JP2023505169A - B型肝炎感染の治療における使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質 - Google Patents

B型肝炎感染の治療における使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質 Download PDF

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Abstract

本発明は、療法における使用のための、より詳しくは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、新規なインターフェロン会合抗原結合タンパク質並びにこのようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸及び発現ベクターに関する。本発明は又、療法における使用のための、より詳しくは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、このようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質又は核酸又は発現ベクターを含む医薬組成物に関する。本発明は更に、このようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質又は核酸又は発現ベクター又は医薬組成物を使用する治療方法を提供する。前記新規なインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、例えば、それらがウイルス複製を効果的に混乱させ、それによりHBVウイルス量を低減するという点で、現在の技術水準に対して有益な改善をもたらす。【選択図】図1

Description

本発明は、療法における使用のための、より詳しくは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、新規なインターフェロン会合抗原結合タンパク質ならびにこのようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸及び発現ベクターに関する。本発明は又、療法における使用のための、より詳しくは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、インターフェロン会合抗原結合タンパク質又は核酸又は発現ベクターを含む医薬組成物に関する。本発明は更に、このようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質又は核酸又は発現ベクター又は医薬組成物を使用する治療方法を提供する。前記新規なインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、例えば、それらがウイルス複製を効果的に混乱させ、それによりHBVウイルス量を低減するという点で、現在の技術水準に対して有益な改善をもたらす。
HBVは世界で3億人以上に感染し、肝疾患及び肝癌の一般的な原因である(Liang(2009)Hepatology49:S13)。HBVは、レトロウイルスに似た珍しい特徴を備えた小さなDNAウイルスであり、RNA中間体(プレゲノムRNA、pgRNA)を介して複製し、宿主ゲノムに組み込まれ得る。HBV複製サイクルのユニークな特徴は、感染細胞で存続するというウイルスの明確な能力を与える。HBV感染は、急性(劇症肝不全を含む)から慢性肝炎、肝硬変及び肝細胞癌に至るまで、広範囲の肝疾患をもたらす。急性HBV感染は、無症候性であるか又は症候性急性肝炎を呈する可能性がある。HBVに感染した小児の90~95%と成人の5~10%はウイルスを除去できず、慢性感染となる。多くの慢性感染者は軽度の肝疾患を患っており、長期的な罹患率又は死亡率はほとんどゼロかゼロである。その他の慢性HBV感染患者は活動性疾患を発症し、肝硬変及び肝臓癌に進行することがある。これらの患者は注意深い監視を必要とし、治療的介入が妥当である。
細胞内のHBV感染を調節することによってHBV感染を治療するための新規な方法が必要である。特に、ウイルス複製を効果的に混乱させ、HBV感染細胞のHBVウイルス量を低減し、HBV感染細胞で完全閉環HBV DNAの転写を低減し、及び/又はHBV感染細胞でプレゲノムHBV RNAの量を低減する方法細胞が必要である。
本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、(I)アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及び(II)インターフェロン(IFN)又はその機能的フラグメントを含むインターフェロン会合抗原結合タンパク質に関する。
本発明のこの態様によれば、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、(a)配列番号56と少なくとも90%同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と少なくとも90%同一であるCDRH2、及び配列番号58と少なくとも90%同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに(b)配列番号52と少なくとも90%同一であるCDRL1、配列番号53と少なくとも90%同一であるCDRL2、及び配列番号54と少なくとも90%同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメントを含み得る。或いは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、(a)配列番号56と同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と同一であるCDRH2、及び配列番号58と同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに(b)配列番号52と同一であるCDRL1、配列番号53と同一であるCDRL2、及び配列番号54と同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメントを含み得る。
一実施形態によれば、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号51に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖可変領域VL;及び/又は配列番号55に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖可変領域VHを含む。
別の実施形態によれば、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖(LC);並びに/又は配列番号6、配列番号9、配列番号49及び配列番号48からなる群から選択される配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
更なる実施形態によれば、IFN又はその機能的フラグメントは、I型IFN、II型IFN及びIII型IFN、又はその機能的フラグメントからなる群から選択され得る。好ましくは、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα若しくはIFNβ、又はその機能的フラグメントである。
別の実施形態によれば、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα2a、又はその機能的フラグメントである。好ましい実施形態によれば、IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む。
別の実施形態によれば、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNβ、又はその機能的フラグメントである。好ましい実施形態では、IFNβは、配列番号14に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む。
別の実施形態によれば、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体の軽鎖又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに、好ましくは、C末端に融合される。
更なる実施形態によれば、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体の重鎖又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに、好ましくは、C末端に融合される。
別の実施形態によれば、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントとIFN又はその機能的フラグメントは、リンカーを介して互いに融合される。好ましい実施形態では、リンカーは、配列番号20、配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む。
別の実施形態によれば、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、表9に開示される配列の組合せのうち1つを含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。
別の実施形態によれば、使用は、インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするRNA若しくはDNA配列、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするベクター若しくはベクター系を用いた遺伝子送達の手段によって、それを必要とする対象にインターフェロン会合抗原結合タンパク質を投与することを含む。
更に別の実施形態によれば、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、医薬組成物中に含まれる。
図1:この模式図は、例示的インターフェロン会合抗原結合タンパク質形式を示す。インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、インターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。IFNは、抗体又はその抗原結合フラグメント上の種々の位置:軽鎖(LC)又は重鎖(HC)のN末端又はC末端部分にリンカーを介して会合される。特に、IFNは、I型、II型及びIII型インターフェロンファミリーから選択される。 図2Aは、pCMVプロモーターの制御下に配列番号32をコードするpcDNA3.1プラスミドの例示的マップを示す。配列番号32(配列番号78)をコードする核酸配列も右に示す。斜体:シグナルペプチド配列;黒色:CP870,893重鎖コード配列;下線:HLリンカーコード配列;太字:IFNβコード配列。 図2Bは、重鎖又は軽鎖のいずれかにIFNα又はIFNβが融合された数種のIFAの還元条件でのSDS PAGEの例を示す。親CP870,893移動も左に示す。 図3A-3Bは、HEK-Blue(商標)CD40L細胞におけるCD40介在NFκB経路リポーターアッセイの活性化に対する、IFNβ融合を有する複数のIFA分子の用量依存的効果をグラフで示す。図3Aは、重鎖(HC)のC末端部分にIFNβが融合されたIFAに対する抗CD40活性の例を示す。 図3Bは、LC(IFA34)又はHC(IFA36)のN末端部分にIFNβが融合されたIFA及びC末端部分に対応する融合を有するIFA(IFA35及びIFA37)に対する抗CD40活性の例を示す。後者の群のIFAの精製収率は極めて低くかったため、それらの活性を試験するために、HEKトランスフェクト細胞の上清を使用し、連続希釈してHEK-Blue(商標)CD40L細胞に対する抗CD40活性を評価した。 図3C-3Dは、リポーターHEK-Blue-IFN-α/β細胞におけるI型IFN経路の活性化に対する、IFNβ融合を有する複数のIFA分子の用量依存的効果をグラフで示す。図3Cは、HCのC末端部分にIFNβが融合されたIFAに対するIFN活性の例を示す。 図3Dは、LC(IFA34)又はHC(IFA36)のN末端部分にIFNβが融合されたIFA及びC末端部分に対応する融合を有するIFA(IFA35及びIFA37)に対するIFN活性の例を示す。図3Bと同じHEKトランスフェクト細胞の上清を使用し、IFN活性を評価するために連続希釈した。親抗体CP870,893を陰性対照として使用し、組換えヒトIFNβを陽性対照として使用した。NS:無刺激。 図4Aは、HEK-Blue(商標)CD40L細胞におけるCD40介在NFκB経路リポーターアッセイの活性化に対する、IFNα融合を有する複数のIFA分子の用量効果をグラフで示す。 図4Bは、リポーターHEK-Blue-IFN-α/β細胞におけるI型IFN介在経路の活性化に対する、IFNα融合を有する複数のIFA分子の用量効果をグラフで示す。ペガシスの活性を右下の角の挿入図に示す。 図4Cは、HEK-Blue(商標)CD40L細胞におけるCD40介在NFκB経路リポーターアッセイの活性化に対する、HC(IFA38)又はLC(IFA39)上にIFNα融合及びHLリンカーを有するIFA分子の効果をグラフで示す。 図4Dは、リポーターHEK-Blue-IFNα/β細胞におけるI型IFN経路の活性化に対するIFA38及びIFA39の効果をグラフで示す。 図5は、HBVに感染した初代肝細胞からのHBeAg放出に対するIFNβに基づくIFAの用量依存的効果を示す。IFA1、IFA12:それぞれHL又はRLリンカーを介したLCのC末端へのIFNβの融合。IFA2及びIFA13:それぞれHL又はRLリンカーを介したLCのC末端へのIFNβ_C17Sの融合。 図6Aは、HBVに感染した初代ヒト肝細胞からのHBeAg放出に対するIFA25、IFA26及びIFA27の用量依存的効果を示す。 図6Bは、HBVに感染した初代ヒト肝細胞からのHBeAg放出に対するIFA28、IFA29及びIFA30の用量依存的効果を示す。 図6Cは、HBV感染PHHに対するHLリンカー(IFA38及びIFA39)を有するIFAの用量応答抗ウイルス活性(HBeAg放出)を示す。 図6D-6Hは、HBVに感染した初代ヒト肝細に対する、ペプチドリンカーを介してIFNαに融合された4つのIFA分子の用量応答抗ウイルス活性を示す。図6D:研究デザインを示す漫画。 図6E:ペガシスと比較したHBeAg放出に対するIFAの効果。 図6F:ペガシスと比較したHBsAg放出に対するIFAの効果。 図6G:ペガシスと比較したpgRNAレベルに対するIFAの効果。 図6H:ペガシスと比較したCXCL10放出に対するIFAの効果。 ヒト全血細胞(WBC)のin vitroサイトカイン放出アッセイからの結果を示す:4人の健康なボランティアドナーからのWBCの刺激の後に得られたデータの例。WBCは、無刺激(NS)、LPS処理(10ng/mL)又はIFA1処理(1μg/mL)24時間であった。上清を採取し、ヒトサイトカイン用のMSD u-Plexキットを使用したサイトカイン放出定量を行った。結果は、各ドナーからの2回の独立した刺激の平均を示す。CXCL10(IP10)、IL6、IL1β及びTNFαのプロファイルを示す。 [表11a~b]これらの表は、健康なボランティアから得た全血細胞(WBC)のin vitro刺激後に得られたデータをまとめたものである。各IFAを4人の異なるドナーからのWBCで試験した。WBCは、無刺激(NT)、24時間のLPS処理(10ng/mL)又はIFA処理(1μg/mL)とした。上清を採取し、ヒトサイトカイン用のMSD u-Plexキットを使用してサイトカイン放出定量を行った。結果は、各ドナーからの2回の独立した刺激の平均を示し、pg/mLで表す(nd:検出されず)。 図8:マウスに対する0.5mg/kg(IFA)又は0.3mg/kg(ペガシス)静脈内ボーラス注射後のIFA25、IFA26、IFA27、IFA28、IFA29、及びIFA30の薬物動態プロファイル。データは、片対数スケールで平均+/-SDとして表した。サンプルは投与後1日までに採取した。定量法のための二次抗体として抗IFNαを使用するELISAアッセイを、IFA27、IFA29及びIFA30(図8A)並びにIFA25、IFA26及びIFA28(図8B)に使用した。定量法のための二次抗体として抗IgG2を使用するELISAアッセイを、IFA25及びIFA27(図8C)に使用した。図8D:ペガシス定量は、ヒトIFNα適合抗体対を用いて行った。マークライン(LLOQ)は、ペガシスアッセイの検出限界を表す。 [表12A]表12A:PKレポートサマリー:雄CD1スイスマウスへの0.5mg/kgの単回静脈内投与後のCP870,893、IFA27、IFA29及びIFA30のPKパラメーター。CP870,893のPKパラメーターは7日の試験で調べ、IFA27、IFA29及びIFA30のPKパラメーターは10日の試験で調べた(IFA27の定量は、2つの異なるELISAアプローチを使用して行った)。 [表12B]表12B:PKレポートサマリー:雄CD1スイスマウスへの0.5mg/kgの単回静脈内ボーラス投与後のCP870,893、ペガシス及び3つの異なるIFA(IFA25、IFA26及びIFA28)のPKパラメーター。CP870,893及びIFA25、IFA26、IFA28及びペガシスのPKパラメーターは21日の試験で調べた(IFA25の定量は、2つの異なるELISAアプローチを使用して行った)。 図9Aは、リポーターHEK-Blue(商標)CD40L細胞における、親抗CD40抗体と比較した、Fc領域を含まないIFA50及びIFA51の用量依存的CD40アゴニスト活性を示す。 図9Bは、リポーターHEK-Blue(商標)hIFN-α/β細胞におけるIFA50及びIFA51の用量依存的IFNα活性を示す。 図9C:HBV感染PHHのHBeAg放出に対するIFA50及びIFA51の効果。 図10Aは、HEK-Blue(商標)CD40Lリポーター細胞における、親抗CD40抗体と比較した、IFNεに基づくIFA49の用量依存的CD40アゴニスト活性を示す。IFA49は、ペプチドリンカーを介したHCへのIFNεの融合に相当する。 図10Bは、I型インターフェロンにより活性されるリポーターHEK-Blue(商標)hIFN-α/βリポーター細胞に対するIFA49の用量依存的IFN活性を示す。 図10C:HBV感染PHHからのHbeAg放出に対するIFA49の効果。 図11Aは、HEK-Blue(商標)CD40Lリポーター細胞における、親抗CD40抗体と比較した、IFNωに基づくIFA46の用量依存的CD40アゴニスト活性を示す。IFA46は、ペプチドリンカーを介したLCへのIFNωの融合に相当する。 図11Bは、I型インターフェロンにより活性されるリポーターHEK-Blue(商標)hIFN-α/βリポーター細胞に対する用量依存的IFN活性を示す。 図11C:HBV感染PHHからのHbeAg放出に対するIFA46の効果。 図12Aは、HEK-Blue(商標)CD40Lリポーター細胞における、親抗CD40抗体と比較した、IFNγに基づくIFA(IFA42及びIFA43)の用量依存的CD40アゴニスト活性を示す。IFA42は、ペプチドリンカーを介したLCへのIFNγの融合に相当し、IFA43は、ペプチドリンカーを介したHCへのIFNγの融合に相当する。 図12Bは、リポーターHEK-Blue-hIFNγ細胞におけるIFA42及びIFA43の用量依存的IFN活性を示す。 図12C:HBV感染PHHからのHbeAg放出に対するIFA42及びIFA43の効果。 図13A:HEK-Blue(商標)CD40Lリポーター細胞における、親抗CD40抗体と比較した、IFNλに基づくIFA(IFA44及びIFA45)の用量依存的CD40アゴニスト活性を示す。IFA44は、ペプチドリンカーを介したLCへのIFNλの融合に相当し、IFA45は、ペプチドリンカーを介したHCへのIFNλの融合に相当する。 図13Bは、リポーターHEK-Blue-hIFNλ細胞におけるIFA44及びIFA45の用量依存的IFN活性を示す。 HBV感染PHHからのHbeAg放出に対するIFNλに基づくIFA(IFA44及びIFA45)の効果。 図14は、3G5抗CD40抗体の重鎖にIFNα又はIFNβが融合された数種のIFAの還元条件でのSDS PAGEの例を示す。親3G5抗CD40抗体の移動を左に示す。 HEK-Blue(商標)CD40L細胞におけるCD40介在NFκB経路リポーターアッセイの活性化に対する、IFNβ融合を有する複数の3G5に基づくIFA分子の用量依存的効果をグラフで示す。親抗体3G5(この図ではCDX-3G5と呼称)も同様に示す。図15Aは、重鎖(HC)のC末端部分にIFNβが融合されたIFAに対する抗CD40活性の例を示す。軽鎖にIFNβが融合されたIFAの精製収率は極めて低くかったため、それらの活性を試験するために、HEKトランスフェクト細胞の上清を使用し、HEK-Blue(商標)CD40L細胞で抗CD40活性を評価するために連続希釈し、活性の例を図15Bに示し、3G5含有上清を対照として使用した。 図15C―Dは、リポーターHEK-Blue-IFN-α/β細胞におけるI型IFN経路の活性化に対する、IFNβ融合を有する複数のIFA分子の用量依存的効果をグラフで示す。図15Cは、HCのC末端部分にIFNβが融合されたIFAに対するIFN活性の例を示す。 図15Dは、軽鎖にIFNβが融合されたIFAのIFN活性を示し、これらのタンパク質の生産レベルは極めて低くかったため、図15Bと同様の上清を使用して図15Dに2つのIFAに対する活性の例を示す。 図16Aは、HEK-Blue(商標)CD40L細胞におけるCD40介在NFκB経路リポーターアッセイの活性化に対する、IFNα融合を有する4つのIFA分子の用量効果をグラフで示す。親抗体3G5(この図ではCDX-3G5と呼称)との比較を同様に示す。 図16Bは、リポーターHEK-Blue-IFN-α/β細胞におけるI型IFN介在経路の活性化に対する、IFNα融合を有する複数のIFA分子の用量効果をグラフで示す。 図17は、HBVに感染したPHHからのHBeAg放出に対する、I型IFNに基づくIFAの用量依存的効果を示す。図17Aは、HCのC末端部分にIFNβが融合されたIFNβに基づくIFA(IFA106、IFA107、IFA108及びIFA109)で得られた結果を示す。 図17Bは、HCのC末端部分にIFNαが融合されたIFNαに基づくIFA(IFA121、IFA122、IFA123及びIFA124)で得られた結果を示す。NI-NT:非感染、非処理。MOI:多重感染度。 図18:ヒト全血細胞(WBC)のin vitroサイトカイン放出アッセイ:4人の健康なボランティアドナーからのWBCの刺激の後に得られたデータの例。WBCは、無処理(NT)、24時間のLPS処理(10ng/mL)又はIFA109処理(1μg/mL)とされた。上清を採取し、ヒトサイトカイン用のMSD u-Plexキットを使用してサイトカイン放出定量を行った。結果は、各ドナーからの2回の独立した刺激の平均を示す。CXCL10(IP10)、IL6、IL1β及びTNFαのプロファイルを示す。 [表13]この表は、健康なボランティアから得られた全血細胞のin vitro刺激の後に得られたデータをまとめたものである。IFA109は、4人の異なるドナーからのWBCで試験した。WBCは、無処理(NT)、24時間LPS処理(10ng/mL)又はIFA109処理(1μg/mL)とした。上清を採取し、ヒトサイトカイン用のMSD u-Plexキットを使用してサイトカイン放出定量を行った。結果は、各ドナーからの2回の独立した刺激の平均を示し、pg/mLで表す(nd:検出されず)。
本発明の前述及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照すればより良く理解されるであろう。
本発明は、一部には、B型肝炎ウイルス(HBV)療法における、(I)アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及び(II)インターフェロン(IFN)又はその機能的フラグメントを含む「インターフェロン会合抗原結合タンパク質」、これらの変異体又は誘導体の使用に基づく療法の発見に基づく。前記インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、HBV感染細胞においてB型肝炎ウイルス完全閉環DNA(cccDNA)のプレゲノムHBV RNA(pgRNA)への転写を阻害し、HBV感染細胞からのhepatitis B e抗原(HBeAg)の放出を阻害し、非感染及びHBV感染肝細胞、特に、非感染及びHBV感染初代ヒト肝細胞におけるIFN経路を相乗作用的に増強する。HBV感染細胞、又はHBVに感染した対象にインターフェロン会合抗原結合タンパク質を投与することを含むHBV療法が提供される。
本発明は、以下に定義される選択用語を参照すれば、より容易に理解できる。
本明細書において使用する場合、「CD40」という用語は、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのメンバーである「分化抗原群40(Cluster of differentiation 40)」を指す。CD40は、抗原提示細胞(例えば、B細胞、樹状細胞、単球)、造血前駆細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、並びに大部分のヒト腫瘍に見られる補助刺激タンパク質である(Grewal & Flavell, Ann. Rev. lmmunol., 1996, 16: 111-35; Toes & Schoenberger, Seminars in Immunology, 1998, 10(6): 443-8)。TH細胞上の天然リガンドCD154(CD40L)のCD40への結合は抗原提示細胞を活性化し、様々な下流効果を誘導する。TNF受容体会合因子アダプタータンパク質TRAF1、TRAF2、TRAF6及びTRAF5は、CD40と相互作用し、シグナル伝達のメディエーターとして働く。最終的に、CD40シグナル伝達は、カノニカル及び非カノニカルの両方のNF-κB経路を活性化する。
アゴニスト抗CD40抗体及びこれらの抗原結合フラグメント
本明細書において使用する場合、「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続された2つの重(H)鎖と2つの軽(L)鎖の4つのポリペプチド鎖を含む免疫グロブリン分子、並びにこれらの多量体(例えば、IgM)を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(略してVH又はVH)及び重鎖定常領域(CH又はCH)を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2及びCH3の3つのドメインを含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(略してVL又はVL)及び軽鎖定常領域(CL又はCL)を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VH及びVL領域は更に「相補性決定領域(CDR)」と呼ばれる超可変領域に細分することができ、これに「フレームワーク領域」(FR)と呼ばれるより保存された領域が挿入されている。各VH及びVLは3つのCDRと4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序で配置される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。フレームワーク領域は、抗原結合領域と抗原の間の結合を促進するために適切なCDRコンフォメーションを維持する助けをすることができる。
治療的に最も慣用される免疫グロブリンは、四量体糖タンパク質である免疫グロブリンG(又はIgG)である。天然に存在する免疫グロブリンでは、各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖ペアから構成され、各ペアは1つの軽鎖(約25kDa)と1つの重鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識を担う約100~110又はそれを超えるアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能を担う定常領域を定義する。免疫グロブリンは、それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて種々のクラスに割り当てることができる。
重鎖はミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)、及びイプシロン(ε)として分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEとして定義する。これらのうち幾つかは更に、サブクラス又はアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2に分類することができる。異なるアイソタイプは異なるエフェクター機能を有し、例えば、IgG1及びIgG3アイソタイプは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する。好ましい実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、IgGクラスである。より好ましい実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、IgG1又はIgG3サブクラスである。特に好ましい実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、IgG1サブクラスである。他のより好ましい実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、IgG2又はIgG4サブクラスである。特に好ましい実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、IgG2サブクラスである。
ヒト軽鎖は、カッパ(κ)及びラムダ(λ)軽鎖に分類される。よって、幾つかの実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、κクラスの軽鎖を含む。他の実施形態では、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質に含まれるアゴニスト抗CD40抗体又はこれらのアゴニスト抗原結合フラグメントは、λクラスの軽鎖を含む。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12又はそれを超えるアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖は更に約10を超えるアミノ酸の「D」領域を含む。一般に、Fundamental Immunology, Ch. 7 (Paul, W.編, 第2版 Raven Press, N.Y. (1989))を参照。
「抗体」という用語には更に、限定されるものではないが、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ドメイン抗体、合成抗体(「抗体模倣剤」と呼ばれる場合がある)、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及びそれぞれこれらのフラグメントが含まれる。特に断りのない限り、「抗体」という用語は、2つの全長重鎖及び2つの全長軽鎖を含む抗体の他、これらの誘導体、変異体、抗原結合フラグメント、及び突然変異タンパク質(これらの例は以下に記載する)を含む。
本明細書において使用する場合、「アゴニストCD40抗体」又は「アゴニスト抗CD40抗体」という用語は、CD40に結合し、CD40シグナル伝達を媒介する抗体を指す。好ましい実施形態では、それはヒトCD40に結合する。以下に記載するように、CD40への結合は、表面プラズモン共鳴、好ましくは、BIAcore(登録商標)システムを使用して決定することができる。アゴニスト抗CD40抗体は、CD40を発現する細胞、組織又は生物に加えた際に1以上のCD40活性を少なくとも約20%増強させ得る。幾つかの実施形態では、抗体は、CD40活性を少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも85%活性化する。アゴニスト抗CD40抗体のCD40活性は、全血表面分子上方調節アッセイ又はin vitroリポーター細胞アッセイ、例えば、実施例Iに詳細に記載するように、HEK-Blue(商標)CD40L細胞(InvivoGenカタログ番号:hkb-cd40)を使用して測定することができる。これらのリポーター細胞は、CD40アゴニストの活性を測定するために、ヒトCD40遺伝子及びNFκB誘導性分泌胚アルカリ性ホスファターゼ(SEAP)構築物によるHEK293細胞の安定トランスフェクションによって作出された。CD40の刺激は、NFκBの活性化及び従ってSEAPの生産をもたらし、この生産は、QUANTI-Blue(商標)などの発色基質を使用して上清中で検出することができる。
本発明の文脈において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路及びIFN経路の両方を活性化する。特定の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路を400、300、200、150、100、70、60、50、40、30、25、20、又は15ng/mL未満のEC50で活性化する。より具体的な実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路を10~200ng/mLの範囲のEC50で活性化する。更により具体的な実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路を10~50ng/mL、好ましくは10~30ng/mLの範囲のEC50で活性化する。
好適なアゴニスト抗CD40抗体の例としては、限定されるものではないが、CP870,893(Pfizer/Roche)、SGN-40(Seattle Genetics)、ADC-1013(Janssen/Alligator BioSciences)、Chi Lob 7/4(サウサンプトン大学)、ダセツズマブ(Seattle Genetics)、APX005M(Apexigen,Inc.)、3G5 (Celldex)及びCDX-1140(Celldex)が挙げられる。アゴニスト抗CD40抗体CP870,893の例示的軽鎖配列及び重鎖配列を表7に示す。アゴニスト抗CD40抗体3G5の例示的軽鎖配列及び重鎖配列を表8に示す。
本明細書において使用する場合、アゴニスト抗CD40抗体の「アゴニスト抗原結合フラグメント」という用語は、細胞においてCD40に結合してCD40シグナル伝達のアゴニストとして働く能力など、元の抗体の1以上の機能的活性を保持するアゴニスト抗CD40抗体のフラグメントを指し、例えば、それはCD40経路シグナル伝達を媒介する。このようなフラグメントは、CD40との結合をめぐって無傷抗体と競合し得る。
アゴニスト抗CD40抗体のアゴニスト抗原結合フラグメントは、組換えDNA技術によって作製することができるか、又は抗CD40抗体の酵素的若しくは化学的切断によって作製することができる。アゴニスト抗原結合フラグメントとしては、限定されるものではないが、Fabフラグメント、ダイアボディ(短すぎて同じ鎖上の2つのドメイン間では対合できない短いペプチドリンカーを介して接続された軽鎖可変ドメインと同じポリペプチド上の重鎖可変ドメイン)、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント、ドメイン抗体及び一本鎖抗体が挙げられ、限定されるものではないが、ヒト、マウス、ラット、ラクダ科動物又はウサギを含むいずれの哺乳動物起源に由来してもよい。
「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、一般に重鎖ではアミノ末端の120~130アミノ酸、軽鎖では約100~110のアミノ末端アミノ酸を含む、抗体の軽鎖及び/又は重鎖の部分を指す。種々の抗体の可変領域は、同じ種又は同じクラスに由来する抗体であってもアミノ酸配列が大きく異なる。アゴニスト抗CD40抗体CP870,893の例示的VL及びVHドメイン配列を表1に示す。抗体の可変領域は一般に、それがCDRを含むことから、特定の抗体の、その標的に対する特異性を決定する。表1は又、アゴニスト抗CD40抗体CP870,893の例示的CDR配列も示す。
Figure 2023505169000002
CDRの描写及び抗体の結合部位を含む残基の特定は、抗体の構造を解くこと、及び/又は抗体-リガンド複合体の構造を解くことによって達成され得る。これは、X線結晶学など、当業者に公知の様々な技術のいずれかによって達成することができる。CDR領域を特定又は概算のために、様々な分析方法を使用することができる。このような方法の例としては、限定されるものではないが、Kabat定義、Chothia定義、AbM定義contact定義が挙げられる。
Kabat定義は、抗体の残基に番号を付けるための標準であり、一般に、CDR領域を識別するために使用される。例えば、Johnson & Wu, Nucleic Acids Res., 28: 214-8 (2000)参照。Chochia定義はKabat定義と類似しているが、Chochia定義では、特定の構造ループ領域の位置を考慮する。例えば、Chothia et al., J. Mol. Biol., 196: 901-17 (1986); Chothia et al., Nature, 342: 877-83 (1989)参照。AbM定義では、抗体構造をモデル化するOxford Molecular Groupによって作成されたコンピュータープログラムの統合スイートを使用する。例えば、Martin et al., Proc Natl Acad Sci (USA), 86:9268-9272 (1989); “AbMTM, A Computer Program for Modeling Variable Regions of Antibodies,” Oxford, UK; Oxford Molecular, Ltd.参照。AbM定義では、既知のデータベースとSamudrala et al., “Ab Initio Protein Structure Prediction Using a Combined Hierarchical Approach,”によりPROTEINS, Structure, Function and Genetics Suppl., 3:194-198 (1999)に記載されているものなどのab initio法を使用して一次配列から抗体の三次元構造をモデル化する。contact定義は、利用可能な複雑な結晶構造の分析に基づく。MacCallum et al., J. Mol. Biol., 5:732-45 (1996)参照。
特定の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖及び重鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)は、同じ、又は別の種のフレームワーク領域(FR)にグラフトすることができる。特定の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖及び重鎖可変領域のCDRは、コンセンサスヒトFRにグラフトすることができる。コンセンサスヒトFRを作出するために、特定の実施形態では、数種のヒト重鎖又は軽鎖アミノ酸配列のFRをアラインしてコンセンサスアミノ酸配列を特定する。特定の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖又は軽鎖のFRを、異なる重鎖又は軽鎖のFRで置換する。特定の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖及び軽鎖のFRの希少アミノ酸は置換せず、残りのFRアミノ酸を置換する。希少アミノ酸は、FRには通常見られない位置にある特定のアミノ酸である。特定の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントからグラフトされた可変領域は、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの定常領域とは異なる定常領域と共に使用することができる。特定の実施形態では、グラフトされた可変領域は、一本鎖Fv抗体の一部である。CDRグラフティングは、例えば、米国特許第6,180,370号、同第6,054,297号、同第5,693,762号、同第5,859,205号、同第5,693,761号、同第5,565,332号、同第5,585,089号、及び5,530,101、及びJones et al., Nature, 321: 522-525 (1986);Riechmann et al., Nature, 332: 323-327 (1988);Verhoeyen et al., Science, 239:1534-1536 (1988)、Winter, FEBS Letts., 430:92-94 (1998)に記載されており、これらは目的を問わず本明細書の一部として援用される。
「Fc」領域は一般に、抗体のCH2及びCH3ドメインを含む2つの重鎖フラグメントを含む。これら2つの重鎖フラグメントは、2つ以上のジスルフィド結合及びCH3ドメインの疎水性相互作用によって共に保持されている。
「Fabフラグメント」は、1つの全長軽鎖並びに1つの重鎖のCH1及び可変領域(VH及びCH1領域の組合せは本明細書では「fab領域重鎖」と呼称する)を含む。
「Fab’フラグメント」は、1つの軽鎖、並びに1つの重鎖の、VHドメイン及びCH1ドメイン、又、CH1ドメインとCH2ドメインの間の領域を含む部分を含み、これにより、鎖内ジスルフィド結合が2つのFab’フラグメントの2つの重鎖の間で形成されてF(ab’)2分子を形成することができる。
「F(ab’)2フラグメント」は、2つの軽鎖及びCH1ドメインとCH2ドメインの間の定常領域の一部を含む2つの重鎖を含み、これにより、鎖内ジスルフィド結合が2つの重鎖の間で形成される。従って、F(ab’)2フラグメントは、2つの重鎖の間のジスルフィド結合によって共に保持される2つのFab’フラグメントから構成される。
「Fv領域」は、重鎖及び軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠いている。
「一本鎖抗体」は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域がフレキシブルリンカーによって接続されて単一のポリペプチド鎖を形成し、これが抗原結合領域を形成しているFv分子である。一本鎖抗体は、国際特許出願公開第88/01649及び米国特許第4,946,778号及び同第5,260,203号に詳細に述べられており、これらの開示は本明細書の一部として援用される。
「ドメイン抗体」は、重鎖の可変領域又は軽鎖の可変領域のみを含む免疫学上機能的な免疫グロブリンフラグメントである。場合によっては、2つ以上のVH領域がペプチドリンカーによって共有結合的に連結されて二価ドメイン抗体を形成している。二価ドメイン抗体の2つのVH領域は、同じ又は異なる抗原を標的とすることができる。
抗体又は抗原結合タンパク質、例えば、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、好ましくは、その標的抗原に解離定数(Kd)≦10-7Mで結合する。抗体又は抗原結合タンパク質は、Kd≦5×10-9Mの場合に「高い親和性」で、又、Kd≦5×10-10Mの場合に「極めて高い親和性」でその抗原に結合する。より好ましくは、抗体又は抗原結合タンパク質は、Kd≦10-9Mを有する。幾つかの実施形態では、解離速度は、<1×10-5である。他の実施形態では、抗体又は抗原結合タンパク質は、ヒトCD40に約10-9M~10-13MのKdで結合し、更に別の実施形態では、抗体又は抗原結合タンパク質は、Kd≦5×10-10で結合する。当業者により認識されるように、幾つかの実施形態では、ありとあらゆる抗原結合フラグメントがCD40に結合し得る。好ましくは、前記定数は、表面プラズモン共鳴を使用して、より好ましくは、BIAcore(登録商標)システムを使用して決定される。
「表面プラズモン共鳴」という用語は、例えば、BIAcore(登録商標)システム(BIAcore International AB, a GE Healthcare company, Uppsala, Sweden and Piscataway, N.J.)を使用したバイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によるリアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能とする光学現象を意味する。更に詳しい説明は、Jonsson et al. (1993) Ann. Biol. Clin. 51:19-26を参照。「Kon」という用語は、結合タンパク質(例えば、抗体又は抗原結合タンパク質)が抗原に会合して、例えば、抗原結合タンパク質/抗原複合体を形成するための速度定数を意味する。「Kon」という用語、又は「結合速度」は又、本明細書において互換的に使用されるような「会合速度定数」、又は「ka」を意味する。標的抗原への結合タンパク質の結合速度、又は結合タンパク質(例えば、抗体又は抗原結合タンパク質)と抗原との間の複合体形成の速度を示すこの値は又、下式:
抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)→Ab-Ag
により示される。
「Koff」、又は「解離速度」という用語は、例えば、当技術分野で公知のような抗原結合タンパク質/抗原複合体からの結合タンパク質(例えば、抗体又は抗原結合タンパク質)の解離に関する解離速度定数又は「解離速度定数」を意味する。この値は、結合タンパク質、例えば、抗体又は抗原結合タンパク質の、その標的抗原からの解離速度又は下式:Ab+Ag←Ab-Ag
により示されるようなAb-Ag複合体の遊離抗体及び抗原への経時的分離を示す。
「Kd」及び「平衡解離定数」という用語は、平衡状態での力価測定において、又は解離速度定数(Koff)を会合速度定数(Kon)で割ることにより得られる値を意味する。会合速度定数、解離速度定数、及び平衡解離定数は、抗原に対する結合タンパク質(例えば、抗体又は抗原結合タンパク質)の結合親和性を表すために使用される。会合及び解離速度定数を決定するための方法は当技術分野で周知である。蛍光に基づく技術を使用すると、高感度と平衡状態の生理学的緩衝液中のサンプルを調べる能力が提供される。BIAcore(登録商標)(生体分子相互作用分析)アッセイなどの他の実験アプローチ及び機器を使用することができる(例えば、GE Healthcare社であるBIAcore International AB、ウプサラ、スウェーデンから入手可能な機器)。更に、Sapidyne Instruments(Boise,ID)から入手可能なKinExA(登録商標)(Kinetic Exclusion Assay)アッセイも使用可能である。
本発明による抗原結合タンパク質は、第2の標的よりも少なくとも1桁、好ましくは少なくとも2桁高い親和性で1つの標的に結合することができる。
「標的」という用語は、抗原結合タンパク質が結合し得る分子又は分子の一部を指す。特定の実施形態では、標的は、1以上のエピトープを有し得る。従って、標的は本発明の「抗原結合タンパク質」に対して「抗原」として機能し得ることが理解されるであろう。
「エピトープ」という用語は、抗体などの抗原結合タンパク質が結合し得るいずれの決定基も含む。エピトープは、ある抗原を標的とする抗原結合タンパク質が結合するその抗原の領域であり、抗原がタンパク質である場合には、抗原結合タンパク質に直接接触する特定のアミノ酸を含む。殆どの場合、エピトープはタンパク質上に存在するが、場合によっては、核酸などの他の種類の分子に存在することもある。エピトープ決定基には、アミノ酸、糖側、ホスホリル基又はスルホニル基などの分子の化学的に活性な表面群を含み得、特定の三次元構造特性、及び/又は特定の電荷特性を有し得る。一般に、特定の標的抗原に特異的な抗体は、タンパク質及び/又は高分子の複雑な混合物中の標的抗原上のエピトープを優先的/特異的に認識する。
例示的実施形態では、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質の部分(I)を形成するアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3内のCDRL1、CDRL2及びCDRL3配列と少なくとも90%同一である3つの軽鎖相補性決定領域(CDR)並びに配列番号6内のCDRH1、CDRH2及びCDRH3配列と少なくとも90%同一である3つの重鎖CDRを含む。アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは又、配列番号3内のCDRL1、CDRL2及びCDRL3配列と同一である3つの軽鎖相補性決定領域(CDR)並びに配列番号6内のCDRH1、CDRH2及びCDRH3配列と同一である3つの重鎖CDRを含み得る。このような実施形態では、各CDRは、CDRのKabat定義、Chothia定義、AbM定義、又はcontact定義に従って定義され、好ましくは、各CDRは、KabatのCDR定義又はChothiaのCDR定義に従って定義される。特定の実施形態では、各CDRは、Kabat定義に従って定義される。他の特定の実施形態では、各CDRは、Chothia定義に従って定義される。
或いは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質の部分(I)を形成するアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、(a)配列番号56と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるCDRH2、及び配列番号58と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに(b)配列番号52と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるCDRL1、配列番号53と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるCDRL2、及び配列番号54と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメントを含み得る。
幾つかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、(a)配列番号56と同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と同一であるCDRH2、及び配列番号58と同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;及び(b)配列番号52と同一であるCDRL1、配列番号53と同一であるCDRL2、及び配列番号54と同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメントを含む。
より具体的には、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号51に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖可変領域VL;及び/或いは配列番号55に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖可変領域VHを含む。
本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は又、配列番号12に示されるようなアミノ酸配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含むFab領域重鎖を含むアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントも含み得る。
幾つかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);並びに/或いは配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号12及び配列番号50からなる群から選択される配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
より具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号6に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
より具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号9に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号49に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号12に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号3に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号50に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
幾つかの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号59に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);並びに/或いは配列番号61、配列番号63及び配列番号65からなる群から選択される配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
より具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号59に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号61に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号59に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号63に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントは、配列番号59に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一の配列を含む軽鎖(LC);及び/或いは配列番号65に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質又はその成分の変異体及び誘導体
ポリペプチド(例えば、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、インターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメント、抗体、抗原結合タンパク質、若しくはIFN、又はその成分)の「変異体」は、別のポリペプチド配列に対してアミノ酸配列に1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるアミノ酸残基が挿入されている、それから欠失されている、及び/又はそれに置換されているアミノ酸配列を含む。好ましくは、変異体は、10までの挿入、欠失及び/又は置換、より好ましくは、8までの挿入、欠失及び/又は置換を含む。より具体的には、変異体は、10まで、より好ましくは、8までの挿入を含み得る。変異体は又、10まで、より好ましくは、8までの欠失も含み得る。更により好ましい実施形態では、変異体は、10までの置換、最も好ましくは、8までの置換を含む。幾つかの実施形態では、これらの置換は、以下に記載するような保存的アミノ酸置換である。
ポリヌクレオチド配列(例えば、RNA又はDNA)の「変異体」は、別のポリヌクレオチド配列に対してポリヌクレオチド配列内に1以上の突然変異を含み、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超える核酸残基が核酸配列に挿入されている、それから欠失されている、及び/又はそれに置換されている。好ましくは、変異体は、10までの挿入、欠失及び/又は置換、より好ましくは、8までの挿入、欠失及び/又は置換を含む。より具体的には、変異体は、10まで、より好ましくは、8までの挿入を含み得る。変異体は又、10まで、より好ましくは、8までの欠失も含み得る。更により好ましい実施形態では、変異体は、10までの置換、最も好ましくは、8までの置換を含む。前記1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超える突然変異は、別のアミノ酸配列と比較して変異体がコードするアミノ酸配列内に1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるアミノ酸交換が生じ得る(すなわち、非サイレント突然変異))。変異体は又、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるコドンが、アミノ酸交換が生じない、従って「サイレント突然変異」と呼ばれるそれらの同義物で置換されている核酸配列も含む。
「同一性」又は「相同性」という用語は、ポリペプチド又はヌクレオチド配列の変異体に関して、配列のアライン及び比較により決定されるような2つ以上のポリペプチド分子又は2つ以上の核酸分子の配列間の関係を指す。「同一性パーセント」は、比較する分子のアミノ酸又はヌクレオチドの間で同一の残基のパーセントを意味し、比較する分子の最小サイズに基づいて計算される。好ましくは、同一性は、配列の全長にわたって決定される。「少なくとも80%同一」という表現は、特許請求される配列が参照配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である実施形態を含む。「少なくとも90%同一」という表現は、特許請求される配列が参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である実施形態を含むと理解される。
同一性パーセントのために、アラインメントのギャップ(存在する場合)は、好ましくは、特定の数学的モデル又はコンピュータープログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって対処される。アラインされた核酸又はポリペプチドの同一性を計算するために使用可能な方法には、Computational Molecular Biology, (Lesk, A. M., ed.), 1988, New York: Oxford University Press; Biocomputing Informatics and Genome Projects, (Smith, D. W.編), 1993, New York: Academic Press;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, (Griffin, A. M., and Griffin, H. G.編), 1994, New Jersey: Humana Press;von Heinje, G., 1987, Sequence Analysis in Molecular Biology, New York: Academic Press; Sequence Analysis Primer, (Gribskov, M. and Devereux, J.編.), 1991, New York: M. Stockton Press;及びCarillo et al., 1988, SIAM J. Applied Math. 48:1073に記載されているものが含まれる。
同一性パーセントを計算する際に、比較される配列は、通常、配列間の最大一致を与える方法でアラインされる。同一性パーセントを決定するために使用可能なコンピュータープログラムの一例は、GAPを含むGCGプログラムパッケージである(Devereux et al., 1984, Nucl. Acid Res. 12:387;Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, WI)。コンピューターアルゴリズムGAPは、配列同一性パーセントが決定される2つのポリペプチド又はポリヌクレオチドをアラインするために使用される。配列は、それぞれのアミノ酸又はヌクレオチドを最適に一致させるようにアラインされる(アルゴリズムによって決定される「一致したスパン」)。ギャップオープニングペナルティ(平均対角線の3倍として計算される。「平均対角線」は使用されている比較マトリックスの対角線の平均であり、「対角線」は、特定の比較マトリックスにより各完全アミノ酸一致に割り当てられたスコア又は数値である。)及びギャップエクステンションペナルティ(通常はギャップオープニングペナルティの1/10である)、並びにPAM250又はBLOSum62などの比較マトリックスがアルゴリズムと共に使用される。特定の実施形態では、標準的な比較マトリックス(PAM 250比較マトリックスについては、Dayhoff et al., 1978, Atlas of Protein Sequence and Structure 5:345-352;BLOSum 62比較マトリックスについては、Henikoff et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:10915-10919)は又、アルゴリズムにより使用される。
GAPプログラムを使用してポリペプチド配列又はヌクレオチド配列の同一性パーセントを決定する際に使用可能なパラメーターの例は、以下の通りである。
アルゴリズム:Needleman et al., 1970, J. Mol. Biol. 48:443-453
比較マトリックス:Henikoff et al., 1992, 前掲のBLOSum 62
ギャップペナルティー:12(ただし、エンドギャップのペナルティは無し)
ギャップレングスペナルティー:4
類似性閾値:0
2つのアミノ酸配列をアラインさせるための特定のアラインメントスキームは、2つの配列の短い領域のみの一致をもたらし得るが、この小さなアライン領域は、2つの全長配列の間に有意な関係がなくても極めて高い配列同一性を有する場合がある。従って、選択されたアラインメント法(GAPプログラム)は、必要であれば、標的ポリペプチドの連続するアミノ酸の少なくとも50又は少なくとも100、好ましくは全長にわたるアラインメントをもたらすように調整することができる。
保存的アミノ酸置換は、非天然アミノ酸残基を包含し、これらは一般に、生物系における合成ではなく化学的ペプチド合成によって組み込まれる。これらには、ペプチド模倣薬及びアミノ酸部分のその他の逆転型又は反転型が含まれる。
天然残基は、一般的な側鎖特性に基づいて複数のクラスに分類することができる:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:His、Lys、Arg;
5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;及び
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
例えば、非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することを含み得る。このような置換された残基は、例えば、非ヒト抗体と相同であるヒト抗体の領域、又は分子の非相同領域に導入することができる。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質を変化させる際に、特定の実施形態によれば、アミノ酸のハイドロパシーインデックスを考慮することができる。各アミノ酸には、その疎水性と電荷特性に基づいてハイドロパシーインデックスが割り当てられている。それらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リシン(-3.9);及びアルギニン(-4.5)である。
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際のハイドロパシーアミノ酸インデックスの重要性は当技術分野で理解されている。Kyte et al., J. Mol. Biol., 157:105-131 (1982)。特定のアミノ酸は、同様のハイドロパシーインデックス又はスコアを有する他のアミノ酸の代わりに使用でき、なお同様の生物活性を保持することが知られている。ハイドロパシーインデックスに基づいて変化させる際に、特定の実施形態では、ハイドロパシーインデックスが±2以内であるアミノ酸の置換が含まれる。特定の実施形態では、±1以内のものが含まれ、特定の実施形態では、±0.5以内のものが含まれる。
同様のアミノ酸の置換は、親水性に基づいて効果的に行うことができることも当技術分野で理解されている。特定の実施形態では、隣接するアミノ酸の親水性によって支配される、タンパク質の最大のローカル平均親水性は、その免疫原性及び抗原性、すなわち、タンパク質の生物特性と相関する。
以下の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5)及びトリプトファン(-3.4)。同様の親水性値に基づいて変化させる際に、特定の実施形態では、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が含まれ、特定の実施形態では、±1以内であるものが含まれ、特定の実施形態では、±0.5以内であるものが含まれる。
例示的アミノ酸置換を表2に示す。
Figure 2023505169000003

