境を、本明細書に記載のILT3結合剤とインビボで接触させることを含む。ある特定の実施形態では、腫瘍及び/または腫瘍微小環境とILT3結合剤の接触は、動物モデルにおいて行われる。例えば、試験薬剤は、腫瘍を有するマウスに投与され得る。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、マウスにおける免疫細胞の活性を増大、促進、及び/または増強する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、腫瘍の成長を阻害する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、腫瘍を退行させる。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、動物への腫瘍細胞の導入と同時にまたはその直後に、腫瘍の成長を防止するために投与される(「予防モデル」)。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、腫瘍が特定のサイズに成長した後、または「定着」した後に、治療のために投与される(「治療モデル」)。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトILT3を発現するトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウス)に投与され、該トランスジェニック動物は、ヒト細胞に由来する腫瘍を有する。
いくつかの実施形態では、腫瘍成長を阻害する方法は、対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)の治療有効量を投与することを含む。ある特定の実施形態では、該対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する免疫反応を増大または増強する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する持続的または長期にわたる免疫反応を活性化または増強する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する持続的または長期にわたる免疫を誘導する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該腫瘍は、固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、膵臓腫瘍、***腫瘍、肺腫瘍、頭頸部腫瘍、結腸直腸腫瘍、前立腺腫瘍、皮膚腫瘍、メラノーマ腫瘍、胃腫瘍(stomach tumor)、胃腫瘍(gastric tumor)、腸腫瘍、卵巣腫瘍、頸部腫瘍、子宮腫瘍、子宮内膜腫瘍、膀胱腫瘍、脳腫瘍、食道腫瘍、肝臓腫瘍、腎臓腫瘍、または精巣腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、膵臓腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、卵巣腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、***腫瘍である。いくつかの実施形態では、該腫瘍は、子宮腫瘍である。ある特定の実施形態では、該対象は、腫瘍を有するか、または該対象は、腫瘍が少なくとも部分的に除去されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍または腫瘍細胞の成長を阻害するための薬剤の製造または調製における本明細書に記載のILT3結合剤の使用を提供する。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、対象に対して、治療有効量の抗体3A3、抗体5A7、抗体12A12、抗体16C5、抗体45G10、抗体48A6、もしくは抗体53F10、またはそれらのヒト化型を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、対象に対して、治療有効量の抗体Hz5A7.v5を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、対象に対して、治療有効量の抗体Hz48A6を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該腫瘍の成長を阻害する方法は、対象に対して、治療有効量の抗体Hz45G10を投与することを含む。
本開示は、がんを治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、がんを治療する方法は、対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ILT3に結合し、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトのILT3発現細胞に結合し、がんに対する免疫反応を増強し、該がんの成長を阻害または低減する。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、ヒトのILT3発現細胞に結合し、tolDCを再活性化し、がんに対する免疫反応を増強し、該がんの成長を阻害または低減する。ある特定の実施形態では、該対象は、ヒトである。ある特定の実施形態では、該対象は、がん性腫瘍を有する。ある特定の実施形態では、該対象は、腫瘍が少なくとも部分的に除去されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療のための薬剤の製造または調製における本明細書に記載のILT3結合剤の使用を提供する。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該がんは、膵臓癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、皮膚癌、メラノーマ、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、腸癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、膀胱癌、脳癌、食道癌、肝臓癌、腎臓癌、または精巣癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、肉腫である。いくつかの実施形態では、該がんは、ILT3を発現する。
いくつかの実施形態では、該がんは、血液癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、該骨髄性のがんは、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、該骨髄性のがんは、慢性骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、該がんは、ILT3を発現するある特定のタイプのB細胞白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、該がんは、骨髄異形成症候群である。骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄の未熟な血球が成熟しないため、健康な血球にならないがんのグループである。いくつかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、AMLに発展する。
いくつかの実施形態では、対象におけるがんの治療方法は、該対象に対して、治療有効量の抗体3A3、抗体5A7、抗体12A12、抗体16C5、抗体45G10、抗体48A6、もしくは抗体53F10、またはそれらのヒト化型を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるがんの治療方法は、該対象に対して、治療有効量の抗体Hz5A7.v5を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるがんの治療方法は、該対象に対して、治療有効量の抗体Hz48A6を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるがんの治療方法は、該対象に対して、治療有効量の抗体Hz45G10を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍微小環境で骨髄細胞を活性化する方法を提供する。いくつかの実施形態では、腫瘍を有する対象において、腫瘍微小環境で骨髄細胞を活性化する方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、初代樹状細胞またはtolDCである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、単球である。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、マクロファージである。いくつかの実施形態では、該骨髄細胞は、APCである。いくつかの実施形態では、本開示は、対象におけるtolDCを再活性化する方法を提供し、該方法は、該対象に対して、本明細書に記載のILT3結合剤の治療有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該tolDCは、腫瘍微小環境に見出される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体5A7の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤は、抗体Hz5A7.v5の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)配列番号111の重鎖可変領域及び(b)配列番号112の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)配列番号123の重鎖可変領域及び(b)配列番号124の軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号126の重鎖を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号128の軽鎖を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号126の重鎖及び配列番号128の軽鎖を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、5A7のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、Hz5A7.v5である。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体3A3または3A3のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFSLTSYGVH(配列番号11)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列DKYDGGWFAY(配列番号13)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列KASQNVRTAVA(配列番号14)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LASNRHT(配列番号15)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列LQHLNYPLT(配列番号16)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号109の重鎖可変領域及び配列番号110の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号109のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号110のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号109のポリペプチド及び配列番号110のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体3A3である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体3A3のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体3A3のバリアントまたはヒト化3A3のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体12A12または12A12のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列SPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列TASSSVSSSYLH(配列番号46)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列STSNLAS(配列番号47)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列HQYHRSPRT(配列番号48)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号113の重鎖可変領域及び配列番号114の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号113のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号114のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号113のポリペプチド及び配列番号114のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体12A12である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体12A12のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体12A12のバリアントまたはヒト化12A12のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体16C5または16C5のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GYTFTDYNMD(配列番号43)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列VPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASSSVSFMH(配列番号61)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列ATSNLAS(配列番号62)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQWSTNPYMYT(配列番号63)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号115の重鎖可変領域及び配列番号116の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号115のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号116のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号115のポリペプチド及び配列番号116のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体16C5である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体16C5のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体16C5のバリアントまたはヒト化16C5のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体45G10または45G10のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISKFLN(配列番号74)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号117の重鎖可変領域及び配列番号118の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号117のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号118のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号117のポリペプチド及び配列番号118のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体45G10である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体45G10のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体45G10のバリアントまたはヒト化45G10のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体48A6または48A6のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列RGWLLHYYAMDY(配列番号88)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LSSKLES(配列番号90)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQHNEDPFT(配列番号91)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号119の重鎖可変領域及び配列番号120の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号119のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号120のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号119のポリペプチド及び配列番号120のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体48A6である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体48A6のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体48A6のバリアントまたはヒト化48A6のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該ILT3結合剤(例えば、抗体)は、抗体53F10または53F10のヒト化型の重鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに軽鎖可変領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、(a)アミノ酸配列GFTFSDYGMH(配列番号71)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列ADGRGAMDY(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)アミノ酸配列RASQDISNFLN(配列番号100)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列YTSRLHS(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQGNTLPWT(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号121の重鎖可変領域及び配列番号122の軽鎖可変領域を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号121のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号122のポリペプチドを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、配列番号121のポリペプチド及び配列番号122のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体53F10である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体53F10のヒト化型である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該抗ILT3抗体は、抗体53F10のバリアントまたはヒト化53F10のバリアントである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)を、少なくとも1つのさらなる治療薬または治療的療法と組み合わせて投与することを含む。2種以上の治療薬による治療では、必須ではないが、多くの場合、異なる作用機序で作用する薬剤が使用される。異なる作用機序を有する薬剤を使用する併用療法は、相加効果をもたらす場合もあれば、相乗効果をもたらす場合もある。併用療法は、各薬剤が単剤療法で使用されるより低い用量を可能にする場合があり、それにより、中毒性副作用が低下する、及び/または該薬剤(複数可)の治療指数が増加する場合がある。併用療法は、薬剤に対する耐性が発現する可能性を減少させ得る。
記載の方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)と少なくとも1つのさらなる治療薬の組み合わせにより、相加的または相乗的効果がもたらされる。いくつかの実施形態では、該併用療法は、該ILT3結合剤の治療指数の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、該併用療法は、該さらなる治療薬(複数可)の治療指数の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、該併用療法は、該ILT3結合剤の毒性及び/または副作用の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、該併用療法は、該さらなる治療薬(複数可)の毒性及び/または副作用の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、併用療法は、免疫反応に影響を与える(例えば、該反応を増強または活性化する)治療薬及び、該腫瘍/がん細胞に影響を与える(例えば、阻害または殺傷する)治療薬を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、併用治療は、1つのさらなる治療薬または2つ以上のさらなる治療薬を含む。
有用なクラスの治療薬としては、抗チューブリン薬、オーリスタチン、DNAマイナーグルーブバインダー、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えば、シスプラチン、モノ(白金)、ビス(白金)及び三核白金錯体ならびにカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質、葉酸代謝拮抗薬、代謝拮抗薬、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、プリン代謝拮抗薬、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイド等が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、該第二の治療薬は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、有糸***阻害薬、トポイソメラーゼ阻害剤、または血管新生阻害剤である。
本明細書に記載のILT3結合剤と組み合わせて投与され得る治療薬には、化学療法薬が含まれる。従って、いくつかの実施形態では、該方法または治療は、本開示のILT3結合剤を化学療法薬と組み合わせて、または化学療法薬のカクテルと組み合わせて投与することを含む。
本開示に有用な化学療法薬としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN)、アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン、アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、及びウレドパ、エチレンイミン及びメチルメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロールメラミン、ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビキン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシ、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、代謝拮抗薬、例えば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)、葉酸アナログ、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート、プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シトシンアラビノシド、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FU、アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、抗副腎薬、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン、葉酸補充薬、例えば、フォリン酸、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキサート、デフォファミン、デメコルシン、ジアジクオン、エルホルミチン、エリプチニウムアセテート、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダミン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK、ラゾキサン、シゾフィラン(sizofuran)、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(Ara-C)、タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL)及びドセタキセル(TAXOTERE)、クロラムブシル、ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、白金アナログ、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ナベルビン、ノバントロン、テニポシド、ダウノマイシン、アミノプテリン、イバンドロネート、CPT 11、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイン酸、エスペラミシン、カペシタビン(XELODA)、ならびに上記のいずれかの医薬的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。
化学療法薬としてはまた、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン薬、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼを阻害する4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(FARESTON)等、ならびに抗アンドロゲン薬、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリン、ならびに上記のいずれかの医薬的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられる。
本明細書に記載の方法のある特定の実施形態では、該化学療法薬は、トポイソメラーゼ阻害剤である。トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼ酵素(例えば、トポイソメラーゼIまたはII)の作用を妨害する化学療法薬である。トポイソメラーゼ阻害剤としては、ドキソルビシンHCl、クエン酸ダウノルビシン、ミトキサントロンHCl、アクチノマイシンD、エトポシド、トポテカンHCl、テニポシド(VM-26)、及びイリノテカン、ならびにこれらのいずれかの医薬的に許容される塩、酸、または誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、該さらなる治療薬は、イリノテカンである。
いくつかの実施形態では、該化学療法薬は、代謝拮抗薬である。代謝拮抗薬は、正常な生化学反応に必要な代謝物に類似しているが、細胞の1つ以上の正常な機能、例えば、細胞***を妨害するほど異なった構造を有する化学物質である。代謝拮抗薬としては、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサートナトリウム、ラリトレキセド、ペメトレキセド、テガフール、シトシンアラビノシド、チオグアニン、5-アザシチジン、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、6-チオグアニン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、及びクラドリビン、ならびにこれらのいずれかの医薬的に許容される塩、酸、または誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、該さらなる治療薬は、ゲムシタビンである。
本明細書に記載の方法のある特定の実施形態では、該化学療法薬は、有糸***阻害薬であり、チューブリンに結合する薬剤を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、該薬剤は、タキサンである。ある特定の実施形態では、該薬剤は、パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはパクリタキセルもしくはドセタキセルの医薬的に許容される塩、酸、もしくは誘導体である。ある特定の実施形態では、該薬剤は、パクリタキセル(TAXOL)、ドセタキセル(TAXOTERE)、アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリタキセル、ABRAXANE)、DHA-パクリタキセル、またはPG-パクリタキセルである。ある特定の代替的な実施形態では、該有糸***阻害薬は、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、もしくはビンデシン、またはそれらの医薬的に許容される塩、酸、もしくは誘導体を含む。いくつかの実施形態では、該有糸***阻害薬は、キネシンEg5の阻害剤またはオーロラAもしくはPlkl等の有糸***キナーゼの阻害剤である。ある特定の実施形態では、該さらなる治療薬は、パクリタキセルである。ある特定の実施形態では、該さらなる治療薬は、nab-パクリタキセルである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、さらなる治療薬は、小分子等の薬剤を含む。例えば、治療は、本開示のILT3結合剤と、EGFR、HER2(ErbB2)、及び/またはVEGFが挙げられるがこれらに限定されない腫瘍関連抗原に対する阻害剤として作用する小分子との併用投与を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のILT3結合剤は、ゲフィチニブ(IRESSA)、エルロチニブ(TARCEVA)、スニチニブ(SUTENT)、ラパタニブ、バンデタニブ(ZACTIMA)、AEE788、CI-1033、セディラニブ(RECENTIN)、ソラフェニブ(NEXAVAR)、及びパゾパニブ(GW786034B)からなる群から選択されるプロテインキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、さらなる治療薬は、mTOR阻害剤を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、さらなる治療薬は、生体分子、例えば、抗体を含む。例えば、治療は、本開示のILT3結合剤と、EGFR、HER2/ErbB2、及び/またはVEGFに結合する抗体が挙げられるがこれらに限定されない腫瘍関連抗原に対する抗体との併用投与を含み得る。
ある特定の実施形態では、該さらなる治療薬は、血管新生阻害剤である抗体(例えば、抗VEGFまたはVEGF受容体抗体)である。ある特定の実施形態では、該さらなる治療薬は、ベバシズマブ(AVASTIN)、ラムシルマブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN)、ペルツズマブ(OMNITARG)、パニツムマブ(VECTIBIX)、ニモツズマブ、ザルツムマブ、またはセツキシマブ(ERBITUX)である。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該さらなる治療薬は、免疫反応を調節する抗体である。いくつかの実施形態では、該さらなる治療薬は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗CTLA-4抗体、または抗TIGIT抗体である。
さらに、本明細書に記載のILT3結合剤による治療は、他の生体分子、例えば、1つ以上のサイトカイン(例えば、リンホカイン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び/または成長因子)との併用治療を含む場合もあれば、腫瘍の外科的切除、がん細胞の除去、または治療を行う医師が必要と見なす任意の他の治療法を伴う場合もある。いくつかの実施形態では、該さらなる治療薬は、免疫療法薬である。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、アドレノメデュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、BMP、BDNF、EGF、エリスロポエチン(EPO)、FGF、GDNF、G-CSF、GM-CSF、GDF9、HGF、HDGF、IGF、遊走刺激因子、ミオスタチン(GDF-8)、NGF、ニューロトロフィン、PDGF、トロンボポエチン、TGF-a、TGF-β、TNF-a、VEGF、PIGF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、及びIL-18からなる群から選択される成長因子と組み合わせられる。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該さらなる治療薬は、免疫療法薬である。いくつかの実施形態では、該免疫療法薬は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、4-1BBリガンド、抗CD3抗体、抗CTLA-4抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗LAG-3抗体、及び抗TIM-3抗体からなる群から選択される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、免疫療法薬は、PD-1活性のモジュレーター、PD-L1活性のモジュレーター、PD-L2活性のモジュレーター、CTLA-4活性のモジュレーター、CD28活性のモジュレーター、CD80活性のモジュレーター、CD86活性のモジュレーター、4-1BB活性のモジュレーター、OX40活性のモジュレーター、KIR活性のモジュレーター、Tim-3活性のモジュレーター、LAG3活性のモジュレーター、CD27活性のモジュレーター、CD40活性のモジュレーター、GITR活性のモジュレーター、TIGIT活性のモジュレーター、CD20活性のモジュレーター、CD96活性のモジュレーター、IDO1活性のモジュレーター、サイトカイン、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのメンバー、及び免疫刺激オリゴヌクレオチドからなる群から選択される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、免疫療法薬は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、PD-L2アンタゴニスト、CTLA-4アンタゴニスト、CD80アンタゴニスト、CD86アンタゴニスト、KIRアンタゴニスト、Tim-3アンタゴニスト、LAG3アンタゴニスト、TIGITアンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CD96アンタゴニスト、及び/またはIDO1アンタゴニストからなる群から選択される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、PD-1に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該PD-1に結合する抗体は、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA、MK-3475)、ピジリズマブ(CT-011)、ニボルマブ(OPDIVO、BMS-936558、MDX-1106)、MEDI0680(AMP-514)、REGN2810、BGB-A317、PDR-001、またはSTI-A1110である。いくつかの実施形態では、該PD-1に結合する抗体は、PCT公開第WO2014/179664号に記載されており、例えば、APE2058、APE1922、APE1923、APE1924、APE1950、もしくはAPE1963として識別される抗体、またはこれらの抗体のいずれかのCDR領域を含む抗体である。他の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、PD-L2、例えば、AMP-224を含む融合タンパク質である。他の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、ペプチド阻害剤、例えば、AU P-12である。
いくつかの実施形態では、該PD-L1アンタゴニストは、PD-L1に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブ(TECENTRIQ、RG7446、MPDL3280A)、MEDI4736、BMS-936559(MDX-1105)、アベルマブ(BAVENCIO、MSB0010718C)、デュルバルマブ(IMFINZI)、KD033、KD033の抗体部分、またはSTI-A1014である。いくつかの実施形態では、該PD-L1に結合する抗体は、PCT公開第WO2014/055897号に記載されており、例えば、Ab-14、Ab-16、Ab-30、Ab-31、Ab-42、Ab-50、Ab-52、もしくはAb-55、またはこれらの抗体のいずれかのCDR領域を含む抗体である。
いくつかの実施形態では、該CTLA-4アンタゴニストは、CTLA-4に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブ(YERVOY)またはトレメリムマブ(CP-675,206)である。いくつかの実施形態では、該CTLA-4アンタゴニストは、CTLA-4融合タンパク質、例えば、KAHR-102である。
いくつかの実施形態では、該LAG3アンタゴニストは、LAG3に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該LAG3に結合する抗体は、IMP701、IMP731、BMS-986016、LAG525、及びGSK2831781である。いくつかの実施形態では、該LAG3アンタゴニストは、可溶性LAG3受容体、例えば、IMP321を含む。
いくつかの実施形態では、該KIRアンタゴニストは、KIRに特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該KIRに結合する抗体は、リリルマブである。
いくつかの実施形態では、免疫療法薬は、CD28アゴニスト、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、CD27アゴニスト、CD80アゴニスト、CD86アゴニスト、CD40アゴニスト、及びGITRアゴニストからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、該OX40アゴニストは、OX40リガンド、またはそのOX40結合部分を含む。例えば、該OX40アゴニストは、MEDI6383であり得る。いくつかの実施形態では、該OX40アゴニストは、OX40に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該OX40に結合する抗体は、MEDI6469、MEDI0562、またはMOXR0916(RG7888)である。いくつかの実施形態では、該OX40アゴニストは、OX40リガンドを発現することができるベクター(例えば、発現ベクターまたはウイルス、例えば、アデノウイルス)である。いくつかの実施形態では、該OX40発現ベクターは、デルタ-24-RGDOXまたはDNX2401である。
いくつかの実施形態では、該4-1BB(CD137)アゴニストは、結合分子、例えば、アンチカリンである。いくつかの実施形態では、該アンチカリンは、PRS-343である。いくつかの実施形態では、該4-1BBアゴニストは、4-1BBに特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、4-1BBに結合する抗体は、PF-2566(PF-05082566)またはウレルマブ(BMS-663513)である。
いくつかの実施形態では、該CD27アゴニストは、CD27に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、該CD27に結合する抗体は、バルリルマブ(CDX-1127)である。
いくつかの実施形態では、該GITRアゴニストは、GITRリガンドまたはそのGITR結合部分を含む。いくつかの実施形態では、該GITRアゴニストは、GITRに特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、GITRに結合する抗体は、TRX518、MK-4166、またはINBRX-110である。
いくつかの実施形態では、免疫療法薬としては、サイトカイン、例えば、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、及び腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのメンバーが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫療法薬としては、免疫刺激オリゴヌクレオチド、例えば、CpGジヌクレオチドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、免疫療法薬としては、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗CTLA-4抗体、抗CD28抗体、抗CD80抗体、抗CD86抗体、抗4-1BB抗体、抗OX40抗体、抗KIR抗体、抗Tim-3抗体、抗LAG3抗体、抗CD27抗体、抗CD40抗体、抗GITR抗体、抗TIGIT抗体、抗CD20抗体、抗CD96抗体、または抗IDO1抗体が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤による治療は、該さらなる治療薬の投与前、投与と同時、または投与後に行われ得る。いくつかの実施形態では、併用投与としては、単一の医薬製剤での、もしくは別々の製剤を使用した同時投与、またはいずれの順序もよいが通常はすべての活性薬剤がそれらの生物活性を発揮することができる期間内での連続投与が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬剤の調製及び/またはさらなる治療薬の投薬スケジュールは、製造業者の指示に従うか、または当業者によって経験的に決定される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、併用療法の一部として対象(例えば、ヒト)に投与される。
本明細書に記載のILT3結合剤(例えば、抗体)と少なくとも1つのさらなる治療薬との組み合わせは、任意の順序でまたは同時に投与され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、以前に治療薬による治療を受けたことがある対象に投与される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤及び第二の治療薬は、実質的に同時にまたは同時に投与される。例えば、対象は、第二の治療薬(例えば、化学療法薬)による一連の治療を受けている間に、ILT3結合剤を投与され得る。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、第二の治療薬による治療から1年以内に投与される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、第二の治療薬による任意の治療から10、8、6、4、または2か月以内に投与される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、第二の治療薬による任意の治療から4、3、2、または1週間以内に投与される。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤は、第二の治療薬による任意の治療から5、4、3、2、または1日以内に投与される。さらに、2つ(またはそれ以上)の薬剤または治療が、数時間または数分以内に(すなわち、実質的に同時に)対象に投与され得ることが理解されよう。
疾患の治療に関して、本開示のILT3結合剤(例えば、抗体)の適切な投与量は、治療される障害または疾患、該障害または疾患の重症度及び経過、該障害または疾患の反応性、該薬剤が治療目的で投与されるか予防目的で投与されるか、薬歴、患者の病歴等によって決まる。ILT3結合剤は、1度だけ投与される、数日から数ヶ月続く一連の治療にわたって投与される、または治癒がもたらされるまで、もしくは病態の縮小が達成されるまで投与される場合がある。
本開示は、本明細書に記載のILT3結合剤を含む組成物を提供する。本開示はまた、本明細書に記載のILT3結合剤及び医薬的に許容される媒体を含む医薬組成物を提供する。
製剤は、保管及び使用のため、精製された本開示の抗体または薬剤を、医薬的に許容される媒体(例えば、担体または賦形剤)と混合することによって調製される。当業者には、一般に、医薬的に許容される担体、賦形剤、及び/または安定剤が、製剤または医薬組成物の不活性成分であると見なされる。
適切な医薬的に許容される媒体としては、非毒性緩衝剤、例えば、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸、塩、例えば、塩化ナトリウム、アスコルビン酸及びメチオニンを含めた抗酸化剤、保存剤、例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾール、低分子量ポリペプチド(例えば、約10アミノ酸残基未満)、タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免役グロブリン、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン、炭水化物、例えば、単糖、二糖、グルコース、マンノース、またはデキストリン、キレート剤、例えば、EDTA、糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール、塩形成対イオン、例えば、ナトリウム、金属錯体、例えば、Zn-タンパク質複合体、及び非イオン性界面活性剤、例えば、TWEENまたはポリエチレングリコールが挙げられるがこれらに限定されない。(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,2012,Pharmaceutical Press,London.)。いくつかの実施形態では、該製剤は、水溶液の形態である。いくつかの実施形態では、該製剤は、凍結乾燥形態または別の乾燥形態で保存される。
本開示の結合剤は、標的細胞/組織への送達に適切な任意の形態に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセル、アルブミン小球体、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、ナノカプセル、またはマクロエマルジョンとして製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、リポソームで製剤化される。リポソームの生成方法は当業者に既知である。例えば、いくつかのリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、及びPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法により生成され得る。
いくつかの実施形態では、ILT3結合剤(例えば、抗体)は、持続放出製剤として製剤化される。適切な持続放出製剤の例としては、薬剤を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、これらのマトリックスは、成形物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。持続放出マトリックスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル、例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能な小球体)、イソ酪酸酢酸スクロース、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられるがこれらに限定されない。
本開示の医薬組成物または製剤は、局所または全身治療のいずれかのための様々な方法で投与され得る。投与は、表皮もしくは経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体及び粉末によって局所的に、ネブライザーによるもの、気管内、及び鼻腔内を含めた粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくは吹送によって肺内に、経口で、または、静脈内、動脈内、腫瘍内、皮下、腹腔内、筋肉内(例えば、注射または注入)、もしくは頭蓋内(例えば、髄腔内または脳室内)を含めた非経口で行われ得る。
実施例1
抗体の生成
抗ILT3抗体を、免疫原としてヒトILT3の細胞外ドメイン(huILT3-ECD)及び/またはcyno ILT3の細胞外ドメイン(cynoILT3-ECD)を使用して生成した。ヒトILT3の細胞外領域(配列番号1のaa22~259)またはcyno ILT3の細胞外領域(配列番号6のaa22~259)を含む組み換え構築物を生成し、哺乳類細胞で発現させた。マウスをhuILT3-ECD及び/またはcynoILT3-ECDタンパク質で免疫化し、高力価を誘導するために数回ブーストした。免疫化マウスから採血し、抗体価をELISA及びFACSによって測定した。リンパ球の単細胞懸濁液を、適切な高さの抗体化を有することが特定された免疫化マウスの脾臓及びリンパ節から得た。リンパ球を、標準的な方法(例えば、電気融合)によってマウス骨髄腫細胞と融合させた。細胞を、HAT含有選択培地中96ウェルプレートに分散させた。
実施例2
抗体のスクリーニング
ELISAアッセイを使用して、ヒトILT3及びヒトLILRA1、2、4~6に対して抗体をスクリーニングした。ヒトILT3に結合するが、ヒトLILRA1,2,4~6タンパク質には結合しない抗体を選択した。これらの抗体を、HEK-293T細胞で発現したヒトILT3及びcyno ILT3への結合についてFACSで再スクリーニングした。ヒト及びcyno ILT3の両方に結合する抗体を選択した。この抗体のサブセットを、ヒトLILRB1~5(それぞれ、ILT2、ILT4、ILT5、ILT3、及びLILRB5)、cyno LILRB5、及びヒトLILRA1、2、4~6に対してFACSでスクリーニングした。FACSスクリーニングでは、各抗体をヒトILT3、cyno ILT3、LILRAタンパク質の1つ、またはLILRBタンパク質の1つを発現する細胞と4℃で30分間インキュベートした。洗浄後、それらの細胞を標識抗マウスFc抗体とともに4℃で30分間インキュベートした。洗浄後、細胞をフローサイトメーターで分析した。代表的な抗体の結果を図1A~1F及び2A~2Eに示す。抗体を、ヒトILT3、cyno ILT3への結合、他のLILRBタンパク質への結合がないか制限されている、及びLILRAタンパク質への結合がないか制限されているという基準で選択した。例えば、抗体11A1は、ヒトLILRB2、LILRA1、LILRA2、LILRA4及びLILRA5に結合することが観察されたため、さらなる試験には選択しなかった。
実施例3
抗ヒトILT3抗体の結合特性
ヒトILT3及びcyno ILT3に対する抗ILT3抗体の結合親和性を、Biacoreシステム(GE Healthcare LifeSciences)を使用して測定した。簡潔には、抗Fc抗体(Sigma-Aldrich)を、アミンカップリング試薬(GE Healthcare LifeSciences)を使用してCM5チップの4つのフローセルすべてに固定化した。抗体を、フローセル1を参照として使用して、フローセル2、3、及び4にキャプチャした。3.3~10nMに及ぶ濃度のヒトまたはcyno ILT3-ECDを、流速50μL/分で37℃にて注入した。反応速度データを経時的に収集し、同時グローバルフィット方程式を使用してフィットを行い、各抗体の親和性定数(K値)を得た。
結合データを表9に示す。
Figure 2023507110000010
ヒトILT3の細胞外ドメイン上での抗ILT3抗体の結合部位も評価した(データは示さず)。3A3は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。16C5は、ILT3のD1ドメイン内のコンフォメーションエピトープに結合する。12A12は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。5A7は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。48A6は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。45G10は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。53F10は、ILT3のD2ドメイン内またはD1ドメインとD2ドメインとの間の接合部内のコンフォメーションエピトープに結合する。
ヒトILT3の細胞外ドメイン上の抗ILT3抗体間の競合的結合も行った。表10は、いくつかの抗ILT3抗体がILT3の重複または部分的に重複するエピトープに結合し、いくつかの抗ILT3抗体がILT3の異なるエピトープに結合することを示している。「yes」は、ILT3の細胞外ドメインへの2抗体間での競合的結合を示す。「partial」は、ILT3の細胞外ドメインへの2抗体間での部分的な競合的結合を示す。「No」は、ILT3の細胞外ドメインへの2抗体間での競合的結合がないことを示す。「ND」は、利用可能なデータがないことを示す。

