JP2023505228A - ピストンロッド駆動機構 - Google Patents

Abstract

本発明は、ペン式注射装置のためのピストンロッド変位機構であって、基準軸に沿って延び、第１の係合構造（４）を有する内部ハウジング表面（３）を備える管状ハウジング（２）と、管状ハウジング（２）内に固定されたナット部材（５）と、第１のねじ方向および第１のねじピッチを有し、ナット部材（５）に係合する第１の非自己係止ねじ（１８）、および第１の非自己係止ねじ（１８）の上に重ね合わされた第２の非自己係止ねじ（１７）、を備え、第２の非自己係止ねじ（１７）が、第２のねじ方向および第２のねじピッチを有する、ピストンロッド（１５）と、ナット部材（５）内でピストンロッド（１５）を前進させるように操作可能な用量ダイヤルスリーブ（２０）と、を備え、用量ダイヤルスリーブ（２０）は、第２の係合構造（２４）が第１の係合構造（４）に摺動係合する外部スリーブ表面（２１）、および第３の係合構造（２９）が第２の非自己係止ねじ（１７）に係合する内部スリーブ表面（２３）を備える、ピストンロッド変位機構を提供する。第１の係合構造（４）および第２の係合構造（２４）のうちの一方は、閉回路軌道構成を備え、第１の係合構造および第２の係合構造のうちのもう一方は、軌道フォロアを備え、閉回路軌道構成は、第２のねじ方向に等しい螺旋軌道方向、および第２のねじピッチに等しい螺旋軌道ピッチを有する、螺旋軌道部分（２４ｈ）と、遠位軌道端（２４ｄ）と近位軌道端（２４ｐ）との間に延び、遠位軌道端（２４ｄ）で螺旋軌道部分（２４ｈ）に接続された軸方向軌道部分（２４ａ）と、を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、各注射行動で同じ所定の用量サイズを送達するように適合された薬剤注射装置に関する。

従来のバイアルおよびシリンジシステムを使用して実施される非経口薬剤投与は、ペン式注射装置または予め充填されたシリンジを使用する投与によってますます置き換えられている。かかる装置は、かかる装置によりユーザが、最初に特定の用量をある貯蔵部（バイアル）から別の貯蔵部（シリンジ）へと手動で移す必要なしに、予め充填された薬剤貯蔵部から、用量決めされた注射を行うことができるという点で、特に便利である。

主に、二つのタイプのペン式注射装置が利用可能であり、耐久型ペン式注射器は、使用前に装置に装填し、消耗後に取り替えることができる予め充填された薬剤カートリッジから一回以上の用量の薬剤を送達することができ、使い捨てペン式注射器は、予め充填された非交換式の薬剤カートリッジから一回以上の用量の薬剤を送達することができる。これらのタイプのペン式注射装置の各々は、例えば、薬剤カートリッジから所定のもしくは選択可能なサイズの一回の用量のみを送達するように適合されたシングルショット装置、薬剤カートリッジから複数回の用量を送達することができるマルチショット装置、ユーザが注射に必要な力を提供する手動装置、注射時に解放可能な内蔵のエネルギー源を有する自動装置、同一のサイズの複数回の用量を送達するように適合された固定用量装置、可能な用量サイズの範囲からユーザにより毎回設定可能な複数回の用量の送達を提供する用量可変装置などの、様々なサブタイプで実現されるか、または原理上は実現され得る。

ラベルが示唆するように、耐久型ペン式注射器は、複数の薬剤カートリッジが消耗され、取り替えられる、かなりの期間にわたって使用されるように意図されている一方、使い捨てペン式注射器は、専用の薬剤カートリッジが消耗されるまで使用され、その後、注射装置全体が廃棄されるように意図されている。

ペン式注射装置は、従来、皮下区画へのアクセスを提供し、皮下区画に薬剤を投与するための手段として役立つ、合致するペン針組立品とともに使用される。ペン式注射装置のタイプにかかわらず、皮膚感染および裂傷のリスクを最小限に抑えるために、ペン針組立品を一回のみ使用することが推奨される。

予め充填されたシリンジには通常、刺さった針が付属されており、一度に投与され、その後、シリンジおよび針の両方が廃棄される、ある体積の薬剤を含有する。

使い捨て注射装置は、取り扱いステップがより少なく、メンテナンスをほとんどまたは全く必要としない、ユーザにとって特に便利なものであるとみなされ得るが、ほんの一回または数回だけで用量投与後に処分されるため、同等に高い環境への影響力を有する。この点において、マルチショット注射装置は、経時的に複数回の用量を確実に送達することができる必要性に苦しみ、ひいては、比較的多数の部品を有する比較的複雑な注射機構を伴う。

特許文献１は、固定された用量サイズの複数回の用量を送達するように適合された使い捨て注射装置を開示している。本装置は、保護キャップの装着および装着解除のサイクルによって、ある用量が注射のために自動的に準備され、ボタンに触れたときに、ばねによって自動的に排出されるという、単純なユーザインターフェースを有する。しかしながら、本装置は単純なものであるが、プラスチック、金属、ゴム、およびガラスの少なくとも四つの異なるタイプの材料から作製された多くの異なる構成要素を含有する。したがって、かかる装置をリサイクルのために回収する場合、個々の材料を分離するために、かかる装置を細かく解体する必要がある。様々な治療セグメントに概して存在する多数の使い捨て注射装置を考慮すると、この材料分離を適切に実行するためには、かなりの複雑さを有する自動セットアップを必要とすることになる。

