JP2023503868A - インターロイキン15融合タンパク質およびプロドラッグ、ならびにそれらの組成物および方法 - Google Patents

インターロイキン15融合タンパク質およびプロドラッグ、ならびにそれらの組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、様々な疾患および障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療する際に有用である、インターロイキン15の新規融合タンパク質およびプロドラッグ、ならびにその組成物および調製方法を提供する。【選択図】なし

Description

優先権主張および関連出願
本出願は、2020年12月5日に出願された米国仮出願シリアル番号第62/944,203号の利益を主張し、その全体の内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
発明の技術分野
本発明は、一般的に、新規融合タンパク質およびその治療的使用に関する。より具体的には、本発明は、様々な疾患および障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療する際に有用である、インターロイキン15(IL15またはIL-15)の新規融合タンパク質およびプロドラッグ、ならびにその組成物および調製方法を提供する。
発明の背景
ほとんどの腫瘍免疫療法は、免疫抑制性シグナルを遮断すること、または免疫刺激経路を活性化することに焦点を合わせている。しかし、治療に関連する重度の臓器毒性を誘発すること、および腫瘍を標的として外した送達に起因する乏しい腫瘍制御を含むいくつかの問題が残っており、臨床的利益を妨げている。T細胞およびNK細胞を拡大させることができる1つの多面的サイトカインであるインターロイキン2(IL2)は、転移性黒色腫および腎細胞癌に対する最初のFDA承認免疫療法薬の1つであった(Rosenberg,et al.2014 J Immunol 192(12):5451-5458)。しかし、免疫阻害性調節性T細胞(Treg)の活性化、および血管内皮の活性化から生じる時折の重度の(sever)毒性に起因して、IL2は、臨床で広範に使用されてきたわけではなかった(Kolitz,et al.2014 Cancer 120(7):1010-1017;Sim,et al.2014 J Clin Invest 124(1):99-110)。
IL15受容体(IL15R)は、造血系のスーパーファミリーに属する。ヘテロ三量体IL15Rは、α、β(CD122)サブユニットおよびγ(CD132、共通γ鎖、γc)サブユニットを含む。βサブユニット(IL15Rβ)はIL2受容体と共有されている。ヒトIL15RαはI型膜貫通タンパク質に属する。IL2RαとIL15Rαの両方は、保存性のsushiドメインが含まれている。IL15は、T細胞およびNK細胞の増殖を促進するなど、IL2と同様のいくつかの機能を果たす(Thomas et al.2006 J of Immunology 177:6072-6080)。
14-15kDaの糖タンパク質であるインターロイキン15(IL15)は、1994年に最初に発見された可溶性サイトカインである(Grabstein et al.1994 Science 264:965-8)。IL2と同様に、IL15は、4ヘリックスバンドルサイトカインのファミリーに属する。ヒトIL15遺伝子は、第4染色体領域q25-35にマッピングされた。成熟したIL15は112アミノ酸からなり、3つのN-グリコシル化部位を含む。IL15の発現は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターフェロン、およびToll様受容体(TLR)のアゴニストなどのサイトカインによって刺激される(Marek et al.2011 Cytokine & Growth Factor Reviews 22:99-108)。TNFα、IL1、IL6、GM-CSF、および炎症誘発性サイトカインを含む、サイトカインカスケードの誘導、一部の腫瘍細胞の増殖、生存、および転移の促進、自己免疫T細胞の活性化および自己免疫疾患の関与、冠状動脈性心臓病の誘発、ならびに阻害性分子PD1/PDL1の発現の誘導などの、さまざまな副作用がIL15療法に関連する。
IL-15:IL15RαSu/Fc可溶性複合体およびIL-15-IL15Rα-Fc融合タンパク質を含む、研究中または開発中のいくつかの型のIL15が存在している。これらのタンパク質のほとんどの研究は、末梢NKおよびCD8T細胞の拡大を活性指標として同定し、転移腫瘍または血液癌において優先的にテストされた。(Jakobisiak,et al.2011 Cytokine Growth Factor Rev 22(2):99-108)。
しかし、末梢NK細胞およびIFN-γの拡大は全身毒性に寄与し、腫瘍治療の間に、IL-15の投与用量は注意深く制限されるべきであるという懸念を提起する(Guo,et al.2015 J Immunol 195(5):2353-2364)。これらの懸念は、末梢NK細胞の拡大を回避しながら、腫瘍内で局所的にNKまたはT細胞を特異的に活性化する新しいIL15アプローチを開発する必要性を浮き彫りにする。
最近の研究は、腫瘍微小環境内のIL-15が最適な抗腫瘍応答にとって極めて重要であることを示した。IL-15は、腫瘍組織内の炎症性環境の構成要素であり、正常な数のCD8T細胞およびNK細胞を確立するために必要とされていた。結腸直腸腫瘍内でのIL15の喪失は、T細胞増殖の減少、腫瘍再発の増加、および患者の生存率の減少と相関していた(Curran,et al.2013 J Exp Med 210(4):743-755;Mlecnik,et al.2014 Sci Transl Med 6(228):228ra237;Santana Carrero,et al.2019 Proc Natl Acad Sci U S A 116(2):599-608)。しかし、おそらくIL-15の効率的な腫瘍標的化送達法の欠如に起因して、外因性IL-15の投与は固形腫瘍治療には効果的ではない。現在までに、ほとんどの研究は、IL-15の半減期を延長すること、または受容体との親和性を増加させることに焦点を合わせている。
例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍に対して現在利用可能な治療および方法は不十分である。
副作用が低減されたそのような疾患および状態に対する新規で改善された有効性に対する緊急かつ継続的な必要性が依然として存在する。
発明の要約
本発明は、新規融合タンパク質の驚くべき発見およびその治療的使用に部分的に基づいている。IL15の新規融合タンパク質およびそのプロドラッグ、その組成物および調製方法は、様々な疾患および障害、例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍を治療する際に有用であることが本明細書に開示される。
本発明の一態様の重要な特徴は、循環中の活性をブロックする際における、MMP切断可能リンカーを介してスーパーIL15(IL15-Rα)に連結された、IL15受容体βの細胞外ドメイン全体(27aa-240aa)とは対照的な、IL15受容体βのより短いドメインの利用である。Rbは、MMP酵素の上昇により腫瘍組織内部で切断され、腫瘍微小環境内部でのsIL15の遮断および再活性化の除去を生じる。このアプローチは、毒性プロファイルを増加させることなく、改善された抗腫瘍活性をもたらした。本明細書に開示されるように、IL15受容体βの様々な短い形態、例えば、27aa-125aa(または27aa-128aa)に対応するドメイン1(D1)が、切断可能なフレキシブルリンカーを介した様々な放出および活性化メカニズムとともに研究された。
一態様では、本発明は、一般的に、ホモ二量体複合体であり、ならびに、インタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、活性型IL15である第2の構造単位、抗体Fcフラグメントである、融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、短い切断可能なリンカー(L2)または長い切断可能なリンカー(L2L)を介して第1、第2、または第3の構造単位に連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、および異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメント、を含む、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)に関する。
別の態様では、本発明は、一般的に、ホモ二量体複合体であり、ならびに、ジスルフィド結合を介して結合された第1のフラグメント(フラグメント番号1)および第2のフラグメント(フラグメント番号2)を含む、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(B)に関する。フラグメント番号1は、インタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、および軽鎖の定常領域(CL)である第5の構造単位を含む。フラグメント番号2は、活性型IL15である第2の構造単位、抗体Fcフラグメントである、融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、短い切断可能なリンカー(L2)または長い切断可能なリンカー(L2L)と連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、重鎖の定常領域(CH)である第6の構造単位、および異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメントを含む。2つのフラグメント番号1と2つのフラグメント番号2が一緒に結合して、CHとCLの間および2つのFcの間のジスルフィド結合を介して複合体を形成する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される融合タンパク質を含む、ホモ二量体プロタンパク質または融合タンパク質複合体に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体を含むプロドラッグに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、実質的に精製された融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグをコードするポリヌクレオチドに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含む発現ベクターに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または状態を治療するための方法に関する。この方法は、治療有効量の本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグ、または医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み、上記疾患または状態は、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍から選択される。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療または軽減するための、本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体またはそのプロドラッグの使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血悪性腫瘍)を治療または軽減するための、本明細書に開示される融合タンパク質またはそのフラグメントなどのタンパク質をコードするポリヌクレオチドの使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療または軽減するための医薬の調製における、本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグをコードするポリヌクレオチドを含む細胞株に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、細胞株を培養する工程を含む、タンパク質を製造するための方法に関する。特定の実施形態において、この方法は、本明細書に開示される、融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体などの産生されたタンパク質、またはそのプロドラッグを精製または単離する工程をさらに含む。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、タンパク質を製造するための方法に関する。この方法は、本明細書に開示される融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグをコードする発現ベクターを提供する工程、上記発現ベクターを宿主細胞に導入する工程、タンパク質を発現するのに十分な条件下で、培地中で上記宿主細胞を培養する工程、および上記宿主細胞または培地からタンパク質を精製する工程を含む。
IL15-RA-Fcの全身送達後の不十分な腫瘍制御および重度の毒性。(a)示されたタンパク質の活性は、CTLL2増殖アッセイによって検出された。(b)Balb/cマウス(n=5)に3×10個のA20細胞を接種した。腫瘍が確立した後(約40mm)、マウスを0.2μmolのsIL15-FcまたはsIL15-hisで静脈内注射によって8日目と11日目に処置した。(c)、(d)C57BL/6マウスに5×10個のMC38細胞を接種した。腫瘍が確立した後(約40mm)、マウスを0.8μmolのsIL-15-Fc(n=16)で静脈内注射によって8日目と11日目に処置した。体重(c)およびマウスの生存(d)をモニターした。 (e)-(g)MC38担癌マウス(n=5)を0.8μmolのsIL-15-Fcで8日目と11日目に腹腔内注射によって処置した。NK細胞の枯渇については、マウスに、8日目と11日目に20μLの抗アシアロGM1抗体を腹腔内注射した。最初の抗アシアロGM1処置後5日目に、末梢血中の示された細胞サブセットの数をFACSでカウントした(e)。マウスの体重変化(f)と生存(g)をモニターした 腫瘍条件付きプロIL-15の操作。(a)MC38担癌マウス(n=4-5)に、0.2μmolのsIL-15-Fcを11日目と14日目に腫瘍内または静脈内注射によって処置した。(b)プロIL-15タンパク質の概略図。 (c)、(d)プロIL-15を事前に活性化したMMP14とともにインビトロで37℃にて12時間インキュベートした。タンパク質の切断はSDS-PAGEの減少によって同定され(c)、プロIL-15の放出活性はCTLL2増殖アッセイによって検出された(d)。e MC38担癌マウスは、0.25μmolのプロ-IL-15(Rβ)またはプロ-IL-15(RβD1)をそれぞれ11、14、および18日目に腹腔内注射することにより処置された。 プロ-IL-15は、末梢NK拡大を媒介する毒性を回避する。(a)、(b)MC38担癌マウスに、8日目と11日目に静脈内注射によりPBS(n=6)、0.8μmolのsIL-15(n=12)、またはプロIL-15(n=6)で処置した。マウスの体重変化(a)および生存(b)をモニターした。(c)、(d)MC38担癌マウスはaおよびbと同様に処置された。末梢血清中のALT(c)およびAST(d)のレベルは、最初のIL-15治療後1日目および4日目に定量化された。 (e)、(f)MC38担癌マウスは、腫瘍接種後8日目と11日目に0.5μmolのsIL-15-Fcまたはプロ-IL-15で処置された。最初の処置から24時間後に採血した。血清中のサイトカインレベルは、サイトメトリービーズアレイによって測定された(e)。末梢血中のリンパ球の拡大は、最初の治療後5日目にFACSによってテストされた(f)。 プロ-IL-15D1は抗腫瘍活性を維持した。(a)プロ-IL-15(D1)タンパク質はCy5.5-マレイミドと結合体化された。25μgのCy5.5標識プロ-IL-15タンパク質をMC38担癌マウスに注射した。腫瘍内に蓄積するタンパク質は、IVISスペクトルインビボイメージングシステムによって追跡された。(b)MC38担癌マウスは0.2μmolのプロ-IL-15を静脈内注射された。4日後、マウスを屠殺し、腫瘍、肺、脾臓および肝臓組織を収集し、均質化した。遠心分離後、組織ホモジネートおよび血液の上清を免疫沈降およびウエスタンブロッティングのために使用して、sIL-15およびプロ-IL-15を検出した。 (c)MC38担癌マウス(n=5)を0.2μmolのsIL-15-Fcまたはプロ-IL-15で8日目と11日目に静脈内注射によって処置した。(d)A20担癌マウス(n=6)を、8日目と11日目において腹腔内注射によって0.2μmolのsIL-15-Fcまたはプロ-IL-15で処置した。 プロ-IL-15D1は、腫瘍制御のために既存のCD8T細胞を活性化および拡大する。(a)、(b)MC38担癌マウスは、8、11および14日目に0.2μmolのプロ-IL-15を腹腔内注射によって処置した。細胞枯渇のために、マウスは、8、12、および16日目に400μgの抗NK1.1 Ab(n=6)(a)または200μgの抗CD8 Ab(n=5)を腹腔内注射した。腫瘍増殖曲線を週2回モニターした。(c)MC38担癌マウス(n=5)を、8、11、および14日目に0.2μmolのプロ-IL-15で腹腔内注射によって処置した。2日後、腫瘍組織を採取した。腫瘍内のT細胞の量はフローサイトメトリーによって評価した。(d)MC38担癌マウス(n=5)を、13、16、および19日目に腹腔内注射によって0.2μmolのプロ-IL-15で処置した。LNから腫瘍に移動するT細胞をブロックするために、13日目にマウスに25μgのFTY720を注射し、実験中は1日おきに次の20μgのFTY720を投与した。腫瘍体積は週に2回測定された。 (e)MC38担癌マウス(n=6)に0.2μmolのプロ-IL-15を10、14、および18日目に腹腔内注射によって処置した。IFN-γブロッキングのために、10、14、18、および22日目に、マウスに、500μgの抗IFN-γAb(クローンR4-6A2)を腹腔内注射した。(f)、(g)MC38-OVA担癌マウスは、それぞれ12日目と15日目に、腫瘍内注射によって、0.1μmolのsIL-15-FcまたはプロIL-15で処置した。2日後、腫瘍組織を採取し、CD8T細胞中のTCF-1Tim(e)およびPD-1Tim3(f)細胞を、フローサイトメトリーで決定した。 プロ-IL-15D1は、進行した腫瘍を制御するためにチェックポイント遮断および相乗効果を発揮した。(a)、(b)sIL-15処置は、腫瘍内のMDSC浸潤およびPDL1発現を増加させた。MC38担癌マウスを8日目と11日目に0.2μmolのsIL-15-Fcで処理した。最初の処理から3日後、腫瘍組織を収集し、単細胞懸濁液を調製した。MDSC浸潤およびPD-L1発現はフローサイトメトリーによって分析した。(c)、(d)MC38担癌マウス(n=5-6)は12日目と16日目に0.3μmolのプロ-IL-15および/または150μgの抗-PD-L1 Abで腹腔内処理した。腫瘍体積を週に2回測定し、s(c)におけるように記録した。マウスの生存は(d)におけるように記録した。 (c)、(d)MC38担癌マウス(n=5-6)は12日目と16日目に0.3μmolのプロ-IL-15および/または150μgの抗-PD-L1 Abで腹腔内処理した。腫瘍体積を週に2回測定し、s(c)におけるように記録した。マウスの生存は(d)におけるように記録した。(e)ナイーブマウスまたは(c)の併用療法後に完全な腫瘍退縮を示したマウス(n=7)を1.5×10MC38細胞で再チャレンジした。腫瘍の成長は週に2回モニターした。 IL-15およびCD8+T細胞レベルは、ヒトの癌患者のより良好な生存と正の相関がある。(a)TCGAデータは、原発性または転移性皮膚黒色腫(skin cutaneous melanma)内のIL-15およびCD8T細胞レベルの相関を分析する。 (b)、(c)原発性または転移性皮膚皮膚黒色腫患者における腫瘍内のCD8T細胞(b)またはIL-15(c)レベルと、生存との相関をTIMERによって分析した。 sIL-15-Fcは、IL-15-Fcよりも良好な抗腫瘍効果を示す。(a)示されたタンパク質の活性は、CTLL-2増殖アッセイによって検出された。(b)A20担癌マウス(n=6)に、8日目および11日目に、静脈内注射によって0.2μmolのsIL-15-FcまたはIL-15-Fcで処置した。 NKの増加は、sIL-15-Fc治療によって誘発されるインビボ毒性に寄与するが、CD8またはCD4T細胞は寄与しない。(a)MC38担癌C57BL/6マウスに、8日目および11日目に静脈内注射に0.2μmolのsIL-15-Fcで処置した。