JP2023502661A - 炎症性腸疾患を処置するための方法 - Google Patents

炎症性腸疾患を処置するための方法 Download PDF

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スワナラサ パカ,
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アンジオン バイオメディカ コーポレーション
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Abstract

本開示は、本明細書の全体ならびにクラス及びサブクラスに記載する通りの、式(I)の化合物及びその医薬的に許容可能な誘導体を投与することにより、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患を処置するための方法、及び加えてその医薬組成物を提供する。

Description

関連出願
本出願は、2019年11月20日に出願された米国仮特許出願第62/938248号(その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
炎症性腸疾患(IBD)は、潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病(CD)の両方を含む炎症性状態である。UCは結腸全体を冒し、一方でCDは典型的には回腸を冒すが、消化管のどの部分でも発生する可能性がある。IBDは、下痢及び腹痛を伴う再発性腸炎症を特徴とする、急性または慢性の大腸炎として顕在化し得る。炎症の再発発作は、組織リモデリングにつながる可能性があり、IBDの深刻な症状であり、罹患の主な原因であり、多くの場合入院及び外科的介入を必要とする。
IBDの発生率は世界中で増加しており、拡大する世界的な健康問題である。ヨーロッパでは、推定250~300万人がIBDに罹患している。Centers for Disease Control and Prevention(CDC)によると、2015年に米国にて310万の成人がIBD(すなわち、CDまたはUC)と診断され、2008年の報告による約140万の成人の診断から大幅に増加している。IBDは、米国で毎年約1,300,000件の医師診察及び約92,000件の入院を占めている。これらのうち、CDと診断された75%の患者及びUCと診断された25%の患者は、手術を必要とする。IBDに関連する危険因子には、環境的、遺伝的及び免疫学的因子が含まれる。
IBDは、患者の罹患の主な原因であり、医療予算の主要な消費対象である。ヨーロッパの研究によると、ヨーロッパにおけるIBDの直接的な医療費は、推定年間約50億ユーロである。2008年には、CDCの報告によると、米国におけるIBDの直接処置費は推定約63億ドルであり、間接費はさらに推定55億ドルと示されている。
IBDは、適応免疫応答の過剰活性化を特徴とする自己免疫疾患である。遺伝的因子を含むさまざまな因子が、腸内フローラを変化させ、炎症反応を引き起こし、これがT細胞、B細胞、マスト細胞、マクロファージ及びミクログリア、平滑筋細胞及び線維芽細胞を結腸にて活性化させ、それにより粘膜破壊が誘発される。上皮及び内皮のダメージは、炎症細胞の動員及び活性化、ならびにさまざまなサイトカインの放出を促進する走化性因子を放出する。
腸線維症は、慢性炎症及び腸の創傷治癒の障害に起因する細胞外マトリックス(ECM)の過剰な沈着として一般的に定義され、IBDの深刻な合併症を代表し、重要な臨床的意味を有する。これは、UC及びCDの両方に当てはまる。UCでは、粘膜層及び粘膜下層の関与により、結腸の短縮化または硬化に寄与し得るECMの蓄積を伴う粘膜筋板の肥厚が引き起こされるのに対し、CDでは、炎症過程の経壁性に続いて腸壁の肥厚が起こり、最終的には狭窄の形成及び狭窄症がもたらされる。CD患者の3分の1以上が、腸管腔の進行性狭窄及び潜在的な閉塞によって顕在化する、明確な線維性狭窄表現型を発症する。瘻孔とともに、腸狭窄症はCDでの手術の主な適応症を表すのに対し、UCでは、腸狭窄症による手術の適応症はより散発的である。CDに罹患している全患者の最大80%が、疾患の経過中に少なくとも1回の手術を受ける。これらの患者のおよそ半数では、腸壁線維症に続発する狭窄形成及び閉塞が手術の主な理由であり、過剰な瘢痕組織形成が、全CD患者のおよそ3分の1における手術の必要性の根底にあることを示す。吻合部位での疾患の再発は一般的であり、再発性の狭窄形成も発生する可能性がある。進行性の腸線維症は、周囲の腸壁の肥厚、蠕動障害及び腸閉塞につながる。
本開示は、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD)の改善された処置のためのある特定の技術を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物を使用してIBDを処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、IBDを処置する(例えば、IBDの1つまたは複数の特徴の発症を遅らせる及び/また程度及び/または頻度を低下させることなどによって重症度を軽減する)方法を提供し、この方法は、式(I):
Figure 2023502661000002
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグを投与することを含み得:
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Aは、NまたはCHであり、1つのAは、窒素であり;
Bは、OまたはSである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、式(II):
Figure 2023502661000003
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグを投与することを含み:
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、式(III):
Figure 2023502661000004
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグを投与することを含み:
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、式(IV):
Figure 2023502661000005
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグを投与することを含み:
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRが、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRが、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
いくつかの実施形態では、提供方法は、本明細書に記載の化合物を任意の好適な投与経路を介して投与することを含む。いくつかの実施形態では、提供化合物は、疾患に利益を提供する任意の経路によって送達される。いくつかの実施形態では、提供化合物は、非限定的な例として、経口、直腸、非経口、腹腔内、または皮下投与される。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物、及び任意に、医薬的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物も提供する。かかる医薬組成物は、例えば、本明細書に提供する方法において有用である。
いくつかの実施形態では、本開示は、結腸への提供化合物の送達がIBDを処置するために望ましくあり得るという認識を包含する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、(例えば、結腸への化合物の送達を通した)IBDの処置に特に適した放出特性を有する組成物を企図する。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示のある特定の態様をさらに実証するために含まれており、本開示は、本明細書に提示する特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面の1つまたは複数を参照することによってよりよく理解することができる。
A、B、C、及びDは、それぞれ、酢酸(AA)誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの、無作為化前(pre-Rx)の体重、結腸重量、結腸長さ、及び結腸肉眼的ダメージスコアを示す。
A、B、C、D、及びEは、試験化合物(TC;化合物1)を用いた処置がマウスモデルにおいてAA誘発性大腸炎を有意に低減させたことを示し、これはそれぞれ、結腸長さ、結腸肉眼的ダメージスコア、組織病理学的ダメージスコア、アルシアンブルー染色、及びヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色によって証明される。
試験化合物を用いた処置が、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘発性大腸炎死亡率モデルにおいて生存を増加させたことを示す。
A、B、C、及びDは、無作為化前のTNBS誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの体重、結腸長さ、及び結腸ダメージスコアを示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの体重に対する漸増用量の試験化合物の効果を示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち体重が回復したことを示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸長さが回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸重量が回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸長さが回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち疾患重症度指数が回復したことを示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物の結腸の組織学を示す。 結腸の組織病理学的スコアを示す。 結腸の組織病理学的スコアを示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物の結腸のアルシアンブルー染色を示す。 杯細胞に関するアルシアンブルー染色(面積率(%))を示す。 陰窩細胞に関するアルシアンブルー染色(面積率(%))を示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物の結腸のミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色を示す。 MPO染色カバー面積率(%)を示す。 MPO染色カバー面積率(%)を示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物の結腸のF4/80染色を示す。 MPO染色カバー面積率(%)を示す。 MPO染色カバー面積率(%)を示す。
試験化合物を用いた処置が、DSS IBDマウスモデルにおいて、結腸長さを有意に回復したことを実証する。 試験化合物を用いた処置が、DSS IBDマウスモデルにおいて、結腸長さを有意に回復したことを実証する。 試験化合物を用いた処置が、DSS IBDマウスモデルにおいて、結腸ダメージスコアを有意に低減させたことを実証する。 試験化合物を用いた処置が、DSS IBDマウスモデルにおいて、ヒドロキシプロリン(HYP)レベルを有意に低減させたことを実証する。 DSS IBDモデルの動物の結腸の結腸組織病理学的スコアを示す。 DSS IBDモデルの動物の結腸の組織学を示す。
処置時のコラーゲンレベルの低下によって証明される、試験化合物の抗線維化活性を示す。
Aは、無作為化前のTNBS誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの体重を示す。Bは、無作為化前のTNBS誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの結腸長さを示す。Cは、無作為化前のTNBS誘発性大腸炎モデルにおけるマウスの結腸ダメージスコアを示す。
TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸長さが回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸長さが回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸肉眼的ダメージスコアが回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち杯細胞のアルシアンブルー染色が回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち杯細胞のアルシアンブルー染色が回復したことを示す。 TNBS誘発性大腸炎モデルの動物が、試験化合物を用いて処置すると、IBD症状から、すなわち結腸組織病理学的スコアが回復したことを示す。
試験化合物を用いた処置が、TNBS誘発性大腸炎マウスモデルにおいて、血清サイトカインのTNBS誘発性増加を有意にブロックしたことを示す。
定義
本明細書において別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上別途要求されない限り、単数形の用語は、複数形の用語を含むものとし、複数形の用語は単数形の用語を含むものとする。
本開示では、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形の指示対象を含み、特定の数値への言及は、文脈が明確に別途指示しない限り、少なくともその特定の値を含む。ゆえに、例えば、「化合物」への言及は、かかる化合物のうちの1つまたは複数及び当業者に公知のその均等物への言及であるなどである。本明細書で使用する場合、「複数」という用語は、1つより多いことを意味する。値の範囲が表されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。
同様に、先行詞「約」の使用によって、値が概算として表されるとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されたい。すべての範囲は、包括的で組み合わせ可能である。本開示の文脈では、「約」ある特定の量とは、その量が記載された量の±20%以内、または好ましくは記載された量の±10%以内、またはより好ましくは記載された量の±5%以内であることを意味する。
本明細書で使用する場合、「処置する」、「処置」、または「治療」という用語(ならびにそれらの異なる形態)は、予防的または防止的手段を含む治療的処置を指し、その目的は、疾患または状態に関連する望ましくない生理学的変化を防止または緩徐化(軽減)することである。有益なまたは所望の結果には、限定されないが、検出可能または検出不可能かにかかわらず、症状の軽減、疾患または状態の程度の減少、疾患または状態の安定化(すなわち、疾患または状態が悪化しない)、疾患または状態の進行の遅延または緩徐化、疾患または状態の改善または緩和、及び疾患または状態の(部分的または完全)寛解が含まれる。処置を必要とするものには、疾患もしくは状態を既に有するもの、ならびに疾患もしくは状態を有する傾向にあるもの、または疾患もしくは状態を防止する必要があるものが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、「処置」は、さまざまな形態のIBDの1つまたは複数の身体的及び病態生理学的徴候のいずれかの改善、寛解、利益を表す。