本発明に照らして、当業者は、周知の技術を使用して、本明細書に示されるインターフェロン会合抗原結合タンパク質の適切な変異体を決定することができる。特定の実施形態では、当業者は、活性に重要であるとは考えられていない領域を標的とすることにより、活性を破壊することなく変化させ得る分子の適切な領域を特定することができる。特定の実施形態では、類似のポリペプチド間で保存されている分子の残基及び部分を特定することができる。特定の実施形態では、生物活性又は構造にとって重要であり得る領域に対しても、生物活性を破壊することなく、又はポリペプチド構造に悪影響を与えることなく、保存的アミノ酸置換を行うことができる。
更に、当業者は、活性又は構造に重要である類似のポリペプチド中の残基を特定する構造機能研究を再検証することができる。このような比較を考慮して、類似のタンパク質の活性又は構造に重要なアミノ酸残基に対応するタンパク質中のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、このような予測される重要なアミノ酸残基の化学的に類似したアミノ酸置換を選択することができる。
当業者は又、類似のタンパク質又はタンパク質ドメインにおけるその構造に関連する三次元構造及びアミノ酸配列を分析することができる。このような情報を考慮して、当業者は、三次元構造に関して本明細書に記載されているようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質、その抗体若しくは抗原結合フラグメント、又はインターフェロン若しくはその機能的フラグメントのアミノ酸残基のアラインメントを予測することができる。特定の実施形態では、当業者は、タンパク質の表面上にあると予測されるアミノ酸残基を根本的な変化させないように選択することができ、これはこのような残基は、他の分子との重要な相互作用に関与する可能性があるためである。更に、当業者は、各所望のアミノ酸残基に単一のアミノ酸置換を含む試験変異体を生成することができる。次に、当業者に公知の活性アッセイを使用して変異体をスクリーニングすることができる。このような変異体は、適切な変異体に関する情報を収集するために使用することができる。例えば、特定のアミノ酸残基への変更が活性の破壊、活性の望ましくない低下、又は不適切な活性をもたらしたことを発見した場合、そのような変更を伴う変異体を回避することができる。言い換えれば、そのような実験から収集された情報に基づき、当業者は、単独で又は他の突然変異と組み合わせて、更なる置換を回避すべきアミノ酸を容易に決定することができる。
特定の実施形態によれば、アミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低下させ、(2)酸化に対する感受性を低下させ、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させ、(4)結合親和性を変化させ、且つ/又は(5)そのようなポリペプチドに他の物理化学的若しくは機能的特性を付与若しくは変更するものである。特定の実施形態によれば、単一又は複数のアミノ酸置換(特定の実施形態では、保存的アミノ酸置換)は、天然配列(特定の実施形態では、分子間接触を形成するドメインの外側のポリペプチドの部分)で行うことができる。特定の実施形態では、保存的アミノ酸置換は一般に、親配列の構造的特徴を実質的に変化させないものであり得る(例えば、置換アミノ酸は、親配列で生じるヘリックスを破断する傾向がないか、又は親配列を特徴付ける他のタイプの二次構造を破壊する傾向がない)。当技術分野で認識されているポリペプチドの二次構造及び三次構造の例は、Proteins, Structures and Molecular Principles (Creighton編, W. H. Freeman and Company, New York (1984));Introduction to Protein Structure (C. Branden & J. Tooze編, Garland Publishing, New York, N.Y. (1991));及びThornton et al., Nature, 354:105 (1991)に記載されており、これらはそれぞれ本明細書の一部として援用される。
「誘導体」という用語は、アミノ酸(又は核酸)の挿入、欠失、又は置換以外の化学修飾を含む分子を指す。特定の実施形態では、誘導体は、限定されるものではないが、ポリマー、脂質、又は他の有機若しくは無機部分との化学結合を含む共有結合修飾を含む。特定の実施形態では、化学的に修飾されたインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、化学的に修飾されていないインターフェロン会合抗原結合タンパク質よりも長い循環半減期を有し得る。特定の実施形態では、化学的に修飾されたインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、所望の細胞、組織、及び/又は器官に対する改善された標的化能力を有し得る。幾つかの実施形態では、誘導体インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールを含む、1以上の水溶性ポリマー付着物を含むように共有結合的に修飾される。例えば、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号及び同第4,179,337号参照。特定の実施形態では、誘導体インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、限定されるものではないが、モノメトキシ-ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、又はその他の炭水化物系ポリマー、ポリ-(N-ビニルピロリドン)-ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)及びポリビニルアルコール、並びにこのようなポリマーの混合物を含む1以上のポリマーを含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載されるようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質の誘導体は、ポリエチレングリコール(PEG)サブユニットで共有結合的に修飾される。特定の実施形態では、1以上の水溶性ポリマーが誘導体の1以上の特定の位置、例えばアミノ末端において結合されている。特定の実施形態では、1以上の水溶性ポリマーが誘導体の1以上の側鎖にランダムに結合されている。特定の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の治療能力を向上させるためにPEGが使用される。特定のこのような方法は、例えば、米国特許第6,133,426号に述べられており、目的を問わず本明細書の一部として援用される。
特定の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質変異体としては、グリコシル化部位の数及び/又はタイプが親ポリペプチドのアミノ酸配列と比較して変更されているグリコシル化変異体が含まれる。特定の実施形態では、タンパク質変異体は、天然タンパク質よりも多い数のN結合グリコシル化部位を含む。他の実施形態では、タンパク質変異体は、天然タンパク質よりも少ない数のN結合グリコシル化部位を含む。N結合グリコシル化部位は、配列:Asn-X-Ser又はAsn-X-Thrを特徴とし、ここで、Xと表示されるアミノ酸残基はプロリン以外のいずれのアミノ酸残基であってもよい。この配列を作り出すためのアミノ酸残基の置換は、N結合糖鎖の付加のための潜在的な新規部位を提供する。或いは、この配列を排除する置換は、既存のN結合糖鎖を除去する。又、N結合糖鎖の再配列が提供され、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれを超えるN結合グリコシル化部位(通常は天然に存在するもの)が排除され、1以上の新しいN結合部位が作出される。更なる好ましい変異体には、親アミノ酸配列と比較して、1以上のシステイン残基が別のアミノ酸(例えば、セリン)から削除又は置換されているシステイン変異体が含まれる。システイン変異体は、不溶性封入体の単離後など、抗体を生物学的に活性なコンフォメーションに再折り畳みする必要がある場合に有用であり得る。システイン変異体は一般に、天然タンパク質よりもシステイン残基が少なく、一般に、対合していないシステインに起因する相互作用を最小とするために偶数である。
HBV及びHBVマーカー
本明細書において使用する場合、「B型肝炎ウイルス」又は「HBV」は、B型肝炎を引き起こす二本鎖DNAウイルスを指し、これは、ヘパドナウイルスと呼ばれる近縁DNAウイルスのファミリーに属する。ヘパドナウイルスは肝細胞感染への選好性が強く、腎臓、膵臓、及び単核細胞にも少量のヘパドナウイルスDNAが見出される。しかしながら、これらの部位での感染は、肝外疾患とは無関係である。
HBVビリオン、すなわち、デーン粒子は、外側の脂質エンベロープと、タンパク質から構成される二十面体ヌクレオカプシドコアとからなる。ヌクレオカプシドは、ウイルスDNAと、レトロウイルスと同様の逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼとを封入している。外側のエンベロープには、感受性細胞のウイルス結合及び侵入に関与するタンパク質が埋め込まれている。このウイルスは、ビリオンの直径が42nmの最小のエンベロープ動物ウイルスの1つであるが、コアを欠く糸状体及び球状体を含む多形性の形態が存在する。これらの粒子に感染力はなく、表面抗原(HBsAg)と呼ばれるビリオンの表面の一部を形成する脂質とタンパク質で構成され、ウイルスのライフサイクル中に過剰に生成される。HBVは、HBsAg、HBcAg(及びそのスプライス変異体HBeAg)、DNAポリメラーゼ及びHbxを含む。HBVは、複製過程の一部として逆転写を採用する数少ない既知の非レトロウイルスウイルスの1つである。
HBVヌクレオカプシドは、比較的小さく、部分的に二本鎖の3.2kbの環状DNA、ウイルスポリメラーゼ及びコアタンパク質を含む。ゲノムは4つの長いオープンリーディングフレームのみを有する。ゲノムのpre-S-S(pre-surface-surface)領域は、3つのインフレーム開始コドンのそれぞれで翻訳の開始が異なることにより、3つのウイルス表面抗原をコードする。
HBVの最も豊富なタンパク質は、24kD Sタンパク質(HBsAgとして知られている)である。pre-C-C(pre-core-core)領域は、HBcAg(HBVコア抗原)及びHBeAg(HBV e抗原)をコードする。HBeAgはウイルス複製に必要ではなく、ウイルスの組み立てには関与しないが、それでもやはり活発なウイルス複製の有用な指標である。HBeAgはHBVに感染した肝細胞により分泌されるため、標準的な診断検査(ELISAなど)で血中に検出することができるので、ウイルス血症性HBV感染の検査マーカーとして使用される(Testoni et al., Serum hepatitis B core-related antigen (HBcrAg) correlates with covalently closed circular DNA. J. Hepatol. 2019, 70, 615-625. http://dx.doi.org/10.1016/j.jhep.2018.11.030)。
Pコード領域は、DNA合成及びRNAキャプシド形成に関与する多機能酵素であるウイルスポリメラーゼに特異的である。Xオープンリーディングフレームは、ウイルスXタンパク質(HBx)をコードし、これは、宿主細胞のシグナル伝達を調節し、宿主及びウイルスの遺伝子発現に直接的及び間接的に影響を与え得る。
HBVのライフサイクルは、ウイルスがそのエンベロープタンパク質を介して宿主の細胞膜に付着した歳に始まると考えられている。HBVは、HBV感染の最初のステップとして、大きなエンベロープタンパク質のpre-S1ドメインを介して、主にヒト肝細胞に発現する原形質膜上の受容体に結合することが示唆されている。しかしながら、この受容体の性質にはなお議論の余地がある。次に、ウイルス膜が細胞膜と融合し、ウイルスゲノムが細胞内に放出される。
HBVの複製は、ホルモン、成長因子、及びサイトカインを含む様々な因子によって調節することができる。ウイルスゲノムが核に到達した後、細胞のDNA修復機構は、部分的な二本鎖DNA(dsDNA;弛緩環状HBV DNA(rcDNA)とも呼ばれる)ゲノムを共有結合閉環状DNA(cccDNA)に変換する。得られたcccDNAは、プレゲノムRNA及びサブゲノムRNAを更に転写するための宿主RNA Pol-IIの鋳型である(Allweiss L and Dandri M, The Role of cccDNA in HBV Maintenance. Viruses 2017, 9(6):156;doi:10.3390/v9060156; Nur K. Mohd-Ismail , Zijie Lim, Jayantha Gunaratne and Yee-Joo Tan, Mapping the Interactions of HBV cccDNA with Host Factors. Int. J. Mol. Sci. 2019, 20(17):4276; doi:10.3390/ijms20174276)。
プレゲノムRNAは二機能性であり、ウイルスDNA合成のための鋳型として、及びプレC、C、及びP翻訳のためのメッセンジャーとしての両方で機能する。サブゲノムRNAは、もっぱらエンベロープとXタンパク質の翻訳のために機能する。全てのウイルスRNAは細胞質に輸送され、そこでその翻訳によってウイルスエンベロープ、コア、及びポリメラーゼタンパク質、並びにHBx及びHBcAgが生じる。
HBVコア粒子はサイトゾル中で組み立てられ、この過程でプレゲノムRNAの単一分子が組み立てられているウイルスコアに組み込まれる。ウイルスRNAがキャプシド封入されると、逆転写が始まる。2つのウイルスDNA鎖の合成は連続している。最初のDNA鎖は、キャプシド封入されたRNA鋳型から作られ、この鎖の合成中又は合成後に、RNA鋳型が分解され、新しく生成された最初のDNA鎖を鋳型として使用して、2番目のDNA鎖の合成が進行する。成熟したゲノムを有する幾つかのコアは核に戻され、そこで新たに作製されたDNAゲノムをcccDNAに変換して、転写鋳型の安定した核内プールを維持することができる。
HBV表面抗原(HBsAg)タンパク質は、最初に、粗面小胞体で合成及び重合される。これらのタンパク質は、ER後及びゴルジ前の区画に輸送され、そこでヌクレオカプシドの出芽に至る。組み立てられたHBVビリオンとサブウイルス粒子は、表面タンパク質のグリカンを更に修飾するためにゴルジ体に輸送され、その後、宿主細胞から分泌されてライフサイクルを終了する。
本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、核酸、ベクター、ベクター系、方法及び組成物は、HBV感染を治療するために使用することができる。本明細書において使用する場合、「HBV感染の治療」及び「HBV感染の治療」は、以下のうちの1以上を指す:(i)HBVウイルス量/ウイルス力価の低減;(ii)cccDNAの転写の低減;(iii)細胞内のプレゲノムRNAのレベルの低減;(iv)1以上のHBV関連障害の低減;及び(v)対象の1以上のHBV関連症状の低減。
「ウイルス量」及び「ウイルス力価」という用語は、細胞、器官又は体液、例えば血液若しくは血清中のウイルス粒子の数を指す。ウイルス量又はウイルス力価は、多くの場合、アッセイの種類に応じて、1mL当たりのウイルス粒子又は感染性粒子として表される。今日、ウイルス量は通常、ミリリットル当たり国際単位(IU/mL)を使用して測定される。或いは、ウイルス量又はウイルス力価は、いわゆるウイルスゲノム同等物として決定され得る。より高いウイルス量、力価、又はウイルス量は、多くの場合、活動性のウイルス感染の重症度と相関している。従って、ウイルス量又はウイルス力価の低下は、例えば血清中の感染性ウイルス粒子の数の低下と相関している。ウイルス量は通常、核酸増幅に基づく試験(NATs又はNAATss)を使用して決定される。NAT/NAAT試験では、例えば、PCR、(定量的)逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR又はqRT-PCR)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、又はプローブに基づくアッセイを利用する。B型肝炎ウイルスDNA定量のためのリアルタイムPCRアッセイは、例えば、Liu et al., Virol J 14, 94 (2017) doi:10.1186/s12985-017-0759-8に記載されている。PCRを使用したウイルスDNAの検出が容易なため、ウイルス量は、治療中の奏効を監視するために臨床現場で有用である。10.000コピー/mL(2.000IU/mL)を超えるウイルス量は、HBeAgの状態に関係なく、肝細胞癌の強力なリスク予測因子である。
「患者」及び「対象」という用語は互換的に使用され、ヒト及び非ヒト動物対象、好ましくはヒト対象、並びに正式に診断された障害を有するもの、正式に認識された障害を有さないもの、医療処置を受けているもの、障害を発症するリスクがあるものを含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、核酸、ベクター、ベクター系、方法及び組成物は、HBV感染細胞(例えば、細胞培養、HBV感染器官又はHBV感染患者における)のHBVウイルス量/ウイルス力価を低減するために使用することができる。HBVウイルス量/ウイルス力価は、非処理のHBV感染細胞培養物又は処置前の同じ患者に比べて約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低減され得る。幾つかの実施形態では、HBVウイルス量/ウイルス力価は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減される。好ましくは、HBVウイルス量/ウイルス力価は、少なくとも35%、より好ましくは、少なくとも50%低減される。幾つかの実施形態では、ウイルス量/ウイルス力価は、PCR又はqRT-PCRにより決定される。
特定の実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、核酸、ベクター、ベクター系、方法及び組成物は、HBV感染細胞における(例えば、細胞培養物、HBV感染器官又はHBV感染患者における)HBV cccDNAの転写を低減するために使用することができる。cccDNA転写は、非処理のHBV感染細胞培養物又は処置前の同じ患者に比べて約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低減され得る。幾つかの実施形態では、HBV cccDNAの転写は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減される。好ましくは、HBV cccDNAの転写は、少なくとも35%、より好ましくは、少なくとも50%低減される。幾つかの実施形態では、HBV cccDNAの転写は、PCR又はqPCRにより決定される。
特定の実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、核酸、ベクター、ベクター系、方法及び組成物は、HBV感染細胞において(例えば、細胞培養物、HBV感染器官又はHBV感染患者において)プレゲノムHBV RNAのレベルを低減するために使用することができる。プレゲノムHBV RNAレベルは、非処理のHBV感染細胞培養物又は処置前の同じ患者に比べて約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%低減され得る。幾つかの実施形態では、プレゲノムHBV RNAのレベルは、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減される。好ましくは、プレゲノムHBV RNAのレベルは、少なくとも35%、より好ましくは、少なくとも50%低減される。幾つかの実施形態では、プレゲノムHBV RNAのレベルは、qRT-PCRにより決定される。
本明細書において使用する場合、「HBV関連障害」は、HBVによる対象の感染から生じる障害を指す。HBV関連障害としては、限定されるものではないが、急性肝炎、慢性肝炎、発作性肝炎、劇症肝炎、亜劇症肝炎、並びにこれらの障害のいずれかから生じる症状及び/又は合併症が挙げられる。
本明細書において使用する場合、「HBV関連症状」、「HBV感染の症状」又は「HBV関連合併症」には、HBV感染に関連する1以上の身体的機能障害が含まれる。HBVの症状及び合併症としては、限定されるものではないが、肝硬変、肝細胞癌(HCC)、膜性糸球体腎炎(MGN)、死亡、急性壊死性血管炎(結節性多発性動脈炎)、膜性糸球体腎炎、小児乳頭状皮膚炎(ジアノッティ・クロスティ症候群)、HBV関連腎症(例えば、膜性糸球体腎炎)、免疫介在性血液障害(例えば、本態性混合型寒冷グロブリン血症、再生不良性貧血)、門脈圧亢進症、腹水、脳症、黄疸、掻痒、白色便、狭窄症、結節性多発性動脈炎、糸球体疾患、異常なALTレベル、異常なASTレベル、異常なアルカリ性ホスファターゼレベル、ビリルビンレベルの上昇、食欲不振、倦怠感、発熱、悪心、嘔吐などが挙げられる。
インターフェロン
本明細書において使用する場合、「インターフェロン」又は「IFN」は、病原体又は腫瘍細胞の存在に応答して細胞によって典型的に産生及び放出されるサイトカイン又はその誘導体を指す。IFNには、I型IFN(例えば、IFNα、IFNβ、IFNε、IFNκ、IFNι、IFNζ及びIFNω)、II型IFN(例えば、IFNγ)並びにIII型IFN(例えば、IFNλ1、IFNλ2及びIFNλ3)が含まれる。「インターフェロン」又は「IFN」という用語には、限定されるものではないが、全長IFN、その変異体若しくは誘導体(例えば、化学的に(例えば、PEG化)修飾された誘導体若しくはムテイン)、又は全長IFNの1以上のシグナル伝達活性を保持するその機能的に活性なフラグメントが含まれる。
本明細書において使用する場合、「機能的フラグメント」という用語は、元の物質の1以上の機能的活性を保持する物質のフラグメントを指す。例えば、インターフェロンの機能的断片は、本明細書に記載されるように、IFN機能を保持するインターフェロンの断片を指し、例えば、それは、IFN経路シグナル伝達を媒介する。
IFNは、同族のIFN受容体(IFNαの場合はIFNAR、IFNβの場合はIFNBRなど)を発現する細胞、組織、又は生物に添加すると、1以上のIFN受容体活性を少なくとも約20%増強し得る。幾つかの実施形態では、インターフェロンは、IFN受容体活性を少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも85%活性化する。IFNの活性(すなわち、「IFN活性」)は、実施例Iにより詳細に記載されるように、例えば、in vitroリポーター細胞アッセイを使用して、例えば、HEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifnαβ)、HEK-Blue(商標)IFN-λ(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifnl)又はHEK-Blue(商標)デュアルIFN-γ細胞(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifng)を使用して測定することができる。これらのリポーター細胞は、HEK293細胞にヒトIFN受容体遺伝子と、IFNの活性を測定するためのIFN刺激応答エレメント制御の分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)構築物を安定的にトランスフェクトすることによって作出した。HEK-Blue(商標)IFN細胞は、I型、II型又はIII型インターフェロンによって誘導されるJAK/STAT/ISGF3経路の活性化を監視するように設計されている。これらの経路の活性化は、SEAPの産生及び放出を誘導する。
本発明の文脈において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路及びIFN経路の両方を活性化する。特定の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、IFN経路を、100、60、50、40、30、20、10、又は1ng/mL未満のEC50で、好ましくは11ng/mL未満のEC50で、より好ましくは6ng/mL未満のEC50で活性化する。これらの実施形態の幾つかで、IFN経路は、IFNα(インターフェロンアルファ)、IFNβ(インターフェロンベータ)、IFNε(インターフェロンイプシロン)、IFNω(インターフェロンオメガ)、IFNγ(インターフェロンガンマ)、又はIFNλ(インターフェロンラムダ)経路である。
特定の例示的実施形態によれば、本明細書に記載されるようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質には、全長IFN、その変異体又は誘導体(例えば、化学的に(例えば、PEG化)修飾された誘導体若しくはムテイン)、又は全長IFNの1以上のシグナル伝達活性を保持するその機能的に活性なフラグメントが含まれる。
特定の実施形態では、本明細書に記載されるようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質には、I型IFN、II型IFN及びIII型IFN、又はその機能的フラグメントからなる群から選択されるIFN又はその機能的フラグメントが含まれる。
特定の実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、I型IFN、又はその機能的フラグメントである。具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα、IFNβ、IFNω又はIFNε、又はその機能的フラグメントである。より具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα又はIFNβ、又はその機能的フラグメントである。他のより具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα、又はその機能的フラグメントである。他のより具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNβ、又はその機能的フラグメントである。他のより具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNω、又はその機能的フラグメントである。他のより具体的な実施形態では、I型IFN又はその機能的フラグメントは、IFNε、又はその機能的フラグメントである。
特定の実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα、IFNβ、IFNγ、IFNλ、IFNε若しくはIFNω、又はその機能的フラグメントである。具体的な実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα若しくはIFNβ、又はその機能的フラグメントである。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα、又はその機能的フラグメントである。より具体的な実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNα2a、又はその機能的フラグメントである。IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含み得る。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNβ、又はその機能的フラグメントである。IFNβは、配列番号14に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含み得る。IFNβ又はその機能的フラグメントは、配列番号14に対してC17S及びN80Qから選択される1つ又は2つのアミノ酸置換を含み得る。幾つかの実施形態では、IFNβ又はその機能的フラグメントは、配列番号14に対してアミノ酸置換C17Sを含む。幾つかの実施形態では、IFNβは、配列番号15に示されるようなアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、IFNβは、配列番号14に対してアミノ酸置換C17S及びN80Qを含む。更に他の実施形態では、IFNβは、配列番号16に示されるようなアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNγ若しくはIFNλ、又はその機能的フラグメントである。具体的な実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNγ、又はその機能的フラグメントである。より具体的な実施形態では、IFNγは、配列番号19に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む。他の具体的な実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNλ、又はその機能的フラグメントである。より具体的な実施形態では、IFNλ又はその機能的フラグメントは、IFNλ2、又はその機能的フラグメントである。IFNλ2は、配列番号18に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含み得る。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNε、又はその機能的フラグメントである。IFNεは、配列番号80に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含み得る。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、IFNω、又はその機能的フラグメントである。IFNωは、配列番号79に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質で処理されたHBV感染細胞において1以上のIFNシグナル伝達経路バイオマーカーの発現レベルが変更される、すなわち、上方調節又は下方調節される。特定の例示的実施形態によれば、1以上のIFN経路バイオマーカーの発現レベルは、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質で処理されたHBV感染細胞において上方調節される。この文脈において、「バイオマーカー」は、正常な生物学的過程、病原性過程、又は治療的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定及び評価される特性として理解されるべきである。
特定の実施形態によれば、本明細書で特徴付けられる好適なIFN経路バイオマーカーは、ケモカイン、例えば、CXCL9、CXCL10及びCXCL11からなる群から選択されるC-X-Cケモカインである。特定の例示的実施形態では、IFN経路により誘導される好適なバイオマーカーは、CXCL9、CXCL10及び/又はCXCL11、又、インターフェロン刺激遺伝子ISG20である。サイトカインの誘導又は放出は、ELISAなどの当技術分野で公知の技術を用いて定量することができる。或いは、誘導は又、RNAシーケンス又はqRT-PCRなどのRNAに基づくアッセイを使用して決定することもできる。特定の実施形態では、上方調節は、これらのサイトカインの少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍又は少なくとも10倍の発現又は分泌を指し得る。
これら又は他の例示的実施形態では、炎症誘発性サイトカイン、例えば、IL10、IL1β及び/又はIL2の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時にヒト全血細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL10の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、ヒト全血細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL1βの発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、ヒト全血細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL2の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、HBV感染細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL10及びIL1βの発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、HBV感染細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL10及びIL2の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、HBV感染細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL1β及びIL2の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、HBV感染細胞において有意に上方調節されない。幾つかの実施形態では、IL10、IL1β及びIL2の発現レベルは、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質での処理時に、HBV感染細胞において有意に上方調節されない。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質
「会合」という用語は、本明細書において使用する場合、一般に、2つの(又はそれを超える)分子の共有結合又は非共有結合を指す。会合するタンパク質は、2つ以上の異なるペプチド又はタンパク質を連結することによって作製され、元のタンパク質のそれぞれに由来する1以上の機能特性を有するタンパク質となる。本発明の文脈において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、CD40経路及びIFN経路の両方を活性化する。会合するタンパク質は、単量体及び多量体、例えば、二量体、三量体、四量体など、別個の会合又は融合タンパク質の複合体を包含する。この文脈では、非共有結合は、通常、イオン、ファンデルワールス力、及び/又は水素結合の相互作用を介して、2つのタンパク質表面領域間の強力な相互作用から生じる。一方、共有結合には、ペプチド結合、ジスルフィド架橋などの実際の化学結合の存在が必要である。「融合」という用語は、本明細書において使用される場合、一般に、ペプチド結合を介した共有結合様式での2つ以上の別個のペプチド又はタンパク質の連結を指す。従って、「融合タンパク質」は、ペプチド結合を介して2つ以上の別個のペプチド又はタンパク質を連結することによって作製される、元のタンパク質のそれぞれに由来する1以上の機能特性を有する単一のタンパク質を指す。特定の実施形態では、2つ以上の別個のペプチド又はタンパク質は、1以上のペプチドリンカー(「L」)を介して互いに融合され得る。
本発明の全ての態様において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント及びIFN又はその機能的フラグメントを含むタンパク質である。
幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと非共有結合的に会合されている。より具体的な実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントはアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと、イオン、ファンデルワールス力、及び/又は水素結合の相互作用を介して非共有結合的に会合されている。
他の実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと共有結合的に会合されている。好ましい実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されている。IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖に融合されてもよい。幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のN末端に融合されている。他の実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のC末端に融合されている。IFN又はその機能的フラグメントは又、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖に融合されてもよい。幾つかの実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のN末端に融合されている。他の実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のC末端に融合されている。これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及びIFN又はその機能的フラグメントは、リンカーを介して互いに融合されてもよい。
「リンカー」又は「L」という用語は、本明細書において使用する場合、1以上のアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと1以上のインターフェロン、又はその機能的フラグメントを共有結合的に連結するいずれの部分も指す。例示的実施形態において、リンカーは、ペプチドリンカーである。「ペプチドリンカー」という用語は、本明細書において使用する場合、2つ以上の部分を連結するように適合されたペプチドを指す。本明細書に言及されるペプチドリンカーは、以下に概略を示す特性のうち1以上を有し得る。特定の例示的実施形態によるペプチドリンカーの配列を表7に示す。
ペプチドリンカーは、任意の長さであってよく、すなわち、任意の数のアミノ酸残基を含み得る。例示的実施形態において、リンカーは、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のアミノ酸を含む。リンカーは、少なくとも4個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも11個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも12個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも13個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも15個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも20個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも21個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、少なくとも24個のアミノ酸を含み得る。
リンカーは一般に、連結された部分が互いの活性、例えば、ある部分の受容体に結合する能力に干渉しないように十分な程度のフレキシビリティーを提供するのに十分な長さである。例示的実施形態において、リンカーは、最大10個、最大20個、最大30個、最大40個、最大50個、最大60個、最大70個、最大80個、最大90個、又は最大100個のアミノ酸を含む。リンカーは、最大80個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大40個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大24個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大21個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大20個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大15個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大13個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大12個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大11個のアミノ酸を含み得る。リンカーは、最大4個のアミノ酸を含み得る。
幾つかの実施形態では、リンカーは、リジッドリンカー、フレキシブルリンカー及び/又はヘリックス形成リンカーを含む群から選択される。αヘリックスは、よりランダムコイルのコンフォメーションを想定しているペプチドよりも自由度が低いため、ヘリックス形成リンカーは又リジッドリンカーであってもよいと理解される。幾つかの実施形態では、リンカーはリジッドリンカーである。例示的なリジッドリンカーは、配列番号20に示されるような配列を含む。更なる例示的なリジッドリンカーは、配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む。関連の実施形態では、リンカーは、ヘリックス形成リンカーである。例示的ヘリックス形成リンカーは、配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む。他の実施形態では、リンカーは、フレキシブルリンカーである。例示的フレキシブルリンカーは、配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む。
リンカーは又、異なる化学的性質を備えることもできる。リンカーは、酸性、塩基性、又は中性のリンカーから選択することができる。通常、酸性リンカーは、Asp又はGluなどの1以上の酸性アミノ酸を含有する。塩基性リンカーは一般に、Arg、His及びLysなどの1以上の塩基性アミノ酸を含有する。どちらのタイプのアミノ酸も極めて親水性が高い。幾つかの実施形態では、リンカーは酸性リンカーである。例示的な酸性リンカーは、配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む。他の実施形態では、リンカーは塩基性リンカーである。更に他の実施形態では、リンカーは中性リンカーである。配列番号20、配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む。
好ましい実施形態では、リンカーは、複数のグリシン、セリン、及び該当する場合にはスレオニン残基から構成されるGly-Ser又はGly-Ser-Thrリンカーである。これらの実施形態の幾つかにおいて、リンカーは、アミノ酸グリシン及びセリンを含む。より具体的な実施形態では、リンカーは、配列番号21、配列番号24、配列番号25、配列番号26に示されるような配列を含む。幾つかの実施形態では、リンカーは更に、アミノ酸スレオニンを含む。より具体的な実施形態では、リンカーは、配列番号21に示されるような配列を含む。
本発明の例示的実施形態において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号20~26に示されるような配列、好ましくは、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列から選択される配列を含むリンカーを含む。好ましい実施形態では、リンカーは、配列番号24に示されるような配列を含む。別の好ましい実施形態では、リンカーは、配列番号25に示されるような配列を含む。別の好ましい実施形態では、リンカーは、配列番号26に示されるような配列を含む。
本発明の態様のいずれか1つの種々の実施形態において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、(I)前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント及び(II)前記IFN又はその機能的フラグメントを形成するもの以外のアミノ酸を含まない。関連の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、(I)前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、(II)前記IFN又はその機能的フラグメント及び(III)前記リンカーを形成するもの以外のアミノ酸を含まない。
(I)アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、(II)インターフェロン(IFN)又はその機能的フラグメント及び(III)リンカーの種々の異なる構成を表す例示的実施形態を以下に概説する。
特定の好ましい実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、表3A又は表3Bに示されるようなリンカーを介して、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のC末端に融合されている。これらの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号48又は配列番号49、配列番号61、又は配列番号63に示されるような配列を含み得る。IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17Sは、配列番号15に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17S,N80Qは、配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNγは、配列番号19に示されるような配列を含み得る。IFNλ2は、配列番号18に示されるような配列を含み得る。IFNεは、配列番号80に示されるような配列を含み得る。IFNωは、配列番号79に示されるような配列を含み得る。言及されるリンカーは、表7に挙げられている。
IFNがアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のC末端に融合されている実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は更に、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖を含む。より具体的な実施形態では、重鎖は、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号48、又は配列番号49に示されるような配列を含み、軽鎖は、配列番号3に示されるような配列を含む。他のより具体的な実施形態では、重鎖は、配列番号61又は配列番号63に示されるような配列を含み、軽鎖は、配列番号59に示されるような配列を含む。
Figure 2023505169000004