最初の治療の5日後の末梢血中のリンパ球拡大は、FACSによって決定された。 (b)から(d)MC38担癌C57BL/6マウスを、8日目および11日目に腹腔内注射によって0.8μmolのsIL-15-Fcで処置した。細胞枯渇については、マウスは、8日目と11日目に、200μgの抗CD8 Ab(b)、抗CD4 Ab(c)、または400μgの抗NK1.1 Ab(d)を腹腔内注射した。マウスの生存をモニターした。 腫瘍条件付きプロIL-15の操作。(a)、(b)A20担癌マウスは、10日目と13日目に、腫瘍内注射および静脈内注射によって、0.2μmolのsIL-15-Fcで処置した。(b)、(c)3μgのプロ-IL15を、200ngのプレ活性化MMP-14とともに37℃で共培養した。3時間後、タンパク質の切断を還元SDS-PAGEにより確認し(b)、プロ-IL-15の放出活性をCTLL2増殖アッセイによって検出した(c)。 プロIL-15は限られたインビボ毒性を誘発した。(a)、(b)MC38担癌マウスを、8日目と11日目に、静脈内注射によって0.8μmolまたは1.5μmolのsIL-15またはプロ-IL-15で処置した。マウスの体重(a)と生存(b)をモニターした。 (c)MC38担癌マウスを図3aのように処置した。最初の処置の4日後、マウスを屠殺し、HE染色のために肝臓組織を収集した。(d)C57BL/6マウスに、30μgのsIL-15-Fc(0.3μmol)および30μgのプロ-IL-15(0.2μmol)を静脈内注射した。異なる時点での血清中のタンパク質濃度をELISAによって測定した。 プロ-IL-15-FcD1は、末梢脾細胞との結合が少ない。脾細胞を指定のタンパク質(hIgG、sIL-15-Fc、プロ-IL-15-Fc)とともに4℃にて20分間インキュベートし、2回の洗浄後、B細胞、T細胞、NK細胞、NKT細胞を染色するために抗体を追加した。異なる細胞サブセットとのタンパク質の結合は、二次抗体ヤギ-抗hIgG-PEによって検出された。 プロ-IL-15-FcD1は、末梢脾細胞との結合が少ない。脾細胞を指定のタンパク質(hIgG、sIL-15-Fc、プロ-IL-15-Fc)とともに4℃にて20分間インキュベートし、2回の洗浄後、B細胞、T細胞、NK細胞、NKT細胞を染色するために抗体を追加した。異なる細胞サブセットとのタンパク質の結合は、二次抗体ヤギ-抗hIgG-PEによって検出された。 CD4T細胞は、プロ-IL-15が媒介する抗腫瘍活性のために必須ではない。(a)MC38担癌マウスを、8、12、および16日目に腹腔内によって0.2μmolのプロ-IL-15で処置した。T細胞枯渇のために、200μgの抗CD8Abおよび200μgの抗CD4Abを同じ日に腹腔内注射した。(b)MC38担癌マウスを、8、12、および16日目に腹腔内によって0.2μmolのプロ-IL-15で処置し、および/または200μgの抗CD4Abを同じ日に腹腔内注射した。 ヒトプロ-sIL15A&Bの2つのホモ二量体(モデル)構造の概略図である。 プロ-sIL15融合タンパク質を構築する際に使用されるmRbD(1+2)およびmRbD1およびhRbD1のアミノ酸配列である。 RbD1-sIL15-Fcは、Rb-sIL15-Fcよりも良好な抗腫瘍効果を示す。受容体ベータは2つのドメインを有する。D1はブロッキングを減らするが、効力を高める。C57BL/6Jマウスに2×10個のMC38細胞を接種した。腫瘍が確立した後(10日間)、マウスを、11、14、および18日目に腹腔内注射によって0.25μmolのRb-sIL15-mFc(MMP4M)またはRbD1-sIL15-mFc(MMP4M)でそれぞれ処置した。RbD1とはIL15受容体BのD1を意味する。 プロ-IL15(RbD1)は、IL-15-Fcよりも末梢血リンパ球の増殖が少ないことを示す。C57BL/6マウスに5×10MC38細胞を接種した。腫瘍が確立した後(約40mm)、マウスを、8日目と11日目に、静脈内注射によってWTまたはRBD1-IL15-Fcを含む0.2μmolのsIL15でそれぞれ処置した。FACSによってD13(処置後のD5)の血液中のリンパ球拡大をテストする。 プロ-sIL15-Fc融合タンパク質を構築するために使用される異なる長さのhRbは、sIL15活性の異なるブロッキング効果を示した。精製したタンパク質を非還元条件または還元条件のいずれかでSurePageSDSゲル(Genescript)で分析し、サンプルを95℃で5-10分間加熱してから、ゲルウェルにロードした。HEKblue-IL15アッセイ:アッセイ培地:[DMEM-10%FBS(加熱)-P/S+HEPES)]中の60μLの1×10HEKblue-IL2細胞を96ウェルプレートに播種し、5%CO、37℃インキュベーター中にて一晩培養した。翌日、プロ-sIL15-Fc(1102、1172、1188、1103)およびアッセイ培地中対照1100の段階的な(serious)1:4希釈を行う。60μLの希釈サンプルと対照溶液をHEKblue-IL2細胞シードプレートに加え、5%CO、37℃インキュベーター中にて一晩培養する。翌日、各ウェルから25μLの培養上清を採取し、80μLのQuantiblue基質(Invivogen)を加え、37℃で20分-1時間インキュベートする。ELISAプレートリーダーを介して650nmでプレートを読み取る。 ホモ二量体プロ-sIL15プロドラッグBおよび対照融合タンパク質の分析。(A)、ホモ二量体プロ-sIL15B(1118/19)および対照(1085/89&1199)の概略図。(B)、精製された対照およびプロ-sIL15プロドラッグ(5.1)+/-mmp14消化のSDS-PAGE分析、部分的なRbが切断されたことを示す。C、精製された対照のIL15活性およびプロ-sIL15+/-mmp14消化をHEKblue-IL2細胞で評価した。Rb=(27aa-240aa)。 (表1)異なる長さのRbを使用するhプロ-sIL15融合タンパク質の生成および特徴付け。インサートDNAは、PCRおよびGibson Assembly法を介して発現ベクターにクローニングされ、配列決定分析によって検証された。組換えプラスミドを、PEIを介して無血清培地中で3-5日間培養した293F細胞にトランスフェクトした。培養上清中の組換えタンパク質を回収し、プロテインAアフィニティーカラムを介して精製した。融合タンパク質における異なる長さのhRbによるsIL15活性のブロッキング効果を、HEKblue-IL2細胞(Invivogen)でテストし、ブロッキング係数を計算した=(プロ-sIL15-FcのEC50)/(1100対照のEC50)(15Ra-Fc-または+/-は、発現がないかほとんどないことを意味する。) (表2)より良好な切断をインビトロで達成した2つのMMP14切断可能部位を有する長い切断可能リンカー(L2L)の例のリスト。これは、他の組み合わせや順序付けを除外することはない。Rは還元ゲル状態であり、Nは非還元ゲル状態である。
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。以下の用語は、それらの用語が見出される文脈に従って別段の指示がない限り、以下の意味を有することを意図する。
本明細書で商品名が使用される場合、その商品名は、文脈によって別段の指示がない限り、その商品名製品の商品処方、ジェネリック医薬品、および医薬品有効成分を含む。
本明細書に提供される範囲は、範囲内のすべての値についての省略表現であると理解される。例えば、1から50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群からの任意の数、数の組み合わせ、または下位の範囲を含むと理解される。
本明細書で使用される場合、「少なくとも」特定の値とは、その値およびその値より大きいすべての値であると理解される。
本明細書で使用される場合、「1より多い」とは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50、100など、またはそれらの間の任意の値として理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形の言及を含む。
具体的に述べられていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用されるような、「約」という用語は、当技術分野における通常の許容範囲内、例えば平均の2標準偏差内であると理解される。約は、言及された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内であると理解できる。文脈から明らかでない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、約という用語によって修飾することができる。
具体的に述べられていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用されるように、「または」という用語は包括的であると理解される。
「含む」という用語は、組成物および方法を定義するために使用される場合、組成物および方法が列挙された要素を含むが、他の要素を除外しないことを意味することを意図する。「から本質的になる」という用語は、組成物および方法を定義するために使用される場合、組成物および方法が列挙された要素を含み、組成物および方法にとって本質的に重要な他の要素を除外することを意味するものとする。例えば、「から本質的になる」とは、明示的に列挙された薬理学的に活性な薬剤の投与を指し、明示的に記載されていない薬理学的に活性な薬剤を除外する。から本質的になるという用語は、薬理学的に不活性または不活発な薬剤、例えば、薬学的に許容可能な賦形剤、担体または希釈剤を除外しない。「からなる」という用語は、組成および方法を定義するために使用される場合、他の成分の微量の要素および実質的な方法工程を除外することを意味するものとする。これらの移行語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
本明細書で使用される場合、「アゴニスト」という用語は、受容体と組み合わせて、細胞応答を生成することができる化合物を指す。アゴニストは、受容体に直接結合するリガンドであり得る。あるいは、アゴニストは、例えば、(a)受容体に直接結合する別の分子と複合体を形成することによって、または(b)さもなくば、他の化合物が受容体に直接結合するように、別の化合物の修飾をもたらすことによって、間接的に受容体と結合し得る。
本明細書で使用される場合、「アンタゴニスト」という用語は、アゴニストと競合する化合物、または受容体への結合についての逆アゴニストであって、それによって、受容体に対するアゴニストまたは逆アゴニストの作用を遮断するものを指す。しかし、アンタゴニストは構成的受容体活性に影響を与えない。
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、エピトープまたは抗原決定基に結合することができる分子を指す。この用語は、抗体全体およびその抗原結合フラグメントを含むことを意味する。この用語は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、Fab、Fv、単鎖抗体、および単鎖または多免疫グロブリン可変鎖またはCDRドメインの設計、ならびに二重特異性および多重特異性抗体を包含する。抗体は、あらゆる動物由来のものである可能性がある。好ましくは、抗体は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマなど、または他の適切な動物の抗体である。抗体は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原を認識し得る。この用語は、例えば、免疫グロブリンの抗原結合フラグメント、重鎖の可変および/または定常領域、軽鎖の可変および/または定常領域、相補性決定領域(cdr)およびフレームワーク領域を含む活性フラグメントを含む。この用語には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製物、ならびにハイブリッド抗体、改変抗体、キメラ抗体、ハイブリッド抗体分子、F(ab)およびF(ab)フラグメント、Fv分子(例えば、非共有ヘテロダイマー)、二量体および三量体抗体フラグメント構築物、ミニボディ、ヒト化抗体分子、およびそのような分子から得られた任意の機能的フラグメント、を含む調製物が含まれ、そのようなフラグメントは特異的結合を保持する。
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される「抗原」という用語は、免疫系にそれに対する抗体または特定の細胞性免疫応答を生成させる任意の物質を意味する。疾患関連抗原は、免疫系に抗体またはそれに対する特定の細胞媒介性応答を生成させるあらゆる疾患に関連するあらゆる物質である。抗原は、免疫系によって認識されることができ、および/または体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答を誘導して、Bリンパ球および/またはTリンパ球の活性化をもたらすことができる。抗原は、1つ以上のエピトープ(B細胞および/またはT細胞エピトープ)を有することができる。抗原は、好ましくは、典型的には高度に選択的な方法で、その対応する抗体またはTCRと反応し、他の抗原によって誘発され得る多数の他の抗体またはTCRとは反応しない。本明細書で使用される抗原はまた、いくつかの個々の抗原の混合物であり得る。
本明細書で使用される場合、「生物学的に活性な」実体、または「生物学的活性」を有する実体という用語は、天然に存在する分子の構造的、調節的、もしくは生化学的機能、または代謝もしくは生理学的プロセスに関連する任意の機能を有するものである。生物学的に活性なポリペプチドまたはそのフラグメントは、生物学的プロセスまたは反応に関与することができ、および/または所望の効果を生み出すことができるものを含む。生物学的活性は、改善された所望の活性、または減少した望ましくない活性を含むことができる。例えば、実体が別の分子との分子相互作用に関与する場合、病状を緩和する際に実体が治療的価値を有する場合、免疫応答を誘発する際に実体が予防的価値を有する場合、または生物学的活性を示する分子の存在を決定する際に実体が診断的および/もしくは予後的価値を有する場合に、実体は生物学的活性を実証する。生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドは、天然に存在するものであり得、または既知の成分から、例えば、組換えまたは化学合成によって合成することができ、異種成分を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「癌」および「癌性」という用語は、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的状態を指すかまたはそれを説明する。癌の例には、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫、および白血病が含まれるが、これらに限定されない。そのような癌のより具体的な例には、扁平上皮癌、肺癌、膵臓癌、子宮頸癌、膀胱癌、肝臓癌、乳癌、結腸癌、および頭頸部癌が含まれる。
本明細書で使用される場合、「細胞」という用語は、任意の原核生物、真核生物、一次細胞または不死化細胞株、組織または器官などのこのような細胞の任意の群を指す。好ましくは、細胞は哺乳動物(例えば、ヒト)起源であり、1つ以上の病原体に感染され得る。
本明細書で使用される場合、「同時投与する」という用語は、同時に血液中に2つの薬剤が存在することを指す。2つの薬剤は、同時にまたは連続して投与することができる。
本明細書で使用される場合、「同時発現される」という用語は、2つのポリペプチドが、宿主細胞中または宿主細胞培養培地のいずれかで相互作用または結合して、複合体を形成できるように、2つの別個のポリペプチドが宿主細胞中で同時に発現されることを意味することを意図する。
本明細書で使用される場合、「疾患」または「障害」という用語は、病的状態、例えば、健康状態または正常状態から逸脱するものとして症状または他の識別因子によって識別され得るものを指す。「疾患」という用語には、障害、症候群、状態、および傷害が含まれる。疾患には、増殖性、炎症性、免疫性、代謝性、感染性、および虚血性の疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、活性剤の「有効量」という用語は、所望の生物学的応答を誘発するために十分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療される疾患、投与の様式、および患者などの要因に応じて変化し得る。
本明細書で使用される場合、「核酸分子の発現」という用語は、核酸分子に含まれる情報の遺伝子産物への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造的RNA、または任意の他のタイプのRNA)の直接転写産物、またはmRNAの翻訳によって産生されるペプチドもしくはポリペプチドであり得る。遺伝子産物にはまた、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集などのプロセスによって修飾されたRNA、および、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチル化、およびグリコシル化によって修飾されたタンパク質も含まれる。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、任意の組換えベクターまたは単離されたポリヌクレオチドのレシピエントであり得るか、またはレシピエントであった個々の細胞または細胞培養物を指す。宿主細胞は、原核生物、真核生物、哺乳動物、鳥類、昆虫、植物または細菌の細胞を含む、任意の起源のトランスフェクト、形質転換、形質導入または感染された細胞であり得、またはそれは、本明細書に記載の核酸を増殖するために使用され得る任意の起源の細胞であり得る。宿主細胞には単一の宿主細胞の子孫が含まれ、天然の、偶発的な、または意図的な変異および/または変化に起因して、子孫は必ずしも元の親細胞と完全に同一でなくてもよい(形態または全DNA相補性において)。宿主細胞は、本発明の組換えベクターまたはポリヌクレオチドを用いてインビボまたはインビトロでトランスフェクトまたは感染された細胞を含む。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は、「組換え宿主細胞」と呼ばれ得る。
宿主細胞には、哺乳動物、植物、昆虫、真菌および細菌の細胞が含まれるが、これらに限定されない。細菌細胞には、Bacillus、StreptomycesおよびStaphylococcusの種などのグラム陽性菌の細胞、ならびにEscherichiaおよびPseudomonasの細胞などのグラム陰性菌の細胞が含まれるが、これらに限定されない。真菌細胞には、好ましくは、Saccharomyces、Pichia pastorisおよびHansenula polymorphaなどの酵母細胞が含まれる。昆虫細胞には、ショウジョウバエ(Drosophila)の細胞およびSf9細胞が含まれるが、これらに限定されない。植物細胞には、とりわけ、穀物、薬用または観賞用植物または球根などの作物植物からの細胞が含まれる。本発明に適した哺乳動物細胞には、上皮細胞株(ブタなど)、骨肉腫細胞株(ヒトなど)、神経芽細胞腫細胞株(ヒトなど)、上皮癌(ヒトなど)、グリア細胞(マウスなど)、肝細胞株(サルなど)。CHO細胞(Chinese Hamster Ovary)、COS細胞、BHK細胞、HeLa細胞、911、AT1080、A549、293またはPER.C6、ヒトECC NTERA-2細胞、mESC系統のD3細胞、HS293およびBGV01、SHEF1、SHEF2およびHS181、セルNIH3T3、293T、REHおよびMCF-7、およびhMSCs細胞などのヒト胚性幹細胞などが含まれる、
本明細書で使用される場合、「Fc」という用語は、単量体または多量体の形態であるかどうかにかかわらず、抗体全体の非抗原結合フラグメントの配列を含む分子または配列を指す。ネイティブ(天然)Fcの元の免疫グロブリン源は、好ましくはヒト起源であり、そして任意の免疫グロブリン(例えば、IgG1、IgG2)であり得る。ネイティブFcは、共有結合(すなわち、ジスルフィド結合)および非共有結合によって二量体または多量体の形に連結される可能性のある単量体ポリペプチドで構成される。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(IgG、IgA、IgEなど)またはサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2など)に応じて1-4の範囲である。