「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、本明細書で互換可能に使用され、動物、例えば、ヒトを指す。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。ヒトは、任意の年齢の任意のヒトであることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは、成人である。いくつかの実施形態では、ヒトは、小児である。ヒトは、男性、女性、妊娠中、中年、青年、及び/または高齢者であることができる。いくつかの実施形態では、対象は、非ヒト動物、例として例えば、哺乳動物、例えば非ヒト霊長類(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、齧歯動物(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマならびに非哺乳動物、例えば爬虫類、両生類、鶏、及び七面鳥である。本明細書に記載の組成物を使用して、霊長類、例えばサル及びヒト、ウマ、ウシ、ネコ、イヌ、ウサギ、ならびに齧歯動物、例えばラット及びマウスを含む、任意の好適な哺乳動物を処置することができる。いくつかの実施形態では、対象は、非ヒト霊長類である。いくつかの実施形態では、対象はマウスであり、これは一実施形態ではマウスであり、別の実施形態ではラットである。いくつかの実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ラプリンまたはブタである。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は疾患障害または状態のリスクがある(例えば、罹患しやすい)、例えば、適切な対照個体またはその集団と比較してリスクが上昇している。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状または特徴を示す。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態のいずれの症状または特徴も示さない。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/または治療及び/または予防が及び/または施されている個体である。
本明細書で使用する場合、「治療有効量」という用語は、治療レジメンの一部として投与されたときに所望の生物学的応答を誘発する物質(例えば、治療剤、組成物、及び/または製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態では、物質の治療有効量は、疾患、障害、及び/または状態に罹患しているまたは罹患しやすい対象に投与された場合に、疾患、障害、及び/または状態を処置する、診断する、防止する、及び/またはその発症を遅延するのに十分な量である。当業者によって理解され得るように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、標的細胞または組織などのような因子に応じて変動し得る。例えば、疾患、障害、及び/または状態を処置するための製剤中の化合物の有効量は、疾患、障害、及び/または状態の1つまたは複数の症状または特徴を、緩和する、改善する、軽減する、阻害する、防止する、その発症を遅延する、その重症度を低下させる及び/またはその発生率を低下させる量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、単回用量で投与される;いくつかの実施形態では、治療有効量を送達するために、複数の単位用量が必要とされる。
本明細書に記載する場合、例えば、本明細書に記載の方法に有用な提供化合物は、原子価が許す限り、任意の数の置換基または官能性部分で置換され得ることが理解されるだろう。一般に、「置換される」という用語は、「任意に」という用語が先行するかどうかにかかわらず、所与の構造中の1つまたは複数の水素ラジカルを特定の置換基のラジカルで置き換えることを指す。任意の所与の構造において1つより多くの位置が、特定の群から選択される1つより多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、すべての位置にて同じであっても異なっていてもよい。本明細書で使用する場合、「置換される」という用語は、任意の許容される置換基を用いた置換を含むことが企図される。いくつかの実施形態では、許容される置換基には、有機化合物の、非環式及び環式、分岐及び非分岐、炭素環式及びヘテロ環式、芳香族及び非芳香族、炭素及びヘテロ原子置換基が含まれる。本発明の目的で、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の有機化合物の水素置換基及び/または任意の許容される置換基を有し得る。本開示によって想定される置換基及び変数の組み合わせは、好ましくは、安定した化合物の形成をもたらすものであり、例えば、上に概説するように、例えば、障害の処置及び防止に有用である。「置換」されていると記載される基は、好ましくは1~4個の置換基、より好ましくは1個または2個の置換基を有する。「任意に置換」されていると記載される基は、置換されていなくてもよく、上記のように「置換」されていてもよい。
置換基の例としては、限定されないが、脂肪族;ヘテロ脂肪族;脂環式;複素環式;芳香族、ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アラルキル;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;-NO;-CN;-CF;-CHCF;-CHCl;-CHOH;-CHCHOH;-CHNH;-CHSOCH;または-GRG1が挙げられ、ここでGは、-O-、-S-、-NRG2-、-C(=O)-、-S(=O)-、-SO-、-C(=O)O-、-C(=O)NRG2-、-OC(=O)-、-NRG2C(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)NRG2-、-NRG2C(=O)O-、-NRG2C(=O)NRG2-、-C(=S)-、-C(=S)S-、-SC(=S)-、-SC(=S)S-、-C(=NRG2)-、-C(=NRG2)O-、-C(=NRG2)NRG3-、-OC(=NRG2)-、-NRG2C(=NRG3)-、-NRG2SO-、-NRG2SONRG3-、または-SONRG2-であり、ここで、RG1、RG2及びRG3の各出現は、独立して、限定されないが、水素、ハロゲン、または任意に置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリール部分を含む。いくつかの実施形態では、RG1、RG2及びRG3の各出現は、独立して、限定されないが、水素、ハロゲン、または脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリール部分を含む。一般的に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される特定の実施形態によって例示される。
本明細書で使用する場合、「安定な」という用語は、好ましくは、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、検出されるのに十分な期間、好ましくは本明細書に詳述する目的に有用であるのに十分な期間にわたって、化合物の完全性を維持する化合物を指す。
本明細書で使用する場合、「脂肪族」という用語は、IUPACによって定義されるような両飽和及び不飽和の直鎖(すなわち、非分岐)または分岐脂肪族炭化水素を含み、これらは、本明細書に記載するように、1つまたは複数の官能基で任意に置換される。本明細書で定義するように、「脂肪族」は、任意に置換されたアルキル、アルケニル及びアルキニル部分を含むことを意図する。ゆえに、本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、直鎖及び分岐アルキル基を含む。同様の慣習が、「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般的な用語に適用される。さらに、本明細書で使用する場合、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、置換基及び非置換基の両方を包含する。ある特定の実施形態では、本明細書で使用する場合、「低級アルキル」は、約1~6個の炭素原子を有するアルキル基(置換、非置換、分岐または非分岐)を示すために使用される。いくつかの例では、脂肪族は、脂環式またはシクロアルキルを含み得、その中に不飽和を含む。
いくつかの実施形態では、本開示で採用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、1~20;2~20;3~20;4~20;5~20;6~20;7~20または8~20個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本開示で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~10;2~10;3~10;4~10;5~10;6~10;7~10または8~10個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本開示で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~8;2~8;3~8;4~8;5~8;6~20または7~8個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本開示で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~6;2~6;3~6;4~6または5~6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本開示で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~4;2~4;または3~4個の炭素原子を含有する。ゆえに、例示的な脂肪族基としては、限定されないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシルなどが挙げられ、これらもまた、1つまたは複数の置換基を有し得る。アルケニル基には、限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イルなどが含まれる。代表的なアルキニル基には、限定されないが、エチニル、2-プロピニル(プロパルギ1)、1-プロピニルなどが含まれる。
本明細書で使用する場合、「脂環式」という用語は、脂肪族及び環状化合物の特性を組み合わせ、限定されないが環状または多環式脂肪族炭化水素及び架橋シクロアルキル化合物を含む部分を指し、これらは任意に1つまたは複数の官能基で置換される。当業者によって理解され得るように、「脂環式」は、本明細書において、限定されないが、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニル部分を含むことを意図し、これらは任意に1つまたは複数の官能基で置換される。ゆえに、例示的な脂環式基としては、限定されないが、例えば、シクロプロピル、-CH-シクロプロピル、シクロブチル、-CH-シクロブチル、シクロペンチル、-CH-シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH-シクロヘキシル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキサニルエチル、ノルボルニル部分などが挙げられ、これもまた1つまたは複数の置換基を有し得る。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、環状アルキル基、具体的には3~7個、好ましくは3~10個の炭素原子を有する基を指す。好適なシクロアルキルには、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれ、これらは任意に置換され得る。同様の慣習が、「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」などの他の一般的な用語に適用される。一般的に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される特定の実施形態によって例示される。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂肪族」という用語は、主鎖の1つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている脂肪族部分を指す。ゆえに、ヘテロ脂肪族基とは、脂肪族主鎖の炭素原子の代わりに、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子を含有する脂肪族鎖を指す。ヘテロ脂肪族部分は、分枝または直鎖非分枝であり得る。ある特定の実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、本明細書に記載するように置換される。一般的に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される特定の実施形態によって例示される。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂環式」、「ヘテロシクロアルキル」または「複素環式」という用語は、ヘテロ脂肪族及び環状部分の特性を組み合わせ、限定されないが5~16個の原子を有する飽和及び不飽和の単環式または多環式環系を含む部分を指し、少なくとも1個の環原子は、O、S及びNから選択されるヘテロ原子であり(窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化され得る)、環系は、本明細書で定義するように、1つまたは複数の官能基で任意に置換される。ある特定の実施形態では、「複素環式」という用語は、非芳香族5、6または7員環または多環式基を指し、これには、限定されないが、酸素、硫黄、窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する縮合6員環を含む二環式または三環式基が含まれ、(i)各5員環は0~2個の二重結合を有し、各6員環は0~2個の二重結合を有し、各7員環は0~3個の二重結合を有し、(ii)窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化され得、(iii)窒素ヘテロ原子は任意に四級化され得、(iv)上記の複素環のいずれかがアリールまたはヘテロアリール環に縮合され得る。代表的な複素環には、限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、及びテトラヒドロフリルが含まれる。ある特定の実施形態では、「置換ヘテロシクロアルキルまたは複素環」基が利用され、本明細書で使用する場合、本明細書に記載するように置換された、上記で定義する通りのヘテロシクロアルキルまたは複素環基を指す。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載する実施例に示される特定の実施形態によって例示される。
加えて、上記及び本明細書に記載の脂環式または複素環式部分のいずれかが、それに縮合したアリールまたはヘテロアリール部分を含み得ることが理解されるだろう。
一般に、本明細書で使用する場合、「芳香族部分」という用語は、好ましくは3~14個の炭素原子(例えば、6~14個の炭素原子)を有し、そのそれぞれが置換または非置換であり得る安定な単環式または多環式の不飽和部分を指す。ある特定の実施形態では、「芳香族部分」という用語は、各環原子で環の平面に垂直なp軌道を有し、環内のpi電子の数が(4n+2)であり、nが整数である、ヒュッケル則を満たす少なくとも1つの平面環を含む部分を指す。芳香族性に関するこれらの基準の1つまたはすべてを満たさない単環式または多環式の不飽和部分は、本明細書では「非芳香族」と定義され、「脂環式」という用語に包含される。芳香族部分の例としては、限定されないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシルが挙げられる。