特許文献２は、固定された用量サイズの複数回の用量を送達するように適合された別の使い捨て注射装置を開示している。この装置は、用量準備行動および用量注射行動の両方が、用量準備中に管状スリーブを回転させること、および用量注射中に管状スリーブを装置ハウジングに向かって押し下げることを含む、管状スリーブの専用のユーザ操作を必要とするという点で完全に手動である。したがって、本装置は、任意の金属部品なしで実現され得るが、開示されるピストンロッド駆動機構は、さらなる管状スリーブを必要とし、構築物の構成要素の総数に加えて、構築物の複雑さも増す。

国際公開第２００９／０９２８０７号（Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ） 国際公開第２００９／０８０７７５号（Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ）

本発明の目的は、先行技術の少なくとも一つの欠点を排除するか、もしくは減少させること、または先行技術の解決策に対する有用な代替案を提供することである。

特に、本発明の目的は、同等に低い環境への影響力を有する使い捨てマルチショットペン式注射装置を提供することである。

本発明のさらなる目的は、ごく少数の部品からなるペン式注射装置のための単純なピストンロッド駆動機構を提供することである。

本発明のさらなる目的は、頑丈で信頼性のある、かかる装置および機構を提供することである。

本発明の開示では、上記の目的のうちの一つ以上に対処し、かつ／または、以下の文章から明らかである目的に対処する、態様および実施形態が説明されることになる。

一態様では、本発明は、請求項１に定義される用量排出機構を提供する。

したがって、ペン式注射装置のためのピストンロッド変位機構またはピストンロッド駆動機構が提供される。ピストンロッド変位機構は、基準軸に沿って延びる管状ハウジングと、管状ハウジング内に固定されたナット部材と、第１のねじ方向および第１のねじピッチを有し、ナット部材に係合する第１の非自己係止ねじ、および第１の非自己係止ねじの上に重ね合わされた第２の非自己係止ねじ、を備え、第２の非自己係止ねじが、第２のねじ方向および第２のねじピッチを有する、ピストンロッドと、ナット部材内でピストンロッドを前進させるように操作可能な用量ダイヤルスリーブと、を備える。

管状ハウジングは、第１の係合構造を有する内部ハウジング表面を備え、用量ダイヤルスリーブは、第２の係合構造が第１の係合構造に摺動係合する外部スリーブ表面、および第３の係合構造が第２の非自己係止ねじに係合する内部スリーブ表面を備える。

第１の係合構造および第２の係合構造のうちの一方は、閉回路軌道構成を備え、第１の係合構造および第２の係合構造のうちのもう一方は、軌道フォロアを備える。さらに、閉回路軌道構成は、第２のねじ方向に等しい螺旋軌道方向、および第２のねじピッチに等しい螺旋軌道ピッチを有する、螺旋軌道部分と、遠位軌道端と近位軌道端との間に延び、遠位軌道端で螺旋軌道部分に接続された軸方向軌道部分と、を備える。それによって、用量ダイヤルスリーブは、管状ハウジングに対するピストンロッドを中心とした近位螺旋運動、および後続の、管状ハウジングに対する基準軸に沿った遠位並進運動によって、ナット部材内で所定の距離だけピストンロッドを前進させるように操作可能である。

したがって、管状ハウジングに対して用量ダイヤルスリーブを旋回させることによって、軌道フォロアが、遠位軌道端で螺旋軌道部分から軸方向軌道部分への遷移を画定する回転停止部に接するまで螺旋軌道部分を進む。螺旋軌道方向が第２のねじ方向と等しく、螺旋軌道ピッチが第２のねじピッチと等しくなるため、第３の係合構造は、第２の非自己係止ねじを進み、かつそれによって、用量ダイヤルスリーブは、軌道フォロアが螺旋軌道部分を進むときに、ピストンロッドを中心として螺旋状に移動する。しかしながら、ピストンロッドは、第１の非自己係止ねじとナット部材との間の係合により、管状ハウジングに対して静止したままである。結果として、用量ダイヤルスリーブは、ピストンロッドの最終的な変位の準備として、管状ハウジングに対して近位螺旋変位を受ける。

続いて、管状ハウジングに対して用量ダイヤルスリーブを遠位側に押し込むことによって、軌道フォロアが、近位軌道端で軸方向軌道部分から螺旋軌道部分または第２の螺旋軌道部分への遷移を画定する軸方向停止部に接するまで軸方向軌道部分を進む。ピストンロッドが、第１の非自己係止ねじおよび第２の非自己係止ねじの形態の逆方向に向けられて重ね合わされたねじを備えることにより、用量ダイヤルスリーブの並進移動は、管状ハウジングに対するピストンロッドの遠位螺旋変位をもたらす。用量ダイヤルスリーブの並進移動はまた、ピストンロッドと用量ダイヤルスリーブとの間の相対的な軸方向運動をもたらすため、ピストンロッドのこの遠位螺旋変位、すなわち、ピストンロッドの前進の程度は、第１のねじピッチの第２のねじピッチに対する比によって決定される。