本明細書で使用される場合、「Fcドメイン」または「Fc領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖の「フラグメント結晶化可能」領域を指すことを意味する。一般的に、Fcドメインは第2のFcドメインと相互作用して二量体複合体を形成することができる。Fcドメインは、Fc受容体と呼ばれる細胞表面受容体および/もしくは補体系のタンパク質に結合することができるか、またはこれらの結合活性を低減または増強するように改変され得る。Fcドメインは、IgG、IgA、IgD、IgM、またはIgE抗体アイソタイプに由来し得、オプソニン作用、細胞溶解、マスト細胞、好塩基球、好酸球の脱顆粒、およびその他のFc受容体依存性プロセスを含む免疫活性、補体経路の活性化、およびインビボでのタンパク質の安定性に影響を及ぼし得る。
「Fcドメイン」は、本明細書で定義されるようなネイティブFcおよびFcバリアント分子および配列を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様に、「Fcドメイン」という用語には、抗体全体から消化されたか、または組換え遺伝子発現もしくは他の手段によって生成されたかにかかわらず、単量体または多量体の形態の分子が含まれる。
Fc融合タンパク質は、IgGのFc領域を、様々なサイトカインおよび可溶性受容体などの別のタンパク質のドメインと合わせることが報告されている(例えば、Capon et al.1989 Nature 337:525-531;Chamow et al.1996 Trends Biotechnol.14:52-60;米国特許第5,116,964号および同第5,541,087号)。
Fc融合物の使用は当技術分野で知られている(例えば、米国特許第7,754,855号;同第5,480,981号;同第5,808,029号;国際出願公開第WO7/23614号;同第WO98/28427号およびそこに引用されている参考文献)。Fc融合タンパク質は、バリアントFc分子を含み得る(例えば、米国特許第7,732,570号に記載されるようなもの)。Fc融合タンパク質は、血漿に可溶であるか、または特異的Fc受容体を有する細胞の細胞表面に結合することができる。
本明細書で使用される場合、「Fcバリアント」という用語は、ネイティブFcから修飾されているが、なおさらにサルベージ受容体FcRnの結合部位を含む分子または配列を指す。国際出願公開第WO97/34631号(1997年9月25日公開)および同WO96/32478号は、例示的なFcバリアント、ならびにサルベージ受容体との相互作用を記載しており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。したがって、「Fcバリアント」という用語は、非ヒトネイティブFcからヒト化された分子または配列を含む。さらに、ネイティブなFcは、それらが本発明の融合分子に必要とされない構造的特徴または生物学的活性を提供するために除去され得る部位を含む。したがって、特定の実施形態では、「Fcバリアント」という用語は、(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との非互換性、(3)選択された宿主細胞での発現時のN末端の不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または(7)抗体依存性細胞傷害性(ADCC)に影響を与えるかまたはこれらに関与する1つ以上のネイティブFc部位または残基を欠く分子または配列を含む。Fcバリアントについては、以下でさらに詳しく説明する。
本明細書で使用される場合、「融合タンパク質」という用語は、組換え、化学的または他の適切な方法によって共有結合された(すなわち、「融合された」)異なるまたは異種タンパク質からの2つ以上の領域を含むポリペプチドを指す。必要に応じて、融合分子は、ペプチドまたは他のリンカーセグメントまたは配列を通して1つまたはいくつかの部位で融合させることができる。例えば、1つ以上のペプチドリンカーを使用して、融合タンパク質の構築を支援することができる。
本明細書で使用される場合、「GC含量」という用語は、デオキシグアノシン(G)および/またはデオキシシチジン(C)デオキシリボヌクレオシド残基、またはグアノシン(G)および/またはシチジン(C)リボヌクレオシド残基から構成される核酸配列のパーセンテージを指す。
本明細書で使用される場合、「高用量」という用語は、ヒトの疾患および状態の治療のための特定の化合物の投与量の、推奨される最高水準よりも、少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%、またはさらには300%)多いことを意味する。
本明細書で使用される場合、「免疫応答」という用語は、別個の接着および/または活性化の工程を含む多因子プロセスを介して、免疫細胞が刺激され、および/または、血液からリンパ組織および非リンパ組織に動員されるプロセスを指す。活性化条件は、サイトカイン、増殖因子、ケモカインおよび他の因子の放出を引き起こし、免疫細胞上の接着および他の活性化分子の発現をアップレギュレートし、組織を介した走化性と同時に接着、形態学的変化、および/または溢出を促進し、細胞増殖および細胞毒性活性を増加させ、抗原提示を刺激し、そして記憶細胞タイプの生成を含む他の表現型の変化を提供する。免疫応答はまた、他の免疫細胞の炎症性または細胞毒性活性を抑制または調節する免疫細胞の活性を指すことも意味する。免疫応答とは、インビボまたはインビトロでの免疫細胞の活動を指す。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における「同一である」または「同一性」パーセントという用語は、下記のデフォルトパラメータを用いて、BLASTまたはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを使用して、または手動のアラインメント(位置合わせ)および目視検査によって測定されるような、同一であるか、または同じである特定のパーセンテージのアミノ酸残基またはヌクレオチド(すなわち、比較ウィンドウまたは指定された領域(例えば、IL15またはIL15Rα配列の領域)にわたって比較され、最大の一致が得られるように整列された場合に、約70%の同一性、好ましくは75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはより高い同一性)を有する2つ以上の配列またはサブ配列を指す。その場合、そのような配列は「実質的に同一」であると言われる。この定義はまた、テスト配列の相補物(compliment)も指し、またはそれに適用することもできる。この定義には、欠失および/または追加を有する配列、ならびに置換を有する配列もまた含まれる。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを構成することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25、50、75、100、150、200アミノ酸またはヌクレオチドの長さの領域にわたって存在し、しばしば225、250、300、350、400、450、500アミノ酸または核酸配列の長さまたは全長のアミノ酸またはヌクレオチドの領域にわたって存在する。
配列比較のために、典型的には、1つの配列は、テスト配列が比較される参照配列として機能する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、テスト配列および参照配列がコンピューターに入力され、必要に応じて、サブ配列座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。好ましくは、デフォルトのプログラムパラメータを使用することができ、または代替パラメータを指定することができる。次に、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて、参照配列に対するテスト配列の同一性配列パーセントを計算する。
同一性配列パーセントおよび配列類似性を決定することのために適しているアルゴリズムの好ましい例は、それぞれ、Altschul et al.1977 Nuc.Acids Res.25:3389-3402およびAltschul et al.1990 J.Mol.Biol.215:403-410に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLASTソフトウェアは、ncbi.nlm.nih.gov/においてワールドワイドウェブ上のthe National Center for Biotechnology Informationを通して公に利用可能である。デフォルトパラメータまたはその他のデフォルト以外のパラメータの両方を使用できる。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=-4、および両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、デフォルトとしてワード長3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4、および両方のストランドの比較を使用する。
本明細書で使用される場合、「阻害する」という用語は、任意の生物学的活性の測定可能な減少を指す。したがって、本明細書で使用される場合、「阻害する」または「阻害」は、正常レベルの活性のパーセンテージとして言及され得る。
本明細書で使用される場合、「インターロイキン15」または「IL15」という用語は、生物学的に活性なネイティブな哺乳動物IL15アミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するポリペプチドを指し、変異タンパク質(「ムテイン」)は、少なくとも1つの機能アッセイにおいて、ネイティブなIL15タンパク質と同様の機能(75%以上)を有することを意味する。機能的には、IL15は、T細胞およびナチュラルキラー細胞の活性化および増殖を調節するサイトカインである。
IL15およびIL2は、CD122、IL2β/IL15β受容体サブユニットへの結合を含む、多くの生物学的活性を共有する。CD8+記憶細胞の数は、このIL15とIL2の間のバランスによって制御される。IL15は、JAKキナーゼの活性化、ならびに転写活性化因子STAT3、STAT5、およびSTAT6のリン酸化および活性化を誘導する。IL15はまた、おそらくSTAT6の転写活性化活性を介して、アポトーシス阻害剤BCL2L1/BCL-x(L)の発現を増加させ、従ってアポトーシスを防ぐ。同じ成熟タンパク質をコードするIL15遺伝子の2つの選択的スプライシングされた転写バリアントが報告されている。
IL15ポリペプチドの例示された機能的アッセイは、T細胞の増殖(例えば、Montes et al.,2005 Clin Exp Immunol 142:292)、およびNK細胞、マクロファージ、および好中球の活性化を含む。特定の免疫細胞亜集団の単離、および増殖の検出のための方法(すなわち、H-チミジンの取り込み)は、当該技術分野において周知である。細胞が媒介する細胞傷害アッセイは、NK細胞、マクロファージ、および好中球の活性化を測定するために使用できる。同位体(51Cr)、色素(例えば、テトラゾリウム、ニュートラルレッド)または酵素の放出を含む細胞媒介性細胞傷害アッセイもまた、市販のキット(Oxford Biomedical Research,Oxford,M;Cambrex,Walkersville,Md.;Invitrogen,Carlsbad,Calif.)とともに、当該技術分野において周知である。IL15は、Fasが媒介するアポトーシスを阻害することもまた示される(例えば、Demirci et al.2004 Cell Mol Immunol 1:123)。例えば、TUNELアッセイおよびアネキシンVアッセイを含むアポトーシスアッセイは、市販のキット(R&D Systems,Minneapolis,Minn.)とともに、当該技術分野において周知である(例えば、Coliga et al.1991-2006 Current Methods in Immunology John Wiley&Sons.)。
本明細書で使用される場合、「インターロイキン15受容体アルファ」または「IL15Rα」という用語は、哺乳動物種由来のインターロイキン15受容体アルファアミノ酸配列を指す。当業者は、インターロイキン-15受容体アルファの核酸およびアミノ酸配列が遺伝子データベース、例えば、ncbi.nlm.nih.govにおいてワールドワイドウェブ上でthe National Center for Biotechnological Informationを通してGenBankで公に利用可能であることを理解する。例示されるネイティブな哺乳動物IL-15受容体アルファの核酸またはアミノ酸配列は、例えば、ヒト、霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、齧歯動物、ネズミ、ラット、ハムスター、モルモットなどに由来し得る。例示的なネイティブ哺乳動物IL-15核酸配列のアクセッション番号には、NM_172200.1(ヒトアイソフォーム2)、およびNM_002189.2(ヒトアイソフォーム1前駆体)が含まれる。例示的なネイティブ哺乳動物IL-15アミノ酸配列のアクセッション番号には、NP_751950.1(ヒトアイソフォーム2)およびNP_002180.1(ヒトアイソフォーム1前駆体)が含まれる。
本明細書で使用される場合、「インターロイキン15受容体アルファ」または「IL15Rα」はまた、少なくとも1つの機能アッセイにおいて、ネイティブIL15Rαタンパク質と同様の機能(75%以上)を有する、生物学的に活性なネイティブ哺乳動物IL15Rαアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するポリペプチドを指し得る。IL15Rαは、IL15に高い親和性で特異的に結合するサイトカイン受容体である。1つの機能的アッセイは、ネイティブIL15タンパク質への特異的結合である。
本明細書で使用される場合、「単離された」分子(ポリペプチドまたはポリヌクレオチドなど)という用語は、自然界においてより高濃度で存在するように操作されているか、またはそのネイティブな環境から除去されたものである。例えば、対象抗体は、自然界において結合している非対象抗体材料の少なくとも10%、または20%、または40%、または50%、または70%、または90%が取り除かれた場合に、単離され、精製され、実質的に単離され、または実質的に精製される。例えば、生きている動物において天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の共存物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されている。さらに、ベクターに含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されていると見なされる。単離されたRNA分子には、DNAおよびRNA分子のインビボまたはインビトロRNA複製産物が含まれる。単離された核酸分子には、合成的に生成された分子がさらに含まれる。さらに、組換え宿主細胞に含まれるベクター分子も単離されている。したがって、すべての「単離された」分子を「精製」する必要があるわけではない。
本明細書で使用される場合、「リンカー」または「連結セグメント」という用語は、2つの他の分子または基を接続する分子または基を指す。ペプチドリンカーは、接続された分子または基が機能的構成を獲得することを可能にし得る。リンカーペプチドは、好ましくは、少なくとも2つのアミノ酸、少なくとも3つのアミノ酸、少なくとも5つのアミノ酸、少なくとも10のアミノ酸、少なくとも15のアミノ酸、少なくとも20のアミノ酸、少なくとも30のアミノ酸、少なくとも40のアミノ酸、少なくとも50のアミノ酸、少なくとも60のアミノ酸、少なくとも70のアミノ酸、少なくとも80のアミノ酸、少なくとも90のアミノ酸、またはおよそ100のアミノ酸を含む。
サイトカインまたは他の生物活性分子および任意のペプチドリンカーなどの融合タンパク質の成分は、融合タンパク質が意図された機能を有するという条件で、ほぼ任意の様式で組織化することができる。特に、融合タンパク質の各成分は、所望される場合、少なくとも1つの適切なペプチドリンカーセグメントまたは配列によって別の成分から離間させることができる。さらに、融合タンパク質は、例えば、融合タンパク質の修飾、同定、および/または精製を容易にするためのタグを含み得る。より具体的な融合タンパク質は、以下に説明する実施例の中にある。
本明細書で使用される場合、「低用量」という用語は、任意のヒトの疾患または状態の治療のための所与の投与経路のために製剤化された特定の化合物の推奨される最低の標準の投与量よりも少なくとも5%少ない(例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、またはさらには95%少ない)ことを指す。例えば、吸入による投与のために製剤化された薬剤の低用量は、経口投与のために製剤化されたのと同じ薬剤の低用量とは異なる。
本明細書で使用される場合、「培地」または「培養基」という用語は、細菌宿主細胞、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞、植物宿主細胞、真核生物宿主細胞、哺乳動物宿主細胞、CHO細胞、原核生物宿主細胞、E.coli、またはPseudomonas宿主細胞、および細胞内容物を含む任意の宿主細胞を支持または含むことができる任意の培養培地、溶液、固体、半固体、または硬質の支持体を含む。したがって、この用語は、宿主細胞が増殖された培地、例えば、増殖工程の前または後のいずれかの培地を含む、ポリペプチドが分泌された培地を包含し得る。この用語はまた、ポリペプチドが細胞内で産生され、宿主細胞が溶解または破壊されてポリペプチドを放出する場合など、宿主細胞溶解物を含む緩衝液または試薬を包含し得る。
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、適切な対照と比較した場合の、測定された活性の増加または減少、刺激、阻害、干渉、または遮断の、直接的または間接的でのいずれかの生成を指す。ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの「調節因子(モジュレーター)」は、適切な対照と比較した場合に、例えば、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの測定された活性に影響を与える、例えば、増加させる、減少させる、刺激する、阻害する、妨害する、または遮断する物質を指す。例えば、「調節因子」は、測定可能な親和性で標的に結合および/またはこれを活性化または阻害するか、あるいは受容体活性の正常な調節に対して直接的または間接的に影響を及ぼし得る。
「作動可能に連結された」という用語は、第1および第2の核酸配列が単一の核酸配列に転写されるような、第1の核酸配列と第2の核酸配列との間の機能的連結を指す。作動可能に連結された核酸配列は、互いに物理的に隣接する必要はない。「作動可能に連結された」という用語はまた、核酸発現制御配列(プロモーター、または転写因子結合部位のアレイなど)と転写可能な核酸配列との間の機能的連結を指し、ここで、発現制御配列は、転写可能な配列に対応する核酸の転写を指示する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な」賦形剤、担体、または希釈剤という用語は、対象の医薬品を1つの器官または身体の一部から、別の器官または身体の一部まで運ぶことまたは輸送することに関与する、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの薬学的に許容可能な材料、組成物またはビヒクルを指す。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に対して害を及ぼさないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として役立つことができる材料のいくつかの例には、以下が含まれる:ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;コーンスターチやジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および薬学的製剤において利用される他の非毒性適合物質。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマーなどの湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料、香料、防腐剤、抗酸化剤もまた、組成物中に存在し得る。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸分子」、「ヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、および「核酸」という用語は、任意の長さのリボヌクレオチドならびにデオキシリボヌクレオチドを含む、ポリマー型のヌクレオチドを指すために本明細書で交換可能に使用される。それらは、二本鎖と一本鎖の両方、または三重らせん配列を含むことができ、ウイルス、原核生物、および真核生物の供給源からのcDNA;mRNA;ウイルス(例えば、DNAウイルスおよびレトロウイルス)または原核生物源からのゲノムDNA配列;RNAi;cRNA;アンチセンス分子;組換えポリヌクレオチド;リボザイム;および合成DNA配列を含むがこれらに限定されない。この用語はまた、DNAおよびRNAの既知の塩基アナログのいずれかを含む配列もとらえる。ヌクレオチドは、一般的に受け入れられている1文字のコードで言及することができる。