一般に、本明細書で使用する場合、「ヘテロ芳香族部分」という用語は、好ましくは3~14個の環員(例えば、5~10個の環員)ならびに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有する、安定な置換または非置換の不飽和モノ複素環式またはポリ複素環式部分を指し、これは各環原子で環の平面に垂直なp軌道を有し、環内のpi電子の数が(4n+2)であり、nが整数である、ヒュッケル則を満たす少なくとも1つの環を含む。ヘテロ芳香族部分の例としては、限定されないが、ピリジル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリル、及びテトラヒドロキナゾリルが挙げられる。
本明細書で定義する通りの、芳香族及びヘテロ芳香族部分が、脂肪族(例えば、アルキル)またはヘテロ脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して付着され得、ゆえに、-(脂肪族)芳香族、-(ヘテロ脂肪族)芳香族、-(脂肪族)ヘテロ芳香族、-(ヘテロ脂肪族)ヘテロ芳香族、-(アルキル)芳香族、-(ヘテロアルキル)芳香族、-(アルキル)ヘテロ芳香族、及び-(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族部分などの部分も含み得ることも理解されるだろう。ゆえに、本明細書で使用する場合、「芳香族またはヘテロ芳香族部分」及び「芳香族、ヘテロ芳香族、(アルキル)芳香族、-(ヘテロアルキル)芳香族、-(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族、及び-(ヘテロアルキル)ヘテロ芳香族」という句は、互換可能である。いくつかの例では、対応する部分は、同義語として、アラルキル、ヘテロアラルキルなどと呼ばれ得る。置換基には、限定されないが、前述の置換基、すなわち、脂肪族部分、または本明細書に開示する他の部分について記載された置換基のいずれかが含まれ、安定な化合物の形成をもたらす。
一般に、「アリール」という用語は、脂肪族(例えば、アルキル)またはヘテロ脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して付着したものを除く、上記の通りの芳香族部分を指す。本開示のある特定の実施形態では、「アリール」は、芳香族性に関するヒュッケル則を満たす1つまたは2つの環を有する単環式または二環式炭素環系を指し、これには、限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが含まれる。
同様に、「ヘテロアリール」という用語は、脂肪族(例えば、アルキル)またはヘテロ脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して付着したものを除く、上記の通りのヘテロ芳香族部分を指す。本開示のある特定の実施形態では、本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、約5~約10個の環原子を有し、そのうちの1個の環原子がS、O及びNから選択され;0、1または2個の環原子が、S、O、及びNから独立して選択される追加のヘテロ原子であり;残りの環原子が炭素であり、ラジカルが、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどの環原子のいずれかを介して分子の残りの部分に結合している環状不飽和ラジカルを指す。
本明細書で定義するように、「アリール」及び「ヘテロアリール」基(二環式アリール基を含む)は、本明細書に記載するように、非置換であり得るまたは置換され得る。加えて、一緒にされた任意の2つの隣接する基が、4、5、6、または7員の置換または非置換の脂環式または複素環式部分を形成し得ることが理解されるだろう。一般的に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される特定の実施形態によって例示される。
本明細書で使用する場合、「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、酸素原子を通して親分子部分に付着した飽和(すなわち、O-アルキル)または不飽和(すなわち、O-アルケニル及びO-アルキニル)基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~20;2~20;3~20;4~20;5~20;6~20;7~20または8~20個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~10;2~10;3~10;4~10;5~10;6~10;7~10または8~10個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~8;2~8;3~8;4~8;5~8;6~20または7~8個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6;2~6;3~6;4~6または5~6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~4;2~4または3~4個の脂肪族炭素原子を含有する。アルコキシ基の例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を通して親分子部分に付着した飽和(すなわち、S-アルキル)または不飽和(すなわち、S-アルケニル及びS-アルキニル)基を指す。ある特定の実施形態では、アルキル基は、1~20個の脂肪族炭素原子を含有する。ある特定の他の実施形態では、アルキル基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。なおも他の実施形態では、本発明で採用されるアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、アルキル基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。なおも他の実施形態では、アルキル基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含有する。アルキルチオの例としては、限定されないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される原子を指す。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な誘導体」という句は、かかる化合物の任意の医薬的に許容可能な塩、エステル、またはかかるエステルの塩、あるいは患者への投与時に、本明細書に別途記載する通りの化合物、またはその代謝物もしくは残基を(直接的にまたは間接的に)提供することができる任意の他の付加物または誘導体を示す。ゆえに、医薬的に許容可能な誘導体には、とりわけプロドラッグが含まれる。プロドラッグは化合物の誘導体であり、通常は薬理活性が有意に低下しており、親分子を薬理学的に有効な種として生じるインビボで除去されやすい追加の部分を含有する。プロドラッグの例は、インビボで切断されて、目的となる化合物を生じるエステルである。別の例は、N-脱メチル化を生じる酸化的代謝を受けやすい、化合物のN-メチル誘導体である。さまざまな化合物のプロドラッグ、ならびにプロドラッグを作製するための親化合物の誘導体化のための材料及び方法が公知であり、本開示に適用され得る。ある特定の例示的な医薬組成物及び医薬的に許容可能な誘導体について、本明細書で以下により詳細に論じることにする。
「互変異性化」という用語は、化合物の2つ以上の構造異性体が容易に相互変換する現象を指す。一般的に、互変異性化は、分子のある原子から別の原子へのプロトンシフトを介して発生する。Jerry March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structures,Fourth Edition,John Wiley&Sons,pages 69-74(1992)を参照されたい。本明細書で使用する場合、「互変異性体」という用語は、容易に相互変換する構造異性体(例えば、プロトンシフトによって生成される化合物)を指す。
本明細書で使用する場合、本開示の化合物に適用される場合の「単離された」という用語は、(i)化合物が天然に、もしくは作成されるときに関連する少なくともいくつかの成分から分離される、及び/または(ii)ヒトの手により生成、調製もしくは製造される化合物を指す。
詳細な説明
本主題は、本開示の一部を構成する以下の発明を実施するための形態を参照することにより、より容易に理解され得る。本開示は、本明細書に記載及び/または示す特定の製品、方法、条件またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は、例としてのみ特定の実施形態を説明することを目的としており、請求された発明を限定することを意図しないことが理解されたい。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD)は、多くの人々を苦しめ、生活の質、ならびに寿命に重大な悪影響を及ぼす。本明細書に記載の化合物は、ヒト疾患を模倣するIBDのモデルにおいて有効であり、ゆえに、ヒトにおけるIBDの処置に関して有用性を実証することが見出されている。以下の実施例に記載するように、TNBSモデル、酢酸モデル及びDSSモデルを使用して、例示的な化合物は、IBDモデルの動物に多くの利点を提供し、それには、限定されないが、体重、結腸長さ、結腸重量、肉眼的形態学的疾患重症度指数、結腸組織病理学的スコア、陰窩構造及び炎症マーカーであるミエロペルオキシダーゼ及びF4/80の改善が含まれる。
炎症性腸疾患(IBD)は、病因が不明な炎症性疾患である。IBDは、適応免疫応答の過剰活性化を特徴とする自己免疫疾患である。遺伝的因子を含むさまざまな因子が、腸内フローラを変化させ、炎症反応を引き起こし、これがT細胞、B細胞、マスト細胞、マクロファージ及びミクログリア、平滑筋細胞及び線維芽細胞を結腸にて活性化させ、それにより粘膜破壊が誘発される。上皮及び内皮のダメージは、炎症細胞の動員及び活性化、ならびにさまざまなサイトカインの放出を促進する走化性因子を放出する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、IBDの処置(例えば、IBDの1つまたは複数の特徴の発症を遅らせる及び/また程度及び/または頻度を低下させることなどによって重症度を軽減すること)に有用である。いくつかの実施形態では、提供化合物は、以下の転帰の1つまたは複数が患者またはその集団で観察される場合、IBDの処置に有効であると見なされる:体重の改善、下痢の重症度及び/または頻度の低下、発熱の重症度及び/または頻度の低下、疲労の重症度及び/または頻度の低下、腹痛の重症度及び/または頻度の低下、排便の頻度の低下、腹部けいれんの重症度及び/または頻度の低下、血性便の重症度及び/または頻度の低下、食欲の改善、一般にIBDの徴候及び症状の重症度及び/または頻度の低下、主要な臨床応答の発生、腸の構造的ダメージの減少、全体的な身体機能の改善、(例えば、特定の期間にわたる)臨床的寛解の維持、クローン病活動指数(CDAI)の改善、(例えば、潰瘍性大腸炎の患者における)Mayoスコアの改善、1つもしくは複数の循環サイトカイン(例えば、IL-1、TNF-α、またはPDGF)のレベルの低下、及び/または(例えば、クローン病の患者または潰瘍性大腸炎の患者における)臨床的寛解の発生。
提供化合物及び方法
2013年1月26日に出願され、2013年8月1日にWO2013/112959として公開されたPCT出願番号PCT/US2013/023324(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、ある特定の抗線維化合物を記載している。これらの化合物は、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)及び血管内皮成長因子受容体(VEGFR2)に対して実証された活性を持つチロシンキナーゼ阻害剤である。WO2013/112959は、これらの化合物が治療として有用である線維性成分を伴うある特定の適応症を記載している。
本開示は、WO2013/112959に記載されている化合物が驚くべきことに(例えば、本明細書に記載の方法に従う)IBDの処置にも有用であるという認識を包含する。上記のように、IBDは主に炎症性自己免疫疾患であり、したがって、抗線維化合物(WO2013/112959に記載されているものなど)がIBDの処置に有用であり得るかどうかは知られていなかった。しかし、以下の実施例で示すように、提供化合物は、潜在的に単なる抗線維化効果を超えて、IBD動物モデルにおいて治療上の利益を示す。
新しいIBD治療に対する必要性が残っている。現在、抗炎症薬、例えば、5-アミノサリチル酸(5-ASA)ベースの製剤は、多くの場合IBDの治療の第一選択である(Segars,L.W.,et al.,Clin.Pharm.1992 Jun;11(6):514-28)。抗TNFα抗体、例えばインフリキシマブ(REMICADE)及びアダリムマブ(HUMIRA)も使用されている。それにもかかわらず、HUMIRAを用いて処置された患者は、重篤な感染症及びリンパ腫を発症するリスクが高くなる(Dulai,P.S.,et al.,Clin.Gastroenterol.Hepatol.2014 Sep;12(9):1443-51)。コルチコステロイド、その他の免疫抑制剤及び抗生物質は、複数の副作用を呈するが、処置応答は比較的乏しい(Kopylov,U.and Seidman,E.,Adv.Gastroenterol.2016 Jul;9(4):513-26;Waljee,A.K.,et al.,PLoS One.2016 Jun 23;11(6):e0158017;Cosnes,J.,et al.,Gut.54(2005)pp.237-241)。その管理における実質的な進歩にもかかわらず、IBDは依然として慢性炎症経過を示しており、炎症に続発する狭窄形成及び狭窄症の発生率は、過去25年間で有意に変化していない。IBDにおける抗炎症療法の進歩とは対照的に、腸線維症への治療アプローチに関する進歩は比較的小さい。これまでの抗炎症療法は、線維症を完全に防止するまたは確立された線維症を逆転させるわけではない。腸切除術及び狭窄形成術は依然として、腸線維症に続発する合併症に対する基本的な介入である。バルーン拡張、ポリビニルオーバーザガイドワイヤー拡張、及び拡張後の狭窄への糖質コルチコイドの注射など、狭窄の処置のためのより侵襲性の低い手順の使用が増加している。ただし、これらの手法の長期的な有効性は、問題が頻繁に再発することによって制限されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、IBDを処置するための方法を提供し、本方法は、それを必要とする対象に、式(I):
Figure 2023502661000006
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Aは、NまたはCHであり、1つのAは、窒素であり;
Bは、OまたはSである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、カルバメートプロドラッグ部分である。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、アミドプロドラッグ部分である。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、アリール、例えばフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで任意に置換されたアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで置換されたフェニルである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキル、例えばメチルである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキルヘテロシクロアルキル、例えばメチルピペラジニルメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023502661000007