Figure 2023505169000005
特定の好ましい実施形態では、IFN又はその機能的フラグメントは、表4A又は表4Bに示されるようなリンカーを介して、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のN末端に融合されている。これらの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖は、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号61、配列番号63又は配列番号65に示されるような配列を含み得る。IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17Sは、配列番号15に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17S,N80Qは、配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNγは、配列番号19に示されるような配列を含み得る。IFNλ2は、配列番号18に示されるような配列を含み得る。IFNεは、配列番号80に示されるような配列を含み得る。IFNωは、配列番号79に示されるような配列を含み得る。言及されるリンカーは、表7に挙げられている。
IFNがアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のN末端に融合されている実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は更に、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖を含む。より具体的な実施形態では、重鎖は、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号48、配列番号49又は配列番号50に示されるような配列を含み、軽鎖は、配列番号3に示されるような配列を含む。他のより具体的な実施形態では、重鎖は、配列番号61、配列番号63又は配列番号65に示されるような配列を含み、軽鎖は、配列番号59に示されるような配列を含む。
Figure 2023505169000006

Figure 2023505169000007
特定の好ましい実施形態では、IFNは、表5A又は表5Bに示されるようなリンカーを介して、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のC末端に融合されている。これらの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖は、配列番号3に示されるような配列を含み得る。他の実施形態では、軽鎖は、配列番号59に示されるような配列を含み得る。IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17Sは、配列番号15に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17S,N80Qは、配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNγは、配列番号19に示されるような配列を含み得る。IFNλ2は、配列番号18に示されるような配列を含み得る。IFNεは、配列番号80に示されるような配列を含み得る。IFNωは、配列番号79に示されるような配列を含み得る。言及されるリンカーは、表7に挙げられている。
IFNがアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のC末端に融合されている実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は更に、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖を含む。より具体的な実施形態では、軽鎖は、配列番号3に示されるような配列を含み、重鎖は、配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号48、配列番号50又は配列番号12に示されるような配列を含む。他のより具体的な実施形態では、軽鎖は、配列番号59に示されるような配列を含み、重鎖は、配列番号61、配列番号63又は配列番号65に示されるような配列を含む。
Figure 2023505169000008

Figure 2023505169000009
特定の好ましい実施形態では、IFNは、表6A又は表6Bに示されるようなリンカーを介して、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のN末端に融合されている。これらの実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖は、配列番号3又は配列番号59に示されるような配列を含み得る。IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNβは、配列番号14に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17Sは、配列番号15に示されるような配列を含み得る。IFNβ_C17S,N80Qは、配列番号16に示されるような配列を含み得る。IFNγは、配列番号19に示されるような配列を含み得る。IFNλ2は、配列番号18に示されるような配列を含み得る。IFNεは、配列番号80に示されるような配列を含み得る。IFNωは、配列番号79に示されるような配列を含み得る。言及されるリンカーは、表7に挙げられている。
IFNがアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のN末端に融合されている実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は更に、アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖を含む。より具体的な実施形態では、軽鎖は、配列番号3に示されるような配列を含み、重鎖は、配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号48、配列番号12又は配列番号50に示されるような配列を含む。他のより具体的な実施形態では、軽鎖は、配列番号59に示されるような配列を含み、重鎖は、配列番号61、配列番号63又は配列番号65に示されるような配列を含む。
Figure 2023505169000010

Figure 2023505169000011
本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質又はこれらの前駆体に含まれる例示的配列は、表7に挙げられている。
例示的な好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号28~47又は配列番号66~75から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントを含む。他の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号81~88から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントを含む。例示的な好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号28~47又は配列番号66~75から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。他の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号81~88から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号81に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号81に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号82に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号82に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号83に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号83に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号84に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号84に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号85に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号85に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号86に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号86に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号87に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号87に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
特定の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号88に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別の例示的実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号88に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
より好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42又は配列番号43から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントを含む。より好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42又は配列番号43から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号72、配列番号73、配列番号74及び配列番号75から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントを含む。更に他のより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号72、配列番号73、配列番号74及び配列番号75から選択される配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである。
更により好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号38に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。更に別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号38に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号39に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号39に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号40に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号40に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号41に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号41に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号42に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号42に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号43に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号43に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号72に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号72に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号73に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号73に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号74に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号74に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号75に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントを含む。別のいっそうより好ましい実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、配列番号75に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト結合フラグメントである。
Figure 2023505169000012

Figure 2023505169000013

Figure 2023505169000014

Figure 2023505169000015

Figure 2023505169000016

Figure 2023505169000017

Figure 2023505169000018

Figure 2023505169000019

Figure 2023505169000020

Figure 2023505169000021

Figure 2023505169000022

Figure 2023505169000023

Figure 2023505169000024

Figure 2023505169000025

Figure 2023505169000026

Figure 2023505169000027

Figure 2023505169000028
Figure 2023505169000029

Figure 2023505169000030

Figure 2023505169000031

Figure 2023505169000032

Figure 2023505169000033

Figure 2023505169000034

Figure 2023505169000035
好ましい実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、以下の表9、特に、表9A又は表9B、より詳しくは、表9Aに明示されたものに由来する、特に上記の配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42又は配列番号43のポリペプチドに由来するポリペプチドを含むインターフェロン融合抗原結合タンパク質である。好ましい実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、以下の表9、特に、表9A又は表9B、より詳しくは、表9Aに明示されるものに由来する、特に、上記の配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42又は配列番号43のポリペプチドに由来するポリペプチドからなるインターフェロン融合抗原結合タンパク質である。より好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号38及び配列番号3に示されるような配列を含む。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号39及び配列番号3に示されるような配列を含む。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号40及び配列番号3に示されるような配列を含む。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号41及び配列番号9に示されるような配列を含む。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号42及び配列番号9に示されるような配列を含む。他のより好ましい実施形態では、インターフェロン融合抗体は、配列番号43及び配列番号9に示されるような配列を含む。
Figure 2023505169000036

Figure 2023505169000037
他の好ましい実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、以下の表10に明示されるものに由来するポリペプチドを含むインターフェロン融合抗原結合タンパク質である。好ましい実施形態では、本明細書に記載のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、以下の表10に明示されるものに由来するポリペプチドからなるインターフェロン融合抗原結合タンパク質である。
Figure 2023505169000038