ポリヌクレオチドは、それらが自然界に現れるままでのポリヌクレオチドには限定されず、また、非天然のヌクレオチドアナログおよびヌクレオチド間結合が現れるポリヌクレオチドも含む。核酸分子は、修飾された核酸分子(例えば、修飾された塩基、糖、および/またはヌクレオチド間リンカー)を含み得る。このタイプの非天然構造の非限定的な例には、糖がリボースとは異なるポリヌクレオチド、ホスホジエステル結合3’-5’および2’-5’が現れるポリヌクレオチド、逆結合(3’-3’および5’-5’)が現れ、分岐した構造のポリヌクレオチドが含まれる。また、本発明のポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、メチルホスホネートのC1-C4アルキルホスホネート結合、ホスホルアミデート、C1-C6アルキルホスホトリエステル、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエートタイプなどの非天然ヌクレオチド間結合を含む。いずれの場合でも、本発明のポリヌクレオチドは、天然のポリヌクレオチドと同様のやり方で標的核酸とハイブリダイズする能力を維持する。
別段の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、特定の核酸配列はまた、その保存的に修飾されたバリアント(例えば、縮重コドン置換)および相補的配列、ならびに明示的に示された配列を含む。縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(またはすべての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって達成することができる(Batzer et al.1991 Nucleic Acid Res.19:5081;Ohtsuka et al.1985 J.Biol.Chem.260:2605-2608;Rossolini et al.1994 Mol.Cell.Probes 8:91-98。)。
本明細書で使用される場合、「予防する」、「予防すること」、または「予防」という用語は、疾患または状態の発症、発生率、重症度、または再発を防止し、遅延し、回避し、または停止するための方法を指す。例えば、方法は、疾患または状態に感受性のある対象において、その方法を受けていない対象と比較して、疾患または状態またはその1つ以上の症状の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延が存在する場合、予防であると見なされる。開示される方法はまた、その方法を受けた後に、疾患または状態に感受性のある対象において、治療を受ける前の対象の進行と比較して、疾患または状態の1つ以上の症状の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延が存在する場合、予防であると見なされる。骨粗鬆症の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、またはその間の任意の量の減少であり得る。
予防等は、対象が特定の疾患または障害をこれまでに受けていることを予防することを意味するものではない。予防には、複数回の投与が必要になる場合がある。予防には、すべての疾患症状が排除された対象における疾患の再発の予防、または再発-寛解型疾患における再発の予防が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、哺乳動物細胞においてRNAポリメラーゼに結合すること、およびそれに作動可能に連結された下流(3’方向)コード配列の転写を開始することが可能であるDNA調節領域を指す。プロモーター配列には、バックグラウンドを超えて検出可能なレベルで関心対象の遺伝子の転写を開始するために必要な最小限の数の塩基または要素が含まれる。プロモーター配列内には、転写開始部位、ならびにRNAポリメラーゼの結合の原因であるタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)があり得る。真核生物のプロモーターには、多くの場合、常にではないが、「TATA」ボックスおよび「CAT」ボックスが含まれる。プロモーターには、核酸分子に天然に隣接するものと、核酸分子に天然に隣接していないものが含まれる。さらに、「プロモーター」という用語は、誘導性プロモーター、cre-loxプロモーターなどの条件付き活性プロモーター、構成的プロモーター、および組織特異的プロモーターを含む。
本明細書で使用される場合、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために交換可能に使用され、最小の長さに限定されない。したがって、ペプチド、オリゴペプチド、二量体、多量体などがこの定義に含まれる。全長タンパク質とそのフラグメントの両方がこの定義に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などを含む。さらに、ポリペプチドは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、ネイティブな配列に対する欠失、付加、および置換(一般に本質的に保存的)などの修飾を含むタンパク質を指し得る。これらの修飾は、意図的なものである場合もあれば、偶発的なものである場合もある。アミノ酸は、本明細書では、それらの一般的に知られている3文字の記号、またはIUPAC-IUB生化学命名委員会(Biochemical Nomenclature Commission)によって推奨される1文字の記号のいずれかによって参照することができる。
本明細書で使用される場合、「精製された」という用語は、その天然に存在する環境、すなわち、ネイティブ細胞、または組換え生産されたタンパク質の場合、宿主細胞に見られるような、タンパク質に通常付随するかまたはタンパク質と相互作用する成分を実質的または本質的に含み得ないタンパク質を指す。細胞物質を実質的に含み得ないタンパク質には、汚染タンパク質が約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満(乾燥重量)であるタンパク質の調製物が含まれる。タンパク質またはそのバリアントが宿主細胞によって組換え的に産生される場合、そのタンパク質は、細胞の乾燥重量の約30%、約20%、約15%、約10%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%以下で存在し得る。タンパク質またはそのバリアントが宿主細胞によって組換え的に産生される場合、そのタンパク質は、細胞の乾燥重量の約5g/L、約4g/L、約3g/L、約2g/L、約1g/L、約750mg/L、約500mg/L、約250mg/L、約100mg/L、約50mg/L、約10mg/L、または約1mg/L、またはそれ以下で培養培地中に存在し得る。したがって、「実質的に精製された」タンパク質は、SDS/PAGE分析、RP-HPLC、SEC、およびキャピラリー電気泳動などの適切な方法によって決定されるような、少なくとも約80%の純度レベル、具体的には、少なくとも約85%の純度レベル、より具体的には、少なくとも約90%の純度レベル、少なくとも約95%のレベル、少なくとも約99%以上の純度レベル、またはそれ以上の純度を有し得る。
本発明のタンパク質およびプロドラッグは、それらの調製に続いて、好ましくは単離および/または精製されて、80重量%以上(「実質的に純粋」)の量を含む組成物が得られ、これが次には、本明細書に記載されるように、使用されるかまたは製剤化される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、95%を超える純度である。
本明細書で使用される場合、「受容体」という用語は、リガンドと呼ばれる別の分子と相互作用することができる糖タンパク質またはそのフラグメントを含むタンパク質を指す。リガンドは、任意のクラスの生化学的または化学的化合物に属していてもよい。リガンドは通常、細胞外分子であり、受容体に結合する際には、通常、シグナル伝達経路の開始などの細胞応答を開始する。受容体は必ずしも膜結合タンパク質である必要はない。
本明細書で使用される場合、核酸分子に関する「組換え」という用語は、その起源または操作のために、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成、および/または合成起源のポリヌクレオチドが、自然界では結合しているポリヌクレオチドの全部または一部と結合していないことを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して使用される「組換え」という用語は、組換えポリヌクレオチドの発現によって産生されるポリペプチドを意味する。宿主細胞に関して使用される「組換え」という用語は、組換えポリヌクレオチドが導入された宿主細胞を意味する。
本明細書で使用される場合、「サンプル」という用語は、ヒト、動物からのサンプル、または研究サンプル、例えば、細胞、組織、器官、流体、ガス、エアロゾル、スラリー、コロイド、または凝固物質までを指す。「サンプル」は、例えば、ヒトまたは動物から除去することなく、インビボで試験することができ、またはそれは、インビトロで試験することができる。サンプルは、例えば組織学的方法によって、処理後に試験することができる。「サンプル」はまた、例えば、流体または組織サンプルを含む細胞、または流体または組織サンプルから分離された細胞を指す。「サンプル」はまた、ヒトまたは動物から新たに採取された細胞、組織、器官、または体液、あるいは処理または保存された細胞、組織、器官、または体液を指す場合がある。
本明細書で使用される場合、「可溶性」という用語は、水性緩衝液、例えば細胞培地中で、低G力遠心分離(例えば、標準的な遠心分離機で毎分約30,000回転未満)下で容易に沈降しない融合分子、特に融合タンパク質を指す。融合分子は、約5-37℃を超える温度で、および低濃度の陰イオン性または非イオン性界面活性剤の存在下または非存在下で中性pHまたはその近傍で水溶液中にとどまる場合に可溶性である。これらの条件下では、可溶性タンパク質は、低い沈降値、例えば、約10-50スヴェドベリ単位未満を有する。
本明細書で参照される水溶液は、典型的には、pHを確立するための緩衝化合物を有し、典型的には、約5-9のpH範囲内であり、イオン強度範囲は、約2mM-500mMである。時折、プロテアーゼ阻害剤または軽度の非イオン性洗剤が加えられることもある。さらに、所望される場合、担体タンパク質が添加されてもよい(例えば、ウシ血清アルブミン)。例示的な水性緩衝液には、標準的なリン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、または他の周知の緩衝液および細胞培地製剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「可溶性IL15受容体アルファ」という用語は、受容体の膜貫通アンカー部分を欠き、したがって原形質膜に固定されることなく細胞から分泌され得るIL15受容体アルファの型を指す。
本明細書で使用される場合、「刺激する」または「刺激すること」という用語は、生理学的活性、例えば免疫応答を増加させること、増幅すること、増強すること、ブーストすることを指す。刺激はポジティブな変化になる可能性がある。例えば、増加は5%、10%、25%、50%、75%、さらには90-100%であり得る。他の例示的な増加には、2倍、5倍、10倍、20倍、40倍、さらには100倍が含まれる。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、本明細書では、生きている動物(ヒトまたは非ヒト)を指すために交換可能に使用される。対象は哺乳動物であり得る。「哺乳動物(mammal)」または「哺乳類(mammalian)」という用語は、分類学的分類哺乳類内の任意の動物を指す。哺乳動物は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、およびマウスであり得る。「対象」という用語は、疾患または状態に関して完全に正常であるか、またはすべての点で正常である個体を排除するものではない。
本明細書で使用される場合、「抑制する」または「抑制すること」という用語は、生理学的活性、例えば免疫応答を減少させる、弱める、減少させる、軽減する、または安定化することを指す。抑制は否定的な変化であり得る。例えば、減少は、5%、10%、25%、50%、75%、さらには90-100%であり得る。例示的な減少には、2倍、5倍、10倍、20倍、40倍、さらには100倍が含まれる。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、望ましくない副作用を最小限伴うか、または全く伴わずに、意図された治療効果を達成するために十分な単数または複数の治療剤の用量を指す。治療有効量は、例えば、最初に低用量の薬剤を投与すること、次に、望ましくない副作用が最小限伴うかまたは全く伴わずに、所望の治療効果が達成されるまで用量を漸増することによって、熟練した医師によって容易に決定することができる。
本明細書で使用される場合、「トランスフェクトされた」という用語は、リポフェクタミンなどの付随する促進剤の使用を伴ってまたは伴わずに、導入されたDNAまたはRNAを保有することを意味する。当該技術分野で知られているトランスフェクションのための方法には、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラントランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、およびリポフェクションが含まれる。
本明細書で使用される場合、疾患または障害の「治療(処置)」または「治療(処置)する」という用語は、そのような状態を、またはそのような疾患もしくは状態の1つ以上の症状を、それが発生する前または発生した後で、減少させ、遅延させ、または改善する方法を指す。治療は、疾患および/または根底にある病理の1つ以上の効果または徴候に向けられ得る。治療は任意の減少であり得、疾患または疾患の徴候の完全な除去であり得るがこれらに限定されない。同等の未処理の対照と比較して、そのような減少または予防の程度は、任意の標準的な方法によって測定されるように、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%である。
本明細書で使用される場合、「腫瘍」という用語は、任意の悪性または新生物細胞を指す。
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、遺伝物質を宿主細胞または生物に伝達することができる核酸分子を指す。ベクターは、DNAまたはRNAのいずれかで構成され得る。ベクターは、独自の複製起点、外来DNAの挿入のために使用できる制限エンドヌクレアーゼの1つ以上の固有の認識部位、および通常は抗生物質耐性をコードする遺伝子などの選択可能なマーカー、およびしばしば、挿入されたDNAの発現のための認識配列(例えば、プロモーター)を有する。一般的なベクターには、プラスミドベクターおよびファージベクターが含まれる。
本明細書に開示される任意の組成物または方法は、本明細書に提供される他の組成物および方法のいずれか1つ以上と組み合わせることができる。
発明の詳細な説明
本発明は、新規の融合タンパク質およびその治療的使用を提供する。より具体的には、本発明は、IL15およびそのプロドラッグの新規融合タンパク質、その組成物および調製方法を提供し、これらは、様々な疾患および障害、例えば、オフターゲット毒性および治療中の副作用が低減された、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍を治療する際に有用である。特に、例として、本発明は、細胞外IL15受容体β全体(27aa-240aa)とは対照的に、スーパーIL15(IL15-Rα)を遮断するためにIL15受容体βのより短いドメインを使用し、ここで、閉塞が除去され、sIL15活性は、腫瘍微小環境内で回復する。このアプローチは、毒性プロファイルを増加させることなく、改善された抗腫瘍活性をもたらした。本明細書に開示されるように、hIL15受容体βの様々な短い型を使用して、様々な異なる切断可能なフレキシブルリンカー(L2またはL2L)とともに、27aa-125aaに対応するドメイン1(D1)を含む、プロ-sIL15融合タンパク質を構築した。
プロ-sIL15融合タンパク質または融合タンパク質複合体の様々なフォーマットが本明細書に開示されている。例えば、本明細書に開示されるのは、腫瘍条件付き標的化および活性化としてのプロ-sIL15Aである。IL15RβD1の細胞外ドメインは、MMP-14切断可能なペプチドリンカーによって、IL15-IL15Rα-FcのN末端に融合される。この標的化されたプロ-sIL15は、NK細胞の腫瘍外増殖を克服し、全身毒性を引き起こし、腫瘍増殖を効率的に阻害することが見出された。プロ-sIL15の抗腫瘍効果は、CD8T細胞に依存する。プロ-IL15は、幹様(TCF1Tim-3)CD8T細胞を増加させ、末端表現型(PD1Tim3hi)を有するCD8T細胞の部分を減少させた。抗PD-L1治療との組み合わせにより、プロIL-15の治療効果が大幅に向上し、ほとんどの腫瘍を完全に取り除くことができる。
一態様では、本発明は、一般的に、ホモ二量体複合体であり、かつ以下を含む融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)であって、上記融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)は
インターロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、
活性型IL15である第2の構造単位、
抗体Fcフラグメントである、融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、
短い切断可能なリンカー(L2)または長い切断可能なリンカー(L2L)を介して第1、第2、または第3の構造単位に連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、および
異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲーションフラグメント、を含む、
融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)に関する。
別の態様において、本発明は、一般的に、ホモ二量体複合体であり、ならびに、第1のフラグメント(フラグメント番号1)および第2のフラグメント(フラグメント番号2)を含む、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(B)に関し、
上記第1のフラグメント(フラグメント番号1)は、
インタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、および
軽鎖の定常領域(CL)である第5の構造単位を含み、ならびに
上記第2のフラグメント(フラグメント番号2)は、
活性型IL15である第2の構造単位、
抗体Fcフラグメントである、上記融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、
短い切断可能なリンカー(L2)または長い切断可能なリンカー(L2L)のいずれかと連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、上記融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、
重鎖の定常領域(CH)である第6の構造単位、および
異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメントを含み、
ここで、2つのフラグメント番号1と2つのフラグメント番号2が一緒に結合して、CHとCLの間および2つのFcの間のジスルフィド結合を介して複合体を形成する、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(B)に関する。
特定の実施形態において、活性IL15は、ヒトIL15である。