第１のねじピッチの第２のねじピッチに対する比は製造業者によって選ばれるため、ピストンロッド変位機構は、軌道フォロアが螺旋軌道部分および軸方向軌道部分を進むサイクルごとに、管状ハウジングに対するピストンロッドの所定の軸方向変位を提供するように構築される。それによって、管状ハウジング、用量ダイヤルスリーブ、およびピストンロッドの三つの構成要素のみから作製されている、ペン式注射装置のための非常に単純で信頼性のあるピストンロッド変位機構が提供される。部品が少ないこと、および部品のすべてが同一の材料、例えば、リサイクル可能なプラスチックを使用して形成され得るという事実を考慮すると、本解決策は、従来技術の使い捨て注射装置機構に対する、環境的に魅力のある代替案を提示する。

本発明の例示的な実施形態では、螺旋軌道部分および軸方向軌道部分は、近位軌道端でさらに接続され、それによって、閉回路軌道構成は、単一の螺旋軌道部分および単一の軸方向軌道部分を備える。ピストンロッドの所定の軸方向変位を行うために、それに伴って、用量ダイヤルスリーブは、最初に、軌道フォロアが遠位軌道端で回転停止部に接するまで、３６０°旋回し、次に、軌道フォロアが近位軌道端で軸方向停止部に接するまで、ハウジングに向かって押し込まれる。

本発明の他の実施形態では、閉回路軌道構成は、近位軌道端で軸方向軌道部分に接続された第２の螺旋軌道部分、ならびに第２の遠位軌道端と、第２の遠位軌道端で第２の螺旋軌道部分に接続され、かつ第２の近位軌道端で螺旋軌道部分に接続された第２の近位軌道端との間に延びる、第２の軸方向軌道部分を備える。それによって、ピストンロッドの所定の軸方向変位は、用量ダイヤルスリーブの一回の完全な一回転に対して二回行われる。

内部ハウジング表面および外部スリーブ表面のうちの一方は、波形部分、すなわち、いくつかの交互に軸方向に延びる***部および溝を備えることができ、内部ハウジング表面および外部スリーブ表面のうちのもう一方は、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの螺旋運動中に波形部分を乗り越えるように構成された、可撓自在に支持された半径方向突出部を備えることができる。それによって、用量ダイヤルスリーブが管状ハウジングに対して基準軸を中心として回転すると、半径方向突出部は、軸方向に延びる***部上に連続的にスナップ嵌めされ、ピストンロッド変位機構が、ピストンロッドを前進させるために準備されていることを合図する、クリック音および衝撃の形態の、ユーザに対する聴覚および触覚フィードバックを生成することになる。

波形部分は、状態シフト***部を備えることができ、半径方向突出部は、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの近位螺旋運動中に軌道フォロアが遠位軌道端に到達することに応答して、状態シフト***部を通過し、かつ軸方向に延びる用量溝に入るように構成され得る。状態シフト***部は、半径方向突出部の反転運動を防止し、それによって、螺旋軌道部分に沿った軌道フォロアの復帰運動を防止するように構成され得る。

軌道フォロアが遠位軌道端に到達するまで、それに伴って、用量ダイヤルを逆回転させると、半径方向突出部が波形部分を反対方向に乗り越える一方、軌道フォロアが螺旋軌道部分に戻って進むことになるため、ユーザが、開始した準備行動を後悔する可能性がある。しかしながら、半径方向突出部が状態シフト***部を通過すると、ユーザはもはや準備行動を後悔することができず、ピストンロッド変位機構は、用量ダイヤルの押し下げによってピストンロッドを変位させるように、不可逆的に用意される。

状態シフト***部は、他の***部よりも急勾配であってもよく、用量溝は、波形部分の他の溝よりも深くてもよい。それによって、半径方向突出部が状態シフト***部を通過すると、準備行動が完了したことを示す、はっきりとより大きなクリック音が放出される。

用量溝は、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの遠位並進運動中に半径方向突出部が通過する、複数の軸方向に離間した上昇部を備え得る。これは、ピストンロッド変位が継続していることを合図する、聴覚および触覚フィードバックをユーザに提供することになる。上昇部は、半径方向突出部の一方向の通行のために提供され、それによって、ユーザが、ピストンロッド変位行動中に、管状ハウジング内で用量ダイヤルスリーブの運動方向を突然反転させることを防止するように構成され得る。

用量溝は、半径方向突出部と係合し、かつそれによって、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの近位変位を限定するように構成された遠位端を備え得る。これは、軌道フォロアが遠位軌道端に位置付けられ、軸方向軌道部分を進む準備ができているときに、管状ハウジングから用量ダイヤルスリーブが誤って分離されることを防止することになる。