核酸及び発現ベクター
一態様において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの組合せが提供される。これらのポリヌクレオチドを発現させることを含むインターフェロン会合抗原結合タンパク質の作製方法も又提供される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるようにアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されるIFN又はその機能的フラグメントをコードする核酸が提供される。特定の例示的実施形態では、核酸は、配列番号81~88に示される配列のいずれか、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列に従うアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードしている。特定の例示的実施形態では、前記核酸は、配列番号81~88のいずれかをコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。好ましい実施形態では、核酸は、配列番号28~47に示される配列のいずれか、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列に従うアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードしている。更により具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号28~47のいずれかをコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。他の好ましい実施形態では、核酸は、66~75に示される配列のいずれか、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列に従うアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードしている。更により具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号66~75のいずれかをコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。
核酸がアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖に融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードする実施形態では、その核酸は更に、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖をコードしてもよい。より具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖は、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号48、配列番号49、若しくは配列番号50に示されるような配列、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列を含む。更により具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号48、配列番号49、又は配列番号50をコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一である。他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖は、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64若しくは配列番号65に示されるような配列、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。このような他のいっそうより具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64又は配列番号65をコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。
核酸がアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖に融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードする実施形態では、その核酸は更に、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖をコードしてもよい。より具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖は、配列番号3、配列番号4若しくは配列番号5に示されるような配列、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列を含む。更により具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号3、配列番号4又は配列番号5をコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。他のより具体的な実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖は、配列番号59若しくは配列番号60に示されるような配列、又はこれらの配列のいずれかをコードする核酸と少なくとも少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一の核酸配列を含む。更により具体的な実施形態では、前記核酸は、配列番号59又は配列番号60をコードする核酸と少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である。
特定の実施形態では、本発明に記載の核酸は、収率を増大させるための配列(例えば、溶解度タグ)又は発現したタンパク質の精製を容易にするための配列(すなわち、精製タグ)をコードする配列を含み得る。精製タグは当業者に公知であり、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)タグ、マルトース結合タンパク質(MBP)タグ、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)タグ、インテイン-キチン結合ドメイン(インテイン-CBD)タグ、ストレプトアビジン/ビオチンに基づくタグ(例えば、ビオチン化シグナルペプチド(BCCP)タグ、ストレプトアビジン結合ペプチド(SBP)タグ、His-patch ThioFusionタグ、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、低分子ユビキチン様修飾因子(Small ubiquitin-like modifier)(SUMO)タグ、HaloTag(登録商標)(Promega)、Profinity eXact(商標)システム(Bio-Rad)から選択することができる。幾つかの実施形態では、精製タグは、ポリヒスチジンタグ(例えば、His6タグ、His7タグ、His8タグ、His9タグ又はHis10タグ)であり得る。他の実施形態では、精製タグは、Strepタグ(例えば、Strepタグ(登録商標)又はStrepタグII(登録商標);IBA Life Sciences)であり得る。更に他の実施形態では、精製タグは、マルトース結合タンパク質(MBP)タグであり得る。
幾つかの実施形態では、核酸配列は、精製タグの除去のための切断部位をコードする配列を更に含み得る。このような切断配列は当業者に公知であり、エンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼにより認識及び切断される配列から選択することができる。幾つかの実施形態では、精製タグの除去のためのエンドプロテアーゼは、エンテロペプチダーゼ、トロンビン、因子Xa、TEVプロテアーゼ又はライノウイルス3Cプロテアーゼから選択することができる。幾つかの実施形態では、精製タグの除去のためのエキソプロテアーゼは、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB又はDAPアーゼから選択することができる。好ましい実施形態では、精製タグの除去のためのプロテアーゼは、TEVプロテアーゼである。より具体的な好ましい実施形態では、核酸は、His6タグ及びTEV切断部位をコードする配列を含む。更により具体的な好ましい実施形態では、前記核酸は、配列番号27に示されるような配列をコードする配列を含む。
本発明の核酸分子は又、シグナルペプチドをコードする配列も含み得る。当業者は、発現したタンパク質を折り畳み、組立て及び/又は成熟の所望の部位に向けるだけでなく、最終タンパク質の培地への分泌をもたらして下流の処理を容易にするために利用可能な様々なシグナルペプチドを知っている。従って、幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、分泌シグナルペプチドである。コードされたシグナルペプチドは、配列番号1又は配列番号2に示される配列を含み得る。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号1に示されるような配列を含む。他の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号2に示されるような配列を含む。
シグナルペプチド1(配列番号1)は、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号50、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74及び配列番号75に示されるようなポリペプチド配列の合成のために使用した。ポリペプチドのそれぞれの配列のN末端に最初に存在するこのようなシグナルペプチドは、合成中に切断される。
シグナルペプチド2(配列番号2)は、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42及び配列番号43に示されるようなポリペプチド配列の合成のために使用した。ポリペプチドのそれぞれの配列のN末端に最初に存在するこのようなシグナルペプチドは、合成中に切断される。
配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87及び配列番号88に示されるようなポリペプチド配列の合成のために、シグナルペプチドMGWSCIILFLVATATGVHS(配列番号1)を使用した。ポリペプチドのそれぞれの配列のN末端に最初に存在するこのようなシグナルペプチドは、合成中に切断される。
本明細書に開示されるようなアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されたIFN又はその機能的フラグメントをコードするポリヌクレオチドは一般に、所望の量の特許請求されるインターフェロン会合抗原結合タンパク質を生産するために使用可能な宿主細胞に導入するための発現ベクターに挿入される。よって、特定の態様では、本発明は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含む発現ベクター並びに及びこれらのベクター及びポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供する。
「ベクター」又は「発現ベクター」という用語は、本明細書では、明細書及び特許請求の範囲に関して、細胞に導入し所望の遺伝子を発現させるためのビヒクルとして本発明で使用されるベクターを意味して使用される。当業者に知られているように、このようなベクターは特に、プラスミド、ファージ、ウイルス及びレトロウイルスからなる群から選択され得る。一般に、本発明に適合するベクターは選択マーカー、所望の遺伝子のクローニングを容易にするための適当な制限部位及び真核細胞又は原核細胞に侵入し、且つ/又はそこで複製する能力を含む。
多くの発現ベクター系が本発明の目的のために使用可能である。例えば、ベクターの1つのクラスは、ウシ乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(RSV、MMTV又はMOMLV)、又はSV40ウイルスなどの動物ウイルスに由来するDNA要素を利用する。その他のものとして、内部リボソーム結合部位を有するポリシストロンシステムの使用が含まれる。更に、DNAを染色体に組み込んだ細胞は、トランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能とする1以上のマーカーを導入することによって選択され得る。マーカーは、栄養要求性宿主に対する原栄養性、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)、又は銅などの重金属に対する耐性を提供し得る。選択可能なマーカー遺伝子は、発現させるDNA配列に直接連結することもできるし、又は同時形質転換によって同じ細胞に導入することができる。mRNAの最適な合成には、追加の要素も必要とされることがある。これらの要素には、シグナル配列、スプライスシグナル、並びに転写プロモーター、エンハンサー、及び終結シグナルが含まれ得る。幾つかの実施形態では、クローニングされた可変領域遺伝子は、それらの1つがIFN又はその機能的フラグメントをコードする遺伝子と融合され、上記に述べたように合成された重鎖及び軽鎖定常領域遺伝子(例えば、ヒト遺伝子)と共に発現ベクターに挿入される。
他の実施形態では、本発明のベクター系は、2つ以上のベクターを含み得る。幾つかの実施形態では、ベクター系は、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖に融合されたIFN又はその機能的フラグメントの発現のための第1のベクター及びアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖の発現のための第2のベクターを含み得る。或いは、このようなベクター系は、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖に融合されたIFN又はその機能的フラグメントの発現のための第1のベクター及びアゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖の発現のための第2のベクターを含み得る。
他の実施形態では、本明細書に記載されるようなインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、ポリシストロン構築物を使用して発現させることができる。このような発現系では、アゴニスト抗CD40抗体若しくはそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖に融合されたIFN若しくはその機能的フラグメントをコードし、且つ、前記抗体の軽鎖をコードするもの、又はアゴニスト抗CD40抗体若しくはそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖に融合されたIFN若しくはその機能的フラグメントをコードし、且つ、前記抗体若しくはそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖をコードするものなどの、対象とする複数の遺伝子産物が、単一のポリシストロン構築物から生産され得る。これらのシステムは有利には、真核生物宿主細胞において比較的高レベルのポリペプチドを提供するために内部リボソーム進入部位(IRES)を使用する。適合可能なIRES配列は、本明細書の一部として援用される米国特許第6,193,980号に開示されている。当業者は、このような発現系が本願に開示されているポリペプチドの全範囲を効果的に生産するために使用できることを認識するであろう。
より一般には、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするベクター又はDNA配列が調製されると、発現ベクターを適切な宿主細胞に導入することができる。すなわち、宿主細胞は形質転換され得る。プラスミドの宿主細胞への導入は、当業者に周知の様々な技術によって達成することができる。これらには、限定されるものではないが、トランスフェクション(電気泳動及びエレクトロポレーションを含む)、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、エンベロープDNAとの細胞融合、マイクロインジェクション、及び無傷のウイルスによる感染が挙げられる。例えば、Ridgway, A. A. G. “Mammalian Expression Vectors” Chapter 24.2, pp. 470-472 Vectors, Rodriguez and Denhardt, Eds. (Butterworths, Boston, MA 1988)参照。形質転換細胞を、軽鎖及び重鎖の生産に適当な条件下で増殖させ、重鎖及び/又は軽鎖タンパク質合成に関してアッセイする。例示的アッセイ技術としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、又は蛍光活性化セルソーター分析(FACS)、免疫組織化学などが挙げられる。
本明細書において使用する場合、「形質転換」という用語は、遺伝子型を変化させ、その結果、レシピエント細胞に変化をもたらすレシピエント宿主細胞へのDNAの導入を指して広義で使用されるものとする。
同様に、「宿主細胞」は、組換えDNA技術を使用して構築され、少なくとも1つの異種遺伝子をコードするベクターで形質転換された細胞を指す。組換え宿主からポリペプチドを単離するための方法の説明において、「細胞」及び「細胞培養」という用語は、特に明記しない限り、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の供給源を表して互換的に使用される。言い換えれば、「細胞」からのポリペプチドの回収は、細胞全体の回転沈降からの回収、又は培地と懸濁細胞の両方を含む細胞培養からの回収のいずれかを意味し得る。
一実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の発現に使用される宿主細胞株は、真核生物起源又は原核生物起源のものである。本明細書において使用する場合、「発現」という用語は、2つ以上のポリペプチド鎖(例えば、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の抗体部分の重鎖及び軽鎖)の転写及び翻訳を含み得るものであり、これらは会合して最終的なインターフェロン会合抗原結合タンパク質を形成する。一実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の発現のために使用される宿主細胞株は、細菌起源である。一実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の発現のために使用される宿主細胞株は哺乳動物起源であり、当業者は、そこで発現される所望の遺伝子産物に最も適した特定の宿主細胞株を決定することができる。例示的宿主細胞株としては、限定されるものではないが、HorizonからのCHO K1 GSノックアウト、DG44及びDUXB11(チャイニーズハムスター卵巣株、DHFRマイナス)、HELA(ヒト子宮頸癌)、CVI(サル腎臓株)、COS(SV40 T抗原を有するCVIの誘導体)、R1610(チャイニーズハムスター線維芽細胞)BALBC/3T3(マウス線維芽細胞)、HAK(ハムスター腎臓株)、SP2/O(マウス骨髄腫)、BFA-1c1BPT(ウシ内皮細胞)、RAJI(ヒトリンパ球)、HEK 293(ヒト腎臓)が挙げられる。好ましい実施形態では、HEK FS S11/254細胞が使用可能である。別の好ましい実施形態では、HorizonからのCHO K1 GSが使用可能である。一実施形態では、細胞株は、それから発現された抗体のグリコシル化の変更、例えばフコシル化をもたらす(例えば、PER.C6(登録商標)(Crucell)又はFUT8ノックアウトCHO細胞株(POTELLIGENT(商標)細胞)(Biowa、プリンストン、NJ))。一実施形態では、NS0細胞が使用可能である。宿主細胞株は一般に、商業的サービスである又は公開文献から入手可能である。
一実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の発現のために使用される宿主は、非ヒトトランスジェニック動物又はトランスジェニック植物である。
本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は又、対象とする配列についてトランスジェニックである非ヒト動物(例えば、哺乳動物)又は植物の作出及びそこから回復可能な形態でのインターフェロン会合抗原結合タンパク質の生成を介してトランスジェニックに生産することができる。哺乳動物におけるトランスジェニック生産に関連して、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、ヤギ、ウシ、又は他の哺乳類の乳汁中で生産し、そこから回収することができる。例えば、米国特許第5,827,690号、同第5,756,687号、同第5,750,172号、同第5,741,957号参照。例示的植物宿主は、タバコ属(Nicotiana)、アラビドプシス属(Arabidopsis)、ウキクサ、トウモロコシ、コムギ、バレイショなどである。プロモーター及びベクターの説明、並びに植物の形質転換を含む、植物において抗体を発現させるための方法は、当技術分野で公知である。例えば、本明細書の一部として援用される米国特許第6,517,529号を参照。幾つかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物又は植物は、標準的なトランスジェニック技術によって、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする1以上の核酸分子を動物又は植物に導入することによって生産される。Hogan及び米国特許第6,417,429号参照。トランスジェニック動物を作製するために使用されるトランスジェニック細胞は、胚性幹細胞又は体細胞であり得る。トランスジェニック非ヒト生物は、キメラ、非キメ異型接合体、及び非キメラ同型接合体であり得る。例えば、Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual 第2版, Cold Spring Harbor Press (1999); Jackson et al., Mouse Genetics and Transgenics: A Practical Approach, Oxford University Press (2000); 及びPinkert, Transgenic Animal Technology: A Laboratory Handbook, Academic Press (1999)参照。幾つかの実施形態では、トランスジェニック非ヒト動物は、対象とする配列をコードする標的化構築物による標的化された破壊及び置換を有する。インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、任意のトランスジェニック動物で作製することができる。好ましい実施形態では、非ヒト動物は、マウス、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ又はウマである。非ヒトトランスジェニック動物は、血液、乳汁、尿、唾液、涙、粘液及び他の体液において、前記インターフェロン会合抗原結合タンパク質を発現する。
in vitro生産はスケールアップして、大量の所望のインターフェロン会合抗原結合タンパク質を得ることを可能にする。組織培養条件下での哺乳動物細胞培養の技術は当技術分野で公知であり、例えば、エアリフトリアクター又は連続スターラーリアクターでの均一懸濁培養、或いは例えば中空繊維、マイクロカプセル中、又はアガロースマイクロビーズ若しくはセラミックカートリッジ上での固定化又は捕捉された細胞培養を含む。必要に応じて、及び/又は所望により、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の溶液を、慣例のクロマトグラフィー法、例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAE-セルロースでのクロマトグラフィー及び/又は(免疫)アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする1以上の遺伝子は又、細菌又は酵母又は植物細胞などの非哺乳動物細胞で発現させることもできる。これに関して、細菌などの様々な単細胞非哺乳動物微生物、すなわち、培養又は発酵で増殖させることができるものも形質転換することができることが理解されるであろう。形質転換を受けやすい細菌としては、大腸菌(Escherichia coli)やサルモネラ菌属(Salmonella)の菌株などの腸内細菌科のメンバー、枯草菌(Bacillus subtilis)などのバシラス科;肺炎球菌属(Pneumococcus);連鎖球菌属(Streptococcus)、及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)が挙げられる。更に、細菌で発現される場合、本発明によるインターフェロン会合抗原結合タンパク質又はその成分(すなわち、アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及びIFN又はIFNの機能的フラグメント)は、封入体の一部となり得る。次に、所望のインターフェロン会合抗原結合タンパク質を単離し、所望により再折り畳みし、精製する必要がある可能性がある。
原核生物に加えて、真核微生物も使用することができる。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、又は一般的なパン酵母は、真核微生物の中で最も一般的に使用されているが、他の多くの菌株が一般的に利用可能である。サッカロミセス属での発現の場合、例えば、プラスミドYRp7(Stinchcomb et al., Nature, 282:39 (1979); Kingsman et al., Gene, 7:141 (1979); Tschemper et al., Gene, 10:157 (1980))が一般的に使用される。このプラスミドは既にTRP1遺伝子を含んでおり、これはトリプトファンで増殖する能力を欠く酵母の変異株、例えばATCC No.44076又はPEP4-1の選択マーカーを提供する(Jones, Genetics, 85:12 (1977))。酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrp1病変の存在は、トリプトファンの不在下での増殖による形質転換を検出するための効果的な環境を提供する。
治療用ベクター
インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸配列をベクターに挿入し、治療用ベクター、例えば、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質を発現するベクターとして使用することができる。好適な機能的発現構築物及び治療用発現ベクターの構築は、当業者に公知である。従って、特定の実施形態において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、RNA又はDNA配列、インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするベクター又はベクター系による遺伝子送達の手段によって対象に投与され得る。
治療用ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号参照)又は定位注射(例えば、cHEN ET AL., pnas 91:3054-3057 (1994)参照)によって対象に送達することができる。治療用ベクターの医薬製剤は、許容される希釈剤中にベクターを含み得る。
1又は複数の核酸をコードするインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸を送達するための治療プロトコールの一部として使用される遺伝子構築物に組み込むことができる。インターフェロン会合抗原結合タンパク質のin vivoトランスフェクション及び発現のための発現ベクターが提供される。
このような成分の発現構築物は、任意の生物学的に有効な担体、例えば、当業者に知られているように、in vivoで成分の核酸配列を細胞に効果的に送達することができる任意の製剤又は組成物で投与することができる。アプローチとしては、限定されるものではないが、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス及び単純ヘルペスウイルス-1、組換え細菌又は真核生物プラスミドなどを含むウイルスベクターへの対象核酸配列の挿入が挙げられるが、これに限定されない。
レトロウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベクターは、in vivoで、特にヒトに外因性核酸配列を移入するための組換え送達系として使用することができる。このようなベクターは、細胞への遺伝子の効率的な送達を提供し、移入された核酸は、宿主の染色体DNAに安定して組み込まれ得る。
複製欠陥レトロウイルスのみを生産する特殊な細胞株(「パッケージング細胞」と呼ばれる)の開発により、遺伝子治療に関するレトロウイルスの有用性が高まり、欠陥レトロウイルスは、遺伝子治療目的の遺伝子導入の使用のために特徴付けられている(総説としては、例えば、Miller, Blood 76:271-78 (1990)を参照)。複製欠陥レトロウイルスはビリオン中にパッケージング可能であり、これは標準的な技術によるヘルパーウイルスの使用を介して標的細胞に感染させるために使用することができる。組換えレトロウイルスを産生するための、及びそのようなウイルスをin vitro又はin vivoで細胞に感染させるためのプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, et al., (編) Greene Publishing Associates, (1989), Sections 9.10-9.14及びその他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。好適なレトロウイルスの限定されない例としては、pLJ、pZIP、pWE及びpEMが挙げられ、これらは当業者に公知である。好適なパッケージングウイルス株の例としては、*Crip、*Cre、*2及び*Amが挙げられる(例えば、Eglitis, et al., Science 230:1395-1398 (1985); Danos and Mulligan, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:6460-6464 (1988); Wilson, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:3014-3018 (1988); Armentano, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6141-6145 (1990); Huber, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:8039-8043 (1991); Ferry, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:8377-8381 (1991); Chowdhury, et al., Science 254:1802-1805 (1991); van Beusechem, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7640-7644 (1992); Kay, et al., Human Gene Therapy 3:641-647 (1992); Dai, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10892-10895 (1992); Hwu, et al., J. Immunol. 150:4104-4115 (1993); 米国特許第4,868,116号;米国特許第4,980,286号;国際特許出願公開第89/07136号;国際特許出願公開第89/02468号;国際特許出願公開第89/05345号;及び国際特許出願公開第92/07573号参照)。
別の実施形態では、アデノウイルス由来の送達ベクターが提供される。アデノウイルスのゲノムは、対象とする遺伝子産物をコードし、発現するように操作され得るが、通常の溶菌ウイルスのライフサイクルで複製する能力に関しては不活性化される。例えば、Berkner, et al., BioTechniques 6:616 (1988); Rosenfeld, et al., Science 252:431-434 (1991);及びRosenfeld, et al., Cell 68:143-155 (1992)を参照。アデノウイルス株Ad 5型d1324又は他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)に由来する好適なアデノウイルスベクターが当業者に知られている。組換えアデノウイルスは、非***細胞に感染することができず、上皮細胞を含む多様な細胞型に感染させるために使用できるという点で、特定の状況において有利であり得る(Rosenfeld、et al。(1992)、前出)。更に、ウイルス粒子は比較的安定で、精製及び濃縮に適しており、上記のように、感染スペクトルに影響を与えるように改変することができる。更に、導入されたアデノウイルスDNA(及びそこに含まれる外来DNA)は宿主細胞のゲノムに組み込まれず、エピソームに留まるため、導入されたDNAが宿主ゲノムに組み込まれるin situ挿入型遺伝子変異の結果として発生する可能性のある潜在的な問題を回避する(例えば、レトロウイルスDNA)。更に、外来DNAのアデノウイルスゲノムの収容力は他の送達ベクターに比べて大きい(最大8キロベース)(Berkner, et al. (1998), 前掲; Haj-Ahmand and Graham, J. Virol. 57:267 (1986))。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸配列の送達に有用な更に別のウイルスベクター系は、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。AAVは、効率的な複製と生産的なライフサイクルのためのヘルパーウイルスとして、アデノウイルス又はヘルペスウイルスなどの別のウイルスを必要とする天然に存在する欠陥ウイルスである(総説としては、Muzyczka, et al., Curr. Topics in Micro. and Immunol. 158:97-129 (1992)参照)。それは又、そのDNAを非***細胞に組み込み得る数少ないウイルスの1つであり、高頻度の安定した組み込みを示す(例えば、Flotte, et al., Am. J. Respir. Cell. Mol. Biol. 7:349-356 (1992); Samulski, et al., J. Virol. 63:3822-3828 (1989);及びMcLaughlin, et al., J. Virol. 62:1963-1973 (1989)参照)。わずか300塩基対のAAVを含むベクターをパッケージングして、組み込むことができる。外因性DNAのスペースは約4.5kbに制限されている。Tratschin, et al., Mol. Cell. Biol. 5:3251-3260 (1985)に記載されているようなAAVベクターは、細胞にDNAを導入するために使用できる。様々な核酸が、AAVベクターを使用して種々の細胞型に導入されている(例えば、Hermonat, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6466-6470 (1984); Tratschin, et al., Mol. Cell. Biol. 4:2072-2081 (1985); Wondisford, et al., Mol. Endocrinol. 2:32-39 (1988); Tratschin, et al., J. Virol. 51:611-619 (1984);及びFlotte, et al., J. Biol. Chem. 268:3781-3790 (1993)参照)。
ウイルス導入法に加えて、非ウイルス法を使用して、対象の組織においてインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸配列の発現を引き起こすこともできる。遺伝子導入のほとんどの非ウイルス性の方法は、高分子の取り込みと細胞内輸送を、哺乳動物細胞によって使用される通常の機序に依存している。幾つかの実施形態では、非ウイルス送達系は、標的細胞による対象遺伝子の取り込みをエンドサイトーシス経路に依存している。このタイプの例示的な送達系としては、リポソーム由来系、ポリリジンコンジュゲート、及び人工ウイルスエンベロープが挙げられる。他の実施形態としては、Meuli, et al., J. Invest. Dermatol. 116 (1):131-135 (2001); Cohen, et al., Gene Ther 7 (22):1896-905 (2000);又はTam, et al., Gene Ther. 7 (21):1867-74 (2000)に記載されているようなプラスミド注入系が挙げられる。
臨床現場では、送達系は、それぞれが当技術分野でよく知られているいくつかの方法のいずれかによって対象に導入することができる。例えば、送達系の医薬製剤は、例えば、静脈内注射によって全身的に導入することができる。標的細胞におけるタンパク質の特異的形質導入は、主に、送達ビヒクルによって提供されるトランスフェクションの特異性、受容体遺伝子の発現を制御する転写調節配列による細胞型若しくは組織型の発現、又はそれらの組合せから生じる。他の実施形態では、組換え遺伝子の最初の送達は、動物への導入が極めて限局化されているためにより制限されている。例えば、送達ビヒクルは、カテーテル(米国特許第5,328,470号参照)又は定位注射(例えば、Chen, et al., PNAS 91: 3054-3057 (1994))によって導入することができる。
治療用構築物の医薬製剤は、本質的に、許容される希釈剤中の送達系からなり得るか、又は送達ビヒクルが埋め込まれている徐放性マトリックスを含み得る。或いは、完全な送達系が組換え細胞、例えばレトロウイルスベクターから無傷で産生され得る場合、医薬製剤は、その送達系を生産する1つ以上の細胞を含み得る。
治療方法