特定の実施形態において、抗体Fcフラグメントは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するヒトFcフラグメントを含む。
融合タンパク質の特定の実施形態において、ヒトFcフラグメントは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する変異体ヒトIgG1-Fcを含む。
特定の実施形態において、第1の構造単位は、全体のインターロイキン15(IL15)受容体-αである。
特定の実施形態では、第1の構造単位は、インターロイキン15(IL15)受容体-αのサブユニットドメインである。
特定の実施形態において、第1の構造単位は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する、ヒトIL15Rのαサブユニットのsushiドメインである。
特定の実施形態において、第4の構造単位は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する、ヒトIL15Rbの全体の細胞外ドメイン(27aa-240aa)である。
特定の実施形態において、第4の構造単位は、IL15受容体βの細胞外27aa-240aaよりも短い長さを有するIL15受容体βのサブユニットドメインである。
特定の実施形態において、IL15受容体βのサブユニットドメインは、配列番号6-15に記載される、27aa-125aa、27aa-128aa、27aa-137aa、27-234aa、32aa-1378aa、32aa-234aa、32aa-240aa、83aa-214aa、83-234aa、または83-240aaによって表される短縮IL15受容体βから選択される。
特定の実施形態において、IL15受容体βのサブユニットドメインは、27-125aaによって表される短縮型IL15受容体βである。
特定の実施形態において、融合タンパク質または融合タンパク質複合体は、図14Aに示されるような構築物を有する。
特定の実施形態において、融合タンパク質または融合タンパク質複合体は、図14Bに示されるような構築物を有する。
特定の実施形態において、1つ以上の接続セグメントまたはライゲーションフラグメントのそれぞれは、切断可能なフレキシブルリンカー(L2またはL2L)または切断不可能フレキシブルリンカー(L1)から選択される。特定の実施形態において、短い切断可能なフレキシブルリンカー(L2)および長い切断可能なフレキシブルリンカー(L2L)は、腫瘍微小環境において特異的に発現されるタンパク質分解酵素によって認識および加水分解することができる。
本明細書で使用される場合、「短い切断可能なリンカー」またはリンカー「L2」という用語は、1つの切断可能な部位を有する約10から約20の範囲の長さを有する切断可能なリンカーを指す。短い切断可能なリンカーの非限定的な例は、配列番号17に記載されている。本明細書で使用される場合、「長い切断可能なリンカー」またはリンカー「L2L」という用語は、約20から約40の範囲の長さを有する切断可能なリンカーを指す。特定の実施形態において、長い切断可能なリンカー(L2L)は、2つの切断可能な部位を含む。非切断可能なリンカーの非限定的な例は、配列番号16に記載されている。長い切断可能なリンカーの非限定的な例は、配列番号18に記載されている。
特定の実施形態では、接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメントの1つは、プロテアーゼ感受性配列を伴うかまたは伴わない複数のGGGSであるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態において、1つ以上の接続セグメントまたはリンカーは、腫瘍微小環境において特異的に発現されるタンパク質分解酵素によって認識および加水分解されることが可能である。
特定の実施形態において、腫瘍微小環境において特異的に発現されるタンパク質分解酵素は、マトリックスメタロプロテイナーゼである。
特定の実施形態において、マトリックスメタロプロテイナーゼは、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP9)である。
特定の実施形態において、マトリックスメタロプロテイナーゼは、マトリックスメタロプロテイナーゼ14(MMP14)である。
特定の実施形態において、接続セグメントまたはリンカーは、配列番号8に示されるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態において、接続セグメントまたはリンカーは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態では、接続セグメントまたはリンカーは、配列番号10-23に示されるアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態において、接続セグメントまたはリンカーの加水分解は、IL15受容体βのサブユニットドメインを残りの融合タンパク質から分離する。
特定の実施形態では、第2の接続セグメントまたはリンカーは、腫瘍微小環境で特異的に発現されるタンパク質分解酵素によって認識および加水分解することが可能である。
特定の実施形態において、腫瘍微小環境において特異的に発現されるタンパク質分解酵素は、マトリックスメタロプロテイナーゼである。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される融合タンパク質を含むホモ二量体タンパク質または融合タンパク質複合体に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体を含むプロドラッグに関する。
特定の実施形態において、ホモ二量体タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグは、腫瘍微小環境において特異的に発現されるタンパク質分解酵素によって加水分解される。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、実質的に精製された融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグをコードするポリヌクレオチドに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含む発現ベクターに関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または状態を治療するための方法に関する。この方法は、治療有効量の融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグ、または本明細書に開示される医薬組成物を必要とする患者に投与することを含み、疾患または状態は、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍から選択される。
特定の実施形態において、治療される疾患または状態は、過形成である。
特定の実施形態において、治療される疾患または状態は、固形腫瘍である。
特定の実施形態において、治療される疾患または状態は、造血器悪性腫瘍である。
特定の実施形態において、治療される対象は、化学療法、放射線療法、標的療法、免疫療法またはホルモン療法のうちの1つ以上をさらに施される。
特定の実施形態では、この方法は、1つ以上の化学療法を対象に施す工程を含む。
特定の実施形態では、この方法は、対象に放射線療法を施す工程を含む。
特定の実施形態では、この方法は、対象に標的療法を施す工程を含む。
特定の実施形態では、この方法は、対象に免疫療法を施す工程を含む。
特定の実施形態では、この方法は、対象にホルモン療法を施す工程を含む。
本明細書で使用される場合、「化学療法剤」という用語は、癌の治療において有用である化合物を指す。化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スーテント(SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(エロキサチン(登録商標)、Sanofi)、5-FU(5-フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、Lonafarnib(SCH 66336)、ソラフェニブ(BAY43-9006、Bayer Labs)、ゲフェチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メチュレドーパ、およびウレドパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成アナログトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログ、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムヌスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマルおよびカリケアマイシンオメガル(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183-186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連するクロモプロテインエンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(アドリアマイシン)(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソニビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアムニプリン、チオグアニンなどのプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジンアナログ;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストトラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグルコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシンおよびアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、およびアンギジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(’Ara-C’);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(タキソール)(登録商標)(パクリタキセル;Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(アブラキサン)(登録商標)(クレモフォアフリー)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,111.)、およびTAXOTERE(タキソテール)(登録商標)(ドセタキセル;Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France);クロラムブシル GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金アナログ;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(ナベルビン)(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(ゼローダ)(登録商標));イバンドロン酸;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸および誘導体が含まれる。
第2の(またはさらなる)薬剤または療法の例には、免疫療法(例えば、PD-1阻害剤(ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セツキシマブ)、PD-L1阻害剤(アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ))、CTLA4拮抗薬、細胞シグナル伝達阻害剤(例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ボリノスタット、ラパチニブ、テムシロリムス、ニロチニブ、エベロリムス、パゾパニブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、ペガプタニブ、パニツムマブなど)、有糸***阻害剤(例えば、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチンなど)、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル(chromabucil)、カルムスチンなど)、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、5-FUなど)、挿入抗癌剤(例えば、アクチノマイシン、アントラシクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン-Cなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、テニポシドなど)、免疫療法剤(例えば、インターロイキン、インターフェロンなど)および抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェンなど)が含まれ得るが、これらに限定されない。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療または軽減するための、本明細書に開示される融合タンパク質または融合タンパク質複合体またはそのプロドラッグの使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療または軽減するための、本明細書に開示される融合タンパク質またはそのフラグメントなどのタンパク質をコードするポリヌクレオチドの使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、疾患または障害(例えば、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍)を治療または軽減するための薬剤の調製における、本明細書に開示される融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
特定の実施形態において、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグを用いて治療され得る疾患または障害には、頭頸部癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、メラノーマ、肺癌、腎癌、肝臓癌、肛門癌、肉腫、リンパ腫、白血病、脳腫瘍、胃癌、精巣癌、膵臓癌、および甲状腺癌から選択される1つ以上が含まれる。例示的な疾患または障害には、例示的な疾患または障害には、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、B細胞リンパ腫、膀胱尿路上皮癌、乳管癌、***小葉癌、食道癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、頸部癌、胆管癌、慢性骨髄性白血病、結腸直腸腺癌、結腸直腸癌(CRC)、食道癌腫、胃腺癌、多形性神経膠芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、ホジキンリンパ腫/原発性縦隔B細胞リンパ腫、肝細胞癌(HCC)、腎臓色素嫌性癌、腎臓明細胞癌、腎臓乳頭細胞癌、低悪性度神経膠腫、肺腺癌、肺扁平上皮癌、黒色腫(MEL)、中皮腫、非扁平上皮NSCLC、卵巣漿液性腺癌、膵管腺癌、傍神経節腫および褐色細胞腫、前立腺腺癌、腎細胞癌(RCC)、肉腫、皮膚皮膚黒色腫(skin cutaneous melanoma)、頭頸部の扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、胸腺腫、甲状腺乳頭癌、子宮癌肉腫、子宮体部類内膜癌およびブドウ膜黒色腫が含まれる。
特定の実施形態において、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグで治療され得る疾患または障害は、B細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグで治療され得る疾患または障害は、結腸直腸癌(B colorectal cancer)である。
本発明の方法および使用は、免疫チェックポイント阻害、T細胞の同時シグナル伝達、および腫瘍標的化抗体療法のうちの1つ以上と組み合わせて使用される、本明細書に開示される薬剤との併用療法であり得る。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグをコードするポリヌクレオチドを含む細胞株に関する。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、細胞株を培養する工程を含む、タンパク質を作製するための方法に関する。特定の実施形態において、この方法は、融合タンパク質または融合タンパク質複合体などの産生されたタンパク質、または本明細書に開示されるそのプロドラッグを精製または単離する工程をさらに含む。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、タンパク質を作製するための方法に関する。この方法は、融合タンパク質または融合タンパク質複合体、または本明細書に開示されるそれらのプロドラッグをコードする発現ベクターを提供する工程、上記発現ベクターを宿主細胞に導入する国定、タンパク質を発現するために十分な条件下にて培地中で宿主細胞を培養する工程、および宿主細胞または培地からタンパク質を精製する工程を含む。
特定の実施形態では、この方法は、融合タンパク質またはプロドラッグをコードするコード遺伝子を含む発現ベクターを構築する工程、一過性トランスフェクションによる発現ベクターを含む宿主細胞を構築する工程、宿主細胞を培養する工程、細胞上清を収集する工程、プロテインA/Gのアフィニティークロマトグラフィーによって融合タンパク質またはプロドラッグを精製する工程を含む。
任意の適切な発現ベクターを使用することができる。
任意の適切な宿主細胞、例えば、293F細胞およびCHO細胞を使用することができる。
発現ベクターの導入は、任意の適切なトランスフェクション法によって達成することができ、一過性トランスフェクションまたは安定な細胞株を介することができる。
任意の適切な精製方法を使用することができる。例示的な精製方法は、プロテインA/Gのアフィニティークロマトグラフィーまたはサイズ排除法によるものである。
さらに別の態様では、本発明は、一般的に、本明細書に開示される方法によって産生される単離されたタンパク質に関する。
特定の実施形態において、単離されたタンパク質は、実質的に純粋である。
本明細書に開示されるように、リンカー配列を使用して、生物学的に活性なポリペプチドの2つ以上のポリペプチドを連結して、所望の機能的活性を有する一本鎖分子を生成することができる。
任意の適切なリンカーを採用することができる。例示的なペプチドリンカー配列には、約7から28アミノ酸の範囲、例えば、約8から16アミノ酸の範囲を有するものが含まれる。リンカー配列は、生物学的に活性なポリペプチドまたはエフェクター分子を単一の望ましくないコンフォメーションで保持しないように、好ましくは柔軟性がある。リンカー配列は、例えば、融合分子から認識部位を離間させるために使用することができる。具体的には、ペプチドリンカー配列は、分子の柔軟性を提供するように配置することができる。リンカーは、好ましくは、柔軟性を提供するために、グリシン、アラニン、およびセリンなどの小さな側鎖を有するアミノ酸を主に含む。
一般的に、本発明の融合タンパク質複合体の調製は、本明細書に開示される手順によって、および例えば、ポリメラーゼ連鎖増幅反応(PCR)、プラスミドDNAの調製、制限酵素を伴うDNAの切断、オリゴヌクレオチドの調製、DNAのライゲーション、mRNAの単離、適切な細胞へのDNAの導入、宿主の形質転換またはトランスフェクション、宿主の培養を含む認識された組換えDNA技術によって達成され得る。さらに、融合分子は、カオトロピック剤ならびによく知られている電気泳動、遠心分離、およびクロマトグラフィー法を使用して単離および精製することができる(これらの方法に関する開示のためには、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual第2版(1989);およびAusubel,et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,New York(1989))。