内部ハウジング表面および外部スリーブ表面のうちの一方は、可撓性スナップアームを備えることができ、内部ハウジング表面および外部スリーブ表面のうちのもう一方は、スナップ幾何学的形状を備えることができ、可撓性スナップアームは、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの遠位並進運動中に軌道フォロアが近位軌道端に到達することに応答して、スナップ幾何学的形状上にスナップ嵌めされるように構成され得る。それによって、はっきりしたクリック音を放出し、ピストンロッド変位行動が完了したというフィードバックをユーザに提供することができる。

可撓性スナップアームおよびスナップ幾何学的形状は、軌道フォロアが近位軌道端にあるときに、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの近位並進運動を防止するように構成され得る。これは、完了したピストンロッド変位後の軸方向軌道部分に沿った軌道フォロアの復帰運動を防止し、ピストンロッド変位機構を操作し続ける唯一の方法が、次のピストンロッド変位行動の準備として、基準軸を中心として用量ダイヤルスリーブを旋回させて、軌道フォロアを螺旋軌道部分内の遠位側に導くことによるものであることを確実にすることになる。

管状ハウジングは、内部ハウジング部分の視覚的検査を可能にする、複数の軸方向に分布した窓を備え得る。複数の軸方向に分布した窓は、管状ハウジングに対する用量ダイヤルスリーブの遠位並進運動中に軌道フォロアが軸方向軌道部分を遠位軌道端から近位軌道端まで進むときに、管状ハウジングに対してピストンロッドによって呈される所定の軸方向変位に対応する距離だけ、対様式で軸方向にオフセットされ得る。次いで、ピストンロッドの遠位端部分が、ピストンロッド変位行動中に一つの窓から近隣の窓まで遠位側にシフトするように、複数の軸方向に分布した窓を配設することが可能である。これにより、ユーザは、ピストンロッド変位機構を稼働させた回数、およびピストンロッド変位機構をさらに稼働させ得る回数を追跡し続けることができる。

別の態様では、本発明は、上述のピストンロッド変位機構を備えるペン式注射装置を提供する。

ペン式注射装置は、貫通可能な自己密封隔壁と摺動可能なピストンとの間のカートリッジ本体内に、ある体積の薬剤物質を保持する薬剤カートリッジを備えることができ、ピストンロッドは、摺動可能なピストン、または例えば、ピストンワッシャーなどの、摺動可能なピストンに接続された中間構成要素に当接し得る。ペン式注射装置は、ペン針組立品をさらに備え得るか、または受容するように適合され得、ペン針組立品は、ユーザの皮膚に挿入するための前方部分、および貫通可能な自己密封隔壁を通して薬剤カートリッジに挿入するための後方部分を有する注射針を備える。

受容されたペン針組立品を有するペン式注射装置では、ピストンロッドの軸方向変位は、摺動可能なピストンの等しい軸方向変位をもたらし、これにより、薬剤物質の相関体積が注射針を通って排出される。したがって、ペン式注射装置は、所定の用量サイズの複数回の用量を送達するように構成されている。

次いで、薬剤物質の体積は、閉回路軌道構成、第１のねじピッチ、および第２のねじピッチとともに、ペン式注射装置が提供する所定の用量サイズの用量の数を決める。本発明の例示的な実施形態では、管状ハウジングは、複数の軸方向に分布した窓を備え、複数の軸方向に分布した窓は、用量ダイヤルスリーブの遠位並進運動中にピストンロッドによって呈される所定の軸方向変位に対応する距離だけ、対様式で軸方向にオフセットされている。軸方向に分布した窓の数は、ペン式注射装置によって最初に排出可能な所定の用量サイズの用量の数と等しく、ピストンロッドの遠位端部分が、ピストンロッド変位行動中に一つの窓から近隣の窓まで遠位側にシフトするように配設されている。これにより、ユーザは、ピストンロッドがまだ見えていない窓の数を数えることによって、平易な様式で残りの排出可能な用量の数を追跡し続けることができる。

いかなる疑念も回避するために、この文脈では、「注射装置」という用語は、例えば、取り付け可能な針装置の助けを借りて、対象者の体内に流体媒体を注射するのに適した器具を指し、「薬剤」という用語は、状態の治療、予防、または診断に使用される媒体、すなわち、体内で治療または代謝効果を有する媒体を含む媒体を指す。さらに、「遠位」および「近位」という用語は、薬剤送達装置、薬剤貯蔵部、または針ユニットにおける位置、もしくはこれらに沿った方向を示し、「遠位」は薬剤出口端を指し、また「近位」は、薬剤出口端とは反対側の端を指す。

本明細書において、特定の態様または特定の実施形態（例えば、「一態様」、「第１の態様」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」など）への言及は、それぞれの態様または実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または、特性が、少なくとも本発明のその一態様または実施形態に含まれるか、または固有のものであるが、必ずしも本発明のすべての態様または実施形態の中に含まれるわけではなく、それらすべての固有のものでもないことを表す。しかしながら、本発明に関連して説明した様々な特徴、構造および／もしくは特性の任意の組み合わせが、本明細書に明示的に記載されない限り、または明確に文脈上矛盾しない限り、本発明に包含されることが強調される。