Figure 2023507110000011
実施例4
抗ILT3抗体の配列分析
代表的な抗体3A3、5A7、12A12、16C5、45G10、48A6、及び53F10を配列決定した。その重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を本明細書に開示し、表11にまとめる。
Figure 2023507110000012
個々の抗体の重鎖及び軽鎖可変領域CDRは、表1~7に及び配列番号11~104として開示されている。
実施例5
ILT3リガンドのスクリーニング
ILT3のリガンド(複数可)を特定する過程で、約100細胞株をスクリーニングした。免疫グロブリンFc領域に融合したILT3細胞外ドメイン(配列番号1のアミノ酸22~259)を含む構築物を生成した(ILT3ECD-Fc)。このILT3ECD-Fc構築物を使用して、細胞株への結合を評価した。以前の社内試験では、CNTFRがILT3の結合パートナーであることが示唆され、LX-2を以前のこの観察を追跡調査するために細胞株のパネルに含めた。LX-2は、重要な生物学的特徴を保持する接着性ヒト肝星細胞株である。以下は、例示的な細胞株としてLX-2を使用するスクリーニングアッセイの簡潔な説明である。LX-2細胞を、10%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM中、384ウェルのポリ-D-リジンコーティングプレート(Grenier)に播種した。TGF-β(Peprotech)をウェルの一部に10ng/mL加え、LX-2細胞を活性化した。2日後、細胞を、Mg2+及びCa2+を含むハンクス緩衝生理食塩水(HBSS)で3回洗浄し、ウェルあたり約10μLの緩衝液を残した。次に、細胞(未処理及びTGF-β処理)をDMEM中、ILT3ECD-Fc(10μg/mLの濃度でウェルあたり10μL)とともに室温で30分間インキュベートした。AlexaFluor 647コンジュゲートヤギ抗ヒトFc抗体(1:500希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories)及びHoechst染色剤(2.5μM、ThermoFisher Scientific)をウェルに加えた。30分間のインキュベーション後、細胞を洗浄し、3.7%ホルマリンで固定し、その後再度洗浄し、CellInsight装置(ThermoFisher Scientific)で10倍の画像を取得した。
これらの結果は、ILT3ECD-Fcが活性化されたLX-2細胞に結合し、基本/未処理のLX-2細胞には結合しなかったことを示した。細胞の生存率は、基本細胞及び活性化細胞では同等であった。これらの結果は、活性化されたLX-2細胞がILT3のリガンドを発現していることを示唆した。
実施例6
LX-2細胞との相互作用によるレポーター細胞の活性化
ILT3のLX-2細胞への結合が機能的相互作用であるかどうかを調べるため、LX-2細胞を、安定したレポーター系及び目的の細胞表面受容体を発現する細胞(「レポーター細胞」)と共培養した。このキメラ受容体系では、目的の受容体の細胞外ドメイン、例えば、ILT3が、アダプタータンパク質DAP12と会合するPILRβの膜貫通/細胞内ドメインと融合される。このキメラ受容体がリガンドに結合することによって活性化されると、DAP12はリン酸化され、GFP発現を駆動するNFAT応答性プロモーターを活性化する(例えば、Deng et al.,2014,Blood,124:924-935参照)。LX-2細胞のバルク培養物を、基本培地(上記のDMEM)または活性化培地(上記のDMEM+TGF-β)で3日間培養した。処理及び未処理のLX-2細胞を回収し、洗浄した。2x10個のLX-2細胞を、(i)受容体を含まない、(ii)B7-H4細胞外ドメインを含む、または(iii)ILT3細胞外ドメインを含む4x10個のレポーター細胞と共培養した。細胞を、10%FBSを含むRPMI1640中、37℃で終夜インキュベートした。これらのレポーター細胞は、分析時にLX-2細胞と区別するために、CellTracker Deep Red(ThermoFisher)で予め染色した。翌日、レポーター細胞をFACSによってGFP発現についてアッセイした。
図3に示すように、GFPの発現は、ILT3がレポーター細胞の表面に、活性化LX-2細胞の存在下でのみ発現した場合にのみ誘導された。これらの結果は、ILT3が活性化LX-2細胞の細胞表面の潜在的なリガンドに結合しただけでなく、その相互作用が生物学的に機能したことを示唆している。
実施例7
ILT3リガンドとしてのフィブロネクチンの同定
免疫沈降法及び質量分析法を使用し、ILT3の結合パートナーを特定した。簡潔には、LX-2細胞を、150mmの組織培養皿にて基本培地または活性化培地に2.5x10細胞で播種し、3日間インキュベートした。培地を除去し、細胞を、HALT(商標)プロテアーゼ及び阻害剤カクテル(ThermoFisher)を添加した100μlの細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technologies)中で溶解した。溶解物を>16,000RCFで4℃にて10分間の遠心分離により清澄化し、上清を新しいマイクロフュージチューブに移した。清澄化された溶解物のタンパク質濃度を、ビシンコニン酸(BCA)アッセイ(Pierce Biotechnology)を使用して定量化した。
免疫沈降は、プロテインGダイナビーズ(Invitrogen/ThermoFisher Scientific)を使用し、製造業者の指示に従って行った。簡潔には、10μgのILT3ECD-Fcまたは対照のヒトFcを、50μlの磁性ダイナビーズに4℃で30分間結合させた。上清を除去し、未処理または活性化LX-2細胞からのタンパク質溶解物を加えた。各処理条件について、約615μgのタンパク質を含む溶解物をダイナビーズ複合体(ILT3ECD-FcダイナビーズまたはFcダイナビーズ)に加え、穏やかに回転させながら4℃で終夜インキュベートした。タンパク質溶解物を除去し、ダイナビーズを200μlの溶解緩衝液で3回、1回の洗浄あたり5分間洗浄した。タンパク質ローディング緩衝液、還元剤、及び溶解緩衝液を15:4:1の比で含む50μlの溶出緩衝液をダイナビーズに加えた。タンパク質を95℃で5分間溶出し、サンプル(各タンパク質溶出液10μl)をポリアクリルアミド電気泳動ゲルで泳動した。目的のバンドを同定するため、PlusOne Silver染色キット(GE Healthcare)を製造業者の指示に従って使用し、銀染色分析を行った。ゲルを、Gel Doc(商標)EZシステム(Bio-Rad)を使用して画像化した。
図4に示すように、ILT3ECD-Fcのダイナビーズ複合体及び活性化LX-2細胞溶解物から溶出されたタンパク質サンプルに特有のバンドが観察された(260MWマーカー付近のボックス内)。
残りの40μlの溶出液のゲル電気泳動を行い、そのゲルをBio-Safe Coomassie Stain(Bio-Rad)で染色した。その特有のバンド及び同じサイズの他のサンプルからの対照バンドに対応するゲルバンドを生物学的安全キャビネット内で切除し、ゲル片を小断片にスライスした。ゲル片を50%アセトニトリル及び200mM重炭酸アンモニウム中で洗浄し、100%アセトニトリル中で10分間インキュベートし、SpeedVac真空濃縮器で乾燥した。25mMトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)及び50mMヨードアセトアミドとの連続インキュベーションにより、ゲル片中のタンパク質を還元及びアルキル化した。ゲル片を洗浄し、再度アセトニトリルとともにインキュベートし、37℃にて終夜トリプシン消化(50mM重炭酸アンモニウム中20μg/ml、pH8.0)を行った。
消化されたサンプルを、質量分析に供した。簡潔には、ペプチドを、UltiMate(商標)RSLCnano LCシステム(ThermoFisher Scientific)に接続したEASY-Spray(商標)PepMapC18カラムで分離した。ペプチドを、135分かけて2%~32%のアセトニトリルの勾配でカラムから溶出させ、Orbitrap Velos Pro(商標)質量分析計に注入した。タンデム質量分析による液体クロマトグラフィー(LC-MS/MS)データを上位10法を使用して収集し、MSデータを分解能60,000にて、m/z200~2000で収集した。MS/MSデータを、ダイナミックエクスクルージョン、モノアイソトピックプリカーサー選択、及び電荷状態スクリーニングをイオントラップで有効にして収集した。一価のペプチドを除外した。rawファイルを、PEAKS Xプロテオミクスソフトウェア(Bioinformatics Solutions)でヒトタンパク質のデータベースに対して検索して分析した。PEAKSプログラムでは、タンパク質を、-10logp設定20及び誤発見率(FDR)1.5%以下で同定した。ヒットを総ペプチド数によってランク付けし、実験サンプルで検出されたがコントロールでは検出されなかったヒットをスクリーニングした。ヒットをさらに、細胞外及び膜貫通タンパク質についてスクリーニングした。意外にも、この特有のバンドはフィブロネクチンとして同定された。ILT3ECD-Fc及び活性化LX-2細胞からのサンプルで同定されたフィブロネクチンに対するペプチド数は306であったのに対して、(1)ILT3ECD-Fc及び基本LX-2細胞からのサンプルのフィブロネクチンに対するペプチドは111であり、(2)対照Fc及び活性化LX-2細胞からのサンプルのフィブロネクチンに対するペプチドは15であり、(3)対照Fc及び基本LX-2細胞からのサンプルのフィブロネクチンに対するペプチドは1であった。これは、明らかに、ILT3ECD-Fc+活性化LX-2細胞サンプルでのフィブロネクチンペプチドの濃縮を示した。
さらなる試験により、ILT3ECD-Fc結合が、フィブロネクチンノックアウトLX-2細胞株では、細胞が活性化されているかどうかにかかわらず、検出できないことが分かった。これらの結果は、さらにフィブロネクチンがILT3のリガンドであるという結論を裏付けた。
ILT3のフィブロネクチンに対する結合は、Biacoreで評価した。ヒト血漿フィブロネクチンを、標準的なアミンカップリング化学を使用して、CM5センサーチップ表面(フローセル2)に固定化した。IV型コラーゲンをフローセル3に固定化し、対照として使用した。ヒトILT3ECD-FcまたはヒトLAIR1ECD-Fcを、両方の表面に異なる濃度(125~4000nM)で流速50μL/分で37℃にて注入した。反応速度データを経時的に収集し、同時グローバルフィット方程式を使用してフィットを行い、各抗体の親和性定数(K値)を得た。
ILT3は、少なくとも5μMのKでフィブロネクチンに結合し、コラーゲンIVには検出可能なレベルで結合しなかった。対照的に、LAIR1は、少なくとも5μMのKでコラーゲンIVに結合し、フィブロネクチンには結合しなかった。
実施例8
ILT3とフィブロネクチンの相互作用によるレポーター細胞の活性化
フィブロネクチンに対するILT3の結合が機能的相互作用であるかどうかを調べるため、ILT3ECDを発現するレポーター細胞をフィブロネクチンとともにインキュベートした。96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、5μg/mLのヒトFcタンパク質(R&D Systems)、血漿由来フィブロネクチン(Millipore)、または組み換えフィブロネクチン(R&D Systems)を含むPBSで、室温にて2時間コーティングした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。B7-H4細胞外ドメイン、LAIR1細胞外ドメイン、またはILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(本明細書では実施例5に記載)(1x10細胞/ウェル)をコーティングしたウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
図5に示すように、フィブロネクチンとともに培養したILT3を発現する細胞(血漿由来または組み換えのいずれか)のみが、GFP発現で実証される通り、このレポーター系を活性化することが可能であった。これらの結果は、フィブロネクチンとともに培養したB7-H4またはLAIR1発現細胞に反応したGFP発現がなかったということで、フィブロネクチンとの相互作用がILT3に特異的であることを示した。
追跡試験では、96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、5μg/mLの血漿由来フィブロネクチン(Millipore)PBS溶液を用いて室温で1時間コーティングした。コーティング後、アイソタイプ対照抗体、抗ILT3抗体16C5、抗フィブロネクチン抗体F14(Abcam製ウサギモノクローナル抗体)、または抗フィブロネクチン抗体PA5(ThermoFisher Scientific製ウサギポリクローナル抗体)を最終濃度5または20μg/mLでそのウェルに加えた。次に、ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
図6に示すように、抗ILT3抗体16C5ならびに抗フィブロネクチン抗体F14及びPA5は、レポーター細胞でのGFPの発現を減少させた。2つの異なる濃度の対照抗体は、ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用によるGFPの発現を阻害しなかった。
別の試験を、抗ILT3抗体16C5及びch5A7(マウス重鎖可変領域及び軽鎖可変領域ならびにヒトFcドメインを含むキメラ5A7)を使用して行った。上記のように、96ウェルMaxisorpプレートを、5μg/mLの血漿由来フィブロネクチンを用いて室温で1時間コーティングした。コーティング後、アイソタイプ対照抗体、抗ILT3抗体16C5、または抗ILT3抗体ch5A7を、66nM~.0002nMに及ぶ6倍希釈でそのウェルに加えた。次に、ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
図7に示すように、抗ILT3抗体16C5及びch5A7は、GFP発現の低下によって評価される通り、ILT3とフィブロネクチンの相互作用を阻害した。対照的に、対照抗体はGFP発現に影響を与えなかった。
これらの結果は、抗ILT3抗体がILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断し得ること、及び重要なことには、その相互作用から生じる生物活性を遮断し得ることを実証している。
実施例9
フィブロネクチン上のILT3結合部位の同定
ヒトフィブロネクチンの代表的な略図を図8に示す。ILT3がフィブロネクチンに結合した場所を特定するための試験を行った。96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、5μg/mLのヒトFcタンパク質(R&D Systems)、血漿由来フィブロネクチン(Millipore)、組み換えフィブロネクチン(R&D Systems)、または以下のフィブロネクチン断片:70kDaのフィブロネクチン断片(Sigma-Aldrich)、30kDaのフィブロネクチン断片(Sigma-Aldrich)、45kDaのフィブロネクチン断片(Sigma-Aldrich)、断片2(配列番号138のaa607~1265、R&D Systems)、断片3(配列番号138のaa1266~1908、R&D Systems)、または断片4(配列番号138のaa1913~2477、R&D Systems)を用いてコーティングした。これらのプレートを室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
図9に示すように、70kDa及び30kDaのフィブロネクチン断片(ならびに完全長フィブロネクチン)のみが、GFP発現で実証される通り、ILT3発現細胞におけるこのレポーター系を活性化することが可能であった。活性化のレベルは、等モル濃度の完全長フィブロネクチンより断片のほうが高かった。ヘパリン/フィブリン結合ドメインを包含するN末端領域(30kDa断片、I型FNモジュール1~5)は、最も高いレベルのGFP活性を誘発した。
フィブロネクチンのILT3結合部位がより詳細に定義され得るかどうかを確認するため、さらなる試験を行った。(i)I型FNモジュール1~4(配列番号138のaa32~228)、(ii)I型FNモジュール2~5(配列番号138のaa93~290)、(iii)I型FNモジュール1~3(配列番号138のaa32~182)、(iv)I型FNモジュール2~4(配列番号138のaa93~228)、(v)I型FNモジュール3~5(配列番号138のaa139~290)、(vi)I型FNモジュール1~2(配列番号138のaa32~138)、(vii)I型FNモジュール2~3(配列番号138のaa93~182)、(viii)I型FNモジュール3~4(配列番号138のaa139~228)、(ix)I型FNモジュール4~5(配列番号138のaa183~290)、70kDa断片(配列番号138のaa32~608)、30kDa断片(配列番号138のaa32~290)、及び45kDa断片(配列番号138のaa291~608)からなるフィブロネクチン断片を調製した。上記のように、96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、40nMのフィブロネクチン断片及び完全長フィブロネクチンを用いてコーティングした。これらのプレートを室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで2回洗浄した後、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。ILT3細胞外ドメインを発現するNFAT-GFPレポーター細胞(1x10細胞/ウェル)をそのウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をFACSによりGFP発現についてアッセイし、非活性化レポーター細胞と比較した。