本発明はさらに、本発明の融合タンパク質をコードする核酸配列およびDNA配列を提供する。DNA配列は、ファージ、ウイルス、プラスミド、ファージミド、コスミド、YAC、またはエピソームなどの染色体外複製に適したベクターによって運ばれ得る。例えば、所望の融合タンパク質をコードするDNAベクターを使用して、本明細書に記載の調製方法を容易にし、そしてかなりの量の融合タンパク質またはその成分を得ることができる。DNA配列は、適切な発現ベクター、すなわち、挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳のために必要な要素を含むベクターに挿入することができる。タンパク質コード配列を発現させるために、様々な宿主-ベクターシステムを利用することができる。これらには、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなど)に感染した哺乳動物細胞系、ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系、酵母ベクターを含む酵母、またはバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、もしくはコスミドDNAで形質転換された細菌などの微生物が含まれ得る。利用される宿主-ベクターシステムに応じて、多数の適切な転写および翻訳要素のいずれか1つを使用することができる(これらの方法に関する開示のためには、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual第2版(1989);およびAusubel,et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,New York(1989))。
DNAベクターによってコードされる融合タンパク質成分は、カセットフォーマットで提供することができる。「カセット」という用語は、標準的な組換え法によって各成分を別の成分と容易に置き換えることができることを意味する。特に、カセット形式で構成されたDNAベクターは、コード化された融合複合体が、血清型を発達させる能力を有する可能性があるかまたはその能力を有する病原体に対して使用される場合に特に望ましい。
融合タンパク質複合体をコードするベクターを作製するために、生物学的に活性なポリペプチドをコードする配列は、適切なリガーゼの使用により、エフェクターペプチドをコードする配列に連結される。提示ペプチドをコードするDNAは、適切な細胞株などの天然源から、または既知の合成方法、例えば、DNAを単離することによって得ることができる。提示ペプチドをコードするDNAは、適切な細胞株などの天然源から、または既知の合成方法、例えば、リン酸トリエステル法によって、DNAを単離することによって得ることができる(Oligonucleotide Synthesis,IRL Press,M.J.Gait編,1984)。合成オリゴヌクレオチドはまた、市販の自動オリゴヌクレオチドシンセサイザーを使用して調製することもできる。一旦単離されると、生物学的に活性なポリペプチドをコードする遺伝子は、PCRまたは当該技術分野で知られている他の手段によって増幅することができる。生物学的に活性なポリペプチド遺伝子を増幅するための適切なPCRプライマーは、PCR産物に制限部位を追加し得る。PCR産物は、好ましくは、生物学的に活性なポリペプチド-エフェクター融合複合体の適切な発現および分泌のために必要なエフェクターペプチドおよびリーダー配列のためのスプライス部位を含む。PCR産物はまた、好ましくは、リンカー配列をコードする配列、またはそのような配列のライゲーションのための制限酵素部位を含む。
本明細書に記載の融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術によって産生され得る。例えば、生物学的に活性なポリペプチドをコードするDNA分子が一旦単離されると、配列は、エフェクターポリペプチドをコードする別のDNA分子に連結され得る。生物学的に活性なポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、エフェクターペプチドをコードするDNA配列に直接結合され得るか、またはより典型的には、本明細書で論じられるようなリンカー配列をコードするDNA配列が、適切なリガーゼを使用して、生物学的に活性なポリペプチドをコードする配列とエフェクターペプチドをコードする配列の間に挿入され、結合され得る。得られるハイブリッドDNA分子を適切な宿主細胞で発現させて、融合タンパク質複合体を生成することができる。DNA分子は、ライゲーション後、コードされたポリペプチドの翻訳フレームが変更されないように、5’から3’の方向で互いにライゲーションされる(すなわち、DNA分子はインフレームで互いにライゲーションされる)。得られたDNA分子は、インフレーム融合タンパク質をコードする。
他のヌクレオチド配列もまた、遺伝子構築物に含まれ得る。例えば、エフェクターペプチドに融合した生物学的に活性なポリペプチドをコードする配列の発現を制御するプロモーター配列、または融合タンパク質を細胞表面または培地に方向付けるリーダー配列は、構築物に含められることができ、または、構築物が挿入される発現ベクターに存在することができる。
バリアントの生物学的に活性なポリペプチド、IL15、IL15RまたはFcドメインコード配列を得る際に、当業者は、ポリペプチドが特定のアミノ酸の置換、付加、欠失、および翻訳後修飾によって、生物学的活性の喪失または低下を伴うことなく、修飾され得ることを認識する。特に、保存的アミノ酸置換、すなわち、あるアミノ酸を同様のサイズ、電荷、極性、および立体配座の別のアミノ酸に置換しても、タンパク質の機能が大幅に変化する可能性は低いことはよく知られている。タンパク質の構成要素である20の標準アミノ酸は、次のように保存性アミノ酸の4つのグループに大まかに分類でき、非極性(疎水性)グループには、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、バリンが含まれ、極性(非荷電、中性)基には、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、セリン、スレオニン、およびチロシンが含まれ、正に帯電した(塩基性)基には、アルギニン、ヒスチジン、およびリジンが含まれ、そして負に帯電した(酸性)基には、アスパラギン酸とグルタミン酸が含まれる。タンパク質における同じグループ内のあるアミノ酸での別のアミノ酸の置換は、タンパク質の生物学的活性に悪影響を与える可能性は低い。他の例では、タンパク質の生物学的活性を低減または増強するために、アミノ酸位置への修飾を行うことができる。このような変化は、ランダムに、または、標的残基の既知もしくは推定の構造的もしくは機能的特性に基づいた部位特異的変異を介して導入することができる。バリアントタンパク質の発現に続いて、修飾による生物活性の変化は、結合アッセイまたは機能アッセイを使用して容易に評価することができる。
ヌクレオチド配列間の相同性は、DNAハイブリダイゼーション分析によって決定することができ、ここで、二本鎖DNAハイブリッドの安定性は、存在する塩基対形成の程度に依存する。高温および/または低塩含有量の条件は、ハイブリッドの安定性を減少させ、選択された程度未満の相同性を有する配列のアニーリングを防ぐために変えることができる。例えば、G-C含有量が約55%の配列の場合、40-50℃、6×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム緩衝液)および0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は約60-70%の相同性を示し、50-65℃、1×SSCおよび0.1%SDSのハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は約82-97%の相同性を示し、そして52℃、0.1×SSCおよび0.1%SDSのハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は約99-100%の相同性を示す。ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を比較すること(そして相同性の程度を測定すること)ための広範なコンピュータープログラムも利用できる。容易に利用可能な配列比較および複数配列アラインメントアルゴリズムは、それぞれ、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)プログラムおよびClustalWプログラムである。
本発明のタンパク質融合複合体を発現させるために、多数の戦略を採用することができる。例えば、上記の融合タンパク質構築物は、構築物の挿入とそれに続くライゲーションのために制限酵素の使用によってベクターに切り込みを入れるなどの既知の手段によって、適切なベクターに組み込むことができる。次に、遺伝子構築物を含むベクターを、融合タンパク質の発現のために適切な宿主に導入する(これらの方法に関する開示のためには、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual第2版(1989))。
適切なベクターの選択は、クローニングプロトコルに関連する要因に基づいて経験的に行うことができる。例えば、ベクターは、利用されている宿主と適合可能であり、かつ利用されている宿主のために適切なレプリコンを有するべきである。さらに、ベクターは、発現される融合タンパク質複合体をコードするDNA配列を収容できなければならない。
適切な宿主細胞には、真核細胞および原核細胞、好ましくは、容易に形質転換され、培地中で急速な増殖を示すことができる細胞が含まれる。具体的には、好ましい宿主細胞には、E.coli、Bacillus subtillusなどのような原核生物、ならびに動物細胞および酵母株、例えば、S.cerevisiaeなどの真核生物が含まれる。哺乳動物細胞、特にJ558、NSO、SP2-OまたはCHOが一般的に好ましい。他の適切な宿主には、例えば、Sf9などの昆虫細胞が含まれる。従来の培養条件が利用される。前出のSambrookを参照のこと。次に、安定した形質転換またはトランスフェクトされた細胞株を選択することができる。本発明の融合タンパク質複合体を発現する細胞は、既知の手順によって決定することができる。例えば、免疫グロブリンに連結されたタンパク質複合体の発現は、連結された免疫グロブリンに特異的なELISAによって、および/またはイムノブロッティングによって決定することができる。IL15またはIL15Rドメインに連結された生物学的に活性なポリペプチドを含む融合タンパク質の発現を検出するための他の方法が、実施例に開示されている。
宿主細胞は、所望の融合タンパク質またはその構成要素をコードする核酸を増殖させるための調製目的のために使用することができる。宿主細胞は、融合タンパク質の産生が特に意図される原核細胞または真核細胞を含むことができる。したがって、宿主細胞は、具体的には、融合物をコードする核酸を増殖させることができる、酵母、ハエ、ワーム、植物、カエル、哺乳動物の細胞および器官を含む。使用できる哺乳動物細胞株の非限定的な例には、CHO dhfr細胞(Urlaub and Chasm,1980 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216)、293細胞(Grahamら、1977 J.Gen。Virol。、36:59())またはSP2やNSOのような骨髄腫細胞(Galfre and Milstein,1981 Meth.Enzymol.,73(B):3)が含まれる。
所望の融合タンパク質複合体をコードする核酸を増殖させることができる宿主細胞には、昆虫(例えば、Sp.frugiperda)、酵母(例えば、S.cerevisiae、S.pombe、P.pastoris、K.lactis、H.polymorpha;Fleer、R.,1992 Current Opinion in Biotechnology,3(5):486496によって一般的に概説されている)、真菌および植物細胞を含む非哺乳動物真核細胞も同様に包含される。E.coliおよびBacillusなどの特定の原核生物もまた意図されている。
所望の融合タンパク質をコードする核酸は、細胞をトランスフェクトするための標準的な技術によって宿主細胞に導入することができる。「トランスフェトすること」または「トランスフェクション」という用語は、リン酸カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、ウイルス形質導入および/または組み込みを含む、宿主細胞に核酸を導入するためのすべての従来の技術を包含することを意図する。
本発明によれば、様々なプロモーター(転写開始調節領域)を使用することができる。適切なプロモーターの選択は、提案された発現宿主に依存する。異種供給源からのプロモーターは、選択した宿主において機能的である限り使用できる。
プロモーターの選択はまた、ペプチドまたはタンパク質産生の所望の効率およびレベルに依存する。E.coliにおけるタンパク質発現レベルを劇的に高めるために、tacなどの誘導性プロモーターがよく利用される。タンパク質の過剰発現は、宿主細胞に有害である可能性がある。その結果、宿主細胞の増殖が制限される可能性がある。誘導性プロモーターシステムの使用は、遺伝子発現の誘導前に宿主細胞を許容可能な密度まで培養することを可能にし、それによって、より高い生成物収量を容易にする。
本発明によれば、様々なシグナル配列を使用することができる。生物学的に活性なポリペプチドコード配列に相同であるシグナル配列を使用することができる。あるいは、発現宿主における効率的な分泌およびプロセシングのために選択または設計されたシグナル配列を使用することもできる。シグナル配列は、シグナルペプチダーゼ切断部位をコードする配列を介してタンパク質コード配列に直接結合するか、または短いヌクレオチドブリッジを介して結合することができる。
発現構築物は、既知の組換えDNA技術を利用することによって組み立てることができる。制限酵素消化およびライゲーションは、DNAの2つの断片を結合するために使用される基本的な工程である。選択されたフラグメントの結合を容易にするために、ポリリンカーおよびアダプターを使用することができる。発現構築物は、通常、制限、ライゲーション、およびE.coliの形質転換のラウンドを使用する段階で組み立てることができる。発現構築物の構築に適した多数のクローニングベクターが当技術分野で知られている(λZAPおよびpBLUESCRIPT SK-1、Stratagene,La Jolla,Calif.,pET,NovagenInc.,Madison,Wis.,pEE12.4,Lonza Biologics,Basel,Switzerland)。
発現構築物は、線状または環状のいずれかのクローニングベクター構築物として宿主に形質転換され得るか、またはクローニングベクターから取り出され、そのまま使用されるか、または送達ベクターに導入され得る。送達ベクターは、選択された宿主細胞タイプにおける発現構築物の導入および維持を容易にする。発現構築物は、多数の既知の遺伝子導入システム(例えば、天然のコンピテント細胞(natural competence)、化学的に媒介される形質転換、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、バイオリスティック形質転換、トランスフェクション、またはコンジュゲーション)のいずれかによって宿主細胞に導入される。選択される遺伝子導入システムは、使用する宿主細胞およびベクターシステムに依存する。
本発明はさらに、関心対照の融合タンパク質を単離するための製造プロセスを提供する。その過程で、調節配列に作動可能に連結された関心対照のタンパク質をコードする核酸が導入された宿主細胞(例えば、酵母、真菌、昆虫、細菌または動物細胞)が、関心対照の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の転写を刺激するための培養培地中にて製造スケールで増殖される。続いて、関心対照の融合タンパク質が、採取された宿主細胞または培養培地から単離される。標準的なタンパク質精製技術を使用して、培地または採取した細胞から関心対照のタンパク質を単離することができる。特に、精製技術を使用して、ローラーボトル、スピナーフラスコ、組織培養プレート、バイオリアクター、または発酵槽を含むさまざまな実装から、大規模に(すなわち、少なくともミリグラム量で)所望の融合タンパク質を発現および精製することができる。
発現されたタンパク質融合複合体は、既知の方法によって単離および精製することができる。典型的には、培養培地を遠心分離または濾過し、次に上清をアフィニティーまたはイムノアフィニティークロマトグラフィー、例えば、プロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または連結されたTCRまたはその免疫グロブリン領域などの発現された融合複合体に結合するモノクローナル抗体の使用を含む免疫アフィニティープロトコルによって精製する。本発明の融合タンパク質は、既知の技術の適切な組み合わせによって分離および精製することができる。これらの方法には、例えば、塩沈殿および溶媒沈殿などの溶解性を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、およびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの分子量の違いを利用する方法、イオン交換カラムクロマトグラフィーなどの電荷の違いを利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特定の親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の違いを利用する方法、および等電点集束電気泳動などの等電点の違いを利用する方法、Ni-NTAなどの金属親和性カラムが含まれる(これらの方法に関する開示については、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual第2版(1989);およびAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons、New York(1989))。
本発明の融合タンパク質は、実質的に純粋であることが好ましい。すなわち、融合タンパク質は、それに天然に付随する細胞の成分(substituent)から単離されているので、融合タンパク質は、好ましくは、少なくとも80%または90%から95%の均一性(w/w)で存在する。少なくとも98-99%の均一性(w/w)を有する融合タンパク質は、多くの製薬、臨床、および研究適用のために最も好ましい。一旦実質的に精製されると、融合タンパク質は、治療用途のための汚染物質を実質的に含まないはずである。一旦部分的にまたは実質的な純度まで精製されると、可溶性融合タンパク質は、治療的に、または本明細書に開示されるようなインビトロまたはインビボアッセイを実施する際に使用することができる。実質的な純度は、クロマトグラフィーおよびゲル電気泳動などのさまざまな標準的な技術によって決定できる。
本発明はまた、本発明による治療有効量の組成物、融合タンパク質、ポリヌクレオチド、遺伝子構築物、ベクターまたは宿主細胞、ならびに薬学的に許容可能な賦形剤またはビヒクルを含む医薬調製物を提供する。
本発明における使用のための好ましい賦形剤には、糖、デンプン、セルロース、ガム、およびタンパク質が含まれる。好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物は、固体(例えば、液体形態を提供するために再構成することができる錠剤、カプセル、ロゼンジ、顆粒、坐剤、結晶性またはアモルファスの無菌固体など)、液体(例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル剤、ローション、軟膏など)または半固体(ゲル、軟膏、クリームなど)として投与するための医薬形態で製剤化される。本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、蓋内(intratecal)、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下または直腸経路を含むがこれらに限定されない任意の経路で投与することができる。有効成分のさまざまな投与形態、使用する賦形剤、およびそれらの製造手順の改訂版は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.R.Gennaro編)、第20版、Williams&Wilkins PA,USA(2000)において見出される。薬学的に許容可能なビヒクルの例は、当該技術の状態で知られており、リン酸塩で緩衝された食塩水、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、異なるタイプの加湿剤、滅菌溶液などを含む。上記ビヒクルを含む組成物は、当該技術の状態で知られている従来の手順によって製剤化することができる。