本文中のありとあらゆる例、または例示的な言語（例えば、など）の使用は、単に本発明をより良く明らかにすることを意図するものであり、別段特許請求されない限り、本発明の範囲を制限するものではない。さらに、本明細書中のいずれの言語または言い回しも、特許請求されないいずれの要素も本発明の実施に必須であると示しているとは解釈されない。

以下において、本発明を、図面を参照しながらさらに説明する。

図１は、薬剤容器を含まないが、本発明の例示的な実施形態による注射装置の分解組立図である。 図２は、注射装置のハウジングの長手方向斜視断面図である。 図３は、注射装置の組み合わされた用量準備および注射ボタンの斜視図である。 図４は、組み合わされた用量準備および注射ボタンの長手方向斜視断面図である。 図５は、組み立てられた状態の注射装置の長手方向斜視断面図である（依然として薬剤容器がない）。

図において、同様の構造は、主として同様の参照番号で識別される。

「上」および「下」、「左」および「右」、「水平」および「垂直」、「時計回り」および「反時計回り」などの相対的な表現が以下で使用されるとき／場合、これらは添付の図を参照しており、必ずしも実際の使用状況を参照するものではない。示された図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成、およびそれらの相対寸法は、例示的な目的のみを果たすことが意図される。

図１は、本発明の例示的な実施形態による注射装置１の分解組立図である。図は、注射装置１によって投与される薬剤を運ぶ薬剤容器も、注射装置１とともに使用して望ましい注射部位に薬剤を送達するように適合された注射針組立品も示していないことが留意される。薬剤容器および注射針組立品は各々、原則的に、複数の異なる可能なタイプのうちの一つであってもよい。しかしながら、本実施形態の場合、これらは各々、ペン式注射装置、すなわち、カートリッジタイプの容器であって、貫通可能な自己密封隔壁によって密封されたネックダウン出口端部分および摺動可能なピストンによって密封された軸方向に反対側の部分をそれぞれ含む概して円筒状の容器本体と、中に注射針が固定して装着されている針ハブを含む針ユニットと、注射装置１に解放可能に取り付けるための手段を備えるスカート部分と、を有する、カートリッジタイプの容器とともに従来使用されるタイプであることが特に想定される。

注射装置１は、長手方向軸に沿って延びるハウジング２と、軸方向延長部にあるカートリッジホルダー３０と、を備える。カートリッジホルダー３０は、ハウジング２にスナップ嵌合するように適合された一対の対向するフランジ３１と、上述の注射針組立品を受容するための針マウント３２と、を有する。ショルダー部分３３は、フランジ３１と針マウント３２を接続し、上述の薬剤容器を保つのに役立つ。薬剤容器の内容物の検査を可能にするために、四つの窓９がハウジング２の遠位半分に軸方向に一列になって配設されている。

ハウジング２は、ピストンロッド１５および用量ダイヤル２０と一緒になって、注射装置１の用量排出機構の一部を形成する。ピストンロッド１５は、互いに重ね合わされた二つの逆巻の非自己係止ねじ、ダイヤル接続ねじ１７、およびナット接続ねじ１８を有するという点で、二重ねじ付きである。ピストンロッド１５は、以下でさらに詳細に説明される様式で、用量排出中にハウジング２に対して螺旋状に前進して、それによって、概して円筒状の容器本体内の摺動可能なピストンを前進させるように適合されている。そのために、ピストンロッド１５の先導端１６は、摺動可能なピストン、または摺動可能なピストンに接続されたピストンワッシャーに当接するように構成されている。

用量ダイヤル２０は、ユーザ操作を平易にするための近位ダイヤルヘッド２２を含む管状ダイヤル本体２１を有する。ダイヤルヘッド２２は、例えば、ユーザの親指を受容するように準備された端面２７を有する。ダイヤル本体２１の外部表面の一部分は、軌道構成２４によって遠位側に中断される軸方向波形２８を備える。軌道構成２４は、ダイヤル本体２１を中心として円周方向に延び、螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈと、軸方向の投薬軌道セグメント２４ａと、を備える。二つの軌道セグメントは、遠位連接部２４ｄで遠位側に、近位連接部２４ｐで近位側に接続されている。特に、螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈの方向およびピッチは、ダイヤル接続ねじ１７の方向およびピッチに対応する。

図２は、ハウジング２の内部を示す長手方向斜視断面図である。ナットねじ８を有するナット部材５は、ハウジング２内に固定され、その内部を近位空間６と遠位空間７に分ける。近位空間６は、ピストンロッド１５および用量ダイヤル２０を収容するように構成され、内部ハウジング表面３によって区切られ、そこからノブ４が半径方向に突出する。近位ハウジングスナップ１１が、周囲のハウジング材料を除去することによって形成された可撓性アーム上に提供されている。近位ハウジングスナップ１１は、近位側に面する傾斜切り欠き１１ｐを有する。遠位空間７は、フランジ３１がハウジング２の遠位開口部１０内に延び、ハウジング２にレーザー溶接されているカートリッジホルダー３０によって定位置に保持された薬剤容器を収容するように構成されている。