これらの試験で、I型FNモジュール1がこのレポーターアッセイにおける活性に必要であることが示された(図10)。本発明者らは、I型FNモジュール1がフィブロネクチンに対するILT3の結合及びその結果としての活性に必要であるが、他のモジュールもまた、ILT3/フィブロネクチン相互作用に関与していると考える。
実施例10
ILT3とフィブロネクチンの相互作用のインビトロアッセイ
THP-1は、急性単球性白血病細胞から樹立されたヒト単球細胞株であり、ATCCから得た。これらの細胞は、Fc受容体を介して活性化される単球において、ILT3によって調節されるシグナル伝達経路を調べるために使用されている(Lu et al.,2009,JBC,284:34839-34848)。単球の活性化は、細胞表面でのFcRの架橋によって達成される可能性があり、この架橋は、サイトカイン産生、例えば、TNF-α及び/またはIL-8をもたらす。研究によると、ILT3は、単球におけるFcRが媒介するサイトカイン産生の強力な阻害剤であることが分かっている。THP-1細胞を、骨髄細胞におけるILT3とフィブロネクチンの相互作用を調べるためのアッセイの一部として使用した。野生型THP-1細胞(THP-1)に加えて、ILT3ノックアウトTHP-1細胞株(THP-1 ILT3-KO)を生成した。
96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、フィブロネクチン5μg/mL(Millipore)ならびにエフェクターレス抗KLH抗体0、1、5、及び10μg/mLで同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。THP-1またはTHP-1 ILT3-KO細胞(2x10細胞/ウェル)をウェルに加え、それらのプレートを37℃で終夜インキュベートした。抗KLH抗体は、FcRに結合し、THP-1及びTHP-1 ILT3-KO細胞を活性化してサイトカインを産生する。フィブロネクチンの有無及びILT3との相互作用は、このアッセイで評価することができる。無細胞培養上清を回収し、IL-8をLuminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)によって測定した。場合によっては、IL-8を、FcR刺激なしのTHP-1細胞のものに対して正規化した。
図11に示すように、THP-1細胞及びILT3を欠くTHP-1細胞(THP-1 ILT3-KO細胞)の両方で、抗KLH抗体は、用量依存的に単球を活性化することが可能である。対照的に、IL-8産生によって評価される抗KLH抗体によるTHP-1細胞の活性化は、細胞表面でのフィブロネクチンとILT3の相互作用によって阻害される。IL-8産生によって評価される抗KLH抗体によるTHP-1細胞の活性化は、フィブロネクチンとILT3の両方が存在し、相互作用が可能な場合にのみ阻害される(すなわち、THP-1 ILT3-KO細胞及びフィブロネクチンによる阻害はない)。
これらの結果は、ILT3が、フィブロネクチンの存在下で骨髄細胞におけるFcR活性化の阻害を誘導することを示している。
追跡試験を抗ILT3抗体の存在下で行った。96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、フィブロネクチン5μg/mL(Millipore)及びエフェクターレス抗KLH抗体5μg/mLで同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。THP-1またはTHP-1 ILT3KO細胞(2x10細胞/ウェル)を、抗ILT3抗体16C5(エフェクターレス、5μg/mL)または抗KLH抗体(エフェクターレス、5μg/mL)の存在下、それらのウェルに加えた。それらのプレートを37℃で終夜インキュベートし、無細胞培養上清を回収し、IL-8をLiminexアッセイによって測定した。
図12Aに示すように、THP-1細胞のFcR活性化のILT3/フィブロネクチンが誘導する阻害は、抗ILT3抗体16C5によって抑制または遮断される。言い換えれば、抗ILT3抗体は、ILT3とフィブロネクチンの相互作用の阻害を逆転することができた。
同様の実験を、初代ヒト樹状細胞で設定した。ヒト単球を、Miltenyi Monocyte Isolation Kitを使用し、製造業者の指示に従って負の選択により凍結保存末梢血単核細胞から単離した。樹状細胞を生成するため、単球を、2x10細胞/mLにて、50ng/mLの組み換えヒトGM-CSF及び50ng/mLの組み換えヒトIL-4(ともにPeprotech)を含むX-VIVO(商標)15培地(Lonza)にプレーティングし、5~7日間培養した。上記の通り、96ウェルMaxisorp(Nunc)プレートを、フィブロネクチン5μg/mL(Millipore)及びエフェクターレス抗KLH抗体5μg/mLで同時にコーティングした。プレートを室温で2時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、10%FBSを含むRPMI1640でブロックした。樹状細胞(2x10細胞/ウェル)を、抗ILT3抗体16C5(エフェクターレス、5μg/mL)または抗KLH抗体(エフェクターレス、5μg/mL)の存在下、それらのウェルに加えた。それらのプレートを37℃で終夜インキュベートし、無細胞培養上清を回収し、TNF-αをLiminexアッセイによって測定した。
図12Bは、ILT3/フィブロネクチンが誘導するFcR活性化の抑制が初代樹状細胞で観察されることを示している。重要なことに、これらの結果は、例示的な抗ILT3抗体(例えば、抗体16C5)が、この抑制を阻害することが可能であることを示している。
さらなる試験を、抗ILT3抗体16C5及びch5A7で行った。先のアッセイで観察されたように、抗ILT3抗体16C5及びch5A7は、FcRシグナル伝達によって活性化された樹状細胞によるTNF-α産生のフィブロネクチンが媒介する抑制を逆転させた(図12C)。
同様の試験を、NFκB-SEAPレポーター(InvivoGen)を含むTHP-1 Dual(商標)KI-mSTING細胞で行った。Nunc Maxisorpプレートを、ヒトフィブロネクチン及びエフェクターレス抗KLH抗体(各々5μg/mL)で室温にて2時間、同時にコーティングした。プレートをX-VIVO(商標)15培地(Lonza)で30分間ブロックした後、細胞及び試験抗体を添加した。THP-1レポーター細胞を含むX-VIVO(商標)15培地(2x10細胞/mL)を、1:1の比で対照抗体、抗ILT3抗体16C5、または抗ILT3抗体ch5A7と混合した。その混合物を30分間インキュベートし、100μL/ウェルでプレートに播種し、そのプレートを終夜インキュベートした。レポーター活性を、25μLの培養上清と100μLのQuanti-Blue SEAP基質(InvivoGen)を混合し、そのサンプルを37℃で2時間インキュベートし、620nmでの吸光度を読み取ることによって測定した。
このレポーターは、THP-1細胞の表面での抗KLH抗体とFcRの相互作用によって活性化され、FcRシグナル伝達経路の活性化及び分泌型胚アルカリホスフェート(secreted embryonic alkaline phosphate)(SEAP)の産生をもたらす。THP-1細胞表面のILT3がフィブロネクチンと相互作用すると、FcRシグナル伝達が抑制され、SEAP産生が減少する。抗ILT3抗体16C5及びch5A7は、ILT3/フィブロネクチン相互作用を遮断し、抑制を逆転させた(図13)。
Detroit551細胞株は、正常な胎児組織から樹立されたヒトの皮膚線維芽細胞で構成されている。これらの細胞は、内因的に産生されたフィブロネクチンを表面の受容体に結合して有する。Detroit551細胞により、フィブロネクチンが細胞表面に自然に存在し、アッセイプレートに付着しないインビトロアッセイが可能になる。Detroit551細胞をポリ-D-リジンでコーティングした384ウェルプレートに6x10細胞/ウェル(Greiner)でプレーティングし、2日間インキュベートした。単分子層を、Mg2+及びCa2+を含むHBSSですすぎ、約10μL/ウェルを残した。ILT3-ECD-Fcを、抗ILT3抗体16C5、抗ILT3抗体ch5A7、または対照抗KLH抗体の存在下、これらのウェルに加えた(最終濃度1μg/mL)。これらの抗体は、ILT3-ECD-Fcを含む培地で3倍連続希釈した(66nM~0.27nMの範囲)。細胞を室温で1時間インキュベートした後、HBSSで3回洗浄し、3.7%ホルマリンで10分間固定した。単分子層をPBSですすぎ、1%BSAを含むPBSでブロックした後、Hoechst染色剤(2.5μM)及び市販のポリクローナル抗ILT3抗体(R&D Systems)で染色した。AlexaFluor 647コンジュゲートウサギ抗ヤギFc二次抗体(Jackson ImmunoResearch Labs)を加え、細胞を画像化し、CellInsightイメージングシステムを使用して蛍光レベルを定量化した。
図14に示すように、抗ILT3抗体は、フィブロネクチン発現細胞に対するILT3-ECDの結合を遮断した。
実施例11
抗ILT3抗体が樹状細胞によるケモカイン産生に与える影響
初代ヒト単球を、Miltenyi Monocyte Isolation Kitを使用し、製造業者の指示に従って負の選択により凍結保存末梢血単核細胞から単離した。マクロファージの分化のために、単球を、100ng/mLの組み換えヒトM-CSF(Peprotech)を含むX-VIVO(商標)15培地(Lonza)に2x10細胞/mLでプレーティングした。2~3日後、新鮮なM-CSFをこの培地に加えた。さらに2~3日後、マクロファージ細胞を洗浄し、こすり取って回収する。
樹状細胞馴化培地(走化性因子として使用)を以下のように生成した。樹状細胞を生成するため、ヒト単球を、2x10細胞/mLにて、50ng/mLの組み換えヒトGM-CSF及び50ng/mLの組み換えヒトIL-4(ともにPeprotech)を含むX-VIVO(商標)15培地(Lonza)にプレーティングし、5~7日間培養した。これらの単球由来樹状細胞を回収し、1x10細胞/mLにて、フィブロネクチンでコーティングされたMaxisorpプレート(10μg/mL)に、抗KLH抗体または抗ILT3抗体(10μg/mL)の存在下プレーティングし、2日間インキュベートした。この馴化培地を回収し、本明細書に記載の遊走アッセイに使用した。
マクロファージ遊走アッセイを、Incucyte(登録商標)Zoom Live-Cell分析システム(Sartorius)を使用して行った。Incucyte Clear-View 96ウェル走化性プレート(Sartorius)の膜を、50μg/mLのMatrigel(登録商標)(10%FBSを含むX-VIVO(商標)15培地で希釈)で37℃にて30分間、続いて室温で30分間プレコートした。マクロファージ(5x10細胞/ウェル)をこの走化性プレートの上側チャンバーに加え、下側チャンバーを樹状細胞由来の馴化培地(本明細書に記載のもの)で満たした。位相差画像を1時間ごとに24時間キャプチャし、データをIncucyte分析ソフトウェアを使用して分析した。
図15に示すように、マクロファージは、フィブロネクチンで処理された樹状細胞からの馴化培地に反応して遊走することはなかった。対照的に、高い割合のマクロファージが、抗ILT3抗体の存在下フィブロネクチンで処理された樹状細胞からの馴化培地に反応して遊走した。
これらの結果は、抗ILT3抗体による樹状細胞でのフィブロネクチン/ILT3相互作用の阻害または遮断が、樹状細胞によるケモカイン/化学誘引物質の産生を増加させることを示している。ケモカイン産生の増加により、マクロファージの遊走が増加する。これにより、抗ILT3抗体が、免疫反応の部位へのマクロファージ及び他の免疫細胞の動員の増加を補助することにより、免疫反応を増強するのに効果的である可能性があることが示唆される。
実施例12
同種異系混合リンパ球反応(MLR)アッセイ
寛容原性DCを、本明細書に記載の通りに生成し、4x10細胞/mLで再懸濁した。簡潔には、寛容原性DC(tolDC)を生成するため、単球をGM-CSF及びIL-4で5日間処理した後、10nMのデキサメタゾン及び100nMのビタミンD3(1α,25-ジヒドロキシビタミンD3)(ともにSigma-Aldrich製)でさらに2日間処理して寛容化した。LX-2細胞(野生型またはフィブロネクチンノックアウト)を、25μg/mLのマイトマイシンC(Sigma-Aldrich)で37℃にて1時間処理し、洗浄し、1x10細胞/mLで再懸濁した。同種異系T細胞を、末梢血単球から負の選択によってMiltenyi T細胞単離キットを使用して精製し、2x10細胞/mLで再懸濁した。抗ILT3抗体16C5、抗ILT3抗体ch5A7、または対照抗体(50μL)を、96ウェルの丸底プレートのウェルに添加した。混合リンパ球反応(MLR)アッセイを、各細胞型(T細胞、tolDC、及びLX-2細胞)を50μL添加することにより、最終T細胞:tolDC:LX-2細胞比20:2:1に設定した。プレートを5日間インキュベートした後、無細胞培養上清を回収した。サイトカインレベルを、Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)を使用して測定した。この培地を、濃度1μCi/mLでトリチウム化チミジン(H-チミジン、Perkin-Elmer)を含む新鮮な培地と交換した。さらなる18時間のインキュベーション後、Tomtecセルハーベスターを使用して細胞をフィルターに回収し、MicroBeta2マイクロプレートリーダーでH-チミジンの取り込みをカウントした。
このアッセイでは、マイトマイシンCで処理したLX-2細胞がフィブロネクチン源として機能し、増殖することはできない。LX-2細胞が存在しない場合(すなわち、フィブロネクチンなし)、T細胞は樹状細胞によって活性化され増殖する。LX-2細胞の存在下では、T細胞の活性化が抑制され、増殖が減少または排除される。
図16A及び16Bに示すように、抗ILT3抗体16C5及びch5A7は、フィブロネクチンが媒介する同種異系MLRの抑制を用量依存的に逆転させる。抗ILT3抗体の活性は、フィブロネクチンの存在に依存する。すなわち、フィブロネクチンが存在しない場合、抗ILT3抗体の存在下でMLR活性の抑制が逆転することはない(データは示さず)。
実施例13
抗ILT3抗体が樹状細胞に与える影響
樹状細胞を、本明細書に記載の通りに生成した。96ウェルMaxisorpプレート(Nunc)を、フィブロネクチン(5μg/mL)でコーティングし、室温で1時間インキュベートし、PBSで洗浄し、X-VIVO(商標)15培地(Lonza)で30分間ブロックした。樹状細胞を、2x10細胞/ウェルにて、抗ILT3抗体ch5A7、抗ILT3抗体Hz5A7.v5、抗ILT3抗体45G10、または対照抗体の存在下プレーティングし、終夜インキュベートした。抗体濃度は、10μg/mL~0.128ng/mLまでの5倍希釈であった。48時間後、Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)によるMIP-1αの測定のために培地を回収した。
図17Aに示すように、抗ILT3抗体ch5A7及びHz5A7.v5は、樹状細胞によって産生されるMIP-1αのレベルを増加させた。図17Bは、抗体45G10を含めた同様の結果を示している。
樹状細胞を、本明細書に記載の通りに生成した。その樹状細胞を、20ng/mLの組み換えヒトIL-10(Peprotech)で処理することによって寛容化した。その細胞を、IL-10及びLPS(2μg/mL、Sigma-Aldrich)を含む培地で、さらに抗ILT3抗体16C5、抗ILT3抗体ch5A7、抗ILT3抗体45G10、または対照抗KLH抗体の存在下、96ウェルの平底プレートに2x10細胞/ウェルにてプレーティングし、48時間インキュベートした。抗体濃度は、5μg/mL~1.6ng/mLまでの5倍希釈であった。Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)によるTNF-αの測定のために培地を回収した。
図18Aに示すように、抗ILT3抗体16C5及びch5A7は、TNF-αの産生によって評価される通り、IL-10寛容化樹状細胞のLPSに反応する能力を回復することができた。これらの結果により、抗体ch5A7が16C5よりも強力な抗体である可能性があることが示唆される。図18Bは、抗ILT3抗体ch5A7及び45G10での同様の試験の結果を示している。他の試験では、抗ILT3抗体ch5A7が、IL-10寛容化樹状細胞の第二の刺激分子CD40Lに反応する能力を回復することも可能なことが示された(データは示さず)。
実施例14
抗PD-1抗体と組み合わせた抗ILT3抗体の存在下での同種異系MLR