一態様では、本発明は、本明細書に開示されるように、有効量のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸配列(例えば、mRNA)を投与することを含む、それを必要とする患者(例えば、HBVに感染した患者)を治療する方法を提供する。本発明は又、HBVの治療のための薬剤の調製における、本明細書に開示されるように、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸配列(例えば、mRNA)の使用を提供する。特定の実施形態では、本発明は、そのような治療を必要とする哺乳動物対象において障害及び/又は症状、例えば、HBV関連障害及び/又はHBV関連症状の治療のためのキット及び方法を提供する。特定の例示的実施形態では、対象はヒトである。
本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、多くの異なる用途において有用である。例えば、一実施形態では、対象インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、HBV感染細胞からのHBeAg放出を低減するために有用である。幾つかの実施形態では、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、in vitroにおける初代肝細胞によるHBeAg放出を1ng/mLで少なくとも10%、1ng/mLで少なくとも20%、1ng/mLで少なくとも30%、1ng/mLで少なくとも40%、1ng/mLで少なくとも50%、1ng/mLで少なくとも60%、1ng/mLで少なくとも70%、1ng/mLで少なくとも80%、又は1ng/mLで少なくとも85%低減する。幾つかの実施形態では、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、in vitroにおける初代肝細胞によるHBeAg放出を1ng/mLで少なくとも12%低減する。幾つかの実施形態では、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、in vitroにおける初代肝細胞によるHBeAg放出を1ng/mLで最大90%低減する。関連の実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、30ng/mL未満のEC50で、好ましくは10ng/mL未満のEC50で、より好ましくは1ng/mL未満のEC50でHBeAg放出を低減する。
別の実施形態では、対象インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらのコードする核酸配列は、HBV感染細胞においてcccDNAのpgRNA転写を低減するために有用である。
別の実施形態では、対象インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、本明細書に記載されるように(後掲)、HBV感染に関連する1以上の症状及び/又は合併症を低減するために有用である。
特定の実施形態では、対象インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、慢性HBV感染に関連する1以上の障害、症状及び/又は合併症、例えば、数年の期間をかけて肝硬変に至る肝臓の慢性炎症(慢性肝炎);肝細胞癌(HCC);膜性糸球体腎炎(MGN)の発生;死亡リスク;急性壊死性血管炎(結節性多発性動脈炎)、膜性糸球体腎炎、及び小児期の丘疹性皮膚炎(ジアノッティ-クロスティ症候群);HBV関連腎症(例えば、膜性糸球体腎炎);免疫性炎症性疾患(例えば、本態性混合型寒冷グロブリン血症、再生不良性貧血)などを軽減するために有用である。
特定の実施形態では、対象インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、急性HBV感染、例えば、急性ウイルス肝炎に関連する1以上の症状及び/又は合併症(一般的な健康障害、食欲不振、悪心、嘔吐、身体疼痛、軽度の発熱、及び暗色尿で始まり、黄疸、劇症肝不全、及び/又は血清病様症候群の発症に進行する);食欲不振;関節痛及び筋肉痛;微熱;胃痛;嘔吐;黄疸;膨満した胃などを軽減するために有用である。
よって、本発明は又、ヒト又は動物に、有効な非毒性量のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれをコードする核酸配列を投与することにより、ヒト又は他の動物におけるHBV感染に関連する1以上の障害、症状及び/又は合併症を治療する方法に関する。当業者は、慣例の実験により、HBV感染を治療する目的で、インターフェロン会合抗原結合タンパク質又はそれをコードする核酸配列の有効な非毒性量がどれであるかを決定することができるであろう。
例えば、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質の「治療上有効な量」は、対象の病期(例えば、急性と慢性)、年齢、性別、医学的合併症(例えば、HIV同時感染、免疫抑制性の病態又は疾患)及び体重、並びに対象において所望の応答を誘発するインターフェロン会合抗原結合タンパク質の能力などの因子に応じて変化し得る。投与計画は、最適な治療応答を提供するように調整することができる。例えば、いくつかの分割された用量が毎日投与され得るか、又は用量は、治療状況の緊急性によって示されるように比例して低減され得る。
一般に、本発明で提供される組成物は、非感染細胞を予防的に処置するか、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質によるHBV感染細胞の標的化を可能にする抗原マーカーを含む任意のHBV感染細胞を治療的に処置するために使用され得る。
医薬組成物及びこれらの投与
特定の実施形態では、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質又はそれらをコードする核酸配列(ベクター又はベクター系を含む)が医薬組成物に含まれる。本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列を調製し、対象に投与する方法は周知であるか、又は本明細書及び当技術分野における知識を指針として使用して当業者により容易に決定され得る。本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列の投与経路は、経口、非経口、吸入又は局所であり得る。「非経口」という用語は、本明細書において使用する場合、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与又は膣投与を含む。これらの投与形態は全て、本発明の範囲内であると明確に企図されるが、投与形態は、注射、特に静脈内又は動脈内注射又は点滴のための溶液である。通常、注射に適した医薬組成物は、緩衝剤(例えば、酢酸塩、リン酸塩又はクエン酸塩緩衝液)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)、場合により安定剤(例えば、ヒトアルブミン)などを含み得る。いくつかの実施形態では、緩衝剤は酢酸塩である。別の実施形態では、緩衝剤はギ酸塩である。更に別の実施形態では、緩衝剤はクエン酸塩である。関連する実施形態において、界面活性剤は、プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール及びチロキサパルからなるリストから選択され得る。好ましい実施形態では、界面活性剤はポリソルベートである。より好ましい実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80又はポリソルベート100、好ましくはポリソルベート20又はポリソルベート80である。
幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらをコードする核酸配列は、有害な細胞集団(例えば、肝臓)の部位に直接送達され、それにより、治療薬への病変組織の曝露を増加させ得る。
非経口投与のための製剤には、滅菌水性又は非水性の溶液、懸濁液、及びエマルションが含まれる。非水性溶媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、エマルション、又は生理食塩水及び緩衝媒体を含む懸濁液が含まれる。本発明の組成物及び方法において、薬学的に許容される担体としては、限定されるものではないが、0.01~0.1M、例えば、0.05Mリン酸緩衝液、又は0.8%生理食塩水が挙げられる。他の一般的な非経口ビヒクルとしては、リン酸ナトリウム溶液、リンゲルのデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液、又は硬化油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、液体及び栄養素補充剤、リンゲルのデキストロースに基づくものなどの電解質補充剤などが挙げられる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスなどの防腐剤及び他の添加剤も存在してよい。より具体的には、注射可能な使用に適した医薬組成物には、無菌の水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び無菌の注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれる。このような場合、組成物は無菌でなければならず、容易なシリンジ性が存在する程度に流動性でなければならない。製造及び保存の条件下で安定している必要があり、通常、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護される。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの好適な混合物を含む溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散の場合には必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、又は塩化ナトリウムが組成物に含まれる。注射可能な組成物の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
いずれの場合も、無菌注射溶液は、必要に応じて、本明細書に列挙された成分の1つ又は組合せを含む適切な溶媒中に、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又は前記インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードする核酸などの活性化合物を単独で、又は他の有効薬剤と組み合わせて必要な量で配合し、次いで、濾過除菌を行うことによって調製することができる。一般に、分散液は、有効化合物を、塩基性分散媒及び上記に列挙されたものからの必要な他の成分を含む無菌ビヒクルに配合することによって調製される。無菌注射溶液を調製するための無菌粉末の場合、例示的な調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥を含み、これにより、予め濾過除菌されたその溶液から有効成分及び任意の付加的な所望の成分の粉末が生成される。注射用の製剤は処理され、アンプル、バッグ、ボトル、シリンジ又はバイアルなどの容器に充填され、当技術分野で公知の方法に従って無菌条件下で密封される。更に、製剤は、キットの形態で包装及び販売され得る。このような製品は一般に、関連する組成物がHBV感染に苦しむ対象を治療するために有用であることを示すラベル又はパッケージ挿入物を有するであろう。
上記のHBV感染関連病態の治療のための本発明の組成物の有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒトであるか動物であるか、投与された他の薬剤、及び治療が予防的であるか治療的であるかを含む多くの異なる因子に応じて異なる。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物、特に非ヒト霊長類を含む非ヒト哺乳動物も治療することができる。安全性及び有効性を最適化するために、当業者に公知の慣例法を使用して、治療用量を微調整することができる。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質による治療の場合、用量は、宿主体重の例えば約0.0001~約100mg/kg、より通常には約0.01~約5mg/kg(例えば、約0.02mg/kg、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kgなど)の範囲であり得る。例えば、用量は、約1mg/kg体重又は約10mg/kg体重又は約1~約10mg/kgの範囲、例えば、少なくとも約1mg/kgであり得る。上記範囲の中間の用量も本発明の範囲内であることが意図される。対象には、そのような用量を毎日、隔日、毎週、又は経験的分析によって決定された他の任意のスケジュールに従って投与することができる。例示的治療は、長期間、例えば、少なくとも6ヶ月にわたる複数の用量での投与を伴う。更なる例示的治療計画は、約2週間に1回、又は約1か月に1回、又は約3~6か月に1回の投与を伴う。例示的投与計画には、連続日で約1~約10mg/kg又は約15mg/kg、隔日で約30mg/kg、又は約毎週60mg/kgが含まれる。
インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はこれらのいずれかを発現する核酸配列は、複数回投与することができる。単回投与の間隔は、毎週、毎月、又は毎年であり得る。患者におけるその成分のインターフェロン会合抗原結合タンパク質の血中レベルを測定することによって示されるように、間隔はまた不定期であってもよい。或いは、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はこれらのいずれかを発現する核酸配列を徐放性製剤として投与することもでき、その場合、より低頻度の投与が必要とされる。用量及び頻度は、患者中でのインターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期によって異なる。
本明細書で言及される「半減期」又は「t1/2」という用語は、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質などの化合物の安定性及び/又はクリアランス速度に関する。実際には、化合物の半減期は通常、血清中で測定され、血清濃度が投与時の血清濃度の50%である投与後の時間を示す。本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、マウスにおける長い血清半減期を特徴とする。いくつかの実施形態において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期は、少なくとも50時間、少なくとも60時間、少なくとも70時間、少なくとも80時間、少なくとも90時間、又は少なくとも100時間である。いくつかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期は、少なくとも100時間である。好ましい実施形態では、マウスにおけるインターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期は、116~158時間の範囲である。
タンパク質の半減期は、そのクリアランスに関連する。「クリアランス」又「クリアランス速度」という用語は、本明細書において使用する場合、単位時間当たりにタンパク質が除去された血漿の量を指す。本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスは低い。幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスは、10mL/h/kg未満、5mL/h/kg未満、2.5mL/h/kg未満、1mL/h/kg未満、又は0.5mL未満である。幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスは、5mL/h/kg未満である。幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスは、1mL/h/kg未満である。幾つかの実施形態では、マウスにおけるインターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスは、0.28~0.49mL/h/kgの範囲である。
「分布容積」、「VD」、「VSS」又は「見掛けの分布容積」は、本明細書において使用する場合という用語は、本発明のインターフェロン会合抗原などの投与された化合物の総量を血漿中で観察されるのと同じ濃度で含むために必要となる理論的容積を指し、経口又は非経口投与後の血漿と体の残りの部分との間の前記化合物の分布に関係する。特定の実施形態において、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の分布容積Vssは、500mL/kg未満、400mL/kg未満、300mL/kg未満、200mL/kg未満、又は100mL/kg未満である。幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の分布容積Vssは、100mL/kg未満である。幾つかの実施形態では、マウスにおけるインターフェロン会合抗原結合タンパク質の分布容積Vssは、50~98mL/kgの範囲である。
別の関連する薬物動態パラメーターは、全身曝露である。本明細書で使用される場合、「全身曝露」、「AUC」又は「曲線下面積」という用語は、濃度-時間曲線の積分を指す。全身曝露は、血漿(血清又は血液)濃度又は親化合物及び/又は代謝物のAUCによって表すことができる。本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、それらの親抗体よりも高い全身曝露(AUC(0-inf))で血中を循環する。幾つかかの実施形態では、親抗体は、CP870,893である。他の実施形態では、親抗体は3G5である。幾つかの実施形態では、インターフェロン会合抗原結合タンパク質の全身曝露は、少なくとも600μg*h/mL、少なくとも700μg*h/mL、少なくとも800μg*h/mL、少なくとも900μg*h/mL又は少なくとも1000μg*h/mL、好ましくは少なくとも1000μg*h/mLである。幾つかの実施形態では、マウスにおけるインターフェロン会合抗原結合タンパク質の全身曝露は、1033μg*h/mL~1793μg*h/mLの範囲である。
前述のように、本発明のインターフェロン会合抗原結合タンパク質は、哺乳動物障害のin vivo治療のために薬学上有効な量で投与され得る。これに関して、開示されているように、インターフェロン会合抗原結合タンパク質は、投与を容易にし、活性剤の安定性を促進するように調剤されることが認識されるであろう。
本発明による医薬組成物は、生理食塩水、非毒性緩衝液、防腐剤などの薬学上許容される非毒性の無菌担体を含み得る。インターフェロン会合抗原結合タンパク質の薬学上有効な量は一般に、HBV感染細胞からのHBeAg放出の減少;HBV感染細胞におけるpgRNA転写の減少;及び感染細胞におけるIFNシグナル伝達経路の刺激のうち1以上を媒介するために十分な量である。当然のことながら、本発明の医薬組成物は、薬学上有効な量のインターフェロン会合抗原結合タンパク質を提供するために、単回又は複数回の用量で投与することができる。
本発明の範囲に沿って、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらのいずれかを発現する核酸配列は、前述の治療方法に従って、ヒト又は他の動物に、治療効果を生じるために十分な量で投与することができる。インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらのいずれかを発現する核酸配列は、インターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらのいずれかを発現する核酸配列を、既知の技術に従って薬学上許容される担体又は希釈剤と組み合わせることによって調製される慣例の剤形で、このようなヒト又は他の動物に投与することができる。薬学上許容される担体又は希釈剤の形態及び特徴は、それが組み合わされる有効成分の量、投与経路、及び他の周知の変数によって決定されることが当業者によって認識されるであろう。当業者は更に、本明細書に記載されている少なくとも1種以上のインターフェロン会合抗原結合タンパク質、又はそれらのいずれかを発現する核酸配列を含むカクテルが効果的であることを認識するであろう。
本発明に記載される方法は、特定の方法及び本明細書に開示される実験条件に限定されず、そのような方法及び条件は変更可能であると理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
更に、本明細書に記載の実験は、別段の断りのない限り、当技術分野の技術の範囲内の従来の分子及び細胞生物学的及び免疫学的技術を使用する。そのような技術は当業者に周知であり、文献で十分に説明されている。例えば、Ausubel, et al.,編, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., NY, N.Y. (1987-2008)(全ての補遺を含む), Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Fourth Edition) by MR Green and J. Sambrook and Harlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Chapter 14, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor (2013, 第2版)参照。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって共通に理解される意味を有する。潜在的なあいまいさが生じた場合、ここで提供される定義が辞書又は外部定義よりも優先される。文脈上別段の必要がない限り、単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。「又は」の使用は、別段の明記がない限り、「及び/又は」を意味する。「含む(including)」という用語、並びに「含む(includes)」及び「含まれる」などの他の形式の使用は、限定的ではない。「含む(comprising)」という用語の使用には、別段の明記がない限り、「からなる」という用語が含まれるものとする。
一般に、本明細書に記載の細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学並びにタンパク質及び核酸化学並びにハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法は周知であり、当技術分野で一般的に使用されている。本明細書で提供される方法及び技術は一般に、当技術分野で周知の従来の方法に従って、特段の明記がない限り本明細書全体で引用及び論じられる様々な一般的且つより具体的な参考文献に記載されるように実施される。酵素反応及び精製技術は、当技術分野で一般的に達成されているように、又は本明細書に記載されているように、製造業者の仕様に従って実施される。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び医薬化学に関連して使用される命名法、及びそれらの実験手順及び技術は当技術分野で周知であり、一般的に使用されているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬品の調製、調剤、及び送達、並びに患者の治療に使用される。
本明細書で使用される節の見出しは編成を目的とするに過ぎず、記載されている主題を制限するものとして解釈されるべきではない。文献、特許及び特許出願の内容、並びに本明細書で言及又は引用されている他の全ての文書及び電子的に入手可能な情報は、各個の刊行物が具体的且つ個々に本明細書の一部として援用されることが示されている場合と同程度に、それらの全内容が本明細書の一部として援用される。出願人は、そのような文献、特許、特許出願、又はその他の物理的及び電子的文書からのあらゆる資料及び情報を本願に物理的に組み込む権利を留保する。
本発明をその特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示を指針として使用して様々な変更を行うことができ、同等物と置き換えることができることが当業者により理解されるべきである。ここで特定の実施形態を詳細に説明してきたが、以下の実施例を参照することにより、同じことがより明確に理解されるであろう。これらの実施例は単に例示を目的として含まれ、限定を意図するものではない。
実施例I
アゴニスト抗CD40抗体CP870,893に基づくインターフェロン融合抗体(IFA)の作製及びリポーター細胞における特性評価
I.a-IFAの設計
CP870,893アゴニスト抗CD40抗体をバックボーン抗体として設計した例示的IFAの配列組合せを、IFNの位置及びリンカーの性質と共に表7及び表9に示す。表7に示すように、IFNは、軽鎖(LC)又は重鎖(HC)のN末端又はC末端部分でリンカーを介して融合された。HC、LC、又は融合体をコードする核酸は、最適化された哺乳動物発現コドンを用いて合成し、pcDNA3.1(Invitrogen)などの真核生物発現ベクターにクローニングした。図2Aは、pCMVプロモーターの制御下に配列番号32をコードするpcDNA3.1プラスミドの例示的マップを示す。
I.b-IFAの生産
フリースタイル293-F細胞(Invitrogen)を、HC/LC比4/6でHCとLCの両方をコードするプラスミドで一過性に同時トランスフェクトした。トランスフェクション6日後に、上清を回収し、遠心分離し、0.22μmフィルターで濾過した。精製工程は、AktaExpressクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)で、Protein A MabSelect Sure 5mL 1.6/2.5cmカラム(GE Healthcare)を5mL/分の流速で使用する2段階の精製ステップで実行した。サンプルの結合はD-PBS1X pH7.5バッファー中で行い、グリシン/HCl 0.1M pH3.0バッファーで溶出した。溶出ピークをループに保存し、次いで、HiTrap脱塩26/10カラム(GE Healthcare)に、D-PBS1X pH7.5バッファーを10mL/分の流速で注入した。溶出ピークを96ウェルマイクロプレート(2mLフラクション)に収集した。プールは、UVピークプロファイルに従って行った。0.22μmフィルター(Sartorius MiniSart)で濾過した後、Endosafe(登録商標)nexgen-PTS(商標)(Charles River)を使用する細菌内毒素、純度及びオリゴマーを決定するためにSEC 200 Increase 10/300カラム(GE Healthcare)を使用するサイズ排除クロマトグラフィー、及びMES SDSランニングバッファー中、NuPAGEゲルシステム(Invitrogen)での還元及び非還元条件下でSDS-PAGEを含む品質管理を行った。生産収率を表9に示す。一部のIFAでは、生産収率が極めて低かった。その場合、アゴニストCD40活性とIFN活性は、更に精製することなく、IFAを含む上清を使用して直接評価した。
精製されたIFAの還元SDS-PAGE分析は、HC及びLCに対応する2つの主要なバンドの存在を示した。IFN(IFNファミリーメンバーが何であれ)をHCに融合した場合、その分子量のシフトが観察され、IFNと融合したLCでも同じ現象が観察された(図2B)。
I.c-リポーター細胞のIFA特性評価
HEK-Blue(商標)CD40L細胞(InvivoGenカタログ番号:hkb-cd40)又はHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifnαβ)を、CD40アゴニストによるNFκB経路の活性化又はI型IFNによって誘導されるIFN経路の活性化をそれぞれ監視するために使用した。
HEK-Blue(商標)CD40Lは、CD40アゴニストの生物活性を測定するために、ヒトCD40遺伝子及びNFκB誘導性分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)構築物(InvivoGen)によるHEK293細胞の安定トランスフェクションによって作出した。CD40を刺激するとNFκBが誘導され、次にSEAPが生産され、これは、QUANTI-Blue(商標)(Invivogen、カタログ番号rep-qbs2)を使用して上清中に検出される。
HEK-Blue(商標)IFN細胞は、I型IFNによって誘導されるJAK/STAT/ISGF3経路の活性化を監視するように設計されている。この経路の活性化は、SEAPの生産及び放出を誘導する。SEAPレベルは、QUANTI-Blue(商標)を使用して上清中で容易に評価される。
HEK-Blue(商標)IFN-α/βは、ヒトIFNα又はIFNβの活性を監視するために使用される。
細胞を96ウェルプレートに播種し(ウェル当たり50,000細胞)、各IFA又は対照について示された濃度で刺激し、37℃で24時間インキュベートした。次に、上清を回収し、上清を約30分間、QuantiBlue(商標)と共にインキュベートし、Ensightプレートリーダー又はPheraStar(Lab Biotech)にて620nmで光学密度(O.D.)評価を行った後、SEAPレベルを定量した。
HEK-Blue(商標)デュアルIFN-γ細胞(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifng)又はHEK-Blue(商標)IFN-λ(InvivoGen、カタログ番号:hkb-ifnl)を使用して、それぞれII型及びIII型IFNの活性を監視することができる。HEK-Blue(商標)IFN-λ細胞は、IFNλの活性を監視するように設計されている。HEK-Blue(商標)デュアルIFN-γ細胞は、生物活性のあるヒトIFNγの検出を可能にする。
I.d-リポーター細胞に対するIFNα/βに基づくIFAの機能的活性
図3は、IFAの用量応答の例を示し、HEK-Blue(商標)CD40L(図3A~3B)及びHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞(図3C~3D)上で、表7に明示されているようなIFNβ又はその変異型が表7に示されているようにHCに融合された。IFAのアゴニスト抗CD40活性を表9にまとめ、例を図3A及び図3Bに示す。結果は、試験した全てのIFAが、CD40経路とIFN-α/β経路の両方を用量依存的に活性化するように機能することを示す。HC又はLCのC末端への融合の場合、アゴニストCD40のEC50値は11.1ng/mL~192ng/mLの範囲である(表9)。図3に示す実験では、親抗体の平均EC50値は48ng/mL及び57ng/mLである。HC又はLCのN末端にIFNが融合されたIFAもCD40経路を活性化できたが、これらのIFAに関して、精製タンパク質を使用せずに上清から直接活性を測定したために正確なEC50値は測定できなかった(図3B)。
様々なIFAのIFN活性を表9にまとめ、例を図3C~3Dに示す。IFNβ又は変異型IFNβ(表7に明示)をHC又はLCのC末端へ融合した場合、IFN活性はリンカー配列に応じて変化し、EC50値は0.14ng/mL~4.5ng/mLの範囲である(図3C及び表9)。図3Dは、IFNβがN末端部分に融合されたIFAは高いIFN活性を示すことを示している。陰性対照として使用した親抗体は活性を示さなかったが、組換えIFNβは強い用量依存的応答を示す。まとめると、これらの結果は、IFNβ又は表7に明示されているようなその変異型の抗体との融合が、場所に関係なく、効力の点で違いはあるものの、両方の生物学的機能を維持することを示す。
図4は、HEK-Blue(商標)CD40L(図4A及び図4C)並びに及びHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞(図4B及び図4D)で、表7に示すようにIFNαがHC又はLCに融合されたIFAの用量応答の例を示す。結果は、試験した全てのIFAが、CD40経路とIFNα/β経路の両方を用量依存的に活性化するように機能していることを示す。意外にも、全てのIFNαに基づくIFAについて、CD40経路の効力は親抗体の効力よりも再現性よく高かった。IFNαに基づくIFAのEC50値は11.1ng/mL~22.7ng/mLの範囲であり、CP870,893のEC50は30ng/mL~80ng/mLの範囲であった(平均EC50値:48ng/mL)。
IFAのIFN活性は、リンカー配列によって異なり、EC50値は1.6ng/mL~5.1ng/mLの範囲である。同じアッセイで、PEG化IFNα2a(Pegasys(登録商標))も用量依存的に活性があり、EC50値は約1ng/mLであった。
I.e-Fc領域を有さないIFAの作製及び特徴評価
本発明による好適な構築物は又、Fc領域を有さないインターフェロン会合抗原結合タンパク質であり得る。TEV-Hisタグに融合されたCP870,893のfabフラグメントの重鎖をコードする構築物を設計し(配列番号50)、発現プラスミドpcDNA3.1にクローニングした。この構築物は、前述のようにHEK細胞で、配列番号28、配列番号29、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号41、配列番号42、又は配列番号43などの種々のIFNにリンカーを介して融合されたLCと共に同時トランスフェクトされた。タンパク質及び/又は上清を、リポーター細胞及び/又はPHHのHBV感染に対するそれらの作用響で評価する。当業者は、療法に使用するための構築物がもはやTEV-Hisタグを含まないことを理解するであろう。これらの構築物も同様に本発明の実施形態である。Fc部分を有さないインターフェロン会合抗原結合タンパク質はHBV感染に対して活性がある。次に、2つのIFAが作製され、それらの機能特性は例Vに記載されている:IFA50:(配列番号41)+(配列番号50)及びIFA51:(配列番号42)+(配列番号50)。
実施例II
HBV感染初代肝細胞に対するIFAの効果
実施例IIHBVに感染した初代肝細胞に対するIFAの効果
II.a-初代ヒト肝細胞におけるHBV感染に対するIFAの効果
初代ヒト肝細胞(PHH)におけるHBV感染に対するIFAの効果を検討した。PHH細胞を、96ウェルプレート(70,000細胞/ウェル)の10%ウシ胎仔血清(FCS)(SH30066.02、Hyclone)、インスリン(19278-5ML、Sigma)、ヒドロコルチゾン(H2270-100MG、Sigma)及びペニシリン/ストレプトマイシン(15140、Gibco)を追加したWilliamのE GlutaMAX培地(32551-020、Gibco)中に播種した。4時間後、細胞をすすぎ、培地を交換した。翌日、培地をマトリゲル含有培地(0.25mg/mL;356231、Corning)に交換した。播種48時間後に、細胞を、5%FCS、4%PEG 8000(81268、Sigma)、2%DMSO(DMSO-100ML、Sigma)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを追加したInVitroGRO HI培地(Z99009、Bioreclamation IVT)中に、500~1,000vge/細胞(ウイルスゲノム当量)のMOI(多重感染度)で感染させた。
感染16時間後に、細胞をPBSで3回洗浄した。感染4日後に、細胞は未処理のままにするか、図に示すように連続希釈したIFAで処理した。処理3日後に、培養上清を回収し、更にタンパク質を検出するために-80℃で保存した。
II.b.-HBVe-抗原(HBeAg)放出アッセイ
細胞培養上清中のHBVe-抗原(HBeAg)レベルを、製造業者が記載しているようにELISAを使用して測定し、結果をPEI Unit(HBeAg CLIA 96T/K:CL0312-2;Autobio)又は発光で表した。
II.c.-HBVs抗原(HBsAg)放出アッセイ
上清中のHBsAgの定量は、AutoBio HBsAg CLIAキット(#CL0310-2)のプロトコールに従って行い、主なステップは次の通りとした:まずサンプルを1×PBSで1/5希釈した。次に、50μLの標品、対照、及び希釈サンプルをウェルに入れた。50μLの「酵素コンジュゲート」溶液を各ウェルに加え、37℃で1時間インキュベートした。続いて、プレートウォッシャーを使用して、キットの洗浄溶液300μLでプレートを6回洗浄した。次に、50μLの「基質溶液」(試薬A及びB中容量/容量混合物)を各ウェルに添加し、暗所で10分間のインキュベーションを行った。その後、プレートを、PHERASTARマイクロプレートリーダー(BMGLabtech)にて発光モードで読み取った。
II.d.-pgRNAの定量
qPCR技術を使用して、試験化合物で処理した感染細胞からのpgRNAの発現レベルを比較した。感染細胞からのpgRNAの定量は、96ウェルプレートにてQuant Studio 12KFlexで行った。cDNAはRTによって取得され、続いてTaqMan Fast Virusアッセイを使用したqPCRを1ステップで行った(ThermoFisher カタログ番号4444434)。結果はΔΔCt法によって処理し、二重鎖のハウスキーピング遺伝子GUSBを用いて正規化した。pgRNAは、以下のプライマー及びプローブ:(プローブとしてフォワード:CCTCACCATACTGCACTCA、リバース:GAGGGAGTTCTTCTTCTAGG、AGTGTGGATTCGCACTCCTCCAGC)を使用して増幅した。GUSB遺伝子は、Thermo Fisher(Hs99999908-m1)からのTaqManアッセイを使用した増幅した。
II.e.-CXCL10放出
CXCL10放出は、製造者の説明(BioLegend 439904)に従ってELISAキットを使用して評価した。サンプルを1/50希釈し、発光をEnSightマイクロプレートリーダーにて450nmで評価した。
II.f-HBV感染に対するIFNα/βに基づくIFAの効果
幾つかのIFAを、PHHのHBV感染後のHBeAg分泌を減少させるそれらの能力について試験した。図5では、LCのC末端にIFNβ又はその変異型が融合したIFAを使用した。結果は、試験した全てのIFAがHBeAgの放出を強く減少させることを示す。実際に、試験した最低濃度(1ng/mL)でも、IFAに応じて、HBeAg放出の70%から90%阻害が見られ、強力な抗ウイルス効果が付与されていることを示す。感染4日後に処置が開始され、その時点でHBeAg(mRNA及びタンパク質)の既存のプールが既に細胞内に存在し、その後も生産され続けるため、この実験では100%の阻害には到達できなかったことは注目に値する。
IFNαに融合したIFAの効果を、HBVに感染したPHHでも試験した。図6は、これらのIFAがHBV感染に対して極めて強力であり、EC50値は、HCのC末端にIFNα2aが融合されたIFAでは、0.06ng/mL~0.2ng/mLの範囲(IFA25:0.16ng/mL、IFA26:0.1ng/mL;IFA27:0.06ng/mL;及びIFA38;約0.2ng/mL(約2.2pM);図6A及び図6C)であり、LCのC末端にIFNα2aが融合されたIFAでは0.15ng/mL~0.36ng/mLの範囲(IFA28:0.36ng/mL;IFA29:0.15ng/mL;IFA30:0.31ng/mL;及びIFA39:約0.3ng/mL(約3pM);図6B及び図6C)であった。ペガシスの抗ウイルス効果をIFA38及びIFA39と比較するために、結果をpMで表し、IFA38の約2.2pM及びIFA39の約3pMと比較して、ペガシスのEC50は約250pMであることを示し、これはIFAがペガシスよりも遙かに強力であることを示している。