図３は、図１のものとは異なる角度からの用量ダイヤル２０の斜視図である。特に、図３は、軸方向波形２８内に形成された軸方向溝２５、およびダイヤル本体２１の遠位端に形成された遠位ステップ２６を示す。遠位側に遠位溝端２５ｄで終端する軸方向溝２５は、互いに軸方向に等距離に離間した五つの横方向のリブ２５ｔを備える。図４は、用量ダイヤル２０の長手方向斜視断面図であり、内部ダイヤル表面２３を示しており、遠位部分上にねじセグメント２９が形成されている。

図５は、組み立てられたときの、ハウジング２、ピストンロッド１５、用量ダイヤル２０、およびカートリッジホルダー３０の長手方向斜視断面図である。ハウジング２が、注射装置１の描かれた状態において、遠位ステップ２６のすぐ近位側に位置付けられた遠位ハウジングスナップ１２も有することを明らかにする。遠位ハウジングスナップ１２は、近位傾斜面１２ｐおよび遠位急勾配面１２ｄとともに形成されており、近位傾斜面１２ｐおよび遠位急勾配面１２ｄはそれぞれ、ハウジング２に対する用量ダイヤル２０の遠位並進運動中に遠位ステップ２６によって遠位ハウジングスナップ１２を持ち上げて通過させること、および遠位ステップ２６の復帰通行を防止することによって、ハウジング２に対する用量ダイヤル２０の後続の近位並進運動を防止することを行う。

組み立てられたときに、ノブ４は、軌道構成２４内で摺動可能に占有され、ナット接続ねじ１８は、ナットねじ８に係合し、ダイヤル接続ねじ１７は、ねじセグメント２９に係合する。これにより、三つの構成要素のみに基づく、非常に単純で安価なピストンロッド変位機構が提供される。このように、注射装置１の全体は、場合によっては、薬剤容器から離れて、リサイクル可能なプラスチックのみを使用して製造され得、薬剤容器から薬剤の用量を排出するために必要な少数の構成要素を考慮すると、注射装置１は、環境への影響力が比較的低い状態で実現され得る。

以下において、図を参照しながら注射装置１の操作モードを説明する。

軌道構成２４は、ダイヤル本体２１の外部表面上に、円周方向に閉じたループまたは回路を形成する。この閉ループは、上述の螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈ、および軸方向の投薬軌道セグメント２４ａからなる。図５に示される注射装置１の組み立てられた状態では、ダイヤル本体２１は、近位空間６内に完全に占有されており、ダイヤルヘッド２２のみが、ハウジング２を越えて近位側に延びる。これは、いずれの用量も薬剤容器（図示せず）から排出される用意ができていない注射装置１の非準備状態に対応する。この状態では、ノブ４は、近位連接部２４ｐに位置付けられ、これは、螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈの始まり、ならびに軸方向の投薬軌道セグメント２４ａの終わりを構成する。

注射装置１から、ある用量の薬剤を排出するために、ユーザはまず、ハウジング２をつかみ、ハウジング２に対してダイヤルヘッド２２を時計回り（近位の視点から見て）に旋回させる。ダイヤルヘッド２２の時計回りの回転により、ダイヤル本体２１を時計回りに回転させ、それによって、ノブ４が、螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈを進み始め、ねじセグメント２９が、ダイヤル接続ねじ１７を進み始める。ピストンロッド１５は、ナット部材５との係合により、静止したままである。それによって、用量ダイヤル２０がハウジング２に対して角度方向および軸方向の両方に変位すると、近位ハウジングスナップ１１は、軸方向波形２８を乗り越えて、***部の通行のたびに、用量が準備されているというユーザに対する聴覚フィードバックであるクリック音を生成する。

ノブ４が、螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈの終わり、および軸方向の投薬軌道セグメント２４ａの始まりを構成する遠位連接部２４ｄにまだ到達していない限り、ユーザは、自身が開始した行動を後悔し、ダイヤルヘッド２２を反時計回りに旋回させる場合があり、これにより、ノブ４が近位連接部２４ｐに戻されることになり、近位ハウジングスナップ１１が軸方向波形２８を逆に乗り越える。したがって、用量ダイヤル２０は、図５に示される位置に復帰する。

しかしながら、用量ダイヤル２０が長手方向軸を中心として３６０°回転し、ノブ４が遠位連接部２４ｄに到達すると、近位ハウジングスナップ１１は、軸方向波形２８の非復帰***部を通過し、軸方向溝２５に入る。この時点では、ユーザは、もはやダイヤルヘッド２２の回転方向を反転させることができず、用量が送達のために準備されている。非復帰***部および軸方向溝２５は、近位ハウジングスナップ１１の通行時に、はっきりとより大きなクリック音が放出され、用量準備行動が完了したことをユーザに合図するように構成されている。

非復帰***部を通過した後、近位ハウジングスナップ１１は、遠位溝端２５ｄに位置付けられる。遠位溝端２５ｄは、近位ハウジングスナップ１１と係合し、かつそれによって、ハウジング２に対する用量ダイヤル２０の近位並進運動を防止するように構成されている。これは、ユーザが用量ダイヤル２０をハウジング２から誤って引き出すことができないことを確実にする。