単球由来樹状細胞を、末梢血単球から本明細書に記載の通りに生成した。これらの細胞を回収し、抗KLH抗体または抗ILT3抗体の存在下、組み換えヒトIL-10(50ng/mL)で48時間寛容化した。同種異系T細胞を、末梢血単球から負の選択によってMiltenyi T細胞単離キットを使用して精製した。MLRアッセイのため、T細胞及び寛容化樹状細胞を、抗KLH抗体、抗ILT3抗体ch5A7、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ)、または抗ILT3抗体ch5A7と抗PD-1の組み合わせ(すべての抗体は各々1μg/mL)の存在下、T細胞のIDCに対する比5:1で混合した。5日後、Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)によるIFN-γの測定のために培地を回収した。
図19に示すように、抗ILT3抗体ch5A7は、T細胞でのIFN-γ産生の増加によって示される通り、IL-10寛容化樹状細胞における反応の抑制を逆転させた。この効果は、抗ILT3抗体を抗PD-1抗体と組み合わせて使用した場合に2倍を超えて高くなった。
実施例15
ヒト化抗体の生成
本明細書に記載の抗体特性データ及びさらなる試験に基づいて、抗体5A7、48A6、45G10がヒト化用に選択された。抗体を当業者に既知の方法でヒト化し、ヒト化抗体を本明細書ではHz5A7、Hz48A6及びHz45G10と呼んだ。
抗体5A7は、重鎖可変領域CDR3、
Figure 2023507110000013
に望ましくないメチオニンを有していた。ヒト化プロセス中に、この重鎖可変領域CDR3を再操作してこのメチオニンを除去し、チロシンを挿入することで、
Figure 2023507110000014
を含む重鎖可変領域CDR3を得た。さらに、抗体5A7が、潜在的な異性化部位を軽鎖可変領域のCDR1、
Figure 2023507110000015
に及び潜在的な脱アミド化部位を軽鎖可変領域のCDR1、
Figure 2023507110000016
に有することが分かった。ヒト化プロセス中に、この軽鎖可変領域CDR1を再操作してこの異性化部位及び脱アミド化部位を除去することで、
Figure 2023507110000017
を含む軽鎖可変領域CDR1を得た。これらの改変すべてを含むこのHz5A7バリアントを、Hz5A7.v5と呼ぶ。Hz5A7.v5の重鎖可変配列は、配列番号123のアミノ酸配列を含み、Hz5A7.v5の軽鎖可変配列は、配列番号124のアミノ酸配列を含む。CDRは表8に開示されている。
抗体Hz5A7.v5の重鎖配列は、定常領域にN297Gの変異を含み、これがFcエフェクター機能を排除する。抗体Hz5A7.v5の重鎖配列は、配列番号125及び配列番号126(それぞれ、シグナル配列あり及びなし)として示され、抗体Hz5A7.v5の軽鎖配列は、配列番号127及び配列番号128(それぞれ、シグナル配列あり及びなし)として示される。
48A6のいくつかのヒト化バリアントを生成した。これらは、B0/C2、B1/C2、C0/C2、C1/C2、及びC2/C2 Hz48A6抗体を含む。抗体Hz48A6のB0/C2は、配列番号156のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(B0)、及び配列番号161のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(C2)を含み、抗体Hz48A6のB1/C2は、配列番号157のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(B1)、及び配列番号161のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(C2)を含み、抗体Hz48A6のC0/C2は、配列番号158のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(C0)、及び配列番号161のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(C2)を含み、抗体Hz48A6のC1/C2は、配列番号159のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(C1)、及び配列番号161のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(C2)を含み、抗体Hz48A6のC2/C2は、配列番号160のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(C2)、及び配列番号161のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(C2)を含む。抗体Hz48A6のCDRは、48A6の6つのCDRと同じであり、それらは表6に示されている。
45G10の2種のヒト化バリアントを生成した。これらは、A2/A4及びB1/A4のHz45G10抗体を含む。抗体Hz45G10のA2/A4は、配列番号162のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(A2)、及び配列番号164のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(A4)を含み、抗体Hz45G10のB1/A4は、配列番号163のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(B1)、及び配列番号164のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(A4)を含む。抗体Hz45G10のCDRは、45G10の6つのCDRと同じであり、それらは表5に示されている。
実施例16
ヒト化抗体の特性
ヒトILT3及びcyno ILT3に対するHz5A7.v5の結合親和性を、本明細書に記載のBiacoreシステムを使用して測定し、親キメラ5A7(ch5A7)抗体及びCDR修飾なしのヒト化5A7(Hz5A7.v1)の結合親和性と比較した(表12参照)。
Figure 2023507110000018
抗体Hz5A7.v5は、37℃でのヒトILT3に対する結合親和性が2.8x10-10Mであったのと比較して、親抗体ch5A7の結合親和性は、5.7x10-10Mであった。さらに、抗体Hz5A7.v5は、37℃でのcyno ILT3に対する結合親和性が7.0x10-10Mであったのと比較して、親抗体ch5A7の結合親和性は、2.4x10-9Mであった。
これらの結果により、抗体5A7のヒト化プロセス、ならびに重鎖可変領域のCDR3内のメチオニン、軽鎖可変領域のCDR1内の潜在的な異性化部位、及び軽鎖可変領域のCDR1内の潜在的な脱アミド化部位の除去が、ヒトILT3及びcyno ILT3に対する結合親和性に大きな影響を与えなかったことが示された。
ヒトILT3及びcyno ILT3に対する様々なHz48A6及びHz45G10抗体の結合親和性も同様に、本明細書に記載のBiacoreシステムを使用して測定した。重鎖可変領域及び軽鎖可変領域ならびにヒトFcドメインの様々な組み合わせを含むヒト化抗体を調べ、親キメラ抗体(マウス48A6重鎖及び軽鎖可変領域ならびにヒトFcドメインを含む48A6キメラ、またはマウス45G10の重鎖及び軽鎖可変領域ならびにヒトFcドメインを含む45G10キメラ)の結合親和性と比較した。
B0(配列番号156)、B1(配列番号157)、C0(配列番号158)、C1(配列番号159)及びC2(配列番号160)から選択される重鎖可変領域ならびに軽鎖可変領域C2(配列番号161)を含むヒト化48A6(Hz48A6)抗体の結合親和性を表13に示す。
Figure 2023507110000019
A2(配列番号162)及びB1(配列番号163)から選択される重鎖可変領域ならびに軽鎖可変領域A4(配列番号164)を含むヒト化45G10(Hz45G10)抗体の結合親和性を表14に示す。
Figure 2023507110000020
実施例17
抗ILT3抗体がマクロファージに与える影響
マクロファージを、初代ヒト単球から生成し、記載の通りに分極化させた。Maxisorpプレート(Nunc)を、抗KLH及びヒトフィブロネクチン(FC0101、Millipore)(各5μg/mL)で室温にて1時間コーティングし、次いでPBSで洗浄し、X-Vivo 15培地で30分間ブロックした。抗ILT3抗体がマクロファージに与える影響をアッセイするため、細胞を洗浄し、X-Vivo 15培地に再懸濁し、指定の抗体と室温で20分間インキュベートした後、コーティングしたウェルにプレーティングし(体積100μL中、7x10細胞/ウェル)、終夜インキュベートした。24時間後、Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)によるサイトカイン分泌の評価のために培地を回収した。
図20A及び20Bに示すように、未分極化(M0)マクロファージは、Fc受容体(FcR)を介して抗KLHで刺激され、TNF-αを分泌した。フィブロネクチンの存在下では、マクロファージによるTNF-α分泌は阻害された。マクロファージにおけるフィブロネクチンが誘導するTNF-α産生の阻害は、抗ILT3抗体(例えば、hz5A7.v5)によって遮断された。これは、ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断し、TNF-αの分泌を回復させた。従って、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、マクロファージにおけるFcRシグナル伝達のフィブロネクチンが媒介する阻害を遮断し、フィブロネクチンの存在下でのマクロファージによるFcR駆動性サイトカイン産生を増加させる。
図21A及び21Bに示すように、IL-10分極化(M2c)マクロファージは、Fc受容体(FcR)を介して抗KLHで刺激され、わずかなIL-6を分泌した。フィブロネクチンの存在下では、マクロファージによるIL-6分泌が増加した。マクロファージにおけるフィブロネクチンが誘導するIL-6産生の増加は、抗ILT3抗体(例えば、hz5A7.v5)によって遮断された。これは、ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断し、IL-6の産生を阻害した。従って、本明細書に記載の抗ILT3抗体は、マクロファージにおけるFcRシグナル伝達のフィブロネクチンが媒介する阻害を遮断する。
実施例18
抗ILT3抗体がカニクイザルILT3を発現する細胞に与える影響
レポーター細胞株を、カニクイザルILT3を発現するために生成した。THP-1デュアルKI-mSTINGレポーター細胞(Invivogen)を使用し、そこからCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集によりヒトILT3を削除した。次いでその細胞に、pBABEpuroベクターにカニクイザルILT3を含むレトロウイルスを安定して感染させた。Nunc Maxisorpプレートを、ヒトフィブロネクチン及び抗KLH抗体で室温にて2時間、同時にコーティングし、その後X-Vivo 15培地で30分間、室温にてブロックした。そのカニクイザルILT3発現レポーター細胞をX-Vivo 15培地に再懸濁し(1.5x10細胞/mL)、連続希釈の対照抗体または抗ILT3抗体ch5A7を含む培地と1:1比で混合した。その混合物を30分間インキュベートし、その後100μL/ウェルでプレートに播種した。次に、その混合物をプレートで終夜インキュベートした後、この細胞からのNF-kBレポーター活性を測定した。レポーター活性を測定するため、25μLの培養上清を100μLのQuanti-Blue SEAP基質と混合し、37℃で2時間インキュベートした。吸光度を620nmで読み取った。
図22に示すように、抗ILT3抗体(例えば、hz5A7.v5)は、cyno ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断することにより、THP-1におけるNF-kBレポーター活性のフィブロネクチンが媒介する阻害を逆転させた。
実施例19
抗ILT3抗体が初代カニクイザル樹状細胞に与える影響
単球を、凍結保存カニクイザルPBMCから正の選択により、非ヒト霊長類CD14マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を用いて単離し、ヒト単球由来樹状細胞(DC)に関して記載の通り、ヒトGM-CSF及びIL-4との5日間の処理により、単球由来DCに分化させた。Maxisorpプレート(Nunc)を、PBSまたはフィブロネクチン(5μg/mL)で室温にて1時間コーティングし、次いでPBSで洗浄し、X-Vivo 15培地(Lonza)で室温にて30分間ブロックした。この樹状細胞を、2μg/mLの抗KLH(対照抗体)または抗ILT3抗体ch5A7の存在下、2x10細胞/ウェルでプレーティングし、終夜培養した。細胞培地を24時間後に回収し、MIP-1α濃度をProcartaPlexシステム(ThermoFisher Scientific)を使用したLuminexアッセイによって測定した。図23に示すように、フィブロネクチンは、カニクイザル単球由来のDCにおけるMIP-1α分泌を減少させ、この減少は、cyno ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断するch5A7によって取り返された。
別の実験で、DCを本明細書に記載の通り初代カニクイザル単球から生成した。Maxisorpプレート(Nunc)を、抗KLH及びヒトフィブロネクチン(FC0101、Millipore)(各5μg/mL)で室温にて1時間コーティングし、次いでPBSで洗浄し、X-Vivo 15培地で30分間ブロックした。そのDCをX-Vivo 15培地に再懸濁し、抗KLHまたは抗ILT3 ch5A7と室温で20分間インキュベートした後、終夜培養のためコーティングしたウェルにプレーティングした(体積100μL中、7x10細胞/ウェル)。24時間培養後、Luminexアッセイ(ProcartaPlexシステム、ThermoFisher Scientific)を使用したDCによるIL-8分泌の評価のため、その培養上清を回収した。図24に示すように、フィブロネクチンは、カニクイザル単球由来のDCからのIL-8分泌を減少させ、この減少は、cyno ILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を遮断するch5A7によって取り返された。
実施例20
ヒト化マウスモデルにおける抗ILT3抗体の抗腫瘍活性
すべての動物処置は、動物実験委員会(IACUC)によって承認された動物実験プロトコル(NGM-27-2017)のもとで行った。NCI-H2009肺腺癌細胞(ATCC)を、10%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMI1640で増殖させた。NSGマウスの左脇腹に、3x10個のNCI-H2009腫瘍細胞を皮下注射した。腫瘍細胞の移植から7~10日後、各マウスに4x10個の初代ヒトPBMCを尾静脈から注射した。腫瘍の成長は、ノギスを使用して週2回測定した。腫瘍が体積約50mmに達した後、マウスを週2回、10mg/kgの対照抗KLH抗体または抗ILT3抗体48A6で腹腔内注射により処理した(合計3回)。腫瘍を週2回観察及び測定した。腫瘍が体積約2000mmに達した後、マウスを屠殺した。
図25に示すように、抗ILT3抗体48A6は、このマウスモデルで腫瘍成長を有意に阻害した。
前述の本開示は、理解を明確にする目的で例示及び実施例によって多少詳しく説明されているが、該説明及び実施例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載の本開示の実施形態は、単に例示的なものであることが意図されており、当業者には、本明細書に記載の特定の手順に対する多くの均等物が認識されよう。すべてのかかる均等物は、本開示の範囲内であると見なされ、該実施形態に含まれる。
本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、ならびにポリヌクレオチド及びポリペプチド配列の両方を含めた受託番号/データベースの配列は、すべての目的のため、各刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、または受託番号/データベースの配列が、具体的にかつ個別にそのように参照により組み込まれると示されたものと同程度まで、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
以下は、本出願に開示される配列である。CDR配列は、表1~4に記載されている。
Figure 2023507110000021
予測シグナル配列を含まないヒトILT3アミノ酸配列(配列番号2)
QAGPLPKPTLWAEPGSVISWGNSVTIWCQGTLEAREYRLDKEESPAPWDRQNPLEPKNKARFSIPSMTEDYAGRYRCYYRSPVGWSQPSDPLELVMTGAYSKPTLSALPSPLVTSGKSVTLLCQSRSPMDTFLLIKERAAHPLLHLRSEHGAQQHQAEFPMSPVTSVHGGTYRCFSSHGFSHYLLSHPSDPLELIVSGSLEDPRPSPTRSVSTAAGPEDQPLMPTGSVPHSGLRRHWEVLIGVLVVSILLLSLLLFLLLQHWRQGKHRTLAQRQADFQRPPGAAEPEPKDGGLQRRSSPAADVQGENFCAAVKNTQPEDGVEMDTRQSPHDEDPQAVTYAKVKHSRPRREMASPPSPLSGEFLDTKDRQAEEDRQMDTEAAASEAPQDVTYAQLHSFTLRQKATEPPPSQEGASPAEPSVYATLAIH