核酸(本発明のポリヌクレオチド、ベクターまたは遺伝子構築物)を含む本発明の医薬組成物の場合、本発明は、上記核酸を投与するために特別に調製された医薬組成物を企図する。この医薬組成物は、裸の形態で、言い換えれば、核酸を生物のヌクレアーゼによる分解から保護する化合物の非存在下で、上記核酸を含むことができ、これは、トランスフェクションのために使用される試薬に付随する毒性を排除するという利点を伴う。裸の化合物のための適切な投与経路には、血管内、腫瘍内、頭蓋内、腹腔内、脾臓内、筋肉内、網膜下、皮下、粘液、局所および経口経路が含まれる(Templeton,2002 DNA Cell Biol.,21:857-867)。あるいは、核酸は、コレステロールにコンジュゲートされるか、またはHIV-1のTATタンパク質に由来するTatペプチド、D.melanogasterのアンテナペディアタンパク質のホメオドメインの第3ヘリックス、単純ヘルペスウイルスのVP22タンパク質、アルギニンおよびWO07069090に記載されているようなペプチドのオリゴマー、などの細胞膜を介した移行を促進することができる化合物にコンジュゲートされた、リポソームの一部を形成して投与させることができる(Lindgren et al.2000 Trends Pharmacol.Sci 21:99-103;Schwarze et al.2000 Trends Pharmacol.Sci.21:45-48;Lundberg,et al.2003 Mol.Therapy 8:143-150;およびSnyder,et al.2004 Pharm.Res.21:389-393)。あるいは、ポリヌクレオチドは、プラスミドベクターまたはウイルスベクター、好ましくはアデノウイルスに基づくベクター、アデノ関連ウイルスまたはマウス白血病(MLV)ウイルスもしくはレンチウイルス(HIV、FIV、EIAV)に基づくウイルスなどのレトロウイルスにおけるベクターの一部を形成して投与することができる。
本発明の組成物は、体重1キログラムあたり10mg未満、好ましくは各体重1キログラムあたり5、2、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001、0.00005、または0.00001mg未満の用量で、および200nmol未満の薬剤で、言い換えると、体重1kgあたり約4.4×1016コピー、または1500、750、300、150、75、15、7.5、1.5、体重1kgあたり0.75、0.15もしくは0.075nmolで投与することができる。単回投与は、注射、吸入、または局所投与によって投与することができる。本発明の二機能性ポリヌクレオチドおよび組成物は、標的mRNAが発現される器官に直接投与することができ、その場合、用量は、器官あたり0.00001mgから3mgの間、または好ましくは器官あたり0.0001から0.001mgの間、器官あたり0.03から3.0mgの間、器官あたり約0.1から3.0mgの間、または器官あたり0.3から3.0mgの間で投与される。
用量は、治療される状態に対する重症度および反応に依存し、数日から数ヶ月の間、または状態が寛解するのが見られるまで変化し得る。最適な投与量は、患者の生体内の薬剤の濃度を定期的に測定することによって決定できる。最適な用量は、動物モデルにおける以前のインビトロまたはインビボ試験で得られたEC50値から決定できる。単回投与は、1日1回または1日1回未満、好ましくは2、4、8または30日に1回未満投与することができる。あるいは、最初の用量に続いて1つまたはいくつかの維持用量を、一般的に最初の用量よりも少ない量で投与することが可能である。維持療法は、1日あたり0.01μgから1.4mg/kg体重の間の範囲の用量、例えば、1日あたり体重1kgあたり1、0.1、0.01、0.001、または0.00001mgで患者を治療することを含み得る。維持用量は、好ましくは、最大で5、10または30日に1回投与される。治療は、患者が苦しんだ変化の種類、その重症度、および患者の状態に応じて変化する時間、継続しなければならない。治療後、治療に反応しない疾患の場合に用量を増やすべきかどうか、または疾患の改善もしくは望ましくない二次的影響を観察する場合に用量を減らすべきかどうかを決定するために、患者の進化を監視する必要がある。
1日用量は、特定の状況に応じて、単回用量または2回以上の用量で投与することができる。反復投与または頻繁な投与が必要とされる場合は、ポンプ、半永久的カテーテル(静脈内、腹腔内、大槽内、または被膜内)またはリザーバーなどの投与装置を埋め込むことが推奨される。
本発明の組成物は、静脈内、経口、鼻、非経口、局所、経皮、直腸などを含むがこれらに限定されない、当技術分野の専門家に知られている方法に従って投与される。
以下の実施例は、本発明の実施を例示することを意図しており、いかなる場合においても限定するものではない。
以下の実施例は、開示された発明に従って調製された化合物の特定の例示的な実施形態を説明する。以下の一般的な方法、および当業者に知られている他の方法が、本明細書に開示されるように、化合物ならびにそれらのサブクラスおよびそれらの種に適用され得ることが理解される。
IL15-Rα-Fcの全身送達後の乏しい腫瘍制御不良および強い毒性
本発明者らは、腫瘍内の不十分なIL-15分泌が、T細胞媒介性腫瘍増殖の失敗の1つの原因である可能性があることを提案した。ヒト皮膚黒色腫癌サンプルにおいて、高いCD8T細胞浸潤は常に高いIL-15レベルと相関していた(図7A)。さらに、腫瘍内のCD8T細胞量とIL-15発現レベルの両方が、ヒト癌患者のより良好な生存と正の相関関係にある(図7Bおよび7C)。これらのデータは、IL-15がCD8T細胞の浸潤と腫瘍阻害に寄与する可能性があることを示唆した。
結果として、本発明者らは、T細胞を拡大するために追加のIL-15を供給することが腫瘍制御を改善することができるかどうかを調査した。IL-15のトランス提示の作用機序に照らして、IL-15Rα sushiドメイン(スーパーIL-15)と融合したIL-15は、IL-15単独よりもはるかに増加した活性および安定性を有することが報告されている。Fc融合物は、インビボでの半減期と、二量体化による結合親和性を増加させることが報告されている。一緒に、IL-15-FcおよびIL-15-IL15Rα-Fc(スーパーIL-15-FcまたはsIL-15-Fc)タンパク質を設計および生成した。インビトロCTLL2拡大アッセイが示したように、sIL-15-Fcは、IL-15-Fcタンパク質よりも100倍増加した活性を有する(図8A)。一貫して、sIL-15-Fcは、A20モデルにおいてIL-15-Fcよりもはるかに良好な腫瘍制御効果を有する(図8B)。インビトロ活性は同様であるが、sIL-15-Fcは、sIL-15-Fc-hisよりもはるかに良好な腫瘍制御を有し、Fc融合が実際にそのインビボ安定性を増加させることを示唆する(図1Aおよび1B)。臨床およびと実験動物腫瘍モデルの両方において、IL-15処理単独は、かなり限定された効力を示したが、治療用量は有意な毒性を示した。一貫して、本発明者らは、スーパーIL-15-FcがA20腫瘍モデルにおいて腫瘍増殖を部分的にのみ制御できたことを観察した(図1B)。用量が増加すると、体重の減少および生存率の低下を含む、重度の全身毒性が明らかになる(図1Cおよび1D)。
スーパーIL-15-Fc処理後、CD8T細胞、NKおよびNKT細胞は、末梢血において有意に増加することが見出された(図9A)。CD4T細胞の量は、スーパーIL-15-Fc処理後に影響を受けなかった(図9A)。CD8T細胞およびNK細胞は腫瘍阻害に寄与することが報告されたが、さまざまなT細胞とNK細胞の全身活性化は、腫瘍外毒性を引き起こす可能性がある。どの免疫細胞が毒性を媒介するかを調べるために、本発明者らは、抗体を使用してCD8T、NK、NKT、またはCD4Tを個別に枯渇させた。CD8TまたはCD4T細胞の枯渇は、sIL-15-Fc処理マウスの生存に影響を与えなかったので、このことは、CD8TまたはCD4T細胞が必須ではないことを示唆した(図9Bおよび9C)。しかし、抗NK1.1抗体の投与は、マウスがsIL-15-Fc処理で死亡するのを防いだ(図9D)。抗NK1.1(クローンPK136)抗体は、NKとNKTの両方を枯渇させる可能性があった。NKまたはNKTが有害であるかどうかをさらに広めるために、本発明者らは、抗アシアロGM1抗体を使用して、NKのみを枯渇させ、NKTを枯渇させなかった(図1C)。NK細胞のみの枯渇は、マウスを完全に保護し、このことは、NK細胞がsIL-15-Fc誘発毒性の主要な細胞成分であることを示唆する(図1Fおよび1G)。これらのデータは、全身投与されたsIL-15-Fc誘発性の腫瘍外毒性によって媒介される末梢NKの拡大を示唆しており、これは診療所で慎重に検討されるべきである。
腫瘍条件付きプロIL15の操作
腫瘍内注射によって局所的に送達されたスーパーIL-15-Fcは、MC38とA20の両方の腫瘍モデルにおいて全身治療よりも良好な腫瘍制御効果を獲得した(図2Aおよび図10A)。これらのデータは、TMEへの送達を標的とする場合、sIL-15-Fcは毒性が制限された腫瘍に対してより強力である可能性があることを示唆する。TME内で優先的に活性化できるIL-15を設計するために、本発明者らは、プロIL-15を作成し、この間、IL15Rβの細胞外ドメインがMMP-14切断可能ペプチドリンカーによってsIL-15-FcのN末端に融合される。可溶性で容易に全身に漏出する多くのMMPとは対照的に、MMP-14は、膜タンパク質であり、腫瘍細胞および腫瘍関連マクロファージで高度に発現され、腫瘍組織内にとどまっていた。+本発明者らは、MMP-14プロテアーゼによって切断でき、MMPに富む腫瘍微小環境においてIL-15を曝露するためのスイッチとして作用する非常に感受性の高いリンカーを選択する(図2B)。リンカー切断後の活性IL-15の放出を最適化するために、本発明者らはまた、プロIL15に対するIL15Rβ(RβD1)の結合減少細胞外ドメインを設計した(図2B)。
還元型SDS-PAGEの結果は、単量体sIL15-FcのMWが約65Kdであり、プロIL-15が約85Kdであり、これは予想よりも大きく、おそらくグリコシル化によって引き起こされることを示した(図2Cおよび図10B)。MMP-14とのインキュベーション後、プロIL-15をsIL-15-Fcに切断した(図2Cおよび図10B)。次に、CTLL-2増殖アッセイを通して切断の前後でプロIL-15の生物活性を比較した。sIL-15-Fcは用量依存的な様式でCTLL-2細胞を増殖させることができた(図2D)。Rβを伴うプロIL-15は、スーパーIL-15よりも100倍低下した活性を有するのに対して、RβD1を伴うプロIL-15は、約50倍低下した活性を有する(RβD1については図2D、Rβについては図10C)。MMP-14とのインキュベーション後、2つの型のプロIL-15の両方の活性がsIL-15-Fcに匹敵するほど顕著に回復した。同系MC38腫瘍モデルでは、RβD1を伴うプロIL-15は、Rβ(D1+D2)を伴う場合よりも腫瘍増殖をはるかに良好に阻害し、前者がインビボで最適化された活性を有することを示唆する(図2E)。
プロ-IL15は末梢NK拡大を媒介する毒性を回避する
本発明者らは、プロIL-15の設計が末梢リンパ球の拡大を回避し、より少ない毒性を誘発することを提案した。これを確認するために、致死量のsIL-15-Fcまたは同等の分子のプロ-IL-15をマウスに投与した。80μgのsIL-15-Fcは、有意な体重減少を誘発し、そして最終的に、マウスの70%が、処置後約5日で死亡する(図3A)。しかし、プロIL-15で処置されたマウスは、一過性のわずかな体重減少の後に正常に回復し、そしてマウスは死亡しなかった(図3Aおよび3B)。サイトカイン処置によって誘発される毒性をさらに特徴付けるために、腫瘍を有するマウスにおける処置の24時間後および96時間後にアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT、肝臓損傷マーカー)とアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST、組織損傷マーカー)について血液化学分析を行った。sIL-15-Fcは血清ALTおよびAST活性の両方を増加させたが、プロ-IL-15は増加させなかった(図3Cおよび3D)。sIL-15-FcはIFN-γ、MCP-1、およびIL-6などの血清炎症性サイトカインを増加させたが、プロ-IL-15は炎症性サイトカインを誘導しなかった(図3E)。一貫して、sIL-15-Fcが末梢血中のNK細胞の急激な増加を誘発したのとは対照的に、プロ-IL-15ははるかに少ないNK拡大を誘発した(図3F)。末梢リンパ球の拡大は、肝臓組織などの末梢固形組織を損なう可能性がある。実際、sIL-15-Fcは肝臓組織への有意な免疫細胞浸潤を誘導した(図11C)。しかし、プロIL-15処置は肝臓の炎症を誘発せず、対照マウスと同様に正常を示した(図11C)。プロIL-15およびsIL-15-Fcの血清半減期は同様であり、末梢プロIL-15の毒性の低下は、タンパク質の不安定性によって引き起こされないことを示唆する(図11D)。末梢組織におけるプロIL-15の生物活性の低下を確認するために、本発明者らは、それらのリンパ球との結合能力を比較した。sIL-15-Fcは脾臓NK、NKTおよびCD8T細胞との強い結合を示したが、一方、CD4T細胞との結合はほとんどなかった(図12)。しかし、プロIL-15は、sIL-15-Fcよりも脾臓NKおよびNKT細胞との結合がはるかに弱いことを示した(図12)。全体として、プロ-IL-15は、sIL-15-Fcと比較して、はるかに少ない末梢血リンパ球拡大、およびはるかに少ない毒性を誘導したことを示した。
プロIL15は抗腫瘍活性を維持した
腫瘍組織内のリンパ球の拡大は、腫瘍を抑制および根絶するために重要である。本発明者らは、次に、プロ-IL-15が依然として腫瘍の増殖を標的にし、かつこれを阻害するかどうかを調査した。生物発光データは、プロIL-15が腫瘍組織内に蓄積する可能性があることを示した(図4A)。血液と比較して、プロ-IL15タンパク質は、腫瘍組織内で優先的に消化された(図4B)。次に、本発明者らは、抗腫瘍効果を比較した。MC38またはA20腫瘍を有するマウスは、静脈内注射を通してsIL-15-Fcまたはプロ-IL-15タンパク質で処置された。示されるように、2つのタンパク質の両方が、腫瘍増殖を効率的に阻害することができ、マウスの生存を延長した(図4Cおよび図4D)。これらのデータは、プロ-IL-15が腫瘍組織内に蓄積して活性化され、そして腫瘍の増殖を効率的に阻害することができたことを示す。
どの細胞がプロIL-15に寄与し、固形腫瘍制御を媒介するかを試験するために、本発明者らは、抗体によって異なる免疫細胞を別々に枯渇させる。NK細胞またはNKT細胞が枯渇するとき、プロIL-15の抗腫瘍効果は損なわれなかった(図5A)。対照的に、CD4TおよびCD8T細胞の枯渇は、プロIL-15の抗腫瘍効果を完全に無効にし、このことは、Tリンパ球が必須であることを示唆した(図13A)。CD4T細胞単独の枯渇は、プロIL-15による腫瘍阻害に影響を与えなかったので、このことは、CD4T細胞が必須ではないことを示唆する(図13B)。さらなる研究は、CD8T細胞がIL-15媒介腫瘍制御を媒介するために必須であることを示した(図5B)。本発明者らは、さらに、プロIL-15処置後の腫瘍組織内のCD8T細胞の量の変化を確認した。結果は、プロIL-15が腫瘍組織中のエフェクターCD8T細胞を有意に増加させたことを示した(図5C)。本発明者らは、次に、腫瘍内のCD8T細胞の増加が、腫瘍内の既存のT細胞の拡大によるものなのか、末梢リンパ組織から腫瘍に移動する新たに活性化されたT細胞によるものなのかを決定することにした。末梢リンパ球が腫瘍組織に移動することを阻止するためにFTY720を利用する場合、プロIL-15は、非FTY720処置群と同様の抗腫瘍能力を依然として維持する(図5D)。これらのデータは、プロ-IL-15が腫瘍特異的CD8T細胞を拡大することを示唆したものであって、これは腫瘍の増殖を阻害するために不可欠かつ十分である。IFN-γは、T細胞のエフェクターサイトカインの1つとして機能する。IFN-γがプロIL-15媒介固形腫瘍制御に寄与するかどうかをテストするために、プロIL-15処置の間にマウスを抗IFN-γ遮断抗体で処置すると、これは、抗腫瘍効果を完全に無効にし、このことは、IFN-γの必須の役割を示唆した。最近の研究では、腫瘍内のTCF1TIM3T細胞が幹様の表現型を示し、より効率的に拡大することが示された。プロIL-15処置後、幹様CD8T細胞のパーセンテージと量の両方が腫瘍組織内で増加した(図5F)。一方、末端で使い果たされたCD8T(PD-1Tim3)細胞は減少した(図5G)。これらの結果は、プロ-IL-15が幹様CD8T細胞を拡大し、腫瘍内の末端で使い果たされたCD8T細胞を減少させることを示した。
プロIL-15はチェックポイント遮断と相乗作用して進行した腫瘍を制御する
IL-15処置単独は、動物モデルと臨床の両方において限定された抗腫瘍効果を示したので、このことは、他の潜在的な免疫阻害メカニズムが存在することを示唆する。IL-15処置後、本発明者らは、骨髄性MDSCのパーセントと絶対数の両方が顕著に増加することが観察された(図6A)。腫瘍組織内の骨髄細胞は高PD-L1分子を発現する主要な細胞サブセットであるため、次に、本発明者らは、PD-L1発現プロファイルを確認した。IL-15処置後、MDSCにおけるPD-L1の発現は高度にアップレギュレートされた(図6B)。CD45腫瘍細胞は、IL-15の処置後、MDSC骨髄由来抑制(MDSC)細胞よりもはるかに低いレベルのPD-L1を発現する(図6B)。本発明者らは、PD-L1の遮断により、腫瘍特異的T細胞応答が改善される可能性があり、追加の抗PD-L1抗体は、IL-15とともに、抗腫瘍効果の増幅を達成できると推測した。この仮説を検証するために、MC38担癌マウスは、腫瘍が十分に確立された12日目から、プロIL-15または抗PD-L1を用いる処置を開始した。抗PD-L1またはプロIL-15のいずれかは腫瘍増殖を部分的にしか制御できなかったが、組み合わせは腫瘍制御を有意に増強した(図6C)。併用処置群の間、マウスの60%が最終的に腫瘍のない生存を達成し、単一の処置群のマウスの10%のみ腫瘍を有さなかった(図6D)。本発明者らは、次に、抗PD-L1とプロIL-15の処置の組み合わせが、長期の防御免疫を確立し、腫瘍の再発を防ぐために役立つかどうかを調査し、これは、臨床において価値があるものである。併用療法後に完全な腫瘍退縮を伴うマウスは、致死量のMC38細胞で再チャレンジされた。以前の腫瘍を除去したマウスはすべて、再チャレンジされた腫瘍を拒絶し、強い記憶反応を示した(図6E)。
材料および方法
マウス
雌性(6-8週齢)のBALB/cおよびC57BL/6マウスは、Vital River Laboratories(Beijing,China)から購入した。すべてのマウスは、生物物理学研究所の動物施設(the animal facility of the Institute of Biophysics)において特定病原体除去(SPF)条件下で維持された。動物の世話と実験は、中国科学アカデミーの生物物理学研究所のガイドライン(the guidelines of the Institute of Biophysics, Chinese Academy of Sciences)に従って、施設内実験動物の世話および使用委員会(the Institutional Laboratory Animal Care and Use Committee)によって承認されたプロトコルを使用して実施された。
細胞株および試薬
293F細胞は、Ting Xu博士(Alphamab,Suzhou,Jiangsu,China)から恵与され、SMM 293-TI培地(M293TI、Sino Biological)で増殖させた。A20およびMC38細胞株はATCC(Manassas,VA)から購入した。MC38は5%COで培養し、10%熱不活化ウシ胎児血清、2mmol/l L-グルタミン、0.1mmol/l最小必須培地非必須アミノ酸、100U/mlペニシリン、および100mg/mlストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地中インビトロで維持した。A20細胞およびCTLL-2細胞は、RPMI1640培地中インビトロで維持した。抗PD-L1Ab(10F.9G2)および抗IFN-γAb(R4-6A2)は、BioXCell(West Lebanon,NH)から購入した。抗CD8Ab(TIB210)、抗CD4 Ab(GK1.5)、FcγRII/IIIブロッキングAb(2.4G2)および抗NK1.1 Ab(PK136)は自社で製造した。抗-アシアロ-GM1 Ab(Poly21460)はBiolegendから購入した。FTY720はSigmaから購入した。
IL-15およびプロIL-15融合タンパク質の産生