である。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(I)のいくつかの実施形態では、位置4のAはNであり、Aの他の出現はCである。いくつかの実施形態では、位置5のAはNであり、Aの他の出現はCである。いくつかの実施形態では、位置7のAはNであり、Aの他の出現はCである。
式(I)のいくつかの実施形態では、Bは、Oである。いくつかの実施形態では、Bは、Sである。
式(I)の化合物の非限定的な例としては、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレートが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、IBDを処置する方法を提供し、本方法は、それを必要とする対象に、式(II):
Figure 2023502661000008
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、カルバメートプロドラッグ部分である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、アミドプロドラッグ部分である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、アリール、例えばフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで任意に置換されたアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで置換されたフェニルである。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキル、例えばメチルである。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキルヘテロシクロアルキル、例えばメチルピペラジニルメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023502661000009
である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(II)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(II)のいくつかの実施形態では、Bは、Oである。いくつかの実施形態では、Bは、Sである。
式(II)の化合物の非限定的な例としては、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレートが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、IBDを処置する方法を提供し、本方法は、式(III):
Figure 2023502661000010
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、カルバメートプロドラッグ部分である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、アミドプロドラッグ部分である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、アリール、例えばフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで任意に置換されたアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで置換されたフェニルである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキル、例えばメチルである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキルヘテロシクロアルキル、例えばメチルピペラジニルメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023502661000011
である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(III)のいくつかの実施形態では、Bは、Oである。いくつかの実施形態では、Bは、Sである。
式(III)の化合物の非限定的な例としては、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレートが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、IBDを処置する方法を提供し、本方法は、式(IV):
Figure 2023502661000012
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み;
式中、Rは、-COORであり;
は、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRは、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
は、低級アルキル基であり;
及びRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
及びRは、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bは、OまたはSである。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、カルバメートプロドラッグ部分である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、アミドプロドラッグ部分である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、アリール、例えばフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで任意に置換されたアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、NRCORで置換されたフェニルである。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキル、例えばメチルである。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、アルキルヘテロシクロアルキル、例えばメチルピペラジニルメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023502661000013
である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えばメチルである。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、Bは、Oである。いくつかの実施形態では、Bは、Sである。
式(IV)の化合物の非限定的な例としては、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレートが挙げられる。
別途記載しない限り、本明細書に示す構造は、構造のすべての立体異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)形態、ならびに構造のすべての幾何異性体形態または立体配座異性体形態を含むことを意図する。例えば、各立体中心のR及びS構成は、本開示の一部として企図される。それゆえ、提供化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(または立体配座)混合物は、本開示の範囲内である。別途記載しない限り、提供化合物のすべての互変異性形態(ピラゾール、ピリドン及びエノールなど)は、本開示の範囲内である。
上述の化合物自体に加えて、本開示はまた、これらの化合物の医薬的に許容可能な誘導体、ならびに本開示の1つまたは複数の化合物及び1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤または添加剤を含む組成物を包含する。
いくつかの実施形態では、化合物は、塩(例えば、医薬的に許容可能な塩)の形態で提供及び/または利用される。本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び/または下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わず、合理的なベネフィット/リスク比に見合う塩を指す。アミン、カルボン酸、及び他のタイプの化合物の医薬的に許容可能な塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge et al.は、J.Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)(参照により本明細書に組み込まれる)において医薬的に許容可能な塩を詳細に記載している。塩は、本開示の化合物の最終的な単離及び精製中にインサイチュで調製することができるか、または以下に概説するように、遊離塩基官能基もしくは遊離酸官能基を好適な試薬と反応させることによって別々に調製することができる。例えば、遊離塩基官能基を好適な酸と反応させることができる。さらに、本開示の化合物が酸性部分を持つ場合、その好適な医薬的に許容可能な塩には、金属塩、例えばアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩;及びアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩が含まれ得る。医薬的に許容可能な、非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸を用いて、あるいは当該技術分野で用いられる他の方法、例えば、イオン交換を使用することにより、形成された塩基性基の塩である。他の医薬的に許容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが含まれる。さらに医薬的に許容可能な塩には、適切な場合には、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、及び対イオンを用いて形成されたアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩が含まれる。
いくつかの実施形態では、化合物は、医薬的に許容可能な誘導体の形態にて提供及び/または利用され、それには、限定されないが、本発明の化合物の医薬的に許容可能な塩、エステル、かかるエステルの塩、またはプロドラッグ、あるいは必要とする患者への投与時に、本明細書に別途記載する通りの化合物、またはその代謝物もしくは残基を直接的にまたは間接的に提供することができる他の付加物または誘導体が含まれる。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能なエステル」という用語は、インビボで加水分解し、ヒトの体内で容易に分解して親化合物またはその塩を残すエステルを含む。好適なエステル基には、例えば、医薬的に許容可能な脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸に由来するものが含まれ、各アルキルまたはアルケニル部分は、有利には6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル及びエチルコハク酸エステルが挙げられる。
本明細書中で使用する場合、「医薬的に許容可能なプロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び/または下等動物の組織(issue)と接触させて使用するのに好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、合理的なベネフィット/リスク比に見合い、それらの意図する用途にとって有効である、本開示の化合物のプロドラッグを指す。「プロドラッグ」という用語は、例えば、化合物の、血液中での加水分解、またはN-脱メチル化により、インビボで急速に形質転換して親化合物(例えば、式(I)の化合物)を生じる化合物を指す。徹底的な考察が、T.Higuchi and V.Stella,Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、及びEdward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(両方とも、参照により本明細書に組み込まれる)に提供されている。他の非限定的な例として、式(I)~(IV)の化合物のカルバメート及びアミドプロドラッグは本明細書で実施形態とされており、例えば、Rautio et al.,2008,Nature Rev Drug Discov 7:255-70;Jordan et al.,2003,Bioorg Med Chem 10:2625-33及びHay et al.,2003,J Med Chem 46:5533-45で論じられている。
本開示の化合物は、異なる条件下で式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物の結晶化によって調製され得、一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物の多形体の1つまたは組み合わせとして存在し得る。例えば、異なる多形体は、再結晶化のための異なる溶媒、もしくは溶媒の異なる混合物を使用して;結晶化を異なる温度にて実行することによって;または、結晶化中の非常に速い冷却から非常に遅い冷却まで、さまざまな冷却モードを使用することによって、同定及び/または調製され得る。多形体は、化合物を加熱または溶融した後、徐々にまたは急速に冷却することによっても得られ得る。多形体の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定、粉末X線回折及び/または他の技術によって決定され得る。ゆえに、本開示は、提供化合物、それらの誘導体、それらの互変異性形態及び幾何異性体形態、それらの立体異性体、それらの位置異性体、それらの多形体、それらの医薬的に許容可能な塩、それらの医薬的に許容可能な溶媒和物及びそれらを含有する医薬的に許容可能な組成物を包含する。
医薬組成物
上で論じるように、本開示は、炎症性腸疾患、例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎の処置に有用な化合物を提供する。したがって、本開示の別の態様では、医薬組成物はIBDの処置において使用するために提供され、これは、本明細書に記載の化合物(またはそのプロドラッグ、医薬的に許容可能な塩もしくは他の医薬的に許容可能な誘導体)のうちのいずれか1つまたは複数、及び任意に医薬的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、提供される医薬組成物は、錠剤またはカプセルなどの固体組成物である。