ヒトILT3細胞外ドメイン(aa22~259)(配列番号3)
QAGPLPKPTLWAEPGSVISWGNSVTIWCQGTLEAREYRLDKEESPAPWDRQNPLEPKNKARFSIPSMTEDYAGRYRCYYRSPVGWSQPSDPLELVMTGAYSKPTLSALPSPLVTSGKSVTLLCQSRSPMDTFLLIKERAAHPLLHLRSEHGAQQHQAEFPMSPVTSVHGGTYRCFSSHGFSHYLLSHPSDPLELIVSGSLEDPRPSPTRSVSTAAGPEDQPLMPTGSVPHSGLRRHWE

N末端ドメインを含まないヒトILT3Ig様C2型ドメイン1アミノ酸配列(aa27~118)(配列番号4)
PKPTLWAEPGSVISWGNSVTIWCQGTLEAREYRLDKEESPAPWDRQNPLEPKNKARFSIPSMTEDYAGRYRCYYRSPVGWSQPSDPLELVMT

ヒトILT3Ig様C2型ドメイン2アミノ酸配列(aa124~218)(配列番号5)
PTLSALPSPLVTSGKSVTLLCQSRSPMDTFLLIKERAAHPLLHLRSEHGAQQHQAEFPMSPVTSVHGGTYRCFSSHGFSHYLLSHPSDPLELIVS