ここで、ノブ４が遠位連接部２４ｄに位置付けられ、注射装置１は、薬剤容器から、ある用量の薬剤を排出する用意ができている。取り付けられた針ユニット（図示せず）の注射針を、所望の注射部位で皮膚を通して挿入した後、ユーザは、端面２７に軸方向の力を加えることによって、用量ダイヤル２０をハウジング２に向かって押すだけである。それによって、ノブ４は、軸方向の投薬軌道セグメント２４ａを進み始めることになり、結果として得られたダイヤル本体２１の並進変位により、ピストンロッド１５が、ねじセグメント２９とダイヤル接続ねじ１７との間の係合により、ナット部材５内で回転することになる。ナットねじ８とナット接続ねじ１８との間の係合により、結果として、ピストンロッド１５が螺旋状に遠位変位し、それによって、ナット部材５を通って前進することにつながる。

ノブ４が近位連接部２４ｐに到達すると、ピストンロッドは、ダイヤル接続ねじ１７のナット接続ねじ１８に対するピッチ比に依存する特定の軸方向距離だけ変位している。本事例では、前者のピッチは後者のピッチと等しいため、ピストンロッド１５の軸方向変位は、用量ダイヤル２０の軸方向変位の半分である。ピストンロッド１５の軸方向変位は、薬剤容器内の摺動可能なピストンの軸方向変位を決めるため、軸方向の投薬軌道セグメント２４ａの長さは、排出された用量のサイズを効果的に決定する。したがって、注射装置１は、用量排出行動ごとに同じ所定の量の薬剤を排出するように設計されている。

非自己係止ねじがそれぞれ、ダイヤル接続ねじ１７とねじセグメント２９、ナット接続ねじ１８とナットねじ８との間で接合するため、ナット部材５を通してピストンロッド１５を前進させるためには非常に低い軸方向の力が必要であり、これは、ユーザの観点から魅力的である。さらに、ピストンロッド１５は、ノブ４が軸方向の投薬軌道セグメント２４ａを進むときにのみ前進し得るため、注射装置が送達するように設計されているものよりも大きい用量を意図的にまたは誤って注射することはできない。閉回路軌道構成２４は、各用量を、単に、ダイヤルヘッド２２をできるだけ遠くに（３６０度）旋回させ、その後、停止部に接するまでダイヤルヘッド２２をハウジング２に向かって押し下げることによって投与することができる、非常に単純なユーザインターフェースを提供する。用量ダイヤル２０は、各用量排出行動後に、ハウジング２内の最初の位置に復帰する。

用量発現に関連して、用量ダイヤル２０のハウジング２内への並進運動中、ノブ４が軸方向の投薬軌道セグメント２４ａを遠位連接部２４ｄから近位連接部２４ｐまで進むときに、近位ハウジングスナップ１１は、近位側に面する傾斜切り欠き１１ｐによって横方向のリブ２５ｔを連続的に通過し、それによって、注射が継続していることを聴覚的および触覚的に検証するのに役立つクリック音を生成する。ノブ４が近位連接部２４ｐに到達すると、傾斜面１２ｐは、遠位ステップ２６上を摺動し、それによって、弾性エネルギーが遠位ハウジングスナップ１２内に一時的に貯蔵され、休止位置から離れて半径方向に偏向する。急勾配面１２ｄが遠位ステップ２６を通過すると、弾性エネルギーが解放され、遠位ハウジングスナップ１２が休止位置に復帰し、用量排出行動が完了したことをユーザに合図する、はっきりとより大きなクリック音が放出される。

ここで、急勾配面１２ｄは、遠位ステップ２６と接合し、ハウジング２に対する用量ダイヤル２０の近位並進運動を防止する。これにより、ユーザが、軸方向の投薬軌道セグメント２４ａの反対方向にノブ４を強制的に進めることができないことを確実にする。したがって、注射装置１を使用し続ける唯一の方法は、再び、ダイヤルヘッド２２をハウジング２に対して時計回りに旋回させることであり、これは、次の用量投与の準備において、ノブ４を近位連接部２４ｐから螺旋状の用量準備軌道セグメント２４ｈへと導くことになる。

本実施形態の注射装置１は、薬剤容器から特定の用量サイズの四つの所定の用量を送達するように構成されている。したがって、四つの窓９は、摺動可能なピストンが、第１の用量の送達後に最も近位の窓に見ることができ、第２の用量の送達後に近隣の窓に見ることができるなどといったように、配設されている。それによって、ユーザは、注射装置１を用いて投与される用量がいくつ残っているかを平易に確認することができる。

Claims (10)