上に論じるように、いくつかの実施形態では、IBDの処置において使用するための本開示の医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体を追加的に含み、本明細書で使用する場合、これらには、所望の特定の剤形に適したあらゆる溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散助剤もしくは懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、医薬組成物の製剤化に使用されるさまざまな担体及びその調製のための公知の技術を開示している。例えば、任意の望ましくない生物学的効果を産生すること、またあるいは医薬組成物の任意の他の成分(複数可)と有害な様式で相互作用することによって、任意の従来の担体培地が本開示の化合物と適合しない場合を除いて、その使用は、本開示の範囲内にあると企図される。医薬的に許容可能な担体として機能し得る物質のいくつかの例としては、限定されないが、糖類、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース、ならびにその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオバター及び坐剤ワックス;油類、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、ならびに他の非毒性の適合性滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び賦香剤、防腐剤及び抗酸化剤が挙げられる。
経口投与のための液体剤形には、限定されないが、医薬的に許容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(具体的には、綿実油、ラッカセイ(ピーナッツ)油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤以外に、経口組成物はまた、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、ならびに賦香剤を含むことができる。
注射可能調製物、例えば、無菌の注射可能水性または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁剤を使用して既知の技術に従って製剤化され得る。無菌の注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、無菌の注射可能溶液、懸濁液、またはエマルジョンであり得る。採用され得る許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として従来採用されている。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含む、任意のブランドの不揮発性油を使用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用される。
注射可能製剤は、例えば、細菌を保持するフィルターに通して濾過することにより、または使用前に無菌水または他の無菌注射可能培地に溶解または分散され得る無菌の固形組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
薬物の効果を延長させるために、多くの場合、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を緩徐化させることが望ましい。これは、難水溶性を有する液体懸濁液または結晶質もしくは非晶質の材料の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は、ゆえにその溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与される薬物形態の吸収遅延は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。注射可能デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作成される。薬物対ポリマーの比率、及び採用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、(ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。注射可能デポー製剤はまた、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによって調製される。
直腸投与用の組成物は、好ましくは、本開示の化合物を、好適な非刺激性賦形剤または担体、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスと混合することによって調製することができる坐剤であり、これらは周囲温度では固体であるが体温では液体であり、それゆえ直腸内で溶融し、活性化合物を放出する。
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、及び顆粒剤が含まれる。かかる個体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な医薬的に許容可能な賦形剤もしくは担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、及び/またはa)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、b)結合剤、例えば例として、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア、c)保水剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば例として、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、ならびにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物と任意に混合される。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、剤形は、緩衝剤も含み得る。
同様の種類の固体組成物は、賦形剤、例えばラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを任意に使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤としても採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、医薬製剤分野において周知の腸溶コーティング及び他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製され得る。これらは乳白剤を任意に含有し得る。いくつかの実施形態では、固体剤形は、制御放出コーティングを、例えば、活性成分(複数可)のみを、または好ましくは腸管のある特定の部分、例えば結腸において、任意に遅延様式で、放出するように含む。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが含まれる。
活性化合物は、上記のような1つまたは複数の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であることもできる。かかる固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性希釈剤、例えばスクロース、ラクトース及びデンプンと混合され得る。かかる剤形は、常法に従って、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウム及びマイクロ結晶性セルロースも含み得る。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、剤形は、緩衝剤も含み得る。
いくつかの実施形態では、提供化合物は、1つまたは複数の薬剤、例えばマンニトール、マンニトール及びラクトビオン酸の組み合わせ、マンニトール及びグルコン酸の組み合わせ、マンニトール及びメタンスルホン酸の組み合わせ、微結晶セルロース及びオレイン酸の組み合わせ、またはアルファ化デンプン及びオレイン酸の組み合わせと共沈殿され得る。提供化合物の製剤の調製の際に補助となる1つまたは複数の薬剤の前述の例は、単に例示的であり、非限定的である。
いくつかの実施形態では、本開示は、結腸への提供化合物の送達がIBDを処置するために望ましくあり得るという認識を包含する。例えば、いくつかの実施形態では、提供化合物は、治療有効量が結腸に送達されるように、化合物の放出を制御するように製剤化される。いくつかの実施形態では、提供化合物は、経口制御放出組成物として製剤化される。いくつかの実施形態では、提供化合物は、坐剤として処方される。理論に拘束されることを望まないが、本開示は、低い経口バイオアベイラビリティを有する本明細書に開示する化合物を提供する組成物が、高い経口バイオアベイラビリティを有する化合物を提供する組成物よりも、前記化合物を結腸に送達するのにより好適である可能性があることを認識する。
結腸を標的とした薬物送達のためのさまざまな戦略が当該技術分野で公知である。例えば、Amidon,S.,et al.,AAPS PharmSciTech,Vol.16,No.4,August 2015,pp 731-741;Philip,A.K.and Philip,B.Oman Med.J.2010,Vol.25,Issue 2,pp.70-78;Kotla,N.G.,et al.,Int.J.Nanomedicine,2016:11,1089-1095(それぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む固体剤形を提供する。いくつかの実施形態では、固体剤形は、カプセルまたは錠剤である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及び担体、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物を提供し、医薬組成物は、対象に投与されると、特定の量(例えば、治療有効量)の化合物を結腸に放出する。いくつかの実施形態では、提供される医薬組成物は、医薬組成物中の化合物の総量に対して、化合物の>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、>70%、>65%、>60%、>55%、>50%、>45%、>40%、>35%、>30%、>25%、または>20%を結腸に送達する。結腸に送達される化合物の量は、当該技術分野で公知の任意の好適な方法によって決定することができる。例えば、結腸内の薬物の吸収は、結腸内視鏡検査及び挿管を使用して、及び/またはガンマシンチグラフィーを用いてモニターすることができる。例えば、Philip,A.K.and Philip,B.Oman Med.J.2010,Vol.25,Issue 2,pp.70-78を参照されたい。
理論に拘束されることを望まないが、本開示はまた、提供化合物の(例えば、高い経口バイオアベイラビリティを提供するような方法での)経口投与が、IBDを処置するために望ましくあり得るという認識を包含する。いくつかの実施形態では、提供される医薬組成物は、対象への投与時に、約5%超、約10%超、約15%超、または約20%超の経口バイオアベイラビリティを達成する。
いくつかの実施形態では、本開示は、適切な局所クリーム基剤と組み合わされた提供化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかのかかる実施形態では、クリーム組成物は、提供化合物の約5重量%~約75重量%を含む。いくつかの実施形態では、クリーム組成物は、提供化合物の約7.5重量%~約50重量%を含む。いくつかの実施形態では、クリーム組成物は、提供化合物の約10重量%~約35重量%を含む。いくつかの実施形態では、クリーム組成物は、提供化合物の約15重量%~約25重量%を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のクリーム組成物は、結腸内の解剖学的組織に直接適用することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、適切な局所ゲル基剤と組み合わされた提供化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ゲル組成物は、提供化合物の約5重量%~約75重量%を含む。いくつかの実施形態では、ゲル組成物は、提供化合物の約7.5重量%~約50重量%を含む。いくつかの実施形態では、ゲル組成物は、提供化合物の約10重量%~約35重量%を含む。いくつかの実施形態では、ゲル組成物は、提供化合物の約15重量%~約25重量%を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のゲル組成物は、結腸内の解剖学的組織に直接適用することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、適切な局所ローション基剤と組み合わされた提供化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ローション組成物は、提供化合物の約5重量%~約75重量%を含む。いくつかの実施形態では、ローション組成物は、提供化合物の約7.5重量%~約50重量%を含む。いくつかの実施形態では、ローション組成物は、提供化合物の約10重量%~約35重量%を含む。いくつかの実施形態では、ローション組成物は、提供化合物の約15重量%~約25重量%を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のローション組成物は、結腸内の解剖学的組織に直接適用することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、適切な局所泡状基剤と組み合わされた提供化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、泡状組成物は、提供化合物の約5重量%~約75重量%を含む。いくつかの実施形態では、泡状組成物は、提供化合物の約7.5重量%~約50重量%を含む。いくつかの実施形態では、泡状組成物は、提供化合物の約10重量%~約35重量%を含む。いくつかの実施形態では、泡状組成物は、提供化合物の約15重量%~約25重量%を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の泡状組成物は、結腸内の解剖学的組織に直接適用することができる。
いくつかの実施形態では、本開示はまた、提供化合物を含む坐剤組成物を提供する。坐剤は、一般的に、さまざまな活性成分または薬品を分注するための手段として直腸に投与される。坐剤は、卵形、球形、円錐形及び弾丸形を含むさまざまな形状で、さまざまなサイズで作成される。坐剤の重量は、典型的には1~5グラムの範囲である。坐剤は、好適な坐剤基剤材料及び活性成分または薬品との混合物から構成される固体であり得る。あるいは、坐剤は、非固体の活性成分または薬品を封入する固体外壁の坐剤基剤材料で作成することができる。典型的には、坐剤基剤材料は、膣または直腸(すなわち、直腸または肛門管)の水分(例えば、体液)及び/または熱(例えば、体温)に曝露したときに溶解または溶融し、それによって活性成分または薬品を体内へ放出するように選択される。好適な坐剤基剤材料には、油性(脂肪)基剤材料、例えばカカオバター、テオブロマ油及び合成トリグリセリド、または水溶性もしくは水混和性基剤材料、例えばグリセリン化ゼラチン及びポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが含まれる。基剤材料は、非毒性、非刺激性、不活性、及び生体適合性であることが好ましい。本開示のある態様での使用に好適な坐剤は、圧縮成形及び融合成形を含む坐剤を調製するための従来の方法に従ってさまざまな方法で調製することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、例えば、直腸投与に関して、提供化合物を含む浣腸組成物を提供する。浣腸組成物は、提供化合物及び好適な液体担体(例えば、水性緩衝液または生理食塩水)から調製することができる。浣腸組成物は、抗酸化剤及び/または防腐剤などの追加の成分をさらに含み得る。