Figure 2023507110000022
予測シグナル配列を含まないCyno ILT3アミノ酸配列(配列番号7)
QAGPLPKPTVWAEPGSVISWGSPVTIWCQGTLDAQEYHLDKEGSPAPWDTQNPLEPRNKAKFSIPSMTQHYAGRYRCYYHSHPDWSEDSDPLDLVMTGAYSKPILSVLPSPLVTSGESVTLLCQSQSPMDTFLLFKEGAAHPLPRLRSQHGAQLHWAEFPMGPVTSVHGGTYRCISSRSFSHYLLSRPSDPVELTVLGSLESPSPSPTRSISAAAGPEDQSLMPTGSDPQSGLRRHWEVLIGVLVVSILLLSLVFFLLLQHWRQGKHRTSAQRQADFQRPPGAAEPEPKDGGLQRRSRPAADVQGENPNAAMKDTQPEDGVELDSRQRPHDEDPQAVTYARVKHSGPRREMASPPSPLSEEFLDTKDTQAEEDRQMDTQAATSEAPQDVTYAQLQSLTLRREATEPPPPQKREPSAEPSVYATLAIH

Cyno ILT3細胞外ドメイン(aa22~259)(配列番号8)
QAGPLPKPTVWAEPGSVISWGSPVTIWCQGTLDAQEYHLDKEGSPAPWDTQNPLEPRNKAKFSIPSMTQHYAGRYRCYYHSHPDWSEDSDPLDLVMTGAYSKPILSVLPSPLVTSGESVTLLCQSQSPMDTFLLFKEGAAHPLPRLRSQHGAQLHWAEFPMGPVTSVHGGTYRCISSRSFSHYLLSRPSDPVELTVLGSLESPSPSPTRSISAAAGPEDQSLMPTGSDPQSGLRRHWE

N末端ドメインを含まないCyno ILT3Ig様C2型ドメイン1アミノ酸配列(aa27~118)(配列番号9)
PKPTVWAEPGSVISWGSPVTIWCQGTLDAQEYHLDKEGSPAPWDTQNPLEPRNKAKFSIPSMTQHYAGRYRCYYHSHPDWSEDSDPLDLVMT

N末端ドメインを含まないCyno ILT3Ig様C2型ドメイン2アミノ酸配列(aa124~218)(配列番号10)
PILSVLPSPLVTSGESVTLLCQSQSPMDTFLLFKEGAAHPLPRLRSQHGAQLHWAEFPMGPVTSVHGGTYRCISSRSFSHYLLSRPSDPVELTVL

3A3重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号109)
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLTSYGVHWVRQPPGKGLEWLGVIWPGGTINYNSALMSRLSISKDNSKSQVFLKLNSLQTDDTAMYYCASDKYDGGWFAYWGQGTLVTVSA

3A3軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号110)
DIVMTQSQKFMSTSVGDRVSITCKASQNVRTAVAWYQQKPGQSPEALIYLASNRHTGVPDRFTGSGSGTDFSLSISNVQSEDLADYFCLQHLNYPLTFGSGTKLEIK

5A7重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号111)
EVKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSSYGMSWVRQTPEKRLEWVATISGGGSYTNYPDSVKGRLTISRDNAKKNLYLEMSSLRSEDTALYYCARREWRMTLYAMDYWGQGTSVTVSS

5A7軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号112)
NIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDSYGNSFMHWYQQKPGQAPKLLIYLTSNLESGVPARFSGSGSRTDFTLTIDPVEADDAATYYCQQNNEDPFTFGSGTKLEIK

12A12重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号113)
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYNMDWVKQSHGKSLEWIGYIYPNNGGTGYNQKFNSKATLTVDKSSSTAYMELHSLTSEDSAVYYCASSPYYDYVGSYAMDYWGQGTSVTVSS

12A12軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号114)
QIVLTQSPAIMSASLGERVTMTCTASSSVSSSYLHWYQQKPGSSPKLWIYSTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCHQYHRSPRTFGGGTKLEIK

16C5重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号115)
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYNMDWVKQSHGKSLEWIGYIYPSNGGTGYNQKFKSKATLTVDKSSNTAYMELHSLTSEDSAVYYCARVPYYDYLYYYAMDYWGQGTSVTVSS

16C5軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号116)
QIVLSQSPAILSASPGEKVTMACRASSSVSFMHWYQQKPGSSPQPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSTNPYMYTFGGGTKLEIK
45G10重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号117)
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSDYGMHWVRQAPEKGLEWVAYIFSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCARADGRGAMDYWGQGTSVTVSS

45G10軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号118)
DVQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKFLNWYQQKPDGTVTLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLDQEDIATYFCQQGNTLPWTFGGGTKLEIK

48A6重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号119)
EVQLVESGGDLMKPGGSLKLSCAASGFTFSSYGMSWVRQTPDKRLEWVATISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTSVTVSS

48A6軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号120)
NIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRPSESVDSFGNSFMHWFQQKPGQPPKLLIYLSSKLESGVPARFSGSGSRTDFTLTIDPVEADDAATYYCQQHNEDPFTFGSGTKLEIK

53F10重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号121)
EVQVVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSDYGMHWVRQAPEKGLEWVAYISTGIITVYYADTVKGRFTMSRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAIYYCARADGRGAMDYWGQGTSVIVSS

53F10軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号122)
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISNFLNWYQQKPDGTVTLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDFATYFCQQGNTLPWTFGGGTKLEIK
Hz5A7.v5重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号123)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTNYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARREWRYTLYAMDYWGQGTTVTVSS

Hz5A7.v5軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号124)
DIQLTQSPSFLSASVGDRVTITCRASESVESYGSSFMHWYQQKPGKAPKLLIYLTSNLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQQNNEDPFTFGQGTKLEIK
Figure 2023507110000023
シグナル配列を含まないHz5A7.v5重鎖アミノ酸配列(配列番号126)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTNYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARREWRYTLYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

Figure 2023507110000024
シグナル配列を含まないHz5A7.v5軽鎖アミノ酸配列(配列番号128)
DIQLTQSPSFLSASVGDRVTITCRASESVESYGSSFMHWYQQKPGKAPKLLIYLTSNLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQQNNEDPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

ヒトIgG1定常領域(配列番号129)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトIgG1定常領域E233A/L235A(配列番号130)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPALAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトIgG1定常領域L234A/L235A(配列番号131)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトIgG1定常領域L234A/L235A/P329G(配列番号132)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALGAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトIgG1定常領域N297G(配列番号133)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトIgG1定常領域N297G/H310A(配列番号134)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLAQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ヒトカッパ軽鎖定常領域(配列番号135)
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

ヒトラムダ軽鎖定常領域(配列番号136)
GQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS

N末端ドメインを含まないヒトILT3Ig様C2型D1及びD2アミノ酸配列(aa27~218)(配列番号137)
QAGPLPKPTLWAEPGSVISWGNSVTIWCQGTLEAREYRLDKEESPAPWDRQNPLEPKNKARFSIPSMTEDYAGRYRCYYRSPVGWSQPSDPLELVMTGAYSKPTLSALPSPLVTSGKSVTLLCQSRSPMDTFLLIKERAAHPLLHLRSEHGAQQHQAEFPMSPVTSVHGGTYRCFSSHGFSHYLLSHPSDPLELIVS
Figure 2023507110000025
Figure 2023507110000026
予測シグナル配列を含むヒトフィブロネクチン(配列番号139)
QAQQMVQPQSPVAVSQSKPGCYDNGKHYQINQQWERTYLGNALVCTCYGGSRGFNCESKPEAEETCFDKYTGNTYRVGDTYERPKDSMIWDCTCIGAGRGRISCTIANRCHEGGQSYKIGDTWRRPHETGGYMLECVCLGNGKGEWTCKPIAEKCFDHAAGTSYVVGETWEKPYQGWMMVDCTCLGEGSGRITCTSRNRCNDQDTRTSYRIGDTWSKKDNRGNLLQCICTGNGRGEWKCERHTSVQTTSSGSGPFTDVRAAVYQPQPHPQPPPYGHCVTDSGVVYSVGMQWLKTQGNKQMLCTCLGNGVSCQETAVTQTYGGNSNGEPCVLPFTYNGRTFYSCTTEGRQDGHLWCSTTSNYEQDQKYSFCTDHTVLVQTRGGNSNGALCHFPFLYNNHNYTDCTSEGRRDNMKWCGTTQNYDADQKFGFCPMAAHEEICTTNEGVMYRIGDQWDKQHDMGHMMRCTCVGNGRGEWTCIAYSQLRDQCIVDDITYNVNDTFHKRHEEGHMLNCTCFGQGRGRWKCDPVDQCQDSETGTFYQIGDSWEKYVHGVRYQCYCYGRGIGEWHCQPLQTYPSSSGPVEVFITETPSQPNSHPIQWNAPQPSHISKYILRWRPKNSVGRWKEATIPGHLNSYTIKGLKPGVVYEGQLISIQQYGHQEVTRFDFTTTSTSTPVTSNTVTGETTPFSPLVATSESVTEITASSFVVSWVSASDTVSGFRVEYELSEEGDEPQYLDLPSTATSVNIPDLLPGRKYIVNVYQISEDGEQSLILSTSQTTAPDAPPDTTVDQVDDTSIVVRWSRPQAPITGYRIVYSPSVEGSSTELNLPETANSVTLSDLQPGVQYNITIYAVEENQESTPVVIQQETTGTPRSDTVPSPRDLQFVEVTDVKVTIMWTPPESAVTGYRVDVIPVNLPGEHGQRLPISRNTFAEVTGLSPGVTYYFKVFAVSHGRESKPLTAQQTTKLDAPTNLQFVNETDSTVLVRWTPPRAQITGYRLTVGLTRRGQPRQYNVGPSVSKYPLRNLQPASEYTVSLVAIKGNQESPKATGVFTTLQPGSSIPPYNTEVTETTIVITWTPAPRIGFKLGVRPSQGGEAPREVTSDSGSIVVSGLTPGVEYVYTIQVLRDGQERDAPIVNKVVTPLSPPTNLHLEANPDTGVLTVSWERSTTPDITGYRITTTPTNGQQGNSLEEVVHADQSSCTFDNLSPGLEYNVSVYTVKDDKESVPISDTIIPEVPQLTDLSFVDITDSSIGLRWTPLNSSTIIGYRITVVAAGEGIPIFEDFVDSSVGYYTVTGLEPGIDYDISVITLINGGESAPTTLTQQTAVPPPTDLRFTNIGPDTMRVTWAPPPSIDLTNFLVRYSPVKNEEDVAELSISPSDNAVVLTNLLPGTEYVVSVSSVYEQHESTPLRGRQKTGLDSPTGIDFSDITANSFTVHWIAPRATITGYRIRHHPEHFSGRPREDRVPHSRNSITLTNLTPGTEYVVSIVALNGREESPLLIGQQSTVSDVPRDLEVVAATPTSLLISWDAPAVTVRYYRITYGETGGNSPVQEFTVPGSKSTATISGLKPGVDYTITVYAVTGRGDSPASSKPISINYRTEIDKPSQMQVTDVQDNSISVKWLPSSSPVTGYRVTTTPKNGPGPTKTKTAGPDQTEMTIEGLQPTVEYVVSVYAQNPSGESQPLVQTAVTNIDRPKGLAFTDVDVDSIKIAWESPQGQVSRYRVTYSSPEDGIHELFPAPDGEEDTAELQGLRPGSEYTVSVVALHDDMESQPLIGTQSTAIPAPTDLKFTQVTPTSLSAQWTPPNVQLTGYRVRVTPKEKTGPMKEINLAPDSSSVVVSGLMVATKYEVSVYALKDTLTSRPAQGVVTTLENVSPPRRARVTDATETTITISWRTKTETITGFQVDAVPANGQTPIQRTIKPDVRSYTITGLQPGTDYKIYLYTLNDNARSSPVVIDASTAIDAPSNLRFLATTPNSLLVSWQPPRARITGYIIKYEKPGSPPREVVPRPRPGVTEATITGLEPGTEYTIYVIALKNNQKSEPLIGRKKTDELPQLVTLPHPNLHGPEILDVPSTVQKTPFVTHPGYDTGNGIQLPGTSGQQPSVGQQMIFEEHGFRRTTPPTTATPIRHRPRPYPPNVGEEIQIGHIPREDVDYHLYPHGPGLNPNASTGQEALSQTTISWAPFQDTSEYIISCHPVGTDEEPLQFRVPGTSTSATLTGLTRGATYNVIVEALKDQQRHKVREEVVTVGNSVNEGLNQPTDDSCFDPYTVSHYAVGDEWERMSESGFKLLCQCLGFGSGHFRCDSSRWCHDNGVNYKIGEKWDRQGENGQMMSCTCLGNGKGEFKCDPHEATCYDDGKTYHVGEQWQKEYLGAICSCTCFGGQRGWRCDNCRRPGGEPSPEGTTGQSYNQYSQRYHQRTNTNVNCPIECFMPLDVQADREDSRE