II.g-強力な抗ウイルス活性を誘導するために短期間の処理で十分である
HBVに感染した初代肝細胞の短期間のIFA処理の効果を評価するために、細胞を感染させ、4日間インキュベートし、IFA25、IFA27、IFA28、IFA30又はペガシスで24時間、用量依存的に処理し、洗浄した後、処理せずに新鮮な培地でインキュベートした。3日後、HBeAG(図。6E)、HBsAG(図6F)及びCXCL10(図6H)の放出レベルを評価するために上清を回収し、細胞を溶解し、pgRNAの定量(図6G)のためにRNAを抽出した。結果は、試験した全てのIFAがHbeAG及びHBsAGの放出、並びにpgRNAの発現を用量依存的に阻害できたことを示す。ペガシス単独では、HBeAGの放出を阻害すること、及びpgRNAレベルを低下させることができるに過ぎなかった。この点で、IFAはウイルスパラメーターに関してペガシスよりも少なくとも2ログ活性が高い。意外にも、試験した全てのIFAはHBsAg放出の用量依存的な阻害を示したが、最高濃度でもペガシスでは低下は見られなかった。IFN経路のバイオマーカーであるCXCL10の分析は、IFAもペガシスよりも遙かに強力であることを示した。
実施例III
サイトカインの放出
III.a-ヒト全血細胞からのサイトカイン放出評価(CRA)
全血細胞(WBC)ex vivo刺激アッセイを使用して、IFA刺激後のサイトカインの放出を検討した。4人の健常なドナーからWBCを回収し、RPMI1640(72400-021、Gibco)で1/3希釈し、滅菌反応試験管(300μl)に分注した。細胞を刺激せずにおくか、陽性対照として10ng/mLのLPS(LipoPolySaccharide)K12(tlrl-eklps、Invivogen)で、又は1μg/mLのIFAで刺激し、37℃で24時間インキュベートした。次に、上清を回収し、分析の日まで-20℃で凍結した。
ヒト炎症誘発性サイトカインは、腫瘍壊死因子(TNF)-α、インターロイキン(IL)-1β、IL-2、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12/IL-23p40及びIFNγを測定する多重化MSDアッセイ(K15067L-4)を使用して分析した。MSDプレートは1300MESO QuickPlex SQ120装置(MSD)で分析した。
図7は、刺激されていないか、LPS又はIFA1で処理されたヒトWBCのin vitroサイトカイン放出評価からの例示的な結果を示している。
[0021]IFNβ/変異型IFNβ及びIFNαに基づくIFAの試験からの結果を表11a及び11bにまとめる。結果は、全てのドナーについて、LPSが極めて高レベルの炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-12p40及びIFNγ)を誘導することを示す。又、それはIFN経路のバイオマーカーであり中程度のレベルのIL-10であるIP10(CXCL10)を誘導した。2つのIFNβに基づくIFA(表11a)と6つのIFNαに基づくIFA(表11b)を試験した。それらは全て、バイオマーカーIP10を誘導した。しかしながら、それらはIL-10、IL-1β及びIL-2を誘導せず、極めて低い~中程度のレベルのIFNγ、IL-6及びTNF-αを誘導するに過ぎず、従って、炎症性サイトカインの誘導に関して有利な安全性プロファイルを示唆する。
実施例IV
薬物動態試験
IV.a-IFA定量のためのELISAアッセイの開発
ELISA定量のために、96ウェルプレート(PLATE 96 wells Maxisorp、THERMO Scientifique;442404)を、炭酸ナトリウム(0.05M、pH9.6、C-3041、Sigma)中、ヒトIgG1のFc部分に融合されたヒトCD40の細胞外ドメイン(CD40-Fc;R&D Systems;1493-CDB-050)0.5μg/mLからなる100μlの組換えヒトCD40/TNFRSF5 Fcキメラタンパク質で4℃にて一晩コーティングした。ひっくり返して空にした後、プレートをPBS-0.05%Tween20-1%ミルク(SIGMA;70166-500g)と共に37℃で1時間インキュベートし、続いてPBS-0.05%Tween20で洗浄した。次に、サンプル及び対照(100μlの1/2連続希釈液)を37℃で90分間インキュベートした後、3回洗浄し(PBS-0.05%Tween20)、PBS-0.05%Tween20-1%ミルク中、二次抗IgG2コンジュゲートHRP(1/5000、ab99779、Abcam)抗体又は抗IFNαコンジュゲートHRP(1/1000、eBIOSCIENCE/Invitrogen;BMS216MST)と共にインキュベートした。PBSで3回洗浄した後、0.05%Tween2、TMB(テトラメチルベンジジン、Tebu Bio;TMBW-1000-01)を添加し、プレートを暗所で20分間インキュベートした。1M HClを加えることにより反応を停止させた。プレートは、Ensightプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して450~650nmで読み取った。ペガシスの定量は、同様のプロトコール手順を使用して評価したが、eBioscience/InvitrogenからのヒトIFNα適合抗体ペアを使用した。炭酸ナトリウム(0.05M、pH9.6、C-3041、Sigma)中の1μg/mLで、100μLのヒト抗IFNα抗体(eBioscience/Invitrogen;BMS216MST)を使用して捕捉を行った。検出のために、PBS-0.05%Tween20-1%ミルク中、二次抗IFNαコンジュゲートHRP抗体(1/1000、Affymetrix eBioscience/BMS216MST;15501707)を適用した。
IV.b-マウスにおけるin vivoバイオアベイラビリティ
PKパラメーターを決定するために、CP870,893、IFA25、IFA26、IFA27、IFA28、IFA29及びIFA30を0.5mg/kgで、又、ペガシスを0.3mg/kgi.vで雄CD1-スイスマウスにボーラス投与し、種々の時点で血液サンプルを採取した。上記のELISAアプローチを使用し、抗IFNαコンジュゲートHRPで明らかにされた循環分子の定量例を図8A及び8Bに示し、抗IgG2コンジュゲートHRPで明らかにされた定量例を図8Cに示す。ペガシスの定量を図8Dに示す。表12Aにまとめた一連の実験では、CP870,893のPKパラメーターが7日間の実験で調査され、IFA27、IFA29、及びIFA30のPKパラメーターを10日間の実験で調べた(IFA27の定量は2つの異なるELISAアプローチを使用して行った)。表12Bにまとめた別の一連の実験では、CP870,893及びIFA25、IFA26、IFA28、及びペガシスのPKパラメーターを21日間の実験で調べた(IFA25の定量は2つの異なるELISAアプローチを使用して行った)。
短い分布段階の後、IFAの薬物動態プロファイルは、116~218時間の範囲の長い血清半減期によって特徴付けられる(表12A及び表12B)。単回投与の10日後でも循環レベルが高い6つの試験IFAで極めて類似したPKプロファイルが得られた。表12A/Bにまとめた薬物動態パラメーターは、これらのIFAは意外にも、IFAの場合に1033μg.h/mL~2552μg.h/mLの範囲という、親抗体CP870,893(最大3.2倍)の場合のそれぞれ590又は797μg.h/mLと比較して高い全身曝露量(AUC(0-inf))で血中を循環していることを示し、これは又、IFAのクリアランス値がより低いことも反映している。分布容積Vssは低く、50~105mL/kgにランク付けされ、この種の血漿血管容積(50mL/kg)よりわずかに高かった。全てのIFAについて、クリアランスは低いとランク付けされた(0.28~0.49mL/h/kg)。興味深いことに、ペガシスのクリアランス(1.4mL/hr/kg)は、IFAのクリアランス(例えば、IFA27の場合は0.2mL/hr/kg)の最大7倍であり、IFAのより高い全身曝露を示している。
実施例V
V.a-リポーター細胞に対するFc領域を有さないIFAの機能的活性及びHBV感染
活性にIFAのFc部分が必要かどうかを決定するために、HCのFabフラグメントに関連するLCのC末端部分へのIFNαの融合を設計及び作出した。IFNαは、(G4S)2(IFA50)又は(G4S)3(IFA51)リンカーでLC部分に連結されていた。
HEK-Blue(商標)CD40L細胞での評価は、そのようなIFAが依然としてアゴニストCD40活性を示し(図9A)、それぞれ約128ng/ml(IFA50)及び123ng/mL(IFA51)のEC50値でCD40経路を活性化することを示した。
HEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞に対するIFN活性の評価は、試験した両方のIFAがIFN活性を示すことを示した(図9B)。EC50値は表9Bに報告されており、IFA50では約1.36ng/ml、IFA51では1.43ng/mLである。
両方のIFAを、前述のようにHBV感染で試験し、両方のIFAは、それぞれ約4.1pM(IFA50)及び2.7pM(IFA51)のEC50値で強力な抗ウイルス活性を示す。
V.b-リポーター細胞及びHBV感染に対するIFNεに基づくIFAの機能的活性
第3のI型インターフェロン(IFNイプシロン;IFNε)に対するCP870,893の融合も設計及び作製されている。このようなIFAをHEK-Blue(商標)CD40L細胞で試験し、それらがアゴニストCD40活性を維持することを実証することができた。このようなIFA(IFA49)の結果を図10Aに示す。HEK-Blue(商標)hIFN-α/β細胞(実際にはI型インターフェロンによって活性化される)の評価は、IFA49がIFN-I経路も活性化できることを示した(図10B)。EC50値を表9Bに報告する。更に、IFA49は又、初代肝細胞におけるHBV感染についても試験し、ペガシスと同様の活性を示した(図10C)。
これらの結果は、IFNεを伴うIFAがIFN及びアゴニストCD40の活性の両方を維持し(すなわち、二機能性であり)、抗ウイルス活性を有することを示した。
V.c-リポーター細胞及びHBV感染に対するIFNωに基づくIFAの機能的活性
第4のI型インターフェロン(IFNオメガ;IFNω)に対するCP870,893の融合も設計及び作製されている。このようなIFAをHEK-Blue(商標)CD40L細胞で試験し、結果はそれらがアゴニストCD40活性を維持することを示した。このようなIFA(IFA46)の結果を図11Aに示す。HEK-Blue(商標)hIFN-α/β細胞(実際にはI型インターフェロンによって活性化される)の評価は、IFA46がIFN-I経路も活性化できることを示した(図11B)。EC50値を表9Bに報告する。更に、IFA46は又、初代肝細胞におけるHBV感染についても試験し、ペガシスと同様の活性を示した(図11C)。
これらの結果は、IFNωを伴うIFAがIFN及びアゴニストCD40の活性の両方を維持し(すなわち、二機能性であり)、抗ウイルス活性を有することを示した。
V.d-リポーター細胞、HBV感染に対するIFNγに基づくIFAの機能的活性
II型インターフェロン(IFNガンマ;IFNγ)に対するCP870,893の融合も設計及び作製されている。HEK-Blue(商標)CD40L細胞でのこれらのIFAの評価は、それらが、IFNγがLC(IFA42)のC末端部分に連結されているかHC(IFA43)のC末端部分に連結されているかに関わらず、アゴニストCD40活性を維持することを示す(図12A)。HEK-Blue(商標)-IFNγ細胞でのこれらのIFAの評価(図12B)は、それらがIFNγ経路も活性化できることを示した。IFNγ活性は、IFA42(EC50:15ng/ml)及びIFA43(EC50:<0.01ng/ml)の間で多少異なっていた。EC50値を表9Bに報告する。更に、IFA42及びIFA43を、前述のように、初代肝細胞のHBV感染に対して用量依存的に試験した。結果は、両方のIFAが用量依存的にHbeAg放出を減少させることを示し(図12C)、これはII型IFNを伴うIFAにHBV感染に対する活性があることを示している。
まとめると、これらの結果は、IFNγを伴うIFAがIFN及びアゴニストCD40活性の両方を維持し(すなわち、二機能性である)、を有することを示す。
V.e-リポーター細胞及びHBV感染に対するIFNλに基づくIFAの機能的活性
III型インターフェロン(IFNラムダ;IFNλ)に対するCP870,893の融合も設計及び作製されている。これらのIFAをHEK-Blue(商標)CD40L細胞で試験し、結果は、それらが、IFNλがLC(IFA44)のC末端部分に連結されているかHC(IFA45)のC末端部分に連結されているかに関わらず、アゴニストCD40活性を維持することを示した(図13A)。HEK-Blue(商標)-IFNλ細胞でのこれらのIFAの評価は、それらがIFNλ経路もできることを示した(図13B)。EC50値を表9Bに報告する。これらの結果は又、IFNλを伴うIFAがIFN及びアゴニストCD40活性の両方を維持する(すなわち、二機能性である)ことを示す。
IFA44及びIFA45は、前述のように、初代肝細胞のHBV感染について単回投与でペガシスと比較して試験した。結果は、両方のタイプのIFAがHbeAgの放出をそれぞれ65%及び78%低減することを示す。これらの条件下で、ペガシスはHbeAgの放出を81%阻害した。これらの結果は、III型IFNを伴うIFAはHBV感染に対して活性があり、試験された両方のIFAのEC50値は10nM未満であったことを示す(図13C)。
実施例VI
抗CD40抗体3G5に基づくインターフェロン融合抗体(IFA)の作製及びリポーター細胞での特性評価
VI.a-IFAの設計
3G5抗CD40抗体(Celldex)をバックボーン抗体として用いて設計された例示的なIFAの配列の組合せを、FNの位置及びリンカーと共に表7及び表10に示す。表7に示すように、IFNは、軽鎖(LC)又は重鎖(HC)のC末端部分にリンカーを介して融合された。HC、LC、又は融合体をコードする核酸は、最適化された哺乳動物発現コドンを用いて合成し、pcDNA3.1(Invitrogen)などの真核生物発現ベクターにクローニングした。
VI.b-IFAの生産
IFAの生産は前述のように行い、生産収率を表10に示す。一部のIFAでは、主としてIFNβをLCのC末端部分に融合させる場合は生産収率が極めて低かった。これらのIFAの場合、アゴニストCD40及びIFN活性は、更に精製することなく、IFAを含む上清を使用して直接評価した。精製されたIFAの還元SDS-PAGE分析は、HC及びLCに対応する2つの主要なバンドの存在を示した。IFNをHCに融合した場合、その分子量のシフトが観察された(図14)。
VI.c-リポーター細胞に対するIFNα/βに基づくIFAの機能的活性
リポーター細胞に対する3G5I FAの特性評価を、前述のように(I.c参照)、HEK-Blue(商標)CD40L細胞(図15A~B、及び図16A)並びにHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞(図15C~D、及び図16B)で行った。
VI.c.1.IFNβに基づくIFA
図15は、HEK-Blue(商標)CD40L細胞及びHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞における、IFNβが3G5のHC又はLCに融合されたIFAの用量応答の例を示す(図15)。表10にまとめた結果は、試験した全てのIFNβに基づくIFAが機能的であり、CD40経路とIFNα/β経路の両方を用量依存的に活性化できることを示す。
CD40活性の例を図15A及び図15Bに示す。HCのC末端部分へのIFNβの融合は、高い変動性の抗CD40活性を示し、全ての場合で、EC50値が30ng/mL~190.5ng/mLの範囲の親抗体よりも低かった(図15A及び表10)。親3G5抗体の平均EC50値は9.3ng/mLである。
LCのC末端部分への融合については、生産収率は極めて低く、活性は、HEK細胞での過剰発現後のIFA含有上清を使用して評価した。HEK-Blue(商標)CD40Lでのこれらの上清の評価(図15B)は、これらのIFAにCD40経路に対する活性があることを示す。3G5の場合、上清を300倍希釈しても、アゴニスト抗CD40活性がなお検出される。逆に、活性を観察するために、IFA含有上清には1/10希釈が必要であった(図15B)。
IFAのIFN活性をHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞で試験し、結果を表10にまとめる。例を図15C~Dに示す。HCのC末端部分でのIFNβの融合の場合、IFN活性はリンカー配列に応じて変化し、EC50値は0.45ng/mL~10.3ng/mLの範囲である(図15C)。LC含有上清のC末端部分にIFNβ融合を伴うIFAの場合、上清の10000倍希釈の後でもIFN活性がなお検出される(図15D)。
VI.c.2 IFNαに基づくIFA
図16は、HEK-Blue(商標)CD40L細胞(図16)及びHEK-Blue(商標)IFNα/β細胞(図16B)に対する、3G5のHCにIFNαが融合されたIFAの用量応答の例を示す。
結果は、全てのIFAがCD40経路とIFNα/β経路の両方の機能的活性化を用量依存的に示すことを示す(平均EC50値を表10に報告する)。
全てのIFNαに基づくIFAについて、CD40経路に対する効力は親抗体と同様であり、平均EC50値は11.74ng/mL~14.2ng/mLの範囲であった(図16A及び表10)。親3G5抗体の平均EC50値は9.3ng/mLである。
IFNαに基づくIFAのIFN活性をHEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞で試験し、極めて高い活性を示す。これらのIFAのIFN活性の平均EC50値は、0.04ng/mL~0.12ng/mLの範囲であった(図16B及び表10)。
VI.d-Fc領域を有さないIFAの作製及び特性評価
本発明による好適な構築物は又、Fc領域を有さないインターフェロン会合抗原結合タンパク質であってもよい。TEV-Hisタグに融合された3G5のFabフラグメントの重鎖をコードする構築物を設計し(配列番号65)、発現プラスミドpcDNA3.1にクローニングした。この構築物を、前述のようにHEK細胞に同時トランスフェクトし、配列番号70又は配列番号71など、LCが異なるリンカーを介してIFNに融合されていた。タンパク質及び/又は上清をリポーター細胞で評価し、及び/又はPHHにおけるHBV感染に対するそれらの効果を評価した。当業者は、療法に使用するための構築物はもはやTEV-Hisタグを含まないことを理解するであろう。これらの構築物も同様に本発明の実施形態である。Fc部分を有さないインターフェロン会合抗原結合タンパク質にはHBV感染に対する活性がある。
実施例VII
VII.a-HBV感染に対するIFNα/βに基づくIFAの効果
VII.a.1.IFNβに基づくIFA
IFNβに融合されたIFAを、前述のように、HBVによるPHHの感染後のHBeAg放出を低減するそれらの能力に関して試験し、例を図17Aに示す。結果は、これらのIFAにHBV感染に対する活性があることを示す。試験した全てのIFAで、用量依存的な阻害が見られ、1ng/mLで12%~52%の低減が得られ、100ng/mLのIFA109で約85%の最大低減が見られた。感染4日後に処置が開始され、その時点でHBeAg(mRNA及びタンパク質)の既存のプールが既に細胞内に存在し、その後も生産され続けるため、100%の阻害には到達できなかった。
VII.a.2 IFNαに基づくIFA
IFNαに融合されたIFAを又、前述のように、HBVによるPHHの感染後のHBeAg放出を低減するそれらの能力に関して試験し、例を図17Bに示す。結果は、これらのIFNαに基づくIFAがHBV感染に対して極めて強力であることを示す。試験した全てのIFAについて、用量依存的な阻害も見られ、1ng/mLで61%~80%の低減が得られ、全てのIFAで100ng/mLで最大低減(85%~92%)にほぼ達した。これらは、IFNαに基づくIFAが極めて強力な抗HBV抗ウイルス分子であることを示す。
実施例VIII
ヒト全血細胞からのサイトカイン放出アッセイ(CRA)
WBC ex vivo刺激アッセイを使用して、前述のように、IFA刺激後のサイトカインの放出を調べた(III.a参照)。IFA109を用いた例を図18及び表13に示す。結果は、全てのIFAがCXCL10放出を誘導することを示す。それらはIL-10、IL-1β及びIL-2を誘導せず、極めて低い~中程度のレベルのIFNγ、IL-6及びTNF-αを誘導するに過ぎず、従って、炎症性サイトカインの誘導に関して有利な安全性プロファイルを示唆する。
均等論
本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。従って、以上の実施形態は、本発明を限定するのではなく、あらゆる点で例示的であると見なされるべきである。従って、本発明の範囲は、以上の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、よって、特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内にある全ての変更は、本明細書に含まれることが意図される。
項目
上記を考慮して、本発明は以下の項目にも関連することが認識されるであろう。
1.B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、
(I)アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及び
(II)インターフェロン(IFN)又はその機能的フラグメント
を含む、インターフェロン会合抗原結合タンパク質。
2.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、配列番号3内のCDRL1、CDRL2及びCDRL3配列と少なくとも90%同一である3つの軽鎖相補性決定領域(CDR);並びに配列番号6内のCDRH1、CDRH2及びCDRH3配列と少なくとも90%同一である3つの重鎖CDRを含む、項目1の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
3.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、配列番号3内のCDRL1、CDRL2及びCDRL3配列と同一である3つの軽鎖相補性決定領域(CDR);並びに配列番号6内のCDRH1、CDRH2及びCDRH3配列と同一である3つの重鎖CDRを含む、項目1又は2の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
4.各CDRがCDRのKabat定義、Chothia定義、AbM定義、又はcontact定義に従って定義され;好ましくは、各CDRがKabatのCDR定義又はChothiaのCDR定義に従って定義される、項目2又は3の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
5.前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、
(a)配列番号56と少なくとも90%同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と少なくとも90%同一であるCDRH2、及び配列番号58と少なくとも90%同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに
(b)配列番号52と少なくとも90%同一であるCDRL1、配列番号53と少なくとも90%同一であるCDRL2、及び配列番号54と少なくとも90%同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメント
を含む、項目1の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
6.前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、
(a)配列番号56と同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と同一であるCDRH2、及び配列番号58と同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに
(b)配列番号52と同一であるCDRL1、配列番号53と同一であるCDRL2、及び配列番号54と同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメント
を含む、項目1の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
7.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、
配列番号51に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖可変領域VL;及び/又は配列番号55に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖可変領域VHを含む、項目1~6のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
8.前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖が、配列番号12に示されるようなアミノ酸配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含むFab領域重鎖を含む、項目1~7のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
9.前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、配列番号3に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖(LC);並びに/又は配列番号6、配列番号9、配列番号49及び配列番号48からなる群から選択される配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む、項目1~8のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
10.前記HCが配列番号6に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目9の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
11.前記HCが配列番号9に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目9の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
12.前記HCが配列番号49に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目9の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
13.前記HCが配列番号48に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目9の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
14.前記IFN又はその機能的フラグメントがヒトインターフェロンである、項目1~12のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
15.前記IFN又はその機能的フラグメントがI型IFN、II型IFN及びIII型IFN、又はその機能的フラグメントからなる群から選択される、項目1~14のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
16.前記IFN又はその機能的フラグメントがI型IFN、又はその機能的フラグメントである、項目1~15のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
17.前記I型IFN又はその機能的フラグメントがIFNα、IFNβ、IFNω、又はIFNε、又はその機能的フラグメントである、項目16の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
18.前記I型IFN又はその機能的フラグメントがIFNα又はIFNβ、又はその機能的フラグメントである、項目16の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
19.前記I型IFN又はその機能的フラグメントがIFNω、又はその機能的フラグメントである、項目16の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
20.前記I型IFN又はその機能的フラグメントがIFNε、又はその機能的フラグメントである、項目16の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
21.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNα、IFNβ、IFNγ、IFNλ、IFNω又はIFNε、又はその機能的フラグメントである、項目1~14のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
22.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNα又はIFNβ、又はその機能的フラグメントである、項目21の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
23.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNα、又はその機能的フラグメントである、項目22の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
24.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNα2a、又はその機能的フラグメントである、項目23の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
25.前記IFNα2aが配列番号17に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目24の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
26.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNβ、又はその機能的フラグメントである、項目22の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
27.前記IFNβが配列番号14に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目26の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
28.前記IFNβ又はその機能的フラグメントが配列番号14に対して、C17S及びN80Qから選択される1つ又は2つのアミノ酸置換を含む、項目26の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
29.前記IFNβ又はその機能的フラグメントが配列番号14に対してアミノ酸置換C17Sを含む、項目28の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
30.前記IFNβが配列番号15に示されるようなアミノ酸配列を含む、項目29の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
31.前記IFNβ又はその機能的フラグメントが配列番号14に対してアミノ酸置換C17S及びN80Qを含む、項目28の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
32.前記IFNβが配列番号16に示されるようなアミノ酸配列を含む、項目31の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
33.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNγ若しくはIFNλ、又はその機能的フラグメントである、項目21の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
34.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNγ、又はその機能的フラグメントである、項目33の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
35.前記IFNγが配列番号19に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目34の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
36.前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNλ、又はその機能的フラグメントである、項目33の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
37.前記IFNλ又はその機能的フラグメントがIFNλ2、又はその機能的フラグメントである、項目36の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
38.前記IFNλ2が配列番号18に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、項目37の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
39.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと非共有結合的に会合されている、項目1~38のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
40.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと、イオン、ファンデルワールス力、及び/又は水素結合の相互作用を介して非共有結合的に会合されている、項目39の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
41.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと共有結合的に会合されている、項目1~38のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
42.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに融合されている、項目41の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
43.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖に融合されている、項目42の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
44.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のN末端に融合されている、項目43の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
45.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のC末端に融合されている、項目43の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
46.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖に融合されている、項目42の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
47.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のN末端に融合されている、項目46の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
48.前記IFN又はその機能的フラグメントが前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のC末端に融合されている、項目46の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
49.前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントと前記IFN又はその機能的フラグメントがリンカーを介して互いに融合されている、項目42~48のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
50.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、(I)前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、(II)前記IFN又はその機能的フラグメント、及び(III)前記リンカーを形成するもの以外のアミノ酸を含まない、項目49の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
51.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、(I)前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及び(II)前記IFN又はその機能的フラグメントを形成するもの以外のアミノ酸を含まない、項目1~49のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