本開示はまた、本明細書に記載の局所用クリーム、ゲル、ローション、及び泡状物質などの、提供化合物の医薬的に許容可能な局所製剤を包含する。本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な局所製剤」という用語は、製剤を表皮に適用することによる本開示の化合物の投与に関して医薬的に許容可能である任意の製剤を意味する。本開示のいくつかの実施形態では、局所製剤は、担体系を含む。医薬的に有効な担体には、限定されないが、溶媒(例えば、アルコール、ポリアルコール、水)、クリーム、ローション、軟膏、油、プラスター、リポソーム、粉末、エマルジョン、マイクロエマルジョン、及び緩衝液(例えば、低張または緩衝生理食塩水)または医薬品を局所投与するための当該技術分野で公知の任意の他の担体が含まれる。当該技術分野で公知の担体のより完全なリストは、当該技術分野において標準である参照テキスト、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th Edition,1980及び17th Edition,1985、両方ともMack Publishing Company,Easton,Pa.,が出版(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)により提供されている。いくつかの実施形態では、本開示の局所製剤は、賦形剤を含み得る。当該技術分野で公知の任意の医薬的に許容可能な賦形剤を使用して、提供される医薬的に許容可能な局所製剤を調製し得る。本開示の局所製剤に含めることができる賦形剤の例としては、限定されないが、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、緩衝剤、可溶化剤、他の浸透剤、皮膚保護剤、界面活性剤、及び噴射剤、及び/または活性剤と組み合わせて使用される追加の治療剤が挙げられる。好適な防腐剤には、限定されないが、アルコール、第四級アミン、有機酸、パラベン、及びフェノールが含まれる。好適な抗酸化剤には、限定されないが、アスコルビン酸及びそのエステル、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、ならびにEDTA及びクエン酸などのキレート剤が含まれる。好適な保湿剤には、限定されないが、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、尿素、及びプロピレングリコールが含まれる。本開示で使用するのに好適な緩衝剤には、限定されないが、クエン酸、塩酸、及び乳酸緩衝液が含まれる。好適な可溶化剤には、限定されないが、第四級アンモニウムクロリド、シクロデキストリン、安息香酸ベンジル、レシチン、及びポリソルベートが含まれる。本開示の局所製剤で使用することができる好適な皮膚保護剤には、限定されないが、ビタミンE油、アラトイン、ジメチコン、グリセリン、ワセリン、及び酸化亜鉛が含まれる。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチの形態であり得る。いくつかの実施形態では、提供される製剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、セチルまたはオレイルアルコールなどの飽和または不飽和脂肪酸をさらに含有し得るクリームである。いくつかの実施形態では、提供されるクリーム製剤は、ステアリン酸をさらに含む。本開示のクリームはまた、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシ-40-ステアレートを含有し得る。いくつかの実施形態では、活性成分を、医薬的に許容可能な担体及び任意の必要な防腐剤または緩衝剤と必要に応じて無菌条件下で混合して、本明細書に記載の組成物を提供する。
提供化合物及び医薬組成物が、併用療法にて製剤化及び/または採用され得る、すなわち、化合物及び医薬組成物が、1つまたは複数の他の所望の治療薬または医学的処置と、同時に、その前に、またはその後に、製剤化及び/または投与され得ることも理解されるだろう。併用レジメンにおいて採用される治療法(例えば、治療薬及び/または手順)の特定の組み合わせは、所望の治療薬及び/または手順の適合性、及び達成される所望の治療効果を考慮に入れるだろう。採用された治療法は、同じ障害に対して所望の効果を達成し得る(例えば、提供化合物を別の抗炎症剤と同時に投与し得る)、またはそれらは異なる効果を達成し得る(例えば、任意の有害効果の制御)ことも理解されるだろう。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、1つまたは複数の追加の治療剤を任意にさらに含む。あるいは、本開示の化合物は、1つまたは複数の他の治療剤の投与と組み合わせて、それを必要とする患者に投与され得る。例えば、本開示の化合物との併用投与または医薬組成物への包含のための追加の治療剤は、同じまたは関連する適応症を処置するための承認された薬剤であり得るか、またはIBDに関連する任意の障害の処置に関する承認を最終的に取得するFood and Drug Administrationにおいて承認を受けているいくつかの薬剤のいずれか1つであり得る。
いくつかの実施形態では、IBDの処置に有用な任意の1つまたは複数の薬剤を伴う提供化合物の共製剤化が本明細書に含まれる。非限定的な例では、本開示の1つまたは複数の化合物は、少なくとも1つのサイトカイン阻害剤、成長因子もしくは他の生物学的物質、例えばインターフェロン、例えば、アルファインターフェロン、または別の小分子化合物と製剤化され得る。本開示の化合物と治療上併用され得る医薬剤の非限定的な例としては、抗ウイルス剤及び抗線維化剤、例えば、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ及びリバビリンの組み合わせ、ラミブジン、アデホビルピボキシルならびにインターフェロンガンマ;抗凝固剤、例えばヘパリン及びワーファリン;抗血小板物質、例えば、アスピリン、チクロピジン及びクロピドグレル;再生に関与する他の成長因子、例えば、VEGF及びFGF及びこれらの成長因子の模倣物;抗アポトーシス剤;ならびに運動亢進剤及び形態形成剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、1つまたは複数の追加の治療上活性な成分(例えば、抗炎症性及び/または緩和剤)をさらに含む。本発明の目的に関して、「緩和」という用語は、疾患の症状及び/または治療レジメンの副作用の軽減に焦点を合わせているが、治癒的ではない処置を指す。例えば、緩和処置には、鎮痛剤、嘔吐抑制剤及び抗悪心薬が包含される。
投与
上記のように、本開示は、治療有効量の本明細書に記載する通りの式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、IBDの処置のための方法を提供する。化合物及び組成物は、本開示の方法に従い、IBDの処置に有効な、任意の投与量及び任意の投与経路を使用して投与され得ることが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、提供化合物の治療有効量は、線維症を調節するために、及び/または炎症を調節するために、及び/または治療効果を呈するために十分な量である。必要とされる正確な量は、対象の人種、年齢、及び全身状態、感染の重症度、具体的な治療剤、その投与様式及び/または投与経路などに応じて、対象ごとに異なるだろう。
本開示の化合物は、好ましくは、投与の容易さ及び投与量の均一性のために、単位剤形で製剤化される。本明細書で使用する場合、「単位剤形」という表現は、処置する患者に適切な治療剤の物理的に別個の単位を指す。ただし、本開示の化合物及び組成物の一日の総使用量が、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるだろうことが理解されるだろう。任意の特定の患者または生物に関する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな因子に依存し得、そのような因子には、処置される障害及び障害の重症度;採用される具体的な化合物の活性;採用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態、性別及び食事;採用される具体的な化合物の投与の時間、投与経路、及び***速度;処置期間;採用される具体的な化合物と併用されるまたは同時使用される薬物;ならびに医療分野で周知の同様の因子が含まれる。
さらに、いくつかの実施形態では、所望の投与量で適切な医薬的に許容可能な担体と製剤化した後、本明細書に記載の医薬組成物は、経口、直腸、非経口、腹腔内、皮下、または任意の他の有効な投与経路でヒト及び他の動物に投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物を、対象の体重に基づいて、1日当たりまたは1日に1回もしくは複数回、非経口投与に関しては約0.001mg/kg~約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg~約10mg/kgの投与量レベルで、または経口投与に関しては好ましくは約1mg/kg~約50mg/kg、より好ましくは約10mg/kg~約50mg/kgの投与量レベルで投与して、所望の治療効果が得られ得る。0.001mg/kg未満または50mg/kgを超える(例えば、50~100mg/kg)の投与量もまた、対象に投与され得ることが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、化合物は、経口または非経口投与される。本明細書に記すように、いくつかの実施形態では、結腸への送達が望ましく、化合物は、実質的に結腸に送達され、経口吸収は最小限に抑えられる。坐剤、泡状物質、クリーム、ゲルまたは浣腸による直腸投与もまた、本開示に含まれる。
処置キット
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示に従う方法を好都合に及び効果的に実施するためのキットを提供する。一般に、医薬パックまたはキットは、本開示の医薬組成物の成分のうちの1つまたは複数が充填された1つまたは複数の容器を含む。いくつかの実施形態では、かかるキットは、錠剤またはカプセルなどの固体の経口剤形の送達に大変適している。いくつかの実施形態では、キットは、複数の単位投与量を含み、それらの意図された使用の順序で配向された投与量を有するカードも含み得る。所望される場合、処置スケジュール中の投与量が投与され得る日を指定する、例えば、数字、文字、もしくは他の印の形態での、またはカレンダーインサートを用いた記憶補助機構が提供され得る。あるいは、医薬組成物の投与量と類似または異なる形態のプラセボ投与量、またはカルシウム栄養補助食品を含めて、投与量が毎日服用されるキットを提供することができる。医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形態の通知(例えば、ラベル)が、かかる容器(複数可)に任意に付随してもよく、この通知は、ヒト投与に関する製造、使用または販売の政府機関による承認を反映する。
例示的な実施形態
以下の番号付き実施形態は、非限定的である一方で、本開示のある特定の(cerain)態様の例示である。
1.炎症性腸疾患を処置するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の以下の式(I):
Figure 2023502661000014
に記載する通りの化合物、もしくはその医薬組成物、またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグを投与することを含み:
式中、Rが、-COORであり;
が、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRが、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSO部分で独立して置換され得;
が、低級アルキル基であり;
及びRが、独立して、水素またはアルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCOR部分で置換され得;
及びRが、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Aが、NまたはCHであり、1つのAが、窒素であり;
Bが、OまたはSである、前記方法。
2.Rが、水素である、実施形態1に記載の方法。
3.Rが、カルバメートプロドラッグ部分またはアミドプロドラッグ部分である、実施形態1に記載の方法。
4.Rが、水素である、実施形態1に記載の方法。
5.Rが、フェニルである、実施形態1に記載の方法。
6.Rが、メチルである、実施形態1に記載の方法。
7.Rが、メチルである、実施形態1に記載の方法。
8.Rが、メチルピペラジニルメチルである、実施形態1に記載の方法。
9.以下の式(II):


Figure 2023502661000015
またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグにおける構造を有し:
式中、Rが、-COORであり;
が、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRが、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSO部分で独立して置換され得;
が、低級アルキル基であり;
及びRが、独立して、水素またはアルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCOR部分で置換され得;
及びRが、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bが、OまたはSである、実施形態1に記載の方法。
10.(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレートから選択される、実施形態9に記載の方法。
11.以下の式(III):
Figure 2023502661000016
またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグにおける構造を有し:
式中、Rが、-COORであり;
が、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRが、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSO部分で独立して置換され得;
が、低級アルキル基であり;
及びRが、独立して、水素またはアルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCOR部分で置換され得;
及びRが、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bが、OまたはSである、実施形態1に記載の方法。
12.(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレートの中から選択される、実施形態11に記載の方法。
13.以下の式(IV):
Figure 2023502661000017
またはその医薬的に許容可能な塩もしくはそのプロドラッグにおける構造を有し:
式中、Rが、-COORであり;
が、Hまたはプロドラッグ部分、任意にカルバメートまたはアミドであり;
及びRが、独立して、H、アリールまたはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSO部分で独立して置換され得;
が、低級アルキル基であり;
及びRが、独立して、水素またはアルキル、シクロアルキル、複素環、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCOR部分で置換され得;
及びRが、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
Bが、OまたはSである、実施形態1に記載の方法。
14.(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレートの中から選択される、実施形態13に記載の方法。
15.前記炎症性腸疾患が、潰瘍性大腸炎またはクローン病である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