ヘパリン結合ドメイン及びコラーゲン結合ドメインを含むヒトフィブロネクチン断片(約70kDa断片)(配列番号140)
QAQQMVQPQSPVAVSQSKPGCYDNGKHYQINQQWERTYLGNALVCTCYGGSRGFNCESKPEAEETCFDKYTGNTYRVGDTYERPKDSMIWDCTCIGAGRGRISCTIANRCHEGGQSYKIGDTWRRPHETGGYMLECVCLGNGKGEWTCKPIAEKCFDHAAGTSYVVGETWEKPYQGWMMVDCTCLGEGSGRITCTSRNRCNDQDTRTSYRIGDTWSKKDNRGNLLQCICTGNGRGEWKCERHTSVQTTSSGSGPFTDVRAAVYQPQPHPQPPPYGHCVTDSGVVYSVGMQWLKTQGNKQMLCTCLGNGVSCQETAVTQTYGGNSNGEPCVLPFTYNGRTFYSCTTEGRQDGHLWCSTTSNYEQDQKYSFCTDHTVLVQTRGGNSNGALCHFPFLYNNHNYTDCTSEGRRDNMKWCGTTQNYDADQKFGFCPMAAHEEICTTNEGVMYRIGDQWDKQHDMGHMMRCTCVGNGRGEWTCIAYSQLRDQCIVDDITYNVNDTFHKRHEEGHMLNCTCFGQGRGRWKCDPVDQCQDSETGTFYQIGDSWEKYVHGVRYQCYCYGRGIGEWHCQPLQTYPSS

ヘパリン結合ドメインを含むヒトフィブロネクチン断片(約30kDa断片)(配列番号141)
QAQQMVQPQSPVAVSQSKPGCYDNGKHYQINQQWERTYLGNALVCTCYGGSRGFNCESKPEAEETCFDKYTGNTYRVGDTYERPKDSMIWDCTCIGAGRGRISCTIANRCHEGGQSYKIGDTWRRPHETGGYMLECVCLGNGKGEWTCKPIAEKCFDHAAGTSYVVGETWEKPYQGWMMVDCTCLGEGSGRITCTSRNRCNDQDTRTSYRIGDTWSKKDNRGNLLQCICTGNGRGEWKCER

コラーゲン結合ドメインを含むヒトフィブロネクチン断片(約45kDa断片)(配列番号142)
HTSVQTTSSGSGPFTDVRAAVYQPQPHPQPPPYGHCVTDSGVVYSVGMQWLKTQGNKQMLCTCLGNGVSCQETAVTQTYGGNSNGEPCVLPFTYNGRTFYSCTTEGRQDGHLWCSTTSNYEQDQKYSFCTDHTVLVQTRGGNSNGALCHFPFLYNNHNYTDCTSEGRRDNMKWCGTTQNYDADQKFGFCPMAAHEEICTTNEGVMYRIGDQWDKQHDMGHMMRCTCVGNGRGEWTCIAYSQLRDQCIVDDITYNVNDTFHKRHEEGHMLNCTCFGQGRGRWKCDPVDQCQDSETGTFYQIGDSWEKYVHGVRYQCYCYGRGIGEWHCQPLQTYPSS

I型リピート1を含むヒトフィブロネクチン断片(配列番号143)
PGCYDNGKHYQINQQWERTYLGNALVCTCYGGSRGFNCESKPEA

I型リピート2を含むヒトフィブロネクチン断片(配列番号144)
ETCFDKYTGNTYRVGDTYERPKDSMIWDCTCIGAGRGRISCTIA

I型リピート3を含むヒトフィブロネクチン断片(配列番号145)
NRCHEGGQSYKIGDTWRRPHETGGYMLECVCLGNGKGEWTCKPI

I型リピート4を含むヒトフィブロネクチン断片(配列番号146)
AEKCFDHAAGTSYVVGETWEKPYQGWMMVDCTCLGEGSGRITCTSR

I型リピート5を含むヒトフィブロネクチン断片(配列番号147)
NRCNDQDTRTSYRIGDTWSKKDNRGNLLQCICTGNGRGEWKCERH
Figure 2023507110000027
予測シグナル配列を含まないヒトCNTFR-アルファ(配列番号149)
QRHSPQEAPHVQYERLGSDVTLPCGTANWDAAVTWRVNGTDLAPDLLNGSQLVLHGLELGHSGLYACFHRDSWHLRHQVLLHVGLPPREPVLSCRSNTYPKGFYCSWHLPTPTYIPNTFNVTVLHGSKIMVCEKDPALKNRCHIRYMHLFSTIKYKVSISVSNALGHNATAITFDEFTIVKPDPPENVVARPVPSNPRRLEVTWQTPSTWPDPESFPLKFFLRYRPLILDQWQHVELSDGTAHTITDAYAGKEYIIQVAAKDNEIGTWSDWSVAAHATPWTEEPRHLTTEAQAAETTTSTTSSLAPPPTTKICDPGELGSGGGPSAPFLVSVPITLALAAAAATASSLLI

ヒトCNTFR-アルファ-成熟型(配列番号150)
QRHSPQEAPHVQYERLGSDVTLPCGTANWDAAVTWRVNGTDLAPDLLNGSQLVLHGLELGHSGLYACFHRDSWHLRHQVLLHVGLPPREPVLSCRSNTYPKGFYCSWHLPTPTYIPNTFNVTVLHGSKIMVCEKDPALKNRCHIRYMHLFSTIKYKVSISVSNALGHNATAITFDEFTIVKPDPPENVVARPVPSNPRRLEVTWQTPSTWPDPESFPLKFFLRYRPLILDQWQHVELSDGTAHTITDAYAGKEYIIQVAAKDNEIGTWSDWSVAAHATPWTEEPRHLTTEAQAAETTTSTTSSLAPPPTTKICDPGELGS

Ig様C2型ドメインを含むヒトCNTFR-アルファ断片(配列番号151)
QRHSPQEAPHVQYERLGSDVTLPCGTANWDAAVTWRVNGTDLAPDLLNGSQLVLHGLELGHSGLYACFHRDSWHLRHQVLLH

FNIII型ドメイン1を含むヒトCNTFR-アルファ断片(配列番号152)
PPREPVLSCRSNTYPKGFYCSWHLPTPTYIPNTFNVTVLHGSKIMVCEKDPALKNRCHIRYMHLFSTIKYKVSISVSNALGHNATAITFDEFTIVKPDPPENVVARPVPSNPRRLEVT

FNIII型ドメイン2を含むヒトCNTFR-アルファ断片(配列番号153)
WQTPSTWPDPESFPLKFFLRYRPLILDQWQHVELSDGTAHTITDAYAGKEYIIQVAAKDNEIGTWSDWSVAAHATPWTEEP

ヘキサヒスチジンペプチドタグ(配列番号154)
HHHHHH

ステムアミノ酸配列を含むヒトILT3ドメイン2(aa124~259)(配列番号155)
PTLSALPSPLVTSGKSVTLLCQSRSPMDTFLLIKERAAHPLLHLRSEHGAQQHQAEFPMSPVTSVHGGTYRCFSSHGFSHYLLSHPSDPLELIVSGSLEDPRPSPTRSVSTAAGPEDQPLMPTGSVPHSGLRRHWE

Hz48A6重鎖可変領域アミノ酸配列
HC-B0(配列番号156)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTSVTVSS
HC-B1(配列番号157)
EVQLVESGGGLMQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTSVTVSS
HC-C0(配列番号158)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVGTISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTLVTVSS
HC-C1(配列番号159)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTLVTVSS
HC-C2(配列番号160)
EVQLVESGGGLMQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLEWVATISSGGTYTFYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGWLLHYYAMDYWGQGTLVTVSS

Hz48A6軽鎖可変領域アミノ酸配列
LC-C2(配列番号161)
DIQLTQSPSFLSASVGDRVTITCRPSESVDSFGNSFMHWFQQKPGKAPKLLIYLSSKLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQQHNEDPFTFGQGTKVEIK

Hz45G10重鎖可変領域アミノ酸配列
HC-A2(配列番号162)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYGMHWVRQAPGKGLEWVAYIFSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARADGRGAMDYWGQGTTVTVSS
HC-B1(配列番号163)
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSDYGMHWVRQAPGKGLEWVSYIFSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARADGRGAMDYWGQGTLVTVSS

Hz45G10軽鎖可変領域アミノ酸配列
LC-A4(配列番号164)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISKFLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYFCQQGNTLPWTFGGGTKLEIK

Claims (131)