52.前記リンカーがペプチドリンカーである、項目49~50のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
53.前記リンカーが少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は少なくとも5個のアミノ酸を含む、項目52の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
54.前記リンカーが少なくとも4個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
55.前記リンカーが少なくとも11個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
56.前記リンカーが少なくとも12個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
57.前記リンカーが少なくとも13個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
58.前記リンカーが少なくとも15個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
59.前記リンカーが少なくとも20個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
60.前記リンカーが少なくとも21個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
61.前記リンカーが少なくとも24個のアミノ酸を含む、項目53の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
62.前記リンカーが最大10個、最大20個、最大30個、最大40個、最大50個、最大60個、最大70個、最大80個、最大90個、又は最大100個のアミノ酸を含む、項目52の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
63.前記リンカーが最大80個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
64.前記リンカーが最大40個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
65.前記リンカーが最大24個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
66.前記リンカーが最大21個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
67.前記リンカーが最大20個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
68.前記リンカーが最大15個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
69.前記リンカーが最大13個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
70.前記リンカーが最大12個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
71.前記リンカーが最大11個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
72.前記リンカーが最大4個のアミノ酸を含む、項目62の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
73.前記リンカーが酸性、塩基性及び中性リンカーからなる群から選択される、項目52~72のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
74.前記リンカーが酸性リンカーである、項目73の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
75.前記リンカーが配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む、項目73又は74の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
76.前記リンカーが塩基性リンカーである、項目73の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
77.前記リンカーが中性リンカーである、項目73の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
78.前記リンカーが配列番号20、配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む、項目73又は77の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
79.前記リンカーがリジッドリンカー、フレキシブルリンカー及びヘリックス形成リンカーからなる群から選択される、項目52~78のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
80.前記リンカーがリジッドリンカーである、項目79の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
81.前記リンカーが配列番号20、配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む、項目79又は80の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
82.前記リンカーがフレキシブルリンカーである、項目79の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
83.前記リンカーが配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む、項目79又は82の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
84.前記リンカーがヘリックス形成リンカーである、項目79の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
85.前記リンカーが配列番号22又は配列番号23に示されるような配列を含む、項目79又は84の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
86.前記リンカーがアミノ酸グリシン及びセリンを含む、項目52~74、76、77、79、80、82又は84のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
87.前記リンカーが配列番号21、配列番号24、配列番号25、又は配列番号26に示されるような配列を含む、項目86の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
88.前記リンカーが更にアミノ酸スレオニンを含む、項目86の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
89.前記リンカーが配列番号21に示されるような配列を含む、項目88の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
90.前記リンカーが配列番号20~26に示されるような配列から選択される配列を含む、項目52の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
91.前記リンカーが配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列から選択される配列を含む、項目90の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
92.前記リンカーが配列番号24に示されるような配列を含む、項目91の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
93.前記リンカーが配列番号25に示されるような配列を含む、項目91の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
94.前記リンカーが配列番号26に示されるような配列を含む項目91の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
95.前記IFN又はその機能的フラグメントが、表3、特に表3A又は表3B、より詳しくは表3Aに示されるようなリンカーを介して、前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のC末端に融合されている、項目49、50又は52~94のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
96.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖が、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号48又は配列番号49に示されるような配列を含む、項目95の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
97.前記IFNα2aが配列番号17に示されるような配列を含む、項目95又は96の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
98.前記IFNβが配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含む、項目95又は96の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
99.前記IFNβが配列番号14に示されるような配列を含む、項目98の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
100.前記IFNβが配列番号15に示されるような配列を含む、項目98の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
101.前記IFNβが配列番号16に示されるような配列を含む、項目98の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
102.前記IFNγが配列番号19に示されるような配列を含む、項目95又は96の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
103.前記IFNλ2が配列番号18に示されるような配列を含む、項目95又は96の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
104.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が更にアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖を含む、項目95~103のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
105.前記軽鎖が配列番号3に示されるような配列を含む、項目104の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
106.前記IFN又はその機能的フラグメントが、表4、特に表4A又は表4B、より詳しくは表4Aに示されるようなリンカーを介して、前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖のN末端に融合されている、項目49、50又は52~94のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
107.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖が配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号48、又は配列番号12に示されるような配列を含む、項目106の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
108.前記IFNα2aが配列番号17に示されるような配列を含む、項目106又は107の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
109.前記IFNβが配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含む、項目106又は107の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
110.前記IFNβが配列番号14に示されるような配列を含む、項目109の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
111.前記IFNβが配列番号15に示されるような配列を含む、項目109の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
112.前記IFNβが配列番号16に示されるような配列を含む、項目109の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
113.前記IFNγが配列番号19に示されるような配列を含む、項目106又は107の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
114.前記IFNλ2が配列番号18に示されるような配列を含む、項目106又は107の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
115.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が更にアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖を含む、項目106~114のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
116.前記軽鎖が配列番号3に示されるような配列を含む、項目115の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
117.前記IFN又はその機能的フラグメントが、表5、特に表5A又は表5B、より詳しくは表5Aに示されるようなリンカーを介して、前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のC末端に融合されている、項目49、50又は52~94のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
118.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖が配列番号3に示されるような配列を含む、項目117の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
119.前記IFNα2aが配列番号17に示されるような配列を含む、項目117又は118の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
120.前記IFNβが配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含む、項目117又は118の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
121.前記IFNβが配列番号14に示されるような配列を含む、項目120の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
122.前記IFNβが配列番号15に示されるような配列を含む、項目120の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
123.前記IFNβが配列番号16に示されるような配列を含む、項目120の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
124.前記IFNγが配列番号19に示されるような配列を含む、項目117又は118の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
125.前記IFNλ2が配列番号18に示されるような配列を含む、項目117又は118の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
126.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が更にアゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖を含む、項目117~125のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
127.前記アゴニスト抗CD40抗体の重鎖が配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号48、又は配列番号12に示されるような配列を含む、項目126の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
128.前記IFNが、表6、特に表6A又は表6B、より詳しくは表6Aに示されるようなリンカーを介して、前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖のN末端に融合されている、項目49、50又は52~94のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
129.前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの軽鎖が配列番号3に示されるような配列を含む、項目128の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
130.前記IFNα2aが配列番号17に示されるような配列を含む、項目128又は129の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
131.前記IFNβが配列番号14、配列番号15又は配列番号16に示されるような配列を含む、項目128又は129の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
132.前記IFNβが配列番号14に示されるような配列を含む、項目131の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
133.前記IFNβが配列番号15に示されるような配列を含む、項目131の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
134.前記IFNβが配列番号16に示されるような配列を含む、項目131の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
135.前記IFNγが配列番号19に示されるような配列を含む、項目128又は129の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
136.前記IFNλ2が配列番号18に示されるような配列を含む、項目128又は129の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
137.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が更に抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントの重鎖を含む、項目128~136のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
138.前記アゴニスト抗CD40抗体の重鎖が配列番号6、配列番号9、配列番号49、配列番号48、又は配列番号12に示されるような配列を含む、項目137の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
139.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46及び配列番号47から選択される配列を含む、項目1~138のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
140.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42又は配列番号43から選択される配列を含む、項目139の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
141.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、表9、特に表9A又は表9B、より詳しくは表9Aに開示される配列の組合せのうち1つを含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目139又は140の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
142.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号38及び配列番号3に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
143.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号39及び配列番号3に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
144.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号40及び配列番号3に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
145.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号41及び配列番号9に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
146.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号42及び配列番号9に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
147.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が、配列番号43及び配列番号9に示されるような配列を含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、項目141の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
148.インターフェロン会合抗原結合タンパク質がCD40経路とIFN経路の両方を活性化する、項目1~147のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
149.CD40活性が全血表面分子上方調節アッセイ又はin vitroリポーター細胞アッセイを使用して決定される、項目148の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
150.CD40活性がin vitroリポーター細胞アッセイを使用して、場合により、HEK-Blue(商標)CD40L細胞を使用して決定される、項目149の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
151.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が400、300、200、150、100、70、60、50、40、30、25、20、又は15ng/mL未満のEC50でCD40経路を活性化する、項目148~150のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
152.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が10~200ng/mLの範囲のEC50でCD40経路を活性化する、項目151の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
153.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が10~50ng/mL、好ましくは10~30ng/mLの範囲のEC50でCD40経路を活性化する、項目152の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
154.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が100、60、50、40、30、20、10、又は1ng/mL未満のEC50でIFN経路を活性化する、項目148~153のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
155.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が11ng/mL未満、好ましくは6ng/mL未満のEC50でIFN経路を活性化する、項目148~154のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
156.前記IFN経路がIFNα経路、IFNβ経路、IFNε経路、IFNγ経路、IFNω経路又はIFNλ経路である、項目148~155のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
157.IFNβ活性がin vitroリポーター細胞アッセイを使用して、場合により、HEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞を使用して決定される、項目156の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
158.IFNα活性がin vitroリポーター細胞アッセイを使用して、場合により、HEK-Blue(商標)IFN-α/β細胞を使用して決定される、項目156の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
159.IFNγ活性がin vitroリポーター細胞アッセイを使用して、場合により、HEK-Blue(商標)Dual IFN-γ細胞を使用して決定される、項目156の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
160.IFNλ活性がin vitroリポーター細胞アッセイを使用して、場合により、HEK-Blue(商標)IFN-λ細胞を使用して決定される、項目156の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
161.インターフェロン会合抗原結合タンパク質がin vitroにおいて初代肝細胞によるHBeAg放出を1ng/mLで少なくとも12%低減する、項目1~160のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
162.インターフェロン会合抗原結合タンパク質がin vitroにおいて初代肝細胞によるHBeAg放出を1ng/mLで最大90%低減する、項目161の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
163.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が30ng/mL未満のEC50でHBeAg放出を低減する、項目161の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
164.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が10ng/mL未満のEC50でHBeAg放出を低減する、項目163の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
165.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が1ng/mL未満のEC50でHBeAg放出を低減する、項目164の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
166.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が0.1ng/mL未満のEC50でHBeAg放出を低減する、項目164の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
167.1以上のIFN経路バイオマーカーの発現レベルが、HBV感染細胞においてインターフェロン会合抗原結合タンパク質で処理された際に、好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍、最も好ましくは少なくとも3倍上方調節される、項目1~166、特に項目148~165のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
168.前記IFN経路バイオマーカーがケモカインである、項目167の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
169.前記IFN経路バイオマーカーがインターフェロンにより刺激される遺伝子ISG20である、項目168の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
170.前記IFN経路バイオマーカーがCXCL9、CXCL10及びCXCL11からなる群から選択されるC-X-Cケモカインである、項目168の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
171.前記IFN経路バイオマーカーがCXCL10である、項目170の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
172.IL10、IL1β及びIL2の1以上の発現レベルが、HBV感染細胞においてインターフェロン会合抗原結合タンパク質で処理された際に有意に上方調節されない、項目1~171、特に項目148~171のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
173.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の全身曝露が抗体CP870,893に比べて、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも25%増大する、項目1~172のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
174.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の全身曝露が少なくとも1000μg*h/mLである、項目1~173のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
175.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の全身曝露が1033μg*h/mL~1793μg*h/mLの範囲である、項目174の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
176.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期が少なくとも100時間である、項目1~175のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
177.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の半減期が116~158時間の範囲である、項目176の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
178.インターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランス速度が0.5mL/h/kg未満である、項目1~177のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
179.インターフェロン会合抗原結合タンパク質のクリアランスが0.28~0.49mL/h/kgの範囲である、項目178の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
180.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の分布容積Vssが100mL/kg未満である、項目1~179のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
181.インターフェロン会合抗原結合タンパク質の分布容積Vssが50~98mL/kgの範囲である、項目180の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
182.インターフェロン会合抗原結合タンパク質を、それを必要とする対象に、インターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするRNA若しくはDNA配列、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするベクター若しくはベクター系を用いた遺伝子送達の手段によって投与することを含む、項目1~181のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
183.インターフェロン会合抗原結合タンパク質が医薬組成物中に含まれる、項目1~182のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
184.前記医薬組成物が経口投与、非経口投与、若しくは局所投与、又は吸入による投与のために好適である、項目183の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
185.前記医薬組成物が経口投与のために好適である、項目184の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
186.前記医薬組成物が局所投与のために好適である、項目184の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
187.前記医薬組成物が吸入による投与のために好適である、項目184の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
188.前記医薬組成物が非経口投与のために好適である、項目184の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
189.前記医薬組成物が静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与又は膣投与のために好適である、項目188の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
190.前記医薬組成物が注射、好ましくは静脈内注射又は動脈内注射又は点滴のために好適である、項目189の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
191.前記医薬組成物が少なくとも1種類の緩衝剤を含む、項目183~190のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
192.前記緩衝剤が酢酸塩、ギ酸塩又はクエン酸塩である、項目191の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
193.前記緩衝剤が酢酸塩である、項目192の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
194.前記緩衝剤がギ酸塩である、項目192の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
195.前記緩衝剤がクエン酸塩である、項目192の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
196.前記医薬組成物が界面活性剤を含む、項目183~195のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
197.前記界面活性剤がプルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール及びチロキサパルからなるリストから選択される、項目196の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
198.前記界面活性剤がポリソルベートである、項目197の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
199.前記界面活性剤がポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80又はポリソルベート100である、項目198の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
200.前記界面活性剤がポリソルベート20である、項目199の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
201.前記界面活性剤がポリソルベート80である、項目199の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
202.前記医薬組成物が分解防止剤を含み、場合により、前記分解防止剤はアルブミンである、項目183~201のいずれか一項の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
Figure 2023505169000039
Figure 2023505169000040
Figure 2023505169000041
Figure 2023505169000042
Figure 2023505169000043