16.前記処置が、前記対象の体重を改善する、実施形態1に記載の方法。
17.前記処置が、前記対象の下痢を改善する、実施形態1に記載の方法。
18.前記処置が、前記対象の発熱を軽減する、実施形態1に記載の方法。
19.前記処置が、前記対象の疲労を軽減する、実施形態1に記載の方法。
20.前記処置が、前記対象の腹痛を軽減する、実施形態1に記載の方法。
21.前記処置が、前記対象の排便を軽減する、実施形態1に記載の方法。
22.前記処置が、前記対象の痙攣を軽減する、実施形態1に記載の方法。
23.前記処置が、前記対象の血便を軽減する、実施形態1に記載の方法。
24.前記処置が、前記対象の食欲を改善する、実施形態1に記載の方法。
25.前記処置が、結腸の構造ダメージを軽減する、実施形態1に記載の方法。
26.前記処置が、クローン病患者のクローン病活動指数を改善する、実施形態15に記載の方法。
27.前記処置が、潰瘍性大腸炎の対象のMayoスコアを改善する、実施形態15に記載の方法。
28.有効量の前記式(I)の化合物を、結腸に直接投与することを含む、実施形態1に記載の方法。
29.前記化合物が経口投与され、実質的に結腸に到達する、実施形態28に記載の方法。
30.前記化合物が、クリームとして結腸内または上に直接投与される、実施形態28に記載の方法。
31.前記化合物が、ゲルとして結腸上または内に直接投与される、実施形態28に記載の方法。
32.前記化合物が、ローションとして結腸上または内に直接投与される、実施形態28に記載の方法。
33.前記化合物が、泡状物質として結腸上または内に直接投与される、実施形態28に記載の方法。
34.前記化合物が、坐剤を介して結腸に送達される、実施形態28に記載の方法。
35.前記坐剤が、前記式(I)の化合物を含有し、前記坐剤が、水分または熱に曝露したときに溶解または溶融する、実施形態34に記載の方法。
36.前記坐剤が、生分解性材料から構成される、実施形態34に記載の方法。
均等物
以下の代表的な実施例は、本開示の例示を補助することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図せず、そう解釈されるべきでもない。事実、本明細書に示され、記載されるものに加え、本発明のさまざまな変形、及びその多くのさらなる実施形態は、当業者にとって、以下の実施例及び本明細書で引用される科学文献及び特許文献に対する参照を含む、この書類の全内容から明らかとなるだろう。それらの引用される参考文献の内容が参照により本明細書に組み込まれて、先行技術の例示を補助することがさらに理解されるべきである。
以下の実施例は、本発明のさまざまな実施形態及びその均等物における本発明の実施に適応させることができる重要な追加情報、例示及びガイダンスを含有する。
実施例1
提供化合物の合成
本明細書に記載の化合物の合成及び精製は、2013年1月26日に出願され、2013年8月1日にWO2013/112959として公開されたPCT/US2013/23324に開示されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
例示的な化合物、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート(「化合物1」)の合成を以下に示す。
Figure 2023502661000018
ステップ1:2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボン酸メチル(1g、5.20mmol)のAcO(10mL)溶液に、オルト安息香酸トリエチル(3.40g、15.59mmol)を室温にて加え、混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を蒸発させ、得られた残渣を、5%CHOHのジクロロメタンを溶離液として使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(E)-メチル1-アセチル-3-(エトキシ(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレートを、橙色固体として得た。H NMR (CDCl, 500 MHz): δ 8.25 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 8.04 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 7.53-7.60 (m, 3H), 7.38-7.45 (m, 2H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 2.63 (s, 3H), 1.42 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
ステップ2:(E)-メチル1-アセチル-3-(エトキシ(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート(2.6g、7.10mmol)のDMF(5mL)溶液に、N-(4-アミノフェニル)-N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド(1.94g、7.43mmol)を室温にて加え、反応混合物を110℃に加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、ピペリジン(3mL)で処理し、30分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、得られた残渣を、5%CHOHのジクロロメタンを溶離液として使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレートを、黄色固体として得た。MS (ES+): m/z 541.1 (MH)。
本明細書に記載の他の化合物は、一般知識とともに、同じ手順を使用して調製することができ、それには、限定されないが、以下が含まれる:
(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、
(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、
(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;
(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート;及び
(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート。
実施例2
炎症性腸疾患モデル:酢酸(AA)
酢酸誘発性大腸炎は、IBDの一般的な実験動物モデルである。酢酸で処理された動物は、ヒトの潰瘍性大腸炎と共通する多くの病理学的及び組織病理学的特徴を発症する。酢酸の直腸投与は、粘膜上皮にダメージを与え、潰瘍性大腸炎を誘発する。酢酸誘発性大腸炎で発症する粘膜病変の重症度は、酢酸濃度及び曝露の長さに依存する。例えば、胃の内腔に25%酢酸(AA)を注射すると、5%酢酸を注射するよりも大きな潰瘍性病変が生じる。異なる濃度の酢酸及び異なる曝露時間が、ラットモデルでIBDを誘発することが報告されている。腸壁のすべての層における経壁壊死、腸組織の重度の好中球浸潤、杯細胞枯渇、浮腫、及び粘膜下潰瘍は、このモデルの一般的な症状である。血性下痢、腸粘液の減少、核酸(DNA及びRNA)及び総タンパク質含有量の低減、ならびに結腸重量及び血管透過性の増加も観察されている。酢酸誘発性大腸炎では、MPO活性及びMDAレベルが上昇し、GSH、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)及びCATの含有量が有意に減少する。血清硝酸及び乳酸デヒドロゲナーゼ、カスパーゼ-3、炎症促進性メディエーターiNOS、COX-2、IL-1、IL-6、及びTNF-αはすべて、酢酸処理動物で有意に増加した。酢酸誘発性大腸炎は、NF-κB、κBの阻害剤(IκB)及びIκBキナーゼ発現の変化にも関連する。
すべての試験は、承認されたInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)プロトコルに従って実施した。すべての研究手順は資格のある担当者によって実施され、承認されたIACUCプロトコル及び標準操作手順に従った。最終研究報告で報告されたデータはすべて、治験責任医師または研究ディレクターによってレビューされた。
雄CD-1マウスに、4%AAの生理食塩水を、150μL容量で、直腸浣腸を通してイソフルラン麻酔下で注入した。シャムグループ(n=6)には、同量の生理食塩水を投与した。AA(またはシャム)注入の72時間後、数匹のマウスを犠牲死させて、体重の低減(図1A)、結腸重量の増加(図1B)、結腸長さの減少(図1C)、及び肉眼的形態学的結腸ダメージの増加(図1D)を含む有意なAA誘発性IBD病理を実証した。
次に、残りのAA処理マウス(各群についてn=9)を、50mg/kg、PO、BIDで3日間のビヒクル及び/または化合物1処置に無作為化した。化合物1処置は、ビヒクルコホートと比較して、結腸長さの低減(図2A)、肉眼的形態学的結腸ダメージ(図2B)及び粘膜壁厚の低減及び陰窩/絨毛構造の保存による組織病理学的結腸ダメージ(図2C、図2D、及び図2E)を有意に緩和した。
実施例3
炎症性腸疾患モデル:2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)
TNBS(2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸)/エタノールの結腸内投与は、最初の週に血性下痢及び劇的な体重減少を特徴とし、結腸ダメージスコアが増加する、重度の疾病を誘発する(Mateus,V.,et al.Clin.Exp.Gastroenterol.2018;11:325-334)。急性大腸炎及びIBDの初期段階に特徴的な、TNBS誘発性大腸炎は、齧歯動物で一般的に利用されている動物モデルであり、ヒトクローン病と重要な特性を共有している。このモデルの利点には、再現性及び技術的簡潔性が含まれる(Filipescu,I.E.,et al.PLoS One 2018 Aug 23;13(8):e0202929)。TNBS誘発性大腸炎の使用は、疾患の免疫病因を媒介するメカニズムを解明する上で貴重である。TNBS誘発性大腸炎は、抗TNFα、コルチコステロイド、天然化合物及び伝統医学などの潜在的な治療効果を有する化合物を評価するための十分に検証された動物モデルである(Mateus 2018;Filipescu 2018;Wirtz,S.et al.Nat.Protoc.2017 Jul;12(7):1295-1309)。それゆえ、化合物1を、TNBS誘発性IBD/急性大腸炎の十分に確立されたモデルで試験した。
このIBDモデルでは、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使用して、疾患を誘発した。炎症性腸疾患(IBD)/急性大腸炎モデルは、Charles River Laboratories(CRL)からの、体重30~35グラムの雄CD-1マウスで実施した。ベンダーから受け取った後、動物を、動物施設の標準操作手順に従って、少なくとも5日、動物施設に順応させた。すべての動物に、通常食を給餌し、水は自由摂取とし、12:12時間の明暗サイクル及び独立した換気、温度及び湿度制御を備えた動物施設の単一の部屋に収容した。
化合物1を、蒸留水に0.9mg/mL、2.7mg/mL及び8.1mg/mLにて溶解し、200μLを、各マウスに強制経口投与した。
使用される他の試薬には、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)(Sigma、カタログ番号P2297)、10%中性緩衝ホルマリン、F4/80抗体(Cl:A3-1(MCA497)Bio-Rad)、MPO軽鎖抗体(C-3):sc-390109、抗ラット二次抗体sigma-カタログ番号AP136P)、抗マウス免疫グロブリン(Sigma、安定したジアミノベンジデン(DAB-カタログ番号:750118、過酸化水素(H2O2)、BSA、PBS及びTriton(登録商標)X-100が含まれる。
雄CD-1マウスを、一晩飢餓状態にした。次に、マウス(n=33)に、5%TNBS(2mg/マウス)の50%エタノールを、100μL容量で、直腸浣腸を介してイソフルラン麻酔下で注入した。シャム群(n=6)には、同量の50%エタノールを投与した。TNBS(またはシャム)注入の72時間後、数匹のマウス(n=5)を犠牲死させて、シャム(n=2)と比較して、体重の低減(図4A)、結腸長さの減少(図4B及び4D)、及び結腸肉眼的形態学的巨視的ダメージスコアの増加(図4C)を含む、有意なTNBS誘発性結腸炎症及び病理を実証した。残りのシャム(n=4)及びTNBSマウス(n=7/群)を、5mg/kg、15mg/kg、及び45mg/kg、PO、BIDで4日間のビヒクルまたは化合物1処置に無作為化した。
化合物1またはビヒクル処置の4日後、マウスを犠牲死させた。体重(図5)、結腸長さ(図6及び図8)、結腸重量(図7)、及び肉眼的形態学的スコア/疾患重症度スコア(図9;正常=0及び重度=4)を記録した。血液/血清を採取した。結腸の中央部及び遠位部を、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、結腸の近位部を液体窒素で急速凍結し、使用するまでマイナス80℃で保管した。
組織学的スコアリング。ホルマリンで一晩固定した後、組織を脱水(段階的アルコール)及び清澄化(キシレン)してから、パラフィンワックスに包埋した。組織の切片を切り取り、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色し、盲検様式でスコアを付けた(図10)。組織学的スコアリングは、公開されている半定量的スコアリングシステムに基づいた(Lab Invest.1993 Aug;69(2):238-49)。以下をランク付けした:正常な粘膜構造の破壊の程度(0、正常;1、2、及び3、それぞれ軽度、中程度、及び広範囲のダメージ)、細胞浸潤の存在及び程度(0、正常;1、2、及び3、それぞれ軽度、中程度、及び経壁浸潤)、筋肉肥厚の程度(0、正常;1、2、及び3、それぞれ軽度、中程度、及び広範囲の肥厚)、陰窩ダメージ/杯細胞枯渇(0、杯細胞の喪失なし、1、2、3はそれぞれ杯細胞の軽度、中程度及び広範囲の喪失(図11)。各特徴のスコアは、12の最大可能結腸損傷スコアと合計した(図12)。
アルシアンブルー/ファストレッド染色。ホルマリン固定、パラフィン包埋結腸組織切片をアルシアンブルー染色に使用して、陰窩ダメージ/杯細胞喪失を評価した。アルシアンブルー染色では、切片を、1%アルシアンブルーの3%酢酸、pH2.5で30分間、及び0.1%核ファストレッドで10秒間インキュベートした。染色後、切片をエタノールで脱水し、キシレンで清澄化し、Cytoseal(商標)60でマウントした。画像は、ニコンの顕微鏡で撮影した。杯形態を伴うアルシアンブルー陽性細胞は、よく配向された結腸断面である(図13)。杯細胞の数及び成熟度、ならびに粘液の含有量、細胞浸潤の強度、ならびにそれらの特徴を、組織学的評価によって決定した。生物定量的画像分析を行って、各切片及び各群の青色に染色された杯細胞を定量化して、統計的有意性を評価した(図14及び図15)。