IL-15-Rα-Fc:マウスIL-15成熟マウスおよびIL-15Rα-sushiドメイン(アミノ酸1-78)配列をコードするcDNAを、26アミノ酸リンカー(SGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGSLQ)によって融合させた。ヒトIgGκリーディング配列のシグナルペプチドおよびhIgG1Fcを使用した。次に、配列全体をpEE12.4ベクター(Lonza)にクローニングした。プロ-IL-15:マウスIL-15RβEDCまたはIL-15RβD1およびIL-15-Ra-FcをコードするcDNAを20アミノ酸リンカー(GGGGSSGFIANPVTAGGGGS)で融合させた。次に、配列全体をpEE12.4ベクター(Lonza)にクローニングした。プラスミドを293F細胞に一過性にトランスフェクトした。トランスフェクション後7日目に上清を収集した。融合タンパク質は、マニュアル(RepligenCorporation)に従ってプロテインA-セファロースカラムを使用して精製した。
毒性
皮下MC38腫瘍を有するC57BL/6マウスに、腫瘍接種後8日目および11日目に静脈内注射することにより、致死量のsIL-15-Fc(80μgまたは0.8μmol)または同等の分子のプロIL-15で処置した。マウスの体重変化をモニターした。末梢血清中のALTおよびASTのレベルは、最初の処置後1日目と4日目に定量化した。最初の処置の24時間後に収集された血清中のサイトカインレベルは、サイトメトリービーズアレイ(CBA)によって測定した。最初の処置の4日後、マウスを屠殺し、HE染色のために肝臓組織を収集した。
プロIL15のインビトロ消化条件
rhMMP-14(R&D Systems)を、活性化緩衝液(50mM Tris、1mM CaCl、0.5%(w/v)Brij-35、pH9.0)中のrhFurinで37℃にて2時間活性化した。プロ-IL-15は、アッセイ緩衝液(50mM Tris、3mM CaCl、1μM ZnCl、pH 7.5)中の活性化MMP14とともに37℃で12時間共培養した。タンパク質の切断は還元型SDS-PAGEによって同定し、プロIL-15の放出された活性はCTLL-2増殖アッセイによって検出した。
CTLL-2増殖アッセイ
機能的IL-15は、CTLL-2細胞を使用して測定した。連続希釈した100μLの精製タンパク質またはMMP切断産物をウェルごとに96ウェルプレートに添加し、次に100μLの培地中の3000個のCTLL-2細胞を添加し、5%CO中37℃で72時間インキュベートした。20μLのCCK8(Cell Counting Kit-8)を添加し、プレートを5%CO中37℃で3-4時間インキュベートした。450nmで吸光度を読み取った。
蛍光イメージング
プロ-IL-15は、Cy5.5で標識し、精製した。25μgの蛍光標識プロ-IL-15を、皮下MC38腫瘍を有するC57BL/6マウスに静脈内注射した。蛍光は、さまざまな時点でIVISスペクトルを使用して測定した。
フローサイトメトリー
腫瘍組織を収集し、小片に切断し、消化緩衝液(1mg/mlのIV型コラゲナーゼおよび100μg/mLのDNアーゼIを含むRPMI-1640培地)に再懸濁した。腫瘍を37℃で45分間消化した後、70μmのセルストレーナーに通して単細胞懸濁液を作成した。FACSバッファー(1%ウシ血清アルブミンおよび0.05%NaN)に懸濁した細胞を、抗CD16/32 Ab(抗FcγIII/II受容体、クローン2.4G2)で30分間ブロックした後、氷上で特異的抗体を用いて30分間染色した。細胞内TCF-1染色のために、サンプルを固定し、透過処理し、抗マウスTCF-1で染色した。すべての蛍光標識mAbはBioLegendまたはeBioscienceから購入した。DAPIまたはLIVE/DEAD(商標)固定可能黄色色素(ThermoFisher)を使用して、死滅細胞を除外した。サンプルは、FACSCaliburまたはFortessaフローサイトメーター(BD Biosciences)で分析した。FlowJoソフトウェア(TreeStar)を使用してデータを分析した。
腫瘍の増殖および処置
およそ2-5×10のMC38をC57BL/6マウスの右脇腹に皮下注射した。A20細胞(3×10)をBalb/cマウスの右脇腹に皮下注射した。腫瘍体積を測定および計算した(長さ×幅×高さ/2)。腫瘍が確立した後、マウスをsIL15-Fcまたはプロ-IL-15で処理した。さまざまな種類の細胞を枯渇させるために、抗CD8 Ab(クローンTIB210)または抗CD4 Ab(クローンGK1.5)を、プロIL-15またはsIL-15-Fc処置の同じ日およびその後4日ごとに、200μgの用量で腹腔内注射した。抗NK1.1抗体(クローンPK136)を、プロIL-15またはsIL-15-Fc処置の同じ日およびその後4日ごとに、400μgの用量で腹腔内注射した。抗-アシアロGM1Abを、プロIL-15またはsIL-15-Fc処置の同じ日およびその後4日ごとに、20μlの用量で腹腔内注射した。IFN-γを遮断するために、抗IFN-γAb(クローンR4-6A2)を、プロIL-15処置の同じ日およびその後4日ごとに、500μgの用量で腹腔内注射した。リンパ球の輸送を遮断するために、マウスに25μgのFTY720を腹腔内注射し、遮断を維持するために20μgのFTY720を1日おきに投与した。
統計分析
データは平均±SEMとして示される。統計分析は、対応のないスチューデントの両側t検定を使用して比較された。分析は、GraphPad Prismバージョン5.0(GraphPad Software)を使用して実行された。p<0.05、p<0.01、およびp<0.001の統計的に有意な差は、それぞれ*、**、および***で示される。
Figure 2023503868000001
Figure 2023503868000002
Figure 2023503868000003
出願人の開示は、本明細書において、同様の番号が同じまたは類似の要素を表す図を参照して、好ましい実施形態で説明されている。本明細書全体を通して「一実施形態」、「実施形態」、または同様の言葉への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」、「1つの実施形態において」という句の出現、および本明細書全体にわたる同様の言語は、必ずしもそうではないが、すべてが同じ実施形態を指す場合がある。
出願人の開示の記載された特徴、構造、または特徴は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が列挙されている。しかし、関連技術の当業者は、出願人の組成物および/または方法が、1つ以上の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ることを認識する。他の例では、本開示の態様を曖昧にすることを避けるために、周知の構造、材料、または操作は詳細に示されていないか、または記載されていない。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似のまたは同等の任意の方法および材料もまた、本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本明細書に列挙された方法は、開示された特定の順序に加えて、論理的に可能な任意の順序で実行することができる。
参照による組み込み
本開示において、特許、特許出願、特許刊行物、ジャーナル、本、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書への参照および引用がなされている。そのようなすべての文書は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に明示的に記載されている既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾する資料またはその一部は、その組み込まれた資料と本明細書の開示資料の間に矛盾が生じない程度までのみ、組み込まれる。矛盾がある場合には、優先開示として本開示を優先して矛盾が解決される。
同等物
代表的な実施例は、本発明を例証するのを助けることを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、また、そのように解釈されるべきではない。実際、本明細書に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変およびその多くのさらなる実施形態が、本明細書に含まれる実施例ならびに科学文献および特許文献への参照を含むこの文書の完全な内容から当業者に明らかになる。実施例は、本発明の様々な実施形態およびその同等物における本発明の実施に適合させることができる重要な追加情報、例示およびガイダンスを含む。

Claims (34)

  1. ホモ二量体複合体であり、かつ以下を含む融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)であって、前記融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)は、
    インタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、
    活性型IL15である第2の構造単位、
    抗体Fcフラグメントである、融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、
    短い切断可能なリンカー(L)または長い切断可能なリンカー(L2L)を介して第1、第2、または第3の構造単位に連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、前記融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、および
    異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメント、を含む、
    融合タンパク質または融合タンパク質複合体(A)。
  2. ホモ二量体複合体であり、ならびに、第1のフラグメント(フラグメント番号1)および第2のフラグメント(フラグメント番号2)を含む、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(B)であって、
    前記第1のフラグメント(フラグメント番号1)は、
    インタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体またはサブユニットドメインである第1の構造単位、および
    軽鎖の定常領域(CL)である第5の構造単位を含み、ならびに
    前記第2のフラグメント(フラグメント番号2)は、
    活性型IL15である第2の構造単位、
    抗体Fcフラグメントである、前記融合タンパク質のC末端に配置される第3の構造単位、
    短い切断可能なリンカー(L2)または長い切断可能なリンカー(L2L)のいずれかと連結されたIL15受容体βの全体またはサブユニットドメインである、前記融合タンパク質のN末端に配置される第4の構造単位、
    重鎖の定常領域(CH)である第6の構造単位、および
    異なる構造単位を接続するためのフレキシブル切断不可能リンカー(L1)としての1つ以上の接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメントを含み、
    ここで、2つのフラグメント番号1と2つのフラグメント番号2が一緒に結合して、CHとCLの間および2つのFcの間のジスルフィド結合を介して複合体を形成する、融合タンパク質または融合タンパク質複合体(B)。
  3. 前記活性IL15がヒトIL15であり、前記抗体FcフラグメントがヒトFcである、請求項1に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体A、およびまたは請求項2に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体B。
  4. 前記第1の構造単位がインタ-ロイキン15(IL15)受容体αの全体である、請求項1または2に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  5. 前記第1の構造単位が、インタ-ロイキン15(IL15)受容体αのサブユニットドメインである、請求項1または2に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  6. 前記第4の構造単位が、IL15受容体βの全長27aa-240aa未満を有するIL15受容体βのサブユニットドメインである、請求項1-5のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  7. 前記IL15受容体βのサブユニットドメインが、27aa-125aa、27aa-128aa、27aa-137aa、32aa-234aa、32aa-137aa、32aa-240aa、および83aa-214aaによって表される短縮型IL15受容体βから選択される、請求項5に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  8. 前記IL15受容体βのサブユニットドメインが、27-125aaで表される短縮型IL15受容体βである、請求項6に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  9. 図14Aに示されるような構築物を有する、請求項1-8のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  10. 図14Bに示されるような構築物を有する、請求項1-8のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  11. 前記接続セグメントまたはライゲ-ションフラグメントの1つが、プロテア-ゼ感受性配列を伴うか、または伴わない、単一または複数のGGGGSまたは(G)S、n=2-4であるアミノ酸配列を含む、請求項1-10のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  12. 短い切断可能フレキシブルリンカー(L2)を含む、請求項1-11のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  13. 長い切断可能フレキシブルリンカー(L2L)を含む、請求項1-11のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  14. 短い切断可能フレキシブルリンカー(L2)および長い切断可能フレキシブルリンカー(L2L)が、腫瘍微小環境中で特異的に発現されるタンパク質分解酵素によって認識および加水分解できる、請求項1-12のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  15. 切断可能なフレキシブルリンカーの加水分解が、IL15受容体βのサブユニットドメインを残りの融合タンパク質から分離する、請求項14に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  16. 前記腫瘍微小環境中で特異的に発現されるタンパク質分解酵素がマトリックスメタロプロテイナ-ゼである、請求項14または15に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体。
  17. 請求項1-18のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体を含む、融合タンパク質複合体のホモ二量体構築物。
  18. 請求項1-17のいずれか一項に記載の融合タンパク質または融合タンパク質複合体を含むプロドラッグ。
  19. 請求項1-28のいずれか一項に記載の実質的に精製された融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグ。
  20. 請求項1-19のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグをコ-ドするポリヌクレオチド。
  21. 請求項20に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクタ-。
  22. 請求項1-219のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグを含む医薬組成物。
  23. 疾患または状態を治療するための方法であって、
    必要とする患者に、治療有効量の、請求項1-21のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグ、あるいは請求項24に記載の医薬組成物を投与する工程を含み、
    ここで、前記疾患または状態は、過形成、固形腫瘍または造血器悪性腫瘍から選択される、方法。
  24. 化学療法および放射線治療のうちの1つ以上を対象に施す工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 疾患または障害を治療または軽減するための、請求項1-19のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグの使用。
  26. 疾患または障害を治療または軽減するための薬剤の調製における、請求項1-19のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤の使用。
  27. 前記疾患または障害が、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、B細胞リンパ腫、膀胱尿路上皮癌、乳管癌、***小葉癌、食道癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、頸部癌、胆管癌、慢性骨髄性白血病、結腸直腸腺癌、結腸直腸癌(CRC)、食道癌腫、胃腺癌、多形性神経膠芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、ホジキンリンパ腫/原発性縦隔B細胞リンパ腫、肝細胞癌(HCC)、腎臓色素嫌性癌腫、腎臓明細胞癌、腎臓乳頭細胞癌、低悪性度神経膠腫、肺腺癌、肺扁平上皮癌、黒色腫(MEL)、中皮腫、非扁平上皮NSCLC、卵巣漿液性腺癌、膵管腺癌、傍神経節腫および褐色細胞腫、前立腺腺癌、腎細胞癌(RCC)、肉腫、皮膚黒色腫(skin cutaneous melanoma)、頭頸部の扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、胸腺腫、甲状腺乳頭癌、子宮癌肉腫、子宮体部類内膜癌およびブドウ膜黒色腫から選択される、請求項23-26のいずれか一項に記載の方法または使用。
  28. 前記疾患または状態がB細胞リンパ腫または結腸直腸癌である、請求項23-26のいずれか一項に記載の方法または使用。
  29. 免疫チェックポイント阻害、T細胞の同時シグナル伝達、および腫瘍標的化抗体療法の1つ以上と組み合わせた、請求項23-26のいずれか一項に記載の方法または使用。
  30. 請求項1-19のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグをコ-ドするポリヌクレオチドを含む細胞株。
  31. 請求項30に記載の細胞株を培養する工程を含む、融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグを作製するための方法。
  32. 生成された融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグを精製または単離する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. タンパク質を製造するための方法であって、
    請求項1-19のいずれか一項に記載の融合タンパク質もしくは融合タンパク質複合体、またはそれらのプロドラッグをコ-ドする発現ベクタ-を提供する工程、
    前記発現ベクタ-を宿主細胞に導入する工程、
    タンパク質を発現するために十分な条件下で、培地中で前記宿主細胞を培養する工程、および
    前記宿主細胞または培地からタンパク質を精製する工程
    を含む、タンパク質を製造するための方法。
  34. 融合タンパク質またはプロドラッグをコ-ドするコ-ディング遺伝子を含む発現ベクタ-を構築する工程、
    一過性トランスフェクションによって前記発現ベクタ-を含む宿主細胞を構築する工程、
    前記宿主細胞を培養する工程、
    細胞上清を収集する工程、および
    プロテインA/Gのアフィニティ-クロマトグラフィ-によって融合タンパク質またはプロドラッグを精製する工程
    を含む、請求項33に記載の方法。
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