  1. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GFTFSSYGMS(配列番号27)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びREWRMTLYAMDY(配列番号29)またはREWRYTLYAMDY(配列番号105)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)またはRASESVESYGSSFMH(配列番号106)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  2. 請求項1に記載の結合剤であって、
    (a)前記重鎖可変領域が、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRMTLYAMDY(配列番号29)を含む重鎖可変領域CDR3を含み、
    (b)前記軽鎖可変領域が、アミノ酸配列RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む、前記結合剤。
  3. 前記重鎖可変領域が、配列番号111に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1~2のいずれか1項に記載の結合剤。
  4. 前記軽鎖可変領域が、配列番号112に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の結合剤。
  5. 前記重鎖可変領域が、配列番号111に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号112に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の結合剤。
  6. 前記重鎖可変領域が、配列番号111に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の結合剤。
  7. 前記軽鎖可変領域が、配列番号112に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の結合剤。
  8. 前記重鎖可変領域が、配列番号111に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号112に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の結合剤。
  9. 前記重鎖可変領域が、配列番号111のアミノ酸配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の結合剤。
  10. 前記軽鎖可変領域が、配列番号112のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の結合剤。
  11. 前記重鎖可変領域が、配列番号111のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号112のアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の結合剤。
  12. 請求項1に記載の結合剤であって、
    (a)前記重鎖可変領域が、アミノ酸配列GFTFSSYGMS(配列番号27)を含む重鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)を含む重鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列REWRYTLYAMDY(配列番号105)を含む重鎖可変領域CDR3を含み、
    (b)前記軽鎖可変領域が、アミノ酸配列RASESVESYGSSFMH(配列番号106)を含む軽鎖可変領域CDR1、アミノ酸配列LTSNLES(配列番号31)を含む軽鎖可変領域CDR2、及びアミノ酸配列QQNNEDPFT(配列番号32)を含む軽鎖可変領域CDR3を含む、前記結合剤。
  13. 前記重鎖可変領域が、配列番号123に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1または12に記載の結合剤。
  14. 軽鎖可変領域が、配列番号124に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1、12及び13のいずれか1項に記載の結合剤。
  15. 前記重鎖可変領域が、配列番号123に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号124に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1及び12~14のいずれか1項に記載の結合剤。
  16. 重鎖可変領域が、配列番号123に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1及び11~15のいずれか1項に記載の結合剤。
  17. 前記軽鎖可変領域が、配列番号124に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1及び11~16のいずれか1項に記載の結合剤。
  18. 前記重鎖可変領域が、配列番号123に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号124に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1及び11~17のいずれか1項に記載の結合剤。
  19. 前記重鎖可変領域が、配列番号123のアミノ酸配列を含む、請求項1及び11~18のいずれか1項に記載の結合剤。
  20. 前記軽鎖可変領域が、配列番号124のアミノ酸配列を含む、請求項1及び11~19のいずれか1項に記載の結合剤。
  21. 前記重鎖可変領域が、配列番号123のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号124のアミノ酸配列を含む、請求項1及び11~20のいずれか1項に記載の結合剤。
  22. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号111のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号112のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  23. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号123のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号124のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  24. 抗体である、請求項1~23のいずれか1項に記載の結合剤。
  25. モノクローナル抗体である、請求項1~24のいずれか1項に記載の結合剤。
  26. キメラ抗体である、請求項1~25のいずれか1項に記載の結合剤。
  27. ヒト化抗体である、請求項1~25のいずれか1項に記載の結合剤。
  28. 二重特異性抗体または多重特異性抗体である、請求項1~27のいずれか1項に記載の結合剤。
  29. 少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である、請求項1~23のいずれか1項に記載の結合剤。
  30. 前記抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、scFv、(scFv)、単鎖抗体、二重可変領域抗体、ダイアボディ、またはナノボディである、請求項29に記載の結合剤。
  31. IgG1抗体、任意にヒトIgG1抗体、及びさらに任意にエフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がないヒトIgG1抗体である、請求項1~28のいずれか1項に記載の結合剤。
  32. IgG2抗体、任意にヒトIgG2抗体である、請求項1~28のいずれか1項に記載の結合剤。
  33. IgG4抗体、任意にヒトIgG4抗体である、請求項1~28のいずれか1項に記載の結合剤。
  34. カッパ軽鎖定常領域、任意にヒトカッパ軽鎖定常領域を含む、請求項1~28または31~33のいずれか1項に記載の結合剤。
  35. ラムダ軽鎖定常領域、任意にヒトラムダ軽鎖定常領域を含む、請求項1~28または31~33のいずれか1項に記載の結合剤。
  36. ヒトILT3に特異的に結合する抗体であって、配列番号126のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号128のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、前記抗体。
  37. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GFSLTSYGVH(配列番号11)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、VIWPGGTINYNSALMS(配列番号12)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びDKYDGGWFAY(配列番号13)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)KASQNVRTAVA(配列番号14)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、LASNRHT(配列番号15)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びLQHLNYPLT(配列番号16)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  38. 前記重鎖可変領域が、配列番号109に対して少なくとも80%の同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号110に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項37に記載の結合剤。
  39. 前記重鎖可変領域が、配列番号109のアミノ酸配列を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号110のアミノ酸配列を有する、請求項38に記載の結合剤。
  40. ILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号109のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに配列番号110のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  41. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GYTFTDYNMD(配列番号43)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、YIYPNNGGTGYNQKFNS(配列番号44)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びSPYYDYVGSYAMDY(配列番号45)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)TASSSVSSSYLH(配列番号46)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、STSNLAS(配列番号47)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びHQYHRSPRT(配列番号48)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  42. 前記重鎖可変領域が、配列番号113に対して少なくとも80%の同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号114に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項41に記載の結合剤。
  43. 前記重鎖可変領域が、配列番号113のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号114のアミノ酸配列を含む、請求項42に記載の結合剤。
  44. ILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号113のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号114のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  45. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GYTFTDYNMD(配列番号43)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、YIYPSNGGTGYNQKFKS(配列番号59)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びVPYYDYLYYYAMDY(配列番号60)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RASSSVSFMH(配列番号61)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、ATSNLAS(配列番号62)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQWSTNPYMYT(配列番号63)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  46. 前記重鎖可変領域が、配列番号115に対して少なくとも80%の同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号116に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項45に記載の結合剤。
  47. 前記重鎖可変領域が、配列番号115のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号116のアミノ酸配列を含む、請求項46に記載の結合剤。
  48. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号115のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号116のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  49. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GFTFSDYGMH(配列番号71)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、YIFSGSSTIYYADTVKG(配列番号72)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びADGRGAMDY(配列番号73)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RASQDISKFLN(配列番号74)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、YTSRLHS(配列番号75)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQGNTLPWT(配列番号76)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  50. 前記重鎖可変領域が、配列番号117に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号118に対して少なくとも80%の同一性を有する、前記重鎖可変領域が、配列番号162に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号164に対して少なくとも80%の同一性を有する、または前記重鎖可変領域が、配列番号163に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号164に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項49に記載の結合剤。
  51. 前記重鎖可変領域が、配列番号117のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号118のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域が、配列番号162のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号164のアミノ酸配列を含む、または、前記重鎖可変領域が、配列番号163のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号164のアミノ酸配列を含む、請求項50に記載の結合剤。
  52. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号117のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号118のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  53. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GFTFSSYGMS(配列番号27)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、TISSGGTYTFYPDSVKG(配列番号87)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びRGWLLHYYAMDY(配列番号88)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RPSESVDSFGNSFMH(配列番号89)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、LSSKLES(配列番号90)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQHNEDPFT(配列番号91)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  54. 前記重鎖可変領域が、配列番号119に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号120に対して少なくとも80%の同一性を有する、前記重鎖可変領域が、配列番号156に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161に対して少なくとも80%の同一性を有する、前記重鎖可変領域が、配列番号157に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161に対して少なくとも80%の同一性を有する、前記重鎖可変領域が、配列番号158に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161に対して少なくとも80%の同一性を有する、前記重鎖可変領域が、配列番号159に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161に対して少なくとも80%の同一性を有する、または前記重鎖可変領域が、配列番号160に対して少なくとも80%の同一性を有し、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項53に記載の結合剤。
  55. 前記重鎖可変領域が、配列番号119のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号120のアミノ酸配列を含む、前記重鎖可変領域が、配列番号156のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161のアミノ酸配列を含む、前記重鎖可変領域が、配列番号157のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161のアミノ酸配列を含む、前記重鎖可変領域が、配列番号158のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161のアミノ酸配列を含む、前記重鎖可変領域が、配列番号159のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161のアミノ酸配列を含む、または前記重鎖可変領域が、配列番号160のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変領域が、配列番号161のアミノ酸配列を含む、請求項54に記載の結合剤。
  56. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号119のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号120のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  57. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する結合剤であって、
    (a)GFTFSDYGMH(配列番号71)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、YISTGIITVYYADTVKG(配列番号99)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びADGRGAMDY(配列番号73)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RASQDISNFLN(配列番号100)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1、YTSRLHS(配列番号75)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQGNTLPWT(配列番号76)と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  58. 前記重鎖可変領域が、配列番号121に対して少なくとも80%の同一性を有し、前記軽鎖可変領域が、配列番号122に対して少なくとも80%の同一性を有する、請求項57に記載の結合剤。
  59. 前記重鎖可変領域が、配列番号121のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号122のアミノ酸配列を含む、請求項58に記載の結合剤。
  60. ヒトILT3に特異的に結合する結合剤であって、配列番号121のアミノ酸配列からVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびに配列番号122のアミノ酸配列からVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記結合剤。
  61. 抗体である、請求項37~60のいずれか1項に記載の結合剤。
  62. モノクローナル抗体である、請求項37~61のいずれか1項に記載の結合剤。
  63. キメラ抗体である、請求項37~62のいずれか1項に記載の結合剤。
  64. ヒト化抗体である、請求項37~62のいずれか1項に記載の結合剤。
  65. 二重特異性抗体または多重特異性抗体である、請求項37~64のいずれか1項に記載の結合剤。
  66. 少なくとも1つの抗原結合部位を含む抗体断片である、請求項37~60のいずれか1項に記載の結合剤。
  67. 前記抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、scFv、(scFv)、単鎖抗体、二重可変領域抗体、ダイアボディ、またはナノボディである、請求項66に記載の結合剤。
  68. IgG1抗体、任意にヒトIgG1抗体、及びさらに任意にエフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がないヒトIgG1抗体である、請求項37~65のいずれか1項に記載の結合剤。
  69. IgG2抗体、任意にヒトIgG2抗体である、請求項37~65のいずれか1項に記載の結合剤。
  70. IgG4抗体、任意にヒトIgG4抗体である、請求項37~65のいずれか1項に記載の結合剤。
  71. カッパ軽鎖定常領域、任意にヒトカッパ軽鎖定常領域を含む、請求項37~65または68~70のいずれか1項に記載の結合剤。
  72. ラムダ軽鎖定常領域、任意にヒトラムダ軽鎖定常領域を含む、請求項37~65または68~70のいずれか1項に記載の結合剤。
  73. ヒトILT3の細胞外ドメインに結合する、請求項1~72のいずれか1項に記載の結合剤または抗体。
  74. ヒトILT3のD2ドメインまたはD1ドメインとD2ドメインの接合部に結合する、請求項1~72のいずれか1項に記載の結合剤または抗体。
  75. 以下の特性の1つ以上を有する、請求項1~74のいずれか1項に記載の結合剤または抗体:
    (i)cyno ILT3に結合する、
    (ii)ヒト及びcyno ILT3に結合する、
    (iii)ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しない、
    (iv)LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しない、
    (v)ILT3アンタゴニストである、
    (vi)ILT3活性を阻害する、
    (vii)ILT3を発現する細胞においてILT3シグナル伝達を阻害する、
    (viii)ILT3のAPOEに対する結合を阻害する、
    (ix)ILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する、
    (x)ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する、
    (xi)ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する、
    (xii)ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する、
    (xiii)ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する、及び
    (xiv)ILT3を発現する骨髄細胞におけるケモカイン産生を回復する。
  76. 前記結合剤が、半減期を延長する部分に結合する、請求項1~75のいずれか1項に記載の結合剤または抗体。
  77. ヒトILT3に対する結合をめぐって請求項1~76のいずれか1項に記載の結合剤と競合する抗体。
  78. 請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  79. 請求項36に記載の抗体及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  80. 請求項1~76のいずれか1項に記載の結合剤をコードする単離されたポリヌクレオチド(複数可)。
  81. 請求項36に記載の抗体をコードする単離されたポリヌクレオチド(複数可)。
  82. 請求項80または請求項81に記載のポリヌクレオチド(複数可)を含むベクター(複数可)。
  83. 請求項80または請求項81に記載のポリヌクレオチドを含む単離された細胞。
  84. 請求項82に記載のベクター(複数可)を含む単離された細胞。
  85. 請求項1~76のいずれか1項に記載の結合剤を産生する単離された細胞。
  86. ヒト免疫グロブリン様転写物3(ILT3)に特異的に結合する抗体であって、
    (a)GFTFSSYGMS(配列番号27)と同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1、TISGGGSYTNYPDSVKG(配列番号28)と同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2、及びREWRMTLYAMDY(配列番号29)と1つのアミノ酸置換を除いて同一のアミノ酸配列であって、任意に、前記置換が、配列番号29の5位のメチオニンの置換である、前記アミノ酸配列を含む、重鎖可変領域CDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    (b)RASESVDSYGNSFMH(配列番号30)と1つまたは2つのアミノ酸置換を除いて同一または実質的に同一のアミノ酸配列であって、任意に、前記置換が、配列番号30の7位のアスパラギン酸の置換及び/または11位のアスパラギンの置換である、前記アミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域CDR1、LTSNLES(配列番号31)と同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2、及びQQNNEDPFT(配列番号32)と同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、前記抗体。
  87. 細胞の混合物に含まれるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記細胞を、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体と接触させることを含む、前記方法。
  88. 細胞の混合物におけるフィブロネクチンが誘導するILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記細胞を、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体と接触させることを含む、前記方法。
  89. ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記骨髄細胞を、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体と接触させることを含む、前記方法。
  90. ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記骨髄細胞を、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体と接触させることを含む、前記方法。
  91. 請求項90に記載の方法であって、
    (i)ILT3を発現する前記骨髄細胞におけるFcR活性を回復させ、
    (ii)ILT3を発現する前記骨髄細胞によるケモカイン産生を回復させ、及び/または
    (iii)免疫細胞(例えば、T細胞)の増殖及び/または活性を回復させる、前記方法。
  92. 対象におけるフィブロネクチンに対するILT3の結合を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の有効量を投与することを含む、前記方法。
  93. 対象におけるフィブロネクチンが誘導するILT3活性を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の有効量を投与することを含む、前記方法。
  94. 対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の有効量を投与することを含む、前記方法。
  95. 対象におけるILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を妨害、阻害、または遮断する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の有効量を投与することを含む、前記方法。
  96. 請求項95に記載の方法であって、
    (i)ILT3を発現する前記骨髄細胞におけるFcR活性を回復させ、及び/または
    (ii)ILT3を発現する前記骨髄細胞におけるケモカイン/サイトカイン産生を回復させる、前記方法。
  97. 対象におけるがんの治療方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  98. 前記がんが、膵臓癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、皮膚癌、メラノーマ、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、腸癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、膀胱癌、脳癌、食道癌、肝臓癌、腎臓癌、肉腫または精巣癌である、請求項97に記載の方法。
  99. 前記がんが血液癌である、請求項97に記載の方法。
  100. 前記がんが、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、または骨髄異形成症候群である、請求項97に記載の方法。
  101. 対象における腫瘍成長の阻害方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  102. 対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する免疫反応を増加または増強させる方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  103. 対象における腫瘍または腫瘍細胞に対する持続的または長期にわたる免疫反応を活性化または増強させる方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  104. 対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  105. 対象における腫瘍再発または腫瘍再成長を阻害する持続的または長期にわたる免疫を誘導する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  106. 前記腫瘍が、膵臓腫瘍、***腫瘍、肺腫瘍、頭頸部腫瘍、結腸直腸腫瘍、前立腺腫瘍、皮膚腫瘍、メラノーマ腫瘍、胃腫瘍(stomach tumor)、胃腫瘍(gastric tumor)、腸腫瘍、卵巣腫瘍、頸部腫瘍、子宮腫瘍、子宮内膜腫瘍、膀胱腫瘍、脳腫瘍、食道腫瘍、肝臓腫瘍、腎臓腫瘍、肉腫または精巣腫瘍である、請求項101~105のいずれか1項に記載の方法。
  107. 腫瘍を有する対象における腫瘍微小環境での骨髄細胞を活性化する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  108. 前記骨髄細胞が、初代樹状細胞または寛容原性樹状細胞である、請求項107に記載の方法。
  109. 前記骨髄細胞が、単球またはマクロファージである、請求項107に記載の方法。
  110. 対象における寛容原性樹状細胞を再活性化する方法であって、前記対象に対して、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  111. 前記寛容原性樹状細胞が、腫瘍微小環境に見出される、請求項110に記載の方法。
  112. 前記結合剤または抗体が、併用療法の一部として投与され、任意に、前記併用療法が抗PD-1抗体を含む、請求項92~111のいずれか1項に記載の方法。
  113. 前記併用療法が、少なくとも1つのさらなる治療薬を含む、請求項112に記載の方法。
  114. 前記対象が、ヒトである、請求項92~113のいずれか1項に記載の方法。
  115. がんの治療のための、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の使用。
  116. がんの治療のための薬剤の製造における、請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体の使用。
  117. 請求項1~77のいずれか1項に記載の結合剤または抗体を製造する方法であって、
    (a)請求項83~86のいずれか1項に記載の細胞を培養すること、及び
    (b)前記結合剤または抗体を単離することを含む、前記方法。
  118. さらに、前記結合剤または抗体を精製することを含む、請求項117に記載の方法。
  119. さらに、前記結合剤または抗体を医薬組成物として製剤化することを含む、請求項117または請求項118に記載の方法。
  120. ヒトILT3に結合し、ヒトILT3のフィブロネクチンに対する結合を阻害する抗体であって、任意に、以下の特性の1つ以上を有する、前記抗体:
    (i)cyno ILT3にも結合する、
    (ii)ILT2、ILT4、ILT5、及びLILRB5には結合しないか、または(ILT3と比較して)わずかに結合するのみである、
    (iii)LILRA1、LILRA2、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6には結合しないか、または(ILT3と比較して)わずかに結合するのみである、
    (iv)ILT3アンタゴニストである、
    (v)ILT3活性を阻害する、
    (vi)ILT3を発現する細胞のILT3シグナル伝達を阻害する、
    (vii)ILT3のAPOEへの結合を阻害する、
    (viii)ILT3のCNTFRに対する結合を阻害する、
    (ix)ILT3が誘導する骨髄細胞の抑制を阻害する、
    (x)ILT3が誘導する骨髄細胞活性の抑制を阻害する、
    (xi)ILT3を発現する骨髄細胞におけるFcR活性を回復する、及び
    (xii)ILT3を発現する骨髄細胞におけるケモカイン産生を回復する。
  121. ヒトILT3に対するKが、Biacoreによって評価して、1μM~1pMである、請求項120に記載の抗体。
  122. ヒトIgG1定常領域及びヒトカッパ軽鎖定常領域を含む、請求項120に記載の抗体。
  123. 前記ヒトIgG1定常領域が、エフェクター機能を低減または排除する1つ以上の変異を含む、請求項122に記載の抗体。
  124. 請求項120~123のいずれか1項に記載の抗体、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  125. ヒト対象におけるがんの治療方法であって、前記対象に対して、請求項120~123のいずれか1項に記載の抗体または請求項124に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含み、任意に、前記がんが、高レベルのフィブロネクチンを発現するがん、ILT3を発現するがん、膵臓癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、皮膚癌、メラノーマ、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、腸癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、子宮内膜癌、膀胱癌、脳癌、食道癌、肝臓癌、腎臓癌、肉腫もしくは精巣癌、血液癌、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、または骨髄異形成症候群である、前記方法。
  126. (a)ヒトILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段、及び
    (b)医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  127. 前記ヒトILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段が、抗ヒトILT3抗体である、請求項126に記載の医薬組成物。
  128. 前記抗体が、重鎖可変領域のVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3ならびに軽鎖可変領域のVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域が、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む、請求項127に記載の医薬組成物:
    (i)配列番号123及び124、
    (ii)配列番号156及び161、
    (iii)配列番号157及び161、
    (iv)配列番号158及び161、
    (v)配列番号159及び161、
    (vi)配列番号160及び161、
    (vii)配列番号162及び164、または
    (vii)配列番号163及び164。
  129. 前記抗体が、それぞれ、以下のアミノ酸配列を含む前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域を含む、請求項128に記載の医薬組成物:
    (i)配列番号123及び124、
    (ii)配列番号156及び161、
    (iii)配列番号157及び161、
    (iv)配列番号158及び161、
    (v)配列番号159及び161、
    (vi)配列番号160及び161、
    (vii)配列番号162及び164、または
    (vii)配列番号163及び164。
  130. 請求項1~77または120~123のいずれか1項に記載の結合剤または抗体及び抗PD-1抗体を含む組み合わせ。
  131. ヒトILT3とフィブロネクチンとの間の相互作用を阻害するための手段及び抗PD-1抗体を含む組み合わせ。
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