1. ペン式注射装置のためのピストンロッド変位機構であって、
   －基準軸に沿って延び、第１の係合構造（４）を有する内部ハウジング表面（３）を備える管状ハウジング（２）と、
   －前記管状ハウジング（２）内に固定されたナット部材（５）と、
   －第１のねじ方向および第１のねじピッチを有し、前記ナット部材（５）に係合する第１の非自己係止ねじ（１８）、および前記第１の非自己係止ねじ（１８）の上に重ね合わされた第２の非自己係止ねじ（１７）、を備え、前記第２の非自己係止ねじ（１７）が、第２のねじ方向および第２のねじピッチを有する、ピストンロッド（１５）と、
   －前記ナット部材（５）内で前記ピストンロッド（１５）を前進させるように操作可能な用量ダイヤルスリーブ（２０）と、を備え、前記用量ダイヤルスリーブ（２０）は、第２の係合構造（２４）が前記第１の係合構造（４）に摺動係合する外部スリーブ表面（２１）、および第３の係合構造（２９）が前記第２の非自己係止ねじ（１７）に係合する内部スリーブ表面（２３）を備え、
   前記第１の係合構造（４）および前記第２の係合構造（２４）のうちの一方が、閉回路軌道構成を備え、前記第１の係合構造および前記第２の係合構造のうちのもう一方が、軌道フォロアを備え、
   前記閉回路軌道構成が、前記第２のねじ方向に等しい螺旋軌道方向、および第２のねじピッチに等しい螺旋軌道ピッチを有する、螺旋軌道部分（２４ｈ）と、遠位軌道端（２４ｄ）と近位軌道端（２４ｐ）との間に延び、前記遠位軌道端（２４ｄ）で前記螺旋軌道部分（２４ｈ）に接続された軸方向軌道部分（２４ａ）と、を備え、それによって、前記用量ダイヤルスリーブ（２０）が、前記管状ハウジング（２）に対する前記ピストンロッド（１５）を中心とした近位螺旋運動、および後続の、前記管状ハウジング（２）に対する前記基準軸に沿った遠位並進運動によって、前記ナット部材（５）内で所定の距離だけ前記ピストンロッド（１５）を前進させるように操作可能である、ピストンロッド変位機構。
2. 前記内部ハウジング表面（３）および前記外部スリーブ表面（２１）のうちの一方が、波形部分（２８）を備え、前記内部ハウジング表面（３）および前記外部スリーブ表面（２１）のうちのもう一方が、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の螺旋運動中に前記波形部分（２８）を乗り越えるように構成された、可撓自在に支持された半径方向突出部（１１）を備える、請求項１に記載のピストンロッド変位機構。
3. 前記波形部分（２８）が、状態シフト***部を備え、前記可撓自在に支持された半径方向突出部（１１）が、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の近位螺旋運動中に前記軌道フォロアが前記遠位軌道端（２４ｄ）に到達することに応答して、前記状態シフト***部を通過し、かつ軸方向に延びる用量溝（２５）に入るように構成され、前記状態シフト***部が、前記可撓自在に支持された半径方向突出部（１１）の反転運動を防止し、それによって、前記螺旋軌道部分（２４ｈ）に沿った前記軌道フォロアの復帰運動を防止するように構成されている、請求項２に記載のピストンロッド変位機構。
4. 前記軸方向に延びる用量溝（２５）が、複数の軸方向に離間した上昇部（２５ｔ）を備え、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の遠位並進運動中に、前記可撓自在に支持された半径方向突出部（１１）が前記上昇部（２５ｔ）を通過する、請求項３に記載のピストンロッド変位機構。
5. 前記軸方向に延びる用量溝（２５）が、前記可撓自在に支持された半径方向突出部（１１）と係合し、かつそれによって、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の近位変位を限定するように構成された遠位溝端（２５ｄ）を有する、請求項３または４に記載のピストンロッド変位機構。
6. 前記内部ハウジング表面（３）および前記外部スリーブ表面（２１）のうちの一方が、可撓性スナップアーム（１２）を備え、前記内部ハウジング表面（３）および前記外部スリーブ表面（２１）のうちのもう一方が、スナップ幾何学的形状（２６）を備え、前記可撓性スナップアーム（１２）が、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の遠位並進運動中に前記軌道フォロアが前記近位軌道端（２４ｐ）に到達することに応答して、前記スナップ幾何学的形状（２６）上にスナップ嵌めされるように構成されている、請求項１～５のいずれか一項に記載のピストンロッド変位機構。
7. 前記可撓性スナップアーム（１２）および前記スナップ幾何学的形状（２６）は、前記軌道フォロアが前記近位軌道端（２５ｐ）にあるときに、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の近位並進運動を防止するように構成されている、請求項６に記載のピストンロッド変位機構。
8. 前記管状ハウジング（２）が、複数の軸方向に分布した窓（９）を備え、前記複数の軸方向に分布した窓（９）は、前記管状ハウジング（２）に対する前記用量ダイヤルスリーブ（２０）の遠位並進運動中に前記軌道フォロアが前記軸方向軌道部分（２４ａ）を前記遠位軌道端（２５ｄ）から前記近位軌道端（２５ｐ）まで進むときに、前記ピストンロッド（１５）が前進する軸方向距離に対応する距離だけ、対様式で軸方向にオフセットされている、請求項１～７のいずれか一項に記載のピストンロッド変位機構。
9. 前記軸方向軌道部分（２４ａ）が、前記近位軌道端（２４ｐ）で前記螺旋軌道部分（２４ｈ）にさらに接続され、それによって、前記閉回路軌道構成が、単一の螺旋軌道部分および単一の軸方向軌道部分を備える、請求項１～８のいずれか一項に記載のピストンロッド変位機構。
10. 請求項１～９のいずれか一項に記載のピストンロッド変位機構を備える、ペン式注射装置（１）。
    

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