Claims (15)

  1. B型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療における使用のための、
    (I)アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、及び
    (II)インターフェロン(IFN)又はその機能的フラグメント
    を含む、インターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  2. 前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、
    (a)配列番号56と少なくとも90%同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と少なくとも90%同一であるCDRH2、及び配列番号58と少なくとも90%同一であるCDRH3を含む重鎖又そのフラグメント;並びに
    (b)配列番号52と少なくとも90%同一であるCDRL1、配列番号53と少なくとも90%同一であるCDRL2、及び配列番号54と少なくとも90%同一であるCDRL3を含む軽鎖又はそのフラグメント
    を含む、請求項1の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  3. 前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、
    (a)配列番号56と同一である相補性決定領域(CDR)CDRH1、配列番号57と同一であるCDRH2、及び配列番号58と同一であるCDRH3を含む重鎖又はそのフラグメント;並びに
    (b)配列番号52と同一であるCDRL1、配列番号53と同一であるCDRL2、及び配列番号54と同一であるCDRL3を含む、軽鎖又はそのフラグメント
    を含む、
    請求項1の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  4. 前記アゴニスト抗CD40抗体、又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、配列番号51に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖可変領域VL;及び/又は配列番号55に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖可変領域VHを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  5. 前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントが、配列番号3に示されるような配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖(LC);並びに/又は配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号49及び配列番号48からなる群から選択される配列、若しくはそれと少なくとも90%同一の配列を含む重鎖(HC)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  6. 前記IFN又はその機能的フラグメントがI型IFN、II型IFN及びIII型IFN、又はその機能的フラグメントからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  7. 前記I型IFN又はその機能的フラグメントがIFNα又はIFNβ、又はその機能的フラグメントである、請求項6に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  8. 前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNα2a、又はその機能的フラグメントであり、好ましくは、前記IFNα2aは、配列番号17に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  9. 前記IFN又はその機能的フラグメントがIFNβ又はその機能的フラグメントであり、好ましくは、前記IFNβは、配列番号14に示されるような配列、又はそれと少なくとも90%同一の配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  10. 前記IFN又はその機能的フラグメントがアゴニスト抗CD40抗体の軽鎖又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントに、好ましくは、C末端に融合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  11. 前記IFN又はその機能的フラグメントがアゴニスト抗CD40抗体の重鎖又はそのアゴニスト抗原結合フラグメント、好ましくは、C末端に融合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  12. 前記アゴニスト抗CD40抗体又はそのアゴニスト抗原結合フラグメントとIFN又はその機能的フラグメントがリンカーを介して互いに融合され、好ましくは、前記リンカーは、配列番号20、配列番号21、配列番号24、配列番号25又は配列番号26に示されるような配列を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  13. 表9、特に、表9A又は表9B、より詳しくは、表9Aに開示される配列の組合せのうち1つを含むインターフェロン融合アゴニスト抗CD40抗体又はそのインターフェロン融合アゴニスト抗原結合フラグメントである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  14. 前記使用がインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするRNA若しくはDNA配列、又はインターフェロン会合抗原結合タンパク質をコードするベクター若しくはベクター系を用いた遺伝子送達の手段によって、それを必要とする対象にインターフェロン会合抗原結合タンパク質を投与することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
  15. インターフェロン会合抗原結合タンパク質が医薬組成物中に含まれる、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のためのインターフェロン会合抗原結合タンパク質。
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