MPO及びF4/80の免疫組織化学的(IHC)染色。結腸組織を、4.0%緩衝パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィンに包埋し、厚さ5μmの切片にスライスした。内因性ペルオキシダーゼを、3.0%過酸化水素のメタノールで30分間クエンチした。切片を、3.0%ウシ血清アルブミン(BSA)のPBSでさらにブロックし、非特異的抗体結合を減少させるために0.5%Triton(登録商標)X-100に1時間曝露し、ラット抗マウスマウスF4/80抗体(Cl:A3-1(MCA497)Bio-Rad)及びマウスMPO軽鎖抗体(C-3):sc-390109、SantaCruz)と、4℃にて一晩インキュベートした。切片をPBSで3回洗浄し、F4/80に関してはHRPコンジュゲート抗ラット二次抗体Sigma-カタログ番号AP136P)、MPOに関しては抗マウス免疫グロブリン(Sigmaカタログ番号AP130P)と、1時間インキュベートした後、1×PBSで3回洗浄した。次に、切片を安定したジアミノベンジジン(DAB、Invitrogenカタログ番号:750118)と2~3分間インキュベートして、きれいな染色を得た。次に切片をPBSで洗浄し、ヘマトキシリンで対比染色した。一連の漸増濃度のエタノール洗浄で脱水した後、切片を中性ガムでマウントした。コンピュータを備えたニコン顕微鏡を使用して、処置に対して盲検化された研究者によって、10倍の倍率の画像での確率場をキャプチャした(図16及び図19)。各切片の陽性染色面積及び総組織面積を、Bioquant画像分析ソフトウェアプログラム(Nashville,TN)を使用して定量化した。陽性染色の結果は、各IHC染色に関して組織面積の割合(%)として表した(図17、図18、図20、及び図21)。
結果は、平均±SEM/群として表した。統計的有意性に関して、対応のないT検定を使用した。p<0.05の場合、結果は有意であると見なされる。
結果。処置前の肉眼的形態学的観察。TNBS(またはシャム)注入の3日後、マウスの1つのグループ(n=5)を犠牲死させて、全体的な動物の健康及び結腸に対するTNBS誘発性効果を評価した。シャム注射された動物(n=2)を、対照として使用した。図4に示すように、TNBSは、体重を減少させ(図4A)、結腸長さを減少させ(図4B、図4D)、結腸ダメージスコアによって決定されるように、結腸ダメージを誘発する(図4C)ことが見出された。疾患重症度スコアDAIは、文献(PPAR Res.2018:6079101)に記載されている通りに決定した。簡潔には、0(正常)~4(重度)のスコアは、体重減少、結腸の外観、便性状及び直腸出血の肉眼的形態学的観察に基づいて、2人の独立したオブザーバーによって割り当てられる。
全体として、TNBS投与の3日後、及び動物をビヒクルまたは化合物1処置群に無作為化する前に、結腸への有意なTNBS誘発性ダメージが観察された。
結腸肉眼的形態学的エンドポイント。動物を、4日間、ビヒクルまたは化合物1(5mg/kg、15mg/kg、及び45mg/kg、BID、PO)で処置し、その後、動物を犠牲死させた。動物の体重を測定し、結腸を採取し、結腸重量及び長さを測定した(図5、図6、図7、及び図8)。全体的な疾患重症度を、前述の通りにスコア付けした(図9)。15mg/kg及び45mg/kg、BIDでの化合物1処置は、体重、結腸重量及び結腸長さを有意に回復させた。15mg/kg及び45mg/kgでは、疾患重症度指数にも顕著な改善が見られた。
結腸組織学。H&E染色された結腸組織切片(図10に示す代表的な切片は、2人の独立したオブザーバーによって、以前に公開されたシステム(Lab Invest.1993 Aug;69(2):238-49)を使用して、以下のパラメータに関してスコア付けされた:結腸構造(正常、0~陰窩全体の喪失を伴う重度の陰窩歪み、3)、炎症性細胞浸潤の程度(正常、0~高密度の炎症性浸潤、3)、筋肉肥厚(正常、0~顕著な筋肉肥厚の存在、3)、陰窩ダメージ/及び杯細胞の喪失(0~3)。各個々のスコアの組織学的ダメージスコアを図11に示す。複合/総組織学的ダメージスコアは、各個々のスコアの合計であり、図12に示す。組織学的スコアリングは、15mg/kg及び45mg/kgでの化合物1処置が、処置前及びビヒクル処置動物と比較して、結腸組織学を顕著に改善したことを示した。
陰窩構造/杯細胞。結腸組織切片をアルシアンブルーで染色して、陰窩構造/杯細胞を評価した(代表的な切片を図13に示す)。アルシアンブルー染色の程度を定量化して、陰窩ダメージ及び杯細胞喪失を決定した(図14及び図15)。15mg/kg及び45mg/kgでの化合物1処置は、処置前及びビヒクル処置動物と比較して、TNBS誘発性杯細胞喪失を有意に減少させた(図14及び図15)。
細胞浸潤マーカーミエロペルオキシダーゼ(MPO)及びF4/80。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、好中球で豊富に発現し、F4/80発現は好酸球に限定されている。それゆえ、これらのマーカーの染色は、炎症を示す。結腸組織を染色し、MPO(代表的な切片を図16に示す;定量化を図17及び図18に示す)及びF4/80(代表的な切片を図19に示す;定量化を図20及び図21に示す)の両方について強度を定量化した。MPOで染色された結腸組織の定量分析(図17及び図18エラー!参照元が見つかりません。)は、5mg/kg以上での化合物1処置により、TNBS+ビヒクル処置動物と比較してMPO染色が有意に低減したことを示した。F4/80で染色された結腸組織の定量分析は、15mg/kg以上での試験化合物処置により、TNBS+ビヒクル処置動物と比較してF4/80染色が有意に低減したことを示した(図20及び21)。
実施例4
炎症性腸疾患モデル:デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)
DSSは、タイトジャンクション構成タンパク質を変化させ、腸バリアの破壊をもたらす硫酸化ポリマーであり、上皮細胞に対して毒性がある。DSS誘発性動物IBDモデルで得られた結果は、IBDの病因の理解及び潜在的な治療剤のスクリーニングに役立っている。DSS誘発性IBDは、簡潔で再現性があり、潰瘍性大腸炎の症状に似た症状をもたらす。IBDの急性、慢性、または再発性の症状の発症は用量依存的であり、DSSの分子量が大腸炎の誘発だけでなく誘発の位置においても鍵となる。例えば、比較研究では、5kDa及び40kDaのDSSで処理した動物では大腸炎が発症したが、500kDaでは発症せず、40kDaの投与後に重度の大腸炎が下行結腸で発症したのに対し、5kDa後では、軽度の大腸炎が盲腸及び上行結腸で発症したことが見出された。さまざまなDSS投与量及び期間を使用して、いくつかの動物モデルでIBDを誘発する。DSS投与後、動物は通常、体重減少及び重度の血性下痢を伴う大腸炎を発症する。DSS大腸炎は、粘膜潰瘍、白血球浸潤、腸陰窩の歪み及び上皮過形成を特徴とする。
DSS大腸炎は上皮細胞損傷をもたらし、高分子への腸粘膜の透過性を高めると考えられている。DSS大腸炎は、腸内細菌叢の制御不全を伴い、先天性及び適応性のリンパ要素の刺激ならびに炎症促進性サイトカイン及びケモカインの分泌に関連する。パイエル板のCD3+Tリンパ球、腸間膜リンパ節のナチュラルキラー(NK)及びBリンパ球、ならびに上皮内リンパ球のNK CD8細胞の割合(%)は、DSS処理動物で上昇する。Tヘルパー及び細胞傷害性T細胞によるP-セレクチン糖タンパク質リガンド-1、白血球機能関連抗原-1、及びC-Cケモカイン受容体9型の発現も、DSS処理後に増加する。インターロイキン(IL)-1、IL-1、IL-6、IL-17、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エオタキシン-1、単球化学誘引物質タンパク質1、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1、及びMIP-1を含む、組織サイトカイン及びケモカインレベルも、DSSへの曝露後に変化する。GSH及びカタラーゼ(CAT)の低減、活性酸素種(ROS)、マロンジアルデヒド(MDA)、一酸化窒素及びミエロペルオキシダーゼ(MPO)の増加によって示されるように、酸化還元状態も乱れる。核因子-κB(NF-κB)経路の活性化は、DSS誘発性大腸炎の病因と連結しており、DSSは、B細胞リンパ腫(Bcl)-2及びBcl-2関連Xタンパク質(Bax)アポトーシス因子、及び受容体相互作用タンパク質3、混合系統キナーゼドメイン様タンパク質、ならびにカスパーゼ-8ネクロプトーシス因子を調節することにより細胞死シグナル伝達を誘発する。細胞死の増加により生じる腸炎症は、IBDで発生することが報告されている。
成体雄CD-1マウスに、3%DSSの飲料水を5日間、通常の飲料水を5日間の交互サイクルにて与え、4週間で合計3回のDSSサイクルを続けた。このモデルは、慢性大腸炎/IBDを誘発するために確立されている。ビヒクル(n=10/群)または化合物1(50mg/kg、PO、BID)を、DSSの72時間後に投与し、4週間処置を続けた後、すべてのマウスを犠牲死させた。通常の飲料水を用いた小群(n=6)を、シャム対照として含んだ。肉眼的形態学的及び組織病理学的エンドポイントを評価した。加えて、すべての群からの中結腸由来組織(100mg)を、線維性エンドポイントとしてコラーゲン推定のためにヒドロキシプロリンアッセイに供した。
DSS-ビヒクルコホートは、最も短い結腸長さを有した;DSS-化合物1コホートは、DSS-ビヒクルコホートと比較して、結腸長さが有意に増加していた(図22A及び図22B)。化合物1処置は、外観、炎症及び直腸出血に関して巨視的結腸ダメージスコアを低減させ、結腸ヒドロキシプロリンを低減させ(図22D)、H&E染色結腸切片で見られるように陰窩ダメージ、上皮侵食及び炎症性細胞浸潤に基づく組織病理学的損傷スコアを低減させた(図22C、図22E及び図22F)。これらの結果は、化合物1が炎症誘発性線維症の進行を防止し得ることを示す。
実施例5
炎症性腸疾患モデル:2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)
実施例3に記載したものと同じIBDのTNBSマウスモデルを使用して、実験を、50mg/kg用量の化合物1を用いて以下に記載する通りに行った。
雄CD-1マウスに、TNBS(2mg/マウス)の45%エタノール及び5%PBSを、150μL容量で、直腸浣腸を通してイソフルラン麻酔下で注入した。シャム群(n=6)には、同量の45%エタノール及びPBS混合物を投与した。TNBS(またはシャム)注入の72時間後、数匹のマウスを犠牲死させて、体重の低減(図24A)、結腸長さの減少(図24B)、及び結腸ダメージの増加(図24C)を含む、有意なTNBS誘発性IBD病理を実証した。
残りのTNBSマウス(n=12/群)を、50mg/kg、PO、BIDで3日間のビヒクルまたは化合物1処置に無作為化した。化合物1を用いた遅延処置は、ビヒクルコホートと比較して、有意に死亡率を低減させ(図3)、結腸長さを回復させ(図25A及び図25B)、結腸ダメージスコアを低減させ(図25C)、陰窩/絨毛の杯細胞のアルシアンブルー染色によって表される結腸構造を保存し(図25D及び図25E)、結腸組織病理学的スコアを低減させた(図25F)。
IBD患者での観察と一致して、インターロイキン-1α、TNFα及びPDGFの血清レベルは、TNBS誘発性大腸炎モデルにおいて上昇した。化合物1処置は、血清サイトカインのTNBS誘発性増加を有意にブロックした(図26)。
本発明のある特定の特徴を本明細書に例示及び記載してきたが、当業者にはこれで多くの変形、置換、変更、及び均等物が生じるだろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲が本発明の真の趣旨に入るようなかかる変形及び変更すべてを網羅することを意図することが理解されたい。

Claims (33)

  1. 炎症性腸疾患を処置するための方法であって、それを必要とする対象に、式(I):
    Figure 2023502661000019
    の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含み、式中:
    が、-COORであり;
    が、Hであり;
    及びRが、独立して、H、アリール、またはヘテロアリールであり、これは任意に、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで独立して置換され得;
    が、低級アルキル基であり;
    及びRが、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルであり、これらは任意に、アルキル、OR、COOR、NR、またはNHCORで置換され得;
    及びRが、独立して、Hまたは低級アルキル基であり;
    Aが、NまたはCHであり、1つのAが、窒素であり;
    Bが、OまたはSである、前記方法。
  2. 前記化合物が、式(II):
    Figure 2023502661000020
    のものまたはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が、式(III):
    Figure 2023502661000021
    のものまたはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記化合物が、式(IV):
    Figure 2023502661000022
    のものまたはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  5. が、水素である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. が、水素である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. が、1つまたは複数の低級アルキル、ハロゲン、OR、NO、CN、NH、NR、NRCORまたはNRSOで任意に置換されたフェニルである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. が、NRCORで置換されたフェニルである、請求項7に記載の方法。
  9. が、メチルである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. が、メチルである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. が、
    Figure 2023502661000023
    である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. Bが、Oである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  23. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  24. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((2-(エチル(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-((3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)(メチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(2-(ジメチルアミノ)-N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  29. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  30. 前記化合物が、(Z)-メチル3-(((4-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アミノ)(フェニル)メチレン)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-6-カルボキシレート、またはその医薬的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記対象が、潰瘍性大腸炎に罹患しているか、または潰瘍性大腸炎に罹患しやすい、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記対象が、クローン病に罹患しているか、またはクローン病に罹患しやすい、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記組成物が、医薬組成物として投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
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